JP2019051907A - 音響装置 - Google Patents

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正則 小杉
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Abstract

【課題】規定レベルの音を乗員に到達させるためのスピーカの出力を小さくすることができる音響装置を提供する。
【解決手段】車両5に搭載される音響装置1であって、座席10に着座した乗員である運転者20の正面よりも前側において座席10の中心線11を挟むように配置された2つのスピーカ30、40と、2つのスピーカ30、40から出力される音による立体音像が維持されるように各スピーカから出力される音の特性を制御する制御部100と、を備え、2つのスピーカ30、40は、車両5のパドルスイッチ50、60に設けられた構成とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、音響装置に関し、特に、車両に搭載される音響装置に関する。
従来、車載用立体音響装置において、乗員(運転者)の左右の後方に配置されたメインスピーカ、及び乗員の前方に配置された副スピーカからの出力音によって、立体音像を生成する技術がある(例えば、特許文献1参照)。この音響装置では、例えば運転シートの背もたれ部分の肩部の左側に車両の前方に向けて左スピーカが配置されるとともに、肩部の右側に車両の前方に向けて右スピーカが配置されている。また、副スピーカを、ステアリングコラムの下部やダッシュボードなど、乗員の前方に配置する構成が示されている。
特開2010−4361号公報
しかし、従来技術におけるスピーカの配置位置は乗員(運転者)まで遠いため、規定レベルの音を乗員に到達させるためには、スピーカの出力を大きくしなければならないという課題があった。
したがって、本発明の目的は、規定レベルの音を乗員に到達させるためのスピーカの出力を小さくすることができる音響装置を提供することにある。
[1]上記目的を達成するため、車両に搭載される音響装置であって、座席に着座した乗員の正面よりも前側において前記座席の中心線を挟むように配置された少なくとも2つのスピーカと、前記少なくとも2つのスピーカから出力される音による立体音像が維持されるように各スピーカから出力される音の特性を制御する制御部と、を備え、前記少なくとも2つのスピーカは、前記車両のパドルスイッチに設けられている、音響装置を提供する。
[2]前記パドルスイッチは、前記車両のステアリングコラムポストに装着されている、上記[1]に記載の音響装置であってもよい。
[3]また、前記少なくとも2つのスピーカは、それぞれのスピーカの出力の指向性の範囲が車高の方向に広くなるように配置されている、上記[1]又は[2]に記載の音響装置であってもよい。
[4]また、前記少なくとも2つのスピーカは、前記パドルスイッチにおいて前記乗員の方向に向けて装着されている、上記[1]から[3]のいずれか1に記載の音響装置であってもよい。
[5]また、前記少なくとも2つのスピーカは、前記パドルスイッチにおいて前記車両のインストルメントパネルの方向に向けて装着されている、上記[1]から[3]のいずれか1に記載の音響装置であってもよい。
[6]また、前記パドルスイッチは、前記車両のステアリングに装着されている、上記[1]に記載の音響装置であってもよい。
[7]また、前記少なくとも2つのスピーカは、それぞれのスピーカの出力の指向性が全方位である、上記[6]に記載の音響装置であってもよい。
本発明の音響装置によれば、規定レベルの音を乗員に到達させるためのスピーカの出力を小さくすることができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る音響装置におけるスピーカの配置例を車両の上方向から見た上平面図である。 図2は、図1に示す音響装置において、A方向から見た、側面図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る音響装置におけるパドルスイッチを運転者側から見た正面図である。 図4(a)は、スピーカが直交する方向に指向性を有する場合において、スピーカの指向特性が車高の方向に狭い範囲となるように配置されているXY面における指向特性図であり、図4(b)は、スピーカの指向特性が車高の方向に広い範囲となるように配置されているXZ面における指向特性図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る音響装置において、パドルスイッチがインストルメントパネルの方向に向けて装着されている、図2相当の側面図である。 図6は、本発明の第2の実施の形態に係る音響装置におけるスピーカの配置例を車両の上方向から見た上平面図である。 図7は、本発明の第3の実施の形態に係る音響装置におけるスピーカの配置例を車両の上方向から見た上平面図である。 図8は、図7に示す音響装置において、A方向から見た、側面図である。 図9(a)は、スピーカの指向性が全方位性を有する場合において、スピーカの指向特性のXY面における指向特性図であり、図9(b)は、スピーカの指向特性のXZ面における指向特性図である。 図10は、ステアリングホイールが回転操作されて操舵角φが検出された場合の、2つのスピーカと乗員(運転者)との位置関係を示す、図7に相当する上平面図である。
(本発明の第1の実施の形態)
本発明の実施の形態に係る音響装置1は、車両5に搭載される音響装置1であって、座席10に着座した乗員である運転者20の正面よりも前側において座席10の中心線11を挟むように配置された2つのスピーカ30、40と、2つのスピーカ30、40から出力される音による立体音像が維持されるように各スピーカから出力される音の特性を制御する制御部100と、を備え、2つのスピーカ30、40は、車両5のパドルスイッチ50、60に設けられて構成されている。
第1の実施の形態は、パドルスイッチ50、60が車両5のステアリングコラムポスト6に装着されている。本実施の形態では、乗員が運転者20であるものとして説明する。また、少なくとも2つのスピーカの一例として、2つのスピーカ30、40がパドルスイッチ50、60にそれぞれ運転者20の方向に向けて装着されているものとして説明する。
(パドルスイッチ50、60)
パドルスイッチ50、60は、それぞれ、ステアリングコラムポスト6に装着されている。図3に示すように、パドルスイッチ50はステアリングコラムポスト6の右側に装着され、運転者20が右手で操作する。また、パドルスイッチ60はステアリングコラムポスト6の左側に装着され、運転者20が左手で操作する。
パドルスイッチ50、60は、例えば、パドルシフトのスイッチとして用いられ、それぞれ左右のパドルレバーに接続されてプッシュ又はプル操作に基づいてオン信号を出力し、車両のシフト動作を制御する。その他、オーディオ装置やナビゲーション装置等の車載機器の動作を制御するために用いてもよい。
(スピーカの配置)
図1に示すように、車両5において、座席10の前方、すなわち、座席10に着座した運転者20の前方に2つのスピーカ30、40が配置されている。2つのスピーカ30、40は、例えば、ステアリングホイール8の中心線8aに対して対称に配置されたパドルスイッチ50、60上であって、運転者20の方向に向けて装着されている。
パドルスイッチ50、60は、法規要件もあり、ステアリングホイール8越しに運転者20が目視できる部分を備えている。スピーカ30、40は、図3に示すように、パドルスイッチ50、60において運転者20が目視できる部分に装着されている。
スピーカ30、40は、所定の周波数帯域において音を出力できるものであり、車両側からの制御により、例えば、警告音、警告音声等を出力できるものである。
図1において、車両5の前方から後方に向けて、スピーカから運転者20の耳の方向をX方向、車両5の幅方向をY方向、X軸とY軸の外積で定義される方向を車両5の上下方向のZ方向とする。図1に示すように、右スピーカ30は、その指向性が運転者20の右耳21に向けて強くなるように配置されている。また、左スピーカ40は、その指向性が運転者20の左耳22に向けて強くなるように配置されている。すなわち、スピーカ30、40をパドルスイッチ50、60に搭載することにより、右スピーカ30の出力軸31が運転者20の右耳21の方向になるようにでき、また、左スピーカ40の出力軸41が運転者20の左耳22の方向になるようにできる。
また、図2に示すように、左スピーカ40を運転者20の耳に向けてやや上向きに配置する。このために、図2に示すように、X軸、Z軸がY軸の回りに少し回転したX、Y、Z軸となっている。
図2に示すように、スピーカ30、40をパドルスイッチ50、60に搭載することにより、左スピーカ40の出力軸41が運転者20の左耳22の方向になるように、左スピーカ40がやや上向き(X軸方向)に配置される。右スピーカ30も同様に、やや上向き(X軸方向)に配置される。これにより、2つのスピーカ30、40の指向性が乗員の耳21、22に向けて強くなるように配置された構成となる。
(スピーカの指向特性)
図4(a)、(b)で示すスピーカの指向特性は、X方向とZ方向の指向特性が異なる場合を示している。図4(a)において、スピーカ30、40から出力される音の広がりを示す指向特性は、音波面35のX軸上の点35aが最大であり、X軸上の最大音圧から6dBだけ音圧が低下する35b、35cの点で規定される開き角を指向角度θ2と定義する。図4(a)において、Y方向における指向角度はθ2である。
図4(b)において、スピーカ30、40から出力される音の広がりを示す指向特性は、音波面36のX軸上の点36aが最大であり、X軸上の最大音圧から6dBだけ音圧が低下する36b、36cの点で規定される開き角を指向角度θ1と定義する。図4(b)において、Z方向における指向角度はθ1である。指向角度はθ1>θ2である。
図4(a)、(b)からわかるように、指向角度はθ1>θ2であるので、図4(a)、(b)で示すスピーカの指向特性は、Z方向、すなわち、車両5の車高の方向に広い範囲となる。
(車高の方向に広い指向特性を有するスピーカの配置)
図4(a)、(b)で示したスピーカ30、40を所定の向きでパドルスイッチ50、60に配置した場合の指向角度θ1を、図2に示す。
図2に示すように、図4(b)で示したスピーカ30、40の指向角度の大きい方(指向角度θ1)をZ軸方向、車高の方向として配置する。これにより、指向性が車高の方向に広い範囲となるように配置される。
一方、図4(a)で示したスピーカ30、40の指向角度の小さい方(指向角度θ2)をY軸方向、車幅の方向として配置する。
運転者20の耳21、22の位置は、座席10の車高方向への高さ調整や、座席10に着座する運転者20の身長の高い低いにより変化する。したがって、スピーカ30、40の指向性が車高の方向に広い範囲となるように配置されることにより、スピーカ30、40の指向性が乗員の耳21、22に向けて強くなるように配置され、運転者20の耳元に音を安定して定位させることができる。
(制御部による音像の定位制御)
制御部100は、図1に示すように、右スピーカ30を駆動する駆動部110、左スピーカ40を駆動する駆動部120を備えている。駆動部110は、右音声信号S1と、左音声信号S2の位相調整信号S21を加算して、増幅して右スピーカ30を駆動する。同様に、駆動部120は、左音声信号S2と、右音声信号S1の位相調整信号S12を加算して、増幅して左スピーカ40を駆動する。
位相調整回路115は、右音声信号S1の位相を調整(位相遅延)して、駆動部120に位相調整信号S12を出力する。位相調整は、右音声信号S1と位相調整信号S12の位相差α°として適宜設定可能である。
同様に、位相調整回路125は、左音声信号S2の位相を調整(位相遅延)して、駆動部110に位相調整信号S21を出力する。位相調整は、左音声信号S2と位相調整信号S21の位相差α°として適宜設定可能である。なお、この位相差α°の設定は、2つのスピーカ30、40が座席10の中心線11を挟んで対称に配置されている場合であり、スピーカ30、40が座席10の中心線11を挟んで非対称に配置されている場合等は、位相調整回路115と位相調整回路125で設定される位相差は異なる値とすることができる。
上記説明した駆動部110、120、位相調整回路115、125は、それぞれ、ゲインの調整が可能である。したがって、図1で示すように、駆動部110における右音声信号S1と位相調整信号S21の加算割合、駆動部120における左音声信号S2と位相調整信号S12の加算割合を調節できる。また、右スピーカ30、左スピーカ40から出力される音圧を調節でき、左右のステレオ音のバランスを調節することもできる。
制御部100は、2つのスピーカ30、40から出力される音による立体音像が維持されるように各スピーカから出力される音の特性を制御する。
右耳21には、右スピーカ30から出力される右チャンネルの音S30と左チャンネルの位相調整された音S40dが到達すると共に、左スピーカ40から出力される左チャンネルの音S40と右チャンネルの位相調整された音S30dが到達する。
右耳21に到達する右チャンネルの音は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dである。
また、右耳21に到達する左チャンネルの音は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dである。
したがって、制御部100は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が最大となり、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が最小となるように制御する。
右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が右耳21において最大となるようにするには、例えば、制御部100は、距離L11を進む音S30と距離L21を進む音S30dとの位相差が、2πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。なお、距離L11は、右スピーカ30から右耳21までの距離、距離L21は、左スピーカ40から右耳21までの距離である。
左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が右耳21において最小となるようにするには、距離L21を進む音S40と距離L11を進む音S40dとの位相差が、πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。
上記示した左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が右耳21において最小となるように設定することにより、右耳21の位置において、右チャンネルの音S30と左チャンネルの音S40のクロストークが低減あるいは相殺される。
同様にして、左耳22には、左スピーカ40から出力される左チャンネルの音S40と右チャンネルの位相調整された音S30dが到達すると共に、右スピーカ30から出力される右チャンネルの音S30と左チャンネルの位相調整された音S40dが到達する。
左耳22に到達する左チャンネルの音は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dである。
また、左耳22に到達する右チャンネルの音は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dである。
したがって、制御部100は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が最大となり、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が最小となるように制御する。
左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が左耳22において最大となるようにするには、例えば、制御部100は、距離L22を進む音S40と距離L12を進む音S40dの位相差が、2πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。なお、距離L22は、左スピーカ40から左耳22までの距離、距離L12は、右スピーカ30から左耳22までの距離である。
右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が左耳22において最小となるようにするには、距離L12を進む音S30と距離L22を進む音S30dの位相差が、πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。
上記示した右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が左耳22において最小となるように設定することにより、左耳22の位置において、左チャンネルの音S40と右チャンネルの音S30のクロストークが低減あるいは相殺される。
上記示した制御部100による位相調整により、耳元に音を定位させることができ、2つのスピーカから出力される音による立体音像が維持されるように制御することができる。
(本発明の第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、図5に示すように、2つのスピーカ30、40がパドルスイッチ50、60上において、それぞれインストルメントパネル7の方向に向けて装着されている場合である。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態において2つのスピーカ30、40の装着向きが運転者20ではなくインストルメントパネル7の方向に向けて装着されていることである。以下において、第1の実施の形態と異なる部分について説明し、共通する部分の説明は省略する。
(制御部による音像の定位制御)
制御部100は、図6に示すように、右スピーカ30を駆動する駆動部110、左スピーカ40を駆動する駆動部120を備えている。駆動部110は、右音声信号S1と、左音声信号S2の位相調整信号S21を加算して、増幅して右スピーカ30を駆動する。同様に、駆動部120は、左音声信号S2と、右音声信号S1の位相調整信号S12を加算して、増幅して左スピーカ40を駆動する。
第1の実施の形態と同様に、制御部100は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が最大となり、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が最小となるように制御する。
右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が右耳21において最大となるようにするには、例えば、制御部100は、距離L11を進む音S30と距離L21を進む音S30dとの位相差が、2πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。なお、距離L11は、右スピーカ30からインストルメントパネル7の方向に進んでインストルメントパネル7上の7a点で反射して右耳21まで進む距離である。また、距離L21は、左スピーカ40からインストルメントパネル7の方向に進んでインストルメントパネル7上の7b点で反射して右耳21まで進む距離である。
左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が右耳21において最小となるようにするには、距離L21を進む音S40と距離L11を進む音S40dとの位相差が、πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。
上記示した左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が右耳21において最小となるように設定することにより、右耳21の位置において、右チャンネルの音S30と左チャンネルの音S40のクロストークが低減あるいは相殺される。
同様にして、左耳22には、左スピーカ40から出力される左チャンネルの音S40と右チャンネルの位相調整された音S30dが到達すると共に、右スピーカ30から出力される右チャンネルの音S30と左チャンネルの位相調整された音S40dが到達する。
左耳22に到達する左チャンネルの音は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dである。
また、左耳22に到達する右チャンネルの音は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dである。
したがって、制御部100は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が最大となり、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が最小となるように制御する。
左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が左耳22において最大となるようにするには、例えば、制御部100は、距離L22を進む音S40と距離L12を進む音S40dの位相差が、2πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。なお、距離L22は、左スピーカ40からインストルメントパネル7の方向に進んでインストルメントパネル7上の7b点で反射して左耳22まで進む距離、距離L12は、右スピーカ30からインストルメントパネル7の方向に進んでインストルメントパネル7上の7a点で反射して左耳22まで進む距離である。
右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が左耳22において最小となるようにするには、距離L12を進む音S30と距離L22を進む音S30dの位相差が、πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。
上記示した右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が左耳22において最小となるように設定することにより、左耳22の位置において、左チャンネルの音S40と右チャンネルの音S30のクロストークが低減あるいは相殺される。
上記示した制御部100による位相調整により、耳元に音を定位させることができ、2つのスピーカから出力される音による立体音像が維持されるように制御することができる。
(本発明の第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、図7、8に示すように、パドルスイッチ50、60が車両5のステアリングに装着されている場合であり、パドルスイッチ50、60はステアリングホイール8の回転操作に伴って、ステアリングホイール8と一緒に回転するものである。
第3の実施の形態は、パドルスイッチ50、60がステアリングホイール8の回転操作と一緒に回転するところが第1の実施の形態と異なる。以下において、第1の実施の形態と異なる部分について説明し、共通する部分の説明は省略する。
(スピーカの指向特性)
図9(a)、(b)で示すスピーカの指向特性は、スピーカの指向性が全方位性を有する場合を示している。図9(a)において、スピーカ30、40から出力される音の広がりを示す指向特性は、音波面36のX軸上の点36aが最大であり、X軸上の最大音圧から6dBだけ音圧が低下する36b、36cの点で規定される開き角を指向角度θ1と定義する。図9(a)において、Y方向における指向角度はθ1である。
図9(b)において、スピーカ30、40から出力される音の広がりを示す指向特性は、音波面36のX軸上の点36aが最大であり、X軸上の最大音圧から6dBだけ音圧が低下する36b、36cの点で規定される開き角を指向角度θ1と定義する。図9(b)において、Z方向における指向角度はθ1である。
図9(a)、(b)からわかるように、指向角度はX方向、Z方向共にθ1であるので、図9(a)、(b)で示すスピーカの指向特性は、全方位性(無指向性)を有するものとなる。このような、全方位性を有するスピーカ30、40をパドルスイッチ50、60に搭載することにより、車両5の運転時にステアリングホイール8の回転操作が行われてパドルスイッチ50、60が一緒に回転しても、スピーカ30、40から出力される音の音像の定位が維持されやすい。
(位置検出部70)
位置検出部70は、運転者20と2つのスピーカ30、40の相対位置を検出するものである。この相対位置を検出することにより、スピーカ30、40と運転者20の右耳21、左耳22との間の直線距離を算出することができる。この算出は、位置検出部70内に備えた演算部、例えば、マイコンにより実行することができる。
位置検出部70は、図8に示すように、例えば、ステアリングホイール8の回転操作に伴う操舵角φを検出する舵角センサとすることが可能である。この舵角センサは、車両5が種々の運転操作に伴う制御を行なうために備える舵角センサと共用することが可能である。
位置検出部70は、舵角センサには限られず、運転者20と2つのスピーカ30、40の相対位置を検出するものであればよい。例えば、インストルメントパネルに搭載されたカメラ(図示省略)、あるいは、ステアリングホイールに搭載されたカメラ(図示省略)等であってもよい。これらのカメラにより撮像された画像に基づいて、例えば、テンプレートマッチング手法により運転者20の右耳21、左耳22の位置を特定すると共に、パドルスイッチ50、60の位置を検出することにより、運転者20と2つのスピーカ30、40との相対位置を検出することができる。
(制御部による音像の定位制御)
制御部100は、図7、10に示すように、右スピーカ30を駆動する駆動部110、左スピーカ40を駆動する駆動部120を備えている。駆動部110は、右音声信号S1と、左音声信号S2の位相調整信号S21を加算して、増幅して右スピーカ30を駆動する。同様に、駆動部120は、左音声信号S2と、右音声信号S1の位相調整信号S12を加算して、増幅して左スピーカ40を駆動する。
第1の実施の形態と同様に、制御部100は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が最大となり、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が最小となるように制御する。
右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が右耳21において最大となるようにするには、例えば、制御部100は、距離L11を進む音S30と距離L21を進む音S30dとの位相差が、2πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。なお、距離L11は、右スピーカ30から右耳21までの距離、距離L21は、左スピーカ40から右耳21までの距離である。
左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が右耳21において最小となるようにするには、距離L21を進む音S40と距離L11を進む音S40dとの位相差が、πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。
上記示した左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が右耳21において最小となるように設定することにより、右耳21の位置において、右チャンネルの音S30と左チャンネルの音S40のクロストークが低減あるいは相殺される。
同様にして、左耳22には、左スピーカ40から出力される左チャンネルの音S40と右チャンネルの位相調整された音S30dが到達すると共に、右スピーカ30から出力される右チャンネルの音S30と左チャンネルの位相調整された音S40dが到達する。
左耳22に到達する左チャンネルの音は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dである。
また、左耳22に到達する右チャンネルの音は、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dである。
したがって、制御部100は、左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が最大となり、右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が最小となるように制御する。
左チャンネルの音S40と左チャンネルの位相調整された音S40dの合成音が左耳22において最大となるようにするには、例えば、制御部100は、距離L22を進む音S40と距離L12を進む音S40dの位相差が、2πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。なお、距離L22は、左スピーカ40から左耳22までの距離、距離L12は、右スピーカ30から左耳22までの距離である。
右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が左耳22において最小となるようにするには、距離L12を進む音S30と距離L22を進む音S30dの位相差が、πn(n=0、1、2・・・)となるように位相差α°を設定する。
上記示した右チャンネルの音S30と右チャンネルの位相調整された音S30dの合成音が左耳22において最小となるように設定することにより、左耳22の位置において、左チャンネルの音S40と右チャンネルの音S30のクロストークが低減あるいは相殺される。
上記示した制御部100による位相調整により、耳元に音を定位させることができ、2つのスピーカから出力される音による立体音像が維持されるように制御することができる。
(ステアリング操舵角φの場合)
図10に示すように、ステアリングホイール8が回転操作されて操舵角φが検出された場合は、ステアリングホイール8と一緒に回転するパドルスイッチ50、60上に装着された2つのスピーカと乗員(運転者)との位置関係が変化する。上記説明した右スピーカ30から右耳21までの距離L11は、操舵角φにより変化する関数L11(φ)で表すことができる。同様に、左スピーカ40から左耳22までの距離L22は、関数L22(φ)で表すことができる。また、右スピーカ30から左耳22までの距離L12は関数L12(φ)、左スピーカ40から右耳21までの距離L21は関数L21(φ)で表すことができる。
関数L11(φ)、L22(φ)、L12(φ)、L21(φ)は、位置検出部70に予め記憶された操舵角φと各距離のテーブル値により算出することができる。あるいは、操舵角φに基づいて各スピーカ30、40と右耳21、左耳22までの直線距離を3次元的に計算して算出することもできる。
(操舵角φが−90°から90°の範囲の場合)
操舵角φが−90°から90°の範囲の場合は、上記説明した制御部100による音像の定位制御において、右スピーカ30から右耳21までの距離L11、左スピーカ40から左耳22までの距離L22、右スピーカ30から左耳22までの距離L12、左スピーカ40から右耳21までの距離L21を、それぞれ、操舵角φの関数L11(φ)、L22(φ)、L12(φ)、L21(φ)として制御すればよい。
(操舵角φが90°を超える場合)
操舵角φが90°を超える場合、あるいは、さらに1回転した場合等においては、右チャンネルの音S30と左チャンネルの音S40の定位が入れ替わることになる。したがって、このように、右チャンネルの音S30と左チャンネルの音S40の定位が入れ替わるようなステアリングの操作がされた場合は、図1、図5において、右音声信号S1と左音声信号S2の入力を入れ替えた状態で、制御部100による音像の定位制御を行なう。
本発明の実施の形態は、上記示した2つのスピーカに限られず、3以上のスピーカが座席10の中心線11を挟んで配置される場合にも適用可能である。すなわち、各スピーカから出力される音のスピーカから乗員の耳までの距離と位相差とを考慮し、右耳、左耳それぞれにおいて、合成音が最大、最小になるように位相差を設定することにより、右チャンネルの音と左チャンネルの音のクロストークが低減あるいは相殺される。これにより、3以上のスピーカの場合においても、耳元に音を定位させることができ、3つ以上のスピーカから出力される音による立体音像が維持されるように制御することができる。
(実施の形態の効果)
本発明の実施の形態によれば、以下のような効果を有する。
(1)本発明の実施の形態に係る音響装置1は、車両5に搭載される音響装置1であって、座席10に着座した乗員である運転者20の正面よりも前側において座席10の中心線11を挟むように配置された2つのスピーカ30、40と、2つのスピーカ30、40から出力される音による立体音像が維持されるように各スピーカから出力される音の特性を制御する制御部100と、を備え、2つのスピーカ30、40は、車両5のパドルスイッチ50、60に設けられて構成されている。各スピーカが車両5のパドルスイッチ50、60に設けられているので、規定レベルの音を乗員に到達させるためのスピーカの出力を小さくすることができる。
(2)第1の実施の形態においては、パドルスイッチ50、60が回転しないので、スピーカ30、40の指向性が車高の方向に広い範囲となるように配置することにより、スピーカ30、40の指向性が乗員の耳21、22に向けて強くなるように配置され、運転者20の耳元に音を安定して定位させることができる。
(3)第2の実施の形態においては、2つのスピーカ30、40の装着向きが運転者20ではなくインストルメントパネル7の方向に向けて装着される。スピーカ30、40からインストルメントパネル7で反射させて音を伝搬させるので、パドルスイッチ50、60の根元部分に装着する等、スピーカの配置、設計の自由度が増加する。
(4)第3の実施の形態においては、スピーカ30、40の指向性を全方位性(無指向性)のものとすることにより、車両5の運転に伴うステアリングホイール8の回転操作時においても、スピーカから出力される音の音像の定位が維持されやすい。
(5)制御部100による音像の定位制御が可能であり、特に、スピーカ30、40の指向性を全方位性(無指向性)のものとすることにより、ステアリングと一緒に回転するパドルスイッチ50、60に搭載したスピーカからの出力音を乗員(運転者)の耳元に安定して定位させることができる。
以上、本発明のいくつかの実施の形態を説明したが、これらの実施の形態は、一例に過ぎず、特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、これら新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。また、これら実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない。さらに、これら実施の形態は、発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…音響装置、5…車両、6…ステアリングコラムポスト、7…インストルメントパネル、8…ステアリングホイール、8a…中心線、9…スポーク部、10…座席、11…中心線、20…運転者、21…右耳、22…左耳、31…出力軸、36…音波面、40…左スピーカ、41…出力軸、50、60…パドルスイッチ、70…位置検出部、100…制御部、110…駆動部、115…位相調整回路、120…駆動部、125…位相調整回路、L11、L12、L21、L22…距離、S1…右音声信号、S12…位相調整信号、S2…左音声信号、S21…位相調整信号、S30、S30d、S40、S40d…音、α…位相差、θ1、θ2…指向角度

Claims (7)

  1. 車両に搭載される音響装置であって、
    座席に着座した乗員の正面よりも前側において前記座席の中心線を挟むように配置された少なくとも2つのスピーカと、
    前記少なくとも2つのスピーカから出力される音による立体音像が維持されるように各スピーカから出力される音の特性を制御する制御部と、を備え、
    前記少なくとも2つのスピーカは、前記車両のパドルスイッチに設けられている、音響装置。
  2. 前記パドルスイッチは、前記車両のステアリングコラムポストに装着されている、請求項1に記載の音響装置。
  3. 前記少なくとも2つのスピーカは、それぞれのスピーカの出力の指向性の範囲が車高の方向に広くなるように配置されている、請求項1又は2に記載の音響装置。
  4. 前記少なくとも2つのスピーカは、前記パドルスイッチにおいて前記乗員の方向に向けて装着されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の音響装置。
  5. 前記少なくとも2つのスピーカは、前記パドルスイッチにおいて前記車両のインストルメントパネルの方向に向けて装着されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の音響装置。
  6. 前記パドルスイッチは、前記車両のステアリングに装着されている、請求項1に記載の音響装置。
  7. 前記少なくとも2つのスピーカは、それぞれのスピーカの出力の指向性が全方位である、請求項6に記載の音響装置。
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