以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、遊技機の説明における前後左右とは、遊技中の遊技者から見た方向を指すものとする。
[第1実施形態]
〔遊技機全体図〕
図1は、遊技機を説明する図である。
遊技機10は島設備に固定される枠11に、ヒンジを介して開閉回動自在に取り付けられる開閉枠を備える。開閉枠は、前面枠12(本体枠)及びガラス枠15によって構成されている。
前面枠12には、遊技盤30(図2参照)が配設されるとともに、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス14を有するガラス枠15が取り付けられる。カバーガラス14は、遊技盤30に形成される遊技領域32(図2参照)を視認可能とする遊技視認領域として機能する。
前面枠12及びガラス枠15は、それぞれ個別に開放することが可能となっている。例えば、ガラス枠15のみを開放することで、遊技盤30の遊技領域32にアクセスすることができる。また、前面枠12をガラス枠15が開放されていない状態で開放することで、遊技盤30の裏面側に配設された遊技制御装置(主基板)100(図3参照)等にアクセスすることができる。
ガラス枠15のカバーガラス14周囲の縁部分には、種々の枠構成部材が配設されている。
ガラス枠15の上部中央及び左側部には、遊技状態に応じて発光演出可能な装飾装置18a、18bが配設されている。装飾装置18a,18bは、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じた発光演出を行う。これら装飾装置18a、18bの内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の上右角部分及び上左角部分には、上スピーカ19aがそれぞれ配設される。これら上スピーカ19aとは別に遊技機10の下部には、2つの下スピーカ19bが設けられている。下スピーカ19bは、ガラス枠15の下左角部分及び前面枠12の下右角部分に配設されている。これら上スピーカ19a及び下スピーカ19bは、効果音や警報音、報知音等を発するものである。
ガラス枠15の右側部には、遊技機10の上下方向に延設されるとともに、前方(遊技者側)に向かって突出する突出演出ユニット13が配設されている。突出演出ユニット13は、遊技の進行状態に応じて発光演出等を行う演出装置である。突出演出ユニット13の内部に配設される照明部材も枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
ガラス枠15の下部には、遊技球を貯留可能な上皿21を有する上皿ユニットが取り付けられている。上皿21は、上面が開口した箱状に形成されている。上皿21に貯留されている遊技球は、一球ずつ球発射装置(図示省略)に供給される。
上皿ユニットは、遊技者からの入力操作を受け付ける演出操作装置と、遊技者からの入力操作を受け付ける球貸操作装置と、遊技状態に応じて発光演出等を行う装飾装置22と、をさらに備える。
演出操作装置は、演出ボタン25にタッチパネル25bを組み込んだ操作装置であり、遊技者が操作しやすいように上皿ユニットの上部中央に設けられている。
遊技者が演出操作装置を操作することによって、表示装置41(図2参照)に表示される特図変動表示ゲーム等において遊技者の操作を介入させた演出を行うことができる。例えば、演出パターン(演出態様)を選択したり、始動記憶に対応する変動表示ゲームの結果を事前に予告する予告演出を実行したりすることができる。なお、変動表示ゲームには特図変動表示ゲームが含まれ、単に変動表示ゲームとした場合には、本明細書では特図変動表示ゲームを指すものとする。
また、変動表示ゲームの実行中だけでなく、非実行中に遊技者が演出操作装置を操作することによっても演出パターンを変更するようにしてもよい。
なお、変動表示ゲームが実行される際の遊技状態は、複数の遊技状態からなる。通常遊技状態(通常状態)とは、特別な遊技状態が発生していない遊技状態である。また、特別な遊技状態とは、例えば、特定遊技状態としての時短状態や変動表示ゲームにおいて特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)、大当り状態(特別遊技状態)である。
ここで、確変状態(特定遊技状態)は、次の大当りが発生するまで継続するもの(ループタイプ)、所定回数の変動表示ゲームが実行されるまで継続するもの(回数切りタイプ、ST)、及び所定の確率転落抽選に当選するまで継続するもの(転落抽選タイプ)等がある。
さらに、確変状態を発生させるか否かを大当り図柄乱数によって決定せずに、大当りが発生した場合に必ず確変状態を発生させるようにしてもよいし、特定領域を備える入賞装置等を設け、特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態を発生させるようにしてもよい。
球貸操作装置は、遊技者が遊技球を借りる場合に操作する操作装置であって、上皿ユニットの上部右側に設けられている。球貸操作装置は、球貸ボタン27と、返却ボタン28と、残高表示部26と、を備えている。球貸ボタン27は遊技球を借りる場合に遊技者が操作するボタンであり、返却ボタン28は遊技機10に隣接するように配置されるカードユニット(図示省略)からプリペイドカード等を排出させる場合に遊技者が操作するボタンである。残高表示部26は、プリペイドカード等の残高が表示される表示領域である。
装飾装置22は、内部にLED等の照明部材を収容しており、遊技状態に応じて発光演出等を行う装置であって、上皿ユニットの前側部分に設けられている。装飾装置22の内部に配設される照明部材は、枠装飾装置18(図4参照)の一部を構成している。
上記した上皿ユニット等を備えるガラス枠15の下方であって、前面枠12の下部には、球発射装置(図示省略)の動作を制御するための操作ハンドル24と、遊技球を貯留可能な下皿23とが設けられている。
操作ハンドル24は、前面枠12の右下部であって、右側の下スピーカ19bの下方に配置されている。遊技者が操作ハンドル24を回動操作することによって、球発射装置は上皿21から供給された遊技球を遊技盤30の遊技領域32に発射する。球発射装置から発射される遊技球の発射速度は、操作ハンドル24の回動操作量が大きくなるほど速くなるように設定されている。即ち、球発射装置は、遊技領域に遊技球を発射する勢(速度)である発射勢を、遊技者による操作ハンドル24の操作に対応して変更でき、発射勢の異なる種々の発射態様で遊技球を発射できる。発射態様には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち(通常打ち)と、遊技領域32の右側において遊技球を流下させる右打ちが含まれる。
下皿23は、上皿ユニットに対して所定の間隔をあけて、上皿ユニットの下方に配置されている。下皿23は、当該下皿23の底面を上下方向に貫通する球抜き穴23aと、球抜き穴23aを開閉するための開閉操作部23bと、を有している。遊技者が開閉操作部23bを操作して、球抜き穴23aを開くことによって、下皿23に貯留されていた遊技球を球抜き穴23aを通じて外部に排出することができる。
〔遊技盤〕
続いて、図2を参照して、遊技機10の遊技盤30について説明する。図2は、遊技機10に備えられる遊技盤30の正面図である。
図2に示すように、遊技盤30は、各種部材の取付ベースとなる平板状の遊技盤本体30aを備える。遊技盤本体30aは木製又は合成樹脂製であって、当該遊技盤本体30aの前面にはガイドレール31で囲まれた遊技領域32が設けられている。遊技機10は、ガイドレール31で囲まれた遊技領域32内に球発射装置から遊技球を発射して遊技を行うように構成されている。遊技領域32には遊技球の流下方向を変換する部材として風車や障害釘等が配設されており、発射された遊技球はこれら部材により転動方向を変えながら遊技領域32を流下する。
遊技領域32の略中央には、変動表示ゲームの表示領域となる窓部を形成するセンターケース(前面構成体)40が取り付けられている。センターケース40に形成された窓部の後方には、複数の識別情報を変動表示(可変表示)する演出表示装置(変動表示装置)としての表示装置41が配置されている。表示装置41は、例えば、液晶ディスプレイを備え、センターケース40の窓部を介して遊技盤30の前面側から表示内容が視認可能となるように配置される。なお、表示装置41は、液晶ディスプレイを備えるものに限らず、ELやCRT等のディスプレイを備えるものであってもよい。
表示装置41の表示画面(表示部)には、複数の変動表示領域が設けられており、各変動表示領域に識別情報(特別図柄)や変動表示ゲームを演出するキャラクタが表示される。その他、表示画面には遊技の進行に基づく画像(大当り表示やファンファーレ表示、エンディング表示等)が表示される。
また、センターケース40には、遊技領域32を流下する遊技球をセンターケース40の内側に導くためのワープ通路40eへの流入口40aと、ワープ通路40eを通過した遊技球が転動可能なステージ部40bとが設けられている。センターケース40のステージ部40bは、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42を備える始動入賞口ユニット101の上方に配置されているため、ステージ部40b上で転動した遊技球は第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に入賞しやすくなっている。
センターケース40の上部及び右側部には、それぞれ上部演出ユニット40c及び側部演出ユニット40dが設けられる。上部演出ユニット40c(可動役物でもよい)及び側部演出ユニット40d(可動役物でもよい)は、盤装飾装置46(図4参照)及び盤演出装置44(図4参照)の一部を構成している。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。普図始動ゲート34の内部には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するためのゲートスイッチ(SW)34a(図3参照)が設けられている。遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図変動表示ゲームが実行される。
センターケース40の左下方の遊技領域32には一般入賞口35が配置されており、センターケース40の右下方の遊技領域32にも一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35への遊技球の入賞は、一般入賞口35に備えられた入賞口スイッチ(SW)35a〜35n(図3参照)によって検出される。
センターケース40の下方の遊技領域32には、始動入賞口ユニット101が設けられる。始動入賞口ユニット101の下部には、遊技球が入賞した場合に特図1変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第1始動入賞口36(第1始動入賞領域、始動口1)と、遊技球が入賞した場合に特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第3始動入賞口42(第3始動入賞領域、始動口3)とを備える。
始動入賞口ユニット101は、共通入口103から入った遊技球を入賞切替機構105によって振分けて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞させ得るように構成されている。なお、入賞切替機構105として、公知の機構(例えば、特開2015−36026号公報、特開2015−77230号公報に記載)が使用可能である。入賞切替機構105は、入賞領域を変更する領域変更手段を構成する。
入賞切替機構105は、始動入賞口ユニット101の共通入口103から入った遊技球を左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に振分けて、始動入賞口ユニット101内を流下させる。始動入賞口ユニット101の共通入口103には、遊技領域32の左側において遊技球を流下させる左打ち時において、右打ち時より遊技球は流入し易くなる。
入賞切替機構105は、始動入賞口ユニット101本体に対して回転軸を中心として回動する回転部材と、回転部材の回転を止めるストッパ部材を有する。回転部材は、回転軸から三方に延びる三つの延在部を有する。三つの延在部によって、第1始動入賞口36へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部と、第3始動入賞口42へ流下させる遊技球を収容するL字状の収容部が形成される。
入賞切替機構105は、回転部材を左側と右側とに交互に回転させ、遊技球が入賞する始動入賞口を、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に切り替える。始動入賞口ユニット101の共通入口103に入球した遊技球は、エラーがない限り、入賞切替機構105によって左側(第1始動入賞口36側)と右側(第3始動入賞口42側)に交互に振分けられて、第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞(入球)することになる。
センターケース40の右方の遊技領域32には、普図始動ゲート34に下方において、遊技球の入賞に基づき特図2変動表示ゲームの開始条件(始動条件)を付与する第2始動入賞口(第2始動入賞領域)を備えた普通変動入賞装置37が設けられる。普通変動入賞装置37は、上端側が右側に倒れる方向に回動することで、遊技球が流入し易い状態に変換する可動部材(可動片)37bを備える。可動部材37bが閉状態である場合には遊技球が普通変動入賞装置37に入賞できないようになっている。遊技球が第1始動入賞口36、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)、又は、第3始動入賞口42に入賞した場合には、補助遊技として特図変動表示ゲームが実行される。
可動部材37bは、所謂電チュー型の普通電動役物であり、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合に、普電ソレノイド37c(図3参照)を介して回動して開いて、遊技球が普通変動入賞装置37に流入しやすい開状態(遊技者にとって有利な入賞容易状態)に変化する。
なお、可動部材37bは、後述する遊技制御装置100によって制御される。遊技制御装置100は、普図変動表示ゲームの変動時間を短縮したり普図変動表示ゲームの当り確率を通常よりも高確率としたりすることで入賞容易状態の発生頻度を高めたり、通常遊技状態で発生する入賞容易状態よりも入賞容易状態の発生時間を長くしたりすることで、前述の特定遊技状態として時短状態(普電サポート状態)を発生させる。なお、特定遊技状態としての確変状態(潜伏確変状態を除く)においても、重複して時短状態(普電サポート状態)が発生する。
普通変動入賞装置37の左下方の遊技領域32には、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)によって、前方から奥側に引っ込むことで大入賞口を開放するアタッカ形式の開閉扉39cを有する特別変動入賞装置39が設けられている。特別変動入賞装置39は、特図変動表示ゲームの結果によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な特別遊技状態)に変換し、大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせることで、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。なお、大入賞口内には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてカウントスイッチ39a(図3参照)が配設されている。
変動入賞装置ユニット107には、特別変動入賞装置39の大入賞口の他に、右下方の遊技領域32における一般入賞口35が設けられる。
一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、及び特別変動入賞装置39の大入賞口に遊技球が入賞すると、払出制御装置200(図3参照)は、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球を払出装置から上皿21に排出する。また、始動入賞口ユニット101の下方の遊技領域32には、入賞口等に入賞しなかった遊技球を回収するアウト口30bが設けられている。
また、遊技領域32の外側であって遊技盤本体30aの右下角部には、特図変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム、特図2変動表示ゲーム)及び普図変動表示ゲームを実行する一括表示装置50が設けられている。一括表示装置50は、現在の遊技状態等の情報を表示する表示部51〜60(LEDランプ)を備える。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部51(特図1表示器)及び第2特図変動表示部52(特図2表示器)と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部53(普図表示器)と、各変動表示ゲームの始動(保留)記憶数報知用の記憶表示部(特図1保留表示器54、特図2保留表示器55、普図保留表示器56)と、を有している。
また、一括表示装置50には、右打ち時(右打ちすべき時)又は左打ち時(通常打ち時)であることを報知する第1遊技状態表示部57(第1遊技状態表示器)、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示部58(第2遊技状態表示器)、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する第3遊技状態表示部59(第3遊技状態表示器、高確率報知LED、確率状態表示部)、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置39の開閉回数)を表示するラウンド表示部60が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52において、変動表示ゲームは、識別情報(例えば、中央のセグメント)の点灯消灯(点滅)を繰り返す変動表示によって実行される。なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、このようなセグメント型の表示部に限らず、複数のLEDの集合体により構成されていてもよいし、変動表示を実行する場合に、表示器として設けられるすべてのLEDにより全点灯全消灯(全LEDの同時点滅)や、循環点灯(何れか1のLEDから所定時間毎に所定の順序で点灯し、消灯する)、または複数のLEDのうちの所定数のLEDによる点灯消灯(点滅)や循環点灯によって行ってもよい。普図表示器53においても、変動表示ゲームは、LEDランプの点灯消灯を繰り返す変動表示(点滅)によって実行される。また、普図表示器53も特図1表示器51、特図2表示器52と同様に適宜構成することが可能である。
ランプ表示装置80は、図柄(後述の第四特別図柄)として点灯表示と消灯表示を繰り返す変動表示(点滅)を実行するランプ表示部1、2(LED)と、各特図変動表示ゲームの始動記憶数(保留数)報知用のランプ表示部3−6(LED)を有する。なお、ランプ表示装置80は、演出制御装置300(後述)で制御される。
ランプ表示部1、2は、変動表示として所定の点滅周期で点滅する。一括表示装置50の特図1表示器51、特図2表示器52、普図表示器53における変動表示の変動時間が遊技制御装置100で計測されるのに対して、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2の変動時間は演出制御装置300(後述)で計測される。
ランプ表示部3、4(飾り特図1保留LED1、飾り特図1保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特図1保留数(第1始動記憶数)を表示する。同様に、ランプ表示部5、6(飾り特図2保留LED1、飾り特図2保留LED2)は、消灯状態、点灯状態、点滅状態によって、飾り特図2保留数(第2始動記憶数)を表示する。
ランプ表示部1、2(後述の第四特別図柄)の点滅周期と、ランプ表示部3−6(飾り特図保留)の点滅周期は、いずれも同じ200msec(100msecオン、100msecオフ)でよいが、飾り特図保留と第四特別図柄を区別し易いように点滅周期を異ならせてもよい。また、ランプ表示部1−6のオン/オフ(表示/非表示)の時間を異ならせてもよい。
次に、遊技機10における遊技の流れ、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームの詳細について説明する。
遊技機10では、図示しない球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口30bへ流入し、遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37、又は特別変動入賞装置39に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が払出装置を介して上皿21に排出される。
普図始動ゲート34には、当該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられている。遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、ゲートスイッチ34aによって検出され、このときに抽出された当り判定用乱数値の判定結果に基づき普図変動表示ゲームが実行される。
普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われており当該普図変動表示ゲームが終了していない場合や、普図変動表示ゲームの結果が当りとなって普通変動入賞装置37が開放状態に変換されている場合に、遊技球が普図始動ゲート34を通過すると、普図始動記憶数が上限数未満ならば当該記憶数が加算(+1)される。
普図始動記憶には普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されており、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出される。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた普図表示器53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
普図始動ゲート34通過時に抽出された普図乱数値が当り値である場合には、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば0.3秒間)だけ開状態に変換され、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が許容される。
遊技球の第1始動入賞口36への入賞、普通変動入賞装置37への入賞、及び第3始動入賞口42への入賞は、始動口1スイッチ36a(図3参照)、始動口2スイッチ37a(図3参照)及び始動口3スイッチ42a(図3参照)によって検出される。第1始動入賞口36に入賞した遊技球は特図1変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(本実施形態では4)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37及び第3始動入賞口42に入賞した遊技球は特図2変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(本実施形態では4)を限度に記憶される。
特図変動表示ゲームの始動入賞球の検出時には、大当り乱数値や大当り図柄乱数値、各変動パターン乱数値等が抽出される。これら乱数値は、遊技制御装置100の特図保留記憶領域(RAMの一部)に特図始動入賞記憶として各々所定回数分(例えば最大で8回分)を限度に記憶される。特図1始動入賞記憶(特図1始動記憶、第1始動記憶)の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1保留表示器54に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。特図2始動入賞記憶(特図2始動記憶、第2始動記憶)の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図2保留表示器55に表示されるとともに、表示装置41の表示画面にも表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36への入賞若しくは第1始動記憶に基づいて、特図1表示器51で特図1変動表示ゲームを実行する。また、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37又は第3始動入賞口42への入賞若しくは第2始動記憶に基づいて、特図2表示器52で特図2変動表示ゲームを実行する。
特図1変動表示ゲーム(第1特図変動表示ゲーム)及び特図2変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)は、特図1表示器51及び特図2表示器52において識別情報(特別図柄、特図)を変動表示した後に所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41では、各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示(スクロール表示)を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、興趣向上のためにキャラクタの出現等の多様な演出表示が行われる。さらに、飾り特図変動表示ゲームでは、他の飾り特別図柄(識別情報)として、点灯表示と消灯表示の繰り返し(点滅)などによって第四特別図柄(第4図柄)が変動して、特図変動表示ゲームの実行中であることを示す。第四特別図柄の変動表示は、開始から所定時間後に、はずれの場合は「消灯」、大当りの場合は「点灯」で停止する。第四特別図柄の変動表示は、ランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示されるが、それ以外の表示装置41、サブ表示装置で表示されてもよい。
第1始動入賞口36、第3始動入賞口42又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が所定のタイミングでなされた場合(入賞検出時の大当り乱数値が大当り値である場合)には、特図変動表示ゲームの結果として表示図柄により特定の結果態様(特別結果態様)が導出され、大当り状態(特別遊技状態)となる。これに対応して、表示装置41の表示態様は特別結果態様(例えば「7,7,7」等の数字が揃った状態)となる。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド(39b)(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の時間(例えば30秒)だけ閉状態から開状態に変換される。すなわち、特別変動入賞装置39に備えられた大入賞口が所定の時間又は所定数の遊技球が入賞するまで大きく開き、この間遊技者は多くの遊技球を獲得することができるという特典が付与される。
このとき、特別変動入賞装置39は、大入賞口ソレノイド39b(図3参照)への通電によって、大入賞口が所定の短時間だけ閉状態から開状態に変換される。
なお、特図1表示器51及び特図2表示器52は、別々の表示器として構成してもよいし同一の表示器として構成してもよいが、各特図変動表示ゲームが同時に実行されないように設定される。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームについては、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームとを別々の表示装置や別々の表示領域で実行するようにしてもよいし、同一の表示装置や表示領域で実行するようにしてもよい。この場合、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームに対応する飾り特図変動表示ゲームが同時に実行されないようにする。なお、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームは、入賞(即ち始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており(入賞順消化)、特図1変動表示ゲーム及び/又は特図2変動表示ゲームの始動記憶が生じて特図変動表示ゲームの実行が可能な状態になった場合は、最も古くに発生した始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行される。
なお、以下の説明において、特図1変動表示ゲームと特図2変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
また、特に限定されるわけではないが、上記第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42内の始動口3スイッチ42a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、カウントスイッチ(39a)には、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64(本体枠開放検出スイッチ)には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
〔遊技制御装置〕
図3は、遊技機10の遊技制御系のブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源からDC32Vの直流電圧を生成するACDCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路を有し、遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
本実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
また、遊技制御装置100には初期化スイッチ112が設けられている。初期化スイッチ112が操作されると初期化スイッチ信号が生成され、これに基づき遊技用マイコン111内のRAM111c及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する処理が行われる。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111a、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111b及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111cを備える。
ROM111bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111cは、遊技制御時にCPU111aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111b又はRAM111cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。変動パターン(変動態様)には、リーチを生じさせるパターンが含まれることがある。
ここでリーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうちいずれか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、リーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしてもよい。
そして、リーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(期待値が異なる)リーチ演出の系統(リーチの種類、種別)として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル0リーチ(SP0リーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチが設定されている。なお、期待値(期待度、信頼度)は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル0リーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチ(全回転リーチ)の順に高くなるようになっている。また、リーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合と比較して大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111aは、ROM111b内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当りを判定するための大当り乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチなしの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111aに対する所定周期(例えば、4msec(ミリ秒))のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111aは、特図変動表示ゲームに関する処理において、ROM111bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当りあるいははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態あるいは高確率状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、いずれか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。ここで、CPU111aは、特図変動表示ゲームを実行する場合に、ROM111bに記憶された複数の変動パターンテーブルのうち、いずれか一の変動パターンテーブルを取得する変動振り分け情報取得手段をなす。
払出制御装置200は、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニット600からの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータ91を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、遊技機に対する電波の発射を検出する電波センサ62(盤電波センサ)、普図始動ゲート34のゲートスイッチ34a、第1始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、第2始動入賞口37内の始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42内の始動口3スイッチ42a、入賞口スイッチ35a、特別変動入賞装置39の大入賞口スイッチ39aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。
近接I/F121の出力は、第2入力ポート123又は第3入力ポート124に供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれる。なお、近接I/F121の出力のうち、ゲートスイッチ34a、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ42a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aの検出信号は第3入力ポート124に入力される。
また、近接I/F121の出力のうち、電波センサ62の検出信号及びセンサやスイッチの異常を検出した際に出力される異常検知信号は第2入力ポート123に入力される。
また、遊技機10は、遊技条件に関する設定を変更可能な設定変更装置43(設定変更手段)を有しており、第2入力ポート123は設定変更装置43に接続されて設定変更装置43からの信号が入力される。例えば、設定変更装置43は、通常スロットマシンに設けられる設定変更装置でよく、キースイッチ、ボタンスイッチ、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成されるものでよい。設定変更装置43は、遊技機10内部に設けられ、例えば前面枠12を開けなければ操作できない位置(アクセスできない位置)に設けられる。即ち、一般の遊技者は、設定変更装置43にアクセスして操作することができない。なお、設定変更装置43を遊技制御装置100上(主基板上)に組み付けるようにして設けてもよい。
設定変更装置43によって、大当りの確率や確変突入率などの遊技条件に関する設定を変更することができる。本実施形態において、遊技条件に関する設定は、設定1、設定2、設定3があり、設定1が遊技者に最も不利な設定(低設定)であり、設定2が中間の設定(中間設定)であり、設定3が遊技者に最も有利な設定(高設定)である。
また、第2入力ポート123には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61の検出信号、払出制御装置200から出力される枠電波不正信号、払出ビジー信号が入力される。なお、振動を検出する振動センサスイッチを遊技機に設け、検出信号が第2入力ポート123に入力されるようにしてもよい。枠電波不正信号は前面枠12(本体枠)に設けられた枠電波センサが電波を検出することに基づき出力される信号であり、払出ビジー信号は払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である。
また、近接I/F121の出力のうち、第3入力ポート124への出力は、遊技制御装置100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へも供給されるようになっている。さらに、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aと始動口3スイッチ42aの検出信号は、第3入力ポート124の他、遊技用マイコン111に入力されるように構成されている。
前述のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
第3入力ポート124が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第3入力ポート124に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE2をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。第2入力ポート123や後述の第1入力ポート122も同様である。
また、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられたガラス枠開放検出スイッチ63、前面枠12等に設けられた前面枠開放検出スイッチ64からの信号、払出異常を示すステータス信号、払出前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号、操作ハンドル24に設けられたタッチスイッチの入力に基づくタッチスイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート122が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号やリセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットバッファ125が設けられており、シュミットバッファ125はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの停電監視信号や、初期化スイッチ112からの初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート122に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットバッファ125によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置に出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。
また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置に出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123,124には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130には、遊技用マイコン111から演出制御装置300への通信経路及び遊技用マイコン111から払出制御装置200への通信経路に配されるシュミットバッファ132が設けられている。遊技制御装置100から演出制御装置300及び払出制御装置200へは、シリアル通信でデータが送信される。なお、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにした片方向通信とされている。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ133が実装可能に構成されている。バッファ133は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ133を通さずに中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や電波センサ62のようにそのままでは試射試験装置に供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ133、中継基板70を介して試射試験装置に供給される。
なお、中継基板70には、バッファ133から出力された信号を取り込んで試射試験装置に供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置に供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され普通変動入賞装置37を開放させるソレノイド(普電ソレノイド)37c、特別変動入賞装置39を開放させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)39bの開閉データを出力するための第2出力ポート134が設けられている。
また、出力部130には、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136が設けられている。
また、出力部130には、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71に出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71にはフォトリレーが備えられ、例えば遊技店に設置された外部装置(情報収集端末や遊技場内部管理装置(ホールコンピュータ)など)に接続可能であり、遊技機10に関する情報を外部装置に供給することができるようになっている。また、第5出力ポート137からはシュミットバッファ132を介して払出制御装置200に発射許可信号も出力される。
さらに、出力部130には、第2出力ポート134から出力される普電ソレノイド37cや大入賞口ソレノイド39bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置に供給する外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dが設けられている。
第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第2ドライバ138bには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第3ドライバ138cは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。
12Vを出力する第2ドライバ138bによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第3ドライバ138cによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71に出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ133や第2出力ポート134、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置250へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置250との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123,124のようなポートは設けられていない。
〔演出制御装置〕
次に、図4を用いて、演出制御装置300(サブ基板)の構成について説明する。図4は、遊技機10の演出制御系のブロック図である。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(CPU)311と、主制御用マイコン311からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)312と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
主制御用マイコン311には、CPUが実行するプログラムや各種データを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、作業領域を提供するRAM322、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、現在の日時(年月日や曜日、時刻など)を示す情報を生成する計時手段をなすRTC(リアルタイムクロック)338が接続されている。なお、主制御用マイコン311の内部にも作業領域を提供するRAMが設けられている。
また、主制御用マイコン311にはWDT(ウォッチドッグタイマ)回路324が接続されている。主制御用マイコン311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定してVDP312に出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータやソレノイドの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。
VDP312には、作業領域を提供するRAM312aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ312bが設けられている。また、VDP312にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM325や、画像ROM325から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)326が接続されている。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン311とVDP312との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。
VDP312から主制御用マイコン311へは、表示装置41の映像とガラス枠15や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるための垂直同期信号VSYNC、データの送信タイミングを与える同期信号STSが入力される。なお、VDP312から主制御用マイコン311へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び主制御用マイコン311からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITなども入力される。
演出制御装置300には、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41に送信する映像信号を生成する信号変換回路313が設けられている。VDP312から信号変換回路313へは、映像データ、水平同期信号HSYNC及び垂直同期信号VSYNCが入力されるようになっており、VDP312で生成された映像は、信号変換回路313を介して表示装置41に表示される。
音源LSI314には音声データが記憶された音ROM327が接続されている。主制御用マイコン311と音源LSI314は、アドレス/データバス340を介して接続されている。また、音源LSI314から主制御用マイコン311へは割込み信号INTが入力されるようになっている。演出制御装置に300には、ガラス枠15に設けられた上スピーカ19a及び前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337が設けられており、音源LSI314で生成された音声はアンプ回路337を介して上スピーカ19a及び下スピーカ19bから出力される。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。コマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信された飾り特図保留数コマンド、飾り特図コマンド、変動コマンド、停止情報コマンド等を、演出制御指令信号(演出コマンド)として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置46を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、ガラス枠15に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める可動役物等)を駆動制御する盤演出可動体制御回路334が設けられている。
ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜334は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン311と接続されている。なお、ガラス枠15に設けられているモータ等の枠演出装置を駆動制御する枠演出可動体制御回路を備えていてもよい。
さらに、演出制御装置300には、ガラス枠15に設けられた演出ボタン25に内蔵されている演出ボタンスイッチ25a、演出ボタン25の表面に設けられているタッチパネル25b、盤演出装置44内のモータの初期位置等を検出する演出役物スイッチ47(演出モータスイッチ)のオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力する機能や、演出制御装置300に設けられた音量調節スイッチ335の状態を検出して主制御用マイコン311に検出信号を入力するスイッチ入力回路336が設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、前述のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41、モータやLEDを駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、モータやLED、スピーカを駆動するためのDC15Vの電圧を生成するように構成されている。
さらに、主制御用マイコン311として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号は、主制御用マイコン311に供給され、当該デバイスをリセット状態にする。また、主制御用マイコン311から出力される形で、VDP312(VDPRESET信号)、音源LSI314、スピーカを駆動するアンプ回路337(SNDRESET信号)、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜334(IORESET信号)に供給され、これらをリセット状態にする。また、演出制御装置300には遊技機10の各所を冷却する冷却FAN45が接続され、演出制御装置300の電源が投入された状態では冷却FAN45が駆動するようにされている。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、普図表示器に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する。普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、変換部材(可動部材37b)の変換制御を行う変換制御実行手段をなす。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、第1始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、始動記憶に基づき、特図1変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図1変動表示ゲームの当り外れを判定する。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37a、第3始動入賞口42に備えられた始動口3スイッチ42aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、始動記憶に基づき、特図2変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111bに記憶されている判定値と比較し、特図2変動表示ゲームの当り外れを判定する。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する。すなわち、遊技制御装置100が、遊技領域32を流下する遊技球の始動入賞領域(第1始動入賞口36、普通変動入賞装置37、第3始動入賞口42)への入賞に基づき変動表示ゲームの進行制御を行う遊技制御手段をなす。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、演出状態の設定や、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技(変動表示ゲーム等)に関する演出を制御する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111aは、例えば、大入賞口ソレノイド39bにより特別変動入賞装置39の開閉扉39cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間(例えば、27秒又は0.05秒)が経過するかのいずれかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンド(R)とし、これを所定ラウンド回数(例えば、16回、6回など)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、停止結果態様が特別結果態様となった場合に、大入賞口を開閉する制御を行う大入賞口開閉制御手段をなす。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。高確率状態(確変状態)は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態と比較して高い状態である。また、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、特図1変動表示ゲーム及び特図2変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態(特定遊技状態)を発生可能となっている。時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するため、普電サポート状態(電サポ状態)となる。なお、潜伏確変状態を除く高確率状態(通常の確変状態)でも、重複して時短状態にして普電サポート(電サポ)を実行する。
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間にする時間短縮変動が可能である(例えば、10000msecが1000msec)。なお、時短状態においては、特図変動表示ゲームの実行時間(特図変動時間)も通常より短縮され、特図変動表示ゲームの時間短縮変動も実行する。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する普図停止時間を第1停止時間(例えば1604msec)よりも短い第2停止時間(例えば704msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)が通常状態の第1開放時間(例えば100msec)よりも長い第2開放時間(例えば1352msec)となるように制御することが可能である。
また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を第1開放回数(例えば2回)よりも多い回数(例えば、4回)の第2開放回数に設定することが可能である。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常動作状態である場合の通常確率(低確率)よりも高い高確率とすることが可能である。
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率のいずれか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、時短状態では、通常遊技状態よりも普通変動入賞装置37への入賞が容易化して、単位時間当たりの特図変動表示ゲームの実行回数が通常遊技状態よりも増加可能である。また、変化させるものが異なる複数種類の時短状態を設定することも可能である。また、通常動作状態において可動部材37bを開放しないように設定(普図確率が0)してもよい。また、当りとなった場合に第1開放態様と第2開放態様のいずれかを選択するようにしてもよい。この場合、第1開放態様と第2開放態様の選択確率を異ならせてもよい。また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし一方のみを発生させることも可能である。
[遊技制御装置の制御]
以下、このような遊技を行う遊技機の制御について説明する。まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に図5A及び図5Bに示すメイン処理と、所定時間周期(例えば4msec)で行われる図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
〔メイン処理(遊技制御装置)〕
まず、メイン処理について説明する。図5A及び図5Bは、遊技制御装置100によるメイン処理の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。なお、遊技制御装置100が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「A****」と表されている。
図5Aに示すように、遊技制御装置100は、メイン処理を開始すると、まず、割込みを禁止する処理を実行する(A1001)。さらに、割込み発生時にレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理を実行する(A1002)。
続いて、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク0を指定し(A1003)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1004)。例えば、RAMのアドレスが0000h〜01FFhの範囲である場合に、上位アドレスとして00hをセットする。
次に、遊技制御装置100は、発射禁止の信号を出力して発射許可信号を禁止状態に設定する(A1005)。発射許可信号は遊技制御装置100と払出制御装置200の少なくとも一方が発射禁止の信号を出力している場合に禁止状態に設定され、遊技球の発射が禁止されるようになっている。その後、遊技制御装置100は、入力ポート1(第1入力ポート122)の状態を読み込む(A1006)。
さらに、遊技制御装置100は、電源ディレイタイマを設定する(A1007)。電源ディレイタイマに所定の初期値を設定することにより、主制御手段をなす遊技制御装置100からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(例えば、払出制御装置200や演出制御装置300)のプログラムが正常に起動するまで待機するための待機時間(例えば3秒)が設定される。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって従制御装置(例えば払出制御装置200や演出制御装置300)が立ち上がる前にコマンドを従制御装置に送ってしまい、従制御装置がコマンドを取りこぼすことを回避することができる。すなわち、遊技制御装置100が、電源投入時において、主制御手段(遊技制御装置100)の起動を遅らせて従制御装置(払出制御装置200、演出制御装置300等)の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段をなす。
また、電源ディレイタイマの計時は、RAMの正当性判定(チェックサム算出)の対象とならない記憶領域(正当性判定対象外のRAM領域又はレジスタ等)を用いて行われる。これにより、RAM領域のチェックサム等のチェックデータを算出する際に、一部のRAM領域を除外して算出する必要がないため電源投入時の制御が複雑になることを防止することができる。
なお、第1入力ポート122には初期化スイッチ信号が入力されるようになっており、待機時間の開始前に第1入力ポート122の状態を読み込むことで、初期化スイッチ112の操作を確実に検出できる。すなわち、待機時間の経過後に初期化スイッチ112の状態を読み込むようにすると、待機時間の経過を待ってから初期化スイッチ112を操作したり、電源投入から待機時間の経過まで初期化スイッチ112を操作し続けたりする必要がある。しかし、待機時間の開始前に状態を読み込むことで、このような煩わしい操作を行わなくても電源投入後すぐに操作を行うことで検出されるようになり、電源投入時に行った初期化の操作が受け付けられないような事態を防止できる。
電源ディレイタイマを設定すると(A1007)、遊技制御装置100は、待機時間の計時と、待機時間中における停電の発生を監視する処理とを実行する(A1008からA1012)。
停電監視処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数(例えば2回)を設定し(A1008)、停電監視信号がオンである否かを判定する(A1009)。
遊技制御装置100は、停電監視信号がオンである場合には(A1009の結果が「Y」)、ステップA1008の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1010)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1010の結果が「N」)、ステップA1009の停電監視信号がオンであるか否かを判定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1010の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。このように、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定することで、ノイズなどにより停電を誤検知することを防止でき、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。
すなわち、遊技制御装置100が、所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段をなす。これにより、主制御手段をなす遊技制御装置100の起動を遅らせている期間において発生した停電に対応することが可能となり、電源投入時における不具合に適切に対処することができる。なお、待機時間の終了まではRAMへのアクセスが許可されておらず、前回の電源遮断時の記憶内容が保持されたままとなっているため、ここでの停電発生時にはバックアップの処理等は行う必要がない。したがって、待機時間中に停電が発生してもRAMのバックアップを取る必要がなく、制御の負担を軽減することができる。
一方、遊技制御装置100は、停電監視信号がオンでない場合(A1009の結果が「N」)、すなわち、停電が発生していない場合には、電源投入ディレイタイマを−1更新し(A1011)、タイマの値が0であるか否かを判定する(A1012)。タイマの値が0でない場合(A1012の結果が「N」)、すなわち、待機時間が終了していない場合には、ステップA1008の停電監視信号のチェック回数を設定する処理に戻る。
また、遊技制御装置100は、タイマの値が0である場合(A1012の結果が「Y」)、すなわち、待機時間が終了した場合には、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセスを許可し(A1013)、全出力ポートにオフデータを出力(出力が無い状態に設定)する(A1014)。
次に、遊技制御装置100は、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、演出制御装置300や払出制御装置200との通信に使用)を設定する(A1015)。
続いて、遊技制御装置100は、設定変更装置43がオンであるか否か、即ち、設定変更装置43が設定を変更可能な状態となっているか否かを判定する(A1016)。例えば、キーが差し込まれるなどして設定変更装置43のキースイッチがオンしている場合に、設定変更装置43がオンであると判定できる。
遊技制御装置100は、設定変更装置43がオンである場合に(A1016の結果が「Y」)、設定変更を行う設定変更処理を実行する(A1017)。設定変更処理では、操作者によって設定変更装置43のボタンスイッチが押される度に、遊技機10の設定を設定1→設定2→設定3→設定1・・・のように変更して選択する。なお、ボタンスイッチの操作ではなく、キーを所定の位置に回転操作して設定を変更する構成としてもよい。そして、選択されている1〜3の設定値が、設定変更装置43の7セグメント型の表示器に表示される。キーが抜かれるなどして設定変更装置43のキースイッチがオフした際に、設定(即ち設定値)が確定してRWM(記憶手段)内の設定情報記憶領域に記憶され、設定変更処理は終了する。設定変更装置43の7セグメント型の表示器は、電気回路を介してボタンスイッチの操作に直接連動して変化させてよいし、遊技用マイコン111を介して変化させてもよい。
遊技制御装置100は、設定変更装置43がオンでない場合に(A1016の結果が「N」)、先に読み込んだ第1入力ポート122の状態から初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定する(A1018)。ここでは、RAM領域をクリアする初期化を実行するか否かを判定している。
遊技制御装置100は、初期化スイッチ112がオフである場合には(A1018の結果が「N」)、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1019)。そして、正常であれば(A1019の結果が「Y」)、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否かを判定する(A1020)。
さらに、遊技制御装置100は、停電検査領域2の値が正常であれば(A1020の結果が「Y」)、RWM内の所定領域のチェックサムを算出するチェックサム算出処理(正当性判定手段)を実行し(A1021)、算出されたチェックサムと電源断時のチェックサムが一致するか否かを判定する(A1022)。チェックサムが一致する場合には(A1022の結果が「Y」)、図5BのステップA1023の処理に移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を実行する。
なお、ステップA1021とA1022の処理を、RWM内の設定情報記憶領域と遊技情報記憶領域とで別々で行うようにした場合は、後のステップA1028−A1032において、不一致が検出された方の領域のみを、初期化(遊技情報記憶領域に対して)するか又はデフォルト設定(設定情報記憶領域に対して)にするようにしてもよいし、一方の領域で不一致が検出された場合でも、両方の領域を初期化(遊技情報記憶領域に対して)及びデフォルト設定(設定情報記憶領域に対して)にするようにしてもよい。例えば、設定情報記憶領域の異常(チェックサムの不一致)を検出した場合、後のステップA1031において、誤った設定情報が設定情報記憶領域にセーブされているとして、設定情報記憶領域にデフォルト設定として所定の設定情報(例えば設定1)を初期値としてセーブできる。なお、遊技情報記憶領域は、遊技(変動表示ゲーム)に関する遊技情報(例えば乱数、客待ちデモの情報、演出モードの設定など)を記憶する領域である。
また、遊技制御装置100は、設定変更処理が行われる場合(A1016の結果が「Y」)、初期化スイッチ112がオンである場合(A1018の結果が「Y」)、停電検査領域のチェックデータが正常なデータでないと判定された場合(A1019の結果が「N」、又は、A1020の結果が「N」)、チェックサムが正常でない場合には(A1022の結果が「N」)、図5BのステップA1028の処理に移行して初期化処理を実行する。すなわち、設定変更装置43や初期化スイッチ112が外部からの操作が可能な初期化操作部をなし、遊技制御装置100が、初期化操作部が操作されたことに基づきRAMに記憶されたデータを初期化する初期化手段をなす。なお、設定変更する場合には、初期化スイッチ112がオンにされたか否かを判定する前に設定変更処理後の初期化が行われるため、設定変更による初期化とスイッチ112がオンにされたことによる初期化を重複して行わない構成も可能である。
遊技制御装置100は、初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブする(A1023)。初期化すべき領域とは、停電検査領域、チェックサム領域及びエラー不正監視に係る領域である。設定情報記憶領域は、初期化すべき領域から除かれている。なお、払出制御装置200がコマンドを受付可能な状態か否かを示す信号である払出ビジー信号の状態を記憶するビジー信号ステータス領域もクリアされ、払出ビジー信号の状態を確定していないことを示す不定状態とされる。その後、遊技制御装置100は、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(A1024)。
ここで、遊技制御装置100は、遊技状態が高確率状態でない場合には(A1024の結果が「N」)、ステップA1025及びステップA1026の処理をスキップして、ステップA1027の処理に移行する。また、遊技状態が高確率状態である場合には(A1024の結果が「Y」)、高確率報知フラグ領域にオン情報をセーブし(A1025)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)のオン(点灯)データをセグメント領域にセーブする(A1026)。そして、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1027)、ステップA1033の処理を実行する。
一方、ステップA1018,A1019,A1020,A1022の実行後にステップA1028の処理を実行する場合には、遊技制御装置100は、RAMアクセス禁止領域をアクセス許可に設定する(A1028)。さらに、設定情報記憶領域を除くすべてのRAM領域(ビジー信号ステータス領域を含む)を0クリアし(A1029)、RAMアクセス禁止領域をアクセス禁止に設定する(A1030)。ステップA1029の処理は、記憶手段(RAM)における設定情報記憶領域以外の領域を初期化(クリア)する初期化手段を構成する。
そして、遊技制御装置100は、初期化すべき領域にRAM初期化時の初期値をセーブする(A1031)。ここでの初期化すべき領域とは、例えば、遊技情報記憶領域の一部の領域(客待ちデモの情報に係る領域及び演出モードの設定に係る領域など)である。なお、基本的に設定情報記憶領域は初期化すべき領域ではないが、例外的にチェックサムが正常でない場合には(A1022の結果が「N」)、誤った設定情報が設定情報記憶領域にセーブされている可能性もあるため、初期値として、設定情報記憶領域に規定の設定情報(例えばデフォルト設定である設定1)をセーブしてもよい。なお、前述のようにRWM内の設定情報記憶領域と遊技情報記憶領域とでチェックサムを別々で計算してもよく、設定情報記憶領域と遊技情報記憶領域のいずれかのチェックサムが正常でない場合には、正常でない領域のみに値や情報をセーブしてよいし、或は両方の領域に値や情報をセーブしてもよい。さらに、遊技制御装置100は、RAM初期化時のコマンドを演出制御基板(演出制御装置300)に送信し(A1032)、ステップA1033の処理を実行する。
なお、ステップA1027の処理で送信される停電復旧時のコマンド及びステップA1032の処理で送信されるRAM初期化時のコマンドには、遊技機の種類を示す機種指定コマンド、特図1,2の保留数を示す飾り特図1保留数コマンド及び飾り特図2保留数コマンド、確率の状態を示す確率情報コマンドが含まれる。さらに、停電復旧時のコマンド及びRAM初期化時のコマンドには、遊技機10の設定の情報(設定値、設定情報)を示す設定情報コマンド、及び、電源の復旧(投入)があったことを示す復旧画面コマンドが含まれる。また、電源遮断時や電源投入時の状態に応じて、電源遮断時に客待ち中であった場合は客待ちデモコマンドが含まれる。さらに、機種によって演出モードの状態を示す演出モード情報コマンド、時短状態での残りゲーム数を示す時短回数情報コマンドが含まれる。なお、RAMの初期化は電源の復旧(投入)の際に行われるため、RAM初期化時のコマンドには、停電復旧時のコマンドに加えて、RAMが初期化(クリア)したことを示すRAM初期化コマンドも含まれる。遊技制御装置100は、電源の復旧(投入)時に、一度だけ設定情報コマンドを演出制御装置300に送信するだけでよく、演出制御装置300は以降自身が記憶した設定情報を参照して演出制御を行う。
遊技制御装置100は、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する(A1033)。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路に供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
ステップA1033のCTC起動処理の実行後、遊技制御装置100は、乱数生成回路を起動設定する(A1034)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)に乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111aによって行われる。また、乱数生成回路のハードウェアで生成されるハード乱数(ここでは大当り乱数)のビット転置パターンの設定も行われる。
ビット転置パターンとは、抽出した乱数のビット配置(上段のビット転置前の配置)を、予め定められた順で入れ替えて異なるビット配置(下段のビット転置後の配置)として格納する際の入れ替え方を定めるパターンである。
本実施形態では、ビット転置パターンに従い乱数のビットを入れ替えることで、乱数の規則性を崩すことができるとともに、乱数の秘匿性を高めることができる。なお、ビット転置パターンは、固定された単一のパターンであってもよいし、予め用意された複数のパターンから選択するようにしてもよい。また、ユーザーが任意に設定できるようにしてもよい。
その後、遊技制御装置100は、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数)、普図の当り図柄を決定する乱数(当り図柄乱数)等)の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブし(A1035)、割込みを許可する(A1036)。本実施形態で使用するCPU111a内の乱数生成回路においては、電源投入ごとにソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、遊技制御装置100は、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理を実行する(A1037)。なお、特に限定されるわけではないが、本実施形態においては、大当り乱数、大当り図柄乱数、当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数を使用して生成するように構成されている。ただし、大当り乱数はCPUの動作クロックと同等以上の速度のクロックを基にして更新される所謂「高速カウンタ」であり、大当り図柄乱数、当り乱数はプログラムの処理単位であるタイマ割込み処理と同周期となるCTC出力(タイマ割込み処理のCTC(CTC0)とは別のCTC(CTC2))を基にして更新される「低速カウンタ」である。
また、大当り図柄乱数、当り図柄乱数においては、乱数が一巡するごとに各々の初期値乱数(ソフトウェアで生成)を用いてスタート値を変更する所謂「初期値変更方式」を採用している。なお、前記各乱数は、+1あるいは1によるカウンタ式更新でもよいし、一巡するまで範囲内のすべての値が重複なくバラバラに出現するランダム式更新でもよい。つまり、大当り乱数はハードウェアのみで更新される乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はハードウェア及びソフトウェアで更新される乱数である。
ステップA1037の初期値乱数更新処理の後、遊技制御装置100は、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(A1038)、停電監視信号がオンであるか否かを判定する(A1039)。停電監視信号がオンでない場合には(A1039の結果が「N」)、ステップA1037の初期値乱数更新処理に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(A1037)の前に割込みを許可する(A1036)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待機させられることで割込み処理が圧迫されることを回避することができる。
なお、ステップA1037の初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されることを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要がある。一方、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
停電監視信号がオンである場合には(A1039の結果が「Y」)、遊技制御装置100は、ステップA1038の処理で設定したチェック回数分停電監視信号のオン状態が継続しているか否かを判定する(A1040)。そして、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続していない場合には(A1040の結果が「N」)、ステップA1039に戻り、停電監視信号がオンであるか否かを判定する。
また、遊技制御装置100は、チェック回数分停電監視信号のオン状態が継続している場合(A1040の結果が「Y」)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止し(A1041)、全出力ポートにオフデータを出力する(A1042)。
その後、遊技制御装置100は、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(A1043)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(A1044)。さらに、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出するチェックサム算出処理を実行し(A1045)、さらに、算出したチェックサムをセーブする(A1046)。最後に、RWMへのアクセスを禁止する処理を実行し(A1047)、遊技機の電源が遮断されるまで待機する。
このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
以上のことから、遊技を統括的に制御する主制御手段(遊技制御装置100)と、該主制御手段からの指示に従い種々の制御を行う従制御手段(払出制御装置200、演出制御装置300等)と、を備える遊技機において、主制御手段は、電源投入時において、当該主制御手段の起動を遅らせて従制御装置の起動を待つための所定の待機時間を設定する待機手段(遊技制御装置100)と、当該所定の待機時間において停電の発生を監視する停電監視手段(遊技制御装置100)と、を備えていることとなる。
また、各種装置に電力を供給する電源装置400を備え、当該電源装置400は、停電の発生を検出した際に停電監視信号を出力するように構成され、停電監視手段(遊技制御装置100)は、所定期間に亘り停電監視信号を受信し続けた場合に停電が発生したと判定するようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、データを記憶可能なRAM111cと、外部からの操作が可能な初期化操作部(初期化スイッチ)と、初期化操作部が操作されたことに基づきRAM111cに記憶されたデータを初期化する初期化手段(遊技制御装置100)と、を備え、当該初期化手段の操作状態を待機時間の開始前に読み込むようにしていることとなる。
また、主制御手段(遊技制御装置100)は、待機時間の経過後にRAM111cへのアクセスを許可するようにしていることとなる。
〔初期値乱数更新処理〕
図6は、初期値乱数更新処理の手順を示すフローチャートである。初期値乱数更新処理は、図5A及び図5Bに示したメイン処理のステップA1035にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、大当り図柄初期値乱数を+1更新(1だけ増加)する(A1201)。続いて、当り初期値乱数を+1更新し(A1202)、当り図柄初期値乱数を+1更新し(A1203)、初期値乱数更新処理を終了する。
ここで、「大当り図柄初期値乱数」は特図の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「当り初期値乱数」は、普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことであり、「当り図柄初期値乱数」は普図の当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。
以上のように、メイン処理において時間が許す限り初期値乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図7は、タイマ割込み処理の手順を示すフローチャートである。タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、タイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100は、まず、使用するレジスタバンクとしてレジスタバンク1を指定し(A1301)、所定のレジスタにRAM先頭アドレスの上位アドレスをセットする(A1302)。タイマ割込み処理の開始時にメイン処理で使用するレジスタバンク0からレジスタバンク1に切り替えることで、メイン処理で使っているレジスタを退避したのと同等になる。なお、タイマ割込み処理が開始されると、自動的に割込み禁止状態になる。
次に、遊技制御装置100は、各種センサやスイッチからの入力や、信号の取り込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理を実行する(A1303)。さらに、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口ソレノイド39b)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理を実行する(A1304)。なお、メイン処理におけるステップA1005の処理で発射禁止の信号を出力した場合は、この出力処理が行われることで発射許可の信号が出力され、発射許可信号を許可状態に設定可能な状態とされる。
次に、遊技制御装置100は、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを払出制御装置200に出力する払出コマンド送信処理を実行し(A1305)、さらに、乱数更新処理1(A1306)、乱数更新処理2(A1307)を実行する。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、始動口3スイッチ42a、ゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a、大入賞口スイッチ39aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/状態監視処理を実行する(A1308)。
さらに、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理を実行し(A1309)、次に、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理を実行する(A1310)。
次に、遊技制御装置100は、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理を実行する(A1311)。
さらに、遊技制御装置100は、磁気センサスイッチ61からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する磁石不正監視処理を実行する(A1312)。さらに、遊技盤の電波センサ62からの検出信号をチェックして異常がないか否かを判定する電波不正監視処理(盤電波不正監視処理)を実行する(A1313)。
その後、遊技制御装置100は、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理を実行する(A1314)。その後、タイマ割込み処理を終了する。なお、タイマ割込み処理のリターンの際、割込み禁止状態の復元やレジスタバンクの指定の復元は、自動的に行われる構成とするが、使用するCPUによっては、外部情報編集処理の後に、割込みを許可する処理やレジスタバンクの指定をレジスタバンク0に戻す処理を行ってもよい。
〔払出コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における払出コマンド送信処理(A1305)の詳細について説明する。図8は、払出コマンド送信処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする(A1701)。入賞数カウンタ領域は遊技制御装置100のRAM111cに設けられ、入賞数カウンタ領域1と入賞数カウンタ領域2が設けられている。入賞数カウンタ領域1は、払出制御装置200に対して賞球の払い出しを指示するための払出コマンド(賞球指令)を送信するために用いる領域であって、払出コマンドを未だ送信していない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域1が、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタをなす。
入賞数カウンタ領域2は、入賞口への入賞により発生した賞球数(払出予定数)が所定数(ここでは10個)になる毎に外部装置に出力するメイン賞球信号を送信するために用いる領域であって、メイン賞球信号の生成処理を行っていない賞球に対応する入賞のデータが記憶される。すなわち、入賞数カウンタ領域2が、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタをなす。なお、外部装置には、このメイン賞球信号の他に、払出制御装置200からも実際に払い出した賞球数が所定数(ここでは10個)になる毎に払出賞球信号が出力されるようになっており、この二つの信号を照合することで、不正な払い出しを監視することが可能となっている。
これらの入賞数カウンタ領域にはそれぞれ、各入賞口に対して設定された賞球数別(例えば、3個賞球、10個賞球、14個賞球)に入賞数カウンタ領域が設けられており、入賞口への入賞に基づき対応する入賞数カウンタ領域のカウント数が1加算されるようになっている。つまり、入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能とされている。なお、入賞数カウンタ領域1は入賞数カウンタ領域2よりも広い領域が割り当てられ、より多くの入賞のデータを記憶できるようにされている。これは、メイン賞球信号が送信先の状態に関係なく送信可能であることに対し、払出コマンドが送信先である払出制御装置200の状態により送信を保留する場合もあり、より多くの未送信データが蓄積される可能性があるためである。
遊技制御装置100は、ステップA1701の入賞数カウンタ領域2にカウントがあるか否かをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
遊技制御装置100は、入賞数カウンタ領域2にカウント数がない場合には(A1701の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域2のアドレスを更新する(A1702)。さらに、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1703)。
遊技制御装置100は、すべてのチェックが終了した場合には(A1703の結果が「Y」)、ステップA1712の処理に移行する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1703の結果が「N」)、ステップA1701の処理に戻り、ステップA1701からステップA1703までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1701の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1704)、入賞数カウンタ領域2のアドレスに対応する払出数を取得する(A1705)。そして、賞球残数領域の値と払出数を加算して(A1706)、加算結果を新たな賞球残数として賞球残数領域にセーブする(A1707)。なお、ステップA1707の処理の前における賞球残数領域の値としては、メイン賞球信号の出力の基準となる所定数に満たなかった端数が記憶されている。
その後、遊技制御装置100は、加算結果から10を減算し(A1708)、減算結果が0以上か否かを判定する(A1709)。そして、0以上でない場合には(A1709の結果が「N」)、ステップA1712の処理に移行する。一方、0以上である場合には(A1709の結果が「Y」)、メイン賞球信号出力回数領域の値を+1更新し(A1710)、減算結果を賞球残数領域にセーブし(A1711)、さらに、ステップA1708の処理に戻る。
以上の処理により、ホールコンピュータなどの外部の装置にメイン賞球信号が出力されるようになる。すなわち、遊技制御装置100が、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含むメイン賞球信号を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段をなす。なお、メイン賞球信号を出力するようにすることで、大当り中などの遊技球の払い出しが集中する場合に、遊技球の払い出しとともに賞球信号の出力が遅延して、大当り中に発生した正確な賞球数が計数することができないといった不具合を防止することができる。
遊技制御装置100は、払出コマンド送信タイマが0でなければ−1更新し(A1712)、払出コマンド送信タイマが0になったか否かを判定する(A1713)。払出コマンド送信タイマが0でない場合には(A1713の結果が「N」)、払出コマンド送信処理を終了する。また、払出コマンド送信タイマが0である場合には(A1713の結果が「Y」)、払出ビジー信号ステータス(フラグ)がビジー状態(ビジー状態フラグ)であるか否かを判定する(A1714)。
払出ビジー信号は、払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを示す信号であって、払出制御を即座に開始可能でない場合には払出ビジー信号がオン状態(ビジー状態)とされる。つまり、払出ビジー信号は、払出コマンド(賞球指令)を受付可能な状態であるか否かを示す信号ともいえる。すなわち、払出ビジー信号が、払出制御手段(払出制御装置200)が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号をなす。払出ビジー信号ステータス(フラグ)は、払出ビジー信号の状態に基づき払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能な状態か否かを設定した情報であって、払出制御を即座に開始可能なアイドル状態、払出制御を即座に開始可能でないビジー状態、状態が不定である不定状態のいずれかが設定される。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがビジー状態である場合には(A1714の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。ビジー状態でない場合には、アイドル状態である場合と不定状態である場合が含まれる。このように払出制御装置200が払出制御を即座に開始可能でなく、払出コマンドを送信しない場合は、払出コマンドの送信に関する以降の処理を行わないようにすることで、無駄な処理を行うことを防止し制御の負担を軽減するようにしている。
なお、不定状態は、例えば電源投入時の処理でビジー信号ステータス領域がクリアされることで設定される。この不定状態は、払出ビジー信号の状態が、払出制御を即座に開始可能なこと又は不能なことを示す状態に所定期間に亘り維持されることに基づき、アイドル状態又はビジー状態が設定されることで解消する。つまり、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御装置200に送信せず、払出制御装置200から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御装置200に送信する。これにより、払出制御装置200が賞球指令を受信して即座に払出処理が可能なことを確実に把握してから賞球指令を送信するようになり、賞球指令に対応する払出制御が行われないことを防止できる。
遊技制御装置100は、払出ビジー信号ステータスがビジー状態でない場合には(A1714の結果が「N」)、入賞数カウンタ領域1にカウントがあるか否かをチェックする(A1715)。入賞数カウンタ領域1にカウントがあるかをチェックする処理においては、賞球数別に設けられた複数の入賞数カウンタ領域のうち、チェック対象とされた入賞数カウンタ領域に「0」でないカウント数があるか否かを判定する。
そして、遊技制御装置100は、カウント数がない場合には(A1715の結果が「N」)、チェック対象となる入賞数カウンタ領域1のアドレスを更新し(A1716)、すべての入賞数カウンタ領域のカウント数のチェックが終了したか否かを判定する(A1717)。すべてのチェックが終了した場合には(A1717の結果が「Y」)、払出コマンド送信処理を終了する。一方、すべてのチェックが終了していない場合には(A1717の結果が「N」)、ステップA1715の処理に戻り、ステップA1715からA1717までの処理を繰り返す。
また、遊技制御装置100は、カウント数がある場合には(A1715の結果が「Y」)、対象の入賞数カウンタ領域のカウント数を減算(−1)し(A1718)、対象の入賞数カウンタ領域に対応する払出コマンドを取得する(A1719)。そして、払出コマンド(払出数コマンド)を払出用シリアル送信バッファに格納し(A1720)、払出コマンド送信タイマに初期値を設定し(A1721)、その後、払出コマンド送信処理を終了する。払出コマンド送信タイマは送信間隔を管理するためのもので、初期値として例えば200msが設定される。
これにより、入賞領域への一の入賞を単位とした払出コマンド(賞球指令)が生成され、払出制御装置200に送信されるようになる。払出制御装置200はこの払出コマンドに基づき所定数の賞球を払い出す制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、払出制御手段(払出制御装置200)から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かを示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段をなす。
このように遊技制御装置100が、払出制御装置200から出力される状態信号に基づいて賞球指令を送信する制御を行うので、払出制御装置200が即座に払出制御を実行可能な場合にのみ賞球指令が送信されることとなる。これにより、未だ払い出しが行われていない入賞に対応するデータは遊技制御装置100側で保持されるようになるので停電発生時には遊技制御装置100でバックアップされるようになり、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できる。
従来の遊技機(例えば、特開2000−312759号公報の遊技機)では、何らかの原因により電源の遮断状態が発生した場合、払出制御装置200は自身の記憶手段にデータをバックアップし、電源遮断直前のデータによる払出制御状態を維持するようにしている。しかしながら、従来の遊技機では、バックアップするための機能が必要となるため、コストアップにつながるという問題があった。本実施形態によれば、払出制御装置200にバックアップするための機能を備えなくとも正確な払出制御を実現できるようにすることができる。
また、外部の装置に送信されるメイン賞球信号は払出ビジー信号の状態に関係なく出力されるので、遅滞なくメイン賞球信号を出力でき、ホールコンピュータなどの外部の装置では賞球の払い出しの時期を正確に把握でき、例えばベース値を正確に把握できるようになる。また、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタと、メイン賞球信号に関する情報を記憶可能なメイン賞球信号カウンタとを別々に備えるので、送信タイミングが異なる賞球指令とメイン賞球信号の情報を別々に管理でき、情報を確実に管理することができる。
以上のことから、統括的に遊技制御を行うとともに、遊技領域32に設けられた入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号(ビジー信号)に基づいて賞球指令を払出制御手段に送信する制御を行い、停電が発生し該停電から復帰した場合には、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が出力されていたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段に送信せず、払出制御手段から払出制御を開始可能であることを示す状態信号が所定期間に亘って継続して出力されたことに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしていることとなる。
また、遊技領域32に賞球数の異なる入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)を複数設け、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球数毎に、遊技球の払出制御を指示する賞球指令の未送信の有無を特定可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)を備え、状態信号が払出制御を開始可能であることを示し、かつ、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令がある場合に、賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するようにし、状態信号が当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かの特定を、各賞球指令カウンタに未送信の賞球指令があるか否かの特定よりも先に行うようにしていることとなる。
また、統括的に遊技制御を行うとともに、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への遊技球の入賞に基づいて賞球指令を送信する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段から送信される賞球指令に基づいて、遊技球の払出制御を行う払出制御手段(払出制御装置200)と、を備え、遊技制御手段は、払出制御手段から出力される当該払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否を示す状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に賞球指令を払出制御手段に送信する賞球指令送信手段(遊技制御装置100)と、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数に関する情報を含む賞球信号(メイン賞球信号)を遊技機の外部に出力する外部情報出力手段(遊技制御装置100)と、を備え、外部情報出力手段は、払出制御手段から出力される状態信号が、払出制御手段が払出制御を開始可能であるか否かに関係なく賞球信号の出力を行うようにしたこととなる。
また、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、停電が発生し該停電から復帰した場合には、状態信号が払出制御を開始可能であることを示していたとしても、直ちに賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信せず、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している状態が所定期間に亘って継続していることに対応して賞球指令を払出制御手段に送信するようにしたこととなる。
また、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、賞球指令に関する情報を記憶可能な賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)と、賞球信号(メイン賞球信号)に関する情報を記憶可能な賞球信号カウンタ(遊技制御装置100)と、を備え、賞球指令送信手段(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域(第1始動入賞口36、第2始動入賞口37、第3始動入賞口42、一般入賞口35、特別変動入賞装置39)への一の入賞を単位として賞球指令を生成し、状態信号が払出制御を開始可能であることを示している場合に一の賞球指令を払出制御手段(払出制御装置200)に送信するように構成され、賞球指令カウンタ(遊技制御装置100)は、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、払出制御手段への賞球指令への送信に対応させて更新を行うことで、送信していない賞球指令の数を記憶可能とし、外部情報出力手段は、所定の入賞領域への遊技球の入賞に伴い払い出しが決定された賞球数を累積し、累積値が所定数に達する毎に賞球信号を遊技機の外部に出力するように構成され、賞球信号カウンタは、所定の入賞領域への一の入賞を単位として当該入賞の情報を記憶可能であり、所定の入賞領域への遊技球の入賞時に更新を行うとともに、外部情報出力手段による賞球数の累積処理に対応させて更新を行うことで、未だ累積処理を行っていない賞球数を記憶可能であることとなる。
〔入賞口スイッチ/状態監視処理〕
図9は、入賞口スイッチ/状態監視処理の手順を示すフローチャートである。入賞口スイッチ/状態監視処理は、タイマ割込み処理におけるステップA1308にて実行される。
遊技制御装置100は、まず、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の一方に対応する入賞口監視テーブル1を準備する(A2001)。そして、大入賞口が開いていないにもかかわらず大入賞口に不正な入賞がないかを監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2002)。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口(特別変動入賞装置39)内の大入賞口スイッチ39a(2個)の他方に対応する入賞口監視テーブル2を準備する(A2003)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2004)。
そして、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37aに対応する入賞口監視テーブルを準備する(A2005)。そして、不正入賞を監視するとともに正常な入賞を検出する不正&入賞監視処理を実行する(A2006)。続いて、常時入賞可能な入賞口スイッチの入賞口監視テーブルを準備する(A2007)。本実施形態では、常時入賞可能な入賞口スイッチとは、入賞口スイッチ35a、始動口1スイッチ36a、始動口3スイッチ42aである。不正監視が不要な入賞口スイッチは、始動口1スイッチ36a等である。
次に、遊技制御装置100は、入賞数を更新する入賞数カウンタ更新処理を実行する(A2008)。続いて、始動入賞口の入賞エラーを監視する始動口エラー監視処理を実行する(A2009)。そして、状態を監視すべき複数のスイッチ並びに信号のうちいずれのスイッチ又は信号を今回の監視の対象とするかを順番に指定するための状態スキャンカウンタを更新する(A2010)。状態スキャンカウンタは0から3の範囲で更新される。
その後、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル1を準備する(A2011)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2012)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル1に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号1に基づく状態(スイッチ異常1エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は払出制御装置200からのシュート玉切れスイッチ信号に基づく状態(シュート球切れエラー)の監視が設定される。状態スキャンカウンタの値が2である場合はオーバーフロースイッチ信号に基づく状態(オーバーフローエラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合は払出異常ステータス信号に基づく状態(払い出し異常エラー)の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値に応じて、監視する状態を設定するための遊技機状態監視テーブル2を準備する(A2013)。そして、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2014)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル2に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はガラス枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(ガラス枠開放エラー)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が1である場合は前面枠開放検出スイッチから出力される信号に基づく状態(本体枠開放エラー、前面枠開放エラー)の監視が設定される。また、状態スキャンカウンタの値が2である場合は枠電波不正信号に基づく状態(枠電波不正)の監視が設定され、状態スキャンカウンタの値が3である場合はタッチスイッチ信号に基づく状態の監視が設定される。
次に、遊技制御装置100は、状態スキャンカウンタの値が0であるか否かを判定する(A2015)。そして、エラースキャンカウンタの値が0でない場合には(A2015の結果が「N」)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。この場合は、次に参照する遊技機状態監視テーブル3に状態の監視対象がない場合である。
また、遊技制御装置100は、エラースキャンカウンタの値が0である場合には(A2015の結果が「Y」)、遊技機状態監視テーブル3を準備し(A2016)、エラーが発生しているかなどの状態を判定する遊技機状態チェック処理を実行する(A2017)。
状態スキャンカウンタの値を遊技機状態監視テーブル3に参照することで、状態スキャンカウンタの値が0である場合はスイッチのコネクタ抜けなどの発生により出力される異常検知信号2に基づく状態(スイッチ異常2エラー)の監視が設定される。なお、遊技機状態監視テーブル3には状態スキャンカウンタが1から3の場合は定義されていない。
その後、遊技制御装置100は、払出制御装置200が払出制御を開始可能であるかを示す払出ビジー信号に基づきビジー信号ステータス(払出ビジー信号フラグ)を設定する払出ビジー信号チェック処理を実行し(A2018)、入賞口スイッチ/状態監視処理を終了する。
なお、ステップA2016からA2018までの処理は、タイマ割込み毎に更新される状態スキャンカウンタの値が0の場合のみ実行されるため、4回のタイマ割込みに1回の割合で実行されることとなる。すなわち、タイマ割込みが4ms毎に行われる場合は、16ms毎にA2016からA2018までの処理が行われることとなる。
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(A1309)の詳細について説明する。図10は、特図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理を実行する(A2601)。始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37、第3始動入賞口42に遊技球が入賞すると、各種乱数(大当り乱数など)を抽出し、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、大入賞口スイッチ監視処理を実行する(A2602)。大入賞口スイッチ監視処理では、特別変動入賞装置39内に設けられたカウントスイッチ39aでの遊技球の検出を監視する。
次に、遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A2603)。特図ゲーム処理タイマは、−1更新によって、タイマ割込み処理の割込み周期(4msec)の分だけ計時されることになる。なお、特図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。次に、特図ゲーム処理タイマが0であるか否かを判定する(A2604)。特図ゲーム処理タイマが0でない場合(A2604の結果が「N」)、ステップA2615の処理に移行する。
遊技制御装置100は、特図ゲーム処理タイマが0である場合(A2604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又は既にタイムアップしていた場合には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A2605)。さらに、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A2606)。続いて、特図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、特図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A2607)。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定、演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理を実行する(A2608)。なお、特図普段処理の詳細については、図15にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理を実行する(A2609)。なお、特図変動中処理の詳細については、図22にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理を実行する(A2610)。なお、特図表示中処理の詳細については、図23にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「3」の場合には、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理を実行する(A2611)。なお、ファンファーレ/インターバル中処理の詳細については、図24にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「4」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理を実行する(A2612)。なお、大入賞口開放中処理の詳細については、図25にて後述する。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「5」の場合には、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理を実行する(A2613)。例えば、大入賞口残存球処理では、最終ラウンドでなければインターバル時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。最終ラウンドであればエンディング時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし、大当り終了処理に係る処理番号「6」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
遊技制御装置100は、ステップA2607にてゲーム処理番号が「6」の場合には、特図普段処理を実行するために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理を実行する(A2614)。例えば、大当り終了処理では、特図変動表示ゲームの停止図柄番号(大当り図柄番号)に対応する確率変動判定データに基づいて、大当り状態終了後の確率状態や大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)など必要な情報の設定を行い、特図普段処理に係る処理番号「0」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。確率変動判定データには、大当り状態終了後の確率状態(高確率/低確率)、及び、大当り状態終了後の普電サポート状態(時短状態)の継続ゲーム回数(時間短縮変動回数、電サポ回数)の情報が含まれる。
特図ゲーム処理番号に基づく処理が終了すると、遊技制御装置100は、特図1表示器51の変動を制御するための特図1変動制御テーブルを準備した後(A2615)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理を実行する(A2616)。そして、特図2表示器52の変動を制御するための特図2変動制御テーブルを準備した後(A2617)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理を実行する(A2618)。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(A2601)の詳細について説明する。図11は、始動口スイッチ監視処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、第1始動入賞口36(始動口1)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2701)、ハード乱数取得処理を実行し(A2702)、第1始動入賞口36への入賞があるか否かを判定する(A2703)。第1始動入賞口36への入賞がない場合(A2703の結果が「N」)には、ステップA2709以降の処理を実行する。一方、第1始動入賞口36への入賞がある場合(A2703の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2704)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2704の結果が「N」)、ステップA2707以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2704の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2705)、演出コマンド設定処理を実行する(A2706)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、第1始動入賞口36へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第1始動入賞口36に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、第1始動入賞口36(始動口1)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2707)、特図始動口スイッチ共通処理を実行する(A2708)。そして、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2709)、ハード乱数取得処理を実行し(A2710)、第2始動入賞口への入賞があるか否かを判定する(A2711)。第2始動入賞口への入賞がない場合(A2711の結果が「N」)には、ステップA2716以降の処理を実行する。
一方、遊技制御装置100は、第2始動入賞口への入賞がある場合(A2711の結果が「Y」)には、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中であるか否か、すなわち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かを判定する(A2712)。普通電動役物が作動中である場合(A2712の結果が「Y」)、ステップA2714の処理に移行する。
一方、遊技制御装置100は、普通電動役物が作動中でない場合(A2712の結果が「N」)、普電不正発生中であるかを判定する(A2713)。普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数(例えば5個)以上である場合に普電不正発生中であると判定する。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。従って、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上である場合に不正発生中と判定する。
遊技制御装置100は、普電不正発生中でない場合(A2713の結果が「N」)、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2714)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2715)、ステップA2716以降の処理を実行する。また、A2713にて、普電不正発生中である(A2713の結果が「Y」)と判定した場合にも、ステップA2716以降の処理を実行する。すなわち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)に対する入賞監視テーブルを準備し(A2716)、ハード乱数取得処理を実行し(A2717)、第3始動入賞口42(始動口3)への入賞があるか否かを判定する(A2718)。第3始動入賞口42への入賞がない場合(A2718の結果が「N」)には、始動口スイッチ監視処理を終了する。一方、第3始動入賞口42への入賞がある場合(A2718の結果が「Y」)、特図時短中(普電サポート状態中)であるか否かを判定する(A2719)。
遊技制御装置100は、特図時短中(普電サポート状態中)でないと判定した場合(A2719の結果が「N」)、ステップA2722以降の処理を実行する。一方、特図時短中(普電サポート状態中)である場合(A2719の結果が「Y」)、右打ち指示報知コマンドを演出コマンドとして準備して(A2720)、演出コマンド設定処理を実行する(A2721)。
即ち、普電サポート状態(時短状態)であれば、変動表示ゲームの確率状態(高確率状態/低確率状態)にかかわらず、右打ち指示報知コマンドを準備して、演出コマンド設定処理を実行する。本実施形態の場合、第3始動入賞口42へは左打ちでないと入賞せず、普通変動入賞装置37へは右打ちでないと入賞しない。また、右打ちでないと、遊技球が普図始動ゲート34を通過しない。したがって、普電サポート状態(時短状態)は、左打ちよりも右打ちの方が有利となるが、普電サポート状態中に第3始動入賞口42に入賞があった場合(すなわち、普電サポート状態中に左打ちされた場合)には、右打ち指示報知コマンドを演出制御装置300に送信し、演出制御装置300は、右打ちするよう指示する報知(警告)を表示装置41等によって実行する。
次に、遊技制御装置100は、第3始動入賞口42(始動口3)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(A2722)、特図始動口スイッチ共通処理を実行し(A2723)、始動口スイッチ監視処理を終了する。
〔ハード乱数取得処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理におけるハード乱数取得処理(A2702、A2710、A2717)の詳細について説明する。図12は、ハード乱数取得処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、始動入賞口への入賞がないことを示す始動口入賞なし情報を設定する(A2801)。次に、対象のスイッチに入力があった否かを判定し(A2802)、対象のスイッチに入力がなかった場合(A2802の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。なお、対象のスイッチは、ステップA2702のハード乱数取得処理では、始動口1スイッチ36aであり、ステップA2710のハード乱数取得処理では、始動口2スイッチ37aである。ステップA2717のハード乱数取得処理では、始動口3スイッチ42aである。
遊技制御装置100は、対象のスイッチに入力があった場合(A2802の結果が「Y」)、乱数ラッチレジスタステータス(乱数ラッチレジスタの状態)を読み込み、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータあるか否かを判定する(A2803、A2804)。対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータない場合(A2804の結果が「N」)、ハード乱数取得処理を終了する。
遊技制御装置100は、対象の乱数ラッチレジスタにラッチデータある場合(A2804の結果が「Y」)、対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードして準備し(A2805)、始動入賞口への入賞があることを示す始動口入賞あり情報を設定する(A2806)。なお、準備した大当り乱数は、特図始動口スイッチ共通処理で使用される。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(A2708、A2715、A2723)の詳細について説明する。図13は、特図始動口スイッチ共通処理の手順を示すフローチャートである。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aや始動口3スイッチ42aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
遊技制御装置100は、まず、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、及び始動口3スイッチ42aのうち、監視対象の始動口スイッチへの入賞の回数に関する情報を遊技機10の外部の管理装置に対して出力する回数である始動口信号出力回数をロードし(A2901)、ロードした値を+1更新して(A2902)、出力回数がオーバーフローするか否かを判定する(A2903)。出力回数がオーバーフローしない場合(A2903の結果が「N」)、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(A2904)、ステップA2905の処理に移行する。一方、出力回数がオーバーフローする場合(A2903の結果が「Y」)、ステップA2905の処理に移行する。本実施形態では、始動口信号出力回数領域に「0」から「255」までの値を記憶することができる。そして、ロードした値が「255」である場合には+1更新によって更新後の値は「0」になり、出力回数がオーバーフローすると判定するよう構成されている。
次に、遊技制御装置100は、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a及び始動口3スイッチ42aのうち、監視対象の始動口スイッチに対応する更新対象の特図保留数(始動記憶数)が上限値未満か否かを判定する(A2905)。更新対象の特図保留数が上限値未満でない場合(A2905の結果が「N」)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。また、更新対象の特図保留数が上限値未満である場合(A2905の結果が「Y」)は、更新対象の特図保留数(特図1保留数又は特図2保留数)を+1更新する(A2906)。
そして、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(飾り特図1保留数コマンド又は飾り特図2保留数コマンド)を演出コマンドとして準備し(A2907)、演出コマンド設定処理を実行する(A2908)。続いて、対象の始動口入賞フラグをセーブする(A2909)。演出コマンド設定処理では、シリアル送信バッファに演出コマンドを書き込み、演出コマンドが演出制御装置300に送信されることになる。
次に、遊技制御装置100は、監視対象の始動口スイッチ及び特図保留数に対応する乱数格納領域のアドレスを算出して(A2910)、ステップA2805にて準備した大当り乱数をRWMの大当り乱数格納領域にセーブする(A2911)。次に、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(A2912)、RWMの大当り図柄乱数格納領域にセーブする(A2913)。
そして、遊技制御装置100は、変動パターン乱数1、2を対応するRWMの変動パターン乱数格納領域にセーブする(A2914)。次に、RWM内において特図1保留数と特図2保留数の合計に対応する変動順序フラグ格納領域のアドレスを算出し(A2915)、算出した変動順序フラグ格納領域に対象の変動順序フラグをセーブする(A2916)。これにより、保留(例えば保留1〜8)の何れかに対応する格納領域のアドレスが算出され、特図1又は特図2の変動(変動表示ゲーム)を示す変動順序フラグがセーブされる。続いて、特図保留情報判定処理を実行して(A2917)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
ここで、遊技制御装置100(RAM111c)は、第1始動入賞口36、第3始動入賞口42、普通変動入賞装置37の始動入賞領域への遊技球の流入に基づき、所定の乱数を抽出し前記変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶として所定数を上限に記憶する始動記憶手段をなす。また、始動記憶手段(遊技制御装置100)は、第1始動入賞口(始動入賞口36)への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第1始動記憶として記憶し、第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)又は第3始動入賞口42への遊技球の入賞に基づき抽出した各種の乱数値を、所定数を上限に第2始動記憶として記憶する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(A2917)の詳細について説明する。図14は、特図保留情報判定処理の手順を示すフローチャートである。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み(事前判定)処理である。
遊技制御装置100は、まず、低確率での判定であることを示す低確率判定フラグを準備し(A3001)、大当り乱数値が大当り判定値(低確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理を実行する(A3002)。そして、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3003)。判定結果が大当りである場合(A3003の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3004)、ステップA2912にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3005)、ステップA3007の処理に移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(A3003の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3006)、ステップA3007の処理に移行する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄情報をRWM内の図柄情報領域にセーブする(A3007)。続いて、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(低確率)を演出コマンドとして準備し(A3008)、演出コマンド設定処理を実行する(A3009)。先読み停止図柄コマンド(低確率)は、低確率判定値で判定した停止図柄情報等を示す。
次に、遊技制御装置100は、高確率での判定であることを示す高確率判定フラグを準備し(A3010)、大当り乱数値が大当り判定値(高確率判定値)と一致するか否かにより大当りであるかを判定する先読み大当り判定処理を実行する(A3011)。そして、先読み大当り判定処理の判定結果が大当りであるか否かを判定する(A3012)。判定結果が大当りである場合(A3012の結果が「Y」)、対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(A3013)、ステップA2912にて準備した大当り図柄乱数に対応する停止図柄情報を取得して(A3014)、ステップA3016の処理に移行する。一方、判定結果が大当りでない場合(A3012の結果が「N」)、はずれの停止図柄情報を設定して(A3015)、ステップA3016の処理に移行する。
そして、遊技制御装置100は、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態、特図高確率中)であるか否かを判定する(A3016)。高確率状態である場合(A3016の結果が「Y」)、停止図柄情報をRWM内の図柄情報領域にセーブして(A3017)、ステップA3018の処理に移行する。高確率状態でない場合(A3016の結果が「N」)、ステップA3017の処理を行わず、そのままステップA3018の処理に移行する。
このように、高確率状態である場合に、高確率判定値で判定した停止図柄情報が図柄情報領域に上書きされ、最終的にセーブされる。一方、高確率状態でない場合(低確率状態の場合)に、低確率判定値で判定した停止図柄情報(A3007)が図柄情報領域に最終的にセーブされていることになる。図柄情報領域に最終的にセーブされている停止図柄情報は、変動パターンの先読み(A3020、A3021)において利用される。
その後、遊技制御装置100は、対象の始動口スイッチ及び停止図柄情報に対応する先読み停止図柄コマンド(高確率)を演出コマンドとして準備し(A3018)、演出コマンド設定処理を実行する(A3019)。先読み停止図柄コマンド(高確率)は、高確率判定値で判定した停止図柄情報等を示す。次に、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行し(A3020)、特図変動表示ゲームの変動態様(変動パターン)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3021)。なお、ステップA3020における特図情報設定処理、ステップA3021における変動パターン設定処理は、後述の特図普段処理内の変動開始処理で特図変動表示ゲームの開始時に実行される処理と同様である。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン番号に対応する先読み変動パターンコマンドを演出コマンドとして準備して(A3022)、演出コマンド設定処理を実行し(A3023)、特図保留情報判定処理を終了する。
以上の処理により、先読み対象の始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果を含む先読み停止図柄コマンドと、当該始動記憶に基づく特図変動表示ゲームでの変動パターンの情報を含む先読み変動パターンコマンドが準備され、演出制御装置300に送信される。これにより、始動記憶に対応した結果関連情報(大当りか否かや変動パターンの種類)の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができ、特に表示装置41に表示される保留表示633を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知することが可能となる。
すなわち、遊技制御装置100が、始動記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶として記憶される乱数を、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する(例えば特別結果となるか否か等を判定)事前判定手段をなす。なお、始動記憶に対応して記憶された乱数値を事前に判定する時期は、当該始動記憶が発生した始動入賞時だけではなく、当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが行われる前であればいつでもよい。
さらに、以上の処理によって、低確率判定値で大当り判定した先読み判定結果と、高確率判定値で大当り判定した先読み判定結果の両方が、各々、先読み停止図柄コマンド(低確率)と先読み停止図柄コマンド(高確率)として、演出制御装置300に送信される。これにより、先読み停止図柄コマンドの送信後に大当りの確率状態が変化しても、演出制御装置300は、先読み予告(保留変化予告等)を変化前後の確率状態に対応して実行できる。
〔特図普段処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図普段処理(A2608)の詳細について説明する。図15は、特図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1保留数と特図2保留数は共に0であるか否かを判定する(A3301)。特図1保留数と特図2保留数が共に0である場合(A3301の結果が「Y」)、ステップA3310の処理に移行する。特図1保留数と特図2保留数のうち少なくとも一方が0でない場合(A3301の結果が「N」)、最先で消化される保留(保留1)(最も古い保留)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)から変動順序フラグをロードする(A3302)。
次に、遊技制御装置100は、変動順序フラグが特図1の変動(特図1変動表示ゲーム)を示すものであるか否かを判定する(A3303)。変動順序フラグが特図1の変動を示すものである場合(A3303の結果が「Y」)、特図1保留数に対応する飾り特図1保留数コマンドを演出コマンドとして準備する(A3304)、演出コマンド設定処理を実行する(A3305)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特図1保留数から1だけ減算した値(これから開始する特図1変動表示ゲーム実行後の特図1保留数)に関する情報を含む。そして、特図1変動表示ゲームを開始するための特図1変動開始処理を実行し(A3306)、特図普段処理を終了する。
また、変動順序フラグが特図1の変動を示すものでない場合(A3303の結果が「N」)、即ち、特図2の変動を示すものである場合、遊技制御装置100は、特図2保留数に対応する飾り特図2保留数コマンドを演出コマンドとして準備し(A3307)、演出コマンド設定処理を実行する(A3308)。この飾り特図保留数コマンドは、現時点での特図2保留数から1だけ減算した値(これから開始する特図2変動表示ゲーム実行後の特図1保留数)に関する情報を含む。そして、特図2変動表示ゲームを開始するための特図2変動開始処理を実行し(A3309)、特図普段処理を終了する。
遊技制御装置100は、特図1保留数と特図2保留数が共に0である場合(A3301の結果が「Y」)、客待ちデモが開始済みであるか否かを判定する(A3310)。客待ちデモが開始済みである場合(A3310の結果が「Y」)、ステップA3315の処理に移行する。客待ちデモが開始済みでない場合(A3310の結果が「N」)、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセットし(A3311)、客待ちデモコマンドを演出コマンドとして準備し(A3312)、演出コマンド設定処理を実行する(A3213)。客待ちデモコマンドを受信した演出制御装置300は、表示装置41等において客待ちデモを実行する。
次に、遊技制御装置100は、客待ちデモ経過タイマ領域に初期値をセーブし(A3314)、客待ちデモ経過タイマが0でなければ−1更新する(A3315)。
続けて、遊技制御装置100は、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A3316)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3317)。そして、変動図柄判別フラグ領域をクリアし(A3318)、RWM内の大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A3319)、特図普段処理を終了する。
このように、最先で消化される保留(保留1)に対応する変動順序フラグ格納領域(保留数合計1用)から変動順序フラグをロードして、変動順序フラグに示される種別の変動表示ゲーム(特図1変動表示ゲーム又は特図2変動表示ゲーム)が開始される。すなわち、変動表示ゲームはその入賞(始動記憶)の発生した順に実行されるようになっており、保留は入賞順で古いものから消化されることになる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図1変動開始処理(A3306)の詳細について説明する。図16は、特図1変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理である。
遊技制御装置100は、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図1)を示す特図1変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3401)。続いて、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理を実行する(A3402)。大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、遊技制御装置100は、特図1停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図1停止図柄設定処理を実行する(A3403)。特図1停止図柄設定処理では、はずれ時又は大当り時の停止図柄番号と、この停止図柄番号に対応するはずれ停止図柄パターン又は大当り停止図柄パターンをセーブする。そして、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンドを演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を実行する。また、停止図柄番号に対応するラウンド数情報(ラウンド上限値)と停止図柄番号に対応する確率変動判定データを取得してセーブする。
さらに、遊技制御装置100は、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3404)。
続いて、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図1変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3405)。その後、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームにおける変動態様である変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3406)。
次に、遊技制御装置100は、特図1変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行し(A3407)、特図1変動開始処理を終了する。変動開始情報設定処理では、変動パターン(変動パターン番号)に対応する変動時間値を取得し、特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。そして、変動パターン番号に対応する変動コマンド(MODE、ACTION)を演出コマンドとして準備して、演出コマンド設定処理を行う。
そして、遊技制御装置100は、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3408)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3409)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3410)、特図1の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3411)。その後、特図1変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3412)、特図1点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図1表示器51の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3413)。続いて、特図1変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3414)、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、特図普段処理における特図2変動開始処理(A3309)の詳細について説明する。図17は、特図2変動開始処理の手順を示すフローチャートである。特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であって、図16に示した特図1変動開始処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、実行する特図変動表示ゲームの種別(ここでは特図2)を示す特図2変動フラグを変動図柄判別フラグ領域にセーブする(A3501)。続いて、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判別するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理を実行する(A3502)。
次に、遊技制御装置100は、特図2停止図柄(図柄情報)の設定に係る特図2停止図柄設定処理を実行する(A3503)。さらに、変動パターンを設定するためのパラメータである特図情報を設定する特図情報設定処理を実行する(A3504)。続いて、特図2変動表示ゲームの変動パターンの設定に関する種々の情報を参照するための情報が設定されたテーブルである特図2変動パターン設定情報テーブルを準備する(A3505)。
その後、遊技制御装置100は、特図2変動表示ゲームの変動パターン(変動パターン番号)を設定する変動パターン設定処理を実行する(A3506)。そして、特図2変動表示ゲームの変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理を実行する(A3507)。
次に、遊技制御装置100は、まず、処理番号として特図変動中処理に係る「1」を設定し(A3508)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A3509)。
そして、遊技制御装置100は、客待ちデモフラグ領域をクリアし(A3510)、特図2の変動開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A3511)。その後、特図2変動制御フラグ領域に変動中フラグをセーブし(A3512)、特図2点滅制御タイマ領域に点滅制御タイマ(特図2表示器52の点滅の周期のタイマ)の初期値(例えば100ms)を設定する(A3513)。続いて、特図2変動図柄番号領域に初期値(例えば0)をセーブし(A3514)、特図2変動開始処理を終了する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
次に、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(A3402)の詳細について説明する。図18は、大当りフラグ1設定処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブする(A3601)。次に、RWMの特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3602)、当該特図1大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3603)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図1のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3604)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りである場合(A3605の結果が「Y」)、ステップA3601にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3606)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3604)の判定結果が大当りでない場合(A3605の結果が「N」)、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ1設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図1変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当りフラグ2設定処理〕
次に、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理(A3502)の詳細について説明する。図19は、大当りフラグ2設定処理の手順を示すフローチャートである。この処理は、図18に示した大当りフラグ1設定処理での処理と同様の処理を、第2始動記憶を対象として行うものである。
遊技制御装置100は、まず、大当りフラグ2領域にはずれ情報をセーブする(A3701)。次に、RWMの特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)から大当り乱数をロードし、準備して(A3702)、当該特図2大当り乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A3703)。なお、保留数1用とは、消化順序が最先(ここでは特図2のうちで最先)の特図始動記憶についての情報(乱数等)を格納する領域である。その後、準備した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理を実行する(A3704)。
遊技制御装置100は、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りである場合(A3705の結果が「Y」)、ステップA3701にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ2領域に大当り情報を上書きしてセーブし(A3706)、大当りフラグ2設定処理を終了する。一方、大当り判定処理(A3704)の判定結果が大当りでない場合(A3705の結果が「N」)、大当りフラグ2にはずれ情報をセーブしたまま大当りフラグ2設定処理を終了する。このように、本実施形態において、特図2変動表示ゲームの結果は、「大当り」及び「はずれ」のうちの何れかとなる。
〔大当り判定処理〕
次に、大当りフラグ1設定処理と大当りフラグ2設定処理等における大当り判定処理(A3604、A3704)の詳細について説明する。図20は、大当り判定処理の手順を示すフローチャートである。なお、大当り判定処理は、タイマ割込み処理中に実行される他の処理における大当り判定処理に共通する処理である。
遊技制御装置100は、まず、大当り判定値の下限判定値を設定し(A3801)、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(A3802)。なお、大当りであるとは大当り乱数が大当り判定値と一致することである。大当り判定値は連続する複数の値であり、大当り乱数が、大当り判定値の下限の値である下限判定値以上で、かつ、大当り判定値の上限の値である上限判定値以下である場合に、大当りであると判定される。
遊技制御装置100は、対象の大当り乱数の値が下限判定値未満である場合(A3802の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定し(A3807)、大当り判定処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、大当り乱数の値が下限判定値未満でない場合には(A3802の結果が「N」)、大当りの発生確率が高確率状態(確変状態)であるか否かを判定する(A3803)。そして、高確率状態である場合には(A3803の結果が「Y」)、高確率中の上限判定値を設定する(A3804)。一方、高確率状態でない場合には(A3803の結果が「N」)、低確率中の上限判定値を設定する(A3805)。
遊技制御装置100は、大当り乱数の値の上限判定値を設定すると、対象の大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(A3806)。大当り乱数の値が上限判定値より大きい場合(A3806の結果が「Y」)、判定結果としてはずれ(大当り以外)を設定する(A3807)。一方、大当り乱数の値が上限判定値より大きくない場合(A3806の結果が「N」)、判定結果として大当りを設定する(A3808)。判定結果を設定すると、大当り判定処理を終了する。
〔大当り確率〕
図21は、上述の特図ゲーム処理によって制御される特図変動表示ゲームの大当り確率と大当り図柄振分(大当り内訳)を各設定に対して例示するテーブルである。
図21のように、低確率時の大当り確率と高確率時の大当り確率は、設定値が大きくなる(高い設定になる)とともに高くなり、大当りが発生し易くなり、遊技者に有利となる。なお、大当り確率は、図20の上限判定値と下限判定値の差分を大当り乱数の値の範囲で割ったものである。大当り確率は、上限判定値と下限判定値、又は、大当り乱数の値の範囲を設定情報(設定値)に対応して変更することによって、設定情報に応じて変更できる。別例では、低確率時の大当り確率と高確率時の大当り確率のうち一方だけを、設定値が大きくなるとともに高くするように構成してもよい。
〔特図変動中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図変動中処理(A2609)の詳細について説明する。図22は、特図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、変動図柄判別フラグ(特図1変動フラグ又は特図2変動フラグ)に対応する図柄停止コマンド(特図1図柄停止コマンド又は特図2図柄停止コマンド)を演出コマンドとして準備し(A4701)、演出コマンド設定処理を実行する(A4702)。図柄停止コマンドを受信した演出制御装置300は、対応する飾り特図変動表示ゲーム(飾り特図1変動表示ゲーム又は飾り特図2変動表示ゲーム)を停止する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄パターンを示す停止図柄パターン番号に対応する表示時間を設定して(A4703)、設定した表示時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4704)。本実施形態の場合、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンである場合には表示時間として800msecを設定し、停止図柄パターンが大当り図柄パターンである場合には表示時間として2000msecを設定する。表示時間の情報を演出制御装置300に送信する場合には、表示時間に対応する表示時間コマンドを準備し、演出コマンド設定処理を表示時間コマンドに対して実行してよい。この場合の表示時間コマンドは、図柄停止のコマンド(後述の図35のB1319)の一種となる。また、A4702とA4703の処理の順番を入れ替えて、図柄停止コマンドに、表示時間の情報を含めて演出制御装置300に送信してもよい。
次いで、遊技制御装置100は、特図表示中処理に係る処理番号「2」を設定し(A4705)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(A4706)。
次に、遊技制御装置100は、特図1の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブし(A4707)、さらに、特図2の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(A4708)。
続いて、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る図柄確定回数信号を外部情報端子に出力する際に使用する図柄確定回数信号制御タイマ領域に制御タイマ初期値(例えば256msec)をセーブする(A4709)。
その後、遊技制御装置100は、特図1表示器51における特図1変動表示ゲームの制御用の情報として、特図1表示器51での変動停止に係る停止フラグを特図1変動制御フラグ領域にセーブする(A4710)。さらに、特図2表示器52における特図2変動表示ゲームの制御用の情報として、特図2表示器52での変動停止に係る停止フラグを特図2変動制御フラグ領域にセーブし(A4711)、特図変動中処理移行設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、特図ゲーム処理における特図表示中処理(A2610)の詳細について説明する。図23は、特図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1と、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2と、をロードして(A4801)、RWMの大当りフラグ1領域及び大当りフラグ2領域をクリアする(A4802)。
そして、遊技制御装置100は、ロードされた大当りフラグ2が大当りか否かを判定して(A4803)、大当りである場合(A4803の結果が「Y」)、第2特図変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄2当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブして(A4811)、ラウンド数上限値テーブルを設定する(A4812)。
一方、遊技制御装置100は、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでない場合(A4803の結果が「N」)、ロードされた大当りフラグ1が大当りか否かを判定して(A4804)、大当りである場合(A4804の結果が「Y」)、第1特図変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する試験信号(例えば、条件装置作動中信号をオン、役物連続作動装置作動中信号をオン、特別図柄1当り信号をオン)をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(A4805)、ラウンド数上限値テーブルを設定する処理を実行する(A4812)。
遊技制御装置100は、大当りフラグ1が大当りでない場合(A4804の結果が「N」)、高確率状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数を管理する処理である高確率変動回数更新処理を行う(A4806)。そして、処理番号として特図普段処理に係る「0」を設定し(A4807)、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブして(A4808)、変動図柄判別フラグ領域をクリアする(A4809)。そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(A4810)、特図表示中処理を終了する。
その後、遊技制御装置100は、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値(本実施形態の場合、16又は6)を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする(A4813)。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(A4814)。
続いて、遊技制御装置100は、停止図柄パターンに対応した飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、演出コマンドとして準備して(A4815)、演出コマンド設定処理を実行する(A4816)。その後、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率を通常確率状態(低確率状態)とする情報に係る確率情報コマンドを演出コマンドとして準備して(A4817)、演出コマンド設定処理を実行する(A4818)。続けて、特図情報設定処理にて設定されるお座り一発演出実行フラグの有無やラウンド数上限値に対応するファンファーレコマンドを演出コマンドとして準備して(A4819)、演出コマンド設定処理を実行する(A4820)。
その後、遊技制御装置100は、お座り一発演出実行フラグの有無に対応してファンファーレ時間を設定し(A4821)、お座り一発演出実行フラグをクリアする(A4822)。例えば、ファンファーレ時間としては、お座り一発演出実行フラグがない場合は10000msを設定し、お座り一発演出実行フラグがある場合は100msを設定する。
その後、遊技制御装置100は、大当りファンファーレ時間(例えば10000msec)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A4823)。そして、大入賞口不正入賞数領域をクリアし(A4824)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(A4825)。その後、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行し(A4826)、特図表示中処理を終了する。すなわち、遊技制御装置100が、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの何れかで結果が特別結果となることに基づき、特別変動入賞装置39を開状態に変換する特別遊技状態を発生する特別遊技状態発生手段をなす。例えば、ファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1では、ファンファーレ/インターバル中処理に係る処理番号「3」を設定し特図ゲーム処理番号領域にセーブする。
〔ファンファーレ/インターバル中処理〕
次に、特図ゲーム処理におけるファンファーレ/インターバル中処理(A2611)の詳細について説明する。図24は、ファンファーレ/インターバル中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、特別遊技状態のラウンド数を+1更新し(A5701)、特別遊技状態(大当り状態)のラウンド数に対応するラウンドコマンドを演出コマンドとして準備して(A5702)、演出コマンド設定処理(A5703)を行う。
その後、遊技制御装置100は、大入賞口開放時間(例えば29秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5704)、処理番号を大入賞口開放中処理にかかる「4」に設定し(A5705)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5706)。その後、大入賞口の開放開始に関する信号(例えば、特別電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブして(A5707)、大入賞口への入賞数を記憶する大入賞口カウント数領域の情報をクリアする(A5708)。そして、大入賞口ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブして(A5709)、ファンファーレ/インターバル中処理を終了する。
〔大入賞口開放中処理〕
次に、特図ゲーム処理における大入賞口開放中処理(A2612)の詳細について説明する。図25は、本実施形態の大入賞口開放中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、実行中の特別遊技状態における現在のラウンド数とRWMのラウンド数上限値領域のラウンド数上限値とを比較して現在のラウンドが最終ラウンドであるかを判定する(A5901)。そして、最終ラウンドでない場合(A5901の結果が「N」)、ラウンド間のインターバルに係るインターバルコマンドを演出コマンドとして準備して(A5902)、演出コマンド設定処理を実行する(A5904)。
遊技制御装置100は、最終ラウンドである場合(A5901の結果が「Y」)、特別遊技状態の終了の際におけるエンディング表示画面の表示制御等に係るエンディングコマンドを演出コマンドとして準備して(A5903)、演出コマンド設定処理を実行する(A5904)。
その後、処理番号を大入賞口残存球処理に係る「5」に設定し(A5905)、処理番号を特図ゲーム処理番号領域にセーブする(A5906)。残存球処理時間(例えば1.9秒)を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブし(A5907)、その後大入賞口ソレノイド39bをオフさせるためのオフデータを大入賞口ソレノイド出力データ領域にセーブし(A5908)、大入賞口開放中処理を終了する。
〔普図ゲーム処理〕
次に、タイマ割込み処理における普図ゲーム処理(A1310)の詳細について説明する。図26は、普図ゲーム処理の手順を示すフローチャートである。普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
遊技制御装置100は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理を実行する(A7601)。
続いて、遊技制御装置100は、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理を実行する(A7602)。
次に、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマが0でなければ−1更新する(1だけ減算する)(A7603)。なお、普図ゲーム処理タイマの最小値は0に設定されている。そして、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0となったか否かを判定する(A7604)。
遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0である場合(A7604の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する(A7605)。
さらに、遊技制御装置100は、設定された普図ゲームシーケンス分岐テーブルに基づいて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する(A7606)。そして、普図ゲーム処理番号によるサブルーチンコールを行って、普図ゲーム処理番号に応じたゲーム分岐処理を実行する(A7607)。
遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「0」の場合には、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理を実行する(A7608)。普図普段処理の詳細については、図27にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「1」の場合には、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理を実行する(A7609)。普図変動中処理の詳細については、図28にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「2」の場合には、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、時短状態中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理を実行する(A7610)。普図表示中処理の詳細については、図29にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、あるいは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理を実行する(A7611)。普図当り中処理の詳細については、図30にて後述する。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理を実行する(A7612)。
また、遊技制御装置100は、ステップA7607にてゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理(A7608)を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理を実行する(A7613)。
その後、遊技制御装置100は、普図表示器53による普通図柄の変動を制御するための普図変動制御テーブルを準備する(A7614)。その後、普図表示器53による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理を実行し(A7615)、普図ゲーム処理を終了する。
一方、遊技制御装置100は、普図ゲーム処理タイマの値が0でない場合(A7604の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、ステップA7614以降の処理を実行する。
〔普図普段処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図普段処理(A7608)の詳細について説明する。図27は、普図普段処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図保留数が0であるか否かを判定する(A7901)。普図保留数が0でない場合には(A7901の結果が「N」)、RWMの普図当り乱数格納領域(保留数1用)から当り乱数をロードし、RWMの普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)から当り図柄乱数をロードし、ロードした後の普図当り乱数格納領域(保留数1用)と普図当り図柄乱数格納領域(保留数1用)を0クリアする(A7902)。さらに、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高い普図高確率中(高確率状態中)であるか否か、すなわち、時短状態(普電サポート状態)であるか否かを判定する(A7903)。なお、高確率中の普図当り確率は250/251であり、低確率中での普図当り確率は0/251である。
遊技制御装置100は、普図高確率中でない場合(A7903の結果が「N」)、普図低確率中の下限判定値である低確率下限判定値(ここでは251)を設定し(A7904)、普図高確率中である場合(A7903の結果が「Y」)、普図高確率中の下限判定値である高確率下限判定値(ここでは1)を設定し(A7905)、ステップA7906の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が上限判定値(ここでは251)以上であるか否か判定する(A7906)。なお、ここでの上限判定値は、普図高確率中と普図低確率中とで共通する。当り乱数が上限判定値以上である場合(A7906の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、ステップA7908の処理に移行する。当り乱数が上限判定値未満である場合(A7906の結果が「N」)、当り乱数が下限判定値未満であるか否かを判定する(A7907)。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満である場合(A7907の結果が「Y」)、即ち、はずれの場合、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブする(A7908)。さらに、普図停止図柄番号としてはずれ停止図柄番号を設定し(A7909)、はずれ図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7910)、ステップA7914の処理に移行する。
遊技制御装置100は、当り乱数が下限判定値未満でない場合(A7907の結果が「N」)、即ち、当りの場合、当りフラグ領域に当り情報をセーブし(A7911)、ロードした当り図柄乱数に対応する当り停止図柄番号を設定し(A7912)、当り停止図柄番号に対応する当り停止図柄情報を普図停止図柄情報領域にセーブし(A7913)、ステップA7914の処理に移行する。なお、当り停止図柄は、数種類存在してよく、本実施形態では2個存在する。
次に、遊技制御装置100は、停止図柄番号を普図停止図柄領域にセーブし(A7914)、停止図柄番号を試験信号出力データ領域にセーブし(A7915)、普図当り乱数格納領域をシフトし(A7916)、シフト後の空き領域を0クリアした後(A7917)、普図保留数を−1更新する(A7918)。
すなわち、最も古い普図保留数1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留数1以降に保留となっている普図保留数2〜4の順位を1つずつ繰り上げる。この処理により、普図当り乱数格納領域の普図保留数2用から普図保留数4用の値が、普図当り乱数格納領域の普図保留数1用から普図保留数3用に移動することとなる。そして、普図当り乱数格納領域の普図保留数4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
次に、遊技制御装置100は、変動パターン乱数3を抽出し(A7919)、変動パターン乱数3に対応する変動時間を設定し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A7920)。例えば、変動時間は、確率200/256で500msec、確率40/256で1500msec、確率16/256で3000msecに振り分けられる。そして、普図変動中処理移行設定処理を実行し(A7921)、普図普段処理を終了する。普図変動中処理移行設定処理では、普図変動中処理に移行するために、ゲーム処理番号として「1」を設定して普図ゲーム処理番号領域にセーブする他、普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図保留数が0である場合には(A7901の結果が「Y」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A7922)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A7923)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A7924)、普図普段処理を終了する。
〔普図変動中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図変動中処理(A7609)の詳細について説明する。図28は、普図変動中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図表示中処理に移行するための設定処理として処理番号を「2」に設定し(A8301)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8302)。その後、遊技制御装置100は、普図表示器における普図変動表示ゲームの結果の表示時間である普図表示時間(例えば、0.6秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8303)。
さらに、遊技制御装置100は、普図の変動終了に関する信号(普通図柄1変動中信号をオフ)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8304)。そして、普図変動表示ゲームが停止中であることを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブし(A8305)、普図変動中処理を終了する。
〔普図表示中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図表示中処理(A7610)の詳細について説明する。図29は、普図表示中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグ(当り情報又ははずれ情報)をロードし(A8401)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(A8402)。そして、ロードされた当りフラグに当り情報が設定されているか否かを判定する(A8403)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されている場合には(A8403の結果が「Y」)、当り中処理設定テーブルを設定し(A8404)、普図停止図柄情報に対応する当り開始ポインタ値(ここでは0又は5)を取得し、普図当り中制御ポインタ領域にセーブする(A8405)。また、普図停止図柄情報に対応する当り終了ポインタ値(ここでは4又は7)を取得し、普図当り終了ポインタ領域にセーブする(A8406)。次いで、普図停止図柄情報に対応する普電開放時間(例えば1700msec又は2600msec)を取得し、普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(A8407)。以上の処理により時短状態中での普通変動入賞装置37の開放態様が設定され、例えば3回又は2回の開放が可能となる。
続いて、遊技制御装置100は、普図当り中処理に移行するための処理番号として「3」を設定し(A8408)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8409)。その後、普図変動表示ゲームの当りに関する信号(普通図柄1当り中信号をオン)と、普電作動開始に関する信号(普通電動役物1作動中信号をオン)を試験信号出力データ領域にセーブする(A8410)。さらに、普電ソレノイドを駆動(オン)する信号を出力するために普電ソレノイド出力データ領域にオンデータをセーブする(A8411)。
さらに、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域の情報をクリアし(A8412)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域の情報をクリアする(A8413)。最後に、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定するフラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブする(A8414)。
遊技制御装置100は、当りフラグに当り情報が設定されていない場合には(A8403の結果が「N」)、普図普段処理に移行するための処理番号として「0」を設定し(A8415)、処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(A8416)。その後、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(A8417)、普図表示中処理を終了する。
〔普図当り中処理〕
次に、普図ゲーム処理における普図当り中処理(A7611)の詳細について説明する。図30は、普図当り中処理の手順を示すフローチャートである。
遊技制御装置100は、まず、普図当り中制御ポインタをロードして準備し(A8601)、ロードされた普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達したか否かを判定する(A8602)。
そして、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値に達していない場合には(A8602の結果が「N」)、普図当り中制御ポインタを+1更新する(A8603)。さらに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。普電作動移行設定処理では、普電ソレノイド37cのオンオフを制御するとともに、ウェイト時間や普電開放時間を取得し普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする。
また、遊技制御装置100は、普図当り中制御ポインタの値が普図当り中制御ポインタ上限値領域の値(当り終了の値)に達した場合には(A8602の結果が「Y」)、ステップA8603における普図当り中処理制御ポインタ領域を更新(+1)する処理を実行せずに、普電作動移行設定処理を実行し(A8604)、普図当り中処理を終了する。
〔外部情報編集処理〕
次に、タイマ割込み処理における外部情報編集処理(A1314)の詳細について説明する。図31は、外部情報編集処理の手順を示すフローチャートである。図31Aは外部情報編集処理の前半部分を示し、図31Bは外部情報編集処理の後半部分を示す。外部情報編集処理では、始動口エラー監視処理(A2009)、払出コマンド送信処理(A1305)、入賞口スイッチ/状態監視処理(A1308)、磁石不正監視処理(A1312)、盤電波不正監視処理(A1313)での監視結果に基づいて、情報収集端末や遊技場内部管理装置等の外部装置や試射試験装置に出力する情報を作成して出力バッファにセットする処理等を行う。
遊技制御装置100は、まず、スイッチ異常エラーが発生中であるか否かを判定する(A9501)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9501の結果が「N」)、遊技機エラー状態信号のオフデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9502)。スイッチ異常エラーが発生中である場合(A9501の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9503)。
次に、遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中であるか否かを判定する(A9504)。ガラス枠開放エラーが発生中でない場合(A9504の結果が「N」)、本体枠開放エラー(前面枠開放エラー)が発生中であるか否かを判定する(A9505)。本体枠開放エラーが発生中でない場合(A9505の結果が「N」)、扉・枠開放信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9506)、セキュリティ信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブする(A9507)。
遊技制御装置100は、ガラス枠開放エラーが発生中である場合(A9504の結果が「Y」)、又は、本体枠開放エラーが発生中である場合(A9505の結果が「Y」)、扉・枠開放信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9508)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9509)。
遊技制御装置100は、ステップA9507、A9509の後、セキュリティ信号制御タイマが0でなければ−1更新し(A9510)、セキュリティ信号制御タイマが0であるか否か(タイムアップしたか否か)を判定する(A9511)。セキュリティ信号制御タイマの初期値は、初期化スイッチの操作等によりRAMに記憶されたデータが初期化されたときに、所定時間(例えば256msec)が設定される(メイン処理のA1029)。そして、セキュリティ信号制御タイマはRAM初期化時から計時されることになる。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0でない場合(A9511の結果が「N」)、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9512)、ステップA9513の処理に移行する。即ち、RAMに記憶されたデータの初期化が行われたことが外部情報として出力される。
遊技制御装置100は、セキュリティ信号制御タイマが0である場合(A9511の結果が「Y」)、磁石不正が発生中であるか否かを判定する(A9513)。なお、磁石不正フラグ領域に磁石不正発生フラグがセーブされている場合に、磁石不正が発生中であると判定できる。磁石不正が発生中でない場合(A9513の結果が「N」)、さらに、盤電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9514)。なお、盤電波不正フラグ領域に盤電波不正発生フラグがセーブされている場合に、盤電波不正が発生中であると判定できる。
遊技制御装置100は、盤電波不正が発生中でない場合(A9514の結果が「N」)、さらに、大入賞口不正が発生中であるか否か判定する(A9515)。なお、大入賞口に関しての不正入賞発生フラグが不正フラグ領域にセーブされている場合、大入賞口不正が発生中であると判定できる。大入賞口不正が発生中でない場合(A9515の結果が「N」)、さらに、普電不正発生中であるか否かを判定する(A9516)。普電不正発生中でない場合(A9516の結果が「N」)、始動口エラー発生中であるか否か判定する(A9517)。なお、始動口エラーフラグ領域にエラー発生中フラグがセーブされている場合に、始動口エラー発生中であると判定できる。始動口エラー発生中でない場合(A9517の結果が「N」)、さらに、枠電波不正が発生中であるか否かを判定する(A9518)。
一方、遊技制御装置100は、磁石不正が発生中である場合(A9513の結果が「Y」)、盤電波不正が発生中である場合(A9514の結果が「Y」)、大入賞口不正が発生中である場合(A9515の結果が「Y」)、普電不正発生中である場合(A9516の結果が「Y」)、又は、始動口エラー発生中である場合(A9517の結果が「Y」)、遊技機エラー状態信号のオンデータを試験信号出力データ領域にセーブする(A9519)。その後、セキュリティ信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9520)、払出予定の賞球数に関する情報を設定するメイン賞球信号編集処理を実行する(A9521)。
遊技制御装置100は、枠電波不正が発生中でない場合も(A9518の結果が「N」)、メイン賞球信号編集処理を実行する(A9521)。続いて、遊技制御装置100は、始動口の入賞信号を編集する始動口信号編集処理を実行する(A9522)。
次に、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの実行回数に係る情報の出力時間を制御するための図柄確定回数制御タイマが0でなければ−1更新する(A9523)。なお、図柄確定回数制御タイマの最小値は0に設定されている。
そして、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0であるか否かを判定する(A9524)。図柄確定回数制御タイマの値が0である場合(A9524の結果が「Y」)、すなわち、タイムアップした又はすでにタイムアップしていた場合には、図柄確定回数信号のオフデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9525)、外部情報編集処理を終了する。
また、遊技制御装置100は、図柄確定回数制御タイマの値が0でない場合(A9524の結果が「N」)、すなわち、タイムアップしていない場合には、図柄確定回数信号のオンデータを外部情報出力データ領域にセーブし(A9526)、外部情報編集処理を終了する。
[演出制御装置の制御]
以下に、演出制御装置300が演出制御用プログラムによって実行する制御(処理)を説明する。
〔メイン処理(演出制御装置)〕
最初に、演出制御装置300によって実行されるメイン処理の詳細を説明する。図32は、演出制御装置300によって実行されるメイン処理(メインプログラム)の手順を示すフローチャートである。メイン処理は、遊技機10に電源が投入されると主制御用マイコン311(演出用マイコン)によって実行される。なお、演出制御装置300が実行する処理のフローチャートにおいて、ステップの符号(番号)は「B****」と表されている。
演出制御装置300は、メイン処理の実行が開始されると、まず、割込みを禁止する(B0001)。次にCPU311及びVDP312の初期設定を実行し(B0002、B0003)、割込みを許可する(B0004)。割込みが許可されると、遊技制御装置100から送信されたコマンドを受信するコマンド受信割込み処理を実行可能な状態となる。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する表示用データの生成を許可し(B0005)、乱数生成に用いる乱数シードを設定する(B0006)。そして、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(B0007)。
続いて、演出制御装置300は、WDT(ウォッチドックタイマ)をクリアする(B0008)。WDTは、上述したCPU初期設定(B0002)で起動され、CPU311が正常に動作しているかどうかを監視する。WDTが一定周期を経過してもクリアされない場合は、WDTがタイムアップしてCPU311がリセットされる。
次に、演出制御装置300は、遊技者による演出ボタン25の操作信号(演出ボタンスイッチ25a又はタッチパネル25bの信号)を検出したり、検出した信号に応じて演出内容(設定)を変更したりする演出ボタン入力処理を実行する(B0009)。続いて、遊技者によるLEDや液晶の輝度、音量の変更などの操作を受け付けるホール・遊技者設定モード処理を実行する(B0010)。ホール・遊技者設定モード処理において、後述の演出ポイントに応じて、遊技者は演出をカスタマイズすることができる。
次に、演出制御装置300は、演出乱数などの乱数を更新するための乱数更新処理を実行し(B0011)、遊技制御装置100から受信した受信コマンドを解析して対応する受信コマンドチェック処理を実行する(B0012)。なお、受信コマンドチェック処理の詳細については、図33にて後述する。
次に、演出制御装置300は、表示装置41等に表示する内容に合わせて各種データの更新を行ったり、表示装置41に表示する描画を表示フレームバッファに設定したりする演出表示編集処理を実行する(B0013)。このとき設定される描画データは、フレーム周期1/30秒(約33.3msec)以内にVDP312が描画を完了することができるものであれば問題なく表示装置41の画像を更新することができる。そして、表示フレームバッファへの描画準備を完了させて描画コマンド準備終了設定を実行する(B0014)。
続いて、演出制御装置300は、フレーム切替タイミングであるか否かを判定する(B0014)。フレーム切替タイミングでない場合は(B0015の結果が「N」)、フレーム切替タイミングになるまでB0015の処理を繰り返し、フレーム切替タイミングである場合は(B0015の結果が「Y」)、表示装置41への画面描画を指示する(B0016)。本実施形態のフレーム周期は1/30秒なので、例えば1/60秒(フレーム周期の1/2)毎の周期的なVブランク(画像更新)が2回実行されるとフレームの切り替えが行われる。なお、1/60秒で画像を更新せず、さらに間隔を大きくしてもよい。
また、演出制御装置300は、スピーカ19から出力される音を制御するサウンド制御処理を実行する(B0017)。
また、演出制御装置300は、LED等からなる装飾装置(盤装飾装置46、枠装飾装置18)を制御する装飾制御処理を実行する(B0018)。装飾制御処理では、例えば、LED等の装飾装置の発光制御を実行する。
さらに、演出制御装置300は、モータ及びソレノイドで駆動される電動役物などの演出装置(盤演出装置44)を制御する可動体制御処理を実行する(B0019)。可動体制御処理では、例えば、ソレノイドを駆動して役物動作演出を実行する。
そして、演出制御装置300は、前述のB0019の処理を終えると、B0008の処理に戻る。以降、B0008からB0019までの処理を繰り返す。
〔受信コマンドチェック処理〕
次に、図33を参照して、上述したメイン処理(図32)における受信コマンドチェック処理(B0012)の詳細について説明する。図33は、演出制御装置300によって実行される受信コマンドチェック処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、遊技制御装置100から受信したコマンド数をチェックするためにRAMのコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタの値をコマンド受信数としてロードする(B1101)。そして、コマンド受信数が0でないか否かを判定する(B1102)。コマンド受信数が0である場合、すなわち、遊技制御装置100から受信したコマンドがない場合には(B1102の結果が「N」)、解析するコマンドがないので、受信コマンドチェック処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、コマンド受信数が0でない場合、すなわち、遊技制御装置100からコマンドを受信している場合には(B1102の結果が「Y」)、コマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値をコマンド受信数分減算した後(B1103)、RAMの受信コマンドバッファの内容を解析用のコマンド領域にコピーする(B1104)。ここで、受信コマンドバッファはリングバッファなので、バッファ内の内容をコマンド領域にコピーする前にコマンド受信数を減算しても問題ない。また、コピー中に新たにコマンドを受信してもデータが上書きされることはない。
そして、演出制御装置300は、コマンド読出インデックスを0〜31の範囲で+1更新(1だけ加算)する(B1105)。受信コマンドバッファは受信したコマンドを32個まで保存できるよう構成されている。受信したコマンドは、コマンド読出インデックス0〜31の順に受信コマンドバッファに格納されており、ここではインデックス順に受信したコマンドを読み出して、解析用のコマンド領域にコピーする。なお、解析用のコマンド領域へのコピーが完了したタイミングで、読みだしたコマンド読出インデックスに対応する受信コマンドバッファの格納領域内はクリアされる。
演出制御装置300は、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドのコピーが完了したか否かを判定し(B1106)、コピーが完了していない場合は(B1106の結果が「N」)、ステップB1104からB1106の処理を繰り返す。
遊技制御装置100から送信されたコマンドを演出制御装置300が受信すると、受信コマンドバッファに受信したコマンドの内容が保存されると同時にコマンド受信カウンタ領域のコマンド受信カウンタ値が加算更新される。受信コマンドバッファには32個分のコマンドを保存することができるが、受信したコマンドの解析は、別途、解析用のコマンド領域で行われる。そして、解析用のコマンド領域に受信したコマンドの内容がコピーされると、受信コマンドバッファ及びコマンド受信カウンタ値はクリアされる。このように、受信コマンドバッファ内で直接解析を行わずに常に空き領域を確保しておくことで、コマンドの大量受信に備えることができる。
続いて、演出制御装置300は、コピーが完了した場合には(B1106の結果が「Y])、解析用のコマンド領域の受信したコマンド内容をロードし(B1107)、内容を解析する受信コマンド解析処理を実行する(B1108)。なお、受信コマンド解析処理の詳細については、次の図34にて後述する。また、解析用のコマンド領域のアドレスを更新する(B1109)。その後、ステップB1101の処理にてロードしたコマンド受信数分のコマンドの解析が完了したか否かを判定し(B1110)、解析が完了していない場合は(B1110の結果が「N」)、ステップB1107からB1110の処理を繰り返す。解析が完了した場合には(B1110の結果が「Y])、受信コマンドチェック処理を終了する。
〔受信コマンド解析処理〕
次に、図34を参照して、前述した受信コマンドチェック処理(図33)における受信コマンド解析処理(B1108)の詳細について説明する。図34は、演出制御装置300によって実行される受信コマンド解析処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信したコマンドの上位バイトをMODE部、下位バイトをACTION部(ACT部)として分離する(B1201)。遊技制御装置100から演出制御装置300に送信されるコマンドは、MODE部(MODEコマンド)及びACTION部(ACTIONコマンド)によって構成されており、通常、コマンドの種類を示すMODE部から連続して送信される。従って、受信したコマンドの上位、下位はMODE部、ACTION部の順に構成される。
次に、演出制御装置300は、MODE部が正常範囲であるか否かを判定する(B1202)。すなわち、コマンドの種類を示すMODE部が取り得る値(種類を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、MODE部が正常範囲である場合には(B1202の結果が「Y」)、同様にACTION部が正常範囲であるか否かを判定する(B1203)。すなわち、コマンドの内容(具体的な演出指示等)を示すACTION部が取り得る値(内容を示すコマンド仕様として割り当てられた値)であるか否かを判定する。そして、ACTION部が正常範囲である場合には(B1203の結果が「Y」)、さらに、MODE部に対するACTION部は正しい組み合せか否かを判定する(B1204)。すなわち、ACTION部の値が、MODE部によって特定される種類のコマンドが取り得る値であるのか否かを判定する。そして、正しい組み合せである場合には(B1204の結果が「Y」)、B1205以降の処理でコマンドの系統に応じたコマンド処理を実行する。
演出制御装置300は、まず、MODE部の値が変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1205)。なお、変動系コマンドは、飾り特別図柄の変動パターンを指令するコマンドであり、変動コマンド(変動開始情報設定処理で設定されるもの)がある。そして、MODE部が変動系コマンドを表す場合には(B1205の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を実行し(B1206)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が変動系コマンドを表していない場合には(B1205の結果が「N」)、次に、MODE部が大当り系コマンドの範囲か否かを判定する(B1207)。なお、大当り系コマンドは、大当り中の演出に関する動作(ファンファーレ画面やラウンド画面の表示など)を指令するコマンドであり、例えば、ファンファーレコマンド(A4819)、ラウンドコマンド(A5702)、インターバルコマンド(A5902)、エンディングコマンド(A5903)などである。そして、MODE部が大当り系コマンドを表す場合には(B1207の結果が「Y」)、大当り系コマンド処理を実行し(B1208)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が大当り系コマンドを表していない場合には(B1207の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1209)。なお、図柄系コマンドには、停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド(特図1停止図柄設定処理で設定されるもの)がある。そして、MODE部が図柄系コマンドを表す場合には(B1209の結果が「Y」)、図柄系コマンド処理を実行し(B1210)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が図柄系コマンドを表していない場合には(B1209の結果が「N」)、次に、MODE部が単発系コマンドの範囲か否かを判定する(B1211)。そして、MODE部が単発系コマンドを表す場合には(B1211の結果が「Y」)、単発系コマンド処理を実行し(B1212)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が単発系コマンドを表していない場合には(B1211の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み図柄系コマンドの範囲か否かを判定する(B1213)。先読み図柄系コマンドには、先読み停止図柄コマンド(図14のA3008、A3018)がある。そして、MODE部が先読み図柄系コマンドを表す場合には(B1213の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド処理を実行し(B1214)、受信コマンド解析処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が先読み図柄系コマンドを表していない場合には(B1213の結果が「N」)、次に、MODE部が先読み変動系コマンドの範囲か否かを判定する(B1215)。先読み変動系コマンドには、先読み変動パターンコマンド(A3022)がある。そして、MODE部が先読み変動系コマンドを表す場合には(B1215の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド処理を実行し(B1216)、受信コマンド解析処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、MODE部が先読み変動系コマンドを表していない場合には(B1215の結果が「N」)、予期しないコマンド(例えば、テストモード中のみ使用するコマンド)を受信した可能性があるので、受信コマンド解析処理を終了する。また、MODE部が正常範囲でない場合(B1202の結果が「N」)、ACTION部が正常範囲でない場合(B1203の結果が「N」)、もしくは、MODE部に対するACTION部が正しい組合せでない場合も(B1204の結果が「N」)、受信コマンド解析処理を終了する。
〔単発系コマンド処理〕
次に、図35を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図34)における単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図35は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、MODE部が遊技機の種類を示す機種指定コマンドを表すか否かを判定する(B1301)。そして、MODE部が機種指定コマンドを表す場合には(B1301の結果が「Y」)、遊技機の種類を設定する機種設定処理を実行し(B1302)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が機種指定コマンドを表していない場合には(B1301の結果が「N」)、次に、MODE部がRAM初期化コマンドを表すか否かを判定する(B1303)。そして、MODE部がRAM初期化コマンドを表す場合には(B1303の結果が「Y」)、RAM初期化の報知等を行うRAM初期化設定処理を実行し(B1304)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がRAM初期化コマンドを表していない場合には(B1303の結果が「N」)、次に、MODE部が停電復旧時のコマンドを表すか否かを判定する(B1305)。そして、MODE部が停電復旧時のコマンドを表す場合には(B1305の結果が「Y」)、停電復旧設定処理を実行し(B1306)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が停電復旧時のコマンドを表していない場合には(B1305の結果が「N」)、次に、MODE部が客待ちデモコマンドを表すか否かを判定する(B1307)。そして、MODE部が客待ちデモコマンドを表す場合には(B1307の結果が「Y」)、客待ちデモ設定処理を実行し(B1308)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が客待ちデモコマンドを表していない場合には(B1307の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図1保留数コマンド(A2907、A3304)を表すか否かを判定する(B1309)。そして、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表す場合には(B1309の結果が「Y」)、特図1保留情報設定処理を実行し(B1310)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図1保留数コマンドを表していない場合には(B1309の結果が「N」)、次に、MODE部が飾り特図2保留数コマンド(A2907、A3307)を表すか否かを判定する(B1311)。そして、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表す場合には(B1311の結果が「Y」)、特図2保留情報設定処理を実行し(B1312)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が飾り特図2保留数コマンドを表していない場合には(B1311の結果が「N」)、次に、MODE部が確率情報コマンドを表すか否かを判定する(B1313)。そして、MODE部が確率情報コマンドを表す場合には(B1313の結果が「Y」)、確率情報設定処理を実行し(B1314)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部が確率情報コマンドを表していない場合には(B1313の結果が「N」)、次に、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表すか否かを判定する(B1315)。なお、エラー/不正系のコマンドとして、例えば、不正発生コマンド、不正解除コマンド、状態オフコマンド、状態オンコマンドがある。そして、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表す場合には(B1315の結果が「Y」)、エラーや不正の報知や報知解除をするためのエラー/不正設定処理を実行し(B1316)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がエラー/不正系のコマンドを表していない場合には(B1315の結果が「N」)、次に、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表すか否かを判定する(B1317)。そして、MODE部が演出モード切替用のコマンドを表す場合には(B1317の結果が「Y」)、演出モード切替設定処理を実行し(B1318)、単発系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、MODE部がカウントのコマンドを表していない場合には(B1319の結果が「N」)、次に、MODE部が図柄停止のコマンドを表すか否かを判定する(B1319)。なお、図柄停止のコマンドには、例えば、特図1の図柄停止コマンドと特図2の図柄停止コマンドがある。そして、MODE部が図柄停止のコマンドを表す場合には(B1319の結果が「Y」)、演出制御装置300は、次に、MODE部のコマンドが正常なコマンドであるか否かを判定する(B1320)。
MODE部のコマンドが正常なコマンドである場合には(B1320の結果が「Y」)、演出制御装置300は、対応する特図の停止態様を設定し(B1321)、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定して(B1322)、単発系コマンド処理を終了する。B1322の処理では、一例として、遊技状態フラグを通常状態に設定しているが、本処理が実行されるタイミングによって、遊技状態フラグは、「変動中」「大当り中」「小当り中」のフラグが設定される。
一方、MODE部が図柄停止のコマンドを表していない場合(B1319の結果が「N」)、または、MODE部のコマンドが正常ではない場合(B1320の結果が「N」)には、演出制御装置300は、単発系コマンド処理を終了する。
なお、単発系コマンド処理において、MODE部が設定情報コマンドを表す場合には、設定情報コマンドに含まれる遊技機10の遊技条件に関する設定情報(設定値)をRAMに記憶する処理を実行してよい。
〔特図1保留情報設定処理〕
次に、図36Aを参照して、前述した単発系コマンド処理(図35)における特図1保留情報設定処理(B1310)の詳細について説明する。図36Aは、演出制御装置300によって実行される特図1保留情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、飾り特図1保留数コマンド(第1始動記憶数情報)の異常があるか否かを判定する(B1401a)。即ち、飾り特図1保留数コマンドから取得した飾り特図1保留数(第1始動記憶数)に異常があるか否かを判定する。例えば、飾り特図1保留数が一度に2以上増減した場合、通常遊技状態において飾り特図1保留数と飾り特図2保留数が交互に増加せず飾り特図1保留数が連続して増加する場合、飾り特図1保留数コマンドを受信しないが特図1に関する先読みコマンド(先読み図柄系コマンド又は先読み変動系コマンド)だけを受信した場合などに、飾り特図1保留数コマンド(第1始動記憶数情報)の異常があると判定できる。飾り特図1保留数コマンドの欠落などがこのような異常の原因となり得る。なお、入賞切替機構105によって第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞があると、飾り特図1保留数と飾り特図2保留数が交互に増加することになる。
演出制御装置300は、飾り特図1保留数コマンドの異常がある場合に(B1401aの結果が「Y」)、特図1保留数コマンド異常フラグを設定し(B1402a)、特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数を記憶する(B1403a)。なお、異常な飾り特図1保留数コマンドから特図1保留数を取得できない場合には、B1403aの処理を実行しなくてよい。飾り特図1保留数コマンドの異常がない場合に(B1401aの結果が「N」)、特図1保留数コマンド異常フラグを設定することなく、特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数を記憶する(B1403a)。その後、特図1保留情報設定処理を終了する。
〔特図2保留情報設定処理〕
次に、図36Bを参照して、前述した単発系コマンド処理(図35)における特図2保留情報設定処理(B1312)の詳細について説明する。図36Bは、演出制御装置300によって実行される特図2保留情報設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、飾り特図2保留数コマンド(第2始動記憶数情報)の異常があるか否かを判定する(B1401b)。即ち、飾り特図2保留数コマンドから取得した飾り特図2保留数(第2始動記憶数)に異常があるか否かを判定する。例えば、飾り特図2保留数が一度に2以上増減した場合、通常遊技状態において飾り特図2保留数と飾り特図2保留数が交互に増加せず飾り特図2保留数が連続して増加する場合、飾り特図2保留数コマンドを受信しないが特図2に関する先読みコマンド(先読み図柄系コマンド又は先読み変動系コマンド)だけを受信した場合などに、飾り特図2保留数コマンド(第2始動記憶数情報)の異常があると判定できる。飾り特図2保留数コマンドの欠落などがこのような異常の原因となり得る。なお、入賞切替機構105によって第1始動入賞口36と第3始動入賞口42に交互に入賞があると、飾り特図1保留数と飾り特図2保留数が交互に増加することになる。
演出制御装置300は、飾り特図2保留数コマンドの異常がある場合に(B1401bの結果が「Y」)、飾り特図2保留数コマンド異常フラグを設定し(B1402b)、飾り特図2保留数コマンドから取得した特図2保留数を記憶する(B1403b)。なお、異常な飾り特図2保留数コマンドから特図2保留数を取得できない場合には、B1403bの処理を実行しなくてよい。飾り特図2保留数コマンドの異常がない場合に(B1401bの結果が「N」)、飾り特図2保留数コマンド異常フラグを設定することなく、飾り特図2保留数コマンドから取得した特図2保留数を記憶する(B1403b)。その後、特図2保留情報設定処理を終了する。
〔先読み図柄系コマンド処理〕
次に、図37を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図34)における先読み図柄系コマンド処理(B1214)の詳細について説明する。図37は、演出制御装置300によって実行される先読み図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、最新保留情報が特図1保留(特図1始動記憶)の情報であるか否か、例えば、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図1保留数コマンドであるか否かを判定する(B1601)。最新保留情報が特図1保留の情報である場合(B1601の結果が「Y」)、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図1保留数に対応する特図1先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1602)。
演出制御装置300は、最新保留情報が特図1保留の情報でない場合(B1601の結果が「N」)、即ち、最新で受信した飾り特図保留数コマンドが飾り特図2保留数コマンドである場合、先読み図柄系コマンド(先読み停止図柄コマンド)を特図2保留数に対応する特図2先読み図柄コマンド領域にセーブする(B1603)。
演出制御装置300は、ステップB1602とB1603の後、先読み変動系コマンドの受信待ちであることを示す先読み変動系コマンド受信待ちフラグを設定する(B1604)。これは、先読み図柄系コマンドと先読み変動系コマンドがセットになっているため、遊技制御装置100から先読み図柄系コマンドに続いて先読み変動系コマンドが送信されるためである。その後、先読み図柄系コマンド処理を終了する。
〔先読み変動系コマンド処理〕
次に、図38を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図34)における先読み変動系コマンド処理(B1216)の詳細について説明する。図38は、演出制御装置300によって実行される先読み変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、対応する特図(特図1又は特図2)の保留数コマンド異常フラグがあるか否かを判定する(B1701)。対応する特図(特図1又は特図2)の保留数コマンド異常フラグは、特図1保留情報設定処理(図36A)又は特図2保留情報設定処理(図36B)で設定されるものである。対応する特図の保留数コマンド異常フラグがない場合に(B1701の結果が「N」)、ステップB1703以降の処理を実行して、先読み変動系コマンド(即ち先読み(事前判定)の判定結果)に基づく先読み演出(予告演出)を抽選、設定する。
演出制御装置300は、対応する特図(飾り特図1又は飾り特図2)の保留数コマンド異常フラグがある場合(B1701の結果が「Y」)、即ち、対応する特図の保留数コマンドに異常がある場合に、この保留数コマンド(始動記憶数情報)が示す始動記憶数(始動記憶の数)が上限数以下であるか否かを判定する(B1702)。なお、本実施形態では上限数は4である。上限数以下である場合(B1702の結果が「Y」)、ステップB1703以降の処理を実行して、先読み変動系コマンドに基づく先読み演出を抽選、設定する。このように、対応する特図の保留数コマンドに異常がある場合でも、保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が上限数以下であれば先読み演出が実行されるため、保留数コマンドの異常によって先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止できる。
一方、演出制御装置300は、対応する特図の保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が上限数(本実施形態では4)を超えた場合に(B1702の結果が「N」)、先読み変動系コマンド(即ち先読み(事前判定)の判定結果)に基づく先読み演出(予告演出)を設定することなく、先読み変動系コマンド処理を終了する。
なお、対応する特図の保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が上限数を超えた場合には(B1702の結果が「N」)、オプションで、現在実行中の先読み演出を中止してよい(B1717)。ここで、先読み演出には、連続予告演出、先読みゾーン演出、保留変化予告などがあるが、全ての現在実行中の先読み演出を中止してよいし、現在実行中の先読み演出を一部中止してもよい。
ステップB1703以降の処理として、演出制御装置300は、先読み変動系コマンドの受信待ち中であるか否かを判定する(B1703)。前述の先読み変動系コマンド受信待ちフラグ(B1604)が設定されている場合、先読み変動系コマンドの受信待ち中であると判定できる。先読み変動系コマンドの受信待ち中でない場合(B1703の結果が「N」)、先読み変動系コマンド処理を終了する。先読み変動系コマンドの受信待ち中である場合(B1703の結果が「Y」)、先読み変動系コマンド受信待ちフラグをクリアする(B1704)。
次に、演出制御装置300(サブ基板)は、最新保留情報の図柄(特図1又は特図2)の保留数に対応する先読み変動MODE変換テーブルを設定し(B1705)、先読み変動系コマンドのMODE部に対応してサブ内先読み変動コマンドMODE部を取得する(B1706)。次に、先読み変動ACT変換テーブルを設定し(B1707)、先読み変動系コマンドのACTION部(ACT部)に対応するサブ内先読み変動コマンドACT部を取得する(B1708)。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)が共に0以外であるか否かを判定する(B1709)。なお、正常(有効)なコマンドであれば0以外に変換される。変換後のMODE部、ACT部が共に0以外である場合(B1709の結果が「Y」)、変換後のMODE部とACT部から構成される変換後のコマンドを最新保留情報、保留数に対応する先読み変動コマンド領域(特図1先読み変動コマンド領域又は特図2先読み変動コマンド領域)にセーブする(B1710)。そして、先読みコマンド整合チェック処理を実行して(B1711)、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常であるか否か判定する(B1712)。
なお、保留が変動表示ゲームを開始するときの保留数によって、MODE部に対応する前半変動の時間が変化する。保留が変動表示ゲームを開始するときに、保留が他になければ長めの前半変動になり、新たに保留が発生して保留数が多ければ短めの前半変動となる。従って、前半変動の時間値が遷移しても、演出制御装置300の内部コマンドが同じに扱えるように、受信した先読み変動系コマンドのMODE部をサブ内先読み変動コマンドMODE部に変換しておく。
また、リーチの種類は保留数に関係ないため、サブ内先読み変動コマンドACT部に対応する後半変動は保留数に依存しない。しかし、同一系統のリーチにも種類があるため、仮に先読み変動系コマンドのACT部(後半変動の値)を変換せずに、演出制御装置300がそのまま使うと数が多くなりチェックが困難になる。例えば、ノーマルリーチにも、ノーマルリーチ−1停止はずれ、ノーマルリーチ+1停止はずれなどの種類が存在する。従って、同一系統のリーチを示すACT部を、同じサブ内先読み変動コマンドACT部に変換することで、数を減らし、先読みコマンド整合チェック処理等のチェック処理の負担を軽減する。
次に、演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部(即ち、サブ内先読み変動コマンドMODE部とACT部)の少なくとも一方が0である場合(B1709の結果が「N」)、又は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常でない場合(B1712の結果が「N」)、変換後のコマンドに異常があるとして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変換後のMODE部とACT部の組合せが正常である場合(B1712の結果が「Y」)、最新保留の先読み演出に関する先読み抽選処理を実行する(B1713)。続いて、最新保留の先読み予告演出が発生するか否かを判定する(B1714)。先読み予告演出は、先読み演出の一種で、例えば、保留変化予告(保留変化予告演出)である。先読み演出としては、連続予告演出、先読みゾーン演出、保留変化予告などがある。
次に、演出制御装置300は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出であるか否か判定する(B1715)。直ちに開始する演出には、例えば、保留変化予告がある。発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出である場合(B1715の結果が「Y」)、選出された先読み演出に対応する表示を設定する(B1716)。そして、先読み変動系コマンド処理を終了する。
一方、演出制御装置300は、最新保留の先読み予告演出が発生しない場合(B1714の結果が「N」)、又は、発生する先読み予告演出が直ちに開始する演出でない場合(B1715の結果が「N」)、そのまま。先読み変動系コマンド処理を終了する。
〔図柄系コマンド処理〕
次に、図39を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図34)における図柄系コマンド処理(B1210)の詳細について説明する。図39は、演出制御装置300によって実行される図柄系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した図柄系コマンド(飾り特図1コマンド又は飾り特図2コマンド)のMODE部に対応する特図種別を設定する(B1801)。特図種別は、特図1又は特図2である。そして、図柄系コマンドのMODE部とACTION部(ACT部)の組合せに対応する図柄種別を設定し、RAM等の所定領域にセーブする(B1802)。ここで、特図1と特図2では、図柄の振分け割合が変わるので、MODE毎にテーブルを使用して、図柄種別を設定する。なお、例えば、図柄種別は、はずれ図柄や、5R確変大当り図柄、5R通常大当り図柄、16R確変大当り図柄、16R通常大当り図柄に対応する。
〔変動系コマンド処理〕
次に、図40を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図34)における変動系コマンド処理(B1206)の詳細について説明する。図40は、演出制御装置300によって実行される変動系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、受信した変動系コマンド(変動コマンド)の特図種別(特図1又は特図2)が未確定であるか否かを判定する(B1901)。特図種別が未確定である場合(B1901の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。特図種別が未確定でない場合(B1901の結果が「N」)、受信した変動系コマンドと図柄系コマンドの組合せをチェックし(B1902)、変動系コマンドと図柄種別が不整合であるか否かを判定する(B1903)。ここで、不整合とは、はずれの変動系コマンドを受信したのに大当り図柄の図柄系コマンドを受信していた場合など、演出を行う上で矛盾してしまうことである。変動系コマンドと図柄種別が不整合である場合(B1903の結果が「Y」)、変動系コマンド処理を終了する。
演出制御装置300は、変動系コマンドと図柄種別が不整合でない場合(B1903の結果が「N」)、変動系コマンド(変動コマンド)から変動パターン種別を判別し(B1904)、変動中の演出である変動演出を設定する変動演出設定処理を実行する(B1905)。なお、同じ変動系コマンドに対して、複数の演出が存在する。続いて、遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグに特図変動中を設定し(B1906)、連続演出等の先読み演出回数が0でなければ−1更新する(B1907)。
〔変動演出設定処理〕
次に、図41を参照して、前述した変動系コマンド処理(図40)における変動演出設定処理(B1905)の詳細について説明する。図41は、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、変動パターン種別が、リーチなし変動(リーチ状態にならない変動)であるか否かを判定する(B2001)。変動パターン種別がリーチなし変動である場合(B2001の結果が「Y」)、ポイント数、機種コード、特図種別、演出モードに対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2002)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と特図種別の保留数に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2003)。リーチなし変動の場合、保留数が多いほど変動時間が短縮されるため、保留数に対応するテーブルのアドレスを取得している。
演出制御装置300は、変動パターン種別がリーチなし変動でない場合(B2001の結果が「N」)、即ち、リーチあり変動である場合、ポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する前半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2004)、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部と変動パターン種別に対応する前半予告振分グループテーブルのアドレスを取得する(B2005)。
演出制御装置300は、ステップB2003、B2005の後、前半変動中(リーチ前)に出現する予告の抽選を行う(B2006)。続いて、ポイント数、機種コード、特図種別、演出モード、図柄種別に対応する後半予告振分グループアドレステーブルを設定し(B2007)、変動系コマンドのACT部に対応する後半予告振分グループテーブルのアドレスを取得し(B2008)、後半変動中(リーチ中)に出現する予告の抽選を行う(B2009)。その後、変動系コマンド(変動コマンド)のMODE部、ACT部に対応する変動演出の内容を決定する(B2010)。なお、変動系コマンドから変動時間や主なリーチ内容などがわかる。
次に、演出制御装置300は、予告の抽選結果に対応する演出(予告演出)の内容を決定する(B2011)。その後、リーチ演出等の変動演出や予告演出の内容に応じて、飾り特図変動表示ゲームの停止図柄を決定する(B2012)。ここで、はずれ図柄の場合にばらけ目を決定するなど、飾り停止図柄を具体的に決定する。
次に、演出制御装置300は、変動演出の表示設定を行い(B2013)、予告演出の表示設定を行う(B2014)。続いて、特図種別に対応する保留減少の表示設定(保留シフト)を行い、例えば、今回変動する飾り特図に対応する保留表示が減るアニメーションが設定される(B2015)。続いて、スピーカによる演出態様を定める音声番号、装飾装置の演出動作を定める装飾番号を設定する(B2016)。
次に、演出制御装置300は、特図種別に対応する飾り特図変動の表示設定を行い(B2017)、表示装置41で変動する前述の第一から第三の特別図柄以外に第四特別図柄(第4図柄)に関する第4図柄変動の表示設定を行う(B2018)。なお、第4図柄変動は、表示装置41以外に設けた前述のランプ表示装置80のランプ表示部1、2(LED)で表示される。
〔大当り系コマンド処理〕
次に、図42を参照して、前述した受信コマンド解析処理(図34)における大当り系コマンド処理(B1208)の詳細について説明する。図42は、演出制御装置300によって実行される大当り系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表すか否かを判定する(B2101)。大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表す場合(B2101の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがファンファーレコマンドである場合、ファンファーレ演出を設定するためのファンファーレ演出設定処理を実行する(B2102)。なお、ファンファーレコマンドには、今回の大当りのラウンド数上限値の情報が含まれている。続いて、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにファンファーレ中を設定し(B2103)、大当り系コマンド処理を終了する。なお、ラウンド数上限値は、図柄系コマンド(停止図柄パターンに対応する飾り特図コマンド)から判定される図柄種別からも得ることができる。
演出制御装置300は、受信した大当り系コマンドのMODE部がファンファーレを表さない場合には(B2101の結果が「N」)、大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表すか否かを判定する(B2104)。MODE部がラウンドを表す場合(B2104の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがラウンドコマンドである場合、演出制御装置300は、ラウンド演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにラウンド中を設定し(B2105、B2106)、大当り系コマンド処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がラウンドを表さない場合には(B2104の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表すか否かを判定する(B2107)。MODE部がインターバルを表す場合(B2107の結果が「Y」)、即ち、大当り系コマンドがインターバルコマンドである場合、演出制御装置300は、インターバル演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにインターバル中を設定し(B2108、B2109)、大当り系コマンド処理を終了する。
受信した大当り系コマンドのMODE部がインターバルを表さない場合には(B2107の結果が「N」)、演出制御装置300は、大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表すか否かを判定する(B2110)。MODE部がエンディングを表す場合(B2110の結果が「Y」)、演出制御装置300は、エンディング演出を設定するためのエンディング演出設定処理を実行し、現在の遊技機10の遊技状態(P機状態)を示す遊技状態フラグにエンディング中を設定し(B2111、B2112)、大当り系コマンド処理を終了する。
なお、受信した大当り系コマンドのMODE部がエンディングを表さない場合には(B2110の結果が「N」)、演出制御装置300は、いずれの処理も実行せずに、大当り系コマンド処理を終了する。
〔変動パターン〕
図43、図44は、本実施形態に係る変動パターン(変動態様)の設定例について説明する図であり、変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルの内容の一部を示した。なお、遊技制御装置100は、変動パターン設定処理(A3021、A3406、A3506等)において、変動パターン(変動パターン番号、変動態様)を決定する際に、変動パターンテーブルとして、変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルを使用する。
図43は、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合の変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルの内容の一部を示す。図43(a)には、演出モードが通常演出モードである場合、すなわち、通常遊技状態である場合の変動グループテーブルを示した。前述のように通常遊技状態は、低確率状態(通常確率状態)かつ時短状態でない状態である。
この変動グループテーブルにより選択可能な変動グループ(変動パターン選択テーブル)としては、ノーマルリーチ系、SP0リーチ系、SP1リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系、全回転リーチ系があり、それぞれ振り分け値が設定されている。
変動グループは選択された変動グループテーブルと変動パターン乱数1により選択される。変動パターン乱数1は0〜65535の値をとるものであり、例えば結果が16R確変A大当りである場合のノーマルリーチ系に対しては2008個の値が割り当てられている。すなわち、結果が16R確変A大当りである場合は2008/65536の確率でノーマルリーチ系の変動グループが選択される。
図43(b)には、図43(a)の変動グループテーブルにおいてノーマルリーチ系の変動グループが選択された場合に用いられるノーマルリーチ系の変動パターン選択テーブルの内容を示した。この変動パターン選択テーブルにより選択可能な変動パターンには、何れもノーマルリーチである変動パターン番号が77〜79の3つの変動パターンがあり、それぞれ振り分け値が設定されている。
変動パターン(変動パターン番号)は選択された変動パターン選択テーブルと変動パターン乱数2により選択される。変動パターン乱数2は0〜255の値をとるものであり、例えば変動パターン番号77に対しては216個の値が割り当てられている。すなわち、216/256の確率で変動パターン番号77の変動パターンが選択される。
図44には、特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合の変動グループテーブルと変動パターン選択テーブルの内容の一部を示した。図44(a)には、演出モードが通常演出モードである場合、すなわち、通常遊技状態である場合の変動グループテーブルを示した。前述のように通常遊技状態は、低確率状態(通常確率状態)かつ時短状態でない状態である。
この変動グループテーブルにより選択可能な変動グループ(変動パターン選択テーブル)としては、通常変動(リーチなし)1系、通常変動(リーチなし)2系、ノーマルリーチ系、SP0リーチ系、SP2リーチ系、SP3リーチ系がある。
図44(b)には、図44(a)の変動グループテーブルにおいて通常変動(リーチなし)1系の変動グループが選択された場合に用いられる通常変動(リーチなし)1系の変動パターン選択テーブルの内容を示した。
この変動パターン選択テーブルにより選択可能な変動パターンには、何れもリーチなしである変動パターン番号が2〜4の3つの変動パターンがある。特図1と特図2の保留数(始動記憶数)の合計である合計保留数が0〜2である場合と3である場合は、変動パターン番号2の変動パターン(変動時間が最も短い超短縮変動の変動パターン)は選択されないようになっている。合計保留数が4〜6である場合と7〜8である場合は、変動パターン番号2の変動パターン(変動時間が最も短い超短縮変動の変動パターン)を選択可能になっている。また、合計保留数が7〜8である場合に、変動パターン番号2の変動パターン(変動時間が最も短い超短縮変動の変動パターン)が最も選択されやすくなっている。例えば、合計保留数(特図1と特図2の保留数の合計)が0である場合とは、合計保留数が0の状態(例えば客待ち中)において入賞した場合である。
〔前兆演出〕
本実施形態の遊技機10は、盤演出装置44及び表示装置41を用いた前兆演出を実行可能である。この前兆演出は、先読み結果を示唆する先読み予告演出(保留変化予告)の一種であり、1回の特図変動表示ゲームの変動表示中に開始して終了する。本実施形態では、前兆演出として、盤演出装置44の可動役物671を動作させるとともに、当該動作に連動して、表示装置41に表示されている保留表示の表示態様を切り替える演出を実行する。
図45に、前兆演出を実行する際のタイミングチャートの一例を示す。また、図46及び図47に、前兆演出における可動役物671の動作及び表示装置41の表示の一例を示す。
図46の(ア)では、表示装置41の表示画面(表示部、表示領域)の中央部に、飾り特図変動表示ゲームを表示する変動表示領域610が設けられる。変動表示領域610では、左、中、右の各々で飾り特別図柄(識別情報)を変動表示した後に停止表示することで飾り特図変動表示ゲームを実行する。
また、表示装置41の表示部(表示領域)の下部には、未消化の始動記憶(保留)に対応する保留表示633(待機保留表示)を表示する保留表示部630が設けられる。保留表示部630に表示される保留表示633は、始動記憶と一対一で対応し、記憶順に並んでいる。左端の保留表示633が最先に記憶された始動記憶(第1始動記憶又は第2始動記憶)に対応する保留表示633であり、消化される毎に左へ移行(保留シフト)するようになっている(B2015等)。また、それぞれの始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどの先読み結果(事前判定結果)を、対応する保留表示633の表示態様によって示唆することが可能である。
保留表示部630(待機保留表示部)の左方には、消化中の始動記憶(現在実行中の特図変動表示ゲームに対応する始動記憶)に関する情報を表示する保留消化領域640(変動中保留表示部、実行中保留表示部、変動中保留表示領域、特定表示部)が設けられる。本実施形態では、保留消化領域640には、特図変動表示ゲームの開始時に、保留表示部630の左端にある保留表示633が移行(保留シフト)するようになっている。また、実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを、保留消化領域640に表示されている変動中保留表示643(消化中保留表示)の表示態様によって示唆することが可能である。
また、表示装置41の表示部の隅部(例えば左上隅部)には、変動表示領域610にて拡大表示(メイン表示、通常表示)にて変動表示される飾り特別図柄(第1識別情報、大図柄、拡大図柄)よりも相対的に小さい小図柄(第2識別情報、縮小図柄)を変動表示(縮小表示)させる変動表示領域615(小図柄用変動表示部)が設けられる。また、表示装置41の表示部の隅部(例えば右上隅部)には、未消化の始動記憶の数(特図1保留数、特図2保留数)を数字にて表示する特図1保留数表示部650(特図1数字保留表示部)と特図2保留数表示部660(特図2数字保留表示部)が設けられる。なお、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660に代えて、特図1保留数と特図2保留数を合計した合計保留数を表示する保留数表示部(数字保留表示部)を設けてもよい。
また、図46の(ア)に示すように、盤演出装置44は、槍を持った味方キャラクタを模した形状の可動役物671を備えている。この可動役物671は、例えば、表示装置41の表示部(表示領域)と前後に重ならない位置と重なる位置との間を上下に移動可能である。さらに、表示装置41の表示部と前後に重ならない状態で左右に移動可能であるとともに、表示装置41の表示部と前後に重なる状態で左右に移動可能であるよう構成されている。
ここで、表示装置41の表示部と前後に重ならない位置(重ならない状態)とは、可動役物671の大部分(例えば半分以上)が表示部と前後に重ならない位置(重ならない状態)である。また、表示装置41の表示部と前後に重なる位置(重なる状態)とは、可動役物671の大部分(例えば半分以上)が表示部と前後に重なる位置(重なる状態)である。
本実施形態では、前兆演出として、保留表示部630に表示されている保留表示633のうちの特定の保留表示633(以下「特定保留表示」という。)に可動役物671を作用させ、当該特定保留表示に可動役物671が作用したことによって当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化(保留変化)するか否かの演出を実行する。
ここで、保留表示部630に表示されている保留表示633を示唆態様で表示することによって、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどの先読み結果を示唆することができる(保留変化予告)。また、保留消化領域640に表示されている保留表示633を示唆態様で表示することによって、実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆することができる。
なお、本実施形態では、所定のタイミング(本実施形態の場合、前兆演出の開始時)にて、特定保留表示の表示態様を、敵キャラクタを模した表示態様に変化させ、その後、当該特定保留表示に可動役物671を作用させる(本実施形態の場合、槍を突き刺す)よう構成するが、これに限定されない。例えば、特定保留表示の表示態様は、敵キャラクタを模した表示態様に変化しなくてもよい。
図45に示すように、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの変動表示が開始すると、保留表示633が隣にシフトする保留シフト演出を開始する(t11)。具体的には、図46の(ア)に示すように、特図変動表示ゲームが終了し、図46の(イ)に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始すると、保留表示633が左へシフトする。
次に、図45に示すように、演出制御装置300は、今回の特図変動表示ゲームが前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合には、保留シフト演出が終了すると、前兆演出を開始する(t12)。前兆演出の抽選は、前兆演出を実行するか否か決定するための抽選であり、前兆演出の抽選に当選した場合に、その当選した特図変動表示ゲームの変動表示中に前兆演出が実行される。前兆演出の抽選は、例えば、変動演出設定処理(図41)の予告抽選(B2006又はB2009)にて行われる。
前兆演出が開始すると、まず、図46の(ウ)に示すように、特定保留表示の表示態様が、通常の表示態様から敵キャラクタを模した表示態様に変化するとともに、可動役物671が、表示部(表示領域)と前後に重ならない初期位置(第1位置)から重なる位置(第2位置)へと移動する。
次いで、図47の(エ)に示すように、可動役物671が、表示部と前後に重なる状態(すなわち、表示部の前方)で、第2位置から、槍の先端が特定保留表示と前後に重なる位置、すなわち可動役物671が特定保留表示に作用可能な作用位置(第3位置)へと移動する。なお、可動役物671は、例えば、槍を振り下ろす動作が可能であってもよく、その場合には、可動役物671が作用位置に到着した状態で槍を振り下ろすと、槍の先端が特定保留表示と前後に重なるよう構成してもよい。
次いで、特定保留表示が、保留変化予告(保留表示633の表示態様を変化させて先読み結果を示唆する演出)の抽選に当選した始動記憶に対応する保留表示633である場合には、図47の(オ)に示すように、当該特定保留表示の表示態様が敵キャラクタを模した表示態様から示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、特定保留表示が、保留変化予告の抽選に落選した始動記憶に対応する保留表示633である場合には、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに(すなわち、敵キャラクタを模した表示態様が維持されたまま、あるいは敵キャラクタを模した表示態様から通常の表示態様に戻って)、前兆演出が終了する。
保留変化予告の抽選は、保留変化予告を実行するか否か決定するための抽選であり、保留変化予告の抽選に当選した場合に、その当選した始動記憶に対応する保留表示633の表示態様が所定のタイミングにて示唆態様に変化する。保留変化予告の抽選は、例えば、先読み変動系コマンド処理(図38)の先読み抽選処理(B1713)にて行う。
次に、図45に示すように、演出制御装置300は、前兆演出が終了すると、可動役物671が初期位置(第1位置)に戻る役物復帰演出を開始する(t13)。具体的には、図47の(カ)に示すように、可動役物671が、表示部と前後に重なる作用位置(第3位置)から重ならない位置(第4位置)へと移動する。次いで、可動役物671が、表示部と前後に重ならない状態で、第4位置から初期位置(第1位置)へと移動する。
このように、前兆演出は、特図変動表示ゲームの変動表示中に実行される。したがって、前兆演出の実行時間が、特図変動表示ゲームの変動時間よりも長い場合には、前兆演出の終了タイミングが、特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも後になるため、前兆演出が原因で、変動終了後に実行する予定の演出が予定通りに実行できない等の不都合が生じる。よって、従来の遊技機では、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間が当該前兆演出の実行時間よりも短い場合には、当該前兆演出の実行をキャンセルする制御や、当該前兆演出を途中で終了する制御を行っていた。そこで、本実施形態では、このような制御を行わなくても、変動終了後に実行する予定の演出が予定通りに実行できない等の不都合を生じないようにするために、前兆演出の実行時間を、特図変動表示ゲームの変動時間よりも短くする。
さらに、本実施形態では、図45に示すように、前兆演出の実行時間(t12〜t13)を、特図1と特図2の保留数の合計である合計保留数が上限数(本実施形態では8)である際に開始される特図変動表示ゲームの変動時間(t11〜t14)よりも短くする。特図変動表示ゲームの変動時間には様々あるが、前兆演出の抽選に当選可能な特図変動表示ゲームの中で最も変動時間が短い特図変動表示ゲームは、結果がはずれで変動パターンがリーチなしで通常演出モード(通常遊技状態)において実行される特図変動表示ゲームであって合計保留数が上限数(本実施形態では8)である際に開始される特図変動表示ゲームである(図44(b)参照)。よって、本実施形態では、前兆演出の実行時間値を、結果がはずれで変動パターンがリーチなしで通常演出モードにおいて実行される特図変動表示ゲームであって合計保留数(特図1と特図2の保留数の合計)が上限数である際に開始される特図変動表示ゲーム(以下「保留MAX変動」という。)の変動時間値よりも小さく設定する。これにより、特図変動表示ゲームを開始する際における未消化の始動記憶数(合計保留数)にかかわらず、前兆演出の終了タイミングが特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも前になる。すなわち、いかなる特図変動表示ゲームにおいても前兆演出を実行(最初から最後まで実行)可能となる。
また、本実施形態では、特図変動表示ゲームの変動表示が開始すると、保留表示633が隣にシフトする保留シフト演出が開始し、保留シフト演出が終了すると、前兆演出が開始する。すなわち、本実施形態では、保留シフト演出中は前兆演出の実行が禁止され、変動開始時から遅れて前兆演出が開始するようになっている。したがって、前兆演出の実行時間を保留MAX変動の変動時間よりも短くしても、前兆演出の実行時間の長さや、前兆演出の開始タイミングによっては、前兆演出の終了タイミングが、特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも後になる場合がある。
そこで、本実施形態では、保留シフト演出の後に前兆演出を開始しても、前兆演出の終了タイミングが、特図変動表示ゲームの変動終了タイミングよりも前になるよう、図45に示すように、保留シフト演出の開始から前兆演出の終了までの時間(t11〜t13)を、保留MAX変動の変動時間(t11〜t14)よりも短くする。すなわち、保留シフト演出の実行時間値と前兆演出の実行時間値との和を、保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定する。
なお、保留シフト演出の実行時間値と前兆演出の実行時間値との和を、保留MAX変動の変動時間値と同一に設定してもよいが、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が可動役物671で見え難くなる等の不都合を回避する観点から、特図変動表示ゲームの変動表示の終了時には、可動役物671は表示装置41の表示部と前後に重ならない状態であることが好ましい。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が停止表示されていることが分かり難くなる等の不都合を回避する観点から、特図変動表示ゲームの変動表示の終了時には、特定保留表示の表示態様の切替(変化)は完了していることが好ましい。
さらに、前兆演出が終了すると、可動役物671が初期位置(第1位置)に戻る役物復帰演出が開始する。本実施形態の場合、役物復帰演出が、図45に示すように、次の特図変動表示ゲームが開始するタイミング(t15)よりも後に終了するようになっている。役物復帰演出が終了するタイミングを、次の特図変動表示ゲームが開始するタイミングと同一にしたり、次の特図変動表示ゲームが開始するタイミングよりも前にしたりすることも可能であるが、役物復帰演出が終了するタイミングを次の特図変動表示ゲームが開始するタイミングよりも後にすることで、前兆演出の実行時間を十分に確保することが可能となる。
なお、前兆演出は、盤演出装置44及び表示装置41を用いたものに限定されず適宜変更可能であり、枠装飾装置18、スピーカ19a,19b、表示装置41、サブ表示装置、盤演出装置44、盤装飾装置46等を少なくとも一つ用いたものであればよい。例えば、盤演出装置44の可動役物671に替えて、表示装置41に槍を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G1を表示し、キャラクタ画像G1を特定保留表示に作用させてもよい。
図48は、前兆演出における表示装置41の表示の他の例を示す。前述の可動役物671に替えて、表示装置41のキャラクタ画像G1が使用される。
前兆演出が開始すると、まず、図48の(サ)に示すように、表示装置41の表示部にキャラクタ画像G1が出現する。次いで、図48の(シ)に示すように、キャラクタ画像G1が特定保留表示に作用可能な位置(作用位置)へと移動する。次いで、特定保留表示が、保留変化予告の抽選に当選した始動記憶に対応する保留表示633である場合には、図48の(ス)に示すように、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、特定保留表示が、保留変化予告の抽選に落選した始動記憶に対応する保留表示633である場合には、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに、前兆演出が終了する。そして、前兆演出が終了すると、キャラクタ画像G1が作用位置から退場するキャラクタ退場演出(役物復帰演出に相当する演出)を開始する。これにより、キャラクタ画像G1が表示部から消える。
なお、キャラクタ画像G1の表示を開始するタイミングは、適宜変更可能であり、例えば、前兆演出の開始前にキャラクタ画像G1が出現してもよい。また、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が停止表示されていることが分かり難くなる等の不都合を回避する観点から、特図変動表示ゲームの停止表示中には、キャラクタ画像G1も停止表示されていることが好ましい。よって、キャラクタ退場演出を開始するタイミングは、特図変動表示ゲームの停止表示が終了した後(例えば、次の特図変動表示ゲームの開始時)が好ましい。
また、盤演出装置44の可動役物671に替えて表示装置41に表示されるキャラクタ画像は、槍を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G1に限定されず適宜変更可能である。また、キャラクタ画像G1の動き方も適宜変更可能である。
また、前述の可動役物671の形状は、槍を持った味方キャラクタを模した形状に限定されず適宜変更可能である。また、可動役物671の動き方も適宜変更可能である。
また、例えば図49(a)に示すように、表示装置41の表示部と前後の重ならない状態の可動役物671の前方に、カバー部材40fを設けてもよい。この場合、例えば図49(a)の上図に示すように、可動役物671が表示装置41の表示部と前後の重ならない状態である場合には、当該可動役物671の全部(あるいは、半分以上)がカバー部材40fで隠れて視認不能(視認困難)となる。一方、例えば図49(a)の下図に示すように、可動役物671が表示装置41の表示部と前後の重なる状態である場合には、当該可動役物671の全部(あるいは、半分以上)が、カバー部材40fで隠れることなく視認可能となる。
また、実行時間値が異なる複数の前兆演出を実行可能である場合には、当該複数の前兆演出のうち全部の実行時間値を保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定してもよいし、当該複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定してもよい。
図49(b)は、複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値よりも小さく設定する場合を示す。
図49(b)に示すように、実行時間が2秒の前兆演出Aと、実行時間が3秒の前兆演出Bと、実行時間が8秒の前兆演出Cとを実行可能であり、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間値よりも実行時間値が小さい前兆演出を実行する。すなわち、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが、図44(b)に示す超短縮変動(変動時間4秒)や短縮変動(変動時間8秒)などである場合には、前兆演出A及び前兆演出Bの中から選択した前兆演出を当該特図変動表示ゲームの変動表示中に実行してよい。前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが、図44(b)に示す通常変動(変動時間14秒)等である場合には、前兆演出A、前兆演出B及び前兆演出Cの中から選択した前兆演出を当該特図変動表示ゲームの変動表示中に実行してよい。
無論、この場合も、保留シフト演出の実行時間値と前兆演出の実行時間値との和が、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームの変動時間値よりも小さくなるように、前兆演出を選択することも可能である。
また、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが保留MAX変動である場合には、実行時間の最も短い前兆演出が実行されるようにしてもよい。すなわち、図49(b)に示す例において、前兆演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームが、変動時間4秒の超短縮変動(本実施形態における保留MAX変動)である場合には、前兆演出Aのみを選択可能とし、前兆演出Bや前兆演出Cは選択できないようにしてもよい。
また、複数回の特図変動表示ゲームに亘って連続的に前兆演出を実行する場合、連続的に実行される複数の前兆演出のうち全部の実行時間値を保留MAX変動の変動時間値より小さく設定してもよいし、連続的に実行される複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値より小さく設定してもよい。
また、連続的に実行される複数の前兆演出のうち1回目に実行される前兆演出は、2回目以降に実行される前兆演出よりも、保留MAX変動中に実行される可能性が高い。このため、連続的に実行される複数の前兆演出のうち一部の実行時間値のみを保留MAX変動の変動時間値より小さく設定する場合には、少なくとも1回目に実行される前兆演出の実行時間値を、保留MAX変動の変動時間値より小さく設定することが好ましい。
図50は、擬似連変動態様(いわゆる擬似連続演出)と共に実行する前兆演出を説明する図である。
本実施形態の演出制御装置300は、飾り特図変動表示ゲームを、識別情報を変動表示した後に仮停止する単位変動表示を複数回行って結果態様を導出する擬似連変動態様で実行可能である。擬似連変動態様における単位変動表示の変動時間値の中に保留MAX時の変動時間値よりも小さい値がある場合には、前兆演出の実行時間値を、擬似連変動態様における単位変動表示の変動時間値のうちのいずれか(例えば変動時間が最も短い単位変動表示の変動時間値)より小さく設定することが可能である。擬似連変動態様(いわゆる擬似連続演出)とは、1回の飾り特図変動表示ゲームにおける変動表示開始から停止結果表示までの間に、識別情報(飾り特別図柄)を変動表示後に擬似的に停止表示(仮停止表示)させる単位変動表示を複数回行う演出である。本実施形態の擬似連変動態様では、仮停止表示時に、擬似連変動態様を示唆する擬似連専用図柄(擬似連図柄)が停止表示される。
擬似連変動態様における仮停止時間(単位変動表示と次の単位変動表示との間の時間)よりも、実行時間が短い前兆演出を実行することが可能である。擬似連変動態様の飾り特図変動表示ゲームにおいては、例えば、図50の(タ)に示すように、擬似連変動態様における1回目の単位変動表示が終了し、図50の(チ)に示すように、左、中、右の変動表示領域610の各々に表示されている飾り特別図柄(識別情報)のうち擬似連変動中のみに出現する擬似連専用図柄(例えば「連」という文字を含んで構成される図柄)のみが残って、擬似連変動中である旨が報知される。その後、図50の(ツ)に示すように、2回目の単位変動表示が開始する。この場合、擬似連変動中である旨が報知されている間に前兆演出を実行する。
具体的には、例えば、図50の(チ)に示すように、擬似連変動中である旨が報知されている間に、キャラクタ画像G1(あるいは可動役物671等)が作用位置まで移動する。すなわち、擬似連変動中である旨が報知されている間に、キャラクタ画像G1(あるいは可動役物671等)が特定保留表示に作用する。そして、図50の(ツ)に示すように、2回目の単位変動表示が開始すると、キャラクタ画像G1(あるいは可動役物671等)が作用位置から退場する。
図51は、擬似連変動態様における仮停止時間よりも実行時間が短い前兆演出において、飾り特別図柄を構成するキャラクタ画像が特定保留表示に作用する場合の一例を示す。特定保留表示に作用するキャラクタ画像は、飾り特別図柄を構成するキャラクタ画像であってもよい。
例えば、擬似連専用図柄を、図51の(ナ)に示すように、文字画像(例えば「連」という文字画像)とキャラクタ画像(例えば雲を模した画像)で構成する。そして、図51の(ニ)に示すように、擬似連変動中である旨が報知されている間に、擬似連専用図柄を構成するキャラクタ画像が特定保留表示に作用する。そして、当該特定保留表示が、保留変化予告の抽選に当選した始動記憶に対応する保留表示633である場合には、図51の(ヌ)に示すように、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化する。
無論、擬似連変動態様における仮停止時間中に実行される前兆演出(仮停止時間よりも実行時間が短い前兆演出)だけでなく、特図変動表示ゲームの変動表示中に実行される前兆演出(保留MAX変動の変動時間よりも実行時間が短い前兆演出等)において、可動役物671やキャラクタ画像G1に替えて、飾り特別図柄を構成するキャラクタ画像を特定保留表示に作用させてもよい。
また、本実施形態では、前兆演出として、保留表示部630に表示されている保留表示633の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出を行うようにしたが、これに限定されない。前兆演出は、例えば、保留消化領域640に表示されている保留表示633の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出であってもよい。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する。遊技機10は、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの実行中に所定の予告演出(前兆演出)を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。所定の予告演出の実行時間値が、始動記憶手段に記憶されている始動記憶の数が所定の上限数(本実施形態の場合、8)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(保留MAX変動)の変動時間値よりも小さい。
したがって、前兆演出の実行時間が、保留MAX変動(すなわち、変動時間が最も短い特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短いため、いかなる変動表示ゲームにおいても予告演出(前兆演出)を実行することができる。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の開始から所定時間が経過した後(本実施形態の場合、保留シフト演出が終了した後)に所定の予告演出(前兆演出)を開始し、所定の予告演出の実行時間値と所定時間の値(本実施形態の場合、保留シフト演出の実行時間値)との和は、始動記憶手段(遊技制御手段100)に記憶されている始動記憶の数が所定の上限数(本実施形態の場合、8)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(保留MAX変動)の変動時間値よりも小さくなるよう構成可能である。
このように構成することで、特図変動表示ゲームの開始よりも遅れて前兆演出が開始するため、遊技者に前兆演出の実行に対する期待を持たせつつ前兆演出を実行しない期間を設けることができ、遊技の興趣を高めることが可能となる。なお、特図変動表示ゲームの開始時に前兆演出を開始してもよい。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定の予告演出(前兆演出)に用いられる可動役物671の動作を制御可能であり、所定の予告演出の後に、可動役物671を初期位置に戻す復帰演出(役物復帰演出)を実行可能であり、復帰演出は、所定の予告演出が実行される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)よりも後に開始する変動表示ゲームの実行中に終了するよう構成可能である。
このように構成することで、前兆演出の実行時間を十分に確保することが可能となる。なお、役物復帰演出を終了する際に実行中の特図変動表示ゲームは、前兆演出が実行される特図変動表示ゲームの次に実行される特図変動表示ゲームに限定されない。また、前兆演出が実行される特図変動表示ゲームの実行中(前兆演出が実行される特図変動表示ゲームの終了時も含む)に、役物復帰演出を終了してもよい。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する。始動入賞領域は、第1始動入賞領域(第1始動入賞口36)と、第2始動入賞領域(第2始動入賞口97、普通変動入賞装置37)とを備える。遊技機10は、第1始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し第1始動記憶として記憶するとともに、第2始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき所定の乱数を抽出し第2始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームの実行中に所定の予告演出(前兆演出)を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。所定の予告演出の実行時間は、合計保留数が所定の上限数(本実施形態では、8)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(保留MAX変動)の変動時間よりも短い。
したがって、前兆演出の実行時間が、保留MAX変動(すなわち、変動時間が最も短い特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短いため、いかなる変動表示ゲームにおいても予告演出(前兆演出)を実行することができる。
なお、本実施形態では、第1特図変動表示ゲームの変動パターンも第2特図変動表示ゲームの変動パターンも、合計保留数(合計始動記憶数)を考慮して選択するよう構成したが、これに限定されない。例えば、第1特図変動表示ゲームの変動パターンは、特図1保留数(第1始動記憶の数)を考慮して選択し、第2特図変動表示ゲームの変動パターンは、特図2保留数(第2始動記憶の数)を考慮して選択するよう構成することも可能である。この場合、前兆演出の抽選に当選可能な第1特図変動表示ゲームの中で最も変動時間が短い第1特図変動表示ゲームは、特図1の保留数が上限数(例えば4)である際に開始される第1特図変動表示ゲーム(保留MAX変動)であり、前兆演出の抽選に当選可能な第2特図変動表示ゲームの中で最も変動時間が短い第2特図変動表示ゲームは、特図2の保留数が上限数(例えば4)である際に開始される第2特図変動表示ゲーム(保留MAX変動)である。
すなわち、本実施形態の遊技機10において、所定の予告演出(前兆演出)の実行時間は、第1始動記憶の数又は第2始動記憶の数が所定の上限数(例えば、4)に達している状態で開始される変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短くなるよう構成可能である。このように構成することで、前兆演出の実行時間が、保留MAX変動(すなわち、変動時間が最も短い特図変動表示ゲーム)の変動時間よりも短くなるため、いかなる変動表示ゲームにおいても予告演出(前兆演出)を実行することができる。
なお、本実施形態では、始動入賞領域への入賞順に特図変動表示ゲームを実行するよう構成したが、これに限定されず、例えば、一方の特図変動表示ゲーム(例えば第2特図変動表示ゲーム)を優先的に実行するよう構成してもよい。
〔前兆演出の変形例〕
図45〜図51に示す前兆演出は、表示装置41の表示部に出現したキャラクタ画像(あるいは、表示部と前後に重なる位置に出現した可動役物等)が必ず作用位置へと移動するタイプの前兆演出(以下「第1タイプの前兆演出」という)である。この第1タイプの前兆演出に加えて(あるいは替えて)、出現したキャラクタ画像(あるいは、出現した可動役物等)が作用位置へと移動する場合と移動しない場合とがあるタイプの前兆演出(以下「第2タイプの前兆演出」という)を実行するよう構成することも可能である。
第2タイプの前兆演出では、前兆演出の抽選に当選した場合に、作用可否抽選を行う。作用可否抽選は、キャラクタ画像を作用位置へと移動させるか否か決定するための抽選であり、作用可否演出の抽選に当選した場合には、その当選した特図変動表示ゲームの実行中にキャラクタ画像が作用位置へ移動する。すなわち、作用可否抽選に当選した場合には、キャラクタ画像が出現して、作用位置へと移動する。一方、作用可否抽選に落選した場合には、キャラクタ画像は出現するが、作用位置へと移動しない。
さらに、第2タイプの前兆演出では、作用可否抽選を行った後に、変動中保留変化演出の抽選を行う。変動中保留変化演出の抽選は、変動中保留変化演出(保留消化領域640の変動中保留表示643の表示態様を変化させて実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆する演出)を実行するか否か決定するための抽選である。変動中保留変化演出の抽選に当選した場合には、その当選した特図変動表示ゲームの実行中に、保留消化領域640に表示されている変動中保留表示643(本変形例における特定保留表示)の表示態様が示唆態様に変化する。すなわち、変動中保留変化演出の抽選に当選した場合には、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化する。一方、変動中保留変化演出の抽選に落選した場合には、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化しない。
作用可否抽選及び変動中保留変化演出の抽選は、例えば、変動演出設定処理(図41)の予告抽選(B2006又はB2009)にて行う。
図52(a)〜(c)は、作用可否抽選テーブルの一例を示す。作用可否抽選テーブルには、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合と、結果がはずれである場合とにおける、作用ありが選択される確率(すなわち当選確率)及び作用なしが選択される確率(すなわち落選確率)が定義されている。
例えば、図52(a)に示す作用可否抽選テーブルが設定されている場合において、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には60%の確率で当選し、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には70%の確率で当選する。
演出制御装置300は、例えば遊技状態に基づいて、複数の作用可否抽選テーブル(図52(a)〜(c)に示す3種類の作用可否抽選テーブル)の中から一の作用可否抽選テーブルを選択して設定する。
図52(d)〜(g)は、変動中保留変化演出抽選テーブルの一例を示す。変動中保留変化演出抽選テーブルには、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合と、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合と、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合と、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合とにおける、保留変化ありが選択される確率(すなわち当選確率)及び保留変化なしが選択される確率(すなわち落選確率)が定義されている。
例えば、図52(d)に示す変動中保留変化演出抽選テーブルが設定されている場合において、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には70%の確率で当選し、作用可否抽選に当選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には80%の確率で当選し、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には15%の確率で当選し、作用可否抽選に落選し、かつ、今回実行する特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には当選しない。
また、図52(d)〜(g)に示す4種類の変動中保留変化演出抽選テーブルのうちいずれが設定されていても、作用可否抽選に落選した場合に、変動中保留変化演出の抽選に当選するのは、今回実行する特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合だけであるため、キャラクタ画像G2が特定保留表示に作用しない一方で、当該特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化することによって、大当り確定を示唆できる。
演出制御装置300は、例えば遊技状態に基づいて、複数の変動中保留変化演出抽選テーブル(図52(d)〜(g)に示す4種類の変動中保留変化演出抽選テーブル)の中から一の変動中保留変化演出抽選テーブルを選択して設定する。
なお、本変形例では、第2タイプの前兆演出として、保留消化領域640に表示されている変動中保留表示643の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出を行うが、これに限定されない。第2タイプの前兆演出は、例えば、保留表示部630に表示されている保留表示633の表示態様が示唆態様に変化するか否かの演出であってもよい。
また、本変形例では、特定保留表示に作用するキャラクタ画像として、棒を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G2を表示するが、表示装置41に表示されるキャラクタ画像は、これに限定されず適宜変更可能であり、例えば、槍を持った味方キャラクタのキャラクタ画像G1であってもよい。また、キャラクタ画像G2の動き方も適宜変更可能である。
また、所定のタイミング(本変形例の場合、前兆演出の開始時)にて、特定保留表示の表示態様を、敵キャラクタを模した表示態様に変化させ、その後、当該特定保留表示にキャラクタ画像G2を作用させる(本変形例の場合、棒でたたく)よう構成するが、これに限定されない。例えば、特定保留表示の表示態様は、敵キャラクタを模した表示態様に変化しなくてもよい。
図53は、前兆演出の抽選に当選し、かつ、作用可否抽選に当選した場合における、第2タイプ前兆演出の一例を示す。
前兆演出が開始すると、まず、図53の(ハ)に示すように、表示装置41の表示部にキャラクタ画像G2が出現する。次いで、図53の(ヒ)に示すように、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動して、棒の先端が特定保留表示に重なるよう棒を振り下ろす。次いで、実行中の特図変動表示ゲームが、変動中保留変化演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合には、図53の(フ)に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、実行中の特図変動表示ゲームが、変動中保留変化演出の抽選に落選した特図変動表示ゲームである場合には、図53の(ヘ)に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに、前兆演出が終了する。そして、前兆演出が終了すると、キャラクタ画像G2が作用位置から退場して、表示部から消える。
なお、図53に示す例では、キャラクタ画像G2が特定保留表示に作用した後(棒が特定保留表示と重なっていない状態に戻った後)に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化しているが、特定保留表示の表示態様が変化するタイミングは適宜変更可能である。例えば、キャラクタ画像G2が特定保留表示に作用している最中(棒が特定保留表示と重なっている時)に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化してもよい。
図54は、前兆演出の抽選に当選し、かつ、作用可否抽選に落選した場合における、第2タイプの前兆演出の一例を示す。
前兆演出が開始すると、まず、図54の(マ)に示すように、表示装置41の表示部にキャラクタ画像G2が出現する。次いで、図54の(ミ)に示すように、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動せずに表示部から消える。次いで、実行中の特図変動表示ゲームが、変動中保留変化演出の抽選に当選した特図変動表示ゲームである場合には、図54の(ム)に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化して、前兆演出が終了する。一方、実行中の特図変動表示ゲームが、変動中保留変化演出の抽選に落選した特図変動表示ゲームである場合には、図54の(メ)に示すように、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化せずに、前兆演出が終了する。
作用可否抽選に当選した場合における前兆演出の実行時間の長さと、作用可否抽選に落選した場合における前兆演出の実行時間の長さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。本変形例において、前兆演出の実行時間の長さは、例えば、キャラクタ画像G2の表示を開始するタイミングから、特定保留表示の示唆態様での表示を開始するタイミングまでの長さである。
また、作用可否抽選に落選した場合、キャラクタ画像G2が表示部から消えた後に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化するのではなく、キャラクタ画像G2が表示部から消える前に、特定保留表示の表示態様が示唆態様に変化してもよい。この場合、キャラクタ画像G2が表示部から消えるタイミングは、作用可否抽選に当選した場合と落選した場合とで同じであってもよいし、異なってもよい。
また、前兆演出中は、前兆演出が実行されていることを目立たせるために、背景画像を暗転(ブラックアウト)させる等して、変動表示中の飾り特別図柄(識別情報)を視認困難な状態にさせてもよい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、第2タイプの前兆演出として、保留消化領域640に表示されている変動中保留表示643の表示態様が示唆態様に変化するか否かの前兆演出と、保留表示部630に表示されている保留表示633の表示態様が示唆態様に変化するか否かの前兆演出との双方を実行可能に構成してもよい。さらに、この場合、保留消化領域640に表示されている変動中保留表示643の表示態様が変化するか否かの前兆演出の実行時間の長さと、保留表示部630に表示されている保留表示633の表示態様が変化するか否かの前兆演出の実行時間の長さは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
キャラクタ画像G2の表示を開始するタイミングは、適宜変更可能であり、保留表示633が隣にシフトする保留シフト演出中は、キャラクタ画像G2の表示開始を禁止することが好ましい。すなわち、キャラクタ画像G2の表示を開始するタイミングは、保留シフト演出の前、あるいは、保留シフト演出の後が好ましい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、前兆演出中に特定保留表示の表示態様が変化する回数を、所定条件に基づいて決定してもよい。すなわち、特定保留表示の表示態様を変化させる回数を決定する変化回数抽選を行ってもよい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、前兆演出中に出現するキャラクタ画像を、所定条件に基づいて複数種類のキャラクタ画像の中から選択してもよい。すなわち、複数種類のキャラクタ画像の中から一のキャラクタ画像を選択するキャラクタ抽選を行ってもよい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
また、前兆演出中にキャラクタ画像(あるいは可動役物等)が特定保留表示に作用する回数を、所定条件に基づいて決定してもよい。すなわち、キャラクタ画像(あるいは可動役物等)を特定保留表示に作用させる回数を決定する作用回数抽選を行ってもよい。第1タイプの前兆演出においても同様である。
図55は、変化回数抽選とキャラクタ抽選と作用回数抽選とを、組み合わせて行う例を示す図である。
前述したように、演出制御装置300は、第2タイプの前兆演出の演出態様を決定するために、作用可否抽選と変動中保留変化演出の抽選を行う。これらの抽選に加えて、変化回数抽選とキャラクタ抽選と作用回数抽選とを組み合わせて行うことで、出現するキャラクタ画像の種類によって、特定保留表示の表示態様が変化する回数(あるいは変化する回数の選択割合)や、キャラクタ画像が特定保留表示に作用する回数(あるいは作用する回数の選択割合)などを異ならせることができる。
作用可否抽選及び変動中保留変化演出の抽選に加えて、変化回数抽選とキャラクタ抽選と作用回数抽選とを組み合わせて行う場合には、例えば、変動中保留変化演出の抽選に当選した際に、特定保留表示の表示態様を変化させる回数を決定する変化回数抽選を行い、変化回数抽選の結果に基づいて、複数種類のキャラクタ画像の中から一のキャラクタ画像を選択するキャラクタ抽選を行い、変化回数抽選の結果とキャラクタ抽選の結果とに基づいて、キャラクタ画像を特定保留表示に作用させる回数(例えば、棒で特定保留表示をたたく回数)を決定する作用回数抽選を行う。この場合、変化回数抽選、キャラクタ抽選及び作用回数抽選は、例えば変動演出設定処理(図41)の予告抽選(B2006又はB2009)にて行う。
図55(a)は、キャラクタ抽選テーブルの一例を示す。キャラクタ抽選テーブルには、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択された場合と、「保留変化2回」が選択された場合とにおける、キャラクタ画像Aが選択される確率とキャラクタ画像Bが選択される確率とが規定されている。
ここで、「保留変化1回」とは、特定保留表示の表示態様を1回変化させること、すなわち通常の表示態様(例えば、青色の丸)から第1の示唆態様(例えば、緑色の丸)へと変化させることである。「保留変化2回」とは、特定保留表示の表示態様を2回変化させること、すなわち通常の表示態様から第1の示唆態様へと変化させ、その後、第1の示唆態様から第2の示唆態様(例えば、赤色の丸)へと変化させることである。
図55(b)は、作用回数抽選テーブルの一例を示す。作用回数抽選テーブルには、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像A」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択された場合と、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像A」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化2回」が選択された場合と、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像B」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択された場合と、キャラクタ抽選によって「キャラクタ画像B」が選択され、かつ、変化回数抽選によって「保留変化2回」が選択された場合における、「1回作用」が選択される確率と「2回作用」が選択される確率とが規定されている。
ここで、「1回作用」とは、キャラクタ画像を特定保留表示に1回作用させること(例えば、棒で特定保留表示を1回たたくこと)であり、「2回作用」とは、キャラクタ画像を特定保留表示に2回作用させること(例えば、棒で特定保留表示を2回たたくこと)である。
例えば、変化回数抽選によって「保留変化1回」が選択され、作用回数抽選によって「2回作用」が選択された場合には、キャラクタ画像を特定保留表示に2回作用させるうちの1回目の作用で、特定保留表示の表示態様を変化させてもよいし、2回作用させるうちの2回目の作用で、特定保留表示の表示態様を変化させてもよい。
また、変化回数抽選によって「保留変化2回」が選択され、作用回数抽選によって「1回作用」が選択された場合には、第1の示唆態様へと変化させてから第2の示唆態様へと変化させてもよいし、第1の示唆態様へと変化させずにいきなり第2の示唆態様へと変化させてもよい。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する。遊技機10は、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームに関連した演出を実行する演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。演出制御手段は、所定の画像(キャラクタ画像G1)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(保留表示633や変動中保留表示643)とを表示装置41に表示可能であり、所定の予告演出(前兆演出)として、所定の画像が始動記憶表示に作用する第1パターンの予告演出と、所定の画像が始動記憶表示に作用しない第2パターンの予告演出とを実行可能である。
本実施形態の場合、第1パターンの予告演出は、作用可否抽選に当選した場合の第2タイプの前兆演出であり、第2パターンの予告演出は、作用可否抽選に落選した場合の第2タイプの前兆演出である。
したがって、キャラクタ画像G2が保留表示633に作用する場合と作用しない場合とがあり、保留表示633に作用可能な画像(キャラクタ画像G2)の動きがワンパターンでないため、保留表示633に作用可能な画像によって遊技の興趣を高めることができる。
なお、本実施形態の場合、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動して始動記憶表示(保留表示633や変動中保留表示643)に作用するパターンと、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動しないパターンの2パターン設けた。しかし、これに限定されず、例えば、これらのパターンに加えて、キャラクタ画像G2が作用位置へと移動するが始動記憶表示に作用しない(棒を振り下ろさない)パターン等を設けてもよい。
また、本実施形態の遊技機10において、演出制御手段(演出制御装置300)は、所定の予告演出(前兆演出)において始動記憶表示(保留表示633や変動中保留表示643)の表示態様を変化させることが可能である。第1パターンの予告演出において始動記憶表示の表示態様が変化する割合が、第2パターンの予告演出において始動記憶表示の表示態様が変化する割合よりも高くなるよう構成可能である(図52(d)〜(g)参照)。
このように構成することで、前兆演出のパターンによって(すなわち、始動記憶表示に作用可能な画像の動きによって)、当該前兆演出が始動記憶表示の表示態様の変化しやすい前兆演出であるか否か示唆できる。したがって、遊技者は、当該示唆によって、始動記憶表示の表示態様が変化しやすい前兆演出であると認識できた段階で、期待感を持って遊技をすることができるため、遊技の興趣が向上する。また、始動記憶表示の表示態様が変化するか否かという最終段階だけでなく、始動記憶表示に作用可能な画像(キャラクタ画像G2)がどのような動きをするかという途中段階にも、遊技者の興味を引き付けることができるため、興趣の高い前兆演出を実行することが可能となる。
〔保留変化演出〕
前述したように、本実施形態の遊技機10は、保留変化演出として、保留表示部630に表示されている保留表示633の表示態様を変化させて先読み結果を示唆する保留変化予告(保留変化予告演出)や、保留消化領域640(変動中保留表示部)に表示されている保留表示633の表示態様を変化させて実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆する変動中保留変化演出を実行可能である。
例えば、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重なる状態である場合(すなわち、可動役物671が保留表示部の前方に位置する状態である場合)に保留変化演出を実行すると、可動役物671によって、保留表示633、643の表示態様が変化している様子が視認不能(視認困難)になる虞がある。しかし、本実施形態では、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重なる状態であるか否かにかかわらず、すなわち保留表示の表示態様が変化している様子が視認不能(視認困難)であるか否かにかかわらず、保留変化演出の実行タイミングが到来した場合には、保留変化演出を開始して、変化対象の保留表示の表示態様を変化させることとする。
図56の(a)は、可動役物671が、変化対象の保留表示633(ここでは右端の保留表示633)と前後に重なる状態であっても、演出制御装置300は、保留変化演出(ここでは保留変化予告)を実行して、変化対象の保留表示633の表示態様を変化させる。
無論、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重なる期間中は、保留変化演出の実行を禁止するよう構成することも可能である。しかし、このように構成した場合、可動役物671の動作不良によって、可動役物671が保留表示部と前後に重なる期間に、可動役物671が保留表示部と前後に重ならない状態になるという不都合が生じた際には、遊技者は、役物動作演出を楽しむこともできないし、保留変化演出を楽しむこともできない。
これに対し、本実施形態では、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重なる期間であるか否かにかかわらず、すなわち可動役物671の状態にかかわらず、保留変化演出の実行タイミングが到来した場合には、保留変化演出を開始して変化対象の保留表示633、643の表示態様を変化させるよう構成する。これにより、可動役物671の動作不良が生じて役物動作演出を楽しむことができなくなったとしても、保留変化演出を楽しむことができるため、遊技の興趣が低下することを防止できる。
ここで、保留表示633、643が可動役物671で隠れて視認不能(視認困難)になると、保留表示部630、640における表示を見ても正確な始動記憶数を把握できない虞がある。しかし、本実施形態では、保留表示部630、640とは別に特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660を設けているため、保留表示が視認不能(視認困難)であっても正確な始動記憶数を把握できる。
また、本実施形態の場合、可動役物671の状態にかかわらず保留変化演出を実行するため、保留変化演出の実行中に、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重なる状態から重ならない状態に変化することもあるし、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重ならない状態から重なる状態に変化することもある。
図56の(b)は、表示装置41の表示部内の、可動役物671のサイズ(可動役物671を前方から見た際のサイズ)よりも広い領域で、保留変化演出を実行する例である。具体的には、保留変化演出の演出効果を高める演出画像として、前方から見て可動役物671からはみ出るサイズの画像(エフェクト画像E等)を表示してもよい。
これにより、可動役物671が保留表示部630、640と前後に重なる状態であって、保留変化演出に関連した表示(変化対象の保留表示633、643や、保留表示633、643の表示態様の変化に関連した画像(エフェクト画像E等)など)の少なくとも一部は可動役物で隠れないため、保留変化演出が実行されていることを遊技者は認識可能となる。
また、図56に示す例では、変化対象の保留表示633、643の一部のみが、可動役物671で隠れて視認不能(視認困難)になっているが、変化対象の保留表示633、643の全部を、可動役物671で隠して視認不能(視認困難)にしてもよい。
また、保留変化演出の演出効果を高める演出画像として、キャラクタ画像(保留変化演出に関連した所定のキャラクタ画像)を表示し、可動役物671の状態にかかわらず、当該キャラクタ画像が保留表示633、643に作用する演出を行ってもよい。
また、可動役物671の動作時間は、保留変化演出の実行時間よりも長くてもよいし、短くてもよい。また、可動役物671の動作時間は、保留変化演出の実行時間と同じであってもよい。
また、可動役物671に替えて、保留表示部630、640に重畳表示可能なキャラクタ画像を表示してもよい。この場合、キャラクタ画像を、保留表示633、643よりも手前側に表示してもよいし、保留表示633、643よりも奥側に表示してもよい。
キャラクタ画像を、保留表示633、643よりも手前側に表示する場合、キャラクタ画像と保留表示633、643が重なった際には、キャラクタ画像で、保留表示633、643のうちの当該キャラクタ画像と重なっている部分が隠れることとなる。一方、キャラクタ画像を、保留表示633、643よりも奥側に表示する場合、キャラクタ画像と保留表示633、643が重なった際には、保留表示633、643で、キャラクタ画像のうちの当該保留表示633、643と重なっている部分が隠れることとなる。
また、可動役物671を、透明や半透明な部材で構成し、可動役物671を透して、保留表示633の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できるよう構成してもよい。あるいは、可動役物671に、孔や隙間を設け、当該孔や隙間から、保留表示633、643の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できるよう構成してもよい。
図57は、保留表示部630、640と前後に重なる状態になり得る可動役物として複数のパーツに分割可能な可動役物672を示す。可動役物672は、パーツ同士の間に間隙が形成されない第1状態(割れていない状態)から、パーツ同士の間に所定幅の間隙が形成される第2状態(割れ完了状態)へと変換可能であってよい。
この場合、図58に示すように、保留変化演出の実行期間は、可動役物672が割れ完了状態である期間(t22〜t24)の少なくとも一部と重複することが好ましい。これにより、例えば図57に示すように、可動役物672に形成される隙間(すなわち、可動役物672が割れていない状態である期間(t21〜t25)中に形成される隙間)から保留表示633、643の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できる。
なお、図58に示す例では、保留変化演出の開始タイミングが、可動役物672が割れ完了状態への変換動作を開始するタイミング(t21)と同時になるよう設定されているが、保留変化演出の開始タイミングは、適宜変更可能であり、可動役物672が割れていない状態である期間(t21〜t25)内に設定することが好ましい。
また、図58に示す例では、保留変化演出の終了タイミングが、可動役物672が割れ完了状態である期間(t22〜t24)内に設定されているが、保留変化演出の終了タイミングは、適宜変更可能であり、可動役物672が割れていない状態である期間(t21〜t25)内に設定することが好ましい。
また、保留表示部630、640と前後に重なる状態になり得る可動役物が、割れていない状態と割れ完了状態とに変換可能な可動役物672である場合、可動役物672が開閉動作(割れ完了状態への変換動作、割れていない状態に戻る復帰動作)を行う位置を、変化対象の保留表示633、643の位置に基づき決定してもよい。
図57に示す例において、保留表示部630に表示されている3つの保留表示633のうち、右端の保留表示633は、可動役物672が割れ完了状態の方が視認しやすく、真ん中の保留表示633は、可動役物672が割れていない状態の方が視認しやすい。
よって、例えば、可動役物672が開閉動作を行う位置を、変化対象の保留表示633と前後に重なる位置に設定することで、可動役物672に形成される隙間から保留表示633の表示態様が変化している様子を視認することが可能となる。
このように、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する。遊技機10は、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(保留表示633、643)を表示装置41の表示部に設けた始動記憶表示領域(保留表示部630、保留消化領域640)に表示する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、始動記憶表示領域の前方に位置する状態(前後に重なる状態)と、始動記憶表示領域の前方から退避した状態(前後に重ならない状態)と、に変換可能な可動役物671と、を備える。始動記憶表示制御手段は、可動役物671の状態にかかわらず、始動記憶表示の表示態様を変化させる始動記憶表示変化演出(保留変化演出)を実行可能である。
したがって、可動役物の動作不良が生じて役物動作演出を楽しむことができなくなったとしても、保留変化演出を楽しむことができるため、保留変化演出によって遊技の興趣を高めることができる。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する。遊技機10は、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、表示装置41の表示部に設けた始動記憶表示領域(保留表示部630、保留消化領域640)の前方に位置する状態(前後に重なる状態)と、当該始動記憶表示領域の前方から退避した状態(前後に重ならない状態)と、に変換可能な可動役物671と、表示部に表示される表示内容を制御する表示制御手段(演出制御装置300)と、を備える。表示制御手段は、始動記憶表示領域に、始動記憶に対応する始動記憶表示(保留表示633、643)を表示し、表示部内の所定サイズの領域で、始動記憶表示の表示態様を変化させるとともに当該変化に関連した画像(エフェクト画像E等)を表示する始動記憶表示変化演出(保留変化演出)を実行可能であり、所定サイズは、可動役物671の前方から見た際のサイズよりも大きくなるよう構成可能である(図56の(b)参照)。
したがって、可動役物671が保留表示部630、640の前方に位置する状態であっても、保留変化演出に関連した表示の少なくとも一部は可動役物で隠れないため、保留変化演出によって遊技の興趣を高めることができる。
なお、所定サイズは、表示装置41の表示部よりも小さいサイズであってもよいし、表示装置41の表示部と同サイズであってもよい。
また、本実施形態の遊技機10によれば、始動条件の成立に基づき複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を実行し、当該変動表示ゲームの結果が特別結果となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生する。遊技機10は、始動条件の成立に基づき所定の乱数を抽出し変動表示ゲームの始動記憶として記憶する始動記憶手段(遊技制御装置100)と、始動記憶に対応する始動記憶表示(保留表示633)を表示装置41の表示部に設けた始動記憶表示領域(保留表示部630、保留消化領域640)に表示する始動記憶表示制御手段(演出制御装置300)と、始動記憶表示領域の前方に位置する状態(前後に重なる状態)と、始動記憶表示領域の前方から退避した状態(前後に重ならない状態)と、に変換可能な可動役物672と、を備える。可動役物672は、複数のパーツ(部分)に分割可能であって、パーツ同士の間に間隙が形成されない第1状態(割れていない状態)から、パーツ同士の間に所定幅の間隙が形成される第2状態(割れ完了状態)へと変換可能である。始動記憶表示制御手段は、始動記憶表示の表示態様を変化させる始動記憶表示変化演出(保留変化演出)を実行可能であり、始動記憶表示変化演出の実行期間(t21〜t23)は、可動役物672が第2状態である期間(t22〜t24)の少なくとも一部と重複するよう構成可能である(図58参照)。
したがって、可動役物672が保留表示部630、640の前方に位置する状態であっても、可動役物672に形成される間隙(隙間)から保留表示633の表示態様が変化している様子や保留変化演出に関連した表示を視認できるため、保留変化演出によって遊技の興趣を高めることができる。
〔保留数コマンド異常時(保留数異常時)の先読み演出〕
図59から図60は、前述の特図1保留情報設定処理(図36A)、特図2保留情報設定処理(図36B)、及び、先読み変動系コマンド処理(図38)による制御の結果を示す画面図である。
図59Aは、保留発生時の保留数コマンドに異常がある場合に先読み演出が中止される状況について説明する図である。
図59A(あ)では、変動表示領域610において特図変動表示ゲームが実行中である状況を示す。特図1保留(特図1始動記憶、第1始動記憶)は4つあり、特図2保留(特図2始動記憶、第2始動記憶)は3つあり、特図1保留数を表示する特図1保留数表示部650に数字4が、特図2保留数を表示する特図2保留数表示部660に数字3が示され、合計7個の保留表示633が表示されている。保留表示633のうち一つ(斜線で示す)に対して、示唆態様での保留変化予告が実行されている。
図59A(あ)の状況で、特図2保留(特図2始動記憶)が発生し、演出制御装置300が正常な飾り特図2保留数コマンド(A2907)を遊技制御装置100から受信すると(B1701の結果が「N」の場合)、図59A(い)のように先読み演出(予告演出)が設定、実行される。保留発生時の先読み演出は、例えば、先読み変動系コマンド処理(図38)のステップB1713で抽選、設定される。
図59A(い)では、合計8個の保留表示633が表示され、発生した特図2保留に対応する保留表示633aが右端に表示されている。発生した特図2保留に対する先読み演出として、保留変化予告が実行され、右端の保留表示633aが通常の表示態様から示唆態様(図では黒で示す)に変化する。保留変化予告は、前述の図56や図57の態様で実行されてよい。
また、図59A(い)では、発生した特図2保留に対する先読み演出として、文字画像635「保留内激熱」が表示されている。さらに、先読み演出ではないが、合計保留数が上限数8に達したこと(特図1保留数と特図2保留数が各々上限値4に達したこと)を示す所定の表示636「保留MAX」が演出として表示される。
図59A(あ)の状況で、特図2保留(特図2始動記憶)が発生しても、演出制御装置300が異常な飾り特図2保留数コマンド(A2907)を受信して飾り特図2保留数コマンドから取得した特図2保留数が上限数4を超えると(B1701の結果が「Y」且つB1702の結果が「N」の場合)、図59A(う)のように先読み演出(予告演出)が実行されない(設定されない)。従って、保留数が上限数を超えているにもかかわらず先読み演出を実行して遊技者を混乱させることを防止できる。
図59A(う)では、発生した特図2保留に対する先読み演出としての保留変化予告は実行されない。なお、発生した特図2保留に対する右端の保留表示633a自体が表示されなくてよいが、異常な飾り特図2保留数コマンドから取得した特図2保留数(ここでは5)に対応して増加した保留数分(ここでは2)だけ先読みと関係しない保留表示を行ってもよい(点線で示す)。なお、発生した特図2保留に対する保留表示を含めて増加した保留数分(ここでは2)の保留表示に対する先読み演出としての保留変化予告は実行されない。
また、図59A(う)では、発生した特図2保留に対する先読み演出としての文字画像635「保留内激熱」は表示されない。さらに、飾り特図2保留数コマンドに異常があることを示すため、特図2保留数表示部660に異常な飾り特図2保留数コマンドから取得した特図2保留数(ここでは5)(上限数4を超えた通常あり得ない値)が特殊な表示態様(丸の囲みがある)でエラー表示されている。これにより、遊技者はエラー表示を見て、保留数コマンドが異常であること認識できる。なお、異常な飾り特図2保留数コマンドから取得した特図2保留数が上限数4を超えた場合に、遊技者の混乱を防止するために特図2保留数を表示しない構成も可能である。
なお、図59Aでは、特図2保留が発生した場合を示したが、特図1保留が発生する場合も同様である。
図59Bは、保留発生時の保留数コマンドに異常がある場合に先読み演出が中止されない状況について説明する図である。
図59B(え)では、図59(あ)と同様に、変動表示領域610において特図変動表示ゲームが実行中である状況を示す。特図1保留は1つあり、特図2保留は1つあり、特図1保留数を表示する特図1保留数表示部650に数字1が、特図2保留数を表示する特図2保留数表示部660に数字1が示され、合計2個の保留表示633が表示されている。
図59B(え)の状況で、特図1保留(特図1始動記憶)が発生し、演出制御装置300が正常な飾り特図1保留数コマンド(A2907)を遊技制御装置100から受信すると(B1701の結果が「N」の場合)、図59B(お)のように先読み演出(予告演出)が設定、実行される。保留発生時の先読み演出は、例えば、先読み変動系コマンド処理(図38)のステップB1713で抽選、設定される。
図59B(お)では、合計3個の保留表示633が表示され、発生した特図1保留に対応する保留表示633aが右端に表示されている。発生した特図1保留に対する先読み演出として、保留変化予告(先読み予告演出)が実行され、右端の保留表示633aが通常の表示態様から示唆態様(図では黒で示す)に変化する。保留変化予告は、前述の図56や図57の態様で実行されてよい。また、発生した特図1保留に対する先読み演出として、文字画像635「保留内激熱」が表示されている。
図59B(え)の状況で、特図1保留(特図1始動記憶)が発生し、演出制御装置300が異常な飾り特図1保留数コマンド(A2907)を受信しても、飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であるため(B1701の結果が「Y」且つB1702の結果が「Y」の場合)、図59B(か)のように先読み演出(予告演出)が実行される(設定される)。従って、保留数が上限数を超えるような特別な状況を除いて、保留数コマンドの異常があっても先読み演出を実行する。そして、先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
図59B(か)では、発生した特図1保留に対する先読み演出としての文字画像635「保留内激熱」が表示される。なお、異常な飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数(ここでは3)に対応して増加した保留数分(ここでは2)だけ先読みと関係しない保留表示を行ってもよい(点線で示す)。そして、発生した特図1保留に対する保留表示を含めて増加した保留数分(ここでは2)の保留表示に対する先読み演出としての保留変化予告は実行されない。しかし、別例では、飾り特図1保留数コマンドが異常でも飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であれば、増加した保留数分(ここでは2)の保留表示を通常通り行ってよく(実線の保留表示と同様)、また、増加した保留表示(特に今回発生した特図1保留に対する保留表示)に対する保留変化予告も実行してもよい。
また、図59B(か)において、飾り特図1保留数コマンドが異常であれば飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下でも、増加した保留表示に対する保留変化予告が実行されていないが、今回の飾り特図1保留数コマンドの受信以前に既に開始実行されている保留変化予告は、保留数コマンドの異常にかかわらず継続してよい。
図59B(か)では、飾り特図1保留数コマンドが異常でも飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であれば、正常なコマンドとみなして、特図1保留数(ここでは3)を表示してよい。なお、飾り特図1保留数コマンドに異常があることを示すため、特図1保留数表示部650に異常な飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数(ここでは3)が特殊な表示態様(丸の囲みがある)でエラー表示されてよい。また、飾り特図1保留数コマンドが異常であれば飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であっても、特図1保留数を表示しない構成も可能である。
なお、図59Bでは、特図1保留が発生した状況を示したが、特図2保留が発生する場合も同様である。
図60は、図59Aに対する変形例である。図60(あ)(い)は、図59A(あ)(い)と同様である。しかし、図60(う’)では、演出制御装置300が異常な飾り特図2保留数コマンド(A2907)を受信して特図2保留数が上限数4を超えると(B1701の結果が「Y」且つB1702の結果が「N」の場合)、発生した特図2保留に対する先読み演出が実行されないだけでなく、既に開始実行されている先読み演出(現在実行中の先読み演出)を終了してよい(B1717)。例えば、図60(あ)において既に保留変化予告が実行されている保留表示633e(斜線で示す)に対して、保留変化予告を終了してよい。この場合に、保留数が上限数を超えている異常な状態にもかかわらず実行中の先読み演出が継続されて遊技者を混乱させることを防止できる。なお、保留消化領域640における変動中保留表示643(消化中保留表示)による示唆演出(実行中の特図変動表示ゲームの結果や変動パターンなどを示唆する演出)は継続しても終了してもよい。
なお、図60(う’)において、遊技者が過度に落胆することを防止するため、既に開始されている先読み演出(現在実行中の先読み演出)のうちの一部の先読み演出を終了し、他の一部は継続してもよい。例えば、保留変化予告を終了するが、連続予告演出や先読みゾーン演出を継続してもよい。
なお、図59から図60において、演出制御装置300は、遊技状態や発生した保留の特図種別(特図1又は特図2)に応じて先読み演出を実行するかしないかを決定してよい。例えば、普電サポート状態では、普通変動入賞装置37の第2始動入賞口への入賞が頻発するため、保留数コマンドが異常で保留数が上限数以下である場合には、発生した特図2保留に対する先読み演出が禁止され、発生した特図1保留に対する先読み演出のみが実行されてもよい(図59B(か)に関して)。例えば、普電サポート状態では、保留数コマンドが異常で保留数が上限数を超えた場合には、その際に発生した保留に対する先読み演出が実行されないが、普電サポート状態に対する遊技者の期待を維持すべく既に開始実行されている先読み演出(現在実行中の先読み演出)を継続してよい(図60(う’)に関して)。
また、図59から図60において、保留発生時の保留数コマンド(A2907)に異常が発生した状況を示したが、以下で述べるように保留シフト時の保留数コマンド(A3304、A3307)に異常が発生する状況でも同様である。
図61Aは、保留シフト時の保留数コマンド(A3304、A3307)に異常がある場合に先読み演出が中止される状況について説明する図である。
図61A(さ)は、特図2変動表示ゲームが終了して変動表示領域610、615において停止図柄が表示されている状況を示す。特図1保留(特図1始動記憶、第1始動記憶)は4つあり、特図2保留(特図2始動記憶、第2始動記憶)は3つあり、特図1保留数を表示する特図1保留数表示部650に数字4が、特図2保留数を表示する特図2保留数表示部660に数字3が示され、合計7個の保留表示633が表示されている。保留表示633のうち一つ(斜線で示す)に対して、示唆態様での保留変化予告が実行されている。保留消化領域640において、変動中保留表示643が非表示となっている。
図61A(さ)の状況で、保留表示633が隣にシフトする保留シフト(保留シフト演出)が実行されるとともに、特図1変動表示ゲームが開始する。この場合に、遊技制御装置100は、飾り特図1保留数コマンドを演出制御装置300に送信する(A3304)。演出制御装置300が正常な飾り特図1保留数コマンドを受信すると、図61A(し)のように先読み演出(予告演出)が実行される。保留シフト時の先読み演出は、例えば、先読み変動系コマンド処理(図38)のステップB1713で予め抽選、設定され、保留シフト時(B2015)に実行される。
図61A(し)では、合計6個の保留表示633が表示され、右端の保留表示633aに対して、保留シフト時の先読み演出として保留変化予告(先読み予告演出)が実行され、通常の表示態様から示唆態様(図では黒で示す)に変化する。保留変化予告は、前述の前兆演出(図46−図47等)を伴って実行されてよい。前兆演出は、例えば、変動演出設定処理(図41)の予告抽選(B2006又はB2009)にて設定できる。
また、図61A(し)では、また、いずれかの保留に対して、保留シフト時の先読み演出として、文字画像635「保留内激熱」が表示されている。
図61A(さ)の状況で、演出制御装置300が異常な飾り特図1保留数コマンド(A3304)を受信して飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4を超えると、図61A(す)のように、保留シフト時の先読み演出(予告演出)が実行されない(B2015等で禁止される)。従って、保留数が上限数を超えているにもかかわらず先読み演出を実行して遊技者を混乱させることを防止できる。なお、図61A(す)において、図60(う’)と同様に、既に開始実行されている先読み演出(現在実行中の先読み演出)を終了してよい。
図61A(す)では、保留シフト時の先読み演出としての保留変化予告は実行されない。また、異常な飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数(ここでは6)に対応して増加した保留数分(ここでは3)だけ先読みと関係しない保留表示を行ってもよい(点線で示す)。なお、増加した保留数分(ここでは3)の保留表示に対する先読み演出としての保留変化予告は実行されない。
また、図61A(す)では、保留シフト時の先読み演出としての文字画像635「保留内激熱」は表示されない。さらに、飾り特図1保留数コマンドに異常があることを示すため、特図1保留数表示部650に異常な飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数(ここでは6)(上限数4を超えた通常あり得ない値)が特殊な表示態様(丸の囲みがある)でエラー表示されている。これにより、遊技者はエラー表示を見て、保留数コマンドが異常であること認識できる。なお、異常な飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4を超えた場合に、遊技者の混乱を防止するために特図1保留数を表示しない構成も可能である。
なお、図61Aでは、飾り特図1保留数コマンドに異常が発生した状況を示したが、飾り特図2保留数コマンドに異常が発生する場合も同様である。
図61Bは、保留発生時の保留数コマンドに異常がある場合に先読み演出が中止されない状況について説明する図である。
図61B(せ)では、図61A(さ)と同様に、特図2変動表示ゲームが終了して変動表示領域610、615において停止図柄が表示されている状況を示す。特図1保留は1つあり、特図2保留は1つあり、特図1保留数を表示する特図1保留数表示部650に数字1が、特図2保留数を表示する特図2保留数表示部660に数字1が示され、合計2個の保留表示633が表示されている。
図61B(せ)の状況で、保留表示633が隣にシフトする保留シフト(保留シフト演出)が実行されるとともに、特図1変動表示ゲームが開始する。この場合に、遊技制御装置100は、飾り特図1保留数コマンド(A3304)を演出制御装置300に送信する。演出制御装置300が正常な飾り特図1保留数コマンドを受信すると、図61B(そ)のように保留シフト時の先読み演出(予告演出)が実行される。保留シフト時の先読み演出は、例えば、先読み変動系コマンド処理(図38)のステップB1713で予め抽選、設定され、保留シフト時(B2015)に実行される。
図61B(そ)では、合計1個の保留表示633が表示され、右端の保留表示633aに対して、保留シフト時の保留変化予告が実行され、通常の表示態様から示唆態様(図では黒で示す)に変化する。保留変化予告は、前述の前兆演出(図46−図47等)を伴って実行されてよい。
また、図61B(そ)では、また、右端の保留表示633aに対して、保留シフト時の先読み演出が、文字画像635「保留内激熱」の表示によって実行されている。
図61B(せ)の状況で、保留シフト(保留シフト演出)が実行される際に、演出制御装置300が異常な特図1保留数コマンド(A3304)を受信しても、特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であるため、図61B(た)のように保留シフト時の先読み演出(予告演出)が実行される。従って、保留数が上限数を超えるような特別な状況を除いて、保留数コマンドの異常があっても先読み演出を実行する。そして、先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
図61B(た)では、保留シフトの際に、右端の保留表示633aに対する先読み演出としての文字画像635「保留内激熱」が表示される。また、右端の保留表示633aに対する先読み演出としての保留変化予告が実行される。なお、異常な特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数(ここでは3)に対応して増加した保留数分(ここでは3)だけ先読みとは関係ない保留表示を行ってもよい(点線で示す)。しかし、別例では、飾り特図1保留数コマンドが異常でも飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であれば、増加した保留数分(ここでは3)の保留表示を通常通り行ってよい(実線の保留表示と同様)。
図61B(た)では、飾り特図1保留数コマンドが異常でも飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下であれば、正常なコマンドとみなして、特図1保留数(ここでは3)を表示してよい。なお、飾り特図1保留数コマンドに異常があることを示すため、特図1保留数表示部650に異常な特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数(ここでは3)が特殊な表示態様(丸の囲みがある)でエラー表示されている。また、飾り特図1保留数コマンドが異常でも飾り特図1保留数コマンドから取得した特図1保留数が上限数4以下の場合に、特図1保留数を表示しない構成も可能である。
なお、図61Bでは、飾り特図1保留数コマンドに異常が発生した場合を示したが、飾り特図2保留数コマンドに異常が発生する場合も同様である。
以上で説明した図59から図61において、演出制御装置300は、遊技制御装置100から送信された設定情報コマンドから取得した遊技条件に関する設定情報に応じて、先読み演出を実行するかしないかを決定してよい。このようにすれば、遊技者は先読み演出の実行に基づいて設定を推測できる楽しみがあり、遊技に興趣が向上する。例えば、図59A(う)や図61A(す)では、設定3(高設定)では先読み演出を実行し、設定1(低設定)と設定2(中間設定)では先読み演出を実行しないようにしてよい。また、例えば、図59B(か)や図61B(た)では、設定3(高設定)と設定2(中間設定)では先読み演出を実行しないようにし、設定1(低設定)では先読み演出を実行するようにしてよい。同様に、図59A(い)、図59B(お)、図61A(し)、図61B(そ)において、設定3(高設定)と設定2(中間設定)では先読み演出(例えば、文字画像635「保留内激熱」の表示)を実行し、設定1(低設定)では先読み演出(例えば、文字画像635「保留内激熱」の表示)を実行しないようにしてよい。
また、図59から図61において、保留数の上限数を所定数に変更する構成も可能である。例えば、保留数コマンドが異常であっても、保留数コマンドから取得した保留数が所定数以下であれば先読み演出を実行し、保留数が所定数を超えれば先読み演出を実行しないようにしてもよい。この場合でも、先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
〔変形例〕
以上の第1実施形態の変形例として、以下の構成が採用されてもよい。
保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が上限数(ここでは4)を超えた場合に、保留数コマンドが異常であるとみなして、先読み変動系コマンド(即ち事前判定の判定結果)に基づく先読み演出(予告演出)を実行しなくてよい。一方、保留数コマンドが示す始動記憶数が上限数(ここでは4)以下の場合に、保留数コマンドは正常であるとみなして、先読み変動系コマンドに基づく先読み演出を実行可能としてよい。例えば、図38において、ステップB1701を省略し、ステップB1702の結果が「Y」の場合に先読み演出を設定可能とし、ステップB1702の結果が「N」の場合に先読み演出を設定しない構成としてよい。このようにしても、先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
また、保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が下限数(ここでは1)未満の場合に、保留数コマンドが異常であるとみなして、先読み変動系コマンド(即ち事前判定の判定結果)に基づく先読み演出(予告演出)を実行しなくてよい。一方、保留数コマンドが示す始動記憶数が下限数(ここでは1)以上の場合に、保留数コマンドは正常であるとして、先読み変動系コマンドに基づく先読み演出を実行可能としてよい。例えば、図38において、ステップB1701を省略し、ステップB1702では、保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が下限数以上であるか否かを判定する。そして、ステップB1702の結果が「Y」の場合に先読み演出を設定可能とし、ステップB1702の結果が「N」の場合に先読み演出を設定しない構成としてよい。このようにしても、先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
また、保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が下限数(ここでは1)未満の場合又は上限数(ここでは4)を超えた場合に、保留数コマンドが異常であるとみなして、先読み変動系コマンドに基づく先読み演出(予告演出)を実行しなくてよい。一方、保留数コマンドが示す始動記憶数が下限数以上且つ上限数以下の場合(上限値と下限値で画定された範囲(1〜4)にある場合)に、保留数コマンドは正常であるとみなして、先読み変動系コマンドに基づく先読み演出を実行可能としてよい。例えば、図38において、ステップB1701を省略し、ステップB1702では、保留数コマンドが示す始動記憶数(保留数)が下限数以上且つ上限数以下であるか否かを判定する。そして、ステップB1702の結果が「Y」の場合に先読み演出を設定可能とし、ステップB1702の結果が「N」の場合に先読み演出を設定しない構成としてよい。このようにしても、先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態に係る遊技機10では、始動条件(始動入賞領域への入賞等)の成立に基づき識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、変動表示ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備え、変動表示ゲームの結果態様が特別結果態様となる場合に、遊技者にとって有利な特別遊技状態を発生させる。始動記憶手段(例えば遊技制御装置100)は、始動条件の成立に基づき、変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶可能である。事前判定手段(例えば遊技制御装置100の特図保留情報判定処理)は、始動記憶手段によって記憶される始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームが実行されるよりも前に判定する。遊技制御手段は、始動記憶手段によって記憶される始動記憶数(保留数)を示す始動記憶数情報(保留数コマンド)を、演出制御手段に送信可能である。
演出制御手段(演出制御装置300)は、事前判定手段の判定結果に基づく予告演出(先読み演出)を実行可能である。演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した始動記憶数情報(保留数コマンド)に異常がある場合に、始動記憶数情報が示す始動記憶数が上限数を超えていれば、予告演出(先読み演出)を実行しない一方、始動記憶数情報が示す始動記憶数が上限数以下であれば、予告演出(先読み演出)を実行可能である。例えば、始動記憶数情報(保留数コマンド)が示す始動記憶数が一度に2以上増減した場合や、始動記憶数情報(保留数コマンド)を受信しないが事前判定手段の判定結果だけを演出制御手段(演出制御装置300)が受信した場合などに、受信した始動記憶数情報(保留数コマンド)に異常があると判定できる。始動記憶数情報(保留数コマンド)の欠落などがこのような異常の原因となり得る。
このように、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した始動記憶数情報(保留数コマンド)に異常がある場合でも、始動記憶数情報が示す始動記憶数が上限数以下であれば事前判定手段の判定結果に基づく予告演出(先読み演出)を実行可能である。従って、保留数コマンドの異常によって先読み演出の実行頻度が減少する事態を防止でき、遊技の興趣が低下することを抑制できる。なお、始動記憶数情報(保留数コマンド)に異常がある場合に必ず事前判定手段の判定結果に基づく予告演出を実行しない構成とすると、先読み演出の実行頻度が減少してしまう。
一方、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した始動記憶数情報(保留数コマンド)に異常がある場合に、始動記憶数情報が示す始動記憶数が上限数を超えていれば、事前判定手段の判定結果に基づく予告演出(先読み演出)を実行しない。従って、始動記憶数が上限数を超えているにもかかわらず先読み演出を実行して遊技者を混乱させることを防止できる。
また、第1実施形態に係る遊技機10では、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した始動記憶数情報に異常がない場合、又は、受信した始動記憶数情報に異常があっても当該始動記憶数情報が示す始動記憶数が上限数以下である場合に、予告演出(先読み演出)を実行可能である。演出制御手段は、受信した始動記憶数情報(保留数コマンド)に異常がある場合に、始動記憶数情報が示す始動記憶数が上限数を超えていれば、当該始動記憶数情報を受信する前に既に実行されている予告演出(先読み演出)を中止してよい。このようにすれば、始動記憶数が上限数を超えている異常な状態にもかかわらず実行中の先読み演出が継続されて遊技者を混乱させることを防止できる。
また、第1実施形態に係る遊技機10では、遊技条件に関する設定を変更可能な設定変更手段(設定変更装置43)を備え、設定変更手段による設定に応じて予告演出(先読み演出)を実行可能である。従って、遊技者は予告演出(先読み演出)の実行に基づいて設定を推測できる楽しみがあり、遊技に興趣が向上する。
[第2実施形態]
図62から図66Aを参照して、第2実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態と同様でよい。
〔飾り特別図柄及び飾り縮小図柄のタイミングチャート〕
図62は、第2実施形態において、保留表示633(特図保留表示)と、飾り特別図柄(識別情報、飾り第1図柄、大図柄)及び飾り縮小図柄(識別情報、飾り第2図柄、小図柄)と、の時間経過による表示態様の変化を示すタイミングチャートである。
飾り特別図柄は、図63〜図66Aを参照して後述する画面遷移図で示すように、表示装置41の表示画面の中央に設けられる複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)にそれぞれ複数列で表示される。具体的には、各変動表示領域610において、左領域610Aには飾り第1図柄A(左大図柄、第一特別図柄)が、右領域610Bには飾り第1図柄B(右大図柄、第二特別図柄)が、中領域610Cには飾り第1図柄C(中大図柄、第三特別図柄)が、拡大表示(メイン表示、通常表示)されて、変動表示される。
飾り縮小図柄は、飾り特別図柄より小さい特別図柄であり、図63〜図66Aを参照して後述する画面遷移図で示すように、表示装置41の表示画面の右側に設けられる変動表示領域615に、上下に三つ並ぶように変動表示(縮小表示)される。具体的には、変動表示領域615において、上に配置される飾り縮小図柄は飾り第2図柄A(上小図柄)であり、下に配置される飾り縮小図柄は飾り第2図柄B(下小図柄)であり、中に配置される飾り縮小図柄は飾り第2図柄C(中小図柄)である。
飾り特別図柄及び飾り縮小図柄の変動表示の態様は、例えば、演出制御装置300によって実行される変動演出設定処理(図41)のステップB2017で設定される。
図62に戻って、保留表示633と飾り特別図柄及び飾り縮小図柄のタイミングチャートの説明を続ける。図62の時刻t0から時刻t3は、特別な遊技状態(特定遊技状態や特別遊技状態)が発生していない通常遊技状態(通常状態)において、特図1保留数と特図2保留数の合計である保留数(始動記憶の数、特図保留数)が上限数(例えば8個)に達していない場合における変動開始から変動停止までのタイミングである。なお、時短状態や確変状態において、時刻t0から時刻t3は、保留数がない場合における変動開始から変動停止までのタイミングとなるように設定されてもよい。
時刻t0では、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄A〜Cが、それぞれ変動開始する。時刻t0において、飾り第1図柄A〜Cは、飾り特別図柄を次々と上下方向にスクロールさせて変化させる通常の変動態様(通常変動、通常の変動パターン)で変動表示される。飾り第2図柄A〜Cは、表示されている飾り縮小図柄が次の飾り縮小図柄へとスクロールせずにその場で順に切り替わるように変化する変動態様で変動表示される。
時刻t1では飾り第1図柄Aが確定しない略停止状態として仮停止(変動停止)され、時刻t2では飾り第1図柄Bが確定しない略停止状態として仮停止される。
時刻t1において飾り第1図柄Aが仮停止されると、例えば、飾り第1図柄Aは、仮停止された図柄が微小な揺れ幅で揺れる揺れ変動となる。また、仮停止された飾り第1図柄Aの前後に(上下に)スクロールされ、飾り第1図柄Aと同列に表示されている飾り第1図柄Aの一つ前又は後の図柄(±1図柄)は、非表示になる。飾り第1図柄Aの一つ前又は後の図柄(±1図柄)は、表示画面内の一方向(例えば上下方向)に飾り第1図柄Aと同列に表示されているものである(図63〜図66A参照)。表示画面内の一方向は、飾り第1図柄Aに対する変動表示方向に対応する。
時刻t2において飾り第1図柄Bが仮停止されると、同様に、飾り第1図柄Bは揺れ変動となる。また、仮停止された飾り第1図柄Bの前後にスクロールされ、飾り第1図柄Bと同列に表示されている飾り第1図柄Bの一つ前又は後の図柄(±1図柄)は、非表示になる。飾り第1図柄Bの一つ前又は後の図柄(±1図柄)は、表示画面内の一方向(例えば上下方向)に飾り第1図柄Bと同列に表示されているものである(図63〜図66A参照)。表示画面内の一方向は、飾り第1図柄Bに対する変動表示方向に対応する。なお、仮停止されていない飾り第1図柄Cは、飾り第2図柄A〜C(飾り縮小図柄)とともに変動表示が継続される。
時刻t3では、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄A〜Cが確定した停止状態として本停止(変動停止)される。時刻t3において、飾り第1図柄A及び飾り第1図柄Bは、仮停止された図柄がそのまま本停止される図柄となる。また、飾り第1図柄C及び飾り第2図柄A〜Cが本停止されると、所定の図柄が特図変動表示ゲームの確定した停止図柄として表示される。その際、飾り第1図柄Cの前後にスクロールされ表示されている図柄が非表示になる。飾り第1図柄Cの一つ前又は後の図柄(±1図柄)は、表示画面内の一方向(例えば上下方向)に飾り第1図柄Cと同列に表示されているものである(図63〜図66A参照)。表示画面内の一方向は、飾り第1図柄Cに対する変動表示方向に対応する。
次に、時刻t4から時刻t5は、通常遊技状態において保留数が上限数(例えば8個)に達している場合における変動開始から変動停止までのタイミングである。なお、時短状態や確変状態において、時刻t4から時刻t5は、保留数が1個以上ある場合における変動開始から変動停止までのタイミングとなるように設定されてもよい。
時刻t4では、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄A〜Cが、それぞれ通常変動よりも短い時間で変動する短縮変動で変動開始する。時刻t4において、飾り第1図柄A〜Cが変動表示される際に、飾り第1図柄A〜Cの一つ前後の図柄(±1図柄)が表示された状態になる。飾り第2図柄A〜Cは、飾り縮小図柄が次の飾り縮小図柄へとその場で順に切り替わるように変化する変動態様で変動表示される。
時刻t5では、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄A〜Cが本停止される。短縮変動では、飾り第1図柄Cや飾り第2図柄A〜Cだけでなく、飾り第1図柄A、Bも、時刻t5において本停止されるまで仮停止することなく変動表示される。その後、時刻t5において、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄A〜Cが本停止されると、所定の図柄が特図変動表示ゲームの結果態様として確定した停止図柄として表示される。その際、飾り第1図柄A〜Cの前後にスクロールされ表示されている±1図柄は、非表示になる。
時刻t6から時刻t9は、通常遊技状態においてノーマルリーチ変動(Nリーチ変動)となるリーチ状態の場合における変動開始から変動停止までのタイミングである。なお、時短状態や確変状態においても、時刻t6から時刻t9は、通常遊技状態のNリーチ変動となるリーチ状態の場合と同様のタイミングとなるように設定されることができる。
時刻t6では、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄A〜Cが、Nリーチ変動となる変動パターンでそれぞれ変動開始する。時刻t6において、飾り第1図柄A〜Cが変動表示される際に、飾り第1図柄A〜Cの前後の±1図柄が表示された状態になり、飾り第2図柄A〜Cは飾り縮小図柄をスクロールせずにその場で順に変化する変動態様で変動表示される。
時刻t7では、表示画面内の一方向(例えば上下方向)において飾り第1図柄Aの前後でスクロールしている±1図柄が非表示になり、その後、飾り第1図柄Aが仮停止される。
時刻t8では、表示画面内の一方向(例えば上下方向)において飾り第1図柄Bの前後でスクロールしている±1図柄が非表示になり、その後、飾り第1図柄Bが飾り第1図柄Aと同じ飾り特別図柄となって仮停止され、リーチ状態となる。
時刻t9では、表示画面内の一方向(例えば上下方向)において飾り第1図柄Cの前後でスクロールしている図柄が非表示になり、その後、飾り第1図柄C及び飾り第2図柄A〜Cが本停止される。また、仮停止していた飾り第1図柄A、Bも本停止される。
〔保留数が上限に達していない場合の画面遷移例〕
図63は、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、通常遊技状態において特図1保留数と特図2保留数の合計である合計保留数(始動記憶の数、特図保留数)が上限数(例えば8個)に達していない場合における遊技全体の画面遷移の一例である。なお、特図1保留数と特図2保留数のそれぞれが各々の上限数(例えば4個)に達すると、合計保留数も上限数(例えば8個)に達することになる。
図63の(さ)は、特図変動表示ゲーム中の表示装置41の表示画面である。
表示装置41の表示画面の中央には、複数の変動表示領域610(左領域610A、右領域610B、中領域610C)が設けられ、左領域610Aには飾り第1図柄Aが、右領域610Bには飾り第1図柄Bが、中領域610Cには飾り第1図柄Cが、拡大表示され、通常の変動態様で変動表示されている。また、同様に、表示装置41の表示画面の右端の変動表示領域615において、三つの飾り縮小図柄(飾り第2図柄A〜C、飾り特別図柄より小さい特別図柄)が変動表示(縮小表示)される。表示画面の中央の変動表示領域610の飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)も、表示画面の右端の変動表示領域615に表示される飾り縮小図柄(飾り第2図柄A〜C)も、同一の特図変動表示ゲームによって行われる変動表示であり、通常、停止図柄は同じになるが、異なる停止図柄にしてもよい。
なお、以下の図において、飾り第1図柄A〜Cが通常の変動態様で変動表示されている場合には、変動表示されている飾り第1図柄A〜Cを「↓」で示す。
表示画面の左上端には、特図1保留数表示部650と特図2保留数表示部660と、が表示されている。特図1保留数表示部650には、第1始動記憶(特図1保留)の数である特図1保留数を示す数字「1」が表示され、特図2保留数表示部660には、第2始動記憶(特図2保留)の数である特図2保留数を示す数字「1」が表示されている。なお、第1始動記憶及び第2始動記憶は、各4個を上限に(合計で8個を上限に)交互に記憶され、古い始動記憶から順に消化される。また、図63の(さ)では、最も古い始動記憶であった第1始動記憶に基づいて特図1変動表示ゲームが実行されている。
表示画面の中央下部に表示される保留表示部630には、未消化の第1始動記憶又は第2始動記憶を示す保留表示633(特図保留表示)が表示される。保留表示部630には第1始動記憶を示す保留表示633と第2始動記憶を示す保留表示633とが交互に表示され、最大で保留表示633を8個まで表示することができる。図63の(さ)では、保留表示633は、保留表示部630に2個表示されている。
また、表示画面の中央下部の保留表示部630の隣りには、保留消化領域640(特定表示部、変動中保留表示領域)が表示される。保留消化領域640には、台座が表示される。保留消化領域640の台座の上には、実行中(消化中)の特図変動表示ゲームに対応する特図変動中保留表示(特図消化中保留表示)が表示される。
図63の(し)は、変動表示領域610の左領域610Aで変動表示されている飾り第1図柄Aが確定しない略停止状態として仮停止する直前の表示装置41の表示画面である。変動表示領域610の右領域610B及び中領域610Cでは通常の変動態様で飾り特別図柄の変動表示が継続している。左領域610Aには、飾り第1図柄Aの「2」が変動表示されている。左領域610Aの下方には、飾り第1図柄Aの一つ前の図柄(−1図柄)が変動表示される左前領域611Aが、前変動表示領域611の一部として設けられる。
前変動表示領域611は、変動表示領域610の下方に設けられ、飾り第1図柄Aの一つ前の図柄(−1図柄)が表示される左前領域611Aと、飾り第1図柄Bの一つ前の図柄(−1図柄)が表示される右前領域611Bと、飾り第1図柄Cの一つ前の図柄(−1図柄)が表示される中前領域611Cと、から構成される。
図63の(し)に示すように、左領域610Aの飾り第1図柄Aが仮停止する直前において、左領域610Aと同列下方に位置する左前領域611Aには、飾り第1図柄Aの−1図柄として「1」が変動表示されている。右領域610B及び中領域610Cにおいては、飾り第1図柄B、Cが仮停止せずに通常の変動態様で変動表示(「↓」)を継続しており、右前領域611B及び中前領域611Cでも飾り第1図柄B、Cの前の図柄が変動表示(図示省略)している。
図63の(す)は、変動表示領域610の左領域610Aで飾り第1図柄Aが仮停止した後、右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止する直前の表示装置41の表示画面である。左領域610Aでは、飾り第1図柄Aの「2」が仮停止状態になっている。また、左前領域611Aに表示されていた飾り第1図柄Aの−1図柄(「1」)は、飾り第1図柄Aの仮停止する直前に非表示になる。これにより、保留表示や演出画像が−1図柄に邪魔されず見易くなり、目立つようになる。即ち、飾り第1図柄Aの−1図柄(「1」)は、飾り第1図柄Aの「2」が仮停止するタイミングの所定時間前に非表示になる(消去される)。例えば、所定時間は、飾り第1図柄Aの「2」が表示画面上部の位置(図63の(し)の位置)から仮停止位置(図63の(す)の位置)に移動する時間よりも短い時間である。また、同様に、飾り特別図柄Aの一つ後の図柄(+1図柄)を、飾り第1図柄Aが仮停止する直前に非表示にする(最初から表示しないか、表示された場合には消去する)。
なお、飾り第1図柄Aの−1図柄は、非表示にする態様に限らず、透明度を変えて飾り第1図柄Aよりも視認し難い(例えば透明度を高くした)状態で表示する態様にすることもできる。また、飾り第1図柄Aの仮停止する直前に視認し難い状態で表示した飾り第1図柄Aの−1図柄は、飾り第1図柄Aの仮停止と同時に、非表示にしてもよい。
仮停止状態の変動表示領域610の飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)は、例えば、所定の図柄のまま緩やかに揺れるように変動する揺れ変動をする停止態様となる。なお、仮停止状態の飾り特別図柄は、揺れ変動をする停止態様に限られず、確定した停止状態として本停止する停止態様以外であれば、他の停止態様でもよい。例えば、全ての飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)が停止する前に、一つ又は二つの飾り特別図柄(例えば飾り第1図柄A、B)が停止する停止態様を、仮停止状態としてもよい。
変動表示領域610の右領域610Bには、飾り第1図柄Bが仮停止する直前の飾り特別図柄として「5」が表示され、右領域610Bの下方の右前領域611Bには、飾り第1図柄Bの−1図柄として「4」が表示されている。中領域610Cにおいては、飾り第1図柄Cが停止せずに通常の変動態様で変動表示(「↓」)を継続している。また、変動表示領域610の中領域610Cでは、通常の変動態様で飾り第1図柄Cの変動表示が継続している。
図63の(せ)は、変動表示領域610の右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止した後、中領域610Cで飾り第1図柄Cが本停止する直前の表示装置41の表示画面である。左領域610Aでは、飾り第1図柄Aの「2」が仮停止状態になっており、右領域610Bでは、飾り第1図柄Bの「5」が仮停止状態になっている。また、右前領域611Bに表示されていた飾り第1図柄Bの−1図柄は、飾り第1図柄Bが仮停止する直前に非表示になる。これにより、保留表示や演出画像が−1図柄に邪魔されず見易くなり、目立つようになる。
即ち、飾り第1図柄Bの−1図柄(「4」)は、飾り第1図柄Bの「5」が仮停止するタイミングの所定時間前に非表示になる(消去される)。例えば、所定時間は、飾り第1図柄Bの「5」が表示画面上部の位置(図63の(す)の位置)から仮停止位置(図63の(せ)の位置)に移動する時間よりも短い時間である。また、飾り第1図柄Bの−1図柄に関する所定時間は、飾り第1図柄Aの−1図柄に関するものと異なってよい。−1図柄(「4」)が、保留表示633や変動中保留表示643と重なるタイミングや表示画面の下端に接したタイミングで非表示になる(消去される)構成なども可能である。
また、同様に、飾り特別図柄Bの一つ後の図柄(+1図柄)を、飾り第1図柄Bが仮停止する直前に非表示にする。
なお、飾り第1図柄Bの−1図柄は、飾り第1図柄Aの−1図柄と同様に、飾り第1図柄Bの仮停止する直前に飾り第1図柄Bよりも視認し難い状態で表示し、飾り第1図柄Bの仮停止と同時に非表示にしてもよい。
中領域610Cには、飾り第1図柄Cが本停止する直前の飾り特別図柄として「4」が表示され、中領域610Cの下方の中前領域611Cには、飾り第1図柄Cの−1図柄として「3」が表示されている。
図63の(そ)は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が、確定した停止状態として本停止するときの表示装置41の表示画面である。中前領域611Cに表示されていた飾り第1図柄Cの−1図柄は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が全て本停止する直前に、非表示になる。これにより、保留表示や演出画像が−1図柄に邪魔されず見易くなり、目立つようになる。
即ち、飾り第1図柄Cの−1図柄(「3」)は、飾り第1図柄Cの「4」が本停止するタイミングの所定時間前に非表示になる(消去される)。例えば、所定時間は、飾り第1図柄Cの「4」が表示画面上部の位置(図63の(せ)の位置)から本停止位置(図63の(そ)の位置)に移動する時間よりも短い時間である。また、本停止の場合の所定時間は、仮停止する場合と異なってよい。なお、−1図柄が、保留表示633や変動中保留表示643と重なるタイミングや、表示画面の下端に接したタイミングで非表示になる(消去される)構成なども可能である。
また、同様に、飾り特別図柄Cの一つ後の図柄(+1図柄)を、飾り第1図柄Cが本停止する直前に非表示にする(最初から表示しないか、表示された場合には消去する)。
なお、飾り第1図柄Cの−1図柄は、飾り第1図柄Cの本停止する直前に飾り第1図柄Cよりも視認し難い状態で表示し、飾り第1図柄Cの本停止と同時に非表示にしてもよい。また、保留消化領域640に表示されている実行中の特図変動表示ゲームに対応する変動中保留表示643は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄の本停止とともに消化されて非表示になる。
図63の(た)は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄の本停止後、次の特図変動表示ゲームが開始されるときの表示装置41の表示画面である。残っている始動記憶のうち最も古い始動記憶に基づいて、次の特図変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが開始されると、保留表示部630における各保留表示633の表示位置が隣りの表示位置に移動(保留シフト)されるとともに、特図2保留数表示部660に表示されている特図2保留数を示す数字が「1」から「0」に切り替わる。なお、特図1保留数表示部650に表示されている特図1保留数を示す数字は「1」のままである。
保留表示部630の端に位置する保留表示633は、保留表示部630から消去され、消去された保留表示633に対応する変動中保留表示643は、保留消化領域640に所定の態様で(台座の上に配置されるように)表示される(保留表示633の保留消化領域640への保留シフト)。このように保留表示633の保留消化領域640への保留シフトが実行されることによって、保留表示部630の端に位置していた保留表示633は、保留表示部630から保留消化領域640へと移動したように見える。そして、保留表示部630には、特図1保留に対応する保留表示633が1個だけ表示される。
次の特図変動表示ゲームが開始されると、変動表示領域610の飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)の一つ前の図柄(−1図柄)とともに飾り特別図柄の一つ後の図柄(+1図柄)が表示され(±1図柄の表示)、変動開始される。飾り特別図柄とその±1図柄は、表示画面内の一方向(例えば上下方向)において、一列に表示される。
飾り特別図柄の+1図柄は、変動表示領域610の上方に設けられる後変動表示領域612に表示される。後変動表示領域612は、飾り第1図柄Aの一つ後の図柄(+1図柄)が表示される左後領域612Aと、飾り第1図柄Bの一つ後の図柄(+1図柄)が表示される右後領域612Bと、飾り第1図柄Cの一つ後の図柄(+1図柄)が表示される中後領域612Cと、から構成される。
図63の(た)に示すように、飾り特別図柄の−1図柄は、変動表示領域610の下方に設けられた前変動表示領域611に表示され、+1図柄は、変動表示領域610の上方に設けられた後変動表示領域612に表示される。
具体的には、左前領域611Aには飾り第1図柄A(「2」)の−1図柄として「1」の一部が表示され、左後領域612Aには+1図柄として「3」の一部が表示される。また、右前領域611Bには飾り第1図柄B(「5」)の−1図柄として「4」の一部が表示され、右後領域612Bには+1図柄として「6」の一部が表示される。中前領域611Cには飾り第1図柄C(「4」)の−1図柄として「3」の一部が表示され、中後領域612Cには+1図柄として「5」の一部が表示される。
なお、実際には図63の(た)に示すように、前変動表示領域611と後変動表示領域612とは、変動されている飾り特別図柄の位置に応じて、その一部が表示装置41の表示画面に表示されることになるが、飾り特別図柄の拡大表示の拡大率(大きさ)を変えて±1図柄が全て表示されるようにしてもよい。
〔保留数が上限に達している場合の画面遷移例〕
図64は、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、通常遊技状態において合計保留数(始動記憶の数、特図保留数)が上限数(例えば8個)に達している場合における遊技全体の画面遷移の一例である。なお、以下の図64から図66Aの説明においては、図63と重複する説明は、適宜省略する。
図64の(ち)は、特図変動表示中の表示装置41の表示画面である。図64の(ち)では、合計保留数が上限まで溜まった状態で、特図1変動表示ゲームが実行されている。したがって、表示画面の左上端の特図1保留数表示部650には特図1保留数を示す数字「4」が表示され、特図2保留数表示部660には特図2保留数を示す数字「4」が表示され、合計で上限の8となっている。また、表示画面の中央下部の保留表示部630には、8個の保留表示633が表示されている。
図64の(つ)は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が、本停止する直前の表示装置41の表示画面である。合計保留数が上限に達している場合においては、変動時間を短縮させるために、短縮変動又は超短縮変動が実行されて、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄の全てが同時に本停止する。したがって、合計保留数が上限に達している場合において、飾り第1図柄A、Bは仮停止しない。
飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄が本停止する直前において、図64の(つ)に示すように、左領域610Aには飾り第1図柄Aとして「2」が変動表示され、左前領域611Aには飾り第1図柄Aの−1図柄として「1」が変動表示されている。右領域610Bには飾り第1図柄Bとして「5」が変動表示され、右前領域611Bには飾り第1図柄Bの−1図柄として「4」が変動表示されている。中領域610Cには飾り第1図柄Cとして「4」が変動表示され、中前領域611Cには飾り第1図柄Cの−1図柄として「3」が変動表示されている。
図64の(て)は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が、本停止するときの表示装置41の表示画面である。前変動表示領域611(左前領域611A、右前領域611B、中前領域611C)に表示されていた飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)の一つ前の各図柄(各−1図柄)は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が全て本停止する直前に、非表示になる。これにより、保留表示や演出画像が各−1図柄に邪魔されず見易くなり、目立つようになる。
即ち、飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)の各−1図柄は、飾り特別図柄が本停止するタイミングよりも所定時間前に非表示になる(消去される)。例えば、所定時間は、飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)が表示画面上部の位置(図64の(つ)の位置)から本停止位置(図64の(て)の位置)に移動する時間よりも短い時間である。
なお、各−1図柄が、保留表示633や変動中保留表示643と重なるタイミングで非表示になる(消去される)構成も可能である。また、各−1図柄が、表示画面の下端に接したタイミングで非表示になる(消去される)構成なども可能である。
また、同様に、飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)の一つ後の各図柄(各+1図柄)を、飾り第1図柄が全て本停止する直前に非表示にする(最初から表示しないか、表示された場合には消去する)。
図64の(と)は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄の本停止後、次の特図変動表示ゲームが開始されるときの表示装置41の表示画面である。次の特図変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが開始されると、保留表示部630における各保留表示633が保留シフトされるとともに、特図2保留数表示部660に表示されている特図2保留数を示す数字が「4」から「3」に切り替わる。なお、特図1保留数表示部650に表示されている特図1保留数を示す数字は「4」のままである。
また、保留表示633の保留消化領域640への保留シフトが実行されて、保留表示部630の端に位置していた保留表示633は、保留表示部630から保留消化領域640へと移動して変動中保留表示643となる。保留表示部630の保留表示633は、8個から7個になる。
次の特図変動表示ゲームが開始されると、合計保留数が上限に達していない場合と同様に、変動表示領域610の飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)の一つ前後の図柄(±1図柄)が表示され、変動開始される。
そして、図64の(な)に示すように、次の特図変動表示ゲームが実行される。図64の(な)は、次の特図変動表示ゲームを実行中の、表示装置41の表示画面である。
なお、合計保留数が上限数に達していても所定の場合には、短縮変動(超短縮変動)を実行せずに、図62や図63に示す通常変動を実行することとしてもよい。例えば、時短状態(普電サポート状態、電サポ状態)になったときの最初の特図変動表示ゲーム(電サポ状態の最初の1回転目)や、時短状態が終了する直前の最後の特図変動表示ゲーム(電サポ状態のラスト1回転目)では、合計保留数が上限数に達している場合でも通常変動を実行することができる。
また、時短状態における変動パターンや変動演出が大きく変化する場合の最初の特図変動表示ゲーム(例えば電サポ回数50回目でモードやステージが変化する場合)や、通常遊技状態における変動パターンや変動演出が大きく変化する場合の最初の特図変動表示ゲーム(例えばモードやステージが変化する場合の最初の1回転目)では、合計保留数が上限数に達している場合でも通常変動を実行することができる。
〔通常状態においてリーチ状態が発生する場合の画面遷移例〕
図65Aは、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、通常遊技状態においてリーチ状態が発生するときの遊技全体の画面遷移の一例である。
図65Aの(に)は、特図変動表示中の表示装置41の表示画面である。図65Aの(に)では、合計保留数が3個溜まった状態で、特図2変動表示ゲームが実行されている。したがって、表示画面の左上端の特図1保留数表示部650には特図1保留数を示す数字「2」が表示され、特図2保留数表示部660には特図2保留数を示す数字「1」が表示され、合計で3となっている。また、表示画面の中央下部の保留表示部630には、3個の保留表示633が表示されている。
図65Aの(ぬ)は、変動表示領域610の左領域610Aで変動表示されている飾り第1図柄Aが仮停止する直前の表示装置41の表示画面である。リーチ状態が発生する場合には、変動表示中において、飾り第1図柄Aが仮停止する直前に飾り第1図柄Aの−1図柄を非表示にしている。変動表示領域610の左領域610Aには、飾り第1図柄Aが仮停止する直前の飾り特別図柄として「2」が表示されている。
なお、飾り第1図柄Aの−1図柄が非表示になる(消去される)タイミングは、リーチ状態が発生する場合(図65A)とリーチ状態が発生しない場合(図63)とで異なる。例えば、図65Aで、例えば、飾り第1図柄Aの−1図柄が非表示になるタイミングは、飾り第1図柄Aの「2」の全体又は一部が表示画面に表示されたタイミングなどでよい。これにより、リーチ状態が発生することを示唆できる。また、同様に、飾り第1図柄Aの+1図柄を、飾り第1図柄Aが仮停止する直前に非表示にする(最初から表示しないか、表示された場合には消去する)。
図65Aの(ね)は、変動表示領域610の左領域610Aで飾り第1図柄Aが仮停止した後、右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止する直前の表示装置41の表示画面である。左領域610Aでは飾り第1図柄Aの「2」が仮停止状態となっており、飾り第1図柄Aの±1図柄(「1」、「3」)は非表示になっている。リーチ状態が発生する場合には、左領域610Aと同様に右領域610Bの変動表示中においても、飾り第1図柄Bが仮停止する直前に飾り第1図柄Bの−1図柄を非表示にしている。変動表示領域610の右領域610Bには、飾り第1図柄Bが仮停止する直前の飾り特別図柄として「2」が表示されている。
なお、飾り第1図柄Bの−1図柄が非表示になる(消去される)タイミングは、リーチ状態が発生する場合(図65A)とリーチ状態が発生しない場合(図63)とで異なる。例えば、図65Aで、飾り第1図柄Bの−1図柄が非表示になるタイミングは、飾り第1図柄Bの「2」の全体又は一部が表示画面に表示されたタイミングなどでよい。これにより、リーチ状態が発生することを示唆できる。また、同様に、飾り第1図柄Bの+1図柄を、飾り第1図柄Bが仮停止する直前に非表示にする(最初から表示しないか、表示された場合には消去する)。
図65Aの(の)は、変動表示領域610の右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止してリーチ状態が発生したときの表示装置41の表示画面である。右領域610Bでは飾り第1図柄Bの「2」が左領域610Aの飾り第1図柄Aと同様に仮停止状態となっており、飾り第1図柄Aの±1図柄(「1」、「3」)は非表示になっている。また、リーチ状態が発生することでリーチ演出が実行され、例えば表示画面には図65Aの(の)に示すようにリーチ演出によって「リーチ」という文字を表示することができる。
図65Aの(は)は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が、本停止したときの表示装置41の表示画面である。中前領域611Cに表示されていた飾り第1図柄C(「3」)の−1図柄は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び変動表示領域615の飾り縮小図柄が全て本停止する直前に、非表示になる。例えば、飾り第1図柄Cの−1図柄が非表示になる(消去される)タイミングは、飾り第1図柄Cの「3」の全体又は一部が表示画面に表示されたタイミングなどでよい。また、同様に、飾り第1図柄Cの+1図柄を、飾り第1図柄Cが本停止する直前に非表示にする(最初から表示しないか、表示された場合には消去する)。
図65Aの(ひ)は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄の本停止後、次の特図変動表示ゲームが開始されるときの表示装置41の表示画面である。次の特図変動表示ゲームとして特図1変動表示ゲームが開始されると、保留表示部630における各保留表示633が保留シフトされるとともに、特図1保留数表示部650に表示されている特図1保留数を示す数字が「2」から「1」に切り替わる。なお、特図2保留数表示部660に表示されている特図2保留数を示す数字は「1」のままである。
また、保留表示633の保留消化領域640への保留シフトが実行されて、保留表示部630の端に位置していた保留表示633は、保留表示部630から保留消化領域640へと移動する。保留表示部630の保留表示633は、3個から2個になる。
次の特図変動表示ゲームが開始されると、変動表示領域610の飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)の一つ前後の図柄(±1図柄)が表示され、変動開始される。飾り特別図柄とその±1図柄は、表示画面内の一方向(例えば上下方向)において、同列に表示される。
〔擬似連続演出が発生する場合の画面遷移例1〕
図65Bは、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、擬似連続演出が発生する場合の遊技全体の画面遷移の一例である。
図65Bの(ぬ’)は、図65Aの(に)から擬似連続演出が発生するときの特図変動表示中の表示装置41の表示画面であり、変動表示領域610の左領域610Aで変動表示されている飾り第1図柄A(「5」)が仮停止するときの表示画面である。
図65Bの(ぬ’)では、左領域610Aで飾り第1図柄Aが仮停止すると、飾り第1図柄Aの−1図柄は非表示になる。他方で、飾り第1図柄Aの+1図柄が本停止図柄(「6」)となる場合には(図65Bの(ふ’)参照)、飾り第1図柄Aの+1図柄(「6」)は非表示にならずに、その一部が表示画面に表示された状態になる。
図65Bの(ね’)は、擬似連続演出が発生するときの変動表示領域610の右領域610Bで変動表示されている飾り第1図柄B(「5」)が仮停止するときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄A(「5」)と飾り第1図柄B(「5」)が同じ図柄で揃って仮停止することになる。右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止すると、左領域610Aの飾り第1図柄Aと同様に、飾り第1図柄Bの−1図柄も非表示になり、飾り第1図柄Bの+1図柄(「6」)の一部は、表示が継続される。飾り第1図柄Bの+1図柄の表示が継続されるのは、+1図柄が本停止図柄(「6」)となるためである(図65Bの(ふ’)参照)。また、中領域610Cの飾り第1図柄Cには擬似連専用図柄(「連」)が変動表示され、飾り第1図柄Cの−1図柄には「3」が変動表示される。
図65Bの(の’)は、擬似連続演出で1回目の単位変動表示が終了し、飾り第1図柄A〜Cが擬似的に停止表示(仮停止表示)されるときの表示装置41の表示画面である。擬似連続演出で飾り第1図柄A〜Cが仮停止表示されるときには、中領域610Cの飾り第1図柄Cは擬似連専用図柄(「連」)を表示した状態で仮停止し、飾り第1図柄Cの±1図柄は非表示になる。なお、変動表示領域615の飾り縮小図柄は、変動表示を継続している。
図65Bの(は’)は、擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されるときの表示装置41の表示画面である。擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されるときには、中領域610Cの上方の中後領域612Cに飾り第1図柄Cの+1図柄(「4」)が再表示される。なお、飾り第1図柄Cに擬似連専用図柄(「連」)が表示されている場合には、飾り第1図柄Cの−1図柄(「3」)の一つ後の図柄として+1図柄(「4」)が、後変動表示領域612の中後領域612Cに表示される。また、前変動表示領域611には、中前領域611Cに−1図柄(「3」)が表示されるが、左前領域611Aや右前領域611Bには−1図柄が表示されない。
図65Bの(ひ’)は、擬似連続演出で単位変動表示が行われているときの表示装置41の表示画面である。単位変動表示が再開されることで、仮停止表示されていた飾り第1図柄A〜Cは、通常の変動表示(「↓↓↓」)となる。なお、擬似連続演出において単位変動表示が再開される際には、始動記憶は消化されない。したがって、保留消化領域640に表示されている特図変動中保留表示643(特図消化中保留表示)は、台座の上に配置された表示のまま維持された状態となっている。
図65Bの(ふ’)は、擬似連続演出で単位変動表示が再開された後、再度、仮停止表示されるときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄A、Bは、擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されたときの(図65Bの(は’)参照)飾り第1図柄A、Bの+1図柄(「6」、「6」)で再度、仮停止される。また、飾り第1図柄Cは擬似連専用図柄(「連」)で再度、仮停止される。その後、擬似連続演出で3回目の単位変動表示が開始され、本停止図柄が確定する。そして、本停止図柄が例えば、「666」で確定した場合には大当りとなり、「626」で確定した場合にはハズレとなる。
なお、3回目以降の単位変動表示で再度、仮停止表示を行うこととしてもよい。この場合には例えば、仮停止表示が行われる毎に図65B(ひ’)、(ふ’)の順に表示画面が繰り返し遷移され、本停止図柄が確定する際に(ふ’)後のように表示画面が遷移される。
なお、擬似連続演出が発生する場合の飾り第1図柄の±1図柄が非表示になるタイミングは、擬似連続演出が発生しない場合(図63、図64、図65A)と異なれば、擬似連続演出が発生することを報知できる。また、同一の飾り第1図柄A、Bが2つ揃うという観点ではリーチ演出と擬似連続演出は共通するため、擬似連続演出が発生する場合の±1図柄が非表示になるタイミングは、図65Aのリーチが発生する場合と同じにしてもよい。
〔擬似連続演出が発生する場合の画面遷移例2〕
図65Cは、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、擬似連続演出が発生する場合の遊技全体の画面遷移の別の一例である。
図65Cの(ぬ’’)は、図65Aの(に)から擬似連続演出が発生するときの特図変動表示中の表示装置41の表示画面であり、変動表示領域610の左領域610Aで変動表示されている飾り第1図柄A(「3」)が仮停止するときの表示画面である。
図65Cの(ぬ’’)では、左領域610Aで飾り第1図柄Aが停止すると、飾り第1図柄Aの−1図柄(「2」)とともに、+1図柄(「4」)も非表示になる。飾り第1図柄Aの+1図柄が本停止図柄(「8」)とならず必要ないためである(図65Cの(ふ’’)参照)。
図65Cの(ね’’)は、擬似連続演出が発生するときの変動表示領域610の右領域610Bで変動表示されている飾り第1図柄B(「3」)が仮停止するときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄A(「3」)と飾り第1図柄B(「3」)が同じ図柄で揃って仮停止することになる。右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止すると、左領域610Aの飾り第1図柄Aと同様に、飾り第1図柄Bの±1図柄も非表示になる。飾り第1図柄Bの+1図柄(「4」)が非表示となるのは、+1図柄が本停止図柄(「8」)と異なるためである(図65Cの(ふ’’)参照)。また、中領域610Cの飾り第1図柄Cには擬似連専用図柄(「連」)が変動表示され、飾り第1図柄Cの−1図柄には「6」が変動表示される。
図65Cの(の’’)は、擬似連続演出で1回目の単位変動表示が終了し、飾り第1図柄A〜Cが擬似的に停止表示(仮停止表示)されたときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄A、Bに「3」「3」が表示され、飾り第1図柄A、Bの+1図柄が非表示となっている点以外は、図65Cの(の’)と同様である。
図65Cの(は’’)は、擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されるときの表示装置41の表示画面である。擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されるときには、中領域610Cの上方の中後領域612Cに飾り第1図柄Cの+1図柄(「7」)が表示され、中領域610Cの下方の中前領域611Cに飾り第1図柄Cの−1図柄(「6」)が再表示される。なお、飾り第1図柄A、Bの±1図柄は、非表示の状態が維持される。
図65Cの(ひ’’)は、擬似連続演出で単位変動表示が行われているときの表示装置41の表示画面である。単位変動表示が再開されることで、図65Bの(ひ’)と同様に仮停止表示されていた飾り第1図柄A〜Cは、通常の変動表示(「↓↓↓」)となる。なお、図65Cの(ぬ’’)から(の’’)において非表示となった、飾り第1図柄A、Bの±1図柄(「2」と「4」)は、左領域610Aと右領域610Bにおける変動表示の図柄配列から除いてよい。即ち、図65Cの(ひ’’)において、遊技者は、表示画面の左右で「2」と「4」が抜けた図柄配列で識別情報が変動されている様子を視認可能であり、「2」と「4」が本停止図柄(「8」)でないことを認識できる。
図65Cの(ふ’’)は、擬似連続演出で単位変動表示が再開された後、再度、仮停止表示されるときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄A、Bは、擬似連続演出で1回目の単位変動表示で仮停止されたときに非表示となった飾り第1図柄A、Bの+1図柄(「4」、「4」)とは異なる図柄(「8」、「8」)で再度、仮停止される。当該異なる図柄は、本停止図柄になる図柄である。
また、飾り第1図柄Cは、擬似連専用図柄(「連」)で再度、仮停止される。その後、擬似連続演出で3回目の単位変動表示が開始され、本停止図柄が確定する。そして、本停止図柄が例えば、「888」で確定した場合には大当りとなり、「838」で確定した場合にははずれとなる。なお、3回目以降の単位変動表示で、仮停止表示が行われる毎に図65C(ひ’’)、(ふ’’)の順に表示画面を遷移させることて、再度、仮停止表示を行うこととしてもよい。
また、擬似連続演出の度に、仮停止する図柄の±1図柄を非表示にして変動表示の図柄配列から除いてもよい。このようにすることによって、擬似連続演出の回数が増える毎に本停止する図柄又はリーチになる図柄が絞られるので、注目する図柄が高速で変動表示されていても分かり易くなり興趣が向上する。また、絞られる図柄が確変図柄であった場合には、更に遊技者の注目を集めやすくなるので、より興趣を向上させることができる。
〔擬似連続演出が発生する場合の画面遷移例3〕
図65Dは、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、擬似連続演出が発生する場合の遊技全体の画面遷移の第2の別の一例である。
図65Dの(ぬ’’’)は、図65Aの(に)から擬似連続演出が発生するときの特図変動表示中の表示装置41の表示画面であり、変動表示領域610の左領域610Aで変動表示されている飾り第1図柄A(「3」)が仮停止するときの表示画面である。飾り第1図柄Aの仮停止とともに、飾り第1図柄Aの±1図柄(「2」、「4」)は非表示(視認困難な状態でもよい)になる。
図65Dの(ね’’’)は、擬似連続演出が発生するときの変動表示領域610の右領域610B及び中領域610Cで変動表示されている、飾り第1図柄B、C(「4」、「4」)が仮停止するときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄B、Cには、同じ図柄(「4」、「4」)が表示され、当該図柄は例えば仮停止している飾り第1図柄A(「3」)の一つ後の図柄である。
飾り第1図柄B、Cは、図65Dの(ね’’’)に示すように、仮停止している飾り第1図柄Aと横一列にならないように行がずれた位置で同時に仮停止される。したがって、飾り第1図柄A〜Cが横一列に有効ライン関係となって並ぶ通常の停止態様と異なるので、遊技者は違和感を覚えて、擬似連続演出が発生することへの期待感を抱くことができる。
なお、飾り第1図柄Aと行がずれた位置で仮停止する飾り第1図柄B、Cは、飾り第1図柄Aと同じ図柄(「3」)や−1図柄(「2」)であってもよい。この場合には、表示画面には、飾り第1図柄A〜Cの「3」がそれぞれ表示されるが、行がずれた位置に「3」が表示されるので、遊技者は飾り第1図柄A〜Cが横一列に有効ライン関係となって並んでいないことを判断でき、大当りではないと認識できる。
図65Dの(の’’’)は、擬似連続演出で1回目の単位変動表示が終了し、飾り第1図柄A〜Cが擬似的に停止表示(仮停止表示)されたときの表示装置41の表示画面である。飾り第1図柄Aに「3」が表示され、飾り第1図柄B、Cに「4」「4」が表示され、飾り第1図柄B、Cの+1図柄が非表示となっている点以外は、図65Dの(ね’’’)と同様である。
図65Dの(は’’’)は、擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されるときの表示装置41の表示画面である。擬似連続演出で2回目の単位変動表示が開始されると、後変動表示領域612の右後領域612Bと中後領域612Cとに飾り第1図柄B、Cの+1図柄(「5」、「5」)がそれぞれ表示される。なお、飾り第1図柄Aの±1図柄は非表示の状態が維持される。その後、図65Cの(ひ’’)に示すように、擬似連続演出の単位変動表示が継続される。
〔その他の演出表示が発生する場合の遊技全体の画面遷移例〕
図66Aは、第2実施形態において、表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図であり、種々の演出表示が発生するときの遊技全体の画面遷移の一例である。
図66Aの(へ)は、特図変動表示中の表示装置41の表示画面である。図66Aの(へ)に示すように、表示装置41の表示画面の中央下部には、変動表示領域610の中領域610C、保留表示部630又は保留消化領域640の少なくともいずれかと重なる位置に、ボタン操作促進表示(操作促進画像)670と、警告表示(警告画像)679と、が表示されている。ボタン操作促進表示(操作促進画像)670は、遊技者に演出ボタン25の操作を促す表示である。警告表示(警告画像)679は、遊技者に何らかの警告をするための表示であり、ここではガラス枠15等の枠に設けられた可動部材に接触しないよう注意する表示である。ボタン操作促進表示670及び警告表示679は、中領域610Cの飾り特別図柄、保留表示部630及び保留消化領域640よりも前面(上層のレイヤー)に配置され優先して表示される。
表示画面の右上隅には、右打ちを指示する発射位置指示表示(発射位置指示文字、右打ち指示報知)691が表示される。表示画面の左下隅には、特別な演出を発生可能な演出モード状態の残り時間を表示する残時間表示(残時間文字)673が表示される。演出モード状態には、例えば、「5分以内にリーチをかける!」等の達成条件を提示するミッションモード、潜伏確変を期待させるモード、保留に対する事前判定に基づく先読み演出モードである。また、表示画面の右下隅には、選択中のBGMを表示するBGM表示674が表示される。
表示画面の左端には、変動表示領域610の左領域610Aと重なる位置に、特定遊技状態が発生していることを示す例えば「RUSH」等の画像からなる特定遊技状態表示(特定遊技状態画像)675が表示される。特定遊技状態表示675は、左領域610Aよりも背面(下層のレイヤー)に配置され優先せずに表示される。
図66Aの(ほ)は、変動表示領域610の左領域610Aで変動表示されている飾り第1図柄A(「2」)が仮停止する直前の表示装置41の表示画面である。図63の(し)に示すように、左領域610Aの飾り第1図柄Aが仮停止する直前において、左前領域611Aの飾り第1図柄Aの−1図柄(「1」)の表示が一部消え、−1図柄の背面に表示される特定遊技状態表示675の画像(「RUSH」)が認識可能となる。なお、左前領域611Aに表示されていた飾り第1図柄Aの−1図柄(「1」)は、飾り第1図柄A(「2」)が仮停止する直前に全て非表示になる。また、飾り第1図柄Aの+1図柄は、後変動表示領域612の左後領域612Aに表示されない。
図66Aの(ま)は、変動表示領域610の左領域610Aで飾り第1図柄A(「2」)が仮停止した後、右領域610Bで飾り第1図柄B(「5」)が仮停止する直前の表示装置41の表示画面である。左領域610Aの飾り第1図柄Aの仮停止と同様に、右領域610Bの飾り第1図柄Bが仮停止する直前において、右前領域611Bの飾り第1図柄Bの−1図柄(「4」)の表示が一部消え、−1図柄と重なる位置に表示されるBGM表示674が認識し易くなる。なお、右前領域611Bに表示されている飾り第1図柄Bの−1図柄(「4」)は、飾り第1図柄B(「5」)が仮停止する直前に全て非表示になる。また、飾り第1図柄Bの+1図柄は、後変動表示領域612の右後領域612Bに表示されない。
図66Aの(み)は、変動表示領域610の右領域610Bで飾り第1図柄Bが仮停止した後、中領域610Cで飾り第1図柄Cが本停止する直前の表示装置41の表示画面である。左領域610Aの飾り第1図柄Aや右領域610Bの飾り第1図柄Bの仮停止と同様に、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄が本停止する直前において、中前領域611Cの飾り第1図柄Cの−1図柄(「3」)の表示が一部消え、−1図柄と重なる位置に表示されるボタン操作促進表示670及び警告表示679が認識し易くなる。左領域610Aでは、飾り第1図柄Aの「2」が仮停止状態になっており、右領域610Bでは、飾り第1図柄Bの「5」が仮停止状態になっている。
図66Aの(む)は、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜C及び表示領域615の飾り縮小図柄が本停止するときの表示装置41の表示画面である。中前領域611Cに表示されていた飾り第1図柄Cの−1図柄は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄が全て本停止する直前に、非表示になる。また、飾り第1図柄Cの+1図柄は、後変動表示領域612の中後領域612Cに表示されない。
図66Aの(め)は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄の本停止後、次の特図変動表示ゲームが開始されるときの表示装置41の表示画面である。次の特図変動表示ゲームとして特図2変動表示ゲームが開始されるとき、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cは、一時的に表示画面の上側に遡るように逆変動表示され(マイナス変動)、前変動表示領域611に各−1図柄の一部が表示される。その後、飾り第1図柄A〜Cは、通常の変動表示となる。なお、変動表示領域615の飾り縮小図柄は、スクロールせずにその場で順に変化する変動態様で通常通りに変動表示される。
以上の第2実施形態の飾り第1図柄A〜Cは、枠と数字部分とで構成されているが、枠と数字部分以外に、キャラクタ部分や枠の装飾部分を追加して1つの図柄を構成してもよい。この場合には、図柄そのものを非表示や視認困難にするのではなく、キャラクタ部分や枠の装飾部分を非表示にしてもよい。また、図柄を縮小してからキャラクタ部分や枠の装飾部分や枠を非表示にして、数字部分だけが見えるようにしてもよい。また、時短状態(普電サポート状態、電サポ状態)は短縮変動(超短縮変動)となるので、キャラクタ部分や枠の装飾部分は表示しないようにしてもよい。
また、第2実施形態において、仮停止した飾り第1図柄A(左大図柄)と飾り第2図柄B(右大図柄)は、飾り第1図柄C(中大図柄)に擬似連図柄や仮停止図柄が表示されるまで注視されなくてよいので、飾り第1図柄Cが見やすくなるように表示装置41の表示画面の外端に移動させたり、縮小させたりしてもよい。
また、第2実施形態において、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄が消える又は表示する余地がなくなるまで、仮停止及び本停止する飾り第1図柄A〜Cを最大限に拡大することによって、±1図柄の一方または両方を非表示にしてもよい。
さらに、第2実施形態において、保留変化予告(先読み予告演出)を契機に、仮停止や本停止する飾り第1図柄A〜Cの±1図柄を非表示又は視認困難にしてもよい。このような態様によれば、図柄と保留表示633とが重なることを抑制できるので、保留変化予告の演出を分かり易く表示することができる。
また、第2実施形態において、飾り第1図柄A〜Cが本停止した後、合計保留数が0となっている場合には、次の特図変動表示ゲームが開始されないので、例えば図63の(そ)に示すように、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄の非表示状態が継続されることになる。しかしながら、遊技が実行されていないことや遊技が出来ることを遊技者が容易に理解できるように、特図変動表示ゲームが実行されていない場合でも、所定の時間の経過又は所定の操作が実行されたことによって、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄を例えば図63の(た)に示すように再表示してもよい。
所定の時間は、例えば、演出制御装置300が客待ちデモコマンドを受信して客待ちデモが実行されるときや、特図変動表示ゲームが終了してから一定の時間が経ったときに、経過したと判断され、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄が再表示される。また、所定の操作は、例えば、特図変動表示ゲームが実行されていない場合に、遊技履歴を確認する画面や音量又は輝度調整を行う画面が表示するためのボタン操作(演出ボタン25の操作)が行われたときに、実行されたと判断され、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄が再表示される。なお、表示されている遊技履歴を確認する画面や音量又は輝度調整を行う画面を消す操作が行われたときに、所定の操作が実行されたと判断されて、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄が再表示されてもよい。
このような態様によれば、特図変動表示が実行されていない場合に、遊技者は、遊技が実行されていないことや遊技が出来ることを容易に理解することができる。
〔変形例〕
以上の第2実施形態の変形例として、以下の構成が採用されてもよい。
第2実施形態においては、変動表示領域610に飾り第1図柄A〜Cが横方向の1行に並ぶように表示されたが、図66Bに示すように、飾り第1図柄A〜Cを横方向の3行に並ぶように表示してもよい。即ち、表示装置41の表示画面に完全に表示されるのは、第2実施形態において飾り第1図柄A〜Cの横方向の1行分だけであったが、変形例においては横方向の3行分である。
図66Bは、第2実施形態の変形例において、複数行で飾り第1図柄が表示される場合の表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図である。なお、以下で述べる以外の構成は、第2実施形態と同様でよい。
図66Bの(や)に示すように、第2実施形態の変形例に係る変動表示領域610は、3×3の領域(左上領域610A1、左中領域610A2、左下領域610A3、右上領域610B1、右中領域610B2、右下領域610B3、中上領域610C1、中中領域610C2、中下領域610C3)に分かれており、それぞれの領域に飾り第1図柄A〜Cが変動表示される。
また、第2実施形態の変形例に係る飾り第1図柄A〜Cの+1図柄は、変動表示領域610の上段の領域(左上領域610A1、右上領域610B1、中上領域610C1)の飾り第1図柄A〜Cより一つ後の図柄となる。同様に、第2実施形態の変形例に係る飾り第1図柄A〜Cの−1図柄は、変動表示領域610の下段の領域(左下領域610A3、右下領域610B3、中下領域610C3)の飾り第1図柄A〜Cより一つ前の図柄となる。
なお、第2実施形態において、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄が変動表示している態様を「↓↓↓」と表示したが、図66Bの(や)に示すように第2実施形態の変形例においては、変動表示領域610が3行3列(3×3)の領域であることが分かるように、変動表示中の飾り第1図柄A〜Cを3×3で表示している。
図66Bの(ゆ)は、飾り第1図柄A〜C及び飾り縮小図柄が本停止したときの表示装置41の表示画面である。第2実施形態の変形例に係る飾り第1図柄A〜Cの±1図柄は、第2実施形態と同様に非表示になる。なお、第1図柄A〜Cの±1図柄を視認困難な態様にしてもよい。
また、第2実施形態の変形例に係る特図変動表示ゲームにおいても、第2実施形態と同様に擬似連続演出を行うことができる。具体的には、第2実施形態の図65B、Cと同様に、擬似連専用図柄(「連」)を用いて擬似連続演出を行ってもよく、第2実施形態の図65Dと同様に、3行の飾り第1図柄Aと横一列にならないように行がずれた位置で3列の飾り第1図柄B、Cをそれぞれ仮停止させることによって擬似連続演出を行ってもよい。また、変形例に係る擬似連続演出においても、第2実施形態と同様に、飾り第1図柄A〜Cの+1図柄(変動表示領域610の上段の領域の飾り第1図柄A〜Cより一つ後の図柄)や、飾り第1図柄A〜Cの−1図柄(変動表示領域610の下段の領域の飾り第1図柄A〜Cより一つ前の図柄)を非表示や視認困難状態にしてもよく、さらに、非表示にした±1図柄を変動表示の図柄配列から除いてもよい。
このような第2実施形態の変形例に係る遊技機10によっても、第2実施形態に係る遊技機10と同様の作用効果を得ることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき、複数の識別情報(飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C)、飾り縮小図柄)をそれぞれ複数列で変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示手段(表示装置41)と、変動表示ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示中の所定の識別情報を停止状態(本停止状態)とさせる停止制御を実行可能であり、停止制御を実行する前に、変動表示中の所定の識別情報と同列に表示され、当該所定の識別情報に対する変動表示方向の前または後に表示される識別情報(−1図柄又は+1図柄)を、当該所定の識別情報よりも視認し難い状態(例えば透明度を高くした状態)で表示、または、非表示にする。
このような遊技機10によれば、本停止時に、保留表示部630の保留表示633や保留消化領域640の特図変動中保留表示が保留シフトされる態様が見易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、特に、図66Aに示すように演出表示等が表示画面中に表示される場合でも、本停止時に、演出表示を目立たせて遊技者の注意を引きつけることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示中の所定の識別情報を停止状態と異なる仮停止状態とさせる仮停止制御を実行可能であり、仮停止制御を実行する前に、変動表示中の所定の識別情報に対する変動表示方向の前または後に表示される識別情報(−1図柄又は+1図柄)を、当該所定の識別情報よりも視認し難い状態で表示、または、非表示にする。そのため、仮停止時に、保留表示部630の保留表示や保留消化領域640で消化中の特図変動中保留表示が見やすくなり、遊技の興趣を向上させることができる。また、特に、図66Aに示すように演出表示等が表示画面中に表示される場合でも、本停止時とともに仮停止時に、演出表示を目立たせて遊技者の注意を引きつけることができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、演出制御手段(演出制御装置300)は、仮停止制御によって仮停止状態とする識別情報と、停止制御によって停止状態とする識別情報と、を一致させ、仮停止制御の実行前に、停止状態とする識別情報に対する変動表示方向の前又は後に表示される識別情報(−1図柄又は+1図柄)を、停止状態とする識別情報よりも視認し難い状態で表示、または、非表示にする。そのため、仮停止時に、仮停止される識別情報の前又は後に表示される識別情報によって他の表示が視認し難くなることを避けることができ、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、このような態様によれば、仮停止時に、遊技者は、仮停止される識別情報を、当該識別情報の前又は後に表示される識別情報よりも、認識し易くなる。そして、仮停止状態とさせる識別情報と、停止状態とさせる識別情報と、が一致することで、仮停止時に認識した識別情報がそのまま本停止される識別情報であると遊技者は判断することができ、遊技の進行が分かり易くなるので、遊技の興趣を向上させることができる。
また、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄が非表示や視認困難状態になることによって、遊技者に本停止や仮停止する図柄を認識しさせ易くすることができる。さらに、±1図柄が非表示や視認困難状態になることによって、遊技者が警告表示679の内容に注視し易くなるので、警告表示679の内容を認識し易くなり、警告に円滑に対応できるようになる。また、遊技機10では、飾り第1図柄A〜Cの±1図柄が保留表示633等の特定の画面表示(演出的な表示画像)に重なることを抑制できるので、装飾性を確保して効果的な演出を実行でき、興趣を向上させることができる。
[第3実施形態]
図67から図72を参照して、第3実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態や第2実施形態と同様でよい。
〔第3実施形態の単発系コマンド処理〕
次に、図67を参照して、上述した受信コマンド解析処理における第3実施形態の単発系コマンド処理(B1212)の詳細について説明する。図67は、演出制御装置300によって実行される単発系コマンド処理の手順を示すフローチャートである。なお、B1301からB1322までの処理は、上述した第1実施形態の処理と同様である(図35参照)。
第3実施形態の演出制御装置300は、全図柄が停止した後に遊技状態フラグを通常状態に設定してから(B1322)、停止中演出設定処理を実行して(B1323)、単発系コマンド処理を終了する。
〔停止中演出設定処理〕
図68を参照して、上述した第3実施形態の単発系コマンド処理における停止中演出設定処理(B1323)の詳細について説明する。図68は、演出制御装置300によって実行される停止中演出設定処理の手順を示すフローチャートである。
演出制御装置300は、まず、停止表示中の大図柄(識別情報、飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C))の非表示タイミングの設定を行い(B2501)、その後、停止表示中の小図柄(識別情報、飾り縮小図柄(飾り第2図柄))の非表示タイミングの設定を行う(B2502)。
次に、演出制御装置300は、表示中の保留表示(保留表示部630の保留表示633、保留消化領域640の特図変動中保留表示643)の非表示タイミングの設定を行う(B2503)。ここで、保留数表示の非表示タイミングの設定も行ってよい。
そして、演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの表示結果が特別結果(大当り)であるか否かを判定する(B2504)。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合には、ファンファーレ背景(ファンファーレ中に使用する背景)の出現する出現タイミング(表示タイミング)の設定を行い(B2505)、その後、ファンファーレ背景の表示態様及び出現態様の設定を行ってから(B2506)、停止中演出設定処理を終了する。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの結果が大当りではない場合には、そのまま停止中演出設定処理を終了する。
〔大当りになった際の表示のタイミングチャート〕
次に、大当りになった際の表示画面の表示態様の変化を図69を参照して説明する。図69は、第3実施形態の表示装置41の表示画面において、大当りになった際の時間経過による表示態様の変化を説明するタイミングチャートである。
図69に示すように、特図変動表示ゲーム中は、飾り第1図柄A〜C(大図柄、飾り特別図柄)、飾り第2図柄(小図柄、飾り縮小図柄)、保留数表示(特図1保留数表示部650又は特図2保留数表示部660の表示)、待機保留表示(保留表示633)、及び特図変動中保留表示643(特図消化中保留表示)が表示装置41の表示画面に表示されている。他方で、ファンファーレ背景680、「大当り」文字681は、表示画面に表示されず非表示になっている。
時刻T1は、図柄停止コマンドが演出制御装置300に受信され(B1319)、実行中の特図変動表示ゲームが変動停止する時刻である。時刻T1で特図変動表示ゲームが変動停止すると、特図変動中保留表示643は非表示になる。その際、例えば、保留消化領域640を示す台座は、表示したままでもよい。特図変動表示ゲームの結果が大当りになることで、以下のように表示画面の表示態様は変化する。なお、この場合には、保留消化領域640を示す台座は、後述する飾り第1図柄A〜Cを非表示とするタイミングや大当り表示開始のタイミングで非表示とするのが望ましい。
時刻T1から時刻T2までの期間は、特図変動表示ゲームの結果を確認可能なゲーム結果確認期間Aである。ゲーム結果確認期間Aでは、遊技者が特図変動表示ゲームの結果を確認できるように、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄には本停止した図柄(識別情報)の表示が維持されている。また、ゲーム結果確認期間Aにおいて、特別遊技状態の発生を示唆する示唆演出が実行され、ファンファーレ背景680が表示され始める。
時刻T2は、特別遊技状態に移行するための特別遊技移行期間Bが開始される時刻である。時刻T2で特別遊技移行期間Bが開始されると、飾り第1図柄A〜C及び待機保留表示は非表示になる。なお、ゲーム結果確認期間Aと特別遊技移行期間Bとからなる期間は、ステップA4703で設定される表示時間(飾り特図変動の待機時間、停止表示時間)や、ステップB1321で設定される表示時間(飾り特図変動の待機時間、停止表示時間)に相当する。なお、ステップA4703で設定される表示時間とステップB1321で設定される表示時間は基本的に同じである。
時刻T3は、ファンファーレコマンドが演出制御装置300に受信され(B2101)、ファンファーレ表示を行うためのファンファーレ表示期間Cが開始される時刻である。ファンファーレ表示期間Cは、特図表示中処理(図23)で設定されるファンファーレ時間に対応する時間である(A4821)。時刻T3では、ファンファーレ表示期間Cが開始されることで、大当りを報知する大当り表示も開始される。大当り表示が開始されると、大当り表示として大当りを報知する「大当り」文字681が表示される。また、飾り第2図柄及び保留数表示が非表示になる。
時刻T4は、ファンファーレ表示期間Cが終了し、特別遊技状態(大当り状態)の大当りラウンドが開始される時刻である。時刻T4では、ファンファーレ背景680及び「大当り」文字681が非表示になる。
なお、本実施形態において、大当り表示の開始を特別遊技状態の開始とみなしてもよいし、大当りラウンドの開始を特別遊技状態の開始とみなしてもよい。
〔大当りになった際の画面遷移例〕
図70は、第3実施形態において、大当りになった際の表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図である。
図70の(ら)は、大当りになる前の特図変動表示ゲーム中の表示装置41の表示画面である。図70の(ら)では、特図変動表示ゲームの実行に伴い、変動表示領域610で
飾り第1図柄A〜Cが、変動表示領域615で飾り第2図柄(小図柄、飾り縮小図柄)が変動表示されている。
図70の(り)は、変動表示する飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄が本停止した後、ゲーム結果確認期間Aの開始直後における表示装置41の表示画面である。変動表示領域610及び変動表示領域615には、特図変動表示ゲームの結果が大当たりであることを示す「777」の停止表示が、飾り第1図柄A〜C又は飾り第2図柄として停止表示されている。したがって、遊技者は、ゲーム結果確認期間A中に特図変動表示ゲームの結果を確認することができる。
図70の(る)は、ゲーム結果確認期間A中に特別遊技状態(大当り状態)の発生を示唆する示唆演出が実行されてファンファーレ背景680が表示され始めるときの表示装置41の表示画面である。ファンファーレ背景680は、「大当り」文字681等と異なり、特別遊技状態が発生したことを間接的に示唆、すなわち特別遊技状態の発生を暗示的に報知する第1報知画像として機能する。第1報知画像は、大当りとなることを遊技者に予期させるような態様(例えば、賑やかな態様)であるが、「大当り」文字681のように大当りとなることを直接示す情報は含まない。ファンファーレ背景680は、変動表示領域610及び変動表示領域615の背面(下層のレイヤー)に表示される。したがって、ファンファーレ背景680によって、飾り第1図柄A〜C及び飾り第2図柄が隠れることはない。
なお、図70の(る)では、ファンファーレ背景680は、表示画面内にスライドされる態様で表示されているが(スライドイン表示)、他の演出態様によって表示してもよい。例えば、ファンファーレ背景680は、表示画面内で一気に全体が表示されてもよく(ポップアップ表示)、表示画面の一部を切り取った態様で表示されてもよい(カットイン表示)。
なお、変動表示領域615の飾り第2図柄を表示画面の左端に表示させて、表示画面の右端からスライドイン表示されるファンファーレ背景680と重なることがないようにしてもよい。このように表示位置を設定することで、変動表示領域615の飾り第2図柄とファンファーレ背景680とを遊技者にとって視認し易い表示にすることができる。また、上記実施形態のように変動表示領域615の飾り第2図柄を表示画面の右端に表示させる場合には、表示画面の左端からファンファーレ背景680をスライドイン表示させてもよい。このような態様によっても、変動表示領域615の飾り第2図柄とファンファーレ背景680とが重なることを回避することができる。
さらに、ファンファーレ背景680は、図70の(る)に示すような態様で表示することによって、待機保留表示(保留表示633)や特図変動中保留表示643と重なることを回避することができる。なお、待機保留表示や特図変動中保留表示643を視認させ易くする態様(例えば単色で塗りつぶした四角枠)でファンファーレ背景680を待機保留表示や特図変動中保留表示643の背面(下層のレイヤー)に表示させ重ねることで、待機保留表示や特図変動中保留表示643を目立たせてもよい。
図70の(れ)は、特別遊技移行期間Bが開始されるときの表示装置41の表示画面である。特別移行期間Bが開始されると、変動表示領域610の飾り第1図柄A〜Cは非表示になる。また、表示画面には、ファンファーレ背景680の全体が表示されており、飾り第1図柄A〜Cが非表示になることで、遊技者はファンファーレ背景680を視認し易くなる。また、待機保留表示(保留表示633)が非表示になる。
図70の(ろ)は、ファンファーレ表示期間Cが開始されるときの表示装置41の表示画面である。ファンファーレ表示期間Cが開始されると、図70の(ろ)に示すようにファンファーレ背景680の前面(上層のレイヤー)には、大当りとなることを直接的に遊技者に報知する「大当り」文字681が表示される。「大当り」文字681は、ファンファーレ背景680と異なり、特別遊技状態が発生したことを直接的に報知、すなわち特別遊技状態の発生を明示的に報知する第2報知画像として機能する。また、変動表示領域615の飾り第2図柄と、特図1保留数表示部650の保留数表示と、特図2保留数表示部660の保留数表示と、保留表示部630の待機保留表示(保留表示633)と、保留消化領域640と、が非表示になる。したがって、遊技者は表示画面に強調表示される「大当り」文字681を注視し易くなる。また、「大当り」文字681が表示されるタイミングで、飾り第2図柄の表示が残っていると、遊技者は遊技状態を誤認する可能性があるが、飾り第2図柄が非表示になるため遊技者は遊技状態を誤認しない。
図70の(わ)は、ファンファーレ表示期間Cが終了して、特別遊技状態(大当り状態)の大当りラウンドが開始されたときの表示装置41の表示画面である。大当りラウンドが開始されると、ファンファーレ背景680と、「大当り」文字681と、は非表示になる。また、表示画面には、右打ちを指示する発射位置指示表示691と、現在のラウンド(「1R」)を示すラウンド表示676と、大当り時の特図変動表示ゲームの停止図柄(「7」)を示す大当り停止図柄表示677と、大当り時に獲得される(付与される)遊技球数(遊技価値)に対応した遊技ポイント678と、が表示される。
〔大当りになった際の表示のタイミングチャートの変形例〕
次に、大当りになった際の表示画面の表示態様の変形例について、図71を参照して説明する。図71は、第3実施形態の変形例の表示装置41の表示画面において、大当りになった際の時間経過による表示態様の変化を説明するタイミングチャートである。なお、以下の図71の説明においては、図69と重複する説明は、適宜省略する。
図71に示すように、第3実施形態の変形例のタイミングチャートでは、特別遊技移行期間Bが開始される時刻T2の代わりに、時刻T2’が採用される。時刻T2’は、特別遊技状態の種別を確認するための特別遊技種別確認期間B’が開始される時刻である。なお、ゲーム結果確認期間Aと特別遊技種別確認期間B’とからなる期間は、ステップA4703で設定される表示時間(飾り特図変動の待機時間、停止表示時間)や、ステップB1321で設定される表示時間(飾り特図変動の待機時間、停止表示時間)に相当する。
時刻T2’で特別遊技種別確認期間B’が開始されると、飾り第1図柄A〜C及び待機保留表示とともに保留数表示が非表示になり、ファンファーレ背景680が表示される。したがって、表示画面には、飾り第2図柄とファンファーレ背景680のみが表示されることになり、遊技者は、飾り第2図柄の停止図柄とともにファンファーレ背景680に注視し易くなる。
〔大当りになった際の画面遷移の変形例〕
図72は、第3実施形態の変形例において、大当りの種類に応じてファンファーレ背景680及び「大当り」文字681が異なる表示態様で表示される表示装置41の表示画面を時系列で示した画面遷移図である。なお、以下の図72の説明においては、図70と重複する説明は、適宜省略する。
図72の(る’)は、特別遊技種別確認期間B’が開始され、図70の(り)から超大当り演出(超大当り表示)が発生するときの表示装置41の表示画面である。超大当り演出が発生するときの特別遊技種別確認期間B’中において、図72の(る’)に示すように、超大当り演出且つ超大当り(確変大当り)の発生を示唆するファンファーレ背景680Aがスライドイン表示される。
超大当り演出は、例えば、大当りラウンド数が大きい場合(例えば16Rの場合)や特別遊技状態の終了後に特別結果(例えば大当り)の発生確率が高い状態(確変状態、確率変動状態)に移行する場合に表示される演出である。したがって、飾り第1図柄A〜Cや飾り第2図柄の停止図柄が、特別遊技状態の終了後に確変状態への移行を示唆する確変大当たり図柄(例えば「777」)である場合に、超大当り演出を発生させることができる。また、飾り第1図柄A〜Cや飾り第2図柄の停止図柄が、特別遊技状態の終了後に確変状態への移行を示唆しない通常大当り図柄(例えば「666」)である場合においても、大当りラウンド数が大きい場合(例えば16Rの場合)や、特別遊技状態中に確変大当りへの昇格演出が発生する場合に、超大当り演出を発生させることができる。
図72の(れ’)は、超大当り演出が発生するときの特別遊技種別確認期間B’中において、ファンファーレ背景680Aがスライドイン表示された後の表示装置41の表示画面である。超大当り演出の発生を示唆するファンファーレ背景680Aは、例えば、その一辺がサインカーブを描く波状になるように表示される。
図72の(ろ’)は、ファンファーレ表示期間Cが開始して超大当り演出が発生するときの表示装置41の表示画面である。ファンファーレ表示期間Cが開始して超大当り演出が発生すると、図72の(ろ’)に示すようにファンファーレ背景680Aの前面(上層のレイヤー)には「超大当り」文字681Aが表示され、変動表示領域615の飾り第2図柄(「777」)は非表示になる。したがって、遊技者は表示画面に強調表示される「超大当り」文字681Aに注視し易くなる。その後、図70の(わ)に示すように、特別遊技状態の大当りラウンドが開始される。
図72の(る’’)は、特別遊技種別確認期間B’が開始され、図70の(り)から大当り演出(大当り表示)が発生するときの表示装置41の表示画面である。大当り演出が発生するときの特別遊技種別確認期間B’中において、図72の(る’’)に示すように、大当り演出且つ大当り(通常大当り)の発生を示唆するファンファーレ背景680Bがスライドイン表示される。
大当り演出は、例えば、大当りラウンド数が小さい場合(例えば5Rの場合)や特別遊技状態の終了後に特別結果(例えば大当り)の発生確率が低い通常遊技状態(通常状態)に移行する場合に表示される演出である。したがって、飾り第1図柄A〜Cや飾り第2図柄の停止図柄が、特別遊技状態の終了後に確変状態への移行を示唆しない通常大当り図柄(例えば「666」)である場合において、特別遊技状態の終了後の確変状態への移行が示唆されない大当り演出を発生させることができる。また、大当りラウンド数が小さい場合(例えば5Rの場合)にも大当り演出を発生させることができる。
図72の(れ’’)は、大当り演出が発生するときの特別遊技種別確認期間B’中において、ファンファーレ背景680Bがスライドイン表示された後の表示装置41の表示画面である。大当り演出の発生を示唆するファンファーレ背景680Bは、例えば、その一角が斜めに切り取られたように表示される。なお、ファンファーレ背景680Bは、超大当り演出の発生を示唆するファンファーレ背景680Aと区別可能な態様で表示されればよく、ファンファーレ背景680Aと異なる形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合で表示することができる。
図72の(ろ’’)は、ファンファーレ表示期間Cが開始して大当り演出が発生するときの表示装置41の表示画面である。ファンファーレ表示期間Cが開始して大当り演出が発生すると、図72の(ろ’’)に示すようにファンファーレ背景680Bの前面(上層のレイヤー)には「大当り」文字681Bが表示され、変動表示領域615の飾り第2図柄(「666」)は非表示になる。したがって、遊技者は表示画面に強調表示される「大当り」文字681Bに注視し易くなる。その後、図70の(わ)に示すように、特別遊技状態の大当りラウンドが開始される。
このように、第3実施形態の変形例のファンファーレ背景680(680A、680B)及び「大当り」文字681(681A、681B)は、発生する大当りの種類(種別)に応じて、表示態様が異なる。例えば、大当りの種類とは、確変大当り/通常大当りであるかやラウンド数に関する種類である。そのため、特別遊技種別確認期間B’中にファンファーレ背景680の種別から発生する大当りの種類(種別)を示唆し、ファンファーレ表示期間C中に「大当り」文字681の種別から発生する大当りの種類(種別)を示唆することによって、特別遊技状態(大当り状態)が開始される前から遊技者に大当りの種類を報知することができる。したがって、遊技者は、飾り第2図柄の停止図柄とともに、ファンファーレ背景680や「大当り」文字681の種別から大当りの種類を識別することができる。また、遊技者は、特別遊技状態が開始される前に、ファンファーレ背景680や「大当り」文字681の種別から大当りの種類を識別できるので、大当り中の演出(大当り昇格演出や大当り終了後に移行するモード移行演出)に対してどのような演出が発生することが期待されるか、事前に予め準備することができる。
なお、以上の第3実施形態において、上記した態様以外にも、飾り第1図柄A〜C、飾り第2図柄、保留数表示、待機保留表示(保留表示633)、又は特図変動中保留表示643等の非表示となるタイミングは、適宜変更してもよい。
例えば、先読み予告(保留変化予告等)による保留変化演出が行われて大当りとなる場合に、待機保留表示(保留表示633)や特図変動中保留表示643の非表示となるタイミング(図69のT1やT2参照)を遅延させて、飾り第2図柄や保留数表示と同じタイミング(図69のT3参照)で非表示にしてもよい。
このように、待機保留表示を飾り第2図柄や保留数表示と同じタイミングで非表示にすることによって、変化した待機保留表示の消化順序の位置や消化される時期を把握する時間を設けることができる。そのため、変化した待機保留表示が、大当り終了後に通常の表示態様に戻されていても、遊技者は、当該待機保留表示を把握可能であり、当該待機保留表示に対応するゲームに対して期待感を持つことができる。
また、保留変化演出によって変化した特図変動中保留表示643を飾り第2図柄や保留数表示と同じタイミングで非表示にすることによって、どのような保留表示態様で大当りとなっているか把握する時間を設けることができる。そのため、次に同じ保留表示態様となったときに、遊技者は当該保留表示態様に良い印象を抱き期待感を持つことができるので、遊技の興趣を向上させることができる。
さらに、以上の第3実施形態において、ファンファーレ背景680や「大当り」文字681は、大当りが所定回数以上連続して発生した場合に、通常の表示態様とは異なる形状、模様若しくは色彩等からなる特殊な表示態様で表示してもよい。例えば、特殊な表示態様として、ファンファーレ背景680の形状や模様を変化させて表示させてもよい。また、特殊な表示態様として、「大当り」文字681の色やフォントを変化(例えば金色で大きく表示)させてもよく、「大当り」文字681とともに「おめでとう」等の文字が付加表示してもよい。
加えて、以上の第3実施形態において、ファンファーレ背景680が表示されるときと、「大当り」文字681が表示されるときと、でスピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)の音の出力態様(音量や周波数等)を変化させてもよい。
例えば、ファンファーレ背景680が表示されるときのスピーカ音量よりも「大当り」文字681が表示されるときのスピーカ音量を大きくすることによって、大当り状態であることを明確に報知可能となる。また、「大当り」文字681が表示されるときのスピーカ音量が大きくなっているので、例えば「大当り」文字681が表示されてから大当りの種類やラウンド数がスピーカの音声によって報知される場合に、遊技者は当該報知を聞きやすくなる。
なお、「大当り」文字681が表示されるときのスピーカ音量よりもファンファーレ背景680が表示されるときのスピーカ音量を大きくすることによって、大当り状態であることが報知される前の演出を強調してもよい。
また、スピーカの音の出力態様の変化は、音量に限らず、遊技機10から報知される所定の音の周波数(音の高さ)を変化させることとしてもよい。ファンファーレ背景680が表示されるに報知される音の周波数よりも、「大当り」文字681が表示されるときに報知される音の周波数を高くすることによって、遊技者に「大当り」文字681の表示やラウンド数の示唆等が始まることをアピールすることができる。
なお、「大当り」文字681が表示されるときに報知される音の周波数よりも、ファンファーレ背景680が表示されるときに報知される音の周波数を大きくすることによって、大当り状態であることが報知される前の演出を強調してもよい。
さらに、「大当り」文字681が表示されるときに報知される音の周波数を所定の周波数以下にしてもよい。このように、「大当り」文字681が表示されるときに報知される音を低音(重低音)にすることによって、遊技機10の通常用いられるスピーカとともに、このスピーカとは異なる位置に設けられるウーハー(低音再生を担当するスピーカ)から報知される音の音質が変化して聞こえてくるので、報知される音を遊技者に意識させ易くすることができる。また、「大当り」文字681が表示されるときに報知される音を低音にすることによって、スピーカやその周辺の空気、遊技機10等を振動させることができるので、これらの振動によって、遊技者に「大当り」文字681の表示やラウンド数の示唆等が始まることをアピールすることができる。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態に係る遊技機10は、始動条件の成立に基づき、識別情報(飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C、大図柄)、飾り縮小図柄(飾り第2図柄A〜C、小図柄))を変動表示させる変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示可能な表示手段(表示装置41)と、変動表示ゲームに関連する演出を実行可能な演出制御手段(演出制御装置300)と、を備える。遊技機10は、変動表示ゲームの表示結果が特別結果(大当り)となった場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態(大当り状態)を発生可能である。表示手段(表示装置41)は、識別情報として、第1識別情報(飾り特別図柄(飾り第1図柄A〜C、大図柄))と、当該第1識別情報とは異なる大きさで表示される第2識別情報(飾り縮小図柄(飾り第2図柄A〜C、小図柄))と、を表示可能である。演出制御手段(演出制御装置300)は、変動表示する第1識別情報および第2識別情報を停止表示して変動表示ゲームの表示結果が特別結果となる場合に、特別遊技状態の発生を示唆する示唆演出を実行し、示唆演出の実行中において、停止表示した第1識別情報を非表示にする一方で、停止表示した第2識別情報の表示を維持する。
このような遊技機10によれば、特別遊技状態の発生を示唆する示唆演出によって、遊技者に特別遊技状態発生への準備をさせることができる。例えば、遊技者は、示唆演出が生じると、下皿23の球を抜いたり、獲得した遊技球を入れる箱(いわゆるドル箱)を空のものに交換できる。また、変動表示ゲームの表示結果が特別結果となった後でも、しばらくの間、識別情報が表示され続けるため、遊技者は特図変動表示ゲームの結果を確認できる。
示唆演出中においても、第2識別情報(飾り縮小図柄(飾り第2図柄A〜C、小図柄))の表示が維持されているので、遊技者は、第2識別情報の停止図柄から特図変動表示ゲームの結果を確認できて、遊技の興趣を向上させることができる。また、示唆演出の実行中に、表示画面の飾り第1図柄A〜Cが非表示になるので、遊技者は、特別遊技状態の発生を示唆する画像(ファンファーレ背景680)を視認し易くなり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、示唆演出として、特別遊技状態(大当り状態)の発生を暗示的に報知する第1報知画像(ファンファーレ背景680)と、当該第1報知画像の表示開始後に特別遊技状態の発生を明示的に報知する第2報知画像(「大当り」文字681)と、を表示手段(表示装置41)に表示させる。そのため、遊技者は、第1報知画像で特別遊技状態の発生に対する期待を高めた後、第2報知画像で特別遊技状態が発生したことを確認できるので、遊技の興趣を向上させることができる。また、第1報知画像の表示と第2報知画像の表示の2段階で示唆演出を実行できるため、示唆演出の時間を長くして、遊技者に特別遊技状態発生への準備をさせることができる。
演出制御手段(演出制御装置300)は、第2報知画像(「大当り」文字681)を、特別遊技状態(大当り状態)の種類を識別できる態様(「超大当り」文字681A、「大当り」文字681B)で表示手段(表示装置41)に表示させる。そのため、遊技者は、特別遊技状態が開始される前に、第2報知画像の種別から大当りの種類を識別できるので、大当り中の演出に対してどのような演出が発生することが期待されるか、事前に予め準備することができ、遊技の興趣を向上させることができる。
[第4実施形態]
図73から図80を参照して、第4実施形態について説明する。なお、以下で述べる以外の構成は、第1実施形態から第3実施形態までの実施形態と同様でよい。
〔第4実施形態の演出制御装置〕
図73は、第4実施形態の遊技機10を構成する演出制御装置300とこれに接続する基板等を表すブロック図である。図73に示すように、本実施形態の遊技機10は、電源装置400、遊技制御装置100(遊技制御手段、不図示)、演出制御装置300(演出制御手段)を備え、演出制御装置300に盤面中継基板915、枠中継基板916、冷却ファン45、LVDS基板918、ROM基板920等がハーネス及びコネクタ(CN)を介して接続された形をとっている。
演出制御装置300は、電源装置400に接続され、直流電源(32V、15V、12V、5V)、停電監視信号(5V)、リセット信号(5V)が入力される。また演出制御装置300には、解析ポート955等が接続できるようになっている。
演出制御装置300には、電圧生成部800(電圧生成手段)が設けられている。電圧生成部800は、電源装置400からの直流電源(5V)から、1.05V、1.5V、3.3Vの出力電圧を生成する。電圧生成部800の詳細については後述する。
盤面中継基板915は、盤面モータドライバ44a(盤演出装置44の一部)、盤面モータセンサ47a(演出役物スイッチ47)、盤面装飾LEDドライバ46a(盤装飾装置46の一部)との間で信号を送受信するための中継基板である。また、盤面中継基板915には、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(32V,15V,12V,5V)が供給される。
枠中継基板916は、枠モータドライバ44b(枠演出装置の一部)、演出ボタンスイッチ25a、枠モータセンサ47b、第1枠スピーカ(上スピーカ19a)、第2枠スピーカ(下スピーカ19b)、枠装飾LEDドライバ(枠装飾装置18の一部)との間で信号を送受信するための中継基板である。また、枠中継基板916には、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(12V,5V)が供給される。
冷却FAN45は、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(12V)が供給されることで動作する。
LVDS基板918は、演出制御装置300と、表示装置41とを中継する中継基板である。LVDS基板918には、演出制御装置300を介して電源装置400から直流電源(32V,12V,5V)が供給される。またLVDS基板918には、電圧生成部800から直流電源(3.3V)が供給され、当該直流電源を表示装置41に出力する。
LVDS基板918には、電源生成回路919を設けることができる。電源生成回路919は、電源装置400から供給された直流電源(32V)を直流電源(12V)に変換して表示装置41(LEDバックライト917)に出力する。これにより、接続する表示装置41の規格に応じて電源生成回路919を設計することができ、表示装置41を交換する場合でも、LVDS基板918を取り替えるだけで演出制御装置300の改造を行う必要がないので、その分、表示装置41の交換を容易に行うことができる。
ROM基板920は、画像ROM325を備え、画像ROM325に記憶された画像情報をVDP312(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力するものである。ROM基板920には、電圧生成部800から直流電源(3.3V)が供給される。
演出制御装置300には、第1VDP−RAM923(記憶手段)及び第2VDP−RAM924(記憶手段)が設けられている。第1VDP−RAM923及び第2VDP−RAM924は、VDP312でデコードされた画像情報(動画、静止画)を一時的に格納する記憶媒体であり、電圧生成部800から直流電源(1.5V)が供給されることで動作する。
演出制御装置300を構成するVDP312(汎用ポート942)は、外部との信号の送受信を3.3Vの信号により行う。しかし、VDP312を構成する内蔵ホストCPU(CPU311、画像処理手段、VDPコア、演算処理手段)は、1.05Vで動作し、第1VDP−RAM923(記憶手段)及び第2VDP−RAM924(記憶手段)に接続するDRAMI/F940は1.5Vで動作する。よって、VDP312は、電圧生成部800から直流電源(1.05V、1.5V、3.3V)が供給されることで動作する。
VDP312の入力側として、演出制御装置300には、電源装置400(停電監視信号、リセット信号)の信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路921、遊技制御装置100(演出コマンド)の信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路922、盤面モータセンサ47aからの信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路926、演出ボタンスイッチ25a及び枠モータセンサ47bからの信号のレベル変換(5.0V→3.3V)を行うレベル変換回路929が設けられている。
また、VDP312の出力側として、演出制御装置300には、盤面中継基板915(盤面モータドライバ44a、盤面モータセンサ47a)に送信する信号のレベル変換(3.3V→5.0V)を行うレベル変換回路925、枠中継基板916(枠モータドライバ44b、演出ボタンスイッチ25a、枠モータセンサ47b)に送信する信号のレベル変換(3.3V→5.0V)を行うレベル変換回路928、LVDS基板918を介して表示装置41(LEDバックライト917)に送信する信号のレベル変換(3.3V→5.0V)を行うレベル変換回路934が設けられている。
さらに、VDP312の双方向通信用として、演出制御装置300には、盤面装飾LEDドライバ46aとI2C通信方式により双方向で送信する信号のレベルシフト(3.3V⇔5.0V)を行うレベルシフト回路927と、枠装飾LEDドライバ(装飾装置18a)とI2C通信方式により双方向で送信する信号のレベルシフト(3.3V⇔5.0V)を行うレベルシフト回路932が設けられている。
演出制御装置300には、電源装置400からの直流電源(15V)が供給され、VDP312から出力される音声データを増幅するアンプ回路337(第1アンプ回路930、第2アンプ回路931)が設けられている。第1アンプ回路930は、第1枠スピーカ(上スピーカ19a)に増幅後の音声データを出力し、第2アンプ回路931は、第2枠スピーカ(下スピーカ19b)に増幅後の音声データを出力する。
演出制御装置300には、VDP312から出力されるLVDS信号を安定化させる保護回路933が設けられ、保護回路933は、LVDS基板918を介して表示装置41にLVDS信号(3.3V)を出力する。
なお、演出制御装置300には、VDP312の動作を監視するウォッチドッグタイマ回路324、VDP312が実行するプログラムや各種データを格納したPROM321、停電時に電力が供給されなくとも記憶内容を保持可能なFeRAM323、音量調節スイッチ335等が設けられている。また、LVDS基板918には、レベルシフト回路932の高電圧(5V)側に接続されたリアルタイムクロック回路338が設けられている。
VDP312は、遊技制御装置100から送信された演出コマンドを解析するCPU311(内蔵ホストCPU)、CPU311の作業領域を提供するRAM322(内蔵CPUワークメモリ)、CPU311とVDP312内のデータの送受信を行うCPUI/F937、PROM321内のデータをCPU311に送信するとともにCPU311が演出コマンドを解析して得られる各種コマンド(ディスプレイリスト、モータコマンド、ランプコマンド、サウンドコマンド)を出力するHOSTCPUI/F938、VDP312の初期設定を行うシステム制御レジスタ939を有する。
VDP312は、外部と信号を送受信する汎用ポート942、画像ROM325から画像情報を読み取るCGバスI/F941、第1VDP−RAM923及び第2VDP−RAM924との間で画像情報(動画、静止画)の送受信を行うDRAMI/F940を有する。
VDP312は、モータコマンドに基づいてモータ制御データを出力し、ランプコマンドに基づいてLED制御データを出力するコントローラ943を有する。コントローラ943は、モータコマンドに基づいてモータ制御データを生成し、これを盤面モータドライバ44a、盤面モータセンサ47a、枠モータドライバ44b、枠モータセンサ47bに互いに識別できる形で出力する。
また、コントローラ943は、ランプデコーダ944に基づいてランプコマンドをデコードしてLED制御データを生成し、これを盤面装飾LEDドライバ46a、枠装飾LEDドライバ18a(枠装飾装置18の一部)に互いに識別できる形で出力する。
VDP312は、サウンドコマンドに基づいて音声データを出力する音ROM327を有する。音ROM327は、サウンドコマンドに基づいて自身が記憶している音声データを選択するとともに、音源LSI314(サウンドデコーダ)に基づいて音声データをデコードし、ポストエフェクタ945及び音量調節スイッチ335による音質調整を介して第1枠スピーカ(上スピーカ19a)及び第2枠スピーカ(下スピーカ19b)に出力する。
VDP312は、ディスプレイリストに基づいて画像処理を行う画像処理回路を備えている。画像処理回路は、ディスプレイリストに基づいて画像ROM325またはVRAM326(記憶手段)から画像情報を読み出すプリローダ回路946と、読み出した画像情報をVRAM326(または、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)にデコードするグラフィックスデコーダ947と、VRAM326(または、第2VDP−RAM924)上のフレームバッファに画像情報を描画する描画回路948と、当該画像情報の座標設定を行うジオメトリエンジン949と、VRAM326(または、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)において記憶領域を割り当てるインデックステーブル回路950と、VRAM326(または、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)に記憶されたフレームバッファデータ等を表示出力する表示回路951(表示A、表示B、表示C)と、フレームバッファデータ等を出力選択回路952を介してLVDS方式等で表示装置41に出力する信号変換回路313と、その他画像処理回路内のデータの送受信を行うデータ転送回路953と、を有し、これらがバス954を通じて相互にデータの送受信を行っている。
VDP312は、アドレスバス935、データバス936を有している。アドレスバス935は、HOSTCPUI/F938、システム制御レジスタ939、DRAMI/F940、CGバスI/F941、汎用ポート942、コントローラ943、音ROM327、グラフィックスデコーダ947、データ転送回路953、プリローダ回路946、表示回路951、描画回路948の間でアドレスの送受信を行っている。データバス936は、HOSTCPUI/F938、DRAMI/F940、VRAM326、CGバスI/F941、コントローラ943、音ROM327、グラフィックスデコーダ947、データ転送回路953、プリローダ回路946、表示回路951、描画回路948の間でデータの送受信を行っている。
本実施形態では、第1VDP−RAM923及び第2VDP−RAM924は、DRAMI/F940に接続する共通のアドレスバス959a及びデータバス959bを有する。第1VDP−RAM923は、データバス959bを介して画像情報(16ビット)の上位8ビットにアクセス可能であり、第2VDP−RAM924は、データバス959bを介して画像情報の下位8ビットにアクセス可能な構成となっている。
ここで、画像情報(16ビット)は、一つのアドレスに動画(上位8ビット)のデータと静止画(下位8ビット)のデータが関連付けられる。よって、動画のデータが第1VDP−RAM923に記憶され、静止画のデータが第2VDP−RAM924に記憶される。
これにより、表示回路951が読み出し用に一つのアドレスを指定すると、第1VDP−RAM923に記憶された動画のデータと、第2VDP−RAM924に記憶された静止画のデータと、を同時に読み出すことができるので、表示装置41への画像情報(動画のデータ、静止画のデータ)の転送速度を向上させることができる。
〔電圧生成部〕
図74は、演出制御装置300を構成する電圧生成部800における複数の電圧生成回路の接続形態を示すブロック図である。図74に示すように、電圧生成部800は、コア電圧生成回路801(第1電圧生成回路)、第1周辺電圧生成回路802(第2電圧生成回路)、第2周辺電圧生成回路803(第3電圧生成回路)により構成されている。コア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803は、後述の電圧生成回路900(図76、図77)と同様の構成を有している。
コア電圧生成回路801は、電源装置400からの直流電源(VIN=5V)が入力されることで、VDP312内のCPU311(VDPコア、内蔵ホストCPU)を駆動させる第1出力電圧(目標電圧:V1=1.05V)を生成してCPU311に出力するものである。また、コア電圧生成回路801は、第1出力電圧が目標電圧(V1)を中心とした所定電圧範囲(例えば目標電圧±10%)の電圧を維持している場合にHIGHとなるPGD信号(パワーグッド信号)を出力し、当該所定電圧範囲外の場合にLOWとなるPGD信号を出力するPGD端子を備えている。
第1周辺電圧生成回路802は、電源装置400からの直流電源(VIN)が入力されることで、第2出力電圧(目標電圧:V2=1.5V)を生成し、これをVDP312のDRAMI/F940、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924等に出力するものである。ただし、第1周辺電圧生成回路802にはEN端子(イネーブル端子)があり、EN端子にコア電圧生成回路801からPGD信号(HIGH)(第1動作許可信号、イネーブル信号VEN)が入力されている間、後述の基準電圧VREFを生成することによって第2出力電圧が生成でき、PGD信号がLOWとなると、ただちに第2出力電圧の生成を停止する。
第2周辺電圧生成回路803は、電源装置400からの直流電源(VIN)が入力されることで、第3出力電圧(目標電圧:V3=3.3V)を生成し、これをVDP312のI/O(汎用ポート942等)、ROM基板920の画像ROM325、表示装置41(LCDパネル)等に出力するものである。第2周辺電圧生成回路803にもEN端子があり、EN端子にコア電圧生成回路801からPGD信号(HIGH)(第1動作許可信号、イネーブル信号VEN)が入力されている間、後述の基準電圧VREFを生成することによって第3出力電圧が生成でき、PGD信号がLOWとなると、ただちに第3出力電圧の生成を停止する。
〔電圧生成部の変形例〕
図75は、演出制御装置300を構成する電圧生成部800における複数の電圧生成回路の接続形態の変形例を示すブロック図である。図75に示す電圧生成部800において、第1周辺電圧生成回路802は、第2出力電圧が目標電圧(V2)を中心とした所定電圧範囲(例えば目標電圧±10%)の電圧を維持している場合にPGD信号(HIGH)(第2動作許可信号)を出力し、当該所定電圧範囲外の電圧となるとPGD信号(LOW)を出力するPGD端子を備えている。そして、コア電圧生成回路801のPGD端子が第1周辺電圧生成回路802のEN端子に接続され、第1周辺電圧生成回路802のPGD端子が第2周辺電圧生成回路803のEN端子に接続されている。即ち、コア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803は、PGD信号に関して、数珠つなぎ状に接続されている。
よって、コア電圧生成回路801がPGD信号(HIGH)(第1動作許可信号)を出力している間は、第1周辺電圧生成回路802が第2出力電圧を生成可能となり、第1周辺電圧生成回路802がPGD信号(HIGH)(第2動作許可信号)を生成している間、第2周辺電圧生成回路803は第3出力電圧を生成可能となっている。
一方、コア電圧生成回路801がPGD信号(LOW)を出力すると第1周辺電圧生成回路802において第2出力電圧の生成が禁止されるので第1周辺電圧生成回路802がPGD信号(LOW)を出力し、第2周辺電圧生成回路803において第3出力電圧の生成が禁止される。
また、コア電圧生成回路801がPGD信号(HIGH)を出力していても、第1周辺電圧生成回路802の第2出力電圧が例えば上記所定電圧範囲よりも低くなると、第1周辺電圧生成回路802がPGD信号(LOW)を出力するので、第2周辺電圧生成回路803において第3出力電圧の生成が禁止される。
本実施形態では、図74の場合には、第1出力電圧の目標値(1.05V)が、第2出力電圧の目標値(1.5V)及び第3出力電圧の目標値(3.3V)よりも低く設計されているため、演出制御装置300全体或はVDP312全体の立ち上がりを早くすることができる。また、図75の場合には、第1出力電圧の目標値(1.05V)が第2出力電圧の目標値(1.5V)よりも低く設計され、且つ、第2出力電圧の目標値(1.5V)が第3出力電圧の目標値(3.3V)よりも低く設計されているため、演出制御装置300全体或はVDP312全体の立ち上がりを早くすることができる。
本実施形態では、図73に示すように、VDP312内に、音ROM327、音源LSI314が組み込まれている。しかし、これらがVDP312から分離している場合には、例えば第2周辺電圧生成回路803が音ROM327及び音源LSI314に直流電源を供給すればよい。
また、本実施形態では、出力電圧VOUTとしての第1出力電圧の大きさを監視して第1出力電圧が所定電圧範囲外になると、コア電圧生成回路801が出力するPGD信号により、第1周辺電圧生成回路802の第2出力電圧の生成、及び第2周辺電圧生成回路803の第3出力電圧の生成の許可・禁止の判断を行う構成としている。しかし、入力電圧VINの大きさと、出力電圧VOUTとの関係をマッピングし、入力電圧VINの大きさを監視して、入力電圧VINがCPU311を動作可能とする範囲外の出力電圧を生成する値になったときに、第1周辺電圧生成回路802のEN端子、及び第2周辺電圧生成回路803のEN端子にLOWの信号を出力して第1周辺電圧生成回路802の第2出力電圧の生成、第2周辺電圧生成回路803の第3出力電圧の生成を禁止する構成としてもよい。
〔電圧生成回路〕
図76は、コア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803の一例として、電圧生成回路900とその周辺素子との接続形態を表すブロック図である。電圧生成回路900は、一つのチップに複数個の外部端子が配置された形態を有している。外部端子としては、電源装置400からの入力電圧VINが入力されるPVIN端子、内部回路(制御回路901等、図77参照)に制御用の電源を供給するAVIN端子、低負荷時に効率化機能を有効にするか否かの設定を行うMODE端子、出力電圧の生成を許容・禁止するEN端子、後述のソフトスタートの時間設定を行うためのSS端子、位相補償回路が接続されるITH端子、電圧生成回路900の出力側のグラウンドとなるPGND端子、内部回路用のグラウンドとなるAGND端子、フィードバック電圧VFBが入力されるFB端子、電圧生成回路900の出力側となるSW端子、電圧調整用のBOOT端子、電圧生成回路900の出力が良好であることを示すパワーグッド信号を出力するPGD端子を有する。
SW端子(スイッチ端子)には、インダクタLとキャパシタC0を直列に接続した平滑回路が接続され、インダクタLがSW端子に接続している。またインダクタLとキャパシタC0との間の接点N1には電圧生成回路900の出力となるVOUT端子が接続されている。キャパシタC0は、一端が接点N1に接続され、他端が接地している。
また、接点N1には、抵抗R1と抵抗R2を直列に接続した分圧回路が接続され、抵抗R1が接点N1に接続されている。抵抗R2は一端がR1に接続され他端が接地している。そして、抵抗R1と抵抗R2との間にある接点N3は、FB端子(フィードバック端子)に接続されている。
PVIN端子には、リップル低減用のキャパシタC1(及びキャパシタC5)の一端が接続され、キャパシタC1の他端は接地している。
AVIN端子には、リップル低減用のキャパシタC5の一端が接続され、キャパシタC5の他端は接地している。またMODE端子はAVIN端子に接続されている。
MODE端子は、電圧生成回路900の出力の低負荷時において後述の制御回路901の効率化機能を有効にするか否かの設定を行う端子となっており、MODE端子に対する印加電圧を例えば0.8V以上にする(入力電圧VINを入力する)と効率化機能が有効となり、MODE端子に対する印加電圧を例えば0.2V以下にする(接地する)と効率化機能が無効となり固定周波数による後述のPWM制御を実行する。また、上記設定に関わらず高負荷時にはPWM制御を実行する。
EN端子(イネーブル端子)は、コア電圧生成回路801では入力電圧VIN(自身のAVIN端子)に接続され、第1周辺電圧生成回路802では、コア電圧生成回路801のPGD端子に接続され、第2周辺電圧生成回路803では、コア電圧生成回路801又は第1周辺電圧生成回路802のPGD端子に接続されている(図74、図75参照)。
SS端子には、キャパシタC4の一端が接続され、キャパシタC4の他端は接地している。
ITH端子には、抵抗R3とキャパシタC3とを直列に接続した位相補償回路が接続され、抵抗R3がITH端子に接続されている。キャパシタC3は、一端が抵抗R3に接続され他端が接地している。
PGD端子には、抵抗R4(プルアップ抵抗)の一端が接続され、抵抗R4の他端はPVIN端子(入力電圧VIN)に接続されている。
BOOT端子には、キャパシタC2の一端が接続され、キャパシタC2の他端はSW端子とインダクタLの間の接点N2に接続されている。
〔電圧生成回路の内部ブロック図〕
図77は、電圧生成回路900の内部ブロック図である。電圧生成回路900は、制御回路901、第1トランジスタQ1、第2トランジスタQ2、基準電圧発生回路904、ソフトスタート回路905、エラーアンプ907、発振回路908、PWMコンパレータ909等から構成される。
第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2は、共にNMOSトランジスタ(Nチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)としているが、第1トランジスタQ1をPMOSトランジスタ(Pチャネル金属酸化物半導体電界効果トランジスタ)としてもよい。
第1トランジスタQ1のドレイン端子はPVIN端子に接続され、ソース端子は、接点N4を介してSW端子及び第2トランジスタQ2のドレイン端子に接続され、ゲート端子は第1バッファ902に接続されている。
第2トランジスタQ2のドレイン端子は、接点N4を介して第1トランジスタQ1のソース端子及びSW端子に接続され、ソース端子はPGND端子に接続され、ゲート端子は第2バッファ903に接続されている。
電圧生成回路900には、ダイオードDbとキャパシタC2と直列に接続したブートストラップ回路が設けられている。電圧生成回路900において、ダイオードDbのアノードがPVIN端子に接続され、ダイオードDbのカソードがBOOT端子を介してキャパシタC2の一方に接続されており、前記のようにキャパシタC2の他方はSW端子に接続されている。よって、第1トランジスタQ1のドレイン端子とソース端子の間は、ダイオードDbにおける降下電圧とキャパシタC2に対する印加電圧とを合わせた電圧が常に印加され、また第1バッファ902はキャパシタC2に対する印加電圧と同じ電圧が印加される。よって、第1トランジスタQ1としてNMOSトランジスタを適用したとしても、上記ブートストラップ回路により第1トランジスタQ1を確実にオンさせることができる。
制御回路901は、周波数が固定のパルス幅変調(PWM:Pulse Wudth Modulation)制御、または効率化機能に基づくパルス制御により、第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2を交互にオンオフするように、第1トランジスタQ1のオン信号S1(HIGH、LOW)と第2トランジスタQ2のオン信号S2(LOW,HIGH)を出力する。ただし、第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2が同時にオンとなって貫通電流が発生しないように、第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2のオンオフ状態が逆転するように制御する。また、このとき、一方がオフになってデッドタイム経過後に他方がオンとなるように制御してもよい。
ここで、効率化機能とは、出力電圧VOUTが所定の閾値電圧にまで下がっている場合に第1トランジスタQ1及び第2トランジスタQ2のオンオフ制御を行って出力電圧VOUTを回復させ、また出力電圧VOUTが所定の閾値電圧より高い状態を維持している場合には、発振回路908からのクロック信号VCLKを間引くことで制御回路901の出力を省略して(ひいては第1トランジスタQ1と第2トランジスタQ2のオンオフを間引いて)、電圧生成回路900の効率を向上させる(電力消費を低減させる)機能である。
よって、効率化機能に基づくパルス制御は、出力電圧VOUTに接続される負荷が低負荷の場合、すなわち出力電圧VOUTの電圧降下の速度が低い場合に有効な制御となっている。
電圧生成回路900では、通常のPWM変調制御と前記パルス制御のいずれかを選択できるようになっている。例えば、MODE端子に入力電圧VINを入力すると前記パルス制御を選択することができ、MODE端子を接地するとPWM変調制御を選択することができる。しかし、出力電圧VOUTに接続される負荷が高負荷の場合には、出力電圧VOUTをの電圧降下の速度が速くなりクロック信号VCLKを間引く頻度が低下して実質的にPWM変調制御と相違ない状態となる。このため、高負荷の場合、電圧生成回路900は、前記パルス制御が選択されたとしても、PWM変調制御により出力電圧VOUTを生成する。
基準電圧発生回路904は、EN端子に接続され、イネーブル信号VEN(PGD信号(HIGH)、または入力電圧VIN)が入力されると基準電圧VREFを生成するが、イネーブル信号VENが遮断されると(PGD信号(LOW)が入力されると)基準電圧VREFの生成を停止する。
定常状態において、出力電圧VOUTと基準電圧VREF(=VFB)は、VOUT=((R1+R2)/R2)・VREFの関係がある。よって、第1出力電圧の目標電圧(V1=1.05V)、第2出力電圧の目標電圧(V2=1.5V)、第3出力電圧の目標電圧(V3=3.3V)は、抵抗R1、抵抗R2、基準電圧VREFを調整することにより設定することができる。
ソフトスタート回路905は、例えば、基準電圧発生回路904が基準電圧VREFを発生させるとキャパシタC4に電荷を供給し、キャパシタC4に印加される電圧をソフトスタート電圧VSSとして出力するものである。ソフトスタート電圧VSSはソフトスタート回路905がキャパシタC4に電荷を供給し始めてから所定時間(例えば1ms)経過後にVREFよりも大きな値となる。
パワーグッド回路は、判定回路906と第3トランジスタQ3を有している。判定回路906は、FB端子及び第3トランジスタQ3のゲート端子に接続されている。第3トランジスタQ3のドレイン端子がPGD端子に接続され、ソース端子は接地されている。
判定回路906は、AVIN端子に所定の電圧が印加されると駆動して第3トランジスタQ3にオン信号(HIGH)を出力して、第3トランジスタQ3をオン状態にする。このとき、第3トランジスタQ3には、入力電圧VINに接続された抵抗R4からの電流が流れるため(図76参照)、第3トランジスタQ3のドレイン側に接続されたPGD端子の出力はLOWとなる。一方、判定回路906は、フィードバック電圧VFBが所定電圧範囲内になるとオン信号を停止することで第3トランジスタQ3を非導通とし、PGD端子の出力をHIGHにする。
なお、判定回路906において、上記の所定電圧範囲にはヒステリシス特性を有する場合があり、PGD端子の出力をHIGHに維持する、すなわちオン信号の出力を維持するときの所定電圧範囲(例えば、VFB=VREF±10%以内)と、PGD端子の出力をLOWからHIGHにするとき、すなわちオン信号を復帰させるときの所定電圧範囲(例えば、VFB=VREF±7%以内)は互いに異なることがある。
エラーアンプ907は、第1非反転入力端子が基準電圧発生回路904の出力側に接続され、第2非反転入力端子がソフトスタート回路905の出力側に接続され、反転入力端子がFB端子に接続され、出力端子がPWMコンパレータ909の反転入力端子に接続されている。また出力端子には位相補償回路(抵抗R3、キャパシタC3)が接続され、電圧生成回路900全体の動作を安定させている。
エラーアンプ907は、基準電圧VREF及びソフトスタート電圧VSSのいずれか値が小さい方と、フィードバック電圧VFBとの差分に基づいてエラー信号VERRを生成し、これをPWMコンパレータ909に出力する。
発振回路908は、例えば、複数のインバータ、または差動増幅器をリング状に接続したリングオシレータやCR発信回路、LC発振回路等を適用できる。発振回路908は、例えば、AVIN端子に所定の電圧が印加されると起動し、VREF、VSSに基づいてクロック信号VCLKを生成している。
スロープ信号VSLOPEは、例えば、クロック信号VCLK中のオン信号(HIGHの信号)を時間方向で積分することで、当該発振周波数により時間経過とともに上昇するスロープを繰り返す波形となるものである。発振回路908はクロック信号VCLKをフリップフロップ回路910のセット端子Sに出力し、スロープ信号VSLOPEをPWMコンパレータ909の非反転入力端子に出力する。
PWMコンパレータ909は、反転入力端子がエラーアンプ907の出力端子に接続され、非反転入力端子が発振回路908のスロープ信号VSLOPEの出力端子に接続されている。PWMコンパレータ909は、スロープ信号VSLOPEとエラー信号VERRとの大小関係に基づいてPWM信号VPRMを生成し、これをフリップフロップ回路910のリセット端子Rに出力する。このとき、例えば、VERR≧VSLOPEの場合はPWM信号VPWMをHIGH(高電圧)とし、VERR<VSLOPEの場合はPWM信号VPWMをLOW(低電圧)とすることができる。
フリップフロップ回路910は、制御回路901が必要とするデューティー比の制御信号VQを生成・出力するものである。フリップフロップ回路910のセット端子Sには発振回路908のクロック信号VCLKが入力され、リセット端子RにはPWMコンパレータ909からPWM信号VPWMが入力され、その出力端子Qからは制御信号VQが出力され、これが制御回路901に入力される。制御信号VQは、例えば、第1トランジスタQ1のオン信号S1を生成するためのものであり、クロック信号VCLKがLOWからHIGHになったタイミングでLOWからHIGHとなり、PWM信号VPWMがLOWからHIGHになったタイミングでHIGHからLOWになる。なお、制御回路901において、第2トランジスタQ2のオン信号S2は、制御信号VQ及びクロック信号VCLKに基づき、制御信号VQがHIGHのときにLOWとなり、制御信号VQがLOWのときにHIGHとなるように生成される。
減電圧保護回路911は、AVIN端子に供給される電圧を監視して減電圧異常を監視する。
短絡保護回路912は、例えば、AVIN端子に供給される電圧を電源として動作し、フィードバック電圧VFBを監視して短絡異常を検出する。
温度保護回路913は、例えば、AVIN端子に供給される電圧を電源として動作し、電圧生成回路900の温度を監視して温度異常を検出する。
過電圧保護回路914は、例えば、AVIN端子に供給される電圧を電源として動作し、フィードバック電圧VFBを監視して過電圧異常を検出する。
電圧生成回路900の動作を説明すると、まず、例えばオン信号S2がLOWの状態で、第1トランジスタQ1のオン信号S1がLOWからHIGHに立ち上がると、第1トランジスタQ1がオン(導通)し、第2トランジスタQ2の第2トランジスタQ2がオフ(非導通)であるのでSW端子の電圧であるスイッチ電圧VSWがHIGHとなる。またこのときスロープ電圧VSLOPEが所定の傾きを持って初期値から上昇し始める。
その後、スロープ電圧VSLOPEがエラー信号VERRよりも高くなると、オン信号S1がLOWとなり、オン信号S2がHIGHとなり、これにより、スイッチ電圧VSWがLOWとなる。このとき、スロープ電圧VSLOPE電圧が初期値にリセットされる。
ところで、エラー信号VERRとスロープ電圧VSLOPEとの交差タイミングは、エラー信号VERRが高いほど遅くなる。従って、第1トランジスタQ1のオン期間が長くなり、オン期間のデューティー比が大きくなる。逆に、エラー信号VERRが低いほどスロープ電圧VSLOPEとの交差タイミングが早くなる。従って、第1トランジスタQ1のオン期間が短くなり、オン期間のデューティー比が小さくなる。
上記のように、スイッチ電圧VSWは、HIGHとLOWを繰り返すが、インダクタL及びキャパシタC0による平滑回路を介して電圧変動が所定の範囲に抑えられた出力電圧VOUTが生成される。そして、エラー信号VERRに応じて第1トランジスタQ1のデューティー比を決定することにより、入力電圧VINから所望の出力電圧VOUTが生成される。
ソフトスタート電圧VSSは、イネーブル信号VENの(または、PGD信号(HIGH)、入力電圧VIN)入力後0Vから緩やかに立ち上がり、最終的に基準電圧VREFよりも高い電圧値まで上昇する。また、エラーアンプ907は、基準電圧VREF及びソフトスタート電圧VSSの低い方とフィードバック電圧VFBとの差分に応じてエラー信号VERRを生成する。よって、ソフトスタート電圧VSSが基準電圧VREFよりも低い状態である期間は、フィードバック電圧VFBとソフトスタート電圧VSSとの差分に応じたエラー信号VERRが生成される。
このようにして生成されるエラー信号VERRはソフトスタート電圧VSSの上昇に伴い0V近傍から緩やかに上昇していく。従って、第1トランジスタQ1のデューティー比も最小値から徐々に大きくなっていくので、キャパシタC0やVOUTに接続する負荷への突入電流を防止することができる。
〔電源投入時及び電源遮断時のタイムチャート1〕
図78は、図74の接続形態によるコア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803の出力電圧の電源投入時及び電源遮断時のタイムチャートである。本実施形態のコア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803の出力電圧の電源投入時及び電源遮断時の出力電圧の変化について説明する。
時刻t0において、コア電圧生成回路801は、電源装置400から入力電圧VINが投入されると、ソフトスタート回路905が出力するソフトスタート電圧VSSに基づいて第1出力電圧を生成しこれを上昇させる。一方、第1周辺電圧生成回路802及び第2周辺電圧生成回路803は、それぞれ入力電圧VINが入力されるがEN端子に入力されるPGD信号がLOWの状態であり、第2出力電圧、第3出力電圧の生成が禁止されている。
時刻t1において、第1出力電圧が目標電圧(V1=1.05V)よりも7%低い0.977Vに到達すると、コア電圧生成回路801は、PGD端子からPGD信号(HIGH)を出力する。これにより、第1周辺電圧生成回路802及び第2周辺電圧生成回路803は、それぞれ第2出力電圧、第3出力電圧を同時に生成し始め、ソフトスタート電圧VSSに基づいて所定の速度で(互いに異なる速度でもよい)上昇していく。その後、第1出力電圧は目標電圧(V1=1.05V)に収束し、第2出力電圧は目標電圧(V2=1.5V)に収束し、第3出力電圧は目標電圧(V3=3.3V)に収束し、定常状態となる。
時刻t3において第1出力電圧が低下し始め、時刻t4において第1出力電圧がV1よりも10%低い0.945V未満になると、コア電圧生成回路801は、PDG信号をHIGHからLOWに切替える。これにより、第1周辺電圧生成回路802及び第2周辺電圧生成回路803は、それぞれ第2出力電圧、第3出力電圧の生成が禁止され、第2出力電圧及び第3出力電圧はただちに低下して0Vとなる。このとき第1周辺電圧生成回路802のソフトスタート電圧VSS、及び第2周辺電圧生成回路803のソフトスタート電圧VSSも0Vとなる。第2出力電圧及び第3出力電圧の降下速度は、それぞれ第1周辺電圧生成回路802及び第2周辺電圧生成回路803のキャパシタ成分の大きさに依存する。
その後、第1出力電圧がV1よりも7%低い0.977V以上に回復した場合、コア電圧生成回路801はPDG信号をLOWからHIGHに再び切り替え、第1周辺電圧生成回路802及び第2周辺電圧生成回路803は、前述同様にそれぞれ第2出力電圧、第3出力電圧を生成することができる。
ここで、コア電圧生成回路801(電圧生成回路900)は、第1出力電圧が第1所定電圧範囲ΔVa1(V1±7%:0.9765V≦ΔVa1≦1.1235V)の範囲よりも外部となる電圧から当該範囲内となる電圧になったときにPGD信号(HIGH)を出力する。また、第1出力電圧が第1所定電圧範囲ΔVb1(V1±10%:0.945V≦ΔVb1≦1.155V)の範囲内の電圧から当該範囲の外部となる電圧になったときに、PGD信号(LOW)を出力する。よって、第1出力電圧が1.155Vを超えた場合にもPGD信号(LOW)を出力し、第1周辺電圧生成回路802及び第2周辺電圧生成回路803は、それぞれ第2出力電圧、第3出力電圧の生成が禁止される。
同様に、第1周辺電圧生成回路802(電圧生成回路900)は、第2出力電圧が第2所定電圧範囲ΔVa2(V2±7%:1.395V≦ΔVa2≦1.605V)の範囲よりも外部となる電圧から当該範囲内となる電圧になったときにPGD信号(HIGH)を出力することができる。また、第2出力電圧が第2所定電圧範囲ΔVb2(V2±10%:1.35V≦ΔVb2≦1.65V)の範囲内の電圧から当該範囲の外部となる電圧になったときに、PGD信号(LOW)を出力することができる。
同様に、第2周辺電圧生成回路803(電圧生成回路900)は、第3出力電圧が第3所定電圧範囲ΔVa3(V3±7%:3.069V≦ΔVa3≦3.531V)の範囲よりも外部となる電圧から当該範囲内となる電圧になったときにPGD信号(HIGH)を出力することができる。また、第3出力電圧が第3所定電圧範囲ΔVb3(V3±10%:2.97V≦ΔVb3≦3.63V)の範囲内の電圧から当該範囲の外部となる電圧になったときに、PGD信号(LOW)を出力することができる。
〔電源投入時及び電源遮断時のタイムチャート2〕
図79は、図75の数珠つなぎ状の接続形態によるコア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803の出力電圧の電源投入時及び電源遮断時のタイムチャートである。図79では、コア電圧生成回路801、第1周辺電圧生成回路802、第2周辺電圧生成回路803の出力電圧が電源投入時に順番に上昇する様子と、電源遮断時に順番に降下する様子を示すタイムチャートとなっている。
前述同様に、時刻t0において、コア電圧生成回路801は、電源装置400から入力電圧VINが投入されると、ソフトスタート回路905が出力するソフトスタート電圧VSSに基づいて第1出力電圧を生成しこれを上昇させていくが、第2出力電圧、第3出力電圧の生成は未だ禁止されている。
時刻t1において、第1出力電圧が目標電圧(V1=1.05V)よりも7%低い0.977Vに到達すると、コア電圧生成回路801は、PGD端子からPGD信号(HIGH)を出力する。これにより、第1周辺電圧生成回路802は、第2出力電圧を生成し始め、ソフトスタート電圧VSSに基づいて所定の速度で上昇していく。また、第1出力電圧は目標電圧(V1=1.05V)に収束する。
時刻t2において、第2出力電圧が目標電圧(V2=1.5V)よりも7%低い1.35Vに到達すると、第1周辺電圧生成回路802は、PGD端子からPGD信号(HIGH)を出力する。これにより、第2周辺電圧生成回路803は、第3出力電圧を生成し始め、ソフトスタート電圧VSSに基づいて所定の速度で上昇していく。そして、第2出力電圧は目標電圧(V2=1.5V)に収束し、その後、第3出力電圧も目標電圧(V3=3.3V)に収束し、定常状態となる。
時刻t3において第1出力電圧が低下し始め、時刻t4において第1出力電圧がV1よりも10%低い0.945V未満になると、コア電圧生成回路801は、PDG信号をHIGHからLOWに切替える。これにより、第1周辺電圧生成回路802は、第2出力電圧の生成が禁止され、第2出力電圧はただちに低下して0Vとなる。
時刻t4において第2出力電圧が低下し始め、時刻t5において第2出力電圧がV2よりも10%低い1.35V未満になると、第1周辺電圧生成回路802は、PDG信号をHIGHからLOWに切替える。これにより、第2周辺電圧生成回路803は、第3出力電圧の生成が禁止され、第3出力電圧はただちに低下して0Vとなる。
なお、コア電圧生成回路801が正常に動作していても、第1周辺電圧生成回路802の第2出力電圧が低下した場合に第2周辺電圧生成回路803の第3出力電圧の生成を停止させることで、表示装置41等の周辺回路の誤動作を防止することもできる。
〔演出制御装置及びLVDS基板の筐体〕
図80は、演出制御装置300、及びLVDS基板918の外形を表す図である。図80に示すように、演出制御装置300及びLVDS基板918は、それぞれ別体の筐体内に配置されている。例えば、演出制御装置300を収容する筐体956のうちの一つの角を直方体に切り欠き、当該直方体よりも、幅方向、奥行き方向でやや小さい直方体の筐体957にLVDS基板918を収容する形態を有している。図示は省略するが、筐体956、筐体957の間はハーネス及びコネクタにより接続されている。このように、演出制御装置300が、LVDS基板918から分離しているので、演出制御装置300を収容する筐体956を強固なもので設計することで、演出制御装置300の不正改造等を防止することができる。
また、筐体956と筐体957の間には隙間958があるので、LVDS基板918(電源生成回路919)の生成する熱が、演出制御装置300に伝達することを低減できる。さらに、LVDS基板918を収容する筐体957の表面に多数のスリットを入れて凹凸形状を形成してヒートシンクを形成することが好適である。図79では、筐体957の側面に縦長のフィン960を形成し、筐体957の上面に円形の放熱穴961を形成しているが、逆に取り付けてもよい。以上により、筐体957(LVDS基板918)の表面積を増やすことで放熱量を向上させ、LVDS基板918の熱による劣化を防止できる。
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態によると、遊技機10は、識別情報を変動表示させる変動表示ゲームを実行可能な遊技制御手段(遊技制御装置100)と、前記変動表示ゲームに関連する演出を表示装置41に表示可能な演出制御手段(演出制御装置300)を備える。演出制御手段(演出制御装置300)は、画像情報を記憶する記憶手段(例えば、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924などの記憶回路)と、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの指令に基づいて画像情報を処理する画像処理手段(CPU311、画像処理回路)と、記憶手段と画像処理手段に供給する電圧を生成可能な電圧生成手段(電圧生成部800)と、を備える。電圧生成手段(電圧生成部800)は、画像処理手段に印加する第1出力電圧(目標電圧:V1=1.05V)を生成するとともに第1出力電圧が第1所定電圧範囲(ΔVa1)内になると第1動作許可信号(PGD信号(HIGH))を出力する第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)と、第1動作許可信号が入力されると記憶手段(例えば、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)に印加する第2出力電圧(目標電圧:V2=1.5V)を生成する第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)と、を備え、第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)は、第1出力電圧が第1所定電圧範囲(ΔVb1)外になると第1動作許可信号(PGD信号(HIGH))の出力を停止させることで、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)による第2出力電圧の生成を停止させる。
これにより、演出制御手段(演出制御装置300)を構成する画像処理手段(CPU311)への第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)からの電圧供給が停止(もしくは電圧低下)した場合に、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)の第2出力電圧の生成を停止させることで、記憶手段(例えば、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)の誤動作を防止することができる。例えば、画像処理手段用(CPU311用)の第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)に対する電源供給が停止(もしくは電圧低下)した結果として、第1電圧生成回路から画像処理手段(CPU311)への電圧供給が停止(もしくは電圧低下)した場合に、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)の第2出力電圧の生成を停止させることで、記憶手段(例えば、第1VDP−RAM923、第2VDP−RAM924)の誤動作を防止することができる。
また、第4実施形態によると、第1出力電圧の目標値(1.05V)は、第2出力電圧(1.5V)の目標値よりも低い。これにより、記憶手段と画像処理手段を備える演出制御手段(演出制御装置300)全体の立ち上がりを早くすることができる。
また、第4実施形態によると、演出制御手段(演出制御装置300)は、画像処理手段(CPU311、画像処理回路)に接続された周辺回路(例えば汎用ポート942、ROM基板920、表示装置41)を備え、電圧生成手段(電圧生成部800)は、第1動作許可信号が入力されると周辺回路に印加する第3出力電圧(目標電圧:V3=3.3V)を生成する第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)を備える。第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)は、第1出力電圧が第1所定電圧範囲(ΔVb1)外になると第1動作許可信号(PDG信号(HIGH))の出力を停止させることで、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)による第2出力電圧の生成、及び第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)による第3出力電圧の生成、をそれぞれ停止させる。
これにより、演出制御手段(演出制御装置300)を構成する画像処理手段(CPU311)への第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)からの電圧供給が停止(もしくは電圧低下)した場合に、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)の第2出力電圧の生成、及び第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)の第3出力電圧の生成を停止させることで、記憶手段及び周辺回路の誤動作を防止する。
また、第4実施形態によると、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)は、第2出力電圧が第2所定電圧範囲(ΔVa2)内になると第2動作許可信号(PGD信号(HIGH))を出力し、演出制御手段(演出制御装置300)は、画像処理手段(CPU311、画像処理回路)に接続された周辺回路(例えば汎用ポート942、ROM基板920、表示装置41)を備え、電圧生成手段(電圧生成部800)は、第2動作許可信号が入力されると周辺回路に印加する第3出力電圧(目標電圧:V3=3.3V)を生成する第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)を備える。第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)は、第1出力電圧が第1所定電圧範囲(ΔVb1)外になると第1動作許可信号(PGD信号(HIGH))の出力を停止させることで、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)による第2出力電圧の生成を停止させるとともに、第2出力電圧の生成の停止に伴って第2動作許可信号(PGD信号(HIGH))の出力を停止させることで第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)による第3出力電圧の生成を停止させる。第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)は、第2出力電圧が第2所定電圧範囲(ΔVb2)外になると第2動作許可信号(PGD信号(HIGH))の出力を停止させることで、第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)による第3出力電圧の生成を停止させる。
これにより、演出制御手段(演出制御装置300)を構成する画像処理手段(CPU311)への第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)からの電圧供給が停止(もしくは電圧低下)した場合に、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)の第2出力電圧の生成、及び第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)の第3出力電圧の生成を停止させることで、記憶手段及び周辺回路の誤動作を防止する。また、第1電圧生成回路(コア電圧生成回路801)が正常に動作していても、第2電圧生成回路(第1周辺電圧生成回路802)の第2出力電圧が低下した場合に第3電圧生成回路(第2周辺電圧生成回路803)の第3出力電圧の生成を停止させることで、周辺回路の誤動作を防止することができる。
また、上記構成において、画像情報を記憶する記憶手段を、音声情報を記憶する記憶手段(音ROM327等)に置き換えて、画像情報を処理する画像処理手段を、音声情報を処理する音声処理手段(CPU311)に置き換えても、第4実施形態を適用可能である。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されることなく、その技術的思想の範囲内において種々の変形や変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれることが明白である。例えば、複数の実施形態を組合せることも可能である。また、本発明をスロットマシンに適用することも可能である。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び内容の範囲でのすべての変更が含まれることが意図される。