以下、本発明の実施形態による遊技機に搭載される表示装置を、図を参照しつつ説明する。この表示装置は、複数の光源が発する光に対して透明な材料を板状に形成した導光板を有し、その導光板の一方の面が観察者である遊技者(以下、単に観察者と呼ぶことがある)に面する出射面として形成される。さらに、導光板の出射面を囲う周囲の側面のうちの少なくとも一つが、複数の光源と対向する入射面として形成される。そして出射面と対向する導光板の他方の面には、複数の光源の何れかから発し、導光板内に入射した光を出射面へ向けて反射する複数のプリズムが形成される。そして複数のプリズムのそれぞれは、複数の光源の何れかと対応するグループの何れかに含まれ、各グループのプリズムは、表示装置が表示させるパターンの形状に合わせて配列される。そしてまた、各グループのプリズムは、三角錐状に形成され、底面以外の3個の側面のうちの一つが反射面となり、その反射面がそのグループに対応する光源と対向するように配置される。これにより、各グループのプリズムは、そのグループに対応する光源以外の光源からの光を、反射面以外の側面にて反射して、出射面と対向する位置にいる観察者へ向かう方向とは異なる方向へ向ける。その結果として、この表示装置は、複数のパターンのうち、発光する光源に対応するパターン以外のパターンの視認性を低下させる。
なお、以下では、説明の便宜上、観察者と対向する側を正面とし、その反対側を背面とする。
図1は、本発明の一つの実施形態に係る表示装置の概略構成図である。表示装置1は、導光板2と、2個の光源3−1及び3−2と、コリメートレンズ4−1及び4−2と、記憶部5と、制御部6とを有する。
導光板2は、各光源3−1及び3−2から発する光に対して透明な板状に形成された部材である。導光板2は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート、シクロオレフィンポリマーといった、可視光に対して透明な樹脂を成型することで形成される。そして導光板2には、光源3−1及び3−2の点灯によって表示可能な2個のパターン21及び22が設けられる。すなわち、導光板2は、光源3−1が点灯している間、光源3−1からの光をその内部で伝搬させるとともに、背面側に形成された、光源3−1に対応し、パターン21を形成するように配列された複数のプリズム(詳細は後述)により正面側において出射面の法線方向を基準とする所定の角度範囲内に位置する観察者へ向けて反射させることで、観察者が発光するパターン21を視認できるようにする。同様に、導光板2は、光源3−2が点灯している間、光源3−2からの光をその内部で伝搬させるとともに、背面側に形成された、光源3−2に対応し、パターン22を形成するように配列された複数のプリズムにより正面側において出射面の法線方向を基準とする所定の角度範囲内に位置する観察者へ向けて反射させることで、観察者が発光するパターン22を視認できるようにする。
なお、導光板2の詳細については後述する。
複数の光源3−1及び3−2は、それぞれ、可視光を発する少なくとも一つの発光素子を有する。本実施形態では、光源3−1と光源3−2は、導光板2を挟んで対向するように配置される。そして光源3−1が有する各発光素子は、その発光面が導光板2の側面のうちの一つである入射面2a−1と対向し、かつ、入射面2a−1の長手方向に沿って一列に並ぶように配置される。一方、光源3−2が有する各発光素子は、その発光面が導光板2の側面のうちの他の一つであり、かつ、入射面2a−1と反対側の側面である入射面2a−2と対向し、かつ、入射面2a−2の長手方向に沿って一列に並ぶように配置される。
光源3−1及び3−2は、それぞれ、制御部6からの制御信号に応じて点灯または消灯する。そして制御部6が光源3−1を点灯させている間、光源3−1から発した光は、コリメートレンズ4−1により平行光化された後、入射面2a−1を介して導光板2内に入射する。入射した光は、導光板2内を伝搬した後に導光板2の背面側の拡散面2bに設けられた、パターン21を形成する複数のプリズムで反射されて正面側の出射面2cから出射する。同様に、制御部6が光源3−2を点灯させている間、光源3−2から発した光は、コリメートレンズ4−2により平行光化された後、入射面2a−2を介して導光板2内に入射する。入射した光は、導光板2内を伝搬した後に導光板2の背面側の拡散面2bに設けられた、パターン22を形成する複数のプリズムで反射されて正面側の出射面2cから出射する。
なお、光源3−1及び3−2が有する発光素子は、例えば、発光ダイオード、白熱灯あるいは蛍光灯である。そして光源3−1の発光色と光源3−2の発光色は同じであってもよく、あるいは、互いに異なっていてもよい。また、光源3−1の発光輝度と光源3−2の発光輝度は同じでもよく、あるいは、異なっていてもよい。
コリメートレンズ4−1は、光源3−1と入射面2a−1の間に配置され、光源3−1が有する各発光素子から発した光を平行光化する。なお、光源3−1が、入射面2a−1の長手方向に沿って一列に配列された複数の発光素子を有している場合、コリメートレンズ4−1も、入射面2a−1の長手方向に沿って複数のレンズが一列に配列されたレンズアレイとして形成されてもよい。そして複数のレンズのそれぞれは、複数の発光素子の何れかと1対1に対応するように設けられ、対応する発光素子から発した光を平行光化して、入射面2a−1に対して垂直に入射させる。
同様に、コリメートレンズ4−2は、光源3−2と入射面2a−2の間に配置され、光源3−2が有する各発光素子から発した光を平行光化する。なお、光源3−2が、入射面2a−2の長手方向に沿って一列に配列された複数の発光素子を有している場合、コリメートレンズ4−2も、入射面2a−2の長手方向に沿って複数のレンズが一列に配列されたレンズアレイとして形成されてもよい。そして複数のレンズのそれぞれは、複数の発光素子の何れかと1対1に対応するように設けられ、対応する発光素子から発した光を平行光化して、入射面2a−2に対して垂直に入射させる。
なお、コリメートレンズ4−1及び4−2は、屈折レンズとして構成されてもよく、あるいは、フレネルゾーンプレートといった回折レンズとして構成されてもよい。また、コリメートレンズ4−1及び4−2は、それぞれ、対応する光源からの光を、入射面2a−1、2a−2の長手方向についてのみ平行光化するシリンドリカルレンズであってもよい。
記憶部5は、例えば、揮発性あるいは不揮発性のメモリ回路を有する。そして記憶部5は、光源3−1及び3−2の点灯順序あるいは点灯及び消灯のタイミングを表す点灯制御情報などを記憶する。
制御部6は、例えば、プロセッサと、光源3−1及び3−2の駆動回路とを有する。そして制御部6は、点灯順序情報に従って、光源3−1及び3−2の点灯及び消灯を制御する。
制御部6は、例えば、導光板2の正面側において、導光板2の出射面の法線方向を基準とする所定の角度範囲内に位置する観察者からパターン21のみが見えるようにする場合には、光源3−1を点灯させ、一方、光源3−2を消灯する。また、その観察者からパターン22のみが見えるようにする場合には、制御部6は、光源3−1を消灯させ、一方、光源3−2を点灯する。また、パターン21とパターン22の両方がその観察者から同時に見えるようにする場合には、制御部6は、光源3−1及び3−2を同時に点灯させればよい。
光源3−1及び3−2を点灯または消灯させるタイミングは、点灯制御情報により指定される。点灯制御情報は、例えば、単純に、光源3−1及び3−2の点灯順序に従って、その点灯する光源を特定する識別番号が表されたデータとすることができる。例えば、光源3−1の識別番号が'1'、光源3−2の識別番号が'2'であるとする。そして各光源は、光源3−1→光源3−2の順序で、予め設定された期間ごとに一つの光源が点灯し、一定周期ごとに各光源が繰り返し点灯されるものとする。この場合、点灯制御情報は、'1'、'2'の順序で識別番号が表されればよい。
以下、導光板2の詳細について説明する。
図2は、導光板2の概略正面図である。また図3は、図2の矢印AA’で示される線における、導光板2の概略側面断面図である。図2及び図3に示されるように、導光板2の側面の一つは、光源3−1と対向する入射面2a−1として形成される。上記のように、光源3−1から発した光は入射面2a−1から導光板2の内部に入射する。そして導光板2の内部を伝搬した、光源3−1からの光は、導光板2の背面側に位置する拡散面2bに形成された複数のプリズム11のうち、パターン21に沿って配列される各プリズムにて全反射された後、導光板2の正面側に位置し、かつ、拡散面2bと対向する出射面2cから出射する。その際、パターン21に沿って配列される各プリズムは、光源3−1からの光を、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲内の方向に向けて反射する。したがって、観察者は、光源3−1が点灯している間、導光板2の表面において発光して見えるパターン21を観察できる。なお、図2及び図3において、図の見易さの向上のために、各プリズムのサイズ及び導光板2の厚さは誇張されている点に留意されたい。
また、入射面2a−1の反対側の導光板2の側面は、光源3−2と対向する入射面2a−2として形成される。そして入射面2a−2から導光板2の内部に入射して、導光板2の内部を伝搬した光源3−2からの光は、拡散面2bに形成された複数のプリズムのうち、パターン22に沿って配列される各プリズムにて全反射された後、出射面2cから出射する。その際、パターン22に沿って配列される各プリズムは、光源3−2からの光を、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲内の方向に向けて反射する。したがって、観察者は、光源3−2が点灯している間、導光板2の表面において発光して見えるパターン22を観察できる。
複数のプリズム11のうち、パターン21を形成する各プリズムは、パターン21内において千鳥足状、格子状あるいは、プリズムの配置密度がパターン21内で一定となるようにランダムに配置される。同様に、複数のプリズム11のうち、パターン22を形成する各プリズムは、パターン22内において千鳥足状、格子状あるいは、プリズム11の配置密度がパターン22内で一定となるようにランダムに配置される。
なお、パターン21とパターン22とが重なっている領域においては、パターン21を形成するプリズムとパターン22を形成するプリズムの両方が配置されればよい。
なお、パターン21を形成するプリズム11と、パターン22を形成するプリズム11とは、向き及び配置が異なるだけで同じ構成とすることができる。
図4(a)は、プリズム11の概略正面図であり、図4(b)は、プリズム11の概略斜視図である。そして図4(c)は、プリズム11の概略側面図である。また、図4(d)は、図4(a)における線BB’に沿った、プリズム11の概略断面図である。プリズム11は、例えば、拡散面2bを底面とする三角錐状の溝として形成される。そしてプリズム11の3個の斜面のうちの一つは、拡散面2bに対して所定の角度をなす反射面11aとして形成される。なお、所定の角度は、導光板2へ入射した、対応する光源(例えば、パターン21を形成するプリズムの場合、光源3−1)からの光を全反射させて、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲内の方向へ向けるように設定される。また、プリズム11の3個の斜面のうちの他の二つは、対応する光源以外からの光(例えば、パターン21を形成するプリズムの場合、光源3−2からの光)を観察者が視認できないように、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けて反射させる拡散面11b、11cとして形成される。
再度図2を参照すると、複数のプリズム11のうち、パターン21を形成する各プリズムは、反射面11aが光源3−1の何れかの発光素子と正対するように、すなわち、拡散面2bと平行な面において入射面2a−1と反射面11aとが略平行となるように配置される。同様に、複数のプリズム11のうち、パターン22を形成する各プリズムは、反射面11aが光源3−2の何れかの発光素子と正対するように、すなわち、拡散面2bと平行な面において入射面2a−2と反射面11aとが略平行となるように配置される。
これにより、光源3−1から発して導光板2内に入射し、パターン21を形成する何れかのプリズムへ向かう光は、そのプリズムの反射面11aにより反射され、導光板2の正面側に位置する観察者へ向けて出射面2cから導光板2を出射する。一方、光源3−2から発して導光板2内に入射し、パターン21を形成する何れかのプリズムへ向かう光は、そのプリズムの拡散面11bまたは11cにより、観察者に視認されないように、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けて反射される。
ここで、光源3−2から発して導光板2内に入射した光が、プリズムの拡散面11bまたは11cにより反射される方向は、光源3−2からの光の伝搬方向と直交する方向、すなわち、入射面2a−2と平行な方向とプリズムの拡散面11bまたは11cとがなす角(以下、便宜上、回転角と呼ぶ)θと、導光板2の拡散面2bとプリズムの拡散面11bまたは11cとがなす角度(以下、便宜上、傾斜角と呼ぶ)αの組み合わせで決定される。さらに、その反射された光が導光板2から出射する際の出射面2cの法線方向に対してなす角度は、導光板2を形成する材料の屈折率により影響される。
例えば、観察者が位置する方向、すなわち、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲が導光板2の出射面2cの法線方向から30°以内であるとする。この場合において、導光板2がポリカーボネート(屈折率1.59)またはPMMA(屈折率1.49)で形成される場合、光源3−2から発してプリズム11により反射された光が観察者へ向かわないように、その反射光を所定の角度範囲外の方向へ向けるためには、回転角θは25°〜90°の範囲内となり、かつ、傾斜角αは25°〜55°の範囲内となるように、各プリズム11は形成されることが好ましい。
また、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲が導光板2の出射面2cの法線方向から45°以内であるとする。この場合において、導光板2がポリカーボネートまたはPMMAで形成される場合、光源3−2から発してプリズム11により反射された光を所定の角度範囲外の方向へ向けるためには、回転角θは35°〜90°の範囲内となり、かつ、傾斜角αは25°〜55°の範囲内となるように、各プリズム11は形成されることが好ましい。
さらに、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲が導光板2の出射面2cの法線方向から60°以内であるとする。この場合において、導光板2がポリカーボネートまたはPMMAで形成される場合、光源3−2から発してプリズム11により反射された光を所定の角度範囲外の方向へ向けるためには、回転角θは40°〜90°の範囲内となり、かつ、傾斜角αは25°〜55°の範囲内となるように、各プリズム11は形成されることが好ましい。
なお、パターン22内の各プリズム11の各拡散面の回転角及び傾斜角についても、同様に設定されればよい。
以上に説明してきたように、この表示装置では、導光板に表示される複数のパターンのそれぞれごとに、そのパターンに沿って複数のプリズムが配置される。そして各プリズムは、三角錐状に形成され、3個の斜面のうちの一つが対応する光源から発して導光板内を伝搬する光を導光板の正面側に位置する観察者へ向けて反射する反射面として形成され、残りの二つの斜面が他の光源からの光を観察者が位置する方向と異なる方向へ向けて反射する。そのため、この表示装置は、複数のパターンのうち、発光する光源に対応する、表示するパターン以外のパターンの視認性を低下させることができる。特に、この表示装置は、複数のパターンが密接に配置され、あるいは、互いに重なるように配置されていても、表示するパターン以外のパターンの視認性を低下させることができる。
なお、変形例によれば、コリメータレンズは省略されてもよい。
図5は、この変形例による導光板2の概略正面図である。この変形例では、光源3−1及び光源3−2は、それぞれ、一つの発光素子を有する。そして光源3−1から発した光は、入射面2a−1を介して導光板2内に入射する。入射した光は、導光板2内を伝搬するにつれて入射面2a−1に平行な方向において拡がる。同様に、光源3−2から発した光は、入射面2a−2を介して導光板2内に入射する。入射した光は、導光板2内を伝搬するにつれて入射面2a−2に平行な方向において拡がる。
この変形例では、パターン21を形成する各プリズム11は、反射面11aが光源3−1と正対するように、すなわち、導光板2の拡散面2bに平行な面上で光源3−1を中心とする円弧に沿って反射面11aが位置するように形成されることが好ましい。これにより、各プリズム11は、パターン21内の位置によらず、光源3−1から発して導光板2内に入射した光を、導光板2の正面側において、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲内に位置する観察者の方へ向けて反射することができる。一方、光源3−2から発して導光板2内に入射した光については、各プリズム11の拡散面11bまたは11cにより反射され、観察者が位置する方向とは異なる方向、すなわち、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けられる。
なお、パターン22を形成する各プリズム11についても、パターン21を形成する各プリズム11と同様に配置されればよい。すなわち、パターン22を形成する各プリズム11は、反射面11aが光源3−2と正対するように、すなわち、導光板2の拡散面2bに平行な面上で光源3−2を中心とする円弧に沿って反射面11aが位置するように形成されることが好ましい。
また他の変形例によれば、導光板の隣接する二つの側面がそれぞれ入射面として形成されてもよい。そして二つの入射面のそれぞれについて、その入射面と対向するように光源が設けられてもよい。
さらに、導光板に設けられる入射面の数及び光源の数は二つに限られない。
図6は、この変形例による表示装置51の概略正面図である。なお、図6では、記憶部及び制御部の図示は省略される。この変形例による表示装置51は、上記の実施形態による表示装置1と比較して、導光板の構造と、光源及びコリメートレンズの数及び配置について装置する。そこで以下では、導光板、光源及びコリメートレンズについて説明する。
この変形例では、表示装置51の導光板2の各側面は、それぞれ、入射面2a−1〜2a−4として形成される。また表示装置51は、4個の光源3−1〜3−4及び4個のコリメートレンズ4−1〜4−4を有する。光源3−1は、入射面2a−1と対向するように配置される。光源3−1から発した光は、光源3−1と入射面2a−1の間に配置されたコリメートレンズ4−1により平行光化された後、入射面2a−1から導光板2内に入射する。
同様に、光源3−2は、入射面2a−1と反対側に形成される入射面2a−2と対向するように配置される。光源3−2から発した光は、光源3−2と入射面2a−2の間に配置されたコリメートレンズ4−2により平行光化された後、入射面2a−2から導光板2内に入射する。また、光源3−3は、入射面2a−1及び入射面2a−2と隣接する側面に形成される入射面2a−3と対向するように配置される。光源3−3から発した光は、光源3−3と入射面2a−3の間に配置されたコリメートレンズ4−3により平行光化された後、入射面2a−3から導光板2内に入射する。さらに、光源3−4は、入射面2a−3と反対側に形成される入射面2a−4と対向するように配置される。光源3−4から発した光は、光源3−4と入射面2a−4の間に配置されたコリメートレンズ4−4により平行光化された後、入射面2a−4から導光板2内に入射する。
この変形例では、導光板2には、4個のパターン21〜24が形成される。そして各パターンには、そのパターン内に複数のプリズム11が配置される。なお、図6では、簡単化のために、パターンごとに一つのプリズム11だけが図示されている。各プリズム11は、上記の実施形態と同様に、三角錐状に形成される。パターン21は、光源3−1と対応しており、パターン21内に配置される各プリズム11は、その反射面11aが光源3−1と対向するように形成される。同様に、パターン22は、光源3−2と対応しており、パターン22内に配置される各プリズム11は、その反射面11aが光源3−2と対向するように形成される。また、パターン23は、光源3−3と対応しており、パターン23内に配置される各プリズム11は、その反射面11aが光源3−3と対向するように形成される。そしてパターン24は、光源3−4と対応しており、パターン24内に配置される各プリズム11は、その反射面11aが光源3−4と対向するように形成される。
したがって、光源3−1が点灯することで、光源3−1から発して導光板2内に入射した光は、パターン21内に配置された各プリズム11の反射面11aにて反射されて導光板2の出射面2cから出射する。一方、パターン22〜24の各プリズム11は、その拡散面11bまたは11cにて、光源3−1から発した光を、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けるよう反射する。そのため、光源3−1が点灯することで、導光板2の正面側に位置する観察者から見て、パターン21は視認可能となる。一方、パターン22〜24は、観察者からは視認されない。
同様に、光源3−2が点灯することで、光源3−2から発して導光板2内に入射した光は、パターン22内に配置された各プリズム11の反射面11aにて反射されて導光板2の出射面2cから出射する。一方、パターン21、23及び24の各プリズム11は、その拡散面11bまたは11cにて、光源3−2から発した光を、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けるよう反射する。そのため、光源3−2が点灯することで、導光板2の正面側に位置する観察者から見て、パターン21〜24のうち、パターン22のみが視認可能となる。
また、光源3−3が点灯することで、光源3−3から発して導光板2内に入射した光は、パターン23内に配置された各プリズム11の反射面11aにて反射されて導光板2の出射面2cから出射する。一方、パターン21、22及び24の各プリズム11は、その拡散面11bまたは11cにて、光源3−3から発した光を、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けるよう反射する。そのため、光源3−3が点灯することで、導光板2の正面側に位置する観察者から見て、パターン21〜24のうち、パターン23のみが視認可能となる。
さらに、光源3−4が点灯することで、光源3−4から発して導光板2内に入射した光は、パターン24内に配置された各プリズム11の反射面11aにて反射されて導光板2の出射面2cから出射する。一方、パターン21〜23の各プリズム11は、その拡散面11bまたは11cにて、光源3−4から発した光を、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けるよう反射する。そのため、光源3−4が点灯することで、導光板2の正面側に位置する観察者から見て、パターン21〜24のうち、パターン24のみが視認可能となる。
なお、この変形例についても、パターン21〜24のうちの2以上のパターンを同時に表示するためには、制御部6は、光源3−1〜3−4のうち、表示するパターンに対応する2以上の光源を同時に点灯させればよい。
この変形例において、例えば、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲が導光板2の出射面2cの法線方向から30°以内であるとする。この場合において、導光板2がポリカーボネート(屈折率1.59)またはPMMA(屈折率1.49)で形成される場合、対応する光源以外の光源から発して各プリズム11の拡散面11bまたは11cにより反射された光が観察者へ向かわないように、その反射光を所定の角度範囲外の方向へ向けるためには、拡散面11b及び11cの回転角θは25°〜65°の範囲内となり、かつ、拡散面11b及び11cの傾斜角αは25°〜55°の範囲内となるように、各プリズム11は形成されることが好ましい。
また、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲が導光板2の出射面2cの法線方向から45°以内であるとする。この場合において、導光板2がポリカーボネートまたはPMMAで形成される場合、対応する光源以外の光源から発して各プリズム11の拡散面11bまたは11cにより反射された光を所定の角度範囲外の方向へ向けるためには、回転角θは35°〜55°の範囲内となり、かつ、傾斜角αは25°〜55°の範囲内となるように、各プリズム11は形成されることが好ましい。
さらに、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲が導光板2の出射面2cの法線方向から60°以内であるとする。この場合において、導光板2がポリカーボネートまたはPMMAで形成される場合、対応する光源以外の光源から発して各プリズム11の拡散面11bまたは11cにより反射された光を所定の角度範囲外の方向へ向けるためには、回転角θは40°〜50°の範囲内となり、かつ、傾斜角αは25°〜55°の範囲内となるように、各プリズム11は形成されることが好ましい。
この変形例による表示装置も、上記の実施形態による表示装置と同様に、複数のパターンのうち、発光する光源に対応するパターン以外のパターンの視認性を低下させることができる。
なお、互いに直交する二つの入射面から入射する、2方向からの光のそれぞれに対応する二つのパターンが重なっている領域内に配置されるプリズムについては、その二方向に面する斜面がそれぞれ反射面となるように形成されてもよい。同様に、4方向からの光のそれぞれに対応する4個のパターンが重なっている領域内に配置されるプリズムについては、四角錐状に形成され、かつ、各斜面がそれぞれ反射面として形成されてもよい。
図7は、この変形例によるプリズムの形状の一例を示す図である。この例では、図6に示される表示装置51と同様に、導光板2の各側面はそれぞれ入射面2a−1〜2a−4として形成される。そして4個の光源3−1〜3−4が、それぞれ、コリメートレンズ4−1〜4−4を介して入射面2a−1〜2a−4と対向するように配置される。
パターン21とパターン23とが重なる領域に配置されるプリズムは、パターン21に対応する光源3−1から発して導光板2内に入射した光と、パターン23に対応する光源3−3から発して導光板2内に入射した光のそれぞれを、導光板2の正面側において出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲内に位置する観察者へ向けて反射することが好ましい。そこで、パターン21とパターン23とが重なる領域では、光源3−1と反射面11aとが対向するように形成されたプリズム11と、光源3−3と反射面11aとが対向するように形成されたプリズム11との代わりに、三角錐状に形成され、三つの斜面のうちの二つが反射面12a、12bとして形成されるプリズム12が用いられてもよい。この例では、プリズム12の反射面12aは、光源3−1と対向するように形成され、反射面12bは、光源3−3と対向するように形成される。したがって、導光板2の拡散面2bにおいて、反射面12aと反射面12bとは互いに直交する。また、プリズム12の三つの斜面のうちの残りの一つは拡散面12cとして、光源3−2からの光の伝搬方向及び光源3−4からの光の伝搬方向のそれぞれに対して斜め方向を向くように形成される。これにより、プリズム12は、光源3−1から発して導光板2内に入射した光を、反射面12aにより、導光板2の正面側に位置する観察者へ向けて反射するとともに、光源3−3から発して導光板2内に入射した光を、反射面12bにより、導光板2の正面側に位置する観察者へ向けて反射する。一方、光源3−2または光源3−4から発して導光板2内に入射した光は、拡散面12cにより、出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向かうよう反射される。
また、パターン21〜24の全てが重なる領域に配置されるプリズムは、パターン21〜24のそれぞれに対応する光源から発して導光板2内に入射した光を、導光板2の正面側において出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲内に位置する観察者へ向けて反射することが好ましい。そこで、パターン21〜24の全てが重なる領域では、光源3−1〜3−4のそれぞれと反射面11aとが対向するように形成された4個のプリズム11の代わりに、四角錐状に形成され、4個の斜面のそれぞれが反射面13a〜13dとして形成されるプリズム13が用いられてもよい。そして反射面13a〜13dのそれぞれが、光源3−1〜3−4と対向するように、プリズム13は形成される。したがって、光源3−1〜3−4のそれぞれから発して導光板2内に入射した光は、プリズム13により反射されて導光板2の正面側に位置する観察者へ向かう。
この変形例によれば、表示装置は、複数のパターンが重なった領域内に配置するプリズムの数を減らすことができる。そのため、導光板の加工が容易となる。また、複数のパターンが重なった領域において、プリズムの数が減少することで、光源当たりのプリズムの反射面の密度の低下を抑制できるので、複数のパターンが重なった領域の明るさが低下することを抑制できる。
また、上記の実施形態または変形例のように、導光板に複数のパターンが形成される場合、何れかのパターンを形成するプリズムが、そのパターンと対応する光源以外の光源からの光を拡散面により反射すると、その反射された光が迷光となって導光板内を伝搬することがある。このような場合、その迷光が、他のプリズムにより反射されて、観察者へ向けて出射する可能性がある。
図8は、プリズムにより反射された迷光が他のプリズムにより反射されて観察者へ向けて出射する例を説明する図である。この例では、矢印801に示されるように、光源3−1により表示されるパターンを形成するプリズム11−1の拡散面により、光源3−2から発して導光板2内に入射した光が反射されて迷光となる。そしてその迷光は、導光板2内を伝搬し、光源3−3により表示されるパターンを形成するプリズム11−2の拡散面により再度反射されて導光板2の出射面2cから観察者側へ向けて出射する。
このような迷光が生じることを抑制するためには、プリズムの拡散面で反射された光ができるだけ導光板2内を伝搬せず、導光板2を直ぐに出射することが好ましい。そこで、例えば、対応する光源から遠いプリズムほど、すなわち、対応する光源と反対側に配置される光源に近いプリズムほど、傾斜角αが大きく、あるいは、回転角θが小さくなるように形成されることが好ましい。例えば、光源3−1により表示されるパターンでは、プリズム11−3及び11−4に示されるように、光源3−2(すなわち、入射面2a−2)に近いプリズムほど、傾斜角αが大きく、あるいは、回転角θが小さくなるように形成されることが好ましい。
傾斜角αが大きいほど(ただし、上述した、プリズムの拡散面で反射された光が出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向かう傾斜角の範囲内)、プリズムの拡散面で反射される光と出射面2cとがなす角は大きくなり、その反射光は、出射面2cで全反射されないようになる。そのため、プリズムの拡散面で反射された光が迷光となることが抑制される。また、回転角θが小さいほど、プリズムの拡散面で反射される光は、その反射光が入射した入射面に近い方向へ向けて反射される。そのため、対応する光源と反対側に配置される光源に近いプリズムほど回転角θが小さくなることで、プリズムの拡散面で反射された光が導光板2の中心側へ向かわなくなる。
また、何れかの入射面から導光板内に入射し、プリズムにより反射されなかった光の一部は、入射した入射面と反対側の導光板の入射面で反射されることがある。このような場合、その反射光は、入射した入射面とは反対側の入射面から入射する他の光源からの光により表示されるパターンを形成するプリズムにより反射されて観察者側へ向かうことがある。
図9(a)は、入射した入射面と反対側に設けられる入射面で反射された光がプリズムにより反射されて観察者へ向けて出射する例を説明する図である。この例では、矢印901に示されるように、光源3−3から発して入射面2a−3から導光板2内に入射した光の一部が、入射面2a−3と反対側に設けられる入射面2a−4で反射される。そして入射面2a−4と対向するように配置される光源3−4により表示されるパターンのプリズム11−5により、その反射光が反射されて導光板2の出射面2cから観察者側へ向けて出射する。
図9(b)は、このような反射光が観察者へ向けて導光板を出射することを抑制するための、図6に示された表示装置の変形例の概略正面図である。なお、図9(b)では、記憶部及び制御部の図示は省略される。この変形例によれば、コリメートレンズ4−1〜4−4のそれぞれは、その光軸OAが対応する入射面の法線方向に対して傾くように配置される。なお、導光板2を挟んで対向する二つのコリメートレンズは、対応する入射面の長手方向に対して同じ向きに傾けられることが好ましい。また光源3−1〜3−4の各発光素子は、対応するコリメートレンズの光軸OA上に配置される。また、各プリズム11も、対応する光源と対向するように、導光板2の拡散面2bに平行な面において、プリズム11の反射面11aが光軸OAと直交するように配置される。
したがって、各光源から発して対応するコリメートレンズにより平行光化された光は、光軸OAと平行な方向に沿って、すなわち、入射面に対して斜めに入射する。例えば、矢印911に示されるように、光源3−1から発した光は、コリメートレンズ4−1により平行光化された後、入射面2a−1に対して斜めに入射する。したがって、その入射光は、入射面2a−1と反対側の入射面2a−2で反射されても、入射面2a−2の法線方向に対して、光軸OAと入射面2a−1とがなす角と同じ角だけ傾いた方向へ向かう。そしてその反射光は、光源3−2により表示されるパターンのプリズム11−6の反射面に対して、その法線方向と反射光とがなす角が光軸OAと入射面2a−1とがなす角の2倍となるように入射する。そのため、その反射光は、導光板2の出射面2cの法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けて出射することとなり、観察者からは視認されなくなる。
図10(a)及び図10(b)は、さらに他の変形例による導光板の概略正面図である。図10(a)に示される変形例では、導光板2の入射面2a−1には、光源3−1からの光が入射しない範囲1001について光を吸収する材料が塗布された吸収層が形成される。同様に、導光板2の入射面2a−2には、光源3−2からの光が入射しない範囲1002について光を吸収する材料が塗布された吸収層が形成される。これら吸収層は、導光板2内を伝搬する光の反射を抑制する層の一例である。そのため、光源3−1から発して導光板2内を伝搬し、入射面2a−2の範囲1002に達した光は吸収層にて吸収される。同様に、光源3−2から発して導光板2内を伝搬し、入射面2a−1の範囲1001に達した光は吸収層にて吸収される。そのため、光源からの光が導光板2内に入射した入射面と反対側の入射面で反射された後、何れかのプリズムで反射されて観察者へ向かうことが抑制される。
なお、入射面2a−1の範囲1001及び入射面2a−2の範囲1002において、光を吸収する材料が塗布される代わりに、反射防止コート層が形成されてもよい。これら反射防止コート層は、導光板2内を伝搬する光の反射を抑制する層の他の一例である。この場合も、反射防止コート層に達した、導光板2内を伝搬する光は反射されずに導光板2の外へ出射するので、同様の効果が得られる。
図10(b)に示される変形例では、導光板2の入射面2a−1のうち、光源3−1からの光が入射しない範囲1001は、出射面2c側または拡散面2b側に向けてテーパ状に形成される。同様に、導光板2の入射面2a−2のうち、光源3−2からの光が入射しない範囲1002は、出射面2c側または拡散面2b側に向けてテーパ状に形成される。そのため、光源3−1から発して導光板2内を伝搬し、入射面2a−2の範囲1002に達した光は、入射面2a−2により反射された後、導光板2の背面側また正面側へ向けて出射する。同様に、光源3−2から発して導光板2内を伝搬し、入射面2a−1の範囲1001に達した光は、入射面2a−1により反射された後、導光板2の背面側また正面側へ向けて出射する。そのため、光源からの光が導光板2内に入射した入射面と反対側の入射面で反射された後、何れかのプリズムで反射されて観察者へ向かうことが抑制される。
図11は、さらに他の変形例による、導光板に形成されるプリズムの概略正面図である。この変形例によるプリズム14は、上記の実施形態によるプリズム11と比較して、プリズム14の反射面14aが凸面となる曲面状に形成される点で相違する。これにより、光源から発して導光板内を伝搬する光が反射面14aに入射する位置により、反射方向が変わるので、観察者が導光板2から出射する光を視認できる範囲が広くなる。したがって、点灯している光源に対応するパターンを視認可能な視野角が広くなる。
また、図5に示される変形例のように、コリメートレンズが省略され、各光源が有する発光素子が一つの場合でも、反射面14aが点状に光って見えることが防止される。
図12(a)は、さらに他の変形例による、導光板に形成されるプリズムの概略正面図であり、図12(b)は、この変形例によるプリズムの概略側面図である。この変形例では、プリズム15は、導光板の拡散面2bにおいて三角柱状の溝として形成される。そしてプリズム15の二つの斜面の一方が対応する光源からの光を出射面の法線方向を基準とする所定の角度範囲外の方向へ向けて反射する反射面15aとして形成され、二つの斜面の他方が他の光源からの光を観察者が位置する方向とは異なる方向へ向けて反射する拡散面15bとして形成される。この変形例では、拡散面15bの傾斜角が反射面15aの傾斜角よりも小さくなるようにプリズム15は形成される。したがって、拡散面15bにより反射された光の方向と、導光板2の出射面2cの法線方向とがなす角は、反射面15aにより反射された光の方向と、導光板2の出射面2cの法線方向とがなす角よりも大きくなる。そのため、拡散面15bにより反射された光は、導光板2の正面側に位置する観察者からは視認されないか、あるいは、導光板2の出射面2cにて全反射され、導光板2から出射しない。
したがって、この変形例によるプリズムが用いられる場合も、の表示装置は、複数のパターンのうち、発光する光源に対応するパターン以外のパターンの視認性を低下させることができる。
さらに他の変形例によれば、パターンの明るさを局所ごとに変更して、階調を持つパターンを表示するために、各プリズムの反射面のサイズは局所ごとに変更されてもよい。例えば、パターンにおいて明るい部分に配置されるプリズムほど、反射面が大きくなるように、各プリズムは形成されてもよい。
あるいは、階調を持つパターンを表示するために、プリズムの配置密度が局所ごとに変更されてもよい。例えば、パターンにおいて明るい部分ほど、その部分におけるプリズムの配置密度が高くなるように、各プリズムは配置されてもよい。
図13は、さらに他の変形例による表示装置の概略正面図である。なお、図13において、記憶部及び制御部の図示は省略される。この変形例では、表示装置61は、導光板2の四つの側面のうちの三つの側面のそれぞれに形成される入射面2a−1〜2a−3と、コリメートレンズ4−1〜4−3を挟んで対向するように配置される3個の光源3−1〜3−3を有する。そして光源3−1〜3−3から発した光は、それぞれ、コリメートレンズ4−1〜4−3により平行光化された後、入射面2a−1〜2a−3を介して導光板2内に入射する。
この変形例では、光源3−1〜3−3が発する光の色は互いに異なる。例えば、光源3−1は、赤色光を発し、光源3−2は、青色光を発し、光源3−3は、緑色光を発する。そして例えば、制御部6は、全ての光源3−1〜3−3を同時に点灯させる。そして導光板2のパターンを表示する領域は、複数のブロック30−1〜30−n(nは2以上の整数)に分割される。図示される例では、個々のブロックは矩形となっているが、個々のブロックの形状は矩形に限られず、三角形、五角形、六角形、円形あるいは扇形など、任意の形状とすることができる。また個々のブロックの形状及びサイズは同じであってもよく、あるいは、互いに異なっていてもよい。
ブロック30−1〜30−nのそれぞれは、パターンを構成する、発光色の調整単位となる一つの画素とみなすことができ、個々のブロック内に光源3−1〜3−3のうちの一つ以上に対して反射面が対向するように配置された複数のプリズム11が配置される。そして個々のブロックの発光色に応じて、各光源と対向する反射面を持つプリズムの配置密度あるいは反射面のサイズが調整される。例えば、ブロック30−1の発光色が、相対的に赤色成分が多く、相対的に青色成分及び緑色成分が相対的に少ない発光色(例えば、桃色あるいは橙色)であるとする。この場合、ブロック30−1内に配置される複数のプリズム11のうち、反射面が光源3−1を向くように配置されるプリズムの数が相対的に多く、あるいは、そのプリズムの反射面が大きくなる。一方、反射面が光源3−2または光源3−3を向くように配置されるプリズムの数は相対的に少なく、あるいは、そのプリズムの反射面が小さくなる。また、ブロック30−2の発光色が、相対的に青色成分が多く、相対的に赤色成分及び緑色成分が相対的に少ない発光色(例えば、紫色)であるとする。この場合、ブロック30−2内に配置される複数のプリズム11のうち、反射面が光源3−2を向くように配置されるプリズムの数が相対的に多く、あるいは、そのプリズムの反射面が大きくなる。一方、反射面が光源3−1または光源3−3を向くように配置されるプリズムの数は相対的に少なく、あるいは、そのプリズムの反射面が小さくなる。
また、ブロック30−3の発光色が白色であり、かつ、ブロック30−3の明るさが、ブロック30−1及びブロック30−2よりも暗いとする。この場合、ブロック30−3では、光源3−1〜3−3のそれぞれについて、反射面がその光源を向くように配置されるプリズムの数またはそのプリズムの反射面のサイズは互いに等しい。ただし、ブロック30−1及びブロック30−2と比較して、ブロック30−3内に配置されるプリズム11の数は少ないか、あるいは、ブロック30−3内に配置される各プリズム11の反射面のサイズは小さい。
この変形例によれば、表示装置61は、ブロックごとに発光色を変更することができるので、フルカラーのパターンを表示することができる。
さらに他の変形例によれば、表示されるパターンにおいていわゆるキラキラ感を表現するために、光源に対する正対方向と反射面とがなす角が所定の角度範囲内でプリズムごとにランダムに変更されるように各プリズムは配置されてもよい。その際、プリズムごと回転されてもよく、あるいは、反射面だけ回転するようにプリズムが形成されてもよい。なお、所定の角度範囲は、導光板の出射面の法線方向を基準として、観察者がパターンを視認可能な角度範囲に応じて設定されればよく、例えば、±5°〜±10°程度に設定されればよい。
図14は、さらに他の変形例による表示装置71の概略正面図である。なお、図14において、記憶部及び制御部の図示は省略される。この変形例による表示装置71と、図1に示される表示装置1とは、導光板の形状について相違する。表示装置71では、導光板2の側面のうちの一つが入射面2aとして形成される。そして入射面2aの長手方向に沿って、3個の光源3−1〜3−3が一列に並べて配置される。また、光源3−1〜3−3と入射面2aとの間にコリメートレンズ4が配置される。したがって、光源3−1〜3−3のそれぞれから発した光は、コリメートレンズ4により平行光化され、その平行光化された光は、入射面2aを介して導光板2内に入射する。
またこの変形例では、導光板2は台形状に形成され、入射面2aは台形の底面に相当する側面に形成される。また、台形の斜面に相当する、入射面2aと隣接する導光板2の二つの側面2d、2eは、それぞれ、反射面として形成される。そして反射面2dは、導光板2内を伝搬する光源3−1からの光を全反射してその光の伝搬方向を変える。例えば、入射面2aと反射面2dとがなす角が45°であれば、反射面2dにより全反射された光源3−1からの光は、入射面2aの長手方向と略平行な方向へ伝搬する。したがって、光源3−1により表示されるパターンを形成する各プリズム11は、反射面が反射面2d側を向くように形成されればよい。
同様に、反射面2eは、導光板2内を伝搬する光源3−3からの光を全反射してその光の伝搬方向を変える。例えば、入射面2aと反射面2eとがなす角が45°であれば、反射面2eにより全反射された光源3−3からの光は、入射面2aの長手方向と略平行な方向へ伝搬する。したがって、光源3−3により表示されるパターンを形成する各プリズム11は、反射面が反射面2e側を向くように形成されればよい。
したがって、光源3−1〜3−3のそれぞれに対応するパターン同士が重なっていても、制御部6が点灯する光源を切り替えることで、表示装置71は、点灯する光源に対応するパターンを表示することができる。またこの変形例によれば、光源を配置するためのスペースを導光板の一つの側面側のみにしか確保できない場合でも、表示装置は、複数のパターンの表示を切り替えることができるとともに、表示しないパターンの視認性を低下させることができる。
上記の実施形態または変形例による表示装置において、コリメートレンズの代わりに、光源から発した光を平行光化するミラーが用いられてもよい。図15は、そのようなミラーの一例を示す図である。
ミラー41は、例えば、放物面状に形成され、ミラー41の焦点に光源3−i(i=1、2、・・)が配置される。これにより、光源3−iから発した光は、ミラー41で反射されて平行光となり、導光板2の入射面2−iから導光板2内に入射する。
この変形例によれば、ミラー41は、コリメートレンズよりも平行光化される光に重畳される収差を少なくすることができるので、平行光化され導光板2内に入射した光が入射面2−iの長手方向に沿って拡がることをより抑制できる。
上記の実施形態または変形例による表示装置は、弾球遊技機または回胴遊技機といった遊技機に搭載される。
図16は、上記の実施形態または変形例による表示装置を有する弾球遊技機を遊技者側から見た、その弾球遊技機の概略斜視図である。図16に示すように、弾球遊技機100は、上部から中央部の大部分の領域に設けられ、遊技機本体である遊技盤101と、遊技盤101の下方に配設された球受け部102と、ハンドルを備えた操作部103と、遊技盤101の略中央に設けられた液晶ディスプレイ104と、液晶ディスプレイ104の前面に配置された、表示装置105とを有する。
また弾球遊技機100は、遊技の演出のために、遊技盤101の前面において遊技盤101の下方または表示装置105の周囲に配置された役物106を有する。また遊技盤101の側方にはレール107が配設されている。また遊技盤101上には多数の障害釘(図示せず)及び少なくとも一つの入賞装置108が設けられている。
操作部103は、遊技者の操作によるハンドルの回動量に応じて図示しない発射装置より所定の力で遊技球を発射する。発射された遊技球は、レール107に沿って上方へ移動し、多数の障害釘の間を落下する。そして遊技球が何れかの入賞装置108に入ったことを、図示しないセンサにより検知すると、遊技盤101の背面に設けられた主制御回路(図示せず)は、遊技球が入った入賞装置108に応じた所定個の遊技球を玉払い出し装置(図示せず)を介して球受け部102へ払い出す。さらに主制御回路は、遊技盤101の背面に設けられた演出用CPU(図示せず)を介して液晶ディスプレイ104及び表示装置105を駆動する。そして演出用CPUは、遊技の状態に応じた点灯制御情報を含む制御信号を表示装置105へ送信する。
表示装置105は、上記の実施形態または変形例による表示装置の一例であり、導光板の出射面が遊技者へ向くように遊技盤101に取り付けられる。そして表示装置105の制御部は、演出用CPUからの制御信号に含まれる点灯制御情報に従って、点灯する光源を順次変えることで、遊技者が、液晶ディスプレイ104に表示された映像とともに、点灯する光源に応じて動的に変化するパターンを視認できるようにする。あるいは、制御部は、全ての光源を消灯して、遊技者が、導光板を介して液晶ディスプレイ104に表示された映像のみを観察できるようにしてもよい。
このように、当業者は、本発明の範囲内で、実施される形態に合わせて様々な変更を行うことができる。