以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である画像形成システム1の概念的構成例を示す図である。この画像形成システム1は、ユビキタスプリントシステムやプルプリントシステムと呼ばれるネットワークシステムであり、複数の画像形成装置2a〜2hがネットワーク3に接続された構成である。
画像形成装置2a〜2hは、ネットワーク3を介して印刷データを取得すると、その印刷データに基づいて印刷出力を行うことができる装置である。本実施形態における画像形成装置2a〜2hは、例えばMFP(Multifunction Peripherals)などで構成され、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの複数の機能を備えた装置として構成される。
図2は、画像形成装置2a〜2hのハードウェア構成の一例を示す図である。尚、如何においては、複数の画像形成装置2a〜2hのそれぞれを区別する必要がないときには、それらを総称して画像形成装置2と呼ぶ。図2に示すように、画像形成装置2は、そのハードウェア構成として、制御部10、記憶部11、操作パネル12、通信インタフェース13、スキャナ部14、プリンタ部15及びFAX部16を備えている。
制御部10は、各部の動作を統括的に制御するものである。制御部10は、ハードウェアプロセッサであるCPU10aと、半導体メモリなどで構成されるメモリ10bとを備えている。画像形成装置2に電源が投入されると、CPU10aは記憶部11に予めインストールされているプログラム17を読み出して実行する。これにより、制御部10は、後述するように各種の処理部として機能するようになる。メモリ10bは、CPU10aがプログラム17に基づく処理の実行中に発生する一時的なデータなどを記憶するためのものである。
記憶部11は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部11には、上述したようにCPU10aによって実行されるプログラム17が予め記憶されている。また記憶部11には、条件情報18が予め記憶される。この条件情報18の詳細は後述する。さらに記憶部11には、印刷データPDを記憶しておくための記憶領域として、印刷データ記憶部19が設けられる。この印刷データ記憶部19には、様々な印刷データPDを記憶しておくことができる。
操作パネル12は、ユーザーが画像形成装置2を使用する際のユーザーインタフェースとなるものである。操作パネル12は、ユーザーに対して各種操作画面を表示するための表示部12aと、ユーザーによる操作を受け付ける操作部12bとを備えている。例えば表示部12aは、カラー液晶ディスプレイなどによって構成される。操作部12bは、表示部12aの表示画面上に配置されるタッチパネルキーや表示部12aの表示画面の周囲に配置される押しボタンキーなどによって構成される。
通信インタフェース13は、画像形成装置2をローカルネットワーク3a,3bに接続するためのものである。画像形成装置2は、この通信インタフェース13を介してローカルネットワーク3a,3bに接続されている他の装置と通信を行う。
スキャナ部14は、ユーザーによってセットされた原稿を光学的に読み取って画像データを生成するものである。プリンタ部15は、制御部10から出力される印刷データに基づいて印刷出力を行う印刷出力手段である。FAX部16は、図示を省略する公衆電話回線を介してFAXデータの送受信を行うものである。
ただし、上述したものに限られず、画像形成装置2a〜2hはプリント機能のみを備えたプリンタ専用機であっても構わない。また画像形成装置2a〜2hは、スキャン機能とプリント機能とを備え、FAX機能を備えていないものであっても構わない。
各画像形成装置2a〜2hのプリント機能は、それぞれ異なる機能であっても良い。例えば、複数の画像形成装置2a〜2hのうちの一部の画像形成装置だけがカラー印刷を行うことが可能であり、他の画像形成装置はモノクロ印刷のみを行うことができるものであっても良い。また複数の画像形成装置2a〜2hのうち、一部の画像形成装置は印刷出力時に複数枚の印刷用紙をステープルで束ねるステープル機能を有するのに対し、他の画像形成装置はステープル機能を有していないものであっても良い。またステープル機能を有していない画像形成装置のうちの一部の画像形成装置は、印刷用紙の所定位置に穿孔するパンチ機能を有するものであっても構わない。更に複数の画像形成装置2a〜2hのうち、一部の画像形成装置はA3サイズの印刷用紙に印刷を行うことが可能であるのに対し、他の画像形成装置はA3サイズの印刷用紙に印刷を行うことができないものであっても良い。ただし、これに限らず、複数の画像形成装置2a〜2hのプリント機能は、全て同じ機能で統一されたものであっても構わない。
ネットワーク3は、社内LAN(Local Area Network)などのローカルネットワーク3a,3bがインターネットなどの外部ネットワーク3cを介して相互に接続された構成である。ローカルネットワーク3aは、例えば第1の拠点5aに設置されたネットワークであり、ローカルネットワーク3bは、第1の拠点5aから離れた地点にある第2の拠点5bに設置されたネットワークである。そしてローカルネットワーク3a,3bはそれぞれ図示を省略するルーターやゲートウェイなどを介して外部ネットワーク3cに接続される。このようなネットワーク構成では、一般に、ローカルネットワーク3aのネットワークアドレスと、ローカルネットワーク3bのネットワークアドレスとが互いに異なるアドレスに設置され、それぞれ別のネットワークとして管理される。
例えば図1に示すように、ローカルネットワーク3aには、4つの画像形成装置2a,2b,2c,2dが接続されている。そのうちの1つの画像形成装置2aは、プリントサーバー機能を搭載した印刷データ保存装置6として機能する。これに対し、残りの3つの画像形成装置2b,2c,2dは、印刷データ保存装置6にアクセスして印刷データを取得する機能、すなわちクライアント機として動作する機能を備えた画像形成装置7である。
またローカルネットワーク3bにも、4つの画像形成装置2e,2f,2g,2hが接続されている。そのうちの1つの画像形成装置2eは、プリントサーバー機能を搭載した印刷データ保存装置6として機能する。これに対し、残りの3つの画像形成装置2f,2g,2hは、印刷データ保存装置6にアクセスして印刷データを取得する機能、すなわちクライアント機として動作する機能を備えた画像形成装置7である。尚、印刷データ保存装置6は、他の印刷データ保存装置6との関係においてクライアント機として機能することもある。
またローカルネットワーク3aには、第1の拠点5aで勤務するユーザーの情報処理端末4が接続される。このような情報処理端末4は、ユーザーごとに設けられる。したがって、ローカルネットワーク3aには、複数の情報処理端末4が接続されることになる。また図示を省略しているが、ローカルネットワーク3bにも、第2の拠点5bで勤務する複数のユーザーのそれぞれが使用する複数の情報処理端末4が接続される。
情報処理端末4は、例えばパーソナルコンピュータやタブレット端末、スマートフォンなどで構成される。この情報処理端末4には、プリンタドライバが予めインストールされている。そのプリンタドライバには、印刷データの送信先として、ローカルネットワーク3a,3bに接続されている印刷データ保存装置6が予めユーザーによって設定されている。例えばユーザーの普段の勤務場所が第1の拠点5aである場合、そのユーザーが使用する情報処理端末4のプリンタドライバには、印刷データの送信先として、ローカルネットワーク3aに接続されている印刷データ保存装置6(画像形成装置2a)が予めユーザーによって設定される。これに対し、ユーザーの普段の勤務場所が第2の拠点5bである場合、そのユーザーが使用する情報処理端末4のプリンタドライバには、印刷データの送信先として、ローカルネットワーク3bに接続されている印刷データ保存装置6(画像形成装置2e)が予めユーザーによって設定される。そして情報処理端末4においてプリンタドライバが起動すると、プリンタドライバは、ユーザーの印刷設定操作に基づく印刷設定を付与した印刷データを生成し、その印刷データを、予め設定されている印刷データ保存装置6に送信する。
図3は、ローカルネットワーク3aに接続されている情報処理端末4から印刷データPDが送信される例を示す図である。ユーザーは、情報処理端末4のプリンタドライバを起動して印刷設定操作を行い、印刷データの送信を指示すると、情報処理端末4から印刷データ保存装置6である画像形成装置2aに対して印刷データPDが送信される。印刷データ保存装置6は、情報処理端末4から送信される印刷データPDを受信すると、その印刷データPDを印刷データ記憶部19に保存する。このとき、印刷データ保存装置6は、印刷データPDを送信したユーザーと関連付けて印刷データPDを保存する。これにより、印刷データ保存装置6は、印刷データ記憶部19に記憶している印刷データPDがどのユーザーによって送信されたデータであるかを把握することができる。そしてユーザーは、情報処理端末4を操作して印刷データPDを送信した後、複数の画像形成装置2a〜2hのうちの任意の画像形成装置の設置場所へ移動して操作パネル12を操作することにより、印刷データPDに基づく印刷出力を行わせることができる。
図4は、第2の拠点5bに設けられた画像形成装置2hで印刷出力を行う例を示す図である。例えば、ユーザーは、第1の拠点5aにおいて印刷データPDを画像形成装置2aに保存した後、第2の拠点5bへ出張し、第2の拠点5bで印刷データPDに基づく印刷出力を行うために画像形成装置2hの操作パネル12を操作して画像形成装置2hにログインする。画像形成装置2hは、ユーザーによるログイン状態へ移行させると、第2の拠点5bの印刷データ保存装置6である画像形成装置2eに対して当該ユーザーが印刷出力可能な印刷データのリストを要求する。画像形成装置2eは、画像形成装置2hからのリスト要求を受信すると、自機で保存している印刷データPDの中に、当該ユーザーによって投入された印刷データPDが存在するか否かを検索する。また画像形成装置2eは、外部ネットワーク3cを介して第1の拠点5aの印刷データ保存装置6である画像形成装置2aに対して当該ユーザーが印刷出力可能な印刷データPDを保持しているか否かを問い合わせる。これにより、画像形成装置2eは、自機で保持していない印刷データPDであっても、他の印刷データ保存装置6で保持されている印刷データPDを検出することができる。そして画像形成装置2eは、当該ユーザーが印刷出力可能な印刷データリストを作成し、その印刷データリストを画像形成装置2hへ送信する。
画像形成装置2hは、画像形成装置2eから印刷データリストを受信すると、その印刷データリストを操作パネル12の表示部12aに表示する。これにより、ユーザーは、表示部12aに表示される印刷データリストの中から印刷出力の対象となる印刷データPDを選択し、印刷実行指示を行うことが可能である。ユーザーによって第1の拠点5aの印刷データ保存装置6に保存されている印刷データPDが選択されると、画像形成装置2hは、外部ネットワーク3cを介して第1の拠点5aの印刷データ保存装置6にデータ要求を送信する。このデータ要求は、印刷データ保存装置6に対し、ユーザーによって指定された印刷データPDの送信を要求するコマンドである。
第1の拠点5aの印刷データ保存装置6は、図4に示すように、第2の拠点5bの画像形成装置2hからデータ要求を受信すると、データ要求において指定された印刷データPDを印刷データ記憶部19から読み出し、第2の拠点5bの画像形成装置2hに送信する。これにより、画像形成装置2hは、第1の拠点5aから印刷対象となる印刷データPDを取得することができる。画像形成装置2hは、ユーザーによって指定された印刷データPDを取得すると、その印刷データPDに基づく印刷出力を行う。したがって、ユーザーは、第1の拠点5aで保存しておいた印刷データPDに基づく印刷出力を、第2の拠点5bに設置されている画像形成装置2hを用いて行うことができる。
本実施形態の画像形成システム1は、複数の画像形成装置2a〜2hのうちのいずれかの画像形成装置において印刷データPDに基づく印刷出力が行われた場合であっても、再印刷などに備えて印刷データPDを少なくとも一定期間保存した状態を継続する。そのため、本実施形態の印刷データ保存装置6は、データ要求に基づいて印刷データPDを送信するとき、印刷出力された後の印刷データPDを、印刷データ保存装置6で保存するか、或いは、印刷出力を実行した画像形成装置で保存するかを決定するように構成される。以下、このような画像形成システム1において、印刷データ保存装置6として機能する画像形成装置2a,2e、及び、クライアント機として機能する画像形成装置7(2b,2c,2d,2f,2g,2h)の詳細について説明する。
まず、印刷データ保存装置6の詳細について説明する。図5は、印刷データ保存装置6として機能する画像形成装置2a,2eの機能構成を示すブロック図である。印刷データ保存装置6では、CPU10aが印刷データ保存装置6用のプログラム17を実行することにより、制御部10を、データ管理部21、データ送信部22、保存装置決定部23及びジョブ制御部24として機能させる。
データ管理部21は、印刷データ記憶部19に保存する印刷データPDを管理する処理部である。データ管理部21は、通信インタフェース13を介して情報処理端末4から送信される印刷データPDを受信した場合に、その印刷データPDを印刷データ記憶部19に保存する。このとき、データ管理部21は、印刷データPDを送信したユーザーと関連付けて印刷データPDを印刷データ記憶部19に保存する。またデータ管理部21は、情報処理端末4から受信した印刷データPDを保存するとき、その保存日時を印刷データPDに関連付けて保存する。
データ送信部22は、通信インタフェース13を介して他の画像形成装置に各種データを送信する処理を行う。例えば、データ送信部22は、同じローカルネットワークに接続されている他の画像形成装置7から、特定のユーザーが印刷出力可能な印刷データPDのリスト要求を受信した場合、印刷データ記憶部19に保存されている全ての印刷データPDを検索し、特定のユーザーが印刷出力可能な印刷データPDのリストを作成する。このとき、データ送信部22は、リスト要求の送信元を除き、同じローカルネットワークに接続されている他の画像形成装置7にも特定のユーザーが印刷出力可能な印刷データPDが保持されていないかどうかを問い合わせる。さらにデータ送信部22は、外部ネットワーク3cを介して他の印刷データ保存装置6に対しても、特定のユーザーが印刷出力可能な印刷データPDが保持されていないかどうかを問い合わせる。そしてデータ送信部22は、それらの問い合わせの結果に基づいてリストを作成し、リスト要求の送信元である画像形成装置7に対してその印刷データリストを送信する。
またデータ送信部22は、画像形成装置7から印刷データPDを指定したデータ要求を受信した場合、印刷データ記憶部19から指定された印刷データPDを読み出し、その印刷データPDを、データ要求の送信元である画像形成装置7に送信する。またデータ送信部22は、画像形成装置7からデータ要求を受信すると、保存装置決定部23を機能させる。
保存装置決定部23は、印刷データPDに基づく印刷出力が行われた後、その印刷データPDを、印刷データ保存装置6と、印刷出力を実行した画像形成装置7とのいずれで保存しておくかを決定する処理部である。保存装置決定部23は、画像形成装置7において印刷出力が行われる際の処理状況が所定条件に合致するか否かを判別することにより、印刷出力後の印刷データPDを、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれで保存するかを決定する。保存装置決定部23が判別する条件は、条件情報18に予め定められている。そのため、保存装置決定部23は、記憶部11から条件情報18を読み出し、画像形成装置7からのデータ要求に基づいて行われる処理の処理状況が条件情報18に定められた条件に合致するか否かを判別し、その判別結果に応じて印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれで保存するかを決定する。
保存装置決定部23は、印刷出力を実行した画像形成装置7で印刷データPDを保存することを決定した場合、データ送信部22に対して保存装置が画像形成装置7であることを通知する。データ送信部22は、その通知を受けた場合、データ要求の送信元である画像形成装置7へ送信する印刷データPDに対して保存指示を付加する。これにより、画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力を実行した後、その印刷データPDを自機で継続して保存すべきことを把握することができる。
ジョブ制御部24は、印刷データ保存装置6におけるジョブの実行を制御する処理部である。ジョブ制御部24は、操作パネル12に対するユーザーの操作に基づいてログイン状態へと移行させ、ユーザーが指定した印刷データPDを印刷データ記憶部19から読み出してプリンタ部15へ出力することにより、印刷データPDに基づく印刷出力を行わせる。またジョブ制御部24は、通信インタフェース13を介して他の画像形成装置2から印刷データPDを取得し、その印刷データPDに基づく印刷出力を行わせることも可能である。尚、ジョブ制御部24の詳細な構成は、図6に示すジョブ制御部30と同様である。
次にクライアント機として機能する画像形成装置7の詳細について説明する。図6は、クライアント機として機能する画像形成装置7の機能構成を示すブロック図である。画像形成装置7では、CPU10aがクライアント機用のプログラム17を実行することにより、制御部10を、ジョブ制御部30として機能させる。ジョブ制御部30は、操作パネル12に対するユーザーの操作に基づいて画像形成装置7をログイン状態へ移行させる。すなわち、ジョブ制御部30は、ユーザーによって入力される情報に基づいてユーザー認証を行い、そのユーザー認証においてユーザーを特定することができると、画像形成装置7の動作状態をログイン状態へ移行させる。ジョブ制御部30は、画像形成装置7をログイン状態へ移行させると、リスト要求部31、リスト表示部32、データ要求部33、印刷制御部34及びデータ管理部35として機能する。
リスト要求部31は、画像形成装置7と同じローカルネットワークに接続されている印刷データ保存装置6に対してリスト要求を送信することにより、ユーザー認証によって特定されたユーザーが印刷出力可能な印刷データリストを取得する処理部である。例えば、リスト要求部31は、ユーザー認証によって特定されたユーザーを指定したリスト要求を印刷データ保存装置6へ送信する。これにより、印刷データ保存装置6は、指定されたユーザーの印刷データリストを作成することができる。そしてリスト要求部31は、印刷データ保存装置6からユーザー認証によって特定されたユーザーが印刷出力可能な印刷データリストを取得する。
またリスト要求部31は、ユーザー認証によって特定されたユーザーが印刷出力可能な印刷データPDが印刷データ記憶部19に記憶されているか否かを検索する。その結果、印刷データ記憶部19に印刷データPDが記憶されている場合、リスト要求部31は、その印刷データPDを、印刷データ保存装置6から取得した印刷データリストに追加する。これにより、画像形成システム1に含まれる複数の画像形成装置2a〜2hのいずれに印刷データPDが保存されている場合であっても、ユーザー認証によって特定されたユーザーが印刷出力可能な全ての印刷データPDが、印刷データリストに含まれることになる。
上記のようにして印刷データリストが作成されると、次にリスト表示部32が機能する。リスト表示部32は、リスト要求部31によって作成された印刷データリストを操作パネル12の表示部12aに表示する。これにより、ユーザーは、印刷データリストに含まれる複数の印刷データPDの中から印刷出力の対象となる印刷データPDを指定することができる。そしてユーザーによって印刷データPDが指定された状態で印刷実行指示を検知すると、ジョブ制御部30は、データ要求部33を機能させる。
データ要求部33は、ユーザーによって指定された印刷データPDを保存している画像形成装置2に対してデータ要求を送信し、印刷対象となる印刷データPDを取得する処理部である。例えば印刷データ保存装置6に印刷データPDが保存されている場合、データ要求部33は、印刷データ保存装置6に対してデータ要求を送信する。またクライアント機として機能している他の画像形成装置7に印刷データPDが保存されている場合、データ要求部33は、他の画像形成装置7に対してデータ要求を送信する。そしてデータ要求の送信先から指定した印刷データPDを取得すると、その印刷データPDを印刷データ記憶部19へ一時的に保存する。そしてデータ要求部33は、印刷制御部34を機能させる。
印刷制御部34は、データ要求部33によって取得された印刷データPDを印刷データ記憶部19から読み出し、その印刷データPDをプリンタ部15へ出力する。そして印刷制御部34は、プリンタ部15を制御し、印刷データPDに基づく印刷出力を行わせる。印刷制御部34による制御によって印刷出力が行われると、ジョブ制御部30においてデータ管理部35が機能する。
データ管理部35は、データ要求部33が取得した印刷データPDに保存指示が付加されている場合、印刷制御部34による印刷出力が完了した後に印刷データ記憶部19に保存されている印刷データPDを削除することなく、印刷データPDの保存状態を継続させる。この場合、印刷出力が行われた印刷データPDは、画像形成装置7において少なくとも一定期間継続して保存されることになる。これに対し、データ要求部33が取得した印刷データPDに保存指示が付加されている場合、データ管理部35は、印刷制御部34による印刷出力が完了した後に印刷データ記憶部19に保存されている印刷データPDを削除する。この場合、印刷出力が行われた印刷データPDは、印刷データ保存装置6において少なくとも一定期間継続して保存されることになる。尚、印刷出力が行われた印刷データPDがその後も継続的に保存される期間は適宜設定可能である。例えば一週間などの期間を予め設定しておけば、数日後に再印刷する場合であっても継続的に保存されている印刷データPDを利用することができるようになる。
次に印刷データ保存装置6の保存装置決定部23によって参照される条件情報18について説明する。図7は、条件情報18の一例を示す図である。図7に示す条件情報18には、複数の条件A〜Jが予め設定されている。各条件A〜Jには、保存装置決定部23による判別対象とするか否かが予め設定される判別設定と、優先度が高くなるほど大きな数値が予め設置される優先度と、具体的な条件が定められる判別内容と、判別結果と、保存先とが登録されている。
例えば、条件Aでは、データ要求の送信元である画像形成装置7がデータ要求を受信した印刷データ保存装置6と同一のローカルネットワーク上にあることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを画像形成装置7に保存することが定められている。すなわち、データ要求を送信した画像形成装置7とデータ要求を受信した印刷データ保存装置6とが同じローカルネットワーク上にあれば、ユーザーが普段から利用している画像形成装置7で印刷出力をしようとしていると考えられるため、次回以降の再印刷も同じ画像形成装置7を利用して行われる可能性が高いと予想することができる。そのため、1回目の印刷出力を行う画像形成装置7に印刷データPDを保存しておけば、再印刷時にネットワーク3を経由する印刷データPDの転送処理を行う必要がなくなるため、効率的に再印刷を行うことができるようになる。このような考えの下で条件Aが設定されている。図7の例では、条件Aの判別設定がONになっており、保存装置決定部23による判別がなされる条件として設定されている。また図7の例では、条件Aの優先度が「8」に設定されており、他の条件B〜Jと比較して最も高い優先度となっている。したがって、条件Aは、保存装置決定部23によって印刷出力後の印刷データPDの保存先となる装置を決定する際に最も優先的に判別される条件として設定されている。そして条件Aを判別することによって保存先となる装置を決定することができなかった場合には、次に優先度の高い条件が保存装置決定部23によって判別されることになる。
条件Bでは、データ要求の送信元である画像形成装置7がデータ要求を受信した印刷データ保存装置6と異なるローカルネットワーク上にあることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6に保存することが定められている。すなわち、データ要求を送信した画像形成装置7とデータ要求を受信した印刷データ保存装置6とが異なるローカルネットワーク上にあれば、ユーザーが普段から利用している画像形成装置7ではなく、出張などで移動した先で印刷出力をしようとしていると考えられ、今回の印刷出力は一時的なものである可能性が高いと言える。そして次回以降の再印刷は、ユーザーが普段から使用している画像形成装置7を利用して行われる可能性が高いと予想することができる。そのため、印刷データ保存装置6に印刷データPDを保存しておけば、再印刷時に外部ネットワーク3cを経由する印刷データPDの転送処理を行う必要がなくなるため、効率的に再印刷を行うことができるようになる。このような考えの下で条件Bが設定されている。図7の例では、条件Bの判別設定がONになっており、保存装置決定部23による判別がなされる条件として設定されている。また図7の例では、条件Bの優先度が「1」に設定されており、他の条件A,C〜Jと比較して最も低い優先度となっている。したがって、条件Bは、他の条件A,C〜Jを判別しても保存先を決定することができなかった場合に、最終的に判別される条件として設定されている。
ここで、画像形成装置7と印刷データ保存装置6とが同一のネットワークにあるいか否かは、例えばIPアドレスやサブネットマスク、クラス、セグメント、ドメインなどから判断することができる。さらに、印刷データ保存装置6が受信したデータ要求が通過してきたデフォルトゲートウェイの数など判別することにより、画像形成装置7と印刷データ保存装置6とのネットワーク的な距離を判別することもできる。そのため、条件Bに代わる条件として、例えば、画像形成装置7と印刷データ保存装置6とが異なるローカルネットワーク上にある場合に、更に画像形成装置7と印刷データ保存装置6とのネットワーク的な距離が所定距離以上であることを条件として設定するようにしても良い。
条件Cでは、印刷データ保存装置6に印刷データPDが保存されてから画像形成装置7において印刷出力が行われるまでの経過時間が所定時間未満であることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを画像形成装置7に保存することが定められている。すなわち、印刷データ保存装置6が印刷データPDを受信してから比較的早期に画像形成装置7からデータ要求を受信した場合には、ユーザーが印刷データPDを送信した後、近くの画像形成装置7に移動して印刷出力をしようとしていると考えられるため、次回以降の再印刷も同じ画像形成装置7を利用して行われる可能性が高いと予想することができる。そのため、1回目の印刷出力を行う画像形成装置7に印刷データPDを保存しておけば、再印刷時にネットワーク3を経由する印刷データPDの転送処理を行う必要がなくなるため、効率的に再印刷を行うことができるようになる。このような考えの下で条件Cが設定されている。図7の例では、条件Cの判別設定がONになっており、保存装置決定部23による判別がなされる条件として設定されている。また図7の例では、条件Cの優先度が「5」に設定されている。
条件Dでは、印刷データ保存装置6に印刷データPDが保存されてから画像形成装置7において印刷出力が行われるまでの経過時間が所定時間未満であることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6に保存することが定められている。すなわち、印刷データ保存装置6が印刷データPDを保存してから比較的早期に画像形成装置7からデータ要求を受信した場合であっても、ユーザーがどの拠点から印刷データPDを送信したものであるかはわからない。つまり、ユーザーは、印刷データ保存装置6とは異なる拠点へ出張し、その出張先の拠点で印刷データPDを送信し、最寄りの画像形成装置7を利用して印刷出力をしようとしている可能性もある。この場合、今回の印刷出力は一時的なものである可能性が高いため、次回以降の再印刷は、ユーザーが普段から使用している画像形成装置7を利用して行われる可能性が高いと予想することができる。そのため、印刷データ保存装置6に印刷データPDを保存しておけば、再印刷時に外部ネットワーク3cを経由する印刷データPDの転送処理を行う必要がなくなるため、効率的に再印刷を行うことができるようになる。このような考えの下で条件Dが設定されている。
ここで条件Dは、条件Cとは同じ条件を判別し、その結果、条件Cとは異なる保存先を決定する設定となっている。そのため、図7の例では、条件Dの判別設定がOFFとなっており、保存装置決定部23による判別がなされない条件として設定されている。ただし、条件CがOFFに設定されれば、条件DをONに設定することができるようになる。
条件Eでは、印刷データPDの送信元である情報処理端末4が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にあることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6に保存することが定められている。これに対し、条件Fでは、条件Eと同様に、印刷データPDの送信元である情報処理端末4が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にあることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを画像形成装置7に保存することが定められている。つまり、条件Eと条件Fは、同じ条件を判別し、その結果、互いに異なる保存先を決定する設定となっている。そのため、条件Eと条件Fは、いずれか一方のみをONに設定することが可能であり、図7の例では、条件Eの判別設定がONとなっており、条件Fの判別設定がOFFとなっている。
条件Gでは、画像形成装置7による印刷出力時に印刷データPDに付与されている印刷設定が制限されることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6に保存することが定められている。例えばステープル機能を有していない画像形成装置7がステープル機能に関する設定が付与された印刷データPDに基づいて印刷出力を行う際にはステープル機能に関する設定を反映させることができないため、印刷設定が制限される。そのような場合、ユーザーは、直ぐに別の画像形成装置7を利用して再印刷を試みると考えられる。そのため、条件Gでは、再印刷が別の画像形成装置7で行われることを想定し、印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6で保存するようにしている。
これに対し、条件Hでは、条件Gと同様に、画像形成装置7による印刷出力時に印刷データPDに付与されている印刷設定が制限されることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを画像形成装置7に保存することが定められている。例えばユーザーが、ステープル機能を有していない画像形成装置7を利用してステープル機能に関する設定が付与された印刷データPDに基づく印刷出力を行うとき、印刷設定を変更することにより、ステープル機能に関する設定をOFFにし、代わりにパンチ機能に関する設定をONにすることがある。そのような場合、ユーザーは、ステープル機能ではなく、パンチ機能を利用することを望んでいると考えられるため、次の再印刷も同じ画像形成装置7を利用して行われる可能性が高いと言える。そのため、条件Hでは、再印刷が同じ画像形成装置7で行われることを想定し、印刷出力後の印刷データPDを画像形成装置7で保存するようにしている。
ここで条件Hは、条件Gとは同じ条件を判別し、その結果、条件Gとは異なる保存先を決定する設定となっている。そのため、図7の例では、条件Hの判別設定がOFFとなっており、保存装置決定部23による判別がなされない条件として設定されている。ただし、条件GがOFFに設定されれば、条件HをONに設定することができるようになる。
条件Iでは、データ要求を受信した時点における印刷データ保存装置6の負荷状態が所定の閾値未満であることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6に保存することが定められている。尚、負荷状態は、CPU10aの使用率、メモリ10bの占有率、待機ジョブの数などに基づいて算出される。
条件Jでは、印刷データ保存装置6がデータ要求を受信した時点における画像形成装置7の負荷状態が所定の閾値未満であることが条件として定められており、その条件に合致する場合には印刷出力後の印刷データPDを画像形成装置7に保存することが定められている。保存装置決定部23は、この条件Jを判別するとき、画像形成装置7に負荷状態を問い合わせ、画像形成装置7からの回答に基づいて判別する。
ユーザーは、上記のような条件A〜JのON/OFF設定や優先度を予め適宜設定しておくことにより、保存装置決定部23においてユーザーが所望する判別を自動で行わせることができるようになる。尚、図7に示す条件A〜Jは単なる例示であり、条件情報18には、条件A〜J以外の条件が定められていても良い。
図8は、図7とは異なる条件情報18の例を示す図である。図8に示す条件情報18には、複数の条件A〜Eが予め定められている。そして各条件A〜Eには、条件に合致する場合に行うべき次の処理と、条件に合致しない場合に行うべき次の処理とが予め定められている。保存装置決定部23は、画像形成装置7において印刷出力が行われた後に印刷データPDを保存しておく装置を決定する際に、はじめに条件Aを判別し、その判別結果に基づいて次の処理を順次行っていくことにより、印刷データPDを保存しておくべき装置を決定する。尚、図8に示す条件A〜Eも単なる例示であり、条件情報18には、条件A〜E以外の条件が定められていても良い。
保存装置決定部23は、図7に示した条件情報18及び図8に示した条件情報18のいずれを用いて印刷データPDを保存しておく装置を決定するようにしても良い。図7に示し条件情報18及び図18に示した条件情報18のいずれも、ユーザーが適宜設定することが可能である。そのため、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のうちの一方の装置に印刷データPDを保存しておくと、再印刷時に印刷出力が完了するまでの時間が延びてしまうケースが生じ得るのであれば、そのようなケースにおいて他方の装置に印刷データPDを保存できるようにした条件情報18を設定しておけば良いのである。
そして保存装置決定部23は、記憶部11に予め保存されている条件情報18を参照することにより、画像形成装置7において印刷出力が行われる際の処理状況が、ユーザーによって予め設定された各種の条件に合致するか否かを判別することにより、印刷データPDを保存しておく装置を決定する。したがって、保存装置決定部23は、画像形成装置7において印刷出力が行われる際の処理状況に応じて、印刷出力後の印刷データPDを、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれで保存するかを動的に決定することが可能となるのである。言い換えると、本実施形態では、印刷出力が行われた後の印刷データPDの保存先を印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれか一方に固定しているのではなく、画像形成装置7において印刷出力が行われるときの画像形成システム1の処理状況に応じて動的に変化させることができるのである。その結果、保存装置決定部23は、ユーザーによって予め設定される条件情報18に基づき、再印刷時に印刷出力が完了するまでの時間が延びてしまうこととなるケースを自動的に検出し、そのようなケースが生じないように、適切な保存先を決定することができる。
図9は、印刷データPDを保存している印刷データ保存装置6とユーザーが操作する画像形成装置7とが互いに連携して動作するプロセスの一例を示す図である。図9では、ユーザーが情報処理端末4を操作して送信した印刷データPDが既に印刷データ保存装置6に記憶されている状態からのプロセスを示している。ユーザーは、任意の画像形成装置7の設置場所に移動し、操作パネル12に対してログイン操作を行う。画像形成装置7は、ユーザーによって入力される情報に基づいてユーザー認証を行い、ユーザー認証の結果に基づいて動作状態をログイン状態へ移行させる(プロセスP1)。画像形成装置7は、ユーザーによるログイン状態へ移行させると、印刷データ保存装置6に対してリスト要求D1を送信する(プロセスP2)。
印刷データ保存装置6は、画像形成装置7からリスト要求D1を受信すると、リスト要求D1で指定されたユーザーが印刷出力可能な全ての印刷データPDを含む印刷データリストD2を生成し、その印刷データリストD2を画像形成装置7へ送信する(プロセスP3)。
画像形成装置7は、印刷データリストD2を受信すると、印刷データリストD2に基づいてユーザーが印刷出力可能な印刷データPDを操作パネル12の表示部12aに表示する。このとき、画像形成装置7は、自機で保存している印刷データPDの中に、ログインしたユーザーが印刷出力可能な印刷データPDがあれば、それを含めた表示画面を生成し、表示部12aに表示する。そして画像形成装置7は、操作パネル12に対して行われるユーザーの選択操作に基づき、印刷対象となる印刷データPDを選択する(プロセスP4)。そして画像形成装置7は、ユーザーによる印刷実行指示を検知すると(プロセスP5)、ユーザーによって選択された印刷データPDの保存場所を確認する。その結果、ユーザーによって選択された印刷データPDが印刷データ保存装置6に保存されている場合、画像形成装置7は、印刷データ保存装置6に対し、ユーザーによって選択された印刷データPDを指定したデータ要求D3を送信する(プロセスP3)。
印刷データ保存装置6は、画像形成装置7からデータ要求D3を受信すると、データ要求D3で指定された印刷データPDを読み出す。そして印刷データ保存装置6は、保存先決定処理を行う(プロセスP7)。この保存先決定処理では、画像形成装置7において印刷データPDに基づく印刷出力が行われた後、その印刷データPDを印刷データ保存装置6と画像形成装置7のいずれで保存しておくかを決定する処理が行われる。すなわち、印刷データ保存装置6は、保存装置決定部23を機能させ、上述した条件情報18に基づいて現在の処理状況を判別することにより、印刷データPDを保存しておく装置を、印刷データ保存装置6と画像形成装置7のいずれか一方に決定する。その結果、画像形成装置7において印刷データPDを保存しておくことに決定すると、印刷データ保存装置6は、データ要求D3で指定された印刷データPDを画像形成装置7に送信するとき、印刷データPDに保存指示D4を付加して送信する(プロセスP8)。
画像形成装置7は、印刷データ保存装置6から印刷データPDを受信すると、その印刷データPDに基づいて印刷出力を行う(プロセスP9)。このとき、画像形成装置7は、印刷データPDに付与されている印刷設定を反映された状態で印刷出力を行う。ただし、画像形成装置7においてサポートされていない機能に関する印刷設定が印刷データPDに付与されている場合、画像形成装置7はそのような印刷設定を反映させることができない。そのため、画像形成装置7は、自機でサポートしていない機能に関する印刷設定を無視して印刷出力を行うことになる。この場合、印刷データPDに付与されている印刷設定は、印刷出力時に制限されることになる。
また画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力を行う際に、ユーザーによる印刷設定の変更操作を受け付けることも可能である。そのため、印刷出力時にユーザーによる印刷設定の変更操作が行われた場合、画像形成装置7は、ユーザーによって変更された印刷設定を反映させた状態で印刷出力を行う。
画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力を完了すると、印刷データPDの送信元である印刷データ保存装置6に対し、印刷完了通知D5を送信する(プロセスP10)。この印刷完了通知D5により、印刷データ保存装置6は、画像形成装置7へ送信した印刷データPDに基づく印刷出力が完了したことを把握することができる。
また画像形成装置7は、印刷出力が完了した後、印刷データPDに保存指示D4が付加されていたか否かを判断する。その結果、印刷データPDに保存指示D4が付加されていた場合、画像形成装置7は、印刷データ保存装置6から受信した印刷データPDをその後も継続して印刷データ記憶部19に保存した状態を継続させる(プロセスP11)。そして画像形成装置7は、印刷データPDを印刷データ記憶部19に保存すると、印刷データ保存装置6に対して保存完了通知D6を送信する(プロセスP12)。
印刷データ保存装置6は、画像形成装置7から保存完了通知D6を受信すると、印刷出力された印刷データPDが画像形成装置7において正常に保存されたことを把握することができる。そのため、印刷データ保存装置6は、自機の印刷データ記憶部19に保存している印刷データPDを削除する(プロセスP13)。これにより、印刷データ保存装置6における印刷データ記憶部19の記憶領域に空きが生じるため、印刷データ保存装置6は、より多くの印刷データを記憶することができるようになる。
一方、保存先決定処理(プロセスP7)において、印刷データ保存装置6が自機において印刷データPDを保存しておくことに決定した場合、印刷データ保存装置6から画像形成装置7へ送信される印刷データPDには保存指示D4が付加されない。この場合、画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力が完了した後に、印刷データ保存装置6から受信した印刷データPDを削除する。そして印刷データ保存装置6は、画像形成装置7から印刷完了通知D5を受信した後においても自機において印刷データPDを継続して保存する。
次に印刷データ保存装置6において行われる処理手順について説明する。図10及び図11は、印刷データ保存装置6において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部10のCPU10aが印刷データ保存装置6用のプログラム17を実行することによって行われる処理であり、例えば一定時間ごとに繰り返し行われる処理である。
印刷データ保存装置6は、この処理を開始すると、情報処理端末4から送信される印刷データPDを受信したか否かを判断し(ステップS10)、印刷データPDを受信していれば(ステップS10でYES)、その印刷データPDをユーザーと関連付けて印刷データ記憶部19に保存する(ステップS11)。尚、印刷データPDを受信していない場合(ステップS10でNO)、ステップS11の処理は行われず、ステップS12へ進む。
次に印刷データ保存装置6は、他の画像形成装置7から特定のユーザーが印刷出力可能な印刷データPDのリスト要求D1を受信したか否かを判断し(ステップS12)、リスト要求D1を受信していれば(ステップS12でYES)、印刷データリストD2を作成し、その印刷データリストD2を画像形成装置7へ送信する(ステップS13)。尚、リスト要求D1を受信していない場合(ステップS12でNO)、ステップS13の処理は行われず、ステップS14へ進む。
次に印刷データ保存装置6は、画像形成装置7からデータ要求D3を受信したか否かを判断し(ステップS14)、データ要求D3を受信していれば(ステップS14でYES)、データ要求D3で指定された印刷データPDを印刷データ記憶部19から読み出す(ステップS15)。そして印刷データ保存装置6は、保存先決定処理を実行する(ステップS16)。この保存先決定処理(ステップS16)では、画像形成装置7において印刷データPDに基づく印刷出力が行われた後、その印刷データPDを印刷データ保存装置6と画像形成装置7とのいずれで保存しておくかが決定される。尚、保存先決定処理(ステップS16)の詳細な処理の一例については後述する。
印刷データ保存装置6は、保存先決定処理(ステップS16)で印刷データPDの保存先となる装置を決定すると、画像形成装置7が印刷データPDの保存先として決定されたか否かを判断する(ステップS17)。その結果、画像形成装置7が印刷データPDの保存先として決定された場合(ステップS17でYES)、印刷データ保存装置6は、ステップS15で読み出した印刷データPDに対して保存指示D4を付加する(ステップS18)。これに対し、印刷データ保存装置6が印刷データPDの保存先として決定された場合(ステップS17でNO)、ステップS18の処理は行われず、ステップS19へ進む。
そして印刷データ保存装置6は、ステップS15で読み出した印刷データPDを画像形成装置7へ送信する(ステップS19)。このとき、印刷データPDに保存指示D4が付加されていれば、印刷データPDと共に保存指示D4が画像形成装置7へ送信される。
その後、印刷データ保存装置6は、印刷データPDを送信した画像形成装置7から保存完了通知D6を受信したか否かを判断し(ステップS20)、保存完了通知D6を受信した場合には(ステップS20でYES)、印刷データ記憶部19に保存されている印刷データPDを削除する(ステップS21)。尚、保存完了通知D6を受信していない場合(ステップS20でNO)、ステップS21の処理は行われないため、印刷データ保存装置6において印刷データPDの保存状態が継続される。
このように本実施形態では、印刷データ保存装置6が、画像形成装置7に対して印刷データPDを送信する際に、印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6と画像形成装置7とのいずれに保存しておくかを決定するように構成されている。
図11は、保存先決定処理(ステップS16)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。尚、図11では、図8に示した条件情報18に基づいて保存先となる装置を決定する場合の処理を示している。印刷データ保存装置6は、この処理を開始すると、印刷データPDに基づく印刷出力のために行われる処理状況が所定条件に合致するか否かを判別する判別処理(ステップS30)を開始する。例えば、判別処理(ステップS30)では、始めにデータ要求D3の送信元である画像形成装置7が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にあるか否かが判定される(ステップS31)。画像形成装置7が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にある場合(ステップS31でYES)、次に画像形成装置7において印刷データPDに基づく印刷出力が行われる際に、印刷データPDに付与されている印刷設定が制限されるか否かが判定される(ステップS32)。印刷出力時に印刷データPDに付与されている印刷設定が制限されない場合(ステップS32でNO)、画像形成装置7の現在の負荷状態が所定の閾値未満であるか否かが判定される(ステップS33)。その結果、画像形成装置7の現在の負荷状態が所定の閾値未満である場合(ステップS33でYES)、印刷データ保存装置6は、印刷出力後の印刷データPDの保存先を、画像形成装置7に決定する(ステップS36)。
これに対し、印刷出力時に印刷データPDに付与されている印刷設定が制限される場合(ステップS32でYES)、或いは、画像形成装置7の現在の負荷状態が所定の閾値以上である場合(ステップS33でNO)、印刷データ保存装置6は、印刷出力後の印刷データPDの保存先を、印刷データ保存装置6、すなわち自機に決定する(ステップS37)。
また画像形成装置7が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にないと判定された場合(ステップS31でNO)、次に印刷データ保存装置6は、印刷データPDを保存してからの経過時間が所定時間未満であるか否かを判定する(ステップS34)。その結果、経過時間が所定時間未満である場合(ステップS34でYES)、印刷データ保存装置6は、印刷出力後の印刷データPDの保存先を、印刷データ保存装置6、すなわち自機に決定する(ステップS37)。
また印刷データPDを保存してからの経過時間が所定時間以上である場合(ステップS34でNO)、印刷データ保存装置6は、さらに印刷データPDの送信元である情報処理端末4が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にあるか否かを判定する(ステップS35)。その結果、情報処理端末4が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にある場合(ステップS35でYES)、印刷データ保存装置6は、印刷出力後の印刷データPDの保存先を、印刷データ保存装置6、すなわち自機に決定する(ステップS37)。
これに対し、情報処理端末4が印刷データ保存装置6と同一のネットワーク上にない場合(ステップS35でNO)、印刷データ保存装置6は、印刷出力後の印刷データPDの保存先を、画像形成装置7に決定する(ステップS36)。
以上のような保存先決定処理を行うことにより、印刷データ保存装置6は、画像形成装置7からデータ要求D3を受信したタイミングで、印刷出力後の印刷データPDを、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれに保存しておくかを決定することができる。その結果、画像形成装置7において印刷出力が行われた印刷データPDは、再印刷時において効率的に印刷出力を完了させることができる装置に保存されることになる。
尚、上述した判別処理(ステップS30)の詳細は、ユーザーが条件情報18を変更した場合にはそれに応じて変更される。つまり、判別処理(ステップS30)は、ユーザーによって設定される条件情報18に応じた処理手順となるため、図11に示した処理手順には限られない。
以上のように本実施形態の印刷データ保存装置6は、画像形成装置7において印刷出力が行われる際の処理状況が所定条件に合致するか否かを自動判別し、印刷データPDを印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれで保存するかを決定する保存装置決定部23を有している。そして印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のそれぞれは、画像形成装置7において印刷データPDに基づく印刷出力が行われた後、保存装置決定部23の決定結果に基づき、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7の一方で印刷データPDを保存し、他方で印刷データPDを削除するデータ管理部21,35を有している。そのため、本実施形態の画像形成システム1は、画像形成装置7で印刷データPDに基づく印刷出力が行われる際の処理状況に応じて、印刷データPDを保存しておく保存先を印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のうちから動的に選択することが可能であり、印刷データPDに基づく再印刷が行われるときに効率的に印刷出力を行うことができる装置に印刷データPDを保存しておくことができるようになるという利点がある。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、印刷データ保存装置6に保存装置決定部23が設けられており、印刷データ保存装置6が画像形成装置7からデータ要求D3を受信したタイミングで印刷データPDの保存先となる装置を決定する例を説明した。本実施形態では、印刷データPDに基づいて印刷出力を行う画像形成装置7において印刷データPDの保存先となる装置を決定する例について説明する。
図12は、第2実施形態においてクライアント機として機能する画像形成装置7の機能構成を示すブロック図である。この画像形成装置7が第1実施形態で説明したものと異なる点は、ジョブ制御部30が保存装置決定部39として機能する点である。
保存装置決定部39は、例えば画像形成装置7において印刷データPDに基づく印刷出力が完了した後に機能し、印刷データ保存装置6から取得した印刷データPDを、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれで保存しておくかを決定する。そのため、画像形成装置7の記憶部11には、保存装置決定部39が参照する条件情報18が予め記憶されている。保存装置決定部39は、印刷データPDの保存先を決定するとき、記憶部11から条件情報18を読み出し、画像形成システム1における現在の処理状況が条件情報18に定められた各種条件に合致するか否かを自動判別し、その判別結果に基づいて、印刷出力後の印刷データPDの保存先を印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれか一方に決定する。
尚、条件情報18の詳細は、第1実施形態で説明したものと同様である。また画像形成装置7におけるその他の機能構成も、第1実施形態で説明したものと同様である。
図13は、第2実施形態において印刷データPDを保存している印刷データ保存装置6とユーザーが操作する画像形成装置7とが互いに連携して動作するプロセスの一例を示す図である。図13では、ユーザーが情報処理端末4を操作して送信した印刷データPDが既に印刷データ保存装置6に記憶されている状態からのプロセスを示している。また図13において、プロセスP20〜P25までの処理は、図9に示したプロセスP1〜P6までの処理と同様であるため、説明を省略する。
印刷データ保存装置6は、画像形成装置7からデータ要求D3を受信すると、データ要求D3で指定された印刷データPDを読み出し、その印刷データPDを画像形成装置7へ送信する(プロセスP26)。画像形成装置7は、印刷データ保存装置6から印刷データPDを受信すると、その印刷データPDに基づいて印刷出力を行う(プロセスP27)。そして画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力を完了すると、印刷データPDの送信元である印刷データ保存装置6に対し、印刷完了通知D5を送信する(プロセスP28)。
また画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力を完了させると、保存先決定処理を実行する(プロセスP29)。この保存先決定処理では、第1実施形態と同様に、印刷出力が行われた印刷データPDを印刷データ保存装置6と画像形成装置7のいずれで保存しておくかを決定する処理が行われる。すなわち、画像形成装置7は、保存装置決定部39を機能させ、条件情報18に基づいて現在の処理状況を判別することにより、印刷データPDを保存しておく装置を、印刷データ保存装置6と画像形成装置7のいずれか一方に決定する。その結果、画像形成装置7において印刷データPDを保存しておくことに決定すると、画像形成装置7は、印刷データ保存装置6から受信した印刷データPDをその後も継続して印刷データ記憶部19に保存した状態を継続させる(プロセスP30)。そして画像形成装置7は、印刷データPDを印刷データ記憶部19に保存すると、印刷データ保存装置6に対して保存完了通知D6を送信する(プロセスP31)。
印刷データ保存装置6は、画像形成装置7から保存完了通知D6を受信すると、印刷出力された印刷データPDが画像形成装置7において正常に保存されたことを把握することができる。そのため、印刷データ保存装置6は、自機の印刷データ記憶部19に保存している印刷データPDを削除する(プロセスP32)。
一方、保存先決定処理(プロセスP29)において、印刷データ保存装置6に印刷データPDを保存しておくことに決定した場合、画像形成装置7は、印刷出力完了後、印刷データ保存装置6に対して保存完了通知D6を送信しない。この場合、画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力が完了した後に、印刷データ保存装置6から受信した印刷データPDを削除する。そして印刷データ保存装置6は、画像形成装置7から印刷完了通知D5を受信した後においても自機において印刷データPDを継続して保存する。
次に本実施形態の画像形成装置7において行われる処理手順について説明する。図14は、画像形成装置7において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部10のCPU10aが画像形成装置7用のプログラム17を実行することによって行われる処理であり、例えば一定時間ごとに繰り返し行われる処理である。
画像形成装置7は、この処理を開始すると、ユーザーによる操作に基づいてログイン状態へ移行させるか否かを判断する(ステップS50)。ログイン状態へ移行させる場合(ステップS50でYES)、画像形成装置7はログイン処理を行う(ステップS51)。そして画像形成装置7は、印刷データ保存装置6に対してログインしたユーザーが印刷出力可能な印刷データPDのリスト要求D1を送信し(ステップS52)、印刷データ保存装置6から印刷データリストD2を受信する(ステップS53)。画像形成装置7は、印刷データリストD2を受信すると、自機で保存している印刷データPDと組み合わせて操作パネル12の表示部12aに、ユーザーが印刷出力可能な印刷データPDのリストを表示する(ステップS54)。そしてユーザーによる印刷データPDの選択操作を検知すると(ステップS55)、画像形成装置7は、印刷対象となる印刷データPDを特定する(ステップS56)。そしてユーザーによる印刷実行指示を検知すると(ステップS57)、画像形成装置7は、ユーザーによって選択された印刷データPDの保存場所を確認し、その保存場所が印刷データ保存装置6であれば、印刷データ保存装置6に対してデータ要求D3を送信し(ステップS58)、印刷データ保存装置6から印刷対象となる印刷データPDを受信する(ステップS59)。
画像形成装置7は、印刷データPDを受信すると、その印刷データPDに基づく印刷出力を開始する(ステップS60)。そして印刷出力が完了したことを検知すると(ステップS61でYES)、画像形成装置7は、印刷データ保存装置6に対して印刷完了通知D5を送信する(ステップS62)。また画像形成装置7は、印刷データPDに基づく印刷出力が完了すると、保存先決定処理を実行する(ステップS63)。この保存先決定処理(ステップS62)の詳細は、図11を参照して説明した処理手順と同様である。したがって、画像形成装置7が印刷データPDに基づく印刷出力を行ったときの処理状況に応じて印刷データPDの保存先が印刷データ保存装置6と画像形成装置7のいずれかに一方に決定される。
画像形成装置7は、保存先決定処理(ステップS63)において決定された保存先の装置が画像形成装置7であるか否かを判断し(ステップS64)、画像形成装置7であれば(ステップS64でYES)、印刷データPDを印刷データ記憶部19に保存する(ステップS65)。そして画像形成装置7は、印刷データ保存装置6に対して保存完了通知D6を送信する(ステップS66)。これにより、印刷データ保存装置6において保存されている印刷データPDが削除される。
これに対し、印刷データPDの保存先として印刷データ保存装置6を決定した場合(ステップS64でNO)、画像形成装置7は、印刷データ保存装置6から受信した印刷データPDを削除する(ステップS67)。この場合、画像形成装置7は、保存完了通知D6を送信しないため、印刷データ保存装置6において印刷データPDの保存状態が継続される。
以上のように本実施形態では、クライアント機として機能する画像形成装置7が、印刷出力後の印刷データPDを印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のいずれで保存するかを決定する保存装置決定部39を有している。そして印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のそれぞれは、保存装置決定部39の決定結果に基づき、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7の一方で印刷データPDを保存し、他方で印刷データPDを削除するデータ管理部21,35を有している。そのため、本実施形態の画像形成システム1においても、第1実施形態と同様に、画像形成装置7で印刷データPDに基づく印刷出力が行われる際の処理状況に応じて、印刷データPDを保存しておく保存先を印刷データ保存装置6及び画像形成装置7のうちから動的に選択することが可能であり、印刷データPDに基づく再印刷が行われるときに効率的に印刷出力を行うことができる装置に印刷データPDを保存しておくことができるようになる。
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。図15は、本実施形態における画像形成システム1の概念的構成例を示す図である。この画像形成システム1は、複数の画像形成装置51〜59がネットワーク3に接続された構成である。ネットワーク3は、1つのローカルネットワークで構成されるものであっても良いし、複数のローカルネットワークが相互に接続された構成であっても良い。
この画像形成システム1では、複数の画像形成装置51〜59が3つのグループに分類されている。すなわち、画像形成装置51,52,53がグループ41に属し、画像形成装置54,55,56がグループ42に属し、画像形成装置57,58,59がグループ43に属するように分類されている。グループ41に属する3つの画像形成装置51,52,53のうち、画像形成装置51が印刷データ保存装置6として動作し、他の画像形成装置52,53がクライアント機として機能する画像形成装置7である。またグループ42に属する3つの画像形成装置54,55,56のうち、画像形成装置54が印刷データ保存装置6として動作し、他の画像形成装置55,56がクライアント機として機能する画像形成装置7である。さらにグループ43に属する3つの画像形成装置57,58,59のうち、画像形成装置57が印刷データ保存装置6として動作し、他の画像形成装置58,59がクライアント機として機能する画像形成装置7である。
上記のような画像形成システム1の場合、条件情報18には、印刷データPDを保持している印刷データ保存装置6と、ユーザーが印刷出力しようとしている画像形成装置7とが同一のグループに含まれることを判別する条件が含まれていても良い。例えば、条件情報18は、印刷データ保存装置6と画像形成装置7とが同一グループに含まれる場合に画像形成装置7を印刷データPDの保存先に決定し、印刷データ保存装置6と画像形成装置7とが異なるグループに含まれる場合に印刷データ保存装置6を印刷データPDの保存先に決定する条件である。この場合、上述した保存装置決定部23,39は、印刷データ保存装置6及び画像形成装置7がどのグループに属するかによって適切な装置に印刷データPDを保存しておくことができるようになる。
尚、本実施形態において上述した点以外については、第1実施形態で説明したものと同様である。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
例えば、上記第1乃至第3実施形態では、印刷データ保存装置6として機能する画像形成装置2にプリントサーバーの機能が搭載されている場合を例示したが、これに限られるものではない。すなわち、画像形成システム1には、上述した印刷データ保存装置6として機能する専用のプリントサーバーが設けられた構成であっても構わない。
また第1実施形態では、1つのローカルネットワーク3a,3bに1つの印刷データ保存装置6が設けられる場合を例示したが、これに限られるものでもなく、1つのローカルネットワーク3a,3bに複数の印刷データ保存装置6が設けられた構成であっても構わない。同様に、第3実施形態では、1つのグループ41,42,43に1つの印刷データ保存装置6が設けられる場合を例示したが、これに限られるものでもなく、1つのグループ41,42,43に複数の印刷データ保存装置6が設けられた構成であっても構わない。