JP2019011288A - 疾患治療用の細胞医薬組成物、疾患治療用キット、細胞医薬組成物の調製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1](A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、及び(C)細胞を混合して得られる、疾患治療用の細胞医薬組成物。
[2](C)細胞が、間葉系幹細胞又は線維芽細胞である、[1]に記載の細胞医薬組成物。
[3]上記間葉系幹細胞が、脂肪由来、臍帯由来又は骨髄由来である、[2]に記載の細胞医薬組成物。
[4](C)細胞が、被験体に対して同種異系である、[1]から[3]のいずれかに記載の細胞医薬組成物。
[5]上記混合において、あらかじめ(C)細胞を(A)溶液に懸濁して細胞懸濁液(A’)を調製した後に細胞懸濁液(A’)と(B)溶液を混合するか、又はあらかじめ(C)細胞を(B)溶液に懸濁して細胞懸濁液(B’)を調製した後に細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを混合して得られる、[1]から[4]のいずれかに記載の細胞医薬組成物。
[6]使用時に、上記細胞懸濁液(A’)と(B)溶液とを、又は上記細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを、実質的に同時に疾患部位に直接噴霧する、[5]に記載の細胞医薬組成物。
[7]ゲル状である、[1]から[6]のいずれかに記載の細胞医薬組成物。
[8](C)細胞が、凍結された細胞である、[1]から[7]のいずれかに記載の細胞医薬組成物。
[9]上記疾患が、内臓疾患である、[1]から[8]のいずれかに記載の細胞医薬組成物。
[10](C)細胞が、細胞医薬組成物中に1×106〜1×109細胞/mL含有される、[1]から[9]のいずれかに記載の細胞医薬組成物。
[11](A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、及び(C)細胞を別々の形態で含む、疾患治療用キット。
[12](C)細胞を(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、又は(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液に懸濁し、得られた細胞懸濁液と、上記懸濁に用いなかった(A)溶液又は(B)溶液とを、実質的に同時に疾患部位に直接噴霧して混合する、ゲル状の細胞医薬組成物の調製方法。
本発明の疾患治療用の細胞医薬組成物は、(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液(以下、「(A)溶液」ともいう)、(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液(以下、「(B)溶液」ともいう)及び(C)細胞を混合することによって得られる。上記混合においては、あらかじめ(C)細胞を(A)溶液に懸濁して細胞懸濁液(A’)を調製した後に細胞懸濁液(A’)と(B)溶液を混合するか、又はあらかじめ(C)細胞を(B)溶液に懸濁して細胞懸濁液(B’)を調製した後に細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを混合することによって調製されることが好ましい。また、本発明の細胞医薬組成物は、使用時に、上記細胞懸濁液(A’)と(B)溶液とを、又は上記細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを、実質的に同時に疾患部位に直接噴霧されることがより好ましい。このように、本発明の細胞医薬組成物は、(A)溶液と(B)溶液を混合して得られるため、アルギン酸塩の水溶液と金属イオンを含む水溶液を接触させることで、イオン架橋反応が起こり、ゲル状の形態となる。さらに、本発明の細胞医薬組成物は、使用前に、上記細胞懸濁液(A’)と(B)溶液とを、又は上記細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを混合して、生体外でゲル化させ、シート状にして疾患治療剤として用いることもできる。このゲル状となった細胞医薬組成物は、疾患部位を被覆して中に含まれる細胞の作用により各種疾患に対して優れた治療効果を奏する。以下、本発明を構成する各要件について具体的に記載する。
アルギン酸とは、海藻の藻体に含まれる細胞間多糖類であり、マンヌロン酸(以下、単に「M」と表示することもある)とグルロン酸(以下、単に「G」と表示することもある)から構成される多糖類であり、マンヌロン酸のホモポリマー画分(MM画分)、グルロン酸のホモポリマー画分(GG画分)、及びマンヌロン酸とグルロン酸がランダムに配列した画分(MG画分)が任意に結合したブロック共重合体である。
本発明の細胞医薬組成物において、2価以上の金属イオンは、アルギン酸分子中のカルボキシ基とイオン架橋反応を起こし、ゲル化する。金属イオンとしては、カルシウムイオン、マグネシウムイオン、水銀イオン、ストロンチウムイオン、バリウムイオン、ラジウムイオン等が挙げられるが、これらのうちカルシウムイオン、マグネシウムイオンが好ましく、カルシウムイオンがより好ましい。
本発明において(C)細胞とは、疾患の治療に対する効果を奏する細胞であれば特に限定されないが、例えば間葉系幹細胞、末梢血単核球(好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球、単球等を含む)、赤血球、T細胞、NK細胞、NKT細胞、NKM細胞、LAK細胞、樹状細胞、繊維芽細胞、造血幹細胞、iPS細胞、ES細胞、骨髄細胞、心筋細胞、肝細胞、神経細胞、皮膚細胞、脂肪細胞、その他各組織を構成する細胞が挙げられる。これらのうち、本発明の細胞医薬組成物において、生存率維持効果に優れ、液性因子を多く分泌するという観点から、間葉系幹細胞、末梢血単核球、骨髄細胞、繊維芽細胞が好ましい。
本発明において間葉系幹細胞とは、間葉系に属する一種以上の細胞(骨細胞、心筋細胞、軟骨細胞、腱細胞、脂肪細胞など)への分化能を有し、当該能力を維持したまま増殖できる細胞を意味する。本発明において用いる間葉系幹細胞なる用語は、間質細胞と同じ細胞を意味し、両者を特に区別するものではない。また、単に間葉系細胞と表記される場合もある。間葉系幹細胞を含む組織としては、例えば、脂肪組織、臍帯、骨髄、臍帯血、子宮内膜、胎盤、羊膜、絨毛膜、脱落膜、真皮、骨格筋、骨膜、歯小嚢、歯根膜、歯髄、歯胚等が挙げられる。例えば脂肪組織由来間葉系幹細胞とは、脂肪組織に含有される間葉系幹細胞を意味し、脂肪由来間葉系幹細胞と称してもよい。これらのうち、各種疾患の治療に対する有効性の観点、入手容易性の観点等から、脂肪由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞、胎盤由来間葉系幹細胞、歯髄由来間葉系幹細胞が好ましく、脂肪由来間葉系幹細胞、臍帯由来間葉系幹細胞、骨髄由来間葉系幹細胞がより好ましい。
間葉系幹細胞は、当業者に周知の方法により調製することができる。以下に、一つの例として、脂肪由来間葉系幹細胞の調製方法を説明する。脂肪由来間葉系幹細胞は、例えば米国特許第6,777,231号に記載の製造方法によって得られて良く、例えば、以下の工程(i)〜(iii)を含む方法で製造することができる:
(i) 脂肪組織を酵素による消化により細胞懸濁物を得る工程;
(ii) 細胞を沈降させ、細胞を適切な培地に再懸濁する工程;ならびに
(iii) 細胞を固体表面で培養し、固体表面への結合を示さない細胞を除去する工程。
(1)標準培地での培養条件で、プラスチックに接着性を示す、
(2)表面抗原CD44、CD73、CD90が陽性であり、CD31、CD45が陰性であり、及び
(3)培養条件にて骨細胞、脂肪細胞、軟骨細胞に分化可能。
本発明において末梢血単核球細胞とは、ヒト又は動物の末梢血から取得される、リンパ球、好中球、好酸球、好塩基球、単球を含む分画をいう。末梢血単核球は、末梢血からFicoll−hypaque(登録商標)等を用いた密度勾配遠心法により分離することができる。本発明における(A)細胞としての末梢血単核球は、末梢血から分離した状態の細胞でもよいし、それらを必要に応じて、各種因子、低分子化合物、抗体等と共に培養等することで、増殖・活性化させたものであってもよい。
本発明において線維芽細胞とは、繊維芽細胞とも言われる結合織形成細胞である。動物個体内のほとんどすべての組織内に分散して存在する中胚葉由来の細胞で、体外培養した場合に紡錘形をなす。線維芽細胞としては、正常ヒト皮膚線維芽細胞(小児、Normal Human Dermal Fibroblasts(NHDF), juvenile foreskin)、正常ヒト新生児皮膚線維芽細胞(Dermal Fibroblasts, Normal, Human, Neonatal)、正常ヒト皮膚線維芽細胞(成人、Normal Human Dermal Fibroblasts(NHDF), adult donor)、正常ヒト皮膚繊維芽細胞(Human Dermal Fibroblast, Fibrocell、ファイブロセル、凍結NHDF(NB) 新生児由来)、正常ヒト皮膚繊維芽細胞(Human Dermal Fibroblast, Fibrocell、ファイブロセル、凍結NHDF(AD) 成人由来)、ヒト肺線維芽細胞(Human Pulmonary Fibroblasts (HPF))、ヒト肺線維芽細胞(adult、HLF)、ヒト肺線維芽細胞(fetal、HLF)、ヒト心臓線維芽細胞(Human Cardiac Fibroblasts (HCF))、ヒト大動脈外膜線維芽細胞(Human Aortic Adventitial Fibroblasts (HAoAF))、ヒト子宮線維芽細胞(Human Uterine Fibroblasts (HUF)) 、マウス胚性線維芽細胞(MEF)等が挙げられる。線維芽細胞は、動物組織から公知の方法によって得ることもできるが、ロンザ、タカラバイオ、住商ファーマインターナショナル、東洋紡ライフサイエンス事業部、倉敷紡績等のメーカーから購入することもできる
本発明における細胞は、各種疾患に対する治療効果を備えていれば、適宜、凍結保存及び融解を繰り返した細胞であってもよい。本発明において、凍結保存は、当業者に周知の凍結保存液で細胞を懸濁し、冷却することによって行い得る。懸濁は、細胞を、必要に応じてトリプシンなどの剥離剤によって剥離し、凍結保存容器に移し、適宜処理した後、凍結保存液を加えることによって行い得る。
本発明の細胞医薬組成物が含有する細胞は、いずれの状態の細胞であってもよく、例えば培養中の細胞を剥離して回収された細胞でもよいし、凍結保存液中に凍結された状態の細胞でもよい。拡大培養して得られる同ロットの細胞を小分けして凍結保存したものを使用すると、安定して同様の作用効果が得られる点、取扱い性に優れる点等において好ましい。
本発明の細胞医薬組成物は、1又は2以上の、疾患に対する治療効果を有する他の薬剤を含有してもよい。他の薬剤としては、肝臓の治療薬、心臓疾患の治療薬、炎症性腸疾患治療薬、呼吸器用薬、神経系用薬、循環器用薬、脳循環改善薬、免疫抑制薬として用いることができる任意の薬剤が挙げられる。
本発明の細胞医薬組成物は、(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、及び(C)細胞を混合して得られる。
具体的疾患としては、例えば、自己免疫性肝炎、劇症肝炎、慢性肝炎、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease(NAFLD))、非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis(NASH))、非アルコール性脂肪肝(nonalcoholic fatty liver (NAFL))、肝線維症、肝硬変、肝癌、脂肪肝、薬剤アレルギー性肝障害、ヘモクロマトーシス、ヘモジデローシス、ウィルソン病、原発性胆汁性肝硬変(PBC)、原発性硬化性胆管炎(PSC)、胆道閉鎖、肝膿瘍、慢性活動性肝炎、慢性持続性肝炎等の肝疾患;心筋梗塞、心不全、不整脈、動悸、心筋症、虚血性心筋症、狭心症、先天性心疾患、心臓弁膜症、心筋炎、家族性肥大型心筋症、拡張型心筋症、急性冠症候群、アテローム血栓症、再狭窄等の心疾患;急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃癌、十二指腸癌等の胃・十二指腸疾患;虚血性腸炎、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、Crohn病、単純性潰瘍、腸管ベーチェット病、小腸癌、大腸癌等の小腸・大腸疾患;急性胆嚢炎、急性胆管炎、慢性胆嚢炎、胆管癌、胆嚢癌等の胆道疾患;急性膵炎、慢性膵炎、膵癌等の膵疾患;急性腎炎、慢性腎炎、急性腎不全、慢性腎不全等の腎疾患;肺炎、肺気腫、肺線維症、間質性肺炎、特発性間質性肺炎、剥離性間質性肺炎、急性間質性肺炎、非特異的間質性肺炎、薬物誘発性肺疾患、好酸球性肺疾患、肺高血圧症、肺結核、肺結核後遺症、急性呼吸窮迫症候群、嚢胞性線維症、慢性閉塞性肺疾患、肺塞栓症、肺膿症、塵肺、嚥下性肺炎肺線維症、急性上気道感染症、慢性下気道感染症、気胸、肺胞上皮に傷害が見られる疾患、リンパ管平滑筋種、リンパ性間質性肺炎、肺胞蛋白症、肺ランゲルハンス細胞肉芽腫症等の肺疾患;縦隔腫瘍、縦隔の嚢胞性疾患、縦隔炎等の縦隔膜疾患;横隔膜ヘルニア等の横隔膜疾患;胸膜炎、膿胸、胸膜腫瘍、がん性胸膜炎、胸膜中皮腫等の胸膜疾患;腹膜炎、腹膜腫瘍等の腹膜疾患;小児脳性麻痺を含む脳性麻痺症候群、無菌性髄膜炎、ギランーバレー症候群、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、重症筋無力症、モノニューロパシー、多発ニューロパシー、脊髄性筋萎縮症、脊椎障害、急性横断性脊髄炎、脊髄梗塞(虚血性脊髄障害)、頭蓋内腫瘍、脊椎腫瘍等の神経疾患;Alzheimer病、認知障害、脳卒中、多発性硬化症、Parkinson病等のCNS障害;線維筋性異形成、末梢動脈疾患(PAD)、閉塞性血栓血管炎(ビュルガー病)、川崎病(KD)等の末梢動脈疾患;深部静脈血栓症、慢性静脈不全、静脈炎後症候群、表在性静脈血栓症等の末梢静脈疾患;移植片対宿主病(GVHD)、続発性免疫不全症、原発性免疫不全疾患、B細胞の欠損、T細胞不全、BおよびT細胞複合欠損、食細胞欠損、古典経路における補体欠損、MBL経路における補体欠損、代替経路における補体欠損、補体調節蛋白欠損、補体レセプター欠損等の免疫不全疾患が挙げられる。
本発明の疾患治療用キットは、(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、及び(C)細胞を別々の形態で含む。本発明の疾患治療用キットを用いると、上述した本発明の細胞医薬組成物を調製し、疾患治療に用いることができる。すなわち、本発明の疾患治療用キットが含む(C)細胞を(A)溶液又は(B)溶液に懸濁し、得られた細胞懸濁液と、上記懸濁に用いなかった(A)溶液又は(B)溶液とを、実質的に同時に疾患部位に直接噴霧してゲル化させ、細胞医薬組成物(疾患治療剤)として疾患治療に用いることができる。本発明の疾患治療用キットは、上述した本発明の細胞医薬組成物を調製するためのキットであり、(A)溶液、(B)溶液及び(C)細胞、その他本発明の細胞医薬組成物が含有し得る成分、細胞医薬組成物の調製方法(使用方法)については細胞医薬組成物の項における説明を適用できる。本発明の疾患治療用キットによれば、細胞の状態を良好に保ち、生存率を長時間に渡って高く維持することができ、液性因子の分泌を高めた細胞医薬組成物を提供することができるため、様々な疾患に対して優れた治療効果を奏することができる。
本発明は、(C)細胞を(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、又は(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液に懸濁し、得られた細胞懸濁液と、上記懸濁に用いなかった(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、又は(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液とを、実質的に同時に疾患部位に噴霧して投与することを特徴とする治療方法も含む。本発明の治療方法によると、細胞の生存率を長時間に渡って高く維持することができ、液性因子の分泌を高められるため、様々な疾患に対して優れた治療効果を奏することができる。本発明の疾患の治療方法は、上述した本発明の細胞医薬組成物、疾患治療用キットを用いた治療方法であり、(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、(C)細胞、その他本発明の細胞医薬組成物が含有し得る成分、細胞医薬組成物の調製方法等については細胞医薬組成物の項における説明を適用できる。
脂肪組織由来間葉系幹細胞(Lonza、品番:PT−5006)を湯浴(37±1℃)で急速融解後、培地(Lonza、品番:00190632)中で培養をし、80%コンフレントに達した時点で継代を行うことを3回繰り返し、3継代行った。トリプシンを用いて剥離し、遠沈管に移し、400gで5分間、遠心分離し細胞の沈殿を得た。上清を除去した後、細胞凍結保存液(STEM−CELLBANKER(ゼノアック))を適量加え懸濁した。当該細胞懸濁溶液を、クライオチューブに分注した後、フリーザー内で−80度にて保存後、液体窒素上の気相に移し、保存を継続した。
アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業、和光一級、品番:194−13321)250mgを、HBSS(Thermo Fisher Scientific、Lot:1776567)50mLに溶解して、0.5%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液を得た。2.0mL マイクロチューブ(QSP,品番:508−GRD−Q)に、HBSS(Thermo Fisher Scientific、Lot:1776567)、0.5%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液をそれぞれ990μLずつ分注した後に、3継代培養を行い凍結保存された脂肪組織由来間葉系幹細胞(Lonza、品番:PT−5006)を湯浴(37±1℃)で急速融解後、脂肪組織由来間葉系幹細胞の細胞懸濁液を10μLずつ加えた。転倒混和により懸濁した後、細胞懸濁液10μLに対して、トリパンブルー(Trypan Blue Stain(0.4%);Life technologies、15250−061)10μLを加えて、生細胞及び死細胞を区別して位相差顕微鏡(OLYMPUS、品番:CKX41SF)にて計測を行った。なお、細胞のカウントにはディスポーザブル細胞計算盤(WAKEN、品番:WC2−100)を用いた。
HBSS溶液中での生存率に比べ、0.5%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液中での生存率は6.7%高いものであった。
アルギン酸ナトリウム(和光純薬工業、和光一級、品番:194−13321)250mg、500mgを、それぞれHBSS(Thermo Fisher Scientific、Lot:1776567)50mLに溶解して、0.5%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液及び1%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液を得た。また、塩化カルシウム(和光純薬工業、品番:038−24985)250mg、500mgを、それぞれHBSS(Thermo Fisher Scientific、Lot:1776567)50mLに溶解して、0.5%塩化カルシウム/HBSS溶液及び1%塩化カルシウム/HBSS溶液を得た。さらに、TypeIコラーゲン溶液(新田ゼラチン)400μLと、10×MEMハンクス培養液(新田ゼラチン)50μL、再構成用緩衝液(新田ゼラチン社製)50μLを混合し、コラーゲン混合溶液得た。
実施例1と同様に、ゲル状の細胞医薬組成物を調製して、培地(Lonza、品番:00190632)中で培養し、5日後における培養上清中のVEGF含有量をELISA法により測定した。
実施例2と同様に、ゲル状の細胞医薬組成物を調製して、培地(Lonza、品番:00190632)中で培養し、5日後における培養上清中のHGF含有量をELISA法により、測定した。
実施例1と同様に、0.5%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液及び1%アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液、0.5%塩化カルシウム/HBSS溶液、1%塩化カルシウム/HBSS溶液及びコラーゲン混合溶液を調整し、アルギン酸ナトリウム/HBSS溶液 100 μLにそれぞれ1×106細胞の正常ヒト皮膚線維芽細胞(新生児、男性、Asian/Caucasian、1次培養凍結、凍結NHDF(NB)、倉敷紡績)を懸濁した後に、塩化カルシウム/HBSS溶液100μLを加えて、アルギン酸ゲルを調製した。また、コラーゲン混合溶液100μLに1×106細胞の正常ヒト皮膚線維芽細胞を懸濁して、コラーゲンゲルを調製した。
実施例4と同様に、細胞を含有する1%アルギン酸ナトリウム、0.5%塩化カルシウムゲル(アルギン酸ゲル)及びコラーゲンゲルを調整して、培地(Lonza、品番:00190632)中で培養し、4日後における培養上清中のHGF含有量をELISA法により測定した。
Claims (12)
- (A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、
(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、及び
(C)細胞
を混合して得られる、疾患治療用の細胞医薬組成物。 - (C)細胞が、間葉系幹細胞又は線維芽細胞である、請求項1に記載の細胞医薬組成物。
- 上記間葉系幹細胞が、脂肪由来、臍帯由来又は骨髄由来である、請求項2に記載の細胞医薬組成物。
- (C)細胞が、被験体に対して同種異系である、請求項1から3のいずれか1項に記載の細胞医薬組成物。
- 上記混合において、あらかじめ(C)細胞を(A)溶液に懸濁して細胞懸濁液(A’)を調製した後に細胞懸濁液(A’)と(B)溶液を混合するか、又はあらかじめ(C)細胞を(B)溶液に懸濁して細胞懸濁液(B’)を調製した後に細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを混合して得られる、請求項1から4のいずれか1項に記載の細胞医薬組成物。
- 使用時に、上記細胞懸濁液(A’)と(B)溶液とを、又は上記細胞懸濁液(B’)と(A)溶液とを、実質的に同時に疾患部位に直接噴霧する、請求項5に記載の細胞医薬組成物。
- ゲル状である、請求項1から6のいずれか1項に記載の細胞医薬組成物。
- (C)細胞が、凍結された細胞である、請求項1から7のいずれか1項に記載の細胞医薬組成物。
- 上記疾患が、内臓疾患である、請求項1から8のいずれか1項に記載の細胞医薬組成物。
- (C)細胞が、細胞医薬組成物中に1×106〜1×109細胞/mL含有される、請求項1から9のいずれか1項に記載の細胞医薬組成物。
- (A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、
(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液、及び
(C)細胞
を別々の形態で含む、疾患治療用キット。 - (C)細胞を(A)アルギン酸及び/又はその塩を含有する溶液、又は(B)2価以上の金属イオンを含有する溶液に懸濁し、得られた細胞懸濁液と、上記懸濁に用いなかった(A)溶液又は(B)溶液とを、実質的に同時に疾患部位に直接噴霧して混合する、ゲル状の細胞医薬組成物の調製方法。
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