JP2019027668A - 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 - Google Patents
伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2019027668A JP2019027668A JP2017147044A JP2017147044A JP2019027668A JP 2019027668 A JP2019027668 A JP 2019027668A JP 2017147044 A JP2017147044 A JP 2017147044A JP 2017147044 A JP2017147044 A JP 2017147044A JP 2019027668 A JP2019027668 A JP 2019027668A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tube
- heat transfer
- rib
- axis direction
- rib portion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)
Abstract
【課題】超臨界圧時における伝熱劣化現象の発生を抑制しつつ、伝熱性能の向上を図ることで、管温度の上昇を抑制することができる伝熱管等を提供する。【解決手段】ボイラに設けられ、内部が超臨界圧となり、内部に熱媒が流通する火炉壁管35であって、内周面に形成され、管軸方向へ向かうらせん形状の溝部と、らせん形状の溝部によって、径方向の内側に突出して形成されるリブ部37とを備え、リブ部37は、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、熱媒の流通方向の上流側に形成される上流側傾斜面と、下流側に形成される下流側傾斜面と、を有し、リブ高さをHr[mm]とし、リブ部37の数をN[個]とし、リブ部37のリード角をθ[°]とし、管内径をDi[mm]とすると、リブ部37の数N[個]は、(1)式を満たす。【選択図】図2
Description
本発明は、内部に水等の熱媒が流通する伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備に関するものである。
従来、水等の熱媒が流通する伝熱管として、伝熱管の内周面に形成されるらせん形状の溝部と、らせん形状の溝部によって径方向の内側に突出して形成されるリブ部とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この伝熱管は、内部が超臨界圧となる状態において発生する伝熱劣化現象を抑制するために、溝部及びリブ部の形状を所定の形状としている。
また、伝熱管として、内部で蒸気を発生させる蒸気発生管が知られている(例えば、特許文献2参照)。この蒸気発生管は、内部に螺旋ばね形状の内部流れ形状形成要素が設けられており、内部流れ形状形成要素は、内面リブの形で形成されている。
ところで、特許文献1の伝熱管において、リブ部が矩形状である場合、熱媒は、リブ部を乗り越えて流れる。このため、熱媒の流通方向において、リブ部の下流側は、いわゆるバックステップ流となり、熱媒の淀みが形成される場合がある。熱媒の淀みが形成されると、伝熱性能の向上を図ることが難しく、また、伝熱管の溝部内への熱媒の再付着を促すために、リブ部の間隔を空ける必要がある。ここで、熱媒の淀みを解消すべく、リブ部を三角形状にすることが考えられるが、この場合、熱媒へ与える旋回力が低減し、伝熱性能が低下する可能性がある。
そこで、本発明は、超臨界圧時における伝熱劣化現象の発生を抑制しつつ、伝熱性能の向上を図ることで、管温度の上昇を抑制することができる伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備を提供することを課題とする。
本発明の伝熱管は、ボイラに設けられ、内部が超臨界圧となり、内部に熱媒が流通する伝熱管であって、内周面に形成され、管軸方向へ向かうらせん形状の溝部と、らせん形状の前記溝部によって、径方向の内側に突出して形成されるリブ部と、を備え、前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、前記熱媒の流通方向の上流側に形成される上流側面と、前記熱媒の前記流通方向の下流側に形成され、前記流通方向の下流側に向かって前記径方向の外側に傾斜する下流側傾斜面と、を有し、前記径方向における前記リブ部の高さをHr[mm]とし、前記管軸方向を中心として前記伝熱管を一回転させたときに前記リブ部の前記管軸方向に進む距離の中に含まれる前記リブ部の数をN[個]とし、前記管軸方向と前記リブ部とが為すリード角をθ[°]とし、管内径をDi[mm]とすると、前記リブ部の数N[個]は、(1)式を満たすことを特徴とする。
この構成によれば、リブ部に下流側傾斜面が形成されることで、熱媒を下流側傾斜面に沿わせて流通させることができるため、リブ部の下流側において熱媒の淀みが形成されることを抑制することができる。このため、熱媒の淀みの形成による伝熱性能の低下を抑制することができ、伝熱性能の向上を図ることができる。また、熱媒の淀みの形成を抑制できることから、管軸方向におけるリブ部同士の間を大きくする必要がなくなるため、(1)式に基づいて、リブ部の数Nを適切な数とすることにより、リブ部によって熱媒に与えられる旋回力の低減を抑制することができる。このため、旋回力の低下による伝熱性能の低下を抑制することができ、伝熱性能の向上を図ることができる。なお、上流側面は、流通方向の下流側に向かって径方向の内側に傾斜する上流側傾斜面であってもよい。また、上流側面及び下流側傾斜面は、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、直線であってもよいし、曲線であってもよく、特に限定されない。
また、前記管軸方向に沿って切った断面の前記管軸方向における前記溝部の幅[mm]をWgとし、管外径[mm]をDoとすると、前記溝部の幅Wg[mm]、前記リブ部の高さHr[mm]及び前記管外径Do[mm]は、「0≦Wg/(Hr・Do)≦1.00」を満たすことが、好ましい。
この構成によれば、溝部の幅Wgを狭くできる分、内周面にリブ部を多く配置することができるため、リブ部によって熱媒に与える旋回力を向上させることができる。
また、前記溝部の幅Wg[mm]は、0[mm]であることが、好ましい。
この構成によれば、溝部を設けることなく、内周面をリブ部によって形成することができるため、リブ部によって熱媒に与える旋回力をさらに向上させることができる。
また、前記管外径Do[mm]は、「20mm≦Do≦40mm」であることが、好ましい。
この構成によれば、管外径が20mmから40mmであれば、熱媒の質量流速を適切な質量流速とすることができる。ここで、伝熱管をボイラに適用する場合、内部を流通する熱媒の質量流速は、予め決められた質量流速となる。この場合、決められた質量流速に対して、管外径が小さくなると質量流速が大きくなる一方で、管外径が大きくなると質量流速が小さくなる。このため、上記の式を満たす伝熱管の形状に適した質量流速とするには、管外径を20mmから40mmの範囲とすることで、決められた質量流速とすることができ、熱伝達率の性能を最適なものにすることができる。
また、定格出力でボイラを運転した際に、火炉壁を構成する伝熱管の内部を流通する前記熱媒の平均質量速度が1000[kg/m2s]以上2000[kg/m2s]以下となっていることが、好ましい。
この構成によれば、伝熱管の内部を流通する水等の熱媒が、低質量速度であったり、高熱流束が与えられたりする場合であっても、伝熱劣化現象の発生を抑制しつつ、熱伝達率を向上させることができる。
また、前記管軸方向に沿って切ったときの前記リブ部の断面形状において、前記内周面と前記上流側面とが為す角度を上流側リブ角度θu[°]とし、前記内周面と前記下流側傾斜面とが為す角度を下流側リブ角度θd[°]とすると、前記リブ部は、「θd<θu」となっていることが、好ましい。
この構成によれば、上流側リブ角度θuが大きいため、上流側面によって熱媒に旋回力を好適に与えることができる。また、下流側リブ角度θdが小さいため、リブ部の下流側において熱媒の淀みが形成されることを好適に抑制することができる。
また、前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、前記上流側面及び前記下流側傾斜面の少なくとも一方が、直線となっていることが、好ましい。
この構成によれば、リブ部の形状を簡易なものとすることができるため、リブ部を容易に形成することができる。
また、前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、前記上流側面と前記下流側傾斜面とが交差する点が頂点となる三角形状に形成されていることが、好ましい。
この構成によれば、リブ部の形状を簡易なものとすることができるため、リブ部を容易に形成することができる。
また、前記リブ部は、前記管軸方向を中心として周方向の一方側にねじれるらせん形状の第1リブ部と、前記管軸方向を中心として周方向の他方側にねじれるらせん形状の第2リブ部と、を有することが、好ましい。
この構成によれば、第1リブ部と第2リブ部とを交差させて形成することで、伝熱性能の向上を図ることができる。
また、前記リブ部は、前記管軸方向を中心として周方向の一方側にねじれるらせん形状の第1リブ部であり、前記管軸方向に沿うと共に、前記径方向の内側に突出して形成される平行リブ部を、さらに備えることが、好ましい。
この構成によれば、第1リブ部と平行リブ部とを交差させて形成することで、伝熱性能の向上を図ることができる。
本発明のボイラは、定格出力で運転した際に、超臨界圧で運転される前記ボイラの火炉壁を構成する火炉壁管として用いられる上記の伝熱管を備えることを特徴とする。
この構成によれば、上記の伝熱管を、ボイラの火炉壁を構成する火炉壁管として適用することができる。なお、このような火炉壁管は、ライフル管とも呼ばれる。
本発明の他のボイラは、上記の伝熱管を、火炎のふく射または高温ガスにより加熱することで、前記伝熱管の内部を流通する前記熱媒を加熱することを特徴とする。
この構成によれば、超臨界圧時において、伝熱管の伝熱劣化現象の発生を抑制しつつ、熱伝達率を向上させることができるため、伝熱管から熱媒である水への熱伝達を好適に維持することができ、水から蒸気を安定して生成することができる。なお、高温ガスとしては、例えば、燃料を燃焼させることにより発生する燃焼ガスであってもよいし、ガスタービン等の設備から排出される排ガスであってもよい。つまり、内部が超臨界圧となる伝熱管を用いたボイラとしては、例えば、火炎のふく射または燃焼ガスにより伝熱管を加熱する超臨界圧変圧運転ボイラ、または超臨界圧定圧運転ボイラ等を適用してもよい。この場合、伝熱管は、径方向に複数並べることで、ボイラに設けられる火炉の火炉壁として構成される。また、内部が超臨界圧となる伝熱管を用いた他のボイラとしては、例えば、排ガスにより伝熱管を加熱する排熱回収ボイラ等を適用してもよい。この場合、伝熱管は、径方向に複数並べられる伝熱管群として構成され、排ガスが流通する容器の内部に収容される。このように、伝熱管は、内部が超臨界圧となるボイラであれば、いずれのボイラに適用してもよい。
本発明の蒸気タービン設備は、上記のボイラと、前記ボイラに設けられる前記伝熱管の内部を流通する前記熱媒としての水が加熱されることで生成される蒸気により作動する蒸気タービンと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、超臨界圧時において、伝熱管の伝熱劣化現象の発生を抑制することができるため、伝熱管から水への熱伝達を好適に維持することができ、蒸気を安定して生成することができる。このため、蒸気タービンへ向けて蒸気を安定して供給できることから、蒸気タービンの作動も安定したものにすることができる。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
[実施形態1]
図1は、実施形態1に係る火力発電設備を示す概略構成図である。図2は、管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の部分的な断面図である。図3は、溝部の幅が0[mm]である場合の火炉壁管の断面図である。図4は、溝部の幅が0[mm]より大きい場合の火炉壁管の断面図である。図5は、管軸方向に直交する面で切ったときの火炉壁管の断面図である。
図1は、実施形態1に係る火力発電設備を示す概略構成図である。図2は、管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の部分的な断面図である。図3は、溝部の幅が0[mm]である場合の火炉壁管の断面図である。図4は、溝部の幅が0[mm]より大きい場合の火炉壁管の断面図である。図5は、管軸方向に直交する面で切ったときの火炉壁管の断面図である。
実施形態1の火力発電設備は、石炭(瀝青炭、亜瀝青炭など)を粉砕した微粉炭を微粉燃料(固体燃料)として用いている。この火力発電設備は、微粉炭を燃焼させ、燃焼により発生した熱で蒸気を生成し、生成した蒸気により蒸気タービンを回転させることで、蒸気タービンに接続される発電機を駆動して電力を発生させている。
図1に示すように、火力発電設備1は、ボイラ10と、蒸気タービン11と、復水器12と、高圧給水加熱器13及び低圧給水加熱器14と、脱気器15と、給水ポンプ16と、発電機17とを備えている。この火力発電設備1は、蒸気タービン11を備える蒸気タービン設備の一形態となっている。
ボイラ10は、コンベンショナルボイラとして用いられており、微粉炭を燃焼バーナ41により燃焼させ、この燃焼により発生した熱を、伝熱管として機能する火炉壁管35を用いて回収することが可能な微粉炭焚きボイラとなっている。また、このボイラ10は、火炉壁管35の内部を超臨界圧または亜臨界圧とする超臨界圧変圧運転ボイラとなっている。ボイラ10は、火炉21と、燃焼装置22と、汽水分離器23と、過熱器24と、再熱器25とを備えている。
火炉21は、四方を囲む火炉壁31を有しており、四方の火炉壁31によって四角筒形状に形成されている。そして、四角筒形状の火炉21は、その延在する長手方向が、鉛直方向となっており、ボイラ10の設置面に対して垂直となっている。火炉壁31は、複数の火炉壁管35を用いて構成されており、複数の火炉壁管35は、火炉壁31の壁面を形成するように、径方向に並べて配置されている。
各火炉壁管35は、円筒形状に形成され、その管軸方向が、鉛直方向となっており、ボイラ10の設置面に対して垂直となっている。また、この火炉壁管35は、内部にらせん状の溝が形成される、いわゆるライフル管となっている。火炉壁管35の内部には、熱媒としての水Wが流通している。この火炉壁管35は、その内圧が、ボイラ10の運転に応じて、超臨界圧となったり、亜臨界圧となったりする。火炉壁管35は、鉛直方向の下方側が流入側となっており、鉛直方向の上方側が流出側となっている。このように、実施形態1のボイラ10の火炉21は、火炉壁管35が垂直となる垂直管形火炉方式となっている。なお、火炉壁管35の詳細については、後述する。
燃焼装置22は、火炉壁31に装着された複数の燃焼バーナ41を有している。なお、図1では、1の燃焼バーナ41のみ図示している。複数の燃焼バーナ41は、燃料としての微粉炭を燃焼させて火炉21内に火炎を形成する。このとき、複数の燃焼バーナ41は、形成した火炎が旋回流となるように、微粉炭を燃焼させている。そして、複数の燃焼バーナ41は、燃料を燃焼させることで発生した高温の燃焼ガス(高温ガス)によって、火炉壁管35を加熱している。複数の燃焼バーナ41は、例えば、火炉21の周囲に沿って所定の間隔を空けて複数配設されたものを1セットとし、1セットの燃焼バーナ41を鉛直方向(火炉21の長手方向)に所定の間隔を空けて複数段配置されている。
過熱器(スーパーヒータ)24は、火炉21内に設けられ、火炉21の火炉壁管35から汽水分離器23を介して供給される蒸気を過熱している。過熱器24で過熱された蒸気は、主蒸気配管46を介して蒸気タービン11に供給される。
再熱器25は、火炉21内に設けられ、蒸気タービン11(の高圧タービン51)で利用された蒸気を加熱している。蒸気タービン11(の高圧タービン51)から低温再熱蒸気配管47を介して再熱器25に流入する蒸気は、再熱器25によって加熱され、加熱後の蒸気は、再熱器25から高温再熱蒸気配管48を介して再び蒸気タービン11(の中圧タービン52)に流入する。
蒸気タービン11は、高圧タービン51と、中圧タービン52と、低圧タービン53とを有し、これらタービン51,52,53は、回転軸となるロータ54によって一体回転可能に連結されている。高圧タービン51は、その流入側に主蒸気配管46が接続され、その流出側に低温再熱蒸気配管47が接続されている。高圧タービン51は、主蒸気配管46から供給される蒸気によって回転し、使用後の蒸気を低温再熱蒸気配管47から排出する。中圧タービン52は、その流入側に高温再熱蒸気配管48が接続され、その流出側に低圧タービン53が接続されている。中圧タービン52は、高温再熱蒸気配管48から供給される再熱された蒸気によって回転し、使用後の蒸気を低圧タービン53へ向けて排出する。低圧タービン53は、その流入側に中圧タービン52が接続され、その流出側に復水器12が接続されている。低圧タービン53は、中圧タービン52から供給される蒸気によって回転し、使用後の蒸気を復水器12へ向けて排出する。ロータ54は、発電機17に接続され、高圧タービン51、中圧タービン52及び低圧タービン53の回転により、発電機17を回転駆動させる。
復水器12は、低圧タービン53から排出される蒸気を、内部に設けられる冷却ライン56によって凝集して水Wに戻す(復水する)。凝集した水Wは、復水器12から低圧給水加熱器14へ向けて供給される。低圧給水加熱器14は、復水器12により凝集した水Wを、低圧の状態で加熱する。加熱された水Wは、低圧給水加熱器14から脱気器15へ向けて供給される。脱気器15は、低圧給水加熱器14から供給された水Wを脱気する。脱気された水Wは、脱気器15から高圧給水加熱器13へ向けて供給される。高圧給水加熱器13は、脱気器15により脱気された水Wを、高圧の状態で加熱する。加熱された水Wは、高圧給水加熱器13からボイラ10の火炉壁管35へ向けて供給される。なお、脱気器15と高圧給水加熱器13との間には、給水ポンプ16が設けられ、脱気器15から高圧給水加熱器13へ向けて水Wを供給する。
発電機17は、蒸気タービン11のロータ54に接続され、ロータ54によって回転駆動されることで電力を発生させている。
なお、火力発電設備1は、図示しないが、脱硝装置、電気集塵機、誘引送風機、脱硫装置が設けられ、下流端部に煙突が設けられている。
このように構成された火力発電設備1において、ボイラ10の火炉壁管35内を流通する水Wは、ボイラ10の燃焼装置22により加熱される。燃焼装置22により加熱された水は、汽水分離器23を通って過熱器24に流入するまでの間に蒸気となり、蒸気は、過熱器24及び主蒸気配管46を順に通って、蒸気タービン11に供給される。蒸気タービン11に供給された蒸気は、高圧タービン51、低温再熱蒸気配管47、再熱器25、高温再熱蒸気配管48、中圧タービン52、及び低圧タービン53を順に通って、復水器12に流入する。このとき、蒸気タービン11は、流通した蒸気により回転することで、ロータ54を介して発電機17を回転駆動させ、発電機17において電力を発生させる。復水器12に流入した蒸気は、冷却ライン56によって凝集されることで水に戻される。復水器12で凝集された水は、低圧給水加熱器14、脱気器15、給水ポンプ16、及び高圧給水加熱器13を順に通って、再び火炉壁管35内へ供給される。このように、実施形態1のボイラ10は、貫流ボイラとなっている。
次に、図2から図5を参照して、火炉壁管35について説明する。図2から図5に示すように、火炉壁管35は、中心線Iを中心とする円筒形状に形成されている。火炉壁管35は、上記したように、その管軸方向が鉛直方向となるように設けられており、内部において、鉛直方向の下方側から上方側へ向かって水Wが流通する。また、ライフル管として構成される火炉壁管35は、その内周面P1に、管軸方向へ向かってらせん形状となる溝部36が形成されているもの(図4参照)と、溝部36が形成されていないもの(図3参照)とがある。また、火炉壁管35は、径方向の内側に突出するリブ部37が、管軸方向へ向かうらせん形状となるように形成される。
ここで、火炉壁管35の管外径、つまり、外周面P3において、中心線Iを通る直径を管外径Doとする。なお、管外径Doは、数十ミリオーダーの長さとなっている。そのため、管外径Doの単位は、[mm]となる。具体的に、管外径Doは、「20mm≦Do≦40mm」となっている。また、火炉壁管35の管内径、つまり、内周面P1において、中心線Iを通る直径を管内径Diとする。火炉壁管35の内周面P1は、図3から図5に示す断面において、最外側に位置する内面である。なお、管内径Diは、管外径Doと同様に、数十ミリオーダーの長さとなっている。そのため、管内径Diの単位も、[mm]となる。
リブ部37は、管軸方向に直交する面で切った図5に示す断面において、周方向に並べて内周面P1に複数形成されている。なお、火炉壁管35に形成するリブ部37の数は複数形成されればよく、特に限定されない。また、各リブ部37は、内周面P1から径方向内側に突出して形成される。図2に示すように、各リブ部37は、管軸方向へ向かってらせん形状に形成されていることから、管軸方向に沿って切った図3及び図4に示す断面において、管軸方向に並べて内周面P1に複数形成されている。
ここで、図3及び図4に示すリブ部37の形状について説明する。なお、上記したように、図3に示す火炉壁管35は、溝部36が形成されていないものであり、図4に示す火炉壁管35は、溝部36が形成されたものである。このとき、リブ部37の断面形状は、図3及び図4に示す火炉壁管35であっても、ほぼ同じ形状となっていることから、図3及び図4に適用可能なリブ部37として説明する。
リブ部37は、図3及び図4に示すように、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、三角形状となっている。具体的に、リブ部37は、水Wの流通方向の上流側に形成される上流側傾斜面(上流側面)37aと、下流側に形成される下流側傾斜面37bとを有している。上流側傾斜面37aは、流通方向の下流側に向かって、火炉壁管35の径方向の内側に傾斜する面となっている。上流側傾斜面37aは、図3及び図4に示すように、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、直線となる面に形成される。一方で、上流側傾斜面37aは、図5に示すように、管軸方向に直交する面で切ったときの断面形状において、径方向外側に向かって湾曲する曲線となる面に形成される。下流側傾斜面37bは、流通方向の下流側に向かって、火炉壁管35の径方向の外側に傾斜する面となっている。下流側傾斜面37bは、図3及び図4に示すように、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、直線となる面に形成される。一方で、下流側傾斜面37bは、図5に示すように、管軸方向に直交する面で切ったときの断面形状において、径方向外側に向かって湾曲する曲線となる面に形成される。そして、リブ部37は、上流側傾斜面37aと下流側傾斜面37bとが交差する点が頂点となる三角形状に形成されている。
図3及び図4に示すように、管軸方向に沿って切ったときのリブ部37の断面形状において、内周面P1と上流側傾斜面37aとが為す角度を上流側リブ角度θu[°]とし、内周面P1と下流側傾斜面37bとが為す角度を下流側リブ角度θd[°]とする。このとき、リブ部37は、「θd<θu」となるように形成されている。具体的に、上流側リブ角度θuは、「45°<θu≦90°」となる角度範囲である。また、下流側リブ角度θdは、「0°<θd≦45°」となる角度範囲である。このため、例えば、上流側傾斜面37aは、上流側リブ角度θuが90°である場合、内周面P1に対して垂直となる上流側面であってもよい。
次に、リブ部37の個数について説明する。図3及び図4に示すように、リブ部37の径方向における高さを、リブ高さHrとする。具体的に、リブ高さHrは、内周面P1から、リブ部37が径方向の最も内側に位置する部位(すなわち頂部)までの高さとなっている。このリブ高さHrは、ミリオーダーの高さとなり、その単位が、[mm]となる。また、図2に示すように、火炉壁管35の管軸方向とリブ部37とが為す角度を、リード角θとする。リード角θは、管軸方向に対する角度であり、リブ部37のリード角が0°であれば、管軸方向に沿った方向となり、リブ部37のリード角が90°であれば、周方向に沿った方向となる。このとき、図5に示すように、管軸方向を中心として火炉壁管35を一回転させたときにリブ部37の管軸方向に進む距離の中に含まれるリブ部の数をN[個]とすると、リブ部37の数N[個]は、(1)式を満たすように形成される。
ここで、図3に示す図は、リブ部37のNが偶数である場合であり、この場合、中心軸Iに沿って切った断面において、一方側(図3の左側)のリブ部37の形状と他方側(図3の右側)のリブ部37の形状とは、左右対称となっている。一方で、図示は省略するが、リブ部37のNが奇数である場合、中心軸Iに沿って切った断面において、一方側のリブ部37の形状と他方側のリブ部37の形状とは、左右対称とはならず、一方側のリブ部37と他方側のリブ部37とは、管軸方向において、位置ズレして形成される。
ここで、(1)式は、図9に示すグラフに基づいて、その範囲が選定されている。図9は、(1)式の範囲を選定するために用いられる旋回力のグラフである。なお、(1)式における左項の式の分母における係数(50の値)をC1に置き換え、また、(1)式における右項の式の分母における係数(5の値)をC2に置き換えた式を(2)式とする。
図9に示すグラフは、その縦軸が旋回力となっており、その横軸が係数の値となっている。ここで、リブ部37によって水Wに与えられる旋回力は、その下限値Lが予め設定されており、この下限値Lよりも大きくなるように、係数C1及び係数C2が設定される。図9に示すように、旋回力は、旋回力が大きくなる側に凸となるグラフとなっている。このため、係数C1及び係数C2は、小さすぎても大きすぎても、旋回力が下限値L以下となる場合があるため、係数C1及び係数C2は、下限値Lよりも大きくなる範囲となるように値が選定される。
次に、図4を参照し、溝部36が形成される火炉壁管35について説明する。溝部36は、複数形成されており、リブ部37の数に応じて形成されている。各溝部36は、径方向の外側に没入して形成されており、内周面P1を底面としている。この溝部36は、図4に示すとおり、管軸方向に沿って切った断面において、内周面P1の管軸方向に所定の間隔を空けて複数形成されている。また、各溝部36は、管軸方向へ向かってらせん形状に形成されていることから、管軸方向に直交する面で切った断面においても、内周面P1の周方向に所定の間隔を空けて複数形成されている。
図4に示す断面において、溝部36の管軸方向における幅を、溝幅Wgとする。具体的に、溝幅Wgは、溝部36の管軸方向の一方側における内周面P1とリブ部37との境界と、溝部36の管軸方向の他方側における内周面P1とリブ部37との境界との間の幅である。より具体的に、溝幅Wgは、管軸方向において、内周面P1とリブ部37の上流側傾斜面37aとの境界と、内周面P1とリブ部37の下流側傾斜面37bとの境界との間の幅である。この溝幅Wgは、ミリオーダーの高さとなり、その単位が、[mm]となる。
そして、火炉壁管35において、溝幅Wg、リブ高さHr及び管外径Doは、下記する(3)式を満たしている。
0≦Wg/(Hr・Do)≦1.0 ・・・(3)
0≦Wg/(Hr・Do)≦1.0 ・・・(3)
この(2)式において、溝幅Wgが「Wg=0」となる場合が、図3に示す火炉壁管35である。また、溝幅Wgが「Wg<0」となり、(3)式を満たす場合が、図4に示す火炉壁管35である。
上記の火炉壁管35の内部を流通する水Wの質量速度は、火炉壁管35の内部の水Wの流動安定性が確保可能な低質量速度となっており、火炉壁管35の内部は超臨界圧となっている。低質量速度とは、例えば、定格出力でボイラ10を運転した際に、火炉壁管35内の水Wの平均質量速度が1000(kg/m2s)以上2000(kg/m2s)以下の範囲となっている。なお、火炉壁管35の内部の水Wの流動安定性が確保可能な質量速度であれば、上記の範囲に限定されない。また、実施形態1において、定格出力は、火力発電設備1の発電機17における定格電気出力となっている。
以上のように、実施形態1によれば、リブ部37に下流側傾斜面37bが形成されることで、水W等の熱媒を下流側傾斜面37bに沿わせて流通させることができるため、リブ部37の下流側において熱媒の淀みが形成されることを抑制することができる。このため、熱媒の淀みの形成による伝熱性能の低下を抑制することができ、伝熱性能の向上を図ることができる。また、熱媒の淀みの形成を抑制できることから、管軸方向におけるリブ部37同士の間を大きくする必要がなくなるため、(1)式に基づいて、リブ部37の数Nを適切な数とすることにより、リブ部37によって熱媒に与えられる旋回力の低減を抑制することができる。このため、旋回力の低下による伝熱性能の低下を抑制することができ、伝熱性能の向上を図ることができる。
なお、実施形態1では、上流側傾斜面37a及び下流側傾斜面37bを、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、直線としたが、曲線であってもよく、特に限定されない。
また、実施形態1によれば、(3)式を満たす火炉壁管35とすることで、溝部36の溝幅Wgを狭くできる分、内周面P1にリブ部37を多く配置することができ、リブ部37によって熱媒に与える旋回力を向上させることができる。
また、実施形態1によれば、(3)式における溝幅Wgを0とすることで、溝部36を設けることなく、内周面P1をリブ部37によって形成することができるため、リブ部37によって熱媒に与える旋回力をさらに向上させることができる。
また、実施形態1によれば、管外径Doが20mmから40mmであれば、熱媒の質量流速を適切な質量流速とすることができ、熱伝達率の性能を最適なものにすることができる。
また、実施形態1によれば、火炉壁管35の内部を流通する水Wが、低質量速度(平均質量速度が1000〜2000kg/m2s)であったり、高熱流束が与えられたりする場合であっても、超臨界圧時において、伝熱劣化現象の発生を抑制しつつ、熱伝達率を向上させることができる。
また、実施形態1によれば、上流側リブ角度θuを下流側リブ角度θdよりも大きくできるため、上流側傾斜面37aによって熱媒に旋回力を好適に与えることができる。また、下流側リブ角度θdを上流側リブ角度θuよりも小さくできるため、リブ部37の下流側において熱媒の淀みが形成されることを好適に抑制することができる。
また、実施形態1によれば、管軸方向に沿って切ったときのリブ部37の上流側傾斜面37a及び下流側傾斜面37bを直線の面にでき、また、リブ部37の断面形状を三角形状にできるため、リブ部37の形成を容易なものとすることができる。
[実施形態2]
次に、図6を参照して、実施形態2に係る火炉壁管35について説明する。なお、実施形態2では、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分について説明し、実施形態1と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。図6は、実施形態2に係る管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の断面図である。
次に、図6を参照して、実施形態2に係る火炉壁管35について説明する。なお、実施形態2では、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分について説明し、実施形態1と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。図6は、実施形態2に係る管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の断面図である。
実施形態2に係る火炉壁管35は、実施形態1に係る火炉壁管35のリブ部37の頂点を、管軸方向に沿って切ったときの断面において、湾曲させたものとなっている。具体的に、リブ部37は、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、上流側傾斜面37aと下流側傾斜面37bとが交差する部位が径方向の内側に凸となる湾曲する湾曲形状に形成されている。なお、実施形態2の火炉壁管35においても、実施形態1の(1)式及び(3)式は満たすものとする。
以上のように、実施形態2によれば、火炉壁管35のリブ部37の断面形状が、図6に示す形状であっても、熱媒の淀みの形成による伝熱性能の低下を抑制することができ、また、旋回力の低下による伝熱性能の低下を抑制することができるため、伝熱性能の向上を図ることができる。
[実施形態3]
次に、図7を参照して、実施形態3に係る火炉壁管35について説明する。なお、実施形態3でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1及び2と異なる部分について説明し、実施形態1及び2と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。図7は、実施形態3に係る管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の断面図である。
次に、図7を参照して、実施形態3に係る火炉壁管35について説明する。なお、実施形態3でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1及び2と異なる部分について説明し、実施形態1及び2と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。図7は、実施形態3に係る管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の断面図である。
実施形態3に係る火炉壁管35は、管軸方向に沿って切ったときの断面において、実施形態1に係る火炉壁管35のリブ部37の断面形状を、台形形状としたものとなっている。具体的に、リブ部37は、管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、上流側傾斜面37aと、下流側傾斜面37bと、上流側傾斜面37aから下流側傾斜面37bに向かって連なる中流側面37cと、を有する。そして、リブ部37は、上流側傾斜面37aと中流側面37cとが交差する点と、中流側面37cと下流側傾斜面37bとが交差する点と、が頂点となる四角形状に形成されている。このとき、中流側面37cは、内周面P1と平行な面となっており、これにより、リブ部37は、その断面形状が台形形状となる。なお、実施形態3の火炉壁管35においても、実施形態1の(1)式及び(3)式は満たすものとする。
以上のように、実施形態3によれば、火炉壁管35のリブ部37の断面形状が、図7に示す形状であっても、熱媒の淀みの形成による伝熱性能の低下を抑制することができ、また、旋回力の低下による伝熱性能の低下を抑制することができるため、伝熱性能の向上を図ることができる。
[実施形態4]
次に、図8を参照して、実施形態4に係る火炉壁管70について説明する。なお、実施形態4でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1から3と異なる部分について説明し、実施形態1から3と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。図8は、実施形態4に係る管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の断面図である。
次に、図8を参照して、実施形態4に係る火炉壁管70について説明する。なお、実施形態4でも、重複した記載を避けるべく、実施形態1から3と異なる部分について説明し、実施形態1から3と同様の構成である部分については、同じ符号を付して説明する。図8は、実施形態4に係る管軸方向に沿って切ったときの火炉壁管の断面図である。
実施形態4の火炉壁管70は、実施形態1に係る火炉壁管35のリブ部37を、第1リブ部37と第2リブ部71とし、第1リブ部37と第2リブ部71とを交差して配置したものとなっている。具体的に、火炉壁管70は、管軸方向を中心として周方向の一方側にねじれるらせん形状の第1リブ部37と、管軸方向を中心として周方向の他方側にねじれるらせん形状の第2リブ部71と、を有している。第1リブ部37と第2リブ部71とは、火炉壁管70の中心線Iを挟んで、互いに逆向きのらせん状となるように配置されている。
実施形態4によれば、第1リブ部37と第2リブ部71とを交差させて形成することで、伝熱性能の向上を図ることができる。
なお、実施形態4では、第1リブ部37と第2リブ部71とを逆向きのらせん状に配置したが、第2リブ部71に代えて、管軸方向に沿うと共に、内周面P1から径方向内側に突出して形成される平行リブ部を適用してもよい。
1 火力発電設備
10 ボイラ
11 蒸気タービン
21 火炉
22 燃焼装置
31 火炉壁
35 火炉壁管
36 溝部
37 リブ部
37a 上流側傾斜面
37b 下流側傾斜面
37c 中流側面
N リブ部の数
Di 管内径
Do 管外径
Wg 溝幅
Hr リブ高さ
P1 内周面
P3 外周面
θ リード角
θu 上流側リブ角度
θd 下流側リブ角度
W 水
10 ボイラ
11 蒸気タービン
21 火炉
22 燃焼装置
31 火炉壁
35 火炉壁管
36 溝部
37 リブ部
37a 上流側傾斜面
37b 下流側傾斜面
37c 中流側面
N リブ部の数
Di 管内径
Do 管外径
Wg 溝幅
Hr リブ高さ
P1 内周面
P3 外周面
θ リード角
θu 上流側リブ角度
θd 下流側リブ角度
W 水
Claims (15)
- ボイラに設けられ、内部が超臨界圧となり、内部に熱媒が流通する伝熱管であって、
内周面に形成され、管軸方向へ向かうらせん形状の溝部と、
らせん形状の前記溝部によって、径方向の内側に突出して形成されるリブ部と、を備え、
前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、
前記熱媒の流通方向の上流側に形成される上流側面と、
前記熱媒の前記流通方向の下流側に形成され、前記流通方向の下流側に向かって前記径方向の外側に傾斜する下流側傾斜面と、を有し、
前記径方向における前記リブ部の高さをHr[mm]とし、前記管軸方向を中心として前記伝熱管を一回転させたときに前記リブ部の前記管軸方向に進む距離の中に含まれる前記リブ部の数をN[個]とし、前記管軸方向と前記リブ部とが為すリード角をθ[°]とし、管内径をDi[mm]とすると、
前記リブ部の数N[個]は、(1)式を満たすことを特徴とする伝熱管。
- 前記管軸方向に沿って切った断面の前記管軸方向における前記溝部の幅[mm]をWgとし、管外径[mm]をDoとすると、
前記溝部の幅Wg[mm]、前記リブ部の高さHr[mm]及び前記管外径Do[mm]は、「0≦Wg/(Hr・Do)≦1.0」を満たすことを特徴とする請求項1に記載の伝熱管。 - ボイラに設けられ、内部が超臨界圧となり、内部に熱媒が流通する伝熱管であって、
内周面に形成され、管軸方向へ向かうらせん形状の溝部と、
らせん形状の前記溝部によって、径方向の内側に突出して形成されるリブ部と、を備え、
前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、
前記熱媒の流通方向の上流側に形成される上流側面と、
前記熱媒の前記流通方向の下流側に形成され、前記流通方向の下流側に向かって前記径方向の外側に傾斜する下流側傾斜面と、を有し、
前記径方向における前記リブ部の高さをHr[mm]とし、前記管軸方向に沿って切った断面の前記管軸方向における前記溝部の幅[mm]をWgとし、管外径[mm]をDoとすると、
前記溝部の幅Wg[mm]、前記リブ部の高さHr[mm]及び前記管外径Do[mm]は、「0≦Wg/(Hr・Do)≦1.0」を満たすことを特徴とする伝熱管。 - 前記溝部の幅Wg[mm]は、0[mm]であることを特徴とする請求項2から4のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 前記管外径Do[mm]は、「20mm≦Do≦40mm」であることを特徴とする請求項2から5のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 定格出力でボイラを運転した際に、火炉壁を構成する伝熱管の内部を流通する前記熱媒の平均質量速度が1000[kg/m2s]以上2000[kg/m2s]以下となっていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 前記管軸方向に沿って切ったときの前記リブ部の断面形状において、前記内周面と前記上流側面とが為す角度を上流側リブ角度θu[°]とし、前記内周面と前記下流側傾斜面とが為す角度を下流側リブ角度θd[°]とすると、
前記リブ部は、「θd<θu」となっていることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の伝熱管。 - 前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、前記上流側面及び前記下流側傾斜面の少なくとも一方が、直線となっていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 前記リブ部は、前記管軸方向に沿って切ったときの断面形状において、前記上流側面と前記下流側傾斜面とが交差する点が頂点となる三角形状に形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 前記リブ部は、前記管軸方向を中心として周方向の一方側にねじれるらせん形状の第1リブ部と、前記管軸方向を中心として周方向の他方側にねじれるらせん形状の第2リブ部と、を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の伝熱管。
- 前記リブ部は、前記管軸方向を中心として周方向の一方側にねじれるらせん形状の第1リブ部であり、
前記管軸方向に沿うと共に、前記径方向の内側に突出して形成される平行リブ部を、さらに備えることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の伝熱管。 - 定格出力で運転した際に、超臨界圧で運転される前記ボイラの火炉壁を構成する火炉壁管として用いられる請求項1から12のいずれか1項に記載の伝熱管を備えることを特徴とするボイラ。
- 請求項1から12のいずれか1項に記載の伝熱管を、火炎のふく射または高温ガスにより加熱することで、前記伝熱管の内部を流通する前記熱媒を加熱することを特徴とするボイラ。
- 請求項13または14に記載のボイラと、
前記ボイラに設けられる前記伝熱管の内部を流通する前記熱媒としての水が加熱されることで生成される蒸気により作動する蒸気タービンと、を備えることを特徴とする蒸気タービン設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017147044A JP2019027668A (ja) | 2017-07-28 | 2017-07-28 | 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017147044A JP2019027668A (ja) | 2017-07-28 | 2017-07-28 | 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019027668A true JP2019027668A (ja) | 2019-02-21 |
Family
ID=65477869
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017147044A Pending JP2019027668A (ja) | 2017-07-28 | 2017-07-28 | 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019027668A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022004465A1 (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-06 | 株式会社クボタ | 流体撹拌要素を具える熱分解管 |
-
2017
- 2017-07-28 JP JP2017147044A patent/JP2019027668A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2022004465A1 (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-06 | 株式会社クボタ | 流体撹拌要素を具える熱分解管 |
JP2022010814A (ja) * | 2020-06-29 | 2022-01-17 | 株式会社クボタ | 流体撹拌要素を具える熱分解管 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
AU2018200914B2 (en) | Heat transfer tube, boiler, and steam turbine device | |
US6557499B2 (en) | Fossil-fuel-fired once-through steam generator | |
US9784137B2 (en) | Subcritical pressure high-temperature steam power plant and subcritical pressure high-temperature variable pressure operation once-through boiler | |
JP2019027668A (ja) | 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 | |
EP1752707B1 (en) | Supercritical Downshot Boiler | |
US2183893A (en) | Fluid heater | |
JP2021177107A (ja) | 石炭火力発電システム | |
JP5720916B1 (ja) | 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 | |
TW201418567A (zh) | 快速啓動熱回收蒸汽產生器 | |
JP5643999B1 (ja) | 伝熱管、ボイラ及び蒸気タービン設備 | |
JP6203958B2 (ja) | ツーパスボイラ構造を備える連続流動蒸気発生器 | |
JP6057803B2 (ja) | ガスタービンプラント、及びガスタービンプラントの運転方法 | |
US11859817B2 (en) | System and method for laser ignition of fuel in a coal-fired burner | |
JP4674152B2 (ja) | ボイラ装置 | |
JP2012519831A (ja) | 貫流蒸発器とその設計方法 | |
JP5766527B2 (ja) | 貫流ボイラの制御方法及び装置 | |
WO2012110494A1 (en) | Boiler or heater elements and configurations for pressurized gasses, such as flue gasses | |
WO2014147737A1 (ja) | 排熱回収ボイラ及びそれを備える火力発電プラント | |
Chew | PF-fired supercritical power plant |