JP2019038662A - 糸ガイド部材、糸貯留装置、及び糸巻取機 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量かつ長寿命である糸ガイド部材を提供する。【解決手段】糸ガイド部材17は、中心部41と、糸掛け部50と、接続部42と、を備える。中心部41は、回転中心に位置する。糸掛け部50は、中心部41の径方向外側に位置しており、紡績糸10を引っ掛けて当該紡績糸10をガイドする。接続部42は、棒状であり、中心部41から径方向外側に延びるように形成されており、中心部41と糸掛け部50とを直接又は別の部分を介して接続する。接続部42の径方向外側の端部に接続された円弧状又は直線状の部分を含んでおり、糸掛け部50による糸のガイドを補助する補助部材43を更に備えるか、又は、糸掛け部50及び接続部42がそれぞれ複数設けられる。【選択図】図4
Description
本発明は、主として、糸掛けを行う糸ガイド部材に関する。
従来から、糸を巻き取る糸巻取機において、糸を一時的に貯留可能な糸貯留装置が知られている。糸貯留装置は、糸を貯留する糸貯留ローラと、糸を引っ掛けて糸を糸貯留ローラにガイドする糸ガイド部材と、を備える。
特許文献1の糸貯蔵装置は、貯蔵ローラと、貯蔵ローラの軸方向の一側に配置された糸ガイドと、を備える。糸ガイドは、糸戻しリングと、糸戻しリングの径方向外側に設けられた糸戻し器と、を備える。糸戻しリングはリング状であるが円板状の端板を囲むように配置されているため、糸ガイド全体としては円板状である。
特許文献2の糸供給装置は、糸貯留ドラムと、糸貯留ドラムの軸方向の一側に配置された糸案内部と、を備える。特許文献2では、糸案内部の例として、リングと、リングの径方向内側に設けられた歯又はピンと、を備える構成が開示されている。特許文献2では、糸案内部の他の例として、円板状のディスクと、ディスクの径方向外側に設けられた歯又はピンと、を備える構成が開示されている。
特許文献1及び2に記載された円板状の糸ガイド部材は、重量が大きくなり易いため、改善の余地があった。特許文献2に記載のリングを備える糸案内部は、リングの内側に糸を通す構成であるため、径方向外側を通過する糸をガイドすることができなかった。糸ガイド部材は糸に接触する部分を含んでいるため消耗が生じ易いので、長寿命化についても望まれていた。
本発明の主要な目的は、径方向外側から近づく糸をガイド可能な糸ガイド部材において、軽量かつ長寿命である構成を提供することにある。
本発明の観点によれば、以下の構成の糸ガイド部材が提供される。即ち、この糸ガイド部材は、中心部と、糸掛け部と、接続部と、を備える。前記中心部は、回転中心に位置する。前記糸掛け部は、前記中心部の径方向外側に位置しており、糸を引っ掛けて当該糸をガイドする。前記接続部は、棒状であり、前記中心部から径方向外側に延びるように形成されており、前記中心部と前記糸掛け部とを直接又は別の部分を介して接続する。糸ガイド部材は、前記接続部の径方向外側の端部に接続された円弧状又は直線状の部分を含んでおり、前記糸掛け部による糸のガイドを補助する補助部材を更に備えるか、又は、前記糸掛け部及び前記接続部がそれぞれ複数設けられる。
これにより、回転軸方向で見たときに中心部の径方向外側に空間が形成されることとなるため、円板状の糸ガイド部材と比較して、糸ガイド部材を軽量化できる。また、補助部材又は複数の糸掛け部を備えることにより、糸掛け部の消耗を抑えることができるので、糸ガイド部材の長寿命化を実現できる。
前記の糸ガイド部材においては、2個以上かつ16個以下の前記糸掛け部を備えることが好ましい。
これにより、長寿命化と軽量化とを実現できる。
前記の糸ガイド部材においては、前記糸掛け部は、前記中心部よりも耐摩耗性が高い材質を含んで構成されていることが好ましい。
これにより、糸掛け部が消耗しにくくなるため、糸ガイド部材の寿命を更に長くすることができる。
前記の糸ガイド部材においては、前記補助部材は、前記中心部を囲むように全周にわたって形成されていることが好ましい。
これにより、棒状の接続部に糸が接触しにくくなるため、糸の絡みを防止できる。
前記の糸ガイド部材においては、前記中心部、前記接続部、及び前記補助部材は、少なくとも一部ずつが同一平面内に位置していることが好ましい。
これにより、糸ガイド部材が単純な形状となるため、糸ガイド部材を容易に製造することができる。
前記の糸ガイド部材においては、前記糸掛け部がフック形状であることが好ましい。
これにより、糸掛け部に入った糸が糸掛け部から外れにくくすることができる。
また、本発明の観点によれば、前記の糸ガイド部材と、糸貯留ローラと、を備える糸貯留装置が提供される。前記糸貯留ローラは、前記糸ガイド部材の軸方向の一側に配置されており、糸を貯留する。
これにより、糸ガイド部材が軽量かつ長寿命であるため、糸貯留装置の軽量化と長寿命化を実現できる。
前記の糸貯留装置においては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、この糸貯留装置は、前記糸ガイド部材を前記糸貯留ローラに対して回転させるための抵抗力を調整する調整機構を備える。前記調整機構は、抵抗力の大きさを調整する操作を行うための操作部を備える。前記操作部は、前記糸貯留ローラの外周面の径方向内側の空間に配置されている。
これにより、糸ガイド部材を糸貯留ローラから外すことなく、糸ガイド部材に形成された貫通孔等の開放部分を介して操作部を操作することができる。従って、抵抗力を調整する操作を手間なく行うことができる。
前記の糸貯留装置においては、前記糸ガイド部材が取り付けられている側の端部を軸方向で見たときに、前記補助部材の少なくとも一部は、前記糸貯留ローラの径方向外側の端部よりも外側に位置していることが好ましい。
これにより、糸掛け時において、糸が補助部材に接触し易くなるため、糸掛けの成功率を向上させることができる。
前記の糸貯留装置においては、前記糸ガイド部材が取り付けられている側の端部を軸方向で見たときに、前記糸掛け部の少なくとも一部は、前記糸貯留ローラの径方向外側の端部よりも内側に位置していることが好ましい。
これにより、糸掛け部に入った糸が糸掛け部から外れにくくすることができる。
前記の糸貯留装置においては、前記糸貯留ローラの軸方向の両端の間であって、当該糸貯留ローラの径方向外側の端部よりも外側に、前記糸掛け部の少なくとも一部が位置していることが好ましい。
これにより、糸掛け時において、糸掛け部に引っ掛かった糸を糸貯留ローラまで確実にガイドすることができる。
また、本発明の観点によれば、前記の糸貯留装置と、給糸部と、巻取装置と、を備える糸巻取機が提供される。前記給糸部は、前記糸貯留装置の上流側に配置され、糸を供給する。前記巻取装置は、糸走行方向において前記糸貯留装置の下流側に配置され、糸を巻き取る。
これにより、糸巻取機において、糸貯留装置の軽量化と長寿命化が実現できる。
次に、本発明の実施形態に係る精紡機(糸巻取機)について、図面を参照して説明する。図1に示す精紡機1は、並設された多数の紡績ユニット2と、糸継台車3と、原動機ボックス4と、機台制御装置90と、を備えている。
機台制御装置90は、精紡機1が備える各構成を集中的に管理する装置であって、モニタ91と入力キー92とを備える。オペレータが入力キー92を用いて適宜の操作を行うことにより、特定の紡績ユニット2又は全ての紡績ユニット2の設定を行ったり、特定の紡績ユニット2又は全ての紡績ユニット2の設定及び状態等をモニタ91に表示したりすることができる。
図2に示すように、各紡績ユニット2は、上流から下流へ向かって順に配置された、ドラフト装置7と、空気紡績装置(給糸部)9と、糸貯留装置14と、巻取装置96と、を備えている。なお、本明細書において「上流」及び「下流」とは、紡績時でのスライバ6、繊維束8、及び紡績糸(糸)10の走行方向における上流及び下流を意味する。各紡績ユニット2は、ドラフト装置7が供給する繊維束8を空気紡績装置9で紡績して紡績糸10を生成し、この紡績糸10を巻取装置96で巻き取ってパッケージ28を形成する。
ドラフト装置7は供給されたスライバ6を、複数のドラフトローラ(ボトムローラ)と、複数の対向ローラ(トップローラ)との間で挟み込んでドラフトローラをドラフト方向に回転させて当該スライバ6を下流側へ搬送することにより、所定の繊維量(又は太さ)となるまで引き伸ばして(ドラフトして)繊維束8とする。ドラフト装置7は、上流側から順に、バックローラ21、サードローラ22、ミドルローラ24、及びフロントローラ25の4つのドラフトローラを備える。ミドルローラ24には、ゴム製のエプロンベルト23が巻き掛けられている。各ドラフトローラは、所定の回転速度で回転駆動される。ドラフト装置7は、各ドラフトローラに対向するように配置された対向ローラを有している。
複数の紡績ユニット2において、各ドラフトローラの駆動源を共通にしても良いし、紡績ユニット2毎に駆動源を設けても良い。4つのドラフトローラは、それぞれ個別の駆動部によって駆動されても良いし、少なくとも2つのドラフトローラが同じ駆動部で駆動されても良い。
空気紡績装置9は、紡績室と、繊維案内部と、旋回空気流発生ノズルと、中空ガイド軸体と、を有している。繊維案内部は、ドラフト装置7から供給された繊維束8を紡績室内に案内する。旋回空気流発生ノズルは、繊維束8が走行する経路の周囲に配置されている。旋回空気流発生ノズルから空気が噴射されることにより、紡績室内に旋回空気流が発生する。この旋回空気流によって、繊維束8を構成する複数の繊維の各繊維端が反転されて旋回させられることで紡績糸10が生成される。中空ガイド軸体は、紡績糸10を紡績室内から空気紡績装置9の外部に案内する。
空気紡績装置9の下流には、糸品質測定器12と、スピニングセンサ13と、が設けられている。空気紡績装置9で紡出された紡績糸10は、糸品質測定器12及びスピニングセンサ13を通過する。
糸品質測定器12は、走行する紡績糸10の太さを、図略の光学式センサによって監視する。糸品質測定器12は、紡績糸10の糸欠陥(紡績糸10の太さなどに異常がある箇所)を検出した場合に、糸欠陥検出信号を図略のユニットコントローラへ送信する。糸品質測定器12は光学式のセンサに限らず、例えば静電容量式のセンサで紡績糸10の太さを監視する構成であっても良い。糸品質測定器12は、紡績糸10に含まれる異物を糸欠陥として検出しても良いし、紡績糸10の品質に代えて又は加えて紡績糸10の有無を検出しても良い。
スピニングセンサ13は、糸品質測定器12のすぐ下流側に配置されている。スピニングセンサ13は、空気紡績装置9と糸貯留装置14との間における紡績糸10のテンションを検出することができる。スピニングセンサ13は、この検出したテンションの検出信号を前記ユニットコントローラへと送信する。ユニットコントローラは、スピニングセンサ13が検出したテンションを監視することにより、弱糸などの異常箇所を検出する。スピニングセンサ13は省略しても良い。
糸品質測定器12及びスピニングセンサ13の下流には、糸貯留装置14が設けられている。糸貯留装置14は、図2に示すように、糸貯留ローラ15と、糸ガイド部材17と、モータ16と、を備えている。
糸ガイド部材17は、紡績糸10を引っ掛けることが可能に構成されている。巻取りの開始時及び再開時の糸貯留ローラ15上に紡績糸10が巻き付けられていない状態において、糸ガイド部材17が紡績糸10を引っ掛けて回転することで、紡績糸10が糸貯留ローラ15へガイドされる(糸掛けされる)。これにより、紡績糸10を糸貯留ローラ15へ巻き付けることができる。
糸貯留ローラ15は、その外周面に一定量の紡績糸10を巻き付けて一時的に貯留することができる。糸貯留ローラ15の外周面に紡績糸10を巻き付けた状態で当該糸貯留ローラ15を所定の回転速度で回転させることにより、空気紡績装置9から紡績糸10を所定の速度で引き出して下流側に搬送することができる。糸貯留ローラ15の外周面に紡績糸10を一時的に貯留することができるので、糸貯留装置14を一種のバッファとして機能させることができる。これにより、空気紡績装置9における紡績速度と、巻取速度(パッケージ28へ巻き取られる紡績糸10の速度)と、が何らかの理由により一致しない不具合(例えば紡績糸10の弛み等)を解消することができる。空気紡績装置9と糸貯留装置14の間にデリベリローラとニップローラを設けて、当該ローラ対にて紡績糸10を空気紡績装置9から引き出すようにしても良い。
糸貯留装置14の下流には、糸ガイド18及び巻取装置96が配置されている。糸ガイド18と巻取装置96の間にワキシング装置を設け、紡績糸10にワックスを付与しても良い。
巻取装置96は、クレードルアーム97と、巻取ドラム98と、トラバースガイド99と、図略の巻取ドラム駆動モータと、を備えている。クレードルアーム97は、紡績糸10を巻き取るためのボビンを回転可能に支持する。巻取ドラム98は、巻取ドラム駆動モータの駆動力が伝達されることにより、前記ボビン又はパッケージ28の外周面に接触した状態で回転する。トラバースガイド99は、紡績糸10を案内可能である。巻取装置96は、トラバースガイド99を図略の駆動手段によって往復動させながら巻取ドラム98を巻取ドラム駆動モータによって駆動する。これにより、巻取装置96は、巻取ドラム98に接触するパッケージ28を回転させ、紡績糸10を綾振りしつつ、紡績糸10をパッケージ28に巻き取る。
糸継台車3は、図1及び図2に示すように、糸継装置93と、サクションパイプ94と、サクションマウス95と、を備えている。糸継台車3は、ある紡績ユニット2で糸切れ又は糸切断が発生すると、図略のレール上を走行して当該紡績ユニット2又はその近傍で停止する。サクションパイプ94は、軸を中心に上方向に回動して、空気紡績装置9から送出される紡績糸10を捕捉し、軸を中心に下方向に回動することによって当該紡績糸10を糸継装置93へ案内する。サクションマウス95は、軸を中心に下方向に回動して、パッケージ28から紡績糸10を捕捉し、軸を中心に上方向に回動することによって当該紡績糸10を糸継装置93へ案内する。糸継装置93は、案内された紡績糸10同士の糸継ぎを行う。これにより、巻取装置96は、紡績糸10の巻き取りを再開できる。
次に、糸貯留装置14の詳細な構成について図3及び図4を参照して説明する。
糸貯留ローラ15は、少なくとも外周面が耐摩耗性を有する材料で構成されたローラ部材であって、モータ16のモータ軸31に固定されている。糸貯留ローラ15の外周面は、糸ガイド部材17を有する側を先端、モータ16が配置されている側を基端とすると、基端から先端に向かって順に、基端側テーパ部15aと、中央ローラ部15bと、先端側テーパ部15cと、を備えている。
中央ローラ部15bは、先端側が僅かに細くなる形状に構成されるとともに、基端側テーパ部15a及び先端側テーパ部15cに対して段差なく連続するように形成されている。中央ローラ部15bの形状は、これに限られず、例えば基端側から先端側まで径が一定である形状としても良い。
基端側テーパ部15a及び先端側テーパ部15cは、それぞれ端面側を大径側とする緩やかなテーパ状に構成されている。基端側テーパ部15aは、供給された紡績糸10を大径部分から小径部分に向かって円滑に移動させて中央ローラ部15bへ到達させることにより、紡績糸10を中央ローラ部15bの表面に整然と巻き付かせるように構成されている。先端側テーパ部15cは、中央ローラ部15bに巻き付いている紡績糸10が一度に抜けてしまう輪抜け現象を防止する。ただし、先端側テーパ部15cは省略しても良い。
糸ガイド部材17は、糸貯留ローラ15の先端側に配置されている。図3に示すように、糸ガイド部材17は、回転軸32の先端側の端部に固定されている。回転軸32は糸貯留ローラ15側に回転可能に取り付けられている。回転軸32の中心軸の位置は、モータ軸31と同じである。
図3に示すように、調整機構60は、糸貯留ローラ15の外周面(具体的には、中央ローラ部15b及び先端側テーパ部15c)の内側の空間に配置されている。調整機構60は、ベース部61と、調整ボルト(操作部)62と、磁気ヒステリシス材63と、磁石取付部68と、永久磁石69と、を備える。
ベース部61は、糸貯留ローラ15に固定されており、糸貯留ローラ15と一体的に回転する。ベース部61は回転軸32の径方向外側に形成されたリング部61aを有している。このリング部61aの内壁面にはメネジが形成されている。
調整ボルト62は、回転軸32の径方向外側であって、ベース部61の径方向内側に位置する円筒部62aを有している。この円筒部62aの外周面には、オネジが形成されており、ベース部61のメネジに係合されている。調整ボルト62は、先端側の端部において、円筒部62aよりも径が大きい頭部を有している。オペレータが調整ボルト62の頭部を手で掴んで回転させることで、ベース部61に対して調整ボルト62を移動させることができる。円筒部62aの内周面には、磁気ヒステリシス材63が配置されている。
磁石取付部68は、回転軸32の基端側に接続されており、糸ガイド部材17と一体的に回転する。磁石取付部68の外径は調整ボルト62の円筒部62aの内径よりも小さい。磁石取付部68は円筒部62aの径方向内側に位置することが可能である。磁石取付部68の外周面には、永久磁石69が配置されている。
このように、糸貯留ローラ15と一体的に回転する磁気ヒステリシス材63と、糸ガイド部材17と一体的に回転する永久磁石69と、が対向するように配置されている。この構成により、糸貯留ローラ15に対して糸ガイド部材17を回転させる際に抵抗力が発生する。言い換えれば、この抵抗力以上の力が掛からない限り、糸貯留ローラ15に対して糸ガイド部材17を回転させることはできない。
そのため、糸貯留ローラ15に紡績糸10が巻き付いた状態で、糸ガイド部材17に係合している紡績糸10を下流側に引っ張る力が与えられると、糸貯留ローラ15の先端側から紡績糸10を解舒するように糸ガイド部材17を回転させようとする力が、糸ガイド部材17に加わる。従って、糸貯留装置14の下流側の糸張力(糸貯留装置14と巻取装置96と間の糸張力)が上記の抵抗力に打ち勝つほど強ければ、糸ガイド部材17が糸貯留ローラ15と独立して回転することにより、糸貯留ローラ15の先端側から糸ガイド部材17を介して紡績糸10が徐々に解舒される。
逆に、糸貯留装置14の下流側の糸張力が前記抵抗トルクに打ち勝つほど強くない場合は、糸ガイド部材17が糸貯留ローラ15と一体的に回転する。この場合、糸ガイド部材17は、回転する糸貯留ローラ15の先端側から紡績糸10が解舒されることを阻止するように働く。
このように、糸貯留装置14は、下流側の糸張力が上がると紡績糸10を解舒し、糸張力が下がる(紡績糸10が弛みそうになる)と紡績糸10の解舒を止めるように動作する。これにより、糸貯留装置14は、紡績糸10の弛みを解消して、紡績糸10に適切な張力を付与することができる。
調整ボルト62を回転させて、調整ボルト62(磁気ヒステリシス材63)の軸方向の位置を変更することで、磁気ヒステリシス材63と永久磁石69の対向面積を異ならせることができる。その結果、上記の抵抗力の大きさが変わる。以上により、調整機構60を用いて上記の抵抗力を調整できる。
次に、糸ガイド部材17の詳細な形状及び構成について、更に図5を参照して説明する。
図3から図5に示すように、糸ガイド部材17は、回転部材40と、糸掛け部50と、を備える。回転部材40は、回転軸32に接続されており、図5に太線で示す方向に回転軸32と一体的に回転する。糸掛け部50は、回転部材40の径方向外側の端部に取り付けられており、紡績糸10に接触して当該紡績糸10をガイドする。以下、回転部材40及び糸掛け部50について詳細に説明する。
図4及び図5に示すように、回転部材40は、中心部41と、接続部42と、補助部材43と、を備える。回転部材40には、貫通孔44が形成されている。回転部材40は樹脂製であり、例えば型を用いて製造されている。回転部材40は、全体にわたって厚みが等しく、更に、軸方向に垂直な方向で見たときに(例えば図3)、湾曲等がなく直線状である。言い換えれば、回転部材40を構成する各部の一部(例えば軸方向の一側の面)は同一平面状に位置している。
中心部41は、糸ガイド部材17の回転中心に位置する部分である。従って、回転軸32は、中心部41の基端側に接続されている。
接続部42は、中心部41から径方向外側に延びるように形成された棒状の部分である。本実施形態では、4つの接続部42が形成されている。それぞれの接続部42は同じ形状であり、等間隔(90°間隔)で配置されている。従って、軸方向で見たときに、接続部42は、90°回転させることで同じ形状となり(4回対称)、当然であるが、180°回転させても同じ形状となる(点対称)。
補助部材43は、回転部材40の径方向外側において、接続部42に接続されている。補助部材43は、隣り合う2つの接続部42を接続する円弧状(湾曲した細長状)の部分を4つ備えている。従って、補助部材43は環状であり、中心部41及び接続部42を全周(360°)にわたって囲むように構成されている。従って、回転部材40の径方向外側から紡績糸10が近づく場合、紡績糸10は、中心部41及び接続部42よりも先に補助部材43又は糸掛け部50に接触する。
軸方向で見たときに(即ち図5において)、補助部材43の外周面43aには、糸貯留ローラ15(基端側テーパ部15a)の先端側の端面の位置と比較して、径方向外側に位置する部分と、径方向内側に位置する部分と、が存在する。言い換えると、補助部材43の4つの円弧の中心はそれぞれ異なり、何れの中心も回転部材40の回転中心とは異なる。糸貯留ローラ15の端面よりも径方向外側に位置する部分を有することで、補助部材43は、糸掛け時において糸貯留ローラ15よりも紡績糸10に接触し易くなるため、糸掛けの成功率を向上させることができる。
特に、本実施形態では、回転方向の上流側に近づくに連れて、補助部材43の径が徐々に小さくなって糸掛け部50に接続される。つまり、紡績糸10が外周面43aに接触した場合、回転部材40の回転に伴って紡績糸10は回転方向の上流側に近づくため、紡績糸10をスムーズに糸掛け部50まで移動させることができる。
補助部材43の内周面の中心は回転部材40の回転中心と同じである。従って、補助部材43は太さが一定ではなく、外周面43aの位置が径方向外側に膨らむに連れて、補助部材43の太さが太くなる。
貫通孔44は、隣り合う2つの接続部42と、補助部材43と、で囲まれることにより形成されている。本実施形態では、接続部42が4本形成されているため、4つの貫通孔44が形成される。接続部42及び補助部材43は何れも細長状の部分であるため、比較的大きい貫通孔44が形成される。従って、回転部材40を十分に軽量化できる。更に、オペレータは、この貫通孔(開放部分)44を介して、調整機構60(詳細には調整ボルト62)を操作することができる。これにより、糸ガイド部材17を取り外すことなく抵抗力を調整できる。
取付溝45は、糸掛け部50を取り付けるための溝である。取付溝45は、接続部42と補助部材43の接続箇所に形成されている。従って、本実施形態では、接続部42と同じ数の4つの取付溝45が形成されている。取付溝45は、糸掛け部50の形状に対応した取付溝である(詳細は後述)。
糸掛け部50は、回転部材40の取付溝45に取り付けられ、回転部材40と一体的に回転する。糸掛け部50は、糸掛け時及び巻取時に紡績糸10に接触して当該紡績糸10をガイドする部分である。糸掛け部50は回転部材40(特に中心部41)よりも耐摩耗性が高い材質(具体的にはセラミックス)で構成されている。糸掛け部50は、2個以上16個以下であることが好ましく、2個以上6個以下であることが更に好ましく、本実施形態のように4個であることが最適である。4個の糸掛け部50は、何れも同じ構成である。図5に示すように、糸掛け部50は、略U字状(フック形状)であり、固定部51と、延出部52と、保持部53と、を備えている。
固定部51は、直線状の部分であり、長手方向が補助部材43の円周方向と略一致するように配置されている。固定部51は、回転部材40の径方向において、糸掛け部50のうち最も内側に配置された部分である。固定部51は、取付溝45に挿入されるとともに接着剤で固定されている。固定部51は、長手方向の全体にわたって、取付溝45に挿入される部分と、回転部材40の外側に露出されている部分と、を有する。固定部51の一端部(回転方向の下流側の端部)には傾斜面51aが形成されている、このため、外周面43aに沿ってガイドされた紡績糸10が糸掛け部50へスムーズに案内される。固定部51は、保持部53よりも長いため、取付溝45に対して糸掛け部50を安定した状態で固定することができる。
延出部52は、回転部材40の径方向において、固定部51の他端部(回転方向の上流側の端部)から外側に延びるように延出した部分である。延出部52も、固定部51と同様に、長手方向の全体にわたって、取付溝45に挿入されて固定される部分と、回転部材40の外側に露出されている部分と、を有する。延出部52の一側の面(回転方向の下流側の面)は湾曲状(円弧状)であり、紡績糸10に無理な力を掛けることなく、紡績糸10をガイドできる。糸ガイド部材17が回転している状態において、紡績糸10は延出部52に常に接触していなくて良く、紡績糸10は延出部52と傾斜面51a(又は傾斜面51aの近傍(補助部材43の一部を含む))との間を移動しながら糸ガイド部材17に案内されても良い。
保持部53は、回転部材40の径方向において、延出部52の外側に接続された直線状の部分であり、固定部51と略平行に配置されている。保持部53は、一端部(回転方向の上流側の端部)のみが取付溝45に挿入されて固定されている。保持部53は、他端部(回転方向の下流側の端部)において、径方向内側に延びる部分を有する。この構成により、糸掛け部50にガイドされる紡績糸10を外れにくくすることができる。
軸方向で見たときに(即ち図5において)、糸掛け部50には、糸貯留ローラ15(先端側テーパ部15c)の先端側の端面の位置と比較して、径方向外側に位置する部分(延出部52の一部と保持部53)と、径方向内側に位置する部分(延出部52の一部と固定部51)と、が存在する。径方向外側に位置する部分を有することで、糸掛け部50は、糸掛け時において糸貯留ローラ15よりも紡績糸10に接触し易くなるため、糸掛けの成功率を向上させることができる。
本実施形態では糸掛け部50が接着剤によって回転部材40に固定されている。熱等によって接着剤を溶かすことにより回転部材40から糸掛け部50を取り外すことができる。このように、糸掛け部50は回転部材40に対して着脱可能であるため、糸掛け部50を交換することができる。
このように、本実施形態では、糸ガイド部材17は複数の糸掛け部50を備え、各糸掛け部50に掛かる負荷が分散するため、糸ガイド部材17の寿命を長くすることができる。更に、糸ガイド部材17が補助部材43を有することにより、接続部42での紡績糸10の絡みが生じにくい。この点においても、糸ガイド部材17の寿命を長くすることができる。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。初めに、図6を参照して、第1変形例を説明する。
上記実施形態では、軸方向に垂直な方向で見たときに、回転部材40は直線状であったが、第1変形例では端部が糸貯留装置14の基端側に湾曲している。具体的には、回転部材40の径方向の一部(両端部)が、糸貯留ローラ15の軸方向の両端の間であって、当該糸貯留ローラ15の径方向外側に位置している。回転部材40の径方向の両端部には糸掛け部50が取り付けられている。糸掛け部50も、糸貯留ローラ15の軸方向の両端の間であって、当該糸貯留ローラ15の径方向外側に位置している。言い換えれば、中心部41及び接続部42が位置する平面から外れた位置に、回転部材40の径方向両端部及び糸掛け部50が配置されている。糸掛け部50は、図6に示されるよりも長く形成されていても良く、先端側テーパ部15cの更に上流側部分に対して糸掛け部50の先端部が位置するように設けられていても良い。先端側テーパ部15cの更に上流側に対して位置している糸掛け部50の先端部は、直線状であっても良いし、屈曲していても良い。即ち、糸掛け部50の先端部は、例えば複数箇所でそれぞれ異なる方向に屈曲する等の三次元的な形状を有していても良い。
この構成により、糸掛け時において、糸掛け部50に引っ掛かった紡績糸10を糸貯留ローラ15まで確実にガイドすることができる。
次に、図7を参照して、第2及び第3変形例を説明する。上記実施形態では、補助部材43は円形であるが、多角形であっても良い。補助部材43は、図7(a)に示すように三角形であっても良いし、図7(b)に示すように四角形であっても良いし、五角形以上であっても良い。この場合、補助部材43は円弧状ではなく直線状である。補助部材43が多角形の場合、図7に示すように、各頂点に糸掛け部50が取り付けられるとともに、各頂点に向かって延びるように接続部42が形成されている。第2及び第3変形例においても、糸ガイド部材17は、補助部材43と複数の糸掛け部50とを備えるため、上記実施形態と同様に、糸ガイド部材17の寿命を長くすることができる。糸ガイド部材17には貫通孔44が形成されるため(中心部41の径方向外側に空間が形成されるため)、糸ガイド部材17を軽量化できる。
次に、図8を参照して、第4及び第5変形例を説明する。上記実施形態の糸ガイド部材17は、補助部材43を備える構成である。しかし、糸ガイド部材17が複数の接続部42及び複数の糸ガイド部材17を備える構成であれば、補助部材43を省略することができる。糸ガイド部材17は、図8(a)に示すように、接続部42及び糸掛け部50を2つずつ備える構成であっても良いし、図8(b)に示すように、接続部42及び糸掛け部50を3つずつ備える構成であっても良いし、接続部42及び糸掛け部50をそれぞれ47以上備える構成であっても良い。第4及び第5変形例においても、糸ガイド部材17は、複数の糸掛け部50を備えるため、糸ガイド部材17の寿命を長くすることができる。糸ガイド部材17には、中心部41の径方向外側に空間が形成されるため、糸ガイド部材17を軽量化できる。第4及び第5変形例では、補助部材43が省略されているため、周方向で隣り合う接続部42の間には、開放部分(切欠き)が形成されている。従って、オペレータは、この開放部分を介して、調整機構60(詳細には調整ボルト62)を操作することができる。
次に、図9を参照して、第6変形例を説明する。上記実施形態では、糸ガイド部材17が複数の接続部42を備える構成である。しかし、糸ガイド部材17が補助部材43を備えるのであれば、図9に示すように、糸ガイド部材17が、接続部42及び糸掛け部50を1つずつのみ備える構成であっても良い。この場合、糸ガイド部材17の重心が回転中心から外れるため、回転中心を挟んで糸掛け部50の反対側に重り81を設けても良い。第6変形例においても、糸ガイド部材17は、補助部材43を備えるため、糸ガイド部材17の寿命を長くすることができる。糸ガイド部材17には貫通孔44が形成されるため、糸ガイド部材17を軽量化できる。
次に、図10を参照して、第7変形例を説明する。上記実施形態では、補助部材43は中心部41を360°にわたって囲むように設けられているが、補助部材43は、中心部41の一部を囲むように設けられていても良い。図10に示すように、補助部材43が一定間隔(90°間隔)で配置される構成であっても良い。第6変形例においても、糸ガイド部材17は、補助部材43と複数の糸掛け部50とを備えるため、上記実施形態と同様に、糸ガイド部材17の寿命を長くすることができる。糸ガイド部材17には貫通孔44が形成されるため、糸ガイド部材17を軽量化できる。
本発明の観点によれば、以下の構成の糸ガイド部材17が提供される。即ち、この糸ガイド部材17は、中心部41と、糸掛け部50と、接続部42と、を備える。中心部41は、回転中心に位置する。糸掛け部50は、中心部41の径方向外側に位置しており、紡績糸10を引っ掛けて当該紡績糸10をガイドする。接続部42は、棒状であり、中心部41から径方向外側に延びるように形成されており、中心部41と糸掛け部50とを直接又は別の部分を介して接続する。糸ガイド部材17は、接続部42の径方向外側の端部に接続された円弧状又は直線状の部分を含んでおり、糸掛け部50による紡績糸10のガイドを補助する補助部材43を更に備えるか、又は、糸掛け部50及び接続部42がそれぞれ複数設けられる。
これにより、回転軸方向で見たときに中心部41の径方向外側に空間が形成されることとなるため、円板状の糸ガイド部材17と比較して、糸ガイド部材17を軽量化できる。糸ガイド部材17が補助部材43又は複数の糸掛け部50を備えることにより、糸掛け部50の消耗を抑えることができるので、糸ガイド部材17の長寿命化を実現できる。
本実施形態の糸ガイド部材17は、2個以上かつ16個以下の糸掛け部50を備える。
これにより、長寿命化と軽量化とを実現できる。
本実施形態の糸ガイド部材17においては、糸掛け部50は中心部41よりも耐摩耗性が低い材質を含んで構成されている。
これにより、糸掛け部50が消耗しにくくなるため、糸ガイド部材17の寿命を更に長くすることができる。
本実施形態の糸ガイド部材17においては、補助部材43は、中心部41を囲むように全周にわたって形成されている。
これにより、棒状の接続部42に紡績糸10が接触しにくくなるため、紡績糸10の絡みを防止できる。
本実施形態の糸ガイド部材17においては、中心部41、接続部42、及び補助部材43は、少なくとも一部ずつが同一平面内に位置している。
これにより、糸ガイド部材17が単純な形状となるため、糸ガイド部材17を容易に製造することができる。
本実施形態の糸ガイド部材17は、糸掛け部50がフック形状である。
これにより、糸掛け部50に入った紡績糸10が糸掛け部50から外れにくくすることができる。
本実施形態の糸貯留装置14は、糸ガイド部材17を糸貯留ローラ15に対して回転させるための抵抗力を調整する調整機構60を備える。調整機構60は、抵抗力の大きさを調整する操作を行うための調整ボルト62を備える。調整ボルト62は、糸貯留ローラ15の外周面の径方向内側の空間に配置されている。
これにより、糸ガイド部材17を糸貯留ローラ15から外すことなく、糸ガイド部材17に形成された貫通孔44及び切欠き等の開放部分を介して調整ボルト62を操作することができる。従って、抵抗力を調整する操作を手間なく行うことができる。
本実施形態の糸貯留装置14において、糸ガイド部材17が取り付けられている側の端部を軸方向で見たときに、補助部材43の少なくとも一部は、糸貯留ローラ15の径方向外側の端部よりも外側に位置している。
これにより、糸掛け時において、紡績糸10が補助部材43に接触し易くなるため、糸掛けの成功率を向上させることができる。
本実施形態の糸貯留装置14において、糸ガイド部材17が取り付けられている側の端部を軸方向で見たときに、糸掛け部50の少なくとも一部は、糸貯留ローラ15の径方向外側の端部よりも内側に位置している。
これにより、糸掛け部50に入った紡績糸10を糸掛け部50から外れにくくすることができる。
本実施形態の糸貯留装置14において、糸貯留ローラ15の軸方向の両端の間であって、当該糸貯留ローラ15の径方向外側の端部よりも外側に、糸掛け部50の少なくとも一部が位置している。
これにより、糸掛け時において、糸掛け部50に引っ掛かった紡績糸10を糸貯留ローラ15まで確実にガイドすることができる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
上記実施形態では、空気紡績装置9よりも下側でパッケージ28が形成されるレイアウトであるが、空気紡績装置9よりも上側でパッケージ28が形成されるレイアウトであっても良い。
上記実施形態では、回転部材40は樹脂製であるが、金属(例えば、アルミニウム等の軽量の金属)であっても良い。回転部材40は中実状であるが、回転部材40を中空状にしても良い。回転部材40の軸方向の一側と他側を構成する2枚の板材を設け、これらの板材をトラス構造のビーム部材で接続しても良い。回転部材40は、2枚の板材と、これらの板材の間に設けられる、板材とは異なる材質を有する中間層と、から構成されていても良い。
上記実施形態では、接続部42の延長線上に糸掛け部50が配置されているが、接続部42と糸掛け部50とが直接的に又は別の部分を介して接続されているのであれば(一体的に回転するのであれば)、糸掛け部50が別の位置に配置されても良い。例えば、図5において、円周方向に並べて配置される糸掛け部50の間に向かって延びるように接続部42を形成しても良い。この場合、糸掛け部50は、補助部材43を介して接続部42に接続される構成である。
上記実施形態では、糸掛け部50は、セラミックス製であるが、中心部41よりも耐摩耗性が高い材質を含んで構成されていれば、セラミックス製以外であってもよい。例えば金属上に硬質クロム及びダイヤモンドライクカーボン等をコーティングした構成であっても良い。金属製又は樹脂製であっても良い。上記実施形態では、糸掛け部50は回転部材40に対して着脱可能であるが、一体的に構成されて取り外し不能であっても良い。
上記実施形態では、糸貯留ローラ15及び糸ガイド部材17のうち糸貯留ローラ15のみがモータで駆動されているが、糸貯留ローラ15と糸ガイド部材17の両方が別々のモータで個別に駆動されていても良い。
上記実施形態では、糸貯留装置14に調整機構60が設けられていたが、調整機構60は省略しても良い。
上記実施形態では、糸ガイド部材17と糸貯留ローラ15の内部空間との間に空間が形成されている。従って、オペレータは、糸ガイド部材17の中心部を握ることにより、糸ガイド部材17を糸貯留ローラ15から簡単に着脱したり、糸貯留装置14を紡績ユニット2から取り外したりすることができる。また、モータ16を糸貯留ローラ15の内部空間に配置することにより、糸ガイド部材17を取り外すと、モータ16も先端側テーパ部15c側から取り外すことができる。
本発明の適用範囲は精紡機に限られず、他の紡績機であっても良い。糸貯留装置を備える構成であれば、他の糸巻取機(自動ワインダ、オープンエンド紡績機等)にも適用することができる。糸巻取機以外にも糸貯留装置を備える織機にも本発明を適用できる。
上記実施形態及び変形例の説明に用いた図面は模式図であり、各構成は図示された形状と異なる形状を有していても良い。例えば、糸掛け部50の固定部51は図5で図示されているよりも長く、又は短くても良い。固定部51を長く形成した場合、固定部51は図5に示されるような略直線状の部分だけでなく、補助部材43に沿って湾曲した部分を有していても良い。あるいは、固定部51は先端側テーパ部15cの外周に対して、図5に比べて更に傾斜するように設けられていても良い。糸掛け部50の第1の端部(図5では傾斜面51a側の端部)が第2の端部(延出部52側の端部)よりも糸ガイド部材17の中心部41に近い位置に配置される構成であっても良い。この構成において、糸貯留装置14を先端側テーパ部15c側から見た場合、延出部52は、先端側テーパ部15cよりも外側に位置するように設けられていても良い。あるいは、図5において略直線状に図示されている固定部51は、外周を向く方向に形成された凹部を有していても良い。
1 精紡機(糸巻取機)
9 空気紡績装置(給糸部)
14 糸貯留装置
15 糸貯留ローラ
17 糸ガイド部材
40 回転部材
41 中心部
42 接続部
43 補助部材
44 貫通孔
45 取付溝
50 糸掛け部
60 調整機構
62 調整ボルト(操作部)
96 巻取装置
9 空気紡績装置(給糸部)
14 糸貯留装置
15 糸貯留ローラ
17 糸ガイド部材
40 回転部材
41 中心部
42 接続部
43 補助部材
44 貫通孔
45 取付溝
50 糸掛け部
60 調整機構
62 調整ボルト(操作部)
96 巻取装置
Claims (12)
- 回転中心に位置する中心部と、
前記中心部の径方向外側に位置しており、糸を引っ掛けて当該糸をガイドする糸掛け部と、
前記中心部から径方向外側に延びるように形成されており、前記中心部と前記糸掛け部とを直接又は別の部分を介して接続する棒状の接続部と、
を備え、
前記接続部の径方向外側の端部に接続された円弧状又は直線状の部分を含んでおり、前記糸掛け部による糸のガイドを補助する補助部材を更に備えるか、又は、前記糸掛け部及び前記接続部がそれぞれ複数設けられることを特徴とする糸ガイド部材。 - 請求項1に記載の糸ガイド部材であって、
2個以上かつ16個以下の前記糸掛け部を備えることを特徴とする糸ガイド部材。 - 請求項1又は2に記載の糸ガイド部材であって、
前記糸掛け部は、前記中心部よりも耐摩耗性が高い材質を含んで構成されていることを特徴とする糸ガイド部材。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の糸ガイド部材であって、
前記補助部材は、前記中心部を囲むように全周にわたって形成されていることを特徴とする糸ガイド部材。 - 請求項1から4までの何れか一項に記載の糸ガイド部材であって、
前記中心部、前記接続部、及び前記補助部材の少なくとも一部ずつが、同一平面内に位置していることを特徴とする糸ガイド部材。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載の糸ガイド部材であって、
前記糸掛け部がフック形状であることを特徴とする糸ガイド部材。 - 請求項1から6までの何れか一項に記載の糸ガイド部材と、
前記糸ガイド部材の軸方向の一側に配置されており、糸を貯留する糸貯留ローラと、
を備えることを特徴とする糸貯留装置。 - 請求項7に記載の糸貯留装置であって、
前記糸ガイド部材を前記糸貯留ローラに対して回転させるための抵抗力を調整する調整機構を備え、
前記調整機構は、抵抗力の大きさを調整する操作を行うための操作部を備え、
前記操作部は、前記糸貯留ローラの外周面の径方向内側の空間に配置されていることを特徴とする糸貯留装置。 - 請求項7又は8に記載の糸貯留装置であって、
前記糸ガイド部材が取り付けられている側の端部を軸方向で見たときに、前記補助部材の少なくとも一部は、前記糸貯留ローラの径方向外側の端部よりも外側に位置していることを特徴とする糸貯留装置。 - 請求項7から9までの何れか一項に記載の糸貯留装置であって、
前記糸ガイド部材が取り付けられている側の端部を軸方向で見たときに、前記糸掛け部の少なくとも一部は、前記糸貯留ローラの径方向外側の端部よりも内側に位置していることを特徴とする糸貯留装置。 - 請求項7から10までの何れか一項に記載の糸貯留装置であって、
前記糸貯留ローラの軸方向の両端の間であって、当該糸貯留ローラの径方向外側の端部よりも外側に、前記糸掛け部の少なくとも一部が位置していることを特徴とする糸貯留装置。 - 請求項7から11までの何れか一項に記載の糸貯留装置と、
糸走行方向において前記糸貯留装置の上流側に配置され、糸を供給するための給糸部と、
糸走行方向において前記糸貯留装置の下流側に配置され、糸を巻き取る巻取装置と、
を備えることを特徴とする糸巻取機。
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EP18190233.9A EP3447015A1 (en) | 2017-08-25 | 2018-08-22 | Yarn guide, yarn accumulating device, and yarn winding machine |
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Cited By (1)
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CZ304712B6 (cs) * | 2013-12-20 | 2014-09-03 | Rieter Cz S.R.O. | Bubnový mezizásobník příze pro textilní stroj |
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- 2017-08-25 JP JP2017162347A patent/JP2019038662A/ja active Pending
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