以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は、一実施形態に係る放送局と受信機(受信装置とも呼ぶ)のシステム全体の構成例を示す図である。
放送局100は、放送局サーバ101、第1のセキュリティ機能102、第1の基本機能103を備える。
第1の基本機能103は、放送局100の基本的な機能であり、放送する番組の映像信号や音声信号等を符号化(エンコードとも言う)して多重化し、放送信号(放送信号は、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送、高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送、などいずれの放送波種別の放送信号であってもよい)として送出する機能を持つ。したがって送信信号は、衛星を経由する経路も含むものとする。その他に送信信号は、ケーブルによる経路を含んでもよい。
また放送局100は、放送する番組に、BML、HTML等のアプリケーション機能を同時に提供するサービスを付加することができる。この場合放送局100は、放送する番組にアプリケーション機能が付加されていることを示す第1の指定情報を伝送制御信号に配置して、第1の基本機能103により放送信号として送出することができる。
放送局サーバ101は、番組タイトル、番組ID、番組概要、出演者、放送日時、その他のデータ等のメタデータを、放送信号により受信機に送出するために、予め保存しておくエリアである。
第1のセキュリティ機能102は、放送局が送出する放送波に含まれるコンテンツ(番組)の保護に関する設定を行うことができる。
サービス事業者装置(サービス事業者と称する場合もある)120は、放送局100と連携して、放送局100が放送する番組に付加されたアプリケーション機能を同時に提供するサービスにおいて、コンテンツの作成、管理、提供(配布とも呼ぶ)を行う。サービス事業者装置120は、アプリケーション管理・配布121とアプリケーションサーバー122を含む。
アプリケーション管理・配布121は、アプリケーションサーバー122に保存されているコンテンツやアプリケーションの管理や、受信機140への配布を行う。
アプリケーションサーバー122は、受信機140に対して提供するコンテンツやアプリケーションを保存するエリアである。
またサービス事業者装置120は、第1の指定情報を受信した受信機140からの要求に対応して、アプリケーションサーバー122に保存してあるアプリケーションやコンテンツをアプリケーション管理・配布121によりインターネット等の通信ネットワークを経由して、受信機140に送付する。
受信機140は、デジタル放送の受信機能(第2の基本機能141)、通信制御部142、第2のセキュリティ機能143、アプリケーション管理機能144、API(API:Application Programming Interface)145、アプリケーション146、および制御部147を含み、放送局100から放送された放送信号を受信して各種放送番組および各種サービス情報を受信したり、サービス事業者装置120から通信ネットワークを経由してアプリケーションを取得して動作させたりすることができる。
第2の基本機能141は、受信機の基本的な機能であり、放送局100から送られてくる放送波を受信し、放送波に含まれる符号化された映像信号(映像ストリームとも呼ぶ)、符号化された音声信号(音声ストリームとも呼ぶ)および伝送制御信号等の制御信号を分離し、映像信号および音声信号をデコードしたり伝送制御信号等の制御信号を解析したりする機能を持つ。
また第2の基本機能141は、受信機140に接続されている周辺機器、例えば、受信機140にバインドされているHDD(Hard Disk Drive)162、リムーバルメディア170、との接続やデータの送受信の管理も行う。
アプリケーション管理機能144は、受信機140が予め備えているアプリケーションや通信ネットワークを経由して取得したアプリケーションの管理を行う。またアプリケーション管理機能144は、受信機140が予め備えているアプリケーション146や通信ネットワークを経由して取得したアプリケーション146の実行を、アプリケーションインターフェース(I/F)であるAPI145を介して制御する。
通信制御部142は、通信ネットワークとのI/Fを持ち、通信ネットワークを介してサービス事業者装置120が管理するアプリケーションやコンテンツを取得することができる。
表示器160は、スピーカ161を内蔵しており、第2の基本機能141においてデコードされた映像信号を表示領域に表示したり、音声信号をスピーカ161に出力したりする。なお、表示器160に内蔵されているスピーカ161は、USB等のI/Fにより接続した外部のスピーカであってもよい。また表示器160は、受信機140に内蔵されていても、あるいは受信機140とHDMI(登録商標)等のI/Fにより接続された外部の表示器であってもよい。
図2は、放送局200(図1の100に対応)の主な構成を概略的に示した図である。放送局200は、映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、ならびに伝送制御信号等の制御データ、サービスデータおよび受信機140で動作するアプリケーション145を制御するアプリケーション制御情報等を含む付属データを生成する付属データ生成部204を備える。また放送局200は、放送局サーバ211(図1の101に対応)、第1のセキュリティ機能212(図1の102に対応)および送受信部213が連携している。映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、付属データ生成部204、多重化部205、スクランブラ206、送信機207、送受信部213を合わせて第1の基本機能210(図1の103に対応)と呼ぶ。
映像エンコーダ201のコーデック種別は、MPEG−2、H.264(MPEG−4 AVC(AVC:Advanced Video Coding))、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)のいずれでもよいものとする。またコーデック種別は、これに限るものではない。
また多重化方式は、MPEG−2 Systemsの多重化方式あるいはMMT(Mpeg Media Transport)の多重化方式の方式を用いてもよいし、両方を混在して用いてもよいものとする。また多重化方式は、これに限るものではない。
映像エンコーダ201、音声エンコーダ202、字幕エンコーダ203、付属データ生成部204の各出力はストリーム化されており、これらのストリームは、多重化部205において多重化される。多重化されたストリーム(放送信号)は、スクランブラ206でスクランブルされ、スクランブルされた多重化ストリームとして送信機207に送出され、放送電波によりアンテナから送信される。
付属データ生成部204が生成する伝送制御信号は、テーブルと呼ばれる特定のフォーマットで構成されており、記述子と呼ばれる情報記述領域を持つ。
図3は、一実施形態に係る受信機300(図1の140に対応)の構成を詳細に示した図である。受信機300は、放送波を受信する受信機能である第2の基本機能315(図1の141に対応)を有する。
第2の基本機能315は、放送チューナ301、デスクランブラ302、CASモジュール303、デマルチプレクサ304、データ放送受信処理部305、映像デコーダ306、音声デコーダ307、字幕デコーダ308、解析部309、データ放送エンジン310を含む。
放送チューナ301は、放送波で送られてきたストリーム(放送信号)を復調する。復調されたストリーム(放送信号)は、デスクランブラ302に入力される。デスクランブラ302は、入力されたストリームをCAS(Conditional Access System)モジュール303からの鍵を用いてデスクランブルする。デスクランブラ302によりデスクランブルされたストリームは、デマルチプレクサ304に入力される。
デマルチプレクサ304は、多重化されているストリームを映像ストリーム、音声ストリーム、データ放送ストリーム、字幕ストリーム、付属データに分離し、映像ストリームを映像デコーダ306に、音声ストリームを音声デコーダ307に、データ放送ストリームをデータ放送受信処理部305に、字幕ストリームを字幕デコーダ308に、付属データを解析部309にそれぞれ入力する。
映像ストリームは映像デコーダ306でデコードされ、音声ストリームは音声デコーダ307でデコードされ、字幕ストリームは字幕デコーダ308でデコードされる。
また付属データに含まれるアプリケーション制御情報、サービスデータ、伝送制御信号等を含む制御データは、解析部309で解析される。
またデマルチプレクサ304で分離されたデータ放送ストリームは、データ放送受信処理部305に送られ、受信処理が行われる。データ放送受信処理部305は、デマルチプレクサ304から送られてきたデータ放送ストリームから、データ放送として表示器328に表示する表示用信号を取り出し、この取り出した表示用信号をデータ放送エンジン310に入力する。データ放送エンジン310は、送られてきた表示用信号を解析し、合成器326を介して解析した内容を表示制御部327に出力する。表示制御部327は、送られてきた表示用信号の解析内容を元に、表示器328(図1の160に対応)に表示内容を表示する。
デコードされた映像信号および字幕信号は、合成器326で合成され表示制御部327を介して表示器328に出力される。表示制御部327は、ガンマ特性の設定、表示画面サイズの設定、表示信号レベルの設定などを行う。
また音声デコーダ307でデコードされた音声データは、スピーカ329(図1の161に対応)に出力される。
なお図3は、表示器328およびスピーカ329は、受信機300に内蔵されている例として記載しているが、例えばHDMI等のI/Fにより接続された外部の表示器およびスピーカであってもよい。表示制御部327は、表示器328が受信機300にHDMI等のI/Fで接続された外部の表示器の場合も、表示器328に表示する内容の制御を行う。
解析部309は、アプリケーション制御情報、サービスデータ、制御データの解析を行い、解析結果を随時制御部330に送付する。
制御データに含まれる伝送制御信号の中には、多重化されている映像信号の番組のチャンネル識別情報と番組識別情報とが含まれ、さらにこの多重化された映像信号の番組対してアプリケーション機能を同時に提供するサービスが付加されていることを示す第1の指定情報が含まれている。解析部309は、受信した制御データを解析することでこれらチャンネル識別情報、番組識別情報、および第1の指定情報を抽出し、この抽出結果を随時制御部330に送信する。
さらに受信機300は、全体的な動作を制御する手段として制御部330を有する。制御部330は、第2のセキュリティ機能322(図1の143に対応)、アプリケーション管理機能323(図1の144に対応)、API324(図1の145に対応)、アプリケーション325(図1の146に対応)を含む。
第2のセキュリティ機能322は、放送波に含まれる伝送制御信号の中からコンテンツの保護に関する情報を読み出し、ネットワークI/F341を介してホームネットワーク上の他の機器(図示しない)に出力する際や、接続されている周辺機器(図示しない、図1の162、170に対応)に出力する際にコンテンツ保護の処理を行う。 API324は、アプリケーション管理機能323とアプリケーション325とが連携して動作するためのI/Fである。
アプリケーション管理機能323は、受信機300が予め備えているアプリケーションや通信ネットワークを経由して取得したアプリケーションの管理を行う。またアプリケーション管理機能323は、受信機300が予め備えているアプリケーション325や通信ネットワークを経由して取得したアプリケーション325の実行を、アプリケーションインターフェース(I/F)であるAPI324を介して制御する。
なお、映像デコーダ306のコーデック種別は、放送チューナ301で受信する放送メディア、すなわち地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送、高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送、狭帯域CSデジタル放送等、受信する放送に応じたコーデック種別としてMPEG−2(地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域BSデジタル放送)、H.264(AVC:Advanced Video Coding) (狭帯域CSデジタル放送)、H.265(HEVC:High Efficiency Video Coding)(高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送)のいずれでもよい。またコーデック種別は、これに限るものではない。 通信制御部340は、通信ネットワーク351とのI/FであるネットワークI/F341と、リモートコントローラ(リモコン)352とのI/FであるリモコンI/F342を持つ。
さらに制御部330は、解析部309から送られてきた暗号化されたECM、EMMから、デスクランブルに必要なスクランブル鍵(Ks)を抽出するために、CASモジュール303に対してECM、EMMを復号するように指示を出す。CASモジュール303は、制御部330の指示にもとづき、ECM、EMMを復号しスクランブル鍵(Ks)を抽出する。CASモジュール303は、スクランブル鍵(Ks)を抽出すると、抽出したスクランブル鍵(Ks)を制御部330に送信する。制御部330は、CASモジュール303からスクランブル鍵(Ks)を受信すると、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ302に送信する。デスクランブラ302は、制御部330からスクランブル鍵(Ks)を受信すると、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ302は、スクランブルされている放送信号をデスクランブルする際に、内部に保存してあるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルを行う。
なお、デスクランブルに必要なスクランブル鍵(Ks)を抽出する過程は、図4A、図4Bを用いて詳細に説明する。
図4Aは、非特許文献1に記載の、限定受信方式の概念図を示したものである。
この方式は一般的には3重鍵方式と称されており、スクランブル鍵(Ks)401、ワーク鍵(Kw)402、マスター鍵(Km)403の3つの鍵が利用される。
スクランブル鍵(Ks)401と、ワーク鍵(Kw)402と、マスター鍵(Km)403は、放送局200が管理する鍵である。またワーク鍵402を用いてECMを暗号化する暗号化部405、マスター鍵403を用いてEMMを暗号化する暗号化部406も、放送局200が管理する暗号化部である。
一方受信機300に挿入されているCASモジュール303は、ワーク鍵422を用いてECMを復号化する復号化部425、マスター鍵423を用いてEMMを復号化する復号化部426は、受信機300に挿入されているCASモジュール303が管理する復号化部である。またCASモジュール303から入手したスクランブル鍵(Ks)を用いて放送波をデスクランブルするデスクランブラ420は、図3が示す受信機300が管理するデスクランブラ302である。
放送局200は、スクランブル鍵(Ks)を含むECM410およびワーク鍵(Kw)を含むEMM411を、各々の必要なタイミングで生成する。放送局200は、生成したECM410およびEMM411を、他の番組コンテンツ等と多重化し、その時点でのし放送波により送出するスクランブル鍵(Ks)401を用いてスクランブラ400によりスクランブルし、放送波により送信する。
受信機300は、CASモジュール303より入手したスクランブル鍵(Ks)421を用いて、受信した放送波をデスクランブラ420によりデスクランブルし、放送波に含まれている番組コンテンツをユーザに提供する。
限定受信方式の目的は、特定の放送局が放送する番組を視聴する権利を取得した加入者のみが、その放送局が放送する番組を視聴出来るようにすることである。このため、加入者の受信機300のみが、放送波で送られてくるスクランブル鍵(Ks)421を取り出せることが必要である。
ECM410は、放送局200が送信する受信機共通の関連情報である。ECM410は、スクランブル鍵(Ks)を含んでいる。このECM410は、ワーク鍵(Kw)402を用いて暗号化部405により暗号化されている。
EMM411は、放送局200が送信する受信機識別単位(CASモジュールID単位)の関連情報である。EMM411は、ECM410を暗号化するのに用いるワーク鍵(Kw)402を含んでいる。このEMM411は、マスター鍵(Km)403により暗号化部406により暗号化されている。つまり、受信機300は、放送局200が放送するマスター鍵(Km)と1対1に紐づけられた受信機識別単位(CASモジュールID単位)の関連情報であるEMMの中から、搭載したCASモジュール303から得られるCASモジュールID(カードID)により自分宛てのEMMを認識できれば、CASモジュール(ICカード)に秘匿されたマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し中に含まれるワーク鍵(Kw)を取り出すことができ、その取り出したワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号し中に含まれるスクランブル鍵(Ks)を取り出すことができる。
マスター鍵(Km)423は、CASモジュール(ICカード)に秘匿された状態で格納されている。加入者は、特定の放送局200が放送する番組の視聴する権利を取得する際にCASモジュール(ICカード)303の識別情報であるCASモジュールID(カードID)を放送局に申請することで、放送局200は、管理する鍵管理システム(図示しない)により、申請されたCASモジュールID(カードID)に相対する加入者のCASモジュール303のマスター鍵(Km)423を判別することが可能となる。このようにして放送局200は、加入者のCASモジュール303のマスター鍵423と同一のマスター鍵403を前述の鍵管理システムから入手することができる。
つまり、放送局200は、加入者の申請の際に入手した情報CASモジュールID(カードID)によりマスター鍵(Km)403を用いて、EMM411を暗号化することができる。さらに放送局200は、加入者の申請の際に入手したCASモジュールID(カードID)の情報を、EMM411の非暗号化部分に設定することで、送信するEMM411を加入者ごとに設定することができる。
受信機300は、受信したEMM411の非暗号化部分にあるCASモジュールID(カードID)の情報から、自分宛てのEMM411を抽出し、抽出した自分宛てのEMM411をCASモジュール303に送信する。EMM411を受信したCASモジュール303は、内部に秘匿した状態で格納してあるマスター鍵(Km)423を用いてEMM411を復号化部426で復号し、ワーク鍵(Kw)422を抽出する。さらにCASモジュール303は、抽出したワーク鍵(Kw)422を用いて、ECM410を復号化部425で復号化し、中に含まれているスクランブル鍵(Ks)421を抽出する。CASカードモジュール303は、抽出したスクランブル鍵(Ks)421を制御部330に送信する。スクランブル鍵(Ks)421を受信した制御部330は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ420に送信する。制御部330からスクランブル鍵(Ks)を受信したデスクランブラ420は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。
受信機300のデスクランブラ420は、内部に設定しているスクランブル鍵(Ks)421を用いて受信した放送波をデスクランブル420し、放送波に含まれている番組コンテンツをユーザに提供する。
先に説明したように放送局200は、デスクランブル対象の映像より先行して、デスクランブル対象の映像のスクランブルキー(Ks)を持つECMを送付する。
図4Bは、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送の場合のECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)と、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号の時間的な関係を示す図である。
440は、受信機300が受信する番組の放送信号の時間的な遷移である。441は、その放送信号440をデスクランブルするのに用いるスクランブル鍵(Ks)の時間的な遷移を示している。Ks0、Ks1、Ks2が、放送信号をデスクランブルするのに用いるスクランブル鍵(Ks)である。放送信号をデスクランブルするのに用いるスクランブル鍵(Ks)は、2000ms単位で更新される。
442は、受信機300が受信したECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)の時間的な遷移を表している。ECM1は、スクランブル鍵Ks0とKs1を含んでおり、ECM2はスクランブル鍵Ks1とKs2を含んでおり、ECM3はスクランブル鍵Ks2とKs3を含んでいる。このようにECMには、ODD(奇数)鍵とEVEN(偶数)鍵の両方のスクランブル鍵(Ks)を格納可能である。
図4Bに示すように、受信機300は、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号より1600ms先行して受信することができる。具体的には、時刻T11からT12の2000msにおける放送信号は、スクランブル鍵Ks2を用いてデスクランブルされる。このスクランブル鍵Ks2は、ECM2の中に配置されて放送局200より送られてくる。
受信機300がこのECM2を受信するタイミングは、T11より1600ms先行したT20のタイミングである。このように受信機300は、デスクランブルする対象の放送信号より先行してスクランブル鍵(Ks)を受信することで、受信した放送信号に対して遅延することなくデスクランブルすることが可能となる。
高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル放送における、ECMおよびその中に含まれるスクランブル鍵(Ks)と、そのスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする対象の放送信号の時間的な関係は、図4Bにおけるスクランブル鍵(Ks)の更新周期を2000msから8000msに、ECMを先行して受信するタイミングを1600msから7600msに読み替えれば原理的には同一である。
図4Cは、非特許文献2に記載の、限定受信方式の概念図を示したものである。図4Cの概念図は、図4Aと同様である。図4Cの450、451、452、453、454、455、456、460、461、470、471、472、473、474、475,476は、それぞれ図4Aの400、401、402、403、404、405、406、410、411、420、421、422、423、424、425、426に対応している。
放送では、あまねく受信者に同じ信号が送られるために、スクランブル鍵(Ks)を長期にわたり使い続けると、スクランブル方式自体は省令告示で定められた公開方式であるので、鍵長分のすべての鍵の総当たり等でKsを解析することが可能である。このような事態が生じると、限定受信の目的を達成することができない。そのため、現状の放送においては、時間と共に変化するスクランブル鍵(Ks)が利用されている。非特許文献1では、同一のKsの使用時間を1つのECMあたり最短1秒程度と定めている。
次に受信機300が、デスクランブルする際の基本的な動作について説明する。
図5は、非特許文献4に記載の、受信機300がデスクランブルする際の基本構成図である。
受信機500は、チューナ部501(図3の301に対応)、デスクランブラ502(図3の302に対応)、TS(Tranport Stream)デコード部503(図3の304に対応)、映像・音声デコード部504(図3の306、307に対応)、表示部505(図3の327に対応)、制御部506(図3の330に対応)、キー入力部507(図3の342に対応)を含む。TSデコード部503は、送られてきたデスクランブル後の放送信号を解析して伝送制御信号を逐次抽出して、制御部506に送信する。制御部506は、TSデコード部503から送られてきた伝送制御信号をもとに、チューナ部501、デスクランブラ502、表示部505を制御することができる。また制御部506は、リモコン510からの操作入力の信号をキー入力部507を介して受け取ることができる。ICカード511(図3の303に対応)は、制御部506から与えられるコマンドにもとづきECMやEMMの処理を行い、ワーク鍵(Kw)、スクランブル鍵(Ks)を抽出することができるCASモジュールである。図5の受信機500は、チューナ部を1個搭載する場合である。
図6は、非特許文1に記載の、図5に示した受信機500が行う限定受信処理の処理フローチャートである。
ユーザによるリモコン510操作により特定のチャンネル(service_id)が選択された場合、制御部506は、現在受信中の放送波において、当該service_idのPMT(Program Map Table)が伝送されているかを、TSデコード部503で抽出されたPAT(Program Association Table)を受信して判断する(S601)。
判断の結果伝送されていない場合(S603のNo)、制御部506は、TSデコード503から送られてくるNIT(Network Information Table)を参照して当該service_idが伝送されている放送波を選局するため、チューナ部501を制御する(S610)。
制御部506は、選局した放送波に配置されたCAT(Conditional Access Table)の内部に含まれるEMMのPID(Packet Identifier)を認識し、EMMを受信する。制御部506は、受信したEMMの中から自分宛てのEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部506は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード511に送信する。制御部506からEMMを受信したICカード511は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存(S611)する。
また制御部506は、受信したPAT(S605)を参照して、選局したいservice_idのPMTを受信し(S606)、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する(S607)。制御部506は、ECMを受信すると、ICカード511に対してECM受信コマンドを発行する。
ECM受信コマンドを受信したICカード511は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す(S612)。
ICカード511は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと(S612のYes)、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部506に送信する。
スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部506は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ502に送信する。デスクランブラ502は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。
デスクランブラ502は、図4Bに示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いてチューナ部501から送られてくる放送信号をデスクランブルする(S608)。
デスクランブラ502でデスクランブルされた放送信号に含まれる映像信号や音声信号は、TSデコード部503で分離された後、映像・音声デコード部504でデコードされる(S609)。デコードされた映像信号や音声信号は、モニタやスピーカー(図示せず)に出力する。
非契約ないし契約済みでもEMMが未受信の状態であれば、ECM受信コマンドの応答として、CASモジュール(ICカード)から非契約等のEMM未受信を意味する応答が返る(S612のNo)。その応答を受信した制御部506は、表示部505にて非契約などの所定のエラーメッセージを生成しモニターに表示する。
次に受信機300が、チューナ部を2個搭載する場合について説明する。
まずはじめに、ECMおよびEMMの更新周期と、CASモジュール(ICカード)の処理の関係について説明する。
上述したように非特許文献1では、スクランブル鍵(Ks)の更新周期つまりECMの更新周期は最短1秒程度と規定されている。
つまり、最大処理時間を考慮すると、非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)は、この1秒のスクランブル鍵(Ks)の更新の間にECMとEMMの処理が可能な性能を持つCASモジュール(ICカード)であることが期待されることになる。
非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)1つで、複数のチャンネル(複数のチューナ)を処理するためには、スクランブル鍵(Ks)の更新周期を伸ばす方法と、CASモジュール(ICカード)の性能を上げることにより1秒のスクランブル鍵(Ks)の更新周期の時間内に複数のECM、EMMの処理を可能とする方法とが考えられる。
実際には、非特許文献4では下記のように解説されている。
「 A−3−2 更新周期、
ECMの更新周期に関しては、本編5.8.5ECMの更新・再送に記載されている。ICカードの処理能力に応じたタイミングとしては、
・1ECMの処理最大800msを想定
・異なるECMの更新間隔は1000ms以上
という前提のもと、受信機仕様を想定している。本書ver1.0の改定に伴い、下記のことを想定して更新周期を見なおした。
・BS放送をTV画面でみながらBS裏番組録画が1枚のICカードで処理されきる。
・同様のことが任意のBSチャンネル2画面同時表示もICカードとして1枚で処理。
以上のことから、ECMの更新間隔が2000ms以上であれば、異なるTSにおける少なくとも入力に2つのスクランブルサービスが1枚のICカードで処理可能になる。」
つまり非特許文献1に準拠のCASモジュール(ICカード)は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期1秒に対しては処理が可能であるので、ECMの更新周期を2秒とすることで、少なくとも2チャンネル(2つのチューナ)を処理することが可能となる。
すなわち、ECMの更新周期を2秒にすることで、非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)であれば、そのコマンド応答性能に関わらず運用規定で2チャンネル(2つのチューナ)までを許容したことになる。
図7は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期とECM、EMMの処理を概念的に示した図である。
701非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)に対して期待されるECM、EMMの処理時間を表している。非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)は、1000ms以内に、1つのECMおよびEMMの処理を完了することが期待されている。
702は、非特許文献4準拠のCASモジュール(ICカード)が、2つのチューナ部(第1チューナ部1と第2チューナ部)を持つ受信機に挿入された場合のECM、EMMの処理の様子を示している。702−1が第1チューナ部に対するECM、EMMの処理の様子、702−2が第2チューナ部に対するECM、EMMの処理の様子である。
チューナが2個の場合、CASモジュール(ICカード)は、受信機からのコマンドに従って、各々のチューナで受信した放送波に含まれるECMの処理、EMMの処理をシリアルに行う。第1チューナに対するECM、EMMの処理、第2チューナに対するECM、EMMの処理は、スクランブル鍵(Ks)の更新周期である2秒以内に行わなければならない。
図8は、図5に示したチューナ部を1つ持つ場合の受信機の基本構成に対して、チューナ部を2つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機800の基本構成図である。図8の図5との相違点は、チューナ部が1つ追加され第1チューナ部801−1と第2チューナ部801−2で構成されている点、2つのチューナ部に対応するために分配器813が追加されている点、内蔵の録画・記録部812が追加されている点である。それ以外の802から810および811は、図5の502から510および511と同一である。
受信機800は、第1チューナ部801−1と第2チューナ部801−2の2つチューナ部をもつことで、1つのチューナ部で選局した番組をモニタに出力すると同時に、他のチューナ部で選局した、モニタに出力している番組とは異なる番組を録画して録画・記録部812に保存することが出来る。録画・記録部812は、例えば内蔵のHDD(ハードディスクドライブ)である。
モニター出力するチャンネル1の放送波を第1チューナ部801−1で選局し、同時に録画・記録部812で記録するチャンネル2の放送波を第2チューナ部801−2で選局する場合の処理を説明する。
ユーザによるリモコン810操作によりモニターに出力するチャンネル1(service_id_1)が選択された場合、制御部806は、現在受信中の放送波において、service_id_1のPMTが伝送されているかを、TSデコード部803で抽出されたPATを受信して判断する。
判断の結果伝送されていない場合、制御部806はTSデコード部503から送られてくるNITを参照してservice_id_1が伝送されている放送波を選局するため、第1チューナ部801−1を制御する。
制御部806は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるEMMのPIDを認識し、EMMを受信する。制御部806は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部806は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード811に送信する。制御部806からEMMを受信したICカード811は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また制御部806は、受信したPATを参照して、選局したいservice_id_1のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する。制御部806は、ECMを受信すると、ICカード811に対してECM受信コマンドを発行する。
ECM受信コマンドを受信したICカード811は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す。
ICカード811は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部806に送信する。
スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部806は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ802に送信する。デスクランブラ802は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。
デスクランブラ802は、図4Bに示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いて第1チューナ部801−1から送られてきた放送信号をデスクランブルする。
デスクランブラ802でデスクランブルされた放送信号に含まれる映像信号や音声信号は、TSデコード部803で分離された後、映像・音声デコード部804でデコードされる。デコードされた映像信号や音声信号は、モニタやスピーカー(図示せず)に出力する。
予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で所望の番組の録画予約を行う。制御部806は、録画予約の設定内容に従い、録画予約された番組の開始時刻近傍になった時点で第2チューナ部801−2を制御し、録画予約したチャンネルを選局する。
制御部806は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。制御部806は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部806は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード811に送信する。制御部806からEMMを受信したICカード811は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また制御部806は、PATを参照して、選局したいservice_id_2のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する。制御部806は、ECMを受信すると、ICカード811にECM受信コマンドを発行する。
ICカード811は、1枚のICカード(1つのCASモジュール)で第1チューナ部801−1で選局された放送波に含まれるECMの処理と第2チューナ部801−2で選局された放送波に含まれるECMの処理の両方の処理を行うする必要がある。
ICカード811の処理は、受信機からの要求により処理を開始するものであるが、制御部806とICカード811との間のデータのやり取りは、制御部806からICカード811への要求に対する、ICカード811から制御部806への応答が返るまで、制御部806は次の要求をICカード811に送信できないルールになっている。
このため制御部806は、TSデコード部から連続してECMを受信した場合、ECMの再送周期等を鑑みて、ECMの処理を要求するタイミングを調整して、処理を要求するECM受信コマンドを発行する。
またEMMの処理においても同様に、ICカード811は、第1チューナ部801−1で選局した放送波に含まれるEMMの処理と、第2チューナ部801−2で選局した放送波に含まれるEMMの処理の両方の処理を行う必要があるため、制御部806は、各々のEMMの処理を要求するタイミングを、ECMの処理を要求するタイミングとも重複しないように調整してICカード811に対して、コマンドを発行する。
ICカード811は、第1チューナ部801−1で選局した放送波に含まれるECMを処理する時点では、既に契約済みのEMMを受信済みであり、その受信したEMMの中からワーク鍵(Kw)を抽出済みであれば、そのワーク鍵(Kw)を用いて、処理を要求されたEMCを復号化しスクランブル鍵(Ks)を抽出することができる。ICカード811は、EMCを復号化しスクランブル鍵(Ks)を抽出できると、制御部811に対してECM受信コマンドの正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部806に送信する。
スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部806は、受信したスクラブル鍵(Ks)をデスクランブラ802に送信する。デスクランブラ802は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ802は、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いて第2チューナ部801−2で選局した放送波をデスクランブルする。デスクランブルされた放送波は、TSデコード部803でデコードし、録画・記録部812に所定の記録用フォーマット(例えば機器バインドの固有鍵にて暗号化したTSフォーマット)に変換して記録される。
録画・記録部821に保存されている録画した番組を再生する場合は、録画・記録部821に保存されている記録用フォーマットを、TSデコード部803でデコードされたフォーマットに戻し、映像・音声デコード部804においてモニターに出力する。
さらに受信機は、3個以上のチューナを搭載することができる。
受信機が3個以上のチューナを搭載する場合、例えば視聴中の番組以外に同時に異なる2チャンネルを録画可能ないわゆるW裏録機能に対応させる場合には、ECMの処理、EMMの処理が煩雑になる。
CASモジュール(ICカード)1つで2チャンネルまでの対応が可能とした場合、3つのチューナを確実に処理する場合には、CASモジュール(ICカード)を2つ搭載する必要がある。
図9は、図8に示したチューナを2つ持つ場合の受信機の基本構成に対して、チューナを3つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機900の基本構成図である。
図9の図8との相違点は、第3チューナ部901−3が追加されている点と、ICカードが1つ追加され第1ICカード911−1と第2ICカード911−2で構成されている点である。それ以外の902から910と912は、図8の802から810と812と同一である。
モニター出力するチャンネル1の放送波を第1チューナ部901−1で選局し、同時に録画・記録部912で記録するチャンネル2の放送波を第2チューナ部901−2で選局し、同時に録画・記録部912で記録するチャンネル3の放送波を第3チューナ部901−3で選局する場合の処理を説明する。
ユーザによるリモコン810操作によりモニターに出力するチャンネル1(service_id_1)が選択された場合、制御部906は、現在受信中の放送波において、service_id_1のPMTが伝送されているかを、TSデコード部903で抽出されたPATを受信して判断する。
判断の結果伝送されていない場合、制御部906はTSデコード部903から送られてくるNITを参照してservice_id_1が伝送されている放送波を選局するため、第1チューナ部901−1を制御する。
制御部906は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。制御部906は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部906は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMを予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2のいずれかに送信する。制御部906からEMMを受信した第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また制御部906は、受信したPATを参照して、選局したいservice_id_1のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識し、ECMを受信する。制御部906は、ECMを受信すると、予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2のいずれかに対してECM受信コマンドを発行する。
ECM受信コマンドを受信した第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す。
第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部906に送信する。
スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部906は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ902に送信する。デスクランブラ902は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ902は、図4Bに示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いて第1チューナ部901−1から送られてきた放送信号をデスクランブルする。
デスクランブラ902でデスクランブルされた放送信号に含まれる映像信号や音声信号は、TSデコード部903で分離された後、映像・音声デコード部904でデコードされる。デコードされた映像信号や音声信号は、モニタやスピーカー(図示せず)に出力する。
予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で同時刻に異なる2チャンネルの所望の番組録画予約を行っており、制御部906は、録画予約の設定内容に従い、その番組の開始時刻近傍になった時点で、第2チューナ部901−2、および第3チューナ部901−3を制御して、録画予約したチャンネルを選局する。
制御部906は、選局した放送波に配置されたCATの内部に含まれるからEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。、制御部906は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部906は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMを予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2に送信する。制御部906からEMMを受信した第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また制御部906は、PATを参照して、選局したいservice_id_2のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識し、ECMを受信する。制御部906は、ECMを受信すると、予め決められた第1ICカード911−1あるいは第2ICカード911−2にECM受信コマンドを発行する。
ICカード911−1および911−2は、1つのICカードで2つのチャンネルまでの同時処理が運用規定により担保されいるため、予め、第1チューナー部901−1、第2チューナー部901−2、及び第3チューナ部901−3とCAS処理を行うCASモジュールである第1ICカード911−1および第2ICカード911−2の対応関係を、ユーザインタフェイス等の設定画面にて設定しておく必要がある(図示せず)。
例えば、第1チューナ部901−1と第2チューナ部901−2を第1ICカード911−1で処理し、第3チューナ部901−3を第2ICカード911−2で処理するよう対応付けているものとする。この場合、第1ICカード911−1のカードIDの情報で有料放送として提供されるチャンネルA、B、Cを視聴する権利を取得するために加入契約をし、第2ICカード911−2のカードIDの情報で有料放送として提供されるチャンネルD、E、Fを視聴する権利を取得するために加入契約をした場合には、例えば、チャンネルCを見ながら、チャンネルAとFを同時録画する場合には、第1チューナ部901−1でチャンネルCを、第2チューナ部901−2でチャンネルAを、第3チューナ部901−3でチャンネルFを選局するようにすれば、契約した有料放送のチャンネルと第1ICカード911−1および第2ICカード911−2の対応がとれる。
しかしながら、第3チューナ部901−3でチャンネルAの放送波を処理しようとした場合には、チャンネルAの放送波を視聴する契約を第2ICカード911−2では契約していないため、第2ICカード911−2ではチャンネルAを視聴する契約情報を含んだEMMを抽出することができず、その結果チャンネルAの放送波をデスクランブルすることができない。また、1つのICカード(CASモジュール)で異なる3チャンネル(例えばチャンネルA、B、C)を契約してEMMを受信していた場合に、異なる時間に、これら3チャンネルいずれか1つを視聴ないし録画することは可能だが、チャンネルAを見ながらチャンネルB、Cを同時録画という同時処理を行う場合も考えられる。しかし先に述べたように、非特許文献4に記載のように、1つのICカードで2つのチャンネル(チューナ)のTSの処理までしか同時処理ができない、という制限状態であると、1つのICカードで異なる3チャンネルのTSを同時に処理することができないなどの不具合がある。
そこで本実施形態では、主要なポイントとして次のことに着目している。
本実施形態では、ユーザの利便性のために複数のチューナを搭載した受信機において、複数のチューナと複数のICカードの紐付関係の設定をユーザが行う負担の軽減やコスト削減のため、極力少ないICカード(CASモジュール)で処理可能とするためのルール作りを行う。
そのため例えば、1つのCASモジュール(ICカード)であっても、同時受信処理可能なチューナ数を厳密に検討できることが重要である。
本実施形態における要点の概要をまとめると以下のように記述することができる、
(1).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、ECMの再送周期、更新周期、かつ1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を規定したデジタル放送送受信装置。
(1b).1つのCASモジュールID宛に送られるEMM及び又はEMM個別メッセージのうち、EMMを受信後からCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間における、処理が必要な最小のEMM個数を規定したデジタル放送送受信装置。
(2).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、同時に2つを超える受信視聴ないし録画・記録を行う際に、ECMの再送周期、更新周期、かつ1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度が設定されており、当該受信機宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからCASモジュールにコマンド発行するまでの猶予期間における、搭載した複数チューナの各々のEMM及び又はEMM個別メッセージ処理を前記EMM及び又はEMM個別メッセージ送出頻度からCASモジュールへの発行スケジュールを制御するデジタル放送受信装置。
(2b).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、同時に2つを超える受信視聴ないし録画・記録を行う際に、ECMの再送周期、更新周期、かつ1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからCASモジュールにコマンド発行するまでの猶予期間における、処理が必要なEMM及び又はEMM個別メッセージの個数からCASモジュールへの発行スケジュールを制御するデジタル放送受信装置。
(3).アクセス制御方式(限定受信方式ないしコンテンツ保護方式)を運用する放送において、1事業体あたりに同一受信機(CASモジュールID)宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出を、所定の頻度で送出するように制御するデジタル放送送信装置。
(4).上記(1).の記載内容において、1つのCASモジュールID宛のEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、EMMを受信してからCASモジュールにコマンド発行するまでの猶予期間における、送信するEMMの個数で規定したデジタル放送送受信装置。
(5).上記(1).の記載内容において、1つのCASモジュールID宛のEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、ECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で規定したデジタル放送送受信装置。
(6).上記(1).の記載内容において、1つのCAS ID宛のEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、EMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間における、送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数、かつECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で規定したデジタル放送送受信装置。
(7).上記(2).の記載内容において、CASモジュールへの発行スケジュールの制御を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送受信装置。
(8).上記(2).の記載内容において、CASモジュールへの発行スケジュールの制御を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、ECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送られるEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送受信装置。
(9).上記(2).の記載内容において、CASモジュールへの発行スケジュールの制御を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMMの個数、かつECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送られるEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送受信装置。
(10).上記(3).の記載内容において、同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージの送出頻度を、当該CASモジュール宛てのEMM及び又はEMM個別メッセージを受信してからにCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送送信装置。
(11).上記(3).の記載内容において、同一受信機宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、ECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送信するEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送送信装置。
(12).上記(3).の記載内容において、同一受信機宛てに送出するEMM及び又はEMM個別メッセージの送出頻度を、当該CASモジュール宛てのEMM/EMM個別メッセージを受信してからCASモジュールに対して行うコマンドの発行までの猶予期間において、送信するEMMの個数、かつECMないしスクランブル鍵の更新周期あたりに送られるEMM及び又はEMM個別メッセージの個数で制御するデジタル放送送信装置。
次に、本実施形態が有用な機能を発揮することを、その背景から説明する。
従来の標準規格、運用規定上では、1つのCASモジュール(ICカード)において異なる2チューナの同時処理を可能とするには以下を考慮する必要がある。そのため3チューナ以上の搭載受信機を想定する場合には、従来の標準規格、運用規格に加えて、搭載するCASモジュール(ICカード)のECMやEMM等のCASモジュール(ICカード)とのコマンド・応答に要する性能を把握する必要がある。
しかし、このCASモジュール(ICカード)のECMやEMMのコマンド応答性能とECMの送出頻度、更新周期、およびEMMを受信後処理までの猶予期間を決めても厳密にいくつまでのチューナ処理が可能かの詳細な検討が困難である。
一般的にECMは数秒おきに更新するため、再送周期が100ms毎に送られても、複数チューナを搭載する場合にはECM処理を優先せざるを得ない。
一方EMMは、ECMに比べて即時処理を必要としない属性のものであるが、場合によってはECMほどの即時性はないものの、可及的速やかな処理を要する場合がある。例えば、
(a)特定の放送局(事業体)が放送する番組を視聴する権利を取得したい視聴者Aが、加入に関する手続きや加入時のトラブル対応を、加入する放送局(事業体)のカスタマーセンターに電話して、電話の案内に従って自受信機で当該放送局のチャンネルを選局し、視聴者Aの受信機のカードID番号を告げる
(b)視聴者Aは、例えば電話を掛けたままの状態で、放送局(事業体)は、電話で告げられたカードID番号を設定したEMMを即時送信する
(c)視聴者Aの受信機がEMMを受信し、スクランブル鍵(Ks)を取り出せれば、当該チャンネルの放送信号をデスクランブルすることが可能となる(いわゆる鍵明けが可能となる)
(d)これにより、視聴者Aは、契約手続きの完了を確認できる、
上記(a)から(d)のシーンのような場合は、EMM処理もECMほどの即時性はないものの、可及的速やかな処理を要する場合があることは現実である。
このように事業体と視聴者が電話をしながら、視聴者が受信機の受信状態を確認しながら、視聴契約手続きを行う場合、受信機でEMMの受信をミスする場合も想定される。そこで放送局(事業体)は、受信機がEMMの受信をミスする場合を想定して、同一のカードIDを設定したEMMを、一定時間バースト的に送信することも想定される。
ECMは、スクランブル鍵(Ks)の更新に合わせて、同一Ksを使用する期間内で少なくとも1つを受信するように受信機がECMの受信制御してもよいが、EMMは、契約の可否等を制御するものであるため、受信機がEMMの受信制御せず、自分宛てに送信されたEMMは全て受信して、その受信したEMMを全てCASモジュール(ICカード)に送信して処理を依頼することが基本であると考えられている。
よって、受信機がEMMを受信後に、一定期間の猶予を持ってCASモジュール(ICカード)に対して処理することが望まれる。このためARIB規格では、CASモジュール提供者よりCASモジュール(ICカード)の応答性能が示されたことに併せて、受信機がEMMを受信した後にCASモジュール(ICカード)に対してEMM受信コマンド発行を行うまでの猶予期間が規定された。
この規定によると、EMMは同一CASモジュール(ICカード)宛てに送る頻度が低いという前提では、実質上さほど問題は起きにくいが、前述のように電話での鍵明けなどが行われる場合には、EMMを短時間で複数送ることも想定される。
最近では、チューナの搭載数も増え、多チャンネル録画機能を搭載した受信機や、さらに非特許文献5の 第一部 第五編 付録7に高度広帯域BS・CS放送用(いわゆる4K8K放送)CASと現行の広帯域衛星放送(いわゆる2K放送)のCASを一体のCASモジュールに搭載することがあり得る規定が行われた。
付録7において以下の記載がある、
「付録7 現行放送と高度BSデジタル放送の共用受信機について
高度BSデジタル放送の受信とARIB TR−B15に規定されるBSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送若しくはARIB TR−B14に規定される地上デジタルテレビジョン放送の少なくともいずれかの受信が可能な共用受信時において、BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送、地上デジタルテレビジョン放送の受信に同じCASモジュールを適用する際の規定を以下に示す。」とある。
しかし、現行の広帯域衛星放送(いわゆる2K放送)を受信する受信機において搭載チューナ数が多い場合や、また高度広帯域衛星放送(いわゆる4K8K放送)と現行放送(いわゆる2K放送)を受信する受信機が1つのCASモジュール(ICカード)で多数のチャンネルを受信し処理する場合が、今後十分あり得る。
このような状況で、非特許文献5と、非特許文献3および非特許文献4において、ECM(スクランブル鍵(Ks))の更新周期の違いや、また高度広帯域衛星放送(いわゆる4K8K)と現行放送(いわゆる2K)との間でECMやEMM応答性能が異なった場合には、受信機でのECMやEMMの処理に関して厳密なタイミング制御の検討が必須となる。
しかし現状のEMMに関する規定のみでは、各種の放送方式に対応できる、また多数のチューナを搭載した受信機を得るには、ECM、EMMの処理に関するタイミング制御の検討が困難である。
そこで、本実施形態では、例えば先の(1)〜(12)に記載したようにEMMの送信頻度を規定することにより、ECM、EMMの受信処理タイミングを厳密に設定することが可能となり、搭載チューナ数の仕様決定、またEMMの取りこぼし等の予期せぬ不具合を未然に防ぐことが可能となる。
図4Aに示す3重鍵構造の限定受信方式において、送出側の技術規定としてECMの更新周期を2000ms、再送周期を100msという規定内容に加え、“EMMを1事業体あたりに1つのCASモジュールIDに対して、30秒間で1つ送信する”という規定の内容を新たに加えたとする。
図10は、限定受信方式におけるECM、EMM、スクランブル鍵(Ks)の時間的な関係を示した図である。
上記条件においては、ECMの更新が2000msであることから、放送番組をスクランブルする鍵(Ks)も2000msで更新される。
なお、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)と、含まれているスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送信号をデスクランブルするスクランブル鍵(ks)の時間的関係の詳細は、図4Bに示した通りである。
図11は非特許文献3第五編図5.8−1に記載の、送信側がスクランブル鍵(Ks)を含むECMを送信するタイミングと、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルする映像信号を送信するタイミングを図示したものである。横軸は、時間軸である。
送信側は、例えば放送局である。1101が、スクランブル鍵(Ks)を含むECMを送出している時間的な遷移を示している。1102が、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルされる映像信号の時間的な遷移を示している。
T1+T2の区間が、同一のECMが送出される区間である。T3の区間が、T1+T2の区間で送られてきたECMに含でまれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルされる映像信号が送信される区間である。スクランブル鍵(Ks)を含むECMは、ECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を用いてデスクランブルされる映像信号よりT1(=1600ms)先行して、放送局から送信される。
図11に示す送出ルールに従う送受信系での受信機の限定受信の実装例を以下に示す。
図12は、図11に示す送出ルールに従う送受信系での受信機の限定受信の実装例である。1201は、受信した番組の時間的な遷移である。受信した番組1201は、時刻T11まではKs0でスクランブルされ、時刻T11からT12の間はKs1でスクランブルされ、時刻T12からT13の間はKs2でスクランブルされ、時刻T13からT14の間はKs3でスクランブルされていることを示している。
1202は、受信したECMの時間的遷移である。ECM2は、時刻T21のタイミングで受信機され、そのECMにはスクランブル鍵(Ks)であるKs1とKs2が含まれていることを示している
上記受信機は、番組を視聴中に、時刻T21でECM2を受信しCASモジュール(ICカード)に対しコマンド発行する。CASモジュール(ICカード)は、区間T21から区間T12の時刻の間にECMの処理を済ませる。CASモジュール(ICカード)は、ECMの処理により得られたスクランブル鍵Ks2を受信機に送信し、受信機はMULTI2方式のデスクランブラにセットして、時刻T12からKs2を用いてスクランブルされた番組をデスクランブルする。
また、区間T22からT13の間に他のチャンネルから切り換わった場合、受信機はECM3を受信し、CASモジュール(ICカード)にコマンド発行する。
受信機は、ECM3で伝送されるKs3をCASモジュール(ICカード)からの応答で得ることでデスクランブルを可能とする。
図7に示したように非特許文献1準拠のCASモジュール(ICカード)は、ECM、EMMの処理の合計値が1000ms以内に可能であることが期待されている。
受信機に搭載したCASモジュール(ICカード)の性能として、例えば、ECM処理時間を385ms、EMM処理時間を500msとした場合、何個のチューナが1つのCASモジュール(ICカード)で処理可能かは、以下の検討を経て可能となる。
区間T21からT12の間で自受信機宛てのEMMを受信した場合を想定すると、T21の時点でEMM処理は行っていないため、受信機は区間T21からT12の間の1600msではECMは4個処理可能である(図12のケース1)。
つまりこの状態のみであれば、CASモジュール(ICカード)は4チューナまで処理可能と思える。
次に受信機が、時刻T21〜T12の間で受信したEMMの処理を、もし時刻T12より開始した場合、CASモジュール(ICカード)はEMMの処理に500ms要するため、受信機は、CASモジュール(ICカード)からの4つのECMの処理完了の通知を受け取るタイミングが、次のスクランブル鍵Ks3を用いてデスクランブルを開始する時刻T22の時刻を100ms超えてしまう。つまり受信機は、このT12のタイミングEMMの処理を開始した場合、ECMの処理を終えなければならないT13までは1500msであり、ECMは3個までしか処理できない(図12のケース2)。
次に受信機が、ECMの更新タイミングであるT23でEMMを受信し処理を開始した場合には、区間T23からT14の間は残り1100msであり、ECMは2個まで処理可能である(図12のケース3)。つまり以上の前提では、1つのCASモジュール(ICカード)で処理可能なチューナは2チューナまでであることが検討可能となる。
以上はCASモジュール(ICカード)の性能とEMM処理猶予期間での1事業体あたりのEMM送出頻度の実施例を述べた。次に受信機で2個を超えるチューナを1つのCASモジュール(ICカード)で処理する場合の実施例を説明する。
図13は、図5に示した非特許文献4の第五編 図4.1−1で示された受信機の基本構成に対して、チューナ部を3個に増やし、および録画・記録部を追加した構成図である。
図13と図5の相違点は、チューナ部が2つ追加され第1チューナ部1301−1と第2チューナ部1301−2と第3チューナ部1301−3で構成されている点、3つのチューナ部に対応するために分配器1313が追加されている点、内蔵の録画・記録部1312が追加されている点である。それ以外の1302から1311、図5の502から511と同一である。
3個のチューナ部は、地上デジタルテレビジョン放送、BSデジタル放送、広帯域CSデジタル放送のいずれか、または3波選局可能なチューナでもよく、受信機の仕様として任意の3つのチャンネルを視聴または録画・記録できるものとする。
ここで用いるICカード1311(CASモジュール)は1つで3チューナの処理ができるECM、EMMの応答性能を有するものとする。例えばICカード1311の応答性能が、ECMの応答性能を300ms、EMMの応答性能を500msとする。受信機1300は、EMM受信後ICカード1311に対しEMM処理が必要な猶予期間内に、1事業体あたり1個のEMMを送信したとする。
図14は、図13に示した基本構成の受信機の限定受信の実装例である。
1401は、受信した番組の時間的な遷移である。受信した番組1401は、時刻T11まではKs0でスクランブルされ、時刻T11からT12の間はKs1でスクランブルされ、時刻T12からT13の間はKs2でスクランブルされ、時刻T13からT14の間はKs3でスクランブルされていることを示している。1402は、受信したECMの時間的遷移である。
図14の例で、Ks2を含むECM更新タイミングT21の時点から、放送コンテンツのスクランブル鍵がKs2に切り替わるT12までの1600msの間に、図13の3つのチューナである第1チューナ部1301−1、第2チューナ部1301−2、第3チューナ部1301−3で選局されているチャンネルの各々のECMと、少なくともいずれか1つのチャンネルのEMMが処理可能である。
図14に示すように、時刻T21からT12の間で第1チューナ部1301−1で受信したEMMを処理し、時刻T22からT13の間で第2チューナ部1301−2で受信したEMMを処理し、時刻T23からT14の間で第3チューナ部13010―3で受信したEMMを処理すればよい。つまりこの事例ではICカード1311のECM、EMMの処理時間の合計が
(ECM応答処理時間=300ms)×(3チューナ)+(EMM応答処理時間=500ms)=1400ms≦1600ms
であるICカード1311においては、3つのチューナに対して処理可能であることになる。
図13に示す受信機において、ユースケースとして、ある放送を視聴しながら、異なる2つの番組を録画(いわゆるW裏録)する場合について説明する。
ユーザによるリモコン1310操作によりチャンネル1(service_id_1)が選択された場合、制御部1306は、現在受信中の放送波において、当該service_idのPMTが伝送されているかをTSデコード部1303で抽出されたPAT受信して判断する。
判断の結果伝送されていない場合、制御部1306は、TSデコード部1303から送られてくるNITを参照して当該service_id_1が伝送される放送波を選局するため、第1チューナ部1301−1を制御する。
制御部1306は、第1チューナ部1301−1で選局した放送波に配置されたCATからEMMのPIDを認識して、EMMを受信する。制御部1306は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部1306は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード1311に送信する。
なお、制御部1306が、EMMをICカード1311に送るタイミングは、図14に示したようなタイミングである。制御部1306は、ICカード1311にEMMを送る適切なタイミングになるまで、受信したEMMを一時的に保存する。
制御部1306からEMMを受信したICカード1311は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また、予めユーザ操作により番組表(図示せず)を用いて、第1チューナ部1301−1で選局されモニタに出力しているチャンネルとは異なる、同時刻帯に放送予定の2つのチャンネルの番組A,Bを録画予約しておく。
制御部1306は、録画予約する際、予約対象の番組の少なくともservice_id、番組開始時刻(日時含む)、終了時刻ないし番組開始からの放送継続時間を、録画番組のスケジュール管理のメモリ領域(図示せず)に格納する。制御部1306は、録画予約した異なる2つのチャンネルの録画予約は、番組Aを第2チューナ部1301−2、番組Bを第3チューナ部1301−3で選局するように、スケジュール管理を行う。第2チューナ部1301−2、第3チューナ部1301−3で選局された番組においても、EMMを取得する手順は、第1チューナ部1301−1の場合と同じである。
リモコン1310で選択されたチャンネルは、第1チューナ部1301−1で選局される。制御部1306は、第1チューナ部1301−1で選局された番組の放送波のPATを参照して、選局したいservice_id_1のPMTを受信し、ECM PIDを認識してECMを受信する。制御部1306は、ECMを受信すると、ICカード1311にECM受信コマンドを発行する。
ECMを受信したICカード1311は、既に契約済みのEMMを受信してワーク鍵(Kw)を抽出済みであれば、正常応答としてスクランブル鍵(Ks)を制御部1306に送信する。スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部1306は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ1302に送信する。デスクランブラ1302は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。
デスクランブラ1302は、設定したクランブル鍵(Ks)を用いて、スクランブル鍵(Ks)を送信してきたECMに対応した放送信号をデスクランブルし、TSデコード部1303に送る。デスクランブルされた放送信号を受信したTSデコード部1303は、選局されたチャンネルの映像や音声ESのPIDにより所定の映像、音声信号を抽出し、映像音声デコード部1304に送る。映像音声デコード部1304は、送られてきた映像、音声信号をデコードして、モニター14やスピーカー(図示せず)に出力する。
予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で所望の番組に対して行う。制御部1306は、録画予約の設定内容に従い、録画予約された番組Aの開始時刻近傍になった時点で第2チューナ部1301−2を制御して、録画予約したチャンネルを選局する。
制御部1306は、現在受信中の放送波において、番組Aのservice_id_2のPMTが伝送されているかを、TSデコード部1303で抽出されたPAT受信して判断する。
判断の結果伝送されていない場合、制御部1306はTSデコード部1303から送られてくるNITを参照して、番組Aのservice_id_2が伝送される放送波を選局するため、第2チューナ部1301−2を制御する。
制御部1306は、第2チューナ部1301−2で選局した放送波に配置されたCAT内部に含まれるEMMのPIDを認識し、EMMを受信する。制御部1306は、受信したEMMの中から自分宛のEMMを、EMMの非暗号化部分に設定されているカードIDの情報から判断する。制御部1306は、自分宛のEMMをカードIDの情報をもとに抽出すると、そのEMMをICカード1311に送信する。制御部1306からEMMを受信したICカード1311は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
なお、制御部1306は、EMMをICカード1311に送るタイミングは、図14に示したようなタイミングである。制御部1306は、ICカード1311にEMMを送る適切なタイミングになるまで、受信したEMMを一時的に保存する。制御部1306からEMMを受信したICカード1311は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また制御部1306は、第2チューナ部で選局された番組の放送波のPATを参照して、選局したいservice_id_2のPMTを受信し、受信したPMTの内部に含まれるECM PIDを認識してECMを受信する。制御部1306は、ECMを受信すると、ICカード1311にECM受信コマンドを発行する。
ECM受信コマンドを受信したICカード1311は、既に契約済みのEMMを受信してワーク鍵(Kw)を抽出済みであれば、正常応答としてスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ1302にセットする。
番組Aは録画予約されたものであるから、録画記録する映像ES,音声ES、字幕ES等を含むパーシャルTSを制御部にて再構成し、受信機固有の暗号鍵で暗号化して、HDD等の録画・記録部1312に蓄積する。
予約番組Bの場合も番組Aと同様に、番組Aの場合の第2チューナ1301−2に代わり、第3チューナ1301−3が動作して録画・記録部1312に蓄積する。
予約録画した番組A、あるいは番組Bを再生する場合は、画面上に示したユーザインタフェース(図示せず)にて録画済みの番組リストを表示し、再生する番組を選択後、制御部1306は録画・記録部1312より読み出し、受信機固有の鍵でデスクランブルし、その圧縮状態の映像音声信号を得た後に、映像音声デコード部1304で圧縮信号をデコードして、モニターやスピーカー(図示せず)に出力する。
受信機は、複数のチューナ部を持つとき、そのチューナ部は2K放送に対応するチューナ部のみならず4K8K放送に対応するチューナ部、つまり高度広帯域衛星放送に対応するチューナ部を含んでもよい。
図15は、非特許文献5の第五編 図5−1に記載の高度BSデジタル放送、高度広帯域CSデジタル(以下4K8K)放送受信機の基本構成図である。
受信機1500は、チューナ部1501、デスクランブラ1502、MMT多重分離部1503、映像・音声デコード部1504、表示部1505、制御部1506、キー入力部1507を含む。MMT多重分離部部1503は、送られてきたデスクランブル後の放送信号を解析して伝送制御信号を逐次抽出して、制御部1506に送信する。制御部1506は、MMT多重分離部部1503から送られてきた伝送制御信号をもとに、チューナ部1501、デスクランブラ1502、表示部1505を制御することができる。また制御部1506は、リモコン1510からの操作入力の信号をキー入力部1507を介して受け取ることができる。CASモジュール1511は、制御部1506から与えられるコマンドにもとづきECMやEMMの処理を行い、ワーク鍵(Kw)、スクランブル鍵(Ks)を抽出することができるCASモジュールである。通信モジュール1515は、通信網と通信を行うためのモジュールである。図15の例は、CASモジュール1511が1つの場合である。
図16は、図15の基本構成に対して、チューナー部を3つ持つ場合の、放送波をデスクランブルする際の受信機1600の基本構成図である。
図16の図15との相違点は、チューナ部が3つ(第1チューナ部1601−1、第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3)で構成されている点と、3つのチューナ部に対応するために分配器1613が追加されている点と、HDD等の録画・記録部1612を追加されている点である。それ以外の1602から1611は、図15の1502から1511と同一である。
第1チューナ部1601−1、第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3は、4K8K放送の対応チューナ部である。受信機1600は、任意の3つのチャンネルを視聴または録画・記録できる仕様である。
ここで用いるCASモジュールは1つで3チューナの処理ができるECM、EMMの応答性能を有するとする。
非特許文献5によれば、送信側のスクランブル鍵(Ks)の更新周期は8000ms、ECM更新後にECMに含まれているスクランブル鍵(Ks)を用いて、放送信号のスクランブルを開始するまでが7600msである。
ICカード(CASモジュール)1611の応答性能が、例えばECMの応答性能を600ms、EMMの応答性能を650msであるとする。
受信機1600は、EMM受信後CASモジュール1611に対しEMM処理が必要な猶予期間の間に、1事業体あたり1個のEMMを送信したとする。
図17は、図16に示した基本構成の受信機の限定受信の実装例である。
1701は、受信した番組の時間的な遷移である。受信した番組1701は、時刻T11まではKs0でスクランブルされ、時刻T11からT12の間はKs1でスクランブルされ、時刻T12からT13の間はKs2でスクランブルされ、時刻T13からT14の間はKs3でスクランブルされていることを示している。1702は、受信したECMの時間的遷移である。
図17の例で、Ks2を含むECM更新タイミングT21の時点から、放送コンテンツのスクランブル鍵がKs2に切り替わるT12までの7600msの間に、図16の3つのチューナである第1チューナ部1601−1、第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3で選局した各々のECMと、少なくともいずれか1つのチャンネルのEMMが処理可能である。
図17に示すように、時刻T21からT12の間で第1チューナ部1601−1で受信したEMMを処理し、時刻T22からT13の間で第2チューナ部1601−2で受信したEMMを処理し、時刻T23からT14の間で第3チューナ部1601−3で受信したEMMを処理すればよい。つまりこの事例ではCASモジュール1611のECM、EMMの処理時間の合計が
(ECM応答処理時間=600ms)×(3チューナ)+(EMM応答処理時間=650ms)=2450ms≦7600ms
であるCASモジュール1611においては、3つのチューナに対して処理可能であることになる。
図16に示す受信機において、ユースケースとして、ある放送を視聴しながら、異なる2つの番組を録画する(いわゆるW裏録)場合について説明する。
ユーザのリモコン1610操作により特定のチャンネル(service_id)が選択された場合、制御部1606は、予め受信し記憶していたTLV−NITより当該service_idのTLV_stream_idを取得し、その搬送波周波数を取得し、第1チューナ部1601−1を制御して選局処理を行う。また制御部1606は、以下の処理を行う。
制御部1606は、第1チューナ部1601−1によりTLVストリームに変換された放送信号を、予め受信し記憶して置いたAMTからIPデータフロー情報を取得しMMT多重分離部1603に設定する。PAメッセージ内のPLT(Package List Table)を取得し、指定service_idのMPT(MMT Package Table)を伝送するIPデータフロー、パケットIDを取得しMMT多重分離部1603に設定する。当該パケットIDのMMTパケットを受信しPAメッセージを取得しPAメッセージ内のMPTを取得する。
また制御部1606は、第1チューナ部1601−1で選局したIPデータフローに配置されたCAT(MH)からEMMのPIDを認識し、EMMを受信する。制御部1606は、自分宛のEMMをCASモジュール1611の情報をもとに抽出すると、そのEMMをCASモジュール1611に送信する。
なお、制御部1606が、EMMをCASモジュール1611に送るタイミングは、図17に示したようなタイミングである。制御部1606は、CASモジュール1611にEMMを送る適切なタイミングになるまで、受信したEMMを一時的に保存する。制御部1606からEMMを受信したCASモジュール1611は、内部にもつマスター鍵(Km)を用いて暗号化されたEMMを復号し、ワーク鍵(Kw)を抽出し保存する。
また、予めユーザ操作により番組表(図示せず)を用いて、第1チューナ部1601−1で選局されモニタに出力しているチャンネルとは異なる、同時刻帯に放送予定の2つのチャンネルの番組C、Dを録画予約しておく。
制御部1606は、録画予約する際、予約対象の番組の少なくともservice_id、番組開始時刻(日時含む)、終了時刻ないし番組開始からの放送継続時間を録画番組のスケジュール管理のメモリ領域(図示せず)に格納する。制御部1606は、録画予約した異なる2つのチャンネルの録画予約は、番組Cを第2チューナ部1601−2、番組Dを第3チューナ部1601−3で選局するように、スケジュール管理を行う。第2チューナ部1601−2、第3チューナ部1601−3で選局された番組においても、EMMを取得する手順は、第1チューナ部1601−1の場合と同じである。
制御部1606は、第1チューナ部1601−1で選局した放送波に含まれるMPTのアクセス制御記述子を解析することで、ECMを格納したメッセージのパケットIDを取得ECMを受信する。制御部1606は、ECMを受信するとCASモジュール1611にECM受信コマンドを発行する。
ECM受信コマンドを受信したCASモジュール1611は、抽出済みのワーク鍵(Kw)を用いて暗号化されたECMを復号してスクランブル鍵(Ks)を取り出す。
CASモジュール1611は、スクランブル鍵(Ks)を正常に取り出すと、ECM受信コマンドに対する正常応答として、スクランブル鍵(Ks)を制御部1606に送信する。
スクランブル鍵(Ks)を受信した制御部1606は、受信したスクランブル鍵(Ks)をデスクランブラ1602に送信する。デスクランブラ1602は、受信したスクランブル鍵(Ks)を内部に設定する。デスクランブラ1602は、図17に示したような必要なタイミングにおいて、設定したスクランブル鍵(Ks)を用いてチューナ部1601−1から送られてきた放送信号をデスクランブルする。
デスクランブルされたアセットは、MMT多重分離部1603で映像・音声アセットを分離し映像・音声デコード1604で圧縮信号をデコードして、モニターやスピーカー(図示せず)に出力される。
予約録画は、ユーザが電子番組表(EPG、図示せず)等で所望の番組に対して行う。制御部1606は、録画予約の設定内容に従い、予め番組表で予約した同時刻帯に放送予定の番組Cの開始時刻より少し前の時間に制御部1606は、第2チューナ部1601−2を選局してTLVストリームを取得する。第1チューナ1601−1と同様の処理を経て、デスクランブラ1602でデスクランブルされたアセットをMMT多重分離部1603で録画する映像、音声、字幕等のアセットを分離し、受信機固有の暗号鍵で暗号化して、HDD等の録画・記録部1612に蓄積する。
予約番組Dの場合も予約番組Cと同様に、第3チューナ部1601−3で選局処理を行ったのちに録画・記録部1612に蓄積する。
予約録画した番組C、あるいは番組Dを再生する場合は、画面上に示したユーザインタフェース(図示せず)にて録画済みの番組リストを表示し、再生する番組を選択後、制御部は録画・記録部より読み出し、前述の受信機固有の鍵でデスクランブルし、その圧縮状態の映像音声アセットを得た後に、映像音声デコード部1604で圧縮信号をデコードして、モニターやスピーカー(図示せず)に出力する。
受信機は、複数のチューナ部を持つとき、そのチューナ部は2K放送に対応するチューナ部と4K8K放送に対応するチューナ部が混在してもよい。
図18の受信機構成は、2K放送運用規定である非特許文献4 第五編に記載の受信機の基本構成をベースに搭載チューナ数を増やした図13と、4K8K放送運用規定である非特許文献5 第五編に記載の受信機基本構成をベースに、搭載チューナ数を増やした図16の構成とを併せ持つ構成であり、4K8K受信用のチューナ部として2個、2K受信用のチューナ部として3個をもつ受信機の基本構成例である。
図18に示したCASモジュール1811は、非特許文献5の付録7にあるように非特許文献5第五編に準拠する4K8K放送用CASモジュールと非特許文献4および非特許文献5第五編に準拠する2K放送用ICカードの機能が一体になったCASモジュールである。この一体型CASモジュール1個を用いて、4K8K放送チューナ2個と2K放送チューナ3個を同時処理する場合の実施例を説明する。
第1チューナ部(4K8K)1801−1と第2チューナ部(4K8K)1801−2は、BS右旋円偏波のIF周波数から110CSの左旋偏波までIF受信帯域を持つと共に16APSKの変調方式にも対応したチューナ・復調部である。
第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5は2K放送の地上デジタル、BSデジタル、広帯域CSデジタル放送受信用チューナ・復調部である。第1デスクランブラ1802−1は4K8K放送のスクランブル方式AES方式に対応しており、第2デスクランブラ1802−2は2K放送のスクランブル方式MULTI2方式に対応している。
またMMT多重分離部1803−1は4K8K放送で運用されるMMT・TLV方式の多重化方式に対応しており、TSデコード部1803−2はMPEG−TS方式の多重化方式に対応している。映像・音声デコード部1804−1は映像符号化に関しては4K8K放送で運用されるH.265|HEVC、音声符号化に関しては、MPEG−4 AAC、MPEG−4 ALS等に対応している。映像・音声デコード部1804−2は映像符号化に関しては2K放送で運用されるMPEG−2方式、音声符号化に関してはMPEG−2 AAC方式に対応している。
2K放送の選局、映像音声表示や録画・記録は図13の実施例と同様であり、4K8K放送の選局、映像・音声表示や録画・記録は図16の実施例と同様である。
受信機1800は、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5に準拠するため、自分宛てのEMMを受信後、CASモジュール1811に対しコマンドを発行するまでの猶予期間を30秒以下とする。
また新たに送信側の規定として“EMM処理猶予期間内に、1事業体が1つのカードIDを設定したEMMを送信する頻度は30秒間で1個”という規定を行った場合、または新たに受信機側の規定として、“1事業体あたり自受信機のCAS ID宛てのEMMを受信後、30秒間にEMMをCASモジュールに対し処理しなければならないのは少なくとも1個とし、
受信機において、規定以上ののEMMを受信した場合は無視、ないし破棄しても構わない。”との規定を行ったとする。
この運用規定の下、CASモジュール1811のECM、EMMの応答処理時間が、例えば2K放送でのECMの応答処理時間を300ms、4K8K放送でのECMの応答処理時間を600ms、EMMは2K放送および4K8K放送共に650msであった場合について、1つのCASモジュールで実装可能なチューナの数の検証とCASモジュールに関連する動作について説明する。
図19は、図18に示した基本構成の限定受信の実装例である。
1901は、受信した4K8K番組の時間的な遷移である。受信した番組1901は、時刻T11−4までと、時刻T11−4からT12−4の間と、時刻T12−4からT13−4の間と、時刻T13−4からT14−4の間とで、それぞれ異なるスクランブル鍵(Ks)スクランブルされていることを示している。1902は、1901の番組に対するECM、EMMの受信の時間的遷移である。1903は、受信した2K番組の時間的な遷移である。受信した番組1903は、時刻T11−2までと、時刻T11−2からT12−2の間と、時刻T12−2からT13−2の間と、時刻T13−2からT14−2の間とで、それぞれ異なるスクランブル鍵(Ks)スクランブルされていることを示している。1904は、1903の番組に対するECM、EMMの受信の時間的遷移である。
まず、2K放送の第3チューナ1801−3、第4チューナ1801−4、第5チューナ1801−5がCASモジュール1811で処理可能な条件を検証する。
図19に示すように非特許文献3および非特許文献4の記載に記載されている通り2K放送におけるスクランブル鍵(Ks)の更新周期は2秒であり、Ksの更新の1600ms前に、更新後のKsを含むECMの送出が開始される。ECMの更新もKsの更新周期と同一の2秒である。
つまりECM更新が行われ放送信号のKsの更新が行われる1600msの間に3チューナ分のECMの処理、およびこれに加えて30秒以内に3チューナで選局されているチャンネルが各々異なる事業体の場合、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5で伝送されるEMMを少なくとも1個ずつは処理することが必要である。
次に4K8K放送のチューナ2個つまり、第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2がCASモジュール1811で処理可能な条件を検証する。
図19に示すように非特許文献5に記載されている通り4K8K放送におけるスクランブル鍵(Ks)の更新が8秒であり、Ksの更新の7600ms前に更新後のKsを含むECMの送出が開始される。ECMの更新周期もKsの更新周期と同一の8秒である。
つまり、ECMが更新され、放送信号のKsが更新されるまでの7600msの間に第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2の処理が行え、前述2Kの場合と同様に第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2で選局されているチャンネルが異なる事業体の場合、30秒間の間に第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2で選局されているチャンネルで伝送されるEMMが少なくとも1個ずつ、つまり2個は処理できることが必要である。
上記から、まず2K放送のKs更新周期が4K8KのKs更新周期より短い、さらにECMとEMMではECMの方が即時の処理が求められる。このため優先順位としては、2K放送におけるECMの処理を行う場合、ECMの毎更新後1600ms以内に3チューナ分を行い、次に4K8K放送におけるECMの処理を行い、その次に2K放送あるいは4K8K放送におけるEMMを処理を行う、という処理の優先度付が妥当である。以上の処理の優先度付で1つのCASモジュール1811を用いた処理が可能かを検証する。
最も厳しい事例として5つのチューナ部(第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)で受信している番組において、各々のスクランブル鍵(Ks)の更新タイミングが一致した場合を例に説明する。
まず、2K放送のチューナ部である第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5のECMを、ECM更新タイミングT21より処理を開始する。CASモジュール1811における2K放送のECMの応答処理時間を300msとしているので、2K放送の第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5の応答処理時間は900msである。
4K8K放送のECM応答時間がこの例では600msであるため、2K放送のスクランブル鍵(Ks)の更新タイミングの時刻T12−2までの区間の1600−900=700msで4K8KのECMが処理可能である。この区間で第1チューナー部(4K8K)のECMの処理を行う。
第1チューナ部1801−1のECM応答処理は受信機での処理マージンがないとした場合に300ms×3+600ms=1500msであり、この応答処理終了時から2K放送の次のECM更新タイミング時刻T22までは、500msしかないため、さらに4K8K放送のECMを処理するには短い。
次に同様に2K放送のECM更新タイミング時刻T22の時点で3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理を行ったのち、今度は4K8K放送用チューナ(第2チューナ部(4K8K)1801−2)のECM処理を行う。
同様に次の2K放送のECM更新周期T23から3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理を行う。2つの4K8K用チューナ(第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2)のECM処理は既に完了しており、4K8K放送のKs更新タイミングT12−4までにはまだ余裕があるので、2K放送ECM更新タイミングT13−2から3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理を行った後に、第3チューナ部(2K)1801−3のEMM処理を行う。
次に、2K放送のECM更新タイミングT24では3つの2K放送用チューナ(第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、チューナ部(2K)1801−5)のECM処理のあと4K8Kチューナである第1チューナ部(4K8K)1801−1のEMM処理を行う。この時点で、2K放送のKs更新が4回分行われ8秒たったので4K8KのKs更新タイミングT12−4に移行する。
4K8K放送のKs更新タイミングT12−4以降において、4K8K放送のKs更新タイミングT11−4の処理フローチャートと異なるのは、第3チューナ部(2K)1801−3のEMM処理の代わりに第4チューナ部(2K)1801−4のEMM処理を、第1チューナ部(4K8K)1801−1のEMM処理の代わりに第2チューナ部(4K8K)1801−2のEMM処理を行う点である。
次に4K8K放送のKs更新タイミングT13−4以降では、タイミングT12−4以降との違いでは、第4チューナ部(2K)1801−4のEMM処理の代わりに第5チューナ部(2K)1801−5のEMM処理を行う。4K8Kチューナの搭載数はこの例では2個でありEMM処理の必要はない。
以上のような処理の順序を制御することで、4K8K放送のスクランブル鍵(Ks)更新タイミングT11−4、T12−4,T13−4と8秒×3=24秒間で第1チューナ部(4K8K)1801−1、第2チューナ部(4K8K)1801−2、第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5のEMMが少なくとも1個ずつは処理が行えており、2KのECM更新タイミングから次のKs更新タイミングまでの毎1600msの間で第3チューナ部(2K)1801−3、第4チューナ部(2K)1801−4、第5チューナ部(2K)1801−5のECM処理が行われ、かつ、4K8K放送のECM更新タイミングからスクランブル鍵(Ks)更新までに7600msまでの間に第1チューナ部(4K8K)および第2チューナ部(4K8K)のECM処理が可能であった。
以上のように、2K放送用CASと4K8K放送用CASとが一体のCASモジュールの場合で、2K放送と4K8K放送のKs更新周期が異なる場合においても、ECM更新周期、EMM処理猶予期間に加え、EMM処理猶予期間内で1事業体あたりで処理必要なEMMの最小個数を規定することにより、ECMやEMMの処理を取りこぼすことなく処理タイミング制御が可能となる。
さらに、ECMの更新周期を2000ms、再送周期を100msという規定内容に加え、“EMMを1事業体あたりに1つのIDに対して、30秒間で1つ送信する”という規定を行ったとする。
この運用規定の下、CASモジュール(ICカード)の性能として、例えば、ECMの応答処理時間を295ms、EMMの応答処理時間を400msの場合の搭載可能なチューナの数を検証する。
図20は、図12と同じ受信機の限定受信の実装例である。
時刻T21でEMM処理を開始したとする。この場合、EMMの処理時間を除いた時刻T12までの間の残り時間は、1600ms−EMM処理時間400ms=1200msであり、この時間にECM処理を行う必要があるため、4チューナまで搭載可能である。
EMMは、30秒間に各事業体、つまり1チューナに対して1個しか送られてこない想定であるので、30秒間においてスクランブル鍵(Ks)の更新回数15回(30秒/2秒)の処理応答時間のあまりの時間で、4事業体のEMMの処理を、30秒の猶予期間内に処理することは可能であることが検証できる。
図20の例では、受信機処理のマージンを全く考えなければ、スクランブル鍵Ksを使う期間T11からT12の2000msの間で、ECM4個、EMM2個まで処理可能である。30秒間では、EMMの処理は、30個まで可能である。
しかし、上記の運用とは異なる条件下、例えば、上記例(例2)の条件のうち、EMMの送出頻度である1事業体あたりに1つのIDに対して、30秒間で8回送信する可能性があると規定される場合(例3)、4チューナで30秒の間に最大32個(8×4チューナ分)のEMMが送られることになり、机上計算上は、Ks更新周期2000msあたりで2個のEMMが処理可能であり、30秒の間では30個までのEMM処理が可能だが、最大32個のEMMが送られる可能性があるため、2個のEMMを処理できないことになる。
そのため、ECMの処理は可能であっても、EMMの処理能力からすると、3チューナまでを処理する、つまり30秒間でEMMを24個の処理であれば、対応可能となる。
実際の設計にあたっては、受信機でのEMMやECMを多重化された放送波から取り出す時間等のマージンを考慮した上で設計される。
上記のEMMの頻度の規定の仕方は、チューナが当該受信機の搭載CASモジュール(ICカード)のID宛のEMMを受信後、CASモジュール(ICカード)に対しての猶予期間あたりに送出する個数で規定した例であるが、規定する方法はこれに限らず、1事業体あたり、1つのカードIDあたりのEMMの送出頻度が定量的に規定されればよい。
例えば、Ksの更新周期あたりに1事業体あたり、1つのカードIDあたりのEMMの送出頻度であってもよい。例えば、2000msあたりに1事業体から一つのカードID宛に最大送信するEMMは最大2個というような規定方法である。
さらにEMMの送信頻度の規定として、送信側がバースト的にEMMを送る場合の送信頻度と受信側がEMMを受信後に、CASモジュールに対して処理を猶予する猶予期間との組み合わせによる規定、例えば、1事業体から1つのCAS ID宛に送出するEMMは、2秒あたりに最大3個、かつ30秒あたりに最大6個とする、というような規定方法もある。
上述は、契約情報やワーク鍵(Kw)をCASモジュール(ICカード)に対しで送るためのEMMについて述べたが、自動表示メッセージで用いられるEMM個別メッセージとは、その目的とCASモジュール(ICカード)での応答性能が異なる場合がある。
そのため、EMM、EMM個別メッセージの頻度の規定の仕方は、EMM、EMM個別メッセージを同じ頻度で規定する方法、または、EMMとEMM個別メッセージを別の頻度で規定する場合がある。例えば、“同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージは1事業体あたり30秒間で最大2個とする。”という規定の仕方は、同じ頻度で規定した場合である。なお、“最大2個”の数字は実際のCASモジュールの性能を鑑みて決定するものとして、この値に限定しない。またEMMとEMM個別メッセージの頻度を個々に規定する場合の例を示す。
“同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり30秒間で最大2個とし、同一受信機宛てに送出するEMM個別メッセージは1事業体あたり30秒間で最大3個とする。”、またはEMMとEMM個別メッセージとで、送出する時間の幅で変えることも可能である。“同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり30秒間で最大2個とし、同一受信機宛てに送出するEMM個別メッセージは1事業体あたり2秒間で最大3個とする。”
この例は、EMMを30秒間で、EMM個別メッセージの送信頻度スクランブル鍵(Ks)の更新周期と併せて規定した場合である。
このようにEMM、および、またはEMM個別メッセージの頻度は、2個を超えるチューナを搭載した受信機において、チューナ数の決定や受信機の制御部の処理のマージン等を検討を行うのに必要な条件であり、一方で頻度に関しては、放送事業者の加入申し込みの方法、例えば前述のように電話で受けつけ、電話を切らずにすぐ送る方法や、その場すぐには送らずに電話やネットで受け付け一定時間(例えば30分以内)等でEMMを送出する場合等、運用の実態に合わせて規定することが可能である。
上記は、EMM(EMM個別メッセージを含む)の送出頻度を運用規定で規定した例であるが、受信機でのEMMの取りこぼしを想定し、同一EMMを短時間に再送する場合も実際の運用としては想定される。そのため、運用規定では、EMM受信後、CASモジュールに対しての猶予期間内で受信処理すべき最少のEMM個数で規定する方法もある。例えば、“同一受信機宛てのEMM/EMM個別メッセージを受信した受信機は、CASモジュールに対し処理を要求すべき個数は、1事業体あたり30秒間で最少1個とする。30秒間でこれを超えるEMMは破棄してもよい。”等のように、EMM処理猶予期間で受信機が処理すべき最少個数を規定し、処理猶予期間内に受信した当該受信機(CAS ID)宛てのEMMは、規定を超えるものに関しては破棄しても構わないという方法である。
これまでに説明してきたように受信機としては、自分宛て(受信機に挿入されているCASモジュールのカードID宛て)ののEMMやEMM個別メッセージを受信後、CASモジュール(ICカード)に対し処理を要求するまでの猶予期間において、何個のEMMを処理する必要があるのかということを規定されるのが判りやすいが、これに限らず、単位時間あたり、1事業体あたりの自分宛てののEMMやEMM個別メッセージの送出頻度ないし、受信機で処理必要なEMMの個数を規定されればよい。
また、既に運用されている規定に多チャンネルチューナ搭載の受信機需要や、2K、4K、8Kを一体に搭載した受信機需要を鑑み、厳密な受信機設計を可能とするために過去の想定と矛盾なくEMMやEMM個別メッセージの送出頻度を規定するためには、上記と逆の検討過程を経ることで可能となる。
例えば図20に示した受信機の限定受信の実装例においては、4つのチューナ搭載が可能との暗黙の了解となされていた場合は、受信機は、自分宛て(受信機に挿入されているCASモジュールのカードID宛て)のEMMを受信後、CASモジュール(ICカード)に対し処理までの猶予期間30秒の間にはEMM処理は最大24個まで処理可能であり、24/4=6より、“1事業体あたり1つのCAS IDに対して30秒(EMM処理の猶予期間)あたりに送出するEMMは最大6個とする”との規定を行うことで、それ以前の暗黙事項を覆さずに規定化が可能である。もちろん、6個以下の個数は、6個以下の整数であればいかなる数字でもよい。
この6という数字はCASモジュールの性能を仮に試算した場合であり、実際のCASモジュールの性能により結果が変わり得るのはいうまでもない。送受信システムとして、CASモジュール性能の実態とECMの更新周期、EMMの処理猶予期間とを鑑みてEMMの送出頻度、またはEMMの処理猶予期間内で処理すべき最少のEMM個数が決められる。
また本実施例は主に非特許文献4で規定される広帯域衛星放送、非特許文献3で規定される地上デジタルテレビジョン放送、高度広帯域衛星放送、いわゆる4K8K放送である非特許文献5で規定される放送において、ECMの更新周期、再送周期に加え、1事業体あたりの1つのCAS ID宛の受信機が搭載するCAS ID宛のEMMを受信後に猶予可能な時間内に送られるEMMの個数、またはEMMの処理猶予期間内で処理すべき最少のEMM個数を規定することで、全く同じ効果が得られる。また、CASモジュールもそのパッケージ形状はICカードにとどまらずICチップ形状でも全く変わりないことは言うまでもない。
図21Aは、図18に示した受信機において、第1チューナ(4K8K)1801−1、第2チューナ(4K8K)1801−2、第3チューナ(2K)1801−3、第4チューナ(2K)1801−4、第5チューナ(2K)1801−5からECM、EMMを受信したタイムチャートの例を示している。受信機1800は、矢印の時刻にそれぞれECM、EMMを受信機は受信している。第2チューナ(4K8K)1801−2からEMM2121を受信後、第1チューナ(4K8K)1801−1からECM2110を、第2チューナ(4K8K)1801−2からECM2120を、第1チューナ(4K8K)1801−1からEMM2111を、第3チューナ(2K)1801−3からECM2130を、第4チューナ(2K)1801−4からECM2140を、第3チューナ(2K)1801−3からEMM2131を、第5チューナ(2K)1801−5からECM2150を順に受信していることを示している。横軸は、時間軸である。
図21Bは、図21Aで示したECM/EMMを図18の一体型CASモジュールが、ECM、EMMの処理を行う時間的遷移を示している。横軸は、時間軸である。
図18の一体型CASモジュール1811のECM、EMMの応答処理時間が、例えば2K放送でのECMの応答処理時間を300ms、4K8K放送でのECMの応答処理時間を600ms、EMMは2K放送および4K8K放送共に650msであった場合について、ECM、EMMの処理の時間的な遷移を示す。
例えば2160は、CASモジュールがEMM2121を処理している時間を表している。2161は、CASモジュールが、ECM2110を処理している時間を表している。2162は、CASモジュールが、ECM2120を処理している時間を表している。2163は、CASモジュールが、EMM2111を処理している時間を表している。また図の2102−1は、CASモジュールは、EMM2121、ECM2110、ECM2120、EMM2111の順に処理していることを表している。
図の2102−1、図の2102−2、図の2102−3は、制御部1806がEMM2121を受信した際、他優先度の高いバッファが無い事を確認し、一体型CASモジュール1811への処理を開始した直後に、2110、2120、2111、2130、2140、2131、2150の順に受信した場合のCASモジュールの処理について考察した図である。また一体型CASモジュール1881の処理は、並行しての処理が出来ないために、例えば2121の処理である2160の処理時間の間は、他の処理は行う事が出来ない。本考察では、最悪の条件での考察をするために、2102−1、2102−2、2102−3では、一番最初に2121の処理である2160の処理を行っている例である。
2102−1は、受信機がECM、EMMを受信したタイミング受信に処理した場合の、処理順序を表している。この例では、ECMの受信タイミングから、そのECMに含まれるスクランブル鍵(Ks)を使ってデスクランブルする放送信号を受信するタイミングまでの時間である1600msの中で、本来処理を終えなければならないECM2130、ECM2140、ECM2150の処理が、完了できていないことを示している。
そこで、非特許文献4に記載の
「4.1(8)
・EMM受信コマンド、EMM個別メッセージ受信コマンドについて、自身のカード宛てのEMM及びEMM個別メッセージを受信後、30秒以内に受信機からICカードに対して行うコマンドの発行を行うこと。(本編A−10に関連記載がある。)」
に従いECMの処理を優先させ、EMMの処理およびEMM個別メッセージの処理を遅らせた場合の例が、2102−2である。この例のように、ECMの処理の優先度を上げることで2KのECMの処理を、2KのECMの更新周期である2000ms以内に完了させるようにしたものである。しかしEMM2121からECM2150の処理時間の合計は
EMM2121の処理時間(650ms)+ ECM2110の処理時間(600ms)+
ECM2120の処理時間(600ms)+ ECM2130の処理時間(300ms)+
ECM2140の処理時間(300ms)+ ECM2150の処理時間(300ms)=2750ms
となり、2KのECMのうち、順序的に一番最後に受信機が受信したECM2150の処理が2000ms以内に完了していない。
従って、TR−B39 第五編 付録7 “現行放送と高度BSデジタル放送の共用受信機について“に記載される共用受信機を作成するためには、更なるECM、EMMの処理順序の工夫が必要となる。
図の2102−3は、2K放送のECMの処理を最優先にした場合の処理の順序である。
2K放送のECMの処理を最優先にすることで、2K放送のECMの処理時間は以下のようになる。
EMM2121(650ms)+ ECM2130(300ms)+ ECM2140(300ms)+ ECM2150(300ms)=1550ms
となり、2KのECMのうち、順序的に一番最後に受信機が受信したECM2150の処理が2000ms以内に完了している。
図22は、図21で説明した、2K放送のECMの処理を最優先にするための、受信機がCASモジュールにECM、EMMの処理を依頼するフローチャートである。
まず、ECM、EMM処理を行うためのバッファについて説明する。図18に示す制御部1806は、MMT多重分離部1803−1あるいはTSデコード部1803−2からECMあるいはEMMを受信すると、CASモジュール1811にECM、EMMの処理を要求するために、処理要求送信処理を開始(S2200)する。
制御部1806は、CASモジュール1811にECM、EMMの処理の要求の順序制御のために、MMT多重分離部1803−1あるいはTSデコード部1803−2から送られてきたECM、EMMを、一時的に保存するECM受信バッファと、EMM受信バッファを管理する。各々のバッファはチューナの数だけ用意され、ECM受信バッファは1段バッファ、EMM受信バッファは複数段のバッファを持ち合わせる。
ECM受信バッファは、2K放送、4K放送8K放送に含まれているECMを一時保存するバッファである。2K用と4K8K用と区別できるように、2K用のチューナ用に用意されているバッファは2K用ECM受信バッファ、4K8K用のチューナ用に用意されているバッファは4K8K用ECMバッファとを区別する。EMM受信バッファは、2K放送、4K放送8K放送に含まれているEMMを一時保存するバッファである。おのおののバッファのデータは、制御部1806からCASモジュール1811への処理要求に対する応答が返ってくると消去される。
図22で説明した2K放送のECMの処理を最優先にするためのフローチャートの説明を行う。制御部1806は、最初の2K放送用ECM受信バッファの中を確認する(S2201)。
確認の結果2K放送用ECM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがある場合(S2202のYes)、制御部1806は、CASモジュール1811に処理要求のコマンドを発行し、その応答を待つ(S2208)。
確認の結果2K放送用ECM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがない場合(S2202のNo)、制御部1806は、次に4K8K放送用ECM受信バッファの中を確認する(S2203)。
確認の結果4K8K放送用ECM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがある場合(S2204のYes)、制御部1806は、CASモジュールに処理要求のコマンドを発行し、その応答を待つ(S2208)。
確認の結果4K8K放送用ECM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがない場合(S2204のNo)、制御部1806は、次にEMM受信バッファの中を確認する(S2205)。
確認の結果EMM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがある場合(S2206のYes)、制御部1806は、CASモジュールに処理要求のコマンドを発行し、その応答を待つ(S2208)。なお制御部1806は、EMMバッファ内の最旧の受信時刻をもつデータを抽出してCASモジュール1811に処理要求のコマンドを発行する。
確認の結果EMM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがない場合(S2206のNo)、制御部1806は、処理要求送信処理を終了する(S2207)。
S2208でCASモジュール1811から応答を受信した制御部1806は、再度S2201の処理に戻り、2K放送用ECM受信バッファ、4K8K放送用ECM受信バッファ、EMMバッファに処理要求待ちのデータがあるかの確認を継続する。
なお図22は、本発明のECM/EMMの処理についてのみの処理優先度を示している。それ以外の制御部1805とCASモジュール1811との間のコマンドについては、省略している。
次に、“1事業体あたり自分宛てのカードIDが設定されたのEMMを受信後、30秒間にEMMをCASモジュールに対し処理しなければならないのは少なくとも1個とする。それ以上のEMMを受信した場合は無視、ないし破棄しても構わない。”との規定に従った処理を行った場合の実施例を示す。
非特許文献4には、受信機のEMM処理猶予期間に関して、
・EMM受信コマンド、EMM個別メッセージ受信コマンドについて、自身のカード宛てのEMM及びEMM個別メッセージを受信後、30秒以内に受信機からICカードに対して行うコマンドの発行を行うこと。(本編A−10に関連記載がある。)
との記載がある。
また非特許文献5には、同様に受信機のEMM処理猶予期間に関して、
・EMM受信コマンド、EMM個別メッセージ受信コマンドについて、自身のカード宛てのEMM及びEMM個別メッセージを受信後、30秒以内に受信機からCASモジュールに対してコマンドの発行を行うこと。(付録4に関連記載がある。)
の記載がある。
本実施形態によれば、例えば、“同一受信機宛てのEMM/EMM個別メッセージでCASモジュールに対し処理すべき個数は、1事業体あたり30秒間で最少1個とする。30秒間でこれを超えるEMMは破棄してもよい。”
という規定を加えるものである。
この規定を加えた場合の、のEMM受信バッファ、及びその処理フローチャートについて説明する。
30秒を超えるEMMを破棄してもよい、の処理を実現するために、図18に示す制御部1806はEMMを受信した受信時刻を知る必要がある。このため制御部1806は、内部に持つEMM受信バッファに、EMMを受信した時刻を保存する保存エリアを持つ必要がある。
図23は、EMMを受信した時刻を保存する保存エリアを持つEMM受信バッファの例である。(A)が、受信した時刻を保存する保存エリアを持たない受信バッファの例である。(B)が、受信した時刻を保存エリア3201を持つ受信バッファの例である。
図24は、“同一受信機宛てのEMM/EMM個別メッセージでCASモジュールに対し処理すべき個数は、1事業体あたり30秒間で最少1個とする。30秒間でこれを超えるEMMは破棄する”規定を加えた場合の、受信機の処理フローチャートである。
図18を例に説明する。制御部1806は、MMT多重分離部1803−1あるいはTSデコード部1803−1からEMMを受信すると、CASモジュール1811にEMMの処理を要求するために、処理要求送信処理を開始(S2400)する。
制御部1806は、CASモジュール1811にEMMの処理の要求の順序制御のために、MMT多重分離部1803−1あるいはTSデコード部1803−1から送られてきたEMMを一時的に保存するEMMバッファを管理する。
制御部1806は、EMM受信バッファの中を確認する(S2401)。
確認の結果EMM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがある場合(S2402のYes)、制御部1806は、そのデータの受信時刻からの経過時間を確認する(S2404)。
確認の結果経過時間が30秒を過ぎている場合(S2404のYes)、該当するEMMのデータをクリアする(S2405)。制御部1806は、データをクリアした(S2405)後、再度S2401に戻って、処理を継続する。
確認の結果経過時間が30秒を過ぎていない場合(S2404のNo)、制御部1806は、CASモジュールに処理要求のコマンドを発行し、その応答を待つ(S2406)。制御部1806は、CASモジュール1811からの応答を受信すると、ECMとの優先度確認を行うために、処理を終了する。
制御部1806は、EMM受信バッファの中を確認(S2401)した結果、EMM受信バッファの中に、CASカードモジュール1811に要求送信待ちのデータがない場合(S2402のNo)、処理を終了する(S2403)。
なお、EMMの処理は即時性が低いため、図24の処理の開始は、例えば制御部1806がポーリング等で、処理の開始を制御してもよい。
さらに本実施形態は、図23に示したEMM受信バッファを持ち、図24に示すような処理フローチャートでEMMの処理要求を制御する場合、例えば事業体毎に管理し、処理待ちのEMMのバッファの受信時刻を判断し、30秒以内に受信したEMMがEMMバッファ内に既に存在する場合に、あとから受信したEMMを破棄する、という規定も考えらる。
図25は、図24に示す処理フローチャートに、“事業体毎に管理し、処理待ちのEMMのバッファの受信時刻を判断し、30秒以内に受信したEMMがEMMバッファ内に既に存在する場合に、あとから受信したEMMを破棄する”規定を加えた場合の、受信機のEMM受信の処理フローチャートである。
同様に図18を例に説明する。制御部1806は、MMT多重分離部1803−1あるいはTSデコード部1803−1からEMMを受信すると、受信したEMMをEMM受信バッファに格納するためのEMM受信処理を開始する(S2500)。
ここで、EMM受信バッファは、事業体ごとに1つのEMMデータだけを保存するエリアを持つものとする。
制御部1806は、受信したEMMデータの事業体を参照し、EMMバッファの中の同一事業体の保存エリアにデータが格納されているかの確認を行う(S2501)。
確認の結果同一事業体のデータが格納されている場合(S2501のYes)、制御部1806は、格納されているデータの受信時刻から30秒が経過しているかを確認する(S2502)。
確認の結果30秒以内の場合(S2502のYes)、制御部1806は受信したEMMデータを破棄し(2506)、処理を終了する(S2506)。
確認の結果30秒以内でない場合(S2502のNo)、同一事業体のバッファをクリアし(S2503)、受信したEMMを当該バッファに保存し(S2504)、処理を終了する(S2505)。
確認の結果同一事業体のデータが格納されていない場合(S2501のNo)、制御部1806は、受信したEMMを当該バッファに保存し(S2504)、処理を終了する(S2505)。
以上のように、1つのCASモジュール(ICカードと称される場合もある)でいくつのチューナを搭載した受信機を設計可能かを検討するには、ECMの更新周期、ECMの再送周期、搭載するCASモジュールの応答性能に加え、EMMの1事業体あたりに1つのIDあたり送信する頻度、またはEMMの処理猶予期間内で処理すべき最少のEMM個数を送受信システム上で規定することによってECM、必要なEMMの処理を取りこぼすことなく、厳密に1つのCASモジュールで処理可能な搭載チューナ数の検討が可能となる。
上記したように本実施形態によると、少なくとも暗号化された第1キー(Kw)を含む第1制御情報(EMM)、暗号化された第2キー(Ks)を含む第2制御情報(ECM)及び、スクランブルコンテンツを含むサービス信号を受信するチューナ部と、前記チューナ部から出力された前記スクランブルコンテンツを受け取るデスクランブラと、少なくとも前記チューナ部、前記デスクランブラを制御する制御部と、前記制御部により制御され、前記第1制御情報(EMM)から、固有の第3キー(Km)を用いて前記第1キー(Kw)を取得し、前記第2制御情報(ECM)から、取得された前記第1キー(Kw)を用いて、前記デスクランブラに与えるための前記第2キー(Ks)を取得する、CASモジュールと、を備え、
前記制御部は、
1事業体あたりの前記第1制御情報(EMM)を、規定で定められるEMM受信後CASモジュールへの処理猶予期間以内で最少R(1以上の整数)個を処理すべきであることを設定しており、前記1事業体の前記第1制御情報(EMM)を検出してから、EMM処理猶予期間以内にR個処理を行った後は前記1事業体の次の前記第1制御情報(EMM)を検出した場合、少なくとも前記EMM処理猶予期間以内の前記第1制御情報(EMM)について前記カード部に対するコマンド送出は抑制する、受信装置が提供される。
上記した実施形態は、これまでの説明から理解できるように、受信機としての機能と、送信機、送受信システムとしての特徴を有することは勿論である。以下に上記した実施形態におけるさらなる要点をまとめて記載する。
(1)同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージは1事業体あたり30(*1参照)秒間で最大 M(後述*2参照)個とする。
(2)同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージは1事業体あたり30(後述*1参照)秒間で最大 M(後述*2参照)個、かつ2(後述*3参照)秒間M2(後述*2,4参照)個とする。
(3)同一受信機宛てに送出するEMM/EMM個別メッセージは1事業体あたり2(後述*3参照)秒間で最大M2 (後述*2,4参照)個とする。
(4)同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり30(後述*1参照)秒間で最大M(後述*2参照)個とし、EMM個別メッセージは1事業体あたり30(後述*1参照)秒間で最大 M3(後述*2,5参照)とする。
(5)同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり30(後述*1参照)秒間で最大 M(後述*2参照)個とし、EMM個別メッセージは1事業体あたり2(後述*3参照)秒間で最大 M3(後述*2,5参照)とする。
同一受信機宛てに送出するEMMは1事業体あたり2(後述*3参照)秒間で最大 M*2個とし、EMM個別メッセージは1事業体あたり30(後述*1参照)秒間で最大 M3(後述*2,5参照)とする。
*1・・・30秒は現運用規定で規定されるEMM/EMM個別メッセージ受信後にCASに対し処理を行うまでの猶予期間、
*2・・・ TR−B14とB15の個数は同一、TR−B39では別の値、
*3・・・ 2秒は現行放送(2K)での運用規定TR−B14、TR−B15でのECM(Ks)更新周期、高度BS・CS(4K8K)TR−B39では8秒、
*4・・・ M2はMの値が3個以上等の場合で、1つのKs更新周期内でバースト的に送る場合の規定を必要とした場合、
*5・・・ EMMとEMM個別メッセージのCASの応答時間性能は実際異なる。EMM個別メッセージの運用は少ないものの、EMMとは頻度を変えたいとの事業者要望を加味した規定案の場合。
さらに上記した受信機の構成による、以下に述べるように各種の効果を得ることができる。即ち、
(B1)
少なくとも暗号化された第1キー(Kw)を含む第1制御情報(EMM)、暗号化された第2キー(Ks)を含む第2制御情報(ECM)及び、スクランブルコンテンツを含むサービス信号を受信するチューナ部と、前記チューナ部から出力された前記スクランブルコンテンツを受け取るデスクランブラと、少なくとも前記チューナ部、前記デスクランブラを制御する制御部と、前記制御部により制御され、前記第1制御情報(EMM)から、固有の第3キー(Km)を用いて前記第1キー(Kw)を取得し、前記第2制御情報(ECM)から、取得された前記第1キー(Kw)を用いて、前記デスクランブラに与えるための前記第2キー(Ks)を取得する、CASモジュールと、を備え、
前記制御部は、
1事業体あたりの前記第1制御情報(EMM)を、規定で定められるEMM受信後CASモジュールへの処理猶予期間以内で最少R(1以上の整数)個を処理すべきであることを設定しており、前記1事業体の前記第1制御情報(EMM)を検出してから、EMM処理の前記猶予期間以内にR個処理を行った後は前記1事業体の次の前記第1制御情報(EMM)を検出した場合、少なくとも前記猶予期間以内の前記第1制御情報(EMM)について前記カード部に対するコマンド送出は抑制する、受信装置。
上記の(B1)の構成によると、厳密に1つのCASモジュールであったとしても、デスクランブルに必要なECMおよびEMMの処理を取りこぼすことなく、契約番組の視聴を可能とし得る、受信機(又は送信装置又は送受信機)を提供できる。
(B2)
受信機において、制御部は、前記チューナ部が、地上デジタルテレビジョン放送を受信している場合と、BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送を受信している場合とでは、前記第1制御情報(EMM)が送られてくる前記頻度が同一であることを前提として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数は同一であることを前提とし、前記頻度又は前記個数の判定するための情報を共通にして、前記第1制御情報(EMM)を処理する。
上記の(B2)の構成によると、TR−B14とTR−B15のEMM頻度(処理義務)の個数は同一としたことの利点がある。つまり、TR−B14とTR−B15は地デジ・BS・110CSの3波共用機が2K TVの標準的仕様であり、放送メディア(地デジ、BS、110CS)に関わらず、1事業体あたりのEMM処理頻度規定が同じほうがCAS処理において実装条件が複雑化しない。同じ条件であれば、受信機開発段階において検証が楽、送出個数での規定となった場合に、TR−B14とB15は同じB−CAS方式であり、EMM送信設備の共通化がはかれる。
(B3)
制御部は、前記チューナ部が、地上デジタルテレビジョン放送を受信している場合と高度広帯域衛星デジタル放送を受信している場合とでは、
前記猶予期間(例えば30秒)以内で前記第1制御情報(EMM)が送られてくる頻度が異なるとこを前提として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数が異なることを前提とし、前記頻度又な前記個数の判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)を処理する。
上記(B3)の構成によると、TR−B14は地上デジタルであり、運用規定上は有料放送を可能としているが、実質的に無料放送のみであり、EMMの運用の可能性は著しく低いため、有料放送必須のTR−B39とは別のEMMの方が、より多くのECMの処理が可能となる可能性が多く、TR−B14の頻度を低く設定することで、地デジチューナ搭載数の個数が増やせる可能性が高い。
(B4)
前記制御部は、前記チューナ部が、BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送を受信している場合と高度広帯域衛星デジタル放送を受信している場合とでは、
前記猶予期間(例えば30秒)以内で前記第1制御情報(EMM)が送られてくる頻度が異なるとこを前提として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数が異なることを前提とし、前記頻度又は前記個数の判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)を処理する。
上記(B4)の構成によれば、TR−B39準拠のCASモジュールにおけるEMM、ECMのコマンド応答性能が、TR−B14,15純拠のICカードのコマンド応答性能と異なっていてもTR−B39準拠のCASモジュールの性能に合せ他EMM頻度が設定可能、TR−B39では、通信路経由でもEMM取得が可能であるため、放送波のみのEMM伝送しかできないTR−B14とTR−B15と異なる頻度設定が可能(TR−B39のノを少なくする)、TR−B39はTR−B14やTR−B15のような2K放送に比べ、後発のデジタル放送を対象としているため新規4K8Kの有料放送加入者へのサービスを良くするため、一定時間のEMM送出個数を増やして、受信機でのEMMの取りこぼした場合でもなるべく早くEMM受信を行うことで加入申し込みから鍵明け(EMM受信)まで短時間にすることが可能である。
(B5)
前記制御部は、前記チューナ部が、地上デジタルテレビジョン放送を受信している場合とBSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送を受信している場合と高度広帯域衛星デジタル放送を受信している場合とでは、前記第1制御情報(EMM)が送られてくる前記頻度が同一であることを前提として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数は同一であることを前提とし、前記頻度又は前記個数の判定の情報を共通にして、前記第1制御情報(EMM)を処理する。
上記(B5)の構成によれば受信機での処理が単純化する。受信netowrk(地デジ、2KBS,2KCS、4K8KBS、4K110CS)によらず同じEMM処理タイミングが可能となる。
(B6)
前記制御部は、前記チューナ部が、BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送を受信している場合と高度広帯域衛星デジタル放送を受信している第1の場合とでは、
前記第1制御情報(EMM)が送られてくる前記頻度が同一であることを前提として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数は同一であることを前提とし、前記頻度又は前記個数の判定の情報を共通にして、前記第1制御情報(EMM)を処理し、
前記チューナ部が、地上デジタルテレビジョン放送を受信している第2の場合は、前記第1の場合とは、前記頻度又は前記個数の判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)を処理する。
上記(B6)の構成によると、EMMが送られてくる頻度がTR−B14は異なり、 B15とB39は同じ頻度としている。有料系を含むTR−B15、TR−B39と実質有料放送がない地デジ(TR−B14で分ける)とは上記(B3)と類似する利点がある。また、TR−B14での頻度を低く設定することで、地デジチューナ搭載数の個数が増やせる可能性が高い。
(B7)
前記チューナ部が、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と受信機毎に伝送され自動表示メッセージのポインタを示すEMM個別メッセージを受信し、
EMM個別メッセージを受信し、
前記制御部は、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と前記EMM個別メッセージと分けて処理する。
(B8)<EMMとEMM個別メッセージのEMM頻度(処理義務)の個数を別とする構成>
前記チューナ部が、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と受信機毎に伝送され自動表示メッセージのポインタを示すEMM個別メッセージを受信し、前記制御部は、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と前記EMM個別メッセージとの頻度が互いに異なることを前提として、前記第1制御情報(EMM)の前記頻度と前記EMM個別メッセージの前記頻度を判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)と前記EMM個別メッセージを処理する。
上記(B7)、(B8)の構成によると、EMMとEMM個別メッセージのEMM頻度(処理義務)の個数を別とする。これにより、EMMとEMM個別メッセージのCASモジュール応答性能が、異なる場合が十分想定され、短い応答時間、EMM個別メッセージのサイズがEMMに比べ小さいと予測され、応答性能が短いことが想定される。よって、その分EMMより頻度を上げる規定も可能となる。また、EMMに比べ、EMM個別メッセージはEMMメールや自動表示メッセージのID毎の個別性部分(例えば加入者の名前等)であり実際の利用頻度は少ないことが考えられ、また、契約を電話中に確認するなどの即時性が要求されにくいことからEMMの頻度を落とす、つまりEMM処理猶予期間より長いスパンでの個数設定ないし、同じ処理猶予期間でも個数を少なくすることで、EMMやECMの処理に回す時間が増えることが利点として期待される。
(B9)
前記第1制御情報(EMM)の前記頻度は、前記第1制御情報(EMM)の処理猶予期間に応じて、設定されている。
上記(B9)の構成によるとEMM頻度をEMM処理猶予期間で決める、これにより、猶予期間内の任意の時間に必要なEMMの個数を処理するという点では、猶予期間を設定した目的に対して利にかなった設定手段と言える。受信機のフローを考えるうえでもこの期間で決められると自由度があがる。
(B10)
前記第1制御情報(EMM)の前記頻度は、前記第1制御情報(EMM)の前記第2キー(Ks)の更新周期に基づいて設定されている。
上記(B10)の構成によると、EMM頻度をKs更新周期で決めている。EMM処理猶予期間は現在30秒でありKs更新周期の方が短い期間である。受信機において、EMMのフィルタリング性能を検討するにあたり短時間でどの程度の自分宛てのEMMが来る可能性があるのかという点では、短時間での個数での規定は意味がある。ただし、事業者が短時間で複数のEMMを発行する場合になる。また、短時間にEMMを複数発行するのは受信機でのEMMの取得ミスあるいは、なるべく早くEMMを取得してほしい場合に同じEMMを短時間に送出したい場合に有効。ただし、EMMの送信レートのみではEMMは処理猶予期間(30秒間)の設定が残っていると限りなくEMMのキャッシュ領域が増えるため、伝送レートではなくEMMの一時キャッシュ領域を見積るためにも個数での規定が有効である。
(B11)
<EMM頻度をKs更新周期で決める>
前記第1制御情報(EMM)の前記頻度は、前記第1制御情報(EMM)の処理猶予期間と、前記第1制御情報(EMM)の前記第2キー(Ks)の更新周期に基づいて設定されている,
上記(B11)の構成によると、(B11)の構成では、EMM頻度をKs更新周期で決めている。30秒間に1個受信してもらえばよくても、少しでも早く受信してほしい場合に例えば「受信機は30秒間で事業体あたり少なくとも1個の処理を必要とする。ただし、EMMの送出は2秒間で2個の割合で送出するがEMMを受信後はその後30秒間に取得したEMMは破棄、または受信しなくても構わない」といった規定にすれば、30秒間の処理猶予期間では1個でよいということから残りの時間を他のチューナのEMMやECM処理に回せ、かつ一定時間のEMMを多く送ることでより早くEMM受信が可能になり、視聴者がより短い時間で契約確認が可能になり、かつ受信機側も一時的なEMMキャッシュの量も見積りが可能となる。
上記の要点の他、本実施形態においては、以下に記載する放送信号送信システムの要素も含まれるものである、即ち、
(C1)
受信側において、
少なくとも暗号化された第1キー(Kw)を含む第1制御情報(EMM)、暗号化された第2キー(Ks)を含む第2制御情報(ECM)及び、スクランブルコンテンツを含むサービス信号を受信するチューナ部と、前記チューナ部から出力された前記スクランブルコンテンツを受け取るデスクランブラと、少なくとも前記チューナ部、前記デスクランブラを制御する制御部と、前記制御部により制御され、前記第1制御情報(EMM)から、固有の第3キー(Km)を用いて前記第1キー(Kw)を取得し、前記第2制御情報(ECM)から、取得された前記第1キー(Kw)を用いて、前記デスクランブラに与えるための前記第2キー(Ks)を取得する、CASモジュール(ICカード)を備え、送信設備が、1事業体あたりの前記第1制御情報(EMM)が送出する頻度が、EMM処理猶予期間(30秒)以内で最少R(1以上の整数)個であることを設定している、放送信号送信システム。
(C2)地上デジタルテレビジョン放送と、BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送とでは、
それぞれの前記送信設備が、前記第1制御情報(EMM)を送出する前記頻度が同一として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数が同一であるとし、
前記受信側で前記頻度又は前記個数の判定するための情報を共通にして、前記第1制御情報(EMM)を処理可能とした、上記C1記載の放送信号送信システム。
(C3)地上デジタルテレビジョン放送と高度広帯域衛星デジタル放送とでは、それぞれの前記送信設備が、EMM処理猶予期間(30秒)以内で前記第1制御情報(EMM)が送出する頻度が異なる、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数が異なり、前記受信側で前記頻度又な前記個数の判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)を処理できるようにした、C1に記載の放送信号送信システム。
(C4)地上デジタルテレビジョン放送とBSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送と高度広帯域衛星デジタル放送とでは、それぞれの前記送信設備が、EMM処理猶予期間(30秒)以内で前記第1制御情報(EMM)が送られてくる頻度が異なり、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数が異なり、前記受信側で前記頻度又は前記個数の判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)を処理できるようにした、上記(C1)に記載の放送信号送信システム。
(C5)BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送と高度広帯域衛星デジタル放送とでは、それぞれの前記送信設備が、前記第1制御情報(EMM)を送出する前記頻度が同一とし、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数を同一であるとし、前記受信側で前記頻度又は前記個数の判定の情報を共通にして、前記第1制御情報(EMM)を処理できるようにした、上記(C1)に記載の放送信号送信システム。
(C6)BSデジタル放送/広帯域CSデジタル放送と高度広帯域衛星デジタル放送との第1の場合では、それぞれの前記送信設備が、前記第1制御情報(EMM)が送られてくる前記頻度を同一として、又は、前記第1制御情報(EMM)の処理義務の個数を同一であるとし、前記受信側で前記頻度又は前記個数の判定の情報を共通にして、前記第1制御情報(EMM)を処理できるようにし、前記受信側で、地上デジタルテレビジョン放送の第2の場合は、前記第1の場合とは、前記頻度又は前記個数の判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)を処理できるようにした、上記(C1)に記載の放送信号送信システム。
(C7)前記送信設備が、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と受信機ごとに伝送される自動表示メッセージのポインタを示すEMM個別メッセージを送信し、前記受信側は、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と前記EMM個別メッセージと分けて処理する、上記(C1)に記載の放送信号送信システム。
(C8)前記送信設備が、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と受信機毎に送信される自動表示メッセージのポインタを示すEMM個別メッセージを送出し、前記受信側が、前記1事業体に対応する前記第1制御情報(EMM)と前記EMM個別メッセージとの頻度が互いに異なることを前提として、前記第1制御情報(EMM)の前記頻度と前記EMM個別メッセージの前記頻度を判定するための情報を異ならせて前記第1制御情報(EMM)と前記EMM個別メッセージを処理できるようにした、上記(C1)に記載の放送信号送信システム。
(C9)前記第1制御情報(EMM)の前記頻度は、前記第1制御情報(EMM)の処理猶予期間に応じて、設定されている、上記C1乃至C8の何れか1に記載の放送信号送信システム。
(C10)前記第1制御情報(EMM)の前記頻度は、前記第1制御情報(EMM)の前記第2キー(Ks)の更新周期に基づいて設定されている、上記C1乃至C8の何れか1に記載の放送信号送信システム。
(C11)前記第1制御情報(EMM)の前記頻度は、前記第1制御情報(EMM)の処理猶予期間と、前記第1制御情報(EMM)の前記第2キー(Ks)の更新周期に基づいて設定されている、上記C1乃至C8の何れか1に記載の放送信号送信システム。
上記したように、EMM処理(送信及び又は受信において)の制限を行い、複数チューナ増設でもデスクランブルの安定を維持する。
次の説明では、データ放送で、通信データを取得できない場合の、視聴者への通知形態及び方法を工夫したことを説明する。通信データを取得できない場合、全く表示用の通知を行わないのではなく、ある条件では、通知を行い、受信機及びシステムに対するユーザの疑義をなくすことができる。
図3に示す通信制御部340は、ネットワークI/F341を介して通信ネットワーク351を経由してサービス事業者装置120と接続することができ、サービス事業者装置120に管理されているアプリケーションやコンテンツを、通信ネットワーク351を経由して取得することができる。取得したアプリケーションやコンテンツは、通信制御部340から制御部330に送られ、アプリケーション管理機能323により管理・実行される。
また通信制御部340は、リモコンI/F342を介して、リモコン(リモートコントローラ)352からの指示を受けることができる。通信制御部340は、リモコン352から指示を受けると、その指示内容を制御部330へ送信する。制御部330は、リモコン352から受信した指示内容に対応して、受信機300の全体の動作を制御する。
制御部330は、解析部309から第1の指定情報の解析結果が送られてくると、ネットワークI/F341を介して通信ネットワーク351に接続しているか、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にあるかの確認を行う。
制御部330は、通信ネットワーク351に接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを検出すると、第1の指定情報とともに多重化されている番組のチャンネル識別情報および番組識別情報の第1の条件(詳細は後述する)にもとづいて、アプリケーション機能を同時に提供するサービスが行われていない旨の通知(この通知については以降全て、前記ネットワークに接続していないために発生するエラーを示す通知であってもよい)を表示制御部327に行わないようにすることができる。
また制御部330は、リモコン352の例えばdボタンが押下された信号を通信制御部340のリモコンI/F342経由で受け取った場合も同様に、ネットワークI/F341を介して通信ネットワーク351に接続しているか、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にあるかの確認を行う。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを検出すると、第1の指定情報とともに多重化されている番組のチャンネル識別情報および番組識別情報の第2の条件(詳細は後述する)にもとづいて、アプリケーション機能を同時に提供するサービスが行われていない旨の通知を表示制御部327に行わないようにすることができる。
制御部330は、第1の条件にもとづいて、アプリケーション機能を同時に提供するサービスが行われていない旨の通知を表示制御部327に行わないように制御するために、内部に番組情報保存エリア321を持つ。
図26は、番組情報保存エリア321の構成の一例を示す図である。番組情報保存エリア321は、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wと現在番組情報保存エリア321−2Wとから成る。第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wは、第1の指定情報を受信したタイミングにおけるチャンネル識別情報を保存するチャンネル情報保存エリア321−10Wと番組識別情報を保存する番組情報保存エリア321−11Wとを持つ。
また現在番組情報保存エリア321−2Wは、現在受信して表示器328に表示している番組のチャンネル識別情報を保存するチャンネル情報保存エリア321−20Wと番組識別情報を保存する番組情報保存エリア321−21Wとを持つ。
現在番組情報保存エリア321−2Wは、チャンネルの切り換えや番組の切り換わり等により新たな番組が表示器328に表示されたタイミングで更新される。
一方第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wは、表示器328に番組を表示している間に、受信機300が第1指定情報を受信したタイミングで更新される。
なお受信機300が受信した放送番組のチャンネル識別情報は、例えば非特許文献1、非特許文献2に記載のservice_idでもよい。また、受信機300が受信した放送番組の番組識別情報は、例えば非特許文献1、非特許文献2に記載のevent_idでもよい。また受信機300が受信した第1の指定情報は、例えば非特許文献1、非特許文献2に記載のMPT(MMTパッケージテーブル)に含まれるアプリケーションサービス記述子でもよい。
以降の説明では、放送されている番組にアプリケーション機能を同時に提供するサービスの例として、非特許文献2に記載のデータコンテンツサービスを例に説明する。また、受信機300が受信した放送による番組のチャンネル識別情報および番組識別情報は、service_idおよびevent_idとし、第1の指定情報は、アプリケーションサービス記述子とする。
図27A、図27Bは、データコンテンツサービスの形態を示した図である。データコンテンツサービスは、2つのタイプがある。1つのタイプ(タイプ1と呼ぶ)は、受信機300へアプリケーションデータを伝送する際に、通信ネットワークによる伝送に加えて放送波による伝送をも含む場合である。もう1つのタイプ(タイプ2と呼ぶ)は、受信機140へアプリケーションデータを伝送する際に、放送波による伝送を含まず通信ネットワークによる伝送のみの場合である。
図27Aは、非特許文献2に記載のタイプ1のデータコンテンツサービスの構成を示した図である。縦軸がストリーム(コンポーネントとも呼ぶ)の種類、横軸が時間である。MMT−SIは、伝送制御信号であり多重化方式がMMTの場合のSI(Service Information)であることを示している。
図27Aの例では、MPT401Wにアプリケーションサービス記述子が配置されているとする。このアプリケーションサービス記述子は、AIT_location_infoフィールドに、参照すべきMH−AIT(MH-Application Information Table)のロケーション情報を持ち、DT_message_location_infoフィールドに、参照すべきデータ伝送メッセージを構成しているDDMT(Data Directory Management Table)、DAMT(Data Asset Management Table)およびDDCT(Data Content Management Table)のロケーション情報を持ち、EMT_location_infoフィールドに、参照すべきEMT(Event Message Table)のロケーション情報を持つ構成になっている。データ伝送メッセージは、放送波によりアプリケーションデータを伝送する際のテーブルを含む制御情報である。このようにタイプ1のデータコンテンツサービスの場合は、受信機300へアプリケーションデータを伝送する際に、通信ネットワークによる伝送に加えて放送波による伝送をも含む。
図27Bは、非特許文献2に記載のタイプ2のデータコンテンツサービスの構成を示した図である。縦軸がストリーム(コンポーネントとも呼ぶ)の種類、横軸が時間である。MMT−SIは、伝送制御信号であり多重化方式がMMTの場合のSI(Service Information)であることを示している。
図27Bの例でも、MPT402Wにアプリケーションサービス記述子が配置されているとする。タイプ2のデータコンテンツサービスは、放送波によりアプリケーションデータを伝送しないため、データ伝送メッセージが伝送されない。このためタイプ2のデータコンテンツサービスの場合のアプリケーションサービス記述子は、AIT_location_infoフィールドに、参照すべきMH−AIT(MH-Application Information Table)のロケーションを設定し、EMT_location_infoフィールドに、参照すべきEMT(Event Message Table)を設定する構成になっている。
AIT_location_infoフィールドにロケーションが設定されている、MH−AIT(MH-Application Information Table)には、データコンテンツサービスを実行する際に使用する伝送プロトコルの情報であるプロトコル識別(protocol_id)と、伝送プロトコルに依存したアプリケーションのロケーション情報であるセレクタ領域(selector_byte)が存在する。
図35Bで詳細に説明するが、プロトコル識別(protocol_id)は、HTTP/HTTPS、データカルーセルおよびMMT non―timedの3つが定義されている。この3つのプロトコル識別のうち、HTTP/HTTPSのみが、通信制御部340を介して、通信ネットワークを経由したサーバへのアクセスを行うプロトコル識別である。
いずれのタイプのデータコンテンツサービスも、放送している番組にデータコンテンツサービスを付加するためには、MPTにアプリケーションサービス記述子を配置する必要がある。つまり受信機300は、MPTの中にアプリケーションサービス記述子が配置されていることを認識することで、受信している番組にデータコンテンツサービスが付加されていると判断する。さらに受信機300は、プロトコル識別がHTTP/HTTPSの場合のみ、ネットワークI/F341を介して通信により、例えばサービス事業者装置120のサーバとデータのやり取りをする。
図28は、アプリケーションサービス記述子のフォーマットを示した図である。501WがAIT_location_info、502WがDT_message_location_info、503WがEMT_location_infoを示している。受信機300は、このようにアプリケーションサービス記述子の中のAIT_location_info501W、DT_message_location_info502W、EMT_location_info503Wを参照することで、これらの情報のリンク先の情報を参照することが可能となり、データコンテンツサービスとして必要なアプリケーションやコンテンツを取得することが可能となる。
図29A(a)、図29A(b)、図29B(a)、図29B(b)、図29B(c)、図29C(a)、図29C(b)、図29C(c)は、放送による番組とその番組にデータコンテンツサービスが付加されている場合、制御部330が、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミングを、受信機300が受信して表示している番組の種類に応じて分類したものである。なお図29(a)から図29(c)までの説明では、受信機300が通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを前提に説明する。
図29A(a)、図29A(b)は、受信機300が受信して表示している番組のチャンネルが時間とともに変わらず番組だけが変わる場合の、表示器328が表示している番組の表示内容、解析部309がMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信して解析するタイミング、および制御部330が、データコンテンツサービスが行われていない旨の通知を表示制御部327に通知するタイミング、の時間的な遷移の例を示している。
図29A(a)の601Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。番組A1(チャンネルN1)は、チャンネル番号(service_id)N1の番組(event_id)A1であることを示している。601Wの例は、チャンネル番号がN1のまま時間の経過とともに番組A1、番組B1、番組C1を順次表示器328に表示する場合である。
602Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。解析部309は、表示器328に番組A1が表示されている間にMPT6021WとMPT6022Wを、番組B1を表示している間にMPT06023Wを受信して解析している。つまり602Wは、受信機300が、データコンテンツサービスが付加されている番組を連続して受信した場合の例である。
603Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対してデータコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
なお図26を用いて説明したように、現在番組情報保存エリア321−2Wは、例えば番組A1(チャンネルN1)が表示器328に初めて表示されるタイミングで制御部330により更新される、というように、新たな番組が表示器328に表示されたタイミングで更新される。
制御部330は、MPT6021Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6021Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報に一致しているが番組識別情報に一致していない。
このため制御部330は、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)が変わったと判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているため、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)だけが変わったとの判断結果にもとづいて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する。
通知が完了すると制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とに書き込むことで、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を更新する。
制御部330は、MPT6022Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6022Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報と番組識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報と番組識別情報に一致している。
このため制御部330は、前回のMPTの解析結果であるMPT6021Wの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降でチャンネル番号(service_id)および番組(event_id)は変わっていないと判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているが、前回のMPTの解析結果であるMPT6021Wの解析結果を解析部309から受信したイミング以降でチャンネル番号(service_id)および番組(event_id)が変わっていないと判断しているため、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
通知が完了すると制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とに書き込むことで、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を更新する。
また制御部330は、MPT6023Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6022Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されている番組識別情報と現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されている番組識別情報とだけが一致していない。
このため制御部330は、前回のMPTの解析結果であるMPT6022Wの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)だけが変わっていると判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているため、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)だけが変わったとの判断結果にもとづいて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する。
通知が完了すると制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とに書き込むことで、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を更新する。
このように受信機300が受信している番組のチャンネル番号が変わらずに番組だけが変わる場合、制御部330は、チャンネル番号(service_id)および番組(event_id)を用いることで、切り換わった番組において最初のMPTの解析結果を受信したタイミングにおいてだけ、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することができる。これにより受信機300は、1つの番組の中で複数回MPTを受信しても、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示が1回しか行わないため、受信機300の番組を視聴しているユーザは、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を煩わしく感じることがなくなる。
図29A(b)は、受信機300が、データコンテンツサービスが付加されている番組(番組A1(チャンネルN1))を受信し、次にデータコンテンツサービスが付加されていない番組(番組B1(チャンネルN1))を受信し、次にデータコンテンツサービスが付加されている番組(番組C1(チャンネルN1))を受信した場合である。
604Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。
605Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。
606Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
制御部330は、MPT6051Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6051Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されている番組識別情報と現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されている番組識別情報だけが一致していない。
このため制御部330は、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)が変わっていると判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているため、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)だけが変わったとの判断結果にもとづいて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する。
通知が完了すると制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とに書き込むことで、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を更新する。
制御部330は、MPT6052Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6052Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、番組A1(チャンネルN1)の番組情報のため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されている番組識別情報と現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されている番組識別情報とだけが一致していない。
このため制御部330は、前回のMPTの解析結果であるMPT6051Wの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)だけが変わっていると判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているため、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組(event_id)だけが変わったとの判断結果にもとづいて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する。
通知が完了すると制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とに書き込むことで、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を更新する。
図29B(a)、図29B(b)、図29B(c)は、受信機300が受信して表示している番組のチャンネル番号が変わる場合の、表示器328が表示している番組の表示内容、解析部309がMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信して解析するタイミング、および制御部330が、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング、の時間的な遷移の例を示している。
図29B(a)の607Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。607Wの例は、チャンネル番号N1の番組A2の放送中にチャンネル番号N2の番組B2に切り替え、チャンネル番号N2の番組B2の放送中にチャンネル番号N3の番組C2に切り替えて、番組A2、番組B2、番組C2を順次表示器328に表示する場合である。
608Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。解析部309は、表示器328に番組A2が表示されている間にMPT6081Wを、番組B2が表示されている間にMPT6082Wを、番組C2が表示されている間にMPT6083Wを受信して解析している。
609Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
制御部330は、MPT6082Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6081Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報に一致していない。
このため制御部330は、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降でチャンネル番号(service_id)が変わっていると判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているが、前回のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降でチャンネル番号(service_id)が変わっていると判断しているため、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
通知が完了する制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報に書き込むことで、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報を更新する。
図29B(b)は、受信機300が、データコンテンツサービスが付加されている番組(番組A2(チャンネルN1))を受信し、次にチャンネル番号を変えてデータコンテンツサービスが付加されている番組(番組B2(チャンネルN2))を受信し、次にチャンネル番号を変えずにデータコンテンツサービスが付加されている番組(番組C2(チャンネルN2))を受信した場合である。
610Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。
611Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。
612Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
この場合も、図29B(a)の場合と同様に、制御部330は、MPT6112Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているが、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較することで、前回のMPTの解析結果であるMPT6111Wの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降でチャンネル番号が変わっていると判断し、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
また制御部330は、MPT6113Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較することで、前回のMPTの解析結果であるMPT6112Wの解析結果を解析部309から受信したタイミング以降で番組だけ変わったとの判断結果にもとづいて、図29A(a)同様に、データコンテンツサービスが行われていない旨6123Wを表示制御部327に通知する。
図29B(c)は、受信機300が、データコンテンツサービスが付加されている番組(番組A2(チャンネルN1))を受信し、次にチャンネルを変えてデータコンテンツサービスが付加されている番組(番組B2(チャンネルN2))を受信し、番組B2(チャンネルN2)を受信している間に、MPTを複数回受信した場合である。
613Wは、表示器328が、表示する表示内容の時間的な遷移である。
614Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。
615Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
制御部330は、表示器328が番組B2(チャンネルN2)を表示している間にMPTの解析結果であるMPT6142W、MPT6143W、MPT6144W、MPT6145Wの解析結果を解析部309から受信する。第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較することで、制御部330は、MPT6142Wの解析結果を受信したタイミングでは、前回のMPTの解析結果であるMPT6141Wを解析部309から受信したタイミング以降でチャンネル番号が変わっていると判断する。制御部330は、MPT6143Wの解析結果を受信したタイミングでは、前回のMPTの解析結果であるMPT6142Wを解析部309から受信したタイミング以降でチャンネル番号および番組が変わっていないと判断する。
制御部330は、MPT6142W、MPT6143Wの受信結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているが、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
しかし制御部330は、例えば3回目に受信したMPTの解析結果であるMPT6144Wの受信タイミングにおいてだけ、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報との比較の結果に関わらず、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識し、データコンテンツサービスが行われていない旨6152Wを表示制御部327に通知するようにしてもよい。図29B(c)の例では、3回目に受信したMPTの解析結果であるMPT6144Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングで、データコンテンツサービスが行われていない旨6152Wを表示制御部327に通知しているが、この回数は任意に決めることができる。
このように受信機300が受信して表示している番組のチャンネル番号が変わる場合、制御部330は、チャンネル番号(service_id)を用いることで、切り換わった後の番組においてMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しないようにすることができる。
例えばユーザが視聴したい番組を選択する際に、5秒乃至20秒程度の短い時間表示器328に表示されている番組内容を確認しながら、例えばリモコン352を用いてチャンネルを次々と切り替えていく、というユーザ操作のシーンが想定される。あるいはユーザがある番組の視聴予約することで、受信機300が、視聴予約時刻に表示器328に表示している番組から視聴予約した番組に切り換える、というユーザ操作シーンも想定される。このようなユーザ操作シーンは、例えば図29B(a)の表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移607Wに相当する。このような操作シーンにおいては、ユーザが内容を確認している番組にデータコンテンツサービスが付加されていると、ユーザがチャンネルを切り替えるたびにデータコンテンツサービスが行われていない旨が表示器328に表示される可能性がある。
これに対して本実施形態の受信機300は、受信機300が受信して表示している番組のチャンネル番号が変わる場合、制御部330が、切り換わった番組においてMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しても、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しないようにできる。これにより受信機300は、ユーザが視聴したい番組を、チャンネルを次々と切り換えながら選択しても、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示しないため、受信機300に表示されている番組を視聴しながらチャンネル切り替え操作をしているユーザは、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を煩わしく感じることがなくなる。
また、視聴予約を開始した番組においてMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しても、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しないようにできるため、ユーザが、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を煩わしく感じることがなくなる。
さらに制御部330は、受信して表示する番組のチャンネル番号が切り換わる場合、切り換わった番組においてMPTの解析結果を解析部309から特定回数受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識して、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知してもよい。例えばユーザがチャンネルを次々切り換えながら視聴したい番組を選択している場合、視聴したい番組を決定した後は、その決定した番組をある程度の時間視聴し続ける、というユーザ操作シーンが想定される。このようなユーザ操作シーンは、例えば図29B(c)の表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移613Wに相当する。このような操作シーンにおいて本実施形態の受信機300は、チャンネル番号を次々切り替えることで選択した番組を視聴し続けた場合においても、特定回数のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識したときは、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知できるため、ユーザの利便性が向上する。
図29C(a),図29C(b)、図29C(c)は、受信機300への入力切り替えにより、受信機300が受信して表示している番組から例えば録画番組の表示に切り替える場合の、表示器328が表示している表示内容、解析部309がMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信して解析するタイミング、および制御部330が、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング、の時間的な遷移の例を示している。
図29C(a)の616Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。616Wの例は、チャンネル番号N1の番組A3を受信中に、録画した番組である番組B3の表示に切り替え、番組Bをあるタイミングで再びチャンネル番号N1の番組A3の表示に切り替えて番組A3、番組B3、番組A3を順次表示器328に表示する場合である。番組A3(チャンネルN1)6161Wと番組A3(チャンネルN1)6163Wとは、同一の番組である。
617Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。解析部309は、表示器328に番組A3(チャンネルN1)6161Wが表示されている間にMPT6171Wを受信し解析し、番組A3(チャンネルN1)6163Wが表示されている間にMPT6172W、MPT6173Wを受信して解析している。
618Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
制御部330は、番組B3(録画番組)6162Wのように放送波による番組以外を表示器328に表示した場合、現在受信して表示している放送番組がないため、現在番組情報エリア321−2Wのチャンネル識別情報および番組識別情報にNULLを設定する。また制御部330は、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wのチャンネル識別情報および番組識別情報にNULLを設定する。
制御部330は、MPT6172Wの解析結果を解析部309から受信すると、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。MPT6172Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報がNULLのため、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と一致しない。
このため制御部330は、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報がNULLであることから、表示器328に表示する内容が、受信番組以外から受信番組に切り換わったと判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているので、表示器328に表示する内容が受信番組以外から受信番組に切り換わったとの判断にもとづいて、データコンテンツサービスが行われていない旨6181Wを表示制御部327に通知する。
図29C(b)および図29C(c)も、図29C(a)同様に、表示器328に表示している内容が、受信機300が受信して表示いる番組から例えば録画番組の表示に切り変わる場合である。図29C(a)との違いは、表示器328に表示している録画番組の前後の番組が、図29C(a)が同じチャンネル番号の同じ番組であるのに対して、図29C(b)が同じチャンネル番号の違う番組の場合、図29C(c)が違うチャンネルの場合である。
619Wは、表示器328が、表示する表示内容の時間的な遷移である。
620Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。
621Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
622Wは、表示器328が、表示する表示内容の時間的な遷移である。
623Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。
624Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示器328に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングの時間的な遷移である。
いずれの場合も制御部330は、表示器328に表示されている表示内容が、録画した番組から受信機300が受信している番組に切り換わった後の、最初のMPTの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識し、さらに第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されている番組識別情報がNULLのため、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する。
このように受信機300が、受信機300への入力切り替えにより、受信している番組から例えば録画番組に切り変わる場合、再度受信機300が受信している番組に切り換わった場合には、図29Aに示す処理同様に、最初のMPTを受信して解析したタイミングで、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することができる。これにより受信機300は、表示器328に例えば録画した番組のような放送された番組でない番組を表示している状態から、受信機300が受信している番組を表示する状態に切り換わった場合は、切り換わった後の最初にMPTを受信して解析したタイミングで、データコンテンツサービスが行われてない旨を必ず表示制御部327に通知するため、ユーザの利便性が向上する。
なお図29Cの例では、受信機300が受信している番組以外を表示器328に表示する例として、録画した番組を例としてあげたが、例えばDVDプレーヤーからの入力映像やPC(パーソナルコンピュータ)からの入力映像でもよい。
受信機300は、さらにリモコンI/F324を経由して入力されるリモコン352の操作内容に対応して、データコンテンツサービスの内容を表示器328に表示することもできる。データコンテンツサービスの内容を表示するリモコン352のボタンとして、例えばdボタンがある。
図30は、リモコンに存在するdボタン701Wおよびその周辺の例を示す図である。ユーザがこのdボタン701Wを押下すると、現在表示器328に表示されている番組にデータコンテンツサービスが付加されている場合、その付加されているデータコンテンツサービスの内容を表示することができる。
しかし受信機300は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にない場合、dボタン押下によるデータコンテンツサービスの内容の表示を要求するコマンドをリモコン352から受信すると、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する。
図31A、図31B、図31Cは、図29A(a)、図29B(a)、図29C(a)で示した、時間的な遷移に、制御部330が、リモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング、およびデータコンテンツサービスが行われていない旨の表示を表示器328に通知するタイミングを加えた図である。なお図31Aから図31Cまでの説明では、受信機300が通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを前提に説明する。
図31Aは、図29A(a)に、制御部330が、リモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング(8041W、8042W、8044W)、およびそのdボタン押下の認識をもとにデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング(8043W)を追加した図である。
801Wは図29A(a)の601Wと同一であり、802Wは図29A(a)の602Wと同一であり、803Wは、図29A(a)の603Wと同一である。804Wは、制御部330がリモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング、およびdボタンが押下されたことを認識したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合に、表示制御部327に対してデータコンテンツサービスが行われていない旨を通知するタイミングである。
制御部330は、dボタン押下をタイミング8041Wで認識したとすると、このタイミング8041Wにおいて表示器328に表示されている表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを確認する。
タイミング8041Wの時点では、解析部309が番組B1(チャンネルN1)のMPTを受信していないため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wには、番組A1(チャンネルN1)8011Wのチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組A1が保存されている。また現在番組情報保存エリア321−2Wには、番組B1(チャンネルN1)8012Wのチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組A1が保存されている。
制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8041Wにおいて、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。dボタン押下を認識したタイミング8041Wでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、番組A1(チャンネルN1)の情報であり、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と一致していない。
このため制御部330は、現在受信している番組においては、MPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信していないと認識し、表示器328に表示されている表示内容はデータコンテンツサービスが付加されていない、と判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを、通信制御部340を介して認識しているが、タイミング8041Wにおいては、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
制御部330は、dボタン押下をタイミング8042Wで認識したとすると、このタイミング8042Wにおいて表示器328に表示されている表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを確認する。
タイミング8042Wの時点では、解析部309が番組B1(チャンネルN1)のMPT8023Wを受信しているため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wには、番組B1(チャンネルN1)8012Wのチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組B1が保存されている。また現在番組情報保存エリア321−2Wには、番組B1(チャンネルN1)8012Wのチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組A1が保存されている。
制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8042Wにおいて、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。dボタン押下を認識したタイミング8042Wでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と一致している。
このため制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8042Wでは、現在受信している番組においては、MPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信していると認識し、表示器328に表示されている表示内容はデータコンテンツサービスが付加されている、と判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているので、タイミング8042Wにおいては、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知8043Wする。
図31Bは、図29B(a)に、制御部330が、リモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング(8101W、8102W)、およびそのdボタン押下の認識をもとにデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング8103Wを追加した図である。
807Wは図29B(a)の607Wと同一であり、808Wは図29B(a)の608Wと同一であり、809Wは、図29B(a)の609Wと同一である。810Wは、制御部330が、リモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング、およびデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミングである。
制御部330は、dボタン押下をタイミング8101Wで認識したとすると、このタイミング8101Wにおいて表示器328に表示されている表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを確認する。
タイミング8101Wの時点では、解析部309が番組B2(チャンネルN2)8072WのMPTを受信していないため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wには、番組A2(チャンネルN1)8071Wのチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組A2が保存されている。また現在番組情報保存エリア321−2Wには、番組B2(チャンネルN2)8072Wのチャンネル識別情報であるチャンネルN2、番組識別情報である番組A2が保存されている。
制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8101Wにおいて、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。dボタン押下を認識したタイミング8101Wでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と一致していない。
このため制御部330は、現在受信している番組においては、MPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信していないと認識し、表示器328に表示されている表示内容はデータコンテンツサービスが付加されていない、と判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているが、タイミング8101Wにおいては、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
制御部330は、dボタン押下をタイミング8102Wで認識したとすると、このタイミング8102Wにおいて表示器328に表示されている表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを確認する。
タイミング8102Wの時点では、解析部309が番組B2(チャンネルN2)8072WのMPT8082Wを受信しているため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wには、番組B2(チャンネルN2)8072のチャンネル識別情報であるチャンネルN2、番組識別情報である番組B2が保存されている。また現在番組情報保存エリア321−2には、番組B2(チャンネルN2)8072のチャンネル識別情報であるチャンネルN2、番組識別情報である番組B2が保存されている。
制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8102Wにおいて、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。dボタン押下を認識したタイミング8102Wでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報に一致している。
このため制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8102Wでは、現在受信している番組においては、MPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信していると認識し、表示器328に表示されている表示内容はデータコンテンツサービスが付加されている、と判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているので、タイミング8102Wにおいては、データコンテンツサービスが行われていない旨8103Wを表示制御部327に通知8103Wする。
図31Cは、図29C(a)に、制御部330が、リモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング(8191W、8192W)、およびそのdボタン押下の認識をもとにデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング8193Wを追加した図である。816Wは図29C(a)の616Wと同一であり、817は図29C(a)の617Wと同一であり、818Wは、図29C(c)の618Wと同一である。819Wは、制御部330が、リモコン352のdボタンが押下されたことを認識したタイミング、およびデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミングである。
制御部330は、dボタン押下をタイミング8191Wで認識したとすると、このタイミング8191において表示器328に表示されている表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを確認する。
タイミング8191Wの時点では、番組B3(録画番組)が表示器328に表示されているため、上記したように現在番組情報保存エリア321−2Wのチャンネル識別情報および番組識別情報は、NULLが設定されている。
制御部330は、現在番組情報保存エリア321−2Wのチャンネル識別情報および番組識別情報にNULLが設定されているので、表示器328に表示されている表示内容はデータコンテンツサービスが付加されていない、と判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているが、タイミング8191Wにおいては、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
制御部330は、dボタン押下をタイミング8192Wで認識したとすると、このタイミング8192Wにおいて表示器328に表示されている表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを確認する。
タイミング8192Wの時点では、解析部309が番組C3(チャンネルN1)のMPT8172Wを受信しているため、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wには、番組C3(チャンネルN1)8162のチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組C3が保存されている。また現在番組情報保存エリア321−2Wには、番組C3(チャンネルN1)8162のチャンネル識別情報であるチャンネルN1、番組識別情報である番組C3が保存されている。
制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8192Wにおいて、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報と、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報とを比較する。dボタン押下を認識したタイミング8092Wでは、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報は、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているチャンネル識別情報および番組識別情報に一致している。
このため制御部330は、dボタン押下を認識したタイミング8102Wでは、現在受信している番組においては、MPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信していると認識し、表示器328に表示されている表示内容はデータコンテンツサービスが付加されている、と判断する。制御部330は、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識しているので、タイミング8193Wにおいては、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知8193Wする。
このように受信機300は、リモコン352の操作内容により、データコンテンツサービスの内容を表示器328に表示しようとした場合、表示器328に表示している表示内容にデータコンテンツサービスが付加されているかを判断して、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にない場合には、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することができる。これによりユーザは、任意のタイミングにおいて、データコンテンツサービスが行われているかを確認することができる。例えば、先に説明したように、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部340を介して認識した場合、受信機300は、表示器328に対してデータコンテンツサービスが行われていない旨の表示を通知しない機能を持つが、ユーザがなんらかの不安を抱いた時には、dボタンを押下することで、データコンテンツサービスの実施状況を確認するために、利用することもできる。
また受信機の設定により、図29A(a)から図29C(c)のような、チャンネル識別情報および番組識別情報をもとにした、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示の通知はいっさい行わずに、ユーザがdボタンを押下した場合のみ、データコンテンツサービスの実施状況を確認することができるようにしてもよい。
これにより、ユーザの意図に応じてデータコンテンツサービスの実施状況を確認することができる。また、ユーザの意図しないタイミングで、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示が行われることが無くなるため、ユーザはデータコンテンツサービスが行われていない旨の表示を煩わしく感じることがなくなる。
また受信機の設定により、図29A(a)から図29C(c)のような、チャンネル識別情報および番組識別情報をもとにした、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示の通知はいっさい行わずに、受信機の電源投入後にデータコンテンツサービスが行われていないことを初めて認識したときに1回、あるいはそれ以降におけるデータコンテンツサービスが行われていないことを認識することが規定回数回に達するまで、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示の通知をおこなうことができるようにしてもよい。
以上のように、受信機は、例えば受信機の初期設定メニューの中で、エラーメッセージを表示しない、もしくは次回以降は当該エラーメッセージを表示しないように設定を可能とすることができ、例えば選局の度にエラーメッセージが表示画面に表示されユーザの視聴を妨げないようすることが可能となる。
また受信機300は、ネットワークI/F341を介して、ユーザが所有するPC(パーソナルコンピュータ)、スマートフォン等の電子機器と接続することも可能である。この場合、図29A(a)から図29C(c)、図31Aから図31Cの各々の一部あるいは全てにおいて、データコンテンツサービスが行われていない旨の通知を、ユーザが所有する電子機器に通知することも可能である。図29A(a)から図29C(c)、図31Aから図31Cのどのような場合をユーザが所有する電子機器に通知させるかは、例えば受信機の初期設定メニューの中で設定可能である。また、データコンテンツサービスが行われていない旨の通知は、受信機300の表示器328とユーザが所有する電子機器の両方に表示してもよい。
ユーザの電子機器に通知する内容は、受信機300の表示器328に表示する内容と同じでもよいし、より分かりやすいように、チャンネル番号、番組名等を含んだ内容でもよい。またユーザの電子機器に通知する手段は、ユーザの電子機器が特定できるものであればいずれの手段でもよく、例えばメールやインスタントメッセンジャーでもよい。
受信機の初期設定の内容は、制御部309が管理する不揮発領域(図示しない)に保存されている。 図32A、図32B、図32C、図32D、図32Eは、図29A(a)、図29A(b)、図29B(a)、図29B(b)、図29B(c)、図29C(a)、図29C(b)、図29C(c)、図31A、図31B、図31Cに示した時間的な遷移に対する処理フローである。
図32Aおよび図32Bは、放送番組にデータコンテンツサービスが付加されている場合の、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示器に通知する通知処理の処理フローチャートである。
受信機300は、放送波による番組の映像信号や音声信号を受信すると、映像信号や音声信号とともに多重化されている伝送制御信号も受信し、通知処理1(S900W)を開始する。
解析部309は、表示器に表示している番組のservice_idとevent_idを伝送制御信号から抽出し、現在番組情報保存エリア321−2Wに保存する(S901W)。解析部309は、次にMPTの抽出を行う(S901W)。伝送制御信号の中からMPTを抽出出来れば(S903WのYes)、MPTの中からアプリケーションサービス記述子の抽出を行う(S904W)。
伝送制御信号の中からMPTを抽出出来なければ(S903WのNo)、受信機300は次の伝送制御信号の受信を待つために、処理を終了する(S912W)。
解析部309は、MPTの中からアプリケーションサービス記述子が抽出できたら(S905WのYes)、その抽出結果を制御部330に送る。解析部309から送られてきた抽出結果を受信した制御部330は、通信ネットワークに接続しているかの確認を行う(S906W)。この確認は、受信機300がネットワークI/F341を介して、通信ネットワーク351と接続されているかの確認である。受信機300が通信ネットワーク351に接続しているかの確認は、例えば制御部330が、通信制御部340がネットワークI/F341を介して通信ネットワーク351中に存在しているルーター(図示しない)とデータのやり取りができているかを判断することで、確認することができる。
制御部330は、受信機300が通信ネットワークに接続していることを確認すると(S906WのYes)、アプリケーションサービス記述子に含まれるAIT_location_infoフィールド、DT_message_location_infoフィールド、EMT_location_infoフィールドのlocation_infoの情報をもとに関連するテーブル情報の参照(S907W)を行う。制御部330は、location_info情報に書かれた関連するテーブル情報を用いて、通信ネットワーク351を介してアプリケーション機能の提供元にアクセスする(S908W)。
制御部330は、通信ネットワーク351を介してアプリケーション機能の提供元にアクセスした(S907W)ときに、正しく通信ができる状態にあることの確認を行う(S909W)。制御部330は、アプリケーション機能の提供元と正しく通信ができる状態にあることが確認できると(S908WのYes)と、アプリケーション機能の取得を行う(S910W)。制御部330は、アプリケーション機能の取得を行うと、取得したアプリケーション機能の管理・実行を行う。
アプリケーション機能の提供元と正しく通信ができる状態にあることの確認は、例えば制御部330が、通信制御部340がネットワークI/F341を介してアプリケーション機能の提供元にアクセスしてアプリケーション機能提供元との間で特定の信号のやり取りが完結したかを判断することで、確認することができる。
制御部330は、通信ネットワーク351に接続していないことを確認した場合(S906WのNo)、またはアプリケーション機能提供元と正しく通信ができる状態にないことを確認した場合(S909WのNo)は、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を行うかの判断の処理に移る。
制御部330は、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているservice_id、event_idおよび現在番組情報エリア321−2Wに保存されているservice_id、event_idの読み出し(S913W)を行う。
制御部330は、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているservice_id、event_idおよび現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているservice_id、event_idとを用いて、第1の条件判定処理(S914W)を行う。
第1の条件判定処理(S914W)の結果、第1の条件を満たす場合(S916WのYes)、制御部330は、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を表示部328に通知して(S915W)、通知処理1を終了する(S912W)。
第1の条件判定処理(S914W)の結果、第1の条件を満たさない場合(S916WのNo)、制御部330は、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を表示部328に通知しないで処理を終了する(S912W)。
図9Cは、受信機に対する入力切り替えにより、放送番組以外を表示器328に表示している場合の、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する通知処理の処理フローチャートである。
制御部330は、受信機300に対する入力切り替えにより、放送波により受信している番組以外を表示器328に表示を始めると、通知処理2(S920W)を開始する。制御部330は、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wのチャンネル情報保存エリア321−10Wと番組情報保存エリア321−11W、現在番組情報保存エリア321−2Wのチャンネル情報保存エリア321−20Wと番組情報保存エリア321−21WにNULLを設定し(S921W)して、通知処理2を終了する(S922W)。
図32Dは、図32BのS914Wの第1の条件判定処理の処理フローである。
制御部330は、第1の条件判定処理を開始する(S930W)と、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているservice_idと現在番組情報エリア321−2Wに保存されているservice_idとの比較を行う(S931W)。
比較を行った結果、一致していないと判断した場合(S931WのNo)制御部330は、前回番組情報のService_idがNULLかを確認する(S935W)。
確認の結果、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているService_idがNULLの場合(S935WのYes)、制御部330は、判定結果を第1の条件を満たす(S933W)として第1の条件判定処理を終了(S934W)する。
確認の結果、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているService_idがNULLでない場合(S935WのNo)、制御部330は、判定結果を第1の条件を満たさない(S936W)として第1の条件判定処理を終了(S934W)する。
判定結果が第1の条件を満たす(S933W)場合は、図32BのS916Wの第1の条件を満たすかの判定処理においてYesが成立する場合であり、制御部330は、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を表示部328に通知する(S915W)場合である。この場合は、例えば、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているservice_idおよびevent_idと、現在番組情報エリア321−2Wに保存されているservice_idおよびevent_idとにおいて、図29A(a)、図29A(b)に示すようにservice_idは一致していてevent_idが一致していない場合、つまり同じチャンネルで番組が切り換わった場合に相当する。あるいは例えば図29C(a)、図29C(b)、図29C(c)に示す放送番組以外を表示器328に表示することで、図32Bの通知処理2により第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているservice_idがNULLに更新され、さらに放送番組以外の表示から放送番組の表示に切り換わった場合に相当する。
このように本実施形態の受信機300は、表示器328に表示する内容の切り換わりが、同一のチャンネルにおける番組の切り換わりの場合、あるいは入力切り替えにより放送番組以外から放送番組への切り換わりの場合、その切り換わった後の番組において最初のアプリケーションサービス記述子を受信したタイミングで、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することが可能となる。
さらに図32BのS914Wの第1の条件判定処理の処理フローは、図29B(c)に示すように、表示器328に表示する内容が、チャンネル切り替えにより切り換わった場合、その切り替えた後の番組において、アプリケーションサービス記述子を受信した回数に応じて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することもできる。
図32Eは、図32BのS914Wの第1の条件判定処理の他の処理フローチャートである。
図32EのS940WからS946Wまでの処理は、図32DのS930WからS936Wまでの処理と同一である。図32Eの処理は、図32Dの処理に対してS947WからS950Wの処理が加わったものである。表示器328に表示する内容の切り換わりが、チャンネル切り換えによる場合、制御部330は、S941Wの判定処理をNoと判定し、カウンタにNを設定(S950W)する(N>0の整数とする)。以降で制御部330は、切り換え後のチャンネルの番組においてアプリケーションサービス記述子を受信するごとにカウンタをデクリメント(S948W)しながら、デクリメントしたカウンタが0になったかの確認をする(S949W)。
確認の結果、カウンタが0の場合(S949WのYes)、制御部330は、このタイミングでデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することができる。
このように本実施形態の受信機300は、図29B(c)に示すように、アプリケーションサービス記述子を受信した回数に応じて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することもできる。
図33は、図31A、図31B、図31Cに示したリモコン352操作によるデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部に通知する通知処理の処理フローチャートである。
通信制御部340は、リモコンI/F342を介して、リモコン352のdボタンが押下された信号を受け取ると、信号を受信した旨を制御部330に通知する。制御部330は、dボタンが押下された旨を通信制御部340から受信すると、通知処理3(S1000W)を開始する。
制御部330は、第2の条件の判定を行うために、第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wに保存されているservice_id、event_idおよび現在番組情報保存エリア321−2Wに保存されているservice_id、event_idを読み出す(S1001W)。
制御部330は、読み出した第1の指定情報受信時番組情報保存エリア321−1Wと現在番組情報保存エリア321−2Wとに保存されているservice_idおよびevent_idが等しいかの確認(第2の条件の判定)を行う(S1002W)。
確認の結果、等しくない場合(S1002WのNo)、制御部330は、通知処理3を終了する(S1006W)。
確認の結果、等しい場合(S1003WのYes)、制御部330は、受信機300が通信ネットワークに接続しているかの確認(S1003W)および通信ネットワーク351を介してアプリケーション機能の提供元にアクセスしたときに、正しく通信ができる状態にあることの確認(S1004W)を行う。このS1003Wの処理は、図32AのS906Wの処理と同一であり、S1004Wの処理は、図32BのS909Wの処理と同一である。
確認の結果、通信ネットワークに接続されていないと判断した場合(S1003WのNo)、あるいはアプリケーション機能提供元と正しく通信ができる状態にないと判断した場合(S1004WのNo)、制御部330は、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を表示部328に通知して(S1007W)、通知処理3を終了する(S1006W)。
確認の結果、通信ネットワークに接続されている判断した場合(S1003WのYes)、かつアプリケーション機能提供元と正しく通信ができる状態にある判断した場合(S1004WのYes)、制御部330は、データコンテンツサービスの内容を表示機328に表示(S1005W)して、通知処理3を終了する(S1006W)。
データコンテンツサービスが行われていない旨の表示である、エラーメッセージを表示する場所は、ユーザの視聴を妨げることがない位置に表示することが望ましい。例えば表示器328の表示画面に対して、受信した番組を縮小して表示することでできた表示画面内の残余の部分に表示してもよい。
図34は、表示器1100Wの表示画面と表示画面内に表示する番組の表示領域の関係を示した図である。表示器1100Wは、受信機300が受信した番組、あるいは入力切り替えにより受信した番組以外の映像を表示する領域である表示画面1101Wと表示画面1101を固定するために表示画面1101Wの外周を囲むフレーム1102Wを含む。
図34(A)は、受信機300が受信した番組、あるいは入力切り替えにより受信した番組以外の映像を、表示器328の表示画面1101Wの全領域に表示した場合の表示画面の例である。
図34(B)は、受信機300が受信した番組、あるいは入力切り替えにより受信した番組以外の映像を、表示器328の表示画面1101Wの全領域に対して縮小した表示領域1103内に表示した例である。このように受信機300が受信した番組、あるいは入力切り替えにより受信した番組以外の映像を縮小して表示することで生じた表示画面1101内の残余の部分1104Wは、例えば黒表示となる。この黒表示領域に対して、例えば「データの表示に失敗しました」等のエラーメッセージを表示してもよい。
あるいは表示画面1101Wの外に表示してもよい。表示画面1101Wの外に表示する例としては、フレーム1102Wの一部、フレーム1102Wの側部、フレーム1102Wの下部にもうけられるデコレーションの一部、コネクタの一部、あるいはこれらの組み合わせ構成等として、当該一部でLEDを点滅させることで、ユーザに注意を促す手段であってもよい。
さらに本実施形態の受信機300は、データコンテンツサービスを行う際に、アプリケーションを伝送するプロトコル種別に応じて、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する制御を変えることもできる。
上述したようにアプリケーションサービス記述子は、AIT_location_infoフィールドに、参照すべきMH−AIT(MH-Application Information Table)のロケーションを設定した構成になっている。したがって受信機300は、アプリケーションサービス記述子を解析することでMH−AITを参照することができる。MH−AITには、伝送プロトコルの指定と伝送プロトコルに依存したアプリケーションのロケーション情報が記載されたMH―伝送プロトコル記述子が配置されている。
図35Aは、MH−プロトコル記述子の構成を表した図である。MH−プロトコル記述子は、protocol_id(プロトコル識別)フィールド1201Wとselector_byte(セレクタ領域)フィールド1202Wを持つ。protocol_id(プロトコル識別)フィールド1201Wは、データコンテンツサービスにおけるアプリケーションを伝送するプロトコルを示している。selector_byte(セレクタ領域)フィールド1202Wは、プロトコル識別毎に規定される補足情報を格納するフィールドである。
図35Bは、protocol_id(プロトコル識別)フィールド1201Wの一覧を示している。プロトコル識別が0x0003(HTTP/HTTPS伝送)1203Wは、指定されたURLに従い受信機が、通信ネットワーク上のサーバよりアプリケーションを取得し、実行することを意味している。
図35Cは、protocol_id(プロトコル識別)フィールド1201WがHTTP/HTTPS伝送あるいはMMT non−timed伝送の場合の、selector_byte(セレクタ領域)フィールド1202Wの構成を示した図である。
解析部309は、受信したアプリケーションサービス記述子を解析することで、MH−AITを参照することが可能となり、MH−AITに配置されているMH−プロトコル記述子を解析することができる。これにより解析部309は、protocol_id(プロトコル識別)フィールド1201Wおよびselector_byte(セレクタ領域)フィールド1202Wを認識することができる。
MH−プロトコル記述子のprotocol_id(プロトコル識別)が、例えば0x0003(HTTP/HTTPS伝送)の場合、解析部309は、selector_byte(セレクタ領域)フィールド1202WのURL_base_byteフィールド1204を参照することで、アプリケーションを取得するためのURLのベース部の文字列を解析することができる。URL_base_byteフィールド1204Wは、アプリケーションを取得するためのURLのベース部の文字列を格納するエリアである。
解析部309は、さらにURLのベース部の文字列を解析することで、URLのスキームを認識し、その認識結果を制御部330に送付することができる。URLのスキームの認識結果を受信した制御部312は、その内容にもとづいてアプリケーションを取得するためのプロトコルを決定する。例えばURL_base_byteフィールド1204Wに記載されているスキームがhttpsの場合、制御部330は、TLS(Transport Layer Security)を用いたセキュリティ通信によりアプリケーションを取得する。
そこで本実施形態の受信機300はさらに、URLのスキームがhttpsである場合は、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に、例えば常に通知することができる。
図36A、図36Bは、図29A(a)、図29B(a)で示した時間的な遷移において、受信したMPTを解析した結果URLのスキームがhttpsであることを認識した場合の、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミングを示した図である。なお図36A、図36Bの説明では、受信機300が通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを前提に説明する。
図36Aは、図29A(a)同様、受信機300が受信して表示している番組のチャンネルが変わらず番組だけが変わる場合の、表示器328が表示している番組の表示内容、解析部309がMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信して解析するタイミング、および制御部330が、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング、の時間的な遷移の例を示す図である。
図36Aの1301Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。番組A1(チャンネルN1)は、チャンネル番号(service_id)N1の番組(event_id)A1であることを示している。1301Wの例は、チャンネル番号がN1のまま時間の経過とともに番組A1、番組B1、番組C1を順次表示器328に表示する場合である。
1302Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。解析部309は、表示器328に番組A1が表示されている間にMPT13021WとMPT13022Wを、番組B1を表示している間にMPT13023Wを受信して解析している。ここで解析部は、MPT13022Wを解析した結果、URLのスキームがhttpsであることを認識したとする。解析部309は、URLのスキームがhttpsである旨を、制御部330に通知する。
1303Wは、制御部330が、解析部309から解析結果を受信したタイミングにおいて、通信ネットワークに接続していない、あるいはサービス事業者と正しく通信ができる状態にないことを通信制御部341を介して認識した場合に、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を通知するタイミングの時間的な遷移である。
制御部330は、MPT13021Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、図29A(a)で説明したように、データコンテンツサービスが行われていない旨13031Wを表示制御部327に通知する。
また制御部330は、MPT13022Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、前回のMPTの解析結果であるMPT13021Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングから、チャンネル番号(service_id)および番組(event_id)が変わっていないが、URLのスキームがhttpsであることを認識しているため、図29A(a)の場合と異なりデータコンテンツサービスが行われていない旨13091Wを表示制御部327に通知する。
図36Bは、図29B(a)同様、受信機300が受信して表示している番組のチャンネル番号が変わる場合の、表示器328が表示している番組の表示内容、解析部309がMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を受信して解析するタイミング、および制御部330が、データコンテンツのサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知するタイミング、の時間的な遷移の例を示している。
図36Bの1307Wは、表示器328が表示している表示内容の時間的な遷移である。
1308Wは、解析部309が、受信したMPT(アプリケーションサービス記述子が配置されており、プロトコル識別がHTTP/HTTPSとする)を解析するタイミングの時間的な遷移である。解析部309は、表示器328に番組A2が表示されている間にMPT13081Wを、番組B2が表示されている間にMPT013082Wを、番組C2が表示されている間にMPT13083Wを受信して解析している。ここで解析部は、MPT13082Wを解析した結果、URLのスキームがhttpsであることを認識したとする。解析部309は、URLのスキームがhttpsである旨を、制御部330に通知する。
1309Wは、制御部330が、表示制御部327に対して、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を通知するタイミングの時間的な遷移である。
制御部330は、MPT13081Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、データコンテンツサービスが行われていない旨13091Wを表示制御部327に通知する。
また制御部330は、MPT13082Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいて、前回のMPTの解析結果であるMPT6081Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングから、チャンネル番号が変わっているが、URLのスキームがhttpsであることを認識しているため、図29B(a)の場合と異なりデータコンテンツサービスが行われていない旨13091Wを表示制御部327に通知する。
また制御部330は、MPT13083Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングにおいても、前回のMPTの解析結果であるMPT13082Wの解析結果を解析部309から受信したタイミングから、チャンネル番号が変わっていると判断し、図29B(a)の場合と同様にデータコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知しない。
このように受信機300は、アプリケーションを伝送するプロトコル種別に応じて、例えばセキュリティ通信を用いてアプリケーションを伝送する場合、データコンテンツサービスが行われていない旨の表示を行うことも可能である。
図37は、図36Aおよび図36Bに示したURLのスキームも判断して、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知する場合の、第1の条件判定処理の処理フローである。
図37の処理フローのS1400WからS1406Wは、図32Cの処理フローのS930WからS936Wまでと同一である。図37の処理フローの図32Cの処理フローのとの相違点は、S1407Wが加わった点である。このS1407Wの処理を追加することで制御部330は、URLのスキームがhttpsの場合は、URLのスキームにhttpsが設定されているMPTを受信する都度、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することが可能となる。
このように受信機300は、URLのスキームに対応して、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知することができる。これにより受信機300の番組を視聴しているユーザは、セキュリティ通信が行われていることを確実に把握することができる。
URLのスキームがhttpsの場合、MPTを受信する都度、データコンテンツサービスが行われていない旨を表示制御部327に通知すると、その通知をユーザが煩わしく感じる場合もある。そのためデータコンテンツサービスが行われていない旨の表示は、ユーザが視聴している番組の表示とかさらないように、映像およびマルチメディアコンテンツを全画面表示した状態で、映像およびマルチメディアコンテンツにセキュリティ通信が実行中であることの表示が重ならないように画面外に表示することが望ましい。例えば、図34(B)で説明したように、残余の部分に表示してもよい。
実施形態によると、以下の(1W)〜(9W)に記述する要点を含む。
(1W)放送による番組と前記番組に付加された通信サービスとを受けることが可能な受信装置において、前記放送による前記番組を受信する受信部と、前記通信サービスを受けるためにネットワークを介して通信を行う通信制御部と、前記受信部で受信した前記番組を出力する表示制御部と、前記受信部で受信した前記番組の放送信号に配置されている、前記通信サービスが前記番組に付加されていることを示す第1の指定情報と前記番組のチャンネルを識別するチャンネル識別情報を解析する解析部と、前記解析部の解析結果にもとづいて前記通信制御部を介して、前記通信サービスを実行する制御部とを有し、
前記制御部は、前記表示制御部により表示制御されている前記番組の前記第1の指定情報の解析結果を受信したときに、前記ネットワークに接続していない場合、さらに第1のチャンネル識別情報を持つ第1の番組から第2のチャンネル識別情報を持つ第2のチャンネルに切り換わった第2の番組において、予め定めた回数を超えた前記第1の指定情報の解析結果を受信する場合である第1の条件が成立する場合に、
前記表示制御部に、前記ネットワークに接続していないために発生するエラー通知が出力されるよう制御する、受信装置。
(2W)第1の条件は、前記制御部が、前記受信部で受信した前記放送信号に配置されている前記番組を識別する番組識別情報により、第3のチャンネル識別情報と第1の番組識別情報をもつ第3の番組から第3のチャンネル識別情報と第2の番組識別情報をもつ第4の番組に切り換わった前記第4の番組において、初めての前記第1の指定情報の解析結果を受信する場合、をさらに含む、(1W)に記載の受信装置。
(3W)前記第1の条件は、常に成立しないように設定可能な(1W)に記載の受信装置。
(4W)前記制御部は、前記通信制御部により前記ネットワークに接続していないと判断した場合、前記表示制御部により表示制御されている前記番組の前記第1の指定情報の解析結果を取得済みの状態において、前記制御部が、さらに前記受信装置の外部から、前記通信サービスの内容を前記表示制御部に表示を要求するコマンドを受信した場合である第2の条件が成立する場合に、前記表示制御部に、前記ネットワークに接続していないために発生するエラー通知が出力されるよう制御する、(1W)に記載の受信装置。
(5W)前記制御部は、前記通信制御部により前記ネットワークに接続していないと判断した場合、前記第1の指定情報の解析結果を受信した結果、前記通信サービスのスキームがhttpsの場合に、前記表示制御部に、前記ネットワークに接続していないために発生するエラー通知が出力されるよう制御する、(1W)に記載の受信装置。
(6W)前記チャンネル識別情報は、前記番組のチャンネルを示すservice_idである、(1W)の記載の受信装置。
(7W)前記番組識別情報は、前記番組を示すevent_idである、(2W)に記載の受信装置。
(8W)前記第1の指定情報は、アプリケーションサービス記述子、および前記アプリケーションサービス記述子から参照するMH―伝送プロトコル記述子に配置されたプロトコル識別である、(1W)に記載の受信装置。
(9W)放送による番組と、前記番組に付加された通信サービスとを受けることが可能な受信装置であって、前記放送による前記番組を受信する受信部と、前記通信サービスを受けるためにネットワークを介して通信を行う通信制御部と、前記受信部で受信した前記番組の表示を出力する表示制御部と、前記受信部で受信した前記番組の放送信号に配置されている、前記通信サービスが前記番組に付加されていることを示す第1の指定情報と前記番組を個別に特定する番組特定情報を解析する解析部と、前記解析部の解析結果にもとづいて前記通信制御部を介して、前記通信サービスを実行する制御部とを有する受信装置の受信方法において、
表示制御されている前記番組の前記第1の指定情報の解析結果を受信したときに、前記ネットワークに接続していない場合、さらに第1のチャンネル識別情報を持つ第1の番組から第2のチャンネル識別情報を持つ第2のチャンネルに切り換わった第2の番組において、予め定めた回数を超えた前記第1の指定情報の解析結果を受信する場合である第1の条件が成立する場合に、前記ネットワークに接続していないために発生するエラー通知が出力されるよう制御する、受信方法。
上記したように、本実施形態で説明したシステムは、複数チャンネルを受信できるシステムであり、CASモジュールにより有料放送番組、無料放送番組のいずれでも確実にデスクランブルを可能とできるようになっている。これにより受信機の信頼性が高くなっている。この前段部の処理の信頼性が高いにもかかわらず、後段部で機能する通信サービスを受ける機能に不備があると、全体としては、信頼性向上を損なってしまう。
そこで、上記したシステムによると例えば、マルチ画面を視聴している場合や、PIP(ピクチャインピクチャ)画面を視聴しているとき、一方の画面の番組を次々とリモコンで切り替えた場合、通信データを取得できない場合、頻繁に警告がでることが防止され、他の画面の邪魔をすることがない。また、上記した受信機によると、1つのチャンネルの番組を視聴しながら、他の複数のチャンネルの番組が録画されることがある。このような状況で、ある番組において通信サービスが提供されたとき且つ受信機のネットワーク接続に不具合があると、警告通知がなされるが、本実施形態では、頻繁に警告表示がなされることはない。
このように通信サービスデータを取得できない場合、警告出力としては、例えばdボタンを押したときのみ、異常を通知し、ユーザの疑念を払拭することができる。
特に視聴しているチャンネルの番組が有料放送の場合は、視聴者及びサービス業者の双方にとって損失である。つまり、視聴者は有料であるにもかかわらずサービスを受けることができず、サービス業者は、視聴者から疑いをもたれる可能性がある。しかし、本実施形態のシステムによると、図30〜図33で説明したように、設定した条件に応じて、視聴者は、サービスを受けられない理由を認識することができる。これにより、視聴者とサービス業者(事業体)との疑念を払拭することができる。さらにまたユーザ(視聴者)は、警告表示を行う各種の条件のうち、任意のものを初期設定或いは途中から切換えや設定が可能であり、装置の使い勝手を向上している。
実施形態によると、複数のチューナと、前記複数のチューナに対するスクランブル鍵を生成するCASモジュールと、ネットワークを介して通信サービスを受けるための通信制御部と、制御部と、を有し、前記制御部は、前記複数のチューナが番組選択を行うための制御、前記CASモジュールが前記スクランブル鍵を生成するタイミングの制御、及び前記通信制御部が前記通信サービスを取得するための制御を実行する、受信装置を提供できる。
以下、上記の実施形態に対応する技術について以下の付記を行う、
付記
(1)少なくとも暗号化された第1キー(Kw)を含む第1制御情報(EMM)、暗号化された第2キー(Ks)を含む第2制御情報(ECM)及び、スクランブルコンテンツを含むサービス信号を受信するチューナ部と、
前記チューナ部から出力された前記スクランブルコンテンツを受け取るデスクランブラと、
少なくとも前記チューナ部、前記デスクランブラを制御する制御部と、
前記制御部により制御され、
前記第1制御情報(EMM)から、固有の第3キー(Km)を用いて前記第1キー(Kw)を取得し、前記第2制御情報(ECM)から、取得された前記第1キー(Kw)を用いて、前記デスクランブラに与えるための前記第2キー(Ks)を取得する、CASモジュールと、を備え、
前記制御部は、
受信機が自受信機宛ての1事業体あたりのEMMを受信してからCASモジュールに対して処理するまでの猶予期間(以下、EMM処理猶予期間)以内で最少R(1以上の整数)個であることを設定しており、前記1事業体の前記第1制御情報(EMM)を検出してから、EMM処理猶予期間内にR個を超える前記1事業体の次の前記第1制御情報(EMM)を検出した場合、少なくとも前記第1制御情報(EMM)について前記CASモジュールに対するコマンド送出は抑制する、受信装置を提供している。
(2)放送による番組と前記番組に付加された通信サービスとを受けることが可能な受信装置において、
前記放送による前記番組を受信する受信部と、
前記通信サービスを受けるためにネットワークを介して通信を行う通信制御部と、
前記受信部で受信した前記番組を出力する表示制御部と、
前記受信部で受信した前記番組の放送信号に配置されている、前記通信サービスが前記番組に付加されていることを示す第1の指定情報と前記番組のチャンネルを識別するチャンネル識別情報を解析する解析部と、
前記解析部の解析結果にもとづいて前記通信制御部を介して、前記通信サービスを実行する制御部とを有し、
前記制御部は、
前記表示部制御部により表示制御されている前記番組の前記第1の指定情報の解析結果を受信したときに、前記ネットワークに接続していない場合、さらに第1のチャンネル識別情報を持つ第1の番組から第2のチャンネル識別情報を持つ第2のチャンネルに切り換わった前記第2の番組において、予め定めた回数を超えた前記第1の指定情報の解析結果を受信する場合が成立する場合に、前記表示制御部に、前記前記ネットワークに接続していないために発生するエラーを示す通知についても出力させる受信装置を提供している。
(3)さらに上記の(1)及び(2)を含む受信装置であり、 前記制御部は、
受信機が自受信機宛ての1事業体あたりのEMMを受信してからCASモジュールに対して処理するまでの猶予期間(以下、EMM処理猶予期間)以内で最少R(1以上の整数)個であることを設定しており、前記1事業体の前記第1制御情報(EMM)を検出してから、EMM処理猶予期間内にR個を超える前記1事業体の次の前記第1制御情報(EMM)を検出した場合、少なくとも前記第1制御情報(EMM)について前記CASモジュールに対するコマンド送出は抑制し、
前記表示部制御部により表示制御されている前記番組の前記第1の指定情報の解析結果を受信したときに、前記ネットワークに接続していない場合、さらに第1のチャンネル識別情報を持つ第1の番組から第2のチャンネル識別情報を持つ第2のチャンネルに切り換わった前記第2の番組において、予め定めた回数を超えた前記第1の指定情報の解析結果を受信する場合が成立する場合に、前記表示制御部に、前記前記ネットワークに接続していないために発生するエラーを示す通知についても出力させる受信装置を提供している。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。さらにまた、請求項の各構成要素において、構成要素を分割して表現した場合、或いは複数を合わせて表現した場合、或いはこれらを組み合わせて表現した場合であっても本発明の範疇である。また、複数の実施形態を組み合わせてもよく、この組み合わせで構成される実施例も発明の範疇である。
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。また請求項を制御ロジックとして表現した場合、コンピュータを実行させるインストラクションを含むプログラムとして表現した場合、及び前記インストラクションを記載したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として表現した場合でも本発明の装置を適用したものである。また、使用している名称や用語についても限定されるものではなく、他の表現であっても実質的に同一内容、同趣旨であれば、本発明に含まれるものである。