以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜図10を参照して、一実施形態による飲料製造装置100の構成について説明する。
(飲料製造装置の構成)
図1に示すように、飲料製造装置100は、容器200内の飲料用原料(たとえば、野菜や果物、氷など)を攪拌して飲料(スムージなど)を製造する装置である。
飲料製造装置100は、たとえば、コンビニエンスストアなどの店舗に設置され、店舗の顧客などの利用者により利用される。利用者は、容器200内に所望する飲料用原料を収容した状態で、容器200を飲料製造装置100に設置し、飲料製造開始操作を行う。飲料製造開始操作が行われると、飲料製造装置100は、容器200内の飲料用原料を攪拌し、粉砕して飲料を製造する。
図1〜図4に示すように、飲料製造装置100は、攪拌部10と、扉部20と、トレイ部30と、排液受け部40と、洗浄部50と、表示パネル60と、制御部70(図4参照)とを備えている。また、飲料製造装置100の筐体100a内には、飲料を製造(調理)するための空間である調理空間Sが設けられている。
図3に示すように、攪拌部10は、調理空間S内で、容器200内の飲料用原料を攪拌する機構である。具体的には、攪拌部10は、上下方向(Z方向)に沿って延びる回転軸部10aと、回転軸部10aを上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転させる攪拌部回転駆動モータ10bと、回転軸部10aの先端部(Z2方向側の端部)に設けられた刃部10cとを含んでいる。また、回転軸部10aの先端部には、容器200内の飲料用原料を攪拌する際に、容器200の上部開口を覆うための蓋部10dが設けられている。蓋部10dにより、攪拌時の飲料用原料の容器200からの飛散を抑制可能である。
また、飲料製造装置100には、攪拌部10を上下方向(Z方向)に移動させる攪拌部上下駆動部11が設けられている。攪拌部上下駆動部11により、攪拌部10は、容器200内まで刃部10cが下降された攪拌位置(下降位置)と、容器200外まで刃部10cが上昇された退避位置(上昇位置)との間で上下方向に移動可能に構成されている。
攪拌部上下駆動部11は、ボールねじ軸機構により、攪拌部10を上下方向に移動させるように構成されている。具体的には、攪拌部上下駆動部11は、上下方向に沿って延びるボールねじ軸11aと、ボールねじ軸11aを上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転させる攪拌部上下駆動モータ11bとを含んでいる。
攪拌部上下駆動部11と攪拌部10とは、接続部材12により互いに接続されている。接続部材12は、攪拌部上下駆動部11のボールねじ軸11aと係合(螺合)するとともに、攪拌部10の攪拌部回転駆動モータ10bを支持している。接続部材12および攪拌部10は、ボールねじ軸11aが回転するのに伴い、上下方向に移動する。
扉部20は、調理空間S(筐体100a内)と外部とを区画する扉であり、飲料製造装置100の正面側(Y1方向側)に設けられている。扉部20は、上方向(Z1方向)に移動することにより開き、下方向(Z2方向)に移動することにより閉じるスライド扉である。また、扉部20は、調理空間S内を視認可能な材質により構成されている。具体的には、扉部20は、透明または半透明な材質により構成されている。これにより、利用者は、扉部20越しに、調理空間S内で行われる飲料を製造する過程などを視認することが可能である。また、扉部20は、着脱可能に構成されている。なお、図1および図2では、扉部20の図示を省略している。
また、飲料製造装置100には、扉部20を開閉するように、扉部20を上下方向(Z方向)に移動させる扉部駆動部21が設けられている。扉部駆動部21により、扉部20は、全開の位置である開位置(上昇位置)と、全閉の位置である閉位置(下降位置)との間で上下方向に移動可能に構成されている。
扉部駆動部21は、たとえば、ボールねじ軸機構により、扉部20を上下方向に移動させるように構成されている。具体的には、扉部駆動部21は、上下方向に沿って延びるボールねじ軸(図示せず)と、ボールねじ軸を上下方向に沿って延びる回転軸線回りに回転させる扉部駆動モータ(図示せず)とを含んでいる。また、扉部駆動部21と扉部20とは、図示しない接続部材により互いに接続されており、接続部材を介して、扉部駆動部21の駆動力が扉部20に伝達される。
また、図3および図4に示すように、飲料製造装置100には、扉部20が開位置に位置することを検知するための扉開検知センサ22aと、扉部20が閉位置に位置することを検知するための扉閉検知センサ22bとが設けられている。扉開検知センサ22aおよび扉閉検知センサ22bは、たとえば、光学式のセンサである。扉部20は、開かれる場合、扉開検知センサ22aが検知する位置(つまり、開位置)まで、扉部駆動部21により上方向(Z1方向)に移動される。また、扉部20は、閉じられる場合、扉閉検知センサ22bが検知する位置(つまり、閉位置)まで、扉部駆動部21により下方向(Z2方向)に移動される。
また、飲料製造装置100には、着脱可能な扉部20の有無を検知するための扉有無検知センサ23が設けられている。扉有無検知センサ23は、たとえば、誘導型や静電容量型などの型式の近接センサである。扉有無検知センサ23の検知結果に基づいて、扉部20が無いと判断される場合、飲料製造装置100は、動作を停止する。これにより、扉部20が装着されていない状態で、動作が開始されることを防止可能である。また、動作中に扉部20が意図せず取り外された場合に、迅速に動作を停止させることが可能である。
また、飲料製造装置100には、扉部20の正面側(Y1方向側)に、利用者の手(指)を検知するための手検知センサ24が設けられている。手検知センサ24は、たとえば、光学式のセンサである。手検知センサ24は、扉部20により閉じられる筐体100aの開口部の上端部の近傍から下端部の近傍まで延びるように形成されており、この範囲において、利用者の手を検知可能に構成されている。手検知センサ24の検知結果に基づいて、利用者の手が扉部20の近傍に有ると判断される場合、飲料製造装置100は、動作を停止する。
図1〜図3、図5、図6および図9に示すように、トレイ部30は、容器200を保持する部分である。具体的には、トレイ部30は、容器200を保持する容器保持部31を含んでいる。容器保持部31は、容器200の側部を保持する容器保持部材31aと、容器保持部材31aが着脱可能に取り付けられた容器保持部材取付部31bと、容器200の底部を支持する容器底部支持部31cとを有している。なお、図5および図6では、容器保持部材31aの図示を省略している。容器保持部材31aは、容器200に対応する筒状形状を有し、嵌合することにより容器200を保持するように構成されている。具体的には、容器保持部材31aは、下方に向かって徐々に先細る円筒形状を有する有底の容器200に対応するように、下方に向かって徐々に先細る円筒形状を有する無底の形状を有している。また、容器保持部材31aは、容器200が嵌合可能なように、容器200よりも一回り大きい。容器保持部材取付部31bは、容器保持部材31aの下端部と着脱可能に係合するように構成されている。容器底部支持部31cには、排液受け部40の後述する容器底部対向部47に対応するように、上下方向に貫通する開口部31dが設けられている。開口部31dは、容器底部対向部47を挿入可能に構成されている。したがって、容器底部支持部31cに支持された容器200の底部は、開口部31dに挿入された容器底部対向部47と接触することが可能である。また、容器底部支持部31cは、開口部31dが形成された範囲を除いた部分で、容器200の底部を下方(Z2方向側)から支持するように構成されている。
また、トレイ部30は、攪拌部10を洗浄用の液体により洗浄するための洗浄容器部32を含んでいる。洗浄容器部32は、飲料用原料の攪拌時に飲料を被液する攪拌部10の被液部分(回転軸部10aの先端部や刃部10cなど)を洗浄する洗浄動作を行う際に用いられる。また、洗浄容器部32は、洗浄用の高温液体(たとえば、温水)が調理空間S内に飛散しないように、攪拌部10の被液部分の周囲を囲むように構成されている。具体的には、洗浄容器部32は、攪拌部10の被液部分を囲むことが可能なように、筒状形状を有している。また、洗浄容器部32は、洗浄部50から供給される洗浄用の高温液体を攪拌部10の被液部分に向かって吹き出すノズル部32aと、攪拌部10の被液部分の洗浄後の洗浄用の高温液体(排液)を排出するための排出口32bとを有している。ノズル部32aは、洗浄容器部32の側部に、排出口32bは、洗浄容器部32の底部に、それぞれ設けられている。トレイ部30では、容器保持部31および洗浄容器部32は、前方(Y1方向側)から後方(Y2方向側)に向かってこの順に配列されている。
また、図3および図6に示すように、飲料製造装置100には、トレイ部30を前後方向(Y方向)に移動させるトレイ部駆動部33が設けられている。トレイ部駆動部33により、トレイ部30は、容器保持部31が調理空間S内で攪拌部10の刃部10cの直下に位置する攪拌位置(引込位置、後方位置)と、洗浄容器部32が調理空間S内で攪拌部10の刃部10cの直下に位置する洗浄位置(押出位置、待機位置、前方位置)との間で前後方向に移動可能に構成されている。なお、攪拌位置および洗浄位置の両方において、洗浄容器部32は、調理空間S内に位置する。また、洗浄位置では、容器保持部31は、調理空間S外(筐体100a外)に位置する。
トレイ部駆動部33は、たとえば、ボールねじ軸機構により、トレイ部30を前後方向に移動させるように構成されている。具体的には、トレイ部駆動部33は、前後方向に沿って延びるボールねじ軸(図示せず)と、ボールねじ軸を前後方向に沿って延びる回転軸線回りに回転させるトレイ部駆動モータ33aとを含んでいる。また、本実施形態では、トレイ部駆動モータ33aは、電源がオフ状態で解除されるブレーキ(励磁作動形電磁ブレーキ)33bを有している。ブレーキ33bは、通電がオンされた場合に、トレイ部駆動モータ33aを制動し、通電がオフされた場合に、トレイ部駆動モータ33aの制動を解除するように構成されている。
また、トレイ部駆動部33とトレイ部30とは、接続部材34(図5および図6参照)により互いに接続されており、接続部材34を介して、トレイ部駆動部33の駆動力がトレイ部30に伝達される。接続部材34は、トレイ部駆動部33に接続される第1部材34aと、第1部材34aに接続されるとともに、トレイ部30が着脱可能に取り付けられる第2部材34bとを含んでいる。具体的には、第1部材34aは、排液受け部40に対して下側(Z2方向側)に配置されたトレイ部駆動部33と、排液受け部40に対して上側(Z1方向側)に配置された第2部材34bとを互いに接続するように構成されている。第1部材34aは、排液受け部40を上下方向に挟むように配置されたトレイ部駆動部33と第2部材34bとを接続するように、排液受け部40に対して下側から上側まで延びるように形成されている。第2部材34bは、上面上にトレイ部30の下部が着脱可能に取り付けられる台座部として構成されている。第2部材34bおよびトレイ部30は、排液受け部40に対して上側を、前後方向に移動する。
図8(A)および(B)に示すように、飲料製造装置100は、排液受け部40を清掃する場合、トレイ部30を接続部材34の第2部材34bから取り外した状態で、排液受け部40を清掃可能に構成されている。また、飲料製造装置100は、電源をオフにして、トレイ部駆動モータ33aのブレーキ33bを解除した状態で、接続部材34をトレイ部駆動部33に接続したまま、利用者が、接続部材34をトレイ部駆動部33による駆動方向に沿って移動させることが可能なように構成されている。これにより、排液受け部40に対して上側に配置された接続部材34の第2部材34bをトレイ部駆動部33による駆動方向に沿って移動させて、第2部材34bにより覆われていた排液受け部40の清掃部分を清掃することが可能である。その結果、排液受け部40の清掃性を向上させることが可能である。
また、図3および図4に示すように、飲料製造装置100には、トレイ部30が押出位置に位置することを検知するためのトレイ押出検知センサ35aと、トレイ部30が引込位置に位置することを検知するためのトレイ引込検知センサ35bとが設けられている。トレイ押出検知センサ35aおよびトレイ引込検知センサ35bは、たとえば、マイクロスイッチである。トレイ部30は、調理空間S内から押し出される場合(前方向に移動する場合)、トレイ押出検知センサ35aが検知する位置(つまり、押出位置)まで、トレイ部駆動部33により前方向(Y1方向)に移動される。また、トレイ部30は、調理空間S内に引き込まれる場合、トレイ引込検知センサ35bが検知する位置(つまり、引込位置)まで、トレイ部駆動部33により後方向(Y2方向)に移動される。
また、飲料製造装置100には、商品の有無を検知するための商品検知センサ36が設けられている。商品検知センサ36は、たとえば、トレイ部30の容器保持部31が引込位置に位置した場合に、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200に飲料用原料(商品)が収容されているか否かを検知するように構成されている。商品検知センサ36は、たとえば、光学式のセンサである。商品検知センサ36の検知結果に基づいて、商品が無いと判断される場合、飲料製造装置100は、トレイ部30を押出位置(待機位置)に移動させる制御を行う。これにより、利用者が誤って商品を配置せずに飲料製造開始操作を行った場合に、商品が配置されないまま飲料製造動作が継続されることを防止可能であるとともに、トレイ部30を利用者が商品を配置可能な位置である押出位置(待機位置)に戻すことが可能である。
図1〜図3および図5〜図9に示すように、排液受け部(ドレンパン)40は、トレイ部30を前後方向(Y方向)に移動可能に保持する部分であるとともに、トレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bから排出される排液を受ける部分である。排液受け部40は、排液を受ける凹状のパン部41と、パン部41の受け面としての傾斜部42と、傾斜部42で受けた排液を排出するための排出口43と、排出口43に接続された排出通路44と、排出通路44の一部を構成し、排液を外部に排出するための排出管45が接続される排出管接続部46とを含んでいる。パン部41は、下方向(Z2方向)に窪む凹形状を有している。傾斜部42は、トレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bから排出された排液を受けるように構成されている。また、傾斜部42は、排液が排出口43に集まるように、排出口43に向かって下り勾配を有している。排出口43は、パン部41の後側(Y2方向側)の内壁部に、前後方向に貫通する開口部として形成されている。また、本実施形態では、排出通路44は、少なくとも一部(排出管接続部46により構成される部分)が、排出口43から後方向に向かって、斜め下方向に延びるように形成されている。排出管接続部46は、ホースとしての排出管45が接続されるホース継手部である。排出管接続部46は、パン部41の後側の外壁部から後方向に向かって、斜め下方向に突出して延びるように形成されている。
また、排液受け部40は、トレイ部30の攪拌位置と待機位置(洗浄位置)との間の移動範囲において、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と上下方向に互いに対向するように設けられた容器底部対向部47を含んでいる。つまり、容器底部対向部47は、トレイ部30が攪拌位置と待機位置(洗浄位置)との間で移動される間、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と上下方向に互いに対向するように構成されている。具体的には、容器底部対向部47は、上方(Z1方向側)に突出する突出部であり、トレイ部30のトレイ部駆動部33による移動方向(Y方向、前後方向)に沿って延びるように形成されている。また、容器底部対向部47は、パン部41の内側から外側に跨って延びるように形成されている。具体的には、容器底部対向部47は、一端部47aがパン部41の内側に配置され、他端部47bがパン部41の外側に配置されるように形成されている。
また、図9(A)〜(C)に示すように、容器底部対向部47は、トレイ部30の容器保持部31への容器200の嵌まり込みを解除するための嵌まり込み解除部として機能する。嵌まり込み解除部としての容器底部対向部47は、攪拌位置から待機位置(洗浄位置)にトレイ部30が移動される際に、トレイ部30の容器保持部31への容器200の嵌まり込みを解除するように構成されている。
ここで、飲料製造装置100では、調理動作を行う際に、攪拌部10の蓋部10dが容器200の上部開口に押し付けられる。この結果、容器200が下方(Z2方向側)に付勢されるため、容器200がトレイ部30の容器保持部31に強く嵌まり込む。そこで、上記のように、容器底部対向部47を嵌まり込み解除部として機能させることにより、利用者は、調理動作後、待機位置(洗浄位置)に位置するトレイ部30の容器保持部31から、容器保持部31に保持された容器200を容易に取り外すことが可能である。
容器底部対向部47は、トレイ部30が攪拌位置から待機位置(洗浄位置)に移動されるのに応じて、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部を上方に持ち上げることにより、トレイ部30の容器保持部31への容器200の嵌まり込みを解除するように構成されている
具体的には、容器底部対向部47は、一端部47aを含み、一端部47a側(Y2方向側)から他端部47b側(Y1方向側)に向かって前後方向(Y方向)に延びるように形成された傾斜対向部47cと、他端部47bを含み、傾斜対向部47cに連続するように設けられ、一端部47a側から他端部47b側に向かって前後方向に延びるように形成された水平対向部47dとを有している。
傾斜対向部47cの上面(容器200の底部との対向面)は、一端部47a側(Y2方向側)から他端部47b側(Y1方向側)に向かって、上り勾配を有している。つまり、傾斜対向部47cの上面は、一端部47a側から他端部47b側に向かって、徐々に高さが高くなるように形成されている。容器底部対向部47の傾斜対向部47cの一端部47aは、トレイ部30が攪拌位置に位置した状態(図9(A)参照)でトレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部に近接する位置に配置されている。つまり、容器底部対向部47の傾斜対向部47cの一端部47aは、トレイ部30が攪拌位置に位置した状態(図9(A)参照)でトレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部との間に隙間を有し、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と接触しない。
水平対向部47dの上面(容器200の底部との対向面)は、水平と略平行になるように形成されている。つまり、水平対向部47dの上面は、傾斜対向部47c側の端部から他端部47bまで、略同じ高さを有している。また、水平対向部47dの上面の高さ位置は、トレイ部30の容器保持部31の容器底部支持部31cの上面(容器200の底部の支持面)の高さ位置よりも高い。したがって、水平対向部47dの上面は、容器底部支持部31cに設けられた開口部31dに挿入された状態で、容器底部支持部31cの上面よりも高い位置に配置される。この結果、開口部31dに挿入された水平対向部47dの上面は、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と接触するとともに、容器200を上方に持ち上げる。
図9(A)に示すように、トレイ部30が攪拌位置に位置した状態では、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と、容器底部対向部47の傾斜対向部47cとが上下方向に互いに対向する位置に配置されている。なお、図9(A)に示す状態では、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と、容器底部対向部47の傾斜対向部47cとは、接触していない。
そして、図9(B)に示すように、トレイ部30がトレイ部駆動部33により待機位置(洗浄位置)に向かって前方向(Y1方向)に移動されると、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部が、傾斜対向部47cと上下方向に互いに対向する位置から、水平対向部47dと上下方向に互いに対向する位置に移動される。この位置までトレイ部30が移動されると、容器底部対向部47の水平対向部47dが開口部31dに挿入され、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200の底部と水平対向部47dとが接触して、容器200が上方(Z1方向側)に持ち上げられる。容器底部対向部47では、傾斜対向部47cに水平対向部47dが連続するように設けられているので、容器200を円滑に持ち上げることが可能である。また、容器底部対向部47の水平対向部47dにより容器200が持ち上げられた後は、水平対向部47dにより容器200の底部が支持されるため、容器200が水平対向部47dにより持ち上げられたまま、トレイ部30がトレイ部駆動部33により待機位置(洗浄位置)まで移動される。
そして、図9(C)に示すように、トレイ部30がトレイ部駆動部33により待機位置(洗浄位置)まで移動されると、トレイ部駆動部33によるトレイ部30の移動が停止される。待機位置(洗浄位置)では、利用者は、トレイ部30の容器保持部31への嵌まり込みが解除された容器200を、容器保持部31から容易に取り外すことが可能である。
ここで、本実施形態では、図5〜図9に示すように、容器底部対向部47には、トレイ部30が洗浄位置に位置した状態(図9(C)参照)でトレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bと上下方向に対向する位置に配置され、洗浄容器部32の排出口32bから排出される排液を避けるように形成された排液避け部47eが形成されている。
排液避け部47eは、容器底部対向部47の一端部47aに形成されている。具体的には、排液避け部47eは、容器底部対向部47の一端部47aに、平面視において洗浄容器部32の排出口32bを避けるように窪む凹状に形成されている。また、凹状の排液避け部47eは、洗浄容器部32の排出口32bからの排液の排出方向(Z方向)と直交する方向(Y1方向)に窪むように形成されている。また、凹状の排液避け部47eは、概略U字形状を有している。また、凹状の排液避け部47eは、容器底部対向部47の一端部47aの上端部から下端部までの範囲で、上記排出方向と直交する方向に窪むように形成されている。また、凹状の排液避け部47eの下端部は、排液受け部40の傾斜部42に接続されている。
また、本実施形態では、凹状の排液避け部47eは、排液受け部40の排出口43が配置された方向(Y2方向)に開口している。飲料製造装置100では、トレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bから排出された排液は、容器底部対向部47の排液避け部47e(排液避け部47eにより区画される空間)、傾斜部42および排出口43の順に流れる。
図3に示すように、洗浄部50は、調理空間S内で攪拌部10の被液部分を洗浄用の高温液体(たとえば、温水)により洗浄する機構である。具体的には、図3および図4に示すように、洗浄部50は、洗浄用の高温液体を貯留する高温液体タンク51と、高温液体タンク51に洗浄用の液体(たとえば、常温の水)を流入させる流入路52と、洗浄用の高温液体を高温液体タンク51から流出させ、トレイ部30の洗浄容器部32のノズル部32aに供給するための流出路53とを含んでいる。高温液体タンク51の内部には、洗浄用の液体を加熱するヒータ51aと、内部の液体の温度を測定する温度センサ51bとが設けられている。ヒータ51aは、温度センサ51bの検出結果に基づいて、高温液体タンク51の内部の洗浄用の液体を洗浄温度(たとえば、98℃)まで加熱する。流入路52には、高温液体タンク51への洗浄用の液体の流入を制限する電磁弁52aが設けられている。流出路53には、トレイ部30の洗浄容器部32のノズル部32aへの洗浄用の高温液体の供給を制限する電磁弁53aと、洗浄用の高温液体をノズル部32aから吹き出すための加圧源としてのポンプ53bとが設けられている。
図1〜図3および図10に示すように、表示パネル60は、利用者が操作を行うため、および、飲料製造装置100の状態を示すためのパネルである。具体的には、表示パネル60は、第1状態表示部61と、第2状態表示部62と、販売ボタン63と、清掃ボタン64とを含んでいる。第1状態表示部61は、エラーを示すためのエラー点灯部61aと、準備中であることを示すための準備中点灯部61bと、販売可能であることを示すための販売点灯部61cとを有している。各点灯部(61a〜61c)は、飲料製造装置100がその状態である場合に点灯し、その状態ではない場合に消灯する。第2状態表示部62は、文字表示が可能な7セグの液晶表示部である。第2状態表示部62には、たとえば、「Err1」や「Err2」などのエラーの種類が表示される。また、第2状態表示部62には、たとえば、調理動作の時間や洗浄動作の時間などがカウントダウンされつつ表示される。販売ボタン63は、利用者が飲料製造開始操作を行うためのボタンである。販売ボタン63が利用者により操作されると、後述する調理動作が開始される。清掃ボタン64は、飲料製造装置100の清掃者が清掃を行う際に操作するボタンである。清掃ボタン64が清掃者により操作されると、清掃のための所定の動作が開始される。
図4に示すように、制御部70は、たとえば、CPU(Central Processing Unit)を含み、飲料製造装置100の動作を制御する制御回路である。制御部70は、各センサの検知結果や、表示パネル60の操作結果などに基づいて、飲料製造装置100の各部を制御するように構成されている。
(調理動作および洗浄動作)
次に、図11(A)〜(K)を参照して、飲料製造装置100の調理動作および洗浄動作を説明する。調理動作および洗浄動作は、制御部70により制御される。
図11(A)に示すように、待機状態では、攪拌部10が退避位置に位置し、扉部20が閉位置に位置し、トレイ部30が待機位置に位置している。利用者は、まず、トレイ部30の容器保持部31に、飲料用原料が収容された容器200を設置する。そして、利用者は、表示パネル60の販売ボタン63を操作することにより、飲料製造開始操作を行う。
飲料製造開始操作が行われると、図11(B)に示すように、扉部20が、扉開検知センサ22aが検知する位置(つまり、開位置)まで、扉部駆動部21により上方向に移動される。これにより、トレイ部30の容器保持部31および容器200を調理空間S内に引き込むことが可能になる。
次に、図11(C)に示すように、トレイ部30が、トレイ引込検知センサ35bが検知する位置(つまり、引込位置)まで、トレイ部駆動部33により後方向に移動される。これにより、攪拌部10の直下に、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200が配置される。
次に、図11(D)に示すように、扉部20が、扉閉検知センサ22bが検知する位置(つまり、閉位置)まで、扉部駆動部21により下方向に移動される。
次に、図11(E)に示すように、攪拌部10が、容器200内の飲料用原料を攪拌して粉砕可能な攪拌位置まで、攪拌部上下駆動部11により下方向に移動される。次に、攪拌部10の回転軸部10aおよび刃部10cが、攪拌部回転駆動モータ10bにより回転される。これにより、容器200内の飲料用原料が攪拌されて粉砕される。また、攪拌部10の攪拌動作の際には、攪拌部10の回転軸部10aおよび刃部10cが攪拌部回転駆動モータ10bにより回転されている状態で、攪拌部10が、攪拌部上下駆動部11により容器200内で昇降される。これにより、容器200内の飲料用原料をより確実に攪拌して粉砕することが可能である。なお、攪拌部10の攪拌動作の間、扉部20は閉じられた状態である。
攪拌部10の攪拌動作が完了すると、図11(F)に示すように、攪拌部10が、退避位置まで、攪拌部上下駆動部11により上方向に移動される。
次に、図11(G)に示すように、扉部20が、扉開検知センサ22aが検知する位置(つまり、開位置)まで、扉部駆動部21により上方向に移動される。これにより、トレイ部30の容器保持部31および容器200を調理空間S外に押し出すことが可能になる。
次に、図11(H)に示すように、トレイ部30が、トレイ押出検知センサ35aが検知する位置(つまり、押出位置)まで、トレイ部駆動部33により前方向に移動される。これにより、調理空間S外(筐体100a外)に、トレイ部30の容器保持部31に保持された容器200が配置される。利用者は、製造された飲料を収容する容器200を、トレイ部30の容器保持部31から取り外すことが可能である。
次に、図11(I)に示すように、扉部20が、扉閉検知センサ22bが検知する位置(つまり、閉位置)まで、扉部駆動部21により下方向に移動される。これにより、調理動作が終了される。そして、洗浄動作が行われる。なお、飲料製造装置100では、調理動作毎に、洗浄動作が行われる。
洗浄動作では、まず、図11(J)に示すように、攪拌部10が、洗浄部50の高温液体による洗浄を行うための洗浄位置まで、攪拌部上下駆動部11により下方向に移動される。洗浄位置では、攪拌部10の被液部分(回転軸部10aの先端部や刃部10cなど)が、トレイ部30の洗浄容器部32内に配置され、洗浄容器部32に周囲を囲われている。次に、攪拌部10の被液部分が、洗浄部50から供給され、トレイ部30の洗浄容器部32のノズル部32aから吹き出された洗浄用の高温液体により洗浄される。また、攪拌部10の洗浄動作の際には、攪拌部10の回転軸部10aおよび刃部10cが攪拌部回転駆動モータ10bにより回転されている状態で、攪拌部10が、攪拌部上下駆動部11により洗浄容器部32内で昇降される。これにより、攪拌部10の被液部分をより確実に洗浄することが可能である。洗浄後の排液は、洗浄容器部32の排出口32bおよび排液受け部40をこの順に介して、外部に排出される。
次に、図11(K)に示すように、攪拌部10が、退避位置まで、攪拌部上下駆動部11により上方向に移動される。これにより、洗浄動作が終了される。なお、洗浄動作の間、扉部20は閉じられた状態である。
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、容器底部対向部47に、トレイ部30が洗浄位置に位置した状態でトレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bと対向する位置に配置され、洗浄容器部32の排出口32bから排出される排液を避けるように形成された排液避け部47eを設ける。これにより、容器底部対向部47の排液避け部47eにより排液を避けることができるので、トレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bから排出された排液が、容器底部対向部47上に溜まることを抑制することができる。その結果、トレイ部30が攪拌位置から洗浄位置に移動された場合に、容器200の底部により容器底部対向部47上の排液を引きずって汚れが拡がることを抑制することができる。これにより、清掃の手間が増加することを抑制することができる。また、容器200の底部により容器底部対向部47上の排液を引きずって汚れが拡がることを抑制することができることにより、見た目が悪くなることおよび衛生状態が悪化することを抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、排液受け部40の容器底部対向部47の排液避け部47eを、平面視において洗浄容器部32の排出口32bを避けるように窪む凹状に形成する。これにより、排液避け部47eを凹状に形成するだけでよいので、簡素な構成により排液避け部47eを形成しつつ、凹状に形成された排液避け部47eにより、洗浄容器部32の排出口32bから排出される排液を容易に避けることができる。
また、本実施形態では、上記のように、排液受け部40の容器底部対向部47の排液避け部47eを、排液受け部40の排出口43が配置された方向に開口させる。これにより、排液避け部47eにより避けられた排液を排液受け部40の排出口43側に流すことができるので、排液を排液受け部40の排出口43に向かって円滑に流すことができる。
また、本実施形態では、上記のように、排液受け部40を、トレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bから排出された排液を受けるとともに、排液受け部40の排出口43に向かって下り勾配を有する傾斜部42を含むように構成する。そして、排液受け部40の容器底部対向部47の排液避け部47eを、傾斜部42に接続する。そして、飲料製造装置100を、排液が、排液受け部40の容器底部対向部47の排液避け部47e、排液受け部40の傾斜部42および排液受け部40の排出口43の順に流れるように構成する。これにより、排液避け部47eにより避けられ、傾斜部42により受けられた排液を、傾斜部42により排液受け部40の排出口43に向かって円滑に流すことができる。
また、本実施形態では、上記のように、排液受け部40を、トレイ部30の洗浄容器部32の排出口32bから排出された排液を受けるとともに、排液受け部40の排出口43に向かって下り勾配を有する傾斜部42と、排液受け部40の排出口43に接続され、斜め下方向に延びるように形成された排出通路44とを含むように構成する。これにより、傾斜部42により受けられた排液を、傾斜部42により排液受け部40の排出口43に向かって円滑に流すことができる。また、排液受け部40の排出口43に接続される排出通路44を斜め下方向に延びるように形成することにより、排出通路44においても排液を円滑に流すことができる。
また、本実施形態では、上記のように、排液受け部40を、排出通路44の一部を構成するとともに、斜め下方向に突出して延びるように形成された排出管接続部46を含むように構成する。これにより、排出管接続部46の排出通路44において、排液を円滑に流すことができる。
また、本実施形態では、上記のように、飲料製造装置100を、トレイ部30を攪拌位置と洗浄位置との間で移動させるトレイ部駆動部33と、トレイ部30が着脱可能に取り付けられ、トレイ部30とトレイ部駆動部33とを接続する接続部材34とを備えるように構成する。そして、トレイ部駆動部33を、電源がオフ状態で解除されるブレーキ33bを有するトレイ部駆動モータ33aを含むように構成する。ここで、排液受け部40を清掃する場合、清掃を容易化するために、接続部材34からトレイ部30を取り外して、清掃を行う場合がある。この場合、トレイ部30を取り外したとしても、接続部材34が邪魔をして、排液受け部40を清掃しにくいことがある。そこで、上記のように、トレイ部駆動部33が電源がオフ状態で解除されるブレーキ33bを有するトレイ部駆動モータ33aを含むように構成することにより、電源がオフ状態において、トレイ部駆動部33に接続したまま接続部材34を手動で動かすことができる。その結果、接続部材34を排液受け部40が清掃しやすい位置まで動かすことができるので、排液受け部40の清掃性を向上させることができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、排液避け部が、凹状に形成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、トレイ部の洗浄容器部の排出口から排出される排液を避けることが可能であれば、排液避け部が、凹状以外の形状に形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、凹状の排液避け部が、排液受け部の排出口が配置される方向に開口している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、凹状の排液避け部が、排液受け部の排出口が配置される方向以外の方向に開口していてもよい。
また、上記実施形態では、排液受け部の排出通路および排出管接続部が、斜め下方向に延びるように形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、排液受け部の排出通路および排出管接続部が、水平方向に延びるように形成されていてもよい。
また、上記実施形態では、トレイ駆動部のトレイ部駆動モータが、電源がオフ状態で解除されるブレーキを有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、トレイ駆動部のトレイ部駆動モータが、電源がオフ状態で解除されるブレーキを有していなくてもよい。
また、上記実施形態では、攪拌部の洗浄用の液体が、高温液体である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、攪拌部を洗浄可能であれば、攪拌部の洗浄用の液体が、高温液体でなくてもよい。
また、上記実施形態では、容器底部対向部が、嵌まり込み解除部として機能する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、容器底部対向部が、嵌まり込み解除部として機能しなくてもよい。
また、上記実施形態では、容器底部対向部が、トレイ部が攪拌位置に位置した状態でトレイ部の容器保持部に保持された容器の底部に近接する位置に配置される例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、容器底部対向部が、トレイ部が攪拌位置に位置した状態でトレイ部の容器保持部に保持された容器の底部に接触する位置に配置されていてもよい。