JP2019042762A - 蒸着マスクの製造方法及び加工マスク - Google Patents

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Abstract

【課題】開口寸法のばらつきを低減すると共に加工時間の短縮化を図る蒸着マスクの製造方法及び加工マスクを提供する。【解決手段】複数の貫通孔を有する蒸着マスクの製造方法であって、加工マスク1を載置した移動装置4により加工マスクを移動開始位置に設定し、加工対象物9を載置しているステージ装置7により加工対象物をレーザ光Lの照射エリアとなる加工面での貫通孔91を形成する加工位置に位置決めし、加工マスクを移動開始位置から予め定められた加工経路に従って移動させ、加工マスクの移動に伴ってマーク領域Mを光学式のセンサ5で検出する毎にレーザ光を射出し、貫通孔を形成するまで、レーザ光が射出される毎にマーク領域に対応付けられた透光領域を透過したレーザ光を加工面に縮小投影し、予め定められた個数の貫通孔の形成が終了するまで、加工マスクの移動開始位置への設定からレーザ光の加工面への縮小投影までの一連の処理を繰り返す。【選択図】図6

Description

本発明は、パルスのレーザ光を加工対象物に照射することにより形成される複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造する方法に関し、特に、貫通孔における開口寸法のばらつきを低減すると共に加工時間の短縮化を図る蒸着マスクの製造方法及び加工マスクに係るものである。
従来から、レーザ加工用マスクを介して、レーザ光を被加工物に照射して所定の形状に形成する加工方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。ここで、上記加工方法では、被加工物をステージに載置して、そのステージを移動させてレーザ照射を行っている。
特開2008−207202号公報
しかし、上記加工方法では、ステージを移動させてレーザ照射を行なうため、レーザ照射による加工面の位置ずれに伴う開口寸法のばらつきが発生しやすいという問題を有している。ここで、有機EL(Electro Luminescence)膜等の成膜用の蒸着装置に用いる蒸着マスクは、貫通孔の開口に関し、蒸着源側が広く、基板面側が狭くなるテーパ状又は階段状であることが望ましい。そのため、貫通孔における開口寸法にばらつきが生じたものを使用すると、有機EL膜の膜厚差が生じる等の不具合が生じてしまう。
一方、特許文献1には、レーザ加工用マスクを取り付けて移動制御するマスク用ステージも開示されているが、レーザのショット毎にレーザ加工用マスクの移動と停止とを繰り返しているので加工時間が長くなるおそれがある。
そこで、本発明は、このような問題点に対処し、開口寸法のばらつきを低減すると共に加工時間の短縮化を図る蒸着マスクの製造方法及び加工マスクを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明による蒸着マスクの製造方法は、レーザ装置から射出されたパルスのレーザ光を加工対象物に照射することにより形成される複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造する方法であって、上記レーザ光を透過させる透光領域と、上記レーザ光を遮蔽する遮光領域と、上記透光領域の位置に応じて設けられ、上記レーザ光の射出タイミングを規定するマーク領域とを有し、上記透光領域が予め定められた間隔を置いて1列又は複数列に設けられ、上記加工対象物に上記貫通孔を形成するときの孔幅が、深さ方向に対して最上部よりも底部が狭くなるように、上記透光領域の入射面の開口面積が各々定められた加工マスクを載置した移動装置により、上記加工マスクを移動開始位置に設定し、上記レーザ光を上記加工マスクを介して上記加工対象物に照射するため、上記加工対象物を載置しているステージ装置により、上記加工対象物を上記レーザ光の照射エリアとなる加工面での加工位置に位置決めし、上記移動装置により、上記加工マスクを上記移動開始位置から予め定められた加工経路に従って移動させ、上記加工マスクの移動に伴って上記マーク領域を光学式のセンサで検出する毎に上記レーザ光を射出し、上記貫通孔を形成するまで、上記レーザ光が射出される毎に上記マーク領域に対応付けられた上記透光領域を透過した上記レーザ光を上記加工面に縮小投影し、予め定められた個数の貫通孔の形成が終了するまで、上記加工マスクの上記移動開始位置への設定から上記レーザ光の上記加工面への縮小投影までの一連の処理を繰り返す。
また、本発明による加工マスクは、レーザ装置から射出されたパルスのレーザ光を加工対象物に照射することにより形成される複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造するのに使用される加工マスクであって、上記レーザ光を透過させる透光領域と、上記レーザ光を遮蔽する遮光領域と、上記透光領域の位置に応じて設けられ、上記レーザ光の射出タイミングを規定するマーク領域とを有し、上記透光領域が予め定められた間隔を置いて1列又は複数列に設けられ、上記加工対象物に上記貫通孔を形成するときの孔幅が、深さ方向に対して最上部よりも底部が狭くなるように、上記透光領域の入射面の開口面積が各々定められている。
本発明の蒸着マスクの製造方法によれば、加工対象物をレーザ光の照射エリアとなる加工面での加工位置に位置決めした上で、加工マスクの移動に伴って、マーク領域を光学式のセンサで検出する毎にレーザ光を射出し、マーク領域に対応付けられた透光領域を透過したレーザ光を加工面に縮小投影するようにしているので、加工マスクの本来あるべき位置からの位置ずれが生じたとしても、その位置ずれが縮小されるので、加工対象物を移動させた場合のステージの位置ずれと比較して、開口寸法のばらつきを低減することができる。また、レーザショット毎に加工マスクの移動と停止とを繰り返す必要もないので、加工時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明の加工マスクによれば、開口寸法のばらつきを低減すると共に加工時間の短縮化を図る加工マスクを提供することができる。
第1実施形態における蒸着マスクの製造方法に使用するレーザ加工装置の構成図である。 第1実施形態における加工マスクの一例を示す平面図である。 図2のA−A線断面図である。 第1実施形態における移動装置の平面図である。 第1実施形態における移動装置の平面図である。 第1実施形態における蒸着マスクの製造方法の流れ図である。 第1実施形態におけるレーザショットのタイミングの一例を示すタイミング線図である。 第1実施形態における蒸着マスクの製造工程を説明する模式図である。 第1実施形態における蒸着マスクの製造工程を説明する模式図である。 第1実施形態における蒸着マスクを説明する図である。 第1実施形態における疑似的なテーパ形状を有する貫通孔を説明する図である。 第1実施形態における加工マスクの他の例を示す平面図である。 第2実施形態における加工マスクの一例を示す平面図である。 第2実施形態における加工マスクのグラデーション開口を説明する図である。 加工マスクの透光領域を全てグラデーション開口とした場合の蒸着マスクの開口パターンを説明する図である。 第2実施形態における蒸着マスクの製造工程を説明する模式図である。 第2実施形態における蒸着マスクの製造工程を説明する模式図である。 第2実施形態における加工マスクを使用した場合の効果を説明する図である。 第3実施形態における加工マスクの一例を示す平面図である。 図19のA−A線断面図及びレーザ照射について説明する図である。 第3実施形態における加工マスクとレーザ照射との関係を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。なお、説明をわかりやすくするため、初めに、本発明による蒸着マスクの製造方法に使用する装置構成例について説明をする。
図1は、第1実施形態における蒸着マスクの製造方法に使用するレーザ加工装置の構成図である。レーザ加工装置100は、蒸着マスクの元になる加工対象物(以下、「対象物」という。)9に対して、加工マスク1を介してレーザ光Lを照射して蒸着マスクを製造するものである。ここで、対象物9は、例えば樹脂製のフィルムであって、詳細には、ポリイミドフィルムである。なお、加工マスク1の構成については図2を用いて後述する。レーザ加工装置100は、レーザ装置2、均一化光学系3、移動装置4、フォトセンサ5、縮小光学系6、ステージ装置7及び制御部8を備える。
レーザ装置2は、レーザ発振によるパルスのレーザ光Lを予め定められた時間間隔で射出するものであって、レーザヘッド21と、レーザ電源22と、パルスジェネレータ23とを備える。レーザ装置2は、例えば、波長が355nm(第三高調波)のYAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザを用いてレーザ光Lを射出する。なお、レーザ装置2において、YAGレーザを採用したが、これに限られず、例えば、紫外領域のレーザであって、波長が308nmのエキシマレーザを採用してもよい。
レーザヘッド21は、例えばランプ励起型のYAGレーザ装置であって、レーザ電源22から制御を受ける。レーザ電源22は、制御部8からの制御信号を受信することにより、例えば、レーザヘッド21から射出されるレーザ光Lの光路を開閉するシャッタ(図示省略)の制御を行なったり、レーザ出力値を設定してレーザヘッド21に対して電力を供給したりする。パルスジェネレータ23は、制御部8からの指示(指令コマンド)によりレーザ発振のトリガ信号(トリガ信号ON)を生成する。レーザ電源22は、パルスジェネレータ23からトリガ信号を受信することで、レーザヘッド21からレーザ光L(レーザパルス)を射出可能な構成になっている。
均一化光学系3は、主に、レーザ光Lの面内エネルギー強度を均一にするものであって、例えば、ホモジナイザレンズ31と、コンデンサレンズ32等の光学素子を備える。ホモジナイザレンズ31は、レーザビームのビームプロファイルを制御する光学素子であって、ビームの中心の強度が高いガウシアン分布のビームプロファイルを均一な光強度分布のビームプロファイルに変換するものである。コンデンサレンズ32は、例えば、ホモジナイザレンズ31を透過したレーザ光Lを、加工マスク1の予め定められた領域に照射できるようにビームの断面を矩形に整形するものである。
移動装置4は、加工マスク1を移動開始位置から予め定められた加工経路上を移動させるものであって、加工マスク1を載置して移動させる駆動機構を備える。コンデンサレンズ32を透過したレーザ光Lは、ミラー33により、加工マスク1の照射領域に導かれる。移動装置4の詳細については、図4、5を用いて後述する。
フォトセンサ5は、光学式のセンサの一例であって、移動装置4に設置され、加工マスク1に設けられたショットタイミング(射出タイミング)を規定するマークMを検出するものである。マークMは、マーク領域の一例である。フォトセンサ5は、例えば、反射型光センサであって、図2に示す加工マスク1の遮光膜13とマークMとの反射率の差異に基づいて、マークMを検出する。フォトセンサ5は、加工マスク1の移動に伴ってマークMを検出する毎に、そのマークMを検出したことを示す検出信号を制御部8に送信する。
縮小光学系6は、加工マスク1を透過したレーザ光Lを対象物9の加工面に縮小投影するものであって、顕微鏡61、対物レンズ62を備える。第1実施形態では、一例として、0.1倍の縮小投影になるように設定されている。なお、縮小投影による倍率は、0.1倍に限られず、例えば、微細加工に応じて、0.1〜0.02倍の範囲で縮小投影になるように設定してもよい。また、縮小光学系6は、加工マスク1にマイクロアレイ型のレンズを採用する方式にしてもよい。
ステージ装置7は、対象物9を水平面内で移動させるものであって、具体的には、対象物9をステージ上に載置して、対象物9をレーザ光Lの照射エリアとなる加工面での加工位置に位置決めするために、一方向(矢印A1方向)に移動させて停止する。ここで、ステージ装置7は、ステージ制御部(図示省略)を備え、制御部8からの制御信号に基づいて、ステージ制御部により、ステージ上に載置された対象物9を移動させる。なお、ステージ装置7は、公知の搬送手段を適用することができる。
制御部8は、各々の装置を統合して制御するものであって、例えば、コンピュータによって実現可能となる。この場合、コンピュータは、プロセッサ、メモリ、入力装置、通信インターフェース及び表示装置等を備える。なお、制御部8は、レーザ装置2、移動装置4及びステージ装置7に制御信号等を送信するため、通信回線により接続されている。ここで、メモリには、本発明による蒸着マスクの製造方法を実行するためのプログラムが記憶されており、制御部8は、例えば、このプログラムに従って、レーザ装置2、移動装置4及びステージ装置7を統合して制御する。
詳細には、制御部8は、マークMを検出したことを示す検出信号を受信する毎に、パルスジェネレータ23を介してレーザ発振のトリガ信号を同期させることでレーザ装置2にレーザショットを実行させる。これにより、加工マスク1が移動中であっても、マークMに対応付けられた透光領域へ精度良くレーザ光Lを照射することができる。
図2は、第1実施形態における加工マスクの一例を示す平面図である。図3は、図2のA−A線断面図である。加工マスク1は、図1に示す対象物9上に照射されるレーザ光Lの照射形状を定めるものである。加工マスク1は、薄板の平板形状をしており、レーザ装置2から射出されたパルスのレーザ光Lを透過させる複数の開口10、11、12と、レーザ光Lを遮蔽する遮光膜13と、開口10、11、12の位置に応じて設けられ、レーザ光Lのショットタイミングを規定する複数のマークMとを有する。開口10、11、12は、透光領域の一例であり、遮光膜13は、遮光領域の一例であって反射膜としても機能する。
加工マスク1には、例えば、透明な石英基板14上に成膜されたクロム(Cr)又はアルミニウム(Al)等の遮光膜13が成膜されたおり、遮光膜13を除く領域に開口10、11、12及びマークMが設けられている。但し、クロム(Cr)よりもアルミニウム(Al)の方が、反射率が高いので、第1実施形態では、フォトセンサ5の使用の観点からアルミニウムを採用することが好ましい。なお、マークMの形状は、矩形に限られず、円形等、他の形状であってもよい。
詳細には、加工マスク1には、図2に示すように、一例として、加工マスク1の移動方向(Y方向)に配列ピッチwで、開口面積が3種類の開口パターン(大、中、小サイズ)として、開口10(大サイズ)が2つ、開口11(中サイズ)が2つ、開口12(小サイズ)が2つというように間隔を置いて一直線に並べて設けられている。つまり、開口10、11、12等の透光領域を透過するレーザ光Lのビームの断面積が対象物9を加工する深さ方向に応じて小さくなるように透光領域の入射面の開口面積が各々定められている。換言すると、対象物9に貫通孔を形成するときの孔幅(以下、「開口寸法」という。)が、深さ方向に対して最上部よりも底部が狭くなるように、透光領域の入射面の開口面積が各々定められている。なお、透光領域の入射面とは、透光領域におけるレーザ光Lの入射面を意味する。このような構成になっているのは、対象物9の加工深さに応じて、開口寸法を変えるためである。つまり、対象物9の貫通孔を擬似的なテーパ形状にするためである。ここで、蒸着マスクの使用に関しては、貫通孔の開口に関し、上記最上部が蒸着源側となり、上記底部が基板面側となる。
また、X方向に配列ピッチwで、同一の構成がマトリクス状に設けられている。ここで、図2に示す破線で囲まれた開口群(以下、「開口列15」という。)が、1つの列を形成し、加工マスク1では、3列の開口列15を形成している。つまり、加工マスク1では、開口面積が加工マスク1の移動開始位置からの移動方向に応じてレーザ光Lの複数ショット毎に小さくなるように形成されていることを特徴としている。換言すると、開口面積は、1列又は複数列の列方向に段階的に小さい面積を有している。これは、蒸着マスクの貫通孔が複数ショット毎に応じて段差を有する疑似的なテーパ形状に形成されることを意味する。
さらに、加工マスク1には、一例として、加工マスク1の移動方向(Y方向)に、配列ピッチwで、マークMが一直線に並べて設けられている。ここで、マークMと3列の開口列15とは、Y方向に並列に配置されている。但し、マークMを検出した後にそのマークMに対応付けられた透光領域にレーザ光Lを照射する条件を満たすように、マークMの位置が開口列15に対してずれて配置されている。つまり、加工マスク1の移動方向に最初に検出されるマークMが、移動方向に最初にレーザショットされる1行目の開口10に対応付けられており、2番目に検出されるマークMが、2回目にレーザショットされる2行目の開口10に対応付けられている。以下同様にして、6番目に検出されるマークMが、6回目にレーザショットされる6行目の開口12に対応付けられている。つまり、開口10、11、12等の透光領域の位置に応じて各々のマークMが設けられている。
図3に示すように、マークMは、遮光膜13が成膜されていないため、結果的に石英ガラスの開口を形成している。これにより、マークMは、フォトセンサ5からの光を透過させるので、フォトセンサ5は、遮光膜13の反射率との差異から、加工マスク1が移動してもマークMの位置を容易に検出することができる。なお、フォトセンサ5は、反射型光センサに限られず、透過型光センサを用いてもよい。
図4、図5は、第1実施形態における移動装置の平面図である。図4は、加工マスク1の移動開始位置を示しており、図5は、加工マスク1の移動終了位置を示している。移動装置4は、加工マスクホルダ41、加工マスク用ステージ42、X軸モータ43、駆動軸44、Y軸モータ45、駆動軸46及びフォトセンサ取付部47を備える。
加工マスクホルダ41には、加工マスク用ステージ42、X軸モータ43、駆動軸44、Y軸モータ45、駆動軸46及びフォトセンサ取付部47が設置される。加工マスク用ステージ42は、加工マスク1を載置する。X軸モータ43は、加工マスク1の設置を調整するものであって、X軸モータ43の回転により、加工マスク1は、駆動軸44によりX方向に調節可能に制御される。Y軸モータ45は、加工マスク1の移動を行なうためのものであって、Y軸モータ45の回転により、加工マスク1は図中矢印A2で示す加工経路を往復可能に走行する。フォトセンサ取付部47は、フォトセンサ5でマークMを検出可能とするために加工マスク1の上方に設置するための部材である。レーザ照射の領域48は、均一化光学系3を透過したレーザ光Lによって照射される領域を明示的に表している。
つまり、レーザ照射の領域48は、変動するのではなく一定である。ここで、マークMは、加工マスク1上のレーザ照射の領域外に設けられるように設計されており、フォトセンサ5によってマークMを検出することによって、移動する加工マスク1とレーザショットとを同期することができる。なお、このレーザ照射の領域48の鉛直下向き方向に、対象物9の貫通孔を形成する加工面が位置決めされる。このレーザ照射の領域48が縮小光学系6で縮小される加工マスク1の投影像であって、加工マスク1の開口の投影像であるレーザ光Lが加工面に照射される。すなわち、縮小投影によるレーザ加工により、貫通孔が形成される。
次に、このように構成されたレーザ加工装置100の動作及びこの装置による蒸着マスクの製造方法について説明する。
図6は、第1実施形態における蒸着マスクの製造方法の流れ図である。図7は、第1実施形態におけるレーザショットのタイミングの一例を示すタイミング線図である。図7において、(a)はフォトセンサ5が検出するフォトセンサ信号を示し、(b)はフォトセンサ信号(ON状態)に基づいて生成されるレーザ発振のトリガ信号を示し、(c)は、トリガ信号に基づくレーザ発振によりレーザショットのタイミングを示している。
ここで、第1実施形態では、説明の便宜上、ポリイミドフィルムの対象物9に対して、レーザ加工装置100により、レーザ加工が施されて、予め定められた個数の貫通孔が全て完成した状態を、蒸着マスクと称することとする。なお、第1実施形態では、ポリイミドフィルムの膜厚を、一例として、5μmとし、図2に示す3つの開口列15に対して、一行ずつレーザ照射を行なう。つまり、第1実施形態では、6回のレーザショットにより照射対象の各々の加工面において貫通孔が形成される場合について例示する。
先ず、図1に示すレーザ加工装置100の電源がオンされ、レーザ照射可能なレディ状態に移行した後、制御部8が、入力装置を介して作業者から蒸着マスクの製造の動作開始を示す指示入力を受け付ける。すると、制御部8は、蒸着マスクの製造方法を実行するためのプログラムに基づいて、図6に示す流れ図の処理を開始する。
工程S101において、制御部8は、移動装置4を介して加工マスク1を移動開始位置に設定する。具体的には、制御部8が、移動装置4に対して指示を出すことにより、移動装置4は、加工マスク1を図4に示す移動開始位置に位置決めする。但し、この工程S101では、初期状態において、加工マスク1は移動開始位置にあり、後述するように、加工マスク1が図5に示す移動終了位置にあるときに、移動装置4は、元の移動開始位置の戻す処理を行なう。
工程S102において、制御部8は、対象物9の位置決めを行なう。具体的には、先ず、制御部8がステージ装置7に対して対象物9を加工位置まで搬送させる制御信号を送信する。すると、その制御信号を受信したステージ装置7が加工位置よりも上流側の位置にある対象物9を図1に示す矢印A1方向(上流側から下流側)に搬送させる処理を開始させる。続いて、ステージ装置7は、対象物9を加工位置に位置決めする。そして、位置決めしたことを示す信号を制御部8に送信する。すると、制御部8により、工程S103に移行する。
工程S103において、制御部8は、加工マスク1の移動を開始させる。具体的には、移動装置4は、制御部8からの移動開始の指示を受けることにより、図4に示すY軸モータを回転させ、加工マスク1の移動を開始させる。ここで、レーザの繰り返し周波数を例えば50Hzとした場合、移動速度は、一例として、250mm/secとする。
工程S104において、制御部8は、ショットタイミング用のマークMについて検出の有無を判定する。図7に示すタイミング線図において、フォトセンサ5は、マークMを検出する毎に、フォトセンサ信号をONにして制御部8に送信する。このフォトセンサ信号は、検出信号の一例である。つまり、制御部8は、マークMを検出したことを示すフォトセンサ信号(ON状態)を受信しない場合には、マークMについて検出なしと判定し(工程S104:No)、フォトセンサ信号(ON状態)を受信するまで、工程S104の処理を繰り返す。つまり、フォトセンサ5は、遮光膜13からの反射光を受光している間は、マークMについて検出なしと判定することになる。一方、制御部8は、フォトセンサ信号(ON状態)を受信した場合には、マークMについて検出ありと判定し(工程S104:Yes)、工程S105の処理に移行する。
工程S105において、制御部8は、レーザ発振のトリガ信号の生成及び出力を行なう。詳細には、制御部8は、図7に示す通り、フォトセンサ信号(ON状態)を受信すると、制御部8からの指示により、パルスジェネレータ23は、トリガ信号を生成する。そして、このトリガ信号(ON状態)がレーザ電源22に出力されると、工程S106の処理に移行する。
工程S106において、制御部8は、レーザ装置2にレーザショットを実行させる。詳細には、制御部8は、図7に示す通り、フォトセンサ信号(ON状態)を受信する毎に、パルスジェネレータ23にレーザ発振のトリガ信号を同期させることでレーザ装置2のレーザ電源22にレーザショットを実行させる。このレーザショットにより、レーザヘッド21からレーザ光Lが射出されると、工程S107の処理に移行する。
工程S107において、制御部8により、射出されたレーザ光Lは、均一化光学系3を介して加工マスク1に照射される。さらに、マークMに対応付けられた透光領域を透過したレーザ光Lは縮小光学系6を介して縮小投影され、加工面に照射される。これにより、縮小投影よるレーザ加工が実行される。つまり、この縮小投影する処理は、加工マスク1の透光領域を透過したレーザ光Lを予め定められた倍率で縮小投影する縮小光学系6を介して、加工面に縮小投影されたレーザ光を照射する。そして、工程S108の処理に移行する。
工程S108において、制御部8は、現在の加工位置で貫通孔の形成が終了したか否かを判定する。終了した場合(工程S108:Yes)、工程S109の処理に移行し、終了していない場合(工程S108:No)、工程S104の処理に戻る。
図8、図9は、第1実施形態における蒸着マスクの製造工程を説明する模式図である。ここで、図8、図9では、図2に示す開口列15に着目し、加工マスク1が移動開始位置から移動終了位置まで移動した場合における対象物9の加工位置での開口の形成を時系列に示している。これにより、現在の加工位置において、貫通孔が形成される。
図8(a)は、工程S103における加工マスク1の移動開始の状態を示している。図8(b)は、実際にレーザ加工を実行する1回目のレーザショットがなされ、開口10(大サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が、レーザアブレーションにより削られた状態を表している。但し、このレーザアブレーションは、周辺が汚染されないようにレーザ出力が調整されている(以下同様)。つまり、工程S104〜工程S107の処理が実行されたことを意味する。図8(c)は、工程S108において対象物9の現在の加工位置での貫通孔の形成が終了していないため、再び、工程S104の処理に戻り、2回目のレーザショットがなされ、開口10をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が、削られた状態を表している。以下、同様にして、図8(d)は、3回目のレーザショットがなされ、開口11(中サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。図9(a)は、4回目のレーザショットがなされ、開口11(中サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。
図9(b)は、5回目のレーザショットがなされ、開口12(小サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。図9(c)は、6回目のレーザショットがなされ、開口12(小サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。図9(d)は、現在の加工位置での貫通孔の形成が終了したことを表しており、制御部8は、工程S109の処理に移行する。
工程S109において、制御部8は、加工マスク1の移動を停止させ、工程S110の処理に移行する。
工程S110において、制御部8は、予め定められた個数(全個数)の貫通孔の形成が終了したか否かを判定する。終了していない場合(工程S110:No)、工程S101に戻り、図6に示す流れ図の一連の処理を繰り返す。すなわち、制御部8は、加工マスク1を元の移動開始位置に戻し(工程S101)、対象物9を次の加工位置に移動させて位置決めする(工程S102)。図9(e)は、加工マスク1を元の移動開始位置に戻し、対象物9を次の加工位置に位置決めした状態を示している。そして、制御部8は、再度、加工マスク1の移動を開始させる(工程S103)。以下、マークMの検出がされる毎に(工程S104)、制御部8は、工程S105〜工程S107の処理を実行し、現在の加工位置での貫通孔の形成が終了すると(工程S108)、加工マスク1の移動を停止し、工程S110にて、予め定められた個数の貫通孔の形成が終了すると(工程S110:Yes)、制御部8は、図6に示す流れ図の処理を終了する。
図10は、第1実施形態における蒸着マスクを説明する図である。(a)は平面図、(b)は、A−A線断面図である。図10に示す蒸着マスク9aは、上述した蒸着マスクの製造方法において、説明をわかりやすくするため、加工マスク1を移動開始位置から3回移動させて加工した場合を例示している。この場合、蒸着マスク9aには、一例として、X方向に配列ピッチwで、Y方向に配列ピッチwで、9つ(予め定められた個数の一例)の貫通孔91が設けられている。ここで、貫通孔91の開口上部の配列ピッチw、wは、一例として、0.05mmとなっている。但し、A−A線断面図に示すように、貫通孔91は、階段状の段差を有する疑似的なテーパ形状を有する。以下、この疑似的なテーパ形状の特徴について説明する。
図11は、第1実施形態における疑似的なテーパ形状を有する貫通孔を説明する図である。(a)は、図10(b)に示す貫通孔91の拡大断面図である。(b)は、他の例における疑似的なテーパ形状を有する貫通孔の拡大断面図である。第1実施形態における蒸着マスクの製造方法では、複数の開口サイズのパターンをデザインした加工マスク1を使用しており、この加工マスク1を移動させながら、レーザ照射することによって、徐々に加工サイズを変える等、ショット毎の開口サイズを制御することが可能となる。図11(a)では、深さ方向に、距離d、d、dにおいて、開口寸法を、それぞれ、c、c、cとしている。
つまり、本製造方法では、深さ方向に応じて、貫通孔91の開口サイズを階段状の疑似的なテーパ形状にすることができる。これは、加工マスク1の開口10、11、12を透過するレーザ光Lが縮小投影され、レーザ加工されたことに基づいている。そして、本製造方法では、加工マスク1の開口面積において異なるサイズを増やすことで、段差数を増やすことが可能となる。この段差数は、疑似的なテーパ形状のテーパ角度を規定することができる。図11(a)では、テーパ角度が60°になるように、加工マスク1の開口面積のサイズや数、ショット回数等のパラメータを最適化している。つまり、テーパ角度に応じて、異なる段差数の疑似的なテーパ形状を有する貫通孔91を作ることができる。また、図11(b)に示す蒸着マスク9bの貫通孔92では、テーパ角度が45°になるように、加工マスク1の開口面積のサイズや数、ショット回数等のパラメータを最適化している。なお、テーパ角度は、用途に応じて、45°〜80°の範囲が好ましい。
以上より、第1実施形態による蒸着マスクの製造方法によれば、上述した通り、対象物9をレーザ光Lの照射エリアとなる加工面での加工位置に位置決めした上で、加工マスク1の移動に伴って、マークMをフォトセンサ5で検出する毎にレーザ光Lを射出し、縮小投影するようにしているので、蒸着マスク9aの貫通孔91における開口寸法のばらつきを低減することができる。
詳細には、第1実施形態では、加工面において、縮小光学系6により加工マスク1による投影像が0.1倍に縮小されており、加工マスク1の位置ずれの0.1倍が加工面での位置ずれとなる。例えば、加工マスク1の位置精度が1μm変動しても、加工面では0.1μmの変動に抑制される。このため、位置精度の高いレーザ加工が可能となり、開口寸法のばらつきを低減することができる。
また、第1実施形態による蒸着マスクの製造方法によれば、従来のようなレーザショット毎に加工マスクの移動と停止とを繰り返す必要もないので、加工時間の短縮化を図ることができる。そして、加工マスクの交換等も不要となり、さらに加工時間の短縮化が可能となる。これにより、コスト削減の効果も期待できる。
なお、上述した第1実施形態では、加工マスク1について、一例として、開口列15が3列となる配列マトリクスの形態を採用したが、これに限定されるものではない。
図12は、第1実施形態における加工マスクの他の例を示す平面図である。図12に示す加工マスク1aでは、開口面積が、加工マスク1aの移動方向に応じてレーザ光Lの1ショット毎に小さくなるように形成されていることを特徴とする。換言すると、開口面積は、1列の列方向に段階的に小さい面積を有している。これは、蒸着マスクの貫通孔が1ショット毎に応じて段差を有する疑似的なテーパ形状に形成されることを意味する。
ここで、加工マスク1aは、加工マスク1aの移動方向(Y方向)に、配列ピッチwで、開口面積が5種類の開口パターン17a〜17eと、遮光膜16とを有する。これらの開口パターン17a〜17eは、大きい開口から段階的に小さい開口というように、間隔を置いて一直線に並べて設けられている。なお、開口は矩形に限られず、必要に応じて円形等の形状であってもよい。さらに、加工マスク1aには、一例として、加工マスク1aの移動方向に、配列ピッチwで、マークMが一直線に並べて設けられている。なお、この移動方向に最初に検出されるマークMが、開口17aに対応付けられており、次に検出されるマークMが、開口17bに対応付けられており、以下同様にして、最後に検出されるマークMが開口17eに対応付けられている。このような構成により、1ショット毎に蒸着マスクの貫通孔において段差を形成することができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、透光領域の形状をグラデーション開口と全開口とを併用する加工マスクを採用する。グラデーション開口は、第1の開口パターンの一例であり、全開口は、第2の開口パターンの一例である。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同様にして、図1に示すレーザ加工装置100を用いることとし、相違点について主に詳述する。そこで、先ず、第2実施形態で使用する加工マスクについて説明する。
図13は、第2実施形態における加工マスクの一例を示す平面図である。図13に示す加工マスク1bは、図2に示す加工マスク1と比較して、図2に示す開口10(大サイズ)、開口11(中サイズ)が、グラデーション開口Gに置換されている点を除いて、加工マスク1と同様の構成である。
すなわち、加工マスク1bは、レーザ装置2から射出されたパルスのレーザ光Lを透過させるグラデーション開口G及び全開口である開口12(透光領域)と、レーザ光Lを遮蔽する遮光膜18と、透光領域の位置に応じて設けられ、レーザ光Lの射出タイミングを規定するマークMとを有している。そして、加工マスク1bは、透光領域が予め定められた間隔を置いて複数列(3列)で設けられ、透光領域を透過するレーザ光Lのビームの断面積が対象物9を加工する深さ方向に応じて小さくなるように透光領域の入射面の開口面積が各々定められている。換言すると、対象物9に貫通孔を形成するときの開口寸法が、深さ方向に対して最上部よりも底部が狭くなるように、透光領域の入射面の開口面積が各々定められている。ここで、グラデーション開口Gの方が、開口12よりも先にレーザ光Lを透過させる位置に配置されている点を特徴としている。
詳細には、加工マスク1bには、図13に示すように、加工マスク1bの移動方向(Y方向)に配列ピッチwで、グラデーション開口Gが4つ、開口12(小サイズ)が2つというように、これらのグラデーション開口G及び開口12が間隔を置いて一直線に並べて設けられている。また、X方向に配列ピッチwで、同一の構成がマトリクス状に設けられている。ここで、図13に示す破線で囲まれた開口群(以下、「開口列19」という。)が、1つの列を形成し、加工マスク1bでは、3列の開口列19を形成している。さらに、加工マスク1bには、加工マスク1bの移動方向に、配列ピッチw10で、マークMが一直線に並べて設けられている。なお、マークMと各開口との対応付けは、第1実施形態と同様である。
図14は、第2実施形態における加工マスクのグラデーション開口を説明する図である。(a)は、グラデーション開口Gの平面図である。(b)は、(a)に示すグラデーション開口Gの光透過率を説明する図である。グラデーション開口Gは、例えば、図14(b)に示すような光透過率が予め定められた分布を有することにより深さ方向に勾配を設けるレーザ加工が可能な構成を有している。また、開口12は、光透過率が特定の値を有することにより深さ方向に沿ってレーザ加工が可能な構成を有している。ここで、開口12の光透過率は、石英ガラスの光透過率である。
図15は、加工マスクの透光領域を全てグラデーション開口とした場合の蒸着マスクの開口パターンを説明する図である。図15では、レーザ光Lのエネルギーと蒸着マスクの底部側の開口寸法との関係を例示している。図中、(a)は、エネルギーが適正な場合を示している。一方、(b)は、エネルギー適正値より小さい場合を示し、開口寸法が設計値よりも小さくなり好ましくない。また、(c)は、エネルギー適正値より大きい場合を示し、開口寸法が設計値よりも大きくなり好ましくない。
そのため、加工マスクの透光領域を全てグラデーション開口Gとした場合、テーパ形状になりやすいという利点があるものの、レーザ光Lのエネルギーのばらつきによって、開口寸法がばらつくという問題点を有している。そこで、第2実施形態では、この問題点を解決する手段を提供する。以下、図16〜図17を用いて説明をする。
図16、図17は、第2実施形態における蒸着マスクの製造工程を説明する模式図である。図16、図17においても、第1実施形態の加工マスク1と加工マスク1bとは、構造が一部異なるだけであるので、図6に示す流れ図をそのまま適用することができる。工程S101〜S103は、第1実施形態と同様である。
図16(a)は、工程S103における加工マスク1bの移動開始の状態を示している。図16(b)は、1回目のレーザショットがなされ、グラデーション開口Gをレーザ光Lが光透過率に応じて透過し、対象物9の加工面が、レーザアブレーションにより削られた状態を表している。つまり、工程S104〜工程S107の処理が実行されたことを意味する。図16(c)は、工程S108において対象物9の現在の加工位置での貫通孔の形成が終了していないため、再び、工程S104の処理に戻り、2回目のレーザショットがなされ、グラデーション開口Gをレーザ光Lが光透過率に応じて透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。
以下、同様にして、図16(d)は、3回目のレーザショットがなされ、グラデーション開口Gをレーザ光Lが光透過率に応じて透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。図17(a)は、4回目のレーザショットがなされ、グラデーション開口Gをレーザ光Lが光透過率に応じて透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。
図17(b)は、5回目のレーザショットがなされ、開口12(小サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が削られた状態を表している。図17(c)は、6回目のレーザショットがなされ、開口12(小サイズ)をレーザ光Lが透過し、対象物9の加工面が深さ方向に沿って削られた状態を表している。したがって、開口12(小サイズ)の場合、対象物9は勾配を形成せずに鉛直下向きに削られる。図17(d)は、現在の加工位置での貫通孔の形成が終了したことを表しており、制御部8は、工程S109の処理に移行する。
工程S109において、制御部8は、加工マスク1bの移動を停止させ、工程S110の処理に移行する。
工程S110において、制御部8は、予め定められた個数の貫通孔の形成が終了したか否かを判定する。終了していない場合(工程S110:No)、工程S101に戻り、図6に示す流れ図の一連の処理を繰り返す。すなわち、制御部8は、加工マスク1bを元の移動開始位置に戻し(工程S101)、対象物9を次の加工位置に移動させて位置決めする(工程S102)。図17(e)は、加工マスク1を元の移動開始位置に戻し、対象物9を次の加工位置に位置決めした状態を示している。そして、制御部8は、再度、加工マスク1の移動を開始させる(工程S103)。以下、マークMの検出がされる毎に(工程S104)、制御部8は、工程S105〜工程S107の処理を実行し、現在の加工位置での貫通孔の形成が終了すると(工程S108)、加工マスク1の移動を停止し、工程S110にて、予め定められた個数の貫通孔の形成が終了すると(工程S110:Yes)、制御部8は、図6に示す流れ図の処理を終了する。
図18は、第2実施形態における加工マスクを使用した場合の効果を説明する図である。図18では、図15と同様、レーザ光Lのエネルギーと蒸着マスクの底部側の開口寸法との関係を例示している。図中、(a)は、エネルギーが適正な場合を示している。一方、(b)は、エネルギー適正値より小さい場合を示し、(c)は、エネルギー適正値より小さい場合を示している。ここで、上記の通り、5、6ショット目において、開口12を用いているので、エネルギーがばらついてもグラデーション開口Gを使用していないので、開口寸法のばらつきが低減されるという効果が得られる。
詳細には、グラデーション開口は、(1)開口寸法や傾斜がエネルギー強度の影響を受けやすく、(2)加工マスクの傾斜角度に制限があるという問題点を有しているが、第2実施形態よる蒸着マスクの製造方法によれば、(1)貫通孔の底部の開口部は開口サイズによって、深さ方向に沿って貫通加工するため、エネルギー変動の影響を受けにくく、(2)ショット毎に加工マスクの開口形状を変えることができるため、任意の角度のテーパ加工ができるという特徴を有している。また、グラデーション開口と全開口との開口パターンを組み合わせることによって、エネルギー変化による開口寸法の変動を抑えることができる。つまり、グラデーション開口と全開口との開口パターンの相乗効果による貫通孔を形成することができる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、加工マスクの配列マトリクスにおいて、進行方向に対して1行だけでなく複数行にわたってレーザ照射を実行できる点を特徴としている。
図19は、第3実施形態における加工マスクの一例を示す平面図である。図19に示す加工マスク1cには、加工マスク1cの移動方向(Y方向)に配列ピッチw11で、開口面積が2種類の開口パターンとして、開口111、112がそれぞれ5つというように間隔を置いて一直線に並べて設けられている。また、X方向に配列ピッチw12で、同一の構成がマトリクス状に設けられている。ここで、図19に示す破線で囲まれた開口群(以下、「開口列113」という。)が、1つの列を形成し、加工マスク1cでは、3列の開口列113を形成している。さらに、加工マスク1には、一例として、加工マスク1の移動方向に配列ピッチw13で、マークMが一直線に並べて設けられている。さらに、遮光膜110を有する。
図20は、図19のA−A線断面図及びレーザ照射について説明する図である。図20に示す通り、フォトセンサ5がマークMを検出すると、加工マスク1の移動に伴って複数行にレーザ照射可能なレーザ光Lが照射される。
図21は、第3実施形態における加工マスクとレーザ照射との関係を説明する図である。(a)〜(d)は、加工マスク1cの移動に伴うレーザ照射の時系列の変化を表している。ここで、レーザ照射のエリアは不動とし、加工マスク1cを移動させた場合について例示している。ここで、レーザ照射のエリアが、一例として40×40mmであれば、縮小光学系6で縮小される投影像は、遮光領域も含めて4.0×4.0mmとなる。但し、縮小投影による倍率は、0.1倍とする。
第3実施形態では、加工マスク1の移動に伴い複数行にわたってレーザ照射を行なうことができる。これにより、第3実施形態よる蒸着マスクの製造方法によれば、対象物の加工面では、1度に複数行をレーザ照射することが可能であるので、加工時間の短縮化をさらに図ることができるようになる。
1、1a、1b、1c…加工マスク
2…レーザ装置
3…均一化光学系
4…移動装置
5…フォトセンサ
6…縮小光学系
7…ステージ装置
8…制御部
9…加工対象物
9a…蒸着マスク
10、11、12、17a〜17e、111、112…開口
13、16、18、110…遮光膜
14…石英基板
15、19、113…開口列
21…レーザヘッド
22…レーザ電源
23…パルスジェネレータ
31…ホモジナイザレンズ
32…コンデンサレンズ
61…顕微鏡
62…対物レンズ
91、92…貫通孔
100…レーザ加工装置
M…マーク
G…グラデーション開口

Claims (4)

  1. レーザ装置から射出されたパルスのレーザ光を加工対象物に照射することにより形成される複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造する方法であって、
    前記レーザ光を透過させる透光領域と、前記レーザ光を遮蔽する遮光領域と、前記透光領域の位置に応じて設けられ、前記レーザ光の射出タイミングを規定するマーク領域とを有し、前記透光領域が予め定められた間隔を置いて1列又は複数列に設けられ、前記加工対象物に前記貫通孔を形成するときの孔幅が、深さ方向に対して最上部よりも底部が狭くなるように、前記透光領域の入射面の開口面積が各々定められた加工マスクを載置した移動装置により、前記加工マスクを移動開始位置に設定し、
    前記レーザ光を前記加工マスクを介して前記加工対象物に照射するため、前記加工対象物を載置しているステージ装置により、前記加工対象物を前記レーザ光の照射エリアとなる加工面での加工位置に位置決めし、
    前記移動装置により、前記加工マスクを前記移動開始位置から予め定められた加工経路に従って移動させ、
    前記加工マスクの移動に伴って前記マーク領域を光学式のセンサで検出する毎に前記レーザ光を射出し、
    前記貫通孔を形成するまで、前記レーザ光が射出される毎に前記マーク領域に対応付けられた前記透光領域を透過した前記レーザ光を前記加工面に縮小投影し、
    予め定められた個数の貫通孔の形成が終了するまで、前記加工マスクの前記移動開始位置への設定から前記レーザ光の前記加工面への縮小投影までの一連の処理を繰り返す、
    ことを特徴とする蒸着マスクの製造方法。
  2. レーザ装置から射出されたパルスのレーザ光を加工対象物に照射することにより形成される複数の貫通孔を有する蒸着マスクを製造するのに使用される加工マスクであって、
    前記レーザ光を透過させる透光領域と、
    前記レーザ光を遮蔽する遮光領域と、
    前記透光領域の位置に応じて設けられ、前記レーザ光の射出タイミングを規定するマーク領域とを有し、
    前記透光領域が予め定められた間隔を置いて1列又は複数列に設けられ、前記加工対象物に前記貫通孔を形成するときの孔幅が、深さ方向に対して最上部よりも底部が狭くなるように、前記透光領域の入射面の開口面積が各々定められている、
    ことを特徴とする加工マスク。
  3. 前記透光領域は、光透過率が予め定められた分布を有することにより深さ方向に勾配を形成するレーザ加工が可能な第1の開口パターンと、前記光透過率が特定の値を有することにより深さ方向に沿ってレーザ加工が可能な第2の開口パターンとで構成され、前記第1の開口パターンの方が前記第2の開口パターンよりも先に前記レーザ光を透過させる位置に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の加工マスク。
  4. 前記開口面積は、前記1列又は複数列の列方向に段階的に小さい面積を有していることを特徴とする請求項2に記載の加工マスク。
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