JP2019019917A - 軸封装置および立軸ポンプ - Google Patents

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博 打田
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Abstract

【課題】立軸式の回転機械の効率を低下させることなく、上側シール部に潤滑油を供給することができる軸封装置を提供する。【解決手段】本発明の軸封装置は、潤滑油が貯留され、鉛直方向に延びる回転軸2が貫通するオイル室12を有するシールケーシング11と、シールケーシング11と回転軸2との間の隙間を封止する固定環16および回転環17とを有するメカニカルシール14と、オイル室12を上側オイル室31および下側オイル室32に分割し、回転軸2およびメカニカルシール14が通る貫通孔を有する仕切板24と、を備える。仕切板24は、下側オイル室32を上側オイル室31に連通させる少なくとも1つの開口部25を有しており、開口部25は、回転軸2の回転によって上昇する潤滑油の油面Pよりも下方に位置しており、固定環16の摺動面および回転環17の摺動面とで形成される上側シール部27は、上側オイル室31に位置している。【選択図】図4

Description

本発明は、鉛直方向に延びる回転軸を有する立軸式の回転機械に備えられる軸封装置に関する。さらに、本発明は、このような軸封装置を備えた立軸ポンプに関する。
従来、鉛直方向に延びる回転軸を備えた立軸式の回転機械が知られている。立軸式の回転機械には、下水管を流れる雨水および汚水などの液体を移送するための立軸ポンプが含まれる。立軸ポンプは、家庭排水または工場排水を下水管に移送するために使用されることもある。
このような立軸ポンプは、一般に、鉛直方向に延びる回転軸と、回転軸に固定される羽根車と、羽根車を収容するポンプケーシングと、回転軸を駆動するためのモータと、モータを収容するモータケーシングと、を備えている。さらに、立軸ポンプは、ポンプケーシングと回転軸との間の隙間、およびモータケーシングと回転軸との間の隙間を封止する軸封装置を有する。軸封装置は、ポンプケーシングとモータケーシングとの間に配置され、潤滑油が貯留されるシールケーシングを備えている。潤滑油は、シールケーシング内に形成されたオイル室に貯留され、回転軸は、オイル室を通って、シールケーシングを鉛直方向に貫通する。
さらに、軸封装置は、シールケーシングと回転軸との間の隙間を封止するためのメカニカルシールを備えている。このメカニカルシールは、シールケーシングの上壁と回転軸との間の隙間を封止する上側固定環および上側回転環と、シールケーシングの下壁と回転軸との間の隙間を封止する下側固定環および下側回転環と、上側回転環および下側回転環を上側固定環および下側固定環にそれぞれ押圧するための付勢部材(例えば、コイルばね)とを有している。上側固定環および下側固定環は、シールケーシングに固定され、上側回転環および下側回転環は、回転軸に固定される。
モータの駆動により回転軸を回転させると、上側回転環は、回転軸とともに回転し、付勢部材の付勢力によって上側固定環と摺動する。上側固定環の下面と上側回転環の上面とは、互いに摺動する上側シール部を構成する。上側シール部によって、オイル室に貯留された潤滑油がシールケーシングの外部に漏洩することが防止される。同様に、下側回転環は、回転軸とともに回転し、付勢部材の付勢力によって下側固定環と摺動する。下側固定環の上面と下側回転環の下面とは、互いに摺動する下側シール部を構成する。下側シール部によって、ポンプケーシングを流れる液体が軸封装置のオイル室に浸入することが防止される。
オイル室に貯留される潤滑油は、上側シール部および下側シール部の潤滑に使用される。潤滑油は上側シール部と下側シール部の冷却にも使用されるので、オイル室に貯留される潤滑油の量は、潤滑油の熱膨張率を考慮して、オイル室の体積の50〜90%程度(例えば、80%)の量に制限される。
このような軸封装置では、回転軸を回転させると、上側回転環、下側回転環、および付勢部材が回転軸とともに回転するので、オイル室内の潤滑油が回転軸まわりに旋回する。旋回する潤滑油には遠心力が作用するので、回転軸近傍の潤滑油の油面が低下してしまう。その結果、上側シール部に潤滑油を供給できないことがあった。
そこで、メカニカルシールを覆うようにオイル室内に配置される案内筒と、回転軸に固定される揚液羽根とを備えた軸封装置が知られている(特許文献1参照)。案内筒の上部と下部には、通油孔がそれぞれ形成される。この軸封装置によれば、回転軸とともに回転する揚液羽根によって、案内筒内の潤滑油を上方に移動させることができるので、上側シール部に潤滑油を供給することができる。案内筒の上部まで移動した潤滑油は、案内筒の上部に形成された通油孔を通って、オイル室の内面と案内筒の外周面との間に形成された隙間に流入し、さらに案内筒の下部に形成された通油孔を通って、案内筒内に戻される。
さらに、螺旋状に延びる付勢部材がL字形状の断面形状を有する軸封装置も知られている(特許文献2参照)。この軸封装置によれば、潤滑油を回転する付勢部材に沿って上方に移動させることができるので、上側シール部に潤滑油を供給することができる。さらに、オイル室の内周面から回転軸に向かって円弧状に延びる油旋回防止板を備えた軸封装置も知られている(特許文献3参照)。この軸封装置によれば、油旋回防止板がオイル室内に発生した潤滑油の旋回流をメカニカルシールに向かって案内するので、回転軸近傍の潤滑油の油面が上昇し、上側シール部に潤滑油を供給することができる。
実開昭53−137304号公報 特許第6126850号公報 特許第4204861号公報
しかしながら、特許文献1に記載の軸封装置では、回転軸とともに回転する揚液羽根によって、案内筒内の潤滑油を強制的に旋回させるので、モータの負荷が増加して、ポンプの効率が低下してしまう。特許文献2に記載の軸封装置では、回転軸とともに回転する付勢部材によって、潤滑油を上方に移動させるので、モータの負荷が増加して、ポンプの効率が低下してしまう。特許文献3に記載の軸封装置では、油旋回防止板によって旋回する潤滑油の流れ方向を強制的にメカニカルシールに向けて変更するので、モータの負荷が増加して、ポンプの効率が低下してしまう。さらに、特許文献3に記載の軸封装置では、メカニカルシールに向けて案内された潤滑油が上側シール部に到達しない可能性がある。
そこで、本発明は、立軸式の回転機械の効率を低下させることなく、上側シール部に潤滑油を供給することができる軸封装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、そのような軸封装置を備えた立軸ポンプを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、潤滑油が貯留され、鉛直方向に延びる回転軸が貫通するオイル室を有するシールケーシングと、前記シールケーシングと前記回転軸との間の隙間を封止する固定環および回転環とを有するメカニカルシールと、前記オイル室を上側オイル室および下側オイル室に分割し、前記回転軸および前記メカニカルシールが通る貫通孔を有する仕切板と、を備え、前記仕切板は、前記下側オイル室を前記上側オイル室に連通させる少なくとも1つの開口部を有しており、前記開口部は、前記回転軸の回転によって上昇する潤滑油の油面よりも下方に位置しており、前記固定環の摺動面および前記回転環の摺動面とで形成される上側シール部は、前記上側オイル室に位置していることを特徴とする軸封装置である。
本発明の好ましい態様は、前記開口部の断面積は、前記仕切板の内周面と前記回転軸の外周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記開口部は、前記回転軸の回転によって旋回する潤滑油の回転方向において、前記仕切板の下面から上面まで徐々に上昇する傾斜面を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記仕切板は、前記下側オイル室に配置され、前記開口部に接続されるガイド管をさらに備え、前記ガイド管は、前記回転軸の回転によって旋回する潤滑油の回転方向に対向して開口するガイド管入口を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ガイド管入口の断面積は、前記仕切板の内周面と前記回転軸の外周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記仕切板は、前記仕切板の上面に配置される少なくとも1つのガイド壁をさらに備え、前記ガイド壁は、前記開口部を通って前記上側オイル室に流入された潤滑油を前記回転軸に向かって案内する円弧状側面を有することを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記ガイド壁の上面は、前記シールケーシングの上壁の下面に接続されていることを特徴とする。
本発明の他の態様は、鉛直方向に延びる回転軸と、前記回転軸に固定される羽根車と、前記羽根車を収容するポンプケーシングと、前記回転軸を回転させるモータと、前記モータを収容するモータケーシングと、上記軸封装置と、を備え、前記軸封装置は、前記ポンプケーシングと前記モータケーシングとの間に配置される立軸ポンプである。
本発明によれば、回転軸の回転により潤滑油が旋回すると、仕切板の開口を通って下側オイル室から上側オイル室に潤滑油が流入する。回転軸が回転している限り、潤滑油は、上側オイル室に流入し続けるので、上側オイル室は、潤滑油によって満たされる。その結果、潤滑油が上側オイル室内に配置された上側シール部に供給される。さらに、この軸封装置は、オイル室に貯留された潤滑油を強制的に上方に移動させる部材、または旋回する潤滑油の流れ方向を強制的に回転軸に向けて変更する部材を含まない。その結果、立軸式の回転機械の効率を低下させることなく、上側シール部に潤滑油を供給することができる。
一実施形態に係る立軸式の回転機械を示す概略断面図である。 図1に示される軸封装置を示す断面図である。 図3(a)は、図2に示される仕切板の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。 回転軸の回転にともなって旋回する潤滑油の油面を示す模式図である。 図3(a)のB−B線断面図である。 他の実施形態に係る軸封装置を示す断面図である。 図6に示される仕切板の平面図である。 図8(a)は、図7のC−C線断面図であり、図8(b)は、図7のD−D線断面図である。 他の実施形態に係るガイド管の断面図である。 さらに他の実施形態に係る軸封装置を示す断面図である。 図10に示される仕切板の平面図である。 さらに他の実施形態に係る軸封装置の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る立軸式の回転機械を示す概略断面図である。図1に示される立軸式の回転機械は、下水管を流れる汚水および雨水などの液体を移送する立軸ポンプ1である。この立軸ポンプ1は、下水管を流れる液体に没しているので水中ポンプと称されることがある。
図1に示されるように、立軸ポンプ1は、鉛直方向に延びる回転軸2と、回転軸2に固定される羽根車3と、羽根車3を収容するポンプケーシング5と、回転軸2を回転させるモータ8と、モータ8を収容するモータケーシング9と、を備えている。回転軸2は鉛直方向に延びており、羽根車3は、回転軸2の先端に固定されている。ポンプケーシング5とモータケーシング9とは鉛直方向に配列されている。モータ8には、電源(図示せず)から延びる電源ケーブル30が接続されている。
ポンプケーシング5は、吸込口5aおよび吐出口5bを有している。モータ8を駆動すると、回転軸2とともに羽根車3が回転する。羽根車3が回転することにより、液体が吸込口5aを通ってポンプケーシング5に流入し、昇圧される。昇圧された液体は、ポンプケーシング5の吐出口5bから吐き出される。
図1に示される立軸ポンプ1は、ポンプケーシング5とモータケーシング9との間に配置された軸封装置10をさらに備えている。軸封装置10は、潤滑油が貯留され、回転軸2が鉛直方向に貫通するオイル室12を有するシールケーシング11と、該シールケーシング11と回転軸2との間の隙間をシールするメカニカルシール14と、を備えている。本実施形態では、シールケーシング11は、ポンプケーシング5の一部と、蓋体15により形成されている。より具体的には、ポンプケーシング5は、その上部に凹部を有しており、シールケーシング11は、ポンプケーシング5の上部に形成されたこの凹部と、該凹部の開口を閉じる蓋体15によって構成される。蓋体15の下面にも、凹部が形成されており、オイル室12は、ポンプケーシング5の上部に形成された凹部の内面と蓋体15の下面に形成された凹部の内面とによって形成される。蓋体15の上面には、回転軸2を回転自在に支持する軸受7が固定されている。
図示はしないが、シールケーシング11をポンプケーシング5およびモータケーシング9とは別体で形成してもよい。この場合も、シールケーシング11は、ポンプケーシング5およびモータケーシング9の間に配置され、回転軸2は、シールケーシング11のオイル室12を通って鉛直方向に延びる。
図2は、図1に示される軸封装置10の断面図である。図2に示されるように、鉛直方向に延びる回転軸2は、潤滑油が貯留されるオイル室12を通って、シールケーシング11を貫通している。図2では、潤滑油の油面が符号Pを付した太い実線で描かれている。メカニカルシール14は、オイル室12内に配置されており、シールケーシング11と回転軸2との間の隙間を封止する。より具体的には、メカニカルシール14は、シールケーシング11の上壁(本実施形態では、蓋体15)と回転軸2との間の上側隙間と、シールケーシング11の下壁(本実施形態では、ポンプケーシング5)と回転軸2との間の下側隙間と、を封止する。
メカニカルシール14は、上側隙間を封止するための上側固定環16および上側回転環17を有する。上側固定環16は、上側リテーナ20を介してシールケーシング11の上壁(本実施形態では、蓋体15)の下面に固定されており、上側回転環17は、回転軸2に固定されている。上側固定環16の下面は、上側回転環17の上面と接触している。
メカニカルシール14は、下側隙間を封止するための下側固定環18および下側回転環19をさらに有する。下側固定環18は、下側リテーナ21を介してシールケーシング11の下壁(本実施形態では、ポンプケーシング5)に固定されており、下側回転環19は、回転軸2に固定されている。下側固定環18の上面は、下側回転環19の下面と接触している。
メカニカルシール14は、上側回転環17を上側固定環16に向けて付勢し、同時に、下側回転環19を下側固定環18に向けて付勢する付勢部材22をさらに備えている。本実施形態では、付勢部材22はコイルばねである。回転軸2を回転させると、該回転軸2とともに、上側回転環17が回転し、該上側回転環17の上面は、上側固定環16の下面と摺動する。上側回転環17の上面(すなわち、上側回転環17の摺動面)と上側固定環16の下面(すなわち、上側固定環16の摺動面)とは、オイル室12に貯留される潤滑油が該オイル室12から漏洩することを防止する上側シール部27を構成する。同様に、回転軸2を回転させると、該回転軸2とともに、下側回転環19が回転し、該下側回転環19の下面は、下側固定環18の上面と摺動する。下側回転環19の下面(すなわち、下側回転環19の摺動面)と下側固定環18の上面(すなわち、下側固定環18の摺動面)とは、ポンプケーシング5を流れる液体がシールケーシング11のオイル室12に流入することを防止する下側シール部29を構成する。
本実施形態では、軸封装置10は、オイル室12に配置され、該オイル室12を上側オイル室31および下側オイル室32に分割する仕切板24をさらに備える。仕切板24は、その中央に貫通孔を有する円盤状の形状を有しており、上側シール部27の近傍に配置される。回転軸2が回転していない場合は、仕切板24は、潤滑油の油面Pよりも上方に位置している。貫通孔の中心は、回転軸2の軸線上に位置しており、仕切板24は、回転軸2と同心状に配置される。図2に示されるように、仕切板24の外周部は、蓋体15とポンプケーシング5とによって挟まれており、これにより、仕切板24は、シールケーシング11に固定される。したがって、回転軸2が回転しても、仕切板24は回転しない。回転軸2およびメカニカルシール14は、仕切板24の中央に形成された貫通孔を通って鉛直方向に延びている。
仕切板24をシールケーシング11に固定する方法は、図2に示された例に限定されない。例えば、仕切板24は、ボルトなどの固定具を用いてシールケーシング11に固定されてもよい。あるいは、仕切板24をシールケーシング11に固定するために、仕切板24の外周面を、接着剤によりシールケーシング11の内周面に接着してもよいし、シールケーシング11の内周面に溶接してもよい。
本実施形態では、上側オイル室31は、蓋体15の凹部の内面と、仕切板24の上面24aとによって形成され、下側オイル室32は、ポンプケーシング5の凹部の内面と、仕切板24の下面24bとによって形成される。上側回転環17の上面と上側固定環16の下面とによって構成される上側シール部27は、上側オイル室31に位置している。より具体的には、上側シール部27は、仕切板24の上面24aと蓋体15の凹部の底面との間に位置する。蓋体15の凹部の底面は、シールケーシング11の上壁の下面に対応する。
図3(a)は、図2に示される仕切板24の平面図であり、図3(b)は、図3(a)のA−A線断面図である。図3(a)において、メカニカルシール14は、その外周縁のみが点線で描かれている。図3(a)および図3(b)に示されるように、仕切板24は、複数の(図示した例では4つの)開口部25を有する。開口部25は、仕切板24の上面24aから下面24bまで延びている。下側オイル室32は、開口部25を介して上側オイル室31に連通する。一実施形態では、仕切板24は、5つ以上の開口部25を有していてもよいし、3つ以下の開口部25を有していてもよい。すなわち、仕切板24は、少なくとも1つの開口部25を有する。
モータ8の駆動により、回転軸2を回転させると、上側回転環17、下側回転環19、および付勢部材22が回転し、オイル室12に貯留される潤滑油が回転軸2まわりに旋回し始める。旋回する潤滑油には遠心力が作用するので、回転軸2の近傍の潤滑油の油面が低下し、シールケーシング11の内周面近傍の潤滑油の油面が上昇する。
図4は、回転軸2の回転にともなって旋回する潤滑油の油面を示す模式図である。図4では、潤滑油の油面は、太い実線と太い一点鎖線で示されている。図4において、太い一点鎖線は、仕切板24が設けられていないオイル室12内を旋回する潤滑油の油面の一部を示している。すなわち、仕切板24が設けられていないオイル室12において、旋回する潤滑油の油面は、太い実線と太い一点鎖線によって示される円錐形状に変形する。本実施形態では、仕切板24がオイル室12に設けられているので、旋回する潤滑油の一部は、仕切板24の下面24bに押し付けられる。
図4に示されるように、仕切板24の開口部25は、太い一点鎖線よりも下方に位置している。すなわち、開口部25は、回転軸2の回転によって上昇する潤滑油の油面よりも下方に位置している。したがって、仕切板24の下面24bに押し付けられる潤滑油は、開口部25を通って、下側オイル室32から上側オイル室31に流入する。
回転軸2が回転している限り、潤滑油は、下側オイル室32から上側オイル室31に流入し続け、上側オイル室31を満たす。上側オイル室31を満たした潤滑油は、仕切板24の内周面と回転軸2との間に形成された隙間を通過して下側オイル室32に戻される。このとき、上側固定環16の下面および上側回転環17の上面とで形成される上側シール部27に潤滑油が供給される。さらに、この軸封装置10は、オイル室12に貯留された潤滑油を強制的に上方に移動させる部材(例えば、特許文献1に記載の揚液羽根、または特許文献2に記載の付勢部材)、または旋回する潤滑油の流れ方向を強制的に回転軸2に向けて変更する部材(例えば、特許文献3に記載の油旋回防止板)を含まない。その結果、モータ8の負荷が増加しないので、立軸ポンプ1の効率を低下させることなく、上側シール部27に潤滑油を供給することができる。
上述したように、旋回する潤滑油を上側オイル室31に流入させるためには、仕切板24の開口部25を、旋回する潤滑油の油面よりも下方に位置させる必要がある。そのため、オイル室12における仕切板24の位置は、実験により決定されてもよいし、ベルヌーイの定理に基づいた以下の式(1)および式(2)により決定されてもよい。
ΔH=(v /2g)・((r/r−1) ・・・(1)
・v=r・v ・・・(2)
ここで、ΔHは、旋回する前の潤滑油の油面と旋回した後の潤滑油の油面との差を表し、rは、回転軸2の中心CP1から、メカニカルシール24の外周縁CP2までの距離を表し(図3参照)、vは、メカニカルシール24の外周縁CP2における潤滑油の周速を表し、rは、回転軸2の中心CP1から、仕切板24の半径方向における開口部25の中心CP3までの距離を表し(図3参照)、vは、開口部25の中心CP3における潤滑油の周速を表す。旋回する前の潤滑油の油面を基準面とすると、仕切板24は、該仕切板24の開口部25が基準面と、該基準面からΔHだけ上方に離れた面との間に位置するように、オイル室12に配置される。オイル室12における仕切板24の位置を、CFD(computational fluid dynamics)を用いたシミュレーションによって決定してもよい。
上側オイル室31を潤滑油で確実に満たすために、開口部25の断面積が回転軸2と仕切板24の内周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きいのが好ましい。仕切板24が複数の開口部25を有する場合は、各開口部25の断面積の合計値が回転軸2と仕切板24の内周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きくなるように、各開口部25が仕切板24に形成される。このような構成によれば、上側オイル室31に流入する潤滑油の量が該上側オイル室31から下側オイル室32に戻される潤滑油の量よりも大きいので、上側オイル室31を確実に潤滑油で満たすことができる。
図5は、図3(a)のB−B線断面図である。図5に示されるように、開口部25は、回転軸2の回転にともなって旋回する潤滑油の回転方向において、仕切板24の下面24bから上面24aに向かって徐々に上昇する傾斜面25aを有しているのが好ましい。このような傾斜面25aを有する開口部25によれば、上側オイル室31に流入する潤滑油の抵抗を減少させることができるので、上側オイル室31に円滑に潤滑油を流入させることができる。
図6は、他の実施形態に係る軸封装置を示す断面図である。図6では、オイル室12に貯留される潤滑油の油面の図示を省略している。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図2乃至図5を参照して説明された実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。図6に示される軸封装置10の仕切板24は、下側オイル室32に配置され、仕切板24の各開口部25に接続される複数のガイド管26をさらに備える。図示はしないが、仕切板24が1つの開口25のみを有する場合は、この開口25に接続される1つのガイド管26のみが設けられる。
図7は、図6に示される仕切板24の平面図であり、図8(a)は、図7のC−C線断面図であり、図8(b)は、図7のD−D線断面図である。図7、図8(a)、および図8(b)に示されるように、ガイド管26の一方の端部26aは、仕切板24の開口部25に接続され、他方の端部26bは、下側オイル室32に開口している。下側オイル室32に開口するガイド管26の端部26bは、下側オイル室32から上側オイル室31に流入する潤滑油の入口として機能する。したがって、ガイド管26の端部26bは、回転軸2の回転によって旋回する潤滑油の回転方向に対向して開口している。以下の説明では、下側オイル室32に開口するガイド管26の端部26bを、ガイド管入口26bと称する。
本実施形態では、ガイド管26は、2つの円弧状側壁26c,26dと、該円弧状側壁26c,26dに接続される底壁26eとで構成される。ガイド管26の底壁26eは、旋回する潤滑油の回転方向において、ガイド管入口26bから仕切板24の開口25に向かって徐々に上昇する傾斜面を有している。このような構成によれば、ガイド管26によって、潤滑油を下側オイル室32から上側オイル室31に円滑に導くことができる。
本実施形態でも、仕切板24の開口25は、仕切板24の下面24bから上面24aに向かって徐々に上昇する傾斜面25aを有している(図8(a)参照)。ガイド管26の底壁26eの傾斜面は、開口25の傾斜面25aに接続される。底壁26eの傾斜面の傾斜角度は、好ましくは、開口25の傾斜面25aの傾斜角度と同一である。このような構成で、上側オイル室31に円滑に潤滑油を流入させることができる。
上側オイル室31を潤滑油で確実に満たすために、ガイド管入口26bの断面積は、回転軸2と仕切板24の内周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きいのが好ましい。本実施形態では、仕切板24は、4つの開口25と、各開口25に接続される4つのガイド管26を有するので、ガイド管入口26bの断面積の合計値が回転軸2と仕切板24の内周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きくなるように、ガイド管26が構成されている。このような構成により、上側オイル室31を確実に潤滑油で満たすことができる。
下側オイル室32に配置され、仕切板24の開口部25に接続されるガイド管26の形状は、図7、図8(a)、および図8(b)に示される実施形態に限定されない。ガイド管26は、回転軸2の回転によって旋回する潤滑油の回転方向に対向して開口するガイド管入口26bを有していれば、任意の形状を有することができる。
図9は、他の実施形態に係るガイド管26の断面図である。図9に示されるガイド管26は、ガイド管入口26bから水平方向に延びて、その後鉛直方向に曲げられて仕切板24の開口部25に接続される断面形状を有している。このガイド管26も、一方の端部26aで開口部25に接続されており、さらに、下側オイル室32に開口するガイド管入口26bを有する。このようなガイド管26によっても、潤滑油を下側オイル室32から上側オイル室31に円滑に導くことができる。
図10は、さらに他の実施形態に係る軸封装置を示す断面図である。図11は、図10に示される仕切板24の平面図である。図10では、オイル室12に貯留される潤滑油の油面の図示を省略している。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、図6乃至図9を参照して説明された実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。図10に示される軸封装置10の仕切板24は、その上面24aに配置される複数の(図示した例では4つの)のガイド壁28をさらに備える。仕切板24は、5つ以上のガイド壁28を有していてもよいし、4つ以下のガイド壁28を有していてもよい。すなわち、仕切板24は、少なくとも1つのガイド壁28を有する。
図11に示されるように、仕切板24の上面24aには、開口部25を通って上側オイル室31に流入された潤滑油を回転軸2に向かって案内する4つのガイド壁28が形成されている。各ガイド壁28は、上側オイル室31の側壁(すなわち、蓋体15の凹部の側面)から仕切板24の内周縁(すなわち、貫通孔)まで延びる円弧状側面28aを有している。ガイド壁28の上面は、シールケーシング11の上壁の下面(すなわち、蓋体15の凹部の底面)に接続されている(図10参照)。
開口部25を通って上側オイル室31に流入した潤滑油は、遠心力に起因する運動エネルギを有している。そのため、上側オイル室31に流入した潤滑油は、該上側オイル室31内でシールケーシング11の周方向に移動する。シールケーシング11の周方向に移動する潤滑油は、ガイド壁28の円弧状側面28aに衝突し、円弧状側面28aによって回転軸2に向かって案内される。したがって、上側オイル室31を満たす潤滑油をより円滑に上側シール部27に供給することができる。
図10に示される軸封装置10の仕切板24は、ガイド管26を有しているが、ガイド管26を省略してもよい。また、開口部25は、回転軸2の回転にともなって旋回する潤滑油の回転方向において、仕切板24の下面24bから上面24aに向かって徐々に上昇する傾斜面25a(図5参照)を有していてもよい。
図12は、さらに他の実施形態に係る軸封装置の断面図である。特に説明されない本実施形態の構成は、図10および図11を参照して説明された実施形態と同様であるので、その重複する説明を省略する。
図12に示される軸封装置10では、仕切板24の上面24aは、シールケーシング11の内周面から回転軸2に向かって下方に傾斜している。本実施形態では、仕切板24全体がシールケーシング11の内周面から回転軸2に向かって下方に傾斜する形状(すなわち、円錐形状)を有しており、仕切板24の上面24aには、ガイド壁28が設けられている。このガイド壁28は、仕切板28の上面24aからシールケーシング11の上壁の下面(すなわち、蓋体15の凹部の底面)まで延びている。ガイド壁28は、上側オイル室31の側壁(すなわち、蓋体15の凹部の側面)から内周縁(すなわち、貫通孔)まで延びる円弧状側面28a(図11参照)を有している。
本実施形態によれば、開口部25を通って上側オイル室31に流入した潤滑油には、下方に傾斜する仕切板24の上面24aに沿った重力の分力が作用する。したがって、潤滑油は、より円滑に回転軸2に向かって移動するので、上側オイル室31を満たす潤滑油をより円滑に上側シール部27に供給することができる。
図12に示される軸封装置10の仕切板24は、ガイド管26を有しているが、ガイド管26を省略してもよい。さらに、この仕切板24は、その上面24aに設けられたガイド壁28を有しているが、ガイド壁28を省略してもよい。また、開口部25は、回転軸2の回転にともなって旋回する潤滑油の回転方向において、仕切板24の下面24bから上面24aに向かって徐々に上昇する傾斜面25a(図5参照)を有していてもよい。
上述した実施形態では、軸封装置10は、立軸ポンプ1に設けられているが、軸封装置10を他の立軸式の回転機械に設けてもよい。例えば、上述した実施形態に係る軸封装置10を、鉛直方向に延びる回転軸を備えたコンプレッサー、タービンなどの立軸式の回転機械に配置してもよい。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうる。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 立軸ポンプ
2 回転軸
3 羽根車
5 ポンプケーシング
7 軸受
8 モータ
9 モータケーシング
10 軸封装置
11 シールケーシング
12 オイル室
14 メカニカルシール
15 蓋体
16 上側固定環
17 上側回転環
18 下側固定環
19 下側回転環
20 上側リテーナ
21 下側リテーナ
22 付勢部材
24 仕切板
25 開口
26 ガイド管
27 上側シール部
28 ガイド壁
30 電源ケーブル
31 上側オイル室
32 下側オイル室

Claims (8)

  1. 潤滑油が貯留され、鉛直方向に延びる回転軸が貫通するオイル室を有するシールケーシングと、
    前記シールケーシングと前記回転軸との間の隙間を封止する固定環および回転環とを有するメカニカルシールと、
    前記オイル室を上側オイル室および下側オイル室に分割し、前記回転軸および前記メカニカルシールが通る貫通孔を有する仕切板と、を備え、
    前記仕切板は、前記下側オイル室を前記上側オイル室に連通させる少なくとも1つの開口部を有しており、
    前記開口部は、前記回転軸の回転によって上昇する潤滑油の油面よりも下方に位置しており、
    前記固定環の摺動面および前記回転環の摺動面とで形成される上側シール部は、前記上側オイル室に位置していることを特徴とする軸封装置。
  2. 前記開口部の断面積は、前記仕切板の内周面と前記回転軸の外周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の軸封装置。
  3. 前記開口部は、前記回転軸の回転によって旋回する潤滑油の回転方向において、前記仕切板の下面から上面まで徐々に上昇する傾斜面を有することを特徴とする請求項1または2に記載の軸封装置。
  4. 前記仕切板は、前記下側オイル室に配置され、前記開口部に接続されるガイド管をさらに備え、
    前記ガイド管は、前記回転軸の回転によって旋回する潤滑油の回転方向に対向して開口するガイド管入口を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の軸封装置。
  5. 前記ガイド管入口の断面積は、前記仕切板の内周面と前記回転軸の外周面との間に形成される環状の隙間の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の軸封装置。
  6. 前記仕切板は、前記仕切板の上面に配置される少なくとも1つのガイド壁をさらに備え、
    前記ガイド壁は、前記開口部を通って前記上側オイル室に流入された潤滑油を前記回転軸に向かって案内する円弧状側面を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の軸封装置。
  7. 前記ガイド壁の上面は、前記シールケーシングの上壁の下面に接続されていることを特徴とする請求項6に記載の軸封装置。
  8. 鉛直方向に延びる回転軸と、
    前記回転軸に固定される羽根車と、
    前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
    前記回転軸を回転させるモータと、
    前記モータを収容するモータケーシングと、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の軸封装置と、を備え、
    前記軸封装置は、前記ポンプケーシングと前記モータケーシングとの間に配置される立軸ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114635856A (zh) * 2022-03-11 2022-06-17 烟台龙港泵业股份有限公司 一种高温高压立式管道泵

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