JP2019033352A - チャンネル数変換装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】前方チャンネルの音像定位を保持しつつ、ダウンミックスをしても音質が劣化しない、アップミックスされた信号を生成する。【解決手段】チャンネル数変換装置1は、L信号に含まれているR信号と相関の低い成分E1及び相関の高い成分P1と、R信号に含まれているL信号と相関の低い成分E2及び相関の高い成分P2を抽出し、成分E1をFL信号とし、成分E2をFR信号として出力する第1の適応フィルタ部20と、成分P1に含まれている成分P2と相関の低い成分E4及び相関の高い成分P4と、成分P2に含まれている成分P1と相関の低い成分E3及び相関の高い成分P3を抽出し、成分E3をFLc信号とし、成分E4をFRc信号とし、成分P3及び成分P4を加算した信号をFC信号として出力する第2の適応フィルタ部30と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、マルチチャンネルの音響信号のチャンネル数を変換するチャンネル数変換装置及びプログラムに関する。
2chステレオから5.1chサラウンドに変換するといった、少ないチャンネル数のオーディオ信号から、より多いチャンネルフォーマットのオーディオ信号を作り出すことをアップミックスと呼ぶ。2chステレオの信号から5.1chサラウンドの信号を作り出すアルゴリズムは色々と提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。これらの機器は、例えば、ポストプロダクションなどで既存の2チャンネルオーディオ素材を5.1chサラウンド制作に応用する、あるいは、5.1chサラウンドの音楽番組で2チャンネル制作のカラオケを5.1chに変換して使用するといった用途に使われている。このように、音響制作において、異なるチャンネル方式で制作された素材を融合したり、互換したりする上で、アップミックス技術は重要である。特に、音響制作の効率的化には、アップミックス用の付帯情報(サイド情報)を持たない従来の2chステレオ、5.1chの音声信号又は音声データから、音響エンジニアがミキシング作業を行うことなく、より多チャンネルの音声信号又は音声データを得ることができる、自動アップミックス技術が不可欠である。
さらに近年、8Kスーパーハイビジョン放送用の22.2ch音響を始め、5.1chを上回る多数のチャンネルを有する音響システム(例えば、非特許文献1参照)の開発が進められている。これらのマルチチャンネル音響による制作においても、上記と同様の理由により、自動アップミックスを実現する技術が必要不可欠である。
一方、22.2chを5.1chや2chステレオに変換するといった、より少ないチャンネル数のオーディオ信号を作り出すことをダウンミックスと呼ぶ。22.2chの再生に対応しない機器(受信機、オーディオアンプ等)では、予め定められた配分(ダウンミックス係数)(例えば、非特許文献2のP.273参照)で複数チャンネルの信号を混合し、再生可能なより少ないチャンネル数に再構成するダウンミックスが行われる。
また、アップミックス用の付帯情報(サイド情報)を持たない従来の2chステレオ、5.1chサラウンドの音声信号からミキシング作業を行うことなく22.2chの音声信号を得る技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特許第4792086号公報 特許第4664431号公報 特開2015−76857号公報
Rec. ITU-R BS.2051, "Advanced sound system for programme production" 一般社団法人 電波産業会、「デジタル放送における映像符号化、音声符号化及び多重化方式」、ARIB STD−B32 3.9版
8K高精細映像と22.2ch音響のように、映像と音響が同期した高臨場感コンテンツを制作、再生する場合、画面内の映像と音像の方向の一致が重要である。しかし、従来の自動アップミックス技法では、音像定位が考慮されていない。また、従来の技法で2chステレオ、5.1chサラウンドの音声信号をアップミックスして得られた22.2ch信号に対して、例えば非特許文献2のような固定ダウンミックス係数を使ったダウンミックスを行った場合、音質が劣化する場合があるという課題があった。
かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、ダウンミックスをしても音質が劣化しない、アップミックスされた信号を生成することが可能なチャンネル数変換装置及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係るチャンネル数変換装置は、2chステレオの音響信号であるL信号及びR信号を入力信号とし、2chを超えるチャンネル数を持つマルチチャンネル音響の前方チャンネル信号であるFL信号、FLc信号、FC信号、FRc信号、及びFR信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、前記L信号に含まれている前記R信号と相関の低い成分E1及び相関の高い成分P1と、前記R信号に含まれている前記L信号と相関の低い成分E2及び相関の高い成分P2を抽出し、前記成分E1を前記FL信号とし、前記成分E2を前記FR信号として出力するフィルタ処理を行う第1の適応フィルタ部と、前記成分P1に含まれている前記成分P2と相関の低い成分E4及び相関の高い成分P4と、前記成分P2に含まれている前記成分P1と相関の低い成分E3及び相関の高い成分P3を抽出し、前記成分E3を前記FLc信号とし、前記成分E4を前記FRc信号とし、前記成分P3及び前記成分P4を加算した信号を前記FC信号として出力するフィルタ処理を行う第2の適応フィルタ部と、を備えることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るチャンネル数変換装置は、5.1chサラウンドの音響信号の前方チャンネル信号であるL信号、C信号、及びR信号を入力信号とし、5.1chを超えるチャンネル数を持つマルチチャンネル音響の前方チャンネル信号であるFL信号、FLc信号、FC信号、FRc信号、及びFR信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、前記L信号に含まれている前記C信号と相関の低い成分E1及び相関の高い成分P1と、前記C信号に含まれている前記L信号と相関の低い成分E2及び相関の高い成分P2を抽出し、前記成分E1を前記FL信号とし、前記成分P1及び前記成分P2を加算した信号を前記FLc信号として出力するフィルタ処理を行う第1の適応フィルタ部と、前記R信号に含まれている前記C信号と相関の低い成分E4及び相関の高い成分P4と、前記C信号に含まれている前記R信号と相関の低い成分E3及び相関の高い成分P3を抽出し、前記成分E4を前記FR信号とし、前記成分P3及び前記成分P4を加算した信号を前記FRc信号として出力するフィルタ処理を行う第2の適応フィルタ部と、前記成分E2及び前記成分E3を加算した信号を前記FC信号として出力する加算部と、を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係るチャンネル数変換装置において、前記FL信号、前記FLc信号、前記FRc信号、及び前記FR信号は、それぞれ所定の振幅の前記FC信号と減算されることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るチャンネル数変換装置は、2chステレオの音響信号を22.2ch音響のチャンネル信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第1の適応フィルタ部と、2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分と、前記一方の入力信号に含まれている前記他方の入力信号と相関の高い成分及び前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の高い成分を加算した成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第2の適応フィルタ部と、をそれぞれ組み合わせて構成されることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るチャンネル数変換装置は、5.1chサラウンドの音響信号を22.2ch音響のチャンネル信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分と、前記一方の入力信号に含まれている前記他方の入力信号と相関の高い成分及び前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の高い成分を加算した成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第1の適応フィルタ部と、2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第2の適応フィルタ部と、2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第3の適応フィルタ部と、をそれぞれ組み合わせて構成されることを特徴とする。
さらに、本発明に係るチャンネル数変換装置において、前記適応フィルタ部は、分割された周波数帯域ごとにフィルタ処理を行うことを特徴とする。
さらに、本発明に係るチャンネル数変換装置において、前記入力信号に雑音を加算する前処理部を備えることを特徴とする。
さらに、本発明に係るチャンネル数変換装置において、前記前処理部は、前記入力信号のあるチャンネルの信号に、振幅を調節した他のチャンネルの信号を前記雑音として加算することを特徴とする。
さらに、本発明に係るチャンネル数変換装置において、前記適応フィルタ部は、ステップサイズパラメータを用いて信号の分離度を調整可能であることを特徴とする。
また、上記課題を解決するため、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記チャンネル数変換装置として機能させることを特徴とする。
本発明によれば、前方チャンネルの音像定位を保持しつつ、ダウンミックスをしても音質が劣化しない、アップミックスされた信号を生成することができるようになる。
本発明の第1の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。 図1に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 図1に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 図3に示した適応振幅調節器について説明する図である。 図1に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 図1に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 チャンネル数変換前のステレオ信号の一例を示す図である。 前処理を行わずに、図7に示した波形に対してチャンネル数変換処理を行った波形を示す図である。 前処理を加えて、図7に示した波形に対してチャンネル数変換処理を行った波形を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。 図10に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 図10に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 図10に示すチャンネル数変換装置の変形例を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。 図14に示すチャンネル数変換装置における第2チャンネル数変換部の構成例を示すブロック図である。 図14に示すチャンネル数変換装置における第3チャンネル数変換部の構成例を示すブロック図である。 図14に示すチャンネル数変換装置における第4チャンネル数変換部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の第5の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。 図19に示すチャンネル数変換装置における第6チャンネル数変換部の構成例を示すブロック図である。 図19に示すチャンネル数変換装置における第7チャンネル数変換部の構成例を示すブロック図である。 図19に示すチャンネル数変換装置における第8チャンネル数変換部の構成例を示すブロック図である。 本発明の第6の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。 本発明の効果を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本実施形態では、従来の2chステレオや5.1chサラウンドの前方チャンネル信号を、マルチチャンネル音響の前方チャンネル信号に自動でアップミックスする処理について述べる。2chステレオでコンテンツを視聴する際、左右のチャンネルにおいてチャンネル間相関の高い成分は左右のスピーカの中間の位置に定位し、相関が低くなるにつれて、左右のスピーカそれぞれに位置に近づいて定位するという特徴がある。そこで2chステレオに含まれる成分を、チャンネル間相関に応じて抜き出し、それぞれ前方の複数チャンネルに振り分けることで、2chステレオとして受聴した際の定位感を保ったまま、複数チャンネルに変換することができる。また、本実施形態ではマルチチャンネル音響を22.2ch音響とする。なお、22.2ch音響のチャンネル配置及びチャンネルラベルは、例えば非特許文献1に記載されている。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係るチャンネル数変換装置について、以下に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。図1に示すチャンネル数変換装置1−1は、第1適応フィルタ部20と、第2適応フィルタ部30とを備え、2chステレオの音響信号であるL,R信号を、2chを超えるチャンネル数を持つマルチチャンネル音響(22.2ch音響)の前方チャンネル信号(FL,FLc,FC,FRc,FR信号)へ変換する。
L信号とR信号の相関に応じて、相関の低い成分からFL信号、FR信号とし、相関が高くなるにつれてFLc信号、FRc信号とし、さらに相関の高い成分はFC信号として構成することを考える。
第1適応フィルタ部20は、L信号を、R信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、R信号を、L信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。第1適応フィルタ部20は、FL側適応フィルタ21と、FR側適応フィルタ22とを有する。
FR側適応フィルタ22は、R信号を入力し、R信号に含まれる、L信号と相関の高い成分(第2高相関成分)P2を出力する。さらにその後段で、L信号から第2高相関成分P2を減算することにより、L信号に含まれる、R信号と相関の低い成分(第1低相関成分)E1を抽出する。ここで、FR側適応フィルタ22は、第1低相関成分E1をFR側適応フィルタ22自身にフィードバックすることで、第1低相関成分E1が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
同様に、FL側適応フィルタ21は、L信号を入力し、L信号に含まれる、R信号と相関の高い成分(第1高相関成分)P1を出力する。さらにその後段で、R信号から第1高相関成分P1を減算することにより、R信号に含まれるL信号と相関の低い成分(第2低相関成分)E2を抽出する。ここで、FL側適応フィルタ21は、第2低相関成分E2をFL側適応フィルタ21自身にフィードバックすることで、第2低相関成分E2が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
つまり、第1適応フィルタ部20は、L信号に含まれているR信号と相関の低い第1低相関成分E1及び相関の高い第1高相関成分P1と、R信号に含まれているL信号と相関の低い第2低相関成分E2及び相関の高い第2高相関成分P2とを抽出する。そして、第1低相関成分E1をFL信号とし、第2低相関成分E2をFR信号として出力するフィルタ処理を行う。また、第1高相関成分P1及び第2高相関成分P2を後段の第2適応フィルタ部30に出力する。
第2適応フィルタ部30は、高相関成分P1,P2を入力し、FLc,FC,FRc信号を出力する。第2適応フィルタ部30は、FLc側適応フィルタ31と、FRc側適応フィルタ32とを有する。
FRc側適応フィルタ32は、第1高相関成分P1を入力し、第1高相関成分P1に含まれる、第2高相関成分P2と相関の高い成分(第4高相関成分)P4を出力する。さらにその後段で、第2高相関成分P2から第4高相関成分P4を減算することにより、第1高相関成分P1に含まれる、第2高相関成分P2と相関の低い成分(第3低相関成分)E3を抽出する。ここで、FRc側適応フィルタ32は、第3低相関成分E3をFRc側適応フィルタ32自身にフィードバックすることで、第3低相関成分E3が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
同様に、FLc側適応フィルタ31は、第2高相関成分P2を入力し、第2高相関成分P2に含まれる、第1高相関成分P1と相関の高い成分(第3高相関成分)P3を出力する。さらにその後段で、第1高相関成分P1から第3高相関成分P3を減算することにより、第2高相関成分P2に含まれる、第1高相関成分P1と相関の低い成分(第4低相関成分)E4を抽出する。ここで、FLc側適応フィルタ31は、第4低相関成分E4をFLc側適応フィルタ31自身にフィードバックすることで、第4低相関成分E4が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
つまり、第2適応フィルタ部30は、第1高相関成分P1に含まれている第2高相関成分P2と相関の低い第4低相関成分E4及び相関の高い第4高相関成分P4と、第2高相関成分P2に含まれている第1高相関成分P1と相関の低い第3低相関成分E3及び相関の高い第3高相関成分P3を抽出する。そして、第3低相関成分E3をFLc信号とし、第4低相関成分E4をFRc信号とし、第3高相関成分P3及び第4高相関成分P4を加算した信号をFC信号として出力するフィルタ処理を行う。
適応フィルタのアルゴリズムには、LMSアルゴリズムや射影アルゴリズムなどが適用できる。また、どの適応アルゴリズムにおいても共通に、ステップサイズパラメータを設定することができる。また、適応アルゴリズムには時間領域で適応するものと、周波数領域で適応するものがあるが、どちらを使ってもよい。ステップサイズパラメータは適応アルゴリズムにおける学習の速度に関係するパラメータであるが、これを用いて変換後の信号の分離度を調整することができる。この場合、チャンネル数変換装置1−1はステップサイズパラメータを入力するI/Fを有し、ユーザにより入力されたステップサイズパラメータは、FL側適応フィルタ21、FR側適応フィルタ22、FLc側適応フィルタ31、及びFRc側適応フィルタ32でそれぞれ用いられる。
ステップサイズパラメータを大きく設定すると、各適応フィルタの学習の速度が向上するため、出力される相関の高い成分が大きくなり、結果的にFC信号に近づくにつれて信号レベルが上がる傾向にある。一方、ステップサイズパラメータを小さく設定すると、FC信号のレベルは小さく、FL,FR信号に近づくにつれて信号レベルが上がる傾向にある。これはユーザが好みに合わせて自由に設定可能であるが、各適応フィルタにおけるステップサイズパラメータは個々に値を設定することも、同一の値を用いることも可能である。また、適応フィルタは時々刻々と学習するため、長い音源を使用したときに、処理の開始直後と終了前とで信号の分離度合いが変わることがある。これを緩和するために、あらかじめ学習が可能である場合においては、音源の冒頭部分をあらかじめ学習しておき、その学習された適応フィルタを初期値として再度変換処理を行うことも考えられる。
(第1の実施形態の変形例)
図2に、チャンネル数変換装置1−1の変形例としてチャンネル数変換装置1−2を示す。チャンネル数変換装置1−2は、チャンネル数変換装置1−1と比較して、さらに振幅調節部40を備える。
第2適応フィルタ部30により抽出されたFC信号は、L信号及びR信号の共通成分であるが、適応過程においてはL信号及びR信号から十分に共通成分を抽出されていない場合がある。そこで、チャンネル数変換装置1−2では、振幅調節部40において、振幅調節器41により、FC信号に対しユーザが振幅値を調節したのちに、E1,E3,E4,E2成分との差分をとることで、残留している共通成分をキャンセルし、FL,FLc,FRc,FR信号とする。すなわち、チャンネル数変換装置1−2では、上述した、チャンネル数変換装置1−1で求めたFL信号、FLc信号、FRc信号、及びFR信号に対して、それぞれFC信号の振幅を調節した値(所定の振幅のFC信号)と減算されることとなる。
(第1の実施形態の変形例)
図3に、チャンネル数変換装置1−1の変形例としてチャンネル数変換装置1−3を示す。チャンネル数変換装置1−3は、チャンネル数変換装置1−1と比較して、さらに適応振幅調節部42を備える。
第2適応フィルタ部30により抽出されたFC信号は、L信号及びR信号の共通成分であるが、適応過程においてはL信号及びR信号から十分に共通成分を抽出されていない場合がある。そこで、チャンネル数変換装置1−3では、適応振幅調節部42において、適応振幅調節器43により、FC信号に対し、E1,E3,E4,E2成分との差分をとることで、残留している共通成分をキャンセルし、FL,FLc,FRc,FR信号とする。ここで、適応振幅調節器43はFC信号と、E1,E3,E4,E2成分との差分を適応振幅調節器43にフィードバックさせることで、E1,E3,E4,E2成分に残留したFC成分が最小となるよう、適応的に振幅値を調節することができる。
この適応振幅調節器43は、適応フィルタを用いて実現することができる。通常、適応フィルタは周波数特性を持ち、音源の周波数特性に応じて適応的にフィルタリングをするものであるが、フィルタ長が1タップの適応フィルタは、周波数特性を持たないため、信号の振幅値のみを調節することができる。
図4に、E1とFCの関係を示す。適応振幅調節器43を用いて最適な振幅値として得られるFC信号に対し、ユーザが調節可能な減衰器44を通過させた信号をE1信号から減算することで、ユーザはFC成分を過減算することなく、E1,E3,E4,E2に残留したFC成分を調節することができる。これにより、ユーザはFC成分の音像の大きさを自由に調節することができる。すなわち、チャンネル数変換装置1−3では、上述した、チャンネル数変換装置1−1で求めたFL信号、FLc信号、FRc信号、及びFR信号に対して、それぞれFC信号の振幅を減衰器44を用いて適応的に調節した値が減算されることとなる。
適応フィルタのアルゴリズムには、LMSアルゴリズムや射影アルゴリズムなどが適用できる。また、適応アルゴリズムには時間領域で適応するものと、周波数領域で適応するものがあるが、どちらを使ってもよい。また、適応振幅調節器43として使用する適応フィルタのタップ数は1タップのものに限らず、周波数特性を持つものであってもよい。
(第1の実施形態の変形例)
図5に、チャンネル数変換装置1−1の変形例としてチャンネル数変換装置1−4を示す。チャンネル数変換装置1−4は、チャンネル数変換装置1−1と比較して、さらに帯域分割部50と、帯域統合部60とを備える。
信号の相関は、高い周波数の成分よりも低い周波数の成分の方が高いことが多い。したがって、本技術を用いて信号を変換する場合、相関の低いFL,FR信号には高い周波数の成分が構成され、FC信号に近づくにつれて低い周波数の成分が構成されることがある。そのため、L信号及びR信号の中心にボーカルが定位するよう制作された音楽などを変換処理した場合、ボーカルの歌声に含まれる高い周波数成分のみがFL,FR信号に、低い周波数成分のみがFC信号に分離されてしまうことがある。同じ歌声でありながら、周波数ごとに別々のチャンネルに信号が割り当てられてしまうのは、コンテンツ制作において望ましくはない。
そこで、チャンネル数変換装置1−4では、第1適応フィルタ部20及び第2適応フィルタ部30は、分割された周波数帯域ごとに、上述したフィルタ処理を行う。これにより、周波数ごとに成分が分離されるのを防ぐことができる。
具体的には、帯域分割部50は、入力信号(L,R信号)を周波数分割して第1適応フィルタ部20に出力する。第1適応フィルタ部20及び第2適応フィルタ部30は、分割された周波数帯域ごとに上述したフィルタ処理を行う。
帯域統合部60は、第2適応フィルタ部30から出力されるFL,FLc,FR,FRc信号を加算し、分割された周波数帯域を統合する。
(第1の実施形態の変形例)
図6に、チャンネル数変換装置1−1の変形例としてチャンネル数変換装置1−5を示す。チャンネル数変換装置1−5は、チャンネル数変換装置1−1と比較して、さらに前処理部10を備える。
本発明で用いられる適応フィルタについて、比較する2つの入力信号(L,R信号)が完全に独立しており相関が全くない場合や、入力信号に無音区間が含まれる場合に、適応フィルタの適応処理が不安定になり、所望の結果が得られない場合がある。これを避けるため、チャンネル数変換装置1−5では、前処理部10を第1適応フィルタ部20の前段に接続する。
前処理部10は、入力信号に雑音を加算する。例えば、L信号及びR信号に対して低レベルの雑音を加算する。雑音には、白色雑音やピンクノイズに代表されるような有色雑音など多々存在するが、どれを用いてもよい。
また、前処理部10は、入力信号のある信号に、低レベルの他の入力信号を雑音の代わりに加算してもよい。例えば、L信号に対して、音質が損なわれない程度に信号を減衰させたR信号を加算する。同様に、R信号に対して、音質が損なわれない程度に信号を減衰させたL信号を加算する。加算する低レベルの信号は、元のチャンネルの信号に対して10dB程度以上レベルの低い信号を加えておけば、聴感上音質を著しく悪化させることなく処理を安定化させることができる。また、前処理部10は、入力信号に対して、低レベルの雑音と、低レベルの他のチャンネルの信号の双方を加算してもよい。
また、FLc側適応フィルタ31及びFRc側適応フィルタ32の入力にも同様に、低レベルの雑音を加算してもよい。
前処理部10の効果を、図7、図8、図9を用いて説明する。図7は、チャンネル数変換前のステレオ信号の一例を示す図である。この信号は左右チャンネルの相関の低い区間や無音区間が含まれており、本発明を用いた場合でも前処理を行わない場合においては非常に発散が起こりやすい信号であるといえる。
図8は、前処理を行わずに、図7に示した波形に対してチャンネル数変換処理を行った波形を示す図である。元の波形に比べて著しく振幅が増大した異常な波形になっており(特にFL,FLc,FC信号に顕著)、適応フィルタが発散状態にあることが分かる。
図9は、前処理を加えて、図7に示した波形に対してチャンネル数変換処理を行った波形を示す図である。ここでは、前処理部10において、L,R信号にそれぞれ10dBレベルを下げた互いの信号を加算し、FL側及びFR側適応フィルタ21,22の入力に低レベルの雑音信号を加算してからチャンネル数変換処理を行った結果、著しい振幅の増大がみられず、適応フィルタの発散を回避して正常なチャンネル数変換処理が実現できていることが分かる。
上述した実施形態においては、2chステレオ音源から22.2ch音響の前方5chへの変換について述べているが、出力先のチャンネル数はこれに限る必要はない。例えば、本実施形態によれば、FLc側適応フィルタ31から出力された第3高相関成分P3と、FRc側適応フィルタ32から出力された第4高相関成分P4とを加算することでFC信号としているが、これらを別々に出力することで、6chの信号に変換することも可能である。また、第3高相関成分P3及び第4高相関成分P4に対しても、さらに第3、第4・・・の適応フィルタ部を通過させることで、さらにチャンネル数が増えた場合にも対応することができる。
また、最も相互の相関の低いFL信号及びFR信号には、直接音よりも残響音が含まれることが多く、これらの信号は視聴者の前方に配置するのではなく、横方向(22.2ch音響の場合SiL,SiR信号など)や後方(22.2ch音響の場合BL,BR信号など)に配置されるチャンネルに割り当てることも考えられる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るチャンネル数変換装置について説明する。図10は、本発明の第2の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。図10に示すチャンネル数変換装置2−1は、第1適応フィルタ部200と、第2適応フィルタ部300と、加算部250とを備え、5.1chサラウンドの音響信号の前方チャンネル信号であるL,R,C信号を、5.1chを超えるチャンネル数を持つマルチチャンネル音響(22.2ch音響)の前方チャンネル信号(FL,FLc,FC,FRc,FR信号)へ変換する。
L信号とC信号の相関に応じて、相関の低い成分からFL信号、FLc信号とし、R信号とC信号の相関に応じて、相関の低い成分からFR信号、FRc信号とし、相互に相関の高い成分を加算してFC信号として構成することを考える。
第1適応フィルタ部200は、L信号を、C信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、C信号を、L信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。また、R信号を、C信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、C信号を、R信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。第1適応フィルタ部200は、FL側適応フィルタ210と、FLc側適応フィルタ220とを有する。また、第2適応フィルタ部300は、FRc側適応フィルタ310と、FR側適応フィルタ320とを有する。
FLc側適応フィルタ220は、C信号を入力し、C信号に含まれる、L信号と相関の高い成分(第2高相関成分)P2を出力する。さらにその後段で、L信号から第2高相関成分P2を減算することにより、L信号に含まれる、C信号と相関の低い成分(第1低相関成分)E1を抽出する。ここで、FLc側適応フィルタ220は、第1低相関成分E1をFLc側適応フィルタ220自身にフィードバックすることで、第1低相関成分E1が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
同様に、FL側適応フィルタ210は、L信号を入力し、L信号に含まれる、C信号と相関の高い成分(第1高相関成分)P1を出力する。さらにその後段で、C信号から第1高相関成分P1を減算することにより、C信号に含まれる、L信号と相関の低い成分(第2低相関成分)E2を抽出する。ここで、FL側適応フィルタ210は、第2低相関成分E2を、FL側適応フィルタ210自身にフィードバックすることで、第2低相関成分E2が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
つまり、第1適応フィルタ部200は、L信号に含まれているC信号と相関の低い第1低相関成分E1及び相関の高い第1高相関成分P1と、C信号に含まれているL信号と相関の低い第2低相関成分E2及び相関の高い第2高相関成分P2とを抽出する。そして、第1低相関成分E1をFL信号とし、第1高相関成分P1及び第2高相関成分P2を加算した信号をFLc信号として出力する。
FRc側適応フィルタ310は、C信号を入力し、C信号に含まれる、R信号と相関の高い成分(第3高相関成分)P3を出力する。さらにその後段で、R信号から第3高相関成分P3を減算することにより、R信号に含まれる、C信号と相関の低い成分(第4低相関成分)E4を抽出する。ここで、FRc側適応フィルタ310は、第4低相関成分E4をFRc側適応フィルタ310自身にフィードバックすることで、第4低相関成分E4が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
同様に、FR側適応フィルタ320は、R信号を入力し、R信号に含まれる、C信号と相関の高い成分(第4高相関成分)P4を出力する。さらにその後段で、C信号から第4高相関成分P4を減算することにより、C信号に含まれる、R信号と相関の低い成分(第3低相関成分)E3を抽出する。ここで、FR側適応フィルタ320は、第3低相関成分E3を、FR側適応フィルタ320自身にフィードバックすることで、第3低相関成分E3が最小化するよう時々刻々とフィルタ特性が変化するフィルタである。
つまり、第2適応フィルタ部300は、R信号に含まれているC信号と相関の低い第4低相関成分E4及び相関の高い第4高相関成分P4と、C信号に含まれているR信号と相関の低い第3低相関成分E3及び相関の高い第3高相関成分P3とを抽出する。そして、第4低相関成分E4をFR信号とし、第3高相関成分P3及び第4高相関成分P4を加算した信号をFRc信号として出力する。
加算部250は、第2低相関成分E2及び第3低相関成分E3を加算してFC信号として出力する。
チャンネル数変換装置2−1は、第1の実施形態に係るチャンネル数変換装置1−1と同様に、適応フィルタのアルゴリズムに、ステップサイズパラメータを設定することができる。この場合、チャンネル数変換装置2−1はステップサイズパラメータを入力するI/Fを有し、ユーザにより入力されたステップサイズパラメータは、FL側適応フィルタ210、FLc側適応フィルタ220、FRc側適応フィルタ310、及びFR側適応フィルタ320でそれぞれ用いられる。
(第2の実施形態の変形例)
図11に、チャンネル数変換装置2−1の変形例としてチャンネル数変換装置2−2を示す。チャンネル数変換装置2−2は、チャンネル数変換装置2−1と比較して、さらに振幅調節部400を備える。
チャンネル数変換装置2−2はチャンネル数変換装置1−2と同様に、振幅調節部400において、振幅調節器410により、FC信号に対してユーザが振幅値を調節したのちに、第1低相関成分E1、第1高相関成分P1と第2高相関成分P2の和、第3高相関成分P3と第4高相関成分P4の和、第4低相関成分E4との差分をとることで、残留している共通成分をキャンセルし、FL,FLc,FRc,FR信号とする。
また、図示しないが、チャンネル数変換装置2−1の変形例として、チャンネル数変換装置1−3と同様に、適応振幅調節器を用いて、E1,E3,E4,E2成分に残留したFC成分が最小となるよう適応的に振幅値を調節してもよい。
また、図示しないが、チャンネル数変換装置2−1の変形例として、チャンネル数変換装置1−4と同様に、L,C,R信号を周波数分割して、帯域ごとに上述したフィルタ処理を行ったのちに、分割された周波数帯域を統合するようにしてもよい。
(第2の実施形態の変形例)
図12に、チャンネル数変換装置2−1の変形例としてチャンネル数変換装置2−3を示す。チャンネル数変換装置2−3は、チャンネル数変換装置2−1と比較して、さらに前処理部100を備える。
5.1ch信号を変換する場合においても2ch信号を用いる場合と同様に、比較する3つの信号が完全に独立しており相関が全くない場合や、入力信号に無音区間が含まれる場合に、適応フィルタの適応処理が不安定になり、所望の結果が得られない場合がある。これを避けるため、前処理部100により雑音を加算する。
前処理部100は、入力信号に雑音を加算する。例えば、チャンネル数変換装置1−4と同様に、入力信号に対して低レベルの雑音を加算したり、入力信号のあるチャンネルの信号に、低レベルの他のチャンネルの信号を加算したりする。
(第2の実施形態の変形例)
図13に、チャンネル数変換装置2−3の変形例としてチャンネル数変換装置2−4を示す。C信号に雑音を加算する場合、チャンネル数変換装置2−3のように共通の雑音源からの信号を加算してもよいし、チャンネル数変換装置2−4のように別々の雑音源からの信号を加算してもよい。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るチャンネル数変換装置について説明する。第3の実施形態では、上述したチャンネル数変換装置を用いて、2chステレオの信号から22.2ch音響の信号へ直接チャンネル数変換を行う。
図14は、本発明の第3の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。図14に示すチャンネル数変換装置3は、第1チャンネル数変換部1と、2つの第2チャンネル数変換部101と、2つの第3チャンネル数変換部102と、3つの第4チャンネル数変換部103とを備える。
第1チャンネル数変換部1は、2chステレオ信号を、FL,FLc,FC,FRc,FR信号に変換する。チャンネル数変換部1は、第1の実施形態として説明したチャンネル数変換装置1と同一である。
第2チャンネル数変換部101は、2chステレオ信号を、TpFL,TpFC,TpFR信号に変換するとともに、2chステレオ信号を、BtFL,BtFC,BtFR信号に変換する。
図15に、第2チャンネル数変換部101のブロック図を示す。第2チャンネル数変換部101は、2つの適応フィルタを有する。L信号及びR信号を適応フィルタを用いて、L信号に含まれるR信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、R信号に含まれるL信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。ここでは、L信号に含まれるR信号と相関が低い成分をTpFL/BtFL信号として出力する。同様に、R信号に含まれるL信号と相関が低い成分をTpFR/BtFR信号として出力する。さらに、L信号に含まれるR信号と相関が高い成分と、R信号に含まれるL信号と相関が高い成分の和をTpFC/BtFC信号として出力する。なお、本明細書において、A/B信号はA信号又はB信号を意味するものとする。
ここで、適応フィルタの適応過程で、ステップサイズパラメータはその値が大きいと中心に配置されるチャンネル(TpFC/BtFC信号)に成分が集中する傾向にあり、値が小さいと、外側に配置されるチャンネル(TpFL/BtFL信号、TpFR/BtFR信号)に成分が集中する傾向にあるため、第1チャンネル数変換部1及び第2チャンネル数変換部101において、適応フィルタのステップサイズパラメータに異なる値を使用することで、それぞれ別々の信号を出力することができる。
第3チャンネル数変換部102は、FL,TpFL信号を(TpSiL),(TpBL),SiL,(BL)信号に変換するとともに、FR,TpFR信号を(TpSiR),(TpBR),SiR,(BR)信号に変換する。ここで、(TpSiL),(TpBL),(BL),(TpSiR),(TpBR),(BR)信号については、さらに後段でこれらの信号を基にチャンネル変換を行い、最終的なTpSiL,TpBL,BL,TpSiR,TpBR,BR信号に変換するため、一時的に()を付して表記する。
図16に、第3チャンネル数変換部102のブロック図を示す。第3チャンネル数変換部102は、2つの適応フィルタを有する。FL/FR信号と、TpFL/TpFR信号を、適応フィルタを用いてFL/FR信号に含まれるTpFL/TpFR信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、TpFL/TpFR信号に含まれるFL/FR信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。ここでは、FL/FR信号に含まれるTpFL/TpFR信号と相関が高い成分を(TpSiL)/(TpSiR)信号として出力し、相関の低い成分を(BL)/(BR)信号として出力する。また、TpFL/TpFR信号に含まれるFL/FR信号と相関が高い成分をSiL/SiR信号として出力し、相関の低い成分を(TpBL)/(TpBR)信号として出力する。
第4チャンネル数変換部103は、第3チャンネル数変換部102にて得られた(TpSiL),(TpSiR)信号を、TpSiL,TpC,TpSiR信号に変換し、(BL),(BR)信号を、BL,BC,BR信号に変換し、(TpBL),(TpBR)信号を、TpBL,TpBC,TpBR信号に変換する。
図17に、第4チャンネル数変換部103のブロック図を示す。第4チャンネル数変換部103は、2つの適応フィルタを有する。(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と、(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号を、適応フィルタを用いて(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号に含まれる(BR)/(TpSiR)/(TpBR)と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、(BR)/(TpSiR)/(TpBR)に含まれる(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。ここでは、(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号に含まれる(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号と相関が高い成分と、(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号に含まれる(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と相関が高い成分の和をBC/TpC/TpBC信号として出力する。また、(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号に含まれる(BR)/(TpSiR)/(TpBR)と相関が低い成分をBL/TpSiL/TpBL信号として出力するとともに、(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号に含まれる(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と相関が低い成分をBR/TpSiR/TpBR信号として出力する。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るチャンネル数変換装置について説明する。第4の実施形態では、上述したチャンネル数変換装置を用いて、2chステレオの信号から22.2ch音響の信号へ直接チャンネル数変換を行う。
図18は、本発明の第4の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。図18に示すチャンネル数変換装置4は、第1チャンネル数変換部1と、2つの第2チャンネル数変換部101と、2つの第3チャンネル数変換部102と、3つの第4チャンネル数変換部103とを備える。
第1チャンネル数変換部1は、2chステレオ信号を、FL,FLc,FC,FRc,FR信号に変換する。チャンネル数変換部1は、第1の実施形態として説明したチャンネル数変換装置1と同一である。第1チャンネル数変換部1で生成されたFL,FLc,FRc,FR信号を,それぞれユーザが自由に調節可能な増幅器を通過させ、加算部にて加算した後、第2チャンネル数変換部へ入力する。
第2チャンネル数変換部101、第3チャンネル数変換部102、及び第4チャンネル数変換部103は、第3の実施形態と同一である。
このように、チャンネル数変換装置3、及びチャンネル数変換装置4は、2入力4出力の変換を行う複数の適応フィルタ部Aと、2入力3出力の変換を行う複数の適応フィルタ部Bとの組み合わせにより、2chステレオの音響信号を22.2ch音響のチャンネル信号へ変換する。適応フィルタ部Aは、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、を出力するフィルタ処理を行う。適応フィルタ部Bは、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の低い成分と、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の高い成分及び他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の高い成分を加算した成分と、を出力するフィルタ処理を行う。第1チャンネル数変換部1は、適応フィルタ部A及び適応フィルタ部Bを有する。第2チャンネル数変換部101及び第4チャンネル数変換部103は、適応フィルタ部Bを有する。第3チャンネル数変換部102は、適応フィルタ部Aを有する。
なお、上記処理により出力される信号とスピーカ配置を関連付けて説明をしているが、これらの対応関係は変換する音響コンテンツの内容や、必要なチャンネル信号に応じて上記に限らずともよいものとする。
(第5の実施形態)
次に、本発明の第5の実施形態に係るチャンネル数変換装置について説明する。第5の実施形態では、上述したチャンネル数変換装置を用いて、5.1chサラウンドの信号から22.2ch音響の信号へ直接チャンネル数変換を行う。
図19は、本発明の第5の実施形態に係るチャンネル数変換装置の構成例を示すブロック図である。図19に示すチャンネル数変換装置5は、第5チャンネル数変換部2と、2つの第6チャンネル数変換部201と、2つの第7チャンネル数変換部202と、3つの第8チャンネル数変換部203とを備える。
第5チャンネル数変換部2は、5.1chサラウンドの前方に配置されるL,C,R信号を(FL),FLc,FC,FRc,(FR)信号に変換する。第5チャンネル数変換部2は、第2の実施形態として説明したチャンネル数変換装置2と同一である。ここで、(FL),(FR)信号については、さらに後段でこれらの信号を基に変換を行い、最終的なFL,FR信号を出力するため、一時的に()として表記する。今後、同様の信号は同様に表記する。
第6チャンネル数変換部201は、5.1chサラウンド信号の前方に配置されるL,C,R信号を、TpFL,TpFC,TpFR信号に変換するとともに、L,C,R信号を、BtFL,BtFC,BtFR信号に変換する。
図20に、第6チャンネル数変換部201のブロック図を示す。第6チャンネル数変換部201は、4つの適応フィルタを有する。L,C,R信号を適応フィルタを用いて、L信号に含まれるC信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、C信号に含まれるL信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。また、R信号に含まれるC信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、C信号に含まれるR信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。ここでは、L信号に含まれるC信号と相関が低い成分をTpFL/BtFL信号として出力する。同様に、R信号に含まれるC信号と相関が低い成分をTpFR/BtFR信号として出力する。さらに、C信号に含まれるL信号と相関が低い成分と、C信号に含まれるR信号と相関が低い成分の和をTpFC/BtFC信号として出力する。
ここで、適応フィルタの適応過程で、ステップサイズパラメータはその値が大きいと中心に配置されるチャンネル(TpFC/BtFC信号)に成分が集中する傾向にあり、値が小さいと、外側に配置されるチャンネル(TpFL/BtFL信号、TpFR/BtFR信号)に成分が集中する傾向にあるため、第5チャンネル数変換部2及び第6チャンネル数変換部201において適応フィルタのステップサイズパラメータを異なる値を使用することで、それぞれ別々の信号を出力することができる。
第7チャンネル数変換部202は、L,Ls信号を、(TpSiL),(FL),SiL,(BL),(TpBL)信号に変換するとともに、R,Rs信号を、(TpSiR),(FR),SiR,(BR),(TpBR)信号に変換する。
図21に、第7チャンネル数変換部202のブロック図を示す。第7チャンネル数変換部202は、L/R信号とLs/Rs信号を適応フィルタを用いて、L/R信号に含まれるLs/Rs信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、Ls/Rs信号に含まれるL/R信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。ここでは、L/R信号に含まれるLs/Rs信号と相関の低い成分を(TpSiL)/(TpSiR)信号として出力し、Ls/Rs信号に含まれるL/R信号と相関の低い成分を(TpBL)/(TpBR)信号として出力する。さらに、L/R信号に含まれるLs/Rs信号と相関の高い成分とLs/Rs信号に含まれるL/R信号と相関の高い成分は、後段の適応フィルタによって、さらにそれらの相関の高い信号と低い信号に分離される。それぞれ相関の高い成分の和をSiL/SiR信号として出力するとともに、それぞれ相関の低い成分を(BL)/(BR)信号と(FL)/(FR)信号として出力する。この分離フローについては図1に示す、2chステレオ信号からFL/FLc/FC/FRc/FR信号を分離するフローと同様である。
第8チャンネル数変換部203は、第7チャンネル数変換部202にて得られた(TpBL),(TpBR)信号をTpBL,TpBC,TpBR信号に変換し、(TpSiL),(TpSiR)信号をTpSiL,TpC,TpSiR信号に変換し、(BL),(BR)信号をBL,BC,BR信号に変換する。
図22に、第8チャンネル数変換部203のブロック図を示す。第8チャンネル数変換部203は、2つの適応フィルタを有する。(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号を、適応フィルタを用いて(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号に含まれる(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解するとともに、(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号に含まれる(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と相関が高い成分及び相関の低い成分に分解する。ここでは、(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号に含まれる(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号と相関が高い成分と、(BR)/(TpSiR)/(TpBR)信号に含まれる(BL)/(TpSiL)/(TpBL)信号と相関が高い成分の和をBC/TpC/TpBC信号として出力し、それぞれ相関の低い成分をBL/TpSiL/TPBL信号とBR/TpSiR/TpBR信号として出力する。
なお、上記処理により出力される信号とスピーカ配置を関連付けて説明をしているが、これらの対応関係は上記に限らなくてもよいものとする。
(第6の実施形態)
次に、本発明の第6の実施形態に係るチャンネル数変換装置について説明する。第6の実施形態では、上述したチャンネル数変換装置を用いて、5.1chサラウンドの信号から22.2ch音響の信号へ直接チャンネル数変換を行う。
図23は、本発明の第6の実施形態に係るチャンネル数変換装置6の構成例を示すブロック図である。図16に示すチャンネル数変換装置6は、第5チャンネル数変換部2と、2つの第6チャンネル数変換部201と、2つの第7チャンネル数変換部202と、3つの第8チャンネル数変換部203とを備える。
第5チャンネル数変換部2は、5.1chサラウンドの前方に配置されるL,C,R信号を(FL),FLc,FC,FRc,(FR)信号に変換する。第5チャンネル数変換部2は、第2の実施形態として説明したチャンネル数変換装置2と同一である。ここで、(FL),(FR)信号については、さらに後段でこれらの信号を基に変換を行い、最終的なFL,FR信号を出力するため、一時的に()として表記する。今後、同様の信号は同様に表記する。
第5チャンネル数変換部2で生成されたFL,FLc,FR,FRc信号を、それぞれユーザが自由に調節可能な増幅器を通過させ、加算部にて加算された後、第7チャンネル数変換部202へ入力する。また、同様に、第5チャンネル数変換部2で生成されたFL,FLc,FRc,FR信号を、それぞれユーザが自由に調節可能な増幅器を通過させ、加算部にて加算された後、第6チャンネル数変換部201へ入力すると同時に、FLc,FC,FRc信号を,それぞれユーザが自由に調節可能な増幅器を通過させ、加算部にて加算された後、第6チャンネル数変換部201へ入力する
第6チャンネル数変換部201、第7チャンネル数変換部202、及び第8チャンネル数変換部203は、第5の実施形態と同一である。
このように、チャンネル数変換装置5、及びチャンネル数変換装置6は、2入力3出力の変換を行う複数の適応フィルタ部Xと、2入力2出力の変換を行う複数の適応フィルタ部Yと、2入力4出力の変換を行う複数の適応フィルタ部Zとの組み合わせにより、5.1chサラウンドの音響信を22.2ch音響のチャンネル信号へ変換する。適応フィルタ部Xは、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の低い成分と、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の高い成分及び他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の高い成分を加算した成分と、を出力するフィルタ処理を行う。適応フィルタ部Yは、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の低い成分と、を出力するフィルタ処理を行う。適応フィルタ部Zは、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、他方の入力信号に含まれている一方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、を出力する。第5チャンネル数変換部2は、適応フィルタ部Xを2つ有する。第6チャンネル数変換部201は、適応フィルタ部Yを2つ有する。第7チャンネル数変換部202は、適応フィルタ部Z及び適応フィルタ部Xを有する。第8チャンネル数変換部203は、適応フィルタ部Xを有する。
また、上述したチャンネル数変換装置1−1〜1−5,2−1〜2−4,3〜6として機能させるためにコンピュータを好適に用いることができ、そのようなコンピュータは、チャンネル数変換装置1−1〜1−5,2−1〜2−4,3〜6の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを該コンピュータの記憶部に格納しておき、該コンピュータのCPUによってこのプログラムを読み出して実行させることで実現することができる。
また、このプログラムは、コンピュータ読取り可能媒体に記録されていてもよい。コンピュータ読取り可能媒体を用いれば、コンピュータにインストールすることが可能である。ここで、プログラムが記録されたコンピュータ読取り可能媒体は、非一過性の記録媒体であってもよい。非一過性の記録媒体は、特に限定されるものではないが、例えば、CD−ROMやDVD−ROMなどの記録媒体であってもよい。
図24は、本発明の効果を示す図である。この図は、あるステレオ楽曲の10秒〜20秒の箇所に対して、元のL信号と、元のL信号をアップミックスした後にARIB規格(非特許文献2)の方法でダウンミックスした信号との相関を示す図である。従来の手法では相関が1を下回るのに対し、本発明に係る手法では加算によりアップミックス前の元の信号に近づくため、相関がほぼ1のままとなる。このように、本発明によれば、前方チャンネルの音像定位を保持しつつ、ダウンミックスをしても音質が劣化しない、すなわち、ほぼ忠実に元の信号を再現可能な、アップミックスされた信号を生成することができるようになる。
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本発明の趣旨及び範囲内で、多くの変更及び置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。FL,FRなどチャンネルラベルは非特許文献1のTABLE3に相当する22.2マルチチャンネルの例で説明したが、同文献のTABLE1に記載のとおり、22.2マルチチャンネルのスピーカーコンフィグレーションと対応する、あるいは近接するスピーカ配置をもつ他のマルチチャンネルフォーマットにも本発明は利用可能である。
1−1〜1−5,2−1〜2−4,3〜6 チャンネル数変換装置
1 第1チャンネル数変換部
2 第5チャンネル数変換部
10,100 前処理部
20 第1適応フィルタ部
21 FL側適応フィルタ
22 FR側適応フィルタ
30 第2適応フィルタ部
31 FLc側適応フィルタ
32 FRc側適応フィルタ
40 振幅調節部
41 振幅調節器
42 適応振幅調節部
43 適応振幅調節器
44 減衰器
50 帯域分割部
60 帯域統合部
101 第2チャンネル数変換部
102 第3チャンネル数変換部
103 第4チャンネル数変換部
200 第1適応フィルタ部
201 第6チャンネル数変換部
202 第7チャンネル数変換部
203 第8チャンネル数変換部
210 FL側適応フィルタ
220 FLc側適応フィルタ
250 加算部
300 第2適応フィルタ部
310 FRc側適応フィルタ
320 FR側適応フィルタ
400 振幅調節部
410 振幅調節器

Claims (10)

  1. 2chステレオの音響信号であるL信号及びR信号を入力信号とし、2chを超えるチャンネル数を持つマルチチャンネル音響の前方チャンネル信号であるFL信号、FLc信号、FC信号、FRc信号、及びFR信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、
    前記L信号に含まれている前記R信号と相関の低い成分E1及び相関の高い成分P1と、前記R信号に含まれている前記L信号と相関の低い成分E2及び相関の高い成分P2を抽出し、前記成分E1を前記FL信号とし、前記成分E2を前記FR信号として出力するフィルタ処理を行う第1の適応フィルタ部と、
    前記成分P1に含まれている前記成分P2と相関の低い成分E4及び相関の高い成分P4と、前記成分P2に含まれている前記成分P1と相関の低い成分E3及び相関の高い成分P3を抽出し、前記成分E3を前記FLc信号とし、前記成分E4を前記FRc信号とし、前記成分P3及び前記成分P4を加算した信号を前記FC信号として出力するフィルタ処理を行う第2の適応フィルタ部と、
    を備えることを特徴とするチャンネル数変換装置。
  2. 5.1chサラウンドの音響信号の前方チャンネル信号であるL信号、C信号、及びR信号を入力信号とし、5.1chを超えるチャンネル数を持つマルチチャンネル音響の前方チャンネル信号であるFL信号、FLc信号、FC信号、FRc信号、及びFR信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、
    前記L信号に含まれている前記C信号と相関の低い成分E1及び相関の高い成分P1と、前記C信号に含まれている前記L信号と相関の低い成分E2及び相関の高い成分P2を抽出し、前記成分E1を前記FL信号とし、前記成分P1及び前記成分P2を加算した信号を前記FLc信号として出力するフィルタ処理を行う第1の適応フィルタ部と、
    前記R信号に含まれている前記C信号と相関の低い成分E4及び相関の高い成分P4と、前記C信号に含まれている前記R信号と相関の低い成分E3及び相関の高い成分P3を抽出し、前記成分E4を前記FR信号とし、前記成分P3及び前記成分P4を加算した信号を前記FRc信号として出力するフィルタ処理を行う第2の適応フィルタ部と、
    前記成分E2及び前記成分E3を加算した信号を前記FC信号として出力する加算部と、
    を備えることを特徴とするチャンネル数変換装置。
  3. 前記FL信号、前記FLc信号、前記FRc信号、及び前記FR信号は、それぞれ所定の振幅の前記FC信号と減算されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のチャンネル数変換装置。
  4. 2chステレオの音響信号を22.2ch音響のチャンネル信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、
    2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第1の適応フィルタ部と、
    2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分と、前記一方の入力信号に含まれている前記他方の入力信号と相関の高い成分及び前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の高い成分を加算した成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第2の適応フィルタ部と、
    をそれぞれ組み合わせて構成されることを特徴とするチャンネル数変換装置。
  5. 5.1chサラウンドの音響信号を22.2ch音響のチャンネル信号へ変換するチャンネル数変換装置であって、
    2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分と、前記一方の入力信号に含まれている前記他方の入力信号と相関の高い成分及び前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の高い成分を加算した成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第1の適応フィルタ部と、
    2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第2の適応フィルタ部と、
    2入力の信号について、一方の入力信号に含まれている他方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、前記他方の入力信号に含まれている前記一方の入力信号と相関の低い成分及び相関の高い成分と、を出力するフィルタ処理を行う複数の第3の適応フィルタ部と、
    をそれぞれ組み合わせて構成されることを特徴とするチャンネル数変換装置。
  6. 前記適応フィルタ部は、分割された周波数帯域ごとに前記フィルタ処理を行うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のチャンネル数変換装置。
  7. 前記入力信号に雑音を加算する前処理部を備えることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のチャンネル数変換装置。
  8. 前記前処理部は、前記入力信号のあるチャンネルの信号に、振幅を調節した他のチャンネルの信号を前記雑音として加算することを特徴とする、請求項7に記載のチャンネル数変換装置。
  9. 前記適応フィルタ部は、ステップサイズパラメータを用いて信号の分離度を調整可能であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のチャンネル数変換装置。
  10. コンピュータを、請求項1から9のいずれか一項に記載のチャンネル数変換装置として機能させるためのプログラム。
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