JP2019053664A - 病理診断管理システム、方法およびプログラム - Google Patents

病理診断管理システム、方法およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】病理診断を依頼する場合の取り違えのリスクを軽減することを課題とする。【解決手段】病理診断管理システム1に、病理診断の識別子を生成する識別子生成部11、識別子を含む病理診断依頼データを作成する依頼データ作成部12、及び識別子を含む病理診断依頼データを管理サーバー50に送信する依頼データ送信部13、を備える依頼者端末10と、識別子取得部31、及び標本に付すために識別子を出力する識別子出力部33、を備える標本作製者端末30と、依頼者端末10から受信した識別子を含む病理診断依頼データを保存する保存部51、及び標本に付された識別子を読み取る回収者端末70から受信した識別子に基づいて、対応する病理診断依頼データを特定する特定部52、を備える管理サーバー50と、を備えた。【選択図】図3

Description

本開示は、病理診断を管理するための技術に関する。
従来、病理標本を示す第1の識別記号及び第2の識別記号を記憶する記憶手段と、病理診断を依頼する際に病理標本に添付する依頼書であって、依頼する検査内容、第1の識別記号及び前記第2の識別記号が記載された依頼書を作成する依頼書作成手段と、第1の識別記号を含む非暗号化情報と、第2の識別記号を暗号化キーとして用いることにより診断結果を含む情報が暗号化された暗号化情報とが記載された紙媒体の診断報告書を読み取る読取手段と、読取手段により読み取られた第1の識別記号が付された病理標本の第2の識別記号を記憶手段から読み出す読出手段と、読出手段により読み出された第2の識別記号を用いて暗号化情報を復号化する復号化手段と、を備える病理診断報告システムが提案されている(特許文献1を参照)。
また、病理標本を基本倍率で撮影する撮影手段と、前記撮影手段により基本倍率で撮影された病理標本の画像データに基づいて前記病理標本に関する関心領域を特定する関心領域特定手段と、前記関心領域特定手段により特定された前記関心領域の詳細撮影を行なう詳細撮影手段と、前記病理標本の識別情報に対応させて、前記撮影手段により撮影された病理標本の画像データ及び前記詳細撮影手段により撮影された前記関心領域の詳細画像データを記憶する記憶手段と、を備えるホールスライドイメージ作成装置が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2014−102632号公報 特開2013−054083号公報
従来、依頼者(例えば、医療機関)が病理診断を外部に依頼する場合、病理診断用の標本(例えば、プレパラート)の作製や、作製された標本の回収、依頼書と標本の関連付け、などのタイミングで、取り違えが発生するリスクがある。
本開示は、上記した問題に鑑み、病理診断を依頼する場合の取り違えのリスクを軽減することを課題とする。
本開示の一例は、病理診断の依頼を行う依頼者の情報処理装置である依頼者端末と、前記病理診断用の標本作製を行う標本作製者の情報処理装置である標本作製者端末と、管理装置と、を備える病理診断管理システムであって、前記依頼者端末は、病理診断のケースを識別するための識別子を生成する識別子生成手段と、病理診断を行う診断者宛の、前記識別子を含む病理診断依頼データを作成する依頼データ作成手段と、前記管理装置に、前記識別子を含む病理診断依頼データを送信する依頼データ送信手段と、を備え、前記標本作製者端末は、前記識別子を取得する識別子取得手段と、前記依頼者から受領した病理診断対象を用いて作製された標本に付すために前記識別子を出力する識別子出力手段と、を備え、前記管理装置は、前記依頼者端末から受信した、前記識別子を含む前記病理診断依頼データを保存する保存手段と、前記標本作製者によって作製された前記標本の回収を行う回収者の端末であって前記標本に付された前記識別子を読み取る回収者端末から受信した前記識別子に基づいて、前記保存手段によって保存されている前記病理診断依頼データから、該識別子に対応する病理診断依頼データを特定する特定手段と、を備える、病理診断管理システムである。
また、本開示において、前記特定手段によって特定された病理診断依頼データは、前記診断者へ転送され、前記標本または該標本の画像データは、前記診断者へ送信されてもよい。
また、本開示に係る病理診断管理システムは、前記特定手段によって特定された病理診断依頼データを、前記診断者へ転送する依頼データ転送手段と、回収された前記標本の画像データを取得する画像取得手段と、前記標本の画像データを、対応する前記病理診断依頼データと紐付け可能なように、前記診断者へ送信する画像データ送信手段と、を更に備えてもよい。
また、本開示に係る病理診断管理システムは、前記画像データから前記識別子を抽出する識別子抽出手段を更に備え、前記画像データ送信手段は、前記標本の画像データを、抽出された前記識別子と関連づけて送信することで、該画像データを、対応する前記病理診断依頼データと紐付け可能なように、前記診断者へ送信してもよい。
また、本開示において、前記標本作製者端末の前記識別子取得手段は、前記依頼者端末の前記識別子生成手段と同じ入力及び同じアルゴリズムを用いて識別子を生成することで、該識別子生成手段によって生成された識別子と同一の識別子を取得してもよい。
また、本開示に係る病理診断管理システムは、前記標本作製者によって作製された前記標本の回収を行う回収者の回収者端末を更に備え、前記回収者端末は、前記標本に付された前記識別子を読み取る読取手段と、読み取られた前記識別子を前記管理装置に送信する読取結果送信手段と、を備えてもよい。
また、本開示において、前記標本作製者端末は、該標本作製者独自の追加コードを生成する追加コード生成手段を更に備え、前記標本作製者端末の前記識別子出力手段は、前記標本に付すために、前記識別子及び前記追加コードを出力し、前記回収者端末の前記読取手段は、前記識別子及び前記追加コードを読み取り、前記回収者端末の前記読取結果送信手段は、更に、読み取られた前記追加コードを前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記保存手段は、前記特定手段によって特定された病理診断依頼データに、前記追加コードを追加して保存してもよい。
また、本開示において、前記管理装置は、前記特定手段によって特定された前記病理診断依頼データに含まれる情報を回収者端末に通知する通知手段を更に備え、前記回収者端末は、前記管理装置から通知された、前記病理診断依頼データに含まれる情報を出力する情報出力手段を更に備え、前記管理装置の前記保存手段は、前記回収者端末によって出力された情報と、前記標本に付された、人が認識可能な情報と、を比較した回収者による確定指示が受け付けられた場合に、前記特定手段によって特定された病理診断依頼データに、前記追加コードを追加して保存してもよい。
また、本開示において、前記回収者端末の前記読取結果送信手段は、前記識別子に加えて、該回収者端末に予め設定された、該回収者端末が使用される地区を特定可能な地区コードを前記管理装置に送信し、前記管理装置の前記特定手段は、前記識別子に加えて、前記地区コードにも基づいて、前記病理診断依頼データを特定してもよい。
また、本開示において、前記依頼者端末の前記識別子生成手段は、第一の識別子及び第二の識別子を生成し、前記標本作製者端末の前記識別子取得手段は、前記識別子生成手段が前記第一の識別子を生成した際と同じ入力及び同じアルゴリズムを用いて識別子を生成することで、該識別子生成手段によって生成された前記第一の識別子を取得し、該第一の識別子を用いて前記管理装置に問い合わせることで、該管理装置に保存されている前記第二の識別子を取得し、前記標本作製者端末の前記識別子出力手段は、前記標本に付すために、少なくとも前記第二の識別子を出力してもよい。
また、本開示において、前記管理装置の前記特定手段は、更に、前記診断者から受信した診断結果データに含まれる前記識別子に基づいて、対応する病理診断依頼データを特定し、前記管理装置は、特定された病理診断依頼データの発行元である依頼者に、前記診断結果データを転送する診断結果データ転送手段を更に備えてもよい。
本開示は、情報処理装置、システム、コンピューターによって実行される方法またはコンピューターに実行させるプログラムとして把握することが可能である。また、本開示は、そのようなプログラムをコンピューターその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものとしても把握できる。ここで、コンピューター等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的または化学的作用によって蓄積し、コンピューター等から読み取ることができる記録媒体をいう。
本開示によれば、病理診断を依頼する場合の取り違えのリスクを軽減することが可能となる。
実施形態に係る病理診断管理システムの構成を示す概略図である。 実施形態に係る病理診断管理システムのハードウェア構成を示す図である。 実施形態に係る病理診断管理システムの機能構成の概略を示す図である。 第一の実施形態に係る病理診断依頼処理の流れの概要を示すフローチャートである。 第一の実施形態に係る標本作製支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。 第一の実施形態に係る標本回収支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。 実施形態に係る病理診断支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。 第二の実施形態に係る病理診断依頼処理の流れの概要を示すフローチャートである。 第二の実施形態に係る標本作製支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。 第二の実施形態に係る標本回収支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。
以下、本開示に係る病理診断管理システム、方法およびプログラムの実施の形態を、図面に基づいて説明する。但し、以下に説明する実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る病理診断管理システム、方法およびプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
<<第一の実施形態>>
はじめに、本開示に係る病理診断管理システム、方法およびプログラムが適用された第一の実施形態について説明する。
<システムの構成>
図1は、本実施形態に係る病理診断管理システム1の構成を示す概略図である。本実施形態に係る病理診断管理システム1は、病理診断の依頼を行う依頼者の情報処理装置である複数の依頼者端末10と、前記病理診断用の標本作製を行う標本作製者の情報処理装置である複数の標本作製者端末30と、病理診断依頼データ等の管理を行う管理サーバー50と、標本作製者によって作製された標本の回収を行う回収者の複数の回収者端末70と、を備える。また、ネットワークには、複数の診断者端末90が接続されている。但し、病理診断管理システム1の具体的な構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。例えば、管理サーバー50が備える機能の少なくとも一部(例えば、データベースや特定部52)は、回収者端末70が備えていてもよい。このようにすることで、回収者端末70と管理サーバー50との間でのネットワークを介した通信を行うことなく、プレパラートに対応する病理診断依頼データを特定することができる。
図2は、本実施形態に係る病理診断管理システム1のハードウェア構成を示す図である。本実施形態に係る依頼者端末10、標本作製者端末30、回収者端末70及び管理サーバー50は、何れも、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等の記憶装置、通信ユニット、入出力装置(例えば、タッチパネルディスプレイやスピーカー、マイク、ディスプレイ、キーボード、マウス等)等を備えるコンピューターである。但し、依頼者端末10、標本作製者端末30、回収者端末70及び管理サーバー50の具体的なハードウェア構成に関しては、実施の態様に応じて適宜省略や置換、追加が可能である。また、依頼者端末10、標本作製者端末30、回収者端末70及び管理サーバー50は、何れも、単一の装置に限定されない。依頼者端末10、標本作製者端末30、回収者端末70及び管理サーバー50は、何れも、所謂クラウドや分散コンピューティングの技術等を用いた、複数の装置によって実現されてよい。
図3は、本実施形態に係る病理診断管理システム1の機能構成の概略を示す図である。依頼者端末10は、記憶装置に記録されているプログラムが、RAMに読み出され、CPUによって実行されることで、識別子生成部11、依頼データ作成部12、及び依頼データ送信部13を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態では、依頼者端末10の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。また、これらの機能の一部または全部は、クラウド技術等を用いて、遠隔地に設置された装置や、分散設置された複数の装置によって実行されてもよい。
識別子生成部11は、病理診断のケースを識別するための識別子(本実施形態では、依頼管理コード)を生成する。
依頼データ作成部12は、病理診断を行う診断者宛の、識別子を含む病理診断依頼データを作成する。
依頼データ送信部13は、管理サーバー50に、識別子を含む病理診断依頼データを送信する。
標本作製者端末30は、記憶装置に記録されているプログラムが、RAMに読み出され、CPUによって実行されることで、識別子取得部31、追加コード生成部32、及び識別子出力部33を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態では、標本作製者端末30の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。また、これらの機能の一部または全部は、クラウド技術等を用いて、遠隔地に設置された装置や、分散設置された複数の装置によって実行されてもよい。
識別子取得部31は、依頼者端末10の識別子生成部11によって生成された識別子と同一の識別子を取得する。本実施形態では、識別子取得部31は、依頼者端末10の識別子生成部11と同じ入力及び同じアルゴリズムを用いて識別子を生成することで、当該識別子生成部11によって生成された識別子と同一の識別子を取得する。但し、識別子は、その他の手段で取得されてもよい。例えば、識別子は、管理サーバー50に問い合わせることで取得されてもよい。
追加コード生成部32は、当該標本作製者独自の追加コードを生成する。
識別子出力部33は、依頼者から受領した病理診断対象を用いて作製された標本(プレパラート)に付すために、識別子及び追加コードを出力(プレパラートへの直接印字/ステッカーへの印字/納品書への印字)する。
管理サーバー50は、記憶装置に記録されているプログラムが、RAMに読み出され、CPUによって実行されることで、保存部51、特定部52、通知部53、依頼データ転送部54、及び診断結果データ転送部55を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態では、管理サーバー50の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。また、これらの機能の一部または全部は、クラウド技術等を用いて、遠隔地に設置された装置や、分散設置された複数の装置によって実行されてもよい。
保存部51は、依頼者端末10から受信した、識別子を含む病理診断依頼データを保存する。また、保存部51は、特定部52によって特定された病理診断依頼データに、追加コードを追加して保存する。この追加コードの追加は、例えば、回収者端末70によって出力された情報と、標本に付された、人が認識可能な情報と、を比較した回収者による確定指示が受け付けられた場合に行われる。
特定部52は、標本作製者によって作製された標本の回収を行う回収者の端末であって標本に付された識別子を読み取る回収者端末70から受信した識別子に基づいて、保存部51によって保存されている病理診断依頼データから、当該識別子に対応する病理診断依頼データを特定する。また、特定部52は、更に、診断者から受信した診断結果データに含まれる識別子に基づいて、対応する病理診断依頼データを特定する。なお、特定には、識別子の他に、地区コードや日付、依頼者名、患者名等が用いられてもよい。
通知部53は、特定部52によって特定された病理診断依頼データに含まれる情報を回収者端末70に通知する。
依頼データ転送部54は、特定部52によって特定された病理診断依頼データを、診断者へ転送する。なお、病理診断依頼データは、本実施形態において説明するように電子的に転送されてもよいし、病理診断依頼データが記録された媒体(例えば、紙)を用いて転送されてもよい。
診断結果データ転送部55は、特定された病理診断依頼データの発行元である依頼者に、診断結果データを転送する。
回収者端末70は、記憶装置に記録されているプログラムが、RAMに読み出され、CPUによって実行されることで、読取部71、読取結果送信部72、情報出力部73、画像取得部74、識別子抽出部75、及び画像データ送信部76を備える情報処理装置として機能する。なお、本実施形態では、回収者端末70の備える各機能は、汎用プロセッサであるCPUによって実行されるが、これらの機能の一部または全部は、1または複数の専用プロセッサによって実行されてもよい。また、これらの機能の一部または全部は、クラウド技術等を用いて、遠隔地に設置された装置や、分散設置された複数の装置によって実行されてもよい。例えば、画像取得部74、識別子抽出部75及び画像データ送信部は、回収者端末70とは異なる、回収者の集荷センター等に設置された第二の回収者端末に備えられてもよい。
読取部71は、標本に付された識別子及び追加コードを読み取る。
読取結果送信部72は、読み取られた識別子、追加コード及び地区コードを管理サーバー50に送信する。ここで送信される地区コードは、当該回収者端末70に予め設定された、当該回収者端末70が使用される地区を特定可能な地区コードである(図1を参照)。
情報出力部73は、管理サーバー50から通知された、病理診断依頼データに含まれる情報を出力する。
画像取得部74は、回収された標本の画像データを取得する。
識別子抽出部75は、画像データから識別子を抽出する。
画像データ送信部76は、標本の画像データを、対応する病理診断依頼データと紐付け可能なように、診断者へ送信する。ここで、画像データ送信部76は、標本の画像データを、抽出された識別子と関連づけて送信することで、当該画像データを、対応する病理診断依頼データと紐付け可能なように、診断者へ送信する。
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る病理診断管理システム1によって実行される処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明するフローチャートに示された処理の具体的な内容および処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
本実施形態では、病理診断依頼処理の準備として、依頼者(依頼元医療機関)は、依頼者名、依頼者住所、及び依頼者指定の集配住所(標本作製を行う標本作製者の住所、回収者の住所等)を管理サーバー50に送信する。この際、これらの情報は、依頼者端末10を用いてネットワーク経由で送信されてもよいし、その他の手段が採用されてもよい。管理サーバー50は、受信した依頼者の住所に基づいて、当該依頼者が所在する地区の地区コードを特定し、特定された地区コード、依頼者名、及び標本の集配住所を関連づけてデータベースに蓄積する。
ここで、地区コードは、予め複数に(例えば、20以上に)区切られた地区ごとに割り当てられたコードであり、例えば、「千葉:001」のように設定されている。但し、地区コードの割り当て方法には、その他の方法が採用されてもよい。
また、回収者が用いる、回収チェックプログラムがインストールされた回収者端末70(例えば、携帯端末)には、当該回収者端末70が担当する地区の地区コードが設定されている。
上記準備が完了すると、依頼者は、病理診断のケースごとに、病理診断依頼処理を実行することが可能となる。各病理診断のケースでは、依頼者は、手術や検査等において病理診断の対象となる組織を摘出して保存し、以下の病理診断依頼処理を実行する。なお、摘出された対象の保存手段にはどのような手段が採用されてもよいが、例えば、ホルマリン瓶等に入れて保存する方法が採用され得る。
図4は、本実施形態に係る病理診断依頼処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る病理診断依頼処理は、依頼者端末10及び管理サーバー50によって実行される処理であり、依頼者が、依頼者端末10にインストールされた病理診断依頼用のソフトウェアを起動したことを契機として実行される。
ステップS101では、病理診断依頼データが作成される。依頼者端末10の依頼データ作成部12は、依頼者端末10のディスプレイに、病理診断依頼を作成するために必要な情報を入力可能な病理診断依頼入力画面を表示し、依頼者にこれらの情報を入力させる。病理診断依頼入力画面において入力可能な情報には、患者名、患者を識別するための情報(患者番号、振り仮名、性別、生年月日等を含む)、依頼者名、及び標本作製者の伝票コード等が含まれる。ここで、標本作製者の伝票コードとは、例えば、標本作製者から支給された伝票に予め印刷されている伝票コード等である。依頼データ作成部12は、依頼者による必要な情報の入力を受け付け、入力された情報を含む病理診断依頼データを作成する。なお、この時点において、病理診断依頼データの標本管理コードエリアは空欄である。その後、処理はステップS102へ進む。
ステップS102では、依頼管理コードが生成される。本実施形態では、依頼者端末10の識別子生成部11は、短い依頼管理コード(以下、「依頼管理コード(ショート)」と称する)を生成する。具体的には、依頼管理コード(ショート)は、カタカナ表記依頼者名の一部及びカタカナ表記患者名の一部を所定のアルゴリズム(例えば、ハッシュ関数)に入力することで生成された、固定桁数(例えば、3桁)の数値である(例えば、「123」)。但し、依頼管理コードの生成には、その他の方法が採用されてもよい。その後、処理はステップS103へ進む。
現在、日本では年間300万件の病理検査が全国で実施されており、年間の稼働日を200日と仮定した場合、1日当たり平均1,5万件が実施されていることとなる。そして、日本全国を仮に20の地区に分割した場合、地区当たり1日に750件が実施されていることとなる。このため、3桁以上の識別子(ここでは、依頼管理コード)を使用すれば、高い確率でプレパラートを特定することが可能である。
このため、本実施形態では、回収者が視認等によって容易に比較できる、3桁の依頼管理コードを採用している。また、短いコードを採用することで、プレパラートのような小さな領域であっても、回収者が容易に且つ間違いなく読取可能なサイズでコードを印刷又は貼付することができる。
但し、依頼管理コードは本実施形態において示した例に限定されない。依頼管理コードには、異なる桁数または文字数の識別子が用いられてよい。十分な長さの依頼管理コード(以下、「依頼管理コード(フル)」と称する)を用いることで、プレパラートを世界でユニークに識別することが出来る。例えば、依頼者端末10固有のIDを用いて依頼管理コードを生成することで、複数の依頼者端末10が互いに通信を行わなくとも、プレパラートを世界でユニークに識別可能な依頼管理コードを生成することが出来る。より具体的には、より長い桁数の依頼管理コードとして、UUID(Universally Unique Identifier)等を用いることができる。
ステップS103からステップS105では、病理診断依頼データ及び依頼管理コードが、管理サーバー50のデータベースに蓄積される。依頼者端末10の依頼データ送信部13は、病理診断依頼データ及び依頼管理コードを、管理サーバー50に送信する(ステップS103)。上述の通り、ここで送信される病理診断依頼データには、標本作製者の伝票コードのデータが含まれている。管理サーバー50が依頼者端末10によって送信された病理診断依頼データ及び依頼管理コードを受信すると、管理サーバー50は、病理診断依頼データに含まれる依頼者名に基づいてデータベースを検索し、依頼者が属する地区の地区コードを決定する(ステップS104)。そして、管理サーバー50の保存部51は、依頼日付及び地区コードに関連づけて、病理診断依頼データ及び依頼管理コードを、管理サーバー50が管理するデータベースに蓄積する(ステップS105)。
ステップS106では、患者名の匿名化が行われる。依頼者端末10は、患者名を用いて、標本作製者が患者の特定が出来ないように、匿名化処理を行う。匿名化処理は、例えば、患者名の先頭1文字を抽出することで行われてよい。例えば、カタカナ表記患者名が「アンドウマサフミ」である場合、先頭1文字の「ア」のみを抽出し、これを匿名化患者名とすることができる。このような匿名化処理が行われることで、標本作製者が作製するプレパラートを見ても患者名を特定出来なくなる。但し、匿名化処理は、個人情報保護強化のための処理であり、省略されてもよい。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
その後、依頼者は、標本作製者から提供された、標本作製者指定の標本作製依頼書(病理診断依頼とは異なる)に、匿名化患者名、依頼者名、依頼日付等の必要な情報を記入し、病理診断の対象(具体的には、病理診断の対象が入ったホルマリン瓶等)、及び作成した標本作製依頼書を、標本作製者に送付(例えば、郵送)する。
標本作製者は、依頼者から送付された標本作製依頼書及び病理診断の対象(ホルマリン瓶等)を受け取ると、病理診断の対象をスライス等して、病理診断用の標本(本実施形態では、プレパラート)を作製する。
図5は、本実施形態に係る標本作製支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る標本作製支援処理は、標本作製者端末30によって実行される処理であり、標本作製依頼書を受領した標本作製者が、標本作製者端末30にインストールされた標本作製支援用のソフトウェアを起動したことを契機として実行される。
ステップS201では、依頼管理コードが取得される。標本作製者端末30の識別子取得部31は、依頼者端末10がステップS102で依頼管理コードを生成した際と同じアルゴリズム及び同じ入力(例えば、カタカナ表記依頼者名の一部及びカタカナ表記患者名の一部)を用いて、依頼管理コードを生成することで、依頼者端末10によって生成された依頼管理コードと同一の依頼管理コードを取得する。その後、処理はステップS202へ進む。
依頼管理コードの生成方法は、依頼者端末10において用いられる生成方法が開示されているため、標本作製者端末30でも、同じアルゴリズムを用いて依頼管理コードを生成することが可能である。また、依頼管理コードの生成に用いられた入力についても、病理診断依頼データから取得可能であるため、同じ入力を用いることができる。このため、依頼者端末10によってステップS102で生成された依頼管理コードと、標本作製者端末30によってステップS201で生成された依頼管理コードとは、同一のコードとなる。このような方法を用いることで、本実施形態では、依頼者端末10と標本作製者端末30とがネットワークを介した通信を行うことなく、同一の依頼管理コードを生成することができる。
但し、依頼管理コードは、その他の方法で取得されてもよい。例えば、依頼者端末10と標本作製者端末30とがネットワークを介して通信可能な場合、標本作製者端末30の識別子取得部31は、依頼者端末10から送信された依頼管理コードを受信することで依頼管理コードを取得することができる。
また、標本作製者端末30と管理サーバー50とがネットワークを介して通信可能な場合、標本作製者端末30の識別子取得部31は、管理サーバー50に問い合わせることで依頼管理コードを取得することができる。より具体的には、ステップS201において、標本作製者端末30の識別子取得部31は、標本作製依頼書に記載されている標本作製者の伝票コード及び依頼者名を検索条件として管理サーバー50に問い合わせを行い、対応する病理診断依頼書データを管理サーバー50に索出させ、索出された病理診断依頼書データに含まれる依頼管理コードを管理サーバー50から受信することで、依頼管理コードを取得することができる。なお、管理サーバー50のデータベースに蓄積されている病理診断依頼データに標本作製者の伝票コードが含まれていることは、ステップS103及びステップS104の説明で上述した通りである。
ステップS202及びステップS203では、依頼管理コードに基づいて標本管理コードが生成される。標本作製者端末30の追加コード生成部32は、作製されたプレパラートをユニークに特定するための、標本作製者独自の追加コードを取得または生成する(ステップS202)。そして標本作製者端末30の識別子出力部33は、依頼管理コードと追加コードとを組み合わせて標本管理コードを生成する(ステップS203)。例えば、依頼管理コードが「123」で、追加コードが「123456」であった場合、標本管理コードは「123−123456」となる。但し、依頼管理コードと追加コードとを組み合わせて標本管理コードを生成する方法は、本実施形態において示した例に限定されない。なお、追加コードには、標本作製者の伝票コードと同じコードが用いられてもよいし、その他のコードが新たに生成されてもよい。
ステップS204では、標本管理コードがプレパラートに記録される。標本作製者端末30の識別子出力部33は、生成された標本管理コードを出力する。この際、出力は、プレパラートに印刷等の方法で直接記録されるように行われてもよいし、ステッカー等に印刷出力されたものを、プレパラートに貼り付けすることで行われてもよい。また、本実施形態において、標本管理コードは、人が読取可能な数字や文字で印刷出力されるとともに、読取装置(コードリーダー)を用いて読取可能なバーコードや二次元コード(例えば、QRコード(登録商標))等の所定のフォーマットで出力される。また、本実施形態では、標本管理コードと併せて、依頼者名及び匿名化患者名が、プレパラートに記録される。但し、依頼者名は、標本作製者から提供される納品書にも記載されるため、プレパラートへの記載は省略されてもよい。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
標本管理コードが印刷又は貼付されたプレパラートが完成すると、回収者は、プレパラートを標本作製者から回収する。
図6は、本実施形態に係る標本回収支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る標本回収支援処理は、プレパラートの回収の際に回収者端末70及び管理サーバー50によって実行される処理であり、回収者が、回収者端末70にインストールされた標本回収支援用のソフトウェアを起動したことを契機として実行される。
ステップS301及びステップS302では、プレパラートに記録された標本管理コード等の読み取り及び照会が行われる。回収者端末70の読取部71は、当該端末に搭載されたカメラ等を介して、人が読み取り可能な数字や文字、又は読み取り装置を用いて読み取り可能なバーコードや二次元コード等の所定のフォーマットでプレパラートに印刷又は貼付された標本管理コードを読み取る(ステップS301)。この際、読取部71は、複数のプレパラートについて標本管理コードを読み取ってよい。回収者は、回収対象のプレパラートが複数ある場合、これらのプレパラートを、順に、又は一度に撮像することで、読取部71に、複数のプレパラートについての標本管理コードを読み取らせることができる。そして、回収者端末70の読取結果送信部72は、標本管理コードの先頭3文字である依頼管理コード、リーダに事前登録された地区コード、及び読取日付を管理サーバー50に送信することで、対応する病理診断依頼データの照会を行う(ステップS302)。この際も、読取結果送信部72は、複数のプレパラートについての情報をまとめて管理サーバー50に送信してよい。その後、処理はステップS303へ進む。
ステップS303及びステップS304では、プレパラートに対応する病理診断依頼データが索出される。管理サーバー50の特定部52は、回収者端末70からの照会を受けて、依頼管理コード、地区コード、及び読取日付を基準とした所定の期間(例えば、読取日付から1週間前までの期間等)の依頼日付を検索条件としてデータベースを検索し、対応する病理診断依頼データを索出する(ステップS303)。複数のプレパラートについての情報が受信されている場合、特定部52は、受信された全てのプレパラートについて、検索処理を行う。なお、照会に対応する検索結果が得られない場合、検索条件のうち、読取日付を基準とした所定の期間を、より広い条件(例えば、読取日付から10日前までの期間等)に変更してもよい。そして、管理サーバー50の通知部53は、索出された1又は複数の病理診断依頼データを、回収者端末70に対して送信する(ステップS304)。その後、処理はステップS305へ進む。
なお、本実施形態では、3桁の依頼管理コードが用いられるため、管理サーバー50には、依頼管理コードが重複する病理診断依頼データが蓄積されている可能性がある。このため、本実施形態では、回収者端末70が、依頼管理コードに加えて、読取日付及び地区コードを組み合わせて照会を行うことで、正しい病理診断依頼データが索出されるようにしている。それでも1のプレパラートに係る照会に対して複数の病理診断依頼データが索出された場合には、管理サーバー50は、索出された複数の病理診断依頼データを回収者端末70に送信する。回収者は、回収者端末70に表示された病理診断依頼データに含まれる匿名化患者名等のその他の情報と、標本作製者から提供された納品書及びプレパラートに記載された情報とを比較して、対応する病理診断依頼データを特定する。
ステップS305及びステップS306では、索出された病理診断依頼データが確認され、索出された病理診断依頼データに、標本管理コードが追加される。管理サーバー50から照会結果(検索結果)の病理診断依頼データを受信すると、回収者端末70の情報出力部73は、受信した1又は複数の病理診断依頼データを照会結果として一覧表示して、回収者に確認させる(ステップS305)。回収者は、回収者端末70に表示された一覧の依頼管理コード、依頼者名及び患者名と、プレパラート又は納品書に記載又は印刷された依頼管理コード、依頼者名及び患者名と、を比較して、対応する情報が管理サーバー50から取得できたことを確認する。対応する情報を管理サーバー50から取得できたことが確認できた場合、依頼者は、当該確認ができたことを示す入力(例えば、「OK」等のボタン操作)を行う。回収者端末70は、当該確認ができたことを示す入力を受け付けると、依頼者及び患者名を特定し、診断依頼情報(病理診断依頼データ)と標本管理コードとを紐付け、標本管理コードを、対応する病理診断依頼データに追加する(ステップS306)。病理診断依頼データに標本管理コードが追加されることで、病理診断依頼データは完成する。その後、本フローチャートに示された処理は終了し、処理は病理診断支援処理(図7を参照)へ進む。
なお、ここでプレパラートに対応する情報を管理サーバー50から取得することができなかった場合、本フローチャートに示された処理は終了する。
図7は、本実施形態に係る病理診断支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る病理診断支援処理は、回収者端末70、管理サーバー50及び診断者端末90によって実行される処理であり、図6を用いて説明した標本回収支援処理に続けて実行される。
ステップS401からステップS404では、病理診断依頼データが送信される。回収者端末70は、完成した病理診断依頼データを管理サーバー50へ送付する(ステップS401)。完成版の病理診断依頼データを受信した管理サーバー50の保存部51は、データベースの病理診断依頼データを完成版のものに更新する(ステップS402)。そして、管理サーバー50の依頼データ転送部54は、完成版の病理診断依頼データを、例えば、PDF等の形式で、診断者(病理医等)の端末へ送信する(ステップS403)。診断者端末90は、管理サーバー50から送信された病理診断依頼データを受信する(ステップS404)。また、病理診断依頼データは、証跡管理のために、印刷及び押印されて病理診断依頼書として診断者へ郵送等されてもよい。
ステップS405及びステップS406では、プレパラートの画像データ、及び画像データ内の標本管理コードが取得される。回収者は、プレパラート専用の撮像装置(例えば、ホールスライドイメージ作成装置やバーチャルスライドシステム等)を用いて、回収したプレパラートの画像を撮像する。そして、回収者端末70の画像取得部74は、撮像によって得られたプレパラートの画像データ(バーチャルスライド)を取得する(ステップS405)。そして、回収者端末70の識別子抽出部75は、画像データから標本管理コードを読み取る(ステップS406)。その後、処理はステップS407へ進む。
ステップS407では、画像データから取得された標本管理コードに基づいて、対応する病理診断依頼データが取得される。回収者端末70は、ステップS406で読み取った標本管理コードを検索キーとして管理サーバー50に照会を行い、対応する病理診断依頼データを特定する。なお、この時点では、管理サーバー50のデータベースに管理されている病理診断依頼データには標本管理コードが含まれているため、標本管理コードのみを用いた検索で、正しい病理診断依頼データを特定することができる。なお、ステップS407の処理は省略されてもよい。その後、処理はステップS408へ進む。
ステップS408からステップS410では、プレパラートの画像データが診断者端末90へ送信される。回収者端末70の画像データ送信部76は、プレパラートの画像データと当該プレパラートの標本管理コードとを紐づけて、診断者端末90へ送信する(ステップS408)。また、回収者は、回収したプレパラート(標本)自体も、診断者に対して送付してよい。診断者端末90は、回収者端末70から送信された画像データ及び標本管理コードを受信し(ステップS409)、標本管理コードに基づいて、受信したプレパラート画像データと、対応する病理診断依頼データとを関連づける(ステップS410)。また、診断者は、プレパラート自体を受領した場合にも、標本管理コードに基づいて、受領したプレパラートと、対応する病理診断依頼データ(又は病理診断依頼書)とを関連づけることができる。その後、処理はステップS411へ進む。
なお、回収者端末70は、ステップS403及びステップS408で2回に分けて送信を行う代わりに、プレパラートの画像データと対応する病理診断依頼データとを紐づけて、診断者端末90へ送信してもよい。このようにすることで、診断者端末90は、受信したプレパラート画像データと病理診断依頼データとを標本管理コードに基づいて関連づける処理を行うことなく、予め関連づけられたプレパラート画像データ及び病理診断依頼データを得ることが出来る。
ステップS411では、病理診断結果データが作成される。診断者は、関連づけられたプレパラート画像データ及び病理診断依頼データに基づいて、病理診断を行う。病理診断の結果は、診断者によって診断者端末90に入力され、診断者端末90は、診断者によって入力された診断結果と、病理診断依頼データから取得された標本管理コード、匿名化患者名、依頼者名等の情報と、を含む病理診断結果データを作成する。その後、処理はステップS412へ進む。
ステップS412からステップS415では、病理診断結果データが送信される。診断者端末90は、生成された病理診断結果データを、管理サーバー50宛に送信する(ステップS412)。病理診断結果データを受信した管理サーバー50は、標本管理コードに基づいて対応する病理診断依頼データを特定し、特定された病理診断依頼データと病理診断結果データとを関連づける(ステップS413)。また、管理サーバー50の診断結果データ転送部55は、関連づけられた病理診断依頼データを参照して当該病理診断の依頼者を特定し、特定された依頼者宛に病理診断結果データを送信する(ステップS414)。依頼者端末10は、送信された病理診断結果データを受信する(ステップS415)。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
<効果>
従来、患者名や依頼者名の確認は目検によって行われていたため、取り違えが発生するリスクが大きかった。本実施形態に開示された処理によれば、依頼管理コード、患者名、依頼者名の一部、日付、地区等を用いてプレパラートと病理診断依頼データとの対応付けを行う為、取り違えミスを限りなく少なくすることが出来る。
<<第二の実施形態>>
次に、本開示に係る病理診断管理システム、方法およびプログラムが適用された第二の実施形態について説明する。
<システムの構成>
本実施形態に係る病理診断管理システム1の構成は、第一の実施形態において説明した構成と概略同様であるため、説明を省略する(図1及び図2を参照)。但し、第一の実施形態において説明された各種機能(図3を参照)のうち、例えば、追加コード生成部32や通知部53、情報出力部73等、以下に説明する処理において不要な機能については、本実施形態では省略されてもよい。
また、上記第一の実施形態と異なる点として、本実施形態において、依頼者端末10の識別子生成部11は、第一の識別子(依頼管理コード(ショート))及び第二の識別子(依頼管理コード(フル))を生成する。
また、標本作製者端末30の識別子取得部31は、識別子生成部11が第一の識別子を生成した際と同じ入力及び同じアルゴリズムを用いて識別子を生成することで、当該識別子生成部11によって生成された第一の識別子を取得し、当該第一の識別子を用いて管理サーバー50に問い合わせることで、管理サーバー50に保存されている前記第二の識別子を取得する。
更に、標本作製者端末30の識別子出力部33は、標本に付すために、少なくとも第二の識別子を出力する。
<処理の流れ>
次に、本実施形態に係る病理診断管理システム1によって実行される処理の流れを、フローチャートを用いて説明する。なお、以下に説明するフローチャートに示された処理の具体的な内容および処理順序は、本開示を実施するための一例である。具体的な処理内容および処理順序は、本開示の実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
病理診断依頼処理の準備については、第一の実施形態において説明した内容と概略同様であるため、説明を省略する。
図8は、本実施形態に係る病理診断依頼処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る病理診断依頼処理は、依頼者端末10及び管理サーバー50によって実行される処理であり、依頼者が、依頼者端末10にインストールされた病理診断依頼用のソフトウェアを起動したことを契機として実行される。
ステップS501では、病理診断依頼データが作成される。病理診断依頼データの作成処理の詳細は、図4を参照して説明したステップS101と概略同様であるため、説明を省略する。その後、処理はステップS502へ進む。
ステップS502では、依頼管理コードが生成される。本実施形態では、図4を参照して説明したステップS102と異なり、依頼者端末10の識別子生成部11は、短い依頼管理コード(依頼管理コード(ショート))と、プレパラートを世界でユニークに識別することが出来る、より長い依頼管理コード(依頼管理コード(フル))との2つの依頼管理コードを生成する。なお、依頼管理コード(フル)として、UUID本実施形態では、等を用いる。但し、依頼管理コード(フル)は、プレパラートを世界でユニークに識別することが出来るものであればよく、所謂UUIDに限定されない。依頼管理コード(ショート)及び依頼管理コード(フル)の詳細については、ステップS103及びステップS104の解説で上記説明した通りである。その後、処理はステップS503へ進む。
ステップS503及びステップS504では、病理診断依頼データ、依頼管理コード(ショート)及び依頼管理コード(フル)が、管理サーバー50のデータベースに蓄積される。依頼者端末10の依頼データ送信部13は、病理診断依頼データ、依頼管理コード(ショート)及び依頼管理コード(フル)を、管理サーバー50に送信する(ステップS503)。上述の通り、ここで送信される病理診断依頼データには、標本作製者の伝票コードのデータが含まれている。管理サーバー50が依頼者端末10によって送信された病理診断依頼データ、依頼管理コード(ショート)及び依頼管理コード(フル)を受信すると、管理サーバー50の保存部51は、病理診断依頼データ、依頼管理コード(ショート)及び依頼管理コード(フル)を、管理サーバー50が管理するデータベースに蓄積する(ステップS504)。その後、処理はステップS505へ進む。
ステップS505では、患者名の匿名化が行われる。患者名の匿名化処理の詳細は、図4を参照して説明したステップS106と概略同様であるため、説明を省略する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
その後、依頼者は、標本作製依頼書に必要な情報を記入し、病理診断の対象及び標本作製依頼書を、標本作製者に送付する。標本作製者は、依頼者から送付された標本作製依頼書及び病理診断の対象を受け取ると、病理診断用の標本(本実施形態では、プレパラート)を作製する。
図9は、本実施形態に係る標本作製支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る標本作製支援処理は、標本作製者端末30によって実行される処理であり、標本作製依頼書を受領した標本作製者が、標本作製者端末30にインストールされた標本作製支援用のソフトウェアを起動したことを契機として実行される。
ステップS601及びステップS602では、依頼管理コード(ショート)及び依頼管理コード(フル)が取得される。標本作製者端末30の識別子取得部31は、依頼者端末10がステップS502で依頼管理コード(ショート)を生成した際と同じアルゴリズム及び同じ入力を用いて、依頼管理コード(ショート)を生成することで、依頼者端末10によって生成された依頼管理コード(ショート)と同一の依頼管理コード(ショート)を取得する(ステップS601)。
依頼管理コード(ショート)が生成されると、標本作製者端末30の識別子取得部31は、管理サーバー50に問い合わせることで依頼管理コード(フル)を取得する(ステップS602)。より具体的には、標本作製者端末30の識別子取得部31は、ステップS601で生成された依頼管理コード(ショート)及び標本作製依頼書に記載されている標本作製者の伝票コードを検索条件として管理サーバー50に問い合わせを行い、対応する病理診断依頼書データを管理サーバー50に索出させ、索出された病理診断依頼書データに含まれる依頼管理コード(フル)を管理サーバー50から受信することで、依頼管理コード(フル)を取得することができる。以降、本実施形態では、依頼管理コード(フル)が、標本管理コードとして用いられる。その後、処理はステップS603へ進む。
ステップS603では、標本管理コードがプレパラートに記録される。標本作製者端末30の識別子出力部33は、標本管理コード(依頼管理コード(フル))を出力する。出力処理の詳細は、図5を参照して説明したステップS204と概略同様であるため、説明を省略する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
標本管理コード(依頼管理コード(フル))が印刷又は貼付されたプレパラートが完成すると、回収者は、プレパラートを標本作製者から回収する。
図10は、本実施形態に係る標本回収支援処理の流れの概要を示すフローチャートである。本実施形態に係る標本回収支援処理は、プレパラートの回収の際に回収者端末70及び管理サーバー50によって実行される処理であり、回収者が、回収者端末70にインストールされた標本回収支援用のソフトウェアを起動したことを契機として実行される。
ステップS701及びステップS702では、プレパラートに記録された標本管理コード(依頼管理コード(フル))の読み取り及び照会が行われる。回収者端末70の読取部71は、当該端末に搭載されたカメラ等を介して、プレパラートに印刷又は貼付された標本管理コード(依頼管理コード(フル))を読み取る(ステップS701)。読み取り処理の詳細は、図6を参照して説明したステップS301と概略同様であるため、説明を省略する。回収者端末70の読取結果送信部72は、標本管理コード(依頼管理コード(フル))を管理サーバー50に送信することで、対応する病理診断依頼データの照会を行う(ステップS702)。その後、処理はステップS703へ進む。
ステップS703及びステップS704では、プレパラートに対応する病理診断依頼データが索出される。管理サーバー50の特定部52は、回収者端末70からの照会を受けて、標本管理コード(依頼管理コード(フル))を検索条件としてデータベースを検索し、対応する病理診断依頼データを索出する(ステップS703)。複数のプレパラートについての情報が受信されている場合、特定部52は、受信された全てのプレパラートについて、検索処理を行う。そして、管理サーバー50の通知部53は、索出された1又は複数の病理診断依頼データを、回収者端末70に対して送信する(ステップS704)。その後、本フローチャートに示された処理は終了し、処理は病理診断支援処理(図7を参照)へ進む。
本実施形態では、前述の第一の実施形態と異なり、プレパラートを世界でユニークに識別可能な依頼管理コード(フル)が標本管理コードとしてプレパラートに記録されているため、地区コードや読取日付等の補助的な検索条件を付すことなく、確実に病理診断依頼データを特定することができる。このため、本実施形態では、目検等(ステップS305を参照)を省略することが出来る。また、依頼者端末10から管理サーバー50に最初に送信された時点で、病理診断依頼データには完全な標本管理コードが含まれているため、前述の第一の実施形態と異なり、追加コードの追加(ステップS306)も不要である。
本実施形態において回収者端末70、管理サーバー50及び診断者端末90によって実行される病理診断支援処理は、図7を用いて説明した第一の実施形態の病理診断支援処理と概略同様であるため、説明を省略する。
<効果>
従来、患者名や依頼者名の確認は目検によって行われていたため、取り違えが発生するリスクが大きかった。本実施形態に開示された処理によれば、プレパラートを世界でユニークに識別することが出来る依頼管理コードを用いてプレパラートと病理診断依頼データとの対応付けを行う為、取り違えミスを限りなく少なくすることが出来る。
<<バリエーション>>
上記説明した実施の形態は、実施形態を例示するものであって、本開示に係る病理診断管理システム、方法およびプログラムを以下に説明する具体的構成に限定するものではない。実施にあたっては、実施の態様に応じた具体的構成が適宜採用され、また、種々の改良や変形が行われてよい。
例えば、上記実施形態では、プレパラートの画像データを生成・送信し、画像データに基づいて病理診断を行うこととしているが(図7を参照)、プレパラートの画像データの生成及び送信は省略されてもよい。この場合、標本管理コードはプレパラート(標本)自体から読取装置(コードリーダー)等を用いて読み取ることが可能であるし、病理診断は、回収後診断者に送付されたプレパラート(標本)自体に基づいて行うことができる。
1 システム
10 依頼者端末
30 標本作製者端末
50 管理サーバー
70 回収者端末
90 診断者端末

Claims (13)

  1. 病理診断の依頼を行う依頼者の情報処理装置である依頼者端末と、前記病理診断用の標本作製を行う標本作製者の情報処理装置である標本作製者端末と、管理装置と、を備える病理診断管理システムであって、
    前記依頼者端末は、
    病理診断のケースを識別するための識別子を生成する識別子生成手段と、
    病理診断を行う診断者宛の、前記識別子を含む病理診断依頼データを作成する依頼データ作成手段と、
    前記管理装置に、前記識別子を含む病理診断依頼データを送信する依頼データ送信手段と、を備え、
    前記標本作製者端末は、
    前記識別子を取得する識別子取得手段と、
    前記依頼者から受領した病理診断対象を用いて作製された標本に付すために前記識別子を出力する識別子出力手段と、を備え、
    前記管理装置は、
    前記依頼者端末から受信した、前記識別子を含む前記病理診断依頼データを保存する保存手段と、
    前記標本作製者によって作製された前記標本の回収を行う回収者の端末であって前記標本に付された前記識別子を読み取る回収者端末から受信した前記識別子に基づいて、前記保存手段によって保存されている前記病理診断依頼データから、該識別子に対応する病理診断依頼データを特定する特定手段と、を備える、
    病理診断管理システム。
  2. 前記特定手段によって特定された病理診断依頼データは、前記診断者へ転送され、
    前記標本または該標本の画像データは、前記診断者へ送信される、
    請求項1に記載の病理診断管理システム。
  3. 前記特定手段によって特定された病理診断依頼データを、前記診断者へ転送する依頼データ転送手段と、
    回収された前記標本の画像データを取得する画像取得手段と、
    前記標本の画像データを、対応する前記病理診断依頼データと紐付け可能なように、前記診断者へ送信する画像データ送信手段と、
    を更に備える、請求項1に記載の病理診断管理システム。
  4. 前記画像データから前記識別子を抽出する識別子抽出手段を更に備え、
    前記画像データ送信手段は、前記標本の画像データを、抽出された前記識別子と関連づけて送信することで、該画像データを、対応する前記病理診断依頼データと紐付け可能なように、前記診断者へ送信する、
    請求項3に記載の病理診断管理システム。
  5. 前記標本作製者端末の前記識別子取得手段は、前記依頼者端末の前記識別子生成手段と同じ入力及び同じアルゴリズムを用いて識別子を生成することで、該識別子生成手段によって生成された識別子と同一の識別子を取得する、
    請求項1から4の何れか一項に記載の病理診断管理システム。
  6. 前記標本作製者によって作製された前記標本の回収を行う回収者の回収者端末を更に備え、
    前記回収者端末は、
    前記標本に付された前記識別子を読み取る読取手段と、
    読み取られた前記識別子を前記管理装置に送信する読取結果送信手段と、を備える、
    請求項1から5の何れか一項に記載の病理診断管理システム。
  7. 前記標本作製者端末は、
    該標本作製者独自の追加コードを生成する追加コード生成手段を更に備え、
    前記標本作製者端末の前記識別子出力手段は、前記標本に付すために、前記識別子及び前記追加コードを出力し、
    前記回収者端末の前記読取手段は、前記識別子及び前記追加コードを読み取り、
    前記回収者端末の前記読取結果送信手段は、更に、読み取られた前記追加コードを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置の前記保存手段は、前記特定手段によって特定された病理診断依頼データに、前記追加コードを追加して保存する、
    請求項6に記載の病理診断管理システム。
  8. 前記管理装置は、
    前記特定手段によって特定された前記病理診断依頼データに含まれる情報を回収者端末に通知する通知手段を更に備え、
    前記回収者端末は、
    前記管理装置から通知された、前記病理診断依頼データに含まれる情報を出力する情報出力手段を更に備え、
    前記管理装置の前記保存手段は、前記回収者端末によって出力された情報と、前記標本に付された、人が認識可能な情報と、を比較した回収者による確定指示が受け付けられた場合に、前記特定手段によって特定された病理診断依頼データに、前記追加コードを追加して保存する、
    請求項7に記載の病理診断管理システム。
  9. 前記回収者端末の前記読取結果送信手段は、前記識別子に加えて、該回収者端末に予め設定された、該回収者端末が使用される地区を特定可能な地区コードを前記管理装置に送信し、
    前記管理装置の前記特定手段は、前記識別子に加えて、前記地区コードにも基づいて、前記病理診断依頼データを特定する、
    請求項6から8の何れか一項に記載の病理診断管理システム。
  10. 前記依頼者端末の前記識別子生成手段は、第一の識別子及び第二の識別子を生成し、
    前記標本作製者端末の前記識別子取得手段は、前記識別子生成手段が前記第一の識別子を生成した際と同じ入力及び同じアルゴリズムを用いて識別子を生成することで、該識別子生成手段によって生成された前記第一の識別子を取得し、該第一の識別子を用いて前記管理装置に問い合わせることで、該管理装置に保存されている前記第二の識別子を取得し、
    前記標本作製者端末の前記識別子出力手段は、前記標本に付すために、少なくとも前記第二の識別子を出力する、
    請求項1から4の何れか一項に記載の病理診断管理システム。
  11. 前記管理装置の前記特定手段は、更に、前記診断者から受信した診断結果データに含まれる前記識別子に基づいて、対応する病理診断依頼データを特定し、
    前記管理装置は、
    特定された病理診断依頼データの発行元である依頼者に、前記診断結果データを転送する診断結果データ転送手段を更に備える、
    請求項1から10の何れか一項に記載の病理診断管理システム。
  12. 病理診断の依頼を行う依頼者の情報処理装置である依頼者端末と、前記病理診断用の標本作製を行う標本作製者の情報処理装置である標本作製者端末と、管理装置と、を備える病理診断管理システムにおいて、
    前記依頼者端末が、
    病理診断のケースを識別するための識別子を生成する識別子生成ステップと、
    病理診断を行う診断者宛の、前記識別子を含む病理診断依頼データを作成する依頼データ作成ステップと、
    前記管理装置に、前記識別子を含む病理診断依頼データを送信する依頼データ送信ステップと、を実行し、
    前記標本作製者端末が、
    前記識別子を取得する識別子取得ステップと、
    前記依頼者から受領した病理診断対象を用いて作製された標本に付すために前記識別子を出力する識別子出力ステップと、を実行し、
    前記管理装置が、
    前記依頼者端末から受信した、前記識別子を含む前記病理診断依頼データを保存する保存ステップと、
    前記標本作製者によって作製された前記標本の回収を行う回収者の端末であって前記標本に付された前記識別子を読み取る回収者端末から受信した前記識別子に基づいて、前記保存ステップによって保存されている前記病理診断依頼データから、該識別子に対応する病理診断依頼データを特定する特定ステップと、を実行する、
    病理診断管理方法。
  13. 病理診断の依頼を行う依頼者の情報処理装置である依頼者端末と、前記病理診断用の標本作製を行う標本作製者の情報処理装置である標本作製者端末と、管理装置と、を備える病理診断管理システムにおいて、
    前記依頼者端末を、
    病理診断のケースを識別するための識別子を生成する識別子生成手段と、
    病理診断を行う診断者宛の、前記識別子を含む病理診断依頼データを作成する依頼データ作成手段と、
    前記管理装置に、前記識別子を含む病理診断依頼データを送信する依頼データ送信手段と、として機能させ、
    前記標本作製者端末を、
    前記識別子を取得する識別子取得手段と、
    前記依頼者から受領した病理診断対象を用いて作製された標本に付すために前記識別子を出力する識別子出力手段と、として機能させ、
    前記管理装置を、
    前記依頼者端末から受信した、前記識別子を含む前記病理診断依頼データを保存する保存手段と、
    前記標本作製者によって作製された前記標本の回収を行う回収者の端末であって前記標本に付された前記識別子を読み取る回収者端末から受信した前記識別子に基づいて、前記保存手段によって保存されている前記病理診断依頼データから、該識別子に対応する病理診断依頼データを特定する特定手段と、として機能させる、
    病理診断管理プログラム。
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