JP2019019229A - 耐摩耗性樹脂組成物 - Google Patents

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直也 久保田
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直也 久保田
木村 剛
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Abstract

【課題】機械物性(柔軟性や引張物性等)、耐摩耗性及び難燃性のバランスに優れ、オイルのブリードアウトによる悪影響が少なく、例えば充電用ケーブル被覆材の用途に非常に有用な耐摩耗性樹脂組成物を提供する。【解決手段】プロピレン重合体(P)30〜65質量部、エチレン系エラストマー(E1)5〜35質量部、及び、プロピレン系エラストマー(E2)30〜65質量部(プロピレン重合体(P)、エチレン系エラストマー(E1)及びプロピレン系エラストマー(E2)の合計量は100質量部)を含む耐摩耗性樹脂組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば電気自動車等の充電用ケーブル被覆材の用途に特に有用な耐摩耗性樹脂組成物に関する。
電気自動車は近年の環境意識の高まりとともに急速に普及が進んでいる。これに伴い、電気自動車の充電器の設置台数も増加傾向にある。また、これらの充電用ケーブルは自動車用途に使用されるので難燃化の必要性が高く、難燃性を付与するため充電用ケーブル被覆材には多量の難燃剤が添加されている。しかし、多量の難燃剤を添加すると摩耗性や機械物性の低下を招く恐れがある。特に、これらの充電用ケーブルは通常は屋外に設置され、充電時に地面、車体又は充電器と頻繁に接触しつつ使用されるので、長期間にわたる耐久性が要求される。したがって、電気自動車の充電用ケーブル被覆材には、通常の電線の被覆材に要求される機械的強度や難燃性などに加えて、優れた耐久性、特に耐摩耗性を有することが要望されている。
電線に難燃性を付与する方法として、例えば特許文献1には、プロピレンポリマー、熱可塑性エラストマー及び特定の難燃剤を含む組成物が開示されている。そして、この組成物をワイヤー又はケーブルの被覆材として用いることにより、優れた機械特性及び熱変形性能が発現すると記載されている。しかし、この組成物は、通常の電線の被覆材として用いるものであり、充電用ケーブル被覆材として用いることは意図されていない。そのため、特許文献1の実施例で具体的に調製されている組成物を、仮に充電用ケーブル被覆材として用いた場合を想定すると、その耐摩耗性は必ずしも十分ではないと考えられる。
また特許文献2には、芳香族ビニル化合物と軟化剤(鉱物油等)を含む熱可塑性エラストマー組成物が開示されている。この組成物は柔軟性、耐油性に優れ、ケーブル被覆材としても使用できることが記載されている。しかし、鉱物油が経時変化によりブリードアウトし、機械物性を低下させる恐れもある。
特表2013−515827号公報 特開2003−192868号公報
本発明は、上記課題を解決するために為されたものである。即ち本発明の目的は、機械物性(柔軟性や引張物性等)、耐摩耗性及び難燃性のバランスに優れ、オイルのブリードアウトによる悪影響が少なく、例えば充電用ケーブル被覆材の用途に非常に有用な耐摩耗性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為に鋭意検討した結果、オイルを含有するスチレン系ブロック共重合体(SEBS)に代えて、特定量の2種のオレフィン系エラストマー(E1)及び(E2)を配合することが非常に効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち本発明は、以下の事項により特定される。
[1]プロピレン重合体(P)30〜65質量部、
エチレン系エラストマー(E1)5〜35質量部、及び、
プロピレン系エラストマー(E2)30〜65質量部
(プロピレン重合体(P)、エチレン系エラストマー(E1)及びプロピレン系エラストマー(E2)の合計量は100質量部)
を含む耐摩耗性樹脂組成物。
[2]エチレン系エラストマー(E1)が、エチレン単位と炭素原子数3〜12のα−オレフィン単位を構造単位として含む共重合体である項[1]に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
[3]エチレン系エラストマー(E1)の密度が0.85〜0.92g/cm、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.3〜20g/10分である項[1]又は[2]に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
[4]プロピレン系エラストマー(E2)が、プロピレン単位と炭素原子数2〜12のα−オレフィン単位(ただしプロピレン単位は除く)を構造単位として含む共重合体である項[1]〜[3]の何れかに記載の耐摩耗性樹脂組成物。
[5]プロピレン系エラストマー(E2)が、プロピレン単位とエチレン単位と炭素原子数4〜12のα−オレフィン単位を構造単位として含む共重合体である項[4]に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
[6]プロピレン系エラストマー(E2)の密度が0.85〜0.89g/cm、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1〜10g/10分である項[1]〜[5]の何れかに記載の耐摩耗性樹脂組成物。
[7]充電用ケーブル被覆材に用いられる項[1]〜[6]の何れかに記載の耐摩耗性樹脂組成物。
[8]電気自動車充電用ケーブル被覆材に用いられる項[7]に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、機械物性(柔軟性や引張物性等)、耐摩耗性及び難燃性のバランスに優れ、オイルのブリードアウトによる悪影響も少ない。したがって、例えば、充電用ケーブル被覆材、特に電気自動車の充電用ケーブル被覆材として非常に有用である。
電気自動車の充電用ケーブルの一例を示す模式的断面図である。
<プロピレン重合体(P)>
本発明に用いるプロピレン重合体(P)は、プロピレン単位を主たる構造単位として含む重合体である。好ましくはプロピレン単独重合体であるが、少量の共重合成分が含まれていても良い。プロピレン重合体(P)の共重合成分の具体例としては、エチレン、ブテン、ヘキセン、4-メチル‐1−ペンテン、オクテンが挙げられる。共重合成分の含有量は、好ましくは0〜8重量%、より好ましくは0〜6重量%である。
プロピレン重合体(P)のISO1183に準じて測定した密度は、好ましくは0.85〜0.95g/cm、より好ましくは0.87〜0.91g/cmである。
プロピレン重合体(P)のISO1133に準じて測定したメルトフローレート(230℃、2.16kg過重)は、好ましくは0.5〜20g/10分、より好ましくは1〜15g/10分である。このメルトフレートが0.5g/10分以上であると、樹脂組成物の加工性に優れる傾向にある。また、20g/10分以下であると機械的強度が向上する傾向にある。
<エチレン系エラストマー(E1)>
本発明に用いるエチレン系エラストマー(E1)は、エチレン単位を主たる構造単位として含む重合体であり、好ましくは共重合体である。
エチレン系エラストマー(E1)を構成するエチレン以外のオレフィンとしては、通常、炭素原子数3〜12のα−オレフィンが用いられる。そのα−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、オクテンが挙げられる。中でも、プロピレン、ブテン、オクテンが好ましい。これらエチレン以外のα−オレフィンは、2種以上を併用しても良い。また、本発明の目的を損なわない範囲内で、オレフィン以外の重合性モノマーを併用しても良い。
エチレン系エラストマー(E1)の具体例としては、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エチレン−プロピレン−ブテンゴム(EPBR)、エチレン−オクテンゴム(EOR)、エチレン−ブテンゴム(EBR)、ポリオレフィン樹脂(例えばポリエチレン(PE))等のハードセグメントとオレフィン系ゴム(例えばEPR)等のソフトセグメントとを有するエラストマーが挙げられる。中でも、EBR、EORが好ましい。
エチレン系エラストマー(E1)は、好ましくはエチレン単位75〜95モル%と炭素原子数3〜12のα−オレフィン単位5〜25モル%とを含み、より好ましくはエチレン単位77〜93モル%と炭素原子数3〜12のα−オレフィン単位7〜13モル%とを含む。コモノマーの構成単位(モル%)は、例えば13C−NMRスペクトルの分析によって求められる。
エチレン系エラストマー(E1)のASTM D1505に準じて測定した密度は、好ましくは0.85〜0.92g/cm、より好ましくは0.86〜0.91g/cmである。
エチレン系エラストマー(E1)のASTM D1238に準じて測定したメルトフローレート(230℃、2.16kg過重)は、好ましくは0.3〜20g/10分、より好ましくは0.5〜10g/10分である。エチレン系エラストマー(E1)のメルトフレートが0.3g/10分以上であると、樹脂組成物の加工性に優れる傾向にある。また、20g/10分以下であると機械的強度が向上する傾向にある。
<プロピレン系エラストマー(E2)>
本発明に用いるプロピレン系エラストマー(E2)は、プロピレン単位を主たる構造単位として含む重合体であり、好ましくは共重合体である。
プロピレン系エラストマー(E2)を構成するプロピレン以外のオレフィンとしては、通常、プロピレン以外の炭素原子数2〜12のα−オレフィンが用いられる。そのα−オレフィンの具体例としては、エチレン、ブテン、ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、オクテンが挙げられる。中でも、エチレン、ブテン、オクテンが好ましい。これらプロピレン以外のα−オレフィンは、2種以上を併用しても良い。また、本発明の目的を損なわない範囲内で、オレフィン以外の重合性モノマーを併用しても良い。
プロピレン系エラストマー(E2)の具体例としては、プロピレン−ブテン−エチレンゴム(PBER)、プロピレン−エチレンゴム(PER)、プロピレン−ブテンゴム(PBR)、ポリオレフィン樹脂(例えばポリプロピレン(PP))等のハードセグメントとオレフィン系ゴム(例えばPBER、PER、PBR)等のソフトセグメントとを有するエラストマーが挙げられる。
プロピレン系エラストマー(E2)は、好ましくはプロピレンとエチレン及び/又は炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの共重合体であり、より好ましくはプロピレンとエチレンと炭素原子数4〜12のα−オレフィンとの三元共重合体である。この炭素原子数4〜12のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンが好ましく、1−ブテンが最も好ましい。1−ブテンの場合の三元共重合体は、先に挙げたPBERである。
プロピレン系エラストマー(E2)が上記3元共重合体である場合、この3元共重合体は、通常プロピレン単位50〜92.5モル%と、エチレン単位5〜20モル%と、炭素原子数4〜12のα−オレフィン単位2.5〜25モル%とを含み、好ましくはプロピレン単位40〜88モル%と、エチレン単位7〜20モル%と、炭素原子数4〜12のα−オレフィン単位5〜20%とを含む。
プロピレン系エラストマー(E2)のASTM D1505に準じて測定した密度は、好ましくは0.85〜0.89g/cm、より好ましくは0.86〜0.88g/cmである。
プロピレン系エラストマー(E2)のASTM D1238に準じて測定したメルトフローレート(230℃、2.16kg過重)は、好ましくは1〜10g/10分、より好ましくは2〜8g/10分である。プロピレン系エラストマー(E2)のメルトフレートが1g/10分以上であると、樹脂組成物の加工性に優れる傾向にある。また、10g/10分以下であると機械的強度が向上する傾向にある。
<その他の成分>
本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、用途に応じて様々な添加剤、例えば、難燃剤、可塑剤、滑材、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、顔料、染料、帯電防止剤、抗菌剤、カップリング剤、及び分散剤等を、本発明の目的を損なわない範囲で配合できる。
本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、オイルのブリードアウトによる悪影響を低減することを目的の1つとするものである。したがって、本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、実質的にオイルを含まない組成物であることが好ましく、たとえオイルを含む場合であってもそのオイルの含有量は、耐摩耗性樹脂組成物全体100質量%中好ましくは15質量%以下である。
<耐摩耗性樹脂組成物>
本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、以上説明したプロピレン重合体(P)、エチレン系エラストマー(E1)及びプロピレン系エラストマー(E1)を含む組成物である。
プロピレン重合体(P)の含有量は30〜65質量部であり、好ましくは40〜50質量部である。プロピレン重合体(P)の含有量が30質量部以上であると組成物が十分な機械的強度(特に引張破断点強度)を有する傾向にある。また、この含有量が65質量部を超えると、その効果の飛躍的な上昇は認められない傾向にある。
エチレン系エラストマー(E1)の含有量は5〜35質量部であり、好ましくは10〜30質量部である。この含有量が5質量部以上であると耐摩耗性に優れる傾向にある。また、35質量部以下であると機械的強度(特に引張破断点強度)に優れる傾向にある。
プロピレン系エラストマー(E2)の含有量は30〜65質量部であり、好ましくは35〜50質量部である。この含有量が30質量部以上であると柔軟性に優れる傾向にある。また、65質量部以下であると機械的強度(特に引張破断点強度)に優れる傾向にある。
以上の各含有量は、プロピレン重合体(P)、エチレン系エラストマー(E1)及びプロピレン系エラストマー(E2)の合計量を100質量部とした場合の値である。
各成分の配合方法としては、例えば、バンバリーミキサー、単軸押出機、2軸押出機、高速2軸押出機等の混合装置を用いて、各成分を同時にあるいは逐次に混合又は溶融混練する方法が挙げられる。
本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、機械物性(柔軟性や引張物性等)、耐摩耗性及び難燃性のバランスに優れ、オイルのブリードアウトによる悪影響が少ない。したがって、例えば充電用ケーブル被覆材、特に電気自動車等の充電用ケーブル被覆材として非常に有用である。
図1は、電気自動車の充電用ケーブルの一例を示す模式的断面図である。この充電用ケーブルは、絶縁部1で被覆された複数の導線2が介在部3(紙又はヤーン等)と共にジャケット部4に被覆されてなるものである。本発明の耐摩耗性樹脂組成物は各特性のバランスに優れているので、ジャケット部4、絶縁部1の材料として有用であり、特にジャケット部4の材料として非常に有用である。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。実施例及びで使用した各材料は以下の通りである。
<プロピレン重合体(P)>
「h−PP」:ホモポリプロピレン(株式会社プライムポリマー、プライムポリプロ(登録商標)Y−400GP、密度(ISO1183)=0.90g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ISO1133)=4.0g/10min)
<エチレン系エラストマー(E1)>
「E1−1」:エチレン系エラストマー(EBR)、ブテン含量=19.0モル%、密度(ASTM D1505)=0.861g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ASTM D1238)=0.9g/10min)
「E1−2」:エチレン系エラストマー(EBR)、ブテン含量=11.0モル%、密度(ASTM D1505)=0.885g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ASTM D1238)=2.2g/10min)
「E1−3」:エチレン系エラストマー(EBR)、ブテン含量=7.0モル%、密度(ASTM D1505)=0.905g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ASTM D1238)=2.2g/10min)
<プロピレン系エラストマー(E2)>
「E2−1」:プロピレン系エラストマー(PBER)、ブテン含量=19.0モル%、エチレン含量=13.5モル%、密度(ASTM D1505)=0.865g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ASTM D1238)=6.0g/10min)。
<他の成分>
「S−1」:スチレン系ブロック共重合体(SEBS)(旭化成株式会社、タフテック(登録商標)H1272、スチレン含量=35質量%、密度(ISO1183)=0.90g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ISO1133)=No Flow、オイル含量=35質量%)
「S−2」:スチレン系ブロック共重合体(SEBS)(旭化成株式会社、タフテック(登録商標) H1062、スチレン含量=18質量%、密度(ISO1183)=0.89g/cm、MFR(230℃、2.16kg、ISO1133)=4.5g/10min)
「MDH」:水酸化マグネシウム(協和化学工業株式会社、キスマ(登録商標)5B)
「MP−X」:フェノール系酸化防止剤(BASFジャパン株式会社、イルガノックス(登録商標)1010)
「MP−W」:硫黄系酸化防止剤(三菱ケミカル株式会社、DSTP「ヨシトミ」)
「H-50L」:滑剤(日油株式会社、アルフロー(登録商標)H−50L)
[実施例1]
ホモポリプロピレン(h−PP)45質量部、エチレン系エラストマー(E1−1)20質量部、プロピレン系エラストマー(E2−1)35質量部、水酸化マグネシウム100質量部、フェノール系酸化防止剤1質量部、硫黄系酸化防止剤2質量部、滑材0.5質量部からなる混合物を二軸押出機((株)日本製鋼所製)を用い、樹脂温度210℃で溶融混練した。その後、210℃に設定したプレス成形機にて7分間加熱成形し、2mm厚みのプレスシートを得た。得られたシートを用いて下記の方法により物性を評価した。結果を表1に示す。
(1)引張物性
ASTM D638に準拠して、引張物性を測定した。サンプル形状を4号ダンベルとし、引張速度200mm/minで破断する際の強度と伸びを測定した。
(2)耐熱性
プレスシートより打ち抜いたATSM D638 4号ダンベルをエアーオーブン内で135℃168時間加熱処理後、4時間放冷し、先述した引張物性試験と同様の方法で引張強度、引張伸びを測定した。老化試験前の引張強度、引張伸びとの比として評価した。
(3)硬度
ASTM D2240準拠してショアD硬度測定を測定した。5秒後の硬度を測定した。
(4)耐摩耗性
ASTM D1044に準拠してテーバー摩耗試験を行った。試験荷重は9.8N、回転速度は60rpm、摩耗輪はH−22とした。
(5)難燃性
JIS K7201−1に準拠した酸素指数算出法による燃焼試験を行った。90×10×2mmにカットしたシート状サンプルを燃焼させ、燃焼時間が180秒以上持続するか、または接炎後の燃焼長さが50mm以上燃え続けるのに必要な最低の酸素濃度を酸素指数として求めた。
[実施例2]
エチレン系エラストマー(E1−1)の代わりに、エチレン系エラストマー(E1−2)を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
[実施例3]
エチレン系エラストマー(E1−1)の代わりに、エチレン系エラストマー(E1−3)を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
[実施例4]
プロピレン系エラストマー(E2−1)45質量部、エチレン系エラストマー(E1−1)10質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
[比較例1]
プロピレン系エラストマー(E2−1)及びエチレン系エラストマー(E1−1)の代わりに、スチレン系ブロック共重合体(S−1)82.5質量部(内オイル含量27.5質量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
[比較例2]
ホモポリプロピレン(h−PP)30質量部と、プロピレン系エラストマー(E2−1)及びエチレン系エラストマー(E1−1)の代わりにスチレン系ブロック共重合体(S−1)105質量部(内オイル含量35質量部)を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
[比較例3]
プロピレン系エラストマー(E2−1)15質量部、エチレン系エラストマー(E1−1)40質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
[比較例4]
プロピレン系エラストマー(E2−1)及びエチレン系エラストマー(E1−1)の代わりに、スチレン系ブロック共重合体(S−2)55質量部を用いた以外は実施例1と同様にしてプレスシートを得た。結果を表1に示す。
Figure 2019019229
実施例1〜5の耐摩耗性樹脂組成物は十分な機械的強度を有しており、柔軟性及び耐摩耗性のバランスが良好であった。また、難燃性を示す酸素指数も約24と高く、十分な難燃性を有していた。
一方、比較例1〜4の樹脂組成物は諸物性のバランスが悪く、特に耐摩耗性に劣っていた。また、オイルを多量に含む比較例1及び2の樹脂組成物は、難燃性を示す酸素指数が約22と低く、難燃性が劣っていた。
さらに、実施例1〜4と比較例4の樹脂組成物は同等の硬度を有しているにもかかわらず、実施例1〜4の樹脂組成物は比較例4の樹脂組成物よりも耐摩耗性が顕著に優れていた。
本発明の耐摩耗性樹脂組成物は、充電用ケーブル被覆材、特に電気自動車等の充電用ケーブル被覆材として好適に用いることができる。
1 絶縁部
2 導線
3 介在部
4 ジャケット部

Claims (8)

  1. プロピレン重合体(P)30〜65質量部、
    エチレン系エラストマー(E1)5〜35質量部、及び、
    プロピレン系エラストマー(E2)30〜65質量部
    (プロピレン重合体(P)、エチレン系エラストマー(E1)及びプロピレン系エラストマー(E2)の合計量は100質量部)
    を含む耐摩耗性樹脂組成物。
  2. エチレン系エラストマー(E1)が、エチレン単位と炭素原子数3〜12のα−オレフィン単位を構造単位として含む共重合体である請求項1に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
  3. エチレン系エラストマー(E1)の密度が0.85〜0.92g/cm、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が0.3〜20g/10分である請求項1又は2に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
  4. プロピレン系エラストマー(E2)が、プロピレン単位と炭素原子数2〜12のα−オレフィン単位(ただしプロピレン単位は除く)を構造単位として含む共重合体である請求項1〜3の何れかに記載の耐摩耗性樹脂組成物。
  5. プロピレン系エラストマー(E2)が、プロピレン単位とエチレン単位と炭素原子数4〜12のα−オレフィン単位を構造単位として含む共重合体である請求項4に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
  6. プロピレン系エラストマー(E2)の密度が0.85〜0.89g/cm、メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が1〜10g/10分である請求項1〜5の何れかに記載の耐摩耗性樹脂組成物。
  7. 充電用ケーブル被覆材に用いられる請求項1〜6の何れかに記載の耐摩耗性樹脂組成物。
  8. 電気自動車充電用ケーブル被覆材に用いられる請求項7に記載の耐摩耗性樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020189533A1 (ja) * 2019-03-18 2020-09-24 株式会社フジクラ 難燃性樹脂組成物、これを用いたケーブル及びワイヤハーネス

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