JP2019046952A - 半導体素子表面を清浄化するための洗浄液 - Google Patents

半導体素子表面を清浄化するための洗浄液 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体の配線パターニング工程で使用されるフォトレジスト由来の残渣や窒化チタンなどのエッチングストップ層を十分に除去、洗浄することができ、かつ、半導体を形成する銅を含む材料、タンタルを含む材料、およびlow−k膜にダメージを与えない洗浄液を提供することにある。【解決手段】フォトレジストを使用してビアを形成後の半導体素子表面を清浄化するための洗浄液であって、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下であることを特徴とする洗浄液。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体素子の製造工程における半導体素子表面を清浄化するための新規な洗浄液に関する。詳しくは、フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するための洗浄液であって、窒化チタンと窒化タンタルのエッチング速度の選択比(TiN/TaN)、窒化チタンと銅のエッチング速度の選択比(TiN/Cu)が極めて高く、しかも、タンタルを含む材料を高度に保護することが可能な洗浄液を提供するものである。
半導体素子の製造は、low−k膜の積層による絶縁部の形成、フォトレジストを使用したlow−k膜へのビア等形成のためのエッチング処理、および、メッキ、CVD等の金属配線材料による導電部の形成との組合せにより行われる。また、前記パターンエッチング処理において、さらなる微細加工を目的に、窒化チタンを使用したメタルハードマスクが併用される。
前記金属配線材料としては銅が一般に使用されるが、銅がlow−k膜内に拡散し、金属配線材料の電流密度が低下することを防ぐために、銅とlow−kとの界面には、銅の拡散を防止するバリアメタルとして、タンタル層及び窒化タンタル層が導入されている。
尚、タンタル層及び窒化タンタル層を導入することで抵抗値が増大し、半導体としての性能が低下するため、タンタル層及び窒化タンタル層は、出来るかぎり薄膜とした設計となっている。
かくして、図1に示すように、フォトレジストを使用してビアを形成後の半導体素子1の表面には、レジスト由来の残渣(図示せず)が付着し、low−k膜3に形成されたビア7の内壁を構成するlow−k、low−k膜の表面に残存する窒化チタン膜2が存在する。また、ビアの形成は配線材料である銅6のパターンと完全に一致しないで、図1に示すようにズレが生じる場合があり、そのため、銅6、更には銅6とlow−kとの界面に形成された窒化タンタル層5やタンタル層4を形成するタンタルを含む物質が存在することとなる。
そして、上記半導体素子の洗浄には、フォトレジスト由来の残渣(図示せず)、窒化チタンは除去し、タンタルを含む材料、銅、low−k膜を保護することが可能な洗浄液が必要となり、また、近年、半導体素子のデザインルールの微細化が進む中で、かかる除去性能および保護性能の要求は益々厳しくなっている。
このような状況の中、種々の洗浄液が提案されている。例えば、タンタルや窒化タンタルを含む材料のダメージを抑制した半導体素子の洗浄液として、low−k膜と10原子%以上のタンタルを含む材料とを有する半導体素子の表面のフォトレジストおよびドライエッチング残渣を除去する洗浄方法であって、過酸化水素0.002〜50質量%、アルカリ土類金属化合物0.001〜1質量%、アルカリおよび水を含む洗浄液が提案されている(特許文献1参照)。
また、材料(例えば、コバルト、ルテニウム及び銅)及び絶縁材料に比べて選択的に除去するのに有用な洗浄液として、少なくとも1種の酸化剤、少なくとも1種のエッチング剤、少なくとも1種の金属腐食防止剤、少なくとも1種のキレート化剤、及び少なくとも1種の溶媒を含む、洗浄液が提案されており、特に金属腐食防止剤として、アゾール系化合物、例えば、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、3−ATA、1,2,4−トリアゾールが銅の腐食防止に有効であることが提案されている(特許文献2参照)。
また、窒化チタンと窒化タンタルの除去選択性を向上させる方法であって、フッ素イオン源0.01〜10質量%、金属窒化物腐食防止剤0.01〜20質量%、酸化剤0〜30wt%、界面活性剤0〜10質量%、溶媒55〜90質量%を含む洗浄液が提案されている(特許文献3参照)。
国際公開第WO2016/076032号公報 国際公開第WO2014/197808号公報 国際公開第WO2012/048079号公報
しかしながら、特許文献1記載の洗浄液は、タンタルを含む材料である窒化タンタル層へのダメージ抑制が不十分であったばかりでなく、窒化チタンのエッチング速度が不十分であったため、改善の余地があった。
また、特許文献2記載の洗浄液では、銅を含む材料へのダメージは十分に抑制されるが、窒化タンタル層へのダメージ抑制が十分ではなく、薄膜化された窒化タンタル層が洗浄液によってエッチングされるという課題があった。
そして、特許文献3記載の洗浄液では、窒化タンタル層へのダメージ抑制に一定の効果は確認されたが、銅を含む材料へのダメージ抑制が十分でなく、改善の余地があった。
また、特許文献2には、金属腐食防止剤の添加について記載されており、その具体例としてアゾール系化合物が、特許文献3においては、金属窒化物腐食防止剤の具体例として、HEDP(1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸)が記載されている。これらの腐食防止剤の添加は、一定の防食効果は確認できたものの、タンタルを含む材料の保護性能は十分ではないことが本発明者らの検討によって明らかとなった。
従って、酸化剤、アルカリが存在する洗浄液において、窒化チタンとタンタルを含む材料のエッチング速度の選択性を改善しながら、銅を含む材料へのダメージを抑制するという二つの課題を両立させることは大きな課題であった。すなわち、窒化チタンとタンタルを含む材料のエッチング速度の選択比(TiN/TaN)、および窒化チタンと銅を含む材料のエッチング速度の選択比(TiN/Cu)が共に高い洗浄液が所望されていた。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、酸化剤である過酸化水素、アルカリを含む洗浄液の組成において、マグネシウム化合物を併用すると共に、そのpHを特定の範囲に調整することにより、従来の洗浄液では達成できなかった前記課題を全て解消し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するための洗浄液であって、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下であることを特徴とする洗浄液が提供される。
上記洗浄液において、前記アルカリが、水酸化テトラメチルアンモニウムであることが、腐食性が低く、また、高純度である点で好ましい。
また、前記洗浄液は、フッ素イオンを含むことが、窒化チタンとタンタルを含む材料のエッチング速度の選択比を向上させる点で好ましい。
更に、前記洗浄液の組成は、過酸化水素を1.0〜40質量%の濃度で、マグネシウム化合物を0.0001〜2.0質量%の濃度で、フッ素イオンを0.001〜3質量%の濃度で含む水溶液であり、アルカリにより50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下に調製された洗浄液であることが好ましい。
本発明の好ましい態様として、少なくとも、前記アルカリと過酸化水素とが別容器に収容されてなることが、使用時における過酸化水素の濃度変化を防止し、効果を安定して発揮するために好ましい。
本発明の洗浄液は、上述の構成により、50℃の洗浄条件において、窒化チタンと窒化タンタルのエッチング速度の選択比(TiN/TaN)が300以上であり、窒化チタンと銅のエッチング速度の選択比(TiN/Cu)が300以上であり、窒化タンタルのエッチングレートが1Å/分以下の特性を有する。
また、本発明によれば、フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するための洗浄方法において、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下である洗浄液を調製後、直ちに洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法が提供される。
本発明の洗浄液は、過酸化水素とアルカリを使用する系において従来使用されていなかったマグネシウム化合物を添加剤として使用すると共に、そのpHを特定の範囲に調整することにより、フォトレジスト由来の残渣の除去効果、および、窒化チタンのエッチング速度を高く維持したまま、タンタルを含む材料、銅、low−kのエッチング速度を著しく小さくすることを可能とする。
パターン異常時のエッチング残渣洗浄前の半導体素子の一例を示す概略断面図である。
本発明の洗浄液は、前記したように、フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するために使用されるものである。
以下、本発明の洗浄液を構成する各組成物について、説明する。
(アルカリ)
本発明で使用されるアルカリは、水酸化カリウム、酢酸カリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、アンモニア、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリエチルアミン、エタノールアミン、1−アミノ−2−プロパノールなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。
本発明の洗浄液において、アルカリは、洗浄液のpHを調整するために使用されものであり、洗浄液の50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下、好ましくは、8.0を越え、9.5以下となるような量で使用される。
洗浄液を上記pHに調整することにより、後述するマグネシウム化合物によるタンタルを含む材料の保護を確実に行うことができる。また、洗浄液が窒化チタンと接触時、その溶解を促進するチタニル酸イオン(TiO2+)の生成が促進され、窒化チタンのエッチング速度を高めることができる。そのため、アルカリの種類に制限はなく使用することができるが、水酸化カリウム、アンモニアおよび水酸化テトラメチルアンモニウムが好ましく、特に、水酸化テトラメチルアンモニウムが、腐食性が低く、また、高純度のものが入手可能であり、半導体素子の汚染を防止できる点で好ましい。また、これらのアルカリは、単独または2種類以上を組み合わせて配合することも可能である。
(過酸化水素)
本発明の洗浄液に含まれる過酸化水素は水溶液の形態で入手されるものが、特に制限なく使用される。
洗浄液における過酸化水素の濃度は、1.0〜40質量%であり、特に、5.0〜30質量%であり、更には、10〜20質量%が好ましい。上記範囲内とすることにより、窒化チタンのエッチング速度を十分速く保つことができる。
(マグネシウム化合物)
本発明の洗浄液に含まれるマグネシウム化合物は、従来使用されていた他のアルカリ土類金属化合物と洗浄液における挙動が異なることが本発明者らによって見出された。即ち、前記アルカリ、過酸化水素を含む洗浄液において、マグネシウム化合物が、タンタルを含む材料に対して防食効果を示すことを初めて見出した。そのメカニズムは明らかではないが、マグネシウムイオンが洗浄液中に存在することにより、タンタルを含む材料が酸化剤によって酸化されることを防ぎ、酸化剤である過酸化水素によるダメージを防いでいるものと考えられる。
また、上記マグネシウム化合物は、粉末の状態で準備してもよいし、水溶液の形態で準備してもよく、洗浄液として使用する際、水に溶解した状態で存在すればよい。
なお、マグネシウム化合物として、具体的には水酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、酸化マグネシウム、過酸化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、水素化マグネシウム、二ホウ化マグネシウム、窒化マグネシウム、硫化マグネシウム、炭酸マグネシウム、亜硫酸マグネシウム、過塩素酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、過マンガン酸マグネシウム、リン酸マグネシウム、クエン酸マグネシウム、リンゴ酸マグネシウム、ヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、リン酸水素マグネシウム、乳酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、ケイ酸マグネシウム、チタン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、臭化マグネシウム、硝酸マグネシウム等を挙げることができる。これらマグネシウム化合物の中でも、水溶性の方が洗浄液として調整しやすいという理由から、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、臭化マグネシウム、硝酸マグネシウムが特に好ましい。
本発明において、前記洗浄液におけるマグネシウム化合物の濃度範囲は、0.0001〜2.0質量%であり、特に、0.005〜1.5質量%であり、更には、0.001〜1.0質量%が好ましい。マグネシウム化合物の濃度が上記範囲より少ない場合、タンタルを含む材料の防食効果が低下する傾向があり、上記濃度範囲を超えると、フォトレジスト残渣の除去性能が低下する。
(フッ素イオン)
本発明の洗浄液において、窒化チタンとタンタルを含む材料のエッチング速度の選択比と、窒化チタンと銅を含む材料のエッチング速度の選択比を保持した状態で、フォトレジスト残渣を効果的に除去する効果を付与するため、フッ素イオンを存在させることが好ましい。
フッ素イオンは、洗浄液の調製において、フッ酸を添加することにより存在させることが好ましい。また、その濃度範囲は、0.001〜3質量%、特に、0.005〜1.5質量%、更には、0.01〜1.00質量%が好適である。
(水)
本発明の洗浄液を調製するために使用する水は、特に制限されないが、可及的に高純度のものを使用することが好ましい。具体的には、蒸留により製造された水、イオン交換樹脂により製造された水、逆浸透により製造された水、或いは、上記方法を組み合わせて製造された水が好ましい。
(その他の添加物)
本発明の洗浄液には、所望により本発明の目的を損なわない範囲で従来から半導体用洗浄液に使用されている添加剤を配合してもよい。例えば、添加剤として、酸、金属防食剤、水溶性有機溶剤、フッ素化合物、酸化剤、還元剤、キレート剤、界面活性剤、消泡剤などを加えることができる。
以上、本発明のマグネシウム化合物を含むことを特徴とする洗浄液は、50℃の洗浄条件において、窒化チタンと窒化タンタルのエッチング速度の選択比(TiN/TaN)が300以上、さらに、窒化チタンと銅のエッチング速度の選択比(TiN/Cu)が300以上、窒化タンタルのエッチングレートが1Å/分以下という、従来の洗浄液には無い性能を発揮する、優れた洗浄液である。そして、本発明の洗浄液はエッチング速度の選択比が高いため、銅を含む材料、タンタルを含む材料へのダメージを抑制することが出来、窒化チタンを使用したメタルハードマスクに使用する半導体プロセスにおいて好適に使用することが出来る。
(洗浄液の分別収容)
本発明において、少なくとも、前記アルカリと過酸化水素とが別容器に収容されることが好ましい。即ち、本発明の成分の一つである過酸化水素はアルカリによるpH調整後において分解し易く、洗浄液として使用するまでの時間によりその濃度が大きく変化する虞がある。そこで、使用直前、具体的には、使用前120分以内、好ましくは使用前60分以内となるまで、少なくとも、前記アルカリと過酸化水素とを別容器に収容しておくことにより、安定した洗浄能力を発揮することができる。
上記容器の数、大きさ等は、使用形態に合わせて適宜決定すればよい。例えば、容器の大きさに関して、少量の使用の場合はペール缶、ポリ缶等を使用することができるし、大量使用の場合は、タンクを設置してもよい。また、収容の態様は、過酸化水素水溶液/アルカリ、マグネシウム化合物水溶液(/フッ酸水溶液)である。尚、( )内は、任意成分を示す。
上記態様において、別容器に収容された各成分の混合方法は、特に制限されず、バッチ式の混合槽で撹拌混合する方法や配管内にスタティックミキサー等の静的混合機を設置して連続的に混合する方法により混合すればよい。
また、混合後は、直ちに、具体的には、120分以内、好ましくは60分以内に洗浄工程で使用されることが好ましい。
更に、上記した何れの態様においても、洗浄液を構成する組成物を別の容器に分けて収容する場合は、全ての容器内の成分を混合後、前記した本発明の洗浄液の組成となるように各容器における成分の量を調整すればよい。尚、水については、混合後に別途注水して各成分を所定の濃度に調整することも可能である。
(本発明の洗浄液を使用した洗浄方法)
本発明の洗浄液及び洗浄方法は、フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するための洗浄工程で使用される。
図1に示すように、ビアの形成工程において、パターンにズレが発生する場合があり、銅を含む材料、low−k膜だけでなく、タンタルを含む材料を保護する必要がある。また、ビアの形成工程で使用されたフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンを除去する必要があり、本発明の洗浄方法はそれらの要求を満足する洗浄方法である。
以下、本発明の洗浄方法について、説明する。
本発明の洗浄方法は、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下である洗浄液を調製後、直ちに洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法である。
本発明の洗浄液を使用する洗浄条件は、洗浄温度は20〜80℃、好ましくは40〜60℃の範囲であり、エッチングの条件や使用される半導体素子により適宜選択すればよい。また、本発明の洗浄液は、300mmのシリコンウェハに対して、洗浄液の供給速度として、1.5l/分を滴下し、枚葉式の洗浄装置で洗浄すればよい。その他の洗浄条件として、本発明の洗浄液を使用する洗浄時間は、0.5〜120分、好ましくは1.0〜60分の範囲であり、洗浄温度と同様に、エッチングの条件や使用される半導体素子により適宜選択すればよい。
本発明の洗浄液を使用した後のリンス液としては、アルコールのような有機溶剤を使用することもできるが、水でリンスするだけでも十分である。
以上、本発明の洗浄方法は、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下である洗浄液を調製後、直ちに洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法が提供され、銅を含む材料、タンタルを含む材料へのダメージを抑制することが出来る窒化チタンを使用したメタルハードマスクに使用する半導体プロセスにおける洗浄方法として、好適に使用することが出来る。
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。
(エッチング速度の算出方法)
シリコンウェハ上に酸化膜を形成し、その上に銅(Cu)、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)およびlow−kをそれぞれ成膜した。銅、窒化チタン、タンタル、窒化タンタルについては四探針抵抗測定器(ロレスタ−GP、三菱ケミカルアナリテック社製)によりシート抵抗を測定した。予め、電子顕微鏡を用いてシート抵抗との間の相関関係を把握しておき、洗浄液処理前後のシート抵抗変化量から膜厚に換算した。またlow−kについては分光エリプソメータ(UVISEL M200−FUV−FGMS−HNSTSS,HORIBA JOBIN YVON社製)により膜厚を測定した。
実施例1〜10、比較例1〜9の組成に調整した洗浄液を30ml、ビーカーに準備し、洗浄液中に10×20mmとした各膜種のサンプル片を、1分、2分、10分、30分間浸漬し、処理前後の膜厚変化量を浸漬した時間で除した値をエッチング速度として算出し、本発明におけるエッチング速度として評価した。銅(Cu)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)については、エッチング速度が1Å/分以下であれば、合格とした。エッチング速度が、1Å/分を越える場合があると微細化に伴う膜の目減りの影響が深刻となり、その後の工程で、従来の線幅では影響が無視できたサイズのボイド、欠陥が顕在化して半導体デバイスに深刻な問題を発生させる可能性があるためである。
(表面荒れの評価方法)
洗浄液による浸漬処理後に、半導体素子表面が荒れていると、その後の工程に重篤な影響を及ぼす場合がある。特に、配線材料として用いられる銅の表面が荒れると、その直上に成膜される層との間にボイドが生じ、銅配線抵抗の増加だけでなく信頼性低下にも影響を及ぼす。
そこで、浸漬処理前後の表面荒れを確認するために、表面荒れ観察は、FE−SEM(電界放出形走査電子顕微鏡、JSM 7800F、日本電子社製)を用い、倍率10万倍で観察した。表面荒れについては、以下に示す評価基準によって評価した。
A:処理前後で表面が荒れていない
B:処理前後で表面がやや荒れている
C:処理前後で表面が大きく荒れている
A判定を合格とした。
(pHの評価)
調整した洗浄液のpHは卓上型pHメーター(LAQUA F―73、堀場製作所製)を用いて測定した。pH測定は、洗浄液を50℃の恒温槽に投入し、洗浄液を50℃とした後に、pH測定を実施した。
<実施例1〜10、比較例1〜9>
表面を清浄にしたシリコンウェハを用意し、まず、所定膜厚の熱酸化膜を形成する。次に、酸化膜が形成されたシリコンウェハ上に銅やタンタルを其々スパッタリング法で、窒化タンタルや窒化チタンを其々反応性スパッタリング法で成膜することによって、所定の膜厚のサンプルを得た。また同様に、表面が清浄されたシリコンウェハを用意し、low−k膜をCVD法で成膜することによって、所定の膜厚が成膜されたシリコンウェハを得た。
上記各種膜付きシリコンウェハを10×20mmに分割して、実施例、比較例のサンプル片として使用した。サンプル片を準備後、表1に記した組成となるように調整した洗浄液30mlをテフロン(登録商標)製ビーカーに準備した。用意した10×20mmのサンプル片に対して、それぞれ洗浄液30ml中にサンプル片を浸漬し、サンプル片を洗浄処理した。洗浄液の調製は、過酸化水素以外の組成物を混合調整した後に、過酸化水素を混合し洗浄液とする調整を行った。
なお、実施例1〜10、比較例1〜9では、不純物濃度が、塩化物濃度が0.001質量%以下、ナトリウムが質量基準で2ppm以下、カリウムが質量基準で2ppm以下、鉛が質量基準で1ppm以下、鉄が質量基準で1ppm以下である水酸化テトラメチルアンモニウムを使用した。
実施例1〜5、7〜10及び、比較例1〜9は、アルカリ、マグネシウム化合物、フッ酸を表1に示した組成となるように調整し、その後、別の容器に収容された過酸化水素を添加、撹拌した。過酸化水素を混合後、直ぐに、表2に示した温度となるように、恒温槽にて洗浄液の温度を調整し、洗浄液とした。一方、実施例6は、アルカリ、硝酸マグネシウム、フッ酸を表1に示した組成となるように調整し、その後、別の容器に収容された過酸化水素を添加、撹拌した。過酸化水素を混合後60分経過後に表2に示した温度となるように、恒温槽にて洗浄液の温度を調整、混合撹拌し、洗浄液とした。
洗浄液の温度を調整後、窒化チタンは2分間、その他の膜種は30分間浸漬し、その後、超純水によるリンス、乾燥窒素ガスによるブロー乾燥を行い、サンプル片を洗浄処理した。銅、タンタル、窒化タンタル、窒化チタンの処理前後の膜厚変化を上記四探針抵抗測定で求め、low−k膜の処理前後の膜厚変化は上記分光エリプソメータで求めてエッチングレートを算出した。また、銅については処理後の表面状態を上記FE−SEMを用いて評価した。
表1に示した本発明の洗浄液を適用した実施例1〜10は、銅を含む材料、タンタルを含む材料、low−k膜のエッチング速度が1Å/分未満であり、ダメージが十分低いことがわかる。また、チタンを含む材料に関しては、300Å/分を越えるエッチング速度を示しており、TiN/CuおよびTiN/TaN選択比が十分高いことがわかる。加えて、表2に示すように、処理後に表面が荒れやすい銅において、いずれも処理前後で荒れが観察されず、半導体素子表面の洗浄液として好適に使用することが出来る。
なお、表2に示していないが、実施例1〜10、比較例1〜9に示した洗浄液は、フォトレジスト残渣の除去が可能であり、レジスト残渣が付着したサンプル片を準備し、洗浄液で処理したところ、実施例1〜10、比較例1〜9の全ての洗浄液で、洗浄後のサンプル片にはレジスト残渣は確認されず、十分に除去されていた。
また、フッ化物イオンを添加した実施例4とフッ化物イオンを添加しなかった実施例5を比較すると、フッ化物イオンを添加した実施例4の方が、フォトレジスト残渣の除去性能が向上するだけでなく、タンタルや窒化タンタルのエッチング速度が低下していることが分かる。
その他、実施例6に示すように、過酸化水素混合後、60分経過した後洗浄液として使用した場合でも、過酸化水素の分解を考慮せず、半導体素子表面の洗浄液として選択比にバラツキがなく、安定して使用することが出来る。
なお、比較例1では、実施例1〜10と比較して、マグネシウム化合物が入っていないため、TaNへのダメージを抑制することができず、TiN/TaN選択比が悪くなっていることがわかる。
また、比較例2〜8では実施例1〜10と比較して、マグネシウム塩の代わりにアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩が入ったことによってTaNへのエッチングが促進され、TiN/TaN選択比が悪くなっていることがわかる。また、比較例9では防食剤として利用されるHEDP(1−ヒドロキシエタン−1、1−ジホスホン酸)を用いることで、銅に対しては一定の防食効果を確認したが、TaNに対する防食効果は得られず、TiN/TaN選択比が悪くなっていることがわかる。
Figure 2019046952
Figure 2019046952
1 半導体素子
2 窒化チタン
3 Low−k
4 タンタル
5 窒化タンタル
6 銅
7 ビア

Claims (10)

  1. フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するための洗浄液であって、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下であることを特徴とする洗浄液。
  2. 前記アルカリが、水酸化テトラメチルアンモニウムである請求項1記載の洗浄液。
  3. 更に、フッ素イオンを含む請求項1又2記載の洗浄液。
  4. 過酸化水素を1.0〜40質量%の濃度で、マグネシウム化合物を0.0001〜2.0質量%の濃度で、フッ素イオンを0.001〜3質量%の濃度で含む水溶液である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の洗浄液。
  5. 少なくとも、前記アルカリと過酸化水素とが別容器に収容されてなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の洗浄液。
  6. 50℃の洗浄条件において、窒化チタンと窒化タンタルのエッチング速度の選択比(TiN/TaN)が300以上であり、窒化チタンと銅のエッチング速度の選択比(TiN/Cu)が300以上であり、窒化タンタルのエッチングレートが1Å/分以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の洗浄液。
  7. フォトレジストを使用してビアを形成後、除去物質としてフォトレジスト由来の残渣、窒化チタンが、保護物質としてタンタルを含む材料、銅、low−k膜が存在する半導体素子表面を清浄化するための洗浄方法において、過酸化水素、マグネシウム化合物及びアルカリを含む水溶液よりなり、50℃でのpHが7.0を超え、10.0以下である洗浄液を調製後、直ちに洗浄を行うことを特徴とする洗浄方法。
  8. 前記洗浄液を調製するためのアルカリが水酸化テトラメチルアンモニウムである請求項7記載の洗浄方法。
  9. 前記洗浄液が、フッ素イオンを含む請求項7又は8記載の洗浄方法。
  10. 少なくとも、前記アルカリと過酸化水素とが別容器に収容され、
    各容器に収容された組成を混合直後に、前記半導体素子表面に供給して洗浄を行う請求項7〜9のいずれか一項に記載の洗浄方法。
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WO2021210458A1 (ja) * 2020-04-14 2021-10-21 三菱瓦斯化学株式会社 チタンおよび/またはチタン合金のエッチング液、該エッチング液を用いたチタンおよび/またはチタン合金のエッチング方法、および該エッチング液を用いた基板の製造方法

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