JP2019045877A - 撮像装置および方法並びに撮像制御プログラム - Google Patents

撮像装置および方法並びに撮像制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】細胞が収容された容器が設置された移動ステージの移動にともなって、容器の液面に浮遊する死細胞が撮像領域の中心部に集合するのを防止することができる撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムを提供する。【解決手段】細胞を撮像する撮像部と、細胞が収容された容器が設置される移動ステージ51と、移動ステージ51を移動させることによって、細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、撮像部を制御することによって、撮像対象範囲毎の画像を撮像する撮像制御部21とを備え、撮像制御部21が、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させないようにする。【選択図】図1

Description

本発明は、移動ステージを移動させることによって細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、撮像対象範囲毎の画像を撮像する撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムに関するものである。
従来、ES(Embryonic Stem)細胞およびiPS(Induced Pluripotent Stem)細胞などの多能性幹細胞や分化誘導された細胞などを顕微鏡などで撮像し、その画像の特徴を捉えることで細胞の分化状態などを判定する方法が提案されている。
ES細胞およびiPS細胞などの多能性幹細胞は、種々の組織の細胞に分化する能力を備えたものであり、再生医療、薬の開発、病気の解明などにおいて応用が可能なものとして注目されている。
一方、上述したように細胞を顕微鏡で撮像する際、高倍率な広視野画像を取得するため、たとえばウェルなどの撮像領域を複数の撮像対象範囲に分割し、その撮像対象範囲をそれぞれ高倍率で撮像した後、撮像対象範囲毎の画像を結合する、いわゆるタイリング撮影を行うことが提案されている(特許文献1〜特許文献4参照)。
特開2014−89410号公報 特開2008−052227号公報 国際公開第2013/105373号パンフレット 特表2005−514589号公報
ここで、上記のようなタイリング撮影の方法として、撮像領域内において撮像対象範囲を双方向走査する方法が提案されている。双方向走査とは、図13に示すように、撮像領域R内において、撮像対象範囲IRのX軸正方向(紙面右方向)への移動とX軸負方向(紙面左方向への移動)への移動とを交互に繰り返す走査方法である。
しかしながら、上記のような撮像対象範囲IRの移動は、ウェルなどが設置された移動ステージを移動させることによって行われるが、この移動ステージの移動によってウェル内に収容された培養液などの液体の液面に揺らぎが発生する。
近年、総撮影時間の短縮化が望まれており、1つの撮像対象範囲の撮像に要する時間が短縮化される傾向にある。したがって、ウェル内で発生した液面の揺らぎがおさまる前に移動ステージが移動し、移動ステージを移動するたびに液面の揺らぎが増長されるといった現象が起きている。
一方、従来、時間の経過にともなう細胞の変化を観察するため、経時的に複数回にわたって細胞を撮影する、いわゆるタイムラプス撮影が行われている。このタイムラプス撮影では、時間の経過とともに死細胞が浮遊してくるが、この死細胞は、移動ステージの移動にともなう液面の揺らぎとともに移動する。そして、上述したような双方向走査を行った場合には、移動ステージの同一方向への移動が、たとえば15回程度連続して行われるため、ウェルWの側壁面において、図16の矢印で示す方向に波面が反射し、これにより波が打ち消しあうウェルWの中心部に死細胞が集まることが確認された。なお、図16に示す矢印の方向が波面の反射方向である。また、図17の左図は、タイリング撮影前の死細胞Dの分散状態を示す模式図であり、図17の右図が、双方向走査によるタイリング撮影後の死細胞Dの集合状態を示す模式図である。
図17の右図に示すようにウェルW(撮像領域)の中心部に死細胞Dが集まった場合、画像の見た目が損なわれ、さらに死細胞Dが集まった箇所の下にある細胞群Sが見えなくなるといった問題がある。この現象は、タイムラプス撮影期間が延びるほど顕著に現れる問題である。
本発明は、上記の問題に鑑み、移動ステージの移動にともなって死細胞が撮像領域の中心部に集合するのを防止することができる撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムを提供することを目的とする。
本発明の撮像装置は、細胞を撮像する撮像部と、細胞が収容された容器が設置される移動ステージと、移動ステージを移動させることによって、細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、撮像部を制御することによって、撮像対象範囲毎の画像を撮像する撮像制御部とを備え、撮像制御部が、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させないことを特徴とする。
また、本発明の撮像装置においては、移動ステージの制御切替条件を取得する制御切替条件取得部を備えることができ、撮像制御部は、制御切替条件に基づいて、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない第1のステージ制御と、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続可能とする第2のステージ制御とを切り替えることができる。
また、本発明の撮像装置において、制御切替条件は、移動ステージの移動回数に関連する条件、撮像対象範囲の撮像の間隔に関連する条件、容器に収容される液体の液面の搖動に関連する条件または細胞の培養期間とすることが好ましい。
また、本発明の撮像装置において、移動ステージの移動回数に関連する条件は、撮像の倍率、撮像領域の大きさ、撮像領域の撮像を複数回行う場合の撮像の回数、および撮像領域の撮像を複数回行う場合の撮像開始から終了までの期間の少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、本発明の撮像装置において、撮像対象範囲の撮像の間隔に関連する条件は、オートフォーカス方法および撮像対象範囲の露光時間の少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、本発明の撮像装置において、容器に収容される液体の液面の搖動に関連する条件は、液体の種類、液体の量、液体の粘度および容器の大きさの少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、本発明の撮像装置においては、容器内の死細胞の数に関する情報を計測する死細胞計測部を備えることができ、撮像制御部は、死細胞の数に関する情報に基づいて、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない第1のステージ制御と、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続可能とする第2のステージ制御とを切り替えることができる。
また、本発明の撮像装置において、撮像制御部は、容器内の撮像領域に対して撮像対象範囲を渦巻き状に移動させることができる。
また、本発明の撮像装置において、撮像制御部は、移動ステージを駆動する駆動モータへの制御信号に基づいて、移動ステージの移動回数をカウントすることができる。
本発明の撮像方法は、細胞が収容された容器が設置された移動ステージを移動させることによって、細胞を含む撮像領域内の撮像対象範囲を移動させ、撮像対象範囲毎の画像を撮像する撮像方法であって、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させないことを特徴とする。
本発明の撮像制御プログラムは、細胞が収容された容器が設置された移動ステージを移動させることによって、細胞を含む撮像領域内の撮像対象範囲を移動させ、撮像部を制御することによって、撮像対象範囲毎の画像を撮像する撮像制御部としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラムであって、撮像制御部が、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させないことを特徴とする。
本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムは、細胞が収容された容器が設置された移動ステージを移動させることによって、細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、その撮像対象範囲毎の画像を撮像する。そして、この際、本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムは、移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させないようにしたので、上述した双方向走査の場合のように、移動ステージの移動にともなって死細胞が撮像領域の中心部に集合するのを防止することができる。
本発明の撮像装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの概略構成を示すブロック図 図1に示す顕微鏡観察システムの顕微鏡装置の概略構成を示す図 細胞群を含む撮像領域およびその撮像領域内における撮像対象範囲の一例を示す模式図 移動ステージの移動による撮像領域内での撮像対象範囲の移動方向を示す図 タイリング撮影前の死細胞の分散状態と、本発明の移動ステージの移動制御によるタイリング撮影後の死細胞の分散状態とを示す模式図 本発明の移動ステージの移動制御によってタイムラプス撮影した場合の所定の時点の位相差画像を示す図 双方向走査を行ってタイムラプス撮影した場合の所定の時点の位相差画像を示す図 移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない移動制御方法のその他の実施形態を示す図 移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない移動制御方法のその他の実施形態を示す図 本発明の撮像装置の第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの作用を説明するためのフローチャート 本発明の撮像装置の第2の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの概略構成を示すブロック図 移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない移動制御方法のその他の実施形態を示す図 双方向走査を行う場合の撮像対象範囲の移動方向を示す図 撮像領域に対して撮像対象範囲を渦巻き状に移動させる場合のその移動方向を示す図 本発明の撮像装置の第3の実施形態を用いた顕微鏡観察システムの概略構成を示すブロック図 双方向走査を行った場合の波面の反射方向を示す図 タイリング撮影前の死細胞の分散状態と、双方向走査によるタイリング撮影後の死細胞の集合状態とを示す模式図
以下、本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムの第1の実施形態を用いた顕微鏡観察システムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本実施形態の顕微鏡観察システム1の概略構成を示すブロック図である。また、図2は、本実施形態の顕微鏡観察システム1の顕微鏡装置10の概略構成図である。なお、図1においては、顕微鏡装置10については制御装置20と関係がある構成のみを示している。
本実施形態の顕微鏡観察システム1は、図1に示すように、顕微鏡装置10と、制御装置20と、表示装置30と、入力装置40とを備えている。
顕微鏡装置10は、培養された細胞の位相差画像を撮像するものである。また、顕微鏡装置10は、細胞を経時的に複数回撮像する、いわゆるタイムラプス撮影を行うものである。具体的には、顕微鏡装置10は、図2に示すように、白色光を出射する位相差計測用白色光源11と、リング形状のスリットを有し、位相差計測用白色光源11から出射された白色光が入射されてリング状の照明光L1を出射するスリット板12と、スリット板12から出射されたリング状の照明光L1が入射され、その入射されたリング状の照明光L1を細胞群(細胞コロニーともいう)Sに対して照射する第1の対物レンズ13とを備えている。
スリット板12は、位相差計測用白色光源11から出射された白色光を遮光する遮光板に対して白色光を透過するリング形状のスリットが設けられたものであり、白色光がスリットを通過することによってリング状の照明光L1が形成される。
また、顕微鏡装置10は、位相差レンズ14と、結像レンズ15と、撮像素子16とを備えている。
位相差レンズ14は、第2の対物レンズ14aおよび位相板14bを備えている。位相板14bは、照明光L1の波長に対して透明な透明板に対して位相リングを形成したものである。なお、上述したスリット板12のスリットの大きさは、位相板14bの位相リングと共役な関係にある。
位相リングは、入射された光の位相を1/4波長ずらす位相膜と、入射された光を減光する減光フィルタとがリング状に形成されたものである。位相リングに入射された直接光は、位相リングを通過することによって位相が1/4波長ずれるとともに、その明るさが弱められる。一方、細胞群Sによって回折された回折光は大部分が位相板14bの透明板を通過し、その位相および明るさは変化しない。
位相差レンズ14は、光学系駆動部18(図1参照)によってZ方向(矢印A方向)に移動するものである。この位相差レンズ14のZ方向への移動によってオートフォーカス制御が行われ、撮像素子16によって撮像される位相差画像のコントラストが調整される。
結像レンズ15は、位相差レンズ14を通過した位相差画像が入射され、これらを撮像素子16に結像するものである。
撮像素子16は、結像レンズ15によって結像された位相差画像を撮像するものである。撮像素子16としては、CCD(Charge-Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどが用いられる。撮像素子としては、RGB(Red Green Blue)のカラーフィルタが設けられた撮像素子を用いてもよいし、モノクロの撮像素子を用いるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、上述した位相差計測用白色光源11、スリット板12、第1の対物レンズ13、位相差レンズ14、結像レンズ15および撮像素子16が、本発明の撮像部に相当するものである。また、この撮像部と後述する移動ステージ51および撮像制御部21とが、本発明の撮像装置に相当するものである。
そして、上述した第1の対物レンズ13と位相差レンズ14の間には、細胞群Sが収容された培養容器50が設置される移動ステージ51が設けられている。
培養容器50としては、シャーレ、ディッシュまたはウェルプレートなどを用いることができる。また、培養容器50に収容される細胞群Sとしては、iPS細胞およびES細胞といった多能性幹細胞、幹細胞から分化誘導された神経、皮膚、心筋および肝臓の細胞、並びに人体から取り出された皮膚、網膜、心筋、血球、神経および臓器の細胞などがある。培養容器50内には、細胞群Sを培養するための培養液Cも収容される。
移動ステージ51は、ステージ駆動部19(図1参照)によって互いに直交するX方向およびY方向に移動するものである。なお、X方向およびY方向は、細胞群Sの設置面に平行な面上において互いに直交する方向である。
ステージ駆動部19は、制御装置20の撮像制御部21からの制御信号に応じて移動ステージ51をX方向、Y方向および直交するX−Y方向の間の斜め方向に移動させるものであり、駆動モータ19aと駆動モータ19aによって駆動する移動機構(図示省略)とを備えている。
撮像制御部21は、移動ステージ51を移動させることによって、図3に示すように、細胞群Sを含む撮像領域R内において撮像対象範囲IRを移動させ、顕微鏡装置10を制御することによって、撮像対象範囲IR毎の位相差画像の撮像を行うものである。
移動ステージ51は、ステージ駆動部19によってX方向、Y方向および斜め方向に移動するものであり、その移動が繰り返されることによって、撮像領域R全体が走査される。
ここで、上述したように移動ステージ51を移動させて従来のような双方向走査を行った場合には、死細胞が撮像領域Rの中心部に集合していまい、細胞群Sの位相差画像の撮像の邪魔となり、また、位相差画像の見た目も損なわれてしまう。
そこで、本実施形態の撮像制御部21は、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させないように制御するものである。図4に示す実線Lは、移動ステージ51の移動による撮像領域R内での撮像対象範囲IRの移動方向を示すものである。実線Lの端点S,Gおよび実線Lが折れ曲がっている点に撮像対象範囲IRが移動し、その点において位相差画像の撮像が行われる。なお、撮像対象範囲IRが、図4に示す点P1から点P2に移動する際には、点P1と点P2の間に存在する撮像対象範囲はまだ撮像が行われておらず、かつ点P1と点P2を結ぶ線分がその撮像対象範囲の中心を通過することになるので、この撮像対象範囲の位置で移動ステージ51が停止して撮像が行われる。撮像対象範囲IRは、端点Sの位置に最初に設定された後、実線Lに沿って撮像領域Rの外側から内側に向けて移動し、端点Gの位置まで移動する。すなわち、撮像対象範囲IRは、移動ステージ51の移動によって培養容器50内の撮像領域Rに対して渦巻き状に移動する。
なお、撮像制御部21は、ステージ駆動部19の駆動モータ19aへの制御信号に基づいて、移動ステージ51の移動の回数をカウントするものである。なお、移動ステージ51が移動を開始してからその移動を停止するまでを移動ステージ51の1回の移動としてカウントする。したがって、具体的には、撮像制御部21は、駆動モータ19aへの動作開始制御信号の出力と動作停止制御信号の出力の組み合わせをカウントすることによって、移動ステージ51の移動の回数をカウントする。
また、X方向およびY方向に平行でない斜め方向への撮像対象範囲IRの移動については、移動ステージ51のX方向への移動とY方向への移動との組み合わせによって実現するようにしてもよい。具体的には、たとえば図4に示す点P1から点P2への移動は、点P1からX軸正方向(紙面右方向)への2回の移動とY軸負方向(紙面下方向)への2回の移動との組み合わせによって行われる。また、図4に示す点P3から点P4への移動は、点P3からX軸負方向(紙面左方向)への1回の移動とY軸正方向(紙面上方向へ)の2回の移動との組み合わせによって行われる。
ただし、その場合、図4に示す点P1と点P2との間に存在する撮像対象範囲が撮像されないことになるので、図4に示す点Gまで移動した後、さらにY軸正方向へ1回移動して点P1と点P2との間に存在する撮像対象範囲を撮像するようにすればよい。
図4において実線Lで示される移動方向に撮像対象範囲IRを移動させることによって、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させないようにすることができ、かつ撮像領域Rのほぼ全体の位相差画像の撮像を行うことができる。
そして、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させないことによって、従来の双方向走査のように死細胞が撮像領域Rの中心部に集合してしまうのを防止することができる。すなわち、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させず、異なる方向へ移動ステージ51を移動させることによって、培養液Cの液面において互いに異なる方向に波を発生させることができるので、液面に浮かぶ死細胞を集合させることなく、分散させることができる。図5の左図は、移動ステージ51の移動前の死細胞Dの分散状態を模式的に示した図であり、図5の右図は、本実施形態の移動ステージ51の移動制御によって撮像対象範囲IRを移動させて位相差画像の撮像を行った後の死細胞Dの分散状態を模式的に示した図である。
また、図6は、本実施形態の移動ステージ51の移動制御によって撮像対象範囲IRを移動させ、1時間毎に撮像領域R全体をタイムラプス撮影した場合の所定の時点の位相差画像を示したものである。図6に示すように、この場合、特に死細胞の集合状態は確認されない。一方、図7は、従来の双方向走査によって撮像対象範囲IRを移動させ、1時間毎に撮像領域R全体をタイムラプス撮影した場合の所定の時点の位相差画像を示したものである。図7において楕円で示されるように、撮像領域Rの中央部分に死細胞が集合しているのが分かる。
なお、移動ステージ51の移動制御方法については、図4に示す例に限らず、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させない移動方法でればその他の移動制御方法を採用するようにしてもよい。
具体的には、図8および図9に示される実線Lに沿って撮像対象範囲IRが移動するように移動ステージ51を移動させるようにしてもよい。図8および図9に示す例の場合も、撮像対象範囲IRは、端点Sの位置に最初に設定された後、実線Lに沿って移動し、端点Gの位置まで移動する。図8および図9に示す例では、実線Lの端点S,Gおよび実線Lが折れ曲がっている点で位相差画像の撮像が行われ、さらに、ある点から次の点までに移動する間に、撮像対象範囲IRが存在し、その撮像対象範囲IRがまだ撮像されておらず、かつその撮像対象範囲IRの中心を実線Lが通過する場合には、その撮像対象範囲IRについても撮像を行う。
次に、本実施形態の顕微鏡装置10は、上述したように位相差レンズ14をZ方向に移動させることによってオートフォーカス制御を行うものであるが、2種類のオートフォーカス制御を行うことができるものである。一つのオートフォーカス制御方法は、位相差レンズ14をZ方向に移動させ、位相差レンズ14の位置毎の複数の位相差画像を撮像素子16によって撮像し、その複数の位相差画像のコントラストが最大となる位置に位相差レンズ14を移動させる、いわゆるコントラストオートフォーカス制御である。
そして、もう一つのオートフォーカス制御方法は、パターン照明光の照射によるパターン照明光オートフォーカス制御である。なお、パターン照明光オートフォーカス制御については、後で詳述する。
コントラストオートフォーカス制御とパターン照明光オートフォーカス制御は、ユーザによって必要に応じて切り替えられる。一般的に、コントラストオートフォーカス制御の場合には、よりコントラストが明瞭な位相差画像を撮像することができ、パターン照明光オートフォーカス制御の場合には、コントラストオートフォーカス制御のように複数回の位相差画像の撮像を行う必要がないので、より高速にオートフォーカス制御を行うことができる。ユーザは、入力装置40からの指示入力によって、これらのオートフォーカス制御を切り替える。
そして、本実施形態の顕微鏡装置10は、図2に示すように、パターン照明光オートフォーカス制御を行うための構成として、パターン照明光照射部55とオートフォーカス光検出部60とを備えている。
パターン照明光照射部55は、細胞群Sを含む撮像領域Rに対して、パターン照明光L2を照射するものである。本実施形態のパターン照明光照射部55は、パターン照明光L2として、縞状のパターンを有する照明光を照射するものである。具体的には、パターン照明光照射部55は、白色光を出射するオートフォーカス用白色光源56と、オートフォーカス用白色光源56から出射された白色光を透過する線状部分と遮光する線状部分とから構成されるグリッド57と、グリッド57から出射された縞状の明暗のパターンを有するパターン照明光L2を反射するミラー58と、ミラー58を反射したパターン照明光L2を撮像領域Rに向けて反射する第1のハーフミラー59とを備えている。
第1のハーフミラー59は、細胞群Sの位相差画像と後述するオートフォーカス用の縞画像とを透過し、かつパターン照明光L2を撮像領域Rの方向に反射する光学特性を有するものである。
オートフォーカス光検出部60は、第2のハーフミラー61と、光路差プリズム62と、ラインセンサ63とを備えている。
第2のハーフミラー61は、パターン照明光L2の培養容器50への照射によって培養容器50の底面から反射されたオートフォーカス用の縞画像を光路差プリズム62の方向に反射し、かつ細胞群Sの位相差画像を透過するものである。
光路差プリズム62は、入射された縞画像を2つの光路に分け、ラインセンサ63の異なる2箇所に結像するものである。ラインセンサ63は、2箇所で撮像された第1の縞画像の画像信号と第2の縞画像の画像信号とを撮像制御部21に出力するものである。撮像制御部21は、第1の縞画像の画像信号と第2の縞画像の画像信号とに基づいて、位相差レンズ14をZ方向に移動させてオートフォーカス制御を行うものである。具体的には、第1の縞画像のコントラスト(波形パターン)と第2の縞画像のコントラスト(波形パターン)が最も近似する位置に位相差レンズ14を移動させる。
図1に戻り、制御装置20は、撮像制御部21および表示制御部22を備えている。制御装置20は、コンピュータに対して本発明の撮像制御プログラムの一実施形態がインストールされたものである。
制御装置20は、中央処理装置、半導体メモリおよびハードディスクなどを備えており、ハードディスクに本発明の撮像制御プログラムの一実施形態がインストールされている。そして、このプログラムが中央処理装置によって実行されることによって、図1に示す撮像制御部21および表示制御部22が動作する。
撮像制御部21は、顕微鏡装置10における位相差画像の撮像制御を行うものである。具体的には、撮像制御部21は、位相差計測用白色光源11からの白色光の出射および撮像素子16の動作を制御することによって位相差画像の撮像を制御するものである。また、撮像制御部21は、上述したようにステージ駆動部19を制御することによって移動ステージ51の移動を制御し、これにより撮像領域R内における撮像対象範囲IRの移動を制御するものである。
さらに、撮像制御部21は、各撮像対象範囲IRの位相差画像の撮像の前に、光学系駆動部18を制御することによって位相差レンズ14のZ方向への移動を制御し、これによりオートフォーカス制御を行うものである。オートフォーカス制御としては、上述したようにコントラストオートフォーカス制御またはパターン照明光オートフォーカス制御とが可能であり、ユーザによって指定されたオートフォーカス制御が行われる。
表示制御部22は、顕微鏡装置10によって撮像された撮像対象範囲IR毎の位相差画像を結合することによって、撮像領域R全体の1枚の位相差画像を生成し、その位相差画像を表示装置30に表示させるものである。
表示装置30は、上述したように表示制御部22によって生成された位相差画像を表示するものであり、たとえば液晶ディスプレイなどを備えたものである。また、表示装置30をタッチパネルによって構成し、入力装置40と兼用するようにしてもよい。
入力装置40は、マウスやキーボードなどを備えたものであり、ユーザによる種々の設定入力を受け付けるものである。本実施形態の入力装置40は、たとえば上述したオートフォーカス制御の種類の指定を受け付けるものである。
次に、本実施形態の顕微鏡観察システム1の作用について、図10に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、細胞群Sおよび培養液Cが収容された培養容器50が、移動ステージ51上に設置される(S10)。
次に、撮像領域R内の最初の撮像対象範囲IRが撮像される位置まで移動ステージ51が移動する(S12)。そして、撮像対象範囲IRに対して、オートフォーカス制御が行われる(S14)。
オートフォーカス制御が行われた後、撮像対象範囲IRに対してリング状の照明光L1が照射されることによって、撮像対象範囲IRの位相差画像が撮像素子16によって撮像される(S16)。
次いで、全ての撮像対象範囲IRの位相差画像の撮像が終了していない場合には(S18,NO)、次の撮像対象範囲IRが撮像される位置まで移動ステージ51が移動する(S20)。そして、次の撮像対象範囲IRについて、オートフォーカス制御が行われた後(S14)、位相差画像の撮像が行われる(S16)。
全ての撮像対象範囲IRの位相差画像の撮像が終了するまで撮像対象範囲IRの移動とオートフォーカス制御および位相差画像の撮像とが繰り返して行われ、撮像対象範囲IR毎の位相差画像が表示制御部22に順次記憶される。
そして、全ての撮像対象範囲IRの位相差画像の撮像が終了した時点において(S18,YES)、表示制御部22は、撮像対象範囲毎の位相差画像を結合し、撮像領域全体の1枚の位相差画像を生成し(S22)、その生成した位相差画像を表示装置30に表示させる(S24)。
次に、本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムの第2の実施形態を用いた顕微鏡観察システムについて説明する。図11は、本実施形態の顕微鏡観察システム2の概略構成を示すブロック図である。なお、顕微鏡装置10の構成については、第1の実施形態の顕微鏡観察システム1と同様である。
第1の実施形態の顕微鏡観察システム1においては、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させないように制御を行うようにしたが、条件によっては、必ずしもこのような移動ステージ51の移動制御を行わなくても死細胞が撮像領域Rの中心部に集合するような問題が発生しない場合もある。このような場合には、移動ステージ51を同一方向へ3回以上連続させて移動させた方が、撮像領域全体の撮像時間が短縮されて好ましい場合がある。すなわち、たとえば図12に示すような実線Lに沿って端点Sから端点Gまで撮像対象範囲IRを移動させた場合、同一方向への移動が3回以上連続しないようにするために斜め方向への移動が多くなったり、または図8に示す例のように同じ位置に戻ってくるような移動をする必要が生じたりし、単純な双方向走査と比較するとトータルの移動距離が延びることになる。したがって、移動ステージ51の移動速度が同じである場合には、同一方向への移動が3回以上連続しない移動制御よりも双方向走査の方が、撮影時間が短縮されて好ましい場合がある。
そこで、第2の実施形態の顕微鏡観察システム2は、条件に応じて、移動ステージ51の移動制御方法を切り替えるようにしたものである。具体的には、第2の実施形態の顕微鏡観察システム2は、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続させない第1のステージ制御と、移動ステージ51の同一方向への移動を3回以上連続可能とする第2のステージ制御とを切り替え可能に構成したものである。
第2の実施形態の顕微鏡観察システム2の制御装置20は、上述した第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替える制御切替条件を取得する制御切替条件取得部23をさらに備え、撮像制御部21が、制御切替条件取得部23によって取得された制御切替条件に基づいて、第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替える。
なお、本実施形態においては、第2のステージ制御として、従来のようなX方向の双方向に移動ステージ51を移動させる双方向走査を行う。図13は、第2のステージ制御の場合の撮像対象範囲IRの移動方向を実線Mで示したものである。撮像対象範囲IRは、端点Sから端点Gまで移動し、実線M上の撮像対象範囲IRにおいてそれぞれ位相差画像の撮像が行われる。ただし、これに限らず、第1のステージ制御と同様に、撮像領域に対して撮像対象範囲を渦巻き状に移動させるが、図14に実線Nで示すように、撮像対象範囲を同一方向へ3回以上連続させて渦巻き状に移動させるように移動ステージ51を制御するようにしてもよい。
制御切替条件としては、移動ステージ51の移動回数に関連する条件、撮像対象範囲の撮像の間隔に関連する条件、培養容器50に収容される培養液Cの液面の搖動に関連する条件、および細胞の培養期間などがある。
具体的には、移動ステージ51の移動回数に関連する条件としては、撮像の倍率、撮像領域Rの大きさ、撮像領域Rの撮像を複数回行う場合の撮像の回数、および撮像領域Rの撮像を複数回行う場合の撮像開始から終了までの期間などある。
たとえば撮像の倍率が高い方が低い場合よりも視野が狭くなるため、撮像対象範囲IRの大きさが小さくなり、同じ大きさの撮像領域Rを撮像する場合、撮像対象範囲IRの撮像回数が多くなる。すなわち、撮像の倍率が高い方が移動ステージ51の移動回数が多くなり、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすくなる。
したがって、撮像の倍率が相対的に高い場合に第1のステージ制御を行い、相対的に低い場合に第2のステージ制御を行うようにすればよい。撮像の倍率の条件は、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力されるものとする。なお、撮像の倍率は、顕微鏡装置10の位相差レンズ14を交換することによって行われ、自動的に交換するようにしてもよいし、ユーザが手動で交換するようにしてもよい。
次に、撮像領域Rの大きさについては、撮像領域Rが大きい方が小さい場合よりも撮像回数が多くなる。すなわち、撮像領域Rが大きい方が移動ステージ51の移動回数が多くなり、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすくなる。
したがって、撮像領域Rが相対的に大きい場合に第1のステージ制御を行い、相対的に小さい場合に第2のステージ制御を行うようにすればよい。撮像領域の大きさは、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力され、撮像制御部21は、その情報に応じて移動ステージ51を移動させるものとする。
次に、撮像領域Rの撮像を複数回行う場合、すなわち本実施形態のようにタイムラプス撮影を行う場合、そのタイムラプス撮影の撮像の回数によって第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替えるようにしてもよい。タイムラプス撮影の撮像回数が少ない場合には、移動ステージ51の移動回数も少ないため、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しにくく、タイムラプス撮影の撮像回数が多い場合には、移動ステージ51の移動回数が多くなるため、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすくなる。
したがって、タイプラプス撮影開始からタイムラプス撮影終了までの撮像回数が多い場合には第1のステージ制御を行い、少ない場合には第2のステージ制御を行うようにしてもよい。タイプラプス撮影開始からタイムラプス撮影終了までの撮像回数は、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力される。または、タイプラプス撮影開始からの撮像回数を制御切替条件取得部23がカウントし、その撮像回数が予め設定された閾値未満である場合には第2のステージ制御を行い、閾値以上の回数となった場合に第1のステージ制御に切り替えるようにしてもよい。
または、タイムラプス撮影開始から終了までの期間に応じて、第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替えるようにしてもよい。すなわち、タイムラプス撮影開始から終了までの期間が短い場合には、移動ステージ51の移動回数も少ないため、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しにくく、タイムラプス撮影開始から終了までの期間が長い場合には、移動ステージ51の移動回数が多くなるため、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすくなる。
したがって、タイプラプス撮影開始から終了までの期間が長い場合には第1のステージ制御を行い、短い場合には第2のステージ制御を行うようにしてもよい。タイプラプス撮影開始から終了までの期間は、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力される。または、タイプラプス撮影開始からの期間を制御切替条件取得部23がタイマなどで計測し、その期間が予め設定された閾値未満である場合には第2のステージ制御を行い、閾値以上となった場合に第1のステージ制御に切り替えるようにしてもよい。
次に、撮像対象範囲IRの撮像の間隔に関連する条件としては、オートフォーカス方法および撮像対象範囲IR毎の露光時間がある。
上述したように本実施形態の顕微鏡観察システム2の顕微鏡装置10は、コントラストオートフォーカス制御とパターン照明光オートフォーカス制御とを切り替え可能であるが、上述したようにコントラストオートフォーカス制御よりもパターン照明光オートフォーカス制御の方が高速に行うことができる。したがって、パターン照明光オートフォーカス制御を行った場合の方が撮像対象範囲毎の位相差画像の撮像を高速に行うことができ、すなわち撮像対象範囲IRの撮像の間隔は、コントラストオートフォーカス制御を行う場合よりも短くなる。
撮像対象範囲IRの撮像の間隔が長い場合には、現在の撮像対象範囲IRへ移動した時点から次の撮像対象範囲IRへ移動する時点までの時間が長くなることから、移動ステージ51の移動によって培養液Cの液面に発生した波がおさまるまでの時間を確保することができ、すなわち死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しにくいことになる。一方、撮像対象範囲IRの撮像の間隔が短い場合には、逆に、培養液Cの液面に発生した波がおさまるまでの時間を確保することができないため、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすいことになる。
したがって、撮像対象範囲IRの撮像の間隔が長くなるコントラストオートフォーカス制御を行う場合には第2のステージ制御を行い、撮像対象範囲IRの撮像の間隔が短くなるパターン照明光オートフォーカス制御を行う場合には第1のステージ制御を行うようにしてもよい。
また、撮像対象範囲IR毎の露光時間についても、上記と同様に、撮像対象範囲IR毎の露光時間が長い場合には、培養液Cの液面に発生した波がおさまるまでの時間を確保することができ、すなわち死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しにくいことになる。一方、撮像対象範囲IR毎の露光時間が短い場合には、逆に、培養液Cの液面に発生した波がおさまるまでの時間を確保することができないため、死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすいことになる。
したがって、撮像対象範囲IR毎の露光時間が相対的に長い場合には第2のステージ制御を行い、撮像対象範囲IR毎の露光時間が相対的に短い場合には第1のステージ制御を行うようにしてもよい。撮像対象範囲IR毎の露光時間は、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力される。
次に、培養容器50に収容される培養液Cの液面の搖動に関連する条件としては、培養液Cの種類、培養液Cの量、培養液Cの粘度および培養容器50の大きさなどがある。
培養液Cの種類によってはその粘度などが異なり、液面に波が発生しにくい培養液Cや逆に、液面に波が発生しやすい培養液Cがある。
したがって、波を発生しやすい培養液Cである場合には第1のステージ制御を行い、波を発生しにくい培養液Cである場合には第2のステージ制御を行うようにしてもよい。培養液Cの種類とステージ制御方法との関係は予めテーブルとして記憶されており、ユーザが入力装置40を用いて培養液Cの種類を設定入力することによって第1のステージ制御と第2のステージ制御とが切り替えられる。なお、培養液Cの粘度とステージ制御方法との関係を予めテーブルとして記憶しておき、ユーザが入力装置40を用いて培養液Cの粘度を設定入力することによって第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替えるようにしてもよい。
また、同じ培養容器50に同じ種類の培養液Cを収容した場合、培養液Cの量が多いほど液面に波が発生しやすく、逆に、量が少ないほど液面に波が発生しにくい。
したがって、培養液Cの量が相対的に多い場合には第1のステージ制御を行い、培養液Cの量が相対的に少ない場合には第2のステージ制御を行うようにしてもよい。培養液Cの量は、ユーザが入力装置40を用いて設定入力してもよいし、移動ステージ51に重量センサなどを設けて自動的に計測してもよい。
また、異なる大きさの培養容器50を使用する場合、具体的には、たとえばウェルの大きさが異なるウェルプレートを使用する場合、ウェルの開口が大きいほど液面に波が発生しやすく、逆に、ウェルの開口が小さいほど表面張力が強くなるので、液面に波が発生しにくい。
したがって、ウェルが相対的に大きい場合には第1のステージ制御を行い、ウェルが相対的に小さい場合には第2のステージ制御を行うようにしてもよい。ウェルの大きさの情報は、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力される。
次に、細胞の培養期間に基づいて、第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替えるようにしてもよい。細胞の培養期間が長いほど死細胞が発生しやすく、移動ステージ51の移動によって死細胞が撮像領域Rの中央部に集合しやすくなる。
したがって、細胞の培養期間が相対的に長い場合には第1のステージ制御を行い、細胞の培養期間が相対的に短い場合には、第2のステージ制御を行うようにしてもよい。なお細胞の培養期間は、ユーザによって入力装置40を用いて設定入力される。
次に、本発明の撮像装置および方法並びに撮像制御プログラムの第3の実施形態を用いた顕微鏡観察システムについて説明する。図15は、本実施形態の顕微鏡観察システム3の概略構成を示すブロック図である。なお、顕微鏡装置10の構成については、第1の実施形態の顕微鏡観察システム1と同様である。
第2の実施形態の顕微鏡観察システム2においては、制御切替条件取得部23によって取得された制御切替条件に基づいて、第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替えるようにしたが、第3の実施形態の顕微鏡観察システム3は、タイムラプス撮影によって撮像された各時点の位相差画像に基づいて、撮像領域R内に存在する死細胞の数を実際に計測し、その数に応じて第1のステージ制御と第2のステージ制御とを切り替えるものである。
具体的には、第3の実施形態の顕微鏡観察システム3は、図15に示すように、死細胞計測部24を備える。第3の実施形態の顕微鏡観察システム3においては、上記実施形態と同様にタイムラプス撮影が行われるが、各撮影時点において、位相差画像の撮像の前に、死細胞計測用の位相差画像を撮像するためのプレ撮影が行われる。
プレ撮影は、本撮影の場合よりも低解像度な撮影とすることが好ましく、具体的には、プレ撮影においては、本撮影の場合よりも顕微鏡装置10の倍率を低くして撮影を行うようにすればよい。倍率の変更は、位相差レンズ14の第2の対物レンズ14aの倍率を変更するようにすればよい。位相差レンズ14の倍率の変更については、自動で行うようにしてもよいし、手動で行うようにしてもよい。また、プレ撮影の場合の倍率については、たとえば1回の撮影で撮像領域R全体を撮影できる倍率とすることが望ましい。ただし、これに限らず、本撮影よりも少ない回数で撮像対象範囲毎の位相差画像を撮像するようにしてもよい。この場合の移動ステージ51の移動制御については、従来のような双方向走査としてもよいし、同一方向への移動を3回以上連続させないようにしてもよい。
そして、プレ撮影によって撮像された死細胞計測用の位相差画像が死細胞計測部24に入力され、死細胞計測部24は、入力された死細胞計測用の位相差画像に基づいて、その位相差画像内に含まれる死細胞の数を計測する。
死細胞は、一般的に白い略円形の塊として撮像される。したがって、死細胞計測部24は、輝度が高い円形のパターンを位相差画像から検出することによって死細胞を検出する。具体的には、一般化ハフ変換によって円形パターンを検出してもよいし、または予め設定された輝度閾値以上の輝度を有する領域を検出し、その領域の円形度を算出し、予め設定された円形度閾値以上の円形度を有する領域を死細胞の領域として検出するようにしてもよい。
また、上述したように画像処理によって円形パターンを1つ1つ検出した場合、死細胞の数がある程度多くなるとその処理時間が長くなる可能性がある。そこで、より簡略化した方法を採用するようにしてもよい。具体的には、培養容器50を急に動かした場合、死細胞が移動する。そこで、培養容器50をその設置面方向に動かす操作を自動または手動で行い、その操作の前後においてそれぞれプレ撮影を行い、その2回のプレ撮影によって撮像された位相差画像の差分を算出し、2枚の位相差画像間で変化した部分の面積の半分を予め設定された基準死細胞面積で除算することによって、死細胞の数を計測するようにしてもよい。
そして、撮像制御部21は、死細胞計測部24によって計測された死細胞の数が、予め設定された閾値以上である場合には第1のステージ制御を行い、閾値未満である場合には第2のステージ制御を行う。
また、本実施形態においては、上述したように死細胞の数を計測するようにしたが、必ずしも死細胞の数を直接カウントしなくてもよく、たとえば位相差画像内において死細胞が占める面積を計測し、死細胞の面積が、予め設定された閾値以上である場合には第1のステージ制御を行い、閾値未満である場合には第2のステージ制御を行うようにしてもよい。
なお、上記第1〜第3の実施形態の顕微鏡観察システム1〜3においては、顕微鏡装置10によって位相差画像を撮像するようにしたが、位相差画像に限らず、たとえば明視野画像、微分干渉画像または蛍光画像を細胞画像として撮像するものとしてもよい。
1−3 顕微鏡観察システム
10 顕微鏡装置
11 位相差計測用白色光源
12 スリット板
13 対物レンズ
14 位相差レンズ
14a 対物レンズ
14b 位相板
15 結像レンズ
16 撮像素子
18 光学系駆動部
19 ステージ駆動部
19a 駆動モータ
20 制御装置
21 撮像制御部
22 表示制御部
23 制御切替条件取得部
24 死細胞計測部
30 表示装置
40 入力装置
50 培養容器
51 移動ステージ
55 パターン照明光照射部
56 オートフォーカス用白色光源
57 グリッド
58 ミラー
59 ハーフミラー
60 オートフォーカス光検出部
61 ハーフミラー
62 光路差プリズム
63 ラインセンサ

Claims (8)

  1. 細胞を撮像する撮像部と、
    前記細胞が収容された容器が設置される移動ステージと、
    前記移動ステージを移動させることによって、前記細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、前記撮像部を制御することによって、前記撮像対象範囲毎の画像を撮像し、かつ、前記移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない第1のステージ制御と、前記移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続可能とする第2のステージ制御とを切り替える撮像制御部と、を備え、
    前記撮像制御部は、
    前記移動ステージの移動回数が多い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記移動回数が少ない場合には前記第2のステージ制御に切り替え、
    撮像対象範囲の撮像の間隔が短い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記撮像の間隔が長い場合には前記第2のステージ制御に切り替え、
    前記容器に収容される液体の液面の揺動が多い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記液面の揺動が少ない場合には前記第2のステージ制御に切り替え、及び、
    前記細胞の培養期間が長い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記培養期間が短い場合には前記第2のステージ制御に切り替える撮像装置。
  2. 前記移動ステージの移動回数が多い場合は、前記撮像の倍率が相対的に高い場合、前記撮像領域の大きさが相対的に大きい場合、前記撮像領域の撮像を複数回行う場合の撮像の回数が予め設定された閾値以上である場合、および前記撮像領域の撮像を複数回行う場合の撮像開始から終了までの期間が予め設定された閾値以上である場合の少なくとも1つの場合である請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記撮像対象範囲の撮像の間隔が短い場合は、パターン照明光オートフォーカス制御を行なう場合及び撮影対象範囲の露光時間が相対的に短い場合の少なくとも1つの場合である請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記容器に収容される液体の液面の揺動が多い場合は、波を発生しやすい液体である場合、液体の粘度に基づいて予め設定されている場合、液体の量が相対的に多い場合、及び容器の大きさが相対的に大きい場合の少なくとも1つの場合である請求項1から3の何れか1項に記載の撮像装置。
  5. 前記撮像制御部が、前記容器内の前記撮像領域に対して前記撮像対象範囲を渦巻き状に移動させる請求項1から4の何れか1項に記載の撮像装置。
  6. 前記撮像制御部が、前記移動ステージを駆動する駆動モータへの制御信号に基づいて、前記移動ステージの移動回数をカウントする請求項1から5の何れか1項に記載の撮像装置。
  7. 細胞が収容された容器が設置される移動ステージを移動させることによって、前記細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、前記撮像対象範囲毎の画像を撮像し、かつ、前記移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない第1のステージ制御と、前記移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続可能とする第2のステージ制御とを切り替える撮像方法であって、
    前記移動ステージの移動回数が多い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記移動回数が少ない場合には前記第2のステージ制御に切り替え、
    撮像対象範囲の撮像の間隔が短い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記撮像の間隔が長い場合には前記第2のステージ制御に切り替え、
    前記容器に収容される液体の液面の揺動が多い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記液面の揺動が少ない場合には前記第2のステージ制御に切り替え、及び、
    前記細胞の培養期間が長い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記培養期間が短い場合には前記第2のステージ制御に切り替える撮像方法。
  8. 細胞が収容された容器が設置された移動ステージを移動させることによって、前記細胞を含む撮像領域内で撮像対象範囲を移動させ、撮像部を制御することによって、前記撮像対象範囲毎の画像を撮像し、かつ、前記移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続させない第1のステージ制御と、前記移動ステージの同一方向への移動を3回以上連続可能とする第2のステージ制御とを切り替える撮像制御部としてコンピュータを機能させる撮像制御プログラムであって、
    前記撮像制御部が、前記移動ステージの移動回数が多い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記移動回数が少ない場合には前記第2のステージ制御に切り替え、
    撮像対象範囲の撮像の間隔が短い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記撮像の間隔が長い場合には前記第2のステージ制御に切り替え、
    前記容器に収容される液体の液面の揺動が多い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記液面の揺動が少ない場合には前記第2のステージ制御に切り替え、及び、
    前記細胞の培養期間が長い場合には前記第1のステージ制御に切り替え、前記培養期間が短い場合には前記第2のステージ制御に切り替える撮像制御プログラム。
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