<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を遊技球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、遊技球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図8参照)やその球発射ユニット112aから発射された遊技球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、遊技球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された遊技球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて遊技球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に遊技球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった遊技球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、遊技球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には遊技球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで遊技球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ遊技球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された遊技球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から遊技球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された遊技球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車、およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、作動入賞口660、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、作動入賞口660、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、遊技球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された遊技球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図8参照)から発射された遊技球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。外レール62の先端部分(図2の左上部)には、遊技球が入球可能な作動入賞口660が設けられている。この作動入賞口660は、遊技球が入球した場合に遊技者にとって有利な状態である大当たり状態(特別遊技状態)へと移行する。詳述すると、特別図柄(第1図柄)の抽選で大当たりと判定された場合に、この作動入賞口660への入球が有効とされる状態(大当たり待機状態)に設定される。なお、通常時は作動入賞口660へと遊技球が入球したとしても、何ら遊技に影響を与えることは無い。大当たり待機状態において、遊技者が遊技球を作動入賞口660に向けて発射することにより、遊技球が作動入賞口へと入球(入賞)して大当たりが開始される。なお、図2に示した通り、作動入賞口660の正面視左方向には、一定の回転速度で回転動作する回動部材670aが配設されている。この回動部材670aは、その回転位置に応じて作動入賞口660に向けて発射された遊技球が作動入賞口660の方向へ向かうのを妨げる配置と、妨げない配置とを取り得るため、回動部材670aが遊技球を妨げない配置となるタイミングを狙って遊技球を打ち出さなければ作動入賞口660へと遊技球を入球させること(大当たりを開始させること)ができない。よって、特別図柄の抽選で大当たりと判定された場合に、回動部材670aの配置を加味して遊技球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、作動入賞口660は、図2に示した通り、遊技球1個分よりも広く、2個分よりも狭い幅の流路(作動入賞口用流路)の終端に設けられている。この作動入賞口用流路は、少なくとも最大の勢い(発射強度)を含む所定範囲の発射強度(例えば、発射強度が95%〜100%の範囲)で発射された遊技球が届く(流入する)ように構成されている。このため、特別図柄の抽選で大当たりと判定され、大当たり待機状態になった場合には、作動入賞口660を狙う際に、単にハンドル51を可動し得る最大の範囲まで回転操作するだけで容易に作動入賞口660へと遊技球を入球させることができる。
内レール61の先端部分には、返しゴム69が取り付けられている。所定の発射強度(例えば、発射強度が90%〜95%範囲)で発射された遊技球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、遊技球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、遊技球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が所定個数入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の遊技球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりF」の6種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA〜C」の3種類は、遊技球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりD〜F」の3種類は、遊技球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、遊技球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選のことを第1特別図柄の抽選と称し、遊技球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における遊技球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第2入球口640に付随する電動役物640aが開放位置に可変されることで第2入球口640が開放される。なお、通常時は、電動役物640aが閉鎖位置に配設されているため、第2入球口640が閉鎖されている。よって、正面視上方から第2入球口640に向かって流下してきた球は、電動役物640aに阻まれることにより第2入球口640へと入球することが不可能(困難)となる。一方、普通図柄の当たりとなった場合は、電動役物640aが開放されることにより、第2入球口640に向かって流下してきた球が第2入球口640へ入球し易くなり、その結果、第2特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に遊技球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりF」の6種類が設けられている。
「大当たりA」になると、ラウンド数が8ラウンドの特別遊技状態(8ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりB」、または「大当たりC」になると、ラウンド数が5ラウンドの特別遊技状態(5ラウンド大当たり)となり、「大当たりD」になると、ラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となり、「大当たりE」、「大当たりF」になると、ラウンド数が10ラウンドの特別遊技状態(10ラウンド大当たり)となる。更に、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」になった場合は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。また、特別図柄の高確率状態が付与された場合には、普通図柄の当たり確率もアップする(普通図柄の時短状態が付与される)。特別図柄の高確率状態、および普通図柄の時短状態は、大当たり終了後から次に大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりC」、または「大当たりF」になると、大当たり終了後に普通図柄の時短状態が付与されるものの、特別図柄の高確率状態は付与されない。この「大当たりC」、または「大当たりF」の終了後に付与される普通図柄の時短状態は、特別図柄の抽選が100回実行されることにより終了する。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の低確率状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ遊技球が入球し易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て5ラウンド)としても良い。また、本実施形態では、大当たり後に付与された「特別図柄の確変状態」が、次に大当たりとなるまで継続する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、「特別図柄の確変状態」が継続する期間を、特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、100回)実行されるまでの間に限定する構成としてもよい。この場合において、「特別図柄の確変状態」となる抽選回数と、「普通図柄の時短状態」となる抽選回数とを異ならせてもよい。また、大当たりの種別に応じて、抽選回数を可変させる構成としてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」、および「普通図柄の通常状態」に設定される。そして、「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」の何れかになった場合は、「特別図柄の低確率状態」から「特別図柄の確変状態」へ移行すると共に、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「特別図柄の確変状態」と、「普通図柄の時短状態」とは、次に大当たりとなるまで継続する。一方、「大当たりC」、または「大当たりF」になると、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の時短状態」に移行する。以降、説明の簡略化のため、大当たりの終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり(「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」)のことを、「確変大当たり」と称する。一方、大当たりの終了後に100回の「普通図柄の時短状態」のみが付与される大当たり(「大当たりC」、「大当たりF」)のことを、「通常大当たり」と称する。
遊技盤13の正面視左側下部(図2の左側下部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された遊技球のうち変動が未実行である遊技球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Fに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、遊技球が入賞することにより5個から15個の遊技球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ遊技球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図6を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図6(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図6(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「1」から「9」の数字を付した9種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、「1」から「9」の数字を模して構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「1」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
また、本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図8参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
例えば、特別図柄の抽選結果が確変大当たり(「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」のいずれか)であれば、「1」〜「9」のいずれかが付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。また、通常大当たり(「大当たりC」、または「大当たりF」)であれば、偶数番号である「0,2,4,6,8」が付加された主図柄が揃う変動表示が行われる。即ち、奇数番号である「1,3,5,7,9」が付加された主図柄が揃う変動表示は、確変大当たりでのみ実行される可能性がある。確変大当たりの場合でも、偶数の数字が付された主図柄が揃う変動表示が行われる可能性がある構成とすることにより、偶数の数字が付された主図柄が揃った場合にも、確変大当たりであることを期待して大当たり中の遊技を行わせることができる。一方、特別図柄の抽選結果が外れであれば、同一番号の主図柄が揃わない変動表示が行われる。なお、確変大当たりにおいて、偶数の数字が付された主図柄が揃う変動表示が行われる割合は、例えば、60%に設定される。また、偶数の数字が付された主図柄が揃う変動表示によって確変大当たりが開始された場合には、大当たりの所定期間(例えば、5ラウンドのラウンド期間中)において、確変大当たりであったことを報知する演出が実行される。
図6(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低1秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(1秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりが確定し、大当たり待機状態を示す待機状態演出が表示される。この待機状態演出の詳細については、図7を参照して後述する。また、大当たり待機状態の間に遊技球を作動入賞口660に入球(入賞)させることにより、大当たりが開始され、大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、1秒間の停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64に対して新たに遊技球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が遊技球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64に対して新たに遊技球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64、および第2入球口640に入球された遊技球のうち変動が未実行である遊技球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ710(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出する等して予告演出が行われる。
一方、第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に遊技球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は入球口の種別毎に、それぞれ最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。なお、小領域Ds1のうち、左半分には、第1入球口64への入球に基づく保留球数を示す保留球数図柄を表示し、小領域Ds2のうち、右半分には、第2入球口640への入球に基づく保留球数を示す保留球数図柄を表示する構成としている。図6(b)の例では、小領域Ds1の左半分に4つの保留球数図柄が表示されている一方で、右半分には保留球数図柄が1つも表示されていないので、第1特別図柄の保留球が4つ存在するが、第2特別図柄の保留球は0個となっている状態を示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
第2図柄表示装置83は、遊技球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、遊技球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に遊技球が入り易い状態となるように構成されている。遊技球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における遊技球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、遊技球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で第1特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、遊技球が入球すると5個の賞球が払い出される入賞口の1つにもなっている。なお、この第1入球口64は、可変表示装置ユニット80の左側の流路を流下した遊技球(左打ちされた遊技球)の方が、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下した遊技球(右打ちされた遊技球)に比べて入球し易くなるように、釘等が配置されている。
可変表示装置ユニット80の正面視右下側には、遊技球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ遊技球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で第2特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、遊技球が入球すると5個の賞球が払い出される入賞口の1つにもなっている。図2に示した通り、第2入球口640は、遊技盤13の右側に設けられているため、基本的に可変表示装置ユニット80の右方向に設けられた流路を流下した遊技球のみが入球する。
第2入球口640の正面視左下方向には、右可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の右特定入賞口65aが設けられている。また、右可変入賞装置65の正面視左下方向には、左可変入賞装置650が配設されている。この左可変入賞装置650は、左特定入賞口650aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。開閉板は、通常時は、遊技球が入賞できない閉状態になっている。開閉板の閉状態においては、開閉板と遊技盤13とが同一平面上となるように閉鎖されるため、遊技球が開閉板の手前側を通過可能となる。また、開閉板が前面下側に傾倒することで、遊技球が左特定入賞口650aに入賞しやすい開状態を一時的に形成する。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの確定(大当たりの権利を得たこと)が示される。そして、大当たりが確定したことで移行した大当たり待機状態において、遊技球を作動入賞口660へと入球させることで、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、遊技球が所定個数入賞するまで)開放される。即ち、通常時は右特定入賞口65aを閉鎖している開閉扉65f1が、大当たり(特別遊技状態)の1ラウンド目となることにより開放され、右特定入賞口65aへと球が入球可能となる。右特定入賞口65aに遊技球が1個入球する毎に10個の賞球が付与される。加えて、大当たり(特別遊技状態)の2ラウンド目以降の各ラウンドでは、左特定入賞口650aが開放されて入球可能となる。左特定入賞口650aも、右特定入賞口65aと同様に、遊技球が1個入球する毎に10個の賞球が付与される。
なお、右特定入賞口65a、左特定入賞口650a、および上述した第2入球口640は、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下した遊技球(右打ちされた遊技球)が入球可能(入球容易)となる位置に配置されている。言い換えれば、可変表示装置ユニット80の左側の流路を流下した遊技球が入球不可能(入球困難)となる位置に配置されている。よって、遊技者が大当たり中に賞球の払い出しを受ける(利益を得る)ためには、遊技球を右打ちすればよい。ここで、図2に示した通り、右可変入賞装置65は、正面視左下方向に下る向きに若干傾斜した状態で配設されている。これにより、開閉扉65f1が閉鎖された状態で遊技者が右打ちを行い、遊技球が右可変入賞装置65の上面に到達した場合に、その到達した遊技球を右可変入賞装置65の傾斜に沿って正面視左下方向へと流下させてアウト口66に入球させることができる。よって、右打ちにより発射された遊技球が右可変入賞装置65の上部(開閉扉65f1の上面)に滞留してしまうことを防止(抑制)することができる。なお、図2に示した通り、左可変入賞装置650は、右可変入賞装置65の左下に配設されているので、左特定入賞口650aが開放されている場合には、右可変入賞装置65の傾斜に沿って正面視左下方向へと流下した遊技球が左特定入賞口650aへと入球する。
本第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの各ラウンドが終了する(開放された右特定入賞口65a、または左特定入賞口650aを、再度閉鎖する)条件を、大当たりのラウンド(開放される特定入賞口の種別)に応じて異ならせている。具体的には、1ラウンド目(右特定入賞口65aが開放されるラウンド)は、開閉扉65f1が開放されてから30秒間が経過するか、または、2個以上の遊技球が右特定入賞口65aに入賞(入球)した場合に開閉扉65f1が閉鎖されて1ラウンド目が終了される。一方、大当たりの2ラウンド目以降の各ラウンド(左特定入賞口650aが開放されるラウンド)においては、左特定入賞口650aが開放されてから30秒間が経過するか、または、10個以上の遊技球が左特定入賞口650aへと入賞した場合に左特定入賞口650aが閉鎖されてラウンドが終了される。
なお、右可変入賞装置65において、右特定入賞口65aに対する遊技球の入球を検知するためのセンサは、右可変入賞装置65の内部に設けられている。よって、右特定入賞口65aへと遊技球が入賞(入球)してから、入球が検知されるまでにはタイムラグが生じる。より具体的には、遊技球が右特定入賞口65aへと入球してから、実際に入球数がカウントされるまでには約0.5秒間を要する。つまり、ラウンドの終了条件が成立する個数となる遊技球が右特定入賞口65aに入球してから開閉扉65f1が閉鎖されるまでには約0.5秒間を要する。よって、この0.5秒間の間に遊技球を追加で入球させることができれば、通常(ラウンドの終了上限が成立する個数のみが入賞した場合)よりも多くの賞球を獲得することができる。本第1実施形態では、1ラウンド(右特定入賞口65aが開放されるラウンド)において、ラウンドの終了条件となる個数以上の遊技球を遊技者が意図的に右特定入賞口65aに対して入球させることができる構成としている。以降、説明の簡略化のため、各ラウンドで規定されている上限の入賞個数(入球個数)を上回る個数の遊技球が特定入賞口65aに入賞(入球)することを、「オーバー入賞」と称する。
詳細については図4、および図5を参照して後述するが、本第1実施形態では、オーバー入賞を発生させ易くするために、遊技球が開閉扉65f1の上面に到達してから、開閉扉65f1の上面を通過しきるまでの期間が長くなるように開閉扉65f1の上面を構成している。このように構成することで、1の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下している間に、複数の遊技球を追加して開閉扉65f1の上面に到達させ易くなる。よって、大当たり待機状態において、より多くの遊技球が開閉扉65f1の上面を流下しているタイミングで、作動入賞口660へと遊技球を入球させて大当たりを開始させる(開閉扉65f1を開放させる)ことにより、開閉扉65f1の上面を流下中の全ての遊技球を開放された右特定入賞口65aへと入球させることができる。上述した通り、大当たりの1ラウンド目では特定入賞口65aに対する2個以上の入賞(入球)を検出した場合に終了する。しかしながら、大当たりの開始前に3個以上の遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させた状態で大当たりの1ラウンド目を開始させることができれば、3個以上の遊技球を右特定入賞口65aへと入賞(入球)させて、本来(2個分の入賞に対する賞球)よりも多くの賞球を獲得することができる。よって、作動入賞口660へと遊技球を入球させるタイミングに応じて、遊技者が大当たりの1ラウンド目に獲得可能な賞球数に影響を与える遊技性を提供することができるので、大当たり待機状態中における遊技をより楽しませることができる。なお、大当たり待機状態の間に、開閉扉65f1へと遊技球を到達させるには、作動入賞口660へと遊技球が入球しない(作動入賞口用流路(図2参照)へと遊技球が流入しない)程度の発射強度(95%未満の発射強度)で右打ちを行えばよい。
次に、図4、および図5を参照して、開閉扉65f1の上面の構造について説明する。まず、図4(a)は、開閉扉65f1が閉鎖された状態における可変入賞装置65の正面斜視図であり、図4(b)は、開閉扉65f1が開放された状態における可変入賞装置65の正面斜視図である。
図4(a)に示した通り、開閉扉65f1の上面には、遊技球の流下を妨げるために設けられている凸部65f1a〜65f1cが設けられている。開閉扉65f1の上面を流下する遊技球は、各凸部65f1a〜65f1cによって流下を妨げられるので、各凸部65f1a〜65f1cの外周に沿って開閉扉65f1上を流下する。つまり開閉扉65f1上には、各凸部65f1a〜65f1cによってつづら折り状の流路が形成されることになる。このため、各凸部65f1a〜65f1cが設けられていない場合(即ち、遊技球が開閉扉65f1上を正面視右方向から左方向へと直線的に流下可能な場合)に比較して、開閉扉65f1の上面を流下しきるまでに要する期間を長くすることができる。これにより、1の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下している間に、複数の遊技球を追加して開閉扉65f1の上面に到達させ易くなる。よって、大当たり待機状態において、より多くの遊技球が開閉扉65f1の上面を流下しているタイミングで、作動入賞口660へと遊技球を入球させて大当たりを開始させる(開閉扉65f1を開放させる)ことによって、より多くの遊技球をオーバー入賞させることができる。
図4(b)は、開閉扉65f1が開放された状態を示した図である。図4(b)に示した通り、開閉扉65f1は、正面視手前側から正面視奥側に向けてスライド動作し、遊技盤13に設けられている開口部を介して遊技盤13の内側に収納される。これにより、右特定入賞口65aが開放された状態となる。右特定入賞口65aが開放されると、右可変入賞装置65の右方向から流下してきた遊技球が右特定入賞口65aに入球可能となる。また、開閉扉65f1を収納するための開口部の高さは、遊技球の直径に対して十分に低いので、開閉扉65f1のスライド移動が開始される時点で開閉扉65f1の上面を流下中であった遊技球が開閉扉65f1と共に遊技盤13の内部に収納されてしまうことを抑制できる。よって、開閉扉65f1が遊技盤13の内部へとスライド移動した場合に、開閉扉65f1の上面に乗っていた遊技球を特定入賞口65aへと落下させることができる。
ここで、本第1実施形態では、1の遊技球が開閉扉65f1を通過しきるまでに要する期間が約4秒間となるように構成している。そして、遊技球の発射間隔(1の遊技球を発射してから、次の遊技球を発射するまでの間隔)は最短で0.6秒となるように構成している。これにより1の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下中に、追加で6個前後の遊技球を発射することができる。よって、大当たり待機状態において、7個前後の遊技球を可変入賞装置65に向けて連続して発射してから、作動入賞口660に対して遊技球を入球させることにより、7個前後の遊技球が開閉扉65f1の上面を流下中の状態で1ラウンド目を開始させることができる。即ち、開閉扉65f1を開放させて開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球を全て特定入賞口65aに入賞させることができる。これにより、本来(2個分の入賞に対する賞球)よりも多い賞球を獲得することができるので、大当たり待機状態において、より多くの遊技球を開閉扉65f1に到達させた状態で作動入賞口660へ遊技球を入球させようと遊技者に工夫させることができる。従って、遊技者の大当たり待機状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。これにより、大当たり待機状態において、遊技球が開閉扉65f1を流下している間に作動入賞口660へと遊技球を入球させることにより、オーバー入賞を意図的に発生させることができる遊技性を提供できる。
なお、本第1実施形態では、開閉扉65f1の上面に3つの凸部65f1a〜65f1cを設けることにより、凸部65f1a〜65f1cを遊技球が迂回する構成とし、遊技球が開閉扉65f1を通過する通過期間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、凸部65f1a〜65f1cを設けるのに代えて、または加えて、開閉扉65f1の上面の材質を、他の部分(遊技盤13の表面や可変入賞装置65の内面等)よりも摩擦係数が大きい材質(例えば、弾性体等)で構成したり、遊技球が転動し難くなる加工を施したり(例えば、表面に凹凸を設ける等)してもよい。
本第1実施形態では、1ラウンドが開始されてから30秒間が経過するか、または30秒間が経過する前に特定入賞口65aに2個以上の遊技球が入球した場合に1ラウンド目を終了させる構成としていた。即ち、右打ちを行っていれば、ほぼ確実に上限個数(2個)の遊技球を特定入賞口65aに入球させて1ラウンド目が終了するように、終了条件を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンドが開始されてから右特定入賞口65aを狙って右打ちを行っても、遊技球を入球させることが困難となる長さの期間で1ラウンド目が終了する構成としてもよい。具体的には例えば、1ラウンドが開始されてから0.5秒間が経過するか、0.5秒間が経過する前に10個以上の遊技球が特定入賞口65aに入賞した場合に1ラウンド目を終了する構成としてもよい。このように構成した場合、作動入賞口660へと遊技球が入球したタイミングで開閉扉65f1の上面を遊技球が通過中でなければ、遊技球を1個も右特定入賞口65aへと入球させることなく1ラウンド目が終了してしまう可能性が高くなる遊技性を提供することができる。よって、1ラウンド目において賞球を獲得したいと考える遊技者に対して、大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球を入球させる前に、遊技球を開閉扉65f1に向けて打ち出させた後で作動入賞口660を狙うという遊技性を楽しませることができる。よって、遊技者の大当たり待機状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
図5は、開閉扉65f1を鉛直上面側から見た上面図である。図5に示した通り、開閉扉65f1の上面のうち、遊技球が転動可能(容易)なつづら折り状の経路に、遊技球の通過を検出可能な通過検出センサ228a〜228fが埋め込まれている。これらの通過検出センサ228a〜228fは、開閉扉65f1の上面に形成されている経路において、互いに少なくとも遊技球の直径を超える距離を離して配置されている。これらの通過検出センサ228a〜228fは、その上方に遊技球が配置されている場合に出力がH(ハイ)となり、上方を妨げるものが何もない場合に出力がL(ロー)となる公知の光学センサで構成されている。本第1実施形態では、これらの通過検出センサ228a〜228fの出力の組み合わせを音声ランプ制御装置113側で監視する構成としている。そして、大当たり待機状態の間は、通過検出センサ228a〜228fの出力の組み合わせに応じて、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数の目安を示唆する演出を実行可能に構成している。即ち、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを示唆する演出を実行可能に構成している。これにより、演出内容に応じてより多くの遊技球が開閉扉65f1上を流下中であることを示唆されたタイミングで作動入賞口660へと遊技球を入球させることにより、より多くの個数の遊技球をより容易にオーバー入賞させることができる。よって、遊技者がより気軽にオーバー入賞を狙うことができる。この大当たり待機状態中に実行される待機状態演出の詳細について、図7を参照して説明する。
図7(a),(b)は、大当たり待機状態において実行される待機状態演出中の表示態様を示した図である。図7(a)に示した通り、大当たり待機状態になると、第3図柄表示装置81の表示画面における正面視上側に、「大当たり確定!」という文字が表示された表示領域HR1が形成される。この表示領域HR1の表示内容により、遊技者に対して大当たりが確定した(大当たりの権利を得た)ことを容易に認識させることができる。また、表示領域HR1の下方には、大当たり待機状態となる前に実行されていた変動表示演出において最終的に停止表示(確定表示)された第3図柄の組み合わせ(最終停止図柄)が表示される。大当たり待機状態の間も最終停止図柄を表示させておくことにより、今回の大当たりが確変大当たりであるか、通常大当たりであるかを遊技者が任意のタイミングで容易に確認することができる。
最終停止図柄に対して正面視右側には、縦長で、縦方向に6つの小領域に分割されているチャンスメーターCMが表示されている。このチャンスメーターCMを構成する各領域は、消灯した見た目となる態様と、発光した見た目となる態様とに可変可能に構成されており、発光した見た目となっている小領域の個数によって、作動入賞口660に遊技球を入球させた際の有利度合いを示唆する構成としている。より具体的には、小領域の個数は、通過検出センサ228a〜228fのうち、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数に応じて、下側の小領域から順番(優先的)に発光した見た目(点灯態様)に設定される構成となっている。つまり、チャンスメーターCMのうち、発光した見た目(点灯態様)となっている小領域の個数分の遊技球が、少なくとも開閉扉65f1の上面を通過中である(開閉扉65f1が開放された場合に右特定入賞口65aへと入賞させることができる)ことが示唆される。以降、説明の簡略化のため、チャンスメーターCMのうち、発光した見た目の小領域のことを「ゲージ」と称し、発光した見た目の小領域の個数のことを「ゲージ数」と称し、小領域が発光した見た目に可変することを、「ゲージが貯まる」と称することにする。
最終停止図柄の下方には、「「GO!」を狙うとメーターチャージ!!」との文字と、「タイミングを合わせて右上を狙え!!」との文字と、作動入賞口660を狙うように示唆する画像とが表示された表示領域HR2が形成される。この表示領域HR2の表示内容により、遊技者に対して「GO!」の文字が付された普通入球口(スルーゲート)67(図2参照)を狙うことにより、表示画面における正面視右側に表示されたチャンスメーターCMのゲージ数を増加させることができるということを容易に理解させることができる。なお、上述した通り、このチャンスメーターCMは、開閉扉65f1の上面に配設されている通過検出センサ228a〜228fの検出内容に連動してゲージ数が可変される。普通入球口(スルーゲート)67に入球する程度の発射強度(発射速度)で遊技球を発射することにより、その下流に配設されている可変入賞装置65に対しても遊技球を到達させることができる。よって、普通入球口(スルーゲート)67が配置されている方向に向けて連続して遊技球を発射することで、可変入賞装置65の開閉扉65f1の上面にも遊技球が連続して到達する。この状態で、表示領域HR2の表示内容に従って作動入賞口660を狙って(即ち、95%〜100%の発射強度で)遊技球を発射することにより、大当たりが開始されて開閉扉65f1が開放される。これにより、開閉扉65f1を流下中の遊技球をほぼ右特定入賞口65aに入賞(入球)させることができる。なお、上述した通り、作動入賞口660に対して正面視左方には、一定の回転速度で回転動作を行う回動部材670aが設けられている。この回動部材670aは、その回転位置に応じて、作動入賞口660へと遊技球が入球することを妨げ得るため、遊技者に対して、チャンスメーターCMのゲージ数だけでなく、回動部材670aの回転位置も加味した発射タイミングで遊技球を発射させることができる。よって、大当たり待機状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
図7(b)は、チャンスメーターCMのゲージが3つ分貯まっている状態を示した図である。図7(b)に示した通り、通過検出センサ228c〜228eの3つのセンサの上側を遊技球が通過中となっている場合に、これら3つのセンサの出力がH(ハイ)となる。音声ランプ制御装置113は、H出力となっているセンサの個数を検出して、チャンスメーターCMの態様に反映させる。図7(b)の例では、3つのセンサ(通過検出センサ228c〜228e)の出力がHとなっているので、チャンスメーターCMのゲージが3つ貯まった状態の態様で表示される。このように、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数を通過検出センサ228a〜228fによって検出し、検出結果に応じて、通過中の遊技球の個数の目安をチャンスメーターCMのゲージ数で表示させる構成とすることにより、遊技者に対して作動入賞口660を狙うべきタイミングをより分かり易くすることができる。よって、パチンコ機10での遊技を行った経験が浅い遊技者に対しても、作動入賞口660を狙うタイミングを直感的に理解させ易くすることができる。これにより、初めて遊技を行う遊技者に対しても、気軽に遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、大当たり待機状態において、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数の目安をチャンスメーターCMのゲージ数によって示唆することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合の有利度合いを示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって大当たりの有利度合いを示唆する構成としてもよい。具体的には例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって、大当たり種別を示唆することにより、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。また、例えば、大当たりが確定した時点では大当たりのラウンド数が不定となるように構成し、作動入賞口660を通過させたタイミングで大当たりのラウンド数を抽選する構成としてもよい。そして、ゲージ数によって、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合に実行される抽選で決定されるラウンド数を示唆することで、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。
図2に戻って説明を続ける。遊技盤13の右下側の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1が設けられている。この、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図8参照)の所定の電気的構成により遊技球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の遊技球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図8参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122(図3参照)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図8を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図8は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図12参照)が設けられている。
ここで、図12を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止種別を選択するために使用する停止種別カウンタC3と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図21参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図30参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)からなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、実行エリア203cが設けられており、抽選を実行する対象となる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値が格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203dが設けられており、これらの各エリアには、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図21参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、遊技球が第2入球口640に入球した場合には、その値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の確変状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図9(b)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。一方、遊技球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203b(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。
ここで、実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、実行エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は2個あり、その乱数値である「0,1」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図9(b)の202a1参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が2なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/200」となる。なお、大当たりとなる乱数値(カウンタ値)は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は20個あり、その値である「0〜19」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図9(b)の202a2参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が20なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/20」となる。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図10(a)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」(8ラウンド確変大当たり)となる。また、値が「5〜64」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」(5ラウンド確変大当たり)となり、値が「65〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」(5ラウンド通常大当たり)となる。
一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」(16ラウンド確変大当たり)となる。また、値が「5〜64」であった場合の大当たり種別は、「大当たりE」(10ラウンド確変大当たり)となり、値が「65〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりF」(10ラウンド通常大当たり)となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、6種類の当たり種別(大当たりA〜F)が決定されるように構成されている。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、遊技球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203a(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。また、遊技球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203b(特別図柄の抽選が実行中でない場合は実行エリア203c)に格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への遊技球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への遊技球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図30参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図11(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図11(a)〜(d)を参照して、変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図11(a)に示すように、第1特別図柄の抽選に基づく変動パターンを選択するためのテーブルとして、大当たり用変動パターンテーブル202d1(図11(b)参照)と、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2(図11(c)参照)と、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3(図11(d)参照)とが少なくとも規定されている。
まず、図11(b)を参照して、大当たり用変動パターンテーブル202d1について説明する。図11(b)は、この大当たり用変動パターンテーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。大当たり用変動パターンテーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。大当たり用変動パターンテーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを大当たり用変動パターンテーブル202d1より選択する。
図11(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図11(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図12に戻って説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、遊技球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図10(b)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図10(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その値は「5〜28」である。このように、普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲内であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第2入球口640に付随する電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物640aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物640aが「1秒間×2回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物640aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第2入球口640へ遊技球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物64aが「1秒間×2回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図21参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図30参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図8に戻り、説明を続ける。RAM203は、図12に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図30参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図29参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
次に、ROM202の具体的な内容について、図9(a)を参照して説明する。図9(a)は、本実施形態における主制御装置110内に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)は、第1当たり乱数カウンタC1の値と、抽選結果との対応関係が規定されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される判定値の範囲として「0,1」が規定され(図9(b)の202a1参照)、特別図柄の高確率状態(確変状態)において、大当たりと判定される判定値の範囲として「0〜19」が規定されている(図9(b)の202a2参照)。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)参照)に規定されている大当たりに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図10(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b1参照)。この「大当たりA」は、ラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりA」は、第1特別図柄の大当たりの中で最もラウンド数が多く、且つ、大当たり終了後に有利な「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与されるので、第1特別図柄の大当たりの中で最も有利な大当たり種別である。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜64」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b2参照)。この「大当たりB」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりB」は、ラウンド数が少ないものの、「大当たりA」と同様に、大当たりの終了後に有利な「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与されるので、遊技者にとって比較的有利な大当たり種別である。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b3参照)。この「大当たりC」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に、特別図柄の抽選が100回終了するまでの間継続する「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は35個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は35%(35/100)である。この「大当たりC」は、ラウンド数が少なく、且つ、大当たり終了後の遊技状態も、「大当たりA」や「大当たりB」に比較して不利となるため、遊技者にとって不利な大当たり種別となる。
また、図10(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b4参照)。この「大当たりD」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりD」は、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、遊技者にとって最も有利な大当たり種別となる。
第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜64」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b5参照)。この「大当たりE」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に、次に大当たりとなるまで継続する「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりE」は、「大当たりD」に比較してラウンド数が少ないものの、大当たり終了後の遊技状態は「大当たりA」、「大当たりB」、および「大当たりD」と同様に有利な遊技状態が設定されるので、遊技者にとって有利な大当たり種別の一種である。
第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている(図10(a)の202b6参照)。この「大当たりF」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に、特別図柄の抽選が100回終了するまで継続する「普通図柄の時短状態」が付与される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は35個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は35%(35/100)である。この「大当たりF」は、ラウンド数は第1特別図柄の大当たり(「大当たりA」〜「大当たりC」)に比較して多いものの、大当たり終了後の遊技状態が不利となるため、遊技者にとって不利な大当たり種別である。
このように、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、第1特別図柄の抽選よりもラウンド数が多い大当たり種別となるので、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者にとって有利となる。なお、確変大当たりと通常大当たりとの比率は、第1特別図柄の抽選でも、第2特別図柄の抽選でも同一(確変大当たりが65%、通常大当たりが35%)となるように構成されている。
第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)参照)は、普通図柄の当たり判定値が規定(記憶)されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図10(b)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図10(b)の202c2参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を遊技球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図11参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明において上述した通りであるので、ここではその詳細な説明について省略する。
次に、RAM203の詳細について、図13を参照して説明する。図13は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図13に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、実行エリア203c、普通図柄保留球格納エリア203d、第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203f、普通図柄保留球数カウンタ203g、確変フラグ203h、時短中カウンタ203i、入球待機フラグ203j、大当たり開始フラグ203k、大当たり中フラグ203m、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、遊技球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の値が、実行エリア203c(図12参照)へシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリア203cへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリアを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
実行エリア203cは、特別図柄の抽選を実行に用いるための各カウンタC1〜C3の値が格納される記憶領域である。この実行エリア203cに格納された各カウンタC1〜C3の値と、上述した第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b等とが比較されて、特別図柄の抽選が実行される。
普通図柄保留球格納エリア203dは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、遊技球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203dの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ遊技球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図24のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS210参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図22のS211、図24のS405参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ遊技球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図24のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203fは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図22のS205参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203gは、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203gは、初期値がゼロに設定されており、遊技球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図27のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図26のS605参照)。
遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203dに記憶される(図27のS705)。一方、遊技球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203gの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203dには新たに何も記憶されない(図27のS703:No)。
確変フラグ203hは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203hがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であることを示し、確変フラグ203hがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の低確率状態であることを示す。また、上述した通り、特別図柄の確変状態の間は、普通図柄の時短状態となる。よって、確変フラグ203hがオンであれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。
確変フラグ203hは、初期値がオフに設定されており、確変大当たり(「大当たりA」、「大当たりB」、「大当たりD」、「大当たりE」のいずれか)となった場合に、その大当たりの終了時にオンに設定される(図32のS1215参照)。また、確変フラグ203hは、大当たり遊技が開始される場合にオフにリセット設定される(図22のS219参照)。
この確変フラグ203hは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図23のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図23、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図23、S213)では、確変フラグ203hが参照され、オンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)の202a2参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。一方、確変フラグ203hがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202a(図9(b)の202a1参照)に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変フラグ203hは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図26のS608,S614,S620)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変フラグ203h、および後述する時短中カウンタ203iが参照され、確変フラグ203hがオンであるか、または時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態中と判別されて、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)の202c2参照)に基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS609参照)。一方、確変フラグ203hがオフであり、且つ、時短中カウンタ203iの値が0であれば、普通図柄の通常状態中と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202c(図10(b)の202c1参照)に基づいて普通図柄の抽選が行われる(図26のS610参照)。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物640aの開放時間を決定する際にも確変フラグ203hが参照される(図26のS614,S620参照)。
時短中カウンタ203iは、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であるか否かを示すカウンタであり、時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、パチンコ機10が普通図柄の時短状態であることを示し、時短中カウンタ203iの値が0、且つ、確変フラグ203hがオフであれば、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であることを示す。この時短中カウンタ203iは、初期値がゼロに設定されており、主制御装置110において特別図柄の抽選が行われ、通常大当たりとなる度に、その通常大当たりの終了時に値が100にセットされる(図32のS1214参照)。また、大当たり種別に関わらず、特別図柄の抽選により大当たりとなった場合は、その大当たりの開始を設定する中で値が0に設定される(図22のS219参照)。
普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、時短中カウンタ203iの値、および確変フラグ203hの状態が参照され、時短中カウンタ203iの値が1以上であるか、確変フラグ203hがオンであれば、普通図柄の時短中と判別される。この場合、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS609参照)。一方、時短中カウンタ203iの値が0であり、且つ、確変フラグ203hがオフであれば、普通図柄の通常状態と判別されて、低確率時用の第2当たり乱数テーブルに基づいて、普通図柄の抽選が行われる(図26のS610参照)。
入球待機フラグ203jは、作動入賞口660へと遊技球が入球するまで大当たりの開始が待機される大当たり待機状態であるか否かを示すフラグである。この入球待機フラグ203jがオンであれば、大当たり待機状態であることを意味し、オフであれば、大当たり待機状態ではないことを意味する。この入球待機フラグ203jは、特別図柄の抽選で大当たりとなり、当該大当たりに対応する変動パターンの変動時間が経過した際にオンに設定される(図22のS220参照)。また、入球待機フラグ203jは、大当たり待機状態中において、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合にオフに設定される(図31のS1104参照)。この入球待機フラグ203jがオンの間は、作動入賞口660への入球が有効として扱われる(入球を検出した場合に大当たりが開始される)。
大当たり開始フラグ203kは、大当たりを開始させるか否かを示すフラグである。この大当たり開始フラグ203kがオンであれば、大当たりを開始させるタイミングである(作動入賞口660へと遊技球が入球して大当たり待機状態が終了した)ことを意味し、オフであれば、大当たりを開始させるタイミングではないことを意味する。この大当たり開始フラグ203kは、大当たり待機状態中に作動入賞口660へと遊技球が入球することでオンに設定される(図31のS1103参照)。また、大当たり開始フラグ203kは、大当たりの開始を設定した場合にオフに設定される(図32のS1203参照)。
大当たり中フラグ203mは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203mがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203mは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図32のS1203参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図32のS1217参照)。特別図柄変動処理(図22参照)では、この大当たり中フラグ203mが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図22のS201参照)。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、主制御装置110のRAM203には、各種のカウンタやフラグが設けられている。
図8に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、右特定入賞口65aおよび左特定入賞口650aを閉鎖または開放する開閉扉65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209、回動部材670aを回転動作させるための回転体用モータ670cが接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図28参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により遊技球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた遊技球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、遊技球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで遊技球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、通過検出センサ228a〜228f、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、通過検出センサ228a〜228fの出力を監視し、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数から、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の大まかな個数を把握することが可能に構成されている。そして、大当たり待機状態では、センサの個数に応じて把握した遊技球の個数に対応させて、第3図柄表示装置81に表示させるチャンスメーターCMの態様(ゲージの量)を可変させる。これにより、遊技者に対して、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に得られる賞球の量(開閉扉65f1が開放された場合に入球する遊技球の個数)を見た目で分かり易く理解させることができる。よって、大当たり待機状態の間に、より積極的に作動入賞口660に到達しない発射強度(95%未満の発射強度)で右打ちを行わせ、開閉扉65f1の上面により多くの遊技球を到達させようとさせることができる。よって、大当たり待機状態中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図14(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図14(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図14(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、変動時間カウンタ223fと、待機状態演出フラグ223gと、レベルカウンタ223hと、遊技状態格納エリア223iと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)からなる記憶エリアを、第1特別図柄、および第2特別図柄のそれぞれに対して有している。加えて、1つの実行エリアを有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞が検出された場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の抽選に対応する保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタであり、第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、第2特別図柄の抽選に対応する保留球数を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、または第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、または第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図36のS4308参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図36のS4302参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図38のS4502参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図36のS4305参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図38のS4507参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
変動時間カウンタ223fは、特別図柄の変動表示の変動時間をカウントするカウンタである。主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対応する変動時間が変動時間カウンタ223fに設定される。
待機状態演出フラグ223gは、待機状態演出(図7(a),(b)参照)の実行中であるか否かを示すフラグである。この待機状態演出フラグ223gがオンであれば、待機状態演出の実行中であることを意味し、オフであれば、待機状態演出の実行中ではないことを意味する。この待機状態演出フラグ223gは、大当たり待機状態となったことを示す待機状態コマンドを主制御装置110から受信して、待機状態演出の開始を設定したことを契機としてオンに設定される(図37のS4403参照)。また、この待機状態演出フラグ223gは、主制御装置110から大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信した場合にオフに設定される(図37のS4406参照)。
レベルカウンタ223hは、待機状態演出(図7(a),(b)参照)において第3図柄表示装置81の表示画面に表示されるチャンスメーターCMのゲージ数(レベル)を示すカウンタである。このレベルカウンタ223hの値は、通過検出センサ228a〜228fのうち、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数に連動して更新される(図35のS4204参照)。即ち、出力がH(ハイ)となっているセンサの個数がカウンタ値として設定される。
遊技状態格納エリア223iは、パチンコ機10の遊技状態に応じたデータを格納しておくための記憶領域である。この遊技状態格納エリア223iは、主制御装置110から、パチンコ機10の遊技状態に変更が生じる毎に出力される状態コマンドを受信する毎に更新される(図36のS4310参照)。なお、遊技状態格納エリア223iは、例えば1バイトの記憶領域で構成され、下位2ビットの状態によって遊技状態を特定可能に構成されている。より具体的には、例えば、最下位のビットが普通図柄の時短状態であるか否かを示し、下位2ビット目のビットが特別図柄の確変状態であるか否かを示す。よって、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の通常状態」では、下位2ビットが「00B」となり、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の時短状態」では、下位2ビットが「01B」となり、「特別図柄の確変状態」、且つ「普通図柄の時短状態」では、下位2ビットが「11B」となる。音声ランプ制御装置113のMPU221は、この遊技状態格納エリア223iに格納されたデータに基づいて、音声ランプ制御装置113側でパチンコ機10の遊技状態を把握することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図36参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図15を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図28参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図15を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図15は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図39のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図39のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図20参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図41(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図39のS6003,S6004参照)。
ここで、図16を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図16は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図16(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図16(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図16(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図16(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図16(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図16(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図15に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図17を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図17は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図17(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図17(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図17に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図17(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図17(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図17(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図17(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図15参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図15に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「1」から「9」の数字を付した上述の9種類の主図柄(図6(b)参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「1」から「9」の数字が付されていない主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「青年」や「女性」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA〜Fのいずれかであれば、それぞれの大当たり種別を示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図18を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図18は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図18の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図20参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図19を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図19は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図19のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図19のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図19の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図20参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図19の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図16(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図39参照)の中でオンに設定される(図39のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図51(b)のS7705参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図41(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図41(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図41(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図42〜図47参照)および表示設定処理(図48〜図50参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図51(a)のS7601参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図51(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図52参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図20参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図41(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図48のS7305参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図20参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図20を参照して、描画リストの詳細について説明する。図20は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図20に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図41(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図48のS7307参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図39のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図52参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図52のS7813参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図52のS7814参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図53のS7902参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図41(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図21〜図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図21は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では239)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図22〜図25を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における遊技球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図26および図27を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、遊技球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して遊技球の発射指示をする。
次に、図22を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図22は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、大当たり待機状態中、または特別図柄の大当たり中の何れかであるかを判定する(S201)。具体的には、入球待機フラグ203j、および大当たり中フラグ203mの何れかがオンであるかを判定する。判定の結果、大当たり待機状態中、または特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、大当たり待機状態中でも、特別図柄の大当たり中でもないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S206の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が0であると判定した場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S208)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S209)。
S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0であると判別した場合は(S209:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S209:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S212)、処理をS213へと移行する。S207、またはS212の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図23を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、変動時間を計測するための変動時間カウンタを更新し(S214)、更新後の変動時間カウンタの値に基づいて第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図23を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Fのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりEとなる場合には、赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させ、大当たりFとなる場合には、青色のLEDと赤色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には青色のLEDと赤色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S217の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、確変フラグ203hをオフに設定すると共に、時短中カウンタ203iの値を0にリセットする(S219)。そして、入球待機フラグ203jをオンに設定すると共に、大当たり待機状態の開始を示す待機状態コマンドを設定して(S220)、S223の処理へと移行する。ここで設定された待機状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、待機状態コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81の表示画面において待機状態演出(図7(a),(b)参照)を開始させるための表示用待機状態コマンドを表示制御装置114に出力するコマンドとして設定する。その結果、第3図柄表示装置81において、待機状態演出が開始される。
一方、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、時短中カウンタ203iの値が0より大きい値であるか(即ち、普通図柄の時短状態であるか)を判別し(S221)、時短中カウンタ203iの値が0より大きいと判別した場合は(S221:Yes)、時短中カウンタ203iの値を1減算して(S222)、処理をS223へと移行する。これに対し、S221の処理において、時短中カウンタ203iの値が0であると判別した場合は(S221:No)、S222の処理をスキップして、処理をS223に移行する。なお、図示については省略したが、S222の処理において減算後の時短中カウンタ203iの値が0になった場合には、普通図柄の時短状態から普通図柄の通常状態に遊技状態が変更されたことを示す状態コマンドが設定される。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
S223の処理では、停止種別を示す停止コマンドを設定して、本処理を終了する。ここで設定された停止コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、停止コマンドが示す停止種別に基づいて、第3図柄の停止図柄を設定する。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図23は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図21参照)の特別図柄変動処理(図22参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、実行エリア203cに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203hを読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変フラグ203hがオンならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変フラグ203hがオフであれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a2参照)と比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜19」の20個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a1参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとを比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0,1」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図10(a)参照)とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲にあれば、大当たりA(8ラウンド確変大当たり)であると判定し、「5〜64」の範囲にあれば、大当たりB(5ラウンド確変大当たり)であると判定し、「65〜99」の範囲にあれば、大当たりC(5ラウンド通常大当たり)であると判定する(図10(a)参照)。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲にあれば、大当たりD(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「5〜64」の範囲にあれば、大当たりE(10ラウンド通常大当たり)であると判定し、「65〜99」の範囲にあれば、大当たりF(10ラウンド通常大当たり)であると判定する(図10(a)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA〜F)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜F)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図11(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れであると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリア203cに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、今回の変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値を、変動時間カウンタに設定する(S311)。そして、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S312)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図30参照)のS1001の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理(図22参照)へ戻る。
次に、図24のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図24は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、遊技球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、遊技球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、遊技球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、遊技球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、処理をS413へと移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、S413の処理へ移行する。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S413の処理では、始動入賞に基づいて取得した各種カウンタ値から当否を先読みするための先読み処理を実行して(S413)、本処理を終了する。この先読み処理の詳細について、図25を参照して説明する。
図25は、先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)では、まず、今回の始動入賞処理(図24参照)において第1入球口64、または第2入球口640に対する新たな入球を検出していたか否かを判別し(S501)、新たな入球を検出していなければ(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S501の処理において、新たな入球を検出していたと判別した場合は(S501:Yes)、次に、検出した入球に対応する保留球数が上限値(即ち、4)であるか否かを判別し(S502)、上限値であると判別した場合は(S502:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S502の処理において、保留球数が上限値未満であると判別した場合は(S502:No)、当該入球に基づく変動表示を開始するタイミングが特別図柄の確変状態であるか否かを判別する(S503)。このS503の処理では、現在の遊技状態と、今回の入球以前に保留された保留球の先読み結果とに応じて、確変状態であるか否かを判別している。具体的には、保留球の中に大当たりが含まれていなければ、現在の遊技状態と、今回検出した入球に基づく変動表示を開始するタイミングとが一致するので、現在の遊技状態が確変状態であると判別する。また、保留球の中に大当たりが含まれている場合は、大当たりの種別に応じて遊技状態が変更される可能性がある。具体的には、確変大当たりが保留されている場合は当該大当たり後に確変状態へと移行し、通常大当たりが保留されている場合は、当該大当たり後に通常状態へと移行する。これらを加味して、今回検出した入球に基づく変動表示の開始タイミングが確変状態であるか否かを判別する。
S503の処理において、今回検出した入球に基づく変動の開始時が特別図柄の確変状態であると判別した場合は(S503:Yes)、入球を検出した入球口の種別と、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a2参照)とに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S504)、処理をS506へと移行する。一方、変動開始時が特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S503:No)、入球を検出した入球口の種別と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図9(b)の202a1参照)とに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S505)、処理をS506へと移行する。
S504、またはS505の処理後に実行されるS506の処理では、今回の入球を検出した入球口の種別と、S504、またはS505の処理で取得した抽選結果とに基づいて入賞情報コマンドを設定し(S506)、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドにより通知された入球口の種別、および抽選結果を入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図26を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図26は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う普通図柄(第2図柄)の変動表示や、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203dに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203dの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203dの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S608)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、確変フラグ203hがオンであるか、または、時短中カウンタ203iの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態であると判定する一方で、確変フラグ203hがオフで、且つ、時短中カウンタ203iの値が0であれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S608の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(b)の202c2参照)。
S608の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S608:No)、S610の処理へ移行する。S610の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図10(b)の202c1参照)。
次に、S609またはS610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S611)、普通図柄の当たりであると判定した場合には(S611:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S612)。このS612の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS614へと移行する。一方、S611の処理において、普通図柄の当たりではない(普通図柄の外れである)と判定した場合には(S611:No)、外れ時の表示態様を設定する(S613)。このS613の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「×」の図柄が点灯表示されるように設定し、処理をS614へと移行する。
S612、またはS613の処理後に実行されるS614の処理では、普通図柄の時短状態であるか(確変フラグ203hがオン、または時短中カウンタ203iが1以上であるか)を判定し(S614)、普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S615)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変フラグ203hがオフであり、且つ、時短中カウンタ203iの値が0である)と判定した場合は(S614:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S616)、本処理を終了する。
また、S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S617)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S615の処理またはS616の処理によって予め設定された時間である。
S617の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S617:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S617の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S617:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S618)。S618の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S612の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S618の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の第2図柄表示更新処理(S1008参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S612の処理またはS613の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S619)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S619:Yes)、次いで、普通図柄の時短状態中であるか(即ち、確変フラグ203hがオン、または時短中カウンタ203iが1以上であるか)を判別し(S620)、時短状態中でなければ(S620:No)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数を「0.2秒間×1回」に設定して(S621)、処理をS623へと移行する。一方、S620の処理において、普通図柄の時短中ではあると判別した場合は(S620:Yes)、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放時間、および開放回数を「1秒間×2回」に設定して(S622)、処理をS623へと移行する。
S623の処理では、S621、またはS622の処理で決定された開放時間、および開放回数の開閉制御開始を設定し(S623)、本処理を終了する。S623の処理によって、電動役物640aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図30参照)の電動役物開閉処理(S1006参照)が実行された場合に、電動役物640aの開閉制御が開始され、S621の処理またはS622の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物640aの開閉制御が継続される。一方、S619の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S619:No)、S620〜S623の各処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図27のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図27は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図21参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における遊技球の通過の有無を判断し、遊技球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、遊技球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口67における遊技球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、遊技球が普通入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
遊技球が普通入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、遊技球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、遊技球が普通入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203gの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203dの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203gの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図28は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図29を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図29は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS915へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS915へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS915へ移行する。なお、図30のS1015の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S915の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S915)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S916,S917)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S916,S917)を実行する。RAMの初期化処理(S916,S917)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S916)、その後、RAM203の初期値を設定する(S917)。S917の処理が終了した後は、処理をS910へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。S910の処理が終了した後は、確変フラグ203h、時短中カウンタ203i、入球待機フラグ203j、大当たり中フラグ203mを読み出して(S911)、読み出した確変フラグ203h、時短中カウンタ203i、入球待機フラグ203j、大当たり中フラグ203mが示す遊技状態を通知するための状態コマンドを設定する(S912)。S912の処理が終了した後は、回転体用モータ670cの駆動開始を設定し(S913)、割込みを許可して(S914)、後述するメイン処理に移行する。S913の処理により設定された回転体用モータ670cの駆動の設定は、電源が遮断されるまで変更されない。これにより、遊技機に対して電源が投入されている間は、回動部材670aを常に等速で回転動作させ続けることができる。よって、大当たり待機状態において、遊技者に対して回動部材670aの回転位置が、作動入賞口660方向への遊技球の流下(飛翔)を妨げない配置となっているタイミングを狙って遊技球を発射させることができるので、遊技者に対してタイミング良く遊技球を発射する楽しみを与えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、遊技機に対して電源が投入されている間、回動部材670aを等速で回転動作させ続けるように構成したが、これに限られるものではない。大当たり待機状態において、回動部材670aの回転位置が、作動入賞口660への入球を妨げる配置と、妨げない配置とに可変される構成となっていればよく、例えば、大当たり待機状態の間のみ回動部材670aを等速で回転動作させ、その他の状態では動作を停止させる構成としてもよい。
また、本第1実施形態では、回動部材670aの回転速度が等速となるように構成していたが、これに限られるものではなく、ランダムに、または規則的に回転速度や回転方向が可変する構成としてもよい。このように構成することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させる難易度がより高くなるため、作動入賞口660へと狙い通りに遊技球が入球した場合に、遊技者をより喜ばせることができる。
次に、図30を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1011,S1012のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図21参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図21参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図22参照)や始動入賞処理(図24参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、遊技状態が変更された場合に、その遊技状態の変更を通知するための状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図32参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、遊技球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、大当たり待機状態において、作動入賞口660への入球を監視し、作動入賞口660への入球が検出された場合に大当たりを開始するための大当たり開始処理を実行する(S1004)。この大当たり開始処理(S1004)の詳細については、図31を参照して後述する。S1004の処理が終了すると、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の右特定入賞口65aおよび左特定入賞口650aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1005)。大当たり制御処理では、大当たりのラウンド毎に右特定入賞口65a(開閉扉65f1)、または左特定入賞口650aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は遊技球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると右特定入賞口65a(開閉扉65f1)、または左特定入賞口650aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S1005)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S1005)の詳細については、図32を参照して後述する。
S1005の処理が終了すると、次に、第2入球口640に付随する電動役物640aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS623の処理によって電動役物640aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物640aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物640aの開閉制御は、普通図柄変動処理(図26参照)におけるS621の処理またはS622の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図23参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図26参照)のS615の処理またはS616の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図26参照)のS618の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図26参照)のS612の処理またはS613の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図28のNMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1001の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図29のS901参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図31のフローチャートを参照して、大当たり開始処理(S1004)の詳細について説明する。この大当たり開始処理(S1004)は、上述した通り、作動入賞口660への入球を監視し、入球が検出された場合に大当たりを開始するための処理である。
この大当たり開始処理(図31参照)では、まず、入球待機フラグ203jがオンであるかを判別し(S1101)、入球待機フラグ203jがオフであると判別した場合は(S1101:No)、現在が大当たり待機状態ではないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1101の処理において、入球待機フラグ203jがオンであると判別した場合は(S1101:Yes)、現在が大当たり待機状態中であることを意味するので、次に、作動入賞口660への入球を検出したか否かを判別する(S1102)。S1102の処理において、作動入賞口660への入球を検出していないと判別した場合は(S1102:No)、大当たりの開始タイミングではないため、そのまま本処理を終了する。これに対し、S1102の処理において、作動入賞口660への入球を検出したと判別した場合は(S1102:Yes)、大当たりの開始を設定すると共に、大当たり開始フラグ203kをオンに設定する(S1103)。そして、入球待機フラグ203jをオフに設定することで、大当たり待機状態を終了させ(S1104)、本処理を終了する。
次に、図32のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1005)を説明する。図32は、この大当たり制御処理(S1005)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1005)は、メイン処理(図30参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図32参照)では、まず、大当たり開始フラグ203kがオンであるか(即ち、大当たりの開始が設定されたか)を判定する(S1201)。S1201の処理において、大当たり開始フラグ203kがオンであると判別した場合には(S1201:Yes)、大当たりのオープニング期間の開始を通知するためのオープニングコマンドを設定する(S1202)。ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。なお、本第1実施形態では、オープニング期間を0.1秒とし、作動入賞口660に対する遊技球の入球を検出してから、ほとんど時間差無く1ラウンドが開始される(開閉扉65f1が開放される)構成としている。このように構成することで、作動入賞口660へと入球した時点で開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球をほぼ右特定入賞口65aに入球させることができる。よって、遊技者が作動入賞口660へと遊技球を入球させるタイミングを図り易くすることができる。S1202の処理後は、大当たり中フラグ203mをオンに設定すると共に、大当たり開始フラグ203kをオフに設定して(S1203)、本処理を終了する。
一方、S1201の処理において、大当たりフラグ203jがオフであると判定した場合は(S1201:No)、大当たり中フラグ203mがオンであるか(特別図柄の大当たり中であるか)を判別する(S1204)。S1204の処理において、大当たりフラグ203mがオフである(特別図柄の大当たり中ではない)と判別した場合は(S1204:No)、本処理を終了する。
一方、S1204の処理において、大当たり中フラグ203mがオンであると判別した場合は(S1204:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定し(S1205)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1205:Yes)、ラウンド数に対応する特定入賞口の開放を設定する(S1206)。より具体的には、今回が1ラウンド目の開始タイミングであれば、開閉扉65f1を開放することで右特定入賞口65aを開放状態に設定し、1ラウンド目以外であれば左特定入賞口650aを開放状態に設定する。S1206の処理が終了すると、次いで、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1207)、本処理を終了する。ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、そのラウンド数コマンドからラウンド数を抽出する。そして、抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用ラウンド数コマンドが受信されると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出が開始される。
一方、S1205の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1205:No)、特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)の閉鎖条件が成立したかを判定する(S1208)。具体的には、現在が1ラウンドのラウンド期間であれば、右特定入賞口65aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過したか、または、右特定入賞口65aを開放した後に遊技球が右特定入賞口65aに2個以上入賞したことを検出した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。また、現在が1ラウンド目以外のラウンドのラウンド期間であれば、左特定入賞口650aを開放した後に所定時間(例えば、30秒)が経過したか、または、左特定入賞口650aを開放した後に遊技球が左特定入賞口650aに10個以上入賞したことを検出した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1208の処理において、特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)の閉鎖条件が成立したと判別した場合には(S1208:Yes)、開放状態に設定されている特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)の閉鎖を設定して(S1209)、本処理を終了する。一方、S1208の処理において、特定入賞口の閉鎖条件が成立していないと判定した場合には(S1208:No)、エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1210)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態の全ラウンドが終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1210の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1210:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1211)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図30参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
S1210の処理において、エンディングの演出の開始タイミングでないと判定した場合は(S1210:No)、次いで、エンディング演出の終了タイミングであるか否かを判別し(S1212)、エンディング演出の終了タイミングでないと判別した場合は(S1212:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1212の処理において、エンディング演出の終了タイミングであると判別した場合は(S1212:Yes)、今回の大当たりが確変大当たり(大当たりA,B,D,Eの何れか)であるか否かを判別する(S1213)。
S1213の処理において、確変大当たりでない(即ち、通常大当たりである)と判別した場合は(S1213:No)、時短中カウンタ203iの値に100を上書きすることにより、大当たり終了後に100回の普通図柄の時短期間が付与されるように設定して(S1214)、処理をS1216へと移行する。一方、S1213の処理において、今回の大当たりが確変大当たりであると判別した場合は(S1213:Yes)、確変フラグ203hをオンとすることで、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与されるように設定し(S1215)、処理をS1216へと移行する。
S1214の処理、又はS1215の処理後に実行されるS1216の処理では、大当たりが終了した後の遊技状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態であるか、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態であるか)を音声ランプ制御装置113に対して通知するための状態コマンドを設定し(S1216)、大当たりの終了を設定して(S1217)、本処理を終了する。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図33〜図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図33は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4117の電源断処理(図34参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図34を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図34のS4114参照)、S4117の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4117の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S4006の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS4117の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008の処理へと移行する。
S4002の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S4004)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S4005)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S4005の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S4006)、処理をS4008へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S4005の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4117の電源断処理の実行時にオンされる(図34のS4117参照)。つまり、電源断フラグは、S4117の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S4117の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値の設定を行う(S4010)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S4010の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図29参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容を解析して(S4011)、解析結果に応じて遊技状態格納エリア223iのデータを更新する(S4012)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。S4012の処理後は、割込み許可を設定して(S4013)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、S4010〜S4013の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図34を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図34は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS4101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1m秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4111の処理を行わずにS4112の処理へ移行する。S4101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4111が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4112のコマンド判定処理や、S4113の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4112の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4113の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4103〜S4113の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S4107の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後、音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理が終了すると、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4110の処理が終了すると、次に、演出更新処理を実行して(S4111)、処理をS4112に移行する。演出更新処理(S4111)では、大当たり待機状態において実行される待機状態中演出の演出態様(チャンスメーターCM(図7(a),(b)参照)のゲージ数)を、通過検出センサ228a〜228fの検出結果に応じて可変させる制御が実行される。この演出更新処理の詳細については、図35を参照して後述する。
S4112の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4112)。このコマンド判定処理の詳細については、図36、および図37を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S4113)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図38を参照して後述する。
S4113の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4114)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4114の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S4114:Yes)、電源断フラグ、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S4116)、電源断処理を実行する(S4117)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4118)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4114の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4114:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4115)、RAM223が破壊されていなければ(S4115:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4115:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図35を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される演出更新処理(S4111)の詳細について説明する。図35は、この演出更新処理(S4111)を示したフローチャートである。この演出更新処理(S4111)は、上述した通り、待機状態演出における演出態様を更新するための処理である。
演出更新処理(図35参照)では、まず、待機状態演出フラグ223gがオンであるかを判別し(S4201)、オフであると判別した場合は(S4201:No)、現在が待機状態演出の実行中ではない(演出態様を更新する可能性が無い)ため、そのまま本処理を終了する。一方で、S4201の処理において、待機状態演出フラグ223gがオンであると判別した場合は(S4201:Yes)、通過検出センサ228a〜228fのうち、出力がH(ハイ)のセンサの数をカウント(計数)する(S4202)。
S4202の処理が終了すると、S4202の処理によるカウント値(計数値)と、レベルカウンタ223hのカウンタ値とが一致するかを判別する(S4203)。上述した通り、このレベルカウンタ223hは、第3図柄表示装置81において表示されるチャンスメーターCMのゲージ数を示すカウンタである。チャンスメーターCMのゲージ数は、通過検出センサ228a〜228fのうち、出力がH(ハイ)となっているセンサの数に連動して可変される。よって、S4203の処理において、レベルカウンタ223hのカウント値と、S4202の処理におけるカウント値とが異なっていると判別した場合は(S4203:No)、開閉扉65f1の上面における遊技球の個数が変化した等により、チャンスメーターCMの表示態様と出力がH(ハイ)のセンサの数とがずれていることを意味するので、S4202の処理におけるカウント値(計数値)を、レベルカウンタ223gの値に上書きすることで更新する(S4204)。そして、チャンスメーターCMの態様を、S4204の処理で更新したレベルカウンタ223gの値に対応するゲージ数の態様に更新して(S4205)、本処理を終了する。
一方、S4203の処理において、S4202の処理によるカウント値(計数値)と、レベルカウンタ223gの値とが一致していると判別した場合は(S4203:Yes)、現状の通過検出センサ228a〜228fの出力と、チャンスメーターCMのゲージ数とが一致しており、チャンスメーターCMの表示態様(待機状態演出の演出態様)を更新する必要がないので、S4204,S4205の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この演出更新処理(図35参照)を実行することで、チャンスメーターCMの態様を、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数に対応させて更新することができる。よって、チャンスメーターCMの態様を参照して、よりゲージ数が多い態様となっている間に作動入賞口660へと遊技球が入球することを狙って遊技を行わせることができる。つまり、遊技者に対して作動入賞口660を狙うべきタイミングをより分かり易くすることができる。よって、パチンコ機10での遊技を行った経験が浅い遊技者に対しても、作動入賞口660を狙うタイミングを直感的に理解させ易くすることができる。これにより、初めて遊技を行う遊技者に対しても、気軽に遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、待機状態演出の実行中において、演出更新処理(図35参照)が実行される毎にS4203の処理によって通過検出センサ228a〜228fの出力状況と、チャンスメーターCMのゲージ数との齟齬が生じていないか(チャンスメーターCMの態様を更新すべきか)を判別する構成としていたが、チャンスメーターCMの態様を更新する頻度を少なくしてもよい。具体的には、例えば、待機状態演出の実行中は、0.5秒に1回のみS4203の処理を実行する構成としてもよい。このように構成することで、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。
次に、図36を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4112)について説明する。図36は、このコマンド判定処理(S4112)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図34参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S4301)。S4301の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S4301:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S4302)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4303)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S4301の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S4301:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S4304)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S4304:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S4305)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S4306)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図38参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S4304の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S4304:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S4307)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S4307:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、または第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(S4308)。また、S4308の処理では、更新された第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S4308の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、遊技球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S4308の処理によって音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203eの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203e、および第2特別図柄保留球数カウンタ203fの値に合わせることができる。尚、S4308の処理が実行されると、更新された第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S4307の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4307:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S4309)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S4309:Yes)、受信したコマンドに応じて遊技状態格納エリア223iのデータを更新する(S4310)。即ち、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた情報に基づき、特別図柄の確変状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「11B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「01B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の通常状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「00B」に設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S4309の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S4309:No)、次いで、入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S4311)。S4311の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4311:Yes)、受信した入賞情報コマンドにより通知された情報(新たな始動入賞を検出した入球口の種別、および抽選結果を示す情報)を、入賞情報格納エリア223aの対応する記憶領域に格納して(S4312)、本処理を終了する。
S4311の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4311:No)、次いで、当たりに関連するコマンド(待機状態コマンド、オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S4313)。そして、当たりに関連するコマンドを受信したと判定した場合には(S4313:Yes)、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための当たり関連処理を実行して(S4314)、本処理を終了する。この当たり関連処理(S4314)の詳細については、図37を参照して後述する。
一方、S4313の処理において、大当たりに関連するコマンドを受信していないと判定した場合には(S4313:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4315)、本処理を終了する。S4315の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図37を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される当たり関連処理(S4314)について説明する。図37は、この当たり関連処理(S4314)を示したフローチャートである。
当たり関連処理では、まず、待機状態コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、待機状態コマンドを受信していれば(S4401:Yes)、待機状態演出を開始させるための表示用待機状態コマンドを設定する(S4402)。ここで設定された表示用待機状態コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用待機状態コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たり待機状態であることを報知するための待機状態演出を開始する。S4402の処理が終了すると、次に、待機状態演出フラグ223gをオンに設定することで待機状態演出の実行中であることを示し(S4403)、本処理を終了する。
一方、S4401の処理において、待機状態コマンドを受信していないと判別した場合は(S4401:No)、次いで、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4404)、オープニングコマンドを受信していれば(S4404:Yes)、オープニング演出を開始させるための表示用オープニングコマンドを設定し(S4405)、待機状態演出フラグ223gをオフにすることで待機状態演出の終了を設定して(S4406)、本処理を終了する。S4405の処理で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。
一方、S4404の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4404:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S4407:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S4408)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S4408の処理後は、本処理を終了する。
一方、S4407の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4407:No)、次いで、主制御装置110よりエンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S4409)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S4409:Yes)、エンディング演出を開始させるための表示用エンディングコマンドを設定し(S4410)、本処理を終了する。S4410の処理で設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図34参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの終了を報知するためのエンディング演出を開始する。
一方、S4409の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4409:No)、そのまま本処理を終了する。この当たり関連処理(図37参照)を実行することにより、当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図38を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4113)について説明する。図38は、この変動表示設定処理(S4113)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4113)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図34参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S4501)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4501:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4506の処理へ移行する。一方、S4501の処理において、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合は(S4501:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S4502)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS4303の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S4503)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S4504)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S4505)、処理をS4506へと移行する。S4505の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S4506の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S4506)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S4506:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理(図38参照)を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S4506:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフに設定し(S4507)、次いで、コマンド判定処理(図36参照)のS4306の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S4508)。次に、S4508の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S4509)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図39から図53を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図39を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図39は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型フラッシュメモリ234dに格納されることにより、NOR型フラッシュメモリは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図40を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図40は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリ234aは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型フラッシュメモリ234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図39のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図39のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型フラッシュメモリ234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型フラッシュメモリ234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図40に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図39の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図51(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図51(a)のS7602参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図41(b)参照)において、図16に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図41(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図41(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図41(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図41(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図41(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図41(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図41(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図42〜図47を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図48〜図50を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図51および図52を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図20に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図53を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜F、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図42〜図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図42は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図42に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図43(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図43(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6504の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図42の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図43(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図43(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜F、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図41(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図42に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用待機状態コマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用待機状態コマンドがあれば(S6408:Yes)、待機状態コマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図44を参照して、待機状態コマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図44は、待機状態コマンド処理を示すフローチャートである。この待機状態コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した待機状態コマンドに対応する処理を実行するものである。
待機状態コマンド処理では、まず、待機状態演出用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、待機状態演出用表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定した待機状態演出用表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6705)、待機状態コマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、待機状態コマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6410:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図45(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図45(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6802)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6803)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻り、説明を続ける。S6410の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6412:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図45(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図45(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
そして、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻って説明を続ける。S6412の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6414)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6414:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図46を参照して、エンディングコマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図46は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S7001)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7002)。
次いで、S7001の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7003)、ポインタ233fを0に初期化する(S7004)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S7005)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図42に戻り、説明を続ける。S6414の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6416)、背面画像変更コマンドがあれば(S6416:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図47(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図47(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7603)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S7101)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7102)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7101の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7102の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理(S6304)では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7102によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7102の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図42の説明に戻る。S6416の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6418)、エラーコマンドがあれば(S6418:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6419)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図47(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6419)の詳細について説明する。図47(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7201)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7202)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理(S6303)では、S7201の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7202の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7202に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図42の説明に戻る。S6418の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6418:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6420)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6420の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6420の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図41(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図43(a)参照)および停止種別コマンド処理(図43(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図43(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図48〜図50を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図48は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図48に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7301)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7301:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7302〜S7304の処理をスキップし、S7305の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7301:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7302)、S7303〜S7304の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7303の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7303)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7303:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7304)。
ここで、図49を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図49は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7401)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7401の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7402)、表示設定処理に戻る。
ここで、図48の説明に戻る。警告画像設定処理(S7304)の後、又は、S7303の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7303:No)、次いで、S7305の処理へ移行する。
S7305では、ポインタ更新処理を実行する(S7305)。ここで、図50を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図50は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7501)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7501の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7502)。その結果、End情報であれば(S7502:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7503)、デモ用表示データテーブルであれば(S7503:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7504)、S7507の処理へ移行する。
一方、S7503の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7503:No)、表示データテーブルが待機状態演出用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7505)、待機状態演出用表示データテーブルであれば(S7505:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている待機状態演出用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7506)、S7507の処理へ移行する。
S7507の処理では、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7507)、本処理を終了して、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7505の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルが待機状態演出用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7505:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7508)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7502の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7502:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図48に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7306)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7306の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7307)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7308)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7308:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7308:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7309)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7309:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7310)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7311)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7312)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7313)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7314)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7315)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7315の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7315によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7309の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7309:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7316)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7316:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ用表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7317)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7318)。そして、デモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7319)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7320)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7321)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7316の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7316:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図41(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図51及び図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図51(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7601)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7601:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7602)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図51(b)を参照して後述する。
一方、S7601の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7601:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図52を参照して後述する。
次いで、図51(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7602)について説明する。図51(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7602)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7701)、転送指示を送信していれば(S7701:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7702)。このS7702の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7702の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7702:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7702:Yes)、S7703の処理へ移行する。また、S7701の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7701:No)、S7703の処理へ移行する。
S7703の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7703)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7703:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7704)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7703の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7703:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7705)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図41(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図41(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図41(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図42〜図47参照)および表示設定処理(図48〜図50参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図52参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図51(a)のS7601:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(図51(a)、S6305参照)の一処理である通常画像転送設定処理(S7603)について説明する。図52は、この通常画像転送設定処理(S7603)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(図48、S6303参照)のポインタ更新処理(S7305)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7801)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7802)、転送データ情報であれば(S7802:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7803)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7804)、S7805の処理へ移行する。
また、S7802の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7802:No)、S7803及びS7804の処理をスキップして、S7805の処理へ移行する。S7805の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7805)、転送指示を設定していれば(S7805:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7806)。
このS7806の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7806の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7806:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7806:Yes)、S7807の処理へ移行する。また、S7805の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7805:No)、S7807の処理へ移行する。
S7807の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7807)、転送開始フラグがオンであれば(S7807:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7808)、S7803の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7813の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7807:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S7809)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S7809:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S7809:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S7810)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7811)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7812)、S7813の処理へ移行する。
S7813の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7813)。このS7813の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7813:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7813の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7813:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7814)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7814の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7815)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、オープニング演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図53は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図20参照)を生成する(S7901)。即ち、S7901の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7902)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7902の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7903)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図41(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり中に遊技球が入球することで賞球が払い出される可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖され、右特定入賞口65aに遊技球を入球させることが不可能な状態において、開閉扉65f1の上面を遊技球が流下可能となるように構成している。そして、開閉扉65f1の上面は、1ラウンド目の終了条件となる入球個数(即ち、2個)を上回る個数の遊技球を同時に流下させることが可能に構成している。言い換えれば、1の遊技球が開閉扉65f1の上面に到達してから、開閉扉65f1の上面を通過するまでの間に、1ラウンド目の終了条件となる入球個数(即ち、2個)を上回る個数の遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることが可能となるように構成している。これにより、1ラウンド目が開始される(開閉扉65f1が開放される)タイミングで、開閉扉65f1の上面を流下している遊技球が多くなるほど、開閉扉65f1上を流下していた遊技球を、開放された開閉扉65f1から右特定入賞口65aへと入球させて、より多くの賞球を獲得することができる。よって、大当たりの1ラウンドの開始タイミングにおいて、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数に注目して遊技を行わせることができるので、1ラウンド目の開始時における遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、作動入賞口660へと遊技球が入球したことを契機として大当たりが開始される構成としている。これにより、作動入賞口660へ向けて遊技球を発射するタイミングを調節することにより、大当たりの1ラウンド目が開始されるタイミングを遊技者が調節することができるので、遊技者にとってより有利となるタイミング(つまり、開閉扉65f1の上面をより多くの遊技球が通過しているタイミング)を狙って作動入賞口660へと遊技球を入球させる遊技性を実現することができる。よって、遊技者の技量(作動入賞口660を狙うタイミング)に応じて、大当たりの所定期間(1ラウンド終了まで)に遊技者が獲得できる賞球(特典)の量を異ならせることができるので、作動入賞口660へと遊技球を入球させるタイミングをより真剣に図らせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
更に、本第1実施形態では、大当たりが確定してから大当たりが開始されるまでの間の大当たり待機状態において、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に遊技者が受けることができる恩恵(賞球数)の目安を、演出態様(チャンスメーターCMのゲージ数)によって遊技者に示唆する構成としている。このように構成することで、作動入賞口660を狙うべきタイミングを、より分かり易くすることができる。よって、パチンコ機10で遊技を行った経験が浅い遊技者であっても、分かり易い遊技性を実現することができるので、遊技者に敬遠され難い遊技機を提供できる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、開閉扉65f1の上面に3つの凸部65f1a〜65f1cを設けることにより、凸部65f1a〜65f1cを遊技球が迂回する構成とし、遊技球が開閉扉65f1を通過する通過期間が長くなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、凸部65f1a〜65f1cを設けるのに代えて、または加えて、開閉扉65f1の上面の材質を、他の部分(遊技盤13の表面や右可変入賞装置65の内面等)よりも摩擦係数が大きい材質(例えば、弾性体等)で構成したり、遊技球が転動し難くなる加工を施したり(例えば、表面に凹凸を設ける等)してもよい。
本第1実施形態では、1ラウンドが開始されてから30秒間が経過するか、または30秒間が経過する前に右特定入賞口65aに2個以上の遊技球が入球した場合に1ラウンド目を終了させる構成としていた。即ち、右打ちを行っていれば、ほぼ確実に上限個数(2個)の遊技球を右特定入賞口65aに入球させて1ラウンド目が終了するように、終了条件を設定していたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンドが開始されてから右特定入賞口65aを狙って右打ちを行っても、遊技球を入球させることが困難となる長さの期間で1ラウンド目が終了する構成としてもよい。具体的には例えば、1ラウンドが開始されてから0.5秒間が経過するか、0.5秒間が経過する前に10個以上の遊技球が右特定入賞口65aに入賞した場合に1ラウンド目を終了する構成としてもよい。このように構成した場合、作動入賞口660へと遊技球が入球したタイミングで開閉扉65f1の上面を遊技球が通過中でなければ、遊技球を1個も右特定入賞口65aへと入球させることなく1ラウンド目が終了してしまう可能性が高くなる遊技性を提供することができる。よって、1ラウンド目において賞球を獲得したいと考える遊技者に対して、大当たり待機状態において作動入賞口660へと遊技球を入球させる前に、遊技球を開閉扉65f1に向けて打ち出させた後で作動入賞口660を狙うという遊技性を楽しませることができる。よって、遊技者の大当たり待機状態における遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第1実施形態では、大当たり待機状態において、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数の目安をチャンスメーターCMのゲージ数によって示唆することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合の有利度合いを示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって大当たりの有利度合いを示唆する構成としてもよい。具体的には例えば、チャンスメーターCMのゲージ数によって、大当たり種別を示唆することにより、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。また、例えば、大当たりが確定した時点では大当たりのラウンド数が不定となるように構成し、作動入賞口660を通過させたタイミングで大当たりのラウンド数を抽選する構成としてもよい。そして、ゲージ数によって、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合に実行される抽選で決定されるラウンド数を示唆することで、作動入賞口660に遊技球を入球させた場合の有利度合いを遊技者に示唆する構成としてもよい。
本第1実施形態では、遊技機に対して電源が投入されている間、回動部材670aを等速で回転動作させ続けるように構成したが、これに限られるものではない。大当たり待機状態において、回動部材670aの回転位置が、作動入賞口660への入球を妨げる配置と、妨げない配置とに可変される構成となっていればよく、例えば、大当たり待機状態の間のみ回動部材670aを等速で回転動作させ、その他の状態では動作を停止させる構成としてもよい。
本第1実施形態では、回動部材670aの回転速度が等速となるように構成していたが、これに限られるものではなく、ランダムに、または規則的に回転速度や回転方向が可変する構成としてもよい。このように構成することで、作動入賞口660へと遊技球を入球させる難易度がより高くなるため、作動入賞口660へと狙い通りに遊技球が入球した場合に、遊技者をより喜ばせることができる。
本第1実施形態では、待機状態演出により、大当たりが開始された場合の有利度合い(1ラウンド目に獲得できる賞球数)を示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりが開始された場合の有利度合いに代えて、又は加えて、待機状態演出により大当たり自体の有利度合いを示唆する演出を実行する構成としてもよい。具体的には、例えば、大当たり後の遊技状態(確変大当たりであるか否か)や、ラウンド数等を示唆する演出を実行する構成としてもよい。また、大当たり自体の有利度合いを示唆する演出を実行する場合には、大当たり待機状態中に実行しなくても良い。例えば、第3図柄の停止表示時に、第3図柄の種別によって実行中に大当たり自体の有利度合いを示唆してもよい。また、オープニング期間やラウンド期間、エンディング期間等において大当たり自体の有利度合いを示唆してもよい。
本第1実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなり、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合に大当たりが開始されるタイプのパチンコ機10を例に取って説明したが、異なる仕様のパチンコ機10に適用してもよい。例えば、遊技盤13における特定領域に遊技球が入球した場合に大当たりが開始されるパチンコ機10に対して適用してもよい。即ち、特別図柄の抽選を行う機能自体が搭載されていないタイプのパチンコ機10(所謂、2種タイプ)や、特別図柄の抽選を行う機能は搭載されているものの、特別図柄の抽選結果とは無関係に、特定領域に遊技球が入球すると大当たりが開始されるタイプのパチンコ機10(所謂、1種2種混合タイプ)に適用してもよい。このように構成することで、特定領域へと遊技球を入球させる時点における開閉扉65f1の上面の遊技球個数に応じて大当たりの1ラウンド目の有利度合いを可変させることができる。
<第2実施形態>
次に、図54から図62を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり待機状態に移行し、その大当たり待機状態の間に作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に大当たりが開始される構成としていた。また、作動入賞口660は遊技盤13の右上側に1箇所のみ設ける構成としていた。即ち、大当たり待機状態となった場合には、大当たり種別によらず、遊技盤13の右上側に向かって遊技球を発射して作動入賞口660へと遊技球を入球させない限り、大当たりが開始されない構成としていた。
これに対して本第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13の右上側と、左下側とにそれぞれ大当たり開始の契機となる作動入賞口(右作動入賞口661、左作動入賞口662)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの開始の契機となる作動入賞口を異ならせる構成としている。また、左作動入賞口662は、大当たり待機状態となった場合に、比較的短い時間(約0.5秒間)で、ほぼ自動的に遊技球が入球する構成としている。つまり、左作動入賞口662が大当たりの開始の契機となる大当たり種別の場合には、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させるよりも前に、大当たりの1ラウンド目が開始される構成としている。つまり、遊技者が1ラウンド目にオーバー入賞を狙うことが不可能な大当たり種別を設ける構成としている。これにより、オーバー入賞を狙うことができる大当たり種別と、オーバー入賞を狙うことができない大当たり種別とを設けることができるので、ラウンド数や大当たり後の遊技状態以外にも、大当たり種別毎の有利度合いに差を設けることができる。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図54を参照して、第2実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図54に示した通り、遊技盤13の正面視右上側には、第1実施形態における作動入賞口660に代えて、遊技球が入球可能な右作動入賞口661が設けられている。この右作動入賞口661は、本第2実施形態における8種類の大当たり(大当たりA2〜H2)のうち、大当たりA2,B2,D2,F2〜H2の6種類の大当たりの開始の契機となる作動入賞口である。この右作動入賞口661は、特別図柄の抽選で上記6種類の大当たり(大当たりA2,B2,D2,F2〜H2)のいずれかとなった場合に移行される大当たり待機状態の間のみ、入球が有効と判定されるように構成されている。
また、図54に示した通り、第1入球口64に対して正面視左下側には、遊技球が入球可能な左作動入賞口662が設けられている。この左作動入賞口662は、本第2実施形態における8種類の大当たり(大当たりA2〜H2)のうち、大当たりC2,E2の2種類の大当たりの開始の契機となる作動入賞口である。即ち、特別図柄の抽選で大当たりC2,E2のどちらかとなったことを契機として移行する大当たり待機状態において、遊技球の入球が有効と判定される作動入賞口である。この左作動入賞口662に対して正面視上方には、図54に示した通り、貯留装置675が設けられている。この貯留装置675は、鉛直上方から流下してきた遊技球を1個のみ貯留することが可能に構成されている。この貯留装置675は、1個の遊技球が流下可能な幅で構成された流路の下端に、貯留装置675に入球した遊技球を受け止めて貯留する(遊技球の流下を妨げる)ことが可能な閉鎖位置と、貯留装置675へと入球した遊技球の流下を妨げることなく、遊技球をそのまま貯留装置675の下方へと排出する開放位置とに可変可能な貯留弁675aが設けられている。
この貯留装置675の貯留弁675aは、大当たり待機状態が設定された場合に開放位置に可変され、大当たりの終了時に閉鎖位置に可変される。図54に示した通り、貯留装置675の直下には左作動入賞口662が配設されているので、貯留装置675に遊技球が貯留されている状態で大当たり待機状態になると、貯留弁675aが開放されることで貯留されていた遊技球が下方へと流下する結果、大当たり待機状態となった直後(約0.5秒後)に左作動入賞口662へと遊技球が入球する。ここで、通常時(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)においては、第2入球口640へと遊技球が入球し難い(電動役物640aが開放され難い)ので、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行うのが遊技者にとって最も損の少ない遊技方法となる。第1入球口64を狙って遊技球を発射すると、第1入球口64の左下側に配設されている貯留装置675の方向へも遊技球が流下する。これにより、通常時においては、大当たりとなるまでの間に、ほぼ、貯留装置675に遊技球が貯留された状態となる。よって、通常時に大当たりC2,E2のいずれかになった場合は、ほぼ、大当たり待機状態となった直後に大当たりが開始されることとなる。このため、大当たりC2,E2になると、大当たり待機状態となる期間が短すぎて、大当たり待機状態の間に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることがほぼ不可能となるため、オーバー入賞を狙うことができなくなる。このため、大当たりの1ラウンド目における入賞個数が最低限(2個)となる可能性が極めて高くなる結果、他の大当たりの1ラウンド目に比較して、獲得できる賞球数の面で不利となる。
このように、本第1実施形態では、右作動入賞口661が大当たり開始の契機となる大当たり種別(大当たりA2,B2,D2,F2〜H2)では、第1実施形態と同様に1ラウンド目にオーバー入賞を狙って賞球をより多く獲得する遊技性で遊技を行うことができる一方で、左作動入賞口662が大当たり開始の契機となる大当たり種別(大当たりC2,E2)では、ほぼ、オーバー入賞を狙う間もなく大当たりが開始される構成とした。これにより、大当たり種別に応じて大当たりの1ラウンド目における有利度合いに差をつけることができるので、大当たりとなった場合に、遊技者に対して大当たり種別により注目させることができる。よって、遊技者の興趣をより向上させることができる。なお、以降では、説明の簡略化のために、右作動入賞口661への入球を契機として開始される大当たり種別のことを、「右契機大当たり」と称し、左作動入賞口662への入球を契機として開始される大当たり種別のことを、「左契機大当たり」と称する。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図55、および図56を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のROM202、RAM203について説明する。なお、本第2実施形態のROM202は、上述した第1実施形態のROM202に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更となっているのみであり、その他の構成については、上述した第1実施形態と同一である。よって、第2実施形態におけるROM202の説明としては、第1当たり種別選択テーブル202bの詳細のみを説明する。
図55は、本第2実施形態におけるROM202に規定されている第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図55に示した通り、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る5種類の大当たり種別(大当たりA2〜E2)と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に決定され得る3種類の大当たり種別(大当たりF2〜H2)とが規定されている。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲に対しては、「大当たりA2」が対応付けて規定されている(図55の202b1参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA2」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA2」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりA2」は、第1実施形態における「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりA2」は、右作動入賞口661への入球を契機として開始される右契機大当たりの一種である。このため、大当たり待機状態の間に遊技球をより多く開閉扉65f1の上面に到達させた状態で右作動入賞口660へと遊技球を入球させることができれば、通常(1ラウンドが開始されてから遊技球を右打ちした場合)よりも多くの賞球を獲得できるので、左契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が有利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜14」の範囲に対しては、「大当たりB2」が対応付けて規定されている(図55の202b2参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB2」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりB2」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりB2」は、「大当たりA2」と同様に、右作動入賞口661への入球を契機として開始される右契機大当たりの一種である。このため、左契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が有利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「15〜64」の範囲に対しては、「大当たりC2」が対応付けて規定されている(図55の202b3参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC2」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC2」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC2」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりC2」は、左作動入賞口662への入球を契機として開始される左契機大当たりの一種である。このため、右契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が不利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜74」の範囲に対しては、「大当たりD2」が対応付けて規定されている(図55の202b4参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD2」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりD2」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりD2」は、右作動入賞口661への入球を契機として開始される右契機大当たりの一種である。このため、左契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が有利となり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜99」の範囲に対しては、「大当たりE2」が対応付けて規定されている(図55の202b5参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE2」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE2」が決定される割合は25%(25/100)である。この「大当たりE2」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりE2」は、左作動入賞口662への入球を契機として開始される左契機大当たりの一種である。このため、右契機大当たりに比べて1ラウンド目に獲得できる賞球数が不利となり易い。
このように、本第2実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、25%の割合で右契機大当たり(大当たりA2,B2,D2の何れか)となり、75%の割合で左契機大当たり(大当たりC2,E2の何れか)となるように構成している。即ち、大当たり待機状態の間に遊技球をより多く開閉扉65f1の上面に到達させた後でタイミング良く右作動入賞口661を狙う遊技性で遊技を行うことができるのは、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の25%である。大半(75%の割合)は、大当たり待機状態となってから、即座に(約0.5秒間で)大当たりが開始されてしまう大当たりであるので、右契機大当たりとなった場合に、遊技者をより喜ばせることができる。
また、図55に示した通り第2特別図柄の大当たりは、右契機大当たりのみで構成されている。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、必ず右作動入賞口661へと遊技球が入球したことを契機として大当たりが開始される。このように構成しているのは、第2特別図柄の抽選が実行されるのは、基本的に「普通図柄の時短状態」の間であり、遊技者が遊技球を連続して右打ちにより発射している間となるため、大当たり待機状態の開始時に貯留装置675に対して遊技球が貯留されていない可能性が高いからである。つまり、第2特別図柄の大当たりの中に左契機大当たりを設ける構成にしたとしても、大当たり待機状態の直後に大当たりを開始させることができない可能性が高いので、無駄に左契機大当たりを設けず、右契機大当たりのみを設ける構成としている。これにより、大当たり種別を削減することができるので、大当たり種別毎のデータを格納しておくための記憶領域の記憶容量を削減することができる。
第2実施形態における第2特別図柄の各大当たり(大当たりF2〜H2)は、それぞれ第1実施形態における第2特別図柄の各大当たり(大当たりD〜F)と、ラウンド数や大当たり後の遊技状態が全く同一である。よって、その詳細な説明については省略する。
なお、本第2実施形態では、第2特別図柄の大当たりとなった場合に必ず右契機大当たりとなるように構成していたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の大当たりとなった場合にも、所定の割合(例えば、10%)で左契機大当たりとなるように構成してもよい。上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、貯留装置675に遊技球が貯留されている可能性は低いので、左契機大当たりとなった場合にも、大当たり待機状態となった場合に即座に遊技球が左作動入賞口662へと入球することはない。よって、左契機大当たりとなった場合には、左作動入賞口662へと遊技球を入球させるタイミングを計る遊技性を提供することができる。即ち、右契機大当たりとなるか、左契機大当たりとなるかによって大当たり待機状態の間に狙う作動入賞口を異ならせることができる。よって、大当たり待機状態の間の遊技のバリエーションを多様化することができる。
次に、図56を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のRAM203について説明する。図56は、RAM203の構成を示したブロック図である。図56に示した通り、本第2実施形態におけるRAM203は、上述した第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、開始契機格納エリア203nが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM203と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
開始契機格納エリア203nは、大当たりの開始契機となる作動入賞口の種別を示すデータが格納される記憶領域である。より具体的には、この開始契機格納エリア203nにデータとして「01H」が格納されている場合には、大当たりの開始契機が右作動入賞口661である(今回の大当たりが右契機大当たりである)ことを意味し、「02H」が格納されている場合には、大当たりの開始契機が左作動入賞口662である(今回の大当たりが左契機大当たりである)ことを意味する。この開始契機格納エリア203nは、初期値が「00H」に設定されており、特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たり待機状態に移行する際に、今回の大当たり種別に応じたデータが上書きされる(図57のS232参照)。大当たり待機状態の間は、この開始契機格納エリア203nに格納されているデータに対応する作動入賞口に対する入球を監視して、当該監視している作動入賞口に対する入球を検出した場合に、大当たりの開始を設定する構成としている(図59のS1113,S1114参照)。これにより、大当たり種別に応じて、異なる作動入賞口への入球を契機として大当たりを開始させることができるので、右契機大当たりとなった場合には、第1実施形態と同様の、タイミング良く作動入賞口を狙う遊技性を実現できる一方で、左契機大当たりとなった場合には、作動入賞口を狙わなくても大当たりが開始される遊技性を実現することができる。よって、大当たり待機状態における遊技性を多様化させることができる。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図57から図60を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図57を参照して、特別図柄変動処理2(S111)について説明する。この特別図柄変動処理2(S111)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えて実行される処理であり、特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示の設定や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動処理2(図57参照)のうち、S201〜S23の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS201〜S223の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における特別図柄変動処理2(図57参照)では、S220の処理が終了すると、貯留弁675aの開放を設定する(S231)。貯留弁675aを開放することで、貯留装置675に対して遊技球が貯留されている場合に、大当たり待機状態の開始直後に左作動入賞口662に対して遊技球を入球させることができる。これにより、左契機大当たりとなった場合に、開放扉65f1の上面に対して遊技球を到達させる間もなく大当たりを開始させることができる。
S231の処理が終了すると、次に、開始契機格納エリア203nに格納されているデータを、今回の大当たり種別に応じたデータに更新して(S232)、処理をS223へと移行する。S232の処理では、今回の大当たりが右契機大当たり(大当たりA2,B2,D2,F2〜H2の何れか)である場合に、データとして「01H」を格納し、左契機大当たり(大当たりC2,E2の何れか)である場合に、データとして「02H」を格納する。
次に、図58を参照して、本第2実施形態における立ち上げ処理2について説明する。この立ち上げ処理2は、第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、電源投入に伴って起動される処理である。
この第2実施形態における立ち上げ処理2(図58参照)のうち、S901〜S914の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)のS901〜S914の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における立ち上げ処理2(図58参照)では、S911の処理が終了すると、次に、入球待機フラグ203jと、大当たり中フラグ203mのどちらかがオンであるか判別し(S921)、いずれかのフラグがオンであると判別した場合は(S921:Yes)、貯留装置675の貯留状態が解除されているべき期間(大当たり待機状態中、または大当たり中)であることを意味するので、貯留弁675aの開放を設定して(S922)、処理をS912へ移行する。これに対し、S921の処理において、入球待機フラグ203jと、大当たり中フラグ203mのどちらもオフであると判別した場合は(S921:No)、貯留装置675が貯留状態に設定されているべき期間(通常遊技中)であることを意味するので、貯留弁675aの閉鎖を設定して(S923)、処理をS912へと移行する。
次に、図59を参照して、本第2実施形態における大当たり開始処理2(S1021)について説明する。この大当たり開始処理2(S1021)は、メイン処理(図30参照)の中で、第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)に代えて実行される処理であり、大当たり種別に対応する作動入賞口(右作動入賞口661、または左作動入賞口662)への入球を監視し、作動入賞口への入球が検出された場合に大当たりを開始するための処理である。
この第2実施形態における大当たり開始処理2(図59参照)のうち、S1101,S1103、およびS1104の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)のS1101,S1103、およびS1104の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における大当たり開始処理2(図59参照)では、S1101の処理において入球待機フラグ203jがオンである(即ち、大当たり待機状態である)と判別した場合に(S1101:Yes)、次いで、開始契機格納エリア203nのデータを読み出して(S1111)、読み出したデータが右作動入賞口661を示すデータ(即ち、「01H」)であるかを判別する(S1112)。S1112の処理において、右作動入賞口661に対応するデータ(即ち、「01H」)が格納されていると判別した場合は(S1112:Yes)、次いで、右作動入賞口661への入球を検出したか判別し(S1113)、入球を検出していない場合は(S1113:No)、大当たり待機状態を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、S1113の処理において、右作動入賞口661への入球を検出したと判別した場合は(S1113:Yes)、大当たり待機状態を終了して大当たりを開始させるために、処理をS1103へと移行する。
これに対して、S1112の処理において、開始契機格納エリア203nに格納されているデータが、左作動入賞口662を示すデータ(即ち、「02H」)であると判別した場合は(S1112:No)、左作動入賞口662への入球を検出したか判別し(S1114)、左作動入賞口662への入球を検出していない場合は(S1114:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1114の処理において、左作動入賞口662への入球を検出したと判別した場合は(S1114:Yes)、大当たり待機状態を終了して大当たりを開始させるために、処理をS1103へと移行する。
この大当たり開始処理2(図59参照)を実行することにより、大当たり種別(右契機大当たりであるか、左契機大当たりであるか)に応じて、大当たりの契機となる作動入賞口の種別を切り替えることができる。よって、右契機大当たりとなった場合は、右作動入賞口661を狙うタイミングに応じて大当たりの1ラウンドに遊技者が享受できる利益(賞球数)が可変する遊技性と、大当たり待機状態中の遊技方法が利益(賞球数)に影響しない遊技性とを切り替えることができる。
次に、図60を参照して、本第2実施形態における大当たり制御処理2(S1022)について説明する。この大当たり制御処理2(S1022)は、メイン処理(図30参照)の中で第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えて実行される処理であり、大当たり制御処理(図32参照)と同様に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
この第2実施形態における大当たり制御処理2(図60参照)のうち、S1201〜S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201〜S1217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2実施形態における大当たり制御処理2(図60参照)では、S1214、またはS1215の処理が終了した後で、貯留装置675の貯留弁675aの閉鎖を設定して(S1221)、処理をS1216へと移行する。これにより、貯留装置675の貯留状態が解除される期間を、大当たり待機状態中、および大当たり中に限ることができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図61、および図62を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。まず、図61を参照して、本第2実施形態における当たり関連処理2(S4321)について説明する。この当たり関連処理2(S4321)は、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第2実施形態における当たり関連処理(図61参照)のうち、S4401、およびS4404〜S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401、およびS4404〜S4410の各処理と同一の処理が実行される。また、第2実施形態における当たり関連処理2(図61参照)では、S4401の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に待機状態コマンドがあると判別した場合に(S4401:Yes)、受信した待機状態コマンドに応じて待機状態演出の内容を決定するための待機状態コマンド処理を実行し(S4421)、本処理を終了する。この待機状態コマンド処理(S4421)の詳細について、図62を参照して説明する。
図62は、待機状態コマンド処理(S4421)を示すフローチャートである。待機状態コマンド処理(S4421)では、まず、今回の大当たりが、右契機大当たりであるかを判別し(S4601)、右契機大当たりであると判別した場合は(S4601:Yes)、第1実施形態と同様に待機状態演出(図7参照)を実行させるための表示用待機状態コマンドを設定し(S4602)、待機状態演出フラグ223gをオンに設定して(S4603)、本処理を終了する。
一方、S4601の処理において、今回の大当たりが右契機大当たりでない(左契機大当たりである)と判別した場合は(S4601:No)、待機状態演出を実行する代わりに、変動表示演出において確定表示された第3図柄をそのまま確定表示させ続ける(確定表示を延長させる)態様の待機状態演出を実行させるための表示用待機状態コマンドを設定して(S4604)、本処理を終了する。左契機大当たりの場合に、単に第3図柄の確定表示を延長させる態様の待機状態演出としているのは、左契機大当たりとなった場合の大当たり待機状態が、極めて短期間(0.5秒程度)で終了して大当たりが開始されるためである。よって、左契機大当たりとなった場合に、右契機大当たりと同様の待機状態演出(図7参照)を実行する構成にすると、一瞬(約0.5秒間)だけ待機状態演出が表示された後で大当たりが開始されるので、遊技者が表示内容に違和感を抱かせてしまったり、遊技者を混乱させてしまう虞がある。そこで、本第2実施形態では、左契機大当たりとなったことに基づいて設定された大当たり待機状態において、変動表示演出の終了時の表示態様(第3図柄の確定表示)を大当たりが開始されるまでそのまま表示させ続ける構成としている。このように構成することで、変動表示が終了してからそのまま大当たりが開始されたかのように遊技者に感じさせることができるので、遊技者に対して違和感を抱かせてしまったり、遊技者を混乱させてしまうことを防止(抑制)することができる。
以上説明した通り、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13の右上側と、左下側とに、2種類の作動入賞口を配設し、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を異ならせる構成としている。遊技盤13の右上側に設けられた右作動入賞口661は、右打ちにより遊技球を発射した場合に入球し得る位置に設けられている一方で、遊技盤13の左下側に設けられた左作動入賞口662は、左打ちにより遊技球を発射した場合に入球し得る位置に設けられている。また、左作動入賞口662の上方には、遊技球を1個のみ貯留しておくことができる貯留装置675が配設されており、左打ちを行う遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)において、遊技者が第1入球口64を狙って遊技球を発射する遊技を行うと、第1特別図柄の大当たりとなるまでの間に、ほぼ、貯留装置675に対して遊技球が貯留された状態となるように構成している。この貯留装置675の貯留状態は、大当たり待機状態となったことを契機に解除されるので、左作動入賞口662へと入球したことを契機に開始される大当たり種別(左契機大当たり)となった場合には、貯留装置675に貯留されていた遊技球が下方へと流下して左作動入賞口662へと入球するため、大当たり待機状態となった直後に大当たりが開始される。これにより、左契機大当たりは、大当たりの1ラウンド目において、開閉扉65f1の上面に遊技球が到達していない状態で大当たりが開始される可能性が高くなるので、遊技者の技量によらず、得られる賞球数が毎回ほぼ同一となる。これに対して右契機大当たりになると、右作動入賞口661を狙って遊技球を発射しない限り大当たりが開始されないので、第1実施形態と同様に、右作動入賞口661へと遊技球を入球させるタイミングに応じて、大当たりの1ラウンド目に遊技者が得られる賞球数を異ならせることができる遊技性を実現することができる。よって、本第2実施形態では、左契機大当たりとなるか、右契機大当たりとなるかに応じて、大当たり待機状態、および大当たりの1ラウンド目における遊技性を異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本第2実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たりの開始の契機となる作動入賞口を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、全ての大当たり種別で、左右のどちらの作動入賞口へ遊技球が入球した場合にも大当たりが開始されるように構成した上で、貯留弁675aが開放される大当たり種別と、開放されない大当たり種別とを設ける構成としてもよい。即ち、左契機大当たりの場合には、大当たり待機状態が開始されてから大当たりが終了するまでの間、貯留弁675aが開放される一方で、右契機大当たりの場合には、大当たり待機状態が開始されてから大当たりが終了するまでの間、貯留弁675aが閉鎖されたままの状態となるように構成としてもよい。このように構成することで、左契機大当たりの場合は、大当たりが確定表示された直後に、貯留弁675aが解除されて貯留されていた遊技球が左作動入賞口662へと入球(入賞)するので、上述した第2実施形態と同様に、開閉扉65f1の上面に遊技球を貯める間もなく(大当たり待機状態となってから約0.5秒間で)大当たりを開始させることができる。一方、右契機大当たりとなった場合には、貯留弁675aが開放されないため、大当たりが確定表示されたとしても、即座に左作動入賞口662へと遊技球が入球する可能性が低くなる。よって、大当たりの確定表示後、即座に大当たりが開始される可能性も低くなるので、上述した第1実施形態、および第2実施形態と同様に、遊技球の発射速度(発射強度)を異ならせることで、遊技球が開閉扉65f1の上面により多く到達している(乗っている)状態で右作動入賞口661へと入球させることにより、1ラウンド目の終了条件となる入賞個数(即ち、2個)を上回る個数の遊技球が右特定入賞口65aに入賞し得る画期的な遊技性を提供することができる。これらにより、第2実施形態と同様に、大当たり種別に応じて、1ラウンド目が予め定められた入賞個数で終了する遊技性と、遊技者の技量次第で予め定められた入賞個数を上回る個数の遊技球を入賞させることができる遊技性とを切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第2実施形態では、2つの作動入賞口(右作動入賞口661、左作動入賞口662)を設ける構成とし、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を異ならせる構成としていた。即ち、大当たりを示す第3図柄の組み合わせ(即ち、ぞろ目)が確定表示されてから、即座に遊技球が入球する可能性が高い左作動入賞口662に遊技球が入球(入賞)することで開始される大当たり種別と、大当たりを示す第3図柄の組み合わせが確定表示されてから、遊技者が狙わなければ遊技球が入球する可能性が低い右作動入賞口661に遊技球が入球(入賞)することで開始される大当たり種別とを設ける構成としていた。これに対して、単に右作動入賞口661のみを設ける構成とし、右作動入賞口661に遊技球が入球(入賞)しなくても(即ち、大当たりを示す第3図柄の組み合わせが確定表示されただけで)開始される大当たり種別と、右作動入賞口661に遊技球が入球(入賞)しなければ大当たりが開始されない大当たり種別とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、左作動入賞口662、および貯留装置670を設ける必要がなくなるので、パチンコ機10の部品点数を削減することができる。よって、パチンコ機10の原価率を低減させることができる。
本第2実施形態では、第1入球口64に対する遊技球の入球し易さが、貯留装置675の状態とは無関係に一定であったが、第1入球口64に対する入球し易さを、貯留装置675の状態(遊技球が貯留されているか否か)に応じて可変させる構成としてもよい。具体的には、例えば、貯留装置675を第1入球口64の左上側に設ける構成とし、貯留装置675に対して遊技球が貯留されている場合には、その貯留されている遊技球の上面が貯留装置675の上面から一部はみ出すように貯留装置675の高さを設定する。そして、左打ちにより発射された遊技球が、貯留装置675に貯留されている遊技球に衝突した場合には、第1入球口64が配置されている方向へはじき返され易くなるように、貯留装置675の位置を設定する。このように構成することで、貯留装置675に遊技球が貯留されている場合に、第1入球口64へと遊技球が入球し易くなるので、第1特別図柄の抽選が実行され易くなる。つまり、貯留装置675に遊技球が貯留されている方が、遊技者にとって有利となるので、遊技者に対して通常時に積極的に遊技球を貯留させることができる。よって、より確実に貯留装置675に遊技球が貯留された状態で大当たり待機状態を開始させることができるので、左契機大当たりとなった場合に、貯留装置675に貯留されていた遊技球を即座に左作動入賞口662へと入球させて、左契機大当たりを開始させることができる。
本第2実施形態では、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を切り替えることにより、大当たり待機状態となってから大当たりが開始されるまでの期間を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、作動入賞口自体を削除して(つまり、大当たり待機状態を介さずに大当たりが開始される構成とし)、単に大当たり種別に応じてオープニング期間を異ならせるのみとしてもよい。このように構成することで、オープニングが長い大当たりではオープニングの間に右打ちを行うことでより多くの遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることができるのに対し、オープニング期間が短い大当たりでは、遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させ難くなるので、作動入賞口を用いること無く、1ラウンド目の有利度合いを大当たり種別に応じて可変させることができる。
本第2実施形態では、大当たり種別に応じて大当たりの開始契機となる作動入賞口を切り替える構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり待機状態において、どちらの作動入賞口へと遊技球が入球したとしても、大当たりが開始される構成としてもよい。そして、入賞した作動入賞口の種別に応じて、大当たりの有利度合いを異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、左作動入賞口662に入賞して大当たりが開始されるよりも、右作動入賞口661に入賞して大当たりが開始された方が、大当たりのラウンド数が多くなり易くなる構成としてもよい。このように構成することで、大当たり待機状態となった場合に即座に右作動入賞口661へと遊技球を入賞(入球)させることができれば、遊技者にとって有利な結果となるので、大当たりとなるか否かを変動表示の実行中から予測して、大当たり待機状態となってから即座に(遊技球が左作動入賞口662に入賞するまでの約0.5秒間の間に)遊技球が右作動入賞口661へと入球するように工夫して遊技を行わせることができる。また、この場合において、有利度合いを作動入賞口の種別に応じて切り替えるのに代えて、遊技性を切り替える構成としてもよい。具体的には、例えば、左作動入賞口662へと入球して大当たりが開始された場合には、必ず10ラウンドの大当たりが開始される構成とする一方で、右作動入賞口661へと入球して大当たりが開始された場合には、4ラウンド、又は16ラウンドの大当たりのどちらかが抽選で選択される構成としてもよい。このように構成することで、安定して10ラウンドの大当たりが付与される遊技性と、多いラウンド数にも少ないラウンド数にもなり得る不安定な(ギャンブル性が高い)遊技性とを切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第2実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなった後で大当たり種別に対応する作動入賞口へと遊技球が入球した場合に大当たりが開始される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、作動入賞口を構成に含まず、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に即座に開始される大当たり(所謂、1種当たり)と、遊技盤13に設けられた特定領域に遊技球が入球した場合に開始される大当たり(所謂、2種当たり)とが存在するタイプのパチンコ機10(所謂、1種2種混合機)に対して本実施形態の右可変入賞装置65を適用しても、同様の動作を実現し得る。即ち、1種当たりとなった場合には、右可変入賞装置65に向けて遊技球を発射する間もなく大当たりが開始されるので、オーバー入賞を狙うことができなくなる一方で、特定領域が入球可能な状態(2種当たりを狙える状態)となった場合には、先に開閉扉65f1の上面に遊技球を発射してから特定領域を狙って遊技球を発射することにより、オーバー入賞を意図的に発生させることができる。
<第3実施形態>
次に、図63から図68を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たり待機状態に移行した場合に、作動入賞口660へと遊技球が入球したタイミングで開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が多い程、遊技者に有利となる(1ラウンド目に獲得できる賞球数が多くなる)構成としていた。
これに対して第3実施形態では、大当たりとなった場合以外でも、開閉扉65f1の上面を通過する遊技球の数に応じて遊技者の有利度合いを異ならせる場面を設ける構成とした。より具体的には、特別図柄の抽選が外れとなった場合の一部で、右特定入賞口65aが所定期間(例えば、0.2秒間)開放される抽選結果(小当たり)を設けている。これにより、小当たりが開始されたタイミングで開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が多いほど、小当たりにおいて獲得できる賞球数が多くなるので、小当たりの度に開閉扉65f1の上面に注目して遊技を行わせることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図63を参照して、本第3実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図63に示した通り、本第3実施形態では、普通入球口(スルーゲート)67と、第2入球口640とを、可変表示装置ユニット80の左側に設けられた流路に配設する構成としている。また、これにより、遊技球を左打ちにより発射することで、普通入球口(スルーゲート)67、第1入球口64、および第2入球口640の何れに対しても遊技球を入球させることができる。このため、大当たり待機状態中、および大当たり中以外では、遊技状態によらず、遊技者に対して左打ちによって遊技を行わせることができる。そして、大当たり、または小当たりとなった場合には、右打ちにより開閉扉65f1の上面に遊技球を発射することで、開閉扉65f1が開放されるタイミングにより多くの遊技球を右特定入賞口65aに入賞させる遊技性を楽しませることができる。
なお、本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合の一部で小当たりとなって開閉扉65f1が所定期間(0.2秒間)開放されるが、第1特別図柄の抽選では小当たりに当選しない構成としている。このように構成することで、普通図柄の時短状態が設定されている間における有利度合いをより高めることができる。よって、普通図柄の時短状態における遊技者の興趣をより向上させることができる。
次に、図64を参照して、本第3実施形態におけるパチンコ機10の第3図柄表示装置81において実行される表示演出について説明する。まず、図64(a)は、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)において第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における表示態様の一例を示した図である。本実施形態では、小当たりとなった場合に、第3図柄表示装置81において、小当たりを示す第3図柄の組み合わせ(所謂、チャンス目)として、「3」、「4」、「1」の数字が付された第3図柄の組み合わせが表示される。図64(a)は、小当たりとなって、全ての図柄列が停止表示された瞬間を示している。
図64(a)に示した通り、確変状態において、小当たりに対応する図柄の組み合わせが確定表示されるまでの間は、小領域Ds3において左打ちを遊技者に促す画像が表示される。これにより、確変状態において、遊技盤13の左側に設けられた第2入球口640を狙って左打ちを行わせることができる。
図64(b)は、小当たりの確定表示中における表示態様を示した図である。小当たりの確定表示中は、第3図柄表示装置81における小領域Ds3に対して、「右からだよ!」という文字と、右向きの矢印の図形とが表示された吹き出しが形成される。この表示内容によって、右打ちを行うことにより、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることができる。よって、小当たりの開放期間が開始された場合に、開閉扉65f1の上面に配置されていた遊技球を右特定入賞口65aへと入球させることができる。この小当たりの確定表示(図64(b)参照)は、小当たりに対応する変動表示の変動期間が経過してから、小当たりが終了するまでの間に渡って表示され続ける。以降、説明の簡略化のため、小当たりの間に表示される、右打ちを促す画像(図64(b)参照)のことを、「右打ち報知画像」と称する。
なお、本第3実施形態における小当たりは、4秒間のオープニング期間が設定される構成となっている。即ち、表示画面に右打ち報知画像(図64(b)参照)が表示開始されてから4秒間が経過した後で、開閉扉65f1が所定期間(0.2秒間)開放される構成となっている。これにより、4秒間のオープニング期間の間に遊技球をより多く開閉扉65f1の上面に到達させることで、小当たりの開放期間となり、開閉扉65f1が開放された場合に、より多くの遊技球を右特定入賞口65aへと入球させることができる。
また、上述した通り、開閉扉65f1の上面は、遊技球が約4秒で通過可能に構成されている。即ち、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球は、小当たりのオープニング期間とほぼ同一の期間開閉扉65f1の上面を転動する。よって、右打ち報知画像(図64(b)参照)が表示されてから右打ちを開始した場合に、オープニング期間が経過するよりも前に遊技球が開閉扉65f1の上面を通過してしまうことを抑制できる。また、小当たりが確定表示された後、より早く遊技球の右打ちを開始する程、より多くの遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることができるので、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)、および時短状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態)において、第3図柄表示装置81の表示内容により注目して遊技を行わせることができる。
<第3実施形態における電気的構成>
次に、図65を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のROM202、RAM203について説明する。なお、本第3実施形態のROM202は、上述した第1実施形態のROM202に対して、第1当たり乱数テーブル202aの規定内容が一部変更となっているのみであり、その他の構成については、上述した第1実施形態と同一である。よって、第3実施形態におけるROM202の説明としては、第1当たり乱数テーブル202aの詳細のみを説明する。
図65(a)は、本第3実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図65(a)に示した通り、第3実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)に加えて、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)が規定されている。
より具体的には、特別図柄の低確率状態であるか、特別図柄の高確率状態であるかによらず、第2特別図柄の抽選に対して、第1当たり乱数カウンタC1の値が「360〜399」の範囲に対して、小当たりが対応付けて規定されている(図65(a)の202a2、202a4参照)。一方で、第1特別図柄の抽選に対しては、小当たりに対応する第1当たり乱数カウンタC1の値が1つも対応付けられていない(図65(a)の202a2、202a4参照)。このため、第1特別図柄の抽選が実行された場合、小当たりになる可能性は無いが、第2特別図柄の抽選が実行されると、1/10(40/400)の確率で小当たりとなる。よって、確変状態や時短状態では、普通図柄の当たり確率が高くなることで第2入球口640へと遊技球が入球し易くなる上に、比較的高確率で小当たりとなって賞球を獲得するチャンスが得られるので、遊技者にとって極めて有利な遊技状態となる。また、小当たりとなった場合に特定入賞口65aを狙って遊技を行うか否かによって、遊技者の有利度合いに大きな差を設けることができる。即ち、本実施形態では、小当たりが報知された後、4秒間のオープニング期間の間に遊技球を右打ちすることにより、開閉扉65f1の上面に多量(6個前後)の遊技球を到達させることができる。言い換えれば、小当たりの開放期間が開始される時点で、6個前後の遊技球が開閉扉65f1の上面を通過中の状態とすることができる。特定入賞口65aに対して遊技球が1個入賞する毎に、10個の賞球が付与されるので、小領域Ds3に表示される右打ち報知(図64(b)参照)に従って右打ちを行うことにより、小当たりとなる毎に60個前後の賞球を獲得することができる。よって、小当たりとなった場合に第3図柄表示装置81の表示内容(右打ち報知画像)に従って右打ちを行うか否かで、確変状態および時短状態の間の有利度合いを大きく異ならせることができる。従って、第3図柄表示装置81の表示内容により注目して遊技を行わせることができる。
次に、図65(b)を参照して、本第3実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203について説明する。図65(b)は、RAM203の構成を示したブロック図である。この第3実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、小当たり中フラグ203pが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM203と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
小当たり中フラグ203pは、小当たり中であるか否かを示すフラグであり、オンであれば小当たり中であることを意味する。一方、オフであれば、小当たり中ではないことを意味する。ここで、小当たり中とは、小当たりのオープニング期間が開始されてから、小当たりのエンディング期間が終了するまでの間を示している。この小当たり中フラグ203pは、小当たりのオープニング期間の開始時にオンに設定され(図67のS1303参照)、小当たりの終了時にオフに設定される(図67のS1311参照)。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図66、および図67を参照して、本第3実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図66のフローチャートを参照して、本第3実施形態におけるメイン処理3について説明する。このメイン処理3は、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)に代えて実行される処理であり、メイン処理(図30参照)と同様に、遊技の主要な制御を行うための処理である。
この第3実施形態におけるメイン処理3(図66参照)のうち、S1001〜S1005、およびS1006〜S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001〜S1005、およびS1006〜S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態におけるメイン処理3(図66参照)では、S1005の処理が終了すると、次に、小当たりの実行中における特定入賞口65aの開閉動作を制御するための小当たり制御処理を実行して(S1021)、処理をS1006へと移行する。この小当たり制御処理(S1021)の詳細について、図67を参照して説明する。
図67は、小当たり制御処理(S1021)を示すフローチャートである。この小当たり制御処理(S1021)では、まず、小当たりの開始タイミングであるか否かを判別する(S1301)。なお、S1301の処理では、特別図柄変動開始処理(図23参照)において特別図柄の抽選結果が小当たりと判定されたことに基づいて変動パターンが実行され、当該小当たりに対応する変動パターンの終了タイミングとなった場合に、小当たりの開始タイミングであると判別する。
S1301の処理において、小当たりの開始タイミングであると判別した場合は(S1301:Yes)、小当たりのオープニング期間の開始を示す小当たり用オープニングコマンドを設定し(S1302)、小当たり中フラグ203pをオンに設定して(S1303)、本処理を終了する。
一方、S1301の処理において、小当たりの開始タイミングではないと判別した場合は(S1301:No)、次いで、小当たり中フラグ203pがオンであるか(つまり、小当たり中であるか)を判別し(S1304)、小当たり中フラグ203pがオフであると判別した場合は(S1304:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、小当たり中フラグ203pがオンであると判別した場合は(S1304:Yes)、次に、右特定入賞口65aの開放タイミングになったか否かを判別する(S1305)。即ち、オープニング期間(3秒間)の終了タイミングであるかを判別する。
S1305の処理において、右特定入賞口65aの開放タイミングであると判別した場合は(S1305:Yes)、右特定入賞口65aの開放を設定して(S1306)、本処理を終了する。S1306の処理によって右特定入賞口65aの開放が設定されることにより、開閉扉65f1が開放されて開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が右特定入賞口65aへと入賞(入球)する。これにより、開閉扉65f1の上面に多くの遊技球が到達しているほど、多量の賞球を遊技者に獲得させることができる。よって、小当たりのオープニング期間の間に、より多くの遊技球を遊技者に発射させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
S1305の処理において、右特定入賞口65aの開放タイミングではない(即ち、オープニング期間の終了タイミングではない)と判別した場合は(S1305:No)、次いで、右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したか否かを判別する(S1307)。なお、本第3実施形態では、右特定入賞口65aが開放されてから0.2秒間が経過するか、或いは、遊技球が2個入賞した場合に、閉鎖条件が成立したと判別する。
S1307の処理において、右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1307:Yes)、右特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S1308)、小当たりのエンディング期間の開始を示す小当たり用エンディングコマンドを設定して(S1309)、本処理を終了する。なお、小当たりのエンディング期間は、右特定入賞口65aへと入球した全ての遊技球を排出するのに十分な期間(例えば、0.5秒間)が設定される。
一方、S1307の処理において、右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したタイミングではないと判別した場合は(S1307:No)、次いで、小当たりの終了タイミングであるか(即ち、エンディング期間の終了タイミングであるか)を判別し(S1310)、小当たりの終了タイミングであると判別した場合は(S1310:Yes)、小当たり中フラグ203pをオフにすることで小当たりの終了を設定して(S1311)、本処理を終了する。また、S1310の処理において、小当たりの終了タイミングでないと判別した場合は(S1310:No)、そのまま本処理を終了する。
この小当たり制御処理(図66参照)を実行することで、毎回の小当たりで同一の右特定入賞口65aの開閉動作を実現することができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図68を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。図68は、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される当たり関連処理3(S4331)を示すフローチャートである。この第3実施形態における当たり関連処理3(S4331)は、コマンド判定処理(図36参照)の中で、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第3実施形態における当たり関連処理3(図68参照)のうち、S4401〜S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401〜S4410の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における当たり関連処理3(図68参照)では、S4409の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4409:No)、次に、主制御装置110から小当たり用オープニングコマンドを受信したかを判別し(S4431)、小当たり用オープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S4431:Yes)、右打ち報知画像(図64(b)参照)を表示させるための表示用コマンドを表示制御装置114に対して設定して(S4432)、本処理を終了する。
一方、S4431の処理において、小当たり用オープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4431:No)、次いで、主制御装置110から小当たり用エンディングコマンドを受信しているかを判別し(S4433)、小当たり用エンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S4433:Yes)、右打ち報知画像を解除して通常の左打ちを報知する画像(図64(a)参照)に戻すための表示用コマンドを設定して(S4434)、本処理を終了する。小当たりの終了タイミングではなく、小当たりのエンディング期間の開始時に右打ち報知画像を解除することにより、右特定入賞口65aが閉鎖されて、遊技球が右特定入賞口65aへと入球する可能性がないにも拘わらず遊技者が遊技球を右打ちにより発射示続けてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、遊技者にとって損となることを防止できる。これに対し、S4433の処理において、小当たり用エンディングコマンドを受信していないと判別した場合は(S4433:No)、そのまま本処理を終了する。
この第3実施形態における当たり関連処理3(図68参照)におけるS4431〜S4434の処理により、小当たりのオープニング期間の開始時から小当たり終了までの間に渡って、右打ち報知画像の表示を設定することができる。よって、小当たりの開放期間が開始されるよりも前(4秒間のオープニング期間の間)に遊技者に右打ちを行わせることができるので、右打ち報知画像に従って右打ちを行うことにより、小当たりの開放期間の開始時に開閉扉65f1の上面に複数の遊技球を到達した状態とすることができる。従って、小当たりの開放期間は自体は短い(最大0.2秒間)にも拘わらず、複数の遊技球を特定入賞口65aへと入球させることができるので、右打ち報知画像に従って遊技を行った場合の有利度合いをより大きくすることができる。これにより、遊技者に対してより真剣に第3図柄表示装置81の表示内容を確認させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
以上説明した通り、第3実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で外れとなった場合の一部で、右特定入賞口65aが最大0.2秒間だけ開放される抽選結果(小当たり)を設ける構成としている。この小当たりになると、4秒間のオープニング期間が設定された後で、右特定入賞口65aが0.2秒間開放される。よって、4秒間のオープニング期間の間に開閉扉65f1の上面に向けて遊技球を連続して発射することにより、開放期間の開始時に複数の遊技球が開閉扉65f1の上面を通過中の状態とすることができるので、その複数の遊技球を開放された右特定入賞口65aへと入球させることができる。また、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、小当たりのオープニング期間の開始から開放期間の終了までに渡って右打ち報知画像を表示させる構成としている。このように構成することで、第3図柄表示装置81の表示内容に従って右打ち報知画像が表示されている間のみ右打ちを行うことで、毎回の小当たりで容易に複数の遊技球を0.2秒間の開放期間の間に右特定入賞口65aへと入賞させることができる。よって、第3図柄表示装置81の表示内容により注目して遊技を行わせることができる。更に、本第3実施形態では、右打ちが有利となるのが大当たり、または小当たりの場合のみであり、通常時は左打ちによって遊技を行う構成としている。このように構成することで、時短状態中や確変状態中は、右打ちと、左打ちとを頻繁に切り替えさせることができるので、遊技者に対して遊技球を発射する方向を切り替える楽しみを抱かせることができる。また、右打ちが報知されれば賞球を獲得できるチャンスであるので、右打ちが報知された場合に遊技者を喜ばせることができる。
なお、本第3実施形態では、通常時に小当たりとなった場合は右打ちを報知する演出を実行し、それ以外では左打ちを報知する演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、小当たりとなった場合に、即座に(例えば、変動終了後、0.1秒間で)開放期間が設定される構成とする。即ち、変動表示の実行中に右打ちを開始していなければ小当たりの開放期間中に遊技球を入球させることが困難となるように構成する。そして、第2特別図柄の変動表示中に小当たりとなる期待度を示唆する演出を実行する構成としてもよい。具体的には例えば、第3図柄の変動表示の実行中に、小領域Ds3に対して、「10%」との文字と、「30%」との文字と、「60%」との文字と、「100%」との文字との中から何れかの文字を選択して表示させる構成としてもよい。選択する際には、第2特別図柄の抽選結果に応じた選択確率で表示させる文字を決定する構成としてもよい。より具体的には、「100%」との文字は、小当たりの場合にしか選択されないが、選択される確率が他の文字に比べて低確率となるように構成する。また、「10%」との文字は、第2特別図柄の抽選結果が小当たりの場合に「30%」や「60%」よりも選択され難く、且つ、外れの場合に最も選択され易くなるように構成する。また、「30%」との文字は、小当たりの場合に選択される確率が「10%」よりは高く、且つ、「60%」よりも低くなるように構成する一方、外れの場合に選択される確率が「10%」よりは低く、且つ、「60%」よりも高くなるように構成する。また、「60%」との文字は、小当たりの場合に選択される確率が「30%」よりも高くなるように構成する一方、外れの場合に選択される確率が「30%」よりも低くなるように構成する。このように構成することで、小当たりとなった場合に表示される文字の多くは、外れの場合にも表示され得る「30%」や「60%」となるので、表示された文字から、小当たりとなるか否かを遊技者に予測させることができる。そして、小当たりになると予測した遊技者に対して、変動表示の実行中から(小当たりが開始される前から)右打ちにより開閉扉65f1の上面に向けて遊技球を発射させることができる。これにより、遊技者の予測通りに小当たりとなれば、開閉扉65f1が開放されて賞球を獲得できる一方、予測が外れた場合には無駄に右打ちを行ってしまっただけとなるので、遊技者に小当たりであるか否かをより真剣に予測させることができる。また、「100%」との文字が表示された場合は、必ず小当たりとなるので、遊技者に対して安心して変動表示の実行中から右打ちを行わせることができる。よって、確変状態、および時短状態における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第3実施形態では、小当たり種別として、オープニング期間が4秒間の小当たりのみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、オープニング期間が異なる複数の種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、オープニング期間が1秒間の種別と、2秒間の種別と、4秒間の種別と、8秒間の種別とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、オープニング期間が短い(1秒間や2秒間)種別の小当たりとなった場合には、小当たりのオープニング期間が開始されてから右打ちを行った場合に、小当たりの開放期間が開始されるまでの間に開閉扉65f1に到達する遊技球の個数が少なくなるので、オープニング期間が4秒間の小当たり種別に比べて賞球数が少なくなり易い。一方、オープニング期間が、開閉扉65f1の上面を遊技球が通過するのに要する期間よりも長い(8秒間)種別の小当たりとなった場合には、小当たりのオープニング期間が開始されてから右打ちをし続けると、オープニング期間の前半で発射された遊技球が、開放期間の開始よりも前に開閉扉65f1を通過してしまう。よって、無駄球が発生しやすくなるため、オープニング期間が4秒間の小当たり種別よりも、持ち球が減り易くなってしまう。これにより、小当たり種別によって遊技者の有利度合いが可変されるので、小当たりが報知された(右打ち報知画像が表示された)場合に、有利な小当たりであることを願いながら右打ちを行わせることができる。
本第3実施形態では、小当たりとなった場合に右打ち報知画像を表示させる構成としていたが、右打ち報知画像を表示させるのは、小当たりの間に限られるものではない。例えば、大当たりの実行中の表示(例えば、オープニング期間の表示)にも右打ち報知画像を転用してもよい。このように構成することで、大当たり中と小当たり中とで別々の演出を用意する必要がなくなるので、表示データテーブルのデータ数を削減することができる。
本第3実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選する可能性がある構成としたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の抽選に代えて、または加えて、第1特別図柄の抽選が実行された場合に所定確率(例えば、1/50の確率)で小当たりに当選する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者にとって最も不利な特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態において、小当たりとなった場合にある程度まとまった出球を得ることが可能となるので、遊技が単調となってしまうことを抑制することができる。よって、最も不利な状態が長く続いた(所謂、ハマりが発生した)としても、遊技者が遊技に飽き難くすることができる。この場合において、小当たりに当選した場合における右打ち報知画像を表示する割合(右打ちナビの発生率)を、外れが連続した回数によって可変させる構成としてもよい。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりとならずに特定回数、外れとなるまでは、小当たりとなっても右打ちナビがほとんど発生しない構成とし、特定回数を超えた場合に右打ちナビの発生率が高確率(例えば、50%)となる構成としてもよい。これにより、特定回数を超えると持ち球が減り難くなるので、遊技者に対してより長く遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第3実施形態では、第1実施形態と同様に、作動入賞口660へと遊技球が入球した場合に大当たりが開始される構成としていたが、作動入賞口660を削除して、小当たりとなった場合にのみ、オーバー入賞が発生し得る構成としてもよい。
本第3実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たりが開始される構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、または加えて、右可変入賞装置65の内部の特定領域に遊技球が入球した場合に大当たりが開始される構成としてもよい。即ち、小当たりに当選したことに基づく右特定入賞口65aの開放期間の間に、右特定入賞口65aへと遊技球を入球させることで、特定領域へと遊技球が入球して大当たりが開始される可能性がある構成としてもよい。このように構成することで、小当たりにおいて右特定入賞口65aへと入球させるメリットをより大きくすることができるので、右打ちナビが発生するかどうかにより注目して遊技を行わせることができる。この場合において、第1特別図柄の抽選でも小当たりに当選するように構成した上で、遊技状態毎に小当たりとなった場合の右打ちナビの発生率を可変させる構成としてもよい。即ち、普通図柄の低確率状態では、ナビ発生率を低くし、普通図柄の時短状態ではナビ発生率を高くする構成としてもよい。このように構成することで、普通図柄の時短状態における有利度合いをより高めることができる。また、逆に、普通図柄の低確率状態の方がナビ発生率を高くしてもよい。これにより、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、小当たりとなった場合にも特定領域に入球させて大当たりになるチャンスが与えられるので、長い間大当たりに当選しないという状況を発生し難くすることができる。よって、遊技者に対してより長く遊技を継続させることができる。更に、普通図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選で外れとなった回数が特定回数以上となった場合に、小当たりとなった場合における右打ちナビの発生率を高くする構成としてもよい。このように構成することで、特定回数を超えた場合に、超える前よりも大当たりに当選し易い(特定領域に遊技球を入球させ易い)状況を形成することができるので、長い間特別図柄の外れが連続するという状況が発生し難くなるように構成できる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、図69から図74を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、開閉扉65f1の上面を遊技球が通過している間に作動入賞口660へと遊技球を入球させることで、大当たりが開始されて開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が右特定入賞口65aへと入球する構成としていた。つまり、大当たり待機状態になった場合には、必ず大当たりを開始させる(作動入賞口660へと入球させる)タイミングに応じて1ラウンド目の有利度合い(1ラウンド目に右特定入賞口65aへと入球させる遊技球の個数)が可変する遊技性になる構成としていた。
これに対して第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりを開始させるタイミングに応じて1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)が可変する遊技性と、大当たりを開始させるタイミングと1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)とが無関係になる遊技性とを遊技者が選択することができる構成としている。より具体的には、本第4実施形態では、大当たり待機状態における遊技者の選択により、大当たりの1ラウンド目に、右可変入賞装置65の右特定入賞口65aを開放させるか、左可変入賞装置650の左特定入賞口650aを開放させるかを可変させる構成としている。これにより、遊技者に対して好みの遊技性を選択させることができるので、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を提供することができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、大当たりの各ラウンドにおいて左特定入賞口650aを閉鎖すると判定される条件を、「30秒が経過したか、或いは4個以上の遊技球が入賞した場合」とした点、主制御装置110におけるRAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、および主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図69を参照して、本第4実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図69に示した通り、本第4実施形態では、遊技盤13における正面視右上側には、第1実施形態における作動入賞口660に代えて、振り分け装置680が配設されている。振り分け装置680の内部には、遊技球が入球可能な2つの作動入賞口(右作動入賞口681、左作動入賞口682)が設けられている。これら2つの作動入賞口は、いずれも第1実施形態における作動入賞口660と同様に、大当たり待機状態の間のみ、遊技球の入球が有効と判定される。大当たり待機状態において、右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合には、大当たりの1ラウンドにおいて右特定入賞口65aが開放される大当たりが開始され、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合は、大当たりの1ラウンドにおいて左特定入賞口650aが開放される大当たりが開始される。
また、2つの作動入賞口(右作動入賞口681、左作動入賞口682)の上方には、振り分け装置680へと入球した遊技球を、どちらかの作動入賞口へと振り分けるための振り分け部材683が設けられている。この振り分け部材683は、軸683aを回転軸として回動可能に構成されており、経過時間に応じて(2秒毎に)右側に傾倒した配置(図69の実線参照)と、左側に傾倒した配置(図69の破線参照)とに交互に可変される。振り分け部材683が右側に傾倒した配置になると、右作動入賞口681の上方が振り分け部材683によって塞がれると共に、左作動入賞口682の上方が開放される。このため、振り分け部材683が右側に傾倒した配置となっている間に振り分け装置680へと入球した遊技球は、振り分け部材683が形成する、正面視右上方向から正面視左下方向に向かう傾斜に沿って左下方向へと流下して、左作動入賞口682へと入球する。
大当たり待機状態において左作動入賞口682へと遊技球が入球すると、大当たりの全ラウンドで左特定入賞口650aが開放される大当たりが開始される。左可変入賞装置650は、右可変入賞装置65と異なり、左特定入賞口650aが閉鎖されている間に、左特定入賞口650aへと遊技球が入球可能な位置に遊技球を留めておくことが不可能となるように構成されている。よって、大当たりの1ラウンド目において、遊技球の入球数がバラつき難く、毎回ほぼ同一の個数の賞球を安定して払い出させることができる。よって、タイミングを合わせて遊技球を打ち出す遊技に自信が無い遊技者等に対しては、左特定入賞口650aが開放される大当たりを選択させることができる。
なお、上述した通り、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合に開始される大当たりは、各ラウンドの開始から30秒が経過するか、或いは遊技球が左特定入賞口650aに4個以上入球した場合にラウンドが終了する。よって、左作動入賞口682へと遊技球が入球して開始された大当たり(左契機大当たり)の1ラウンド目では、ほぼ、遊技球が左特定入賞口650aに4個入賞して大当たりが終了する。
一方、振り分け部材683が左側に傾倒した配置になった場合は、右作動入賞口681の上方が開放されると共に、左作動入賞口682の上方が振り分け部材683によって塞がれる。このため、振り分け部材683が左側に傾倒した配置となっている間に振り分け装置680へと入球した遊技球は、振り分け部材683が形成する、正面視左上方向から正面視右下方向に向かう傾斜に沿って右下方向へと流下して、右作動入賞口681へと入球する。右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合には、大当たりの1ラウンド目に右特定入賞口65aが開放され、2ラウンド目以降に左特定入賞口650aが開放される大当たり(右契機大当たり)が開始される。この右契機大当たりの1ラウンド目は、右特定入賞口65aが開放されてから30秒が経過するか、或いは遊技球が右特定入賞口65aに2個以上入球した場合に終了する。しかしながら、上述した通り、右特定入賞口65aへの入賞個数は、右特定入賞口65aの開放時点で開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数に応じて、おおよそ2個〜6個の範囲で上下する。よって、大当たり待機状態において右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合は、その入球のタイミングに応じて獲得できる賞球数が可変する遊技性となる。
このように、本第4実施形態では、大当たり待機状態になると、2秒毎に振り分け部材683の配置が切り替わるので、遊技者に対して、振り分け部材683の配置を確認して、好みの遊技性に対応する作動入賞口へと入球可能となるタイミングで遊技球を入球させることにより、各遊技者の趣向に合った遊技性を提供することができる。
右作動入賞口681と、左作動入賞口682との間には、振り分け装置680へと入球した遊技球がいずれの作動入賞口へも入球しなかった場合に、当該遊技球を振り分け装置680の外部へと排出するためのアウト口が設けられている。このアウト口を設けておくことで、振り分け装置680の内部において球詰まり等の不具合が生じることを防止(抑制)することができる。
次に、図70を参照して、本第4実施形態における表示演出について説明する。図70(a),(b)は、本第4実施形態における大当たり待機状態において実行される待機状態演出中の表示態様の一例を示した図である。図70(a)は、大当たり待機状態において、振り分け部材683が右側に傾倒した状態となっている間の表示態様を示している。
図70(a)に示した通り、本第4実施形態における大当たり待機状態では、第1実施形態と同様に、表示画面における正面視上部に「大当たり確定!」との文字が表示された表示領域HR1と、大当たり待機状態となる前に実行されていた変動表示演出において最終的に停止表示(確定表示)された第3図柄の組み合わせ(最終停止図柄)とが表示される。また、図70(a)に示した通り、振り分け部材683が右側に傾倒した状態となっている間は、表示画面に形成される表示領域HR2に対して、「今打つと安心モード!?」との文字と、「賞球を安定して獲得できるよ!」との文字と、振り分け装置680へと入球した遊技球が流下する方向(左作動入賞口682が配置されている方向)を示す画像とが表示される。また、第1実施形態とは異なり、チャンスメーターCMは表示されず、表示画面の右側が空いた状態となる。これらの表示内容により、振り分け装置680へ向けて遊技球を発射すると、左作動入賞口682へと入球する可能性が高いことを遊技者に認識させることができる。即ち、左作動入賞口682へと遊技球を入球させるタイミングとは無関係に、1ラウンド目において安定して5個の遊技球を左特定入賞口650aに入球させることができる遊技性の大当たりが開始されると認識させることができる。
図70(b)に示した通り、振り分け部材683が左側に傾倒した状態となっている間は、第1実施形態と同様に、表示画面における正面視上部に「大当たり確定!」との文字が表示された表示領域HR1と、大当たり待機状態となる前に実行されていた変動表示演出において最終的に停止表示(確定表示)された第3図柄の組み合わせ(最終停止図柄)とが表示される。加えて、表示画面の右側に、第1実施形態と同様にチャンスメーターCMが表示される。そして、表示画面に形成される表示領域HR2に対して、「今打つと不安定モード!?」との文字と、「運が良ければ大量獲得!!運が悪ければ、、、」との文字と、振り分け装置680へと入球した遊技球が流下する方向(右作動入賞口681が配置されている方向)を示す画像とが表示される。これらの表示内容により、振り分け装置680へ向けて遊技球を発射すると、右作動入賞口681へと入球する可能性が高いことを遊技球に認識させることができる。即ち、開閉扉65f1に到達している遊技球の個数をチャンスメーターCMのゲージ数から判別して、タイミング良く(ゲージ数がより多いタイミングで)右作動入賞口681へと遊技球を入球させることでより多くの賞球を獲得できる遊技性の大当たりが開始されると認識させることができる。
このように、本第4実施形態では、大当たり待機状態において、振り分け装置680を狙って遊技球を発射した場合に入球する作動入賞口の種別と、入球により開始される大当たりの概要(遊技性)とを第3図柄表示装置81において表示させる構成としている。このように構成することで、遊技者に対して自己の趣向に合った遊技性の大当たりを選択させることができる。よって、遊技者毎の好みに合わせて遊技性を切り替えることができる遊技機を提供することができる。
<第4実施形態における電気的構成>
次に、図71を参照して、第4実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203の構成について説明する。図71は、RAM203の構成を示したブロック図である。この第4実施形態におけるRAM203は、上述した第1実施形態におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、特定入賞口種別格納エリア203qと、振分状態格納エリア203rと、振分状態タイマ203sと、が追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるRAM203と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
特定入賞口種別格納エリア203qは、大当たりの1ラウンド目において開放される特定入賞口の種別を示すデータが格納される記憶領域である。具体的には、特定入賞口種別格納エリア203qに「01H」が格納されている場合は、大当たりの1ラウンド目に右特定入賞口65aが開放され、2ラウンド目以降は左特定入賞口650aが開放される大当たり種別であることを意味する。一方、「02H」が格納されている場合は、大当たりの各ラウンドで左特定入賞口650aが開放される大当たり種別であることを意味する。この特定入賞口種別格納エリア203qは、初期値が「00H」に設定されており、大当たり待機状態において右作動入賞口681へと遊技球が入球することで「01H」が格納される一方、左作動入賞口682へと遊技球が入球することで「02H」が格納される(図72のS1131,S1133参照)。大当たりの1ラウンド目の開始条件が成立すると、この特定入賞口種別格納エリア203qのデータに基づいて開放させる特定入賞口の種別を判別する(図73のS1232)。
振分状態格納エリア203rは、振り分け部材683の向きを示すデータが格納される記憶領域である。具体的には、振分状態格納エリア203rに「00H」が格納されている場合は、振り分け部材683が左側に傾倒した状態(右作動入賞口681に遊技球が入球可能となる状態)となっていることを意味し、「01H」が格納されている場合は、振り分け部材683が右側に傾倒した状態(左作動入賞口682に遊技球が入球可能となる状態)となっていることを意味する。この振分状態格納エリア203rのデータは、大当たり待機状態において、振り分け部材683の配置が切り替わる毎に、切り替わり後の配置に対応したデータに更新される(図72のS1125,S1127参照)。なお、振り分け部材683の初期の配置は、左側に傾倒した状態となる。これに合わせて、振分状態格納エリア203rの初期値も「00H」となる。大当たり待機状態においては、振分状態格納エリア203rのデータが更新される毎に、更新後のデータに対応する振り分け部材683の配置を音声ランプ制御装置113に通知するためのコマンド(振分状態コマンド)が設定される。この振分状態コマンドにより、振り分け部材683の配置が切り替わったと判別して、待機状態演出の表示態様を切り替わり後の配置に対応する表示態様に更新する。
振分状態タイマ203sは、振り分け部材683の状態を切り替えるまでの残り時間をカウントするためのタイマである。この振分状態タイマ203sは、大当たり待機状態において振り分け部材683の状態が切り替えられる毎にタイマ値が「0」にリセットされ、後述する大当たり開始処理4(図72参照)が実行される毎に1ずつ加算される(図72のS1121)。即ち、メイン処理の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新される。そして、タイマ値が500以上となった場合に振り分け部材683の状態が切り替えられる(図72のSS1124,S1126参照)。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図72、および図73を参照して、第4実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図72を参照して、本第4実施形態における大当たり開始処理4(S1041)について説明する。この大当たり開始処理4(S1041)は、第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)に代えて実行される処理であり、作動入賞口(右作動入賞口681、および左作動入賞口682)への入球を監視し、作動入賞口への入球が検出された場合に、作動入賞口の種別に対応する大当たりを開始するための処理である。
この第4実施形態における大当たり開始処理4(図72参照)のうち、S1101,S1103、およびS1104の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)のS1101,S1103、およびS1104の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4実施形態における大当たり開始処理4(図72参照)では、S1101の処理において入球待機フラグ203jがオンである(即ち、大当たり待機状態中である)と判別した場合は(S1101:Yes)、次いで、振分状態タイマ203sの値に1を加算し(S1121)、加算後のタイマ値が500以上であるかを判別する(S1122)。S1122の処理において、加算後の振分状態タイマ203sのタイマ値が500以上であると判別した場合は(S1122:Yes)、振り分け部材683の状態を切り替えるタイミングになったことを意味するため、振り分け部材683の状態を切り替えるためのS1123〜S1129の各処理を実行する。
具体的には、振分状態格納エリア203rに格納されたデータが「00H」であるか(振り分け部材683が左側に傾倒した状態であるか)否かを判別する(S1123)。S1123の処理において、「00H」が格納されていると判別した場合は(S1123:Yes)、左側に傾倒した状態の振り分け部材683を、右側に傾倒した状態に可変させ(S1124)、振分状態格納エリア203rに「01H」を格納して(S1125)、処理をS1128へと移行する。
一方、S1123の処理において、振分状態格納エリア203rに格納されたデータが「01H」であると判別した場合は(S1123:No)、右側に傾倒した状態の振り分け部材683を、左側に傾倒した状態に可変させ(S1126)、振分状態格納エリア203rに「00H」を格納して(S1127)、処理をS1128へと移行する。
S1125、またはS1127の処理後に実行されるS1128の処理では、切り替え後の振り分け部材683の配置を示す振分状態コマンドを設定し(S1128)、振分状態タイマ203sの値を0にリセットして(S1129)、処理をS1130へと移行する。
これに対して、S1122の処理において、更新後の振分状態タイマ203sの値が500未満であると判別した場合は(S1122:No)、振り分け部材683の状態を切り替えるタイミングではないことを意味するので、S1123〜S1129の各処理をスキップして、処理をS1130へと移行する。S1130の処理では、右作動入賞口681への入球を検出したかを判別し(S1130)、入球を検出したと判別した場合は(S1130:Yes)、特定入賞口種別格納エリア203qに対して右特定入賞口650aを示すデータである「01H」を格納して(S1131)、処理をS1103へと移行する。これにより、大当たりの1ラウンド目に右特定入賞口65aが開放される大当たりの開始を設定することができる。
一方、S1130の処理において、右作動入賞口681への入球を検出していないと判別した場合は(S1130:No)、次に、左作動入賞口682への入球を検出したか判別する(S1132)。S1132の処理において、左作動入賞口682への入球を検出したと判別した場合は(S1132:Yes)、特定入賞口種別格納エリア203qに対して左特定入賞口650aを示すデータである「02H」を格納して(S1133)、処理をS1103へと移行する。これに対し、S1132の処理において、左作動入賞口682への入球を検出していないと判別した場合は(S1132:No)、大当たり待機状態の終了タイミングではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
また、本第4実施形態における大当たり開始処理4(S1041)では、S1104の処理が終了すると、次に、振分状態タイマ203sを0にリセットして(S1134)、本処理を終了する。このS1134の処理において、大当たり待機状態の終了時に振分状態タイマ203sをリセットしておくことにより、次の大当たり待機状態において、振分状態タイマ203sがリセットされた状態からタイマ値の更新を開始できる。
次に、図73を参照して、本第4実施形態における大当たり制御処理4(S1042)について説明する。図73は、大当たり制御処理4(S1042)を示したフローチャートである。この大当たり制御処理4(S1042)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えてメイン処理(図30参照)の中で実行される処理であり、大当たり制御処理(図32参照)と同様に、右特定入賞口65a、および左特定入賞口650aの開閉動作を制御するための処理である。
この第4実施形態における大当たり制御処理4(図73参照)のうち、S1201〜S1205、およびS1207〜S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201〜S1205、およびS1207〜S1217の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における大当たり制御処理4(図73参照)では、S1205の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合に(S1205:Yes)、今回開始されるラウンドが1ラウンドであるかを判別する(S1231)。
S1231の処理において、1ラウンドであると判別した場合は(S1231:Yes)、特定入賞口種別格納エリア203qに格納されているデータに対応する特定入賞口の開放を設定して(S1232)、処理をS1207へと移行する。より具体的には、特定入賞口種別格納エリア203qに格納されているデータが「01H」であれば、右特定入賞口65aの開放を設定する一方で、格納されているデータが「02H」であれば、左特定入賞口650aの開放を設定する。
一方、S1231の処理において、今回開始されるラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S1232:No)、左特定入賞口650aの開放を設定して(S1233)、処理をS1207へと移行する。
この大当たり制御処理4(図73参照)を実行することで、大当たりの1ラウンド目において、遊技者が大当たり待機状態において通過させた(選択した)作動入賞口の種別に応じた特定入賞口を開放させることができる。よって、大当たりの1ラウンド目において、遊技者が選択した作動入賞口の種別に応じた遊技性を提供することができる。
<第4実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図74を参照して、本第4実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理について説明する。図74は、本第4実施形態における当たり関連処理4(S4341)を示すフローチャートである。この当たり関連処理4(S4341)は、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第4実施形態における当たり関連処理4(図74参照)のうち、S4401〜S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401〜S4410の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4実施形態における当たり関連処理4(図74参照)では、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4409:No)、次に、振分状態コマンドが含まれているか判別する(S4441)。
S4441の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に振分状態コマンドが含まれていると判別した場合は(S4441:Yes)、受信した振分状態コマンドが示す振分状態に対応する待機状態演出の態様に更新するための表示用コマンドを設定して(S4442)、本処理を終了する。一方、S4441の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に振分状態コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4441:No)、そのまま本処理を終了する。
この当たり関連処理4(図74参照)により、振り分け部材683の状態が切り替わる毎に、切り替わり後の状態に応じた表示態様(図70(a),(b)参照)を設定することができる。よって、大当たり待機状態となった場合に、遊技者は、第3図柄表示装置81の表示内容を確認するだけで、現在の振り分け装置680の状態が、遊技球を入球させた場合に自己の趣向に合った遊技性の大当たりが開始される状態であるか否かを容易に判別することができる。
以上説明した通り、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりとなった場合に遊技球が入球可能となる2種類の特定入賞口(右特定入賞口65a、左特定入賞口650a)を設ける構成としている。より具体的には、右特定入賞口65aは、閉鎖されている間に、右特定入賞口65aが開放されると入球可能となる位置(開閉扉65f1の上面)に遊技球を比較的長い時間滞在させることが可能となる構成となっている一方で、左特定入賞口650aは、閉鎖されている間に、左特定入賞口650aへと遊技球が入球可能な位置に遊技球を留めておくことが不可能となるように構成されている。加えて、本第4実施形態では、大当たりの開始契機となる2種類の作動入賞口(右作動入賞口681、左作動入賞口682)を設け、大当たり待機状態において入球させる作動入賞口を遊技者に選択させる構成としている。右作動入賞口681へと遊技球が入球すれば、大当たりの毎ラウンドで右特定入賞口65aが開放される右契機大当たりが開始され、左作動入賞口682へと遊技球が入球すれば、大当たりの毎ラウンドで左特定入賞口650aが開放される左契機大当たりが開始される。これにより、右作動入賞口681へと遊技球を入球させるタイミングで開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数が、1ラウンド目に獲得できる賞球数に大きく影響を及ぼす遊技性と、大当たり待機状態中の状況が獲得賞球数に影響しない遊技性とを、遊技者に対して選択させることができる。よって、遊技者毎の趣向に沿った遊技性を提供することができる。
なお、本第4実施形態では、左契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態において左特定入賞口650aへと入球可能な位置に遊技球を滞在させておくことが不可能となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉65f1の上面よりも少ない範囲で、所定数(例えば、1個)まで遊技球を左特定入賞口650aに入球可能な位置に滞在させることが可能に構成してもよい。このように構成することで、左作動入賞口682を遊技者が選択した場合にも、遊技球を入球させるタイミングに応じて有利度合いが可変する遊技性を提供することができる。
本第4実施形態では、右契機大当たりとなった場合に、大当たりの全ラウンドで右特定入賞口65aを開放させる一方で、左契機大当たりとなった場合には、全ラウンドで左特定入賞口650aを開放させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1ラウンド目のみ作動入賞口に対応する特定入賞口を開放させる構成とし、2ラウンド目以降は共通の特定入賞口を開放させる構成としてもよい。このように構成したとしても、1ラウンド目における遊技性を、遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて切り替えることができる。
本第4実施形態では、入球した作動入賞口の種別に応じて右契機大当たりと、左契機大当たりとのどちらを開始させるかを異ならせていた。即ち、大当たりにおいて開放させる特定入賞口の種別を、作動入賞口の種別に応じて異ならせていたが、作動入賞口の種別に応じて異ならせるのはこれに限られるものではない。例えば、作動入賞口の種別に応じて、大当たりのラウンド数を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合は、ラウンド数が16ラウンド、又は4ラウンドの大当たりが半々で抽選されるのに対し、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合は、ラウンド数が10ラウンドの大当たりが必ず選択される構成としてもよい。また、大当たり中に特定領域に遊技球が入球した場合に、大当たり後に確変状態が付与される遊技機(所謂、V確機)において、作動入賞口の種別に応じて、特定領域への入球率を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、右作動入賞口681へと遊技球が入球した場合は、特定領域への入球率が20%の大当たりと100%の大当たりとが半々で抽選されるのに対し、左作動入賞口682へと遊技球が入球した場合は、特定領域への入球率が60%の大当たりが必ず選択される構成としてもよい。
<第5実施形態>
次に、図75から図79を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、大当たり待機状態において開閉扉65f1の上面に向けて発射した遊技球の個数に応じて、大当たりが開始された場合の有利度合い(1ラウンド目に獲得できる賞球数)が可変する構成としていた。
これに対して本第5実施形態では、大当たりに対応する変動表示が終了すると、大当たり待機状態を介さずに大当たりが開始される構成とした。そして、大当たりのオープニング期間やインターバル期間を大当たり種別に応じて異ならせることにより、オープニング期間や、インターバル期間において開閉扉65f1の上面に到達させることができる遊技球の個数を異ならせ、大当たり種別毎に有利度合いを可変させる構成とした。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、大当たりの各ラウンドの終了条件を、「30秒が経過したか、或いは2個以上の遊技球が入賞した場合」に統一した点、主制御装置110におけるROM202の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図75を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の盤面構成について説明する。図75に示した通り、本第5実施形態における遊技盤13は、第1実施形態における遊技盤13(図2参照)の正面視右上側に設けられていた作動入賞口660が削除されている。このため、本第5実施形態では、大当たりに対応する変動表示が終了すると、即座に(大当たり待機状態を介さずに)大当たりのオープニング期間が開始される。
また、図75に示した通り、本第5実施形態では、左可変入賞装置650aが削除されている。このため、本第5実施形態では、大当たりの全てのラウンドで、ラウンドが開始してから30秒が経過するか、或いは、遊技球が2個以上入球することで閉鎖される右特定入賞口65aが開放される。
<第5実施形態の電気的構成>
次に、図76を参照して、本第5実施形態における主制御装置110のROM202について説明する。図76(a)は、ROM202の構成を示したブロック図である。図76(a)に示した通り、本第5実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるRM202の構成に対して、期間長選択テーブル202eが追加されている点と、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更となっている点とが相違している。その他の構成については、第1実施形態におけるROM202と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
期間長選択テーブル202eは、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間を大当たりの種別毎に規定したデータテーブルである。大当たりのオープニング期間の開始タイミング、およびインターバル期間の開始タイミングとなった場合は、この期間量選択テーブル202eが参照されて、大当たり種別に応じたオープニング期間、およびインターバル期間が設定される。詳細については図70(c)を参照して後述するが、この期間長選択テーブル202eには、オープニング期間として比較的長い期間(5秒間)と、比較的短い期間(1秒間)との2種類が規定されている。また、インターバル期間も同様に、比較的長い期間(3秒間)と、比較的短い期間(0.5秒間)との2種類が規定されている。これらによって、大当たりが開始されてから1ラウンド目が開始するまでの閉鎖期間(オープニング期間)、および2ラウンド目以降の各ラウンド間の閉鎖期間(インターバル期間)が長い大当たりと、短い大当たりとを設けることができる。
次に、図76(b)を参照して、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図76(b)は、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図76(b)に示した通り、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として「大当たりA5」〜「大当たりE5」の5種類の大当たり種別が規定され、第2特別図柄の大当たり種別として「大当たりF5」〜「大当たりH5」の3種類の大当たり種別が規定されている。
図76(b)に示した通り、第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲に対しては、「大当たりA5」が対応付けて規定されている(図76の202b1参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA5」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA5」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりA2」は、第1実施形態における「大当たりA」と同様にラウンド数が8ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりA5」は、オープニング期間、およびエンディング期間として、比較的長い期間が設定される大当たり種別の1種である。上述した通り、本第5実施形態では、大当たりの全てのラウンドにおいて、30秒が経過するか、或いは、2個以上の遊技球が右特定入賞口65aに入球することで右特定入賞口65aが閉鎖されてラウンドが終了する。このため、オープニング期間、およびインターバル期間が長ければ、閉鎖期間の間により多くの遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることができるので、次のラウンドの開始時に、より多くの遊技球が開閉扉65f1に乗っている状態とすることができる。つまり、新たなラウンドが開始されて開閉扉65f1が開放された場合に、より多くの遊技球を開閉扉65f1から落下させて右特定入賞口65aに入球させることができる。これにより、各ラウンドで規定されている上限の入球個数(2個)を超える個数の遊技球が右特定入賞口65aに入球する(オーバー入賞する)可能性が高くなるので、遊技者にとって賞球数の面で有利となり易くなる。一方、オープニング期間、およびインターバル期間が短ければ、これらの閉鎖期間の間に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることが困難になるので、大当たりの各ラウンドにおいて、上限(規定)個数(即ち、2個)の遊技球が入球してラウンドが終了する可能性が高くなる(オーバー入賞する可能性が低くなる)。つまり、賞球数の面で不利となり易くなる。以降の説明では、オープニング期間、およびインターバル期間が長い大当たり(各ラウンドで獲得する賞球が多くなり易い大当たり)のことを「長間隔大当たり」と称し、オープニング期間、およびインターバル期間が短い大当たり(各ラウンドで獲得する賞球が多くなり難い大当たり)のことを「短間隔大当たり」と称する。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜14」の範囲に対しては、「大当たりB5」が対応付けて規定されている(図76の202b2参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB5」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりB5」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりB5」は、「大当たりA5」と同様に、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「15〜64」の範囲に対しては、「大当たりC5」が対応付けて規定されている(図76の202b3参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC2」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC5」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりC5」は、第1実施形態における「大当たりB」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりC5」は、短間隔大当たりの一種である。このため、長間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり難い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜74」の範囲に対しては、「大当たりD5」が対応付けて規定されている(図76の202b4参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD5」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD5」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりD5」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりD5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第1特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「75〜99」の範囲に対しては、「大当たりE5」が対応付けて規定されている(図76の202b5参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE5」となるカウンタ値は25個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE5」が決定される割合は25%(25/100)である。この「大当たりE5」は、第1実施形態における「大当たりC」と同様にラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりE5」は、短間隔大当たりの一種である。このため、長間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり難い。
また、第2特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲に対しては、「大当たりF5」が対応付けて規定されている(図76の202b6参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF5」となるカウンタ値は5個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF5」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりF5」は、第1実施形態における「大当たりD」と同様にラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりF5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第2特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜64」の範囲に対しては、「大当たりG5」が対応付けて規定されている(図76の202b7参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりG5」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりG5」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりG5」は、第1実施形態における「大当たりE」と同様にラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の確変状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりG5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
第2特別図柄の大当たりとして、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲に対しては、「大当たりH5」が対応付けて規定されている(図76の202b8参照)。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりH5」となるカウンタ値は35個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりH5」が決定される割合は35%(35/100)である。この「大当たりH5」は、第1実施形態における「大当たりD」と同様にラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」が付与される大当たり種別である。また、この「大当たりH5」は、長間隔大当たりの一種である。このため、短間隔大当たりに比べて各ラウンドで獲得する賞球数が多くなり易い。
このように、本第5実施形態では、長間隔大当たりと、短間隔大当たりとを設ける構成としている。長間隔大当たりでは、ラウンド間の右特定入賞口65aの閉鎖期間が長くなるため、その長い閉鎖期間の間に右打ちにより開閉扉65f1の上面により多くの遊技球を到達させることができる。よって、閉鎖期間が終了し、新たなラウンドが開始されることで、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球を右特定入賞口65aに入球させることができるため、より多くの賞球を獲得することができる。一方、短間隔大当たりでは、右特定入賞口65aが閉鎖されてから、次に開放されるまでの間の期間が短く、閉鎖期間の間に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることがほとんどできないので、次のラウンドでオーバー入賞が発生する可能性も低くなる。よって、各ラウンドで獲得できる賞球が長間隔大当たりに比べて少なくなり易い。よって、本第5実施形態では、ラウンド数や、大当たり後の遊技状態とは別に、オーバー入賞する可能性を大当たり種別毎に異ならせることで大当たり毎の有利度合いを可変させることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
次に、図76(c)を参照して、期間長選択テーブル202eの詳細について説明を行う。図76(c)は、期間長選択テーブル202eの規定内容を示した図である。図76(c)に示した通り、この期間長選択テーブル202eには、大当たりの種別毎に、オープニング期間、およびインターバル期間として設定すべき期間の長さが規定されている。
具体的には、大当たり種別が「大当たりA5」,「大当たりB5」,「大当たりD5」,「大当たりF5」〜「大当たりH5」(長間隔大当たり)に対しては、オープニング期間として「5秒間」が対応付けて規定されていると共に、インターバル期間として「3秒間」が対応付けて規定されている(図76(c)の202e1参照)。また、大当たり種別が「大当たりC5」,「大当たりE5」(短間隔大当たり)に対しては、オープニング期間として「1秒間」が対応付けて規定されていると共に、インターバル期間として「0.5秒間」が対応付けて規定されている(図76(c)の202e2参照)。これらの規定内容を参照してオープニング期間、およびインターバル期間を選択することにより、長間隔大当たりでは、各閉鎖期間(オープニング期間、インターバル期間)が比較的長くなるので、閉鎖期間の間に遊技球を比較的多く開閉扉65f1の上面に到達させることができる。一方、短間隔大当たりでは、各閉鎖期間が、閉鎖期間が開始されてから右打ちしても1個の遊技球が開閉扉65f1の上面にとどくかどうかという程度の短い長さに設定されるので、大当たりの各ラウンドでオーバー入賞が発生し難くなる。よって、この期間長選択テーブル202eを参照して閉鎖期間を設定することにより、大当たり種別に応じてオーバー入賞が発生する可能性を異ならせることができる。従って、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図77から図79を参照して、第5実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される制御処理について説明する。まず、図77を参照して、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(S121)について説明する。この特別図柄変動処理5(S121)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えてタイマ割込み処理(図21参照)の中で実行される処理であり、特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示の設定や、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定するための処理である。
この第5実施形態における特別図柄変動処理5(図77参照)のうち、S202〜S219、およびS222〜S224の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS202〜S219、およびS222〜S224の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図77参照)が開始されると、大当たり中であるか否かを判別して(S241)、大当たり中であれば(S241:Yes)、処理をそのまま終了する。一方、S241の処理において、大当たり中ではないと判別した場合は(S241:No)、処理をS202へと移行する。
また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図77参照)では、S219の処理が終了すると、大当たり開始フラグ203kをオンに設定して(S242)、処理をS224へ移行する。
次に、図78のフローチャートを参照して、本第5実施形態における大当たり制御処理5(S1052)について説明する。この大当たり制御処理5(S1052)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)に代えてメイン処理(図30参照)の中で実行される処理であり、右特定入賞口65aの開閉動作を制御するための処理である。
この大当たり制御処理5(図78参照)のうち、S1201,S1203〜S1209、およびS1210〜S1217の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図32参照)のS1201,S1203〜S1209、およびS1210〜S1217の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図78参照)では、S1201の処理において大当たり開始フラグ203kがオンであると判別した場合は(S1201:Yes)、期間長選択テーブル202e(図76(c)参照)を読み出して(S1241)、読み出した期間長選択テーブル202eから今回の大当たり種別に対応する長さのオープニング期間を特定し、その特定した期間を示すオープニングコマンドを設定する(S1242)。S1242の処理では、長間隔大当たりの場合には5秒間のオープニング期間を示すオープニングコマンドを設定し、短間隔大当たりの場合には1秒間のオープニング期間を示すオープニングコマンドを設定する。S1242の処理が終了すると、処理をS1203に移行する。
また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図78参照)では、S1208の処理において右特定入賞口65aの閉鎖条件が成立したと判別した場合に(S1208:Yes)、大当たり種別に応じたインターバル期間を設定するためのインターバル設定処理を実行して(S1243)、本処理を終了する。このインターバル設定処理(S1243)の詳細について、図79を参照して説明する。
図79は、インターバル設定処理(S1243)を示すフローチャートである。このインターバル設定処理(S1243)では、まず、今回成立した閉鎖条件が、最終ラウンドの終了に伴う閉鎖であったかを判別し(S1401)、最終ラウンドの終了に伴う閉鎖であると判別した場合は(S1401:Yes)、インターバル期間を設定する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S1401の処理において、最終ラウンド以外のラウンドの終了に伴う閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1401:No)、期間長選択テーブル202eを読み出して(S1402)、今回の大当たり種別に対応するインターバル期間の長さを、読み出した期間長選択テーブル202eから選択(特定)する(S1403)。そして、S1403の処理で特定した長さのインターバル期間の開始を設定して(S1404)、本処理を終了する。
このインターバル設定処理(図79参照)を実行することで、長間隔大当たりであるか、短間隔大当たりであるかに応じてインターバル期間の長さを可変させることができる。これにより、長間隔大当たりでは、インターバル期間毎に閉鎖中の開閉扉65f1の上面に多量の遊技球を到達させることができるので、次のラウンドの開始時に右特定入賞口65aへと多量の遊技球をオーバー入賞させることができる。これに対して、短間隔大当たりとなった場合には、インターバル期間として極めて短い期間(0.5秒間)が設定されるので、インターバル期間中に開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させることが困難となる。よって、各ラウンドでオーバー入賞が発生し難くなるので、各ラウンドで獲得できる賞球数が少なくなる。よって、大当たり種別として長間隔大当たりが選択されることを期待して遊技を行わせることができる。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間が比較的長い長間隔大当たりと、大当たりのオープニング期間、およびインターバル期間が比較的短い短間隔大当たりとを設ける構成としている。長間隔大当たりとなった場合には、大当たりが報知されてから1ラウンド目が開始されるまでの間の閉鎖期間(オープニング期間)、および1のラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの間の閉鎖期間(インターバル期間)において、右打ちを行うことで多量の賞球を開閉扉65f1の上面に到達させることができる。よって、閉鎖期間が経過して右特定入賞口65aが開放される際に、開閉扉65f1の上面の遊技球を一気に右特定入賞口65aへと入球させることができるので、大当たりの各ラウンドでオーバー入賞が発生する割合を高くすることができる。一方、短間隔大当たりの場合には、閉鎖期間の間に右打ちを行っていても、閉鎖期間が短すぎて開閉扉65f1の上面に遊技球がほとんど到達しないまま次のラウンドが開始されてしまう。よって、オーバー入賞が発生し難くなるので、長間隔大当たりよりも賞球数の面で不利となる。これらにより、大当たりのラウンド数や、大当たり終了後の遊技状態の他に、オーバー入賞の発生し易さも大当たり種別に応じて異ならせることができるので、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。よって、大当たりとなった場合に、大当たりの種別により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本第5実施形態では、全ての閉鎖期間が長い長間隔大当たりと、全ての閉鎖期間が短い短間隔大当たりとの2種類のみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。より多くの種類を設ける構成としても良い。具体的には、例えば、長間隔大当たり、および短間隔大当たりに加えて、大当たりの所定ラウンド(例えば、3ラウンド目)までは閉鎖期間として長間隔(例えば、3秒間)が設定され、以降のラウンドでは短間隔(例えば、0.5秒間)が設定される大当たり種別や、逆に、所定のラウンド(例えば、3ラウンド目)までは閉鎖期間として短間隔(例えば、0.5秒間)が設定され、以降のラウンドでは長間隔(例えば、3秒間)が設定される大当たり種別を設ける構成としても良い。また、例えば、短間隔と長間隔とが交互に繰り返される大当たり種別を設ける構成としても良い。このように構成することで、オープニング期間が短間隔であったとしても、所定のラウンドを経過したら長間隔になる大当たり、または短間隔と長間隔が交互に繰り返される大当たりになることを遊技者に期待させることができる。また、オープニング期間が長間隔であった場合には、全ての閉鎖期間に長間隔が設定される大当たりであることを期待させることができる。これにより、大当たり種別を予測させる楽しみを遊技者に与えることができる。
本第5実施形態では、長間隔大当たりとなった場合に、オープニング期間と、インターバル期間とをどちらも長間隔とし、短間隔大当たりとなった場合に、オープニング期間と、インターバル期間とをどちらも短間隔とするこうせいとしていたが、これに限られるものではない。例えば、一方は共通の長さの期間とし、他方の期間の長さのみを大当たり種別に応じて異ならせる構成としてもよい。これにより、制御を簡素化することができるので、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。
本第5実施形態では、大当たり種別に応じてオープニング期間とインターバル期間との長さを異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、オープニング期間とインターバル期間とのうち少なくとも一方を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、遊技者に不利な特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態では、短いオープニング期間(例えば、1秒間)、およびインターバル期間(例えば、0.5秒間)が設定される一方で、普通図柄の時短状態が設定されている遊技状態(確変状態、時短状態)では、長いオープニング期間(例えば、5秒間)、およびインターバル期間(例えば、3秒間)が設定される大当たり種別を設ける構成としてもよい。これにより、遊技者に有利な確変状態、および時短状態の有利度合いを更に向上させることができる。また、逆に、遊技者に不利な遊技状態において、長い閉鎖期間が設定され、有利な遊技状態では短い閉鎖期間が設定される構成としてもよい。これにより、遊技者に不利な状態で大当たりとなった場合に、より多くの賞球を獲得できるので、不利な状態になった場合に遊技を辞めてしまうことを抑制できる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、遊技状態、若しくは大当たり種別に応じて閉鎖期間の長さを可変させる制御は、必ずしも本実施形態における右可変入賞装置65と組み合わせる必要はない。オーバー入賞を意図的に発生させることができない構造の可変入賞装置(例えば、上記各実施形態における左可変入賞装置650)のみが設けられているパチンコ機10に適用してもよい。これにより、閉鎖期間を状況(当選した大当たり種別、当選した時点の遊技状態等)に応じて可変させることができるので、閉鎖期間で実行する演出を異ならせることができる。よって、演出態様を多様化させることができる。
<第5実施形態の変形例>
次に、図80を参照して、上述した第5実施形態の変形例について説明する、上述した第5実施形態では、1の可変入賞装置65を用いて、オーバー入賞し易い大当たり種別と、オーバー入賞し難い大当たり種別とを設ける技術について説明した。これに対して本変形例では、2種類の可変入賞装置(下可変入賞装置65、上可変入賞装置650)を用いて、閉鎖期間を変えずにオーバー入賞が発生する可能性を異ならせる技術について説明する。
図80は、第5実施形態の変形例におけるパチンコ機10の遊技盤13を示した図である。図80に示した通り、本変形例では、上記各実施形態における右可変入賞装置65と同一の構造の下可変入賞装置65が、上記各実施形態における右可変入賞装置65と同一の位置に配置されている。また、下可変入賞装置65の上方には、上記第1〜第4実施形態における左可変入賞装置650と同一の構造の上可変入賞装置650が配設されている。本変形例では、大当たり種別に応じて、上可変入賞装置650の上特定入賞口650aと、可変入賞装置65の下特定入賞口65aとが1ラウンド毎に交互に開放される大当たり種別(交互大当たり)と、大当たりの毎ラウンドで下特定入賞口65aが開放される大当たり種別(片方大当たり)とが少なくとも設けられている。また、各閉鎖期間(オープニング期間、インターバル期間)は、上述した第5実施形態における短間隔大当たりと同一の期間が設定される。このように構成した場合、片方大当たりでは、上述した第5実施形態における短間隔大当たりと同一の動作となるので、ほとんどオーバー入賞が発生せず、賞球数の面で不利となる。
一方で、交互大当たりとなった場合には、上特定入賞口650aが開放されているラウンドにおいて右打ちを行うと、一部の遊技球が上特定入賞口650aの右側を抜けて(上特定入賞口650aに入賞せずに)下方へと流下し、開閉扉65f1の上面に到達する場合がある。つまり、次のラウンド(下特定入賞口65aが開放されるラウンド)の開始時に、開閉扉65f1の上面に遊技球が1又は複数配置されている状態となる可能性がある。これにより、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球が多いほど、次のラウンド(下特定入賞口65aが開放されるラウンド)におけるオーバー入賞の発生割合が高くなる。よって、交互大当たりとなった場合に、遊技者に対して、上特定入賞口650aの右側を抜けて開閉扉65f1の上面に到達し易くなる発射強度となるように工夫して遊技を行わせることができる。つまり、上特定入賞口650aが開放されている最大30秒間の間に、より多くの遊技球を開閉扉65f1の上面へ到達させてから上特定入賞口650aに上限個数(2個)以上の遊技球を入球させることを狙って遊技を行わせることができる。これにより、交互大当たりとなった場合には、遊技者の遊技方法に応じて獲得できる賞球が異なってくるので、技術に自信のある遊技者に対して、積極的にパチンコ機10で遊技を行わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
<第6実施形態>
次に、図81から図90を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第5実施形態では、大当たり種別に応じてオープニング期間、およびエンディング期間の長さ(閉鎖期間の長さ)を異ならせることにより、各閉鎖期間において右可変入賞装置65の開閉扉65f1に到達させることが可能な遊技球の数を異ならせる構成とした。これにより、各ラウンドの開始時に開閉扉65f1上面を通過中の遊技球(即ち、右特定入賞口65aが開放された場合に、右特定入賞口65aの内部へと誘導される位置に配置されている遊技球)の数を異ならせることが可能となるように構成した。2個を上回る遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させることが可能な長さの閉鎖期間が設定される長間隔大当たりでは、閉鎖期間中に連続して遊技球を開閉扉65f1に向けて発射し続けるだけで、次のラウンドの開始時に開閉扉65f1上を通過中の遊技球を全て、開放された右特定入賞口65aへと入賞させることができる。よって、遊技球が2個以上入賞することで終了する大当たりの各ラウンドにおいて、閉鎖期間中に連続して右打ちを行うだけで、規定個数(2個)を上回る個数の遊技球を入球させることができる。一方、2個以下の遊技球のみを開閉扉65f1の上面に到達させることが可能な長さの閉鎖期間が設定される短間隔大当たりでは、大当たりの各ラウンドの開始時に開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数がほぼ2個以下になる。これにより、大当たりの各ラウンドにおいて、ほぼ、規定個数(2個)の遊技球のみが入球してラウンドが終了する。これらによって、大当たり種別に応じて大当たりの各ラウンドで獲得可能となる賞球数を異ならせることができるので、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。
これに対して本第6実施形態では、オープニング期間の長さが大当たり種別によらず0.5秒間で固定となるように構成している。つまり、オープニング期間が開始されてから右打ちを行ったとしても、遊技球が開閉扉65f1に到達するよりも前にオープニング期間が終了して右特定入賞口65aが開放されてしまう構成としている。そして、変動表示演出の実行中における示唆内容により、変動表示中から遊技球を発射した方がよいかどうか(開閉扉65f1の上面に遊技球が複数到達した状態で開閉扉65f1が開放されるかどうか)を遊技者に判断させる構成としている。即ち、変動表示の実行中に、右打ちを行った場合に有利となる可能性を遊技者に報知する演出を実行可能に構成している。これにより、遊技者に対して演出の内容から右打ちを行った方がよいかどうかを予測させて、右打ちを行った方がよいと判断した場合に、変動が終了するよりも前に右打ちを開始させることができる。よって、予測通りに開閉扉65f1が開放された場合には、遊技者に対して自力でオーバー入賞を発生させたことに対する幸福感を抱かせることができる。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第5実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、右可変入賞装置65に設けられている通過検出センサ228の配置および個数を変更した点、主制御装置110におけるROM202、およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第5実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図81を参照して、本第6実施形態における右可変入賞装置65に設けられている通過検出センサ228の配置について説明する。図81は、本第6実施形態における右可変入賞装置65の上面図である。図81に示した通り、本第6実施形態における右可変入賞装置65は、開閉扉65f1の上面に設けられている流路の入口側(正面視右側)、および出口側(正面視左側)に、それぞれ遊技球の通過を検出可能な通過検出センサ228g1,228g2が設けられている。通過検出センサ228g1により開閉扉65f1の上面に設けられている流路へと流入する遊技球を検出することができる。また、通過検出センサ228g2により、開閉扉65f1の上面に設けられている流路を通過しきって開閉扉65f1の左側へと排出された遊技球を検出することができる。本第6実施形態では、開閉扉65f1の上面に設けられている流路へと流入する遊技球の個数(通過検出センサ228g1によって検出された遊技球の個数)と、開閉扉65f1の上面に設けられている流路から排出された遊技球の個数(通過検出センサ228g2によって検出された遊技球の個数)との差分を算出することにより、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数を、より正確に把握することが可能に構成している。
また、図81に示した通り、本第6実施形態における右可変入賞装置65では、遊技球の流下を妨げる(遊技球を減速させて開閉扉65f1の上面を遊技球が通過するのに要する期間を長くする)ための構成として、開閉扉65f1の上面の凸部65f1a〜65f1cに加えて、開閉扉65f1の左右にも、遊技球の流下を妨げることが可能な凸部65f1d,65f1eが設けられている。凸部65f1dにより、右可変入賞装置65の右側から流下してきた遊技球を、右可変入賞装置65の上面における正面視手前側から、開閉扉65f1の上面の流路に流入させることができる。また、凸部65f1eにより、開閉扉65f1の上面に設けられている流路から排出される際に、排出位置を右可変入賞装置65における正面視手前側に限ることができる。これらの開閉扉65f1の上面の流路の入口側(正面視右側)、および出口側(正面視左側)の遊技球が通過可能な流路(凸部65f1d,65f1eで妨げられていない範囲)は、遊技球が1個のみ通過可能な幅(遊技球1.5個分の幅)で構成されており、その中央にそれぞれ通過検出センサ228g1,228g2が配設されている。入口側、および出口側の流路を上記各実施形態よりも狭くする(遊技球1.5個分の幅にする)ことにより、1個の入口側、および出口側に設けられている通過検出センサ228g1,228g2によって、開閉扉65f1の上面の流路へと流入する遊技球と、流路から流出する遊技球とをより確実に検出することができる。よって、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数をより正確に把握することができる。
次に、図82〜図84を参照して、本第6実施形態における変動表示演出の実行中に、第3図柄表示装置81に表示される可能性がある右打ち期待度示唆演出について説明を行う。この右打ち期待度示唆演出は、スーパーリーチまたはスペシャルリーチに発展する変動表示演出の一部で実行される可能性がある演出であり、開閉扉65f1の上面に向けて遊技球を発射した場合に遊技者に有利となるかどうかの期待度を示唆するための演出である。即ち、変動表示中に開閉扉65f1の上面の流路に遊技球をより多く到達させた場合に、右特定入賞口65aが開放されてオーバー入賞が発生するかどうかの期待度を示唆するための演出である。
図82(a)は、右打ち期待度示唆演出が設定されたスーパーリーチ中の表示態様を示した図である。上述した通り、本第6実施形態では、スーパーリーチ、又はスペシャルリーチ演出に発展した場合の一部で、右打ち期待度示唆演出が実行される。この右打ち期待度示唆演出では、図82(a)に示した通り、剣と盾とを所持した冒険者のキャラクタと、敵である怪獣とが睨み合っている画像が第3図柄表示装置81の表示画面上に表示される。また、表示画面の上側には、「敵を倒せ!!」という文字が表示された表示領域HR4が形成されると共に、表示領域HR4の右側に、リーチ状態で変動中の第3図柄が縮小表示される。これらの表示内容により、冒険者が敵である怪獣を倒すことができれば大当たりになるということを遊技者に理解させることができる。
なお、図82(a)に示した通り、怪獣の胴体には十文字に交差した傷が付いている。更に、本第6実施形態における右可変入賞装置65の正面視手前側には、怪獣の胴体に付いている傷を模した装飾が施されている。これにより、怪獣の傷と右可変入賞装置65とが関連しているかのような印象を遊技者に抱かせることができる。なお、詳細については後述するが、本第6実施形態では、冒険者が怪獣の傷を狙って攻撃を行う演出が実行される。そして、これに合わせて、遊技者参加型の演出として、怪獣の傷を模した装飾が施された右可変入賞装置65を狙って遊技球を発射させる演出が実行される。
図82(b)に示した通り、右打ち期待度示唆演出において、冒険者と怪獣とが睨み合う画像が表示された後、怪獣の腹部から上側がズームアップされて表示されると共に、怪獣の画像の右側に、怪獣の残りの体力を示す体力ゲージLGが表示された表示領域HR5が形成される。これらの表示内容により、怪獣の残り体力を遊技者に視覚的に分かり易く理解させることができる。
また、怪獣の左側には、怪獣の傷を指し示す矢印の画像が表示されると共に、表示領域HR4に対して、「傷を狙うんだ!!」との文字と、傷を模した画像とが表示される。更に、右可変入賞装置65における傷を模した装飾の箇所付近が、今回の演出の期待度に応じた色に発光する。これらの演出内容により、傷を模した装飾が施された右可変入賞装置65を狙って遊技球を発射することで、オーバー入賞が発生する可能性があることを遊技者に対して示唆することができる。
なお、本第6実施形態における右可変入賞装置65は、傷を模した装飾の箇所付近を発光させるために、複数種類の発光色の発光ダイオード(LED)が内蔵されている。即ち、白色LEDと、青色LEDと、緑色LEDと、赤色LEDとが内蔵されている。詳細については後述するが、本第6実施形態では、白色の発光色が最も期待度が低く、青色が白色よりも期待度が高く、緑色が青色よりも期待度が高く、赤色が最も期待度が高くなるように構成されている。これにより、右可変入賞装置65の発光色を手掛かりとして、開閉扉65f1の上面へと遊技球を発射した場合に有利となるか(右特定入賞口65aが開放されてオーバー入賞が発生するか)どうかを推測させることができる。よって、右打ち期待度示唆演出の内容により注目して遊技を行わせることができる。
図83(a)は、右打ち期待度示唆演出において、遊技者が右打ちにより開閉扉65f1の上面を狙って遊技球を発射した場合の表示態様である。図83(a)に示した通り、右打ち期待度示唆演出において、怪獣の傷を狙って攻撃を行うように示唆する表示内容(図82(b)参照)が表示された後は、遊技球が通過検出センサ228g1を通過する毎に、冒険者が怪獣の傷に攻撃を加えることで怪獣の体力ゲージLGが1ゲージずつ減少する演出が実行される。このゲージが減少する演出を実行することにより、右打ちを行った方が怪獣を倒しやすくなるかのように遊技者に思わせることができるので、遊技球を積極的に右打ちさせることができる。よって、遊技者の右打ち期待度示唆演出に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第6実施形態における右打ち期待度示唆演出では、特別図柄の抽選結果が大当たりの場合に、体力ゲージLGのゲージ数が0まで減少し得る一方で、特別図柄の抽選結果が外れの場合には、残り1ゲージまでしか減少しない(ゲージ数が0になることはない)構成としている。これにより、特別図柄の抽選結果を第3図柄が停止表示されるよりも前に知りたいと考える遊技者に対して、より積極的に遊技球を開閉扉65f1の上面へ向けてと発射させることができる。これにより、遊技者の右打ち期待度示唆演出に対する参加意欲をより向上させることができる。
図83(b)は、特別図柄の抽選で大当たりとなり、右打ち期待度示唆演出が設定された変動表示が実行された場合における変動停止時の表示態様の一例を示した図である。図83(b)に示した通り、大当たりを報知する場合には、表示領域HR3において第3図柄が同一の数字が揃った状態で停止表示される。これに加えて、冒険者の攻撃によって怪獣が倒れると共に、体力ゲージのゲージ数が0に減少する演出が実行される。また、表示領域HR4に対して「勝利」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たりになったことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、これらの表示内容はオープニング期間中も表示され続ける。上述した通り、本第6実施形態では、オープニング期間が0.5秒間と極めて短くなるように構成している。よって、右打ち期待度示唆演出を、オープニング期間まで用いて実行することにより、0.5秒間だけ演出を行うことで演出が不自然となってしまうことを防止する構成としている。オープニング期間の終了時には、右特定入賞口65aが開放されるので、右打ち期待度示唆演出の実行中に遊技者が右打ちを行って開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させていた場合には、遊技球が開放された右特定入賞口65aへと入球する。
次に、図84を参照して、本第6実施形態において右打ち期待度示唆演出が設定された変動表示演出の前後における表示態様の経時変化について説明する。図84(a)は、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の変動表示演出で右打ち期待度示唆演出が実行された場合における表示態様の経時変化を示した図である。図84(a)では、変動時間が60秒間のスーパーリーチが変動種別として選択された場合を例にとって説明する。図84(a)に示した通り、大当たりに対応する変動表示が開始されると、まず、通常の変動表示が開始され、各図柄列を構成する第3図柄の変動表示が開始される。そして、第3図柄の変動表示が開始されてから10秒間が経過すると、リーチ状態が発生する。即ち、左図柄列Z1と右図柄列Z3とが同一の数字を付した第3図柄で停止表示され、中図柄列Z2のみが変動表示されている状態となる。
リーチ状態が発生してから20秒間が経過すると、スーパーリーチに発展すると共に、右打ち期待度示唆演出(図82(a)参照)が開始される。そして、この右打ち期待度示唆演出が開始されてから26秒間が経過すると(即ち、変動終了まで残り4秒間になると)、表示領域HR4に「傷を狙うんだ!!」との文字が表示される演出(図82(b)参照)が実行される。この演出では、上述した通り、右可変入賞装置65の発光色によって、右打ちを行った場合に有利となるかどうかの期待度を示唆する構成としている。変動時間が終了するまでの間の残りの4秒間と、大当たりのオープニング期間の0.5秒間との4.5秒間に渡って右打ちを行うことで、7個前後の遊技球を発射することができるので、1ラウンドの開始時に7個前後の遊技球をほぼ同時に入球させることができる。以降の説明では、右可変入賞装置65の発光色によって右打ちを行った場合に有利となるか否かの期待度を報知する演出(表示画面に「傷を狙うんだ!!」との文字が表示される演出)のことを、「期待度報知演出」と称する。
なお、実際には、発光色を確認して、開閉扉65f1が開放されるかどうかを判断してから発射を開始する場合が大半となるので、発射までに要する期間が長くなるほど、オーバー入賞の個数が少なくなる。外れの場合に遊技球を発射してしまうと、発射した全ての遊技球が無駄となる(ほぼ全ての遊技球がアウト口66から排出されてしまう)ため、演出発生時に毎回即座に右打ちを行う遊技方法で遊技を行うと、却って損になってしまうためである。よって、遊技者に対して、「傷を狙うんだ!!」との文字が表示される演出(期待度報知演出)が発生する毎に、右特定入賞口65aが開放されるかどうかを正確に判断して、開放されると判断した場合に、迅速に右打ちを開始しようとして遊技を行わせることができる。よって、遊技者の右打ち期待度示唆演出に対する参加意欲を向上させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
大当たりにおけるオープニング期間の0.5秒間が経過すると、大当たりの1ラウンド目が開始されて右特定入賞口65aが開放されると共に、大当たりが開始されたことを示す演出(オープニング演出に相当する演出)が1ラウンドのラウンド期間、および1ラウンドが終了した後のインターバル期間に渡って実行される。そして、大当たりの2ラウンド目が開始されると、通常の態様の大当たり演出が実行される。大当たりの2ラウンド目が開始されるまでの期間に渡ってオープニング演出に相当する演出を実行する構成にすることで、実際のオープニング期間の0.5秒間の間にオープニング演出を実行する場合に比較して、十分長い時間に渡って大当たりが開始されたことを演出により報知することができる。よって、遊技者に対して大当たりが開始されたことをより確実に認識させることができる。
図84(b)は、変動時間が60.5秒間のスーパーリーチ外れの変動種別が変動パターンとして決定され、右打ち期待度示唆演出が設定された場合における表示態様の経時変化を示した図である。図84(b)に示した通り、外れの場合における演出態様の経時変化は、少なくとも期待度報知演出が発生するまでの間、大当たりの場合と全く同一となる。一方、上述した通り、右可変入賞装置65の装飾部分の発光色の選択率が大当たりの場合とは異なっている。よって、期待度報知演出が発生した場合には、大当たりにおいて選択される割合が高い発光色であるか、外れにおいて選択される割合が高い発光色であるかによって、右打ちを開始させるかどうかを遊技者に判断させることができる。
図84(b)に示した通り、変動開始から60秒が経過すると、冒険者の攻撃で怪獣を倒すことができなかったことが報知されると共に、外れに対応する第3図柄の組み合わせが停止表示されて、外れとなったことが報知される。これにより、遊技者に対して今回の特別図柄の抽選結果が外れだったことを容易に理解させることができる。この外れとなったことの報知(外れに対応する第3図柄の組み合わせの停止表示)は、0.5秒間継続する。なお、外れの方が、変動時間が0.5秒間長くなっているのは、大当たりとなる場合には、上述した通り、大当たりのオープニング期間である0.5秒間も用いて右打ち期待度示唆演出を実行するためである。つまり、外れの場合も、大当たりの場合と同一の演出時間とすることで、最終結果が報知される60秒経過時までの演出態様を共通化することができる。よって、共通のデータを用いて演出を実行することができるので、右打ち期待度示唆演出を実行するためのデータ量を削減することができる。
このように、本第6実施形態では、右打ち期待度示唆演出が設定された場合に、右可変入賞装置65の装飾部分の発光色の選択率以外は態様が共通する演出が、演出終了の0.5秒前まで継続する。これにより、遊技者に対して右可変入賞装置65の発光色を手掛かりに、右打ちを行った方が良いか否かを判断させることができる。
なお、上述した通り、本第6実施形態では、期待度報知演出が発生した後で、遊技球が通過検出センサ228g1を通過する毎に、怪獣の体力を示す体力ゲージLGのゲージ数が1ずつ減少して表示される。そして、大当たりとなる(右特定入賞口65aが開放される)場合には、体力ゲージLGが0まで減少する一方で、外れの場合には体力ゲージLGが1までしか減少しない。よって、遊技者が右打ちをし続けた場合には、大当たりとなるかどうかを若干早く察知できる場合がある。体力ゲージLGは、ゲージ数の初期値が5となるので、5個の遊技球を通過検出センサ228g1に到達させることにより、大当たりか否かを察知することができる。即ち、ゲージ数が0まで減少すれば大当たりであると判断することができる一方、ゲージ数が1から減少しなかった場合は、外れであると判断することができる。しかしながら、5個の遊技球を発射するには、最低でも3秒間を要する。そして、発射された遊技球が通過検出センサ228g1に到達するまでには、1秒前後の時間を要する。よって、右可変入賞装置65の発光色を確認した後で遊技球を発射したとしても、5個の遊技球を通過検出センサ228g1に通過させることは困難となる。このため、大当たりを少しでも早く察知したいと考える遊技者に対して、期待度報知演出が発生するよりも前に遊技球を発射させることができる。つまり、遊技者毎の趣向に応じて、少しでも早く大当たりか否かを知ることができる遊技性と、大当たりかどうかを右可変入賞装置65の発光色から推測して右打ちを行うかどうかを判断する遊技性とを遊技者に選択させることができる。よって、遊技者毎の趣向に合わせた遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、大当たりに対応する変動表示演出において右打ち期待度示唆演出が設定された場合には、通過検出センサ228g1を5個以上の遊技球が通過した場合は体力ゲージLGのゲージ数が必ず0まで減少する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりとなる場合に所定の割合(例えば、50%の割合)で体力ゲージLGのゲージ数を0まで減少可能に構成し、その他の場合にはゲージ数が1となるまでしか減少しないように構成してもよい。このように構成することで、ゲージ数が1までしか減少しなくても、大当たりに対する期待感を持続させることができる。
<第6実施形態における電気的構成>
次に、図85、および図86を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているROM222、およびRAM223について説明する。図85(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図85(a)に示した通り、本第6実施形態におけるROM222は、第5実施形態(および第1実施形態)におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、演出態様選択テーブル222bが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第5実施形態と同一であるので、その詳細については省略する。
演出態様選択テーブル222bは、変動表示演出において実行する演出態様を選択する際に参照するデータテーブルである。この演出態様選択テーブル222bには、上述した右打ち期待度示唆演出を含む複数の演出態様が規定されており、変動表示演出の開始時に、後述する演出抽選カウンタ223jの値に対応する態様が決定される。この演出態様選択テーブル222bの詳細について、図86を参照して説明する。
図86は、演出態様選択テーブル222bの規定内容を示した図である。図86に示した通り、演出態様選択テーブル222bは、変動種別毎に、選択され得る演出態様と、演出抽選カウンタ223jの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、変動種別「当たりスペシャルリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0〜39」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b1参照)。この通常演出とは、右打ちを行った場合に有利となるか否かが、変動停止の直前まで分かり難くなる演出態様の総称である。より具体的には、大当たりの場合と、外れの場合とで、変動終了時に同一の数字が付された第3図柄が揃うか否か以外は、演出態様から大当たりとなるか否かを見分けることが困難となる態様の演出である。この通常演出が実行された場合には、大当たりであるかどうかを、第3図柄の停止時まで判断できない。よって、遊技者が大当たりを察知して右打ちを開始したとしても、2個を上回る遊技球を開閉扉65f1の上面に到達させるよりも前に1ラウンド目が開始されてしまう。よって、通常演出が選択された場合には、1ラウンド目にオーバー入賞させることが困難になる。
演出抽選カウンタ223jの値が取り得る「0〜99」の100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は40個なので、当たりスペシャルリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は40%(40/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「40〜99」に対しては、演出態様として右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定されている(図86の222b2〜222b5参照)。このうち、「40〜49」の範囲には、右可変入賞装置65の発光色として「白色」が設定される態様の期待度報知演出が発生する右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定され(図86の222b2参照)、「50〜74」の範囲には、発光色として「青色」が設定される態様が対応付けて規定され(図86の222b3参照)、「75〜90」の範囲には、発光色として「緑色」が設定される態様が対応付けて規定され(図86の222b4参照)、「90〜99」の範囲には、発光色として「赤色」が設定される態様が対応付けて規定されている(図86の222b5参照)。
演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」、「青色」、「緑色」、「赤色」に対応付けられているカウンタ値はそれぞれ10個、25個、15個、10個なので、各発光色が決定される割合は、それぞれ10%(10/100)、25%(25/100)、15%(15/100)、10%(10/100)である。
また、変動種別「当たりスーパーリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0〜74」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b6参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は75個なので、当たりスーパーリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は75%(75/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「75〜99」に対しては、演出態様として右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定されている(図86の222b7,222b8参照)。このうち、「75〜94」の範囲には、期待度報知演出における右可変入賞装置65の発光色として「白色」が対応付けて規定され(図86の222b7参照)、「95〜99」の範囲には、発光色として「赤色」が設定される態様が対応付けて規定されている(図86の222b8参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」、「赤色」に対応付けられているカウンタ値はそれぞれ20個、5個なので、各発光色が決定される割合は、それぞれ20%(20/100)、5%(5/100)である。
また、変動種別「外れスペシャルリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0〜89」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b9参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は90個なので、外れスペシャルリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は90%(90/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「90〜99」に対しては、演出態様として右打ち期待度示唆演出が対応付けて規定されている(図86の222b10〜222b12参照)。このうち、「90〜96」の範囲には、期待度報知演出における右可変入賞装置65の発光色として「白色」が対応付けて規定され(図86の222b10参照)、「97,98」の範囲には、発光色として「青色」が設定される態様が対応付けて規定され(図86の222b11参照)、「99」に対しては、発光色として「緑色」が設定される態様が対応付けて規定されている(図86の222b12参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」、「青色」、「緑色」に対応付けられているカウンタ値はそれぞれ7個、2個、1個なので、各発光色が決定される割合は、それぞれ7%(7/100)、2%(2/100)、1%(1/100)である。
即ち、当たりスペシャルリーチと、外れスペシャルリーチとを比較すると、当たりスペシャルリーチの方が右打ち期待度示唆演出が選択される割合が高くなる(通常演出が選択される割合が低くなる)。よって、右打ち期待度示唆演出が実行された時点で、大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、当たりスペシャルリーチでは、外れスペシャルリーチに比べて、右打ち期待度示唆演出が決定される場合における、「白色」および「青色」の発光色の決定割合が低くなる一方で、「緑色」の発光色の決定割合が高くなる。また、当たりスペシャルリーチの場合にのみ、「赤色」の発光色が決定される可能性がある。よって、発光色が「緑色」となった場合には、右打ちをした方が有利になる可能性が高いと遊技者に思わせることができる。また、「赤色」となった場合には、右特定入賞口65aが開放されることを遊技者に察知させることができる。
また、変動種別「外れスーパーリーチ」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「0〜94」に、演出種別として通常演出が対応付けて規定されている(図86の222b13参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、「通常演出」に対応付けられているカウンタ値は95個なので、外れスーパーリーチの変動種別が決定された場合に、演出態様として通常演出が決定される割合は95%(95/100)である。
一方、演出抽選カウンタ223jの値の範囲「95〜99」に対しては、演出態様として、「白色」の発光色に対応する期待度報知演出が対応付けて規定されている(図86の222b14参照)。演出抽選カウンタ223jの値が取り得る100個の値のうち、発光色が「白色」の期待度報知演出に対応付けられているカウンタ値は5個なので、発光色が「白色」の期待度報知演出が決定される割合は5%(5/100)である。
即ち、当たりスーパーリーチと、外れスーパーリーチとを比較すると、当たりスーパーリーチの方が右打ち期待度示唆演出が選択される割合が高くなる(通常演出が選択される割合が低くなる)。よって、右打ち期待度示唆演出が実行された時点で、大当たりに対する期待感を抱かせることができる。また、当たりスーパーリーチでは、外れスーパーリーチに比べて、右打ち期待度示唆演出が決定される場合における、「白色」の発光色の決定割合が低くなる。また、当たりスペシャルリーチの場合にのみ、「赤色」の発光色が決定される可能性がある。よって、発光色が「白色」となった場合には、右打ちをした方が有利となるのか、ならないのかを遊技者に推測させることができる。また、「赤色」となった場合には、右特定入賞口65aが開放されることを遊技者に察知させることができる。
また、変動種別「当たりスペシャルリーチ」、「当たりスーパーリーチ」、「外れスペシャルリーチ」、「外れスーパーリーチ」以外の変動種別(「当たりノーマルリーチ」、「外れノーマルリーチ」、「長外れ」、「短外れ」)に対しては、演出抽選カウンタ223jが取り得る全ての値の範囲に対して、「通常演出」が対応付けて規定されている(図86の222b15参照)。このため、変動種別が「当たりノーマルリーチ」、「外れノーマルリーチ」、「長外れ」、「短外れ」となった場合には、右打ち期待度示唆演出が実行されることはない。
このように、本第6実施形態では、右打ち期待度示唆演出を決定する割合や、右打ち期待度示唆演出の中の期待度報知演出で各発光色を選択する割合を、変動種別に応じて異ならせる構成としている。これにより、期待度報知演出が実行された場合における右可変入賞装置65の発光色から、右打ちを行った方が良いかどうかを遊技者に判断させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図85(b)を参照して、本第6実施形態におけるRAM223の構成について説明する。図85(b)に示した通り、本第6実施形態におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、演出抽選カウンタ223jと、通過個数カウンタ223kと、報知演出中フラグ223mと、体力ゲージカウンタ223nと、報知待機フラグ223pと、報知種別格納エリア223qとが追加されている点で相違している。
演出抽選カウンタ223jは、上述した演出態様選択テーブル222b(図86参照)から、変動表示演出の態様を選択するために用いるカウンタであり、「0〜99」の範囲で値が更新される。変動開始時には、この演出抽選カウンタ223jの値に対応する演出態様が演出態様選択テーブル222bから選択される。
通過個数カウンタ223kは、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数をカウントするためのカウンタである。この通過個数カウンタ223kの値は、通過検出センサ228g1,228g2のうち、上流側に設けられている通過検出センサ228g1によって遊技球の通過が検出される(出力がHになる)毎に値に1ずつ加算される。即ち、開閉扉65f1の上面に遊技球が流入する毎に1ずつ加算される。また、通過個数カウンタ223kの値は、下流側に設けられている通過検出センサ228g2によって遊技球の通過が検出される(出力がHになる)毎に1ずつ加算される。即ち、開閉扉65f1の上面の流路から遊技球が流出する毎に1ずつ減算される。
報知演出中フラグ223mは、期待度報知演出(右可変入賞装置65の発光色により右打ちを行った場合に有利となるか否かの期待度を報知する演出)の実行中であるか否かを示すフラグである。この報知演出中フラグ223mがオンであれば、期待度報知演出の実行中であることを示し、オフであれば、期待度報知演出の実行中ではないことを示す。この報知演出中フラグ223mは、期待度報知演出の開始を設定した場合にオンに設定され(図88のS4708参照)、大当たりが開始された場合にオフに設定される。
体力ゲージカウンタ223nは、期待度報知演出の実行中に第3図柄表示装置81に表示される体力ゲージLGのゲージ数を示すカウンタである。この体力ゲージカウンタ223nのカウンタ値は、期待度報知演出の開始時に、初期値として体力ゲージ数の最大値である「5」から通過個数カウンタ223kの値を減算した値が設定される(図88のS4706参照)。これにより、期待度報知演出が開始されるよりも前から遊技球を右打ちし、期待度報知演出の開始時に複数の遊技球が開閉扉65f1の上面を通過中の状態にしておけば、期待度報知演出の実行中に体力ゲージカウンタLGのゲージ数を減らし切るまでに要する期間を短くすることができる。よって、大当たりとなるか否かを少しでも早く知りたいと考える遊技者に対して、期待度報知演出が開始されるよりも前から遊技球を右打ちさせることができる。なお、期待度報知演出の開始時に、通過個数カウンタ223kの値が4以上の場合には、通過個数カウンタ223kの値によらず、体力ゲージカウンタ223nの値を一律で1に設定する(図88のS4705参照)。即ち、大当たりの場合でも、期待度報知演出の開始直後に体力ゲージLGのゲージ数が0となることはない。よって、右可変入賞装置65の発光色を手掛かりに右打ちを開始した方が良いかどうかを遊技者に判断させることができる。この体力ゲージカウンタ223nは、特別図柄の抽選結果毎に設定された下限値(大当たりの場合は0、外れの場合は1)となるまで、上流側の通過検出センサ228g1によって遊技球の通過が検出される毎に、値が1ずつ減算して更新される(図87のS4217参照)。
報知待機フラグ223pは、右打ち期待度示唆演出が設定された変動表示演出の実行中であり、且つ、期待度報知演出の開始タイミングに達していない状態であるか否かを示すフラグである。この報知待機フラグ223pは、右打ち期待度示唆演出の実行が決定された場合にオンに設定され(図90のS4805参照)、期待度報知演出の開始が設定された場合にオフに設定される(図88のS4708参照)。
報知種別格納エリア223qは、右打ち期待度示唆演出において実行される期待度報知演出の種別(右可変入賞装置65の発光色)を示すデータが格納される記憶領域である。変動開始時に演出態様選択テーブル222bを参照して期待度報知演出の種別が決定されると、この報知種別格納エリア223qに対して、決定された種別に対応するデータが格納される(図90のS4804参照)。なお、報知種別格納エリア223qは、例えば、1バイトの記憶領域で構成され、「01H」が格納されていれば発光色「白色」が設定される期待度報知演出を示し、「02H」が格納されていれば発光色「青色」が設定される期待度報知演出を示し、「03H」が格納されていれば発光色「緑色」が設定される期待度報知演出を示し、「04H」が格納されていれば発光色「赤色」が設定される期待度報知演出を示す。一方、「00H」が格納されている場合は、右打ち期待度示唆演出が設定されていないことを示す。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理>
次に、図87から図90を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図87のフローチャートを参照して、本第6実施形態における演出更新処理6(S4121)について説明する。この演出更新処理6(S4121)は、演出更新処理(図35参照)に代えてメイン処理(図34参照)の中で実行される処理であり、遊技の状況に応じて演出態様を更新するための処理である。
この演出更新処理6(図87参照)では、まず、右可変入賞装置65の上面における上流側(開閉扉65f1の上面の流路の入口側)に配置されている通過検出センサ228g1の出力がH(ハイ)であるかを判別して(S4211)、出力がHであると判別した場合は(S4211:Yes)、通過個数カウンタ223kの値に1を加算して更新する(S4212)。次に、報知演出中フラグ223mがオンであるか否かを判別して(S4213)、報知演出中フラグ223mがオンであると判別した場合は(S4213:Yes)、体力ゲージLGの態様を更新するための処理(S4214〜S4218)を実行した後で、処理をS4219へと移行する。一方、S4211の処理において通過検出センサ228g1の出力がLであると判別した場合(S4211:No)、およびS4213の処理において報知演出中フラグ223mがオフであると判別した場合は(S4213:No)、体力ゲージLGの表示態様を変更する可能性が無いため、体力ゲージLGの態様を更新するためのS4214〜S4218の各処理をスキップして、処理をS4219へと移行する。
ここで、体力ゲージLGの態様を更新するための処理について詳しく説明する。体力ゲージLGを更新するための処理では、まず、今回の特別図柄の抽選が大当たりであったか否かを判別し(S4214)、今回の特別図柄の抽選の結果が大当たりであると判別した場合は(S4214:Yes)、次いで、体力ゲージカウンタ223nの値が1以上であるか否かを判別する(S4215)。即ち、体力ゲージLGのゲージ数が当たりの場合の下限(0)に達しているか否かを判別して、体力ゲージカウンタ223nの値が1以上である(ゲージ数が下限に達していない)と判別した場合は(S4215:Yes)、体力ゲージカウンタ223nの値を1減算して更新すると共に(S4217)、体力ゲージLGの表示態様を、更新後の体力ゲージカウンタ223nの値に対応するゲージ数の態様に更新して(S4218)、処理をS4219へと移行する。一方、S4215の処理において体力ゲージカウンタ223nの値が0である(ゲージ数が下限に達している)と判別した場合は(S4215:No)、体力ゲージLGの表示態様を更新する必要が無いため、S4217,S4218の各処理をスキップして、処理をS4219へと移行する。
これに対して、S4214の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が外れである(大当たりではない)と判別した場合は(S4214:No)、次いで、体力ゲージカウンタ223nの値が2以上であるか否かを判別する(S4216)。即ち、外れの場合における体力ゲージLGのゲージ数の下限値(1)に達しているかを判別して(S4216)、体力ゲージカウンタ223nの値が2以上である(ゲージ数が下限値に達していない)と判別した場合は(S4216:Yes)、体力ゲージカウンタ223nの値、および体力ゲージLGの表示態様を更新するためのS4217,S4218の各処理を実行して、処理をS4219へと移行する。一方、S4216の処理において、体力ゲージカウンタ223nの値が1である(外れの場合におけるゲージ数の下限値である)と判別した場合は(S4216:No)、体力ゲージLGの表示態様を更新する必要が無いため、S4217,S4218の各処理をスキップして、処理をS4219へと移行する。
S4219の処理では、右可変入賞装置65の上面における下流側(開閉扉65f1の上面の流路の出口側)に設けられている通過検出センサ228g2の出力がH(ハイ)であるかを判別して(S4219)、出力がHである(遊技球が通過した)と判別した場合は(S4219:Yes)、通過個数カウンタ223kの値を1減算して更新し(S4220)、処理をS4221へと移行する。一方、S4219の処理において、通過検出センサ228g2の出力がLである(遊技球の通過を検出していない)と判別した場合は(S4219:No)、S4220の処理をスキップして、処理をS4221へと移行する。
S4221の処理では、期待度報知演出の開始タイミングであるかを判別して、開始タイミングとなった場合に期待度報知演出を実行するための報知開始判別処理を実行して(S4221)、本処理を終了する。この報知開始判別処理(S4221)の詳細について、図88を参照して説明する。
図88は、上述した報知開始判別処理(S4221)を示したフローチャートである。この報知開始判別処理(S4221)では、まず、報知待機フラグ223pがオンであるかを判別し(S4701)、オフであると判別した場合は(S4701:No)、右打ち期待度示唆演出の実行中でないか、或いは、右打ち期待度示唆演出の実行中であるが、既に期待度報知演出を開始済みであることを意味し、期待度報知演出の実行を開始する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S4701の処理において、報知待機フラグ223pがオンであると判別した場合は(S4701:Yes)、次いで、期待度報知演出の開始タイミングであるかを判別し(S4702)、期待度報知演出の開始タイミングではないと判別した場合は(S4702:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S4702の処理において期待度報知演出の開始タイミングになったと判別した場合は(S4702:Yes)、通過個数カウンタ223kの値を読み出して(S4703)、読み出したカウンタ値が4以上であるか否かを判別する(S4704)。
S4704の処理において、通過個数カウンタ223kの値が4以上であると判別した場合は、体力ゲージカウンタ223nの値に1を設定して(S4705)、処理をS4707へと移行する。一方、S4704の処理において、通過個数カウンタ223kの値が4未満であると判別した場合は、ゲージ数の最大値である5から通過個数カウンタ223kの値を減じた値を体力ゲージカウンタ223nの値に設定して(S4706)、処理をS4707へと移行する。このように、本第6実施形態では、期待度報知演出の開始時における体力ゲージLGのゲージ数の初期値を、通過個数カウンタ223kの値(開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数)に応じて異ならせる構成としている。これにより、少しでも早く大当たりとなるか否かを知りたいと考える遊技者に対して、期待度報知演出が開始されるよりも前から、右打ちにより開閉扉65f1の上面に遊技球をより多く到達させようと思わせることができる。
S4707の処理では、報知種別格納エリア223qに格納されているデータと、S4705、またはS4706の処理で設定された体力ゲージカウンタ223nの値と、に応じた態様で、期待度報知演出の開始を設定する(S4707)。具体的には、報知種別格納エリア223qに格納されているデータに対応する発光色で右可変入賞装置65を発光させると共に、体力ゲージカウンタ223nのカウンタ値に応じたゲージ数を、体力ゲージLGの表示態様として設定する。次いで、報知待機フラグ223pをオフに設定すると共に、報知演出中フラグ223mをオンに設定して(S4708)、本処理を終了する。
この報知開始判別処理(図88参照)を実行することにより、演出態様選択テーブル222bから選択された態様の期待度報知演出を正確に実行することができる。
次に、図89を参照して、本第6実施形態における変動表示設定処理6(S4122)について説明する。この変動表示設定処理6(S4122)は、変動表示設定処理(図38参照)に代えて実行される処理である。この第6実施形態における変動表示設定処理6(S4122)のうち、S4501〜S4509の各処理では、それぞれ変動表示設定処理(図38参照)におけるS4501〜S4509の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第6実施形態における変動表示設定処理6(図89参照)では、S4503の処理が終了すると、S4503の処理で抽出した変動パターン(変動種別)に応じた態様の演出態様を演出態様選択テーブル222bから決定するための演出態様選択処理を実行して(S4511)、処理をS4504へと移行する。この演出態様選択処理(S4511)の詳細について、図90を参照して説明する。
図90は、演出態様選択処理(S4511)を示したフローチャートである。この演出態様選択処理(S4511)では、まず、演出態様選択テーブル222bと、演出抽選カウンタ223jの値とを読み出して(S4801)、読み出した演出態様選択テーブル222bから、変動パターンコマンドによって主制御装置110から通知された変動種別と、演出抽選カウンタ223jの値とに対応する演出態様を特定する(S4802)。
次いで、特定した演出態様が、右打ち期待度示唆演出に対応する演出態様であるかを判別して(S4803)、右打ち期待度示唆演出が実行されない演出態様であると判別した場合は(S4803:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S4803の処理において、右打ち期待度示唆演出を伴う態様が特定された場合には、今回の演出態様(右可変入賞装置65の発光色)に対応するデータを報知種別格納エリア223qに格納し(S4804)、報知待機フラグ223pをオンに設定して(S4805)、本処理を終了する。
この演出態様選択処理(図89参照)を実行することにより、演出態様選択テーブル222bから、変動種別に応じた割合で、期待度報知演出の演出態様を選択することができるので、期待度報知演出が実行された場合に、右可変入賞装置65の発光色から右打ちを行うと有利となるか否かを推測して、右打ちを開始するかどうかを遊技者に判断させることができる。
以上説明した通り、第6実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり種別によらず、大当たりのオープニング期間として0.5秒間が設定される構成としている。即ち、大当たりが開始されるよりも前から右可変入賞装置65へ向けて遊技球を発射していない限り、大当たりの1ラウンド目の開始時に、規定個数(2個)を上回る個数の遊技球が開閉扉65f1の上面の流路を通過中の状態にすることが不可能に構成としている。そして、大当たりを報知するための変動表示演出の一部、および外れを報知するための変動表示演出の一部で、右特定入賞口65aが開放される期待度を報知するための期待度報知演出を実行可能に構成している。これにより、期待度報知演出の内容から、変動表示演出の実行中(特別図柄の抽選結果が報知されるよりも前)に、右打ちを開始するかどうかを遊技者に判断させることができる。変動表示の実行中に右打ちを開始し、遊技者の狙い通り右特定入賞口65aが開放されれば、オーバー入賞を発生させることができるので遊技者を満足させることができる。また、変動表示の実行中に右打ちを行わず、遊技者の狙い通り右特定入賞口65aが閉鎖されたままになった(特別図柄の抽選で外れになった)場合には、無駄に右打ちをして持ち球を消費することを回避できたことに対する安堵感を抱かせることができる。一方、遊技者の狙いに反する結果となった場合(右打ちを行ったのに右特定入賞口65aが開放されなかった場合、および右打ちを行わなかったのに右特定入賞口65aが開放された場合)には、次回の期待度報知演出では、右打ちをした方が良いかどうかの予測を当てたいという目的意識を抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第6実施形態では、オープニング期間を大当たり種別によらず共通とし、音声ランプ制御装置113側の制御により、変動表示の実行中から右打ちを行った方が良いかどうかを遊技者に判断させる構成とすることで、大当たり毎に1ラウンド目の有利度合い(右特定入賞口65aへと入賞する遊技球の個数)を異ならせている。これにより、上述した第5実施形態とは異なり、主制御装置110において、大当たり種別と閉鎖期間との対応関係を規定した期間長選択テーブル202e(図76(c)参照)を設ける必要が無いため、ROM202の容量を削減することができる。また、オープニング期間を選択する際の制御処理も、単に共通の期間を設定する処理となるため、主制御装置110のMPU201の処理負荷を軽減することができる。主制御装置110のMPU201は、大当たりの抽選や第1図柄の変動表示等の、遊技に関する主要な制御を行う必要があるものであるので、処理負荷を軽減することにより各種の主要な制御をより確実に実行することができる。
なお、本第6実施形態では、期待度報知演出として、右可変入賞装置65の発光色により右打ちを行った方が有利となるか否かの期待度を示す構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、例えば、第3図柄表示装置81に表示される怪獣の色や態様を異ならせることで期待度を示す構成としてもよいし、冒険者の攻撃の内容によって期待度を報知する構成としてもよい。また、右可変入賞装置65の発光色や第3図柄表示装置81の表示態様に代えて、又は加えて、楽曲や効果音を異ならせることにより期待度を報知する構成としてもよい。
本第6実施形態では、全ての大当たり種別のオープニング期間を0.5秒間に統一したが、これに限られるものではない。例えば、上述した第5実施形態と同様に、大当たり種別に応じてオープニング期間を異ならせる構成とし、オープニング期間が短い大当たりとなった場合(および特別図柄の抽選で外れとなった場合)の一部で、変動表示の実行中に期待度報知演出を実行する構成としてもよい。これにより、オープニング期間が長い大当たり種別になった場合は、大当たりが報知された後で安心して右打ちを行わせることができる。また、期待度報知演出が実行された場合には、報知内容(右可変入賞装置65の発光色)に基づいて変動表示の実行中から右打ちを開始した方が良いかどうかを遊技者に判断させる遊技性を提供することができる。
本第6実施形態では、期待度報知演出において、傷を模した装飾を右可変入賞装置65に施した上で、第3図柄表示装置81において、傷を狙うように促す表示を行うことで、間接的に右打ちを遊技者に示唆する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、期待度報知演出において、右打ちを明確に報知する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者に対して右打ちを行うことで有利になる(オーバー入賞が発生する)可能性があることを容易に理解させることができる。
本第6実施形態では、右打ちを行った場合に遊技者に有利となるか否かの期待度を報知する期待度報知演出を実行することにより、変動表示の実行中に右打ちを行った方が良いかどうかを判断させる構成としていたが、期待度報知演出は、必ずしも本実施形態における右可変入賞装置65(右特定入賞口65aが開放された場合に入賞可能となる位置に複数の遊技球を留めることができる構造の可変入賞装置)と組み合わせる必要はない。例えば、期待度報知演出を、左可変入賞装置650のように、開放された後で打ち出した遊技球のみを入賞させることが可能な可変入賞装置のみが設けられているパチンコ機10に適用してもよい。即ち、期待度報知演出を、単に変動終了後に大当たりとなるかどうかの期待度を報知する演出として実行する構成としてもよい。
本第6実施形態では、特別図柄の抽選が外れとなった場合も、期待度報知演出を実行可能に構成していたが、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にのみ、期待度報知演出を実行する構成としてもよい。この場合において、期待度報知演出を開始するタイミングを可変させる構成としてもよい。即ち、第6実施形態では、変動時間が終了する4秒前に期待度報知演出が発生する構成としていたが、例えば、抽選により4秒前、2秒前、1秒前のいずれかのタイミングで期待度報知演出が発生する構成としてもよい。更に、この場合において、例えば、外れに対応する変動表示の連続回数が多くなるほど、4秒前や2秒前に期待度報知演出が発生する割合が高くなるように構成してもよい。即ち、外れの連続回数が多くなる程、大当たりとなって右打ち期待度示唆演出が選択された場合に、変動表示の実行中に、右打ちをより長い期間実行できるように構成してもよい。このように構成することで、前回大当たりとなってからの変動表示の実行回数が多くなる程、大当たりに当選した場合における1ラウンド目の賞球数が多くなり易くなるので、外れが連続した場合に、遊技者に対して大当たりとなるまで遊技を継続しようと思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、例えば、RTC(Real−Time−Clock)等の時刻を計時可能な装置を設ける構成とし、時間帯に応じて期待度報知演出が発生し易いタイミングを異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、変動終了の4秒前や2秒前に期待度報知演出が発生し易い時間帯に遊技を行いたいと遊技者に思わせることができる。
<第7実施形態>
次に、図91から図99を参照して、第7実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2実施形態では、遊技盤13の右上側と、左下側とにそれぞれ大当たり開始の契機となる作動入賞口(右作動入賞口661、左作動入賞口662)を設け、大当たり種別に応じて、大当たりの開始の契機となる作動入賞口を異ならせる構成としていた。また、左作動入賞口662には、大当たり待機状態となった場合に、比較的短い時間(約0.5秒間)で、ほぼ自動的に遊技球が入球する構成としていた。つまり、左作動入賞口662が大当たりの開始の契機となる左契機大当たりとなった場合には、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させるよりも前に、大当たりの1ラウンド目が開始される一方で、右作動入賞口661が大当たりの開始の契機となる右契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態の間に開閉扉65f1の上面の流路に遊技球を複数到達させてから右作動入賞口661へと遊技球を入球させることで遊技者がオーバー入賞を狙うことが可能に構成していた。
これに対して、本第7実施形態におけるパチンコ機10では、左契機大当たりに当選した場合も、大当たり待機状態となってから遊技者が左打ちを行わなければ遊技球が左作動入賞口662へと入球する可能性が無いように構成している。そして、大当たり待機状態において、第3図柄表示装置81において実行される演出として、通常の遊技状態であるかのような演出を行う構成としている。即ち、大当たり待機状態の間も、疑似的に第3図柄の変動表示演出等を実行し、遊技者に対して大当たり待機状態に移行していないかのように(通常の遊技状態であるかのように)誤認させて左打ちを継続させることが可能に構成している。つまり、左契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態となったことを遊技者に認識され難い演出を実行することで、遊技者に対して左打ちを継続させ、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させようと遊技者が意識する間もなく、左作動入賞口662へと遊技球を入球させてしまう構成としている。これにより、左契機大当たりとなった場合には、開閉扉65f1の上面に規定個数(1ラウンド目の上限個数である2個)を上回る個数の遊技球を到達させてから大当たりを開始させることが困難となる一方で、右契機大当たりとなった場合には開閉扉65f1の上面により多くの遊技球が到達しているタイミングで右作動入賞口661へと遊技球を入球させることにより、容易にオーバー入賞を発生させることができる。よって、上述した第2実施形態と同様に、左契機大当たりと右契機大当たりとで1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)を異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
この第7実施形態におけるパチンコ機10が、第2実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第2実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図91を参照して、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図91に示した通り、本第7実施形態における遊技盤13の盤面構成は、第2実施形態における遊技盤13(図54参照)に対して、貯留装置675が削除されている点で相違している。貯留装置675が削除されたことにより、左契機大当たりに当選し、大当たり待機状態になった場合も、上述した第2実施形態のように、即座に左作動入賞口662へと遊技球が入球することはない。つまり、左契機大当たりの場合でも、大当たり待機状態において左打ちにより作動入賞口662へと遊技球を入球させなければ、大当たりが開始されることがない。なお、本第7実施形態では、左契機大当たりとなった場合に、第3図柄表示装置81において外れの組み合わせの第3図柄を停止表示させ、大当たり待機状態に移行した後も、通常の遊技状態と同様に変動表示を実行する構成としている。これにより、遊技者が大当たり待機状態となったことを認識し難くなるように構成し、大当たり待機状態となった後も左打ちを継続して左作動入賞口662へと遊技球が入球するように構成している。よって、第2実施形態と同様に、右契機大当たりではオーバー入賞を狙って発生させることが可能な一方で、左契機大当たりとなった場合にはオーバー入賞を狙う間もなく大当たりが開始されてしまう遊技性を提供することができる。また、左打ちによって発射された遊技球のうち、左作動入賞口662へと入賞する遊技球の割合は、第1入球口64へと入球する割合よりも高くなるように構成されている。これにより、左契機大当たりの大当たり待機状態となった場合に、より短期間で左作動入賞口662へと遊技球を入球(入賞)させることができる。なお、図示については省略したが、貯留装置675が削除されたことにより、貯留装置675の貯留弁675aを開閉する制御処理も削除されている。
次に、図92を参照して、左契機大当たりとなった場合において、変動表示が開始されてから大当たりが開始されるまでの間の演出態様の経時変化について説明する。図92は、変動開始時に保留球数が2個貯まっている状態で、左契機大当たりに対応する変動表示演出(変動時間が60秒間の当たりスーパーリーチ)が実行された場合を例示した図である。図92に示した通り、左契機大当たりに対応する変動表示が実行されると、変動終了時に外れとなったことが疑似的に報知される。即ち、第3図柄表示装置81において、第3図柄が外れの組み合わせで停止表示される。なお、このとき第1図柄表示装置37では、大当たりに対応する停止図柄が停止表示される。しかしながら、第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37に比べて大きく、且つ、見易い位置に配置されている。よって、ほとんどの遊技者は、第1図柄表示装置37において当たりとなる停止図柄となっていることに気付かないので、第3図柄表示装置81の表示内容を確認した遊技者に対して特別図柄の抽選結果が外れになった(大当たり待機状態に移行していない)と思わせることができる。
図92に示した通り、左契機大当たりに対応する変動表示が終了すると、大当たり待機状態が開始されると共に、第3図柄表示装置81において、疑似的な変動表示が開始される。即ち、左契機大当たりに対応する変動表示の実行中に保留されていた2個の保留球に対応する変動表示を疑似的に実行する。この疑似的な変動表示は、それぞれ2秒間の変動時間が設定され、変動終了時に完全外れに対応する停止図柄が停止表示される。なお、この疑似的な変動表示を実行するために、表示制御装置114において、疑似的な変動表示用の表示データテーブルが用意されている。また、大当たり待機状態において疑似的な変動表示が実行されると、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示されている保留球数図柄の数も疑似的に減らされる。これにより、2秒毎に保留球が減っていくかのように遊技者に思わせることができるので、追加で第1入球口64へと遊技球を入球させて特別図柄の抽選を実行させようと思わせることができる。疑似的な変動表示が終了し、疑似的な保留球も無くなると、疑似的な変動停止状態が設定される。この疑似的な変動停止状態は、通常の遊技状態において保留球の数が0になった場合と全く同一の表示態様となる。よって、遊技者に対して第1入球口64へと遊技球を入球させなければ特別図柄の抽選が実行されないと思わせることができるので、より積極的に左打ちを行わせることができる。
なお、本実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選でのみ、左契機大当たりに当選する構成としている。即ち、左契機大当たりに当選する状況を、第1入球口64を狙って遊技を行う遊技状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)に限定する構成としている。これにより、疑似的な変動表示演出や疑似的な変動停止状態となった場合に、遊技を継続する(特別図柄の抽選を行わせる)ために遊技者が遊技球を発射する方向を、遊技盤13の左側に限定することができる。よって、疑似的な通常状態において、遊技を継続しようとした遊技者に対して、より確実に、左作動入賞口662へと遊技球を入球させることができる。
大当たり待機状態において遊技者が左打ちを継続して行うことにより、左作動入賞口662へと遊技球が入球すると、特殊な態様の演出(ブラックアウト演出)が実行される。詳細については後述するが、この、通常の遊技状態中には発生しないブラックアウト演出が実行されることで、大当たり待機状態だったこと、および大当たりが開始されることを遊技者に即座に理解させることができる。このブラックアウト演出は、オープニング期間の0.1秒間の間実行され、演出終了後は通常の大当たり演出が開始される。
なお、疑似的な変動停止状態において、3秒間が経過しても左作動入賞口662への入賞が検知されなかった場合は、疑似的な変動停止状態を終了して、待機状態演出(図7参照)を実行する。3秒間で疑似的な変動停止状態を終了する構成としているのは、変動停止状態となったタイミングで、遊技者が遊技を辞めようと思った場合に、遊技者が台を離れるよりも前に、実は大当たり待機状態となっていたことを遊技者に気づかせるためである。即ち、大当たりが確定している状態で遊技者が離席してしまい、他の遊技者に大当たり待機状態から遊技を開始されることを抑制するためである。これにより、大当たりに当選していたにも拘わらず、気づかずに遊技を辞めてしまい、遊技者に遊技に対する不満を抱かせてしまうことを防止できる。
次に、図93を参照して、本第7実施形態における左契機大当たり中の演出態様について説明する。図93(a)は、左契機大当たりのオープニング期間において実行されるブラックアウト演出を示した図である。上述した通り、本第7実施形態では、左契機大当たりに当選して大当たり待機状態へと移行した場合に、疑似的な変動表示、および疑似的な変動停止状態演出を実行することにより、大当たり待機状態となったことを遊技者に認識され難くしている。これらの疑似的な演出の実行中に左作動入賞口662へと遊技球が入賞し、大当たりを開始させる場合にはオープニング期間が極めて短い(0.1秒間)ため、第3図柄を当たりの組み合わせで停止表示させる等の演出により大当たりを報知するだけの期間が無い。そこで本第7実施形態では、遊技者に特別な演出が実行されたことを一見して理解させることができ、演出時間も短くて済む態様として、図93(a)に示したブラックアウト演出を実行する構成としている。即ち、左作動入賞口662へと遊技球が入賞して、左契機大当たりのオープニング期間となった場合に、突如として第3図柄表示装置81の表示画面全体が暗転する(ブラックアウトする)演出が実行される構成としている。それまで実行されていた疑似的な変動表示、または疑似的な変動停止状態演出とは大きく異なる見た目になることで、遊技者に対して瞬時に特別な演出が実行されたことを理解させることができる。
ブラックアウト演出が終了した後は、図93(b)に示した、大当たりが開始されたことを示す演出が実行される。即ち、主表示領域Dmにおいて、「大当たり確定!」という文字が表示されると共に、同一の数字が付された第3図柄が3つ揃った状態で停止表示される。更に、小領域Ds1において、ラウンド数を示す表示(「1ラウンド」との文字)、および払い出された賞球数を示す表示(「0000GET」との文字)が表示される。また、小領域Ds3には、右特定入賞口65aに向けて遊技球を発射させるための、「右打ち!!」との文字と、右向きの矢印の図形とが表示される。これらの表示内容により、大当たりが既に開始されていることを、遊技者に対して即座に理解させることができる。
<第7実施形態における電気的構成>
次に、図94を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223について説明する。図94は、RAM223の構成を示したブロック図である。図94に示した通り、本第7実施形態におけるRAM223は、第2実施形態(および第1実施形態)におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、疑似保留球数カウンタ223rと、疑似通常状態フラグ223sと、疑似変動中タイマ223tと、疑似変動停止状態タイマ223uとが追加されている。
疑似保留球数カウンタ223rは、左契機大当たりに当選し、大当たり待機状態となった後における疑似的な変動表示の保留数を示すカウンタである。大当たり待機状態において、この疑似保留球数カウンタ223rの値が1以上の間は疑似的な変動表示が繰り返し実行され(図96のS4907参照)、疑似保留球数カウンタ223rの値が0となった状態で疑似的な変動表示が終了した場合は、疑似的な変動停止状態が設定される(図96のS4906参照)。この疑似保留球数カウンタ223rは、左契機大当たりに対応する大当たり待機状態への移行時に、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が設定される(図98のS4614参照)。つまり、疑似保留球数カウンタ223rは、疑似的な第1特別図柄の保留球数をカウントするためのカウンタと、疑似的な第2特別図柄の保留球数をカウントするためのカウンタとで少なくとも構成されている。また、この疑似保留球数カウンタ223rは、疑似的な変動表示の開始を設定する毎に値が1ずつ減算される(図96のS4908参照)。
疑似通常状態フラグ223sは、大当たり待機状態において、疑似的に通常の遊技状態であるかのような態様の演出(疑似通常状態演出)を実行しているか(左契機大当たりに当選した場合に設定される大当たり待機状態であるか)否かを示すフラグである。この疑似通常状態フラグ223sがオンであれば、疑似通常状態演出の実行中であることを示し、オフであれば疑似通常状態演出を実行していないことを示す。この疑似通常状態フラグ223sは、左契機大当たりに当選し、大当たり待機状態が開始された場合にオンに設定される(図98のS4617参照)。一方、この疑似通常状態フラグ223sは、疑似通常状態演出が終了した際(左作動入賞口662へと遊技球が入球して大当たりのオープニング期間に移行した場合、または疑似的な変動停止状態が3秒継続して待機状態演出が開始された場合)にオフに設定される(図96のS4912,図98のS4617参照)。
疑似変動中タイマ223tは、疑似的な変動表示の変動時間を計時するタイマである。この疑似変動中タイマ223tには、疑似的な変動表示の開始を設定する毎に、2秒に対応するタイマ値(即ち、2000)が設定される(図96のS4907参照)。この疑似変動中タイマ223tの値が0であるかいなかによって、疑似的な変動表示の実行中であるか否かを判別する。
疑似変動停止状態タイマ223uは、疑似的な変動停止状態の継続時間を計時するタイマである。この疑似変動停止状態タイマ223uには、疑似的な変動停止状態が設定されたタイミングで、3秒に対応するタイマ値(即ち、3000)が設定される(図96のS4906参照)。この疑似変動停止状態タイマ223uが0になった場合は、疑似的な変動停止状態が開始されてから3秒間が経過したことを意味するので、待機状態演出の開始を設定する。3秒間で疑似的な変動停止状態を終了する構成とすることにより、仮に遊技者が遊技を辞めようと思ったとしても、遊技者が台を離れるよりも前に、大当たり待機状態となっていたことを遊技者に気づかせることができる。これにより、左契機大当たりに当選していたにも拘わらず、気づかずに遊技を辞めてしまい、遊技者に遊技に対する不満を抱かせてしまうことを防止できる。
<第7実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図95から図99を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図95を参照して、本第7実施形態における音声ランプ制御装置113のメイン処理7について説明を行う。このメイン処理7は、第2実施形態(および第1実施形態)におけるメイン処理(図34参照)に代えて実行される処理である。
この第7実施形態におけるメイン処理7(図95参照)のうち、S4101〜S4118の各処理では、それぞれ第2実施形態におけるメイン処理(図34参照)のS4101〜S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態におけるメイン処理7(図95参照)では、演出更新処理(S4111)が終了した後で、疑似的な通常状態が設定されている間の演出態様を設定するための疑似通常状態演出処理を実行して(S4131)、処理をS4112へと移行する。この疑似通常状態演出処理(S4131)の詳細について、図96を参照して説明する。
図96は、上述した疑似通常状態演出処理(S4131)を示したフローチャートである。この疑似通常状態演出処理(S4131)では、まず、疑似通常状態フラグ223sがオンであるかを判別し(S4901)、疑似通常状態フラグ223sがオフであると判別した場合は(S4901:No)、疑似的な通常の遊技状態が設定されていない(左契機大当たりに基づく大当たり待機状態ではない)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S4901の処理において、疑似通常状態フラグ223sがオンであると判別した場合は(S4901:Yes)、次に、疑似的な変動表示演出の実行中であるか否かを判別する(S4902)。より具体的には、疑似変動中タイマ223tの値が1以上であるかを判別する。S4902の処理において、疑似的な変動表示演出の実行中である(疑似変動中タイマ223tの値が1以上である)と判別した場合は(S4902:Yes)、疑似変動中タイマ223tの値を1減算することで更新し(S4903)、減算後の疑似変動中タイマ223tの値が0になったかを判別する(S4904)。即ち、疑似的な変動表示の変動時間が終了したかを判別する。
S4904の処理において、疑似変動中タイマ223tの値が0になっていないと判別した場合は(S4904:No)、疑似的な変動表示を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、疑似変動中タイマ223tの値が0になったと判別した場合は(S4904:Yes)、次いで、疑似保留球数カウンタ223rの値が0であるか(第1特別図柄に対応する疑似的な保留球数と第2特別図柄に対応する疑似的な保留球数とが共に0であるか)を判別し(S4905)、疑似保留球数カウンタ223rの値が0であると判別した場合は(S4905:Yes)、疑似的な変動表示を開始させることができないので、疑似的な変動停止状態に移行させるために、疑似変動停止状態タイマ223uの値に3000を設定して(S4906)、本処理を終了する。なお、疑似通常状態演出処理(図96参照)は、メイン処理7(図95参照)の中で1ミリ秒毎に実行される処理であるので、疑似変動停止状態タイマ223uのタイマ値として3000を設定することで、3秒(3000ミリ秒)経過時にタイマ値が0となる。これにより、疑似的な変動停止状態となってから3秒間を正確に計ることができる。
一方、S4905の処理において、疑似保留球数カウンタ223rの値が0になっていないと判別した場合は(S4905:No)、疑似的な変動表示の開始を新たに設定すると共に、疑似変動中タイマ223tの値に2000(2秒間に対応するタイマ値)を設定する(S4907)。次いで、疑似保留球数カウンタ223rの値を1減算すると共に、減算後の疑似的な保留球数に応じた表示態様に更新して(S4908)、本処理を終了する。
また、S4902の処理において、疑似的な変動表示の実行中ではないと判別した場合は(S4902:No)、現在が疑似的な変動停止状態であることを意味するので、疑似変動停止状態タイマ223uの値を1減算し(S4909)、減算後の疑似変動停止状態タイマ223uの値が0になったかを判別する(S4910)。S4910の処理において、疑似変動停止状態タイマ223uの値が0になっていない(1以上の値である)と判別した場合は(S4910:No)、疑似的な変動停止状態を継続させるために、そのまま本処理を終了する。
一方、S4910の処理において、減算後の疑似変動停止状態タイマ223uの値が0になったと判別した場合は(S4910:Yes)、表示用待機状態コマンドを設定することで、待機状態演出(図7参照)の実行を設定する(S4911)。次いで、待機状態演出フラグ223gをオンに設定すると共に、疑似通常状態フラグ223sをオフに設定して(S4912)、本処理を終了する。
この疑似通常状態演出処理(図96参照)を実行することにより、左契機大当たりに当選したことに基づいて移行した大当たり待機状態において、遊技者に対して通常の遊技状態が継続しているかのように思わせる態様の演出を実行することができる。これにより、左契機大当たりとなって大当たり待機状態に移行した場合に、遊技者に対して左打ちを継続させることができるので、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させようと思う間もなく左契機大当たりの1ラウンド目を開始させることができる。
なお、本第7実施形態では、疑似的な変動表示を、大当たり待機状態の開始時(変動終了時)において保留されている保留球数の分だけ実行する構成とし、大当たり待機状態となった後で第1入球口64への入球を検出した場合には、その入球に対応する疑似的な保留球数を増加させない構成としている。これは、上述した通り、左打ちを行った場合に、第1入球口64よりも、左作動入賞口662へと遊技球が入球し易くなるように遊技盤13が構成されているため、大当たり待機状態の間に連続して左打ちを行った場合に、左作動入賞口662へと遊技球が入賞せずに連続して第1入球口64へと入球する可能性が極めて低いためである。よって、疑似的な保留球数を増加させるための処理を省略することができるので、音声ランプ制御装置113のMPU221の処理負荷を軽減することができる。また、仮に、保留球数を増加させる処理も行う構成とした場合、主制御装置110において、大当たり待機状態の間に第1入球口64への入球を検出した場合に、既に保留球数が上限に達していたとしても、入球したことを音声ランプ制御装置113に対して通知しなければならなくなる。保留球数が上限に達している状態で大当たり待機状態に移行し、1回以上疑似的な変動表示演出が実行された後で第1入球口64に対する入球を検出した場合は、疑似的に保留球数を増加させる必要があるからである。このため、主制御装置110において出力すべきコマンドが増加するので、主制御装置110の処理負荷も増加することとなる。これに対して本第7実施形態では、疑似的な保留球数を増加させない構成としているので、主制御装置110においてコマンドを新たに増加させる必要が無く、主制御装置110の処理負荷を軽減させることができる。更に、運良く先に第1入球口64へと入球し、保留球数図柄が増加しないことを遊技者が認識した場合には、実は大当たり待機状態になっていたということを遊技者に理解させることができる。よって、運良く大当たり待機状態を察知できた遊技者に対して、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させてから左作動入賞口662へと入球させようと工夫して遊技を行わせることができる。これにより、通常の遊技状態であるか、大当たり待機状態であるかを見極めるために、より積極的に左打ちを行わせることができる。
次に、図97を参照して、本第7実施形態における当たり関連処理7(S4341)について説明する。この当たり関連処理7(S4341)は、第2実施形態における当たり関連処理2(図61参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理2(図61参照)と同様に、当たりに関連するコマンドを受信した場合に、コマンドに応じた制御を行うための処理である。
この第7実施形態における当たり関連処理7(図97参照)のうち、S4401,S4404、およびS4407〜S4410の各処理では、それぞれ第2実施形態における当たり関連処理2(図61参照)のS4401,S4404、およびS4407〜S4410の各処理と同一の処理が実行される。また、本第7実施形態における当たり関連処理7(図97参照)では、S4401の処理において、主制御装置110から待機状態コマンドを受信したと判別した場合に(S4401:Yes)、待機状態コマンド処理(図62参照)に代えて、待機状態コマンド処理7を実行し(S4441)、本処理を終了する。詳細については図98を参照して後述するが、この待機状態コマンド処理7(S4441)は、大当たり待機状態として、大当たり種別に応じた演出態様を設定するための処理である。
また、本第7実施形態における当たり関連処理7(図97参照)では、S4404の処理において、主制御装置110からオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S4404:Yes)、大当たりが開始された状況に応じた態様のオープニング演出を実行するためのオープニングコマンド処理を実行して(S4442)、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理(S4442)の詳細については、図99を参照して後述する。
次いで、図98を参照して、上述した待機状態コマンド処理7(S4441)の詳細について説明する。図98は、待機状態コマンド処理7(S4441)を示したフローチャートである。この待機状態コマンド処理7(S4441)のうち、S4601〜S4603の各処理では、それぞれ第2実施形態における待機状態コマンド処理(図62参照)のS4601〜S4603の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第7実施形態における待機状態コマンド処理7(図98参照)では、S4601の処理において、今回の大当たりが右契機大当たりではない(左契機大当たりである)と判別した場合に(S4601:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を読み出して(S4611)、読み出した各カウンタ値が共に0であるか否かを判別する(S4612)。
S4612の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が共に0であると判別した場合は(S4612:Yes)、特別図柄の保留球数が0であり、疑似的な変動表示を開始させてしまうと遊技者に対して違和感を抱かせてしまうことになるので、疑似的な変動停止状態を設定する。即ち、疑似変動停止状態タイマ223uの値に3000(3秒間に対応するタイマ値)を設定して(S4613)、処理をS4617へと移行する。
一方、S4612の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値のうち、少なくとも一方が0ではないと判別した場合は(S4612:No)、読み出した第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を疑似保留球数カウンタ223rの値として格納し(S4614)、疑似的な変動表示の開始を設定すると共に、疑似変動中タイマ223tの値に2000(2秒間に対応するタイマ値)を設定する(S4615)。そして、疑似保留球数カウンタ223rの値を1減算して更新すると共に、保留球数図柄を疑似的に1個減少して表示させ(S4616)、処理をS4617へと移行する。S4617の処理では、疑似通常状態フラグ223sをオンに設定して(S4617)、本処理を終了する。
この待機状態コマンド処理7(図98参照)を実行することにより、左契機大当たりの大当たり待機状態では、通常の遊技状態が継続しているかのような演出を疑似的に実行することができる一方で、右契機大当たりとなった場合には、待機状態演出を実行することができる。これにより、左契機大当たりとなった場合は、遊技者に対して大当たり待機状態となったことを気づかせずに左打ちを継続させることができるので、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させる間もなく左作動入賞口662へと入賞させて大当たりを開始させることができる。一方、右契機大当たりとなった場合には、大当たり待機状態となったことを遊技者に容易に理解させることができるので、遊技球を右作動口661へと入賞させるタイミングに応じて1ラウンド目の有利度合い(右特定入賞口65aへと入球させることができる遊技球の個数)が可変する遊技性を提供することができる。よって、遊技者に対してタイミング良く遊技球を発射する楽しみを与えることができる。
次に、図99を参照して、上述したオープニングコマンド処理(S4442)の詳細について説明する。このオープニングコマンド処理(S4442)では、まず、疑似通常状態フラグ223sがオンであるかを判別する(S5001)。S5001の処理において、疑似通常状態フラグ223sがオンであると判別した場合は(S5001:Yes)、疑似的な変動表示演出、または疑似的な変動停止状態が表示されている間に左作動入賞口662へと入球して大当たりのオープニング期間が開始されたことを意味するので、ブラックアウト演出(図93(a)参照)に対応する表示用オープニングコマンドを設定する(S5002)。
次いで、疑似保留球数カウンタ223rの値と、疑似変動中タイマ223tの値と、疑似変動停止状態タイマ223uの値とを全て0にリセットし(S5003)、疑似通常状態フラグ223sをオフに設定して(S5004)、本処理を終了する。
一方、S5001の処理において、疑似通常状態フラグ223sがオフであると判別した場合は(S5001:No)、通常のオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定し(S5005)、待機状態演出フラグ223gをオフに設定して(S5006)、本処理を終了する。
このオープニングコマンド処理(図99参照)を実行することにより、左契機大当たりに当選して移行した大当たり待機状態で、左作動入賞口662へと遊技球が入賞してオープニング期間が開始された場合に、突如として第3図柄表示装置81の表示画面全体が暗転する(ブラックアウトする)ブラックアウト演出を実行することができる。即ち、それまで実行されていた疑似的な変動表示、または疑似的な変動停止状態演出とは大きく異なる態様に設定することができる。これにより、遊技者に対して瞬時に特別な演出が実行されたことを理解させることができる。
以上説明した通り、第7実施形態におけるパチンコ機10では、第1入球口64を狙って発射された遊技球の一部が入球可能となる位置に、左契機大当たりの開始契機となる左作動入賞口662を配置する構成とした。そして、左契機大当たりとなった場合には、特別図柄の変動表示中における第3図柄表示装置81の演出として、外れの組み合わせの第3図柄が停止表示される演出が実行される構成とした。更に、変動終了後に移行する大当たり待機状態では、通常の遊技状態が継続しているかのような態様の演出が実行される構成としている。即ち、大当たり待機状態の間も、疑似的な変動表示演出等の疑似通常状態演出を実行し、遊技者に対して通常の遊技状態中であるかのように誤認させて左打ちを継続させることが可能に構成している。これにより、左契機大当たりに当選して大当たり待機状態となった場合に、遊技者に対して左打ちを継続させることができる(遊技者が右打ちを行うことを抑制できる)ので、開閉扉65f1の上面に遊技球を到達させようと遊技者が意識する間もなく、左作動入賞口662へと遊技球を入球さることができる。よって、左契機大当たりとなった場合には、開閉扉65f1の上面に規定個数(1ラウンド目の上限個数である2個)を上回る個数の遊技球を到達させてから大当たりを開始させることが困難となる一方で、右契機大当たりとなった場合には開閉扉65f1の上面により多くの遊技球が到達しているタイミングで右作動入賞口661へと遊技球を入球させることにより、容易にオーバー入賞を発生させることができる。よって、左契機大当たりと右契機大当たりとで1ラウンド目の有利度合い(獲得できる賞球数)を異ならせることができるので、大当たり種別により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本第7実施形態では、左契機大当たりの大当たり待機状態となった場合に必ず疑似通常状態演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左契機大当たりとなった場合に、疑似通常状態演出を実行するか、待機状態演出を実行するかを抽選により決定する構成としてもよい。
本第7実施形態では、疑似的な変動表示を、大当たり待機状態の開始時(変動終了時)において保留されている保留球数の分だけ実行する構成とし、大当たり待機状態となった後で第1入球口64への入球を検出した場合には、その入球に対応する疑似的な保留球数を増加させない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、始動入賞が検出される毎に、疑似的に保留球数図柄を増加させる構成としても良い。これにより、疑似通常状態演出が実行されているのか否かをより遊技者に認識され難くできる。
本第7実施形態では、期待度報知演出の実行開始タイミングを、変動種別毎に固定としていた。即ち、当たり又は外れスペシャルリーチの場合には、変動開始から86秒が経過したタイミングで期待度報知演出を実行開始させ、当たり又は外れスーパーリーチの場合には、変動開始から56秒が経過したタイミングで期待度報知演出を実行開始させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、同一の変動種別であっても、抽選等により、期待度報知演出の実行開始タイミングを異ならせる構成としてもよい。
本第7実施形態では、疑似的な変動表示として、通常とは異なる2秒間の専用の演出を実行する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、通常の変動表示と同一の変動時間、および表示態様の変動表示演出を疑似的に実行する構成としてもよい。より具体的には、例えば、大当たり待機状態となる直前に実行されていた変動表示を繰り返す構成としてもよい。このように構成することで、直前に使用していた変動表示のデータをそのまま転用すれば良いので、疑似的な変動表示を実行する際の処理負荷を軽減させることができる。
本第7実施形態では、左契機大当たりとなって大当たり待機状態に移行した場合、その時点の保留球数に応じた回数の疑似的な変動表示を実行してから、疑似的な停止表示状態に移行させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり待機状態に移行した場合に、保留球数とは無関係に、即座に停止表示状態に移行させる構成としてもよい。この場合において、保留球数図柄を、大当たり待機状態に移行した際、又は変動表示中から疑似的に0個にする構成としてもよい。このように構成することで、大当たり待機状態に移行した場合に保留球が0個になったかのような印象を遊技者に抱かせることができるので、大当たり待機状態の開始時から、特別図柄の抽選を実行させようとして遊技者に左打ちを行わせることができる。
本第7実施形態では、疑似的な変動表示を実行する場合に、通常の変動表示と同一の大3図柄の画像を用いて変動表示を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、通常の第3図柄とは態様が異なる図柄を、疑似的な変動表示に専用の図柄として用意する構成としてもよい。
<第1制御例>
次に、図100から図117を参照して、上記各実施形態におけるパチンコ機10に対して適用し得る第1の制御例について説明する。この第1の制御例では、興趣演出の一環として、通常遊技中における所定期間(例えば、確変状態が設定されている期間)において出力(再生)される楽曲(音声演出)を、遊技者が選択可能に構成している。より具体的には、所定期間(確変状態が設定されている期間)において、前面枠14に設けられている操作ボタン230に対する操作を検出した場合に、第3図柄表示装置81において、選曲(選択)可能な楽曲のリスト(選曲メニュー画面)を表示する構成としている。そして、選曲メニュー画面が表示された状態で遊技者が任意の楽曲(音声演出)を選択し、決定操作(操作ボタン230の中央ボタンCBに対する押下操作)を行うことにより、当該選択された楽曲(音声演出)の出力(再生)が開始される構成としている。なお、本第1制御例では、所定期間が開始された(確変状態に移行した)タイミングで、まず1の楽曲(演出態様)をランダムに選択して再生する構成としている。このランダムに選択された楽曲の再生は、遊技者により選択された楽曲の再生が開始されるか、確変状態(所定期間)が終了するまで継続する。これにより、確変状態に移行してから遊技者によって楽曲が選択されるまでの間(楽曲が選択されていない状態の間)も、楽曲を再生しておくことができるので、遊技者に有利な確変状態となったことに対する遊技者の満足感をより大きくすることができる。
また、本第1制御例では、選曲メニュー画面の初期配置として、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲(演出態様)の種別とは無関係に、それまでの遊技において遊技者により選択された頻度の高い(回数が多い)楽曲程、選択し易いメニュー位置に配置されるように構成している。ここで、「選択し易いメニュー位置」とは、楽曲を選択するまでの間に操作ボタン230に対して実行される操作の回数が少ない(3回以内の操作で選択可能な)メニュー位置を意味する。
まず、図100を参照して、本第1制御例におけるパチンコ機10の外観について説明する。図100は、本第1制御例におけるパチンコ機10の正面図である。図100に示した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、貸球操作部40に対して正面視左側に、操作ボタン230が配設されている。この操作ボタン230は、正面視上側に配置された上ボタンUB、正面視下側に配置された下ボタンDB、正面視右側に配置された右ボタンRB、正面視左側に配置された左ボタンLB、および操作ボタン230の中央部分に配置された中央ボタンCBの5つのボタンで構成されている。詳細については図101、および図102を参照して後述するが、この操作ボタン230は、上述した通り、確変状態が設定されている期間において、パチンコ機10に予め設定され、選曲メニュー画面に表示されている複数の楽曲(楽曲A〜楽曲Zの26曲)の中から、任意の楽曲を遊技者に対して選択させるために設けられている。
次に、図101、および図102を参照して、本第1制御例における確変状態中の表示態様について説明する。図101(a)は、確変状態中における第3図柄表示装置81の表示内容の一例を示した図である。図101(a)に示した通り、確変状態では、主表示領域Dmにおける正面視左側(変動表示されている第3図柄の左側)に、再生中の楽曲の情報を表示させるための楽曲用領域MRが形成される。より具体的には、図101(a)に示した通り、現在再生中(出力中)の楽曲(図101(a)の例では楽曲A)を示す「楽曲A」という文字と、「ボタン操作で曲を選択できるよ!」という文字とが楽曲用領域MRに対して表示される。これらの表示内容により、現在再生されている楽曲が何であるかを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、操作ボタン230を操作することにより、任意の楽曲を選択できるということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図101(b)は、図101(a)に示した画像が表示されている状態において、操作ボタン230を遊技者が操作した(各ボタンUB,DB,RB,LB,CBの何れかを押下した)場合に切り替わる表示内容を示した図である。図101(b)は、遊技者が下ボタンDBを押下したことに基づいて(連動して)表示内容(表示態様)が切り替わった場合を例示している。図101(b)に示した通り、操作ボタン230が操作(押下)されると、楽曲用領域MRの内部に、楽曲のタイトル(楽曲名)が付された横長略長方形形状の表示領域が複数表示される。また、複数の表示領域の下方には、「上下ボタンで選択」という文字と、「中央ボタンで決定」という文字とが表示される。これらの表示内容(選曲メニュー画面)により、操作ボタン230を操作することにより、任意の楽曲を選択して再生させることができることを遊技者に対して容易に理解させることができる。以降、説明の簡略化のため、この選曲メニュー画面が表示されている状態(操作ボタン230の操作内容に応じて任意の楽曲を選択できる状態)のことを「楽曲選択モード」と称する。この楽曲選択モード中の表示内容について、図102を参照してより詳細な説明を行う。
図102(a)は、楽曲選択モードに移行した場合に最初に表示される選曲メニュー画面における各項目(楽曲の種別(楽曲名)を示す画像)の配置を示した図である。図102(a)に示した通り、選曲メニュー画面には、互いに異なる項目(楽曲の種別を示す画像)が配置された少なくとも5つの表示領域(全楽曲数である26曲よりも少ない数の表示領域)が表示される。選曲メニュー画面が表示された状態で中央ボタンCBが押下されると、5つの表示領域のうち、中央に表示されている表示領域に配置されている項目(楽曲)の再生が決定される。
選曲メニュー画面に表示される5つの表示領域のうち、上側2つの表示領域には、遊技者がこれまでの確変状態において選択した回数が多い楽曲の種別(遊技者の選択頻度が高い楽曲)に対応する項目PA1,PA2(楽曲Y、および楽曲Zを示す画像)が配置される。なお、中央の表示領域に対して相対的に近い位置に配置されている項目PA1(楽曲Zを示す画像)の方が、中央の表示領域に対して相対的に遠い項目P2(楽曲Yを示す画像)よりも、遊技者の選択頻度がより高くなっている。
選曲メニュー画面において中央に表示された項目RA1(楽曲Aを示す画像)には、ランダムに選択された楽曲(確変状態に移行後、最初に再生された楽曲)を示す項目が配置される。そして、中央よりも下側には、最初に選択された楽曲を基準として、予め定められた順番(本第1制御例では、アルファベット順)で2つの項目が並べて表示される。即ち、中央に表示された項目RA1(楽曲A)を基準として、アルファベット順となる「楽曲B」、および「楽曲C」との項目RA2,RA3が、項目RA1の下方に並べて表示される。以降の説明では、説明の簡略化のため、選曲メニュー画面における最初の配置において、中央の項目RA1よりも上側に表示される2つの項目PA1,PA2(遊技者がこれまでに選択した頻度が高い項目)が配置される表示領域のことを「履歴エリア」と称する。また、履歴エリアよりも下側に表示される3つの項目が表示される表示領域(ランダムに選択された項目が配置される表示領域)のことを「ランダム選択エリア」と称する。また、遊技者が中央ボタンCBを押下した場合に再生される項目が配置される表示領域のことを「選曲エリア」と称する。
図102(a)に示した通り、選曲エリア(選曲メニュー画面における中央)に配置されている項目PA1は、点灯した状態で表示され、他の項目PA1,PA2,RA2,RA3は消灯した状態で表示される。これにより、中央ボタンCBを押下した場合に他の項目(楽曲の種別を示す画像)とは異なる態様(点灯した見た目の態様)で表示されている項目が、今回再生される楽曲として決定されることを、遊技者に対してより容易に理解させることができる。また、選曲エリアの上側、且つ、項目PA1の右側には、上向きの略三角形形状の上画像UGが表示されると共に、選曲エリアの下側、且つ、項目RA2の右側には、下向きの略三角形形状の下画像DGが表示される。これらの表示内容により、上ボタンUBを押下すると、押下に連動して、選曲エリアに表示される表示内容(楽曲)を現状よりも1つ上側の表示内容(図102(a)の例では、楽曲Zを示す画像)にずらすことが可能であること、および下ボタンDBを押下すると、押下に連動して、選曲エリアに表示される表示内容(楽曲)を現状よりも1つ下側の表示内容(図102(a)の例では、楽曲Bを示す画像)にずらすことが可能であることを遊技者に対して直観的に理解させることができる。
図102(b)は、図101(a)に示した選曲メニュー画面が表示されている状態において、遊技者が操作ボタン230における上ボタンUBを押下(操作)した場合の表示態様の一例を示した図である。図102(b)に示した通り、上ボタンUBを遊技者が押下すると、当該押下に連動して、全ての表示内容が、表示領域1つ分ずつ下方向に移動された見た目の表示態様に可変される。これにより、図102(a)において選曲エリアの1つ上に配置されていた項目PA1(楽曲Z)が、上ボタンUBに対する押下に連動して、選曲エリアに移動された見た目の表示態様に可変される。選曲エリアに移動された項目PA1は、点灯した見た目の態様に設定され、他の項目は消灯した見た目の態様に設定される。また、項目PA2の1つ上側に、「楽曲X」を示す項目PA3が表示される。この項目PA3は、遊技者がこれまでに選択した回数として、項目PA2(楽曲Y)の次に多い項目(図102(b)の例では、「楽曲X」)が表示される。また、各項目が表示領域1つ分ずつ下方向にシフトすることに伴って、上ボタンUBに対応する画像である上画像が点灯した見た目になる。これにより、上ボタンUBを押下したことに連動して、選曲メニュー画面の項目の配置が変更された(選曲エリアの1つ上に配置されていた項目PA1を選曲エリアに移動させることができた)ことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、上ボタンUBが複数回押下された場合は、その押下回数に応じて項目が下方向にシフトされる。例えば、図102(a)に示した選曲メニュー画面の配置において、上ボタンDBを遊技者が3回押下した場合には、各項目が表示領域3つ分ずつ下方向にシフトされることで、選曲エリアに対して、項目PA3(楽曲Xを示す画像)が配置される。なお、メニュー項目の配置はループ状になっており、上ボタンを押下し続けることで全ての楽曲を順番に選曲エリアにシフトさせることが可能となっている。また、末尾の楽曲に対応する項目が選曲エリアに配置された状態で、更に上ボタンUBが押下された場合には、先頭の楽曲(図102(a)の例では、楽曲A)を示す項目が選曲エリアに戻ってくる構成となっている。
なお、図示については省略したが、下ボタンDBを遊技者が操作(押下)した場合は、上ボタンUBを押下した場合とは反対の動作が行われる。即ち、各項目表示領域1つ分ずつ上方向にシフトすることにより、操作の時点で選曲エリアの1つ下の表示領域に配置されていた項目が選曲エリアへと移動された見た目の表示態様に可変される。例えば、図102(a)に示した配置において下ボタンDBが押下された場合には、当該押下に連動して、項目RA2が選曲エリアに移動された見た目の表示態様に可変される。また、下ボタンDBに対応する下画像DGが点灯した見た目の態様に設定される。これにより、遊技者が下ボタンDBを押下した場合にも、押下に連動して項目がシフトされたことを遊技者に容易に理解させることができる。
なお、本第1制御例では、選曲メニュー画面の初期配置において選曲エリアの上側に対して、遊技者がこれまでに選択した回数が多い順に3つの項目(項目PA1〜PA3)を配置する構成としている。即ち、上ボタンUBに対する押下回数が3回以内の範囲で選択可能(選曲エリアにシフトさせることが可能)な位置に、遊技者の選択頻度が高い項目(楽曲)を配置する構成としている。これは、これまでに選択された頻度が高い項目ほど、今回の確変状態においても遊技者が選択する可能性が高いと考えられるからである。仮に、選曲メニュー画面の初期配置を決定するにあたって、ランダムに選択された項目(楽曲)に対応する項目を選曲エリアに配置し、その他の項目を、選曲エリアに配置された項目を基準として、単純にアルファベット順(予め定められた順番)に配置する構成にすると、遊技者が好みの楽曲を選択し難くなってしまう可能性がある。即ち、遊技者が選択したい項目(楽曲)と、ランダムに選択された項目(楽曲)とが順番として離れている場合に、選択したい項目を選曲エリアまでシフトさせるための操作ボタン230に対する操作の回数が多くなってしまい、遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまう虞がある。また、煩わしさを感じさせ難くするための方法として、確変状態となった場合に最初に選曲エリアに配置される項目を、遊技者の選択頻度が高い項目に設定する方法も考えられるが、この方法では、そもそも確変状態において最初に再生(出力)された楽曲に対して遊技者が満足してしまい、楽曲を変更しようと思わない(選曲メニュー画面を表示させない)可能性が高くなる。遊技者が選曲メニュー画面を表示させる機会が少なくなる程、パチンコ機10に設定されている他の楽曲の種別を知る機会も少なくなってしまう。このため、遊技者が、他の楽曲を選択しようと考える可能性が低くなってしまう。よって、例えパチンコ機10に対して、多数の楽曲が選択可能に設定されていたとしても、その大半が選択されずに無駄となってしまう場合がある。
更に、遊技者が好みの楽曲を選択し易くする方法として、全ての項目を第3図柄表示装置81の表示画面に一括して表示させる(項目をマトリクス状に配置させる)ことにより、どの楽曲(項目)がどの位置に配置されているかを一目で理解できるようにする方法も考えられる。しかしながら、この方法では、項目を表示させるための表示領域(選曲メニュー画面の面積)が広くなってしまい、他の表示内容(第3図柄や、保留球数図柄等)を表示させるための表示領域が狭くなりすぎてしまう可能性がある。
これらに対して本第1制御例では、遊技者が選択する可能性が高い項目(これまでの遊技において選択した頻度が高い項目)を選択し易くなるように、選曲メニュー画面に表示される項目の初期配置を設定している。より具体的には、遊技者がこれまでの遊技で選択した頻度が高い(選択した回数が多い)3つの項目(楽曲)を示す画像を、少ない操作回数(操作ボタン230に対する押下回数)で選択可能となる位置(選曲エリアの上側3つ分の表示領域)に配置させる構成としている。このように構成することで、選曲メニュー画面の選曲エリアに最初に配置される項目(楽曲名を示す画像)がいずれになったとしても、少ない操作回数(3回以内の操作)で選択可能な位置に、遊技者の選択頻度が高い項目を配置させることができる。よって、毎回の確変状態において、遊技者がこれまでに繰り返し選択してきた項目(即ち、遊技者が今回の確変状態でも選択する可能性が高い項目)を、少ない手間で選択させることができるので、遊技者に対して楽曲(項目)を選択する際に煩わしさを感じさせ難くすることができる。なお、1回以上選択された項目(再生された楽曲)が3つに満たない(即ち、遊技者の選択頻度が高い項目が3つに満たない)場合には、1回以上選択された項目(3つ未満の項目)のみが履歴エリアに配置され、その他の項目が、選曲エリアに配置されている項目を基準として、予め定められた順序(楽曲アルファベット順)で配置される。このため、パチンコ機10に対する電源投入の直後等、遊技者が1回も楽曲を選択していない状態の場合には、単純に、ランダムな抽選により選曲エリアに配置することが決定された項目を基準として、全ての項目が予め定められた順序(楽曲のアルファベット順)で配置される。
また、本第1制御例では、確変状態へ移行した後、最初に表示される選曲メニュー画面において、選曲エリアに対して、ランダムに選択した1の楽曲の楽曲名を示す画像を配置し、選曲エリアの上側に履歴エリアを配置する構成としている。このように構成することで、少なくとも確変状態に移行した直後は、ランダムに選択した楽曲を再生させることができるので、選択する頻度が高い楽曲以外の楽曲を聴く機会を遊技者に与えることができる。よって、パチンコ機10に設定されている複数の楽曲を無駄なく再生することができる。また、ランダムに選択された楽曲を聴くうちに、当該楽曲を遊技者が気に入り、次回以降の確変状態でも再生させたいと考える可能性がある。よって、遊技者の好みの楽曲を増加させることができるので、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。また、同じ楽曲ばかりを選択し続けることで、遊技が単調となってしまうことを抑制(防止)できる。
更に、本第1制御例では、選曲メニュー画面に表示させる項目(楽曲名を示す画像)の数を5個(全楽曲数である26よりも少ない個数)に限る構成とし、操作ボタン230に対する操作内容に応じて、選曲メニュー画面に表示される項目の種別を可変させることにより、パチンコ機10に設定されている全ての項目を選択することができる構成としている。このように構成することで、全ての項目を一括して表示させる場合に比較して、選曲メニュー画面の表示面積を小さくすることができる。よって、第3図柄や、保留球数図柄等の、選曲メニュー画面以外の表示内容をより大きな表示面積で表示させることができる。
なお、本第1制御例では、選曲エリアの上側3つ分の表示領域に対して、遊技者がこれまでの遊技において選択した頻度(回数)が多い楽曲(項目)に対応する表示領域を配置する構成とし、残りの表示領域はランダムに選択された1の表示領域を基準として、予め定められた順番(アルファベット順)で配置する構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者がこれまでの遊技において選択した頻度(回数)が多い項目の個数は、3つより少なく設定しても良いし、多く設定してもよい。
本第1制御例では、選曲メニュー画面の初期配置において、履歴エリアに配置させる項目として、これまでの遊技において遊技者が選択した頻度が高い項目を配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、今回の確変状態よりも前に設定された確変状態において遊技者が選択した項目を、選択されたタイミングが新しい(近い)順に履歴エリアに配置する構成としてもよい。このように構成することにより、気に入った楽曲を連続して選択する傾向がある遊技者が選択する可能性の高い楽曲を示す画像(項目)を履歴エリアに配置しておくことができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、確変状態になった後で、操作ボタン230を操作しなければ選曲メニュー画面が表示されない構成としていたが、これに限られるものではなく、確変状態中は常時、選曲メニュー画面を表示させておく構成としてもよい。このように構成することで、楽曲を選択したいと考える遊技者の手間を軽減することができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに対して最初に表示される項目を、ランダムな抽選によって選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選曲メニュー画面における選曲エリアに最初に表示される項目として、今回の確変状態よりも前に設定された確変状態において、遊技者が最後に選択した項目を配置させる構成としてもよい。
本第1制御例では、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い順に最大3つの項目を、選曲メニュー画面における初期配置において、比較的少ない操作回数で選択する(選曲エリアにシフトさせる)ことが可能な位置に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者が選択する可能性が高い楽曲(これまでに選択された回数が多い楽曲)が選曲メニュー画面のどこに配置されているのかを遊技者が容易に理解できればよく、例えば、選曲メニュー画面における初期配置として、楽曲用領域MRのどこかに表示されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、楽曲用領域MRに表示させる項目数を5個よりも増加させた場合であっても、遊技者が選択しようとしている可能性が高い項目を最初から表示しておくことができる。よって、遊技者が項目を選択し易くなるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに表示されている項目と、その他の表示領域に表示されている項目とで、表示態様を異ならせる構成としていたが、これに加えて、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(選曲メニュー画面の初期配置において履歴エリアに配置させた項目)であるか否かによって表示態様を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が選択する可能性が高い項目を遊技者がより容易に発見できるので、遊技者の利便性を高めることができる。
<第1制御例における電気的構成>
次に、図103から図108を参照して、本第1制御例における電気的構成について説明する。図103は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。この第1制御例におけるパチンコ機10では、音声ランプ制御装置113の入出力ポート225に対して操作ボタン230が電気的に接続されている点で、上記各実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成(図8参照)と相違している。また、音声ランプ制御装置113に設けられているROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている。その他の構成については、上記各実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。なお、以降の第1制御例の説明では、第1実施形態を比較対象として、第1実施形態との相違点を中心に説明を行う。
操作ボタン230を構成するいずれかのボタン(UB,DB,RB,LB,CB)が押下(操作)されると、操作されたボタンに対応する信号線に対してオン信号(出力がHの信号)が出力される。音声ランプ制御装置113は、操作ボタン230からの出力を監視して、いずれかのボタンに対応する信号の出力がHとなっている場合には、ボタンの種別に応じた制御を実行する。具体的には、例えば、確変状態において選曲メニュー画面が表示されていない状態でいずれかのボタンに対応する信号の出力がHになったことを検出した場合は、選曲メニュー画面を表示させるための制御を行う。また、選曲メニュー画面が表示された状態において、上ボタンUBに対応する信号の出力がHとなったことを検出した場合は、選曲メニュー画面における各項目を1つ分ずつ下方向にシフトさせるための制御を行う。
次に、図104(a)を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図104(a)は、本第1制御例におけるROM222の構成を示したブロック図である。図104(a)に示した通り、本第1制御例におけるROM222は、第1実施形態におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、項目順記憶エリア222aaが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。
項目順記憶エリア222aaは、選曲メニュー画面における項目の並び順が規定されているデータテーブルであり、選曲メニュー画面の初期配置を設定する際に参照される。より具体的には、確変状態に移行した際に、選曲メニュー画面の初期配置が決定される。この初期配置の決定時には、まず、履歴エリアに配置する3つの項目(楽曲)を決定し、次に、履歴エリアに配置されていない他の項目の中から、選曲エリアに配置する1の項目をランダムに(例えば、乱数を用いた抽選等により)決定する。そして、選曲エリアに配置した項目を基準として、この項目順記憶エリア222aaに規定されている並び順で、他の項目(選曲エリア、および履歴エリアのいずれにも配置されなかった項目)の配置を設定する。なお、上述した通り、本第1制御例では、項目の並び順が、楽曲のアルファベット順になるように項目順記憶エリア222aaが設定されている。
次に、図104(b)を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図104(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図104(b)に示した通り、本第1制御例におけるRAM223は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、項目配置格納エリア223aaと、メニュー位置ポインタ223abと、選曲回数格納エリア223acと、選曲許可フラグ223adと、メニュー表示フラグ223aeとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同一であるため、その詳細については省略する。
項目配置格納エリア223aaは、選曲メニュー画面における各項目(各楽曲の種別を示す画像)の配置を記憶しておくための記憶領域である。確変状態に移行した場合は、この項目配置格納エリア223aaに対して、各項目の初期配置が設定され(図113のS5204,S5208,S5212参照)、選曲メニュー画面が表示された場合には、項目配置格納エリア223aaに設定されている配置で、選曲メニュー画面が表示される。この項目配置格納エリア223aaの詳細について、図105(a)を参照して説明する。
図105(a)は、項目配置格納エリア223aaの内容の一例を示した図である。図105(a)では、履歴エリアに対して「楽曲N」、「楽曲O」、および「楽曲P」が配置され、選曲エリアに対して「楽曲A」が配置されるように設定された場合における項目配置格納エリア223aaの内容を例示している。図105(a)に示した通り、この項目配置格納エリア223aaには、メニュー位置ポインタ223abが取り得る各値(「00H」〜「19H」)に対応させて、メニュー項目を示すデータを格納するための記憶領域が設けられている。図105(a)の例では、メニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に対して、メニュー項目「楽曲A」に対応するデータが記憶され、メニュー位置ポインタ223abの値「01H」に対応する記憶領域に対して、メニュー項目「楽曲B」に対応するデータが記憶されている。以降も、メニュー位置ポインタ223abの値「0BH」までは、楽曲のアルファベット順にデータが格納されている。また、「0BH」の次の「0CH」に対応する記憶領域には、「楽曲Q」に対応するデータが格納されている。つまり、既に履歴エリアに格納されている「楽曲N」、「楽曲O」、および「楽曲P」に対応するデータがランダム選択エリアに対して重複して格納されることが回避される。
メニュー位置ポインタ223abの値「0CH」に対応する記憶領域から、「16H」に対応する記憶領域までは、「00H」〜「0BH」の範囲と同様に、楽曲のアルファベット順でデータが格納される。また、メニュー位置ポインタ223abの値が「17H」〜「19H」の範囲は、履歴エリアに対応しており、図105(a)の例では、「楽曲N」、「楽曲O」、および「楽曲P」に対応するデータがそれぞれ格納される。なお、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」に対応する記憶領域に対して、最も選択頻度が高い楽曲に対応するデータが格納され、「18H」に対応する記憶領域に対して、2番目に選択頻度が高い楽曲に対応するデータが格納され、「17H」に対応する記憶領域に対して、3番目に選択頻度が高い楽曲に対応するデータが格納される。
本第1制御例では、選曲メニュー画面を表示させる場合に、この項目配置格納エリア223aaに記憶されたデータ(メニュー位置ポインタ223abの値と、メニュー項目との対応関係)と、メニュー位置ポインタ223abの現在値とを比較して、メニュー位置ポインタ223abの現在値に対応する記憶領域に格納されているメニュー項目を、選曲エリアに配置する構成としている。また、メニュー位置ポインタ223abの値の前後2つ分の値に対応する記憶領域に格納されているメニュー項目を、選曲エリアの上下にそれぞれ配置させる構成としている。例えば、図105(a)の例において、メニュー位置ポインタ223abの値が「19H」であれば、選曲エリアに対して「楽曲P」を示す項目が表示される。また、選曲エリアの1つ上には、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」よりも1つ上の値(即ち、「18H」)に対応する記憶領域に格納されている「楽曲O」が配置される。同様に、選曲エリアの2つ上側には、メニュー位置ポインタ223abの値「17H」に対応する「楽曲N」が配置される。逆に、選曲エリアの1つ下には、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」よりも1つ下の値に対応する項目が配置される。ここで、本制御例では、メニュー位置ポインタ223abの最大値である「19H」の次の値は「00H」と判定されるように設定されている(同様に、最小値である「00H」の次(1つ下)の値は「19H」と判定される)このため、選曲エリアの1つ下側、および2つ下側には、それぞれ「00H」、および「01H」に対応する記憶領域に格納されている「楽曲A」、および「楽曲B」がそれぞれ配置される。
図104(b)に戻って説明を続ける。メニュー位置ポインタ223abは、上述した項目配置格納エリア223aaのうち、選曲メニュー画面に表示させる項目の範囲を判別するために用いられるポインタである。上述した通り、選曲メニュー画面を表示させる場合は、メニュー位置ポインタ223abの値に対応する記憶領域を中心として、5つの記憶領域に格納されているデータを読み出して、各データに対応する5つの項目を選曲メニュー画面に配置する構成としている。このメニュー位置ポインタ223abは、初期値が「00H」に設定されており、選曲メニュー画面の表示中に上ボタンUBに対する押下を検出する毎に、値が1ずつ減らされる。なお、「00H」の状態で上ボタンUBの押下を検出した場合は、最大値である「19H」に更新される。また、選曲メニュー画面の表示中に下ボタンDBに対する押下を検出する毎に、値が1ずつ増やされる。なお、値が最大値である「19H」となっている状態でさらに下ボタンUBに対する押下を検出した場合は、値が最小値である「00H」に更新される(図111のS5110参照)。また、メニュー位置ポインタ223abの値は、大当たりとなる毎に初期値である「00H」にリセットされる(図114のS4452参照)。確変状態は、必ず大当たりの終了後に移行するため、大当たりとなった場合に初期値にリセットしておくことで、確変状態の開始時にメニュー位置ポインタ223abの値を必ず「00H」に設定しておくことができる。
選曲回数格納エリア223acは、各楽曲(項目)の選択回数を記憶しておくための記憶領域である。項目配置格納エリア223aaに対してメニュー項目の配置を設定する場合には、この選曲回数格納エリア223acが参照されて、選択された回数が多い楽曲から順番に、メニュー位置ポインタ223abの値「19H」,「18H」,「17H」に対応する記憶領域(即ち、履歴エリア)にデータが格納される。この選曲回数格納エリア223acの詳細について、図105(b)を参照して説明する。
図105(b)は、選曲回数格納エリア223acの内容の一例を示した図である。図105(b)に示した通り、選曲回数格納エリア223acは、楽曲の種別と、これまでに選択(選曲)された回数とを対応付けて記憶することが可能に構成されている。例えば、図105(b)の例では、「楽曲A」に対して選択回数として0回が対応付けて記憶され、楽曲Bに対して選択回数として1回が対応付けて記憶され、楽曲Cに対して選択回数として0回が対応付けて記憶されている。他の楽曲種別についても同様に、選択回数が対応付けて記憶されている。この選曲回数格納エリア223acは、選曲メニュー画面の表示中に、遊技者が中央ボタンCBを押下することで1の楽曲の再生を決定する毎に、当該決定された楽曲に対応する選択回数に対して1が加算されて更新される(図111のS5108参照)。なお、音声ランプ制御装置113のRAM223はバックアップされていないので、パチンコ機10の電源がオフになると、各楽曲の選択回数を示すデータはすべてクリアされる。
図104(b)に戻って説明を続ける。選曲許可フラグ223adは、楽曲を遊技者が選択可能な状態であるか否かを示すフラグである。この選曲許可フラグ223adがオンであれば、任意の楽曲を選択可能な状態であることを示し、オフであれば、楽曲を選択することが不可能な状態であることを示す。この選曲許可フラグ223adは、初期値がオフに設定されており、主制御装置110から出力される状態コマンドによって、確変状態へ移行したことが通知された場合にオンに設定される(図113のS5213参照)。また、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信する毎に、オフにリセットされる(図114のS4451参照)。選曲許可フラグ223adがオンの間は、楽曲の選択が可能な期間であると判別されて、操作ボタン230に対する押下が有効として扱われる。
メニュー表示フラグ223aeは、選曲メニュー画面(図102(a)参照)が表示されているか否かを示すフラグである。このメニュー表示フラグ223aeがオンであれば、選曲メニュー画面が表示されていることを示し、オフであれば、選曲メニュー画面が表示されていないことを示す。このメニュー表示フラグ223aeは、初期値がオフに設定されており、選曲メニュー画面の表示が設定された場合にオンに設定される(図111のS5105参照)。また、選曲メニュー画面が表示された状態で中央ボタンCBに対する押下を検出すると、選曲メニュー画面が閉じられると共に、このメニュー表示フラグ223aeがオフに設定される(図111のS5109参照)。また、大当たりの開始を示すオープニングコマンドを受信した場合にもオフにリセットされる(図114のS4451参照)。メニュー表示フラグ223aeがオンの間は、上ボタンUB、または下ボタンDBに対する押下を検出する度に、対応する方向に選曲メニュー画面の各項目がシフトされる。また、中央ボタンCBに対する押下を検出することで、選曲エリアに配置されている項目の再生が設定されると共に、選曲メニュー画面が閉じられる。
次に、図106から図108を参照して、音声出力装置226の電気的構成について説明する。図106は、音声出力装置226の電気的構成を示したブロック図である。図106に示した通り、音声出力装置226は、音声ランプ制御装置113から出力されるデータを受信可能に接続されている。
図106に示した通り、音声出力装置226は、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU301が搭載されている。MPU301には、当該MPU301により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM302と、そのROM302内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM303とが内蔵されている。
音声出力装置226のMPU301は、入力ポート305、および音声合成部306と電気的に接続されている。音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して、音声データを指定するコマンドを受信した場合には、そのコマンドが入力ポート305、およびバスライン304を介してMPU301へ入力される。また、音声ランプ制御装置113によって指定された音声データは、ROM302から読み出されて、音声合成部306の、音声種別に対応するチャンネルに対して出力される。例えば、楽曲に対応する音声データは、CN1に対して出力され、効果音に対応する音声データは、CN2に対して出力され、警告音に対応する音声データは、CN3に対して出力される。
音声合成部306は、各チャンネルに入力された音声データを合成して、合成音声データとしてアンプ部307へと出力する公知の音声合成LSIで構成されている。合成音声データは、アンプ部307によって増幅され、スピーカー部308に入力される。これにより、スピーカー部308から、音声ランプ制御装置113によって指定された各種音声を出力することができる。
次に、図107(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301に設けられているROM302の構成について説明する。図107(a)に示した通り、ROM302には、音声ファイル記憶エリア302aが少なくとも設けられている。
音声ファイル記憶エリア302aには、楽曲や効果音等を出力するために用いる音声ファイル(音声データ)が記憶されている記憶領域である。確変状態において、遊技者が選択可能な楽曲(楽曲A〜楽曲Z)を再生するための音声ファイルも、この音声ファイル記憶エリア302aに格納されている。各種音声データの出力が音声ランプ制御装置113により指示された場合には、この音声ファイル記憶エリア302aから演出に対応する音声ファイルが読み出され、音声合成部306の対応するチャンネルに出力される。
この音声ファイル記憶エリア302aの詳細について、図108を参照して説明する。図108は、音声ファイル記憶エリア302aの構成を示したブロック図である。図108に示した通り、音声ファイル記憶エリア302aには、各楽曲を再生するために用いられる複数のデータで構成された楽曲用データ群(楽曲A用データ群302a1〜楽曲Z用データ群302a26)や、各効果音を出力するために用いられるデータ(例えば、効果音A用データ302a27)等、音声出力装置226によって再生可能な全ての音声ファイル(音声データ)が格納されている。
なお、上述した通り、確変状態中に再生可能な各楽曲(楽曲A〜楽曲Z)に対応する音声ファイル(楽曲A用データ群302a1〜楽曲Z用データ群302a26)は、それぞれ複数のデータで構成されている。これらの楽曲用データ群302a1〜302a26の構成について、図109を参照して説明する。
図109は、楽曲用データ群の構成の一例を示した図である。図109に示した通り、楽曲用データ群は、楽曲のパート(区切り)単位の複数のデータで構成されている。より具体的には、図109に例示した通り、例えば、楽曲の前奏(所謂、イントロ)部分に対応するイントロ用データと、楽曲の最初のメロディ(所謂、Aメロ部分)に対応するAメロ1用データと、楽曲の2番目(Aメロの次)のメロディ(所謂、Bメロ部分)に対応するBメロ1用データと、楽曲において最も盛り上がる部分(所謂、サビ部分)に対応するサビ1用データと、楽曲の間奏部分に対応する間奏用データと、楽曲の2番のAメロ部分に対応するAメロ2用データと、楽曲の2番のBメロ部分に対応するBメロ2用データと、楽曲の2番のサビ部分に対応するサビ2用データと、楽曲のアウトロ部分に対応するアウトロ用データとで構成されている。これらのパート単位の音声データを、楽曲毎に定められている順番で再生(出力)することにより、1の楽曲が再生されるように構成している。このように構成することで、他の演出等で楽曲の一部分を使用する際(例えば、変動表示演出中に所定の楽曲のサビ部分を再生する場合等)に、音声データを転用することができる。言い換えれば、楽曲1曲分の音声データと、楽曲の一部分の音声データとを別々に記憶しておく必要が無いため、音声ファイル記憶エリア302aの記憶容量を削減することができる。また、楽曲用データ群を構成する各データには、RAM303に設定された後述する楽曲用ポインタ303bのポインタ値に対応するデータと、各データを再生した場合の再生時間とが対応付けて規定されている。本第1制御例では、楽曲用ポインタ303bの値の順番に再生を行う構成としている。即ち、再生中の楽曲用データの再生時間が経過した場合に、楽曲用ポインタ303bの値を1更新して、更新後のポインタ値に対応する楽曲用データを再生する構成としている。これにより、各楽曲用データを、毎回同じ順番で再生することができる。
次に、図107(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301に設けられているRAM303の構成について説明する。図107(b)は、RAM303の構成を示したブロック図である。図107(b)に示した通り、RAM303は、楽曲用データ群格納エリア303aと、楽曲用ポインタ303bと、最大値格納エリア303cと、楽曲用タイマ303dとが少なくとも設けられている。
楽曲用データ群格納エリア303aは、確変状態中に再生する楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を格納しておくための記憶領域である。確変状態中は、この楽曲用データ群格納エリア303aに格納されている楽曲用データ群を楽曲用ポインタ303bの値の順番に再生していくことにより、1の楽曲を再生する構成となっている。この楽曲用データ群格納エリア303aには、音声ランプ制御装置113より、確変状態の開始時に抽選で決定された楽曲の再生を指示するために出力されたコマンド(音声用抽選楽曲コマンド)、または遊技者が選択した楽曲の再生を指示するために出力されたコマンド(音声用選択楽曲コマンド)を受信した場合に、コマンドにより指示された楽曲に対応する楽曲用データ群が音声ファイル記憶エリア302aから読み出されて格納される(図116のS9205,S9210参照)。
なお、本第1制御例では、楽曲用データ群格納エリア303aに格納された楽曲用データ群に基づいて楽曲の再生を開始する際に、楽曲が決定された経緯によって、再生位置を異ならせる構成としている。具体的には、確変状態の開始時に抽選で決定された楽曲の再生を開始する際は、サビ部分から再生を開始する(サビ1用データの再生を設定する)一方で、遊技者の選択によって決定された楽曲の再生を開始する場合には、楽曲の最初(イントロ部分)から再生を開始する(イントロ用データの再生を設定する)構成としている。遊技者が選択した楽曲については、遊技者が楽曲の最初からじっくりと聴きたいと考えている可能性が高いのに対して、ランダムに選択された楽曲については、少しでも気に入らなければ遊技者が即座に楽曲を変更してしまう可能性があるためである。よって、ランダムに選択された楽曲については、楽曲の中で最も盛り上がる部分であるサビ部分から再生を開始させることにより、少なくとも楽曲の最も特徴的な部分を遊技者に聴かせた上で、楽曲を変更するかどうかの判断を行わせることができる。これにより、ランダムに選曲された楽曲の良さ(特徴)を最大限、遊技者に伝達する(理解させる)ことができるので、遊技者の好みの楽曲を増加させ易くする(ランダムに選曲された楽曲の中から新たに気に入る楽曲を発見し易くする)ことができる。従って、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。
楽曲用ポインタ303bは、楽曲用データ群格納エリア303aに格納された楽曲用データ群のうち、いずれのデータを再生中であるかを示すためのポインタである。この楽曲用ポインタ303bは、遊技者が選択した楽曲の再生が指示された(音声用選択楽曲コマンドにより楽曲が通知された)場合に、値が「00H」に設定される(図116のS9206参照)。また、これに伴って、ポインタ値「00H」に対応するイントロ用データの再生が設定される。一方、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲の再生が指示された(音声用抽選楽曲コマンドにより楽曲が通知された)場合に、サビ1部分に対応する値が設定される(図116のS9211参照)。この楽曲用ポインタ303bの値は、楽曲用データ群格納エリア303aに設定されている1の楽曲用データの再生が終了する毎に、値が1ずつ更新される。また、楽曲用ポインタ303bの値が、楽曲の種別毎に設定されている最大値(本第1制御例では、アウトロ部分の1つ前に対応するポインタ値)となっている状態で、更にポインタ値が更新される際には、値が「01H」に更新される。
ここで、アウトロ部分の1つ前まで再生を終了した場合に、アウトロ部分、およびイントロ部分を再生させずに、楽曲用ポインタ303bの値を、Aメロ1部分に対応する「01H」に更新しているのは、楽曲が繰り返し再生された場合に、楽曲の切れ目を遊技者に対して認識させ難くするためである。仮に、楽曲のアウトロ部分まで再生した後、再度、イントロ部分から再生させることで楽曲を繰り返し再生させる構成にすると、楽曲の切れ目を遊技者が容易に認識できてしまう。この場合、楽曲の切れ目が気になってしまい、確変状態中における遊技に集中し難くなってしまう可能性がある。これに対して本制御例では、楽曲を繰り返し再生する場合に、楽曲におけるアウトロ部分、およびイントロ部分を飛ばしてAメロ1部分に戻る構成としているので、より自然な繋がりで楽曲をループさせることができる。よって、楽曲の切れ目に遊技者が気付き難くなるため、遊技者に対してより集中して確変状態中における遊技を行わせることができる。
最大値格納エリア303cは、楽曲用ポインタ303bの最大値を一時的に記憶しておくための記憶領域である。上述した通り、本第1制御例では、Aメロ1部分から、アウトロ部分の1つ手前の部分までを繰り返し再生する構成としているが、アウトロ部分の1つ手前の部分に対応するポインタ値は、楽曲によって異なる可能性がある。楽曲によっては、Bメロの次にCメロが設定されていたり、サビが複数種類設定されていたり、間奏が設定されていなかったりする場合があり、図109に示したデータ構成とは異なっている場合がある。よって、楽曲用データ群を楽曲用データ群格納エリア303aに格納して楽曲の再生を設定する場合には、この最大値格納エリア303cに対して、再生しようとしている楽曲に対応する楽曲用ポインタ303bの最大値を予め設定しておく構成としている(図116のS9207,S9212参照)。そして、楽曲用データ群格納エリア303aに設定した1の楽曲用データの再生が終了する毎に、楽曲用ポインタ303bの値と、最大値格納エリア303cに格納されている最大値とを比較して、アウトロ部分の1つ手前の部分までの再生が終了したか(楽曲用ポインタ303bを「01H」に戻すべきタイミングか)どうかを判別可能に構成している。これにより、楽曲毎にデータ構成が異なっていたとしても、イントロ部分とアウトロ部分とを確実にスキップしてループ再生させることができる。
楽曲用タイマ303dは、再生中の楽曲用データの再生時間を計時するタイマである。この楽曲用タイマ303dには、新たな楽曲用データの再生を設定する度に、当該楽曲用データの再生時間に対応するタイマ値が設定される。なお、各楽曲用データの再生時間は、楽曲用データ群格納エリア303aにおいて、楽曲用データの種別に対応付けて規定される。楽曲の再生中は、この楽曲用タイマ303dの値に基づいて、再生時間が経過したかどうかを判別する。なお、図示については省略したが、この楽曲用タイマ303dは、定期的(例えば、1ミリ秒毎)に更新される。
<第1制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図110から図114を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図110は、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理8を示したフローチャートである。
この第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)のうち、S4101〜S4111、およびS4113〜S4118の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図34参照)のS4101〜S4111、およびS4113〜S4118の各処理と同一の処理が実行される。また、本第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)では、S4111の演出更新処理が終了した後で、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に対応する制御を実行するための操作検出処理を実行し(S4141)、処理をS4142へと移行する。この操作検出処理(S4141)の詳細については、図111を参照して後述する。
また、S4141の処理が終了するか、または、S4101の処理において、前回の処理から1ミリ秒が経過していないと判別した場合は(S4101:No)、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)に代えて、コマンド判定処理8を実行し(S4142)、処理をS4113へと移行する。このコマンド判定処理8(S4142)の詳細については、図112を参照して後述する。
次に、図111を参照して、上述した操作検出処理(S4141)の詳細について説明する。図111は、この操作検出処理(S4141)を示すフローチャートである。操作検出処理(S4141)では、まず、操作ボタン230に対する操作(押下)を検出したかを判別する(S5101)。このS5101の処理では、操作ボタン230の各ボタンに接続された信号線の出力を検出して、何れかの出力がHとなっていれば、操作ボタン230に対する操作を検出したと判別する。
S5101の処理において、操作ボタン230に対する操作を検出していない(即ち、全てのボタンに対応する信号の出力がLである)と判別した場合は(S5101:No)、そのまま処理を終了する。一方、操作ボタン230に対する操作を検出した(即ち、何れかのボタンに対応する信号の出力がHである)と判別した場合は(S5101:Yes)、次に、選曲許可フラグ223adがオンであるかを判別し(S5102)、選曲許可フラグ223adがオフであれば(S5102:No)、楽曲を選択することができない期間であることを意味し、操作ボタン230に対する操作が無効とされるので、そのまま本処理を終了する。
一方、S5102の処理において、選曲許可フラグ223adがオンであると判別した場合は(S5102:Yes)、次に、メニュー表示フラグ223aeがオンであるか否かを判別する(S5103)。S5103の処理において、メニュー表示フラグ223aeがオフであると判別した場合は(S5103:No)、選曲メニュー画面の表示を設定し(S5104)、メニュー表示フラグ223aeをオンに設定して(S5105)、本処理を終了する。これらの処理により、確変状態中で、且つ、選曲メニュー画面が表示されていない場合には、押下されたボタンの種別によらず、選曲メニュー画面を表示させることができる。
これに対し、S5103の処理においてメニュー表示フラグ223aeがオンであると判別した場合は(S5103:Yes)、遊技者によって操作(押下)されたボタンの種別に応じて異なる制御を実行する。具体的には、まず、S5101の処理により検出されたのが、中央ボタンCBに対する操作であるかを判別し(S5106)、今回検出された操作が、中央ボタンCBに対する操作であると判別した場合は(S5106:Yes)、現在のメニュー位置ポインタ223abの値に対応する楽曲の再生を音声出力装置226に対して通知するための音声用選択楽曲コマンドを設定する(S5107)。
S5107の処理が終了すると、次いで、選曲回数格納エリア223acに設定されている各記憶領域のうち、S5107の処理によって再生が設定された(選択された)楽曲の選曲回数に1を加算して更新し(S5108)、選曲メニュー画面を閉じると共にメニュー表示フラグ223aeをオフに設定して(S5109)、本処理を終了する。
一方、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作を検出していないと判別した場合は(S5106:No)、操作を検出したボタンの種別に応じて、メニュー位置ポインタ223abの値を更新する(S5110)。このS5110の処理では、上ボタンUBの押下を検出していた場合に、メニュー位置ポインタ223abの値から1を減算する一方で、下ボタンDBの押下を検出していた場合に、メニュー位置ポインタ223abの値に1を加算する。なお、メニュー位置ポインタ223abが「00H」の状態で上ボタンUBの押下を検出した場合には、ポインタ値が最大値である「19H」に更新される。また、メニュー位置ポインタ223abが最大値である「19H」となっている状態で下ボタンDBの押下を検出した場合には、ポインタ値が「00H」に更新される。
S5110の処理が終了すると、次に、S5110の処理により更新された後のメニュー位置ポインタ223abの値に応じて選曲メニュー画面の表示態様を更新し(S5111)、本処理を終了する。このS5111の処理では、メニュー位置ポインタ223abの値に対応する項目(楽曲の種別を示す画像)を選曲エリアに配置すると共に、メニュー位置ポインタ223abの現在値の前後2つの値に対応する項目(楽曲の種別を示す画像)を、それぞれ選曲エリアの上下に配置する。
この操作検出処理(図111参照)を実行することで、操作ボタン230に対する操作内容(押下を検出したボタンの種別)に応じて選曲メニュー画面の更新や、楽曲の決定等を、遊技者の思い通りに実行することができる。
次に、図112を参照して、本第1制御例における音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理8(S4142)について説明する。このコマンド判定処理8(S4142)は、上述した通り、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)に代えて実行される処理である。
このコマンド判定処理8(図112参照)のうち、S4301〜S4309,S4311〜S4313、およびS4315の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図36参照)のS4301〜S4309,S4311〜S4313、およびS4315の各処理と同一の処理が実行される。また、本第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)では、S4309の処理において、状態コマンドを受信したと判別した場合は(S4309:Yes)、次いで、受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を実行するための状態コマンド処理を実行して(S4351)、本処理を終了する。この状態コマンド処理(S4351)の詳細については、図113を参照して後述する。
また、本第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)では、S4313の処理において、当たり関連のコマンドを受信したと判別した場合に(S4313:Yes)、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて、当たり関連処理8を実行して(S4352)、本処理を終了する。この当たり関連処理8(S4352)の詳細については、図114を参照して後述する。
次に、図113を参照して、上述した状態コマンド処理(S4351)の詳細について説明する。図113は、この状態コマンド処理(S4351)を示したフローチャートである。この状態コマンド処理(S4351)は、上述した通り、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた制御を行うための処理である。
この状態コマンド処理(図113参照)では、まず、主制御装置110から受信した状態コマンドにより通知された遊技状態に応じて、遊技状態格納エリア223iのデータを更新する(S5201)。即ち、状態コマンドにより通知された遊技状態に応じた情報に基づき、特別図柄の確変状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「11B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の時短状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「01B」に設定し、特別図柄の低確率状態、且つ普通図柄の通常状態が通知された場合には、遊技状態格納エリア223iの下位2ビットを「00B」に設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
S5201の処理が終了すると、次いで、確変状態(特別図柄の確変状態、且つ普通図柄の時短状態)への移行を示す状態コマンドであるか否かを判別して(S5202)、確変状態への移行を示す状態コマンドではないと判別した場合は(S5202:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5202の処理において、確変状態への移行を示す状態コマンドを受信したと判別した場合は(S5202:Yes)、次いで、選曲回数格納エリア223ac(図105(b)参照)から、再生回数が多い順に最大3つのデータを読み出す(S5203)。なお、電源投入後、遊技者が選択した楽曲の数が3つに満たない場合は、選択した楽曲のみ(即ち、3つ未満のデータ)を読み出す。また、電源投入後、1回も楽曲を選択していない(即ち、選曲回数格納エリア223acの全ての楽曲種別に対応する選曲回数が0である)場合には、S5203の処理ではデータが読み出されることはない。
S5203の処理が終了すると、次いで、S5203の処理で読み出した最大3つのデータを、項目配置格納エリア223aaにおける履歴エリア(メニュー位置ポインタ223abの値「17H」〜「19H」に対応する記憶領域)に格納し(S5204)、選曲メニュー画面における選曲エリアに配置する項目(楽曲)を抽選により決定する(S5205)。なお、S5204の処理において、S5203の処理によって読み出されたデータが3つ未満だった場合には、履歴エリアの全て(3つ)の記憶領域にデータを格納することができないため、履歴エリアのうち、1又は複数の記憶領域が空きエリアとなる。S5205の処理が終了すると、次に、S5205の処理による抽選で決定した項目が、既に履歴エリアに格納済みの項目(楽曲)であるかを判別し(S5206)、履歴エリアに格納済みの項目であれば(S5206:Yes)、選曲エリアと履歴エリアとに同一の項目(楽曲)が重複して配置されることを防止するために、再度、S5205の処理に戻って抽選をやり直す。
一方、S5206の処理において、S5205の処理による抽選で決定した項目(楽曲)が履歴エリアに格納済みの項目ではないと判別した場合は(S5206:No)、S5205の処理による抽選で決定した項目に対応する楽曲の再生を通知するための音声用抽選楽曲コマンドを設定する(S5207)。ここで設定された音声用抽選楽曲コマンドは、メイン処理8(図110参照)のコマンド出力処理(S4102)によって、音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用抽選楽曲コマンドを受信すると、コマンドにより指定された楽曲がサビ1部分から再生されるように設定する。ここで、ランダムな抽選で選択された楽曲を、サビ1部分から再生するのは、少しでも気に入らなければ遊技者が即座に楽曲を変更してしまう可能性があるためである。よって、ランダムに選択された楽曲については、楽曲の中で最も盛り上がる部分であるサビ部分から再生を開始させることにより、少なくとも楽曲の最も特徴的な部分を遊技者に聴かせた上で、楽曲を変更するかどうかの判断を行わせることができる。これにより、ランダムに選曲された楽曲の良さを最大限、遊技者に伝達することができるので、遊技者の好みの楽曲を増加させ易くする(ランダムに選曲された楽曲の中から新たに気に入る楽曲を発見し易くする)ことができる。従って、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。
S5207の処理が終了すると、次いで、S5205の処理による抽選で決定した項目を、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納し(S5208)、直前に格納した項目に続けて配置するべき順番の項目を、項目順記憶エリア222aaに規定されている並び順(即ち、楽曲のアルファベット順)を参照して特定する(S5209)。そして、S5209の処理で特定した項目(楽曲)が、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納したデータ(項目)であるかを判別し(S5210)、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納した項目以外の項目を特定したと判別した場合には(S5210:No)、履歴エリアに既に格納済みの項目を特定したか否かを判別する(S5211)。
S5211の処理において、履歴エリアに格納していないデータをS5209の処理で特定したと判別した場合は(S5211:No)、S5209の処理で特定した項目を、S5208の処理、または前回のS5212の処理において格納した記憶領域の次の記憶領域に格納し(S5212)、処理をS5209に戻す。これに対し、S5211の処理において、S5209の処理で特定した項目が、既に履歴エリアに格納済みの項目であると判別した場合は(S5211:Yes)、特定した項目を項目配置格納エリア223aaに格納せずに(S5212の処理をスキップして)、処理をS5209へと戻す。移行は、S5210の処理において、「00H」に対応する記憶領域に格納した項目を特定するまで、項目順記憶エリア222aaに規定されている順番で項目を特定するS5209の処理と、特定した項目を項目配置格納エリア223aaに格納するS5212の処理とを繰り返す。
また、S5210の処理において、S5209の処理により特定した項目が、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に格納した項目であると判別した場合は(S5210:Yes)、項目配置格納エリア223aaにおけるメニュー位置ポインタ223abの値「00H」〜「19H」の全てに対応する記憶領域に項目を格納し、一周して「00H」に戻ってきたことを意味するので、S5209〜S5212の各処理のループを終了し、処理をS5213へと移行する。S5213の処理では、選曲許可フラグ223adをオンに設定して(S5213)、本処理を終了する。S5209〜S5212の処理を繰り返すことにより、S5204の処理において履歴エリアに格納されたデータの個数に関係なく、S5204,S5205の処理によりデータが格納された領域以外の全ての記憶領域に対して、重複無く確実にデータを格納することができる。
この状態コマンド処理(図113参照)を実行することにより、選曲メニュー画面の構成の初期配置を設定することができる。また、遊技者が選択した回数が多い順に最大3つの項目(楽曲)を、選曲メニュー画面における履歴エリアに配置させることができる。即ち、選曲エリアの上側3つ分の配置に対して、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い項目(遊技者が選択する可能性が高い項目)を配置させることができる。よって、毎回の確変状態において、遊技者がこれまでに繰り返し選択してきた項目(即ち、遊技者が今回の確変状態でも選択する可能性が高い項目)を、少ない手間で選択させることができるので、遊技者に対して楽曲(項目)を選択する際に煩わしさを感じさせ難くすることができる。
また、確変状態となる毎に、最初に再生される楽曲をランダムな抽選により決定することができる。これにより、少なくとも確変状態に移行した直後は、ランダムに選択した楽曲を再生させることができるので、選択する頻度が高い楽曲以外の楽曲を聴く機会を遊技者に与えることができる。よって、パチンコ機10に設定されている複数の楽曲を無駄なく再生することができる。また、ランダムに選択された楽曲を聴くうちに、当該楽曲を遊技者が気に入り、次回以降の確変状態でも再生させたいと考える可能性がある。よって、遊技者の好みの楽曲を増加させることができるので、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。また、同じ楽曲ばかりを選択し続けることで、遊技が単調となってしまうことを抑制(防止)できる。
次に、図114を参照して、上述した当たり関連処理8(S4352)の詳細について説明する。図114は、この当たり関連処理8(S4352)を示したフローチャートである。この第1制御例における当たり関連処理8(S4352)のうち、S4401〜S4410の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)と同一の処理が実行される。
また、本第1制御例における当たり関連処理8(図114参照)では、S4406の処理が終了すると、選曲許可フラグ223adと、メニュー表示フラグ223aeとをいずれもオフにリセットし(S4451)、メニュー位置ポインタ223abの値を「00H」にリセットして(S4452)、本処理を終了する。S4451,S4452の各処理を実行することで、選曲メニュー画面に関連するフラグやポインタを、オープニングコマンドを受信する毎(即ち、大当たりに当選する毎)にリセットすることができる。
なお、本第1制御例では、選曲メニュー画面に関連するフラグやポインタのリセットを、大当たりに当選する毎にリセットする構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態において大当たりに当選した場合にのみ、リセット処理を実行する構成としてもよい。また、確変状態の開始時にリセット処理を実行する構成としてもよい。
<第1制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図115から図117を参照して、本第1制御例における音声出力装置226のMPU301によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図115(a)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理について説明する。図115(a)は、このメイン処理の内容を示したフローチャートである。
この音声出力装置226のメイン処理が実行されると、まず、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を実行する(S9001)。このコマンド判定処理(S9001)の詳細については、図116を参照して後述する。S9001の処理後は、音声データの再生およびデータの切り替えを設定するための音声設定処理を実行する(S9002)。この音声設定処理(S9002)の詳細については、図117を参照して後述する。
S9002の処理が終了すると、ワークRAM303に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S9003)。S9003の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S9003:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S9005)、電源断処理を実行する(S9006)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S9007)、その後、処理を無限ループする。
一方、S9003の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S9003:No)、RAM303に記憶されるキーワードに基づき、RAM303が破壊されているか否かが判別され(S9004)、RAM303が破壊されていなければ(S9004:No)、S9001の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM303が破壊されていれば(S9004:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。
次に、図115(b)を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるコマンド割込処理について説明する。図115(b)は、このコマンド割込処理の内容を示したフローチャートである。
このコマンド割込処理(図115(b)参照)は、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信する毎に実行する処理である。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、RAM303に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S9101)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するコマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次に、図116を参照して、音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理(図115(a)参照)内の一処理であるコマンド判定処理(S9001)について説明する。このコマンド判定処理(S9001)では、音声ランプ制御装置113から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行する。図116は、このコマンド判定処理(S9001)の内容を示したフローチャートである。
コマンド判定処理(図116参照)では、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S9201)、未処理の新規コマンドがなければ(S9201:No)、コマンド判定処理を終了してメイン処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S9201:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを示す新規コマンドフラグをオンに設定し(S9202)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S9203)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、遊技者が操作ボタン230に対する操作によって選択した楽曲を通知するための音声用選択楽曲コマンドがあるか否かを判別して(S9204)、音声用選択楽曲コマンドがあると判別した場合には(S9204:Yes)、コマンドにより通知された楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を、ROM302の音声ファイル記憶エリア302aから読み出して、読み出した楽曲用データ群を楽曲用データ群格納エリア303aに格納する(S9205)。次に、楽曲用ポインタ303bの値に「00H」を設定し、イントロ用データの再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定する(S9206)。これにより、遊技者が操作ボタン230を操作して選択した楽曲を、先頭から再生することができるので、遊技者が選択した楽曲を遊技者に対してじっくりと(楽曲の先頭から完全な形で)聴かせることができる。
S9206の処理が終了すると、次いで、今回楽曲用データ群格納エリア303aに格納した楽曲用データ群に対応する楽曲用ポインタ303bの最大値を、最大値格納エリア303cに格納し(S9207)、イントロ用データの再生を設定して(S9208)、本処理を終了する。
一方、S9204の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用選択楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9204:No)、次いで、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、確変状態となったことに基づいてランダムに選択された楽曲を通知するための音声用抽選楽曲コマンドがあるか否かを判別する(S9209)。S9209の処理において、音声用抽選楽曲コマンドがあると判別した場合は(S9209:Yes)、受信した音声用抽選楽曲コマンドが示す楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を音声ファイル記憶エリア302aから読出して、読み出した楽曲用データ群を、楽曲用データ群格納エリア303aに格納する(S9210)。
S9210の処理が終了すると、次いで、楽曲用ポインタ303bの値に対して、サビ1部分に対応するポインタ値を設定すると共に、サビ1用データの再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定する(S9211)。そして、今回楽曲用データ群格納エリア303aに格納した楽曲用データ群に対応する楽曲用ポインタ303bの最大値を、最大値格納エリア303cに格納し(S9212)、サビ1用データの再生を設定して(S9213)、本処理を終了する。
これに対し、S9209の処理において、音声ランプ制御装置113から音声用選択楽曲コマンドを受信していないと判別した場合は(S9209:No)、音声ランプ制御装置113から受信したその他のコマンドに応じた処理を実行して(S9214)、処理をS9201へと戻す。このS9214の処理では、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドが、例えば、効果音の再生を指示するコマンドであれば、コマンドによって指定された種別の効果音の再生を設定する。また、警告音の再生を指示するコマンドであれば、コマンドによって指定された種別の警告音の再生を設定する。
次に、図117を参照して、音声出力装置226のMPU301により、メイン処理(図115(a)参照)の中で実行される音声設定処理(S9002)の詳細について説明する。図117は、この音声設定処理(S9002)を示したフローチャートである。
この音声設定処理(図117参照)では、まず、確変状態中の楽曲を再生中であるか否かを判別し(S9301)、確変状態中の楽曲の再生中ではないと判別した場合は(S9301:No)、単発の効果音や警告音等を再生しているか、音声が出力されていないことを意味し、音声の再生中に他の音声データへの切り替えを行う可能性が無いので、そのまま本処理を終了する。
一方、S9301の処理において、確変状態中の楽曲を再生中であると判別した場合は(S9301:Yes)、次に、再生中の楽曲用データの終了タイミングであるかを判別する(S9302)。即ち、楽曲用タイマ303dの値が0になったかを判別し、楽曲用データの再生終了タイミングではない(即ち、楽曲用タイマ303dの値が0になっていない)と判別した場合は(S9302:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S9302の処理において、再生中の楽曲用データの終了タイミングになった(即ち、楽曲用タイマ303dの値が0になった)と判別した場合は(S9302:Yes)、楽曲用データ群格納エリア303aのうち、今回再生が終了した楽曲用データの次の楽曲用データの再生を設定するための処理を実行する。具体的には、まず、最大値格納エリア303cに格納されているデータ(今回再生中の楽曲用データ群に対応する最大値)と、楽曲用ポインタ303bの現在の値とを比較して(S9303)、楽曲用ポインタ303bの値が今回の楽曲用データ群に対応する最大値(最大値格納エリア303cに格納されているデータ)に一致したか否かを判別する(S9304)。
S9304の処理において、楽曲用ポインタ303bの値が、今回の楽曲用データ群に対応する最大値に一致していないと判別した場合は(S9304:No)、楽曲用ポインタ303bの値に1を加算して更新し(S9305)、処理をS9307へと移行する。これに対し、S9304の処理において、楽曲用ポインタ303bの値が、今回の楽曲用データ群に対応する最大値に一致したと判別した場合は(S9304:Yes)、楽曲用ポインタ303bの値を「01H」に更新し(S9306)、処理をS9307へと移行する。このS9306の処理により、楽曲用ポインタ303bの値を「01H」に更新しておくことで、設定されている楽曲のAメロ1部分に戻ってループ再生を行うことができる。即ち、イントロ部分とアウトロ部分とをスキップしてループ再生を行うことができる。
ここで、仮に、楽曲のループ再生を行う場合において、楽曲のアウトロ部分まで再生した後、再度、イントロ部分から再生させることでループ再生する構成にすると、楽曲の切れ目を遊技者が容易に認識できてしまう。この場合、楽曲の切れ目が気になってしまい、確変状態中における遊技に遊技者が集中し難くなってしまう可能性がある。これに対して本第1制御例では、楽曲を繰り返し再生する場合に、楽曲におけるアウトロ部分、およびイントロ部分を飛ばしてAメロ1部分に戻る構成としているので、より自然な繋がりで楽曲をループさせることができる。よって、楽曲の切れ目に遊技者が気付き難くなるため、遊技者に対してより集中して確変状態中における遊技を行わせることができる。
S9305、またはS9306の処理が終了した後で実行されるS9307の処理では、更新後の楽曲用ポインタ303bの値に対応する1の楽曲用データを、楽曲用データ群格納エリア303aから読み出し(S9307)、読み出した楽曲用データの再生を設定して(S9308)、本処理を終了する。
この音声設定処理(図117参照)を実行することにより、確変状態中において、設定されている楽曲のイントロ部分とアウトロ部分とをスキップしてループ再生を行うことができる。
以上説明した通り、本第1制御例におけるパチンコ機10では、通常遊技中における所定期間(例えば、確変状態が設定されている期間)において、第3図柄表示装置81に対して、遊技者の操作ボタン230に対する操作に連動して表示態様(選曲エリアに点灯した見た目の態様で表示される項目)が可変する選曲メニュー画面を表示させる構成とし、当該選曲メニュー画面が表示された状態で遊技者によって中央ボタン230が押下された場合に、選曲メニュー画面の表示態様(選曲エリアに表示されている項目)に応じた楽曲(音声演出)を再生する(実行する)構成とした。また、所定期間となった後で、最初に表示される選曲メニュー画面の構成を、遊技者がこれまで(少なくとも前回)に選択した楽曲の種別(音声演出の種別)に基づいて可変させる構成としている。
より具体的には、確変状態へと移行した場合に、まず、複数の楽曲(楽曲A〜Z)の中からランダムに1曲(1の音声演出の種別)を選択して選曲エリアに配置する項目として決定すると共に、当該選択した楽曲の再生を開始させる構成としている。また、確変状態の間に、遊技者が操作ボタン230を操作することで、遊技者の任意の楽曲(任意の演出)を選択することができるように構成している。確変状態への移行時に、1の楽曲をランダムに選択して再生する構成とすることで、遊技者によって楽曲が選択されるまでの間(楽曲が選択されていない状態の間)も、楽曲を再生しておくことができるので、遊技者に有利な確変状態となったことに対する遊技者の満足感をより大きくすることができる。また、操作ボタン230に対する操作によって楽曲を選曲するための画面(選曲メニュー画面)の初期配置として、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲の種別とは無関係に、遊技者が選択する可能性が高いと考えられる楽曲(これまでの遊技において遊技者によって選択された回数が多い楽曲)を、操作ボタン230に対する少ない操作回数(3回以内の操作回数)で選択可能な位置に配置する構成としている。ここで、仮に、選曲メニュー画面の初期配置を決定するにあたって、ランダムに選択された項目(楽曲)を選曲エリアに配置し、その他の項目を、選曲エリアに配置された項目を基準として、単純にアルファベット順(予め定められた順番)で配置する構成にすると、遊技者が好みの楽曲を選択し難くなってしまう可能性がある。即ち、遊技者が選択したい項目(楽曲)と、ランダムに選択された項目(楽曲)とが順番として離れている場合に、選択したい項目(選択したい楽曲の種別を示す画像)を選曲エリアまでシフトさせるための操作ボタン230に対する操作の回数が多くなってしまい、遊技者に対して煩わしさを感じさせてしまう虞がある。また、煩わしさを感じさせ難くするための方法として、確変状態となった場合に最初に選曲エリアに配置される項目を、遊技者が選択した頻度が高い項目としておく方法も考えられるが、この方法では、そもそも確変状態において最初に再生(出力)された楽曲に対して遊技者が満足してしまい、楽曲を変更しようと思わない(選曲メニュー画面を表示させない)可能性が高くなる。遊技者が楽曲選択メニューを表示させる機会が少なくなる程、パチンコ機10に設定されている楽曲の種別を知る機会も少なくなってしまう。このため、遊技者が、他の楽曲を選択しようと考える可能性が低くなってしまう。よって、例えパチンコ機10に対して、多数の楽曲が選択可能に設定されていたとしても、その大半が選択されずに無駄となってしまう場合がある。従って、遊技者が、他の楽曲を選択しようと考える可能性が低くなってしまうので、例えパチンコ機10に対して、多数の楽曲が選択可能に設定されていたとしても、その大半が選択されずに無駄となってしまう場合がある。
これに対して本第1制御例では、遊技者が選択する可能性が高い項目(これまでの遊技において選択した頻度が高い項目)を選択し易くなるように、選曲メニュー画面の初期配置を設定している。より具体的には、遊技者がこれまでの遊技で選択した頻度が高い(選択した回数が多い)3つの項目(楽曲)を、少ない操作回数(操作ボタン230に対する押下回数)で選択可能となる位置(選曲エリアの上側3つ分の表示領域)に配置させる構成としている。このように構成することで、選曲メニュー画面の選曲エリアに最初に配置される項目(楽曲の種別を示す画像)が、いずれの楽曲に対応する項目になったとしても、少ない操作回数(上ボタンUBの押下回数が3回以内)で選択可能な位置に、遊技者の選択頻度が高い項目を配置させることができる。よって、毎回の確変状態において、遊技者がこれまでに繰り返し選択してきた項目(即ち、遊技者が今回の確変状態でも選択する可能性が高い項目)を、少ない手間で選択させることができるので、遊技者に対して楽曲(項目)を選択する際に煩わしさを感じさせ難くすることができる。
また、本第1制御例では、楽曲(音声演出)の再生が設定された経緯に応じて、楽曲(音声演出)の再生位置(実行開始位置)を可変させる構成としている。より具体的には、遊技者が操作ボタン230を操作することによって選択した楽曲については、楽曲の先頭(即ち、イントロ部分)から(第2の開始位置から)再生を開始する構成としているのに対して、確変状態の開始時に、ランダムな抽選によって決定(選択)された楽曲については、楽曲のサビ1部分から(第2の開始位置から)再生を開始する構成としている。これにより、遊技者が自らの意思で選択した楽曲については、楽曲の最初から完全な形で聴かせることができる。一方、ランダムな抽選により選択された楽曲を、サビ1部分から再生するのは、少しでも気に入らなければ遊技者が即座に楽曲を変更してしまう可能性があるためである。よって、ランダムに選択された楽曲については、楽曲の中で最も盛り上がる部分であるサビ部分から再生を開始させることにより、少なくとも楽曲の最も特徴的な部分を遊技者に聴かせた上で、楽曲を変更するかどうかの判断を行わせることができる。これにより、ランダムに選曲された楽曲の良さを最大限、遊技者に伝達することができるので、遊技者の好みの楽曲を増加させ易くする(ランダムに選曲された楽曲の中から新たに気に入る楽曲を発見し易くする)ことができる。従って、確変状態における遊技の興趣を向上させることができる。
また、本第1制御例では、選曲メニュー画面に表示させる項目を5個(項目の全数よりも少ない数)に限り、操作ボタン230を操作することにより、選曲メニュー画面に表示される項目を可変させることで、遊技者の操作に連動させて全ての項目を選択可能に構成している。ここで、選曲メニュー画面において、遊技者が好みの楽曲を選択し易くする方法として、全ての項目を第3図柄表示装置81の表示画面に一括して表示させる(項目をマトリクス状に配置させる)ことにより、どの楽曲(項目)がどの位置に配置されているかを一目で理解できるようにする方法も考えられる。しかしながら、この方法では、各項目を表示させるための表示領域(選曲メニュー画面の面積)が広くなってしまい、他の表示内容(第3図柄や、保留球数図柄等)を表示させるための表示領域が狭くなりすぎてしまう可能性がある。これに対して本第1制御例では、選曲メニュー画面に表示させる項目の数を5個(項目の全数よりも少ない数)に限る構成としている。このように構成することで、全ての項目を一括して表示させる場合に比較して、選曲メニュー画面の表示面積を小さくすることができる。よって、第3図柄や、保留球数図柄等の、選曲メニュー画面以外の表示内容をより大きな表示面積で表示させることができる。
なお、本第1制御例では、確変状態の開始時にランダムな抽選によって決定された楽曲については、サビ1部分からの再生を設定する一方で、確変状態中に操作ボタン230に対する操作を行って選択した楽曲については、イントロ部分から再生する構成としていたが、これに限られるものではない。逆に、ランダムな抽選によって決定された楽曲については、イントロ部分からの再生を設定する一方で、遊技者が操作ボタン230を操作することで自発的に選択した楽曲については、サビ1部分から再生する構成としてもよい。自発的に楽曲を選択した遊技者の多くが最も聴きたいのは、当該選択した楽曲のサビ部分であるので、自発的に選択された楽曲をサビ部分から再生させることにより、遊技者の要望を即座に叶えることができる。また、確変状態の開始(移行)時にランダムな抽選によって再生が決定された楽曲を、イントロ部分から再生させることにより、遊技者に対して楽曲を落ち着いて選択させることができる。詳述すると、楽曲のイントロ部分は比較的落ち着いたメロディーとなるのに対して、楽曲のサビ部分は比較的激しいメロディーとなるのが一般的である。よって、イントロ部分からの再生を設定することにより、比較的落ち着いたメロディーが最初に流れるように設定できる。従って、比較的落ち着いたメロディーが流れている間に、遊技者に対して落ち着いた気分で楽曲を選択させることができる。また、必ずしも再生を設定された経緯に応じて再生位置を異ならせる必要はない。例えば、経緯によらず、サビ1部分から(即ち、楽曲における最も盛り上がる部分から)再生を開始する構成としてもよいし、イントロ部分から再生を開始する構成としてもよい。このように構成することで、経緯を判別して再生位置を可変させる制御を省略することができるので、処理負荷を軽減させることができる。
本第1制御例では、選曲メニュー画面において、履歴エリアを選曲エリアの上側に配置する構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の配置に設定してもよい。例えば、選曲エリアの下側に履歴エリアを配置する構成としてもよい。即ち、遊技者がこれまでの遊技において選択した頻度が高い項目(楽曲)を、選曲エリアの下側に3つ配置する構成としてもよい。
本第1制御例では、履歴エリアとして、遊技者が選択した回数が多い(頻度が高い)項目が配置されるエリアを設ける構成としていたが、履歴エリアの構成はこれに限られるものではない。例えば、第1制御例の構成に代えて、または加えて、第2の履歴エリアとして、遊技者の過去の傾向から、遊技者が選択する可能性の低い項目を配置しておくエリアを、遊技者が選択し難い(楽曲を選択するための操作ボタン230に対する操作回数が比較的多い)範囲に設ける構成としてもよい。より具体的には、例えば、ランダムに選択された楽曲が再生されている状態で、所定期間が経過するよりも前に(例えば、5秒以内に)他の楽曲に変更された場合には、当該楽曲を、次回以降、遊技者が選択する可能性が低い項目として、遊技者が比較的選択し難い範囲(例えば、少なくとも10回以上の操作を行わなければ選択することができない範囲)に配置させる構成としてもよい。所定期間内に楽曲が変更されたということは、遊技者が聴きたくない楽曲が再生されたため、遊技者が急いで楽曲を変更したという可能性があるため、次回以降も遊技者が当該楽曲を聴きたくないと考えている可能性(再生された場合に、即座に楽曲を変更される可能性)が高くなる。即ち、再生されることで、遊技者に不快感を抱かせてしまう可能性がある。よって、再生中の比較的早い段階(所定期間内)で変更された楽曲を、第2の履歴エリアに配置することにより、次回以降の確変状態においてランダムな抽選時に選択される可能性を排除できると共に、他の項目(第2の履歴エリアに配置した項目に比較して、遊技者により選択される可能性が高い項目)を、相対的に選択し易い(比較的少ない操作回数で選択可能な)位置に配置させることができる。よって、確変状態の開始時に再生される楽曲によって遊技者に対して不快感を抱かせてしまう可能性を低くすることができる。
本第1制御例では、パチンコ機10に対する電源投入が行われた後における各楽曲の選択回数を楽曲別にカウントしておき、回数が多い順に3つの項目(楽曲)を履歴エリアに配置する構成としていたが、遊技者が選択する可能性が高い楽曲を推定する方法はこれに限られるものではない。例えば、パチンコ機10を開発したメーカーが所有している外部サーバーに対して、遊技者毎の選曲の傾向を蓄積可能に構成してもよい。より具体的には、パチンコ機10の第3図柄表示装置81において、外部サーバーへ接続するためのURLの情報を、携帯端末で読み取り可能な形式(例えば、二次元バーコード形式)により表示可能に構成する。当該URL情報を携帯端末で読み取って、携帯端末から外部サーバーへアクセスし、事前に登録しておいた、または今回新規に登録するID、およびパスワードを入力することで、遊技者の個人データ(パチンコ機10で大当たりに当選した回数や、特別図柄の抽選回数等)を確認可能に構成する。この項目の中に、選択した楽曲の履歴および回数も設定しておく。そして、サーバーへログインした状態でパチンコ機10による遊技を開始した場合には、サーバーに記憶されている選択履歴をパチンコ機10に反映させて、当該選択履歴に基づいて選択エリアに格納する項目を決定する構成としてもよい。なお、サーバーのデータをパチンコ機10に反映させる方法としては、例えば、サーバーに設定されているデータをパスワード化(符号化)して遊技者の携帯端末に表示させ、当該パスワードを携帯端末の操作者によってパチンコ機10側に入力させる方法が挙げられる。即ち、パチンコ機10側で、パスワードと履歴との対応関係を予め規定しておき、パスワードが入力された場合には、当該パスワードに対応する履歴(楽曲毎の選択回数)を選曲回数格納エリア223acに設定しておく構成としてもよい。このように構成することで、遊技者毎の傾向に即した選曲メニュー画面を表示させることができるので、遊技者が自己の好きな楽曲をより容易に選択することができるパチンコ機10を提供することができる。
本第1制御例では、選曲メニュー画面の項目の初期配置を、これまでに遊技者が選択した楽曲の種別や回数等(遊技者の選択履歴)に応じて可変させる構成としていたが、これに限られるものではない。所定の操作ボタンに対する操作を促す演出等の、遊技者参加型の演出を実行する場合において、遊技者の参加状況に応じて演出の初期態様を可変させる構成としてもよい。例えば、積極的に参加する傾向の遊技者に対しては、より多い回数の操作を促す演出態様が選択され易くなるように制御する一方で、演出に参加する頻度が低い遊技者の場合には、比較的少ない操作回数の操作を促す演出態様が選択され易くなるように制御する構成としてもよい。また、例えば、演出に参加する頻度が低い遊技者の場合には、押下することで遊技者にとって有利な結果が報知される期待度が高い態様の演出が実行され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、参加頻度が低い遊技者が、押下演出に参加しようと思う可能性が高くなるので、遊技者の傾向に応じて適切な態様を設定できる。また、この場合において、遊技者の参加状況(履歴)に応じて演出態様を決定するのに代えて、操作回数等の演出態様を抽選でランダムに決定してもよい。このように構成することで、遊技者の参加状況を記憶しておく必要がなくなるため、制御を単純化することができる。
本第1制御例では、遊技者が選曲メニュー画面から1の楽曲を決定した場合に、状況によらず、楽曲の先頭部分から再生を開始させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変状態が終了するまでの残りの時間が短い場合(例えば、実行中の変動表示が終了すると大当たりが開始される場合)には、サビ部分から再生を開始させる構成としてもよい。
本第1制御例では、確変状態の開始時にランダムに選択された楽曲については、楽曲のサビ部分から再生を開始させる一方で、選曲メニュー画面から遊技者が選択した楽曲については、楽曲の先頭から再生させるように構成していたが、楽曲の再生が決定された経緯に応じて楽曲の再生位置(最初に用いる楽曲用データの種別)を可変させる制御は、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に再生される楽曲として、大当たりの1ラウンド目が開始されたことに基づいて楽曲の再生を設定する場合は、楽曲の先頭(イントロ部分)から再生を開始させる一方、大当たりのエンディング期間が開始されたことに基づいて楽曲の再生を設定する場合には、楽曲のアウトロ部分から再生を開始させる構成としてもよい。
本第1制御例では、楽曲(音声演出)の種別が決定された経緯(ランダムな抽選で選択されたのか、遊技者により自発的に選択されたのか)に応じて、楽曲の再生位置(音声演出の実行開始位置)を可変させる構成としていたが、本制御は、音声による演出に限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81において実行する表示演出について、本制御を適用しても良い。また、演出の種別が決定された経緯についても、本第1制御例において例示したもの(ランダムな抽選で選択されたのか、遊技者により自発的に選択されたのか)に限られるものではない。例えば、外れに対応する変動表示の実行中という状況下において特定の演出の実行が決定された場合には、当該特定の演出を最初から実行するように構成する一方で、大当たりに対応する変動表示の実行中という状況下において特定の演出の実行が決定された場合には、特定の演出の途中から実行を開始する構成としてもよい。このように構成することで、演出の内容により注目して遊技を行わせることができる。
本第1制御例では、遊技者が楽曲を選択した履歴(各楽曲の選択回数)に応じて、選曲メニュー画面の初期配置を可変させ、遊技者が選択する可能性が高い項目ほど、少ない操作回数で選択可能な位置に配置する構成としていたが、本制御は、楽曲を選択する場合に限られるものではない。例えば、音声出力装置226から出力される音声の音量に対応する項目や、第3図柄表示装置81に表示される画像の明るさに対応する項目、遊技履歴に対応する項目等で構成された遊技メニュー画面を、操作ボタン230に対する操作によって表示可能に構成する。そして、過去に遊技者が選択した項目の履歴に応じて、遊技者が選択する可能性が高い項目ほど、少ない操作回数で選択可能な位置に配置させるように構成してもよい。
本第1制御例では、確変状態になった後で、操作ボタン230を操作しなければ選曲メニュー画面が表示されない構成としていたが、これに限られるものではなく、確変状態中は常時、選曲メニュー画面を表示させておく構成としてもよい。このように構成することで、楽曲を選択したいと考える遊技者の手間を軽減することができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに対して最初に表示される項目を、ランダムな抽選によって選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選曲メニュー画面における選曲エリアに最初に表示される項目として、今回の確変状態よりも前に設定された確変状態において、遊技者が最後に選択した項目を配置させる構成としてもよい。
本第1制御例では、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い順に最大3つの項目を、選曲メニュー画面における初期配置において、比較的少ない操作回数で選択する(選曲エリアにシフトさせる)ことが可能な位置に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。遊技者が選択する可能性が高い楽曲(これまでに選択された回数が多い楽曲)が選曲メニュー画面のどこに配置されているのかを遊技者が容易に理解できればよく、例えば、選曲メニュー画面における初期配置として、楽曲用領域MRのどこかに表示されるように構成してもよい。このように構成することで、例えば、楽曲用領域MRに表示させる項目数を5個よりも増加させた場合であっても、遊技者が選択しようとしている可能性が高い項目を最初から表示しておくことができる。よって、遊技者が項目を選択し易くなるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、選曲エリアに表示されている項目と、その他の表示領域に表示されている項目とで、表示態様を異ならせる構成としていたが、これに加えて、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(選曲メニュー画面の初期配置において履歴エリアに配置させた項目)であるか否かによって表示態様を可変させる構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が選択する可能性が高い項目を遊技者がより容易に発見できるので、遊技者の利便性を高めることができる。
本第1制御例では、確変状態の開始時においてランダムな抽選により決定された楽曲を再生させる場合に、楽曲における最も特徴的な部分であるサビ部分から再生を開始させる構成としていたが、これに限られるものではなく、遊技者の注意が向き易い(ランダムに選択された楽曲を聴こうと遊技者が思い易い)再生位置であればよい。例えば、他の演出(例えば、変動表示演出等)に一部が流用されている楽曲(例えば、スーパーリーチリーチ演出の開始時に、演出のバックミュージックとしてAメロ部分から再生が開始される楽曲等)については、演出で設定されている再生開始位置と同一の再生開始位置から楽曲の再生を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、通常遊技中にも再生されていた再生位置(即ち、遊技者にとって比較的馴染み深い再生位置)から再生を開始させることができる。よって、通常遊技中に再生され得るメロディー(遊技者が既に聴いたことがある可能性が高いメロディー)から再生させることにより、遊技者の注意を引くことができるので、当該楽曲をよりじっくりと聴かせることができる。
本第1制御例では、確変状態において選曲メニュー画面を表示可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に選曲メニュー画面を表示させることが可能に構成してもよいし、時短状態の間に表示させる構成としてもよい。また、例えば、変動表示の実行中の演出態様として、特定の演出態様(例えば、スーパーリーチ演出)が選択された場合に、当該特定の演出態様の実行中に選曲メニュー画面を表示させて、変動表示の実行中における楽曲を遊技者が自由に選択できるように構成してもよい。
<第2制御例>
次に、図118から図139を参照して、第2制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1制御例におけるパチンコ機10では、確変状態の開始時に、ランダムに選択した楽曲(音声演出)の再生を開始させる構成にすると共に、操作ボタン230を操作することで、任意の楽曲(音声演出)に変更可能に構成していた。また、ランダムに選択した楽曲については、楽曲におけるサビ部分(楽曲における最も盛り上がる部分)から再生を開始するのに対して、遊技者が自発的に選択した楽曲については、楽曲の最初(イントロ部分)から再生を開始する構成としていた。
これに対して第2制御例では、大当たり中の楽曲(音声演出の種別)を遊技者が選択可能に構成した。そして、最終ラウンドが終了するまでの間に、なるべくサビ部分が再生されるように、大当たりの進行状況に応じて、動的に楽曲用データの再生順を組み替える構成とした。即ち、大当たりの実行中における所定のタイミング(例えば、最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時や、最終ラウンドの開始時)で、現在再生が設定されている楽曲用データの種別(Aメロ1、Bメロ1、サビ1等)を判別して、サビ部分から遠いパートが再生されている場合には、楽曲用データ群を構成する各楽曲用データの再生順を組み替えて、次に再生されるパートがサビ部分に近いパートとなるように変更する構成としている。これにより、大当たりの終了までに、より確実に楽曲における最も盛り上がる(最も特徴的な)部分であるサビ部分を遊技者に聞かせることができる。
また、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの終了時において、サビ部分(特定の範囲)を再生中である場合にはエンディング演出の開始タイミングを遅延させて、より長くサビ部分の再生を継続させる構成としている。このように構成することで、楽曲において最も盛り上がる(最も特徴的な)サビ部分が、大当たりの終了により強制的に終了されてしまうことをなるべく防止することができる。これにより、サビ部分を遊技者に対してより楽しませることができるので、大当たり中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第2制御例におけるパチンコ機10が、第1制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声出力装置226の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声出力装置226のRAM303の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声出力装置226のMPU301により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理、音声出力装置226によって実行されるその他の処理については、第1制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図118を参照して、本第2制御例におけるパチンコ機10の大当たりの構成について説明する。図118に示した通り、大当たりのオープニング期間が開始されると、オープニング期間専用の楽曲(オープニング用楽曲)が再生される。オープニング期間が終了して、1ラウンド目が開始されると、楽曲の選択が可能な期間(選曲期間)が設定される。この選曲期間では、第1制御例における確変状態と同様に、第3図柄表示装置81の左側に、楽曲用領域MR(図101(a),(b)参照)が形成される。この楽曲用領域MRに対する表示内容は、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
なお、本第2制御例では、選曲期間の間に遊技者が選曲メニュー画面(図101(b)参照)を表示させて楽曲を選択したとしても、即座に再生が開始されず(再生が遅延され)、1ラウンド目が終了したタイミングで楽曲の再生が設定される。また、選曲期間が設定されている1ラウンド目の間は、選曲期間専用の楽曲(選曲用楽曲)が再生される。このように構成することで、1ラウンドのラウンド期間の間であれば、遊技者が即座に楽曲を選択した場合も、1ラウンドの終了間際に楽曲を選択した場合も、楽曲の再生開始タイミングを同一にすることができるので、選曲期間の間に好みの楽曲をじっくりと選択させることができる。なお、選曲メニュー画面の項目の初期配置は、上述した第1制御例と同様の制御により設定される。即ち、選曲エリアには、ランダムな抽選により選択された楽曲(項目)が配置されると共に、選曲エリアの上側3つの表示領域に、これまでの遊技において遊技者が選択した回数が多い楽曲(項目)が配置される。
図118に示した通り、1ラウンドが終了してインターバル期間が開始されると、遊技者が選択した楽曲(遊技者が選曲メニュー画面において楽曲の選択を行わなかった場合は、大当たり開始時の抽選で選曲エリアに配置された楽曲)の再生が開始される。この楽曲の再生は、大当たりの最終ラウンドが終了するまで少なくとも継続する。そして、最終ラウンドが終了して、エンディング期間の開始タイミングになると、基本的にエンディング演出が開始されると共に、エンディング演出用の楽曲が再生される。なお、上述した通り、最終ラウンドの終了タイミングで、サビ部分を再生中の場合には、エンディング演出の開始タイミングを遅延させることで、より長く楽曲のサビ部分の再生を継続する。楽曲のうち最も盛り上がる部分であるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができるので、大当たり中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
更に、図118に示した通り、本第2制御例における大当たりには、楽曲用データ群の再生順を組み替えるかを判別するための組み替え判別タイミングが二箇所(大当たりにおける最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および大当たりの最終ラウンドの開始時)に設定されている。これらの組み替え判別タイミングになると、楽曲の再生位置(現在再生している楽曲用データの種別)に基づいて、次に再生する楽曲用データを組み替えるか(通常の再生順から可変させるか)否かを判別する。この判別において、楽曲を組み替えると判別した場合には、次のサビが再生されるまでのパート数(再生される楽曲用データの数)が少なくなるように(現在再生が設定されている楽曲用データ群の次にサビ部分の再生が設定されるように)、楽曲用データの再生順を組み替える。これにより、次にサビが再生されるまでの時間を短くすることができるので、大当たりが終了するまでの間に、より確実にサビ部分を再生することができる。なお、楽曲の再生順を組み替えると判別される種別の楽曲用データであるか否かは、後述する組み替え判別テーブル222bb(図123参照)に対して予め設定(規定)されている。
次に、図119、および図120を参照して、楽曲の再生順を組み替える場合の具体例について説明する。図119は、楽曲Aの再生中に組み替え判別タイミング1(最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時)となり、再生順を組み替えると判別された場合の、大当たりの状態の推移と、楽曲のパートの推移との対応関係の一例を示している。
図119に示した通り、大当たりの1ラウンドの間は、楽曲として、選曲期間専用の選曲用楽曲が再生される。この間に遊技者によって楽曲Aが選択されると、大当たりの1ラウンドが終了したことを契機として、楽曲Aの先頭から(即ち、楽曲Aのイントロ部分から)再生が開始される。これ以降は、楽曲Aに対応する楽曲用データ群の並び順(各データに対応付けられている楽曲用ポインタ303bの値の順番)で、Aメロ1部分からアウトロ部分の1つ手前のパートまでの間がループ再生される。
ループ再生が継続している間に、組み替え判別タイミング1になると、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かが判別される。図119では、組み替え判別タイミング1となった時点で、Aメロ1部分が再生中となっている場合を例示している。図119の中段(組み替え前の楽曲の推移)に示した通り、組み替え判別タイミング1においてAメロ1部分の再生中である場合には、大当たりの最終ラウンドが終了するまでに、Bメロ1部分を再生中に最終ラウンドが終了する可能性が高い。即ち、遊技者が最も聴きたい可能性が高い部分(パート)である、サビ1部分に到達するよりも前に、楽曲Aの再生が終了してしまう可能性が高い。よって、この場合は、組み替え判別タイミング1になった場合に、楽曲用データ群の再生順を組み替えて、最終ラウンドの終了までに、サビ1部分が再生されやすくなるように再生順を設定する。
より具体的には、図119の下段(組み替え後の楽曲の推移)に示した通り、組み替えが決定された時点で再生中であったAメロ1部分の再生が終了すると、本来(図119の中段に示した組み替え前の推移)の順番であるBメロ1部分を飛ばして、サビ1部分が再生されるように制御される。より具体的には、楽曲用ポインタ303bのポインタ値を、楽曲Aのサビ1部分(サビ1用データ)に対応する値に更新すると共に、サビ1用データの再生を設定する。これにより、最終ラウンドにおいて、楽曲において最も盛り上がる部分であるサビ1部分を遊技者に聴かせることができるので、遊技者の気分を高揚させることで、大当たりに対してより大きな満足感を抱かせることができる。
再生順を組み替えて、サビ1の再生を設定した後は、楽曲用ポインタ303bの値の順番で再生を継続する。即ち、図119の下段に示した通り、サビ1部分の再生中に大当たりの終了タイミングとならなかった場合は、通常通り、間奏部分(間奏用データ)が再生される。
次に、図120を参照して、組み替え判別タイミング2(即ち、大当たりの最終ラウンドの開始タイミング)において、楽曲の再生順を組み替えると判別した場合の具体例について説明する。図120の例では、組み替え判別タイミング1になった時点でBメロ1部分を再生中であり、且つ、組み替え判別タイミング2に到達するまでにBメロ1部分の再生が終了してサビ1部分の再生に移行する場合を例示している。
図120の例では、組み替え判別タイミング1において、Bメロ1部分を再生中であり、次に再生されるのがサビ1部分であるので、再生順を組み替えなくても、最終ラウンドの間にサビ1部分が再生された状態になる可能性が高い。よって、組み替え判別タイミング1では、再生順の組み替えが回避される。また、図120の例では、組み替え判別タイミング2において、サビ1部分を再生中の状態となる。この場合、図120の中段に示した通り、再生順を組み替えずにそのまま再生を継続すると、最終ラウンドの途中でサビ1部分の再生が終了し、比較的長い期間、サビ1部分の次のパートである間奏部分の再生が実行される。間奏部分は、比較的穏やかなメロディーとなるので、最終ラウンドにおいて間奏部分が長く再生されることにより、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を損ねてしまう可能性がある。そこで、組み替え判別タイミング2においてサビ1部分が既に再生中である場合は、楽曲の再生順を組み替えて、図120の下段に示した通り、サビ1部分の再生後に、サビ2部分(サビ1部分の次のサビ)が再生されるように設定する。このように構成することで、大当たりにおける最終ラウンドにおいて、より長い期間、楽曲の最も盛り上がる部分であるサビ部分を再生し続けることができる。よって、大当たりの最終ラウンドにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第2制御例では、大当たりにおける所定のタイミング(最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および最終ラウンドの開始時)において、楽曲の進行状況(楽曲における現在の再生位置)に応じて、楽曲の再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としている。そして、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分が全く再生されないか、または再生時間が短くなる可能性がある場合には、最終ラウンド中により長くサビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)が再生されるように、楽曲用データの再生順を組み替える(少なくとも次に再生する楽曲用データを、予め定められた順番(楽曲用ポインタ303bの値の順)から可変させる)構成としている。言い換えれば、大当たりの進行状況と、楽曲の再生位置とに基づいて、大当たりの所定期間(最終ラウンド)の間により長くサビ部分が再生されるように、動的に楽曲用データの再生順を可変させる構成としている。このように構成することで、大当たりの最終ラウンドにおいて、楽曲における最も盛り上がるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者に対して、大当たりの終了間際により大きな高揚感を抱かせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。
また、ラウンド数が比較的少ない大当たり(例えば、ラウンド数が5ラウンドの大当たりB等)になった場合は、そもそもサビ部分に到達せずに全てのラウンドが終了してしまう可能性がある。特に、遊技者が選曲メニュー画面を表示させて自発的に選択した楽曲の再生中にも拘わらず、サビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)を聴けずに大当たりが終了してしまうと、遊技者を大きく落胆させてしまう可能性がある。遊技者が自発的に楽曲を選択した場合には、当該選択した楽曲のサビ部分を聴くことを楽しみにしている可能性が高いためである。これに対して本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドが終了するまでにおいて、より確実にサビ部分を少なくとも1回再生することができる。よって、楽曲を選択した遊技者を満足させることができる。
ここで、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分を再生させるための方法として、楽曲の進行状況とは無関係に、最終ラウンドの開始時にサビ部分に対応する楽曲用データの再生を設定する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、最終ラウンドの開始前後(つまり、サビ部分の再生に切り替わる前後)において、楽曲の繋がりが不自然になってしまう虞がある。即ち、他のパートの途中から唐突にサビ部分の再生が開始されしまう可能性が高くなってしまう。よって、この方法では、遊技者が再生されている楽曲に違和感を抱いてしまい、パチンコ機10の故障等を疑わせてしまう可能性がある。即ち、パチンコ機10が正常に動作しているのかどうかが疑わしくなり、遊技に対して不安感を抱かせてしまう可能性がある。これに対して本第2制御例では、パート単位(メロディー(曲調)の区切り単位)で楽曲用データの再生順を組み替える(可変させる)構成としているので、再生順を組み替えた場合に、違和感の少ない音声態様で楽曲を再生することができる。よって、遊技者に対して、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
なお、本第2制御例では、大当たりにおける最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および最終ラウンドの開始時に、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。再生順を組み替えるか否かの判別の回数、およびタイミングは、任意に定めることができる。
また、本第2制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分がより長く再生されるように楽曲用データの再生順を組み替える構成としていたが、これに限られるものではなく、サビ部分を再生させるラウンドは任意に設定することができる。
次に、図121を参照して、エンディング演出の開始タイミングを遅延させる場合における、大当たり状態の推移と、楽曲のパートの推移との対応関係について説明する。図121は、楽曲用データの再生順を組み替えられた結果、最終ラウンドの終了時にサビ2部分の再生途中になる場合を例示した図である。
図121の最上段は、大当たりにおける状態の推移を示し、上から2段目は、エンディング演出の開始を遅延させなかったと仮定した場合における楽曲の推移を示し、下から2段目は、サビ部分をより長く再生するためにエンディング演出の開始タイミングを遅延させた場合における楽曲の推移を示し、最下段は、大当たり中に第3図柄表示装置81に対して表示される演出態様の推移を示している。
図121の上から2段目の図に示した通り、エンディング演出の遅延制御を行わなければ、サビ2部分の再生中に、楽曲の再生が打ち切られ、エンディング用の楽曲が再生される。この場合、遊技者に対して、折角最も盛り上がる部分を聴いていたのに、唐突に異なるメロディーが開始されたかのような印象を抱かせてしまい、遊技者が不満に思ってしまう可能性がある。そこで、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの終了タイミングにおいて、サビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)の再生中である場合は、図121の下から2段目の図に示すように、エンディング用の楽曲が再生されるタイミングを遅延させて、より長くサビ部分の再生を行い続ける構成としている。これに伴って、演出態様も、大当たり中に表示される演出態様がそのまま継続される。即ち、実際にはエンディング期間が開始されているにも拘わらず、最終ラウンドが終了してから所定期間(例えば、最大4秒間)が経過するまでの間、大当たりが継続しているかのような演出態様(表示態様、音声態様)に設定する構成としている。
このように構成することで、サビ部分の再生途中で楽曲が終了されてしまう可能性を低くし、大当たりのエンディング演出が開始されるまでの間に、より長く、楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分を遊技者に聴かせることができる。よって、楽曲を選択した遊技者に対して、より大きな満足感を抱かせることができる。
<第2制御例における電気的構成>
次に、図122から図126を参照して、本第2制御例における電気的構成について説明する。まず、図122(a)を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113に設けられているROM222の構成について説明する。図122(a)は、本第2実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。
図122(a)に示した通り、本第2制御例におけるROM222の構成は、上述した第1制御例におけるROM222の構成(図104(a)参照)に対して、楽曲用データ群種別格納エリア222baと、組み替え判別テーブル222bbと、エンディング演出選択テーブル222bcとが追加されている点で相違している。
楽曲用データ群種別格納エリア222baは、各楽曲に対応する楽曲用データ群の構成を記憶したデータテーブルである。この楽曲用データ群種別格納エリア222baには、楽曲の種別毎に、楽曲用データ群を構成する各楽曲用データの再生順、および再生時間を示す情報が少なくとも規定されている。上述した第1制御例では、音声ランプ制御装置113において、再生する楽曲の種別、および楽曲が決定された経緯(ランダムな抽選で選択された楽曲であるか、遊技者が選択した楽曲であるか)を音声出力装置226に通知すると、その後は音声出力装置226において楽曲用データを予め定められた順番でループ再生する構成だった。即ち、音声ランプ制御装置113側では、再生中の楽曲の進行状況を把握する必要が無かった。これに対して本第2制御例では、大当たりの進行状況と、楽曲の再生位置(再生中の楽曲用データの種別)とに応じて楽曲用データの再生順を組み替えたり、エンディング演出の開始タイミングの遅延制御を実行する必要がある。このため、音声ランプ制御装置113側でも、楽曲の再生位置(現在再生中の楽曲用データの種別)等を把握する必要がある。よって、本第2制御例では、この楽曲用データ群格納エリア222baを規定しておく構成とし、音声出力装置226において設定されている楽曲用データ群の構成や、使用(再生)中の楽曲用データの種別、次に再生される楽曲用データの種別等を把握可能に構成している。
組み替え判別テーブル222bbは、大当たりにおける組み替え判別タイミング1,2のいずれかとなった場合に、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かを判別するために参照されるデータテーブルである。この組み替え判別テーブル222bbには、現在再生が設定されている楽曲用データの種別に応じて、組み替えるか否かの判別結果と、組み替えると判別する場合における、次に再生を設定する楽曲用データの種別とが規定されている。この組み替え判別テーブル222bbの詳細について、図123を参照して説明する。
図123は、組み替え判別テーブル222bbの規定内容を示した図である。図123に示した通り、この組み替え判別テーブル222bbには、楽曲の種別毎に、組み替え判別タイミングとなった時点で再生中の状態となっている楽曲用データの種別と、判別結果(再生順を組み替えると判別するか否か)とが対応付けて規定されている。
より具体的には、例えば、楽曲AにおけるAメロ1部分に対しては、判別結果として、「可」が対応付けて規定されていると共に、次に再生する楽曲用データの種別として、「サビ1」が対応付けて規定されている。このため、Aメロ1部分を再生中に組み替え判別タイミングになった場合は、Aメロ1部分の再生が終了した後で、サビ1部分が再生される(Bメロ1部分の再生をスキップする)ように、楽曲用データの再生順が組み替えられる。また、Bメロ1部分に対しては、判別結果として「不可」が対応付けて規定されている。このため、Bメロ部分を再生中に組み替え判別タイミングになったとしても、楽曲用データの再生順は組み替えられない。よって、Bメロ1部分の再生が終了した後は、通常通りサビ1部分が再生される。
同様にして、図123に示した通り、楽曲Aにおけるサビ1部分、間奏部分、およびAメロ2部分に対しては、判別結果として、「可」が対応付けて規定されていると共に、次に再生する楽曲用データの種別として、「サビ2」が対応付けて規定されている。このため、サビ1部分、間奏部分、またはAメロ2部分を再生中に組み替え判別タイミングになった場合は、サビ1部分、間奏部分、またはAメロ2部分の再生が終了した後で、サビ2部分が再生されるように、楽曲用データの再生順が組み替えられる。また、楽曲AにおけるBメロ2部分に対しては、判別結果として、「不可」が対応付けて規定されている。このため、Bメロ2部分の再生が終了した後は、通常通りサビ2部分が再生される。更に、楽曲Aにおけるサビ2部分に対しては、判別結果として、「可」が対応付けて規定されていると共に、次に再生する楽曲用データの種別として、「サビ1」が対応付けて規定されている。このため、サビ2部分を再生中に組み替え判別タイミングになった場合は、サビ2部分の再生が終了した後で、サビ2部分が再生されるように、楽曲用データの再生順が組み替えられる。
楽曲B以降についても同様に、楽曲において複数回設定されているサビ部分に対して、比較的遠い再生位置(1つ分以上のパートが離れている再生位置)を再生中の状態で、組み替え判別タイミングとなった場合には、現在再生中のパートが終了した後で、直近のサビ部分が再生されるように、組み替え判別テーブル222bbのデータが規定されている。このように構成することで、最終ラウンドにおいて、より確実にサビ部分を再生させることができるので、楽曲の最も盛り上がる部分を再生した上で、大当たりを終了させることができる。よって、遊技者の大当たり遊技に対する興趣を向上させることができる。
図122(a)に戻って説明を続ける。エンディング演出選択テーブル222bcは、エンディング演出が開始されたタイミング毎にエンディング演出の態様を規定したデータテーブルである。上述した通り、本第2制御例では、サビ部分(サビ1部分、サビ2部分等)の再生中に最終ラウンドの終了タイミングとなった場合は、サビ部分の再生を続行すると共に、エンディング演出の開始を遅延させる構成としている。ここで、エンディング演出の開始タイミングを遅延させたとしても、大当たりのエンディング期間は一定であるため、遅延させた分だけエンディング演出の実行期間が短くなる。本第2制御例では、このエンディング演出選択テーブル222bcに対して、エンディング演出の実行期間に応じて選択し得る複数のエンディング演出を規定している。このエンディング演出選択テーブル222bcの詳細について、図124を参照して説明する。
図124は、エンディング演出選択テーブル222bcの規定内容を示した図である。図124に示した通り、エンディング演出選択テーブル222bcには、大当たりの最終ラウンドの終了時点における、サビ部分の再生が終了するまでの残り時間(残再生時間タイマ223bbの値)の範囲毎に、選択されるエンディング演出の種別が対応付けて規定されている。なお、残再生時間タイマ223bbは、楽曲用データの再生を設定されるタイミングで、当該データの再生時間に対応するタイマ値が設定され、定期的に(1ミリ秒毎に)値が1ずつ減算される構成となっている。
図124に示した通り、残再生時間タイマ223bbの値(T)が1000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒以下)の範囲に対しては、通常の態様のエンディング演出(通常エンディング)が対応付けて規定されている。この通常エンディング演出は、演出時間が4秒間で構成されている。即ち、エンディング期間が開始されてからエンディング演出が終了するまでの期間(サビ部分の残りの再生時間と、通常エンディングの演出期間との和)が、4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。これに対し、大当たりのエンディング期間は5秒間が設定される。即ち、通常エンディング演出が終了してからエンディング期間が終了までの間には、最大で約1秒間の間が空く構成となっている。本制御例では、エンディング演出中に、遊技者が大当たり中に獲得した賞球の個数を報知する画像(リザルト画像)を表示させる構成とし、エンディング演出の終了から、エンディング期間が終了するまでの差分の期間は、リザルト画像を静止画として表示させ続ける構成としている。これにより、エンディング演出の終了から、実際にエンディング期間が終了するまでの間の期間において、演出が途切れてしまったかのような印象を遊技者に抱かせてしまうことを防止(抑制)することができる。
残再生時間タイマ223bbの値(T)が1000より大きく、且つ、2000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒より長く、且つ、2秒以下)の範囲に対しては、エンディング演出の種別として、演出時間が3秒間の短縮エンディング1が対応付けて規定されている。即ち、サビ部分の残りの再生時間と、エンディング演出の演出時間との和が4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。よって、この場合にも、エンディング演出の終了から、実際にエンディング期間が終了するまでの間の期間を1秒以下にすることができる。よって、リザルト画像が静止画として表示され続ける期間を短く限ることができるので、遊技者に対して第3図柄表示装置81の表示内容に違和感を抱かせてしまうことを防止できる。
また、残再生時間タイマ223bbの値(T)が2000より大きく、且つ、3000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が2秒より長く、且つ、3秒以下)の範囲に対しては、エンディング演出の種別として、演出時間が2秒間の短縮エンディング2が対応付けて規定されている。即ち、通常エンディングや短縮エンディング1が設定される場合と同様に、サビ部分の残りの再生時間と、エンディング演出の演出時間との和が4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。また、残再生時間タイマ223bbの値(T)が3000より大きい範囲に対しては、エンディング演出の種別として、演出時間が1秒間の短縮エンディング3が対応付けて規定されている。ここで、本第2制御例では、エンディング演出の演出時間を確保するために、エンディング演出の開始タイミングを4秒以上遅延させないように構成としている。即ち、エンディング期間が開始されてから4秒間が経過しても、サビ部分が再生され続けている場合には、楽曲の再生(大当たり演出)を打ち切って、エンディング演出を実行する構成としている。このため、短縮エンディング3が設定される場合には、サビ部分の再生時間を3秒と4秒との間に限ることができる。よって、通常エンディングや短縮エンディング1,2が設定される場合と同様に、サビ部分の再生時間と、エンディング演出の演出時間との和が4秒よりも長く、且つ、5秒以下となるように設定される。
このように、本第2制御例では、最終ラウンドの終了タイミングとなった時点で、サビ部分の再生中である場合には、エンディング演出の開始タイミングを遅延させる構成としている。そして、エンディング期間が開始してから、サビ部分の再生を終了する(または再生を打ち切る)までの間の期間の長さに応じて、エンディング演出の態様を異ならせる構成とし、サビ部分の残り時間によらず、エンディング期間が終了するまでの間にエンディング演出を終了させることが可能に構成している。このように構成することで、楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができつつ、違和感の無いエンディング演出を実行することができる。
次に、図122(b)を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図122(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図122(b)に示した通り、本第2制御例におけるRAM223の構成は、第1制御例におけるRAM223の構成(図104(b)参照)に対して、再生データ種別格納エリア223baと、残再生時間タイマ223bbと、エンディング遅延フラグ223bcと、楽曲種別格納エリア223bdと、エンディング種別格納エリア223beと、遅延期間タイマ223bfとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例におけるRAM223と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
再生データ種別格納エリア223baは、音声出力装置226によって再生中の楽曲用データの種別を示すデータを格納しておくための記憶領域である。大当たりにおける楽曲再生期間の間は、この再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータに基づいて、楽曲の再生位置を特定し、組み替え判別タイミングとなった場合に、楽曲用データの再生順を組み替えるかどうか判断することができる。この再生データ種別格納エリア223baは、音声出力装置226から楽曲コマンドを受信する毎に、コマンドが示す種別の楽曲用データに対応する値に更新される(図135のS5701参照)。ここで、楽曲コマンドは、音声出力装置226において、1の楽曲用データの再生時間が終了し、次の楽曲用データの再生を設定する際に、設定する楽曲用データの種別を音声ランプ制御装置113に対して通知するためのコマンドである。この楽曲用コマンドにより、音声出力装置113が再生している楽曲用データの種別を、音声ランプ制御装置113側で正確に把握することができる。
残再生時間タイマ223bbは、楽曲用データの残りの再生時間を計時するためのタイマである。この残再生時間タイマ223bbは、定期的に(例えば、1ミリ秒毎に)更新される。大当たりの最終ラウンドの終了タイミングにおいて、サビ部分を再生中の場合は、この残再生時間タイマ223bbのタイマ値が参照されて、サビ部分の残りの再生時間が特定される。この残りの再生時間と、上述したエンディング演出選択テーブル222bcの規定内容とに応じて、エンディング演出の演出種別が決定される(図134のS5603参照)。
エンディング遅延フラグ223bcは、エンディング演出の実行開始を遅延させている間の期間であるか否かを示すフラグである。このエンディング遅延フラグ223bcがオンであれば、エンディング演出の開始の遅延が決定されてから、エンディング演出が開始されるまでの間の期間(エンディング遅延期間)であることを示す。一方、エンディング遅延フラグ223bcがオフであれば、エンディング遅延期間ではないことを示す。このエンディング遅延フラグ223bcは、エンディングコマンドを受信した時点でサビ部分を再生中である場合に、オンに設定される(図134のS5605)。また、エンディング遅延期間が経過して、エンディング演出の開始を設定した場合にオフに設定される(図129のS5306参照)。
楽曲種別格納エリア223bdは、大当たりの1ラウンド目に設定される選曲期間の間に遊技者によって選択された楽曲の種別に応じたデータを格納しておくための記憶領域である。この楽曲種別格納エリア223bdには、選曲期間(即ち、大当たりの1ラウンド目)の開始時に、ランダムな抽選により決定された1の楽曲(項目)に対応するデータが格納される(図132のS5221参照)。また、選曲期間の間に遊技者によって楽曲が選択された場合には、当該選択された楽曲に対応するデータが上書きされる(図128のS5121参照)。選曲期間(大当たりの1ラウンド目)の終了時には、この楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに応じた楽曲の再生を通知するための音声用選択楽曲コマンドが設定される(図133のS5507参照)。
エンディング種別格納エリア223beは、エンディング演出の開始タイミングを遅延させた場合に、エンディング演出選択テーブル222bcと、残再生時間タイマ223bbのタイマ値とに応じて決定されたエンディング演出の演出種別を、エンディング遅延期間の間、記憶しておくための記憶領域である。このエンディング種別格納エリア223beには、エンディングコマンドを受信した時点でサビ部分を再生中であり、エンディング演出の開始の遅延が決定されると共に、エンディング演出の演出種別が決定された場合に、当該決定された演出種別に対応するデータが格納される(図134のS5604参照)。エンディング遅延期間の経過時には、このエンディング種別格納エリア223beに格納されているデータに対応するエンディング演出の開始を設定する(図129のS5305参照)。
遅延期間タイマ223bfは、エンディング演出の開始の遅延が決定されてからの経過時間(エンディング遅延期間の長さ)を計時するためのタイマである。この遅延期間タイマ223bfは、エンディング遅延期間の間、定期的に(例えば、1ミリ秒毎に)更新される。この遅延期間タイマ223bfの値に基づいて、サビ部分の再生が終了するよりも前に、エンディング遅延期間の長さが4秒に達したと判別された場合には、エンディング遅延期間が打ち切られてエンディング演出が開始される(図129のS5303参照)。
次に、図125、および図126を参照して、本第2制御例における音声出力装置226の構成について説明する。まず、図125は、本第2制御例における音声出力装置226の電気的構成を示したブロック図である。図125に示した通り、本第2制御例における音声出力装置226の構成は、第1制御例における音声出力装置226の構成(図106参照)に対して、入力ポート305に代えて入出力ポート311が設けられている点、およびバスライン304に代えてバスライン312が設けられている点、RAM303の構成が一部変更となっている点で相違している。
入出力ポート311、およびバスライン312に変更したのは、音声出力装置226のMPU301から音声ランプ制御装置113に対して、コマンドを出力可能に構成するためである。即ち、入出力ポート311、およびバスライン312は、音声ランプ制御装置113からMPU301へ向かう方向と、MPU301から音声ランプ制御装置113へ向かう向きとの双方向に通信可能に構成されている。
次に、図126を参照して、本第2制御例における音声出力装置226のRAM303の構成について説明する。図126は、RAM303の構成を示したブロック図である。図126に示した通り、本第2制御例におけるRAM303は、第1制御例におけるRAM303の構成(図107(b)参照)に対して、組み替え待機フラグ303eと、組み替え種別格納エリア303fとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1制御例と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
組み替え待機フラグ303eは、音声ランプ制御装置113より、楽曲用データの再生順の組み替えが通知されてから、順番の組み替えを実際に設定するまでの間の期間であることを示すフラグであり、組み替え種別格納エリア303fは、再生順の組み替え後に、最初に再生を設定するべき楽曲用データの種別として音声ランプ制御装置113から通知された種別に対応するデータを格納しておくための記憶領域である。音声ランプ制御装置113より、楽曲用データの再生順の組み替えを通知するための音声用組み替えコマンドを受信した場合は、コマンドにより通知された楽曲用データの種別に対応するデータが組み替え種別格納エリア303fに格納されると共に、組み替え待機フラグ303eがオンに設定される(図138のS9402,S9403参照)。組み替え待機フラグ303eがオンの状態で、再生中の楽曲用データの再生時間が経過すると、次に再生する楽曲用データとして、組み替え種別格納エリア303fに格納されているデータに対応する楽曲用データが設定される(図139のS9313参照)。
<第2制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図127から図135を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図127を参照して、本第2制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行されるメイン処理9について説明する。このメイン処理9は、第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)に代えて実行される処理である。
この第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)のうち、S4101〜S4111、およびS4113〜S4118の各処理では、それぞれ第1制御例におけるメイン処理8(図110参照)のS4101〜S4111、およびS4113〜S4118の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)では、S4111の演出更新処理が終了すると、第1制御例における操作検出処理(図111参照)に代えて、操作検出処理9を実行する(S4151)。この操作検出処理9(S4151)は、第1制御例における操作検出処理(図111参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に対応する制御を実行するための処理である。この操作検出処理9(S4151)については、図128を参照して後述する。
操作検出処理9(S4151)が終了すると、次に、エンディング演出の開始の遅延が設定されている間の期間(エンディング遅延期間)において、エンディング演出を開始させるか否かを判定するためのエンディング演出開始判定処理を実行する(S4152)。このエンディング演出開始判定処理(S4152)の詳細については、図129を参照して後述する。
エンディング演出開始判定処理(S4152)が終了すると、第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)に代えて、コマンド判定処理9を実行し(S4153)、処理をS4113へと移行する。このコマンド判定処理9(S4153)では、第1制御例におけるコマンド判定処理8(図112参照)に対して、当たり関連処理8(図114参照)に代えて当たり関連処理9(S4361)が実行される点以外は同一であるため、その図示については省略している。
次に、図128を参照して、上述した操作検出処理9(S4151)の詳細について説明する。図128は、本第2制御例における操作検出処理9(S4151)を示したフローチャートである。この操作検出処理9(S4151)は、上述した通り、第1制御例における操作検出処理(図111参照)に代えて実行される処理であり、操作検出処理(図111参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に対応する制御を実行するための処理である。
この第2制御例における操作検出処理9(図128参照)のうち、S5101〜S5106、およびS5109〜S5111の各処理では、それぞれ第1制御例における操作検出処理(図111参照)のS5101〜S5106、およびS5109〜S5111の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例における操作検出処理9では、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作を検出したと判別した場合に(S5106:Yes)、メニュー位置ポインタ223abの現在の値に対応する楽曲(現在、選曲メニュー画面の選曲エリアに配置されている項目)を示すデータを楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5121)、処理をS5109へと移行する。
この操作検出処理9(図128参照)により、選曲メニュー画面における項目の配置を、遊技者の操作ボタン230に対する操作内容に応じて可変させることができると共に、選曲期間の間に遊技者によって決定操作(選曲メニュー画面が表示された状態で中央ボタンCBを押下する操作)が行われた場合に、選曲エリアに配置されている楽曲(楽曲)が楽曲再生期間の間にループ再生するように設定することができる。
次に、図129のフローチャートを参照して、上述したエンディング演出開始判定処理(S4152)の詳細について説明する。このエンディング演出開始判定処理(S4152)は、上述した通り、エンディング遅延期間において、エンディング演出を開始させるか否かを判定するための処理である。
エンディング演出開始判定処理(図129参照)では、まず、エンディング遅延フラグ223bcがオンであるかを判別し(S5301)、エンディング遅延フラグ223bcがオフであると判別した場合は(S5301:No)、エンディング遅延期間ではないことを意味し、エンディング演出の開始を設定する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S5301の処理において、エンディング遅延フラグ223bcがオンであると判別した場合は(S5301:Yes)、エンディング遅延期間であることを意味するので、エンディング遅延期間を終了してエンディング演出を開始させるか否かを判定するための処理を実行する。
具体的には、まず、残再生時間タイマ223bbの値が0であるかを判別する(S5302)。S5302の処理において、残再生時間タイマ223bbの値が0ではない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S5302:No)、楽曲のサビ部分の再生が終了していないことを意味するので、次に、遅延期間タイマ223bfの値が4000以上であるかを判別する(S5303)。即ち、エンディング演出の開始を遅延させてから、4秒以上が経過したか否かを判別する。S5303の処理において、遅延期間タイマ223bfの値が4000以上ではない(4000未満である)と判別した場合は(S5303:No)、エンディング遅延期間を継続させる(楽曲のサビ部分の再生を継続させる)ために、そのまま本処理を終了する。
一方、S5303の処理において、遅延期間タイマ223bfの値が4000以上であると判別した場合は(S5303:Yes)、エンディング演出の開始を設定するためのS5304〜S5306の処理を実行する。また、S5302の処理において、残再生時間タイマ223bbの値が0である(即ち、サビ部分の再生時間が終了した)と判別した場合も(S5302:Yes)、処理をS5304に移行してエンディング演出の開始を設定する。
S5304の処理では、エンディング種別格納エリア223beに格納されているデータに対応するエンディング演出の演出種別(通常エンディング、短縮エンディング1〜3のいずれか)を特定し(S5304)、その特定した演出種別のエンディング演出を実行させるための、表示用エンディングコマンド、および音声用エンディングコマンドを設定する(S5305)。そして、エンディング遅延フラグ223bcをオフに設定することでエンディング遅延期間の終了を設定し(S5306)、本処理を終了する。
このエンディング演出開始判定処理(図129参照)により、エンディング遅延期間が設定されている間に、楽曲の再生状況(サビ部分の再生が終了したか否か)、およびエンディング遅延期間の長さを判別し、適切なタイミングでエンディング演出の開始を設定することができる。
次に、図130を参照して、当たり関連処理9(S4361)の詳細について説明する。この当たり関連処理9(S4361)は、第1制御例における当たり関連処理8(図114参照)に代えて実行される処理であり、当たり関連処理8(図114参照)と同様に、主制御装置110より受信した当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この当たり関連処理9(S4361)のうち、S4401〜S4407、およびS4409の各処理では、それぞれ第1制御例における当たり関連処理8(図114参照)のS4401〜S4407、およびS4409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例における当たり関連処理9(S4361)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていると判別した場合は(S4407:Yes)、ラウンド数コマンドが示すラウンド数に応じた制御を行うためのラウンド数コマンド処理を実行して(S4461)、本処理を終了する。このラウンド数コマンド処理(S4461)の詳細については、図131を参照して後述する。
また、本第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に、ラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4407:No)、次に、インターバル期間の開始を意味するインターバルコマンドを主制御装置110から受信したか否かを判別する(S4462)。S4462の処理において、インターバルコマンドを受信したと判別した場合は(S4462:Yes)、インターバルの種別(何ラウンド目のインターバルであるか)に応じた制御を行うためのインターバルコマンド処理を実行して(S4463)、本処理を終了する。このインターバルコマンド処理(S4463)の詳細については、図133を参照して後述する。一方、S4462の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にインターバルコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4462:No)、処理をS4409へと移行する。
また、本第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)では、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていると判別した場合は(S4409:Yes)、楽曲の再生状況に応じて、エンディング演出の開始を遅延させるか否か判別するためのエンディングコマンド処理を実行して(S4464)、本処理を終了する。このエンディングコマンド処理(S4464)の詳細については、図134を参照して後述する。
一方、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていないと判別した場合は(S4409:No)、次いで、音声制御装置226から出力される楽曲コマンドを受信しているかを判別し(S4465)、楽曲コマンドを受信していると判別した場合は(S4465:Yes)、楽曲コマンドが示す楽曲用データの種別に応じて、再生データ種別格納エリア223ba、再生時間タイマ223bbを更新するための楽曲コマンド処理を実行して(S4466)、本処理を終了する。この楽曲コマンド処理(S4466)の詳細については、図135を参照して後述する。また、S4465の処理において、楽曲コマンドを受信していないと判別した場合は(S4465:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図131を参照して、上述したラウンド数コマンド処理(S4461)の詳細について説明する。ラウンド数コマンド処理(S4461)では、まず、ラウンド数コマンドが示すラウンド数を表示制御装置114に対して通知するための表示用ラウンド数コマンドを設定し(S5401)、次いで、ラウンド数コマンドが示すラウンド数が、今回の大当たりにおける最終ラウンドに対応するラウンド数であるかを判別する(S5402)。
S5402の処理において、今回開始されるラウンドが最終ラウンドであると判別した場合は(S5402:Yes)、組み替え判別タイミング2(楽曲の再生順を組み替えるか否かを判別するタイミング)になったことを意味するので、再生順を組み替えるか否かを判別するためのS5403〜S5405の各処理を実行する。具体的には、組み替え判別テーブル222bbの規定内容と、再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータとを比較し(S5403)、現在再生中の楽曲用データの種別(再生中のパート)が、再生順を組み替えるべき種別であるかを判別する(S5404)。
S5404の処理において、再生中の楽曲用データの種別が、再生順を組み替えるべき種別であると判別した場合は(S5404:Yes)、再生順の組み替えを行った結果(現在再生している楽曲用データの次に再生を設定すべき楽曲用データの種別)を通知するための音声用組み替えコマンドを設定して(S5405)、本処理を終了する。ここで設定された音声用組み替えコマンドは、メイン処理9のコマンド出力処理(図127のS4102参照)において、音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226のMPU301は、音声用組み替えコマンドを受信すると、コマンドにより通知された組み替え結果(次に再生すべき音声用データの種別)を示すデータを組み替え種別格納エリア303fに格納しておく。そして、現在再生中の楽曲用データの再生期間が経過した場合に、組み替え後の楽曲用データの再生を開始させる。これにより、最終ラウンドが終了するまでの間に、より確実に、楽曲における最も盛り上がるサビ部分を再生させることができる。
一方、S5404の処理において、データの再生順を組み替えるべき種別ではないと判別した場合は(S5404:No)、再生順の組み替えを行わなくとも、最終ラウンドが終了するまでにサビ部分が再生される可能性が高いため、S5405の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S5402の処理において、ラウンド数コマンドにより通知されたラウンド数が、最終ラウンドではないと判別した場合は(S5402:No)、次いで、通知されたラウンド数が1ラウンド目であるか否かを判別する(S5406)。S5406の処理において、通知されたラウンド数が1ラウンド目であると判別した場合は(S5406:Yes)、選曲期間の開始を設定するための選曲期間設定処理を実行して(S5407)、本処理を終了する。この選曲期間設定処理(S5407)の詳細については、図132を参照して後述する。これに対し、S5406の処理において、通知されたのが1ラウンド目ではないと判別した場合は(S5406:No)、S5407の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図132を参照して、上述した選曲期間設定処理(S5407)の詳細について説明する。この選曲期間設定処理は、遊技者が楽曲を選択することが可能となる(選曲メニュー画面を表示することが可能となる)選曲期間を設定するために、選曲メニュー画面の初期配置を決定するための処理である。即ち、第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)に対応する処理である。この選曲期間設定処理(S5407)と、第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)とは、処理内容の共通点が多いため、第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)との相違点を中心に説明を行う。
この選曲期間設定処理(図132参照)におけるS5203〜S5206、およびS5208〜S5213の各処理では、それぞれ第1制御例における状態コマンド処理(図113参照)のS5203〜S5206、およびS5208〜S5213の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2制御例における選曲期間設定処理(図132参照)では、S5208の処理が終了すると、次いで、S5205の処理によるランダムな抽選で決定された項目(楽曲)に対応するデータを楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5221)、処理をS5209へと移行する。なお、上述した通り、本第2制御例では、選曲期間(即ち、大当たりの1ラウンド目)の開始時には、ランダムな抽選により決定された楽曲を再生せず、選曲期間用の専用楽曲を再生する構成としているので、第1制御例における状態コマンド処理のように、抽選により決定された楽曲を即座に再生させる処理(S5207の処理)は行われない。
また、本第2制御例における選曲期間設定処理(図132参照)では、S5210の処理において、項目配置格納エリア223aaのうち、メニュー位置ポインタ223abの値「00H」に対応する記憶領域に既に格納済みの項目が再度特定されたと判別した場合は(S5210:Yes)、選曲期間用の楽曲の再生を音声出力装置226に対して指示(通知)するための音声用コマンドを設定して(S5222)、処理をS5213へと移行する。
次に、図133を参照して、上述したインターバルコマンド処理(S4463)の詳細について説明する。図133は、このインターバルコマンド処理(S4463)を示すフローチャートである。インターバルコマンド処理(S4463)では、まず、終了したラウンドに応じた態様のインターバル演出を設定するための表示用インターバルコマンドを設定し(S5501)、次いで、主制御装置110より受信したインターバルコマンドが、最終ラウンドの直前のインターバルを示すコマンドであるか否かを判別する(S5502)。
S5502の処理において、最終ラウンドの直前のインターバルを示すコマンドであると判別した場合は(S5502:Yes)、組み替え判別タイミング1(楽曲の再生順を組み替えるか否かを判別するタイミング)になったことを意味するので、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かを判別するためのS5503〜S5505の各処理を実行する。具体的には、組み替え判別テーブル222bbの規定内容と、再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータとを比較し(S5503)、現在再生中の楽曲用データの種別(再生中のパート)が、再生順を組み替えるべき種別であるかを判別する(S5504)。
S5504の処理において、再生中の楽曲用データの種別が、再生順を組み替えるべき種別であると判別した場合は(S5504:Yes)、再生順の組み替えを行った結果(現在再生している楽曲用データの次に再生を設定すべき楽曲用データの種別)を通知するための音声用組み替えコマンドを設定して(S5505)、本処理を終了する。ここで設定された音声用組み替えコマンドは、メイン処理9のコマンド出力処理(図127のS4102参照)において、音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226のMPU301は、音声用組み替えコマンドを受信すると、コマンドにより通知された組み替え結果(次に再生すべき音声用データの種別)を示すデータを組み替え種別格納エリア303fに格納しておく。そして、現在再生中の楽曲用データの再生期間が経過した場合に、組み替え後の楽曲用データの再生を開始させる。これにより、最終ラウンドが終了するまでの間に、より確実に、楽曲における最も盛り上がるサビ部分を再生させることができる。
一方、S5504の処理において、データの再生順を組み替えるべき種別ではないと判別した場合は(S5504:No)、再生順の組み替えを行わなくとも、最終ラウンドが終了するまでにサビ部分が再生される可能性が高いため、S5505の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、S5502の処理において、今回のインターバルコマンドが、最終ラウンドの直前のインターバルを示すコマンドではないと判別した場合は(S5502:No)、次いで、1ラウンドの終了後に設定されるインターバルを示すコマンドであるかを判別する(S5506)。S5506の処理において、1ラウンドの終了後のインターバルを示すコマンドであると判別した場合は(S5506:Yes)、楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに対応する楽曲の再生を指示(通知)するための音声用選択楽曲コマンドを設定し(S5507)、選曲回数格納エリア223acの各データのうち、今回再生を設定した楽曲の選曲回数に対応するデータに対して1を加算する(S5508)。そして、選曲メニュー画面の非表示を設定すると共に、メニュー表示フラグ223ae、および選曲許可フラグ223adを共にオフに設定して(S5509)、本処理を終了する。これに対し、S5506の処理において、今回のインターバルコマンドが、1ラウンド目の終了後のインターバルを示すコマンドではないと判別した場合は(S5506:No)、S5507〜S5509の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次に、図134を参照して、上述したエンディングコマンド処理(S4464)の詳細について説明する。このエンディングコマンド処理(S4464)は、上述した通り、楽曲の再生状況に応じて、エンディング演出の開始を遅延させるか否か判別するための処理である。
エンディングコマンド処理(図134参照)では、まず、再生データ種別格納エリア223baに格納されているデータ(即ち、現在再生中の楽曲用データの種別に応じたデータ)を読み出して(S5601)、読み出したデータが、サビ部分に対応するデータであるか(即ち、サビ部分を再生中であるか)を判別する(S5602)。S5602の処理において、サビ部分に対応するデータを読み出したと判別した場合は(S5602:Yes)、エンディング演出の開始を遅延させて、サビ部分の再生時間をより長くするためのS5603〜S5605の各処理を実行する。具体的には、エンディング演出選択テーブル222bc(図124参照)から、残再生時間タイマ223bbの値が属する範囲に対応するエンディング演出の演出種別を選択する(S5603)。
具体的には、図124に示した通り、残再生時間タイマ223bbの値が、1000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒以下)の範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が4秒間の通常エンディングを選択し、残再生時間タイマ223bbの値が1000より大きく、且つ、2000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が1秒より長く、且つ、2秒以下)の範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が3秒間の短縮エンディング1を選択し、残再生時間タイマ223bbの値が2000より大きく、且つ、3000以下(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が2秒より長く、且つ、3秒以下)の範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が2秒間の短縮エンディング2を選択し、残再生時間タイマ223bbの値が3000より大きい(即ち、最終ラウンドの終了時点におけるサビ部分の残りの再生時間が3秒より長い)範囲にある場合は、エンディング演出の種別として、演出時間が1秒間の短縮エンディング3を選択する(図124参照)。
S5603の処理が終了すると、次いで、S5603の処理で選択したエンディング演出に対応するデータを、エンディング種別格納エリア223beに格納し(S5604)、エンディング遅延フラグ223bcをオンに設定して(S5605)、本処理を終了する。
これらのS5603〜S5605の各処理を実行することにより、エンディング演出の開始タイミングを遅延させることができると共に、エンディング遅延期間後に実行するエンディング演出の種別を予めエンディング種別格納エリア223beに設定しておくことができる。これにより、エンディング期間が開始してから、サビ部分の再生を終了する(または再生を打ち切る)までの間の期間の長さに応じて、適切な演出時間(演出態様)のエンディング演出を設定することができる。また、楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分をより長く遊技者に聴かせることができる。
S5602の処理において、再生データ種別格納エリア223baから読み出したデータがサビ部分以外のパートに対応するデータであると判別した場合は(S5602:No)、エンディング演出の開始タイミングを遅延させる必要が無いため、通常エンディング演出に対応する表示用エンディングコマンドを設定すると共に(S5606)、通常エンディング演出に対応する楽曲を示す音声用エンディングコマンドを設定して(S5607)、本処理を終了する。これにより、エンディング期間の開始時(最終ラウンドの終了時)に、サビ部分以外のパートが再生されている場合には、エンディング期間の開始と同時に、通常のエンディング演出を実行することができる。
次に、図135を参照して、上述した楽曲コマンド処理(S4466)の詳細について説明する。この楽曲コマンド処理(S4466)では、まず、音声出力装置226から出力された楽曲コマンドが示す楽曲用データ(音声出力装置226において再生を設定する楽曲用データ)の種別を示すデータを、再生データ種別格納エリア223baに格納する(S5701)。そして、通知された楽曲用データの種別に対応するタイマ値を、残再生時間タイマ223bbに設定して(S5702)、本処理を終了する。
この楽曲コマンド処理(S4466)を実行することにより、音声出力装置226が再生している楽曲用データ(再生中のパート)の種別、および再生時間を、音声ランプ制御装置113側で容易に把握することができる。
<第2制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図136から図139を参照して、本第2制御例における音声出力装置226のMPU301によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図136を参照して、本第2制御例において、第1制御例におけるメイン処理(図115(a)参照)に代えて実行されるメイン処理9について説明する。図136は、このメイン処理9を示したフローチャートである。
この第2制御例におけるメイン処理9(図136参照)のうち、9003〜S9007の各処理では、第1制御例におけるメイン処理(図115(a)参照)のS9003〜S9007の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例におけるメイン処理9(図136参照)では、処理が開始されると、まず、S9012、およびS9013の各処理によって設定された、音声ランプ制御装置113に対する各種コマンドを、音声ランプ制御装置113に対して送信するためのコマンド出力処理を実行する(S9011)。
次いで、第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)に代えて、コマンド判定処理9を実行する(S9012)。このコマンド判定処理9(S9012)は、第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)と同様に、音声ランプ制御装置113から受信した各種コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。このコマンド判定処理9(S9012)の詳細については、図137を参照して後述する。
S9012の処理が終了すると、第1制御例における音声設定処理(図117参照)に代えて、音声設定処理9を実行し(S9013)、処理をS9003へと移行する。詳細については図139を参照して後述するが、この音声設定処理9(S9013)は、第1制御例における音声設定処理(図117参照)と同様に、楽曲用データ等の音声データの再生、および楽曲用データの切り替えを設定するための処理である。
次に、図137を参照して、上述したコマンド判定処理9(S9012)の詳細について説明する。このコマンド判定処理9(S9012)は、上述した通り、第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)に代えて実行される処理である。
この第2制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)のうち、S9201〜SS9214の各処理では、それぞれ第1制御例におけるコマンド判定処理(図116参照)のS9201〜SS9214の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)では、S9209の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用抽選楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9209:No)、次いで、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、大当たり中の楽曲に関連するコマンドが含まれているか否かを判別する(S9221)。
S9221の処理において、大当たり中の楽曲に関連するコマンドが含まれていると判別した場合は(S9221:Yes)、コマンドの種別に応じた制御を実行するための大当たり楽曲関連処理を実行して(S9222)、本処理を終了する。この大当たり楽曲関連処理(S9222)の詳細については、図138を参照して後述する。また、S9221の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、大当たり中の楽曲に関連するコマンドが含まれていないと判別した場合は(S9221:No)、処理をS9214に移行する。
次に、図138を参照して、上述した大当たり楽曲関連処理(S9222)の詳細について説明する。この大当たり楽曲関連処理(S9222)では、まず、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用組み替えコマンドが含まれているかを判別し(S9401)、音声用組み替えコマンドが含まれていると判別した場合は(S9401:Yes)、コマンドにより通知された組み替え内容(次に再生を設定すべき楽曲用データの種別)に応じて、組み替え種別格納エリア303fのデータを更新する(S9402)。次いで、組み替え待機フラグ303eをオンに設定することにより、現在再生中の楽曲用データの次に再生する楽曲用データを組み替える(楽曲用ポインタ303bの値順の再生順から可変させる)ことを示して(S9403)、本処理を終了する。
一方、S9401の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用組み替えコマンドが含まれていないと判別した場合は(S9401:No)、次いで、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用エンディングコマンドが含まれているかを判別する(S9404)。
S9404の処理において、音声用エンディングコマンドが含まれていると判別した場合は(S9404:Yes)、現在再生中の楽曲の再生を打ち切って(S9405)、音声用エンディングコマンドにより通知された種別のエンディング用楽曲の再生を設定し(S9406)、本処理を終了する。一方、S9404の処理において、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの中に、音声用エンディングコマンドが含まれていないと判別した場合は(S9404:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図139を参照して、上述した音声設定処理9(S9013)の詳細について説明する。図139は、音声設定処理9(S9013)を示したフローチャートである。この音声設定処理9(S9013)は、上述した通り、第1制御例における音声設定処理(図117参照)に代えて実行される処理である。
この第2制御例における音声設定処理9(図139参照)のうち、S9302〜S9308の各処理では、それぞれ第1制御例における音声設定処理(図117参照)のS9302〜S9308の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2制御例における音声設定処理9(図139参照)が開始されると、まず、大当たり中の楽曲(楽曲A〜楽曲Zのいずれか)を再生中であるか否かを判別して(S9311)、大当たり中の楽曲を再生中であれば(S9311:Yes)、処理をS9302へと移行する。一方、S9311の処理において、大当たり中の楽曲の再生中ではないと判別した場合は(S9311:No)、そのまま本処理を終了する。
また、本第2制御例における音声設定処理9(図139参照)では、S9302の処理において、再生中の楽曲用データの再生終了タイミングであると判別した場合に(S9302:Yes)、次いで、組み替え待機フラグ303eがオンであるか否かを判別する(S9312)。S9312の処理において、組み替え待機フラグ303eがオンであると判別した場合は(S9312:Yes)、楽曲毎に予め定められている再生順とは異なる再生順(音声ランプ制御装置113によって指定された順)で楽曲用データの再生を設定する必要があるので、組み替え種別格納エリア303fに格納されているデータに対応する値を、楽曲用ポインタ303bの値に上書きすることで更新し(S9313)、処理をS9307へと移行する。これにより、組み替え後の楽曲用データの再生を設定することができる。
一方、S9312の処理において、組み替え待機フラグ303eがオフであると判別した場合は(S9312:No)、処理をS9303へと移行し、楽曲用ポインタ303bの値順の再生を設定する。
以上説明した通り、第2制御例におけるパチンコ機10では、大当たり中の楽曲を遊技者が選択可能に構成した。そして、最終ラウンドが終了するまでの間に、なるべくサビ部分が再生されるように、大当たりの進行状況に応じて、動的に楽曲用データの再生順を組み替える構成としている。即ち、大当たりの実行中における所定のタイミング(例えば、最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時や、最終ラウンドの開始時)で、現在再生が設定されている楽曲用データの種別(Aメロ1、Bメロ1、サビ1等)を判別して、サビ部分から遠いパートが再生されている場合には、楽曲用データ群を構成する各楽曲用データの再生順を組み替えて、次に再生されるパートがサビ部分に近いパートとなるように変更する構成としている。これにより、大当たりの終了までに、より確実に楽曲における最も盛り上がる部分であるサビ部分を遊技者に聞かせることができる。
ここで、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分を再生させるための方法として、楽曲の進行状況とは無関係に、最終ラウンドの開始時にサビ部分に対応する楽曲用データの再生を設定する方法も考えられる。しかしながら、この方法では、最終ラウンドの開始前後(つまり、サビ部分の再生に切り替わる前後)において、楽曲の繋がりが不自然になってしまう虞がある。即ち、他のパートの途中から唐突にサビ部分の再生が開始されしまう可能性が高くなってしまう。よって、この方法では、遊技者が再生されている楽曲に違和感を抱いてしまい、パチンコ機10の故障等を疑わせてしまう可能性がある。即ち、パチンコ機10が正常に動作しているのかどうかが疑わしくなり、遊技に対して不安感を抱かせてしまう可能性がある。これに対して本第2制御例では、パート単位(メロディー(曲調)の区切り単位)で楽曲用データの再生順を組み替える(可変させる)構成としているので、再生順を組み替えた場合に、違和感の少ない音声態様で楽曲を再生することができる。よって、遊技者に対して、大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。
また、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの終了時において、サビ部分(サビ1、サビ2等)を再生中である場合にはエンディング演出の開始タイミングを遅延させて、より長くサビ部分の再生を継続させる構成としている。このように構成することで、楽曲において最も盛り上がるサビ部分が、大当たりの終了により強制的に終了されてしまうことをなるべく防止することができる。これにより、サビ部分を遊技者に対してより楽しませることができるので、大当たり中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第2制御例では、大当たりの最終ラウンドの途中でサビ部分が終了した場合には、再生順を組み替えずに、楽曲用データの順番で楽曲を再生させる構成としているが、これに限られるものではない。例えば、最終ラウンドにおいてサビ部分の再生が終了した場合には、再度、楽曲用データの再生順を組み替えて、サビ部分が繰り返し再生されるように構成してもよい。この場合において、再生が終了した楽曲用データを再度再生する構成としても良いし、再生が終了したサビ部分とは異なるサビ部分を再生する(例えば、サビ1部分の再生が終了した場合には、続けてサビ2部分の再生を設定し、サビ2部分の再生が終了した場合には、サビ1部分の再生を設定する)構成としてもよい。このように構成することで、最終ラウンドにおいて、より長く、楽曲における最も盛り上がるサビ部分を、より長く再生することができるので、最終ラウンドにおける遊技者の興趣をより向上させることができる。また、単純にサビ部分を繰り返し再生するのではなく、サビ部分の再生を繰り返した場合における、当該サビ部分の終了タイミングを最終ラウンドの進行状況等から予め予測し、最終ラウンドのラウンド期間内に収まる可能性が高いという予測結果になった場合にのみ、サビ部分を繰り返す構成としてもよい。このように構成することで、サビ部分の繰り返しを設定した直後にエンディング期間が開始され、サビ部分を十分に聴くことができずにサビ部分の再生が打ち切られてしまうことを抑制できる。
本第2制御例では、大当たりにおける最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時、および最終ラウンドの開始時に、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。再生順を組み替えるか否かの判別の回数、およびタイミングは、任意に定めることができる。
本第2制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分がより長く再生されるように楽曲用データの再生順を組み替える構成としていたが、これに限られるものではなく、サビ部分を再生させるラウンドは任意に設定することができる。
本第2制御例では、楽曲用データの再生順の組み替えを、パート単位で行う構成としていたが、これに限られるものではなく、任意の単位で組み替えを行って良い。パート単位よりも細かい単位で組み替えを行うことにより、組み替えをより細かく設定することができる。また、パート単位よりも荒い単位で組み替える構成とすることで、楽曲用データ群の構成を単純化することができる。
本第2制御例では、楽曲用データの組み替えを決定した場合に、再生中のパート(楽曲用データ)の再生時間が経過してから、本来の再生順とは異なる順序のパートを再生させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、組み替えを決定した場合に、即座に組み替え後の楽曲用データを再生させる構成としてもよい。このように構成することで、音声出力装置226において、組み替えのタイミングとなるまで、組み替え後の楽曲用データの種別を保持しておくための構成(即ち、組み替え種別格納エリア303f)を設ける必要がなくなるので、記憶容量を削減することができる。また、より単純に、大当たりの最終ラウンドの開始時に、楽曲の再生位置によらず、サビ部分の再生を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、処理をより単純化させることができるので、音声ランプ制御装置113、および音声出力装置226の処理負荷を軽減することができる。
本第2制御例では、楽曲用データの組み替え可否を音声ランプ制御装置113のMPU221が行う構成としていたが、これに限られるものではなく、音声出力装置226のMPU301が実行する構成としてもよい。この場合、音声ランプ制御装置113側では、組み替え判別タイミングとなったことのみを音声出力装置226に対して通知する構成とすれば良い。そして、音声ランプ制御装置113のROM222に設けていた組み替え判別テーブル222bbを音声出力装置226に移設し、組み替え判別タイミングとなったことが音声ランプ制御装置113から音声出力装置226に対して通知されたことに基づいて、音声出力装置226のMPU301によって、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成とすればよい。
本第2制御例では、大当たり遊技の進行状況と、楽曲の再生位置とに応じて、楽曲用データの再生順を組み替えることが可能に構成していたが、最終ラウンドの間にサビ部分が再生される可能性を高めるための方法は、これに限られるものではない。例えば、遊技の進行状況と、楽曲の再生位置とに応じて、楽曲の再生速度を可変させる構成としてもよい。即ち、例えば、組み替え判別タイミング1において、現在の再生位置と、サビ部分とが遠い(2パート以上離れている)場合は、サビ部分が再生されるまで楽曲を通常よりも速い再生速度(例えば、1.5倍速)で再生させ、近い場合(1パート以下の場合)には、サビ部分が再生されるまで楽曲を通常よりも遅い再生速度(例えば、0.5倍速)で再生させる構成としてもよい。
本第2制御例では、大当たりの進行状況と、楽曲の進行状況の両方を判別して、楽曲用データの再生順を可変させる(組み替える)か否か判別する構成としていたが、単純に、大当たりの進行状況(最終ラウンドの開始タイミングになったか否か)のみを判別して、特定のパート(サビ部分)に対応する楽曲用データの再生を開始させるか否かを判別する構成としてもよい。また、この制御は、最終ラウンドに限られるものではない。例えば、1の楽曲を大当たり中にループ再生し、エンディング期間には楽曲のアウトロ部分をエンディング演出用の音声として再生する構成のパチンコ機10において、大当たりの1ラウンド目の開始タイミングか否かを判別し、1ラウンド目の開始タイミングであれば、楽曲の状況によらず、イントロ部分に対応するデータを再生させる(楽曲の先頭から再生させる)構成としてもよい。また、エンディング期間の開始タイミングか否かを判別し、エンディング期間の開始タイミングであれば、楽曲の状況によらず、再生するデータをアウトロ部分に対応する楽曲用データに可変させる構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出中の楽曲を、大当たり中に流れていた楽曲に対応するアウトロ部分の楽曲に設定できるので、大当たり中と、エンディング演出中とで、再生される楽曲に統一感を持たせることができる。また、この制御は、エンディング専用の楽曲が設けられている場合にも適用し得る。即ち、大当たりにおいて、エンディング期間の開始タイミングか否かを判別し、エンディング期間の開始タイミングであれば、楽曲の状況によらず、エンディング演出のための専用の楽曲に対応する楽曲用データの再生を開始させる構成としてもよい。
本第2制御例では、エンディング期間の開始タイミングにおいて、楽曲の進行状況(再生位置)を判別し、特定の再生範囲(サビ部分)を再生中である場合には、エンディング演出の開始を遅延させて、特定の再生範囲をより長く再生可能に構成していたが、当該制御を適用できるのは、エンディング期間の開始時に限られるものではない。楽曲を再生中に、他の楽曲を再生させる条件が成立した場合であれば適用することができ、例えば、上述した確変状態の間に楽曲をループ再生させる構成とし、確変状態の終了タイミングとなった場合にサビ部分を再生中であれば、確変状態が終了したことを示す演出の開始を遅延させて、より長くサビ部分を再生させる構成としても良い。また、RTC(Real Time Clock)等の公知の計時装置を構成に含み、計時装置の計時する時刻が所定時刻になった場合に、通常とは異なる特定演出(所謂、島連動演出)を実行可能な仕様の遊技機において、島連動演出の開始時に第2制御例における制御を適用してもよい。具体的には、特定演出の開始タイミングで、楽曲のサビ部分(特定の再生範囲)を再生中の場合には、特定演出の開始タイミングを遅延させることにより、サビ部分(特定の再生範囲)をより長く再生させる構成としてもよい。また、本制御を適用可能な対象は、音声を伴う演出(楽曲を再生する演出)に限られるものではない。第3図柄表示装置81に表示される表示演出に適用することもできる。具体的には、例えば、変動表示の実行中に、計時装置の計時する時刻が所定時刻になった場合に、実行中の変動演出の進行状況(演出態様)に応じて、島連動演出の開始を遅延させるか否か判別する構成としてもよい。具体的には、例えば、比較的大当たりの期待度が高いスーパーリーチ演出の実行中は、当該スーパーリーチ演出が終了するまで、島連動演出が実行されることを抑制する(遅延させる)構成としてもよい。このように構成することで、変動表示演出の結果を遊技者に適切に報知することができる。また、例えば、変動表示演出や、大当たり中の演出として、所定の操作ボタンを操作することを促す演出を実行し、操作を検出するか、操作有効期間が経過することで異なる演出態様に切り替わる押下演出を実行可能な遊技機に適用しても良い。即ち、操作有効期間の間は、操作ボタンに対する操作を検出したとしても、操作有効期間の間の演出が終了するまでは、演出態様が切り替わることを遅延させる(操作有効期間が終了するまで演出態様が可変することを抑制する)構成としてもよい。
本第2制御例では、エンディング期間の開始時にサビ部分を再生中であれば、エンディング演出の開始タイミングを遅延させてサビ部分をより長く再生させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、エンディング期間の開始タイミングでサビ部分を再生中の場合には、表示態様としてエンディング演出用の表示態様を開始させておきつつ、サビ部分の再生を継続する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出として、残りのエンディング期間に応じた複数の表示態様を用意しておく必要がなくなるので、エンディング演出を実行するための表示用データテーブルの数を削減することができる。よって、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。
本第2制御例では、エンディング期間の開始時にサビ部分を再生中である場合に、最大で4秒間、エンディング演出の開始を遅延させ、遅延期間が経過後に、残りのエンディング期間の範囲内で終了する長さのエンディング演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遅延期間が経過した後で開始させるエンディング演出を、遅延させずに開始されるエンディング演出と同一の内容(通常用エンディング演出)にしてもよい。即ち、エンディング期間が終了するまでの長さを、遅延期間に応じて延長する構成としてもよい。このように構成することで、エンディング演出の演出態様として、演出期間が異なる複数の種別を設ける必要がないので、エンディング演出を実行するための表示用データテーブルの数を削減することができる。よって、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。また、エンディング期間を延長するのに代えて、エンディング演出のみを、エンディング期間が終了しても継続させる構成としてもよい。この場合、大当たりの終了時点において保留されていた保留球に基づく変動表示を、エンディング演出に比較して目立ち難い態様で(例えば、第3図柄表示装置81の右下に縮小して)実行する構成としてもよい。このように構成した場合も、エンディング演出を実行するための表示用データテーブルの数を削減することができるので、表示制御装置114の記憶容量を削減することができる。
<第3制御例>
次に、図140から図150を参照して、第3制御例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第2制御例におけるパチンコ機10では、大当たり中に再生(実行)する楽曲(音声演出の種別)として、遊技者が任意の楽曲(音声態様)を選択可能に構成した。そして、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分が再生される可能性が高くなるように、大当たりにおける所定のタイミングで、楽曲の再生位置を切り替える(楽曲用データの再生順を組み替える)か否かの判別を実行する構成としていた。
これに対して第3制御例におけるパチンコ機10では、選曲メニュー画面において、楽曲(音声演出の態様)がランダムに選択される「ランダム選曲」というメニュー項目を追加し、「ランダム選曲」が遊技者によって決定された場合には、1ラウンド目(選曲期間)の終了後に再生させる楽曲を所定の抽選により決定する構成としている。また、「ランダム選曲」では、選曲メニュー画面には項目として表示されない楽曲(音声演出)が決定され得る構成とした。より具体的には、確変大当たりにおいて「ランダム選曲」が決定されると、選曲メニュー画面に表示される「楽曲A」〜「楽曲Z」に対して、「楽曲a」を加えた中から抽選により大当たり中に再生する楽曲を決定する構成としている。これにより、通常は聴くことができない「楽曲a」が決定されることを期待して、「ランダム選曲」を選択させることができる。
また、本第3制御例では、大当たり中に実行される演出の一種として、大当たりが開始されてから所定期間(例えば、5ラウンド目や10ラウンド目が終了するまで)の間、大当たりのラウンド数を、本来のラウンド数よりも少なく報知しておき、所定期間の経過時に、本来のラウンド数を報知する演出を選択可能に構成している。このラウンド数を疑似的に本来のラウンド数よりも少なく報知する演出(疑似少ラウンド演出)を実行可能に構成することで、大当たりの開始時に比較的少ないラウンド数が報知された場合(即ち、第1特別図柄の大当たりで5ラウンドが報知された場合や、第2特別図柄の大当たりで10ラウンドが報知された場合、図10(a)参照)に、所定期間が経過した後で、より多いラウンド数(8ラウンドや、16ラウンド)が報知されることを期待して、所定期間が経過するまでの間の遊技を行わせることができる。また、これに伴って、本第3制御例では、疑似少ラウンド演出の実行中における疑似的な最終ラウンドにおいても、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲の再生順を組み替えてサビ部分が再生されるように構成している。これにより、疑似的な最終ラウンドの間に再生される楽曲のパートから、疑似的な最終ラウンドであるのか、本来の最終ラウンドであるのかを識別困難にすることができる。よって、疑似少ラウンド演出が終了するまで(所定期間が経過するまで)の間、より多いラウンド数が報知されることに対する期待感を抱かせ続けることができる。
この第3制御例におけるパチンコ機10が、第2制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理、音声出力装置226によって実行される各種処理については、第2制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第2制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図140(a),(b)を参照して、本第3制御例における選曲メニュー画面の構成について説明する。図140(a)は、大当たりの選曲期間が開始されてから、最初に選曲メニュー画面が表示された場合における楽曲用領域MRの表示態様の一例を示した図である。図140(a)に示した通り、本第3制御例における選曲メニュー画面には、遊技者が選択可能な楽曲名が表示された複数の表示領域(項目RA1〜RA3,PA1,PA2が配置された表示領域)に加えて、「ランダム選曲」という項目OAが表示された表示領域が、楽曲名が表示された複数の画像に対して正面視右側に表示される。この「ランダム選曲」という項目OAは、パチンコ機10に設定されている楽曲(楽曲A〜Z、および楽曲a)の中から、抽選によりランダムに1の楽曲が選択される項目である。
「ランダム選曲」という項目OAは、最初に選曲メニュー画面を表示させた時点では、消灯した見た目の態様(選曲エリア以外の表示領域に配置された項目と同様の態様)に設定される。また、楽曲名が表示された複数の画像と、項目OAとの間には、右向きの略三角形形状の右画像RGが表示される。これらの表示内容により、操作ボタン230における右ボタンRBを押下(操作)すれば、「ランダム選曲」を選択できることを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
図140(b)は、選曲メニュー画面が表示されている状態で、遊技者が右ボタンRBを操作(押下)した場合の楽曲用領域MRの表示態様を示した図である。図140(b)に示した通り、遊技者が右ボタンRBを押下すると(右ボタンRBに対応する信号の出力がHになったことを検出すると)、選曲エリアに配置されている項目RA1(「楽曲A」との文字が表示された画像)が、消灯した見た目の態様に切り替わると共に、項目OAが点灯した見た目の態様に切り替わる。即ち、選曲エリアに配置されている項目PA1の見た目の態様と、項目OAの見た目の態様とが入れ替わる。また、右画像RGが、発光した見た目の態様となる。これらの表示内容により、中央ボタンCBを押下した場合に、「ランダム選曲」が決定される状態になったということを、遊技者に対して容易に理解させることができる。
また、「ランダム選曲」が決定された場合には、1バイト(8ビット)で構成されたメニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)に設定される。上述した通り、上記第1制御例や第2制御例では、メニューの初期配置を決定する際に、メニュー位置ポインタ223abの値の範囲「00H」(00000000B)〜「19H」(00011001B)に対して「楽曲A」〜「楽曲Z」が1つずつ対応付けられて、その対応関係が項目配置格納エリア223aaに格納される。言い換えれば、メニュー位置ポインタ223abの下位5ビットによって選曲エリアに配置されている項目を特定可能に構成しており、上位3ビットは空きビットとなっている。本第3制御例では、空きビットのうち1のビット(例えば、最上位ビット)を「ランダム選曲」に対応するビットとして規定している。このように構成することで、「ランダム選曲」が選択された状態になったとしても、「ランダム選曲」が選択される直前に選曲エリアに配置されていた項目(楽曲)を、メニュー位置ポインタ223abの下位5ビットから容易に判別することができる。即ち、遊技者が右ボタンRBを押下して「ランダム選曲」を選択してから、再度、左ボタンLBを押下したとしても、「ランダム選曲」を選択する直前の状態(選曲メニュー画面の表示態様)に容易に戻すことができる。また、選曲メニュー画面が表示された状態(メニュー表示フラグ223aeがオンの状態)において遊技者により中央ボタンCBが押下された場合には、最上位ビットの状態を確認するだけで、容易に「ランダム選曲」が決定されたか否かを識別することができる。
なお、詳細については後述するが、本第3制御例では、「ランダム選曲」を遊技者が選択した(項目OAが点灯した見た目の態様となっている状態で中央ボタンCBに対する操作を検出した)場合に、特定条件が成立していれば(例えば、実行中の大当たりが確変大当たりであれば)、選曲メニュー画面の中には項目として表示されない(遊技者が選択することができない)特別な楽曲(即ち、楽曲a)を含めた複数の楽曲(楽曲A〜楽曲Z、および楽曲a)の中から1の楽曲を抽選によって決定する構成としている。これにより、特別な楽曲を聴きたいと考える遊技者に対して、積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。
次に、図141(a),(b)を参照して、上述した疑似少ラウンド演出(大当たり種別に対応する実際のラウンド数よりも少ないラウンド数かのように見せる演出)が設定された大当たりにおける第3図柄表示装置81の表示態様の一例について説明する。図141(a),(b)では、ラウンド数が8ラウンドの大当たりAに当選し、且つ、疑似少ラウンド演出が設定されたことにより実際よりも少ないラウンド数(5ラウンド)が報知された場合を例にとって説明する。
図141(a)は、疑似少ラウンド演出の実行中における、疑似的な最終ラウンドの表示態様(5ラウンド目)の表示態様を示した図である。図141(a)に示した通り、本第3制御例では、大当たり中に、第3図柄表示装置81における小領域Ds1に対して、大当たりの進行状況(現在のラウンド数と、最大ラウンド数との対比)を示す文字(「5/5ラウンド」という文字)が表示される。また、大当たりの進行状況を示す文字の下方には、賞球の獲得状況(現在までに払い出された賞球数と、今回の大当たりにおいて払い出される最大の賞球数との対比)を示す文字(即ち、「500/500 GET」という文字)が表示される。図141(a)は、疑似的な最終ラウンド(5ラウンド目)において、規定個数(即ち、10個)の遊技球が左特定入賞口650に対して入球したことを検出した時点(即ち、払い出された賞球数が500個になった時点)の表示態様の例を示しており、小領域Ds1における賞球数の表示が「490/500 GET」から「500/500 GET」に更新された瞬間を示している。
また、図141(a)に示した通り、主表示領域Dmには、宝箱を模した画像が表示される。これにより、遊技者が多量の賞球(利益)を得ることができる状態であることを示唆している。また、楽曲用領域MRには、選曲期間の間に遊技者が選択し、現在再生されている楽曲の楽曲名を示す画像が表示される。図141(a)では、遊技者が選曲期間の間に「楽曲Z」を選択した場合を例示しており、楽曲用領域MRには、「楽曲Z」という文字が付された項目(画像)が表示される。
図141(b)は、疑似少ラウンド演出が設定された大当たりにおいて、疑似的な最終ラウンドが終了した直後(即ち、図141(a)の表示態様となった直後)の表示態様を示した図である。疑似少ラウンド演出における疑似的な最終ラウンドが終了すると、本来のラウンド数を報知する演出が実行される。より具体的には、図141(b)に示した通り、小領域Ds1に表示されていた文字が、本来の最大ラウンド数、および本来の最大の賞球数を示す文字に更新される。即ち、小領域Ds1における上側に表示されていた「5/5ラウンド」という文字が、「5/8ラウンド」という文字に更新されると共に、小領域Ds1における下側に表示されていた「500/500 GET」という文字が、「500/800 GET」という文字に更新される。また、小領域Ds2に表示されていた少年のキャラクタ710が、「まだまだー!!」という台詞を発する演出が実行される。これらの演出態様によって、遊技者に対して、大当たりが5ラウンドで終了せず、8ラウンドまで継続するということ(疑似少ラウンド演出が実行されていたこと)を容易に認識させることができる。よって、より多くの賞球を獲得することができるということを遊技者に認識させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。以降、説明の簡略化のため、疑似少ラウンドにおける疑似的な最終ラウンドが終了したことに基づいて実行される、大当たりが終了せずに継続することを報知する演出(図141(b)参照)のことを、「継続演出」と称する。
なお、詳細については後述するが、本第3制御例では、第2制御例と同様に、大当たりの最終ラウンドにおいて、楽曲のサビ部分が再生される可能性が高くなるように、大当たり中の所定タイミング(最終ラウンドの直前のインターバル開始時、および最終ラウンドの開始時)で、楽曲用データの再生順を組み替えるか否かの判別を実行する構成としている。加えて、本第3制御例では、疑似少ラウンド演出の実行中における疑似的な最終ラウンドにおいても、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲の再生順を組み替えてサビ部分が再生される可能性が高くなるように制御する構成としている。これにより、疑似的な最終ラウンドの間に再生される楽曲のパートから、疑似的な最終ラウンドであるのか、本来の最終ラウンドであるのかを識別困難にすることができる。よって、疑似少ラウンド演出が終了するまで(所定期間が経過するまで)の間、より多いラウンド数が報知されることに対する期待感を抱かせ続けることができる。
<第3制御例における電気的構成>
次に、図142(a)を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図142(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図142(a)に示した通り、本第3実施形態におけるROM222は、第2制御例におけるROM222の構成(図122(a)参照)に対して、ランダム選曲テーブル222caと、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbとが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第2制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
ランダム選曲テーブル222caは、遊技者が「ランダム選曲」を選択した場合において、1の楽曲を決定するために参照されるデータテーブルである。このランダム選曲テーブル222caの詳細について、図143を参照して説明する。
図143は、ランダム選曲テーブル222caの規定内容を示した図である。図143に示した通り、このランダム選曲テーブル222caは、楽曲の種別と、楽曲抽選カウンタ223caの値との対応関係が、抽選を実行する際の状況(当選した大当たりの種別、および大当たりを報知した図柄の種別)毎に規定されている。ここで、楽曲抽選カウンタ223caは、ランダム選曲テーブル222caから1の楽曲を選択するために設けられており、「0〜259」の範囲で値が更新される乱数カウンタである。
図143に示した通り、変動パターン演出において、奇数の数字が付された第3図柄が揃う演出態様(即ち、確変大当たりの場合にのみ、40%の割合で選択される演出態様)によって報知された確変大当たり(奇数図柄報知の確変大当たり)の場合には、楽曲抽選カウンタ223caの値が「0〜8」の範囲(楽曲抽選カウンタ223caの値9個分の範囲)に対して「楽曲A」が対応付けて規定されている(図143の222ca1参照)。また、楽曲抽選カウンタ223caの値が「9〜17」の範囲に対して「楽曲B」が対応付けて規定され(図143の222ca2参照)、楽曲抽選カウンタ223caの値が「18〜26」の範囲に対して「楽曲C」が対応付けて規定されている(図143の222ca3参照)。図示については省略したが、以降も、楽曲抽選カウンタ223caの値9個分の範囲に対して、「楽曲D」〜「楽曲Z」の各楽曲種別が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲A」〜「楽曲Z」の各楽曲種別に対して、それぞれ9個の楽曲抽選カウンタ223caの値が対応付けて規定されているので、奇数図柄報知の確変大当たりとなり、選曲期間中に「ランダム選曲」が選択された場合において、「楽曲A」〜「楽曲Z」が決定される割合は、それぞれ約3.5%(9/260)である。
また、図143に示した通り、確変図柄報知の確変大当たりとなった状況において、楽曲抽選カウンタ223caの値が「234〜259」の範囲に対しては、選曲メニュー画面には表示されない特別な楽曲である「楽曲a」が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲a」に対応付けられている値が「234〜259」の26個であるので、奇数図柄報知の確変大当たりの選曲期間において、遊技者により「ランダム選曲」が選択された場合に、「楽曲a」が決定される割合(確率)は、10%(26/260)である(図143の222ca27参照)。
これに対し、変動パターン演出において、偶数の数字が付された第3図柄が揃う演出態様(即ち、確変大当たりの場合に60%の割合で選択される一方で、通常大当たりの場合に100%の割合で選択される演出態様)によって報知された確変大当たり(偶数図柄報知の確変大当たり)の場合には、図143に示した通り、楽曲抽選カウンタ223caの値が「0〜6」の範囲(楽曲抽選カウンタ223caの値7個分の範囲)に対して「楽曲A」が対応付けて規定されている(図143の222ca1参照)。また、楽曲抽選カウンタ223caの値が「7〜13」の範囲に対して「楽曲B」が対応付けて規定され(図143の222ca2参照)、楽曲抽選カウンタ223caの値が「14〜20」の範囲に対して「楽曲C」が対応付けて規定されている(図143の222ca3参照)。図示については省略したが、以降も、楽曲抽選カウンタ223caの値7個分の範囲に対して、「楽曲D」〜「楽曲Z」の各楽曲種別が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲A」〜「楽曲Z」の各楽曲種別に対して、それぞれ7個の楽曲抽選カウンタ223caの値が対応付けて規定されているので、偶数図柄報知の確変大当たりとなり、選曲期間中に「ランダム選曲」が選択された場合において、「楽曲A」〜「楽曲Z」が決定される割合は、それぞれ約2.7%(7/260)である。
また、図143に示した通り、偶数図柄報知の確変大当たりとなった状況において、楽曲抽選カウンタ223caの値が「182〜259」の範囲に対しては、選曲メニュー画面には表示されない特別な楽曲である「楽曲a」が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲a」に対応付けられている値が「182〜259」の78個であるので、奇数図柄報知の確変大当たりの選曲期間において、遊技者により「ランダム選曲」が選択された場合に、「楽曲a」が決定される割合(確率)は、30%(78/260)である(図143の222ca27参照)。即ち、奇数図柄報知の確変大当たりよりも、偶数図柄報知の確変大当たりの方が、「ランダム選曲」を選択した場合に「楽曲a」が選択される割合が高くなっている。よって、「楽曲a」を聴きたい(再生させたい)と考える遊技者に対して、偶数の数字が付された第3図柄が揃う変動表示が実行されて大当たりが報知された場合に、より積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。
図143に示した通り、通常大当たりに対しては、楽曲抽選カウンタ223caの値が「0〜9」の範囲(楽曲抽選カウンタ223caの値10個分の範囲)に対して「楽曲A」が対応付けて規定されている(図143の222ca1参照)。また、楽曲抽選カウンタ223caの値が「10〜19」の範囲に対して「楽曲B」が対応付けて規定され(図143の222ca2参照)、楽曲抽選カウンタ223caの値が「20〜29」の範囲に対して「楽曲C」が対応付けて規定されている(図143の222ca3参照)。図示については省略したが、以降も、楽曲抽選カウンタ223caの値10個分の範囲に対して、「楽曲D」〜「楽曲Z」の各楽曲種別が対応付けて規定されている。楽曲抽選カウンタ223caが取り得る260個の値のうち、「楽曲A」〜「楽曲Z」の各楽曲種別に対して、それぞれ10個の楽曲抽選カウンタ223caの値が対応付けて規定されているので、通常大当たりとなり、選曲期間中に「ランダム選曲」が選択された場合において、「楽曲A」〜「楽曲Z」が決定される割合は、それぞれ約3.8%(10/260)である。一方、通常大当たりの場合には、特別な楽曲である「楽曲a」に対して楽曲抽選カウンタ223caの値は対応付けられていない(図143の222ca27参照)。即ち、通常大当たりとなった場合には、「ランダム選曲」を選択したとしても、「楽曲a」が決定される(再生される)可能性は無い。言い換えれば、「ランダム選曲」を選択して、「楽曲a」が再生された場合には、確変大当たりが確定する。よって、特に、偶数の数字が付された第3図柄が揃う変動表示(変動演出)によって大当たりとなった場合(確変大当たりであるか、通常大当たりであるかが不明である場合)に、少しでも早く(即ち、確変状態に移行するか否かを報知する演出の結果を確認するよりも前に)確変状態に移行するか否かを知りたいと考える遊技者に対して積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。また、遊技者の期待通りに「楽曲a」が再生された場合に、遊技者を喜ばせることができる。更に、「楽曲a」が再生されなかった場合であっても、大当たり中に確変状態に移行するか否かを報知する演出が実行されるまでは、確変状態に対する期待感を抱かせ続けることができる。
図142(a)に戻って説明を続ける。疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、疑似少ラウンド演出を実行するか否かを判別(抽選)するために参照されるデータテーブルである。この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbを用いた疑似少ラウンド演出を実行するか否かの抽選は、大当たりA、又は大当たりDに対応するオープニングコマンドを受信した場合に実行される(図147のS5833参照)。図示については省略したが、この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、大当たりA、又は大当たりDとなった場合に、50%の割合で疑似少ラウンド演出の実行が決定されるように設定されている。
次に、図142(b)を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図142(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図142(b)に示した通り、本第3制御例におけるRAM223は、上述した第2制御例におけるRAM223の構成(図122(b)参照)に対して、楽曲抽選カウンタ223caと、大当たり状況格納エリア223cbと、疑似最終R格納エリア223ccとが追加されている点で相違している。
楽曲抽選カウンタ223caは、上述したランダム選曲テーブル222caから1の楽曲を選択(決定)するために用いられるカウンタであり、「0〜259」の範囲で値が更新される。選曲期間中に遊技者によって「ランダム選曲」が決定された場合には、この楽曲抽選カウンタ223caの値に対応する楽曲がランダム選曲テーブル222caから選択される。
大当たり状況格納エリア223cbは、大当たりの種別、および大当たりに当選した際に実行された変動演出で揃った図柄に対応するデータが格納される記憶領域である。この大当たり状況格納エリア223cbは、例えば1バイトの記憶領域で構成され、データとして「01H」が格納されていれば、奇数図柄報知の確変大当たりであることを示す。また、「02H」が格納されていれば、偶数図柄報知の確変大当たりであることを示し、「03H」が格納されていれば、偶数図柄報知の通常大当たりであることを示す。一方、「00H」が格納されていれば、大当たりに当選していないことを示す。この大当たり状況格納エリア223cbは、大当たりを報知する変動演出の実行が設定された場合に、当選した大当たりの種別と、大当たりを報知する図柄の種別(奇数の数字が付された第3図柄が揃うか、偶数の数字が付された第3図柄が揃うか)とに応じて、対応するデータが格納される(図150のS4522参照)。選曲期間において、遊技者が「ランダム選曲」を選択(決定)した場合には、ランダム選曲テーブル222caのうち、大当たり状況格納エリア223cbに格納されているデータに対応する規定内容と、楽曲抽選カウンタ223caとが比較されて、大当たり中に再生する1の楽曲が決定される。
疑似最終R格納エリア223ccは、疑似少ラウンド演出が決定された場合において、疑似的な最終ラウンドを示すデータが格納される記憶領域である。この疑似最終R格納エリア223ccには、8ラウンド大当たり(大当たりA)となって疑似少ラウンド演出が決定された場合に、5ラウンド(即ち、第1特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない大当たりB,Cのラウンド数)に対応するデータが設定される一方で(図147のS5836参照)、16ラウンド大当たり(大当たりD)となって疑似少ラウンド演出が決定された場合に、10ラウンド(即ち、第2特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない大当たりE,Fのラウンド数)に対応するデータが設定される(図147のS5837参照)。大当たりにおいて、新たなインターバル期間の開始時や、新たなラウンドの開始時には、この疑似最終R格納エリア223ccに格納されたデータに応じて、疑似的な最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始タイミングであるか、および疑似的な最終ラウンドの開始タイミングであるかが判別される。即ち、楽曲の組み替え判別タイミングであるかが判別される。
<第3制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図144から図150を参照して、本第3制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。図示については省略したが、本第3制御例では、第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)に代えて、メイン処理10が実行される。このメイン処理10は、第2制御例におけるメイン処理9(図127参照)に対して、操作検出処理9(S4151、図128参照)に代えて操作検出処理10(S4161)が実行される点、コマンド判定処理9(S4153)に代えてコマンド判定処理10(S4165)が実行される点、変動表示設定処理(図38参照)に代えて変動表示設定処理10(S4162)が実行される点のみが相違している。
まず、図144を参照して、本第3制御例における操作検出処理10(S4161)の詳細について説明する。この操作検出処理10(S4161)は、第2制御例における操作検出処理9(図128参照)に代えて実行される処理であり、上述した操作検出処理9(図128参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に操作内容に応じた制御を実行するための処理である。
この第3制御例における操作検出処理10(図144参照)のうち、S5101〜S5106,S5109、およびS5110の各処理では、それぞれ第2制御例における操作検出処理9(図128参照)のS5101〜S5106,S5109、およびS5110の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3制御例における操作検出処理10(図144参照)では、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作(押下)を検出したと判別した場合に(S5106:Yes)、選択した項目の種別に応じて選曲期間の終了後に再生する楽曲を決定するための楽曲決定処理を実行して(S5121)、本処理を終了する。この楽曲決定処理(S5121)の詳細について、図145を参照して説明する。
図145は、上述した楽曲決定処理(S5121)の詳細を示したフローチャートである。この楽曲決定処理(S5121)では、まず、遊技者によってランダム選曲が決定されたか(メニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)であるか)否かを判別する(S5801)。S5801の処理において、ランダム選曲以外の項目が決定された(中央ボタンCBの押下を検出した時点でメニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオフ(0)である)と判別した場合は(S5801:No)、メニュー位置ポインタ223abの下位5ビットの値に対応する楽曲を示すデータを項目配置格納エリア223aaから特定し、楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5802)、処理をS5806に移行する。
一方、S5801の処理において、ランダム選曲が決定された(メニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)である)と判別した場合は(S5801:Yes)、ランダム選曲テーブル222ca(図143参照)を読み出して(S5803)、読み出したテーブルのうち、大当たり状況格納エリア223cbに格納されているデータに対応する規定内容と、楽曲抽選カウンタ223caの値とを比較することで、楽曲抽選カウンタ223caの値に対応する1の楽曲を決定する(S5804)。そして、S5804の処理において決定した楽曲に対応するデータを楽曲種別格納エリア223bdに格納して(S5805)、処理をS5806に移行する。
S5802、またはS5805の処理後に実行されるS5806の処理では、選曲メニュー画面を閉じると共に、メニュー表示フラグ223aeをオフに設定して(S5806)、本処理を終了する。この楽曲決定処理(図145参照)を実行することにより、ランダム選曲が決定された場合には、複数の楽曲の中から1の楽曲をランダムに選択することができる。
なお、上述した通り、ランダム選曲が決定された場合には、選曲メニュー画面に項目として表示されない楽曲(即ち、「楽曲a」)が決定される可能性がある。この「楽曲a」は、確変大当たりの場合にのみ決定される可能性がある上に、偶数図柄報知の確変大当たりとなった場合(確変大当たりであるか、通常大当たりであるかが不明である場合)の方が、奇数図柄報知の確変大当たりとなった場合(確変大当たりであることが確定する場合)よりも高い割合で決定される構成としている。このように構成することで、偶数図柄報知の大当たりとなった場合に、少しでも早く(即ち、確変状態に移行するか否かを報知する演出の結果を確認するよりも前に)確変状態に移行するか否かを知りたいと考える遊技者に対して積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。また、遊技者の期待通りに「楽曲a」が再生された場合に、遊技者を喜ばせることができる。更に、「楽曲a」が再生されなかった場合であっても、大当たり中に確変状態に移行するか否かを報知する演出が実行されるまでは、確変状態に対する期待感を抱かせ続けることができる。
次に、図146を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(S4371)の詳細について説明する。この当たり関連処理10(S4371)は、第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)に代えて実行される処理である。この第3制御例における当たり関連処理10(S4371)のうち、S4401〜S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464〜S4466の各処理では、それぞれ第2制御例における当たり関連処理9(図130参照)のS4401〜S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464〜S4466の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)では、S4404の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にオープニングコマンドが含まれていると判別した場合に(S4404:Yes)、次いで、本来のラウンド数よりも少ないラウンド数であるかのように見せる演出である疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)するための疑似少ラウンド抽選処理を実行して(S4471)、処理をS4406へと移行する。この疑似少ラウンド抽選処理(S4471)の詳細については、図147を参照して後述する。
また、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていると判別した場合に(S4407:Yes)、次いで、第2制御例におけるラウンド数コマンド処理(図131参照)に代えて、ラウンド数コマンド処理10を実行し(S4472)、本処理を終了する。このラウンド数コマンド処理10(S4472)の詳細については、図148を参照して後述する。
また、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)では、S4462の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にインターバルコマンドが含まれていると判別した場合に(S4462:Yes)、次いで、第2制御例におけるインターバルコマンド処理(図133参照)に代えて、インターバルコマンド処理10を実行して(S4473)、本処理を終了する。このインターバルコマンド処理10(S4473)の詳細については、図149を参照して後述する。
次に、図147を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)の中の1処理である、上述した疑似少ラウンド抽選処理(S4471)の詳細について説明する。この疑似少ラウンド抽選処理(S4471)は、上述した通り、疑似少ラウンド演出の実行を設定するか否かを抽選するための処理である。
疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)では、まず、今回のオープニングコマンドによりオープニング期間の開始が通知された大当たりの種別が大当たりA(第1特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が多い8ラウンド大当たり)、または大当たりD(第2特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が多い16ラウンド大当たり)のどちらかであるか否かを判別する(S5831)。S5831の処理において、今回の大当たりが大当たりA、および大当たりDのどちらでもないと判別した場合は(S5831:No)、今回の大当たりが大当たりB,C(第1特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない5ラウンド大当たり)、およびE,F(第2特別図柄の大当たりのうち、比較的ラウンド数が少ない10ラウンド大当たり)の何れかであることを意味する。よって、この場合は、元々のラウンド数が少なく、疑似少ラウンド演出を実行する可能性が無いため、疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)するためのS5832〜S5837の各処理をスキップして、処理をS5838へと移行する。
これに対し、S5831の処理において、今回の大当たりが大当たりA、または大当たりDのどちらかであると判別した場合には(S5831:Yes)、疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)するためのS5832〜S5837の各処理を実行する。具体的には、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbを読み出して(S5832)、疑似少ラウンド演出の実行可否を抽選(判定)する(S5833)。なお、上述した通り、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、50%の割合で疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果となるように設定されている。
S5833の処理が終了すると、次いで、S5833の処理による抽選(判定)結果が、疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果であるか否かを判別し(S5834)、疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果ではないと判別した場合は(S5834:No)、疑似少ラウンド演出の実行を設定するためのS5835〜S5837の各処理をスキップして、処理をS5838に移行する。
一方、S5834の処理において、疑似少ラウンド演出の実行に対応する抽選結果であると判別した場合は(S5834:Yes)、次いで、今回の大当たりが大当たりAであるか否かを判別する(S5835)。S5835の処理において、今回の大当たりが大当たりA(第1特別図柄の8ラウンド大当たり)であると判別した場合は(S5835:Yes)、今回の大当たりを、第1特別図柄の大当たりのうち、ラウンド数が比較的少ない大当たり(5ラウンド大当たり)かのように見せるために、疑似最終R格納エリア223ccに対して5ラウンドに対応する値(データ)を格納して(S5836)、処理をS5838へと移行する。
これに対し、S5835の処理において、今回の大当たりが大当たりAではない(即ち、大当たりDである)と判別した場合は(S5835:No)、今回の大当たりを、第2特別図柄の大当たりのうち、ラウンド数が比較的少ない大当たり(10ラウンド大当たり)かのように見せるために、疑似最終R格納エリア223ccに対して10ラウンドに対応する値(データ)を格納して(S5837)、処理をS5838に移行する。
S5838の処理では、実行するオープニング演出に対応する表示用オープニングコマンドを設定して、本処理を終了する。この疑似少ラウンド抽選処理を実行することにより、大当たりの開始時に比較的少ないラウンド数が報知された場合(即ち、第1特別図柄の大当たりで5ラウンドが報知された場合や、第2特別図柄の大当たりで10ラウンドが報知された場合)であっても、より多いラウンド数が報知されること(疑似少ラウンド演出が実行されていること)を期待して、大当たり中における遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図148を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)の中の1処理であり、第2制御例におけるラウンド数コマンド処理(図131参照)に代えて実行されるラウンド数コマンド処理10(S4472)の詳細について説明する。図148は、このラウンド数コマンド処理10(S4472)を示したフローチャートである。
この第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)のうち、S5401〜S5407の各処理では、それぞれ第2制御例におけるラウンド数コマンド処理(図131参照)のS5401〜S5407の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10では、S5401の処理が終了すると、次いで、今回のラウンド数コマンドによって通知されたラウンドが、疑似最終R格納エリア223ccに設定されている疑似的な最終ラウンドに一致するかを判別し(S5411)、今回のラウンドが疑似的な最終ラウンドであると判別した場合は(S5411:Yes)、処理をS5403に移行して、楽曲用データ種別の再生順を組み替えるか否かの判別を行う。一方、S5411の処理において、今回のラウンドが疑似的な最終ラウンドではないと判別した場合は(S5411:No)、処理をS5402へと移行する。
このラウンド数コマンド処理10(図148参照)を実行することにより、疑似少ラウンド演出が実行されている場合における疑似的な最終ラウンドの開始時(大当たりAにおける5ラウンド開始時、および大当たりDにおける10ラウンドの開始時)に、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲用データの再生順の組み替えを判別して、疑似的な最終ラウンドの間に楽曲のサビ部分が再生される可能性が高くなるように構成することができる。即ち、疑似的な最終ラウンドにおける音声態様と、本来の最終ラウンドにおける音声対用途を同等にすることができるので、楽曲の音声態様から、疑似的な最終ラウンドであるか、本来の最終ラウンドであるかを、継続演出(図141(b)参照)が実行されるよりも前に遊技者に察知されてしまうことを防止(抑制)できる。よって、疑似少ラウンド演出が設定された場合に、継続演出(図141(b)参照)の開始タイミング(即ち、疑似的な最終ラウンドの終了タイミング)となるまで、継続演出が実行されるのか、そのまま大当たりが終了してしまうのかを識別困難にできるので、疑似的な最終ラウンドの間における遊技者の期待感を高めることができる。
次に、図149を参照して、本第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)の中の1処理であり、第2制御例におけるインターバルコマンド処理(図133参照)に代えて実行されるインターバル数コマンド処理10(S4473)の詳細について説明する。図149は、このインターバル数コマンド処理10(S4473)を示したフローチャートである。
この第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)のうち、S5501〜S5509の各処理では、それぞれ第2制御例におけるインターバルコマンド処理(図133参照)のS5501〜S5509の各処理と同一の処理が実行される。また、第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)では、S5501の処理が終了すると、次いで、今回のインターバルコマンドによって通知されたインターバル期間が、疑似的な最終ラウンド(疑似最終R格納エリア223ccに設定されているラウンド)の直前に設定されるインターバル期間であるかを判別し(S5511)、今回のインターバル期間が疑似的な最終ラウンドの直前のインターバル期間であると判別した場合は(S5511:Yes)、処理をS5503に移行して、楽曲用データ種別の再生順を組み替えるか否かの判別を行う。一方、S5511の処理において、今回のラウンドが疑似的な最終ラウンドではないと判別した場合は(S5511:No)、処理をS5502へと移行する。
このS5511の処理を実行することにより、疑似少ラウンド演出が実行されている場合における疑似的な最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時に、本来の最終ラウンドの直前のインターバル期間の開始時と同様に、楽曲用データの再生順の組み替えを判別して、疑似的な最終ラウンドの間に楽曲のサビ部分が再生される可能性が高くなるように構成することができる。即ち、疑似的な最終ラウンドにおける音声態様と、本来の最終ラウンドにおける音声対用途を同等にすることができるので、楽曲の音声態様から、疑似的な最終ラウンドであるか、本来の最終ラウンドであるかを、継続演出(図141(b)参照)が実行されるよりも前に遊技者に察知されてしまうことを防止(抑制)できる。よって、疑似少ラウンド演出が設定された場合に、継続演出(図141(b)参照)の開始タイミング(即ち、疑似的な最終ラウンドの終了タイミング)となるまで、継続演出が実行されるのか、そのまま大当たりが終了してしまうのかを識別困難にできるので、疑似的な最終ラウンドの間における遊技者の期待感を高めることができる。
また、本第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)では、S5506の処理において、今回のインターバルコマンドにより通知されたインターバル期間が、大当たりの1ラウンド目の終了後のインターバル期間ではないと判別した場合に(S5506:No)、次いで、今回のインターバルが、疑似的な最終ラウンド(疑似最終R格納エリア223ccに設定されているラウンド)が終了した後のインターバル期間であるかを判別する(S5512)。そして、S5512の処理において、疑似的な最終ラウンドが終了した後のインターバル期間であると判別した場合は(S5512:Yes)、継続演出(図141(b)参照)の実行を設定し(S5513)、疑似最終R格納エリア223ccに格納されているデータをリセットして(S5514)、本処理を終了する。
次に、図150を参照して、本第3制御例における変動表示設定処理10(S4162)の詳細について説明する。図150は、この変動表示設定処理10(S4162)を示したフローチャートである。この第3制御例における変動表示設定処理10(S4162)は、第2制御例(および第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定するための処理である。
この第3制御例における変動表示設定処理10(図150参照)のうち、S4501〜S4509の各処理では、それぞれ第2制御例(第1実施形態)における変動表示設定処理(図38参照)のS4501〜S4509の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3制御例における変動表示設定処理10(図150参照)では、S4504の処理が終了すると、次に、今回の変動パターンが、大当たりを報知するための変動パターンであるかを判別し(S4521)、大当たりを報知するための変動パターンであると判別した場合は(S4521:Yes)、大当たりの種別と、今回設定した変動パターンにおいて揃う第3図柄の種別(奇数図柄であるか、偶数図柄であるか)とに応じたデータを、大当たり状況格納エリア223cbに格納して(S4522)、処理をS4505に移行する。このS4522の処理では、奇数図柄報知の確変大当たりである場合に、大当たり状況格納エリア223cbに対して「01H」を格納し、偶数図柄報知の確変大当たりである場合に、「02H」を格納し、偶数図柄報知の通常大当たりである場合に、「03H」を格納する。
S4522の処理によって大当たり状況格納エリア223cbに格納されたデータは、選曲期間において、遊技者が「ランダム選曲」を選択(決定)した場合に参照され、ランダム選曲テーブル222caのうち、大当たり状況格納エリア223cbに格納されているデータに対応する規定内容と、楽曲抽選カウンタ223caとが比較されて、大当たり中に再生する1の楽曲が決定される。
一方、S4521の処理において、今回設定した変動パターンが、大当たりに対応する変動パターンではない(即ち、外れに対応する変動パターンである)と判別した場合は(S4521:No)、S4522の処理をスキップして、処理をS4505に移行する。
以上説明した通り、本第3制御例では、選曲メニュー画面において、「ランダム選曲」が遊技者によって決定された場合には、1ラウンド目(選曲期間)の終了後に再生させる楽曲をランダムな抽選により決定する構成としている。また、「ランダム選曲」が決定された際に、特定の条件が成立していれば(即ち、今回の大当たりが確変大当たりであれば)、選曲メニュー画面には項目として表示されない特別な楽曲(即ち、「楽曲a」)が選択され得る構成としている。これにより、通常は聴くことができない「楽曲a」が決定されることを期待して、「ランダム選曲」を選択させることができる。特に、偶数の数字が付された第3図柄が揃う変動表示(変動演出)によって大当たりとなった場合(確変大当たりであるか、通常大当たりであるかが不明である場合)に、少しでも早く(即ち、確変状態に移行するか否かを報知する演出の結果を確認するよりも前に)確変状態に移行するか否かを知りたいと考える遊技者に対して積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。更に、「楽曲a」が抽選により決定される割合は、奇数図柄報知の確変大当たりよりも、偶数図柄報知の確変大当たりの方が高くなるように構成されている。これにより、偶数図柄報知の大当たりに当選した場合に、より積極的に「ランダム選曲」を選択させることができる。なお、遊技者によって「ランダム選曲」が決定される可能性を高めることにより、パチンコ機10に設定されている複数の楽曲(楽曲A〜楽曲Z)をまんべんなく再生させることができる。これにより、複数の楽曲を無駄なく聴かせることができる。
また、本第3制御例では、大当たり中に実行される演出の一種として、大当たりが開始されてから所定期間(例えば、5ラウンド目や10ラウンド目が終了するまで)の間、大当たりのラウンド数を、本来のラウンド数よりも少なく報知しておき、所定期間の経過時に、本来のラウンド数を報知する疑似少ラウンド演出を選択可能に構成している。この疑似少ラウンド演出を実行可能に構成することで、大当たりの開始時に比較的少ないラウンド数が報知された場合に、所定期間が経過した後で、より多いラウンド数(8ラウンドや、16ラウンド)が報知されることを期待して、所定期間が経過するまでの間の遊技を行わせることができる。また、これに伴って、本第3制御例では、疑似少ラウンド演出の実行中における疑似的な最終ラウンドにおいても、本来の最終ラウンドと同様に、楽曲の再生順を組み替えてサビ部分が再生されるように構成している。これにより、疑似的な最終ラウンドの間に再生される楽曲のパートから、疑似的な最終ラウンドであるのか、本来の最終ラウンドであるのかを識別困難にすることができる。よって、疑似少ラウンド演出が終了するまで(所定期間が経過するまで)の間、より多いラウンド数が報知されることに対する期待感を抱かせ続けることができる。
なお、本第3制御例では、確変大当たりの場合にのみ、遊技者が「ランダム選曲」を決定すると、「楽曲a」が再生される可能性がある構成とし、且つ、奇数図柄報知の確変大当たりよりも、偶数図柄報知の確変大当たりの方が、「楽曲a」が選択される割合が高くなるように構成していたが、「ランダム選曲」を決定した場合において各楽曲が決定される割合は、任意に定めることができる。具体的には、例えば、通常大当たりになった場合も、低確率(例えば、0.1%の割合)で「楽曲a」が決定される構成としてもよい。即ち、確変大当たりの実行中に「ランダム選曲」を選択した場合の方が、通常大当たりの実行中に「ランダム選曲」を選択した場合よりも「楽曲a」が選択される割合が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、「楽曲a」が再生されたとしても、確変大当たりが確定する訳ではなくなるので、確変状態が報知されるまでは、緊張感を持って遊技を行わせることができる。また、「楽曲a」が決定される割合を、偶数図柄報知の確変の大当たりよりも、奇数図柄報知の確変大当たりの方が高くなるように構成してもよい。
本第3制御例では、大当たり(所定期間)の間に実行される興趣演出のうち、音声による興趣演出の演出態様(再生される楽曲の種別)を、遊技者の操作ボタン230に対する操作内容(選曲メニュー画面における選択結果)に応じて決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、所定期間の間に第3図柄表示装置81において、表示される表示演出の演出態様を、遊技者の選択結果(操作ボタン230に対する操作内容)に応じて可変させる構成としてもよい。より具体的には、特定の演出実行条件が成立した場合に、複数の演出態様に対応する複数の項目(第3制御例における「楽曲A」〜「楽曲Z」のそれぞれに対応する項目に相当)と、演出態様がランダムに選択される項目(第3制御例における「ランダム選曲」に対応する項目に相当)とを第3図柄表示装置81に対して表示可能に構成する。そして、遊技者が操作ボタン230を操作することによって選択した項目に応じて、実行する演出の演出態様を決定する。即ち、演出態様に対応する項目が選択された場合は、選択した項目に対応する演出態様で演出を実行する一方で、ランダムに選択される項目が選択された場合には、所定のタイミングで選択し得る複数の演出態様の中から1の演出態様が決定される構成としてもよい。このように構成することで、遊技者の好みの演出態様を選択する遊技性と、演出態様をランダムに選択させ、いずれの演出態様が選択されるかに注目させる遊技性とを遊技者に選択させることができる。また、この場合において、上記第3制御例と同様に、演出態様がランダムに選択される項目を遊技者が選択した場合にのみ決定され得る特別な演出(上記第3制御例における特別な楽曲である「楽曲a」に相当する表示演出)を設定しておいてもよい。このように構成することで、特別な演出が実行されたか否かを視覚によって判別することができるので、特別な演出であるか否か(即ち、大当たり後に確変状態に移行するか否か)をより容易に理解させることができる。
本第3制御例では、遊技者が選曲メニュー画面において「ランダム選曲」を選択した場合にのみ、特別な楽曲である「楽曲a」が選択され得る構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、確変大当たりが確定している場合(即ち、奇数図柄報知の確変大当たりとなり、遊技者が既に確変大当たりであることを確信している場合)には、選曲メニュー画面に対して「楽曲a」という項目が表示されるように構成してもよい。このように構成することで、確変状態が確定している状況においては、「楽曲a」を聴きたいと考える遊技者に対して、他の楽曲が選択される可能性の方が高い「ランダム選曲」を選択するのでなく、「楽曲a」という項目を選択させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。また、この場合において、偶数図柄報知の確変大当たり(遊技者が確変状態となるか否かを知ることができない状況)において表示される選曲メニュー画面に対して、所定の割合で、「楽曲a」という項目が表示されるように構成してもよい。このように構成することで、確変状態となるか否かを早期に察知する方法にバリエーション(項目の中に「楽曲a」が含まれるか否か、および「ランダム選曲」を選択した場合に「楽曲a」が再生されるか否か)を設けることができるので、偶数図柄報知の大当たりの選曲期間において、遊技者の興趣をより向上させることができる。
本第3制御例では、遊技者が選曲メニュー画面において「ランダム選曲」を選択した場合にのみ、特別な楽曲である「楽曲a」が選択され得る構成としていたが、必ずしも遊技者が楽曲を選択することができるように構成しなくても良い。例えば、操作ボタン230を廃止し、大当たりの実行中に再生される楽曲を、毎回、ランダム選曲テーブル222caを参照してランダムに選択する構成としてもよい。即ち、大当たり終了後に確変状態となる場合には、「楽曲a」が再生され得るが、大当たり終了後が低確率状態の場合は、「楽曲a」が再生される可能性が無いように構成してもよい。このように構成した場合にも、偶数図柄報知の大当たりとなった場合に、「楽曲a」が再生されるか否かに注目して大当たり中の遊技を行わせることができる。また、確変状態であるか否かを示唆するために「楽曲a」を用いる場合に限定されることはない。遊技中の所定期間において、所定期間が経過した後の状態が遊技者にとって有利な状態(例えば、大当たりや時短状態、小当たりRUSH、スロットのBIG BONUS、ART、AT等)となるか、その有利な状態よりも不利な状態になるかを判別し、有利な状態となる場合には、特別な楽曲が再生され得る構成とする一方で、不利な状態となる場合には、特別な楽曲が再生される可能性が無いように構成すれば良い。
本第3制御例では、確変大当たりであるか否かに応じて、「ランダム選曲」を選択した場合に選択され得る楽曲を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、疑似少ラウンド演出の実行中であるか否かに応じて、「ランダム選曲」を選択した場合に選択され得る楽曲を異ならせる構成としてもよい。具体的には、疑似少ラウンド演出の実行中に「ランダム選曲」が決定されると、「楽曲a」を含む複数の楽曲の中から1の楽曲を選択し、疑似少ラウンド演出が実行されていない場合には、複数の楽曲のうち、「楽曲a」を除外した中から1の楽曲を選択する構成としてもよい。
本第3制御例では、大当たり中の楽曲を設定する際の制御を例にとって説明したが、本制御は大当たり中に限られるものではない。所定の楽曲再生期間の終了後に、遊技者にとって比較的有利な状態となる場合には、「ランダム選曲」を選択した場合に特別な楽曲(即ち、「楽曲a」)が選択され得る構成とする一方で、再生期間の終了後に比較的不利な状態となる場合には、特別な楽曲(即ち、「楽曲a」)を少なくとも除外した中(即ち、「楽曲A」〜「楽曲Z」の中)から1の楽曲を選択する構成にできる状況であれば、何でもよい。例えば、第1制御例と同様に、確変状態中の楽曲を選択するための制御に用いる構成としてもよい。この場合において、保留球の中に大当たりが含まれている状態で「ランダム選曲」が選択された場合には、特別な楽曲が選択され得る構成とする一方で、保留球の中に大当たりが含まれていない場合には、特別な楽曲を除外した中から1の楽曲を選択する構成としてもよい。また、変動表示演出の実行中に、選曲メニュー画面を表示させることが可能に構成し、大当たりに対応する変動表示の実行中に「ランダム選曲」が選択(決定)された場合には、特別な楽曲が選択され得る構成とする一方で、外れに対応する変動表示の実行中に「ランダム選曲」が選択(決定)された場合には、特別な楽曲を除外した中から1の楽曲を選択する構成としてもよい。
本第3制御例では、「ランダム選曲」を選択した場合に、「楽曲a」が選択されれば確変状態が確定する構成としていたが、遊技者が選曲メニュー画面において「ランダム選曲」以外の項目を選択した場合についても、所定の割合で確変状態が確定する場合を設けてもよい。具体的には、例えば、確変大当たりの実行中に遊技者が1の楽曲を選択した場合に、所定の確率で、当該楽曲の再生位置を通常とは異なる再生位置から再生する(例えば、サビ部分から再生したり、曲の2番から再生したりする、等)構成としてもよい。また、これに代えて、または加えて、所定の確率で、選択した楽曲とは異なる楽曲(例えば、「楽曲a」)が再生されたり、曲調を通常とは異ならせたり、バージョンを通常とは異ならせる構成としてもよい。このように構成することで、自分の好みの楽曲を選択したいという考えと、確変状態となるかどうか早期に察知したいという考えとの両方を抱く遊技者の欲求に応じることができる。また、この場合において、所定回数の大当たりに渡って同一の楽曲を選択し続けている場合にのみ、通常とは異なる音声態様で、遊技者に選択された楽曲を再生する構成としてもよい。
本第3制御例では、大当たりのラウンド数によらず、大当たりの1ラウンド目が終了した時点で、選曲期間中に選択された楽曲を先頭(イントロ部分)から再生する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、ラウンド数が多い大当たり(例えば、8ラウンド大当たりや16ラウンド大当たり)については、楽曲の先頭から再生を開始する一方で、ラウンド数が少ない(例えば、5ラウンドの)大当たり、および疑似少ラウンド演出が設定された大当たりについては、楽曲のサビ部分から再生を開始する構成としてもよい。このように構成することで、ラウンド数が少ない大当たり種別であっても、1の大当たりにおいて、楽曲のサビ部分をより確実に遊技者に聴かせることができる。また、この場合において、疑似少ラウンド演出が設定されている場合には、楽曲のサビ部分から再生を開始するか、楽曲のイントロ部分から再生を開始するかを抽選により決定してもよい。具体的には、例えば、疑似少ラウンド演出が設定された場合には、90%の割合で楽曲のサビ部分から再生を開始し、10%の割合で楽曲の先頭部分から再生を開始する構成としてもよい。このように構成することで、少ないラウンド数(例えば、5ラウンド)が報知されたにも拘わらず、楽曲の先頭部分から再生が開始されれば、その時点で疑似少ラウンド演出が実行されているということを遊技者に理解させることができるので、継続演出を確認するよりも前に、ラウンド数が多い大当たりであることに対する満足感を抱かせることができる。
<第4制御例>
次に、図151から図169を参照して、第4制御例におけるパチンコ機10について説明を行う。上述した第1〜第3制御例におけるパチンコ機10では、選曲メニュー画面における項目の初期配置を決定する際に、上ボタンUBに対する3回以内の操作で選択可能な範囲(履歴エリア)に、遊技者の選択頻度が高い最大3個の項目を配置させる構成としている。また、選択回数が1回以上の項目が3個未満の場合には、3個未満の項目を履歴エリアに配置させ、残りのエリアにはランダムな抽選により決定した項目を配置する(選曲エリアに抽選により決定した1の項目を配置し、当該1の項目を基準にアルファベット順で他の項目を配置する)構成としている。このように構成することで、電源投入直後等、楽曲を選択した回数が少ない場合であっても、全ての楽曲を選曲メニュー画面に重複無く配置させることができる。
これに対して本第4制御例では、履歴エリアに対して設定する項目が少ない(3個未満の)場合に、履歴エリアの空きエリア(選択頻度が高い項目が配置されなかったエリア)に対して配置させる項目の優先順位を規定しておく構成としている。この優先順位は、より多くの遊技者が知っている可能性が高い楽曲(例えば、パチンコ機10のモチーフとなった作品のテーマ曲や、リーチ演出等の通常遊技時に再生される楽曲等)ほど高くなるように設定されている。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、遊技者が選択する可能性の高い楽曲を履歴エリアに配置させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
また、上述した第2、および第3制御例におけるパチンコ機10では、大当たり中の最終ラウンドにおいて、サビ部分が再生中の状態となる可能性が高くなるように、大当たり中の所定タイミングで楽曲用データの再生順を組み替え可能に構成していた。これにより、楽曲において最も盛り上がる部分(特徴的な部分)であるサビ部分を、最終ラウンドにおいてより確実に遊技者に聴かせることができるように構成していた。
これに加えて本第4制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分の再生が終了した場合に、最終ラウンドの進行状況に応じてサビ部分を繰り返して再生させるか否か判別する構成としている。より具体的には、サビ部分の再生が終了してから最終ラウンドが終了するまでの間(若しくはエンディング演出を遅延させることが可能な期間が終了するまでの間)にサビ部分を終了させることができる可能性が高ければ、サビ部分を繰り返して再生させ、サビ部分が途中で終了してしまう(サビ部分の再生途中でエンディング演出が開始されてしまう)可能性が高ければ、サビ部分を繰り返さずに楽曲用データの再生順に従って再生を設定する構成としている。このように構成することで、最終ラウンドにおいてサビ部分が途中で打ち切られずに、完全な形で再生できる可能性を高くすることができる。
また、上述した第3制御例では、大当たりの1ラウンド目を選曲期間とし、遊技者に対して楽曲を選択させる構成としていた。この選曲期間の間は、再生させる楽曲が決定された(中央ボタンCBが押下された)か否かに拘わらず、選曲期間に専用の楽曲が再生され続ける構成とし、選曲期間が経過(1ラウンド目が終了)したタイミングで楽曲の先頭(イントロ部分)から再生を開始させる構成としていた。
これに対して本第4制御例では、選曲期間において遊技者が操作ボタン230を操作することで選曲エリアに異なる項目を配置させる毎に、配置させた項目に対応する楽曲のサビ部分を再生させる構成としている。これにより、選曲メニュー画面に表示された楽曲名だけでなく、楽曲における最も特徴的なサビ部分のメロディーを加味して楽曲を選択させることができる。また、本第4制御例では、選曲期間において楽曲が決定された場合に、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生開始位置や再生開始タイミングを可変させる構成としている。具体的には、ラウンド数が多い(16ラウンドの)大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲の先頭から(イントロ部分)から再生を開始させ、10ラウンド、および8ラウンドの大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲のAメロ部分から(即ち、イントロ部分をスキップして)再生を開始させる構成としている。一方で、ラウンド数が少ない(5ラウンドの)大当たりの場合には、遊技者が楽曲を決定した時点で、既に再生中のサビ部分の続きからそのまま楽曲の再生を継続させる(選曲期間が終了する前から楽曲を再生させる)構成としている。このように構成することで、少ないラウンド数の場合でも、サビ部分をより長い時間、遊技者に聴かせることができる。
この第4制御例におけるパチンコ機10が、第3制御例におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、音声出力装置226におけるRAM303の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点、音声出力装置226のMPU301により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理、音声出力装置226によって実行されるその他の処理については、第3制御例におけるパチンコ機10と同一である。以下、第3制御例と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図151(a)を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のROM222の構成について説明する。図151(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図151(a)に示した通り、本第4制御例におけるROM222は、第3制御例におけるROM222の構成(図142(a)参照)に対して、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbの規定内容が一部変更となっている点、および優先度規定テーブル222daと、サビループ判別テーブル222dbとが追加されている点で相違している。
優先度規定テーブル222daは、履歴エリアに配置させる項目の優先順位を定めたテーブルである。選曲メニュー画面における項目の初期配置を決定する際に、1回以上選択された楽曲の個数が3個未満であれば、履歴エリアの空きエリアに対して、この優先度規定テーブル222daに規定された優先度が高い項目から順番に項目を配置させる構成としている(図163のS5275参照)。この優先度規定テーブル222daの詳細について、図152(b)を参照して後述する。
サビループ判別テーブル222dbは、最終ラウンドにおいて、サビ部分に対応する楽曲用データの再生終了タイミングとなった場合に、サビ部分を繰り返し再生させる(ループ再生させる)か否かを判別するために参照されるデータテーブルである(図158のS5905参照)。このサビループ判別テーブル222dbの詳細については、図153を参照して後述する。
次に、図152(a)を参照して、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選テーブル222cbの詳細について説明する。この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、上述した第3制御例と同様に、疑似少ラウンド演出を実行するか否かを判別(抽選)するために参照されるデータテーブルである。
図152(a)に示した通り、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、演出態様を抽選するための演出抽選カウンタの値の範囲に対応付けて、疑似少ラウンド演出の実行可否(通常演出を実行するか、疑似少ラウンド演出を実行するか)が対応付けて規定されている。加えて、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選テーブル222cbは、楽曲を再生する際の音声態様(再生態様)を疑似少ラウンド演出によって疑似的に報知されるラウンド数に合わせるか、本来のラウンド数に合わせるかについても、演出抽選カウンタの値に対応付けて規定されている。即ち、本第4制御例では、疑似少ラウンド演出の表示態様と、楽曲の再生態様とを一致させるか否かについても、この疑似少ラウンド抽選テーブル222cbによって抽選する構成としている。楽曲の再生態様が疑似少ラウンド演出によって報知されたラウンド数と一致しないことを遊技者が認識した場合には、疑似少ラウンド演出が実行されていることを理解させることができる。よって、継続演出(図141(b)参照)が実行されるよりも前に、疑似少ラウンド演出が実行されたことを理解した遊技者に対して満足感を抱かせることができる。
図152(a)に示した通り、大当たりAにおいて、演出抽選カウンタの値が「0〜49」の範囲に対しては、表示態様として「通常演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「8R・10R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりAに当選し、演出抽選カウンタの値が「0〜49」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行されず、大当たりの最初から8ラウンドの大当たりであることが報知される(通常演出が実行される)。また、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がAメロ1部分から再生される再生態様(8R・10R用の再生態様)が設定される。このため、遊技者に対して第1特別図柄の大当たりの中では比較的ラウンド数が多い8ラウンドの大当たりであることを大当たりの開始時から遊技者に認識させることができる。よって、大当たりの開始時から大当たり中の遊技を安心して行わせることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0〜99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「0〜49」の50個であるので、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」が決定される割合は50%(50/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりAにおいて、演出抽選カウンタの値が「50〜94」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「5R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりAに当選し、演出抽選カウンタの値が「50〜94」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、8ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、5ラウンド大当たりかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、遊技者が楽曲を決定した時点で再生されている再生位置からそのまま楽曲の再生が継続される再生態様(5R用の再生態様)が設定される。これにより、継続演出が実行されるまでは、表示態様としても、音声の再生態様としても、5ラウンド大当たり(大当たりB、および大当たりC)と同一になるので、所定期間が経過するまでの間、疑似少ラウンド演出が実行されているのか、5ラウンドの大当たりが実行されているのかを識別することを困難にすることができる。よって、継続演出が実行された場合に、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0〜99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「5R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「50〜94」の45個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「5R用」が決定される割合は45%(45/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりAにおいて、演出抽選カウンタの値が「95〜99」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「8R・10R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりAに当選し、演出抽選カウンタの値が「95〜99」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、8ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、5ラウンド大当たりかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がAメロ1部分から再生される再生態様(8R・10R用の再生態様)が設定される。これにより、少なくとも選曲期間において遊技者が楽曲を決定するまでの間は、表示態様としても、音声の再生態様としても、5ラウンド大当たり(大当たりB、および大当たりC)と同一になるが、楽曲を決定した後の音声の再生態様は5ラウンド大当たりとは異なる態様に設定される。よって、遊技者に対して音声の再生態様と表示態様とが合っていないことに対する違和感を抱かせることができるので、疑似少ラウンド演出が実行されていることを遊技者に容易に理解させることができる。これにより、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを見抜くことができた遊技者に対して、優越感を抱かせることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0〜99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「95〜99」の5個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図152(a)に示した通り、大当たりDにおいて、演出抽選カウンタの値が「0〜49」の範囲に対しては、表示態様として「通常演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「16R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりDに当選し、演出抽選カウンタの値が「0〜49」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行されず、大当たりの最初から16ラウンドの大当たりであることが報知される(通常演出が実行される)。また、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がイントロ部分から再生される再生態様(16R用の再生態様)が設定される。このため、遊技者に対して第2特別図柄の大当たりの中では比較的ラウンド数が多い16ラウンドの大当たりであることを大当たりの開始時から遊技者に認識させることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0〜99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「16R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「0〜49」の50個であるので、表示態様「通常演出」、且つ、再生態様「16R用」が決定される割合は50%(50/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりDにおいて、演出抽選カウンタの値が「50〜94」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「8R・10用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりDに当選し、演出抽選カウンタの値が「50〜94」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、16ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、10ラウンド大当たりであるかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がAメロ1部分から再生される再生態様(8R・10R用の再生態様)が設定される。これにより、継続演出が実行されるまでは、表示態様としても、音声の再生態様としても、10ラウンド大当たり(大当たりE、および大当たりF)と同一になるので、所定期間が経過するまでの間、疑似少ラウンド演出が実行されているのか、10ラウンドの大当たりが実行されているのかを識別することを困難にすることができる。よって、継続演出が実行された場合に、遊技者に対してより大きな喜びを与えることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0〜99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「5R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「50〜94」の45個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「8R・10R用」が決定される割合は45%(45/100)である。
図152(a)に示した通り、大当たりDにおいて、演出抽選カウンタの値が「95〜99」の範囲に対しては、表示態様として「疑似少ラウンド演出」が対応付けて規定され、楽曲の再生態様として「16R用」が対応付けて規定されている。このため、大当たりDに当選し、演出抽選カウンタの値が「95〜99」の範囲にある場合は、疑似少ラウンド演出が実行され、16ラウンドの大当たりであるにも拘わらず、所定期間の間(5ラウンド目が終了するまでの間)、10ラウンド大当たりかのような表示演出(疑似少ラウンド演出)が実行される。加えて、楽曲の再生態様として、選曲期間の終了時に楽曲がイントロ部分から再生される再生態様(16R用の再生態様)が設定される。これにより、少なくとも選曲期間が終了するまでの間は、表示態様としても、音声の再生態様としても、10ラウンド大当たり(大当たりE、および大当たりF)と同一になるが、選曲期間が終了した後の音声の再生態様は10ラウンド大当たりとは異なる態様に設定される。よって、遊技者に対して音声の再生態様と表示態様とが合っていないことに対する違和感を抱かせることができるので、疑似少ラウンド演出が実行されていることを遊技者に容易に理解させることができる。これにより、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを見抜くことができた遊技者に対して、優越感を抱かせることができる。演出抽選カウンタの値が取り得る「0〜99」の100個のカウンタ値(乱数値)のうち、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「16R用」に対応付けられているカウンタ値(乱数値)は「95〜99」の5個なので、表示態様「疑似少ラウンド演出」、且つ、再生態様「16R用」が決定される割合は5%(5/100)である。
このように、本第4制御例では、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生態様(楽曲の再生が開始されるタイミング、および楽曲の再生位置)を異ならせる構成としている。そして、疑似少ラウンド演出(実際のラウンド数よりも少ないラウンド数の(不利な)大当たりであるかのような演出)が実行される場合の一部(所定の割合)で、音声態様のみが実際の大当たりのラウンド数に対応する再生態様に設定される構成としている。このように構成することで、音声態様から、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを遊技者に察知させることが可能となる。よって、早めに疑似少ラウンド演出の実行中であることを察知できた遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
次に、図152(b)を参照して、優先度規定テーブル222daの規定内容について説明する。この優先度規定テーブル222daは、上述した通り、履歴エリアに対して配置する項目の優先度(優先順位)を定めたデータテーブルである。選曲メニュー画面における項目の初期配置を決定する際に、1回以上選択された楽曲の個数が3個未満であれば、履歴エリアの空きエリアに対して、この優先度規定テーブル222daに規定された優先度が高い項目から順番に項目が配置される。
図152(b)に示した通り、優先度規定テーブル222daには、履歴エリアに配置させる優先度と、メニュー項目とが対応付けて規定されている。より具体的には、優先度規定テーブル222daにおいて、優先度「高」に対しては、メニュー項目として「楽曲A」が対応付けて規定され、優先度「中」に対しては、メニュー項目として「楽曲J」が対応付けて規定され、優先度「低」に対しては、メニュー項目として「楽曲E」が対応付けて規定されている。これらの項目は、より多くの遊技者に知られている可能性が高い楽曲ほど、高い優先度となるように設定されている。具体的には、例えば、優先度「高」に対応する「楽曲A」として、パチンコ機10のモチーフとなった作品のオープニング曲(テーマ曲)が規定され、優先度「中」に対応する「楽曲J」として、モチーフとなった作品のエンディング曲が規定され、優先度「低」に対応する「楽曲E」として、モチーフとなった作品の挿入歌が規定されている。
優先度規定テーブル222daを参照して履歴エリアに配置させる項目を決定することにより、例えば、1回以上選択された楽曲の個数が2個の状態で確変状態に移行した場合は、選曲メニュー画面の初期配置として、まず、遊技者によって1回以上選択されている2個の楽曲(項目)が履歴エリアに配置される。そして、項目1個分の空きエリアに対して、優先度「高」に対応する項目である「楽曲A」が配置される。また、1回以上選択された楽曲の個数が1個の状態で確変状態に移行した場合は、遊技者によって1回以上選択されている1個の項目を履歴エリアに配置させ、項目2個分の空きエリアに対して、優先度が「高」に対応する「楽曲A」と、優先度が「中」に対応する「楽曲J」とが格納される。更に、楽曲が1回も選択されていない場合には、優先度規定テーブル222daに規定されている3つの項目が全て履歴エリアに格納される。
このように、本第4制御例では、楽曲の選択回数が少ない(1回以上選択された楽曲が3個未満の)場合において、履歴エリアの空きエリアに配置させる項目の優先度を、優先度規定テーブル222daによって予め規定しておく構成としている。この優先度規定テーブル222daは、より多くの遊技者に知られている可能性が高い楽曲ほど優先度が高くなるように構成されている。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、履歴エリアに対して遊技者が選択する可能性が高い楽曲を配置させることができる。よって、楽曲を選択する際における遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図153を参照して、上述したサビループ判別テーブル222dbの詳細について説明する。図153は、サビループ判別テーブル222dbの規定内容を示した図である。このサビループ判別テーブル222dbは、上述した通り、最終ラウンドの間にサビ部分に対応する楽曲用データの再生が終了した場合に、再生が終了したサビ部分を再度ループ再生させるか否かを判別するために参照されるデータテーブルである。
図153に示した通り、このサビループ判別テーブル222dbは、現在再生中の楽曲におけるサビ部分の再生時間の範囲と、ループ再生が可能と判定される入賞個数(最終ラウンドにおいて左特定入賞口650aに入球した遊技球の個数)とが対応付けて規定されている。ここで、上述した通り、パチンコ機10における遊技球の発射間隔(1の遊技球を発射してから、次の遊技球を発射するまでの間隔)は最短で0.6秒となるように構成している。大当たりの間は、多くの場合、遊技者が最短の発射間隔で遊技球を発射するのが通常であると考えられるため、最終ラウンドにおいて遊技球は約0.6秒間隔で左特定入賞口650aに入球(入賞)する。これにより、最終ラウンドにおける入賞個数によって、エンディング演出が開始されるまでの大まかな時間を予測することができる。サビループ判別テーブル222dbは、最終ラウンドにおける入賞個数から予測されるエンディング演出が開始されるまでの残り時間がサビ部分の再生時間以上となる場合に、サビ部分のループ再生を許容し、サビ部分の再生時間未満となる場合にはサビ部分のループ再生が制限されるように対応関係が規定されている。なお、楽曲A〜楽曲Z、および楽曲aの中で最もサビ部分が短い楽曲のサビ部分の長さは7秒間である。よって、図153に示した通り、サビループ判別テーブル222dbには、サビ部分の再生時間(L)が7秒以上の範囲についてのみ規定されている。
より具体的には、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が7秒以上、且つ、7.6秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0〜3」が対応付けて規定されている。入賞個数が3個以下の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に4個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに5個目〜10個目の6個分の入賞を検出するまでの時間である約3.6秒間(0.6秒間隔×6個)が確保できる。加えて、上述した通り、エンディング演出の開始タイミングは、大当たりの最終ラウンドが終了してから最大で4秒間遅延させることができる。よって、エンディング演出が開始されるまでの間には、7.6秒以上の時間が経過する可能性が高いため、7.6秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなる。従って、サビ部分の再生時間(L)が7.6秒未満の範囲の場合には、入賞個数が3個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
また、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が7.6秒以上、且つ、8.2秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0〜2」が対応付けて規定されている。入賞個数が2個以下の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に3個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに4個目〜10個目の7個分の入賞を検出するまでの約4.2秒間(0.6秒間隔×7個)と、エンディング演出の開始を遅延させることができる4秒間とを加算した8.2秒間を、サビ部分のループ再生を行うための時間として確保することができる。よって、8.2秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなるので、サビ部分の再生時間(L)が7.6秒以上、且つ、8.2秒未満の範囲の場合には、入賞個数が2個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
また、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が8.2秒以上、且つ、8.8秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0,1」が対応付けて規定されている。入賞個数が1個以下の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に2個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに3個目〜10個目の8個分の入賞を検出するまでの約4.8秒間(0.6秒間隔×8個)と、エンディング演出の開始を遅延させることができる4秒間とを加算した8.8秒間を、サビ部分のループ再生を行うための時間として確保することができる。よって、8.8秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなるので、サビ部分の再生時間(L)が8.2秒以上、且つ、8.8秒未満の範囲の場合には、入賞個数が1個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
また、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が8.8秒以上、且つ、9.4秒未満の範囲に対しては、サビ部分のループ再生を許容する入賞個数として、「0」のみが対応付けて規定されている。入賞個数が0個の状態であれば、サビ部分の再生が終了した直後に1個目の入賞が検出されたとしても、最終ラウンドが終了するまでに2個目〜10個目の9個分の入賞を検出するまでの約5.4秒間(0.6秒間隔×9個)と、エンディング演出の開始を遅延させることができる4秒間とを加算した9.4秒間を、サビ部分のループ再生を行うための時間として確保することができる。よって、9.4秒未満の再生時間のサビ部分であれば、ループ再生させてもエンディング演出の開始までにサビ部分の再生が終了する可能性が高くなるので、サビ部分の再生時間(L)が8.8秒以上、且つ、9.4秒未満の範囲の場合には、入賞個数が0個以下の範囲に対して、サビ部分のループ再生を許容するようにサビループ判別テーブル222dbが規定されている。
これらに対して、図153に示した通り、サビ部分の再生時間(L)が9.4秒以上の範囲の場合には、ループ再生が許容されることは無い。これは、入賞個数に拘わらず、サビ部分の再生中にエンディング演出の開始タイミングとなってしまう可能性が高いからである。
このように、本第4制御例では、最終ラウンドにおいてサビ部分の再生が終了した場合に、このサビループ判別テーブル222dbによってサビ部分をループ再生させるか否か判別する構成としている。このように構成することで、エンディング演出が開始されるまでの間にサビ部分をループ再生させることができるかどうか(サビ部分の再生途中にエンディング演出が開始されてしまう可能性が低いかどうか)を正確に判別することができる。よって、サビ部分の再生途中でエンディング演出が開始される可能性を低減することができるので、大当たりの最終ラウンド(およびエンディング遅延期間)の間に、サビ部分を完全な形で再生することができる。
次に、図151(b)を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図151(b)は、RAM223の構成を示したブロック図である。図151(b)に示した通り、本第4制御例におけるRAM223は、第3制御例におけるRAM223の構成(図142(b)参照)に対して、ループ判別フラグ223daと、再生態様格納エリア223dbと、入賞個数カウンタ223dcとが追加されている点で相違している。
ループ判別フラグ223daは、サビ部分のループ再生の可否を判別する期間であるか否かを示すフラグである。このループ判別フラグ223daがオンであればループ再生の可否を判別する期間(即ち、大当たりの最終ラウンド)であることを示し、オフであれば、ループ再生の可否を判別する期間ではないことを示す。このループ判別フラグ223daは、大当たりの最終ラウンドの開始時にオンに設定され(図161のS5421参照)、大当たりのエンディング期間の開始時にオフに設定される(図159のS4484参照)。
再生態様格納エリア223dbは、楽曲の再生態様(5R用、8R・10R用、16R用のいずれであるか)を示すデータを格納するための記憶領域である。この再生態様格納エリア223dbには、大当たりのラウンド数、および疑似少ラウンド演出の実行可否の抽選結果に応じた再生態様を示すデータが格納される(図160のS5841,S5842参照)。この再生態様格納エリア223dbに格納されたデータに基づいて、楽曲が決定された場合における再生態様が設定される。
入賞個数カウンタ223dcは、大当たりの各ラウンドにおいて右特定入賞口65a、または左特定入賞口650aに対して入賞した遊技球の個数をカウントするためのカウンタである。この入賞個数カウンタ223dcは、初期値が0に設定されており、主制御装置110において右特定入賞口65a、または左特定入賞口650aに対する入賞を検出した場合に出力される入賞コマンドを受信する毎に値が1ずつ加算される(図159のS4486参照)。また、各ラウンドが終了した場合に値が0にリセットされる(図159のS4484、図164のS5521参照)。大当たりの最終ラウンド(ループ判別フラグ223daがオンの間)においてサビ部分の再生が終了した場合には、この入賞個数カウンタ223dcの値と、上述したサビループ判別テーブル222dbとが参照されて、サビ部分をループ再生するか否かが判別される(図158のS5905参照)。
次いで、図154を参照して、本第4制御例における音声出力装置226のRAM303の構成について説明する。図154は、本第4制御例におけるRAM303の構成を示したブロック図である。図154に示した通り、本第4制御例におけるRAM303は、第3制御例(および第2制御例)におけるRAM303の構成(図126参照)に対して、仮選曲フラグ303gが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第3制御例と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
仮選曲フラグ303gは、選曲期間において、遊技者の操作ボタン230に対する操作によって選曲エリアに配置された(仮選曲された)楽曲のサビ部分をループ再生させるべき状態であるか否かを示すフラグである。この仮選曲フラグ303gがオンであれば、サビ部分のループ再生を行うべき状態であることを示し、オフであれば、サビ部分のループ再生を行うべき状態ではないことを示す。この仮選曲フラグ303gは、選曲メニュー画面が表示された状態において、遊技者により操作ボタン230が操作され、選曲エリアに対して新たな項目が配置される毎にオンに設定される(図168のS9507参照)。また、5ラウンド大当たりにおいて選曲期間中に楽曲を遊技者が決定した(中央ボタンCBを遊技者が押下した)場合、若しくは5ラウンド以外の大当たりにおいて選曲期間が終了した場合にオフに設定される(図167のS9233,S9239参照)。この仮選曲フラグ303gがオンの間は、サビ部分をループ再生するように制御される(図169のS9603参照)。
<第4制御例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図155から図165を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図155を参照して、本第4制御例における音声ランプ制御装置113のメイン処理11について説明する。図155は、メイン処理11を示したフローチャートである。
このメイン処理11(図155参照)のうち、S4101〜S4111,S4114〜S4118、およびS4152の各処理では、それぞれ第3制御例におけるメイン処理10(図示せず)のS4101〜S4111,S4113〜S4118、およびS4152の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例におけるメイン処理11(図155参照)では、S4111の処理が終了すると、第3制御例における操作検出処理10(図144参照)に代えて、操作検出処理11を実行する(S4171)。詳細については図156を参照して後述するが、この操作検出処理11(S4171)は、操作検出処理10(図144参照)と同様に、操作ボタン230に対する操作(押下)を監視して、操作を検出した場合に操作内容に応じた制御を実行するための処理である。
操作検出処理11(S4171)が終了すると、次に、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分の再生が終了した場合に、サビ部分をループ再生するか否かを判別するためのサビ部分ループ処理を実行する(S4172)。このサビ部分ループ処理(S4172)の詳細については、図158を参照して後述する。また、サビ部分ループ処理(S4172)が終了すると、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を行うためのコマンド判定処理11を実行して(S4173)、処理をS4162へと移行する。
次に、図156のフローチャートを参照して、上述した操作検出処理11(S4171)の詳細について説明する。この操作検出処理11(S4171)は、上述した通り、第3制御例における操作検出処理10(図144参照)に代えて実行される処理である。この操作検出処理11(S4171)のうち、S5101〜S5106,S5109、およびS5110の各処理では、それぞれ第3制御例における操作検出処理10(図144参照)のS5101〜S5106,S5109、およびS5110の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例における操作検出処理11(図156参照)では、S5106の処理において、中央ボタンCBに対する操作を検出したと判別した場合は(S5106:Yes)、第3制御例における楽曲決定処理(図145参照)に代えて、楽曲決定処理11を実行して(S5131)、本処理を終了する。この楽曲決定処理11(S5131)は、選択した項目の種別と、大当たりのラウンド数とに応じて選曲期間の終了後、若しくは選択した直後から再生する楽曲を決定するための処理である。この楽曲決定処理11(S5131)の詳細については、図157を参照して後述する。
また、本第4制御例における操作検出処理11(図156参照)では、S5110の処理が終了すると、S5109の処理によって更新されたメニュー位置ポインタ223abの値に対応する楽曲のサビ部分をループ再生させるための音声用仮選曲コマンドを設定して(S5132)、本処理を終了する。ここで設定された音声用仮選曲コマンドは、メイン処理11(図155参照)のコマンド出力処理(S4102)において音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用仮選曲コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す楽曲のサビ部分から再生の開始を設定する。これにより、遊技者が操作ボタン230を操作して、新たな項目が選曲エリアに配置される毎に、当該配置された項目に対応するサビ部分を再生させることができる。よって、楽曲名だけでなく、サビ部分のメロディーも加味して楽曲を選択させることができるので、より正確に好みの楽曲を選択させることができる。従って、遊技者の利便性をより高めることができる。
次に、図157を参照して、上述した楽曲決定処理11(S5131)の詳細について説明する。この楽曲決定処理11(S5131)は、上述した通り、第3制御例における楽曲決定処理(図145参照)に代えて実行される処理である。
この第4制御例における楽曲決定処理11(図157参照)のうち、S5801〜S5806の各処理では、それぞれ第3制御例における楽曲決定処理(図145参照)のS5801〜S5806の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例における楽曲決定処理11(図157参照)では、S5801の処理において遊技者によってランダム選曲が決定されていない(メニュー位置ポインタ223abの最上位ビットがオン(1)でない)と判別した場合に(S5801:No)、次いで、再生態様格納エリア223dbに格納されているデータを読み出して(S5811)、読み出したデータが5R用の再生態様に対応するデータであるかを判別する(S5812)。
S5812の処理において、5R用の再生態様に対応するデータが再生態様格納エリア223dbに格納されていない(即ち、8R・10R用、または16R用の再生態様に対応するデータが格納されている)と判別した場合は(S5812:No)、処理をS5802へと移行する。一方、S5812の処理において、5R用の再生態様に対応するデータが再生態様格納エリア223dbに格納されていたと判別した場合は(S5812:Yes)、サビ部分のループ再生の解除を通知するための音声用ループ解除コマンドを設定して(S5813)、本処理を終了する。ここで設定された音声用ループ解除コマンドは、メイン処理11(図155参照)のコマンド出力処理(S4102)において音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用ループ解除コマンドを受信すると、サビ部分のループ再生を解除する(即ち、仮選曲フラグ303gをオフに設定する)。これにより、現在再生中のサビ部分の再生時間が終了すると、サビ部分がループ再生されずに、サビ部分の次の再生順に規定されているパート(楽曲用データ)の再生が設定される。以降は、楽曲用データの再生順に従って、各楽曲用データが順番に再生される。これにより、ラウンド数が少なく、大当たりが終了するまでの期間(即ち、楽曲を再生可能な期間)が短くなり易い5ラウンド大当たりにおいて、楽曲を決定した時点から(即ち、選曲期間の終了を待たずに)楽曲を再生させることができる。よって、ラウンド数が少ない5ラウンド大当たりにおいて、大当たり終了までの比較的短い期間を有効利用して楽曲を再生させることができる。
また、本第4制御例における楽曲決定処理11(図157参照)では、S5805の処理が終了すると、選曲期間用の楽曲の再生を設定して(S5814)、処理をS5806に移行する。ランダム選曲が決定された場合(S5801:Yes)に、ランダム選曲テーブル222caを用いた抽選により決定された楽曲のサビ部分を再生させずに、選曲期間用の楽曲の再生を設定するのは、選曲期間中にランダム選曲を何度も決定することにより、「楽曲a」のサビ部分が再生されるかどうかを何度も判別する変則的な選択方法を防止し、1の大当たりにつき、「楽曲a」が再生されるかどうかを1回のみ確認可能に構成するためである。
次に、図158を参照して、上述したサビ部分ループ処理(S4172)について説明する。図158は、このサビ部分ループ処理(S4172)を示したフローチャートである。このサビ部分ループ処理(S4172)は、上述した通り、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分の再生が終了した場合に、サビ部分をループ再生するか否かを判別するための処理である。
サビ部分ループ処理(図158参照)では、まず、ループ判別フラグ223daがオンであるか否かを判別し(S5901)、ループ判別フラグ223daがオフであると判別した場合は(S5901:No)、サビ部分をループ再生させる可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。一方、S5901の処理において、ループ判別フラグ223daがオンであると判別した場合は(S5901:Yes)、次いで、現在再生中のパートがサビ部分であるか否かを判別し(S5902)、サビ部分を再生中でないと判別した場合は(S5902:No)、サビ部分をループ再生させる可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5902の処理において、再生中のパートがサビ部分であると判別した場合は(S5902:Yes)、次に、サビ部分の残りの再生時間(残再生時間タイマ223bbの値)が0であるかを判別し(S5903)、サビ部分の残りの再生時間(残再生時間タイマ223bbの値)が0でないと判別した場合は(S5903:No)、サビ部分の再生を継続させるために、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5903の処理において、サビ部分の残りの再生時間(残再生時間タイマ223bbの値)が0になったと判別した場合は(S5903:Yes)、サビ部分のループ再生の実行可否を判別するためのS5904〜S5907の処理を実行する。
より具体的には、まず、サビループ判別テーブル222db(図153参照)を読み出して(S5904)、読み出したサビループ判別テーブル222dbの規定内容と、今回再生中の楽曲のサビ部分の再生時間(L)と、入賞個数カウンタ223dcの値とに基づいて、サビ部分のループ再生の実行可否を判定する(S5905)。なお、上述した通り、サビループ判別テーブル222db(図153参照)は、エンディング演出が開始されるよりも前にサビ部分が終了する可能性が高い場合に、サビ部分のループ再生を許容するように設定されている。
次に、S5905の処理による判定結果が、ループ再生の実行に対応する判定結果であるかを判別して(S5906)、ループ再生の実行に対応する判定結果でないと判別した場合は(S5906:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5906の処理において、ループ再生の実行に対応する判定結果であると判別した場合は(S5906:Yes)、サビ部分のループ再生を示す音声用ループ再生コマンドを設定して(S5907)、本処理を終了する。ここで設定された音声用ループ再生コマンドは、メイン処理11(図155参照)のコマンド出力処理(S4102)において音声出力装置226に対して出力される。音声出力装置226は、音声用ループ再生コマンドを受信すると、再生を終了したサビ部分を再度先頭から再生させる。これにより、エンディング演出が開始されるまでの間に、より多くの回数、楽曲において最も盛り上がる部分であるサビ部分を遊技者に聴かせることができる。よって、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
次に、図159を参照して、本第4制御例における当たり関連処理11(S4381)について説明する。この当たり関連処理11(S4381)は、第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)に代えて実行される処理である。この第4制御例における当たり関連処理11(S4381)のうち、S4401〜S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464〜S4466の各処理では、それぞれ第3制御例における当たり関連処理10(図146参照)のS4401〜S4404,S4406,S4407,S4409,S4462、およびS4464〜S4466の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4404の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にオープニングコマンドが含まれていると判別した場合に(S4404:Yes)、第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)に代えて、疑似少ラウンド抽選処理11を実行し(S4481)、処理をS4406に移行する。詳細については図160を参照して後述するが、この疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)は、第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)と同様に、疑似少ラウンド演出の実行可否を判別するための処理である。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていると判別した場合に(S4407:Yes)、第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)に代えて、ラウンド数コマンド処理11を実行し(S4482)、本処理を終了する。詳細については図161を参照して後述するが、このラウンド数コマンド処理11(S4482)は、ラウンド数コマンドが示すラウンド数に応じた制御を行うための処理である。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4462の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にインターバルコマンドが含まれていると判別した場合に(S4462:Yes)、第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)に代えて、インターバルコマンド11を実行し(S4483)、本処理を終了する。詳細については図164を参照して後述するが、このインターバルコマンド処理11(S4483)は、インターバルの種別(何ラウンド目のインターバルであるか)に応じた制御を行うための処理である。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4409の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていると判別した場合に(S4409:Yes)、ループ判別フラグ223daをオフに設定すると共に、入賞個数カウンタ223dcを0にリセットして(S4484)、処理をS4464に移行する。このS4484の処理により、サビ部分のループ再生を判別する期間を終了させることができる。
また、本第4制御例における当たり関連処理11(図159参照)では、S4465の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4465:No)、次いで、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞コマンドが含まれているか否かを判別し(S4485)、入賞コマンドが含まれていると判別した場合は(S4485:Yes)、入賞個数カウンタ223dcの値に1を加算して(S4486)、本処理を終了する。入賞個数カウンタ223dcの値を入賞コマンドに応じて更新することにより、大当たりの各ラウンドの進行状況(ラウンドが終了するまでの大まかな残り時間)を把握することができる。よって、最終ラウンドにおいて、サビ部分を最後まで再生しきることができるだけの期間が残されているかどうかを、この入賞個数カウンタ223dcのカウンタ値を加味して正確に判断することができる。一方、S4485の処理において、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4485:No)、そのまま本処理を終了する。
次に、図160を参照して、上述した疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)の詳細について説明する。図160は、疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)を示したフローチャートである。この疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)は、上述した通り、第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)に代えて実行される処理である。この第4制御例における疑似少ラウンド抽選処理11(S4481)のうち、S5831〜S5838の各処理では、それぞれ第3制御例における疑似少ラウンド抽選処理(図147参照)のS5831〜S5838の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選処理11(図160参照)では、S5834の処理において、疑似少ラウンド演出を実行すると判別した場合に(S5834:Yes)、疑似少ラウンド演出の実行可否の抽選と同時に、疑似少ラウンド抽選テーブル222cb(図152(a)参照)を用いた抽選で決定された楽曲の再生態様を示すデータを再生態様格納エリア223dbに格納して(S5841)、処理をS5835に移行する。S5841の処理によって格納されたデータに基づいて、選曲期間中に楽曲が決定された場合に、当該決定された楽曲の再生態様を適切に設定することができる。これにより、疑似少ラウンド演出(実際のラウンド数よりも少ないラウンド数の(不利な)大当たりであるかのような演出)が実行される場合の一部(所定の割合)で、音声態様のみを実際の大当たりのラウンド数に対応する再生態様に設定することができる。このように構成することで、音声態様から、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを遊技者に察知させることが可能となる。よって、早めに疑似少ラウンド演出の実行中であることを察知できた遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
また、本第4制御例における疑似少ラウンド抽選処理11(図160参照)では、S5831の処理において、今回当選した大当たりが大当たりAでも大当たりDでもない(即ち、大当たりB,C,E,Fのいずれかである)と判別した場合(S5831:No)、および、S5834の処理において、疑似少ラウンド演出を実行しないと判別した場合には(S5834:No)、大当たりのラウンド数に対応する楽曲の再生態様を示すデータを再生態様格納エリア223dbに格納して(S5842)、本処理を終了する。具体的には、今回の大当たりが大当たりB,Cのいずれか(5ラウンド大当たり)であれば、「5R用」の再生態様に対応するデータを格納する一方で、大当たりE,Fのいずれか(10ラウンド大当たり)であれば、「8R・10R用」の再生態様に対応するデータを格納する。また、今回の大当たりが大当たりA(8ラウンド大当たり)であり、且つ、疑似少ラウンド演出を実行しない場合には、「8R・10R用」の再生態様に対応するデータを再生態様格納エリア223dbに格納する一方で、大当たりD(16ラウンド大当たり)であり、且つ、疑似少ラウンド演出を実行しない場合には、「16R用」の再生態様に対応するデータを格納する。
この疑似少ラウンド抽選処理11(図160参照)を実行することにより、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生態様(楽曲の再生が開始されるタイミング、および楽曲の再生位置)を異ならせることができる。そして、疑似少ラウンド演出が実行される場合の一部(所定の割合)で、音声態様のみが実際の大当たりのラウンド数に対応する再生態様を設定することができる。これにより、音声態様から、継続演出が実行されるよりも前に疑似少ラウンド演出が実行されたことを遊技者に察知させることが可能となる。よって、早めに疑似少ラウンド演出の実行中であることを察知できた遊技者に対して優越感を抱かせることができる。
次に、図161のフローチャートを参照して、上述したラウンド数コマンド処理11(S4482)の詳細について説明する。このラウンド数コマンド処理11(S4482)は、上述した通り、第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)に代えて実行される処理である。
この第4制御例におけるラウンド数コマンド処理11(図161参照)のうち、S5401〜S5406、およびS5411の各処理では、それぞれ第3制御例におけるラウンド数コマンド処理10(図148参照)のS5401〜S5406、およびS5411の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例におけるラウンド数コマンド処理11(図161参照)では、S5402の処理において、今回のラウンド数コマンドにより通知されたラウンド数が最終ラウンドであると判別した場合に(S5402:Yes)、ループ判別フラグ223daをオンに設定して(S5421)、処理をS5403に移行する。このS5421の処理でループ判別フラグ223daをオンに設定しておくことにより、最終ラウンド中にサビ部分の再生時間が経過したタイミングで、サビ部分をループ再生させるか否かを判別することができる。これにより、1の大当たりの実行中にサビ部分が再生される機会をより多くすることができる。
また、本第4制御例におけるラウンド数コマンド処理11(図161参照)では、S5406の処理において、今回のラウンド数コマンドにより通知されたラウンド数が1ラウンド目であると判別した場合に(S5406:Yes)、第3制御例(および第2制御例)における選曲期間設定処理(図132参照)に代えて、選曲期間設定処理11を実行し(S5422)、本処理を終了する。この選曲期間設定処理11(S5422)の詳細について、図162を参照して説明する。
図162は、選曲期間設定処理11(S5422)を示したフローチャートである。この選曲期間設定処理11(S5422)のうち、S5205,S5206,S5208〜S5213,S5221、およびS5222の各処理では、それぞれ第3制御例(および第2制御例)における選曲期間設定処理(図132参照)のS5205,S5206,S5208〜S5213,S5221、およびS5222の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4制御例における選曲期間設定処理11(図162参照)では、まず、履歴エリアに配置する項目を設定するための履歴エリア設定処理を実行して(S5231)、処理をS5205へと移行する。この履歴エリア設定処理(S5231)の詳細について、図163を参照して説明する。
図163は、履歴エリア設定処理(S5231)を示すフローチャートである。この履歴エリア設定処理(S5231)は、上述した通り、履歴エリアに配置する項目を設定するための処理である。この履歴エリア設定処理(S5231)では、まず、選曲回数格納エリア223ac(図105(b)参照)に格納されているデータを読み出して(S5271)、再生回数が1以上の楽曲が3つ以上あるか否かを判別する(S5272)。S5272の処理において、再生回数が1以上の楽曲が3つ未満であると判別した場合は(S5272:No)、選曲回数格納エリア223acに規定されているデータのうち、再生回数が1以上のデータを全て読み出して(S5273)、読み出したデータを項目配置格納エリア223aa(図105(a)参照)の履歴エリア(メニュー位置ポインタ223abの値の範囲「17H」〜「19H」に対応する記憶領域)に対して、再生回数が多い順に格納する(S5274)。次いで、履歴エリアのうち、S5274の処理においてデータが格納されなかった残りのエリア(空きエリア)に対して、優先度規定テーブル222da(図152(b)参照)に規定されている優先順位が高い項目から順番にデータを格納して(S5275)、本処理を終了する。
一方、S5272の処理において、再生回数が1以上の楽曲の個数が3つ以上であると判別した場合は(S5272:Yes)、選曲回数格納エリア223acから、再生回数が多い順に3つのデータを読み出して(S5276)、読み出した3つのデータを、再生回数が多い順に項目配置格納エリア223aaの履歴エリアに格納して(S5277)、本処理を終了する。
この履歴エリア設定処理(図163参照)を実行することにより、楽曲の選択回数が少ない(1回以上選択された楽曲が3個未満の)場合であっても、履歴エリアの空きエリアに対して遊技者が選択する可能性が高い項目(優先度規定テーブル222daに規定されている優先度が高い項目)を配置させることができる。より具体的には、パチンコ機10のモチーフとなった作品のオープニング曲(テーマ曲)やエンディング曲、挿入歌等の、過去にモチーフとなった作品を見たことがある遊技者であればほぼ確実に聴いたことがある楽曲を優先度が高い項目として規定している。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、履歴エリアに対し、より多くの遊技者が知っている可能性が高い項目を配置させることができる。即ち、楽曲の選択回数に拘わらず、遊技者が選択する可能性が高い楽曲を履歴エリアに配置させることができるので、楽曲を選択する際における遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図164を参照して、上述したインターバルコマンド処理11(S4483)の詳細について説明する。この第4制御例におけるインターバルコマンド処理11(S4483)のうち、S5501〜S5506、およびS5511〜S5514の各処理では、それぞれ第3制御例におけるインターバルコマンド処理10(図149参照)のS5501〜S5506、およびS5511〜S5514の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例におけるインターバルコマンド処理11(図164参照)では、S5501の処理が終了すると、次いで、入賞個数カウンタ223dcを0にリセットして(S5521)、処理をS5511に移行する。インターバルコマンドを受信する毎に入賞個数カウンタ223dcをリセットする構成とすることにより、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口(右特定入賞口65a、または左特定入賞口650a)に入賞した遊技球の個数を、音声ランプ制御装置113側において正確に把握することができる。
また、本第4制御例におけるインターバルコマンド処理11(図164参照)では、S5506処理において、今回のインターバルコマンドにより開始が通知されたインターバル期間が、1ラウンド目が終了した後のインターバル期間であると判別した場合は(S5506:Yes)、選曲期間(即ち、1ラウンド目)において遊技者に選択(決定)された楽曲の再生を設定するための、選択楽曲設定処理を実行して(S5522)、本処理を終了する。この選択楽曲設定処理(S5522)の詳細について、図165を参照して説明する。
図165は、選択楽曲設定処理(S5522)を示したフローチャートである。この選択楽曲設定処理(S5522)では、まず、楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに対応する楽曲を特定し(S5551)、次いで、再生態様格納エリア223dbに格納されているデータに対応する再生態様を特定する(S5552)。そして、S5552の処理において特定した再生態様が、5R用の再生態様であるか否かを判別し(S5553)、5R用の再生態様であると判別した場合は(S5553:Yes)、次に、選曲期間中の楽曲を再生中であるか否か判別する(S5554)。S5554の処理において、選曲期間中の楽曲を再生中であると判別された場合は(S5554:Yes)、選曲期間において、選曲メニュー画面を一度も表示させていないか、遊技者がランダム選曲を決定したことを意味し、楽曲種別格納エリア223bdに格納されているデータに対応する楽曲の再生が設定されていないことを意味するので、S5551の処理により特定した楽曲をサビ部分から再生させるための音声用選択楽曲コマンドを設定して(S5555)、処理をS5559に移行する。
一方、S5554の処理において、選曲期間用の楽曲を再生中ではないと判別した場合は(S5554:No)、選曲期間中に遊技者が選曲メニュー画面を表示させて、「ランダム選曲」以外(即ち、楽曲A〜楽曲Zのいずれか)を選択したことを意味する。上述した通り、5R用の再生態様が設定さている状態で楽曲を決定すると、その時点で当該楽曲のサビ部分のループ再生が解除されて、決定時点で再生されていた再生位置から楽曲用データの再生順に従って楽曲の再生が開始されるように設定される。即ち、選曲期間の終了時に楽曲の再生を新たに設定する必要は無いため、S5555の処理をスキップして、処理をS5559に移行する。
また、S5553の処理において、S5552の処理で特定した再生態様が5R用の再生態様ではないと判別した場合には(S5553:No)、次いで、S5552の処理で特定した再生態様が16R用の再生態様であるかを判別する(S5556)。S5556の処理において、16R用の再生態様を特定していない(8R・10R用の再生態様を特定した)と判別した場合は(S5556:No)、S5551の処理により特定した楽曲をAメロ1部分から再生させるための音声用選択楽曲コマンドを設定して(S5557)、処理をS5559に移行する。一方、S5556の処理において、特定した再生態様が16R用の再生態様であると判別した場合は(S5556:Yes)、S5551の処理により特定した楽曲をイントロ部分から再生させるための音声用選択楽曲コマンドを設定して(S5558)、処理をS5559に移行する。
S5559の処理では、選曲回数格納エリア223acのうち、今回再生した楽曲の選曲回数に対応するデータに1を加算し(S5559)、選曲メニュー画面を閉じると共に、メニュー表示フラグ223aeと、選曲許可フラグ223adとをオフに設定して(S5560)、本処理を終了する。
この選択楽曲設定処理(図165参照)を実行することにより、選曲期間の終了時に、再生態様格納エリア223dbに格納されているデータに応じた再生態様で、遊技者が選択した楽曲の再生を設定することができる。
<第4制御例における音声出力装置の制御処理について>
次に、図166から図169を参照して、本第4制御例における音声出力装置226のMPU301により実行される各種制御処理について説明する。まず、図166を参照して、本第4制御例における音声出力装置226のMPU301により実行されるメイン処理11について説明する。このメイン処理11は、第3制御例(および第2制御例)におけるメイン処理9(図136参照)に代えて実行される処理である。
このメイン処理11(図166参照)のうち、S9003〜S9007,S9011,S9013の各処理では、それぞれ第3制御例(および第2制御例)におけるメイン処理9(図136参照)のS9003〜S9007,S9011,S9013の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例におけるメイン処理11(図166参照)では、S9011の処理が終了すると、次いで、第3制御例(および第2制御例)におけるコマンド判定処理9(図137参照)に代えて、コマンド判定処理11を実行し(S9021)、処理をS9013に移行する。詳細については図167を参照して後述するが、このコマンド判定処理11(S9021)は、第3制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)と同様に、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
また、本第4制御例におけるメイン処理11(図166参照)では、S9013の処理が終了すると、次いで、選曲期間において遊技者が選曲エリアに配置した(仮選曲した)項目(楽曲)のサビ部分をループ再生させるための仮選曲期間中処理を実行して(S9022)、処理をS9003に移行する。この仮選曲期間中処理(S9022)の詳細については、図169を参照して後述する。
次いで、図167を参照して、上述したコマンド判定処理11(S9021)の詳細について説明する。図167は、コマンド判定処理11(S9021)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理11(S9021)は、上述した通り、第3制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)に代えて実行される処理である。このコマンド判定処理11(図167参照)のうち、S9201〜S9205,S9207,S9214,S9221、およびS9222の各処理では、それぞれ第3制御例におけるコマンド判定処理9(図137参照)のS9201〜S9205,S9207,S9214,S9221、およびS9222の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第4制御例におけるコマンド判定処理11(図167参照)では、S9205の処理が終了すると、次いで、音声ランプ制御装置113から受信した音声用選択楽曲コマンドが示すパートに対応するポインタ値を楽曲用ポインタ303bに設定すると共に、再生を設定するパートの再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定して(S9231)、処理をS9207に移行する。また、S9207の処理が終了すると、音声ランプ制御装置113から受信した音声用選択楽曲コマンドが示すパートに対応する楽曲用データからの再生を設定し(S9232)、仮選曲フラグ303gをオフに設定して(S9233)、本処理を終了する。
また、本第4制御例におけるコマンド判定処理11(図167参照)では、S9204の処理において、未処理のコマンドの中に音声用選択楽曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9204:No)、次いで、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンド(即ち、最終ラウンドにおいてサビ部分のループ再生を指示するためのコマンド)が含まれるか否かを判別する(S9234)。S9234の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンドが含まれると判別した場合は(S9234:Yes)、再生が終了するサビ部分の再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに再設定すると共に、再生が終了するサビ部分の再生を再設定して(S9235)、本処理を終了する。このS9235の処理を実行することで、大当たりの最終ラウンドにおいて、サビ部分をループ再生させることができる。よって、1の大当たりの間により多くの回数、サビ部分を再生することができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、S9234の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンドが含まれていないと判別した場合は、次に、未処理のコマンドの中に音声用仮選曲コマンド(選曲エリアに新たに配置された楽曲のサビ部分のループ再生を指示するコマンド)が含まれているか否かを判別する(S9236)。S9236の処理において、未処理のコマンドの中に音声用仮選曲コマンドが含まれていると判別した場合は(S9236:Yes)、選曲エリアに新たに配置された(仮選曲された)項目(楽曲)のサビ部分をループ再生させるための仮選曲コマンド処理を実行して(S9237)、本処理を終了する。この仮選曲コマンド処理(S9237)の詳細については、図168を参照して後述する。
また、S9236の処理において、未処理のコマンドの中に音声用仮選曲コマンドが含まれていないと判別した場合は(S9236:No)、次いで、未処理のコマンドの中に音声用ループ解除コマンドが含まれているか否かを判別する(S9238)。S9238の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ解除コマンド(5ラウンド大当たりにおいて、仮選曲された楽曲のサビ部分のループ再生の解除を指示するコマンド)が含まれていると判別した場合は(S9238:Yes)、仮選曲フラグ303gをオフにすることで、仮選曲された楽曲のサビ部分のループ再生の解除を設定して(S9239)、本処理を終了する。このS9239の処理においてサビ部分のループ再生を解除しておくことにより、サビ部分の再生時間が経過して以降は、楽曲用データの再生順に従って楽曲用データを順番に再生させることができる。これにより、ラウンド数が少なく、大当たりが終了するまでの期間(即ち、楽曲を再生可能な期間)が短くなり易い5ラウンド大当たりにおいて、楽曲を決定した時点から(即ち、選曲期間の終了を待たずに)楽曲を再生させることができる。よって、ラウンド数が少ない5ラウンド大当たりにおいて、大当たり終了までの比較的短い期間を有効利用して楽曲を再生させることができる。
一方、S9238の処理において、未処理のコマンドの中に音声用ループ再生コマンドが含まれていないと判別した場合は、処理をS9221へと移行する。
次に、図168を参照して、上述した仮選曲コマンド処理(S9237)の詳細について説明する。この仮選曲コマンド処理(S9237)は、上述した通り、選曲エリアに新たに配置された(仮選曲された)項目(楽曲)のサビ部分をループ再生させるための処理である。
仮選曲コマンド処理(図168参照)では、まず、ランダム選曲を示す仮選曲コマンドであるか否かを判別し(S9501)、ランダム選曲を示す仮選曲コマンドであると判別した場合は(S9501:Yes)、選曲期間用楽曲の再生を設定して(S9502)、本処理を終了する。一方、S9501の処理において、受信した仮選曲コマンドが、ランダム選曲を示す仮選曲コマンドではないと判別した場合は(S9501:No)、コマンドが示す楽曲に対応する音声ファイル(楽曲用データ群)を音声ファイル記憶エリア302aから読み出して、読み出した音声ファイルを楽曲用データ群格納エリア303aに格納する(S9503)。
S9503の処理が終了すると、次いで、楽曲用ポインタ303bに対して、コマンドにより通知された楽曲のサビ1部分に対応するポインタ値を設定すると共に、サビ1部分の再生時間に対応するタイマ値を楽曲用タイマ303dに設定する(S9504)。次に、楽曲用ポインタ303bの最大値を最大値格納エリア303cに格納し(S9505)、サビ1部分に対応する楽曲用データの再生を設定する(S9506)。そして、仮選曲フラグ303gをオンに設定して(S9507)、本処理を終了する。
この仮選曲コマンド処理(図168参照)を実行することにより、仮選曲された楽曲のサビ1部分のループ再生を開始させることができる。これにより、遊技者に対して、選曲メニュー画面に表示される楽曲名だけでなく、楽曲のサビ部分のメロディーも加味して好みの楽曲を選択させることができる。よって、楽曲を選択する際の遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図169のフローチャートを参照して、上述したメイン処理11(図166参照)の中で実行される仮選曲期間中処理(S9022)の詳細について説明する。この仮選曲期間中処理(S9022)は、上述した通り、楽曲が仮選曲されている(選曲エリアに配置されている)場合において、楽曲のサビ部分をループ再生させるための処理である。
この仮選曲期間中処理(図169参照)では、まず、仮選曲フラグ303gがオンであるか否かを判別して(S9601)、仮選曲フラグ303gがオフであると判別した場合は(S9601:No)、楽曲が仮選曲されていないことを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S9601の処理において、仮選曲フラグ303gがオンであると判別した場合は(S9601:Yes)、再生中の楽曲用データの再生終了タイミングであるか否かを判別し(S9602)、再生終了タイミングではないと判別した場合は(S9602:No)、そのまま本処理を終了する。
一方で、S9602の処理において、再生中の楽曲用データの再生終了タイミングである(楽曲用タイマ303dの値が0である)と判別した場合は(S9602:Yes)、サビ1部分の再生開始を再設定し(S9603)、楽曲用タイマ303dに対してサビ1部分に対応する再生時間を再設定して(S9604)、本処理を終了する。
この仮選曲期間中処理(図169参照)を実行することにより、仮選曲された(選曲エリアに配置された)楽曲のサビ1部分を繰り返し再生させることができる。よって、好みの楽曲をより容易に選択させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
以上説明した通り、本第4制御例におけるパチンコ機10では、履歴エリアに対して設定する項目が少ない(3個未満の)場合に、履歴エリアの空きエリア(選択頻度が高い項目が配置されなかったエリア)に対して配置させる項目の優先順位(優先度)を規定しておく構成としている。この優先順位は、より多くの遊技者が知っている可能性が高い楽曲(例えば、パチンコ機10のモチーフとなった作品のテーマ曲(オープニング曲)や、エンディング曲、挿入歌等)ほど高くなるように設定されている。このように構成することで、楽曲の選択回数が少ない場合であっても、遊技者が選択する可能性の高い楽曲を履歴エリアに配置させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
また、本第4制御例では、最終ラウンドの間にサビ部分の再生が終了した場合に、最終ラウンドの進行状況に応じてサビ部分を繰り返して再生させるか否か判別する構成としている。より具体的には、サビ部分の再生が終了してから最終ラウンドが終了するまでの間(若しくはエンディング演出を遅延させることが可能な期間が終了するまでの間)にサビ部分を終了させることができる可能性が高ければ、サビ部分を繰り返して再生させ、サビ部分が途中で終了してしまう(サビ部分の再生途中でエンディング演出が開始されてしまう)可能性が高ければ、サビ部分を繰り返さずに楽曲用データの再生順に従って再生を設定する構成としている。このように構成することで、最終ラウンドにおいてサビ部分が途中で打ち切られずに、完全な形で再生できる可能性を高くすることができる。
更に、本第4制御例では、選曲期間において遊技者が操作ボタン230を操作することで選曲エリアに異なる項目を配置させる(仮選曲する)毎に、配置させた項目に対応する楽曲のサビ部分を再生させる構成としている。これにより、選曲メニュー画面に表示された楽曲名だけでなく、楽曲における最も特徴的なサビ部分のメロディーを加味して楽曲を選択させることができる。また、本第4制御例では、選曲期間において楽曲が決定された場合に、大当たりのラウンド数に応じて、楽曲の再生開始位置や再生開始タイミングを可変させる構成としている。具体的には、ラウンド数が多い(16ラウンドの)大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲の先頭から(イントロ部分)から再生を開始させ、10ラウンド、および8ラウンドの大当たりの場合には、選曲期間が終了した時点で、楽曲のAメロ部分から(即ち、イントロ部分をスキップして)再生を開始させる構成としている。一方で、ラウンド数が少ない(5ラウンドの)大当たりの場合には、遊技者が楽曲を決定した時点で、既に再生中のサビ部分の続きからそのまま楽曲の再生を継続させる(選曲期間が終了する前から楽曲を再生させる)構成としている。このように構成することで、少ないラウンド数の場合でも、サビ部分をより長い時間、遊技者に聴かせることができる。
なお、本第4制御例では、履歴エリアに配置させる項目が少ない場合(遊技者が1回以上選択した楽曲が3個未満の場合)に、履歴エリアの空きエリアに対して、優先度規定テーブル222daに規定されている優先度が高い楽曲を示すデータから順に格納する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、履歴エリアの空きエリアの個数とは無関係に、履歴エリアに配置した項目に続けて、優先度が高い楽曲を示すデータから順に項目配置格納エリア223aaに格納する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が多くの楽曲を選択している場合であっても、遊技者が選択する可能性が比較的高い(優先度が高い)楽曲を、比較的少ない操作回数で選曲エリアに移動させることができる配置に設定することができる。
本第4制御例では、選曲メニュー画面の初期配置を決定する際に、項目配置格納エリア223aaの各記憶領域のうち、少ない操作回数で選択可能な範囲(項目配置格納エリア223aaにおける履歴エリア)に対して、選択回数が1個以上の項目のうち、選択回数が多い順に最大3つの項目を格納する構成としていた。そして、履歴エリアに配置した項目が3つ未満であれば、選択回数が0個の項目の中から履歴エリアの空きエリアに配置させる項目を追加して設定する構成としていたが、本制御は、選曲メニュー画面の初期配置を決定する際の制御に限られるものではない。RAM等の記憶手段における特定範囲の記憶領域に対し、予め定められている個数のデータを設定する制御であれば転用することができる。言い換えれば、記憶手段のうち、第1の記憶領域と、第2の記憶領域とに対して予め定められている個数のデータを設定する場合であり、且つ、第1の記憶領域には特定条件を満たしているデータを格納し、第2の記憶領域にはそれ以外のデータを配置させる制御を行うものであれば転用可能である。具体的には、例えば、複数の項目の中から1の項目を選択する所定のメニュー画面(例えば、遊技メニュー画面や、リーチ演出における演出態様を選択するためのメニュー画面)において、遊技者が選択可能な項目と、選択不可能な項目とを含む複数の項目を同時に表示させる場合(例えば、遊技者が予め設定されている所定のミッション(課題)を達成する毎に、選択可能な項目が増えていく仕様のメニューを表示させる場合)に転用してもよい。つまり、特定の表示範囲に対しては、遊技者が選択可能な項目を優先的に配置させ、他の表示範囲に残りの項目を配置させるためのデータ設定を行う際の制御に転用してもよい。この場合は、まず、特定の表示範囲に表示させる項目に対応するデータを設定する。そして、特定の表示範囲に表示させるために十分な個数の項目を設定することができた場合は、続けて残りのデータを他の表示範囲に表示させる項目として設定する。一方、特定の表示範囲に表示させることができる項目数未満の個数の項目が遊技者に選択可能な状態の場合には、特定の表示範囲に表示させる項目として、遊技者が選択不可能な項目の中から優先度が高い項目の順に特定の表示範囲に表示されるようにデータを設定する構成としても良い。この場合の優先度の設定方法としては、例えば、選択可能な状態に切り替わり易い項目(難易度が比較的容易なミッションを達成することで選択可能な状態に切り替わる項目)ほど、優先度が高くなるように設定してもよい。
本第4制御例では、履歴エリアに配置させる項目(選択回数が1回以上の項目)が3個に満たない場合に、履歴エリアに追加して配置させる項目の優先度(優先順位)として、パチンコ機10のモチーフとなった作品で使用された頻度が高い楽曲(オープニング曲(テーマ曲)、エンディング曲、挿入歌等)ほど優先度が高くなる構成としていたが、これに限られるものではない。優先度は任意に設定して良く、例えば、パチンコ機10における遊技の中で使用される頻度が高い楽曲(例えば、リーチ演出中に再生される楽曲等)ほど優先度が高くなるように構成してもよい。また、例えば、通常遊技中に遊技者が優先度を設定することが可能に構成してもよい。
本第4制御例では、選択回数が1以上の楽曲が少ない(3個未満)場合に、優先度規定テーブル222daに規定されている優先度が高い楽曲を優先して履歴エリアに配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりの選曲期間において遊技者により選択された回数を、選曲回数格納エリア223acにおいてカウントしておくのに加え、通常遊技中に再生された楽曲(例えば、スーパーリーチ演出に発展することにより再生された楽曲)の再生回数をカウントしておく構成としてもよい。そして、遊技者の選択回数が少ない間は、通常遊技中に再生された回数が多い楽曲を履歴エリアの空きエリア(遊技者の選択回数が1以上の楽曲を格納した後の残りの記憶領域)に対して格納する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が遊技中に聴いたことがある楽曲を履歴エリアに配置することができる。遊技者が自発的に楽曲を選択する場合のほとんどは、自己が聴いたことがある楽曲を選択するので、確実に聴いたことがある楽曲(通常遊技中に再生済みの楽曲)を履歴エリアに配置させる構成とすることで、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(メニュー項目)を、操作ボタン230に対する少ない操作回数(3回以内)で選択可能な範囲に配置させることができる。よって、遊技者の利便性をより高めることができる。この変形例について、図170から図172を参照して、より詳細に説明を行う。
<第4制御例の変形例>
図170は、第4制御例の変形例における音声ランプ制御装置113のRAM223に追加された演出中再生回数格納エリア223ddを示した図である。この演出中再生回数格納エリア223ddは、通常遊技中に実行される変動表示演出において楽曲が再生(使用)された回数を、楽曲の種別毎に記憶しておくための記憶領域である。図170に示した通り、演出中再生回数格納エリア223ddは、楽曲の種別(楽曲A〜楽曲Z)毎に、通常遊技中に再生(使用)された回数を示すデータが対応付けて記憶されるように構成されている。即ち、選曲回数格納エリア223ac(図105(b)参照)と同様の構成となっている。図170の例では、楽曲C、および楽曲Zが通常遊技中にそれぞれ1回ずつ再生され、他の楽曲が再生されていない場合を例示している。
この演出中再生回数格納エリア223ddに記憶されている各楽曲の再生回数は、本変形例における変動表示設定処理12(図172参照)の中で、変動パターン演出の詳細な態様を決定し、表示用変動パターンコマンドを設定した後で、当該決定された変動パターン演出において再生される楽曲が存在する場合に、当該楽曲の再生回数に1が加算される(図172のS4532参照)。また、この演出中再生回数格納エリア223ddに記憶されている各楽曲の再生回数(使用回数)は、選曲メニュー画面の初期配置において、履歴エリアに配置させる項目を設定する際に参照される(図171のS5281)。
<第4制御例の変形例における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図171、および図172を参照して、本変形例における音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種制御処理について説明する。まず、図171を参照して、本変形例における履歴エリア設定処理12(S5241)の詳細について説明する。図171は、履歴エリア設定処理12(S5241)を示したフローチャートである。この履歴エリア設定処理12(S5241)は、第4制御例における履歴エリア設定処理(図163参照)に代えて実行され、履歴エリア設定処理(図163参照)と同様に、選曲メニュー画面における履歴エリアに配置させる項目(楽曲)を決定するための処理である。
この第4制御例の変形例における履歴エリア設定処理12(図171参照)のうち、S5271〜S5277の各処理では、それぞれ第4制御例における履歴エリア設定処理(図163参照)のS5271〜S5277の各処理と同一の処理が実行される。また、本変形例における履歴エリア設定処理12(図171参照)では、S5274の処理が終了すると、次いで、演出中再生回数格納エリア223ddのデータ(通常遊技中に各楽曲が再生された回数に対応するデータ)を読み出して(S5281)、通常遊技中に1回以上再生された楽曲の数が、S5274の処理において履歴エリアにデータが格納されなかった空きエリアのエリア数以上であるか否かを判別する(S5282)。
S5282の処理において、通常遊技中に1回以上再生された楽曲の数が、履歴エリアの空きエリアのエリア数以上であると判別した場合は(S5282:Yes)、演出中再生回数格納エリア223ddに格納されている再生回数が多い順に、履歴エリアの空きエリアのエリア数分の楽曲に対応するデータを読み出し(S5283)、読出したデータを履歴エリアの空きエリアに対して再生回数が多い順に格納して(S5284)、本処理を終了する。
一方、S5282の処理において、通常遊技中に1回以上再生された楽曲の数が、履歴エリアの空きエリアのエリア数未満であると判別した場合は(S5282:No)、通常遊技中の再生回数が1以上となっている楽曲を読み出し(S5285)、読み出した全ての楽曲を履歴エリアの空きエリアに格納して(S5286)、処理をS5275に移行する。
この履歴エリア設定処理12(図171参照)を実行することで、遊技者によって楽曲が選択された回数が少ない場合において、遊技者が通常遊技中に聴いたことがある楽曲を履歴エリアに配置することができる。よって、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(項目)を履歴エリアに優先的に配置させることができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
次に、図172を参照して、第4制御例の変形例における変動表示設定処理12(S4182)の詳細について説明する。図172は、変動表示設定処理12(S4182)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理12(S4182)は、第4制御例(および第3制御例)における変動表示設定処理10(図150参照)に代えて実行される処理であり、変動表示設定処理10(図150参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出(変動表示演出)を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定するための処理である。
この第4制御例の変形例における変動表示設定処理12(図172参照)のうち、S4501〜S4509,S4521、およびS4522の各処理では、それぞれ第4制御例(および第3制御例)における変動表示設定処理10(図150参照)のS4501〜S4509,S4521、およびS4522の各処理と同一の処理が実行される。また、本第4制御例の変形例における変動表示設定処理12(図172参照)では、S4504の処理が終了すると、次いで、S4504の処理で設定した表示用変動パターンコマンドによって実行される変動表示演出が、楽曲の再生を伴う演出内容であるか否かを判別する(S4531)。なお、本変形例では、スーパーリーチ演出やスペシャルリーチ演出が実行される場合に、リーチの種別に対応する楽曲の一部が再生されるように構成されている。
S4531の処理において、今回の変動表示演出が、楽曲の再生を伴う演出内容であると判別した場合は(S4531:Yes)、次いで、演出中再生回数格納エリア223ddのうち、今回の変動表示演出の実行中に再生される楽曲に対応する再生回数に1を加算して(S4532)、処理をS4521に移行する。一方、S4531の処理において、今回の変動表示演出が、楽曲の再生を伴わない演出内容(例えば、完全外れの変動パターンに対応する変動表示演出)であると判別した場合は(S4531:No)、S4532の処理をスキップして、処理をS4521に移行する。
以上説明した通り、第4制御例の変形例では、遊技者により選択されたことがある楽曲が少ない(3個未満)場合に、通常遊技中において、変動表示演出の実行中に再生(実行)された楽曲(音声演出)に対応する画像を優先的に履歴エリア(少ない操作回数で選択可能なメニュー位置)に配置させる構成としている。このように構成することで、遊技者により選択されたことがある楽曲が少ない(3個未満)場合であっても、遊技者が聴いたことがある楽曲を履歴エリアに配置することができる。よって、楽曲の選択回数に拘わらず、遊技者が選択する可能性が高い楽曲(メニュー項目)を、操作ボタン230に対する少ない操作回数(3回以内)で選択可能な範囲に配置させることができるので、遊技者の利便性をより高めることができる。
なお、本変形例では、楽曲の選択回数が少ない(1回以上選択された楽曲が3個未満の)場合に、履歴エリアの空きエリアに対して通常遊技中に再生されたことがある楽曲に対応する画像(項目)を優先的に配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、履歴エリアに配置させる項目として、まず、通常遊技中に再生された回数が多い楽曲を優先的に配置させる構成とし、履歴エリアに空きエリアが生じている場合には、遊技者が選曲期間において選択(決定)した回数が多い楽曲に対応する画像を空きエリアに配置させる構成としてもよい。また、例えば、遊技者が選択した回数が多い楽曲を履歴エリアに配置させた後で、履歴エリアに対して空きエリアが生じているか否かに拘わらず、選択回数が多い楽曲に対応する画像に続けて、通常遊技中に再生された回数が多い順に最大3個(所定の上限数)の楽曲に対応する画像を配置させる構成としてもよい。
上記第4制御例、およびその変形例では、ランダム選曲を遊技者が仮選曲した場合、およびランダム選曲を遊技者が決定した場合に、選曲期間用の楽曲が再生される構成とし、ランダムな抽選により決定された楽曲が何であるのかを、選曲期間が経過するまで識別不可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、ランダム選曲を遊技者が決定した時点で、ランダムな抽選により決定された楽曲のサビ部分の再生を開始させる構成としてもよい。また、例えば、ランダム選曲を遊技者が仮選曲した時点で再生させる楽曲を抽選により決定し、他の項目と同様にサビ部分のループ再生を開始させる構成としてもよい。このように構成することで、抽選により決定された楽曲を選曲期間中に遊技者が識別可能となるので、抽選により決定された楽曲が気に入らなかった場合に、他の項目を選択し直す機会を与えることができる。よって、遊技者の利便性をより高めることができる。なお、これらの場合において、1の選曲期間において遊技者がランダム選曲を仮選曲、または決定する毎に、ランダムな抽選による楽曲の決定をやり直す構成としてもよいし、ランダム選曲が決定された場合に再生される楽曲を、1の選曲期間において最初に抽選により決定された楽曲に固定する構成としてもよい。ランダム選曲を仮選曲、または決定する毎に、ランダムな抽選による楽曲の決定をやり直す構成にすることで、選曲期間の間に、好みの楽曲が再生されるまでランダム選曲の仮選曲、または決定を繰り返すという選択肢を遊技者に与えることができる。よって、ランダム選曲により好みの楽曲を再生させることができるか否かを選曲期間中における1つの楽しみとして大当たり中の遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。これに対して、ランダム選曲が決定された場合に再生される楽曲を、1の選曲期間において最初に抽選により決定された楽曲に固定する構成とした場合には、再生された時点で確変大当たりが確定する「楽曲a」が抽選で決定されるかどうかの機会を、1の大当たりにおいて1回に限ることができる。よって、ランダム選曲を仮選曲、または決定した場合に「楽曲a」が再生されなかったとしても、たまたま抽選に外れただけだと思わせることができるので、遊技者の確変大当たりに対する期待感を維持させることができる。
上記第4制御例、およびその変形例では、選曲期間中に仮選曲された楽曲のサビ部分をループ再生させる構成としているが、これに限られるものではなく、仮選曲された楽曲の再生位置は任意に定めることができる。また、仮選曲されたことに基づいて再生する楽曲と、選曲期間が経過した後に再生する楽曲とで、音量を異ならせる構成としてもよい。例えば、仮選曲された楽曲の音量を小さくし、選曲期間が経過した後に再生する楽曲の音量を大きくすることにより、遊技者が選択した楽曲をより大きな音量で遊技者に聴かせることができる。よって、楽曲を聴いた遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。また、仮選曲した楽曲の音量を大きくすることで、選曲期間中に仮選曲された楽曲のサビ部分のメロディーをより明快に遊技者に認識させることができる。よって、好みの楽曲であるか否かをより容易に判断することができるので、遊技者の楽曲選択時における利便性を向上させることができる。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド演出が決定された場合の一部において、疑似少ラウンド演出により報知されたラウンド数に対応する楽曲の再生態様とは異なる再生態様で楽曲を再生することにより、疑似少ラウンド演出が実行されているか否かを事前に察知させることができる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、再生態様に代えて、表示態様の一部を疑似少ラウンド演出によって報知されたラウンド数とは異なるラウンド数に対応する態様に設定することで、疑似少ラウンド演出が実行されているのか否かを疑似少ラウンド演出が終了する前(継続演出が実行される前)に遊技者が察知可能な場合を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、第3図柄表示装置81における小領域Ds2に表示されるキャラクタをラウンド数に応じて異ならせる構成とし、疑似少ラウンド演出が決定された場合は基本的に疑似少ラウンド演出により報知されたラウンド数に対応するキャラクタが表示されるが、所定の割合(例えば、10%の割合)で、小領域Ds2に表示されるキャラクタを実際のラウンド数に対応するキャラクタを表示させる構成としてもよい。このように構成することで、第3図柄表示装置81により注目して大当たり中の遊技を行わせることができる。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド演出が実行される場合に、疑似少ラウンド演出により報知されたラウンド数に対応する楽曲の再生態様に設定するか、実際のラウンド数に対応する楽曲の再生態様に設定するかを抽選により決定する構成としていたが、本制御は、疑似少ラウンド演出が実行される場合に限定されるものではない。有利な状態に移行した(または今後移行することが決定している)場合において、一時的に、不利な状態に移行した(または今後移行することが決定している)場合に実行される演出と区別し難い態様の演出を実行するものであれば適用することができる。具体的には、例えば、偶数図柄報知の確変大当たりと、偶数図柄報知の通常大当たりとでは、大当たりのオープニング演出やオープニング用の楽曲として基本的に同一の表示態様および音声態様となるように設定する。一方、奇数図柄報知の確変大当たりの場合には、大当たりのオープニング演出やオープニング用の楽曲として、偶数図柄報知の通常大当たり等におけるオープニングの表示態様および音声態様とは異なる態様を設定する構成とする。この場合において、偶数図柄報知の確変大当たりとなった場合の一部(例えば、10%の割合)で、オープニング用の楽曲として、奇数図柄報知の確変大当たりとなった場合と同一の楽曲を再生する構成としてもよい。このように構成することで、偶数図柄で大当たりが報知されたが、実は確変大当たりであったということを、遊技者に対して察知させることができる。よって、オープニング期間中の音声態様をより集中して聴かせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、オープニング用の楽曲を可変させるのに代えて、又は加えて、オープニング演出の表示態様を、偶数図柄報知の確変大当たりとなった場合の一部(例えば、10%の割合)で、奇数図柄報知の確変大当たりになった場合と同一の表示態様に設定する構成としてもよい。このように構成することで、オープニング期間中の表示態様により注目して遊技を行わせることができる。また、これらの変形例は、オープニング期間中の表示態様および音声態様に限られるものではない。大当たり中における所定のラウンドにおける表示態様、または音声態様に対して本制御を適用してもよいし、所定のインターバル期間における表示態様、または音声態様に対して本制御を適用してもよいし、エンディング期間における表示態様、または音声態様に対して本制御を適用してもよい。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド抽選テーブル222cbを用いて、疑似少ラウンド演出の実行可否と、楽曲の再生態様の抽選態様との両方を同時に抽選可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、疑似少ラウンド演出が決定された場合に、楽曲の再生態様として疑似少ラウンド演出により報知されるラウンド数に対応する再生態様を設定するか、本来のラウンド数に対応する再生態様を設定するか抽選するための専用のデータテーブルを別個に設ける構成としてもよい。
上記第4制御例、およびその変形例では、疑似少ラウンド演出が実行される場合に、疑似少ラウンド演出で報知されるラウンド数に対応する再生態様を設定するか、本来のラウンド数に対応する再生態様を設定するかを抽選により選択する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、疑似少ラウンド演出が実行される場合には、必ず本来のラウンド数に対応する再生態様を設定する構成としてもよい。このように構成することで、楽曲の再生態様をより注意深く確認させることができる。
上記第3、第4制御例、および第4制御例の変形例では、ランダム選曲を遊技者が決定したことにより実行されるランダムな抽選で決定された楽曲が再生された場合についても、選曲回数格納エリア223acに記憶されている再生回数に対して1を加算する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、ランダム選曲を決定したことにより再生された楽曲については、再生回数のカウントの対象から除外する構成としてもよい。このように構成することで、遊技者が自発的に選択した楽曲の選択回数のみをカウントすることができるので、履歴エリアに配置させる項目として、より遊技者が選択する可能性が高い項目を配置させることができる。
上記第2、および第3制御例では、選曲期間(1ラウンド目)において、選曲期間専用の楽曲を再生し、1ラウンド目の終了時から、遊技者が選択した楽曲を再生する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、選曲メニュー画面において遊技者が上ボタンUBや下ボタンDBを操作(押下)する毎(点灯した見た目の表示態様となる項目が切り替わる毎)に、選曲エリアに新たに配置された項目のサビ部分を再生する構成としてもよい。このように構成することで、楽曲のタイトル(楽曲名)だけでなく、楽曲における最も特徴的なサビ部分の音声態様も加味して、大当たりの間に再生する楽曲を決定させることができるので、楽曲をより選択し易くすることができる。また、この場合において、今回の大当たりがラウンド数の少ない大当たり(例えば、5ラウンド大当たり)である場合に、遊技者が中央ボタンCBを押下して選択した際の再生位置の続きからそのまま楽曲の再生を継続させる構成としてもよい。このように構成することで、ラウンド数が少ない大当たりの残りの期間を用いて、より効果的に楽曲を再生することができる。
上記各制御例では、所定期間(確変状態中や、大当たり中)において実行される興趣演出のうち、音声による演出の演出態様(再生される楽曲の種別)を遊技者が選択することができる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81において表示される表示演出の演出態様を選択することが可能に構成してもよい。
上記各制御例では、再生する楽曲の種別毎に、楽曲用データ群を設け、予め定めた順番で楽曲用データ群を構成する各データを再生することにより1の楽曲を再生する構成としていたが、これに限られるものではない。1の楽曲を開始から終了まで再生することができる1のデータのみを、楽曲の数だけ設ける構成としてもよい。この場合において、再生位置を識別可能な形式のデータ構成としておき、再生位置を、少なくともパート単位で可変させることが可能に構成してもよい。このように構成することで、上述した第1制御例のように、楽曲が選択された経緯に応じて、異なる再生位置から楽曲の再生を開始させることができる。また、上述した第2制御例のように、大当たりの最終ラウンドのラウンド期間中にサビ部分が再生される可能性が高くなるように、再生位置を可変させることができる。
上記各制御例では、選曲エリアに配置する項目のみをランダムな抽選により決定し、他の項目(履歴エリア以外のメニュー位置に配置させる項目)については、選曲エリアに配置する項目を基準として予め定められた順序(アルファベット順)で配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、他の項目についても、ランダムな抽選により決定する構成としてもよい。
上記各制御例では、選曲メニュー画面の初期配置において、少ない操作回数で選択できる範囲に、遊技者の選択頻度が高い項目を配置させ、選曲エリアに対してランダムな抽選により選択した1の項目を配置させ、これら以外の項目を、選曲エリアに配置させた項目を基準として予め定めた順序で配置させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技者が選曲メニュー画面における項目の配置を操作ボタン230に対する操作等によって自由にカスタムできるように構成してもよい。このように構成することで、遊技者が選択したいと考える楽曲を、予め操作回数が少ない範囲で選択可能な位置に配置させておくことができるので、遊技者の利便性を高めることができる。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記第1〜第4実施形態、および第7実施形態では、遊技球が入球することで大当たりの開始契機となる作動入賞口を1又は複数設ける構成としていたが、大当たりの開始契機はこれに限られるものではない。例えば、遊技者の手が届く範囲にスイッチ等の操作手段を設ける構成とし、特別図柄の抽選で大当たりとなってから当該操作手段に対して特定の操作を行った場合に大当たりが開始される構成としてもよい。このように構成することで、簡単に大当たりを開始させることができるので、作動入賞口を狙って遊技球を発射したにも拘わらず作動入賞口に入球しなかった等により遊技者を落胆させてしまうことを防止できる。
<第8実施形態>
次に、図173から図185を参照して、第8実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり待機状態に移行し、その大当たり待機状態の間に作動入賞口660へと遊技球を入球させた場合に大当たりが開始される構成としていた。また、作動入賞口660は遊技盤13の右上側に1箇所のみ設ける構成としていた。即ち、大当たり待機状態となった場合には、大当たり種別によらず、遊技盤13の右上側に向かって遊技球を発射して作動入賞口660へと遊技球を入球させない限り、大当たりが開始されない構成としていた。
これに対して本第8実施形態におけるパチンコ機10では、複数の作動入賞口を設ける構成とし、大当たり待機状態において入賞した作動入賞口の種別に応じて開始される大当たりの種別(有利度合い)を異ならせる構成とした。より具体的には、MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710c、および特殊MAX用作動入賞口6720の4つの作動入賞口を設ける構成とし、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710a、および特殊MAX用作動入賞口6720のどちらかへと遊技球が入球した場合には、ラウンド数が16ラウンドの大当たりが開始される一方で、通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへと遊技球が入球した場合には、ラウンド数が4ラウンドの大当たりが開始される構成としている。この第8実施形態におけるパチンコ機10では、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることにより大当たりを開始させることができれば、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球し易い状態を形成することができるので、次回の大当たり待機状態において特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、2回の大当たりにおいて連続してラウンド数が多い(即ち、遊技者に有利な)16ラウンド大当たりとなるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第8実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図173を参照して、本第8実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図173は、本第8実施形態における遊技盤13の正面図である。図173に示した通り、本第8実施形態における遊技盤13では、可変表示装置ユニット80の下方に、遊技球をMAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかに振り分けるための振分装置6700が設けられている。この振分装置6700は、正面視右方に遊技球が内部へと入球可能となる開口部と、その開口部を開閉するための作動ゲート6700aとが設けられている。この作動ゲート6700aは、通常時においては遊技球が振分装置6700の内部へと入球不可能な閉鎖状態(閉鎖位置)となり、大当たり待機状態の間のみ、振分装置6700の内部へと入球可能となる開放状態(開放位置)となる。
図173に示した通り、振分装置6700の内部には、開口部から入球した遊技球が流下可能な誘導流路6700bと、その誘導流路6700bを流下した遊技球を、3つの作動入賞口(MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710c)のいずれかへとランダムに振り分けるための3穴クルーン6710とが設けられている。大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと入球すると、ラウンド数が16ラウンドの大当たりが開始される一方で、大当たり待機状態において通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかへと入球すると、ラウンド数が4ラウンドの大当たりが開始される。
3穴クルーン6710は、公知のクルーン手段で構成されており、すり鉢形状の内壁の底面部分に3つの作動入賞口が設けられている。誘導流路6700bを流下して3穴クルーン6710へと流入した遊技球は、すり鉢状の内壁を所定期間転動した後、いずれかの作動入賞口へと入球する。なお、3穴クルーン6710へと流入した遊技球が各作動入賞口へと入球する割合は均等となっている。即ち、振分装置6700へと入球した遊技球がMAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cへと入球する確率(割合)は、各1/3である。言い換えれば、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に16ラウンド大当たりとなる確率(MAX用作動入賞口6710aへと振り分けられる確率)は1/3であり、4ラウンド大当たりとなる確率(通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかに振り分けられる確率)は2/3である。
図173に示した通り、本第8実施形態における遊技盤13では、振分装置6700に対して正面視左下方向に、特殊MAX用作動入賞口6720が設けられている。この特殊MAX用作動入賞口6720は、大当たり待機状態において遊技球が入球することで、16ラウンド大当たりの開始が設定される作動入賞口の一種である。即ち、特殊MAX用作動入賞口6720は、MAX用作動入賞口6710aと同一の機能を有する作動入賞口である。この特殊MAX用作動入賞口6720には、図173に示した通り、特殊MAX用作動入賞口6720を開放、および閉鎖させることが可能な非電動役物6720aが付随して設けられている。
非電動役物6720aは、MAX用作動入賞口6710aの内部に設けられている図示しない開放機構と接続されており、非電動役物6720aが閉鎖されている間にMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球する(遊技球が開放機構を通過する)ことにより、非電動役物6720aが機械的に(電気的な制御を用いずに)開放されるように構成されている。なお、開放機構は、非電動役物6720aを開放する機能のみを有しており、非電動役物6720aが開放されている状態において、更にMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球した(遊技球が開放機構を通過した)としても、非電動役物6720aの状態が変わる(非電動役物6720aが閉鎖される)ことはない。
また、非電動役物6720aは、開放状態の間に、特殊MAX用作動入賞口6720の内部に設けられている図示しない閉鎖機構を遊技球が通過することで、非電動役物6720aが機械的に(電気的な制御を用いずに)閉鎖される。なお、特殊MAX用作動入賞口6720は、他の作動入賞口とは異なり、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側の流路を流下した遊技球が入球可能となる位置に設けられている。即ち、他の作動入賞口(MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710c)に対して遊技球を入球させるためには、作動ゲート6700aが開放されている間に右打ちを行えば良いのに対して、特殊MAX用作動入賞口6720に対して遊技球を入球させるためには、非電動役物6720aが開放されている間に左打ちを行えば良い。
なお、上述した通り、非電動役物6720aは、通常時は閉鎖されており、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球した場合にのみ開放される。つまり、非電動役物6720aが閉鎖されている状態で大当たりになり、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球すると、ラウンド数が最も多い16ラウンドの大当たり遊技(遊技者にとって有利な種別の大当たり)が実行される上に、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態にすることができる。よって、次に大当たりとなるまでの間に特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球しなければ(遊技球が閉鎖機構を通過しなければ)、次回の大当たり待機状態において左打ちを行うだけで、容易に、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させて16ラウンド大当たり(遊技者にとって有利な種別の大当たり)を開始させることができる。なお、本第8実施形態では、大当たり終了後の遊技状態として、次回の大当たりまで継続する確変状態、または時短回数が100回の時短状態のうち、どちらかが大当たり種別(確変大当たりであるか、通常大当たりであるか)に応じて設定される。即ち、特別図柄の抽選で外れ続けたとしても、最低でも特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の時短状態が継続するので、第2入球口640に付随する電動役物640aが開放され易くなる。このため、少なくとも特別図柄の抽選が100回終了するまでは、右打ちにより第2入球口640を狙って遊技を行うことになる(遊技者が左打ちを行うことがない)ため、大当たり終了後、即座に特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球してしまい、非電動役物6720aが閉鎖されてしまうことを抑制(防止)することができる。これにより、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球して大当たりが開始された場合に、遊技者にとって最も有利な16ラウンドの大当たりに連続して当選し易くなる状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図173に示した通り、作動ゲート6700aの上方には、振分装置6700に対する遊技球の到達間隔を長くするための整流装置6800が設けられている。詳細については後述するが、この整流装置6800は、到達した遊技球を装置内に停留させる停留状態と、停留していた遊技球を振分装置6700に向けて流下させる流下状態とに周期的に切り替わる。この切り替わりの周期は、5秒間に1個の遊技球を流下させることが可能となる期間となるように設定されているので、振分装置6700の作動ゲート6700aが開放された場合に、1の遊技球が開口部を介して振分装置6700へと入球してから、次の遊技球が振分装置6700へと到達するまでの間に5秒の間隔を空けることができる。一方で、振分装置6700は、いずれかの作動入賞口へと遊技球が入球した時点で作動ゲート6700aが閉鎖されるように制御される。加えて、振分装置6700の内部へと入球した遊技球がいずれかの作動入賞口へと入球するまでの期間は、4秒前後となるように振分装置6700の内部構造が構成されている。つまり、1の遊技球が振分装置6700へと入球してから作動ゲート6700aが閉鎖されるまでの期間が5秒未満となるように構成しているので、整流装置6800によって振分装置6700に対する遊技球の最短の到達間隔を5秒間にすることにより、1の大当たり待機状態の間に2個以上の遊技球が振分装置6700へと入球してしまうことを抑制することができる。
ここで、仮に整流装置6800を設けずに振分装置6700に遊技球が複数入球し得る構成とした場合、1の大当たり待機状態において異なる複数の作動入賞口へと遊技球が入球する可能性がある。つまり、1の遊技球が通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへと入球した後で、他の遊技球がMAX用作動入賞口6710aへと入球してしまう可能性がある。この場合、通常作動入賞口に対応する4ラウンド大当たりが実行されるにもかかわらず、非電動役物6720aが開放されてしまう(特殊MAX用作動入賞口6720へと入球可能な状態となってしまう)ので、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球可能な状態となるケースが増加してしまい、遊技者にとって過剰に有利となってしまう可能性がある。
これに対して本第8実施形態では、振分装置6700の開口部の上流側に、整流装置6800を設けることにより、1の大当たり待機状態において振分装置6700へと入球可能な遊技球を1個に限る(1の遊技球が振分装置6700へと入球してからいずれかの作動入賞口へと入球して作動ゲート6700aが閉鎖されるまでの間に振分装置6700に対して次の遊技球が到達することを防止する)構成としているので、非電動役物6720aが閉鎖された状態で大当たりに当選した場合(振分装置6700へと遊技球を入球させて大当たりを開始させる場合)に、毎回、1/3の確率(割合)で非電動役物6720aを開放させることができる。よって、非電動役物6720aの開放頻度が高くなり、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるので、ホールに対して不測の不利益を生じさせてしまうことを防止することができる。
次に、図174を参照して、整流装置6800の動作の詳細について説明する。図174(a)は、振分装置6700の作動ゲート6700aが開放されている状態において、停留状態の整流装置6800へと遊技球が到達した場合を示した図である。図174(a)に示した通り、整流装置6800は、遊技球を振分装置6700へと流下させることが可能な縦方向の流路と、その流路の途中に設けられ、流路を閉鎖および開放させることが可能なゲート誘導弁6800aとで構成されている。整流装置6800の停留状態においては、ゲート誘導弁6800aが閉鎖された状態となるので、遊技球が整流装置6800を通過することが不可能(困難)となる。よって、整流装置6800へと到達した遊技球は、図174(a)に示した通り、ゲート誘導弁6800aによって流下を阻まれるので、ゲート誘導弁6800aの上方に停留される。なお、ゲート誘導弁6800aの上方は、遊技球が1個のみ停留可能となる幅で構成されているため、1の遊技球が停留された状態で他の遊技球が整流装置6800に到達したとしても、ゲート誘導弁6800aの上方に停留されることはなく、整流装置6800の右方の流路を介して遊技盤13の下方へと流下する。これにより、ゲート誘導弁6800aが開放された場合に2個以上の遊技球が同時に振分装置6700へと向かって流下することを抑制できるので、1の大当たり待機状態において複数の遊技球が振分装置6700の内部に入球することをより確実に防止することができる。
図174(b)は、ゲート誘導弁6800aの上方に遊技球が停留された状態でゲート誘導弁6800aが開放された場合を示した図である。図174(b)に示した通り、ゲート誘導弁6800aが開放されると、ゲート誘導弁6800aの上方に停留されていた遊技球が下方へと落下する。これにより、作動ゲート6700aが開放されている場合には、遊技球が振分装置6700へと入球する。なお、図174(c)に示した通り、ゲート誘導弁6800aは、遊技球がゲート誘導弁6800aを通過した直後に閉まるように、ゲート誘導弁6800aの開閉の周期が設定されている。より具体的には、ゲート誘導弁6800aは、4.9秒間の閉鎖状態と、0.1秒間の開放状態とを周期的に繰り返すように構成されている。これにより、5秒間あたり、最大1個の遊技球のみを振分装置6700に向けて流下させることができるので、1の遊技球が振分装置6700へと入球してから振分装置6700の作動ゲート6700aが閉鎖されるまでの間の約4秒の間に他の遊技球が振分装置6700へと入球してしまうことをより確実に防止することができる。
次に、図175を参照して、各作動入賞口の詳細について説明する。図175(a)は、遊技球が3穴クルーン6710の内壁を転動中の状態を示した図である。図175(a)に示した通り、振分装置6700の内部に設けられている3穴クルーン6710には、その略中央部分に、MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cの3つの作動入賞口が設けられている。MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球すると、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定される一方で、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかへと入球した場合は、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される。よって、大当たり待機状態において振分装置6700へと遊技球が入球した場合には、3穴クルーン6710に設けられている3つの作動入賞口のうち、有利な16ラウンド大当たりの契機となるMAX用作動入賞口6710aへと入球することを期待させる遊技性を実現することができる。
また、図175(a)に示した通り、MAX用作動入賞口6710aと、特殊MAX用作動入賞口6720とは機械的に接続されている。より具体的には、図175(b)に示した通り、遊技球がMAX用作動入賞口6710aへと入球して、MAX用作動入賞口6710aの内部に設けられている図示しない開放機構を通過すると、遊技球の通過に連動して、特殊MAX用作動入賞口6720に付随する非電動役物6720aが開放する。これにより、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するまでの間、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態に維持される。よって、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するよりも前に大当たりに当選し、大当たり待機状態に移行すれば、左打ちにより特殊MAX用作動入賞口6720を狙うだけで、容易にラウンド数が多い(即ち、遊技者にとって有利な)16ラウンド大当たりを開始させることができる。よって、有利な大当たり種別に連続して当選する可能性が高い極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
また、本第8実施形態では、大当たりのラウンド数のみを大当たり待機状態の間に遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて決定する構成とし、大当たり終了後の遊技状態に関しては、大当たり種別に応じて予め定められている(確変大当たりとなるか、通常大当たりとなるかが特別図柄の抽選を実行した時点で決定されている)構成としている。このため、MAX用作動入賞口6710aへと入球して(即ち、非電動役物6720aが開放された状態で)実行された16ラウンド大当たりの終了後の遊技状態は、確変状態、および時短状態のどちらの可能性もある。言い換えれば、比較的不利な通常大当たりに当選した場合でも、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることができれば、時短状態が経過するまでの間、大当たりに当選した場合にラウンド数が16ラウンドに設定される有利な状態が継続するので、時短大当たりとなって通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへと入球した場合(非電動役物6720aが開放されなかった場合)に比較して、時短状態における抽選結果が大当たりとなることをより強く期待して遊技を行わせることができる。即ち、同じ時短状態であっても、非電動役物6720aの状態に応じて、大当たりに当選することに対する期待感を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、遊技球がMAX用作動入賞口6710aへと1個入球することにより、特殊MAX用作動入賞口6720が開放される機構を採用していたが、これに限られるものではなく、特殊MAX用作動入賞口6720が開放されるまでに要するMAX用作動入賞口6710aへの入賞個数は任意に定めることができる。また、同様にして、開放された状態の特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖されるまでに要する特殊MAX用作動入賞口6720に対する入賞個数も任意に定めることができる。
次に、図176、および図177を参照して、本第8実施形態における第3図柄表示装置81に表示される特徴的な表示演出について説明する。図176(a)は、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態で大当たりが終了した場合における大当たりのエンディング演出の表示態様の一例を示した図である。なお、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態で大当たりが終了する場合とは、基本的に、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球したことにより実行された16ラウンド大当たりが終了した場合である。なお、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態において大当たりになったにもかかわらず、遊技者が発射方向を誤った等により、大当たり待機状態において右打ちを行って振分装置6700へと入球させ、3穴クルーン6710に設けられているいずれかの作動入賞口へと入球した場合にも、大当たりの終了時に特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態になる。この場合にも同様のエンディング演出が実行される。
特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態におけるエンディング演出では、第3図柄表示装置81の表示画面に対して、「MAXゾーン突入!!」という文字と、「右打ち中に当たればMAX確定!?」という文字とが表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、右打ちを行っている間に大当たりに当選することで、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させて16ラウンド大当たり(MAX大当たり)を開始させることができるということを容易に理解させることができる。以降は、説明の便宜上、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態のことを、「MAXゾーン」と称する。
次に、図176(b)を参照して、MAXゾーンの間に大当たりに当選した場合における、大当たり待機状態中の表示態様(待機状態演出)について説明する。図176(b)に示した通り、MAXゾーンにおいて大当たりに当選すると、第3図柄表示装置81の表示画面の上方に、「左打ちでMAXを狙え!!」という文字が表示された表示領域HR5が形成されると共に、表示領域HR5の下方に、特殊MAX用作動入賞口6720を模した画像に対して矢印の画像が向けられている表示内容が表示された表示領域HR6が形成される。これらの表示内容により、今回の大当たり待機状態においては、右打ちにより振分装置6700を狙うのではなく、左打ちにより特殊MAX用作動入賞口6720を狙えば良いということを遊技者に対して容易に理解させることができる。
次に、図177(a)を参照して、MAXゾーン中に時短回数が終了した(時短期間が経過した)場合における第3図柄表示装置81の表示態様について説明する。図177(a)に示した通り、MAXゾーンにおいて時短回数が経過すると、第3図柄表示装置81の表示画面における下方に、「MAXゾーン転落のピンチ!!」という文字と、「転落する前に当たればMAX確定!?」という文字とが表示された表示領域HR7が形成される。この表示内容により、遊技者に対してMAXゾーンが終了する可能性があることを容易に理解させることができる。逆に言えば、時短期間が経過し、左打ちにより遊技を行う必要がある比較的不利な遊技状態(通常遊技状態)に移行したとしても、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するよりも前に第1入球口64へと遊技球を入球して大当たりに当選することができれば、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させるだけで有利な16ラウンド大当たりが実行されるというMAXゾーンの恩恵がそのまま受けられるので、時短状態が終了した場合に、即座に遊技を辞めてしまうことを防止することができる。即ち、少なくとも特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球して、MAXゾーンが終了してしまうまでは遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。なお、本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放されている状態において左打ちを行った場合に、遊技球約5個に1個の割合で非電動役物6720aへと遊技球を入球させることが可能に構成されている。これに対し、第1入球口64に対しては遊技球約10個に1個の割合でしか入球しないため、非電動役物6720aが開放されている状態で左打ちを行った場合に、第1特別図柄の抽選が実行される回数はほぼ、1回以下となる。よって、非電動役物6720aが開放されている状態で先に第1入球口64へと入球して、且つ、入球に基づく抽選で大当たりになる可能性は非常に低いため、この状況が生じた場合に、遊技者に対してより大きな達成感と満足感とを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図177(b)は、MAXゾーンにおいて特殊MAX用作動入賞口6720へと入球したことによりMAXゾーンが終了した場合(非電動役物6720aが閉鎖した場合)を示した図である。図177(b)に示した通り、MAXゾーンにおいて時短期間が経過し、特別図柄の抽選を実行させるために左打ちを行ったことにより、遊技球が特殊MAX用作動入賞口6720へと入球すると、表示領域HR7の表示内容が「転落!!」という文字に変更されると共に、非電動役物6720aが閉鎖される。この表示内容により、遊技者に対してMAXゾーンが終了してしまったことを容易に理解させることができる。
なお、本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放されている状態において左打ちを行った場合に、発射された遊技球が約5個に1個の割合で入球する構成としていたが、遊技球が入球する割合は任意に定めてもよい。遊技球が入球する割合を高くする(例えば、1/3の割合)ことにより、非電動役物6720aが開放された状態で大当たりとなった場合に、より少ない発射個数で特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させることができるので、効率良く遊技を行わせることができる。これに対して、遊技球が入球する割合を低くする(例えば、1/20の割合)ことにより、非電動役物6720が開放された状態で時短回数が経過した場合に、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球するよりも前に第1入球口64へと入球して特別図柄の抽選を実行させることができる可能性が高まるため、非電動役物6720aが開放された状態で大当たりとなる可能性を高くすることができる。更に、左打ちを行った場合に特殊MAX用作動入賞口6720へと入球する割合を、ホールの店員等が可変させることが可能となるように構成してもよい。即ち、効率良く遊技を行うことができるように設定するか、特殊MAX用作動入賞口6720aが開放された状態で大当たりとなる可能性を高めるかを選択することができるように構成してもよい。このように構成することで、ホール毎の経営方針等に合わせたスペックを実現することができる。
<第8実施形態における電気的構成>
次に、図178、および図179を参照して、本第8実施形態におけるパチンコ機10の電気的構成について説明する。本第8実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110に設けられているROM202の構成、および音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の構成が、第1実施形態から一部変更となっている。まず、図178を参照して、本第8実施形態におけるROM202に設けられている第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。なお、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容以外については、第1実施形態におけるROM202と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
図178に示した通り、本第8実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、大当たり種別として、「大当たりA12」と、「大当たりB12」との2種類の大当たり種別が規定されている。なお、本第8実施形態では、第1特別図柄の抽選であるか、第2特別図柄の抽選であるかによらず、共通の大当たり種別が選択される。より具体的には、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜64」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりA12」が決定される(図178の202b1参照)。この「大当たりA12」は、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定される大当たり種別である。なお、ラウンド数に関しては、上述した通り、大当たり待機状態において入賞した作動入賞口の種別に応じて可変する。より具体的には、通常作動入賞口6710b,6710cへと入球した場合に、4ラウンドの大当たりになる一方で、MAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720へと入球した場合に、16ラウンドの大当たりとなる。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりA12」に対応付けられているのは「0〜64」の65個のカウンタ値なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA12」が決定される割合は65%(65/100)である。
これに対して、第1特別図柄、または第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、第1当たり種別カウンタC2の値が「65〜99」の範囲内であれば、大当たり種別として「大当たりB12」が決定される(図178の202b2参照)。この「大当たりB12」は、大当たり終了後の遊技状態として、時短回数が100回の時短状態に設定される大当たり種別である。よって、確変状態よりも不利な遊技状態となるので、「大当たりB12」は、「大当たりA12」よりも遊技者にとって不利となる。なお、ラウンド数に関しては、「大当たりA12」と同様に、入賞した作動入賞口の種別に応じて可変する。
第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、「大当たりB12」に対応付けられているのは「65〜99」の35個のカウンタ値なので、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB12」が決定される割合は35%(35/100)である。
このように、本第8実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たり終了後に設定される遊技状態のみが予め定められており、ラウンド数については、大当たり待機状態において遊技球が(最初に)入球した作動入賞口の種別に応じて決定されるように構成している。即ち、大当たり遊技の有利度合いが、大当たり待機状態において遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて可変する構成としている。これにより、大当たり待機状態となった場合に、遊技球が入球する作動入賞口の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図179を参照して、本第8実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図179は、RAM223の構成を示したブロック図である。図179に示した通り、第8実施形態におけるRAM223の構成は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図14(b)参照)に対して、MAXゾーン中フラグ223daが追加されている点、およびレベルカウンタ223hが削除されている点で相違する。
MAXゾーン中フラグ223daは、MAXゾーン中であるか(即ち、非電動役物6720aが開放されているか)否かを示すためのフラグである。このMAXゾーン中フラグ223daがオンであれば、MAXゾーン中である(非電動役物6720aが開放されている)ことを示し、オフであれば、MAXゾーン中ではない(非電動役物6720aが閉鎖されている)ことを示す。このMAXゾーン中フラグ223daは、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへの入賞を検出した場合にオンに設定され(図185のS40003参照)、特殊MAX用作動入賞口6720への入賞を検出した場合にオフに設定される(図185のS40005,40009参照)。大当たりのエンディング期間となり、主制御装置110からエンディングコマンドを受信した場合には、このMAXゾーン中フラグ223daの状態を参照して、通常のエンディング演出を実行するか、MAXゾーンを示すエンディング演出を実行するかが決定される(図184のS4493〜S4495参照)。
<第8実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図180から図183を参照して、主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図180のフローチャートを参照して、本第8実施形態における特別図柄変動処理12(S131)について説明する。この特別図柄変動処理12(S131)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示態様の設定、および第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターン等を設定するための処理である。
この第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)のうち、S201〜S223の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図22参照)のS201〜S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)では、S220の処理が終了すると、次いで、作動ゲート6700aの開放を設定して(S251)、処理をS223へと移行する。作動ゲート6700aの開放を設定することにより、大当たり待機状態において右打ちを行うことで振分装置6700の内部へと容易に遊技球を入球させることができるようになる。
次に、図181を参照して、本第8実施形態における立ち上げ処理12について説明する。この立ち上げ処理12は、第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)と同様に、電源投入に伴い起動される処理である。この第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)のうち、S901〜S912、およびS914〜S917の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)のS901〜S912、およびS914〜S917の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)では、S912の処理が終了すると、ゲート誘導弁6800aの駆動開始を設定して(S931)、処理をS914へと移行する。ゲート誘導弁6800aの駆動が開始されると、ゲート誘導弁6800aは、4.9秒間の閉鎖状態と、0.1秒間の開放状態とを電源が遮断されるまで周期的に繰り返す。これにより、整流装置6800へと到達した遊技球が振分装置6700へと到達する間隔を5秒間隔以上とすることができるので、1の大当たり待機状態において1の遊技球が振分装置6700へと入球してから当該遊技球がいずれかの作動ゲートへと入球する(作動ゲート6700aが閉鎖される)までの約4秒間の間に他の遊技球が振分装置6700の内部に入球することを防止することができる。よって、非電動役物6720aが閉鎖された状態において大当たりとなった場合に、MAX用作動入賞口6710aへの入球に基づいてMAXゾーンに移行する(非電動役物6720aが開放される)割合を1/3に維持することができる。よって、MAXゾーンに過剰に移行してしまい、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを抑制できる。
次に、図182を参照して、本第8実施形態におけるメイン処理12について説明する。このメイン処理12は、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)と同様に、遊技の主要な制御を実行するための処理である。
この第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)のうち、S1001〜S1003、およびS1005〜S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001〜S1003、およびS1005〜S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)では、S1003の処理が終了すると、第1実施形態における大当たり開始処理(図31、S1004参照)に代えて、大当たり開始処理12を実行して(S1061)、処理をS1005へと移行する。この大当たり開始処理12(S1061)の詳細について、図183を参照して説明する。
図183は、大当たり開始処理12(S1061)を示すフローチャートである。この大当たり開始処理12(S1061)は、第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)に代えて実行される処理であり、作動入賞口への入球に基づいて大当たりを開始するための処理である。この第8実施形態における大当たり開始処理12(S1061)のうち、S1101,S1102、およびS1104の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり開始処理(図31参照)のS1101,S1102、およびS1104の各処理と同一の処理が実行される。
また、第8実施形態における大当たり開始処理12(図183参照)では、S1102の処理が終了すると(S1102:Yes)、次に、作動ゲート6700aの閉鎖を設定し(S1121)、入賞を検出した作動入賞口の種別を音声ランプ制御装置113に通知するための入賞口種別コマンドを設定する(S1122)。ここで設定された入賞口種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理12(図182参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞口種別コマンドを受信すると、コマンドにより通知された作動入賞口の種別に応じてMAXゾーン中フラグ223daを更新する。これにより、大当たり終了時に実行されるエンディング演出の態様を、特殊MAX用作動入賞口6720の状態(MAXゾーンであるか否か)に応じて設定することができる。
また、S1122の処理が終了すると、次いで、入賞を検出した作動入賞口の種別に応じたラウンド数の大当たりの開始を設定する(S1123)。より具体的には、通常作動入賞口6710b,6710cのどちらかへの入賞を検出した場合に、4ラウンド大当たりの開始を実行する一方で、MAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720のどちらかへの入賞を検出した場合に、16ラウンド大当たりの開始を設定する。S1123の処理が終了すると、大当たり開始フラグ203kをオンに設定して(S1124)、処理をS1104へと移行する。
<第8実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図184および図185を参照して、本第8実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図184を参照して、本第8実施形態における当たり関連処理12(S4391)について説明する。この当たり関連処理12(S4391)は、コマンド判定処理(図36参照)において、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)のうち、S4401〜S4409の各処理では、それぞれ第1実施形態における当たり関連処理(図37参照)のS4401〜S4409の各処理と同一の処理が実行される。また、本第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4407:No)、次いで、未処理のコマンドの中に入賞口種別コマンドが含まれているか否かを判別し(S4491)、入賞口種別コマンドが含まれていると判別した場合は(S4491:Yes)、コマンドにより通知された作動入賞口の種別に応じた制御を実行するための入賞口種別コマンド処理を実行して(S4492)、本処理を終了する。この入賞口種別コマンド処理(S4492)の詳細については、図185を参照して後述する。
一方、S4491の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に入賞口種別コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4491:No)、処理をS4409へと移行する。S4409の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にエンディングコマンドが含まれていると判別した場合は(S4409:Yes)、次いで、MAXゾーン中フラグ223daがオンであるか否かを判別し(S4493)、MAXゾーン中フラグ223daがオンであると判別した場合は(S4493:Yes)、非電動役物6720aが開放されていることを意味し、大当たり終了後に設定される確変状態、または時短状態の間に再度大当たりに当選することにより、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させて有利な16ラウンド大当たりを開始させることが可能であることを意味するので、MAXゾーンへの突入を示す態様のエンディング演出(図176(a)参照)の実行を設定して(S4494)、本処理を終了する。一方で、S4493の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオフであると判別した場合は(S4493:No)、通常のエンディング演出を設定して(S4495)、本処理を終了する。
次に、図185を参照して、上述した入賞口種別コマンド処理(S4492)の詳細について説明する。この入賞口種別コマンド処理(S4492)は、上述した通り、主制御装置110から受信した入賞口種別コマンドによって通知された作動入賞口の種別に応じた制御を実行するための処理である。
この入賞口種別コマンド処理(図185参照)では、まず、待機状態演出フラグ223gがオンであるか否かを判別し(S40001)、待機状態演出フラグ223gがオンであると判別した場合は(S40001:Yes)、次いで、今回受信した入賞口種別コマンドが、MAX用作動入賞口6710aを示すコマンドであるか否かを判別する(S40002)。S40002の処理において、MAX用作動入賞口6710aを示すコマンドであると判別した場合は(S40002:Yes)、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球したことを意味し、非電動役物6720aを開放させるための開放機構を遊技球が通過した(非電動役物6720aが開放された)ことを意味するので、MAXゾーン中フラグ223daをオンに設定して(S40003)、本処理を終了する。
一方で、S40002の処理において、今回受信した入賞口種別コマンドが、MAX用作動入賞口6710aを示すコマンドではないと判別した場合は(S40002:No)、次いで、特殊MAX用作動入賞口6720を示すコマンドであるか否かを判別し(S40004)、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドであると判別した場合は(S40004:Yes)、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球して閉鎖機構を遊技球が通過する(非電動役物6720aが閉鎖される)ことを意味するので、MAXゾーン中フラグ223daをオフに設定して(S40005)、本処理を終了する。これに対し、S40004の処理において、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドではないと判別した場合は(S40004:No)、非電動役物6720aの状態が切り替わることがないので、そのまま本処理を終了する。
一方、S40001の処理において、待機状態演出フラグ223gがオフであると判別した場合は(S40001:No)、次に、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドを受信したか否かを判別し(S40006)、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドであると判別した場合は(S40006:Yes)、MAXゾーン中フラグ223daがオンであるか否かを判別する(S40007)。S40007の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオンであると判別した場合は(S40007:Yes)、大当たり待機状態以外の状態において、開放された状態の特殊MAX用作動入賞口6720へと入球して非電動役物6720aが閉鎖されたことを意味するので、転落演出(図177(b)参照)の実行を設定する(S40008)。次いで、MAXゾーン中フラグ223daをオフに設定して(S40009)、本処理を終了する。これにより、遊技者に対してMAXゾーンが終了したことを容易に理解させることができる。
一方、S40006の処理において、特殊MAX用作動入賞口6720を示す入賞口種別コマンドではない(MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかを示す入賞口種別コマンドである)と判別した場合は(S40006:No)、大当たり待機状態ではない(作動ゲート6700aが閉鎖され、振分装置6700の内部に遊技球が入球不可能である)にもかかわらず、振分装置6700の内部に遊技球が入球したことを意味し、作動ゲート6700aの故障や何らかの不正行為が行われた可能性があるので、表示用エラーコマンドを設定することによりエラーを報知して(S40010)、本処理を終了する。また、S40007の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオフであると判別した場合は(S40007:No)、非電動役物6720aが閉鎖されているはずであるのにもかかわらず、遊技球が特殊MAX用作動入賞口6720へと入球したことを意味し、非電動役物6720aの故障等の不具合が発生している可能性があるため、処理をS40010へと移行してエラーの報知を設定し、本処理を終了する。
この入賞口種別コマンド処理(図185参照)を実行することにより、入賞を検出した作動入賞口の種別に応じて好適にMAXゾーン中フラグ223daを更新することができる。
以上説明した通り、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり待機状態において入球した作動入賞口の種別に応じて、実行(決定)される大当たり遊技の有利度合い(大当たり種別)が可変する構成としている。即ち、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球すると、比較的有利な16ラウンド大当たりが実行される一方で、通常作動入賞口6710b,6710cへと入球すると、比較的不利な4ラウンド大当たりが実行される。4つの作動入賞口のうち、MAX用作動入賞口6710a、通常作動入賞口6710b,6710cの3つの作動入賞口は、振分装置6700の内部に設けられており、振分装置6700の内部に入球した遊技球が各1/3の確率(割合)で均等に振り分けられる構成としている。つまり、大当たり待機状態において振分装置6700へと遊技球が入球すると、1/3の割合で16ラウンド大当たりとなり(即ち、MAX用作動入賞口6710aへと入球し)、2/3の割合で4ラウンド大当たりとなる(即ち、通常作動入賞口6710b,6710cのいずれかへと入球する)。これにより、MAX用作動入賞口6710aへと振り分けられることを期待させる遊技性を実現することができるので、大当たり待機状態における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第8実施形態におけるパチンコ機10では、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球することにより、通常時は閉鎖されている特殊MAX用作動入賞口6720が開放されるように構成している。この特殊MAX用作動入賞口6720の開放状態は、次に特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球するまで維持される。ここで、特殊MAX用作動入賞口6720は遊技盤13における左側の流路に配置されているので、普通図柄の時短状態が設定される確変状態、および時短状態の間(即ち、右打ちにより遊技を進行する遊技状態の間)は、遊技球が特殊MAX用作動入賞口6720へと入球して非電動役物6720aが閉鎖されることはない。よって、確変大当たり(大当たりA12)に当選して、大当たり待機状態でMAX用作動入賞口6710aへと入球した場合は、16ラウンド大当たりが実行される上に、次に大当たりとなった場合に特殊MAX用作動入賞口6720へと入球させることができるので、2回の大当たりで連続して、遊技者にとって有利な種別の大当たりが実行されることが確定するという遊技性を提供することができる。一方で、通常大当たり(大当たりB12)に当選してMAX用作動入賞口6710aへと入球した場合には、時短状態が継続している間に大当たりとなることにより、次の大当たりも16ラウンド大当たりとなるため、時短状態の間に再度大当たりになることを強く願って遊技を行うという遊技性を実現することができる。このように、MAX用作動入賞口6710aへと入球したのが確変大当たりの大当たり待機状態であるか、通常大当たりの大当たり待機状態であるかに応じて、大当たり終了後の遊技性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第8実施形態では、振分装置6700の内部に3穴クルーン6710を設けることにより、3つの作動入賞口に対してランダムに遊技球を振り分ける構成としていたが、遊技球をランダムに振り分けるための構成はこれに限られるものではない。複数の作動入賞口に対してランダムに遊技球を振り分けることができる構成であれば、任意の構成を採用することができる。
本第8実施形態では、1の大当たり待機状態において1の遊技球のみが振分装置6700の内部へと入球可能となるように制御していたが、条件(例えば、大当たり種別や大当たり待機状態に移行した時点の遊技状態、大当たり当選時の特別図柄の抽選回数等)に応じて、振分装置6700の内部へと入球可能となる遊技球の個数を可変させてもよい。より多くの遊技球が入球可能となる場合の方がMAX用作動入賞口6710aへと入球して特殊MAX用作動入賞口6720が開放される可能性も高くなるため、遊技者に対してMAXゾーンへの移行をより強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、振分装置6700へと入球した遊技球を3つの作動入賞口のいずれかへとランダムに振り分ける構成としていたが、必ずしもランダムに振り分ける必要はない。例えば、大当たり待機状態となる毎に、遊技球が振り分けられる作動入賞口が予め定められた順序で切り替わるように構成してもよい。このように構成することで、次回に振り分けられる作動入賞口がMAX用作動入賞口6710aである場合に、大当たりとなるまで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第8実施形態では、MAX用作動入賞口6710aが、大当たりの開始契機となる作動入賞口としての役割と、特殊MAX用作動入賞口6720を開放させる役割とを兼任していたが、これに限られるものではない。例えば、通常用作動入賞口6710bに対して特殊MAX用作動入賞口6720を開放させるための開放機構を設ける構成としてもよい。このように構成することで、比較的不利な大当たり(4ラウンドの大当たり)が実行された場合に、特殊MAX用作動入賞口6720が開放した有利な状態となるので、不利な大当たりとなったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。更に、大当たりが通常大当たりであった場合に、特殊MAX用作動入賞口6720が開放されたままに維持される100回の時短回数の中で再度大当たりとなって16ラウンド大当たりに当選させたいと強く願って遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
また、作動入賞口とは別に、特殊MAX用作動入賞口6720を開放させるための専用の入球口を設ける構成としてもよい。この場合において、特殊MAX用作動入賞口6720を開放させるための専用の入球口は、必ずしも振分装置6700の内部に設ける必要はなく、例えば、特定入賞口65aの内部に設ける構成としてもよい。
本第8実施形態では、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aに遊技球が入球すると必ず16ラウンド大当たりとなる一方で、通常作動入賞口6710b,6710cに遊技球が入球すると必ず4ラウンド大当たりになる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり種別に応じて、ラウンド数が16ラウンドに設定される作動入賞口と、4ラウンドが設定される作動入賞口との配分を異ならせる構成としてもよい。即ち、MAX用作動入賞口6710aへと入球した場合に加え、通常作動入賞口6710bへと入球した場合にも16ラウンド大当たりが設定される大当たり種別や、振分装置6700の内部のいずれの作動入賞口へと振り分けられたとしてもラウンド数が16ラウンドに設定される大当たり種別や、振分装置6700の内部のいずれの作動入賞口へと振り分けられたとしてもラウンド数が4ラウンドに設定される大当たり種別を設ける構成としてもよい。
本第8実施形態では、大当たり終了後の遊技状態は大当たり種別に応じて予め定められており、大当たりのラウンド数のみを、遊技球が入球した作動入賞口の種別に応じて設定する構成としていたが、作動入賞口の種別によって可変させるのは、大当たりのラウンド数に限られるものではなく、ラウンド数に代えて、又は加えて、大当たりの有利度合いに関する他の要素を作動入賞口の種別に応じて設定する構成としてもよい。具体的には、例えば、MAX用作動入賞口6710a、または特殊MAX用作動入賞口6720へと入球した場合には、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定されるのに代えて、または加えて、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成してもよい。また、通常作動入賞口6710bへと入球した場合には、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定されるのに代えて、または加えて、大当たり終了後の遊技状態が確変状態に設定されるように構成してもよい。また、通常作動入賞口6710bへと入球した場合には、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定されるのに代えて、または加えて、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定されるように構成してもよい。このように構成することで、遊技球が作動入賞口の種別に応じて設定される有利度合いの差をより大きくすることができるので、遊技球が入球する作動入賞口の種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放された状態において、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が1個入球することにより非電動役物6720aが閉鎖される構成としていたが、開放状態の特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖状態に切り替わる条件(遊技球の入球個数)は、これに限られるものではない。例えば、遊技球が2個入球するまで特殊MAX用作動入賞口6720が開放状態に保たれる構成としてもよい。このように構成した場合、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることができれば、右打ち遊技中に大当たりに当選した場合に16ラウンド大当たりが確定する有利な状態(MAXゾーン)を最大2回の大当たりに渡って継続させることができる。よって、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球した場合における恩恵をより大きくすることができるので、振分装置6700へと入球した遊技球が振り分けられる作動入賞口の種別により注目して遊技を行わせることができる。
本第8実施形態では、非電動役物6720aが開放された状態においてMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球したとしても、非電動役物6720aの状態に何ら影響を及ぼすことがない構成としていた(単に閉鎖状態の非電動役物6720aを開放させるのみであった)が、これに限られるものではなく、非電動役物6720aが開放されている状態でMAX用作動入賞口6710aへと入球させた場合に、非電動役物6720aの状態が更に遊技者に有利になるように構成してもよい。具体的には、例えば、非電動役物6720aが開放されている状態でMAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球する毎に、非電動役物6720aが閉鎖されるまでの特殊MAX用作動入賞口6720に対する入球個数が1ずつ増加していくように構成してもよい。このように構成することで、非電動役物6720aが開放されている状態において大当たりになった場合であっても、大当たり待機状態において振分装置6700を狙って遊技球を発射させるという選択肢を遊技者に与えることができる。即ち、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球を入球させることにより非電動役物6720aが閉鎖されるまでの入球個数を上乗せさせようと考えさせることができる。よって、非電動役物6720aが開放されている状態において、発射方向を選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
本第8実施形態では、確変大当たりになると、次に大当たりとなるまで確変状態、および時短状態が継続する構成とし、通常大当たりになると、特別図柄の抽選が100回実行されるまで時短状態が継続する構成としていたが、これに限られるものではなく、時短回数を多様化させてもよい。具体的には、例えば、次に大当たりとなるまで時短状態が継続する確変大当たり(大当たりa)と、時短回数が10回に設定される確変大当たり(大当たりb)と、時短回数が100回に設定される通常大当たり(大当たりc)と、時短回数が10回に設定される通常大当たり(大当たりd)と、を少なくとも設ける構成としてもよい。このように構成することで、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態において大当たりとなった場合に、大当たり種別を加味して、大当たり待機状態において特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させるか、振分装置6700へと遊技球を入球させるかを選択させる遊技性を実現することができる。即ち、大当たりaや大当たりc(時短状態の間に再度大当たりに当選する可能性が比較的高い大当たり種別)となった場合には、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態を次の大当たりまで持ち越すために、振分装置6700を狙って遊技球を発射するという選択肢を遊技者に与えることができる。一方で、大当たりbや大当たりd(時短状態が10回しかなく、時短回数内に大当たりに当選する可能性が比較的低い大当たり種別)となった場合は、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させないと、時短状態が経過して左打ち遊技に戻ってしまい、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球が入球する可能性が高くなる(特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖されて16ラウンド大当たりの権利を失ってしまう可能性が高くなる)ので、特殊MAX用作動入賞口6720へと遊技球を入球させて16ラウンド大当たりを実行させるという選択肢を遊技者に与えることができる。なお、この場合において、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球する毎に特殊MAX用作動入賞口6720の閉鎖条件となる入球個数に1が加算されていく仕様を組み合わせると、より効果的である。即ち、特殊MAX用作動入賞口6720が開放された状態で振分装置6700へと遊技球を入球させ、MAX用作動入賞口6710aへと入球した場合に、16ラウンド大当たりとなるだけでなく、特殊MAX用作動入賞口6720の閉鎖条件が1加算されるので、特殊MAX用作動入賞口6720が閉鎖されているか、開放されているかによらず、MAX用作動入賞口6710aへと遊技球が入球することで遊技者にメリットを生じさせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態>
次いで、図186から図208を参照して、第9実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第8実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり待機状態においてMAX用作動入賞口6710aへと入球した場合に、有利な16ラウンド大当たりが開始される上に、特殊MAX用作動入賞口6720へと入球可能となるMAXゾーンが付与される構成とすることにより、有利な種別の大当たりが連続して実行され易くなる構成とし、遊技者の遊技に対する興趣向上を図っていた。
これに対して本第9実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、特別図柄の抽選で外れの一種である小当たりとなって、当該小当たり遊技の間に遊技領域に設けられているV入賞口(特定領域)に遊技球が入球することによっても大当たりに当選する仕様を採用している。また、本第9実施形態において、小当たりは第2特別図柄の抽選(第2入球口640への入球に基づく特別図柄の抽選)でのみ高確率で(例えば、9/10で)当選し得る(第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が小当たりとなり易くなる)構成とし、且つ、遊技状態に応じて第2入球口640への入球し易さを可変させる構成としている。即ち、本第9実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりになる確率は遊技状態によらず一定としておき、第2入球口640に付随する電動役物640aの開放確率(普通図柄の当たりとなる確率)や、普通図柄の変動時間、開放時間等を遊技状態に応じて異ならせることにより、遊技状態に応じて小当たりに当選する可能性を異ならせ、結果的に大当たりに当選する可能性を異ならせる構成(所謂、1種2種混合機の仕様)としている。
また、本第9実施形態では、小当たりに当選した場合に入球すると大当たりに当選するV入賞口の種別として、16ラウンド大当たりが実行される契機となるMAX用V入賞口と、小当たり種別に対応するラウンド数の大当たりが実行される契機となる通常V入賞口との2種類を設ける構成としている。また、上述した第8実施形態と同様に、16ラウンド大当たりが付与される1のMAX用V入賞口(特殊MAX用V入賞口6752)に対して非電動役物6752aを付随して設ける構成とし、16ラウンド大当たりが付与される1のV入賞口(MAX用V入賞口6750f1)へと遊技球が入球したことに連動して、非電動役物6752aが開放される構成としている。これにより、普通図柄の時短状態が継続している間に小当たりとなった場合は、小当たりが終了するよりも前に左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるだけで、容易に16ラウンドの大当たりを確定させることができる。
この第9実施形態におけるパチンコ機10が、第8実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202およびRAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113のROM222およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第8実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第8実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図186を参照して、本第9実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図186は、本第9実施形態における遊技盤13の正面図である。図186に示した通り、本第9実施形態における遊技盤13は、第8実施形態における遊技盤13の盤面構成(図173参照)に対して、振分装置6700に代えて抽選装置6750が設けられている点、特殊MAX用作動入賞口6720に代えて、特殊MAX用V入賞口6752が設けられている点で相違している。
抽選装置6750は、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、所定期間、遊技球が入球可能な状態となり(即ち、小当たり用アタッカー6750aが開放され)、抽選装置6750の内部に設けられている3つのV入賞口(MAX用V入賞口6750f1、通常V入賞口6750f3,6750f5)のうちいずれかへと遊技球が入球することにより、大当たりに当選する。なお、抽選装置6750の内部には、V入賞口の個数(3個)と同数のアウト口(アウト口6750f2,6750f4,6750f6)が設けられている。抽選装置6750の内部に入球した遊技球は、いずれかのV入賞口、若しくはいずれかのアウト口へと必ず入球するので、抽選装置6750へと入球した遊技球がいずれかのV入賞口へと入球する(V入賞が発生する)割合(確率)は1/2(3/6)である。
小当たり遊技の実行中(小当たり有効期間中)に通常V入賞口6750f3,6750f5のいずれかへと遊技球が入球すると、実行された小当たりの種別に対応するラウンド数の大当たりが実行される一方で、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球すると、小当たり種別によらず、16ラウンドの大当たりが実行される。また、MAX用V入賞口6750f1の内部には、特殊MAX用V入賞口6752に付随して設けられている非電動役物6752aを開放させるための開放機構が設けられている。このため、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球すると、ラウンド数が最も多い(遊技者に有利な)16ラウンドの大当たりが実行される上に、左打ちを行うだけで、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を容易に入球させることが可能な状態となる。小当たり有効期間において特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合についても、MAX用V入賞口6750f1へと入球した場合と同様に、小当たり種別によらず、ラウンド数が最も多い16ラウンドの大当たりに当選するので、有利な大当たりに連続して当選するチャンスが付与される。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第9実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行された場合、小当たりに当選する可能性は0であるが、第2特別図柄の抽選が実行された場合、高確率(例えば、9/10)で小当たりに当選する構成としている。よって、第2入球口640へと遊技球が入球し易くなる普通図柄の時短状態では、右打ちをし続けることにより、高確率で小当たりとなって小当たり用アタッカー6750aが開放されるので、V入賞口に入球し易い状態となる。一方で、普通図柄の通常状態では、右打ちを行っても第2入球口640へと遊技球を入球させることが困難となるので、左打ちによって遊技を進行させる必要がある。左打ちされた遊技球は、第1入球口64に入球可能であるが、第2入球口640に入球不可能であるので、普通図柄の通常状態では、小当たりに当選することがない。よって、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球した(特殊MAX用V入賞口6752が開放された)ことに基づいて実行された大当たりの終了後の遊技状態が普通図柄の通常状態となった場合は、小当たりになるよりも前に左打ちされた遊技球が特殊MAX用V入賞口6752へと入球することで、非電動役物6752aが閉鎖されてしまう。これに対し、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球した(特殊MAX用V入賞口6752が開放された)ことに基づいて実行された大当たりの終了後の遊技状態が普通図柄の時短状態であれば、高確率で小当たりに当選するので、小当たりに当選した時点で左打ちを行うことで、小当たり有効期間の間に容易に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させることができる。よって、2回の大当たりで連続して有利な大当たり種別の大当たりを実行させることができる。
次に、図187を参照して、本第9実施形態における抽選装置6750の詳細について説明する。図187は、抽選装置6750の内部構造を示した図である。図187に示した通り、抽選装置6750の内部には、3つのV入賞口(MAX用V入賞口6750f1、通常V入賞口6750f3,6750f5)と、3つのアウト口(アウト口6750f2,6750f4,6750f6)とが設けられ、常時一定速度で回転動作を行う振分回転体6750fが設けられている。振分回転体6750fに到達した遊技球は、3つのV入賞口と3つのアウト口のうち、いずれかに入球する。振分回転体6750fは、パチンコ機10に対して電源が投入されてから電源が遮断されるまでの間、常に、等速で回転動作を行うため、小当たりに当選するタイミングや抽選装置6750内における遊技球の転動速度等によって、振分回転体6750fに設けられているいずれの入球口(3つのV入賞口、および3つのアウト口)へと振り分けられるかが可変する。即ち、小当たりとなって遊技球が抽選装置6750の内部へと入球する毎に、いずれかの入球口へと遊技球をランダムに振り分けることができる。
また、図187に示した通り、抽選装置6750における正面視右側には、抽選装置6750の入り口部分を開閉するための小当たり用アタッカー6750aが設けられている。この小当たり用アタッカー6750aは、小当たりに当選した場合に、所定期間(例えば、0.5秒間)開放される。この開放期間の間に上方から小当たり用アタッカー6750aへと到達した遊技球は、抽選装置6750の内部へと流入する。抽選装置6750の内部には、図187に示した通り、遊技球を振分回転体6750fへ向けて流下させるための誘導流路6750bが設けられており、その誘導流路6750bの床面の一部には、床面を開閉させる球排出扉6750cが設けられている。球排出扉6750cが閉鎖されている場合は、誘導流路6750bの床面と、球排出扉6750cの上面とで1の流路を形成するので、遊技球を球排出扉6750cよりも下流側へと流下させることができる。一方、球排出扉6750cが開放されている状態では、遊技球が球排出扉6750cの下方に形成されている排出領域6750dへと落下して、パチンコ機10の外部へと排出される。即ち、振分回転体6750fへと到達することなく、外部へと排出される。また、図187に示した通り、球排出扉6750cの下端よりも、遊技球1個分程度下流側には、流下してきた遊技球を誘導流路6750b内で一時的に停止させる(誘導流路6750bの特定位置を閉鎖する)ことが可能な球止め部6750eが設けられている。
球排出扉6750c、排出領域6750d、および球止め部6750eは、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達する遊技球を最大1個に限るために設けられている。この振分回転体6750fへと到達する遊技球を1個に限定するための制御方法について、図188を参照して説明する。図188(a)は、球排出扉6750c、および球止め部6750eがどちらも閉鎖されている状態で複数の遊技球が抽選装置6750の内部に入球した場合を示した図である。図188(a)に示した通り、球排出扉6750c、および球止め部6750eが閉鎖されている状態においては、抽選装置6750の内部へと流入した遊技球が球排出扉6750cの上面を通過して、球止め部6750eにより流下が妨げられ、球止め部6750eの右方に停留される。なお、1の遊技球が停留されている状態で更に遊技球が誘導流路6750bを流下した場合は、既に停留されている遊技球によって流下が妨げられ、停留されている遊技球の右方に停留される。なお、上述した通り、球止め部6750eは、球排出扉6750cの下端に対して遊技球1個分程度の距離を空けて配設されているので、2個目以降に抽選装置6750へと入球した遊技球は、球排出扉6750cの上面に停留される。
図188(b)は、遊技球が停留されている状態で球排出扉6750cが開放された状態を示した図である。図188(b)に示した通り、球排出扉6750cが開放されると、球止め部6750eの右方に停留されている遊技球以外の遊技球が、排出領域6750dへと落下することによりパチンコ機10の外部へと落下する。これにより、抽選装置6750の内部に1の遊技球のみが停留された状態を形成することができる。球止め部6750eは、球排出扉6750cが開放されてから0.5秒間が経過した後で、正面視左方向へと傾倒することにより誘導流路6750bを通過可能な状態となる。これにより、抽選装置6750内に残存する1の遊技球を振分回転体6750fへ向けて流下させることができる。このように制御することにより、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達可能となる遊技球を最大1個に限ることができるので、抽選装置6750を用いた大当たり抽選の確率(振分回転体6750fによりV入賞口に振り分けられる割合)を一定にすることができる。
次に、図189を参照して、振分回転体6750fの詳細について説明する。図189(a)は、振分回転体6750fの上面図である。図189(a)に示した通り、振分回転体6750fは、上面視略円形で構成されており、その外縁部分に6つの入球口が配置されている。振分回転体6750fは、その中心から外縁方向に向かって下る向きの傾斜が設けられているので、振分回転体6750fの中心付近に対して上方から到達した遊技球は、外縁方向に向かう傾斜に沿って、外縁部分に設けられている何れかの入球口へと振り分けられる。
図189(a)に示した通り、振分回転体6750fには、上面視略台形形状の3つのV入賞口と、上面視略台形形状の3つのアウト口とが交互に配置されている。即ち、MAX用V入賞口6750f1と、アウト口6750f2と、通常V入賞口6750f3と、アウト口6750f4と、通常V入賞口6750f5と、アウト口6750f6とが順番に配置されている。なお、図189(a)に示した通り、振分回転体6750fは、パチンコ機10に電源が投入されている間、常に、軸6750fzを回転軸として、上面視時計回り方向に等速(例えば、5秒間で1回転する回転速度)で回転動作を行い続けるように構成されている。
図189(b)に示した通り、振分回転体6750fに到達した遊技球がMAX用V入賞口6750f1へと入球すると、遊技球がMAX用V入賞口6750f1の内部に設けられている開放機構を通過するため、この開放機構の通過に連動して、非電動役物6752aが開放される。これにより、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球可能となる開状態を形成する。この開状態は、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球し、内部に設けられている閉鎖機構を通過するまでの間継続する。なお、特殊MAX用V入賞口6752へは、遊技球を右打ちしている限り入球することがないため、特殊MAX用V入賞口6752が開状態に切り替わる契機となる大当たり(MAX用V入賞口6750f1への入球に基づいて当選した大当たり)が時短大当たりであれば、大当たり終了後の時短状態を右打ちで第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させることができ、左打ちをせずに小当たりに当選させることができる。よって、小当たりに当選した際に、小当たり有効期間の間左打ちを行うだけで、容易に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させて有利な種別の大当たり(16ラウンド大当たり)を実行させることができる。これに対し、MAX用V入賞口6750f1へと入球することで当選した大当たりが通常大当たりである場合は、大当たり終了後に普通図柄の通常状態となってしまい、右打ちしても第2特別図柄の抽選を実行させることが困難となってしまうので、左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させることで遊技を進行する必要がある。よって、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入り易くなるので、比較的早い段階で非電動役物6752aが閉鎖されてしまう。このため、ほとんどの場合、特殊MAX用V入賞口6752が開放されたことによる恩恵を受けることはできない。
このように、本第9実施形態では、小当たりにおいてMAX用V入賞口6750f1へと振り分けられて実行された大当たりが時短大当たりであるか、通常大当たりであるかによって、特殊MAX用V入賞口6752が開放されたことによる恩恵(次に小当たりとなった場合に16ラウンド大当たりに容易に当選させることができること)を受けられるか否かが可変する構成となっている。よって、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球して大当たりが実行された場合に、遊技者に対して、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の時短状態となることをより期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図190を参照して、本第9実施形態における第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における、抽選装置6750の各部(小当たり用アタッカー6750a、球止め部6750e、および球排出扉6750c)の作動パターン(開放パターン)について説明する。図190は、小当たり当選時における各部の状態の経時変化を示した図である。
図190に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりに当選すると、小当たりの開始(小当たり有効期間の開始)と共に、小当たり用アタッカー6750aが開放される。図190に示した通り、この小当たり用アタッカー6750aの開放状態は0.5秒間継続し、0.5秒経過時に閉鎖される。以降は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6750aが閉鎖状態に維持される。0.5秒間の開放期間の間に遊技球を小当たりアタッカー6750aへと入球させることができれば、小当たり有効期間の間に振分回転体6750fへと遊技球を到達させて、いずれかの入球口へと遊技球を入球させることができる。
また、図190に示した通り、球止め部6750eは、小当たりの開始から2秒が経過するまでの間、閉鎖状態(図188(a)参照)に維持され、2秒経過時点(小当たり用アタッカー6750aの閉鎖後1.5秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(誘導流路6750bを流下可能となる状態)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。これに対して球排出扉6750cは、小当たりの開始から1.5秒が経過するまでの間、閉鎖状態(図188(a)参照)に維持され、1.5秒経過時点(小当たり用アタッカー6750aの閉鎖後1秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(図188(b)参照)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。即ち、小当たりが開始されてから1.5秒の間は、球止め部6750eも球排出扉6750cも閉鎖された状態となるので、抽選装置6750の内部へと入球した遊技球は全て、球止め部6750eによって誘導流路6750b内に停留される。
また、小当たりの開始から1.5秒が経過すると、球止め部6750eが閉鎖された状態で球排出扉6750cが開放されるので、球止め部6750eの右側に直接接触することにより停留されている1の遊技球以外の遊技球が、全て球排出扉6750cの開口部から排出領域6750dへと落下して外部へと排出される。即ち、抽選装置6750の内部に停留されている遊技球が1個のみの状態となる。そして、球排出扉6750cが開放されてから0.5秒後に球止め部6750eが開放されるので、抽選装置6750の内部に残存している1個の遊技球が振分回転体6750fに向けて流下する。このように、先に球排出扉6750cを開放させてから球止め部6750eを開放させる構成とすることにより、小当たり用アタッカー6750aの開放期間中に抽選装置6750の内部に2個以上の遊技球が入球したとしても、球止め部6750eが開放されるまでの間に、2個目以降の遊技球を排出領域6750dから外部に排出しておくことができる。よって、1の小当たりにおいて振分回転体6750fへと到達する遊技球を、毎回1個に限ることができるので、小当たりにおける大当たりの当選確率(V入賞口へと遊技球が入球する確率)を常時一定(50%)とすることができる。
次に、図191を参照して、本第9実施形態における第3図柄表示装置81において実行される特徴的な表示演出について説明する。本第9実施形態では、小当たり有効期間の間に遊技球が入球することにより大当たりが付与されるV入賞口として、右打ちされた遊技球が入球可能となる抽選装置6750の内部に設けられている3つのV入賞口(MAX用V入賞口6750f1、通常V入賞口6750f3,6750f5)に加えて、左打ちにより発射された遊技球が入球可能となる位置に特殊MAX用V入賞口6752が設けられている。本第9実施形態では、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりとなった場合に、小当たり有効期間内に、抽選装置6750ではなく、特殊MAX用V入賞口6752を狙うように促す演出(特殊小当たり演出)が実行される。この特殊小当たり演出の表示態様には、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させた場合に時短大当たりとなる期待度を示唆可能な3種類の表示態様が設けられている。
図191(a)は、時短大当たりの期待度が低いことを示唆する特殊小当たり演出(低期待度用の特殊小当たり演出)が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図191(a)に示した通り、低期待度用の特殊小当たり演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面における左上に、小当たり有効期間が終了するまでの残り時間(特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、当該入球が有効として扱われ、16ラウンドの大当たりに当選する期間)を表示するための表示領域HR8が形成される。この表示領域HR8の内部には、図191(a)に示した通り、「MAX有効タイマー」という文字が表示され、その「MAX有効タイマー」という文字の下方に、小当たりの有効期間が経過するまでの残り時間に応じた秒数が表示される。この表示領域HR8の表示内容を確認することにより、特殊MAX用V入賞口6752への入球が無効になるまでの残り時間を遊技者が容易に理解することができる。
また、図191(a)に示した通り、表示画面における略中央部分には、「タイマーが0になる前にMAXに入ればMAX大当たり確定!!」という文字と、「時短モードにも突入するかも・・・?」という文字とが表示された表示領域HR9が形成される。更に、表示領域HR9の下方には、特殊MAX用V入賞口6752を模した画像と、その特殊MAX用V入賞口6752を模した画像の方向を向き、「左打ち」という文字が表示された矢印を模した画像とが表示された表示領域HR10が形成される。これらの表示領域HR9,HR10の表示内容により、左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752を狙って遊技球を発射することにより、少なくとも16ラウンド大当たりに当選するということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、表示領域HR9に対して、「時短モードにも突入するかも・・・?」という比較的弱気な表現の文字が表示されることにより、遊技球を入球させても時短モード(普通図柄の時短状態)に移行する可能性が低いということを遊技者に対して認識させることができる。よって、小当たり期間の間に左打ちを行って16ラウンド大当たりに当選させるか、遊技球の打ち出しを止めて次の小当たりまで待つ(今回の小当たりでのV入賞を回避する)かを遊技者に選択させるという遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、低期待度用の特殊小当たり演出は、時短大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され難く、且つ、通常大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され易くなるように構成されている。
図191(b)は、時短大当たりの期待度が高いことを示唆する特殊小当たり演出(高期待度用の特殊小当たり演出)が実行された場合における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図191(b)に示した通り、高期待度用の特殊小当たり演出の表示態様は、低期待度用の特殊小当たり演出の表示態様に対して、表示領域HR9の表示態様のみが異なって構成されている。具体的には、表示領域HR9の内部における下段に表示される文字が、「時短モードの期待大!!」という文字となる。この表示態様により、遊技者に対して今回の小当たり有効期間の間に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させることにより、時短大当たりに当選する可能性が極めて高いということを容易に理解させることができる。詳細については図195(b)を参照して後述するが、この高期待度用の特殊小当たり演出は、時短大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され易く、且つ、通常大当たりに対応する小当たり有効期間中に選択され難くなるように構成されている。
なお、図示については省略したが、本第9実施形態における特殊小当たり演出には、低期待度用、および高期待度用に加えて、中期待度用が設けられている。特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりに当選した場合には、これらの3つの期待度のうち、小当たり種別に応じて1の期待度用の特殊小当たり演出が決定される。これにより、遊技者に対して特殊小当たり演出により示唆される期待度を加味して、左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752への入賞を狙うのか、V入賞を回避するのかを選択させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態における電気的構成>
次に、図192(a)を参照して、本第9実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の構成について説明する。図192(a)は、本第9実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図192(a)に示した通り、本第9実施形態におけるROM202の構成は、第8実施形態(および第1実施形態)におけるROM202の構成(図9(a)参照)に対して、小当たり種別選択テーブル202eaが追加されている点、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容が一部変更されている点で相違している。
小当たり種別選択テーブル202eaは、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、その小当たり種別を決定するために参照されるデータテーブルである。詳細については図193(b)を参照して後述するが、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合には、この小当たり種別選択テーブル202eaが参照されて、小当たり種別カウンタC5の値に対応する小当たり種別が決定される。
次に、図192(b)を参照して、本第9実施形態における第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図192(b)は、本第9実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図192(b)に示した通り、本第9実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値として、「0,1」の2つの乱数値(カウンタ値)が規定されている(図192(b)の202a1参照)。なお、大当たりとなる判定値は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される判定値(カウンタ値)の個数が2個なので、特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は1/200(2/400)である。
また、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値の範囲として「2〜399」が規定され(図192(b)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値は規定されていない(図192(b)の202a3参照)。また、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「2〜39」が規定され(図192(b)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「40〜399」が規定されている(図192(b)の202a3参照)。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値(カウンタ値)のうち、小当たりと判定される判定値(カウンタ値)の個数が360個なので、特別図柄の抽選で大当たりと判定される確率は9/10(360/400)である。
このように、本第9実施形態では、第2特別図柄の抽選でのみ、小当たりに当選し得る構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選が実行され易くなる普通図柄の時短状態において、V入賞口へと遊技球が入球し易くなるので、短い期間で再度大当たりが発生し易くなる。これにより、時短状態における有利度合いをより高めることができるので、時短状態となった場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。
次に、図193(a)を参照して、本第9実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図193(a)は、本第9実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図193(a)に示した通り、本第9実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA13,B13の2種類が設けられており、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC13,D13の2種類が設けられている。
図193(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA13」が対応付けられて規定されている(図193(a)の202b1参照)。この「大当たりA13」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり後の遊技状態が普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別(4ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA13」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA13」が決定される割合は50%(50/100)である。
図193(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりB13」が対応付けられて規定されている(図193(a)の202b2参照)。この「大当たりB13」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図193(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜79」の範囲に対して「大当たりC13」が対応付けて規定されている(図193(a)の202b3参照)。この「大当たりC13」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別(16ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC13」となるカウンタ値は80個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC13」が決定される割合は80%(80/100)である。
また、図193(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「80〜99」の範囲に対して「大当たりD13」が対応付けて規定されている(図193(a)の202b4参照)。この「大当たりD13」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別(4ラウンド通常大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD13」となるカウンタ値は20個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD13」が決定される割合は20%(20/100)である。
このように、本第9実施形態では、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、必ずラウンド数が少ない4ラウンドの大当たりが実行される一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、80%の割合でラウンド数が最も多い16ラウンドの大当たりが実行され、20%の割合でラウンド数が少ない4ラウンドの大当たりが実行される構成としている。また、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、大当たり終了後に有利な時短状態が設定される割合が50%であるのに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、時短状態が設定される割合が80%となる。よって、第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が、遊技者にとって有利となり易くなるように構成されている。
次に、図193(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202eaの詳細について説明する。図193(b)は、小当たり種別選択テーブル202eaの規定内容を示した図である。この小当たり種別選択テーブル202eaは、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定するための判定値が規定されているデータテーブルであり、小当たり種別カウンタC5の判定値が、各小当たり種別に対応付けて規定されている。
具体的には、図193(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜4」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりA13」が対応付けて規定されている(図193(b)の202ea1参照)。この「小当たりA13」は、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合に、「大当たりE13」(16ラウンド時短大当たり)に当選する小当たり種別である。即ち、通常V入賞口6750f3,6750f5へと遊技球が入球した場合にも、MAX用V入賞口6750f1、および特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合と同様に、ラウンド数が最も多い(遊技者に有利な)16ラウンド大当たりが実行される上に、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定される最も有利な大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりA13」となるカウンタ値は5個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりA13」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図193(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「5〜54」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりB13」が対応付けて規定されている(図193(b)の202ea2参照)。この「小当たりB13」は、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合に、「大当たりF13」(特殊時短大当たり)に当選する小当たり種別である。この「大当たりF13」は、小当たり有効期間の間に通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかへと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される一方で、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定される。つまり、「小当たりB13」は、大当たりのラウンド数(有利度合い)が入賞したV入賞口の種別に応じて可変するので、通常V入賞口へと遊技球が入球した場合には、遊技者にとって不利となる。また、大当たり後の遊技状態が時短状態に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者に有利となる大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりB13」となるカウンタ値は50個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB13」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図193(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「55〜99」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりC13」が対応付けて規定されている(図193(b)の202ea3参照)。この「小当たりC13」は、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと遊技球が入球した場合に、「大当たりG13」(特殊通常大当たり)に当選する小当たり種別である。この「大当たりG13」は、小当たり有効期間の間に通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかへと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される一方で、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、大当たりのラウンド数が16ラウンドに設定される。つまり、「小当たりC13」は、大当たりのラウンド数(有利度合い)が入賞したV入賞口の種別に応じて可変するので、通常V入賞口へと遊技球が入球した場合には、遊技者にとって不利となる。また、大当たり後の遊技状態が普通図柄の通常状態に設定されるので、大当たり終了後の遊技状態の面で遊技者に不利となる大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりC13」となるカウンタ値は45個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりC13」が決定される割合は45%(45/100)である。
このように、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、時短大当たりに対応する小当たり種別(小当たりA13,B13)が決定される割合は55%(5%+50%)に設定されている一方で、通常大当たりに対応する小当たり種別(小当たりC13)が決定される割合は45%に設定されている。上述した通り、普通図柄の時短状態においては、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率が9/10となるので、普通図柄の時短状態において大当たりに当選するのは、ほぼ、小当たりとなってV入賞が発生した場合である。よって、普通図柄の時短状態において大当たりとなった場合に、大当たり後に再度、有利な普通図柄の時短状態となる割合は45%である。また、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、V入賞が発生した場合に当選する大当たりのラウンド数については、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて可変するように構成されている。即ち、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されていれば、小当たり有効期間中にV入賞を発生させるためには抽選装置6750へと遊技球を入球させる必要があるため、V入賞が発生する場合の1/3は、MAX用V入賞口6750f1に対するV入賞であるのに対し、V入賞が発生する場合の2/3は、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに対するV入賞である。そして、上述した通り、小当たりとなった場合の50%の割合で決定される小当たりB13、および45%の割合で決定される小当たりC13は、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに遊技球が入球すると、大当たりのラウンド数が4ラウンドに設定される。即ち、MAX用V入賞口6750f1に対するV入賞が発生した場合には100%の割合で16ラウンド大当たりが設定される一方で、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに対するV入賞が発生した場合には、5%の割合(小当たりA13)で16ラウンド大当たりが設定される一方で、95%の割合(小当たりB13,C13のいずれか)で4ラウンド大当たりが設定される。このため、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖された状態においては、V入賞が発生した場合の約36.7%の割合(1/3+2/3×5%)で16ラウンド大当たりとなる一方で、約63.3%の割合(2/3×95%)で4ラウンド大当たりとなる。これに対して、上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、80%の割合で16ラウンド大当たりとなるので、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている状態において、有利な16ラウンド大当たりとなる割合としては、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たり遊技の実行中(小当たり有効期間中)にV入賞が発生して大当たりとなった場合(約36.7%)よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合(80%)の方が高くなる。
これに対して、時短状態で、且つ、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態においては、小当たり種別が何であっても、左打ちを行って、開放された状態の特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるだけで、必ず最もラウンド数の多い16ラウンド大当たりが設定されるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも、ラウンド数の面では有利となる。言い換えれば、本第9実施形態では、同一の遊技状態(普通図柄の時短状態)であっても、特殊MAX用V入賞口6752が開放されているか否かに応じて、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たり遊技の実行中にV入賞が発生して大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合との有利度合いが切り替わる構成となっている。このように構成することで、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて、大当たりの当選契機(V入賞、および第2特別図柄の抽選)として、異なる契機を遊技者に願わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図194を参照して、本第9実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成について説明する。図194は、本第9実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図194に示した通り、本第9実施形態におけるRAM203の構成は、上述した第8実施形態(および第1実施形態)におけるRAM203の構成(図13参照)に対して、小当たり中フラグ203eaと、大当たり種別格納エリア203ebと、V通過フラグ203ecとが追加されている点、確変フラグ203hと、入球待機フラグ203jとが削除されている点で相違している。その他の構成については上述した第8実施形態(および第1実施形態)におけるRAM203の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
小当たり中フラグ203eaは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203eaがオンであれば、小当たり中であることを意味し、オフであれば小当たり中でないことを意味する。小当たり中フラグ203eaは、特別図柄の抽選で小当たりとなり、小当たりが開始される際にオンに設定される。また、小当たりの終了時にオフに設定される(図203のS1311参照)。特別図柄変動処理13(図197参照)では、この小当たり中フラグ203eaが参照されて、小当たり中であるか否かが判別される(図197のS261参照)。
大当たり種別格納エリア203ebは、大当たりに当選した場合に、当該当選した大当たりの種別を示すデータを一時的に格納しておくための記憶領域である。この大当たり種別格納エリア203ebには、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別に対応するデータが格納される(図198のS321参照)。また、特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たりにおいてV入賞口へと遊技球が入球した場合に、小当たり種別に対応する大当たり種別を示すデータが格納される(図199のS1502参照)。この大当たり種別格納エリア203ebに格納されたデータは、当選した大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了後の遊技状態を、大当たり種別に応じて設定するために用いられる。
V通過フラグ203ecは、小当たり遊技の実行中に、V入賞口へと遊技球が入球済みであるか否か(小当たり終了後に大当たりとなることが確定しているか否か)を示すためのフラグである。小当たりの終了時に、このV通過フラグ203ecがオンであれば、小当たり終了時に大当たりの開始が設定される一方で、V通過フラグ203ecがオフであれば、大当たりが開始されずに小当たりが終了される。このV通過フラグ203ecは、初期値がオフに設定されており、小当たり遊技の実行中に遊技球がV入賞口に入賞した場合にオンに設定される(図204のS1608参照)。また、V入賞口へと遊技球が入球したことに基づく大当たりの開始を設定した後でオフに設定される(図203のS1325参照)。
次に、図195(a)を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の構成について説明する。図195(a)は、本第9実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図195(a)に示した通り、本第9実施形態におけるROM222の構成は、第8実施形態(および第1実施形態)におけるROM222の構成(図14(a)参照)に対して、期待度選択テーブル222eaが追加されている点でのみ相違している。この期待度選択テーブル222eaは、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりに当選した場合に実行される特殊小当たり演出の演出態様(演出により示唆される期待度)を決定するために参照されるデータテーブルである。ここで、上述した通り、本第9実施形態では、小当たり有効期間の間にいずれかのV入賞口へと入球することにより大当たりに当選する構成としている。また、V入賞口へと入球した場合に当選する大当たりの種別(大当たり図柄)は、小当たり種別毎に予め定められている(図193(b)参照)。即ち、V入賞口へと遊技球を入球させて大当たりに当選した場合に、当該大当たりの終了後に時短状態が付与されるか否かは、小当たり種別が決定された時点(特別図柄の変動開始時点)で決定されている。本第9実施形態では、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている間に小当たりに当選した場合は、小当たり有効期間の間に、V入賞させることにより時短状態が付与される期待度を示唆する特殊小当たり演出を期待度選択テーブル222eaから選択して実行する構成としている。このように構成することで、特殊MAX用V入賞口6752が開放された状態で小当たりとなった場合に、小当たり有効期間内に遊技球を特殊MAX用V入賞口6752に入球させて大当たりを開始させるか否かを、特殊小当たり演出により示唆される期待度に応じて決定させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。この期待度選択テーブル222eaの詳細について、図195(b)を参照して説明する。
図195(b)は、期待度選択テーブル222eaの規定内容を示した図である。図195(b)に示した通り、この期待度選択テーブル222eaは、小当たり種別毎に、期待度の種別(特殊小当たり演出で示唆される期待度)と、演出抽選カウンタ223eaの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図195(b)に示した通り、小当たりA13、および小当たりB13(V入賞が発生すると時短大当たりに当選する小当たり種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0〜19」の範囲に高期待度用の演出態様(図191(b)参照)が対応付けて規定され、「20〜89」の範囲に中期待度用の演出態様(図示せず)が対応付けて規定され、「90〜99」の範囲に低期待度用の演出態様(図191(a)参照)が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223eaは、「0〜99」の100個の値を取り得るので、小当たりA13、またはB13となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ20%(20/100)、70%(70/100)、および10%(10/100)である。
また、図195(b)に示した通り、小当たりC13(V入賞が発生すると通常大当たりに当選する小当たり種別)に対しては、演出抽選カウンタ223eaの値が「0〜4」の範囲に高期待度用の演出態様(図191(b)参照)が対応付けて規定され、「5〜49」の範囲に中期待度用の演出態様(図示せず)が対応付けて規定され、「50〜99」の範囲に低期待度用の演出態様(図191(a)参照)が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223ekaは、「0〜99」の100個の値を取り得るので、小当たりC13となった場合に高期待度用、中期待度用、および低期待度用の演出態様が決定される割合は、それぞれ5%(5/100)、45%(45/100)、および50%(50/100)である。これらの規定内容から、高期待度用の演出態様は、小当たりA13、および小当たりB13に当選した場合に選択され易くなる一方で、小当たりC13に当選した場合に選択し難くなると言える。また、中期待度用の演出態様は、小当たりA13、および小当たりB13に当選した場合にも、小当たりC13に当選した場合にも比較的高い割合で選択され、低期待度用の演出態様は、小当たりA13、および小当たりB13に当選した場合に選択され難く、小当たりC13に当選した場合に選択され易くなる。よって、高期待度用の演出態様が実行された場合には、実行中の小当たりが小当たりA13、または小当たりB13である可能性が高いということを示唆することが可能となる一方で、低期待度用の演出態様が実行された場合には、実行中の小当たりが小当たりC13である可能性が高いということを示唆することが可能となる。また、中期待度用の演出態様が実行された場合には、小当たりA13、および小当たりB13の可能性も、小当たりC13の可能性もあるということを示唆することが可能となる。これにより、演出態様により示唆された期待度に応じて、遊技者に対して特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるか否かを選択させる遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第9実施形態では、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりに当選した場合に、特殊小当たり演出を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖された状態において小当たりとなった場合においても、特殊小当たり演出を実行可能に構成してもよい。この場合において、例えば、小当たりに当選する毎に、特殊小当たり演出が実行されるか、通常の小当たり演出(V入賞させた場合に時短大当たりとなる期待度が示唆されない態様の演出)が実行されるかを抽選により決定してもよい。また、抽選確率を状況に応じて可変させてもよい。より具体的には、通常大当たりに連続して当選しているほど、時短大当たりに当選して時短状態へと移行した場合に、特殊小当たり演出が実行される確率が高くなるように構成してもよい。このように構成することで、通常大当たりに連続して当選するという遊技者にとって比較的不利な状況が発生した場合における救済を図ることができるので、不利な状況が発生したとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図196を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の構成について説明する。図196は、RAM223の構成を示したブロック図である。図196に示した通り、本第9実施形態におけるRAM223は、第8実施形態におけるRAM223の構成(図179参照)に対して、演出抽選カウンタ223eaが追加されている点、および待機状態演出フラグ223gが削除されている点で相違している。
演出抽選カウンタ223eaは、上述した期待度選択テーブル222eaから1の演出態様(期待度種別)を選択するために用いるカウンタである。この演出抽選カウンタ223eaは、「0〜99」の範囲で値が更新される。特殊小当たり演出の演出態様(期待度種別)を選択する場合は、期待度選択テーブル222eaに規定された乱数値(カウンタ値)と、この演出抽選カウンタ223eaの値と比較されて、対応する1の演出態様(期待度種別)が選択される。この演出抽選カウンタ223eaは、例えばメイン処理13(図201参照)の中で1ms毎に更新される。
<第9実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図197から図204を参照して、本第9実施形態における主制御装置110のMPU201により実行される各種制御処理について説明する。まず、図197を参照して、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(S141)について説明する。この特別図柄変動処理13(S141)は、第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態における特別図柄変動処理12(図180参照)と同様に、第1図柄表示装置37における表示態様の設定、および第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターン等を設定するための処理である。
この第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)のうち、S202〜S212,S214〜S218、およびS221〜S223の各処理では、それぞれ第8実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)のS202〜S212,S214〜S218、およびS221〜S223の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)が実行されると、まず、大当たり遊技、または小当たり遊技の実行中であるか否かを判別し(S261)、大当たり遊技、または小当たり遊技の実行中であると判別した場合は(S261:Yes)、そのまま本処理を終了する。一方で、S261の処理において、大当たり遊技、または小当たり遊技のいずれも実行されていないと判別した場合は(S261:No)、処理をS202へと移行する。なお、S261の処理では、大当たり中フラグ203mがオンであれば大当たり遊技の実効中であると判別され、小当たり中フラグ203eaがオンであれば小当たり遊技の実行中であると判別され、大当たり中フラグ203m、および小当たり中フラグ203eaが共にオフであると判別した場合は、大当たり中でも小当たり中でもないと判別する。
また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)では、S207、またはS212の処理が終了すると、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動処理(S213、図23参照)に代えて、特別図柄変動処理13を実行して(S262)、本処理を終了する。この特別図柄変動処理13(S262)の詳細については、図198を参照して後述する。また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)では、S218の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合は(S218:Yes)、時短中カウンタ203iを0にリセットし(S263)、大当たりの開始を設定すると共に大当たり開始フラグ203kをオンに設定して(S264)、処理をS223へと移行する。
また、本第9実施形態における特別図柄変動処理13(図197参照)では、S222の処理が終了すると、次いで、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S265)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S265:Yes)、小当たりの開始を設定するための小当たり開始処理を実行して(S266)、本処理を終了する。この小当たり開始処理(S266)の詳細については、図199を参照して後述する。一方、S265の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではない(即ち、外れである)と判別した場合は(S265:No)、小当たり開始処理(S266)をスキップして、そのまま本処理を終了する。
次いで、図198を参照して、本第9実施形態における特別図柄変動開始処理13(S262)の詳細について説明する。この特別図柄変動開始処理13(S262)は、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図23参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図23参照)と同様に、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」、「特別図柄の外れ」、又は「特別図柄の小当たり」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
この第9実施形態における特別図柄変動開始処理13(図198参照)のうち、S301〜S312の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における特別図柄変動開始処理(図23参照)のS301〜S312の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における特別図柄変動開始処理13(図198参照)では、S305の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S305:Yes)、大当たり種別格納エリア203ebに対して今回の抽選により当選した大当たり種別を示すデータを格納して(S321)、処理をS306へと移行する。
一方、S305の処理において、今回の特別図柄の抽選が大当たりではないと判別した場合に(S305:No)、次いで、今回の特別図柄の抽選が小当たりであるか否かを判別して(S322)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S322:Yes)、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値に基づいて、小当たり時の表示態様を設定する(S323)。より具体的には、S301の処理で取得した小当たり種別カウンタC5の値と、小当たり種別選択テーブル202ea(図193(b)参照)とを比較し、小当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜4」の範囲にあれば、小当たりA13であると判定し、「5〜54」の範囲にあれば、小当たりB13であると判定し、「55〜99」の範囲にあれば、小当たりC13であると判定する(図193(b)参照)。
S323の処理が終了すると、小当たり時の変動パターンを決定する(S324)。S324の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において小当たりを示す図柄の組み合わせで停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターン選択テーブル202d(図11(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。S324の処理が終了すると、本処理を終了する。
次いで、図199を参照して、上述した小当たり開始処理(S266)の詳細について説明する。この小当たり開始処理(S266)は、上述した通り、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たりの開始を設定するための処理である。この小当たり開始処理が実行されると、まず、小当たり種別に対応する抽選装置6750の動作シナリオを読み出す(S1501)。この動作シナリオには、小当たり用アタッカー6750a、球止め部6750e、および球排出扉6750cに対して図190に示した動作を設定するためのデータが規定されている。
S1501の処理が終了すると、次に、大当たり種別格納エリア203ebに対して、今回の小当たり種別に対応する大当たり種別を示すデータを格納する(S1502)。このS1502の処理では、今回の小当たり種別が小当たりA13であれば、大当たりE13(16ラウンド時短大当たり)を示すデータを大当たり種別格納エリア203ebに格納し、今回の小当たり種別が小当たりB13であれば、大当たりF13(特殊時短大当たり)を示すデータを大当たり種別格納エリア203ebに格納し、今回の小当たり種別が小当たりC13であれば、大当たりG13(特殊通常大当たり)を示すデータを大当たり種別格納エリア203ebに格納する。S1502の処理が終了すると、小当たりの開始を設定して(S1503)、本処理を終了する。
次に、図200を参照して、本第9実施形態における立ち上げ処理13について説明する。この立ち上げ処理13は、第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態における立ち上げ処理12(図181参照)と同様に、電源投入に伴い起動される処理である。この第9実施形態における立ち上げ処理13(図200参照)のうち、S901〜S910,S912、およびS914〜917の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図29参照)のS901〜S910、およびS914〜S917の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第9実施形態における立ち上げ処理13(図200参照)では、S910の処理が終了すると、時短中カウンタ203i、大当たり中フラグ203m、および小当たり中フラグ203eaを読み出して(S941)、処理をS912へと移行する。
また、本第9実施形態における立ち上げ処理13(図200参照)では、抽選装置6750の内部に設けられている振分回転体6750fの回転動作の開始を設定して(S942)、処理をS914へと移行する。このS942の処理を実行することにより、パチンコ機10の電源が遮断されるまでの間、振分回転体6750fが一定の回転速度(例えば、5秒間で1回転する回転速度)で回転動作を行い続ける。よって、小当たりに当選したタイミング等に応じて、抽選装置6750へと入球した遊技球が振り分けられる入球口をランダムに可変させることができる。
次に、図201を参照して、本第9実施形態におけるメイン処理13の詳細について説明する。このメイン処理13は、第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態におけるメイン処理12(図182参照)と同様に、遊技の主要な制御を実行するための処理である。
この第9実施形態におけるメイン処理13(図201参照)のうち、S1001〜S1003、およびS1006〜S1016の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるメイン処理(図30参照)のS1001〜S1003、およびS1006〜S1016の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態におけるメイン処理13(図201参照)では、S1003の処理が終了すると、第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(S1005、図30参照)に代えて、大当たり制御処理13を実行し(S1071)、次いで、小当たり遊技中の各種制御を実行するための小当たり制御処理13を実行して(S1072)、処理をS1006へと移行する。これらの大当たり制御処理13(S1071)、および小当たり制御処理13(S1072)の詳細については、それぞれ図202、および図203を参照して後述する。
まず、図202を参照して、上述した大当たり制御処理13(S1071)の詳細について説明する。この大当たり制御処理13は、上述した通り、第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図32参照)に代えて実行される処理であり、特定入賞口65aの開閉制御を行うための処理である。
この第9実施形態における大当たり制御処理13(S1071)のうち、S1201〜S1212,S1214,S1216、およびS1217の各処理では、それぞれ第8実施形態(および第1実施形態)における大当たり制御処理(図32参照)のS1201〜S1212,S1214,S1216、およびS1217の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第9実施形態における大当たり制御処理13(図202参照)では、S1212の処理において、エンディング演出の終了タイミングになったと判別した場合に(S1212:Yes)、今回の大当たりが時短大当たりであるか否かを判別して(S1251)、時短大当たりであると判別した場合は、処理をS1214へと移行する。これに対し、S1251の処理において、時短大当たりではないと判別した場合は(S1251:No)、処理をS1216へと移行する。
次に、図203を参照して、上述した小当たり制御処理13(S1072)の詳細について説明する。この小当たり制御処理13(S1072)は、上述した通り、小当たり遊技中の各種制御を実行するための処理である。言い換えれば、上述した第3実施形態における小当たり制御処理(図67参照)と同様の制御を行うための処理である。
この小当たり制御処理13(図203参照)のうち、S1301〜S1304,S1310、およびS1311の各処理では、それぞれ第3実施形態における小当たり制御処理(図67参照)のS1301〜S1304,S1310、およびS1311の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)では、S1303の処理が終了すると、次いで、小当たり用の動作シナリオの開始を設定して(S1321)、本処理を終了する。
また、本第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)では、S1311の処理が終了すると、次に、V通過フラグ203ecがオンであるか否かを判別し(S1322)、V通過フラグ203ecがオンであると判別した場合は(S1322:Yes)、時短中カウンタ203iの値を0にリセットし(S1323)、大当たり種別格納エリア203ebに格納されているデータに対応する種別の大当たりの開始を設定し(S1324)、V通過フラグ203ecをオフに設定して(S1325)、本処理を終了する。一方、S1322の処理において、V通過フラグ203ecがオフであると判別した場合は(S1322:No)、S1323〜S1325の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
また、本第9実施形態における小当たり制御処理13(図203参照)では、S1310の処理において、小当たりの終了タイミングではないと判別した場合に(S1310:No)、V入賞口への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞口の種別に対応する制御を行うためのV通過検出処理を実行して(S1326)、本処理を終了する。このV通過検出処理(S1326)の詳細について、図204を参照して説明する。
図204は、V通過検出処理(S1625)を示したフローチャートである。このV通過検出処理(S1625)は、上述した通り、V入賞口への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞口の種別に対応する制御を行うための処理である。このV通過検出処理(S1625)が実行されると、まず、V通過フラグ203ecがオンであるか否かを判別し(S1601)、V通過フラグ203ecがオンであると判別した場合は(S1601:Yes)、既にいずれかのV入賞口への入球(通過)を検出済みであり、新たな設定の必要がないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
これに対して、V通過フラグ203ecがオフであると判別した場合は(S1601:No)、いずれかのV入賞口に対する入球(通過)を検出したか否かを判別して(S1602)、V入賞口に対する入球(通過)を検出していないと判別した場合は(S1602:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S1602の処理において、V入賞口に対する入球を検出したと判別した場合は(S1602:Yes)、次いで、V入賞の有効期間中であるか否かを判別し(S1603)、有効期間外である場合は(S1603:No)、不正行為等により遊技球がV入賞口へと入球した(通過した)可能性があるため、エラーコマンドを設定して(S1604)、本処理を終了する。
これに対し、S1603の処理において、V有効期間内であると判別した場合は(S1603:Yes)、次に、S1602の処理で入球を検出したV入賞口の種別が、通常V入賞口6750f3,6750f5のいずれかであるか否かを判別し(S1605)、今回の入球(通過)が通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらでもない(MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752のいずれかである)と判別した場合は(S1605:No)、大当たり種別格納エリア203ebに格納されているデータを、16ラウンド大当たりに対応するデータに書き換えて(S1606)、処理をS1607へと移行する。
これに対して、S1605の処理において、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらかに対する入球を検出したと判別した場合は(S1605:Yes)、S1606の処理をスキップして、処理をS1607へと移行する。S1607の処理では、V通過コマンドを設定し(S1607)、次いで、V通過フラグ203ecをオンに設定する(S1608)。次に、通過を検出したV入賞口の種別を音声ランプ制御装置113に通知するためのV入賞口コマンドを設定して(S1609)、本処理を終了する。
このV通過検出処理により、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1、および特殊MAXV入賞口6752への入球を検出した場合に、小当たり種別とは無関係に16ラウンドの大当たりを実行することができる。これにより、小当たり有効期間の間に入球するV入賞口の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図205から図207を参照して、本第9実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図205を参照して、本第9実施形態における当たり関連処理13(S43001)について説明する。この当たり関連処理13(S43001)は、コマンド判定処理(図36参照)において、第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)に代えて実行される処理であり、第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)と同様に、当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための処理である。
この第9実施形態における当たり関連処理13(図205参照)のうち、S4404,S4405,S4407、およびS4408の各処理では、それぞれ第8実施形態における当たり関連処理12(図184参照)のS4404,S4405,S4407、およびS4408の各処理と同一の処理が実行される。また、本第9実施形態における当たり関連処理13(図205参照)では、S4407の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に、ラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4407:No)、次に、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に小当たり用オープニングコマンドが含まれているか否かを判別し(S44001)、小当たり用オープニングコマンドが含まれていると判別した場合は(S44001:Yes)、小当たり中の演出態様を設定するための期待度示唆設定処理を実行して(S44002)、本処理を終了する。この期待度示唆設定処理(S44002)の詳細については、図206を参照して後述する。
また、本第9実施形態における当たり関連処理13(図205参照)では、S44001の処理において、小当たり用オープニングコマンドを受信していないと判別した場合に(S44001:No)、次いで、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中にV入賞口コマンドが含まれているか否かを判別し(S44003)、V入賞口コマンドが含まれていると判別した場合は(S44003:Yes)、入球を検出したV入賞口の種別、および状態に応じた制御を実行するためのV入賞口コマンド処理を実行して(S44004)、本処理を終了する。一方、S44003の処理において、V入賞口コマンドが含まれていないと判別した場合は(S44003:No)、処理をS4409へと移行する。なお、V入賞口コマンド処理(S44004)の詳細については、図207を参照して後述する。
次に、図206を参照して、上述した期待度示唆設定処理(S44002)の詳細について説明する。この期待度示唆設定処理(S44002)は、上述した通り、小当たり中の演出態様を設定するための処理である。この期待度示唆設定処理(S44002)では、まず、MAXゾーン中フラグ223daがオンであるか否かを判別し(S40101)、MAXゾーン中フラグ223daがオンであると判別した場合は(S40101:Yes)、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態で小当たりが実行されたことを意味するので、特殊小当たり演出の演出態様を決定するためのS40103〜S40105の各処理を実行する。より具体的には、期待度選択テーブル222eaを読み出して(S40103)、読み出した期待度選択テーブル222eaから、今回の小当たり種別、および演出抽選カウンタ223eaのカウンタ値に対応する期待度種別を特定し(S40104)、特定した期待度種別の特殊小当たり演出の実行を設定して(S40105)、本処理を終了する。
これに対して、S40101の処理において、MAXゾーン中フラグ223daがオフであると判別した場合は(S40101:No)、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されていることを意味するので、通常の小当たり演出の実行を設定して(S40102)、本処理を終了する。この期待度示唆設定処理(図206参照)により、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている場合に、特殊小当たり演出の演出態様によってV入賞させた場合に時短大当たりが実行される期待度を遊技者に示唆することができる。よって、特殊小当たり演出の示唆内容を加味して、特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるか否かを選択させるという遊技性を実現することができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図207を参照して、上述したV入賞口コマンド処理(S44004)の詳細について説明する。このV入賞口コマンド処理(S44004)は、上述した通り、入球を検出したV入賞口の種別、および状態に応じた制御を実行するための処理である。このV入賞口コマンド処理(S44004)では、まず、今回受信したV入賞口コマンドが、MAX用V入賞口6750f1への入球を示すコマンドであるか否かを判別し(S40201)、MAX用V入賞口6750f1を示すコマンドであると判別した場合は(S40201:Yes)、MAXゾーン中フラグ223daをオンに設定し(S40202)、小当たり有効期間中にV入賞口へと入賞したことを示すV入賞演出を設定して(S40203)、本処理を終了する。
一方、S40201の処理において、MAX用V入賞口6750f1への入球を示すコマンドではないと判別した場合は(S40201:No)、次に、特殊MAX用V入賞口6752への入球を示すV入賞口コマンドであるか否かを判別する(S40204)。S40204の処理において、今回のV入賞口コマンドが特殊MAX用V入賞口6752を示すコマンドであると判別した場合は(S40204:Yes)、次に、MAXゾーン中フラグ223daをオフに設定し(S40205)、次いで、現在が小当たり遊技の実行中であるか否かを判別する(S40206)。S40206の処理において、現在が小当たり遊技の実行中であると判別した場合は(S40206:Yes)、小当たり有効期間中に、開放状態の特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球したことを意味するので、V入賞演出の実行を設定して(S40207)、本処理を終了する。一方、S40206の処理において、小当たり遊技の実行中ではない(通常遊技中である)と判別した場合は(S40206:No)、小当たり有効期間外において左打ちを行ったことにより、開放されていた特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球して特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されたことを意味するので、転落演出の実行を設定して(S40208)、本処理を終了する。
これに対し、S40204の処理において、今回受信したV入賞口コマンドが、特殊MAX用V入賞口6752への入賞を示すコマンドではないと判別した場合は(S40204:No)、通常V入賞口6750f3,6750f5のいずれかを示すコマンドであることを意味するので、V入賞演出の実行を設定して(S40209)、本処理を終了する。このV入賞口コマンド処理(図207参照)を実行することにより、入賞を検出したV入賞口の種別、および特殊MAX用V入賞口6752の状態等に応じて、好適な制御を実行することができる。
以上説明した通り、本第9実施形態におけるパチンコ機10では、小当たりに当選した場合に入球すると大当たりに当選するV入賞口の種別として、16ラウンド大当たりが実行される契機となるMAX用V入賞口と、小当たり種別に対応するラウンド数の大当たりが実行される契機となる通常V入賞口との2種類を設ける構成としている。また、16ラウンド大当たりが付与されるMAX用V入賞口として、MAX用V入賞口6750f1と、特殊MAX用V入賞口6752との2つを設ける構成とし、特殊MAX用V入賞口6752に対しては非電動役物6752aを付随して設ける構成としている。この非電動役物6752aは、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球したことに連動して開放される構成としている。この開放状態は、次に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球するまでの間継続するので、小当たり中にMAX用V入賞口6750f1へと遊技球を入球させることができれば、小当たりとなった場合に、小当たりが終了するよりも前に左打ちにより特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球を入球させるだけで、容易に16ラウンドの大当たりを確定させることができる非常に有利な状態を形成することができる。つまり、連続して最も有利な種別の大当たりに当選する可能性が高い、極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、本第9実施形態では、時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、特殊MAX用V入賞口6752の状態によらず、80%の割合で16ラウンド大当たりとなるように構成されている。これに対し、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている状態においてV入賞が発生した場合には、約36.7%の割合(MAX用V入賞口6750f1に入球した場合、および小当たりA13の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合)でしか16ラウンド大当たりに当選しない一方で、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態においては、小当たり有効期間中に特殊MAX用V入賞口6752を狙って遊技球を発射するだけで必ず16ラウンド大当たりに当選する構成となっている。言い換えれば、普通図柄の時短状態において特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている場合には、小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合よりも、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が有利な16ラウンド大当たりとなる割合が高くなる一方で、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている場合には、小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合の方が、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合よりも16ラウンド大当たりとなる割合が高くなる。よって、同一の遊技状態であるにもかかわらず、特殊MAX用V入賞口6752が開放されているか否かに応じて、第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たり遊技の実行中にV入賞が発生して大当たりとなった場合と、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合との有利度合いを切り替えることができる。よって、普通図柄の時短状態において、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて、大当たりの当選契機(V入賞、および第2特別図柄の抽選)として、異なる契機を遊技者に願わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第9実施形態の変形例>
次に、図208を参照して、上述した第9実施形態の変形例について説明する。上述した第9実施形態では、小当たり遊技の実行中(小当たり有効期間の間)に遊技球をいずれかのV入賞口へと入球(通過)させることにより、V入賞口の種別に対応するラウンド数の大当たりが開始される構成としていた。即ち、小当たり種別に応じて、V入賞した場合に時短大当たりとなるか、通常大当たりとなるかのみが予め定められており、大当たりのラウンド数についてはV入賞が発生するまで不定となる構成としていた。
これに対して第9実施形態の変形例では、大当たりのラウンド数に加えて、大当たり終了後の遊技状態についても、小当たり有効期間の間に入球したV入賞口の種別に応じて可変し得る構成としている。より具体的には、大当たりG13(特殊通常大当たり)に対応する小当たりC13に当選したとしても、当該小当たり有効期間においてMAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと入球すれば、16ラウンド時短大当たりが付与される(大当たりG13が16ラウンド時短大当たりに書き換えられる)構成としている。このように構成することで、MAX用V入賞口6750f1、および特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合における恩恵をより大きくすることができるので、抽選装置6750へと遊技球が入球した場合には、入球するV入賞口の種別に対してより注目して遊技を行わせることができる。また、特殊MAX用V入賞口6752が開放された状態で時短状態に移行した場合には、9/10で当選する小当たりの小当たり有効期間内に左打ちを行うだけで、容易に16ラウンド時短大当たりに当選させることができる極めて有利な状態を形成することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第9実施形態の変形例におけるパチンコ機10が、上述した第9実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第9実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第9実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第9実施形態の変形例における主制御装置の制御処理について>
次に、図208を参照して、本変形例における主制御装置110のMPU201により実行されるV通過検出処理(S1625)について説明する。このV通過検出処理(S1625)は、上述した第9実施形態におけるV通過検出処理(図204参照)と同様に、V入賞口への入球を監視して、入球を検出した場合に、V入賞口の種別に対応する制御を行うための処理である。
この第9実施形態の変形例におけるV通過検出処理(図208参照)のうち、S1601〜S1605、およびS1607〜S1609の各処理では、それぞれ第9実施形態におけるV通過検出処理(図204参照)のS1601〜S1605、およびS1607〜S1609の各処理と同一の処理が実行される。
また、本変形例におけるV通過検出処理(図208参照)では、S1605の処理において、今回通過を検出したV入賞口が、通常V入賞口6750f3,6750f5のどちらでもない(即ち、MAX用V入賞口6750f1、特殊MAX用V入賞口6752のいずれかである)と判別した場合に(S1605:No)、大当たり種別格納エリア203ebに格納されているデータを、16ラウンド時短大当たりを示すデータに書き換えて(S1611)、処理をS1607へと移行する。
このように、本変形例におけるV通過検出処理(図208参照)では、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752への入球を検出した場合に、小当たり種別によらず(即ち、小当たり種別に対応する大当たり種別によらず)、16ラウンド時短大当たりが設定されるように構成している。このように構成することで、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合における遊技者の有利度合いをより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第9実施形態の変形例におけるパチンコ機10では、小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球した場合に、特殊MAX用V入賞口6752が開放される上に、16ラウンド時短大当たりに当選するように構成している。このように構成することで、MAX用V入賞口6750f1へと入球させると、必ず、右打ちにより遊技を行う遊技状態へと移行することになるので、特殊MAX用V入賞口6752が開放された後、小当たりに1度も当選せずに特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されるという自体が生じることを抑制することができる。また、小当たり有効期間の間に特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合にも、16ラウンド時短大当たりに当選する構成としているので、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球を入球させることで、短い間隔で少なくとも2回、16ラウンド時短大当たりに当選することがほぼ確定する極めて有利な状態を形成することができる。よって、小当たり有効期間中に抽選装置6750の内部へと遊技球が入球した場合に、MAX用V入賞口6750f1へと遊技球が入球することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本変形例では、MAX用V入賞口6750f1、および特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合に、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される構成としているので、時短状態への移行し易さを、遊技状態、および特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて可変させることができる。より具体的には、普通図柄の通常状態においては、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に50%の割合で時短大当たりとなるのに対し、普通図柄の時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりになると、80%の割合で時短大当たりとなるように構成されている(図193(a)参照)。一方、時短状態において小当たり中のV入賞により大当たりに当選する場合に時短状態となる割合は、特殊MAX用V入賞口6752が開放されているか否かに応じて可変する。即ち、特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている状態においてV入賞が発生した場合には、小当たりA13,B13(時短大当たりに対応する小当たり)のどちらかにおける小当たり有効期間の間にV入賞が発生した場合(55%)と、小当たりC13の小当たり有効期間の間にMAX用V入賞口6750f1へと入球した場合(45%×1/3)とに、時短大当たりに当選する。つまり、70%の割合で時短大当たりとなる。これに対し、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている状態においては、小当たり有効期間中に左打ちを行うだけで、特殊MAX用V入賞口6752へと入球させて時短大当たりを実行させることができる。このため、時短状態において特殊MAX用V入賞口6752が閉鎖されている場合には、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合の方が、小当たり有効期間中にV入賞が発生する場合よりも時短状態に移行し易くなるのに対し、特殊MAX用V入賞口6752が開放されている場合には、第2特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、小当たり有効期間中にV入賞が発生した方が時短状態に移行し易くなる。よって、普通図柄の時短状態において、特殊MAX用V入賞口6752の状態に応じて、大当たりの当選契機(V入賞、および第2特別図柄の抽選)として、異なる契機を遊技者に願わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第9実施形態、およびその変形例では、小当たり種別毎に、小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合に当選する大当たりの種別を対応付けて規定しておき、MAX用V入賞口6750f1、または特殊MAX用V入賞口6752へと遊技球が入球した場合には、大当たり種別を16ラウンド大当たり、または16ラウンド時短大当たりに書き換える構成としていたが、必ずしも小当たり種別毎に大当たり種別を予め規定しておく必要はない。大当たり種別は、V入賞が発生した時点で抽選により決定する構成としてもよい。より具体的には、例えば、小当たり有効期間の間に通常V入賞口6750f3,6750f5へと遊技球が入球した場合には、5%の割合で16ラウンド時短大当たり、50%の割合で4ラウンド時短大当たり、45%の割合で4ラウンド通常大当たりが決定されるように抽選を行う構成としてもよい。また、MAX用V入賞口6750f1、特殊MAX用V入賞口6752への入球を検出した場合には、必ず16ラウンド時短大当たりが決定されるように抽選を行う構成としてもよい。このように構成することで、小当たり種別と大当たり種別とを対応付けて規定しておく必要がなくなるので、小当たり種別選択テーブル202eaを省略することができる。
<第10実施形態>
次に、図209から図220を参照して、第10実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第9実施形態におけるパチンコ機10では、時短状態の間に実行され易くなる第2特別図柄の抽選において、高確率で小当たりに当選する一方で、第1特別図柄の抽選では小当たりに当選し得ない構成としていた。そして、小当たり有効期間の間にV入賞口へと遊技球が入球することにより、大当たりに当選する構成としていた。
これに対して本第10実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選が実行された場合にも、所定確率(例えば、1/100)で小当たりに当選する構成とし、且つ、第1特別図柄の小当たりの一部でV入賞し得る開放パターンが設定される構成としている。即ち、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技球を発射することにより遊技を進行すべき通常状態においても、V入賞による大当たり当選が発生し得る構成としている。また、V入賞が発生し得る第1特別図柄の小当たりとして、V入賞率が異なる複数の小当たり種別(50%、75%、および100%のV入賞率)を設ける構成としている。これにより、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、V入賞が可能となる開放パターンの小当たりとなることを期待させることができる上に、より高いV入賞率の小当たりとなることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
この第10実施形態におけるパチンコ機10が、第9実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110のROM202の構成が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第9実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第9実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図209を参照して、本第10実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図209は、本第10実施形態における遊技盤13の正面図である。図209に示した通り、本第10実施形態では、可変表示装置ユニット80の下方に、第9実施形態における抽選装置6750に代えて、抽選装置6755が設けられていると共に、第9実施形態における特殊MAX用V入賞口6752が削除されている点で相違している。この抽選装置6755の詳細について、図210から図212を参照して説明する。
図210は、本第10実施形態の遊技盤13における抽選装置6755周辺の拡大正面図である。図210に示した通り、本第10実施形態における抽選装置6755の内部には、第9実施形態における振分回転体6750fに代えて、振分回転体6755fが設けられている。この振分回転体6755fには、3つのV入賞口(中央V入賞口6755fv1〜6755fv3)と、3つのアウト口(中央アウト口6755fo1〜6755fo3)とが設けられており、第9実施形態における振分回転体6750fと同様に、常時一定速度で回転動作を行うように構成されている。小当たりに当選するタイミング等によって振分回転体6755fに到達した遊技球が6つの入球口のいずれかへとランダムに振り分けられるので、振分回転体6755fに到達した遊技球がV入賞口に振り分けられる確率(割合)は1/2(3/6)となる。
また、図210に示した通り、抽選装置6755には、抽選装置6755を開閉可能な小当たり用アタッカー6755aと、遊技球を外部へと排出させるための排出領域6755dと、排出領域6755を開閉するための球排出扉6755cと、球排出扉6755cの上面を通過した遊技球を一時的に誘導流路6755b内に停留させるための球止め部6755eとが設けられている。これらの小当たり用アタッカー6755a、排出領域6755d、球排出扉6755c、および球止め部6755eは、それぞれ第9実施形態における抽選装置6750に設けられていた小当たり用アタッカー6750a、排出領域6750d、球排出扉6750c、および球止め部6750eと同一の機能を有して構成されているので、ここではその詳細な説明については省略する。
また、図210に示した通り、抽選装置6755の内部における小当たり用アタッカー6755aと、排出領域6755dとの間の所定位置には、遊技球を振分回転体6755fとは異なる方向(下方)へと流下させることが可能な誘導流路6755b2と、その誘導流路6755b2を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている2つの入球口(右V入賞口6755bV、および右アウト口6755bO)と、誘導流路6755b2の上端を開閉させることが可能な上開閉扉6755bUと、右V入賞口6755bVの上方を開閉することが可能な下開閉扉6755bDと、が設けられている。この誘導流路6755b2の周辺構造について、図211を参照して詳細に説明する。
図211(a)は、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が閉鎖された状態における誘導流路6755b2周辺の拡大正面図であり、図211(b)は、上開閉扉6755bUが開放され、下開閉扉6755bDが閉鎖された状態における誘導流路6755b2周辺の拡大正面図であり、図211(c)は、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が開放された状態における誘導流路6755b2周辺の拡大正面図である。
図211(a)に示した通り、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が閉鎖された状態になると、上開閉扉6755bUの上面を遊技球が転動することにより通過可能となる。これにより、抽選装置6755の内部へと入球した遊技球は、上開閉扉6755bUの上を通過して、振分回転体6755fへ向けて流下する。また、図211(b)に示した通り、上開閉扉6755bUが開放され、下開閉扉6755bDが閉鎖された状態になると、遊技球が誘導流路6755b2へと流入可能となり、且つ、流入した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球不可能(困難)となる。また、図210(b)に示した通り、下開閉扉6755bDは、閉鎖状態において、右アウト口6755bOへと向けて下る向きの傾斜を形成する。これにより、上開閉扉6755bUが開放され、下開閉扉6755bDが閉鎖された状態で抽選装置6755の内部へと流入した遊技球は、上端が開放されている誘導流路6755b2へと流入し、閉鎖されている下開閉扉6755bDの上面が成す傾斜により右アウト口6755bOの方向へと誘導される結果、右アウト口6755bOへと入球する。
また、図210(c)に示した通り、右V入賞口6755bVは、誘導流路6755b2の直下に配置されている一方で、右アウト口6755bOは、誘導流路6755b2の流下方向に対して左側に分岐した位置に設けられている。よって、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が開放された状態において抽選装置6755の内部へと入球した遊技球は、誘導流路6755b2の流下方向に沿って流下し、右V入賞口6755bVへと入球する。
このように、本第10実施形態の抽選装置6755は、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDの開閉の組み合わせに応じて、抽選装置6755の内部へと流入した遊技球を振分回転体6755f側へと流下させる状態(図211(a)参照)と、右アウト口6755bOへと流下させる状態(図211(b)参照)と、右V入賞口6755bVへと流下させる状態とに切り替えることができる。つまり、1/2の割合でV入賞が発生する流下方向(振分回転体6755fが設けられている方向)と、V入賞不可能(困難)な流下方向(右アウト口6755bOの方向)と、V入賞が確定する(容易となる)流下方向(右V入賞口6755bVの方向)とを切り替えることができる。よって、抽選装置6755へと入球した遊技球の流下方向により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、詳細については後述するが、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかへと入球することによりV入賞が発生した場合の方が、右V入賞口6755bVへと入球することによりV入賞が発生した場合よりも時短大当たりとなる可能性が高くなるように構成している。より具体的には、第2特別図柄の小当たり遊技中に中央V入賞口6755fv1〜6755fv3へと遊技球が入球すると、100%の割合で16ラウンド時短大当たりに当選する一方で、右V入賞口6755bVへと入球した場合には、4割弱でしか時短大当たりとならないように構成している。このように構成することで、第2特別図柄の小当たりとなった場合に、右V入賞口6755bVへと入球するよりも、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかへと入球することをより強く期待して遊技を行わせることができる。よって、特に、第2特別図柄の小当たり遊技の実行中に、振分回転体6755fへと向けて遊技球が流下した場合(即ち、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3、または中央アウト口6755fo1〜6755fo3のいずれかへと遊技球が振り分けられることが確定した場合)に、V入賞することを強く願わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図212を参照して、本第10実施形態における振分回転体6755fの構成について説明する。図212は、本第10実施形態における振分回転体6755fの上面図である。図212に示した通り、本第10実施形態における振分回転体6755fには、第9実施形態における振分回転体6750(図189(a)参照)と同様に、外周部分に沿って6つの入球口が配置されている。具体的には、図212に示した通り、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3と、中央アウト口6755fo1〜6755fo3とが、V入賞口とアウト口とが交互に隣接するように配置されている。振分回転体6755fは、軸6755fzを回転軸として、一定方向に一定速度で回転動作を行い続けるので、振分回転体6755fへと到達した遊技球は、各入球口へと均等な割合で振り分けられる。即ち、V入賞口へと遊技球が入球する割合(確率)は1/2(3/6)である。
次に、図213を参照して、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における、上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの作動パターンについて説明する。ここで、本第10実施形態では、小当たりに当選した場合に、小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の態様(開放パターン)のみを小当たり種別に応じて異ならせ、その他の作動態様(上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの作動パターン)については小当たり種別によらず共通となるように構成している。図213では、小当たり種別によらず共通となる、小当たり用アタッカー6755a以外の部分の作動態様について説明する。なお、小当たり種別毎の小当たり用アタッカー6755aの開放パターンについては、図214、および図215を参照して後述する。
図213は、小当たり遊技の実行中における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの開閉状態の経時変化(作動パターン)を示した図である。図213に示した通り、上開閉扉6755bUは、開放状態が初期状態として設定されており、小当たりが開始されてから0.2秒間が経過した時点で閉鎖状態に切り替わる。即ち、振分回転体6755fの方向へと遊技球を流下させることが可能となる状態に切り替わる。この閉鎖状態は、0.2秒間継続し(即ち、小当たりの開始から0.4秒が経過するまで継続し)、閉鎖状態に切り替わってから0.2秒経過時に開放状態に切り替わる。その後、小当たりの開始から2秒間経過時点まで上開閉扉6755bUは開放状態に維持され、2秒経過時点から3秒経過時点までの間、再び閉鎖状態に切り替わる。そして、小当たりの開始から3秒が経過した時点で、再度、開放状態に切り替わり、以降は小当たり終了まで開放状態が維持される。即ち、小当たり開始後0.2秒経過時点から0.4秒経過時点までの間、および2秒経過時点から3秒経過時点までの間に抽選装置6755の内部に入球した遊技球は、閉鎖されている上開閉扉6755bUの上面を転動して振分回転体6755f側へと流下し(図211(a)参照)、その他の機関において抽選装置6755の内部に入球した遊技球は誘導流路6755b2へと流入して、右V入賞口6755bV、または右アウト口6755bOへと誘導される(図211(b),(c)参照)。
また、図213に示した通り、下開閉扉6755bDは、閉鎖状態が初期状態として設定されており、小当たりの開始から0.6秒間が経過するまでの間、閉鎖状態が維持される。そして、小当たりの開始から0.6秒間が経過した時点で、開放状態に切り替わる。これにより、誘導流路6755b2へと流入した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球可能な状態となる。この下開閉扉6755bDの開放状態は、0.2秒間の間継続し、小当たり開始から0.8秒経過時に閉鎖状態に切り替わる。その後は、小当たり開始から3秒間が経過するまでの間、下開閉扉6755bDが閉鎖状態に保たれ、3秒経過時点で再度、開放状態に切り替わる。この開放状態は、1秒間の間継続する。即ち、小当たりの開始から4秒間が経過する時点まで、開放状態が継続し、小当たりの開始から4秒経過時点で閉鎖状態に切り替わる。そして、以降は小当たりが終了するまでの間、閉鎖状態が維持される。
これらの上開閉扉6755bU、および下開閉扉6755bDの作動パターンの組み合わせにより、大当たりの開始から0.2秒間の間は遊技球を右アウト口6755bOへと誘導する状態(図211(b)参照)となる。即ち、小当たりの開始から0.2秒間の間は、遊技球が抽選装置6755へと入球したとしても、V入賞口へと入球することが不可能(困難)な期間(V不可期間)となる。そして、小当たりの開始から0.2秒間が経過して上開放扉6755bUが閉鎖状態に切り替わると、遊技球を振分回転体6755fへと誘導する状態(図211(a)参照)となる。上述した通り、振分回転体6755fに到達した遊技球は、1/2の割合でいずれかのV入賞口へと振り分けられるので、小当たり開始から0.2秒間が経過することで、抽選装置6755へと入球した遊技球が1/2の割合でV入賞する期間(V入賞率50%期間)となる。このV入賞率50%期間は、小当たり開始から0.4秒経過時点まで継続して0.4秒経過時に、V不可期間に切り替わる。
V不可期間は、小当たり開始から0.6秒経過時まで継続し、小当たり開始から0.6秒間が経過した時点で、上開閉扉6755bUが開放状態に維持されたまま、下開閉扉6755bDが開放される。これにより、抽選装置6755へと入球した遊技球を右V入賞口6755bVへと誘導する状態(図211(c)参照)となる。つまり、抽選装置6755へと入球した遊技球がほぼ100%の割合でV入賞する期間(V入賞率100%期間)となる。このV入賞率100%期間は、0.2秒間継続し、小当たりの開始から0.8秒間が経過した時点で下開閉扉6755bDが閉鎖されることにより、再びV不可期間に切り替わる。このV不可期間は、小当たり開始から2秒間経過時点まで継続し、小当たり開始から2秒経過時点で上開閉扉6755bUが閉鎖されることにより、小当たり開始後3秒経過時までの1秒間の間、V入賞率50%期間に切り替わる。そして、小当たり開始後3秒経過時点で、上開閉扉6755bUが開放されると共に、下開閉扉6755bDが開放されることにより、V入賞率100%期間に切り替わる。このV入賞率100%期間は、小当たり開始後4秒経過時点までの間(即ち、1秒間)継続し、1秒間が経過すると、下開閉扉6755bDが閉鎖されることによりV不可期間へと切り替わる。そして、以降は、小当たりが終了するまでの間、V不可期間が維持される。
このように、小当たり遊技の実行中は、V不可期間、V入賞率50%期間、およびV入賞率100%期間が切り替わるので、抽選装置6755へと遊技球が入球したタイミングに応じて、V入賞率を可変させることができる。よって、抽選装置6755へと遊技球が入球するタイミングに注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、図213に示した通り、球止め部6755eは、小当たりの開始から5秒が経過するまでの間、閉鎖状態に維持され、5秒経過時点(2回目のV入賞率50%期間が経過した後、2秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態(誘導流路6755bを流下可能となる状態)に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。これに対して球排出扉6755cは、小当たりの開始から4.5秒が経過するまでの間、閉鎖状態に維持され、4.5秒経過時点(2回目のV入賞率50%期間が経過した後、1.5秒経過時点)から小当たり終了までの間、開放状態に切り替えられ、小当たり終了時に再度、閉鎖状態に切り替えられる。即ち、小当たりが開始されてから4.5秒の間は、球止め部6755eも球排出扉6755cも閉鎖された状態となるので、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755の内部へと入球し、閉鎖された状態の上開閉扉6755bUの上面を通過した遊技球は、全て、球止め部6755eによって誘導流路6755b内に停留される。
また、小当たりの開始から4.5秒が経過すると、球止め部6755eが閉鎖された状態で球排出扉6755cが開放されるので、球止め部6755eの右側に直接接触することにより停留されている1の遊技球以外の遊技球が、全て球排出扉6755cの開口部から排出領域6755dへと落下して外部へと排出される。即ち、V入賞率50%期間の間に複数の遊技球が抽選装置6755の内部へと流入したとしても、球排出扉6755eが開放されて以降は、抽選装置6755の内部に停留されている遊技球が最大で1個のみの状態とすることができる。そして、球排出扉6755cが開放されてから0.5秒後に球止め部6755eが開放されるので、抽選装置6755の内部に残存している1個の遊技球が振分回転体6755fに向けて流下する。先に球排出扉6755cを開放させてから球止め部6755eを開放させる構成とすることにより、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755の内部に2個以上の遊技球が入球したとしても、球止め部6755eが開放されるまでの間に、2個目以降の遊技球を排出領域6755dから外部に排出しておくことができる。よって、1の小当たりにおいて振分回転体6755fへと到達する遊技球を、最大1個に限ることができるので、V入賞率50%期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合におけるV入賞率を、毎回一定(50%)とすることができる。
このように、本第10実施形態では、小当たりに当選した場合における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bD、球止め部6755e、および球排出扉6755cの動作を、小当たりの種別によらず、共通としている。これにより、小当たり種別に応じて小当たり用アタッカー6755aの動作のみを異ならせればよいので、小当たり当選時における処理負荷を軽減することができる。
次に、図214を参照して、本第10実施形態において第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり用アタッカー6755aに対して設定される開放パターンについて説明する。本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、4種類の異なる開放パターンが設けられている。具体的には、図214に示した通り、V入賞確定パターン(図214(a)参照)と、V入賞率50%パターン(図214(b)参照)と、V入賞率75%パターン(図214(c)参照)と、通常小当たり用パターン(図214(d)参照)との4種類が設けられている。
図214(a)に示した通り、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞確定パターンが設定されると、小当たりの開始から1秒間が経過するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に保たれる。この間は、右打ちにより発射された遊技球が閉鎖されている小当たり用アタッカー6755aに阻まれて、抽選装置6755内に入球することが不可能となる。そして、小当たりの開始から1秒間が経過した時点で、0.1秒間の間、小当たり用アタッカー6755aが開放される。0.1秒間が経過すると、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。この0.1秒間の間は、V不可期間に相当するため、抽選装置6755へと遊技球を入球させることができたとしても、単に入球に対する賞球(例えば、10個の賞球)を得ることができるのみであり、V入賞口へと入球させることはできない。
0.1秒間の開放期間経過後の閉鎖状態は、小当たり開始後3秒間が経過するまで継続する。そして、小当たり開始後3秒間が経過すると、1秒間の間(即ち、小当たり開始後4秒間経過時点まで)小当たり用アタッカー6755aが開放状態に設定される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後3秒間から4秒間の間は、V入賞率100%期間となる。即ち、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が開放された状態(図211(c)参照)となるので、開放期間の間に遊技球を抽選装置6755へと入球させることにより、ほぼ確実に右V入賞口6755bVへと遊技球が入球して、大当たりに当選する。小当たりの間に右打ちを行い続けていれば、1秒間の開放期間の間に容易に遊技球を抽選装置6755へと入球させることができるので、開放パターンとしてV入賞確定パターンが設定されると、ほぼ、V入賞が確定する。
一方、図214(b)に示した通り、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率50%パターンが設定された場合、2秒経過時点までの開閉動作はV入賞確定パターンと同一となる。即ち、小当たり開始後1秒経過時点から0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される。そして、V入賞率50%パターンでは、小当たり開始後2秒間が経過した時点で、小当たり用アタッカー6755aが開放され、この開放状態が1秒間の間継続する。即ち、小当たり開始後2秒経過時点から3秒経過時点まで開放状態が維持され、3秒経過時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。この1秒間は、最短の発射間隔(即ち、0.6秒間隔)で遊技球を右打ちし続けることにより、1以上の遊技球を容易に抽選装置6755へと入球させることが可能となる期間として設定されている。小当たり用アタッカー6755aが閉鎖されて以降は、小当たり終了まで、小当たりアタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後2秒間から3秒間の間は、V入賞率50%期間となる。即ち、上開閉扉6755bUと、下開閉扉6755bDとの両方が閉鎖された状態(図211(a)参照)となるので、開放期間の間に遊技球を抽選装置6755へと入球させることにより、1の遊技球を振分回転体6755fへと流下させることができる。上述した通り、振分回転体6755fへと遊技球が到達すると、1/2の割合でV入賞口へと振り分けられるので、開放パターンとしてV入賞率50%パターンが設定された場合にV入賞が発生する割合は50%である。
また、図214(c)に示した通り、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率75%パターンが設定された場合、2秒経過時点までの開閉動作はV入賞確定パターンや、V入賞率50%パターンと同一となる。即ち、小当たり開始後1秒経過時点から0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される。そして、V入賞率75%パターンでは、小当たり開始後2.5秒間が経過した時点で、小当たり用アタッカー6755aが開放され、この開放状態が1秒間の間継続する。即ち、小当たり開始後2.5秒経過時点から3.5秒経過時点まで開放状態が維持され、3.5秒経過時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。以降は、小当たり終了まで、小当たりアタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後2秒間から3秒間の間は、V入賞率50%期間となり、3秒間から4秒間の間は、V入賞率100%期間となる。即ち、V入賞率75%パターンが設定された場合は、開放期間の前半0.5秒間がV入賞率50%期間になると共に、開放期間の後半0.5秒間がV入賞率100%期間になる。よって、1秒間の開放期間の前半に抽選装置6755へと遊技球が入球すると、V入賞率が50%となる一方で、後半で抽選装置6755へと入球すると、V入賞率が100%となる。よって、V入賞率75%パターンが設定された場合におけるV入賞率は、平均75%(50%×1/2+100%×1/2)となる。
これらに対し、図214(c)に示した通り、通常小当たり用パターンが設定された場合には、2秒経過時点までの開閉動作はV入賞確定パターンや、V入賞率50%パターンや、V入賞率75%パターンと同一になるものの、0.1秒間の開放期間が終了した後は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが開放されることはない。よって、通常小当たり用パターンが設定されると、小当たり有効期間の間に0.1秒間という極めて短い期間しか小当たり用アタッカー6755aが開放されない上に、開放期間の間に運良く遊技球を抽選装置6755の内部へと入球させることができたとしても、右アウト口6755bOへと入球する。即ち、V入賞が発生することはない。よって、通常小当たり用パターンは、遊技者にとって最も不利となる(恩恵が少ない)開放パターンである。
このように、本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、V入賞率の異なる4種類の開放パターンのうちいずれかが小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして設定される構成としている。また、少なくとも小当たりが開始されてから2秒間が経過するまでは、小当たり用アタッカー6755aに対して設定された開放パターンによらず、共通の開閉動作(1秒経過時に0.1秒間のみ開放される動作)が実行される構成としている。このように構成することで、小当たりが開始されてから少なくとも2秒間が経過するまでの間は、いずれの開放パターンが設定されたのかを遊技者が認識困難になるように構成できるので、全ての小当たり種別において、V入賞を期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第10実施形態においては、1の小当たりにおける遊技球の上限の入球個数を1個に設定し、1個の遊技球の入球を検出したことに基づいて、小当たりの終了が設定されるように構成していた。即ち、小当たり用アタッカー6755aの閉鎖が設定されると共に、小当たり用アタッカー6755aが完全に閉鎖されるまでの間に抽選装置6755内に入球した全ての遊技球がいずれかの抽選装置6755内のいずれかの入球口へと入球して排出されることにより、小当たりが開始されてからの経過時間によらず、小当たりが終了される構成としている。よって、例えば、右打ちした遊技球が、0.1秒間の開放期間の間に抽選装置6755の内部へと入球してしまった場合には、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖されると共に、入球した遊技球が右アウト口6755bOへと入球した時点で小当たりが終了されてしまう構成となっている。言い換えれば、V入賞可能な開放パターン(図214(a)〜(c)参照)が設定されていたとしても、小当たり開始後1秒経過時点で設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させてしまうと、V入賞可能な期間(V入賞率50%期間、およびV入賞率100%期間)に到達するよりも前に小当たりが終了されてしまうという極めて不利な状況が生じ得る。一方で、通常小当たり用パターン(図214(d)参照)が設定された場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させなければ、その後に小当たり用アタッカー6755aが開放されることはなく、賞球を得る機会もないため、0.1秒間の開放期間にあわせて右打ちを行わないと、遊技者にとって損になる可能性がある。このため、V入賞可能な開放パターンが設定された場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させない方が遊技者にとって有利になる可能性が高いのに対して、V入賞が不可能な通常小当たり用パターンが設定された場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させた方が遊技者に有利となるので、小当たり種別(設定される開放パターン)を予測して0.1秒間の開放期間の間に抽選装置6755へと入球させるか否かを選択させる遊技性を実現することができる。即ち、V入賞可能な開放パターンであると予測した遊技者に対して、0.1秒間の開放期間において遊技球が抽選装置6755へと入球しないように待機若しくは左打ちを行うという選択をさせる一方で、通常小当たり用パターンであると予測した遊技者に対して、0.1秒間の開放期間を狙って右打ちを行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第10実施形態では、全ての小当たり種別において、小当たりの開始から2秒間の動作を共通化していたが、これに限られるものではない。一部のV入賞可能な小当たりにおいては、通常小当たり用パターンと同一の動作態様が含まれない小当たり用アタッカー6755aの開放パターンが設定される構成としてもよい。このように構成することで、V入賞可能となる小当たりをいち早く察知できるケースを設けることができるので、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンに注目して遊技を行わせることができる。
次に、図215を参照して、本第10実施形態において第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり用アタッカー6755aに対して設定される開放パターンについて説明する。本第10実施形態では、第2特別図柄の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、3種類の異なる開放パターン(開放パターンA〜C)が設けられている。
図215(a)に示した通り、開放パターンAが設定されると、小当たりの開始と共に、小当たり用アタッカー6755aが開放される。この開放状態は、0.6秒間の間継続し、小当たり開始後0.6秒が経過した時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。以降は、小当たりが終了するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。開放時間が0.6秒間と比較的短いため、最短の発射間隔(即ち、0.6秒間隔)で右打ちを実行していたとしても、遊技球が入球する割合は7割程度である。また、開放期間の間に2個以上の遊技球を入球させることは極めて困難となる。
図213を参照して上述した通り、小当たりの開始から0.2秒間が経過するまでの間、および0.4秒経過時点から0.6秒経過時点までは、V不可期間に設定される一方で、0.2秒経過時点から0.4秒経過時点までは、V入賞率50%期間に設定される。このため、開放パターンAが設定されて抽選装置6755へと入球した場合の1/3(0.2s/0.6s)はV入賞率50%期間の間における入球となる。即ち、1/3の割合で、抽選装置6755へと入球した遊技球が振分回転体6755fへと振り分けられ、その1/2の割合でV入賞が発生する。
また、図215(b)に示した通り、開放パターンBが設定されると、小当たりの開始後0.4秒間の間は、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持され、0.4秒経過時から1秒経過時までの0.6秒間の間、開放状態に切り替わり、1秒経過以降は小当たり終了まで閉鎖状態に維持される。上述した通り、小当たりの開始後0.4秒経過時点から0.6秒経過時点まで、および0.8秒経過時点から1秒経過時点までは、V不可期間に設定される一方で、0.6秒経過時点から0.8秒経過時点までは、V入賞率100%期間に設定される。このため、開放パターンBが設定されて抽選装置6755へと入球した場合の1/3(0.2s/0.6s)はV入賞率100%期間の間における入球となる。即ち、1/3の割合で、抽選装置6755へと入球した遊技球が右V入賞口6755bVへと入球することによりV入賞が発生する。なお、上述した通り、第2特別図柄の小当たりとなった場合に右V入賞口6755bVへと入球すると、時短状態となる可能性が比較的低くなる(4割弱になる)ように構成されている。一方、上述した通り、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3へと入球した場合は、遊技者にとって最も有利な16ラウンド時短大当たりが確定する。このため、右V入賞口6755bVへしか入球し得ない開放パターンBは、開放パターンAよりも不利な開放パターンであるといえる。
また、図215(c)に示した通り、開放パターンCが設定されると、小当たりの開始後0.2秒間の間は、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持され、0.2秒経過時から0.8秒経過時までの0.6秒間の間、開放状態に切り替わり、0.8秒経過以降は小当たり終了まで閉鎖状態に維持される。上述した通り、小当たりの開始後0.2秒経過時点から0.4秒経過時点までは、V入賞率50%期間に設定され、0.4秒経過時点から0.6秒経過時点までは、V不可期間に設定され、0.6秒経過時点から0.8秒経過時点までは、V入賞率100%期間に設定される。このため、開放パターンCが設定されて抽選装置6755へと入球した場合の1/3(0.2s/0.6s)は、V入賞率50%期間の間における入球となり、1/3(0.2s/0.6s)は、V入賞率100%期間の間における入球となる。即ち、開放パターンCは、抽選装置6755へと入球した場合の2/3でV入賞が発生する開放パターンとなるので、他の開放パターンよりもV入賞率が高い有利な開放パターンとなる。
このように、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、3種類の開放パターンのいずれかが設定される構成とし、開放パターンに応じて、V入賞率や、入球し得るV入賞口の種別を異ならせる構成としている。このように構成することで、小当たり時に小当たり用アタッカー6755aに設定される開放パターン(開放期間中における上開閉扉6755bU、下開閉扉6755bDの動作)により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図216を参照して、本第10実施形態における第3図柄表示装置81において実行される特徴的な演出について説明する。図216は、本第10実施形態において、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に実行される選択演出の表示態様の一例を示した図である。上述した通り、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞可能な開放パターン(図214(a)〜(c)参照)が設定される小当たりと、V入賞不可能(困難)な開放パターン(図214(d)参照)が設定される小当たりとが設けられているが、少なくとも2秒間が経過するまでは、小当たり用アタッカー6755aの開放パターン(小当たり用アタッカー6755aの動作態様)が共通となるため、見た目からV入賞可能な開放パターンが設定されているのか否かを区別することが困難となる。よって、共通の開放パターンで動作している間に設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させると、遊技者にとって特になるのか損になるのかも、不明となる。つまり、V入賞可能な開放パターンが設定されている場合には、V不可期間において設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させると、賞球は付与されるものの、小当たりが終了されてしまうため損になるが、通常小当たり用パターンが設定されている場合には、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させると、賞球が付与されるため遊技者にとって得になる。選択演出は、共通の開放パターン(動作態様)が実行されている間に設定される0.1秒間の開放期間を狙って遊技球を発射すべきかどうかを遊技者に選択させるための演出である。
図216に示した通り、選択演出が実行されると、第3図柄表示装置81の表示画面における中央上部に対して、「選べ!!」という文字が表示された表示領域HR8が形成される。また、表示画面における中央左側には、「賞球ゲットの期待度低」という文字と、「Vチャレンジ期待度中」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域HR9が形成される。また、表示領域HR9の下方には、「左打ち」という文字が表示された、左向きの矢印を模した形状の矢印画像YG1が表示される。一方、表示画面における中央右側には、「賞球ゲットの期待度中」という文字と、「Vチャレンジ期待度低」という文字とが表示された横長略長方形形状の表示領域HR10が形成される。また、表示領域HR10の下方には、「右打ち」という文字が表示された、右向きの矢印を模した形状の矢印画像YG2が表示される。これらの表示内容により、左打ちを行った場合のメリット、デメリットと、右打ちを行った場合のメリット、デメリットを遊技者に把握させることができる。即ち、左打ちを行うと、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させて賞球を得ることはできないが、V入賞可能となる期間において小当たり用アタッカー6755aが開放される(Vチャレンジが実行される)可能性があるということを遊技者に理解させることができる。また、右打ちを行うと、0.1秒間の開放期間の間に遊技球が入球することで賞球を獲得できる可能性があるが、V入賞可能な開放パターンが設定されていた場合には、Vチャレンジ(V入賞可能な期間における小当たり用アタッカー6755aの開放)が実行されずに小当たりが終了されてしまう可能性があるということを遊技者に理解させることができる。
なお、選択演出の態様には、V入賞可能な開放パターンが設定されている期待度が異なる複数の種類が設けられている。即ち、V入賞可能な開放パターンが設定された場合に選択される割合、および通常小当たり用の開放パターンが設定された場合に選択される割合が異なる複数の種類が設けられている(図示せず)。これにより、選択演出により示唆されるV入賞可能な開放パターンの期待度も加味して、右打ちを行うか左打ちを行うかを遊技者に決断させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図217を参照して、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合における第3図柄表示装置81の表示態様の経時変化について説明する。図217(a)は、V入賞可能な開放パターンが設定される小当たり(Vチャレンジ小当たり)に当選した場合における表示態様の経時変化を示した図である。図217(a)では、Vチャレンジ小当たりとして、V入賞率50%パターンが設定される小当たりに当選した場合を例にとって説明する。
図217(a)に示した通り、V入賞率50%パターンが設定される小当たりに当選すると、まず、小当たりに対応する変動表示が開始される。この変動表示は60秒間継続した後、小当たりの当選が報知されると共に、選択演出(図216参照)が開始される。即ち、小当たりに対応する図柄が確定表示される期間となった時点で、選択演出が開始される。この選択演出は、最大で3秒間の間継続する。即ち、小当たりが開始されてから2秒間が経過するまで(共通の動作態様が終了するまで)の間継続する。
小当たり開始後1秒経過時に設定される0.1秒間の開放期間の間に遊技球が抽選装置6755内に入球しなければ(即ち、小当たりの終了条件が成立していなければ)、V入賞可能な期間において小当たり用アタッカー6755aが開放されると共に、Vチャレンジ演出が実行されたことを示すVチャレンジ演出が実行される。図示については省略するが、このVチャレンジ演出は、右打ちを行って遊技球を抽選装置6755へと入球させることにより、振分回転体6755f、または右V入賞口6755bVのどちらかへと遊技球を到達させることができるということを報知する演出である。つまり、最低でも50%の割合でV入賞が発生するということを報知するための演出である。このVチャレンジ演出において遊技球を抽選装置6755へと入球させ、V入賞が発生すると、大当たりが実行される。
なお、選択演出の実行中に右打ちを行って、0.1秒間の開放期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合には、賞球を獲得したことを祝福する演出が実行されて、選択演出が終了される。即ち、Vチャレンジ小当たりにおいて、0.1秒間の開放期間の間に遊技球を入球させたことにより、Vチャレンジの実行がキャンセルされてしまったとしても、通常小当たり用パターンが設定されて遊技球が入球した場合と区別することが不可能(困難)に構成できる。よって、Vチャレンジの実行がキャンセルされたとしても、遊技者に対して、通常小当たり用パターンが設定されたと予測して右打ちを行い、狙い通りに遊技球を入球させることができたと思わせることができる。従って、Vチャレンジがキャンセルされたとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。
図217(b)は、通常小当たり用パターンが設定される通常小当たりに当選した場合における演出態様の経時変化を示した図である。図217(b)に示した通り、通常小当たりに当選した場合、通常小当たりに対応する変動表示が開始されてから、小当たり開始後2秒間が経過するまでの間の演出態様の経時変化は、Vチャレンジ小当たりに当選した場合と同一となる。即ち、60秒間の変動表示演出の実行後に、選択演出が実行される。選択演出は、0.1秒間の開放期間の間に遊技球の入球が検出されなかったこと(即ち、小当たりの終了条件が成立しなかったこと)を条件に、4秒間の間継続する。即ち、Vチャレンジ小当たりのうち、小当たり用アタッカー6755aが開放されるまでの期間が最も長いV入賞確定パターン(図214(a)参照)が設定される小当たりのVチャレンジの開始タイミングと同一のタイミング(小当たり開始から4秒間経過時点)まで、選択演出が実行され続ける。そして、小当たり開始後4秒が経過した時点で、Vチャレンジが実行されないこと(Vチャレンジに非当選であったこと)を報知するための演出を実行する。これにより、Vチャレンジ小当たりであると予測して選択演出の間、左打ちを行うという選択を行った遊技者に対して、より長く、Vチャレンジに対する期待感を抱かせ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第10実施形態では、小当たり変動の終了時に選択演出を開始させる構成とし、選択演出の開始から2秒経過時に0.1秒間の開放期間が設定される構成としていたが、これに限られるものではない。選択演出のタイミング、および開放期間はより早いタイミングで設定してもよい。具体的には、変動中(第1図柄表示装置37において第1図柄が停止表示されるよりも前)から選択演出を実行すると共に、小当たり開始直後に解放期間が設定されるように構成してもよい。このように構成することで、第1図柄表示装置37に表示される第1図柄を識別することにより小当たり種別を特定して、開放期間に遊技球が入球するように遊技球を発射するか否かを決定しても、開放期間に間に合わないようにすることができるので、より真剣に、右打ちするか、左打ちするかを予め選択させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第10実施形態における電気的構成>
次に、図218から図220を参照して、本第10実施形態における主制御装置110のROM202について説明する。ここで、本第10実施形態では、上述した第9実施形態におけるROM202の構成(図192(a)参照)に対して、第1当たり乱数テーブル202a、および小当たり種別選択テーブル202eaの規定内容が一部変更となっている点でのみ相違する。その他の構成については、上述した第9実施形態におけるROM202の構成と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図218を参照して、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図218(a)は、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図218(a)に示した通り、本第10実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値として、「0,1」の2つの乱数値(カウンタ値)が規定されている(図218(a)の202a1参照)。なお、大当たりとなる判定値は、第9実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値のうち、大当たりと判定される乱数値(カウンタ値)は2個であるので、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/200(2/400)である。また、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値の範囲として「2〜395」が規定され(図218(a)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として、「396〜399」が規定されている(図218(a)の202a3参照)。
第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400個の乱数値のうち、小当たりと判定される乱数値(カウンタ値)は4個であるので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は1/100(4/400)である。なお、詳細については後述するが、第1特別図柄の小当たりのうち6割は開放パターンとして通常小当たり用パターン(即ち、抽選装置6755に遊技球を入球させてもV入賞が発生し得ない開放パターン)が設定される。つまり、Vチャレンジ小当たりは第1特別図柄の小当たりのうち4割である。即ち、1/100の割合で、Vチャレンジ小当たりを遊技者に期待させることが可能となる小当たり用アタッカー6755aの0.1秒間の開放動作が実行され、そのうち4割でVチャレンジが実行される(即ち、V入賞可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放される)。よって、第1特別図柄の抽選でVチャレンジ小当たりとなる確率は1/250(1/100×4/10)である。
また、図218(a)に示した通り、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「2〜39」が規定され(図218(a)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「40〜399」が規定されている(図218(a)の202a3参照)。よって、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は、上述した第9実施形態と同様に、9/10(360/400)である。なお、第2特別図柄の小当たりに関しては、全ての小当たり種別において、小当たり用アタッカー6755aの開放期間の間にV入賞可能な期間が含まれるように構成している。
このように、本第10実施形態では、第9実施形態と同様に、第2特別図柄の抽選が実行された場合に高確率(9/10)で小当たりに当選する構成としているのに加え、第1特別図柄の抽選が実行された場合にも、低確率(1/100)で小当たりに当選する構成としている。即ち、不利な通常状態において主として実行される第1特別図柄の抽選でも、V入賞に基づく大当たりの当選を期待させることができる。また、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞が可能となる期間(V入賞率50%期間、V入賞率100%期間のうち一方又は両方)に小当たり用アタッカー6755aが開放されるVチャレンジ小当たりと、V入賞が不可能(困難)となる期間(V不可期間)にのみ小当たり用アタッカー6755aが開放される通常小当たりとを設ける構成としている。これにより、小当たりに当選した場合に、Vチャレンジ小当たりに当選していることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、上述した通り、本第10実施形態では、通常小当たりと、Vチャレンジ小当たりとで、小当たり開始後2秒間における小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の動作態様を共通としている。即ち、小当たり開始後1秒経過時点で、0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される動作態様が実行される。このため、小当たりの当選が報知された後も、少なくとも2秒間の間は、通常小当たりであるかVチャレンジ小当たりであるかを遊技者が認識困難に構成することができる。よって、通常小当たりに当選したとしても、小当たりの開始から所定期間(2秒間)の間は、Vチャレンジ小当たりに対する期待感を持続して抱かせ続けることができる。よって、小当たりに当選する毎に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図218(b)を参照して、本第10実施形態における小当たり種別選択テーブル202eaの詳細について説明する。図218(b)は、本第10実施形態における小当たり種別選択テーブル202eaの構成を示した図である。図218(b)に示した通り、本第10実施形態における小当たり種別選択テーブル202eaには、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照される特図1小当たり用テーブル202ea1と、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に小当たり種別を決定するために参照される特図2小当たり用テーブル202ea2とが設けられている。まず、図219を参照して、特図1小当たり用テーブル202ea1の詳細について説明する。
図219は、上述した特図1小当たり用テーブル202ea1の規定内容を示した図である。図219に示した通り、特図1小当たり用テーブル202ea1には、小当たり種別カウンタC5の値の範囲に対応付けて、決定される小当たり種別が規定されている。より具体的には、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0,1」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりA14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1a参照)。この「小当たりA14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞確定パターン(図214(a)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりA14」においてV入賞が発生すると、「大当たりE14」に当選する。「大当たりE14」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が時短状態に設定される大当たり種別である。よって、「小当たりA14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に右打ちして抽選装置6755へと遊技球を入球させるだけで、ほぼ確実にV入賞を発生させることができる上に、V入賞が発生することにより大当たり後に有利な時短状態が付与される小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりA14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は2個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりA14」が決定される割合は2%(2/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「2,3」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりB14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1b参照)。この「小当たりB14」は、「小当たりA14」と同様に、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞確定パターン(図214(a)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりB14」においてV入賞が発生すると、「大当たりF14」に当選する。「大当たりF14」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が不利な普通図柄の通常状態に設定される大当たり種別である。よって、「小当たりB14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に右打ちして抽選装置6755へと遊技球を入球させるだけで、ほぼ確実にV入賞を発生させることができるものの、V入賞が発生した場合は、大当たり後に不利な通常状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりB14」は、「小当たりA14」よりも不利な小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりB14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は2個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB14」が決定される割合は2%(2/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「4〜9」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりC14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1c参照)。この「小当たりC14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率75%パターン(図214(c)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりC14」においてV入賞が発生すると、「大当たりE14」(5ラウンド時短大当たり)に当選する。よって、「小当たりC14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定されるものの、V入賞が発生した場合は、大当たり後に有利な時短状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりC14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとしては「小当たりA14」や「小当たりB14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。また、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面では、「小当たりB14」よりも有利となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりC14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は6個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりC14」が決定される割合は6%(6/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「10〜15」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりD14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1d参照)。この「小当たりD14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率75%パターン(図214(c)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりD14」においてV入賞が発生すると、「大当たりF14」(5ラウンド通常大当たり)に当選する。よって、「小当たりD14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定される上に、V入賞が発生した場合は、大当たり後に不利な通常状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりD14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとしては「小当たりA14」や「小当たりB14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。また、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面も、最も不利となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりD14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は6個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりD14」が決定される割合は6%(6/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「16〜27」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりE14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1e参照)。この「小当たりE14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率50%パターン(図214(b)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりE14」においてV入賞が発生すると、「大当たりE14」(5ラウンド時短大当たり)に当選する。よって、「小当たりE14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」、およびV入賞率75%パターンが設定される「小当たりC14」や、「小当たりD14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定されるものの、V入賞が発生した場合は、大当たり後に有利な時短状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりE14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとしては「小当たりA14」〜「小当たりD14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。一方で、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面では、最も有利となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりE14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は12個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりE14」が決定される割合は12%(12/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「28〜39」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりF14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1f参照)。この「小当たりF14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、V入賞率50%パターン(図214(b)参照)が設定される小当たり種別である。また、この「小当たりF14」においてV入賞が発生すると、「大当たりF14」(5ラウンド通常大当たり)に当選する。よって、「小当たりF14」は、V入賞確定パターンが設定される「小当たりA14」や、「小当たりB14」、およびV入賞率75%パターンが設定される「小当たりC14」や、「小当たりD14」よりもV入賞が発生し難い開放パターンが設定される上に、V入賞が発生した場合に、大当たり後に不利な時短状態が付与される小当たり種別である。よって、「小当たりF14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして「小当たりA14」〜「小当たりD14」よりも不利となる(V入賞し難くなる)。また、V入賞が発生した場合に大当たり後に設定される遊技状態の面でも、最も不利となる。つまり、「小当たりF14」は、Vチャレンジ小当たりの中で、小当たり用アタッカー6755aに設定される開放パターンの面でも、V入賞が発生した場合における大当たり終了後の遊技状態の面でも最も不利となる小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりF14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は12個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりF14」が決定される割合は12%(12/100)である。
また、図219に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「40〜99」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりG14」が対応付けて規定されている(図219の202ea1g参照)。この「小当たりG14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、通常小当たり用パターン(図214(d)参照)が設定される小当たり種別である。このため、小当たり有効期間中にV入賞させることはほぼ不可能となる。なお、V入賞が発生することは極めて困難ではあるが、「小当たりG14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、「大当たりE14」(5ラウンド時短大当たり)となる。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりG14」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)は60個なので、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりG14」が決定される割合は60%(60/100)である。
このように、本第10実施形態では、第1特別図柄のVチャレンジ小当たりとして、V入賞率が異なる複数種類の小当たり種別を設ける構成としている。即ち、V入賞率が100%となる「小当たりA14」、「小当たりB14」と、V入賞率が75%となる「小当たりC14」、「小当たりD14」と、V入賞率が50%となる「小当たりE14」、「小当たりF14」とが設けられている。このように構成することで、遊技者に対して、より高いV入賞率の小当たりに当選することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、本第10実施形態では、Vチャレンジ小当たりに加え、V入賞が不可能(困難)となる期間(V不可期間)にのみ小当たり用アタッカー6755aが開放される「小当たりG14」(通常小当たり)を設ける構成としている。これにより、小当たりに当選した場合に、Vチャレンジ小当たりに当選していることを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、本第10実施形態では、通常小当たりと、Vチャレンジ小当たりとで、小当たり開始後2秒間における小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の動作態様を共通としている。即ち、小当たり開始後1秒経過時点で、0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aが開放される動作態様が実行される。このため、小当たりの当選が報知された後も、少なくとも2秒間の間は、通常小当たりであるかVチャレンジ小当たりであるかを遊技者が認識困難に構成することができる。よって、通常小当たりに当選したとしても、小当たりの開始から所定期間(2秒間)の間は、Vチャレンジ小当たりに対する期待感を持続して抱かせ続けることができる。よって、小当たりに当選する毎に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図220を参照して、上述した特図2小当たり用テーブル202ea2の詳細について説明する。図220は、この特図2小当たり用テーブル202ea2の規定内容を示した図である。図220に示した通り、この特図2小当たり用テーブル202ea2には、「小当たりH14」〜「小当たりM14」の6種類の小当たり種別が規定されている。
図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜12」の範囲に対しては、「小当たりH14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2a参照)。この「小当たりH14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンA(図215(a)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは振分回転体6755fへと到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりH14」においてV入賞が発生した場合、入球したV入賞口の種別に応じて異なる大当たり種別に当選する。より具体的には、右V入賞口6755bVへと入球することによりV入賞が発生した場合には、「大当たりG14」に当選する。この「大当たりG14」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が遊技者に有利な時短状態に設定される大当たり種別である。一方、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかへと遊技球が入球する(即ち、振分回転体6755fに設けられているV入賞口に入球する)ことによりV入賞が発生した場合には、「大当たりI14」に当選する。この「大当たりI14」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり終了後の遊技状態が有利な時短状態に設定される大当たり種別である。即ち、ラウンド数が最も多い上に、大当たり終了後の遊技状態も有利となるため、最も有利な大当たり種別である。なお、図220に示した通り、第2特別図柄の小当たりとなって、当該小当たりの有効期間中に中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかへと遊技球が入球した場合には、小当たり種別とは無関係に「大当たりI14」に当選するように構成されている。よって、振分回転体6755fへと遊技球が流下した場合には、50%の割合で最も有利な大当たりに当選するので、遊技者の期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、開放パターンAでは、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりH14」でV入賞が発生した場合には、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかに対するV入賞である。即ち、「小当たりH14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に最も有利な「大当たりI14」に当選する。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりH14」に対応付けられているカウンタ値の個数は13個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりH14」に当選する割合は13%(13/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「13〜25」の範囲に対しては、「小当たりI14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2b参照)。この「小当たりI14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンB(図215(b)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは右V入賞口6755bVへと入球する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりI14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりH14」と同様に、「大当たりG14」(10ラウンド時短大当たり)に当選する。なお、開放パターンBでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりI14」でV入賞が発生した場合には、右V入賞口6755bVに対するV入賞である。即ち、「小当たりI14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に「大当たりG14」(10ラウンド時短大当たり)に当選する。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりI14」に対応付けられているカウンタ値の個数は13個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりI14」に当選する割合は13%(13/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「26〜38」の範囲に対しては、「小当たりJ14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2c参照)。この「小当たりJ14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンC(図215(c)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、右V入賞口6755bVへと入球するか、若しくは振分回転体6755fに到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりJ14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりH14」、「小当たりI14」と同様に、「大当たりG14」(10ラウンド時短大当たり)に当選する。なお、開放パターンCでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングでも、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球可能となるタイミングでも小当たり用アタッカー6755aが開放される。即ち、「小当たりJ14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、「大当たりG14」となる可能性も、「大当たりI14」となる可能性もある。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりJ14」に対応付けられているカウンタ値の個数は13個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりJ14」に当選する割合は13%(13/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「39〜58」の範囲に対しては、「小当たりK14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2d参照)。この「小当たりK14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンA(図215(a)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは振分回転体6755fへと到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりK14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「大当たりH14」に当選する。この「大当たりH14」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に不利な普通図柄の通常状態が設定される大当たり種別である。なお、開放パターンAでは、右V入賞口6755bVへと入球可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりK14」でV入賞が発生した場合には、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかに対するV入賞である。即ち、「小当たりK14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に「大当たりI14」(16ラウンド時短大当たり)に当選する。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりK14」に対応付けられているカウンタ値の個数は20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりK14」に当選する割合は20%(20/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「59〜79」の範囲に対しては、「小当たりL14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2e参照)。この「小当たりL14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンB(図215(b)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、若しくは右V入賞口6755bVへと入球する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりL14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりK14」と同様に、「大当たりH14」(10ラウンド通常大当たり)に当選する。なお、開放パターンBでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングで小当たり用アタッカー6755aが開放されることはないため、基本的に「小当たりL14」でV入賞が発生した場合には、右V入賞口6755bVに対するV入賞である。即ち、「小当たりL14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、基本的に「大当たりH14」(10ラウンド通常大当たり)に当選する。よって、「小当たりL14」は、V入賞が発生すると遊技者に不利になる(時短状態が終了してしまう)小当たり種別である。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりL14」に対応付けられているカウンタ値の個数は21個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりL14」に当選する割合は21%(21/100)である。
また、図220に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「80〜99」の範囲に対しては、「小当たりM14」が対応付けて規定されている(図220の202ea2f参照)。この「小当たりM14」は、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして、開放パターンC(図215(c)参照)が設定される小当たり種別である。即ち、小当たり用アタッカー6755aの開放期間中に遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、右アウト口6755bOへと入球するか、右V入賞口6755bVへと入球するか、若しくは振分回転体6755fに到達する可能性がある開放パターンが設定される。「小当たりM14」において右V入賞口6755bVに対するV入賞が発生した場合、「小当たりK14」、「小当たりL14」と同様に、「大当たりH14」(10ラウンド通常大当たり)に当選する。なお、開放パターンCでは、振分回転体6755fへと遊技球が到達可能となるタイミングでも、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球可能となるタイミングでも小当たり用アタッカー6755aが開放される。即ち、「小当たりM14」の小当たり有効期間中にV入賞が発生した場合は、「大当たりH14」となる可能性も、「大当たりI14」となる可能性もある。
小当たり種別カウンタC5の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「小当たりM14」に対応付けられているカウンタ値の個数は20個であるので、第2特別図柄の抽選で小当たりになった場合に「小当たりM14」に当選する割合は20%(20/100)である。
このように、本第10実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技球が入球したV入賞口の種別に応じて異なる大当たり種別に当選する構成としている。即ち、中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかへと遊技球が入球した場合には、最も有利な「大当たりI14」が確定する一方で、右V入賞口6755bVへと入球した場合には、比較的有利な「大当たりG14」と、不利な「大当たりH14」とのいずれかとなる。また、「大当たりG14」となる割合(即ち、「小当たりH14」〜「小当たりJ14」のいずれかに当選する割合)よりも、「大当たりH14」となる割合(即ち、「小当たりK14」〜「小当たりM14」のいずれかに当選する割合)の方が高くなるように構成している。これにより、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技者に対して、右V入賞口6755bVへと入球するよりも、50%の割合でしかV入賞が発生しない振分回転体6755fへと遊技球が到達することを期待させるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、抽選装置6755へと遊技球が入球する毎に、遊技球の流下方向に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
以上説明した通り、第10実施形態におけるパチンコ機10では、第1特別図柄の抽選が実行された場合に、所定確率(例えば、1/100)で小当たりに当選する構成としている。これにより、左打ちによって遊技を進行する必要がある普通図柄の通常状態においても、特別図柄の抽選で小当たりになることを期待して遊技を行わせることができる。また、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとして、V入賞率が異なる複数の種別が設けられている。即ち、V入賞率が100%、75%、および50%のVチャレンジ小当たりと、V入賞が不可能(困難)になる通常小当たりとが設けられている。これにより、小当たりに当選した場合に、より高いV入賞率に対応する小当たり種別が決定されることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。更に、本第10実施形態では、第1特別図柄の小当たりとなった場合に、小当たり種別によらず、小当たり開始から2秒間の間における小当たり用アタッカー6755aの開閉動作の態様を共通化している。このように構成することで、少なくとも小当たり開始から2秒間が経過するまでは、いずれの小当たり種別の小当たりが実行されているのかを遊技者に認識困難にすることができるので、通常小当たりが実行されている場合においても、Vチャレンジ小当たりに対する期待感をより長く抱かせ続けることができる。
また、本第10実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した場合に、Vチャレンジ小当たりであるか否かを予測して、その予測結果に応じて遊技球の発射方向を遊技者に可変させる選択演出を実行する構成としている。即ち、今回の小当たりが通常小当たりだった場合には、小当たりの開始後2秒間の、共通の動作態様が実行されている間に右打ちを行うことにより、遊技球を抽選装置6755へと入球させて賞球を獲得することが可能となる一方で、左打ちを行うと賞球を獲得することができない。一方で、今回の小当たりがVチャレンジ小当たりであった場合は、共通の動作態様が実行されている間に右打ちを行って遊技球が抽選装置6755へと入球してしまうと、その時点で小当たりの終了条件(1個以上の遊技球が入球すること)が成立してしまい、Vチャレンジが実行されずに小当たりが終了されてしまう。これに対し、Vチャレンジ小当たりにおいて共通の動作態様が実行されている間(即ち、選択演出の実行中に)、左打ちを行った場合、Vチャレンジが開始されるまで小当たりが終了されることはない。よって、通常小当たりでは、選択演出の間に右打ちを行うことで賞球を獲得可能になるというメリットが生じるのに対し、Vチャレンジ小当たりでは、選択演出の間に左打ちを行うことにより、確実にVチャレンジを実行させることができるというメリットがある。よって、遊技者に対して、小当たり種別を予測させて、予測に応じた方向へと遊技球を発射させるという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本第10実施形態では、通常小当たりとVチャレンジ小当たりとで、小当たり用アタッカー6755aの開放動作が共通となる小当たり開始後2秒間の間において、0.1秒間のみ小当たり用アタッカー6755aを開放する構成としていたが、これに限られるものではなく、V入賞が不可能(困難)な期間の間に小当たり用アタッカー6755aが開放されるのであれば、共通の動作態様として任意の動作態様を設定してもよい。例えば、共通の動作態様として、小当たり開始後0.8秒経過時点から0.5秒間の開放動作を設定する構成としても良い。このように構成することで、共通の動作態様の実行中に遊技球を抽選装置6755の内部へと入球させ易くなるので、通常小当たりと予測した遊技者に対して、右打ちによってより容易に賞球を獲得させることができる。
本第10実施形態では、抽選装置6755において、小当たり用アタッカー6755a以外の各部の作動パターンを、小当たり種別とは無関係に共通としたが、これに限られるものではなく、小当たり種別に応じて、各部の作動パターンを異ならせてもよい。これにより、小当たり種別毎の動作を多様化させることができるので、小当たり当選時における動作の自由度を向上させることができる。
本第10実施形態では、小当たり中に遊技球1個以上の遊技球が入球した場合に、当該入球した遊技球が排出された時点で小当たりが終了される一方で、遊技球が入球しなかった場合には、8秒が経過するまで小当たりが終了しない構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1の小当たりにおける小当たり用アタッカー6755aの開放期間が全て終了した時点で遊技球の入球を検出していなければ、その時点で小当たりを打ち切る構成としてもよい。このように構成することで、遊技球が抽選装置6755へと入球しなかった(即ち、V入賞が発生する可能性が無い)にもかかわらず、小当たり開始から8秒経過するまで小当たりが終了されないという事象が生じることを抑制できるので、遊技の効率化を図ることができる。
<第10実施形態の第1の変形例>
次に、図221から図223を参照して、上述した第10実施形態の第1の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、抽選装置6755の内部に設けられているいずれかのV入賞口へと遊技球が入球することにより大当たりに当選する構成としていた。また、第2特別図柄の小当たりでは、遊技球が入球したV入賞口の種別によって、大当たり終了後に時短状態となる期待度が異なるように構成していた。即ち、第2特別図柄の小当たりとなって中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかに遊技球が入球して大当たりに当選した場合は、小当たり種別とは無関係に、必ず大当たり終了後に時短状態が設定されるのに対し、右V入賞口6755bVに入球して大当たりに当選した場合は、39%の割合(即ち、小当たりH14〜J14であった場合)でしか時短状態が設定されない構成となっていた。即ち、第2特別図柄の小当たりにおいては、右V入賞口6755bVへと入球するよりも、振分回転体6755fへと遊技球が到達した方が遊技者にとって喜ばしい構成としている。また、第2特別図柄の小当たりの開放期間は0.6秒と短いため、1の遊技球を入球させるのがせいぜいとなるように構成していた。
これに対して本変形例では、第2特別図柄の小当たりの一部において、右V入賞口6755bVへと遊技球が振り分けられる期間の間に小当たり用アタッカー6755aが開放された後で、振分回転体6755fへと遊技球が誘導される期間においても再度、小当たり用アタッカー6755aが開放される特殊開放パターンが設定される構成とした。また、右V入賞口6755bVへと続く流路の途上に、遊技球の流下速度を遅延させるための遅延装置6755b3を設ける構成とし、特殊開放パターンにおいて右V入賞口6755bVへと遊技球が誘導される期間と、振分回転体6755fへと遊技球が誘導される期間との両方で遊技球を入球させた場合に、振分回転体6755fによって遊技球がいずれかの入球口へと振り分けられた後で右V入賞口6755bVへと遊技球が流下するように、遅延装置6755b3による遅延期間を設定している。これにより、遊技者に対して、振分回転体6755fによって中央V入賞口6755fv1〜6755fv3の何れかへと振り分けられなければ(即ち、中央アウト口6755fo1〜6755fo3の何れかへと振り分けられてしまうと)、時短状態の期待度が低い右V入賞口6755bVへと遊技球が入球してしまうことを認識させることができるので、振分回転体6755fにより振り分けられる入球口の種別により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
まず、第10実施形態の第1の変形例におけるパチンコ機10の抽選装置6755の構成について、図221を参照して説明する。図221は、第1の変形例における抽選装置6755の誘導流路6755b2周辺における拡大正面図である。図221に示した通り、本第1の変形例における誘導流路6755b2は下開閉扉6755bDと、右V入賞口6755bVとの間に、下開閉扉6755bDを通過した遊技球(即ち、V入賞100%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球)が右V入賞口6755bVへと到達するまでの期間を長くする(遅延させる)ための遅延装置6755b3が設けられている。この遅延装置6755b3は、公知のクルーン手段で構成されている。つまり、下開閉扉6755bDを通過して遅延装置6755b3の左側から入射した遊技球が、内壁部分を約8秒間の間周回し続けた後に、中央に設けられている通過口を介して右V入賞口6755bVへ向けて落下するように構成されている。なお、図221に示した通り、誘導流路6755b2における上部右側は、遅延装置6755b3の左側に向かって下る向きの傾斜を形成している。これにより、V入賞率100%期間において抽選装置6755へと入球し、下開閉扉6755bDを通過した遊技球を、確実に遅延装置6755b3の左方へと落下させることができる。つまり、下開閉扉6755bDを通過した遊技球が、遅延装置6755b3の開口部を直接通過してしまう(遊技球の流下を遅延させることができなくなってしまう)ことを抑制することができる。これにより、特殊開放パターン(V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間とで小当たりアタッカー6755aが開放される開放パターン)が設定される小当たりが実行され、且つ、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間との両方で遊技者が遊技球を抽選装置6755へと入球させた場合に、確実に、振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが終了した後で、右V入賞口6755bVへと遊技球を入球させることができる。このため、特殊開放パターンが設定された場合に、振分回転体6755fによっていずれかのV入賞口へと遊技球が振り分けられることをより強く期待させる遊技性を提供することができる。即ち、時短大当たりに当選する期待度が低い右V入賞口6755bVへと入球するよりも前に、入球した時点で16ラウンド時短大当たり(大当たりI14)の当選が確定する中央V入賞口6755fv1〜6755fv3のいずれかへと遊技球を入球させたいと強く願わせる遊技性を実現することができる。よって、特殊開放パターンが設定された場合における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、誘導流路6755b2以外の盤面構成については、上述した第10実施形態における遊技盤13の盤面構成と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
次に、図222を参照して、第10実施形態の第1の変形例における特殊開放パターンの詳細について説明する。この特殊開放パターンは、第2特別図柄の小当たりのうち、所定割合(例えば、第2特別図柄の小当たりの1%の割合)で選択される特殊小当たりとなった場合に、小当たり用アタッカー6755aの開放パターンとして設定される。図222に示した通り、特殊開放パターンが設定されると、小当たりの開始から0.4秒間が経過するまでの間、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持され、小当たりの開始から0.4秒間が経過した時点で小当たり用アタッカー6755aが開放される。この開放状態は、0.6秒間の間継続し、小当たり開始後1秒が経過した時点で小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。この閉鎖状態は、小当たり開始後2秒経過時点まで継続する。即ち、特殊開放パターンは、小当たり開始後2秒間の間、上述した開放パターンB(図215(b)参照)と全く同一の動作となる。つまり、小当たり開始後0.4秒間〜1秒間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が、1/3の割合で右V入賞口6755bVへと流下する。
また、図222に示した通り、特殊開放パターンでは、小当たり開始後2秒間が経過すると、0.5秒間の間、小当たり用アタッカー6755aが開放され、小当たり開始後2.5秒が経過した時点で再度、小当たり用アタッカー6755aが閉鎖される。そして、以降は小当たりが終了するまで小当たり用アタッカー6755aが閉鎖状態に維持される。図213を参照して上述した通り、小当たり開始後2秒〜2.5秒の間は、V入賞率50%期間に設定されるので、この0.5秒間の開放期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球は、閉鎖状態の上開閉扉6755bUの上面を通過して、振分回転体6755fへと誘導される。即ち、50%の割合で、いずれかの中央V入賞口へと振り分けられて最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選する。なお、上述した通り、V入賞率100%期間の間に遊技球が抽選装置6755へと入球していた場合、遅延装置6755b3によって右V入賞口6755bVへの到達が遅延される。よって、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間との両方で抽選装置6755へと遊技球を入球させたとしても、先に振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが完了してから右V入賞口6755bVへと遊技球が入球する。よって、振分回転体6755fにより中央V入賞口へと遊技球が振り分けられた場合には、最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選する一方で、振分回転体6755fにより中央アウト口へと振り分けられた場合には、時短状態が付与される期待度が低い右V入賞口6755bVへの入球に基づく大当たりに当選する。このため、振分回転体6755fにより振り分けられる入球口の種別により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第1の変形例では、第2特別図柄の小当たりの一部において、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間とで小当たり用アタッカー6755aが開放される特殊開放パターンが設定される構成とし、且つ、V入賞率100%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が右V入賞口6755bVへと到達するよりも先に、V入賞率50%期間の間に入球した遊技球がいずれかの入球口に振り分けられる構成とした。つまり、V入賞率100%期間と、V入賞率50%期間との両方において遊技球が入球した場合に、まず、振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが完了してから、右V入賞口6755bVへと遊技球が入球する構成とした。言い換えれば、最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選する(振分回転体6755fにより中央V入賞口へと振り分けられる)か否かの結果が出てから、右V入賞口6755bVへと入球するように構成している。右V入賞口6755bVへの入球に基づく大当たりは、時短状態が付与される期待度が低い(例えば、39%の割合)ので、遊技者に対して、振分回転体6755fによって中央V入賞口へと振り分けられることを強く願って遊技を行わせる斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1の変形例では、1の小当たりにおいてV入賞率100%期間と、V入賞率50%期間とに遊技球が抽選装置6755へと入球した場合に、先に振分回転体6755fによる遊技球の振り分けが終了してから右V入賞口6755bVへと遊技球が到達するように、右V入賞口6755bVへと向かう遊技球の流下速度を遅延させる構成としていたが、必ずしも1の小当たりでなくてもよい。遅延装置6755b3によって遊技球が遅延されている間に、小当たりを終了させて次の変動および小当たりを開始可能に構成することにより、複数の小当たりをまたいで右V入賞口6755bVへと到達するよりも前に振分回転体6755fによる振り分けが終了する動作を実現してもよい。このように構成することで、特殊開放パターンが設定される小当たりを設ける必要がなくなる(開放パターンBが設定される小当たりの後で開放パターンAが設定される小当たりに当選することで同様の動作を実現できる)ので、ROM202の記憶容量を削減することができる。
本第1の変形例では、小当たり有効期間において最初に遊技球が入球したV入賞口の種別に基づいて大当たり種別を決定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、1の小当たり有効期間において最後に遊技球が入球したV入賞口の種別に基づいて大当たり種別を決定する構成としてもよい。このように構成することで、1の小当たり有効期間中に先に右V入賞口6755bVへと入球した後で遊技球が振分回転体6755fへと誘導されたとしても、振分回転体6755fによって中央V入賞口へと振り分けられることにより最も有利な16ラウンド時短大当たりに当選するように構成できる。言い換えれば、遅延装置6755b3を設けることなく、上述した第1の変形例と同一の遊技性を実現することができる。これにより、遊技盤13の盤面構成を簡素化することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
<第10実施形態の第2の変形例>
次に、図223を参照して、第10実施形態の第2の変形例におけるパチンコ機10について説明する。上述した第10実施形態におけるパチンコ機10では、V入賞率50%期間の間に抽選装置6755へと入球した遊技球が、振分回転体6755fによって中央アウト口へと振り分けられた場合は、大当たりに当選する可能性が無かった。
これに対して第2の変形例では、振分回転体6755fによって遊技球が中央アウト口へと振り分けられた場合にも、大当たりに当選し得る構成としている。
この第10実施形態の第2の変形例について、図223を参照して説明する。図223(a)は、抽選装置6755の誘導流路6755bにおける球排出扉6755cよりも右側の部分を示した上面図である。図223(a)に示した通り、本第2の変形例における誘導流路6755bは、球排出扉6755cと、上開閉扉6755bUとの間の部分が正面視手前側と奥側とに分岐している。また、分岐点には、遊技球を正面視手前側の流路、または奥側の流路のどちらかへと振り分けるための振分部材6755gが設けられている。この振分部材6755gは、通常時は遊技球を正面視手前側に誘導する状態(図223(b)参照)に配置されており、V入賞率50%期間の間に、所定期間の間(例えば、0.1秒間)のみ、遊技球を奥側の流路へと振り分け可能な配置(図223(a)参照)に可変するように構成されている。
更に、図223(a)に示した通り、誘導流路6755bにおける正面視奥側の流路には、遊技球が通過可能なV通過口6755hが設けられている。このV通過口6755hは、抽選装置6755内に設けられている各種V入賞口と同様の機能を有して構成されている。即ち、小当たり有効期間の間に遊技球がV通過口6755hを通過することによって、大当たりに当選する。
このように、V入賞率50%期間の間における所定期間、V通過口6755hが設けられている側の流路を遊技球が通過可能となるように構成することで、V通過口6755hを通過後に振分回転体6755fへと到達し、中央アウト口へと振り分けられたとしても、小当たり終了後に、先にV通過口6755hを通過していたことにより既に当選していた大当たりを開始させることができる。即ち、中央アウト口へと振り分けられた時点で、遊技者に対して大当たりに当選しなかったと一旦思わせておいて、大当たりを開始させることができるので、遊技者に対して大きな驚きと喜びとを抱かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、分岐している流路のいずれを遊技球が通過したのかについては、装飾等によって視認困難となるように構成されている。このように構成することで、V通過口6755hを通過することにより既に大当たりに当選しているのか否かを遊技者に認識困難とすることができるので、中央アウト口へと振り分けられたにもかかわらず大当たりの当選が報知された場合に、遊技者をより確実に驚かせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
なお、図示については省略したが、V通過口6755hを通過した後で、遊技球が中央アウト口に振り分けられた場合には、一旦、アウト口へと振り分けられたために大当たりに当選しなかったということを報知する演出が実行される。そして、その後に所謂復活演出によって大当たりの当選が報知されて大当たりが開始される。これにより、中央アウト口へと遊技球が振り分けられて大当たりに当選しなかったことが報知される毎に、復活演出が発生することを期待させることができる。よって、遊技者に対して大当たりへの期待感をより長く抱かせ続けることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、第10実施形態、およびその各種変形例では、複数のV入賞口を別々に設ける構成とし、各V入賞口へと遊技球が入球した時点で大当たりに当選する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技球が入球することによって大当たりに当選する特定領域を1つのみ設ける構成とし、各V入賞口へと入球した遊技球は、最終的に1の特定領域へと流下される構成としてもよい。このように構成することで、各V入賞口に対して入球を検出するセンサ等の検出手段を設ける必要がなくなるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
第10実施形態、およびその各種変形例では、V入賞率100%期間における入球し易さを小当たり種別に応じて異ならせることにより、小当たり種別に応じてV入賞が発生する期待度を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。これに代えて、又は加えて、振分回転体6755fへと到達可能な遊技球の個数を小当たり種別に応じて異ならせることにより、V入賞が発生する期待度を異ならせる構成としてもよい。具体的には、例えば、小当たり用アタッカー6755aの開放期間の間に右打ちを行うことで、振分回転体6755fへと最大1個の遊技球が到達可能となる小当たり種別と、振分回転体6755fへと最大2個の遊技球が到達可能となる小当たり種別とを設ける構成としてもよい。2個の遊技球を振分回転体6755fへと到達させることができた場合、V入賞が発生する割合は75%(2個の遊技球が共にV入賞できない確率が50%×50%=25%)であるので、振分回転体6755へと到達する遊技球が多くなるほど、V入賞に対する遊技者の期待感を高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記各実施形態では、大当たり、又は小当たりとなった場合に、遊技球を入球させることで賞球を付与するための構成として右可変入賞装置65を設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右可変入賞装置65の内部の特定領域に遊技球が入球した場合に大当たりが開始されるタイプの遊技機(所謂、二種、および一種二種タイプ)に用いる構成としてもよい。このように構成することで、開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球が多いほど、右特定入賞口65aへと入球する遊技球も多くなるので、特定領域へと遊技球が入球し易いと思わせることができる。よって、開閉扉65f1の上面の遊技球の個数から大当たりとなる期待度を遊技者に判断させることができる。
上記第1〜第4実施形態、および第7実施形態では、閉鎖条件が異なる2種類の特定入賞口(右特定入賞口65a、左特定入賞口650a)を設ける構成とし、ラウンド数等に応じて開放させる特定入賞口の種別を切り替える構成としていたが、これに限られるものではない。右特定入賞口65aのみを設ける構成とし、ラウンド数を判別して閉鎖条件(最大の入賞個数)を切り替える構成としてもよい。このように構成することで、左可変入賞装置650を削除することができるので、部品点数の削減によりパチンコ機10の原価率を低減することができる。
上記第1〜第4実施形態、および第7実施形態では、最大の発射強度(発射速度)で遊技球を発射させることで、作動入賞口(第1〜第3実施形態における作動入賞口660、第4実施形態における右作動入賞口661、左作動入賞口662)へと常時遊技球が入球可能となるように構成し、大当たり待機状態の間のみ作動入賞口への入球を有効と判定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり待機状態以外の状態では、物理的に作動入賞口へと入球不可能となるように構成してもよい。具体的には、例えば、作動入賞口用流路を閉鎖可能な電動役物を設ける構成とし、大当たり待機状態となってから作動入賞口へと遊技球が入球するまでの間のみ、電動役物を開放する構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり待機状態において作動入賞口への入球を検出したことに基づいて大当たりを開始させることができる。
上記各実施形態では、待機状態演出や右打ち期待度示唆演出等の演出態様の開始タイミングや態様の更新処理等を音声ランプ制御装置113側で制御する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、主制御装置110や、表示制御装置114において演出態様に関する制御を行う構成としてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減させることができる。なお、この場合は、通過検出センサ228を主制御装置110、または表示制御装置114に電気的に接続すればよい。これにより、演出態様に関する制御を他の制御装置に移植したとしても、チャンスメーターCMの態様の更新や、体力ゲージLGの態様の更新等を正確に実行できる。
上記第1〜第4実施形態、および第7実施形態では、待機状態演出の実行中に開閉扉65f1の上面を通過中の遊技球の個数を検出するための通過検出センサ228を設け、センサの検出結果に応じてチャンスメーターCMの態様を可変させることにより遊技者に対して開閉扉65f1の上面の遊技球数を把握させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉65f1の上面を撮影するための公知の撮影手段(例えば、ビデオカメラ等)を設ける構成とし、大当たり待機状態の間は、第3図柄表示装置81の表示画面の少なくとも一部に撮影手段により撮影した画像または映像を表示させる構成としてもよい。これにより、開閉扉65f1の上面における状況をより正確に遊技者に把握させることができる。
上記各実施形態では、開閉扉65f1の上面に、遊技球の進行方向が複数回可変されるつづら折り状の流路を形成することで、遊技球を連続して右打ちした場合に、大当たりの1ラウンド目における上限の入賞個数を上回る個数の遊技球が開閉扉65f1の上面を同時に流下可能となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉65f1の上面につづら折り状の流路を形成するのに代えて、単に開閉扉65f1(および右特定入賞口65a)の幅を広げて遊技球が開閉扉65f1上を通過する際の距離を長くすることにより、1ラウンド目における上限の入賞個数を上回る個数の遊技球が同時に流下可能となる構成としてもよい。また、この場合において、連続して右打ちをし続けた場合に同時に開閉扉65f1の上面を流下する遊技球の個数が、1ラウンド目における上限の入賞個数を上回る構成としなくてもよい。例えば、開閉扉65f1の上面の幅(経路長)が、遊技球の直径に対して1ラウンド目における上限の入賞個数を乗じた長さを上回る長さとなるように構成してもよい。このように構成することで、例えば球詰まり等が生じて、開閉扉65f1の上面の遊技球が遊技盤13の下方に流下できなくなった場合に、右打ちにより開閉扉65f1の上面に1ラウンド目の上限個数以上の遊技球を予め到達させておくだけで、次に大当たりとなった場合に、1ラウンド目に上限個数以上の遊技球を同時に入球させることができる。なお、通常時に、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球が遊技盤13の下方に流下することを防止する遮蔽部材等を設ける構成としてもよい。即ち、開閉扉65f1の上面に到達した遊技球は、大当たりとなるまで開閉扉65f1の上面に停留する構成としてもよい。このように構成した場合、大当たりとなる前に遊技球を右打ちしておくだけで、次に大当たりとなった場合に容易にオーバー入賞させることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。また、大当たり抽選に係る確率の組み合わせ(通称、設定と称される)が複数段階設けられ、遊技店側で設定を変更することが可能に構成されているパチンコ機として実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしてもよい。
なお、複数段階の設定が設けられているパチンコ機としては、大当たり確率の組み合わせ(低確率状態における大当たり確率と、確変状態における大当たり確率との組み合わせ)を複数段階(例えば、6段階)のいずれかに設定することが可能なものが代表例として挙げられるが、これに限られるものではない。大当たり確率の組み合わせに代えて、又は加えて、例えば、大当たりとなった場合に決定される各大当たり図柄(各大当たり種別)の割合を、設定に応じて可変させることが可能なパチンコ機として実施してもよい。即ち、設定に応じて遊技者に有利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたり、遊技者に不利な種別の大当たりが決定される割合を可変させたりしてもよい。より具体的には、例えば、ラウンド数が多い(例えば、16ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、ラウンド数が少ない(例えば、2ラウンドの)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりすることにより、設定毎の有利度合いを可変させる構成としてもよい。また、例えば、大当たり終了後に多い時短回数(例えば、100回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、少ない時短回数(例えば、0回)が付与される大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。更に、大当たり終了後に有利な遊技状態(例えば、確変状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたり、不利な遊技状態(例えば、通常状態)へと移行する(若しくは移行し易い)大当たりが決定される割合を、設定に応じて可変させたりしてもよい。また、特定の設定でのみ決定される割合が大幅に高くなる(他の設定ではほぼ決定されることがない)大当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、設定を1から6の6段階で設定可能に構成しておき、最も有利な設定を設定6とする。そして、設定6では、大当たりとなった場合に2%の割合でラウンド数が6ラウンドの大当たりが決定される一方で、他の設定では0.01%の割合でしか6ラウンドの大当たりが決定されない構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが6ラウンドで終了した時点で、最も有利な設定6である可能性が極めて高くなるので、遊技者に対して大当たりのラウンド数に注目して遊技を行わせることができる。また、これに代えて、又は加えて、例えば、設定6では、大当たり終了後に66回の時短回数が付与される大当たり種別となる割合が他の設定よりも高くなるように構成してもよい。このように構成することで、時短状態が終了する回数に注目して遊技を行わせることができる。また、これらに代えて、又は加えて、例えば、大当たり遊技の実行中に他の大当たり種別とは異なる作動パターンで大入賞口(若しくは大入賞口の内部の役物等)が作動する大当たり種別を設ける構成とし、当該大当たり種別が特定の設定で決定され易くなる(決定される割合が高くなる)ように構成してもよい。また、大当たりの確率の組み合わせを設定に応じて可変させる場合において、低確率状態では、遊技者に有利な設定であるほど大当たり確率を高くする一方で、確変状態では、遊技者に不利な設定であるほど大当たり確率を高くする構成としてもよい。本構成は、特に、確変状態において、特別図柄の抽選回数が多くなる程持ち球を増加させ易い(発射された遊技球の数よりも、払い出される賞球数の方が多くなり易い)タイプの遊技機において有効である。より具体的には、例えば、確変状態が次に大当たりに当選するまで継続する構成であり、且つ、確変状態では高確率で小当たりとなるタイプの遊技機に適用することで、高設定の優位性をより高めることができる。即ち、確変状態において大当たりとなる確率が低いと、次に大当たりとなるまでの抽選回数が多くなり易いので、小当たりとなって賞球を獲得する機会も多くなる。よって、確変状態になると、次に大当たりとなるまでの間により多くの賞球を獲得し易くなるので、遊技者にとって有利となる。
また、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態、および各制御例について、その全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。例えば、上記第6実施形態における右可変入賞装置65の通過検出センサ228の構成を、他の実施形態に適用してもよい。例えば、上記第1実施形態に適用することで、待機状態演出の実行中におけるチャンスメーターCMのゲージ数を、開閉扉65f1の上面を流下中の遊技球の個数により正確にリンクさせることができる。より具体的には、第6実施形態における通過個数カウンタ223kを第1実施形態におけるRAM223にも設ける構成とし、第4実施形態と同一の方法で通過個数カウンタ223kの値を更新する(図87のS4211,S4212,S4219,S4220参照)。そして、待機状態演出の実行中は、通過個数カウンタ223kの値が更新される毎に、更新後のカウンタ値に対応するゲージ数になるようにチャンスメーターCMの態様を更新する。これにより、チャンスメーターCMの態様を、実際の開閉扉65f1の上面の状況に即した態様とすることができる。他の実施形態についても、同様の方法により第6実施形態の構成を転用することができる。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(オーバー入賞を意図的に発生させ易い構成)
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となった場合に、前記特定流路へと遊技球が到達し易くなる第1の発射速度で遊技球を発射し、前記第1の操作内容とは異なる第2の操作内容となった場合に、前記第1の発射速度とは異なる第2の発射速度で遊技球を発射することが可能な発射手段と、その発射手段により前記第2の発射速度で遊技球が発射された場合に、前記第1の発射速度で発射された場合よりも成立し易い特定条件が成立したかを判別する判別手段と、その判別手段により前記特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変するように制御する可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機A1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる遊技価値が、当たり種別毎にほぼ一定となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となってしまうという問題点があった。
また、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した場合に、当たり状態の開始タイミングを遊技者が決定できるものも存在するが、当たり中に獲得できる遊技価値が当たり種別毎にほぼ一定となる点については他の従来型の遊技機と同様であるため、当たり状態中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難であった。
これに対して遊技機A1によれば、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定領域に誘導されやすくなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となった場合に、特定流路へと遊技球が到達し易くなる第1の発射速度で発射手段により遊技球が発射される。一方、第1の操作内容とは異なる第2の操作内容となった場合に、第1の発射速度とは異なる第2の発射速度で発射手段により遊技球が発射される。発射手段により第2の発射速度で遊技球が発射された場合に、第1の発射速度で発射された場合よりも成立し易い特定条件が成立したかが判別手段によって判別され、その判別手段により特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変するように可変制御手段により制御される。
これにより、所定区間を遊技球が通過中に特定条件が成立することを期待して操作手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記可変制御手段は、前記特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置から前記第2位置へと可変するように制御するものであり、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、可変手段が第1位置から第2位置へと可変するように可変制御手段により制御される。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから特定条件を成立させようと工夫して操作手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A2において、前記発射手段は、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能なものであり、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能に構成されている。所定区間は、第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球が通過するように構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記可変手段は、前記第1位置に可変された場合に、前記所定区間を流下中の全ての遊技球を前記特定領域へと誘導可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、第1位置に可変された場合に、所定区間を流下中の全ての遊技球が特定領域へと誘導されるように可変手段が構成されているので、所定区間を通過中の遊技球の個数を確認することにより、特定条件が成立した場合に特定領域へと誘導される遊技球の個数を知ることができる。よって、特定条件が成立した場合の有利度合いを遊技者により容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段を備え、前記判別手段は、前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記特定条件が成立したと判別するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかが奏する効果に加え、遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球した場合に、判別手段により特定条件が成立したと判別されるので、入球手段を狙って遊技球を発射することにより、遊技者の好みのタイミングで特定条件を容易に成立させることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記所定区間を流下中の遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A1からA5のいずれかが奏する効果に加え、所定区間を流下中の遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、特定流路へ向けて遊技球を連続して発射した場合に、所定区間を通過中の遊技球をより多くすることができる。よって、特定条件が成立した場合に特定領域に誘導される遊技球をより多くすることができるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、演出態様を表示可能な表示手段と、前記特定条件が成立するまでの間において、前記特定条件が成立した場合の有利度合いを判別する有利判別手段と、その有利判別手段により判別された有利度合いを示唆する示唆演出を前記表示手段において実行する示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、特定条件が成立するまでの間において、特定条件が成立した場合の有利度合いが有利判別手段によって判別され、その有利判別手段により判別された有利度合いを示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により表示手段において実行されるので、表示手段に表示される示唆演出を確認することで、特定条件が成立した場合の有利度合をより容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機A7において、前記有利判別手段は、前記所定区間を通過している遊技球の個数を判別するものであり、前記示唆演出実行手段は、前記有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出を、前記示唆演出として実行するものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過している遊技球の個数が有利判別手段によって判別される。有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出が、示唆演出実行手段により示唆演出として実行される。
これにより、示唆演出を確認することにより、特定条件が成立した場合に特定領域へと入球する遊技球の個数を遊技者が容易に知ることができるという効果がある。
遊技機A1からA8のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、抽選条件の成立に基づいて抽選を実行する抽選手段と、その抽選手段による抽選で特定の抽選結果となったことに基づいて、前記入球手段に対する入球を有効とする有効状態を設定する有効状態設定手段と、を備え、前記判別手段は、前記有効状態の間に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に前記特定条件が成立したと判別するものであり、前記可変制御手段は、前記判別手段により前記特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される可変遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機A9。
遊技機A9によれば、遊技機A1からA8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抽選条件の成立に基づいて抽選手段により抽選が実行され、その抽選手段による抽選で特定の抽選結果となったことに基づいて、遊技球が入球可能な入球手段に対する入球を有効とする有効状態が有効状態設定手段によって設定される。有効状態の間に入球手段へと入球した場合に、判別手段によって特定条件が成立したと判別される。判別手段により特定条件が成立したと判別されたことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数可変される可変遊技が可変制御手段により実行される。
これにより、抽選手段による抽選で特定の抽選結果となることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A9において、遊技球が前記入球手段へと入球し易い第1動作位置と、その第1動作位置よりも遊技球の入球が困難となる第2動作位置とを少なくとも含む複数の動作位置に動作可能な動作手段と、その動作手段の動作位置を、経過時間に応じて対応する動作位置に動作させる動作制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機A10。
遊技機A10によれば、遊技機A9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球手段へと入球し易い第1動作位置と、その第1動作位置よりも遊技球の入球が困難となる第2動作位置とを少なくとも含む複数の動作位置に動作手段が動作可能に構成されている。動作手段の動作位置が、動作制御手段によって経過時間に応じた動作位置に動作される。
これにより、特定条件を成立させるためには、動作手段の動作位置が第1動作位置になるタイミングを狙って遊技球を入球手段へ向けて発射する必要があるので、タイミングよく遊技球を発射させる楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
<特徴B群>(オーバー入賞を狙える大当たり、狙えない大当たりを設ける)
遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態へと所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対して特定の操作が実行された場合に成立し易くなる特定条件が成立したかを判別する条件判別手段と、前記可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった後で、前記条件判別手段により前記特定条件が成立したと判別された場合に前記可変遊技が開始される第1可変遊技と、前記特定条件の成立有無とは無関係に前記可変遊技が開始される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の種別を決定する種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機B1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技球が入賞することで賞球が付与される大開放口の開放回数(ラウンド数)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、ラウンド数が同一であっても各ラウンドにおける大開放口の開放パターンを異ならせることで、各ラウンドにおいて入賞可能な遊技球の個数を異ならせ、有利度合いに差を設けているものもある。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる賞球数が、当たり種別毎にほぼ一定となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。また、当たり状態中に当たり種別に応じて制御を可変させる必要があるため、当たり状態中の処理負荷が増大してしまうという問題点があった。
これに対して遊技機B1によれば、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球の入球が困難になる第2状態とに可変入球手段が可変され、その可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変入球手段が第2状態から第1状態へと所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。遊技者が操作可能な操作手段に対して特定の操作が実行された場合に成立し易くなる特定条件が成立したかが条件判別手段により判別される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、判別手段による判別で特定の判別結果になった後で、条件判別手段により特定条件が成立したと判別された場合に可変遊技が開始される第1可変遊技と、特定条件の成立有無とは無関係に可変遊技が開始される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の種別が種別決定手段により決定される。
これにより、可変遊技の種別に応じて可変遊技が開始されるタイミングを異ならせることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記操作手段に対する操作に応じた方向へ遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された第1入球手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したか判別する入球判別手段と、を備え、前記条件判別手段は、前記第1入球手段へと遊技球が入球した場合に前記特定条件が成立したと判別するものであり、前記第2可変遊技は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった後で、前記入球判別手段により前記第2入球手段へと遊技球が入球したと判別されたことに基づいて開始されるものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、操作手段に対する操作に応じた方向へ発射手段により遊技球が発射され、その発射手段により第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が配置されている。第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置されている。第2入球手段へと遊技球が入球したかが入球判別手段により判別される。第1入球手段へと遊技球が入球した場合に条件判別手段により特定条件が成立したと判別される。判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、入球判別手段により第2入球手段へと遊技球が入球したと判別されたことに基づいて第2可変遊技が開始される。
これにより、可変遊技の種別に応じて開始条件となる入球手段が異なるので、可変遊技の種別に応じて異なる方向へと遊技球を発射させることができる。よって、遊技球を発射する方向を可変させる楽しみを遊技者に与えることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた第3入球手段と、前記第2方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を保持可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が保持され難くなる第2位置とに可能な可変手段と、その可変手段を、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記第1位置から前記第2位置へと切り替える切替手段と、を備え、前記判別手段は、前記第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行するものであり、前記第2入球手段は、前記第1流路を通過した遊技球が入球可能な位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第3入球手段が設けられている。第2方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路へと流入した少なくとも1の遊技球を保持可能な第1位置と、その第1位置よりも遊技球が保持され難くなる第2位置とに可変手段が可変される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が切替手段により第1位置から第2位置へと切り替えられる。第3入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別手段により判別が実行される。第1流路を通過した遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置されている。
これにより、判別手段による判別を実行させるには、第2方向へと遊技球を発射する必要があるので、特定の判別結果となるまでの間に第1流路へと遊技球を流入させることができる。よって、種別決定手段により第2可変遊技が決定された場合には、第1流路に保持されていた遊技球を即座に第2入球手段へと入球させることができる。従って、第2可変遊技が決定された場合には遊技者が遊技球を発射しなくても第2可変遊技を開始させることができるという効果がある。
遊技機B3において、前記第2入球手段は、前記第1流路を流下した遊技球が前記第2入球手段へと入球するまでの期間が、前記第1方向へ発射された遊技球が前記可変入球手段へと入球するまでの期間よりも短くなる位置に配置されているものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、第1流路を流下した遊技球が第2入球手段へと入球するまでの期間が、第1方向へ発射された遊技球が可変入球手段へと入球するまでの期間よりも短くなる位置に第2入球手段が配置されているので、第2可変遊技が決定された場合には、即座に可変遊技を開始させることができるという効果がある。
遊技機B2からB4のいずれかにおいて、前記第1方向に発射された遊技球が流下可能な特定流路を備え、前記第1状態は、前記特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記可変入球手段へと誘導され易くなる状態であり、前記第2状態は、前記所定区間を流下中の遊技球が前記可変入球手段へと誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる状態であることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B2からB4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1状態になると、第1方向に発射された遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも可変入球手段へと誘導され易くなる一方で、第2状態になると、所定区間を流下中の遊技球が可変乳球手段へと誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる。
これにより、第1入球手段へと入球する時点で所定区間を通過中の遊技球が多い程、多くの遊技球を可変入級手段に誘導させることができるので、タイミングを計って第1方向に遊技球を発射させる遊技性を提供することができるという効果がある。
遊技機B5において、前記可変遊技実行手段は、1の前記可変遊技において少なくとも最初に前記可変入球手段が前記第1状態に可変された場合に、前記可変入球手段へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変入球手段を前記第2位置へと可変するように制御するものであり、前記所定区間は、前記可変入球手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、1の可変遊技において少なくとも最初に可変入球手段が第1状態に可変された場合に、可変入球手段へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、可変入球手段が第2位置へと可変するように可変遊技実行手段によって制御される。所定区間は、可変入球手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから特定条件を成立させようと工夫して操作手段を操作させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記発射手段は、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能なものであり、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、発射手段が、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能に構成されている。第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球が通過するように、所定区間が構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機B5からB7のいずれかにおいて、前記所定区間を流下中の遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B5からB7のいずれかが奏する効果に加え、所定区間を流下中の遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、特定流路へ向けて遊技球を連続して発射した場合に、所定区間を通過中の遊技球をより多くすることができる。よって、第1入球手段に遊技球が入球した場合に可変入球手段に誘導される遊技球をより多くすることができる。
遊技機B5からB8のいずれかにおいて、演出態様を表示可能な表示手段と、前記所定区間を通過している遊技球の個数を判別する個数判別手段と、その個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する示唆演出を前記表示手段において実行する示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機B9。
遊技機B9によれば、遊技機B5からB8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過している遊技球の個数が個数判別手段によって判別され、その個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により表示手段において実行される。
これにより、示唆演出を確認することにより、第1入球手段へと遊技球が入球した場合に可変入球手段へとへと誘導される遊技球の個数を遊技者が容易に知ることができるという効果がある。
遊技機B9において、前記示唆演出の実行中において、前記示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数とが相違しているかを所定期間毎に判別する相違判別手段と、その相違判別手段により、前記示唆演出によって示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段によって判別された遊技球の個数とが相違していると判別されたことに基づいて、前記示唆演出の態様を、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する態様に更新する示唆演出更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機B10。
遊技機B10によれば、遊技機B9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出の実行中において、示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段により判別された遊技球の個数とが相違しているかが相違判別手段により所定期間毎に判別される。相違判別手段により、示唆演出によって示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段によって判別された遊技球の個数とが相違していると判別されたことに基づいて、示唆演出の態様が、示唆演出更新手段により、個数判別手段によって判別された遊技球の個数を示唆する態様に更新される。
これにより、所定期間毎に示唆演出の態様を個数判別手段により判別された個数に対応させて更新することができるので、第1入球手段へと入球させた場合に可変入球手段へとへと誘導される遊技球の個数を遊技者がより容易に知ることができるという効果がある。
遊技機B2において、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて前記判別条件が成立する第3入球手段と、演出態様を表示可能な表示手段と、その表示手段において、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、その特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第1可変遊技が決定された場合に、第1態様を決定し、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合、および前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定された場合に、前記第1態様とは異なる第2態様を決定することが可能な演出態様決定手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機B11。
遊技機B11によれば、遊技機B2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球したことに基づいて判別条件が成立する第3入球手段が設けられている。演出態様を表示可能な表示手段において、判別手段による判別が実行されたことに基づいて特定演出実行手段により特定演出が実行される。特定演出実行手段により実行される特定演出の演出態様として、判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第1可変遊技が決定された場合に演出態様決定手段により第1態様が決定される。一方、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合、および判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2可変遊技が決定された場合に、第1態様とは異なる第2態様が、演出態様決定手段により特定演出の演出態様として決定される。
これにより、第2可変遊技が決定された場合には、特定の判別結果となっていないかのように遊技者に思わせることができる。よって、第2態様の特定演出が実行された後も、判別手段による判別を行わせるために第2方向へと遊技球を発射させ続けることができるので、特定の判別結果になったことに気づかないうちに第2入球手段へと遊技球を入球させることができる。よって、突然第2可変遊技が開始されたかのような印象を遊技者に抱かせることができるので、遊技者に対して驚きと喜びとを抱かせることができるという効果がある。
遊技機B11において、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された前記第2態様の前記特定演出が終了してから、前記第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、前記第2態様の前記特定演出と区別し難い態様の疑似特定演出を実行可能な疑似特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機B12。
遊技機B12によれば、遊技機B11の奏する効果に加え、判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された第2態様の特定演出が終了してから、第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、第2態様の特定演出と区別し難い態様の疑似特定演出が疑似特定演出実行手段によって実行されるので、種別決定手段によって第2可変遊技が決定された場合に、特定の判別結果になったことを遊技者により気付かれ難くすることができるという効果がある。
遊技機B12において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する取得手段と、その取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、前記判別手段による判別に用いられた前記判別情報を前記判別情報記憶手段から消去する消去手段と、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の情報数を示唆する情報数画像を前記表示手段に表示させる情報数画像表示手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された前記第2態様の前記特定演出が終了してから、前記第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、前記疑似特定演出が実行される毎に、前記情報数画像を、情報数が1少ない情報数に対応する画像に更新する画像更新手段と、を備えることを特徴とする遊技機B13。
遊技機B13によれば、遊技機B12の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が取得手段によって取得される。取得手段により取得された判別情報が、所定の情報数を上限として判別情報記憶手段に記憶される。判別手段による判別に用いられた判別情報が消去手段によって判別情報記憶手段から消去される。判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の情報数を示唆する情報数画像が情報数画像表示手段によって表示手段に表示される。判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2可変遊技が決定されたことに基づいて実行された第2態様の特定演出が終了してから、第2入球手段へと遊技球が入球するまでの間の期間において、疑似特定演出が実行される毎に、情報数画像が、画像更新手段により情報数が1少ない情報数に対応する画像に更新される。
これにより、画像更新手段によって情報数画像が更新されることにより、判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の数が減少しているかのように遊技者に思わせることができる。よって、種別決定手段によって第2可変遊技が決定された場合に、判別手段による判別を途切れずに実行させたいと考える遊技者に対して、特定の判別結果になった後も遊技球を第2方向に発射させ続けることができるという効果がある。
<特徴C群>(有利な遊技状態では小当たり当選時にオーバー入賞ナビを行う)
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記可変手段が前記第1位置へと可変されるよりも前に特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、表示装置に表示される演出により、その後に遊技者に有利な当たり遊技が付与されるか否かの期待度を示唆する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、期待度を示唆する演出が開始された時点で、既に遊技者に有利となるかどうかは決定されているので、演出の内容自体が遊技者の有利度合いに影響を及ぼすことはない。よって、遊技者に対して表示装置に注目して遊技を行わせることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機C1によれば、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定領域に誘導されやすくなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、可変手段が第1位置へと可変されるよりも前に、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、特定演出が実行されたかを確認することにより、第1位置へ可変されるか否かを判断できるので、演出により注目させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、遊技球が前記所定区間を通過中に前記可変手段が前記第1位置へと可変される可能性がある発射タイミングを示唆する演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、特定演出として、遊技球が所定区間を通過中に可変手段が第1位置へと可変される可能性がある発射タイミングを示唆する演出が特定演出実行手段によって実行されるので、特定演出により注目させることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記所定期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、所定期間が、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの期間よりも短くなるように構成されているので、特定演出が実行された時点で遊技球を発射させなければ所定の特典を獲得することが困難にすることができる。よって、遊技者に対して特定演出が実行されるかどうかにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと特定回数可変される第2可変遊技を実行する第2可変遊技実行手段を備え、前記第2可変遊技において前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと可変される期間は、前記所定期間よりも長くなり易いものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと特定回数可変される第2可変遊技が第2可変遊技実行手段によって実行される。第2可変遊技において可変手段が第2位置から第1位置へと可変される期間は、所定期間よりも長くなり易くなるように構成されている。
これにより、第2可変遊技が実行されることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記可変遊技の種別として、前記動的表示実行手段による前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が第1期間に設定される第1可変遊技と、前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間が前記第1期間よりも短い第2期間に設定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の可変遊技の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記示唆演出実行手段は、前記動的表示実行手段による前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間に前記示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により実行される。可変遊技の種別として、動的表示実行手段による識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの期間が第1期間に設定される第1可変遊技と、識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの期間が第1期間よりも短い第2期間に設定される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の可変遊技の種別が種別決定手段により決定される。動的表示実行手段による識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの間に、示唆演出実行手段により示唆演出が実行される。
これにより、第1可変遊技が決定された方が、第2可変遊技よりも多くの遊技球を所定区間に到達させることができるので、第1可変遊技が決定されることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C5において、前記第1期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも長い期間であり、前記第2期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短い期間であることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、第1期間は、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも長い期間で構成されている。一方、第2期間は、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短い期間で構成されている。
これにより、第2可変遊技となった場合には、遊技球を特定流路へと到達させることが困難になるので、第1可変遊技が決定されることをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示の実行中に前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、第1演出と、その第1演出とは異なる第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出を決定する第1種別決定手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、前記識別情報の動的表示の実行中に前記特定演出を実行する第2特定演出実行手段と、その第2特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、前記第1演出と、前記第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出を決定する第2種別決定手段と、を備え、前記第1演出は、前記第2種別決定手段によって決定される割合よりも、前記第1種別決定手段によって決定される割合の方が高いものであり、前記第2演出は、前記第2種別決定手段によって決定される割合よりも、前記第1種別決定手段によって決定される割合の方が低いものであることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される。特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の実行中に特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、第1演出と、その第1演出とは異なる第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出が第1種別決定手段によって決定される。判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、識別情報の動的表示の実行中に第2特定演出実行手段により特定演出が実行される。第2特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、第1演出と、第2演出と、を少なくとも含む複数の中から1の特定演出が第2種別決定手段により決定される。第1演出は、第2種別決定手段によって決定される割合よりも、第1種別決定手段によって決定される割合の方が高くなるように構成されている。一方、第2演出は、第2種別決定手段によって決定される割合よりも、第2種別決定手段によって決定される割合の方が高くなるように構成されている。
これにより、特定演出の内容に応じて可変遊技が実行される期待度を可変させることができるという効果がある。
遊技機C7において、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置へと可変されるまでの間の期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短いものであり、前記所定期間は、前記特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が前記特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短いものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置へと可変されるまでの間の期間は、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短くなるように構成されている。所定期間は、特定流路が配置されている方向へ遊技球が発射されてから、当該発射された遊技球が特定流路へと到達するまでの間の期間よりも短くなるように構成されている。
これにより、識別情報の動的表示の実行中に特定流路へ向けて遊技球を発射しなければ遊技球を所定区間に到達させることができないので、特定演出の内容から特定の判別結果となるか否かをより真剣に予測させることができるという効果がある。
遊技機C7又はC8において、前記第1種別決定手段は、前記第1演出とも、前記第2演出とも異なる第3演出を所定の割合で決定可能に構成されているものであり、前記第2種別決定手段は、前記第3演出を決定することが不可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機C9。
遊技機C9によれば、遊技機C7又はC8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1演出とも、第2演出とも異なる第3演出が、所定の割合で第1種別決定手段により決定される。第2種別決定手段は、第3演出を決定することが不可能に構成されている。
これにより、第3演出が実行された場合に、その時点で特定の判別結果となったことが確定するので、遊技者を喜ばせることができるという効果がある。
<特徴D群>(大当たり中の閉鎖期間の長さを可変させることでオーバー入賞の発生し易さを可変させる)
遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、前記可変遊技の実行中における前記可変手段の制御方法として、第1制御と、前記可変手段が前記第1位置に可変されるタイミングで前記所定区間を通過中の遊技球が前記第1制御よりも多くなり易い第2制御と、を少なくとも含む複数の制御方法の中から1の制御方法を決定する制御方法決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機D1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技球が入賞することで賞球が付与される大開放口の開放回数(ラウンド数)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、ラウンド数が同一であっても各ラウンドにおける大開放口の開放パターンを異ならせることで、各ラウンドにおいて入賞可能な遊技球の個数を異ならせ、有利度合いに差を設けているものもある。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、獲得できる賞球数が、当たり種別毎にほぼ一定となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機D1によれば、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定流路に誘導され易くなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。可変遊技の実行中における可変手段の制御方法として、第1制御と、可変手段が第1位置に可変されるタイミングで所定区間を通過中の遊技球が第1制御よりも多くなり易い第2制御と、を少なくとも含む複数の制御方法の中から1の制御方法が制御方法決定手段によって決定される。
これにより、判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、第2制御で可変手段が制御されることに期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1において、前記第2制御は、1の前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間が、前記第1制御で制御される場合よりも長くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、第2制御は、1の可変遊技において可変手段が第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間が、第1制御で制御される場合よりも長くなるように構成されているので、第2制御の方が、所定区間に遊技球をより多く到達させることができる。よって、第2制御で可変手段が制御されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D1又はD2において、前記判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段を備え、前記第1制御は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間となるように制御するものであり、前記第2制御は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間の期間が前記第1期間よりも長い第2期間となるように制御するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D1又はD2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別の判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される。第1制御では、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間となるように制御される。第2制御では、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから可変手段が第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間よりも長い第2期間となるように制御される。
これにより、識別情報の動的表示が終了した後で遊技球を特定流路に向けて発射し続けた場合に、第2制御の方がより多くの遊技球を所定区間に到達させることができるので、可変手段が第1位置に可変された場合により多くの遊技球を特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、前記可変手段が前記第1位置に可変されている間に、前記特定領域へと第1個数以上の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置へと可変するように制御する可変制御手段を備え、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置に可変されている間に、特定領域へと第1個数以上の遊技球が入球したことに基づいて、可変制御手段により可変手段が第2位置へと可変するように制御される。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数以上の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数が、第1個数を上回る個数になってから可変手段が第1位置に可変されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機D4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を遊技領域へと所定間隔以上の時間間隔で発射可能な発射手段と、を備え、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D4の奏する効果に加え、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で、遊技球を遊技領域へと所定間隔以上の時間間隔で発射手段により発射される。所定区間は、第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させる。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機D5において、前記第2制御は、1の前記可変遊技において前記可変手段が前記第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間である特定期間が、前記発射手段により発射された少なくとも前記第1個数以上の遊技球を前記所定区間に到達させることが可能な長さの期間となるように制御するものであり、前記第1制御は、前記特定期間が、前記発射手段により発射された遊技球を前記所定区間に前記第1個数以上到達させることが困難な長さの期間となるように制御するものであることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2制御では、1の可変遊技において可変手段が第2位置に可変される複数の期間のうち、少なくとも1の期間である特定期間が、発射手段により発射された少なくとも第1個数以上の遊技球を所定区間に到達させることが可能な長さとなるように制御される。第1制御では、特定期間が、発射手段により発射された遊技球を所定区間に第1個数以上到達させることが困難な長さの期間となるように制御される。
これにより、第2制御で可変手段が制御された場合に、特定期間の間に遊技球を発射し続けることで第1個数以上の遊技球を特定領域に入球させることができるという効果がある。
遊技機D1からD6のいずれかにおいて、前記所定区間を流下中の遊技球の流下速度を減速させる減速手段を備えることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D1からD6の奏する効果に加え、所定区間を流下中の遊技球の流下速度が減速手段によって減速されるので、特定流路へ向けて遊技球を連続して発射した場合に、所定区間を通過中の遊技球をより多くすることができる。よって、可変手段が第1位置に可変された場合に特定領域に誘導される遊技球をより多くすることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記減速手段は、つづら折り状の流路で構成されているものであることを特徴とする遊技機D8。
遊技機D8によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、減速手段が、つづら折り状の流路で構成されているので、所定区間において遊技球の流下する方向を複数回変更することができる。よって、遊技球の速度をより確実に減速させることができるという効果がある。
遊技機D7において、前記減速手段は、遊技球と前記所定区間との動摩擦力を、前記特定流路における他の箇所よりも高くするものであることを特徴とする遊技機D9。
遊技機D9によれば、遊技機D7の奏する効果に加え、遊技球と所定区間との動摩擦力が、減速手段により特定流路における他の箇所よりも高くされるので、所定区間における遊技球の流下速度をより確実に減速させることができるという効果がある。
<特徴E群>(大当たりが開始された場合の有利度合いを示唆する演出)
演出態様を表示可能な表示手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、特定条件が成立したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記特定の判別結果となってから前記特定条件が成立するまでの間の所定期間において、前記特典遊技の実行が開始された場合の有利度合いを遊技者に示唆する示唆演出を、前記表示手段において実行する示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機E1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、表示装置に表示される演出により、その後に遊技者に有利な当たり遊技が付与されるか否かの期待度を示唆する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、期待度を示唆する演出が開始された時点で、既に遊技者に有利となるかどうかは決定されているので、演出の内容自体が遊技者の有利度合いに影響を及ぼすことはない。よって、遊技者に対して表示装置に注目して遊技を行わせることが困難になってしまうという問題点があった。
遊技機E1によれば、演出態様が表示手段に表示される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、特定条件が成立したことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特定の判別結果となってから特定条件が成立するまでの間の所定期間において、特典遊技の実行が開始された場合の有利度合いを遊技者に示唆する示唆演出が、示唆演出実行手段により表示手段において実行される。
これにより、示唆演出に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段によって発射された遊技球が入球可能な入球手段と、を備え、前記特定条件は、前記入球手段へと遊技球が入球した場合に成立するものであることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で、発射手段により遊技球が発射される。発射手段によって発射された遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球した場合に、特定条件が成立する。
これにより、示唆演出によって示唆される内容に応じて、遊技球を発射させるタイミングを調節させることができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、を備え、前記特典遊技実行手段は、前記特定条件が成立したことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置に所定回数可変させるものであることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定流路に誘導され易くなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。特定条件が成立したことに基づいて、特典遊技実行手段により、可変手段が第2位置から第1位置に所定回数可変される。
これにより、特定条件が成立するタイミングで所定区間を通過中の遊技球の個数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E3において、前記特典遊技の実行中に、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから前記特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、前記可変手段が前記第1位置から前記第2位置へと可変するように制御する可変制御手段を備え、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行中に、可変手段が第1位置に可変されてから特定領域へと第1個数の遊技球が入球したことに基づいて、可変手段が第1位置から第2位置へと可変するように可変制御手段によって制御される。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が動じに流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから特定条件が成立することを期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機E4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能な発射手段と、を備え、前記所定区間は、前記特定流路へ向けて前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E5によれば、遊技機E4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた発射速度で、発射手段により遊技球が所定間隔以上の時間間隔で発射される。所定区間は、特定流路へ向けて所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、所定区間に対して1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能なるように遊技球を流下させる。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしたいと考える遊技者に対して、所定間隔で連続して遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機E3からE5のいずれかにおいて、前記所定区間を通過中の遊技球の個数を判別する個数判別手段を備え、前記示唆演出実行手段は、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出を前記示唆演出として実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E3からE5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過中の遊技球の個数が個数判別手段によって判別される。個数判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出が、示唆演出実行手段によって示唆演出として実行される。
これにより、示唆演出の内容により、特定条件が成立した場合に特定領域に誘導される遊技球の個数を容易に遊技者に理解させることができるので、より多い個数が示唆されている間に特定条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機E6において、前記示唆演出の実行中において、所定期間毎に、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数に応じて前記示唆演出の演出態様を更新する演出態様更新手段と、その演出態様更新手段によって前記示唆演出の演出態様を更新する際に、前記示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数とが一致しているかを所定期間毎に判別する一致判別手段と、その一致判別手段により前記示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、前記個数判別手段により判別された遊技球の個数とが一致していると判別された場合に、前記演出態様更新手段により前記演出態様が更新されることを回避する更新回避手段と、を備えることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、示唆演出の実行中において、所定期間毎に、個数判別手段により判別された遊技球の個数に応じて示唆演出の演出態様が演出態様更新手段によって更新される。演出態様更新手段によって示唆演出の演出態様が更新される際に、示唆演出により示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段により判別された遊技球の個数とが一致しているかが一致判別手段により所定期間毎に判別される。一致判別手段により、示唆演出によって示唆されている遊技球の個数と、個数判別手段によって判別された遊技球の個数とが一致していると判別された場合に、演出更新手段により演出態様が更新されることが更新回避手段によって回避される。
これにより、演出態様が更新される頻度を低減させることができるので、演出態様の更新に要する処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機E6又はE7において、前記所定区間は、遊技球の通過を検出可能な複数の通過検出手段が、複数箇所に配置されているものであり、前記個数判別手段は、前記複数の通過検出手段のうち、遊技球の通過を検出している前記通過検出手段の数を、前記所定区間を通過中の遊技球の個数として判別するものであることを特徴とする遊技機E8。
遊技機E8によれば、遊技機E6又はE7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球の通過を検出可能な複数の通過検出手段が、所定区間における複数箇所に配置されている。複数の通過検出手段のうち、遊技球の通過を検出している通過検出手段の数が、個数判別手段によって所定区間を通過中の遊技球の個数として判別される。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を正確に判別することができるという効果がある。
<特徴F群>(右打ちを行った場合に有利となるかどうかの期待度を示す演出)
第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射した場合に遊技者に有利となる有利状態を設定する有利状態設定手段と、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段による判別結果を示す前記識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により前記識別情報の動的表示が実行されている間に、前記第2方向へと遊技球を発射した場合に有利な遊技状態が発生するか否かの期待度を示唆する特定演出を実行可能な特定演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられたものがある。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、表示装置に表示される演出により、その後に遊技者に有利な当たり遊技が付与されるか否かの期待度を示唆する演出を実行可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、上述した従来型の遊技機では、期待度を示唆する演出が開始された時点で、既に遊技者に有利となるかどうかは決定されているので、演出の内容自体が遊技者の有利度合いに影響を及ぼすことはない。よって、遊技者に対して表示装置に注目して遊技を行わせることが困難になってしまうという問題点があった。
遊技機F1によれば、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、第1方向とは異なる第2方向へと遊技球を発射した場合に遊技者に有利となる有利状態が、有利状態設定手段によって設定される。判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により表示手段において実行される。動的表示実行手段により識別情報の動的表示が実行されている間に、第2方向へと遊技球を発射した場合に有利な遊技状態が発生するか否かの期待度を示唆する特定演出が、特定演出実行手段により実行される。
これにより、特定演出の示唆内容によって第2方向へと遊技球を発射した方が良いかどうかを遊技者に判断させることができるので、特定演出に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記有利状態は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示の実行中における特定期間の間に前記第2方向への遊技球の発射を開始した方が、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記第2方向への遊技球の発射を開始するよりも遊技者にとって有利となり易いものであり、前記特定演出実行手段は、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示の実行中に前記特定演出を実行する場合は、前記特定期間の少なくとも一部が含まれる演出期間で前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、有利状態になると、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の実行中における特定期間の間に第2方向への遊技球の発射を開始した方が、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから第2方向への遊技球の発射を開始するよりも遊技者にとって有利となり易くなる。特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の実行中に特定演出を実行する場合は、特定期間の少なくとも一部が含まれる演出期間で、特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、特定演出の示唆内容から、特定演出の演出期間の間に第2方向へと遊技球を発射開始するかどうかを遊技者に判断させることができる。よって、特定演出の示唆内容により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F2において、前記有利状態は、前記特定期間の間において、より早く前記第2方向への遊技球の発射を開始した方が、遊技者にとってより有利となり易くなるものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F2の奏する効果に加え、有利状態では、特定期間の間において、より早く第2方向への遊技球の発射を開始した方が、遊技者にとってより有利となり易くなるので、特定演出が実行された場合に、なるべく早く第2方向へと遊技球を発射するかどうか判断しようと遊技者に思わせることができる。よって、特定演出の実行中に、遊技により緊張感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機F1からF3のいずれかにおいて、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の種別として、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が高くなる第1特定演出と、その第1特定演出よりも前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が低くなる第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する演出種別決定手段を備えることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F1からF3のいずれかにおいて、特定演出実行手段により実行される特定演出の種別として、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が高くなる第1特定演出と、その第1特定演出よりも特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が実行されている場合に決定される割合が低くなる第2特定演出と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が演出種別決定手段によって決定されるので、特定演出の演出種別から、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示であるか否かを遊技者に推測させることができる。よって、遊技者に対して特定演出の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な特定領域と、その特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記第2方向へと発射された遊技球が流入可能な位置に設けられた特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、を備え、前記有利状態設定手段は、前記有利状態として、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと特定条件が成立するまで可変させる制御を1又は複数回実行するものであり、前記有利状態は、前記特定期間の間に前記第2方向への遊技球の発射を開始した方が、前記特定の判別結果を示す前記識別情報の動的表示が終了してから前記第2方向への遊技球の発射を開始するよりも、前記特定条件が成立するまでに前記特定領域に誘導される遊技球が多くなり易くなるものであることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典付与手段により所定の特典が付与される。第2方向へと発射された遊技球が流入可能な位置に設けられた特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも特定領域に誘導され易くなる第1位置と、特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。有利状態として、可変手段を第2位置から第1位置へと特定条件が成立するまで可変させる制御が、有利状態設定手段により1又は複数回実行される。有利状態では、特定期間の間に第2方向への遊技球の発射を開始した方が、特定の判別結果を示す識別情報の動的表示が終了してから第2方向への遊技球の発射を開始するよりも、特定条件が成立するまでに特定領域に誘導される遊技球が多くなり易くなる。
これにより、所定の特典をより多く得たいと考える遊技者に対して、特定演出の示唆内容から第2方向への遊技球の発射を開始するか否かをより真剣に判断させることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記特定条件は、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから前記特定領域へと入球した遊技球の個数が第1個数になった場合に成立するものであり、前記所定区間は、前記可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が少なくとも同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第1位置に可変されてから特定領域へと入球した遊技球の個数が第1個数になった場合に特定条件が成立するように構成されている。所定区間は、可変手段が第2位置に可変された状態において、第2個数よりも多い第2個数の遊技球が少なくとも同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数が、第1個数を上回る個数になった状態で所定区間が第1位置に可変されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F6において、遊技球を所定間隔以上の時間間隔で発射可能な発射手段を備え、前記所定区間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射されている状態において、前記所定区間へと1の遊技球が到達してから、当該遊技球が前記所定区間を通過するまでの間に、前記第2個数の遊技球が前記所定区間へと到達可能となるように遊技球を通過させるものであることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が発射手段によって所定間隔以上の時間間隔で発射される。所定区間は、所定区間へと1の遊技球が到達してから、当該遊技球が所定区間を通過するまでの間に、第2個数の遊技球が所定区間へと到達可能となるように遊技球が通過するように構成されている。
これにより、特定演出の示唆内容から特定の判別結果を示す識別情報の動的表示であると判断した遊技者に対して、遊技球を最短の間隔である所定間隔で第2方向に発射させることができるという効果がある。
遊技機F7において、前記特定期間は、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射された場合に、少なくとも前記第2個数の遊技球を発射可能な長さの期間で構成されているものであることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、特定期間は、第2方向へと所定間隔で連続して遊技球が発射された場合に、少なくとも第2個数の遊技球を発射可能な長さの期間で構成されているので、特定期間の間に遊技球を第2方向へと発射することで、第2個数の遊技球を所定区間に到達させることができる可能性があるため、第2の方向へと遊技球を発射するかどうかをより真剣に判断させることができるという効果がある。
遊技機F7又はF8において、前記有利状態設定手段により設定される有利状態として、第1有利状態と、その第1有利状態よりも前記有利状態に移行してから前記可変手段が前記第2位置に可変されるまでの間の期間が長い第2有利状態と、を少なくとも含む複数の状態の中から1の状態を決定する状態決定手段を備えるものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F7又はF8の奏する効果に加え、有利状態設定手段により設定される有利状態として、第1有利状態と、その第1有利状態よりも有利状態に移行してから可変手段が第2位置に可変されるまでの間の期間が長い第2有利状態と、を少なくとも含む複数の状態の中から、状態決定手段により1の状態が決定される。
これにより、第2有利状態の方が、可変手段が第2位置に可変されるまでに発射できる遊技球の個数が多くなるので、より多くの遊技球が特定領域に誘導され易くなる。よって、第2有利状態が決定されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F9において、前記第1有利状態は、前記有利状態に移行してから前記可変手段が前記第2位置に可変されるまでの間の期間として、前記第2方向へと前記所定間隔で連続して遊技球が発射された場合に、前記第1個数を超える個数の遊技球を発射することが不可能な長さの期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機F10。
遊技機F10によれば、遊技機F9の奏する効果に加え、第1有利状態では、有利状態に移行してから可変手段が第2位置に可変されるまでの間の期間として、第23方向へと所定感覚で連続して遊技球が発射された場合に、第1個数を超える個数の遊技球を発射することが不可能な長さの期間が設定されるので、第1有利状態が決定された場合に、より多くの所定の特典を得たいと考える遊技者に対して、特定期間の間に遊技球を第2方向へと発射させることができるという効果がある。
<特徴G群>(オーバー入賞を狙える大当たりと、オーバー入賞を狙えない大当たりとを遊技者に選択させる)
遊技球が通過可能な第1領域と、その第1領域とは異なる第2領域と、前記第1領域への遊技球の通過を検出可能な第1検出手段と、前記第2領域への遊技球の通過を検出可能な第2検出手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、前記第1検出手段、または前記第2検出手段により遊技球の通過が検出されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えた遊技機において、遊技球が入球可能な第1特定領域と、その第1特定領域とは異なる第2特定領域と、前記第1特定領域、または前記第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、遊技球が流下可能な特定流路と、その特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、前記所定区間を通過するよりも前記第1特定領域に誘導され易くなる第1位置と、前記第1特定領域に誘導されるよりも前記所定区間を通過し易くなる第2位置とに可変可能な第1可変手段と、前記第2特定領域へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球の入球が困難になる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となった後で、前記第1検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記第1可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定回数可変される第1特典遊技を決定し、前記第2検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、前記第2可変手段が前記第4位置から前記第3位置へと所定回数可変される第2特典遊技を決定する種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、遊技球が入賞することで賞球が付与される大開放口の開放回数(ラウンド数)が異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許第2514417号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、抽選結果が当たりになっただけでは当たり状態が開始されず、遊技盤に設けられた複数の作動入賞口のいずれかに入賞した場合に当たり状態が開始されるものも存在する。この従来型の遊技機では、遊技者が入賞させた作動入賞口の種別に応じて異なる種別の当たり遊技が開始される構成としている。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり種別が決定された時点で、当たり中に得られる遊技価値の量は、当たり種別に応じたほぼ一定の量となるため、当たり種別に応じた遊技価値を得るための作業のようになってしまい、当たり状態中の遊技が単調となってしまう場合があった。即ち、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機G1によれば、遊技球が入球可能な第1特定領域と、その第1特定領域とは異なる第2特定領域とが設けられている。第1特定領域、または第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。遊技球が流下可能な特定流路における少なくとも所定区間を流下中の遊技球が、所定区間を通過するよりも第1特定領域に誘導され易くなる第1位置と、第1特定領域に誘導されるよりも所定区間を通過し易くなる第2位置とに、第1可変手段が可変可能に構成されている。第2特定領域へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも遊技球の入球が困難になる第4位置とに、第2可変手段が可変可能に構成されている。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、判別手段による判別で特定の判別結果となった後で、第1検出手段により遊技球の通過が検出された場合に、第1可変手段が第2位置から第1位置へと所定回数可変される第1特典遊技が、種別決定手段によって決定される。一方、第2検出手段により遊技球の通過が検出された場合には、第2可変手段が第4位置から第3位置へと所定回数可変される第2特典遊技が、種別決定手段によって決定される。
これにより、第1領域を遊技球が通過するか、第2領域を遊技球が通過するかに応じて特典遊技の種別を異ならせることができるので、遊技球が通過する領域に注目させることができるという効果がある。
遊技機G1において、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を通過した遊技球を前記第1領域と、前記第2領域とのどちらかに振り分けることが可能な振分手段を備えることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、遊技球が通過可能な通過手段を通過した遊技球が、振分手段によって第1領域と、第2領域とのどちらかに振り分けられるので、振分手段により振り分けられる領域に応じて特典遊技の種別が可変する。よって、振り分けられる領域に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G2において、少なくとも判別手段による判別で特定の判別結果となってから、前記特典遊技の実行が開始されるまでの間に、前記振分手段の状態を、前記第1領域へと遊技球が振り分けられる第1振分状態と、前記第2領域へと遊技球が振り分けられる第2振分状態とに所定周期で切り替える振分状態切替手段を備えることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G2の奏する効果に加え、少なくとも判別手段による判別で特定の判別結果となってから、特典遊技の実行が開始されるまでの間に、振分手段の状態が、第1領域へと遊技球が振り分けられる第1振分状態と、第2領域へと遊技球が振り分けられる第2振分状態とに、状態切替手段によって所定周期で切り替えられるので、振分手段の振分状態を確認して、通過手段を通過させることにより、遊技者の好みの特典遊技の種別を決定させることができるという効果がある。
遊技機G3において、演出態様を表示可能な表示手段と、前記振分手段の振分状態を示唆する振分状態示唆演出を前記表示手段において実行する演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G3の奏する効果に加え、振分手段の振分状態を示唆する振分状態示唆演出が、演出実行手段によって表示手段において実行されるので、表示手段を確認するだけで、遊技者の好みの特典遊技が決定されるタイミングを容易に認識することができるという効果がある。
遊技機G4において、前記演出実行手段は、前記振分状態切替手段によって前記第1振分状態に切り替えられたことに基づいて、前記第1振分状態を示唆する第1振分状態示唆演出を実行する第1示唆演出実行手段と、前記振分状態切替手段によって前記第2振分状態に切り替えられたことに基づいて、前記第2振分状態を示唆する第2振分状態示唆演出を実行する第2示唆演出実行手段と、を備え、前記遊技機は、第1領域を遊技球が通過した場合の有利度合いを判別可能な有利判別手段、を備え、前記第1示唆演出実行手段は、前記第1振分状態示唆演出において、前記有利判別手段により判別された有利度合いを示唆可能なものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段において、振分状態切替手段によって第1振分状態に切り替えられたことに基づいて、第1示唆演出実行手段により第1振分状態を示唆する第1振分状態示唆演出が実行される一方で、第2振分状態に切り替えられたことに基づいて、第2振分状態を示唆する第2振分状態示唆演出が実行される。第1領域を遊技球が通過した場合の有利度合いが、有利判別手段により判別される。第1振分状態示唆演出において、有利判別手段により判別された有利度合いが第1示唆演出実行手段によって示唆される。
これにより、第1示唆演出において示唆された有利度合いに応じて第1領域を通過させるタイミングを計らせることができるという効果がある。
遊技機G5において、前記有利判別手段は、前記所定区間を通過している遊技球の個数を判別するものであり、前記第1示唆演出実行手段は、前記有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出を、前記第1振分状態示唆演出において示唆可能なものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定区間を通過している遊技球の個数が有利判別手段によって判別される。有利判別手段により判別された遊技球の個数を示唆する演出が、第1振分状態示唆演出において、第1示唆演出実行手段により示唆される。
これにより、第1示唆演出を確認することで、第1領域を通過させた場合に第1特定領域へと誘導される遊技球の個数を容易に理解することができるという効果がある。
遊技機G1からG6のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記第1特典遊技において最初に前記第1可変手段が前記第1位置に可変されてから前記第1特定領域に入球した遊技球が第1個数以上になったことに基づいて、前記第1可変手段を前記第2位置に可変させるものであり、前記所定区間は、前記第1可変手段が前記第2位置に可変された状態において、前記第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されているものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G1からG6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技において最初に第1可変手段が第1位置に可変されてから第1特定領域に入球した遊技球が第1個数以上になったことに基づいて、第1可変手段が特典遊技実行手段によって第2位置に可変される。所定区間は、第1可変手段が第2位置に可変された状態において、第1個数よりも多い第2個数の遊技球が同時に流下可能な経路長で構成されている。
これにより、所定区間を通過中の遊技球の個数を、第1個数を上回る個数にしてから第1領域を通過させようと工夫して遊技球を発射させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G7において、前記特典遊技実行手段は、前記第2特典遊技において最初に前記第2可変手段が前記第3位置に可変されてから前記第2特定領域に入球した遊技球が、前記第1個数よりも多く、且つ、前記第2個数よりも少ない第3個数以上になったことに基づいて、前記第2可変手段を前記第4位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G7の奏する効果に加え、第2特典遊技において最初に第2可変手段が第3位置に可変されてから第2特定領域に入球した遊技球が、第1個数よりも多く、且つ、第2個数よりも少ない第3個数以上になったことに基づいて、第2可変手段が特典遊技実行手段によって第4位置に可変されるので、第2領域を通過させると、第1個数よりは多い第3個数の遊技球を安定して第2特定領域に入球させることができる。よって、第2特典遊技の実行中に、安心して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴H群>(遊技者が操作した履歴に応じて選択メニューの順番を組み替える)
画像を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、第1条件の成立に基づいて、前記操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像を前記表示手段に表示させる連動画像表示手段と、その連動画像表示手段によって前記連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、前記表示手段に表示されている前記連動画像の態様に応じた種別の演出を実行する演出実行手段と、前記第1条件が成立した場合に前記連動画像表示手段により最初に表示される前記連動画像の態様として、複数の態様の中から1の態様を決定する態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成され、且つ、所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技機に設定されている楽曲の曲数が多様化するほどに、遊技者が選択可能な楽曲のリストの中から好みの曲を探し出すことが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機H1によれば、第1条件の成立に基づいて、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像が連動画像表示手段によって表示手段に表示される。連動画像表示手段によって連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、表示手段に表示されている連動画像の態様に応じた種別の演出が演出実行手段によって実行される。第1条件が成立した場合に連動画像表示手段により最初に表示される連動画像の態様として、複数の態様の中から1の態様が態様決定手段によって決定される。
これにより、第1条件が成立した場合に、最初に表示される連動画像の態様を多様化させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、前記態様決定手段は、前記演出実行手段により前回実行された演出の種別に少なくとも応じて1の態様を決定するものであることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、演出実行手段により前回実行された演出の種別に少なくとも応じて態様決定手段により1の態様が態様決定手段によって決定されるので、連動画像の態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機H1又はH2において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段を備え、前記連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されているものであり、前記演出実行手段は、前記連動画像の態様に対応する楽曲の音声データを、前記演出として前記音声データ再生手段に再生させるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段によって音声データが再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されている。連動画像の態様に対応する楽曲の音声データが、演出実行手段により、演出として音声データ再生手段に再生させられる。
これにより、視覚的な演出と、聴覚的な演出とを複合させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH3のいずれかにおいて、前記態様決定手段は、前記連動画像の態様として、前記演出の種別に応じた情報を示す複数の演出対応画像のうち、1の前記演出対応画像が特定の態様で表示された態様を決定するものであり、前記連動画像表示手段は、前記操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、所定の順序で前記特定の態様で表示される演出対応画像を可変させるものであり、前記演出実行手段は、前記特定の態様で表示されている前記演出対応画像に示されている情報に応じた種別の演出を、前記第2条件が成立したことに基づいて実行するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H1からH3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連動画像の態様として、演出の種別に応じた情報を示す複数の演出対応画像のうち、1の演出対応画像が特定の態様で表示された態様が態様決定手段により決定される。操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、特定の態様で表示される演出対応画像が連動画像表示手段によって所定の順序で可変される。特定の態様で表示されている演出対応画像に示される情報に応じた種別の演出が、演出実行手段によって第2条件が成立したことに基づいて実行される。
これにより、特定の態様で表示されている演出対応画像に示されている情報を確認するだけで、演出実行手段によって実行される演出の種別を容易に遊技者が理解することができるので、遊技者の好みの種別の演出に対応する演出対応画像が特定の態様で表示されるように、操作手段を操作させることができるという効果がある。
遊技機H4において、前記態様決定手段は、特定の態様で表示させる1の前記演出対応画像と、前記第1の操作内容の操作が繰り返された場合に前記特定の態様に可変される前記演出対応画像の順序とを少なくとも決定するものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H4の奏する効果に加え、特定の態様で表示させる1の演出対応画像と、第1の操作内容の操作が繰り返された場合に特定の態様に可変される演出対応画像の順序とが、少なくとも態様決定手段によって決定されるので、特定の態様に可変される演出対応画像の順序を予め決定しておくことができる。よって、実際に操作手段が操作された場合に、特定の態様で表示させる演出対応画像をより早期に特定することができるという効果がある。
遊技機H5において、前記演出実行手段により実行された演出の実行回数を、演出の種別毎にカウントするカウント手段を備え、前記態様決定手段は、前記カウント手段によりカウントされた実行回数が予め定められている特定条件を満たした回数になっている種別の演出に対応する演出対応画像の順序を、特定回数以下の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変される順序に決定するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、演出実行手段により実行された演出の実行回数が、演出の種別毎にカウント手段によってカウントされる。カウント手段によりカウントされた実行回数が予め定められている特定条件を満たした回数になっている種別の演出に対応する演出対応画像の順序が、態様決定手段により特定回数以下の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定される。
これにより、特定条件を満たした実行回数の種別の演出を特定回数以下の操作回数で特定の態様に可変させることができるので、特定条件を満たした実行回数の種別の演出を選択し易くすることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機H6において、前記態様決定手段は、前記カウント手段によりカウントされた実行回数が多い順に第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序を、前記特定回数以下の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変される順序に決定するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、カウント手段によりカウントされた実行回数が多い順に第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序が、態様決定手段により特定回数以下の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定されるので、これまでに特定の態様に可変された回数が比較的多く、今回も遊技者が特定の態様に可変させたいと考えている可能性が高い演出対応画像を、少ない操作回数で特定の態様に可変させることができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H7において、前記態様決定手段は、前記第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序を、前記カウント手段によりカウントされた実行回数が多いほど、前記特定の態様に可変されるまでの前記第1の操作内容の操作の回数が少なくなるように決定するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H7の奏する効果に加え、第1個数の演出のそれぞれに対応する演出対応画像の順序が、カウント手段によりカウントされた実行回数が多いほど、特定の態様に可変されるまでの第1の操作内容の操作の回数が少なくなるように態様決定手段によって決定されるので、遊技者が特定の態様に可変させたいと考えている可能性がより高い演出対応画像を、より少ない操作回数で特定の態様に可変させることができるので、遊技者の利便性をより向上させることができるといく効果がある。
遊技機H6からH8のいずれかにおいて、前記第1条件が成立してから、所定期間以内に前記第1の操作内容の操作が実行された場合に、前記第1条件が成立してから最初に表示された連動画像において特定の態様で表示されていた前記演出対応画像の順序を、少なくとも次回の前記態様決定手段による決定において、第2回数以上の前記第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定されるように設定する設定手段を備えることを特徴とする遊技機H9。
遊技機H9によれば、遊技機H6からH8のいずれかにおいて、第1条件が成立してから所定期間以内に第1の操作内容の操作が実行された場合に、第1条件が成立してから最初に表示された連動画像において特定の態様で表示されていた演出対応画像の順序が、少なくとも次回の態様決定手段による決定において、第2回数以上の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変される順序に決定されるように、設定手段によって設定される。所定期間以内に特定の態様から可変された演出対応画像については、次回、連動画像が表示された場合においても、遊技者が特定の態様に可変させたいと思う可能性が低いと考えられるので、そのような演出対応画像を比較的多い第2回数以上の操作回数で特定の態様に可変される順序に設定することにより、遊技者が特定の態様に可変させたいと考える可能性が高い演出対応画像を、比較的少ない操作回数で特定の態様に可変される順序に設定することができる。よって、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機H1からH9のいずれかにおいて、前記第2条件は、前記操作手段に対する操作内容が特定の操作内容となった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機H10。
遊技機H10によれば、遊技機H1からH9のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対する操作内容が特定の操作内容となった場合に第2条件が成立するので、遊技者が操作手段に対して特定の操作内容で操作を行うことにより、その時点で表示されている連動画像の態様に応じた種別の演出を実行させることができる。よって、遊技者の好みの演出を遊技者自身に選択させることができるという効果がある。
<特徴I群>(楽曲が決定された経緯に応じて楽曲の再生位置を可変させる)
所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかを実行する演出実行手段と、その演出実行手段に実行させる演出として、第1条件の成立に基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択する第1選択手段と、前記演出実行手段に実行させる演出として、前記第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択する第2選択手段と、前記複数の演出のそれぞれに対して設定されている、第1の開始位置と、その第1の開始位置とは異なる第2の開始位置とを少なくとも含む複数の開始位置のうち、前記第1選択手段によって選択された演出の開始位置として前記第1の開始位置を設定し、前記第2選択手段によって選択された演出の開始位置として前記第2の開始位置を設定する開始位置設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として遊技機に予め設定されている複数の楽曲の中から1の楽曲をランダムに選択して再生することが可能なものがある。また、所定期間においてランダムに選択された楽曲を再生することに加え、当該所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技者が所定期間においてランダムに選択された楽曲をあまりよく聴かずに、遊技者の好みの楽曲に変更してしまう場合があり、遊技機に設定されている大半の曲がほとんど再生されない可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機I1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行され、その演出実行手段に実行させる演出として、第1条件の成立に基づいて、第1選択手段によって複数の演出の中から1の演出が選択される。一方、第1条件とは異なる第2条件の成立に基づいて、演出実行手段に実行させる演出として、第2選択手段によって複数の演出の中から1の演出が選択される。複数の演出のそれぞれに対して設定されている、第1の開始位置と、その第1の開始位置とは異なる第2の開始位置とを少なくとも含む複数の開始位置のうち、第1選択手段によって選択された演出の開始位置として第1の開始位置が開始位置設定手段によって設定される。一方、第2選択手段によって選択された演出の開始位置として開始位置設定手段によって第2の開始位置が設定される。
これにより、第1選択手段によって選択された演出であるか、第2選択手段によって選択された演出であるかに応じて異なる開始位置から演出を開始させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I1において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する操作検出手段と、前記演出実行手段により実行される演出を選択するための選択期間を設定する選択期間設定手段と、を備え、前記第1選択手段は、前記選択期間の間に前記操作検出手段により検出された前記操作手段に対する操作内容に応じた態様の演出を選択するものであり、前記第2選択手段は、前記選択期間設定手段により前記選択期間が設定されたことに基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択するものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が操作検出手段によって検出される。演出実行手段により実行される演出を選択するための選択期間が選択期間設定手段により設定される。選択期間の間に操作検出手段により検出された操作手段に対する操作内容に応じた態様の演出が第1選択手段によって選択される。選択期間設定手段により選択期間が選択されたことに基づいて、複数の演出の中から第2選択手段によって1の演出が選択される。
これにより、遊技者が操作手段に対する操作を行うことによって選択した演出であるか否かによって、演出の開始位置を異ならせることができるので、演出態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機I1又はI2において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段と、を備え、前記演出実行手段は、互いに異なる複数の楽曲のうちいずれかに対応する音声データを、前記演出として前記音声データ再生手段に再生させるものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段によって音声データが再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。互いに異なる複数の楽曲のうちいずれかに対応する音声データが、演出実行手段により演出として音声データ再生手段に再生させられる。
これにより、第1選択手段によって選択された楽曲であるか、第2選択手段によって選択された楽曲であるかに応じて楽曲の再生開始位置を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記音声データは、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の楽曲となるデータ群で構成されているものであり、前記開始位置設定手段は、前記第1選択手段によって楽曲が選択された場合に、選択された楽曲に対応する前記データ群を構成する前記複数のデータのうち第1のデータから再生が開始されるように設定し、前記第2選択手段によって楽曲が選択された場合に、前記第1のデータとは異なる第2のデータから再生が開始されるように設定するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の楽曲となるデータ群で構成されている。第1選択手段によって楽曲が選択された場合に、選択された楽曲に対応するデータ群を構成する複数のデータのうち、第1のデータから再生が開始されるように開始位置設定手段によって設定される。一方、第2選択手段によって楽曲が選択された場合には、第1のデータとは異なる第2のデータから再生が開始されるように開始位置設定手段によって設定される。
これにより、再生を開始するデータとして、データ群の中から選択手段の種別に対応する1のデータを選択するだけで、楽曲の再生開始位置を異ならせることができるので、再生開始位置を設定する際の処理負荷を軽減することができるという効果がある。
遊技機I4において、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する操作検出手段と、前記演出実行手段により実行される楽曲を選択するための選択期間を設定する選択期間設定手段と、を備え、前記第1選択手段は、前記選択期間の間に前記操作検出手段により検出された前記操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲を選択するものであり、前記第2選択手段は、前記選択期間設定手段により前記選択期間が選択されたことに基づいて、前記複数の楽曲の中から1の楽曲を選択するものであり、前記第1のデータは、前記特定の順序のうち最初の順序に設定されているデータであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が操作検出手段によって検出される。演出実行手段により実行される楽曲を選択するための選択期間が選択期間設定手段によって設定される。選択期間の間に操作検出手段により検出された操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲が第1選択手段によって選択される。選択期間設定手段により選択期間が選択されたことに基づいて、第2選択手段によって複数の楽曲の中から1の楽曲が選択される。第1のデータが、特定の順序のうち最初の順序に設定されているデータで構成されている。
これにより、遊技者が操作手段を操作することにより選択した楽曲については、楽曲の先頭から再生を開始させることができるので、遊技者が自発的に選択した楽曲を先頭からじっくりと聴かせることができる。よって、楽曲を聴いた遊技者に対して、より大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機I5において、前記第2選択手段は、前記複数の楽曲の中からランダムに1の楽曲を選択するものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、複数の楽曲の中から第2選択手段によってランダムに1の楽曲が選択されるので、遊技機に設定されている楽曲を無駄なく再生させることができるという効果がある。
遊技機I5又はI6において、前記第2のデータは、楽曲における最も特徴的なメロディーを少なくとも含んだデータで構成されているものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I5又はI6の奏する効果に加え、第2のデータが、楽曲における最も特徴的なメロディーを少なくとも含んだデータで構成されているので、選択期間が開始された場合に、第2選択手段によって選択された楽曲のうち、少なくとも最も特徴的なメロディーを聴いてから操作手段に対する操作によって他の楽曲を再生させるかどうか遊技者に判断させることができるという効果がある。
遊技機I3において、前記音声データは、再生することで1の楽曲となる1のデータで構成されているものであり、前記複数の開始位置は、それぞれの楽曲に対応する前記音声データに対して予め設定されている複数の再生位置であることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが、再生することで1の楽曲となる1のデータで構成されている。複数の開始位置が、それぞれの楽曲に対応する音声データに対して予め設定されている複数の再生位置で構成されている。
これにより、音声データを最も単純な形式にすることができるという効果がある。
<特徴J群>(遊技の進行状況に応じて再生中の楽曲のデータを組み替える)
所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかを実行する演出実行手段と、その演出実行手段に実行させる1の演出を、前記複数の演出の中から決定する演出決定手段と、前記演出実行手段により1の演出を実行するために用られ、複数のデータで構成された演出データ群を、前記複数の演出の種別毎に記憶した演出データ群記憶手段と、その演出データ群記憶手段から、前記演出決定手段によって決定された演出の種別に対応する演出データ群を選択する演出データ群選択手段と、その演出データ群選択手段によって選択された前記演出データ群を構成する前記複数のデータが、予め定められた特定の順序で前記演出実行手段によって用いられるように設定するデータ設定手段と、遊技の進行状況に応じて、前記複数のデータが用いられる順序を前記特定の順序とは異なる順序に可変させることが可能な順序可変手段と、を備えることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、楽曲において最も特徴的な部分であるサビ部分のパートが再生されるよりも前に所定期間が終了してしまい、楽曲の再生が終了されてしまう可能性があった。このため、サビ部分を聴くことができなかった遊技者に対して、不満感を抱かせてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機J1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行される。演出実行手段に実行させる1の演出が、演出決定手段によって複数の演出の中から決定される。演出実行手段により1の演出を実行するために用いられ、複数のデータで構成された演出データ群が、演出データ記憶手段によって複数の演出の種別毎に記憶されている。演出決定手段によって決定された演出の種別に対応する演出データ群が、演出データ群選択手段により演出データ群記憶手段から選択される。演出データ群選択手段によって選択された演出データ群を構成する複数のデータが、予め定められた特定の順序で演出実行手段によって用いられるようにデータ設定手段により設定される。遊技の進行状況に応じて、複数のデータが用いられる順序が、順序可変手段によって特定の順序とは異なる順序に可変される。
これにより、演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機J1において、前記データ設定手段は、前記特定の順序における最後の順序のデータを用いた演出の実行が終了したことに基づいて、前記特定の順序における最初の順序のデータが前記演出実行手段によって用いられるように設定するものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、特定の順序における最後の順序のデータを用いた演出の実行が終了したことに基づいて、特定の順序における最初の順序のデータが演出実行手段によって用いられるようにデータ設定手段によって設定されるので、演出実行手段によって1の演出の実行が終了した場合に、演出の最初から再度、演出を実行することができる。よって、最後の順序のデータを用いた演出の実行が終了したとしても、無演出の期間となってしまうことを防止できるので遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1又はJ2において、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に前記複数の演出のうちいずれかを実行するものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技の実行中に、演出実行手段により複数の演出のうちいずれかが実行される。
これにより、特典遊技の実行中において、演出を好適に実行できるという効果がある。
遊技機J3において、前記複数の演出の種別毎に設けられている前記演出データ群は、演出の種別毎に設定されている特定の演出態様に対応する第1のデータと、その第1のデータとは異なる第2のデータとで少なくとも構成されているものであり、前記順序可変手段は、前記特典遊技が終了するまでの間に前記第1のデータが少なくとも1回前記演出実行手段によって用いられるように、前記複数のデータが用いられる順序を可変させるものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、複数の演出の種別毎に設けられている演出データ群が、演出の種別毎に設定されている特定の演出態様に対応する第1のデータと、その第1のデータとは異なる第2のデータとで少なくとも構成されている。特典遊技が終了するまでの間に第1のデータが少なくとも1回、演出実行手段によって用いられるように、順序可変手段により複数のデータが用いられる順序が可変される。
これにより、特典遊技の実行中に、少なくとも1回、特定の演出態様を実行することができるという効果がある。
遊技機J4において、前記順序可変手段は、前記特典遊技における予め定められている特定期間において、前記第1のデータが前記演出実行手段によって用いられている状態となるように、前記複数のデータが用いられる順序を可変させるものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、特典遊技における予め定められている特定期間において、第1のデータが演出実行手段によって用いられている状態となるように、複数のデータが用いられる順序が順序可変手段によって可変されるので、特定期間になることを楽しみの一つとして特典遊技の実行中における遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機J1からJ5のいずれかにおいて、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された前記音声データに応じた音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記演出実行手段は、予め定められている複数の楽曲のうちいずれかを前記音声データ再生手段に対して再生させるものであり、前記演出データ群は、1の楽曲を再生するための複数の音声データで構成されているものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J1からJ5のいずれかが奏する効果に加え、音声データ再生手段により音声データが再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに応じた音声が音声出力手段によって出力される。予め定められている複数の楽曲のうちいずれかが演出実行手段により音声データ再生手段に対して再生させられる。演出データ群が、1の楽曲を再生するための複数の音声データで構成されている。
これにより、楽曲の再生による聴覚的な演出を実行することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J6において、前記演出データ群は、1の楽曲を構成するパート単位の音声データで構成されているものであることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、演出データ群が、1の楽曲を構成するパート単位の音声データで構成されているので、順序可変手段によって前記複数のデータが用いられる順序を可変させたとしても違和感の少ない音声態様の推移にすることができるという効果がある。
遊技機J7において、所定の判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に前記複数の楽曲のうちいずれかを前記音声データ再生手段に対して再生させるものであり、前記複数の楽曲の種別毎に設けられている前記演出データ群は、楽曲の種別毎に設定されている特定のパートを再生するための第1のデータと、前記特定のパートとは異なるパートを再生するための第2のデータとで少なくとも構成されているものであり、前記順序可変手段は、前記特典遊技が終了するまでの間に前記第1のデータが少なくとも1回前記演出実行手段によって用いられるように、前記複数のデータが用いられる順序を可変させるものであることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技の実行中に複数の楽曲のうちいずれかが演出実行手段によって音声データ再生手段に対して再生させられる。複数の楽曲の種別毎に設けられている演出データ群が、楽曲の種別毎に設定されている特定のパートを再生するための第1のデータと、特定のパートとは異なるパートを再生するための第2のデータとで少なくとも構成されている。特典遊技が終了するまでの間に第1のデータが少なくとも1回、演出実行手段によって用いられるように、複数のデータが用いられる順序が順序可変手段によって可変される。
これにより、特典遊技が終了するまでの間に、少なくとも1回特定のパートを再生することができるので、特定のパートを楽しみに楽曲を聴いていた遊技者を満足させることができるという効果がある。
遊技機J8において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記演出決定手段は、前記複数の楽曲の中から前記操作手段に対する操作内容に応じて1の楽曲を決定するものであることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J8の奏する効果に加え、複数の楽曲の中から、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じて、演出決定手段により1の楽曲が決定されるので、遊技者が自発的に選択した楽曲における特定のパートを、特典遊技が終了するまでの間に少なくとも1回再生することができるという効果がある。
<特徴K群>(楽曲の再生を終了させる場合に、区切りの再生位置まで再生してから終了させる)
所定の実行条件の成立に基づいて第1の演出を実行する第1演出実行手段と、その第1演出実行手段により前記第1の演出が実行されている間に予め定められた第1の条件が成立したことに基づいて、前記演出実行手段により実行されている前記第1の演出の進行状況を判別する進行状況判別手段と、その進行状況判別手段により判別された前記進行状況が予め定められた第2の条件を満たす場合に、前記第1の演出とは異なる第2の演出を実行する第2演出実行手段と、前記進行状況判別手段により判別された前記進行状況が前記第2の条件を満たしていない場合に、前記第2演出実行手段によって前記第2の演出が実行されることを抑制する抑制手段と、を備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、楽曲において最も特徴的な部分であるサビ部分のパートの再生中に所定期間が終了してしまい、サビ部分が中途半端で打ち切られてしまう可能性があった。このため、サビ部分を十分に聴くことができなかった遊技者に対して、不満感を抱かせてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機K1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて第1演出実行手段により第1の演出が実行され、その第1演出実行手段により第1の演出が実行されている間に予め定められた第1の条件が成立したことに基づいて、演出実行手段により実行されている第1の演出の進行状況が進行状況判別手段によって判別される。進行状況判別手段により判別された進行状況が予め定められた第2の条件を満たす場合に、第1の演出とは異なる第2の演出が第2演出実行手段により実行される。進行状況判別手段により判別された進行状況が第2の条件を満たしていな場合に、第2演出実行手段によって第2の演出が実行されることが抑制手段によって抑制される。
これにより、第1の演出を好適に実行することができるという効果がある。
遊技機K1において、前記抑制手段は、前記進行状況が前記第2の条件を満たすまで少なくとも前記第2の演出が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機K2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、進行状況が第2の条件を満たすまで少なくとも第2の演出が実行されることが抑制手段によって抑制されるので、第1の演出をより好適に実行することができるという効果がある。
遊技機K2において、前記抑制手段によって前記第2の演出の実行が抑制されている期間が予め定めた第1期間以上となったことに基づいて、前記進行状況が前記第2の条件を満たすか否かとは無関係に前記第2演出実行手段によって前記第2の演出の実行が開始されるように制御する実行制御手段を備えることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、抑制手段によって第2の演出の実行が抑制されている期間が予め定めた第1期間以上となったことに基づいて、進行状況が第2の条件を満たすか否かとは無関係に、第2演出手段によって第2の演出の実行が開始されるように実行制御手段によって制御されるので、第2演出の実行が抑制されている期間が長くなりすぎて、第2演出を実行するための期間が過剰に短くなってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機K1からK3のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が前記第2状態から前記第1状態に所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第1演出実行手段は、前記可変遊技が開始されたことに基づいて前記第1の演出を実行するものであり、前記第2演出実行手段は、1の前記可変遊技における最後の前記第1状態への可変が終了してから、予め定めた第2期間が経過するまでの間の期間で前記第2の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K1からK3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1状態と、その第1状態よりも遊技球が入球困難になる第2状態とに可変入球手段が可変可能に構成されている。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変入球手段が第2状態から第1状態に所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。可変遊技が開始されたことに基づいて第1演出実行手段により第1の演出が実行される。1の可変遊技における最後の第1状態への可変が終了してから、予め定めた第2期間が経過するまでの間の期間で第2演出実行手段により第2の演出が実行される。
これにより、所定回数の第1状態への可変が実行されている間に実行されていた第1の演出が、第2の演出の開始によって中途半端で打ち切られてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機K4において、前記第1の演出は、演出期間の中に、特定の演出態様が実行される特定演出期間を少なくとも含んで構成されているものであり、前記抑制手段は、前記進行状況判別手段により前記特定演出期間であると判別された場合に、前記第2演出実行手段によって前記第2の演出が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の演出の演出期間の中には、特定の演出態様が実行される特定演出期間が少なくとも含まれている。進行状況判別手段により特定演出期間であると判別された場合に、第2演出実行手段によって第2の演出が実行されることが抑制手段により抑制される。
これにより、特定の演出態様をより長く実行することができるという効果がある。
遊技機K4又はK5において、前記抑制手段によって前記第2の演出の実行が抑制される期間を判別する期間判別手段と、その期間判別手段によって判別された期間に基づいて、前記第2の演出として実行可能な複数の演出態様の中から前記第2期間が経過するまでの間に終了する1の演出態様を選択する第2演出態様選択手段と、を備えることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K4又はK5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、抑制手段によって第2の演出の実行が抑制される期間が期間判別手段により判別される。期間判別手段によって判別された期間に基づいて、第2の演出として実行可能な複数の演出態様の中から第2期間が経過するまでの間に終了する1の演出態様が第2演出態様選択手段によって選択される。
これにより、第2期間が経過するまでの間に第2の演出を確実に終了させることができるという効果がある。
遊技機K1からK6のいずれかにおいて、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された前記音声データに応じた音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記第1演出実行手段は、所定の楽曲を前記音声データ再生手段に対して再生させることにより前記第1演出を実行するものであり、前記抑制手段は、前記進行状況判別手段により前記所定の楽曲における特定の再生範囲を再生中であると判別された場合に、前記第2演出実行手段によって前記第2の演出が実行されることを抑制するものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K1からK6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段により音声データが再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに応じた音声が音声出力手段により出力される。所定の楽曲を音声データ再生手段に対して再生させることにより、第1演出実行手段によって第1演出が実行される。進行状況判別手段により所定の楽曲における特定の再生範囲を再生中であると判別された場合に、第2演出実行手段によって第2の演出が実行されることが抑制手段により抑制される。
これにより、楽曲における特定の再生範囲を再生中に第2の演出が実行され、特定の再生範囲の再生が打ち切られることを抑制できるので、特定の再生範囲を聴きたいと希望する遊技者を満足させることができるという効果がある。
遊技機K7において、遊技者が操作可能な操作手段を備え、前記第1演出実行手段は、予め定められている複数の楽曲の中から、前記操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲を前記音声データ再生手段に対して再生させるものであることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、予め定められている複数の楽曲の中から、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じた1の楽曲が第1演出実行手段により音声データ再生手段に対して再生させられるので、遊技者が自発的に選択した楽曲における特定の再生範囲をより長く再生させることができる。よって、楽曲を選択した遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機K7又はK8において、前記特定の再生範囲は、楽曲におけるサビ部分の少なくとも一部を含んで構成されているものであることを特徴とする遊技機K9。
遊技機K9によれば、遊技機K7又はK8の奏する効果に加え、特定の再生範囲が、楽曲におけるサビ部分の少なくとも一部を含んで構成されているので、楽曲において一般的に最も盛り上がるパートであるサビ部分をより長く再生することができる。よって、遊技者を満足させることができるという効果がある。
<特徴L群>(ランダムセレクトでのみ選択され得る楽曲を設ける)
所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかを実行する演出実行手段と、その演出実行手段に実行させる演出として、予め定められた特定条件が成立している状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択可能な第1選択手段と、前記演出実行手段に実行させる演出として、前記特定条件が成立していない状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から1の演出を選択可能な第2選択手段と、を備えることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、遊技機に予め設定されている複数の楽曲の中から1の楽曲を遊技者に選択させ、遊技者に選択された楽曲を聴覚的な演出の一種として再生することが可能に構成されたものが存在する。また、遊技者が選択可能な選択肢の中には、再生させる楽曲名を示す項目に加え、楽曲がランダムに決定されることを示す項目も含まれているものがあり、多様な遊技者のニーズに最大限応えられる構成としている。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、楽曲がランダムに決定されるメリットが少ないため、大半の遊技者が自己の好みの楽曲を選択してしまい、楽曲がランダムに決定される項目の選択頻度が低くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機L1によれば、所定の実行条件の成立に基づいて、予め定められている複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行される。演出実行手段に実行させる演出として、予め定められた特定条件が成立している状態で実行条件が成立したことに基づいて、第1選択手段により複数の演出の中から1の演出が選択される。一方、演出実行手段に実行させる演出として、特定条件が成立していない状態で実行条件が成立したことに基づいて、複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から第2選択手段により1の演出が選択される。
これにより、特定条件が成立しているか否かに応じて、特定の演出が実行されるか否かを可変させることができるので、特定条件が成立しているか否かに注目させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L1において、画像を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、所定の表示条件の成立に基づいて、前記操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像を前記表示手段に表示させる連動画像表示手段と、を備え、前記第1選択手段は、前記特定条件として、前記表示手段に特定の態様の前記連動画像が表示されている状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記複数の演出の中から1の演出を選択するものであり、前記第2選択手段は、前記表示手段に前記特定の態様とは異なる態様の前記連動画像が表示されている状態で前記実行条件が成立したことに基づいて、前記連動画像の態様に対応する演出を選択するものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の表示条件の成立に基づいて、操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像が連動画像表示手段によって表示手段に表示される。特定条件として、表示手段に特定の態様の連動画像が表示されている状態で実行条件が成立したことに基づいて、複数の演出の中から1の演出が第1選択手段により選択される。表示手段に特定の態様とは異なる態様の連動画像が表示されている状態で実行条件が成立したことに基づいて、連動画像の態様に対応する演出が第2選択手段により選択される。
これにより、第1選択手段に演出を選択させるか、第2選択手段に演出を選択させるかを、操作手段を操作することにより遊技者に選択させることができるので、遊技者毎の好みに合った演出の選択方法を遊技者自身に選択させることができるという効果がある。
遊技機L2において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力可能な音声出力手段と、を備え、前記連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されているものであり、前記第2選択手段は、前記連動画像の態様に対応する楽曲を選択するものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L1又はL2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが音声データ再生手段によって再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。連動画像として設定され得る複数の態様は、互いに異なる楽曲を示す態様の画像で構成されている。連動画像の態様に対応する楽曲が第2選択手段により選択される。
これにより、操作手段を操作して、好みの楽曲を示す態様の連動画像を選択することにより、遊技者の好みの楽曲を再生させることができるので、遊技者毎の趣向にあった音声態様を提供することができるという効果がある。
遊技機L1からL3のいずれかにおいて、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態を設定する有利設定手段と、を備え、前記演出実行手段は、前記判別手段による判別が実行されたことに基づいて、前記複数の演出のうちいずれかを実行するものであり、前記第1選択手段は、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となった場合に、前記複数の演出の中から1の演出を選択し、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に、前記複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から1の演出を選択するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L1からL3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な裕利遊技状態が有利設定手段により設定される。判別手段による判別が実行されたことに基づいて、複数の演出のうちいずれかが演出実行手段によって実行される。判別手段による判別で第1の判別結果となった場合に、第1選択手段により複数の演出の中から1の演出が選択される一方で、判別手段による判別で第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となった場合に、複数の演出のうち、少なくとも特定の演出を除外した中から1の演出が第1選択手段によって選択される。
これにより、第1選択手段により特定の演出が選択された場合に、有利遊技状態が設定されることを遊技者に認識させることができるので、第1選択手段によって選択される演出の種別により注目させることができるという効果がある。
遊技機L4において、前記有利遊技状態が設定されるか否かを報知する報知演出を実行する報知演出実行手段を備え、前記実行条件は、少なくとも前記報知演出が実行されるよりも前に成立するものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態が設定されるか否かを報知する報知演出が報知演出実行手段により実行される。少なくとも報知演出が実行されるよりも前に実行条件が成立する。
これにより、第1選択手段により特定の演出が選択されれば、報知演出を確認するよりも前に有利遊技状態となることが確定するので、有利遊技状態が設定されるか否かを早期に知りたいと考える遊技者に対して、第1選択手段によって演出の選択が行われることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L5において、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果、又は前記第2の判別結果となった場合に、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記第2の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態を設定する不利設定手段と、を備え、前記有利設定手段は、前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記有利遊技状態を設定するものであり、前記演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に演出を実行するものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別で第1の判別結果、又は第2の判別結果となった場合に、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。第2の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、有利遊技状態よりも不利な不利遊技状態が不利設定手段により設定される。第1の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として、有利設定手段により有利遊技状態が設定される。特典遊技の実行中に演出実行手段により演出が実行される。
これにより、特定の演出が実行されると、特典遊技が実行されていることによって遊技者にとって有利となっている上に、更に、特典遊技が終了した後の遊技状態が有利遊技状態になることも確定するので、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機L6において、識別情報を表示可能な表示手段と、前記判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示を前記表示手段において実行する動的表示実行手段と、を備え、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となったことに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の態様として、第1の識別情報が停止表示される態様の第1態様と、第2の識別情報が停止表示される態様の第2態様とのどちらかを決定する第1態様決定手段と、前記判別手段による判別で前記第2の判別結果となったことに基づいて実行される前記識別情報の動的表示の態様として、前記第1態様を決定する第2態様決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段により表示手段において実行される。判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて実行される識別情報の動的表示の態様として、第1の識別情報が停止表示される態様の第1態様と、第2の識別情報が停止表示される態様の第2態様とのどちらかが第1態様決定手段により決定される。判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて実行される識別情報の動的表示の態様として、第1態様が第2態様決定手段により決定される。
これにより、第1態様で識別情報の動的表示が実行された場合には、第1の判別結果となったのか、第2の判別結果となったのかを遊技者が識別することが困難になるので、第1選択手段により特定の演出が選択されるか否かにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機L7において、前記第1選択手段は、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となり、前記第2態様で前記識別情報の動的表示が実行されるよりも、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となり、前記第1態様で前記識別情報の動的表示が実行される場合の方が、前記特定の演出を選択する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7が奏する効果に加え、判別手段による判別で第1の判別結果となり、第2態様で識別情報の動的表示が実行されるよりも、判別手段による判別で第1の判別結果となり、第1態様で識別情報の動的表示が実行される場合の方が、第1選択手段により特定の演出が選択される割合が高くなるので、第1態様で識別情報の動的表示が実行された場合に、第1選択手段により特定の演出が選択されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴M群>(履歴情報の蓄積数に応じて履歴エリアの範囲を可変させる)
画像を表示可能な表示手段と、遊技に関するデータを記憶可能な第1記憶領域と、その第1記憶領域とは異なる第2記憶領域とで少なくとも構成されている記憶手段と、その記憶手段に対して予め定めた複数のデータが記憶されるように制御する記憶制御手段と、その記憶制御手段により前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が前記表示手段に表示されるように制御する表示制御手段と、前記記憶制御手段により前記第1記憶領域に記憶されるデータとして、前記複数のデータのうち、予め定めた特定条件を満たしている特定データを設定可能な第1データ設定手段と、前記記憶制御手段により前記第2記憶領域に記憶されるデータとして、前記複数のデータのうち、前記特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータを設定する第2データ設定手段と、前記第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が予め定めた特定個数に満たない場合に、前記記憶制御手段により前記第1記憶領域に記憶されるデータとして、前記特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータを、前記第1データ設定手段によって設定されたデータに追加して設定する追加データ設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成され、且つ、所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技機に設定されている楽曲の曲数が多様化するほどに、遊技者が選択可能な楽曲のリストの中から好みの曲を探し出すことが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機M1によれば、遊技に関するデータを記憶可能な第1記憶領域と、その第1記憶領域とは異なる第2記憶領域とで記憶手段が構成されている。記憶手段に対して予め定めた複数のデータが記憶されるように記憶制御手段によって制御される。記憶制御手段により第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が表示手段に表示されるように表示制御手段によって制御される。記憶制御手段により第1記憶領域に記憶されるデータとして、複数のデータのうち予め定めた特定条件を満たしている特定データが第1データ設定手段によって設定される。記憶制御手段により第2記憶領域に記憶されるデータとして、複数のデータのうち、特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータが第2データ設定手段により設定される。第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が予め定めた特定個数に満たない場合に、記憶制御手段により第1記憶領域に記憶されるデータとして、特定データとは異なるデータの中から1又は複数のデータが、追加データ設定手段により第1データ設定手段によって設定されたデータに追加して設定される。
これにより、第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が特定個数に満たない場合でも、追加データ設定手段によりデータを追加して設定することができるので、データを好適に設定することができるという効果がある。
遊技機M1において、前記表示制御手段は、前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されたデータの並び順に応じた画像を表示させるものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されたデータの並び順に応じた画像が表示制御手段によって表示されるので、データの並び順に応じて画像を異ならせることができる。よって、表示態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機M1又はM2において、前記追加データ設定手段は、前記第1記憶領域に記憶されるデータの個数が特定個数となるように、前記第1記憶領域に記憶させるデータを追加して設定するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、第1記憶領域に記憶されるデータの個数が特定個数となるように、第1記憶領域に記憶させるデータが追加データ設定手段によって追加して設定されるので、第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が特定個数に満たない場合でも、第1記憶領域に対して設定するデータの個数を確実に特定個数にすることができる。よって、データをより好適に設定することができるという効果がある。
遊技機M1からM3のいずれかにおいて、前記追加データ設定手段は、前記特定データとは異なるデータのうち、予め設定されている優先度が高いデータから順に、前記第1記憶領域に記憶させるデータを追加して設定するものであることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M1からM3のいずれかが奏する効果に加え、特定データとは異なるデータのうち、予め設定されている優先度が高いデータから順に、追加データ設定手段によって第1記憶領域に記憶させるデータが追加して設定されるので、第1データ設定手段によって設定されたデータの個数が特定個数に満たない場合に、第1記憶領域に対してより好適にデータを設定することができるという効果がある。
遊技機M1からM4のいずれかにおいて、遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作を検出する操作検出手段と、を備え、前記表示制御手段は、前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が表示されている間に、前記操作検出手段によって前記操作手段に対する操作を検出した場合に、前記操作手段に対する操作内容に連動させて前記画像の態様を可変させるものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M1からM4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作が操作検出手段により検出される。第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されたデータに少なくとも応じた画像が表示されている間に、操作検出手段によって操作手段に対する操作を検出した場合に、操作手段に対する操作内容に連動させて表示制御手段によって画像の態様が可変される。
これにより、遊技者の操作手段に対する操作内容に連動させて表示態様を可変させることができるので、遊技者の好みの表示態様になるまで操作手段を操作させることができる。よって、遊技者に対して表示態様を選択する楽しみを与えることができるという効果がある。
遊技機M5において、前記表示制御手段は、前記第1記憶領域と、前記第2記憶領域とに記憶されている複数のデータに対応する複数の画像で構成された画像群を前記表示手段に表示させるものであり、前記画像群は、前記複数のデータのうち、1のデータに対応する画像が第1の態様で表示され、他の画像が前記第1の態様とは異なる第2の態様で表示されるものであり、前記表示制御手段は、前記操作手段に対する操作内容に連動させて、前記第1の態様で表示される画像を可変させるものであることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1記憶領域と、第2記憶領域とに記憶されている複数のデータに対応する複数の画像で構成された画像群が、表示制御手段により表示手段に表示される。複数のデータのうち、1のデータに対応する画像が第1の態様で表示され、他の画像が第1の態様とは異なる第2の態様で表示される。操作手段に対する操作内容に連動させて、第1の態様で表示される画像が表示制御手段によって可変される。
これにより、遊技者の操作手段に対する操作内容に連動して、第1の態様で表示される画像を可変させることができるので、遊技者に対して第1の態様で表示させたい画像を選択させることができるという効果がある。
遊技機M6において、前記第1記憶領域に記憶されているデータに対応する画像は、前記操作手段に対する操作回数が予め定められた特定回数以内の回数で前記第1の態様に可変可能となるものであることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M6の奏する効果に加え、第1記憶領域に記憶されているデータに対応する画像は、操作手段に対する操作回数が予め定められた特定回数以内の回数で可変可能となるので、第1記憶領域に記憶されているデータに対応する画像を第1の態様に可変させたいと考える遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機M6又はM7において、前記画像群が表示されている状態で予め定めた特定条件が成立したことに基づいて、前記第1の態様に可変されている画像に対応する態様の特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機M8。
遊技機M8によれば、遊技機M6又はM7の奏する効果に加え、画像群が表示されている状態で予め定めた特定条件が成立したことに基づいて、第1の態様に可変されている画像に対応する態様の特定演出が特定演出実行手段により実行されるので、特定演出の態様を遊技者に選択させることができるという効果がある。
遊技機M8において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記第1の態様に可変されている画像に対応する楽曲を出力するための音声データを前記音声データ再生手段に対して再生させるものであることを特徴とする遊技機M9。
遊技機M9によれば、遊技機M8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データ再生手段により音声データが再生される。音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段により出力される。特定演出として、第1の態様に可変されている画像に対応する楽曲を出力するための音声データが特定演出実行手段により音声データ再生手段に対して再生させられる。
これにより、再生させる楽曲を遊技者に選択させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴N群>(音声態様を実際のラウンド数に合わせるか、演出上のラウンド数に合わせるかを選択する)
予め定めた第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件とのどちらかが成立したことに基づいて特定演出を実行する特定演出実行手段と、前記第2条件の成立に基づいて、少なくとも前記特定演出が実行されるよりも前に、前記第1条件の成立を示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段と、前記第1条件の成立に基づいて実行される前記特定演出の態様として第1態様を設定する第1態様設定手段と、前記第2条件が成立し、且つ、前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行されなかった場合に、前記特定演出の態様として前記第1態様とは異なる第2態様を設定する第2態様設定手段と、前記第2条件が成立し、且つ、前記示唆演出実行手段により前記示唆演出が実行された場合に、前記特定演出の態様として前記第1態様と、前記第2態様とのどちらかを設定する第3態様設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、当たり遊技が付与されるか否かや、当たり遊技の終了後が遊技者に有利な状態(例えば、確変状態)となるのか否か等を演出により示唆することが可能なものも知られている。この従来型の遊技機では、遊技者にとって有利となる示唆内容の演出が実行されるか否かに注目して遊技を行わせることができる。更に、遊技者にとって有利な状態となることが決定している場合において所定期間の間、遊技者にとって不利となることを示唆する内容の演出を実行し、所定期間の経過後に、遊技者にとって有利な状態となることを示唆する演出(所謂、逆転演出)を実行するものも存在する。
しかしながら、有利な状態に移行するか否かを早期に知りたいと考える遊技者にとっては、逆転演出が実行されると、有利な状態に移行するかどうかの結果を知るタイミングが遅くなってしまうので、遊技者に対して不満感を抱かせてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機N1によれば、予め定めた第1条件と、その第1条件とは異なる第2条件とのどちらかが成立したことに基づいて特定演出実行手段により特定演出が実行される。第2条件の成立に基づいて、少なくとも特定演出が実行されるよりも前に、第1条件の成立を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。第1条件の成立に基づいて実行される特定演出の態様として、第1態様設定手段により第1態様が設定される。第2条件が成立し、且つ、示唆演出実行手段により示唆演出が実行されなかった場合に、特定演出の態様として第2態様設定手段により第1態様とは異なる第2態様が設定される。第2条件が成立し、且つ、示唆演出実行手段により示唆演出が実行された場合に、特定演出の態様として、第3態様設定手段により第1態様と、第2態様とのどちらかが設定される。
これにより、第3態様設定手段によって第2態様が設定された場合には、第2条件が成立したことを遊技者に察知させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1において、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、を備え、前記第1条件は、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定された場合に成立するものであり、前記第2条件は、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定された場合に成立するものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段によって1の種別が決定される。第1条件は、種別決定手段により第1特典遊技が決定された場合に成立する一方で、第2条件は、種別決定手段により第2特典遊技が決定された場合に成立する。
これにより、第3態様設定手段によって第2態様が設定された場合には、より有利な第2特典遊技が決定されたことを遊技者に察知させることができるので、特定演出の態様により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N2において、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定されたことに基づいて、前記第1特典遊技の有利度合いに対応する第1の有利度合いを報知する第1報知演出を実行する第1報知演出実行手段と、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定されたことに基づいて、前記第2特典遊技の有利度合いに対応する第2の有利度合いを報知する第2報知演出を実行する第2報知演出実行手段と、を備え、前記示唆演出実行手段は、前記示唆演出として、前記第1報知演出と区別し難い態様の演出を実行するものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N2の効果に加え、次の効果を奏する。即ち、種別決定手段により第1特典遊技が決定されたことに基づいて、第1特典遊技の有利度合いに対応する第1の有利度合いを報知する第1報知演出が第1報知演出実行手段によって実行される。種別決定手段により第2特典遊技が決定されたことに基づいて、第2特典遊技の有利度合いに対応する第2の有利度合いを報知する第2報知演出が第2報知演出実行手段によって実行される。示唆演出として、第1報知演出と区別し難い態様の演出が示唆演出実行手段によって実行される。
これにより、実行される報知演出の種別に応じて特典遊技の種別を遊技者に認識させることができるので、報知演出の種別に対し、より注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N2またはN3において、前記特典遊技の実行中に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球が入球可能な第2状態に可変される可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも、前記可変入球手段が前記第2状態に可変される回数が多いものであり、前記特定演出は、1の演出期間において特定の演出態様が少なくとも1回実行されるものであり、前記第1態様は、前記特定演出の実行が開始されてから前記特定の演出態様が実行されるまでの期間が、前記第2態様よりも短いものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N2又はN3の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に遊技球が入球困難な第1状態から遊技球が入球可能な第2状態に可変入球手段が可変される。可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。第2特典遊技において可変入球手段が第2状態に可変される回数は、第1特典遊技よりも多くなる。1の特定演出の演出期間において特定の演出態様が少なくとも1回実行される。特定演出の実行が開始されてから特定の演出態様が実行されるまでの期間は、第2態様よりも第1態様の方が短くなる。
これにより、第2状態に可変される回数が少なく、特典遊技が終了するまでの期間が短くなり易い第1特典遊技となった場合に、特定の演出態様が実行されるまでの期間を短くすることができるので、特典遊技の種別によらず、特典遊技が終了するまでの間に特定の演出態様をより確実に実行することができるという効果がある。
遊技機N4において、音声データを再生可能な音声データ再生手段と、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声を出力する音声出力手段と、を備え、前記特定演出実行手段は、前記特定演出として、前記音声データ再生手段に対して特定の楽曲に対応する音声データを再生させるものであり、前記特定の演出態様は、前記特定の楽曲における特定の再生範囲を再生した場合に出力される音声態様であり、前記第1態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データが第1の再生位置から再生が開始されるように設定するものであり、前記第2態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データが、前記第1の再生位置よりも前記特定の再生範囲の再生が開始されるまでの期間が長くなる第2の再生位置から再生が開始されるように設定するものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、音声データが音声データ再生手段によって再生され、その音声データ再生手段によって再生された音声データに対応する音声が音声出力手段によって出力される。特定演出として、音声データ再生手段に対して特定の楽曲に対応する音声データが特定演出実行手段により再生される。特定の楽曲における特定の再生範囲を再生した場合に、特定の演出態様が出力される。特定の楽曲に対応する音声データが第1の再生位置から再生が開始されるように第1態様設定手段によって設定される。特定の楽曲に対応する音声データが、第1の再生位置よりも特定の再生範囲の再生が開始されるまでの期間が長くなる第2の再生位置から再生が開始されるように第2態様設定手段により設定される。
これにより、特典遊技の種別によらず、特典遊技が終了するまでの間に特定の再生範囲を再生させることができるという効果がある。
遊技機N5において、前記特定の再生範囲は、楽曲における最も特徴的なメロディーを含む再生範囲であることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、特定の再生範囲が、楽曲における最も特徴的なメロディーを含む再生範囲なので、遊技者の聴きたい可能性が高い特徴的なメロディー部分を特典遊技が終了するまでにより確実に再生させることができるという効果がある。
遊技機N5又はN6において、前記特定の楽曲に対応する音声データは、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の前記特定の楽曲を再生可能となるデータ群で構成されているものであり、前記第1態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データを構成する前記データ群のうち、第1のデータから再生が開始されるように設定するものであり、前記第2態様設定手段は、前記特定の楽曲に対応する音声データを構成する前記データ群のうち、前記特定の順序において前記第1のデータよりも再生される順序が前の第2のデータから再生が開始されるように設定するものであることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N5又はN6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の楽曲に対応する音声データが、複数のデータを予め定められた特定の順序で再生することにより1の特定の楽曲を再生可能となるデータ群で構成されている。特定の楽曲に対応する音声データを構成するデータ群のうち、第1のデータから再生が開始されるように第1態様設定手段により設定される。特定の楽曲に対応する音声データを構成するデータ群のうち、特定の順序において第1のデータよりも再生される順序が前の第2のデータから再生が開始されるように第2態様設定手段によって設定される。
これにより、データ群の中の1のデータを選択して再生するという単純な処理により再生位置を異ならせることができるので、楽曲の再生を開始する場合の再生位置を少ない処理負荷で設定できるという効果がある。
遊技機N2からN7のいずれかにおいて、前記示唆演出実行手段は、前記特典遊技の実行が開始されたことを契機として前記示唆演出を実行するものであり、前記特定演出実行手段は、前記特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことを契機として前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N2からN7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が開始されたことを契機として示唆演出実行手段により示唆演出が実行される。特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことを契機として特定演出実行手段により特典遊技が実行される。
これにより、示唆演出が実行された場合に特定条件が成立するまでの間、第1特典遊技が決定されたのか、第2特典遊技が決定されたのかを識別困難にできるので、特定条件が成立するまでの間、第2特典遊技に対する期待感を抱かせ続けることができるという効果がある。
<特徴O群>(通常遊技中に使用された楽曲を選択し易いメニュー位置に優先的に配置させる)
画像を表示可能な表示手段と、遊技者が操作可能な操作手段と、第1条件の成立に基づいて、前記操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像を前記表示手段に表示させることが可能な連動画像表示手段と、その連動画像表示手段によって前記連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、前記表示手段に表示されている前記連動画像の態様に応じた種別の第1演出を実行する第1演出実行手段と、所定の実行条件の成立に基づいて、前記第1演出とは異なる第2演出を実行する第2演出実行手段と、その第2演出実行手段により実行される前記第2演出の種別を、複数の種別の中から決定する種別決定手段と、前記第1条件が成立した場合に前記連動画像表示手段により最初に表示される前記連動画像の態様として、前記種別決定手段によって決定された前記第2演出の種別に応じた態様を設定することが可能な態様設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な大当たり遊技が付与される。また、かかる従来型の遊技機には、スピーカー等の音声出力装置が設けられたものも存在し、視覚的な演出だけでなく、聴覚的な演出を実行可能に構成することで演出の態様を多様化することで、興趣向上を図っていた(例えば、特開2003−325886号公報)。
しかしながら、更なる演出の多様化が求められている。
また、かかる従来型の遊技機の中には、通常遊技中の所定期間において、聴覚的な演出の一種として楽曲を再生することが可能に構成され、且つ、所定期間内に再生される楽曲の種別を遊技者が選択可能に構成されているものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、遊技機に設定されている楽曲の曲数が多様化するほどに、遊技者が選択可能な楽曲のリストの中から好みの曲を探し出すことが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機O1によれば、第1条件の成立に基づいて、操作手段に対する操作内容に連動して態様が可変する連動画像が連動画像表示手段によって表示手段に表示される。連動画像表示手段によって連動画像が表示されている状態で第2条件が成立したことに基づいて、表示手段に表示されている連動画像の態様に応じた種別の第1演出が第1演出実行手段により実行される。所定の実行条件の成立に基づいて、第1演出とは異なる第2演出が第2演出実行手段によって実行され、その第2演出実行手段により実行される第2演出の種別が、種別決定手段によって複数の種別の中から決定される。第1条件が成立した場合に連動画像表示手段により最初に表示される連動画像の態様として、種別決定手段によって決定された第2演出の種別に応じた態様が態様設定手段によって設定可能に構成されている。
これにより、連動画像の態様を多様化させることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記連動画像は、互いに異なる前記第1演出の種別を示す複数の演出対応画像で構成されているものであり、前記態様設定手段は、前記連動画像の態様として、1の前記演出対応画像が特定の態様で表示される表示態様を設定するものであり、前記連動画像表示手段は、前記操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、所定の順序で前記特定の態様で表示される前記演出対応画像を可変させるものであり、前記演出実行手段は、前記特定の態様で表示されている前記演出対応画像が示す種別の前記第1演出を、前記第2条件が成立したことに基づいて実行するものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、連動画像が、互いに異なる第1演出の種別を示す複数の演出対応画像で構成されている。連動画像の態様として、1の演出対応画像が特定の態様で表示される表示態様が態様設定手段によって設定される。操作手段に対する操作内容が第1の操作内容となる毎に、所定の順序で、連動画像表示手段により特定の態様で表示される演出対応画像が可変される。特定の態様で表示されている演出対応画像が示す種別の特定演出が、第2条件が成立したことに基づいて演出実行手段によって実行される。
これにより、特定の態様に可変されている演出対応画像を視認した遊技者に対して、第2条件が成立したことに基づいて実行される第1演出の種別を遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、操作手段を操作することで、遊技者に対して好みの種別の第1演出の種別を選択させることができるという効果がある。
遊技機O2において、前記態様設定手段は、特定の態様で表示させる1の前記演出対応画像と、前記第1の操作内容の操作が繰り返された場合に前記特定の態様に可変される前記演出対応画像の順序とを少なくとも設定するものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、特定の態様で表示させる1の演出対応画像と、第1の操作内容が繰り返された場合に特定の態様に可変される演出対応画像の順序とが、少なくとも態様設定手段によって設定されるので、実際に操作手段が操作された場合に、特定の態様で表示させる演出対応画像をより早期に特定することができるという効果がある。
遊技機O2又はO3において、前記態様設定手段は、前記種別決定手段によって決定された前記第2演出の種別に対応する前記演出対応画像が特定回数以内の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変されるように、前記連動画像の態様を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O2又はO3の奏する効果に加え、種別決定手段によって決定された第2演出の種別に対応する演出対応画像が特定回数以内の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変されるように、態様設定手段により連動画像の態様が設定されるので、第2演出実行手段によって実行された第2演出の種別に対応する演出対応画像を少ない操作回数で特定の態様に可変させることができる。よって、遊技者の利便性を高めることができるという効果がある。
遊技機O4において、前記第2演出実行手段により実行された前記第2演出の回数を、前記第2演出の種別毎に計数する計数手段を備え、前記態様設定手段は、前記計数手段により計数された回数が予め定められている特定条件を満たしている種別の前記第2演出に対応する前記演出対応画像を、特定回数以内の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変されるように、前記連動画像の態様を設定可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2演出実行手段により実行された第2演出の回数が、第2演出の種別ごとに計数手段によって計数される。計数手段により計数された回数が予め定められている特定条件を満たしている種別の第2演出に対応する演出対応画像が、特定回数以内の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変されるように、連動画像の態様が態様設定手段によって設定される。
これにより、特定条件を満たしている実行回数となっている種別の第2演出に対応する演出対応画像を比較的少ない操作回数で特定の態様に可変させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機O5において、前記態様設定手段は、前記計数手段により計数された回数が多い種別の前記第2演出に対応する前記演出対応画像ほど、少ない回数の前記第1の操作内容の操作で前記特定の態様に可変されるように前記連動画像の態様を設定するものであることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O5の奏する効果に加え、計数手段により計数された回数が多い種別の第2演出に対応する演出対応画像ほど、少ない回数の第1の操作内容の操作で特定の態様に可変されるように、態様設定手段によって連動画像の態様が設定されるので、遊技者の利便性をより向上させることができるという効果がある。
遊技機O1からO6のいずれかにおいて、前記第2条件は、前記操作手段に対する操作内容が第2の操作内容となった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O1からO6のいずれかが奏する効果に加え、操作手段に対する操作内容が第2の操作内容となった場合に、第2条件が成立するので、遊技者の任意のタイミングで、第1演出実行手段に対して第1演出を実行させることができるという効果がある。
<特徴P群>(特定の大当たり種別が決定されたことに基づいて、次に大当たりとなった場合に特定の大当たり種別が決定されやすくなる状態を形成する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段の判別結果を示すための識別情報を所定期間動的表示させる動的表示手段と、その動的表示手段による前記識別情報の動的表示において、特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されたことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行可能な特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別のうち、1の前記特典遊技の種別を設定する特典遊技種別設定手段と、その特典遊技種別設定手段により前記第2特典遊技が第1の割合で設定される第1状態と、前記第2特典遊技が前記第1の割合よりも高い第2の割合で設定可能となる第2状態と、を可変可能な状態可変手段と、を備え、前記第2状態は、前記第1状態において前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特典遊技が終了するまでの間に予め定められた特定条件が成立したことを契機として可変されるものであることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たりが実行されるものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、従来型の遊技機の中には、ラウンド数に代えて、または加えて、当たり後に付与される遊技状態を異ならせたり、各ラウンドで獲得可能な賞球数を異ならせる等により、有利度合いに差を設けることにより興趣向上を図っているものもある。
更に、従来型の遊技機の中には、当たりに当選した後で、所定領域を遊技球が通過したタイミングで当たりの種別(ラウンド数)を決定するものも存在する。
しかしながら、かかる従来型の遊技機では、抽選により一定の割合で当たりの種別を決定しているため、遊技が単調となってしまう場合があり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難となる虞があった。
これに対して遊技機P1では、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段の判別結果を示すための識別情報が動的表示手段により所定期間動的表示される。動的表示手段による識別情報の動的表示において、特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示されたことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別のうち1の特典遊技の種別が特典遊技種別設定手段により設定される。特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が第1の割合で設定される第1状態と、第2特典遊技が第1の割合よりも高い第2の割合で設定可能となる第2状態と、が状態可変手段により可変される。第1状態において特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示されてから特典遊技が修了するまでの間に予め定められた特定条件が成立したことを契機として、第2状態に可変される。
これにより、第2状態となることで高い割合で第2特典遊技が設定されるので、第2状態となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P1において、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記状態可変手段は、前記第1状態において前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されてから前記特典遊技が終了するまでの間において前記特定条件が成立した場合に、少なくとも前記遊技状態設定手段により前記特典遊技の終了後の遊技状態が設定されるよりも前に前記第2状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、遊技機P1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1状態において特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示されてから特典遊技が修了するまでの間において特定条件が成立した場合に、少なくとも遊技状態設定手段により特典遊技の終了後の遊技状態が設定されるよりも前に、状態可変手段により第2状態に可変される。
これにより、第2状態に可変するか否かと、有利な第2遊技状態に設定されるか否かとを、異なるタイミングで遊技者に認識させることができるので、特典遊技の実行中における遊技が単調となってしまうことを防止できるという効果がある。
遊技機P1又はP2において、前記特典遊技実行手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された後で所定の実行条件が成立したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであり、前記所定の実行条件は、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含むものであり、前記状態可変手段は、前記第1状態において前記特定の判別結果を示す前記識別情報が停止表示された後で前記第2の実行条件が成立したことに基づいて、前記第2状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1又はP2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された後で所定の実行条件が成立したことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。所定の実行条件には、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第22の実行条件と、が少なくとも含まれている。第1状態において特定の判別結果を示す識別情報が停止表示された後で第2の実行条件が成立したことに基づいて、状態可変手段により第2状態に可変される。
これにより、第2の実行条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P3において、前記特典遊技種別設定手段は、前記第2の実行条件が成立したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P3の奏する効果に加え、第2の実行条件が成立したことに基づいて特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が設定されるので、遊技者に対して第2の実行条件が成立することをより強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P4において、前記所定の実行条件は、前記第1の実行条件と、前記第2の実行条件と、前記第1の実行条件および前記第2の実行条件のいずれとも異なる第3の実行条件と、を少なくとも含むものであり、前記第2状態は、前記第1状態よりも前記特定の判別結果を示す前記識別情報が停止表示された後で前記第3の実行条件が成立し易くなるものであり、前記特典遊技種別設定手段は、前記第3の実行条件が成立したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の実行条件には、第1の実行条件と、第2の実行条件と、第1の実行条件とも第2の実行条件とも異なる第3の実行条件と、が少なくとも含まれる。第2状態では、第1状態よりも特定の判別結果を示す識別情報が停止表示された後で第3の実行条件が成立し易くなる。第3の実行条件が成立したことに基づいて特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が設定される。
これにより、第3の実行条件が成立し易い第2状態となることを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P5において、前記状態可変手段は、前記第2状態において前記第3の実行条件が成立したことに基づいて前記第1状態に可変させるものであることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P5の奏する効果に加え、第2状態において第3の実行条件が成立すると、第2状態から第1状態に可変するので、第2状態が長く継続し、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機P1からP6のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、前記第1入球領域と、前記第2入球領域とのいずれかに遊技球を振り分け可能に構成され、前記第2入球領域へと前記第1の割合で遊技球を振り分ける振分手段と、前記第1入球領域および前記第2入球領域のいずれとも異なる第3入球領域と、その第3入球領域へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、を備え、前記特典遊技種別設定手段は、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示された後で前記第1入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第1特典遊技を設定し、前記第2入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定し、前記第3入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであり、前記状態可変手段は、前記可変手段が前記第2位置に可変した状態において前記第2入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記可変手段を前記第1位置に可変させるものであることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P1からP6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球可能な第1入球領域と、その第1入球領域とは異なる第2入球領域と、のいずれかに、振分手段によって遊技球が振り分けられる。第2領域には第1の割合で遊技球が振り分けられる。第1入球領域および第2入球領域のいずれとも異なる第3入球領域へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。特定の判別結果を示すための識別情報が停止表示された後で第1入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて特典遊技種別設定手段により第1特典遊技が設定される一方で、第2入球領域または第3入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技種別設定手段により第2特典遊技が設定される。可変手段が第2位置に可変した状態において第2入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて、状態可変手段により可変手段が第2位置から第1位置に可変される。
これにより、特典遊技種別設定手段により設定される特典遊技の種別、および可変手段が第1位置に可変するか否かを、遊技球が入球する入球領域を確認するだけで容易に遊技者に理解させることができるという効果がある。
遊技機P7において、前記第1入球領域と、前記第2入球領域と、前記振分手段と、が少なくとも内部に設けられ、遊技球が入球可能に構成されている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1入球位置と、その第1入球位置よりも前記入球手段へと入球困難になる第2入球位置とに可変可能な第2可変手段と、その第2可変手段を、前記特定の判別結果を示すための前記識別情報が停止表示されたことに基づいて前記第2入球位置から前記第1入球位置へと可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球領域と、第2入球領域と、振分手段と、が入球手段の内部に設けられている。入球手段へと遊技球が入球可能となる第1入球位置と、その第1入球位置よりも入球手段へと入球困難になる第2入球位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。特定の判別結果を示すための識別情報が低指標時されたことに基づいて、第2可変手段が可変制御手段によって第2入球位置から第1入球位置へと可変される。
これにより、特定の判別結果となっていないにもかかわらず遊技球が入球手段へと入球してしまうことを抑制することができるので、通常状態において可変手段が第1位置に可変することを抑制することができる。よって、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機P8において、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に少なくとも発射可能な発射手段を備え、前記入球手段は、前記第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられているものであり、前記第3入球領域は、前記第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに発射手段が遊技球を発射可能に構成されている。第1方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に入球手段が設けられている一方で、第2方向へと発射された遊技球が入球可能な位置に第3入球領域が設けられている。
これにより、可変手段が第1位置に可変している状態において特定の判別結果となった場合には、第2方向へと遊技球を発射するだけで、確実に第3入球領域へと遊技球を入球させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機P9において、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難になる第2可変位置とに可変可能な第3可変手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な第2入球手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも前記第3可変手段が前記第1可変位置に可変し易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球した場合と、前記第2入球手段へと遊技球が入球した場合とに少なくとも成立するものであることを特徴とする遊技機P10。
遊技機P10によれば、遊技機P9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられている。第1入球手段へと遊技球が入球可能となる第1可変位置と、その第1可変位置よりも遊技球が入球困難になる第2可変位置と、に第3可変手段が可変可能に構成されている。第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられている。第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも第3可変手段が第1可変位置に可変し易い第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1入球手段へと遊技球が入球した場合と、第2入球手段に遊技球が入球した場合と、で判別条件が少なくとも成立する。
これにより、可変手段が第1位置に可変した状態で第2遊技状態が設定された場合には、第1方向へと遊技球を発射し続けるだけで、可変手段を第1位置に維持したまま、判別条件を成立させることができる。よって、可変手段が第1位置に可変した後、特定の判別結果となる前に第2位置に可変してしまうことを抑制することができるという効果がある。
<特徴Q群>(1種2種の時短で、1種当たりの方が有利になる状態と、2種当たりの方が有利になる状態とを設ける)
第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含む複数の実行条件のうちいずれかが成立したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を設定する種別設定手段と、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、少なくとも前記第2遊技状態において、前記第1の実行条件よりも前記第2の実行条件が成立した方が前記種別設定手段により前記第2特典遊技が設定され易くなる第1状態と、前記第2の実行条件よりも前記第1の実行条件が成立した方が、前記種別設定手段により前記第2特典遊技が設定され易くなる第2状態と、を切り替える状態切替手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、遊技者に有利となる当たり遊技が実行されるものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、従来型の遊技機の中には、ラウンド数に代えて、または加えて、当たり後に付与される遊技状態を異ならせたり、各ラウンドで獲得可能な賞球数を異ならせる等により、有利度合いに差を設けることにより興趣向上を図っているものもある。
更に、従来型の遊技機の中には、始動入賞口へと入賞に基づく抽選とは別に、盤面上に設けられている特定領域へと遊技球が入球した場合にも当たり遊技が実行されるものが存在する。また、係る従来型の遊技機の中には、始動入賞に基づく抽選で当たりになった場合と、特定領域に入球して当たりになった場合とで、有利な当たり種別となる割合を異ならせているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、当たりに当選する契機毎に、有利な当たり種別となる割合が固定化されているため、遊技が単調になってしまう場合があった。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機Q1によれば、第1の実行条件と、その第1の実行条件とは異なる第2の実行条件と、を少なくとも含む複数の実行条件のうちいずれかが成立したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。少なくとも第2遊技状態において、第1の実行条件よりも第2の実行条件が成立した方が種別設定手段により第2特典遊技が設定され易くなる第1状態と、第2の実行条件よりも第1の実行条件が成立した方が、種別設定手段により第2特典遊技が設定され易くなる第2状態と、が状態切替手段により切り替えられる。
これにより、第2遊技状態において、第1状態であるか、第2状態であるかに応じて、第1の実行条件が成立することで第2特典遊技が設定され易くなるか、第2の実行条件が成立することで第2特典遊技が設定され易くなるかが可変するので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、遊技球が入球可能な特定領域を備え、前記第1の実行条件は、前記特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、第1の実行条件は、特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて成立するので、特定領域へと遊技球が入球するか否かを確認するだけで、容易に特典遊技が実行されるか否かを遊技者が判別することができるよって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q2において、前記特定領域が内部に設けられ、遊技球が入球可能に構成されている入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記入球手段に入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果が第1の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段が所定期間、前記第2位置から前記第1位置に可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を備え、前記第2の実行条件は、前記判別手段による判別結果が前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果になったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段の内部に特定領域が設けられている。入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球手段に入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。判別手段による判別結果が第1の判別結果になったことに基づいて、可変手段が所定期間、第2位置から第1位置に可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。判別手段による判別結果が第1の判別結果とな異なる第2の判別結果になったことに基づいて、第2の実行条件が成立する。
これにより、判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q3において、前記入球手段は、前記特定領域として、第1特定領域と、第2特定領域と、が少なくとも内部に設けられているものであり、前記状態切替手段は、前記第1状態において前記第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2状態に切り替えるものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段の内部には、特定領域として第1特定領域と、第2特定領域と、が少なくとも設けられている。第1状態において第2特定領域へと遊技球が入球したことに基づいて、状態切替手段により第2状態に切り替えられる。
これにより、第2特定領域へと遊技球が入球するか否かを確認するだけで、第2状態に切り替わるか否かを遊技者に容易に判別させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q4において、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1特定領域と、前記第2特定領域と、を少なくとも含む複数の領域のうち1の領域へと振り分ける振分手段を備え、前記種別設定手段は、遊技球が前記第1特定領域へと入球したことに基づいて前記第1特典遊技を設定し、前記第2特定領域へと入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと入球した遊技球が、振分手段により第1特定領域と、第2特定領域と、を少なくとも含む複数の領域のうち1の領域へと振り分けられる。遊技球が第1特定領域へと入球したことに基づいて種別設定手段により第1特典遊技が設定される一方で、第2特定領域へと入球したことに基づいて種別設定手段により第2特典遊技が設定される。
これにより、遊技球が入球した特定領域の種別を確認するだけで、容易に実行される特典遊技の種別を遊技者が判別することができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q4又はQ5において、遊技球が入球可能に構成され、内部に前記特定領域として第3特定領域が設けられている第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも前記第2入球手段へと入球困難となる第4位置とに可変可能な第2可変手段と、を備え、前記種別設定手段は、遊技球が前記第3特定領域へと入球したことに基づいて前記第2特典遊技を設定するものであり、前記第1状態は、前記第2可変手段が前記第4位置に可変している状態であり、前記第2状態は、前記第2可変手段が前記第3位置に可変している状態であることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q4又はQ5が奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段の内部に、特定領域として第3特定領域が設けられている。第2入球手段へと遊技球が入球可能となる第3位置と、その第3位置よりも第2入球手段へと入球困難となる第4位置とに第2可変手段が可変可能に構成されている。遊技球が第3特定領域へと入球したことに基づいて種別設定手段により第2特典遊技が設定される。第2可変手段が第4位置に可変した状態となることで第1状態となる一方で、第2可変手段が第3位置に可変している状態になることで第2状態となる。
これにより、第2可変手段の状態を確認することで、遊技者に対して第1状態であるか、第2状態であるかを容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機Q6において、前記第2可変手段は、前記第3位置に可変している状態で遊技球が前記第2入球手段へと入球したことに基づいて、前記第4位置に可変するものであることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q6の奏する効果に加え、第2可変手段が第3位置に可変している状態で遊技球が第2入球手段へと入球したことに基づいて、第2可変手段が第4位置に可変するので、第2可変手段が第3位置に配置されている状態が長く継続することを抑制できる。よって、遊技者にとって過剰に有利となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機Q6又はQ7において、前記種別設定手段は、少なくとも前記第2遊技状態において、前記判別手段による判別結果が前記第2の判別結果となったことに基づいて、第1の割合で前記第2特典遊技を設定するものであり、前記入球手段は、入球した遊技球が前記第1の割合よりも低い第2の割合で前記第2特定領域へと入球するように構成されているものであることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q6又はQ7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも第2遊技状態において、判別手段による判別結果が第2の判別結果となったことに基づいて、種別設定手段により第1の割合で第2特典遊技が設定される。入球手段が、入球した遊技球が第1の割合よりも低い第2の割合で第2特定領域へと入球するように構成されている。
これにより、第1状態においては、判別手段による判別で第2の判別結果となった方が第2特典遊技が設定される割合が高くなるので、判別手段による判別で特定の判別結果となるよりも、第2の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができる。よって、判別手段による判別結果により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q6からQ8のいずれかにおいて、遊技球を第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向とに少なくとも発射可能に構成されている発射手段を備え、前記入球手段は、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、前記第2方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に設けられているものであり、前記第2入球手段は、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、前記第1方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機Q9。
遊技機Q9によれば、遊技機Q6からQ8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、発射手段が、第1方向と、その第1方向とは異なる第2方向と、に遊技球を発射可能に構成されている。第1方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、第2方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に入球手段が設けられている。第2方向に発射された遊技球が入球可能となり、且つ、第1方向に発射された遊技球が入球困難となる位置に第2入球手段が設けられている。
これにより、遊技球の発射方向により入球させる入球手段の種別を容易に可変させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
<特徴R群>(特1のVチャレンジとして、V入賞期待度が異なる複数の種別を設ける)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が流下可能に構成されている第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記入球手段へと入球した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに振り分ける振分手段と、その振分手段により前記第1流路に振り分けられた遊技球が第1の割合で入球可能となり、且つ、前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第1の割合よりも高い第2の割合で入球可能となる位置に設けられている特定領域と、その特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、第1可変遊技と、その第1可変遊技よりも前記入球手段に入球した遊技球が前記第2流路に振り分けられ易くなる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を設定する種別設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011−010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、特定の遊技中に特定領域を通過した場合に付与される特典遊技が有利な種別であるか否かの期待度を示唆する演出を実行することが可能に構成されたものも存在する。係る従来型の遊技機では、有利な種別の特典遊技である期待度が高いことが示唆された場合に、特定領域を通過することをより強く期待して遊技を行わせることができる。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定の遊技が実行された場合に遊技球が特定領域を通過する割合自体は共通であるため、有利な種別である期待度が高いことが示唆されたとしても、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機R1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。入球手段へと入球した遊技球が流下可能に構成されている第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のいずれかに、振分手段によって入球手段へと入球した遊技球が振り分けられる。振分手段により第1流路に振り分けられた遊技球が第1の割合で入休暇の宇土なり、且つ、第2流路に振り分けられた遊技球が第1の割合よりも高い第2の割合で入球可能となる位置に特定領域が設けられている。特定領域に遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、第1可変遊技と、その第1可変遊技よりも入球手段に入球した遊技球が第2流路に振り分けられ易くなる第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別が種別設定手段により設定される。
これにより、第1可変遊技よりも、第2可変遊技が設定された方が、特定領域へと入球する割合が高くなるので、判別手段による判別結果が特定の判別結果となった場合に、第2可変遊技が実行されることを強く期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1において、前記第1可変遊技は、前記入球手段に入球した遊技球が前記第2流路へと流入することが困難に構成されているものであり、前記第2可変遊技は、前記入球手段に入球した遊技球が前記第1流路へと流入することが困難に構成されているものであり、前記種別設定手段は、前記第1可変遊技と、前記第2可変遊技と、前記入球手段に入球した遊技球が前記第1流路にも前記第2流路にも流入し得る第3可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を設定するものであることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1可変遊技では、入球手段に入球した遊技球が第2流路へと流入することが困難になる一方で、第2可変遊技では、入球手段に入球した遊技球が第1流路へと流入することが困難になる。第1可変遊技と、第2可変遊技と、入球手段に入球した遊技球が第1流路にも第2流路にも流入し得る第3可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別設定手段により1の可変遊技の種別が設定される。
これにより、種別設定手段により設定される可変遊技の種別によって遊技球が特定領域へと入球する可能性を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1又はR2において、前記特定領域は、前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記第1の割合で入球可能となる位置に設けられている第1特定領域と、前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第2の割合で入球可能となる位置に設けられている第2特定領域と、で少なくとも構成されているものであることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、特定領域として、第1流路に振り分けられた遊技球が第1の割合で入球可能となる位置に第1特定領域が設けられている一方で、第2流路に振り分けられた遊技球が第2の割合で入球可能となる位置に第2特定領域が設けられているので、振り分けられた流路の種別に対応する特定領域を確認することで、遊技球が特定領域に入球したか否かを遊技者に容易に把握させることができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機R3において、前記第1流路は、遊技球が通過可能な通過手段が設けられているものであり、前記特典遊技実行手段は、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて前記特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、第1流路に設けられている通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、第1流路へと遊技球が振り分けられた場合における遊技者の特典遊技に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機R4において、前記第1流路は、前記通過手段が設けられている第1経路と、前記通過手段が設けられていない第2経路と、で少なくとも構成されているものであり、前記第1経路を通過した遊技球と、前記第2経路を通過した遊技球とは、共に、前記第1の割合で前記第1特定領域に入球するものであることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路が、通過手段が設けられている第1経路と、通過手段が設けられていない第2経路と、で少なくとも構成されている。第1経路を通過した遊技球と、第2経路を通過した遊技球とは、共に、第1の割合で第1特定領域に入球するように構成されている。
これにより、第1経路を通過することを期待して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R5において、前記第1流路に流入した遊技球が前記第1経路を通過したか、前記第2経路を通過したかを視認困難とする遮蔽手段を備えることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R5の奏する効果に加え、第1流路に流入した遊技球が第1経路を通過したか、第2経路を通過したかが遮蔽手段により視認困難にされるので、第2経路を通過していた場合にも、第1経路を通過していたことを遊技者に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R6において、前記可変遊技が実行されたことに基づいて、前記可変遊技の実行期間の間に遊技球が前記特定領域へと入球したかを示す特定演出を実行する特定演出実行手段を備え、前記特定演出実行手段は、前記第1流路へと流入した遊技球が前記第1特定領域へと入球しなかった場合に、前記通過手段を通過したか否かによらず、前記特定領域へと入球しなかったことを示す演出態様の前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技が実行されたことに基づいて、可変遊技の実行期間の間に遊技球が特定領域へと入球したかを示す特定演出が特定演出実行手段により実行される。第1流路へと流入した遊技球が第1特定領域へと入球しなかった場合に、通過手段を通過したか否かによらず、特定演出実行手段により特定領域へと入球しなかったことを示す演出態様の特定演出が実行される。
これにより、通過手段を通過して特典遊技が実行されるのか否かを、より長い期間不明とすることができるので、遊技者の特典遊技に対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機R7において、前記第1流路へと流入した遊技球が前記通過手段を通過し、且つ、前記第1特定領域へと入球しなかった場合に、前記特定演出の終了後に、前記特典遊技が実行されることを示す第2演出を実行する第2演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R7の奏する効果に加え、第1流路へと流入した遊技球が通過手段を通過し、且つ、第1特定領域へと入球しなかった場合に、特定演出の終了後に、特典遊技が実行されることを示す第2演出が第2演出実行手段により実行されるので、第1流路へと流入した遊技球が第1特定領域へと入球しなかった場合に、遊技者に対して第2演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1からR8のいずれかにおいて、前記種別設定手段は、前記第1可変遊技と、前記第2可変遊技と、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1流路にも前記第2流路にも流入し得ない第4可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の可変遊技の種別を設定するものであることを特徴とする遊技機R9。
遊技機R9によれば、遊技機R1からR8のいずれかが奏する効果に加え、第1可変遊技と、第2可変遊技と、入球手段へと入球した遊技球が第1流路にも第2流路にも流入し得ない第4可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別設定手段により1の可変遊技の種別が設定されるので、判別手段の判別結果が特定の判別結果となった場合に、第4可変遊技が実行されないことを強く願って遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴S群>(時短期待度の低いV入賞口側のルートに遊技球が振り分けられても、その後に入球した遊技球が時短期待度の高いV入賞口に入球し得る構成)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を行う判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、を有した遊技機において、前記入球手段へと入球した遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第1特定領域と、前記第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に設けられている第2特定領域と、前記第1特定領域と、前記第2特定領域と、を少なくとも含む複数の特定領域のうちいずれかに遊技球が入球したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記遊技機は、前記第1流路に流入した遊技球が前記第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、前記第2流路に流入した遊技球が前記第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機S1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011−010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、盤面上に特定領域を複数設け、特定の遊技中に特定領域を通過した場合に付与される特典遊技の有利度合が、特定領域の種別に応じて可変するように構成しているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、1の特定の遊技において遊技球が入球する特定領域は1つであり、有利度合の低い特定領域へと向けて遊技球が進行した場合には、遊技者の期待感を著しく低下させてしまうという問題点があった。
これに対して遊技機S1によれば、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間か偏される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。入球手段へと入球した遊技球が流下可能な位置に、第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、が設けられている。第1流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第1特定領域が設けられている一方で、第2流路を流下した遊技球が入球可能な位置に第2特定領域が設けられている。第1特定領域と、第2特定領域と、を少なくとも含む複数の特定領域のうちいずれかに遊技球が入球したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。第1流路に流入した遊技球が第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、第2流路に流入した遊技球が第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなり易くなるように構成されている。
これにより、第1流路へと流入した遊技球が第1特定領域へと入球するまでの期間を長くすることができるので、第1流路へと遊技球が流入した場合に、第1特定領域へと遊技球が入球して特典遊技が実行されることに対して、より長く遊技者に期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられているものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第1特定領域へと遊技球が入球した場合に第1の割合で前記第2特典遊技を実行し、前記第2特定領域へと入球した場合に前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特典遊技を実行するように構成されているものであることを特徴とする遊技機S2。
遊技機S2によれば、遊技機S1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられている。第1特定領域へと遊技球が入球した場合に特典遊技実行手段により第1の割合で第2特典遊技が実行される一方で、第2特定領域へと入球した場合に第1の割合よりも高い第2の割合で第2特典遊技が実行される。
これにより、第2流路へと遊技球が流入することを遊技者に強く期待させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1又はS2において、前記入球手段へと入球した遊技球が前記第1流路に振り分けられる第1振分状態と、前記第2流路に振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態に可変可能に構成されている振分手段と、前記可変遊技の実行中に前記振分手段の振分状態を所定の可変パターンで可変させる振分制御手段と、前記可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、前記振分手段が前記第1振分状態となる第1期間と、前記振分手段が前記第2振分状態となる第2期間と、で少なくとも前記可変手段が前記第1位置に可変される特定可変遊技を設定可能な特定種別設定手段と、を備え、前記遊技機は、1の前記特定可変遊技における前記第1期間の間に前記第1流路に振り分けられた遊技球が前記第1特定領域に入球するタイミングよりも、前記第2期間の間に前記第2流路に振り分けられた遊技球が前記第2特定領域に入球するタイミングの方が早くなり易く構成されているものであることを特徴とする遊技機S3。
遊技機S3によれば、遊技機S1又はS2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、振分手段が、入球手段へと入球した遊技球が第1流路に振り分けられる第1振り分け状態と、第2流路に振り分けられる第2振分状態と、を少なくとも含む複数の振分状態に可変可能に構成されている。可変遊技の実行中に振り分け手段の振分状態が振分制御手段により所定の可変パターンで可変される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、振分手段が第1振分状態となる第1期間と、振分手段が第2振分状態となる第2期間とで少なくとも可変手段が第1位置に可変される特定可変遊技が特定種別設定手段により設定される。1の特定可変遊技における第1期間の間に第1流路に振り分けられた遊技球が第1特定領域に入球するタイミングよりも、第2期間の間に第2流路に振り分けられた遊技球が第2特定領域に入球するタイミングの方が早くなり易く構成されている。
これにより、第1期間と第2期間との両方で遊技球が入球手段へと入球した場合に、第2特定領域へと入球するか否かの結果が出てから、第1特定領域へと入球するか否かが明らかとなるので、第2特定領域に注目すればよいのか、第1特定領域に注目すればよいのかで遊技者を混乱させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機S3において、前記第1流路へと振り分けられた遊技球は、第1の入球割合で前記第1特定領域へと入球するものであり、前記第2流路へと振り分けられた遊技球は、前記第1の入球割合よりも低い第2の入球割合で前記第2特定領域へと入球するものであることを特徴とする遊技機S4。
遊技機S4によれば、遊技機S3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1流路へと振り分けられた遊技球が、第1の入球割合で第1特定領域へと入球するように第1流路が構成されている。第2流路へと振り分けられた遊技球が、第1の入球割合よりも低い第2の入球割合で第2特定領域へと入球するように第2流路が構成されている。
これにより、第1期間と第2期間との両方で遊技球が入球手段へと入球した場合は、まず、入球する割合が低い第2特定領域へと遊技球が入球するか否かが明らかとなってから、入球する割合が高い第1特定領域へと遊技球が入球するか否かが明らかとなる。よって、可変遊技の進行に伴って特典遊技が実行される期待度を高めていくことができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S3又はS4において、前記特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられているものであり、前記特典遊技実行手段は、前記第1特定領域へと遊技球が入球した場合に第1の割合で前記第2特典遊技を実行し、前記第2特定領域へと入球した場合に前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第2特典遊技を実行するように構成されているものであり、前記特典遊技実行手段は、1の可変遊技の実行中に前記第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、その後に前記第1特定領域へと入球したか否かによらず、前記第2の割合で前記第2特典遊技を実行するものであることを特徴とする遊技機S5。
遊技機S5によれば、遊技機S3又はS4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技と、が少なくとも設けられている。第1特定領域へと遊技球が入球した場合に特典遊技実行手段により第1の割合で第2特典遊技が実行される一方で、第2特定領域へと入球した場合に第1の割合よりも高い第2の割合で第2特典遊技が実行される。1の可変遊技の実行中に第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、その後に第1特定領域へと入球したか否かによらず、特典遊技実行手段により第2の割合で第2特典遊技が実行される。
これにより、第1期間と第2期間との両方で遊技球が入球手段へと入球し、第2特定領域へと遊技球が入球した場合に、その後に第1特定領域へと遊技球が入球したとしても、高い割合で第2特典遊技が実行されるので、第2特定領域へと遊技球が入球した時点で遊技者を安心させることができるという効果がある。
遊技機S1からS5のいずれかにおいて、前記第1流路に流入した遊技球が前記第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、前記第2流路に流入した遊技球が前記第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなるように前記第2流路に流入した遊技球の流下速度を遅延させる遅延手段を備えることを特徴とする遊技機S6。
遊技機S6によれば、遊技機S1からS5の奏する効果に加え、第1流路に流入した遊技球が第1特定領域へと入球するまでの間の期間が、第2流路に流入した遊技球が第2特定領域へと入球するまでの間の期間よりも長くなるように、遅延手段によって第2流路に流入した遊技球の流下速度が遅延されるので、確実に、第2特定領域へと遊技球が入球するか否かが明らかとなってから第1特定領域へと遊技球が入球するか否かを明らかにするという動作を実現することができるという効果がある。
遊技機S1からS6のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機S7。
遊技機S7によれば、遊技機S1からS6のいずれかが奏する効果に加え、判別手段による判別結果が特定の判別結果とは異なる第2判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機S1からS7のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果となる確率が低いものであることを特徴とする遊技機S8。
遊技機S8によれば、遊技機S1からS7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実効が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1遊技状態は、第2遊技状態よりも、判別手段による判別結果が特定の判別結果となる確率が低くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態では、判別手段による判別で第2判別結果となることを期待させることができる一方で、第2遊技状態では、判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待させることができる。よって、遊技状態に応じて遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴T群>(Vチャレ無しの小当たりかどうかを分かり難くする)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている特定領域と、その特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、判別条件の成立に基づいて判別を行う判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段により実行される前記可変遊技の種別として、1の可変パターンの間に前記特定領域を遊技球が通過し難くなる特定の可変態様が少なくとも設定される第1可変パターンで前記可変手段が可変される第1可変遊技と、その第1可変パターンよりも遊技球が前記特定領域を通過し易くなり、且つ、1の可変パターンの間に前記特定の可変態様が設定される第2可変パターンで前記可変手段が可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を設定する種別設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機T1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されており、遊技者の興趣向上が図られていた(例えば、特許文献1:特開2011−010741号公報)。
また、係る従来型の遊技機の中には、特定の遊技の種別として、遊技球が特定領域へと入球可能となる種別と、特定領域へと入球困難となる種別とが設けられているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、特定領域へと入球困難となる特定の遊技の種別では、入球可能となる種別に対して動作が明らかに異なって構成されているため、即座に入球困難となる種別であるか否かを遊技者が理解できてしまう場合があった。よって、特定領域へと入球困難となる種別であると遊技者が理解してしまった場合には、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまう可能性があるという問題点があった。
これに対して遊技機T1では、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。入球手段へと入球した遊技球が通過可能な位置に設けられている特定領域を遊技球が通過したことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が所定の可変パターンで可変される可変遊技が可変遊技実行手段により実行される。可変遊技実行手段により実行される可変遊技の種別として、1の可変パターンの間に特定領域を遊技球が通過し難くなる特定の可変態様が少なくとも設定される第1可変パターンで可変手段が可変される第1可変遊技と、その第1可変パターンよりも遊技球が特定領域を通過し易くなり、且つ、1の可変パターンの間に特定の可変態様が設定される第2可変パターンで可変手段が可変される第2可変遊技と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別設定手段により1の種別が設定される。
これにより、種別設定手段により複数の異なる種別の可変遊技を設定することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1において、前記第2可変パターンは、1の可変パターンの間に、前記特定の可変態様と、その特定の可変態様よりも前記特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様と、が少なくとも設定されるものであることを特徴とする遊技機T2。
遊技機T2によれば、遊技機T1の奏する効果に加え、第2可変パターンでは、1の可変パターンの間に特定の可変態様と、その特定の可変態様よりも特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様とが少なくとも設定されるので、第1可変パターンでも、第2可変パターンでも特定の可変態様が設定される。よって、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを遊技者が認識困難とすることができるので、第2可変パターンに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機T2において、前記第2可変パターンは、1の可変パターンの間に、前記特定の可変態様が設定された後で、前記第2可変態様が設定されるものであることを特徴とする遊技機T3。
遊技機T3によれば、遊技機T2の奏する効果に加え、第2可変パターンでは、1の可変パターンの間に、特定の可変態様が設定された後で、第2可変態様が設定されるので、少なくとも特定の可変態様が終了するまでは、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを遊技者に認識困難にすることができる。よって、第2可変パターンに対する期待感をより長く持続させることができるという効果がある。
遊技機T1からT3のいずれかにおいて、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段を備え、前記可変遊技実行手段は、1の前記可変遊技の実行中に特定個数以上の遊技球が前記入球手段へと入球したことに基づいて前記可変遊技を終了するものであることを特徴とする遊技機T4。
遊技機T4によれば、遊技機T1からT3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて遊技価値付与手段により所定の遊技価値が付与される。1の可変遊技の実行中に特定個数以上の遊技球が入球手段へと入球したことに基づいて、可変遊技実行手段による可変遊技の実行が終了されるので、第1可変パターンであるか、第2可変パターンであるかを予測して、特定の可変態様の実行中に遊技球を入球手段に入球させるか否かを遊技者に選択させるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T4において、前記第2可変パターンは、1の可変パターンの間に、前記特定の可変態様が設定された後で、前記特定の可変態様よりも前記特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様が設定されるものであり、少なくとも前記特定の可変態様の実行中において前記入球手段へと遊技球を入球させるか、前記入球手段への入球を回避させるかを遊技者に選択させる演出態様の特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機T5。
遊技機T5によれば、遊技機T4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2可変パターンでは、1の可変パターンの間に、特定の可変態様が設定された後で、特定の可変態様よりも特定領域を遊技球が通過し易くなる第2可変態様が設定される。少なくとも特定の可変態様の実行中において入球手段へと遊技球を入球させるか、入球手段への入球を回避させるかを遊技者に選択させる演出態様の特定演出が、特定演出実行手段により実行される。
これにより、特定演出により入球手段へと遊技球を入球させるか回避させるかを選択すればよいということを遊技者に対して容易に理解させることができるので、解り易い遊技性を実現することができるという効果がある。
遊技機T5において、前記特定演出実行手段は、前記種別設定手段により設定される前記可変遊技の種別によらず、少なくとも前記特定の可変態様の実行中において前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機T6。
遊技機T6によれば、遊技機T5の奏する効果に加え、種別設定手段により設定される可変遊技の種別によらず、少なくとも特定の可変態様の実行中において特定演出実行手段により特定演出が実行されるので、可変遊技の種別を遊技者により認識困難にすることができるという効果がある。
遊技機T5又はT6において、前記特定演出実行手段により実行される前記特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる演出態様の第2演出態様と、を少なくとも含む複数の中から1の演出態様を決定する演出態様決定手段を備え、前記演出態様決定手段は、前記種別設定手段により前記第1可変パターンが設定された場合に、前記第2演出態様よりも前記第1演出態様を決定する割合が高くなり、前記種別設定手段により前記第2可変パターンが設定された場合に、前記第1演出態様よりも前記第2演出態様を決定する割合が高くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機T7。
遊技機T7によれば、遊技機T5又はT6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特定演出実行手段により実行される特定演出の演出態様として、第1演出態様と、その第1演出態様とは異なる演出態様の第2演出態様と、を少なくとも含む複数の中から演出態様決定手段により1の演出態様が決定される。種別設定手段により第1可変パターンが設定された場合に、演出態様決定手段により第2演出態様が決定される割合よりも、第1演出態様が決定される割合の方が高くなる。一方、種別設定手段により第2可変パターンが設定された場合には、演出態様決定手段により第1演出態様が決定される割合よりも、第2演出態様が決定される割合の方が高くなる。
これにより、特定演出の演出態様により可変遊技の種別を予測させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1からT7のいずれかにおいて、前記特典遊技実行手段は、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、前記特典遊技を実行可能に構成されているものであることを特徴とする遊技機T8。
遊技機T8によれば、遊技機T1からT7のいずれかが奏する効果に加え、判別手段による判別結果が特定の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機T1からT8のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2遊技状態よりも、前記判別手段による判別結果が前記特定の判別結果となる確率が低いものであることを特徴とする遊技機T9。
遊技機T8によれば、遊技機T1からT8のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1遊技状態は、第2遊技状態よりも判別手段による判別結果が特定の判別結果となる確率が低くなるように構成されている。
これにより、第1遊技状態では、判別手段による判別で第2判別結果となることを期待させることができる一方で、第2遊技状態では、判別手段による判別で特定の判別結果となることを期待させることができる。よって、遊技状態に応じて遊技にメリハリをつけることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC9、D1からD9、E1からE8、F1からF10、G1からG8、H1からH10、I1からI8、J1からJ9、K1からK9、L1からL8、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP10、Q1からQ9、R1からR9、S1からS8、T1からT8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC9、D1からD9、E1からE8、F1からF10、G1からG8、H1からH10、I1からI8、J1からJ9、K1からK9、L1からL8、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP10、Q1からQ9、R1からR9、S1からS8、T1からT8のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA10、B1からB13、C1からC9、D1からD9、E1からE8、F1からF10、G1からG8、H1からH10、I1からI8、J1からJ9、K1からK9、L1からL8、M1からM9、N1からN8、O1からO7、P1からP10、Q1からQ9、R1からR9、S1からS8、T1からT8のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。