JP2019047545A - 発電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも発電量を格段に増やすことができ、しかもシンプルな構造の発電素子を提供する。【解決手段】板面がXY平面と平行な第1及び第2の板状構造体24,28と、第1の板状構造体24を支持する台座32とを備える。2つの板状構造体24,28の各変形に基づいて電荷を発生させる第1及び第2の圧電素子26,30を備える。第1の板状構造体24は、基端部が台座32に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向である。第2の板状構造体28は、基端部が第1の板状構造体24の先端部に接続体34を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向である。第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯と重なっている。【選択図】図1

Description

本発明は、機械的振動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電を行う発電素子に関する。
従来、図14(a)に示すように、可撓性を有した板状構造体10と、板状構造体10の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子12と、板状構造体10の基端部を片持ち梁構造に支持する台座14と、板状構造体10の先端部に設けられた重錘体16とで構成された発電素子18があった。発電素子18は、台座14が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、板状構造体10は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
圧電素子12は、例えば図14(b)に示すように、板状構造体10の上面全体を覆う下部電極層G、下部電極層Gの上面全体を覆う圧電材料層P、圧電材料層Pの上面の特定の領域に設けた上部電極層Eとで構成され、実質的には上部電極層Eを設けた領域が圧電素子12として動作する。
台座14にZ軸方向の振動が印加されると、図15(a)に示すように、その振動が重錘体16及び板状構造体10に作用し、板状構造体10が厚み方向に撓み、この変形に基づいて圧電素子12に電荷が発生する。そして、圧電素子12に発生した電荷が、圧電素子12に接続されている図示しない整流平滑回路によって電力として取り出される。
発電素子18は、板状構造体10の可撓性に基づく1つの共振系(共振周波数frz)を有し、図15(b)に示すように、印加された振動の周波数fzが共振周波数frzに近いと、この振動に共鳴して板状構造体10の振幅Aが大きくなる。したがって、共振周波数frzを、印加される振動の周波数fz付近に設定し、かつ共振のQ値を高くして振幅Aのピーク値を高くする(共振のQ値を高くする)すれば、発電素子18の発電量を増やすことができる。
なお、共振周波数frzは、板状構造体10のZ軸方向のバネ定数と、重錘体16の質量とを調節することによって設定することができ、例えば、バネ定数を大きくしたり重錘体16の質量を小さくしたりすれば、共振周波数frzを高くすることができる。また、共振のQ値は、振動を減衰させる成分を極力小さくする(例えば、真空状態にする)ことによって高くすることができる。
また、特許文献1には、上記発電素子18と同様に、1つの共振系を有した圧電発電装置が開示されている。
国際公開第2012/105368号公報
従来の発電素子18及び特許文献1の圧電発電装置は、共振系のQ値を高くすれば発電量を増やすことができるが、物理的に限界があるため、印加される振動の周波数fzに対して共振周波数frzを正確に一致させたとしても、発電効率は低いものであった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、従来よりも発電量を格段に増やすことができ、しかもシンプルな構造の発電素子を提供することを目的とする。
本発明は、可撓性を有した第1及び第2の板状構造体と、前記第1の板状構造体を支持する台座と、前記第1及び第2の板状構造体の変形、又は前記第2の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記第1及び第2の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第2の板状構造体は、基端部が前記第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第2の板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、前記第1の板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
また、本発明は、可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は少なくとも前記第nの板状構造体変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子と備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体(kaは偶数、2≦ka≦n)は、基端部が第(ka−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体(kbは奇数、3≦kb≦n)は、基端部が第(kb−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第nの板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、他の前記板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
また、本発明は、可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は前記第2〜第nの板状構造体の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体は、各基端部が第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、他の前記板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
上記各発電素子は、特定の前記板状構造体の先端部に、重錘体が設けられていてもよい。
本発明の発電素子は、互いに接続された2個以上の共振系を有し、各共振特性の半値幅の周波数帯が互いに重なるように設定されているので、共振系同士の相互作用により、総合的な共振のQを非常に高くすることができる。したがって、互いの半値幅が重なっている周波数帯の振動に対し、従来よりも発電量を格段に増やすことができる。しかも、構造がシンプルなので、一般的な製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
本発明の発電素子の第一の実施形態の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 第一の実施形態の発電素子が有する第1及び第2の共振系のZ軸方向の共振特性を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 第一の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 第一の実施形態の発電素子の他の変形例の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 図4に示す発電素子が有する第1〜第3の共振系のZ軸方向の共振特性の一例を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 本発明の発電素子の第二の実施形態の外観を示す斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)である。 第二の実施形態の発電素子にZ軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(a)、背面図(b)である。 第二の実施形態の発電素子が有する第1〜第3の共振系のZ軸方向の共振特性の一例を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 第二の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す斜視図(a)、平面図(b)、右側面図(c)である。 本発明の発電素子の第三の実施形態の外観を示す平面図(a)、正面から見た部分断面図(b)、底面図(c)である。 第三の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す平面図(a)、印加される振動に対する各圧電素子の出力の極性を示す図(b)である。 図11(a)に示す発電素子が有する第一及び第二の共振系の共振特性を示すグラフであって、Z軸方向のグラフ(a)、X軸方向のグラフ(b)、Y軸方向のグラフ(c)である。 第三の実施形態の発電素子の他の変形例の外観を示す平面図(a)、印加される振動に対する各圧電素子の出力の極性を示す図(b)である。 従来の発電素子の外観を示す斜視図(a)、圧電素子の構造を示す正面図(b)である。 図14の発電素子にZ軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(a)、この発電素子が有する共振系のZ軸方向の共振特性及び発電量を示すグラフ(b)である。
以下、本発明の発電素子の第一の実施形態について、図1、図2に基づいて説明する。この実施形態の発電素子22は、図1(a)に示すように、可撓性を有した第1の板状構造体24と、第1の板状構造体24の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子26と、可撓性を有した第2の板状構造体28と、第2の板状構造体28の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子30と、第1の板状構造体24を片持ち梁構造に支持する台座32とを備えている。発電素子22は、台座14が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体24,28は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
第1の板状構造体24は、基端部が直接的に台座32に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。第2の板状構造体28は、第1の板状構造体24の上方に位置し、基端部が第1の板状構造体24の先端部に接続体34を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、第2の板状構造体28の先端部には、重錘体36が設けられている。
第1及び第2の圧電素子26,30は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極G、圧電材料P及び上部電極Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子22には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体24のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体24の先端部に接続された物体の質量(接続体34、第2の板状構造体28及び重錘体36の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(重錘体36の質量)とを調節することによって設定される。
2つの共振系Re1,Re2の共振特性は、図2(a)のように表される。なお、図2(a)に示す第2の共振系Re2の共振特性は、第2の板状構造体28の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、第1の共振系Re1との相互作用は含んでいない。
第1の共振系Re1の共振特性は、共振周波数frz1付近に、印加された振幅に共鳴して振幅A1が大きくなるピーキングが発生し、共振周波数frz1を中心とする半値幅hz1の周波数帯で、振幅A1がピーク値の1/2以上になっている。第2の共振系Re2の共振特性は、共振周波数frz2付近に、印加された振幅に共鳴して振幅A2が大きくなるピーキングが発生し、共振周波数frz2を中心とする半値幅hz2の周波数帯で、振幅A2がピーク値の1/2以上になっている。ここで特徴的なのは、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部と第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部とが互いに重なっている点である。
次に、発電素子22にZ軸方向の振動が印加されたときの動作を説明する。ここでは、説明を簡単化するため、第1及び第2の共振系Re1,Re2のQ値を各々Qz1(>>1),Qz2(>>1)とし、Qz1とQZ2とが互いに等しく、共振周波数frz1とfrz2が互いに一致していると仮定し、発電素子22に対して共振周波数frz1,frz2と同じ周波数の振動が印加された場合を考える。
台座32に振動が印加されると、この振動が第1の共振系Re1に伝わり、図1(b)に示すように、第1の板状構造体24が厚み方向に撓み、第1の板状構造体24の先端部に、台座32が変位する加速度αのQz1倍の加速度(Qz1・α)が発生する。したがって、第1の圧電素子26には、概算で、先端部と基端部の加速度の差(Qz1・α)に相当する電荷が発生する。例えば、Qz1=10とすれば、加速度(10α)に相当する電荷が発生することになる。
さらに、第1の板状構造体24の先端部の振動が第2の共振系Re2に伝わり、第2の板状構造体28が第1の板状構造体24と逆向きに撓む。そして、第2の板状構造体28の先端部に、第1の板状構造体24の先端部が変位する加速度のQz2倍の加速度(Qz2・Qz1・α)が発生する。したがって、第2の圧電素子30には、概算で、先端部と基端部の加速度の差(Qz2・Qz1・α)に相当する電荷が発生する。例えば、Qz2=Qz1=10とすれば、加速度(100α)に相当する電荷が発生することになる。
このように、発電素子22は、第1の共振系Re1で(Qz1・α)に相当する電荷を得ることができ、第2の共振系Re2では、(Qz2・Qz1・α)に相当する電荷を得ることができ、これらを合計したものが電力として取り出される。
Qz2=Qz1>>1と仮定すれば、第2の共振系Re2は、第1の共振系Re1よりも多くの電荷が発生するので、第2の共振系Re2の方が発電量が格段に多くなる(Qz2≠Qz1でも同様である)。例えば、上述した従来の発電素子18の場合、共振系が1つだけなので、発電素子22の第1の共振系Re1と同程度の発電しか行うことができない。これに対して、発電素子22は、第2の共振系Re2の働きにより、従来の発電素子18よりも格段に多くの発電を行うことができる。
なお、発電素子22の重錘体36は、第2の板状構造体28の下面側ではなく上面側に設けても同様の動作が行われる。また、重錘体36は、2つの共振系Re1,Re2の共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、2つの板状構造体24,28のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。また、第2の共振系Re2の発電量に対して第1の共振系Re1の発電量が無視できるほど小さければ第1の圧電素子26を省略してもよく、一定以上の発電量を確保しつつ、製造プロセスを簡単化することができる。
ここまでは、共振周波数frz1とfrz2が互いに一致していると仮定し、発電素子22に対して共振周波数frz1,frz2と同じ周波数の振動が印加されたときの動作を説明した。しかし、量産時は製造上のバラツキ等が生じるので、共振周波数frz1,frz2を正確に一致させることは難しい。そこで、発明者が実験やシミュレーションを行って検討した結果、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部と第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部とが互いに重なっていれば、図2(b)に示すように、その重なっている周波数帯において、十分に高い発電量が得られることが分かった。
以上説明したように、発電素子22は、互いに接続された2つの共振系Re1,Re2を有し、各共振特性の半値幅hz1,hz2の周波数帯が互いに重なるように設定されているので、共振系同士の相互作用により、総合的な共振のQが非常に高くなる。したがって、半値幅hz1,hz2が重なっている周波数帯の振動に対し、従来よりも発電量を格段に増やすことができる。しかも、構造がシンプルなので、一般的な製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
次に、第一の実施形態の発電素子22の2つの変形例を説明する。ここで、発電素子22と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
1つ目の変形例である発電素子38は、図3(a)、(b)に示すように、構成部材は発電素子22と同様であり、異なるのは、第2の板状構造体28が第1の板状構造体24の下方に配置されている点であり、これに伴い、第2の圧電素子30が第2の板状構造体28の下面側に設けられ、接続体34が第1の板状構造体24の先端部の下面側に設けられ、重錘体36が第2の板状構造体28の上面側に設けられている。
発電素子38は、第1及び第2の共振系Re1,Re2の上下方向の配置が発電素子22と逆になっているが、各共振系の共振特性は図2(a)に示すグラフと同様であり、発電性能も図2(b)に示すグラフと同様である。したがって、発電素子38においても、発電素子22と同様の優れた効果を得ることができる。なお、発電素子38の重錘体36は、第2の板状構造体28の下面側ではなく上面側に設けても同様の動作が行われる。
2つ目の変形例である発電素子40は、図4(a)、(b)に示すように、発電素子22の構成から重錘体36が削除され、新たに第3の板状構造体42、第3の圧電素子44、接続体46及び重錘体48が追加された構成になっている。
第3の板状構造体42は、第2の板状構造体28の上方に位置し、基端部が第2の板状構造体28の先端部に接続体46を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。そして、第3の板状構造体42の先端部には、重錘体48が設けられている。その他の構成は、発電素子22と同様である。
上記の構造により、発電素子40には3つの共振系Re1,Re2,Re3が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体24のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体24の先端部に接続された物体の質量(接続体34、第2の板状構造体28、接続体46、第3の板状構造体42及び重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(接続体46、第3の板状構造体42及び重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
第3の共振系Re3は、第3の板状構造体42の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz3は、第3の板状構造体42のZ軸方向のバネ定数と、第3の板状構造体42の先端部に接続された物体の質量(重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。なお、重錘体48は共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、3つの板状構造体24,28,42のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。
3つの共振系Re1,Re2,Re3の共振特性は、例えば図5(a)のように設定される。なお、図5(a)に示す第2の共振系Re2の共振特性は、第2の板状構造体28の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、他の共振系との相互作用は含んでいない。同様に、第3の共振系Re3の共振特性は、第3の板状構造体42の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、他の共振系との相互作用は含んでいない。
特徴的なのは、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部が第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部に重なり、第2の共振系Re2の半値幅hz1の周波数帯の一部も第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部に重なっている点である。ここでは、半値幅hz2とhz3の周波数帯は重なっていない。
発電素子40は、各共振系の共振特性が図5(a)のように設定されているので、図5(b)に示すように、上記と同様の多くの発電量を、2つの周波数帯で得ることができる。半値幅hz1とhz2の周波数帯を重なる設定にすることも可能であり、その場合、発電量がピークを示す周波数帯が1つになり、発電量のピーク値はより高くなる
次に、本発明の発電素子の第二の実施形態について、図6〜図8に基づいて説明する。この実施形態の発電素子50は、図6(a)に示すように、可撓性を有した第1の板状構造体52と、第1の板状構造体52の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子54と、可撓性を有した第2の板状構造体56と、第2の板状構造体56の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子58と、可撓性を有した第3の板状構造体60と、第3の板状構造体62の変形に基づいて電荷を発生させる第3の圧電素子62とを備えている。そして、第1の板状構造体52を片持ち梁構造に支持する台座64を備えている。発電素子50は、台座64が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体52,56,60は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
第1の板状構造体52は、基端部が直接的に台座64に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。第2及び第3の板状構造体56,60は、第1の板状構造体52を間に挟むように、第1の板状構造体52の側方に配置され、各基端部が第1の板状構造体24の先端部に接続体66を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、接続体66の下面側に重錘体68が設けられ、第2の板状構造体56の先端部の下面側に重錘体70が設けられ、第3の板状構造体60の先端部の下面側に重錘体72が設けられている。
したがって、台座64にZ軸方向の振動が印加され、第1の板状構造体52が厚み方向に撓むと、図7(a)に示すように、第2の板状構造体56は第1の板状構造体52と逆向きに撓む。同様に、第1の板状構造体52が厚み方向に撓むと、図7(b)に示すように、第3の板状構造体60は第1の板状構造体52と逆向きに撓む。
第1、第2及び第3の圧電素子54,58,62は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極G、圧電材料P及び上部電極Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子50には3つの共振系Re1,Re2,Re3が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体52の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体52のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体52の先端部に接続された物体の質量(接続体66、第2及び第3の板状構造体56,60、及び重錘体68,70,72の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体56の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(重錘体70の質量)とを調節することによって設定される。
第3の共振系Re3は、第3の板状構造体60の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz3は、第3の板状構造体60のZ軸方向のバネ定数と、第3の板状構造体60の先端部に接続された物体の質量(重錘体72の質量)とを調節することによって設定される。なお、重錘体68,70,72は共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、3つの板状構造体52,56,60のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。
この3つの共振系Re1,Re2,Re3の共振特性は、例えば図8(a)のように設定される。特徴的なのは、第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部が第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部に重なり、第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部も第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部に重なっている点である。ここでは、半値幅hz2とhz3の周波数帯は重なっていない。
発電素子50は、各共振系の共振特性が図8(a)のように設定されているので、図8(b)に示すように、2つの周波数帯で多くの発電量を得ることができる。半値幅hz1とhz2の周波数帯を重なる設定にすることも可能であり、その場合、発電量がピークを示す周波数帯は1つになるが、発電量のピーク値はもっと高くなる。
なお、先に説明した発電素子40(図4)も3つの共振系を有しているが、発電素子40の場合は、3つの共振系が順に直列に配置されているので、直接接続されていない2つの共振系Re1とRe3の間にも相互作用が生じる。これに対して、この発電素子50は、第1及び第2の共振系Re1,Re2が直列で、第1及び第3の共振系Re1,Re2が直列であるが、第2及び第3の共振系Re2,Re3は直列になっていない。そのため、直接接続されていない2つの共振系Re2とRe3の間には相互作用がほとんど生じない。したがって、発電素子50は、2台の発電素子22(図1)を並列に使用するのとほぼ同様の動作を行う。
発電素子50は、発電素子22よりも多くの発電量を得ることができる。また、発電素子22の場合は、板状構造体24,28が上下に重なるように配置されているので互いに接触しやすいが、発電素子50は、板状構造体52,56,60が上下方向に重ならないよう配置され、板状構造体52,56,60が互いにぶつからない構造なので、板状構造体52,56,60の最大撓み量を大きくすることができ、発電量をさらに増やすことができる。
次に、第二の実施形態の発電素子50の一変形例である発電素子74について、図9に基づいて説明する。ここで、発電素子50と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。発電素子74は、発電素子50の構成から重錘体70,72が削除され、新たにU字状の重錘体76が設けられた構成になっている。その他の構成は、発電素子50と同様である。
重錘体76は、重錘体70,72の先端部同士を横梁で連結して一体化させたような構形状である。したがって、板状構造体56,60の各先端部が重錘体76を介して連結される形になり、2つの板状構造体56,60が協働して第2の板状構造体(1つの板状構造体)の役割をする。以下、2つの板状構造体56,60の特性を合成したものを第2の板状構造体56xと称して説明する。
上記の構造により、発電素子74には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体52の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体52のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体52の先端部に接続された物体の質量(接続体66、重錘体68、第2の板状構造体56x及び重錘体76の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体56xの可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体56xのZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体56xの先端部に接続された物体の質量(重錘体76の質量)とを調節することによって設定される。
各共振系の共振特性は、図2(a)に示す発電素子22のグラフと同様である。したがって、発電素子74も発電素子22と同様の動作を行い、発電素子50と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の発電素子の第三の実施形態について、図10に基づいて説明する。この実施形態の発電素子78は、可撓性を有した第1の板状構造体80と、第1の板状構造体80の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子82と、可撓性を有した第2の板状構造体84と、第2の板状構造体84の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子86と、第1の板状構造体80を片持ち梁構造に支持する台座88を備えている。発電素子78は、台座88が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体80,84は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
台座88は、四角形の角筒状に形成され、他の部材を囲むように設けられている。第1の板状構造体80は、基端部が直接的に台座88の内壁に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。そして、第1の板状構造体80の先端部には、四角形の枠板状に形成された接続体90がY軸正方向に延設されている。
第2の板状構造体84は、接続体90の内側に位置し、基端部が接続体90の内縁部(第1の板状構造体80が接続されて部分に対向する一辺の内縁部)に接続されている。つまり、第2の板状構造体84は、接続体90を介して第1の板状構造体80に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、接続体90の下面側に、接続体90と同じに大きさの角筒状に形成された重錘体92が設けられ、第2の板状構造体86の先端部の下面側に、重錘体92に囲まれるように重錘体94が設けられている。したがって、台座88にZ軸方向の振動が印加され、第1の板状構造体80が厚み方向に撓むと、第2の板状構造体86は、第1の板状構造体80と逆向きに撓む。
第1及び第2の圧電素子82,86は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極G、圧電材料P及び上部電極Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子78には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体80の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体80のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体80の先端部に接続された物体の質量(接続体90、重錘体92、第2の板状構造体84及び重錘体94の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体84の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体84のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体84の先端部に接続された物体の質量(重錘体94の質量)とを調節することによって設定される。なお、重錘体92,94は共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、2つの板状構造体80.84のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。
各共振系の共振特性は、図2(a)に示す発電素子22のグラフと同様であり、発電素子78においても、発電素子22と同様の作用効果を得ることができる。さらに、発電素子78では、台座88に、重錘体92が過剰に変位するのを防止するストッパの働きをさせ、重錘体92に、重錘体94が過剰に変位するのを防止するストッパの働きをさせることができるので、発電素子78に強い衝撃が加わった時、第1及び第2の板状構造体80,84が破損するのを容易に保護することができる。また、第1の板状構造体80の先端部と第2の板状構造体84の根端部は、接続体90の両端部(互いに離れた位置)に接続されているので、第2の共振系Re2により大きな加速度を作用させることができる。
次に、第三の実施形態の発電素子78の2つの変形例を説明する。ここで、発電素子78と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
1つ目の変形例である発電素子96は、図11(a)に示すように、発電素子78の第1の圧電素子82を第1の圧電素子98に置き換え、第2の圧電素子86を第2の圧電素子100に置き換えたものであり、その他の構成は発電素子78と同様である。
上記発電素子78は、第1の圧電素子82が1個の圧電素子で構成され、第2の圧電素子86が1個の圧電素子で構成されており、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる。これに対して、この発電素子96は、第1の圧電素子98が4個の圧電素子Ea1〜Ea4で構成され、第2の圧電素子100が4個の圧電素子Eb1〜Eb4で構成されており、XYZの各軸方向の振動をすべて電気エネルギーに変換できるという特徴がある。
発電素子96は、発電素子78と基本構造が同じであり、図10(b)に示すように、重錘体92,94の重心が第1及び第2の板状構造体80,84の先端部よりも低い位置に偏っているので、重錘体92,94にXYの各軸方向の振動が作用すると、第1及び第2の板状構造体80,84に対して曲げモーメントが作用する。そして、第1及び第2の板状構造体80,84が変形し、図11(b)に示すように、8つの圧電素子Ea1〜Ea4,Eb1〜Eb4に、正又は負電荷がそれぞれ発生する。したがって、Z軸方向の振動だけでなく、XYの各軸方向の振動も電気エネルギーに変換できる。なお、図11(b)の中の「+」「−」は、各圧電素子に発生する電荷の極性を相対的に表したものであり、「+」と「−」をすべて逆に置き換えて表してもよい。
発電素子96の第1の共振系Re1は、Z軸方向の共振周波数frz1及び半値幅hz1の他、X軸方向の共振周波数frx1及び半値幅hx1、Y軸方向の共振周波数fry1及び半値幅hy1を有している。同様に、第2の共振系Re2は、Z軸方向の共振周波数frz2及び半値幅hz2の他、X軸方向の共振周波数frx2及び半値幅hx2、Y軸方向の共振周波数fry2及び半値幅hy2を有している。
Z軸方向は、図12(a)に示すように、半値幅hz2の周波数帯の一部が、半値幅hz1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
X軸方向も同様であり、図12(b)に示すように、半値幅hx2の周波数帯の一部が、半値幅hx1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
Y軸方向も同様であり、図12(c)に示すように、半値幅hy2の周波数帯の一部が、半値幅hy1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
このように、発電素子96によれば、XYZの各軸方向の振動をすべて効率よく電気エネルギーに変換することができるので、発電素子78より多くの発電量を得ることができる。
2つ目の変形例である発電素子102は、図13(a)に示すように、発電素子78の第1の圧電素子82を第1の圧電素子104に置き換え、第2の圧電素子86を第2の圧電素子106に置き換えたものであり、その他の構成は発電素子78と同様である。
上記発電素子78は、第1の圧電素子82が1個の圧電素子で構成され、第2の圧電素子86が1個の圧電素子で構成されており、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる。これに対して、この発電素子102は、第1の圧電素子104が2個の圧電素子Ea1,Ea2で構成され、第2の圧電素子106が2個の圧電素子Eb1,Eb2で構成されており、YZの2軸方向の振動を電気エネルギーに変換することができるという特徴がある。
上記のように、発電素子102の重錘体92,94にY軸方向の振動が作用すると、第1及び第2の板状構造体80,84に対して曲げモーメントが作用する。そして、第1及び第2の板状構造体80,84が変形し、図13(b)に示すように、4つの圧電素子Ea1,Ea2,Eb1,Eb2に、正又は負電荷がそれぞれ発生する。したがって、Z軸方向の振動だけでなく、Y軸方向の振動も電気エネルギーに変換できる。
発電素子102の第1の共振系Re1は、Z軸方向の共振周波数frz1及び半値幅hz1の他、X軸方向の共振周波数frx1及び半値幅hx1、Y軸方向の共振周波数fry1及び半値幅hy1を有している。同様に、第2の共振系Re2は、Z軸方向の共振周波数frz2及び半値幅hz2の他、X軸方向の共振周波数frx2及び半値幅hx2、Y軸方向の共振周波数fry2及び半値幅hy2を有している。これは、発電素子96と同様である。
Z軸方向は、発電素子96と同様に、半値幅hz2の周波数帯の一部が、半値幅hz1の周波数帯の一部と重なるように設定されている(図12(a))。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
Y軸方向も、発電素子96と同様に、半値幅hy2の周波数帯の一部が、半値幅hy1の周波数帯の一部と重なるように設定されている(図12(c))。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
しかし、X軸方向の共振特性は特に重要ではなく、半値幅hx2の周波数帯が半値幅hx1の周波数帯に重なっていなくても構わない。発電素子102は、X軸方向の発電を行わない素子だからである。
発電素子102によれば、YZの2軸方向の振動を効率よく電気エネルギーに変換することができるので、発電素子78より多くの発電量を得ることができる。また、第1及び第2の共振系Re1,Re2の設計を行うとき、発電素子94の場合は3方向の共振特性を考慮する必要があるが、発電素子102の場合は2方向だけを考慮すればよいので、発電素子102の方が設計が容易である。
なお、本発明の発電素子は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、図4に示す発電素子40は、3個の板状構造体を直列に接続して合計3個の共振系を設けているが、直列に配置する板状構造体の数及び共振系の数をもっと増やすことによって、発電量を指数関数的に多くすることができる。この場合、上記実施形態と同様に、奇数番目の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように配置し、偶数番目の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように配置する点に留意する。また、第1〜第nの板状構造体を直列に配置した場合、第1〜第nの共振系が形成され、各共振系の半値幅の周波数帯が重なったとき、台座から最も離れている第nの共振系の発電量が最大になる。したがって、発電量を多くするためには、第nの共振系と他の共振系との間に相互作用が生じることが重要になるので、第nの共振系の半値幅の周波数帯が他の共振系(できるだけ多くの共振系)の半値幅の周波数帯と重なるように設定するとよい。
図6に示す発電素子50は、第1の板状構造体の先端部に他の板状構造体を2個接続し合計3個の共振系を設けているが、他の板状構造体の数をもっと増やして共振系の数をもっと増やすことによって、発電量をさらに多くすることができる。この場合、上記実施形態と同様に、第1の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように配置し、その他の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように配置する点に留意する。また、発電量を多くするためには、第1の共振系と他の共振系との間に相互作用が生じることが重要であり、第1の共振系の半値幅の周波数帯が他の共振系(できるだけ多くの共振系)の半値幅の周波数帯と重なるように設定するとよい。
また、図6に示す発電素子50は、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる構成であるが、第1及び第2の圧電素子82,86を、図11に示す第1及び第2の圧電素子98.100のような構成に変更すれば、XYZの各軸方向の振動をすべて電気エネルギーに変換することができ、発電量をさらに多くすることができる。あるいは、第1及び第2の圧電素子82,86を、図13に示す第1及び第2の圧電素子104,106のような構成に変更すれば、YZの2軸方向の振動を電気エネルギーに変換することができ、発電量をさらに多くすることができる。
その他、発電素子の製造プロセスは特に限定されず、個々の構造に合わせて自由に選択することができる。例えば、上記の発電素子50,74,78,96,102(図6、図9、図10、図11、図13)は、複数の共振系がXY平面に沿ってほぼ面一に並設される構成なので、Si基板やSOI基板等を用いたMEMS技術を使用すれば、容易に製造することができる。また、圧電素子の具体的な構造は、図14(b)に示す圧電素子18の構造に限定されず、同様の機能を実現できる他の構造を用いてもよい。
22,38,40,50,74,78,96,102 発電素子
24,52,80 第1の板状構造体
26,54,82,98,104 第1の圧電素子
28,56,56x,84 第2の板状構造体
30,58,86,100,106 第2の圧電素子
32,64,88 台座
34,46,66,90 接続体
36,48,68,70,72,76,92,94 重錘体
42,60 第3の板状構造体
44,62 第3の圧電素子
frx1,fry1,frz1 共振周波数(第1の共振系)
frx2,fry2,frz2 共振周波数(第2の共振系)
frz3 共振周波数(第3の共振系)
hx1,hy1,hz1 半値幅(第1の共振系)
hx2,hy2,hz2 半値幅(第2の共振系)
hz3 共振周波数(第3の共振系)
Re1 第1の共振系
Re2 第2の共振系
Re3 第3の共振系
本発明は、機械的振動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電を行う発電素子に関する。
従来、図14(a)に示すように、可撓性を有した板状構造体10と、板状構造体10の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子12と、板状構造体10の基端部を片持ち梁構造に支持する台座14と、板状構造体10の先端部に設けられた重錘体16とで構成された発電素子18があった。発電素子18は、台座14が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、板状構造体10は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
圧電素子12は、例えば図14(b)に示すように、板状構造体10の上面全体を覆う下部電極層G、下部電極層Gの上面全体を覆う圧電材料層P、圧電材料層Pの上面の特定の領域に設けた上部電極層Eとで構成され、実質的には上部電極層Eを設けた領域が圧電素子12として動作する。
台座14にZ軸方向の振動が印加されると、図15(a)に示すように、その振動が重錘体16及び板状構造体10に作用し、板状構造体10が厚み方向に撓み、この変形に基づいて圧電素子12に電荷が発生する。そして、圧電素子12に発生した電荷が、圧電素子12に接続されている図示しない整流平滑回路によって電力として取り出される。
発電素子18は、板状構造体10の可撓性に基づく1つの共振系(共振周波数frz)を有し、図15(b)に示すように、印加された振動の周波数fzが共振周波数frzに近いと、この振動に共鳴して板状構造体10の振幅Aが大きくなる。したがって、共振周波数frzを、印加される振動の周波数fz付近に設定し、かつ共振のQ値を高くして振幅Aのピーク値を高くすれば、発電素子18の発電量を増やすことができる。
なお、共振周波数frzは、板状構造体10のZ軸方向のバネ定数と、重錘体16の質量とを調節することによって設定することができ、例えば、バネ定数を大きくしたり重錘体16の質量を小さくしたりすれば、共振周波数frzを高くすることができる。また、共振のQ値は、振動を減衰させる成分を極力小さくする(例えば、真空状態にする)ことによって高くすることができる。
また、特許文献1には、上記発電素子18と同様に、1つの共振系を有した圧電発電装置が開示されている。
国際公開第2012/105368号公報
従来の発電素子18及び特許文献1の圧電発電装置は、共振系のQ値を高くすれば発電量を増やすことができるが、物理的に限界があるため、印加される振動の周波数fzに対して共振周波数frzを正確に一致させたとしても、発電効率は低いものであった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、従来よりも発電量を格段に増やすことができ、しかもシンプルな構造の発電素子を提供することを目的とする。
本発明は、可撓性を有した第1及び第2の板状構造体と、前記第1の板状構造体を支持する台座と、前記第1及び第2の板状構造体の変形、又は前記第2の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記第1及び第2の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、前記基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第2の板状構造体は、前記第2の板状構造体の基端部が前記第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記第2の板状構造体の基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第1の共振系が形成され、前記第2の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第2の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第2の共振系が形成され、前記第2の共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、前記第1共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
また、本発明は、可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は少なくとも前記第nの板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子と備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、前記基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体(kaは偶数、2≦ka≦n)は、前記n個の板状構造体の中の第kaの基端部が第(ka−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記n個の板状構造体の中の第kaの基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体(kbは奇数、3≦kb≦n)は、前記n個の板状構造体の中の第kbの基端部が第(kb−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記n個の板状構造体の中の第kbの基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第1の共振系が形成され、前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第kaの共振系が形成され、前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第kbの共振系が形成され、前記n個の板状構造体の各共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、他の前記板状構造体共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
また、本発明は、可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は前記第2〜第nの板状構造体の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、前記基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体は、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体の各基端部が前記第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体の基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第1の共振系が形成され、前記第1の板状構造体以外の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体以外の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により、前記第1の共振系以外の他の共振系が形成され、前記第1共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、前記他の共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
上記各発電素子は、特定の前記板状構造体の先端部に、重錘体が設けられていてもよい。
本発明の発電素子は、互いに接続された2個以上の共振系を有し、各共振特性の半値幅の周波数帯が互いに重なるように設定されているので、共振系同士の相互作用により、総合的な共振のQを非常に高くすることができる。したがって、互いの半値幅が重なっている周波数帯の振動に対し、従来よりも発電量を格段に増やすことができる。しかも、構造がシンプルなので、一般的な製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
本発明の発電素子の第一の実施形態の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 第一の実施形態の発電素子が有する第1及び第2の共振系のZ軸方向の共振特性を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 第一の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 第一の実施形態の発電素子の他の変形例の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 図4に示す発電素子が有する第1〜第3の共振系のZ軸方向の共振特性の一例を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 本発明の発電素子の第二の実施形態の外観を示す斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)である。 第二の実施形態の発電素子にZ軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(a)、背面図(b)である。 第二の実施形態の発電素子が有する第1〜第3の共振系のZ軸方向の共振特性の一例を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 第二の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す斜視図(a)、平面図(b)、右側面図(c)である。 本発明の発電素子の第三の実施形態の外観を示す平面図(a)、正面から見た部分断面図(b)、底面図(c)である。 第三の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す平面図(a)、印加される振動に対する各圧電素子の出力の極性を示す図(b)である。 図11(a)に示す発電素子が有する第一及び第二の共振系の共振特性を示すグラフであって、Z軸方向のグラフ(a)、X軸方向のグラフ(b)、Y軸方向のグラフ(c)である。 第三の実施形態の発電素子の他の変形例の外観を示す平面図(a)、印加される振動に対する各圧電素子の出力の極性を示す図(b)である。 従来の発電素子の外観を示す斜視図(a)、圧電素子の構造を示す正面図(b)である。 図14の発電素子にZ軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(a)、この発電素子が有する共振系のZ軸方向の共振特性及び発電量を示すグラフ(b)である。
以下、本発明の発電素子の第一の実施形態について、図1、図2に基づいて説明する。この実施形態の発電素子22は、図1(a)に示すように、可撓性を有した第1の板状構造体24と、第1の板状構造体24の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子26と、可撓性を有した第2の板状構造体28と、第2の板状構造体28の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子30と、第1の板状構造体24を片持ち梁構造に支持する台座32とを備えている。発電素子22は、台座14が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体24,28は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
第1の板状構造体24は、基端部が直接的に台座32に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。第2の板状構造体28は、第1の板状構造体24の上方に位置し、基端部が第1の板状構造体24の先端部に接続体34を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、第2の板状構造体28の先端部には、重錘体36が設けられている。
第1及び第2の圧電素子26,30は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極G、圧電材料P及び上部電極Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子22には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体24のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体24の先端部に接続された物体の質量(接続体34、第2の板状構造体28及び重錘体36の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(重錘体36の質量)とを調節することによって設定される。
2つの共振系Re1,Re2の共振特性は、図2(a)のように表される。なお、図2(a)に示す第2の共振系Re2の共振特性は、第2の板状構造体28の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、第1の共振系Re1との相互作用は含んでいない。
第1の共振系Re1の共振特性は、共振周波数frz1付近に、印加された振に共鳴して振幅A1が大きくなるピーキングが発生し、共振周波数frz1を中心とする半値幅hz1の周波数帯で、振幅A1がピーク値の1/2以上になっている。第2の共振系Re2の共振特性は、共振周波数frz2付近に、印加された振に共鳴して振幅A2が大きくなるピーキングが発生し、共振周波数frz2を中心とする半値幅hz2の周波数帯で、振幅A2がピーク値の1/2以上になっている。ここで特徴的なのは、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部と第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部とが互いに重なっている点である。
次に、発電素子22にZ軸方向の振動が印加されたときの動作を説明する。ここでは、説明を簡単化するため、第1及び第2の共振系Re1,Re2のQ値を各々Qz1(>>1),Qz2(>>1)とし、Qz1とQZ2とが互いに等しく、共振周波数frz1とfrz2が互いに一致していると仮定し、発電素子22に対して共振周波数frz1,frz2と同じ周波数の振動が印加された場合を考える。
台座32に振動が印加されると、この振動が第1の共振系Re1に伝わり、図1(b)に示すように、第1の板状構造体24が厚み方向に撓み、第1の板状構造体24の先端部に、台座32が変位する加速度αのQz1倍の加速度(Qz1・α)が発生する。したがって、第1の圧電素子26には、概算で、先端部と基端部の加速度の差(Qz1・α)に相当する電荷が発生する。例えば、Qz1=10とすれば、加速度(10α)に相当する電荷が発生することになる。
さらに、第1の板状構造体24の先端部の振動が第2の共振系Re2に伝わり、第2の板状構造体28が第1の板状構造体24と逆向きに撓む。そして、第2の板状構造体28の先端部に、第1の板状構造体24の先端部が変位する加速度のQz2倍の加速度(Qz2・Qz1・α)が発生する。したがって、第2の圧電素子30には、概算で、先端部と基端部の加速度の差(Qz2・Qz1・α)に相当する電荷が発生する。例えば、Qz2=Qz1=10とすれば、加速度(100α)に相当する電荷が発生することになる。
このように、発電素子22は、第1の共振系Re1で(Qz1・α)に相当する電荷を得ることができ、第2の共振系Re2では、(Qz2・Qz1・α)に相当する電荷を得ることができ、これらを合計したものが電力として取り出される。
Qz2=Qz1>>1と仮定すれば、第2の共振系Re2は、第1の共振系Re1よりも多くの電荷が発生するので、第2の共振系Re2の方が発電量が格段に多くなる(Qz2≠Qz1でも同様である)。例えば、上述した従来の発電素子18の場合、共振系が1つだけなので、発電素子22の第1の共振系Re1と同程度の発電しか行うことができない。これに対して、発電素子22は、第2の共振系Re2の働きにより、従来の発電素子18よりも格段に多くの発電を行うことができる。
なお、発電素子22の重錘体36は、第2の板状構造体28の下面側ではなく上面側に設けても同様の動作が行われる。また、重錘体36は、2つの共振系Re1,Re2の共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、2つの板状構造体24,28のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。また、第2の共振系Re2の発電量に対して第1の共振系Re1の発電量が無視できるほど小さければ第1の圧電素子26を省略してもよく、一定以上の発電量を確保しつつ、製造プロセスを簡単化することができる。
ここまでは、共振周波数frz1とfrz2が互いに一致していると仮定し、発電素子22に対して共振周波数frz1,frz2と同じ周波数の振動が印加されたときの動作を説明した。しかし、量産時は製造上のバラツキ等が生じるので、共振周波数frz1,frz2を正確に一致させることは難しい。そこで、発明者が実験やシミュレーションを行って検討した結果、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部と第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部とが互いに重なっていれば、図2(b)に示すように、その重なっている周波数帯において、十分に高い発電量が得られることが分かった。
以上説明したように、発電素子22は、互いに接続された2つの共振系Re1,Re2を有し、各共振特性の半値幅hz1,hz2の周波数帯が互いに重なるように設定されているので、共振系同士の相互作用により、総合的な共振のQが非常に高くなる。したがって、半値幅hz1,hz2が重なっている周波数帯の振動に対し、従来よりも発電量を格段に増やすことができる。しかも、構造がシンプルなので、一般的な製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
次に、第一の実施形態の発電素子22の2つの変形例を説明する。ここで、発電素子22と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
1つ目の変形例である発電素子38は、図3(a)、(b)に示すように、構成部材は発電素子22と同様であり、異なるのは、第2の板状構造体28が第1の板状構造体24の下方に配置されている点であり、これに伴い、第2の圧電素子30が第2の板状構造体28の下面側に設けられ、接続体34が第1の板状構造体24の先端部の下面側に設けられ、重錘体36が第2の板状構造体28の上面側に設けられている。
発電素子38は、第1及び第2の共振系Re1,Re2の上下方向の配置が発電素子22と逆になっているが、各共振系の共振特性は図2(a)に示すグラフと同様であり、発電性能も図2(b)に示すグラフと同様である。したがって、発電素子38においても、発電素子22と同様の優れた効果を得ることができる。なお、発電素子38の重錘体36は、第2の板状構造体28の下面側ではなく上面側に設けても同様の動作が行われる。
2つ目の変形例である発電素子40は、図4(a)、(b)に示すように、発電素子22の構成から重錘体36が削除され、新たに第3の板状構造体42、第3の圧電素子44、接続体46及び重錘体48が追加された構成になっている。
第3の板状構造体42は、第2の板状構造体28の上方に位置し、基端部が第2の板状構造体28の先端部に接続体46を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。そして、第3の板状構造体42の先端部には、重錘体48が設けられている。その他の構成は、発電素子22と同様である。
上記の構造により、発電素子40には3つの共振系Re1,Re2,Re3が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体24のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体24の先端部に接続された物体の質量(接続体34、第2の板状構造体28、接続体46、第3の板状構造体42及び重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(接続体46、第3の板状構造体42及び重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
第3の共振系Re3は、第3の板状構造体42の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz3は、第3の板状構造体42のZ軸方向のバネ定数と、第3の板状構造体42の先端部に接続された物体の質量(重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。なお、重錘体48は共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、3つの板状構造体24,28,42のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。
3つの共振系Re1,Re2,Re3の共振特性は、例えば図5(a)のように設定される。なお、図5(a)に示す第2の共振系Re2の共振特性は、第2の板状構造体28の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、他の共振系との相互作用は含んでいない。同様に、第3の共振系Re3の共振特性は、第3の板状構造体42の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、他の共振系との相互作用は含んでいない。
特徴的なのは、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部が第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部に重なり、第2の共振系Re2の半値幅hz1の周波数帯の一部も第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部に重なっている点である。ここでは、半値幅hz2とhz3の周波数帯は重なっていない。
発電素子40は、各共振系の共振特性が図5(a)のように設定されているので、図5(b)に示すように、上記と同様の多くの発電量を、2つの周波数帯で得ることができる。半値幅hz1とhz2の周波数帯を重なる設定にすることも可能であり、その場合、発電量がピークを示す周波数帯が1つになり、発電量のピーク値はより高くなる。
次に、本発明の発電素子の第二の実施形態について、図6〜図8に基づいて説明する。この実施形態の発電素子50は、図6(a)に示すように、可撓性を有した第1の板状構造体52と、第1の板状構造体52の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子54と、可撓性を有した第2の板状構造体56と、第2の板状構造体56の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子58と、可撓性を有した第3の板状構造体60と、第3の板状構造体6の変形に基づいて電荷を発生させる第3の圧電素子62とを備えている。そして、第1の板状構造体52を片持ち梁構造に支持する台座64を備えている。発電素子50は、台座64が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体52,56,60は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
第1の板状構造体52は、基端部が直接的に台座64に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。第2及び第3の板状構造体56,60は、第1の板状構造体52を間に挟むように、第1の板状構造体52の側方に配置され、各基端部が第1の板状構造体52の先端部に接続体66を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、接続体66の下面側に重錘体68が設けられ、第2の板状構造体56の先端部の下面側に重錘体70が設けられ、第3の板状構造体60の先端部の下面側に重錘体72が設けられている。
したがって、台座64にZ軸方向の振動が印加され、第1の板状構造体52が厚み方向に撓むと、図7(a)に示すように、第2の板状構造体56は第1の板状構造体52と逆向きに撓む。同様に、第1の板状構造体52が厚み方向に撓むと、図7(b)に示すように、第3の板状構造体60は第1の板状構造体52と逆向きに撓む。
第1、第2及び第3の圧電素子54,58,62は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極G、圧電材料P及び上部電極Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子50には3つの共振系Re1,Re2,Re3が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体52の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体52のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体52の先端部に接続された物体の質量(接続体66、第2及び第3の板状構造体56,60、及び重錘体68,70,72の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体56の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体56のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(重錘体70の質量)とを調節することによって設定される。
第3の共振系Re3は、第3の板状構造体60の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz3は、第3の板状構造体60のZ軸方向のバネ定数と、第3の板状構造体60の先端部に接続された物体の質量(重錘体72の質量)とを調節することによって設定される。なお、重錘体68,70,72は共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、3つの板状構造体52,56,60のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。
この3つの共振系Re1,Re2,Re3の共振特性は、例えば図8(a)のように設定される。特徴的なのは、第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部が第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部に重なり、第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部も第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部に重なっている点である。ここでは、半値幅hz2とhz3の周波数帯は重なっていない。
発電素子50は、各共振系の共振特性が図8(a)のように設定されているので、図8(b)に示すように、2つの周波数帯で多くの発電量を得ることができる。半値幅hz1とhz2の周波数帯を重なる設定にすることも可能であり、その場合、発電量がピークを示す周波数帯は1つになるが、発電量のピーク値はもっと高くなる。
なお、先に説明した発電素子40(図4)も3つの共振系を有しているが、発電素子40の場合は、3つの共振系が順に直列に配置されているので、直接接続されていない2つの共振系Re1とRe3の間にも相互作用が生じる。これに対して、この発電素子50は、第1及び第2の共振系Re1,Re2が直列で、第1及び第3の共振系Re1,Re2が直列であるが、第2及び第3の共振系Re2,Re3は直列になっていない。そのため、直接接続されていない2つの共振系Re2とRe3の間には相互作用がほとんど生じない。したがって、発電素子50は、2台の発電素子22(図1)を並列に使用するのとほぼ同様の動作を行う。
発電素子50は、発電素子22よりも多くの発電量を得ることができる。また、発電素子22の場合は、板状構造体24,28が上下に重なるように配置されているので互いに接触しやすいが、発電素子50は、板状構造体52,56,60が上下方向に重ならないよう配置され、板状構造体52,56,60が互いにぶつからない構造なので、板状構造体52,56,60の最大撓み量を大きくすることができ、発電量をさらに増やすことができる。
次に、第二の実施形態の発電素子50の一変形例である発電素子74について、図9に基づいて説明する。ここで、発電素子50と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。発電素子74は、発電素子50の構成から重錘体70,72が削除され、新たにU字状の重錘体76が設けられた構成になっている。その他の構成は、発電素子50と同様である。
重錘体76は、重錘体70,72の先端部同士を横梁で連結して一体化させたような構形状である。したがって、板状構造体56,60の各先端部が重錘体76を介して連結される形になり、2つの板状構造体56,60が協働して第2の板状構造体(1つの板状構造体)の役割をする。以下、2つの板状構造体56,60の特性を合成したものを第2の板状構造体56xと称して説明する。
上記の構造により、発電素子74には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体52の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体52のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体52の先端部に接続された物体の質量(接続体66、重錘体68、第2の板状構造体56x及び重錘体76の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体56xの可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体56xのZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体56xの先端部に接続された物体の質量(重錘体76の質量)とを調節することによって設定される。
各共振系の共振特性は、図2(a)に示す発電素子22のグラフと同様である。したがって、発電素子74も発電素子22と同様の動作を行い、発電素子50と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の発電素子の第三の実施形態について、図10に基づいて説明する。この実施形態の発電素子78は、可撓性を有した第1の板状構造体80と、第1の板状構造体80の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子82と、可撓性を有した第2の板状構造体84と、第2の板状構造体84の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子86と、第1の板状構造体80を片持ち梁構造に支持する台座88を備えている。発電素子78は、台座88が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体80,84は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
台座88は、四角形の角筒状に形成され、他の部材を囲むように設けられている。第1の板状構造体80は、基端部が直接的に台座88の内壁に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。そして、第1の板状構造体80の先端部には、四角形の枠板状に形成された接続体90がY軸正方向に延設されている。
第2の板状構造体84は、接続体90の内側に位置し、基端部が接続体90の内縁部(第1の板状構造体80が接続されて部分に対向する一辺の内縁部)に接続されている。つまり、第2の板状構造体84は、接続体90を介して第1の板状構造体80に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、接続体90の下面側に、接続体90と同じに大きさの角筒状に形成された重錘体92が設けられ、第2の板状構造体8の先端部の下面側に、重錘体92に囲まれるように重錘体94が設けられている。したがって、台座88にZ軸方向の振動が印加され、第1の板状構造体80が厚み方向に撓むと、第2の板状構造体8は、第1の板状構造体80と逆向きに撓む。
第1及び第2の圧電素子82,86は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極G、圧電材料P及び上部電極Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子78には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体80の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体80のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体80の先端部に接続された物体の質量(接続体90、重錘体92、第2の板状構造体84及び重錘体94の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体84の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体84のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体84の先端部に接続された物体の質量(重錘体94の質量)とを調節することによって設定される。なお、重錘体92,94は共振特性調節用の部材であり、他の方法(例えば、2つの板状構造体80.84のヤング率や形状を変更してバネ定数を調節する方法)で共振特性の調節が可能であれば、省略することができる。
各共振系の共振特性は、図2(a)に示す発電素子22のグラフと同様であり、発電素子78においても、発電素子22と同様の作用効果を得ることができる。さらに、発電素子78では、台座88に、重錘体92が過剰に変位するのを防止するストッパの働きをさせ、重錘体92に、重錘体94が過剰に変位するのを防止するストッパの働きをさせることができるので、発電素子78に強い衝撃が加わった時、第1及び第2の板状構造体80,84が破損するのを容易に保護することができる。また、第1の板状構造体80の先端部と第2の板状構造体84の根端部は、接続体90の両端部(互いに離れた位置)に接続されているので、第2の共振系Re2により大きな加速度を作用させることができる。
次に、第三の実施形態の発電素子78の2つの変形例を説明する。ここで、発電素子78と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
1つ目の変形例である発電素子96は、図11(a)に示すように、発電素子78の第1の圧電素子82を第1の圧電素子98に置き換え、第2の圧電素子86を第2の圧電素子100に置き換えたものであり、その他の構成は発電素子78と同様である。
上記発電素子78は、第1の圧電素子82が1個の圧電素子で構成され、第2の圧電素子86が1個の圧電素子で構成されており、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる。これに対して、この発電素子96は、第1の圧電素子98が4個の圧電素子Ea1〜Ea4で構成され、第2の圧電素子100が4個の圧電素子Eb1〜Eb4で構成されており、XYZの各軸方向の振動をすべて電気エネルギーに変換できるという特徴がある。
発電素子96は、発電素子78と基本構造が同じであり、図10(b)に示すように、重錘体92,94の重心が第1及び第2の板状構造体80,84の先端部よりも低い位置に偏っているので、重錘体92,94にXYの各軸方向の振動が作用すると、第1及び第2の板状構造体80,84に対して曲げモーメントが作用する。そして、第1及び第2の板状構造体80,84が変形し、図11(b)に示すように、8つの圧電素子Ea1〜Ea4,Eb1〜Eb4に、正又は負電荷がそれぞれ発生する。したがって、Z軸方向の振動だけでなく、XYの各軸方向の振動も電気エネルギーに変換できる。なお、図11(b)の中の「+」「−」は、各圧電素子に発生する電荷の極性を相対的に表したものであり、「+」と「−」をすべて逆に置き換えて表してもよい。
発電素子96の第1の共振系Re1は、Z軸方向の共振周波数frz1及び半値幅hz1の他、X軸方向の共振周波数frx1及び半値幅hx1、Y軸方向の共振周波数fry1及び半値幅hy1を有している。同様に、第2の共振系Re2は、Z軸方向の共振周波数frz2及び半値幅hz2の他、X軸方向の共振周波数frx2及び半値幅hx2、Y軸方向の共振周波数fry2及び半値幅hy2を有している。
Z軸方向は、図12(a)に示すように、半値幅hz2の周波数帯の一部が、半値幅hz1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
X軸方向も同様であり、図12(b)に示すように、半値幅hx2の周波数帯の一部が、半値幅hx1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
Y軸方向も同様であり、図12(c)に示すように、半値幅hy2の周波数帯の一部が、半値幅hy1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
このように、発電素子96によれば、XYZの各軸方向の振動をすべて効率よく電気エネルギーに変換することができるので、発電素子78より多くの発電量を得ることができる。
2つ目の変形例である発電素子102は、図13(a)に示すように、発電素子78の第1の圧電素子82を第1の圧電素子104に置き換え、第2の圧電素子86を第2の圧電素子106に置き換えたものであり、その他の構成は発電素子78と同様である。
上記発電素子78は、第1の圧電素子82が1個の圧電素子で構成され、第2の圧電素子86が1個の圧電素子で構成されており、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる。これに対して、この発電素子102は、第1の圧電素子104が2個の圧電素子Ea1,Ea2で構成され、第2の圧電素子106が2個の圧電素子Eb1,Eb2で構成されており、YZの2軸方向の振動を電気エネルギーに変換することができるという特徴がある。
上記のように、発電素子102の重錘体92,94にY軸方向の振動が作用すると、第1及び第2の板状構造体80,84に対して曲げモーメントが作用する。そして、第1及び第2の板状構造体80,84が変形し、図13(b)に示すように、4つの圧電素子Ea1,Ea2,Eb1,Eb2に、正又は負電荷がそれぞれ発生する。したがって、Z軸方向の振動だけでなく、Y軸方向の振動も電気エネルギーに変換できる。
発電素子102の第1の共振系Re1は、Z軸方向の共振周波数frz1及び半値幅hz1の他、X軸方向の共振周波数frx1及び半値幅hx1、Y軸方向の共振周波数fry1及び半値幅hy1を有している。同様に、第2の共振系Re2は、Z軸方向の共振周波数frz2及び半値幅hz2の他、X軸方向の共振周波数frx2及び半値幅hx2、Y軸方向の共振周波数fry2及び半値幅hy2を有している。これは、発電素子96と同様である。
Z軸方向は、発電素子96と同様に、半値幅hz2の周波数帯の一部が、半値幅hz1の周波数帯の一部と重なるように設定されている(図12(a))。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
Y軸方向も、発電素子96と同様に、半値幅hy2の周波数帯の一部が、半値幅hy1の周波数帯の一部と重なるように設定されている(図12(c))。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
しかし、X軸方向の共振特性は特に重要ではなく、半値幅hx2の周波数帯が半値幅hx1の周波数帯に重なっていなくても構わない。発電素子102は、X軸方向の発電を行わない素子だからである。
発電素子102によれば、YZの2軸方向の振動を効率よく電気エネルギーに変換することができるので、発電素子78より多くの発電量を得ることができる。また、第1及び第2の共振系Re1,Re2の設計を行うとき、発電素子9の場合は3方向の共振特性を考慮する必要があるが、発電素子102の場合は2方向だけを考慮すればよいので、発電素子102の方が設計が容易である。
なお、本発明の発電素子は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、図4に示す発電素子40は、3個の板状構造体を直列に接続して合計3個の共振系を設けているが、直列に配置する板状構造体の数及び共振系の数をもっと増やすことによって、発電量を指数関数的に多くすることができる。この場合、上記実施形態と同様に、奇数番目の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように配置し、偶数番目の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように配置する点に留意する。また、第1〜第nの板状構造体を直列に配置した場合、第1〜第nの共振系が形成され、各共振系の半値幅の周波数帯が重なったとき、台座から最も離れている第nの共振系の発電量が最大になる。したがって、発電量を多くするためには、第nの共振系と他の共振系との間に相互作用が生じることが重要になるので、第nの共振系の半値幅の周波数帯が他の共振系(できるだけ多くの共振系)の半値幅の周波数帯と重なるように設定するとよい。
図6に示す発電素子50は、第1の板状構造体の先端部に他の板状構造体を2個接続し合計3個の共振系を設けているが、他の板状構造体の数をもっと増やして共振系の数をもっと増やすことによって、発電量をさらに多くすることができる。この場合、上記実施形態と同様に、第1の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように配置し、その他の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように配置する点に留意する。また、発電量を多くするためには、第1の共振系と他の共振系との間に相互作用が生じることが重要であり、第1の共振系の半値幅の周波数帯が他の共振系(できるだけ多くの共振系)の半値幅の周波数帯と重なるように設定するとよい。
また、図6に示す発電素子50は、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる構成であるが、第1及び第2の圧電素子82,86を、図11に示す第1及び第2の圧電素子98.100のような構成に変更すれば、XYZの各軸方向の振動をすべて電気エネルギーに変換することができ、発電量をさらに多くすることができる。あるいは、第1及び第2の圧電素子82,86を、図13に示す第1及び第2の圧電素子104,106のような構成に変更すれば、YZの2軸方向の振動を電気エネルギーに変換することができ、発電量をさらに多くすることができる。
その他、発電素子の製造プロセスは特に限定されず、個々の構造に合わせて自由に選択することができる。例えば、上記の発電素子50,74,78,96,102(図6、図9、図10、図11、図13)は、複数の共振系がXY平面に沿ってほぼ面一に並設される構成なので、Si基板やSOI基板等を用いたMEMS技術を使用すれば、容易に製造することができる。また、圧電素子の具体的な構造は、図14(b)に示す圧電素子18の構造に限定されず、同様の機能を実現できる他の構造を用いてもよい。
22,38,40,50,74,78,96,102 発電素子
24,52,80 第1の板状構造体
26,54,82,98,104 第1の圧電素子
28,56,56x,84 第2の板状構造体
30,58,86,100,106 第2の圧電素子
32,64,88 台座
34,46,66,90 接続体
36,48,68,70,72,76,92,94 重錘体
42,60 第3の板状構造体
44,62 第3の圧電素子
frx1,fry1,frz1 共振周波数(第1の共振系)
frx2,fry2,frz2 共振周波数(第2の共振系)
frz3 共振周波数(第3の共振系)
hx1,hy1,hz1 半値幅(第1の共振系)
hx2,hy2,hz2 半値幅(第2の共振系)
hz3 半値幅(第3の共振系)
Re1 第1の共振系
Re2 第2の共振系
Re3 第3の共振系
本発明は、機械的振動エネルギーを電気エネルギーに変換することによって発電を行う発電素子に関する。
従来、図14(a)に示すように、可撓性を有した板状構造体10と、板状構造体10の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子12と、板状構造体10の基端部を片持ち梁構造に支持する台座14と、板状構造体10の先端部に設けられた重錘体16とで構成された発電素子18があった。発電素子18は、台座14が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、板状構造体10は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
圧電素子12は、例えば図14(b)に示すように、板状構造体10の上面全体を覆う下部電極層G、下部電極層Gの上面全体を覆う圧電材料層P、圧電材料層Pの上面の特定の領域に設けた上部電極層Eとで構成され、実質的には上部電極層Eを設けた領域が圧電素子12として動作する。
台座14にZ軸方向の振動が印加されると、図15(a)に示すように、その振動が重錘体16及び板状構造体10に作用し、板状構造体10が厚み方向に撓み、この変形に基づいて圧電素子12に電荷が発生する。そして、圧電素子12に発生した電荷が、圧電素子12に接続されている図示しない整流平滑回路によって電力として取り出される。
発電素子18は、板状構造体10の可撓性に基づく1つの共振系(共振周波数frz)を有し、図15(b)に示すように、印加された振動の周波数fzが共振周波数frzに近いと、この振動に共鳴して板状構造体10の振幅Aが大きくなる。したがって、共振周波数frzを、印加される振動の周波数fz付近に設定し、かつ共振のQ値を高くして振幅Aのピーク値を高くすれば、発電素子18の発電量を増やすことができる。
なお、共振周波数frzは、板状構造体10のZ軸方向のバネ定数と、重錘体16の質量とを調節することによって設定することができ、例えば、バネ定数を大きくしたり重錘体16の質量を小さくしたりすれば、共振周波数frzを高くすることができる。また、共振のQ値は、振動を減衰させる成分を極力小さくする(例えば、真空状態にする)ことによって高くすることができる。
また、特許文献1には、上記発電素子18と同様に、1つの共振系を有した圧電発電装置が開示されている。
国際公開第2012/105368号公報
従来の発電素子18及び特許文献1の圧電発電装置は、共振系のQ値を高くすれば発電量を増やすことができるが、物理的に限界があるため、印加される振動の周波数fzに対して共振周波数frzを正確に一致させたとしても、発電効率は低いものであった。
本発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、従来よりも発電量を格段に増やすことができ、しかもシンプルな構造の発電素子を提供することを目的とする。
本発明は、可撓性を有した第1及び第2の板状構造体と、前記第1の板状構造体を支持する台座と、前記第1及び第2の板状構造体の変形、又は前記第2の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記第1及び第2の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、前記基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第2の板状構造体は、前記第2の板状構造体の基端部が前記第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記第2の板状構造体の基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第1の共振系が形成され、前記第2の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第2の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第2の共振系が形成され、前記第2の共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、前記第1の共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
また、本発明は、可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は少なくとも前記第nの板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、前記基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体(kaは偶数、2≦ka≦n)は、前記n個の板状構造体の中の第kaの基端部が第(ka−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記n個の板状構造体の中の第kaの基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体(kbは奇数、3≦kb≦n)は、前記n個の板状構造体の中の第kbの基端部が第(kb−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記n個の板状構造体の中の第kbの基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第1の共振系が形成され、前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第kaの共振系が形成され、前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第kbの共振系が形成され、前記n個の板状構造体の各共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、他の前記板状構造体の共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
また、本発明は、可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は前記第2〜第nの板状構造体の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、前記基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体は、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体の各基端部が前記第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体の基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、前記第1の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により第1の共振系が形成され、前記第1の板状構造体以外の板状構造体の可撓性のバネ定数、及び前記第1の板状構造体以外の板状構造体の先端部に接続された物体の質量により、前記第1の共振系以外の他の共振系が形成され、前記第1の共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、前記他の共振系の半値幅の周波数帯と重なっている発電素子である。
上記各発電素子は、特定の前記板状構造体の先端部に、重錘体が設けられてい
本発明の発電素子は、互いに接続された2個以上の共振系を有し、各共振特性の半値幅の周波数帯が互いに重なるように設定されているので、共振系同士の相互作用により、総合的な共振のQを非常に高くすることができる。したがって、互いの半値幅が重なっている周波数帯の振動に対し、従来よりも発電量を格段に増やすことができる。しかも、構造がシンプルなので、一般的な製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
本発明の発電素子の第一の実施形態の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 第一の実施形態の発電素子が有する第1及び第2の共振系のZ軸方向の共振特性を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 第一の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 第一の実施形態の発電素子の他の変形例の外観を示す斜視図(a)、Z軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(b)である。 図4に示す発電素子が有する第1〜第3の共振系のZ軸方向の共振特性の一例を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 本発明の発電素子の第二の実施形態の外観を示す斜視図(a)、平面図(b)、正面図(c)である。 第二の実施形態の発電素子にZ軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(a)、背面図(b)である。 第二の実施形態の発電素子が有する第1〜第3の共振系のZ軸方向の共振特性の一例を示すグラフ(a)、発電量を示すグラフ(b)である。 第二の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す斜視図(a)、平面図(b)、右側面図(c)である。 本発明の発電素子の第三の実施形態の外観を示す平面図(a)、正面から見た部分断面図(b)、底面図(c)である。 第三の実施形態の発電素子の一変形例の外観を示す平面図(a)、印加される振動に対する各圧電素子の出力の極性を示す図(b)である。 図11(a)に示す発電素子が有する第一及び第二の共振系の共振特性を示すグラフであって、Z軸方向のグラフ(a)、X軸方向のグラフ(b)、Y軸方向のグラフ(c)である。 第三の実施形態の発電素子の他の変形例の外観を示す平面図(a)、印加される振動に対する各圧電素子の出力の極性を示す図(b)である。 従来の発電素子の外観を示す斜視図(a)、圧電素子の構造を示す正面図(b)である。 図14の発電素子にZ軸方向の振動が印加された時の動作を示す正面図(a)、この発電素子が有する共振系のZ軸方向の共振特性及び発電量を示すグラフ(b)である。
以下、本発明の発電素子の第一の実施形態について、図1、図2に基づいて説明する。この実施形態の発電素子22は、図1(a)に示すように、可撓性を有した第1の板状構造体24と、第1の板状構造体24の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子26と、可撓性を有した第2の板状構造体28と、第2の板状構造体28の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子30と、第1の板状構造体24を片持ち梁構造に支持する台座32とを備えている。発電素子22は、台座14が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体24,28は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
第1の板状構造体24は、基端部が直接的に台座32に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。第2の板状構造体28は、第1の板状構造体24の上方に位置し、基端部が第1の板状構造体24の先端部に接続体34を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、第2の板状構造体28の先端部には、重錘体36が設けられている。
第1及び第2の圧電素子26,30は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極層G、圧電材料層P及び上部電極層Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子22には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体24のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体24の先端部に接続された物体の質量(接続体34、第2の板状構造体28及び重錘体36の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(重錘体36の質量)とを調節することによって設定される。
2つの共振系Re1,Re2の共振特性は、図2(a)のように表される。なお、図2(a)に示す第2の共振系Re2の共振特性は、第2の板状構造体28の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、第1の共振系Re1との相互作用は含んでいない。
第1の共振系Re1の共振特性は、共振周波数frz1付近に、印加された振動に共鳴して振幅A1が大きくなるピーキングが発生し、共振周波数frz1を中心とする半値幅hz1の周波数帯で、振幅A1がピーク値の1/2以上になっている。第2の共振系Re2の共振特性は、共振周波数frz2付近に、印加された振動に共鳴して振幅A2が大きくなるピーキングが発生し、共振周波数frz2を中心とする半値幅hz2の周波数帯で、振幅A2がピーク値の1/2以上になっている。ここで特徴的なのは、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部と第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部とが互いに重なっている点である。
次に、発電素子22にZ軸方向の振動が印加されたときの動作を説明する。ここでは、説明を簡単化するため、第1及び第2の共振系Re1,Re2のQ値を各々Qz1(>>1),Qz2(>>1)とし、Qz1とQZ2とが互いに等しく、共振周波数frz1とfrz2が互いに一致していると仮定し、発電素子22に対して共振周波数frz1,frz2と同じ周波数の振動が印加された場合を考える。
台座32に振動が印加されると、この振動が第1の共振系Re1に伝わり、図1(b)に示すように、第1の板状構造体24が厚み方向に撓み、第1の板状構造体24の先端部に、台座32が変位する加速度αのQz1倍の加速度(Qz1・α)が発生する。したがって、第1の圧電素子26には、概算で、先端部と基端部の加速度の差(Qz1・α)に相当する電荷が発生する。例えば、Qz1=10とすれば、加速度(10α)に相当する電荷が発生することになる。
さらに、第1の板状構造体24の先端部の振動が第2の共振系Re2に伝わり、第2の板状構造体28が第1の板状構造体24と逆向きに撓む。そして、第2の板状構造体28の先端部に、第1の板状構造体24の先端部が変位する加速度のQz2倍の加速度(Qz2・Qz1・α)が発生する。したがって、第2の圧電素子30には、概算で、先端部と基端部の加速度の差(Qz2・Qz1・α)に相当する電荷が発生する。例えば、Qz2=Qz1=10とすれば、加速度(100α)に相当する電荷が発生することになる。
このように、発電素子22は、第1の共振系Re1で(Qz1・α)に相当する電荷を得ることができ、第2の共振系Re2では、(Qz2・Qz1・α)に相当する電荷を得ることができ、これらを合計したものが電力として取り出される。
Qz2=Qz1>>1と仮定すれば、第2の共振系Re2は、第1の共振系Re1よりも多くの電荷が発生するので、第2の共振系Re2の方が発電量が格段に多くなる(Qz2≠Qz1でも同様である)。例えば、上述した従来の発電素子18の場合、共振系が1つだけなので、発電素子22の第1の共振系Re1と同程度の発電しか行うことができない。これに対して、発電素子22は、第2の共振系Re2の働きにより、従来の発電素子18よりも格段に多くの発電を行うことができる。
なお、発電素子22の重錘体36は、第2の板状構造体28の下面側ではなく上面側に設けても同様の動作が行われる。また、第2の共振系Re2の発電量に対して第1の共振系Re1の発電量が無視できるほど小さければ第1の圧電素子26を省略してもよく、一定以上の発電量を確保しつつ、製造プロセスを簡単化することができる。
ここまでは、共振周波数frz1とfrz2が互いに一致していると仮定し、発電素子22に対して共振周波数frz1,frz2と同じ周波数の振動が印加されたときの動作を説明した。しかし、量産時は製造上のバラツキ等が生じるので、共振周波数frz1,frz2を正確に一致させることは難しい。そこで、発明者が実験やシミュレーションを行って検討した結果、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部と第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部とが互いに重なっていれば、図2(b)に示すように、その重なっている周波数帯において、十分に高い発電量が得られることが分かった。
以上説明したように、発電素子22は、互いに接続された2つの共振系Re1,Re2を有し、各共振特性の半値幅hz1,hz2の周波数帯が互いに重なるように設定されているので、共振系同士の相互作用により、総合的な共振のQが非常に高くなる。したがって、半値幅hz1,hz2が重なっている周波数帯の振動に対し、従来よりも発電量を格段に増やすことができる。しかも、構造がシンプルなので、一般的な製造プロセスを用いて容易に製造することができる。
次に、第一の実施形態の発電素子22の2つの変形例を説明する。ここで、発電素子22と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
1つ目の変形例である発電素子38は、図3(a)、(b)に示すように、構成部材は発電素子22と同様であり、異なるのは、第2の板状構造体28が第1の板状構造体24の下方に配置されている点であり、これに伴い、第2の圧電素子30が第2の板状構造体28の下面側に設けられ、接続体34が第1の板状構造体24の先端部の下面側に設けられ、重錘体36が第2の板状構造体28の上面側に設けられている。
発電素子38は、第1及び第2の共振系Re1,Re2の上下方向の配置が発電素子22と逆になっているが、各共振系の共振特性は図2(a)に示すグラフと同様であり、発電性能も図2(b)に示すグラフと同様である。したがって、発電素子38においても、発電素子22と同様の優れた効果を得ることができる。なお、発電素子38の重錘体36は、第2の板状構造体28の下面側ではなく上面側に設けても同様の動作が行われる。
2つ目の変形例である発電素子40は、図4(a)、(b)に示すように、発電素子22の構成から重錘体36が削除され、新たに第3の板状構造体42、第3の圧電素子44、接続体46及び重錘体48が追加された構成になっている。
第3の板状構造体42は、第2の板状構造体28の上方に位置し、基端部が第2の板状構造体28の先端部に接続体46を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。そして、第3の板状構造体42の先端部には、重錘体48が設けられている。その他の構成は、発電素子22と同様である。
上記の構造により、発電素子40には3つの共振系Re1,Re2,Re3が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体24の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体24のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体24の先端部に接続された物体の質量(接続体34、第2の板状構造体28、接続体46、第3の板状構造体42及び重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体28の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体28のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(接続体46、第3の板状構造体42及び重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
第3の共振系Re3は、第3の板状構造体42の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz3は、第3の板状構造体42のZ軸方向のバネ定数と、第3の板状構造体42の先端部に接続された物体の質量(重錘体48の質量)とを調節することによって設定される。
3つの共振系Re1,Re2,Re3の共振特性は、例えば図5(a)のように設定される。なお、図5(a)に示す第2の共振系Re2の共振特性は、第2の板状構造体28の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、他の共振系との相互作用は含んでいない。同様に、第3の共振系Re3の共振特性は、第3の板状構造体42の基端部が台座32に直接接続された状態を想定しており、他の共振系との相互作用は含んでいない。
特徴的なのは、第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部が第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部に重なり、第2の共振系Re2の半値幅hz1の周波数帯の一部も第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部に重なっている点である。ここでは、半値幅hz2とhz3の周波数帯は重なっていない。
発電素子40は、各共振系の共振特性が図5(a)のように設定されているので、図5(b)に示すように、上記と同様の多くの発電量を、2つの周波数帯で得ることができる。半値幅hz1とhz2の周波数帯を重なる設定にすることも可能であり、その場合、発電量がピークを示す周波数帯が1つになり、発電量のピーク値はより高くなる。
次に、本発明の発電素子の第二の実施形態について、図6〜図8に基づいて説明する。この実施形態の発電素子50は、図6(a)に示すように、可撓性を有した第1の板状構造体52と、第1の板状構造体52の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子54と、可撓性を有した第2の板状構造体56と、第2の板状構造体56の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子58と、可撓性を有した第3の板状構造体60と、第3の板状構造体60の変形に基づいて電荷を発生させる第3の圧電素子62とを備えている。そして、第1の板状構造体52を片持ち梁構造に支持する台座64を備えている。発電素子50は、台座64が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体52,56,60は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
第1の板状構造体52は、基端部が直接的に台座64に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。第2及び第3の板状構造体56,60は、第1の板状構造体52を間に挟むように、第1の板状構造体52の側方に配置され、各基端部が第1の板状構造体52の先端部に接続体66を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、接続体66の下面側に重錘体68が設けられ、第2の板状構造体56の先端部の下面側に重錘体70が設けられ、第3の板状構造体60の先端部の下面側に重錘体72が設けられている。
したがって、台座64にZ軸方向の振動が印加され、第1の板状構造体52が厚み方向に撓むと、図7(a)に示すように、第2の板状構造体56は第1の板状構造体52と逆向きに撓む。同様に、第1の板状構造体52が厚み方向に撓むと、図7(b)に示すように、第3の板状構造体60は第1の板状構造体52と逆向きに撓む。
第1、第2及び第3の圧電素子54,58,62は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極層G、圧電材料層P及び上部電極層Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子50には3つの共振系Re1,Re2,Re3が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体52の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体52のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体52の先端部に接続された物体の質量(接続体66、第2及び第3の板状構造体56,60、及び重錘体68,70,72の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体56の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体56のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体28の先端部に接続された物体の質量(重錘体70の質量)とを調節することによって設定される。
第3の共振系Re3は、第3の板状構造体60の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz3は、第3の板状構造体60のZ軸方向のバネ定数と、第3の板状構造体60の先端部に接続された物体の質量(重錘体72の質量)とを調節することによって設定される。
この3つの共振系Re1,Re2,Re3の共振特性は、例えば図8(a)のように設定される。特徴的なのは、第2の共振系Re2の半値幅hz2の周波数帯の一部が第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部に重なり、第3の共振系Re3の半値幅hz3の周波数帯の一部も第1の共振系Re1の半値幅hz1の周波数帯の一部に重なっている点である。ここでは、半値幅hz2とhz3の周波数帯は重なっていない。
発電素子50は、各共振系の共振特性が図8(a)のように設定されているので、図8(b)に示すように、2つの周波数帯で多くの発電量を得ることができる。半値幅hz1とhz2の周波数帯を重なる設定にすることも可能であり、その場合、発電量がピークを示す周波数帯は1つになるが、発電量のピーク値はもっと高くなる。
なお、先に説明した発電素子40(図4)も3つの共振系を有しているが、発電素子40の場合は、3つの共振系が順に直列に配置されているので、直接接続されていない2つの共振系Re1とRe3の間にも相互作用が生じる。これに対して、この発電素子50は、第1及び第2の共振系Re1,Re2が直列で、第1及び第3の共振系Re1,Re2が直列であるが、第2及び第3の共振系Re2,Re3は直列になっていない。そのため、直接接続されていない2つの共振系Re2とRe3の間には相互作用がほとんど生じない。したがって、発電素子50は、2台の発電素子22(図1)を並列に使用するのとほぼ同様の動作を行う。
発電素子50は、発電素子22よりも多くの発電量を得ることができる。また、発電素子22の場合は、板状構造体24,28が上下に重なるように配置されているので互いに接触しやすいが、発電素子50は、板状構造体52,56,60が上下方向に重ならないよう配置され、板状構造体52,56,60が互いにぶつからない構造なので、板状構造体52,56,60の最大撓み量を大きくすることができ、発電量をさらに増やすことができる。
次に、第二の実施形態の発電素子50の一変形例である発電素子74について、図9に基づいて説明する。ここで、発電素子50と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。発電素子74は、発電素子50の構成から重錘体70,72が削除され、新たにU字状の重錘体76が設けられた構成になっている。その他の構成は、発電素子50と同様である。
重錘体76は、重錘体70,72の先端部同士を横梁で連結して一体化させたような構形状である。したがって、板状構造体56,60の各先端部が重錘体76を介して連結される形になり、2つの板状構造体56,60が協働して第2の板状構造体(1つの板状構造体)の役割をする。以下、2つの板状構造体56,60の特性を合成したものを第2の板状構造体56xと称して説明する。
上記の構造により、発電素子74には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体52の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体52のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体52の先端部に接続された物体の質量(接続体66、重錘体68、第2の板状構造体56x及び重錘体76の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体56xの可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体56xのZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体56xの先端部に接続された物体の質量(重錘体76の質量)とを調節することによって設定される。
各共振系の共振特性は、図2(a)に示す発電素子22のグラフと同様である。したがって、発電素子74も発電素子22と同様の動作を行い、発電素子50と同様の効果を得ることができる。
次に、本発明の発電素子の第三の実施形態について、図10に基づいて説明する。この実施形態の発電素子78は、可撓性を有した第1の板状構造体80と、第1の板状構造体80の変形に基づいて電荷を発生させる第1の圧電素子82と、可撓性を有した第2の板状構造体84と、第2の板状構造体84の変形に基づいて電荷を発生させる第2の圧電素子86と、第1の板状構造体80を片持ち梁構造に支持する台座88を備えている。発電素子78は、台座88が何らかの振動源20に取り付けられて使用され、XYZ三次元座標系を定義したとき、各板状構造体80,84は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置される。
台座88は、四角形の角筒状に形成され、他の部材を囲むように設けられている。第1の板状構造体80は、基端部が直接的に台座88の内壁に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。そして、第1の板状構造体80の先端部には、四角形の枠板状に形成された接続体90がY軸正方向に延設されている。
第2の板状構造体84は、接続体90の内側に位置し、基端部が接続体90の内縁部(第1の板状構造体80が接続されて部分に対向する一辺の内縁部)に接続されている。つまり、第2の板状構造体84は、接続体90を介して第1の板状構造体80に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びている。その他、接続体90の下面側に、接続体90と同じに大きさの角筒状に形成された重錘体92が設けられ、第2の板状構造体84の先端部の下面側に、重錘体92に囲まれるように重錘体94が設けられている。したがって、台座88にZ軸方向の振動が印加され、第1の板状構造体80が厚み方向に撓むと、第2の板状構造体84は、第1の板状構造体80と逆向きに撓む。
第1及び第2の圧電素子82,86は、図14(b)に示す圧電素子12と同様に、下部電極層G、圧電材料層P及び上部電極層Eにより各々構成されている。
上記の構造により、発電素子78には2つの共振系Re1,Re2が形成される。第1の共振系Re1は、第1の板状構造体80の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz1は、第1の板状構造体80のZ軸方向のバネ定数と、第1の板状構造体80の先端部に接続された物体の質量(接続体90、重錘体92、第2の板状構造体84及び重錘体94の質量)とを調節することによって設定される。
第2の共振系Re2は、第2の板状構造体84の可撓性に基づいて形成される共振系であり、Z軸方向の共振周波数frz2は、第2の板状構造体84のZ軸方向のバネ定数と、第2の板状構造体84の先端部に接続された物体の質量(重錘体94の質量)とを調節することによって設定される。
各共振系の共振特性は、図2(a)に示す発電素子22のグラフと同様であり、発電素子78においても、発電素子22と同様の作用効果を得ることができる。さらに、発電素子78では、台座88に、重錘体92が過剰に変位するのを防止するストッパの働きをさせ、重錘体92に、重錘体94が過剰に変位するのを防止するストッパの働きをさせることができるので、発電素子78に強い衝撃が加わった時、第1及び第2の板状構造体80,84が破損するのを容易に保護することができる。また、第1の板状構造体80の先端部と第2の板状構造体84の根端部は、接続体90の両端部(互いに離れた位置)に接続されているので、第2の共振系Re2により大きな加速度を作用させることができる。
次に、第三の実施形態の発電素子78の2つの変形例を説明する。ここで、発電素子78と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。
1つ目の変形例である発電素子96は、図11(a)に示すように、発電素子78の第1の圧電素子82を第1の圧電素子98に置き換え、第2の圧電素子86を第2の圧電素子100に置き換えたものであり、その他の構成は発電素子78と同様である。
上記発電素子78は、第1の圧電素子82が1個の圧電素子で構成され、第2の圧電素子86が1個の圧電素子で構成されており、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる。これに対して、この発電素子96は、第1の圧電素子98が4個の圧電素子Ea1〜Ea4で構成され、第2の圧電素子100が4個の圧電素子Eb1〜Eb4で構成されており、XYZの各軸方向の振動をすべて電気エネルギーに変換できるという特徴がある。
発電素子96は、発電素子78と基本構造が同じであり、図10(b)に示すように、重錘体92,94の重心が第1及び第2の板状構造体80,84の先端部よりも低い位置に偏っているので、重錘体92,94にXYの各軸方向の振動が作用すると、第1及び第2の板状構造体80,84に対して曲げモーメントが作用する。そして、第1及び第2の板状構造体80,84が変形し、図11(b)に示すように、8つの圧電素子Ea1〜Ea4,Eb1〜Eb4に、正又は負電荷がそれぞれ発生する。したがって、Z軸方向の振動だけでなく、XYの各軸方向の振動も電気エネルギーに変換できる。なお、図11(b)の中の「+」「−」は、各圧電素子に発生する電荷の極性を相対的に表したものであり、「+」と「−」をすべて逆に置き換えて表してもよい。
発電素子96の第1の共振系Re1は、Z軸方向の共振周波数frz1及び半値幅hz1の他、X軸方向の共振周波数frx1及び半値幅hx1、Y軸方向の共振周波数fry1及び半値幅hy1を有している。同様に、第2の共振系Re2は、Z軸方向の共振周波数frz2及び半値幅hz2の他、X軸方向の共振周波数frx2及び半値幅hx2、Y軸方向の共振周波数fry2及び半値幅hy2を有している。
Z軸方向は、図12(a)に示すように、半値幅hz2の周波数帯の一部が、半値幅hz1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
X軸方向も同様であり、図12(b)に示すように、半値幅hx2の周波数帯の一部が、半値幅hx1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
Y軸方向も同様であり、図12(c)に示すように、半値幅hy2の周波数帯の一部が、半値幅hy1の周波数帯の一部と重なるように設定されている。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
このように、発電素子96によれば、XYZの各軸方向の振動をすべて効率よく電気エネルギーに変換することができるので、発電素子78より多くの発電量を得ることができる。
2つ目の変形例である発電素子102は、図13(a)に示すように、発電素子78の第1の圧電素子82を第1の圧電素子104に置き換え、第2の圧電素子86を第2の圧電素子106に置き換えたものであり、その他の構成は発電素子78と同様である。
上記発電素子78は、第1の圧電素子82が1個の圧電素子で構成され、第2の圧電素子86が1個の圧電素子で構成されており、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる。これに対して、この発電素子102は、第1の圧電素子104が2個の圧電素子Ea1,Ea2で構成され、第2の圧電素子106が2個の圧電素子Eb1,Eb2で構成されており、YZの2軸方向の振動を電気エネルギーに変換することができるという特徴がある。
上記のように、発電素子102の重錘体92,94にY軸方向の振動が作用すると、第1及び第2の板状構造体80,84に対して曲げモーメントが作用する。そして、第1及び第2の板状構造体80,84が変形し、図13(b)に示すように、4つの圧電素子Ea1,Ea2,Eb1,Eb2に、正又は負電荷がそれぞれ発生する。したがって、Z軸方向の振動だけでなく、Y軸方向の振動も電気エネルギーに変換できる。
発電素子102の第1の共振系Re1は、Z軸方向の共振周波数frz1及び半値幅hz1の他、X軸方向の共振周波数frx1及び半値幅hx1、Y軸方向の共振周波数fry1及び半値幅hy1を有している。同様に、第2の共振系Re2は、Z軸方向の共振周波数frz2及び半値幅hz2の他、X軸方向の共振周波数frx2及び半値幅hx2、Y軸方向の共振周波数fry2及び半値幅hy2を有している。これは、発電素子96と同様である。
Z軸方向は、発電素子96と同様に、半値幅hz2の周波数帯の一部が、半値幅hz1の周波数帯の一部と重なるように設定されている(図12(a))。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
Y軸方向も、発電素子96と同様に、半値幅hy2の周波数帯の一部が、半値幅hy1の周波数帯の一部と重なるように設定されている(図12(c))。したがって、2つの共振系Re1,Re2の相互作用により、この重なっている周波数帯で多くの発電量を得ることができる。
しかし、X軸方向の共振特性は特に重要ではなく、半値幅hx2の周波数帯が半値幅hx1の周波数帯に重なっていなくても構わない。発電素子102は、X軸方向の発電を行わない素子だからである。
発電素子102によれば、YZの2軸方向の振動を効率よく電気エネルギーに変換することができるので、発電素子78より多くの発電量を得ることができる。また、第1及び第2の共振系Re1,Re2の設計を行うとき、発電素子96の場合は3方向の共振特性を考慮する必要があるが、発電素子102の場合は2方向だけを考慮すればよいので、発電素子102の方が設計が容易である。
なお、本発明の発電素子は、上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、図4に示す発電素子40は、3個の板状構造体を直列に接続して合計3個の共振系を設けているが、直列に配置する板状構造体の数及び共振系の数をもっと増やすことによって、発電量を指数関数的に多くすることができる。この場合、上記実施形態と同様に、奇数番目の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように配置し、偶数番目の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように配置する点に留意する。また、第1〜第nの板状構造体を直列に配置した場合、第1〜第nの共振系が形成され、各共振系の半値幅の周波数帯が重なったとき、台座から最も離れている第nの共振系の発電量が最大になる。したがって、発電量を多くするためには、第nの共振系と他の共振系との間に相互作用が生じることが重要になるので、第nの共振系の半値幅の周波数帯が他の共振系(できるだけ多くの共振系)の半値幅の周波数帯と重なるように設定するとよい。
図6に示す発電素子50は、第1の板状構造体の先端部に他の板状構造体を2個接続し合計3個の共振系を設けているが、他の板状構造体の数をもっと増やして共振系の数をもっと増やすことによって、発電量をさらに多くすることができる。この場合、上記実施形態と同様に、第1の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように配置し、その他の板状構造体は、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように配置する点に留意する。また、発電量を多くするためには、第1の共振系と他の共振系との間に相互作用が生じることが重要であり、第1の共振系の半値幅の周波数帯が他の共振系(できるだけ多くの共振系)の半値幅の周波数帯と重なるように設定するとよい。
また、図6に示す発電素子50は、Z軸方向の振動だけを電気エネルギーに変換することができる構成であるが、第1及び第2の圧電素子82,86を、図11に示す第1及び第2の圧電素子98.100のような構成に変更すれば、XYZの各軸方向の振動をすべて電気エネルギーに変換することができ、発電量をさらに多くすることができる。あるいは、第1及び第2の圧電素子82,86を、図13に示す第1及び第2の圧電素子104,106のような構成に変更すれば、YZの2軸方向の振動を電気エネルギーに変換することができ、発電量をさらに多くすることができる。
その他、発電素子の製造プロセスは特に限定されず、個々の構造に合わせて自由に選択することができる。例えば、上記の発電素子50,74,78,96,102(図6、図9、図10、図11、図13)は、複数の共振系がXY平面に沿ってほぼ面一に並設される構成なので、Si基板やSOI基板等を用いたMEMS技術を使用すれば、容易に製造することができる。また、圧電素子の具体的な構造は、図14(b)に示す圧電素子18の構造に限定されず、同様の機能を実現できる他の構造を用いてもよい。
22,38,40,50,74,78,96,102 発電素子
24,52,80 第1の板状構造体
26,54,82,98,104 第1の圧電素子
28,56,56x,84 第2の板状構造体
30,58,86,100,106 第2の圧電素子
32,64,88 台座
34,46,66,90 接続体
36,48,68,70,72,76,92,94 重錘体
42,60 第3の板状構造体
44,62 第3の圧電素子
frx1,fry1,frz1 共振周波数(第1の共振系)
frx2,fry2,frz2 共振周波数(第2の共振系)
frz3 共振周波数(第3の共振系)
hx1,hy1,hz1 半値幅(第1の共振系)
hx2,hy2,hz2 半値幅(第2の共振系)
hz3 半値幅(第3の共振系)
Re1 第1の共振系
Re2 第2の共振系
Re3 第3の共振系

Claims (4)

  1. 可撓性を有した第1及び第2の板状構造体と、前記第1の板状構造体を支持する台座と、前記第1及び第2の板状構造体の変形、又は前記第2の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、
    XYZ三次元座標系を定義したとき、前記第1及び第2の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、
    前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記第2の板状構造体は、基端部が前記第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記第2の板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、前記第1の板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯と重なっていることを特徴とする発電素子。
  2. 可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は少なくとも前記第nの板状構造体変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子と備え、
    XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、
    前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記n個の板状構造体の中の第kaの板状構造体(kaは偶数、2≦ka≦n)は、基端部が第(ka−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記n個の板状構造体の中の第kbの板状構造体(kbは奇数、3≦kb≦n)は、基端部が第(kb−1)の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記第nの板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、他の前記板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯と重なっていることを特徴とする発電素子。
  3. 可撓性を有したn個の板状構造体(nは3以上の自然数)と、前記n個の板状構造体の中の1つである第1の板状構造体を支持する台座と、前記n個の板状構造体の変形、又は前記第2〜第nの板状構造体の板状構造体の変形に基づいて電荷を発生させる圧電素子とを備え、
    XYZ三次元座標系を定義したとき、前記n個の板状構造体は、その板面がXY平面に平行な面になるように配置され、
    前記第1の板状構造体は、基端部が直接又は間接的に前記台座に接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸正方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記第1の板状構造体以外の前記板状構造体は、各基端部が第1の板状構造体の先端部に接続体を介して接続され、基端部から先端部へ向かう方向がY軸負方向となるように、Y軸に平行な方向に伸びており、
    前記第1の板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯は、その全部又は一部が、他の前記板状構造体の可撓性に基づいて形成される共振系の半値幅の周波数帯と重なっていることを特徴とする発電素子。
  4. 特定の前記板状構造体の先端部に、重錘体が設けられている請求項1乃至3のいずれか記載の発電素子。
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