JP2019054284A - 電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム - Google Patents

電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステム Download PDF

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Abstract

【課題】高速動作が可能であり、かつ高信頼性を示す電界効果型トランジスタの提供。【解決手段】基材と、保護層と、前記基材、及び前記保護層の間に形成されたゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層と接するように形成されたソース電極、及びドレイン電極と、少なくとも前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の間に形成され、前記ゲート絶縁層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極と接する半導体層と、前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成され、前記ゲート絶縁層と接するゲート電極とを有し、前記保護層が、少なくともSiと、アルカリ土類金属とを含有する複合金属酸化物を含有する電界効果型トランジスタである。【選択図】図3A

Description

本発明は、電界効果型トランジスタ、表示素子、画像表示装置、及びシステムに関する。
半導体装置の一種である電界効果型トランジスタ(Field Effect Transistor;FET)は、チャネルに電界を印加した状態で、ゲート電圧を印加し半導体内のキャリアを誘起させることにより、ソースとドレイン間に流れる電流を制御することが可能なトランジスタである。
前記FETは、ゲート電圧を印加することによりスイッチングが可能であることから、様々なスイッチング素子や増幅素子として利用されている。また、前記FETは、ゲート電流が低いことに加え、構造が平面的であることから、バイポーラトランジスタと比較して容易に作製することができ、更に、高集積化も容易に行うことができる。このため、現在の電子機器内において用いられている集積回路の多くには、前記FETが用いられている。
その中でも前記FETは、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)として、アクティブマトリックス方式のディスプレイなどに応用されている。
近年、アクティブマトリックス方式の平面薄型ディスプレイ(Flat Panel Display:FPD)としては、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display:LCD)、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ(OLED)、電子ペーパーなどが実用化されている。
これらFPDは、通常、非晶質シリコンや多結晶シリコンを活性層に用いたTFTを含む駆動回路により駆動されている。そして、前記FPDは、更なる大型化、高精細化、高速駆動性が求められており、それに伴って、キャリア移動度が高く、特性の経時変化が小さく、素子間のばらつきが小さいTFTが求められている。
近年、前記活性層の半導体として、シリコンに加えて、酸化物半導体が注目されている。その中でもInGaZnO(a−IGZO)は、室温成膜が可能、アモルファス状態、移動度10cm/V・s前後の高移動度特性、という特徴を持ち、実用化へ向けて開発が盛んに行われている(例えば、非特許文献1参照)。
前記FETは、通常、前記活性層である半導体層の保護などを目的とする保護層を有している。前記保護層についても、様々な検討がされている。
例えば、前記FETの保護層として、SiO層(例えば、特許文献1、及び2参照)、SiNx層(例えば、特許文献1参照)、SiON層(例えば、特許文献3参照)、及びAl層(例えば、特許文献4参照)が提案されている。また、前記FETの保護層として、SiOとAl又はBを複合した複合酸化物層が提案されている(例えば、特許文献5参照)。
しかし、SiO層、及び前記複合酸化物層は、それをシリコン半導体層、酸化物半導体層、金属配線、及び酸化物配線の上に形成すると、後工程の加熱工程においてクラック、剥離などが発生し易いという問題がある。また、SiON層、SiNx層、及びAl層は、寄生容量による信号遅延が生じるという問題がある。
また、前記保護層として有機材料を用いることも提案されている。
例えば、前記FETの保護層として、ポリイミド樹脂層(例えば、特許文献6参照)、及びフッ素樹脂層(例えば、特許文献3参照)が提案されている。
しかし、一般的な有機材料は酸化物半導体と接触するとTFT特性の劣化を引き起こすという問題がある。また、前記フッ素樹脂層は、比較的TFT特性の劣化が小さいものの、充分なものではない。
したがって、高速動作が可能であり、かつ高信頼性を示す電界効果型トランジスタの提供が求められているのが現状である。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高速動作が可能であり、かつ高信頼性を示す電界効果型トランジスタを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
本発明の電界効果型トランジスタは、
基材と、
保護層と、
前記基材、及び前記保護層の間に形成されたゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層と接するように形成されたソース電極、及びドレイン電極と、
少なくとも前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の間に形成され、前記ゲート絶縁層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極と接する半導体層と、
前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成され、前記ゲート絶縁層と接するゲート電極とを有し、
前記保護層が、少なくともSiと、アルカリ土類金属とを含有する複合金属酸化物を含有することを特徴とする。
本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、高速動作が可能であり、かつ高信頼性を示す電界効果型トランジスタを提供することができる。
図1は、画像表示装置を説明するための図である。 図2は、本発明の表示素子の一例を説明するための図である。 図3Aは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(ボトムコンタクト・ボトムゲート型)を示す図である。 図3Bは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(トップコンタクト・ボトムゲート型)を示す図である。 図3Cは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(ボトムコンタクト・トップゲート型)を示す図である。 図3Dは、本発明の電界効果型トランジスタの一例(トップコンタクト・トップゲート型)を示す図である。 図4は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。 図5は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。 図6は、本発明の表示素子の他の一例を示す概略構成図である。 図7は、表示制御装置を説明するための図である。 図8は、液晶ディスプレイを説明するための図である。 図9は、図8における表示素子を説明するための図である。 図10は、比誘電率測定キャパシタの概略構成図である。 図11は、実施例1で得られた電界効果型トランジスタの特性を評価したグラフである。 図12は、実施例1で得られた電界効果型トランジスタの特性を評価したグラフである。 図13は、比較例1で得られた電界効果型トランジスタの特性を評価したグラフである。 図14は、比較例1で得られた電界効果型トランジスタの特性を評価したグラフである。 図15は、実施例19で作製した有機EL表示装置を示す図である。
(電界効果型トランジスタ)
本発明の電界効果型トランジスタは、基材と、保護層と、ゲート絶縁層と、ソース電極と、ドレイン電極と、半導体層と、ゲート電極とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<基材>
前記基材の形状、構造、及び大きさとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記基材の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ガラス、プラスチックなどが挙げられる。
前記ガラスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無アルカリガラス、シリカガラスなどが挙げられる。
前記プラスチックの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などが挙げられる。
なお、前記基材は、表面の清浄化及び密着性向上の点で、酸素プラズマ、UVオゾン、UV照射洗浄などの前処理が行われることが好ましい。
<保護層>
前記保護層としては、Si(ケイ素)と、アルカリ土類金属とを少なくとも含有する複合金属酸化物を含有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記保護層は、前記複合金属酸化物それ自体で形成されることが好ましい。
前記保護層は、通常、前記基板よりも上方に形成される。
前記複合金属酸化物において、前記Siにより形成されるSiOは、アモルファス構造を形成する。また、前記アルカリ土類金属は、Si−O結合を切断する働きを有している。そのため、その組成比によって、形成される前記複合金属酸化物の比誘電率、及び線膨張係数を制御することが可能である。
前記複合金属酸化物は、Al(アルミニウム)及びB(ホウ素)の少なくともいずれかを含有することが好ましい。
前記Alにより形成されるAl及び前記Bにより形成されるBは、SiOと同様にアモルファス構造を形成するため、前記複合金属酸化物においては、より安定してアモルファス構造が得られ、より均一な絶縁膜を形成することが可能となる。また、前記アルカリ土類金属は、Si−O結合同様、Al−O結合、及びB−O結合も切断するため、その組成比によって、形成される前記複合金属酸化物の比誘電率及び線膨張係数を制御することが可能である。
前記アルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。これらの中でも、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、バリウム(Ba)が好ましい。
これらアルカリ土類金属は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記複合金属酸化物における前記Siの割合、前記Al及びBの合計の割合、及び前記アルカリ土類金属の割合としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記の範囲であることが好ましい。
前記複合金属酸化物における前記Siの割合は、酸化物(SiO)換算で、30.0mol%〜95.0mol%が好ましく、50.0mol%〜90.0mol%がより好ましい。
前記複合金属酸化物における前記アルカリ土類金属酸化物の割合は、酸化物(BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、5.0mol%〜40.0mol%が好ましく、10.0mol%〜30.0mol%がより好ましい。
前記複合金属酸化物における前記Al及びBの合計の割合は、酸化物(Al、B)換算で、1.0mol%〜50.0mol%が好ましく、5.0mol%〜30.0mol%がより好ましい。
前記複合金属酸化物が、前記Al及び前記Bの少なくともいずれかを含有する場合、前記アルカリ土類金属酸化物の割合は、酸化物(BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、1.0mol%〜30.0mol%が好ましく、5.0mol%〜20.0mol%がより好ましい。
前記複合金属酸化物における酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al、B)の割合は、例えば、蛍光X線分析、電子線マイクロ分析(EPMA)等により酸化物の陽イオン元素を分析することにより算出できる。
前記保護層の比誘電率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、信号遅延がより生じにくくなり、より高速動作になる点から、7.0以下が好ましく、6.0以下がより好ましい。
前記比誘電率は、例えば、下部電極、誘電層(前記保護層)、及び上記電極を積層したキャパシタを作製して、LCRメータ(4284A、Agilent社製)を用いて測定することができる。
前記保護層の線膨張係数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、剥離がより生じにくくなり、より信頼性が高くなる点から、30.0×10−7以上が好ましく、30.0×10−7〜60.0×10−7がより好ましい。
前記線膨張係数は、例えば、熱機械分析装置(8310シリーズ、株式会社リガク製)を用いて測定することができる。この測定においては、前記電界効果型トランジスタを作製せずとも、前記保護層と同じ組成の測定用サンプルを別途作製して測定することで、前記線膨張係数を測定することができる。
前記保護層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10nm〜1,000nmが好ましく、20nm〜500nmがより好ましい。
−保護層の形成方法−
前記保護層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、CVD(Chemical Vapor DepoSition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の真空プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターンニングする方法などが挙げられる。
また、前記複合金属酸化物の前駆体を含有する塗布液(保護層形成用塗布液)を調合し、被塗物上に塗布又は印刷し、これを適切な条件で焼成することによっても成膜することが可能である。
−−保護層形成用塗布液(絶縁膜形成用塗布液)−−
前記保護層形成用塗布液(絶縁膜形成用塗布液ともいう。)は、ケイ素含有化合物と、アルカリ土類金属含有化合物と、溶媒とを少なくとも含有し、好ましくはアルミニウム含有化合物及びホウ素含有化合物の少なくともいずれかを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
近年、スパッタ法や、CVD法、ドライエッチング法などの高価な設備を必要とする真空プロセスに対して、低コスト化が可能である塗布プロセスを用いたプリンテッドエレクトロニクスの開発が活発化している。半導体の保護層に関しても、ポリシラザン(例えば、特開2010−103203号公報参照)、スピンオングラスなどを用いて塗布により形成する検討が報告されている。
しかし、ポリシラザン、スピンオングラスといったSiO前駆体のみから成る塗布液は、有機物を分解し緻密な絶縁膜を得るためには、450℃以上の焼成が必要である。それ以下の温度で有機物を分解するためにはマイクロ波処理(例えば、特開2010−103203号公報参照)、触媒の使用、水蒸気雰囲気での焼成(特許第3666915号公報)などの加熱とは別の反応促進手段の併用が不可欠である。そのため、焼成プロセスの複雑化、高コスト化、及び不純物残存による絶縁性低下が問題となっている。
それに対して、前記保護層形成用塗布液は、SiO前駆体よりも分解温度が低いアルカリ土類金属酸化物の前駆体を含むため、SiO前駆体のみから成る塗布液よりも低い温度、つまり450℃未満の温度で前駆体を分解し、緻密な絶縁膜を形成することが可能である。また、アルカリ土類金属酸化物の前駆体同様、SiO前駆体よりも分解温度が低いAl前駆体及びB前駆体の少なくともいずれかを更に含むことで、低温で緻密な絶縁膜を形成できる効果を強めることが可能である。
−−−ケイ素含有化合物−−−
前記ケイ素含有化合物としては、例えば、無機ケイ素化合物、有機ケイ素化合物などが挙げられる。
前記無機ケイ素化合物としては、例えば、テトラクロロシラン、テトラブロモシラン、テトラヨードシランなどが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、ケイ素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ケイ素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機ケイ素化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ビス(トリメチルシリル)アセチレン、トリフェニルシラン、2−エチルヘキサン酸ケイ素、テトラアセトキシシランなどが挙げられる。
前記保護層形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−アルカリ土類金属含有化合物−−−
前記アルカリ土類金属含有化合物としては、例えば、無機アルカリ土類金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物などが挙げられる。
前記アルカリ土類金属含有化合物におけるアルカリ土類金属としては、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)が挙げられる。
前記無機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、アルカリ土類金属硝酸塩、アルカリ土類金属硫酸塩、アルカリ土類金属塩化物、アルカリ土類金属フッ化物、アルカリ土類金属臭化物、アルカリ土類金属よう化物、アルカリ土類金属リン化物などが挙げられる。前記アルカリ土類金属硝酸塩しては、例えば、硝酸マグネシウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属硫酸塩としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸ストロンチウム、硫酸バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属塩化物としては、例えば、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ストロンチウム、塩化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属フッ化物としては、例えば、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化ストロンチウム、フッ化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属臭化物としては、例えば、臭化マグネシウム、臭化カルシウム、臭化ストロンチウム、臭化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属よう化物としては、例えば、よう化マグネシウム、よう化カルシウム、よう化ストロンチウム、よう化バリウムなどが挙げられる。前記アルカリ土類金属リン化物としては、例えば、リン化マグネシウム、リン化カルシウムなどが挙げられる。
前記有機アルカリ土類金属化合物としては、アルカリ土類金属と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記アルカリ土類金属と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機アルカリ土類金属化合物としては、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、ジエチルマグネシウム、酢酸マグネシウム、ギ酸マグネシウム、アセチルアセトンマグネシウム、2−エチルヘキサン酸マグネシウム、乳酸マグネシウム、ナフテン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、サリチル酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、シュウ酸マグネシウム、トリフルオロメタンスルホン酸マグネシウム、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシド、酢酸カルシウム、ギ酸カルシウム、アセチルアセトンカルシウム、カルシウムジピバロイルメタナート、2−エチルヘキサン酸カルシウム、乳酸カルシウム、ナフテン酸カルシウム、クエン酸カルシウム、サリチル酸カルシウム、ネオデカン酸カルシウム、安息香酸カルシウム、シュウ酸カルシウム、ストロンチウムイソプロポキシド、酢酸ストロンチウム、ギ酸ストロンチウム、アセチルアセトンストロンチウム、2−エチルヘキサン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム、ナフテン酸ストロンチウム、サリチル酸ストロンチウム、シュウ酸ストロンチウム、バリウムエトキシド、バリウムイソプロポキシド、酢酸バリウム、ギ酸バリウム、アセチルアセトンバリウム、2−エチルヘキサン酸バリウム、乳酸バリウム、ナフテン酸バリウム、ネオデカン酸バリウム、シュウ酸バリウム、安息香酸バリウム、トリフルオロメタンスルホン酸バリウムなどが挙げられる。
前記保護層形成用塗布液における前記アルカリ土類金属含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−アルミニウム含有化合物−−−
前記アルミニウム含有化合物としては、例えば、無機アルミニウム化合物、有機アルミニウム化合物などが挙げられる。
前記無機アルミニウム化合物としては、例えば、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、臭化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、三フッ化アルミニウム、よう化アルミニウム、硫酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムアンモニウムなどが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、アルミニウムと、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記アルミニウムと前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいアセチルアセトナート基、置換基を有していてもよいスルホン酸基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基、安息香酸のように一部がベンゼン環に置換されたアシルオキシ基、乳酸のように一部がヒドロキシ基に置換されたアシルオキシ基、シュウ酸、及びクエン酸のようにカルボニル基を2つ以上有するアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機アルミニウム化合物としては、例えば、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムエトキシド、酢酸アルミニウム、アセチルアセトンアルミニウム、ヘキサフルオロアセチルアセトン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート、トリフルオロメタンスルホン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記保護層形成用塗布液における前記アルミニウム含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−ホウ素含有化合物−−−
前記ホウ素含有化合物としては、例えば、無機ホウ素化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
前記無機ホウ素化合物としては、例えば、オルトホウ酸、酸化ホウ素、三臭化ホウ素、テトラフルオロホウ酸、ホウ酸アンモニウム、ホウ酸マグネシウムなどが挙げられる。前記酸化ホウ素としては、例えば、二酸化二ホウ素、三酸化二ホウ素、三酸化四ホウ素、五酸化四ホウ素などが挙げられる。
前記有機ホウ素化合物としては、ホウ素と、有機基とを有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記ホウ素と前記有機基とは、例えば、イオン結合、共有結合、又は配位結合で結合している。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアシルオキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいスルホン酸基、置換基を有していてもよいチオフェン基などが挙げられる。前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基などが挙げられる。前記アルコキシ基としては、例えば、炭素数1〜6のアルコキシ基などが挙げられる。前記アルコキシ基には、2つ以上の酸素原子を有し、前記2つ以上の酸素原子のうちの2つの酸素原子が、ホウ素と結合し、かつホウ素と一緒になって環構造を形成する有機基も含まれる。また、前記アルコキシ基に含まれるアルキル基が有機シリル基に置換されたアルコキシ基も含む。前記アシルオキシ基としては、例えば、炭素数1〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
前記有機ホウ素化合物としては、例えば、トリエチルボラン、(R)−5,5−ジフェニル−2−メチル−3,4−プロパノ−1,3,2−オキサザボロリジン、ホウ酸トリイソプロピル、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン、ビス(ヘキシレングリコラト)ジボロン、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール、tert−ブチル−N−〔4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,2,3−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル〕カルバメート、フェニルボロン酸、3−アセチルフェニルボロン酸、三フッ化ホウ素酢酸錯体、三フッ化ホウ素スルホラン錯体、2−チオフェンボロン酸、トリス(トリメチルシリル)ボラートなどが挙げられる。
前記保護層形成用塗布液における前記ホウ素含有化合物の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
−−−溶媒−−−
前記溶媒としては、前記各種化合物を安定に溶解又は分散する溶媒であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、イソプロパノール、安息香酸エチル、N,N−ジメチルホルムアミド、炭酸プロピレン、2−エチルヘキサン酸、ミネラルスピリッツ、ジメチルプロピレンウレア、4−ブチロラクトン、2−メトキシエタノール、水などが挙げられる。
前記保護層形成用塗布液における前記溶媒の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記保護層形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物と、前記アルカリ土類金属含有化合物との比率(前記ケイ素含有化合物:前記アルカリ土類金属含有化合物)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO)換算で、30.0mol%〜95.0mol%:5.0mol%〜40.0mol%が好ましく、50.0mol%〜90.0mol%:10.0mol%〜30.0mol%がより好ましい。
前記保護層形成用塗布液における前記ケイ素含有化合物と、前記アルカリ土類金属含有化合物と、前記アルミニウム含有化合物及び前記ホウ素含有化合物の合計との比率(前記ケイ素含有化合物:前記アルカリ土類金属含有化合物:前記アルミニウム含有化合物及び前記ホウ素含有化合物)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸化物(SiO、BeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Al、B)換算で、30.0mol%〜95.0mol%:1.0mol%〜30.0mol%:1.0mol%〜50.0mol%が好ましく、50.0mol%〜90.0mol%:5.0mol%〜20.0mol%:5.0mol%〜30.0mol%がより好ましい。
−−−−保護層形成用塗布液を用いた保護層の形成方法−−−−
前記保護層形成用塗布液を用いた保護層の形成方法の一例について説明する。
前記保護層の形成方法は、塗布工程と、熱処理工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記塗布工程としては、被塗物に前記保護層形成用塗布液を塗布する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記塗布の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターンニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記溶液プロセスとしては、例えば、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート、ノズルプリンティングなどが挙げられる。
前記熱処理工程としては、前記被塗物に塗布された前記保護層形成用塗布液を熱処理する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
なお、前記熱処理する際には、前記被塗物に塗布された前記保護層形成用塗布液は、自然乾燥などにより乾燥していてもよい。
前記熱処理により、前記溶媒の乾燥、前記複合金属酸化物の生成などが行われる。
前記熱処理工程では、前記溶媒の乾燥(以下、「乾燥処理」と称する。)と、前記複合金属酸化物の生成(以下、「生成処理」と称する。)とを、異なる温度で行うことが好ましい。
即ち、前記溶媒の乾燥を行った後に、昇温して前記複合金属酸化物の生成を行うことが好ましい。
前記複合金属酸化物の生成の際には、例えば、前記ケイ素含有化合物、前記アルカリ土類金属含有化合物、前記アルミニウム含有化合物、及び前記ホウ素含有化合物の分解が起こる。
前記乾燥処理の温度としては、特に制限はなく、含有する溶媒に応じて適宜選択することができ、例えば、80℃〜180℃が挙げられる。前記乾燥においては、低温化のために減圧オーブンなどを使用することが有効である。
前記乾燥処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10分間〜1時間が挙げられる。
前記生成処理の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃以上450℃未満が好ましく、200℃〜400℃がより好ましい。
前記生成処理の時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、1時間〜5時間が挙げられる。
なお、前記熱処理工程では、前記乾燥処理及び前記生成処理を連続して実施してもよいし、複数の工程に分割して実施してもよい。
前記熱処理の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被塗物を加熱する方法などが挙げられる。
前記熱処理における雰囲気としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、酸素雰囲気が好ましい。前記酸素雰囲気で熱処理を行うことにより、分解生成物を速やかに系外に排出し、前記複合金属酸化物の生成を促進させることができる。
前記熱処理の際には、波長400nm以下の紫外光を前記乾燥処理後の物質に照射することが、前記生成処理の反応を促進する上で有効である。波長400nm以下の紫外光を照射することにより、前記乾燥処理後の物質中に含有される有機物などの化学結合を切断し、有機物を分解できるため、効率的に前記複合金属酸化物を形成することができる。
前記波長400nm以下の紫外光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エキシマランプを用いた波長222nmの紫外光などが挙げられる。
また、前記紫外光の照射に代えて、又は併用して、オゾンを付与することも好ましい。前記オゾンを前記乾燥処理後の物質に付与することにより、酸化物の生成が促進される。
<ゲート絶縁層>
前記ゲート絶縁層は、前記基材、及び前記保護層の間に形成される絶縁層であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ゲート絶縁層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SiO、SiN、Al等の既に広く量産に利用されている材料や、La、HfO等の高誘電率材料、ポリイミド(PI)やフッ素系樹脂等の有機材料などが挙げられる。
−ゲート絶縁層の形成方法−
前記ゲート絶縁層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ、化学気相蒸着(CVD)、原子層蒸着(ALD)等の真空成膜法、スピンコート、ダイコート、インクジェット等の印刷法などが挙げられる。
前記ゲート絶縁層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜3μmが好ましく、100nm〜1μmがより好ましい。
<ソース電極、及びドレイン電極>
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極としては、電流を取り出すための電極であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は、前記ゲート絶縁層と接するように形成される。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Ag、Cu等の金属及びそれらの合金、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
−ソース電極、及びドレイン電極の形成方法−
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
<半導体層>
前記半導体層は、少なくとも前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の間に形成される。
前記半導体層は、前記ゲート絶縁層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極と接する。
前記ソース電極と、前記ドレイン電極との間とは、前記半導体層が前記ソース電極及び前記ドレイン電極と共に、前記電界効果型トランジスタを機能させるような位置であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記半導体層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコン半導体、酸化物半導体などが挙げられる。前記シリコン半導体としては、例えば、多結晶シリコン(p−Si)、アモルファスシリコン(a−Si)などが挙げられる。前記酸化物半導体としては、例えば、In−Ga−Zn−O、I−Z−O、In−Mg−Oなどが挙げられる。これらの中でも酸化物半導体が好ましい。
−半導体層の形成方法−
前記半導体層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スパッタ法、パルスレーザーデポジッション(PLD)法、CVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等の真空プロセスや、ディップコーティング、スピンコート、ダイコート等の溶液プロセスによる成膜後、フォトリソグラフィーによってパターンニングする方法、インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷法によって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記半導体層の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm〜1μmが好ましく、10nm〜0.5μmがより好ましい。
<ゲート電極>
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成される。
前記ゲート電極は、前記ゲート絶縁層と接する。
前記ゲート電極の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Mo、Al、Ag、Cu等の金属及びそれらの合金、ITO(酸化インジウムスズ)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)等の透明導電性酸化物、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、ポリアニリン(PANI)等の有機導電体などが挙げられる。
−ゲート電極の形成方法−
前記ゲート電極の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(i)スパッタ法、ディップコーティング法等による成膜後、フォトリソグラフィーによってパターニングする方法、(ii)インクジェット、ナノインプリント、グラビア等の印刷プロセスによって、所望の形状を直接成膜する方法などが挙げられる。
前記ゲート電極の平均膜厚としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜1μmが好ましく、50nm〜300nmがより好ましい。
前記電界効果型トランジスタ構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、以下のような構造の電界効果型トランジスタなどが挙げられる。
(1)前記基材と、前記基材上に形成された前記ゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された前記ゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成された前記半導体層と、前記半導体層上に形成された前記保護層とを有する電界効果型トランジスタ。
(2)前記基材と、前記基材上に形成された前記ソース電極及び前記ドレイン電極と、前記ソース電極と前記ドレイン電極との間に形成された前記半導体層と、前記ソース電極、前記ドレイン電極、及び前記半導体層上に形成された前記ゲート絶縁層と、前記ゲート絶縁層上に形成された前記ゲート電極と、前記ゲート電極上に形成された前記保護層とを有する電界効果型トランジスタ。
前記(1)の構造の電界効果型トランジスタとしては、例えば、ボトムコンタクト・ボトムゲート型(図3A)、トップコンタクト・ボトムゲート型(図3B)などが挙げられる。
前記(2)の構造の電界効果型トランジスタとしては、例えば、ボトムコンタクト・トップゲート型(図3C)、トップコンタクト・トップゲート型(図3D)などが挙げられる。
ここで、図3A〜図3Dにおいて、符号21は基材、22はゲート電極、23はゲート絶縁層、24はソース電極、25はドレイン電極、26は酸化物半導体層、27は保護層をそれぞれ表す。
前記電界効果型トランジスタは、後述する表示素子に好適に使用できるが、これに限られるものではなく、例えば、ICカード、IDタグなどにも使用することができる。
(表示素子)
本発明の表示素子は、少なくとも、光制御素子と、前記光制御素子を駆動する駆動回路とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
<光制御素子>
前記光制御素子としては、駆動信号に応じて光出力が制御される素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エレクトロルミネッセンス(EL)素子、エレクトロクロミック(EC)素子、液晶素子、電気泳動素子、エレクトロウェッティング素子などが挙げられる。
<駆動回路>
前記駆動回路としては、本発明の前記電界効果型トランジスタを有し、かつ前記光制御素子を駆動する回路である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記表示素子は、本発明の前記電界効果型トランジスタを有しているため、長寿命化、高速動作が可能となる。
(画像表示装置)
本発明の画像表示装置は、少なくとも、複数の表示素子と、複数の配線と、表示制御装置とを有し、更に必要に応じて、その他の部材を有する。
前記画像表示装置は、画像データに応じた画像を表示する装置である。
<表示素子>
前記表示素子としては、マトリックス状に配置された本発明の前記表示素子である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<配線>
前記配線は、前記表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための配線である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<表示制御装置>
前記表示制御装置としては、前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する装置である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の部材>
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記画像表示装置は、本発明の前記表示素子を有しているため、長寿命化、高速動作が可能となる。
前記画像表示装置は、携帯電話、携帯型音楽再生装置、携帯型動画再生装置、電子BOOK、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯情報機器、スチルカメラやビデオカメラ等の撮像機器における表示手段に用いることができる。また、車、航空機、電車、船舶等の移動体システムにおける各種情報の表示手段にも用いることができる。更に、計測装置、分析装置、医療機器、広告媒体における各種情報の表示手段にも用いることができる。
(システム)
本発明のシステムは、少なくとも、本発明の前記画像表示装置と、画像データ作成装置とを有する。
前記画像データ作成装置は、表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する装置である。
以下、本発明の表示素子、画像表示装置、及びシステムについて、図を用いて説明する。
まず、本発明のシステムの一例としてのテレビジョン装置について、説明する。
本発明のシステムの一例としてのテレビジョン装置は、例えば、特開2010−074148号公報の段落〔0038〕〜〔0058〕及び図1に記載の構成などを採ることができる。
次に、本発明の画像表示装置について説明する。
本発明の画像表示装置としては、例えば、特開2010−074148号公報の段落〔0059〕〜〔0060〕、図2、及び図3に記載の構成などを採ることができる。
次に、本発明の表示素子について、図を用いて説明する。
図1は、表示素子がマトリックス上に配置されたディスプレイ310を表す図である。図1に示されるように、ディスプレイ310は、X軸方向に沿って等間隔に配置されているn本の走査線(X0、X1、X2、X3、・・・、Xn−2、Xn−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本のデータ線(Y0、Y1、Y2、Y3、・・・、Ym−1)と、Y軸方向に沿って等間隔に配置されているm本の電流供給線(Y0i、Y1i、Y2i、Y3i、・・・・・、Ym−1i)とを有する。
よって、走査線とデータ線とによって、表示素子を特定することができる。
図2は、本発明の表示素子の一例を示す概略構成図である。
前記表示素子は、一例として図2に示されるように、有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子350と、該有機EL素子350を発光させるためのドライブ回路320とを有している。即ち、ディスプレイ310は、いわゆるアクティブマトリックス方式の有機ELディスプレイである。また、ディスプレイ310は、カラー対応の32インチ型のディスプレイである。なお、大きさは、これに限定されるものではない。
図2におけるドライブ回路320について説明する。
ドライブ回路320は、2つの電界効果型トランジスタ11及び12と、キャパシタ13とを有する。
電界効果型トランジスタ11は、スイッチ素子として動作する。ゲート電極Gは、所定の走査線に接続され、ソース電極Sは、所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dは、キャパシタ13の一方の端子に接続されている。
キャパシタ13は、電界効果型トランジスタ11の状態、即ちデータを記憶しておくためのものである。キャパシタ13の他方の端子は、所定の電流供給線に接続されている。
電界効果型トランジスタ12は、有機EL素子350に大きな電流を供給するためのものである。ゲート電極Gは、電界効果型トランジスタ11のドレイン電極Dと接続されている。そして、ドレイン電極Dは、有機EL素子350の陽極に接続され、ソース電極Sは、所定の電流供給線に接続されている。
そこで、電界効果型トランジスタ11が「オン」状態になると、電界効果型トランジスタ12によって、有機EL素子350は駆動される。
電界効果型トランジスタ11、12は、一例として図3Aに示されるように、基材21、ゲート電極22、ゲート絶縁層23、ソース電極24、ドレイン電極25、酸化物半導体層26、及び保護層27を有している。
電界効果型トランジスタ11、12は、本発明の前記電界効果型トランジスタの説明に記載の材料、プロセスなどによって形成することができる。
図4は、有機EL素子の一例を示す概略構成図である。
図4において、有機EL素子350は、陰極312と、陽極314と、有機EL薄膜層340とを有する。
陰極312の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金、アルミニウム(Al)−リチウム(Li)合金、ITO(Indium Tin Oxide)などが挙げられる。なお、マグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金は、充分厚ければ高反射率電極となり、極薄膜(20nm程度未満)では半透明電極となる。図4では陽極側から光を取り出しているが、陰極を透明、又は半透明電極とすることによって陰極側から光を取り出すことができる。
陽極314の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などが挙げられる。なお、銀合金を用いた場合は、高反射率電極となり、陰極側から光を取り出す場合に好適である。
有機EL薄膜層340は、電子輸送層342と、発光層344と、正孔輸送層346とを有する。電子輸送層342は、陰極312に接続され、正孔輸送層346は、陽極314に接続されている。陽極314と陰極312との間に所定の電圧を印加すると、発光層344が発光する。
ここで、電子輸送層342と発光層344とが1つの層を形成してもよく、また、電子輸送層342と陰極312との間に電子注入層が設けられてもよく、更に、正孔輸送層346と陽極314との間に正孔注入層が設けられてもよい。
図4では、前記光制御素子として、基材側から光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の有機EL素子の場合について説明したが、前記光制御素子は、基材と反対側から光を取り出す「トップエミッション」の有機EL素子であってもよい。
図5に、有機EL素子350と、ドライブ回路320とを組み合わせた表示素子の一例を示す。
表示素子は、基材31、第一・第二のゲート電極32・33、ゲート絶縁層34、第一・第二のソース電極35・36、第一・第二のドレイン電極37・38、第一・第二の酸化物半導体層39・40、第一・第二の保護層41・42、層間絶縁膜43、有機EL層44、陰極45を有している。第一のドレイン電極37と第二のゲート電極33は、ゲート絶縁層34に形成されたスルーホールを介して接続されている。
図5において、便宜上第二のゲート電極33・第二のドレイン電極38間にてキャパシタが形成されているように見えるが、実際にはキャパシタ形成箇所は限定されず、適宜必要な容量のキャパシタを必要な箇所に設計することができる。
また、図5の表示素子では、第二のドレイン電極38が、有機EL素子350における陽極として機能する。
基材31、第一・第二のゲート電極32・33、ゲート絶縁層34、第一・第二のソース電極35・36、第一・第二のドレイン電極37・38、第一・第二の酸化物半導体層39・40、第一・第二の保護層41・42については、本発明の前記電界効果型トランジスタの説明に記載の材料、プロセスなどによって形成することができる。
層間絶縁膜43(平坦化膜)の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミドやアクリル、フッ素系樹脂等の樹脂、それらを用いた感光性樹脂、SOG(spin on glass)などが挙げられる。層間絶縁膜の形成プロセスとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スピンコート、インクジェットプリンティング、スリットコート、ノズルプリンティング、グラビア印刷、ディップコーティング法などによって、所望の形状を直接成膜したり、感光性材料であればフォトリソグラフィー法によりパターンニングしてもよい。
有機EL層44及び陰極45の作製方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、真空蒸着法、スパッタ法等の真空製膜法、インクジェット、ノズルコート等の溶液プロセスなど挙げられる。
これにより、基材側から発光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の有機EL素子である、表示素子を作製することができる。この場合、基材31、ゲート絶縁層34、第二のドレイン電極(陽極)38は透明性が要求される。
更には、図5では、ドライブ回路320の横に有機EL素子350が配置される構成について説明したが、図6に示すように、ドライブ回路320の上方に有機EL素子350が配置する構成としてもよい。この場合についても、基材側から発光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」となっており、ドライブ回路320には透明性が要求される。ソース・ドレイン電極や陽極には、ITO、In、SnO、ZnO、Gaが添加されたZnO、Alが添加されたZnO、Sbが添加されたSnOなどの導電性を有する透明な酸化物を用いることが好ましい。
表示制御装置400は、一例として図7に示されるように、画像データ処理回路402、走査線駆動回路404、及びデータ線駆動回路406を有している。
画像データ処理回路402は、映像出力回路の出力信号に基づいて、ディスプレイ310における複数の表示素子302の輝度を判断する。
走査線駆動回路404は、画像データ処理回路402の指示に応じてn本の走査線に個別に電圧を印加する。
データ線駆動回路406は、画像データ処理回路402の指示に応じてm本のデータ線に個別に電圧を印加する。
なお、前記実施形態では、有機EL薄膜層が、電子輸送層と発光層と正孔輸送層とからなる場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、電子輸送層と発光層が1つの層であってもよい。また、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられてもよい。さらに、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられてもよい。
また、前記実施形態では、基材側から発光を取り出すいわゆる「ボトムエミッション」の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、陽極314に銀(Ag)−ネオジウム(Nd)合金などの高反射率電極、陰極312にマグネシウム(Mg)−銀(Ag)合金などの半透明電極或いはITO等の透明電極を用いて基材と反対側から光を取り出してもよい。
また、前記実施形態では、光制御素子が有機EL素子の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光制御素子がエレクトロクロミック素子であってもよい。この場合は、ディスプレイ310は、エレクトロクロミックディスプレイとなる。
また、光制御素子が液晶素子であってもよい。この場合は、ディスプレイ310は、液晶ディスプレイとなる。そして、一例として図8に示されるように、表示素子302’に対する電流供給線は不要である。
この場合は、また、一例として図9に示されるように、ドライブ回路320’は、前述した電界効果型トランジスタ(11、12)と同様な1つの電界効果型トランジスタ14とキャパシタ15で構成することができる。電界効果型トランジスタ14では、ゲート電極Gが所定の走査線に接続され、ソース電極Sが所定のデータ線に接続されている。また、ドレイン電極Dが液晶素子370の画素電極、及びキャパシタ15に接続されている。なお、図9における符号16、372は、液晶素子370の対向電極(コモン電極)である。
前記実施形態において、光制御素子は、電気泳動素子であってもよい。また、光制御素子は、エレクトロウェッティング素子であってもよい。
また、前記実施形態では、ディスプレイがカラー対応の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
なお、本実施形態に係る電界効果型トランジスタは、表示素子以外のもの(例えば、ICカード、IDタグ)にも用いることができる。
本発明の電界効果型トランジスタは、高速動作かつ高信頼性を有することから、前記電界効果型トランジスタを用いた表示素子、画像表示装置及びシステムについても同様の効果が得られる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
(実施例1〜4)
<電界効果型トランジスタの作製>
−保護層形成用塗布液の作製−
表1に示す分量にて、テトラブトキシシラン(T5702−100G、Aldrich社製)、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar社製)、ホウ酸トリイソプロピル(Wako320−41532、株式会社ワコーケミカル製)、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5%、Wako351−01162、株式会社ワコーケミカル製)、及び2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako195−09561、和光純薬工業株式会社製)をトルエンで希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表2に示す組成となる。
次に図3Aに示すような、ボトムコンタクト・ボトムゲート型の電界効果型トランジスタを作製した。
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板(基材21)上にゲート電極22を形成した。具体的には、ガラス基板(基材21)上に、DCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート電極22のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるゲート電極22を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、ゲート電極22上にゲート絶縁層23を形成した。具体的には、ゲート電極22及びガラス基板(基材21)上に、RFスパッタリングによりAl膜を平均膜厚が約300nmとなるように成膜し、ゲート絶縁層23を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、ゲート絶縁層23上にソース電極24及びドレイン電極25を形成した。具体的には、ゲート絶縁層23上にDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mo膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるソース電極24及びドレイン電極25のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のMo膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、Mo膜からなるソース電極24及びドレイン電極25を形成した。
−酸化物半導体層の形成−
次に、酸化物半導体26層を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、Mg−In系酸化物(InMgO)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mg−In系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される酸化物半導体層26のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、ウェットエッチングにより、レジストパターンの形成されていない領域のMg−In系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、酸化物半導体層26を形成した。これにより、ソース電極24とドレイン電極25との間にチャネルが形成されるように酸化物半導体層26が形成された。
−保護層の形成−
次に、前記保護層形成用塗布液0.4mLを前記基板上へ滴下し、所定の条件でスピンコートした(300rpmで5秒間回転させた後、3,000rpmで20秒間回転させ、5秒間で0rpmとなるように回転を止めた)。続いて、大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行い、保護層27としてSiO−A−B−CaO−SrO複合金属酸化物絶縁膜(保護層)を形成し、電界効果型トランジスタを完成させた。
保護層27の平均膜厚は約30nmであった。
最後に後工程の加熱処理として、320℃30分間の熱処理を行った後、前記電界効果型トランジスタの保護層27の外観の評価を行った。結果を表2に示す。
<比誘電率測定用キャパシタの作製>
図10に示す構造のキャパシタを作製した。はじめにガラス基板81上に下部電極82を形成した。具体的には、メタルマスクを介してDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。次に、各実施例の電界効果型トランジスタの保護層の形成と同様のプロセスで誘電層83を形成した。最後に、下部電極82と同様の材料及びプロセスにて誘電層83上に上部電極84を形成し、キャパシタを作製した。誘電層83の平均膜厚は30nmであった。作製したキャパシタの比誘電率を、LCRメータ(4284A、Agilent社製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
<線膨張係数測定用サンプルの作製>
各実施例の保護層形成用塗布液を1L作製し、溶媒除去した後、白金坩堝に入れて1,600℃に加熱及び溶融後、フロート法により直径5mm、高さ10mmの円柱状物を作製した。作製した円柱状物について、20℃〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数を、熱機械分析装置(8310シリーズ、株式会社リガク製)を用いて測定した。作製した円柱状物は、各実施例の電界効果型トランジスタの保護層と同じ組成であり、線膨張係数に関しても同じ値をとる。
表2中、「−」は、比率が0%であることを示す。表4、6、8、11、12、13、15においても同じである。
(実施例5〜7)
表3に示す分量にて、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS、東京応化工業株式会社製)、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar社製)、フェニルボロン酸(Wako163−23222、和光純薬工業株式会社製)、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Stream12−1260、Strem Chemicals,Inc.製)、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5%、Wako351−01162、株式会社ワコーケミカル製)、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako195−09561、和光純薬工業株式会社製)、及び2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako021−09471、和光純薬工業株式会社製)をトルエンで希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表4に示す組成となる。
作製した保護層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、キャパシタ、円柱状物を作製し、評価を行った。結果を表4に示す。
(実施例8及び9)
表5に示す分量にて、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS、東京応化工業株式会社製)、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar社製)、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Stream12−1260、Strem Chemicals,Inc.製)、及び2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako195−09561、和光純薬工業株式会社製)をトルエンで希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表6に示す組成となる。
作製した保護層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、キャパシタ、円柱状物を作製し、評価を行った。結果を表6に示す。
(実施例10及び11)
表7に示す分量にて、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン(HMDS、東京応化工業株式会社製)、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(Wako 325−41462、株式会社ワコーケミカル製)、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5%、Wako351−01162、株式会社ワコーケミカル製)、及び2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako021−09471、和光純薬工業株式会社製)をトルエンで希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表8に示す組成となる。
作製した保護層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、キャパシタ、円柱状物を作製し、評価を行った。結果を表8に示す。
(実施例12〜18)
表9及び10に示す分量にて、テトラブトキシシラン(T5702−100G、Aldrich社製)、2−エチルヘキサン酸マグネシウムトルエン溶液(Mg含量3%、Stream12−1260、Strem Chemicals,Inc.製)、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5%、Wako351−01162、株式会社ワコーケミカル製)、2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、Wako195−09561、和光純薬工業株式会社製)、及び2−エチルヘキサン酸バリウムトルエン溶液(Ba含量8%、Wako021−09471、和光純薬工業株式会社製)をトルエンで希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表11及び12に示す組成となる。
作製した保護層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、キャパシタ、円柱状物を作製し、評価を行った。結果を表11及び表12に示す。
(比較例1)
<電界効果型トランジスタの作製>
まず、実施例1と同様の方法で、ガラス基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極、並びに酸化物半導体層を形成した。
−保護層の形成−
次に、保護層を形成した。具体的には、フッ素樹脂塗布液(Cytop CTL−809A、旭硝子株式会社製)0.4mLをスピンコートした(500rpmで10秒間回転させた後、2,000rpmで30秒間回転させた)。次に、90℃で30分間のプリベーク後、230℃で60分間のポストベークをすることにより、前記酸化物半導体層を被覆するように保護層を形成した。このように形成された保護層の平均膜厚は、約1,500nmであった。
最後に後工程の加熱処理として、320℃30分間の熱処理を行った後、前記電界効果型トランジスタの保護層27の外観の評価を行った。結果を表13に示す。
<比誘電率測定用キャパシタの作製>
図10に示す構造のキャパシタを作製した。はじめにガラス基板81上に下部電極82を形成した。具体的には、メタルマスクを介してDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。次に、本比較例の電界効果型トランジスタの保護層の形成と同様のプロセスで誘電層83を形成した。最後に、下部電極82と同様の材料及びプロセスにて誘電層83上に上部電極84を形成し、キャパシタを作製した。誘電層83の平均膜厚は1,500nmであった。作製したキャパシタの比誘電率を、LCRメータ(4284A、Agilent社製)によって測定した。結果を表13に示す。
<線膨張係数測定用サンプルの作製>
まず、フッ素樹脂塗布液(Cytop CTL−809A、旭硝子株式会社製)をフッ素系溶媒(CT−SOLV180、旭硝子株式会社製)で2倍質量に希釈し、塗布液を作製した。次に、単結晶Si基板上に、前記塗布液0.4mLをスピンコートした(500rpmで10秒間回転させた後、1,000rpmで30秒間回転させた)。続いて、90℃で30分間のプリベーク後、230℃で60分間のポストベークをすることにより線膨張係数測定用サンプルを作製した。サンプルの平均膜厚は300nmであった。作製した線膨張係数測定用サンプルについて、20℃〜80℃の温度範囲における平均線膨張係数を、X線反射率法を用いて測定した。結果を表13に示す。
(比較例2)
<電界効果型トランジスタの作製>
まず、実施例1と同様の方法で、ガラス基板上に、ゲート電極、ゲート絶縁層、ソース電極及びドレイン電極、並びに酸化物半導体層を形成した。
−保護層の形成−
次に、保護層を形成した。具体的には、SiClを原料としてPECVD(Plasma enhanced chemical vapor deposition)法により保護層としてSiO層を形成し、電界効果型トランジスタを完成させた。このように形成された保護層の平均膜厚は、約30nmであった。
最後に後工程の加熱処理として、320℃30分間の熱処理を行った後、前記電界効果型トランジスタの保護層27の外観の評価を行った。結果を表13に示す。
<比誘電率測定用キャパシタの作製>
図10に示す構造のキャパシタを作製した。はじめにガラス基板81上に下部電極82を形成した。具体的には、メタルマスクを介してDCスパッタリングによりMo(モリブデン)膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。次に、本比較例の電界効果型トランジスタの保護層の形成と同様のプロセスで誘電層83を形成した。最後に、下部電極82と同様の材料及びプロセスにて誘電層83上に上部電極84を形成し、キャパシタを作製した。誘電層83の平均膜厚は30nmであった。作製したキャパシタの比誘電率を、LCRメータ(4284A、Agilent社製)によって測定した。結果を表13に示す。
<線膨張係数測定用ガラス板の作製>
SiClを原料として、酸水素炎中で加水分解させてシリカ粉末を成長させてSiO多孔質体を得た後、1,600℃の高温で溶融させることで、直径5mm、高さ10mmの円柱状のSiOガラスを作製した。作製した円柱状ガラスについて、20℃〜300℃の温度範囲における平均線膨張係数を、熱機械分析装置(8310シリーズ、株式会社リガク製)を用いて測定した。作製した円柱状ガラスは、本比較例の電界効果型トランジスタの保護層と同じ組成であり、線膨張係数に関しても同じ値をとる。
(比較例3及び4)
表14に示す分量にて、テトラブトキシシラン(T5702−100G、Aldrich社製)、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar社製)、及び2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(Wako 325−41462、株式会社ワコーケミカル製)をトルエンで希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表15に示す組成となる。
作製した保護層形成用塗布液を用い、実施例1と同様の方法で、電界効果型トランジスタ、キャパシタ、円柱状物を作製し、評価を行った。結果を表15に示す。
<電界効果型トランジスタの外観及び保護層の比誘電率、線膨張係数について>
比較例2〜4で作製した電界効果型トランジスタの保護層は、Mo膜からなるソース電極24及びドレイン電極25上で、また、Mg−In系酸化物(InMgO)膜から成る酸化物半導体層26上で、剥離が確認された。
これは、Mo膜、Mg−In系酸化物(InMgO)膜は、線膨張係数が30×10−7程度であるのに対し、比較例2〜4で作製した電界効果型トランジスタの保護層の線膨張係数が5×10−7〜20×10−7と小さく、その界面で応力が発生したためと考えられる。
それに対して、実施例1〜18の電界効果型トランジスタの保護層は、その組成によって比誘電率を7.0以下としながら、線膨張係数が30.0×10−7以上であり、剥離は見られず、良好な結果を示した。特に、実施例1〜3、5〜14、16〜18の電界効果型トランジスタの保護層は、比誘電率が6.0以下であり、線膨張係数が30.0×10−7〜60.0×10−7であり、より良好な結果を示した。
また、比較例1で作製した電界効果型トランジスタの保護層に関しても剥離は見られなかった。
<トランジスタ特性の信頼性評価>
実施例1〜18、及び比較例1で作製した電界効果型トランジスタに対し、N雰囲気下でDCバイアスストレス試験を160時間実施した。
具体的には、ストレス条件を、下記の2種類とした。
(1)ゲート電極22−ソース電極24間電圧(Vgs)=+20V、及びドレイン電極25−ソース電極24間電圧(Vds)=0Vの条件
(2)Vgs=Vds=+20Vの条件
実施例1で作製した電界効果型トランジスタのストレス条件をVgs=+20、及びVds=0Vとした結果を図11に、ストレス条件Vgs=Vds=+20とした結果を図12に示した。また、比較例1で作製した電界効果型トランジスタのストレス条件Vgs=+20、及びVds=0Vとした結果を図13に、ストレス条件Vgs=Vds=+20とした結果を図14に示した。ここで、図11〜図14のグラフの縦軸における「E」は10のべき乗を表す。例えば、「1.E−03」は「1×10−3」及び「0.001」を表し、「1.E−05」は「1×10−5」及び「0.00001」を表す。
ここで、トランジスタ特性の立ち上がり電圧Vonを、Vgを−20Vから0.5Vステップにて上げていく際に、Idsが10−11Aを超える直前の電圧と定義した。
160時間のストレス試験の間に立ち上がり電圧Vonのシフト量ΔVonに注目すると、図11で+1.0V、図12のグラフで+1.5Vであるのに対し、図13のグラフでは+8.0V、図14のグラフでは+7.5Vとなっている。ここで、実施例1〜16、及び比較例1で作製した電界効果型トランジスタを160時間のストレス試験を実施した際のΔVonの結果を表16に示した。表16から、実施例1〜18と比較例1との間に明確な優位差が確認された。即ち、実施例1〜18で作製した電界効果型トランジスタは、比較例1で作製した電界効果型トランジスタよりも、半導体層(特に、酸化物半導体層)の保護層として適していることがわかった。
また、実施例1〜18で作製した電界効果型トランジスタは、大気中でも良好な信頼性を示した。
(実施例19)
<有機EL表示装置の作製>
図15に示すような、有機EL表示装置を作製した。
−ゲート電極の形成−
最初に、ガラス基板51上に第一のゲート電極52及び第二のゲート電極53を形成した。具体的には、ガラス基板51上に、DCスパッタリングにより透明導電膜であるITO膜を平均膜厚が約100nmとなるよう成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される第一のゲート電極52及び第二のゲート電極53のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のITO膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、第一のゲート電極52及び第二のゲート電極53を形成した。
−ゲート絶縁層の形成−
次に、ゲート絶縁層54を形成した。具体的には、第一のゲート電極52、第二のゲート電極53及びガラス基板51上に、RFスパッタリングによりAl膜を平均膜厚が約300nmになるように成膜した。この後、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成されるゲート絶縁層54のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のAl膜を除去し、この後、レジストパターンも除去することによりゲート絶縁層54を形成した。
−ソース電極及びドレイン電極の形成−
次に、第一のソース電極55及び第二のソース電極57、並びに第一のドレイン電極56及び第二のドレイン電極58を形成した。具体的には、ゲート絶縁層54上にDCスパッタリングにより透明導電膜であるITO膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜し、この後、ITO膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される第一のソース電極55及び第二のソース電極57、並びに第一のドレイン電極56及び第二のドレイン電極58のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のITO膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、ITO膜からなる第一のソース電極55及び第二のソース電極57、並びに第一のドレイン電極56及び第二のドレイン電極58を形成した。
−酸化物半導体層の形成−
次に、第一の酸化物半導体層59及び第二の酸化物半導体層60を形成した。具体的には、DCスパッタリングにより、Mg−In系酸化物(InMgO)膜を平均膜厚が約100nmとなるように成膜した。この後、Mg−In系酸化物膜上に、フォトレジストを塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、形成される第一の酸化物半導体層59及び第二の酸化物半導体層60のパターンと同様のレジストパターンを形成した。更に、RIEにより、レジストパターンの形成されていない領域のMg−In系酸化物膜を除去した。この後、レジストパターンも除去することにより、第一の酸化物半導体層59及び第二の酸化物半導体層60を形成した。これにより、第一のソース電極55と第一のドレイン電極56との間にチャネルが形成されるように第一の酸化物半導体層59が形成された。また、第二のソース電極57と第二のドレイン電極58との間にチャネルが形成されるように第二の酸化物半導体層60が形成された。
−保護層の形成−
次に、第一の保護層61及び第二の保護層62を形成した。
まず、表1に示す実施例1の分量にて、テトラブトキシシラン(T5702−100G、Aldrich社製)、アルミニウムジ(s−ブトキシド)アセト酢酸エステルキレート(Al含量8.4%、Alfa89349、Alfa Aesar社製)、ホウ酸トリイソプロピル(Wako 320−41532、株式会社ワコーケミカル製)、2−エチルヘキサン酸カルシウムミネラルスピリット溶液(Ca含量5%、351−01162、株式会社ワコーケミカル製)、及び2−エチルヘキサン酸ストロンチウムトルエン溶液(Sr含量2%、195−09561、和光純薬工業株式会社製)をメシチレン中で希釈し、保護層形成用塗布液を得た。前記保護層形成用塗布液によって形成される複合金属酸化物は表2に示す実施例1の組成となる。
前記保護層形成用塗布液を用い、インクジェット法によって第一の酸化物半導体層59及び第二の酸化物半導体層60を被覆するように、保護層を塗布形成した。続けて大気中で120℃1時間の乾燥処理後、O雰囲気下で400℃3時間の焼成を行った。そして、第一の保護層61及び第二の保護層62としてSiO−A−B−CaO−SrO複合金属酸化物絶縁膜(保護層)を得た。第一の保護層61及び第二の保護層62の平均膜厚は約30nmであった。
−層間絶縁膜の形成−
次に、層間絶縁膜63を形成した。具体的には、ポジ型感光性有機材料(スミレジンエクセルCRCシリーズ、住友ベークライト株式会社製)をスピンコートにより塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、所望のパターンを得た。その後、320℃で30分間のポストベークをすることにより、第二のドレイン電極58上にスルーホールを有した層間絶縁膜63を形成した。このように形成された層間絶縁膜63の平均膜厚は、約3μmであった。層間絶縁膜63のポストベーク後も、保護層61及び62に剥離は見られなかった。
−隔壁の形成−
次に、隔壁64を形成した。具体的にはUVオゾン処理によって層間絶縁膜63の表面改質を行った。その後に、ポジ型感光性ポリイミド樹脂(DL−1000、東レ株式会社製)をスピンコートにより塗布し、プリベーク、露光装置による露光、及び現像により、所望のパターンを得た。その後、230℃で30分間のポストベークをすることにより、隔壁64を形成した。
−陽極の形成−
次に、陽極65を形成した。具体的には、UVオゾン処理によって再度層間絶縁膜63の表面改質を行った後に、ナノ粒子状のITOインクを用い、インクジェットによって平均膜厚が約50nmの陽極65を形成した。
−有機EL層の形成−
次に高分子有機発光材料を用いて、インクジェット装置により、陽極65上に有機EL層66を形成した。
−陰極の形成−
次に、陰極67を形成した。具体的には、MgAgを真空蒸着することにより、有機EL層66及び隔壁64上に陰極67を形成した。
−封止層の形成−
次に、封止層68を形成した。具体的には、PECVDによりSiN膜を平均膜厚が約2μmとなるように成膜することにより、陰極67上に封止層68を形成した。
−貼合せ−
次に、対向基板70との貼合せを行った。具体的には、封止層68の上に、接着層69を形成し、ガラス基板からなる対向基板70を貼り合せた。これにより、図15に示す構成の有機EL表示装置の表示パネルを作製した。
−駆動回路の接続−
次に、駆動回路を接続した。具体的には、前記表示パネルに不図示の駆動回路を接続し、表示パネルにおいて画像を表示することができるようにした。これにより、有機EL表示装置の画像表示システムを作製した。
本有機EL表示装置は、電界効果型トランジスタが全層透明な膜で形成されており、陰極のみ反射率の高い金属層を用いているため、いわゆる「ボトムエミッション」型の有機EL表示装置である。
本有機EL表示装置は、高速動作及び高信頼性を示した。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 基材と、
保護層と、
前記基材、及び前記保護層の間に形成されたゲート絶縁層と、
前記ゲート絶縁層と接するように形成されたソース電極、及びドレイン電極と、
少なくとも前記ソース電極、及び前記ドレイン電極の間に形成され、前記ゲート絶縁層、前記ソース電極、及び前記ドレイン電極と接する半導体層と、
前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成され、前記ゲート絶縁層と接するゲート電極とを有し、
前記保護層が、少なくともSiと、アルカリ土類金属とを含有する複合金属酸化物を含有することを特徴とする電界効果型トランジスタである。
<2> 複合金属酸化物が、Al及びBの少なくともいずれかを含有する前記<1>に記載の電界効果型トランジスタである。
<3> 半導体層が、酸化物半導体層である前記<1>から<2>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<4> アルカリ土類金属が、Mg、Ca、Sr、及びBaの少なくともいずれかである前記<1>から<3>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタである。
<5> 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
前記<1>から<4>のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを有し、かつ前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を有することを特徴とする表示素子である。
<6> 光制御素子が、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、液晶素子、電気泳動素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかを有する前記<5>に記載の表示素子である。
<7> 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
マトリックス状に配置された複数の前記<5>から<6>のいずれかに記載の表示素子と、
前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための複数の配線と、
前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置とを有することを特徴とする画像表示装置である。
<8> 前記<7>に記載の画像表示装置と、
表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置とを有することを特徴とするシステムである。
11 電界効果型トランジスタ
12 電界効果型トランジスタ
13 キャパシタ
14 電界効果型トランジスタ
15 キャパシタ
16 対向電極
21 基材
22 ゲート電極
23 ゲート絶縁層
24 ソース電極
25 ドレイン電極
26 酸化物半導体層
27 保護層
31 基材
32 第一のゲート電極
33 第二のゲート電極
34 ゲート絶縁層
35 第一のソース電極
36 第二のソース電極
37 第一のドレイン電極
38 第二のドレイン電極
39 第一の酸化物半導体層
40 第二の酸化物半導体層
41 第一の保護層
42 第二の保護層
43 層間絶縁膜
44 有機EL層
45 陰極
51 ガラス基板
52 第一のゲート電極
53 第二のゲート電極
54 ゲート絶縁層
55 第一のソース電極
56 第一のドレイン電極
57 第二のソース電極
58 第二のドレイン電極
59 第一の酸化物半導体層
60 第二の酸化物半導体層
61 第一の保護層
62 第一の保護層
63 層間絶縁膜
64 隔壁
65 陽極
66 有機EL層
67 陰極
68 封止層
69 接着層
70 対向基板
81 ガラス基板
82 下部電極
83 誘電層
84 上部電極
302、302’ 表示素子
310 ディスプレイ
312 陰極
314 陽極
320、320’ ドライブ回路(駆動回路)
340 有機EL薄膜層
342 電子輸送層
344 発光層
346 正孔輸送層
350 有機EL素子
370 液晶素子
372 対向電極
400 表示制御装置
402 画像データ処理回路
404 走査線駆動回路
406 データ線駆動回路
特開2008−205469号公報 特開2010−103203号公報 特開2007−299913号公報 特開2010−182819号公報 特開2011−77515号公報 特開2011−222788号公報
K.Nomura,他5名、「Room−temperature fabrication of transparent flexible thin−film transistors using amorphous oxide semiconductors」、NATURE、VOL432、No.25、NOVEMBER、2004、p.488−492

Claims (10)

  1. 基材と、
    保護層と、
    前記基材、及び前記保護層の間に形成されたゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層と接する半導体層と、
    前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成され、前記ゲート絶縁層と接するゲート電極とを有し、
    前記保護層が、少なくともSiと、アルカリ土類金属と、Alとを含有する複合金属酸化物を含有することを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  2. 複合金属酸化物が、Bを含有する請求項1に記載の電界効果型トランジスタ。
  3. 基材と、
    保護層と、
    前記基材、及び前記保護層の間に形成されたゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層と接する半導体層と、
    前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成され、前記ゲート絶縁層と接するゲート電極とを有し、
    前記保護層が、少なくともSiと、アルカリ土類金属とを含有する複合金属酸化物を含有し、
    前記アルカリ土類金属が、Ca、及びSrの少なくともいずれかを含むことを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  4. 基材と、
    保護層と、
    前記基材、及び前記保護層の間に形成されたゲート絶縁層と、
    前記ゲート絶縁層と接する半導体層と、
    前記ゲート絶縁層を挟んで前記半導体層とは反対側に形成され、前記ゲート絶縁層と接するゲート電極とを有し、
    前記保護層が、少なくともSiと、アルカリ土類金属とを含有する複合金属酸化物を含有し、
    前記複合金属酸化物における前記Siの割合が、酸化物(SiO)換算で、30.0mol%〜95.0mol%であることを特徴とする電界効果型トランジスタ。
  5. 複合金属酸化物が、Al及びBの少なくともいずれかを含有する請求項3から4のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
  6. 半導体層が、酸化物半導体層である請求項1から5のいずれかに記載の電界効果型トランジスタ。
  7. 駆動信号に応じて光出力が制御される光制御素子と、
    請求項1から6のいずれかに記載の電界効果型トランジスタを有し、かつ前記光制御素子を駆動する駆動回路と、を有することを特徴とする表示素子。
  8. 光制御素子が、エレクトロルミネッセンス素子、エレクトロクロミック素子、液晶素子、電気泳動素子、及びエレクトロウェッティング素子のいずれかを有する請求項7に記載の表示素子。
  9. 画像データに応じた画像を表示する画像表示装置であって、
    マトリックス状に配置された複数の請求項7から8のいずれかに記載の表示素子と、
    前記複数の表示素子における各電界効果型トランジスタにゲート電圧を個別に印加するための複数の配線と、
    前記画像データに応じて、前記各電界効果型トランジスタのゲート電圧を前記複数の配線を介して個別に制御する表示制御装置とを有することを特徴とする画像表示装置。
  10. 請求項9に記載の画像表示装置と、
    表示する画像情報に基づいて画像データを作成し、該画像データを前記画像表示装置に出力する画像データ作成装置とを有することを特徴とするシステム。
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