JP2019049455A - 試料調製装置及び試料調製方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便で迅速な試料調製を行える試料調製装置及び試料調製方法を提供する。【解決手段】試料調製装置は、検出対象物に特異的に結合する物質で修飾されたビーズと前記検出対象物とを含む試料を所定の反応時間にわたって撹拌することと、前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を洗浄することと、洗浄後の前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を濾材に加えて前記検出対象物が結合したビーズを濾別によって取得することとを制御する制御回路と、前記濾材とを備える。前記検出対象物の短径をLとし、前記濾材の孔径をDFとし、前記ビーズの直径をDBとしたときに、L>DF>DB又はL+DB>DF>DBの関係が成り立つ。【選択図】図1
Description
本発明は、試料調製装置及び試料調製方法に関する。
検出対象物としての微小物質が付加された金属に電磁波が照射され、当該電磁波の反射特性又は透過特性に応じて付加された微小物質の有無又は量を特定する手法が知られている。また、このような測定において、検出対象物をビーズで標識することがある。測定の試料準備において、例えば次のように抗体が利用されることがある。すなわち、検出対象物に特異的に結合する抗体がビーズに固定される。このビーズと検出対象物とを含む試料とが混合され、適当な反応時間が経過した後にビーズが洗浄される。また、検出対象物又はビーズに特異的に結合する抗体が金属表面に固定される。検出対象物が結合したビーズを含む試料が当該金属表面に添加され、適当な反応時間が経過した後に洗浄される。このようにして、ビーズで標識された検出対象物が金属表面に固定された試料が調製される。試料調製については、簡便に短時間で行われることが求められている。
簡便で迅速な試料調製を行える試料調製装置及び試料調製方法を提供する。
本実施形態によれば、試料調製装置は、検出対象物に特異的に結合する物質で修飾されたビーズと前記検出対象物とを含む試料を所定の反応時間にわたって撹拌することと、前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を洗浄することと、洗浄後の前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を濾材に加えて前記検出対象物が結合したビーズを濾別によって取得することとを制御する制御回路と、前記濾材とを備え、前記検出対象物の短径をLとし、前記濾材の孔径をDFとし、前記ビーズの直径をDBとしたときに、L>DF>DB又はL+DB>DF>DBの関係が成り立つ。
一実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態は、試料を調製するための装置に係る。調製された試料は、空隙が配置された構造体に固定され、当該構造体に電磁波が照射されることで試料中に含まれる検出対象物の有無又は量等が検出される検出系に用いられる。一般に、空隙が配置された構造体に電磁波が照射されたときの当該電磁波の反射率又は透過率は、空隙の特性に由来する周波数特性を有する。この構造体に検出対象物が付着したとき、この電磁波の反射率又は透過率の周波数特性は変化する。上述の検出系では、照射した電磁波の反射率又は透過率の周波数特性の変化を利用して検出対象物を検出する。
本実施形態に係る試料調製装置は、例えば検出対象物である微小物質に特異的に結合する抗体で修飾されたビーズを用いた試料調製を行う。すなわち、試料調製装置は、微小物質を含む試料と微小物質に特異的に結合する抗体が固定されたビーズとを混合して撹拌し、微小物質をビーズに結合させる。その後、試料調製装置は、ビーズを回収し、微小物質が結合したビーズを濾別処理によって回収する。
[試料調製装置の構成]
試料調製装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、試料調製装置1の構成例の概略を示すブロック図である。図1において、実線矢印は信号の流れを示し、破線矢印は、溶液、試料等の移動を示す。
試料調製装置1の構成について、図1を参照して説明する。図1は、試料調製装置1の構成例の概略を示すブロック図である。図1において、実線矢印は信号の流れを示し、破線矢印は、溶液、試料等の移動を示す。
図1に示すように、試料調製装置1は、Central Processing Unit(CPU)11と、メモリ12と、ストレージ13と、時計15とを備える。CPU11は、試料調製装置1の各部の動作を制御するための制御回路として各種演算を行う。メモリ12は、CPU11の主記憶装置として機能する。ストレージ13は、補助記憶装置として機能する。ストレージ13は、例えばハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等の記録媒体を含む。ストレージ13は、CPU11の演算で用いられる各種プログラム、パラメータ等を記憶している。時計15は、CPU11が時刻又は経過時間を取得するための時計である。時計15はタイマとして機能してもよい。時計15は、例えばビーズと試料とを反応させる時間を計測するために用いられ得る。CPU11、メモリ12、ストレージ13、及び時計15は、例えば、互いにバスライン19を介して接続されている。なお、CPU11に代えて又はCPU11に加えて、Application Specific Integrated Circuit(ASIC)、又はField Programmable Gate Array(FPGA)等が用いられてもよい。
試料調製装置1は、反応容器21と、ビーズ容器31と、試料容器41と、緩衝液容器51と、濾材61と、試料回収容器71とを備える。反応容器21は、例えばビーズに対して検出対象物を結合させる反応などを行うための反応容器である。ビーズ容器31は、反応容器21に投入するビーズが貯蔵される容器である。試料容器41は、検出対象物の有無又は量を調べたい試料が投入されて貯蔵される容器である。緩衝液容器51は、ビーズの洗浄又は保存等に用いられる緩衝液が貯蔵される容器である。濾材61は、検出対象物が結合したビーズと、検出対象物が結合していないビーズとを濾別するための濾材である。濾材61は、例えば細かい穴が多数形成された多孔質を含む。試料回収容器71は、試料調製装置1で最終的に得られる試料が入れられる容器である。
ビーズ容器31に入れられるビーズは、例えば適当な緩衝液に分散した状態にある。このビーズは、例えば磁性ビーズに検出対象物に特異的に結合する抗体を固定したものである。ビーズには、例えば、検出対象物である細菌を抗原とする抗体が固定されている。磁性ビーズは、例えば可磁化物質を含む。このため、試料調製装置1は、磁場を用いることで、磁性ビーズを移動させたり、その位置を保持したりすることができる。すなわち、試料調製装置1は、磁石等を利用して、磁性ビーズを回収することができる。本実施形態で検出対象物として想定されるのは、例えば細菌である。
試料調製装置1は、ビーズ添加装置33と、試料添加装置43と、液体添加装置53とを備える。ビーズ添加装置33は、第1のインターフェース(I/F)33Iを介してバスライン19に接続されている。ビーズ添加装置33は、CPU11の制御下で、ビーズ容器31内にあるビーズを所定量だけ反応容器21に添加する。すなわち、ビーズ添加装置33は、ビーズ容器31内にあるビーズを反応容器21内に移動させる。試料添加装置43は、第2のI/F43Iを介してバスライン19に接続されている。試料添加装置43は、CPU11の制御下で、試料容器41内にある試料を所定量だけ反応容器21に添加する。すなわち、試料添加装置43は、試料容器41内にある試料を反応容器21内に移動させる。液体添加装置53は、第3のI/F53Iを介してバスライン19に接続されている。液体添加装置53は、CPU11の制御下で、緩衝液容器51内にある緩衝液を所定量だけ反応容器21に添加する。すなわち、液体添加装置53は、緩衝液容器51内にある緩衝液を反応容器21内に移動させる。
試料調製装置1は、反応容器21と関連して、撹拌装置23と、ビーズ回収装置25と、液体除去装置27と、試料移動装置29とを備える。
撹拌装置23は、第4のI/F23Iを介してバスライン19に接続されている。撹拌装置23は、CPU11の制御下で、反応容器21内の液体を撹拌するための装置である。撹拌装置23は、例えば、定期的な頻度で反応容器21の角度を変えることで反応容器21内の液体を撹拌する。また、撹拌装置23は、例えば、反応容器21を回転させることで反応容器21内の液体を撹拌する。また、撹拌装置23は、例えば、反応容器21内に設けられた羽根を所定速度で回転させることで反応容器21内の液体を撹拌する。
ビーズ回収装置25は、第5のI/F25Iを介してバスライン19に接続されている。ビーズ回収装置25は、反応容器21内のビーズを回収するための装置である。ビーズ回収装置25は、例えば磁石を含む。ビーズ回収装置25は、CPU11の制御下で、反応容器21の壁面に磁石を位置させる。その結果、反応容器21内に磁性ビーズは、反応容器21の内壁のうち、磁石が位置する位置に寄せ集められる。磁性ビーズを反応容器21内で分散させるときには、ビーズ回収装置25は、磁石を反応容器21から遠ざける。
液体除去装置27は、第6のI/F27Iを介してバスライン19に接続されている。液体除去装置27は、CPU11の制御下で、反応容器21内の液体を除去する装置である。液体除去装置27は、例えばアスピーレータを含む。液体除去装置27は、例えば、ビーズ回収装置25によって反応容器21の内壁の一部に集められたビーズを避けるように反応容器21内の緩衝液を除去することができる。
試料調製装置1は、液体除去装置27等を用いることで、例えば反応容器21内のビーズを洗浄することができる。すなわち、試料調製装置1は、反応容器21内のビーズ回収装置25と液体除去装置27とを用いて緩衝液を除去する。その後、試料調製装置1は、液体添加装置53を用いて緩衝液容器51内の緩衝液を反応容器21に添加する。試料調製装置1は、撹拌装置23を用いて反応容器21内のビーズを緩衝液中で撹拌する。試料調製装置1は、これらの動作を繰り返すことでビーズを緩衝液で洗浄し、夾雑物を取り除くことができる。
試料移動装置29は、第7のI/F29Iを介してバスライン19に接続されている。試料移動装置29は、CPU11の制御下で、反応容器21内の試料を濾材61に移動させる。
試料調製装置1は、濾材61と関連して、試料回収装置63を備える。試料回収装置63は、第8のI/F63Iを介してバスライン19に接続されている。試料回収装置63は、CPU11の制御下で、濾材61によって分離された試料を試料回収容器71に移動させる。
[濾材の構成]
濾材61について、図2を参照して説明する。図2は、濾材61の孔のサイズと試料に含まれる物質のサイズとを模式的に示す。図2では、検出対象物が例えば大腸菌といった細菌92であり、ビーズ91には、細菌92に特異的に結合する抗体が固定されているものとする。例えば多孔質である濾材61の孔の直径は、孔径DFであるものとする。ビーズ91の直径は、ビーズ径DBであるものとする。細菌92は、細長い形状をしているものとする。細菌92の短径は細菌の短径L1であり、細菌92の長径は細菌の長径L2であるものとする。濾材61に注がれる試料は、細菌92が結合したビーズ95と、細菌92が結合していない単体のビーズ96とを含む。濾材61は、このような試料を濾別する。濾材の孔径DFと、細菌の短径L1と、ビーズ径DBとの大きさの関係は、次式の関係を有するように決定される。
細菌の短径L1>濾材の孔径DF>ビーズ径DB
濾材61について、図2を参照して説明する。図2は、濾材61の孔のサイズと試料に含まれる物質のサイズとを模式的に示す。図2では、検出対象物が例えば大腸菌といった細菌92であり、ビーズ91には、細菌92に特異的に結合する抗体が固定されているものとする。例えば多孔質である濾材61の孔の直径は、孔径DFであるものとする。ビーズ91の直径は、ビーズ径DBであるものとする。細菌92は、細長い形状をしているものとする。細菌92の短径は細菌の短径L1であり、細菌92の長径は細菌の長径L2であるものとする。濾材61に注がれる試料は、細菌92が結合したビーズ95と、細菌92が結合していない単体のビーズ96とを含む。濾材61は、このような試料を濾別する。濾材の孔径DFと、細菌の短径L1と、ビーズ径DBとの大きさの関係は、次式の関係を有するように決定される。
細菌の短径L1>濾材の孔径DF>ビーズ径DB
このような大きさの関係によって、ビーズ91と細菌92とがどのような位置関係で結合しても、また、試料内の物質と濾材の孔との位置関係がどのようになっても、単体のビーズ96は、濾材61を通過し、細菌92が結合したビーズ95は、濾材61上に残渣として残る。濾材の孔径DFは、例えば1μm程度に設定される。
また、例えば、ビーズ91と細菌92とが結合するときの位置関係が決まっている場合等は、濾材の孔径DFと、細菌の短径L1と、ビーズ径DBとの大きさの関係は、例えば次式の関係を有するように決定されてもよい。
細菌の短径L1+ビーズ径DB>濾材の孔径DF>ビーズ径DB
細菌の短径L1+ビーズ径DB>濾材の孔径DF>ビーズ径DB
[試料調製装置の動作]
試料調製装置1で行われる処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。この処理は、ユーザによって、試料容器41に検出対象物を含む可能性がある試料が投入され、ビーズ容器31にビーズが投入された状態で行われる。なお、ビーズには、検出対象物に特異的に結合する抗体が固定されている。
試料調製装置1で行われる処理について、図3に示すフローチャートを参照して説明する。この処理は、ユーザによって、試料容器41に検出対象物を含む可能性がある試料が投入され、ビーズ容器31にビーズが投入された状態で行われる。なお、ビーズには、検出対象物に特異的に結合する抗体が固定されている。
ACT101において、CPU11は、ビーズ添加装置33に、ビーズ容器31内の緩衝液に懸濁されたビーズを反応容器21に所定量投入させる。ACT102において、CPU11は、試料添加装置43に、試料容器41内にある試料を反応容器21に所定量投入させる。ここで、反応容器21に投入されるビーズは、反応容器21に投入される試料に対して十分に多い量に設定される。すなわち、試料内に含まれる検出対象物は全てビーズに結合し、検出対象物が結合していないビーズが余るように、これらの量は調整される。
ACT103において、CPU11は、撹拌装置23に反応容器を撹拌させる。ACT104において、CPU11は、撹拌してから所定の反応時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していないとき、処理はACT103に戻り、撹拌を継続する。この継続した撹拌によって、反応容器21内で、試料に含まれていた検出対象物は、抗原抗体反応を用いてビーズに固定される。ACT104において、所定時間が経過したと判定されたとき、処理はACT105に進む。
ここで、所定時間とは、例えば抗原抗体反応に要する時間である。この時間は、例えばストレージ13に記録されている。CPU11は、ストレージ13に記録された必要時間を読み出す。例えば、時計15がタイマとして機能するとき、CPU11は、必要時間を時計15に設定する。この場合、CPU11は、時計15に測定開始信号を送信し、時計15は時間測定を開始する。タイマとして機能する時計15は、先に設定された時間が経過すると、測定終了信号をCPU11に対して送信する。CPU11は、測定終了信号を受信すると、所定時間経過したと判定する。時計15は、所定時間を計測するタイマとしての機能を有しておらず、時刻情報を出力するものであってもよい。その場合、CPU11は、時計15から出力された時刻情報に基づいて、時間の計測を行う。
ACT105において、CPU11は、ビーズ回収装置25に、反応容器21内にあるビーズを回収させる。例えば、ビーズ回収装置25は、反応容器21の外周に磁石を近づける。その結果、反応容器21内で緩衝液中に懸濁されたビーズは、反応容器21の磁石が近づけられた壁に集まる。この状態で、CPU11は、液体除去装置27に、反応容器21内の緩衝液を除去させる。
ACT106において、CPU11は、試料調製装置1に、ビーズの洗浄を行わせる。すなわち、CPU11は、液体添加装置53に、緩衝液容器51内の緩衝液を反応容器21に添加させる。CPU11は、撹拌装置23に、反応容器21内の緩衝液に懸濁されたビーズを撹拌させる。CPU11は、ビーズ回収装置25にビーズを回収させ、液体除去装置にビーズを除く緩衝液を除去させる。
ACT107において、CPU11は、ACT106で行われる洗浄動作を所定回数繰り返したか否かを判定する。所定回数繰り返していないとき、処理はACT106に戻る。すなわち、ACT106の洗浄動作が所定回数繰り返される。一方、洗浄が所定回数繰り返されたと判定されたとき、処理はACT108に進む。洗浄動作が所定回数行われることによって、反応容器21内の夾雑物が取り除かれる。その結果、反応容器21内には検出対象物が結合したビーズ95及び単体の検出対象物が結合していないビーズ96が残される。
ACT108において、CPU11は、濾別処理を行う。すなわち、CPU11は、試料移動装置29に、反応容器21内のビーズを濾材61に移動させる。この際、ビーズは、液体添加装置53によって添加された緩衝液に懸濁された状態であってよい。濾材61に移動させられる試料は、例えば緩衝液に懸濁された細菌92が結合したビーズ95と細菌92が結合していない単体のビーズ96とを含む。
図2を参照して説明したとおり、濾材61の孔のサイズは適切に設定されている。したがって、例えば細菌といった検出対象物が結合したビーズ95と検出対象物が固定されていない単体のビーズ96とが分離される。すなわち、検出対象物が結合したビーズ95が、残渣として濾材61の上に残る。検出対象物が固定されていない単体のビーズ96は、濾材61を通過して濾材61の上には残らない。CPU11は、必要に応じて液体添加装置53に、濾材61に緩衝液を添加させる。この緩衝液の添加によって、単体のビーズ96は確実に濾材61を通過し、濾材61の上は洗浄される。緩衝液に代えて、純水等が用いられてもよい。
ACT109において、CPU11は、試料回収装置63に、濾材61に残った試料である検出対象物が結合したビーズ95を回収させ、試料回収容器71に移動させる。以上によって、試料調製処理は終了する。
[検出対象物の検出]
上述のようにして調製したサンプルに含まれる検出対象物の検出について説明する。
上述のようにして調製したサンプルに含まれる検出対象物の検出について説明する。
検出対象物の検出には、検出センサ120が用いられる。検出センサ120の構造について、図面を参照して説明する。図4Aは、検出センサ120の一例の断面図を示し、図4Bは、検出センサ120の一例の平面図を示す。図4Aは、図4Bに示したIVA−IVA線における断面を示す。
図4A及び図4Bに示すように、検出センサ120において、基板121の上に金属膜122が設けられている。基板121は、例えばシリコンで形成されている。金属膜122は、例えば金で形成されている。図4Bに示すように、金属膜122には、例えばC型の空隙が多数並べて形成されている。多数のC型の空隙を有する図4Bに示す例は、メタマテリアル共振器の代表例で、相補型分割リング共振器と呼ばれている。相補型分割リング共振器は、所定の周波数帯の電磁波が照射されたときに、特徴的な反射特性を示す。すなわち、電磁波が照射されたとき、金属膜122のC型の空隙が形成されている部分の周辺は、電気的にLC回路のように振る舞う。このため、このLC回路の共振周波数の近傍の周波数において、照射された電磁波は、相補型分割リング共振器と強く相互作用し、吸収される。その結果、相補型分割リング共振器は、LC回路の共振周波数の近傍で反射率が低下する反射特性を示す。例えば、C型の空隙部の大きさが数μm程度であるとき、共振周波数は、テラヘルツ帯域に表れる。
相補型分割リング共振器に物質が付着したとき、当該物質がLC回路の主に容量成分を変化させる。その結果、当該LC回路の共振周波数が変化する。図5は、相補型分割リング共振器に電磁波を照射したときの反射率の周波数特性を示す。横軸は照射する電磁波の周波数を示し、縦軸は反射率を示す。破線131は、相補型分割リング共振器に被測定物がないときの周波数特性を示し、実線132は、相補型分割リング共振器に被測定物があるときの周波数特性を示す。図5に示すように、相補型分割リング共振器に被測定物があるか否かに応じて、反射率の周波数特性が変化する。
本実施形態に係る試料調製装置1で調製された試料は、検出センサ120上に添加され、乾燥処理が行われる。その結果、試料中に含まれる検出対象物が結合したビーズ95は、検出センサ120上に固定される。もちろん、試料中に検出対象物が結合したビーズ95がないときには、検出センサ120上に検出対象物が結合したビーズ95は固定されない。本実施形態では、検出センサ120に固定される試料において、検出対象物にビーズが付着している。このビーズの存在のため、試料が付着することによる周波数特性の変化は、ビーズがなく検出対象物のみの場合と比較して大きくなる。したがって、本実施形態に係る試料調製によれば、高い検出感度が得られる。
試料調製装置1で調製された試料を固定した検出センサ120は、検出装置110に設置され、検出対象物の有無の検査又は検出対象物の量の測定等が行われる。検出装置110による検出について、図6を参照して説明する。図6は、検出装置110の概略を示す。
プロセッサ116の制御下で、駆動回路111は、電磁波照射部112に電磁波を放射させる。電磁波照射部112から放射された電磁波113aは、例えば図示しない各種光学素子を用いて、検出センサ120に照射される。この電磁波の少なくとも一部は、検出センサ120で反射する。
反射した電磁波113bは、例えば図示しない各種光学素子を用いて、電磁波検出部114へと導かれる。電磁波検出部114は、電磁波113bを検出し、検出結果を示すアナログ電気信号を生成する。電磁波検出部114は、例えば電磁波113bの強度を検出し、電磁波113bの強度に応じた電気信号を出力する。電磁波検出部114から出力された検出結果を示す電気信号は、AD変換回路115でデジタル電気信号に変換され、プロセッサ116へと伝達される。
プロセッサ116は、電磁波検出部114の検出結果に基づいて、検出センサ120に固定された検出対象物の有無、量又は特性等を特定する。例えば、検出センサ120に検出対象物が固定されていないときと固定されているときとで、検出センサ120における電磁波の反射に係る周波数特性が変化する。このため、電磁波照射部112から所定の周波数を有する電磁波が放射され、検出センサ120で当該電磁波が反射するとき、検出対象物の有無に応じて検出センサ120で反射する電磁波の強度が変化する。プロセッサ116は、例えば予め取得しておいた検出対象物が固定されていないときに検出される電磁波の強度と、試料で処理した検出センサ120を用いて検出された電磁波の強度とを比較して、検出対象物の有無又は量等を特定する。
例えば、図5に示す例において、電磁波照射部112が放射する電磁波の周波数を、一点鎖線で示した周波数F1とする。このとき、破線131で示した検出対象物が存在しない検出センサ120の反射率は、第1の反射率R1として検出される。一方、実線132で示した検出対象物が存在する検出センサ120の反射率は、第2の反射率R2として検出される。このような反射率の変化の有無に基づいて、検出対象物の有無が特定され得る。また、反射率の変化量に基づいて、検出対象物の量又は特性が特定され得る。
本実施形態に係る試料調製装置1によれば、簡易な方法で迅速に、上述の検出装置110を用いた検査に適用される微小物質を含む試料の調製が行われ得る。特に、試料調製手順に含まれる抗原抗体反応は1回であるので、複数回の抗原抗体反応が含まれる調製手順が用いられる場合と比較して、調製時間が短い。
[変形例]
上述の実施形態では、ビーズと検出対象物との結合が抗原抗体反応を用いて行われる例を示した。しかしながら、これに限らない。検出対象物がビーズに特異的に吸着する方法であれば、どのような方法が用いられてもよい。
上述の実施形態では、ビーズと検出対象物との結合が抗原抗体反応を用いて行われる例を示した。しかしながら、これに限らない。検出対象物がビーズに特異的に吸着する方法であれば、どのような方法が用いられてもよい。
また、上述の実施形態では、検出対象物が1種類の場合を例に挙げて説明したが、検出対象物は、1種類に限らず複数種類であってもよい。この場合、検出対象物に応じた例えば複数種類の抗体が固定されたビーズが用いられ得る。
また、上述の実施形態では、試料調製装置1と検出装置110とが別体として設けられる例を示したが、これに限らない。試料調製装置1と検出装置110とが一体として設けられてもよい。ただし検出装置110による処理時間に比べて試料調製装置1による処理時間の方が長い。したがって、試料を大量に処理することを考慮すると、1台の試料調製装置1と1台の検出装置110とを一体としない方が好ましい。一体とする場合、複数台の試料調製装置1と1台の検出装置110とが一体とされるのが好ましい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…試料調製装置、12…メモリ、13…ストレージ、15…時計、19…バスライン、21…反応容器、23…撹拌装置、23I…第4のインターフェース(I/F)、25…ビーズ回収装置、25I…第5のインターフェース(I/F)、27…液体除去装置、27I…第6のインターフェース(I/F)、29…試料移動装置、29I…第7のインターフェース(I/F)、31…ビーズ容器、33…ビーズ添加装置、33I…第1のインターフェース(I/F)、41…試料容器、43…試料添加装置、43I…第2のインターフェース(I/F)、51…緩衝液容器、53…液体添加装置、53I…第3のインターフェース(I/F)、61…濾材、63…試料回収装置、63I…第8のインターフェース(I/F)、71…試料回収容器、91…ビーズ、92…細菌、95…検出対象物が結合したビーズ、96…検出対象物が結合していない単体のビーズ、110…検出装置、111…駆動回路、112…電磁波照射部、114…電磁波検出部、115…変換回路、116…プロセッサ、120…検出センサ、121…基板、122…金属膜。
Claims (5)
- 検出対象物に特異的に結合する物質で修飾されたビーズと前記検出対象物とを含む試料を所定の反応時間にわたって撹拌することと、
前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を洗浄することと、
洗浄後の前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を濾材に加えて前記検出対象物が結合したビーズを濾別によって取得することと
を制御する制御回路と、
前記濾材と
を備え、
前記検出対象物の短径をLとし、前記濾材の孔径をDFとし、前記ビーズの直径をDBとしたときに、L>DF>DB又はL+DB>DF>DBの関係が成り立つ、
試料調製装置。 - 前記ビーズは磁性ビーズであり、
前記試料を洗浄する際に前記ビーズを寄せ集めるための磁石をさらに備える、
請求項1に記載の試料調製装置。 - 前記撹拌を行う反応容器をさらに備え、
前記磁石を前記反応容器に近づけたり前記反応容器から遠ざけたりするビーズ回収装置と、
前記反応容器内に液体を添加する液体添加装置と、
前記反応容器内の液体を除去する液体除去装置と、
前記反応容器内の前記ビーズを前記濾材に移動させる試料移動装置と
をさらに備える請求項2に記載の試料調製装置。 - 前記検出対象物に特異的に結合する物質は抗体であり、
前記反応時間として抗原抗体反応に要する時間を記録する記録媒体をさらに備える、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の試料調製装置。 - 検出対象物の短径をLとし、濾材の孔径をDFとし、前記検出対象物に特異的に結合する物質で修飾されたビーズの直径をDBとしたときに、L>DF>DB又はL+DB>DF>DBの関係が成り立つ前記濾材を用いた試料調製方法であって、
前記ビーズと前記検出対象物とを含む試料を所定の反応時間にわたって撹拌することと、
前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を洗浄することと、
洗浄後の前記検出対象物が結合したビーズと前記検出対象物が結合していないビーズとを含む試料を前記濾材に加えて前記検出対象物が結合したビーズを濾別することと
を含む試料調製方法。
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