JP2019016250A - 光輝性媒体の検査装置及びその検査方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の基準画像と、撮像して得られた複数のフレーム画像との間の相関関係に基づき、光輝性媒体の動画的視覚効果の良否を判定する光輝性媒体の検査方法及び検査装置を提供する。【解決手段】撮像して得られたフレーム画像とあらかじめ記録した基準画像との間の相関関係を示す相関グラフを作成し、この相関グラフから近似曲線又は近似直線を算出し、近似曲線又は近似直線から傾き等の特徴量を求め、それぞれの特徴量に対応する判定項目ごとに閾値を設け、特徴量と閾値とを比較して動画的視覚効果の良否を判定する。【選択図】図2
Description
本発明は、光輝性媒体に形成された画像の検査であって、特に動画的視覚効果を有する画像の良否を判定するための光輝性媒体の検査方法及びその検査装置に関する。
銀行券、パスポート、有価証券、身分証明書等に代表されるセキュリティ印刷物には、複製や偽造を防止するために偽造防止技術が必要である。特に、偽造防止技術の中でも、すかしやホログラム等に代表される、真偽判別用の道具を必要とせず、印刷物を手にした全ての人に、真偽判別可能な偽造防止技術が施されていることが必要とされている。
この中でも、観察角度を変えると画像が動いて見える、いわゆる動画的な視覚効果を有する偽造防止技術が特に注目されている。このような動画的視覚効果は、人目をひきやすく、また、偽造することが困難であることから、近年、セキュリティ印刷物の真偽判別要素として多く用いられる傾向にある。
動画的視覚効果を実現することが可能な公知技術として、ホログラム、パララックスバリアあるいはレンチキュラーレンズ、マイクロレンズ等(以下「マイクロレンズ等」という。)を用いた技術の光輝性媒体が存在する。これらの技術が有する、観察角度の僅かな変化で画像を変化させることができるという特徴をいかして、画像を立体的に視認することができる効果や動画的視覚効果を有するセキュリティ印刷物は、既に広く存在している。
前述の光輝性媒体の一例として、本出願人は、一般に流通する印刷物として厚さの制限を受け難く、ホログラムよりも製造が容易であって製造コスト面においても優れた動画的視覚効果を有する画像が形成された光輝性媒体の一例である潜像印刷物を出願している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された潜像印刷物(2)は、図22に示されたように、基材(2a)の表面上に、光沢及び盛り上がりを有する凸状の画線であるスクリーン印刷要素(2b)を一方向に直線状に並列するように形成し、このスクリーン印刷要素(2b)上に、基画像を分割、圧縮して形成した潜像要素群(2c)を重ね合わせて形成する。これにより、スクリーン印刷要素(2b)の表面からの光と潜像要素群(2c)からの光との反射光量の差によって潜像画像を顕在化させ、更には観察角度が変化すると潜像画像が動いて視認される動画的視覚効果を有する潜像画像が視認される。
特許文献1に開示された潜像印刷物(2)の動画的視覚効果について、図23を用いて説明する。図23(a)に示されたL1の観察角度から観察した場合には、凸状のスクリーン印刷要素(2b)上に形成された一部分の潜像要素群(2c)が視認され、これにより図中の左方向に潜像画像が視認される。図23(b)に示されたL2の観察角度から観察した場合には、図中の中央方向に潜像画像が視認され、図23(c)に示されたL3の観察角度から観察した場合には、図中の右方向に潜像画像が視認される。図23(a)に示されたL1方向、図23(b)に示されたL2方向、図23(c)に示されたL3方向へと潜像印刷物(2)の観察方向を移動させて視認すると、潜像画像が図中の左から右方向へ移動して視認される。
また、他の構成を有する潜像画像を形成した潜像印刷物(2´)について、図24を用いて説明する。基材(2a´)の表面上に光沢を有する凸状の画素から成るスクリーン印刷要素(2b´)を、マトリクス状に複数形成する。このスクリーン印刷要素(2b´)上に、基画像を分割し圧縮して形成した画素形状の潜像要素群(2c´)を重ね合わせて形成することで、スクリーン印刷要素(2b´)の表面が露出して光が強く反射する領域と、潜像要素群(2c´)が存在しその表面から光が弱く反射する領域との間における反射光量の差によって潜像画像を顕在化させる。さらに、この潜像画像は、動画的視覚効果を有する。
図25に、潜像印刷物(2´)の動画的視覚効果を示す。図25(a)に示されたL1の方向から観察した場合には、図中左方向に、スクリーン印刷要素(2b´)上に形成された潜像画像が視認される。
そして、図25(b)に示されたL2方向、図25(c)に示されたL3方向へと潜像印刷物(2´)を観察する方向を移動させていくと、潜像画像が図中右方向に移動して視認される。さらに、図25(d)に示されたL4方向へと潜像印刷物(2´)の観察方向を移動させていくと、潜像画像が図中下方向に移動して視認される。図25(e)に示されたL5方向へ潜像印刷物(2´)の観察方向を移動させていくと、潜像画像が図中上方向に移動して視認される。
特許文献1に示す潜像印刷物(2、2´)のように、動画的視覚効果を有する潜像画像が形成された印刷物に対して、その検証方法や検証装置についても様々な技術が開示されている。例えば、各種セキュリティ印刷物に用いられるホログラムは、見る方向によって複数の画像が浮かび上がるように設計されることが多い。このようなホログラムの検証には、ホログラムに特定の角度から光を当てて、画像が観察される観察方向とホログラムに対する照明(光源の照射)方向との少なくともいずれか一つを異ならせることによって得た撮像画像を検査対象の画像として、対応する基準画像(6)と比較・検証する方法が従来から多く知られている。
このような比較・検証方法として、本出願人は、ホログラムや回折格子等光輝性媒体の観察方向及び/又は照明方向により、図柄及び/又は色彩が変化する特性を有する光学部材で構成された画像を有するセキュリティ印刷物の媒体検査装置として、照明方向、画像取得方向を任意に設定することができる観察系を備え、取得した画像と同様の観察条件下で検査媒体の情報を取得し、比較表示することで、検査精度を向上させた比較検査装置及び比較検査方法を出願している(例えば、特許文献2参照)。
また、本出願人は、特許文献1に開示された潜像印刷物(2、2´)を検証する装置及び方法として、潜像印刷物(2、2´)に対する光源の照射方向が所定の仰角となるように潜像印刷物(2、2´)に光を照射し、潜像印刷物(2、2´)上の照射位置を、所定の方向かつ所定の照射ピッチで仰角を保持したまま移動する照射工程と、照射工程で光を照射することで出現する潜像印刷物(2、2´)の動画的視覚効果を取得し、あらかじめ設計した動画的視覚効果であるか否かを目視で検証する検証装置及び検証方法を出願している(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献2に開示された検証技術は、動画的視覚効果の検証はできるものの、あくまでも視認される画像が変化するものを対象とした検証であって、観察角度を変化させることで画像が連続的に動いて見える動画的視覚効果を有するような技術を検査することができるものではなかった。
また、特許文献3に開示された検証技術は、動画的視覚効果を目視により良否判定するものであり、動画的視覚効果の品質に対する判断を均一かつ高い精度で簡易に行うことができるものではなかった。
本発明は、上述の事情に鑑み、観察角度を変化させると画像が連続的に動いて視認される動画的視覚効果を有する画像の品質を、目視に頼ることなく均一かつ高い精度で簡易に良否判定することが可能な光輝性媒体の検査方法及びその検査装置を提供することを目的とする。
本発明は、観察角度を変化させると動画的視覚効果が視認される光輝性媒体の検査装置であって、光輝性媒体に光を照射する光照射部と、光を照射された光輝性媒体を撮像して複数のフレーム画像を入力する画像入力部と、入力された複数のフレーム画像と、あらかじめ作成した複数の基準画像との間でパターンマッチングを行って類似度を算出し、各々のフレーム画像に対して最大類似度が得られた基準画像を特定する画像処理部と、各々のフレーム画像と、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の相関関係に基づいて少なくとも一つの特徴量を算出し、特徴量とあらかじめ設定した閾値とを比較して光輝性媒体の良否を判定する判定部と、光照射部、画像入力部、画像処理部及び判定部のそれぞれの動作を制御する制御部と、を備えることを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動範囲、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動量、相関関係を示す近似曲線又は近似直線の係数、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の最大類似度の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動範囲を含む場合、判定部は、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量が、画像のジャンプする所定の範囲に含まれるか否かに基づいて、画像のジャンプの有無に関する判定を行うことを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、判定部が、複数の前記フレーム画像のうち、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量が画像のジャンプする所定の範囲に含まれる割合が、所定の閾値以下の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、判定部が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量の平均値と、画像のジャンプする所定の範囲の平均値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動量を含む場合、判定部は、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量に基づいて、画像の移動量不足の有無に関する判定を行うことを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、判定部が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量の最大値と最小値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、判定部が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量に基づいて、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との相関関係を示す近似曲線又は近似直線を作成し、この近似曲線又は近似直線のグラフにおける係数が所定の閾値以上の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の最大類似度を含む場合、判定部は、あらかじめ良品の光輝性媒体を撮像して得られた良品のフレーム画像と基準画像との間の最大類似度を求めて良品のフレーム画像の移動量に対する最大類似度との関係を示す基準波形を作成し、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の最大類似度を求めてフレーム画像の移動量に対する最大類似度との関係を示す測定波形を作成し、基準波形と測定波形との差の絶対値又は二乗和の総和を算出し、この総和が所定の閾値以下の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査装置である。
本発明は、光輝性媒体に光を照射する光照射部と、光輝性媒体を撮像してフレーム画像を入力する画像入力部と、入力されたフレーム画像に処理を行う画像処理部と、処理されたフレーム画像を用いて判定を行う判定部と、光照射部、画像入力部、画像処理部及び判定部のそれぞれの動作を制御する制御部とを有する検査装置を用いて、観察角度を変化させると動画的視覚効果が視認される光輝性媒体の検査方法であって、光照射部によって、光輝性媒体に光を照射する照射工程と、画像入力部によって、光を照射された光輝性媒体を撮像して複数のフレーム画像を入力する画像入力工程と、画像処理部によって、あらかじめ撮像又はシミュレーションにより複数の基準画像を作成し記憶する基準画像作成工程と、画像処理部によって、入力された複数のフレーム画像と、複数の基準画像との間でパターンマッチングを行って類似度を算出し、各々1枚ずつのフレーム画像に対して最大類似度が得られた基準画像を特定する算出工程と、判定部によって、各々のフレーム画像と、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の相関関係に基づいて少なくとも一つの特徴量を算出し、特徴量とあらかじめ設定した閾値とを比較して光輝性媒体の良否を判定する判定工程と、を備えることを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動範囲、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動量、相関関係を示す近似曲線又は近似直線の係数、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の最大類似度の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動範囲を含む場合、判定工程において、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量が、画像のジャンプする所定の範囲に含まれるか否かに基づいて、画像のジャンプの有無に関する判定を行うことを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、判定工程において、複数のフレーム画像のうち、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量が画像のジャンプする所定の範囲に含まれる割合が、所定の閾値以下の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、判定工程において、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量の平均値と、画像のジャンプする所定の範囲の平均値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像における画像の移動量を含む場合、判定工程において、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量に基づいて、画像の移動量不足の有無に関する判定を行うことを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、判定工程において、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量の最大値と最小値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、判定工程において、各々のフレーム画像に対して特定した基準画像の移動量に基づいて、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との相関関係を示す近似曲線又は近似直線を作成し、この近似曲線又は近似直線のグラフにおける係数が所定の閾値以上の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明は、特徴量が、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の最大類似度を含む場合、判定工程において、あらかじめ良品の光輝性媒体を撮像して得られた良品のフレーム画像と基準画像との間の最大類似度を求めて良品のフレーム画像の移動量に対する最大類似度との関係を示す基準波形を作成し、各々のフレーム画像と各々のフレーム画像に対して特定した基準画像との間の最大類似度を求めてフレーム画像の移動量に対する最大類似度との関係を示す測定波形を作成し、基準波形と測定波形との差の絶対値又は二乗和の総和を算出し、この総和が所定の閾値以下の場合に、光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする光輝性媒体の検査方法である。
本発明の光輝性媒体の検査方法及び検査装置によれば、基準画像と、光輝性媒体を撮像して得られたフレーム画像との相関に基づいて特徴量を算出し、あらかじめ設定された閾値と比較して動画的視覚効果の良否を判定することにより、動画的視覚効果を有する画像の品質を目視に頼ることなく簡易に均一かつ高い精度で検査することが可能である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1に示されたように、本発明の動画的視覚効果を有する光輝性媒体の検査方法に用いる検査装置(M)は、光照射部(T1)、画像入力部(T2)、画像処理部(T3)、判定部(T4)、制御部(T5)、出力部(T6)を備えている。
光照射部(T1)は、後述するように光源(3)を有し、光源(3)を一定の仰角で保持した状態で、被検査対象物の光輝性媒体(7)に光を照射する。光源(3)は、1台の光源に限らず、複数の光源を含む光源群であってもよい。例えば、後述するように複数のLEDが直線状に配置されたバー型照明手段等であってもよい。
画像入力部(T2)は、被検査対象物の光輝性媒体(7)に形成された動画的視覚効果を有する画像を撮像してフレーム画像を入力する手段であり、例えば、エリアカメラ又はラインカメラ、レンズ、撮影した動画を保存する記憶媒体等を備えるものであってもよい。
また、カメラの台数は、1台に限らず、光輝性媒体(7)の大きさや、カメラの解像度等を考慮して複数台であってもよい。光輝性媒体(7)を安定させて撮像できるように、光輝性媒体(7)をステージ上に載置した際に、光輝性媒体(7)の浮きの影響を除去するため、光輝性媒体(7)を空気で吸引する吸着機能をステージに付与してもよい。
画像処理部(T3)は、後述する基準画像(6)作成工程においてあらかじめ作成し、画像処理部(T3)内に設けられた記録手段(T3a)に記録した複数の基準画像(6)と、撮像して得られた各々1枚ずつのフレーム画像との間でパターンマッチングを行う。
そして、複数の基準画像(6)の中で最大類似度が得られた基準画像(6)を、撮像して得られた1枚ずつのフレーム画像にそれぞれ対応付けてその動きの中の1フレームに相当する静止画像として選択する。
ここで基準画像(6)は、被検査対象物の光輝性媒体(7)の正規の画像に相当するものであればよく、例えば後述するラインカメラ等を有する画像入力部(T2)によって、あらかじめ正規の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影して得られたフレーム画像を用いるか、あるいは後述するシミュレーションにより作成した画像を用いてもよい。
判定部(T4)は、画像処理部(T3)から出力されたデータに基づき、撮像して得られた複数のフレーム画像と、それぞれのフレーム画像ごとに最大類似度が得られた基準画像(6)との間の相関関係を示す相関グラフを作成し、近似曲線又は近似直線を算出する。近似曲線又は近似直線は、線形、対数、多項式、指数等を用いて算出する。得られた近似曲線又は近似直線から、画像の移動範囲、移動量、傾き、類似度等の値を特徴量として算出する。
算出した特徴量を用いて、判定すべき項目ごとに閾値を設けて比較し、特徴量が閾値以上あるいは閾値以下であるか否かを判断し、動画的視覚効果の良否を判断することで光輝性媒体の製品としての良否を判定する。
出力部(T6)は、判定部(T4)から与えられた結果を、例えば外部の図示しない印刷機、モニタ等に出力する。
制御部(T5)は、光照射部(T1)、画像入力部(T2)、画像処理部(T3)、判定部(T4)及び出力部(T6)の各動作を制御する。
上述した検査装置(M)を用いて、本実施の形態による光輝性媒体を検査する方法について説明する。この検査方法は、図2に示されたように、照射工程(S1)、画像入力工程(S2)、基準画像(6)作成工程(S3−1)を含む算出工程(S3)及び判定工程(S4)を備える。
(照射工程(S1))
照射工程(S1)において、被検査対象物としての光輝性媒体(7)へ光を照射する。照射光の波長、照射方式及び光源(3)の数は、特に限定されず、後述する画像入力部(T2)のカメラ(1)の感度等に応じて適宜選択される。照射光としては、所望の波長に応じて可視光、赤外光又は紫外光等を用いることができる。照射光は、偏光方向を変えて照射してもよい。
照射工程(S1)において、被検査対象物としての光輝性媒体(7)へ光を照射する。照射光の波長、照射方式及び光源(3)の数は、特に限定されず、後述する画像入力部(T2)のカメラ(1)の感度等に応じて適宜選択される。照射光としては、所望の波長に応じて可視光、赤外光又は紫外光等を用いることができる。照射光は、偏光方向を変えて照射してもよい。
光源(3)の照射方式は、連続照射、断続照射等、いずれであってもよい。例えば、図16を用いて後述するように、1台の光源(3)を用いて撮像する場合には、光輝性媒体(7)を移動しながら光源(3)から光を照射し、反射画像に対して複数回撮像を行う。図17、図19〜図21に示されたように複数の光源(3)を用いて撮像する場合には、それぞれの光源(3)から異なる光を照射して撮像を行う。
複数の光源(3)から異なる光を照射する方法としては、それぞれの波長を変える(例えば、赤、緑、青等)方法、偏光方向を変える方法、あるいは光源(3)から光を照射する時間を相互にずらす方法等がある。波長を変える方法では、カラーカメラを使用することで一度に撮像することが可能である。そして、撮像して得られたカラー画像を各波長成分(例えば、赤、緑、青等)に分離して処理する。
偏光方向を変える場合には、例えば、RGBフィルタの代わりに偏光フィルタを撮像素子の前に具備したカメラを用いてもよい。このような方法を用いることで、波長を変える場合と同様に、1回の撮影で複数の各偏光方向に対応した画像を取得することができる。
(画像入力工程(S2))
画像入力工程(S2)において、光輝性媒体(7)に対し、画像が有する動画的視覚効果を撮像することが可能な相対的位置にカメラ(1)を配置する。そして、動画的視覚効果を確認することができるように、光輝性媒体(7)の2枚以上のフレーム画像を取得する。
画像入力工程(S2)において、光輝性媒体(7)に対し、画像が有する動画的視覚効果を撮像することが可能な相対的位置にカメラ(1)を配置する。そして、動画的視覚効果を確認することができるように、光輝性媒体(7)の2枚以上のフレーム画像を取得する。
光源(3)が1台の場合は、エリアカメラを使用し、画像の動画的視覚効果を撮影できるように光輝性媒体(7)を移動させて複数回撮影を行う。そして、異なる複数のフレーム画像間において、画像内における動画的視覚効果が生じる部分の位置がほぼ同一となるように、それぞれのフレーム画像に対してトリミング処理を行う。なお、2台以上の光源(3)でエリアカメラを使用する場合には、光輝性媒体(7)を移動させることなく画像の動画的視覚効果を撮影することができる。
光を照射させる際に波長を変える場合や偏光方向を変える場合には、1回の撮影により複数のフレーム画像の取得が可能となる。光源(3)の照射時間帯を変えて撮影する場合は、2回以上撮影を行う必要がある。2台以上の光源(3)を用いて撮像する際にラインカメラを使用する場合は、光の波長を変える方法を使用する。そして、各光源(3)から相互に異なる波長の光を照射し、スキャン方向と直交する方向に光輝性媒体(7)を移動させて撮影することにより、エリアカメラを用いた場合と同様に複数のフレーム画像を得ることが可能となる。
(算出工程(S3))
算出工程(S3)は、撮像して得られたフレーム画像と、算出工程(S3)に含まれ後述する基準画像(6)作成工程(S3−1)で作成した基準画像(6)との間で、テンプレートマッチングを行う。それぞれのフレーム画像に対して全ての基準画像(6)との間でテンプレートマッチングを行い、最大類似度を有する基準画像(6)をそれぞれのフレーム画像に対応する動きの1フレームとして選択する。この処理を、フレーム画像の枚数分、繰り返して行う。これにより、それぞれのフレーム画像ごとに1枚の基準画像(6)が選択されることになる。
算出工程(S3)は、撮像して得られたフレーム画像と、算出工程(S3)に含まれ後述する基準画像(6)作成工程(S3−1)で作成した基準画像(6)との間で、テンプレートマッチングを行う。それぞれのフレーム画像に対して全ての基準画像(6)との間でテンプレートマッチングを行い、最大類似度を有する基準画像(6)をそれぞれのフレーム画像に対応する動きの1フレームとして選択する。この処理を、フレーム画像の枚数分、繰り返して行う。これにより、それぞれのフレーム画像ごとに1枚の基準画像(6)が選択されることになる。
なお、光源(3)の照射状態等、撮像条件が悪く動画的視覚効果の確認には不適当なフレーム画像が含まれる場合は、類似度に一定の閾値を設け、撮像条件のよいフレーム画像を選択してもよい。
(基準画像(6)作成工程(S3−1))
ここで、上述した基準画像(6)作成工程(S3−1)について、その手順を示した図3(a)又は(b)を用いて詳述する。図3(a)に示された工程では、あらかじめ正規の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影して得られたフレーム画像を使用して基準画像(6)の作成を行い、図3(b)に示された工程では、画像の撮影を行わず、シミュレーションにより基準画像(6)の作成を行う。
ここで、上述した基準画像(6)作成工程(S3−1)について、その手順を示した図3(a)又は(b)を用いて詳述する。図3(a)に示された工程では、あらかじめ正規の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影して得られたフレーム画像を使用して基準画像(6)の作成を行い、図3(b)に示された工程では、画像の撮影を行わず、シミュレーションにより基準画像(6)の作成を行う。
図3(a)に示された基準画像(6)作成工程(S3−1)は、カメラ(1)を用いて光輝性媒体(7)の反射画像を撮像してフレーム画像を入力する画像入力工程(S3−1a)と、入力したフレーム画像に対し、1フレームごとに画像サイズを所望のサイズに変更しながら静止画像として切り出す画像サイズ変更・切り出し工程(S3−1b)と、切り出した複数の静止画像を基準画像(6)として登録する工程(S3−1c)とを備えている。
図3(b)に示された基準画像(6)作成工程(S3−1)は、光輝性媒体(7)において一方向に直線状に並列して配置され蒲鉾形状の盛り上がりを有する凸状のスクリーン印刷要素の画線幅、ピッチ、あるいはマトリクス状に配置されたスクリーン印刷要素の径等の条件に基づいて、光源(3)からの光が正反射する反射画像におけるそれぞれの位置を、光沢があり反射のある位置は白、反射のない位置は黒で正規分布により表現した反射光の応答分布画像を作成する工程(S3−2a)と、凸状のスクリーン印刷要素又はスクリーン印刷要素と、動画的視覚効果を有する画像の基となる潜像画像要素群から成るオフセット印刷原画像との合成を行う工程(S3−2b)と、必要に応じて画像サイズの変更を行う工程(S3−2c)と、このようなシミュレーションにより作成した基準画像(6)を登録する工程(S3−2d)とを備えている。
得られた基準画像(6)の一例を図4(a)に示し、この基準画像(6)を0μmの位置から一方向に390μmの位置まで10μm単位で移動させたときに動画的視覚効果が視認される画像を配列した一例を図4(b)に示す。
(判定工程(S4))
判定工程(S4)では、2枚以上撮像して得られたフレーム画像と、それぞれのフレーム画像ごとに最大類似度が得られた基準画像(6)との間の相関関係を示す相関グラフを作成し、近似曲線又は近似直線を算出する。近似曲線又は近似直線の種類としては、線形、対数、多項式、指数等どのような近似を用いたものであってもよい。近似曲線又は近似直線から、画線の移動範囲、移動量、傾き、類似度等の値を取得し、得られた値を、動画的視覚効果をもたらす特徴量とする。
判定工程(S4)では、2枚以上撮像して得られたフレーム画像と、それぞれのフレーム画像ごとに最大類似度が得られた基準画像(6)との間の相関関係を示す相関グラフを作成し、近似曲線又は近似直線を算出する。近似曲線又は近似直線の種類としては、線形、対数、多項式、指数等どのような近似を用いたものであってもよい。近似曲線又は近似直線から、画線の移動範囲、移動量、傾き、類似度等の値を取得し、得られた値を、動画的視覚効果をもたらす特徴量とする。
図5に、3種類の被検査対象物の光輝性媒体(7)のサンプル(SS1、SS2、SS3)のそれぞれの反射画像を撮影したときのXステージの移動量と、シミュレーションにより得られた基準画像(6)のうち、撮影して得られた各フレーム画像に対して最大類似度が得られた相関度の最も高い基準画像(6)の移動量との相関関係を示す。
Xステージの移動を開始した時点における基準画像(6)の位置は、サンプル(SS1)が320μm、サンプル(SS2)が110μm、サンプル(SS3)が225μmである。
この位置から、Xステージを60mm移動すると、その間に基準画像(6)の位置は一旦最大の位置に到達した後、後退する。例えば、サンプル(SS1)は320μmから一旦400μmに到達して0μmとなり、60μmまで移動した後、最終的に0μmとなった。サンプル(SS2)は、110μmから260μmに到達した後、最終的に190μmとなった。サンプル(SS3)は、225μmから370μmに到達した後、最終的に320μmとなった。
このような基準画像(6)の移動において、移動開始時点、すなわち、Xステージが0mmの位置にある時から、最大の位置に到達した時点、すなわち、Xステージが30mmの位置にある時までの間は、画像が移動する。しかし、基準画像(6)が最大の位置に到達した時点、すなわち、Xステージが30mmの位置以降は、画像がほとんど移動しないと考えられる。そこで、検査範囲は、Xステージが0mmの位置から30mmまでの位置にある範囲に設定する。
図5のグラフにおいて、それぞれのサンプル(SS1、SS2、SS3)におけるXステージが0mmの位置から30mmまでの位置にある範囲を抽出し、更にサンプルSS1の基準画像(6)の開始位置を320μmから−75μmへシフトさせたものを図6に示す。
ここで、各々のサンプルにおいて直線近似を行って得られた直線近似式と、相関係数R2を以下に示す。
サンプル(SS1)の直線近似式:y=4.7575x−80.575(R2=0.9931)、サンプル(SS2)の直線近似式:y=5.2414x+102.43(R2=0.9943)、サンプル(SS3)の直線近似式:y=4.861x+228.32(R2=0.9853)である。
例えば、サンプル(SS1)では、傾きが4.7575であり、これは画像の移動範囲の大きさに対応する。また、Y軸との交点である切片が、−80.575であり、これは画像の移動の開始位置を示す。相関係数R2が0.9931であり、これは画像が移動する際の滑らかさを示す。
次に、判定項目ごとに閾値を設け、測定して得られた特徴量と閾値とを比較し、動画的視覚効果の良否を判断して最終的な製品としての光輝性媒体の良否を判定する。
例えば、図7に示されたように、光輝性媒体(7)の良否判定として、画像のジャンプの有無、移動量不足の有無、欠けの有無の三種類の判定項目を設ける。画像のジャンプは、凸状のスクリーン印刷要素と、スクリーン印刷要素上に印刷される潜像要素群との間で位相のずれが存在する場合に発生する現象である。画像の移動量不足は、多くの場合、スクリーン印刷要素の凸形状の不良が原因で発生する。なお、画像の欠けは、凸状のスクリーン印刷要素上に画像を印刷する際のインキ不足、版面のつまり、ゴミの付着等の印刷不良により画線が形成されないことが原因で発生する場合が多い。
工程(S4−1a)において、画像のジャンプがあるか否かを判断し、ジャンプがあると判断されると工程(S4−1b)において不良品と判定される。画像のジャンプがないと判断されると工程(S4−1c)へ移行し、画像の移動量が少ないか否かを判断し、画像の移動量が少ないと判断されると工程(S4−1d)において不良品と判定される。画像の移動量不足がないと判断されると工程(S4−1e)へ移行し、画像の欠けがあるか否かを判断し、画像の欠けがあると判断されると工程(S4−1f)において不良品と判定される。
上述の三種類の判定工程(S4−1a)及び(S4−1b)、(S4−1c)及び(S4−1d)並びに(S4−1e)及び(S4−1f)において、いずれも「不良品」と判定されなかった場合のみ、工程(S4−1g)において「良品」として判定される。
図7における工程(S4−1a)及び工程(S4−1b)における画像のジャンプの有無の判定工程について、図8を用いて詳述する。
図8の工程(S4−2)において、画像のジャンプの有無の判定に用いる閾値を設定する。工程(S4−3)において、被検査対象物の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影し、フレーム画像の取得を行う。
画像のジャンプがあるか否かを判断する工程(S4−1a)は、工程(S4−1a1)から工程(S4−1a6)までを有する。工程(S4−1a1)において、基準画像(6)と、取得した複数のフレーム画像との間でパターンマッチングを行う。そして、各々のフレーム画像ごとに、最大類似度が得られた基準画像(6)の位置を、フレーム画像の移動量として特定する。
工程(S4−1a2)において、フレーム画像の処理枚数をカウントする。工程(S4−1a3)において、特定された移動量が所定の範囲内、例えば、図9に示されたように、基準画像(6)の移動量が100μmから260μmまでの範囲内であるか否かを判断し、この範囲内にあるときはジャンプしていると判断して工程(S4−1a4)において画像のジャンプの枚数をカウントする。
工程(S4−1a5)において、フレーム画像の取得が所定の数、例えば、30枚に到達して終了したか否かを判断し、終了していない間は工程(S4−1a1)から工程(S4−1a5)までにおける処理を繰り返す。これにより、画像がジャンプしたフレーム画像の枚数を得ることができる。
工程(S4−1a5)において、フレーム画像の取得が終了したと判断すると、工程(S4−1a6)へ移行して、画像がジャンプしているフレーム画像の枚数を、処理した総フレーム画像の枚数で除算する。これにより、総フレーム画像の枚数に含まれる、画像がジャンプしているフレーム画像の枚数の割合を得ることができる。この後、判定工程(S4−1b)に移行する。
判定工程(S4−1b)は、工程(S4−1b1)、工程(S4−1b2)及び工程(S4−1b3)を有する。
工程(S4−1b1)において、総フレーム画像の枚数に対する画像がジャンプしたフレーム画像の枚数の割合が、閾値以下であるか否かを判断する。閾値以下である場合は、工程(S4−1b2)において良品であると判定し、閾値以下でない場合は、工程(S4−1b3)において不良品であると判定する。
図7における工程(S4−1a)及び工程(S4−1b)における画像のジャンプの有無の他の判定工程について、図10を用いて詳述する。
工程(S4−4)において、画像のジャンプの有無の判定に用いる閾値を設定する。工程(S4−5)において、被検査対象物の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影し、フレーム画像の取得を行う。画像のジャンプがあるか否かを判断する工程(S4−1a)は、工程(S4−1a7)から工程(S4−1a11)までを有する。
工程(S4−1a7)において、基準画像(6)と、取得した複数のフレーム画像との間でパターンマッチングを行う。そして、各々のフレーム画像ごとに、最大類似度が得られた基準画像(6)の位置を、フレーム画像の移動量として特定し、工程(S4−1a8)において、特定された移動量を蓄積していく。
工程(S4−1a9)において、フレーム画像の取得が所定の数、例えば、30枚に到達して終了したか否かを判断し、終了していない間は上述の工程(S4−1a7)から工程(S4−1a9)までにおける処理を繰り返す。これにより、全フレーム画像の移動量の合計値を得ることができる。
工程(S4−1a9)においてフレーム画像の取得が終了したと判断すると、工程(S4−1a10)へ移行して、全フレーム画像の移動量の合計値をフレーム画像の枚数で除算し、移動量の平均値を算出する。
工程(S4−1a11)において、平均値から基準値を減算した絶対値を算出する。ここで基準値は、ジャンプ領域の移動量の平均値であり、例えば、図9に示された基準画像(6)の移動量が100μmから260μmまでの範囲内がジャンプ領域である場合、その平均値は180μmとなる。この後、判定工程(S4−1b)に移行する。
判定工程(S4−1b)は、工程(S4−1b4)、工程(S4−1b5)及び工程(S4−1b6)を有する。
工程(S4−1b4)において、工程(S4−1a11)で求めた絶対値が閾値以上であるか否かを判断する。閾値以上である場合は、工程(S4−1b5)において良品であると判定し、閾値以上でない場合は、工程(S4−1b6)において不良品であると判定する。
図7における工程(S4−1c)及び工程(S4−1d)における画像の移動量の判定工程について、図11を用いて詳述する。
図11の工程(S4−6)において、画像の移動量の判定に用いる閾値を設定する。工程(S4−7)において、被検査対象物の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影し、フレーム画像の取得を行う。画像の移動量を判断する工程(S4−1c)は、工程(S4−1c1)から工程(S4−1c8)までを有する。
工程(S4−1c1)において、基準画像(6)と、取得した複数のフレーム画像との間でパターンマッチングを行う。そして、各々のフレーム画像ごとに、最大類似度が得られた基準画像(6)の位置を、フレーム画像の移動量として特定する。
工程(S4−1c2)において、特定された移動量が最大値よりも大きいか否かを判断し、特定された移動量が最大値より大きい場合には、工程(S4−1c4)において最大値の更新を行う。
工程(S4−1c5)において、特定された移動量が最小値よりも小さいか否かを判断し、特定された移動量が最小値より小さい場合には、工程(S4−1c6)において最小値の更新を行う。
工程(S4−1c7)において、フレーム画像の取得が所定の数、例えば、30枚に到達して終了したか否かを判断し、終了していない間は工程(S4−1c1)から工程(S4−1c7)までにおける処理を繰り返す。このような処理を全フレーム画像に対して行い、移動量の最大値及び最小値を取得する。
工程(S4−1c7)においてフレーム画像の取得が終了したと判断すると、工程(S4−1c8)へ移行して、移動量の最大値と最小値の差の絶対値を算出する。この後、判定工程(S4−1d)に移行する。
判定工程(S4−1d)は、工程(S4−1d1)、工程(S4−1d2)及び工程(S4−1d3)を有する。
工程(S4−1d1)において、移動量の最大値と最小値の差の絶対値が、閾値以下であるか否かを判断する。この閾値は、良品のフレーム画像における移動量の最大値と最小値の差に相当する。
閾値以上である場合は、工程(S4−1d2)において良品であると判定し、閾値以上でない場合は、工程(S4−1d3)において不良品であると判定する。
図7における工程(S4−1c)及び工程(S4−1d)における画像の移動量の他の判定工程について、図12を用いて詳述する。
工程(S4−8)において、画像の移動量の判定に用いる閾値を設定する。工程(S4−9)において、被検査対象物の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影し、フレーム画像の取得を行う。画像の移動量を判断する工程(S4−1c)は、工程(S4−1c9)から工程(S4−1c12)までを有する。
工程(S4−1c9)において、基準画像(6)と、取得した複数のフレーム画像との間でパターンマッチングを行う。そして、各々のフレーム画像ごとに、最大類似度が得られた基準画像(6)の位置を、フレーム画像の移動量として特定し、工程(S4−1c10)において、特定された移動量を蓄積していく。
工程(S4−1c11)において、フレーム画像の取得が所定の数、例えば、30枚に到達して終了したか否かを判断し、終了していない間は工程(S4−1c9)から工程(S4−1c11)までにおける処理を繰り返す。このような処理を全フレーム画像に対して行い、移動量の合計値を取得する。
工程(S4−1c12)において、例えば、図9を用いて説明した相関グラフにおいて、移動量に相当する範囲における傾きを求める。この後、判定工程(S4−1d)に移行する。
判定工程(S4−1d)は、工程(S4−1d4)、工程(S4−1d5)及び工程(S4−1d6)を有する。
工程(S4−1d4)において、相関グラフにおける傾きが、閾値以上であるか否かを判断する。この閾値は、良品のフレーム画像の相関グラフにおける傾きに相当する。
閾値以上である場合は、工程(S4−1d5)において良品であると判定し、閾値以上でない場合は、工程(S4−1d6)において不良品であると判定する。
図7における工程(S4−1e)及び工程(S4−1f)における画像の欠けの判定工程について、図13を用いて詳述する。
工程(S4−10)において、画像の欠けの判定に用いる基準波形の作成を行う。具体的には、あらかじめ良品の複数のフレーム画像と基準画像(6)との間でパターンマッチングを行い、フレーム画像ごとに最大類似度を算出する。同様に、他の良品の複数のフレーム画像と基準画像(6)との間でパターンマッチングを行い、各フレーム画像における最大類似度を算出する。
このようにして、複数の良品におけるフレーム画像ごとに最大類似度を求める。そして、フレーム画像ごとに最大類似度の平均値を算出する。横軸にフレーム画像取得のためXステージを移動させた移動量、縦軸に最大類似度の平均値をとったグラフを作成して得られた波形を基準波形とする。
工程(S4−11)において、被検査対象物の光輝性媒体(7)の反射画像を撮影し、フレーム画像の取得を行う。
画像の欠けを判断する工程(S4−1e)は、工程(S4−1e1)から工程(S4−1e4)までを有する。
工程(S4−1e1)において、基準画像(6)と、取得した複数のフレーム画像との間でパターンマッチングを行う。そして、各々のフレーム画像ごとに類似度を算出して最大類似度を取得し、工程(S4−1e2)において、当該フレーム画像における最大類似度を蓄積する。
工程(S4−1e3)において、フレーム画像の取得が所定の数、例えば、30枚に到達して終了したか否かを判断し、終了していない間は工程(S4−1e1)から工程(S4−1e3)までにおける処理を繰り返す。このような処理を全フレーム画像に対して行い、最大類似度の蓄積を行っていく。
工程(S4−1e3)において、フレーム画像の取得が終了したと判断すると、工程(S4−1e4)へ移行して、上述のグラフにおいて、得られた最大類似度をプロットして測定波形を作成し、基準波形と測定波形との差の二乗和を算出してその総和を取得する。この後、判定工程(S4−1f)に移行する。
判定工程(S4−1f)は、工程(S4−1f1)、工程(S4−1f2)及び工程(S4−1f3)を有する。
基準波形との差の二乗和の総和は、基準波形からのかい離の程度を表す。そこで、一定の閾値を設定し、閾値よりもかい離が大きい場合に不良品であると判定する。
工程(S4−1f1)において、総和が閾値以下であるか否かを判断する。閾値以下である場合は、工程(S4−1f2)において良品であると判定し、閾値以下でない場合は、工程(S4−1f3)において不良品であると判定する。
非検査対象物の光輝性媒体として、三種類のサンプル(SS1、SS2及びSS3)を用意し、それぞれに対して測定して得られた基準波形との差の二乗和の総和をプロットして得られたグラフを図14に示す。サンプル(SS1)及びサンプル(SS3)は、基準波形からのかい離が小さく、良品であると判定した。サンプル(SS2)は、基準波形からのかい離が大きく、不良品であると判定した。
画像のジャンプ、移動量、欠けに関する判定の一例を図15に示す。ここで、画像のジャンプに関しては、図8を用いて上述したように、ジャンプした画像の割合が、閾値20以下である場合に良品であると判定し、閾値20以下でない(閾値20を超えている)場合は不良品であると判定する。
あるいは図10を用いて上述したように、画像の移動量の平均値が、ジャンプ領域の平均値である閾値180±30μmの範囲内である場合は良品であると判定し、閾値180±30μmの内以上でない(閾値180±30μmの範囲外である)場合は不良品であると判定する。
画像の移動量に関しては、図11を用いて上述したように、移動の最大値と最小値との差が閾値130μm以上である場合は良品であると判定し、閾値130μm以上でない(閾値130μm未満である)場合は不良品であると判定する。
あるいは図12を用いて上述したように、相関グラフにおける傾きが閾値4.5以上である場合は良品であると判定し、閾値4.5以上でない(閾値4.5未満である)場合は不良品であると判定する。
画像の欠けに関しては、図13を用いて上述したように、類似度の差の二乗和の総和が閾値1以下である場合は良品であると判定し、閾値1以下でない(閾値1を超えている)場合は不良品であると判定する。
サンプル(SS2)については、移動量と欠けの二項目において良品と判定したが、ジャンプに関して不良品として判定したため、最終的に不良品であると判定した。
一方、サンプル(SS1)及びサンプル(SS3)については、三項目全てにおいて良品であると判定したため、最終的に良品であると判定した。
上述の実施の形態によれば、光輝性媒体(7)の画像を1回あるいは数回程度撮影してフレーム画像を取得し、基準画像(6)との相関関係を求め、特徴量を算出し、閾値と比較することで、目視に頼ることなく、動画的視覚効果を有する光輝性媒体の良否判定を簡易かつ正確に行うことができる。
なお、上述の実施の形態によれば、図24と図25に示された、基材(2a´)の表面上に、マトリクス状に配置された半球形状の盛り上がりを有する凸状のスクリーン印刷要素(2b´)の表面上に、正反射光下で動画的視覚効果を有する潜像要素群(2c´)がオフセット印刷により印刷された潜像印刷物(2´)を使用した場合であっても、あらかじめ撮像又はシミュレーションにより潜像印刷物(2´)の上下左右方向の基準画像(6)の作成を行い、上下方向のYステージの移動(図示せず。)と左右方向のXステージの移動により撮影した反射画像のフレーム画像を取得し、基準画像(6)との相関関係を求めて特徴量を算出し、閾値と比較することで、同様に良否判定を簡易かつ正確に行うことができる。
あるいは、図22から図25までの光輝性媒体(7)以外の構成である「マイクロレンズ等」の動画的視覚効果を奏する光輝性媒体(7)においても、あらかじめ撮像又はシミュレーションにより「マイクロレンズ等」の基準画像(6)の作成を行い、「マイクロレンズ等」の画像を1回あるいは数回程度撮影してフレーム画像を取得し、基準画像(6)との相関関係を求めて特徴量を算出し、閾値と比較することで、同様に良否判定を簡易かつ正確に行うことができる。
以下、上述の実施の形態による光輝性媒体の検査方法及び検査装置に基づいて、具体的に検査を行った実施例について説明する。ただし、本発明の内容は、以下に示す実施例の範囲に限定されるものではない。
実施例1では、画像入力部(T2)は、図16に示されたように、ステージ(5)上に載置された被検査対象物の光輝性媒体(7)をカメラ(1)により撮影する際に、光源(3)を1台備える。
検査対象となる光輝性媒体(7)として、図22に示されたように、基材(2a)の表面上に、一方向に並列に配置された縦直万線であって蒲鉾形状の盛り上がりを有する凸状のスクリーン印刷要素(2b)の表面上に、正反射光下で動画的視覚効果を有する潜像要素群(2c)がオフセット印刷された印刷物を使用した。
この光輝性媒体(7)は、スクリーン印刷要素(2b)が光源(3)からの光を正反射する明るい部分と、オフセット印刷された潜像要素群(2c)により光源(3)からの光が反射されず、陰となる部分とにより、動画的視覚効果が視認される。スクリーン印刷要素(2b)の画線幅は280μmで、画線ピッチは400μmとした。光輝性媒体(7)を搬送する方向は、X方向とした。
(基準画像(6)作成工程(S3−1))
基準画像(6)の作成条件として、5μm/画素、すなわち、5μm移動させるごとに1画素を作成するという条件に基づいて、シミュレーションにより基準画像(6)を作成した。スクリーン印刷要素が正反射する範囲における光の応答分布を正規分布として正反射の部分を255の画素値、背景部分を0の画素値として、スクリーン印刷要素の形状に合わせて基準画像(6)を作成した。
基準画像(6)の作成条件として、5μm/画素、すなわち、5μm移動させるごとに1画素を作成するという条件に基づいて、シミュレーションにより基準画像(6)を作成した。スクリーン印刷要素が正反射する範囲における光の応答分布を正規分布として正反射の部分を255の画素値、背景部分を0の画素値として、スクリーン印刷要素の形状に合わせて基準画像(6)を作成した。
オフセット印刷では、製版のための原画像(ベクトル)からラスター画像へと変換し、約0.5%スクリーン万線に直交する方向にサイズを拡大し、更に全体のサイズを10μm/画素に合うように調整を行い、背景部を1.0、オフセット印刷部を0.1として作成した。
作成したスクリーン印刷要素の画像と、オフセット印刷による原画像との合成を行い、1枚のシミュレーションによる基準画像(6)を作成した。次に、光輝性媒体(7)を傾けて観察すると、正反射光の生じる位置が変化して観察されることを再現するために、スクリーン印刷要素における正反射光の位置を5μmずらした別のスクリーン印刷要素の画像を作成し、オフセット印刷による画像と掛け合わせてシミュレーションによる基準画像(6)を作成した。また、オフセット印刷とスクリーン印刷との間における刷り合わせ位置の変動を考慮して、正反射の位置を5μmずつずらした、合計80枚の基準画像(6)を作成した。
(照射工程(S1))
光照射部(T1)による照射工程(S1)では、1個のバー型照明手段から成る白色光源(OPTEX FA社製 OPDB−100X5W−DF80T01)による連続照射方式を使用した。白色光源におけるバー型照明手段の長手方向は、光輝性媒体(7)のスクリーン印刷要素と平行になるように配置した。
光照射部(T1)による照射工程(S1)では、1個のバー型照明手段から成る白色光源(OPTEX FA社製 OPDB−100X5W−DF80T01)による連続照射方式を使用した。白色光源におけるバー型照明手段の長手方向は、光輝性媒体(7)のスクリーン印刷要素と平行になるように配置した。
(画像入力工程(S2))
画像入力部(T2)を用いた画像入力工程(S2)では、エリアカメラ(ARTRAY社製 ARTCAM−655KY−BW−WM)にCマウントレンズ(TAMRON社製 φ30.5mm 焦点距離16mm 絞り1:1.4)を使用し、光輝性媒体(7)との撮影距離をレンズ先端まで約165mm、解像度を0.0449mm/画素として、光輝性媒体(7)に対して90度、すなわち、真上に配置した。
画像入力部(T2)を用いた画像入力工程(S2)では、エリアカメラ(ARTRAY社製 ARTCAM−655KY−BW−WM)にCマウントレンズ(TAMRON社製 φ30.5mm 焦点距離16mm 絞り1:1.4)を使用し、光輝性媒体(7)との撮影距離をレンズ先端まで約165mm、解像度を0.0449mm/画素として、光輝性媒体(7)に対して90度、すなわち、真上に配置した。
画像入力工程(S2)において、最初に1枚の反射画像を撮像した。得られたフレーム画像において、パターンマッチングのために、解像度を0.1mm/画素に変更した。画像の解像度変更の補間方法は、3次畳み込み補間を使用した。その後、動画的視覚効果を有する部分を切り出す処理を行った。
ステージ(5)をX方向に1mm移動させて、次の1枚の反射画像を撮像した。得られたフレーム画像において、同様にパターンマッチングのため、解像度を0.1mm/画素に変更した。光輝性媒体(7)の移動量が既知であるため、切り出し位置を、10画素分に対応する1mmずつ最初の切り出し位置から移動させた。このような移動処理、解像度変更処理、画像切り出し処理を順次繰り返し行い、合計60枚のフレーム画像を取得した。
(算出工程(S3))
画像処理部(T3)による算出工程(S3)では、画像処理用パーソナルコンピュータ(Windows7:Visual Studio 2012、画像処理ライブラリ:OpenCV)を使用した。画像入力工程(S2)において撮像した60枚のフレーム画像のうち、光源(3)と光輝性媒体(7)との間で撮像条件の良好なフレーム画像として、ステージ(5)をX方向に15mm移動したフレーム画像、すなわち、15回目に撮影したフレーム画像を選定し、基準画像(6)としての80枚の全ての基準画像(6)との間でパターンマッチングを行った。
画像処理部(T3)による算出工程(S3)では、画像処理用パーソナルコンピュータ(Windows7:Visual Studio 2012、画像処理ライブラリ:OpenCV)を使用した。画像入力工程(S2)において撮像した60枚のフレーム画像のうち、光源(3)と光輝性媒体(7)との間で撮像条件の良好なフレーム画像として、ステージ(5)をX方向に15mm移動したフレーム画像、すなわち、15回目に撮影したフレーム画像を選定し、基準画像(6)としての80枚の全ての基準画像(6)との間でパターンマッチングを行った。
パターンマッチングは、ゼロ平均正規化相互相関係数(ZNCC)を使用した。マッチングの際には、OpenCVのcvSmooth関数でスクリーン万線方向に平滑化を行った。
(判定工程(S4))
パターンマッチングを行い、撮像して得られたフレーム画像のそれぞれ1枚ずつに対して、最大類似度が得られた1枚の基準画像(6)を特定する。上述した図6のグラフと同様に、横軸に撮像時のステージ(5)の移動量(mm)、縦軸に基準画像(6)の移動量(μm)をとることで、動画的視覚効果における動きと移動量との相関グラフを得た。
パターンマッチングを行い、撮像して得られたフレーム画像のそれぞれ1枚ずつに対して、最大類似度が得られた1枚の基準画像(6)を特定する。上述した図6のグラフと同様に、横軸に撮像時のステージ(5)の移動量(mm)、縦軸に基準画像(6)の移動量(μm)をとることで、動画的視覚効果における動きと移動量との相関グラフを得た。
得られた相関グラフにおいて近似直線を求め、上述の特徴量を算出した。それぞれの特徴量に対して閾値を設けて比較することで、動画的視覚効果の良否が明らかとなり、製品としての光輝性媒体の良品又は不良品の判定をすることができた。
実施例2では、図17に示されたように、画像入力部(T2)が、光輝性媒体(7)をカメラ(1)により撮影する際に、2台の光源(3)を備える。以下に、実施例1と同一の内容については説明を省略し、異なる部分についてのみ説明する。
(照射工程(S1))
光照射部(T1)を用いる照射工程(S1)において、2台の光源(3)として、それぞれバー型照明手段から成る白色光源(OPTEX FA社製 OPDB−100X5W−DF80T01)を、光輝性媒体(7)に対して±85.0度の角度で設置し、連続照射方式とした。2台の光源(3)のうち、一方には赤色フィルタ(4a)、他方には青色フィルタ(4b)をそれぞれ装着した。
光照射部(T1)を用いる照射工程(S1)において、2台の光源(3)として、それぞれバー型照明手段から成る白色光源(OPTEX FA社製 OPDB−100X5W−DF80T01)を、光輝性媒体(7)に対して±85.0度の角度で設置し、連続照射方式とした。2台の光源(3)のうち、一方には赤色フィルタ(4a)、他方には青色フィルタ(4b)をそれぞれ装着した。
(画像入力工程(S2))
画像入力部(T2)を用いる画像入力工程(S2)において、カラーラインカメラ(DALSA社製 PC−30−02K80)を使用し、光輝性媒体(7)に対して90度、すなわち、真上に配置した。
画像入力部(T2)を用いる画像入力工程(S2)において、カラーラインカメラ(DALSA社製 PC−30−02K80)を使用し、光輝性媒体(7)に対して90度、すなわち、真上に配置した。
各々の光源(3)に対する光輝性媒体(7)のスクリーン印刷要素が約30度の傾きを有するように、光輝性媒体(7)を配置した。2台の光源からそれぞれ赤色、青色の光を光輝性媒体(7)に照射した。そして、カラーラインカメラで撮像して得られた1枚のフレーム画像をRGB成分に分解し、このうち、例えば、R成分とB成分とを抽出した。
本実施例2では、2台の光源(3)の光輝性媒体(7)に対する傾斜角度を変えることで、異なる位置に移動したように視認される動画的視覚効果を有する2枚のフレーム画像を、1回の撮影で取得することが可能である。
カラーラインカメラを用いたことと関連し、紙面に垂直な方向に向かって印刷物を移動させるために、回転ドラムを用いて回転させながら反射画像を撮像した。撮像の際に、解像度が縦横0.1mm/画素となるように設定した。撮像して得られたフレーム画像を30度回転させて、スクリーン印刷要素が垂直になるように補正する処理を行った。回転の補完を行う方法としてフレーム画像の回転処理を行うため、3次畳み込み補間を使用した。取得したフレーム画像をRGB成分に分解し、R成分及びB成分を抽出し、それぞれ1枚のグレー階調画像とする処理を行った。
(算出工程(S3))
取得したR成分及びB成分の画像と基準画像(6)との間で、パターンマッチングを行った。
取得したR成分及びB成分の画像と基準画像(6)との間で、パターンマッチングを行った。
本実施例2では、光源(3)の照射位置等の撮像条件が良好であり、それぞれでxy座標位置を特定せずパターンマッチングを行った。基準画像(6)は、上述の実施例1において用いた基準画像(6)を使用し、パターンマッチングとしてゼロ平均正規化相互相関係数(ZNCC)を使用した。
パターンマッチングの際に、OpenCVのcvSmooth関数でスクリーン万線方向に平滑化を行った。撮像した画像はsmoothtype=CV_GAUSSIAN、size1=3、size2=3、sigma1=1、 sigma2=1、シミュレーションにより作成した基準画像(6)は、smoothtype=CV_GAUSSIAN、size1=1、size2=1、sigma1=1,sigma2=1とした。
(判定工程(S4))
パターンマッチングを行った結果として、図18に示す2点をプロットした相関グラフを作成した。この相関グラフを用いて特徴量を算出し、上述の特徴量に対して閾値を設けて比較することで、動画的視覚効果の良否が明らかとなり、製品としての光輝性媒体の良品又は不良品の判定をすることができた。
パターンマッチングを行った結果として、図18に示す2点をプロットした相関グラフを作成した。この相関グラフを用いて特徴量を算出し、上述の特徴量に対して閾値を設けて比較することで、動画的視覚効果の良否が明らかとなり、製品としての光輝性媒体の良品又は不良品の判定をすることができた。
以下、画像入力部(T2)におけるカメラ(1)、光源(3)に関する他の構成例を示す。
図19に示された構成例では、一列に配列された複数の光源(3)を、光輝性媒体(7)に対して順番に点灯させることで、複数のフレーム画像を取得する。ここで、光輝性媒体(7)に対し、鉛直方向からθ1の傾斜角度で光源(3)が光を順次照射していき、鉛直方向からθ2の傾斜角度で配置されたカメラ(1)がフレーム画像を取得する。
図20に示された構成例では、光輝性媒体(7)に対して鉛直方向からθ5、θ4、θ3、θ2、θ1の角度でそれぞれ複数の光源(3)が配置されており、鉛直方向から反対方向へθの角度でカメラ(1)が配置されている。光輝性媒体(7)に照射してカメラ(1)により撮影する際に、複数の光源(3)を矢印で示されたように順次点灯していき、複数回撮影することにより、複数のフレーム画像を取得する。
図21に示された構成例では、ステージ(5)に載置された光輝性媒体(7)に対して、鉛直方向に複数の光源(3)が一列に配置され、同様に鉛直方向にカメラ(1)が配置されている。そして、鉛直方向から角度θ1の方向へステージ(5)が回動してカメラ(1)が撮影し、鉛直方向から反対方向の角度θ2の方向へステージ(5)が回動してカメラ(1)が撮影することで、複数のフレーム画像を取得する。
本発明の幾つかの実施の形態及び実施例について説明したが、これらの実施の形態及び実施例は、一例としてそれぞれ提示したものであり、発明の技術的範囲を限定することは意図していない。
これら新規な実施の形態及び実施例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更等を行うことができる。これら種々の省略、置き換え、変更等が行われた実施の形態及び実施例の変形は、発明の技術的範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 カメラ
2、2´ 潜像印刷物
2a、2a´ 基材
2b、2b´ スクリーン印刷要素
2c、2c´ 潜像要素群
3 光源
4a 赤色フィルタ
4b 青色フィルタ
5 ステージ
6 基準画像
7 光輝性媒体
L1、L2、L3、L4、L5 観察方向
M 検査装置
T1 光照射部
T2 画像入力部
T3 画像処理部
T4 判定部
T5 制御部
T6 出力部
2、2´ 潜像印刷物
2a、2a´ 基材
2b、2b´ スクリーン印刷要素
2c、2c´ 潜像要素群
3 光源
4a 赤色フィルタ
4b 青色フィルタ
5 ステージ
6 基準画像
7 光輝性媒体
L1、L2、L3、L4、L5 観察方向
M 検査装置
T1 光照射部
T2 画像入力部
T3 画像処理部
T4 判定部
T5 制御部
T6 出力部
Claims (18)
- 観察角度を変化させると動画的視覚効果が視認される光輝性媒体の検査装置であって、
前記光輝性媒体に光を照射する光照射部と、
光を照射された前記光輝性媒体を撮像して複数のフレーム画像を入力する画像入力部と、
入力された複数の前記フレーム画像と、あらかじめ作成した複数の基準画像との間でパターンマッチングを行って類似度を算出し、各々の前記フレーム画像に対して最大類似度が得られた前記基準画像を特定する画像処理部と、
各々の前記フレーム画像と、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の相関関係に基づいて少なくとも一つの特徴量を算出し、前記特徴量とあらかじめ設定した閾値とを比較して前記光輝性媒体の良否を判定する判定部と、
前記光照射部、前記画像入力部、前記画像処理部及び前記判定部のそれぞれの動作を制御する制御部と、
を備えることを特徴とする光輝性媒体の検査装置。 - 前記特徴量は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動範囲、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動量、前記相関関係を示す近似曲線又は近似直線の係数、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の最大類似度の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1に記載の光輝性媒体の検査装置。
- 前記特徴量が、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動範囲を含む場合、
前記判定部は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量が、画像のジャンプする所定の範囲に含まれるか否かに基づいて、画像のジャンプの有無に関する判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の光輝性媒体の検査装置。 - 前記判定部は、複数の前記フレーム画像のうち、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量が画像のジャンプする前記所定の範囲に含まれる割合が、所定の閾値以下の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項3に記載の光輝性媒体の検査装置。
- 前記判定部は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量の平均値と、画像のジャンプする前記所定の範囲の平均値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項3に記載の光輝性媒体の検査装置。
- 前記特徴量が、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動量を含む場合、
前記判定部は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量に基づいて、画像の移動量不足の有無に関する判定を行うことを特徴とする請求項2に記載の光輝性媒体の検査装置。 - 前記判定部は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量の最大値と最小値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項6に記載の光輝性媒体の検査装置。
- 前記判定部は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量に基づいて、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との相関関係を示す近似曲線又は近似直線を作成し、この近似曲線又は近似直線のグラフにおける係数が所定の閾値以上の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項6に記載の光輝性媒体の検査装置。
- 前記特徴量が、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の最大類似度を含む場合、
前記判定部は、あらかじめ良品の光輝性媒体を撮像して得られた前記良品のフレーム画像と前記基準画像との間の最大類似度を求めて前記良品のフレーム画像の移動量に対する前記最大類似度との関係を示す基準波形を作成し、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の最大類似度を求めて前記フレーム画像の移動量に対する前記最大類似度との関係を示す測定波形を作成し、前記基準波形と前記測定波形との差の絶対値又は二乗和の総和を算出し、この総和が所定の閾値以下の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項2に記載の光輝性媒体の検査装置。 - 光輝性媒体に光を照射する光照射部と、前記光輝性媒体を撮像してフレーム画像を入力する画像入力部と、入力されたフレーム画像に処理を行う画像処理部と、処理されたフレーム画像を用いて判定を行う判定部と、前記光照射部、前記画像入力部、前記画像処理部及び前記判定部のそれぞれの動作を制御する制御部とを有する検査装置を用いて、観察角度を変化させると動画的視覚効果が視認される光輝性媒体の検査方法であって、
前記光照射部によって、前記光輝性媒体に光を照射する照射工程と、
前記画像入力部によって、光を照射された前記光輝性媒体を撮像して複数のフレーム画像を入力する画像入力工程と、
前記画像処理部によって、あらかじめ撮像又はシミュレーションにより複数の基準画像を作成し記憶する基準画像作成工程と、
前記画像処理部によって、入力された複数の前記フレーム画像と、複数の前記基準画像との間でパターンマッチングを行って類似度を算出し、各々1枚ずつの前記フレーム画像に対して最大類似度が得られた前記基準画像を特定する算出工程と、
前記判定部によって、各々の前記フレーム画像と、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の相関関係に基づいて少なくとも一つの特徴量を算出し、前記特徴量とあらかじめ設定した閾値とを比較して前記光輝性媒体の良否を判定する判定工程と、
を備えることを特徴とする光輝性媒体の検査方法。 - 前記特徴量は、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動範囲、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動量、前記相関関係を示す又は近似直線の係数、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の最大類似度の少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項10に記載の光輝性媒体の検査方法。
- 前記特徴量が、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動範囲を含む場合、
前記判定工程において、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量が、画像のジャンプする所定の範囲に含まれるか否かに基づいて、画像のジャンプの有無に関する判定を行うことを特徴とする請求項11に記載の光輝性媒体の検査方法。 - 前記判定工程において、複数の前記フレーム画像のうち、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量が画像のジャンプする前記所定の範囲に含まれる割合が、所定の閾値以下の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項12に記載の光輝性媒体の検査方法。
- 前記判定工程において、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量の平均値と、画像のジャンプする前記所定の範囲の平均値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項12に記載の光輝性媒体の検査方法。
- 前記特徴量が、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像における画像の移動量を含む場合、
前記判定工程において、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量に基づいて、画像の移動量不足の有無に関する判定を行うことを特徴とする請求項11に記載の光輝性媒体の検査方法。 - 前記判定工程において、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量の最大値と最小値との差の絶対値又は二乗和を算出し、この絶対値又は二乗和が所定の閾値以上の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項15に記載の光輝性媒体の検査方法。
- 前記判定工程において、各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像の移動量に基づいて、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との相関関係を示す近似曲線又は近似直線を作成し、この近似曲線又は近似直線のグラフにおける係数が所定の閾値以上の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項15に記載の光輝性媒体の検査方法。
- 前記特徴量が、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の最大類似度を含む場合、
前記判定工程において、あらかじめ良品の光輝性媒体を撮像して得られた前記良品のフレーム画像と前記基準画像との間の最大類似度を求めて前記良品のフレーム画像の移動量に対する前記最大類似度との関係を示す基準波形を作成し、各々の前記フレーム画像と各々の前記フレーム画像に対して特定した前記基準画像との間の最大類似度を求めて前記フレーム画像の移動量に対する前記最大類似度との関係を示す測定波形を作成し、前記基準波形と前記測定波形との差の絶対値又は二乗和の総和を算出し、この総和が所定の閾値以下の場合に、前記光輝性媒体は良品であると判定することを特徴とする請求項11に記載の光輝性媒体の検査方法。
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JP2017134276A JP2019016250A (ja) | 2017-07-10 | 2017-07-10 | 光輝性媒体の検査装置及びその検査方法 |
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