JP2019055092A - テープタイプ使い捨ておむつ - Google Patents
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Abstract
Description
これを解決するために、特許文献1記載のもののように、プラスチックフィルムを挟んだり、特許文献2記載のもののように、不織布にフィルム化部分を設けたりすることもできるが、この場合、フィルムの外観又は触感が出てしまうとともに、通気性が低下し過ぎ、ファスニングテープに不織布を用いることの利点がなくなってしまう。
前後方向中央より前側に延在する腹側部分と、
前後方向中央より後側に延在する背側部分と、
前記背側部分の両側部に設けられた、前記腹側部分に対して着脱可能に連結されるフック材と、
前記腹側部分の外面に設けられた、前記フック材を連結するためのターゲット部と、
前記ターゲット部が外面に固定され、前記ターゲット部の周囲にわたる外装不織布と、
を備えた、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ターゲット部は、一枚又は複数枚の不織布を下地として少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であり、このターゲット部のJIS L1913:2010「ガーレ形法」による通気性が0.20〜0.70secである、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
本態様では、ターゲット部として、不織布を下地とし少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体を使用する。このターゲット部は腹側部分の外側を形成する外装不織布に固定されているものである。その結果、フィルムを使用したターゲット部に比べ、腹側部分の柔軟性及び通気性に富むものでありながら、ループパイル繊維糸がフック材の連結機能を担うため単なる不織布の繊維にフック材を絡めるのと異なり強固な連結が可能となる。また、フィルムを使用したターゲット部に比べ、テープを剥がす際の音を軽減することもできる。
前記下地は、目付けが3〜20g/m2の一層又は複数層のメルトブローン層を、スパンボンド不織布層で挟んだ不織布である、第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
ターゲット部の下地としては、種々の不織布を用いることができるが、本態様のようにSMS不織布、SMMS不織布等のメルトブローン層を含む不織布を用いることで、ターゲット部を一枚の下地とループパイル繊維糸だけで形成できるため、ターゲット部の一体性が高いものとなるとともに、製造時に複数層の不織布を貼り合わせる必要がないため、製造容易性が高いものとなる。
前記ターゲット部は、複数枚の不織布を重ねて前記ループパイル繊維糸により縫い付けたものである、第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
複数枚の不織布を重ねてターゲット部の下地とする場合、不織布同士を接合する必要がある。この場合、不織布同士をホットメルト接着剤などの接着剤で貼り合わせる、又は超音波シール等により溶着することも考えられるが、これらの接合方法は柔軟性及び通気性が低下する。これに対して、本態様のように複数枚の不織布をループパイル繊維糸により縫い付けると、接着剤や溶着を用いなくてもよく、また、補助的に用いるとしてもその使用を低減することができるため、柔軟性及び通気性の低下を抑制することができる。
前記下地は、製造時のエンボスの面積率が50〜80%のスパンボンド不織布である、第1の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
本態様のように、ターゲット部の下地として製造時のエンボス(熱圧着部)の面積率が50〜80%のスパンボンド不織布を用いると、不織布使用量を少なくすることができたるため、製造コストを低減できる。
前後方向中央より前側に延在する腹側部分と、
前後方向中央より後側に延在する背側部分と、
前記背側部分の両側部に設けられた、前記腹側部分に対して着脱可能に連結されるフック材と、
前記腹側部分の外面に設けられた、前記フック材を連結するためのターゲット部と、
前記ターゲット部が外面に固定され、前記ターゲット部の周囲にわたる外装不織布と、
を備えた、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ターゲット部は、一枚又は複数枚の不織布及びその裏側に積層されたクレープ紙を下地として、又は複数枚の不織布及びその不織布の間に積層されたクレープ紙を下地として、少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であり、このターゲット部のJIS L1913:2010「ガーレ形法」による通気性が0.20〜0.70secである、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。
本態様も、第1の態様と同様の作用効果を奏する。すなわち、本態様では、ターゲット部として、一枚又は複数枚の不織布及びその裏側に積層されたクレープ紙を下地として、又は複数枚の不織布及びその不織布の間に積層されたクレープ紙を下地として、少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体を使用する。このターゲット部は腹側部分の外側を形成する外装不織布に固定されているものである。その結果、フィルムを使用したターゲット部に比べ、腹側部分の柔軟性及び通気性に富むものでありながら、ループパイル繊維糸がフック材の連結機能を担うため単なる不織布の繊維にフック材を絡めるのと異なり強固な連結が可能となる。また、フィルムを使用したターゲット部に比べ、テープを剥がす際の音を軽減することもできる。
前記クレープ紙における前記ループパイル繊維糸の通過孔は、面積が0.02〜0.45mm2、かつ面積率が0.1〜15%である、第5の態様のテープタイプ使い捨ておむつ。
ターゲット部の下地にクレープ紙を含むと、ループパイル繊維糸を通す際にクレープ紙に針穴が形成されるため、針穴が大きすぎたり多過ぎたりすると、クレープ紙による通気性の低下効果が不十分となるおそれがある。よって、本態様のように構成されていることが望ましい。
吸収体3としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。図示形態の吸収体3は一層構造とされているが、下層吸収体とその上に積層された上層吸収体とからなる二層構造であっても良い。また、必要に応じて、吸収体3はクレープ紙(図示せず)により包むことができる。また、吸収体3の形状は適宜定めることができるが、図示のような砂時計形状の他、長方形等のように、股間部の前側から後側まで延在する形状が好適である。吸収体3におけるパルプ目付けは100〜500g/m2程度、厚みは1〜15mm程度であるのが望ましい。また、高吸水性樹脂の目付けは0〜300g/m2程度であるのが望ましい。高吸水性樹脂含有率が少な過ぎると、十分な吸収能を与えることができず、多過ぎるとパルプ繊維間の絡み合いが無くなり、ヨレや割れ等が発生し易くなる。
液不透過性シート1は、吸収体3の周囲より外側に延在しており、吸収体3に吸収された排泄物の裏面側への移動を遮断するものである。液不透過性シート1としては、ポリエチレンフィルム等のプラスチックフィルムの他、ムレ防止の点から遮水性を損なわずに透湿性を備えたシートも用いることができる。この遮水・透湿性シートは、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填材を溶融混練してシートを形成した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シートを用いることができる。液不透過性シート1の単位面積あたりの重量は13〜40g/m2であるのが好ましく、厚みは0.01〜0.1mmであるのが好ましい。
おむつ外面を布のような外観、肌触りとするために、液不透過性シート1の裏面全体は外装不織布12で覆われており、外装不織布12の外周縁はおむつの外周縁まで及んでいる。外装不織布12としては各種の不織布を用いることができるが、スパンボンド不織布が好適である。外装不織布12は、おむつの全体にわたり設けられていることが望ましいが、ターゲット部6の周囲にわたり延びている限り、例えば腹側部分Fのみとすることもできる。
トップシート2としては、有孔又は無孔の不織布や穴あきプラスチックシートなどが用いられる。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレン又はポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布の加工方法としては、スパンレース法、スパンボンド法、SMS法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等の公知の方法を用いることができる。トップシート2に用いる不織布の繊維目付けは15〜30g/m2であるのが好ましく、厚みは0.05〜1mmであるのが好ましい。
図3〜図5にも示されるように、物品内面の両側部(図示形態ではトップシート2の側縁部表面からその側方に延在する液不透過性シート1の表面)には、立ち上がりギャザー4を構成するギャザーシート4sの幅方向WDの外側の付根部分4xが前後方向LDの全体にわたり貼り付けられている。ギャザーシート4sは、各種不織布(スパンボンド不織布が好適である)の他、液不透過性シートに用いられるものと同様のプラスチックフィルム、又はこれらの積層シートを用いることができるが、肌への感触性の点で、撥水処理を施した不織布が好適である。ギャザーシート4sの幅方向WDの中央側の突出部分4cは、前後方向LDの両端部では倒伏状態で物品内面(図示形態ではトップシート2表面)にホットメルト接着剤等の手段により固着され、倒伏部分とされているが、これらの間の中間部は非固定の自由部分となっており、この自由部分の先端部等(展開状態における幅方向WDの中央側の端部)には、細長状のギャザー弾性部材4Gが前後方向LDに沿って伸張した状態でホットメルト接着剤等により固定されている。このギャザー弾性部材4Gは図示例では所定の間隔を空けて複数本設けられているが、一本でも良い。ギャザー弾性部材4G(他の細長状弾性部材も同様)としては、糸状、紐状、帯状等に形成された天然ゴム又は合成ゴムを用いることができる。この自由部分は、ギャザー弾性部材4Gの収縮力が作用する結果、図4に示されるように、物品内面(図示形態ではトップシート2表面)に対して起立する立ち上がりギャザーを構成する。この起立部分の基端4bは立ち上がりギャザー4における幅方向WDの外側の付根部分4xと内側の突出部分4cとの境に位置する。
サイドフラップ部SFの前後方向LDの中間部には、液不透過性シート1と外装不織布12との間に細長状のサイド弾性部材7が前後方向LDに沿って伸張状態でホットメルト接着剤等により固定されており、このサイド弾性部材7の収縮によりサイドフラップ部SFにはいわゆる平面ギャザーが形成されている。この平面ギャザーにより、おむつの側部が弾性伸縮して脚周りにフィットするようになる。
テープタイプ使い捨ておむつには、背側部分Bの両側部からそれぞれ突出するファスニングテープ5が取り付けられるとともに、腹側部分Fにはターゲット部6が取り付けられており、身体への装着に際しては、おむつ100を身体にあてがった状態で、両側のファスニングテープ5を腹側部分Fのターゲット部6にそれぞれ連結する。
ターゲット部6は、ファスニングテープ5の着脱を確実容易にするためのものであり、ファスニングテープ5のフック材9が着脱可能に連結される表面を有するものである。
(a)図12に示すように、径糸群の隣接する径糸の交差部列61bに沿い、かつ交差部列61b,61b間は固定領域が存在しない形態。
(b)径糸群の隣接する径糸の交差部列61bに沿う領域のホットメルト接着剤量が多く、かつ交差部列61b,61b間の領域のホットメルト接着剤量が少ない形態。
これらの部分的な固定形態では、ホットメルト接着剤64による固定領域又は塗布量が多い領域以外において通気性が良好となるので、ターゲット部6の裏側に位置する外装不織布12の通気性とあいまって、全体としての通気性に優れたものとなる。また、径糸群の隣接する径糸の交差部列61bをホットメルト接着剤64による固定領域とすると、径糸の交差部列61bに位置するパイル繊維糸が下地を構成する不織布60からの抜け止めを図ることの利点も併せて得ることができる。
明細書中の以下の用語は、明細書中に特に記載が無い限り、以下の意味を有するものである。
・「面積率」とは単位面積に占める対象部分の割合を意味し、対象領域(例えば不織布全体)における対象部分(例えば熱圧着部)の総和面積を当該対象領域の面積で除して百分率で表すものである。対象部分が間隔を空けて多数設けられる形態では、対象部分が10個以上含まれるような大きさに対象領域を設定して、面積率を求めることが望ましい。
・「伸長率」は、自然長を100%としたときの値を意味する。
・「目付け」は次のようにして測定されるものである。試料又は試験片を予備乾燥した後、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内に放置し、恒量になった状態にする。予備乾燥は、試料又は試験片を温度100℃の環境で恒量にすることをいう。なお、公定水分率が0.0%の繊維については、予備乾燥を行わなくてもよい。恒量になった状態の試験片から、試料採取用の型板(100mm×100mm)を使用し、100mm×100mmの寸法の試料を切り取る。試料の重量を測定し、10倍して1平米あたりの重さを算出し、目付けとする。
・吸収体の「厚み」は、株式会社尾崎製作所の厚み測定器(ピーコック、ダイヤルシックネスゲージ大型タイプ、型式J−B(測定範囲0〜35mm)又は型式K−4(測定範囲0〜50mm))を用い、試料と厚み測定器を水平にして、測定する。
・上記以外の「厚み」は、自動厚み測定器(KES−G5 ハンディ圧縮計測プログラム)を用い、荷重:0.098N/cm2、及び加圧面積:2cm2の条件下で自動測定する。
・「クレープ率」とは、((ヤンキードライヤーの周速)−(巻き取りリールの周速))/(ヤンキードライヤーの周速)×100(%)で算出される値である。
・「展開状態」とは、収縮や弛み無く平坦に展開した状態を意味する。
・各部の寸法は、特に記載が無い限り、自然長状態ではなく展開状態における寸法を意味する。
・試験や測定における環境条件についての記載が無い場合、その試験や測定は、標準状態(試験場所は、温度23±1℃、相対湿度50±2%)の試験室又は装置内で行うものとする。
Claims (6)
- 前後方向中央より前側に延在する腹側部分と、
前後方向中央より後側に延在する背側部分と、
前記背側部分の両側部に設けられた、前記腹側部分に対して着脱可能に連結されるフック材と、
前記腹側部分の外面に設けられた、前記フック材を連結するためのターゲット部と、
前記ターゲット部が外面に固定され、前記ターゲット部の周囲にわたる外装不織布と、
を備えた、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ターゲット部は、一枚又は複数枚の不織布を下地として少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であり、このターゲット部のJIS L1913:2010「ガーレ形法」による通気性が0.20〜0.70secである、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記下地は、目付けが3〜20g/m2の一層又は複数層のメルトブローン層を、スパンボンド不織布層で挟んだ不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記ターゲット部は、複数枚の不織布を重ねて前記ループパイル繊維糸により縫い付けたものである、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前記下地は、製造時のエンボスの面積率が50〜80%のスパンボンド不織布である、請求項1記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
- 前後方向中央より前側に延在する腹側部分と、
前後方向中央より後側に延在する背側部分と、
前記背側部分の両側部に設けられた、前記腹側部分に対して着脱可能に連結されるフック材と、
前記腹側部分の外面に設けられた、前記フック材を連結するためのターゲット部と、
前記ターゲット部が外面に固定され、前記ターゲット部の周囲にわたる外装不織布と、
を備えた、テープタイプ使い捨ておむつにおいて、
前記ターゲット部は、一枚又は複数枚の不織布及びその裏側に積層されたクレープ紙を下地として、又は複数枚の不織布及びその不織布の間に積層されたクレープ紙を下地として、少なくとも外面にループパイル繊維糸を織り出した複合体であり、このターゲット部のJIS L1913:2010「ガーレ形法」による通気性が0.20〜0.70secである、
ことを特徴とするテープタイプ使い捨ておむつ。 - 前記クレープ紙における前記ループパイル繊維糸の通過孔は、面積が0.02〜0.45mm2、かつ面積率が0.1〜15%である、請求項5記載のテープタイプ使い捨ておむつ。
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