JP2019049537A - 分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システム - Google Patents

分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システム Download PDF

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Abstract

【課題】分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システムを提供する。【解決手段】対象物体50から放出される散乱光からラマン信号S1を選択的に収集する分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システム100に係り、分光器用集光光学系は、ラマン信号S1を収集して放出するものであり、散乱光が入射される入射面120aと、ラマン信号が放出される出射面120bと、を含む非結像集光ユニット120と、非結像集光ユニット120の入射面120aの一部領域に設けられ、蛍光信号を含む散乱光を遮断するラマンフィルタ130と、を含み、それにより、散乱光のうち、蛍光信号の受信は、抑制され、ラマン信号S1を選択的に収集することができる。【選択図】図9

Description

本発明は、分光器に係り、詳細には、分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システムに関する。
最近、モバイルヘルス(mobile health)型診断センサの一環として、生体内の血糖のような成分を分析する小型化されたラマン分光システムに対する開発が進められている。
かような小型ラマン分光システムを活用し、皮膚のような生体試料を測定する技術は、既存の特定位置や領域でしか測定が可能ではなかった測定範囲や回数などを、飛躍的に向上させることができる。ただし、生体から出る高い蛍光信号のために、血糖のように、生体内にある極少量の成分から、ラマン信号だけを選択的に検出して分析する技術が必要である。
米国特許出願公開第2017/0100064号明細書
本発明が解決しようとする課題は、分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システムを提供することである。
本発明の一側面において、対象物体から放出される散乱光からラマン信号を選択的に収集する分光器用集光光学系(collection optics system)において、前記ラマン信号を収集して放出するものであり、前記散乱光が入射される入射面、前記ラマン信号が放出される出射面を含む非結像集光ユニット(non-imaging collection unit)と、前記非結像集光ユニットの入射面の一部領域に設けられ、蛍光信号を含む前記散乱光を遮断するラマンフィルタと、を含み、前記散乱光のうち、前記蛍光信号の受信は抑制し、前記ラマン信号を選択的に収集する分光器用集光光学系が提供される。
前記対象物体は、濁度(turbidity)を有する物質を含み、光源から放出される入射光の照射により、前記蛍光信号及び前記ラマン信号を含む散乱光を放出することができる。例えば、前記対象物体は、皮膚を含み、前記ラマン信号は、血糖ラマン信号を含む。
前記ラマンフィルタは、前記蛍光信号のほとんどが入射される前記入射面の中心領域に設けられる。
前記非結像集光ユニットの入射面は、大体1cm以下の大きさを有することができる。前記ラマンフィルタは、大体1mm以下の大きさを有することができる。
前記ラマンフィルタは、前記対象物体に照射される入射光の波長帯域は、透過させ、前記対象物体から放出される散乱光の波長帯域は、遮断することができる。
前記ラマンフィルタは、前記入射光の1つの特定波長帯域のみを透過させることができる。前記ラマンフィルタは、前記入射光の複数特定波長帯域を透過させる複数の波長フィルタを含んでもよい。その場合、前記複数の波長フィルタは、例えば、格子(grid)状または同心円(concentric ring)状にも配置される。
前記ラマンフィルタの周囲の前記入射面には、前記ラマン信号を含む前記散乱光を透過させる透明部材が設けられるか、あるいは特定ラマン波長のみを透過させる帯域フィルタ(band filter)が設けられる。
前記非結像集光ユニットは、例えば、楕円双曲面集光器(elliptical hyperboloid concentrator)、円形双曲面集光器(circular hyperboloid concentrator)、円錐集光器(circular cone concentrator)、楕円錐集光器(elliptical cone concentrator)または複合放物型集光器(compound parabolic concentrator)を含んでもよい。
前記非結像集光ユニットの入射面は、前記出射面より小面積を有することができる。また、前記非結像集光ユニットの入射面は、前記出射面より大面積を有することができる。
他の側面において、対象物体に入射光を照射する光源と、前記入射光により、前記対象物体から放出される散乱光からラマン信号を選択的に収集する集光光学系と、前記集光光学系から出る前記ラマン信号を受信する分光器と、を含み、前記集光光学系は、前記ラマン信号を収集して放出するものであり、前記散乱光が入射される入射面と、前記ラマン信号が出射される出射面とを含む非結像集光ユニット、及び前記非結像集光ユニットの入射面の一部領域に設けられ、蛍光信号を含む前記散乱光を遮断するラマンフィルタを含み、前記散乱光のうち、前記蛍光信号の受信は抑制し、前記ラマン信号を選択的に収集するラマン分光システムが提供される。
前記ラマンフィルタは、前記蛍光信号のほとんどが入射される前記入射面の中心領域に設けられる。
前記ラマンフィルタは、前記対象物体に照射される入射光の波長帯域は、透過させ、前記対象物体から放出される散乱光の波長帯域は、遮断することができる。
前記ラマンフィルタの周囲の前記入射面には、前記ラマン信号を含む前記散乱光を透過させる透明部材が設けられるか、あるいは特定ラマン波長のみを透過させる帯域フィルタが設けられる。
前記非結像集光ユニットは、例えば、楕円双曲面集光器、円形双曲面集光器、円錐集光器、楕円錐集光器または複合放物型集光器を含んでもよい。
前記光源から出射される入射光は、前記対象物体の表面に垂直に照射されるか、あるいは前記対象物体の表面に対して傾くようにも照射される。
前記分光器は、オンチップ(on-chip)型分光器を含んでもよい。前記分光器は、前記ラマン信号が入射されるスリット(slit)が形成された分散型(dispersive type)分光器を含み、前記スリットには前記非結像集光ユニットの出射面が挿入される。
測定サンプルにレーザ光を照射し、測定サンプルから放出される散乱光を測定する様子を図示した図面である。 図1に図示されたファイバの断面を図示した図面である。 図1において、第1シリコン基板から放出された散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示した図面である。 第2シリコン基板から放出された散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示した図面である。 図示されたラマンスペクトルを拡大して図示した図面である。 図1において、第3シリコン基板から放出された散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示した図面である。 図5Aに図示されたラマンスペクトルを拡大して図示した図面である。 図4Aないし図5Bにおいて、ファイバの位置によるラマン信号、ノイズ及びラマン信号対ノイズ比(SNR)を計算して図示した図面である。 皮膚の濁度を有する測定サンプルから放出される散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示した図面である。 図7Aに図示されたラマンスペクトルで計算された蛍光信号の強度を図示した図面である。 実際の皮膚から放出される散乱光から、ファイバに収集されたファイバに収集されたラマンスペクトルを図示した図面である。 図8Aに図示されたラマンスペクトルにおいて、蛍光信号の強度を図示した図面である。 図8Aに図示されたラマンスペクトルにおいて、ラマン信号の強度を図示した図面である。 例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示した図面である。 図9に図示された非結像集光ユニットを拡大して図示した斜視図である。 図10に図示された非結像集光ユニットの入射面を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムにおいて、対象物体から出る散乱光が進む経路を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用される非結像集光ユニットの変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用される非結像集光ユニットの変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用される非結像集光ユニットの変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用される非結像集光ユニットの変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用されるラマンフィルタの変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用されるラマンフィルタの変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用されるラマンフィルタの他の変形例を図示した図面である。 図9に図示されたラマン分光システムに採用されるラマンフィルタの他の変形例を図示した図面である。 他の例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示した図面である。 さらに他の例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示した図面である。 さらに他の例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示した図面である。
以下、添付された図面を参照し、実施形態について詳細に説明する。図面において、同一参照符号は、同一構成要素を指し、各構成要素の大きさや厚みは、説明の明瞭性のために誇張されてもいる。また、所定物質層が基板上や他の層上に存在すると説明されるとき、その物質層は、基板や他層に直接接しながら存在することもでき、その間に、他の第3層が存在することもできる。そして、以下の実施形態において、各層をなす物質は、例示的なものであるので、それ以外に他の物質が使用されもする。
皮膚(skin)は、一般的な反射媒質(reflective media)とは異なり、濁度(turbidity)を有する媒質である。該濁度は、散乱係数(scattering coefficient)と、皮膚の特徴中の一つである非等方性係数(anisotropic factor)を考慮した換算散乱係数(reduced scattering coefficient)とによっても表現される。皮膚の換算散乱係数は、大体1〜3mm−1にもなる。濁度を有する媒質において、ラマン信号が広がる範囲は、一般的な反射媒質に比べて非常に広い。また、皮膚の表面において、大体100〜400μmほどの深さに存在する表皮(epidermis)から出る蛍光信号のために真皮(dermis)に集中的に存在する血糖(glucose)ラマン信号やその他信号の検出に困難が伴う。
図1は、濁度を有する測定サンプルに入射光を照射し、該測定サンプルから放出される散乱光を、ファイバ(fiber)を介して測定する様子を図示したものである。図2には、図1に図示されたファイバの断面が図示されている。ここで、測定サンプル10としては、一般的な皮膚の散乱係数範囲を有する媒質が使用された。具体的には、測定サンプル10の散乱係数及び換算散乱係数は、それぞれ755nm波長において、大体2.4mm−1及び1.13mm−1である。そして、測定サンプル10に照射する入射光Lとしては、785nm波長のレーザビームが使用された。
図1を参照すれば、測定サンプル10の表面から深さ方向に、第1シリコン基板21、第2シリコン基板22及び第3シリコン基板23が設けられている。ここで、第1シリコン基板21は、測定サンプル10の表面に設けられている。そして、第2シリコン基板22は、測定サンプル10の表面から、0.5mmの深さdに設けられており、第3シリコン基板23は、測定サンプル10の表面から1.0mmの深さに設けられている。すなわち、第1シリコン基板21上には、濁度を有する媒質が存在せず、第2シリコン基板22及び第3シリコン基板23の上には、濁度を有する媒質が存在する。
光源(図示せず)から放出されたレーザビームの入射光Lは、測定サンプル10に照射され、測定サンプル10から放出される散乱光Sは、測定サンプル10の上部に設けられたファイババンドル(fiber bundle)によって収集される。
具体的には、レーザビームの入射光Lは、フォーカシングレンズ40によって集束され、測定サンプル10にある第1シリコン基板21、第2シリコン基板22及び第3シリコン基板23にそれぞれ照射される。ここで、フォーカシングレンズ40と、測定サンプル10の表面との距離fは、4.5mmである。かような入射光Lの照射により、第1シリコン基板21、第2シリコン基板22及び第3シリコン基板23のそれぞれから、ラマン信号を含む散乱光Sが放出され、かような散乱光Sは、測定サンプル10の上部に、一列に配列された9個のファイバF1〜F9によって収集される。かようなファイバF1〜F9のうち、真ん中に位置する5番目ファイバF5が散乱光の中心に対応するように位置することができる。かようなファイバF1〜F9それぞれは、コア31と、該コア31を取り囲むクラッド層32とを含んでもよい。図2に図示された9個のファイバF1〜F9において、例えば、コア31の直径は、200μmであり、隣接したファイバF1〜F9間の間隔は、250μmである。
図3は、図1において、第1シリコン基板から放出された散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示したものである。図3には、レーザビームの入射光Lが、第1シリコン基板21に照射された後、第1シリコン基板21から放出される散乱光Sのうち、9個のファイバF1〜F9に収集されたスペクトル図示されている。
図3を参照すれば、測定サンプル10の表面に設けられており、その上に濁度を有する媒質が存在しない第1シリコン基板21から放出される散乱光のラマン信号は、ファイバF1〜F9の真ん中に位置した5番目ファイバF5に集中的に収集されるということが分かる。
図4Aは、図1において、第2シリコン基板から放出された散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示したものである。そして、図4Bは、図4Aに図示されたラマンスペクトルを拡大して図示したものである。図4A及び図4Bには、皮膚に類似した濁度を有する測定サンプル10の表面から、0.5mmの深さdに設けられている第2シリコン基板22に、レーザビームの入射光Lが照射された後、第2シリコン基板22から放出される散乱光Sのうち、9個のファイバF1〜F9に収集されたスペクトルが図示されている。
図5Aは、図1において、第3シリコン基板から放出された散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示したものである。そして、図5Bは、図5Aに図示されたラマンスペクトルを拡大して図示したものである。図5A及び図5Bには、測定サンプル10の表面から1.0mmの深さdに設けられている第3シリコン基板23に、レーザビームの入射光Lが照射された後、第3シリコン基板23から放出される散乱光Sのうち、9個のファイバに収集されたスペクトルが図示されている。
図4A及び図4B、並びに図5A及び図5Bを参照すれば、第2シリコン基板22や第3シリコン基板23のように、その上に濁度を有する媒質が存在する場合には、第2シリコン基板22や第3シリコン基板23から放出される散乱光の信号は、広く分散され、9個のファイバF1〜F9に収集されるということが分かる。また、ファイバF1〜F9の真ん中に位置した5番目ファイバF5から遠くなるほど、蛍光信号の強度は弱くなり、ラマン信号が観察されるということが分かる。
図6は、図4Aないし図5Bに図示されたラマンスペクトルにおいて、ファイバの位置によるラマン信号、ノイズ及びラマン信号対ノイズ比(SNR)を計算して図示したものである。
図6を参照すれば、ノイズは、読み取りノイズ(readout noise)、ショットノイズ(shot noise)及びシステムノイズ(systematic noise)から構成されるが、蛍光信号が大きい場合には、ショットノイズがノイズのほとんどを占める。従って、蛍光信号を選択的に減らせば、ショットノイズが低減し、ラマン信号対ノイズ比を向上させることができる。一方、ファイバF1〜F9の真ん中に位置した5番目ファイバF5においては、ラマン信号が低減するが、蛍光信号も減ってノイズが低減するために、5番目ファイバF5において、大体0.5mm離れた位置において、ラマン信号対ノイズ比が高くなるということを確認することができる。
図7Aは、皮膚の濁度を有する測定サンプルから放出される散乱光から、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示したものである。図7Bは、図7Aに図示されたラマンスペクトルから計算された蛍光信号の強度を図示したものである。図7Bにおいて、蛍光信号の強度は、図7Aに図示されているように、関心ピークの下部分の大きさと定義される。図7A及び図7Bを参照すれば、ファイバF1〜F9のうち真ん中に位置した5番目ファイバF5から最も外側に位置したファイバ(1番目ファイバF1または9番目ファイバF9)に行くほど蛍光信号が急激に低減するということが分かる。
図8Aは、実際の皮膚から放出される散乱光により、ファイバに収集されたラマンスペクトルを図示したものである。図8Bは、図8Aに図示されたラマンスペクトルにおいて、蛍光信号の強度を図示したものである。図8Cは、図8Aに図示されたラマンスペクトルにおいて、ラマン信号の強度を図示したものである。図8CにおいてAは、ファイバF1〜F9のうち真ん中に位置した5番目ファイバF5で収集されたラマン信号を示し、Bは、最も外側に位置したファイバ(1番目ファイバF1または9番目ファイバF9)で収集されたラマン信号を示す。そして、Cは、Bのラマン信号を10倍拡大して表示したものである。
図8Aないし図8Cを参照すれば、ファイバF1〜F9のうち真ん中に位置した5番目ファイバF5から、最も外側に位置したファイバ(1番目ファイバF1または9番目ファイバF9)に行くほど蛍光信号が急激に低減するということが分かる。具体的には、最も外側に位置したファイバ(1番目ファイバF1または9番目ファイバF9)で収集された蛍光信号は、5番目ファイバF5で収集された蛍光信号の大体1/3ほどのレベルになることが分かる。また、図8Cに図示されているように、蛍光信号が低減することにより、ラマンピークの解像度(resolution)が向上するということを確認することができる。
以上のように、皮膚のような濁度を有する物質を含む測定サンプル10に、レーザビームの入射光Lを照射すれば、測定サンプル10は、入射光Lの照射により、散乱光Sを放出し、この散乱光Sには、ラマン信号だけではなく、ラマン信号の受信を妨害する蛍光信号も共に含まれていることが分かる。しかし、該蛍光信号は、測定サンプル10で放出される散乱光Sの中心部に集中的に含まれているので、該蛍光信号のほとんどを含む散乱光Sの中心部を遮断することにより、ラマン信号のみを選択的に収集することができる。
図9は、例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示したものである。
図9を参照すれば、ラマン分光システム100は、対象物体50に入射光Lを照射する光源110と、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号S1を選択的に収集する集光光学系と、集光光学系から出るラマン信号S1を受信する分光器150と、を含んでもよい。ここで、測定しようとする対象物体50は、所定濁度を有する物質を含んでもよい。例えば、対象物体50は、人体の皮膚を含んでもよいが、それに限定されるものではない。
光源110は、対象物体50に照射される入射光Lを放出することができる。光源110から放出される入射光Lとしては、例えば、785nmのような波長帯域を有するレーザビームが使用される。光源110から出射された入射光Lは、反射ミラー115によって反射された後、対象物体50の所望する測定領域に照射される。ここで、入射光Lの光路上に集光レンズをさらに設けて、入射光Lを集光するようにしてもよい。該入射光Lは、後述するように、非結像集光ユニット120の入射面120aに設けられているラマンフィルタ130を透過し、対象物体50の測定領域に照射される。かような入射光Lは、対象物体50の表面に対して垂直に入射される。
光源110から対象物体50の測定領域に、入射光Lが照射されれば、対象物体50の測定領域から散乱光が放出される。ここで、対象物体50は、濁度を有しているために、対象物体50から放出される散乱光には、ラマン信号S1だけではなく、ラマン信号S1の受信を妨害する蛍光信号S2も、共に含まれている。
該集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号S1を選択的に収集することができる。そのために、該集光光学系は、非結像集光ユニット(non-imaging collection unit)120及びラマンフィルタ(Raman filter)130を含んでもよい。
図10は、図9に図示された非結像集光ユニットを拡大して図示した斜視図である。そして、図11は、図10に図示された非結像集光ユニットの入射面を図示したものである。
図10及び図11を参照すれば、対象物体50から放出される散乱光を収集するために、非結像集光ユニット120が使用される。非結像集光ユニット120は、レンズを使用しない集光システムであり、光発生地点と最終目的地点の間を、最適化された方式で光を伝達させるシステムを意味する。かような非結像集光ユニット120の代表的な適用分野としては、太陽電池分野や照明分野などを挙げることができる。例えば、該太陽電池分野においては、太陽エネルギー集光器(solar energy concentrator)が太陽電池に伝達される太陽エネルギーを極大化させるために使用される。
図10には、非結像集光ユニット120として、複合放物型集光器(CPC:compound parabolic concentrator)が使用された場合が例示的に図示されている。非結像集光ユニット120は、対象物体50から放出される散乱光が入射される入射面120aと、該入射面120aの反対側に位置するものであり、ラマン信号S1が放出される出射面120bと、を含んでもよい。
非結像集光ユニット120の入射面120aは、出射面120bより小面積を有することができる。非結像集光ユニット120の入射面120aが、対象物体50の表面に接触して測定作業を遂行する場合、非結像集光ユニット120の入射面120aは、例えば、大体1cm以下の直径D1を有することができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。直径D1は形成可能な大きさであればよい。
非結像集光ユニット120の入射面120aのうち一部領域には、蛍光信号S2遮断のためのラマンフィルタ130が設けられている。すなわち、ラマンフィルタ130は、対象物体50から放出される散乱光のうち蛍光信号S2を遮断する役割を行うことができる。
前述のように、濁度を有する対象物体50から放出される散乱光のうち蛍光信号S2は、散乱光Sの中心部にほとんど含まれている。従って、対象物体50から出る蛍光信号S2の受信を抑制するために、ラマンフィルタ130は、非結像集光ユニット120の入射面120aのうち、蛍光信号S2のほとんどが入射される領域、すなわち、入射面120aの中心領域に設けられる。また、非結像集光ユニット120の入射面120aには、ラマンフィルタ130の周囲を取り囲む透明部材140がさらに設けられる。該透明部材140は、対象物体50から放出される散乱光を透過させることができ、ラマンフィルタ130を支持する役割を行うことができる。一方、ラマンフィルタ130の周囲を取り囲む非結像集光ユニット120の入射面120aには、特定ラマン波長のみを透過させる帯域フィルタ(band filter)(図示せず)が設けられてもよい。
図10及び図11においては、ラマンフィルタ130が、非結像集光ユニット120の入射面120aの中心領域に円形に設けられている場合が例示的に図示されている。非結像集光ユニット120の入射面120aが、対象物体50の表面に接触して測定作業を遂行する場合、ラマンフィルタ130は、大体1mm以下の直径D2を有することができるが、必ずしもそれに限定されるものではない。直径D2は形成可能な大きさであればよい。
ラマンフィルタ130は、光源110から放出され、対象物体50に照射される入射光Lの波長帯域は、透過させ、対象物体50から放出される散乱光の波長帯域は、遮断することができる。すなわち、入射光Lの照射により、対象物体50の測定領域から散乱光Sが放出されるが、かような散乱光は、ラマンシフト(Raman shift)により、入射光Lとは異なる波長帯域を有することができる。それにより、ラマンフィルタ130は、入射光Lは、透過させることができるが、入射光Lと異なる波長帯域を有する散乱光は、遮断することができる。
ラマンフィルタ130は、例えば、特定帯域の波長のみを透過させるバンドパスフィルタ(band pass filter)、または特定波長以下の波長のみを透過させるショートパスフィルタ(short pass filter)を含んでもよい。例えば、ラマンフィルタ130として、バンドパスフィルタを使用する場合には、ストークスラマン(Stokes Raman)信号及びアンチ・ストークスラマン(anti-Stokes Raman)信号を測定することができる。そして、ラマンフィルタ130として、ショートパスフィルタを使用する場合には、ストークスラマン信号を測定することができる。
ラマンフィルタ130は、非結像集光ユニット120の入射面120aの中心領域に設けられる。光源110の入射光Lは、図9に図示されているように、ラマンフィルタ130を透過し、対象物体50の測定領域に照射される。そして、かような入射光Lの照射により、対象物体50の測定領域から散乱光が放出される。ここで、該散乱光の中心部、すなわち、非結像集光ユニット120の入射面120aの中心領域に向かる蛍光信号S2を含む散乱光は、ラマンフィルタ130によって遮断される。
図12には、対象物体50から放出される散乱光が進む経路が例示的に図示されている。図12を参照すれば、対象物体50から出る散乱光のうち、非結像集光ユニット120の入射面120a中心領域に向かう蛍光信号S2は、ラマンフィルタ130によって遮断され、非結像集光ユニット120の入射面120aのエッジ領域に向かうラマン信号S1は、透明部材140を透過し、非結像集光ユニット120の内部に入る。そして、非結像集光ユニット120は、入射されたラマン信号S1を、出射面120b側に伝達する。
対象物体50から放出される散乱光は、濁度により、ラマン信号S1だけではなく、ラマン信号S1の受信を妨害する蛍光信号S2も、共に含まれている。かような蛍光信号S2は、対象物体50から放出される散乱光の中心部に集中的に存在しているので、ラマンフィルタ130を、非結像集光ユニット120の入射面120a中心領域に設ければ、蛍光信号S2の受信を遮断することができ、それにより、非結像集光ユニット120の内部には、ラマン信号S1だけが収集される。
入射光L照射により、対象物体50から放出される散乱光の角度は、ランダムであるために、散乱光がラマンフィルタ130に垂直ではない角度に入射されもする。シミュレーション実験結果によれば、790nm以下の波長のみを透過させるショートパスフィルタをラマンフィルタとして使用し、ラマンフィルタに、30°及び60°に傾くように入射される800nm〜900nmの波長は、ほとんど透過されなかった。それにより、ラマンフィルタ130に傾くように入射される散乱光も、いずれも遮断することができるということが分かる。
このように、非結像集光ユニット120及びラマンフィルタ130を含む集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光のうちラマン信号S1のみを選択的に収集し、出射面120bを介して放出することができる。そして、かように収集されたラマン信号S1は、分光器150に受信されて分析される。それにより、対象物体50から放出される散乱光のうち蛍光信号S2の受信は、抑制され、ラマン信号S1のみを含むラマンスペクトルを得ることができる。ここで、分光器150としては、基板上に共振器やフィルタが集積されて小型化されたチップ状に製作されたオンチップ(on-chip)型分光器が使用される。
以上で説明したように、本実施形態によるラマン分光システム100によれば、非結像集光ユニット120及びラマンフィルタ130を利用し、対象物体50から放出される散乱光のうち、蛍光信号S2の受信は、抑制し、ラマン信号S1のみを選択的に収集することができる。すなわち、皮膚のように濁度を有する対象物体50に、レーザビームの入射光Lを照射すれば、対象物体50から放出される散乱光には、ラマン信号S1だけではなく、蛍光信号S2も含まれており、かような蛍光信号S2は、放出される散乱光の中心部にほとんどに含まれている。従って、非結像集光ユニット120の入射面120aにおいて、散乱光の中心部に該当する領域、すなわち、入射面120aの中心領域に、蛍光信号S2の受信を遮断するラマンフィルタ130を設けることにより、非結像集光ユニット120は、ラマン信号S1のみを選択的に収集することができる。従って、かようなラマン分光システム100を利用すれば、例えば、皮膚内に含まれている血糖に係わるラマン信号のみを効果的に検出することができる。また、分光器150として、オンチップ型分光器が使用される場合、ラマン分光システム100をマイクロに具現することができる。
一方、以上では非結像集光ユニット120として、複合放物型集光器(CPC)が使用された場合が説明された。しかし、それに限定されるものではなく、多様な形態の集光器が、非結像集光ユニット120としても使用される。
図13Aないし図13Dは、図9に図示されたラマン分光システムに採用される非結像集光ユニットの変形例を図示したものである。図13Aには、楕円双曲面集光器(EHC:elliptical hyperboloid concentrator)121が図示されており、図13Bには、円形双曲面集光器(CHC:circular hyperboloid concentrator)122が図示されている。そして、図13Cには、円錐集光器(CCC:circular cone concentrator)123が図示されており、図13Dには、楕円錐集光器(ECC:elliptical cone concentrator)124が図示されている。一方、以上で説明された集光器は、単に例示的なものに過ぎず、それら以外にも、多様な形態の集光器が、非結像集光ユニット120として使用される。
以上では、ラマンフィルタ130が、入射光の1つの波長帯域のみを透過させる場合が説明された。しかし、それに限定されるものではなく、光源110から放出される入射光は、複数の波長帯域を含み、ラマンフィルタが、かような複数の波長帯域を透過させるようにも設けられる。
図14A及び図14Bは、図9に図示されたラマン分光システムに採用されるラマンフィルタの変形例を図示したものである。
図14Aを参照すれば、非結像集光ユニット120の入射面120a中心領域には、四角形のラマンフィルタ131が設けられる。ラマンフィルタ131は、少なくとも1つの第1波長フィルタ131a、及び少なくとも1つの第2波長フィルタ131bを含んでもよい。第1波長フィルタ131aは、入射光Lの第1波長帯域を透過させることができ、第2波長フィルタ131bは、入射光Lの第2波長帯域を透過させることができる。第1波長フィルタ131a及び第2波長フィルタ131bは、それぞれ四角形状を有することができ、かような第1波長フィルタ131a及び第2波長フィルタ131bは、格子(grid)状にも配置される。
図14Bを参照すれば、非結像集光ユニット120の入射面120a中心領域には、円形のラマンフィルタ132が設けられる。ラマンフィルタ132は、入射光Lの第1波長帯域を透過させる少なくとも1つの第1波長フィルタ132aと、入射光Lの第2波長帯域を透過させる少なくとも1つの第2波長フィルタ132bを含んでもよい。ここで、第1波長フィルタ132a及び第2波長フィルタ132bは、同心円(concentric ring)形態にも配置される。
図15A及び図15Bは、図9に図示されたラマン分光システムに採用されるラマンフィルタの他の変形例を図示したものである。
図15Aを参照すれば、四角形のラマンフィルタ133は、少なくとも1つの第1波長フィルタ133a、少なくとも1つの第2波長フィルタ133b、及び少なくとも1つの第3波長フィルタ133cを含んでもよい。第1波長フィルタ133aは、第1波長帯域を透過させることができ、第2波長フィルタ133bは、第2波長帯域を透過させることができ、第3波長フィルタ133cは、第3波長帯域を透過させることができる。ここで、第1波長フィルタ133a、第2波長フィルタ133b及び第3波長フィルタ133cは、四角形状を有することができ、かような第1波長フィルタ133a、第2波長フィルタ133b及び第3波長フィルタ133cは、格子状にも配置される。
図15Bを参照すれば、円形のラマンフィルタ134は、第1波長帯域を透過させる少なくとも1つの第1波長フィルタ134aと、第2波長帯域を透過させる少なくとも1つの第2波長フィルタ134bと、第3波長帯域を透過させる少なくとも1つの第3波長フィルタ134cと、を含んでもよい。ここで、第1波長フィルタ134a、第2波長フィルタ134b及び第3波長フィルタ134cは、同心円状にも配置される。
以上では、ラマンフィルタ131,132,133,134が、2個波長帯域または3個の波長帯域を透過させる場合が例示的に説明されたが、それら以外にも、4個以上の波長帯域を透過させるラマンフィルタも、具現される。また、以上では、ラマンフィルタ131,132,133,134の形状が四角形または円形である場合が例示的に説明されたが、それら以外にも、ラマンフィルタの形状は、多様に変形される。
このように、複数の波長帯域を透過させるラマンフィルタ131,132,133,134は、SERDS(shifted excitation Raman difference spectroscopy)分野に使用され、背景抽出(background subtraction)のためにも使用される。また、入射光は、波長により、皮膚に侵透する深さが異なるために、複数の波長帯域を透過させるラマンフィルタ131,132,133,134を使用し、皮膚の深さによるラマン情報を得ることができる。
図16は、他の例示的な実施形態によるラマン分光ステムを図示したものである。
図16を参照すれば、ラマン分光システム200は、対象物体50に入射光Lを照射する光源210と、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号を選択的に収集する集光光学系と、集光光学系から出るラマン信号を受信する分光器250と、を含んでもよい。
光源210から出射される入射光Lは、反射ミラー215によって反射された後、後述するラマンフィルタ230を介して、対象物体50の測定領域に照射される。該集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号を選択的に収集することができる。該集光光学系は、非結像集光ユニット220及びラマンフィルタ230を含んでもよい。非結像集光ユニット220は、例えば、複合放物型集光器(CPC)、楕円双曲面集光器(EHC)、円形双曲面集光器(CHC)、円錐集光器(CCC)または楕円錐集光器(ECC)を含んでもよい。しかし、それらに限定されるものではない。
非結像集光ユニット220は、対象物体50から放出される散乱光が入射される入射面220aと、該入射面220aの反対側に位置するものであり、ラマン信号が放出される出射面220bと、を含んでもよい。本実施形態においては、非結像集光ユニット220の入射面220aが、出射面220bより大面積を有することができる。
非結像集光ユニット220の入射面220aのうち一部領域には、蛍光信号遮断のためのラマンフィルタ230が設けられている。具体的には、ラマンフィルタ230は、非結像集光ユニット220の入射面220aにおいて、蛍光信号のほとんどが入射される領域、すなわち、入射面220aの中心領域に設けられる。該ラマンフィルタ230は、1つの波長帯域、または複数の波長帯域が透過するように設けられる。一方、非結像集光ユニット220の入射面220aには、ラマンフィルタ230の周囲を取り囲む透明部材(図示せず)がさらに設けられる。また、ラマンフィルタ230の周囲を取り囲む非結像集光ユニット220の入射面220aには、特定ラマン波長のみを透過させる帯域フィルタ(図示せず)が設けられてもよい。
非結像集光ユニット220及びラマンフィルタ230を含む集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光のうちラマン信号のみを選択的に収集することができる。そして、かように収集されたラマン信号は、例えば、オンチップ型分光器のような分光器250に受信されて分析される。
図17は、さらに他の例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示したものである。
図17を参照すれば、ラマン分光システム300は、光源(図示せず)と、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号を選択的に収集する集光光学系と、該集光光学系から出るラマン信号を受信する分光器350と、を含んでもよい。ここで、分光器350としては、スリット355が形成された一般的な分散型分光器が使用される。
該集光光学系は、非結像集光ユニット320及びラマンフィルタ330を含んでもよい。非結像集光ユニット320は、対象物体50から放出される散乱光が入射される入射面320aと、該入射面320aの反対側に位置するものであり、ラマン信号が放出される出射面320bと、を含んでもよい。本実施形態においては、非結像集光ユニット320の出射面320bが分光器350のスリット355に挿入されるように設けられる。従って、非結像集光ユニット320の出射面320bは、分光器350のスリット355に対応する形状に形成される。
ラマンフィルタ330は、非結像集光ユニット320の入射面320aにおいて、蛍光信号のほとんどが入射される領域、すなわち、入射面320aの中心領域に設けられる。該ラマンフィルタ330は、1つの波長帯域、または複数の波長帯域が透過するように設けられる。非結像集光ユニット320及びラマンフィルタ330を含む集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光のうちラマン信号のみを選択的に収集することができ、収集されたラマン信号は、スリット355を介して、分光器350内部に受信されて分析される。
図18は、さらに他の例示的な実施形態によるラマン分光システムを図示したものである。図18を参照すれば、ラマン分光システム400は、対象物体50に、入射光Lを照射する光源410と、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号を選択的に収集する集光光学系と、該集光光学系から出るラマン信号を受信する分光器450と、を含んでもよい。
光源410から出射される入射光Lは、対象物体50の表面に傾くように入射される。該集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光から、ラマン信号を選択的に収集することができる。該集光光学系は、非結像集光ユニット420及びラマンフィルタ430を含んでもよい。非結像集光ユニット420は、例えば、複合放物型集光器(CPC)、楕円双曲面集光器(EHC)、円形双曲面集光器(CHC)、円錐集光器(CCC)または楕円錐集光器(ECC)を含んでもよい。しかし、それらに限定されるものではない。
非結像集光ユニット420は、対象物体50から放出される散乱光が入射される入射面と、ラマン信号が放出される出射面と、を含んでもよい。ここで、非結像集光ユニット420の入射面は、出射面より小面積を有することができる。また、非結像集光ユニット420の入射面は、出射面より大面積を有することもできる。
ラマンフィルタ430は、非結像集光ユニット420の入射面において、蛍光信号のほとんどが入射される領域、すなわち、入射面の中心領域に設けられる。かようなラマンフィルタ430は、1つの波長帯域、または複数の波長帯域が透過するように設けられる。非結像集光ユニット420及びラマンフィルタ430を含む集光光学系は、対象物体50から放出される散乱光のうちラマン信号のみを選択的に収集することができる。そして、かように収集されたラマン信号は、分光器450に受信されて分析される。
以上で説明したように、非結像集光ユニット及びラマンフィルタを利用し、対象物体から放出される散乱光のうち、蛍光信号の受信は、抑制し、ラマン信号のみを選択的に収集することができる。具体的には、皮膚のように濁度を有する対象物体に、レーザビームを照射すれば、対象物体から放出される散乱光には、ラマン信号だけではなく、ラマン信号の受信を妨害する蛍光信号も含まれており、かような蛍光信号は、散乱光の中心部にほとんどに含まれている。従って、非結像集光ユニットの入射面において、散乱光の中心部に対応する中心領域に、蛍光信号の受信を遮断するラマンフィルタを設けることにより、蛍光信号の受信は、抑制し、ラマン信号のみを選択的に収集することができる。かようなラマン分光システムを利用すれば、皮膚内に含まれている血糖に係わるラマン信号も、効果的に検出することができる。また、オンチップ型分光器が適用されれば、モバイルヘルス香診断センサとして使用されるマイクロラマン分光システムを具現することができる。
また、複数の波長帯域を透過させることができるラマンフィルタを採用したラマン分光システムは、SERDS分野にも応用され、背景抽出(background subtraction)のためにも使用される。そして、光源から出射された入射光は、波長により、皮膚に侵透する深さが異なるために、複数の波長帯域を透過させるラマンフィルタを使用すれば、皮膚の深さによるラマン情報も得ることができる。
本発明の、分光器用集光光学系、及びそれを含むラマン分光システムは、例えば、医療検査関連の技術分野に効果的に適用可能である。
10 測定サンプル
21 第1シリコン基板
22 第2シリコン基板
23 第3シリコン基板
31 コア
32 クラッド層
40 フォーカシングレンズ
50 対象物体
100,200,300,400 ラマン分光システム
110,210,410 光源
115,215 反射ミラー
120,220,320,420 非結像集光ユニット
120a,220a,320a 入射面
120b,220b,320b 出射面
130,131,132,133,134,230,330,430 ラマンフィルタ
131a,132a,133a,134a 第1波長フィルタ
131b,132b,133b,134b 第2波長フィルタ
133c,134c 第3波長フィルタ
140 透明部材
150,250,350,450 分光器
355 スリット
F1〜F9 ファイバ
L 入射光
S 散乱光
S’ ラマン信号を含む散乱光

Claims (18)

  1. 対象物体から放出される散乱光からラマン信号を選択的に収集する分光器用集光光学系において、
    前記ラマン信号を収集して放出するものであり、前記散乱光が入射される入射面と前記ラマン信号が放出される出射面を含む非結像集光ユニットと、
    前記非結像集光ユニットの入射面の一部領域に設けられ、蛍光信号を含む前記散乱光を遮断するラマンフィルタと、を含み、
    前記散乱光のうち、前記蛍光信号の受信は、抑制し、前記ラマン信号を選択的に収集する分光器用集光光学系。
  2. 前記対象物体は、濁度を有する物質を含み、光源から放出される入射光の照射により、前記蛍光信号及び前記ラマン信号を含む散乱光を放出することを特徴とする請求項1に記載の分光器用集光光学系。
  3. 前記対象物体は、皮膚を含み、前記ラマン信号は、血糖ラマン信号を含むことを特徴とする請求項2に記載の分光器用集光光学系。
  4. 前記ラマンフィルタは、前記蛍光信号のほとんどが入射される前記入射面の中心領域に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  5. 前記非結像集光ユニットの入射面は、1cm以下の大きさを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  6. 前記ラマンフィルタは、1mm以下の大きさを有することを特徴とする請求項5に記載の分光器用集光光学系。
  7. 前記ラマンフィルタは、前記対象物体に照射される入射光の波長帯域は、透過させ、前記対象物体から放出される散乱光の波長帯域は、遮断することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  8. 前記ラマンフィルタは、前記入射光の1つの特定波長帯域のみを透過させることを特徴とする請求項7に記載の分光器用集光光学系。
  9. 前記ラマンフィルタは、前記入射光の複数特定波長帯域を透過させる複数の波長フィルタを含むことを特徴とする請求項7に記載の分光器用集光光学系。
  10. 前記複数の波長フィルタは、格子状または同心円状に配置されることを特徴とする請求項9に記載の分光器用集光光学系。
  11. 前記ラマンフィルタの周囲の前記入射面には、前記ラマン信号を含む前記散乱光を透過させる透明部材が設けられるか、あるいは特定ラマン波長のみを透過させる帯域フィルタが設けられることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  12. 前記非結像集光ユニットは、楕円双曲面集光器、円形双曲面集光器、円錐集光器、楕円錐集光器または複合放物型集光器を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  13. 前記非結像集光ユニットの入射面は、前記出射面より小面積を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  14. 前記非結像集光ユニットの入射面は、前記出射面より大面積を有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系。
  15. 対象物体に入射光を照射する光源と、
    前記入射光により、前記対象物体から放出される散乱光からラマン信号を選択的に収集する集光光学系と、
    前記集光光学系から出る前記ラマン信号を受信する分光器と、を含み、
    前記集光光学系は、請求項1〜14のいずれか1つに記載の分光器用集光光学系である、ラマン分光システム。
  16. 前記光源から出射される入射光は、前記対象物体の表面に垂直に照射されるか、あるいは前記対象物体の表面に対して傾くように照射されることを特徴とする請求項15に記載のラマン分光システム。
  17. 前記分光器は、オンチップ型分光器を含むことを特徴とする請求項15または16に記載のラマン分光システム。
  18. 前記分光器は、前記ラマン信号が入射されるスリットが形成された分散型分光器を含み、前記スリットには、前記非結像集光ユニットの出射面が挿入されることを特徴とする請求項15〜17のいずれか1つに記載のラマン分光システム。
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