1.実施形態
1.1 概要
図1は、本実施形態の制御システム100を示す。制御システム100は、複数の電気機器10(10A,10B,10C)と、管理装置20と、端末装置30と、を備える。制御システム100は、端末装置30による任意の電気機器10の制御(遠隔制御)を可能にする。ここで、各電気機器10は、図2に示すように、通信インターフェース11と、機能部12と、処理部13とを備えている。機能部12は、電気機器10において所定の機能を実現する機械構造を有する。処理部13は、制御指令情報を通信インターフェース11を通じて管理装置20又は端末装置30から受信すると、応答情報を通信インターフェース11から出力する。制御指令情報は、機能部12の制御内容を指定する情報である。応答情報は、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す制御結果情報を含んでいる。
このように、電気機器10は、制御指令情報の受信に対して、応答情報を送信する。そして、応答情報は、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す制御結果情報を含んでいる。つまり、応答情報は、制御指令情報の受信に対する単なる確認応答ではなく、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す制御結果情報を少なくとも含んでいる。
その結果、制御システム100では、電気機器10は1種類の受信信号(制御指令情報)を受信し、1種類の送信信号(応答情報)を送信する。そのため、端末装置30の数及び電気機器10の数の増加に伴う制御システム100全体の通信トラフィックの増加が抑制され、管理装置20での処理負荷の増加も抑制される。したがって、制御システム100によれば、制御(遠隔制御)の確認の応答性を向上できる。特に、管理装置20での処理負荷の増加が抑制されることから、管理装置20の数を増やしたり、管理装置20の性能を向上させたりしなくても応答性が確保しやすくなる。これは、制御システム100の設置コストの低下につながる。
1.2 構成
以下、制御システム100について図面を参照して更に詳細に説明する。制御システム100は、図1に示すように、複数の電気機器10(10A,10B,10C)と、管理装置20と、端末装置30と、を備え、これらは、通信ネットワーク40に接続可能である。
通信ネットワーク40は、単一の通信プロトコルに準拠したネットワークだけではなく、異なる通信プロトコルに準拠した複数のネットワークで構成され得る。通信プロトコルは、周知の様々な有線及び無線通信規格(例えば、電灯線通信プロトコル、無線通信プロトコル、赤外線通信プロトコル、拡張HBSプロトコル、Lon Talk(登録商標)プロトコル)から選択され得る。また、無線通信プロトコルの例としては、特定小電力無線の規格及び無線LAN(Local Area Network)の規格が挙げられる。特定小電力無線の規格としては、Wi−SUN(登録商標)の規格及びWi−SUN HAN(登録商標)が挙げられる。無線LANの規格としては、Wi−Fi(登録商標)が挙げられる。図1では簡略化されているが、通信ネットワーク40は、リピータハブ、スイッチングハブ、ブリッジ、ゲートウェイ、ルータ等のデータ通信機器を含み得る。
電気機器10(10A,10B,10C)は、制御システム100において、制御対象となる機器である。電気機器10(10A,10B,10C)は、施設200に設置されている。施設200は、戸建て住宅である。なお、施設200の例としては、戸建て住宅の他に、集合住宅(住戸、共用部)、店舗、ビル(ビル全体、フロア内)が挙げられる。また、施設200は、建物だけではなく、建物とその建物が存在する敷地とを含んでいてもよく、例えば、工場や、公園、病院、商業施設等が挙げられる。
電気機器10(10A,10B,10C)は、図2に示すように、通信インターフェース11と、機能部12と、処理部13と、を備えている。
通信インターフェース11は、通信ネットワーク40に接続可能であり、通信ネットワーク40を通じた通信を行う機能を有する。通信インターフェース11は、所定の通信プロトコルに準拠している。所定の通信プロトコルは、エコーネット(Energy Conservation & Homecare Network:ECHONET)(登録商標)規格である。エコーネット規格は、複数の通信プロトコル(例えば、電灯線通信プロトコル、無線通信プロトコル、赤外線通信プロトコル、拡張HBSプロトコル、Lon Talk(登録商標)プロトコル)を利用可能な通信プロトコルである。なお、所定の通信プロトコルは、エコーネット規格に限定されず、上述したような周知の様々な有線及び無線通信規格から選択され得る。
機能部12は、電気機器10において所定の機能を実現する機械構造を有する。機能部12により実現される機能は、主に電気機器10の種類によって異なる。
電気機器10の例としては、センサ関連機器、空調関連機器、住宅・設備関連機器、調理・家事関連機器、健康管理関連機器、管理・操作関連機器、AV関連機器が挙げられる。
センサ関連機器の例としては、火災センサ、人体検知センサ、温度センサ、CO2センサ、電流量センサが挙げられる。空調関連機器の例としては、エアコン、扇風機、換気扇、空気清浄機、ホットカーペット、石油ファンヒータが挙げられる。住宅・設備関連機器の例としては、電動ブラインド、電動カーテン、温水器、電気錠、スマートメーター、太陽光発電設備、蓄電池、燃料電池、一般照明、単機能照明、非常灯が挙げられる。調理・家事関連機器の例としては、電子レンジ、食器洗い機、食器乾燥機、洗濯機、衣類乾燥機、自動掃除機が挙げられる。健康管理関連機器の例としては、体重計、体脂肪計、体温計、血圧計、血糖値計が挙げられる。管理・操作関連機器の例としては、コントローラ、スイッチ(HA機器)が挙げられる。AV関連機器の例としては、TV、ディスプレイが挙げられる。
本実施形態では、電気機器10Aはエアコンであり、電気機器10Bは洗濯機であり、電気機器10Cは自動掃除機(ロボット掃除機)である。電気機器10Aの機能部12は、エアコンの機能を実現するための機械構造(例えば、凝縮器、蒸発器、圧縮機、温度センサ等)を有している。電気機器10Bの機能部12は、洗濯機の機能を実現するための機械構造(例えば、回転ドラム、給水・排水機構、洗剤投入機構、タイマ)を有している。電気機器10Cの機能部12は、自動掃除機の機能を実現するための機械構造(例えば、吸引機構、移動機構等)を有している。これらの機械構造は従来周知のものを採用できるから詳細な説明は省略する。
処理部13は、電気機器10の動作を制御する制御回路である。処理部13は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラムを実行することで、処理部13として機能する。プログラムは、ここでは処理部13のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部13は、制御機能と、監視機能とを有する。制御機能は、通信インターフェース11を通じて通信ネットワーク40から受け取った情報(制御指令情報)に基づいて、機能部12の制御内容を設定(決定)する機能である。制御内容は、機能部12の動作を決定する情報である。制御内容は、1以上の項目(属性(プロパティ)ともいう)を含んでいる。制御内容に含まれる項目の数及び内容は、電気機器10の種類(つまり、機能部12の構成)によって決まる。一方、監視機能は、機能部12から電気機器10の監視情報を取得して通信インターフェース11を通じて通信ネットワーク40に出力する機能である。監視情報は、機能部12の監視内容に関する情報である。監視内容は、例えば、機能部12の外部の状態に関する情報(1以上の項目)と機能部12の内部の状態に関する情報(1以上の項目)との少なくとも一方を含む。機能部12の外部の状態に関する情報は、機能部12の外部環境に関する情報であって、例えば、機能部12の周囲の温度等である。機能部12の内部の状態に関する情報は、機能部12自体に関する情報であって、例えば、機能部12自体の異常の有無等である。監視内容は、電気機器10の種類(つまり、機能部12の構成)に依存する。
エアコンの場合(電気機器10Aの場合)、制御内容の項目の例としては、「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」が挙げられる。「動作状態」は、エアコン(エアコンに固有の機能)が稼働状態であるか否か(ONかOFF)を示す。「運転モード設定」は、エアコンの運転モード(例えば、自動、冷房、暖房、除湿、送風、その他)を示す。「温度設定値」は、現在の「運転モード設定」における温度設定値を示す。また、監視内容の項目の例としては、「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」が挙げられる。「室内温度計測値」は、エアコンの室内機が設置されている場所の温度計測値(室内温度)を示す。「外気温度計測値」は、エアコンの室外機が設置されている場所の温度計測値(外気温度)を示す。「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」はともに機能部12の外部の状態に関する情報である。
洗濯機の場合(電気機器10Bの場合)、制御内容の項目の例としては、「動作状態」、「洗濯コース設定」、及び「洗剤投入モード」が挙げられる。「動作状態」は、洗濯機(洗濯機に固有の機能)が稼働状態であるか否か(ONかOFF)を示す。「洗濯コース設定」は、洗濯機のコース(例えば、洗濯のみ、洗濯及び乾燥、乾燥のみ)を示す。「洗剤投入モード」は、洗剤と柔軟剤とのいずれを自動投入するかを示す。また、監視内容の項目(プロパティ)の例としては、「終了予定時刻」が挙げられる。「終了予定時刻」は、洗濯が終了する時刻を示す。「終了予定時刻」は機能部12の内部の状態に関する情報である。
自動掃除機の場合(電気機器10Cの場合)、制御内容の項目の例としては、「動作状態」、「運転モード設定」、「帰還命令」、及び「エリア指定」が挙げられる。「動作状態」は、自動掃除機(自動掃除機に固有の機能)が稼働状態であるか否か(ONかOFF)を示す。「運転モード設定」は、自動掃除機の運転モード(例えば、指定なし、徹底掃除)を示す。「帰還命令」は、自動掃除機の充電ステーションへの帰還命令がされているかどうかを示す。「エリア指定」は、「運転モード設定」が徹底掃除である場合に、掃除をする場所を示す。また、監視内容の項目の例としては、「異常の有無」が挙げられる。「異常の有無」は、自動掃除機の異常の有無を示す。異常の例としては、自動掃除機の充電切れ等が挙げられる。「異常の有無」は機能部12の内部の状態に関する情報である。
処理部13は、制御指令情報に応じて、機能部12を制御するように構成されている。ここで、制御指令情報は、機能部12の制御内容を指定する情報を含む。より詳細には、制御指令情報は、機能部12の制御内容に含まれる項目の目標値を示す。制御指令情報は、通信ネットワーク40を通じて、管理装置20から与えられる。
処理部13は、通信インターフェース11を通じて制御指令情報を受信すると、制御指令情報に基づいて、機能部12の制御内容を設定する。つまり、処理部13は、機能部12の制御内容の項目の現在の値を、制御指令情報で指定された目標値に設定する。これにより、機能部12は、制御指令情報に基づいて設定された制御内容に従った動作を行う。
また、処理部13は、応答情報を通信インターフェース11から(通信ネットワーク40に)出力する。ここで、応答情報は、制御結果情報を含む。制御結果情報は、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す。言い換えれば、制御結果情報は、制御指令情報に基づく設定後の機能部12の制御内容の項目の値を示す。
応答情報は、制御結果情報に加えて付加情報を含み得る。応答情報が制御結果情報と付加情報とを含む場合、処理部13は、応答情報を出力するにあたって、制御結果情報と付加情報とを一括して通信インターフェース11から出力するように構成される。
付加情報は、端末装置30の使用者にとって有用な機能部12に関する情報であってよい。付加情報は、一例としては、機能部12の監視内容に関する監視情報を含む。ただし、応答情報は、必ずしも付加情報を含んでいなくてもよい。応答情報が付加情報を含むかどうかは、電気機器10の種類及び用途を考慮して決定され得る。
エアコンを例に挙げると、応答情報は、制御結果情報と、付加情報とを含むことができる。この例では、制御結果情報は、制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値を含む。一方、付加情報は、監視内容の項目である「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」の値を含む。
このように、処理部13は、機能部12の制御内容を指定する制御指令情報を通信インターフェース11を通じて受信すると、応答情報を通信インターフェース11から出力する。応答情報は、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す制御結果情報を含んでいる。
上述したように、処理部13は、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶されたプログラムを実行することによって実現され得る。つまり、上記プログラムは、1以上のプロセッサに制御指令情報を受信すると応答情報を出力させる指示を含む制御プログラムを含んでいる。制御指令情報は、所定の機能を実現する機械構造を有する機能部12の制御内容を指定する情報であり、応答情報は、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す制御結果情報を含んでいる。
つまり、1以上のプロセッサは、制御プログラムを実行することによって、次の制御方法を実行する。この制御方法は、制御指令情報を受信すると応答情報を出力するステップを含む。制御指令情報は、所定の機能を実現する機械構造を有する機能部12の制御内容を指定する情報であり、応答情報は、制御指令情報に基づいて設定された機能部12の制御内容を示す制御結果情報を含んでいる。
このような電気機器10によれば、制御の確認の応答性を向上できる。
管理装置20は、制御システム100において、情報(信号)の流れを管理する機能を有している。管理装置20は、例えば、サーバ装置である。なお、管理装置20は、サーバ装置に限らず、ゲートウェイ、住宅分電盤、HEMS(Home Energy Management System)のローカル装置等によっても実現され得る。
管理装置20は、図3に示すように、通信インターフェース21と、記憶部22と、処理部23と、を備えている。
通信インターフェース21は、通信インターフェース11と同様に、通信ネットワーク40に接続可能であり、通信ネットワーク40を通じた通信を行う機能を有する。通信インターフェース21は、通信インターフェース11と同じ通信プロトコルに準拠している。
記憶部22は、電気機器登録情報を記憶している。電気機器登録情報は、制御システム100の制御対象として登録された電気機器10に関する情報である。電気機器10に関する情報は、例えば、電気機器10の識別情報及び種別情報と、電気機器10のユーザの識別情報を含む。
処理部23は、管理装置20の動作を制御する制御回路である。処理部23は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラムを実行することで、処理部23として機能する。プログラムは、ここでは処理部23のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部23は、端末装置30からの制御情報に応じて電気機器10に制御指令情報を与える機能を有している。制御情報は、制御指令情報とは異なり、電気機器10が直接的に処理できない情報である。制御情報は、制御対象となる電気機器10を特定するための情報(例えば、電気機器10の識別情報及びユーザの識別情報)と、制御内容を特定するための情報とを含む。処理部23は、制御情報と、記憶部22の電気機器登録情報とを参照して、制御指令情報を生成し、制御対象となる電気機器10に通信インターフェース21を通じて送信する処理を実行する。これにより、端末装置30からの制御情報が、管理装置20によって制御指令情報に変換されて、電気機器10へ送信される。
また、処理部23は、電気機器10からの応答情報を端末装置30に与える機能を有している。特に、処理部23は、電気機器10からの応答情報を端末装置30へ中継するように構成されている。例えば、トンネリングによって、電気機器10からの応答情報を端末装置30に送信できるようにしている。トンネリングはネットワークで接続されている2点間を仮想の回線により同一点であるかのように扱う周知の技術である。この場合、処理部23は、応答情報の送信先等を決定する処理を行う必要がなくなる。そのため、管理装置20での処理負荷の軽減が図れる。なお、トンネリングの際には、電気機器10が応答情報の送信先の端末装置30の識別情報を必要とする場合がある。ここで、端末装置30の識別情報は、制御指令情報に含めて管理装置20から電気機器10に提供されてもよいし、電気機器10の処理部13に予め記憶されていてもよい。
このように、管理装置20は、端末装置30からの制御情報に基づいて電気機器10に制御指令情報を送信し、電気機器10からの応答情報を端末装置30へ送信する処理を行う。
端末装置30は、任意の電気機器10の制御(遠隔制御)に用いられる。端末装置30は、例えば、スマートフォンである。なお、端末装置30は、スマートフォンに限らず、タブレット端末等の携帯情報端末、パーソナルコンピュータ(デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ等)、又はスマートテレビ等であってもよい。
端末装置30は、図4に示すように、通信インターフェース31と、出力部32と、入力部33と、処理部34と、を備えている。
通信インターフェース31は、通信インターフェース21と同様に、通信ネットワーク40に接続可能であり、通信ネットワーク40を通じた通信を行う機能を有する。通信インターフェース31は、通信インターフェース21と同じ通信プロトコルに準拠している。
出力部32は、画像表示装置を備える。画像表示装置は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの薄型のディスプレイ装置である。
入力部33は、ユーザからの入力を受け付けるための入力装置を備える。入力装置は、例えば、出力部32の画像表示装置の表示面に設置されるタッチパッドである。つまり、出力部32の画像表示装置と入力部33の入力装置とはタッチパネルを構成する。なお、入力装置は、タッチパッドに限定されず、キーボードやポインティングデバイス、メカニカルなスイッチ等であってもよい。また、入力部33は、複数の入力装置を備えていてもよい。
処理部34は、端末装置30の動作を制御する制御回路である。処理部34は、例えば、1以上のプロセッサ(マイクロプロセッサ)と1以上のメモリとにより実現され得る。つまり、1以上のプロセッサが1以上のメモリに記憶された1以上のプログラムを実行することで、処理部34として機能する。プログラムは、ここでは処理部34のメモリに予め記録されているが、インターネット等の電気通信回線を通じて、又はメモリカード等の非一時的な記録媒体に記録されて提供されてもよい。
処理部34は、制御画面を出力部32の画像表示装置に表示させる機能を有する。制御画面は、電気機器10の制御内容をユーザが入力部33を用いて決定するための画面である。
例えば、制御画面は、制御対象となる電気機器10の選択、及び、制御内容の指定を可能にする。例えば、制御対象となる電気機器10として電気機器10A(エアコン)が選択されると、制御画面は、制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値の入力を可能にする。また、制御対象となる電気機器10として電気機器10C(自動掃除機)が選択されると、制御画面は、制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、「帰還命令」、及び「エリア指定」の値の入力を可能にする。ここで、「エリア指定」の入力時には、制御画面は、掃除の対象となる場所のマップ情報を表示する。マップ情報では、掃除の対象となる場所が複数のエリアに分割されており、ユーザは所望のエリアの番号を指定することで、「エリア指定」の値を入力することができる。
処理部34は、制御画面で入力された情報に基づいて、制御情報を生成して、通信インターフェース31を通じて管理装置20に送信する。
また、処理部34は、状態画面を出力部32の画像表示装置に表示させる機能を有する。状態画面は、電気機器10から受信した応答情報の内容をユーザに表示するための画面である。例えば、状態画面は、電気機器10の現在の状態として、応答情報に含まれる制御結果情報に基づいて、処理部13で設定された制御内容を示す。例えば、制御対象となる電気機器10が電気機器10A(エアコン)である場合、状態画面は、制御結果情報に含まれる制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値を表示する。また、状態画面は、付加情報に含まれる監視内容の項目である「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」の値を表示する。
このように、端末装置30は、ユーザからの入力に基づいて制御情報を管理装置20に送信する。また、端末装置30は、応答情報を受信すると、応答情報に基づいた表示を行う。
1.3 動作
次に、ユーザが端末装置30により電気機器10を制御(遠隔制御)する際の制御システム100の動作について図5のシーケンス図を参照して簡単に説明する。
まず、ユーザは、端末装置30を操作して、制御画面を表示させる。ユーザは制御画面により、制御対象の電気機器10を選択し、制御内容を決定する。例えば、ユーザは、制御対象の電気機器10としてエアコンである電気機器10Aを選択し、制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値として、「ON」、「冷房」、及び「27度」をそれぞれ入力したとする。
これによって、端末装置30は、制御指令情報を生成するための制御情報を生成して管理装置20に送信する。
管理装置20は、制御情報を受信すると、制御情報及び記憶部22の電気機器登録情報を参照して、制御指令情報を生成する。そして、管理装置20は、制御指令情報を、制御対象となる電気機器10(電気機器10A)に送信する。つまり、管理装置20は、制御情報を受信すると制御情報に基づいて制御指令情報を生成して通信ネットワーク40を通じて電気機器10に送信する。
電気機器10は、制御指令情報を受信すると、制御指令情報に基づいて、機能部12の制御内容を設定する。つまり、電気機器10は、機能部12の制御内容の項目の値を、制御指令情報で指定された目標値に設定する。この結果、制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値が、制御指令情報で指定された目標値である「ON」、「冷房」、及び「27度」にそれぞれ設定される。そして、機能部12は、設定された制御内容に基づいた動作を行う。これにより、電気機器10の遠隔制御が達成される。
また、電気機器10は、制御指令情報を受信すると、応答情報を通信ネットワーク40に出力する。応答情報は、制御結果情報と、付加情報とを含む。制御結果情報は、制御指令情報に基づく設定後の機能部12の制御内容の項目の値を示す。つまり、制御結果情報は、制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値として、「ON」、「冷房」、及び「27度」をそれぞれ示す。また、付加情報は、監視内容の項目である「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」の値を含む。例えば、「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」の値は、それぞれ、「29度」及び「34度」であるとする。
管理装置20は、応答情報を端末装置30に中継する。より詳細には、応答情報は、トンネリングによって、管理装置20を経由して、端末装置30に到達する。端末装置30は、電気機器10から受信した応答情報に基づいた状態画面を出力部32に表示させる。この状態画面は、応答情報の制御結果情報に含まれる制御内容の項目である「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」の値として、「ON」、「冷房」、及び「27度」をそれぞれ表示する。また、状態画面は、付加情報に含まれる監視内容の項目である「室内温度計測値」及び「外気温度計測値」の値として「29度」及び「34度」をそれぞれ表示する。
このように、制御システム100によれば、ユーザは端末装置30により所望の電気機器10の制御を行うことができる。電気機器10からの応答情報が制御結果情報を含んでいることから、ユーザは、電気機器10の制御の結果を端末装置30により確認することができる。また、電気機器10からの応答情報が付加情報を含んでいることから、制御結果情報とともに様々な情報を応答情報に含めて出力できる。その結果、ユーザは、電気機器10の更なる情報を得ることができる。
2.変形例
以上説明した上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
例えば、上記実施形態とは異なり、制御結果情報は、制御内容の項目の全てを含んでいる必要はない。
例えば、制御結果情報は、制御内容の1以上の項目のうち制御指令情報により変更された項目を含むが、当該1以上の項目のうち制御指令情報により変更されなかった項目を含まないようにしてもよい。このようにすれば、制御指令情報のデータ量を削減できる。
以下、エアコンを例に挙げて説明する。例えば、制御内容の項目が、「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」であり、これらの現在の値がそれぞれ、「ON」、「冷房」、及び「27度」であるとする。また、制御指令情報で指定された制御内容の項目が「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」であり、これらの目標値がそれぞれ、「ON」、「冷房」、及び「28度」であるとする。この場合、「温度設定値」の項目の値は「27度」から「28度」に変更されるが、「動作状態」及び「運転モード設定」の項目の値は変更されない。このとき、制御結果情報は、制御指令情報により変更された項目である「温度設定値」を含むが、制御指令情報により変更されなかった項目である「動作状態」及び「運転モード設定」を含まない。したがって、「動作状態」及び「運転モード設定」の分だけ制御指令情報のデータ量を削減できる。
また、制御結果情報は、制御内容の1以上の項目のうち特定の項目だけを含んでいてもよい。特定の項目は、例えば、通信インターフェース11が準拠する通信プロトコルで予め定められた項目である。このようにすれば、通信インターフェース11が準拠する通信プロトコルの要求を満たすことができる。なお、制御内容の1以上の項目のうち、特定の項目以外の項目については、付加情報として応答情報に含めてもよい。例えば、エアコンに関して、制御内容の項目が、「動作状態」、「運転モード設定」、「温度設定値」、及び「風量設定」であるとする。ここで、「動作状態」、「運転モード設定」、及び「温度設定値」が特定の項目である場合、特定の項目以外の項目である「風量設定」は、制御結果情報に含まれていてもよいし、付加情報に含まれていてもよい。
更に、制御結果情報は、制御内容の1以上の特定の項目のうち制御指令情報により変更された特定の項目を含むが、当該1以上の特定の項目のうち制御指令情報により変更されなかった特定の項目を含まないようにしてもよい。このようにすれば、制御指令情報のデータ量を削減できる。
例えば、上記実施形態とは異なり、処理部13は、応答情報を出力するにあたって、制御結果情報と付加情報とを個別に通信インターフェース11から出力するように構成されてもよい。例えば、制御結果情報と付加情報との合計のデータ量が比較的大きい場合には、制御結果情報と付加情報とを一括して出力するよりも個別に出力したがほうが応答性が良くなる場合がある。
例えば、上記実施形態とは異なり、端末装置30は、制御指令情報を管理装置20に送信するように構成されていてもよい。つまり、端末装置30は、ユーザの入力に応じて、制御情報を生成するのではなく、制御指令情報そのものを生成してもよい。
この場合の制御システム100の動作について図6のシーケンス図を参照して簡単に説明する。
まず、ユーザは、端末装置30を操作して、制御画面を表示させる。ユーザは制御画面により、制御対象の電気機器10を選択し、制御内容を決定する。これによって、端末装置30は、制御指令情報を生成して管理装置20に送信する。
管理装置20は、制御指令情報を端末装置30から受信すると、制御対象となる電気機器10(電気機器10A)に送信する。つまり、管理装置20は、制御指令情報を受信すると通信ネットワーク40を通じて電気機器10に送信する。
電気機器10は、制御指令情報を受信すると、制御指令情報に基づいて、機能部12の制御内容を設定する。そして、機能部12は、設定された制御内容に基づいた動作を行う。これにより、電気機器10の遠隔制御が達成される。
また、電気機器10は、制御指令情報を受信すると、応答情報を通信ネットワーク40に出力する。管理装置20は、応答情報を端末装置30に中継し、端末装置30は、電気機器10から受信した応答情報に基づいた状態画面を出力部32に表示させる。
この場合、管理装置20が制御指令情報を生成する処理を行わなくて済むから、管理装置20での処理負荷を軽減できる。
なお、制御システム100は、1以上の電気機器10を備えていればよく、電気機器10の数は3に限定されない。また、複数の電気機器10は互いに異なる施設200にあってもよい。また、複数の電気機器10は互いに異なるユーザの管理下にあってもよい。また、制御システム100は、複数の管理装置20を備えていてもよく、管理装置20の数は1に限定されない。なお、管理装置20は、単一のコンピュータではなく、複数のコンピュータにより実現されていてもよい。つまり、管理装置20の機能は複数のコンピュータに分散されていてもよい。また、制御システム100は、複数の端末装置30を備えていてもよく、端末装置30の数は1に限定されない。
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、通信インターフェース(11)と、所定の機能を実現する機械構造を有する機能部(12)と、処理部(13)と、を備える。前記処理部(13)は、前記機能部(12)の制御内容を指定する制御指令情報を前記通信インターフェース(11)を通じて受信すると、応答情報を前記通信インターフェース(11)から出力するように構成される。前記応答情報は、前記制御指令情報に基づいて設定された前記機能部(12)の制御内容を示す制御結果情報を含む。第1の態様によれば、制御の確認の応答性を向上できる。なお、第1の態様において、前記処理部(13)は、前記制御指令情報に基づいて前記制御内容を設定し、この後に前記応答情報を前記通信インターフェース(11)から出力するように構成されることが好ましい。
第2の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記制御結果情報は、前記制御内容の1以上の項目のうち前記制御指令情報により変更された項目を含むが、前記1以上の項目のうち前記制御指令情報により変更されなかった項目を含まない。第2の態様によれば、制御指令情報のデータ量を削減できる。
第3の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第1又は第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記応答情報は、更に、前記機能部(12)に関する付加情報を含む。第3の態様によれば、制御結果情報とともに様々な情報を応答情報に含めて出力できる。
第4の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記処理部(13)は、前記応答情報を出力するにあたって、前記制御結果情報と前記付加情報とを一括して前記通信インターフェース(11)から出力するように構成される。第4の態様によれば、制御結果情報とともに様々な情報を応答情報に含めて出力できる。
第5の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記処理部(13)は、前記応答情報を出力するにあたって、前記制御結果情報と前記付加情報とを個別に前記通信インターフェース(11)から出力するように構成される。第5の態様によれば、制御結果情報とともに様々な情報を応答情報に含めて出力できる。
第6の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第3〜第5の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記付加情報は、前記機能部(12)の監視内容に関する監視情報を含む。第6の態様によれば、制御結果情報とともに機能部(12)の監視情報を応答情報に含めて出力できる。
第7の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第6の態様との組み合わせにより実現され得る。第7の態様では、前記機能部(12)の監視内容は、前記機能部(12)の外部の状態に関する情報と前記機能部(12)の内部の状態に関する情報との少なくとも一方を含む。第7の態様によれば、監視内容として、前記機能部(12)の外部の状態に関する情報と前記機能部(12)の内部の状態に関する情報との少なくとも一方を出力できる。
第8の態様の電気機器(10,10A,10B,10C)は、第1〜第7の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記制御結果情報は、少なくとも、前記制御内容の1以上の項目のうち前記通信インターフェース(11)が準拠する通信プロトコルで予め定められた項目を含む。第8の態様によれば、通信インターフェース(11)が準拠する通信プロトコルの要求を満たすことができる。
第9の態様の制御システム(100)は、第1〜第8の態様のいずれか一つの電気機器(10,10A,10B,10C)を備える。第9の態様では、前記制御システム(100)は、更に、前記電気機器(10,10A,10B,10C)と通信ネットワーク(40)を通じて接続可能な管理装置(20)と、前記管理装置(20)と通信する端末装置(30)と、を備える。第9の態様によれば、制御の確認の応答性を向上できる。
第10の態様の制御システム(100)は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第10の態様では、前記端末装置(30)は、前記制御指令情報を前記管理装置(20)に送信するように構成される。前記管理装置(20)は、前記制御指令情報を受信すると前記通信ネットワーク(40)を通じて前記電気機器(10,10A,10B,10C)に送信するように構成される。前記電気機器(10,10A,10B,10C)は、前記制御指令情報を受信すると、前記応答情報を前記通信ネットワーク(40)に出力するように構成される。第10の態様によれば、制御指令情報の生成自体を管理装置(20)が行わなく済むから、管理装置(20)での処理負荷を軽減できる。
第11の態様の制御システム(100)は、第9の態様との組み合わせにより実現され得る。第11の態様では、前記端末装置(30)は、前記制御指令情報を生成するための制御情報を前記管理装置(20)に送信するように構成される。前記管理装置(20)は、前記制御情報を受信すると前記制御情報に基づいて前記制御指令情報を生成して前記通信ネットワーク(40)を通じて前記電気機器(10,10A,10B,10C)に送信するように構成される。前記電気機器(10,10A,10B,10C)は、前記制御指令情報を受信すると、前記応答情報を前記通信ネットワーク(40)に出力するように構成される。第11の態様によれば、端末装置(30)が制御指令情報を生成するのに必要な情報(アプリケーション)を記憶する必要がなくなる。
第12の態様の制御システム(100)は、第9〜第11の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第12の態様では、前記管理装置(20)は、前記通信ネットワーク(40)を通じて受信した前記応答情報を前記端末装置(30)に中継するように構成される。第12の態様によれば、管理装置(20)での処理負荷を軽減できる。
第13の態様の制御システム(100)は、第9〜第12の態様のいずれか一つとの組み合わせにより実現され得る。第13の態様では、前記端末装置(30)は、前記応答情報を受信すると、前記応答情報に基づいた表示を行うように構成される。第13の態様によれば、応答情報の内容をユーザが容易に把握できるようになる。
第14の態様の制御方法は、制御指令情報を受信すると応答情報を出力するステップを含む。前記制御指令情報は、所定の機能を実現する機械構造を有する機能部(12)の制御内容を指定する情報である。前記応答情報は、前記制御指令情報に基づいて設定された前記機能部(12)の制御内容を示す制御結果情報を含む。第14の態様によれば、制御の確認の応答性を向上できる。
第15の態様の制御プログラムは、1以上のプロセッサに、制御指令情報を受信すると応答情報を出力させる指示を含む。前記制御指令情報は、所定の機能を実現する機械構造を有する機能部(12)の制御内容を指定する情報である。前記応答情報は、前記制御指令情報に基づいて設定された前記機能部(12)の制御内容を示す制御結果情報を含む。第15の態様によれば、制御の確認の応答性を向上できる。