JP2019041168A - 撮像装置およびその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】分割露光時に被写体が動いた場合であっても高品位な画像を撮影可能にする撮像装置を提供すること。【解決手段】撮像装置10は、1撮影周期において複数回の露光と非露光とを繰り返し、第1の画像および第2の画像を取得する撮像素子184と、第2の画像に基づいて被写体の像面上の速度を検出し、撮像素子184における露光を制御するシステム制御部178と、を備え、システム制御部178は、被写体の像面上の速度に応じて、第1の画像を生成するための露光を制御する。【選択図】図3
Description
本発明は、撮像装置およびその制御方法に関する。
従来、デジタルカメラなどの撮像装置において、非常に明るい環境下での撮影のために、撮影光量の透過率を低下させて撮影する技法が知られている。減光は、明るい環境下であっても絞りを開いて被写界深度の浅い被写体表現を実現するため、あるいは長秒露光を行っても飽和を発生させずに、例えば滝の水など、被写体の動いた軌跡を表現するために行われる。減光を行う方法として、NDフィルタを用いる方法が知られている。また、特許文献1は、撮像素子の露光時間を時間で分割して減光する技術を開示している。
しかしながら、特許文献1の撮像装置では、分割露光により取得した複数の画像データを加算合成することで減光した画像データを取得しており、動く被写体を撮影した場合、被写体の動きが途切れ、不自然な画像となってしまうという恐れがある。
本発明は、分割露光時に被写体が動いた場合であっても高品位な画像を撮影可能にする撮像装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の撮像装置は、1撮影周期において複数回の露光と非露光とを繰り返し、第1の画像および第2の画像を取得する撮像手段と、前記第2の画像に基づいて被写体の像面上の速度を検出する検出手段と、前記撮像手段における露光を制御する制御手段と、を備える。前記制御手段は、前記被写体の像面上の速度に応じて、前記第1の画像を生成するための露光を制御する。
本発明によれば、分割露光時に被写体が動いた場合であっても高品位な画像を撮影可能にする撮像装置を提供することができる。
(第1実施形態)
図1は、撮像装置10の外観図である。図1(A)は撮像装置10の正面図、図1(B)は撮像装置10の背面図である。撮像装置10は、例えば、静止画及び動画の撮影が可能なデジタルモーションカメラである。本実施形態では、撮像装置本体とレンズが一体となった撮像装置の例を説明するがこれに限られるものではなく、例えば、レンズ交換式のデジタル一眼カメラであってもよい。撮像装置10は、撮像装置本体151、撮像光学系152、表示部153、スイッチST154およびプロペラ162を備える。また、撮像装置10は、スイッチMV155、選択レバー156、メニューボタン157、アップスイッチ158、ダウンスイッチ159、ダイアル160および再生ボタン161を備える。
図1は、撮像装置10の外観図である。図1(A)は撮像装置10の正面図、図1(B)は撮像装置10の背面図である。撮像装置10は、例えば、静止画及び動画の撮影が可能なデジタルモーションカメラである。本実施形態では、撮像装置本体とレンズが一体となった撮像装置の例を説明するがこれに限られるものではなく、例えば、レンズ交換式のデジタル一眼カメラであってもよい。撮像装置10は、撮像装置本体151、撮像光学系152、表示部153、スイッチST154およびプロペラ162を備える。また、撮像装置10は、スイッチMV155、選択レバー156、メニューボタン157、アップスイッチ158、ダウンスイッチ159、ダイアル160および再生ボタン161を備える。
撮像装置本体151は、内部に撮像素子やシャッター装置を収納した撮像装置10の本体部である。撮像光学系152は、内部にレンズや絞りを有した撮像光学系である。表示部153は、撮影情報や映像を表示するための可動式の表示部である。表示部153は、ダイナミックレンジの広い映像の輝度範囲を抑制することなく表示できるだけの表示輝度範囲を有している。スイッチST154は、主に静止画の撮影を行うために使用するシャッターボタンである。プロペラ162は、空中からの撮影を行うために撮像装置10を空中に浮上させるためのプロペラである。
スイッチMV155は、動画撮影を開始および停止するためのボタンである。選択レバー156は、撮影モードを選択するための撮影モードの選択レバーである。メニューボタン157は、撮像装置10の機能設定を行う機能設定モードへ移行するためのメニューボタンである。アップスイッチ158およびダウンスイッチ159は、各種の設定値を変更するためのアップダウンスイッチである。ダイアル160は、各種の設定値を変更するためのダイアルである。再生ボタン161は、撮像装置10内の記録媒体に記録されている映像を表示部153上で再生する再生モードへ移行するためのボタンである。
図2は、撮像装置10の概略構成を示すブロック図である。撮像装置10は、撮像光学系152、絞り181、絞り制御部182、光学フィルタ183、撮像素子184、デジタル信号処理部187、タイミング発生部189およびシステム制御部178を備える。また、撮像装置10は、表示I/F191、表示部153、記録I/F192、記録媒体193、無線I/F198、プリントI/F194および外部I/F196を備える。また、撮像装置10は、映像メモリ190、スイッチ入力部179、飛行制御装置200を備える。
撮像光学系152は、被写体の光学像を撮像素子184に結像させる。光軸180は、撮像光学系152の光軸である。絞り181は、撮像光学系152を通る光の量を調節するための絞りであり、絞り制御部182により制御される。光学フィルタ183は、撮像素子184に入射する光の波長および撮像素子184に伝達する空間周波数を制限する。撮像素子184は、撮像光学系152を介して結像された被写体の光学像を光電変換部において電気的な映像信号(信号電荷)に変換する。撮像素子184は、Ultra High Definition Televisionの規格を満たすに十分な画素数、信号読み出し速度、色域、ダイナミックレンジを有している。
デジタル信号処理部187は、撮像素子184から取得したデジタル映像データに各種の補正を行った後に、映像データを圧縮する。タイミング発生部189は、撮像素子184およびデジタル信号処理部187に各種タイミング信号を出力し、各種タイミングを制御する。システム制御部178は、各種演算を行い、撮像装置10全体を制御するCPUである。さらに、システム制御部178は、デジタル信号処理部187で処理した画像から被写体を特定して、被写体の像面上の移動速度を検出することにも使われる。すなわち、デジタル信号処理部187およびシステム制御部178は、撮影結果から被写体の像面上の移動速度を検出する速度検出手段の機能を有する。
表示I/F191は、表示部153に撮影された映像を表示するためのインターフェースである。表示部153は、液晶ディスプレイ等の表示部である。記録I/F192は、記録媒体193に記録または読み出しを行うためのインターフェースである。記録媒体193は、映像データや付加データ等を記録するためのメモリ等の着脱可能な記録媒体である。無線I/F198は、外部のネットワーク199と通信するためのインターフェースである。ネットワーク199は、インターネットなどのコンピュータネットワークである。プリントI/F194は、撮影された映像を外部のプリンタ195に出力し印刷するためのインターフェースである。プリンタ195は、小型インクジェットプリンタ等のプリンタである。外部I/F196は、外部装置197等と通信するためのインターフェースである。外部装置197は、コンピュータやテレビなどの画像を表示可能な装置である。
映像メモリ190は、映像データを一時的に記憶する。スイッチ入力部179は、スイッチST154やスイッチMV155や各種モードの切り替えを行う複数のスイッチを含み、撮影者による操作を受け付ける。また、スイッチ入力部179は、光量制限量であるND(Neutral Density)の段数設定を受け付ける、光量の設定部としての機能も有する。ND段数(減光段数)は、光学濃度(光透過率)に対応する値である。飛行制御装置200は、空中からの撮影を行うための飛行制御装置である。
図3は、撮像素子184の画素の構成を示す回路図である。撮像素子184は、2次元配列された多数の画素要素(画素部)を有している。図3では、撮像素子184の多数の画素要素のうち、1行1列目(1,1)の画素要素50と、最終行であるm行1列目(m、1)の画素要素51を示している。画素要素50と画素要素51の構成は同じであるため、各画素の各構成要素には同じ符号を付している。
撮像素子184の1つの画素要素では、1つのフォトダイオード500に対して2つ信号保持部(第1の信号保持部507Aおよび第2の信号保持部507B)を有している。各信号保持部は異なるタイミングで電荷を蓄積して、異なる画像を読み出すことが可能である。本実施形態においては、第1の信号保持部507Aが撮影用の信号電荷を蓄積し、第2の信号保持部507Bが被写体の速度検出用の信号電荷を蓄積する。すなわち、撮影用の画像(第1の画像)は、第1の信号保持部507Aに蓄積された信号電荷から生成され、被写体の速度検出用の画像(第2の画像)は、第2の信号保持部507Bに蓄積された信号電荷から生成される。
信号保持部を有する撮像素子184の基本構造は、本出願人により特開2013−172210号公報にて開示されているので、説明は省略する。本実施形態の撮像素子184は、1つのフォトダイオード500に対して2つの信号保持部を有しているため、S/Nの低下を伴わずに蓄積期間の異なる二つの画像を読み出すことが可能となっている。なお、本実施形態では信号保持部が2つある例を説明するが、これに限られるものではなく、信号保持部は複数あってもよい。
画素要素50は、光電変換部であるフォトダイオード500、第1の信号保持部507Aおよび第2の信号保持部507Bを有する。また、画素要素50は、第1の転送トランジスタ501A、第2の転送トランジスタ502A、第3の転送トランジスタ501B、第4の転送トランジスタ502Bおよび第5の転送トランジスタ503を有する。また、画素要素50は、リセットトランジスタ504、増幅トランジスタ505、選択トランジスタ506およびフローティングディフュージョン領域508を有している。さらに、画素要素50には、電源線520、電源線521および信号出力線523が含まれる。
第1の転送トランジスタ501Aは、転送パルスφTX1Aによって制御される。第2の転送トランジスタ502Aは、転送パルスφTX2Aによって制御される。第3の転送トランジスタ501Bは、転送パルスφTX1Bによって制御される。第4の転送トランジスタ502Bは、転送パルスφTX2Bによって制御される。第5の転送トランジスタ503は、転送パルスφTX3によって制御される。リセットトランジスタ504は、リセットパルスφRESによって制御される。選択トランジスタ506は、選択パルスφSELによって制御される。ここで、各制御パルスは、不図示の垂直走査回路から送出される。
第5の転送トランジスタ503を制御する転送パルスφTX3により、フォトダイオード500をリセット状態として、蓄積開始のタイミングを決定する。また、第1の転送トランジスタ501Aを制御する転送パルスφTX1Aにより、フォトダイオード500に蓄積された電荷が第1の信号保持部507Aへ転送されるタイミングを決定する。第3の転送トランジスタ501Bを制御する転送パルスφTX1Bにより、フォトダイオード500に蓄積された電荷が第2の信号保持部507Bへ転送されるタイミングを決定する。ここで各制御パルスは、不図示の垂直走査回路から送出される。
図4は、1回の撮影における露光から読み出しまでを示すシーケンス図である。横方向に時間の流れを示しており、1行目と記した行は、1行1列目(1,1)の画素要素におけるシーケンスを示し、m行目までを表わしている。全露光時間Tcは、1撮影周期に相当する。全露光時間Tc内では、1行目からm行目まで同じシーケンスとなっている。全露光時間Tcより右側は、信号読み出しを示しており、1行目からm行目まで順次読みだすシーケンスとなっている。図4において、右上向きの斜線は撮影用露光を示し、横線は速度検出用露光を示す。小さなドットは撮影用転送を示し、大きなドットは速度検出用転送を示す。左上向きの斜線は撮影用読出しを示し、縦線は速度検出用読出しを示す。
本実施形態においては、全露光時間Tcを分割して2段のND効果を持たせた撮影について説明する。分割された一回分の露光を第1の露光時間T1eとする。第1の露光時間T1eは、撮影用の露光時間である。第1の露光時間T1eは、転送パルスφTX3によりフォトダイオード500をリセットして蓄積を開始し、転送パルスφTX1Aにより電荷を第1の信号保持部507Aへ転送するまでの時間を表わす。一方、第1の非露光時間T1dは、分割された一回分の撮影用の露光をしていない時間である。第1の非露光時間T1dは、その直前の転送パルスφTX1Aによる転送の後から、次の転送パルスφTX1Aによる転送の事前に行う転送パルスφTX3によるリセット後の蓄積開始までの時間のことである。
第1の露光時間T1eでフォトダイオード500に得られた電荷は、その都度、第1の信号保持部507Aへ転送される。全露光時間Tcが完了すると、複数回の第1の露光時間T1eで蓄積された全ての電荷が第1の信号保持部507Aへ転送された状態となる。第1の信号保持部507Aに蓄積された信号読み出しは、全露光時間Tc終了後に行われ、撮影用の画像が生成される。
転送回数dは、1撮影周期(全露光時間Tc)における、フォトダイオード500から第1の信号保持部507Aへの信号電荷の転送回数、すなわち撮影用の露光の回数を表している。本実施形態において、フォトダイオード500から第1の信号保持部507Aへの信号電荷の転送は、ND効果を得るために1撮影周期中(全露光時間Tc)に2回以上行われる。図4においては、全露光時間Tcの間に、第1の露光時間T1eと第1の非露光時間T1dを8回繰り返している。したがって、フォトダイオード500から第1の信号保持部507Aへの電荷の転送回数dは8回である。
2段のND効果を得るために、Tc/(2^2段)=ΣT1eという関係になっている。ここでΣは、複数回の第1の露光時間T1eを合計する意味で使用している。また、Tc=ΣT1e+ΣT1dという関係も成立する。本実施形態においては、第1の露光時間T1eと第1の非露光時間T1dはそれぞれが同一時間を8回繰り返している。これは、移動する被写体を撮影する場合には、均等に時間を分割して被写体からの光を取り込むことで、移動軌跡のムラを生じさせないためである。上式の成立する範囲内で、転送回数dや第1の露光時間T1e、第1の非露光時間T1dを変更してよい。被写体の移動速度に応じて転送回数dを変更することで、移動する被写体を高品位に撮影することが可能となる。一方、移動しない被写体においては、1回の撮影内で、個別に時間を増減させてもよい。
次に、図4および図5を用いて速度検出用の露光について説明する。第2の露光時間T2eは、速度検出用の露光時間である。第2の露光時間T2eは、転送パルスφTX3によりフォトダイオード500をリセットして蓄積を開始し、転送パルスφTX1Bにより電荷を第2の信号保持部507Bへ転送するまでの時間を表わす。第2の露光時間T2eは、測光などにより被写体の光をとらえることができる範囲で設定することが望ましい。一方、第2の非露光時間T2dは、分割された一回分の速度検出用の露光をしていない時間である。第2の非露光時間T2dは、その直前の転送パルスφTX1Bによる転送の後から、次の転送パルスφTX1Bによる転送の事前に行う転送パルスφTX3によるリセット後の蓄積開始までの時間のことである。
速度検出用の撮影では、1撮影周期中(全露光時間Tc)に、フォトダイオード500から第2の信号保持部(507B)へ信号電荷の転送回数を3回以上行う。図4に示す例では、1撮影周期中に4回の速度検出用の露光を行っている。1撮影周期中の各第2の露光時間T2eは、同じ時間を設定する。一方で、撮影用の露光とは異なり、1撮影周期中の各第2の非露光時間T2dは、時間を変化させ複数の長さに設定する。本実施形態においては、第2の非露光時間T2dとして、それぞれ時間の異なる第2の非露光時間T2da〜T2dcを設定している。時間の長さを比較するとT2da≒T2db≒T2dcである。なお、第2の非露光時間T2dcは、第1の非露光時間T1dと同等である。一方、1撮影周期中の第1の非露光時間は、同じ時間が設定される。
図5は、速度検出用の撮影結果を示す図である。図5(A)のように矢印Mの方向へ移動する電車を撮影している。図5(B)は、破線の丸で囲んだA部を詳細に観察した状態を示す図である。図4のように1撮影周期中に速度検出用の撮影を複数回行っているため、電車の端部を示す黒線も複数表れている。3本の電車の端部を示す黒線のうち、左側が1回目の露光、中央が2回目の露光、右側が3回目および4回目の露光に対応している。したがって、非露光部分D1は、第2の非露光時間T2daに対応している。また、非露光部分D2は、第2の非露光時間T2dbに対応している。なお、第2の非露光時間T2dcは短いため観察する範囲内においては、露光されていない部分が目立たずに、違和感のない写真となっている。
撮像素子上における被写体の移動する長さと、既知の第2の非露光時間T2dとを対応させることで、撮像素子上での被写体の移動速度を算出することができる。その際、第2の非露光時間T2dの時間を複数の長さに設定することで、未知の被写体の移動速度に対して、広い範囲で観察することが可能となる。また、第2の非露光時間T2dcのような短い非露光時間であれば、撮影結果を観察する上で違和感ないことが判定できる。なお、第2の非露光時間T2dの時間の長さを比較し説明しているが、第1の非露光時間T1dの時間についても同じである。つまり、被写体の移動速度が速い場合に、第1の非露光時間T1dを短くすることで、被写体の動きが途切れない高品位な撮影結果を撮影することが可能となる。
算出した被写体の移動速度は、次の撮影での露光の分割の仕方を決定するために使用する。例えば、1回目の露光と次の露光が連続している連写シーンなどでは、被写体の移動速度の変化が大きくないと考えられるため、1回目の撮影で算出した被写体の移動速度に基づいて次の露光の分割の仕方を決定することが有効である。本実施形態においては、撮影と同時に移動速度を検出しているが、撮影前のライブビュー中に移動速度を検出しておくことも可能である。また、本実施形態では被写体の移動速度を画像から検出しているが、撮像素子に内蔵された加速度センサーなどから算出したり、予め撮像装置へ入力したりしていてもよい。
続いて、図4、図6および図7を用いて、分割状態と撮影の結果について説明する。図6は、撮影用の第1の非露光時間T1dを変化させた場合のシーケンスを示す図である。図6(A)は、図4のシーケンスに対して、転送回数dを半分の4回とした場合を示している。図6(B)は、図4と同じシーケンスを示している。図6(B)の転送回数dは8回である。図6(C)は、図4のシーケンスに対して、転送回数dを増やしている。したがって、図6(A)のシーケンスにおける第1の非露光時間T1dは、図6(B)の第1の非露光時間T1dの2倍となっている。また、図6(C)の第1の露光時間T1eおよび第1の非露光時間T1dは、実行可能な最短時間に設定されている。各転送パルスのスイッチングや電荷の転送などは、短時間ではあるものの有限の時間がかかるため、第1の露光時間T1eおよび第1の非露光時間T1dの最短時間には構造上の限界が存在する。
図7は、図5(A)の破線の丸で囲んだA部を詳細に観察した図を示している。図7(A)は、図6(A)のように露光時間を分割した場合の撮影結果であり、図7(B)は、図6(B)のように露光時間を分割した場合の撮影結果である。
図6(A)のシーケンスのように第1の非露光時間T1dを長くすると、図7(A)に示されるように、ぼけ部分Bに露光されていない部分が明確に表れてしまい、不自然な写真となってしまう。
図6(A)のシーケンスのように第1の非露光時間T1dを長くすると、図7(A)に示されるように、ぼけ部分Bに露光されていない部分が明確に表れてしまい、不自然な写真となってしまう。
図6(B)のシーケンスにおける第1の非露光時間T1dは、図4のシーケンスにおける第2の非露光時間T2dcと同等である。図5(B)を用いて説明した通り、第2の非露光時間T2dcは、撮影結果を観察する上で違和感がない程度の非露光時間となっている。そのため、第2の非露光時間T2dcと同等の第1の非露光時間T1dを繰り返す図6(B)のシーケンスの撮影結果も、図7(B)に示されるように、非露光時間が画像に表れず、ぼけ部分Bが略一様となり違和感のない画像となっている。したがって、図6(B)の第1の非露光時間T1dより短い非露光時間で撮影を行う場合には、高品位な写真が撮影できる。
図6(C)のシーケンスでは、第1の露光時間T1eおよび第1の非露光時間T1dが設定可能な最短となるように設定した場合を示している。電荷の転送などの撮像素子184での制御には一定の有限な時間がかかるため、第1の露光時間T1eおよび第1の非露光時間T1dを短くすることには限界がある。図6(C)のシーケンスに対応する撮影結果は不図示であるが、図6(B)より第1の非露光時間T1dが短いため、図7(B)のように、非露光時間が画像に表れず、ぼけ部分Bが略一様となり違和感のない画像となる。
図6(B)のシーケンスであっても非露光時間が画像に表れない十分に高品位な写真となっており、第1の非露光時間T1dを図6(C)のように短くしても品位向上の効果が小さい。一方で、第1の非露光時間T1dを最短にすると、転送回数dは増加する。転送回数dが増えると、電荷の転送を多く繰り返すということとなり、撮像素子を制御するための電力が大きくなってしまう。また、1回の露光時間が撮像素子184内のタイミングのばらつきの影響も受けることとなる。1回のタイミングばらつきは小さいとしても転送回数dが大きくなった場合には、影響が増幅されて露光時間の合計が大きくばらついてしまう。そのため、電力低減や露光時間ばらつきの低減を考えると、転送回数dはできるだけ小さい方がよい。つまり、第1の非露光時間T1dは、非露光時間が画像に現れない範囲で、最大の非露光時間を設定するのがよい。
第1の非露光時間T1dの設定条件を式で表わすと、V×T1d<Const.となる。ここで、Vは被写体の像面上の速度、Const.は被写体距離や合焦状態などの撮影条件および観察条件から決まる値である。この式を満足する範囲でT1dを長く設定することが望ましい。この式は、被写体の像面上の速度Vが大きいほど第1の非露光時間T1dを短くする必要があることを意味している。つまり、被写体の像面上の速度Vが速くなった場合には、第1の非露光時間T1dを短くして、転送回数dを増やせばよい。一方、被写体の像面上の速度Vが遅くなった場合には、第1の非露光時間T1dを、上記の式を満たす範囲で長くして、転送回数dを減らせばよい。
被写体の像面上の速度Vが大きくなった場合、第1の非露光時間T1dを短くする必要があるが、前述の通り、第1の非露光時間T1dを短くする限界がある。第1の露光時間T1eと第1の非露光時間T1dは、ND段数をnとした時に、(T1e+T1d)/T1e=2^nという関係にある。そのため、ND段数が2段の場合には、第1の露光時間T1eが最短の設定となると、第1の非露光時間T1dも最短の設定となる。ND段数が大きくなるほど、第1の露光時間T1eに対して第1の非露光時間T1dが大きくなっていく。一方、ND段数が小さいほど、第1の露光時間T1eに対して第1の非露光時間T1dを短くすることができる。そのため、被写体の移動速度が所定値より速い場合には、ND段数を小さくし、かつ転送回数dを増やすことで、第1の非露光時間T1dを短くすることが可能である。
ND段数が変わってしまうと撮影する光量が大きく変化してしまうため、撮影時間を短くしたり、ISO感度を低下させたりなど、光量を制限する対応が必要となる。また、ND段数を小さくしてでも移動する被写体を高品位に撮影する被写体速度優先モードもしくはND段数の設定を優先して移動被写体の品位を問わないND段数優先モードのいずれかを撮影者が予め選択できるようにしてもよい。被写体速度優先モードが選択されていた場合は、撮像装置10は、被写体の速度が速い場合には、ND段数を小さくし、転送回数dを増やして第1の非露光時間T1dを短くする。一方、ND段数優先モードが選択されている場合には、速度が速い被写体に対しても、ND段数を小さくして第1の非露光時間T1dを短くすることは行わない。
図8は、1回の撮影における露光から読み出しまでのシーケンスを示している。図8(A)は、ND段数が2段の場合であり、図8(B)は、ND段数が1段の場合である。図8(A)の第1の非露光時間T1dは、図6(B)の第1の非露光時間T1dと同等である。前述のとおり、ND段数が2段の場合に、図8(A)に示す第1の非露光時間T1dの長さとすることで、電力低減や露光時間ばらつきの低減を実現しつつ、高品位な写真が撮影できていた。このときの転送回数dは8回である。
ND段数が2段から1段に変更する際に、転送回数dを8回のままND段数を変更すると、第1の非露光時間T1dが短くなる。第1の非露光時間T1dが短くなると、高品位な写真を撮影することに関しては実現できるが、前述した通り、第1の非露光時間T1dは、非露光時間が画像に現れない範囲で、できるだけ長い方がよい。そこで、図8(B)のように転送回数dを5回に変更すると、第1の非露光時間T1dをND段数が2段で転送回数dを8回の場合と、ほぼ同等にすることができる。すなわち、ND段数を小さくした場合、転送回数dを減らすことで高品位な写真が撮影できる。このように、光量制限量であるND段数に応じて転送回数を変更することで、電力低減や露光時間ばらつきの低減を実現しつつ、被写体の動きが途切れない高品位な写真が撮影できる。
以上のように、本実施形態によれば、分割露光時に被写体が動いた場合であっても、被写体の速度に応じて非露光時間を決定することで、高品位な写真を撮影可能な撮像装置を提供することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
178 システム制御部
184 撮像素子
507A 第1の信号保持部
507B 第2の信号保持部
184 撮像素子
507A 第1の信号保持部
507B 第2の信号保持部
Claims (10)
- 1撮影周期において複数回の露光と非露光とを繰り返し、第1の画像および第2の画像を取得する撮像手段と、
前記第2の画像に基づいて被写体の像面上の速度を検出する検出手段と、
前記撮像手段における露光を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記被写体の像面上の速度に応じて、前記第1の画像を生成するための露光を制御することを特徴とする撮像装置。 - 前記制御手段は、前記第1の画像を取得するための露光について、前記被写体の像面上の速度に応じて前記第1の画像に非露光の時間が表れない範囲で最大の非露光時間を設定して、該非露光時間に応じて露光の回数を決定することを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
- 前記制御手段は、前記被写体の像面上の速度が速い場合には、前記非露光時間を短くして前記露光の回数を増やし、前記被写体の像面上の速度が遅い場合には、前記非露光時間を長くして前記露光の回数を減らすことを特徴とする請求項2に記載の撮像装置。
- 撮影者によるND段数の設定を受け付ける設定手段をさらに備え、
前記制御手段は、設定された前記ND段数および前記被写体の像面上の速度に応じて、前記第1の画像を生成するための露光を制御することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の撮像装置。 - 前記設定手段は、前記ND段数を優先するか否かの設定を受け付け、
前記ND段数を優先する設定の場合には、前記ND段数を変更せず、前記ND段数を優先する設定でない場合には、前記制御手段は、前記被写体の像面上の速度が所定の速度より速い場合には、前記ND段数を小さくして、前記非露光時間を短くすることを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。 - 前記撮像手段は、2次元に配列された複数の画素部を有し、
前記画素部は、光電変換部と複数の信号保持部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の撮像装置。 - 前記複数の信号保持部のうち、第1の信号保持部は前記第1の画像を生成するための信号電荷を保持し、第2の信号保持部は前記第2の画像を生成するための信号電荷を保持することを特徴とする請求項6に記載の撮像装置。
- 前記第1の信号保持部に蓄積される信号電荷は1撮影周期中の複数回の露光により取得され、各露光に対応する非露光時間は等しく、
前記第2の信号保持部に蓄積される信号電荷は1撮影周期中の複数回の露光により取得され、各露光に対応する非露光時間は異なることを特徴とする請求項7に記載の撮像装置。 - 前記第1の画像は撮影用の画像であり、前記第2の画像は被写体の速度検出用の画像であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の撮像装置。
- 撮像装置における制御方法であって、
1撮影周期において複数回の露光と非露光とを繰り返し、第1の画像および第2の画像を取得する撮像工程と、
前記第2の画像に基づいて被写体の像面上の速度を検出する検出工程と、
前記撮像工程における露光を制御する制御工程と、を有し、
前記制御工程においては、前記被写体の像面上の速度に応じて、前記第1の画像を生成するための露光を制御することを特徴とする制御方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017160110A JP2019041168A (ja) | 2017-08-23 | 2017-08-23 | 撮像装置およびその制御方法 |
US16/031,470 US20190026902A1 (en) | 2017-07-20 | 2018-07-10 | Imaging apparatus and control method |
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JP (1) | JP2019041168A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20220024011A (ko) * | 2019-06-27 | 2022-03-03 | 주식회사 소니 인터랙티브 엔터테인먼트 | 센서 제어 장치, 센서 제어 방법 및 프로그램 |
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2017
- 2017-08-23 JP JP2017160110A patent/JP2019041168A/ja active Pending
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KR102676085B1 (ko) | 2019-06-27 | 2024-06-19 | 주식회사 소니 인터랙티브 엔터테인먼트 | 센서 제어 장치, 센서 제어 방법 및 프로그램 |
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