JP2019041558A - ブレーキ制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】走行中の列車を減速又は停止させるべき状況が発生した場合により短い制動距離にて列車を減速又は停止させることが可能なブレーキ制御システムを提供する。【解決手段】ブレーキ制御システム5は、軌道200における列車1の現在位置の線形を示す線形情報を取得するように構成された線形取得部と、特定の制動条件が成立した場合に、線形取得部により取得された線形情報に応じた制動力を示すブレーキ指令EBを出力するように構成された指令出力部と、指令出力部から出力されたブレーキ指令EBが示す制動力をブレーキ装置15に発生させるように構成されたブレーキ制御部21とを備える。【選択図】図1

Description

本開示は、列車に搭載されるブレーキ制御システムに関する。
非常ブレーキ機能を備えたブレーキ制御システムを搭載した列車が知られている。非常ブレーキ機能は、非常時に自動的に制動力を発生させて列車を停止させる機能である。
非常ブレーキ機能には、列車が停止するまでの制動距離をできるだけ小さくすることが求められる。しかし、列車においては、単純に制動力を大きくすると、車輪が軌道に対して滑る滑走が発生するおそれがある。そのため、制動力を大きくすると却って制動距離が延びるおそれがある。
これに対し、特許文献1には、列車が有する複数の車両のうち、滑走した車両の制動力を低減し、その低減した分の制動力を他の車両の制動力で補償することで、列車全体での減速度を確保する技術が記載されている。
特開2006−14543号公報
車輪の粘着状態は、軌道の線形、天候、気温などの走行条件によって変化する。そのため、特許文献1に記載されている技術では、車輪の粘着状態によっては、他の車両による制動力の補償によって当該他の車両の滑走が助長され、列車全体の制動距離が却って大きくなるおそれがある。
本開示の1つの局面は、走行中の列車を減速又は停止させるべき状況が発生した場合により短い制動距離にて列車を減速又は停止させることが可能なブレーキ制御システムを提供することを目的とする。
本開示の1つの局面におけるブレーキ制御システムは、軌道上を複数の車輪により走行するように構成された列車に搭載される。記列車は、少なくとも1つのブレーキ装置を備える。その少なくとも1つのブレーキ装置は、少なくとも1つの車輪に対して軌道との粘着に基づく制動力を発生させるように構成されている。
ブレーキ制御システムは、線形取得部と、指令出力部と、少なくとも1つのブレーキ制御部とを備える。線形取得部は、軌道における列車の現在位置の線形を示す線形情報を取得するように構成されている。指令出力部は、特定の制動条件が成立した場合に、線形取得部により取得された線形情報に応じた制動力を示すブレーキ指令を出力するように構成されている。前記少なくとも1つのブレーキ制御部は、前記少なくとも1つのブレーキ装置の作動を制御するように構成され、指令出力部から出力されたブレーキ指令が示す制動力を前記少なくとも1つのブレーキ装置に発生させるように構成されている。
このような構成によれば、特定の制動条件が成立した場合、軌道における列車の現在位置の線形に応じた制動力を示すブレーキ指令が出力される。これにより、ブレーキ制御部は、ブレーキ装置に対し、指令出力部からのブレーキ指令に基づき、列車の現在位置の線形に応じた制動力を発生させる。そのため、走行中の列車を減速又は停止させるべき状況が発生した場合により短い制動距離にて列車を減速又は停止させることが可能となる。
指令出力部は、線形情報が示す線形の曲率が大きいほど制動力が低くなるようにブレーキ指令を出力するように構成されていてもよい。この場合、列車の現在位置の曲率に応じた適切な制動力を発生させることができるため、曲線を走行中であってもより短い制動距離にて列車を減速又は停止させることができる。
ブレーキ制御システムは、さらに、粘着情報取得部を備えていてもよい。粘着情報取得部は、複数の車輪のうち少なくとも1つの車輪の、軌道に対する粘着状態を示す粘着情報を取得するように構成されている。そして、指令出力部は、線形取得部により取得された線形情報及び粘着情報取得部により取得された粘着情報に応じた制動力を示すブレーキ指令を出力するように構成されていてもよい。
この場合、線形に加えて実際の粘着状態も加味されたより適切な制動力を示すブレーキ指令が出力される。これにより、ブレーキ制御部は、ブレーキ装置に対し、指令出力部からのブレーキ指令に基づき、列車の現在位置の線形及び粘着状態に応じたより適切な制動力を発生させる。そのため、粘着状態に応じてより短い制動距離にて列車を減速又は停止させることができる。
ここで、粘着情報は、前記少なくとも1つの車輪の、軌道に対する滑走状態を示す滑走情報を含んでいてもよい。この場合、滑走状態に応じた適切な制動力を示すブレーキ指令が出力される。そのため、滑走状態に応じてより短い制動距離にて列車を減速又は停止させることができる。
滑走情報は、軌道に対する滑走の度合いを段階的に示す滑走レベルを示す情報を含んでいてもよい。この場合、指令出力部は、滑走情報に含まれている滑走レベルを示す情報に基づいて、出力させるブレーキ指令が示す制動力を容易且つ適切に決定することができる。
粘着情報に滑走情報が含まれている場合、指令出力部は、滑走情報が示す滑走状態に基づき、軌道に対する滑走の度合いが大きいほど制動力が低くなるようにブレーキ指令を出力するように構成されていてもよい。この場合、滑走の度合いに応じた適切な制動力を発生させることができるため、滑走の度合いに応じて短い制動距離にて列車を減速又は停止させることができる。
粘着情報は、前記少なくとも1つの車輪の、軌道に対する空転状態を示す空転情報を含んでいてもよい。この場合、空転状態に応じた適切な制動力を示すブレーキ指令が出力される。そのため、空転状態に応じてより短い制動距離にて列車を減速又は停止させることができる。
ここで、列車は、複数の車両を備え、前記複数の車両にそれぞれブレーキ装置が搭載されていてもよい。また、ブレーキ制御部は、前記複数の車両のそれぞれに設けられ、当該ブレーキ制御部が設けられている車両に搭載されているブレーキ装置の作動を制御するように構成されていてもよい。
このような構成において、粘着情報取得部は、複数の車両毎に粘着情報を取得するように構成されていてもよい。さらに、指令出力部は、前記複数の車両毎に、粘着情報取得部により取得された当該車両の粘着情報に応じた制動力を示すブレーキ指令を出力するように構成されていてもよい。そして、前記複数の車両のそれぞれに設けられたブレーキ制御部は、指令出力部から出力された、当該ブレーキ制御部が設けられている車両に対するブレーキ指令に基づき、そのブレーキ指令が示す制動力をブレーキ装置に発生させるように構成されていてもよい。
この場合、ブレーキ指令は、車両毎に個別に出力される。また、各車両へのブレーキ指令は、それぞれ、出力先の車両の粘着状態に応じた制動力を示すブレーキ指令である。そのため、車両毎に個別にその車両の粘着状態に応じた適切な制動力を発生させることができ、列車全体の制動距離をより短くすることが可能となる。
実施形態の列車1を示す説明図である。 各ブレーキ指令の制動力を説明するための説明図である。 粘着情報出力処理のフローチャートである。 ブレーキ指令出力処理のフローチャートである。 ブレーキ制御処理のフローチャートである。 各車両へ出力されるブレーキ指令EBの一例を示す説明図である。
以下、本開示の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[1.実施形態]
(1−1)列車の全体構成
図1に示すように、本実施形態の列車1は、複数の鉄道車両(以下、車両と略称する)100を備える。複数の車両100は、進行方向に沿って連結されている。本実施形態の列車1は、計N両の複数の車両100を備えている。図1には、N両の車両100のうち1両目の車両100−1とn両目の車両100−nとが図示されており、他の各車両100は図示が省略されている。なお、N及びnは自然数である。
各車両100には、複数の車輪110が設けられている。列車1は、複数の車輪110により軌道200上を走行するように構成されている。軌道200には、レール201が敷設されており、列車1はこのレール201上を走行する。
列車1は、不図示の集電装置および電動機を備え、不図示の架線から集電装置によって電力を集電し、その電力に基づいて電動機が駆動されることにより複数の車輪110が回転して走行するように構成されている。
各車両100には、それぞれ、ブレーキ装置15が搭載されている。各ブレーキ装置15は、当該ブレーキ装置15が搭載されている車両100の複数の車輪110に対し、軌道200との粘着(詳しくはレール201との粘着)に基づく制動力を発生させることにより、当該各車輪110の軸速度を低減するように構成されている。
各ブレーキ装置15の種類は特に限定されず、機械ブレーキでも回生ブレーキでもよく、これらを組み合わせたものでもよい。また、機械ブレーキの場合、具体的なブレーキ方式(例えば、踏面ブレーキ、ディスクブレーキ等)は何でもよい。
上記のように構成された本実施形態の列車1には、ブレーキ制御システム5が搭載されている。ブレーキ制御システム5は、特定の制動条件が成立した場合に列車1に非常用の制動力を発生させて列車1を減速又は停止させるためのシステムである。
なお、ブレーキ制御システム5は、列車1を完全に停止させずに一定速度以下まで減速させるように構成されていてもよいが、本実施形態では、列車1を完全に停止させるように構成されている。また、非常用の制動力とは、列車1を停止させるべき特定の制動条件が成立した場合に列車1を極力早く停止させるための制動力を意味する。非常用の制動力は、一般に、運転士の操作により発生する常用ブレーキの制動力よりも大きい。
列車1を停止させるべき特定の制動条件としては、例えば、地震の発生、常用ブレーキ装置の故障、保安装置の故障などが挙げられる。本実施形態では、一定レベル以上の地震が発生した場合、架線への送電が停止される。そこで、列車1においては、特定の制動条件として、少なくとも、集電装置を介して入力される架線の電圧値が一定レベル以下であること、が設定されている。つまり、列車1は、架線の電圧値が一定レベル以下になった場合に、地震が発生したことを間接的に検知し、非常用の制動力を発生させるように構成されている。
(1−2)ブレーキ制御システムの構成
ブレーキ制御システム5は、図1に示すように、集約装置10と、複数のブレーキ制御装置20とを備える。複数のブレーキ制御装置20は、車両100毎に1つずつ設けられている。各ブレーキ制御装置20は、それぞれ、当該ブレーキ制御装置20が設けられた車両100に搭載されているブレーキ装置15の作動を制御する。
なお、各ブレーキ制御装置20はいずれも基本的には同じ構成であるため、ここでは、代表として1両目の車両100−1に設けられたブレーキ制御装置20を対象としてその構成及び機能等を説明する。
図1に示すように、ブレーキ制御装置20は、ブレーキ制御部21と、粘着状態検知部22とを備える。
(1−2−1)粘着状態検知部の構成
粘着状態検知部22は、車両100−1の複数の車輪110の、軌道200に対する粘着状態を示す粘着関連情報を取得する。粘着関連情報は、本実施形態では、滑走関連情報D01と空転関連情報D02とを含む。
滑走関連情報D01は、車輪110の滑走レベルを算出するために必要な少なくとも1つの情報である。滑走レベルとは、軌道200に対する車輪110の滑走の度合いを示す指標であり、本実施形態では、滑走レベル0,1,2の三段階の何れかが算出される。
滑走レベルを算出するために必要な少なくとも1つの情報として、例えば、車輪110の回転軸速度、車輪110の回転軸減速度、車両100−1の速度(以下、車両速度と称する)、などがある。なお、車両速度として、他の車両100の速度、或いは集約装置10で検出される車両速度を代用してもよい。
空転関連情報D02は、車輪110の空転レベルを算出するために必要な少なくとも1つの情報である。空転レベルとは、軌道200に対する車輪110の空転の度合いを示す指標であり、本実施形態では、空転レベル0,1,2の三段階の何れかが算出される。空転レベルを算出するために必要な少なくとも1つの情報として、例えば、滑走レベルを算出するために必要な前述の各情報が挙げられる。
(1−2−2)ブレーキ制御部の構成
ブレーキ制御部21は、本実施形態では、CPU21a及びメモリ21bを含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ21bは、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。
メモリ21bには、各種プログラムやデータが記憶されている。メモリ21bに記憶されている各種プログラムの中には、後述する図3の粘着情報出力処理及び図5のブレーキ制御処理の各プログラムが含まれる。
ブレーキ制御部21が有する各種機能は、CPU21aがメモリ21bに格納されたプログラムを実行することにより実現される。ただし、ブレーキ制御部21が有する各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
ブレーキ制御部21は、粘着状態検知部22にて取得された粘着関連情報、即ち滑走関連情報D01及び空転関連情報D02に基づいて、滑走レベル及び空転レベルを算出する。
滑走レベルは、滑走関連情報D01に基づいて種々の方法で算出できる。例えば、回転軸減速度に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と回転軸減速度との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。回転軸減速度が大きいほど滑走レベルが高いと言える。
なお、滑走レベルは、滑走レベル0,1,2の順に滑走レベルが高い。即ち、滑走レベル0が最も滑走の度合いが小さく、滑走レベル2が最も滑走の度合いが高い。滑走が発生していない場合は、滑走レベルは滑走レベル0として算出される。
また例えば、滑走レベルは、車両速度と回転軸速度との差(以下、速度差と称する)に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と速度差との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。車両速度に対して回転軸速度が小さいほど滑走レベルが高いと言える。
また例えば、滑走レベルは、すべり率に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値とすべり率との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。なお、すべり率とは、速度差を車両速度で除算することにより得られる値であり、すべり率が大きいほど滑走レベルが高いことを示す。
空転レベルは、空転関連情報D02に基づいて種々の方法で算出できる。例えば、車両速度と回転軸速度との速度差に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と速度差との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。車両速度に対して回転軸速度が大きいほど空転レベルが高いと言える。
なお、滑走レベル及び空転レベルをそれぞれ3段階にレベル分けすることはあくまでも一例である。滑走レベル及び空転レベルは、2段階あるいは4段階以上にレベル分けしてもよい。
ブレーキ制御部21は、算出した滑走レベルを含む滑走情報D1、及び算出した空転レベルを含む空転情報D2を、集約装置10へ送信する。これら滑走情報D1及び空転情報D2は、軌道200に対する車輪110の粘着状態を示す粘着情報の一例である。
また、ブレーキ制御部21には、集約装置10から、ブレーキ指令EBが入力される。集約装置10からブレーキ制御部21へ入力されるブレーキ指令EBは、本実施形態では、4種類のブレーキ指令のうちの何れかである。具体的に、集約装置10は、特定の制動条件が成立した場合、非常ブレーキ指令EB0、第1地震ブレーキ指令EB1、第2地震ブレーキ指令EB2、及び第3地震ブレーキ指令EB3、のうちいずれか1つを出力する。
各ブレーキ指令EB0,EB1,EB2,EB3は、それぞれ、車両速度に応じて図2に例示するような減速度で車両を減速させるために必要な制動力を示す指令である。即ち、図2から明らかなように、各ブレーキ指令EB0,EB1,EB2,EB3が示す制動力は、EB0,EB1,EB2,EB3の順に大きくなる。
なお、車両速度に応じて減速力を変更させるための情報は、ブレーキ指令EBに含まれていてもよい。この場合、各ブレーキ制御部は、ブレーキ指令EBに含まれている情報に基づき、制動力を車両速度に応じて増減させてもよい。また例えば、ブレーキ指令EB自体は車両速度が考慮されておらず、各ブレーキ制御部が、車両速度を取得してその車両速度に応じてブレーキ指令EBに応じた制動力を増減させるようにしてもよい。また、車両速度に応じて制動力を変動させることは必須ではなく、車両速度にかかわらず制動力は一定となるよう、つまり図2に示す減速度が各ブレーキ指令EBとも車両速度によらず一定となるようにしてもよい。
ブレーキ制御部21は、いずれかのブレーキ指令EBが入力された場合、入力されたブレーキ指令EBが示す制動力を発生させるための作動指令をブレーキ装置15へ出力する。ブレーキ装置15は、ブレーキ制御部21から作動指令が入力されている間、作動指令が示す制動力を発生させることにより車両100−1を停止させる。
なお、ブレーキ制御部21は、入力されたブレーキ指令EBが示す制動力を、粘着状態に応じて補正し、その補正後の制動力を発生させるための作動指令をブレーキ装置15へ出力する機能も備えている。
(1−3)集約装置の構成
集約装置10は、例えば1両目の車両100−1に設けられている。集約装置10は、本実施形態では、CPU10a及びメモリ10bを含むマイクロコンピュータを備えている。メモリ10bは、例えばROM、RAM、NVRAM、フラッシュメモリなどの半導体メモリを有する。
メモリ10bには、各種プログラムやデータが記憶されている。メモリ10bに記憶されている各種プログラムの中には、後述する図4のブレーキ指令出力処理のプログラムが含まれる。
集約装置10が有する各種機能は、CPU10aがメモリ10bに格納されたプログラムを実行することにより実現される。ただし、集約装置10が有する各種機能は、プログラムの実行によって実現することに限るものではなく、その一部又は全部について、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現してもよい。
集約装置10は、線形取得機能と、非常制動条件監視機能と、指令出力機能とを備えている。
線形取得機能は、軌道200における列車1の現在位置の線形を示す線形情報を取得する機能である。集約装置10のメモリ10bには、列車1が走行する軌道200の全線の線形を示す線形情報が記憶されている。線形情報は、具体的には、曲率情報と、勾配情報とが含まれる。
また、集約装置10は、軌道200における列車1の現在位置を検知する不図示の位置検知装置を備えている。
線形取得機能は、メモリ10bに記憶されている軌道200全線の線形情報と、位置検知装置により検知された現在位置とを照合して、現在位置の線形を示す線形情報を取得する機能である。
非常制動条件監視機能は、非常用の制動力を発生させるべき特定の制動条件が成立したか否かを定期的に監視する機能である。
指令出力機能は、非常用の制動力を発生させるべき特定の制動条件が成立した場合に、後述の図4のブレーキ指令出力処理に従って、車両100毎にブレーキ指令EBを決定して、各車両100へそれぞれ対応するブレーキ指令EBを出力する機能である。
指令出力機能では、特定の制動条件が成立した場合、線形取得機能によって現在位置の線形情報を取得すると共に、各車両100から出力された各粘着情報(即ち、滑走情報D1及び空転情報D2)を取得する。
そして、線形情報及び各粘着情報に応じた制動力を示すブレーキ指令EBを決定して、各車両100へ出力する。このとき、線形情報が示す線形の曲率が大きい程(換言すれば曲線半径が小さい程)、発生させるべき制動力が小さくなるようにブレーキ指令EBが決定される。
また、滑走情報D1が示す滑走レベルが高いほど、即ち滑走の度合いが大きいほど、発生させるべき制動力が小さくなるようにブレーキ指令EBが決定される。
また、空転情報D2が示す空転レベルが高いほど、即ち空転の度合いが大きいほど、発生させるべき制動力が小さくなるようにブレーキ指令EBが決定される。
さらに、ブレーキ指令EBを決定するにあたっては、線形情報が示す現在位置の勾配も考慮される。具体的に、現在位置の下り勾配又は上り勾配が大きいほど発生させるべき制動力が小さくなるようにブレーキ指令EBが決定される。
また、メモリ10bには、軌道200上において制動力を低下させるべき特定の地点を示す情報、及びその特定の地点において制動力をどの程度低下させるべきかを示す情報(以下、まとめて特異点情報と称する)が記憶されている。そして、現在位置が特定の地点である場合は、特異点情報に応じた低い制動力を発生させるようにブレーキ指令EBが決定される。
なお、曲率、勾配、特異点情報、滑走レベル及び空転レベルの五者に基づくブレーキ指令EBの決定は、具体的には、後述する式(1)により指標値Tsを算出し、その指標値Tsに基づいて行われる。また、車両毎に個別にブレーキ指令EBを決定することは一例であり、例えば、特定の複数の車両又は全ての車両に対する共通のブレーキ指令EBを決定してもよい。
(1−4)粘着情報出力処理の説明
次に、各車両100に設けられた各ブレーキ制御部21が実行する粘着情報出力処理について、図3を用いて説明する。ブレーキ制御部21は、起動後、図3の粘着情報出力処理を周期的に繰り返し実行する。
ブレーキ制御部21は、図3の粘着情報出力処理を開始すると、S110で、粘着状態検知部22から滑走関連情報D01を取得する。S120では、粘着状態検知部22から空転関連情報D02を取得する。
S130では、S110で取得した滑走関連情報D01に基づいて滑走レベルを算出し、S120で取得した空転関連情報D02に基づいて空転レベルを算出する。そして、算出した滑走レベルを含む滑走情報D1及び算出した空転レベルを含む空転情報D2を集約装置10へ出力する。
(1−5)ブレーキ指令出力処理の説明
次に、集約装置10が実行するブレーキ指令出力処理について、図4を用いて説明する。集約装置10は、起動後、図4のブレーキ指令出力処理を周期的に繰り返し実行する。
集約装置10は、図4のブレーキ指令出力処理を開始すると、S210で、特定の制動条件が成立したか否か判断する。特定の制動条件が成立していない場合はブレーキ指令出力処理を終了する。
特定の制動条件が成立した場合は、S220で、メモリ10bから、現在位置の線形情報を取得する。即ち、前述の線形取得機能を実行する。S220の処理によって、列車1の現在位置における軌道200の曲率情報及び勾配情報が取得される。
S230では、各車両100からの各粘着情報(即ち、滑走情報D1及び空転情報D2)を取得する。
S240では、各車両100毎のブレーキ指令EBを決定する。具体的には次のように行う。曲率情報に基づいて、曲率の大きさを示す曲率因子a1を算出する。本実施形態では、曲率因子a1として、0、1、2の三段階のうちいずれかが算出される。
例えば、曲率に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と曲率との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。曲率が大きいほど曲率因子a1は大きな値をとる。逆に、曲率が0、即ち直線の場合は、曲率因子a1は0となる。
また、勾配情報に基づいて、勾配の大きさを示す勾配因子a2を算出する。本実施形態では、勾配因子a2として、0、1、2の三段階のうちいずれかが算出される。
例えば、勾配の絶対値に対して異なる2つの閾値を設定し、それら各閾値と勾配の絶対値との大小関係に基づいて、三段階のうち何れかを算出できる。勾配の絶対値が大きいほど勾配因子a2は大きな値をとる。逆に、勾配の絶対値が0、即ち水平面と平行である場合は、勾配因子a2は0となる。
また、特異点情報に基づいて、特異点因子a3を算出する。本実施形態では、特異点因子a3として、0、1、2の三段階のうちいずれかが算出される。本実施形態では、特異点情報として、特定の地点毎の特異点因子a3が予め記憶されている。そのため、現在位置が、特異点情報として記憶されている場合は、その特異点情報において設定されている特異点因子a3を取得する。なお、現在位置が特異点情報として記憶されていない場合は、特異点因子a3として0を算出する。
また、車両100毎に、当該車両100からの滑走情報D1に含まれる滑走レベルに基づいて、滑走指標b4を算出する。本実施形態では、滑走指標b4として、0、1、2の三段階のうちいずれかが算出される。滑走指標b4は、値が大きいほど滑走レベルが高いことを示す。なお、本実施形態では、前述の通り、滑走情報D1に含まれる滑走レベル自体が、滑走レベル0,1,2の三段階のいずれかの値である。そのため、滑走レベルの値をそのまま滑走指標b4として設定してもよい。
また、車両100毎に、当該車両100からの空転情報D2に含まれる空転レベルに基づいて、空転指標b5を算出する。本実施形態では、空転指標b5として、0、1、2の三段階のうちいずれかが算出される。空転指標b5は、値が大きいほど空転レベルが高いことを示す。なお、本実施形態では、前述の通り、空転情報D2に含まれる空転レベル自体が、空転レベル0,1,2の三段階のいずれかの値である。そのため、空転レベルの値をそのまま空転指標b5として設定してもよい。
このようにして算出した曲率因子a1、勾配因子a2、特異点因子a3、滑走指標b4及び空転指標b5を用いて、次式(1)により、車両100毎に指標値Tsを算出する。
Ts=K1・a1+K2・a2+K3・a3+(K4・b4+K5・b5)・・・(1)
なお、上記式(1)において、K1〜K5はそれぞれ、各因子及び各指標の重みを示す係数である。即ち、各因子及び各指標毎に、相対的に重み付けが行われ、その重み付けに応じた値の係数K1〜K5が予め設定されている。
また、上記式(1)のうち、各因子a1〜a3については、各車両100のいずれも同じ値である。一方、各指標b4、b5については、車両100毎に異なり、対応する車両100から出力された粘着情報に応じた各指標b4,b5が用いられる。
また、滑走が発生していている場合(即ち空転は発生していない場合)は、空転指標b5は0であるため、式(1)において空転指標b5の項ははじめから無視してもよい。逆に、空転が発生していている場合(即ち滑走は発生していない場合)は、滑走指標b4は0であるため、式(1)において滑走指標b4の項ははじめから無視してもよい。
上記式(1)によって算出される指標値Tsは、各因子及び各指標に応じた値となる。即ち、曲率因子a1が大きいほど(つまり曲率が大きいほど)指標値Tsは大きい値となる。また、勾配因子a2が大きいほど(つまり勾配の絶対値が大きいほど)指標値Tsは大きい値となる。また、特異点因子a3が大きいほど指標値Tsは大きい値となる。また、滑走指標b4が大きいほど(つまり滑走レベルが高いほど)指標値Tsは大きい値となる。また、空転指標b5が大きいほど(つまり空転レベルが高いほど)指標値Tsは大きい値となる。
式(1)により指標値Tsを算出したら、その指標値Tsに基づいて、ブレーキ指令EBを決定する。具体的に、本実施形態では、指標値Tsに対し、第1閾値及び第2閾値を設定する。第2閾値は第1閾値よりも大きく、例えば、第2閾値は「2」で第1閾値は「1」である。
そして、指標値Tsが第1閾値より小さい場合は、ブレーキ指令EBとして、第1地震ブレーキ指令EB1に決定する。指標値Tsが第1閾値以上であって且つ第2閾値より小さい場合は、ブレーキ指令EBとして、第2地震ブレーキ指令EB2に決定する。指標値Tsが第2閾値以上である場合は、ブレーキ指令EBとして、第3地震ブレーキ指令EB3に決定する。
なお、本実施形態では、特定の少なくとも1つの車両100に対しては、指標値Tsにかかわらず、制動力が最も小さい非常ブレーキ指令EB0に決定される。具体的に、本実施形態では、図6に例示するように、走行方向先頭から2両の車両100−1及び車両100−2に対しては、これら各車両100−1,100−2の各指標値Tsにかかわらず、ブレーキ指令EBとして非常ブレーキ指令EB0が出力される。一方、走行方向先頭から3両目以後の各車両100(即ち車両100−3〜車両100−N)に対しては、ブレーキ指令EBとして、各地震ブレーキ指令EB1,EB2,EB3のうちそれら各車両の指標値Tsに応じた指令が決定されて出力される。図6は、3両目以後の各車両100のいずれに対しても第2地震ブレーキ指令EB2が出力されている例を示している。
S240で車両100毎のブレーキ指令EBを決定したら、S250で、その決定した各ブレーキ指令EBを各車両100へ出力する。S260では、制動解除条件、即ちブレーキ指令EBの出力を停止させるべき条件が成立したか否か判断する。制動解除条件は適宜設定してもよい。例えば、列車1が停止したこと、であってもよい。
制動解除条件が成立していない場合はS250に戻り、ブレーキ指令EBの出力を継続する。制動解除条件が成立した場合は、S270で、ブレーキ指令EBの出力を停止して、ブレーキ指令出力処理を終了する。
(1−6)ブレーキ制御処理の説明
次に、各車両100に設けられた各ブレーキ制御部21が実行するブレーキ制御処理について、図5を用いて説明する。ブレーキ制御部21は、起動後、図5のブレーキ制御処理を周期的に繰り返し実行する。
ブレーキ制御部21は、図5のブレーキ制御処理を開始すると、S310で、集約装置10からブレーキ指令EBが入力されているか否か判断する。ブレーキ指令EBが入力されていない場合はブレーキ制御処理を終了する。ブレーキ指令EBが入力されている場合は、S320に進む。
S320では、ブレーキ指令EBに応じた作動指令をブレーキ装置15へ出力する。これにより、ブレーキ装置15は、ブレーキ指令EBが示す制動力を発生させる。
S330では、粘着状態検知部22からの滑走関連情報D01に基づいて、滑走の度合いを判定する。ここでは、例えば、前述の滑走レベルに基づいて滑走の度合いを判定してもよい。例えば、滑走レベルが0である場合は滑走の度合いが低いと判定し、滑走レベルが1である場合は滑走の度合いが中程度であると判定し、滑走レベルが2である場合は滑走の度合いが高いと判定してもよい。
S340では、S330で判定した滑走の度合いに応じて、ブレーキ装置15へ出力する作動指令を変更する。例えば、滑走の度合いが高い場合は、制動力が一定レベル下がるように作動指令を変更し、滑走の度合いが中程度又は低い場合は、作動指令を変更しないようにしてもよい。また例えば、滑走の度合いが中程度である場合も制動力が一定レベル下がるように作動指令を変更してもよい。その他、滑走の度合いに応じて作動指令をどのように変更するかについては適宜決めてよい。
S350では、ブレーキ指令EBの入力が継続しているか否か判断する。入力が継続している場合はS330に戻る。ブレーキ指令EBが入力されていない場合は、ブレーキ制御処理を終了する。
(1−7)実施形態の効果
以上説明した実施形態によれば、以下の(1a)〜(1e)の効果を奏する。
(1a)集約装置10は、特定の制動条件が成立した場合、軌道200における列車1の現在位置の線形に応じた制動力を示すブレーキ指令EBを出力する。これにより、各車両100のブレーキ制御部21は、ブレーキ装置15に対し、集約装置10からのブレーキ指令EBに基づき、列車1の現在位置の線形に応じた制動力を発生させる。そのため、走行中の列車1を減速又は停止させるべき状況が発生した場合により短い制動距離にて列車1を減速又は停止させることが可能となる。
(1b)集約装置10は、線形の曲率が大きいほど制動力が低くなるよう、且つ線形の勾配の絶対値が大きいほど制動力が低くなるように、ブレーキ指令EBを出力する。そのため、列車1の現在位置の曲率及び勾配に応じた適切な制動力を発生させることができ、曲線区間及び勾配がある区間の少なくとも一方を走行中であってもより短い制動距離にて列車1を減速又は停止させることができる。
(1c)集約装置10は、線形情報に加えて、各車両100の粘着状態も考慮して、ブレーキ指令EBを決定する。そのため、各ブレーキ制御部21は、ブレーキ装置15に対し、入力されるブレーキ指令EBに基づき、列車1の現在位置の線形及び粘着状態に応じたより適切な制動力を発生させることができる。
(1d)集約装置10は、各車両の粘着状態として、滑走状態及び空転状態を取得し、これらに応じてブレーキ指令EBを決定する。そのため、各車両の滑走状態及び空転状態にかかわらずより短い制動距離にて列車1を減速又は停止させることができる。
(1e)集約装置10は、各車両100からの粘着情報に基づいて、車両毎に個別にブレーキ指令EBを決定し、出力する。これにより、例えば、ある特定の車両100のみ滑走が発生していて他の各車両100は滑走が発生していない場合は、その特定の車両100の制動力が他の各車両100の制動力よりも低くなるように各車両100のブレーキ指令EBが生成される。
つまり、車両100毎に個別にその車両の粘着状態に応じた適切な制動力を発生させることができ、これにより、列車1全体の制動距離をより短くすることが可能となる。
なお、集約装置10は、本開示における指令出力部の一例に相当する。また、集約装置10及び各車両100の各粘着状態検知部22は、は本開示における線形取得部及び粘着情報取得部の一例に相当する。
[2.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(2−1)各車両100から集約装置10へ出力される粘着情報は、滑走情報D1及び空転情報D2のうち何れか一方のみであってもよい。また、粘着情報は、滑走情報D1及び空転情報D2以外の他の情報を含んでいてもよい。
(2−2)ブレーキ指令EBの決定方法として、上記式(1)を用いて指標値Tsを算出し、その指標値Tsに基づいてブレーキ指令EBを決定する方法は、一例である。ブレーキ指令EBは、他の方法を用いて決定してもよい。
各因子a1〜a3及び各指標b4,b5が三段階にレベル分けされていることは一例である。各因子a1〜a3及び各指標b4,b5は、二段階にレベル分けされていてもよいし、4段階以上にレベル分けされていてもよい。
また、上記式(1)においては、ブレーキ指令EBを決定するにあたり、曲率、勾配、特異点情報、滑走レベル及び空転レベルが考慮されたが、これらのうちいずれか4つ以下を考慮してブレーキ指令EBを決定してもよい。あるいは、上記以外のパラメータを考慮してブレーキ指令EBを決定してもよい。
(2−3)ブレーキ指令EBを生成する際に取得する列車1の現在位置の線形情報について、どこを基準にして現在位置を特定するかについては、適宜決めてよい。例えば、位置検知装置において予め現在位置の基準が決められている場合は、その基準に従った現在位置を位置検知装置から取得するようにしてもよい。
また、現在位置の線形情報は、必ずしも位置検知装置で検知された現在位置そのものの線形情報に限らない。検知された現在位置の近傍の線形情報を取得し、その線形情報に基づいてブレーキ指令EBを決定してもよい。例えば、取得された現在位置よりも一定距離先の線形情報を取得し、その線形情報に基づいてブレーキ指令EBを決定してもよい。
(2−4)線形情報が集約装置10のメモリ10bに記憶されていることは一例である。線形情報はどこから取得できてもよい。例えば、集約装置10とは別の装置から取得してもよい。また例えば、地上側とのデータ通信によって取得できてもよい。
(2−5)図6では、先頭側の2つの車両100−1,100−2に対しては一律に非常ブレーキ指令EB0を出力し、3両目以降の車両100に対して、式(1)により算出された指標値Tsに基づくブレーキ指令EBを出力する例を示したが、このような出力方法は一例である。粘着状態を考慮せず一律に非常ブレーキ指令EB0を出力する車両は他の車両であってもよい。また、全ての車両100に対し,式(1)により算出された指標値Tsに基づくブレーキ指令EBを出力してもよい。
(2−6)集約装置10は、複数の車両に対して共通のブレーキ指令EBを決定して出力するようにしてもよい。即ち、複数の車両のうち少なくとも1つから滑走情報を取得し、その取得した滑走情報及び線形情報に基づいて、複数の車両に出力すべき1つのブレーキ指令EBを決定して、その決定した同じ1つのブレーキ指令EBを複数の車両へ出力してもよい。
列車1が備える全ての車両に対して同じ1つのブレーキ指令EBを決定して出力してもよい。つまり、列車1全体の1つのブレーキ指令EBを決定して、その1つのブレーキ指令を、全てのブレーキ制御部21へ出力するようにしてもよい。その場合、特定の1つ又は複数の車両における粘着情報を考慮してもよいし、全ての車両の粘着情報を総合的に勘案してもよい。例えば、特定の複数の車両あるいは全ての車両の滑走レベルを平均化し、その平均値に基づいて全車両共通のブレーキ指令EBを決定してもよい。
(2−7)列車1が備える車両100の数は、複数に限らず、1両であってもよい。また、列車1は、動力源として電動機を備えた列車に限定されない。本開示は、電動機以外の動力源で走行するように構成された他の列車に対しても適用可能である。
(2−8)集約装置10は、ブレーキ指令EBを出力した後も、その後の線形情報や粘着情報に応じて、ブレーキ指令EBを変更してもよい。例えば、図4においてS260で制動解除条件がまだ成立していない場合、S220に戻り、あらためて、線形情報及び粘着情報に基づいてブレーキ指令EBを決定するようにしてもよい。
(2−9)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。
1…列車、5…ブレーキ制御システム、10…集約装置、10a,21a…CPU、10b,21b…メモリ、15…ブレーキ装置、20…ブレーキ制御装置、21…ブレーキ制御部、22…粘着状態検知部、100…車両、110…車輪、200…軌道、201…レール。

Claims (8)

  1. 軌道上を複数の車輪により走行するように構成された列車に搭載されるブレーキ制御システムであって、
    前記列車は、少なくとも1つの前記車輪に対して前記軌道との粘着に基づく制動力を発生させるように構成された、少なくとも1つのブレーキ装置を備え、
    当該ブレーキ制御システムは、
    前記軌道における前記列車の現在位置の線形を示す線形情報を取得するように構成された線形取得部と、
    特定の制動条件が成立した場合に、前記線形取得部により取得された前記線形情報に応じた制動力を示すブレーキ指令を出力するように構成された指令出力部と、
    前記少なくとも1つのブレーキ装置の作動を制御するように構成された少なくとも1つのブレーキ制御部であって、前記指令出力部から出力された前記ブレーキ指令が示す前記制動力を前記少なくとも1つのブレーキ装置に発生させるように構成された少なくとも1つのブレーキ制御部と、
    を備えるブレーキ制御システム。
  2. 請求項1に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記指令出力部は、前記線形情報が示す前記線形の曲率が大きいほど制動力が低くなるように前記ブレーキ指令を出力するように構成されている、
    ブレーキ制御システム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記複数の車輪のうち少なくとも1つの車輪の、前記軌道に対する粘着状態を示す粘着情報を取得するように構成された粘着情報取得部を備え、
    前記指令出力部は、前記線形取得部により取得された前記線形情報及び前記粘着情報取得部により取得された前記粘着情報に応じた制動力を示す前記ブレーキ指令を出力するように構成されている、
    ブレーキ制御システム。
  4. 請求項3に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記粘着情報は、前記少なくとも1つの車輪の、前記軌道に対する滑走状態を示す滑走情報を含む、ブレーキ制御システム。
  5. 請求項4に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記滑走情報は、前記軌道に対する滑走の度合いを段階的に示す滑走レベルを示す情報を含む、ブレーキ制御システム。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記指令出力部は、前記滑走情報が示す前記滑走状態に基づき、前記軌道に対する滑走の度合いが大きいほど前記制動力が低くなるように前記ブレーキ指令を出力するように構成されている、ブレーキ制御システム。
  7. 請求項3〜請求項6のいずれか1項に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記粘着情報は、前記少なくとも1つの車輪の、前記軌道に対する空転状態を示す空転情報を含む、ブレーキ制御システム。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のブレーキ制御システムであって、
    前記列車は、複数の車両を備え、
    前記複数の車両には、それぞれ、前記ブレーキ装置が搭載されており、
    前記ブレーキ制御部は、前記複数の車両のそれぞれに設けられ、当該ブレーキ制御部が設けられている前記車両に搭載されている前記ブレーキ装置の作動を制御するように構成されており、
    前記粘着情報取得部は、前記複数の車両毎に前記粘着情報を取得するように構成されており、
    前記指令出力部は、前記複数の車両毎に、前記粘着情報取得部により取得された当該車両の前記粘着情報に応じた制動力を示す前記ブレーキ指令を出力するように構成されており、
    前記複数の車両のそれぞれに設けられた前記ブレーキ制御部は、前記指令出力部から出力された、当該ブレーキ制御部が設けられている前記車両に対する前記ブレーキ指令に基づき、そのブレーキ指令が示す制動力を前記ブレーキ装置に発生させるように構成されている、
    ブレーキ制御システム。
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