JP2019053959A - プラズマ噴射装置及び印刷装置 - Google Patents

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淳 西山
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創士 渡部
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裕二 池田
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Abstract

【課題】簡単な構造であって、ケースの先端部において高電圧により生成したブレークダウンプラズマを電磁波によって維持拡大し、気体供給口からケース内部に供給される気体によって維持拡大したプラズマを外部に噴射させるプラズマ噴射装置を提供すること。
【解決手段】一端にプラズマ噴射口を開放したケース2と、プラズマ噴射口の近傍に配設される複数の放電電極と、この放電電極と高電圧を生成する変圧器HVとを接続する複数の接続線路40と、放電電極との間でブレークダウンプラズマを生成する対向電極と、生成されたブレークダウンプラズマに、電磁波を照射する電磁波照射アンテナと、ケース2内に気体を供給する気体供給口20aとを備えており、前記放電電極、対向電極、及び電磁波照射アンテナは、前記ケース2の内部に配設され、放電電極と変圧器HVとを接続する接続線路40がケース2の外部に配設する。
【選択図】図1

Description

本発明は、プラズマ噴射装置及び印刷装置に関し、特に小型で構造が簡単なプラズマ噴射装置及び印字前に被印刷物に対してプラズマ処理を施すプラズマ噴射装置を具備した印刷装置に関する。
従来、プラズマ噴射装置としては、プラズマの放射器内部に放電用ガスを供給するとともに、放射器の先端部分で電界強度が最大となるように高周波電源から高周波を供給することでプラズマを発生させ、放電ガスの勢いに伴って外部に放出させる装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、被印刷物にプラズマ処理を施し、インキの定着を向上、印字後のインキの掠れ防止や早期定着を目的として被印刷物にプラズマ処理を施す技術は多数提案されている(例えば、特許文献2〜4参照)。
これらの印刷装置等では前処理として接着性の向上、後処理として硬化性・定着性の向上を目的として、被印刷部の表面改質を行うようプラズマ処理を施すようにしている。
特開2013−098018号公報 特開2013−095562号公報 特開2015−180529号公報 特開2015−131450号公報
しかし、特許文献1に記載のプラズマ噴射装置では、大気圧下でのプラズマ生成を可能にしているもののプラズマ生成のために放電用ガスが必要で有るとともに、装置全体の構造が複雑であり、小型・軽量化は困難なものとなる。また、何れの印刷装置においても装置が大がかりとなり、印刷装置全体の価格が高騰するという問題があった。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構造であって、ケースの先端部において高電圧により生成したブレークダウンプラズマを電磁波によって維持拡大し、気体供給口からケース内部に供給される気体によって維持拡大したプラズマを外部に噴射させるプラズマ噴射装置及びプラズマにより前処理を行うことのできる印刷装置を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明のプラズマ噴射装置は、
一端にプラズマ噴射口を開放したケースと、
前記プラズマ噴射口の近傍に配設される複数の放電電極と、
該放電電極と高電圧を生成する変圧器とを接続する複数の接続線路と、
前記放電電極との間でブレークダウンプラズマを生成する対向電極と、
生成されたブレークダウンプラズマに、電磁波を照射する電磁波照射アンテナと、
前記ケース内に気体を供給する気体供給口とを備え、
前記放電電極、対向電極及び電磁波照射アンテナは、前記ケースの内部に配設され、
前記接続線路は、前記ケースの外部に配設するようにしている。
本発明のプラズマ噴射装置は、複数箇所で生成したブレークダウンプラズマに電磁波を照射し、拡大した状態で維持し、ケース内部に供給される気体によってプラズマ噴射口から外部にプラズマを噴射する。
上記課題を解決するためになされた本発明の印刷装置は、
インキを液滴状に噴出するノズル部を備えた印刷手段と、
被印刷物を印刷手段に向けて搬送する搬送手段と、
前記印刷手段の前側で、かつ、印刷手段と共に移動するように配設した前記プラズマ噴射装置と、
前記プラズマ噴射装置を制御する制御手段とを備え、
前記制御装置が、プラズマ噴射装置への高電圧の印加及び電磁波の発振を、印刷手段による印刷前に行うように制御するようにしている。
この場合において、印刷手段の後側に電磁波照射器を備え、前記制御装置が電磁波照射器への電磁波の発振を印刷手段による印刷後に行うように制御することができる。
本発明の印刷装置は、印刷手段による印刷処理の前に被印刷物の表面を改質し濡れ性を向上させる。さらに、印刷手段の後ろ側に、電磁波照射器を備えることで印刷処理後のインキの乾燥を促進する。
本発明のプラズマ噴射によれば、ケース先端部で生成し、維持拡大したプラズマを気体供給口から供給される気体によって幅広いプラズマを外部に噴射することにより、装置全体の構造を複雑とせずに小型・軽量化が可能となり、被印刷部等の表面を改質することができる。また、このプラズマ噴射装置を使用した印刷装置は、装置を大がかりとせず、価格を抑えたうえで、印刷前の被印刷物表面をプラズマ処理することで表面を改質し、インキの定着性を向上させることができる。また、印刷手段の後側に、電磁波照射器を備えることにより、前処理で被印刷物表面のぬれ性を向上させ、印刷処理後、電磁波照射器による誘電加熱によって早期にインキを乾燥させることができるので、特にフィルム等の非多孔質な被印刷物に対して水性インクを用いて印刷する場合においても、印刷速度を速められ、鮮明性を損なわずに良好に印刷することができる。
実施形態1のプラズマ噴射装置の概略図である。 同プラズマ噴射装置を示し、(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は正面図、(d)は背面図である。 同プラズマ噴射装置の上蓋を外した状態を示し、(a)は平面図、(b)正面図である。 同プラズマ噴射装置の対向電極と放電電極を示す斜視図である。 同プラズマ噴射装置の放電電極へ変圧器から印加される高電圧の印加パターン及び電磁波照射アンテナと兼用される対向電極へ電磁波発振器から発振される電磁波の発振パターンを示す。 実施形態2の印刷装置の概略図である。 同印刷装置の変形例に使用する電磁波照射器を示し、(a)は全体断面図、(b)は電極部の平面図、(b)は電極部の一部切り欠きの正面図である。 同電磁波照射器の昇圧手段の等価回路である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
<実施形態1>プラズマ噴射装置
本実施形態1は、本発明に係るプラズマ噴射装置である。本発明のプラズマ噴射装置1は、図1乃至図3に示すように、一端にプラズマ噴射口3を開放したケース2と、プラズマ噴射口3の近傍に配設される複数の放電電極4と、この放電電極4と高電圧を生成する変圧器HVとを接続する複数の接続線路40と、放電電極4との間でブレークダウンプラズマを生成する対向電極5と、生成されたブレークダウンプラズマに、電磁波を照射する電磁波照射アンテナと、ケース2内に気体を供給する気体供給口20aとを備えており、前記放電電極4、対向電極5、及び電磁波照射アンテナは、前記ケース2の内部に配設され、放電電極4と変圧器HVとを接続する接続線路40がケース2の外部に配設されている。
ケース2は、その形状を特に限定するものではなく、円筒形状であっても構わないが、本実施形態においては、上蓋20、底板21、両側面を形成するサイドカバー22、22、プラズマ噴射口3を形成するコ字状切り欠き部を形成したトップカバー23及びトップカバー23との対向面を形成するボトムカバー24から構成した角筒状で形成される。
上蓋20は、底板21との対向面を形成し、トップカバー23及びボトムカバー24と一体的に構成しても構わない。本実施形態においては、上蓋20とボトムカバー24を一体の削り出し加工によって構成し、トップカバー23は薄板を加工屈曲し、上蓋20にビス、ボルト等の締結手段を用いて底板21,サイドカバー22、22と共に締結固定するようにしている。また、上蓋20の中心近傍には、ケース2の内部に気体、例えば圧縮空気を供給する気体供給口20aを開口している。
サイドカバー22、22の高さ方向の寸法及び、サイドカバー22内面の間隔によってケース2の内部空間の大きさが決定される。ケース2の内部空間は、トップカバー23に形成されるプラズマ噴射口3と外部で連通され、その他の部分は、上蓋20、底板21、サイドカバー22、22及びボトムカバー24により密封されている。
プラズマ噴射口3は、コ字状に切り欠いたトップカバー23の切り欠き部によって方形状に形成される。そして、このプラズマ噴射口3の近傍には、点火コイル等の高電圧を生成する変圧器HVと接続される放電電極4が複数配設されている。放電電極4の配設数は、特に限定するものではないが、本実施形態においては、方形状のプラズマ噴射口3の両端部近傍の2箇所に配設するようにしている。また、ケース2を円筒状に形成し、プラズマ噴射口3をケース2の一端の開放部(円状)とすることもできる。この場合、対向電極5をケース2の一端の開放部の中心に配設するとともに、外部の電磁波発振器MWと接続することで電磁波放射アンテナと兼用する。そして、放電電極4をその周りに複数配設し、それぞれの接続線路40をケース2の外部に配設する。
放電電極4と高電圧を生成する変圧器を接続する接続線路40は、ケース2の内部空間に配設することなく、ケース2の外部に配設する。具体的には、サイドカバー22の長手方向に形成する溝部22bに配設する。サイドカバー22は、先端(プラズマ噴射口3側)の外側に切り欠き部22aを形成し、切り欠き部22aからケース2の内部空間に貫通する貫通孔を開口し、上述した長手方向に形成する溝部22bと貫通孔を接続線路40が通過することで、接続線路40の先端部(本実施形態においては、接続線路40の先端を放電電極4として構成する)を放電電極4として対向電極5の近傍に位置させる。接続線路40は、絶縁パイプ内に挿通する導体で構成されている。接続線路40をケース2の外部に配設することで小型化が容易となり、気体供給口20aより供給される気体の流れを阻害することがなく、安定的なプラズマ噴射が可能となる。
プラズマ噴射口3の長辺に沿って配設される対向電極5は、図3に示すように、放電電極4との対向面をテーパ状の面取りを施した角柱形状で、底板21上に載置される絶縁板51に配設されている。そして、図3(a)に示すように、ボトムカバー24に配設される電磁波の給電口52と電極板50を介して接続されている。これによって、対向電極5は、電磁波照射アンテナの機能を兼用する。電磁波照射アンテナは、対向電極5と兼用することなく、上蓋20に配設することもできる。対向電極5及び電極板50の材質は、特に限定するものではなく、電極板50はベリリウム銅を使用し、耐熱性の観点から対向電極5はモリブデンを使用する。また、両材質をベリリウム銅として、対向電極5に白金コーティングを施したり、両材質をクロム・鉄・珪素(けいそ)等を含むニッケル合金(ニッケル基超合金)としたりすることもできる。また、電極板50は、絶縁板51上に金属粉末(例えば、電気抵抗の低い銀、銅、タングステン、モリブデン等)を主成分とする導体ペーストをスクリーン印刷等の手法によって絶縁基板上に印刷するようにしても構わない。
絶縁板51上の電極板50の厚み及び幅寸法は、絶縁板51の材質を考慮し、インピーダンスが略50Ωとなる寸法とすることが好ましい。また、対向電極5は、給電口52及び電極板50を介さずに、直接電磁波発振器MWと同軸ケーブルによって接続するようにしても構わない。
上記構成において、2基の放電電極4A、4B(総称するときは、放電電極4とよぶ)は、接続線路40を介し、それぞれ異なる変圧器HV1、HV2と接続され、電磁波照射アンテナと兼用される対向電極5は、電極板50及び給電口52を介し、電磁波発振器MWと接続されている。変圧器HV1、HV2及び電磁波発振器MWは制御手段Cによって、高電圧の給電パターン、電磁波の発振パターンを制御する。ケース2内に供給する気体は、プラズマ生成のための放電用の気体ではなく、マイクロ波で拡大したプラズマを外部に噴射するためのものである。従って、本発明ではプラズマ発生のために不活性ガス等の使用を必須とせず、空気雰囲気下で被印刷部等の表面を改質することができる。実施形態1では、気体供給口20aに供給する気体を圧縮空気としている。気体供給口20aは、圧縮空気供給源AIと接続され、ケース2の内部に圧縮空気を供給し、供給された圧縮空気は、プラズマ噴射口3から排出される。接続線路40をケース2の外部に配設することで、供給される圧縮空気の流れを阻害することがない。なお、本発明の気体として、圧縮空気の他、酸素、窒素のみの使用も可能である。
以下、本発明のプラズマ噴射装置1のプラズマ生成方法について説明する。本発明のプラズマ噴射装置1のプラズマの生成は、放電電極4に高電圧を印加することで、放電電極4と対向電極5との間にブレークダウンプラズマを生成し、生成したブレークダウンプラズマに電磁波照射アンテナから電磁波を供給することで生成したプラズマを拡大し、かつプラズマを維持するようにしたものである。2基の放電電極4は、対向電極5の幅寸法Lに対し、端部からそれぞれL/4の距離となる位置でブレークダウンプラズマが生成されるように配設される。これによって、照射される電磁波によって拡大する2箇所のプラズマは、ケース2の開口部となるプラズマ噴射口3の近傍で対向電極5の全幅寸法Lを覆う大きさのプラズマとなり、気体供給口20aから供給される圧縮空気によって外部に放射される。
本発明の実施形態1では、電磁波発振器MWを半導体発振器とし、前記半導体発振器により所定の出力・パルス時間・パルス周期で発振されるマイクロ波を照射するものである。半導体発振器を採用することにより、従来のマグネトロン等と比較して、小型軽量化が可能となり、精細に制御できることにより、正確であり適正な電磁波の発振が可能となる。
放電電極4A、4Bへ変圧器HV1、HV2から印加される高電圧の印加パターン及び電磁波照射アンテナと兼用される対向電極5へ電磁波発振器MWから発振される電磁波(本実施形態においては、2.45GHzのマイクロ波)の発振パターンは以下のパターンを採用しているがこれに限られるものではない。具体的には、変圧器HV1への通電時間2〜3msecの後に、チャージされたエネルギをもって10〜30kVの高電圧を放電電極4Aへ印加し、この印加タイミングとほぼ同時に200〜600Wのマイクロ波を発振周期50〜100μsec、デューティ比60〜90%、発振回数10〜30回で発振する。変圧器HV2への高電圧の通電開始タイミングは、変圧器HV1への通電開始から5〜15msec後に通電を開始する。通電時間、印加電圧、印加タイミング、直後のマイクロ波の発振は変圧器HV1の場合と同様である。本実施形態においては、変圧器HV1、HV2への通電時間は2.5msecで通電後に印加する高電圧は20kVとし、変圧器HV2への高電圧の通電開始タイミングは、変圧器HV1への通電開始から10msec後に通電を開始する。そして、放電電極4A、4Bへの高電圧印加直後に300Wのマイクロ波を発振周期80μsec、デューティ比75%、発振回数20回で発振するようにしている。また、変圧器HV1から放電電極4への高電圧印加前から、ケース2内に5〜15L/min、本実施形態においては、10L/minの流量で、圧縮空気供給源AIから圧縮空気を供給する。このような高電圧の印加パターン、マイクロ波の発振パターンで生成したプラズマに対して、上記流量の圧縮空気を供給することで、本発明のプラズマ噴射装置1は、プラズマ噴射口3から対向電極5の幅寸法Lと略等しい大きさのプラズマを噴射することができる。
<実施形態2>印刷装置
本実施形態2は、本発明に係る印刷装置6である。本発明の印刷装置6は、図6に示すように、インキを液滴状に噴出するノズル部を備えた印刷手段7と、被印刷物Tを印刷手段に向けて搬送する搬送手段8と、印刷手段7の前側で、かつ、印刷手段7と共に移動するように配設した実施形態1に係るプラズマ噴射装置1と、プラズマ噴射装置1を制御する制御手段Cとを備えている。そして、制御装置Cが、プラズマ噴射装置1への高電圧の印加及び電磁波の発振を、印刷手段7による印刷前に行うように制御するようにしている。
インキを液滴状に噴出するノズル部を備えた印刷手段は、被印刷物の表面に、文字、符号、記号又は線画等を、インキを用いて打ち出す手段全般を含むもので、インキカートリッジの他、インキタンクから管を介して、ノズル部から被印刷物表面に印字を施すインキタンクとノズル部の複合体等も含まれる。プラズマ噴射装置1が配設される、印刷手段7の前側とは、印刷手段7による印刷位置を基準に、印刷手段7よりも印刷位置に先に到達する側をいう。
制御手段Cは、実施形態1で説明したと同様に、放電電極4A、4Bへ変圧器HV1、HV2から印加される高電圧の印加パターン及び電磁波照射アンテナと兼用される対向電極5へ電磁波発振器MWから発振される電磁波(本実施形態においては、2.45GHzのマイクロ波)の発振パターンを制御するとともに、印刷手段7を制御し、所望の印刷を制御する。制御手段Cによるプラズマの生成は、印刷手段7による印刷を行う箇所に対して、印刷前にプラズマを照射するように制御するもので、印刷手段7による印刷と同期するようにしている。
搬送手段8は、ロール状に巻回された被印刷物Tに印刷する場合の例を示し、ロール状の被印刷物Tをセットする貯留ローラ81と、被印刷物Tが略水平に移動し、印刷手段7(本実施形態においては、インキカートリッジ)から噴射されるインキによって印刷される送り台80と、貯留ローラ81から引き出された被印刷物Tを送り台80に送り出す送り出しローラ83と、印刷された被印刷物Tを巻き取る巻き取りローラ85と、この巻き取りローラ85に被印刷物Tを受け渡す受けローラ84と、貯留ローラ81と送り出しローラ83及び巻き取りローラ85と受けローラ84との間で被印刷物Tに張力を付与するテンションローラ82とから構成されている。
本実施形態においては、印刷手段7は、印刷時には固定され、印刷前に被印刷物Tの移動方向に対して、プラズマ噴射装置1と共に被印刷物Tの搬送方向に対して直交方向に移動させ印字位置及びプラズマ照射位置を決定する。
<印刷装置の動作>
本実施形態の印刷装置6の印刷動作について説明する。制御装置Cは印字命令を受信すると、印刷手段7に印刷指令を送信するとともに、印刷タイミングに合わせプラズマ噴射装置1に高電圧及び電磁波を発振するように電磁波用電源P、電磁波発振器MW及び変圧器HV1、HV2に電磁波の発振信号及び高電圧印加信号を送信する。
プラズマ噴射装置1は印字対象箇所となる被印刷物Tの表面に印刷手段7からの印刷前にプラズマを照射し、表面の濡れ性を向上させる。
また、本実施形態における印刷手段7とプラズマ噴射装置1とが共に移動する「移動」の意味は、送られてくる被印刷物Tの移動方向に対して略直交する方向に移動しながら印刷する場合だけではなく、印刷時には被印刷物Tに対して移動することなく複数の噴射ノズルからインキを噴射して被印刷物Tに文字などを印刷する印刷装置の場合、印刷手段7の被印刷物Tに対する位置決めの移動に伴って移動させる場合も含むものである。換言すると、被印刷物Tの移動方向に対して印刷手段7とプラズマ噴射装置1とが同じ位置にあるという意味である。
−実施形態2の効果−
本実施形態2の印刷装置6は、印刷前に行う被印刷物表面の改質を印刷手段7と共に移動するプラズマ噴射装置1によって行うようにしたから、プラズマ処理範囲を従来の装置のような広範囲で行うことなくスポット的に行うことができ、プラズマ噴射装置の小型化を実現するので装置の低廉化を図ることができる。また、本実施形態の印刷装置では、実施形態1のプラズマ噴射装置を用いることで、幅の広いプラズマを、被印刷物から5mm程度の距離から噴射することができ、効率よく被印刷物の表面を改質することができる。
−実施形態2の変形例−
実施形態2の印刷装置6の変形例として、印刷手段7の後側に被印刷物Tに印刷処理を施したインキの硬化または乾燥手段を配設する。印刷手段7の後側とは、印刷手段7による印刷位置を基準に、印刷手段7よりも印刷位置に後に到達する側をいう。
硬化手段として重合性モノマーを主成分として含むインクを硬化させるための紫外線を照射する紫外線ランプや、乾燥手段として種々の熱源を採用することができる。本実施形態においては、電磁波照射器9を用い、被印刷物T表面に誘電加熱を施すことで、被印刷物T表面に印刷処理されたインキを瞬時に乾燥させるようにしている。
具体的には、図6に示す印刷装置6の印刷手段7の後側に、電磁波照射器9を備え、制御装置Cが、電磁波照射器9への電磁波の発振を、印刷手段7による印刷後に行うように制御するものである。電磁波照射器9以外の構成は、実施形態2と同様であり、その説明を省略する。
<電磁波照射器>
本実施形態の電磁波照射器9は、電磁波発振器から発振される電磁波の供給を受ける入力部92と、入力された電磁波(例えば、2.45GHzのマイクロ波)を昇圧する昇圧手段90と、昇圧された電磁波を放射する放射電極95a及び接地電極91aとを備え、昇圧手段90により放射電極95aと接地電極91aとの間と、放射電極95a及び接地電極91a近傍の空間の電界強度が高められるように構成されている。
放射電極95aは、入力部92から伸びる入力軸部93が挿通される有底の筒状部94から反入力部側に伸びる電極軸部95bの先端に形成されている。入力部92から伸びる入力軸部93は、筒状部94とは絶縁されている。具体的には、筒状部94内周面との間に筒状の絶縁体99が介在している。絶縁体99を介在させるか筒状部94の内周面と接触しないように構成することで筒状部94と入力軸部93は容量結合となり、後述する等価回路のC1を形成する。また、筒状部94及び電極軸部95bとケーシング91の先端側ケーシング91Aの内周面との間も電気的に絶縁されている。本実施形態においては、筒状部94及び電極軸部95bは筒状の絶縁体99に内包されている。筒状部94の外周面と筒状部94を覆うケーシング91Aの内周面との間によって、後述する等価回路のC2を形成し、電極軸部95bとケーシング91Aの内周面との間で等価回路のコンデンサC3を形成している。絶縁体99の種類によって異なる誘電率によって、共振周波数が調整される。なお、上述したC1は、入力軸部93を筒状部材94と電気的に接続することで省略することもできる。
ケーシング91の後端側ケーシング91Bは貫通孔を備え、この貫通孔に、一端に電磁波発振器からの電磁波の供給を受ける入力部92を形成し他端に入力部92から伸びる入力軸部93が突出する筒状の絶縁体99を配設するとともに、放射電極95a、筒状部94及び電極軸部95bとこれらを覆う絶縁体99を内包したケーシング91Aが組み込まれている。入力部92、入力軸部93及びこれらを覆う絶縁体99のケーシング91Aを組み込み方法は特に限定するものではないが、本実施形態においては、絶縁体99の外周面及びケーシング91Bの貫通孔に対応する段差を設け、図例左側から挿通し、絶縁体を段差に係合させ、右側への抜け落ちを防止するとともに、左側からケーシング91Aを挿通して入力部92、入力軸部93及びこれらを覆う絶縁体99の左側への抜け落ちも防止する。ケーシング91Bに対するケーシング91Aの固定方法も特に限定するものではないが、本実施形態においては、貫通孔に刻設した雌ねじ部にケーシング91Aの外周面に刻設した雄ねじ部を螺合することによって固定する。螺合による固定後に溶接等の固定手段を用いてケーシング91Aをケーシング91Bに対して確実に固定することもでき、また、ねじ部を形成することなく溶接等の固定手段を用いて固定することもできる。
接地電極91aは、放射電極55aを覆う筒状のケーシング91Aの先端で形成され、この接地電極91aの内面と放射電極95aの外面との間で一定の隙間を形成する。この隙間を形成する接地電極91a(ケーシング51Aの先端)は図7(b)に示すようにスリットsを形成するようにしている。放射電極95aと接地電極91aとの距離は0.2〜1.2mmの範囲で設定することが好ましく、後述する電磁波発振器から供給される電磁波の出力、発振時間、発振間隔、発振回数によって放電が生じない距離とする。
昇圧手段90は、図8に示す等価回路で構成されている。昇圧手段90は、電極軸部95bをコイルLとして、上述したコンデンサC1、C2及びC3との間の3箇所で共振構造形成し、供給される電磁波を昇圧するようにしている。特に、筒状部94の外周面と筒状部94を覆うケーシング91の内周面との間に形成されるコンデンサC2による第1共振領域及び電極軸部95bと電極軸部95bを覆うケーシング91との間に形成されるコンデンサC3による第2共振領域によって、供給される電磁波を昇圧し、放射電極95aと接地電極91aとの間と、放射電極95a及び接地電極91a近傍の空間の電界強度を高めるようにしている。なお、入力軸部93と筒状部94を電気的に接続して容量結合としないことで等価回路のC1を形成しない構成とすることもできる。
電磁波発振器は、常時所定電圧、例えば12Vを電磁波用電源から供給される。そして、制御手段から電磁波発振信号を所定のデューティ比、パルス時間等を設定した発振パターンのパルス波として電磁波(例えば、2.45GHzのマイクロ波)を出力する。
具体的に、プラズマが生成しない(絶縁破壊が生じない)電磁波の供給は、放射電極95aと接地電極91aとの距離が0.2〜1mm程度のとき,ピーク出力500W未満、好ましくは300W以下の電磁波を供給する。また、発振パターンとしては発振時間を2〜3μ秒、デューティ比60〜90%とすることが好ましい。本実施形態においては、発振時間2.5μ秒、発振周期3μ秒でデューティ比83%となるように制御している。これにより、平均出力は100〜200W、本実施形態においては、145Wの平均出力となる。
また、電磁波照射器9は、印刷手段7を取り付けるフォルダから延設されるアームに上下方向の位置を調整自在に取り付けるようにしている。これにより、電磁波照射器9の照射電極95a側の先端面と被印刷物T表面との隙間を調節することができる。そして、電磁波照射器9の照射電極55a側の先端面と被印刷物T表面との距離M(図7(c)参照)は、印刷手段7によって印字されたインキと接触しない範囲で可及的に近づけることが好ましく、本発明者等の実験によれば1〜2mm程度の距離とすることによって、印刷後のインキ表面が、電界強度が高まった領域Eにおいて、照射される電磁波(マイクロ波)による誘導加熱を効率的に受けることとなる。このように前処理で被印刷物表面のぬれ性を向上させ、印刷処理後、電磁波照射器による誘電加熱によって早期にインキを乾燥させることができるので、特にフィルム等の非多孔質な被印刷物に対して水性インクを用いて印刷する場合においても、印刷速度を速められ、鮮明性を損なわずに良好に印刷することができる。
この際、電磁波照射器9から被印刷物T表面への電磁波照射位置において、送り台80と被印刷物Tとを直接接触させないように構成することで、インキの乾燥効率が格段に向上する。これは被印刷物T裏面から送り台80の表面への熱伝達を空気層によって遮断することができるからで、本発明者等の実験によれば、被印刷物T裏面と送り台80表面との間に0.5〜2mm程度の隙間を設けることが好ましい。具体的には、電磁波照射位置の送り台80表面を1mm程度削り取り、断熱層を形成する。これによってインキの瞬時乾燥が実現できた。
以上説明したように、本発明のプラズマ噴射装置は、印刷装置の前処理としての表面改質装置の他、消臭や脱臭装置の用途に好適に用いることができる。また、本発明の印刷装置は、新規設計の印刷装置として好適に用いることができる他、既存の印刷装置の改良としても好適に用いることができる。


Claims (5)

  1. 一端にプラズマ噴射口を開放したケースと、
    前記プラズマ噴射口の近傍に配設される複数の放電電極と、
    該放電電極と高電圧を生成する変圧器とを接続する複数の接続線路と、
    前記放電電極との間でブレークダウンプラズマを生成する対向電極と、
    生成されたブレークダウンプラズマに、電磁波を照射する電磁波照射アンテナと、
    前記ケース内に気体を供給する気体供給口とを備え、
    前記放電電極、対向電極及び電磁波照射アンテナは、前記ケースの内部に配設され、
    前記接続線路は、前記ケースの外部に配設するようにしたプラズマ噴射装置。
  2. 前記対向電極は、電磁波照射アンテナを兼用するようにした請求項1に記載のプラズマ噴射装置。
  3. 前記ケースは角筒状に構成し、プラズマ噴射口を方形状に形成するとともに、前記対向電極をプラズマ噴射口の長辺に沿って配設するようにした請求項1又は3に記載のプラズマ噴射装置。
  4. インキを液滴状に噴出するノズル部を備えた印刷手段と、
    被印刷物を印刷手段に向けて搬送する搬送手段と、
    前記印刷手段の前側で、かつ、印刷手段と共に移動するように配設した請求項1、2又は3に記載のプラズマ噴射装置と、
    前記プラズマ噴射装置を制御する制御手段とを備え、
    前記制御装置が、プラズマ噴射装置への高電圧の印加及び電磁波の発振を、印刷手段による印刷前に行うように制御するようにした印刷装置。
  5. 前記印刷手段の後側に、電磁波照射器を備え、
    前記制御装置が、電磁波照射器への電磁波の発振を、印刷手段による印刷後に行うように制御するようにした請求項4に記載の印刷装置。
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