JP2019021439A - イオンビーム照射装置及びイオンビーム照射方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャッタを必要とすることなく、生産性の高いイオンビーム照射装置を提供する。【解決手段】真空に排気される真空容器2と、真空容器2内で基板を保持する基板ホルダ3と、基板ホルダ3に保持された基板Wに対してイオンビームIBを照射するイオンビーム照射部7と、基板ホルダ3を基板WにイオンビームIBが照射される照射位置3Q及び基板WにイオンビームIBが照射されない退避位置3Pの間で回転させるホルダ回動機構6と、を備えている。そして、ホルダ回動機構6は、照射位置3Qにある基板ホルダ3をイオンビームIBに沿って回動させることにより退避位置3Pにする。【選択図】図3
Description
本発明は、例えばイオンミリング装置、イオン注入装置等のように、真空雰囲気中で基板にイオンビームを照射することによって基板に処理を施すイオンビーム照射装置及びイオンビーム照射方法に関するものである。
この種のイオンビーム照射装置としては、特許文献1に示すように、真空容器中で基板を保持する基板ホルダと、当該基板ホルダに保持された基板にイオンビームを照射するイオン源と、基板ホルダの前方に設けられて、イオンビームを遮断する遮断位置及びイオンビームを遮断しない開放位置の間を移動するシャッタとを備えたものがある。このイオンビーム照射装置において、基板への処理を開始する場合にはシャッタを開放位置に移動させ、基板への処理を停止する場合にはシャッタを遮断位置に移動させる。そして、シャッタを閉塞位置に移動させた状態で、処理済みの基板が真空容器から搬出されるとともに、処理前の基板が真空容器に搬入される。
しかしながら、シャッタを設ける構成では、真空容器から基板を搬出する前にシャッタを閉塞位置に移動させる必要がある。そうすると、処理済みの基板を搬出する前にシャッタの移動を待つ時間が必要となり、生産性の高いイオンビーム照射装置を提供することが難しい。また、真空容器内にシャッタを設けるスペースが必要となるだけでなく、シャッタの開放位置を基板処理の障害にならない位置にする必要があるため、基板処理を行う領域が制約される恐れもある。さらに、シャッタ及びこのシャッタを移動させる駆動機構を設けることから、装置コストの上で不利となってしまう。
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、シャッタを必要とすることなく、生産性の高いイオンビーム照射装置を提供することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係るイオンビーム照射装置は、真空に排気される真空容器と、前記真空容器内で基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダに保持された基板に対してイオンビームを照射するイオンビーム照射部と、前記基板ホルダを前記基板に前記イオンビームが照射される照射位置及び前記基板に前記イオンビームが照射されない退避位置の間で回動させるホルダ回動機構とを備え、前記ホルダ回動機構は、前記照射位置にある基板ホルダを前記イオンビームに沿って回動させることにより前記退避位置にするものであることを特徴とする。
このようなイオンビーム照射装置であれば、照射位置にある基板ホルダを、イオンビームに沿って回動させることにより、基板にイオンビームが照射されない退避位置にしているので、シャッタが遮断位置に移動することを待たずに基板をイオンビームが照射されない位置に移動させることができ、生産性を向上することができる。また、シャッタを不要にすることができ、装置コストの観点で有利となる。
イオンビーム照射装置の生産性をさらに向上させるためには、前記退避位置は、基板搬送機構との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し位置であることが望ましい。
この構成であれば、基板にイオンビームが照射されない状態にした後に基板ホルダを移動させる必要が無く、基板の搬出までの時間及び基板を搬入してから基板を処理する照射位置に移動するまでの時間を短縮することができる。
この構成であれば、基板にイオンビームが照射されない状態にした後に基板ホルダを移動させる必要が無く、基板の搬出までの時間及び基板を搬入してから基板を処理する照射位置に移動するまでの時間を短縮することができる。
本発明のイオンビーム照射装置は、前記照射位置にある基板ホルダを所定の移動方向に沿って往復移動させる往復移動機構を備えたものが考えられる。この構成において、基板全体がイオンビームを横切るように往復移動させると、基板にイオンビームが照射されていない時間が生じてイオンビームを有効に利用することができない。また、基板の処理時間も長くなってしまう。
そのため、イオンビームを有効に活用するとともに、基板の処理時間を短縮するためには、前記往復移動機構は、前記基板ホルダに保持された基板全体が前記イオンビームを横切らないように往復移動させるものであることが望ましい。
そのため、イオンビームを有効に活用するとともに、基板の処理時間を短縮するためには、前記往復移動機構は、前記基板ホルダに保持された基板全体が前記イオンビームを横切らないように往復移動させるものであることが望ましい。
照射位置にある基板ホルダをイオンビームに沿って回動させることにより退避位置にすると、基板に照射されるイオンビームの照射角度が変わってしまい、基板処理に悪影響が生じる恐れがある。
ここで、イオンビームのビーム電流密度は基板ホルダの往復方向において外側に行くほど小さくなるため、折り返し地点又はその近傍で基板に照射されるイオンビームのビーム電流密度は、中央地点で基板に照射されるイオンビームのビーム電流密度よりも小さくなる。
この点に着目して、基板処理への悪影響を可及的に低減するためには、前記ホルダ回動機構は、前記往復移動機構における往復移動の折り返し地点又はその近傍において前記基板ホルダを前記退避位置に回動するものであることが望ましい。
ここで、イオンビームのビーム電流密度は基板ホルダの往復方向において外側に行くほど小さくなるため、折り返し地点又はその近傍で基板に照射されるイオンビームのビーム電流密度は、中央地点で基板に照射されるイオンビームのビーム電流密度よりも小さくなる。
この点に着目して、基板処理への悪影響を可及的に低減するためには、前記ホルダ回動機構は、前記往復移動機構における往復移動の折り返し地点又はその近傍において前記基板ホルダを前記退避位置に回動するものであることが望ましい。
本発明のイオンビーム照射装置は、前記基板ホルダを前記基板ホルダに保持された基板の中心部周りに回転させる基板回転機構を備えたものが考えられる。
この構成において、ホルダ回動機構により基板ホルダを照射位置から退避位置に回動する間に基板を中心部周りに回転させない場合には、基板の一部分にのみイオンビームが照射されて局所的に処理されてしまう恐れがある。
この問題を好適に解決するためには、前記基板回転機構は、前記ホルダ回動機構により前記基板ホルダが前記照射位置から前記退避位置に回動する間において、前記基板ホルダを前記基板の中心部周りに回転させるものであることが望ましい。
この構成であれば、基板の一部分にのみイオンビームが照射されて基板が局所的に処理されてしまうことを緩和することができる。
この構成において、ホルダ回動機構により基板ホルダを照射位置から退避位置に回動する間に基板を中心部周りに回転させない場合には、基板の一部分にのみイオンビームが照射されて局所的に処理されてしまう恐れがある。
この問題を好適に解決するためには、前記基板回転機構は、前記ホルダ回動機構により前記基板ホルダが前記照射位置から前記退避位置に回動する間において、前記基板ホルダを前記基板の中心部周りに回転させるものであることが望ましい。
この構成であれば、基板の一部分にのみイオンビームが照射されて基板が局所的に処理されてしまうことを緩和することができる。
本発明に係るイオンビーム照射方法は、真空に排気される真空容器と、前記真空容器内で基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダに保持された基板に対してイオンビームを照射するイオンビーム照射部と、前記基板ホルダを基板に前記イオンビームが照射される照射位置及び前記基板に前記イオンビームが照射されない退避位置の間で回動させるホルダ回動機構とを備えるイオンビーム照射装置を用いたイオンビーム照射方法であって、前記ホルダ回動機構により、前記照射位置にある基板ホルダを前記イオンビームに沿って回動させることにより前記退避位置にすることを特徴とする。
このように構成した本発明によれば、照射位置にある基板ホルダを、イオンビームに沿って回動させることにより、基板にイオンビームが照射されない退避位置にしているので、シャッタが遮断位置に移動することを待たずに基板をイオンビームが照射されない位置に移動させることができ、生産性を向上することができる。また、シャッタを不要にすることができ、装置コストの観点で有利となる。
以下に、本発明に係るイオンビーム照射装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、方向の理解を容易にするために、各図中において、1点で互いに直交するX方向、Y方向及びZ方向を図示している。例えば、Y方向及びZ方向は水平方向であり、X方向は鉛直方向である。イオンビームは、この例ではZ方向に進行する。
<装置構成>
本実施形態のイオンビーム照射装置100は、図1及び図2に示すように、真空雰囲気中で基板WにイオンビームIBを照射して処理する装置である。この基板Wは、例えばシリコンウェーハ等の半導体基板、半導体基板の表面に磁性体膜等の膜が形成された基板等であるが、これに限られるものではない。また、基板Wの形状は、例えば円形(円周の一部分にオリエンテーションフラットやノッチを有するものもこれに含むものとする)であるが、これに限られるものではない。
本実施形態のイオンビーム照射装置100は、図1及び図2に示すように、真空雰囲気中で基板WにイオンビームIBを照射して処理する装置である。この基板Wは、例えばシリコンウェーハ等の半導体基板、半導体基板の表面に磁性体膜等の膜が形成された基板等であるが、これに限られるものではない。また、基板Wの形状は、例えば円形(円周の一部分にオリエンテーションフラットやノッチを有するものもこれに含むものとする)であるが、これに限られるものではない。
具体的にイオンビーム照射装置100は、図示しない真空排気装置によって真空に排気される真空容器2と、この真空容器2内で基板Wを保持する基板ホルダ3と、基板ホルダ3を回転させる基板回転機構4と、基板ホルダ3及び基板回転機構4を往復移動させる往復移動機構5と、基板ホルダ3を回動させるホルダ回動機構6と、基板WにイオンビームIBを照射するイオンビーム照射部7と、各機構4〜6を制御する制御装置8とを備えている。なお、図2では各機構4〜6の図示を省略している。
基板ホルダ3は、例えば静電チャックを備えるものであり、真空容器2内において基板回転機構4により回転可能に設けられるとともに、往復移動機構5により往復移動可能に設けられている。また、本実施形態の基板ホルダ3は、イオンビームIBに対する基板Wのチルト角(傾き角)φを変更するチルト機構9により傾斜可能に設けられている。
基板回転機構4は、基板ホルダ3を回転させることにより、基板ホルダ3に保持された基板Wをその中心部Waの周りに回転させるものである。この基板回転機構4は、基板Wの中心部Waの周りに時計回り又は反時計回りに連続回転させるものである。図1には、回転方向Cの一例を示しているが、これと逆方向であっても良い。
往復移動機構5は、基板ホルダ3、基板回転機構4及びチルト機構9を所定の移動方向D(図1及び図2においてY方向)に沿って機械的に往復移動させることにより、基板ホルダ3に保持された基板Wを移動方向Dに沿って往復移動させるものである。この往復移動機構5による基板Wの往路及び復路は直線移動であり、また、往路及び復路は互いに重複するように構成されている。なお、往復移動機構5は、真空容器2外に設けられたアクチュエータ51と、基板ホルダ3及び基板回転機構4等に連結されるとともに前記アクチュエータ51により駆動される駆動軸52とを備えている。アクチュエータ51は、この例では真空容器2外に設けているが、これに限られるものではない。
ホルダ回動機構6は、基板ホルダ3を、基板Wにイオンビームが照射される照射位置3Q及び基板Wにイオンビームが照射されない退避位置3Pの間で回動させるものである。本実施形態のホルダ回動機構6は、基板ホルダ3とともに少なくとも基板回転機構4及びチルト機構9を回動させる構成としてある。この例では、ホルダ回動機構6は、往復移動機構5により往復移動される構成であるが、ホルダ回動機構6が往復移動機構5を支持しており、基板ホルダ3とともに往復移動機構5を回動させる構成としても良い。
ここで、図3に示すように、照射位置3Qは、横方向から照射されるイオンビームIBが基板Wに照射される起立した位置である。一方、退避位置3Pは、イオンビームIBの通過領域から退避した位置であり、イオンビームIBからX方向下側に退避した位置である。また、退避位置3Pは、照射位置3QからイオンビームIBに沿って後方に回動した位置、つまり、照射位置3Qからイオンビーム照射部7から離れる方向に回動した位置である。基板ホルダ3の照射位置3Q及び退避位置3Pの回動中心軸Lは、イオンビームIBの下方であって、Y方向に平行な軸である。なお、本実施形態の退避位置3Pは、基板ホルダ3に保持された基板Wが水平状態となる位置であるが、これに限られない。
また、退避位置3Pは、基板搬送機構10との間で基板Wの受け渡しを行うための受け渡し位置としてある。基板搬送機構10は、真空容器2の処理室S1に隣接する真空予備室S2に設けられた搬送ロボットである(図1等参照)。なお、処理室S1と真空予備室S2とは、真空弁(ゲートバルブ)11により仕切られている。
イオンビーム照射部7は、照射位置3Qにある基板ホルダ3に保持された基板Wに対してイオンビームIBを照射するものである。このイオンビーム照射部7は、断面が長方形状をなすイオンビームIBを照射するものであり、イオン源70を用いて構成されている。このイオン源70は、プラズマ73を生成するプラズマ生成部71と、プラズマ73から電界の作用でイオンビームIBを引き出す引出電極系72とを有している。イオン源70は、その引出電極系72と共に、真空容器2の内部に配置しても良いし、真空容器2の外部に配置しても良い。
本実施形態では、イオン源70からのイオンビームIBの引き出し方向は、重力方向Gと交差する方向(例えば、図1に示す例のように実質的に直交する方向、または斜めの方向)にするのが好ましい。具体的には、イオン源70のビーム引き出し口Hと基板Wとが水平方向において互いに対向している。このようにすると、イオン源70の真下に基板Wを配置せずに済み、イオン源70内部の堆積物の剥離片等の異物(ゴミ)がイオン源70から落下しても基板Wに混入しにくくなる。その結果、異物混入による基板Wの処理不良の発生を抑制することができる。
なお、イオン源70は、(a)多極磁界(カスプ磁界)を用いてプラズマ73の閉じ込め等を行う、いわゆるバケット型イオン源(多極磁界型イオン源とも呼ばれる)でも良いし、(b)高周波放電によってプラズマ73を生成する高周波イオン源でも良いし、(c)陰極と反射電極とを対向させ、かつ両者を結ぶ軸に沿う方向に磁界を印加してプラズマ73を生成する、いわゆるバーナス型イオン源でも良い。また、引出電極系72を構成する電極の数は、特定のものに限定されない。また、引出電極系72を構成する電極には、必要に応じて冷却パイプを設けても良いし、設けなくても良い。
このイオン源70により基板Wに照射されるイオンビームIBは、その長手方向が移動方向Dと直交するように基板Wに向かって照射される。本実施形態のイオンビームIBは、移動方向Dに直交する長手方向(X方向)の寸法が、基板WにおけるX方向の寸法よりも大きい。イオンビームIBにおける移動方向D(Y方向)の寸法は、基板WにおけるY方向の寸法よりも小さいものであっても良いし、大きいものであっても良い。なお、この断面長方形状のイオンビームIBは、イオン源70の長方形状をなすビーム引き出し口H(引出電極系72のビーム引き出し領域)から射出されることにより形成される。
そして、制御装置8は、往復移動機構5を制御して、図2に示すように、基板ホルダ3に保持された基板W全体がイオンビームIBを横切らないように、つまり、基板W全体がイオンビームIBから移動方向Dの両側にはみ出さないように往復移動させる。
この往復移動中において、制御装置8は、基板回転機構4を制御して、基板Wを往復移動中に1又は複数回連続回転させるものである。ここで、往復移動中における基板回転機構4による基板Wの回転速度は一定であるが、処理内容等に応じて可変としても良い。なお、往路移動中の基板Wの回転数と復路移動中の基板Wの回転数とは、同じであっても良いし、異なっていても良い。なお、制御装置8は、チルト機構9を制御して基板Wのチルト角φを制御する機能も有する。
さらに、制御装置8は、基板WへのイオンビームIBによる処理が終了すると、図1及び図3に示すように、ホルダ回動機構6を制御して、起立状態とされた基板WにイオンビームIBが照射されている状態(基板ホルダ3は照射位置3Qにある状態)で、基板ホルダ3をイオンビームIBに沿って後方に回動させることにより、基板ホルダ3を基板WにイオンビームIBが照射されない退避位置3Pにする。本実施形態では、制御装置8は、往復移動機構5における往復移動の折り返し地点又はその近傍において、ホルダ回動機構6を制御して、基板ホルダ3を基板WにイオンビームIBが照射されない退避位置3Pに回動する。
このとき、制御装置8は、ホルダ回動機構6により基板ホルダ3が照射位置3Qから退避位置3Pに回動する間において、基板回転機構4を制御して、基板ホルダ3を基板Wの中心部Wa周りに回転させる。
このようにして基板ホルダ3が退避位置3Pに移動されると、制御装置8は、真空弁11を開き、真空予備室S2の基板搬送機構10を制御して、基板ホルダ3に保持された処理済みの基板Wを処理室S1から搬出するとともに、処理前の基板Wを基板ホルダ3上に載置した後に、真空弁11を閉める。その後、制御装置8は、ホルダ回動機構6を制御して、基板ホルダ3を照射位置3Qにするとともに、上述したように、往復移動機構5及び基板回転機構4を制御して基板処理を開始する。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のイオンビーム照射装置100によれば、照射位置3Qにある基板ホルダ3を、イオンビームIBに沿って回動させることにより、基板WにイオンビームIBが照射されない退避位置3Pにしているので、シャッタが遮断位置に移動することを待たずに基板WをイオンビームIBが照射されない位置に移動させることができ、生産性を向上することができる。また、シャッタを不要にすることができ、装置コストの観点で有利となる。
このように構成した本実施形態のイオンビーム照射装置100によれば、照射位置3Qにある基板ホルダ3を、イオンビームIBに沿って回動させることにより、基板WにイオンビームIBが照射されない退避位置3Pにしているので、シャッタが遮断位置に移動することを待たずに基板WをイオンビームIBが照射されない位置に移動させることができ、生産性を向上することができる。また、シャッタを不要にすることができ、装置コストの観点で有利となる。
基板ホルダ3の退避位置3Pが基板搬送機構10との間で基板Wの受け渡しを行うための受け渡し位置であるので、基板WにイオンビームIBが照射されない状態にした後に基板ホルダ3を移動させる必要が無く、基板Wの搬出までの時間及び基板Wを搬入してから基板Wを処理する照射位置3Qに移動するまでの時間を短縮することができる。
さらに、往復移動機構5は、基板ホルダ3に保持された基板W全体がイオンビームIBを横切らないように往復移動させるので、イオンビームIBを有効に活用するとともに、基板Wの処理時間を短縮することができる。
ここで、基板回転機構4が往復移動中に基板Wを回転させているので、基板Wの全面にイオンビームIBを照射して、当該基板Wに処理を施すことができる。例えば、基板Wにその表面を削る等のイオンミリング加工を施すことができる。また、基板Wにイオン注入を行うこともできる。イオンビームIBの種類は、基板Wに施す処理内容に応じて選定すれば良い。例えば、イオンミリングを行う場合は、イオンビームIBとして、例えばアルゴンイオンビームのような不活性ガスイオンビーム等を用いれば良い。イオン注入を行う場合は、イオンビームIBとして、所望のドーパントを含むイオンビームを用いれば良い。
ホルダ回動機構6が往復移動の折り返し地点又はその近傍において基板ホルダ3を退避位置3Pに回動するので、この回動中に基板Wに照射されるイオンビームIBのビーム電流密度を小さくすることができ、イオンビーム照射中に基板Wへの照射角度を変更することにより生じる基板処理への悪影響を可及的に低減することができる。
基板回転機構4が、基板ホルダ3の退避位置3Pへの回動中に基板ホルダ3を基板Wの中心部Wa周りに回転させるので、イオンビームIBの照射角度の変化によって基板Wが局所的に処理されてしまうことを緩和することができる。
次に、本発明に係るイオンビーム照射方法の実施形態を説明すると、上記のようなイオンビーム照射装置100を用いて、イオンビームIBの照射領域内で基板Wを上記のように回転および往復移動させて、基板Wの全面にイオンビームIBを照射する方法を採用しても良い。なお、この方法の場合は、上記制御装置8を用いる必要はないので、それを備えている必要はない。
このイオンビーム照射方法の場合も、起立状態とされた基板WにイオンビームIBが照射されている状態で、基板ホルダ3をイオンビームIBに沿って後方に回転させることにより、基板ホルダ3を基板WにイオンビームIBが照射されない退避位置3Pにするので、上記イオンビーム照射装置100の場合と同様に、シャッタを必要とすることなく、基板処理の効率を向上することができる。
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、イオンビーム照射部7の構成としては、イオン源70と、当該イオン源70から引き出したイオンビームIBを電場および/または磁場で拡大し、更に必要に応じて平行化する構成のイオン光学要素とを備えるものでも良い。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、イオンビーム照射部7の構成としては、イオン源70と、当該イオン源70から引き出したイオンビームIBを電場および/または磁場で拡大し、更に必要に応じて平行化する構成のイオン光学要素とを備えるものでも良い。
前記実施形態では、イオン源70からのイオンビームIBの引き出し方向は、重力方向Gと交差する方向であったが、前記引き出し方向を重力方向と同じ方向であっても良い。この場合、基板が横倒し状態となる基板ホルダの位置が照射位置となり、基板が起立状態となる基板ホルダの位置が退避位置となる。
往復移動機構5による基板W等の往復移動は、直線状以外でも良い。直線状以外では、例えば、基板Wを保持するホルダをアームの一端部で支持し、当該アームの他端部に可逆転式の回転駆動源を連結して、当該アーム(スイングアームとも呼ばれる)を所定角度範囲内において往復で旋回させる(スイングさせる)方式によって基板W等を往復移動しても良い。
前記実施形態ではイオンビームIBから基板の一部がはみ出すように往復移動させる構成であったが、図4に示すように、イオンビームIBから基板Wははみ出さないように往復移動させる構成であっても良い。この場合、基板W全体には常にイオンビームIBが照射されることになる。
前記実施形態では、ホルダ回動機構6による基板ホルダ3の退避位置が基板の受け渡し位置としてあったが、前記退避位置と受け渡し位置とが互いに異なる位置であっても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・イオンビーム照射装置
W ・・・基板
2 ・・・真空容器
3 ・・・基板ホルダ
3P ・・・退避位置(受け渡し位置)
3Q ・・・照射位置
4 ・・・回転機構
5 ・・・往復移動機構
6 ・・・ホルダ回動機構
7 ・・・イオンビーム照射部
IB ・・・イオンビーム
8 ・・・制御装置
10 ・・・基板搬送機構
W ・・・基板
2 ・・・真空容器
3 ・・・基板ホルダ
3P ・・・退避位置(受け渡し位置)
3Q ・・・照射位置
4 ・・・回転機構
5 ・・・往復移動機構
6 ・・・ホルダ回動機構
7 ・・・イオンビーム照射部
IB ・・・イオンビーム
8 ・・・制御装置
10 ・・・基板搬送機構
Claims (6)
- 真空に排気される真空容器と、
前記真空容器内で基板を保持する基板ホルダと、
前記基板ホルダに保持された基板に対してイオンビームを照射するイオンビーム照射部と、
前記基板ホルダを前記基板に前記イオンビームが照射される照射位置及び前記基板に前記イオンビームが照射されない退避位置の間で回動させるホルダ回動機構とを備え、
前記ホルダ回動機構は、前記照射位置にある基板ホルダを前記イオンビームに沿って回動させることにより前記退避位置にするものである、イオンビーム照射装置。 - 前記退避位置は、基板搬送機構との間で基板の受け渡しを行うための受け渡し位置である、請求項1記載のイオンビーム照射装置。
- 前記照射位置にある基板ホルダを所定の移動方向に沿って往復移動させる往復移動機構を備え、
前記往復移動機構は、前記基板ホルダに保持された基板全体が前記イオンビームを横切らないように往復移動させるものである、請求項1又は2記載のイオンビーム照射装置。 - 前記ホルダ回動機構は、前記往復移動機構における往復移動の折り返し地点又はその近傍において前記基板ホルダを前記退避位置に回動するものである、請求項3記載のイオンビーム照射装置。
- 前記基板ホルダを前記基板ホルダに保持された基板の中心部周りに回転させる基板回転機構を備え、
前記基板回転機構は、前記ホルダ回動機構により前記基板ホルダが前記照射位置から前記退避位置に回動する間において、前記基板ホルダを前記基板の中心部周りに回転させるものである、請求項1乃至4の何れか一項に記載のイオンビーム照射装置。 - 真空に排気される真空容器と、前記真空容器内で基板を保持する基板ホルダと、前記基板ホルダに保持された基板に対してイオンビームを照射するイオンビーム照射部と、前記基板ホルダを基板に前記イオンビームが照射される照射位置及び前記基板に前記イオンビームが照射されない退避位置の間で回動させるホルダ回動機構とを備えるイオンビーム照射装置を用いたイオンビーム照射方法であって、
前記ホルダ回動機構により、前記照射位置にある基板ホルダを前記イオンビームに沿って回動させることにより前記退避位置にする、イオンビーム照射方法。
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US20230343557A1 (en) * | 2022-04-23 | 2023-10-26 | Plasma-Therm Nes Llc | Virtual shutter in ion beam system |
WO2023204912A3 (en) * | 2022-04-23 | 2024-03-14 | Plasma-Therm Nes, Llc | Virtual shutter in ion beam system |
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2017
- 2017-07-13 JP JP2017137002A patent/JP2019021439A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20230343557A1 (en) * | 2022-04-23 | 2023-10-26 | Plasma-Therm Nes Llc | Virtual shutter in ion beam system |
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