JP2019038133A - ダメージ加工製品、ダメージ加工機及びダメージ加工方法 - Google Patents
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Abstract
Description
それ故、印刷では古材の特徴である傷、割れ、ハガレ、鋸目跡等を表現するには限界があり、どうしても立体感や素材感及び迫力に欠けてしまう。
ワークに加飾を加えたものは、木材由来のナチュラル感と迫力の両者を合わせ持っているが、通常は金属ブラシや旋盤等を用いた工具を使用する等手作業によるところが多いので、均一な加工が難しい上にどうしても製造コストが高くなってしまう。
特にワークの加工に適した比較的広い面積の加飾を行うことができるベルトサンダーはワイドベルトサンダーといわれ、その概略構成は図10に示すように、本体フレーム11の一定位置に案内ローラ13と駆動ローラ12が設けられており、またその上方には流体圧シリンダ装置15により上方へ押圧移動される可動式の案内ローラ14が設けられている。そして、これらローラ12、13、14には広巾の研磨ベルト16が掛け回してある。研磨ベルト16の下方にはワーク支持搬送装置19が設けてあり、この支持搬送装置19は案内ローラ17と駆動ローラ18を対向状に設け、これらローラ17、18間に無端状の搬送ベルトを掛け回した構成となっている。使用する際には、研磨ベルト16を周回移動させた状態の下で、ワークWを研磨ベルト16の下部に供給するように行うことで、ワークWはワーク支持搬送装置19で搬送される過程で研磨ベルト16によって研磨される。
ワイドベルトサンダーでダメージ傷を形成させる場合には、ワイドベルトサンダーに使用するサンドペーパーの粒度を変えることで、ダメージ傷の深さと幅等を調整することが行われる。
例えば、サンドペーパーの粒度に粗いものを使用すれば、ダメージ傷の形状は深く太いものが形成される。
なお、一般的にはダメージ傷に用いるサンドペーパーの粒度は比較的粗いものとなる場合が多く、その場合には、特にサンドペーパーを比較的大きな加圧力でワークの加工対象面に押圧接触させなくてはならないが、一般的なワイドベルトサンダーではそのようなことは想定していないので、それを実現するための適切な構成は考慮されていない。
また、この場合、研磨ベルトが回転していると、ワークに接触する研磨ベルトの研磨面は常に変化するので、そのままでは研磨面によって形成される研磨傷の長さや深さを均一で規則的にワークに反映させることができない(図9参照)。
仮に1300mm幅以上のワークサイズを加工できるワイドベルトサンダーを製造したとしても、ワイドベルトサンダーの構造上、ロールシャフトが長くなってしまうため、ワークに対して均一に圧力をかけることができない。
それ故、均一にダメージ傷をいれるのが困難となってしまう。
具体的には通常の場合(図11の(a)参照)と比較して、ロールシャフトが長いと、図11の(b)のようにロールシャフトの内側よりも端側にかかる圧力の方が大きくなってしまう。そのため、ワークの内側にはあまりダメージ傷が入らないのに対して、外側には多くのダメージ傷が入ってしまい、施工不良の原因となってしまう(図9参照)。
結局、ワイドベルトサンダーでは木材由来のナチュラル感と迫力を表現することは難しい。
この構成により、ワーク駆動装置により移動するワークの加工対象面に交換可能なサンドペーパーが加圧パッド1で押圧接触されて、適度に均一で規則的な複数のダメージ傷を形成することができる。
すなわち、従来の技術ではワイドベルトサンダーのように、研磨ベルトの回転によって、加工するのが一般的なので、ワークの加工対象面には、図9のようにムラのある研磨傷が生じてしまう。
そのため、ワイドベルトサンダーでは高意匠のダメージ傷を形成することは困難である。その点、本発明におけるサンドペーパーは加圧パッドでワークに押圧接触された状態で、ワークの移動によりワークの加工対象面にダメージ傷を形成するものなので、図9のようなムラのある研磨傷が生ずることは少なくなり、意匠性に優れたダメージ傷を形成することができる。
ここで、本発明の加圧パッドは、ワークとの接触面が長方形で、その長辺はワークの加工時の幅寸法(通常はワークの長辺)よりも長い寸法であることが望ましい。
このことにより、1回の工程だけでダメージ傷を形成することが可能となる。
なお、本発明で使用するサンドペーパーという用語について、単に紙やすりという意味だけでなく、研磨面もしくは研削面を持ち、研磨もしくは研削する用途のものであれば、いかなるものも本発明のサンドペーパーに該当し得る。また、サンドペーパーは、無端でも、無端でなくともよく、何れも本発明に含まれる。例えば、一般に広く市販されている研磨ベルト等は本発明のサンドペーパーに含まれる。
この構成によると、ワークの移動中にサンドペーパーをワークの移動方向と略垂直方向に移動させることで、斜め方向のダメージ傷や規則正しいループを描いたダメージ傷を作成することができ、意匠性に優れた様々なダメージ傷を形成することができる。
また、ワークの幅分のサンドペーパーを移動させるだけで、ワークに対して新たなサンドペーパーを配置することができ、容易にサンドペーパーを交換することが可能となる。
なお、サンドペーパーがワークの移動中にその移動方向と略垂直方向でない方向にも移動可能としてもよく、その場合にはさらに多様なダメージ傷をワークの加工対象面に形成することができるようになる。
また、サンドペーパーをワークの移動中にその移動方向に対して固定的とすることによって、ムラのある研磨傷が生じるのをさらに防ぐことも可能となる。
この構成により、前述したワイドベルトサンダーのロールシャフト(図11参照)とは異なり、寸法の大きなワークであったとしても、そのワークの加工対象面に対して均一に圧力をかけ均一なダメージ傷をつけることができる。
具体的には、加圧パッド1の長辺方向に等間隔に配置された複数のエアーパッドのそれぞれを調整することによって、サンドペーパーをワークの加工対象面に均等の力で押し付けることができる。
また、加圧パッド1はワークが移動しても固定的であるので、加圧パッド1の移動に伴う加圧力の変化等が生ずることがなく、正確に任意の圧力で加圧することができる。
これにより、ワークの加工対象面に均一なダメージ傷を形成することが可能となる。
特に、それぞれのエアーパッドに圧力センサーを設けて、ワーク移動中でもリアルタイムにその圧力センサーの値を測定し、常に適切な圧力となるように、それぞれのエアーパッドを調整することが望ましい。
前述のように、大きなワークに対してダメージ加工する場合には、従来からあるワイドベルトサンダーを使用するのが一般的である。この際使用できるワークの最大幅は、通常は1300mmであり、最大でも1340mmを超えることはない。この値を超えてしまうと、ロールシャフトが長くなってしまって、ワークに対して均等な押圧をかけることができず、図9で見られるようにワークの中心部分と端部分とで傷ムラができてしまう。
請求項4の構成により、従来のワイドベルトサンダーで使用できる長さを超えるワークであっても、ダメージ傷を形成することが可能となる。
特に、加圧パッド1の長辺の長さが1820mm以上であれば、通常サイズのワークの多くを利用することができ、さらに、2430mm以上であれば、特大サイズのワークも利用することができる。
この構成により、加圧パッド1と加圧パッド2とで、押圧接触状態の高度な調整が可能となる。
このことにより、具体的にはワークの移動中にリアルタイムでサンドペーパー及びワークにかかる加圧力を両側から微調整させて、ダメージ傷の大きさを変化させたりすることで、様々な高意匠の加工がしやすくなる。また、ワークの両面にサンドペーパーを押し付けて、ワークの両面を同時に加工対象面とする際にも有効である。
この構成により、寸法の大きなワークであったとしても、ワークの加工対象面に対して、さらに均一に圧力をかけ均一なダメージ傷をつけることができる。
具体的には、加圧パッド2に等間隔に配置された複数のエアーパッドのそれぞれを調整することによって、サンドペーパーをワークの加工対象面にさらに均等の力で押し付けることができる。
また、加圧パッド2の長辺方向はワークが移動しても固定的であるので、加圧パッド2の移動に伴う加圧力の変化等が生ずることがなく、正確に任意の圧力で加圧することができる。
これにより、ワークの加工対象面にさらに均一なダメージ傷を形成することが可能となる。
特に、それぞれのエアーパッドに圧力センサーを設けて、ワーク移動中でもリアルタイムにその圧力センサーの値を測定し、常に適切な圧力となるように、それぞれのエアーパッドを調整することが望ましい。
この構成により、請求項4の構成と同様、従来のワイドベルトサンダーで使用できる長さを超えるワークであっても、ダメージ傷を形成することが可能となる。
この構成により、駆動ローラによってサンドペーパーを移動させることができるので、サンドペーパーの移動を制御し易くなる。また、サンドペーパーを移動させる方向、すなわちワークの移動方向と略垂直方向の両端にそれぞれ対向するように2つのローラを備え、一方だけを駆動ローラ、或は両方とも駆動ローラとしてもよい。両方とも駆動ローラとすれば、サンドペーパーを一方向だけでなく、反対方向にも移動させることが可能となる。
この構成により、ワーク駆動装置により移動するワークの加工対象面にサンドペーパーが加圧パッド1で押圧接触されて、適度に均一で規則的な複数のダメージ傷を形成することができる。
すなわち、サンドペーパーは加圧パッドでワークに押圧接触された状態で、ワークの移動によりワークの加工対象面にダメージ傷を形成するものなので、図9のようなムラのある研磨傷が生ずることはなく、意匠性に優れたダメージ傷を形成することができる。
このようなダメージ傷がついていることで、塗装時の塗料の付きが良くなり、木本来のナチュラル感と迫力の両者を合わせ持ち、立体感や素材感のある高意匠の化粧板であるダメージ加工製品が得られる。
なお、ワークを移動させるための駆動ローラを、ワークが加圧パッド1、2の間に挟まれ押圧加工される前の箇所と押圧加工された後加圧パッド1、2の間から出てきた後の箇所に、それぞれ上下に設けて、上下両方の駆動ローラでワークを挟んで移動させる構成が望ましい。この構成だと、加圧パッド1、2によってワークに大きな加圧力がかかったとしても、それぞれ上下両方の駆動ローラによる強い推進力でワークを移動させることができる。
ここで、サンドペーパーのワークと接触する箇所が摩耗した場合には、ローラを回転することで、摩耗していないサンドペーパーに容易に変えることも可能である。
サンドペーパーの粗さはサンドペーパーの粒度として例えば100番台から40番台に変更することで行われる。この際も、サンドペーパーが巻かれたローラ自体を変更するだけでよい。
ダメージ傷を加工する場合、サンドペーパーの粒度は100以下が望ましい。粒度が10以上50以下の場合には、ワークの構成部材(例えば木繊維等)がちぎれて、木材の表面が毛羽立ったように加工することができ、立体感や使用感が増し、外観上使い古した木材を表現することができる。
特に粒度が24以上40以下の場合には、このような加工性も、外観もさらに良好となるので望ましい。
また、サンドペーパーが無端のものである場合(不図示)には、サンドペーパーはローラ8及びローラ9、そして加圧パッド1に掛け回した構成となっている。
この場合、サンドペーパーはローラ8、9の回転により、移動することができる。
何れか、または、両方のローラが駆動ローラであることが望ましい。
ここで、エアーパッド3による上部からの圧力が加圧パッド1に加わると、加圧パッド1はその圧力を均等の圧力に変えてサンドペーパーに伝え、それにより、サンドペーパーはワークの加工対象面に均等に圧力をかけることが可能となる。エアーパッド4による下部からの圧力も同様であり、この圧力が加圧パッド2に加わると、加圧パッド2はその圧力を均等の圧力に変えてワークに均等な圧力をかけることができる。
このようにワークは加圧パッド1によって上側から、また、加圧パッド2によって下側から均等に圧力を加えられる一方で、図8の矢印方向へ移動する。この際、加圧パッド1、2とも移動せずに固定的である。また、加圧パッド1の下側に配置されたサンドペーパーはワークの移動方向には移動しないように構成されている。
それにより、サンドペーパーとワークが擦れることになり、ワークにダメージ傷をつけることができるようになる。
すなわち、サンドペーパーの多数の研磨粒子により、適度に規則性を持った連続的な複数のダメージ傷として、次に説明する図1〜図6で示された実施形態1〜実施形態6のように本物の木目のような加飾をつけることにより、このような多様なデザインを表現することができる。
この場合、別のサンドペーパーを移動させるために、ローラ8、9に相当する別の2つのローラを設けるのが望ましい。
この際に塗布する塗料は水性でも構わないが、油性の方がよりしっかりとワークに塗料が定着するので望ましい。
さらにワークの使用感を増すために、前述の塗料が完全に乾いた後、さらに色違いの塗料を塗り、それが乾いた後に再度ダメージ加工機を使用することもできる。
この際に塗布する塗料については油性で構わないが、水性の方が塗装後の加工性が良く望ましい。
また、この際にダメージ加工機で使用する研磨部材の粒度は何れでも構わないが、特に40以上100以下の粒度だと最初に塗装した面を適度に表現することができる。
こうすることによって、最初の塗装により実現された、木目に類似した加飾に加えて、二度目の塗装により、さらに使用感の増した加飾を実現できる。
2 加圧パッド(下)(下方向からワークに圧力を加える)
3 エアーパッド(上)(上方向から加圧パッド1に圧力を加える)
4 エアーパッド(下)(下方向から加圧パッド2に圧力を加える)
6 サンドペーパー
7 サンドペーパーの移動方向の例
8 サンドペーパーが巻かれるローラ
9 サンドペーパーが巻かれるローラ
Claims (10)
- 交換可能なサンドペーパーと、
ワークを移動させるワーク駆動装置と、
前記サンドペーパーをワークの加工対象面に任意の加圧力で押圧接触させる加圧パッド1と、を備えたことを特徴とするダメージ加工機。 - 前記サンドペーパーはワークの移動中にその移動方向と略垂直方向に移動可能であることを特徴とする請求項1に記載のダメージ加工機。
- 前記加圧パッド1はワークの加工対象面に対する前記サンドペーパーの接触面が均等の力で押し付けられるように構成され、かつ、前記加圧パッド1はワークが移動しても固定的であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のダメージ加工機。
- 前記加圧パッド1の長辺の長さは1300mm以上であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のダメージ加工機。
- 前記加圧パッド1と対向する側にさらに任意の加圧力で押圧接触させる加圧パッド2を備え、前記加圧パッド1、2とで、前記サンドペーパーとワークを挟み込むことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のダメージ加工機。
- 前記加圧パッド2はワークの加工対象面に対する前記サンドペーパーの接触面が均等の力で押し付けられるように構成され、かつ、ワークが移動しても固定的であることを特徴とする請求項5に記載のダメージ加工機。
- 前記加圧パッド2の長辺の長さは1300mm以上であることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のダメージ加工機。
- 前記サンドペーパーを移動させる駆動ローラを備えたことを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のダメージ加工機。
- ワーク駆動装置によって移動するワークの加工対象面に、加圧パッド1によりサンドペーパーを任意の加圧力で押圧接触させて、ワークにダメージ傷を形成することを特徴とするダメージ加工方法。
- 加工面の一方の端側からそれに対向する他方の端側まで途切れの少ない適度に均一で規則的な複数のダメージ傷がついていることを特徴とするダメージ加工製品。
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