以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の画面上では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の画面上には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。なお、確定飾り図柄は、可変表示中に表示される飾り図柄とは異なるものであってもよい。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。
画像表示装置5の画面上では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に、遊技球が進入(例えば、通過)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。この実施の形態では、保留表示を、保留されている可変表示と同じ個数の図柄(本実施の形態では、丸印などであり、以下、保留表示図柄ともいう。)を表示することによって行う。1つの保留表示図柄は、保留されている1つの可変表示に対応している。第1特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって左側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。第2特図を用いた特図ゲームに対応した、保留されている可変表示は、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける向かって右側の領域に表示される保留表示図柄によって表される。
例えば、第1始動入賞口に遊技球が進入する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が進入する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示エリア5Hに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。ここでは、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示している。
画像表示装置5の画面上には、当該始動入賞記憶表示エリア5Hに近接してアクティブ表示エリア5HAが配置されている。アクティブ表示エリア5HAは、実行中の可変表示に対応する表示が行われる。アクティブ表示エリア5HAにおける表示は、アクティブ表示(可変表示対応表示、消化時表示あるいは今回表示などともいう)と称する。アクティブ表示エリア5HAでは、例えば第1開始条件の成立により第1特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにて消去(消化)された第1保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。また、アクティブ表示エリア5HAでは、例えば第2開始条件の成立により第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2保留記憶部5HLにて消去(消化)された第2保留表示に応じたアクティブ表示が行われる。
画像表示装置5の表示領域における所定位置(ここでは、中央下側)には、可動体99が設けられている。可動体99は、図2に示す可動体用モータ61の回転駆動により、回転動作する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられており、当該普通入賞球装置6Aの右側には、普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口に遊技球が進入できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が進入可能な開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が進入不可能な閉鎖状態または進入困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。第1可変状態は、第2可変状態よりも遊技球が第2始動入賞口に進入し易い状態であればよい。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が進入しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が進入できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口に進入できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口に進入しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を進入させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、例えば、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、更に遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35A(図2参照)が設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31B(図2参照)が設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号(遊技媒体の通過や進入を検出したことを示す検出信号)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオン状態又はオフ状態にする信号などの、各ソレノイドを駆動する信号)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定し、決定した制御内容の制御を行う機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれてもよい。
図3は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの一例を示す図である。コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動コマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、画像表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8A01(H)は、第1始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第1始動入賞口指定コマンド)である。コマンド8A02(H)は、第2始動入賞口へ遊技球が進入したときに、その旨を通知するための演出制御コマンド(第2始動入賞口指定コマンド)である。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、大当りとするか否か、及び、大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。コマンド8C01(H)(表示結果1指定コマンド)は、ハズレを指定する。コマンド8C02(H)(表示結果2指定コマンド)は、15R大当り且つ確変を指定する。コマンド8C03(H)(表示結果3指定コマンド)は、15R大当り且つ非確変を指定する。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動開始指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動開始指定コマンド)である。第1図柄変動開始指定コマンドと第2図柄変動開始指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動開始指定コマンド)と総称することがある。
コマンド8F00(H)は、演出図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の可変表示(変動表示)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたとき(初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたとき(再開時の初期設定のとき)に送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、15ラウンド大当りの場合のファンファーレの開始(大当り遊技状態の開始)を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。
大当り遊技状態は、最初にファンファーレが実行され、その後に大入賞口である特別可変入賞球装置7の開放等(ラウンド遊技など)が行われる大当り遊技状態のメインとなる大当り遊技が実行され、大当り遊技のあとにエンディングが実行される。ファンファーレは、大当り遊技状態が開始されたこと、すなわち、大当り遊技がこれから開始されることを報知又は示唆する演出である。エンディングは、大当り遊技状態が終了すること、すなわち、大当り遊技が終了したことを報知する演出である。
コマンドA2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の開放を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A3XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の特別可変入賞球装置7の閉鎖を指定する演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA601(H)は、エンディングの開始を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング指定コマンド)である。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(通常遊技状態)であることを指定する演出制御コマンド(通常状態指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短(有利)状態であることを指定する演出制御コマンド(時短状態指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)は、時短(有利)状態の残り回数(あと何回変動表示を終了するまで時短状態が継続するか)を指定する演出制御コマンド(時短回数指定コマンド)である。コマンドB1XX(H)における「XX」が、時短(有利)状態の残り回数を示す。
コマンドC0XX(H)は、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数を指定する演出制御コマンド(合計保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC0XX(H)における「XX」が、合計保留記憶数を示す。コマンドC1XX(H)は、第1特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC1XX(H)における「XX」が、第1特図保留記憶数を示す。コマンドC2XX(H)は、第2特図保留記憶数を指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、第2特図保留記憶数を示す。
コマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドであり、入賞時判定結果として、変動パターン種別決定用の乱数値MR3が何れの決定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動カテゴリコマンドである(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、変動パターンコマンドと同様、後述する使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応するコマンドがある。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンド送信テーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御する処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120が演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して画像データを伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。更に、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。更に、演出制御基板12には、可動演出体99を回転動作させる可動体用モータ61を駆動するためのモータ駆動回路16に対して所定の駆動指令信号を伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御パターンは、例えば演出制御プロセスタイマ判定値と対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、操作検出制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120は、各種の指令を生成する。例えば、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき内容を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示画面内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123内には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
上記のような構成によって、演出制御用CPU120は、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させる。また、演出制御用CPU120は、音声制御基板13を介してスピーカ8L、8Rを制御して音声を出力させたり、ランプ制御基板14を介して遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行わせたり、表示制御部123を介して画像表示装置5の表示領域に演出画像を表示させたり、モータ駆動回路16を介して可動体用モータ61を駆動して可動体99を動かす。このようにして、各種の演出(後述する、リーチ演出、可動演出部材演出、画像表示装置5が遊技者に対するメッセージの画像を表示するメッセージ演出など、遊技の盛り上げるための演出など)が実行される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)に進入すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)に進入すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口に遊技球が進入困難または進入不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。普通図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「普図当り」にするか否かは、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始されるときになど、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を、予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の画面上に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。
特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な価値が付与される特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。すなわち、大当り遊技状態に制御されるか否かは、可変表示結果が「大当り」となるか否かに対応しており、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」、「5」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間または0.1秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」、「5」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、通常開放大当り状態や第1特定遊技状態ともいう。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、第1有利状態と第2有利状態とがあり、例えば、平均的な可変表示時間が異なる。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。なお、確変状態は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の確変終了条件が先に成立するまで、継続するように制御されるようにしてもよい。
一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態及び確変状態となる。
時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
なお、高開放制御が行われる時短状態は、「高ベース状態」、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース状態」、「低ベース」などともいわれる。確変制御が行われる確変状態は、「高確状態」、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確状態」、「低確」などともいわれる。確変状態及び時短状態になっているときの遊技状態は、「高確高ベース状態」、「高確高ベース」などともいわれる。確変状態とはならずに時短状態になっているときの遊技状態は、「低確高ベース状態」、「低確高ベース」などともいわれる。時短状態とはならずに確変状態になっているときの遊技状態は、「高確低ベース状態」、「高確低ベース」などともいわれる。時短状態及び確変状態のいずれかにならない通常状態は、「低確低ベース状態」、「低確低ベース」などともいわれる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
また、パチンコ遊技機1において付与可能となる遊技価値は、賞球となる遊技球の払出しや得点の付与に限定されず、例えば大当り遊技状態に制御することや、確変状態などの特別遊技状態に制御すること、大当り遊技状態にて実行可能なラウンド遊技の上限回数が第2ラウンド数(例えば「7」)よりも多い第1ラウンド数(例えば「15」)となること、時短状態にて実行可能な可変表示の上限回数が第2回数(例えば「50」)よりも多い第1回数(例えば「100」)となること、確変状態における大当り確率が第2確率(例えば1/50)よりも高い第1確率(例えば1/20)となること、通常状態に制御されることなく大当り遊技状態に繰り返し制御される回数である連チャン回数が第2連チャン数(例えば「5」)よりも多い第1連チャン数(例えば「10」)となることの一部または全部といった、遊技者にとってより有利な遊技状況となることが含まれていてもよい。なお、遊技者にとっての有利度とは、例えば、ある事象が生じたときに実際に遊技者にとって有利な状態(特典が付与される、あるいは、付与されている状態、特典付与の割合が高い状態、特典とは異なる有利な状態など)になる割合、あるいは、有利な状態になっている割合などをいう。また、特殊態様により付与の可能性が高いことが示される特典は、遊技者にとっての有利度の対象(有利な状態)と同じであってもよく、遊技者にとっての有利度の対象とは異なるものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間(可変表示中の期間)では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の画面上に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」、「期待度」あるいは「大当り期待度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーB、スーパーCといったリーチ演出が予め設定されている。この実施の形態におけるスーパーA〜Cのリーチ演出は、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。以下では、スーパーA〜Cのリーチ演出を、スーパーリーチA〜Cといい、ノーマルのリーチ演出をノーマルリーチということがある。
上述したように、この実施の形態におけるスーパーリーチA〜Cは、複数のキャラクタが戦うリーチ演出である。スーパーリーチA〜Cでは、例えば、戦うキャラクタが異なるようにして、スーパーリーチA〜Cそれぞれを異なる演出態様とすればよい。スーパーA又はBでは、所定のキャラクタが戦いに勝つと、可変表示結果が「大当り」となり、所定のキャラクタが戦いに負けると、可変表示結果が「ハズレ」となる。スーパーリーチCが実行された場合には、スーパーリーチCの実行後にスーパーリーチAが実行されることがある(スーパーリーチAに発展することがある)。スーパーリーチCが実行されたがスーパーリーチAに発展がない場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに負ける場合)には可変表示結果は「ハズレ」となる。一方で、スーパーリーチAに発展した場合(例えば、所定のキャラクタが戦いに勝つ場合)には、可変表示結果は「大当り」になる可能性がある。
どのリーチ演出が実行されたかに応じて、その可変表示の可変表示結果が「大当り」(本実施形態では、大当り種別が「非確変」又は「確変」である「大当り」)となる可能性(大当り期待度)が変化する。例えば、ノーマルリーチが実行された場合よりも、スーパーリーチA〜Cが実行された場合の方が大当り期待度は高くなる。また、スーパーリーチのうちでも、スーパーリーチA(スーパーリーチCから発展した場合も含む)が実行された場合には、スーパーリーチBが実行された場合やスーパーリーチCが実行された場合(スーパーリーチAに発展しない場合)よりも、大当り期待度が高くなる。なお、これとは反対に、スーパーリーチCが実行された場合に、スーパーリーチBが実行された場合やスーパーリーチAが実行された場合よりも、大当り期待度が高くなっていてもよい。この場合、スーパーリーチAの実行後にスーパーリーチCが実行されることがあってもよい(スーパーリーチCに発展することがあってもよい)。
大当り期待度は、例えば、(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)/{(大当り時にその演出が実行される確率)×(大当りになる確率)+(大当り時以外にその演出が実行される確率)×(大当りにならない確率)}によって算出される(大当り期待度が「1」になる場合には、可変表示結果は必ず「大当り」になる。以下、大当り期待度について同じ。)。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、飾り図柄の可変表示態様などにより遊技者に報知するための可変表示演出が実行されることがある。この実施の形態では理解を容易にするために説明を省略しているが、例えば「滑り」や「擬似連」といった可変表示演出が実行可能である。「滑り」や「擬似連」の可変表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。なお、「滑り」の可変表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
「滑り」の可変表示演出では、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を変動させてから、複数の飾り図柄表示エリア(例えば「左」および「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)にて飾り図柄を仮停止表示させた後、その仮停止表示した飾り図柄表示エリアのうち所定数(例えば「1」または「2」)の飾り図柄表示エリア(例えば「左」の飾り図柄表示エリア5Lと「右」の飾り図柄表示エリア5Rのいずれか一方または双方)にて飾り図柄を再び変動させた後に停止表示させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。こうして、「滑り」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに複数の飾り図柄を仮停止表示させた後、所定数の飾り図柄について可変表示を再度実行することにより、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態になるときと、リーチ状態とはならずに非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されるときとがある。
「擬似連」の可変表示演出では、特図ゲームの第1開始条件と第2開始条件のいずれか一方が1回成立したことに対応して、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、全部の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄を再び変動(再変動)させる演出表示を、所定回(例えば最大3回までなど)行うことができる。この実施の形態における擬似連変動の回数は、飾り図柄の可変表示が開始されてから全部の飾り図柄が最初に一旦仮停止するまでの初回変動を除く、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて飾り図柄が再変動する回数を指すものとする。
「擬似連」の可変表示演出において、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて、例えば予め定められた複数種類の擬似連チャンス目のうちいずれかを構成する飾り図柄が、所定表示結果として一旦は仮停止表示されると、その後に、再度可変表示(再変動)が行われる。擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せとなる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。また、擬似連チャンス目には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチハズレ組合せ(単に、「リーチ組合せ」ともいう)となる飾り図柄の組合せが含まれてもよい。例えば擬似連チャンス目のうちで「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される飾り図柄(中図柄)を、通常時における飾り図柄の可変表示では使用されない特殊な飾り図柄(擬似連チャンス図柄)としてもよい。通常時における飾り図柄の可変表示でも使用される飾り図柄のうちに、「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示されることで擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄が含まれてもよい。
「擬似連」の可変表示演出において、再変動(擬似連変動)が行われることにより、第1開始条件あるいは第2開始条件が1回成立したことに基づき、飾り図柄の可変表示があたかも複数回続けて開始されたかのように見せることができる。
こうした飾り図柄の可変表示動作を利用した可変表示演出としては、「滑り」や「擬似連」の他にも、例えば「発展チャンス目」や「発展チャンス目終了」、「チャンス目停止後滑り」といった、各種の演出動作が実行されてもよい。ここで、「発展チャンス目」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、予め定められた特殊組合せに含まれる発展チャンス目を構成する飾り図柄を仮停止表示させた後、飾り図柄の可変表示状態をリーチ状態として所定のリーチ演出が開始される。これにより、発展チャンス目を構成する飾り図柄が仮停止表示されたときには、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となることや、リーチ状態となった後に可変表示結果が「大当り」となることに対する期待感が高められる。
また、「発展チャンス目終了」の可変表示演出では、飾り図柄の可変表示が開始された後に、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて、発展チャンス目として予め定められた組合せの飾り図柄を、確定飾り図柄として導出表示させる演出表示が行われる。「チャンス目停止後滑り」の可変表示演出では、「擬似連」の可変表示演出と同様に、飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでに、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部にて擬似連チャンス目となるハズレ組合せ(特殊組合せ)の飾り図柄を一旦仮停止表示させた後、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄を再び変動させる「擬似連」の可変表示演出とは異なり、飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの一部にて飾り図柄を再び変動させることで、停止表示する飾り図柄を変更させる演出表示が行われる。
また、飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出あるいは「擬似連」などの可変表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め告知するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
予告演出のうちには、先読み予告演出(先読み演出ともいう)となるものが含まれている。先読み予告演出は、可変表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象(予告対象)となる可変表示が実行されるより前に、演出態様に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性を予告可能な予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される飾り図柄の可変表示にわたり連続して予告する先読み予告演出は、連続予告演出ともいう。先読み予告演出では、予告対象となる可変表示が開始されるより前に、例えば始動入賞の発生による特図ゲームの保留記憶などに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可能性などを予告するための演出動作が開始される。
例えば、先読み予告演出として、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、予告対象となる可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「保留表示変化」の先読み予告演出が実行される。より具体的には、特図保留記憶数を特定可能に表示する表示部位における表示色を、通常時における所定色(例えば灰色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色、白色のいずれかなど)や通常時における形状(例えば丸型)とは異なる形状(例えば星形)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示の表示柄を通常時とは異なる特定柄(例えばサクラ柄など)とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できるようにしてもよい。あるいは、保留表示として所定のメッセージ(例えば「秘」など)を示す表示態様とすることにより、表示色が特定色に変化する可能性が通常よりも高いことを報知(示唆)できるようにしてもよい。こうした表示態様が特定態様に変化する可能性が高いことを示唆する保留表示は、示唆保留表示ともいう。「保留表示変化」の先読み予告演出は、保留変化演出ともいう。なお、先読み予告演出との対比において、予告対象となる可変表示が開始された後に実行が開始される予告演出は、単独予告演出(単独予告、当該変動予告、あるいは可変表示中予告演出ともいう)と称される。この実施の形態では、「保留表示変化」の先読み演出として、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう、予告対象の保留表示の表示態様を変化させる演出が行われる場合がある。具体的に、予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させ、予告対象となる可変表示に対応する保留表示に作用を及ぼすような作用演出が行われることにより、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となる。なお、理解を容易にするため、この実施の形態では、作用演出の実行タイミング(予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるタイミング)を、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングとしているが、当該作用演出の実行タイミングを、複数回のシフトのうちのいずれのシフトタイミングとするか、可変表示結果に応じて異なる割合で決定するようにしてもよい。なお、詳しくは後述するが、この実施の形態における「保留表示変化」の先読み演出では、作用演出が行われる場合と行われない場合があり、作用演出が行われない場合には、変化演出用キャラクタは表示されずに、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう態様が変化する。
始動入賞の発生に基づいて実行される先読み予告演出は、始動入賞が発生した後に、先読み予告演出による予告内容が実現されるか否かを遊技者が判別できるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。例えば、ある始動入賞の発生によりリーチ状態となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態(または非リーチ状態)となるより前に実行(開始)されるものであればよい。また、ある始動入賞の発生により可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを予告する先読み予告演出は、少なくとも始動入賞の発生に基づく可変表示において確定飾り図柄が停止表示されるよりも前に実行(開始)されるものであればよい。
この実施の形態では、単独予告演出の一例として、アクティブ表示エリア5HAにおける演出画像の表示を、通常時における表示態様とは異なる表示態様に変化させることにより、開始条件が成立した可変表示において「大当り」となる可能性などを予告する「アクティブ表示変化」の予告演出が実行される。より具体的には、アクティブ表示エリア5HAにおける表示色を、通常時における所定色(例えば灰色)とは異なる特定色(例えば赤色、緑色、青色、白色のいずれかなど)や通常時における形状とは異なる形状とすることにより、可変表示結果が「大当り」となる可能性が通常よりも高いことを報知できればよい。また、アクティブ表示エリア5HAに表示されるアイコンを、通常時における丸型無地とは異なる特定アイコンとすることにより、例えば「?」、「チャンス」、「激熱」などのメッセージを報知して、可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆できればよい。その他、アクティブ表示エリア5HAに表示されるアイコンには、例えば「NEXT」などのメッセージを報知して、「擬似連」の可変表示演出における擬似連変動が実行されることを報知するアイコンがあってもよい。「アクティブ表示変化」の予告演出は、アクティブ変化演出ともいう。
具体的に、この実施の形態におけるアクティブ変化演出では、予め用意されたキャラクタ(変化演出用キャラクタ)を示す演出画像(保留表示演出時に表示された演出画像)を画像表示装置5の画面上に表示させ、予告対象の保留表示(保留変化演出の対象の保留表示)がアクティブ表示エリア5HAに移行(シフト)したタイミングでアクティブ表示エリア5HAの表示(アクティブ表示)に作用演出を行うことにより、表示色を変化させる場合と、作用演出が行われずにアクティブ表示の表示色を変化させる場合とがある。なお、上述したように、この実施の形態では、保留変化演出として、予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかが認識可能となるよう表示態様を変化させる演出が行われる。そして、単独予告演出としてアクティブ変化演出が行われ、表示態様が変化した保留表示がアクティブ表示エリア5HAに移行して、表示色が変化する。すなわち、まず保留変化演出にて予告対象が示され、アクティブ変化演出において表示色が変化する(大当り期待度が示唆される)こととなり、この一連の演出(保留変化演出およびアクティブ変化演出)を、この実施の形態では保留・アクティブ変化演出という。なお、この実施の形態では、理解を容易にするために保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とするに留まり、大当り期待度はアクティブ変化演出にて示唆する(すなわち、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する)例を示しているが、保留変化演出においても表示色を変化させ大当り期待度を示唆してもよい。具体的に、保留変化演出において表示色を変化させ、アクティブ変化演出では表示色が変化しないガセの演出を行ってもよいし、保留変化演出において表示色を変化させ、さらにアクティブ変化演出においても表示色を変化させてもよい。例えば、保留変化演出において保留表示がシフトする度に表示色を段階的に変化させ(シフトしても変化させない場合も含む)、アクティブ表示エリア5HAにシフトした場合にアクティブ変化演出を行ってさらに表示色を変化させてもよい(ガセの演出を行ってもよい)。また、この実施の形態における保留・アクティブ変化演出では、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示される場合がある。具体的には後述するが、保留・アクティブ変化演出において、緑色や赤色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出が開始されると、当該保留・アクティブ変化演出が終了するまでの期間、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示されることがある(白色や青色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出では拡大表示は行われない)。また、拡大表示される保留・アクティブ変化演出が開始されると、画像表示装置5内に特定表示領域としての小画面が表示され、当該保留・アクティブ変化演出にて表示される画像(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示が全て特定表示領域としての小画面にて行われることとなる。当該小画面表示は、当該保留・アクティブ変化演出が終了すると終了する(特定表示領域における表示制御が終了する)。なお、小画面にて表示される各種画像は、画像表示装置5に対して表示された画像と比率が同じであればよい(例えば、画像表示装置5の画面サイズが10で小画面の画面サイズが1であれば、小画面にて表示される画像は、画像表示装置5において表示されていたサイズの10分の1の比率となればよい)。また、この実施の形態では、拡大表示が行われない場合には、保留・アクティブ変化演出において作用演出が行われないものとしているが、例えば小さなキャラクタ画像を表示することにより作用演出を行うなど、拡大表示を行う場合と異なる態様により作用演出を行ってもよい。
また、この実施の形態では、先読み予告演出として、予告対象の保留に対応する可変表示が行われるまでの期間(当該予告対象の保留の可変表示も含む)、可変表示が行われる度に可動体99を回転動作させる可動体演出が実行される。具体的に、可動体演出は、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において実行され、各可変表示の開始から所定期間(例えば2秒間など)行われる。その際、画像表示装置5では、エフェクト画像を表示し、当該可動体99が動作していることを効果的に目立たせる表示が行われる。
すなわち、この実施の形態では、保留・アクティブ変化演出と可動体演出といった2種類の先読み演出が実行されるが、これらはそれぞれ単独で行われてもよいし、重複して行われてもよい。なお、拡大表示が行われる保留・アクティブ変化演出と可動体演出が重複して行われる場合の可動体演出のことを可動体特殊演出という。可動体特殊演出では、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にてエフェクト画像が表示される。これにより、可動体99が回転動作していることを遊技者に容易に認識可能とし、かつ保留表示やアクティブ表示が認識不可能となることを防止している。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
大当り種別が「非確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されてもよい。非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように非確変大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である飾り図柄は、非確変図柄と称される。
大当り種別が「確変」となる場合には、非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることもあれば、確変大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出されることがあってもよい。確変大当り組合せとなる確定飾り図柄は、例えば画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて可変表示される図柄番号が「1」〜「8」の飾り図柄のうち、図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであり、大当り組合せとなる確定飾り図柄の一類型であればよい。このように確変大当り組合せを構成する図柄番号が奇数「1」、「3」、「5」、「7」である飾り図柄は、確変図柄と称される。
確定飾り図柄が非確変大当り組合せや確変大当り組合せとなる飾り図柄の可変表示中には、再抽選演出が実行されることがある。再抽選演出では、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに非確変大当り組合せとなる飾り図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて同一の飾り図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる飾り図柄(確変図柄)と、非確変大当り組合せとなる飾り図柄(非確変図柄)とのうち、いずれかを確定飾り図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「非確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に非確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われる。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた飾り図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定飾り図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
大当り種別が「確変」となる場合には、飾り図柄の可変表示中に非確変大当り組合せとなる飾り図柄が一旦表示されて、可変表示中に再抽選演出が実行されたり、その後の大当り遊技状態中や大当り遊技状態の終了時に大当り中昇格演出が実行されたりして、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。大当り中昇格演出は、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の可変表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知を行う。なお、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の可変表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。これらの再抽選演出や大当り中昇格演出が実行されずに、確変状態となる制御の開始が報知されてもよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の主要な動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
このような遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、が含まれていればよい(図6参照)。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値であり、「1」〜「65535」のいずれかの値を取り得る。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合に、大当り種別を「非確変」又は「確変」のいずれかといった、複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「100」のいずれかの値を取り得る。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、「1」〜「251」のいずれかの値を取り得る。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、特別図柄表示装置4における表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理などでは、制御コマンド(演出制御コマンドなど)の送信設定が、送信する演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROM101にコマンド毎に設定されている。)のROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する(例えば、RAM102に設けられた送信コマンドバッファに記憶アドレスの値などを格納する)ことなどによって行われ、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値(例えば、ROM101における記憶アドレスなどを示す値)などによって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンド(送信設定された演出制御コマンド)の伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図5は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。第2始動口スイッチ22Bがオンでなかったり(ステップS204;No)、第2特図保留記憶数が上限値であったり(ステップS205;Yes)した場合には、始動入賞判定処理を終了する。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口に遊技球が進入して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口に遊技球が進入して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果決定用の乱数値MR1、大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データが抽出される(図6参照)。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図7(A)に示すような第1特図保留記憶部にセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図7(B)に示すような第2特図保留記憶部にセットされる。
図7(A)に示す第1特図保留記憶部は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が進入して第1始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第1始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
図7(B)に示す第2特図保留記憶部は、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が進入して第2始動入賞が発生したものの、未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の進入による第2始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行(可変表示)が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御すると決定されるか否かや、飾り図柄の可変表示態様が特定態様(例えばスーパーリーチのリーチ演出など)となるか否かなどを判定可能にする保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、CPU103は、始動入賞時判定処理を行う(ステップS211)。始動入賞時判定処理は、所謂先読みのための処理である。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図4のステップS110、図9)により、特図表示結果(特別図柄の可変表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図4のステップS111、図11)において、飾り図柄の可変表示態様を具体的に規定する変動パターンの決定などが行われる。
他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がステップS211の入賞時判定処理を実行することにより、今回の始動入賞によって実行される特図ゲームの特図表示結果が「大当り」となるか否かの判定や、今回の始動入賞によって実行される飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様がリーチを伴う表示態様などとなることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、保留表示の色を変化させる保留変化演出やアクティブ表示の色を変化させるアクティブ変化演出を実行するか否かを、決定することができる。
図8は、始動入賞時判定処理の一例を示すフローチャートである。CPU103は、まず、例えばRAM102に所定領域に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンになるフラグ)や確変フラグ(確変状態のときにオンになるフラグ)の状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
ステップS401の処理に続いて、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された複数の特図表示結果決定テーブルのうちから、現在の遊技状態に対応して用意されたテーブルを選択して使用テーブルにセットする(ステップS402)。特図表示結果決定テーブルは、遊技状態が確変状態であるかなどに応じて複数用意されている。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。
例えば、特図表示結果決定テーブルとして、非確変状態及び確変状態に対応する特図表示結果決定テーブル(図10(A)参照)が用意されている。CPU103は、このテーブルのうち、現在の遊技状態に対応したテーブルをROM101からRAM102に読み出すなどして当該テーブルを使用テーブルにセットする。
その後、CPU103は、図5のステップS209にて抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(ステップS403)。大当り判定範囲には、ステップS402の処理でセットされた使用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の決定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各決定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定することにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく可変表示結果が「大当り」に決定されると判定(大当り始動判定)できる。
ステップS403にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合には(ステップS403;No)、CPU103は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「ハズレ」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS405)。
ステップS403にて大当り判定範囲内であると判定された場合には(ステップS403;Yes)、CPU103は、大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(ステップS409)。このとき、CPU103は、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを参照する。大当り種別決定テーブルでは、例えば、図10(B)に示すように、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、大当り種別を「非確変」と「確変」とのいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい。CPU103は、乱数値MR2に合致する決定値に割り当てられている大当り種別を今回の判定結果とする。こうしたステップS409の処理による判定結果に応じた表示結果指定コマンド(始動入賞時の判定結果のうちの表示結果として「確変」又は「非確変」の「大当り」を指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定が行われる(ステップS410)。
ステップS405、S410の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、変動カテゴリコマンド(始動入賞時の判定結果のうちの変動カテゴリを指定するコマンド)を、演出制御基板12に対して送信するための送信設定を行う(ステップS413)。
ステップS413の後、CPU103は、始動入賞口指定コマンドの送信設定を行う(ステップS414)。ここでの第1始動入賞口指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動入賞口指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。ステップS414の後、入賞時判定処理は終了する。
再び、図5に戻って説明する。その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図4に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。このとき、可変表示結果が「大当り」に決定された場合には、大当り種別を「非確変」又は「確変」といった複数種別のいずれかに決定する。大当り種別の決定結果を示すデータがRAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに格納されることにより、大当り種別が記憶される。更に、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
図9は、特別図柄通常処理として、図4のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図9に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部の先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図5に示すステップS209の処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口に進入した順番で、特図ゲームが実行される場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれに遊技球が進入したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数(合計保留記憶数カウント値)を1減算するように更新する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」とのいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、例えば、図10(A)に示すように、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」とのいずれとするかの決定結果に、確変状態における確変制御の有無(遊技状態が確変状態であるか否か)に応じて割り当てられていればよい。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、遊技状態が確変状態であるか否かと、乱数値MR1を示す数値データと、に基づいて、使用テーブルに設定された特図表示結果決定テーブルを参照することにより、遊技状態が確変状態であるか否かに応じて乱数値MR1に該当する決定値に割り当てられた「大当り」と「ハズレ」とのいずれかの決定結果を特図表示結果として決定すればよい。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態である場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。例えば、乱数値MR1が「9000」であるとき、CPU103は、確変フラグがオン状態である場合(確変制御有りの場合)には、特図表示結果を「大当り」にすると決定し、確変フラグがオフ状態である場合(確変制御無しの場合)には、特図表示結果を「ハズレ」にすると決定する。
図10(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図4に示すステップS117の大当り終了処理により(詳しくは後述する。)、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、現在の遊技状態が確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意されたに示す大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)に応じて、大当り種別を複数種類(「確変」、「非確変」)のいずれとするかの決定結果に割り当てられていればよい(図10(B)参照)。CPU103は、ステップS232又はS236で変動用乱数バッファに一時格納した遊技用乱数に含まれる大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データを変動用乱数バッファから読み出し、大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、使用テーブルに設定された大当り種別の決定テーブルを参照することにより、乱数値MR2に該当する決定値に割り当てられた大当り種別のいずれかを選択すればよい。例えば、乱数値MR2が「75」である場合、CPU103は、「確変」を大当り種別として決定(選択)する。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(例えば遊技制御バッファ設定部)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示す大当り種別バッファ設定値(例えば、図10(B)のように、「非確変」の場合には「0」、「確変」の場合には「1」となる値)を格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS241〜S243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、ステップS240、S244にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて(大当り種別バッファ設定値に応じて)、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS247にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。演出制御基板12では、客待ちデモ指定コマンドが送信されると、デモ画面表示を行う。
図4のステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターンは、飾り図柄の可変表示の内容(可変表示態様)を指定するものであるので、この決定によって、飾り図柄の可変表示の内容が決定される。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。更に、変動パターン設定処理は、特別図柄表示装置4において特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
図11は、変動パターン設定処理として、図4のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図11に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。
ステップS261にて大当りフラグがオフである場合には、CPU103は、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS265)。
図12は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」で大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、可変表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」を指定する変動パターンとして、通常時(非時短時)用の変動パターンPA1−1からPA1−3と、時短時用の変動パターンPB1−1及びPB1−2とが用意されている。
また、可変表示結果が「大当り」(大当り種別が「確変」又は「非確変」の「大当り」)になる場合と「ハズレ」になる場合とで内容が対応する変動パターンが用意されている。具体的には、ノーマルリーチを実行することを指定する変動パターンPA2−1(ハズレ用)及び変動パターンPA3−1(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチAを実行することを指定する変動パターンPA2−2(ハズレ用)及び変動パターンPA3−2(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチBを実行することを指定する変動パターンPA2−3(ハズレ用)及び変動パターンPA3−3(「大当り」)が用意されている。また、スーパーリーチCを実行し、その後にスーパーリーチAに発展することを指定する変動パターンPA2−4(ハズレ用)及び変動パターンPA3−4(「大当り」)が用意されている。
図11に示すステップS262の処理では、例えば図13に示す大当り変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。一例として、大当り変動パターン決定テーブルでは、大当り種別が、「非確変」又は「確変」のいずれの場合も共通して、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。
CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブルを参照することにより、乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。例えば、乱数値MR3が「140」である場合、CPU103は、変動パターンPA3−3を選択する。
図11に示すステップS265の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、時短中であるかは、RAM102の所定領域(例えば遊技制御フラグ設定部)に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオン状態になるフラグ)がオン状態であるか否かなどによって特定されればよく、時短中でない場合(時短フラグがオフ状態のとき)には、図14(A)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中(時短フラグがオン状態のとき)には、図14(B)に示すハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。
各ハズレ変動パターン決定テーブルでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に割り当てられていればよい。合計保留記憶数は、例えば、合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値、第1保留記憶数カウント値と第2保留記憶数カウント値との合計値などから特定すればよい。
CPU103は、時短中であるか否かと、合計保留記憶数カウント値と、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、に基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブルのいずれかを参照することにより、合計保留記憶数が、時短中でないときには「0」〜「1」、「2」〜「4」、「5」〜「8」のいずれに該当するか、時短中のときには「0」、「1」、「2」〜「8」のいずれに該当するか、に応じて乱数値MR3に該当する決定値に割り当てられた変動パターンを今回使用される変動パターンとして決定(選択)すればよい。
CPU103は、例えば、時短フラグがオン状態のときで乱数値MR3が「229」である場合、CPU103は、合計保留記憶数カウント値が「0」のときには変動パターンPA2−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「1」のときには変動パターンPB1−1を選択し、合計保留記憶数カウント値が「3」〜「8」のいずれかのときには変動パターンPB1−2を選択する。
図11に示すステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、CPU103は、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS266)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、ステップS262、S265の処理で選択した変動パターンに対応した特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS266の処理に続いて、CPU103は、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。なお、CPU103は、第1特図を用いた可変表示を開始するときには、第1保留表示器25Aを制御して、1つ減算された第1特図保留記憶数を特定可能な表示を第1保留表示器25Aに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。なお、CPU103は、第2特図を用いた可変表示を開始するときには、第2保留表示器25Bを制御して、1つ減算された第2特図保留記憶数を特定可能な表示を第2保留表示器25Bに行わせる(例えば、LEDの点灯個数を1つ減らす)ようにしてもよい。
ステップS267の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS268)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第1保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2図柄変動開始指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、第2保留記憶数指定コマンドを順次に送信するための送信設定を行う。設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ここでの第1図柄変動開始指定コマンドや第2図柄変動開始指定コマンドは、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが減少したかを指定する保留通知情報として送信される。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS269にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図4に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図4のステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させる処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄(ステップS110で設定された確定特別図柄)を停止表示(導出表示)させ、また、停止表示されるときに特別図柄が停止表示されたこと(導出表示されたこと)を通知する演出制御コマンドである図柄確定指定コマンドの送信設定も行い、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。送信設定された図柄確定指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS112が繰り返し実行されることによって、特別図柄の可変表示や確定特別図柄の導出表示などが実現される。
図4のステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態になっているかを判定する処理や、大当りフラグがオン状態である場合に時短フラグ及び確変フラグをオフ状態にし、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた、時短制御中に実行される可変表示の残り回数をカウントする時短回数カウンタのカウント値を「0」にし、大当り開始時演出待ち時間(大当り遊技状態の開始に対応した演出の実行が開始されるまでの待ち時間であり、予め定められた時間である。)を設定し、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンド(演出制御コマンド)の送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新する処理が含まれる。また、特別図柄停止処理には、大当りフラグがオン状態でない場合、特図プロセスフラグの値を「0」に更新する処理が含まれる。
送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
これら一連の処理によって、大当り時には、一旦時短状態や確変状態が終了し、ハズレ時には、時短中において実行可能な残りの可変表示が「1回」減らされる。時短中において実行可能な残りの可変表示が「0」回になると、時短フラグがオフになり時短状態が終了する。つまり、時短状態(時短制御)は、その開始から可変表示結果が「大当り」になる前に予め定められた所定回数(下記の初期カウント値)だけ可変表示が実行された場合に終了する。また、遊技状態の変更があった場合には、変更後の遊技状態の通知が演出制御基板12側になされる。
図4のステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったこと、ラウンド遊技の開始タイミングになったこと(例えば、上記で設定された大当り開始時演出待ち時間が経過したことを含む。)などに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とする処理、開放状態としてからの経過時間の計測を開始する処理などが含まれている。この処理では、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」のいずれであるかに対応して(大当り種別バッファに格納された大当り種別バッファ設定値によって特定できる。)、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大入賞口を開放状態とする処理などが実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。ステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態(又は一部開放状態であってもよい。)に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理や、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミング(前記遊技球の個数が所定個数(例えば9個)に達するか、ステップS114で設定した上限期間に経過時間が達するか、のいずれかがあったタイミング)と判定した場合に大入賞口を閉鎖状態に戻す処理や、閉鎖状態に戻してからの経過時間の測定を開始する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。ステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持されることになる。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
ステップS114からS116までが繰り返し実行されることによって、大当り遊技状態が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に大入賞口を閉鎖状態に戻してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、計測した経過時間が次回のラウンド遊技が開始される時間になるなどして次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方(この場合には、例えば、ステップS114の処理において、大入賞口をすぐに開放状態とする。)、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、大当り遊技状態が終了したことを通知する制御コマンドである大当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。送信設定されたコマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、上述のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。ステップS116が繰り返し行われることによって、大入賞口を再び開放状態にするまで待機することが行われる。
なお、時短状態(時短制御)は、所定回数の可変表示が実行されることと、次回の大当り遊技状態が開始されることとのうち、次回の大当り遊技状態が開始されるのみで終了するようにしてもよい。この場合、カウント初期値の設定や、時短回数カウンタ自体が不要である。
次に、演出制御基板12における主な動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられたタイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の表示領域における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9及び装飾用LEDといった発光体における点灯動作などといった各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図15に示す演出制御プロセス処理では、まず、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出や可動体演出といった先読み演出の実行設定などを行う先読み処理を実行する(ステップS160)。
図16は、図15のステップS160にて実行される先読み処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、まず、演出制御用CPU120は、主基板11における図8の始動入賞時判定処理で送信される始動入賞口指定コマンド(第1始動入賞口指定コマンド及び第2始動入賞口指定コマンドの何れか)と、表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド、表示結果2指定コマンド及び表示結果3指定コマンドの何れか)と、変動カテゴリコマンドとが入力されたか否かを判定する(ステップS600)。演出制御用CPU120は、始動入賞口指定コマンドにより始動入賞を認識することができる。また、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンドにより、始動入賞に対応する入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかを認識することができる。また、演出制御用CPU120は、変動カテゴリコマンドにより始動入賞に対応する可変表示の変動パターン(スーパーリーチであるか否か等)を認識することができる。なお、これらのコマンドは、RAM122に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファに格納されていればよい。
始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力されていない場合には(ステップS600;No)、先読み処理を終了する。一方、始動入賞口指定コマンド、表示結果指定コマンド及び変動カテゴリコマンドが入力された場合には(ステップS600;Yes)、演出制御用CPU120は、特図保留記憶数を示す保留記憶数カウント値を1増加させる(ステップS601)。保留記憶数カウント値は、例えば、RAM122に設けられる。保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口指定コマンド又は第2始動入賞口指定コマンドが入力される毎に1増加し、第1図柄変動開始指定コマンド又は第2図柄変動開始指定コマンドが入力される毎に1減少する。これにより、保留記憶数カウント値は、現在の特図保留記憶数を示すことになる。
保留記憶カウント値を1増加させた後(ステップS601)、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出や可動体演出といった先読み演出の実行設定を行う先読み演出実行設定処理を行う(ステップS602)。
図17は、図16のステップS602にて実行される先読み演出実行設定処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出および可動体演出といった先読み演出の実行有無を決定する(ステップS700)。具体的に、ステップS700の処理では、図18に示す先読み演出実行決定テーブルを参照して、先読み演出の実行有無を決定する。なお、始動入賞時のコマンドに取りこぼしや不整合が発生した場合には、それらのコマンドに対応する保留情報の可変表示が実行(消化)されるまで、先読み演出の設定が行われないように制限される。また、先読み演出の実行を制限する場合には、所定期間内に発生した始動入賞に対応する可変表示を対象とする先読み演出について、全部の態様の先読み演出を実行しないようにしてもよいし、一部の態様の先読み演出を実行しないようにしてもよい。また、この実施の形態では、既に先読み演出を実行中である場合には、当該予告対象となる可変表示が終了するまで、他の対象に対する先読み演出を実行する処理が行われないよう制限される。さらに、時短制御中は先読み演出を実行する処理が行われないよう制限されてもよい(時短制御が行われない通常状態の場合にのみ先読み演出が実行されるようにしてもよい)し、時短制御中は第2始動入賞口指定コマンドに基づいて先読み演出を実行し(第1始動入賞口への入賞に対する先読み演出を制限する)、時短制御が行われない通常状態の場合には第1始動入賞口指定コマンドに基づいて先読み演出を実行する(第2始動入賞口への入賞に対する先読み演出を制限する)ようにしてもよい。また、例えば保留記憶数が2以上の場合にのみ先読み演出を実行可能とするなど、保留記憶数に応じて先読み演出の実行を制限してもよい。また、保留記憶数が1の場合に先読み演出を実行するときには、予告対象の保留表示が認識可能となる変化(保留・アクティブ変化演出が行われる場合にのみ表示される特殊表示態様への変化)、アクティブ表示の表示態様の変化といったそれぞれの変化が遊技者にとって一瞬で行われることとなる。そのため、当該保留記憶数が1の場合に先読み演出を実行するときには、最終色が「赤」となるなど、期待度が最も高い表示態様となる場合にのみ行われるようにしてもよい。これによれば、保留表示やアクティブ表示に遊技者の注目を集めることができる。
また、始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている前回までの変動カテゴリコマンドをチェックして、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであるか否かを判定し、実行可能な変動カテゴリであると判定した場合にのみ先読み演出を実行可能としてもよい(実行不可能な場合には先読み演出を制限してもよい)。例えば、最新の変動カテゴリコマンドよりも1つ前までに受信して始動入賞時受信コマンドバッファに格納されている変動カテゴリコマンドにより指定された変動カテゴリを全て読み取り、読み取った全てが「非リーチ」の可変表示態様に対応した変動カテゴリを指定するものである場合に、先読み演出を実行可能な変動カテゴリであると判定すればよい。これによれば、予告対象となる可変表示が開始されるまでの各可変表示では、すべて「非リーチ」の可変表示態様となる場合に先読み演出が実行可能となる。したがって、先読み演出の途中でリーチ演出が実行されてしまい先読み演出の連続性が損なわれることを防止できる。
図18は、先読み演出実行決定テーブルの構成例を示す図である。図18に示す先読み演出実行決定テーブルでは、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行する場合、保留・アクティブ変化演出のみ実行して可動体演出を実行しない場合、保留・アクティブ変化演出および可動体演出を実行せず可動体演出のみ実行する場合(以上が先読み演出を実行する場合)、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行しない場合(先読み演出を実行しない場合)のそれぞれに対し、図16のステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、異なる決定割合が設定されている。図示するように、対応する保留の入賞時判定結果に応じて先読み演出の実行割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも先読み演出が実行される割合が高くなっている。また、先読み演出が実行される場合であっても、大当りの場合は保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方が実行される割合が高くなっている。したがって、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方が行われることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。図18に示す先読み演出実行決定テーブルは、例えば、RAM122に記憶されている。演出制御用CPU120は、先読み演出実行決定テーブルと、ステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果とに基づいて、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行するのか、保留・アクティブ変化演出のみ実行して可動体演出を実行しないのか、保留・アクティブ変化演出および可動体演出を実行せず可動体演出のみ実行するのか、保留・アクティブ変化演出および可動体演出の両方を実行しないのか、を決定する。すなわち、図17のステップS700の処理では、先読み演出の実行有無とともに、先読み演出を実行する場合、保留・アクティブ変化演出を実行するのか、可動体演出を実行するのか、それとも両方を実行するのか、といった先読み演出の種類も一気に決定している。なお、これとは別に、先読み演出の実行有無を先に決定し、その後、先読み演出を実行すると決定した場合に、さらに実行する先読み演出の種類を決定するといったように、2段階で決定するようにしてもよい。
図17に戻り、演出制御用CPU120は、ステップS700における決定が、保留・アクティブ変化演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップS701)。保留・アクティブ変化演出を実行しないと決定した場合(ステップS701;No)、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
保留・アクティブ変化演出を実行することが決定された場合(ステップS701;Yes)、演出制御用CPU120は、図19に示す最終色決定テーブルを参照して、最終的に変化する色(最終色)を決定する(ステップS706)。なお、上述したように、この実施の形態では、理解を容易にするため、保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とする(特殊表示態様へ変化させる)に留まり、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する例を示しているが、例えば、保留変化演出において表示色を段階的に変化させてもよい。具体的には、保留・アクティブ変化演出パターンを複数用意しておき、保留表示がシフトする度に表示色が変化可能としてもよい。保留・アクティブ変化演出パターンは、例えば、保留記憶数に応じて、始動入賞に対応する保留が最古の保留から数えて何番目であるかを示す保留順位が3番目(保留3)、2番目(保留2)、1番目(保留1)となるときの保留表示の色及び色の変化の態様と、始動入賞に対応する可変表示が実行中となるとき(アクティブとなるとき)のアクティブ表示の色及び色の変化の態様が示されていればよい。ステップS706の処理では、段階的に変化させる場合も含めた最終的な表示色を決定すればよい。
図19は、最終色決定テーブルの構成例を示す図である。最終色決定テーブルでは、「白」、「青」、「緑」、「赤」のそれぞれの最終色に、可変表示結果に応じて異なる割合で決定されるよう設定されている。この実施の形態における最終色決定テーブルでは、最終色が「赤」である場合が最も大当りとなる割合が高く、次いで「緑」が高く、その次に「青」、「白」が最も大当りとなる割合が低く設定されている。また、「緑」および「赤」の場合にはスーパーリーチ以上が確定されるよう決定割合が設定されている。上述したように、緑色や赤色に表示色が変化する保留・アクティブ変化演出では、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示されることがあるため、拡大表示が行われた場合には、予告対象となる保留表示に対応する可変表示では少なくともスーパーリーチとなることが確定的に報知されたことになる。したがって、拡大表示が行われることへの遊技者の期待感を向上させることができる。
図17に戻り、ステップS706の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS706の処理にて決定した最終色が「緑」または「赤」であるか否かを判定する(ステップS707)。最終色が「緑」でも「赤」でもない場合、すなわち、「白」または「青」である場合(ステップS707;No)、演出制御用CPU120は、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大して表示する拡大態様設定を、無しに決定する(ステップS708)。これにより、「白」または「青」に変化する保留・アクティブ変化演出では、拡大表示は行われず、画像表示装置5内に特定表示領域としての小画面も表示されないこととなる。ステップS708の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
一方、ステップS707の処理にて、最終色が「緑」または「赤」であると判定した場合(ステップS707)、演出制御用CPU120は、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大して表示する拡大態様設定有無を、図20に示す拡大態様設定有無決定テーブルを参照して決定する(ステップS709)。
図20は、拡大態様設定有無決定テーブルの構成例を示す図である。図20に示す拡大態様設定有無決定テーブルでは、拡大表示を行う拡大態様設定有りと、拡大表示を行わない拡大態様設定無しに対し、図16のステップS600において入力されたと判定した表示結果指定コマンドが示す入賞時判定結果が大当りであるかハズレであるかに応じて、異なる決定割合が設定されている。図示するように、対応する保留の入賞時判定結果に応じて拡大表示を行う拡大態様設定有りに決定される割合が異なっており、大当りの場合はハズレの場合よりも拡大態様設定有りに決定され割合が高くなっている。したがって、拡大表示が行われることに対する遊技者の期待感を向上させることができる。
図17に戻り、ステップS709の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、ステップS709にて拡大態様設定有りに決定されたか否かを判定する(ステップS710)。拡大態様設定無しに決定された場合(ステップS710;No)、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。その一方で、拡大態様設定有りに決定された場合(ステップS710;Yes)、演出制御用CPU120は、ステップS700にて可動体演出を行うと決定されたか否か、すなわち保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行うと決定したか否かを判定する(ステップS711)。可動体演出を行わない、すなわち、保留・アクティブ変化演出のみ行う場合(ステップS711;No)、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出のみ実行することを示す拡大フラグをオン状態にセットする(ステップS712)。拡大フラグは、RAM122に設けられていればよい。ステップS712の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。
一方、可動体演出を行うと判定した場合、すなわち拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行う場合(ステップS711;Yes)、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行し、さらに可動体演出を行うこと、すなわち実行される可動体演出が上述した可動体特殊演出であることを示す重複フラグをオン状態にセットする(ステップS713)。重複フラグは、RAM122に設けられていればよい。ステップS713の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み演出実行設定処理を終了する。なお、重複フラグがオン状態にセットされること、すなわち、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行うこと、を特定条件が成立するともいう。
図16に戻り、ステップS602の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留表示又はアクティブ表示を追加する処理を行う(ステップS603)。例えば、保留記憶数が1で、且つ、特図ゲーム開始の条件が成立している場合、演出制御用CPU120は、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示を追加する制御を行い、それ以外の場合には、演出制御用CPU120は、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留順位に応じた保留表示を追加する制御を行う。特図ゲーム開始の条件とは、上述したように、第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件と第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件とがある。例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了して画像表示装置5において可変表示が実行されておらず、デモ画像等が表示されている場合、第1開始条件や第2開始条件は成立した状態となる。
具体的に、演出制御用CPU120は、画像表示装置5が表示すべき保留表示やアクティブ表示の内容(初期状態として灰色の表示)を決定し、その決定に応じて表示制御部123に対して表示制御指令を出力する。演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定し、画像データを生成し、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示を表示させ、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示を表示させる。ステップS603の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、先読み処理を終了する。
再び、図15に戻って説明する。ステップS160における先読み処理の後、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御フラグ設定部)に設けられた演出プロセスフラグの値(最初は、“0”である。)に応じて、ステップS170〜S177の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1図柄図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。第1図柄変動開始指定コマンドあるいは第2図柄変動開始指定コマンドなどを受信し、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示を開始すると判定した場合には、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5における飾り図柄の可変表示や、図16のステップS602の処理で設定された先読み演出や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“2”に更新されて終了する。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(例えば演出制御タイマ設定部)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、ステップS171で決定された演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行う。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、その当り開始指定コマンドが大当り遊技状態の開始を指定するものであって、その前に受信した表示結果指定コマンドによって特定される大当り種別が「確変」又は「非確変」であれば、演出プロセスフラグの値を“4”に更新する。また、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには(当り開始指定コマンド受信待ち時間が経過したときには)、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大入賞口通常開放時処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大入賞口通常開放時処理において、演出制御用CPU120は、例えば「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、「確変」又は「非確変」の大当り遊技状態における各種の演出制御(大当りが発生したことを、例えば、画像表示装置5において報知する演出制御も含む。)を実行する。また、大入賞口通常開放時処理は、例えば主基板11からの大当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出制御プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の表示領域に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図21は、可変表示開始設定処理として、図15のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図21に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された表示結果指定コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターンコマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、演出制御用CPU120は、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、演出制御用CPU120は、乱数回路124またはRAM122の所定領域(例えば演出制御カウンタ設定部)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。更に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、演出制御用CPU120は、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS527)。一例として、ステップS527の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。このとき、例えば、表示結果指定コマンドなどによって特定される大当り種別に応じて同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523、S524、S527において設定された、左確定飾り図柄、右確定飾り図柄、中確定飾り図柄の態様や停止順序の情報は、例えばRAM122に記憶される。
ステップS523、S524、S527の処理のいずれかを実行した後には、演出制御用CPU120は、重複フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS528)。上述したように、重複フラグは、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行し、さらに可動体演出を行うことを示すフラグであり、図17のステップS712の処理にてオン状態にセットされる。重複フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(ステップS528;Yes)、演出制御用CPU120は、可動体演出として、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にてエフェクト画像を表示する可動体特殊演出を実行するための設定を行う可動体特殊演出設定処理を実行する(ステップS529)。具体的に、ステップS529の処理では、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において各可変表示の開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する設定が行われる。ステップS529の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出を実行するための設定を行う保留・アックティブ変化演出実行設定処理を行う(ステップS530)。ステップS530の処理では、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定を行うとともに、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで作用演出を行い、さらに、アクティブ表示エリア5HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を、作用演出を行って変化させる設定が行われる。また、ステップS530の処理では、画像表示装置5に特定表示領域としての小画面を表示し、当該保留・アクティブ変化演出にて表示される画像(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示を全て小画面にて行う設定が行われるとともに、当該保留・アクティブ変化演出の終了後に特定表示領域としての小画面への表示を終了し、元に戻す設定が行われる。なお、ステップS529の処理をステップS530の処理の後に実行してもよい。
ステップS528にて重複フラグがオフ状態であると判定した場合(ステップS528;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するか否かを判定する(ステップS531)。可動体演出を実行する場合(ステップS531;Yes)、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するための可動体演出設定処理を行う(ステップS532)。具体的に、ステップS532の処理では、予告対象の保留の可変表示が行われるまでの複数回の可変表示において各可変表示の開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて画像表示装置5における可動体99の近傍にエフェクト画像を表示する設定が行われる。
ステップS532の処理を実行した後、またはステップS531にて可動体演出を実行しないと判定した場合(ステップS531;No)、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出を実行するか否かを判定する(ステップS533)。保留・アクティブ変化演出を実行すると判定した場合(ステップS533;Yes)、演出制御用CPU120は、拡大フラグの設定状況に応じて、保留・アクティブ変化演出を実行するための保留・アクティブ変化演出実行設定処理を行う(ステップS534)。上述したように、拡大フラグは、図17のステップS712にてオン状態に設定される。ステップS534の処理では、拡大フラグがオン状態にセットされている場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定を行うとともに、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで作用演出を行い、さらに、アクティブ表示エリア5HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を変化させる設定を行う。一方、拡大フラグがオン状態にセットされておらず、オフ状態である場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる設定や作用演出は行われず、予告対象となる保留表示が最初にシフトしたタイミングで予告対象を認識可能とするよう表示態様を変化させる設定を行い、さらに、アクティブ表示エリア5HAにシフトしたタイミングでアクティブ表示の表示色を(作用演出なしに)変化させる設定のみを行う。
ステップS530またはステップS534の処理を実行した後、またはステップS533にて保留・アクティブ変化演出を実行しないと判定した場合(ステップS533;No)、演出制御用CPU120は、その他の演出を実行するための演出パターンの設定処理を行う(ステップS535)。
続いて、演出制御用CPU120は、ステップS528〜ステップS534の処理にて設定された内容、及びステップS529の処理において設定した演出パターンに基づいて、この後に使用する使用パターンとなる演出制御パターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS536)。
続いて、演出制御用CPU120は、例えば変動パターンコマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS537)。
そして、演出制御用CPU120は、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS538)。このときには、例えばステップS536にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。
更に、演出制御用CPU120は、可変表示が開始されることに対応して、始動入賞記憶表示エリア5Hにおける保留表示やアクティブ表示エリア5HAにおけるアクティブ表示を更新するための設定を行う(ステップS539)。ここで、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が表示されている場合には、演出制御用CPU120は、保留順位1に対応する保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつ移動(シフト)させる。一方、始動入賞記憶表示エリア5Hに保留表示が表示されておらず、アクティブ表示エリア5HAにおけるアクティブ表示のみが表示されている場合、演出制御用CPU120は、表示の更新を行わない。
その後、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS540)、可変表示開始設定処理を終了する。
図22は、可変表示中演出処理として、図15のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図22に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS801)。一例として、ステップS541の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS541にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS801;No)、演出制御用CPU120は、可動体演出を実行するための可動体演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS802)。可動体演出実行期間は、図21に示すステップS529やステップS532にて設定されている。可動体演出実行期間であると判定した場合(ステップS802;Yes)、演出制御用CPU120は、重複フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS803)。重複フラグがオン状態にセットされている場合(ステップS803;Yes)、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する可動体特殊演出制御を行う(ステップS805)。一方、重複フラグがオフの場合(ステップS803;No)、可動体99を回転動作させるとともに、当該回転動作に合わせて画像表示装置5における可動体99の近傍にエフェクト画像を表示する可動体演出制御を行う(ステップS804)。
ステップS805またはステップS804の処理を行った後、またはステップS802にて可動体演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS803;No)、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出を実行するための保留・アクティブ変化演出実行期間であるか否か判定する(ステップS806)。保留・アクティブ変化演出実行期間は、図21に示すステップS530やステップS534にて設定されている。保留・アクティブ変化演出実行期間であると判定した場合(ステップS806;Yes)、演出制御用CPU120は、図21のステップS530またはステップS534にて設定された内容にしたがって、保留・アクティブ変化演出を実行する(ステップS807)。具体的に、ステップS807の処理では、拡大表示を行う拡大態様設定が行われている場合には、予告対象の保留表示を含む表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示を拡大表示させる拡大制御を行うとともに、作用演出を行うためのキャラクタを表示し、保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させる制御や、特定表示領域としての小画面にて当該保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の表示を行う制御などが行われる。具体的に、特定表示領域としての小画面では、背景画像や可変表示、保留・アクティブ変化演出以外の予告演出など、当該保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の全ての表示が行われる。一方、拡大表示を行う拡大態様設定が行われていない場合には、拡大制御を行わず、作用演出を実行せずに保留表示およびアクティブ表示の表示態様を変化させる制御が行われる。
ステップS807の処理を実行した後、またはステップS806にて保留・アクティブ変化演出実行期間ではないと判定した場合(ステップS806;No)、演出制御用CPU120は、重複フラグまたは拡大フラグがオン状態にセットされているか否かを判定する(ステップS808)。重複フラグまたは拡大フラグがオン状態にセットされていると判定した場合(S808;Yes)、保留・アクティブ変化演出実行期間が終了したか否かを判定する(ステップS809)。保留・アクティブ変化演出実行期間が終了した場合(ステップS809;Yes)、特殊領域としての小画面による表示制御、すなわち特定表示領域制御を終了し、表示を元に戻す(ステップS810)。ステップS810の処理を実行した後、演出制御用CPU120は、重複フラグまたは拡大フラグのうち、オン状態にセットされているフラグをオフ状態にクリアする(ステップS811)。
ステップS811の処理を実行した後、ステップS808にて重複フラグも拡大フラグもオフであると判定した場合(ステップS808;No)、またはステップS809にて保留・アクティブ変化演出実行期間が終了していないと判定した場合(ステップS809;No)、演出制御用CPU120は、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS812)。リーチ演出実行期間は、所定のリーチ演出に対応して選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS812にてリーチ演出実行期間であるときには(ステップS812;Yes)、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS813)。
ステップS812にてリーチ演出実行期間ではないときや(ステップS812;No)、ステップS813の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応した特図変動時演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS814)、可変表示中演出処理を終了する。なお、ステップS814にて行われる演出は、特定表示領域としての小画面が表示されている場合は、当該小画面で行われることとなる。小画面表示が行われているか否かは、例えば、RAM122に設けられた小画面表示中フラグの状態を参照することにより判定すればよい。小画面表示中フラグは、ステップS807の処理にて小画面表示が行われた場合にオン状態にセットされ、ステップS810の処理にてオフ状態にクリアされればよい。
ステップS801にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS801;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS815)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS815;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS815にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS815;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS816)。続いて当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定し(ステップS817)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS818)、可変表示中演出処理を終了する。
続いて図23と図25を参照して、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体演出(ここで実行される可動体演出は可動体特殊演出となる)とが行われる場合における演出動作について説明する。図23は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが行われる場合におけるタイミングチャートである(より具体的には、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体特殊演出を行う場合におけるタイミングチャートである)。図25は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の演出動作例を示す図である(より具体的には、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と、可動体特殊演出を行う場合における演出動作例を示す図である)。図示する例では、3回目の可変表示が先読み演出の予告対象の可変表示であり、当該予告対象の可変表示をターゲット変動といい、当該予告対象の保留表示をターゲット保留という。
まず1回目の可変表示が開始されると(図25(A)から図25(B)への推移)、保留・アクティブ変化演出が実行され、表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示が拡大表示される(図25(A)に示す始動入賞記憶表示エリア5Hの保留表示およびアクティブ表示エリア5HAのアクティブ表示が、図25(B)に示す始動入賞記憶表示エリア5Hの保留表示およびアクティブ表示エリア5HAのアクティブ表示に拡大表示される。)とともに作用演出が実行される。なお、作用演出が実行されることなく、背景が切り替わることに関連して星形(特殊態様)に変化させるようにしてもよい。また、図25(B)と図25(F)に示す場合とで異なる態様の作用演出を実行することにより保留表示の表示態様を変化させてもよい。図示する例ではアクティブ表示エリア5HA全体(アクティブ表示AHと台座表示AHAの両方)が拡大表示された例を示している。また、予告対象の保留表示がいずれの保留表示であるかを遊技者に認識可能とするよう、予告対象の保留表示の表示態様を星型(特殊態様)に変化させる(図25(B)に示す保留表示HG)。これに合わせて特定表示領域としての小画面が表示される(図25(B)に示す小画面6DP)。また、同時に可動体演出として、可変表示開始から2秒間、可動体99が回転動作されるとともに、小画面にエフェクト画像(図25(B)に示すエフェクト画像44)が表示される可動体特殊演出が実行される(以上、図25(B))。また、背景画像や飾り図柄が縮小されて小画面に表示される(図25(A)に示す背景画像66や飾り図柄5L、5C、5Rが図25(B)に示す背景画像66、飾り図柄5L、5C、5Rとして縮小して表示される)。なお、図示するように、一旦拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が実行されると、特定表示領域としての小画面は、少なくとも当該保留・アクティブ変化演出が終了するまでの期間は表示され続けることとなる。
そして1回目の可変表示が終了し(図25(C))、2回目の可変表示が開始されると、当該可変表示開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、可動体特殊演出が実行される(図25(D))。ターゲット変動が開始されると、当該ターゲット変動の開始から2秒間、可動体99を回転動作させるとともに、可動体特殊演出が実行されるとともに、アクティブ表示に対して作用演出が行われる(図25(F))。続いて可動体特殊演出が終了すると、作用演出の結果としてアクティブ表示の表示色が、図17のステップS706にて決定された最終色に変化する(図25(F)に示す特殊態様のアクティブ表示5HGの態様がアクティブ表示5HKの態様に変化する)。なお、図示する例では、赤色に変化した例を示している(図25(G))。保留・アクティブ変化演出が終了すると、当該終了に合わせて拡大表示が終了される(図25(H)に示すように始動入賞記憶表示エリア5Hの保留表示およびアクティブ表示エリア5HAのアクティブ表示(台座表示も含む)が元の大きさで表示される)。その後、特定表示領域を非表示として小画面による制御を終了し、元の表示(飾り図柄5L、5C、5Rも元の大きさで表示され、背景画像66も元の大きさで表示される)に戻す(図25(H))。そして、リーチ演出などの演出動作が行われることとなる。図23に示すように、この実施の形態における保留・アクティブ変化演出は、可動体演出(この場合には可動体特殊演出)の終了後に終了する。また、特定表示領域としての小画面は、保留・アクティブ変化演出の終了後に消去される。したがって、演出の終了タイミングが明確となり、演出効果を高めることができる。また、可動体演出が中途半端な状態のときに終了することによる違和感を軽減(防止)することができる。また、図25に示すように、特定表示領域としての小画面では、背景画像や飾り図柄の可変表示、エフェクト画像など、保留・アクティブ変化演出に関する表示(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示が行われ、保留表示やアクティブ表示は行われない。したがって、保留表示やアクティブ表示などの可変表示に対応する対応表示が複数の表示領域に表示されることで与えてしまう違和感を防止することができる。
図24は、可動体演出の演出動作例を示す図であり、より具体的には、先読み演出として可動体演出のみが行われる場合の演出動作例を示す図である。上述したように、可動体演出には、当該可動体99が動作していることを効果的に目立たせるためのエフェクト画像を特定表示領域としての小画面に表示する特殊可動体演出と、当該エフェクト画像を画像表示装置5における可動体99の近傍に表示する(通常の)可動体演出とが実行され得るため、その違いについて説明する。図24(A)に示すように、可変表示中に3つ目の保留表示が記憶され(図24(A)に示す始動入賞記憶表示エリア5Hに3つの保留表示が表示され、アクティブ表示エリア5HAにアクティブ表示AHと台座表示AHAが表示され)、当該保留がターゲット保留として決定された場合を例に説明する。図24(B)に示すように、実行中の可変表示が終了し、次の可変表示が開始されると、図24(C)に示すように、可変表示の開始から2秒間、可動体演出として可動体99が回転動作し、エフェクト画像(図24(C)に示すエフェクト画像44)が表示される。この場合、拡大表示は行われていないため、図25(B)や図25(D)、図25(F)などと異なり、エフェクト画像は、図示するように像表示装置5における可動体99の近傍に表示される(図24(C)に示すようにエフェクト画像44が可動体99の近傍に表示される)。また、図25(B)などと異なり、背景画像(図24(A)に示す背景画像66)や飾り図柄(図24(A)に示す飾り図柄5L、5C、5R)は画像表示装置5に表示され、小画面には表示されない。そして可変表示開始から2秒間経過すると可動体演出が終了し、可動体99の回転動作が停止するとともにエフェクト画像も消去される。その後、ターゲット保留に対応する変動(ターゲット変動)が開始されるまで(ターゲット変動も含む)、各変動にて可動体演出が実行される。
なお、図24や図25における可動体演出のように、ターゲット変動までに複数回の可動体演出を実行する場合、各回における回転動作のスピードを徐々に早くしたり、エフェクト画像の色を各回で変更してもよい。この場合、保留・アクティブ変化演出における最終色のエフェクト画像が最終回の可動体演出にて表示されるようにしてもよい。これによれば演出の統一感が保て、遊技興趣を向上させることができる。なお、可動体99にもLEDやランプを設け、回転動作に応じて様々な色にて点灯や点滅などしてもよい。例えば、可動体99にLEDを設け、期待度に応じた色で発光させ回転動作させてもよい(すなわち、期待度に応じて異なる態様にて可動体演出を実行してもよい)。そして、演出補助表示として表示するエフェクト画像の色を当該LEDの発光色に応じた色としてもよい。これによれば演出効果を向上させることができる。また、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。さらに、可動体演出において、可動体99の回転動作に合わせて動作音を出力してもよい。この場合、実行中の可動体演出が特定表示領域としての小画面でエフェクト画像を表示する可動体特殊演出であるか、通常の可動体演出であるかに応じて出力するスピーカを異ならせてもよい。例えば、通常の可動体演出においては、スピーカ8Lおよびスピーカ8Rにて動作音を出力する一方で、可動体特殊演出においては、特定表示領域が表示されている側のスピーカ(図25に示す例では画像表示装置の左側に特定表示領域としての小画面が表示されるためスピーカ8L)からのみ動作音を出力するようにしてもよい。また、特定表示領域としての小画面が表示されている期間(すなわち、保留・アクティブ変化演出が実行されている期間)は、特定表示領域としての小画面にて行われる表示に関する音声出力を、全て特定表示領域が表示されている側のスピーカからのみ出力するようにしてもよい。これによれば演出効果を高めることができる。
以上説明したように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1によれば、以下の効果を奏することができる。
演出制御用CPU120は、先読み演出として保留・アクティブ変化演出と可動体演出といった2種類の演出を実行可能である。そして、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を実行する場合、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示して、通常時とは異なる態様により可動体演出を実行可能である。したがって、演出の視認性が低下してしまうことによる遊技興趣の低下を防止することができる。
また、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を実行する場合、画像表示装置5に表示された特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示して、可動体演出が実行されていることを遊技者に報知する。したがって、可動体演出の実行中であることを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。また、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出として、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行可能である。したがって、保留・アクティブ変化演出として表示態様が変化することを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
演出制御用CPU120は、可動体演出として可動体99を回転動作させるとともに、当該可動体99が動作していることを効果的に目立たせるよう、エフェクト画像を演出補助表示として表示する。そして、可動体演出のみを行う場合にはエフェクト画像を画像表示装置5における可動体99の近傍に表示するのに対し、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出の両方を行う場合には、特定表示領域としての小画面に当該エフェクト画像を表示する。したがって、演出補助表示を適格に行うことができ遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出を実行した場合、当該保留・アクティブ変化演出に関する表示(例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像など)以外の表示(背景画像や飾り図柄の可変表示、エフェクト画像など)を全て特定表示領域としての小画面にて行い、保留表示やアクティブ表示は小画面にて表示されない。したがって、保留表示やアクティブ表示などの可変表示に対応する対応表示が複数の表示領域に表示されることで与えてしまう違和感を防止することができる。また、演出制御用CPUは、特定表示領域としての小画面において、背景画像や可変表示、保留・アクティブ変化演出以外の予告演出など、保留・アクティブ変化演出に関する表示以外の全ての表示を行うことが可能である。したがって、演出の視認性が向上し演出効果を向上させることができ遊技興趣を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、可動体演出の終了後に保留・アクティブ変化演出を終了させ、当該保留・アクティブ変化演出の終了後に特定表示領域としての小画面を非表示として小画面による制御を終了する。したがって、演出の終了タイミングが明確となり、演出効果を高めることができる。また、演出制御用CPU120は、保留・アクティブ変化演出において、先読み演出の予告対象がいずれの保留であるのかを遊技者に認識可能とする態様に変化させる。すなわち、保留・アクティブ変化演出が行われる場合特有の表示態様に変化させる。したがって、保留・アクティブ変化演出が行われる対象が明確になり、演出効果を向上させることができる。
また、演出制御用CPU120は、期待度に応じて可動体演出を実行可能であり、当該可動体演出において演出補助表示としてのエフェクト画像を表示する。そして、さらに拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われる場合(拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出との両方を行うという特定条件が成立する場合)には、当該エフェクト画像を、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われない場合(特定条件が成立していない場合)と比較して異なる位置にて表示可能である。したがって、演出補助表示の実行パターンが多様化し、遊技興趣の低下を防止することができる。より具体的に、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が行われる場合、演出制御用CPU120は、可動体演出として可動体特殊演出を実行することで、特定表示領域としての小画面にエフェクト画像を表示する。したがって、特定条件が成立していうることを容易に認識することができ遊技興趣を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、画像表示装置5の画面上において、当該始動入賞記憶表示エリア5Hに近接してアクティブ表示エリア5HAが配置され、アクティブ表示は保留表示に近接して表示される。これにより、保留表示が消去された場合に、遊技者にアクティブ表示を注目させることが可能となる。
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形および応用が可能である。例えば、パチンコ遊技機1では、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。また、下記の変形例それぞれについて、少なくとも一部を組み合わせても良い。
上記実施の形態では、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出において、作用演出を行うことにより予告対象となる可変表示がいずれの保留であるかを認識可能とする(保留・アクティブ変化演出が行われる場合にのみ表示される特殊表示態様とする)例を示した(図25(B)参照)が、これは一例である。例えば、作用演出はアクティブ表示の表示態様を変化させる場合にのみ行ってもよく、特殊表示態様とする場合には作用演出を行わないようにしてもよい。なお、特殊表示態様に変化するタイミングは、当該保留・アクティブ変化演出が開始されたタイミングであってもよいし、予告対象の可変表示に対応する保留(ターゲット保留)がシフトしたタイミング(何回目のシフトのタイミングかを決定してもよい)であってもよい。また、上記実施の形態では、「緑」または「赤」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合に、拡大表示が行われない場合もある例を示したが、「緑」または「赤」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合には100%拡大表示を行うようにしてもよい。また、「白」や「青」にアクティブ表示の表示態様が変化する保留・アクティブ変化演出を実行する場合であっても、拡大表示が行われることがあってもよい。また、上記実施の形態では、保留・アクティブ変化演出において拡大表示される場合、拡大表示の対象が表示中の全ての保留表示およびアクティブ表示自体である例を示したが、これに加え、保留表示およびアクティブ表示の表示部や表示領域(例えば台座表示や領域的に区切ってある部分など)なども拡大表示されてもよい。
また、上記実施の形態では、先読み演出として保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが行われ、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが同一期間に行われることを条件に、可動体演出の実行態様を異ならせる(可動体特殊演出を行う)例を示したが、これは一例である。当該条件は、先読み演出として実行される2種類の演出が同一期間に行われることに限られない。例えば、キャラクタによるセリフ予告や文字やテロップなどを用いた予告、背景の態様を変化させる背景変化予告などといった、可変表示中に行われる当該変動に対する予告演出が同一期間に行われたり、大当り制御中に行われる演出が同一期間に行われるなど、任意の状態で行われる2種類の演出が同一期間に行われればよく、一方の演出が実行されると他方の演出が視認困難となるものであれば、演出の種類は任意の演出であってよい。また、一方の演出が先読み演出で、もう一方の演出が可変表示中に行われる当該変動に対する予告演出であってもよい。また、同一期間に実行される演出は2種類に限られず3種類以上であってもよい。この場合、特定表示領域をさらに表示してもよい。また、3種類以上の演出が同一期間に実行される場合には、特定表示領域としての小画面にて複数の演出が実行されてもよい。また、特定表示領域としての小画面にて擬似連チャンス目となる擬似連チャンス図柄を表示させることで、当該変動における複数回の変動にわたって拡大制御を行うようにしてもよい。また、上記実施の形態では、特定表示領域を画像表示装置5内に表示する例を示したが、画像表示装置5の他にサブ液晶が設けられている遊技機などでは、特定表示領域を表示しなくてもよく、当該特定表示領域としての小画面にて行われる表示をサブ液晶にて行ってもよい。また、上記実施の形態では、保留・アクティブ変化演出と可動体演出とが同一期間に行われることを条件に、可動体演出の実行態様を異ならせ、保留表示やアクティブ表示を拡大表示し優先的に表示する例を示したが、これとは反対に、可動体演出を優先してもよい。具体的には、可動体99を画像表示装置5の画面いっぱいに動作させる予告演出を実行可能とし、その場合には、保留表示やアクティブ表示を特定表示領域としての小画面に表示してもよい。
また、上記実施の形態では、小画面にて表示される各種画像が、画像表示装置5に対して表示された画像と比率が同じである例、すなわち、画像表示装置5の画面サイズが10で小画面の画面サイズが1であれば、小画面にて表示される画像は、画像表示装置5において表示されていたサイズの10分の1の比率となる例を示したが、これは一例である。上述したように、特定表示領域としての小画面では、例えば保留表示やアクティブ表示、作用演出におけるキャラクタ画像などといった保留・アクティブ変化演出にて表示される画像以外の表示が全て行われることとなるが、そのうち、ボタン演出など、遊技者の操作を要す演出を行う場合には、当該操作を促す画像(促進表示)についてのみ画像表示装置5に対して表示される画像と同じ比率で縮小しないようにしてもよい(小画面は10分の1に縮小されていても、促進表示としてのボタン表示は10分の2の縮小であってもよい)。これによれば、遊技者が促進表示を見逃してしまうことを防止することができる。また、特定表示領域としての小画面の表示中には、ボタン演出など、遊技者の操作を要す演出の実行を禁止してもよい。これによれば、保留・アクティブ変化演出に遊技者の注目を集めることができる。なお、保留・アクティブ変化演出の終了後に実行されるボタン演出については実行可能とすればよい。
また、上記実施の形態では、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出が実行されると、作用演出が実行されてアクティブ表示の表示態様が「緑」または「赤」といった期待度が比較的高い表示態様へ変化する例を示したが、これは一例である。例えば、アクティブ表示を変化させる作用演出には、成功演出と失敗演出とがあってよい。具体的には、成功演出が行われた場合には、アクティブ表示の表示態様が特殊表示態様から「緑」または「赤」へ変化する一方、失敗演出が行われた場合には、特殊表示態様から「灰色」である通常態様へと変化する。また、失敗演出が行われた場合、通常態様ではなく、「白」や「青」の表示態様に変化させてもよい。
上記実施の形態では、理解を容易にするため、保留変化演出では予告対象を遊技者に認識可能とする(特殊表示態様へ変化させる)に留まり、アクティブ変化演出において始めて表示色が変化する例を示しているが、保留変化演出において表示色を変化させてもよい。さらに、上記実施の形態では、拡大表示を行わない保留・アクティブ変化演出においては作用演出が行われない例を示したが、これに限られない。例えば、図26に示すような保留変化演出を行うことによって、その保留表示に対応する可変表示に関する動作を予告してもよい。なお、図示する例では、拡大表示を行わない保留・アクティブ変化演出としての保留変化演出が実行された場合を例として示しているが、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出としての保留変化演出においても適用可能である。
図26は、保留変化演出の演出動作例を示す図である。図示する保留変化演出は、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールが対象の保留表示にぶつかって割れる(すなわち作用させる)ことで、対象の保留表示の色が変化するか否かを見せる演出である。ここでの設定は、カラーボールは必ず対象の保留表示にぶつかることを前提とし、そのボールが割れるか否かの演出を遊技者に楽しませるというものである。もちろん、投げ放たれたボールが対象の保留表示にぶつからないような演出も発生し得るように設定してもよい。見事にボールが割れて保留表示の色が変われば演出結果は成功、ボールが割れずに保留表示の色が変わらなければ失敗である。成功したときには、失敗したときよりも、その保留表示が大当りである期待度が高い。保留表示の色が大当り等の期待度の高い色に変化することを“成り上がる”ともいう。
図示する保留変化演出では、保留表示の1つに向けて投げ放たれたカラーボールの速度が途中で減速する点に1つの特徴がある。特に減速する期間の長さは一様ではなく、少なくとも2種類の中から決定され、その減速期間が長い場合の方が短い場合よりも演出結果が成功となる可能性が高くなる。ただし、いずれの減速期間が選択された場合であっても、ボールが投げ放たれてから減速し始めるタイミングは共通である。
画像表示装置5の画面には、下向きの3本の矢印で示す飾り図柄の可変表示中に、各種画像が表示される。下端部には、発生した保留記憶情報を表示する画像THまたはHが保留記憶情報の数に対応して表示される(以下、保留記憶画像または保留表示と呼ぶ)。これらの保留表示は、第1保留記憶数と、第2保留記憶数とを区別した形式で、保留記憶画像が表示されるようにしてもよい。画面の左下のアクティブ表示エリア5HA内には、アクティブ表示の表示位置を示す位置表示AHA(台座表示AHA)が表示されている。台座表示AHAの上にはアクティブ表示AHが表示されている。なお、拡大表示を行う保留・アクティブ変化演出における保留変化演出として実行する場合、図示する例における下向きの3本の矢印で示す飾り図柄の可変表示は、上記実施の形態で示したように、特定表示領域としての小画面にて行われればよい。この場合、図26に示す保留表示やアクティブ表示は拡大表示されていればよい(なお図示する例では可動体99を省略している)。
図26(a)を参照して飾り図柄の可変表示中に、カラーボール931を持ったキャラクタ930が登場する。キャラクタ930の登場タイミングは、様々に設定できる。ただし、キャラクタ930の登場から演出の成功・失敗の結果が出るまでの演出期間の間に保留表示がシフトして、演出が無駄にならないようにする必要がある。このため、可変表示の残り期間が演出期間に比べて十分に長い段階でキャラクタ930を登場させる。
キャラクタ930は、画面に現れている4つの保留表示のうちの左から2つめの保留表示THに向かってカラーボール931を投げる。キャラクタ930がカラーボール931を投げてから、そのカラーボール931が保留表示THにぶつかるまでの時間は所定期間である。その所定期間の長さは演出が成功する場合と失敗する場合とで異なるが、同じにしてもよい。いずれにしても、その所定期間において、カラーボール930の速度が変化する。
カラーボール931は、投球されてから一定期間が経過するまで(所定距離を移動するまで)の間、一定速度で移動するのであるが、一定期間が経過した段階で、その速度が減速する。つまり、減速期間に突入する。その様子を図26(b)に示す。このような減速制御の演出は、例えば、スローモーション再生の演出である。減速期間は、3秒または5秒である。ただし、いずれの減速期間が設定された場合であっても、キャラクタ930がボールを投げ放ってから減速期間に突入するまでの期間は共通である。そのようなスローモーション再生による減速期間を経て、再び、カラーボールの931の速度が初速に戻り、やがてカラーボール931が対象の保留表示THに衝突する。なお、初速に戻らずに減速したまま演出が終了してもよいし、減速期間終了後の速度が初速や減速期間での速度とは異なる速度となるようにしてもよい。
その後、演出のパターンは、衝突したカラーボール931が割れて中の塗料が対象の保留表示を覆い、保留表示の色を当初とは別の色に成り上がる成功パターンと、衝突したカラーボール931が割れずに跳ね返り、保留表示の色が変化しない失敗パターンとに分かれる。図26(c)は成功パターンを示し、図26(d)は失敗パターンを示す。成功パターンの場合には、カラーボール931が割れる前にプッシュボタン31Bが振動し、成功パターンを遊技者に予告する(ボタン報知演出)。これにより、遊技者の期待感を向上させることができる。もちろん、プッシュボタン31Bが振動する場合と振動しない場合とがあるようにしてもよい。なお、このような予告報知は、プッシュボタン31Bに代えて、あるいは、プッシュボタン31Bに加えて、音声や画像によって行うものとしてもよい。また、ボタン報知演出を抽選により決定するようにしてもよい。このような場合には、プッシュボタン31Bが振動する場合の方が、プッシュボタン31Bが振動しない場合よりも大当り期待度が高くなるようにするのが望ましい。また、プッシュボタン31Bの振動に強弱を設けてもよい。このような場合には、ボタン報知演出の抽選の際にプッシュボタン31Bの強弱を含めた抽選をすればよい。そして、プッシュボタン31Bが強振動する場合の方が、プッシュボタン31Bが弱振動する場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
成功パターンでは、保留表示の色が元の色(例えば灰色)から複数の色のいずれかに変化する。例えば、その色のバリエーションは、白、青、緑、赤である。このような色の違いは、例えば、その保留表示に対応する変動表示が大当りになる期待度の違いを表している。例えば、赤が最も大当りの期待度が高く、緑、青の順でそれに続く。遊技者は、成功パターンにおいて、いずれの色に変化するかという点に注目できるために、より面白みのある遊技を提供できる。なお、色の変化に対する期待をより一層に高めるために、カラーボール931が保留表示に衝突した段階、または、衝突する直前の段階で、そのボールの動きを一旦停止させてもよい。
以上、説明した保留変化演出によれば、カラーボール931が放たれてからそれが保留表示に衝突する前に、カラーボール931の速度が減速する期間が存在するため、その間で、遊技者の期待感を高めることができる。特に、カラーボール931の速度を減速させることなく、そのままの速度で保留表示に衝突させる演出に比べると、遊技者の期待感は格段に向上する。また、減速期間は複数の中から選択的に設定されるため、遊技者に減速期間に対して注目させつつバラエティに富んだ演出を提供できる。
また、上記実施の形態では、アクティブ変化演出や保留表示変化演出においてアクティブ表示や保留表示の色が変化するようにしたが、アクティブ表示や保留表示の大きさや形状が変化する等、アクティブ表示や保留表示が様々な態様で変化するようにしてもよい。また、アクティブ表示や保留表示の色である赤色、緑色、青色、白色は、アクティブ表示及び保留表示の双方で用いることができるが、アクティブ表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよく、保留表示の保留表示時のみに表示される色、文字、キャラクタ等があってもよい。
また、上記実施形態では、図18に示す先読み演出実行決定テーブルを用いることにより、大当りの場合とハズレの場合とで先読み演出の実行割合を異ならせたが、これに限定されない。例えば、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンに基づいて、始動入賞に対応するリーチ演出の有無で先読み演出の実行割合を異ならせて、リーチ演出が実行される場合には、リーチ演出が実行されない場合よりも先読み演出の実行割合を高くしてもよい。また、変動カテゴリコマンドに対応する変動パターンが示す変動時間に基づいて、先読み演出の実行割合を異ならせて、変動時間が所定時間以上の場合には、所定時間未満の場合よりも先読み演出の実行割合を高くしてもよい。
また、上記実施形態では、大当り種別決定用の乱数値MR2の値に基づいて大当りの種類を確定させる態様としているが、大当りの種類を確定させる条件はこれに限定されない。例えば、大入賞口の近傍に、又は、大入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)することに基づいて、大当りの種類が確定する態様としてもよい。例えば、確変大当りと通常大当りとを設けた場合に、上記特定領域に遊技球が進入することに基づいて確変大当りが確定する態様としてもよい。
また、上記実施形態では、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が表示されたことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにしているが、大当り遊技状態に制御する態様はこれに限定されない。例えば、第2始動入賞口の近傍に、または、第2始動入賞口の内部に、特定領域を設け、該特定領域に遊技球が進入(通過)したことに基づいて大当り遊技状態に制御するようにいてもよい。
なお、上記実施形態では、0〜9の数字または記号等の複数種類の特別図柄を可変表示させ表示結果を導出表示させる態様を示したが、可変表示は、そのような態様に限定されない。例えば、可変表示させる特別図柄と、可変表示結果として導出表示される特別図柄とが異なっていてもよい。換言すれば、変動する複数種類の特別図柄に含まれない特別図柄が可変表示結果として導出表示されてもよいし、変動する複数種類の特別図柄の中には可変表示結果として特別導出表示されないものが含まれていてもよい。また、必ずしも複数種類の特別図柄を可変表示させる必要はなく、1種類の特別図柄のみを用いて可変表示を実行する態様であってもよい。1種類の特別図柄を用いた可変表示として、例えば、当該1種類の特別図柄を点滅させてもよい(交互に点灯/消灯を繰返してもよい)。即ち、点灯、消灯の繰返しを可変表示としてもよい。そして、この場合であっても、当該1種類の特別図柄が最後に導出表示(点灯)されるものであってもよいし、当該1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。また、他の図柄(例えば、普通図柄、飾り図柄等)の可変表示についても同様である。
例えば、上記において、「割合」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係にかぎらず、A:B=100%:0%のような関係も含む概念である(即ち、一方が100%、他方が0%となるような割り振りも含む概念である)。また、AはBよりも割合が高いと言うときには、Aが100%であってBが100%未満である場合や、Bが0%であってAが0%よりも大きい場合も含む概念である。
また、例えば、上記実施形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターン指定コマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御基板12側では2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
また、特別図柄の可変表示中に表示されるものは1種類の外れ図柄(例えば、「−」を示す記号)だけで、当該図柄の表示と消灯とを繰り返すことによって可変表示を行うようにしてもよい。さらに可変表示中に当該図柄が表示されるものも、可変表示の停止時には、当該図柄が表示されなくてもよい(表示結果としては「−」を示す記号が表示されなくてもよい)。
また、上記実施形態では、メイン側で先読み判定をしてその判定結果に対応したコマンドをサブ側に送信していたが、メイン側から乱数値を示すコマンドを送信してサブ側で先読み判定をするようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し(大当り種別などで特定すればよい。)、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
また、例えば、プリペイドカードや会員カード等の遊技用記録媒体の記録情報より特定される大きさの遊技価値である度数を使用して、遊技に使用するための遊技得点を付与するとともに、付与された遊技得点又は遊技による入賞により付与された遊技得点を使用して遊技機内に封入された遊技球を遊技領域に打ち込んで遊技者が遊技を行う遊技機にも本発明を適用することができる。
また、上記では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、パチンコ遊技機1に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、表示手段(例えば画像表示装置5など)を備え、有利状態に制御可能な遊技機(例えばパチンコ遊技機1など)であって、前記有利状態に制御されるか否かを示唆する演出であって第1示唆演出(例えば保留・アクティブ変化演出など)と前記第1示唆演出とは異なる第2示唆演出(例えば可動体特殊演出など)とを前記表示手段にて実行する示唆演出実行手段(例えばステップS172の処理を実行する演出制御用CPU120など)を備え、前記示唆演出実行手段は、前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とを同一期間内に実行可能であり、少なくとも前記第1示唆演出と前記第2示唆演出とが同一期間内に実行されているときに、前記同一期間内に実行されていない場合とは異なる態様により前記第2示唆演出を実行可能であり(例えばステップS805の処理を実行するなど)、さらに、遊技者による動作(操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124、傾倒方向センサユニット90123等)と、所定表示(図43のタイマ表示等)が所定動作(計時動作等)を行ない特定態様(タイマ表示が「0」表示態様等)となる表示をする所定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図40の演出図柄変動中処理、図47のS90922,S90934等)と、前記所定表示が前記特定態様となったとき(タイマ表示が「0」となったとき等)に、複数種類の特定演出(高期待度の期待度示唆表示または低期待度の期待度示唆表示等)のうち、いずれかの特定演出を実行可能(図42(B),(C))な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図40の演出図柄変動中処理等)と、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、遊技者の動作に対応する動作対応演出(図42および図43の操作対応演出)を実行可能な動作対応演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図40の演出図柄変動中処理、図47のS90927,S90929等)とを備え、前記所定表示手段は、第1期間(図42(B)の25秒間等)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第1表示(図42(B)の第1演出の表示等)、または、当該第1期間よりも長い第2期間(図42(C)の60秒間)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第2表示(図42(C)の第3演出の表示等)をすることが可能であり、前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記動作対応演出が実行される割合が高くなるように演出を制御する(図44(C)〜(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定されている等)演出制御手段をさらに備える遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、遊技興趣の低下を防止することができる。また、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる。
さらに、遊技興趣の低下を防止することができるとともに、遊技者が演出に退屈することを低減可能とすることができる遊技機の形態の一例として、所定の遊技を行なう遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、遊技者による動作(操作等)を検出可能な動作検出手段(プッシュセンサ90124、傾倒方向センサユニット90123等)と、所定表示(図43のタイマ表示等)が所定動作(計時動作等)を行ない特定態様(タイマ表示が「0」表示態様等)となる表示をする所定表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図40の演出図柄変動中処理、図47のS90922,S90934等)と、前記所定表示が前記特定態様となったとき(タイマ表示が「0」となったとき等)に、複数種類の特定演出(高期待度の期待度示唆表示または低期待度の期待度示唆表示等)のうち、いずれかの特定演出を実行可能(図42(B),(C))な特定演出実行手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図40の演出図柄変動中処理等)と、前記動作検出手段の検出結果に基づいて、遊技者の動作に対応する動作対応演出(図42および図43の操作対応演出)を実行可能な動作対応演出手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100、図40の演出図柄変動中処理、図47のS90927,S90929等)とを備え、前記所定表示手段は、第1期間(図42(B)の25秒間等)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第1表示(図42(B)の第1演出の表示等)、または、当該第1期間よりも長い第2期間(図42(C)の60秒間)が経過したときに前記所定表示が前記特定態様となる第2表示(図42(C)の第3演出の表示等)をすることが可能であり、前記第1期間中よりも前記第2期間中の方が、前記動作対応演出が実行される割合が高くなるように演出を制御する(図44(C)〜(E)のように、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合が高く設定され、操作回数の合計が多く設定され、単位時間当りの操作回数が多く設定されている等)演出制御手段をさらに備える遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。なお、この他の形態例を「実施形態」ということがある。
[他の第1実施形態]
以下、他の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図27はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図28は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図29参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図29参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図29参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図29参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図29参照)が設けられていればよい。図27に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な第1表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図27に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
演出表示装置909の上方には、可動体としての役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、駆動源としての役物モータ9017によって動作させられ、位置を変位することが可能である。役物9012は、非動作時に遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行される等の動作時に遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図28の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図28に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図29は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図29には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図30は、各乱数を示す説明図である。図30においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図31は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図31(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図31(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図31(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図31(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図31(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図31(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図31(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図31(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図31(B)、および、図31(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図31(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図31(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図31(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU9056は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図31(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図31(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図31(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図31(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図31(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図31(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図32を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図32は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図32には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図32(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図32に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図32の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図32の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機901では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置909において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置909において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置909において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機901では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図32(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (130秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が130秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図32のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図32(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図32(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図32のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図32(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図32(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図32(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図32(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図32(a),図32(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図32(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図32(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図32(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図32(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図32(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図32(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図32(a)および図32(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図32(c)および図32(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図32(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図32(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図33は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図33に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図33のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図33に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる(図37のS901221、S901232参照)。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、入賞時演出処理(図37のS901217,S901228参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
図34は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560における保留記憶バッファの構成例を示す説明図である。
図34(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。保留特定領域は、RAM9055に形成(RAM9055内の領域である)され、図34(A)に示すように、合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。図34(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図34(A)に示すように、保留特定領域には、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留特定領域には、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順を特定可能なデータが記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
図34(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する保存領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図34(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU56は、乱数回路503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
このように第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。また、第1保留記憶バッファに記憶される数値データを第1保留記憶情報と呼び、第2保留記憶バッファに記憶される数値データを第2保留記憶情報と呼ぶ場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留特定領域および保存領域に記憶されたデータは、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。なお、保留特定領域および保存領域に記憶されたデータを始動入賞時に読出して、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特別図柄の変動表示の保留情報などに基づいて実行可能となる先読み予告演出に用いてもよい。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等のコマンドが主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図35は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図35に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S9020)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図36は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
図37は、S90312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1始動口スイッチ9013aがオン状態であるか否かを確認する(S901211)。第1始動口スイッチ9013aがオン状態でなければ、S901222に移行する。第1始動口スイッチ9013aがオン状態であれば、CPU9056は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S901212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、S901222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901214)。また、CPU9056は、図34で説明した第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(S901215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口9013に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口9014に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。たとえば、CPU9056は、図34に示す保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ9013aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ9014aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図34(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞に基づき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。したがって、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口9013、または、第2始動入賞口9014への入賞順番が記憶される。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図34(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S901216)。S901216の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR´)、大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU9056は、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S901217)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて、図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901218)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901219)。また、CPU9056は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901221)。
S901218,S901219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第1始動入賞口9013に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方が、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信される。
また、この実施の形態では、S901218〜S901221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU9056は、第2始動口スイッチ9014aがオン状態であるか否かを確認する(S901222)。第2始動口スイッチ9014aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ9014aがオン状態であれば、CPU9056は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(S901223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S901225)。また、CPU9056は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(S901226)。
次いで、CPU9056は、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図34(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S901227)。なお、S901227の処理では、大当り判定用乱数(ランダムR´)、大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。
次いで、CPU9056は、入賞時演出処理を実行する(S901228)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901229)とともに、変動種別コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901230)。また、CPU9056は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう(S901232)。
S901229,S901230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態、低確率状態、高ベース状態、低ベース状態、大当り遊技状態等の遊技状態)にかかわらず、第2始動入賞口9014に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動種別コマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S901229〜S901232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図38は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S90300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU9056は、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるかどうかを確認する(S9051)。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファのどちらにも保留記憶データがない場合には、まだ客待ち状態指定コマンドを送信していなければ、客待ち状態モードを指定する客待ち状態指定コマンドを送信するための処理をし(S9077)、特別図柄通常処理を終了する。ここで、客待ち状態指定コマンドを送信すると、客待ち状態指定コマンドを送信したことを示す客待ち状態指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ち状態指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ち状態指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて、重ねて客待ち状態指定コマンドを送信しないように制御される。このような客待ち状態指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされる。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに保留記憶データがあるときには、CPU9056は、保留特定領域(図34(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(S9052)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(S9052のN)、CPU9056は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行なっているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S9053)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(S9052のY)、CPU90103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S9054)。
この実施の形態では、以下、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたか「第2」を示すデータが設定されたかに応じて、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示とを、共通の処理ルーチンを用いて実行する。特別図柄ポインタに「第1」を示すデータが設定されたときには、第1保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示が行なわれる。一方、特別図柄ポインタに「第2」を示すデータが設定されたときには、第2保留記憶バッファに記憶された保留記憶データに基づいて、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示が行なわれる。
S9052〜S9054の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とに遊技球が入賞した始動入賞順にしたがって、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。
次に、CPU9056は、RAM9055において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する(S9055)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読出してRAM9055の保留記憶バッファに格納する。
そして、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S9056)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
S9056の処理を実行した後、RAM9055に形成され合算保留記憶数を計数する合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S9057)。なお、CPU9056は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM9055の所定の領域に保存し、かつ、保留特定記憶領域に格納されている内容をシフトする。
すなわち、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM9055の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM9055の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU9056は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口9013を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口9014を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S90300〜S90307の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次に、CPU9056は、保留記憶バッファからランダムR´(大当り判定用乱数)を読出し、大当り判定モジュールを実行する(S9061)。なお、この場合、CPU9056は、始動口スイッチ通過処理のS901216や始動口スイッチ通過処理のS901227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読出し、大当り判定を行なう。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値(図31参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率状態)の場合は、遊技状態が非確変状態(通常遊技状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM9054における図31(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM9054における図31(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU9056は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行ない、遊技状態が通常遊態や時短状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当り判定の処理を行なう。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図31(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S9061のY)、S9071に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行なわれる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的に、確変フラグは、確変大当りとなったときに、大当り終了処理(図36のS90307)においてセットされ、その後、次回の大当りが決定されたという条件、または、はずれ表示結果となる変動表示が所定回数(たとえば100回)が実行されたという条件が成立したときに、特別図柄の変動表示を終了して停止図柄を停止表示するタイミングでリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S9061のN)、後述するS9075に進む。
S9061において大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれかの大当り判定値に一致すればCPU9056は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする(S9071)。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、図31(B)の第1特別図柄大当り種別判定用テーブルおよび図31(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルのうち、いずれかのテーブルを選択する(S9072)。具体的に、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図31(B)に示す第1特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合において、図31(C)の第2特別図柄大当り種別判定用テーブルを選択する。
次に、CPU9056は、始動口スイッチ通過処理で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読出し、S9072で選択した大当り種別判定テーブルを用いて、保留記憶バッファに格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)の値と一致する値に対応した大当り種別および大当り図柄を決定する(S9073)。
図31(B),(C)に示すように、第1特別図柄および第2特別図柄については、大当り種別ごとに大当り図柄が異なるように大当り種別と大当り図柄との関係が設定されており、大当り種別と大当り図柄とが同時に決定されるので、大当り図柄と、大当り種別に応じた遊技制御との対応関係が単純化するため、遊技制御の複雑化を防ぐことができる。
また、CPU9056は、決定した大当りの種別を示す大当り種別データをRAM9055における大当り種別バッファに設定する(S9074)。たとえば、大当り種別が「通常大当り」の場合には、大当り種別データとして「01」が設定される。大当り種別が「確変大当り」の場合には、大当り種別データとして「02」が設定される。
次に、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を設定する(S9075)。具体的には、大当りフラグがセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄として設定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、S9073により決定された大当り図柄を特別図柄の停止図柄に設定する。すなわち、大当り種別が「確変大当り」に決定されたときには「7」を特別図柄の停止図柄に設定する。大当り種別が「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定する。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S90301)に対応した値に更新する(S9076)。
前述した表示結果指定コマンド送信処理(S90302)においては、CPU9056が、決定されている大当りの種類、または、はずれに応じて、表示結果を指定する表示結果1指定〜表示結果3指定コマンドのいずれかの演出制御コマンド(図33参照)を送信する制御を行なう。
また、前述した特別図柄変動中処理(S90303)においては、CPU9056は、変動時間タイマを1減算し、変動時間タイマがタイムアウトしたら、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S90304)に対応した値に更新し、特別図柄停止処理に進む。
変動表示の結果、大当りとなるときには、大入賞口開放前処理(S90305)、大入賞口開放中処理(S90306)、および、大当り終了処理(S90307)が実行されることにより、大当り遊技状態に制御される。大当り終了処理(S90307)において、確変大当りの終了時には、確変フラグおよび時短フラグがセットされ、通常大当りの終了時には、時短フラグがセットされる。これにより、確変大当りの終了後には、確変状態および時短状態に制御され、通常大当りの終了後には、時短状態に制御される。
確変大当りおよび通常大当り後の時短状態は、変動表示が100回実行されるまでと、次の大当りが発生するまでとのいずれかの条件が成立するまで継続させる必要がある。このような変動表示100回という継続期間は、大当り終了処理(S90307)において、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタを100回にセットし、その後に変動表示が実行されるごとに特別図柄停止処理で減算更新することにより管理され、時短回数カウンタがカウントアップしたことに基づいて、時短フラグがリセットされることにより、時短状態を終了させる制御が行なわれる。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図39は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1−1´、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1−2´、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1−3´、領域演出実行決定用のSR2´、領域演出実行タイミング決定用のSR3´、第1領域演出決定用のSR4´、第2領域演出決定用のSR5´)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1−1´〜SR5´のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図40は、図39に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90500)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90500)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図41は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S90601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S90602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM90102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S90604)、S90616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1−1´〜SR1−3´のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S90604の処理では、所定のタイミングでSR1−1´〜SR1−3´のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S90602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90605)、S90616へ進む。S90605の処理では、所定のタイミングでSR1−1´〜SR1−3´のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1−1´から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1−2´から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S90601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S90601のN)、演出制御用CPU90101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90603)、S90616へ進む。
S90603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1´から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1´と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1−1´から数値データ(乱数)を抽出し、SR1−1´と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
次に、変動表示における各種演出を設定するための処理(たとえば、演出図柄の変動表示の演出(擬似連等の変動表示態様を含む)、および、先読み演出等の各種演出を設定する処理)を行なう演出設定処理(S90616)を実行した後、S90617に進む。
S90617では、演出制御パターンを複数種類の演出制御パターンのうちのいずれかに決定する。S90617においては、変動パターン指定コマンドによって指定された変動パターン、および、S90616の処理で決定した演出の演出制御パターン等により指定された各種演出制御(演出動作)パターンに応じて、図柄変動制御パターンテーブルに格納されている複数種類の図柄変動制御パターンのうち、指定された各種演出動作パターンに対応するいずれかの演出制御パターンを使用パターンとして選択決定する。
ROM90102に記憶されている制御パターンテーブルには、たとえば、演出図柄の変動が開始されてから最終停止図柄となる確定演出図柄が停止表示されるまでの期間における、演出表示装置909における演出図柄の変動表示動作、リーチ演出における演出表示動作、擬似連の演出による演出表示動作、および予告演出における演出表示動作という各種演出動作の制御内容を示すデータが、図柄変動制御パターンとして複数種類格納されている。
また、各図柄変動制御パターンは、たとえば、演出制御プロセスタイマ設定値、演出制御プロセスタイマ判定値、演出表示制御データ、音声制御データ、ランプ制御データ、および、終了コードといった、演出図柄の変動表示に応じた各種の演出動作を制御するための制御データを含み、時系列的に、各種の演出制御の内容、および、演出制御の切替えタイミング等が設定されている。
次いで、S90617で選択した演出制御パターンに応じたプロセステーブルを選択する(S90618)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマ(演出設定プロセスタイマ)をスタートさせる(S90619)。
S90619の処理を実行したら、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027等)の制御を開始する(S90620)。たとえば、表示制御実行データに従って、演出表示装置909において変動パターンに応じた画像(演出図柄を含む。)を表示させるために、VDP90109に指令を出力する。各種LED等の発光体を点灯/消灯制御を行なわせるために、ランプドライバ基板9035に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ9027から音声出力をさせるために、音声出力基板9070に制御信号(音番号データ)を出力する。
そして、変動表示時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定し(S90621)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S90802)に対応した値にし、演出図柄変動開始処理を実行する(S90622)。
[タイマ演出の第1例]
次に、タイマ演出の第1例を説明する。タイマ演出の第1例としては、所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明する。
「所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示」としては、タイマ表示のように、タイマ数値表示が計時動作を行なって計時終了態様となる表示がされる。「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、タイマ表示が計時終了態様となったときに、所定の画像を表示することにより遊技者にとって有利な状態となる期待度を示唆する複数種類の期待度示唆表示演出のうち、いずれかの演出を実行する演出がされる。その場合における所定の画像の例としては、たとえば、遊技者に何かの事象が起こることを示唆するために、「READY GO」または「START」というような所定の示唆をする文字を表示してもよく、所定のキャラクタ画像によるアクション表示等の表示をしてもよい。また、そのような文字表示とアクション表とは、いずれか一方を実行してもよく、両方を実行してもよい。なお、「所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出」としては、計時終了態様を表示した後に、所定の画像を表示することなく特定演出を実行するようにしてもよい。
図42は、タイマ演出の第1例の演出実行タイミングを示すタイミングチャートである。図42(A)には、1回の変動表示中にタイマ演出が複数回実行可能な所定変動パターンでの演出実行タイミング例が示されている。図42(B)には、図42(A)の第1演出の演出実行タイミング例が示されている。図42(C)には、図42(A)の第3演出の演出実行タイミング例が示されている。
図42(A)に示すように、たとえば、前述の第4スーパーリーチのような特定スーパーリーチの変動表示時においては、タイマ演出を実行可能な第1演出、第2演出、および、第3演出という複数種類の演出が1回の変動表示中に実行される。複数種類の演出の実行期間の長さは、「第1演出<第2演出<第3演出」という長短関係で設定されている。第1演出、第2演出、および、第3演出においては、演出期間の開始時から所定期間が経過したときに、複数種類の期待度示唆表示演出のような複数種類の特定演出のうちから選択された演出が実行される。
第1演出、第2演出、および、第3演出については、タイマ演出が実行される場合と、タイマ演出が実行されない場合とが抽選により選択されるので、タイマ演出が実行される場合をタイマ有演出と呼び、タイマ演出が実行されない場合をタイマ無演出と呼ぶことにより演出態様を区別する。
図42(B)においては、図42(A)に示された第1演出について、(B1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(B2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。図42(B)に示す第1演出では、その他の演出よりも演出期間が短い演出であり、演出期間の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する背景色の画像を表示する演出が行なわれる。
背景色とは、演出表示装置9で表示される画像のうち、演出図柄の背景を構成する背景画像の画像色をいう。背景色は、第1演出が実行される前の段階で青色および赤色以外の色(たとえば、黄色)である。第1演出においては、図42(B1)のタイマ有演出、および、(B2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第1演出の演出期間(第1演出期間)の開始時から25秒経過時に、期待度示唆表示として、背景色が赤色(赤色背景)または青色(青色背景)に変化する演出が行なわれる。期待度示唆表示において表示される背景色による大当りの期待度の高さについては、「青色背景<赤色背景」という関係が設定されている。第1演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第2演出および第3演出とともに一括的に決定される。
図42(B1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第1演出の開始時から25秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、役物9012が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
図42(B2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第1演出の開始時から25秒間が経過すると、不意に役物9012が上下動する動作がされるとともに、期待度示唆表示として、青色背景が選択されて背景画像色を変化させる演出が実行される。
第1演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第1演出の開始時から25秒間までの間は、タイマ表示以外の画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
第1演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて役物9012の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
なお、タイマ無演出が実行されたときには、期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
図42(C)においては、図42(A)に示された第3演出について、(C1)にタイマ有演出時の演出実行タイミングが示され、(C2)にタイマ無演出時の演出実行タイミングが示されている。図42(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも演出期間が長い演出であり、演出期間の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として大当りの期待度を示唆する操作手段の画像を表示する演出が行なわれる。図42(C)に示す第3演出では、第1演出のようなその他の演出よりも操作演出を実行する頻度が高くなるような演出制御が行なわれる。
操作手段は、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122のようなパターンに設けられ、遊技者が操作可能な操作手段をいう。第3演出においては、図42(C1)のタイマ有演出、および、(C2)のタイマ無演出のいずれの演出においても、第3演出の演出期間(第3演出期間)の開始時から60秒経過時に、期待度示唆表示として、スティックコントローラの画像またはプッシュボタンの画像が表示される演出が行なわれる。その演出は、変動表示結果を表示する直前の操作促進演出でもある。その演出中に表示された操作手段が実行されると、変動表示結果が導出表示される演出が実行される。
期待度示唆表示において表示される操作手段による大当りの期待度の高さについては、「プッシュボタン<スティックコントローラ」という関係が設定されている。第3演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第1演出および第2演出とともに一括的に決定される。
図42(C1)のタイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第3演出の開始時から60秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、大当りとなる期待度に応じてスティックコントローラの画像とプッシュボタンの画像とのどちらかが選択されて画面中央部に表示される演出が実行される。
図42(C2)のタイマ無演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示されない。第3演出の開始時から60秒間が経過すると、不意に期待度示唆表示として、プッシュボタンの画像が選択されて表示される演出が実行される。
第3演出を実行するときのタイマ有演出とタイマ無演出とにおいて、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像として、同様の画像が表示される。なお、第3演出の開始時から60秒間までの間は、タイマ表示および操作演出の表示以外に表示される画像としてタイマ有演出とタイマ無演出とで一部が異なる画像を表示するようにしてもよい。
第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合がある。操作演出とは、動作対応演出とも呼ばれ、所定の検出有効期間内に遊技者の動作により所定の操作手段が操作されたときに、その操作に対応する画像表示等の所定の演出が実行される演出である。第3演出における操作演出は、図44(E)に示すように、特定の割合で実行可能である。一方、第3演出では、タイマ無演出において、タイマ有演出で実行されるような操作演出が実行される場合がない。
操作演出としては、第1操作演出〜第5操作演出という5種類の操作演出が実行される。第1操作演出は、プッシュボタン90120の操作を促進する画像を表示(以下、ボタン操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、チャンス表示をする演出である。チャンス表示とは、遊技者にとってチャンスとなることを示唆する画像を表示することをいう。第2操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、リーチ表示をする演出である。リーチ表示とは、リーチ状態となることを示唆する画像を表示することをいう。
第3操作演出は、スティックコントローラ90122の操作を促進する画像を表示(以下、スティック操作促進表示という)し、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ90122が操作されたことに対応して、SP表示をする演出である。SP表示とは、スーパーリーチとなることを示唆する画像を表示することをいう。第4操作演出は、ボタン操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にプッシュボタン90120が操作されたことに対応して、期待度%表示をする演出である。期待度%表示とは、今回の変動表示により大当り遊技状態となる割合を%で示唆する画像を表示することをいう。第5操作演出は、スティック操作促進表示をし、それに応じて所定の操作有効期間内にスティックコントローラ90122が操作されたことに対応して、激熱表示をする演出である。激熱表示とは、今回の変動表示が大当り遊技状態となる期待度が激しく高い(極めて高い)ことを示唆する画像を表示することをいう。
第2演出の演出内容については、図示を省略するが、たとえば、タイマ有演出が実行されるときには、タイマ表示の画像が表示され、第2演出の開始時から40秒間が計時される。そのタイマ表示による計時の残り時間が0秒となってタイマの計時が終了したときに、その終了に応じて、期待度示唆表示として、複数種類の大当り予告用キャラクタ(第1予告用キャラクタ、第2予告用キャラクタ)の画像のうちから選択された予告用キャラクタが所定位置に表示される。たとえば、第2演出の期待度示唆表示において表示される予告用キャラクタの大当りの期待度の高さについては、「第1予告用キャラクタ<第2予告用キャラクタ」という関係が設定されている。第2演出を実行するときにタイマ有演出とタイマ無演出とのいずれを実行するかは、変動表示の開始前に第1演出〜第3演出で共通する抽選により、第1演出および第3演出とともに一括的に決定される。
また、第1演出および第2演出のそれぞれについても、図44(C),(D)に示すように、タイマ有演出時において、所定の割合(割合は異なる)で、第3演出で実行可能な操作演出と同様の演出を実行することが可能である。
第3演出では、演出開始時から所定期間経過後に期待度示唆表示が実行されることにより、演出の面白みを向上させることができる。タイマ有演出の進行に対応して期待度示唆表示がされることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ表示の計時終了に応じて役物9012の動作が実行されることにより、演出の面白みをさらに向上させることができる。タイマ有演出の方がタイマ無演出と比べて期待度が高い期待度示唆表示が実行される割合が高いので、タイマ有演出が実行されたときの遊技者の期待感を高めることができる。
また、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
また、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
なお、タイマ無演出が実行されたときに期待度示唆表示が選択不可能となるようにしてもよい。また、タイマ有演出が実行されたときには赤色背景のみが表示され、タイマ無演出が実行されたときに大当りとなる期待度に応じて赤色背景と青色背景とのどちらかが選択されて表示されるようにしてもよい。また、タイマ有演出とタイマ無演出との期待度示唆表示による期待度の高さの関係は、前述した関係と逆(タイマ無演出>タイマ有演出)でもよい。
次に、タイマ演出において演出表示装置909で表示される演出画像の一例として、第3演出の演出画像を説明する。図43は、タイマ演出が実行されるときの第3演出の演出画像を示す表示画面図である。図43(A)〜(L)に、第3演出において演出表示装置9で表示される画像の一例が時間経過に応じて示されている。図43において、保留表示等のタイマ演出と関係が少ない画像は省略されている。
図43において、左,中,右の演出図柄9091,9092,9093は、変動表示中の状態が下向き矢印で示されている。演出表示装置909において、変動表示が実行されるときに、左,中,右の演出図柄9091,9092,9093は、画面中央部で変動表示が開始される。タイマ演出が実行されるときには、演出表示装置909の表示領域内における右下部に、タイマ演出において数値によりタイマ表示をするタイマ表示領域9094と、タイマ演出において操作促進表示、および、操作対応表示等の操作演出に関する画像を表示する操作演出表示領域95とが形成される(設けられる)。
第3演出においてタイマ表示の計時開始時から10秒が経過したときには、図43(A)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り50秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、プッシュボタン90120の操作を促進するボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図43(A)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図42に示す対応関係の操作対応表示に従って、図43(B)に示すように、「チャンス」という文字画像が表示されるチャンス表示が実行される。
タイマ表示の計時開始時から20秒が経過したときには、図43(C)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り40秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図43(C)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図42に示す対応関係の操作対応表示に従って、図43(D)に示すように、「リーチ」という文字画像が表示されるリーチ表示が実行され、演出図柄9091,9092,9093がリーチ表示態様となる。
タイマ表示の計時開始時から30秒が経過したときには、図43(E)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り30秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でスティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティックコントローラ90122の操作を促進するスティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図43(E)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、図42に示す対応関係の操作対応表示に従って、図43(F)に示すように、「SP」という文字画像が表示されるSP表示が実行され、SP演出に用いられるSPキャラクタ画像9096が画面中央部で表示される。SP演出キャラクタ画像9096は、遊技者の味方となる味方キャラクタ(左側のキャラクタ)と、遊技者の敵となる敵キャラクタ(右側のキャラクタ)とがバトル(戦う)バトル演出態様で表示される。バトル演出では、味方キャラクタが勝ったときに大当り表示結果が導出表示され、味方キャラクタが負けたときにはずれ表示結果が導出表示される。バトル演出が実行されるときに、演出図柄9091,9092,9093は、縮小されて画面右上隅部に移動し、その移動先の位置で変動表示を継続する。
タイマ表示の計時開始時から40秒が経過したときには、図43(G)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り20秒となり、それに応じて、操作演出表示領域9095でプッシュボタン90120を模したボタン画像と、「押せ!」という文字画像とが、ボタン操作促進画像として表示される。そのボタン操作促進画像は、プッシュボタン90120の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図43(G)の操作促進表示に応じて、遊技者によるプッシュボタン90120の操作が検出されると、図42に示す対応関係の操作対応表示に従って、図43(H)に示すように、「80%」という文字画像が表示される期待度%表示が実行され、バトル演出が継続される。
タイマ表示の計時開始時から50秒が経過したときには、図43(I)に示すように、タイマ表示領域94の表示値が残り10秒となり、それに応じて、操作演出表示領域95でスティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とが、スティック操作促進画像として表示される。そのスティック操作促進画像は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図43(I)の操作促進表示に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、図42に示す対応関係の操作対応表示に従って、図43(J)に示すように、「激熱」という文字画像が表示される激熱表示が実行され、バトル演出が継続される。
タイマ表示の計時開始時から60秒が経過したときには、図43(K)に示すように、タイマ表示領域9094の表示値が残り0秒となり、画面中央部に、たとえば、スティックコントローラ90122を模したスティック画像と、「引け!」という文字画像とよるなる期待度示唆表示9097が表示される。期待度示唆表示9097は、スティックコントローラ90122の操作が検出されるまで、10秒間以下の所定期間に亘り表示される。
図43(K)の期待度示唆表示9097に応じて、遊技者によるスティックコントローラ90122の操作が検出されると、大当り表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが勝ち、図42に示す対応関係の操作対応表示に従って、図43(L)に示すように、大当り表示結果の変動表示結果を導出表示する演出が実行される。一方、はずれ表示結果となるときには、バトル演出で味方キャラクタが負け、はずれ表示結果の変動表示結果を導出表示する演出が実行される。
次に、特定のスーパーリーチの変動パターンの変動表示を実行するときに、タイマ演出を実行するか否かの選択、および、タイマ演出を実行するときにおける第1演出〜第3演出での操作演出を実行するか否かの選択をするための抽選に用いるデータテーブルを説明する。
図44は、第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブル、第1演出の操作演出選択テーブル、第2演出の操作演出選択テーブル、および、第3演出の操作演出選択テーブルを示す説明図である。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90100のROM90102に記憶されている。以下に説明する演出の選択割合には、まったく選択されない割合(0割合(0%))が含まれてもよく、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「小」である例には、選択割合が「0割(0%)」である場合が含まれてもよい。逆に、演出の選択割合の大小関係の説明において、割合が「大」である例には、選択割合が「10割(100%)」である場合が含まれてもよい。
第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、特定のスーパーリーチである第4スーパーリーチの変動パターンを実行するときに、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかの選択をするための抽選に用いられる。第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルは、変動表示結果が大当り表示結果となるときに用いられる図44(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルと、変動表示結果がはずれ表示結果となるときに用いられる図44(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルとが含まれている。
図44(A),(B)のテーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとしてのタイマ演出選択用の乱数SR2´(0〜99の数値範囲)の合計100個の数値が、タイマ表示有演出と、タイマ表示無演出とに割振られている。SR2´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR2´値の個数が示されている。
図44(A)の大当り時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「タイマ表示有演出>タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示有演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。一方、図44(B)のはずれ時第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「タイマ表示有演出<タイマ表示無演出」という大小関係となるように、タイマ表示無演出を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
このような図44(A),(B)でのデータの設定により、変動表示結果が大当り表示結果となるときには、はずれ表示結果となるときと比べて、タイマ表示有演出を実行すると決定する割合が高くなる。これにより、タイマ表示有演出が実行されるときには、タイマ表示無演出実行されるときと比べて、遊技者の大当りに対する期待度を高めることができる。
図44(C)の第1演出の操作演出選択テーブルは、図44(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第1演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。図44(C)の第2演出の操作演出選択テーブルは、図44(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第2演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。図44(D)の第3演出の操作演出選択テーブルは、図44(A),(B)の第4スーパーリーチタイマ演出選択テーブルを用いタイマ表示有演出を実行することが選択された場合に、第3演出の操作演出の実行の有無を選択をするための抽選に用いられる。
図44(C)〜(E)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR3´(0〜109の数値範囲)の合計110個の数値が、操作演出有と、操作演出無とに割振られている。SR3´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR3´値の個数が示されている。
図44(C)の第1演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有<操作演出無」という大小関係となるように、操作演出無が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図44(D)の第2演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有=操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有と操作演出無とが同じ割合で選択されるようにデータが設定されている。図44(E)の第3演出の操作演出選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR3´の値によって、「操作演出有>操作演出無」という大小関係となるように、操作演出有が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。このようなテーブルにより、第1演出〜第3演出において、演出期間が長いもの程、操作演出有が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。
図44(C)のテーブルに示すように、25秒間のタイマ表示をする第1演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が1回、すなわち、25秒間のうちに1回の操作演出が実行される。図44(D)のテーブルに示すように、40秒間のタイマ表示をする第2演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が2回、すなわち、40秒間のうちに2回の操作演出が実行される。図44(E)のテーブルに示すように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときの操作回数の合計値が5回、すなわち、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される。
このように、60秒間のタイマ表示をする第3演出では、操作演出有が選択されたときに、60秒間のうちに5回の操作演出が実行される、第3演出よりもタイマ表示をする期間が短い第2演出では2回の操作演出が実行され、第2演出よりもタイマ表示をする期間が短い第1演出では1回の操作演出が実行される。このように、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行頻度が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合(頻度)が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
また、図44(C)〜(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される頻度が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合(頻度)が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
次に、第1演出〜第3演出における操作演出を含む演出パターンの一例を説明する。図45は、第3演出の演出パターンを選択する演出パターン選択テーブルを表形式で示す図である。図45(A)には、大当り時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示され、図45(B)には、はずれ時に用いられる第3演出の演出パターン選択テーブルが示されている。これらデータテーブルは、演出制御用マイクロコンピュータ90100のROM90102に記憶されている。
図45(A),(B)の各テーブルでは、演出制御用マイクロコンピュータ90100により更新される乱数の1つとして操作演出有無選択用の乱数SR4´(0〜89の数値範囲)の合計90個の数値が、第1パターンと第2パターンと第3パターンとのそれぞれに割振られている。SR4´については、説明を明確化するために、割振られた乱数SR4´の値の個数が示されている。
図45(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4´の値によって、「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。図45(B)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、所定のタイミングで抽出したSR4´の値によって、「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図45に示す各操作演出における青、緑、赤という複数種類の色は、「青<緑<赤」という大小関係で大当りについての期待度を示唆する色である。
第1パターンは、操作演出パターンが、ボタン操作促進演出が実行された後操作に応じてチャンス表示がされる第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤色の文字で「80%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第1パターンでは、操作演出パターンの後に期待度示唆演出として実行される最終演出が、スティック操作促進表示がされた大当り後操作に応じて大当り表示結果が導出表示される演出である。
第2パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でチャンス表示がされる第2操作演出、第1パターンと同じ第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「70%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。第2パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
第3パターンは、操作演出パターンが、第1パターンと同じ第1操作演出、第2パターンと同じ第第2操作演出、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青色の文字でSP表示がされる第3操作演出、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて緑色の文字で「60%」の期待度%表示がされる第4操作演出、および、第1パターンと同じ第5操作演出により構成される。スティック操作促進表示がされた後操作に応じて激熱表示がされる第5操作演出により構成される。第3パターンでは、操作演出パターンの後に第1パターンと同じ最終演出がされる。
図45(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、図45(A)の大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルに設定された第1パターン〜第3パターンと同様の第1パターン〜第3パターンが設定されており、前述したように、これらパターンの選択割合が大当り時第3演出の演出パターン選択テーブルの選択割合と逆の選択割合となるようにデータが設定されている。
前述の第2パターンでは、前述の第3パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。前述の第1パターンでは、第2パターンと比べて、大当りの期待度が高いことを示唆する演出が操作演出時に実行される。したがって、図45(A)の大当り時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、大当り表示結果となるときに、大当りの期待度がより高い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン>第2パターン>第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。一方、逆に、図45(B)のはずれ時第3特定演出の演出パターン選択テーブルでは、はずれ表示結果となるときに、大当りの期待度がより低い演出パターンが選択されやすいように選択割合が「第1パターン<第2パターン<第3パターン」という大小関係となるようにデータが設定されている。
図示を省略するが、第1演出では、たとえば、操作演出表示領域9095において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、青色背景の期待度示唆表示をする第1変動パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「この変動は期待大」というような文字が表示される操作演出を実行した後、赤色背景の期待度示唆表示をする第2変動パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
第1演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、変動表示結果別に、第1演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3´の値が各演出パターンに割振られている。
図示を省略するが、第2演出では、たとえば、操作演出表示領域9095において、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて青文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、演出図柄周囲に青色のエフェクト画像を表示する第1演出パターンと、ボタン操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「リーチかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、スティック操作促進表示がされた後操作に応じて赤文字で「SPかも?」というような文字が表示される操作演出を実行した後、演出図柄周囲に赤色のエフェクト画像を表示する第2演出パターンとが選択可能となるような演出パターン選択テーブルが用いられる。
第2演出では、大当り表示結果となるときに、「第1パターン<第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択し、はずれ表示結果となるときに、「第1パターン>第2パターン」の選択割合で演出パターンを選択するように、変動表示結果別に、第2演出の演出パターン選択テーブルが設けられている。その演出パターン選択テーブルでは、第3特定演出の演出パターン選択テーブルと同様に、SR3´の値が各演出パターンに割振られている。
次に、図42および図43に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を設定するための処理について説明する。図46は、演出設定処理(S90616)を示すフローチャートである。図46においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
まず、今回実行される変動表示の変動パターンが特定スーパーリーチである第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S90901)。受信した変動パターンコマンドは、RAM90103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU90101は、RAM90103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。第4スーパーリーチの変動パターンでなければS90912の処理へ移行する。第4スーパーリーチの変動パターンであれば、SR2の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図44(A),(B)に示すいずれかのタイマ演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR2´の値から、今回の変動表示について、タイマ表示有演出とタイマ表示無演出とのどちらを実行するかを選択決定する(S90902)。今回の変動表示の表示結果が大当りか否かは、今回実行される変動表示の表示結果が大当りであるか否かを今回の変動表示を実行するときに受信された表示結果コマンド等により判定する。
次に、S90902の決定結果に基づいて、タイマ表示有演出が選択決定されたか否かを判定する(S90903)。S90903でタイマ表示有演出が選択決定されていない(タイマ表示無演出が選択決定された)ときは、たとえば図42(B2),(C2)等に例示したような第1〜第3演出においてタイマ表示をしない演出を実行するためのデータ設定を行ない、S90912に進む。一方、S90903でタイマ表示有演出が選択決定されたときは、SR3´の値を抽出し、図44(C)〜(E)の第1演出〜第3演出のそれぞれの操作演出選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR3´の値から、今回の変動表示における第1〜第3演出のそれぞれについて、操作演出を実行するか否か(有無)を選択決定する(S90904)。
次に、S90904の決定結果に基づいて、第1演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90905)。S90905で操作演出有に選択決定されていないときは、S90907に進む。一方、S90905で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第1演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第1演出の演出パターンを選択決定し(S90906)、S90907に進む。
S90907では、S90904の決定結果に基づいて、第2演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90907)。S90907で操作演出有に選択決定されていないときは、S90909に進む。一方、S90907で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、前述したいずれかの第2演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第2演出の演出パターンを選択決定し(S90908)、S90909に進む。
S90909では、S90904の決定結果に基づいて、第3演出が操作演出有に選択決定されたか否かを判定する(S90909)。S90909で操作演出有に選択決定されていないときは、S90911に進む。一方、S90909で操作演出有に選択決定されているときは、SR4´の値を抽出し、今回の変動表示の表示結果が大当りか否か(はずれか)に応じて、図45(A),(B)のいずれかの第3演出の演出パターン選択テーブルを選択し、選択したテーブルを用い、抽出したSR4´の値から、今回の変動表示の第3演出の演出パターンを選択決定し(S90910)、S90911に進む。
S90911では、今回の変動表示で、第1〜第3演出のそれぞれにおいてタイマ表示をし、前述のように選択した操作演出の有無に応じて、前述のように選択した演出パターンで操作演出が実行可能な演出を実行するためのデータを設定し(S90911),S90912に進む。
S90912では、今回の変動表示の演出に関し、前述した第1演出、第2演出、および、第3演出以外のその他の演出内容を決定する。その後、処理を終了する。
演出設定処理においては、図42および図43に示すような操作演出を含むタイマ演出を実行するときに、変動表示の開始時において、タイマ表示演出の有無、操作演出の有無、操作演出の実行回数、および、操作演出の演出パターン等の各種事項を予め決定し、その後の変動表示中は、当該決定にしたがって演出を実行するので、変動表示中における演出制御用マイクロコンピュータ90100の制御処理負荷を軽減することができる。
次に、演出図柄の変動表示中において、図42および図43に示すようなタイマ演出を含む各種の演出を実行する処理について説明する。図47は、演出図柄変動中処理(S90802)内でタイマ演出をするときに実行されるタイマ演出処理を示すフローチャートである。
図47においては、演出図柄変動開始処理における演出設定処理に含まれる各種の設定のうち、タイマ演出の設定に関する処理が示されている。演出設定処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なうことによって、タイマ演出で実行される各種演出を決定する。
まず、現在が第1演出〜第3演出で実行され得るいずれかのタイマ演出の実行開始時であるかどうかを判定する(S90920)。S90920においては、変動表示を実行中の第4スーパーリーチの変動パターンにおいて予め定められた演出進行のタイムスケジュールと、変動表示の開始時からの時間を計時する変動表示タイマの計時値とを確認することに基づいて、現在がタイマ演出の実行開始時であるか否かを判定する。このような判定が可能であるのは、各変動パターンについて、演出進行のタイミングのタイムスケジュールが予め定められており、変動表示タイマの計時値に基づき、演出を進行させる演出制御が実行されるからである。
S90920でタイマ演出の実行開始時であるときは、演出制御用マイクロコンピュータ90100においてタイマ表示に用いる演出タイマの計時を開始させ(S90921)、その計時値に対応したタイマ表示を開始させ(S90922)、処理を終了する。一方、S90920でタイマ演出の実行開始時でないときは、変動表示タイマの計時値に基づき、現在が操作演出有が設定された演出(たとえば、第1演出、第2演出、第3演出)の期間中であるか否かを判定する(S90923)。
S90923で現在が操作演出有が設定された演出期間中であるときは、変動表示タイマの計時値に基づき、当該演出期間中におけるいずれかの操作演出期間中であるか否かを判定する(S90924)。S90924で操作演出期間中であるときは、操作演出中における操作促進表示(前述のボタン操作促進表示、スティック操作促進表示)中である否かを判定する(S90925)。S90925で操作促進表示中であるときは、S90927に進む。一方、S90925で操作促進表示中でないときは、実行中の操作演出期間の態様に応じて設定されている操作促進表示を開始させ(S90926)、S90927に進む。これにより、各操作演出においては、図43(A),(C),(E),(G),(I)のような操作促進表示が実行される。
S90927では、操作促進演出に対応した所定の操作演出が検出されたか否かを確認する(S90927)。S90927で対応した所定の操作演出が検出されなかったときは、処理を終了する。一方、S90927で対応した所定の操作演出が検出されたときは、実行中の操作促進表示を終了させ(S90928)、S90911での設定情報に基づいて、第1演出の期間、第2演出の期間、および、第3演出の期間のような操作演出の期間の種類に応じた操作対応演出を開始させ(S90929)、処理を終了する。
前述のS90923で特定演出有設定の特定演出期間中ではないとき、および、S90924でいずれかの操作演出期間中ではないときのそれぞれでは、演出タイマの計時終了時(第1演出では25秒経過時、第2演出では40秒経過時、第3演出では60秒経過時)であるか否かを判定する(S90930)。S90930で演出タイマの計時終了時ではないときは、現在が操作促進演出中または操作対応演出中であるか否かを判定する(S90931)。S90931で操作促進演出中または操作対応演出中ではないときは、処理を終了する。一方、S90931で操作促進演出中または操作対応演出中であるときは、演出期間が終了したので、実行中の操作促進演出または操作対応演出理を終了し(S90932)、処理を終了する。
前述のS90930で演出タイマの計時終了時であるときは、タイマ表示の終了時であるともに、タイマ表示終了後の期待度示唆表示の実行開始時であるので、S90911で設定された期待度示唆表示の実行を開始する(S90933)。そして、実行中のタイマ表示を終了し(S90934)、処理を終了する。これにより、図43(K)に示すような期待度示唆表示が実行され、図43(K)に示すようなタイマ表示領域9094の消去と、操作演出表示領域9095の消去とが行なわれる。
〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕
次に、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(図42および図43の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例を説明する。
図45に示した演出パターンでは、操作演出について、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出は実行されない。しかし、操作演出については、たとえば、特別なリーチ演出(SP演出等)が複数種類あり、ノーマルリーチの演出状態から特別なリーチ演出に演出が発展するときに、演出の発展先を示唆する演出をする等、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出が実行されるようにしてもよい。そのような操作演出を実行するときには、当該操作演出と、図46および図47の期待度%を表示する操作演出のような大当りとなる期待度を示唆する操作演出との少なくとも一方の演出を実行する演出制御をしてしてもよい。このようにすれば、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
次に、他の実施の形態で実行される領域演出としての第1領域演出および第2領域演出、並びに、第1領域演出において実行される特殊演出およびタイマ演出について説明する。
[タイマ演出の第2例]
〔1領域演出〕
第1領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、演出表示装置909の左下に位置する第1領域9091(図48参照)で実行されるすべての演出である。第1領域演出の実行中は、後述する特殊演出を実行した後にタイマを表示してタイマ演出を実行する演出、または、特殊演出を実行した後に何も表示ない所謂ガセ演出(「ガセ」は「偽」という意味を含む)を実行する演出が実行される。なお、第1領域演出は、第1領域9091に限らず、演出表示装置909のいずれの表示領域で実行されてもよい。
〔特殊演出〕
特殊演出は、第1領域9091にタイマ演出の実行を示唆するタイマ枠9097を表示させたり、表示させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」を実行することにより、特殊演出の実行後にタイマ演出が実行されることを示唆する示唆表示をする演出である。特殊演出を所定時間実行した後、特殊演出からタイマ演出またはタイマ演出を実行しないガセ演出を実行する。なお、特殊演出とは、前述の演出に限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよく、たとえば、半透明のタイマ枠が実体化するか否かを煽る演出であってもよい。
〔タイマ演出〕
タイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特殊演出実行後に特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って第1領域91に表示される。
〔第2領域演出〕
第2領域演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、後述する特定演出を実行した後に当該変動表示の表示結果や変動中に実行される演出を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する演出が実行される。なお、第2領域演出は、第2領域9092に限らず、演出表示装置909のいずれの表示領域で実行されてもよい。
特定演出とは、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出である。特定演出を所定時間実行した後、たとえば、「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示のうち一の所定表示を表示する。特定演出としては、たとえば、すべての所定表示を付した仮想的な回転リールを、いずれの所定表示が表示されているかを視認することができない程度の速度で所定時間回転させた後、徐々に回転速度を落として所定表示を視認可能にした後、一の所定表示が視認できる位置で停止させる演出が実行される。なお、特定演出は、前述の演出に限らず、複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。また、所定表示は、タイマ演出を示唆するタイマ演出示唆表示と、タイマ演出示唆表示以外の複数種類の特定表示とを含む。特定表示については後述する(図46参照)。
図48は、第1領域演出および第2領域演出を含む領域演出を説明するための図である。図48(a)は、領域演出が実行されていない場合における変動開始時の演出表示装置909の表示例を示す図である。図48(b)〜(d)は、第1領域演出中の演出表示装置909の表示例を示す図である。図48(e)、(f)は第2領域演出実行中の演出表示装置909の表示例を示す図である。図48においては、左,中,右の演出図柄が変動表示中である状態が、3つの下向き矢印で示されている。
図48(a)に示すように、演出表示装置909の表示領域において、左下側に第1領域演出を実行可能な第1領域9091の表示領域が設けられ、右下側に第2領域演出を実行可能な第2領域9092の表示領域が設けられる。第1領域9091は、基本的に当該領域に関する画像が表示されておらず、必要に応じて当該領域に関する画像が表示される。図48(a)においては、第2領域9092では、当該領域に関する画像が常時表示される。
図48(a)では、特別図柄に対応する演出図柄の変動開始時において、第1領域演出および第2領域演出のいずれの領域演出も実行されていない状態が示されている。具体的に、図中に破線で示される第1領域9091には何も表示されていない。第2領域9092には、第2領域9092であることを特定可能な枠部が表示されている。また、枠部の内側の領域は、たとえばシャッターを示すような表示態様で表示され(図示省略)、通常はシャッター部分が閉じている。そして、第2領域演出が実行されるときに当該シャッター部分が開く。
第1領域9091で第1領域演出が実行されるときに表示されるタイマ演出の画像は、図48(d)のように、タイマ枠9097と、タイマ枠9097内でタイマ数値を表示するタイマ表示9094とにより構成される。タイマ枠9097およびタイマ数値のそれぞれの画像は、たとえば白色および赤色のような複数種類の表示色のうちいずれかで表示される。
第1領域演出が実行されるときは、図48(b)に示すように、第1領域9091において、複数の表示色から選択された色のタイマ枠9097を図柄中の矢印の方向に往復動作させる画像を表示することにより、演出表示装置909の表示領域に表示させたり、させなかったりを繰り返す「見え隠れ表示」をする特殊演出が実行される。
特殊演出の実行後は、図48(c)に示すようなガセ演出、または、図48(d)に示すようなタイマ演出が実行される。図48(c)に示すように、ガセ演出は、タイマ演出の実行がされない演出であり、見え隠れ表示されていたタイマ枠9097が消去されることにより、第1領域9091に何も表示されていない状態となる。一方、図48(d)に示すように、タイマ演出が実行される場合は、見え隠れ表示されていたタイマ枠9097が、第1領域9091において複数種類の表示色のうちいずれかの色で表示される。そして、タイマ枠9097内において、複数種類の表示色のうちいずれかの色でタイマ表示9094が出現表示され、たとえば、10秒を示す「10:00」というような計時期間がタイマ数値として示される。タイマ演出においては、このような計時期間がタイマ表示9094において示された後、タイマ表示9094でのカウントダウン計時が開始される。
タイマ演出において、タイマ表示9094のカウントダウンが進行し、タイマ表示9094のタイマ数値が0秒を示す「00:00」となると、変動開始時に変動パターンコマンドにより指定されたスーパーリーチ演出を開始する演出制御が実行される。
このように、第1領域演出が実行されるときには、第1領域9091でタイマ表示9094が表示されてタイマ演出が実行された後に、スーパーリーチ演出のような所定演出が実行され得る。これにより、第1領域演出においてタイマ枠9097の見え隠れ表示がされる特殊演出が実行されたときに、タイマ演出が実行されるか否に遊技者を注目させることができる。
また、図48(b)の特殊演出が実行された後に、図48(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図48(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
また、図48(b)に示すように、第1領域9091において、タイマ枠9097を見え隠れ表示することによりタイマ表示9094が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
第2領域9092で第2領域演出が実行されるときには、図48(d)のように、特定演出において、第2領域9092の枠部内で、前述のように「?」、「NEXT」、および、「READY GO」等の演出状態または遊技状態を示唆する複数種類の所定表示が、図中矢印で示すように順次表示される。そして特定演出の開始時から特定期間経過後に、図48(f)のように、複数種類の所定表示のうちのいずれかが停止表示される。図中では「激熱」という所定表示が停止表示された例が示されている。
第2領域演出において、第2領域9092でいずれかの種類の所定表示が停止表示されると、その停止表示された所定表示に対応する演出がその後、実行される。たとえば、「READY GO」という所定表示が指定表示されたときには、所定のタイマ演出が実行される。また、「NEXT」という所定表示が指定表示されたときには、前述の擬似連の演出が実行される。
このように、第2領域演出が実行された後には、第2領域9092で停止表示された所定表示に対応する各種の演出が実行され得る。これにより、第2特定演出が実行されるときに、第2領域9092の表示に遊技者の注意を引付けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、他の第1実施形態においては、特殊演出は「見え隠れ表示」を実行する演出であるとしたが、これに限らず、タイマ演出の実行を示唆する演出であればよい。たとえば、半透明のタイマ枠を表示させる演出や複数種類のタイマ数値を付した仮想的な回転リールを表示し、回転リールを回転させる演出であってもよい。また、特定演出は仮想的な回転リールを回転させる演出としたが、これに限らず複数種類の所定表示のうち一の所定表示が表示されることを示唆する演出であればよい。たとえば、第2領域9092に仮想的なシャッターを表示し、このシャッターを開閉する演出や、第2領域9092に所定表示を半透明に表示する演出であってもよい。
以上に説明したタイマ演出の第2例に関する演出制御は、演出制御用マイクロコンピュータ90100により実行される。
[他の第2実施形態]
他の第2実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第2実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091で実行される演出を代表例として示すが、他の第2実施形態によるタイマ演出は、第2領域92でも同様に実行可能である。
他の第2実施形態で実行されるタイマ演出は、保留記憶情報に基づく変動表示が実行されるときに、特定の演出を実行するまでの待ち時間等の演出期間をタイマ表示形式で示す期間表示を更新することによってタイマ表示が所定態様となったときに、複数種類の演出のうちのいずれかの演出を実行する演出である。タイマ表示は、所定タイミングで設定された計時値の初期値から、カウントダウンされる計時値の更新が実行され、最終的には、タイマ表示の値が0(0秒を示す値)となる。このような、タイマ演出中に表示されるタイマ表示は、変動表示中の所定期間に亘って演出表示装置909に表示される。
また、タイマ演出の実行中には、タイマ表示による期間表示が開始されてから期間表示が所定態様である0となるまでの期間において、タイマ表示をカウントダウンさせた後に、停止態様としてタイマ表示を数秒間に亘り停止させ、その停止態様を経由した後にタイマ表示の値を0にする場合がある。このように、タイマ表示のカウントダウンを数秒間停止する演出のことを、以下ではフリーズ演出と称する。なお、フリーズ演出としては、タイマ表示のカウントダウンが数秒間に亘り完全に停止するものではなく、所定の期間以上にカウントダウンが進まないようなものでもよい。たとえば、カウントダウンの途中の「15:47」のタイマ表示でフリーズ演出が発生した場合には、「15:46」→「15:47」→「15:46」のように、所定の数字と特定の数字との間を行き来することで、タイマ表示が所定期間以上にカウントダウンを進めないような演出としてもよい。また、「15:47」→「15:46」→「15:45」とカウントダウンが進むが、そのカウントダウンを実際の時間の計時よりも極端に遅くすることで、ほとんど時間が進んでいないような演出としてもよい。
図49は、他の第2実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図49(a)〜(e)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行される場合の第1領域9091におけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。また、図49(f)〜(i)は、タイマ演出中にフリーズ演出が実行されない場合の第1領域9091におけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。ここで、タイマ演出では、複数種類の時間の中からいずれかの時間がタイマ演出の秒数として決定される。図49(a)〜(e)では、タイマ演出を実行する期間として30秒の時間が選択されている。また、図49(f)〜(i)では、タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択されている。なお、他の第2実施形態のタイマ演出は、第2領域9092で実行されるようにしてもよく、演出表示装置909内のどの領域で実行されるようにしてもよい。
図49(a)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示9094として20秒を示す「20:00」という計時期間が第1領域9091に表示される。タイマ表示9094に表示される期間は、秒以下2桁(百分の一の位)まで表示され、時間の経過とともにその値がカウントダウンされる。図49(b)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示9094を示す図である。図49(b)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示されたときに、タイマ表示9094の上側にLOCK表示9095が表示される。LOCK表示9095は、表示画像がタイマ表示9094に対して作用する作用演出であり、LOCKの文字で示す表示画像が、タイマ表示9094に付加される。LOCK表示9095がタイマ表示9094に付加されることにより、フリーズ演出が実行される。このように、LOCK表示9095がタイマ表示9094に付加されることにより、フリーズ演出の実行中であることを遊技者に容易に認識させることができる。
図49(c)は、図49(b)の状態から10秒間が経過したときの、タイマ表示9094の表示態様を示す図である。図49(b),(c)に示すように、フリーズ演出が実行される場合は、「10:00」の表示のままで10秒間に亘りタイマ表示9094の表示が停止されるとともに、LOCK表示9095が付加される。10秒間のフリーズ期間経過後には、図49(d)に示すように、再度タイマ表示9094がカウントダウンされる。その後、図49(e)に示すように、タイマ表示9094は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。
ここで、タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出について、一例を示す。タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出には、たとえば、擬似連の仮停止図柄が仮停止する演出(たとえば、「NEXT」と記載された図柄が仮停止する)、リーチ図柄が停止しリーチになったことを示す演出(たとえば、リーチ図柄停止のタイミングで役物が動作する)、リーチ演出中において当該変動の大当り期待度を示す演出(たとえば、リーチ中に大当り期待度の高い背景に変化する)等である。なお、タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出は、ここに示した演出に限らず、どのような演出であってもよい。
次に、フリーズ演出が実行されない場合を図49(f)〜(i)により説明する。タイマ演出を実行する期間として20秒の時間が選択された場合、図49(f)に示すように、タイマ演出が開始される場合、たとえば、タイマ表示9094として20秒を示す「20:00」という計時時間が第1領域91に表示される。図49(g)は、20秒からカウントダウンされて10秒経過した際に表示されるタイマ表示9094を示す図である。図49(g)に示すように、10秒経過毎には、10秒を示す「10:00」が表示される。フリーズ演出が実行されないので、LOCK表示9095は表示されない。
次いで、図49(h)に示すように、図49(g)から1秒経過したときには、図49(h)に示すように、タイマ表示が9秒を示す「09:00」で表示される。その後、図49(i)に示すように、タイマ表示9094は、カウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」で表示される。そして、タイマ表示が0秒となったことに基づいて、複数種類の演出のうちからいずれかの演出が実行される。ここで、図49(a)〜(i)では、秒以下2桁のタイマ表示9094については、実際はカウントダウンしているが、図面上では詳細に開示していない。また、秒以下2桁を表示せず、「10」、「9」・・・「0」と秒数のみをカウントダウンしていくようにしてもよい。
このように、タイマ演出において表示されるタイマ表示9094は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示9094によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出において、フリーズ演出が実行されるパターンでは、図49(b)〜(d)に示すように、フリーズ演出を10秒間実行した後に、再度タイマ表示9094の更新が実行される。このようにすれば、タイマ表示9094が0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
また、タイマ演出の実行される秒数であるタイマ秒数(タイマ表示の開始から0秒となるまでの時間)を決定するためのタイマ選択時間は異なるが、図49に示すように、フリーズ演出を実行しない場合とフリーズ演出を実行する場合とで、タイマ表示9094の開始時の表示態様が同一(いずれも「20:00」で同じ)の場合がある。このようにすれば、タイマ表示9094の開始時にフリーズ演出を経由するか否かがばれることがなく、意外性のある演出を実行することができる。
[他の第3実施形態]
他の第3実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第3実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091で実行される演出を代表例として示すが、他の第3実施形態によるタイマ演出は、第2領域9092でも同様に実行可能である。
他の第3実施形態で実行されるタイマ演出では、通常パターンのタイマ演出の他に特別パターンのタイマ演出が設定されている。通常パターンのタイマ演出とは、タイマ表示が開始されてからタイマ表示が0秒となるまでの期間において、タイマ表示の表示値が時間経過とともにカウントダウンされるのみのパターンである。それに対し、特別パターンのタイマ演出では、タイマ表示9094がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ90122のような操作手段を用いる演出が実行される。スティックコントローラ90122での遊技者の操作は、傾倒方向センサユニット90123により検出される。具体的には、タイマ表示9094がカウントダウンされ0秒となったときに、スティックコントローラ90122を遊技者が引く操作を実行すると、0秒となっていたタイマ表示9094の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。このような、特別パターンは複数回実行されることがあり、最終的に0秒となったときに、所定の演出が実行される。
図50は、他の第3実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。図50のうち図50(a)は、タイマ演出の特別パターンとして、タイマ選択時間20秒の2回パターンの場合のタイミングチャートを示す図である。2回パターンとは、タイマ演出の実行中に操作手段を用いた演出が2回実行される演出パターンを示している。また、図50(b)〜(i)は、図50(a)のパターンにおけるタイマ表示9094の表示例を示す図である。まず、図50(a)〜(i)により特別パターンのタイマ演出について説明する。なお、特別パターンは2回パターンだけではなく、1回パターンや3回以上のパターンが設けられていてもよい。
図50(a)に示すように、タイマ演出として実行されるタイマ選択時間20秒の2回パターンでは、最初にタイマ表示9094に「04:00」が表示される(図50(b))。この状態からタイマ表示9094のカウントダウンが4秒間実行される。そして、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図50(c))、スティックコントローラ90122等の操作手段を操作する操作演出が実行される。スティックコントローラ90122は、操作が有効な期間(以下、操作有効期間とも称する)が2秒間に設定されている。この操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+04:00」が演出表示装置909の画面上に表示される(図50(d))。「+04:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒(タイマ表示の最少期間)加算した期間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図50(e))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+04:00」の表示が自動的に演出表示装置909の画面上に表示される(図50(d))。「+04:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図50(e))。
ここで、スティックコントローラ90122が操作された場合も操作されなかった場合も、少なくとも1秒の間は、「+04:00」の表示が演出表示装置909の画面上に表示される(図50(d))。また、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「04:00」の値が第1領域9091に表示される(図50(e))。この時間に遊技者は、タイマ表示9094の秒数が増加したことを認識することができる。操作有効期間(図50(a)の操作2秒)とタイマ表示9094の増加秒数を示す演出表示装置909のタイマ表示期間(図50(a)のタイマ表示1秒)との合計期間は3秒間に設定されている。
その後、タイマ表示9094は、「04:00」で示される4秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図50(f))に、再度、操作有効期間中にスティックコントローラ90122を引く演出が実行される。2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が遊技者により実行された場合には、「+06:00」が演出表示装置909の画面上に表示される(図50(g))。「+06:00」の表示は、残りの操作有効期間とその時間に1秒加算した期間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域9091に表示される(図50(h))。
操作有効期間である2秒の間にスティックコントローラ90122を引く操作が実行されなかった場合には、操作有効期間の終了時に「+06:00」の表示が自動的に演出表示装置909の画面上に表示される(図50(g))。「+06:00」の表示は、操作有効期間の終了後、1秒の間、演出表示装置909の画面上に表示されるとともに、タイマ表示9094として「00:00」から秒数が増加し、「06:00」の値が第1領域9091に表示される(図50(h))。
タイマ表示9094が、6秒からカウントダウンを開始し、タイマ表示9094が「00:00」で示す値となったとき(図50(i))に、所定の演出が実行される。タイマ表示9094が0秒となったときに実行される演出には、どのような演出であってもよい。
このように、特別パターンでは、タイマ演出が開始されタイマ表示9094が0秒で示す値となったときに、タイマ表示9094の秒数が増加し、再度カウントダウンが実行される演出が行なわれる。これにより、タイマ表示9094の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。また、このような特別パターンのタイマ演出により、タイマ表示9094のカウントダウンが開始されてから、タイマ表示9094の値が最終的に0秒となるまでの期間における表示態様に遊技者を注目させることができる。
[他の第4実施形態]
他の第4実施形態では、他の第1実施形態に示したタイマ演出の第2例について、第1領域9091および第2領域9092のそれぞれにおいて実行されるタイマ演出の変形例を説明する。ここでは、他の第4実施形態によるタイマ演出として、第1領域9091と第2領域9092とのそれぞれのタイマ演出に適用する場合の例を、図51に示す第3領域9096という1つの領域を代表例として用いて説明する。
他の第4実施形態におけるタイマ演出は、リーチ中に実行される。ここで、図32に示すように、リーチとなる変動パターンには、ノーマルリーチの変動パターンとスーパーリーチの変動パターンとが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560からスーパーリーチを指定する変動パターンコマンドが送信されると、演出制御用CPU90101は、送信されたコマンドに基づいて指定されたスーパーリーチの演出を実行する。図32の第1〜第4スーパーリーチでは、各変動パターンについて、複数種類のスペシャルリーチ(以下、単にSPリーチとも称する)の中からいずれかのSPリーチが実行される。
SPリーチでは、変動表示中の演出図柄のうちいずれかの図柄でリーチとなる。その後、リーチ状態となってから所定時間経過後(ノーマルリーチ後やノーマルリーチと異なるリーチ演出後)にSPリーチへと発展する。スーパーリーチにおいて実行されるSPリーチは、SPリーチまで発展せずリーチ後に派手な演出をしないノーマルリーチに比べ、大当り表示結果となる期待度の高いリーチである。SPリーチ中は、たとえば、液晶画面上でバトル演出等の演出が実行される。バトル演出とは、味方のキャラクタと敵のキャラクタとが戦い、味方のキャラクタが勝利すると大当り表示結果が表示され、味方のキャラクタが敗北するとはずれ表示結果が表示されるような演出である。
また、他の第4実施形態では、演出表示装置909の表示画面の中央下部領域である第3領域9096においてタイマ演出が開始される場合について説明する。たとえば、SPリーチ中は、画面全体を用いた派手な演出が実行される。このような場合、第3領域9096に表示されるタイマ表示9094がそのような演出を阻害しないように演出表示装置909の表示画面と重ならない位置(たとえば、演出表示装置909の左下位置)にタイマ表示9094を移動させる。他の第4実施形態では、タイマ演出とSPリーチとが同時に実行される。タイマ演出とSPリーチとが実行される場合の演出について図51により説明する。
図51は、他の第4実施形態におけるタイマ演出を説明するための図である。タイマ演出が実行される場合には、図51(a),(b)に示すようなパターンや図51(a),(c)に示すパターンが実行される。図51(a)に示すように、演出表示装置9において「4」を示す図柄でリーチがかかっている場合に、画面の中央下部の第3領域9096にタイマ画像が表示される。タイマ画像には、「20:00」と表示されたタイマ表示9094が表示される。タイマ表示9094は、時間の経過とともにカウントダウンされる。
図51(a)から図51(b)となるパターンは、通常のリーチから弱SPリーチへと発展する場合を示している。弱SPリーチは、後述する強SPリーチと比較して大当り表示結果となる期待度が低いSPリーチである。大当り表示結果となる期待度は、図51(b)中に示す、黒色の星の数で示される。今回実行される弱SPリーチは、期待度が5段階中の2なのであまり期待度が高くないということになる。弱SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置909の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、弱SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の位置から左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)へと移動する。
SPリーチが実行される際には、タイマ画像の枠部9096aが変化する場合がある。しかし、図51(b)に示すように、弱SPリーチにおいては、枠部9096aがSPリーチへの発展前の図51(a)と同様の態様で表示される。また、タイマ表示9094は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。SPリーチ中は、SPリーチ発展前の図51(a)のような場合に比べ、表示画面の全体を用いた派手な演出が実行される。SPリーチ演出のような派手な演出が実行される場合には、画面の中央下部の第3領域9096においてタイマ画像が表示されていると演出の妨げになってしまう。そこで、タイマ表示9094が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示9094が画面の左端の位置(第1領域9091に対応する位置)へ移動される。また、SPリーチが実行されない場合には、タイマ画像は画面の中央下部の位置で変化せずタイマ表示9094のカウントダウンが実行される。
このように、タイマ表示9094の表示が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示9094の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、図51(c)は、図51(a)のリーチ状態から強SPリーチへ発展した場合を示している。強SPリーチは、弱SPリーチと比べ大当り表示結果となる期待度が高い。図51(c)に示すように、今回実行される強SPリーチは、期待度が5段階中の4なので、大当り期待度が高い演出であることが示される。強SPリーチ中は、演出図柄が演出表示装置909の右上の領域において、小型化(縮小)した態様のコマンド図柄で表示される。またタイマ画像は、強SPリーチが開始されるときに画面上の中央下部の第3領域9096から左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)へと移動する。
また、強SPリーチが実行されるときには、タイマ画像の枠部9096bの態様が変化する。たとえば、図51(c)に示すように、枠部9096bの色が白から赤(図51(c)の斜線部分)に変化する。また、タイマ表示9094は、カウントダウンされ「15:00」で示されている。強SPリーチでも弱SPリーチと同様にタイマ表示9094が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間において、SPリーチが実行されている場合には、タイマ表示9094が画面の左端の位置(第1領域9091に対応する位置)へ移動される。
このように、タイマ表示9094の表示が開始されてからタイマ表示9094が0秒となるまでの期間にSPリーチが実行されているか否かにより、タイマ表示9094の位置が変更される。よって、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
また、SPリーチは、SPリーチまで発展せずに終了するノーマルリーチと比べ大当り期待度の高いリーチである。よって、このような大当りとなる期待度の高いリーチが実行されることを考慮することにより、遊技の興趣を向上させることができる。また、図51に示すように、SPリーチに発展する前の通常状態(リーチがかかっているのみの状態)においては演出表示装置909の中央下部の第3領域9096でタイマ表示9094を表示し、SPリーチの実行中においては演出表示装置909の左端下部の位置(第1領域9091に対応する位置)でタイマ表示9094を表示する。よって、SPリーチ中の演出をタイマ表示9094が阻害しないようにすることにより、遊技の興趣の低下を防止することができる。
また、図51に示すように、弱SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部9096aを白色のまま変化させず、強SPリーチが実行されているときにはタイマ画像の枠部9096bを赤色に変化させて表示する。このようにすれば、実行されるSPリーチに応じたタイマ表示9094の枠の表示態様とすることにより、大当りに対する期待度が示され、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、他の第4実施形態のタイマ演出が実行されているときに、第2領域9092に対応する位置においては、第1実施形態で示したような第2領域演出が実行されるようにしてもよい。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 図44(C)〜(E)に示すように、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出であっても、演出期間が長い方が演出期間が短い方よりも、操作演出を実行する割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、同じ変動表示中に実行されるタイマ演出のうち、演出期間が長いタイマ表示が実行される演出であっても、操作演出の実行割合が高く設定されていることにより、遊技者が演出に介入する割合が高くなり、遊技者が演出に退屈することを低減することができる。
(2) 図42(C1)に示すように、第3演出では、タイマ有演出の進行に応じて、遊技者が操作により介入可能な複数回の操作演出が実行されるので、遊技者の遊技への参加意欲を高めることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
(3) 図42(C1)に示すように、第3演出では、タイマ有演出において、第3演出の開始時から60秒間の経過時までの間の期間において、一定期間T(10秒間)間隔で第1操作演出〜第5操作演出という複数回の操作演出が実行される場合があるので、タイマ表示において比較的長い時間が表示された場合の遊技者の退屈を低減することができる。
(4) 〔複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する操作演出例〕で説明したように、動作対応演出である操作演出として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)となる期待度を示唆する演出(図42および図43の期待度%等)と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例では、操作演出のバリエーションが豊富化し、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
(5) 図42(C1)に示すように、第3演出では、タイマ計時期間に応じて、ボタン操作に応じた操作演出と、スティック操作に応じた操作演出とのように、異なる操作手段の操作に応じた操作対応演出が実行可能であるので、遊技者の退屈をより一層低減することができる。
(6) 図44(C)〜(E)のように、タイマ表示有演出時にのみ操作演出を実行する選択が可能であり、タイマ表示有演出実行時の方が、タイマ表示無演出実行時よりも操作演出が実行される割合が高いので、遊技者が介入可能な演出の実行割合が高くなることにより、長期間のタイマ表示において遊技者が演出に退屈することをより一層軽減することができる。
(7) 図48に示されるように、図48(b)の特殊演出が実行された後に、図48(d)のようにタイマ演出が実行される場合と、図48(c)のように実行されない場合とがあることにより、遊技者に、タイマ演出を実行する前において、タイマ演出が実行されることに対する期待感を持たせることが可能となり、タイマ演出を実行する前の過程について遊技の興趣を向上させることができる。
(8) 図48(b)に示すように、第1領域9091において、タイマ枠9097を見え隠れ表示することによりタイマ表示9094が実行されることを示唆する特殊演出が実行されることにより、タイマ演出が実行されるか否かに注目させることができ、タイマ演出を実行する前の過程についてより一層遊技の興趣を向上させることができる。
(9) 図51に示すように、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能等により、変動開始時またはリーチ開始前時のような複数のタイミングで特殊演出を実行可能であることにより、いずれのタイミングで領域演出が実行されるかに遊技者を注目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
(10) 図50,図51に示すように、はずれ時と大当り時とで第1領域演出の実行タイミングの選択割合が異なり、はずれ時と大当り時とで第1領域演出でのタイマ演出の選択割合が異なる等により、いずれのタイミングで特殊演出が実行されるかに、より一層注目させることができる。
(11) 図51に示すように、特殊演出時に見え隠れ表示させるタイマ枠9097として、白色のタイマ枠9097を表示する特殊演出と、赤色のタイマ枠9097を表示する特殊演出との複数種類の特殊演出のうちのいずれかを実行可能である等により、いずれの種類の特殊演出が実行されるかに注目させることができる。
(12) 図51に示すように、赤色のタイマ数値表示の実行前にも、白色のタイマ枠見せ隠れ表示を実行可能である等により、白色のタイマ枠の見せ隠れ表示をする特殊演出が実行されたとしても、遊技者の大当り遊技状態への期待感が下がらないようにすることができる。
(13) 図49に示すように、タイマ演出において表示されるタイマ表示9094は、表示が開始されてからカウントダウンされ、所定態様である0秒を示す「00:00」となるまでの期間において、フリーズ演出を経由するパターンとフリーズ演出を経由しないパターンとが設けられている。よって、タイマ表示9094によるカウントダウンが開始されてから0秒となるまでの期間におけるタイマ表示9094の表示態様に遊技者を注目させることができる。
(14) 図50に示すように、タイマ表示9094が0秒となったときにタイマ表示9094の計時数値が増加する特別パターンが実行可能であることにより、タイマ表示9094の値が0秒となったときの演出に遊技者を注目させることができる。
(15) 図51に示すように、SPリーチを実行しているか否かにより、第3領域9096の位置を変更可能であることにより、SPリーチのような演出が実行されているか否かという演出の状況を考慮することができ、遊技の興趣が向上する。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) タイマ演出の第1例では、所定表示が所定動作を行ない特定態様となる表示をし、当該所定表示が特定態様となったときに、複数種類の特定演出のうち、いずれかの特定演出を実行する演出制御例を説明した。「所定表示」とは、図43のような時間経過に応じて数値が変化する表示に限らず、砂時計のように、時間経過を直接的に数値で示すものではなく、砂の流れ等により時間経過を間接的に示すようなものであってもよい。時間経過を間接的に示すその他の例としては、たとえば、時間経過に応じて爆弾を示す画像が爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているような同じ動作を繰返す表示であってもよい。また、「所定表示」は、時間経過に応じて、所定タイミングまで爆弾が同じ大きさで爆発しそうな態様で拡縮を繰返しているが、所定タイミング経過後に、爆弾が徐々に拡大表示されていくような異なる動作を実行するようなものであってもよい。
(2) タイマ演出の第1例で説明した「所定表示」は、時間経過を示さないが、所定時間が経過すると、特定態様となるようなものであってもよい。たとえば、所定動作として、虫が幼虫からさなぎとなり成虫(特定態様)となる動作過程を時間経過の経過に対応して実行するようなものであってもよい。
(3) タイマ演出の第1例で説明した「動作対応演出(操作演出)」は、遊技者が動作したときに応じて実行する演出であり、図44(C)〜(E)のように、たとえば、タイマ期間が長い第3演出の方がタイマ期間が短い第1演出と比べて、操作演出を実行する割合(頻度)が高くなるように演出が制御される。動作対応演出が実行される割合(頻度)を高くすることは、図43等に示した操作促進表示を実行する頻度を高く設定することより実現してもよい。また、割合(頻度)を高くする動作対応演出は、操作促進表示を実行した後遊技者の実際の動作が検出されなくても、動作の検出有効期間の経過時において、自動的に動作対応演出が実行されるものが含まれてもよい。
(4) 図43に示す操作演出表示領域9095においては、操作演出が実行されるときの操作有効期間を特定画像な画像を表示してもよい。その場合には、操作有効期間の表示がタイマ表示と見間違えられないようにするのが好ましい。たとえば、操作有効期間の表示は、数値ではなく、メーター表示のゲージの増減により操作有効期間を示してもよく、ボタン画像またはスティック画像を操作有効期間中に明滅表示させる等により操作有効期間を示してもよい。
(5) 図45に示すように、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、1種類に固定されたように表示されるものと、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとが混在している例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出において操作検出に応じて表示される画像は、すべての操作演出について、複数種類のうちから選択されるように表示されるものとしてもよく、すべての操作演出について、1種類に固定されたように表示されるものとしてもよい。
(6) 図45に示すように、複数の操作演出については、大当りの期待度が異なっても、同じ種類の演出が予め定められた順番で実行される例を示した。しかし、これに限らず、複数の操作演出については、大当りの期待度に応じて、実行される演出の種類が異なるようにしてもよい。たとえば、大当りの期待度が高い程、希少な演出(プレミア演出)が実行可能となるようにしてもよい。
(7) 図45に示すように、複数の操作演出については、異なる種類の演出が実行される例を示した。しかしこれに限らず、所定のストーリー(物語)に従った1種類の演出を複数回に分けて実行し、操作演出ごとにストーリが進んでいくような演出を実行してもよい。
(8) 図42に示すように、複数の操作演出については、一定間隔で実行される例を示した。しかし、これに限らず、不定間隔で実行されるようにしてもよい。また、複数の操作演出の実行間隔は、抽選によりランダムな実行間隔となるようにしてもよい。
(9) 前述した演出期間が最も短い第1演出については、複数回の操作演出を実行することを可能としてもよい。その場合においては、第1演出〜第3演出においては、演出期間の短い演出は、演出期間が長い演出よりも短い時間間隔で操作演出を実行するようにしてもよい(たとえば、第3演出の10秒間隔に対し、第1演出は3秒間隔等)。
(10) 図42(C)に一例を示したようにタイマ表示時における操作演出の実行間隔は、1種類(10秒)であるものを示したが、これに限らず、タイマ表示時における操作演出の実行間隔は、複数種類(たとえば、5秒、10秒、15秒)設けてもよく、複数種類のうちから抽選により選択した実行間隔で操作演出を実行してもよい。
(11) 動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出として、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出を示唆してもよく、タイマ表示が「0」になったときに実行される演出とは特に関係なく、実行されるスーパーリーチの種類等のその他の情報を示唆してもよい。
(12) 動作対応演出として、遊技者にとって有利な有利状態となる期待度を示唆する演出と、複数種類の所定演出のうちいずれが実行されるかを示唆する演出との少なくとも一方の演出を実行する例においては、操作手段の操作検出ごとに、いずれか一方の示唆をしてもよく、変動表示の開始時において、演出の進行に応じてどちらの示唆をするかを演出制御用マイクロコンピュータ90100が抽選により選択決定しておき、その選択決定に沿って示唆する演出を実行するようにしてもよい。
(13) 図45に示すように、複数回の操作演出の実行順番パターンとしては、予め固定的に定められたもの(複数種類の操作手段の順番が交互のように規則的に定められたものでもよく、複数種類の操作手段の順番が不規則に定められたものでもよい)を実行してもよく、変動表示開始時等に実行順番を抽選によりランダムに決定されたものを実行してもよい。
(14) 前述した操作演出では、遊技者の操作(動作)を検出可能な検出手段として、プッシュボタン90120およびスティックコントローラ90122のような遊技者により操作可能な操作手段の操作を検出可能なプッシュセンサ90124および傾倒方向センサユニット90123のような検出手段を一例として示した。しかし、これに限らず、遊技者の動作を検出可能な検出手段としては、操作手段の操作を検出する手段ではなく、赤外線センサ、および、モーションセンサ等のような遊技者の動作を直接的に検出可能な検出手段を用いてもよい。
(15) 前述した操作演出については、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出において、操作演出が実行可能である例を示した。しかし、これに限らず、たとえば、第1演出のような演出期間が短い演出においては、操作演出が1回も実行されないようにしてもよい。そのような制御例も、第3演出のような演出期間が長い演出において、第1演出のような演出期間が短い演出と比べて、高い割合(頻度)で操作演出を実行可能な一制御例として含まれる。
(16) 領域演出は第1領域9091および第2領域9092のいずれか一方の領域でのみしか実行されないようにしてもよい。なお、このような場合には、いずれか一方の領域で領域演出を実行すると決定した場合には、他方の領域で領域演出を実行しないように制限するようにしてもよい。
(17) 前述した実施の形態では、第1領域9091においてタイマ演出(ガセ演出)が実行される場合には、第2領域9092ではタイマ演出の実行が制限される場合について説明した。しかし、第1領域9091と第2領域9092との両方の領域において、同時にタイマ演出が実行されるようにしてもよい。このような場合には、第1領域9091に表示されるタイマ表示9094の数値と第2領域9092に表示されるタイマ表示9094の数値とが同時に更新されるようにしてもよい。また、そのときの数値は一方の領域と他方の領域とで同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、一方の領域での数値のカウントダウンが終了した後に他方の領域での数値のカウントダウンが開始されるようにしてもよい。
(18) 前述した実施の形態では、第1領域9091および第2領域9092においてタイマ演出が実行されるようにしてもよい。そして、第1領域9091と第2領域9092とにおいたタイマ表示9094の数値が同時に0秒を示す値となったときに、所定の演出が実行がされるようにしてもよい。このような場合には、一方の領域のみにおいてタイマ演出が実行されるよりも両方の領域においてタイマ演出が実行される場合の方が大当り値期待が高くなるように設定してもよい。
(19) 領域演出が実行されるタイミングは、変動開始時またはリーチ開始前時以外のタイミングであってもよい。たとえば、リーチ成立時やリーチ中の所定のタイミング、擬似連の最変動表示の開始時のタイミング、SPリーチの開始タイミング、先読み演出を実行するときのタイミング等のタイミング実行されるようにしてもよい。また、実行されるタイミングにより大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、複数のタイミングのうち2つ以上のタイミングで実行されるようにしてもよい。
(20) 前述した実施の形態では、大当り遊技中の保留連予告としてタイマ表示を行なってもよい。保留連予告とは、大当り表示結果となった時点の保留記憶および大当り遊技中の保留記憶を先読みし、当該保留記憶に新たな大当りを発生させるものが存在している、いわゆる、保留連チャン(大当り遊技状態が連続して発生すること)が生じていることを予告するものをいう。たとえば、このような保留記憶がある場合には、大当りの終了前の所定のタイミングでタイマ演出を開始し、タイマの数値が0となったタイミングで大当りとなる保留記憶の変動表示が開始されるようにすればよい。
(21) 前述した実施の形態では、大当りのラウンド中にタイマ演出を実行してもよい。このような場合には、たとえば、タイマの数値が0となったタイミングで保留連予告を実行してもよいし、確変状態であることを示す確変告知を実行してもよいし、ラウンドが継続するか否かを示すラウンド継続告知を実行してもよい。
(22) 特殊演出時とタイマ演出時とに実行される演出は、同時に決定されてもよく、特殊演出時とタイマ演出時とで実行される演出を別々に決定するようにしてもよい。また、特殊演出で実行される演出を決定するときは枠色を決定し、タイマ演出で実行される演出を決定するときはタイマの表示色を決定するようにしてもよい。
(23) 前述した実施の形態では、保留記憶データの内容を、当該保留記憶に応じて行なわれる変動表示が開始されるよりも前に判定(先読み)し、変動表示が開始されるよりも前に当該保留記憶データに関する報知を行なう先読み演出として領域演出を実行してもよい。このような場合には、領域演出が実行される領域に「準備中」等の表示をし、領域演出が実行されることを遊技者に示してもよい。
(24) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときにタイマ演出が複数回実行されるようにしてもよい。このような場合には、将来実行されるタイマ演出の実行回数を示すようにしてもよい。たとえば、「×2」と表示するときには、タイマ演出が2回実行されることを示すようにすればよい。また、タイマ演出の実行回数をタイマ画像を複数個表示することで示してもよい。
(25) 前述した実施の形態では、タイマ演出を実行するときに「準備中」の表示をし、「準備中」の表示期間を変化させることで、タイマの減算時間を1パターンとしてもよい。具体的には、変動表示中に「準備中」の表示をし、その後に表示されるタイマ表示はどのような変動パターンであっても5秒間がタイマ表示9094として表示されるようにしてもよい。このようにすれば、実際のタイマの減算時間を1パターンとすることができるので、演出の設計が容易となり、演出に用いるデータ量も軽減することができる。
(26) 前述した実施の形態では、第2領域9092において実行される演出について、期間表示が実行される場合と期間表示以外の特定表示が実行される場合とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。たとえば、期間表示が実行される場合には、特定表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよいし、特定表示が実行される場合には、期間表示が実行される場合よりも大当り期待度が高くなるようにしてもよい。
(27) 前述した実施の形態では、第2領域9092の枠が演出表示装置9の画面上で常に表示されている場合を示した。しかし、第2領域9092の枠は、領域演出が実行されるタイミングでのみ表示されるようにしてもよい。また、第2領域9092についても特殊演出が実行されるようにしてもよい。
(28) 前述した実施の形態では、タイマ演出で表示される期間表示として、時間とともにデジタル表示がカウントダウンされるタイマ表示9094について説明した。しかし、タイマ表示9094は、時間とともに数字がカウントアップし、所定時間になった場合に演出が実行されるようにしてもよい。また、時間経過を示す期間表示として数字で表示するものではなく、時間経過を示す砂時計画像を表示するもの(砂時計の砂の残り具合で時間を示すもの)、または、時間経過を示すゲージ画像を用いて表示するもの(ゲージの増加または減少により時間を示すもの)等、所定期間の終了タイミングを示唆可能な情報を時間の経過とともに変化させる演出であればどのような演出が用いられてもよい。
(29) 前述した実施の形態では、期間表示を更新することによって期間の経過情報を示す期間表示手段の構成が設けられていた。また、期間表示手段により更新された前記期間表示が所定態様となったときに所定演出を実行可能な所定演出実行手段の構成が設けられていた。しかし、期間表示手段の構成では、期間表示を更新せずに単に表示するのみのものでもよい。具体的には、期間表示を示す表示態様として爆弾の導火線に火が付いている画像を表示してもよい。このような画像は、爆弾の導火線に火が付いていることにより、期間表示がされていることが分かるものの、導火線自体は短くならないようなものであればよい。そして、期間表示としての爆弾の導火線に火が付いている画像が所定期間表示された後に爆発して、何らかの演出が実行されるようにしてもよい。
(30) 前述した実施の形態では、タイマ表示が0となったときに実行される所定演出は、どのような演出であってもよい。たとえば、所定演出としてリーチ図柄が停止するもの、擬似連演出を実行する際の擬似連図柄が停止するもの、大当り確定となる予告を実行するもの(大当り確定音やプレミアム予告等)、所定のスーパーリーチに発展するもの、役物が動作するものが実行されるようにしてもよい。このような場合には、タイマ表示が0となったタイミングにおいて、複数種類の演出の中から選択されるいずれかの演出が実行されるようにしてもよい。たとえば、擬似連図柄の停止するタイミングにおいて、一発告知(大当り確定予告)が実行されるようにすると、遊技者に意外性を与え、遊技の興趣を向上させることができる。
(31) 前述した実施の形態では、第1領域9091と第2領域9092との両方の領域において、領域演出を実行するときは、一方の領域でタイマ演出を実行し、その値が0となったときに、他方の領域でタイマ演出が開始されるようにしてもよい。
(32) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、領域演出が実行されるようにすればよい。
(33) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(34) 前述した実施の形態は、パチンコ遊技機901の動作をシミュレーションするゲーム機等の装置にも適用することができる。前述した実施の形態を実現するためのプログラム及びデータは、コンピュータ装置等に対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置等の有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。そして、ゲームの実施形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行なうことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
(35) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(36) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(37) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(38) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置7,9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(39)[課題を解決するための手段]で前述した(1)において、示唆演出の態様と第2表示が実行される割合を関連付けるようにしてもよい。例えば、示唆演出が実行された後のタイミングで動作対応演出が実行される場合には、第1示唆演出と第2示唆演出とが同一期間内に実行され、同一期間内に実行されていない場合とは異なる態様により第2示唆演出が実行されたときには、第1示唆演出と第2示唆演出とが同一期間内に実行されないときよりも高い割合で第2表示(すなわち、動作対応演出が実行されやすい第2期間)が実行されるようにしてもよい。そのようにすれば、第1示唆演出と第2示唆演出とが同一期間内に実行され、同一期間内に実行されていない場合とは異なる態様により第2示唆演出が実行されたときには、第2表示が実行されて動作対応演出が実行されることに対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技興趣が向上する。
また、動作対応演出が実行された後のタイミングで示唆演出が実行される場合には、第2表示が実行されたときには、第1表示が実行されたときよりも高い割合で動作対応演出が実行されるとともに、第1示唆演出と第2示唆演出とが同一期間内に実行されて同一期間内に実行されていない場合とは異なる態様により第2示唆演出が実行されるようにしてもよい。そのようにすれば、第2表示が実行されたときには、動作対応演出の実行、および第1示唆演出と第2示唆演出との同一期間内での実行、および同一期間内に実行されていない場合とは異なる態様での第2示唆演出の実行に対する遊技者の期待感を高めることができ、遊技興趣が向上する。
(40) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。