真空容器、断熱装置、高断熱システム、及びその形成方法が、本明細書で開示される。真空容器とは、少なくともある程度、真空容器を囲む大気より圧力が低い真空状態(例えば、不完全真空状態)に真空可能である容積を有する空洞(すなわち、真空排気可能な空洞)により断熱性能を有する容器とする。真空容器は、様々な用途で使用され得る。例えば、真空容器は、魔法瓶、冷却器、断熱カップ、断熱弁当箱、断熱電気ポット、冷蔵庫または冷凍庫などの、断熱装置及び/または高断熱システムに含まれ得る。高断熱システムにおける利用を含む、いくつかの用途において、断熱材料は、他の特性の中でも、断熱性を提供するため、真空容器の空洞内に配置され得る。そのような用途において、空洞及びその中に配置された断熱材料は、真空可能である。
本明細書では、断熱装置は、本明細書に記載されるように、他の物の中でも、真空装置の空洞内に配置された断熱材料を有する真空容器を含む装置とする。本明細書では、高断熱システムは、他の物の中でも、空洞が、その他の性能の中から、0.00000015以下のΔP/ΔTを有し、ΔPが空洞内部の第1の圧力と、空洞内部の第2の圧力との間の差と等しく、ΔTが、第1の圧力の測定に関連付けられた時間と第2の圧力の測定に関連付けられた後続の時間との差に等しくなるように、真空装置の空洞内に配置された真空断熱材料を有する真空容器を含むシステムとする。例えば、高断熱システムは、空洞の少なくとも一部が、その他の因子の中でも、0.00000015ミリバール/秒以下のΔP/ΔT及び/または空洞内に配置された断熱材料を有するため、所望の断熱品質、例えば、少なくとも15平方メートル*ケルビン/ワットのR−値を有する。
真空容器への他のアプローチが、真空容器の少なくとも一部を画定する壁などの、真空容器の他の構成部品に加え、金属(例えば、鋼)結合部材などの、結合部材に依存してもよく、かつ/または真空空洞を形成及び/または封止するように意図された単一の封止部に依存してもよい。さらに、いくつかの真空容器は、冷却システム及び/または加熱システム内に含まれるような、少なくとも部分的に真空容器の真空空洞内に配置された、熱交換器を含まなくてもよい。そのような結合部材、単体シーラント層を採用し、かつ/またはその真空空洞内に配置された冷却及び/または加熱システムの少なくとも一部を含まない真空容器は、他の困難の中でも、非効率的で(例えば、所望の真空状態を達成及び/または維持することができない)かつ/またはコストがかかる(例えば、製造が困難)ものを含む真空容器となってしまいかねない。
いくつかのアプローチにおいて、断熱材料の断熱品質を向上させるため、空洞内に配置された断熱材料(例えば、発泡体)を有する空洞からガス及び/または液体を排出するのに真空ポンプが使用され得る。例えば、真空断熱冷蔵庫は、断熱空洞が密閉して封止された冷蔵庫キャビネットを含む冷蔵庫を製造し、かつその空洞を多孔性材料によって充填(例えば、断熱空間が真空になるにあたり周囲圧力に対して壁を支えるために)することにより作成され得る。空気及び/または水蒸気の侵入のため、この断熱空洞を断続的に真空状態に戻すため真空ポンプが必要になり得る。例えば、ヨーロッパ特許第587546号で示されるように、真空ポンプを有する冷蔵庫を提供することは、真空ポンプをほとんど連続的に動かす結果となり得、不所望に冷蔵庫の全体的な消費電力を増加させ得る。
そのようなアプローチへの代替案は、冷蔵庫の全体的な消費電力を削減するため、冷蔵庫から真空ポンプを取り除くことである。例えば、空洞は、冷蔵庫の予想寿命の間低圧で維持され得る。空洞の真空性能は、封止部により封止されたときの空洞の封止部の性能、及び空洞を構成する材料(例えば、真空システムの外壁及び/または内壁の材料)の気体及び/または液体それぞれの透過性、の2つの態様にかかっている。空洞の構成部品としてほぼ不透過性の材料を用いると、空洞を低圧で維持することを促進できる。しかしながら、ほぼ不透過性の材料を使用しても、真空システムは、空洞を構成する材料の間の封止部を通じて気体の透過を経験し得る。例えば、封止部からの水蒸気透過率は、空洞を構成する材料(例えば、バリアフィルム)からの水蒸気透過率と比べて、〜50倍大きくなり得る。さらに、酸素に関しては、典型的な封止層材料には、耐酸素拡散性がほとんどない。それ故、該当する冷蔵庫または真空の空洞を備える同様の真空容器の真空断熱パネル(VIP)の寿命は、耐性の面で不所望に短くなり得る。
対照的に、本開示の実施形態は、真空容器、具体的には真空容器を含む断熱装置及び高断熱システムに関する。例示的な実施形態において、真空容器は、シェル係止部を有する連続表面層を含むシェルと、ライナー係止部を有する連続表面層を含むライナーを含むことができ、ライナー係止部及びシェル係止部が、シェル及びライナーを噛合し、シェルの連続表面層とライナーの連続表面層との間の界面に沿って配置された第1のシーラント層及び第2のシーラント層を含む。効果的には、本明細書で記載されるように、真空容器は、真空容器の構成部品(例えば、シェル及びライナー)に加えそのような結合部材に依存せず、かつ効果的にシェルの連続表面層とライナーの連続表面層との間の界面に沿って第1のシーラント層及び第2のシーラント層を含む。例示的な実施形態において、シェル及びライナーの材料の種類に関わらず真空容器を封止するための封止方法(例えば、陥凹及び突起を含むシェル及びライナーを噛合するため陥凹及び突起を噛合する)が提供される。更なる利点が、冷却システム及び/または加熱システムを含む真空容器の使用を通して実現され得、熱交換器(例えば、蒸発装置)を含む冷却システム及び/または加熱システムの少なくとも一部が、他の利点の中でも、所望の真空状態の維持を促進するため真空容器の空洞内へ配置される。
図1は、本開示に従い真空容器100の実施例の側面図を示す。図1に示されるように、真空容器100は、シェル102及びライナー104を含むことができる。シェル102及びライナー104は、金属、プラスチック、または他の好適な気体不透過性材料、または気体不透過性材料を含む材料の組み合わせから形成される。多くの実施形態に従い、他の好適な材料の中でも、シェル102は、鋼などの金属から形成され得、かつライナー104は、ポリエチレンテレフタレートなどのプラスチックから形成され得る。
図1に示されるように、シェル102及びライナー104は、各々開口部128を有する真空容器100を形成するため各々開口部を有するボックス形状である。つまり、シェル102及びライナー104は、ニ重壁の真空容器100を形成するためその各々の周囲に位置する界面111で一体となり接合される。例えば、図1に示されかつ本明細書で記載されるように、シェル102のフランジ113及びライナー104のフランジ114は交差でき、またはそうでなければ、ライナー104及びシェル102をライナー104とシェル102との間の交差111で一体的に接合される。真空容器100は、4つの丸角を有するボックス形状で示されるが、本開示はこれに制限するわけではない。むしろ、真空容器100の形状及びそのいずれの角も、所望する真空容器100の用途によって、あるいは、本明細書で記載されるように、真空容器を促進するために変更(例えば、直角の角)され得る。
シェル102は、本明細書で記載されるように、シェル係止部を有する連続表面層105を含む。多くの実施形態において、シェル102は、フランジ113及びシェル係止部へ連続的に(例えば、継ぎ目または開口部無しで)延びる。ライナー104は、本明細書で記載されるように、ライナー係止部を有する連続表面層108を含む。多くの実施形態において、ライナー104は、フランジ114及びライナー係止部まで真空容器100における開口部128の周囲に沿って連続的に延びる。つまり、シェル及びライナーの連続表面層105、108は、シェル102及びライナー104の各々の形状を形成し、各々シェル102及びライナー104と同じ材料から形成される。
図2は、本開示に従い真空容器200の実施例の一部の断面図を示す。断面図は、図1で示されるような、真空容器100の断面112に沿って得られる。本明細書では、真空容器200及びその構成部品は、真空容器100及びその対応する構成部品に類似する。つまり、図に関して、同じ部品番号が、図を通して同じまたは同等の部品を示す。図は、正確な縮尺である必要はない。例えば、図2の界面211は、図1、3、4、5、及び6の界面111、311、411、511、及び611に各々類似する。図1〜6で示される真空容器のいくつかの構成部品に対する大きさは、示される実施形態をより明瞭に例示するため誇張される。
図2に示されるように、真空容器200は、空洞220の一部を画定するパネル218を含む。パネル218は、シェル202の連続表面層205と一体となり得、またパネル218は、シェル202の連続表面層205から分離した構成部品から形成され得る。つまり、1つ以上の実施形態に従い、パネル218は、シェル202の一体部分(例えば、背面部)から形成され得る。あるいは、パネルは、金属、プラスチック、他の好適な気体不透過材料、またはシェル202の連続表面層205から分離しまた区別される気体不透過性材料を含む材料の組み合わせから形成され得る。そのような実施形態において、パネル218は、真空容器の空洞220の一部を画定するために好適な用法で、シェル202の連続表面層205に溶接、接着、機械的接続、及び/または別の方法で結合され得る。
真空容器200は、本明細書で記載されるように、シェル202の連続表面層205に結合する、または一体となるパネル218を含み、パネル218、連続表面層205、噛合されたシェル202の208、および、ライナー204から画定される空洞220を形成する。空洞220は、本明細書で記載されるように、真空され所望の真空状態を維持し得る。本明細書で記載されるように、図2では略U形状で示されるが、空洞220は、所望の真空容器200の用途によって様々な形状及び/または寸法で形成され得、かつ/または別の方法で真空容器を促進する。空洞220を囲む外部領域250(すなわち、環境)は、周囲圧力(すなわち、周囲環境)となる。
空洞220は、高断熱システムに関する多くの実施形態において、断熱装置200の空洞220の内部容積のうちのいくつかまたは全てに配置された断熱材料(図示せず)を含むことができる。断熱材料は、多くの実施形態において、ポリウレタン発泡体などの発砲体、パーライトなどの無機粉末、及び/またはキセノン、クリプトン、及びアルゴンなどのガスのうちの少なくとも1つを含む低熱伝導率ガス、または他好適な断熱材料から形成され得る。
本明細書を参照すると、ポリウレタンとは、ウレタンリンクとして参照され得る、カルバメート環により接合される単位の連鎖を含むポリマーである。ポリウレタンは、ポリイソシアネートをポリオール及び/または他の構成部品と反応させることにより形成され得る。本明細書の1つ以上の実施形態において、真空断熱材料(例えば、真空発泡体)が、空洞220(例えば、空洞220の全容積)に配置される。例えば、独立気泡発泡体の使用を採用する他のアプローチとは対称的に、連続気泡発泡体が、0.00000015ミリバール/秒以下のΔP/ΔTを有する空洞を有利に促進するために、空洞220の中に配置され得、真空され得る。本明細書では、ポリウレタン発泡体の連続気泡とは、完全に独立ではなく、かつ他の気泡を直接または間接的に連通し、ASTM D2856に従い測定される気泡として定義される。「連続気泡」発泡体は、硬質のPU発泡体におけるすべての気泡に基づき少なくとも10%の連続気泡容積を有することができる。好ましくは、本開示の硬質PU発泡体は、硬質PU発泡体におけるすべての気泡に基づき35%〜95%の連続気泡容積内容を有することができる。これらのパーセンテージ値は、上記で述べられたように、ASTM D2856を使用して決定され得る。本明細書では、ポリウレタン発泡体の「独立気泡」とは、完全に独立し、他のいずれの気泡とも非接続であり、かつASTM D2856に従い測定される気泡として定義される。
断熱性材料は、ライナー204またはシェル202のうち少なくとも1方に設けられたベントを介して空洞220へ提供され得る。図2に示されるように、例示的な実施形態において、パネル218は、他の可能な機能の中でも、配管、電源配線、熱交換器(例えば、蒸発装置)を含む冷却/加熱システム等を、空洞220及び/または空間227の中へ設置及び構成できるようにし、空洞220の真空を容易にし、断熱材料が空洞220へ提供されるようにし、かつ/または空洞220の通気(例えば、空洞220への断熱材料の提供中の通気)を可能にするため、空洞220へのアクセスを提供するベント219を含むことができる。
1つ以上の実施形態において、冷却システム及び/または加熱システムが、断熱装置に含まれ得る。本明細書では、冷却システムとは、真空容器200の空間227を冷却するよう動作可能なシステムとし、加熱システムとは、真空容器200の空間227を加熱するよう動作可能なシステムとする。つまり、1つ以上の実施形態において、冷却システム及び/または加熱システムの熱交換器は、真空容器200の空間227と熱伝達関係にあり得る。空間227は、ライナー、ドア(図示せず)、及びスペース227を囲むためのドアと真空容器200との間の界面に沿った封止部(図示せず)の連続表面208により画定された容積とする。このような封止は、封止ガスケットまたは空間を封止するために好適な他の封止を含む。封止は、他の可能性の中でも、ドアとの一体構成部品として提供され得るか、または別の構成部品として提供され得、かつドア及び/またはライナーの連続表面に結合され得る。
1つ以上の実施形態において、蒸発装置(明瞭な例示のため図示せず)を含む冷却システムの一部が、空洞220に配置され得、かつ冷却システムの別の一部(明瞭な例示のため図示せず)、例えば、コンデンサーが、空洞220に配置され得る。効果的には、真空容器200の空洞220に配置された熱交換器(例えば、蒸発装置)などの冷却システム及び/または加熱システムの少なくとも一部を有することで、熱交換器が、真空容器200の空間227と熱伝達関係にあることを可能にし、空洞220を所望の真空状態で維持することを促進する。本明細書では、所望の真空状態とは、0.00000015ミリバール/秒以下のΔP/ΔTを有し、ΔPが、空洞内部の第1の圧力値と空洞内部の第2の圧力値との間の差と等しく、ΔTが、第1の圧力値の測定に関連付けられた時間と第2の圧力値の測定に関連付けられた後続の時間との間の差に等しい、真空状態とする。しかしながら、本開示は、これに制限するわけではない。つまり、冷却及び/または加熱システムの蒸発装置及び/または別の部分は、いくつかの実施形態において、空間227内に配置され得る。
ベント219は、本明細書で記載されるように、例えば、他の好適な構成部品の中でも、排出管及び/または排出穴、及び/または空洞220へのアクセスを提供でき、真空密閉され得る通路により形成され得る。例えば、1つ以上の実施形態において、パネル218は、空洞220へのアクセスを提供する通気ポート及び真空ポンピングベントを含む一体型ベントを含む。ベントは、溶接、物理的プラグ、シーラント、及び/または他の好適な材料及び/またはベントを圧力封止する方法により圧力封止され得る。多くの実施形態において、ベントは、他の可能性の中でも、空洞に断熱材料を提供した後に封止され得る。図2は、パネル218を通過する単体のベント219を示すが、本開示は、これに制限するわけではない。つまり、本明細書で記載されるように、ベントの総数及び/または位置は、特定の真空容器の用途によって変更され得、かつ/または別の方法で真空容器を促進する。
断熱装置及び高断熱システムに関するような様々な実施形態において、真空容器200内の開口部228は、ドア(明瞭な例示のため図示せず)または空間227を囲むための他の好適な構成部品により囲まれ得る。この方法で、魔法瓶、冷却器、断熱カップ、断熱弁当箱、断熱電気ポット、冷蔵庫または冷凍庫等を含む用途に好適な断熱装置及び高断熱システムが、本明細書において提供される。
多くの実施形態において、第1のシーラント層及び第2のシーラント層が、本明細書で記載されるように、シェル202の連続表面層205とライナー204の連続表面層208との間の界面211に沿って配置される。界面211は、シェル202の連続表面層205とライナー204の連続表面層208の交差で真空容器200の周囲に沿って延びる連続界面である。1つ以上の実施形態において、界面211は、ライナー204の連続表面層208の少なくとも1つのフランジ(例えば、図1に示されるようなフランジ114)とシェル202の連続表面層205の少なくとも1つのフランジ(例えば、フランジ113)の交差を含む。
いくつかの用途において、真空容器の外に位置する観察者の視点からは視認されない「不可視」封止部を211に沿って維持することは効果的になり得る。つまり、シーラント及び/または接着剤を採用する、本明細書の多くの実施形態において、不可視封止部(例えば、第1のシーラント層及び第2のシーラント層両方が、真空容器の外に位置する観察者の視点からまたは空洞220の外から視認されない)が形成される。しかしながら、封止テープを採用するいくつかの実施形態においては、封止部の一部(例えば、非係止界面に沿って配置された第2のシーラント層により少なくとも一部が形成された部分)が真空容器の外に位置する観察者の視点からは可視となり得る。
界面の好適な例示的実施形態(例えば、図2に示されるような界面211)が、図3〜6で示される。明瞭な例示のため、図3〜6は、好適な界面の例示的な実施形態を形成するシェル202の連続表面層205の一部及びライナー204の連続表面層208の一部を各々示す。特に、図3〜6で示される各々の実施形態において、第1のシーラント層は、他の特長の中でも、空洞が空洞の外の周囲圧力に対する不完全真空を維持することを可能とするように、シェル係止部とライナー係止部との間の界面に沿って連続的に配置される。
本明細書の多くの実施形態に従い、図3、5、及び6で示されるように、ライナー係止部は、陥凹を画定でき、かつシェル係止部は、陥凹の少なくとも一部の中に突出してライナー係止部及びシェル係止部を噛合する突起を画定できる。しかしながら、本開示は、これに制限するわけではない。むしろ、多くの実施形態に従い、図4で示されるように、シェル係止部は、陥凹を画定でき、かつライナー係止部は、陥凹の少なくとも一部の中に突出してライナー係止部及びシェル係止部を噛合する突起を画定できる。それにもかかわらず、陥凹及び突起は、ライナー係止部及びシェル係止部が同じ噛合を採用するように異なる少なくとも1つの寸法を含む各々の寸法を有する。このような噛合は、略U−形状の凹及び/または凸形状を有する陥凹及び突起により促進され得る。しかしながら、図3〜6では略U−形状として示されるが、そのような陥凹及び突起各々の形状、大きさ、及び配向は、所望の真空容器の用途によって変更され得る。
図3は、本開示に従い、真空容器に好適な界面の例示的な実施形態の側面図を示す。図3に示されるように、第1のシーラント層322及び第2のシーラント層324は、例えば、空洞320を封止するため、シェル302の連続表面層305とライナー304の連続表面層308との間の界面311に沿って配置される。本明細書では、第1のシーラント層及び第2のシーラント層は、シーラント、接着剤、封止テープ、またはこれらの組み合わせを含む。シーラントの実施例は、他の好適なシーラントの中でも、シリコンシーラントを含むが、これに制限するわけではない。接着剤の実施例は、エポキシ接着剤または他の好適な接着剤を含むが、これに制限するわけではない。封止テープの実施例は、アルミニウム及び/または銅封止テープまたは他の好適なシーリングテープを含むが、これに制限するわけではない。
第1のシーラント層322及び第2のシーラント層324は、同じまたは同等の材料から形成され得、または所望の用途によって異なる材料から形成され得る。例えば、図3〜5で示されるような様々な実施形態において、第1のシーラント層322は、シーラントから形成され、かつ第2のシーラント層324は、接着剤から形成されるが、しかしながら、本開示は、これに制限するわけではない。むしろ、他の可能性の中でも、第1のシーラント層(例えば、図6に示される第1のシーラント層622)は、接着剤から形成され得、かつ第2のシーラント層(例えば、第2のシーラント層624)は、シーラントから形成され得る。さらに、第2のシーラント層は、接着剤、シーラント、または封止テープから形成され得るが、本開示は、これに制限するわけではない。つまり、多くの実施形態において、第2のシーラント層は、他の可能性の中でも、好適な工程及び/または材料、すなわち金属溶接、プラスチック溶接、加熱封止、ホットスタンプ、及び/または振動溶接に関連する材料、により形成され得る。図3に示されるように、シェル302の連続表面層305の少なくとも1つのフランジ313は、1つ以上の実施形態において、ライナー304の連続表面層308の少なくとも1つのフランジ314と交差でき、交差311の少なくとも一部を形成する。
図4に示されるように、第1のシーラント層422及び第2のシーラント層424は、例えば、空洞420を封止するために、シェル402の連続表面層405とライナー404の連続表面層408との間の界面411に沿って配置される。図3に示されるような多くの実施形態において、少なくとも第1のシーラント層322は、空洞320が空洞320の外の周囲圧力に対する不完全真空を維持することを可能とするように、シェル係止部306とライナー係止部309との間の界面325に沿って連続的に配置される。本明細書では、係止界面(すなわち、シェル係止部の陥凹または突起のうちの少なくとも1つと、ライナー係止部の陥凹または突起のうちの少なくとも1つとの間の界面)は、ライナー係止部とシェル係止部を機械的に噛合することにより、シェルをライナーに結合する。言い換えれば、ライナー係止部の構造とシェル係止部の構造と噛合することは、シェルをライナーに結合しライナーに対するシェルの移動を防止する「スナップフィット」を提供する。1つ以上の実施形態において、噛合されたシェル及びライナーは、真空容器の封止を促進するため、真空容器の全周に沿って連続的に延びる係止界面を形成する。更なる結合強度及び/または封止特性が、少なくとも第1のシーラント層が係止界面に沿って連続的に配置されたことにより付与され得る。
1つ以上の実施形態に対して、真空容器は、非係止界面(すなわち、第2のシーラント層324が配置された係止界面325以外の位置での、界面311の界面、その一部、またはその外部)を含むことができる。つまり、1つ以上の実施形態において、第2のシーラント層は、第1封止層及び同封止層を含む係止界面により提供された機械的及び/または気体不透過性封止を強化するため、非係止界面に配置され得る。例えば、1つ以上の実施形態において、第2のシーラント層324は、空洞320において、シェル302の連続表面層305とライナー304の連続表面層308との間の界面326の長さに沿って連続的に配置される。しかしながら、本開示は、これに制限するわけではない。つまり、第2のシーラント層324は、いくつかの実施形態において、他の界面311内の位置、界面311の一部、または界面311の周りの中でも、係止界面で配置され得る。
図4は、本開示に従い、真空容器に好適な界面の例示的な実施形態の側面図を示す。図4に示されるように、第1のシーラント層422及び第2のシーラント層424は、例えば、空洞420を封止するために、シェル402の連続表面層405とライナー404の連続表面層408との間の界面411に沿って配置される。1つ以上の実施形態において、第1のシーラント層422は、係止界面425で、シェル係止部406とライナー係止部409との間に配置され、かつ第2のシーラント層は、非係止界面426に配置される。図4に示されるように、シェル402の連続表面層405のフランジ413(例えば、単体のフランジ)は、1つ以上の実施形態において、ライナー404の連続表面層408の少なくとも1つのフランジ414と交差でき、交差411の少なくとも一部を形成する。多くの実施形態に従い、第2のシーラント層424は、シェル402の連続表面層405とライナー404の連続表面層408との間の容積の一部において、シェル402の連続表面層405とライナー404の連続表面層408との間の界面426(すなわち、非係止界面)の長さに沿って連続的に配置される。
図5は、本開示に従い、真空容器に好適な界面の例示的な実施形態の側面図を示す。図5に示されるように、第1のシーラント層522及び第2のシーラント層524は、例えば、空洞520を封止するために、シェル502の連続表面層505とライナー504の連続表面層508との間の界面511に沿って配置される。1つ以上の実施形態において、第1のシーラント層522は、第1の係止界面525−1に配置され、かつ第2のシーラント層524は、係止界面525−Rに配置される。第1の係止界面525−1は、ライナー係止部509−1を有する第1のシェル係止部506−1の間の界面から形成され得る。第2の係止界面525−Rは、第1のライナー係止部509−Lを有する第2のシェル係止部506−Sの間の界面から形成され得る。つまり、少なくとも第1のシーラント層は、少なくとも1つの係止界面に配置される。しかしながら、本明細書で記載されるように、界面の配向、総数(例えば、関連付けられた各々のシーラント層を有する係止界面の総数及び/または非係止界面の総数)は、真空容器を促進するために変更され得る。図5に示されるように、シェル502の連続表面層505のフランジ513(例えば、少なくとも1つのフランジ)は、1つ以上の実施形態において、ライナー504の連続表面層508の少なくとも1つのフランジ514と交差でき、交差511の少なくとも一部を形成する。
図6は、本開示に従い、真空容器に好適な界面の例示的な実施形態の側面図を示す。図6に示されるように、第1のシーラント層622及び第2のシーラント層624は、例えば、空洞620を封止するために、シェル602の連続表面層605とライナー604の連続表面層608との間の界面611に沿って配置される。1つ以上の実施形態において、第1のシーラント層622は、界面625すなわち、ライナー係止部609とシェル係止部606との間の係止界面625)に配置され、かつ第2のシーラント層624は、界面626(すなわち、非係止界面626)に配置される。図6に示されるように、シェル602の連続表面層605のフランジ613(例えば、少なくとも1つのフランジ)は、1つ以上の実施形態において、ライナー604の連続表面層608の少なくとも1つのフランジ614と交差でき、交差611の少なくとも一部を形成する。1つ以上の実施形態に従い、第2のシーラント層624は、シェル602の連続表面層605とライナー604の連続表面層608との間の容積の一部において、シェル602の連続表面層605とライナー604の連続表面層608との間の界面626の長さに沿って連続的に配置される。
断熱装置及び高断熱システムに好適な真空容器の形成方法は、第1のシーラント層をシェルの連続表面層のシェル係止部及びライナーの連続表面層のライナー係止部のうちの1つへ適用することを含むことができる。1つ以上の実施形態において、真空容器の形成方法は、パネルならびに噛合されたシェル及びライナーの連続表面層により画定された空洞を形成するため、シェル係止部とライナーの連続表面層のライナー係止部を噛合することを含むことができる。噛合するとは、シェル係止部及びライナー係止部を機械的に結合することとする。いくつかの実施形態において、噛合することは、他の可能性の中でも、第1のシーラント層及び/または第2のシーラント層を、シェルの連続表面層のシェル係止部及びライナーの連続表面層のライナー係止部のうちの1つへ適用し、かつシェル係止部と接触するライナー係止部へ接触することを含む。
真空容器の形成方法は、空洞を封止するため、第2のシーラント層をシェルの連続表面層とライナーの連続表面層との間の界面へ適用することを含む。例えば、1つ以上の実施形態において、方法は、シェル係止部及びライナー係止部を噛合するよりも先にシェル係止部及びライナー係止部のうちの1つを適用することを含むことができる。真空容器の形成方法は、断熱装置及び/または断熱装置を含む高断熱システムに関するような1つ以上の実施形態において、空洞の容積の少なくとも一部を充填するため、空洞の中へ断熱材料を注入することを含むことができる。つまり、真空容器の形成方法は、本明細書で記載されるように、断熱装置及び断熱装置を含む高断熱システムを形成するために利用され得る。
真空容器の形成方法は、1つ以上の実施形態において、所望の真空状態まで空洞及び断熱材料を真空することを含み得る。例えば、多くの実施形態において、所望の真空状態とは、本明細書で記載されるように、空洞が0.00000015ミリバール/秒以下のΔP/ΔTを有するように、不完全真空状態となる空洞とすることができる。つまり、1つ以上の実施形態において、常時結合される真空ポンプ(図示せず)(真空容器及び/または断熱装置に配置された)、及び/または真空容器に常時結合していない真空ポンプが、空洞を所望の真空状態に真空する及び/または維持することを容易にすることができる。真空容器の形成方法は、本明細書で記載されるように、シーラント、機械的プラグ、または他の好適な封止機構の使用により、ベントを封止することを含むことができる。
真空容器の形成方法は、1つ以上の実施形態において、所望の真空状態まで空洞及び断熱材料を真空することを含み得る。例えば、多くの実施形態において、所望の真空状態とは、本明細書で記載されるように、空洞が0.00000015ミリバール/秒以下のΔP/ΔTを有するように、不完全真空状態となる空洞とすることができる。つまり、1つ以上の実施形態において、常時結合される真空ポンプ(図示せず)(真空容器及び/または断熱装置に配置された)、及び/または真空容器に常時結合していない真空ポンプが、空洞を所望の真空状態に真空する及び/または維持することを容易にすることができる。真空容器の形成方法は、本明細書で記載されるように、シーラント、機械的プラグ、または他の好適な封止機構の使用により、ベントを封止することを含むことができる。
なお、本発明には、以下が含まれることを付記する。
〔1〕
真空容器であって、
シェル係止部を有する連続表面層を含むシェルと、
ライナー係止部を有する連続表面層を含むライナーであって、前記ライナー係止部及び前記シェル係止部が、前記シェル及び前記ライナーを噛合する、ライナーと、
前記シェルの前記連続表面層に結合されたパネルであって、前記パネルならびに前記噛合されたシェル及びライナーの前記連続表面層により画定される空洞を形成する、パネルと、
前記シェルの前記連続表面層と前記ライナーの前記連続表面層との間の界面に沿って配置された第1のシーラント層及び第2のシーラント層であって、少なくとも前記第1のシーラント層が、前記空洞が前記空洞の外の周囲圧力に対する不完全真空を維持することを可能とするように、前記シェル係止部と前記ライナー係止部との間の界面に沿って連続的に配置されている、第1のシーラント層及び第2のシーラント層と、を備える、真空容器。
〔2〕
ライナー係止部が、陥凹を画定し、前記シェル係止部が、前記陥凹の少なくとも一部の中に突出して、前記ライナー係止部及び前記シェル係止部を噛合する突起を画定している、〔1〕に記載の真空容器。
〔3〕
シェル係止部が、陥凹を画定し、前記ライナー係止部が、前記陥凹の少なくとも一部の中に突出して、前記ライナー係止部及び前記シェル係止部を噛合する突起を画定している、〔1〕に記載の真空容器。
〔4〕
前記陥凹及び前記突起が、前記ライナー係止部及び前記シェル係止部が噛合するように異なる少なくとも1つの寸法を含む各々の寸法を有する、〔2〕または〔3〕のいずれか一項に記載の真空容器。
〔5〕
前記パネルが、前記シェルの一体部分から形成される、〔1〕に記載の真空容器。
〔6〕
前記噛合されたシェル及びライナーが、前記真空容器の全周に沿って連続的に延びる係止界面を形成する、〔1〕に記載の真空容器。
〔7〕
前記第1のシーラント層及び第2のシーラント層が、シーラント、接着剤、封止テープ、またはそれらの組み合わせを含む、〔1〕に記載の真空容器。
〔8〕
前記パネル、前記シェルの前記連続表面層、及び前記ライナーの前記連続表面層が、気体不透過性である、〔1〕に記載の真空容器。
〔9〕
前記第2のシーラント層が、前記シェルの前記連続表面層と前記ライナーの前記連続表面層との間の容積の一部において、前記シェルの前記連続表面層と前記ライナーの前記連続表面層との間の前記界面の長さに沿って連続的に配置された、〔1〕に記載の真空容器。
〔10〕
前記第2のシーラント層が、前記空洞において、前記シェルの前記連続表面層と前記ライナーの前記連続表面層との間の前記界面の長さに沿って連続的に配置された、〔1〕に記載の真空容器。