以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、図中において、同一又は対応する部分には、同一の符号を付す。
(実施形態)
まず、図1,2を参照して、本発明の実施形態に係る商品管理システム1000の構成について説明する。商品管理システム1000は、コンビニエンスストアやスーパーマーケットなどの店舗において販売される商品を管理するシステムである。商品管理システム1000は、管理者(例えば、店長や店員)がこのような商品を管理することを支援するシステムであるとも言える。このような商品としては、日配食品、生鮮食品、化粧品などが多い。なお、日配食品は、例えば、毎日配送される食品であり、パン、牛乳、デザート、漬け物、水物である。従って、このような商品には、実質的に、消費期限、賞味期限、使用期限など(以下「消費期限等」という。)に応じた販売期限が存在する。
このため、商品は、商品が廃棄や回収の対象とならないように、且つ、販売機会の損失が生じないように、過不足なく店舗や店頭に供給されることが望まれる。商品管理システム1000は、商品がなるべく無駄にならないように、商品を効率的に管理するシステムである。具体的には、商品管理システム1000は、商品の正確な位置をリアルタイムに監視して、自動検品の実行、販売の促進、商品の補充の指示、販売期限に応じた値引表示、販売期限が切れた旨の通知などを実行する。
図1に示すように、商品管理システム1000は、処理装置100と、端末装置200と、リーダライタ300と、通信シート310と、表示装置400と、POS(Point Of Sales)端末500と、サーバ600と、を備える。処理装置100と端末装置200と表示装置400とPOS端末500とは、内部ネットワーク710を介して相互に接続される。処理装置100とサーバ600とは、外部ネットワーク720を介して相互に接続される。
リーダライタ300と通信シート310とは、通信ケーブル330を介して相互に接続される。具体的には、リーダライタ300は、通信ケーブル330Aを介して通信シート310Aと接続され、通信ケーブル330Bを介して通信シート310Bと接続され、通信ケーブル330Cを介して通信シート310Cと接続され、通信ケーブル330Dを介して通信シート310Dと接続される。なお、通信シート310は、通信シート310A,310B,310C,310Dの総称である。また、通信ケーブル330は、通信ケーブル330A,330B,330C,330Dの総称である。
処理装置100は、商品管理に関わる各種の処理を実行する装置である。処理装置100は、例えば、デスクトップパソコンである。処理装置100は、通信インターフェース101と、制御部102と、記憶部103とを備える。
通信インターフェース101は、内部ネットワーク710に接続する機能と、外部ネットワーク720に接続する機能と、リーダライタ300に接続する機能と、を有する。通信インターフェース101は、例えば、内部ネットワーク710及び外部ネットワーク720に接続するためのLAN(Local Area Network)インターフェース(例えば、NIC(Network Interface Card))を備える。また、通信インターフェース101は、リーダライタ300に接続するためのインターフェースとして、例えば、USB(Universal Serial Bus)やRS−232(Recommended Standard 232)に準拠したインターフェースを備える。
制御部102は、処理装置100の全体の動作を制御する。制御部102は、通信インターフェース101を制御して他の装置と通信する。また、制御部102は、記憶部103に情報を記録したり、記憶部103から情報を読み出したりする。制御部102は、例えば、CPU(Central Processing Unit、図示せず)、ROM(Read Only Memory、図示せず)、RAM(Random Access Memory、図示せず)、RTC(Real Time Clock、図示せず)を備える。記憶部103は、処理装置100が利用する各種の情報を記憶する。記憶部103が記憶する情報は、定期的に、サーバ600にアップロードされ、記憶部603に記憶される。記憶部103は、例えば、フラッシュメモリ(図示せず)を備える。
端末装置200は、基本的に、処理装置100のユーザインターフェースとなる装置である。端末装置200は、例えば、管理者(例えば、店長や店員)などが使用する、ノートパソコン、タブレット端末、スマートフォンである。端末装置200は、通信インターフェース201と、制御部202と、記憶部203と、操作受付部204と、表示部205と、を備える。
通信インターフェース201は、内部ネットワーク710に接続する機能を有する。通信インターフェース201は、例えば、LANインターフェースを備える。制御部202は、端末装置200の全体の動作を制御する。制御部202は、通信インターフェース201を制御して他の装置と通信する。また、制御部202は、記憶部203に情報を記録したり、記憶部203から情報を読み出したりする。また、制御部202は、操作受付部204により受け付けられた情報を取得する。また、制御部202は、表示部205に画像を表示させる。制御部202は、例えば、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、RTC(図示せず)を備える。
記憶部203は、端末装置200が利用する各種の情報を記憶する。記憶部203は、例えば、フラッシュメモリ(図示せず)を備える。操作受付部204は、ユーザから各種の操作を受け付ける。操作受付部204は、例えば、タッチスクリーン(図示せず)を備える。表示部205は、制御部202による制御に従って、画像を表示する。表示部205は、例えば、タッチスクリーン(図示せず)を備える。
リーダライタ300は、処理装置100からタグ情報の読み取りを指示する情報を受信した場合、無線タグ11に電力を供給するための電波(以下、適宜「電力供給用電波」という。)に応じた電気信号を通信シート310に送信する。リーダライタ300は、電力供給用電波に応じた電気信号を通信シート310に送信することにより、通信シート310の近傍に近接場を生じさせる。
そして、リーダライタ300は、通信シート310がタグ情報を含む電波(以下、適宜「タグ情報包含電波」という。)を受信した場合、タグ情報包含電波に応じた電気信号を通信シート310から受信する。リーダライタ300は、受信した電気信号により示されるタグ情報を処理装置100に送信する。このように、リーダライタ300は、通信シート310の近傍に発生させた近接場を介して、タグ情報を読み取る。電力供給用電波及びタグ情報包含電波は、例えば、UHF帯域の電波(例えば、周波数が約920MHz、波長が約30cmの電波)である。
本実施形態では、リーダライタ300は、処理装置100による制御に従って、予め定められた周期(例えば、数百ミリ秒)で、4つの通信シート310を切り替えながら、タグ情報の読み取りを実行する。リーダライタ300は、タグ情報を読み取った場合、タグ情報とともに、通信シート310を識別する情報を、処理装置100に供給してもよい。本実施形態では、リーダライタ300が4つの通信シート310と接続される例について説明するが、リーダライタ300は3つ以下の通信シート310と接続されてもよいし、5つ以上の通信シート310と接続されていてもよい。本実施形態では、1つのリーダライタ300は、1つの棚20に配置された1つ以上の通信シート310に接続されるものとする。なお、図1では、理解を容易にするため、1つの棚20及び1つのリーダライタ300のみを示している。
図1に示すように、棚20の一段目に、通信シート310A,310Bが並列に敷設され、棚20の二段目に、通信シート310C,310Dが並列に敷設される。そして、通信シート310A,310Bは、棚20の一段目に配置された商品10Aに付された無線タグ11Aからタグ情報を読み取る。また、通信シート310C,310Dは、棚20の二段目に配置された商品10Bに付された無線タグ11Bからタグ情報を読み取る。なお、無線タグ11Aは、例えば、商品10Aの下方(例えば、商品10Aの底面、商品10Aの側面の下方)に固定される。また、無線タグ11Bは、例えば、商品10Bの下方(例えば、商品10Bの底面、商品10Bの側面の下方)に固定される。つまり、無線タグ11は、商品10が通信シート310上に配置されたときに、後述する浸出領域316内に含まれるように、商品10に固定される。
なお、通信シート310は、商品10に付された無線タグ11からタグ情報を読み取ることができる位置であれば、どこに設置されてもよい。例えば、通信シート310は、棚20が有する各段の床面ではなく、各段の天井面、各段の側面(壁面)に設置されてもよい。また、通信シート310は、棚20以外の設置場所に設置されてもよい。商品10A,10Bは、管理対象の商品である。図1に示す例では、商品10Aが6個であり、商品10Bが8個である。商品10Aと商品10Bとは、異なる種類の商品である。なお、商品10は、商品10A,10Bの総称である。商品10の配置場所は、棚20であってもよいし、棚20以外の配置場所であってもよい。
無線タグ11Aには、無線タグ11Aが付された商品10Aの個体を識別可能な情報(以下「商品識別情報」という。)を含むタグ情報が記憶される。無線タグ11Bには、無線タグ11Bが付された商品10Bの個体を識別可能な商品識別情報を含むタグ情報が記憶される。従って、商品識別情報は、商品の種類のみならず個体を識別可能な情報である。なお、処理装置100は、商品識別情報を含むタグ情報に加え、通信シート310を識別する情報を、リーダライタ300から受信してもよい。処理装置100は、どの商品10がどこ(どの棚20の何段目)に配置されているのかを特定することができる。
通信シート310は、リーダライタ300による制御に従って電力供給用電波を放射し、通信対象の無線タグから受信したタグ情報包含電波に応じた電気信号をリーダライタ300に供給する。具体的には、通信シート310は、リーダライタ300から受信した電気信号に応じた電力供給用電波を放射する。また、通信シート310は、無線タグ11が、電力供給用電波を受信したことに応答して放射したタグ情報包含電波を受信する。通信シート310は、タグ情報包含電波に応じた電気信号をリーダライタ300に送信する。
通信シート310は、通信性能が、無線タグ11との距離に大きく依存するアンテナである。具体的には、通信シート310は、無線タグ11との距離が相対的に短い場合には無線タグ11と通信可能であり、無線タグ11との距離が相対的に長い場合には無線タグ11と通信不可能である。従って、通信シート310は、通信シート310の近傍における電波強度が非常に高く、一方、通信シート310からの距離が離れた場所における電波強度が非常に低くなる。通信シート310は、例えば、放射面がほぼ平面である平面状のアンテナであり、シート状のアンテナとも呼ばれる。
図3と図4とを参照して、通信シート310の構成について説明する。図3は、通信シート310の平面図である。図4は、図3のA−A線における断面図である。図3に示すように、通信シート310は、厚み方向における一方側の表面に、メッシュ状の開孔が形成されたシート状導体311を有する。また、通信シート310は、図4に示すように、厚み方向における他方側の表面に、シート状導体311に対向して配置されるシート状導体312を有し、2層のシート状導体311、312の間に誘電体313を有する。なお、シート状導体311の上面には、水をこぼした場合等に備えて塩化ビニル等の保護シート314が貼り付けられている。同様に、シート状導体312の下面には、塩化ビニル等の保護シート315が貼り付けられている。
シート状導体311は、例えば、複数の第1の線状導体と、複数の第2の線状導体と、複数の第3の線状導体とが、相互に交差することにより、複数の正三角形の開孔が形成された層である。第1の線状導体と第2の線状導体と第3の線状導体とは、同一平面上に配置され、互いに60度の角度で交差する。本実施形態では、正三角形の一辺の長さは、7mmであるものとする。
シート状導体311及びシート状導体312は、それぞれ例えば厚さが約32μmのアルミのラミネートで構成される。誘電体313は、例えば厚さが約2mmの発泡ポリオレフィンで構成される。なお、シート状導体311及びシート状導体312は、アルミのラミネートに限らず、銅、銀、ニッケル等の金属箔、めっき、蒸着、プリント等で構成されてもよい。また、誘電体313は、発泡ポリオレフィンに限らず、ポリエステル、ポリアミド、芳香族ポリアミド等で構成されてもよい。また、誘電体313を用いずに、シート状導体311、312間は空気であってもよい。
保護シート314は、絶縁体により構成された層である。保護シート314は、シート状導体311の表面が傷つけられたり、シート状導体311の表面が外部の導体と接触したりすることを抑制する機能を有する。保護シート315は、絶縁体により構成された層である。保護シート315は、シート状導体312の表面が傷つけられたり、シート状導体312の表面が外部の導体と接触したりすることを抑制する機能を有する。保護シート314や保護シート315は、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)により構成される。
通信シート310は、長手方向における一端に通信シート310に電波(電気信号)を供給するための電波インターフェース320を有する。電波インターフェース320は、通信ケーブル330によりリーダライタ300と接続される。また、通信シート310は、長手方向における他端に、電波を吸収するための電波吸収部340を有する。
電波インターフェース320は、導体層321と、導体層322と、絶縁体層323と、電極324と、電極325と、コネクタ326と、を備える。導体層321は、絶縁体層323の一方の表面に形成された層であり、導体により構成された層である。導体層322は、絶縁体層323の他方の表面に形成された層であり、導体により構成された層である。絶縁体層323は、導体層321と導体層322とに挟まれた層であり、絶縁体により構成された層である。電極324は、導体層321と保護シート314とを跨ぐように配置された平板状の電極である。電極325は、導体層322と保護シート315とを跨ぐように配置された平板状の電極である。コネクタ326は、導体層321の一方の表面上に設けられ、通信ケーブル330が差し込まれるコネクタである。コネクタ326は、導体により構成される。
通信ケーブル330は、内部導体331と、絶縁体(図示せず)と、外部導体332と、保護皮膜(図示せず)と、を備える同軸ケーブルである。内部導体331は、信号電位が印加される導体であり、例えば、銅線により構成される。絶縁体(図示せず)は、内部導体331と外部導体332とを絶縁するための絶縁体であり、例えば、ポリエチレンにより構成される。外部導体332は、接地電位が印加される導体であり、例えば、網組み銅線により構成される。保護被覆(図示せず)は、通信ケーブル330の内部を保護するための絶縁体であり、例えば、ビニル樹脂により構成される。
通信ケーブル330は、コネクタ326に差し込まれる。そして、内部導体331は、導体層321と導体層322と絶縁体層323とにより構成される基板に設けられた貫通孔を通り、導体層322と接続される。一方、外部導体332は、コネクタ326と接続される。従って、内部導体331と導体層322と電極325とが電気的に接続され、外部導体332とコネクタ326と導体層321と電極324とが電気的に接続される。つまり、電極325には、信号電位が印加され、電極324には、接地電位が印加される。そして、電極325と電極324との間に供給された電波(電気信号)が、通信シート310を伝搬する。
電波吸収部340は、供給された電波を吸収する。電波吸収部340は、通信シート310を伝搬した電波が通信シート310の他端で反射することを抑制する。電波吸収部340は、電波吸収体341と、導体板342と、を備える。電波吸収体341は、供給された電波を吸収して、熱エネルギーに変換する。導体板342は、断面の形状がコの字型の板状の導体である。
リーダライタ300から通信シート310に電気信号が供給されると、電気信号に応じた電波が通信シート310の内部を伝達する。そして、通信シート310の内部を伝達する電波が通信シート310の表面から浸出することによって、近接場が生じる。より詳細に説明すると、リーダライタ300から通信シート310に供給された電気信号に応じた電波は、2層のシート状導体311、312の間の誘電体313内であって、コネクタ326から電波吸収部340までの間を伝達する。そして、誘電体313内を伝達する電波は、シート状導体311に形成されたメッシュ状の開孔から浸出することによって、シート状導体311のごく近傍の浸出領域316(図4において破線で示した領域)に漏れ出す(浸出する)。この浸出した電波(エバネッセント波)は、遠方へは伝搬されず、シート状導体311のごく近傍の浸出領域316内において近接場を形成する。
シート状導体311の表面から浸出する電波の量、すなわち浸出領域316の大きさは、主に、シート状導体311に形成されたメッシュの間隔と、誘電体313の比誘電率と、誘電体313の厚みと、によって決まる。なお、誘電体313内を伝達する電波は、通信シート310のシート状導体312側の表面には開孔が形成されておらずシールドされているため、シート状導体312側からは浸出しない。
表示装置400は、商品10を購入しようとしている顧客に、商品10に関する各種の情報を表示する装置である。従って、表示装置400は、棚20の近傍に配置される。表示装置400は、通信インターフェース401と、制御部402と、表示部405と、を備える。
通信インターフェース401は、内部ネットワーク710に接続する機能を有する。通信インターフェース401は、例えば、LANインターフェースを備える。制御部402は、表示装置400の全体の動作を制御する。制御部402は、通信インターフェース401を制御して他の装置と通信する。また、制御部402は、表示部405に画像を表示させる。制御部402は、例えば、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、RTC(図示せず)を備える。表示部405は、制御部402による制御に従って、画像を表示する。表示部405は、例えば、タッチスクリーン(図示せず)を備える。
POS端末500は、キャッシュレジスタ機能とバーコードリーダ機能とを備える端末であり、例えば、ユーザ(店長や店員)が操作する端末である。POS端末500は、通信インターフェース501と、制御部502と、記憶部503と、操作受付部504と、表示部505と、バーコードリーダ506と、を備える。
通信インターフェース501は、内部ネットワーク710に接続する機能を有する。通信インターフェース501は、例えば、LANインターフェースを備える。制御部502は、POS端末500の全体の動作を制御する。制御部502は、通信インターフェース501を制御して他の装置と通信する。また、制御部502は、記憶部503に情報を記録したり、記憶部503から情報を読み出したりする。また、制御部502は、操作受付部504により受け付けられた情報を取得する。また、制御部502は、表示部505に画像を表示させる。また、制御部502は、バーコードリーダ506から取得した情報を、記憶部503に記録する。制御部502は、例えば、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、RTC(図示せず)を備える。
記憶部503は、POS端末500が利用する各種の情報を記憶する。記憶部503は、例えば、バーコードリーダ506により取得された情報を記憶する。記憶部103が記憶する情報は、定期的に、サーバ600にアップロードされ、記憶部603に記憶される。記憶部503は、例えば、フラッシュメモリ(図示せず)を備える。操作受付部504は、ユーザから各種の操作を受け付ける。操作受付部504は、例えば、タッチスクリーン(図示せず)を備える。表示部505は、制御部502による制御に従って、画像を表示する。表示部505は、例えば、タッチスクリーン(図示せず)を備える。バーコードリーダ506は、商品10に付されたバーコード(図示せず)を読み込む。なお、バーコードは、商品10の種類(商品10A又は商品10B)の識別は可能であり、商品10の個体の識別はできない。
サーバ600は、各種のサービスや情報を提供する装置である。サーバ600は、例えば、店舗の外部に設置される。サーバ600は、通信インターフェース601と、制御部602と、記憶部603と、を備える。通信インターフェース601は、外部ネットワーク720に接続する機能を有する。通信インターフェース601は、例えば、LANインターフェースを備える。制御部602は、サーバ600の全体の動作を制御する。制御部602は、通信インターフェース601を制御して他の装置と通信する。また、制御部602は、記憶部603に情報を記録したり、記憶部603から情報を読み出したりする。制御部602は、例えば、CPU(図示せず)、ROM(図示せず)、RAM(図示せず)、RTC(図示せず)を備える。記憶部603は、処理装置100、POS端末500などからアップロードされた各種の情報を記憶する。記憶部603は、例えば、フラッシュメモリ(図示せず)を備える。
内部ネットワーク710は、店舗内に構築されるネットワークであり、内部ネットワーク710に接続された機器同士が相互に通信するためのネットワークである。内部ネットワーク710は、例えば、無線LANである。外部ネットワーク720は、店舗外に構築されるネットワークであり、外部ネットワーク720に接続された機器同士が相互に通信するためのネットワークである。外部ネットワーク720は、例えば、インターネットである。
次に、図5を参照して、商品管理システム1000の基本的な機能について説明する。商品管理システム1000は、機能的には、電波受信部1001と、読取部1002と、配置判別部1003と、配置履歴記憶部1004と、商品情報表示部1005と、期限記憶部1006と、通知部1007と、値引情報表示部1008と、期間特定部1009と、期限更新部1010と、購入検知部1011と、対応種類記憶部1012と、対応種類記録部1013と、を備える。
電波受信部1001は、無線タグ11から発せられた電波を受信する。電波受信部1001は、平面状であり、無線タグ11が付された商品10が配置される配置場所(例えば、棚20)に設けられる。電波受信部1001の機能は、例えば、通信シート310の機能により実現される。
読取部1002は、電波受信部1001を介して、無線タグ11からタグ情報を読み取る。読取部1002の機能は、例えば、リーダライタ300の機能により実現される。
配置判別部1003は、読取部1002によるタグ情報の読み取りの可否に基づいて、商品10が配置場所に配置されているか否かを判別する。一般的に、管理される商品10は、複数個である。従って、配置判別部1003は、どの商品10がどこ(どの棚20のどの段)に配置されているのかを判別する。配置判別部1003は、判別結果を示す情報(以下「配置情報」という。)を生成する。配置判別部1003は、後述する購入検知部1011から供給される購入情報に基づいて、購入済みの商品10を配置判別の対象から除外することができる。配置判別部1003の機能は、例えば、制御部102の機能により実現される。
ここで、図6を参照して、配置情報800について説明する。配置情報800は、どの商品10がどこに配置されているのかを示す情報である。商品10の配置場所は、通信シート310上である。従って、商品10が配置場所は、商品10に付された無線タグ11から電波を受信した通信シート310により特定される。つまり、配置情報800は、商品10の個体を識別する商品識別情報と、通信シート310を識別する情報(以下「通信シート識別情報」という。)と、を対応付けた情報である。
図6において、CS1,CS2,CS3,CS4は、それぞれ、通信シート310A,310B,310C,310Dの通信シート識別情報801である。また、図6において、P11,P12,P13,P14,P15,P16は、種類がAである商品10Aの商品識別情報802であり、P21,P22,P23,P24,P25,P26,P27,P28は、種類がBである商品10Bの商品識別情報802である。
配置情報800は、通信シート310A上に、P11,P12,P13,P14,P15により識別される5個の商品10Aが配置され、通信シート310B上に、P16により識別される1個の商品10Aが配置され、通信シート310C上に、P21,P22,P23,P24,P25により識別される5個の商品10Bが配置され、通信シート310D上に、P26,P27,P28により識別される3個の商品10Bが配置されていることを示している。なお、通信シート識別情報801と、通信シート310Aが配置される位置を示すシート位置情報(通信シート310Aがどの棚20の何段目に配置されるのかを示す情報)とは、予め対応付けられて記憶部103に記憶されている。
配置履歴記憶部1004は、どの商品10がどこに配置されていたのかの履歴を示す情報である配置履歴情報を記憶する。配置履歴情報は、予め定められた周期で取得される複数の配置情報の集合体であってもよいし、予め定められた周期で取得される複数の配置情報に基づいて生成される情報であってもよい。配置履歴記憶部1004の機能は、例えば、記憶部103の機能により実現される。
ここで、図7を参照して、配置履歴情報810について説明する。図7に示すように、配置履歴情報810は、例えば、通信シート識別情報801と、商品識別情報802と、初検知時刻情報803と、最終検知時刻情報804と、非検知期間情報805と、を対応付けた情報である。なお、図7には、通信シート310Aに関する配置履歴情報810のみを示している。初検知時刻情報803は、通信シート310により商品10が初めて検知された時刻(商品10に付された無線タグ11から、商品10の商品識別情報を含むタグ情報を表す電波が、通信シート310により初めて受信された時刻)を示す情報である。最終検知時刻情報804は、通信シート310により商品10が最後に検知された時刻を示す情報である。非検知期間情報805は、通信シート310により商品10が検知された後、通信シート310により商品10が一時的に検知されなかった期間を示す情報である。非検知期間情報805は、検知されなかった期間の個数分、配置履歴情報810に含まれる。
図7に示す配置履歴情報810は、P11により識別される商品10Aが、t1により示される時刻に初めて通信シート310Aにより検知され、その後、T11により示される期間、及び、T12により示される期間、通信シート310Aにより検知されず、t3により示される時刻に最後に通信シート310Aに検知されたことを示している。なお、t3は、直近の検知時刻であり、ほぼ現在時刻である。つまり、最終検知時刻情報がt3を示すことは、現時点において、検知されていることを示す。
また、配置履歴情報810は、P12,P13,P14により識別される商品10Aが、t1により示される時刻に初めて通信シート310Aにより検知され、その後、t3により示される時刻(現在時刻)に至るまで継続的に通信シート310Aにより検知されていることを示す。また、配置履歴情報810は、P15により識別される商品10Aが、t2により示される時刻に初めて通信シート310Aにより検知され、その後、T51により示される期間、通信シート310Aにより検知されず、t3により示される時刻(現在時刻)には通信シート310Aに検知されたことを示している。
また、配置履歴情報810は、P17により識別される商品10Aが、t2により示される時刻に初めて通信シート310Aにより検知され、その後、t4により示される時刻に至るまで通信シート310Aにより検知され、t4により示される時刻以後は通信シート310Aに検知されていないことを示している。つまり、P17により識別される商品10Aは、現時点において、棚20から取り出されていることを示している。なお、購入された商品10に関する情報は、配置履歴情報810から削除される。商品10が購入されたことは、POS端末500から処理装置100に通知される。
商品情報表示部1005は、配置判別部1003による判別結果が変化した場合、商品10に関する情報を表示する。配置判別部1003による判別結果が変化した場合は、商品10が棚20から取り出された場合と、商品10が棚20に戻された場合との2つの場合が考えられる。いずれの場合も、顧客は、商品10に興味を持っていると推定される。そこで、商品情報表示部1005は、商品10に関する情報(以下「商品情報」という。)を表示する。なお、商品情報表示部1005は、商品10が棚20から取り出されたときだけ商品情報を表示してもよいし、商品10が棚20に戻されたときだけ商品情報を表示してもよい。商品情報表示部1005の機能は、例えば、通信インターフェース101と制御部102と通信インターフェース401と制御部402と表示部405とが協働することにより実現される。
期限記憶部1006は、商品10に割り当てられた販売期限を示す情報(以下「期限情報」という。)を記憶する。販売期限は、例えば、消費期限等が設定された種類の商品10に対して設定される。販売期限の初期値は、消費期限等に設定される。期限記憶部1006の機能は、例えば、記憶部103の機能により実現される。
通知部1007は、期限情報により示される販売期限を超えてから、配置判別部1003により商品10が配置場所に配置されていると判別された場合、商品10が販売期限切れである旨を通知する。つまり、通知部1007は、検知された商品10の中から販売期限切れである商品10を検索し、販売期限切れである商品10については、販売期限切れである旨を通知する。通知方法としては、例えば、制御部102が通信インターフェース101を介して販売期限切れである旨を示す情報を端末装置200に送信し、通信インターフェース201がこの情報を受信したことに応答して、制御部202に表示部205を介して販売期限切れである旨を報知する画像を表示させる方法がある。通知部1007の機能は、例えば、通信インターフェース101と制御部102と通信インターフェース201と制御部202と表示部205とが協働することにより実現される。
値引情報表示部1008は、期限情報により示される販売期限までの時間が予め定められた余裕時間未満である場合、商品10の値引き等に関する情報(以下「値引情報」という。)を表示する。値引き等とは、例えば、値引き、ポイントサービスシステムにおけるポイント加算、値引きとポイント加算との組み合わせなどを含む概念である。ポイント加算は、例えば、通常はポイントが加算されないときにポイントを加算すること、通常よりもポイント加算数を多めにすること、通常よりもポイント加算割合を高くすることなどを含む概念である。つまり、販売期限に商品10が回収及び廃棄されることを想定した場合、値引き等をせずに商品10が売れ残る可能性を考慮すると、値引き等をしてでも商品10が売れた方が好ましい場合がある。そこで、販売期限が近づいた場合、例えば、値引き額、値引き率、ポイント加算数、ポイント加算割合等(以下、適宜「値引き額等」という。)を示す画像を表示する。なお、余裕時間をどの程度にするのかは、適宜、調整することができる。例えば、余裕時間は、生産日から消費期限等までの時間に対する割合(例えば、数%から数十%)に設定することが好適である。
また、表示される画像は、例えば、「消費期限が2017年8月24日である商品10Aは、提示価格から20%値引きします。」というメッセージを示す画像であってもよい。このような画像を表示する方法は、適宜、調整することができる。例えば、制御部102が通信インターフェース101を介して期限切れ間近である旨を示す情報を表示装置400に送信し、通信インターフェース401がこの情報を受信したことに応答して、制御部402に表示部405を介して期限切れ間近であるため値引きする旨を報知する画像を表示させる方法がある。値引情報表示部1008の機能は、例えば、通信インターフェース101と制御部102と通信インターフェース401と制御部402と表示部405とが協働することにより実現される。
期間特定部1009は、配置判別部1003による判別結果に基づいて、商品10が配置場所から一時的に取り出された期間である取出期間を特定する。期間特定部1009は、例えば、配置履歴情報810に基づいて、非検知期間である取出期間を特定することができる。期間特定部1009の機能は、例えば、制御部102の機能により実現される。
期限更新部1010は、期間特定部1009により特定された取出期間の長さに応じて販売期間が早まるように、期限記憶部1006に記憶されている期限情報を更新する。例えば、商品10が冷蔵を要する商品(例えば、牛乳、豆腐)であり、商品10が棚20に配置されている状態において、冷蔵装置(図示せず)により冷やされている場合を想定する。この場合において、商品10は、例えば、顧客により一時的に棚20から取り出された場合、棚20から取り出されている期間は冷やされない状態となり、棚20に継続して配置されている場合に比べ、早く痛むことになる。従って、このような場合、販売期限を、商品10のメーカーなどにより設定された消費期限等よりも、早めることが好適である。そこで、期限更新部1010は、例えば、取出期間の合計の長さに応じて、販売期限が早まるように、期限情報を更新する。期限更新部1010の機能は、例えば、制御部102の機能により実現される。
購入検知部1011は、商品10が顧客に購入されたことを検知する。具体的には、購入検知部1011は、商品10が購入されたか否かと、購入された商品10の種類が第1の種類(例えば、商品10A)であるのか第2の種類(例えば、商品10B)であるのかと、を検知する。また、購入検知部1011は、商品10を購入した顧客の顧客属性を更に検知する。顧客属性は、例えば、顧客の性別(男、女)と、顧客の年齢層(例えば、10歳未満、10代、20代、30代)と、のうちの少なくとも一方を含む。購入検知部1011は、例えば、ユーザ(例えば、レジ係)による操作に従って、あるいは顧客による購入時にレジ係に提示する会員カード等情報に基づいて、顧客属性を特定する。購入検知部1011は、購入された商品10の種類を識別する種類識別情報と、購入した顧客の顧客属性を示す顧客属性情報と、を含む購入情報を、配置判別部1003と対応種類記録部1013とに送信する。購入検知部1011の機能は、例えば、通信インターフェース501と制御部502と操作受付部504とバーコードリーダ506とが協働することにより実現される。
対応種類記憶部1012は、対応種類記録部1013による制御に従って、後述する対応種類情報を記憶する。対応種類記憶部1012の機能は、例えば、記憶部103の機能により実現される。
対応種類記録部1013は、購入直前期間において、第2の種類の商品が配置場所から一時的に取り出された場合、第1の種類を識別する種類識別情報と、第2の種類を識別する種類識別情報と、を含む対応種類情報を、対応種類記憶部1012に記憶させる。購入直前期間は、購入検知部1011により第1の種類の商品が購入されたことが検知された検知時刻から、検知時刻から予め定められた設定時間長分遡った時刻までの期間である。設定時間長は、例えば、数秒から数分である。対応種類記録部1013は、購入検知部1011から取得した購入情報の内容から、第1の種類の商品が購入されたことを検知することができる。また、対応種類記録部1013は、購入検知部1011から購入情報を取得した時刻から、検知時刻を特定することができる。また、対応種類記録部1013は、配置履歴情報810に基づいて、購入直前期間において、第2の種類の商品が棚20から一時的に取り出されたか否かを特定することができる。
例えば、第1の種類の商品が商品10Bであり、第2の種類の商品が商品10Aである場合を想定する。この場合、検知時刻において商品10Bが購入されると、対応種類記録部1013は、検知時刻に、商品10Bの種類識別情報を含む購入情報を購入検知部1011から取得する。対応種類記録部1013は、配置履歴情報810を参照して、購入直前期間に含まれる非検知期間を有する商品10を検索する。例えば、購入直前期間にT12が含まれている場合、P11により識別される商品10Aが特定される。つまり、P11により識別される商品10Aは、商品10Bの購入直前に、棚20から一度、取り上げられて、その後、購入されずに棚20に戻されたことが分かる。従って、この場合、顧客は、商品10Aと商品10Bとで購入する商品を迷った後に、商品10Bを購入した可能性がある。そこで、対応種類記録部1013は、商品10Aの種類を示す種類識別情報と商品10Bの種類を示す種類識別情報とを含む対応種類情報を生成し、対応種類記憶部1012に記憶させる。
また、対応種類記録部1013が購入検知部1011から取得する購入情報には、例えば、商品10Bの種類識別情報に加え、商品10Bの購入者が20代の男性であることを示す顧客属性情報が含まれてもよい。この場合、対応種類記録部1013は、商品10Aの種類を示す種類識別情報と商品10Bの種類を示す種類識別情報と20代の男性を示す顧客属性情報とを含む対応種類情報を生成し、対応種類記憶部1012に記憶させる。この場合、分析者は、対応種類情報から、20代の男性が、商品10Aと商品10Bとで購入する商品を迷ったことを推定することができる。対応種類記録部1013の機能は、例えば、制御部102の機能により実現される。
次に、図8を参照して、商品管理システム1000が実行する商品管理処理について説明する。商品管理処理は、基本的に、処理装置100(特に、制御部102)が主体となって実行する処理であり、処理装置100の電源が投入されたことに応答して実行される。
まず、制御部102は、読取処理を実行する(ステップS101)。読取処理に関しては、図9を参照して、詳細に説明する。
まず、制御部102は、通信シート310を選択する(ステップS201)。具体的には、制御部102は、4つの通信シート310(通信シート310A,310B,310C,310D)の中から、1つの通信シート310を選択する。制御部102は、ステップS201の処理を完了すると、タグ情報を読み取る(ステップS202)。具体的には、制御部102は、通信インターフェース101を介して、リーダライタ300に、選択した通信シート310からタグ情報を読み取らせる。そして、制御部102は、リーダライタ300からタグ情報を取得する。
制御部102は、ステップS202の処理を完了すると、配置情報800を更新する(ステップS203)。つまり、制御部102は、最新の配置情報800を、記憶部103に記憶させる。制御部102は、ステップS203の処理を完了すると、配置履歴情報810を更新する(ステップS204)。つまり、制御部102は、記憶部103に記憶されている配置履歴情報810を、最新の配置情報800に基づいて更新する。
制御部102は、ステップS204の処理を完了すると、未選択の通信シート310があるか否かを判別する(ステップS205)。制御部102は、未選択の通信シート310があると判別すると(ステップS205:YES)、ステップS201に処理を戻して、未選択の通信シート310を選択する。制御部102は、未選択の通信シート310がないと判別すると(ステップS205:NO)、読取処理を完了する。
制御部102は、ステップS101の処理を完了すると、確認処理を実行する(ステップS102)。確認処理に関しては、図10を参照して、詳細に説明する。
まず、制御部102は、商品10を選択する(ステップS301)。例えば、制御部102は、配置履歴情報810に含まれる商品識別情報802により識別される商品10の中から1つの商品10を選択する。制御部102は、ステップS301の処理を完了すると、選択した商品10が非検知となったか否かを判別する(ステップS302)。例えば、制御部102は、配置履歴情報810に含まれる最終検知時刻情報804により示される最終検知時刻が現在時刻でない場合、選択した商品10が非検知となったと判別する。
制御部102は、選択した商品10が非検知となったと判別すると(ステップS302:YES)、商品情報を表示する(ステップS303)。具体的には、制御部102は、通信インターフェース101を介して、制御部402による制御により、表示部405に商品情報を表示させる。この商品情報は、選択した商品10の購買意欲をそそる情報である。商品情報は、例えば、「商品10Aと商品10Bとを同時に購入すると、税引き価格が30円お安くなります。」というキャンペーンに関する情報である。
制御部102は、選択した商品10が非検知となっていないと判別した場合(ステップS302:NO)、又は、ステップS303の処理を完了した場合、選択した商品10が再検知されたか否かを判別する(ステップS304)。例えば、制御部102は、配置履歴情報810に含まれる非検知期間情報805により示される非検知期間の末尾の時刻が現在時刻である場合、選択した商品10が再検知されたと判別する。
制御部102は、選択した商品10が再検知されたと判別すると(ステップS304:YES)、期限情報を更新する(ステップS305)。具体的には、制御部102は、記憶部103に記憶された期限情報により示される、選択した商品10の販売期限が、最後に検知された非検知期間(末尾の時刻が現在時刻である非検知期間)の長さに対応する時間分短くなるように、期限情報を更新する。例えば、非検知期間30分につき、販売期限が1日早まるように、期限情報が更新される。なお、選択した商品10が常温で保存される商品10である場合、ステップS305の処理は、実行されない。
制御部102は、選択した商品10が再検知されなかったと判別した場合(ステップS304:NO)、又は、ステップS305の処理を完了した場合、選択した商品10が販売期限切れであるか否かを判別する(ステップS306)。例えば、制御部102は、現在時刻が、記憶部103に記憶された期限情報により示される、選択した商品10の販売期限を過ぎている場合、選択した商品10が販売期限切れであると判別する。
制御部102は、選択した商品10が販売期限切れであると判別すると(ステップS306:YES)、販売期限切れである旨を通知する(ステップS307)。具体的には、制御部102は、通信インターフェース101を介して、選択した商品10が販売期限切れである旨を示す情報を、制御部202に送信する。一方、制御部202は、この情報を受信したことに応答して、表示部205に、選択した商品10が販売期限切れである旨を示す画像を表示させる。
制御部102は、選択した商品10が販売期限切れでないと判別した場合(ステップS306:NO)、又は、ステップS307の処理を完了した場合、選択した商品10が販売期限切れ間近であるか否かを判別する(ステップS308)。例えば、制御部102は、現在時刻と、記憶部103に記憶された期限情報により示される、選択した商品10の販売期限との差が余裕時間未満である場合、選択した商品10が販売期限切れ間近であると判別する。
制御部102は、選択した商品10が販売期限切れ間近であると判別すると(ステップS308:YES)、値引情報を表示する(ステップS309)。具体的には、制御部102は、通信インターフェース101を介して、選択した商品10が販売期限切れ間近である旨を示す情報を、制御部402に送信する。一方、制御部402は、この情報を受信したことに応答して、表示部405に、選択した商品10の値引情報を示す画像を表示させる。
制御部102は、選択した商品10が販売期限切れ間近でないと判別した場合(ステップS308:NO)、又は、ステップS309の処理を完了した場合、未選択の商品10があるか否かを判別する(ステップS310)。制御部102は、未選択の商品10があると判別すると(ステップS310:YES)、ステップS301に処理を戻し、未選択の商品10を選択する。制御部102は、未選択の商品10がないと判別すると(ステップS310:NO)、確認処理を完了する。
制御部102は、ステップS102の処理を完了すると、記録処理を実行する(ステップS103)。記録処理に関しては、図11を参照して、詳細に説明する。
まず、制御部102は、購入情報を受信したか否かを判別する(ステップS401)。例えば、制御部102は、通信インターフェース101により、POS端末500から購入情報が受信されたか否かを判別する。制御部102は、購入情報を受信したと判別すると(ステップS401:YES)、購入直前に非検知期間がある商品10があるか否かを判別する(ステップS402)。具体的には、制御部102は、配置履歴情報810を参照して、購入直前期間内に非検知期間がある商品10があるか否かを判別する。
制御部102は、購入直前に非検知期間がある商品10があると判別すると(ステップS402:YES)、対応種類情報を記録する(ステップS403)。具体的には、制御部102は、購入した顧客の属性情報と、購入された商品10の種類を識別する種類識別情報(第1の種類識別情報)と、購入直前に非検知期間がある商品10の種類を識別する種類識別情報(第2の種類識別情報)と、を含む対応種類情報を、記憶部103に記憶させる。なお、購入された商品10の種類と、購入直前に非検知期間がある商品10の種類と、が同じである場合、購入された商品10は、迷った後に購入されたことが推定される。また、対応種類情報は、購入直前に非検知期間がある商品10の種類を識別する種類識別情報(第2の種類識別情報)を、複数含むこともある。この場合、購入者は、商品10を購入する前に、3種類以上の商品10の間で購入すべき商品10を迷ったことが推定される。なお、対応種類情報は、記憶部103に蓄積される。
制御部102は、購入直前に非検知期間がある商品10がないと判別した場合(ステップS402:NO)、又は、ステップS403の処理を完了した場合、配置履歴情報810を更新する(ステップS404)。具体的には、制御部102は、配置履歴情報810に含まれる商品識別情報802のうち、購入された商品10の種類と同じ種類の商品10であって、最終検知時刻が現在時刻でない商品10を識別する商品識別情報802と対応付けられた情報を削除する。制御部102は、購入情報を受信していないと判別した場合(ステップS401:NO)、又は、ステップS404の処理を完了した場合、記録処理を完了する。
制御部102は、ステップS103の処理を完了すると、予め定められた時間ウェイトする(ステップS104)。例えば、制御部102は、数秒程度ウェイトする。制御部102は、ステップS104の処理を完了すると、ステップS101に処理を戻す。
以上説明したように、本実施形態によれば、商品を効率的に管理すること、或いは、管理者が、商品を効率的に管理することを支援することができる。具体的には、例えば、本実施形態では、タグ情報の読み取りに、平面状である通信シート310が用いられている。このため、本実施形態では、商品10が棚20に配置されているか否かが、リアルタイムで正確に判別される。
また、本実施形態では、商品10が棚20から取り上げられた場合、又は、商品10が棚20に戻された場合、商品10に関連する商品情報が表示される。従って、本実施形態によれば、顧客が注目している商品10に関する情報を顧客に提示することができ、顧客の販売意欲が向上することが期待できる。
また、本実施形態では、販売期限切れの商品10が棚20に配置されている場合、この商品10が販売期限切れである旨が管理者に通知される。従って、本実施形態によれば、販売期限切れの商品10を速やかに回収することができる。
また、本実施形態では、販売期限切れ間近の商品10が棚20に配置されている場合、この商品10に関する値引情報が表示される。従って、本実施形態によれば、販売期限切れ間近の商品10の販売が促進され、商品10の回収や廃棄による無駄を極力減らすことができる。
また、本実施形態では、冷蔵を要する商品10が棚20から一時的に取り出された場合、取り出された期間の長さに応じて、商品10の販売期限が早められる。従って、本実施形態によれば、商品10のメーカーにより指定された画一的な消費期限等と比べて、商品10の状態が考慮された適切な販売期限により、商品10が管理される。従って、例えば、品質は低下しているが消費期限等は経過していない商品10が、顧客に購入されることを抑制することができる。
また、本実施形態では、商品10の購入直前に一時的に棚20から取り出された商品10が存在する場合、購入された商品10の種類を識別する第1の種類識別情報と、一時的に取り出された商品10の種類を識別する第2の種類識別情報と、を含む対応種類情報が記録される。従って、本実施形態によれば、商品10の購入者が購入を迷ったことと、迷った商品の種類とを推定することができる。
また、本実施形態では、対応種類情報に、購入者の顧客属性を示す顧客属性情報が含まれる。従って、本実施形態によれば、商品10の購入を迷った購入者の顧客属性を推定することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
本発明において、上記実施形態において説明した構成、機能、動作のどの部分を採用するのかは任意である。また、本発明において、上述した構成、機能、動作のほか、更なる構成、機能、動作が採用されてもよい。また、上述した実施形態は、適宜、自由に組み合わせることができる。また、上述した実施形態で説明した構成要素の個数は、適宜、調整することができる。また、本発明において採用可能な素材、サイズ、電気的特性などが、上記実施形態において示したものに限定されないことは勿論である。
上記実施形態では、商品管理処理に含まれる処理のうち多くの処理を、処理装置100が実行する例について説明した。本発明において、商品管理システム1000全体として商品管理処理が実行されれば、商品管理処理に含まれる処理は、どの構成により実行されてもよい。例えば、商品管理処理に含まれる処理のうち処理装置100が実行する処理として説明した処理を、端末装置200、リーダライタ300、表示装置400、POS端末500、サーバ600などが実行してもよい。
上記実施形態では、更新可能であり初期値が消費期限等に設定された販売期限に基づいて、通知や表示が実行される例について説明した。本発明において、販売期限が更新されなくてもよい。この場合、販売期限は、実質的に、消費期限等と同じである。そして、本発明において、消費期限等に基づいて、通知や表示が実行されてもよい。例えば、通知部1007は、消費期限(又は、賞味期限)を超えてから、配置判別部1003により商品10が配置場所に配置されていると判別された場合、商品10が消費期限(又は、賞味期限)切れである旨を通知してもよい。また、値引情報表示部1008は、消費期限(又は、賞味期限)までの時間が余裕時間未満である場合、商品10の値引情報を表示してもよい。
商品管理システム1000は、棚20に陳列されるべき商品10が、適切に、棚20に陳列されたか否かを自動で検査する自動検品処理に適用することができる。この場合、例えば、商品10を識別するための商品識別情報802と、配置されるべき通信シート310を識別するための通信シート識別情報801と、を対応付けた配置予定情報を、予め記憶部103に記憶させておく。そして、この配置予定情報の内容と配置情報800の内容とが一致するか否かを判別することにより、商品10が正しい棚20に配置されたか否かを自動で検査することができる。
上記実施形態では、商品10が店頭の棚20に配置される段階において、商品10を管理する例について説明した。本発明において、商品10を管理する段階は、他の段階であってもよい。例えば、商品10を店頭のバックヤードで保管する段階、商品10をトラックで輸送する段階、又は、商品10を工場で生産した段階において、商品10を管理してもよい。
この場合、商品10の所在、商品10の在庫、商品10の販売期限などを、リアルタイムで正確に把握することができる。その結果、店舗で在庫が不足している商品10を自動で発注したり、複数の店舗間で在庫が不足している商品10を自動で融通し合ったり、複数の店舗への配送ルートを自動で適切に選択したり、工場における商品10の生産スケジュールを自動で適切に調整したりすることができる。なお、処理装置100は、例えば、サーバ600に対して発注処理を実行することができる。また、サーバ600は、配送ルートの選択処理や、生産スケジュールの調整処理を実行することができる。
これらの具体的な手法としては、例えば、特許第4664847号公報にて提案されている過誤発注防止方法、特許第4388713号公報にて提案されている日配品発注最適化支援システム、特許第3777759号公報にて提案されているリアルタイム在庫管理システム、特許第5483636号公報にて提案されている商品発注管理装置などを適用してもよいし、これらに記載された一部を組み合わせて適用してもよい。
また、商品管理システム1000は、商品10の補充指示や、商品10のフェイスアップ指示をしてもよい。例えば、図1において、商品10Aが棚20の1段目に予め定められた個数以下しか配置されていない場合、商品10Aの補充指示がされてもよい。なお、補充指示は、例えば、図12に示すように、「棚20に商品10Aがありません。至急、商品10Aを補充して下さい。」、或いは、「棚20に商品10Aが2個しかありません。商品10Aを補充して下さい。」などのメッセージを含む画像900を、制御部102が表示部205に表示させることで実現可能である。なお、商品10Aが棚20の1段目に配置されていることは、商品10Aを識別する商品識別情報を含むタグ情報が通信シート310Aと通信シート310Bとのいずれかを介してリーダライタ300に読み込まれることを検知することで、検知可能である。
また、例えば、通信シート310A上に配置されている商品10Aの個数よりも、通信シート310B上に配置されている商品10Aの個数の方が多い場合、商品10Aのフェイスアップ指示がされてもよい。なお、フェイスアップ指示は、例えば、制御部102が表示部205に、「商品10Aをフィエスアップして下さい。」などのメッセージを表示させることで実現可能である。
また、POS端末500からサーバ600にアップロードされた情報と、処理装置100からサーバ600にアップロードされた情報と、を組み合わせることで、種々の分析をすることが可能である。例えば、分析者は、商品10の種類毎に、売れ行きがよい配置(例えば、通信シート識別情報801により識別される通信シート310Aが配置された棚20及び棚20内における段目数)を特定することができる。
また、商品管理システム1000は、第1の種類の商品10が購入される直前に第2の種類の商品10が配置場所から一時的に取り出された回数の予め定められた期間(例えば、直近の1年間)内における合計である合計回数を容易に検索可能なデータを提供することができる。なお、第1の種類の商品10と第2の種類の商品10とのいずれも、平面状である電波受信部1001を介してタグ情報が読み取られる無線タグ11が付された商品10である。また、この一時的に取り出された回数は、第1の種類の商品10が1回購入される毎に、最大1回増加する回数である。つまり、第1の種類の商品10が1回購入される直前に、複数回、第2の種類の商品10が配置場所から取り出されたとしても、この回数は1回分しかカウントされない。このようなデータは、例えば、図13に示すようなデータ構造を有する。
図13に示すように、合計回数データ820は、第1の種類識別データ821と、第2の種類識別データ822と、顧客属性識別データ823と、個別回数データ824と、種類別回数データ825と、顧客属性別回数データ826と、総合計回数データ827と、を含む。
第1の種類識別データ821は、第1の種類(第1の種類の商品10の種類)を識別する種類識別データである。第2の種類識別データ822は、第2の種類(第2の種類の商品10の種類)を識別する種類識別データである。顧客属性識別データ823は、第1の種類の商品10を購入した顧客の顧客属性を識別するデータである。個別回数データ824は、上記合計回数を、顧客属性毎及び第2の種類の商品10の種類毎に示すデータである。種類別回数データ825は、上記合計回数を、第2の種類の商品10の種類毎に示すデータである。顧客属性別回数データ826は、上記合計回数を、顧客属性毎に示すデータである。総合計回数データ827は、上記合計回数の総数を示すデータである。
このようなデータ構成の合計回数データ820によれば、顧客が商品10を購入するときに迷った回数の合計値を、顧客属性毎及び第2の種類の商品10の種類毎、第2の種類の商品10の種類毎、顧客属性毎、或いは、総計として、速やかに提供することができる。
上記実施形態では、販売期限切れ間近であって値引き対象の商品10が存在する場合、顧客に値引き対象の商品10を消費期限により識別させる手法について説明した。この手法では、顧客は、商品10に付された消費期限を確認する必要があるため、値引き対象の商品10を識別するための顧客の負担が大きい。そこで、以下では、値引き対象の商品10を識別するための顧客の負担を低減する手法について説明する。この手法は、簡単に言えば、顧客に、値引き対象の商品10を無線タグ11の外見により識別させる手法である。
具体的には、まず、商品10に付される無線タグ11の外見を、この商品10の販売期限に応じた外見にする。例えば、商品10の生産時、商品10の包装時、又は、商品10の出荷時に、商品10の販売期限に応じた外見を有する無線タグ11を、商品10に付す。この外見は、例えば、色と形状とのうちの少なくとも一方を含む概念である。ここでは、商品10の販売期限は、商品10の消費期限等と一致し、商品10の消費期限等は、商品10の生産日時から決定されるものとする。つまり、商品10には、商品10の生産日時に応じた外見の無線タグ11が付される。
ここで、値引情報表示部1008は、販売期限までの時間が余裕時間未満である場合、上記外見を示す情報を含む値引情報を表示する。つまり、値引情報表示部1008は、ある商品10が販売期限切れ間近である場合、この商品10に付された無線タグ11の外見を示す情報を顧客に明示する。一方、顧客は、明示された情報に基づいて、値引き対象の商品10を識別する。つまり、顧客は、明示された情報により示される外見を有する無線タグ11が付された商品10を、値引き対象の商品10として認識する。かかる構成によれば、顧客は、複数の商品10から値引き対象の商品10を容易に特定することができる。
次に、商品10の販売期限に応じて、商品10に付す無線タグ11の色を決定する手法について説明する。以下、理解を容易にするため、生産日時、消費期限等、及び、販売期限は、3時間単位で管理されるものとする。具体的には、午前0時から午前3時までに生産された商品10(以下、適宜「第1グループの商品10」という。)については、生産日時は、生産当日の午前3時と見做し、消費期限等と販売期限とは、生産翌日の午前3時と見做す。また、午前3時から午前6時までに生産された商品10(以下、適宜「第2グループの商品10」という。)については、生産日時は、生産当日の午前6時と見做し、消費期限等と販売期限とは、生産翌日の午前6時と見做す。また、午前6時から午前9時までに生産された商品10(以下、適宜「第3グループの商品10」という。)については、生産日時は、生産当日の午前9時と見做し、消費期限等と販売期限とは、生産翌日の午前9時と見做す。同様に、第4グループから第8グループの商品10についても、生産された時間帯に応じて、生産日時と消費期限等と販売期限とを決定する。
ここで、商品10には、商品10が生産された時間帯に応じた色の無線タグ11が付される。つまり、商品10には、商品10のグループに応じた色の無線タグ11が付される。例えば、第1グループの商品10には、図14(A)に示すように、無色透明の無線タグ11が付される。また、第2グループの商品10には、図14(B)に示すように、赤色の無線タグ11が付される。また、第3グループの商品10には、図14(C)に示すように、青色の無線タグ11が付される。同様に、第4グループから第8グループの商品10についても、各色の無線タグ11が付される。
以下、図14(A)を参照して、無線タグ11の構成について説明する。図14(A)に示すように、無線タグ11は、基材110と、アンテナ111と、記憶部112とを備える。基材110は、アンテナ111と記憶部112とを支持するシート状の部材である。アンテナ111は、電力供給用電波を受信し、タグ情報包含電波を放射するアンテナである。記憶部112は、商品識別情報を含むタグ情報を記憶する。無線タグ11は、例えば、両面テープにより、商品10の表面、又は、商品10の包装の表面に貼り付けられる。
ここで、無線タグ11を外見で識別可能にする場合、無線タグ11が備える基材110の外見に差異を設けることが好適である。その理由は、基材110は、アンテナ111及び記憶部112に比べて、外見に差異を設けやすいためである。具体的には、基材110は、アンテナ111と記憶部112とを支持することができれば、色を決定づける素材、及び、形状は、どのようなものでもよい。つまり、基材110は、素材及び形状の自由度が高く、外見に差異を設けやすい。一方、アンテナ111の素材及び形状は、例えば、無線タグ11の利用環境、及び、通信シート310の性能を考慮して設計又は選定される。つまり、アンテナ111は、素材及び形状の自由度が低く、外見に差異を設けにくい。また、記憶部112は、基本的に、小さいため、外見での識別には向かない。以下、無線タグ11の外見は、基本的に、基材110の外見を意味する。
例えば、無線タグ11を色で識別可能にする場合、無線タグ11が備える基材110の色に差異を設けることが好適である。図14(A)には、無色透明の素材で構成された基材110を備える無線タグ11を示す。図14(B)には、赤色の素材で構成された基材110を備える無線タグ11を示す。図14(C)には、青色の素材で構成された基材110を備える無線タグ11を示す。
ただし、無線タグ11を色で識別可能とする手法は、基材110を構成する素材の色に差異を設ける手法に限定されない。例えば、基材110の表面に塗料を付して、基材110を着色してもよい。また、基材110の表面の全面ではなく、基材110の表面の一部に、色を付してもよい。
また、商品10には、商品10のグループに応じた形状の無線タグ11が付されてもよい。例えば、第1グループの商品10には、図15(A)に示すように、平面視で長方形の無線タグ11が付される。また、第2グループの商品10には、図15(B)に示すように、平面視で平行四辺形の無線タグ11が付される。また、第3グループの商品10には、図15(C)に示すように、平面視で楕円形の無線タグ11が付される。同様に、第4グループから第8グループの商品10についても、各形状の無線タグ11が付される。なお、無線タグ11が備える構成要素で、形状の自由度が高い構成要素は、基材110である。従って、無線タグ11の形状は、基本的に、基材110の形状を意味する。
なお、無線タグ11を形状により識別可能とする手法は、この例に限定されない。例えば、無線タグ11を平面視したときの縁の部分の形状により、無線タグ11を識別可能としてもよい。例えば、縁の部分の形状として、直線形状、半円が連続した形状、正弦波に対応する形状、矩形波に対応する形状、三角波に対応する形状又は、のこぎり波に対応する形状を採用することができる。
次に、値引情報表示部1008が表示する値引情報について説明する。値引情報表示部1008は、値引き対象の商品10が存在する場合、値引き対象の商品10に付された無線タグ11の外見を示す情報(以下、適宜「外見情報」という。)と、値引き対象の商品10の値引き額等を示す情報(以下、適宜「値引額情報」という。)と、を含む、値引情報を表示する。外見情報は、例えば、「赤色」又は「青色」など、無線タグ11の色を示す文字列である。値引額情報は、例えば、「30円」、「50円」など、値引き額を示す文字列、又は、「10%」、「30%」など、提示価格に対する値引き率を示す文字列である。
値引き対象の商品10は、販売期限までの時間が余裕時間未満である商品10である。余裕時間と値引き額等とは、段階的に設定されていてもよい。例えば、第1余裕時間が6時間に設定され、第2余裕時間が3時間に設定される。また、例えば、第1余裕時間に対応する第1値引き率が10%に設定され、第2余裕時間に対応する第2値引き率が30%に設定される。
ここで、販売期限が生産翌日の午前6時である第2グループの商品10と、販売期限が生産翌日の午前9時である第3グループの商品10と、が存在するものとする。この場合、値引情報表示部1008は、現在時刻が生産翌日の午前0時になると、第2グループの商品10が10%値引きされることを報知する値引情報を表示する。そして、値引情報表示部1008は、現在時刻が生産翌日の午前3時になると、第2グループの商品10が30%値引きされることと、第3グループの商品10が10%値引きされることと、を報知する値引情報を表示する。
図16に、値引情報表示部1008が生産翌日の午前3時に表示する画像910を示す。画像910は、赤色の無線タグ11が付された第2グループの商品10が30%値引きされることを報知する文字列と、青色の無線タグ11が付された第3グループの商品10が10%値引きされることを報知する文字列と、を含む画像である。このように、値引情報表示部1008は、値引き対象の商品10を、商品10に付された無線タグ11の色により顧客に報知する。このため、顧客は、商品10に付された無線タグ11の色を確認し、値引き対象の商品10を速やかに特定することができる。
なお、値引情報表示部1008は、値引き対象の商品10を、商品10に付された無線タグ11の形状により顧客に報知してもよい。この場合、顧客は、商品10に付された無線タグ11の形状を確認し、値引き対象の商品10を速やかに特定することができる。なお、値引情報表示部1008は、値引き対象の商品10が存在しない場合、値引情報を含む画像910を表示しないことが好適である。
ここで、商品10に割り当てられた販売期限と無線タグ11の外見との対応関係を示す情報(以下、適宜、「対応関係情報」という。)は、例えば、処理装置100が備える記憶部103、又は、サーバ600が備える記憶部603に記憶される。一方、商品10に割り当てられた販売期限を示す期限情報は、期限記憶部1006に記憶される。ここで、商品10に付された無線タグ11を付け替えることは容易ではない。従って、販売期限は消費期限等に維持され、期限情報が更新されないことが好適である。例えば、商品10が顧客により一時的に棚20から取り出されても販売期限が変更されず、期限更新部1010により期限情報が更新されないことが好適である。
無線タグ11の外見は、無線タグ11の色と無線タグ11の形状との双方により識別されてもよい。この場合、商品10の販売期限毎に、無線タグ11の色と無線タグ11の形状との組み合わせが割り当てられる。また、無線タグ11の外見は、無線タグ11の大きさ、無線タグ11に付された模様、無線タグ11に付されたマークの色、又は、無線タグ11に付されたマークの形状により識別されてもよい。
また、販売期限は、3時間単位で分類される例に限定されないことは勿論である。例えば、販売期限は、1時間単位、2時間単位、4時間単位、6時間単位、8時間単位、12時間単位、1日単位、1週間単位、又は、1ヶ月単位で分類されてもよい。
また、無線タグ11の外見は、商品10の種類に拘わらず、商品10の販売期限に応じて定められてもよい。例えば、商品10の種類として、おにぎりとお弁当とがある場合、商品10がおにぎりであるかお弁当であるかに拘わらず、商品10の販売期限を3時間単位で分類し、3時間単位の分類毎に無線タグ11の色を割り当てる。この場合、値引情報で指定された色の無線タグ11が付された商品10は、商品10の種類に拘わらず、値引き対象の商品10となる。
あるいは、無線タグ11の外見は、商品10の種類毎に、商品10の販売期限に応じて定められてもよい。例えば、商品10の種類として、おにぎりと牛乳とがある場合において、おにぎりの販売期限を3時間単位で分類し、3時間単位の分類毎に無線タグ11の色を割り当てる。一方、牛乳の販売期限を1日単位で分類し、1日単位の分類毎に無線タグ11の色を割り当てる。この場合、値引情報により無線タグ11の色と商品10の種類とが指定され、無線タグ11の色と商品10の種類との双方に合致する商品10が、値引き対象の商品10となる。この場合、対応関係情報は、商品10の種類毎に、販売期限と無線タグ11の外見との対応関係を示す情報となる。
実施形態では、タグ情報の安定した読み取りが可能である例について説明した。具体的には、実施形態では、棚20に商品10が存在する場合、通信シート310に接続されたリーダライタ300により、商品10に付された無線タグ11に記憶されたタグ情報が、常時、確実に読み取られる例について説明した。通信シート310やリーダライタ300の性能や使用環境などによっては、タグ情報の安定した読み取りが困難である場合がある。例えば、通信シート310の受信感度が低い場合、棚20の近くに存在する誘電体が移動すると、棚20の周囲の電磁場に乱れが生じ、タグ情報が読み取れないことがある。なお、誘電体は、例えば、顧客の身体(例えば、手、足、頭、胴体など)や商品10である。
このような場合、管理対象物である商品10の有無を正しく判定することができず、その結果、商品10を適切に管理できない可能性がある。例えば、棚20に商品10がある状態で、顧客が棚20に手を伸ばしたり棚20に近づいたりして、無線タグ11が受信する電力供給用電波の強度や通信シート310が受信するタグ情報包含電波の強度が低下すると、無線タグ11からタグ情報を読み取ることができない場合がある。この場合、例えば、商品10が棚20から取り出されていないにもかかわらず、商品10が棚20から取り出されたと判定され、商品10の販売期限が必要以上に早められてしまう。そこで、商品10の有無を正しく判定するための工夫がされることが好適である。
例えば、棚20の手前の誘電体の存在を検知するセンサを設け、このセンサにより誘電体の存在が検知された場合、通常のタグ情報の利用処理を中断することが好適である。例えば、誘電体の存在が検知された時刻から、誘電体の存在が予め定められた時間(例えば、数秒から数十秒程度)以上継続して検知されなくなった時刻までの期間(以下「中断期間」という。)、読み取られたタグ情報を採用せずに、誘電体の存在が検知される直前の状態が維持されているものとして、商品10の有無が判定されてもよい。この場合、中断期間において、タグ情報の読み取り処理自体が中断されてもよい。
或いは、中断期間においては、検知結果が多数決判定などにより丸め込まれて、商品10の有無が判定されてもよい。この場合、例えば、予め定められた時間(例えば、1秒程度)毎に多数決判定により商品10の有無が判定されてもよい。或いは、予め定められた時間(例えば、1秒程度)以上同じ状態が維持されない場合、状態が更新されず、予め定められた時間(例えば、1秒程度)以上同じ状態が維持された場合に、商品10の有無が更新されてもよい。
誘電体の存在を検知するセンサとしては、種々のセンサを採用することができる。例えば、このようなセンサとして、赤外線センサ、レーザセンサ、光電管センサ、サーモグラフィ、感圧センサ、カメラなどを採用することができる。このようなセンサは、例えば、店舗の床、店舗の天井、店舗の壁、棚20などに設置される。以上説明したように、通信シート310及びリーダライタ300を商品10の有無を検知するメインセンサとして採用し、メインセンサによる検知結果の信頼性を判定するための材料として誘電体の存在を検知するセンサをサブセンサとして採用することで、商品10の有無の検知精度を高めることができる。
実施形態では、処理装置100、端末装置200、表示装置400、サーバ600が有する機能を多くがソフトウェア(又は、ファームウェア)により実現される例、つまり、処理装置100、端末装置200、表示装置400、サーバ600が有する機能を多くがプロセッサによるプログラムの実行により実現されるについて説明した。本発明において、このような機能は、ハードウェアにより実現されてもよい。この場合、例えば、処理装置100、端末装置200、表示装置400、サーバ600は、CPUに代えて、処理回路を備える。この処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらの組合せにより構成される。
本発明に係る処理装置100、端末装置200、表示装置400、サーバ600の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末装置に適用することで、当該パーソナルコンピュータを本発明に係る処理装置100、端末装置200、表示装置400、サーバ600として機能させることも可能である。また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、通信ネットワーク(例えば、インターネット)を介して配布してもよい。