JP2019056727A - 重合性液晶組成物、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置 - Google Patents

重合性液晶組成物、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、熱耐久性に優れた位相差フィルムを作製できる重合性液晶組成物、これを用いて得られる位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置を提供することを課題とする。【解決手段】所定の一般式(I)で表される化合物と、所定の一般式(II)で表される重合性液晶化合物と、を含有する、重合性液晶組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、重合性液晶組成物、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置に関する。
従来から、位相差フィルムと偏光子とを有する偏光板が、光学補償や反射防止などを目的として、液晶表示装置や有機電界発光装置などに用いられている。
近年、可視光域の光線が混在している合成波である白色光に対して、全ての波長の光線に対応して同様の効果を与えることができる偏光板(いわゆる広帯域偏光板)の開発が進められており、特に、偏光板が適用される装置の薄型化の要求から、偏光板に含まれる位相差フィルムについても薄型化が求められている。
上記の要求に対して、例えば特許文献1および2においては、位相差フィルムの形成に使用する重合性化合物として、逆波長分散性の重合性液晶化合物の利用が提案されている。
国際公開第2014/010325号 特開2011−207765号公報
しかしながら、特許文献1および2に記載されている逆波長分散性の重合性液晶(重合性化合物)を用いて形成された位相差フィルムを有する偏光板を作製し、この偏光板を高温下の条件に長時間曝した場合、面内のレターデーション(Re)の変動値が大きくなりすぎてしてしまい(すなわち、熱耐久性の低下)、所望の光学性能が得られないことが明らかとなった。
そこで、本発明は、熱耐久性に優れた位相差フィルムを作製できる重合性液晶組成物、これを用いて得られる位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置に関する。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、所定の化合物を含有する重合性液晶組成物を用いることで、熱耐久性に優れた位相差フィルムを作製できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者らは、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
[1] 後述する一般式(I)で表される化合物と、後述する一般式(II)で表される重合性液晶化合物と、を含有する、重合性液晶組成物。
[2] 後述する一般式(I)で表される化合物と、後述する一般式(II)で表される重合性液晶化合物を含有する光学フィルム。
[3] 上記[2]に記載の光学フィルムが位相差フィルムであって、
波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差フィルム。
[4] 位相差フィルムがポジティブAプレートである、[3]に記載の位相差フィルム。
[5] ポジティブAプレートがλ/4板である、[4]に記載の位相差フィルム。
[6] 上記[3]〜[5]のいずれか1つに記載の位相差フィルムと、偏光子と、を有する、偏光板。
[7] 上記[6]に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
[8] 上記[6]に記載の偏光板を有する、有機電界発光装置。
以下に示すように、本発明によれば、熱耐久性に優れた位相差フィルムを作製できる重合性液晶組成物、これを用いて得られる位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置を提供することができる。
以下に、本発明の重合性液晶組成物、位相差フィルム、偏光板、液晶表示装置および有機電界発光装置について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、角度について「直交」および「平行」とは、厳密な角度±10°の範囲を意味するものとし、角度について「同一」および「異なる」は、その差が5°未満であるか否かを基準に判断できる。
また、本明細書では、「可視光」とは、380〜780nmのことをいう。また、本明細書では、測定波長について特に付記がない場合は、測定波長は550nmである。
次に、本明細書で用いられる用語について説明する。
<遅相軸>
本明細書において、「遅相軸」とは、面内において屈折率が最大となる方向を意味する。なお、位相差フィルムの遅相軸という場合は、位相差フィルム全体の遅相軸を意図する。
<傾斜角>
本明細書において、「傾斜角」(チルト角とも称する)とは、傾斜した液晶化合物が層平面となす角度を意味し、液晶化合物の屈折率楕円体において最大の屈折率の方向が層平面となす角度のうち、最大の角度を意味する。したがって、正の光学的異方性を持つ棒状液晶化合物では、チルト角は棒状液晶化合物の長軸方向すなわちダイレクター方向と層平面とのなす角度を意味する。また、本発明において、「平均チルト角」とは、位相差フィルムの上界面でのチルト角から下界面までのけい角の平均値を意味する。
<Re(λ)、Rth(λ)>
本明細書において、「Re(λ)」および「Rth(λ)」とは、それぞれ、波長λにおける面内のレターデーション、および、厚さ方向のレターデーションを表す。
Re(λ)は、KOBRA 21ADHまたはKOBRA WR(いずれも王子計測機器(株)製)において、波長λnmの光をフィルム法線方向に入射させて測定される。測定波長λnmの選択にあたっては、波長選択フィルターをマニュアルで交換するか、または測定値をプログラム等で変換して測定することができる。
ここで、測定されるフィルムが、1軸または2軸の屈折率楕円体で表されるものである場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)のフィルム法線方向に対して法線方向から片側50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて全部で6点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにおいて算出される。
上記において、法線方向から面内の遅相軸を回転軸として、ある傾斜角度にレターデーションの値がゼロとなる方向をもつフィルムの場合には、その傾斜角度より大きい傾斜角度でのレターデーション値はその符号を負に変更した後、KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにおいて算出される。
なお、遅相軸を傾斜軸(回転軸)として(遅相軸がない場合にはフィルム面内の任意の方向を回転軸とする)、任意の傾斜した2方向からレターデーション値を測定し、その値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基に、以下の数式(1)および数式(2)よりRthを算出することもできる。
式中、Re(θ)は法線方向から角度θ傾斜した方向におけるレターデーション値を表す。また、nxは面内における遅相軸方向の屈折率を表し、nyは面内においてnxに直交する方向の屈折率を表し、nzは、nxおよびnyに直交する方向の屈折率を表す。dはフィルムの膜厚を表す。
測定されるフィルムが1軸や2軸の屈折率楕円体で表現できないもの、いわゆる光学軸(OPTIC AXIS)がないフィルムの場合には、以下の方法によりRth(λ)が算出される。
Rth(λ)は、Re(λ)を、面内の遅相軸(KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにより判断される)を傾斜軸(回転軸)としてフィルム法線方向に対して−50度から+50度まで10度ステップで各々その傾斜した方向から波長λnmの光を入射させて11点測定し、その測定されたレターデーション値と平均屈折率の仮定値および入力された膜厚値を基にKOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにより算出される。
上記の測定において、平均屈折率の仮定値は、ポリマーハンドブック(JOHN WILEY&SONS,INC)、各種光学フィルムのカタログの値を使用することができる。平均屈折率の値が既知でないものについてはアッベ屈折計で測定することができる。主な光学フィルムの平均屈折率の値を以下に例示する:セルロースアシレート(1.48)、シクロオレフィンポリマー(1.52)、ポリカーボネート(1.59)、ポリメチルメタクリレート(1.49)、ポリスチレン(1.59)である。これら平均屈折率の仮定値と膜厚を入力することで、KOBRA 21ADHまたはKOBRA WRにおいてnx、ny、nzが算出される。この算出されたnx、ny、nzによりNz=(nx−nz)/(nx−ny)が更に算出される。
[重合性液晶組成物]
本発明の重合性液晶組成物は、後述する一般式(A)で表される化合物(以下、単に「特定化合物」ともいう。)と、逆波長分散性の重合性液晶化合物(以下、単に「特定液晶化合物」ともいう。)と、を含有する。
本発明の重合性液晶組成物によれば、熱耐久性に優れた位相差フィルムを作製できる。この理由の詳細は未だ明らかになっていないが、以下の理由によるものと推測される。
重合性液晶化合物は分解を受けやすく、重合性液晶化合物の中でも逆波長分散性の重合性液晶化合物(特定液晶化合物)を使用した場合において、この問題が顕著になる傾向にある。
具体的には、発明者らは、特定液晶化合物を用いて作製した位相差フィルムを高温条件下に曝した場合、一定の誘導期間を経て、位相差フィルムに含まれる特定液晶化合物の分解が急激に起こり、面内のレターデーション値の変動が大きくなることを知見している。この理由は、以下の現象によるものと推測される。
すなわち、重合性液晶化合物を逆波長分散性にするための一つの方法として、電子求引性の性質を持たせることがあるが、これにより重合性液晶化合物を構成する炭素原子のプラスの分極が大きくなり、求核種(塩基性物質と推定)の攻撃を受けやすくなる。その結果、分解した重合性液晶化合物に由来する分解生成物(例えば、後述する一般式(II)を用いる場合には、Arに由来する2価の芳香環)が触媒となって、未反応の重合性液晶化合物の分解をさらに促進させるものと推測される。
このような問題に対して、発明者らがさらに検討を重ねたところ、本発明の特定化合物が存在することで、この現象を抑制できることが見出された。詳細な作用機構は不明であるが、下記のように推定している。この現象を抑制する化合物として、塩基性物質を中和するための水酸基を持つことおよび液晶化合物近傍に位置できることが必須と考えている。特定化合物が液晶化合物近傍に位置するためには、分子平面性が高いこと、液晶化合物との相溶性が高いこと(例えばアルコキシ基を含むことで液晶化合物との相溶性が高まることが知られている)で実現性が高まると推定している。
<一般式(I)で表される化合物(特定化合物)>
本発明の重合性液晶組成物は、下記一般式(I)で表される化合物(特定化合物)を含有する。
逆分散液晶化合物の耐久性を向上させる化合物群としては以下の一般式(I)に記載の化合物が好適である。
一般式(I)
一般式(I)中、共役系は以下の芳香族炭化水素の総称である。ベンゼン等の単環構造、またナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン等のベンゼン環1〜7個により形成される縮環構造やビフェニル、ターフェニル、テトラフェニル、ビナフチル、ビアントラニル等のベンゼン環1〜7個により形成される多環構造を表す。Rはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、1価のヘテロ環基、およびシリル基から選択される基のいずれかを表す。Rは1価の置換基を表す。但し、RとRは連結して環を形成することはない。l、m、nはそれぞれ1〜16の整数を表す。
一般式(I)中、共役系とは、以下の芳香族炭化水素の総称である。
ベンゼン等の単環構造、またナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン等のベンゼン環1〜7個により形成される縮環構造やビフェニル、ターフェニル、テトラフェニル、ビナフチル、ビアントラニル等のベンゼン環1〜7個により形成される多環構造を表す。
好ましくはベンゼン環1〜3個により形成される単環、縮環、多環構造が好ましく、もっとも好ましくはベンゼン環単環構造である。
式中、Rは、それぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、1価のヘテロ環基、およびシリル基から選択される基のいずれかを表す。
におけるアルキル基としては、それぞれ、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、炭素数1〜25のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜20のアルキル基が特に好ましい。アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オクチル基、エイコシル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、4−n−ドデシルシクロヘキシル基、ビシクロ[1,2,2]ヘプタン−2−イル基、ビシクロ[2,2,2]オクタン−3−イル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基が好ましい。
におけるアルケニル基としては、炭素数2〜30のアルケニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルケニル基がより好ましく、炭素数2〜15のアルケニル基が特に好ましい。アルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。アルケニル基の具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、1−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基などが挙げられ、中でも(ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基)が好ましい。
におけるアルキニル基としては、炭素数2〜30のアルキニル基が好ましく、炭素数2〜20のアルキニル基がより好ましく、炭素数2〜15のアルキニル基が特に好ましい。アルキニル基は、直鎖状、分岐状、環状であってもよく、さらに置換基を有していてもよい。アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−オクチニル基などが挙げられ、中でもエチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基が好ましい。
におけるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜14のアリール基がより好ましく、炭素数6〜10のアリール基が特に好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントラニル基、ピレニル基などが挙げられ、中でも、フェニル基、ナフチル基が好ましい。
における1価のヘテロ環基としては、炭素数1〜10のヘテロ環基が好ましく、炭素数2〜7のヘテロ環基がより好ましく、5員環又は6員環のヘテロ環基が特に好ましい。ヘテロ環基は、縮合環でもよく、芳香族とヘテロ環とが縮合していてもよい。ヘテロ環基の具体例としては、4−ピリジル基、2−フリル基、2−チエニル基、2−ピリミジニル基、2−ベンゾチアゾリル基などが挙げられ、中でも、4−ピリジル基、2−フリル基が好ましい。なお、ヘテロ原子としては、窒素原子、硫黄原子、酸素原子などが好ましく、硫黄原子がより好ましい。
におけるシリル基としては、炭素数3〜30のシリル基が好ましく、3〜27のシリル基がより好ましく、3〜24のシリル基が特に好ましい。シリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、フェニルジメチルシリル基などが挙げられ、中でも、トリメチルシリル基が好ましい。
上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、及びシリル基の中で水素原子を有するものは、これを取り去り更に下記の置換基で置換されていても良い。置換基の例としては、ハロゲン原子、アルキル基(シクロアルキル基、ビシクロアルキル基を含む)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、ヒドロキシル基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ、オキシアルキレン基、アミノ基(アニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキル及びアリールスルフィニル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリール及びヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基などが挙げられる。置換基は、2つ以上有していてもよく、1種以上からなっていてもよい。
一般式(I)においてRとして更に好ましくはアルキル基、アリール基、である。
lは1〜16の整数、好ましくは1〜5、もっとも好ましくは1〜3である。
lが2以上の場合、複数のR1は同一でも異なっていてもよい。R1同士で環を形成してもよい。
―OHは水酸基を表し、共役系に連結されている。
mは1〜16の整数、好ましくは1〜5、もっとも好ましくは1〜3である。
は1価の置換基であり、例えば、アルキル基、アルケニル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシルオキシ基、アミノ基、アルキルアミノ基、カルボンアミド基、スルホンアミド基、スルファモイルアミノ基、オキシカルボニルアミノ基、オキシスルホニルアミノ基、ウレイド基、チオウレイド基、アシル基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルフィニル基、スルファモイル基、カルボキシ基(塩を含む)、および、スルホ基(塩を含む)等が挙げられる。これらの基は、さらにこれらの基で置換されていてもよい。
以下において、上記置換基の具体例をさらに詳細に示す。
アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜18の直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、4−ヒドロキシブチル、3−メトキシプロピル、2−アミノエチル、アセトアミドメチル、2−アセトアミドエチル、カルボキシメチル、2−カルボキシエチル、2−スルホエチル、ウレイドメチル、2−ウレイドエチル、カルバモイルメチル、2−カルバモイルエチル、3−カルバモイルプロピル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ウンデシル、ドデシル、ヘキサデシル、および、オクタデシルなどを挙げることができる。
アルケニル基としては、好ましくは炭素数2〜18の直鎖、分岐鎖または環状のアルケニル基であり、例えば、ビニル、アリル、1−プロペニル、2−ペンテニル、1,3−ブタジエニル、2−オクテニル、および、3−ドデセニルなどを挙げることができる。
アラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜10のアラルキル基であり、例えば、ベンジルなどが挙げられる。
アリール基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリール基であり、例えば、フェニル、ナフチル、p−ジブチルアミノフェニル、および、p−メトキシフェニルなどが挙げられる。
ヘテロ環基としては、好ましくは、炭素原子、窒素原子、酸素原子、または硫黄原子から構成される5〜6員環の飽和または不飽和のヘテロ環基が挙げられる。環を構成するヘテロ原子の数及び元素の種類は1つでも複数であってもよく、例えば、フリル、ベンゾフリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、チエニル、インドリル、キノリル、フタラジニル、キノキサリニル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピペリジル、ピペラジニル、インドリニル、および、モルホリニルなどが挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、および、臭素原子などが挙げられる。
アルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜18のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、2−メトキシエトキシ、2−メタンスルホニルエトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、オクチルオキシ、ウンデシルオキシ、ドデシルオキシ、ヘキサデシルオキシ、および、オクタデシルオキシなどを挙げることができる。
アリールオキシ基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリールオキシ基が挙げられ、例えば、フェノキシ、および、p−メトキシフェノキシなどを挙げることができる。
アルキルチオ基としては、好ましくは炭素数1〜18のアルキルチオ基が挙げられ、例えば、メチルチオ、エチルチオ、オクチルチオ、ウンデシルチオ、ドデシルチオ、ヘキサデシルチオ、および、オクタデシルチオなどが挙げられる。
アリールチオ基としては、好ましくは炭素数6〜10のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ、および、4−メトキシフェニルチオなどを挙げることができる。
アシルオキシ基としては、好ましくは炭素数1〜18のアシルオキシ基であり、例えば、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、オクタノイルオキシ、ドデカノイルオキシ、および、オクタデカノイルオキシなどを挙げることができる。
アルキルアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜18であり、例えば、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブチルアミノ、オクチルアミノ、ジオクチルアミノ、および、ウンデシルアミノなどが挙げられる。
カルボンアミド基としては、好ましくは炭素数1〜18のカルボンアミド基であり、例えば、アセトアミド、アセチルメチルアミノ、アセチルオクチルアミノ、アセチルデシルアミノ、アセチルウンデシルアミノ、アセチルオクタデシルアミノ、プロパノイルアミノ、ペンタノイルアミノ、オクタノイルアミノ、オクタノイルメチルアミノ、ドデカノイルアミノ、ドデカノイルメチルアミノ、および、オクタデカノイルアミノなどが挙げられる。
スルホンアミド基としては、好ましくは炭素数1〜18のスルホンアミド基であり、例えば、メタンスルホンアミド、エタンスルホンアミド、プロピルスルホンアミド、2−メトキシエチルスルホンアミド、3−アミノプロピルスルホンアミド、2−アセトアミドエチルスルホンアミド、オクチルスルホンアミド、および、ウンデシルスルホンアミドなどが挙げられる。
オキシカルボニルアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜18のオキシカルボニルアミノ基であり、例えば、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、オクチルオキシカルボニルアミノ、および、ウンデシルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。
オキシスルホニルアミノ基としては、好ましくは炭素数1〜18のオキシスルホニルアミノ基であり、例えば、メトキシスルホニルアミノ、エトキシスルホニルアミノ、オクチルオキシスルホニルアミノ、および、ウンデシルオキシスルホニルアミノなどが挙げられる。
スルファモイルアミノ基としては、好ましくは炭素数0〜18のスルファモイルアミノ基であり、例えば、メチルスルファモイルアミノ、ジメチルスルファモイルアミノ、エチルスルファモイルアミノ、プロピルスルファモイルアミノ、オクチルスルファモイルアミノ、および、ウンデシルスルファモイルアミノなどが挙げられる。
ウレイド基としては、好ましくは炭素数1〜18のウレイド基であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、N,Nージメチルウレイド、オクチルウレイド、および、ウンデシルウレイドなどが挙げられる。
チオウレイド基としては、好ましくは炭素数1〜18のチオウレイド基であり、例えば、チオウレイド、メチルチオウレイド、N,N−ジメチルチオウレイド、オクチルチオウレイド、および、ウンデシルチオウレイドなどが挙げられる。
アシル基としては、好ましくは炭素数1〜18のアシル基であり、例えば、アセチル、ベンゾイル、オクタノイル、デカノイル、ウンデカノイル、および、オクタデカノイルなどである。
オキシカルボニル基としては、好ましくは炭素数1〜18のオキシカルボニル基であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、および、ウンデシルオキシカルボニルなどのアルコキシカルボニル基が挙げられる。
カルバモイル基としては、好ましくは炭素数1〜18のカルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、N,Nージメチルカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−オクチルカルバモイル、N,N−ジオクチルカルバモイル、および、N−ウンデシルカルバモイルなどが挙げられる。
スルホニル基としては、好ましくは炭素数1〜18のスルホニル基であり、例えば、メタンスルホニル、エタンスルホニル、2−クロロエタンスルホニル、オクタンスルホニル、および、ウンデカンスルホニルなどが挙げられる。
スルフィニル基としては、好ましくは炭素数1〜18のスルフィニル基であり、例えば、メタンスルフィニル、エタンスルフィニル、および、オクタンスルフィニルなどが挙げられる。
スルファモイル基としては、好ましくは炭素数0〜18のスルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、ジメチルスルファモイル、エチルスルファモイル、オクチルスルファモイル、ジオクチルスルファモイル、および、ウンデシルスルファモイルなどが挙げられる。
nは1〜16の整数、好ましくは2〜10、もっとも好ましくは3〜5である。
nが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。R同士で環を形成してもよい。
但し、RとRは連結して環を形成することはない。
以下に具体的化合物例を記載するが、本発明は以下の構造に限定されることはない。

特定化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
特定化合物の含有量は、重合性液晶組成物に含まれる特定液晶化合物100質量部に対して、0.02〜3質量部であることが好ましく、0.02〜1質量部であることが特に好ましく、0.03〜0.2質量部であることが最も好ましい。特定化合物の含有量が0.02質量部以上であることで、特定液晶化合物に由来する分解生成物の反応を抑制する効果が発現する。特に、特定化合物の含有量が5質量部以上の場合は、機構は不明であるがRe低下抑制効果が減少し、好ましくない。
特定化合物は、特定液晶化合物と同じ層に添加する以外に、他層に添加したのち、拡散させて特定液晶化合物と同じ層に存在することでも効果を発揮する。
<逆波長分散性の重合性液晶化合物(特定液晶化合物)>
本発明の重合性液晶組成物は、逆波長分散性の重合性液晶化合物(特定液晶化合物)を含有する。
ここで、本明細書において「逆波長分散性」の重合性液晶化合物とは、これを用いて作製された位相差フィルムの特定波長(可視光範囲)における面内のレターデーション(Re)値を測定した際に、測定波長が大きくなるにつれてRe値が同等または高くなるものをいい、後述するようにRe(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係を満たすものをいう。
また、本明細書における重合性液晶化合物とは、重合性基を有する液晶化合物のことを指す。
本発明の特定重合性液晶化合物の重合性基の種類は特に制限されず、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基などが挙げられる。
特定液晶化合物の種類は特に制限されないが、その形状から、棒状タイプ(棒状液晶化合物)と円盤状タイプ(円盤状液晶化合物。ディスコティック液晶化合物)に分類できる。さらにそれぞれ低分子タイプと高分子タイプがある。高分子とは一般に重合度が100以上のものを指す(高分子物理・相転移ダイナミクス,土井 正男 著,2頁,岩波書店,1992)。本発明では、いずれの液晶化合物を用いることもできる。2種以上の棒状液晶化合物、2種以上の円盤状液晶化合物、または、棒状液晶化合物と円盤状液晶化合物との混合物を用いてもよい。
これらの中でも、棒状液晶化合物を用いることが好ましい。棒状液晶化合物をホモジニアス(水平)配向させることで、形成される位相差フィルムをポジティブAプレートとして機能させることが容易になるという利点があるためである、
本発明の特定液晶化合物は、上記のように逆波長分散性のフィルムを形成できるものであれば特に限定されず、例えば、特開2008−297210号公報に記載の一般式(I)で表される化合物(特に、段落番号[0034]〜[0039]に記載の化合物)、特開2010−84032号公報に記載の一般式(1)で表される化合物(特に、段落番号[0067]〜[0073]に記載の化合物)、後述する一般式(II)で表される液晶化合物等を用いることができる。
上述した特定液晶化合物は、逆波長分散性により優れるという観点から、下記一般式(II)で表される液晶化合物を含むことが好ましい。
−G−D−Ar−D−G−L ・・・(II)
上記一般式(II)中、DおよびDはそれぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−CR−、−CO−O−CR−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−または−CO−NR−を表す。
、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。R、R、RおよびRのそれぞれが複数存在する場合には、複数のR、複数のR、複数のRおよび複数のRはそれぞれ、互いに同一でも異なっていてもよい。
およびGはそれぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−NH−で置換されていてもよい。
およびLはそれぞれ独立に、1価の有機基を表し、LおよびLからなる群から選ばれる少なくとも1種が、重合性基を有する1価の基を表す。
Arは、下記一般式(II−2)で表される2価の芳香環基を表す。

上記一般式(II−2)中、
、Zはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR1213または−SR12を表し、
12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、
およびAはそれぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−および−CO−からなる群から選ばれる基であって、R21は、水素原子または置換基を表し、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子(好ましくは、=O、=S、=NR’、=C(R’)R’が挙げられる(ここでR’は置換基を表す))を表す。
一般式(II)で表される液晶化合物の各置換基の定義および好ましい範囲については、特開2008−107767号公報に記載の一般式(I)で表される化合物についてのA、A、およびXに関する記載をそれぞれA、A、およびXについて参照できる。
特に、L、Lで示される有機基としては、それぞれ、特に、−D−G−Sp−Pで表される基であることが好ましい。
は、Dと同義である。
は、単結合、炭素数6〜12の2価の芳香環基もしくは複素環基、または炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−NR−で置換されていてもよく、ここでRは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。
Spは、単結合、−(CH−、−(CH−O−、−(CH−O−)−、−(CHCH−O−)、−O−(CH−、−O−(CH−O−、−O−(CH−O−)−、−O−(CHCH−O−)、−C(=O)−O−(CH−、−C(=O)−O−(CH−O−、−C(=O)−O−(CH−O−)−、−C(=O)−O−(CHCH−O−)、−C(=O)−N(R)−(CH−、−C(=O)−N(R)−(CH−O−、−C(=O)−N(R)−(CH−O−)−、−C(=O)−N(R)−(CHCH−O−)、−(CH−O−(C=O)−(CH−C(=O)−O−(CH−で表されるスペーサー基を表す。ここで、nは2〜12の整数を表し、mは2〜6の整数を表し、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。また、上記各基における−CH−の水素原子は、メチル基で置換されていてもよい。
は重合性基を示す。
重合性基は、特に限定されないが、ラジカル重合またはカチオン重合可能な重合性基が好ましい。
ラジカル重合性基としては、一般に知られているラジカル重合性基を用いることができ、好適なものとして、アクリロイル基またはメタクリロイル基を挙げることができる。この場合、重合速度はアクリロイル基が一般的に速いことが知られており、生産性向上の観点からアクリロイル基が好ましいが、メタクリロイル基も高複屈折性液晶の重合性基として同様に使用することができる。
カチオン重合性基としては、一般に知られているカチオン重合性を用いることができ、具体的には、脂環式エーテル基、環状アセタール基、環状ラクトン基、環状チオエーテル基、スピロオルソエステル基、ビニルオキシ基などを挙げることができる。中でも、脂環式エーテル基、ビニルオキシ基が好適であり、エポキシ基、オキセタニル基、ビニルオキシ基が特に好ましい。
特に好ましい重合性基の例としては下記が挙げられる。
なお、本明細書において、「アルキル基」は、直鎖状、分枝鎖状、または環状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペン
チル基、ネオペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(II)で表される液晶化合物の好ましい例を以下に示すが、これらの液晶化合物に限定されるものではない。
なお、上記式中、「*」は結合位置を表す。
II−2−8
II−2−9
なお、上記式II−2−8およびII−2−9中のアクリロイルオキシ基に隣接する基は、プロピレン基(メチル基がエチレン基に置換した基)を表し、メチル基の位置が異なる位置異性体の混合物を表す。
一般式(II)で表される液晶化合物を用いる場合には、特定液晶化合物中の一般式(II)で表される液晶化合物の含有量は、60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、70〜90質量%であることがさらに好ましい。70質量%以上であることで、逆波長分散性により優れる。
<重合性棒状化合物>
重合性組成物には、特定液晶化合物以外に、重合性棒状化合物を加えることができる。この重合性棒状化合物は液晶性の有無を問わない。重合性棒状化合物の添加により、重合性組成物の液晶配向性を制御することができる。
特定液晶化合物と混合して重合性組成物として扱うため、特定液晶化合物と相溶性が高いものであれば好ましく用いることができる。
特に、特開2015−163596に記載の式(I)の構造のものを好ましく用いることができる。
添加量は、特定液晶化合物に対して0〜30%が好ましく、0〜20%がさらに好ましい。
<重合開始剤>
光学異方性層を形成する重合性液晶組成物は、重合開始剤を含む。
使用する重合開始剤は、紫外線照射によって重合反応を開始可能な光重合開始剤であるのが好ましい。
光重合開始剤としては、例えば、α−カルボニル化合物(米国特許第2367661号、同2367670号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許第2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン化合物(米国特許第2722512号明細書記載)、多核キノン化合物(米国特許第3046127号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ(米国特許第3549367号明細書記載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60−105667号公報、米国特許第4239850号明細書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許第4212970号明細書記載)、アシルフォスフィンオキシド化合物(特公昭63−40799号公報、特公平5−29234号公報、特開平10−95788号公報、特開平10−29997号公報記載)等が挙げられる。
本発明においては、光学異方性層の耐久性がより良好となる理由から、重合開始剤がオキシム型の重合開始剤であるのが好ましく、具体的には、下記式(III)で表される重合開始剤であるのがより好ましい。

ここで、上記式(III)中、Xは、水素原子またはハロゲン原子を表し、Yは、1価の有機基を表す。
また、Ar3は、2価の芳香族基を表し、L6は、炭素数1〜12の2価の有機基を表し、R10は、炭素数1〜12のアルキル基を表す。
上記式(III)中、Xが示すハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、なかでも、塩素原子であるのが好ましい。
また、上記式(III)中、Ar3が示す2価の芳香族基としては、上記式(II)中のAr2として例示した芳香族炭化水素環および芳香族複素環からなる群から選ばれる少なくとも1つの芳香環を有する2価の基などが挙げられる。
また、上記式(III)中、L6が示す炭素数1〜12の2価の有機基としては、例えば、炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐状のアルキレン基が挙げられ、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基等が好適に挙げられる。
また、上記式(III)中、R10が示す炭素数1〜12のアルキル基としては、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が好適に挙げられる。
また、上記式(III)中、Yが示す1価の有機基としては、例えば、ベンゾフェノン骨格((C652CO)を含む官能基が挙げられる。具体的には、下記式(2a)および下記式(2b)で表される基のように、末端のベンゼン環が無置換または1置換であるベンゾフェノン骨格を含む官能基が好ましい。

ここで、上記式(3a)および上記式(3b)中、*は結合位置、すなわち、上記式(III)におけるカルボニル基の炭素原子との結合位置を表す。
上記式(III)で表されるオキシム型の重合開始剤としては、例えば、下記式S−1で表される化合物や、下記式S−2で表される化合物などが挙げられる。
本発明においては、上記重合開始剤の含有量は特に限定されないが、重合開始剤の含有量は、本発明の重合性液晶組成物に含まれる特定液晶化合物100質量部に対して、0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましい。
<配向制御剤>
重合性組成物には、必要に応じて、配向制御剤を含有することができる。配向制御剤としては、例えば、低分子の配向制御剤や高分子の配向制御剤を用いることができる。低分子の配向制御剤としては、例えば、特開2002−20363号公報の段落0009〜0083、特開2006−106662号公報の段落0111〜0120や、特開2012−211306公報の段落0021−0029の記載を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。また、高分子の配向制御剤としては、例えば、特開2004−198511号公報の段落0021〜0057の記載や、特開2006−106662号公報の段落0121〜0167を参酌することができ、この内容は本願明細書に組み込まれる。
配向制御剤の使用量は、重合性組成物中における本発明の液晶組成物の固形分の0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜5質量%であることがさらに好ましい。配向制御剤を用いることにより、例えば、本発明の液晶化合物を層の表面と並行に配向したホモジニアス配向状態とすることができる。
<その他重合性化合物>
本発明の重合性液晶組成物は、上記の特定液晶化合物以外の重合性化合物を含有してもよい。
ここで、重合性化合物が有する重合性基は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、スチリル基、アリル基等が挙げられる。なかでも、(メタ)アクリロイル基を有しているのが好ましい。
本発明においては、位相差フィルムの耐久性が向上する理由などから、重合性基を2〜4個有する重合性化合物であるのが好ましく、重合性基を2個有する重合性化合物であるのがより好ましい。
このような重合性化合物としては、例えば、特開2014−077068号公報の[0030]〜[0033]段落に記載された式(M1)、(M2)、(M3)で表される化合物が挙げられ、より具体的には、同公報の[0046]〜[0055]段落に記載された具体例が挙げられる。
重合性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
本発明においては、上記重合性化合物を含有する場合の含有量は特に限定されないが、上述した特定液晶化合物および上記重合性化合物の合計100質量部において、1〜40質量部であるのが好ましく、5〜30質量部であるのがより好ましい。
<溶媒>
本発明の重合性液晶組成物は、位相差フィルムを形成する作業性等の観点から、有機溶媒を含有するのが好ましい。
有機溶媒としては、具体的には、例えば、ケトン類(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノンなど)、エーテル類(例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなど)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサンなど)、脂環式炭化水素類(例えば、シクロヘキサンなど)、芳香族炭化水素類(例えば、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼンなど)、ハロゲン化炭素類(例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロベンゼン、クロロトルエンなど)、エステル類(例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、水、アルコール類(例えば、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノールなど)、セロソルブ類(例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(例えば、ジメチルスルホキシドなど)、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなど)等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
<その他の成分>
本発明の重合性液晶組成物は、上記以外の他の成分を含有してもよく、例えば、上記以外の液晶化合物、レベリング剤、界面活性剤、チルト各制御剤、配向助剤、可塑剤、架橋剤などが挙げられる。
[位相差フィルム]
本発明の位相差フィルムは、上記重合性液晶組成物を用いて形成される。具体的には、本発明の位相差フィルムは、上記重合性液晶組成物を用いて形成された光学異方性層を有することが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、上記重合性液晶組成物に含まれる特定液晶化合物が重合によって固定されて形成されたフィルムであることが好ましく、この場合、フィルムとなった後はもはや液晶性を示す必要はない。
本明細書において位相差フィルムは、各種表示装置、発光装置、偏光板などの各種光学素子などの光学部材に用いることができる。
位相差フィルムの膜厚は、部材の薄型化の観点から、100μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましい。また、製造適性の観点から、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましい。なお、位相差フィルムの膜厚とは、位相差フィルムが複数の層を有する場合には、この層を含めた全体の膜厚を指す。
また、位相差フィルムが上記光学異方性層を有する場合、光学異方性層の厚みは、1〜5μmであることが好ましく、1〜4μmであることがより好ましく、1〜3μmであることがさらに好ましい。
<支持体層>
位相差フィルムは、上記光学異方性層を支持するための支持体層を有していてもよい。この場合には、位相差フィルムは、支持体層と、支持体層の一方の面に形成された光学異方性層と、を含むものとなる。
このような支持体層は、透明であるのが好ましく、具体的には光透過率が80%以上であるのが好ましい。このような支持体としては、例えば、ガラス基板やポリマーフィルムが挙げられる。
また、後述する偏光子がこのような支持体層を兼ねる態様であってもよく、この場合には、本発明においては、位相差フィルムと、偏光子と、を含む偏光板を意味する。
本発明においては、上記支持体層の厚みについては特に限定されないが、5〜80μmであるのが好ましく、10〜40μmであるのがより好ましい。
<配向膜>
本発明の位相差フィルムには、特定液晶化合物の配向方向を規定する機能を有する配向膜(配向層)が含まれていてもよい。これにより、上記位相差フィルムをポジティブAプレートとすることが容易となる。
配向膜は、上記光学異方性層の一方の面に設けられる膜(層)であり、位相差フィルムが上記支持体層を含む場合には、上記支持体層と上記光学異方性層との間に位置する。
位相差フィルムの一態様である後述のポジティブAプレートを形成するためには、液晶化合物の分子を所望の配向状態にするための技術が用いられ、例えば、配向膜を利用して、液晶化合物を所望の方向に配向させる技術が一般的である。
配向膜としては、ポリマー等の有機化合物を含む層のラビング処理膜や無機化合物の斜方蒸着膜、マイクログルーブを有する膜、あるいはω−トリコサン酸やジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド、ステアリル酸メチルの如き有機化合物のラングミュア・ブロジェット法によるLB(Langmuir-Blodgett)膜を累積させた膜などが挙げられる。さらに光の照射で配向機能が生じる配向膜なども挙げられる。
配向膜としては、ポリマーなどの有機化合物を含む層(ポリマー層)の表面をラビング処理して形成されたものを好ましく用いることができる。ラビング処理は、ポリマー層の表面を紙や布で一定方向(好ましくは支持体の長手方向)に数回こすることにより実施される。配向膜の形成に使用するポリマーとしては、ポリイミド、ポリビニルアルコール、特許第3907735号公報の段落番号[0071]〜[0095]に記載の変性ポリビニルアルコール、特開平9−152509号公報に記載された重合性基を有するポリマー等を用いることが好ましい。
配向膜の厚さは、配向機能を発揮することができれば特に限定されないが、0.01〜5μmであることが好ましく、0.05〜2μmであることがさらに好ましい。
配向膜としては、光配向性の素材に偏光または非偏光を照射して配向層とした、いわゆる光配向膜(光配向層)を用いることも好ましい態様である。光配向膜には、垂直方向または斜め方向から偏光照射する工程、または、斜め方向から非偏光照射する工程により配向規制力を付与することが好ましい。
光配向膜を利用することで、特定液晶化合物を優れた対称性で水平配向させることが可能である。そのため、光配向膜を利用して形成されたポジティブAプレートは、特にIPS(In-Place-Switching)モード液晶表示装置のように駆動液晶のプレ傾斜角が必要無い液晶表示装置における光学補償に有用である。
光配向膜に用いられる光配向材料としては、例えば、特開2006−285197号公報、特開2007−76839号公報、特開2007−138138号公報、特開2007−94071号公報、特開2007−121721号公報、特開2007−140465号公報、特開2007−156439号公報、特開2007−133184号公報、特開2009−109831号公報、特許第3883848号、特許第4151746号に記載のアゾ化合物、特開2002−229039号公報に記載の芳香族エステル化合物、特開2002−265541号公報、特開2002−317013号公報に記載の光配向性単位を有するマレイミドおよび/またはアルケニル置換ナジイミド化合物、特許第4205195号、特許第4205198号に記載の光架橋性シラン誘導体、特表2003−520878号公報、特表2004−529220号公報、特許第4162850号に記載の光架橋性ポリイミド、ポリアミド、またはエステル、特開平9−118717号公報、特表平10−506420号公報、特表2003−505561号公報、国際公開第2010/150748号、特開2013−177561号公報、特開2014−12823号公報に記載の光二量化可能な化合物、特にシンナメート化合物、カルコン化合物、クマリン化合物が挙げられる。特に好ましい例としては、アゾ化合物、光架橋性ポリイミド、ポリアミド、エステル、シンナメート化合物、カルコン化合物が挙げられる。
支持体層および配向膜は、それぞれの機能を果たす層として別々に設けられていてもよいし、単一の層として両方の機能を備えるものであってもよい。
また、本発明の位相差フィルムと、後述する偏光子と、を含む偏光板を作製する場合には、上記配向膜は、位相差フィルムに含まれず、偏光子(偏光子層)の表面に形成されてもよい(配向膜付き偏光子)。この場合には、配向膜は、位相差フィルムと偏光子との間に配置されることが好ましい。
本発明の位相差フィルムは、波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にあることが好ましい。すなわち、この関係は、上述した逆波長分散性を表す関係といえる。
各波長における面内レターデーション値の測定方法は、上述した通りである。
<ポジティブAプレート>
本発明の位相差フィルムは、ポジティブAプレートであることが好ましい。
なお、本明細書において、ポジティブAプレートは以下のように定義する。ポジティブAプレート(正のAプレート)は、フィルム面内の遅相軸方向(面内での屈折率が最大となる方向)の屈折率をnx、面内の遅相軸と面内で直交する方向の屈折率をny、厚さ方向の屈折率をnzとしたとき、式(A1)の関係を満たすものである。なお、ポジティブAプレートはRthが正の値を示す。
式(A1) nx>ny≒nz
なお、上記「≒」とは、両者が完全に同一である場合だけでなく、両者が実質的に同一である場合も包含する。「実質的に同一」とは、例えば、(ny−nz)×d(ただし、dはフィルムの厚みである)が、−10〜10nm、好ましくは−5〜5nmの場合も「ny≒nz」に含まれる。
ポジティブAプレートの製造方法の詳細は、例えば、特開2008−225281号公報や特開2008−026730号公報などの記載を参酌できる。
<λ/4板>
上記ポジティブAプレートは、λ/4板として機能することが好ましい。
λ/4板は、ある特定の波長の直線偏光を円偏光に(または、円偏光を直線偏光に)変換する機能を有する板であり、特定の波長λnmにおける面内レターデーションRe(λ)がRe(λ)=λ/4を満たす板(位相差フィルム)のことをいう。
この式は、可視光域のいずれかの波長(例えば、550nm)において達成されていればよいが、波長550nmにおける面内レターデーションRe(550)が、110nm≦Re(550)≦160nmの関係を満たすことが好ましく、110nm≦Re(550)≦150nmを満たすことがより好ましい。
(位相差フィルムの製造方法)
位相差フィルムの形成方法は特に制限されず、公知の方法が挙げられる。
例えば、所定の基板(例えば後述する支持体層)に、上記重合性液晶組成物を塗布して塗膜を形成し、得られた塗膜に対して硬化処理(活性エネルギー線の照射(光照射処理)および/または加熱処理)を施すことにより、硬化させた塗膜(光学異方性層)を含む位相差フィルムを製造できる。なお、必要に応じて、後述する配向層を用いてもよい。
上記重合性液晶組成物の塗布は、公知の方法(例えば、ワイヤーバーコーティング法、押し出しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティング法)により実施できる。
上記位相差フィルムの形成方法において、上記塗膜に対する硬化処理を行う前に、上記塗膜に含まれる特定液晶化合物の配向処理を行うことが好ましい。これにより、得られる位相差フィルムを後述するポジティブAプレートにすることが容易になる。
配向処理は、室温(例えば、20〜25℃)等で乾燥させる、または、加熱することにより行うことができる。配向処理で形成される液晶相は、サーモトロピック性液晶化合物の場合、一般に温度または圧力の変化により転移させることができる。リオトロピック性をもつ液晶化合物の場合には、溶媒量等の組成比によっても転移させることができる。
例えば、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する場合、ネマチック相を発現する温度領域の方が、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域よりも高いことが一般的である。したがって、本発明の特定液晶化合物が棒状液晶である場合には、ネマチック相が発現する温度領域まで特定液晶化合物を加熱し、次に、特定液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域まで加熱温度を低下させることにより、特定液晶化合物をネマチック相からスメクチック相に転移させることができる。このような方法によって、特定液晶化合物が高秩序度で配向したポジティブAプレートを得ることができる。
特定液晶化合物が棒状液晶である場合において、特定液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域では、特定液晶化合物がモノドメインを形成するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間(加熱熟成時間)は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間がさらに好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
特定液晶化合物が棒状液晶である場合において、特定液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間がさらに好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
上述した、塗膜に対して硬化処理(活性エネルギー線の照射(光照射処理)および/または加熱処理)は、特定液晶化合物の配向を固定するための固定化処理ということもできる。
固定化処理は、活性エネルギー線(好ましくは紫外線)の照射により行われることが好ましく、特定液晶化合物の重合により液晶が固定化される。
[偏光板]
本発明の偏光板は、上記位相差フィルムと、偏光子と、を有する。位相差フィルムの説明については、上述した通りであるので省略する。
<偏光子>
偏光子(偏光膜)は、光を特定の直線偏光に変換する機能を有するいわゆる直線偏光子であればよい。偏光子としては、特に限定されないが、吸収型偏光子を利用することができる。
偏光子の種類は特に制限はなく、通常用いられている偏光子を利用することができ、例えば、ヨウ素系偏光子、二色性染料を利用した染料系偏光子、ポリエン系偏光子、および、ワイヤーグリッドを用いた偏光子のいずれも用いることができる。ヨウ素系偏光子および染料系偏光子は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素または二色性染料を吸着させ、延伸することで作製される。
また、偏光子として、サーモトロピック液晶性二色性色素(例えば、特開2011−237513号公報に記載の光吸収性異方性膜に用いられるサーモトロピック液晶性二色性色素)を用い、塗布等により作製した塗布型偏光子を用いることも好ましい。塗布型偏光子を用いることにより、ポリビニルアルコールを延伸した偏光子に対して、さらなる薄膜化が実現できる。また、曲げ等の外力が付加された場合においても、光学特性の変化が少ない偏光板を提供できる。
偏光子の厚みは特に制限されないが、5〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。上記厚みであれば、表示装置の薄型化に対応可能となる。
<その他の層>
(偏光子保護フィルム)
偏光子の表面上には、偏光子保護フィルムが配置されていてもよい。偏光子保護フィルムは、偏光子の片面上(位相差フィルム側とは反対側の表面上)にのみ配置されていてもよいし、偏光子の両面上に配置されていてもよい。
偏光子保護フィルムの構成は特に制限されず、例えば、いわゆる透明支持体やハードコート層であっても、透明支持体とハードコート層との積層体であってもよい。
ハードコート層としては、公知の層を使用することができ、例えば、多官能モノマーを重合硬化して得られる層であってもよい。
また、透明支持体としては、公知の透明支持体を使用することができ、例えば、透明支持体を形成する材料としては、トリアセチルセルロースに代表される、セルロース系ポリマー(以下、セルロースアシレートという)や、熱可塑性ノルボルネン系樹脂(日本ゼオン(株)製のゼオネックス、ゼオノア、JSR(株)製のアートン等)、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂を使用することができる。
偏光子保護フィルムの厚みは特に限定されないが、偏光板の厚みを薄くできる等の理由から40μm以下が好ましく、25μm以下がより好ましい。
各層の間の密着性担保のために、各層の間に粘着層または接着層を配置してもよい。さらに、各層の間に透明支持体を配置してもよい。
[液晶表示装置、有機電界発光装置]
上記偏光板は、有機電界発光装置(好ましくは、有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置)や、液晶表示装置などに好ましく用いることができる。
<液晶表示装置>
本発明の液晶表示装置は、画像表示装置の一例であり、上述した本発明の偏光板と、液晶セルとを有する。
なお、本発明においては、液晶セルの両側に設けられる偏光板のうち、フロント側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのが好ましく、フロント側およびリア側の偏光板として本発明の偏光板を用いるのがより好ましい。また、偏光板に含まれる上記位相差フィルムは、液晶セル側に配置されることが好ましい。
すなわち、本発明の位相差フィルムは、光学補償フィルムとして好適に使用できる。
以下に、液晶表示装置を構成する液晶セルについて詳述する。
(液晶セル)
液晶表示装置に利用される液晶セルは、VA(Virtical Alignment)モード、OCB(Optical Compensated Bend)モード、IPS(In−Place−Switching)モード、又はTN(Twisted Nematic)であることが好ましいが、これらに限定されるものではない。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、更に60〜120゜にねじれ配向している。TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。また、PVA(Patterned Vertical Alignment)型、光配向型(Optical Alignment)、及びPSA(Polymer−Sustained Alignment)のいずれであってもよい。これらのモードの詳細については、特開2006−215326号公報、及び特表2008−538819号公報に詳細な記載がある。
IPSモードの液晶セルは、棒状液晶分子が基板に対して実質的に平行に配向しており、基板面に平行な電界が印加することで液晶分子が平面的に応答する。IPSモードは電界無印加状態で黒表示となり、上下一対の偏光板の吸収軸は直交している。光学補償シート(光学補償フィルム)を用いて、斜め方向での黒表示時の漏れ光を低減させ、視野角を改良する方法が、特開平10−54982号公報、特開平11−202323号公報、特開平9−292522号公報、特開平11−133408号公報、特開平11−305217号公報、特開平10−307291号公報などに開示されている。
<有機EL表示装置>
本発明の有機電界発光装置の一例である有機EL表示装置としては、例えば、視認側から、本発明の偏光板と、有機EL表示パネルとをこの順で有する態様が好適に挙げられる。偏光板に含まれる位相差フィルムは、有機EL表示パネル側に配置されることが好ましい。
すなわち、本発明の位相差フィルムは、いわゆる反射防止フィルムとして使用される。
また、有機EL表示パネルは、電極間(陰極および陽極間)に有機発光層(有機エレクトロルミネッセンス層)を挟持してなる有機EL素子を用いて構成された表示パネルである。有機EL表示パネルの構成は特に制限されず、公知の構成が採用される。
以下、実施例を用いて、本発明についてより詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。
[偏光板の作製]
以下のようにして、湿熱耐久性の評価に使用する実施例および比較例の偏光板を作製した。
<実施例1>
(光配向膜1付き偏光子1の作製)
セルローストリアセテートフィルムTD80UL(富士フイルム製)の支持体表面をアルカリ鹸化処理した。具体的には、55℃の1.5規定の水酸化ナトリウム水溶液に支持体を2分間浸漬した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、30℃の0.1規定の硫酸を用いて中和した。中和した後、室温の水洗浴槽中で洗浄し、さらに100℃の温風で乾燥した。
厚さ80μmのロール状ポリビニルアルコールフィルムをヨウ素水溶液中でMD(Machine Direction)方向に連続して5倍に延伸し、乾燥して厚さ20μmの偏光子(偏光膜)を得た。上記の偏光子の一方の面に、上記でアルカリ鹸化処理をした偏光子保護フィルムとしてセルローストリアセテートフィルムTD80ULを貼り合わせた偏光子を作製した。
さらに、特開2012ー155308号公報、実施例3の記載を参考に、光配向膜用塗布液1を調製し、偏光子の他方の面にワイヤーバーで塗布した。60℃の温風で60秒乾燥し、光配向膜1付き偏光子1を作製した。
(偏光板1の作製)
続いて、下記のポジティブAプレートA−1形成用塗布液A−1を作製した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
ポジティブAプレートA−1形成用塗布液A−1の組成
――――――――――――――――――――――――――――――――――
下記重合性化合物X−1 20.00質量部
下記特定液晶化合物L−1 40.00質量部
下記特定液晶化合物L−2 40.00質量部
下記重合開始剤S−1 3.00質量部
下記特定化合物A−1 0.10質量部
レベリング剤(下記化合物T−1) 0.10質量部
メチルエチルケトン(溶媒) 200.00質量部
シクロペンタノン(溶媒) 200.00質量部
――――――――――――――――――――――――――――――――――

A−1
作製した光配向膜1付き偏光子1に、大気下にて超高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射した。このとき、ワイヤーグリッド偏光子(Moxtek社製, ProFlux PPL02)を光配向膜1の面と平行になるようにセットして露光し、光配向処理を行った。この際用いる紫外線の照度はUV−A領域(紫外線A波、波長380nm〜320nmの積算)において10mJ/cm2とした。
次いで、光配向処理面上にポジティブAプレートA−1形成用塗布液A−1を、バーコーターを用いて塗布した。膜面温度100℃で20秒間加熱熟成し、55℃まで冷却した後に、空気下にて空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて300mJ/cm2の紫外線を照射して、その配向状態を固定化することにより偏光板1を形成した。すなわち、得られた偏光板1は、位相差フィルムとしてのポジティブAプレートA−1と、光配向膜1と、偏光子1と、偏光子保護フィルムと、がこの順に配置されたものである。
形成されたポジティブAプレートA−1は、偏光板の吸収軸に対し遅相軸方向が垂直であった(すなわち、特定液晶化合物が偏光板の吸収軸に対して垂直に配向していた)。ポジティブAプレートA−1について、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)社製)を用いて、Reの光入射角度依存性および光軸のチルト角を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
<実施例2>
実施例1において、特定化合物A−1を0.1質量部用いた代わりに、0.02質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の偏光板2(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−2を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−2の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
<実施例3>
実施例1において、特定化合物A−1を0.1質量部用いた代わりに、3質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の偏光板3(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−3を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−3の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
<実施例4>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、下記特定化合物A−2を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の偏光板4(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−4を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−4の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
A−2
<実施例5>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、下記特定化合物A−3を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5の偏光板5(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−5を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−5の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
A−3
<実施例6>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、下記特定化合物A−4を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6の偏光板6(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−6を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−6の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
A−4

<実施例7>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、下記特定化合物A−5を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7の偏光板7(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−7を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−7の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが145nm、Rthが73nm、Re(550)/Re(450)が1.12、Re(650)/Re(550)が1.01、光軸のチルト角は0°であり、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
A−5
<実施例8>
実施例1において、重合性化合物X−1、特定液晶化合物L−1、および特定液晶化合物L−2の代わりに、下記特定液晶化合物L−6を100質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8の偏光板8(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−8を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−8の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが130nm、Rthが65nm、Re(550)/Re(450)が1.19、Re(650)/Re(550)が1.02、光軸のチルト角は0°で、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
<実施例9>
実施例1において、重合性化合物X−1、特定液晶化合物L−1、および特定液晶化合物L−2の代わりに、下記特定液晶化合物L−9を100質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例9の偏光板9(位相差フィルムとしてポジティブAプレートA−9を有する)を形成した。
ポジティブAプレートA−8の光学特性を測定したところ、波長550nmにおいてReが131nm、Rthが66nm、Re(550)/Re(450)が1.20、Re(650)/Re(550)が1.02、光軸のチルト角は0°で、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
L−9
<比較例1〜3>
特定化合物を用いない以外は、実施例1、4〜7と同様の方法で、比較例1の偏光板B1(位相差フィルムとしてポジティブAプレートB1を有する)を形成した。
特定化合物を用いない以外は、実施例8、9と同様の方法で、比較例2、3の偏光板B2、B3(それぞれ、位相差フィルムとしてポジティブAプレートB2、B3を有する)をそれぞれ形成した。
ポジティブAプレートB1〜B3について、実施例1と同様にして、Re(550)/Re(450)、Re(650)/Re(550)を測定した。この結果を下記第1表に示す。
なお、光軸のチルト角は0°で、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
<比較例4>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、下記化合物N−1を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4の偏光板B4(位相差フィルムとしてポジティブAプレートB4を有する)を形成した。
また、ポジティブAプレートB4について、実施例1と同様にして、Re(550)/Re(450)、Re(650)/Re(550)を測定した。この結果を下記第1表に示す。
なお、光軸のチルト角は0°で、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
N−1
<比較例5>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、化合物N−2を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例5の偏光板B5(位相差フィルムとしてポジティブAプレートB5を有する)を形成した。
また、ポジティブAプレートB5について、実施例1と同様にして、Re(550)/Re(450)、Re(650)/Re(550)を測定した。この結果を下記第1表に示す。
なお、光軸のチルト角は0°で、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
N−2
<比較例6>
実施例1において、特定化合物A−1の代わりに、化合物N−3を0.1質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法で、比較例6の偏光板B6(位相差フィルムとしてポジティブAプレートB6を有する)を形成した。
また、ポジティブAプレートB6について、実施例1と同様にして、Re(550)/Re(450)、Re(650)/Re(550)を測定した。この結果を下記第1表に示す。
なお、光軸のチルト角は0°で、特定液晶化合物はホモジニアス配向であった。
N−3
[評価試験]
<熱耐久性試験>
上述した各実施例および比較例で作製した偏光板について、ガラス板上にポジティブAプレートをガラス側にして粘着剤(商品名「SK2057」、綜研化学社製)を介して貼り合せた。
Axo Scan(0PMF−1、Axometrics社製)を用いて、波長550nmにおけるレターデーション値(Re)の熱耐久性を下記の指標で評価した。結果を下記第1表に示す。
なお、熱耐久試験条件は、100℃の環境下に150時間放置する試験を行った。「A」以上と評価されれば、耐久性は良好であると判断することができる。
AAA:初期のRe値に対する試験後のRe値の変化量が初期の値の1%未満
AA:初期のRe値に対する試験後のRe値の変化量が初期の値の1%以上2%未満
A:初期のRe値に対する試験後のRe値の変化量が初期の値の2%以上5%未満
B:初期のRe値に対する試験後のRe値の変化量が初期の値の5%以上20%未満
C:初期のRe値に対する試験後のRe値の変化量が初期の値の20%以上
<評価結果>
以上の評価試験の結果を第1表に示す
第1表に示す結果から、本発明の特定化合物を含有しない光学フイルムを含む偏光板を作製した場合、熱耐久性試験を行った際にRe値が5%以上低下し、熱耐久性が悪いことがわかった(比較例1〜6)。
これに対し、本発明の特定化合物を含有する光学フイルムを含む偏光板を作製した場合、5%未満のRe値変化を維持でき、熱耐久性に優れていることがわかった(実施例1〜9)。
実施例8〜9の評価結果から、本発明の特定化合物を含有すると、重合性液晶化合物の構造が異なっていても、熱耐久性に優れることが示された。

Claims (8)

  1. 下記一般式(I)で表される化合物と、下記一般式(II)で表される重合性液晶化合物と、を含有する、重合性液晶組成物。
    一般式(I)

    一般式(I)中、共役系は以下の芳香族炭化水素の総称である。ベンゼン等の単環構造、またナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン等のベンゼン環1〜7個により形成される縮環構造やビフェニル、ターフェニル、テトラフェニル、ビナフチル、ビアントラニル等のベンゼン環1〜7個により形成される多環構造を表す。Rはそれぞれ独立にアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、1価のヘテロ環基、およびシリル基から選択される基のいずれかを表す。Rは1価の置換基を表す。但し、RとRは連結して環を形成することはない。l、m、nはそれぞれ1〜16の整数を表す。
    −G−D−Ar−D−G−L ・・・(II)
    前記一般式(II)中、DおよびDはそれぞれ独立に、単結合、−CO−O−、−C(=S)O−、−CR−、−CR−CR−、−O−CR−、−CR−O−CR−、−CO−O−CR−、−O−CO−CR−、−CR−O−CO−CR−、−CR−CO−O−CR−、−NR−CR−または−CO−NR−を表す。
    、R、RおよびRはそれぞれ独立に、水素原子、フッ素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。
    およびGはそれぞれ独立に、炭素数5〜8の2価の脂環式炭化水素基を表し、上記脂環式炭化水素基に含まれるメチレン基は、−O−、−S−、−NH−で置換されていてもよい。
    およびLはそれぞれ独立に、1価の有機基を表し、LおよびLからなる群から選ばれる少なくとも1種が、重合性基を有する1価の基を表す。
    Arは、下記一般式(II−2)で表される2価の芳香環基を表す。

    前記一般式(II−2)中、Z、Zはそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、炭素数3〜20の脂環式炭化水素基、1価の炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、−NR1213または−SR12を表し、R12およびR13はそれぞれ独立に、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表し、AおよびAはそれぞれ独立に、−O−、−NR21−、−S−およびCO−からなる群から選ばれる基であって、R21は、水素原子または置換基を表し、Xは、水素原子または置換基が結合していてもよい第14族〜第16族の非金属原子を表す。
  2. 請求項1に記載の一般式(I)で表される化合物と、一般式(II)で表される重合性液晶化合物を用いて形成される光学フィルム。
  3. 請求項2に記載の光学フィルムが位相差フィルムであって、
    波長450nmで測定した面内レターデーション値であるRe(450)と、波長550nmで測定した面内レターデーション値であるRe(550)と、波長650nmで測定した面内レターデーションの値であるRe(650)とが、Re(450)≦Re(550)≦Re(650)の関係にある、位相差フィルム。
  4. 前記位相差フィルムがポジティブAプレートである、請求項3に記載の位相差フィルム。
  5. 前記ポジティブAプレートがλ/4板である、請求項4に記載の位相差フィルム。
  6. 請求項3〜5のいずれか1項に記載の位相差フィルムと、偏光子と、を有する、偏光板。
  7. 請求項6に記載の偏光板を有する、液晶表示装置。
  8. 請求項6に記載の偏光板を有する、有機電界発光装置。
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