JP2019015768A - 立体模型の製造方法、及び立体模型 - Google Patents

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祐 浜口
真人 宮田
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Abstract

【課題】明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすい立体模型の製造方法、及び該立体模型を提供する。
【解決手段】熱溶解積層法を用いる3Dプリンタ10を使用した、立体模型の製造方法であって、3Dプリンタ10に立体模型の製造を開始させるステップと、立体模型の製造途中において、立体模型の内部に形成される空間内に蛍光樹脂の欠片を入れるステップとを含む。これにより、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすい立体模型を製造することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、立体模型の製造方法、及び立体模型に関する。
特開2017−94703号公報(特許文献1)は、3Dプリンタ(熱溶解積層法)を使用した三次元造形物の製造方法を開示する。この三次元造形物の製造方法において、3Dプリンタには、蛍光材料が含まれた樹脂フィラメントが装着される。したがって、この三次元造形物の製造方法によれば、紫外線照射時に蛍光を発する三次元造形物を製造することができる。
特開2017−94703号公報
しかしながら、上記特許文献1のような、3Dプリンタに蛍光樹脂フィラメントが装着された状態で製造された立体模型(三次元造形物)が、励起光(たとえば、紫外線)照射時に発する蛍光は、必ずしもユーザに認識されやすくない。すなわち、励起光照射時にこの立体模型が発する蛍光は、暗い環境下においてはユーザに比較的認識されやすいが、明るい環境下においてはユーザに認識されにくい。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすい立体模型の製造方法、及び立体模型を提供することである。
本発明のある局面に従う立体模型の製造方法は、熱溶解積層法を用いる3Dプリンタを使用した、立体模型の製造方法である。この製造方法は、3Dプリンタに立体模型の製造を開始させるステップと、立体模型の製造途中において、立体模型の内部に形成される空間内に蛍光樹脂の欠片を入れるステップとを含む。
この製造方法においては、立体模型の内部の空間内に蛍光樹脂の欠片が入れられる。この製造方法によって製造された立体模型に励起光を照射すると、空間内の蛍光樹脂が蛍光を発し、その蛍光が立体模型の表面を構成する材料を透過してユーザの目に届く。立体模型を構成する材料に対する蛍光の入射方向によって、蛍光が透過する材料の長さが変わってくる。その結果、外側から立体模型を見た場合に、立体模型の部位ごとに蛍光の強さにムラができる。蛍光の強さにムラがあることによって、立体模型の表面が一様に蛍光を発している場合と比較して、明るい環境下においても立体模型の発光の有無がユーザにとって認識しやすくなる。すなわち、この製造方法によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすい立体模型を製造することができる。
好ましくは、上記立体模型の製造方法において、3Dプリンタは、3Dプリンタに装着された樹脂フィラメントを用いて立体模型を製造するように構成されている。立体模型の製造方法は、立体模型の製造開始前に、透明のABS樹脂フィラメントを3Dプリンタに装着するステップをさらに含む。
この製造方法においては、透明のABS樹脂フィラメントを用いて立体模型が製造される。したがって、この製造方法によって製造された立体模型に励起光を照射した場合に、蛍光樹脂が発する蛍光が、立体模型の表面を透過しやすい。その結果、ユーザは、立体模型の蛍光をより明確に認識することができる。すなわち、この製造方法によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザにさらに認識されやすい立体模型を製造することができる。
さらに好ましくは、上記立体模型の製造方法において、3Dプリンタは、溶解された樹脂を押し出すように構成されたヘッドを備えている。3Dプリンタにおいて、ヘッドの温度は設定可能である。立体模型の製造方法は、立体模型の製造開始前に、透明のABS樹脂フィラメントの推奨温度の下限値にヘッドの温度を設定するステップをさらに含む。
透明のABS樹脂フィラメントは、高温に熱されると気泡が生じ、透明度が低下する。この製造方法においては、ヘッドの温度が、透明のABS樹脂フィラメントの推奨温度の下限値に設定される。したがって、この製造方法によれば、透明のABS樹脂フィラメントの温度上昇が抑制され、透明度の低下を抑制することができる。
好ましくは、上記立体模型の製造方法は、3Dプリンタによる立体模型の製造が終了した後に、立体模型を3Dプリンタから取り外すステップと、取り外された立体模型をアセトン蒸気に晒すステップとをさらに含む。
この製造方法においては、3Dプリンタによって立体模型が製造された後に、立体模型がアセトン蒸気に晒され、立体模型の表面の透明度が向上する。したがって、この製造方法によれば、表面の透明度が向上した立体模型を製造することができる。特に、透明のABS樹脂フィラメントの推奨温度の下限値にヘッドの温度が設定されている場合には、立体模型の表面に樹脂の層がはっきりと表われてしまうときがあり、その立体模型をアセトン蒸気に晒すことによって、樹脂の層をならし、樹脂の透明度を向上することができる。
好ましくは、上記立体模型の製造方法において、3Dプリンタは、3Dデータに従って立体模型の製造を行なうように構成されている。立体模型内の空間は、既存の3Dデータにブーリアン演算処理を施すことによって形成される。
この製造方法においては、立体模型内部の空間がブーリアン演算処理によって形成される。したがって、この製造方法によれば、立体模型内の所望の位置に所望の形状の空間を形成することができる。
好ましくは、上記立体模型の製造方法において、立体模型は、タンパク質の立体模型である。
この製造方法によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすいタンパク質の立体模型を製造することができる。
好ましくは、上記立体模型の製造方法において、蛍光樹脂の欠片は、複数色の蛍光樹脂の欠片を含む。
この製造方法によれば、複数色の蛍光を発する立体模型を製造することができる。
本発明の他の局面に従う立体模型は、立体模型本体と、蛍光樹脂の欠片とを備える。立体模型本体は、内部に空間が形成されており、樹脂製である。蛍光樹脂の欠片は、立体模型本体内の空間内に配置されている。
この立体模型においては、蛍光樹脂の欠片が、立体模型本体の内部の空間内に配置されている。この立体模型に励起光を照射すると、空間内の蛍光樹脂が蛍光を発し、その蛍光が立体模型本体を構成する樹脂を透過してユーザの目に届く。立体模型を構成する樹脂に対する蛍光の入射方向によって、蛍光が透過する樹脂の長さが変わってくる。その結果、外側から立体模型を見た場合に、立体模型の部位ごとに蛍光の強さにムラができる。蛍光の強さにムラがあることによって、立体模型の表面が一様に蛍光を発している場合と比較して、明るい環境下においても立体模型の発光の有無がユーザにとって認識しやすくなる。すなわち、この立体模型によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすくなる。
好ましくは、上記立体模型は、タンパク質の立体模型である。
この立体模型によれば、明るい環境下においても励起光照射時のタンパク質の発光を適切に表現することができる。
本発明によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすい立体模型の製造方法、及び立体模型を提供することができる。
本出願と同日付けで、図11に示した写真をカラーで示した図を物件提出書により提出した。
立体模型の製造方法に用いられるシステムの構成を示す図である。 立体模型に蛍光樹脂片を入れるステップを説明するための図である。 立体模型の製造方法の手順の概略を示すフローチャートである。 図3のステップS100(印刷準備)の詳細な手順を示すフローチャートである。 3Dデータにおいて、立体模型内の所望の位置に空間を形成する際の考え方を説明するための図である。 蛍光樹脂片が準備された状態を示す図である。 図3のステップS110(印刷処理)の詳細な手順を示すフローチャートである。 印刷処理が終了した時点の立体模型を示す図である。 図3のステップS120(後処理)の詳細な手順を示すフローチャートである。 立体模型をアセトン蒸気に晒す様子を示す図である。 完成した立体模型に励起光が照射された状態の写真を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[1.システム構成]
図1は、本実施の形態に従う立体模型の製造方法に用いられるシステム100の構成を示す図である。本実施の形態においては、一例としてタンパク質の立体模型が製造される。本実施の形態において製造されるタンパク質の立体模型は、たとえば、生物学の研究者の間で、タンパク質に関する理解をより深めるために用いられる。たとえば、蛍光タンパク質を立体模型で表現する場合には、立体模型に励起光(たとえば、紫外線)を照射したときに、より実物をイメージしやすい蛍光を立体模型が発することが望ましい。さらに、暗い環境下だけでなく、明るい環境下においても、立体模型が発する蛍光がユーザに認識されやすいことが望ましい。
図1に示されるように、システム100は、3Dプリンタ10と、PC(Personal Computer)20とを含んでいる。3Dプリンタ10は、いわゆる熱溶融積層法を用いる3Dプリンタである。3Dプリンタ10と、PC20とは通信可能に接続されている。
このシステム100においては、PC20から受信される3Dデータに従って、3Dプリンタ10が立体模型を印刷する。ここで、3Dデータは、たとえば、STL(Stereolithography)データに基づいて生成されたデータであり、複数の層から形成される立体模型の各層の2次元データを含んでいる。各層の2次元データは、各層における3Dプリンタ10のノズルの動きを示している。なお、各層の2次元データは、一括してPC20から3Dプリンタ10に送信されてもよいし、一層分ずつ順次送信されてもよい。
3Dプリンタ10は、筐体12と、ステージ14と、リール状の樹脂フィラメント16と、ヘッド18とを含んでいる。ステージ14は、可動な状態で筐体12に取り付けられており、Y軸方向及びZ軸方向に移動可能である。リール状の樹脂フィラメント16は、筐体12に取り付けられており、ヘッド18に樹脂を供給可能である。樹脂フィラメント16は、たとえば、透明のABS樹脂フィラメントである。
ヘッド18は、可動な状態で筐体12に取り付けられており、X軸方向に移動可能である。ヘッド18は、樹脂フィラメント16から供給される樹脂を加熱することによって溶融し、溶融された樹脂をステージ14上に押し出す。3Dプリンタ10においては、ヘッド18の温度及び移動速度が設定可能となっている。なお、3Dプリンタ10においては、ヘッド18が1つだけ設けられている(シングルヘッド)。
3Dプリンタ10においては、PC20から受信された3Dデータに従って、ステージ14がY軸方向に移動するとともに、ヘッド18がX軸方向に移動しつつ樹脂をステージ14上に押し出す。そして、立体模型の下方の層の製造が完了すると、ステージ14がZ軸方向における下方に移動し、一段上方の層の製造が開始される。3Dプリンタ10においては、このような工程が繰り返されることによって、立体模型が製造される。なお、3Dプリンタ10においては、ステージ14がZ軸方向において下方に移動する長さ(積層ピッチ)が設定可能となっている。
[2.発光可能な立体模型の製造方法]
仮に、樹脂フィラメント16の代わりに、蛍光樹脂フィラメントを用いるとする。これにより製造された立体模型は、表面全体が蛍光樹脂で構成されているため、励起光が照射されると蛍光を発する。
しかしながら、この立体模型が励起光照射時に発する蛍光は、必ずしもユーザに認識されやすくない。すなわち、励起光照射時にこの立体模型が発する蛍光は、暗い環境下においてはユーザに比較的認識されやすいが、明るい環境下においてはユーザに認識されにくい。これは、立体模型の表面が蛍光樹脂で構成されている場合には表面が一様に蛍光を発するため、明るい環境下においては、発光しているのではなく、立体模型の色が元からそのような色であるとの印象をユーザに与えてしまうためである。
また、3Dプリンタ10はシングルヘッドであるため、複数色の立体模型を製造する場合には、樹脂フィラメントを都度交換する必要がある。しかも、樹脂フィラメントを都度交換したとしても、たとえば、Z軸方向における下方と上方とで色を分ける程度であれば比較的容易に実現できるが、X軸方向又はY軸方向における色分けは困難である。さらに、Z軸方向において色分けを行なう場合であっても、色の境界が明確であるため、境界が不明確な対象を表現することは難しい。
本実施の形態に従う立体模型の製造方法においては、樹脂フィラメント16が透明のABS樹脂フィラメントであり、立体模型の製造途中において、立体模型の内部に形成される格子構造内に蛍光樹脂の欠片(以下、「蛍光樹脂片」とも称する。)が入れられる。蛍光樹脂片は、たとえば、蛍光樹脂フィラメントを短く切ることによって作成されたものである。
図2は、本実施の形態に従う立体模型の製造方法において、立体模型に蛍光樹脂片を入れるステップを説明するための図である。図2を参照して、ステージ14上には、製造途中の立体模型60が配置されている。この段階では、3Dプリンタ10による印刷が一時停止されている。3Dプリンタ10によって立体模型60を製造する場合、立体模型60内には、樹脂が充填されるわけではなく、格子構造62が形成される。作業者は、たとえば、ピンセット70で蛍光樹脂片55を摘まみ、蛍光樹脂片55を格子構造62内に入れる。そして、作業者は、3Dプリンタ10に印刷を再開させる。
この製造方法によって製造された立体模型60に励起光を照射すると、格子構造62内の蛍光樹脂片55が蛍光を発し、その蛍光が立体模型60の表面を構成する樹脂(透明)を透過してユーザの目に届く。立体模型60を構成する樹脂に対する蛍光の入射方向によって蛍光が透過する樹脂の長さが変わってくる。その結果、外側から立体模型60を見た場合に、立体模型60の部位ごとに蛍光の強さにムラができる。蛍光の強さにムラがあることによって、立体模型の表面が一様に蛍光を発している場合と比較して、明るい環境下においても立体模型60の発光の有無がユーザにとって認識しやすくなる。すなわち、この製造方法によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発される蛍光がユーザに認識されやすい立体模型60を製造することができる。
また、立体模型60内には複数の格子構造62が形成されている。作業者は、複数の格子構造62の各々に所望の色の蛍光樹脂片55を入れることによって、部位ごとに異なる色の蛍光を発する立体模型60を製造することができる。このように製造された立体模型60が発する光は、色の境界が明確ではない。したがって、このような製造方法によって製造された立体模型60によれば、タンパク質の境界の曖昧さを的確に表現することができる。
[3.立体模型の具体的な製造手順]
以下、本実施の形態における、立体模型の具体的な製造手順について説明する。
(3−1.概要)
図3は、本実施の形態における立体模型の製造方法の手順の概略を示すフローチャートである。図3を参照して、作業者は、まず立体模型を印刷するための準備を行なう(ステップS100)。印刷準備には、たとえば、3Dプリンタ10の準備や、蛍光樹脂片55の準備が含まれる。
印刷準備が完了すると、作業者は、印刷処理のための作業を行なう(ステップS110)。ここでの作業には、たとえば、印刷を一時停止するための作業や、製造途中の立体模型60に蛍光樹脂片55を入れる作業が含まれる。
印刷処理が完了すると、作業者は、後処理を行なう(ステップS120)。後処理には、たとえば、立体模型60を3Dプリンタ10から取り外す処理や、立体模型60の表面に加工を施す処理が含まれる。以下、各ステップについて詳細に説明する。
(3−2.印刷準備)
図4は、図3のステップS100(印刷準備)の詳細な手順を示すフローチャートである。図4を参照して、作業者は、製造する立体模型60(タンパク質)の3Dデータを準備する(ステップS200)。
作業者は、3Dデータを自ら作成してもよいし、たとえば、インターネット上にアップロードされている3Dデータをダウンロードしてもよい。さらに、作業者は、たとえば、ダウンロードした3Dデータを加工することによって、所望の3Dデータを作成してもよい。
たとえば、立体模型60の内部に形成される格子構造62内に蛍光樹脂片55(図2)を入れるのではなく、立体模型60内の所望の位置に蛍光樹脂片55を入れる場合には、立体模型60内の所望の位置に所望の大きさの空間(以下、「所望の空間」とも称する。)を設ける必要がある。
たとえば、作業者が、立体模型60内に所望の空間が設けられていない3Dデータを入手したとする。この場合には、作業者は、この3Dデータを加工することによって、内部に所望の空間が形成された立体模型60の3Dデータを作成することができる。たとえば、この加工には、3次元コンピュータグラフィックスソフトウェアのBlender等が用いられる。
図5は、3Dデータにおいて、立体模型内に所望の空間を形成する際の考え方を説明するための図である。図5を参照して、作業者は、内部に所望の空間が設けられていない物体30の3Dデータを入手し、たとえば上記のBlenderで3Dデータを開く(STEP1)。
そして、作業者は、たとえばBlenderを用いることによって、所望の空間と同等の大きさの物体40の3Dデータを作成し、物体30において所望の空間を形成したい位置に物体40を配置する(STEP2)。そして、作業者は、物体30から物体40をブーリアン演算により削り取るための操作を行なう。これにより、作業者は、内部に所望の空間37が形成された物体35の3Dデータを作成することができる。作業者は、同様の手法を用いることによって、立体模型60の内部に所望の空間を形成することができる。
再び図4を参照して、3Dデータの準備が完了すると、作業者は、蛍光樹脂片55を準備する(ステップS210)。蛍光樹脂片55は、たとえば、リール状の蛍光樹脂フィラメントをハサミ等で短く切ることによって作成される。
図6は、蛍光樹脂片55が準備された状態を示す図である。図6に示されるように、蛍光樹脂片55は、たとえば、予め大量に作成され、トレイ50上に収容される。
再び図4を参照して、蛍光樹脂片55の準備が完了すると、作業者は、3Dプリンタ10を準備する(ステップS220)。そして、作業者は、リール状の透明のABS樹脂フィラメント(樹脂フィラメント16)を3Dプリンタ10に装着する(ステップS230)。
その後、作業者は、たとえばPC20を介して、3Dプリンタ10に関する各種設定を行なう。作業者は、たとえば、樹脂充填率を設定する(ステップS240)。樹脂充填率を下げると、立体模型60の内部に形成される格子構造の大きさが大きくなる。作業者は、所望の格子構造が得られるように、樹脂充填率を設定する。
そして、作業者は、ヘッド18の温度を設定する(ステップS250)。3Dプリンタ10においては、樹脂フィラメント16を使用する場合の推奨温度が、たとえば、230℃−250℃のように定められている。ステップS250において、作業者は、樹脂フィラメント16の推奨温度の下限値(たとえば、230℃)にヘッド18の温度を設定する。樹脂フィラメント16(透明のABS樹脂フィラメント)は、高温に熱されると気泡が生じて透明度が低下するためである。
その後、作業者は、ヘッド18の速度を設定するとともに、ステージ14がZ軸方向の下方に移動する長さ(積層ピッチ)を設定する。ヘッド18の温度が低く設定されると、立体模型60の強度が低下する傾向にある。したがって、作業者は、たとえば、ヘッド18の速度を最も遅い速度に設定し、積層ピッチを最小値に設定する。これにより、立体模型60の強度を維持することができる。たとえば、3Dプリンタ10において設定可能な積層ピッチの最小値が0.2mmである場合には、作業者は、積層ピッチを0.2mmに設定する。
そして、作業者は、PC20を操作することによって、ステップS200において準備された3Dデータを3Dプリンタ10に送信し、3Dプリンタ10に立体模型60の印刷を開始させる(ステップS270)。これにより、印刷準備が完了し、印刷処理に移行する。
(3−3.印刷処理)
図7は、図3のステップS110(印刷処理)の詳細な手順を示すフローチャートである。図7を参照して、3Dプリンタ10による印刷の実行中に、作業者は、所望のタイミングが到来したか否かを判断する(ステップS300)。所望のタイミングとは、立体模型60内に蛍光樹脂片55を入れるタイミングである。
所望のタイミングが到来していないと判断されると(ステップS300においてNO)、作業者は、所望のタイミングが到来するまで待機する。一方、所望のタイミングが到来したと判断されると(ステップS300においてYES)、作業者は、たとえばPC20を操作することによって、3Dプリンタ10に立体模型60の印刷を一時停止させる(ステップS310)。
そして、作業者は、立体模型60内に形成された格子構造62内に蛍光樹脂片55を充填する(ステップS320)。本実施の形態においては、たとえば、複数の格子構造62の各々に異なる色の蛍光樹脂片55が充填される。格子構造62内への蛍光樹脂片55の充填方法は、たとえば、上述された通りである(図2)。
その後、作業者は、たとえばPC20を操作することによって、3Dプリンタ10に立体模型60の印刷を再開させる(ステップS330)。そして、立体模型60の造形が終了したか否かが3Dプリンタ10によって判定される(ステップS340)。立体模型60の造形が終了するまで(ステップS340においてNO)、ステップS300−S330の処理が繰り返され、立体模型60の造形が終了すると(ステップS340においてYES)、3Dプリンタ10が停止し、印刷処理が終了する。
図8は、印刷処理が終了した時点の立体模型60を示す図である。たとえば、立体模型60の周囲にはブレークアウェイ式の支持材が形成されている。図8に示されるように、立体模型60は、立体模型本体59と、蛍光樹脂片55とを含んでいる。立体模型本体59内(立体模型60内)には、複数の格子構造62(62A,62B,62C,62D)が形成されており、各格子構造62には、異なる色の蛍光樹脂片55が包埋されている。
たとえば、格子構造62Aには蛍光樹脂片55A(黄色)が包埋されており、格子構造62Bには蛍光樹脂片55B(赤色)が包埋されている。格子構造62Cには蛍光樹脂片55C(緑色)が包埋されており、格子構造62Dには蛍光樹脂片55D(青色)が包埋されている。
なお、図8において、立体模型60の形状、及び、複数の格子構造62の位置は簡略化されているが、これは説明の容易のためである。
(3−4.後処理)
図9は、図3のステップS120(後処理)の詳細な手順を示すフローチャートである。図9を参照して、作業者は、アセトン蒸気を準備する(ステップS400)。たとえば、作業者は、ガラス容器にアセトン(液体)を注ぎ、アセトンが注がれたガラス容器を、90℃−100℃に設定されたブロックヒータ上で加熱する。数分経過すると、ガラス容器内がアセトン蒸気で満たされる。これによって、アセトン蒸気の準備が完了する。
そして、作業者は、3Dプリンタ10から立体模型60を取り外し、必要に応じて立体模型60の周囲の支持材を取り外す(ステップS410)。作業者は、立体模型60をアセトン蒸気に晒す(ステップS420)。
図10は、立体模型60をアセトン蒸気に晒す様子を示す図である。図10に示されるように、容器80内にはアセトン蒸気85が満たされている。たとえば、作業者は、ピンセット70によって立体模型60を摘まみ、立体模型60をアセトン蒸気に晒す。立体模型60の表面には、層境界61(樹脂の層の境界)が表れている。立体模型60をアセトン蒸気に晒すことによって、この層境界61をならし、樹脂の透明度を向上させることができる。
再び図9を参照して、作業者は、立体模型60をアセトン蒸気に晒し始めてから所定時間(たとえば、数秒間)が経過したか否かを判断する(ステップS430)。所定時間が経過したと判断されると(ステップS430においてYES)、作業者は、立体模型60の表面を確認し(ステップS440)、表面が滑らかになっているか否かを判断する(ステップS450)。
表面が滑らかになっていないと判断されると(ステップS450においてNO)、作業者は、ステップS420−ステップS440の作業を繰り返す。一方、表面が滑らかになっていると判断されると(ステップS450においてYES)、立体模型60が完成したため(ステップS460)、作業者は作業を終了する。
図11は、完成した立体模型60に励起光が照射された状態の写真を示す図である。図11を参照して、立体模型60は、4つのドメインを有するアクチンの立体模型である。
立体模型60において、領域Y1は黄色に発光しており、領域R1は赤色に発光している。そして、領域G1は緑色に発光しており、領域B1は青色に発光している。各領域内において、発光の強さにはムラがある。このムラによって、ユーザは、明るい環境下においても励起光照射時に立体模型60が発光していることを容易に認識することができる。
また、立体模型60においては、Z軸方向(図1)の色分けだけでなく、X軸方向及びY軸方向にも色分けが行なわれている。また、各領域の境界は、互いの領域の色が混ざった色となっている。すなわち、上述の製造方法によれば、Z軸方向だけでなく、X軸方向及びY軸方向にも色分けされた立体模型60を製造することができる。さらに、上述の製造方法によれば、各領域の境界が明確化されないため、境界が不明確な対象(たとえば、タンパク質)を的確に表現することができる。
[4.特徴]
以上のように、本実施の形態に従う立体模型の製造方法においては、立体模型60の製造途中において、立体模型60の内部に形成される格子構造62(空間)内に蛍光樹脂片55が入れられる。したがって、この製造方法によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発せられる蛍光がユーザに容易に認識可能な立体模型60を製造することができる。
また、本実施の形態に従う立体模型60は、内部に格子構造62(空間)が形成された樹脂製の立体模型本体59と、格子構造62内に配置された蛍光樹脂片55とを備える。したがって、この立体模型60によれば、明るい環境下においても励起光照射時に発せられる蛍光をユーザに容易に認識させることができる。
[5.変形例]
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。以下、変形例について説明する。但し、以下の変形例は適宜組合せ可能である。
(5−1)
上記実施の形態においては、立体模型60がタンパク質の立体模型であるとしたが、立体模型60は必ずしもタンパク質の立体模型である必要はない。立体模型60は、たとえば、いわゆる玩具の模型であってもよい。この場合には、この玩具に励起光が照射されることになる。
(5−2)
また、上記実施の形態においては、樹脂フィラメント16は、透明のABS樹脂フィラメントであるとされた。しかしながら、樹脂フィラメント16は、必ずしも透明である必要はなく、たとえば、白色であってもよい。ただし、透明の方が白色よりも内部からの蛍光を透過しやすい。したがって、樹脂フィラメント16が透明のABS樹脂フィラメントである場合の方が、樹脂フィラメント16が白色のABS樹脂フィラメントである場合よりも、ユーザにとって蛍光の認識がより容易である。
(5−3)
また、上記実施の形態においては、立体模型60に4色の蛍光樹脂片55が充填されたが、立体模型60に充填される蛍光樹脂片55の色のバリエーションは4色である必要はない。立体模型60に充填される蛍光樹脂片55の色のバリエーションは3色以下であってもよいし、5色以上であってもよい。
(5−4)
また、図4,9示されるフローチャートにおける各処理の順番はこれに限定されない。たとえば、図4におけるステップS200,S210,S220は、実行する順番を入れ替えてもよい。また、ステップS240,S250,S260も同様に、実行する順番を入れ替えてもよい。また、たとえば、図9におけるステップS400,S410は、実行する順番を入れ替えてもよい。
(5−5)
また、上記実施の形態においては、立体模型60の内部に蛍光樹脂片55を充填したが、たとえば、立体模型60が非常に小さい場合には、次のような方法も採用可能である。すなわち、蛍光樹脂片55をアセトンで溶かし、溶けた蛍光樹脂を立体模型の表面に塗布する方法である。立体模型60が非常に小さい場合には、このような方法も採用し得る。
10 3Dプリンタ、12 筐体、14 ステージ、16 樹脂フィラメント、18 ヘッド、20 PC、30,35,40 物体、50 トレイ、55 蛍光樹脂片、59 立体模型本体、60 立体模型、61 層境界、62 格子構造、70 ピンセット、80 容器、85 アセトン蒸気、100 システム、Y1,R1,G1,B1 領域。

Claims (9)

  1. 熱溶解積層法を用いる3Dプリンタを使用した、立体模型の製造方法であって、
    前記3Dプリンタに前記立体模型の製造を開始させるステップと、
    前記立体模型の製造途中において、前記立体模型の内部に形成される空間内に蛍光樹脂の欠片を入れるステップとを含む、立体模型の製造方法。
  2. 前記3Dプリンタは、前記3Dプリンタに装着された樹脂フィラメントを用いて前記立体模型を製造するように構成されており、
    前記立体模型の製造方法は、前記立体模型の製造開始前に、透明のABS樹脂フィラメントを前記3Dプリンタに装着するステップをさらに含む、請求項1に記載の立体模型の製造方法。
  3. 前記3Dプリンタは、溶解された樹脂を押し出すように構成されたヘッドを備え、
    前記3Dプリンタにおいて、前記ヘッドの温度は設定可能であり、
    前記立体模型の製造方法は、前記立体模型の製造開始前に、前記透明のABS樹脂フィラメントの推奨温度の下限値に前記ヘッドの温度を設定するステップをさらに含む、請求項2に記載の立体模型の製造方法。
  4. 前記3Dプリンタによる前記立体模型の製造が終了した後に、前記立体模型を前記3Dプリンタから取り外すステップと、
    取り外された前記立体模型をアセトン蒸気に晒すステップとをさらに含む、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の立体模型の製造方法。
  5. 前記3Dプリンタは、3Dデータに従って前記立体模型の製造を行なうように構成されており、
    前記空間は、既存の前記3Dデータにブーリアン演算処理を施すことによって形成される、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の立体模型の製造方法。
  6. 前記立体模型は、タンパク質の立体模型である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の立体模型の製造方法。
  7. 前記蛍光樹脂の欠片は、複数色の蛍光樹脂の欠片を含む、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の立体模型の製造方法。
  8. 内部に空間が形成された樹脂製の立体模型本体と、
    前記空間内に配置された蛍光樹脂の欠片とを備える、立体模型。
  9. 前記立体模型は、タンパク質の立体模型である、請求項7に記載の立体模型。
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