JP2019019356A - 化成処理剤及び塗装前処理方法及び金属部材 - Google Patents

化成処理剤及び塗装前処理方法及び金属部材 Download PDF

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Abstract

【課題】環境への負荷が少なく、且つ、処理対象によらず良好な塗装後耐食性を確保できる化成処理剤を提供すること。【解決手段】ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(A)と、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と、フッ素(C)と、カチオン性ウレタン樹脂(D)と、を含有する化成処理剤。(A)の含有量は金属換算で合計20〜10000質量ppmであり、pHが1.5〜6.5であることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は、化成処理剤及び塗装前処理方法及び金属部材に関する。
金属材料表面にカチオン電着塗装、粉体塗装等を施す場合、通常、耐食性、塗膜密着性等の性質を向上させる目的で、化成処理が施されている。塗膜の密着性や耐食性をより向上させることができる観点から化成処理において用いられてきたクロメート処理は、近年、クロムの有害性が指摘されるようになっており、クロムを含まない化成処理剤の開発が必要とされてきた。このような化成処理としては、リン酸亜鉛による処理が広く行われている。
しかし、リン酸亜鉛系処理剤は、金属イオン及び酸濃度が高く非常に反応性の強い処理剤であるため、排水処理における経済性、作業性が良好でない。更に、リン酸亜鉛系処理剤による金属表面処理に伴って、水に不溶な塩類が生成して沈殿となって析出する。このような沈殿物は、一般にスラッジと呼ばれ、このようなスラッジを除去し、廃棄することによるコストの発生等が問題とされている。また、リン酸イオンは、富栄養化によって環境に対して負荷を与えるおそれがあるため、廃液の処理に際して労力を要し、使用しないことが好ましい。更に、リン酸亜鉛系処理剤による金属表面処理においては、表面調整を行うことが必要とされており、工程が長くなるという問題もある。
このようなリン酸亜鉛系処理剤又はクロメート化成処理剤以外の金属表面処理剤として、ジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤が知られている。このようなジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤は、スラッジの発生が抑制される点で上述したようなリン酸亜鉛系化成処理剤に比べて優れた性質を有している。
しかし、ジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤によって得られた化成皮膜は、特にカチオン電着塗装により得られる塗膜との密着性が悪く、通常、カチオン電着塗装の前処理工程として使用されることは少なかった。このようなジルコニウム化合物からなる金属表面処理剤においては、リン酸イオン等の成分を併用することによって、密着性の向上や耐食性を改善することが行われている。しかし、リン酸イオンを併用した場合、上述したような富栄養化という問題が生じる。また、このような金属表面処理剤によって鉄系基材を処理する場合、充分な塗膜の密着性や塗装後の耐食性が得られないという問題があった。
ジルコニウム化合物及びアミノ基含有シランカップリング剤からなるノンクロメート金属表面処理剤も知られている。しかし、このようなノンクロメート金属表面処理剤はいわゆるコイルコーティング分野用途の塗布型処理剤であり、これを用いた表面処理は、処理後水洗が不可能であって、更に、複雑な形状を有する被処理物を想定したものではなかった。
更に、自動車車体や部品等の鉄、亜鉛、アルミニウム等の種々の金属素材からなる物品に対して一回の処理ですべての金属の表面処理を行わなければならない場合もあり、このような場合であっても問題なく化成処理を施すことができる塗装前処理方法の開発が望まれている。他方、粉体塗料、溶剤塗料、水性塗料等によるカチオン電着塗装以外の塗装においても、上述のような問題を生じることなく化成処理を行うことができる前処理方法の開発も望まれている。
上記問題の解決のため、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種、フッ素、並びに、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種からなる化成処理剤によって被処理物を処理し、化成皮膜を形成する塗装前処理方法が知られている(例えば、後述の特許文献1参照)。
上記塗装前処理方法によれば、塗装方法が限定されず、且つ、リン酸亜鉛系化成処理剤を使用した場合と同様の密着性及び塗装後耐食性を得ることができる。しかし、処理対象やその用途によっては、得られる塗装後耐食性は未だ十分とは言えなかった。
特開2004−218070号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、環境への負荷が少なく、且つ、処理対象によらず良好な塗装後耐食性を確保できる化成処理剤を提供することを目的とする。
本発明は、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(A)と、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と、フッ素(C)と、カチオン性ウレタン樹脂(D)と、を含有する化成処理剤に関する。
また、前記(A)の含有量は金属換算で合計20〜10000質量ppmであり、pHが1.5〜6.5であることが好ましい。
また、前記(B)の含有量は固形分濃度で合計5〜5000質量ppmであり、前記(D)の含有量は固形分濃度で5〜5000質量ppmであり、前記(D)に対する前記(B)の固形分質量比((B)/(D))は0.0002〜5000であることが好ましい。
また、更に、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン及び銅イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の密着性及び耐食性付与剤を含有することが好ましい。
また、本発明は、前記化成処理剤を用いて被処理物を処理する塗装前処理方法に関する。
また、本発明は、前記塗装前処理方法によって処理された金属部材に関する。
本発明によれば、環境への負荷が少なく、且つ、処理対象によらず良好な塗装後耐食性を確保できる化成処理剤を提供できる。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。
<化成処理剤>
本実施形態に係る化成処理剤は、被処理物である金属表面に化成皮膜を形成し、好ましい塗装後耐食性を付与する。被処理物である金属としては特に限定されず、鉄、亜鉛、アルミニウム等全ての金属に対して用いられる。また、本実施形態に係る化成処理剤は、特に鉄系の高ハイテンション鋼板や熱延鋼板に対して好ましく用いられる。このような鉄系の高ハイテンション鋼板や熱延鋼板は、自動車の足回り部品等に広く用いられるが、後述するように表面に酸化膜が形成されているため、その表面に均一な化成皮膜を形成することが困難である。
本実施形態に係る化成処理剤は、リン酸イオンや、有害な重金属イオンを実質的に含有しない化成処理剤であるが、高ハイテンション鋼板や熱延鋼板に対してもその表面に均一な化成皮膜を形成できる。そのため、被処理物の良好な塗装後耐食性を確保できる。
本実施形態に係る化成処理剤は、ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(A)と、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と、フッ素(C)と、カチオン性ウレタン樹脂(D)と、を含有する。
ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(A)は、化成皮膜形成成分であり、基材にジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種を含む化成皮膜が形成されることにより、基材の耐食性や耐摩耗性を向上させ、更に、塗膜との密着性を高めることができる。
例えば、ジルコニウムを含有する化成処理剤を用いて金属基材の表面処理を行うと、金属の溶解反応により化成処理剤中に溶出した金属イオンがZrF 2−のフッ素を引き抜くことにより、また、界面pHの上昇により、ジルコニウムの水酸化物又は酸化物が生成され、このジルコニウムの水酸化物又は酸化物が基材表面に析出していると考えられる。上述のように、本実施形態における化成処理剤は反応型化成処理剤であるため、複雑な形状を有する被処理物の浸漬処理にも用いる事ができる。また、上記化成処理剤を用いて表面処理を行うと、化学反応により強固に被処理物に付着した化成皮膜が得られるため、処理後水洗を行うこともできる。
上記ジルコニウムの供給源としては特に限定されず、例えば、KZrF等のアルカリ金属フルオロジルコネート;(NHZrF等のフルオロジルコネート;HZrF等のフルオロジルコネート酸等の可溶性フルオロジルコネート等;フッ化ジルコニウム;酸化ジルコニウム等を挙げることができる。
上記チタンの供給源としては特に限定されず、例えば、アルカリ金属フルオロチタネート、(NHTiF等のフルオロチタネート;HTiF等のフルオロチタネート酸等の可溶性フルオロチタネート等;フッ化チタン;酸化チタン等を挙げることができる。
上記ハフニウムの供給源としては特に限定されず、例えば、HHfF等のフルオロハフネート酸;フッ化ハフニウム等を挙げることができる。
上記ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の供給源としては、皮膜形成能が高いことからZrF 2−、TiF 2−、HfF 2−からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する化合物が好ましい。
本実施形態に係る化成処理剤に含まれるジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量の合計は、金属換算で下限20質量ppm、上限10000質量ppmの範囲内であることが好ましい。20質量ppm未満であると得られる化成皮膜の性能が不充分であり、10000質量ppmを超えると、それ以上の効果は望めず経済的に不利である。上記下限は50質量ppmがより好ましく、100質量ppmが更に好ましい。上記上限は2000質量ppmがより好ましく、500質量ppmが更に好ましい。
アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)は、分子中に少なくとも1つのアミノ基を有し、且つ、シロキサン結合を有する化合物である。上記アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)が化成皮膜と塗膜の双方に作用することにより、両者の密着性が向上する。
このような効果は、加水分解してシラノールを生成する基が加水分解され金属基材の表面と水素結合的に吸着すること、及び、アミノ基の作用により化成皮膜と金属基材の密着性が高まるために生じると推測される。上述したように化成皮膜に含まれるアミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)が、金属基材及び塗膜の両方に働きかけることによって、相互の密着性を向上させる作用を有すると考えられる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤としては特に限定されず、例えば、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミン等の公知のシランカップリング剤等を挙げることができる。市販されているアミノ基含有シランカップリング剤であるKBM−602、KBM−603、KBE−603、KBM−903、KBE−9103、KBM−573(以上信越化学工業株式会社製)、XS1003(チッソ株式会社製)等も使用することができる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤の加水分解物は、従来公知の方法、例えば、上記アミノ基含有シランカップリング剤をイオン交換水に溶解し、任意の酸で酸性に調整する方法等により製造することができる。上記アミノ基含有シランカップリング剤の加水分解物としては、KBP−90(信越化学工業株式会社製:有効成分32%)等の市販の製品を使用することもできる。
上記アミノ基含有シランカップリング剤の重合物としては特に限定されず、例えば、サイラエースS−330(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン;チッソ株式会社製)、サイラエースS−320(N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン;チッソ株式会社製)等の市販の製品を挙げることができる。
本実施形態に係る化成処理剤におけるアミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)の配合量の合計は、固形分濃度で下限5質量ppm、上限5000質量ppmの範囲内であることが好ましい。5質量ppm未満であると、充分な塗膜密着性を得ることができない。5000質量ppmを超えると、それ以上の効果は望めず、経済的に不利である。上記下限は、10質量ppmがより好ましく、50質量ppmが更に好ましい。上記上限は、1000質量ppmがより好ましく、500質量ppmが更に好ましい。
フッ素(C)は、基材のエッチング剤としての役割を果たすものである。フッ素(C)の供給源としては特に限定されず、例えば、フッ化水素酸、フッ化アンモニウム、フッ化ホウ素酸、フッ化水素アンモニウム、フッ化ナトリウム、フッ化水素ナトリウム等のフッ化物を挙げることができる。また、錯フッ化物としては、例えば、ヘキサフルオロケイ酸塩が挙げられ、その具体例としてケイフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸亜鉛、ケイフッ化水素酸マンガン、ケイフッ化水素酸マグネシウム、ケイフッ化水素酸ニッケル、ケイフッ化水素酸鉄、ケイフッ化水素酸カルシウム等を挙げることができる。
カチオン性ウレタン樹脂(D)は、被処理物である金属表面に均一な化成皮膜を形成する。カチオン性ウレタン樹脂(D)は、カチオン性官能基を有するウレタン樹脂であり、カチオン性官能基としては、例えば、アミノ基、アンモニウム塩基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、トリメチルアミノ基、トリエチルアミノ基等が挙げられるが、中でも第4級アンモニウム塩基であることが好ましい。
また、カチオン性ウレタン樹脂(D)のウレタン樹脂を構成するポリオール、イソシアネート成分及び重合方法は特に限定されず、従来公知な成分及び方法が用いられる。
カチオン性ウレタン樹脂(D)としては、例えば、F2667D(第一工業製薬株式会社製:有効濃度25%)、スーパーフレックス620(第一工業製薬株式会社製:有効濃度30%)、スーパーフレックス650(第一工業製薬株式会社製:有効濃度26%)等の市販の製品を用いる事ができる。
カチオン性ウレタン樹脂(D)は、単に化成処理剤中に含有される事では塗装後耐食性等の好ましい効果は得られないが、上記アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と共に化成処理剤中に含有される事で、被処理物である金属表面に均一な化成皮膜を形成し、被処理物である金属部材の好ましい塗装後防食性が確保される。
また、カチオン性ウレタン樹脂(D)は、上記アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物(B)からなる群より選ばれる少なくとも一種との競争反応を行わないことから、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物(B)の機能を阻害することなく好ましく用いられる。
本実施形態に係る化成処理剤におけるカチオン性ウレタン樹脂(D)の配合量は、固形分濃度で下限5質量ppm、上限5000質量ppmの範囲内であることが好ましい。5質量ppm未満であると、充分な塗膜密着性を得ることができない。5000質量ppmを超えると、それ以上の効果は望めず、経済的に不利である。上記下限は、10質量ppmがより好ましく、50質量ppmが更に好ましい。上記上限は、1000質量ppmがより好ましく、500質量ppmが更に好ましい。
本実施形態に係る化成処理剤において、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と、カチオン性ウレタン樹脂(D)との質量比((B)/(D))は0.0002〜5000であることが好ましい。質量比((B)/(D))を上記範囲とすることで、化成皮膜が形成された被処理物の好ましい塗装後耐食性が得られる。質量比((B)/(D))は0.01〜100であることがより好ましく、0.5〜2であることが更に好ましい。
本実施形態に係る化成処理剤は、実質的にリン酸イオンを含有しないものであることが好ましい。実質的にリン酸イオンを含まないとは、リン酸イオンが化成処理剤中の成分として作用する程含まれていないことを意味し、本実施形態において使用する化成処理剤は、実質的にリン酸イオンを含まないことから、環境負荷の原因となるリンを実質的に使用することがなく、リン酸亜鉛系処理剤を使用する場合に発生するリン酸鉄、リン酸亜鉛等のようなスラッジの発生を抑制することができる。
本実施形態に係る化成処理剤は、pHが下限1.5、上限6.5の範囲内であることが好ましい。1.5未満であると、エッチング過剰となり充分な皮膜形成ができなくなる。6.5を超えると、エッチングが不充分となり良好な皮膜が得られない。上記下限は、2.0がより好ましく、上記上限は、5.5がより好ましい。上記下限は、2.5が更に好ましく、上記上限は、5.0が更に好ましい。本実施形態に係る化成処理剤のpHを調整するために、硝酸、硫酸等の酸性化合物、及び、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の塩基性化合物を使用することができる。
本実施形態に係る化成処理剤は、更に、密着性及び耐食性付与剤としてマグネシウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン及び銅イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種を含有することが好ましい。上記密着性及び耐食性付与剤を含有することにより、より良好な密着性及び耐食性を有する化成皮膜を得ることができる。
上記マグネシウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン及び銅イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の含有量は、下限1質量ppm、上限5000質量ppmの範囲内であることが好ましい。上記含有量が上記下限未満であると、充分な効果が得られず好ましくない。上記含有量が上記上限を超えると、それ以上の効果の向上はみられず経済的に不利であり、塗装後密着性が低下する場合もある。上記下限は、25質量ppmがより好ましく、上記上限は、3000質量ppmがより好ましい。
上記化成処理剤は、上記成分の他に必要に応じて、任意の成分を併用するものであってもよい。使用することができる成分としては、シリカ等を挙げることができる。このような成分を添加することで、塗装後耐食性を向上させることが可能である。
<塗装前処理方法>
本実施形態に係る塗装前処理方法における化成処理は、特に限定されるものではなく、通常の処理条件によって化成処理剤と金属表面とを接触させることによって行うことができる。上記化成処理における処理温度は、下限20℃、上限70℃の範囲内であることが好ましい。上記下限は30℃であることがより好ましく、上記上限は50℃であることがより好ましい。上記化成処理における化成時間は、下限5秒、上限1200秒の範囲内であることが好ましい。上記下限は30秒がより好ましく、上記上限は120秒がより好ましい。化成処理方法としては特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法、ロールコート法等を挙げることができる。
本実施形態に係る塗装前処理方法においては、上記化成処理を行う前に、金属基材の表面に対して脱脂処理、脱脂後水洗処理を行い、上記化成処理後に化成後水洗処理を行うことが好ましい。
上記脱脂処理は、基材表面に付着している油分や汚れを除去するために行われるものであり、無リン・無窒素脱脂洗浄液等の脱脂剤により、通常30〜55℃において数分間程度の浸漬処理がなされる。所望により、脱脂処理の前に、予備脱脂処理を行うことも可能である。
上記脱脂後水洗処理は、脱脂処理後の脱脂剤を水洗するために、大量の水洗水によって1回又はそれ以上スプレー処理を行うことにより行われるものである。
上記化成後水洗処理は、その後の各種塗装後の密着性、耐食性等に悪影響を及ぼさないようにするために、1回又はそれ以上により行われるものである。この場合、最終の水洗は、純水で行われることが適当である。この化成後水洗処理においては、スプレー水洗又は浸漬水洗のどちらでもよく、これらの方法を組み合わせて水洗することもできる。
上記化成後水洗処理の後は、公知の方法に従って、必要に応じて乾燥され、その後、各種塗装を行うことができる。
本実施形態に係る塗装前処理方法は、従来より実用化されているリン酸亜鉛系化成処理剤を用いて処理する方法において、必要となっている表面調整処理を行わなくてもよいため、より少ない工程で金属基材の化成処理を行うことが可能である。
本実施形態において処理される金属基材としては、特に限定されないが、鉄系基材、アルミニウム系基材、及び、亜鉛系基材等を挙げることができる。鉄、アルミニウム、及び、亜鉛系基材とは、基材が鉄及び/又はその合金からなる鉄系基材、基材がアルミニウム及び/又はその合金からなるアルミニウム基材、基材が亜鉛及び/又はその合金からなる亜鉛系基材を意味する。
また、本実施形態に係る塗装前処理方法は、特に鉄系の高ハイテンション鋼板や熱延鋼板に対して好ましく用いられる。
熱延鋼板は、表面に微細な凹凸を有する酸化膜が形成され、更に酸化膜は多数の細孔が存在する多孔質状となっているため、表面を均一な化成皮膜で被覆することが困難である。表面に形成された化成皮膜が不均一である場合、被覆された箇所と被覆されない箇所との間に電位差が生じ、電着塗装を行う際に均一な電着塗膜を形成できない。よって、従来のジルコニウム等からなる化成処理剤を用いた塗装前処理方法では、リン酸亜鉛系化成処理剤と同等の塗装後耐食性を確保できない。また、高ハイテンション鋼板は同様に表面に微細な凹凸を有する酸化膜が形成されると共に異種金属を多く含むため、上記電位差が更に大きくなる結果、化成皮膜による被覆が更に不均一となり、塗装後耐食性を確保することが更に困難である。
しかし、本実施形態に係る塗装前処理方法によれば、鉄系の高ハイテンション鋼板や熱延鋼板に対しても均一な化成皮膜を形成することができ、リン酸イオン含有化成処理剤と同等の塗装後耐食性を確保できる。このような効果が得られるメカニズムについては定かではないが、例えば、化成処理剤中に含まれるカチオン性ウレタン樹脂(D)のカチオン性基と鋼板表面との相互作用により、酸化膜の凹部や細孔にカチオン性ウレタン樹脂(D)が優先的に被覆されることが理由として考えられる。
本実施形態に係る塗装前処理方法により得られる化成皮膜は、皮膜量が化成処理剤に含まれる金属の合計量で下限0.1mg/m、上限500mg/mの範囲内であることが好ましい。0.1mg/m未満であると、均一な化成皮膜が得られず好ましくない。500mg/mを超えると、それ以上の効果は得られず、経済的に不利である。上記下限は、5mg/mがより好ましく、上記上限は、200mg/mがより好ましい。
<金属部材>
上記塗装前処理方法によって処理された金属基材に対し、レーザー加工、プレス加工等を行うことで、各種用途に応じて成型加工された金属部材が得られる。あるいは、予め成型加工された金属部材に対し上記塗装前処理方法を適用してもよい。本実施形態に係る金属部材の用途としては特に制限されないが、自動車用金属部材としてドアー、ボンネット、ルーフ、フード、フェンダー、トランク等が挙げられる。また、オートバイ、バス、自転車等に用いられる金属部材も挙げることができる。安全性や美観性の観点から高い塗装後耐食性が要求される上記のような用途において、本実施形態に係る塗装前処理方法によって処理された金属部材は好ましく用いられる。
上記塗装前処理方法により処理された金属部材に対して行うことができる塗装としては特に限定されず、カチオン電着塗料、溶剤塗料、水性塗料、粉体塗料等の従来公知の塗料を用いた塗装を行うことができる。例えば、上記カチオン電着塗料としては特に限定されず、アミノ化エポキシ樹脂、アミノ化アクリル樹脂、スルホニウム化エポキシ樹脂等からなる従来公知のカチオン電着塗料を塗布することができる。なかでも、化成処理剤にアミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種を配合することから、電着塗膜と化成皮膜の密着性をより高めるために、アミノ基との反応性又は相溶性を示す官能基を有する樹脂からなるカチオン電着塗料が好ましい。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
次に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、実施例及び比較例記載の「ppm」は「質量ppm」を示す。
<実施例1>
市販の冷間圧延鋼板(SPC270、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)を基材として、下記の条件で塗装前処理を施した。
(1)塗装前処理
脱脂処理:2質量%「サーフクリーナー53」(日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社製脱脂剤)で40℃、2分間浸漬処理した。
脱脂後水洗処理:水道水で30秒間スプレー処理した。
化成処理:ジルコンフッ化水素酸及びアミノ基含有シランカップリング剤としてKBM−603(N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン:有効濃度100%:信越化学工業株式会社製)を使用し、また、カチオン性ウレタン樹脂としてF2667D(第一工業製薬株式会社製:有効濃度25%)を使用し、ジルコニウム(A)濃度100質量ppm、固形分としてアミノ基含有シランカップリング剤(B)濃度100質量ppm、カチオン性ウレタン樹脂(D)濃度100質量ppmの化成処理剤を調製した。pHは、水酸化ナトリウムを用いて4に調整した。化成処理剤の温度を40℃に調整し、基材を60秒間浸漬処理した。処理の初期段階における皮膜量は、13.4mg/mであった。
化成後水洗処理:水道水で30秒間スプレー処理した。更にイオン交換水で10秒間スプレー処理した。その後、ウェットな状態で電着塗装を行った。皮膜量は、水洗処理後の冷延鋼板を電気乾燥炉において、80℃で5分間乾燥したうえで「ZSX PrimusII」(株式会社リガク製 X線分析装置)を用いて、化成処理剤に含まれる金属の合計量として分析した。
(2)塗装
化成処理剤1L当たり1mの冷間圧延鋼板を処理した後に、「パワーニクス310」(日本ペイント・インダストリアルコーティングス社製カチオン電着塗料)を用いて乾燥膜厚20μmになるように電着塗装し、水洗後、170℃で20分間加熱して焼き付け、試験板を作成した。
<実施例2〜7>
表1に示す通り、金属基材を冷間圧延鋼板(SPC780、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、熱間圧延鋼板(SPH270、SPH440、SPH590、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、亜鉛系めっき鋼板(GA270、日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)、6000系アルミニウム板(日本テストパネル社製、70mm×150mm×0.8mm)に変更したこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
なお、表1及び表2中に示した基材の種類は、SPCが上記冷間圧延鋼板、SPHが上記熱間圧延鋼板、GAが上記亜鉛系めっき鋼板、ALが上記6000系アルミニウム板をそれぞれ示す。
<実施例8〜13>
表1に示す通り、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、シランカップリング剤(B)濃度及びカチオン性ウレタン樹脂(D)濃度をそれぞれ1質量ppm、5質量ppm、50質量ppmとしたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<実施例14、15>
表1に示す通り、金属基材を上記熱間圧延鋼板とし、カチオン性ウレタン樹脂(D)としてスーパーフレックス620(第一工業製薬株式会社製:有効濃度30%)又はスーパーフレックス650(第一工業製薬株式会社製:有効濃度26%)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<実施例16〜21>
表1に示す通り、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、シランカップリング剤(B)としてKBM−603(N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン:有効濃度100%:信越化学工業株式会社製)又はKBM−903(3−アミノプロピルトリメトキシシラン:有効濃度100%:信越化学工業株式会社製)を用い、シランカップリング剤(B)及びカチオン性ウレタン樹脂(D)を表1に示す濃度としたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<実施例22〜25>
表1に示す通り、ジルコニウム(A)濃度を500質量ppmとし、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、シランカップリング剤(B)としてKBE−903(3−アミノプロピルトリエトキシシラン:有効濃度100%:信越化学工業株式会社製)又はXS1003(N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン:有効濃度50%:日美商事株式会社製)を用い、シランカップリング剤(B)及びカチオン性ウレタン樹脂(D)を表1に示す濃度としたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<実施例26〜37>
表1及び表2に示す通り、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、密着性及び耐食性付与材として硝酸亜鉛(Zn)を使用し、ジルコニウム(A)濃度、シランカップリング剤(B)及びカチオン性ウレタン樹脂(D)を表1及び表2に示す濃度としたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<実施例38〜41>
表2に示す通り、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、シランカップリング剤(B)及びカチオン性ウレタン樹脂(D)を表2に示す濃度としたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<比較例1〜8>
表2に示す通り、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、シランカップリング剤(B)又はカチオン性ウレタン樹脂(D)を表2に示す濃度としたこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<参考例1>
カチオン性ウレタン樹脂(D)を化成処理剤に含めずに化成処理剤を調製したこと以外は、実施例1と同様にして試験板を作成した。
<参考例2、3>
表2に示す通り、金属基材を上記冷間圧延鋼板又は熱間圧延鋼板とし、脱脂後水洗処理の後にサーフファインGL1(日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社製)を用いて室温で30秒間表面調整を行い、上記化成処理剤の代わりにサーフダインSD−6350(日本ペイント・サーフケミカルズ株式会社製リン酸亜鉛系化成処理剤)を用いて35℃で2分間浸漬処理を行うことで化成処理を施したこと以外は、実施例1と同様にして試験板を得た。
上記により得られた実施例1〜41、比較例1〜8、参考例1〜3の試験板を用いて以下の評価試験を行った。
[二次密着性試験(SDT)]
得られた試験板に、素地まで達する縦平行カットを2本入れた後、5%NaCl水溶液中において50℃で480時間浸漬した。その後、カット部をテープ剥離し、塗料の剥離を観察した。剥離状態を以下の評価基準に従って評価し、評価2以上を合格とした。結果を表1及び表2に示した。
1:剥離なし
2:若干剥離
3:剥離幅3mm以上
[塩水噴霧試験(SST)]
得られた試験板に、素地まで達するクロスカットを入れた後、35℃に保たれた塩水噴霧試験器中で5%NaCl水溶液を240時間連続噴霧した。その後、カット部からの膨れ幅を測定した。上記膨れ幅が、参考例2、3に示すリン酸亜鉛系表面処理剤における膨れ幅と同等かそれ以下のものを合格とした。結果を表1及び表2に示した。
[複合サイクル腐食試験(CCT)]
得られた試験板に、素地まで達するクロスカットを入れた後、複合サイクル腐食試験を行った。試験方法は、JASO M609−91の定めるところにより複合試験を100サイクル実施した。試験後、カット部からの膨れ幅を測定した。上記膨れ幅が、参考例2、3に示すリン酸亜鉛系表面処理剤における膨れ幅と同等かそれ以下のものを合格とした。結果を表1及び表2に示した。
Figure 2019019356
Figure 2019019356
実施例1〜41と、比較例1〜5,7,8との比較から、実施例1〜41の化成処理剤により処理を行った金属基材の方が、比較例1〜5,7,8の化成処理剤により処理を行った金属基材と比較して二次密着性(SDT)に優れることが分かった。この結果から、化成処理剤中にアミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)が含有されることで、化成処理剤により処理される金属基材に好ましい塗装後耐食性を付与できることが確認された。
また、比較例1,3の化成処理剤により処理を行った金属基材と、比較例7,8の化成処理剤により処理を行った金属基材とはいずれも好ましい二次密着性(SDT)が得られないことから、化成処理剤中にアミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)が含有されない場合において、カチオン性ウレタン樹脂(D)の含有量を増加させたとしても好ましい結果は得られず、アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と、カチオン性ウレタン樹脂(D)と、を併用して用いる事で、化成処理剤により処理される金属基材に好ましい塗装後耐食性を付与できることが確認された。
実施例1〜41と、比較例6との比較から、実施例1〜41の化成処理剤により処理を行った金属基材の方が、比較例6の化成処理剤により処理を行った金属基材と比較して複合サイクル腐食試験(CCT)の結果に優れることが分かった。この結果から、化成処理剤中にカチオン性ウレタン樹脂(D)が含有されることで、化成処理剤により処理される金属基材に好ましい塗装後耐食性を付与できることが確認された。
実施例1〜41と、参考例1〜3との比較から、実施例1〜41の化成処理剤により処理を行った金属基材は、参考例1〜3の化成処理剤により処理を行った金属基材に対して同等以上の塩水噴霧試験(SST)、複合サイクル腐食試験(CCT)の結果が得られることが分かった。この結果から、本発明の化成処理剤により処理された金属基材は、参考例1の冷間圧延鋼板に用いられる従来の塗装前処理方法により処理された金属基材や、参考例2〜3の従来のリン酸亜鉛処理を行った金属基材と同等以上の優れた塗装後耐食性を有することが確認された。
また、実施例1〜7の比較から、実施例1〜7の化成処理剤により処理を行った金属基材は、いずれも好ましい塗装後耐食性を有することが分かった。この結果から、本発明の化成処理剤は、処理対象によらず優れた塗装後耐食性を確保できることが確認された。

Claims (6)

  1. ジルコニウム、チタン及びハフニウムからなる群より選ばれる少なくとも一種(A)と、
    アミノ基含有シランカップリング剤、その加水分解物及びその重合物からなる群より選ばれる少なくとも一種(B)と、
    フッ素(C)と、
    カチオン性ウレタン樹脂(D)と、を含有する化成処理剤。
  2. 前記(A)の含有量は金属換算で合計20〜10000質量ppmであり、
    pHが1.5〜6.5である請求項1に記載の化成処理剤。
  3. 前記(B)の含有量は固形分濃度で合計5〜5000質量ppmであり、
    前記(D)の含有量は固形分濃度で5〜5000質量ppmであり、
    前記(D)に対する前記(B)の固形分質量比((B)/(D))は0.0002〜5000である請求項1又は2に記載の化成処理剤。
  4. 更に、マグネシウムイオン、亜鉛イオン、カルシウムイオン、アルミニウムイオン、ガリウムイオン、インジウムイオン及び銅イオンからなる群より選ばれる少なくとも一種の密着性及び耐食性付与剤を含有する請求項1から3いずれかに記載の化成処理剤。
  5. 請求項1から4いずれかに記載の化成処理剤を用いて被処理物を処理する塗装前処理方法。
  6. 請求項5記載の塗装前処理方法によって処理された金属部材。
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