<第一実施形態>
[ポイント管理システムS1によるサービスの概要]
図1は、特典管理システムの一実施形態のポイント管理システムS1によるサービスの概要について説明するための図である。図2は、ポイント管理システムS1の構成を示す図である。まず、図1及び図2を参照しながらポイント管理システムS1の概要を説明する。なお、本明細書における「ポイント」は、情報、利用スペース、又は物品と交換できる価値を有する特典の一種である。本明細書においては、特典としてポイントを例示するが、特典は、ポイント以外の無形物であってもよい。本明細書における「情報」は、端末とサーバ間で通信可能なデータに変換できるユーザインターフェースから入力される無形物、又はユーザインターフェースに出力される無形物である。「情報」は、例えば文字、音声、画像、動画、データファイル、コンテンツ、アプリケーション、匂い、若しくは動作等、又はこれらのうち二以上の組み合わせ等である。
ポイント管理システムS1は、利用者が、PC(Personal Computer)、タブレット、携帯電話、テレビ、カーナビゲーション、家庭用ゲーム機、又はロボット等の通信可能な端末のユーザインターフェースを用いてネットワーク上のサーバとデータを送受信することにより、利用者間で情報を交換することができるウェブサイト、ウェブアプリケーション、SNS(Social Network Service)、メタバース、ソフトウェア、又はクラウドコンピューティング等により実現されるオンラインマーケット(以下、マーケットプレイスという)を構築し、マーケットプレイスの利用者が相互に影響し合えるようにするためのシステムである。端末のユーザインターフェースは、例えば、ディスプレイ、スピーカ、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチパネル、マイク、カメラ、コントローラ、リモコン、スイッチ、グローブ、スーツ、シューズ、ゴーグル等のさまざまなデータ入出力装置である。
マーケットプレイスには、例えば情報を格納する一以上のサーバが含まれており、情報提供者は情報提供端末1を介してマーケットプレイス上のサーバに情報を格納し、情報利用者は情報利用端末2を介してマーケットプレイス上のサーバから情報を得ることができる。ポイント管理システムS1においては、情報を提供する情報提供者(図1における加盟店)、及び情報を利用する情報利用者(図1における企業会員)が、それぞれ情報提供端末1及び情報利用端末2を使用して、ポイント管理システムS1の運営者が管理するポイント管理サーバ3にアクセスすることにより、情報交換が実現される。
情報提供者は、例えば、運営者に対して金銭を預け入れることにより、マーケットプレイスにおいて情報を提供できるようになる。情報提供者は、例えば、転職を支援するエージェント、法的問題について助言する弁護士・弁理士・会計士等のプロフェッショナル、コンサルタント、並びに不動産業者、結婚相談業者、家政婦紹介業者、及びケアマネージャー等の仲介者等である。情報提供者は、図2に示す情報提供端末1を用いてポイント管理サーバ3に情報を送信することにより、情報利用者が情報利用端末2を用いてアクセス可能な情報を提供することができる。
情報利用者は、情報提供者が提供する情報を自らの事業や行動に活用する個人、個人事業主、法人、又は団体である。情報利用者は、図2に示す情報利用端末2を用いてポイント管理サーバ3にアクセスすることにより、情報提供端末1から提供される情報を取得することができる。
本サービスにおいては、情報提供者によって優良な情報が提供されるために、情報提供者の行動が監視され、情報提供者の行動の内容に応じて各種のインセンティブが提供される。本サービスにおいては、例えば以下のインセンティブが提供される。
(1)情報提供者が、マーケットプレイスで使用可能なポイントを無償で付与されること
(2)情報提供者が提供する情報の内容及び量に基づいて、マーケットプレイスで使用可能なポイントが付与され、所定の評価期間内に情報提供者に付与されたポイントの量に応じて、マーケットプレイスにおいて情報提供者が表示される順位が決定されること
(3)情報提供者が付与されたポイントを情報利用者に譲渡し、リアルマーケットにおいて、ポイントを譲渡した代金を情報利用者から徴収し、収益とすること
(4)情報提供者が提供する情報の内容及び量に基づいて、マーケットプレイスで使用可能なポイントが付与され、所定の評価期間内に情報提供者に付与されたポイントの量に応じて、マーケットプレイスにおいて情報提供者が表示される順位が決定される。そして、決定された順位と、情報利用者にポイントを譲渡し運営者に支払った手数料額とに基づく奨励金を運営者から支給され、支給された奨励金を収益にできること
マーケットプレイスで使用可能なポイントは、加盟店が対価を支払うことにより取得するものではなく、加盟店のマーケットプレイスにおける行動をポイント管理サーバ3が評価した結果に基づいて付与される。例えば、ポイント管理システムS1は、マーケットプレイスにおいて提供される情報の質及び量の少なくともいずれかに基づいてポイントが付与される。従来、非特許文献1に記載されているように、商品を購入したことに対する報奨としてポイントが付与されてきた。しかしながら、ポイント管理システムS1を用いて提供されるサービスのように、商品の販売だけを目的とするのではなく、良質の情報を流通させることを目的とする場合、従来のように、商品を購入したことに対する報奨としてポイントを付与しても、良質の情報の流通量を増やすことにつながらないという問題があった。ポイント管理システムS1においては、情報提供者が提供する情報の内容及び量に基づいて、マーケットプレイスで使用可能なポイントが付与されるため、マーケットプレイスへの参加者が良質な情報を提供するように動機付けることができる。
また、従来の商品購入サイトにおいては、商品の購入額と付与されるポイントとの関係が固定されていたので、付与されるポイントの量が適切でない場合、ポイントを付与する効果が十分に生じないというおそれがあった。これに対して、ポイント管理システムS1においては、加盟店に付与されたポイントが、マーケットプレイスにおける情報の流通を促す効果を生じさせるだけの価値を有するように、マーケットプレイスの運営者が、マーケットプレイスで提供される情報又はマーケットプレイスで利用される情報とポイント数との関係を定める係数又は計算式等の設定情報を設定することができる。したがって、運営者は、係数又は計算式を制御することにより、マーケットプレイスにおける情報の流通が活性化するように、ポイントの価値を適切に変更することができる。
[サービスの流れ]
(加盟店の登録)
以下、図1を参照してサービスの流れについて説明する。まず、情報提供者は、本サービスの加盟店になるために、振込専用口座に所定の加盟金を振り込む(図1における(1))。加盟金が振り込まれると、振り込まれた加盟金の額が、運営者が管理するポイント管理サーバ3に通知される(図1における(2))。そして、ポイント管理サーバ3は、振り込まれた加盟金の額をシステム現金通帳に記録するとともに、振り込まれた加盟金の額に応じたポイントを加盟店に付与し(図1における(3))、加盟店の登録が完了する(図1における(4))。
(企業会員の登録)
企業は、登録が完了した加盟店に対して、企業会員になるための登録申請を行うことができる(図1における(5))。そして、加盟店が、登録申請を行った企業に企業会員登録の通知を行うことにより、企業会員登録が完了する(図1における(6))。企業会員登録を行う際に、ポイント管理サーバ3は、情報利用者である企業会員に対してキャンペーンポイントを付与する(図1における(7))。発行されたキャンペーンポイントの数は、ポイント管理サーバ3が管理するシステムポイント通帳(以下、ポイント通帳という)に記録される。
(ポイントの譲渡)
加盟店に付与されたポイントは、有償又は無償で企業会員に譲渡することができる(図1における(8))。加盟店が企業会員にポイントを譲渡すると、運営者は加盟店から手数料を徴収する。具体的には、ポイント管理サーバ3が管理する加盟店のシステム現金通帳から運営者のシステム現金通帳に手数料の額を移動する(図1における(9))。
(ポイントの消費)
企業会員は、付与されたポイントを消費して、各種の情報を得ることができる。企業会員がポイントを消費すると、ポイント管理サーバ3は、企業会員に対応するポイント通帳から、消費されたポイント数を減算する(図1における(10))。
(ポイントの消滅)
加盟店は、マーケットプレイスで情報を提供するといったあらかじめ運営者によって設定されたポイントが付与される行動(推奨行動)を実行しない期間が継続すると、付与されたポイントが消滅する(図1における(11))。具体的には、ポイント管理サーバ3は、ポイント管理サーバ3が管理する加盟店のポイント通帳に記録されている加盟店のポイント残高から所定のポイント数を減少させることにより、加盟店のポイントを消滅させる。ポイントが消滅すると、評価期間内に付与されたポイント数が減少し、加盟店の順位が下がる。このようにすることで、加盟店が優良な情報を提供するように動機付けられる。
(奨励金)
運営者は、加盟店が所定の期間内に支払った手数料の総額及び行動評価(決定された順位)に基づいて奨励金を加盟店に提供する(図1における(12))。具体的には、ポイント管理サーバ3が管理する運営者のシステム現金通帳から加盟店のシステム現金通帳に対して、奨励金に相当する額を移動する。このように運営者が奨励金を提供することによって、加盟店は、積極的にポイントを企業会員に譲渡及び運営者が推奨する行動を実行するように動機付けられる。
[ポイント管理サーバ3の構成]
以下、ポイント管理サーバ3の構成及び動作について詳細に説明する。以下の説明においては、加盟店を情報提供者と称し、企業会員を情報利用者と称する。
図3は、ポイント管理サーバ3の構成を示す図である。ポイント管理サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33とを有する。
通信部31は、情報提供端末1及び情報利用端末2とデータを送受信するための通信インターフェースである。
記憶部32は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスク等の記憶媒体である。記憶部32は、制御部33が実行するプログラムを記憶している。また、記憶部32は、情報提供者の情報(例えば、情報提供者を特定するための情報、及び情報提供者の過去の行動内容)、情報利用者の情報(例えば、情報利用者を特定するための情報、及び情報利用者の過去の行動内容)、システム現金通帳及びポイント通帳等の各種の情報を記憶している。
制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、管理部41、順位決定部42及び情報提供部43として機能する。
管理部41は、ポイントを管理するための各種の機能を実行する。管理部41の詳細については後述するが、管理部41は、情報提供者からの入金データを取得すると、取得した入金データが示す入金額に基づいて所定の計算式を用いて算出した量のポイントを付与する。
また、管理部41は、情報提供端末1から情報利用端末2に提供された提供情報に基づいて、情報提供者である情報提供者にポイントを付与する。管理部41は、例えば、情報提供端末1から情報利用端末2に提供された提供情報の量に所定の係数を乗じた量のポイントを付与する。
管理部41は、ポイントを付与してからの経過時間に応じて、付与したポイントを減少させてもよい。この際、管理部41は、順位決定部42が決定した順位に基づく量のポイントを減少させる。管理部41は、例えば、順位決定部42が決定した順位が高ければ高いほど、所定の経過時間に対するポイントの減少量を大きくする。このようにすることで、情報提供者の順位が入れ替わりやすくなるので、情報提供者が情報を提供するモチベーションを高めることができる。
また、管理部41は、情報提供者及び情報利用者に関連付けてポイントの残高を管理する。管理部41は、情報提供者が情報利用者にポイントの一部又は全部を提供すると、情報利用者に関連付けられたポイントの残高を増加させるとともに、情報提供者に関連付けられたポイントの残高を減少させる。
管理部41は、情報提供端末1が情報利用端末2に情報を提供すると、提供された情報(例えば、企業会員等がダウンロードした、加盟店が発信するドキュメント)に対応するポイントの量に基づいて、情報利用者に関連付けられたポイントの残高を減少させるとともに、情報提供者に関連付けられたポイントの残高を増加させてもよい。管理部41は、情報提供者が情報利用者にポイントの一部又は全部を提供すると、情報利用者に提供したポイントの量に対応する手数料を情報提供者の現金残高から減算してもよい。
また、管理部41は、情報提供者が情報利用者にポイントの一部又は全部を提供すると、情報利用者に提供したポイントの量、及び順位決定部42が決定した情報提供者の順位に基づいて決定した奨励金を情報提供者の現金残高に加算する。管理部41は、例えば、所定の評価期間ごとに奨励金を決定する。この際、管理部41は、情報提供者の順位が高ければ高いほど奨励金を多くしてもよい。このようにすることで、情報提供者が順位を上げようとするモチベーションが高まるので、情報提供者が積極的に情報を提供するようになる。
なお、管理部41は、情報利用者が新規に登録した場合に、情報提供者の順位に影響しない第二種ポイントを情報利用者に付与してもよい。管理部41が情報利用者に直接付与した第二種ポイントは、情報提供者の評価には影響しない。このように、管理部41が第二種ポイントを提供することにより、情報提供者とのつながりを持っていない情報利用者がサービスの利用を開始しやすくなる。
順位決定部42は、管理部41により情報提供者に付与したポイント数に基づいて、情報提供者を所定の期間ごとに順位付けする。順位決定部42は、所定の評価期間内に情報提供者に付与されたポイントが多ければ多いほど、情報利用端末2における複数の情報提供者が情報利用端末2に表示される際の順位を高くする。所定の評価期間は、例えば、情報提供者に新たなポイントが付与された時点以前の所定の期間(例えば1年間)である。所定の評価期間は、所定の日(例えば月初)を起点とする所定の期間(例えば1ヶ月間)であってもよい。順位決定部42は、評価期間が終了した時点で、各情報提供者に付与された累計ポイント数を初期化してもよい。
順位決定部42は、例えば、情報提供部43が、複数の情報提供者を情報利用端末2において一覧表示する際に、所定の評価期間に付与されたポイントが多い情報提供者を上位に表示するように順位を決定する。情報提供部43は、複数の情報提供者を情報利用端末2に順次表示する場合、評価期間に付与されたポイントが多い情報提供者を表示する頻度(すなわち出現率)を高くしてもよい。このようにすることで、ポイント管理システムS1の運営者は、情報提供者が、表示される場合の順位を上げたり表示される頻度を高めたりするために積極的に情報を提供してポイントを得ようとするように動機付けることができる。
順位決定部42は、マーケットプレイスの全ての情報提供者を対象に決定された全体順位と、地域(市区町村、都道府県、国、又はエリア等の行政区、自治区、立法権区、若しくはこれらに準ずる地域等)内の情報提供者を対象に決定された地域版順位とを決定することができる。順位決定部42は、付与されたポイント数が多い順に全体の全ての情報提供者を順位付けすることにより、全体順位を決定する。また、順位決定部42は、付与されたポイント数が多い順に地域内の情報提供者を順位付けすることにより、地域版順位を決定する。
なお、順位決定部42は、地域版順位を決定する際に、(1)順位を決定する対象となる地域の人口を、(2)当該地域をサービス提供圏(活動範囲)にしている情報提供者がサービスを提供する圏内の人口総数で除算し、(3)除算して得られる値に、管理部41が付与したポイント数を乗じた値を、順位の決定に用いる根拠とする。順位決定部42が決定した順位は、情報提供者を一覧表示する情報提供サイトにおいて所定の地域に属する情報提供者を表示する際の順位、情報利用者が情報提供者を表示する情報提供サイトを更新した際に情報提供サイトに表示される確率(出現率)、及び奨励金の額に反映される。
情報提供サイトは、情報提供者によって情報を提供(情報提供端末1によって送信)するために用いられるサーバ、又は情報利用者によって情報を利用(情報利用端末2によって受信)するために用いられるサーバの記憶領域である。情報提供サイトは、例えば、マーケットプレイスを構成するサーバにより提供されるウェブページ、ウェブサイト、ポータルサイト、FTP(File Transfer Protocol)サイト、ウェブアプリケーション、SNS(Social Network Service)、メタバース、ソフトウェア、又はクラウドコンピューティング等を実現するためにサーバにより提供される記憶領域である。
情報提供部43は、順位決定部42が決定した順位に基づいて、複数の情報提供者の少なくとも一部の情報提供者を特定するための提供者情報を情報利用端末2に提供する。提供者情報は、例えば、情報提供者としての情報提供者の名称、住所、連絡先等を含む情報であり、情報利用者が情報提供者を検索する操作を行うことにより、情報利用端末2に表示される。
[管理部41の詳細]
以下、管理部41の詳細について説明する。図4は、管理部41が実行する機能を示す機能ブロック図である。管理部41は、プログラムを実行することにより、行動監視部411、第一ポイント付与部412、第二ポイント付与部413、キャンペーンポイント付与部414、ポイント消費量変動部415、ポイント消滅処理部416、手数料徴収部417及び奨励金支給部418として機能する。
(行動監視部411)
行動監視部411は、マーケットプレイス上でやり取りされる情報を監視することにより、情報提供者としての情報提供者の行動、及び情報利用者としての情報利用者の行動を監視する。行動監視部411は、監視して特定した行動の内容を、管理部41の他の機能部に通知する。情報提供者の行動は、例えば、情報提供サイトにおいて情報を発信する行為、又は情報利用者による情報の利用につながる行為であり、情報提供者の行動の内容は、発信した情報の量又は質、又は情報提供者の貢献により利用された情報の量又は質により表される。情報利用者の行動は、例えば、情報提供サイトにおいて情報を閲覧する行為である。
(第一ポイント付与部412)
第一ポイント付与部412は、行動監視部411が特定したマーケットプレイス内におけるポイントの販売主体である情報提供者による行動の内容に基づいて、情報提供者にポイントを付与する。第一ポイント付与部412は、情報提供者が推奨行動を行ったことを検出した場合、マーケットプレイスを管理する運営者によって設定された推奨行動係数又は所定の計算式に基づいてポイント発行数を算出する。推奨行動係数は、例えば、情報提供者が提供した情報の量及び質に関連付けて決定されており、情報の量及び質が高ければ高いほど大きな値に設定されている。第一ポイント付与部412は、算出したポイント発行数のポイントを情報提供者に付与する。
第一ポイント付与部412は、例えば、既に発信済みのコラムの文章の編集を情報提供者が行った場合、情報提供者が価値の高い情報を発信したことにならないので、推奨行動係数を0としてポイントを発行しない。一方、第一ポイント付与部412は、コラムの文章を編集したことによって文字数が増加した場合には、増加文字数に対して一文字あたり30ポイントを付与してもよい。第一ポイント付与部412は、コラム内に付加価値が高いコンテンツ(例えば画像)を追加した場合に、1つの追加画像に対して、付加価値が低いコンテンツよりも高いポイント(例えば3000ポイント)を付与してもよい。
第一ポイント付与部412がポイントを付与する対象となる情報提供者の行動は、例えば以下のとおりである。
(1)情報提供者による振込専用口座への入金
(2)ポイント譲渡先による譲渡済みポイントの消費
(3)情報提供者によるポイント譲渡
(4)情報提供者による情報利用者の新規登録
(5)情報提供者によるコラムの新規投稿
(6)情報提供者による質問者への質問の回答
(7)質問者による情報提供者の回答へのベストアンサー登録
(8)情報提供者によるドキュメントの新規発信
(第二ポイント付与部413)
第二ポイント付与部413は、所定の期間内に情報提供者が提供した情報に対する評価を累計した結果に基づいてポイントを付与する。第二ポイント付与部413が情報提供者に付与するポイントは、情報提供者が推奨行動を継続することにより付与されるので、第二ポイント付与部413がポイントを付与することにより、情報提供者が継続的に推奨行動を行うように動機付けることができる。
第二ポイント付与部413は、以下の評価内容に基づいて情報提供者にポイントを付与する。
(1)所定の期間内に第一ポイント付与部412により付与されたポイントの総数(累積数)
(2)情報提供者によりマーケットプレイスに提供された情報に対する他者からの評価の平均値又は総数(累積値)
(キャンペーンポイント付与部414)
キャンペーンポイント付与部414は、情報利用者に対して、ポイントを消費する活動(例えば、マーケットプレイス内の情報を閲覧する活動)へのインセンティブを与えるために、情報利用者に対してキャンペーンポイントを付与する。キャンペーンポイント付与部414は、行動監視部411が情報利用者の行動を監視して特定した、情報利用者がマーケットプレイスにおいて情報を利用する消費行動に基づいて、付与するキャンペーンポイント数を決定する。キャンペーンポイント付与部414は、例えば、所定の評価期間内に情報利用者が消費したキャンペーンポイント以外のポイントの量に予め定められた係数を乗算することにより、付与するキャンペーンポイント数を決定する。
情報利用者は、キャンペーンポイントを付与されることによって、実質的にポイント購入コストを低下させることができる。その結果、情報利用者は、キャンペーンポイントの付与を受けていない、又は付与数の少ない情報利用者に対してアドバンテージを得ることができる。このように、キャンペーンポイント付与部414がキャンペーンポイントを付与することで、運営者が期待する行動を行った量が多い情報利用者の活動を支援する仕組みをマーケットプレイス内に内在させることができる。このような仕組みを設けることにより、運営者が意図するように、マーケットプレイス内での情報の流通を活性化することが可能になる。
(ポイント消費量変動部415)
ポイント消費量変動部415は、情報利用者に対してマーケットプレイスにおける行動へのインセンティブを与えるために、ポイント消費量を変動可能に決定する。ポイント消費量変動部415は、第二ポイント付与部413と同様に、情報利用者の行動(例えば、ポイントの消費を伴う行動)を予め定められた係数又は計算式を用いて、所定の評価期間内に情報利用者を評価する。ポイント消費量変動部415は、情報利用者のポイント消費行動、及びその他のポイント消費を伴わない行動の評価結果に基づいて、評価後に情報利用者が、所定の情報を利用するために必要なポイントの量を定めるポイント消費量を決定するものとし、評価結果が更新されるたびにポイント消費量を更新する。
運営者が期待する行動量の多い情報利用者は、良好な評価を得た場合にポイント消費量が低下することによって、その他のマーケットプレイスの利用者に対してアドバンテージを得ることができる。つまり、ポイント消費量変動部415は、運営者が期待する行動を行う量の多い利用者の活動を自動的に支援する仕組みをマーケット内に内在させるものであり、ポイント消費量変動部415は、他のインセンティブと相まって、マーケットにおける運営者の意図をより強度に発揮することができる仕組みを提供するものである。
(ポイント消滅処理部416)
ポイント消滅処理部416は、時間の経過に伴って、情報提供者が保有するポイントの一部又は全部を消滅させる。ポイント消滅処理部416は、あらかじめ運営者によって設定された係数又は計算式に基づいて、所定の期間内の情報提供者の行動に対して減点評価を行うために、ポイントを消滅させる。具体的には、ポイント消滅処理部416は、所定の期間にわたって情報提供者がマーケットプレイス内で運営者の期待に反する行動を行っている場合に、情報提供者が保有するポイントの一部又は全部を消滅させる。
ポイント消滅処理部416は、例えば、所定の期間内に情報提供者が実行した推奨行動の量が閾値未満である場合に、ポイントを消滅させる。具体的には、ポイント消滅処理部416は、所定の期間内に情報提供者がマーケットプレイス内で提供した情報の量が所定の量未満である場合に、情報を提供していない期間の長さに応じた量のポイントを消滅させる。ポイント消滅処理部416は、情報提供者が提供した情報の質が所定のレベルよりも低い場合に、情報の質に応じてポイントを消滅させてもよい。ポイント消滅処理部416は、例えば、不正確な情報を提供した情報提供者のポイントを消滅させる。このようにすることで、ポイント管理システムS1は、正確な情報を頻繁に提供するように情報提供者を動機付けることができる。
ポイント消滅処理部416は、所定の期間内に情報提供者が情報利用者に譲渡したポイント数が所定の数未満である場合、当該期間内に譲渡するべきポイント数から譲渡したポイント数を減算し、所定の係数を乗算した値に相当する量のポイントを消滅させてもよい。このようにすることで、ポイント管理システムS1は、ポイントを積極的に譲渡するように情報提供者を動機付けることができるので、マーケットプレイスが活性化する。
以上のとおり、ポイント消滅処理部416が、推奨行動を実行する頻度が低い情報提供者のポイントを消滅させることにより、情報提供者が積極的に推奨行動を実行するように動機付けることができる。その結果、運営者が意図するように、マーケットプレイス内での情報の流通を活性化することが可能になる。
(手数料徴収部417)
手数料徴収部417は、第一ポイント付与部412、及び第二ポイント付与部413により情報提供者が取得したポイントを情報利用者に譲渡した際に情報提供者から徴収する手数料を管理する。手数料は、予め運営者によって1ポイント当たりの手数料(以下、単位手数料という)が定められており、手数料徴収部417は、譲渡されたポイント数に単位手数料を乗算した金額を、情報提供者のシステム現金通帳から運営者のシステム現金手帳に移動させる。なお、情報提供者が、情報利用者から譲渡したポイントの対価を受け取るかどうかは任意であり、情報提供者が、手数料よりも大きな対価を情報利用者から受け取った場合、受け取った対価と手数料との差分は情報提供者の利益になる。
情報提供者から情報利用者にポイントを譲渡することによって、ポイントは、情報提供者のポイント通帳から情報利用者のポイント通帳に移動し、移動後のポイント数がポイント通帳に記録される。手数料徴収部417は、情報提供者のポイント通帳とシステム現金通帳を監視し、譲渡可能ポイント数を示す譲渡可能ポイント数情報を情報提供者に提供する。
なお、手数料徴収部417は、情報提供者の保有ポイント数及び現金残高と、単位手数料とに基づいて譲渡可能ポイント数を決定する。手数料徴収部417は、情報提供者の保有ポイント数、又は情報提供者の現金残高を単位手数料で除算した値のいずれか小さい値を選択することにより、譲渡可能ポイント数を決定する。例えば、手数料徴収部417は、手数料が1ポイント0.4円に設定されている場合、保有ポイント数を第一上限数(例えば200万ポイント)とし、保有現金数(現金残高)÷単位手数料を第二上限数(例えば現金残高60万円÷0.4円=150万ポイント)とする。手数料徴収部417は、第一上限数及び第二上限数のうち、小さい数(上記の例の場合、第二上限数の150万ポイント)を譲渡可能ポイント数とする。
なお、情報提供者が情報利用者にポイントを譲渡したにもかかわらず、情報利用者からの支払いがないという問題が発生した時には、情報提供者は、情報利用者のポイント消費行動を制限するとともに、情報利用者のポイント通帳から強制的に譲渡済みポイントを回収するように、ポイント管理サーバ3に指示することができる。情報提供者が回収できるポイント数の上限値は、情報提供者が譲渡したポイント数である。情報提供者は、情報利用者が保有するポイントの残高の範囲内で上限値までポイントを回収できる。情報提供者がポイントを回収すると、手数料徴収部417は、回収されたポイント数に基づいて、運営者の現金通帳から情報提供者の現金通帳に、徴収済みの手数料を戻す処理を実行する。
(奨励金支給部418)
奨励金支給部418は、順位決定部42が決定した情報提供者の全体順位又は地域版順位、予め運営者によって設定された係数、及び情報提供者が所定の期間内に支払った手数料の総額に基づいて奨励金額を決定する。奨励金支給部418は、決定した奨励金額を、運営者のシステム現金通帳から情報提供者のシステム現金通帳に移動させる処理を実行する。
情報提供者にとってみれば、奨励金を獲得することで、以下のようなメリットが生じる。
(1)収入を増やすことができるので、事業基盤の強化が図れる
(2)ポイントをより安く、より多く提供できるので、顧客である情報利用者との関係性を強化するとともに、及び情報利用者と接触する機会を増やせる
(3)奨励金により得られる収益を考慮して本業のサービスのために投資できる
したがって、このように、奨励金が情報提供者に支払われることにより、運営者が意図する方向にマーケットを誘導することが可能になる。例えば、運営者が、多くのポイントを流通させて、多くの良質な情報がやり取りされるマーケットプレイスを構築したいと考えている場合、奨励金を提供することにより、情報提供者が積極的に情報利用者にポイントを譲渡しようとするように動機付けることができる。
奨励金支給部418は、奨励金の額の上限値を、例えば、情報提供者が運営者に対して支払った手数料額とすることができる。このようにすることで、情報提供者は、ポイントを譲渡した際に、実質的には運営者に手数料を支払わないで済むので、積極的にポイントを譲渡するように動機付けられる。なお、奨励金支給部418は、情報提供者が運営者に対して支払った手数料額に、運営者が予め設定した係数を乗算した額を奨励金の上限額としてもよい。
[情報提供サイトの画面例]
図5は、本実施形態の情報提供サイトに情報利用端末2がアクセスした際に情報利用端末2に表示される画面の例を示す図である。図5(a)は、情報利用端末2を利用する複数の情報利用者(A子、B子)が、ポイント管理サーバ3に対する質問を投稿する画面を示している。図5(a)においては、質問内容とともに、回答の締切日と、回答した人に与えられるポイント数が表示されている。
図5(b)は、図5(a)に示す質問のうち、A子が発した質問に対して複数の情報提供者(エージェントX、エージェントY)が提供した回答を示す図である。図5(b)においては、質問者であるA子により、エージェントYの回答がベストアンサーに選択されている。このような場合、管理部41は、質問者が設定した全てのポイント数をベストアンサーに選択された回答を投稿した情報提供者に付与してもよく、ベストアンサーに選択された回答者に配分するポイント数を他の回答者に配分するポイント数よりも多くなるようにしてもよい。
図6は、情報利用者が情報提供者を検索するための画面の例を示す図であり、情報提供部43が情報利用端末2に提供する提供者情報の一例である。図6においては、エージェントを検索する画面、プロフェッショナルを検索する画面、コンサルタントを検索する画面のうち、エージェントを検索するための画面が選択された状態を示している。
情報利用者が、自身にとって関心がある地域に関する情報を取得できるようにするために、情報利用端末2は、情報提供端末1に関連付けられた第一地域属性情報と自身に関連付けられた第二地域属性情報とに基づいて、情報提供端末1から提供情報を取得するか否かを判定する。第一地域属性情報は、情報提供者の居住地又は活動範囲を示す情報であり、第二地域属性情報は、情報利用者の居住地、活動範囲、又は情報利用者が関心を持っている地域を示す情報である。情報利用端末2は、例えば、情報利用者が設定した地域に対応する第一地域属性情報に関連付けられた情報提供端末1から提供された情報を選択的に取得する。
具体的には、図6に示す画面において、情報利用者は、自身が関心を持っている地域を入力する。図6に示す画面には、情報利用者自身が居住している地域が初期値として入力されていてもよい。この場合、情報提供部43は、入力された地域に関連付けられているエージェントを、順位決定部42が決定した地域版順位が高い順に表示する。図6に示す例においては、所定の評価期間内にエージェントYに付与されたポイントが最も多く、エージェントXに付与されたポイントが2番目に多い場合の表示画面が示されている。このように、評価期間内に付与されたポイント数が多い情報提供者は検索画面で上位に表示され、ビジネスにつながる確率が高まるので、情報提供者は、図5に示したような情報提供サイトにおいて優良な情報を提供するように動機付けられることになる。
[ポイント付与数の決定方法]
図7及び図8は、管理部41により実行されるポイント付与処理について説明するための表である。図7及び図8においては、複数の情報提供者のそれぞれが提供した情報の内容、提供した情報に対する評価点、情報を提供する行為に関連付けられた係数、評価点と係数とに基づいて決定された付与ポイント数、及び各情報提供者が評価期間内に付与されたポイント数である累計付与ポイント数が示されている。
図7及び図8における行は、情報提供者が情報を提供する1回の行為に対応しており、時系列に並んでいる。情報提供者Aは、図7及び図8に示す期間内に情報を2回提供しており、累計ポイントが増加していることがわかる。順位決定部42は、所定の評価期間内における累計付与ポイント数に基づいて、複数の情報提供者の順位を決定することができる。
図7によれば、情報利用者がベストアンサーに選択した情報に対しては評価点5が与えられており、最も多いポイント数が付与されている。一方、評価点1が与えられた場合には、最も少ないポイント数が付与されている。
図7においては、係数が100に固定されているが、図8においては、評価点によって異なる係数が割り当てられている。運営者が、優良な情報に対して高く評価したいと考える場合、運営者は、図8に示すように、評価点が高い場合の係数を大きくすることで、評価点が高い場合に付与するポイント数を、図7に示す場合よりも多くすることができる。このように、運営者は、係数を調整することにより、情報提供者の行動をコントロールすることができる。
[処理シーケンス]
図9は、図5に示した情報提供サイトにおいて質問と回答がやり取りされる際の情報提供端末1、情報利用端末2及びポイント管理サーバ3の間での処理シーケンスを示す図である。まず、情報利用者が情報利用端末2において質問を投稿すると(S11)、情報利用端末2は、投稿された質問をポイント管理サーバ3に送信する。ポイント管理サーバ3は、受信した質問を情報提供サイトに掲載する(S12)。
続いて、情報提供者が情報提供端末1において情報提供サイトを閲覧するための操作を行うと(S13)、情報提供端末1は、情報提供サイト画面をポイント管理サーバ3に要求する。要求を受けたポイント管理サーバ3は、情報提供サイト画面を情報提供端末1に送信し、情報提供端末1は、情報提供サイトを表示する(S14)。
情報提供者が情報提供端末1において回答を投稿する操作を行うと(S15)、情報提供端末1は、入力された回答をポイント管理サーバ3に送信する。ポイント管理サーバ3は、情報提供端末1から回答が送信されたことに応じて、情報提供端末1を使用する情報提供者に対してポイントを付与する(S16)。
続いて、ポイント管理サーバ3は、情報提供者による回答が反映された情報提供サイト画面を情報利用端末2に送信し、情報利用端末2は、回答が反映された情報提供サイト画面を表示する(S17)。情報利用端末2において、情報利用者が、情報提供者による回答をベストアンサーとして選択すると(S18)、情報利用端末2は、情報提供者による回答に対する評価を示す評価情報をポイント管理サーバ3に送信する。
ポイント管理サーバ3は、情報利用端末2から受信した評価情報に基づいて、情報提供者に対してさらにポイントを付与する(S19)。ポイント管理サーバ3は、例えば、情報提供者が投稿した回答がベストアンサーに選択されたことに対応するポイントを情報提供者に付与する。ポイント管理サーバ3は、所定の評価期間ごとに情報提供者の順位を更新する。例えば、ポイント管理サーバ3は、新たにポイントを付与したことに応じて、過去の所定の期間内に情報提供者に付与された累計ポイント数を計算し、累計ポイント数に基づいて情報提供者の順位を更新する(S20)。
[変形例]
上記の説明においては、加盟店が情報提供者であるものとしたが、加盟店が、情報提供者であるとともに情報利用者であってもよい。情報提供者としてマーケットプレイスに情報を提供する人又は会社が、情報利用者が有する機能を利用したいと望む場合、情報提供者としてのアカウントで使用されているメールアドレスを用いて、情報利用者としてのアカウントを作成することができる。この場合、情報提供者は、アカウントを用いてログインした後に、操作メニューを用いて、会員属性を切り換えることにより、情報提供者向けの機能を使用するか、情報利用者向けの機能を使用するかを選択することができる。同様の処理により、情報利用者が情報提供者の機能を使用することも可能である。
例えば、情報提供者たる加盟店である有料職業紹介事業者(エージェント)は、求人クライアント(企業)に、ポイント管理システムS1が内在する採用マーケットプレイスを活用(例えば、「転職市場」という転職マーケットプレイスへの企業情報及び求人情報の発信)するよう促し、クライアント企業の採用広告宣伝費を収益源として、リアルマーケットにおいてポイントを販売し、加盟店は収益としてもよい。ただし、この場合、有料職業紹介事業者は、事前にマーケットプレイス内において運営者が推奨する行動を実行してポイントを獲得しておく必要がある。
また、クライアント企業(情報利用者たる企業会員)は、エージェントからリアルマーケットにおいて購入したポイントをマーケットプレイスの一種である採用マーケットプレイスで消費し、意図する様々な情報(採用・就職・転職マーケットに関する情報)を情報利用者たる個人会員である求職者(企業会員の変化した形態)に対して発信することにより情報提供してもよい。
そして、求職者である個人会員(企業会員等の一つの形態)は、企業会員、加盟店、及び個人会員が発信する様々な情報から自分の求める企業及び職業を選定すること、又は有用なエージェントに相談することにより、発信された情報を利用してもよい。なお、情報利用者がその他の会員から提供された情報を利用する場合、又はその他の会員に情報を提供する場合の消費ポイント量は、運営者がどのようにでも設定できるようにしてもよい。例えば、個人会員は全ての情報利用及び情報提供における消費ポイント量を0としてもよい。
また、個人会員は、過去又は現在において自らが勤めた企業又は勤めている企業に対する様々な視点からの評価を他の会員(例えば個人会員、企業会員、加盟店)に対して発信してもよい。そして、この場合には、他の会員は、企業自身の発信する情報以外にも、他の会員から提供された企業の情報をも閲覧(情報利用)することができる。
また、情報提供者たる加盟店が、日々の業務の中で難しい出来事があり自らで答えを導き出せないときに、他の加盟店に掲示板で質問への回答(情報提供)を求めること(情報利用)ができるようにしてもよい。このようにすることで、情報提供者が、他の情報提供者から提供される情報を利用する情報利用者として、答えを導き出すために必要な情報を得ることができる。なお、加盟店は、他の加盟店が発信しているコラム等を閲覧(情報利用)してもよく、他の加盟店によるコラムを評価してもよい。さらに、マーケットプレイスでの活動の活発な加盟店については、他の利用者への情報接触頻度を高めるように順位付けしてもよい。
マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を結婚相談業者とし、情報利用者を上記の採用マーケットプレイスにおける企業会員及び個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する、独身者に限定した婚活専用のマーケットプレイスであってもよい。この場合、ポイント管理システムS1は、情報提供者は結婚相談業者、及び情報利用者は独身者の2種類の会員による婚活専用のマーケットプレイスを構築できる。マーケットプレイスの有用性を考慮して、ポイント管理システムS1は、情報利用者を、第一の情報利用者である男性、又は第二の情報利用者である女性に属性付けし、各種のサービスを属性ごとに特徴付けて提供してもよい。
マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を不動産仲介業者とし、情報利用者を、不動産を売り買い若しくは貸し借りしようとする個人、個人事業主、法人、又は団体に限定した、不動産専用のマーケットプレイスであってもよい。さらに、このマーケットプレイスの情報利用者は、上記の採用マーケットプレイスにおける企業会員と同様の機能の全部又は一部を有する売主若しくは貸主向けの機能、及び前記採用マーケットプレイスにおける個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する買主若しくは借主向けの機能の双方を同一情報利用者アカウント内に個別に有していてもよい。
マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を保険ブローカー(保険仲立人)とし、情報利用者を、保険商品を販売しようとする保険会社、及び保険商品を購入しようとする個人、個人事業主、法人、又は団体に限定した、保険専用のマーケットプレイスであってもよい。このマーケットプレイスの情報利用者は、上記の採用マーケットプレイスにおける企業会員と同様の機能の全部又は一部を有する第一の情報利用者である保険会社、及び前記採用マーケットプレイスにおける個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する第二の情報利用者である個人、個人事業主、法人、又は団体としてもよい。
この場合に、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して情報提供者からの提供情報を利用するだけでなく、保有ポイントを消費して自社のソルベンシーマージン比率やディスクロージャー等の情報を第二の情報利用者に提供してもよい。また、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して自社の保険商品の情報を、第二の情報利用者に提供してもよい。
なお、第二の情報利用者がその他の会員から提供された情報を利用する場合、又はその他の会員に情報を提供する場合の消費ポイント量は、運営者が自由に設定できるようにしてもよい。例えば、ポイント消費量変動部415は、運営者からの指示に基づいて、第二の情報利用者による全ての情報利用及び情報提供における消費ポイント量を0としてもよい。そして、このようなマーケットプレイスにおいて取り扱うことができる情報は本明細書に記載の情報に限られず、例えば、銀行系金融商品の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店はファイナンシャルプランナー等)、証券系金融商品の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店はファイナンシャルプランナー等)、店舗による商品、若しくはサービス提供の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店はブロガー等)、又は医療、若しくは介護の情報を取り扱うマーケットプレイス(加盟店は社会福祉士等)等において提供されるマーケットプレイスの情報であってもよい。
マーケットプレイスは、例えば、情報提供者たる加盟店を自動車評論家、自動車関連業界記者、又はコラムニスト等とし、情報利用者を、自動車を販売しようとする自動車メーカー、及び自動車を購入しようとする個人、個人事業主、法人、又は団体に限定した、自動車専用のマーケットプレイスがあってもよい。このマーケットプレイスの情報利用者は、前記採用マーケットプレイスにおける企業会員と同様の機能の全部又は一部を有する第一の情報利用者である自動車メーカー、及び上記の採用マーケットプレイスにおける個人会員と同様の機能の全部又は一部を有する第二の情報利用者である個人、個人事業主、法人、又は団体としてもよい。
この場合に、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して情報提供者からの提供情報を利用するだけでなく、保有ポイントを消費して自社の保有技術やブランディング戦略上の発信したい情報等を第二の情報利用者に提供してもよい。また、第一の情報利用者は、保有するポイントを消費して自社の自動車、又は関連する情報を、第二の情報利用者に提供してもよい。
なお、自動車専用のマーケットプレイスは、仮想現実(VR:Virtual Reality)技術を用いた三次元仮想空間としてサービスを提供してもよく、また、このような形態のマーケットプレイスは、例えば、住宅等を建築する建築業界、リゾート施設等を運営する観光業界、又は中古住宅等を提供する不動産流通業界等に向けてサービスを提供してもよい。こうすることで、利用者は、より充実した情報を提供、又は利用することができるようになる。
さらに、上記以外の変形例としては、例えば、マーケットプレイスにおいて情報提供者は、保有するポイントを情報利用者に譲渡する機会がない場合、又は少ない場合等のように、保有ポイントを余らせている場合に、管理サーバによって手数料を徴収されることなく、ポイントを必要とするその他の情報提供者に保有ポイントを譲渡することができるようにしてもよい。こうすることによって、マーケットプレイス内でポイントがより流通しやすくなる。また、ポイントを必要とする情報利用者は、よりポイントを取得、及び消費しやすくなり、マーケットプレイスを活性化させることができるようになる。
また、上記以外の変形例としては、例えば、複数のマーケットプレイス間のポイントの移動を可能とするポイント交換マーケットプレイスがあってもよい。この場合に、ポイント交換マーケットプレイスを利用することができるユーザを情報提供者に限ってもよい。情報提供者は、ポイント交換マーケットプレイスを利用して、同一マーケットプレイス、又は異なるマーケットプレイスのその他の情報提供者との間で、保有するポイントと預け入れている金銭とを交換することができる。こうすることによって、個別のマーケットプレイスに限らず、複数のマーケットプレイスをまたがりポイントがより流通しやすくなる。また、ポイントを必要とする情報利用者は、よりポイントを取得、及び消費しやすくなり、情報利用者が利用するそれぞれのマーケットプレイスを活性化させることができるようになる。なお、ポイント交換マーケットプレイスにおいて情報提供者が他の情報提供者にポイントを譲渡する際に運営者に徴収される手数料、及び運営者が支給する奨励金は、運営者が設定する設定情報により任意の手段で制御できるものとする。
そして、運営者は、リアルマーケットの態様、及び運営者の目的に沿って、マーケットプレイスを構築し、マーケットプレイスの設定情報を変更し、及びマーケットプレイスを変容、また離合集散等させることによって、より強度にマーケットプレイスの情報流通を活性化させることができるようになり、マーケットプレイスはもとより、リアルマーケットの情報を効果的に流通させることができるようになる。
さらに、上記以外の変形例として、マーケットプレイスにおいて付与されるポイントの量や手数料等の決定に用いられる設定情報を、運営者自身ではなく人工知能技術を用いて更新するようにしてもよい。この場合、人工知能を有するポイント管理サーバ3が設定情報を決定してもよく、ポイント管理サーバ3が外部の人工知能サーバ(以下、AIサーバという)から設定情報を取得し、取得した設定情報に基づいてマーケットプレイスにおける各種の処理を実行してもよい。
AIサーバが適切な設定情報を生成することができるようにするために、ポイント管理サーバ3は、ポイント管理サーバ3に接続されたAIサーバに、情報提供端末1及び情報利用端末2とポイント管理サーバ3との間で送受信されたデータを入力する。AIサーバは入力されたデータ、及びマーケットプレイスの情報に基づいて、マーケットプレイスで使用される一部又は全ての設定情報を更新する設定情報データを生成し、AIサーバは、生成した設定情報データをポイント管理サーバ3に送信することにより、設定情報を更新してもよい。
また、AIサーバから送信された設定情報データを受信したポイント管理サーバ3は直ちに設定情報を更新しなくてもよい。また、AIサーバは、生成した設定情報データを直ちにポイント管理サーバ3に送信しなくてもよい。ポイント管理サーバ3は、AIサーバが設定情報データを生成してから任意の期間が経過した後に、元の設定情報から新たな設定情報に更新してもよい。この場合に、マーケットプレイスの運営者は、任意の期間内に、更新後の新たな設定情報をマーケットプレイスの参加者に告知してもよい。
なお、マーケットプレイスの参加者への設定情報の告知方法は任意である。例えば、マーケットプレイス内に設定情報変更特設サイト等(情報提供サイトの一つ)を設けて、マーケットプレイスの参加者が当該サイトにアクセスすることにより最新の設定情報を把握できるようにしてもよい。
以上のとおり、AIサーバが設定情報を生成することによって、マーケットプレイスが大きくなったり、複数のマーケットプレイスが構築されたりした場合に複雑化する設定情報の更新作業をAIサーバにより全自動処理させることができる。その結果、運営者の手間を軽減させるとともに、人為的ミス、及び人為的不正を介在させることなく、マーケットプレイスにとって効果的な設定情報を導き出すことが可能となる。また、AIサーバが設定情報を生成することによって、設定情報を更新する間隔を短くすることもできるようになり、マーケットプレイスの効果的な発展に寄与するものとなる。
さらに、上記以外の変形例として、ポイント管理システムS1が、複数のマーケットプレイスを同時に提供する形態が考えられる。ポイント管理システムS1が複数のマーケットプレイスを同時に提供する場合、情報提供者及び情報利用者が、同一アカウントを用いて、異なるマーケットプレイスを同時に利用できるようにしてもよい。つまり、情報提供者及び情報利用者は、現金、ポイント、及び自身の情報を複数のマーケットプレイスにおいて共通に使用することができる。
具体的には、同一の運営者が運営するマーケットプレイスが複数ある場合に、利用者、加盟店、及び運営者は、一つのアカウントによって複数のマーケットプレイスを利用することができるようにしてもよい。この場合に、ポイント管理サーバ3は、加盟店又は運営者のシステム現金通帳、及び、利用者又は加盟店のポイント通帳は、アカウントごとに管理してもよく、複数のマーケットプレイスをまたがって共通に管理してもよい。また、ポイント管理サーバ3は、利用者及び加盟店に対して付与する特典についても、複数のマーケットプレイスにまたがって付与してもよい。さらに、ポイント管理サーバ3は、特典を付与する際に用いられる情報利用者及び情報提供者の評価についても、複数のマーケットプレイスにまたがる行動に基づいて評価してもよい。
このようにすることで、複数のマーケットプレイスを含む全体におけるポイントの流動性が高まり、ポイントの価値が安定又は上昇し、マーケットプレイスへの参加者のポイントに対する信認性が上昇することにより、マーケットプレイスの信認性の上昇にもつながる。
また、このように複数のマーケットプレイスを連動させることにより、運営者は、収益性の高い他のマーケットプレイスとともに運営することで、収益性が低いと見込まれる公益的なマーケットプレイスを運営することも可能になる。この際、利用者の消費ポイント量、及び加盟店の評価等を決定する際に、公益的要素に鑑みて決定された設定情報を用いることで、有用な公益的マーケットプレイスでのサービスを提供することができるようになる。このように、複数のマーケットプレイスを連動させることは、収益性が低い、いわゆる公益型ビジネスの広告宣伝市場を発展させるという点でも役立つ。
[ポイント管理システムS1による効果]
以上説明したように、ポイント管理システムS1は、情報提供端末1から情報利用端末2に提供された提供情報に基づいて、情報提供者にポイントを付与する管理部41と、管理部41により付与されたポイントの数に基づいて、複数の情報提供者の順位を決定する順位決定部42とを有する。そして、情報利用者が情報提供者を検索する際に、順位決定部42が決定した順位が高い情報提供者を情報利用者が認識しやすいように、情報利用端末2に情報提供者が表示される。
ポイント管理システムS1がこのような構成を有することで、情報提供者は、より多くのポイントが付与されるために情報を提供するように動機付けられるので、有用な情報を提供できる情報提供者が上位に表示される。その結果、情報利用者が、有用な情報を提供できる情報提供者を認識しやすくなり、有用な情報に接触できる確率が高まる。
また、ポイント管理システムS1において情報提供者に付与されるポイントは、運営者が設定した係数によってコントロールされる。したがって、運営者は、運営者が期待するように情報が流通するべくマーケットプレイスを管理することができる。そして、運営者は、マーケットプレイスを各種のマッチングに活用することで、以下のような効果を得ることができる。
(1)情報の効果的流通による、求める者同士の出会い、新たな発見、又は選択におけるミスマッチの防止とベストマッチングの推進
(2)情報の効果的流通、及びベストマッチングの推進による、リアルマーケットにおける流動性向上の阻害要因の排除と促進要因の創造
(3)リアルマーケットにおける流動性向上による、生産性、付加価値、又は幸福度上昇サイクルの阻害要因の排除と促進要因の創造
(4)ベストマッチングの推進、流動性向上、及び付加価値上昇等による、リアルマーケットの活性化の阻害要因の排除と促進要因の創造
(5)小規模専門事業者の専門性の向上及び見込み客への告知拡大の阻害要因の排除と促進要因の創造
(6)非効率広告手段の排除と高効率広告手段の創造
(7)情報提供者と情報利用者、情報提供者と情報提供者、及び情報利用者と情報利用者とが接触する機会の阻害要因の排除と促進要因の創造
<第二実施形態>
[ポイント管理システムS2の構成]
本発明の一実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトとして、転職支援情報サイト(以下、「転職サイト」と略記する。)を例に挙げて、ポイント管理システムS2の構成を以下に説明する。ここで、本実施形態における情報提供サイトは、主に検索エンジンやリンク集などを中心として構成された、利用者がインターネット上で情報を探し出すための基点となるページをトップページとして有するポータルサイトを始めとする各種のウェブサイトである。情報提供サイトは、総合的な情報を取りまとめたものに限らず、特定分野の窓口として関連情報やリンク集の整理などを行っているものも含まれるものとする。また、以下の説明における利用者とは、情報提供者としての側面と、閲覧者としての側面を併せ持つ存在である。
本実施形態に係るポイント管理システムS2によって提供される転職サイトを利用する利用者には、個人と企業とを適切にマッチングするための仲介者の役割を果たす職業紹介事業者や人材紹介事業者(以下、「エージェント」と略記する。)に該当する第一の利用者と、転職を希望する個人や人材の獲得を希望する企業に該当する第二の利用者と、が存在する。ここで、企業及びエージェントは第一実施形態における情報提供者に対応する側面を強く有する利用者であり、個人は第一実施形態における情報利用者に対応する情報閲覧者としての側面を強く有する利用者である。
第二の利用者は、より自分に合った職場、又は、より理想に近い人材に巡り会うために、転職サイト内で自己の情報を発信したり他者の情報を収集したりする。一方、第一の利用者は、転職サイト内で、自己の情報に加えて転職や採用に役立つ情報を発信することで、第二の利用者に相談窓口として優れていることをアピールする。なお、転職サイト内で取り扱われる情報は、文字や画像、映像、音声、データファイル、アプリケーション、3Dコンテンツ等の様々な形態で提供される。
また、転職サイト内では、金銭的価値を有するポイントが流通し、このポイントは第二の利用者が転職サイト内のサービスを利用するための利用料として消費される。ポイントは、主に、運営者によって定められた預入金口座に金銭を預け入れた第一の利用者に対して発行され、第二の利用者は、事前に第一の利用者からポイントを購入した上で転職サイト内のサービスを利用する。
第一の利用者によって預け入れられた金銭は、預入金として運営者によって一元管理される。運営者の収入源であるポイント販売に係る手数料は、この預入金のうち何円が誰に帰属しているかという内訳に基づいて決済される。また、第一の利用者が退会する際には、預入金のうち、退会の時点で当該第一の利用者に帰属する金額が返金される。
さらに、ポイント管理システムS2は、利用者のサービス利用行為に基づいて、各利用者に対して、ポイント無償発行や、優先的な広告掲載等の特典が付与される仕組みを有することを特徴とする。サービス利用行為は、例えばポイント管理システムS2において他の利用者に情報を提供したり、他の利用者が提供する情報を閲覧したりする行為である。
図10は、本発明の一実施形態に係るポイント管理システムS2の全体構成図である。ポイント管理システムS2は、主に、管理サーバ10によって実現されるシステムである。管理サーバ10は、インターネット等の通信ネットワーク50を介して、運営者端末20、利用者端末30及び金融機関のサーバ40と接続される。
運営者端末20及び利用者端末30は、パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォン、テレビ、ゲーム機又はカーナビ等の情報端末である。運営者端末20はポイント管理システムS2の運営者によって使用され、利用者端末30は転職サイトの利用者である第一の利用者及び第二の利用者によって使用される。また、運営者端末20及び利用者端末30は、ディスプレイ及びスピーカ等の出力装置とキーボード及びマウス等の入力装置とを備えている。
さらに、運営者端末20及び利用者端末30にはブラウザが搭載されており、このブラウザは、少なくとも、種々のサーバから提供されるウェブページをディスプレイに表示することができる。なお、利用者が専用のアプリケーションを利用者端末30で実行することにより、管理サーバ10から受信した内容を出力装置において出力できるようにしてもよい。また、利用者端末30の出力装置及び入力装置は、上記のものに限定されず、ヘッドマウントディスプレイ等のVR技術が使用されたものであってもよい。
なお、運営者端末20は上記の態様に限定されず、管理サーバ10内に記憶されている設定情報(詳細は後述する。)を更新するための入力操作が可能であれば、任意の態様であってもよい。ゆえに、例えば、管理サーバ10と運営者端末20とが一体を成す態様も可能である。
運営者及び利用者は、入力装置を操作することにより、ディスプレイ等に表示されたウェブページ上にあるボタンやアイコン等をクリックしたり、フォームに文字等を入力したりして、管理サーバ10に要求を発信する。
金融機関のサーバ40は、運営者が契約を交わした金融機関で管理されるサーバであり、預入金口座への入金があった場合に、入金日時と、入金金額と、入金者の情報(入金ID)とを入金記録として記録し、自動的に、又は、管理サーバ10からの要求に応じて、入金記録を管理サーバ10に提供する。
[管理サーバ10の構成]
図11は、管理サーバ10の構成を示す回路ブロック図である。管理サーバ10は、CPU110、ROM111、RAM112、記憶装置113及び通信制御装置114を備えており、これらはバス115で互いに接続されている。
CPU110は、ROM111に格納されているプログラムに基づいて、ROM111、RAM112及び記憶装置113の相互間でのデータの送受信を制御したり、記憶装置113及び通信制御装置114の制御を行ったりする。また、CPU110は、通信制御装置114を介して通信ネットワーク50との間の接続を制御する。
記憶装置113は、ハードディスク装置等から構成されており、管理サーバ10にとって必要なデータやアプリケーションプログラムを記憶しておく記憶媒体として使用される。CPU110は、必要に応じて、データを記憶装置113に記憶させたり、記憶装置113に記憶されているデータを読み取って使用したりすることができる。なお、本実施形態では、記憶装置113は管理サーバ10に設けられるが、記憶装置113は管理サーバ10の外部に設けられるものであってもよい。
図12は、管理サーバ10の機能的な構成を説明するための機能ブロック図である。管理サーバ10においては、CPU110がROM111や記憶装置113に記憶されているプログラムを実行することによって、図12に示す各種の機能を実現する。図12に示すように、管理サーバ10は、通信部120と、記憶部140と、制御部130とを備える。
(通信部120)
通信部120は、運営者端末20及び利用者端末30からの要求の受信、及び、制御部130によって選択又は生成されたウェブページ等の情報の運営者端末20及び利用者端末30への送信を行う。通信部120は、例えばLAN(Local Area Network)コントローラを有する。
(記憶部140)
記憶部140は、利用者情報記憶部141と、設定情報記憶部142と、評価履歴記憶部143と、ポイント履歴記憶部144と、預入金履歴記憶部145と、ウェブページ情報等記憶部146とを備える。
利用者情報記憶部141は、ユーザIDやパスワードのような各利用者の個人情報や、各利用者に付与された特典に関する情報を記憶する。
設定情報記憶部142は、制御部130における処理で参照される設定情報を記憶する。
評価履歴記憶部143は、利用者によるサービス利用行為の履歴を記憶する。
ポイント履歴記憶部144は、各利用者のポイント得失履歴T7を記憶する。
預入金履歴記憶部145は、運営者によって一元管理されている預入金のうち当該第一の利用者に帰属する金額である預入金額を、第一利用者の識別情報に対応付けて記憶する。預入金履歴記憶部145は、預入金額の増減履歴を記憶してもよい。
ウェブページ情報等記憶部146は、転職サイトの基礎となるウェブページや、各利用者に割り当てられているウェブページの情報等を記憶する。
(制御部130)
制御部130は、例えばCPU110であり、プログラムを実行することにより、設定情報更新部131、認証部132、ポイント消費部133、ポイント還元部134、要求処理部135、評価値記録部136、特典指標値算出部137、特典付与部138、及び入金処理部139として機能する。
設定情報更新部131は、運営者端末20からの要求に応じて、設定情報記憶部142に記憶されている設定情報を更新する。
認証部132は、転職サイトへアクセスを行った利用者のログイン制御のための認証を行う。
ポイント消費部133は、利用者端末30からの要求に対して、当該利用者のポイントを減算した上で、要求処理部135における処理の実行を許可する。
ポイント還元部134は、第二の利用者が情報提供サイトにおけるサービスの利用のためにポイントを消費した場合に、消費されたポイントに対応する譲渡元の情報を利用者情報記憶部141から取得し、取得した譲渡元の情報が示す第一の利用者に、消費されたポイントに基づく数量のポイントを付与する。ポイント還元部134は、ポイント消費部133において減算されたポイント数に基づいて、当該ポイントの譲渡元である第一の利用者にポイントを付与する。
要求処理部135は、利用者端末30からの要求に応じてウェブページ等の情報の提供や記憶部140の更新を行う。換言すれば、要求処理部135は、利用者の要求に応じてサービスを提供することにより、管理サーバ10において、利用者のサービス利用行為を実行する。
評価値記録部136は、利用者による情報提供サイトを利用する行為に対する評価値を算出する評価部である。評価値記録部136は、要求処理部135においてなされた各処理に対して特典に反映される評価値を算出し、評価値を含む各処理に関する情報を評価履歴記憶部143に記録させる。
特典指標値算出部137は、評価履歴記憶部143に記憶されている各利用者に関する評価値に基づいて特典指標値を算出する。特典指標値算出部137で算出される特典指標値のうち、各利用者の活動範囲を示す地域情報に基づく特典指標値を第一特典指標値と称し、地域情報に基づかない特典指標値を第二特典指標値と称する。
特典付与部138は、所定の期間中の利用者に対応する評価値に基づいて、利用者に特典を付与する。特典付与部138は、例えば、特典指標値等に基づいて、各利用者の情報を表示する優先順位や、各利用者が保有するポイント等を制御する。
入金処理部139は、金融機関のサーバ40から入金記録を取得し、入金者である第一の利用者の預入金額を入金額分加算した金額に更新すると共に、当該第一の利用者に預入金額に応じたポイントを付与する。
(制御部130:要求処理部135)
要求処理部135は、閲覧処理部135a、検索処理部135b、ウェブページ更新処理部135c、投稿処理部135d、ポイント譲渡処理部135e、及び評価処理部135fを有する。閲覧処理部135aは、利用者端末30からの要求に応じたウェブページを提供する。検索処理部135bは、利用者端末30からの要求に含まれる条件に合う情報を検索し、検索した情報を提示する。
ウェブページ更新処理部135cは、各利用者が発信したい情報を掲載するための各利用者専用のウェブページを、要求に応じて更新する。投稿処理部135dは、利用者端末30からのコラムや質問等を投稿するための要求に応じて、投稿されたコラムや質問等をウェブページに反映する。
ポイント譲渡処理部135eは、利用者端末30から、ポイントを譲渡するための第一の要求を受信すると、第一の要求の発信者である第一の利用者から第一の要求において譲渡先として指定された利用者へ第一の要求において指定された数量のポイントを移動させるポイント譲渡部として機能する。ポイント譲渡処理部135eは、第一の利用者からの要求に応じてポイントの移動処理及び手数料の決済処理を行う。
また、ポイント譲渡処理部135eは、第一の利用者から前記第二の利用者へポイントの移動が行われると、移動されたポイントに基づく金額を運営者に対して支払うよう求める通知を第一の利用者の端末に送信してもよい。ポイント譲渡処理部135eは、例えば、移動されたポイントに、運営者が設定可能な所定の設定値を乗算することにより、運営者に支払う金額を算出する。
また、ポイント譲渡処理部135eは、第一の利用者から前記第二の利用者へポイントの移動が行われると、第一の利用者に帰属する金額を、移動されたポイントに基づく金額分減算してもよい。ポイント譲渡処理部135eは、例えば、移動されたポイントに、運営者が設定可能な所定の設定値を乗算することにより、減算する金額を算出する。
評価処理部135fは、公開されている情報に対して利用者によってなされる評価に基づいて、特典に反映される評価値を算出し、算出した評価値を記憶部140に記録する。
要求処理部135は、以上の機能の他に、例えば、利用者端末30からの、コンテンツをダウンロードするための要求に応じて、当該コンテンツを利用者端末30へ提供する機能や、利用者端末30からの、コンテンツをアップロードするための要求に応じて、当該コンテンツを記憶部140に記憶させる機能等を有してもよい。
(制御部130:特典付与部138)
特典付与部138は、第一ポイント付与部138a、表示情報選出部138b、表示順位決定部138c、第二ポイント付与部138d、奨励金支給部138e、及び割引率算出部138fを有する。第一ポイント付与部138aは、評価値記録部136における処理が行われる度に、各評価値に基づいて各利用者に付与するポイント数を算出する。表示情報選出部138bは、第一特典指標値に基づいて広告枠に表示させる情報を選出する。
表示順位決定部138cは、第一特典指標値に基づいて検索結果表示画面に表示させる情報の表示順を決定する。第二ポイント付与部138dは、各利用者の第二特典指標値に基づいて、各利用者に付与するポイント数を算出し、各利用者にポイント付与処理を行う。奨励金支給部138eは、各第一の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第一の利用者に支給する奨励金額を算出し、各利用者に奨励金支給処理を行う。割引率算出部138fは、各第二の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第二の利用者がサービスを利用するために必要となるポイント数の割引率を算出する。ポイント数の割引率は、標準的な第二の利用者が特定のサービスを利用する際に消費される基本ポイント数に対する、基本ポイント数と特定の第二の利用者が同じサービスを利用する際に消費されるポイント数との差の割合である。
(記憶部140に記憶されている情報の詳細)
ここで、ポイント管理システムS2の機能の詳細な説明に先立って、記憶部140に記憶されている情報について、詳細に説明する。
(利用者情報記憶部141に記憶されている情報)
利用者情報記憶部141には、ユーザIDやパスワードのような各利用者の個人情報や、各利用者に付与された特典に関する情報が、図13に示すような利用者情報表T1として記憶されている。図13に示すように、利用者情報表T1の項目としては、例えば、当該利用者を識別するためのユーザID、当該利用者を認証するためのパスワード、当該利用者の種別、第一特典指標値、第二特典指標値、当該利用者の活動範囲を示す地域情報、当該利用者専用に割り当てられたウェブページのアドレス等が挙げられる。
ここで、利用者の種別とは、例えば、第一の利用者と第二の利用者のどちらに属するか、又は、エージェントと企業と個人のうちのいずれに属するか等、利用者の当該転職サイト内における立場を示す情報である。また、地域情報は、例えば、市区町村を最小単位とし、エージェントや企業の場合は事業展開する地域、個人の場合は就職を希望する地域等に基づいて、当該利用者自身の選択によって定められる、一以上の単位地域からなる地理的情報である。
また、利用者情報記憶部141には、第一の利用者限定の項目として、預入金の入金に関するID番号である入金IDが記憶されている。一方、利用者情報記憶部141には、第二の利用者限定の項目として、サービスを利用するために消費するポイント数を、後述する消費ポイントに対応表T2より得られる数量(定価に相当する。)から割り引くための比率である割引率が記憶されている。
また、利用者情報記憶部141には、その他の項目として、利用者が保有するポイント数や、第一の利用者に帰属する預入金額等が記憶されていてもよい。
利用者情報表T1は、認証部132、ポイント消費部133、要求処理部135及び特典付与部138の処理において参照されると共に、特典指標値算出部137及び割引率算出部138fの処理に伴って更新される。
(設定情報記憶部142に記憶されている情報)
設定情報記憶部142には、制御部130における処理で参照される設定情報が記憶されている。設定情報記憶部142は、例えば、評価値記録部136が評価値を算出する際の基準として用いられる第一設定情報、及び特典付与部138が特典の大きさを決定する際の基準として用いられる第二設定情報を含む設定情報を記憶する。設定情報は、例えば、消費ポイント対応表T2、評価値対応表T3、記事評価値対応表T4、第一特典指標値関数F1、第二特典指標値関数F2、第一ポイント関数F3、第二ポイント関数F4、第三ポイント関数F5、第四ポイント関数F6、手数料関数F7、奨励金関数F8、割引率関数F9、特典指標値算出間隔IV、評価値抽出期間PDである。第一設定情報は、例えば評価値対応表T3又は記事評価値対応表T4であり、第二設定情報は、例えば第一特典指標値関数F1又は第二特典指標値関数F2である。
消費ポイント対応表T2は、ポイント消費部133の処理において参照される、利用者端末30からの要求の種別と、その要求内容に基づいて消費ポイント数を算出するための関数との対応表である。ここで、要求の種別とは、閲覧要求、検索要求、記事投稿要求、ウェブページ更新要求等、要求処理部135において行われる各処理に対応する。また、各要求の種別に対応する関数は、運営者によって随時変更可能であり、当該要求に含まれる何らかの数値を変数とした関数であってもよいし、定数関数であってもよい。例えば、記事投稿要求に対応する関数としては、投稿する記事の文字数に所定の定数を乗じるような関数が考えられる。また、広告掲載に関する要求に対応する関数であれば、広告掲載期間や掲載する広告枠の広さ等を変数とした関数とすることが考えられる。
なお、消費ポイント対応表T2は、個人用と企業用の2種類とする等、利用者の種別に応じて複数種類存在してもよい。この場合、個人用の消費ポイント対応表T2の、全要求の種別に対応するポイント数を0として、個人によるサービスの利用にはお金がかからないように設定することもできる。
運営者が特定のサービスの利用を推進したい場合には、制御部130は、運営者の指示に基づいて、消費ポイント対応表T2における、当該サービスの利用に対応する要求の種別に対応する関数を、消費ポイント数がより少なく算出されるものに変更してもよい。これにより、利用者にとって当該サービスがより魅力的なものとなるため、利用者の当該サービスの利用意欲の増進につながり、結果として、運営者の意図する方向に利用者のサービス利用行為を誘導することができる。
評価値対応表T3は、評価値記録部136の処理において参照される、要求処理部135における各処理の種別と、その処理内容から評価値を算出するための関数との対応表である。ここで、各処理の種別とは、閲覧処理、検索処理、記事投稿処理、ウェブページ更新処理等、要求処理部135において行われる各処理に対応する。また、各処理の種別に対応する関数は、運営者によって随時変更可能であり、当該処理に含まれる何らかの数値を変数とした関数であってもよいし、定数関数であってもよい。なお、評価値対応表T3は、エージェント用と企業用と個人用の3種類とする等、利用者の種別に応じて複数種類存在してもよい。さらに、処理の種別に、新規会員登録処理を加えることによって、新規に会員登録を行った利用者に対して、特別にポイントを付与することも可能となる。
運営者が特定のサービスの利用を推進したい場合には、制御部130は、運営者の指示に基づいて、評価値対応表T3における、当該サービスの利用に対応する処理の種別に対応する関数を、評価値がより大きく算出されるものに変更してもよい。これにより、利用者にとって当該サービスがより魅力的なものとなるため、利用者の当該サービスの利用意欲の増進につながり、結果として、運営者の意図する方向に利用者のサービス利用行為を誘導することができる。
記事評価値対応表T4は、評価処理部135fの処理において参照される、閲覧者によるコラム等の評価と、評価値との対応表である。記事評価値対応表T4は、例えば、閲覧者によるコラム等の評価が、「excellent」、「good」、「average」、「poor」の4段階に分けられている場合に、それぞれの評価に対して、2、1、0、−1という評価値が対応するような表とすることができる。
第一特典指標値関数F1は、特典指標値算出部137の処理において参照される、評価値と地域情報から第一特典指標値を算出するための関数である。第一特典指標値関数F1は、例えば、(ある利用者の第一特典指標値)=(当該利用者に関する地域依存性のない評価値の合計)+(当該利用者に関する地域依存性のある評価値の合計)/(当該利用者と地域情報の一部又は全部が一致する利用者の総数)とすることができる。ここで、地域依存性のある評価値とは、当該利用者の活動範囲における利用者人口によって機会が制限される行為に対する評価値のことであり、例えば、ポイント譲渡による評価値や、他者からの評価による評価値がこれに該当する。第一特典指標値関数F1をこのような関数にすることにより、利用者の活動範囲の広狭によって生じる不公平を是正した指標に基づいて表示の優先順位を決定することができるため、真に質の高い利用者を正当に優遇することができる。
なお、例示の第一特典指標値関数F1の右辺第一項及び第二項には、運営者によって設定可能な任意の定数が乗じられてもよく、これにより、地域依存性のない評価値と地域依存性のある評価値とのそれぞれが、第一特典指標値に対してどの程度影響するかを調整することが可能となる。また、他者からの評価に基づく評価値を除いた評価値によって第一特典指標値を算出する等、運営者によって評価値の抽出条件に適宜制限が加えられてもよい。
第二特典指標値関数F2は、特典指標値算出部137の処理において参照される、評価値に基づいて第二特典指標値を算出するための関数である。第二特典指標値関数F2は、例えば、(ある利用者の第二特典指標値)=(当該利用者に関する評価値の合計)とすることができる。
なお、特典指標値算出部137の処理において参照される関数は、第一特典指標値関数F1及び第二特典指標値関数F2に限定されず、特典付与部138に属する機能処理部によって異なる特典指標値が参照されるよう、より多種類の関数が設定情報記憶部142に記憶されていてもよい。
第一ポイント関数F3は、第一ポイント付与部138aの処理において参照される、評価値に基づいてポイントを算出するための関数である。第一ポイント関数F3は、例えば、(付与されるポイント数)=C1×(評価値)のような任意の定数C1を含む一次関数とすることができる。また、ポイントを付与するために必要な評価値の下限値C1’を定めることも可能である。この場合、第一ポイント関数F3は、例えば、評価値が下限値C1’以上の場合には(付与されるポイント数)=C1×(評価値)であり、評価値が下限値C1’未満の場合には定数関数(付与されるポイント数)=0であるような関数とすることができる。さらに、第一ポイント関数F3の代わりに、複数種類の関数からなる第一ポイント関数表が設定情報記憶部142に記憶されていてもよい。この場合、第一ポイント付与部138aは、ポイントの付与対象である利用者の種別によって、個別に関数を設定することができ、この結果、利用者の種別によって待遇に変化をつけることが可能となる。
第二ポイント関数F4は、第二ポイント付与部138dの処理において参照される、第二特典指標値に基づいてポイントを算出するための関数である。第二ポイント関数F4は、例えば、(付与されるポイント数)=C2×(第二特典指標値)のような任意の定数C2を含む一次関数とすることができる。また、ポイントを付与するために必要な第二特典指標値の下限値C2’を定めることも可能である。この場合、例えば、第二ポイント関数F4は、第一ポイント関数F3の説明における例示と同様の関数であってもよいし、(付与されるポイント数)=C2×{(第二特典指標値)−C2’}のような、第二特典指標値が下限値C2’未満なら、付与されるポイント数が負の値となるような関数とすることもできる。さらに、第二ポイント関数F4も、第一ポイント関数F3と同様に、複数種類の関数からなる第二ポイント関数表によって代用されてもよい。
第三ポイント関数F5は、ポイント還元部134の処理において参照される、減算されたポイント数に基づいて、付与されるポイント数を算出するための関数である。第三ポイント関数F5は、例えば、(付与されるポイント数)=C3×(減算されたポイント数)のような任意の定数C3を含む一次関数とすることができる。
第四ポイント関数F6は、入金処理部139の処理において参照される、預入金額から付与されるポイント数を算出するための関数である。第四ポイント関数F6は、例えば、(入金記録反映後の預入金額)が(預入金額の過去最高額)より小さい場合は(付与されるポイント数)=C4×{(入金記録反映後の預入金額)−(預入金額の過去最高額)}のような任意の定数C4を含む一次関数であり、(入金記録反映後の預入金額)が(預入金額の過去最高額)以下の場合は定数関数(付与されるポイント数)=0であるような関数とすることができる。
手数料関数F7は、ポイント譲渡処理部135eの処理において参照される、譲渡されるポイント数から手数料を算出するための関数である。手数料関数F7は、例えば、(手数料)=C5×(譲渡されるポイント数)のような任意の定数C5を含む一次関数とすることができる。また、手数料関数F7も、第一ポイント関数F3及び第二ポイント関数F4と同様に、複数種類の関数からなる手数料関数表によって代用されてもよい。この場合、ポイントの譲渡先である利用者の種別毎に異なる関数を設定することができる。これにより、例えば、第二の利用者への譲渡には手数料が発生し、第一の利用者同士での譲渡には手数料が発生しない等の設定が可能となる。
奨励金関数F8は、奨励金支給部138eの処理において参照される、第二特典指標値に基づいて奨励金額を算出するための関数である。奨励金関数F8は、例えば、(奨励金額)=C6×(第二特典指標値)のような任意の定数C6を含む一次関数とすることができる。また、奨励金を支給するために必要な第二特典指標値の下限値C6’を定めることも可能であり、奨励金関数F8を、第一ポイント関数F3の説明における例示と同様の関数とすることができる。
割引率関数F9は、割引率算出部138fの処理において参照される、第二特典指標値に基づいて割引率を算出するための関数である。割引率関数F9は、例えば、(割引率)=C7×(第二特典指標値)のような任意の定数C7を含む一次関数とすることができる。また、割引を適用するために必要な第二特典指標値の下限値C7’を定めることも可能であり、割引率関数F9を、第一ポイント関数F3の説明における例示と同様の関数とすることができる。さらに、割引率関数F9も、第一ポイント関数F3、第二ポイント関数F4及び手数料関数F7と同様に、複数種類の関数からなる割引率関数表によって代用されてもよい。この場合、割引率が算出される第二の利用者の種別(企業と個人のどちらに属するか等)によって、異なる関数を設定することができる。
なお、上記各種関数内の定数C1〜C7及び下限値C1’、C2’、C6’、C7’は運営者によって随時変更可能である。また、関数F1〜F9は例示の関数に限定されず、他の関数とすることができる。さらに、定数のみならず、関数F1〜F9自体が、運営者によって随時変更可能であってもよい。
特典指標値算出間隔IVは、特典指標値算出部137の処理が行われる頻度に影響を与える数値である。特典指標値算出間隔IVは、例えば、1ヶ月や1週間、1日等とすることができる。特典指標値算出部137は、直前の処理を行った時点から特典指標値算出間隔IVが経過した時点で次の処理を行う。このため、利用者のサービス利用行為を速やかに特典に反映させたい場合には、特典指標値算出間隔IVを短く設定すればよい。
評価値抽出期間PDは、特典指標値算出部137において、評価値の抽出の際に参照される数値である。評価値抽出期間PDは、例えば、1ヶ月、半年、1年等とすることができる。特典指標値算出部137は、例えば、処理の開始時点から評価値抽出期間PD遡った時点(以下、「抽出起点」と略記する。)以降の、評価履歴T5及び記事評価履歴T6の記録から、評価値の抽出を行う。このため、利用者の長期的な動向を特典に反映させたい場合には、評価値抽出期間PDを長く設定すればよい。
なお、特典指標値算出間隔IV及び評価値抽出期間PDは、それぞれ独立して設定される数値であり、さらに、これらによって算出される第一特典指標値及び第二特典指標値を参照する処理を司る機能処理部毎に、異なる特典指標値算出間隔IV及び評価値抽出期間PDが設定されてもよい。例えば、第二ポイント付与部138dや奨励金支給部138eの処理において参照される第二特典指標値の算出時に参照される特典指標値算出間隔IV及び評価値抽出期間PDは互いに等しい数値であることが望ましく、表示情報選出部138bや表示順位決定部138cの処理において参照される第一特典指標値及び割引率算出部138fの処理において参照される第二特典指標値の算出時に参照される特典指標値算出間隔IVは、評価値抽出期間PD以下の数値であることが望ましい。
(評価履歴記憶部143に記憶されている情報)
評価履歴記憶部143には、利用者によるサービス利用行為の履歴が、図14(a)に示すような評価履歴T5として記憶されている。図14(a)に示すように、評価履歴T5の項目としては、例えば、当該行為の行われた時間を表す日時、当該行為の主体である利用者のユーザID、当該行為の種別、当該行為から算出された評価値等が挙げられる。ここで、行為の種別とは、閲覧行為、検索行為、記事投稿行為、ウェブページ更新行為等、要求処理部135において行われる各処理に対応する。評価履歴T5は、評価値記録部136の処理によって更新されると共に、第一ポイント付与部138a及び特典指標値算出部137の処理において参照される他、必要に応じて、閲覧処理部135aの処理において参照されてもよい。
また、評価履歴記憶部143には、コラム等の閲覧者による評価の履歴が、図14(b)に示すような記事評価履歴T6として記憶されている。図14(b)に示すように、記事評価履歴T6の項目としては、例えば、当該評価の行われた時間を表す日時、当該評価がなされたコラム等の投稿者のユーザID、当該評価から求められた評価値等が挙げられる。記事評価履歴T6は、評価処理部135fの処理によって更新されると共に、特典指標値算出部137の処理において参照される。
(ポイント履歴記憶部144に記憶されている情報)
ポイント履歴記憶部144には、図15に示すようなポイント得失履歴T7が利用者毎に記憶されている。図15に示すように、ポイント得失履歴T7の項目としては、例えば、ポイントが取得された日時、取得されたポイント数(負の数ならば喪失したことを意味する。)、何によってポイントを取得又は喪失したかを示す詳細、取得されたポイントの残高等が挙げられる。ここで、取得されたポイントの残高とは、ポイントが取得された記録毎に、その際取得されたポイントがあと何ポイント残っているかを示す値であり、当該利用者がポイントを喪失した際にのみ更新される。
なお、ポイントの喪失の記録には、残高は記録されない。また、第一の利用者のポイント得失履歴T7には、譲渡によりポイントを喪失した場合に記録される譲渡先の利用者のユーザIDが含まれていてもよい。また、第二の利用者のポイント得失履歴T7には、譲渡によりポイントを取得した場合に記録される譲渡元の利用者のユーザIDが含まれていてもよい。
ポイント得失履歴T7は、ポイント消費部133、ポイント還元部134、ポイント譲渡処理部135e、特典付与部138及び入金処理部139の処理によって更新されると共に、ポイント還元部134の処理において参照される他、必要に応じて、閲覧処理部135aの処理において参照されてもよい。
(預入金履歴記憶部145に記憶されている情報)
預入金履歴記憶部145は、預入金額の増減履歴が、図16に示すような預入金履歴T8として、第一の利用者毎に記憶されている。図16に示すように、預入金履歴T8の項目としては、例えば、預入金額の増減が発生した日時、預入金額の増減額、預入金額の増減の根拠、及び、預入金残高等が挙げられる。預入金履歴T8における最新の預入金残高が、当該預入金履歴T8に対応する第一の利用者の預入金額に相当する。預入金履歴T8は、ポイント譲渡処理部135e、奨励金支給部138e及び入金処理部139の処理によって更新される。また、必要に応じて、閲覧処理部135aやポイント譲渡処理部135eの処理において参照されてもよい。
なお、預入金履歴記憶部145には、第一の利用者だけでなく、運営者の預入金履歴T8が記憶されていてもよい。運営者の預入金額は、預入金口座の残高から、全ての第一の利用者の預入金額を除いた金額である。運営者の預入金履歴T8は、ポイント譲渡処理部135e及び奨励金支給部138eの全ての処理によって更新されることになる。
(ウェブページ情報等記憶部146に記憶されている情報)
ウェブページ情報等記憶部146には、転職サイトの基礎となる各種のウェブページや、各利用者専用に割り当てられているウェブページの情報、その他転職サイト内で提供される様々なコンテンツ等が記憶されている。例えば、ウェブページの情報はHTML(HyperText Markup Language)ファイル等として、その他のコンテンツの情報は文書ファイルや画像ファイル、音声ファイル、動画ファイル等として保存されている。これらの情報は、要求処理部135の処理結果として利用者端末30に提供される。なお、本実施形態では各利用者に1つのウェブページが割り当てられるものとして説明を行っているが、各利用者が独自のウェブサイトを構成できるよう、各利用者に、ウェブサイトの構成要素であるウェブページ情報及びコンテンツ等を格納するためのサーバスペースが割り当てられる態様であってもよい。
[ポイント管理システムS2の機能の詳細]
(設定情報更新部131)
設定情報更新部131は、運営者端末20からの要求に応じて、設定情報記憶部142に記憶されている設定情報を更新する。管理サーバ10が運営者端末20から設定情報を変更するための要求を受信すると、設定情報更新部131は、どの設定情報を変更するか選択するよう運営者に要求する画面を運営者端末20に表示させる。
変更可能な設定情報の選択肢として、例えば消費ポイント対応表T2、評価値対応表T3、記事評価値対応表T4、第一特典指標値関数F1、第二特典指標値関数F2、第一ポイント関数F3、第二ポイント関数F4、第三ポイント関数F5、第四ポイント関数F6、手数料関数F7、奨励金関数F8及び割引率関数F9、特典指標値算出間隔IV、評価値抽出期間PDが表示される。
運営者によって、変更する設定情報が選択されると、設定情報更新部131は、運営者が新しい設定情報を入力するための画面を運営者端末20に表示させる。運営者によって新しい値又は関数が入力されると、設定情報更新部131は、設定情報記憶部142に記憶されている当該設定情報の値又は関数を、運営者によって新しく入力された値又は関数に更新する。
なお、設定情報更新部131による設定情報の更新は、運営者による更新作業から所定の時間が経過した後に行われてもよい。例えば、設定情報更新部131は、運営者による更新作業により取得された新しい設定情報を用いて、所定の期間が経過後に新しい設定情報への更新が行われることを利用者に告知し、利用者に告知してから所定の期間が経過後に初めて設定情報記憶部142に記憶されている設定情報を更新してもよい。
なお、設定情報の変更は、運営者に代わって情報提供サイトにおける利用者端末30と管理サーバ10との間でのデータの送受信状態を監視し、望ましい設定情報を導出するよう設計された人工知能によって行われてもよい。
(認証部132)
認証部132は、転職サイトへアクセスを行った利用者のログイン制御を行う。管理サーバ10が利用者端末30からユーザID及びパスワードの情報を含む認証要求を受信すると、認証部132は、利用者情報表T1に含まれるユーザID及びパスワードの情報に基づいて、当該利用者端末30を操作する利用者の認証処理を行う。
また、認証部132は、運営者のログイン制御を行うことも可能である。例えば、利用者情報表T1に運営者のユーザID及びパスワードが記憶されており、認証要求に含まれるユーザID及びパスワードが利用者情報表T1に記憶されている運営者のユーザID及びパスワードと一致する場合には、認証部132は、当該認証要求の発信者が運営者であると認証する。
(ポイント消費部133)
ポイント消費部133は、利用者端末30からの要求に対して、当該利用者のポイントを減算した上で、要求処理部135における処理の実行を許可する。管理サーバ10が、利用者端末30から、認証部132において第二の利用者として認証された利用者による、要求処理部135で処理されるべき各種要求を受信すると、ポイント消費部133は、消費ポイント対応表T2及び利用者情報表T1における当該第二の利用者の割引率を参照し、受信した要求の種別から、減算すべきポイント数を算出する。
続いて、ポイント消費部133は、当該第二の利用者のポイント得失履歴T7に記録されているポイントの取得に係る記録のうち、残高が0でない最古の記録の残高から、減算すべきポイント数に達するまで、記録毎にポイントの減算処理を行うと共に、第一の利用者からの譲渡により取得されたポイントが減算された場合には、ポイント還元部134への通知処理を行う。
例えば、ある第二の利用者が、図17(a)に示すように、7月1日に譲渡により300ポイントを取得し、7月5日に特典として100ポイント取得していた場合、それ以降にポイントを消費していなければ、7月1日記録分は300ポイント全部、及び7月5日記録分は100ポイント全部が残高として記録される。
この後、当該第二の利用者が、例えば、7月10日にウェブページの更新を行うための要求を発信し、ポイント消費部133が、当該要求に対応するために当該第二の利用者が保有するポイントから減算されるべきポイント数が350ポイントであると算出したとする。この場合、ポイント消費部133は、まず、最も古い記録である7月1日記録分からポイントを減算するため、まず、7月1日記録分の残高300ポイントから、300ポイント全部を減算する。この際、図17(b)に示すように、7月1日記録分の残高を0ポイントに更新すると共に、当該記録分の譲渡元の情報を参照し、ユーザIDが記録されているため、当該譲渡元の利用者のユーザIDと当該記録分から減算されたポイント数(本例示の場合は300)とを関連付けて、ポイント還元部134に通知する。
以上の処理により、ポイント消費部133は、減算すべき350ポイントのうち300ポイントが減算できた。続いて、ポイント消費部133は、残り50ポイントを、次に古い記録である7月5日記録分から減算する。7月5日記録分の残高は100ポイントであるため、50ポイントを減算すると50ポイントが残ることになる。この際、図17(c)に示すように、ポイント消費部133は、7月5日記録分の残高を50ポイントに更新すると共に、当該記録分の譲渡元の情報を参照し、ユーザIDが記録されていないため、ポイント還元部134への通知は行わずに処理を終了する。
これらの処理が問題無く完了すると、ポイント消費部133は、図17(d)に示すように、当該ポイント得失履歴T7に、日時、ポイント数及び詳細を新たに記録すると共に、当該要求を要求処理部135に伝達する。ここで記録されるポイント数は、減算すべきポイント数に負号を付した数とすることができる。また、詳細には、ウェブページの更新を行うための消費である旨がわかる記録がなされればよい。
一方、残高の合計より減算すべきポイント数の方が多く、減算処理が完了しない場合には、ポイント消費部133は、当該利用者にポイントが足りない旨を知らせる警告を発信すると共に、当該要求を消去又は保留する。
(ポイント還元部134)
ポイント還元部134は、ポイント消費部133から通知された譲渡元の利用者のユーザID及び減算されたポイント数の情報に基づいて、当該譲渡元である第一の利用者にポイントを付与する。ポイント還元部134は、ポイント消費部133から通知されたユーザIDに対応する第一の利用者のポイント得失履歴T7に、日時、ポイント数及び詳細を記録する。ここで、ポイント数には、第三ポイント関数F5により、ポイント消費部133から通知された減算すべきポイント数から算出された付与すべきポイント数が記録され、詳細には、譲渡先でのポイント消費による還元である旨がわかる記録がなされる。
(要求処理部135)
要求処理部135は、利用者端末30からの様々な要求に対応するための処理を行う。要求処理部135は、以下に詳述する閲覧処理部135a、検索処理部135b、ウェブページ更新処理部135c、投稿処理部135d、ポイント譲渡処理部135e、評価処理部135fのような様々な機能処理部を備えている。なお、要求処理部135の機能は、これらの機能処理部によって行われるものに限定されず、ウェブサイトにおいて一般的に用いられている機能が適宜追加されていてもよい。また、利用者端末30からの要求が、専用のアプリケーションによって処理される場合には、当該アプリケーションがこれらの機能処理部を備えていればよい。
(閲覧処理部135a)
閲覧処理部135aは、要求処理部135に属し、利用者端末30からの要求に応じたウェブページを提供する。本実施形態に係る閲覧処理部135aによる機能は、一般的なウェブサーバが有する機能と略同様であるが、基本的に、閲覧要求を発信した利用者と地域情報が全く一致しない利用者の情報は、要求発信者である利用者には提供しないという特徴を有する。これにより、閲覧要求を発信した利用者にとって不必要な情報を予め除外することができるため、利用者が必要な情報を探し出すまでの労力を軽減することができる。
また、閲覧処理部135aは、利用者端末30に提供すべきウェブページに広告枠等が含まれる場合には、後述する表示情報選出部138bにより選出された広告を当該広告枠に挿入したウェブページを利用者端末30に提供することができる。
さらにまた、閲覧処理部135aは、利用者端末30からの、各種履歴の閲覧要求を受け付けてもよい。例えば、管理サーバ10が、利用者端末30からサービス利用履歴の閲覧要求を受信した場合には、評価履歴記憶部143に記憶されている評価履歴T5から、当該要求の発信者である利用者によるサービス利用行為に基づく評価記録を抽出し、当該利用者のサービス利用履歴として利用者端末30に提供することができる。また、ポイントの得失履歴について閲覧要求を受け付け、ポイント履歴記憶部144に記憶されている、当該要求の発信者である利用者に対応するポイント得失履歴T7を利用者端末30に表示させてもよい。さらにまた、預入金の増減履歴について閲覧要求を受け付け、預入金履歴記憶部145に記憶されている、当該要求の発信者である第一の利用者に対応する預入金履歴T8を利用者端末30に表示させてもよい。
(検索処理部135b)
検索処理部135bは、要求処理部135に属し、利用者端末30からの情報検索要求に含まれる条件に合う情報を選出し提示する。検索処理部135bによる機能は、一般的な情報検索機能と略同様であるが、検索結果表示画面の生成にあたり、後述する表示順位決定部138cにより決定された表示順位に基づいて、より上位の情報を、より閲覧者の目に止まりやすい優位な位置に配置することを特徴とする。
(ウェブページ更新処理部135c)
ウェブページ更新処理部135cは、要求処理部135に属し、各利用者専用に割り当てられているウェブページを、当該利用者の要求に応じて更新する。管理サーバ10が利用者端末30からウェブページを更新するための要求を受信すると、ウェブページ更新処理部135cは、利用者情報表T1から、当該利用者専用のウェブページのアドレスを取得し、当該利用者専用のウェブページを編集するための画面を利用者端末30に表示させる。ウェブページ更新処理部135cは、利用者によって編集が行われた後の新たなウェブページの情報を受信すると、ウェブページ情報等記憶部146に記憶されている当該利用者専用のウェブページの情報を、編集後の新たなウェブページの情報に更新する。
なお、各利用者にウェブサイトを構成するためのサーバスペースが割り当てられている場合には、ウェブページ更新処理部135cは、HTMLファイルやコンテンツ等のアップロード要求を受け付け、ウェブページ情報等記憶部146の当該利用者に割り当てられているスペースに既存のファイルの更新を行ったり、新規のファイルを記憶させたりすることができる。
(投稿処理部135d)
投稿処理部135dは、要求処理部135に属し、利用者端末30からのコラムや質問等を投稿するための要求を受け付ける。投稿処理部135dは、例えば一般的な電子掲示板の機能を有しており、投稿された情報をウェブページ情報等記憶部146に記憶させる。
(ポイント譲渡処理部135e)
ポイント譲渡処理部135eは、要求処理部135に属し、第一の利用者からの要求に応じてポイントを移動させる処理を行う。管理サーバ10が、利用者端末30から、要求を発信した第一の利用者、譲渡するポイント数及び譲渡先の利用者の情報を含む、ポイントを譲渡するための要求を受信すると、ポイント譲渡処理部135eは、まず、要求を発信した第一の利用者の預入金履歴T8から預入金額を取得する。また、ポイント譲渡処理部135eは、手数料関数F7により、譲渡するポイント数から手数料を算出し、取得した預入金額と比較する。取得した預入金額が算出した手数料以上であれば、以下に説明するようなポイント移動処理を行う。
ポイント譲渡処理部135eは、まず、要求を発信した第一の利用者のポイント得失履歴T7において、譲渡したポイント数分の減算処理を行い、日時、譲渡したポイント数、譲渡先の利用者のユーザID、及び、譲渡によるポイントの喪失である旨の記録を行う。具体的な処理の手順は、ポイント消費部133におけるポイントの減算処理と同様であるので、説明を省略する。さらに、ポイント譲渡処理部135eは、要求を発信した第一の利用者の預入金履歴T8に新たな預入金減額の記録として、日時、手数料関数F7により譲渡するポイント数から算出された手数料額、及び、譲渡による減額である旨を記録する。
さらにまた、ポイント譲渡処理部135eは、譲渡先の利用者のポイント得失履歴T7に、譲渡により所定の数量のポイントを取得した旨を記録する。具体的には、ポイント譲渡処理部135eは、新たなポイント取得の記録として、日時、譲渡されたポイント数、譲渡元である要求を発信した第一の利用者のユーザID、及び、譲渡による取得である旨を記録する。
一方、ポイント譲渡処理部135eは、利用者情報表T1から取得した預入金額が手数料未満であった場合には、上述のポイント移動処理を行わず、要求を発信した利用者端末30に、預入金額が足りない旨を知らせる警告を発信すると共に、当該要求を消去又は保留する。
なお、ポイント譲渡処理部135eが処理を開始する要因は、第一の利用者からのポイントを譲渡するための要求に限定されない。例えば、ポイント譲渡処理部135eは、管理サーバ10が、利用者端末30から、要求を発信した第二の利用者、譲り受けるポイント数及び譲渡元の第一の利用者の情報を含む、ポイントを譲り受けるための要求を受信したことに基づいて、譲渡元として指定された第一の利用者に、譲渡の意思の有無を確認する通知を行い、当該第一の利用者に譲渡の意思がある旨の回答を得た上で、前述の、手数料と預入金額との比較以降の処理を行ってもよい。また、ポイント譲渡処理部135eは、反対に、第一の利用者からのポイントを譲渡するための要求を受けて、譲渡先の利用者にポイントを譲り受ける意思の有無を確認してもよい。
また、ここまでは、第一の利用者が預入金として運営者によって定められた預入金口座に金銭を預け入れることを前提に説明してきたが、運営者による預入金の一元管理が行われず、ポイント譲渡に伴う手数料の請求のみが自動で行われる態様としてもよい。この場合、ポイント譲渡処理部135eは、ポイントを譲渡するための要求を発信した第一の利用者の預入金履歴T8に預入金減額の記録を残す代わりに、手数料関数F7により譲渡するポイント数から算出された手数料額を運営者に対して支払うよう求める通知を、当該第一の利用者に対して発信する。さらに、ポイント譲渡処理部135eは、各第一の利用者がポイントの譲渡を行う度に、各第一の利用者に請求すべき手数料を記録し、一定期間毎に、当該期間における各第一の利用者に請求すべき手数料をまとめて各第一の利用者に通知してもよい。また、この過程で記録された手数料の履歴は、運営者や第一の利用者にとって、資金を管理するのに有益な情報である。
(評価処理部135f)
評価処理部135fは、要求処理部135に属し、転職サイト内で公開されている情報に対して利用者によってなされる評価を、特典に反映される評価値として評価履歴記憶部143に記録する。転職サイト内で公開されているコラム等を閲覧するためのウェブページには、閲覧者が当該コラム等の評価を入力するためのチェックボックス等が設けられている。閲覧者によって当該コラム等の評価が入力されると、管理サーバ10は、当該コラム等を識別するための情報及び当該評価を受信する。これを受けて、評価処理部135fは、記事評価値対応表T4を参照して、当該評価から評価値を求めると共に、当該コラム等を識別するための情報から当該コラム等を発信した利用者のユーザIDを取得する。続いて、評価処理部135fは、記事評価履歴T6に、日時、当該コラム等の投稿者のユーザID、及び、記事評価値対応表T4から求められた評価値を、新たな記事評価記録として記録する。
(評価値記録部136)
評価値記録部136は、要求処理部135においてなされた各処理に対して特典に反映される評価値を算出し、評価値を含む各処理に関する情報を評価履歴記憶部143に記録する。要求処理部135において何らかの処理が行われると、評価値記録部136は、評価値対応表T3を参照して、当該処理の内容から評価値を算出する。続いて、評価履歴T5に、当該処理の行われた日時、当該処理の要求を行った利用者のユーザID、当該処理の種別、及び、当該行為から算出した評価値を、新たな評価記録として記録する。
(特典指標値算出部137)
特典指標値算出部137は、評価履歴記憶部143に記憶されている各利用者に関する評価値に基づいて特典指標値を算出する。特典指標値算出部137は、特典指標値算出間隔IVが経過する毎に、各利用者に関する情報を表示する際の優先順位に影響を与える第一特典指標値と、ポイントや奨励金等の、直接的な金銭的価値を有する特典の付与に影響を与える第二特典指標値とをそれぞれ算出する。そして、特典指標値算出部137は、利用者情報記憶部141に記憶されている各利用者の第一特典指標値及び第二特典指標値を、それぞれ新たに算出した数値に更新する。なお、特典指標値算出部137は、特定指標値算出間隔IV毎に実行されるのではなく、評価履歴記憶部143に新たな評価値が記録される度に処理を実行してもよい。この場合、特典指標値算出部137は、新たに記録された評価値に関する利用者についてのみ、処理を実行すればよい。
特典指標値算出部137は、第一特典指標値関数F1に基づいて第一特典指標値を算出する。第一特典指標値関数F1の説明において例示した関数を例に挙げると、特典指標値算出部137は、ある利用者の第一特典指標値の算出は、ある利用者の第一特典指標値を以下に説明するような処理によって算出する。まず、特典指標値算出部137は、評価履歴T5における抽出起点以降の記録から当該利用者に関する地域依存性のない評価値を抽出し、抽出された評価値の合計を算出することにより、(当該利用者に関する地域依存性のない評価値の合計)を取得する。
また、特典指標値算出部137は、評価履歴T5における抽出起点以降の記録から当該利用者に関する地域依存性のある評価値を抽出し、記事評価履歴T6における抽出起点以降の記録から当該利用者が発信した情報に対する評価値を抽出する。そして、特典指標値算出部137は、抽出した評価値の合計を算出することにより、(当該利用者に関する地域依存性のある評価値の合計)を取得する。さらに、特典指標値算出部137は、利用者情報表T1から当該利用者と地域情報の一部又は全部が一致する利用者を抽出することにより、(当該利用者と地域情報の一部又は全部が一致する利用者の総数)を取得する。特典指標値算出部137は、こうして得られた各値を第一特典指標値関数F1に代入されることで、当該利用者の第一特典指標値を算出する。
一方、特典指標値算出部137は、第二特典指標値関数F2に基づいて第二特典指標値を算出する。ある利用者の第二特典指標値を算出する場合、特典指標値算出部137は、評価履歴T5における抽出起点以降の記録から当該利用者に関する評価値を抽出し、記事評価履歴T6における抽出起点以降の記録から当該利用者が発信した情報に対する評価値を抽出する。そして、特典指標値算出部137は、抽出した全ての評価値を足し合わせることにより第二特典指標値を算出する。
(特典付与部138)
特典付与部138は、評価値記録部136による記録等に基づいて、記憶部140に記憶されている各利用者の特典に関する情報を更新する。特典付与部138は、以下に詳述する第一ポイント付与部138a、表示情報選出部138b、表示順位決定部138c、表示率算出部137c、第二ポイント付与部138d、奨励金支給部138e及び割引率算出部138fを備えている。
(第一ポイント付与部138a)
第一ポイント付与部138aは、特典付与部138に属し、評価値記録部136における処理が行われる度に、各評価値に基づいて各利用者に付与するポイント数を算出し、各利用者にポイント付与処理を行う。評価履歴T5に新たな評価記録が記録されると、第一ポイント付与部138aは、まず、第一ポイント関数F3により、当該評価記録に含まれる評価値に基づいて、当該評価記録に関する利用者に付与すべきポイント数を算出する。続いて、第一ポイント付与部138aは、当該評価記録に含まれるユーザIDを有する利用者のポイント得失履歴T7に、新たなポイント取得記録として、日時、算出されたポイント数、及び、特典として取得した旨を記録する。
(表示情報選出部138b)
表示情報選出部138bは、特典付与部138に属し、閲覧処理部135aにおいて広告枠等が含まれるウェブページの提供が必要となった際に、当該広告枠に表示されるべき情報を選出する。表示情報選出部138bは、例えば、各利用者によって作成された広告の中から広告枠に表示される情報を選出する。表示情報選出部138bは、第一特典指標値がより大きい利用者に関する情報を、情報提供サイトにおいて優先的に表示させる。具体的には、表示情報選出部138bは、利用者情報表T1の第一特典指標値を参照し、より第一特典指標値が大きい利用者によって作成された広告ほど選出頻度が高くなるよう選出処理を行う。
(表示順位決定部138c)
表示順位決定部138cは、特典付与部138に属し、検索処理部135bの処理によって選出された情報の表示順位を決定する。表示順位決定部138cは、検索処理部135bによって情報の選出が行われると、選出された各情報に関する利用者の第一特典指標値を参照し、より第一特典指標値が大きい利用者に関する情報がより上位となるような順位付けを行う。
(第二ポイント付与部138d)
第二ポイント付与部138dは、特典付与部138に属し、各利用者の第二特典指標値に基づいて、各利用者に付与するポイント数を算出し、各利用者にポイント付与処理を行う。第二ポイント付与部138dは、特典指標値算出部137により第二特典指標値が更新されると、第二ポイント関数F4により、利用者情報表T1における各利用者の第二特典指標値に基づいて、各利用者に付与すべきポイント数を算出し、各利用者のポイント得失履歴T7に、新たなポイント取得記録として、日時、算出されたポイント数、及び、特典として取得した旨を記録する。
なお、第二ポイント付与部138dは、利用者に対応する第二特典指標値が既定値に達しない場合に、当該利用者からポイントを剥奪してもよい。第二ポイント付与部138dは、例えば、算出したポイント数が負の値だった場合には、当該算出値の絶対値に相当する数量のポイントを当該利用者から剥奪してもよい。この場合、第二ポイント付与部138dは、当該利用者のポイント得失履歴T7に、ポイント消費部133によるポイント減算処理と同様の処理を行い、運営者によりポイントが剥奪された旨を記録する。
(第二ポイント付与部138dの変形例)
第二ポイント付与部138dは、各利用者に第二特典指標値に基づく数量のポイントを付与する代わりに、第一ポイント付与部138aの処理によって各利用者に付与されるポイントの数量を、第一ポイント関数F3によって得られる数量から割増又は割引するための比率(以下、「ポイント比率」と称す。)を算出してもよい。この場合、第二ポイント付与部138dは、第二ポイント関数F4の代わりに、(当該利用者のポイント比率)=(当該利用者の第二特典指標値)/C8のような任意の定数C8を含む関数F10を参照すればよい。定数C8は、運営者によって設定される、利用者の第二特典指標値として期待される値である。また、定数C8は、全利用者の第二特典指標値の平均値等であってもよい。
ポイント比率を参照する場合、第一ポイント付与部138aは、評価履歴T5に新たな評価記録が記録されると、第一ポイント関数F3により、当該評価記録に含まれる評価値に基づいて、当該評価記録に関する利用者に付与するポイントの標準値を算出する。さらに、第一ポイント付与部138aは、この標準値に当該利用者のポイント比率を乗じることにより、実際に当該利用者に付与するポイントの数量を算出する。
(奨励金支給部138e)
奨励金支給部138eは、特典付与部138に属し、各第一の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第一の利用者に支給する奨励金額を算出し、各利用者に奨励金支給処理を行う。奨励金支給部138eは、特典指標値算出部137により第二特典指標値が更新されると、奨励金関数F8により、利用者情報表T1における各第一の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第一の利用者に支給すべき奨励金額を算出する。奨励金支給部138eは、各第一の利用者の預入金履歴T8に、新たな預入金増減記録として、日時、算出された奨励金額、及び、奨励金の支給による増額である旨を記録する。
(奨励金支給部138eの変形例)
奨励金支給部138eは、各第一の利用者に第二特典指標値に基づく額の奨励金を支給する代わりに、ポイント譲渡処理部135eの処理によって各第一の利用者から徴収される手数料を、手数料関数F7によって得られる額から割増又は割引するための比率(以下、「手数料比率」と称す。)を算出してもよい。この場合、手数料比率は、ポイント比率と同様に、関数F10に類する関数の参照により算出されればよい。
手数料比率を参照する場合、ポイント譲渡処理部135eは、ポイントを譲渡するための要求に応じて、手数料関数F7により、要求に含まれる譲渡するポイント数から、手数料の標準額を算出する。さらに、ポイント譲渡処理部135eは、算出した標準額に、要求の発信者である第一の利用者の手数料比率を乗じることにより、実際に当該第一の利用者から徴収する手数料の額を算出する。
(割引率算出部138f)
割引率算出部138fは、特典付与部138に属し、各第二の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第二の利用者がサービスを利用するために消費するポイント数の割引率を算出する。割引率算出部138fは、特典指標値算出部137により第二特典指標値が更新されると、割引率関数F9により、利用者情報表T1における各第二の利用者の第二特典指標値に基づいて、各第二の利用者の割引率を算出する。割引率算出部138fは、利用者情報表T1の各第二の利用者に対応する割引率を、算出した割引率に更新する。
(入金処理部139)
入金処理部139は、金融機関のサーバ40から入金記録を取得し、入金者である第一の利用者の預入金額を入金額分加算した金額に更新すると共に、当該第一の利用者に預入金額に応じたポイントを付与する。入金処理部139は、管理サーバ10が金融機関のサーバ40から預入金口座への入金記録を受信すると、利用者情報表T1を参照して、当該入金記録に含まれる入金IDから入金者である第一の利用者を特定する。入金処理部139は、当該第一の利用者の預入金履歴T8に、新たな預入金増減記録として、当該入金記録に含まれる入金日時、当該入金記録に含まれる入金額、及び、入金による増額である旨を記録する。
さらに、入金処理部139は、当該第一の利用者の預入金履歴T8より入金記録反映後の預入金額及び過去最高の預入金残高を取得し、第四ポイント関数F6により、当該第一の利用者に付与すべきポイント数を算出してもよい。入金処理部139は、当該第一の利用者のポイント得失履歴T7に、新たなポイント取得履歴として、日時、算出されたポイント数、及び、入金による取得である旨を記録する。
(制御部130に備わり得るその他の機能処理部)
制御部130には、ポイントが付与されてから利用されるまでの有効期限を管理するポイント管理部が備えられていてもよい。ポイント管理部は、各利用者のポイント得失履歴T7を監視し、ポイントが取得された記録のうち、ポイントが取得されてから有効期限が経過した記録について、残高を0に変更する処理を行う。なお、ポイントの有効期限は設定情報の一種であり、運営者によって設定される。
[本発明に係るポイント管理システムS2により提供される情報提供サイトの例]
本発明に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトの例を図18に示す。図18は、様々な情報提供サイトにおいて、第一の利用者及び第二の利用者になり得る対象をまとめた一覧表である。管理システムによれば、図18に示されている婚活サイトや不動産サイト、保険サイト等、仲介者を軸としたマーケットに関する多種多様な情報提供サイトの提供が可能である。ここで、仲介者とは、情報の統括を行うと共に、需要者と供給者との適切なマッチングを図る者を意味し、あるテーマに基づいて収集又は作成した情報を整理して公開した結果として、需要者と供給者とを仲介する役割を果たすこともあるブロガー、コラムニスト、ライター及びジャーナリスト等も含まれる。情報提供者又は情報利用者が仲介者となってもよい。
なお、図18で取り上げた情報提供サイトはあくまで例示であって、ポイント管理システムS2によって提供することのできる情報提供サイトはこれらに限定されない。また、複数の専門的情報提供サイトを統合したようなサイトの提供も可能である。この場合、異なる情報提供サイト間でのポイントの交換を可能とすることで、統合的なサイト全体として、ポイントがより流通しやすくなる効果が期待される。
また、本発明に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトは、以上で説明したような、ウェブブラウザによって提供される情報提供サイトに限定されない。例えば、利用者がその情報提供サイトを利用するための専用アプリケーションを利用者端末30で実行し、当該アプリケーションによって、管理サーバ10から受信した内容を出力装置に出力させる態様の情報提供サイトであってもよい。さらに、本発明に係るポイント管理システムS2によって提供される情報提供サイトがVR技術を用いた仮想現実世界として構築され、ヘッドマウントディスプレイ等の出力装置によって利用者に提供されてもよい。
[ポイント管理システムS2による効果]
以上説明したように、ポイント管理システムS2によれば、利用者による情報提供サイト利用行為に応じて当該利用者に特典が付与されると共に、運営者が端末の操作によって特典付与の程度を制御するための設定情報を細部にわたって随時変更することができる。したがって、運営者の意図するように利用者の当該情報提供サイト利用意欲を増進させることができ、当該情報提供サイトが活性化されると共に、当該情報提供サイト内の情報が充実する。これにより、当該情報提供サイトを、さらに効率的な情報発信及び情報収集が行われるサイトに発展させることができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。例えば、ポイント管理システムS1が有する機能の一部と、ポイント管理システムS2が有する機能の一部とを組み合わせてもよい。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。