JP2019015805A - 光学素子および光学機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない部品点数で構成された光学素子で、斜め方向でのカットオフ周波数を低くしつつ水平および垂直方向でのカットオフ周波数を高くする。【解決手段】光学素子6は、入射光線を複数に分離する。該光学素子は、互いに同じ光学異方性素子である2つの第1の異方性素子A,−Aと、2つの第1の異方性素子とは光学軸の方向が異なり、かつ互いに同じ光学異方性素子である2つの第2の異方性素子B,−Bとを備えている。2つの第1の異方性素子と2つの第2の異方性素子のそれぞれにおいて、光学軸の方位が互いに同じとなるときに互いに同じ側にある面を第1の面とし、その反対側の面を第2の面とするとき、2つの第1の異方性素子および2つの第2の異方性素子のそれぞれにおいて、一方の異方性素子と他方の異方性素子のそれぞれの第1の面同士および第2の面同士が互いに反対側を向いている。【選択図】図6

Description

本発明は、デジタルカメラやビデオカメラ等の撮像装置に光学ローパスフィルタ等として用いられる光学素子に関する。
CCDセンサやC−MOSセンサ等の2次元撮像素子を用いる撮像装置では、撮像により取得される画像における偽色やモアレ縞の発生を防ぐために、光学ローパスフィルタ(以下、光学素子という)が用いられる。
特許文献1には、入射光線を水平方向に分離する複屈折板と垂直方向に分離する複屈折板とを用いて1本の入射光線をほぼ正方形の頂点に位置する4個の点像に分離する光学素子が開示されている。この光学素子の空間周波数特性を図19に示す。図19において、(a)は横方向であるx軸方向と縦方向であるy軸方向での特性を、(b)は斜め方向での特性を示す。
また、特許文献2には、4層の複屈折透明板のそれぞれで入射光線を45°回転方向に分離することで、16個の点像を形成する生成する光学素子が開示されている。
特開平10−054960号公報 特開昭62−003202号公報
しかしながら、斜め方向においては、モアレが偽色となって現れるために、よりカットオフ周波数を低くすることが望ましい。一方、水平および垂直方向では、モアレが生じている場合にも解像しているとみなすことができるので、なるべくカットオフ周波数を高くすることが望ましい。
特許文献1にて開示された光学素子では、図19に示すように、水平および垂直方向のカットオフ空間周波数に対して斜め方向のカットオフ周波数が√2倍となっている。このため、斜め方向でのカットオフ周波数を低くしつつ水平および垂直方向でのカットオフ周波数を高くすることが難しい。また、水平および垂直方向および斜め方向ともにカットオフ周波数の約2倍の空間周波数において高い応答を持つため、偽色やモアレを十分に防ぐことができない。
一方、特許文献2にて開示された光学素子では、4層の複屈折透明板を用いて、斜め方向でのカットオフ周波数を低くしつつ水平および垂直方向でのカットオフ周波数を高くすることが可能であるが、部品点数が増すという問題がある。
本発明は、少ない部品点数で、斜め方向でのカットオフ周波数を低くしつつ水平および垂直方向でのカットオフ周波数を高くすることが可能な光学素子を提供する。
本発明の一側面としての光学素子は、入射光線を複数の出射光線に分離する。該光学素子は、互いに同じ光学異方性素子である2つの第1の異方性素子と、第1の異方性素子とは光学軸の方向が異なる異方性素子であって互いに同じ光学異方性素子である2つの第2の異方性素子とを備える。2つの第1の異方性素子および2つの第2の異方性素子のそれぞれにおいて、光学軸の方位が互いに同じとなるときの互いに同じ側の面を第1の面とし、該第1の面とは反対側の面を第2の面とするとき、2つの第1の異方性素子および2つの第2の異方性素子のそれぞれにおいて、一方の異方性素子と他方の異方性素子の第1の面同士および第2の面同士がそれぞれ互いに反対側を向いていることを特徴とする。なお、上記光学素子を備えた光学機器も、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、少ない部品点数で、斜め方向でのカットオフ周波数を低くしつつ水平および垂直方向でのカットオフ周波数を高くすることが可能な光学素子を実現することができる。
本発明の実施例である光学ローパスフィルタを搭載したデジタルカメラの撮像系の断面図。 実施例1の光学ローパスフィルタを示す図。 一軸性複屈折光学素子の光学軸の方向と光線分離を示す図。 実施例1における複屈折素子の光線分離方向を示す図。 実施例1における複屈折素子の配置順序を示す図。 2種類の複屈折素子の配列と切り欠きの向きを示す図。 実施例1における各複屈折素子での光線分離を示す図。 実施例1における分離点像のパターンを示す図。 実施例1における点像のLSFを示すグラフ。 実施例1の光学ローパスフィルタの各数値例の空間周波数特性を示すグラフ。 実施例2における各複屈折素子での光線分離を示す図。 実施例2における分離点像のパターンを示す図。 実施例2における点像のLSFを示すグラフ。 実施例2の光学ローパスフィルタの各数値例の空間周波数特性を示すグラフ。 実施例3における各複屈折素子での光線分離を示す図。 実施例3における分離点像のパターンを示す図。 実施例3における点像のLSFを示すグラフ。 実施例3の光学ローパスフィルタの各数値例の空間周波数特性のグラフ。 比較例1の光学ローパスフィルタの空間周波数特性を示すグラフ。 実施例1における光学ローパスフィルタの光線分離方向および光学軸の傾き角度を示す図。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例である光学素子としての光学ローパスフィルタを搭載したデジタルカメラ(光学機器)の撮像系の構成を示している。撮像レンズ5に入射した被写体からの撮像光は、撮像素子としてのイメージセンサ7の撮像面上に結像する。撮像レンズ5とイメージセンサ7との間には、光学ローパスフィルタ6が配置されている。光学ローパスフィルタ6は、撮像光の結像に対してローパス効果を付与する。
図2は、本実施例の光学ローパスフィルタ6の構成を示している。光学ローパスフィルタ6は、イメージセンサ7よりひと回り大きい長方形の4つ複屈折素子(光学異方性素子)1〜4が積層されて構成されている。光学ローパスフィルタ6は、これら4つの複屈折素子1〜4の組み合せによって所定のローパス特性を実現する。
図2に示すように、イメージセンサ7の撮像面の長辺方向(水平方向:第1の方向)に延びる軸をx軸とし、該長辺方向をx軸方向とする。また、撮像面の短辺方向(垂直方向:第1の方向に直交する第2の方向)に延びる軸をy軸とし、該短辺方向をy軸方向とする。また、x軸およびy軸に平行な面をxy面とする。さらに、このxy面に対して直交する軸を光軸(z軸)とし、該光軸が延びる方向を光軸方向という。各複屈折素子の光軸方向での厚さは、100μm程度である。
各複屈折素子は、水晶やニオブ酸リチウム等の一軸性結晶により平行平板として形成されている。該一軸性結晶の光学軸は、図3(a)に示すように光軸方向から見ると、x軸方向を向いている。光学軸の方位角φは、x軸方向に対して反時計回り方向に定義する。図3(a)は、φ=0°である。図3(b)に示すようにy軸方向から見ると、一軸性結晶の光学軸は、光軸方向に対してθ=45°傾いている。一般的な一軸性結晶では、光軸方向に対する光学軸の傾き角度θは45°±20°程度である。
一般に、このように光学軸が斜めに傾いた平行平板に入射した1本の光線は、図3(c)に示すように2つ(2点)に分離する。すなわち、光軸方向から平行平板に垂直に入射した入射光線8のうち常光線9は平行平板内を真っすぐに透過し、異常光線10は図の方向に分離して透過する。光学軸の方位φ、すなわち常光線9と異常光線10とが分離する方向を光線分離方向ともいう。
常光線9は、光線分離方向に対して直交する方向に電場が振動する偏光となり、異常光線10は光線分離方向に電場が振動する偏光となる。つまり、常光線9としての偏光と異常光線10としての偏光の偏光方向が互いに直交する。このときの常光線9と異常光線10の光線分離方向での間隔、すなわち光線分離幅L(以下、単に分離幅Lという)は、光学軸の傾き角度θと平行平板の厚さdとで一意に決まる。
逆に、同じ分離幅Lに対する光学軸の傾き角度θと厚さdとの組み合せは自由に選ぶことができる。以下に説明する本実施例の数値例1では、各複屈折素子を、光線分離方向φと点像の分離幅Lのみで表現する。
まず、光線分離方向φについて説明する。図20は、光学ローパスフィルタを構成する4つの複屈折素子1〜4として用いることが可能な下記の8つの複屈折素子A,−A,A′,−A′,B,−B,B′,−B′のうちA,−A,A′,−A′の光線分離方向φおよび光学軸の傾き角度θを示している。また図4は、数値例1の光学ローパスフィルタを構成する4つの複屈折素子1〜4として用いることが可能な8つの複屈折素子の光線分離方向φを示している。前述したように、光線分離方向φは、x軸方向に対して反時計回り方向に定義する。
複屈折素子Aの光線分離方向は67.5°であり、光軸方向からの入射光線のうち常光線(偏光方向が−22.5°の偏光)は真っすぐに該素子A内を透過し、異常光線(偏光方向が67.5°の偏光)は67.5°の方位に分離して透過する。
複屈折素子A′の光線分離方向は−112.5°である。この−112.5°は67.5°に対して180°逆の方向であるが、分離による効果としては複屈折素子Aと同等である。
複屈折素子Bの光線分離方向は22.5°であり、光軸方向からの入射光線のうち常光線(偏光方向が−67.5°の偏光)は真っすぐに該素子B内を透過し、異常光線(偏光方向が22.5°の偏光)は22.5°の方位に分離して透過する。
複屈折素子B′の光線分離方向は−157.5°である。この−157.5°は22.5°に対して180°逆の方向であるが、分離の作用としては複屈折素子Bと同等である。
同様に、複屈折素子−Bの光線分離方向は−22.5°であり、複屈折素子−B′の光線分離方向が157.5°である。
さらに、複屈折素子−Aの光線分離方向は−67.5°であり、複屈折素子−A′の光線分離方向は112.5°である。
図4に示すように、長方形である各複屈折素子の1つの角部には、各複屈折素子の表向き(第1の向き)と裏向き(第1の向きとは反対の第2の向き)および光軸回りでの向き(回転角度)を識別するための形状部としての指標部(切り欠き部)が設けられている。複屈折素子A,−Aに設けられた第1の指標部と複屈折素子B,−Bに設けられた第2の指標部とは互いに異なる形状を有し、前者は斜め直線形状を有し、後者は円弧形状を有する。
複屈折素子Aと−Aがともに表向き又は裏向きであるときおよび複屈折素子Bと−Bがともに表向き又は裏向きであるときにはそれぞれ、それらの光線分離方向(光学軸の方位)は互いに同じとなる。以下の説明において、2つの複屈折素子Aと−Aにおいてそれらの光学軸の方位が互いに同じとなるときに互いに同じ側にある面を第1の面としての表面とし、その反対側の面を第2の面とする。同様に2つの複屈折素子Bと−Bにおいてそれらの光学軸の方位が互いに同じとなるときに互いに同じ側にある面を第1の面としての表面とし、その反対側の面を第2の面とする。
複屈折素子Aをy軸回りで裏返したものが複屈折素子−Aに相当する。つまり、複屈折素子Aと複屈折素子−Aは、それらの表面同士(第1の面同士)および裏面同士(第2の面同士)が互いに反対側を向いた互いに同じ複屈折素子(2つの第1の異方性素子)である。また、複屈折素子Bをy軸回りで裏返したものが複屈折素子−Bに相当する。つまり、複屈折素子Bと複屈折素子−Bは、それらの表面同士(第1の面同士)および裏面同士(第2の面同士)が互いに反対側を向いた互いに同じ複屈折素子である(2つの第2の異方性素子)。同様に、複屈折素子A′と−A′および複屈折素子B′と−B′もそれぞれ、y軸回りで裏返した関係にある互いに同じ複屈折素子である。
以上のことから、図4に示した8つの複屈折素子は、複屈折素子Aと複屈折素子Bの2つの部品を光軸回りでの向きを回転させるか表裏の向きを逆にするかのいずれかによって得られる。
次に、光学ローパスフィルタを構成する4つの複屈折素子の配置順序について説明する。表1には、4つの複屈折素子A,B,−B,−Aの光軸方向での配置(積層)順序を示す。本実施例では、表1に示した全ての配置順序を選択することができる。いずれの配置順序においても、複屈折素子A,−Aおよび複屈折素子B,−Bのそれぞれにおける一方と他方とがそれぞれ、表向きと裏向きとに配置されている。
光学ローパスフィルタに入射した入射光線は、複屈折素子A,B,−B,−Aのそれぞれの光線分離方向に1回ずつ分離される。この際に、光軸方向(複屈折素子の積層方向)において隣り合う複屈折素子の光線分離方向が互いに90°異なると分離が行われない。
これは、次の理由による。1つ目の複屈折素子において常光線がそのまま真っすぐ進み、異常光線が光線分離方向に変位する。2つ目の複屈折素子の光線分離方向が1つ目の光線分離方向に対して90°をなす方向であると、1つ目の複屈折素子を透過した常光線も異常光線もそれ以上分離せずに常光線と異常光線の関係が逆になり、変位するだけである。このため、積層された複屈折素子ごとに点像分離を行わせるためには、理想的には積層方向にて隣り合う2つの複屈折素子の光線分離方向が互いに45°異なるように配置することが必要である。
2つ目の複屈折素子の光線分離方向が1つ目の複屈折素子の光線分離方向に対して45°をなすと、1つ目の複屈折素子から出射した常光線と異常光線の偏光方向はともに2つ目の複屈折素子の光線分離方向に対して45°の角度をなす。これにより、これら常光線と異常光線はそれぞれ、2つ目の複屈折素子において常光線と異常光線に半分ずつ分離されることになる。2つ目の複屈折素子の光線分離方向が1つ目の複屈折素子の光線分離方向に対してなす角度が45°に近いほど、1つ目の複屈折素子を透過した常光線および異常光線がそれぞれ均等に分離され、該角度が90°に近いほど分離が行われなくなる。
本実施例においては、図5に示すように、複屈折素子Aと−Bおよび−AとBが隣り合わないように配置する必要がある。その組み合せを表1に示している。これにより、複屈折素子ごとに入射光線の2点分離が行われ、4つの複屈折素子で16点分離が行われる。
表1におけるA,B,−B,−Aはそれぞれ、A′,B′,−B′,−A′と等価であり、置き換えが可能である。この置き換えによって、光線分離方向が変わる。例えば、常光線は変位せず、異常光線が変位する方向が置き換え前と逆になる場合があり、それに伴って分離後の16点の点像の重心位置の変位方向が変わる。しかし、それらの変位量はイメージセンサの画素ピッチ程度であるため、撮影画像全体がシフトすることはなく、誤差として無視することができる。
図6(a)〜(d)に示すように、複屈折素子AとBとを貼り合せた組を2つ用意し、一方の組をx軸回りまたはy軸回りで裏返して他方の組と組み合わせることで複屈折素子の取り扱いが容易になる。図6(a),(b)に示すように、上記一方の組をy軸回りで裏返すと複屈折素子−Bと−Aの組となり、他方の組との組み合わせにより、積層方向においてA,B,−B,−Aまたは−B,−A,A,Bとなる。また、図6(c),(d)に示すように、上記一方の組をx軸回りで裏返すと複屈折素子−B′と−A′の組となり、他方の組との組み合わせにより、積層方向においてA,B,−B′,−A′または−B′,−A′,A,Bとなる。
次に、分離幅について説明する。ここでは、イメージセンサの画素ピッチが5μmである場合について説明する。表2に示すように、本実施例では、複屈折素子Aの分離幅a[μm]および複屈折素子Bの分離幅b[μm]をともに2.5μmとして、縦方向、横方向および斜め方向に線対称な16個の点像を形成する。分離幅を変えることにより点像の大きさをコントロールすることができる。
点像の分布の標準偏差は分離幅に比例する。また、ローパスフィルタとしての低周波でのMTF特性は、点像の分布の標準偏差で決まることが経験的に分かっている。このため、最終的なMTF性能から目標とする標準偏差を1.767に決め、それに合う分離幅を求めた。
図7(a)〜(e)を用いて4つの複屈折素子1〜4による点像分離について説明する。ここでは、4つの複屈折素子1〜4がそれぞれ複屈折素子A,B,−B,−Aである場合について説明する。図7(a)において、入射光線は座標(0,0)で図2に示した複屈折素子1(A)に入射する。複屈折素子1は、表1に示したように光線分離方向が67.5°の方向であり、図7(b)に示すように入射光線のうち常光線はそのまま真っすぐ進み、異常光線は67.5°の方向にa=2.5μmだけ変位(分離)する。常光線の座標は(0,0)であり、異常光線の座標は(0.957,2.310)と表わされる。常光線は偏光方向が−22.5°の方向の偏光であり、異常光線は偏光方向が67.5°の方向の偏光となる。
複屈折素子1から射出した常光線と異常光線はともに複屈折素子2(B)に入射する。複屈折素子2は、表1に示したように光線分離方向が22.5°の方向であり、ここに入射する常光線と異常光線の偏光方向はいずれも上記光線分離方向に対して45°の傾きを持つ。このため、図7(c)に示すように、複屈折素子2に入射した常光線と異常光線はそれぞれ、光線分離方向(22.5°)に対して直交する2つの偏光(常光線と異常光線)に均等に分離される。
そして、偏光方向が上記光線分離方向に対して直交する常光線はそのまま真っすぐに進み、偏光方向が該光線分離方向である異常光線は光線分離方向にb=2.5μmだけ変位する。この結果、座標(0,0)にて入射した常光線は、(0,0)と(2.310,0.957)に分離し、(0.957,2.310)にて入射した異常光線は、(0.957,2.310)と(0.957+2.310,2.310+0.957)に分離する。これにより、4個の点像が形成される。これら4個の点像を形成する光線のうち2本の常光線の偏光方向はともに−67.5°であり、2本の異常光線の偏光方向はともに22.5°である。
複屈折素子2から射出した2本の常光線と2本の異常光線はともに複屈折素子3(−B)に入射する。複屈折素子3は、表1に示したように光線分離方向が−22.5°の方向であり、ここに入射する常光線と異常光線の偏光方向はいずれも上記光線分離方向に対して45°の傾きを持つ。このため、図7(d)に示すように、複屈折素子3に入射した常光線と異常光線はそれぞれ、光線分離方向(−22.5°)に対して直交する2つの偏光(常光線と異常光線)に均等に分離される。
そして、偏光方向が上記光線分離方向に対して直交する常光線はそのまま真っすぐに進み、偏光方向が該光線分離方向である異常光線は光線分離方向にb=2.5μmだけ変位する。この結果、4つの座標(2.310,−0.957)、(3.266,1.352)、(4.619,0.000)および(5.576,2.310)に新たな異常光線が分離され、合計で8個の点像が形成される。これら8個の点像を形成する光線のうち4本の常光線の偏光方向はともに67.5°であり、4本の異常光線の偏光方向はともに−22.5°である。
複屈折素子3から射出した4本の常光線と4本の異常光線はともに複屈折素子4(−A)に入射する。複屈折素子4は、表1に示したように光線分離方向が−67.5°の方向であり、ここに入射する常光線と異常光線の偏光方向はいずれも上記光線分離方向に対して45°の傾きを持つ。このため、図7(e)に示すように、複屈折素子4に入射した常光線と異常光線はそれぞれ、光線分離方向(−67.5°)に対して直交する2つの偏光(常光線と異常光線)に均等に分離される。
そして、偏光方向が上記光線分離方向に対して直交する常光線はそのまま真っすぐに進み、偏光方向が該光線分離方向である異常光線は光線分離方向にa=2.5μmだけ変位する。この結果、8つの座標(具体的な座標の記載は省略する)に新たな異常光線が分離され、合計で16個の点像が形成される。
図8には、上記16個の点像を示す。複屈折素子1〜4により67.5°、22.5°、−22.5°および−67.5°の方向と45°刻みの方向に1回ずつ分離したので、縦方向、横方向および斜め(45°)方向に対称な外側と内側の2つの八角形の頂点に位置する16個の点像が形成されている。
図9(a)〜(c)は、これら点像のx軸方向、y軸方向および斜め方向のLSF(line spread function)を示す。特定の軸方向のLSFはその特定の軸と直交する方向に点像の値(強度)を足し合わせたものである。例えば、x軸方向のLSFはy軸方向に点像の値を足し合わせたものである。本実施例では、前述したように16個の点像が縦方向、横方向および斜め方向において線対称に位置するため、x軸方向、y軸方向および斜め方向のLSFは同じとなっている。
また、図10(a)〜(c)は、x軸方向、y軸方向および斜め方向の空間周波数特性としてMTFを示している。MTFも、x軸方向、y軸方向および斜め方向で同一の特性である。
比較例1として、4点分離の光学ローパスフィルタの空間周波数特性を示す。比較例1の分離幅は、c=3.535[μm]である。点像のx軸方向およびy軸方向での分布の標準偏差はともに1.767である。また、斜め方向での標準偏差も1.767である。これは、実施例1の各方向での標準偏差に等しい。このため、図10および図19に示すように、実施例1と比較例とで、空間周波数特性は50[lp/mm]程度の低周波でのカーブで等しくなっている。すなわち、低周波でのコントラストが同じ状態で、高周波に関しての比較を行うことが可能になる。
イメージセンサの画素ピッチがp=5μmである場合には、ナイキスト周波数は100[lp/mm]となる。このナイキスト周波数付近では、比較例および実施例ともに、約50%のMTFとなっている。実際は、モアレによる偽解像であるが、撮影画像としては高解像度の解像感として感じられるため、問題はなく、むしろメリットとなる。
x軸およびy軸方向について、比較例1では、ナイキスト周波数の√2倍である141[lp/mm]にてMTFが0%となっている。一方、本実施例では、20%以上のMTFがあり、より高解像度の解像感が得られる。
ナイキスト周波数の2倍である200[lp/mm]において、比較例1では、50%以上のMTFがある。この空間周波数においては、比較的低い空間周波数のモアレが発生し、これは弊害となる。一方、本実施例では、空間周波数200[lp/mm]から250[lp/mm]付近までMTFはほぼ0%となっており、300[lp/mm]付近でも10%以下であり、ローパスフィルタとしての効果が得られている。通常のレンズでは、300[lp/mm]以上の高周波ではMTFがほとんど無いため、これよりも高周波側に関しては考慮する必要が無い。
斜め方向について、比較例1では、ナイキスト周波数の2倍の200[lp/mm]でのMTFを0%にカットしている。実施例1においても、ほぼ同等の特性となっており、200[lp/mm]でのMTFを0%にカットしている。これよりも高周波側の約250[lp/mm]付近の空間周波数においてモアレが発生する。これは、偽色として、白黒チャートが緑色やマゼンタに表現されてしまうものである。
一方、本実施例のローパスフィルタでは、約250[lp/mm]付近までMTFがほぼ0%程度となる特性を有するため、偽色の発生を低減することができる。これよりも高周波側ではMTFが増加するものの、300[lp/mm]付近でも10%(0.1)のMTFであるため、偽色の低減効果は継続する。このため、x軸およびy軸方向での解像度を増加させながらも、斜め方向での偽色の発生を低減することができる。
上述したイメージセンサに対して、光学ローパスフィルタの強度を調整することができる。上記のように点像の分布の標準偏差を用いれば、ローパスフィルタの強度を正確に見積もることができる。しかし、より簡易に見積もる方法として以下の条件を設定する。本実施例では、点像の分散はa+bに比例する。この式にa=b=2.5μmを代入して平方根をとると、約3.535になり、比較例の分離幅に等しくなる。このため、比例係数を用いることなく、aとbをそのまま用い、その二乗和の平方根の値と画素ピッチpとの比で条件を設定する。
√(a+b)の値としては2.5から3.846程度までを用いることができる。a=bとすると、1.767≦a=b≦2.720の範囲で調整することが可能である。分離幅a,bを大きくするほどローパスフィルタの効果が強くなり、より低周波からMTFを低下させることになる。一方、分離幅a,bを小さくするほどローパスフィルタの効果は弱くなり、より高周波までMTFが残ることになる。
このことから、以下の式で示す条件を満足することが望ましい。イメージセンサの撮像面に複数の正方画素が画素ピッチp[μm]で配置され、2つの複屈折素子(第1の異方性素子)A,−Aのうち一方の複屈折素子の光線分離方向(光学軸の方位角)がφAであり、該2つの複屈折素子の分離幅をa[μm]とする。また、2つの複屈折素子(第2の異方性素子)B,−Bの分離幅をb[μm]とする。このとき、θAは、4つの屈折性素子のうち光学軸が水平方向に対してなす−90°以上+90°以下の方位角のうち最も大きい方位角であり、
45°<φA<90° (1)
なる条件を満足することが望ましい。なお、
55°<φA<80° (1)′
なる条件を満足することがさらに望ましい。
そして、式(1)または(1)′の条件を満足しつつ、
1.3<p/√(a+b)<2.0 (2)
なる条件を満足することが望ましい。
本発明の実施例2である光学ローパスフィルは、実施例1(図2)と同様であり、図1に示したイメージセンサ7の撮像面とほぼ等しい長方形の4つの複屈折素子1〜4が積層されて構成されている。
表2に、本実施例の数値例2における複屈折素子1〜4での分離幅を示す。複屈折素子A,B,−Bおよび−Aの光線分離方向はそれぞれ、70°,20°,−20°および−70°である。実施例1と同様に、表1に示した全ての配置順序を選択することができる。また、Aと−AおよびBと−Bはそれぞれ、2つの同じ複屈折素子のうち一方を裏返したものに相当する。
本数値例でも、数値例1と同様に、イメージセンサの画素ピッチp=5μmを想定している。また、本数値例でも、数値例1と同様に、分離幅a,bは互いに等しく、a=b=2.55[μm]である。これにより、点像の分布の標準偏差を、x軸方向で1.823とし、y軸方向で1.694として目標の標準偏差の1.767に近い値とした。
光学ローパスフィルタに入射した1本の入射光線は、実施例1と同様に、複屈折素子1〜4によって偏光による点像の分離が順次行われ、16本の光線(16個の点像)に分離される。ただし、本実施例では、実施例1と異なり、複屈折素子Aの光線分離方向と複屈折素子Bの光線分離方向との角度差が50°となっている。また、複屈折素子Bの光線分離方向と複屈折素子−Bの光線分離方向との角度差が40°となっている。このため、各複屈折素子で分離される常光線と異常光線との割合が均等でない場合があり、それらの偏光方向に応じて分離される常光線と異常光線の割合が異なる。
図11(a)〜(e)を用いて4つの複屈折素子1〜4による点像分離について説明する。ここでは、4つの複屈折素子1〜4がそれぞれ複屈折素子A,B,−B,−Aである場合について説明する。また、各複屈折素子で常光線と異常光線に分離される割合を円の面積で示す。分離の割合は入射する光線の偏光方向に依存するため、該偏光方向を0°〜170°まで10°間隔で計算したものの平均を用いている。
図11(a)において、入射光線は座標(0,0)で複屈折素子1(A)に入射する。複屈折素子1は、表1に示したように光線分離方向が70°の方向であり、図11(b)に示すように入射光線のうち常光線はそのまま真っすぐ進み、異常光線は70°の方向にa=2.55μmだけ変位(分離)する。常光線の座標は(0,0)であり、異常光線の座標は(0.872, 2.396)と表わされる。常光線は偏光方向が−20°の方向の偏光であり、異常光線は偏光方向が70°の方向の偏光となる。この場合、常光線と異常光線の割合は0.5対0.5の均等である。
複屈折素子1から射出した常光線と異常光線はともに複屈折素子2(B)に入射する。複屈折素子2は、表1に示したように光線分離方向が20°の方向であり、ここに入射する常光線と異常光線の偏光方向はそれぞれ、上記光線分離方向に対して40°と50°の傾きを持つ。このため、図11(c)に示すように、複屈折素子2に入射した常光線と異常光線はそれぞれ、光線分離方向(20°)に対して直交する2つの偏光(常光線と異常光線)に分離される。このときの分離の割合は、同図に示すように互いに異なる。
そして、偏光方向が上記光線分離方向に対して直交する常光線はそのまま真っすぐに進み、偏光方向が該光線分離方向である異常光線は光線分離方向にb=2.55μmだけ変位する。この結果、座標(0,0)にて入射した常光線は、(0,0)と(2.396,0.872)に分離し、(0.872, 2.396)にて入射した異常光線は、(0.872, 2.396)と(0.872+2.396, 2.396+0.872)に分離する。これにより、4個の点像が形成される。そのときの分離割合は、0.207、0.293、0.293、0.207である。
以下、複屈折素子3(−B)で図11(d)に示すように光線が分離され、さらに複屈折素子4(−A)で図11(e)に示すように光線が分離されることで、合計で16個の点像が形成される。
図12には、上記16個の点像を示す。点像の位置は、x軸方向、y軸方向および斜め(45°)方向において線対称である。しかし、45°回転対称にはなっていない。また、円の面積で表された光線の分離割合は、x軸方向とy軸方向とで異なっている。
図13(a)〜(c)は、これら点像のx軸方向、y軸方向および斜め方向のLSFを示す。上述したようにx軸方向、y軸方向および斜め方向において点像の位置には対称性があるが、それらの方向での分離割合が異なるため、LSFも互いに異なる。
また、図14(a)〜(c)は、x軸方向、y軸方向および斜め方向のMTFを示している。x軸方向、y軸方向および斜め方向でのMTFは、実施例1と同様に標準偏差を1.767に近づけたために低周波での特性は似ており、50[lp/mm]までのMTFは互いにほぼ等しい。さらに、実施例1と同様に141[lp/mm]付近で20%(0.2)以上のMTFがあり、高解像度が得られる。
ナイキスト周波数の2倍の200[lp/mm]から250[lp/mm]においては、y軸方向ではMTFはほぼ0%となっているが、x軸方向ではMTFが10%程度となっている。斜め方向では、約190[lp/mm]付近から10%以下になっており、広い空間周波数の範囲で偽色の発生を低減することができる。斜め方向での偽色と比べて、x軸方向およびy軸方向のモアレは許容できるため、斜め方向のローパスフィルタ効果を最大限に得る方法として本実施例は効果がある。
本発明の実施例3である光学ローパスフィルは、実施例1(図2)と同様であり、図1に示したイメージセンサ7の撮像面とほぼ等しい長方形の4つの複屈折素子1〜4が積層されて構成されている。
表2に、本実施例の数値例3における複屈折素子1〜4での分離幅を示す。複屈折素子A,B,−Bおよび−Aの光線分離方向はそれぞれ、72°,18°,−18°および−72°である。実施例1と同様に、表1に示した全ての配置順序を選択することができる。また、Aと−AおよびBと−Bはそれぞれ、2つの同じ複屈折素子のうち一方を裏返したものに相当する。
本数値例でも、数値例1と同様に、イメージセンサの画素ピッチp=5μmを想定している。また、本数値例では、分離幅a,bを互いに異ならせ、a=2.744[μm]、b=2.450[μm]とした。これにより、点像の分布の標準偏差を、x軸方向で1.767とし、y軸方向で1.755として目標の標準偏差の1.767と同じ又はごく近い値とした。
光学ローパスフィルタに入射した1本の入射光線は、実施例1と同様に、複屈折素子1〜4によって偏光による点像の分離が順次行われ、16本の光線(16個の点像)に分離される。ただし、本実施例では、実施例1と異なり、複屈折素子Aの光線分離方向と複屈折素子Bの光線分離方向との角度差が54°となっている。また、複屈折素子Bの光線分離方向と複屈折素子−Bの光線分離方向との角度差が36°となっている。このため、各複屈折素子で分離される常光線と異常光線との割合が均等でない場合があり、それらの偏光方向に応じて分離される常光線と異常光線の割合が異なる。
図15(a)〜(e)を用いて4つの複屈折素子1〜4による点像分離について説明する。ここでは、4つの複屈折素子1〜4がそれぞれ複屈折素子A,B,−B,−Aである場合について説明する。また、各複屈折素子で常光線と異常光線に分離される割合を円の面積で示す。分離の割合は入射する光線の偏光方向に依存するため、該偏光方向を0°〜170°まで10°間隔で計算したものの平均を用いている。詳細な説明は省略するが、本実施例でも、実施例1と同様に、図15(a)〜(e)に示す光線分離によって16個の点像が形成される。
図16には、上記16個の点像を示す。点像の位置および光線の分離割合ともに、x軸方向およびy軸方向では線対称となっているが、回転対称にはなっていない。円の面積で表わされた光線の分離割合においては、x軸方向の方がy軸方向よりも大きい割合となっている。このため、分離幅aを大きくすることで、y軸方向の分離幅を大きくしている。このため、点像の位置は、縦長(x軸方向よりもy軸方向に長く)分布しており、分離割合との相殺でx軸方向とy軸方向での点像の分布のバランスを取っている。すなわち、点像の分離幅が同じで分離割合が大きいと、その方向の分離量は大きくなるため、x軸方向の分離幅を小さくすることでx軸方向とy軸方向での点像の分布のバランスを取っている。これは、点像の分布の標準偏差をx軸方向とy軸方向で合わせることで可能となる。
図17(a)〜(c)は、点像のx軸方向、y軸方向および斜め方向のLSFを示す。本数値例では、x軸方向、y軸方向および斜め方向のいずれにおいても点像の位置に対称性がなく、光線分離の割合も異なるため、LSFも互いに大きく異なる。
また、図18(a)〜(c)は、x軸方向、y軸方向および斜め方向のMTFを示している。x軸方向、y軸方向および斜め方向でのMTFは、前述したように標準偏差を1.767と同じとした又は近づけたために、50[lp/mm]までのMTFは互いにほぼ等しい。さらに、実施例1と同様に、141[lp/mm]付近で20%(0.2)以上のMTFがあり、高解像度が得られる。
x軸方向においては、ナイキスト周波数の2倍の200[lp/mm]から300[lp/mm]でのMTFは20%以下となっており、ローパスフィルタとしての効果が得られている。また、y軸方向においては、200[lp/mm]から250[lp/mm]でのMTFは10%以下となっており、ローパスフィルタとしての効果が得られている。さらに、斜め方向においては、200[lp/mm]から250[lp/mm]でのMTFは10%以下となっており、ローパスフィルタとしての効果があり、偽色の発生を低減することができる。
実施例1〜3の光学ローパスフィルタによれば、低い空間周波数での特性(MTF)を揃えつつ、分離幅a,bの値を式(2)で示した条件の範囲内で変化させることで、x軸方向、y軸方向および斜め方向ごとの特性を異ならせることができる。
数値例1〜3では、イメージセンサの画素ピッチがp=5[μm]である場合について説明したが、画素ピッチに対して分離幅a,bを比例倍することで、様々な画素ピッチに対応することが可能である。ただし、解像感と偽色低減とをバランスさせる際の許容度に関しては、人による感応評価であるため、イメージセンサの画素数や可視光の回折限界との関係で左右される。例えば、300[lp/mm]以上の高周波の考慮が必要ないとの考え方の下では、分離幅は画素ピッチとの比例には左右されず一定である。
このため、本発明の実施例として適切な効果が得られる分離幅の範囲は、概ね式(2)に示される範囲である。式(2)の値がその下限値よりも小さくなるような画素ピッチに対応しようとする場合は、レンズの回折の影響が大きく、ローパスフィルタ自体が不要となる可能性がある。一方、式(2)の値がその上限値よりも大きくなるような画素ピッチに対応しようとする場合は、モアレを解像感として視覚することができず、単なる弊害と感じられる可能性がある。その場合はより強いローパスフィルタが必要となるため、本発明の範疇から外れる。
したがって、本発明の実施例としての光学ローパスフィルタは、画素ピッチp[μm]が、
2.0<p<6.0 (3)
なる条件を満足するイメージセンサに用いられることが望ましい。より望ましくは、画素ピッチp[μm]は、
3.0<p<5.0 (3)′
であるとよい。
なお、イメージセンサの撮像面が正方形である場合には、異方性素子A,−Aを光軸回りで90°回転させることで異方性素子B,−Bと同一の異方性素子になるように、異方性素子A,−Aを選択するとよい。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
1〜4 複屈折素子
6 光学ローパスフィルタ
8 入射光線

Claims (12)

  1. 入射光線を複数の出射光線に分離する光学素子であって、
    互いに同じ光学異方性素子である2つの第1の異方性素子と、
    前記第1の異方性素子と光学軸の方向が異なり、かつ互いに同じ光学異方性素子である2つの第2の異方性素子とを備え、
    前記2つの第1の異方性素子および前記2つの第2の異方性素子のそれぞれにおいて、光学軸の方位が互いに同じとなるときに互いに同じ側にある面を第1の面とし、該第1の面とは反対側の面を第2の面とするとき、
    前記2つの第1の異方性素子および前記2つの第2の異方性素子のそれぞれにおいて、一方の異方性素子と他方の異方性素子の前記第1の面同士および前記第2の面同士がそれぞれ互いに反対側を向いていることを特徴とする光学素子。
  2. 前記光学素子は、
    撮像面が長方形または正方形である撮像素子に対して用いられ、
    前記撮像面における互いに直交する2つの辺のそれぞれが延びる方向を第1の方向および第2の方向とするとき、
    前記入射光線を、前記第1の方向および前記第2の方向のそれぞれにおいて線対称となるように分離することを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記4つの光学異方性素子の前記光学軸が前記第1の方向に対してなす−90°以上+90°以下の方位角のうち最も大きい方位角をθAとするとき、
    45°<φA<90°
    なる条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 55°<φA<80°
    なる条件を満足することを特徴とする請求項3に記載の光学素子。
  5. 前記光学素子は、
    撮像面に複数の正方画素が画素ピッチp[μm]で配置されている撮像素子に対して用いられ、
    前記2つの第1の異方性素子のうち一方の異方性素子の前記方位角がθAであり、該2つの第1の異方性素子の光線分離幅をa[μm]とし、前記2つの第2の異方性素子の光線分離幅をb[μm]とするとき、
    1.3<p/√(a+b)<2.0
    なる条件を満足することを特徴とする請求項3または4に記載の光学素子。
  6. 前記4つの光学異方性素子を、前記方位角が大きい方から順に、A、B、−Bおよび−Aとするとき、Aと−BおよびBと−Aのそれぞれが互いに隣り合わないように配置されていることを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記A、B、−Bおよび−Aの前記方位角がそれぞれ、67.5°、22.5°、−22.5°および−67.5°であることを特徴とする請求項6に記載の光学素子。
  8. 前記2つの第1の異方性素子は、前記第1の面の向きおよび面内での回転角度のうち少なくとも一方を表す第1の指標部を有し、
    前記2つの第2の異方性素子は、前記第1の面の向きおよび面内での回転角度のうち少なくとも一方を表す第2の指標部を有することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. 前記第1および第2の指標部は、互いに異なる形状を有することを特徴とする請求項8に記載の光学素子。
  10. 前記光学素子は、
    撮像面が正方形である撮像素子に対して用いられ、
    前記2つの第1の異方性素子を90°回転させることで前記2つの第2の異方性素子と同一の異方性素子になることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の光学素子。
  11. 撮像素子と、
    請求項1から10のいずれか一項に記載の光学素子とを有することを特徴とする光学機器。
  12. 前記撮像素子の画素ピッチp[μm]が、
    2.0<p<6.0
    なる条件を満足することを特徴とする請求項11に記載の光学機器。
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