JP2019026808A - 炭素繊維強化樹脂成形体、母材樹脂、及び複合体 - Google Patents

炭素繊維強化樹脂成形体、母材樹脂、及び複合体 Download PDF

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Tasuke Shimamoto
太介 島本
裕司 堀田
Yuji Hotta
裕司 堀田
中村 真一郎
Shinichiro Nakamura
真一郎 中村
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Aun Ota
アウン 太田
潤 堀口
Jun Horiguchi
潤 堀口
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Abstract

【課題】熱伝導率、高弾性率、高強度を兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体を提供する。
【解決手段】炭素繊維と母材樹脂とを含む炭素繊維強化樹脂成形体において、前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、当該炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂の含有量が60vol%以上90vol%未満である。
【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維強化樹脂成形体、母材樹脂、及び複合体に関する。
炭素繊維と樹脂とを複合化してなる炭素繊維強化樹脂成形体は、金属材料に匹敵する弾性率と強度を有しながら、金属材料よりも比重が小さく、比剛性と比強度にも優れるため、部材の軽量化を図ることが可能であるとともに発錆しないことが特徴の部素材である。そのため、輸送機器の燃費低減等を目的に、構造材料や各種部品作製の素材として採用が進められている。
樹脂を強化する炭素繊維は、環状炭化水素からなる石油・石炭等のピッチ類を原料とするピッチ系炭素繊維と、鎖状高分子のセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル等を原料とする鎖状高分子系炭素繊維とに分類できる。ピッチ系炭素繊維は高弾性及び高熱伝導を有し、鎖状高分子系炭素繊維は機械強度に優れている。
炭素繊維は樹脂と比較して熱伝導率と機械特性に優れるため、輸送機器に於ける熱交換器等の熱伝導性部素材や機能性構造部素材としての利用が提案されている。
特許文献1には、一方向に引揃えた炭素繊維に黒鉛粉末が配合された熱硬化性樹脂が含浸されている成形材料からなる熱伝導性成形品が開示されている。
特許文献2には、高い熱伝導性を有する強化繊維の層の一部を面外方向に向けさせ、強化繊維の層が複合材料の表面に露出するような構造を有する炭素繊維強化複合材料が開示されている。また、その構造を効率よく製造するために製造過程でシート状のプリプレグを突起物の上に積層一体化するか又はシート状のプリプレグを積層する成形金型の表面に凹凸を設けることが開示されている。また、成型用金型の表面に少なくとも1個の凹凸を設け、この成型用金型上に高い熱伝導性を有する長繊維の炭素繊維とマトリックス材とを積層して炭素繊維強化繊維複合材料を製造する方法が開示されている。
特許文献3には、サイジング剤で集束させた後に、不活性ガス雰囲気中、最高温度が1600℃以上3300℃以下となる条件下で加熱し黒鉛化処理を行った炭素短繊維集合体が開示されている。かかる炭素短繊維集合体は、混合、分散工程の操作性が良く、樹脂との混合時には容易に分散することが可能となるため、炭素繊維を従来よりも多量に樹脂中に混合することが可能となるとともに、想起していたレベルよりも非常に高い弾性率、熱伝導率の特性を示す成形体が開示されている。
特許文献4には、複数の繊維強化プラスチック層を積層するとともに、それらの積層界面に複数の高熱伝導性のセラミックス粒子を少なくとも一部がその積層界面の中央から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で存在させて熱伝導の経路を形成するように面内において単一粒子分散させた層を介在する複合材料の製造方法が開示されている。
特許文献5には、平均直径が8〜12μm、繊維長が20〜500μmであるピッチ系炭素繊維であって、該ピッチ系炭素繊維の六角網面の面間隔が0.3365〜0.3375nmであり、結晶成長方向の微結晶サイズ(Lc)が30〜50nmであり、繊維軸と直交する方向の微結晶サイズ(La)が45〜100nmであり、灰分が0.1重量%以下であって、該ピッチ系炭素繊維が体積分率で10〜500体積%を含有する炭素繊維強複合材料の厚さ方向の熱伝導率が少なくとも1W/(m・K)の成形体が開示されている。
特許文献6には、炭素繊維の短繊維が二次元ランダムに分散している不織布であって、該炭素繊維の繊維軸方向の引張弾性率が400GPa以上で、繊維軸方向の熱伝導率が60W/(m・K)以上であり、かつ、該炭素繊維のうち、繊維長が5〜50nmのものの重量割合が60wt%以上である炭素繊維不織布が開示されている。この炭素繊維不織布を用いて嵩密度が1.8g/cm以下で、面内方向の特性が等方性であり、面内方向の曲げ弾性率が40GPa以上、かつ、面内方向の熱伝導率が20W/(m・K)以上である炭素繊維強化樹脂成形体が開示されている。
特許文献7には、繊維長10〜30mmのピッチ系炭素繊維の短繊維を湿式抄紙してなり、該炭素繊維の短繊維が二次元ランダムに分散している炭素短繊維のみからなる不織布であって、該炭素繊維の繊維軸方向の引張弾性率が400GPa以上900GPa以下で、繊維軸方向の熱伝導率が60W/(m・K)以上600W/(m・K)以下であり、かつ、該不織布を構成する炭素繊維のうち、繊維長が5〜30mmのものの重量割合が60wt%以上である炭素繊維不織布が開示されている。この炭素繊維不織布を用いて嵩密度が1.0g/cm以上1.8g/cm以下で、面内方向の特性が等方性であり、面内方向の曲げ弾性率が40GPa以上100GPa以下、かつ、面内方向の熱伝導率が20W/(m・K)以上100W/(m・K)以下である炭素繊維強化樹脂成形体が開示されている。
特許文献8には、特許文献9に開示されている数平均繊維長が0.1mm以上40mm以下、数平均繊維径が0.4nm以上10μm以下の不連続繊維、熱硬化性樹脂及び硬化剤を含む組成物を、塑性域で押出成形して製造したプリプレグを成形し硬化させたシートが開示されている。
特許文献10には、数平均繊維長が1μm以上5mm以下、数平均繊維径が5nm以上30μm以下の不連続繊維及び熱可塑性樹脂を含む組成物を、塑性域で押出成形することでプリプレグを製造する方法が開示されている。
特開平5−17593号公報 特開2003−160382号公報 特許第3562152号公報 特許第3877996号公報 特開2008−208490号公報 特開2014−15706号公報 特許第5499548号公報 特開2015−027772号公報 特開2015−027773号公報 特開2016−098271号公報
しかしながら、上記のいずれの文献にも熱伝導率、弾性率、強度の3つの特性に優れた成形体は開示されていない。そのため、熱伝導率、弾性率、強度の3つの特性に優れた炭素繊維強化成形体が望まれている。
本発明の一態様は、高熱伝導率、高弾性率、高強度を兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、炭素繊維と母材樹脂とを含む炭素繊維強化樹脂成形体であって、前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、当該炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂の含有量が60以上90vol%未満である。本態様は、炭素繊維として、ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維とを所定の割合で配合したものであり、これにより、熱伝導性、高弾性率、高強度の3つの特性をバランス良く兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体を得ることができる。
本発明の一態様によれば、高熱伝導率、高弾性率、高強度を兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体を提供することができる。
次に、発明を実施するための形態を説明する。
本発明の一態様は、炭素繊維と母材樹脂とを含む炭素繊維強化樹脂成形体であって、前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、当該炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂の含有量が60以上90vol%未満である。
上記炭素繊維強化樹脂成形体は、面内方向の熱伝導率が1W/(m・K)以上165W/(m・K)以下であり、曲げ弾性率が8GPa以上154GPa以下であり、曲げ強度が193MPa以上566MPa以下であると好ましい。
本態様による炭素繊維強化樹脂成形体は、炭素繊維と母材樹脂とを含むものであり、炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維からなっている。すなわち、炭素繊維強化樹脂成形体は、母材樹脂(マトリックスとしての樹脂)と、ピッチ系炭素繊維と、鎖状高分子系炭素繊維とを含むものである。上記ピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維は両方が不連続炭素繊維である。
ピッチ系炭素繊維は、環状炭化水素からなる石油・石炭等のピッチ類を原料に製造されたものである。原料ピッチを溶融紡糸してピッチ繊維を得て、融化、炭化又はさらに黒鉛化することによって得られる。
鎖状高分子系炭素繊維は、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル(PAN)等の鎖状高分子を原料に製造されたものである。原料を湿式紡糸などにより繊維化し、延伸、炭化又はさらに黒鉛化することによって得られる。
ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維の体積比は、1:0超1:1.3未満であり、1:0.5以上1:1.2以下であると好ましい。具体的には、ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との体積比を1:1.3未満とすることにより、成形体の熱伝導率及び曲げ弾性率を向上させることができ、体積比を1:0超とすることにより、成形体の曲げ強度を向上させることができる。
炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、母材樹脂の含有量は60以上90vol%未満であることが好ましく、60vol%以上85vol%未満であるとより好ましい。また、炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、炭素繊維の含有量が10vol%以上40vol%以下とすると好ましく、15vol%超40vol%以下とするとより好ましい。すなわち、炭素繊維の含有量が10vol%超40vol%以下であり且つ母材が60vol%以上90vol%未満となるように炭素繊維と母材樹脂とを複合化することが好ましい。炭素繊維の含有量を10vol%超とすることで、成形体の熱伝導率、機械特性を向上させることができる。一方、炭素繊維の含有量を40vol%以下とすることで、成形性を向上させることができる。
母材樹脂は、主として樹脂を含むものである。用いられる樹脂は、熱硬化性樹脂であってもよく、熱可塑性樹脂であってもよい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。また、樹脂として、紫外線硬化樹脂を用いてもよい。硬化性の樹脂を用いる際には、炭素繊維の複合前及び/又は複合後に、熱硬化剤を添加することもでき、また紫外線硬化剤を添加することもできる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体、ポリメチルメタアクリレート、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルニトリル、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
上記の樹脂又は樹脂組成物は、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
炭素繊維強化樹脂成形体には、難燃剤、カップリング剤、導電性付与剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、各種顔料等、通常、樹脂に配合される各種の添加剤が配合されていてもよい。これらの配合剤は、炭素繊維と母材樹脂とが複合化される前に母材樹脂に配合してもよいし、炭素繊維と母材樹脂との複合化の際又は後に配合することもできる。また、炭素繊維強化樹脂成形体には、後述の、炭素繊維以外のフィラー(炭素繊維と異なるフィラー)が配合されていてもよい。
炭素繊維強化樹脂成形体の熱伝導率、弾性率及び強度は、例えば、繊維状熱伝導性フィラーと樹脂を複合化した樹脂成形体の熱伝導率(λ)、弾性率(E)及び強度(σ)を求めるためのLewis−Nielsenの式、複合則を用いてシミュレートすることができる。
<Lewis−Nielsenの式>
λ=λ(1+A・B・V)/(1−B・V・Ψ) ・・・ (1)
式(1)中、
Ψ=1+(1−Φ)/Φ ・V
A=(2L)/D
B=(λ/λ−1)/(λ/λ+A)
Φ=0.52 ・・・ 繊維状フィラーが樹脂中に三次元ランダム構造をとるとき
λ ・・・ 樹脂の熱伝導率
・・・ 繊維状フィラーの体積分率
L ・・・ 繊維状フィラーの長さ
D ・・・ 繊維状フィラーの直径
である。
<複合則>
*弾性率(繊維状フィラーが樹脂中に三次元ランダム構造をとるとき)
=V・E+(1−V)E ・・・ (2)
式(2)中、
・・・ 繊維状フィラーの弾性率
・・・ 樹脂の弾性率
である。
*強度(繊維状フィラーが樹脂中に三次元ランダム構造をとるとき)
σ=V・σ+(1−V)σ ・・・ (3)
式(3)中、
σ ・・・ 繊維状フィラーの強度
σ ・・・ 樹脂の強度
である。
炭素繊維の熱伝導率、弾性率及び強度は、直径方向よりも長さ方向に優れるため、炭素繊維強化樹脂成形体中の炭素繊維が一方向に繊維配向していると、成形体の熱伝導率、弾性率及び強度が強化される。母材樹脂中において不連続炭素繊維を一方向に配向させるには、例えば、炭素繊維と母材樹脂との複合体(炭素繊維強化樹脂組成物)を押出すこと、例えば、絞込押出すること(混練を伴わず、シリンダ内に充填された材料を押出棒によって口金の方向へと押し出す直接押出操作)により可能となる。また、炭素繊維を一方向に配向させる手法としては、混練押出機に絞込押出用口金を取付けた装置を用いる手法等も挙げられる。
炭素繊維が配向している場合の炭素繊維強化樹脂成形体の理論的な熱伝導率(λ)、弾性率(E)及び強度(σ)は、それぞれLewis−Nielsenの式、Halpin−Tsaiの式、Kelly−Tysonの式を用いてシミュレートすることができる。
<Lewis−Nielsenの式>
λ=λ(1+A・B・V)/(1−B・V・Ψ) ・・・ (4)
Ψ=1+(1−Φ)/Φ ・V
式(4)中、
A=(2L)/D
B=(λ/λ−1)/(λ/λ+A)
Φ=0.907 ・・・ 炭素繊維が母材樹脂中に一方向に六方最密構造をとるとき
λ ・・・ 母材樹脂の熱伝導率
・・・ 炭素繊維の体積分率
L ・・・ 炭素繊維の長さ
D ・・・ 炭素繊維の直径
である。
<Halpin−Tsaiの式>
=(1+ξ・η・V)/(1−η・V)・E ・・・(5)
式(5)中、
η=(E/E−1)/(E/E+ξ)
ξ=(2L)/D
である。
<Kelly−Tysonの式>
σ=σ(l/(2L))V+σ(1−V) ・・・ (6)
式(6)中、
l ・・・ 臨界繊維長(炭素繊維が樹脂と密着している長さ)
である。
本態様では、ピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維からなる炭素繊維全体について、炭素繊維が0°以上20°以下に配向した炭素繊維の割合(本明細書において、配向度ともいう)が、80%以上100%以下であると好ましい。この場合、ピッチ系炭素繊維の配向度及び/又は鎖状高分子系炭素繊維の配向度を80%以上100%以下とすることが好ましい。炭素繊維の配向度を80%以上とすることで、炭素繊維強樹脂成形体の熱伝導率、弾性率、強度の3つの特性をさらに向上させることができる。
また、ピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維からなる炭素繊維について、炭素繊維の長さの中央値(個数基準分布における積算値50%における繊維長)が、0.05mm以上20mm以下であることが好ましく、0.1mm以上20mm以下であることがより好ましい。この場合、ピッチ系炭素繊維の長さの中央値及び/又は鎖状高分子系炭素繊維の長さの中央値を0.05mm以上20mm以下とすることができ、0.1mm以上20mm以下とすることができる。炭素繊維の長さの中央値を0.05mm以上とすることで、炭素繊維強樹脂成形体は熱伝導率、弾性率、強度の3つの特性をさらに向上させることができる。一方、炭素繊維の長さの中央値を20mm以下とすることで、成形性を向上させることができる。
ピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維からなる炭素繊維について、炭素繊維の平均直径は、6μm以上12μm以下であると好ましい。
本発明の別の態様は、炭素繊維と母材樹脂とを含む炭素繊維強化樹脂成形体であって、炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、母材樹脂の含有量が60vol%以上90vol%未満であり、母材樹脂が、樹脂と、前記炭素繊維とは異なるフィラーを含み、母材樹脂の全体を100wt%としたときフィラーの含有量が0wt%超1wt%未満である。
上記炭素繊維強化樹脂成形体は、面内方向の熱伝導率が1.5W/(m・K)以上196W/(m・K)以下であり、曲げ弾性率が10GPa以上161GPa以下であり、曲げ強度が201MPa以上621MPa以下であると好ましい。
本態様の炭素繊維強化樹脂成形体は、ピッチ系炭素繊維、鎖状高分子系炭素繊維、及びこれらの炭素繊維とは異なるフィラーの計3種類の配合物と、樹脂とで構成されている。
一般的に、樹脂の熱伝導率及び機械特性(強度等)は、炭素繊維と比較すると低いため、上記Lewis−Nielsenの式、複合則が理論的に示すように、炭素繊維とは異なる繊維状の無機フィラー等を樹脂に複合化し、熱伝導率、弾性率、強度のうち任意の1つ以上が強化された樹脂を、炭素繊維強化樹脂成形体の母材樹脂に用いることで、熱伝導率、弾性率、強度を強化することができる。
このような炭素繊維とは異なる(炭素繊維以外の)フィラーは、無機フィラーであると好ましい。また、樹脂の可撓性を保持するため、低いフィラーの添加量で熱伝導率、弾性率、強度を強化することが好ましい。さらに、フィラーは、剪断力を付与する物理的処理によって解砕されていることが好ましい。剪断力を付与する物理的処理を行うことで、フィラーの凝集や多層構造が解かれ、母材樹脂中でネットワーク構造を形成することができる。
無機フィラーとしては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、フラーレン、グラフェン、グラファイト、カーボンブラック、六方晶窒化ホウ素、立方晶窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化アルミ、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム等が挙げられる。これらのフィラーは、1種類を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
母材樹脂中の、上記炭素繊維(ピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維)とは異なるフィラーの添加量(含有量)は、母材樹脂全体を100wt%として、0wt%(質量%)超1.5wt%(質量%)以下であると好ましく、0.1wt%以上1wt%未満であると好ましい。添加量を0wt%超とすることで、炭素繊維強化樹脂成形体の強度、特に曲げ強度を向上させることができる。添加量を1.5wt%以下とすることで、成形性を向上させることができる。また、樹脂が本来有している可撓性を維持することができ、結果として成形体全体の可撓性を向上させることができる。
母材樹脂の熱伝導率は0.5W/(m・K)以上2W/(m・K)以下、曲げ弾性率は3GPa以上11GPa以下、曲げ強度は115MPa以上208MPa以下とすることができる。
炭素繊維とは異なるフィラーが樹脂中に均質に分散していると、フィラーの機能を向上させることができるので、フィラーは高剪断処理等により解砕されていることが好ましい。具体的には、フィラーを含むスラリーを調製して、湿式ジェットミルを用いて行うことが好ましい。これにより、フィラーを粉砕せずに解砕することができるので好ましい。これにより、フィラーの配合量が比較的少量であっても、フィラーに解砕処理を施すことで、フィラーの機能をより良好に発揮させることができる。
解砕処理を行ったフィラーは、沈降試験により、相対充填率が1%以上4%以下に解砕されていることが好ましく、1%以上3%以下に解砕されているとより好ましい。相対充填率が4%以下のフィラーを用いることで、フィラーが母材樹脂中に均一に分散できるので、母材樹脂の熱伝導率、弾性率、強度を向上させることができ、その結果、炭素繊維強化樹脂成形体の熱伝導率、弾性率、強度を一層向上させることができる。なお、相対充填率が1%以上であると、フィラーが粉砕されているため好ましい。
ここで、相対充填率は、例えば、フィラーを水系溶媒に懸濁させて得られたスラリーに解砕処理を施した場合、解砕後のスラリーをバイアル等の容器に採り、フィラーを所定時間沈降させ、沈降前に対する処理後のフィラーの充填度合を示す。例えば、解砕直後におけるスラリー中でのフィラーの充填部分の最上面の高さをh、沈降後におけるスラリー中でのフィラーの充填部分の最上面の高さをhとした場合、[(h−h)/h]×100で示すことができる。相対充填率が低い程、スラリー中でのフィラーの沈降が起こりにくくなっており、フィラー粒子がより十分に解砕されていることを示す。
なお、炭素繊維強化樹脂成形体は、炭素繊維とは異なるフィラーを用いない形態、すなわち、炭素繊維と母材樹脂とからなり、炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維の体積比が1:0超1:1.3未満、且つ炭素繊維が10vol%以上40vol%以下、樹脂が60vol%以上90vol%未満となるように複合化した形態とすることもできる。このような構成により、高熱伝導率、高弾性率、高強度を兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体を提供することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
ピッチ系炭素繊維(日本グラファイト社製、XN−90C−06S、繊維長6mm)と鎖状高分子系炭素繊維(東レ社製、T700−SC、繊維長20mm)の体積比が1:1であり、炭素繊維の総計が複合体全体の20vol%となるように、両炭素繊維を母材樹脂としてのナイロン66(東レ社製、CM3001−N)に混合し、二軸混練押出機を用いて、最高加熱温度265℃の条件で混練押出を行った。これにより、炭素繊維と母材樹脂とが複合化された複合体(炭素繊維強化樹脂組成物)を得た。
得られた複合体は、絞込押出用口金を取付けた二軸混練押出機を用いて加熱押出した。この押出配向処理(繊維配向処理)により、炭素繊維を一方向に配向させた。
上記の繊維配向処理を行った複合体を、成形金型の100mm方向に並べ、真空加熱プレス機(井元製作所製、IMC−11FD)を用いて、100×80×4mmにプレス成形し、炭素繊維強化樹脂成形体を作製した。得られた炭素繊維強化樹脂成形体について、熱伝導率(厚さ方向及び面内方向)、曲げ弾性、曲げ強度を測定した。また、繊維の配向度についても測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
母材樹脂として、フィラー(解砕された多層カーボンナノチューブ)を配合した母材樹脂を用いた以外は、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂成形体を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
解砕された多層カーボンナノチューブは、次のようにして得た。多層カーボンナノチューブ(Cnano社製、Flo Tube 9100、直径10nm、長さ10μm)1.6gを、蒸留水180mLとt−ブチルアルコール900mLとの混合液に加えて、スラリーを調製し、一晩攪拌した。湿式ジェットミル装置(ジーナス社製、GENUS SP)を用いて、スラリーを、処理圧力100MPaで3回処理することで、多層カーボンナノチューブの解砕処理を行い、3日間、凍結乾燥することで解砕した多層カーボンナノチューブを得た。得られたカーボンナノチューブの相対充填率は1.2%であった。
解砕処理を行った上記の多層カーボンナノチューブを、母材樹脂全体の質量に対して0.5wt%の含有量となるよう、樹脂であるナイロン66(東レ社製、CM3001−N)に混合した。そして、二軸混練押出機を用いて、最高加熱温度265℃の条件で混練押出を行い、母材樹脂を得た。
実施例2では、このように得られた母材樹脂を、実施例1の母材樹脂に代えて使用し、最終的に炭素繊維強化樹脂成形体を得た。
(実施例3(母材樹脂))
実施例2で得られた母材樹脂を、実施例1で用いたものと同じ真空プレス機を用いて、100×80×4mmにプレス成形し、母材樹脂の成形体とした。得られた母材樹脂の成形体について、実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
炭素繊維としてピッチ系炭素繊維のみを用いた(ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との体積比を1:0とした)こと、繊維配向処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、炭素繊維強化樹脂成形体を得た。実施例1と同様に炭素繊維強化樹脂成形体を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
炭素繊維としてピッチ系炭素繊維のみを用いた(ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との体積比を1:0とした)こと、繊維配向処理を行わなかったこと、多層カーボンナノチューブに対して解砕処理を行わず、その量を母材樹脂全体の質量に対して1wt%としたこと以外は、実施例2と同様にして、炭素繊維強化樹脂成形体を得た。なお、比較例2で用いた、解砕されていないカーボンナノチューブの相対充填率は92.5%であった。実施例1と同様に炭素繊維強化樹脂成形体を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
炭素繊維としてピッチ系炭素繊維のみを用いた(ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との体積比を1:0とした)こと以外は、実施例2と同様にして、炭素繊維強化樹脂成形体を得た。比較例3の成形体における繊維配向度は87%であった。実施例1と同様に炭素繊維強化樹脂成形体を評価した。結果を表1に示す。
(比較例4)
炭素繊維として鎖状高分子系炭素繊維のみを用いた(ピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との体積比を0:1とした)こと以外は、実施例2と同様にして、炭素繊維強化樹脂成形体を得た。実施例1と同様に炭素繊維強化樹脂成形体を評価した。結果を表1に示す。
(比較例5(母材樹脂))
フィラーを配合しなかったこと以外は実施例3と同様にして、母材樹脂の成形体を作製した。すなわち、ナイロン66をプレス成形して、成形体を作製した。母材樹脂の成形体について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例6(母材樹脂))
フィラーとして、多層カーボンナノチューブに対して解砕処理を行わず、その量を母材樹脂全体の質量に対して1wt%としたこと以外は、実施例3と同様にしてカーボンナノチューブと樹脂との複合化を行い、母材樹脂の成形体を作製した。母材樹脂の成形体について実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
本実施例における各種物性の測定、評価は以下のように行った。
<フィラーの相対充填率>
実施例2記載したように、多層カーボンナノチューブ1.6gを、蒸留水180mLとt−ブチルアルコール900mLとの混合液に加えて調製したスラリーを一晩攪拌し、湿式ジェットミル装置により処理圧力100MPaで3回処理することで解砕処理を行った。その解砕処理後のスラリーをバイアルに取り、2週間後に沈降した多層カーボンナノチューブが、処理直後のスラリーから相対的に何%低くなったかを記録することで相対充填率を評価した。なお、解砕処理を行っていない多層カーボンナノチューブの相対充填率は、多層カーボンナノチューブを、蒸留水180mLとt−ブチルアルコール900mLとの混合液に加え、スラリーを作製したこと以外は、解砕処理を行ったカーボンナノチューブについての相対充填率の測定と同様にして評価した。
<成形体の曲げ弾性率、及び曲げ強度>
プレス成形体を試験用に80×10×4mmに加工して、JIS K 7171に従い曲げ試験を実施し、曲げ弾性率及び曲げ強度を評価した。炭素繊維が一方向に配向した成形体の場合は、圧子と炭素繊維が直交するように曲げ試験を行った。
<成形体の熱伝導率>
成形体の厚さ方向及び面内方向の熱拡散定数を、レーザーフラッシュ法熱測定装置(アルバック社製、TC−7000)を用いて測定し、比熱と密度を乗算することで、熱伝導率を算出した。炭素繊維が一方向に配向した成形体の場合は、面内方向の熱拡散定数を測定する際、炭素繊維の長さ方向が測定面になるように試料を準備し測定を行った。
<炭素繊維の繊維長>
成形体をギ酸に浸漬し、ナイロン66樹脂を溶解させた後、濾紙により濾過を行った。濾紙上に残存したナイロン66をさらにギ酸で洗い流した。次に、蒸留水でギ酸を洗い流すことで炭素繊維を抽出した。抽出した炭素繊維を、繊維が切れないようにしてポリビニルアルコール溶液に加え、樹脂シート状に広げて乾燥させた。スケールと共に写真撮影し、手動で炭素繊維の長さを計測した後、繊維長の中央値を算出した。
<炭素繊維の繊維配向度>
光学顕微鏡を用いて、倍率15として、曲げ試験片80×10mmの表面を二次元撮影した後、炭素繊維の方向を、曲げ試験片の長さ方向を0°として、−90°以上+90°以下の角度で測定した。次に、−90°以上0°未満の角度については、符号をマイナスからプラスに変更し0°超90°以下の値とした。10°間隔とした0°以上90°以下範囲のヒストグラムを作成した後、0°以上20°以下の範囲に配向している炭素繊維の割合を算出し、炭素繊維の配向度(%)とした。
Figure 2019026808
表1の結果より、炭素繊維としてピッチ系炭素繊維と鎖状高分子系炭素繊維との両方を含み、ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満とした実施例1、2は、そのような構成を有しない比較例1〜4と比較して、熱伝導率、弾性率、強度の3つの特性を兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体が得られることが分かった。
また、実施例1、2より、熱伝導率、弾性率、強度を兼ね備えた炭素繊維強化樹脂成形体という観点では、ピッチ系炭素繊維、鎖状高分子系炭素繊維、及び炭素繊維と異なるフィラーの計3種類の配合物と、樹脂とで構成された成形体が最も優れることが分かった。
フィラーを含む母材樹脂である実施例3は、フィラーを含んでいない母材樹脂である比較例5と比較して、熱伝導率、弾性率、強度が同等以上になっていることが分かった。また、解砕処理を行った多層カーボンナノチューブ(フィラー)を用いた実施例3は、母材樹脂中にカーボンナノチューブが均質に分散し、多層カーボンナノチューブを複合化しているが解砕処理を施していない実施例6と比較しても、熱伝導率、弾性率、強度に優れた炭素繊維強化樹脂の母材樹脂を製造することができることが分かった。母材樹脂自体の熱伝導率、弾性率、強度が向上することがで、得られる炭素繊維強化樹脂成形体の熱伝導率、弾性率、強度も向上させることができる。
輸送機器における熱交換器等の熱伝導性部素材や機能性構造部素材としての利用が可能である。

Claims (11)

  1. 炭素繊維と母材樹脂とを含む炭素繊維強化樹脂成形体であって、
    前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、
    前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、
    当該炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂の含有量が60vol%以上90vol%未満である、炭素繊維強化樹脂成形体。
  2. 面内方向の熱伝導率が1W/(m・K)以上165W/(m・K)以下であり、
    曲げ弾性率が8GPa以上154GPa以下であり、
    曲げ強度が193MPa以上566MPa以下である、請求項1に記載の炭素繊維強化樹脂成形体。
  3. 炭素繊維と母材樹脂とを含む炭素繊維強化樹脂成形体であって、
    前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、
    前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、
    当該炭素繊維強化樹脂成形体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂の含有量が60vol%以上90vol%未満であり、
    前記母材樹脂が、樹脂と、前記炭素繊維とは異なるフィラーを含み、
    前記母材樹脂の全体を100wt%としたとき前記フィラーの含有量が0wt%超1.5wt%未満である、炭素繊維強化樹脂成形体。
  4. 面内方向の熱伝導率が1.5W/(m・K)以上196W/(m・K)以下であり、
    曲げ弾性率が10GPa以上161GPa以下であり、
    曲げ強度が201MPa以上621MPa以下である、請求項3に記載の炭素繊維強化樹脂成形体。
  5. 前記炭素繊維全体のうち、0°以上20°以下に配向した炭素繊維の割合が、80%以上100%以下である請求項1〜4のいずれか一項に記載の炭素繊維強化樹脂成形体。
  6. 前記炭素繊維の長さの中央値が、0.1mm以上20mm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載の炭素繊維強化樹脂成形体。
  7. 前記フィラーが解砕されており、1%以上4%以下の相対充填率を有する、請求項3〜6のいずれか一項に記載の炭素繊維強化樹脂成形体。
  8. 請求項3又は4に記載の前記母材樹脂であって、
    熱伝導率が0.5W/(m・K)以上2W/(m・K)以下であり、
    曲げ弾性率が3GPa以上11GPa以下であり、
    曲げ強度が115MPa以上208MPa以下である、母材樹脂。
  9. 前記フィラーが解砕されており、1%以上4%以下の相対充填率を有する、請求項8に記載した母材樹脂。
  10. 炭素繊維と母材樹脂とを含む複合体であって、
    前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、
    前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、
    当該複合体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂が60vol%以上90vol%未満である、複合体。
  11. 炭素繊維と母材樹脂とを含む複合体であって、
    前記炭素繊維がピッチ系炭素繊維及び鎖状高分子系炭素繊維であり、
    前記ピッチ系炭素繊維と前記鎖状高分子系炭素繊維との体積比が1:0超1:1.3未満であり、
    当該複合体の全体を100vol%としたとき、前記母材樹脂の含有量が60vol%以上90vol%未満であり、
    前記母材樹脂が、樹脂と、前記炭素繊維とは異なるフィラーを含み、
    前記母材樹脂の全体を100wt%としたとき前記フィラーの含有量が0wt%超1.5wt%未満である、複合体。
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