JP2019045353A - アクアポリンを指標とする腸内細菌叢の変化を検出する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ト消化管全体で1014個の菌が生息しているといわれる。腸内菌叢、腸管微生物叢などとも呼ばれ、最近では腸内フローラという言葉で一般にも広く知られるようになってきた。近年、腸内細菌叢とヒトの健康や疾病、特に生活習慣病との関係が注目され、その生態学的研究、ならびに機能的研究の2つの方向性から研究がすすめられている。生態学的研究方
法も古くからの培養法から16S rRNAの塩基配列を用いた分子生物学的方法や糞便などのメタゲノム解析法が取り入れられ、その機能研究においてもOMICS解析技術が用いられるよ
うになり、これまでと異なる角度からの研究が進められている。腸内細菌叢は、多くの菌数からなる一つの大きなシステムであり、腸内細菌叢というシステムと生体というもう一つのシステム、特に腸内細菌と接する腸管とのインターフェース相互作用が重要となっており、その意味では大腸は第2の脳とまで言われている。腸内細菌叢の解析手法として、
腸内細菌叢そのものを細分化してミクロに解析していく手法の方向性に対し、腸内細菌叢の変化、バランスを統合的にマクロにとらえようとする解析手法は、それほど見られないのが現状である。各システムの個別要素の相関というミクロな視点の相関解析では、特に腸内細菌叢という膨大な細菌数から構成されるシステム系では、ヒトの生活に直接的な影響を与える要因の解析手法としてはカバーしきれない部分があると考えられる。
バランスを改善することによって宿主動物に有益に働く生菌添加物」であるプロバイオティクス、「結腸内の有用菌の増殖を促進したり、有害菌の増殖を抑制し、その結果腸内環境改善によって宿主の健康に有利に作用する難消化性成分」であるプレバイオティクス、および「直接あるいは腸内細菌叢を介して免疫賦活、コレステロール低下、血圧降下、抗血栓などの生体調節・生体制御に働く食品成分」であるバイオジェニックス、が挙げられる。これらの機能性食品の疾病との関連を見据えてのスクリーニングに資する簡易な指標に基づく腸内細菌叢変化を検出する手法の有用性は、課題解決として期待される一つと考えられる。(非特許文献1〜4)
であり、種々の臓器に発現している。水チャネルはヒトでは13のメンバーが同定されており(AQP0〜AQP12)、尿濃縮、外分泌、脳浮腫、皮膚湿潤、聴覚、視力、消化管吸収な
どにおいて重要な役割を演じていることが明らかになってきている。その意味では、アクアポリンの産生を促進する化合物、特に植物のエキスが、薬物、機能製品のターゲットとしてその産生促進剤、産生改善剤としての研究が多くなされている。
パー−T細胞検出マーカー及びその検出法の中の膜タンパク質コード遺伝子の一つとしてA
QP3が開示されている。また、特許文献5には、疾患マーカーとして記載される多くの遺
伝子群の一つとしてAQP7が開示されており、特許文献6にはストレス評価マーカーの一つとしてAQP9が開示されており、特許文献7には、腎機能の特徴を決定する方法において、腎機能に関連する一群のRNAの一つとしてAQP9が開示されている。さらに、急性腎不全の
検出方法として、特許文献8にはAQP1を用いる方法が、特許文献9にはAQP2を用いる方法
が開示されている。特許文献10には、AQP5が存在する器官の検査方法としてその器官からの外分泌中のAQP5を指標として用いる方法が開示されている。特許文献11には、腎障害の検査方法として尿試料中のAQP2を指標とする方法が開示されている。
これらの先行特許にみられる指標としてのAQPは、疾患にかかわる相関から導き出される
検査方法の指標としての活用であり、腸内細菌叢の変化を見ることに関しては、先行技術としての開示はみられない。
の意味では、腸内細菌叢の変化に直接接する腸管に、その変化の指標となる因子が見つかれば、両システムのインターラクションを介在するパラメータとしての新たな機能が取得できるが、そのようなコンセプトでの研究はあまり見られない。そのような解析因子が見つかれば、腸内細菌叢システムの変化を引き起こす外来作用物質のスクリーニング手法としての指標となる。また、その指標因子と疾病、健康などの変化相関の知見の蓄積が進めば、外来作用物質の腸内細菌叢システムを介しての生体内システム変化である疾病、健康との、一連の相関の流れの指標因子となりうると考えられる。
で、ラットの大腸内における腸内細菌叢とAQPとの関連に興味を持ち、有菌、無菌ラット
におけるAQPの発現差異の研究をすすめたところ、AQPの種類、発現量の差異の有無に違いがあること新たに見出した。ラットの大腸内において発現するAQPの中で、有菌、無菌で
その発現量に差がないグループ(AQP1、AQP4、AQP8)と差があるグループ(AQP3、AQP7、AQP9)の2つに分かれるという新たな研究成果を見出した。さらには、差のあるグループ
の中でも、AQP3とAQP7は、無菌ラットの方が有菌ラットに比べ、発現量が半減するのに比
し、AQP9においては、無菌ラットの発現量が逆に増加するという、特徴を見出した。このことにより、大腸に発現するAQPの中で、AQP3、AQP7、AQP9のAQP種類と、その量が、腸内細菌叢の変化を検出する方法の指標として使用できることを見出し、本発明に至った。
内細菌叢におのおの変化を与え、抗生物質差によるAQP3の減少の差異、さらには、AQP3の減少量が最も大きい抗生物質による経日的変化と腸内細菌叢中の細菌4種の細菌量の経日
変化との相関を確認した。さらなる実用的有用性として、抗生物質とプロバイオティクスを併用投与すると、抗生物質単独投与に比べ、プロバイオティクスの効果が、抗生物質による細菌叢変化に伴うAQP3の減少量の回復につながるという、腸内細菌叢の改善変化との相関を見出した。また、同時に、糞中水分量の変化を計測することで、抗生物質単独投与時の糞中水分量の増加、またプロバイオティクスとの併用投与では、糞中水分量の回復減少がみられることによる、大腸疾患との関連性の指標となることを見出した。
方法を提供する。さらには、その指標となるAQP量が、発現するAQPタンパク質量であることを特徴とする方法を提供する。また、指標となるAQP量が、AQPタンパク質の発現にかかわるAQP mRNA量であることを特徴とする方法を提供する。
本発明の方法の指標となる、その発現量に差があったAQP3、AQP7、AQP9は、アクアグリセロポリンに分類されるという共通項を持っていることも、新たに見出された。その意味では、腸内細菌叢のバランスの変化による健康、疾病への影響に関し、本発明の指標としたAQP群は、腸管を介しての水のみならず、その他の分子の透過流量変化の統合的な指標と
なり、それらが、主に発現する臓器にかかわる多くの疾病との関連性を示す指標となる有用性に資する新たな特徴もあわせ持つと考えられる。
ままで検出できることも有用と考えられる。
することを特徴とする方法に資することもできる。さらには、本発明は、AQPが関与する
生体のマクロな変化である、健康状態の変化、特徴ある疾患に対して、細菌叢そのものの作用効果をスクリーニングする方法の指標として資することも可能である。また、細菌叢の変化に伴うAQP量の変化から、逆に、AQPにかかわるといわれている健康状態の変化、特徴ある病態の予測検知指標としても資することが可能である。
供する。
本発明にて腸内細菌叢とは、動物の腸内に存在する細菌の集団のことであり、腸内フローラ、腸管微生物叢とも呼ばれ、例えば人体には、ヒト細胞(約60兆個)の10倍もの数の常在菌が生息しているといわれる。その大部分を成す腸内細菌(〜1,000種類)に、他の腸
管微生物(ファージ を含むウイルス、古細菌、真菌、寄生虫)も加えた生態系である腸
管微生物叢(gut microbiota)は、 全身の恒常性維持に大きな影響を与えるため、「実
質的な臓器(virtual organ)」とも呼ばれている。腸内細菌叢は、炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)、喘息、肥満、がん、自閉症等、様々 な疾患との関連が
指摘されてきており、近年その解明が顕著に進んでいる。
腸内細菌叢の変化を検出する方法において、その変化したAQP種のAQP量を指標とすることを特徴とする本発明を完成させた。すなわち、腸内細菌叢の有無という大きな変化に対して、大腸内に存在するAQPの種類の中でその量の変化の有無により、2つのグループに分類されること、変化するAQP種が腸内細菌叢の変化の指標となることを見出したものである
。腸内細菌叢の変化の指標となる一つの実施例として、汎用の有菌の雄性Wistarラットの腸内細菌叢に変化を与えるため、抗菌スペクトルの異なる4種の抗生物質を通常の餌中に
添加し混餌投与することにより、通常の餌を与えたラットとは異なる腸内細菌叢の変化を作り出し、腸内AQP量の変化、特にAQP3においては、通常の餌を与えたラットに比し、AQP量が減少し、さらには、異なる抗生物質による腸内細菌叢の変化の差異が認められ、AQP
量が指標として有効であることを確認した。さらには、その腸内AQP量の変化の最も激し
かった、抗生物質であるシプロフロキサシン(CPFX)を、同じく汎用の有菌の雄性Wistarラットに混餌投与して、その腸内細菌叢に外部より変化を与え、腸内細菌叢中の代表的な4種の細菌の盛衰をその細菌の相対DNA量を解析することと同時に、腸内AQP量も測定し、
その経日変化に相関がみられることを見出した。実施例として、腸内細菌叢の変化として、取り上げた4種はグラム陽性桿菌(偏性嫌気性菌)としてBifidobacterium lcatenulatumu (B669)、Clostridium sordelliiの2種、グラム陽性桿菌(通性嫌気性菌)としてLactobacillus sp、グラム陰性桿菌(嫌気性菌)としてBacteroides fragilisである。CPFXとの混餌投与により、Lactobacillus sp以外の3種は、相対的DNA量が経日的に大幅に減少、消滅するのに比し、Lactobacillus spは、一旦減少はするが、その後回復するという、腸内細菌叢の変化を示し、抗菌スペクトルの違う抗生物質により、異なる細菌叢の変化が生じ、それの指標としてAQP量が相関していることを見出した。特に、抗生物質は、もとも
と細菌の死滅、増殖抑制を狙ったものであり、腸内細菌叢を無菌の方向へ変化させる外部投与物質であり、それにより腸内のAQP量が、モデルとして取り上げたAQP3では、減少し
ており、腸内細菌叢の変化と相関していることが見出された。
ては、非特許文献6に示される、脊椎動物の中で、哺乳類、鳥類、両生類には、発現しているようであり、特に好ましくは、ラットの属する哺乳類が望ましい。また、非特許文献5に示されているように、AQP3、AQP7、AQP9は、複数の臓器にわたって、発現分布している。一方、細菌は、皮膚をはじめとして、消化管、呼吸器系、口腔、膣などの「体の内側」を含めたあらゆる体表面に存在し、種々の細菌が、生態系、すなわち細菌叢を形成しているが、中でも、その数、種類ともに豊富なのは消化管といわれている。人に定着している細菌の90%は、消化管に生息し、それが腸内細菌叢といわれ、消化管の入り口である口腔にも意外と多くの細菌が、存在しているが、胃に入ると菌数は急激に減少し、十二指腸から、小腸上部に存在する細菌も極くわずかといわれる。小腸の下部にわたって菌数は上昇し、大腸に達するとその菌数は急激に上昇するといわれていることから、腸内としては、より好ましくは、大腸内の細菌叢が望ましい。
れている。作製された腸管上皮細胞の立体的な組織構造体(オルガネラ)は、腸管上皮細胞機能も維持できていることから、この技術を利用することにより、本発明の方法はラットなどの非ヒト哺乳動物だけでなく、ヒトへの応用も可能である。すなわち、培養腸管上皮細胞のオルガネラに腸内細菌カクテルやプロバイオティクスカクテルを処置し、AQPの
発現変化を確認することにより、評価系としてのAQPの有用性ばかりではなく、AQPの発現に及ぼす腸内細菌やプロバイオティクスへの影響の評価にも活用可能である。
腸内細菌叢は、細菌の種類と、その細菌数、ならびに、その分布のみならず、他の腸管微生物によっても構成され、腸内細菌叢の変化とは、安定したその生態系が、様々な因子の影響を受けて、細菌の数、細菌の構成、細菌の活性などが変化することであり、腸内細菌叢に影響を与える因子としては次の因子が例示される。食餌は、腸内細菌叢の構成に影響を与える重要な外来因子であり、薬剤、特に抗生物質は、その抗菌スペクトルや、吸収性などで、大きな変化を与える因子である。積極的に腸内細菌叢の制御を狙う、プロバイオティクス、プレバイオティクスなどの例にみられる、健康食品、サプリメントなどの外来因子でも変化を受ける。また、宿主側の様々な因子も腸内細菌叢に変化を与えるといわれており、免疫系や、様々な体質、疾患、腸管分泌物などが挙げられている。特に、ストレスである外部因子が、生体システムを介して、内部因子として腸内細菌叢に変化を与える
とも言われている。逆の観点から見れば、腸内細菌叢の変化を検出することにより、それらの因子の変化の検出、評価にも資するということ、さらには、腸内細菌叢の変化を検出することによって、最近、その関与が報告されている(非特許文献8)、例えば各種消化管疾患、肝臓疾患、肥満、2型糖尿病、アレルギー疾患、自閉症などの精神疾患、多発性
硬化症などの疾患の指標としてAQPが有用に資することとなる。
本発明においては、腸内細菌の有無のラットとして、実施例1に示すように、雄性F344ラットの正常ラット(SPF)と腸内細菌のいないラット(GF)を用い、その大腸に発現す
るAQPの種類と、AQP量の変化から、AQP3、AQP7、AQP9が、腸内細菌叢の変化の検出の指標となることを見出した。
また、それらAQPが、腸内細菌叢の変化の検出の指標となることを示す、実施例として
、通常の雄性Wistar ラットを用い、実施例2、3、4に示すように抗生物質を混餌投与することにより、細菌叢に様々な変化を与え、AQP量がその検出の指標となること、実施
例5に示すように、さらにプロバイオティクスを抗生物質と併用投与することにより、抗生物質により変化した腸内細菌叢が、プロバイオティクス投与により、食餌のみの細菌叢へ回復する変化を検出することが、本発明のAQP量を指標とすれば可能であることを示し
た。しかしながら、腸内細菌叢の変化をもたらす、外来、又は内部因子の評価に腸内細菌叢を用いる場合、これらラットに限定されるものではない。
非特許文献5〜7に示されるように、AQPは内在性膜タンパク質の一種であり,構造上,
主要内在性タンパク質(major intrinsic protein:MIP)スーパー ファミリーに属する
。哺乳類のAQPと しては,主に13種類(AQP0〜AQP12)報告されている。これらは,その
特性や構造により,水のみを透過させる狭義AQP(classical AQP)、そして水だけでなくグリセロールや尿素などの電気的中性の低分子も透過させるアクアグリセロポリン(aquaglyceroporin)に大別される。本特許によって見出された、有菌、無菌ラットによる大腸内AQPの発現に差のなかった、AQP1、AQP4、AQP8は、水のみを透過させる狭義AQPである。一方、その発現に差のあった、AQP3、AQP7、AQP9はいずれも、水だけでなく、グリセロールや尿素などの電気的中性の低分子も透過させるというアクアグリセロポリンに属すという共通の特徴を示すことが見出された。実施例6,7において、腸内細菌叢の変化を示す指標となる本発明のAQPが、疾病の指標となることを、抗生物質による糞中の水分量に注
目し、一般的に水チャンネルといわれるAQPが関与する疾患として、下痢、便秘の指標と
して資する有用性をしめした。また、実施例9に示すように、抗生物質の投与で、糞中水分量が増加するのに対し、プロバイオティクスを併用投与すると、糞中水分量が、減少し、食餌のみの糞中水分量へ回復することが見出された。これは、抗生物質の投与で腸内細菌叢のバランスが崩れ、下痢症状となるのを防ぐ意味で、プロバイオティクスを併用すると整腸効果が発揮されるという一般に言われている疾患症状の回復との相関指標となることが見出されている。その意味では、本発明の3つのAQPは、水のみを透過させる狭義AQP
でなく、水以外の成分も透過させるアクアグリセロポリンに属するという、共通の特徴を持つことから、後述するAQP種にかかわる疾病との関連性の指標に資する有用性を有し、
実施例に限定されるものではない。
AQP3はアクアグリセロポリンに属し、腎臓,皮膚,消化管,気道などの上皮細胞に発現している。特に、腎臓、消化管での水吸収、皮膚などでの、水、グリセロール吸収に関与しているといわれている。開示技術として特許文献1のようなAQP3遺伝子に対応するmRNA量を指標とする皮膚表皮内水分保持評価法、特許文献2にみられるようなAQP3を介して細胞内に取り込まれた過酸化水素により活性化されたNF-κB活性を抑制する物質を選択するスクリーニング法、特許文献3には慢性便秘の患者におけるテガセロドの有効性を同定する
ためのバイオマーカー、特許文献4にはIL-17産生ヘルパーT細胞(Th17細胞)を特異的に検出するためのタンパク質マーカー群より選択される膜タンパク質をコードする遺伝子の中の一つとしての例示などの、これらの開示技術は、腸内細菌叢変化によるAQP3を指標としての本発明の有用性展開の一形態になりうる。
AQP3は被検動物または被検細胞に発現しているAQP3を解析すればよいが、例えば、ヒトAQP3としては配列番号25のアミノ酸配列(塩基配列は配列番号23)を有するAQP3が挙げられ、マウスAQP3としては配列番号26のアミノ酸配列を有するAQP3が挙げられ、ラットAQP3としては配列番号27のアミノ酸配列(塩基配列は配列番号24)を有するAQP3が挙げられる。ただし、AQP3の配列は種によって異なるため、これらの配列において、1〜数個(例えば、1〜20個)程度のアミノ酸が変化(置換、欠失、挿入などを含む)していてもよい。
AQP7は腎臓,脂肪組織,精巣などに観察されるアクアグリセロポリンである。腎臓では,ネフロンの近位尿細管で管内液から水、グルコース、グリセロールなどが再吸収される機能を果たすといわれている。特許文献として、公開特許ではあるが、疾患又は疾患マーカーの検出方法としての有用性の展開が例示されている。これらの開示技術は、腸内細菌叢変化によるAQP7を指標としての本発明の有用性展開の一形態になりうる。AQP7は被検動
物または被検細胞に発現しているAQP7を解析すればよく、その配列は公知である。
AQP9は、水、尿素、グリセロールの他、プリン、ピリミジンなどの中性分子も透過する選択性の広いアクアグリセロポリンである。AQP9は、肝臓、脳、白血球などに発現することが知られている。肝臓では、肝細胞の洞様血管側の細胞膜に局在し、肝臓で唯一のグリセロールチャ ネルとされ、AQP9は肝臓でのグリセロールの取り込みに関与していると考え
られている。非特許文献7によるとAQP9は脳軟脈血管内皮細胞、特に脈絡叢にみられる有突起上衣細胞であるタンニ細胞、アストログリア細胞および神経細胞に発現している。AQP9はエネルギーバランスに関与するカテコラミン神経に特に見られ、AQP9の脳エネルギー代謝における役割が想定されている。すなわち、AQP9はエネルギー代謝時のアストログリア細胞の膜でのエネルギー基質である乳酸の輸送を促し、乳酸の神経細胞への拡散を促進するといわれている。本発明における腸内細菌叢(腸内フローラ)において、乳酸菌の役割は大きく、その代謝物である乳酸の透過に関しての指標になり、細菌叢の外部物質の投与による状態変化の指標になりうることが裏付けられる。特許文献6にはストレス評価マーカー、方法の遺伝子群の中の一つとしてAQP9が指標になることが開示されている。特許文献7には、腎機能の特徴を決定する方法として、腎機能に関連する一群のRNAの一つと
してAQP9が指標としての有用性の展開が例示されている。これらの開示技術は AQP9を指
標としての腸内細菌叢変化に伴う本発明の有用性の展開の一形態になりうる。AQP9は被検動物または被検細胞に発現しているAQP9を解析すればよく、その配列は公知である。
本発明においては、細菌叢の変化を検出する手法の一実施例として、有菌雄性Wistarラットに抗生物質を混餌投与することにより、腸内細菌叢のグラム陽性菌、グラム陰性菌に対して、抗菌スペクトルが知られている3種の抗生物質を使用し、腸内細菌叢に変化を与え
、大腸AQPの発現(mRNA、タンパク質)指標との相関ならびに間接指標としての糞中水分
量の解析に用いた。VCM(vancomycin)、CPFX(ciprofloxacin)、CAM(clarithromycin
)の3種であり、その抗菌スペクトルを図4に示す。さらに、大腸AQPの発現変化の一番大きかったCPFXに関しては、混餌投与による指標の経日変化解析、腸内細菌4種の経日的DNA量変化解析、またプロバイオティクスとの併用投与における細菌叢変化、それに伴うAQP3タンパク質、糞中水分量相関解析に用いた。本発明における検出方法として、これらの抗生物質に限定されるわけでなく、抗菌スペクトルが既知の抗生物質、さらには、耐性菌の
出現に伴う新しい抗生物質などに対しても、好ましく活用可能である。
本発明においては、非ヒト動物または培養腸管細胞に被検物質を投与し、被検物質が投与された非ヒト動物の腸管または培養腸管細胞に存在するAQP3、AQP7およびAQP9からなる群から選ばれる少なくとも一つのAQP量を測定し、該AQP量を指標として腸内細菌叢を変化させる物質を選択または評価する、腸内細菌叢を変化させる物質のスクリーニング方法または評価方法が提供される。
例えば、被検物質を投与しないときと比較し、AQP3、AQP7および/またはAQP9の量が変動するときに、当該被検物質を腸内細菌叢を変化させる物質として選択または評価することができる。例えば、AQP3の量を増加させることを指標にして、腸内細菌叢を変化させる物質をスクリーニングまたは評価することができる。
また、例えば、善玉菌を増やすことが知られているプロバイオティクスなどの食品成分を陽性コントロールとし、これと同程度にAQPの量を変化させる能力を指標とすることで、
腸内細菌叢を変化させる物質をスクリーニングまたは評価することができる。
なお、被検物質の種類は特に制限されないが、例えば、プロバイオティクス、プレバイオティクス、タンパク質、ペプチド、植物エキスなどの食品成分、健康食品やサプリメントそのもの、あるいは抗生物質などの医薬成分などが挙げられる。
る。それぞれの検出法の一例を示す。
AQP3 protein
AQPは細胞膜に存在する機能タンパク質であることから、その発現解析を行う際には膜画
分を得る必要がある。そこで、以下に示す方法により、大腸の膜画分を分離した。すなわち、ラットの大腸からかきとった粘膜をdissecting buffer(0.3 M sucrose、25 mM imidazole、1 mM ethylenediaminetetraacetic acid、8.5 μM leupeptin、1 μM phenylmethylsulfonyl fluoride(PMSF); pH 7.2)を用いて、氷上でホモジナイズ(1,250 rpm、20
stroke)した。ホモジネートを遠心分離(800×g、15分、4℃)後、得られた上清をさらに遠心分離(17,000×g、30分、4℃)した。上清を除去後、沈殿にdissecting bufferを
加え、超音波分散機により分散させ、細胞膜を豊富に含む画分とした。本画分について、AQP3のタンパク質量をウエスタンブロッティング法により解析した。具体的には、タンパク質をloading buffer(84 mM Tris、20% glycerol、0.004% bromophenol blue、4.6% sodium dodecyl sulfate、10% 2-mercaptoethanol; pH 6.8)で2倍希釈し、ポリアクリルアミドゲルにアプライした。電気泳動後、分離されたタンパク質はPVDFメンブレンに転写した。3.0%スキムミルクで1時間ブロッキングを行った後、rabbit anti-rat AQP3 antibodyと室温で1時間反応させた。メンブレンをTBS-Tween(20 mM Tris-HCl、137 mM NaCl、0.1% Tween 20; pH7.6)で洗浄後、donkey anti-rabbit IgG-HRP antibodyと室温で1時間反
応させた。メンブレンを洗浄後、ECL prime Western blotting detection system reagentsと反応させ、ルミノイメージアナライザーLAS-3000mini(FUJIFILM, Tokyo, Japan)で露光し、検出されたバンドを解析した。
本発明の実施例として、AQP3タンパク質量の測定に上記方法を用いたが、本発明の指標となるAQP量の測定は、これに限定されず、通常知られた方法を用いても良い。
ラットの大腸(約15 mg)からTRI reagentを用いて RNAを抽出した。得られた溶液をnanodrop-light(Thermo Fisher scientific Inc., Waltham, MA, USA)にて260 nmおよび280
nmの吸光度を測定することで純度の確認およびRNA濃度(ng/μL)の算出を行った。RNA 1 μgからhigh capacity cDNA synthesis kitを用いてcDNAを合成した。表に示すプライ
マーを作成し、リアルタイムPCRにより各遺伝子の発現を検出した。すなわち、PCRプレートの各ウェルへSsoAdvanced SYBR green supermix 5 μL、目的遺伝子のforward primer
(5 pmol/μL)1.2 μL、reverse primer(5 pmol/μL)1.2 μL、cDNA溶液2 μL、RNase
free water 3.6 μLを加えた。温度条件はdenaturation temperatureとして95℃で15秒
、annealing temperatureとして56℃で30秒、elongation temperatureとして72℃で30秒
とした。増幅過程の蛍光強度をMy iQTM single color real-time PCR detection system
(Bio-Rad Laboratories, Hercules, CA, USA)によりモニタリングした。mRNA量は、β-アクチンを用いてノーマライズした。
指標となるAQP量の測定は、これに限定されず、通常知られた方法を用いても良い。
ラットの糞中水分量は、以下の方法により測定した。すなわち、摘出した大腸の内容物および排泄された糞便を採取し、凍結乾燥機で24時間乾燥した。内容物および糞便の湿潤質量および乾燥質量から内容物1 gに含まれる水分量を算出し、糞中水分量とした。一般に
糞中水分量変化は、疾患としての下痢、便秘との相関を示すといわれている。本発明の実施例として、腸内細菌叢変化に伴うAQP3量と糞中水分量との相関による疾病を一例として示したが、AQP量の変化の指標は、AQPにかかわる他の疾病にも資するものである。
一般にプロバイオティクスは、腸内細菌叢のバランスを改善することにより、ヒトに有益な作用をもたらす生きた微生物と呼ばれるものである。本発明の実施例においては、腸内細菌叢の変化の指標としてのAQP量変化との相関を示すために、外部からの抗生物質投与
による腸内細菌叢のバランス低下、プロバイオティクスとの併用によるバランス改善に用いた。
有菌、無菌ratによる、腸内細菌叢の有無と発現するAQP種類、AQP量の差異
有菌ラットおよび無菌ラットの大腸においては、AQP0からAQP9までの10種類のAQPのうち
、図1に示すように、AQP1、AQP3、AQP4、AQP7、AQP8およびAQP9の発現が確認できた。これらラットの大腸におけるAQP量を解析した結果、AQP3およびAQP7の量は無菌ラットでは
有菌ラットに比べて低下していることがわかった。特に、大腸粘膜上皮細胞に強く発現しているAQP3については、有意な差が認められた。一方、無菌ラットのAQP9の量は、有菌ラットに比べて有意に増加していることがわかった。これらラットの大腸組織像をHE染色により確認したところ、有菌ラットおよび無菌ラットのいずれにおいても図2にみられるように、粘膜上皮、粘膜固有層、粘膜下組織および筋層に病変は認められなかった。以上のことから、無菌ラットで認められたAQPの変化は、大腸病変によるものでないことがわか
った。
抗生物質3種のラットへの混餌投与での腸内細菌叢の変化とAQP量相関解析
雄性Wistarラット8週齢に、種々の抗生物質を混餌投与した。実験群として、いずれもラ
ット数N=6にて行った。餌のみ投与をコントロール群とし、VCMは50 mg/kg、CPFXは200 mg/kg、CAMは100 mg/kgの抗生物質量を混餌飼料として添加した。ラットにVCM、CPFXあるいはCAMを含んだこれら粉末飼料を6日間与え、大腸におけるAQP3のタンパク質量を解析した。その結果、図3に示すように、VCMあるいはCPFXを処置したラットにおいて、AQP3の量
はコントロール群と比べて有意に低下し、この低下の度合いはCPFX投与群の方が大きかった。これに対して、CAM投与群のAQP3量は、コントロール群との間に差は見られなかった
。以上のことから、図4に示す抗生物質の抗菌スペクトルの違いにより、抗生物質が腸内細菌叢に及ぼす変化の違いに伴う、大腸のAQP3の発現変動パターンが異なることがわかった。
抗生物質のラットへの混餌投与後の腸内細菌叢中の4種細菌の経日量変化解析
大腸のAQP3の発現変化が最も大きかったCPFXについて、腸内細菌叢に及ぼす影響を調べた。具体的には、雄性Wistarラット8週齢にCPFXを与えた際の大腸内におけるBifidobacterium catenulatum(グラム陽性桿菌)、Clostridium sordellii(グラム陽性桿菌)、Lactobacillus sp(グラム陽性桿菌)およびBacteroides fragilis(グラム陰性桿菌)の経日
変化を調べた。図5に示すようにBifidobacterium catenulatumの量は、CPFXの処置1日目の時点で投与前の10%以下まで低下し、この低下はCPFX処置3日目においても維持してい
た。また、Clostridium sordelliiおよびBacteroides fragilisの量も、Bifidobacterium
catenulatumと同様の挙動を示した。一方、Lactobacillus spの量は、CPFX処置1日目に
おいて有意に低下したが、この低下の度合いはその他の菌に比べて小さいものであり、処置2日目以降は回復した。以上の結果から、CPFXを処置するとすぐに、腸内細菌叢が大き
く変動することがわかった。
抗生物質のラットへの混餌投与後の腸内細菌叢変化によるAQP量の経日変化解析
CPFXを処置し、実施例3に示した腸内細菌叢が大きく変動したラットにおいて、大腸のAQP3量を解析した。その結果、図6に示すように、AQP3のmRNA量はCPFX処置1日目の時点で
、処置前の約80%まで有意に低下することがわかった。また、処置2日目および3日目においてもAQP3のmRNA量は処置前の60%であり、CPFXの処置によりAQP3の発現低下が維持されていることがわかった。また、AQP3のタンパク質量も、mRNA量と同様の挙動を示し、CPFX
処置1日目から有意に低下し、この低下は処置3日目まで維持されていた。これらの結果から、CPFXを処置し、腸内細菌叢が大きく変動すると、大腸のAQP3の量がそれに付随して変動することがわかった。
ラットへの抗生物質単独投与とプロバイオティクス併用投与による腸内細菌叢変化に伴うAQP量の比較差異解析
雄性Wistarラット8週齢にCPFXとプロバイオティクス(B. longum)を6日間併用投与した
際の大腸におけるAQP3の量を解析し、CPFX単独投与群と比較した。図7に示すようにCPFX単独投与群のAQP3のタンパク質量は、コントロール群と比べて有意に低かった。これに対して、CPFXとプロバイオティクスを併用した際のAQP3量は、コントロール群に比べて低下していたものの、CPFX単独投与群と比べて有意に高かった。以上のことから、プロバイオティクスはCPFXによる腸内細菌叢の変化に対し、コントロール群への回復を促しAQP3の発現低下を抑制することがわかった。
ラットへの抗生物質3種の混餌投与によるAQP量と糞中水分量の相関差異解析
実施例2と同じようにVCM、CPFXあるいはCAMを含んだ粉末飼料を6日間与えたラットの糞
中水分量を調べ、大腸のAQP3の発現変動パターンとの関係を調べた。その結果、図8に示すように、いずれの抗生物質を与えても、糞中水分量はコントロール群と比べて有意に高く、下痢が確認された。糞中水分量の増加は、CPFXが最も高く、次いでVCM、CAMであった。以上の結果から、抗生物質を与えたラットの糞中水分量の変化は、大腸AQP3の発現変動パターンと符合していることがわかった。
ラットへの抗生物質の混餌投与による、AQP量と糞中水分量の投与後経日変化の相関解析
糞中水分量と大腸におけるAQP3の発現変動パターンとの関係を確認するために、実施例4と同じようにCPFXを投与しAQP3量が経日的に低下したラットの糞中水分量を調べた。その結果、図9に示すように、糞中水分量はCPFXの処置1日目から有意に増加し、処置3日目まで増加し続けることがわかった。本結果は、CPFXを投与し、大腸AQP3の発現変動パターンと符合するものであった。
ラットへの抗生物質単独投与とプロバイオティクス併用投与によるAQP量と糞中水分量相
関差異解析
実施例5と同じように、ラットにCPFXを単独あるいはCPFXとプロバイオティクス(B. longum)を6日間併用投与した際の糞中水分量を調べた。その結果、CPFX単独投与群の糞中水分量は、コントロール群に比べて約2倍有意に高かった。これに対して、プロバイオティ
クスを処置したラットの糞中水分量は、CPFX単独投与群と比べて有意に低かった。また、これらの変化は、腸内細菌叢の変化に伴う、大腸AQP3量の変化と符合するものであった。以上のことから、プロバイオティクスは腸内細菌叢の改善にともなう大腸AQP3の発現変化を介して、糞中水分量をコントロールすることが示唆された。
。
Claims (7)
- 腸内細菌叢の変化を検出する方法であって、腸管に存在するアクアポリン3(AQP3)、アクアポリン7(AQP7)、アクアポリン9(AQP9)よりなる群から選ばれる少なくとも一つのアクアポリン(AQP)量を測定し、該アクアポリン量を指標として腸内細菌叢の変化を
検出することを特徴とする方法。 - 指標となるAQP量が発現するAQPタンパク質量である、請求項1記載の方法。
- 指標となるAQP量がAQP mRNA量である、請求項1記載の方法。
- 腸管が単離された腸管または培養腸管細胞である、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
- 非ヒト動物または培養腸管細胞に被検物質を投与し、被検物質が投与された非ヒト動物の腸管または培養腸管細胞に存在するAQP3、AQP7、AQP9よりなる群から選ばれる少なくとも一つのAQP量を測定し、該AQP量を指標として腸内細菌叢を変化させる物質を選択する、腸内細菌叢を変化させる物質のスクリーニング方法。
- 非ヒト動物または培養腸管細胞に被検物質を投与し、被検物質が投与された非ヒト動物の腸管または培養腸管細胞に存在するAQP3、AQP7、AQP9よりなる群から選ばれる少なくとも一つのAQP量を測定し、前記物質の該AQP量を指標として腸内細菌叢を変化させる能力を評価する、腸内細菌叢を変化させる物質の評価方法。
- 前記被検物質が食品成分又は医薬成分である、請求項6または7に記載の方法。
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US20160000837A1 (en) * | 2013-02-18 | 2016-01-07 | Washington University | Compositions and methods to alter gut microbial fermentation using sulfate-reducing bacteria |
JP2017143793A (ja) * | 2016-02-18 | 2017-08-24 | 国立大学法人大阪大学 | 細菌の有害性低減物質のスクリーニング方法 |
-
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Title |
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今理紗子: "腸管の水輸送機構の破綻に対するプロバイオティクスの有効性とそのメカニズムの解明", 三島海雲記念財団研究報告書, JPN6021019407, 1 November 2015 (2015-11-01), pages 41 - 45, ISSN: 0004511622 * |
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