JP2019045437A - 測定装置および測定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、光変調器集積半導体レーザにおける光変調器部の吸収スペクトルを高精度に測定することが可能な測定装置および測定方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明による測定装置1は、半導体レーザ部2と光変調器部4とが集積化された光変調器集積半導体レーザ3の吸収スペクトルを測定する測定装置であって、半導体レーザ部3の背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、光変調器部4の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する光スペクトラムアナライザ9と、光スペクトラムアナライザ9が測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する演算部10とを備え、半導体レーザ部3には、当該半導体レーザ部3が発振する電流の閾値未満の電流が注入される。【選択図】図1
Description
本発明は、半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定装置および測定方法に関する。
従来、光変調器集積半導体レーザ自体の吸収スペクトルを測定することが難しかった。例えば、結晶成長構造を有する半導体ウェハの一方主面側に対して白色光源から出力された白色光を照射し、半導体ウェハを透過した光を半導体ウェハの他方主面側に設けられたモノクロメータで測定することによって、半導体ウェハにおける結晶成長構造の吸収スペクトルを得る方法が提案されている。しかし、この方法では、電界分布および光閉じ込め係数が半導体ウェハの結晶成長構造そのものとは異なるため、有意な測定結果が得られなかった。
また、光変調器集積半導体レーザ自体の特性を測定する技術として、光変調器集積半導体レーザから出力された光を測定し、非破壊の状態で変調器のみのチャーピングを抽出する、あるいは伝送特性の良好な素子を選別する技術が開示されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1,2では、半導体レーザから発振した光の波長スペクトルを測定しているため、光変調器部の吸収スペクトルを高精度に測定することができないという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、光変調器集積半導体レーザにおける光変調器部の吸収スペクトルを高精度に測定することが可能な測定装置および測定方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明による測定装置は、半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定装置であって、半導体レーザの背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、光変調器の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する光スペクトラムアナライザと、光スペクトラムアナライザが測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する演算部とを備え、半導体レーザには、当該半導体レーザが発振する電流の閾値未満の電流が注入される。
また、本発明による測定方法は、半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定方法であって、(a)半導体レーザの背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、光変調器の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する工程と、(b)工程(a)で測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する工程とを備え、工程(a)において、半導体レーザには、当該半導体レーザが発振する電流の閾値未満の電流が注入される。
本発明によれば、測定装置は、半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定装置であって、半導体レーザの背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、光変調器の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する光スペクトラムアナライザと、光スペクトラムアナライザが測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する演算部とを備え、半導体レーザには、当該半導体レーザが発振する電流の閾値未満の電流が注入されるため、光変調器集積半導体レーザにおける光変調器部の吸収スペクトルを高精度に測定することが可能となる。
また、測定方法は、半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定方法であって、(a)半導体レーザの背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、光変調器の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する工程と、(b)工程(a)で測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する工程とを備え、工程(a)において、半導体レーザには、当該半導体レーザが発振する電流の閾値未満の電流が注入されるため、光変調器集積半導体レーザにおける光変調器部の吸収スペクトルを高精度に測定することが可能となる。
本発明の実施の形態について、図面に基づいて以下に説明する。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施の形態1による測定装置1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、測定装置1は、光変調器集積半導体レーザ2と、電流源5と、電圧源6と、光学系7,8と、光スペクトラムアナライザ9と、演算部10とを備えている。
図1は、本発明の実施の形態1による測定装置1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、測定装置1は、光変調器集積半導体レーザ2と、電流源5と、電圧源6と、光学系7,8と、光スペクトラムアナライザ9と、演算部10とを備えている。
光変調器集積半導体レーザ2は、半導体レーザ部3と光変調器部4とを有している。半導体レーザ部3は半導体レーザに対応し、光変調器部4は電界吸収(Electro Absorption:EA)型光変調器に対応している。すなわち、光変調器集積半導体レーザ2には、半導体レーザと電界吸収型光変調器とが集積化されている。電流源5は、半導体レーザ部3に電流を供給する。電圧源6は、光変調器部4に電圧を印加する。
光学系7は、半導体レーザ部3の背面から出力した光を集光する、レンズ付き光ファイバなどの光学系である。光学系8は、光変調器部4の前面から出力した光を集光する、レンズ付き光ファイバなどの光学系である。
光スペクトラムアナライザ9は、光学系7が集光した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、光学系8が集光した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する。
演算部10は、光スペクトラムアナライザ9が測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する。吸収スペクトルの算出の詳細については後述する。
次に、光変調器集積半導体レーザ2における光変調器部4の吸収スペクトルの測定方法について説明する。
まず、電流源5から半導体レーザ部3に対して、半導体レーザ部3が発振する電流の閾値未満の電流を供給する。このとき、半導体レーザ部3からは、自然放出(Amplified Spontaneous Emission:ASE)光が出力される。光スペクトラムアナライザ9は、半導体レーザ部3の背面から出力して光学系7で集光された光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトル(単位[dB])を測定する。
次に、電圧源6から光変調器部4に対して、所望の電圧を印加する。光スペクトラムアナライザ9は、光変調器部4の前面から出力して光学系8で集光された光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトル(単位[dB])を測定する。
次に、演算部10は、光スペクトラムアナライザ9が測定した光変調器波長スペクトルから半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する。具体的には、
演算部10は、半導体レーザ波長スペクトルをA、光変調器波長スペクトルをB、光変調器部4の前面の反射率をRf、半導体レーザ部3の背面の反射率をRrとすると、下記の式(1)によって光変調器部4の吸収スペクトルを算出する。
B−A+log(1−Rf)−log(1−Rr) ・・・(1)
演算部10は、半導体レーザ波長スペクトルをA、光変調器波長スペクトルをB、光変調器部4の前面の反射率をRf、半導体レーザ部3の背面の反射率をRrとすると、下記の式(1)によって光変調器部4の吸収スペクトルを算出する。
B−A+log(1−Rf)−log(1−Rr) ・・・(1)
なお、光変調器部4への印加電圧の変化に対する吸収スペクトルの相対値のみを必要とする場合、演算部10は、上記の式(1)に代えて下記の式(2)によって光変調器部4の吸収スペクトルを算出してもよい。
B−A ・・・(2)
B−A ・・・(2)
図2は、演算部10が算出した光変調器部4の吸収スペクトルの一例を示すグラフである。図2において、横軸は波長(単位[nm])、縦軸は光吸収量(単位[dB])を示している。図2では、電圧源6から光変調器部4への印加電圧に対する吸収スペクトルを示している。
演算部10は、吸収スペクトルから、各波長に対する吸収係数を算出することができる。具体的には、演算部10は、下記の式(3)によって各波長に対する吸収係数α(単位[cm−1])を算出する。なお、式(3)に示す変調器長は、図1の左右方向における光変調器部4の長さ(単位[cm])である。
吸収係数α=10^(光吸収量/10)/変調器長 ・・・(3)
吸収係数α=10^(光吸収量/10)/変調器長 ・・・(3)
以上のことから、本実施の形態1によれば、光変調器集積半導体レーザ自体の吸収スペクトルを容易に測定することができる。また、演算部10は、光変調器部4から出力された波長スペクトルと、半導体レーザ部3から出力された自然放出光の波長スペクトルとに基づいて吸収スペクトルを算出しているため、光変調器集積半導体レーザ2における光変調器部4の吸収スペクトルを高精度に測定することが可能となる。
なお、半導体レーザ部3は、分布帰還型(Distributed Feedback:DFB)レーザ、分布反射型(Distributed Bragg Reflector:DBR)レーザ、またはファブリー・ペローレーザの何れであっても良い。特に、半導体レーザ部3がファブリー・ペローレーザである場合は、自然放出光の波長に対する平坦性が、回折格子を有する半導体レーザである分布帰還型レーザおよび分布反射型レーザよりも良いため、より正確な測定を行うことができる。
上記では、光変調器部4が電界吸収型光変調器である場合について説明したが、これに限るものではない。例えば、光変調器部4は、マッハツェンダ型光変調器であってもよい。光変調器部4がマッハツェンダ型光変調器であっても、上記と同様の効果が得られる。
<実施の形態2>
本発明の実施の形態2による測定装置は、実施の形態1による測定装置1と同じである。演算部10は、実施の形態1で算出した光変調器集積半導体レーザ2における光変調器部4の吸収係数αを用いて、光変調器部4への印加電圧に対する吸収係数αの変化量dα/dVから、光変調器部4への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量dn/dVを算出する。
本発明の実施の形態2による測定装置は、実施の形態1による測定装置1と同じである。演算部10は、実施の形態1で算出した光変調器集積半導体レーザ2における光変調器部4の吸収係数αを用いて、光変調器部4への印加電圧に対する吸収係数αの変化量dα/dVから、光変調器部4への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量dn/dVを算出する。
光変調器部4への印加電圧に対する吸収係数αの変化量dα/dVと、光変調器部4への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量dn/dVとには、クラマース・クロニッヒの関係がある。従って、特定の波長に対するヒルベルト変換を行うことによって、光変調器部4への印加電圧に対する吸収係数αの変化量dα/dVから、光変調器部4への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量dn/dVを算出する算出することができる。
また、演算部10は、算出した光変調器部4への印加電圧に対する吸収係数αの変化量dα/dVと、光変調器部4への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量dn/dVとの比をアルファパラメータdn/dαとして算出する。アルファパラメータdn/dαは、チャープパラメータとも呼ばれ、光変調器部4で変調された変調光が、波長分散がある光ファイバ内を信号劣化することなく伝送される指標として重要なパラメータである。演算部10は、アルファパラメータdn/dαを参照して、光変調器集積半導体レーザの伝送特性の良または不良を判定する。
以上のことから、本実施の形態2によれば、演算部10が算出したアルファパラメータdn/dαを参照することによって、伝送試験を直接行うことなく、伝送特性が不良である光変調器集積半導体レーザを選別することができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、各実施の形態を自由に組み合わせたり、各実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 測定装置、2 光変調器集積半導体レーザ、3 半導体レーザ部、4 光変調器部、5 電流源、6 電圧源、7,8 光学系、9 光スペクトラムアナライザ、10 演算部。
Claims (12)
- 半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定装置であって、
前記半導体レーザの背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、前記光変調器の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する光スペクトラムアナライザと、
前記光スペクトラムアナライザが測定した前記光変調器波長スペクトルから前記半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する演算部と、
を備え、
前記半導体レーザには、当該半導体レーザが発振する電流の閾値未満の電流が注入されることを特徴とする、測定装置。 - 前記演算部は、前記半導体レーザ波長スペクトルをA、前記光変調器波長スペクトルをB、前記光変調器の前面の反射率をRf、前記半導体レーザの背面の反射率をRrとすると、
B−A+log(1−Rf)−log(1−Rr)
により前記吸収スペクトルを算出することを特徴とする、請求項1に記載の測定装置。 - 前記演算部は、前記吸収スペクトルから波長に対する吸収係数を算出することを特徴とする、請求項1または2に記載の測定装置。
- 前記演算部は、前記光変調器への印加電圧に対する前記吸収係数の変化量に基づいて、前記光変調器への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量を算出し、前記吸収係数の変化量と前記屈折率の変化量との比をアルファパラメータとして算出することを特徴とする、請求項3に記載の測定装置。
- 前記演算部は、前記アルファパラメータを用いて、伝送特性の良または不良の判定を行うことを特徴とする、請求項4に記載の測定装置。
- 前記光変調器は、電界吸収型光変調器またはマッハツェンダ型光変調器であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の測定装置。
- 半導体レーザと光変調器とが集積化された光変調器集積半導体レーザの吸収スペクトルを測定する測定方法であって、
(a)前記半導体レーザの背面から出力した光の波長スペクトルである半導体レーザ波長スペクトルと、前記光変調器の前面から出力した光の波長スペクトルである光変調器波長スペクトルとを測定する工程と、
(b)前記工程(a)で測定した前記光変調器波長スペクトルから前記半導体レーザ波長スペクトルを減算して吸収スペクトルを算出する工程と、
を備え、
前記工程(a)において、前記半導体レーザには、当該半導体レーザが発振する電流の閾値未満の電流が注入されることを特徴とする、測定方法。 - 前記工程(b)は、前記半導体レーザ波長スペクトルをA、前記光変調器波長スペクトルをB、前記光変調器の前面の反射率をRf、前記半導体レーザの背面の反射率をRrとすると、
B−A+log(1−Rf)−log(1−Rr)
により前記吸収スペクトルを算出することを特徴とする、請求項7に記載の測定方法。 - (c)前記工程(b)で算出された前記吸収スペクトルから、波長に対する吸収係数を算出する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項7または8に記載の測定方法。
- (d)前記工程(c)で算出された前記光変調器への印加電圧に対する前記吸収係数の変化量に基づいて、前記光変調器への印加電圧に対する特定の波長における屈折率の変化量を算出し、前記吸収係数の変化量と前記屈折率の変化量との比をアルファパラメータとして算出する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項9に記載の測定方法。
- (e)前記工程(d)で算出された前記アルファパラメータを用いて、伝送特性の良または不良の判定を行うことを特徴とする、請求項10に記載の測定方法。
- 前記光変調器は、電界吸収型光変調器またはマッハツェンダ型光変調器であることを特徴とする、請求項7から11のいずれか1項に記載の測定方法。
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