次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、実施例では、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技を行うパチンコ機を例に挙げて説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、複数種類の図柄を変動表示可能な表示手段としての表示装置(演出手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13bで前後に開口する窓部13aを覆うよう構成された前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。なお、実施例では、前記表示装置17としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の表示装置やドットマトリックス式の表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、実施例では、後述する各種のエラーが発生した際に、該エラーが発生したことを示すエラー報知を表示する報知手段(エラー報知手段)として表示装置17が機能するよう構成される。
図1に示す如く、前記前枠13には、窓部13aを囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上部位置に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。そして、ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記表示装置17で行われる各種の表示演出(図柄変動演出)に合わせて光による演出や音による演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様に演出手段としての機能を有している。また、ランプ装置18やスピーカ19は、エラーが発生した際に点灯態様や音声によるエラー報知を実行し得るよう構成されており、該ランプ装置18やスピーカ19は、表示装置17と同様にエラー報知を実行する報知手段(エラー報知手段)としての機能を有している。なお、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
また、前記前枠13の右下方位置には、前記中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで前記打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20に向けて発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を操作することで、前記遊技盤20に形成された第1球流下経路75a(後述)をパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該遊技盤20に形成された第2球流下経路75b(後述)をパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るようになっている。
(遊技盤20について)
実施例の前記遊技盤20は、アクリルやポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材から所定板厚の略矩形状に形成された平板状の透明板(遊技領域形成部材)であって、該遊技盤20の裏側に前記表示装置17が着脱自在に組み付けられている。遊技盤20の前側には、図2に示す如く、前面(盤面)に配設された略円形状の案内レール21によりパチンコ球が流下可能(移動可能)な遊技領域75が画成されて、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が当該遊技領域75内に打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、遊技盤20には、該遊技盤20との間に収容空間を画成する設置部材(図示せず)が配設されており、収容空間には、発光により演出を行う発光演出装置や、可動体の動作により演出を行う可動演出装置等の各種演出手段が設置されている。なお、前記表示装置17は、設置部材の裏側に取り付けられて、後述するように設置部材に設けた開口部(可視部)および枠状装飾体25(後述)の開口部25aを介して遊技盤20の前側から視認可能に臨むよう構成される。なお、遊技盤20は、ベニヤ材や合成樹脂材等の非光透過性の板部材の表面に装飾シール等を貼付したものであってもよい。
前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口が前記遊技領域75内に複数開設されて、各装着口に対して各種遊技構成部品が前側から取り付けられると共に、遊技領域75の最下部位置には、該遊技領域75に開口するアウト口22が開設されており、遊技領域75に打ち出されてアウト口22に入球したパチンコ球が機外に排出されるよう構成される。また、前記遊技盤20には、前記遊技領域75内に多数の遊技釘23が設けられると共に、後述する枠状装飾体25の左側方に、遊技領域75(第1球流下経路75a)を流下するパチンコ球の接触に伴って回転する回転案内部材24が回転自在に支持されており、遊技釘23や回転案内部材24との接触によりパチンコ球の流下方向が不規則に変化するよう構成されている。前記回転案内部材24は、所謂「風車」とも称される部材であって、該回転案内部材24の回転に伴ってパチンコ球を弾くように左右方向へ放出する部材である。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に対して取り付けられる各種遊技構成部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜決定される。
実施例の前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記案内レール21で囲まれた遊技領域75の略中央の大部分が開口する装着口に、前後に開口する開口部25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の開口部25aを介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。前記設置部材は、前記遊技盤20の外郭形状より僅かに小さな形状に形成された略矩形状の背面板と、該背面板の外周縁部から前方に突出する画壁部とから前方に開口した箱状に形成されて、該画壁部の開口前端部を遊技盤20の裏面に当接させた状態で、当該遊技盤20と設置部材とがネジにより固定される。また、前記設置部材の背面板には、前記枠状装飾体25の開口部25aと前後に整列する位置に、略矩形状の開口部が前後に開口するよう開設されると共に、該背面板の裏側に前記表示装置17が着脱自在に取り付けられて、該開口部を介して表示装置17の表示部17aが遊技盤20の前側に臨むようになっている。
(枠状装飾体25について)
前記遊技盤20に配設される前記枠状装飾体25は、図2に示す如く、前記遊技盤20に開設された前記装着口の内側に沿って延在する環状に形成された枠状基部(図示せず)と、該枠状基部に設けられて前記遊技盤20の前面より前方に突出し、前記遊技領域75と表示装置17の表示部17aを区切って該遊技領域75の内周を画成する庇状部25bと、該庇状部25bの後縁から外方に延出する薄板状の台板部25cとを備える。そして、前記枠状基部を装着口に挿入すると共に台板部25cを遊技盤20の前面に当接した状態で、該台板部25cをネジ等の固定手段で遊技盤20に固定することで、枠状装飾体25が遊技盤20に取り付けられる。ここで、前記庇状部25bは、図2に示す如く、前記枠状装飾体25(枠状基部)の左側縁の略中間位置から上縁および右下縁に亘って連続して延在するように設けられており、開口部25a側、すなわち表示装置17における表示部17aの前面側を横切ってパチンコ球が流下(落下)するのを規制している。
前記枠状装飾体25には、図2に示す如く、前記開口部25aの下側に、ステージ25dが設けられると共に、開口部25aの左側に、遊技領域75(第1球流下経路75a)に開口して該遊技領域75を流下するパチンコ球を取り込んでステージ25dに案内する球導入部25eが設けられ、該球導入部25eからステージ25dに通出されたパチンコ球は、ステージ25d上を左右に転動した後に、後述する第1始動入賞部30が配設されている遊技領域75に排出される。またステージ25dの後端縁には、左右方向の全長に亘って上側に向けて所定高さで立上がる透明壁25fが設けられ、ステージ25d上を転動するパチンコ球が表示装置17の表示部17a側に移動するのを該透明壁25fで防止している。
前記遊技盤20に画成された遊技領域75は、前記枠状装飾体25における庇状部25bの左側方をパチンコ球が流下する第1球流下経路75aと、該枠状装飾体25における庇状部25bの上方から右側方をパチンコ球が流下する第2球流下経路75bとに区画されている。これにより、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することで、遊技領域75に打ち出されたパチンコ球が第1球流下経路75aを流下する遊技形態(左打ちの遊技形態)および当該パチンコ球が第2球流下経路75bを流下する遊技形態(右打ちの遊技形態)の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。そして、実施例に係るパチンコ機10では、前記第1球流下経路75aをパチンコ球が流下する場合(左打ちの遊技形態の場合)に、パチンコ球が第2球流下経路75bを流下する場合に較べて後述する第1始動入賞部30にパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されると共に、該第2球流下経路75bをパチンコ球が流下する場合(右打ちの遊技形態の場合)に、パチンコ球が第1球流下経路75aを流下する場合に較べて後述するゲート部48、第2始動入賞部31および特別入賞部40へパチンコ球が入賞する可能性が高くなるよう構成されている。
(入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、遊技領域75を流下するパチンコ球が入球可能な複数の入球部(具体的には、後述する第1始動入賞部30、第2始動入賞部31、ゲート部48、特別入賞部40、普通入賞部45)が設けられており、パチンコ球が入球した入球部に応じた制御が実行されることで所定の遊技を行い得るようになっている。具体的に、実施例のパチンコ機10では、前記入球部としての第1始動入賞部30が前記第1球流下経路75aを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられると共に、前記入球部としての第2始動入賞部31、特別入賞部40およびゲート部48が、前記第2球流下経路75bを流下するパチンコ球が入球可能な位置に設けられている。なお、実施例の遊技盤20には、前記第1球流下経路75aに位置するよう入球部としての普通入賞部45が配置されており、第1球流下経路75aを流下させたパチンコ球が普通入賞部45に入賞し得るようになっている。
(始動入賞部30,31について)
前記遊技盤20には、図2に示す如く、前記枠状装飾体25の下方位置に、遊技領域75に臨んで該遊技領域75(第1球流下経路75aおよび第2球流下経路75b)を流下するパチンコ球が入賞可能な第1始動入賞部30が配設されると共に、該第1始動入賞部30の右側方において遊技領域75(第2球流下経路75b)に臨んで特別入賞部40が配設されている。また、枠状装飾体25の右側方に、遊技領域75(第2球流下経路75b)に臨んで該遊技領域75(第2球流下経路75b)を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部48が配設されている。更に、ゲート部48の下側に、第2始動入賞部31が配設されている。第1および第2始動入賞部30,31は、遊技領域75を流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口30a,31aが設けられる。ここで、第1始動入賞部30は、第1始動入賞口30aが遊技領域75に常時開放する常時開放型の入賞部とされ、第2始動入賞部31は、所定の開放条件および閉鎖条件に従って第2始動入賞口31aが始動用開閉部材(開閉手段)31bにより開閉される開閉型の入賞部とされている。なお、第2始動入賞部31は、始動用開閉部材31bを開閉作動する始動入賞ソレノイド32(図3参照)を備え、該始動入賞ソレノイド32がパチンコ機10の裏側に配置されたメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)によって駆動制御されるよう構成される。
前記第1および第2始動入賞部30,31は、該第1および第2始動入賞口30a,31aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段(検出手段)としての始動入賞検出センサ34,35(図3参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号の入力を賞球の払出条件として払出制御基板90に制御信号を出力して球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。また、第1および第2始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件(遊技開始条件,始動条件)とし、該開始条件(遊技開始条件,始動条件)の成立を契機として前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が各種入賞情報(大当り判定用乱数等の遊技情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記表示装置17において図柄変動演出を実行するように、該表示装置17を後述するサブ制御基板65,70が制御するよう構成される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、始動入賞検出センサ34,35がパチンコ球を検出したことを特定条件の成立として、該特定条件の成立を契機としてメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が当り判定を行うよう構成されている。
また、前記表示装置17での図柄変動演出の結果、該表示装置17に所定の当り表示(予め定められた特定表示)となる組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等の特定表示結果)で図柄(飾図)が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(以後、大当り遊技という)が付与され、大当り遊技の発生に伴って特別入賞部40の特別入賞口40aを所定の開放条件で開放する大当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。すなわち、実施例では、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられる大当り遊技が、遊技者に有利な特定遊技状態として設定されている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部(入賞部)40は、遊技領域75(第2球流下経路75b)に開口する特別入賞口(入賞口)40aを開閉自在に閉成する特別用開閉部材(開閉手段)40bを備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図3参照)の駆動に伴って特別用開閉部材40bが閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口40aに入賞したパチンコ球を検出する特別検出手段(検出手段)としての特別入賞検出センサ44(図3参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出(すなわち特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞による検出条件の成立)すると、検出信号をメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に出力し、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、特別入賞検出センサ44からの検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口40aを開閉する大当り遊技が付与される場合(特定条件判定手段での判定結果が肯定の場合)に、前記表示装置17による図柄変動演出の終了後にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)によって駆動制御される。実施例のパチンコ機10では、特別用開閉部材40bの開閉態様が異なる複数種類の大当り遊技が設定されており、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、大当り遊技の種類に応じた開閉条件に従って特別入賞ソレノイド42を駆動制御するよう構成される。実施例のパチンコ機10では、特別入賞ソレノイド42が駆動制御されて特別入賞口40aが開放した状態(特別入賞ソレノイド42の作動中)が有効状態として設定されている。
(ゲート部48について)
前記ゲート部48には、該ゲート部48をパチンコ球が通過したことを検出する検出手段としてのゲートセンサ49(図3参照)が配設される。ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)への検出信号の入力、すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過による検出条件の成立)に伴って各種通過検出情報(乱数等の遊技情報)が取得され、この取得した遊技情報に基づいて普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果、第2始動入賞口31aを開閉する普図当り遊技が付与される場合に、前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて始動用開閉部材31bが開閉動作するようになっている。
(普通入賞部45について)
図2に示すように、前記普通入賞部45は、前記遊技領域75の左下部位置(第1球流下経路75a)において、パチンコ球が入賞可能な普通入賞口45aが上方に常時開口するよう前記遊技盤20に設けられており、第1球流下経路75aを流下するパチンコ球が一定の確率で普通入賞口45aに入賞し得るようになっている。普通入賞部45は、普通入賞口45aに入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての普通入賞検出センサ47(図3参照)が設けられている。前記普通入賞検出センサ47は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されている。そして、普通入賞検出センサ47からの検出信号がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)が賞球の払い出しを決定し、前記払出制御基板90に制御信号を出力して前記球払出装置91に予め設定された数の賞球を払い出させるようになっている。
実施例のパチンコ機10は、複数種類のエラーの夫々を個別に検出可能な複数のエラー検出手段(エラー検出センサ)を備えている。エラー検出手段として、振動を検出する振動検出センサ200、電波を検出する電波検出センサ201、磁気を検出する磁気検出センサ202、パチンコ球が貯留される貯留部の満杯状態を検出する満杯検出センサ203等を、実施例のパチンコ機10は備えている。なお、以下に、振動検出センサ200、磁気検出センサ202、満杯検出センサ203について説明する。また、エラー検出手段としては、その他の種類のエラーを検出可能な各種のセンサを備えることができる。
(振動検出センサ200)
実施例のパチンコ機10は、遊技盤20の振動を検出可能な振動検出センサ(振動検出手段)200を備えている(図3参照)。この振動検出センサ200は、例えば所定の周波数の衝撃を検出すると2つの状態系のバランスが変化するマルチバイブレータ回路を備えており、遊技者が当該パチンコ機10の前枠13や上球受け皿14等を故意に叩いた場合に、これによる振動を検出してメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)へ検出信号を出力するようになっている。これにより、パチンコ機10の前枠13や上球受け皿14等を故意に叩いて遊技盤20に衝撃を与えることで、各種入賞口30a,31a,40a,45aに入賞したパチンコ球が対応する入賞検出センサ34,35,44,47で検出される際にチャタリング等を発生させて複数個のパチンコ球が入賞した(検出した)ものとする不正行為等を認識することが可能となっている。また、振動検出センサ200からの検出信号(振動検出信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は振動検出状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
(電波検出センサ201)
実施例のパチンコ機10は、電波出力機器から出力された電波を検出可能な電波検出センサ(電波検出手段)201を備えている(図3参照)。この電波検出センサ201は、前記始動入賞検出センサ34,35が、遊技盤20の前側において電波出力機器から出力された電波を検出可能な場合に該電波を検出可能な姿勢、位置に配設されており、電波を検出した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検出信号を出力する。従って、電波出力機器を使用した始動入賞検出センサ34,35に対する不正行為を、電波検出センサ201により認識することが可能となっている。また、電波検出センサ201からの検出信号(電波検出信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は電波検出状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
(磁気検出センサ202)
実施例のパチンコ機10は、磁気発生機器から出力された磁気を検出可能な磁気検出センサ(磁気検出手段)202を備えている。この磁気検出センサ202は、遊技盤20の前側において磁気発生機器から発生した磁気を、前述した各入賞検出センサ34,35,44,47が検出可能な場合に該磁気を検出可能な姿勢、位置に配設されており、磁気を検出した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検出信号を出力する。従って、磁気発生機器を使用した各入賞検出センサ34,35,44,47に対する不正行為を、磁気検出センサ202により認識することが可能となっている。また、磁気検出センサ202からの検出信号(電波検出信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は磁気検出状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。
(満杯検出センサ203)
実施例のパチンコ機10は、前記上下の球受け皿14,15に貯留されたパチンコ球が所定量に達したか否か(満杯)を検出する満杯検出センサ(満杯検出手段)203を備えている。この満杯検出センサ203は、球払出装置91から払い出されたパチンコ球を上下の球受け皿14,15に案内する球通路に設けられており、上下の球受け皿14,15がパチンコ球で満杯となって球通路までパチンコ球が貯留されることで満杯検出センサ203が満杯状態を検出するよう構成される。満杯検出センサ203は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該満杯検出センサ203が満杯状態を検出した際にメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に対して検出信号(満杯検出信号)を出力する。そして、満杯検出センサ203からの検出信号(満杯検出信号)がメイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に入力されると、該メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は満杯状態を示す後述するエラー情報を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し得るよう構成されている。なお、実施例では、満杯検出センサ203として機械式のスイッチが用いられており、該スイッチがON状態となったときに検出信号を出力して満杯状態を検出し、該スイッチがOFF状態となることで満杯状態を検出しなくなるよう構成されている。実施例では、上下の球受け皿14,15および球通路が、パチンコ球を貯留する貯留部とされる。
(特図表示部50A,50Bについて)
前記パチンコ機10には、前記第1始動入賞口30aおよび第2始動入賞口31aへの入賞を契機として行われる特図当り抽選(大当り判定)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する特図表示部(特別表示手段)50A,50Bが設けられている。特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30aへの入賞(第1始動入賞検出センサ34による検出)を契機として特図の変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31aへの入賞(第2始動入賞検出センサ35による検出)を契機として特図の変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなる。そして、前記第1始動入賞口30aへのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの表示部に表示される特図が変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に表示部に複数種類の特図の内の1つを確定的に表示するようになっている。また、第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの表示部に表示される特図が変動表示(以下特図変動表示という場合がある)が行われ、最終的に表示部に複数種類の特図の内の1つを確定的に表示するようになっている。
各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、当りの当選を認識し得る当り表示(大当り図柄)としての複数種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、大当り表示としての特図が表示されることで、当り表示に対応した大当り遊技が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(普図表示部55について)
前記パチンコ機10には、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り抽選(普図当り判定)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する普図表示部55が設けられている。普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。そして、普図表示部55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
(表示装置17について)
前記表示装置17には、図2に示すように、演出図柄としての前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30aまたは第2始動入賞口31aへの入賞(始動条件の成立)を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置(図柄が確定停止表示される位置、確定停止表示領域)27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ラインに確定停止表示される飾図の図柄組み合わせ図柄(表示結果)を導出するようになっている。すなわち、表示装置17では、始動条件の成立を契機として飾図(演出図柄)を変動表示した後に、所定の飾図(演出図柄)を有効停止位置27に確定停止するよう構成される。なお、実施例の表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図(演出図柄)の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図(演出図柄)からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の表示装置17には、1つの停止図柄有効ラインが設定されている。
前記表示装置17の表示部17aでは、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に確定停止表示されるようになっている。飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、各始動入賞検出センサ34,35の検出に基づく図柄変動演出(特図変動表示)の特図変動インターバル時間として600ms(ミリ秒)が設定されている。
ここで、実施例に係る表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。また前記飾図には、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄に分類されている。
そして、前記表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、大当り遊技(当り遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせが設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、表示装置17に表示される大当り表示となり、該大当り表示が表示された図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。すなわち、実施例では、有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される結果が、大当り遊技を付与する特定表示結果として設定されている。一方で、表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の飾図が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせから、原則的には大当り遊技が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、表示装置17のはずれ表示となる。但し、3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせ(特定表示結果)を、所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。
ここで、前記第1特図表示部50Aと表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特図2と飾図とが確定停止表示される。また、前記表示装置17には、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、特図表示部50A,50Bに表示される特図と、表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、特図表示部50A,50Bに特図が確定停止されると共に、表示装置17の図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
また、前記表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、表示装置17の停止図柄有効ラインに停止表示された図柄組み合わせから大当りまたははずれを認識できる。
前記表示装置17は、画像を表示可能な複数のレイヤを積層表示することで、任意の画像を表示し得るよう構成されている。すなわち、表示する画像を複数層のレイヤに分けて積層表示し、背景等を表示する不透明なレイヤの前側のレイヤに遊技者に視認させたい画像を表示すると共に、遊技者に視認させたくない画像を不透明なレイヤの後側のレイヤに表示することで、遊技者に視認させたい画像のみを表示部17aに視認可能に表示することができる。なお、このようなレイヤを用いた画像処理においては、不透明なレイヤの後側のレイヤに表示される画像は、遊技者には視認不能な状態となっていることから、遊技者にとっては実行されていないことに等しい状態となる。そして、表示装置17では、図柄表示演出と、後述するエラー表示(エラー報知)とを、レイヤ処理によって遊技者や店員に視認可能に表示したり視認不能な状態とすることが任意に可能になっているが、該レイヤ処理については後述する。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞部40の特別用開閉部材40bが特別入賞ソレノイド42によって開閉動作される。大当り遊技では、特別入賞部40の特別用開閉部材40bを開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(例えば6回、10回等)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口40aに規定個数(例えば9個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(ラウンド時間より短かい時間)だけ特別用開閉部材40bが閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。また、メイン制御CPU60aは、大当り遊技が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている大当りフラグが「1」となっている場合に、大当り遊技中であることを認識し得るようになっている。なお、大当り遊技が終了すると、メイン制御CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口40aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。確変機能は、特図当り抽選の結果、特図表示部50A,50Bに確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)を低確率から高確率に変動させる確変状態を付与する機能である。また、メイン制御CPU60aは、確変状態が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される確変フラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている確変フラグが「1」となっている場合に、確変状態中であることを認識し得るようになっている。なお、確変状態の終了条件が成立すると、メイン制御CPU60aは、確変フラグに「0」を設定する。また、前述したように、前記表示装置17の各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に前記第1の識別図柄(飾図)が確定停止表示されることで、大当り遊技終了後に確変状態が付与されるよう構成されており、実施例のパチンコ機10では、第1の識別図柄の図柄組合わせの表示結果が、遊技者に有利な確変状態(特定遊技状態)を付与するための特定表示結果として設定されている。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31aを開放する始動用開閉部材31bの開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称する。
実施例では、特図当り判定の結果、特図表示部50A,50Bに確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類に応じて変短状態を大当り遊技後に付与するか否かが定まるよう構成されている。なお、変短状態の付与期間は、大当り遊技後の一定期間としたり、特図当り判定に当選した時点における遊技状態や大当り図柄の種類の組み合わせによって異なるように設定することができる。そして、大当り遊技の終了後に変短状態が付与される場合は、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cの記憶領域に設定された変短フラグに「1」を設定し、変短状態が付与されない場合は該変短フラグは「0」に設定される。この変短フラグは、変短状態が付与されている間は変更されず、変短フラグが「1」となっていることでメイン制御CPU60aは変短状態中であることを認識し得る。なお、変短状態の終了条件が成立すると、メイン制御CPU60aは、変短フラグに「0」を設定する。
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図3に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する演出制御基板65と、表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記演出制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出(図柄組合せ演出)の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、演出制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御する。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図3に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記第1始動入賞検出センサ34、第2始動入賞検出センサ35、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ47、ゲートセンサ49、振動検出センサ200、電波検出センサ201、磁気検出センサ202、満杯検出センサ203等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31aを開閉する始動用開閉部材31bに連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口40aを開閉する特別用開閉部材40bに連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材31b,40bが開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で特別開閉部材40bが開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御するよう構成されると共に、前記普図当り抽選に当選した場合には予め定められた開閉態様で始動用開閉部材31bが開閉するよう前記始動入賞ソレノイド32を駆動制御するよう構成される。
前記メイン制御CPU60aは、前記第1および第2始動入賞口30a,31aへパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1および第2始動入賞検出センサ34,35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した入賞情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)を行い、該特図当り抽選に当選した場合は、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるよう構成される。また、メイン制御CPU60aは、前記ゲート部48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。そして、メイン制御CPU60aは、取得した入賞情報に基づいて普図当り抽選(普図当り判定)を行い、該普図当り抽選に当選した場合は、普図当り遊技を付与するよう構成される。なお、メイン制御CPU60aは、普図当り遊技が付与されている間は、メイン制御RAM60cに記憶される普図当りフラグに「1」を設定し、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている普図当りフラグが「1」となっている場合に、普図当り遊技中であることを認識し得るようになっている。なお、普図当り遊技が終了すると、メイン制御CPU60aは、普図当りフラグに「0」を設定する。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。すなわち、メイン制御RAM60cは、各種情報を書き換え可能に記憶する記憶手段としての機能を有している。
(特図変動パターンについて)
前記メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特図1または特図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
(演出制御基板について)
前記演出制御基板65には、演出制御CPU65aが備えられている。該演出制御CPU65aには、図3に示す如く、演出制御ROM65bおよび演出制御RAM65cが接続されている。また、演出制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を演出制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。すなわち、演出制御RAM65cは、各種情報を書き換え可能に記憶する記憶手段としての機能を有している。
ここで、前記演出制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定するようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aが取得した入賞情報(乱数値)に基づいて、前記表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を決定する演出内容決定手段として機能するよう構成されている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して1つまたは複数の演出パターンが対応付けられており、特図変動パターンに対応した演出パターンの中から1つの演出パターンを演出制御CPU65aが決定するよう構成されている。
前記演出制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための演出制御プログラムが記憶されている。演出制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該演出制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
(表示制御基板70について)
次に、図3に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
ここで、前記表示制御ROM70bには、画像データとして、後述する各種エラー(報知)表示の画像データが記憶されている。具体的には、「メイン基板エラー」に対応する「メイン基板エラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「磁気検出センサエラー」に対応する「磁気検出センサエラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「電波検出センサエラー」に対応する「電波検出センサエラー」および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する画像データ、「振動検出センサエラー」に対応する「振動検出センサエラー」の文字を表示する画像データ、「満杯エラー」に対応する「球を抜いて下さい」の文字を表示する画像データ、「右打ちエラー」に対応する「左打ちに戻して下さい」の文字を表示する画像データの夫々が表示制御ROM70bに記憶されている(図6,図7参照)。また、表示制御ROM70bには、後述する電源断後の復電時において復電処理が実行された旨を示す復電処理実行報知に対応する画像データとして、「復電処理が実行されました」の文字を表示する画像データが記憶されている(図8参照)。
(払出制御基板90について)
前記払出制御基板90には、外部端子板92が接続されていると共に、該外部端子板92に設けられた出力端子にホールコンピュータHCが接続されるようになっている。そして、メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)は、払出制御基板90および外部端子板92の出力端子を介してホールコンピュータHCに対して、パチンコ機10の動作状態やエラー情報等の各種の遊技情報を出力可能に構成されている。
(電源基板100について)
前記パチンコ機10には、遊技場の外部電源(例えば、AC24V)から各部の必要電源電圧を生成して、パチンコ機10を構成する各種構成部材に供給する電源基板100が配設されている。この電源基板100には、図3に示す如く、パチンコ機10に供給する電源のON−OFFを切り替える電源スイッチ101と、制御RAM60c,65cを初期化(クリア)させるためのクリアスイッチ102が設けられている。また電源基板100には、前記電源スイッチ101に接続し、該電源スイッチ101のON−OFFの切り替えに応じてメイン制御基板60に電源ON信号、電源OFF信号を出力する電源断監視回路103が設けられると共に、前記クリアスイッチ102に接続するクリアスイッチ回路104が設けられている。実施例では、クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作したときに限り、クリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力し、該クリア信号を受けたメイン制御基板60、演出制御基板65がメイン制御RAM60c、演出制御RAM65cを初期化するクリア処理を行うよう設定される。すなわち、実施例では、電源スイッチ101、クリアスイッチ回路104およびクリアスイッチ102からクリア手段が構成される。なお、クリアスイッチ回路104とクリアスイッチ102とからクリア手段を構成し、クリアスイッチ102をON操作したときにクリアスイッチ回路104からメイン制御基板60、演出制御基板65にクリア信号を出力する構成を採用し得る。また、以後の説明において、クリア処理が実行されることを、「RAMクリア」と指称する場合がある。
ここで、前記クリアスイッチ102をON操作した状態で電源スイッチ101をON操作することで電源供給が開始(電源投入)されてから、クリア処理が可能となるまでに所定のタイムラグ(数秒)があり、実施例では、エラーの1種類として設定された「RAMクリア」が発生した場合に、該「RAMクリア」が発生したことを報知する後述するRAMクリア報知は、前記タイムラグの経過後から予め設定された時間(実施例では30秒)の間継続するよう構成されている。なお、RAMクリア報知の開始を、電源投入時とすることができる。
図3に示す如く、前記電源基板100には、遊技場の外部電源(AC24V)をパチンコ機10の各種電気部品へ供給される電源電圧(例えば、DC30V)に変換処理する電源回路(電源手段)105が設けられている。電源回路105には、各制御基板60,65,70,90が接続されており、該電源回路105は、変換処理された後の電源電圧を各制御基板60,65,70,90に対応する供給すベき所定の電源電圧に変換処理し、変換後の電源電圧を対応する制御基板60,65,70,90に供給するよう構成される。なお、電源回路105から各制御基板60,65,70,90に供給された電源電圧が、各制御基板60,65,70,90に配線接続される各種の電気機器に供給される。
前記電源基板100には、前記電源回路105に接続する前記電源断監視回路103が設けられ、該電源断監視回路103は、電源回路105に供給される電源電圧(以下、監視電源電圧という場合もある)の電圧値を監視するよう構成される。具体的には、電源断監視回路103は、監視電源電圧が所定の電圧(以下、閾値電圧という場合もある)に降下したか否かを判定する。なお、この閾値電圧は、遊技に支障を来たすことなくパチンコ機10の電気部品(例えば、検出センサ)を動作させるために最低限必要な電圧(例えば、DC20V)とされる。ここで、監視電源電圧が閾値電圧に降下するのは、例えば、電源断(電源OFF)時や停電時の場合である。この場合、パチンコ機10に電力が供給されなくなってしまうため、監視電源電圧が閾値電圧に降下する。なお、閾値電圧は、電気部品が動作停止する電圧に対して所定のマージンだけ高い値に設定されている。
前記電源基板100には、前記電源断監視回路103に接続するリセット信号回路106が設けられている。電源断監視回路103は、判定結果が肯定(すなわち、監視電源電圧が閾値電圧以下となった状態)である場合に、メイン制御基板60、演出制御基板65およびリセット信号回路106に対して監視電源電圧が閾値電圧に降下したことを示す電源断信号を出力するよう構成される。また、リセット信号回路106は、電力供給の開始時(電源投入時や停電解消による復電時)および電源断信号の入力時に、メイン制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板70および払出制御基板90に対してリセット信号を出力し、メイン制御基板60、演出制御基板65、表示制御基板70および払出制御基板90の動作を規制するようになっている。
前記電源基板100には、コンデンサ等のバックアップ電源107が設けられ、パチンコ機10の主電源が切断されて電力の供給が停止した場合(電源スイッチ101のOFFや停電等により外部電源からの電力供給の遮断により電源断監視回路103からの電源断信号が出力された場合)には、バックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給される。バックアップ電源107は、両制御CPU60a,65aが、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている各種情報を後述するバックアップエリアに記憶(書き込み)するのに要する時間に亘って電力を供給し得るよう構成されている。また、両制御RAM60c,65cでは、電力供給が遮断された後もバックアップエリアに記憶されている各種情報は保持し得るよう構成されている。
(復電処理に関する構成について)
前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cには、パチンコ機10の動作中に前記各種情報を一時的に記憶するために用いられる常用記憶エリアの他に、バックアップエリアが設けられている。このバックアップエリアは、停電等によって電力供給が遮断された場合において、電力供給の開始時(復電時)にパチンコ機10の状態を電力供給の遮断時の状態に復帰させるべく、電力供給の遮断時の各種情報を記憶しておくためのエリアである。実施例では、乱数(保留内容)、保留数、特図、普図、タイマ値、フラグ(確変フラグや変短フラグ)等の遊技状態を特定可能な情報やエラー情報等の各種情報(制御情報)が、パチンコ機10の動作中には常用記憶エリアに記憶されると共に、電力供給が遮断された場合においては該常用記憶エリアに記憶されている各種情報がバックアップエリアに記憶されるようになっている。また、バックアップエリアへの記憶(書き込み)は、電力供給の遮断時(電源断信号の入力時)の電源断処理において実行され、該バックアップエリアに記憶された各種情報の読み出し(常用記憶エリアへの記憶)は、電力供給の開始時(復電時)の復電処理において実行される。
また、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aには、電源基板100のバックアップ電源107が接続されている。そして、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、監視電源電圧の遮断時(閾値電圧への降下)において、バックアップ電源107から供給される電源電圧(例えば、DC5V)によって動作が保証されている間に、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cの常用記憶エリアに記憶されている各種情報をバックアップエリアに記憶し、電源回路105からの電力供給の遮断後も各種情報を記憶保持し得るように構成されている。すなわち、電力供給の遮断時におけるパチンコ機10の遊技状態、すなわち確変状態や変短状態が付与されているか否か、大当り遊技中であるか否か、保留数等、各種情報をバックアップすることが可能となっている。実施例では、メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cが、電源回路105からの電力供給が遮断されるときの遊技情報を記憶して電力供給の遮断後も保持するバックアップ手段としての機能を有している。
(電源断処理について)
次に、電力供給が遮断された際に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが実行する電源断処理について説明する。
メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、電源断監視回路103からの電源断信号が入力されると、対応する制御RAM60c,65cに記憶された制御プログラムのうちの電源断処理プログラムに基づき、電源断処理を実行する。前記電源断監視回路103は、監視電源電圧が閾値電圧まで降下したタイミングにおいて、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aおよびリセット信号回路106に電源断信号を出力する。これにより、パチンコ機10の各種構成部材が動作不能となる前に、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aが夫々電源断処理を実行する。
電源断処理では、電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電力が供給されるもとで、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。次に、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cへのアクセスを禁止し、リセット信号回路106からのリセット信号の入力を待機する。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制する。そして、電力供給が遮断した後は、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
(電源投入時の処理について)
パチンコ機10へ電源投入(電力供給の開始)された場合は、前記リセット信号回路106は、所定の規制時間が経過するまでの間、メイン制御CPU60a、演出制御CPU65aおよび表示制御CPU70aに対してリセット信号を継続出力する。メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、一旦入力されたリセット信号の入力が停止すると、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている電源投入処理プログラムに基づき、電源投入処理(復電処理)を実行する。この電源投入処理では、前記クリアスイッチ102が操作されているか否かを判定し、否定の場合は対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また、電源投入処理において前記クリアスイッチ102が操作されていると判定された場合は、各制御RAM60c,65cに記憶保持されていた各種制御情報を消去(RAMクリア)する。電力供給の遮断前の状態に復帰した演出制御CPU65aは、演出制御RAM65cにて記憶管理されている制御情報を指定する各種制御コマンドを表示制御CPU70aに出力する。そして、表示制御CPU70aは、演出制御CPU65aから入力された制御コマンドに基づいて表示装置17の表示内容を制御する。
前記電源投入処理プログラムに基づき実行される電源投入処理について、図5に基づき説明する。電源投入処理では、電力供給が開始(電源スイッチ101のON操作および停電解消による電力供給の再開)された場合(ステップA10)、制御CPU60a,65aは、ステップA11でクリアスイッチ102がONか否かを判定する。そして、ステップA11の判定結果が肯定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作された場合は、制御CPU60a,65aは対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報を消去(初期化)し(ステップA12)、電源投入処理を終了する。一方、ステップA11の判定結果が否定の場合、すなわちクリアスイッチ102がON操作されていない場合には、制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させ(ステップA13)、電源投入処理を終了する。
(エラーについて)
前記パチンコ機10に発生するエラーについて説明する。実施例では、図4に示す如く、9種類のエラーを挙げて説明するが、該エラーの数や種類はこれに限られるものではない。図4に示す如く、各エラーには、該エラーが発生した場合に、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19等の報知態様が異なる複数種類の報知手段によりエラーが発生したことを報知する優先順位(優先度)が1,2,3,…7と設定されている。実施例では、優先順位1として「RAMクリア」が設定され、優先順位2として「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」が設定され、優先順位3として「振動検出センサエラー」が設定され、優先順位4として「特別電動役物不正入賞エラー」が設定され、優先順位5として「普通電動役物不正入賞エラー」が設定され、優先順位6として「満杯エラー」が設定され、優先順位7として「右打ちエラー」が設定されている。そして、優先順位が異なる複数のエラーが重複して発生した場合は、優先順位が上位(数値が小さいもの)のエラーが発生したことを示すエラー報知(表示)が優先して実行される。
例えば、優先順位2の「磁気検出センサエラー」と優先順位6の「満杯エラー」とが同時に発生した場合には、優先順位2の「磁気検出センサエラー」に対応するエラー報知が優先して実行される。そして、優先順位2の「磁気検出センサエラー」の報知が解除された際に、まだ優先順位6の「満杯エラー」が解除(解消)されていない場合には、優先順位6の「満杯エラー」のエラー報知が実行される。また、優先順位6の「満杯エラー」のエラー報知が実行されているときに優先順位2の「磁気検出センサエラー」が発生すれば、優先順位2の「磁気検出センサエラー」のエラー報知が優先して報知される。また、優先順位2の「磁気検出センサエラー」のエラー報知が実行されているときに優先順位6の「満杯エラー」が発生した場合は、優先順位2の「磁気検出センサエラー」のエラー報知を継続したまま、優先順位6の「満杯エラー」のエラー報知は実行しないようになっている。但し、実施例のパチンコ機10では、後述するように報知手段としての表示装置17で同時にエラー報知を実行可能な種類のエラーについては、エラーが重複して発生した場合には優先順位に関係なく表示装置17に各エラーを特定する複数のエラー報知を並行して表示し得るようになっている。なお、報知手段17,18,19で実行されるエラー報知に関し、表示装置17で実行されるエラー報知についてはエラー表示と指称して区別し、表示装置17および他の報知手段(ランプ装置18、スピーカ19)を含んでエラー報知が実行されることをいう場合にはエラー報知と指称する場合がある。
なお、実施例におけるエラーとは、正常な動作が行われていない状態に限らず、正常な動作が行われている状態であっても、パチンコ機10のセキュリティに関する脅威が存在するおそれのある状態も含まれる。
ここで、前記パチンコ機10では、各種の遊技条件(大当り確率や普図当り確率等)が異なる状態でメイン制御CPU60aの制御下に遊技が進行される複数種類の遊技状態や、演出制御CPU65aの制御下に表示装置17,ランプ装置18,スピーカ19等で実行される演出内容が異なる複数種類の演出モード等が設定されている。そして、実施例のパチンコ機10では、前記エラーが発生したときの遊技状態や演出モードに対応して、該エラーが発生したことを示すエラー報知の態様が異なるように設定されているが、以下では遊技状態が異なる場合にエラー報知の態様が異なる例を挙げて説明する。なお、実施例のパチンコ機10では、前記遊技状態として、大当り遊技が付与された状態(以後、大当り状態という場合がある)、確変状態、変短状態、通常状態(確変状態および変短状態が付与されていない状態)が設定されており、図4を参照した下記の各エラーの説明においては、通常状態でエラーが発生した場合のエラー報知の態様を説明し、各遊技状態でエラー報知の態様が異なる点については図9を参照して後述するものとする。実施例では、各種の遊技状態や演出モードが、パチンコ機10において各種の制御状況で制御される状態である。
(RAMクリアについて)
優先順位1の「RAMクリア」は、遊技情報を記憶している記憶手段(メイン制御RAM60c、演出制御RAM65c等)の記憶情報を消去(クリア)する初期化処理を実行するために、RAMクリア操作(クリアスイッチ102を押しながら電源スイッチ101をONする操作)が行われたことを条件としてメイン制御CPU60aが発生したと判定するエラーである。メイン制御CPU60aにより「RAMクリア」が発生したと判定された場合、メイン制御CPU60aは、該「RAMクリア」が発生したことを特定するRAMクリア指定コマンド(エラー情報)を出力する。そして、演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、入力されたRAMクリア指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73に出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73はRAMクリア指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してRAMクリア報知(エラー報知)を実行させる。具体的には、パチンコ機10の前枠正面に設けられたランプ装置18を全点灯し、スピーカ19からは、「RAMクリア」を特定可能に予め設定されたRAMクリア音が出力される。このRAMクリア音は、電源を切断(OFF)にでもしない限り30秒間に亘り継続して出力される。その間、表示装置17の表示部17aには、特に「RAMクリア」を特定する画像(エラー表示)等は表示されず、パチンコ機10に設定される初期画像(初期図柄)が表示される。そして、報知開始から所定時間(例えば30秒)が経過すると「RAMクリア」の報知は解除される。すなわち、RAMクリア報知の解除条件(報知終了条件)は、報知開始(RAMクリアの検出)からの経過時間となっている。なお、実施例のパチンコ機10では、基本的には前述したようにエラーが発生したときの遊技状態に対応してエラー報知の態様が異なるように設定されているが、記憶手段(制御RAM60c,65c)を初期化する「RAMクリア」については、RAMクリア報知の態様は各種の遊技状態で共通とされている。
ここで、「RAMクリア」が発生した場合は、表示装置17の表示部17aに初期画像(初期図柄)が表示されることから、当該初期画像(初期図柄)を表示することが、表示装置17によるRAMクリア表示(エラー報知)と言える。すなわち、実施例では、表示部17aに表示される初期画像(初期図柄)が、初期化処理の実行を示す初期化処理実行表示となる。また、表示部17aに表示される初期画像では、初期図柄(初期飾図)は前記有効停止位置27に停止表示されるように設定されており、該有効停止位置(確定停止表示領域)27が、初期化処理実行表示の表示領域として設定されている。また、有効停止位置27に停止表示される初期図柄は、後述する振動エラー用表示領域204、満杯エラー用表示領域205、右打ちエラー用表示領域206と重ならないよう構成される。
(メイン基板エラーについて)
優先順位2の「メイン基板エラー」は、メイン制御基板60が備えるメイン制御CPU60aに異常が発生した場合のエラーである。具体的には、メイン制御CPU60aが備える乱数回路が乱数確認信号を正常に出力しているか否かをメイン制御CPU60aが監視し、乱数確認信号が正常に出力されていない場合に、メイン制御CPU60aが「メイン基板エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「メイン基板エラー」が発生したと判定した場合は、「メイン基板エラー」が発生したことを示すメイン基板エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、メイン基板エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73にメイン基板エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73はメイン基板エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御してメイン基板エラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17によるメイン基板エラー表示は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面(背景)を同一色(通常状態では不透明な黄色)で表示した状態で、図6(a)に示す如く、「メイン基板エラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、メイン基板エラー表示では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた図柄(飾図)や背景等は全てメイン基板エラー表示(エラー表示)の表示(画像)によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18によるメイン基板エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点灯する。更に、スピーカ19によるメイン基板エラー報知は、「メイン基板に異常を検出しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19によるメイン基板エラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、メイン基板エラー報知の解除条件(報知終了条件)は、電源の切断(OFF)となっている。
(磁気検出センサエラーについて)
優先順位2の「磁気検出センサエラー」は、前記磁気検出センサ(エラー検出手段)202が磁気を検出した場合のエラーである。具体的には、磁気検出センサ202が磁気を所定時間(例えば、300ms)の間連続して検出した場合に、メイン制御CPU60aが「磁気検出センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「磁気検出センサエラー」が発生したと判定した場合は、「磁気検出センサエラー」が発生したことを示す磁気エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、磁気エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73に磁気エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は磁気エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して磁気検出センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による磁気検出センサエラー表示(エラー表示)は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面(背景)を同一色(通常状態では不透明な黄色)で表示した状態で、図6(b)に示す如く、「磁気検出センサエラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、磁気検出センサエラー表示では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた図柄(飾図)や背景等は全て磁気検出センサエラー表示の表示(画像)によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18による磁気検出センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を黄色で点灯する。更に、スピーカ19による磁気検出センサエラー報知は、「磁気検出センサが反応しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による磁気検出センサエラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、磁気検出センサエラー報知の解除条件(報知終了条件)は、電源の切断(OFF)となっている。
(電波検出センサエラーについて)
優先順位2の「電波検出センサエラー」は、前記電波検出センサ(エラー検出手段)201が電波を検出した場合のエラーである。具体的には、電波検出センサ201が電波を所定時間の間に所定回数(例えば、10回)検出した場合に、メイン制御CPU60aが「電波検出センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「電波検出センサエラー」が発生したと判定した場合は、「電波検出センサエラー」が発生したことを示す電波エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、電波エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73に電波エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は電波エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して電波検出センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による電波検出センサエラー表示は、表示部17aの全画面を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面(背景)を同一色(通常状態では不透明な黄色)で表示した状態で、図6(c)に示す如く、「電波検出センサエラー」の文字および「係員をお呼び下さい」の文字を表示する。すなわち、電波検出センサエラー表示では、エラー発生前までに表示装置17の表示部17aに表示されていた図柄(飾図)や背景等は全て電波検出センサエラー表示の表示(画像)によって隠れて遊技者から見えなくなる。また、ランプ装置18による電波検出センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を緑色で点灯する。更に、スピーカ19による電波検出センサエラー報知は、「異常を検出しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による電波検出センサエラー報知は、電源が切断(OFF)されるまで継続するよう構成される。すなわち、電波検出センサエラー報知の解除条件(報知終了条件)は、電源の切断(OFF)となっている。
ここで、優先順位2(同じ優先順位)に設定(分類)されている「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」および「電波検出センサエラー」が発生した場合に表示装置17で実行されるエラー表示は、何れも表示部17aの全画面を用いて表示されるものであって、「全画面エラー」または「同一順位エラー」と指称する場合もある。すなわち、全画面エラー(後述する第1種エラー)が発生したことを示すエラー表示のエラー表示領域は、表示部17aの全領域である。また、実施例のパチンコ機10では、メイン制御CPU60aがエラー発生と判定する条件が異なる複数のエラーを同一順位エラーに分類している。そして、実施例のパチンコ機10では、優先順位が異なる複数のエラーが重複して発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、優先順位が上位(数値が小さいもの)のエラーが発生したことを示すエラー報知を報知手段17,18,19で優先して実行させる一方で、同一順位エラーが重複して発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、後に発生した同一順位エラーのエラー報知を報知手段17,18,19で実行させるよう構成されている。例えば、報知手段17,18,19でメイン基板エラー報知の実行中に、「磁気検出センサエラー」または「電波検出センサエラー」が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、演出制御CPU65aの制御下に報知手段17,18,19で磁気検出センサエラー報知または電波検出センサエラー報知を実行させるようになっている。同様に、報知手段17,18,19で磁気検出センサエラー報知の実行中に、「メイン基板エラー」または「電波検出センサエラー」が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、演出制御CPU65aの制御下に報知手段17,18,19でメイン基板エラー報知または電波検出センサエラー報知を実行させるようになっている。具体的に、メイン制御CPU60aは、エラーが発生したと判定した場合には、前述したように発生したエラーを特定するエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御CPU65aに出力しており、演出制御CPU65aは、入力された同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドに基づいてエラー報知を実行中に、新たに同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドが入力された場合(メイン制御CPU60aが同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドを出力した場合)に、後から入力された同一順位エラーを特定するエラー指定コマンドに基づくエラー報知を報知手段17,18,19で優先して実行させるよう構成されている。
(振動検出センサエラーについて)
優先順位3の「振動検出センサエラー」は、前記振動検出センサ(エラー検出手段)200が振動を検出した場合のエラーである。具体的には、特定の条件下において振動検出センサ200が振動を所定時間(例えば、200ms)の間連続して検出した場合に、メイン制御CPU60aが「振動検出センサエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「振動検出センサエラー」が発生したと判定した場合は、「振動検出センサエラー」が発生したことを示す振動エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、振動エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73に振動エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、ランプ制御基板72、音制御基板73は振動エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して振動検出センサエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による振動検出センサエラー表示(エラー表示)は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな振動エラー用表示領域(表示領域)204に、図7(a)に示す如く、「振動検出センサエラー」の文字を表示する。この振動エラー用表示領域204は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図(演出図柄)が振動検出センサエラー表示の表示によって隠れることがないよう構成される。なお、表示装置17による振動検出センサエラー表示では、表示部17aで進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像の前に、振動エラー用表示領域204(図7(a)において二点鎖線で囲った領域)の全体が黄色(通常状態の場合)に表示され、該黄色の背景色の中に「振動検出センサエラー」の文字画像が表示される。また、ランプ装置18による振動検出センサエラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を白色で点灯する。更に、スピーカ19による振動検出センサエラー報知は、「振動検出センサが反応しました」の音声を出力する。そして、表示装置17、ランプ装置18およびスピーカ19による振動検出センサエラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、振動検出センサエラー報知の解除条件(報知終了条件)は、報知開始(振動検出センサエラーの発生)からの経過時間となっている。
(特別電動役物不正入賞エラーについて)
優先順位4の「特別電動役物不正入賞エラー」は、大当り遊技が付与されている場合にのみ作動する特別入賞ソレノイド42が作動中でない状態で前記特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出した場合の特別エラーである。この「特別電動役物不正入賞エラー」は、特別入賞ソレノイド42が作動中でない状態(メイン制御CPU60aから特別入賞検出センサ44に対して駆動信号が出力されていない状態、特別入賞ソレノイド42の非励磁状態)で、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出した場合に、メイン制御CPU60aが「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、「特別電動役物不正入賞エラー」が発生したことを示す特別電動役物不正入賞エラー指定コマンド(エラー情報,特別エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力(送信)するよう構成される。実施例では、特別入賞検出センサ44とメイン制御CPU60aとから、「特別電動役物不正入賞エラー」を検出する特別エラー検出手段(エラー検出手段)が構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドが入力されると、ランプ制御基板72、音制御基板73に特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドを出力し、該ランプ制御基板72、音制御基板73は特別電動役物不正入賞エラー指定コマンドに基づいてランプ装置18、スピーカ19を制御して特別電動役物不正入賞エラー報知(エラー報知,特別エラー報知)を実行させる。ランプ装置18による特別電動役物不正入賞エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を赤色で点灯する。更に、スピーカ19による特別電動役物不正入賞エラー報知は、エラー音(例えば、ブーブーという音)を連続で出力する。そして、ランプ装置18およびスピーカ19による特別電動役物不正入賞エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、特別電動役物不正入賞エラー報知の解除条件(報知終了条件)は、報知開始(特別電動役物不正入賞エラーの発生)からの経過時間となっている。また、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生時には、表示装置17ではエラー表示を表示しないよう構成されている。なお、「特別電動役物不正入賞エラー」の発生時に、該「特別電動役物不正入賞エラー」を特定可能な「特別電動役物不正入賞エラー」の文字画像を表示装置17に表示して、該表示装置17でも特別電動役物不正入賞エラー表示(エラー表示,特別エラー表示)を実行するようにしてもよい。
(普通電動役物不正入賞エラーについて)
優先順位5の「普通電動役物不正入賞エラー」は、普図当り遊技が付与されている場合にのみ作動する始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態で、前記第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した場合のエラーである。この「普通電動役物不正入賞エラー」は、始動入賞ソレノイド32が作動中でない状態(メイン制御CPU60aから始動入賞ソレノイド32に対して駆動信号が出力されていない状態、始動入賞ソレノイド32の非励磁状態)で、第2始動入賞検出センサ35が規定個数以上のパチンコ球を検出した場合に、メイン制御CPU60aが「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したと判定した場合は、「普通電動役物不正入賞エラー」が発生したことを示す普通電動役物不正入賞エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。実施例では、第2始動入賞検出センサ35とメイン制御CPU60aとから、「普通電動役物不正入賞エラー」を検出するエラー検出手段が構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドが入力されると、ランプ制御基板72に普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドを出力し、該ランプ制御基板72は普通電動役物不正入賞エラー指定コマンドに基づいてランプ装置18を制御して普通電動役物不正入賞エラー報知(エラー報知)を実行させる。ランプ装置18による普通電動役物不正入賞エラー報知は、前枠前面に設けたランプ装置18を緑色で点灯する。そして、ランプ装置18による普通電動役物不正入賞エラー報知は、報知開始から所定時間(例えば30秒)後に自動的に解除される。すなわち、普通電動役物不正入賞エラー報知の解除条件(報知終了条件)は、報知開始(普通電動役物不正入賞エラーの発生)からの経過時間となっている。また、「普通電動役物不正入賞エラー」の発生時には、表示装置17およびスピーカ19ではエラー報知を行わないよう構成されている。なお、「普通電動役物不正入賞エラー」の発生時に、該「普通電動役物不正入賞エラー」を特定可能な「普通電動役物不正入賞エラー」の文字画像を表示装置17に表示したり、エラー音をスピーカ19から出力するようにして、該表示装置17やスピーカ19でも普通電動役物不正入賞エラー報知を実行するようにしてもよい。
(満杯エラーについて)
優先順位6の「満杯エラー」は、前記満杯検出センサ(エラー検出手段)203が上下の球受け皿14,15の満杯状態を検出した場合のエラーである。具体的には、満杯検出センサ203がON状態となり、該満杯検出センサ203からの検出信号(満杯検出信号)がメイン制御CPU60aに入力された場合に、該メイン制御CPU60aが「満杯エラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「満杯エラー」が発生したと判定した場合は、「満杯エラー」が発生したことを示す満杯エラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、満杯エラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、音制御基板73に満杯エラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、音制御基板73は満杯エラー指定コマンドに基づいて表示装置17、スピーカ19を制御して満杯エラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による満杯エラー表示(エラー表示)は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな満杯エラー用表示領域(表示領域)205に、図7(b)に示す如く、「球を抜いて下さい」の文字を表示する。この満杯エラー用表示領域205は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図(演出図柄)が満杯エラー表示の表示によって隠れることがないよう構成される。また、満杯エラー用表示領域205は、前記振動エラー用表示領域204とも重ならない位置に設定されており、前記「振動検出センサエラー」および「満杯エラー」が重複して発生した場合に、実施例のパチンコ機10では両エラーの報知を表示装置17の表示部17aに同時に表示し得るようになっている。なお、表示装置17による満杯エラー表示では、表示部17aに進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像の前に、満杯エラー用表示領域205(図7(b)において二点鎖線で囲った領域)の全体が黄色(通常状態の場合)に表示され、該黄色の背景色の中に「球を抜いて下さい」の文字画像が表示される。また、スピーカ19による満杯エラー報知は、「球を抜いて下さい」の音声を出力する。そして、表示装置17による満杯エラー表示は、満杯エラーが解消(解除)されること(すなわち満杯検出センサ203がOFF状態となること)を報知終了条件として解除される。なお、実施例でのスピーカ19による満杯エラー報知は、後述するように「球を抜いて下さい」の音声を1回のみ出力することで終了するよう設定されている。また、満杯エラーの発生時には、ランプ装置18ではエラー報知を行わないよう構成されている。但し、「満杯エラー」の発生時に、該「満杯エラー」を特定可能な発光態様でランプ装置18を点灯させるようにして、該ランプ装置18でも満杯エラー報知を実行することができる。
(右打ちエラーについて)
優先順位7の「右打ちエラー」は、前記右打ちが推奨されない遊技状態において、パチンコ球が前記第2球流下経路75bを流下することを検出した場合のエラーである。具体的には、実施例のパチンコ機10における盤面構成では、大当り遊技や変短状態が付与されていない通常状態では、第2球流下経路75bにパチンコ球を流下させても遊技者にとってメリットがなく、通常状態において前記ゲートセンサ49が規定個数以上のパチンコ球を検出した場合に、メイン制御CPU60aが「右打ちエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「右打ちエラー」が発生したと判定した場合は、「右打ちエラー」が発生したことを示す右打ちエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するよう構成される。なお、メイン制御CPU60aは、前記大当りフラグおよび変短フラグの値(具体的には「0」)から、遊技状態が通常状態であることを認識し得る。
演出制御基板65の演出制御CPU65aは、右打ちエラー指定コマンドが入力されると、表示制御基板70(表示制御CPU70a)、音制御基板73に右打ちエラー指定コマンドを出力し、該表示制御基板70、音制御基板73は右打ちエラー指定コマンドに基づいて表示装置17、スピーカ19を制御して右打ちエラー報知(エラー報知)を実行させる。表示装置17による右打ちエラー表示は、表示部17aの一部分を用いて実行される。具体的には、表示部17aの全面に対して小さな右打ちエラー用表示領域(表示領域)206に、図7(c)に示す如く、「左打ちに戻して下さい」の文字を表示する。この右打ちエラー用表示領域206は、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図(演出図柄)が右打ちエラー表示の表示によって隠れることがないよう構成される。また、右打ちエラー用表示領域206は、前記振動エラー用表示領域204および満杯エラー用表示領域205とも重ならない位置に設定されており、前記振動検出センサエラーや満杯エラーと右打ちエラーとが重複して発生した場合に、実施例のパチンコ機10では各エラーの報知を表示装置17の表示部17aに同時に表示し得るようになっている。なお、表示装置17による右打ちエラー表示では、表示部17aで進行中の遊技に係る有効停止位置27以外の領域に表示されている演出画像の前に、右打ちエラー用表示領域206(図7(c)において二点鎖線で囲った領域)の全体が黄色(通常状態の場合)に表示され、該黄色の背景色の中に「左打ちに戻して下さい」の文字画像が表示される。また、スピーカ19による右打ちエラー報知は、「左打ちに戻して下さい」の音声を出力する。そして、表示装置17およびスピーカ19による右打ちエラー報知は、報知開始から所定時間(例えば10秒)後に自動的に解除される。すなわち、右打ちエラー報知の解除条件(報知終了条件)は、報知開始(右打ちエラーの発生)からの経過時間となっている。また、「右打ちエラー」の発生時には、ランプ装置18ではエラー報知を行わないよう構成されている。なお、「右打ちエラー」の発生時に、該「右打ちエラー」を特定可能な発光態様でランプ装置18を点灯させるようにして、該ランプ装置18でも右打ちエラー報知を実行するようにしてもよい。
ここで、前述したように、右打ちが推奨されない状況において右打ちが行われることで発生する「右打ちエラー」は、通常状態(特定制御状況)においてのみ発生する可能性のある特定種エラーであって、通常状態においてゲートセンサ49が規定個数以上のパチンコ球を検出したことを第1条件の成立として、メイン制御CPU60aは、該第1条件の成成に基づいて「右打ちエラー」が発生したと判定するよう構成されている。また、実施例のパチンコ機10では、「右打ちエラー」を除く、種類が異なる第2種エラー(具体的には「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」)が、非特定種エラーとして設定される。すなわち、前記表示装置17の表示部17aにおいて、特定種エラーである「右打ちエラー」を特定し、特定の報知内容を含む右打ちエラー表示(特定種報知表示)が表示される右打ちエラー用表示領域206が特定種エラー表示領域(特定種報知表示領域)であって、非特定種エラーである「振動検出センサエラー」を特定する振動検出センサエラー表示(非特定種表示表示)が表示される振動エラー用表示領域204および非特定種エラーである「満杯エラー」を特定する満杯エラー表示(非特定種表示表示)が表示される満杯エラー用表示領域205の夫々が非特定種エラー表示領域(非特定種報知表示領域)となる。なお、「右打ちエラー」を特定する右打ちエラー表示については、前記「左打ちに戻して下さい」の文字画像のみでなく、矢印等の図柄であっても、文字画像と図柄とを組み合わせたものであってもよく、「右打ちエラー」を特定し得る表示であればよい。すなわち、特定の報知内容とは、文字画像や図柄、または文字画像と図柄とを組み合わせた表示等、表示によって「右打ちエラー」が発生したことを遊技者が認識し得る内容であればよい。
ここで、実施例のパチンコ機10で発生する各種エラーには、前述したように、表示部17aの全面を用いてエラー表示の画像を表示するエラー(「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」)と、表示部17aの一部を用いてエラー表示の画像を表示するエラー(「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」)とが設定されている。そして、実施例においては、以後の説明において、表示部17aの全面を用いてエラー表示の画像を表示する複数のエラーと、表示部17aの一部を用いてエラー表示の画像を表示する複数のエラーとを区分する場合は、前者を第1種エラー(全画面エラー)と指称し、後者を第2種エラーと指称する場合がある。なお、第2種エラーは、第1種エラーより優先順位が低いエラーである。
(遊技状態に対応したエラー報知(エラー表示)の態様について)
次に、前記各種エラーにおける表示装置17でのエラー表示の、エラーが発生したときの遊技状態での態様の違い(エラー報知の報知態様が異なること)について説明する。なお、前述したように実施例では、遊技状態として通常状態、大当り状態、確変状態および変短状態が設定されているが、図9に示す確変状態は、確変状態のみが付与されている状態および確変状態と変短状態とが何れも付与されている状態を指し、図9に示す変短状態は、変短状態のみが付与されている状態を指している。
前記「メイン基板エラー」のエラー表示については、該エラーが発生した際の遊技状態の違いによって、前記表示部17aの全面の背景色が異なるように設定されている。すなわち、図9に示す如く、「メイン基板エラー」が発生したときの遊技状態が通常状態である場合は黄色に設定され、大当り状態である場合は赤色に設定され、確変状態である場合は青色に設定され、変短状態である場合は緑色に設定されている。また、「磁気検出センサエラー」および「電波検出センサエラー」のエラー表示についても、該エラーが発生した際の遊技状態の違いによって、前記表示部17aの全面の背景色が異なるように設定される。すなわち、図9に示す如く、「磁気検出センサエラー」および「電波検出センサエラー」の夫々が発生したときの遊技状態が通常状態である場合は黄色に設定され、大当り状態である場合は赤色に設定され、確変状態である場合は青色に設定され、変短状態である場合は緑色に設定されている。
前記「振動検出センサエラー」のエラー表示については、該エラーが発生した際の遊技状態の違いによって、前記振動エラー用表示領域204の背景色が異なるように設定されている。すなわち、図9に示す如く、「振動検出センサエラー」が発生したときの遊技状態が通常状態である場合は黄色に設定され、大当り状態である場合は赤色に設定され、確変状態である場合は青色に設定され、変短状態である場合は緑色に設定されている。また、「満杯エラー」および「右打ちエラー」のエラー表示についても、該エラーが発生した際の遊技状態の違いによって、対応する満杯エラー用表示領域205、右打ちエラー用表示領域206の背景色が異なるように設定されている。すなわち、図9に示す如く、「満杯エラー」および「右打ちエラー」の夫々が発生したときの遊技状態が通常状態である場合は黄色に設定され、大当り状態である場合は赤色に設定され、確変状態である場合は青色に設定され、変短状態である場合は緑色に設定されている。このように、各エラー表示(エラー報知)には、各種の遊技状態(制御状況)に対応して異なる報知態様のエラー表示(エラー報知)が設定されて、エラーが発生したときの遊技状態に応じて、前記演出制御CPU65aが対応するエラー表示を表示部17aに表示するように表示制御CPU70aを介して表示装置17を制御するよう構成されている。なお、エラー報知の報知態様が異なるとは、前述したようにエラー報知(表示)構成する背景色が異なることや、後述するエラー報知(表示)の表示位置が異なることを含んでいる。
(スピーカ19によるエラー報知について)
次に、前記各エラーに対するスピーカ19によるエラー報知の詳細について説明する。前記「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」のように、エラー報知の解除条件(報知終了条件)が電源の切断に設定されているエラー(第1種エラー)に対するスピーカ19によるエラー報知は、対応する音声内容のフレーズを繰り返して出力するよう設定されている。例えば、「メイン基板エラー」の場合であれば、音制御基板73は、入力されたメイン基板エラー指定コマンドに基づいて「メイン基板に異常を検出しました」のフレーズの出力を開始し、該フレーズをエラー報知の解除条件が成立するまで繰り返して出力するようスピーカ19を制御する。また、前記「RAMクリア」および「特別電動役物不正入賞エラー」のようにエラー報知の解除条件(報知終了条件)が報知開始からの経過時間(30秒)に設定され、かつスピーカ19からの音声内容が文でないRAMクリア音やエラー音に設定されているエラーでは、音制御基板73は、入力されたエラー指定コマンドに基づいてRAMクリア音やエラー音をエラー報知の解除条件が成立するまで継続して出力するようスピーカ19を制御する。なお、実施例のパチンコ機10では、エラー報知の報知終了条件が成立することで演出制御CPU65aがエラー報知を終了させるように報知手段17,18,19を制御するよう構成されており、実施例では該報知終了条件が成立することをエラーが解消したと看做している。すなわち、メイン制御CPU60aにより第1種エラーが発生したと判定された場合におけるスピーカ19でのエラー報知の報知終了条件は、該第1種エラーが解消されたことに設定されているといえる。
また、前記「振動検出センサエラー」や「右打ちエラー」のように、エラー報知の解除条件(報知終了条件)が報知開始からの経過時間(30秒,10秒)に設定され、かつスピーカ19からの音声内容が意味のあるフレーズ(振動検出センサが反応しました、左打ちに戻して下さい)に設定されているエラー(第2種エラー)では、音制御基板73は、入力されたエラー指定コマンドに基づいて対応するフレーズの出力を開始し、該フレーズをエラー報知の解除条件が成立するまで繰り返して出力する。例えば、「振動検出センサエラー」の場合であれば、「振動検出センサが反応しました」のフレーズをエラー報知の解除条件が成立するまで繰り返して出力する。なお、エラー報知の解除条件が報知開始からの経過時間で、かつ音声内容が意味のあるフレーズに設定されている場合に、前記経過時間(報知時間)は、1フレーズを出力するのに要する時間の整数倍に設定されて、解除条件が成立した際においてフレーズが途切れることがないよう設定されている。
また、前記「満杯エラー」(第2種エラー)の場合は、前記演出制御CPU65aから出力された満杯エラー指定コマンドが音制御基板73に入力されると、該音制御基板73は、「球を抜いて下さい」のフレーズを1回のみ出力するようにスピーカ19を制御するよう設定されている。すなわち、スピーカ19による満杯エラー報知は、「球を抜いて下さい」のフレーズ(音声)を1回のみ出力することで終了するよう設定されており、スピーカ19による満杯エラー報知の報知終了条件は、満杯エラーの発生を報知するフレーズ(音声)を1回出力することに設定されている。言い替えると、スピーカ19による満杯エラー報知の報知終了条件は、エラー報知の開始から1フレーズ分だけ音声内容を出力するのに要する一定期間に設定されているともいえる。これに対し、表示装置17による満杯エラー表示については、満杯エラーが解消(解除)されること(すなわち満杯検出センサ203がOFF状態となること)を報知終了条件の成立として解除されるようになっている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、報知態様が異なる満杯エラー報知を実行する報知手段の種類によって、報知終了条件が異なるよう設定されている(図10(a)参照)。そして、実施例では、音声(所定の報知態様)によるエラー報知を実行するスピーカ19が第1報知手段として設定され、スピーカ19とは報知態様が異なる表示によるエラー報知を実行する表示装置17が第2報知手段として設定されている。
また、実施例のパチンコ機10では、前記スピーカ19により音声による1フレーズ分の満杯エラー報知を実行中(出力中)に、満杯エラーが解消された場合(図10(b)参照)においても、音制御基板73は、1フレーズの満杯エラー報知の出力が完了(報知終了条件が成立)するまで満杯エラー報知を継続し、1フレーズの満杯エラー報知の出力が完了した時点で、満杯エラー報知を終了するようにスピーカ19を制御する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、「満杯エラー」が発生した場合は、表示装置17では満杯エラーが解消されるまで表示による満杯エラー報知を継続するのに対し、スピーカ19では満杯エラーの解消・非解消に関わらず音声による満杯エラー報知を1フレーズだけ実行するよう設定されている。
ここで、前記メイン制御RAM60c、演出制御RAM65cには、メイン制御CPU60aが各種のエラーが発生したと判定した場合には、判定された種類のエラーを特定するエラー情報(エラー指定コマンド)を記憶し、当該エラーが解除(解消)された条件で各制御RAM60c,65cに記載されていたエラー情報が消去されるよう構成されている。
前述したように優先順位1の「RAMクリア」は、前記メイン制御RAM60c、演出制御RAM65c等の記憶手段に記憶されている遊技情報を、クリア手段101,102,104による初期化処理によって消去するものであって、パチンコ機10では当該「RAMクリア」は最優先で報知されるよう設定されている。すなわち、前記優先順位2〜7までの各エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」、「振動検出センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」)の発生によってエラー報知が対応する報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行中において、RAMクリア操作によって初期化処理が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、RAMクリア(初期化処理)が実行された旨のRAMクリア報知(初期化処理実行報知)を他のエラー報知に優先して報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行させるよう構成される。実施例では、RAMクリア報知は、主にランプ装置18およびスピーカ19で実行されることから、RAMクリア(初期化処理)が実行された場合は、ランプ装置18およびスピーカ19で他のエラー報知を実行中であっても、ランプ装置18が全点灯すると共にスピーカ19からRAMクリア音が出力される。また、表示装置17では、各種のエラー表示の画像に替えて、初期画像を優先して表示する。
また、実施例のパチンコ機10では、前記優先順位2〜7までの各エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」、「振動検出センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」)の発生によってエラー報知が対応する報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行中において、前記電源回路105からの電力供給が遮断し、その後の復電時に前記復電処理が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、該復電処理が実行された旨の復電処理実行報知をエラー報知に優先して報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行させるよう構成される。すなわち、実施例では、表示装置17の表示部17aに各種のエラー表示の画像が表示されている状態で、復電処理が実行された場合は、表示部17aに「復電処理が実行されました」の文字の画像が表示される(図8参照)。なお、表示部17aに「復電処理が実行されました」の文字画像が表示されている状態では、各エラー表示の画像は非表示となる。
ここで、前記「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」のように、該エラーが発生した場合に前記表示装置17において表示部17aの一部分の領域204,205,206を用いてエラー表示を表示する場合に、前記演出制御CPU65aは、エラーが発生していない状態と、エラーが発生して表示部17aにエラー表示が表示されている状態とで、表示装置17で実行される図柄変動演出における飾図(図柄)の表示態様を異ならせるよう構成される。すなわち、前記振動エラー用表示領域204、満杯エラー用表示領域205、右打ちエラー用表示領域206を除く領域において飾図を変動表示するよう構成されて、エラー表示および図柄変動演出の両方を好適に視認し得るようになっている。言い替えると、表示装置17では、メイン制御CPU60aからエラー指定コマンド(エラー情報)が出力された後と前とでは、異なる態様で飾図を変動表示するよう構成される。
(表示装置17でのレイヤ処理によるエラー表示の表示態様について)
前述したように、前記表示装置17は、画像を表示可能な複数のレイヤを重ねて表示部17aに表示することで特定の画像を表示し得るよう構成されており、このようなレイヤ処理によって、表示装置17で前記図柄変動演出と各種のエラー表示とを選択的に視認可能に表示し得るようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記表示装置17における第1レイヤ220に、前記第1種エラーを特定する第1種エラー表示を表示すると共に、該第1レイヤ220の後側に重なる第2レイヤ221に、前記第2種エラーを特定する第2種エラー表示を表示するよう構成されている(図11参照)。具体的には、前記優先順位2に設定されている「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」および「電波検出センサエラー」が第1種エラーに区分されて、該「メイン基板エラー」を特定するエラー表示である不透明な背景に「メイン基板エラー+係員をお呼び下さい」の文字画像を重ねた画像(図6(a)参照)、「磁気検出センサエラー」を特定するエラー表示である不透明な背景に「磁気検出センサエラー+係員をお呼び下さい」の文字画像を重ねた画像(図6(b)参照)および「電波検出センサエラー」を特定するエラー表示である不透明な背景に「電波検出センサエラー+係員をお呼び下さい」の文字画像を重ねた画像(図6(c)参照)の夫々が第1種エラー表示とされて、これらの第1種エラー表示が第1レイヤ220に表示可能に構成される。これに対し、前記優先順位3,6,7に設定されている「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」が第2種エラーに区分されて、該「振動検出センサエラー」を特定するエラー表示である「振動検出センサエラー」の文字画像(図7(a)参照)、「満杯エラー」を特定するエラー表示である「球を抜いて下さい」の文字画像(図7(b)参照)および「右打ちエラー」を特定するエラー表示である「左打ちに戻して下さい」の文字画像(図7(c)参照)の夫々が第2種エラー表示とされて、これらの第2種エラー表示が第2レイヤ221に表示可能に構成される。
ここで、前述したように、前記表示装置17の表示部17aにおける第2種エラーである「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」の各エラー表示の表示領域204,205,206は、相互に重ならないように設定されており(図7参照)、実施例のパチンコ機10では、優先順位が高い第1種エラーを特定する第1種エラー表示のエラー表示領域(表示部17aの全面)は、該第1種エラーより優先順位が低い第2種エラーを特定する第2種エラー表示のエラー表示領域204,205,206と重なる位置に設定される一方で、各第2種エラー表示のエラー表示領域204,205,206は相互に重ならない位置に設定されている。
そして、実施例のパチンコ機10では、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」等の第1種エラーを特定する前記第1種エラー表示が表示装置17の第1レイヤ220に表示されている状態で、前記メイン制御CPU60aにより「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」等の第2種エラーが発生したと判定され、該メイン制御CPU60aから対応するエラー指定コマンドが出力された場合に、該エラー指定コマンドが入力された前記演出制御CPU65aは、第2種エラーを特定する前記第2種エラー表示を第2レイヤ221に表示するように表示装置17を表示制御CPU70aを介して制御するよう構成される。すなわち、表示装置17は、第1種エラーと第2種エラーとが重複して発生した場合に、前側の第1レイヤ220に第1種エラー表示を表示すると共に後側の第2レイヤ221に第2種エラー表示を重ねて表示することで、第2種エラー表示は第1種エラー表示で隠れて(視認不能な状態となって)前側からは視認し得ないようになっている。このように、優先順位が異なるエラーが重複して発生した場合に、優先順位が高いエラー表示(第1種エラー表示)が、優先順位が低いエラー表示(第2種エラー表示)によって隠れることがなく、優先順位が高いエラーの発生を適切に報知し得るようにしてある。
ここで、前述したように、第2レイヤ221に表示される「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」等の第2種エラー表示(エラー表示)の表示領域204,205,206は、相互に重ならないように設定されており、これら第2種エラーが重複して発生した場合は、前記表示装置17の表示部17aに複数の第2種エラー表示を並行して表示し得るよう構成されている。そして、前記演出制御CPU65aは、各第2種エラーに設定されている報知終了条件が成立するまで対応する第2種エラー表示を表示部17aで表示するように表示装置17を制御するようになっている。すなわち、演出制御CPU65aは、表示部17aで第2種エラー表示の表示中に、該表示中の第2種エラー表示で特定されるエラーと異なる第2種エラーが発生したと前記メイン制御CPU60aが判定した場合には、表示中の第2種エラー表示を、対応する第2種エラーの報知終了条件が成立するまで(エラーが解消するまで)は継続して表示すると共に、新たに発生したと判定された第2種類のエラーを特定する第2種エラー表示を対応する表示領域に表示するように表示装置17を制御するようになっている。具体的には、表示部17aにおける振動エラー用表示領域204に振動検出センサエラー表示を表示中に、メイン制御CPU60aにより「満杯エラー」が発生したと判定された場合は、振動検出センサエラー表示の報知終了条件である30秒が経過するまでは該振動検出センサエラー表示の表示を継続した状態で、満杯エラー表示を対応する満杯エラー用表示領域205に表示するよう構成される。なお、「エラーが解消される」とは、エラーの原因が解消されることと、予め設定された前記報知終了条件が成立したこととを含んでいる。
また、前記表示装置17は、前記第2レイヤ221の前側に重なる図柄用レイヤ222に、図柄変動演出の画像を表示し得るよう構成されている(図11参照)。なお、実施例において、図柄用レイヤ222は、第1レイヤ220と第2レイヤ221との間に位置し、第1レイヤ220に前記第1種エラー(全画面エラー)の第1種エラー表示の画像が表示された場合は、図柄用レイヤ222に表示されている図柄変動演出の画像(演出図柄)は該第2種エラー表示で隠れて前側から視認不能となるよう構成される。言い替えると、前記メイン制御CPU60aにより第1種エラーが発生したと判定された場合には、前記演出制御CPU65aは、第1種エラー表示を演出図柄を隠す領域に表示するように表示装置17を制御するよう構成されている。但し、第1レイヤ220に第1種エラー表示の画像が表示されていなければ、透明な該第1レイヤ220を介して図柄用レイヤ222に表示されている図柄変動演出の画像(演出図柄)は前側から視認可能となる。また、前記「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」等の第2種エラーを特定する第2種エラー表示の画像の表示領域204,205,206は、図柄用レイヤ222に設定された飾図の有効停止位置27(飾図が確定停止した際に表示される領域)に重ならない位置に設定されている(図7参照)。そして、実施例のパチンコ機10では、表示装置17で図柄変動演出が実行されている状態で、前記メイン制御CPU60aにより「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」等の第2種エラーが発生したと判定され、該メイン制御CPU60aから対応するエラー指定コマンドが出力された場合に、該エラー指定コマンドが入力された前記演出制御CPU65aは、第2種エラーを特定する前記第2種エラー表示を第2レイヤ221に表示すると共に、該第2種エラー表示が図柄用レイヤ222を介して前側から視認し得るように表示装置17を表示制御CPU70aを介して制御するよう構成される。具体的には、図柄用レイヤ222における前記第2種エラーの表示領域204,205,206に重なる領域を透明にすることで、第2種エラー表示を図柄変動演出の画像と共に前側から視認可能に表示する。このように、表示装置17で図柄変動演出の実行中に優先順位が低いエラー(第2種エラー)が発生した場合に、該第2種エラーの発生を遊技者や店員に報知しつつ図柄変動演出を視認可能な状態で継続することができ、発生したエラーが遊技に支障のないエラーであるのにも関わらず、図柄変動演出の結果として有効停止位置27に停止された飾図がエラー表示で隠れてしまうことで、遊技者の遊技に対する興趣を低下させたり不信感を与えてしまうのを防止し得るようになっている。なお、第2種エラー表示の画像が表示された第2レイヤ221を、図柄用レイヤ222の前側に表示することでも、第2種エラー表示の画像と図柄変動演出の画像とを共に前側から視認可能にすることができる。
ここで、実施例のパチンコ機10で発生する前記各種エラーは、エラーが発生した際にメイン制御CPU60aがエラー指定コマンド(エラー情報)を演出制御基板60(演出制御CPU65a)に出力する際に、同時にエラー発生を示すセキュリティ信号(異常発生信号)を前記外部端子板92に設けられた出力端子を介してホールコンピュータHP(外部)に出力するセキュリティエラーと、セキュリティ信号(異常発生信号)をホールコンピュータHPに出力しない非セキュリティエラーとが区分されている。実施例では、前記優先順位1〜5に設定されている「RAMクリア」、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」、「振動検出センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」および「普通電動役物不正入賞エラー」がセキュリティエラーに区分され、優先順位6〜7に設定されている「満杯エラー」および「右打ちエラー」が非セキュリティエラーに区分されている(図4参照)。
また、実施例では、前記特別エラーである「特別電動役物不正入賞エラー」より優先順位の高い前記第1種エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」)が発生した場合には、メイン制御CPU60aは、セキュリティ信号をホールコンピュータHPに出力すると共に対応するエラー指定コマンド(第1種エラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力(送信)する。これに対し、特別エラーである「特別電動役物不正入賞エラー」より優先順位の低い前記第2種エラー(「満杯エラー」および「右打ちエラー」)が発生した場合には、メイン制御CPU60aは、セキュリティ信号をホールコンピュータHPに出力することなく対応するエラー指定コマンド(第2種エラー情報)のみを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力(送信)するようになっている。また、実施例では、第1種エラー(同一順位エラー)より優先順位が高いエラー(実施例では「RAMクリア」)が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合にも、前記セキュリティ信号をホールコンピュータHPに出力すると共に対応するエラー指定コマンド(「RAMクリア」のエラー情報)を演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力(送信)するよう構成されており、第1種エラーおよび該第1種エラーより優先順位が高いエラーが発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合は、共通する出力端子からセキュリティ信号を外部(ホールコンピュータHP)に出力するよう構成されている。なお、前記第1種エラーと、第1種エラーより優先順位の低い第2種エラー(「振動検出センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」)が重複して発生した場合、すなわち、メイン制御CPU60aから送信された第1種エラーを特定するエラー指定コマンドおよび第2種エラーを特定するエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)が重複して受信した場合に、該演出制御基板65(演出制御CPU65a)は、第1種エラーに対応する第1種エラー報知(第1種エラー表示等)を対応する報知手段(表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19)で実行させるよう構成される。
また、同一順位エラー(全画面エラー)である第1種エラーより優先順位の低い第2種エラーは、前述したようにエラーが発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合に、セキュリティ信号を外部に出力する「振動検出センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」等の信号出力エラーと、セキュリティ信号を外部に出力しない「満杯エラー」、「右打ちエラー」等の非信号出力エラーとに区分されている。
ここで、前述したように、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」等の「特別電動役物不正入賞エラー」より優先順位の高い第1種エラーが発生した場合は、前記表示装置17における表示部17aの全体で対応するエラー表示(第1種エラー表示)を表示するのに対し、「特別電動役物不正入賞エラー」が発生した場合には表示装置17でエラー表示(特別エラー表示)を実行しないよう構成されており、第1種エラーが発生した場合に、表示装置17では特別エラーである「特別電動役物不正入賞エラー」が発生した場合より大きな領域で第1種エラー表示を表示するようになっている。
前記同一順位エラー(全画面エラー)である第1種エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」)より優先順位の低い「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」等の第2種エラーが発生した場合は、前述したように何れも表示部17aの全面に対して小さな振動エラー用表示領域204、満杯エラー用表示領域205、右打ちエラー用表示領域206に第2種エラー表示(第2種エラー報知)を表示するよう構成されており、表示装置17では、第1種エラー表示(第1種エラー報知)を、前記第2種エラーが発生した場合に表示装置17に表示される第2種エラー表示(第2種エラー報知)より大きな領域で表示するよう構成されている。なお、前記「特別電動役物不正入賞エラー」および「普通電動役物不正入賞エラー」も、同一順位エラーより優先順位の低い第2種エラーであるが、該「特別電動役物不正入賞エラー」および「普通電動役物不正入賞エラー」は、実施例では表示装置17においてエラー表示(エラー報知)を実行しないエラーとして設定されていることから、以後の説明において特に断わらない限り、第2種エラーは「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」を対象として用いる。
実施例のパチンコ機10では、前記第1種エラー(同一順位エラー)より優先順位の高いエラー(高順位エラー)である「RAMクリア」については、前述したように表示装置17では初期画像(初期図柄)を表示するよう構成されており、該表示装置17では前記第2種エラーを同時に表示可能に構成されている。すなわち、第1種エラーより優先順位が高い「RAMクリア」を特定するRAMクリア表示(初期画像)を表示装置17の表示部17aに表示中において、メイン制御CPU60aが第1種エラーより優先順位が低い第2種エラーである「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」等が発生したと判定した場合は、表示中のRAMクリア表示と第2種エラー表示とを並行して表示し得るようになっている(図12(b)参照)。
また、実施例のパチンコ機では、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において前記第1種エラーより優先順位が高い高順位エラーである「RAMクリア」のRAMクリア報知(表示装置17では初期画像の表示)が実行されているときに、メイン制御CPU60aが第1種エラーが発生したと判定した場合は、該メイン制御CPU60aは、RAMクリア報知が終了(初期化処理が完了)するまで第1種エラーを特定するエラー指定コマンドの出力を保留するよう構成されている。そして、メイン制御CPU60aは、RAMクリア報知の終了後(初期化処理の完了後)に第2種エラーを特定するエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。演出制御基板65の演出制御CPU65aは、第1種エラーを特定するエラー指定コマンドに基づいて前記表示制御基板70(表示制御CPU70a)、ランプ制御基板72、音制御基板73を介して前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御して、第1種エラーのエラー報知を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行させるよう構成されている。すなわち、演出制御CPU65aは、RAMクリア報知の終了後(初期化処理の完了後)に、RAMクリア報知中に発生した第1種エラーを特定する第1種エラー報知(第1種エラー表示等)を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19等の報知手段で実行させるようになっている(図12(b)参照)。具体的には、RAMクリア報知の実行中に、メイン制御CPU60aが「メイン基板エラー」が発生したと判定した場合は、RAMクリア報知の終了後にメイン基板エラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力するようになっている。
(エラー報知処理について)
次に、前述したようにパチンコ機10でエラーが発生した場合(メイン制御CPU60aがエラーの発生を判定した場合)に実行されるエラー報知処理について、図13に基づき説明する。エラー報知処理では、メイン制御CPU60aは、エラーの発生を判定した場合(ステップB10)、対応するエラーの指定コマンドを出力して演出制御CPU65aの制御下に対応するエラー報知を報知手段(表示装置17,ランプ装置18,スピーカ19)で実行させる(ステップB11)。そして、ステップB12で実行中のエラー報知の解除条件(電源の切断、報知時間の経過、エラーの解消等)が成立したか否かを判定し、該ステップB12の判定結果が肯定の場合は、エラー報知処理を終了する。また、ステップB12の判定結果が否定の場合は、ステップB13に移行して新たなエラーが発生したか否かを判定し、判定結果が否定の場合はステップB12に戻って処理を繰り返す。
前記ステップB13の判定結果が肯定の場合、すなわちエラー報知の実行中に新たにエラーが重複して発生した場合は、ステップB14に移行して、新たに発生したエラーの優先順位が、エラー報知の実行中のエラーの優先順位以上であるか否かを判定する。そして、ステップB14の判定結果が肯定の場合は、メイン制御CPU60aは新たに発生したエラーに対応するエラーの指定コマンドを出力して演出制御CPU65aの制御下に対応するエラー報知を報知手段(表示装置17,ランプ装置18,スピーカ19)で実行させる(ステップB15)。すなわち、エラー報知の実行中のエラーと新たに発生したエラーとが何れも同一順位エラー(第1種エラー)であれば、新たに発生したエラー(後に発生したエラー)のエラー報知を報知手段で実行させ、また新たに発生したエラーの優先順位がエラー報知の実行中のエラーの優先順位より高い場合は新たに発生したエラーのエラー報知を報知手段で実行させる。そして、ステップB16に移行し、実行中のエラー報知の解除条件が成立したか否かを判定し、該ステップB16の判定結果が肯定の場合は、エラー報知処理を終了する。なお、ステップB16の判定結果が否定の場合は、当該ステップB16の処理を繰り返す。
次に、前記ステップB14の判定結果が否定の場合、すなわちエラー報知の実行中に発生したエラーの優先順位が、エラー報知の実行中のエラーの優先順位より低い場合は、ステップB17に移行して、当該新たに発生したエラーのエラー報知が、実行中のエラー報知と同時に実行可能であるか否かを判定する。そして、ステップB17の判定結果が肯定の場合は、ステップB17に移行して新たに発生したエラー報知を実行させる。この場合は、複数のエラー報知が並行して実行される。具体的には、優先順位3の「振動検出センサエラー」に対応する振動検出センサエラー表示が前記表示装置17で表示中に、優先順位6の「満杯エラー」が発生した場合は、該表示装置17の表示部17aに「振動検出センサエラー」および「球を抜いて下さい」のエラー表示が同時に表示される。ここで、複数のエラー報知を同時に報知可能となる対象は、表示装置17で実行されるエラー表示であって、ランプ装置18やスピーカ19で実行されるエラー報知は除いている。
(右打ちエラー表示と特定種演出表示との関係について)
前述のように実施例のパチンコ機10は、遊技状態が通常状態の場合に、第1球流下経路75aをパチンコ球が流下する左打ちの遊技形態で遊技者が遊技を行うことで、第2球流下経路75bをパチンコ球が流下する右打ちの遊技形態で遊技を行うよりも遊技者に有利な制御条件で遊技が行われるようになっている。一方で、遊技状態が大当り状態や変短状態の場合に、第2球流下経路75bをパチンコ球が流下する右打ちの遊技形態で遊技者が遊技を行うことで、第1球流下経路75aをパチンコ球が流下する左打ちの遊技形態で遊技を行うよりも遊技者に有利な制御条件で遊技が行われるようになっている。そこで、前述したように、通常状態においてメイン制御CPU60aが「右打ちエラー」が発生したと判定した場合は、前記表示装置15やスピーカ19で右打ちエラー報知を実行させることで、打出し形態の修正を遊技者に促すようになっている。また、実施例のパチンコ機10では、大当り状態や変短状態が付与されている状態から、該大当り状態や変短状態が付与されない状態に移行する際に、右打ちから左打ちへの打出し形態の修正を遊技者に促すための演出表示である特定種演出表示を前記表示装置17の表示部17aに表示して、左打ちの遊技形態に戻す必要があることを遊技者に認識させ得るよう構成されている。
前記特定種演出表示は、具体的には表示部17aに「左打ちに戻して下さい」の文字画像を表示するよう表示装置17を演出制御CPU65aが制御するよう構成される。このように、通常状態で「右打ちエラー」が発生した場合に表示部17aに表示される右打ちエラー表示と、大当り状態や変短状態等の右打ちが推奨される遊技状態(非特定制御状況)から右打ちが推奨されない遊技状態に移行する際に表示部17aに表示される特定種演出表示とは同一に設定されており、実施例のパチンコ機10では、「右打ちエラー」を特定する特定種報知表示と、演出表示である特定種演出表示とが同じ報知内容となっている。なお、特定種演出表示の画像データは、前記表示制御ROM70bに記憶されている。また、特定種演出表示の表示時間(報知時間)は、実施例では右打ちエラー表示の報知時間(実施例では10秒)と同じに設定されているが、異なる時間に設定してもよい。また、特定種演出表示の表示に合わせて、スピーカ19から「左打ちに戻して下さい」の音声を出力するようにしてもよい。
前記特定種演出表示を表示する詳細について説明する。すなわち、前記演出制御基板65の演出制御CPU65aは、大当りフラグや変短フラグの値が「1」から「0」となったときに(非特定制御状況が終了する第2条件の成立)、表示制御基板70(表示制御CPU70a)に特定種演出表示指定コマンドを出力し、該表示制御基板70は特定種演出表示指定コマンドに基づいて表示装置17を制御して特定種演出表示を表示部17aに表示させる。表示装置17による特定種演出表示は、表示部17aに設定された特定種演出表示領域(報知演出表示領域)224に、図14に示す如く、「左打ちに戻して下さい」の文字を表示する。この特定種演出表示領域224は、前記右打ちエラー用表示領域206とは異なり、前記振動エラー用表示領域204および満杯エラー用表示領域205と重なるように設定されており、該特定種演出表示を大きく表示して遊技者に打出し形態の修正を強く促し得るようになっている。但し、特定種演出表示領域224についても、表示部17aに設定されている前記有効停止位置27に重ならない位置に設定されており、有効停止位置27に確定停止表示された飾図(演出図柄)が特定種演出表示によって隠れることがないよう構成される。なお、実施例では、特定種演出表示は、前記第2種エラーが表示される第2レイヤ221の後側の第3レイヤ223に表示されるよう設定されている(図11参照)。
また、実施例のパチンコ機10では、大当り状態や変短状態等の右打ちが推奨される遊技状態(非特定制御状況)において、該大当り状態や変短状態が付与されなくなる第2条件(フラグの変更等によって認識可能な条件)が成立して前記表示装置17の第3レイヤ223に特定種演出表示が表示されている状態で、前記メイン制御CPU60aにより「振動検出センサエラー」や「満杯エラー」等の第2種エラー(非特定種エラー)が発生したと判定され、該メイン制御CPU60aから対応するエラー指定コマンドが出力された場合に、該エラー指定コマンドが入力された前記演出制御CPU65aは、第2種エラー(非特定値エラー)を特定する前記第2種エラー表示を第2レイヤ221に表示するように表示装置17を表示制御CPU70aを介して制御するよう構成される。また、演出制御CPU65aは、第3レイヤ223の前側の第2レイヤ221に第2種エラー表示を表示するように表示装置17を制御すると、該表示装置17は、第2レイヤ221の全体を不透明として遊技者や店員には特定種演出表示の前側に重ねられた第2種エラー表示のみを視認させる状態とするよう構成されている。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、エラーであると判定される「右打ちエラー」を特定して報知するための右打ちエラー表示と、該右打ちエラー表示と同一態様の演出表示である特定種演出表示(具体的には「左打ちに戻して下さい」の文字画像)とを、異なる遊技状態で成立する条件(第1条件,第2条件)に応じて、前記表示部17aで表示させる表示領域206,224を異なる位置に設定している。そして、「右打ちエラー」をエラーとして判定する状況(通常状態で第1条件が成立する状況)において、メイン制御CPU60aが「右打ちエラー」の発生を判定した場合には、他の第2種エラーのエラー表示領域204,205とは表示が重ならない右打ちエラー用表示領域206に右打ちエラー表示(特定種報知表示)を表示する一方で、右打ちエラー表示と同じ内容の演出表示としての特定種演出表示(特定種報知表示)を、当該特定種演出表示を表示する条件(非特定制御状況が終了する第2条件)が成立した場合には、第2種エラーのエラー表示領域204,205と表示が重なる特定種演出表示領域224に表示するようになっている。
すなわち、前記始動入賞口30a,31aの何れかへの入賞(特定条件の成立)を契機として当り遊技を生起させるか否かの当り判定する当り判定手段としての機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。またメイン制御CPU60aは、決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を備えている。メイン制御CPU60aは、始動入賞口30a,31aの何れかへの入賞を契機として、前記表示手段(特図表示部50A,50B、表示装置17)で行わせる図柄変動演出の変動時間を特定する変動パターン(特図変動パターン)を、記憶手段としてのメイン制御ROM60bが記憶する複数の変動パターンの中から決定する変動パターン決定手段としての機能を備えている。また、メイン制御CPU60aは、報知する優先順位が設定された複数種類のエラーの何れが発生したかを判定するエラー判定手段としての機能を備えている。
前記表示装置(表示手段)17は、複数種類のエラーを夫々特定するエラー報知(エラー表示、報知表示)を実行(表示)可能なエラー報知手段としての機能を備えている。そして、前記演出制御CPU65aは、エラー判定手段としてのメイン制御CPU60aによりエラーが発生したと判定された場合に、発生した種類のエラーを特定するエラー表示をエラー報知手段としての表示装置17で表示(実行)させるように該表示装置17を制御する表示制御手段としての機能を有している。また、前記ランプ装置18やスピーカ19についても、複数種類のエラーを夫々特定するエラー報知を実行可能なエラー報知手段としての機能を備えており、演出制御CPU65aは、エラー判定手段としてのメイン制御CPU60aによりエラーが発生したと判定された場合に、発生した種類のエラーを特定するエラー報知をエラー報知手段としての表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で夫々実行させるように該表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19を制御するエラー報知制御手段としての機能を有している。
また、演出制御CPU65aは、エラー報知手段としての表示装置17によるエラー表示(エラー報知)の表示中に優先順位が異なるエラーが発生したことをエラー判定手段としてのメイン制御CPU60aが判定した場合には、優先順位の高いエラーのエラー表示を表示するように表示装置17を制御するよう構成される。更に、演出制御CPU65aは、エラー報知手段としての表示装置17によるエラー表示の表示中に、該エラー表示の表示中のエラーと同じ優先順位に分類された同一順位エラーが発生したことをエラー判定手段としてのメイン制御CPU60aが判定した場合には、後に発生した同一順位エラーのエラー表示を表示するように表示装置17を制御するよう構成されている。更にまた、演出制御CPU65aは、第1種エラー(同一順位エラー)より優先順位が高い高順位エラーのエラー表示を表示装置17が表示中に、エラー判定手段としてのメイン制御CPU60aが第1種エラーより優先順位が低い第2種エラーが発生したことを判定した場合には、表示中のエラー表示と第2種エラーを特定する第2種エラー表示とを並行して表示するように表示装置17を制御する機能を備えている。
前記演出制御CPU65aは、当り判定手段としてのメイン制御CPU60aの判定結果に基づいて前記表示装置17に停止表示させる飾り図柄を決定する飾り図柄決定手段として機能すると共に、決定された飾り図柄を停止表示させるよう表示装置17を制御する演出表示制御手段として機能している。また、演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aによる入賞情報の取得(特定条件の成立)を契機として、表示装置17で行わせる図柄変動演出の演出内容を特定する演出パターンを複数種類の中から1つ決定する演出パターン決定手段としての機能を有している。また、演出パターン決定手段としての演出制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに基づいて演出パターンを決定するようになっている。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記前枠13の前面側に設けられた前記操作ハンドル16の操作レバー16aを遊技者が回転操作すると、前記打球発射装置から発射されたパチンコ球が前記遊技領域75内に打ち出される。このとき、前記操作レバー16aの回動量に応じてパチンコ球の打ち出し位置が変化し、打ち出し位置に応じて遊技領域75の第1球流下経路75aまたは第2球流下経路75bをパチンコ球が流下する。
前記変短状態が付与されていない通常状態では、遊技者による操作ハンドル16の操作により左打ちの遊技形態において遊技が行われることで、前記遊技盤20の遊技領域75(第1球流下経路75a)に打ち出されたパチンコ球が第1始動入賞部30の第1始動入賞口30aへ入賞することを契機として取得した入賞情報に基づいて特図当り判定が行われる。ここで、通常状態では、前記第2球流下経路75bに設けられた前記ゲート部48にパチンコ球が通過することを契機として行われる普図当り判定での普図当り確率や、普図当りに当選した場合における第2始動入賞部31の始動用開閉部材31bの開放動作等の制御条件による第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機は高くなく、右打ちの遊技形態において遊技が行われることによる遊技者のメリットはない。
すなわち、通常状態(大当りフラグ「0」,変短フラグ「0」の状態)において、前記ゲートセンサ49からの球検出信号がメイン制御CPU60aに規定数以上入力された場合に、該メイン制御CPU60aは「右打ちエラー」が発生したと判定する。そして、メイン制御CPU60aは、「右打ちエラー」が発生したことを示す右打ちエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力し、該右打ちエラー指定コマンドが入力された演出制御CPU65aの制御下に、前記表示装置17の右打ちエラー用表示領域206に右打ちエラー表示が表示される(図7(c)参照)。また、前記スピーカ19でも右打ちエラー報知が実行される。これにより、遊技者が右打ちの遊技形態で遊技を継続するのを防止し、左打ちの遊技形態に戻す必要があることを遊技者に認識させることができる。
前記表示装置17の表示部17aに右打ちエラー表示を表示している状態で、前記メイン制御CPU60aにより「振動検出センサエラー」または「満杯エラー」等の第2種エラーが発生したと判定された場合、該メイン制御CPU60aは対応するエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。表示装置17において、振動検出センサエラー表示および満杯エラー表示が表示される対応するエラー用表示領域204,205は、前記右打ちエラー用表示領域206と重ならない位置に設定されている。すなわち、振動検出センサエラー指定コマンドまたは満杯エラー指定コマンドが入力された演出制御CPU65aの制御下に、前記表示装置17の振動エラー用表示領域204または満杯エラー用表示領域205に対応するエラー表示が表示される。このように、表示装置17の表示部17aに、右打ちエラー表示と他の第2種エラーのエラー表示とを同時に表示することができ、エラーが重複して発生した場合にも各エラーを適切に報知し得る。
また、第2種エラー(「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」)のエラー表示を、表示装置17の表示部17aで表示するエラー用表示領域204,205,206は、何れも表示部17aにおいて飾図(演出図柄)を確定停止表示する有効停止位置27と重ならないよう設定されている(図7参照)。すなわち、表示装置17で図柄変動演出が実行されている状態において、複数の第2種エラーが発生しても、図柄変動演出の結果として有効停止位置27に確定停止表示された飾図が複数のエラー表示によって隠れることはなく、該飾図を適切に表示し得る。
前記左打ちの遊技形態において遊技が行われている状況で、前記第1球流下経路75aを流下するパチンコ球が、前記第1始動入賞口30aに入賞すると、前記第1始動入賞検出センサ34による球検出を契機として、前記メイン制御CPU60aが各種情報(各種乱数情報)を取得して、この取得した入賞情報に基づいて大当り判定が行われる。
前記大当り判定が当りの判定結果の場合は、前記メイン制御CPU60aは入賞情報に基づいて大当り図柄(特図)および当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する。また、メイン制御CPU60aは、大当り判定が当りの判定結果の場合には前記メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「1」を設定する。そして、メイン制御CPU60aは、図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力する。前記演出制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると、対応する演出パターンコマンドを表示制御基板70(表示制御CPU70a)に出力し、これによって前記表示装置17での図柄変動演出が開始される。そして、特図変動パターンに定められた変動時間が経過すると、メイン制御CPU60aは特図指定コマンドおよび全図柄停止コマンドを出力し、これによって前記特図表示部50A,50Bに予め決められた大当りの特図が停止表示されると共に表示装置17の表示部17aにおける有効停止位置27に飾図が当り表示で確定停止表示される。表示装置17の表示部17aに当り表示が表示されると、大当り遊技が開始される。
前記大当り遊技では、前記特別入賞部40の特別用開閉部材40bを開放するラウンド遊技が規定ラウンド数だけ実行され、各ラウンド遊技中に特別入賞口40aにパチンコ球が入賞することで多くの賞球を獲得することができる。そして、ラウンド遊技が規定ラウンド数だけ実行されると、大当り遊技が終了する。また、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の終了に伴って前記メイン制御RAM60cに記憶される大当りフラグに「0」を設定する。なお、大当り図柄(特図)の種類が大当り遊技後に確変状態を付与する図柄であった場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶される確変フラグに「1」を設定する。また、大当り図柄(特図)の種類が大当り遊技後に変短状態を付与する図柄であった場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶される変短フラグに「1」を設定する。そして、メイン制御CPU60aは、確変状態の終了条件が成立すると確変フラグに「0」を設定し、変短状態の終了条件が成立すると変短フラグに「0」を設定する。
ここで、前記大当り遊技が付与された遊技状態では、遊技者による操作ハンドル16の操作により右打ちの遊技形態において遊技が行われることで、前記遊技盤20の遊技領域75(第2球流下経路75b)に打ち出されたパチンコ球が特別入賞部40の特別入賞口40aに多く入賞可能となり、多くの賞球を獲得することができる。また、大当り遊技後において変短状態が付与された遊技状態においては、第2球流下経路75bに設けられた前記ゲート部48にパチンコ球が通過することを契機として行われる普図当り判定での普図当り確率や、普図当りに当選した場合における第2始動入賞部31の始動用開閉部材31bの開放動作等の制御条件による第2始動入賞口31aへのパチンコ球の入賞契機は高く、変短状態では、右打ちの遊技形態により遊技を行うことで、普図当りとなった場合により多くの賞球を獲得することができる。すなわち、大当り遊技や変短状態が付与されている遊技状態では、右打ちの遊技形態により遊技が行われる。
前記右打ちの遊技形態において遊技が行われている状況で、大当り遊技または短変状態の終了条件が成立すると、前記演出制御CPU65aの制御下に、前記表示装置17の特定種演出表示領域224に特定種演出表示を表示する。すなわち、図14に示す如く、特定種演出表示領域224に「左打ちに戻して下さい」の文字画像が表示され、右打ちの遊技形態から左打ちの遊技形態に戻す必要があることを促すことができる。このように、大当り状態から通常状態または変短状態から通常状態への切り替わりに合わせて左打ち遊技形態に戻すことを促すことで、遊技者がそのまま右打ちの遊技形態で遊技を継続するのを防止することができる。また、特定種演出表示領域224として、前記振動エラー用表示領域204および満杯エラー用表示領域205に重なる大きな領域を確保しているので、表示装置17の表示部17aにおいて特定種演出表示を大きく表示して左打ち遊技形態に戻す必要があることを強く促し得る。
前記表示装置17の表示部17aに特定種演出表示を表示している状態で、前記メイン制御CPU60aにより「振動検出センサエラー」または「満杯エラー」等の第2種エラーが発生したと判定された場合、該メイン制御CPU60aは対応するエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力する。そして、振動検出センサエラー指定コマンドまたは満杯エラー指定コマンドが入力された演出制御CPU65aの制御下に、前記表示装置17の振動エラー用表示領域204または満杯エラー用表示領域205に対応するエラー表示が表示される。前述したように、表示装置17では、特定種演出表示が表示された第3レイヤ223の前側の第2レイヤ221に振動検出センサエラー表示および満杯エラー表示を表示すよう構成されているので、特定種演出表示で振動検出センサエラー表示および満杯エラー表示が隠れることなく該エラー表示を前側から視認可能に表示でき、エラーの発生を確実に報知できる。すなわち、特定種演出表示を大きく表示し得るもとで、第2種エラーが発生した場合には該第2種エラーを特定する第2種エラー表示を適切に表示部17aに表示して第2種エラーの発生を確実に報知し得る。
実施例のパチンコ機10において、図4に示す如く、当該パチンコ機10で発生する各種のエラーには報知する優先順位が設定されており、実施例では優先順位が3〜7に設定されたエラー(「振動検出センサエラー」、「特別電動役物不正入賞エラー」、「普通電動役物不正入賞エラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」)が発生して前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19において対応するエラー報知が実行されているときに、優先順位が1〜2に設定されたエラー(「RAMクリア」、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」)が発生した場合は、優先順位の高い「RAMクリア」、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」に対応するエラー報知が優先して表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行される。すなわち、複数のエラーが重複して発生した場合に、優先順位の高いエラーを優先して報知することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」および「電波検出センサエラー」を同じ優先順位に分類し、これら同一順位エラーが重複して発生した場合には、後から発生した同一順位エラーを報知するよう構成したので、遊技者や店員に最も新しい同一順位エラーを報知することができる。また、複数のエラーを同じ優先順位に分類することで、エラーの種類が増加しても優先順位の数を少なく抑えて制御負荷を低減し得る。
実施例のパチンコ機10では、前記「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」については、前記表示装置17においてエラー表示が表示されるエラー用表示領域204,205,206が相互に重ならないよう設定されている(図7参照)。従って、これらのエラーが重複して発生した場合は、表示装置17において重複して発生した全てのエラー表示を同時に表示することができ、エラーが重複して発生した場合にどのようなエラーが発生しているのかを確認することができる。また、「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」に対応するエラー表示を、表示装置17の表示部17aで表示するエラー用表示領域204,205,206は、前述したように、何れも該表示部17aにおいて飾図(演出図柄)を確定停止表示する有効停止位置27と重ならないよう設定しているので、エラー表示によって飾図の視認性が低下するのを防止し得る。
ここで、優先順位が最も高い「RAMクリア」が発生した場合は、他の優先順位のエラーに対応するエラー報知が表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されていたとしても、これら他のエラーに優先して「RAMクリア」の発生を特定可能なRAMクリア報知が表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行されるので、遊技者や店員に初期化処理が実行されたことを確実に報知することができる。また、実施例のパチンコ機10では、RAMクリア報知がランプ装置18やスピーカ19で実行されている場合であっても、表示装置17では「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」等の第2種エラーのエラー表示が実行可能になっている。すなわち、実行中のRAMクリア表示(実施例では初期画像)と第2種エラーのエラー表示とを表示装置17で並行して表示することができ、複数のエラーの発生を確認し得る(図12(a)参照)。
また、実施例のパチンコ機では、RAMクリア報知が実行されているときに第1種(同一順位エラー)が発生した場合は、図12(b)に示す如く、RAMクリア報知が終了するまで第1種エラーのエラー報知を待機させ、RAMクリア報知の終了後に第1種エラーのエラー報知を表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19で実行するよう構成したので、パチンコ機において最も優先順位の高い「RAMクリア」の発生を確実に報知しつつ、RAMクリア報知の実行中に発生した第1種エラーの発生を報知することができる。
また、前記「特別電動役物不正入賞エラー」より優先順位の高い「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」等の第1種エラーが発生した場合は、前記表示装置17における表示部17aの全体で対応する第1種エラー表示を表示する。これに対し、第1種エラーより優先順位の低い「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」および「右打ちエラー」等の第2種エラーが発生した場合は、表示装置17における表示部17aの全面に対して小さなエラー用表示領域204,205,206に第2種エラー表示を表示する。そして、第1種エラー表示が表示部17aに表示されているときに、前記メイン制御CPU60aにより第2種エラーが発生したと判定された場合は、前記演出制御CPU65aは第2種エラー表示を隠すように第1種エラー表示を第2種エラー表示の前に重ねて表示部17aに表示させるように表示装置17を制御する。すなわち、第1種エラーと第2種エラーとが重複して発生した場合に、優先順位の高い第1種エラーの発生を確実に報知することができる。
また、実施例のパチンコ機10の表示装置17では、第1種エラー表示を第1レイヤ220に表示すると共に、第2種エラー表示を第2レイヤ221に表示するようにしたので(図11参照)、第1種エラーと第2種エラーとが重複して発生した場合に、優先順位の高い第1種エラーの発生を適切に報知するために第2種エラー表示の表示を止める制御を行う必要はなく、演出制御基板65(演出制御CPU65a)の制御負荷を低減することができる。
実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aが前記第1種エラー(「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」)および該第1種エラーより優先順位が高いエラー(「RAMクリア」)が発生したと判定した場合に、該メイン制御CPU60aは対応するエラー指定コマンドを演出制御基板65(演出制御CPU65a)に出力すると共にセキュリティ信号をホールコンピュータHPに出力する。前記複数のエラーが発生した場合にメイン制御CPU60aは、共通する出力端子を用いてセキュリティ信号を出力するので、構成を簡略化すると共に制御の簡素化を図ることができる。
また、実施例のパチンコ機10では、前記メイン制御CPU60aが、前記第1種エラーより優先順位が低い「満杯エラー」および「右打ちエラー」が発生したと判定した場合には外部にセキュリティ信号を出力しないよう構成されているので、セキュリティ信号を過度に出力するのを抑制し得る。すなわち、複数種類のエラーについて、エラー発生時にセキュリティ信号を出力する信号出力エラーと、エラー発生時にセキュリティ信号を出力しない非信号出力エラーとに区分することで、セキュリティ信号を過度に出力することなく店側で対策を施す必要のある優先順位の高いエラーを店側に報知することができる。
実施例のパチンコ機10では、図9に示す如く、エラーが発生したときの遊技状態に応じて前記表示装置17でのエラー表示の態様を異ならせるようにしているので、遊技者や店員に、表示装置17の表示部17aに表示されているエラー表示の態様の違いによって、エラーが発生したときの遊技状態を認識させることができる。また、表示装置17で図柄変動演出が実行中に同時に表示可能な前記第2種エラーを特定する第2種エラー表示の表示領域204,205,206は、前述したように前記有効停止位置27とは重ならない位置に設定されているので、当該第2種エラーが発生した場合に、どのような遊技状態で発生したのかを表示態様の違いによって認識させるもとで、どのような遊技状態であっても有効停止位置27に確定停止表示された飾図(演出図柄)を適切に表示することができる。
実施例のパチンコ機10では、前記表示装置17に同時に表示可能な第2種エラー表示は、対応するエラーの解除条件が成立するまで継続するよう構成されているので、第2種エラーが重複して発生した場合において、後から発生した第2種エラーの第2種エラー表示によって表示装置17に表示中の第2種エラー表示が消えることはなく、複数の第2種エラーの発生を認識し得る。すなわち、複数の第2種エラーが重複して発生した場合であっても、複数の第2種エラーの発生を適切に報知することができる。
実施例のパチンコ機10では、前記「満杯エラー」が発生したとメイン制御CPU60aが判定した場合、前記演出制御CPU65aの制御下に、前記表示装置17では満杯エラー表示が満杯エラー用表示領域205に表示され(図7(b)参照)、該満杯エラー表示は「満杯エラー」が解消されるまで(具体的には満杯検出センサ203がOFF状態となるまで)継続される。また、演出制御CPU65aの制御下に、前記スピーカ19からは、「球を抜いて下さい」のフレーズ(音声)を1回のみ出力することで満杯エラー報知は終了する(図10参照)。すなわち、「満杯エラー」の発生を、複数種類のエラー報知(画像および音声)により確実に報知することができる。また、スピーカ19による満杯エラー報知は、「球を抜いて下さい」のフレーズ(音声)を1回のみ出力することで終了するので、「満杯エラー」の発生状態が長びいても音声による報知が続くことはなく、該報知を煩わしく感じて興趣が低下するのを抑制し得る。
ここで、「満杯エラー」を解消するためには、遊技者が前記貯留部に貯留されているパチンコ球を減少させて満杯検出センサ203をOFF状態とする必要がある。実施例のパチンコ機10では、「満杯エラー」が解消する前に音声による報知が終了したとしても、表示による報知は継続しているので、遊技者に「満杯エラー」の状態が継続していることを認識させることができ、「満杯エラー」を解消する必要があることを促し得る。
また、前記スピーカ19の音声による1フレーズ分の満杯エラー報知を実行中(出力中)に、満杯エラーが解消された場合においても、音制御基板73は、1フレーズの満杯エラー報知の出力が完了(報知終了条件が成立)するまで満杯エラー報知を継続するので(図10(b)参照)、スピーカ19によるエラー報知が途切れてしまうのを防ぐことができ、遊技者に違和感を与えるのを防止し得る。
ここで、実施例のパチンコ機10では、第2種エラーである「満杯エラー」が発生した場合のスピーカ19でのエラー報知については、前述したように1フレーズのみ出力するのに対し、「メイン基板エラー」、「磁気検出センサエラー」、「電波検出センサエラー」等のように優先順位が第2種エラーより高い第1種エラーが発生した場合のスピーカ19でのエラー報知については、解除条件が成立(エラーが解消)するまで継続する。これにより、優先順位の高い第1種エラーが発生していることを複数の報知手段(表示装置17とスピーカ19)で報知し得るもとで、優先順位が低い第2種エラーが発生した場合には音声によるエラー報知が長く続くことでうるさく感じるのを防いで、遊技の興趣低下を抑制し得る。
実施例のパチンコ機10において、外部電源からの電力供給が遮断された場合は、前記電源断監視回路103からメイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aに電源断信号が入力され、該メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶されている電源断処理プログラムに基づき電源断処理を実行する。この電源断処理では、前記電源基板100のバックアップ電源107からメイン制御CPU60cおよび演出制御CPU65aに電力が供給され、各制御CPU60a,65aは、対応する制御RAM60c,65cの常用記憶エリアに記憶保持されている各種制御情報を、制御RAM60c,65cのバックアップエリアに記憶保持させる。そして、各制御CPU60a,65aは、リセット信号回路106からのリセット信号が入力されると、制御CPU60a,65aの動作を規制し、電源断処理によってバックアップエリアに記憶された各種情報がバックアップデータとして記憶保持される。
前記外部電源からの電力供給が遮断された後に、パチンコ機10への電力供給が開始されると、前記メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、対応する制御ROM60b,65bに記憶されている電源投入処理プログラムに基づき、電源投入処理(復電処理)を実行する。この電源投入処理において、前記クリアスイッチ102が操作されていない場合(「RAMクリア」でない場合)、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aは、対応する制御RAM60c,65cに記憶保持されている各種制御情報に基づき電力供給の遮断時(前)の状態に復帰させる。また電源投入処理が実行された場合は、、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、該電源投入処理(復電処理)が実行された旨の復電処理実行報知が表示装置17で実行される。すなわち、図8に示す如く、表示装置17の表示部17aに「復電処理が実行されました」の文字の画像が表示され、遊技者や店員に電源投入処理(復電処理)が実行されたことを報知できる。
ここで、前記「RAMクリア」でない電源投入処理(復電処理)では、前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに記憶保持されている各種制御情報は初期化されない。従って、前記表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でエラー報知が実行されている状態で、前記メイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cに対する前記電源回路105からの電力供給が遮断し、その後の復電時に前記電源投入処理(復電処理)が実行された場合でもメイン制御RAM60cおよび演出制御RAM65cには電源断時(前)に発生していたエラーに関する情報が記憶されている。すなわち、パチンコ機10が電源投入処理(復電処理)によって電力供給の遮断時(前)の状態に復帰すると、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でエラー報知が実行され、電源投入処理(復電処理)が実行されたことを確実に認識し得なくなる場合がある。しかるに、実施例のパチンコ機10では、表示装置17、ランプ装置18、スピーカ19でエラー報知が実行されている状態で、電力供給が遮断し、その後に電源投入処理(復電処理)が実行された場合は、メイン制御CPU60aおよび演出制御CPU65aの制御下に、電源投入処理(復電処理)が実行された旨の復電処理実行報知をエラー報知に優先して表示装置17で実行させるよう構成されているので、電源投入処理(復電処理)が実行されたことを確実に報知することができる。
〔別実施例について〕
次に、別実施例に係るパチンコ機について説明する。別実施例のパチンコ機は、前記実施例のパチンコ機10とは、前記各種エラーにおける表示装置17でのエラー表示の、エラーが発生したときの遊技状態に対応する態様が異なるのみで、その他の構成は同じであるので、別実施例のパチンコ機については、遊技状態に対応するエラー表示の態様についてのみ説明し、実施例に既出の同じまたは同種の構成部材には同じ符号を付して詳細説明は省略する。なお、図15に示す確変状態は、確変状態のみが付与されている状態および確変状態と変短状態とが何れも付与されている状態を指し、図15に示す変短状態は、変短状態のみが付与されている状態を指している。
ここで、パチンコ機においては、前記大当り抽選の結果に基づいてメイン制御CPU60aが決定した特図変動パターンに対応する演出パターンを演出制御CPU65aが決定し、該決定した演出パターンで特定される演出内容で表示装置17において図柄変動演出が実行(表示)される。そして、演出パターンで特定される図柄変動演出の演出内容によって、大当り抽選の結果を報知したり示唆する各種の演出表示がなされる。すなわち、図柄変動演出は遊技者が最も注目するものであるところ、前記表示部17aの一部を用いてエラー表示が表示される前記第2種エラー(「振動検出センサエラー」、「満杯エラー」、「右打ちエラー」)が図柄変動演出中に発生し、表示部17aに表示された第2種エラー表示によって図柄変動演出における大当り抽選の結果に関わる重要な特定演出表示が隠れてしまうと、興趣を著しく低下させてしまう。そこで、別実施例のパチンコ機では、遊技状態に応じて演出制御CPU65aが決定可能な複数種類の演出パターンに対応して、当該演出パターンで特定される特定演出表示に重なることがない第2種エラー表示の表示位置を、エラーの種類に応じて個別に設定している。なお、特定演出表示としては、例えば予告演出において表示部17aに表示される当りの期待度に応じた種類のアイテムやセリフ、あるいはボタン予告におけるボタンの表示や、「Push」、「連打せよ」、「長押しせよ」等のボタンの操作形態を示唆する文字等が挙げられる。
別実施例のパチンコ機では、演出制御CPU65aが決定可能な演出パターンとして、図15に示す如く、通常状態において決定可能な演出パターンP1〜P10が設定され、確変状態において決定可能な演出パターンP11〜P20が設定され、変短状態において決定可能な演出パターンP21〜P30が設定されている。これに対し、「振動検出センサエラー」の振動エラー用表示領域204の表示位置として、演出パターンP1〜P10に対応して表示位置N1〜N10が設定され、演出パターンP11〜P20に対応して表示位置N11〜N20が設定され、演出パターンP21〜P30に対応して表示位置N21〜N30が設定される。同様に、「満杯エラー」の満杯エラー用表示領域205の表示位置として、演出パターンP1〜P10に対応して表示位置M1〜M10が設定され、演出パターンP11〜P20に対応して表示位置M11〜M20が設定され、演出パターンP21〜P30に対応して表示位置M21〜M30が設定され、「右打ちエラー」の右打ちエラー用表示領域206の表示位置として、演出パターンP1〜P10に対応して表示位置F1〜F10が設定され、演出パターンP11〜P20に対応して表示位置F11〜F20が設定され、演出パターンP21〜P30に対応して表示位置F21〜F30が設定されている。そして、例えば、通常状態において演出パターンP1で特定される演出内容で図柄変動演出が実行中に、メイン制御CPU60aにより「振動検出センサエラー」が発生したと判定された場合は、演出制御CPU65aは、振動検出センサエラー表示を表示する振動エラー用表示領域204の表示位置として表示位置N1を決定する。これにより、表示装置17の表示部17aには、演出パターンP1で特定される演出内容での図柄変動演出における特定演出表示に重ならない位置(表示位置N1)において前記「振動検出センサエラー」の文字が表示され、図柄変動演出における特定演出表示を隠すことなく「振動検出センサエラー」の発生を報知することができるようになっている。なお、前記各演出パターンP1〜P30の夫々に対応する表示位置N1〜N30、M1〜M30、F1〜F30は、相互に重ならない位置に設定されると共に、前記有効停止位置27にも重ならないように設定されている。具体的には、演出パターンP1に対応する表示位置N1、M1、F1は相互に重ならない位置に設定され、演出パターンP2に対応する表示位置N2、M2、F2は相互に重ならない位置に設定され、・・・演出パターンP30に対応する表示位置N30、M30、F30は相互に重ならない位置に設定される。これにより、各演出パターンで特定される演出内容での図柄変動演出が実行されている際に、複数の第2種エラーが発生した場合であっても特定演出表示が第2種エラー表示で隠れることはない。
別実施例のパチンコ機では、第2種エラーが発生したときの遊技状態に応じて前記表示装置17での第2種エラー表示の表示位置を、図柄変動演出の演出内容を特定する演出パータンに対応して異なるように設定している(図15参照)。これにより、通常状態、確変状態、変短状態等の各種遊技状態において演出制御CPU65aで決定された演出パターンに基づく図柄変動演出が表示装置17で実行中に第2種エラーが発生しても、演出パターンで特定される特定演出表示に第2種エラー表示が重なって該特定演出表示が隠れることはなく、遊技の興趣を低下させることなく第2種エラーの発生を適切に報知することができる。また、各第2種エラー表示の表示位置は、相互に重ならないと共に、前記有効停止位置27にも重ならないように設定されているので、複数の第2種エラーが重複して発生した場合であっても、特定演出表示や確定停止表示された飾図(演出図柄)を適切に表示しつつ、複数の第2種エラーの発生を適切に報知し得る。なお、第2種エラー表示の表示位置の違いによっても、どのような遊技状態で第2種エラーが発生したのかを認識させることができる。
〔変更例について〕
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例や別実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能で、例えば以下のものを採用可能である。
(1) 実施例や別実施例では、遊技状態(制御状況)に応じた各エラーの表示装置でのエラー表示(エラー報知)の態様として、背景色や表示位置を異なるように設定したが、文字画像の色、エラー表示の画像が表示される表示領域の大きさ、形状等、その他エラー表示が異なることが認識し得る部分を変えるようにすることができる。また、実施例では、エラー表示の態様(背景色の色)をエラーの種類に関係なく各遊技状態で共通としたが、エラーの種類によって各遊技状態での背景色の色を異なるようにしてもよい。同様に、背景色とは異なる部分を遊技状態毎に変える場合についても、エラーの種類毎に異なる態様となる構成を採用し得る。
(2) 実施例や別実施例では、遊技状態(制御状況)に応じたエラー表示の態様について、表示装置で実行されるエラー表示の態様を異なるようにした場合で説明したが、ランプ装置やスピーカで実行されるエラー報知(点灯色、点滅間隔、音声の種類等)を変えるようにしてもよい。なお、表示装置で実行されるエラー表示であれば、見た目によってエラー表示の態様の違いを認識することはできるが、ランプ装置やスピーカでのエラー報知の場合はエラーの種類に関係なく各遊技状態で同じ態様としてしまうとエラーの種類が分からなくなるおそれがあるので、ランプ装置およびスピーカのエラー報知については、各エラーの夫々について各遊技状態に対応して異なる態様のエラー報知を設定する。例えば、ランプ装置でのエラー報知の態様について、大当り状態での各エラーのエラー報知として、「メイン基板エラー」では赤色を点滅し、「磁気検出センサエラー」では黄色を点滅し、「電波検出センサエラー」では緑色を点滅し、「振動検出センサエラー」では白色を点滅し、「特別電動役物不正入賞エラー」では赤色と黄色とを交互に点灯し、「普通電動役物不正入賞エラー」では緑色と黄色とを交互に点灯するようにすればよい。
(3) 遊技状態(制御状況)に応じたエラー報知の態様について、エラー報知を実行する複数の報知手段(表示装置、ランプ装置、スピーカ)の何れか一つ、また複数の組み合わせ、あるいは全てにおいて遊技状態毎に応じて異なるように設定することができる。
(4) 実施例や別実施例では、遊技状態に応じて異なるエラー報知を設定する場合で説明したが、演出モード毎に異なるエラー報知を設定してもよい。また、制御状況としては、遊技検出手段が所定時間に亘ってパチンコ球を検出しない状況で演出制御CPUの制御下に移行するデモンストレーション状態を含み、該デモンストレーション状態において各種エラーが発生した場合におけるエラー報知の態様を、他の遊技状態や演出モードと異なるように設定することができる。
(5) エラー報知を制御状況に応じて設定するとは、エラー報知を実行する報知手段の種類や組み合わせを異ならせる態様も含まれている。例えば、通常状態では表示装置のみでエラー報知(エラー表示)を実行するのに対し、大当り状態では表示装置とランプ装置とでエラー報知を実行し、確変状態では表示装置、ランプ装置およびスピーカでエラー報知を実行する等、その他各種の組み合わせを採用し得る。
(6) 遊技状態(制御状況)に応じたエラー報知の態様について、演出パターンに応じてエラー表示の表示位置を変えるようにしたが、大当り状態において演出制御CPUが決定する表示装置で実行される当り演出の演出内容を特定する当り演出パターンに応じてエラー表示の表示位置を変えるようにしてもよい。例えば、パチンコ機では、図柄変動演出において確定停止表示された飾図の組み合わせでは、確変状態が付与されることを報知せずに、大当り遊技中(大当り状態)における当り演出によって大当り遊技後に確変状態が付与されることを報知する昇格演出等が行われる場合があり、このような昇格演出を特定する当り演出パターンに対応して、昇格演出における確変状態の付与を報知する報知演出表示(特定演出表示)にエラー表示が重ならないように該エラー表示の表示位置を設定すればよい。
(7) 遊技状態(制御状況)に応じたエラー報知の態様について、表示装置で実行される図柄変動演出や当り演出における特定演出表示との関係で、エラー表示の表示位置を遊技状態に応じて変える場合の他に、パチンコ機に設けられて表示装置における表示部の前側に延出するように可動する可動体の動作との関係で、エラー表示の表示位置を設定するようにしてもよい。すなわち、パチンコ機では、表示装置で実行される図柄変動演出や当り演出等の表示演出によって大当り抽選の結果を報知したり確変状態が付与されることを報知するのみでなく、可動体の動作によっても各種の報知を行うようになっており、該可動体の動作も前記演出パターンや当り演出パターンによって特定される。そこで、演出パターンや当り演出パターンで特定される可動体の動作に対応して、該可動体が表示部の前側に延出する動作時に該可動体と重ならない位置にエラー表示の表示位置を設定するようにすれば、可動体の動作による演出の興趣向上を図りつつエラー発生を適切に報知することができる。すなわち、遊技状態に応じて設定された特定演出(特定演出表示や表示部前側への可動体の動作演出)を、演出制御CPUの制御下に実行する表示装置や可動体等の演出手段を備えた遊技機において、エラーを発生したことを示すエラー表示を、表示部における前記特定演出と重ならない位置に表示するように表示装置を制御する構成を採用し得る。
(8) 実施例や別実施例では、遊技状態(制御状況)に対応してエラー表示を構成する背景色または表示位置を変えるよう構成したが、背景色と表示位置とを組み合せて表示する構成を採用し得る。
(9) 実施例では、「満杯エラー」が発生した場合におけるスピーカからのエラー報知について、1フレーズのみの出力としたが、「振動検出センサエラー」等の他の第2種エラーにおけるスピーカからのエラー報知について、1フレーズのみの出力とすることができるる。
(10) 実施例では、第1報知手段をスピーカとすると共に第2報知手段を表示装置とした組み合わせとしたが、第1報知手段をスピーカとすると共に第2報知手段をランプ装置とする組み合わせ、または第1報知手段をランプ装置とすると共に第2報知手段を表示装置とする組み合わせ、第1報知手段を表示装置とすると共に第2報知手段をスピーカとする組み合わせを採用し得る。そして、例えば、ランプ装置と表示装置との組み合わせであれば、エラー発生によりランプ装置では一定時間だけ(報知終了条件が成立するまで)ランプをエラーに対応した態様で点灯し、表示装置ではエラーに対応したエラー表示をエラーが解消するまで継続するようにすればよい。また、表示装置とスピーカとの組み合わせであれば、エラー発生により表示装置では一定時間だけ(報知終了条件が成立するまで)エラー表示を表示し、スピーカではエラーに対応した音声をエラーが解消するまで継続するようにすればよい。
(11) 実施例では、右打ちエラー表示と特定種演出表示とを同一とした場合で説明したが、異なるものであってもよい。具体的には、右打ちエラー表示では「左打ちに戻して下さい」の文字画像を表示するのに対し、特定種演出表示では矢印の画像を表示する例、右打ちエラー表示では「左打ちに戻して下さい」の文字画像と矢印の画像とを表示するのに対し、特定種演出表示では「左打ちに戻して下さい」の文字画像のみを表示する例等、その他各種の表示態様を採用し得る。
(12) 実施例では、特定種演出表示として、「左打ちに戻して下さい」の文字画像を表示する場合で説明したが、該特定種演出表示としては、文字画像のみでなく、矢印やその他、図柄変動演出で表示される画像とは異なる背景画像等を含むものであってもよい。
(13) 実施例では、表示装置において特定種演出表示が表示される特定種演出表示領域を、振動エラー用表示領域および満杯エラー用表示領域の全体と重なる大きさに設定したが、一部が重なる大きさに設定することができる。また、何れか一方のエラー用表示領域の全体または一部に重なる大きさに特定種演出表示領域を設定することもできる。
(14) 実施例では、表示装置において特定種演出表示が表示される特定種演出表示領域(報知演出表示領域)を、飾図(演出図柄)の有効停止位置(確定停止表示領域)と重ならない位置に設定したが、特定種演出表示が表示されるタイミングである非特定制御状況が終了する第2条件が成立するタイミングを、飾図が確定停止するタイミングと異なるように設定しておけば、特定種演出表示領域を有効停止位置に重なる位置に設定することもできる。すなわち、特定種演出表示領域を設定する位置の自由度を高くしたり、特定種演出表示をより大きく表示し得るもとで、確定停止した飾図が特定種演出表示で隠れてしまう状況が発生するのを防ぐことができる。例えば、図柄変動演出の変動時間として設定されている最短時間より特定種演出表示の表示時間を短かく設定すれば、大当り状態や変短状態が終了して特定種演出表示が表示されたと同時に変動が開始された図柄変動演出が終了(飾図が確定停止)する前に特定種演出表示の表示が消えるので、確定停止した飾図が特定種演出表示で隠れるのを防ぎ得る。
(15) 実施例では、表示部の全画面にエラー表示を表示するエラーを第1種エラーとしたが、第1種エラーとしては、表示部の全画面を用いてエラー表示を表示するものでなく、表示部の一部を用いてエラー表示を表示するものであってもよい。この場合に、第1種エラーの表示領域を、第2種エラーの表示領域より大きく設定しておけば、第2種エラー表示を隠すように第1種エラー表示を表示部に表示することができる。
(16) 実施例では、優先順位が同一の複数のエラーを分類した同一順位エラーを第1種エラーとしたが、特定の優先順位のエラーを基準エラーとし、該基準エラーの優先順位と優先順位が同じか高いエラーを第1種エラーとし、基準エラーの優先順位より優先順位が低いエラーを第2種エラーとしてもよい。
(17) 実施例では、同一順位エラー(第1種エラー)として、対応するエラー表示を表示部の全画面に表示するものを分類したが、表示部の一部に設定された表示領域にエラー表示(実施例の第2種エラーに対応するエラー表示)を表示する複数種類のエラーを同一順位エラーとして分類することができる。このように、表示部の一部に設定された表示領域にエラー表示を表示する複数種類のエラーを同一順位エラーとした場合に、全ての同一順位エラーのエラー表示を共通する表示領域に表示するようにしてもよいし、または各同一順位エラーのエラー表示を表示する表示領域を相互に重ならない位置に設定してもよい。そして、同一順位エラーのエラー表示を表示する表示領域を相互に重ならない位置に設定した場合は、複数の同一順位エラーが重複して発生した場合に、複数の同一順位エラーのエラー表示を、何れもが視認可能な状態で表示することができる。
(18) 実施例では、「RAMクリア」(高順位エラー)のエラー報知が報知手段で実行中に、第1種エラー(同一順位エラー)が発生した場合に、メイン制御CPUから演出制御CPUへのエラー指定コマンド(エラー情報)の出力を遅延させることで、「RAMクリア」のエラー報知の終了後に第1種エラー(同一順位エラー)のエラー報知を報知手段で実行させるようにしたが、演出制御CPU側で同一順位エラーのエラー報知の実行を遅延させるようにしてもよい。すなわち、メイン制御CPUでは、「RAMクリア」のエラー報知が報知手段で実行中に第1種エラー(同一順位エラー)が発生したと判定した場合は対応するエラー指定コマンドを遅延させることなく出力し、該エラー指定コマンドが入力された演出制御CPUが、「RAMクリア」のエラー報知が終了するまで報知手段に対して第1種エラー(同一順位エラー)のエラー報知を実行させるための制御信号の出力を遅延させるようにする。
(19) 実施例では、第1種エラー(同一順位エラー)を特定する夫々の第1種エラー表示を表示装置の第1レイヤに表示するようにし、後から発生した第1種エラーを優先して第1レイヤに表示するようにしたが、第1種エラーに分類される各エラーを夫々異なるレイヤに表示するよう構成してもよい。そして、後から発生した第1種エラーが表示されるレイヤを、最前面に位置するように表示装置を制御することで、後から発生した第1種エラーのみを前側から視認可能とする構成を採用し得る。
(20) 実施例では、第1種エラー(同一順位エラー)のエラー報知の解除条件(報知終了条件)を同じ(電源の切断)としたが、異なる解除条件としてもよい。すなわち、電源の切断が解除条件のエラーと、報知開始(エラー発生)からの経過時間が解除条件のエラーとが混在していてもよい。なお、第1種エラー(同一順位エラー)のエラー報知の解除条件を報知開始からの経過時間とした場合に、上記(19)の変更例のように第1種エラーに分類されている各エラーのエラー表示を種類毎に異なるレイヤに表示する構成では、後から発生した第1種エラーのエラー表示の解除条件が、先に発生していた第1種エラーのエラー表示の解除条件より早く成立した場合は、先に発生していた第1種エラーのエラー表示を遊技者や店員が視認可能となる。
(21) 実施例では、エラー報知手段(報知手段)として図柄変動演出が実行される表示装置を挙げたが、表示装置とは別に設けたサブ表示装置にエラー表示を表示させる構成を採用し得る。すなわち、表示装置で図柄変動演出を表示すると共に、サブ表示装置にエラー表示を表示させるようにすれば、図柄変動演出中に発生したエラーに対応するエラー表示によって図柄変動演出の視認性が低下するのを防止し得るもとで、エラーの発生を確実に報知することができる。
(22) 実施例では、「RAMクリア」に対応するエラー表示として、表示装置では「RAMクリア」を特定するエラー表示を表示しない場合としたが、表示制御RAMに、「RAMクリア」に対応するRAMクリア表示(初期化処理実行表示)の画像データとして、「RAMクリア」の文字を表示する画像データを記憶させて、「RAMクリア」が発生した場合には表示装置の表示部にRAMクリアの文字画像を有効停止位置(確定停止表示領域)に表示するようにしてもよい。また、RAMクリアの文字画像については、「RAMクリア」による初期化処理が開始されるタイミングで表示部に表示し、その後の初期化処理が終了するまでは実施例で説明したように初期画像(初期図柄)を表示するようにしてもよい。
(23) エラーが重複して発生した場合において優先順位が高いエラーのエラー報知を優先して実行する場合に、ランプ装置やスピーカ等のように同時または並行して異なるエラー報知を実行できない第1の報知手段では優先順位の高いエラー報知を実行する一方で、表示装置のように同時または並行して異なるエラー表示を表示できる第2の報知手段では優先順位に関わらず複数のエラー表示を表示する構成を採用し得る。例えば、満杯エラー報知が表示装置およびスピーカで実行中に、「振動検出センサエラー」が発生した場合に、表示装置では満杯エラー表示および振動検出センサエラー表示の画像を並行して表示しつつ、スピーカでは優先順位の高い「振動検出センサエラー」のエラー報知の音声を出力するようにする。この構成によれば、表示によって複数のエラーの発生を報知しつつ、音声によって優先順位の高いエラーの発生を報知することができる。
(24) 復電処理実行報知について、表示装置による報知のみに限らず、ランプ装置やスピーカで報知するようにしてもよい。
(25) 実施例では、優先順位が3〜7の各エラーについて、表示装置の表示部に対応するエラー表示を表示する領域が相互に重ならないようにして、同時に複数のエラー表示を表示し得るよう構成したが、優先順位が3〜7の各エラーのエラー用表示領域を1つとして、複数のエラーが重複して発生した場合は、最も優先順位の高いエラーに対応するエラー表示を表示部のエラー用表示領域に表示する構成を採用し得る。
(26) 実施例では、各エラーに対応するエラー報知を、表示装置、ランプ装置、スピーカの複数の報知手段のうちの複数を用いて実行するよう構成したが、エラーの種類に応じて報知手段の組み合わせを変えたり、または何れか一つの報知手段でのみエラー報知を実行するようにしてもよい。
(27) 実施例においてメイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(演出制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(演出制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例におけるメイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に、別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(28) 実施例においてメイン制御基板が備える機能の全部または一部を払出制御基板が備えるようにしてもよく、反対に払出制御基板が備える機能の全部または一部をメイン制御基板が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、メイン制御基板と払出制御基板とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。
(29) また、実施例において演出制御手段(演出制御CPU)が備える機能の全部または一部を表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段が備える機能の全部または一部を演出制御手段が備えるようにしてもよい。そして、実施例では、演出制御基板(演出制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、実施例における演出制御手段および表示制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、演出制御手段が兼用することができる。
(30) 実施例では、電源回路から各制御基板に電源電圧を供給するよう構成したが、電源回路から払出制御基板に供給された電源電圧を、該払出制御基板からその他の制御基板に供給する構成を採用し得る。すなわち、電源回路から1つの制御基板に供給された電源電圧を、該1つの制御基板から他の制御基板に供給するようにしてもよい。
(31) 遊技機としては、パチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やパチンコ球を用いたスロットマシン等、その他各種の遊技機であってもよい。