JP2019010668A - 蒸気タービン用素材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蒸気タービン用素材の強度・靱性をいっそう高めることができる蒸気タービン用素材の製造方法を提供する。【解決手段】 本発明の蒸気タービン用素材の製造方法は、質量%で、C:0.4%以下、Mn:0.2〜0.6%、Si:0.5%以下、Ni:3.0〜4.0%、Cr:1.0〜2.0%、Mo:0.2〜0.6%、V:0.05〜0.15%、残部はFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鍛造用素材を、820〜1000℃に加熱する鍛造前加熱工程と、前記鍛造前加熱工程より低温で且つ、700℃以上で、前記鍛造前加熱工程で加熱した鍛造用素材を熱間鍛造して鍛造材とする熱間鍛造工程とを含み、前記熱間鍛造工程における鍛造材の冷却を、焼入れを兼ねて行う。【選択図】 図2
Description
本発明は、蒸気タービン用素材の製造方法に関するものである。
従来、大型の低圧タービン用ロータには、3.5NiCrMoV鋼の鍛造品が広く使用されている(非特許文献1参照)。一方、蒸気タービンの低圧動翼においては発電効率向上のため、大型化が進められている。動翼が大型化すると稼働時に生じる遠心力も増大するため、それを支持するロータの強度も求められる。この低圧タービン用ロータ強度・靱性向上の検討としては、化学組成や焼戻し条件の検討がなされている(非特許文献2参照)。
浅井知 他「大容量・高温化対応蒸気タービンの溶接ロータ」東芝レビューVol.65 No.8(2010) 第12〜14頁
吉岡洋明 他「Ni−Cr−Mo−V鋼の強度・衝撃特性に及ぼす化学組成と焼戻し熱処理の影響」鉄と鋼Vol.89(2003) 第83〜88頁
上述のように、蒸気タービン用素材には、いっそう高い強度と靱性が求められているが、従来の検討では十分ではなかった。蒸気タービン用素材として3.5NiCrMoV鋼は優れた強度・靱性を有しているものの、強度・靱性の更なる向上が求められている。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、蒸気タービン用素材の強度・靱性をいっそう高めることができる蒸気タービン用素材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、その一態様として、蒸気タービン用素材の製造方法であって、質量%で、C:0.4%以下、Mn:0.2〜0.6%、Si:0.5%以下、Ni:3.0〜4.0%、Cr:1.0〜2.0%、Mo:0.2〜0.6%、V:0.05〜0.15%、残部はFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鍛造用素材を、820〜1000℃に加熱する鍛造前加熱工程と、前記鍛造前加熱工程より低温で且つ、700℃以上の温度で、前記鍛造前加熱工程で加熱した鍛造用素材を熱間鍛造して鍛造材とする熱間鍛造工程とを含み、前記熱間鍛造工程における鍛造材の冷却を、焼入れを兼ねて行う構成とするものである。
前記熱間鍛造工程において、前記鍛造用素材の圧縮率を50%以上としてもよい。
前記熱間鍛造工程で得た鍛造材に550〜650℃の温度で焼戻しを行う焼戻し工程を更に含んでもよい。
前記鍛造前加熱工程で加熱対象とする鍛造用素材は、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号がASTM No.4以上であってもよい。
前記熱間鍛造工程で得た鍛造材はディスク形状を有し、前記ディスク形状の鍛造材の平均結晶粒径が10μm以下であってもよい。
前記ディスク形状の鍛造材の直径が1m以上、質量が4000kg以上であってもよい。
本発明によれば、前記所定の組成を有する鍛造用素材を、所定の温度範囲内に加熱する鍛造前加熱工程を行った後、この鍛造前加熱工程より低温の所定の温度範囲内で鍛造用素材を熱間鍛造するとともに、熱間鍛造工程における鍛造材の冷却を、焼入れを兼ねて行うことによって、前記鍛造用素材にひずみを導入し、旧オーステナイト結晶粒を微細化することができるため、強度と靱性をいっそう高めた蒸気タービン用素材を製造することができる。
以下、本発明に係る蒸気タービン用素材の製造方法の一実施の形態について説明する。本実施の形態の製造方法は、所定の合金組成を有する鍛造用素材を、820〜1000℃に加熱する鍛造前加熱工程と、この鍛造前加熱工程の加熱温度より低温で且つ、700℃以上の温度で前記加熱した鍛造用素材を熱間鍛造する熱間鍛造工程とを主に含むものである。鍛造用素材および各工程について詳細に説明する。
1.鍛造用素材
先ず、本発明で規定する合金組成は、一般的にタービン用ロータ材として使用されている鋼種であり、ASTM−A470−GradeCに準ずるものである。本発明で規定する組成の限定理由は以下のとおりである。なお、組成の単位は質量%である。
先ず、本発明で規定する合金組成は、一般的にタービン用ロータ材として使用されている鋼種であり、ASTM−A470−GradeCに準ずるものである。本発明で規定する組成の限定理由は以下のとおりである。なお、組成の単位は質量%である。
<C:0.4%以下>
Cは焼戻し時に炭化物を形成することで、炭化物のさらなる析出に寄与するため、0.4%を上限として含有する。Cの好ましい上限は0.3%であり、更に好ましくは0.28%である。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.10%である。Cが0.4%を上限として含有されることで、靱性を低下させる原因となる過剰な炭化物の析出を防ぐことができる。Cが0.05%を下限として含有されることで、適度な炭化物の析出により靱性を向上させることができる。
Cは焼戻し時に炭化物を形成することで、炭化物のさらなる析出に寄与するため、0.4%を上限として含有する。Cの好ましい上限は0.3%であり、更に好ましくは0.28%である。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.10%である。Cが0.4%を上限として含有されることで、靱性を低下させる原因となる過剰な炭化物の析出を防ぐことができる。Cが0.05%を下限として含有されることで、適度な炭化物の析出により靱性を向上させることができる。
<Mn:0.2〜0.6%>
Mnは精錬時に脱酸剤として添加し、0.2〜0.6%の範囲で含有する。Mnの好ましい上限は0.5%であり、更に好ましくは0.4%である。好ましい下限は0.23%であり、更に好ましくは0.25%である。Mnが0.2%以上は残存することによって、十分な脱酸効果を得ることができる。一方で、Mnが0.6%以下であることによって鍛造性の低下を防ぐことができる。
Mnは精錬時に脱酸剤として添加し、0.2〜0.6%の範囲で含有する。Mnの好ましい上限は0.5%であり、更に好ましくは0.4%である。好ましい下限は0.23%であり、更に好ましくは0.25%である。Mnが0.2%以上は残存することによって、十分な脱酸効果を得ることができる。一方で、Mnが0.6%以下であることによって鍛造性の低下を防ぐことができる。
<Si:0.5%以下>
SiはMnと同様に精錬時の脱酸剤として添加し、0.5%を上限として含有する。Siの好ましい上限は0.45%であり、更に好ましくは0.4%である。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.10%である。Siが0.5%を上限として含有されることにより、靱性を向上させることができる。Siが0.05%を下限として含有されることにより、十分に脱酸することができる。
SiはMnと同様に精錬時の脱酸剤として添加し、0.5%を上限として含有する。Siの好ましい上限は0.45%であり、更に好ましくは0.4%である。好ましい下限は0.05%であり、更に好ましくは0.10%である。Siが0.5%を上限として含有されることにより、靱性を向上させることができる。Siが0.05%を下限として含有されることにより、十分に脱酸することができる。
<Ni:3.0〜4.0%>
Niは低温での脆化を抑制する効果があり、3.0〜4.0%の範囲で含有する。Niの好ましい上限は3.80%であり、更に好ましくは3.60%である。好ましい下限は3.20%であり、更に好ましくは3.40%である。Niが3.0%以上であることにより、低温下で高応力が負荷されたときにも、割れが生じることを抑制することができる。一方で、4.0%以下であることにより、残留オーステナイト量を減少し、強度を向上させることができる。
Niは低温での脆化を抑制する効果があり、3.0〜4.0%の範囲で含有する。Niの好ましい上限は3.80%であり、更に好ましくは3.60%である。好ましい下限は3.20%であり、更に好ましくは3.40%である。Niが3.0%以上であることにより、低温下で高応力が負荷されたときにも、割れが生じることを抑制することができる。一方で、4.0%以下であることにより、残留オーステナイト量を減少し、強度を向上させることができる。
<Cr:1.0〜2.0%>
Crは耐食性や焼入れ性の改善の効果があり、1.0〜2.0%の範囲で含有する。Crの好ましい上限は1.90%であり、更に好ましくは1.80%である。好ましい下限は1.20%であり、更に好ましくは1.40%である。Crが1.0%以上であることにより使用中の応力腐食割れ発生を抑えることができる。一方で、2.0%以下であることによって強度や靱性を向上させることができる。
Crは耐食性や焼入れ性の改善の効果があり、1.0〜2.0%の範囲で含有する。Crの好ましい上限は1.90%であり、更に好ましくは1.80%である。好ましい下限は1.20%であり、更に好ましくは1.40%である。Crが1.0%以上であることにより使用中の応力腐食割れ発生を抑えることができる。一方で、2.0%以下であることによって強度や靱性を向上させることができる。
<Mo:0.2〜0.6%>
Moは焼入れ性の向上の効果があり、0.2〜0.6%の範囲で含有する。Moの好ましい上限は0.5%であり、更に好ましくは0.45%である。好ましい下限は0.25%であり、更に好ましくは0.3%である。Moが0.2%以上であることにより冷却時に十分に焼入れをすることができ、所望の強度が得られる。一方で、0.6%以下であることにより十分な熱間加工性を得ることができる。
Moは焼入れ性の向上の効果があり、0.2〜0.6%の範囲で含有する。Moの好ましい上限は0.5%であり、更に好ましくは0.45%である。好ましい下限は0.25%であり、更に好ましくは0.3%である。Moが0.2%以上であることにより冷却時に十分に焼入れをすることができ、所望の強度が得られる。一方で、0.6%以下であることにより十分な熱間加工性を得ることができる。
<V:0.05〜0.15%>
Vは焼入れ性を向上させる効果があり、0.05〜0.15%の範囲で含有する。Vの好ましい上限は0.13%であり、更に好ましくは0.11%である。好ましい下限は0.06%であり、更に好ましくは0.08%である。Vが0.05%以上であることにより十分に焼入れ性を強化することができる。一方で、0.15%以下であることにより、強度、靱性を向上させることができる。
Vは焼入れ性を向上させる効果があり、0.05〜0.15%の範囲で含有する。Vの好ましい上限は0.13%であり、更に好ましくは0.11%である。好ましい下限は0.06%であり、更に好ましくは0.08%である。Vが0.05%以上であることにより十分に焼入れ性を強化することができる。一方で、0.15%以下であることにより、強度、靱性を向上させることができる。
<残部はFeと不可避的不純物>
残部はFeと不可避的不純物である。代表的な不可避的不純物としてはP,S,Al等が挙げられる。Pは0.02%以下、S:0.015%以下、Al:0.015%以下の範囲で許容することができる。
残部はFeと不可避的不純物である。代表的な不可避的不純物としてはP,S,Al等が挙げられる。Pは0.02%以下、S:0.015%以下、Al:0.015%以下の範囲で許容することができる。
2.鍛造前加熱工程
次に熱間鍛造条件について説明する。なお、前述した組成を有する合金を「3.5NiCrMoV鋼」として記すことにする。前述した組成を有する合金の鍛造用素材に鍛造を実施する。通常、3.5NiCrMoV鋼は鍛造を行った鍛造材を用いて、焼入れ、焼戻しの熱処理が行われる。従来、旧オーステナイト結晶粒は焼入れの温度や時間によって決定されていた。これに対して、本発明の鍛造工程はオーステナイト組織に高いひずみを与えて再結晶させることで、冷却後に残存する旧オーステナイト結晶粒を微細化することを目的としている。
次に熱間鍛造条件について説明する。なお、前述した組成を有する合金を「3.5NiCrMoV鋼」として記すことにする。前述した組成を有する合金の鍛造用素材に鍛造を実施する。通常、3.5NiCrMoV鋼は鍛造を行った鍛造材を用いて、焼入れ、焼戻しの熱処理が行われる。従来、旧オーステナイト結晶粒は焼入れの温度や時間によって決定されていた。これに対して、本発明の鍛造工程はオーステナイト組織に高いひずみを与えて再結晶させることで、冷却後に残存する旧オーステナイト結晶粒を微細化することを目的としている。
本発明で用いる3.5NiCrMoV鋼の鍛造用素材(以下、「鍛造用素材」と記す)は、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号がASTM−No.4以上であるものを用意することが好ましい。結晶粒径が過度に粗いと鍛造時に十分な結晶粒微細化の効果が得られない場合があるため、これを抑制する必要があるからである。
そして、準備した鍛造用素材を用いて、鍛造前加熱処理を行う。本発明で、前記鍛造用素材の鍛造前に行う加熱温度を820℃〜1000℃としたのは、鍛造用素材をオーステナイト単相にするためである。加熱温度の好ましい上限は950℃であり、更に好ましくは900℃である。加熱温度の好ましい下限は840℃であり、更に好ましくは860℃である。室温から820℃未満の範囲に加熱すると初期のマルテンサイト単相もしくはマルテンサイトとオーステナイトの2相となり、前記初期のマルテンサイト相は、鍛造後に焼入れによる硬化が生じず、加熱中に軟化するため、鍛造後に強度を得ることができないが、820℃以上にすることによって、鍛造用素材をオーステナイト単相にすることで鍛造後の強度を向上させることができる。1000℃以下にすることによって、オーステナイトの結晶粒粗大化を抑制し、鍛造後の微細化効果を得ることができる。
3.熱間鍛造工程
前記の温度範囲内で加熱した鍛造用素材を用いて熱間鍛造を行う。熱間鍛造の条件として、前記鍛造前加熱工程の加熱温度より低温で且つ、700℃以上の温度で鍛造用素材を熱間鍛造するのは、鍛造後の再結晶によって生じるオーステナイト粒を微細化させるためであり、低温で鍛造するほど、再結晶粒はより微細化される。好ましい熱間鍛造温度は、例えば、前記鍛造前加熱温度よりも50〜200℃程度低温とすることが好ましく、より具体的には熱間鍛造温度の上限は950℃であり、更に好ましくは900℃である。加熱温度の好ましい下限は750℃であり、更に好ましくは800℃である。熱間鍛造時の温度が前記鍛造前加熱工程の加熱温度より低温にすることによって、熱間鍛造による旧オーステナイト結晶粒の微細化の効果を十分に得ることができる。一方、700℃以上の温度にすることによって、再結晶に必要なひずみが非常に高くなって再結晶がなされないことを防ぎ、再結晶化及びより微細な再結晶粒の生成を可能とする。
前記の温度範囲内で加熱した鍛造用素材を用いて熱間鍛造を行う。熱間鍛造の条件として、前記鍛造前加熱工程の加熱温度より低温で且つ、700℃以上の温度で鍛造用素材を熱間鍛造するのは、鍛造後の再結晶によって生じるオーステナイト粒を微細化させるためであり、低温で鍛造するほど、再結晶粒はより微細化される。好ましい熱間鍛造温度は、例えば、前記鍛造前加熱温度よりも50〜200℃程度低温とすることが好ましく、より具体的には熱間鍛造温度の上限は950℃であり、更に好ましくは900℃である。加熱温度の好ましい下限は750℃であり、更に好ましくは800℃である。熱間鍛造時の温度が前記鍛造前加熱工程の加熱温度より低温にすることによって、熱間鍛造による旧オーステナイト結晶粒の微細化の効果を十分に得ることができる。一方、700℃以上の温度にすることによって、再結晶に必要なひずみが非常に高くなって再結晶がなされないことを防ぎ、再結晶化及びより微細な再結晶粒の生成を可能とする。
前記熱間鍛造工程における前記鍛造用素材の圧縮率が50%以上であることが好ましい。好ましい圧縮率は60%以上である。圧縮率の上限は、鍛造材の形状や寸法、或いは用いる鍛造装置の能力によって変化するが、おおよそ70%が上限である。圧縮率が50%以上であることにより、鍛造により素材に導入されるひずみが増加し、再結晶粒の形成に必要なひずみを付与することができる。なお、圧縮率は鍛造の圧下方向における、鍛造後の最長部の長さ/鍛造前の最長部の長さとして求める。
<ディスク形状の熱間鍛造>
次に、鍛造材形状がディスク形状である場合の熱間鍛造方法について説明する。本発明で言う「鍛造材」とは熱間鍛造後の形状である。ディスク形状の鍛造材とするには、例えば、円柱状の鍛造用素材を用意すると良い。勿論、鍛造用素材の旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号がASTM−No.4以上のものが好ましい。
この鍛造用素材を前記鍛造前加熱する場合の加熱温度とその時間は、例えば直径が1m以上、重量が4000kg以上の鍛造材を得ようとすると820〜1000℃で5〜50時間であれば十分である。
そして、例えば、4000〜50000トンの鍛造荷重を付与できる熱間プレス鍛造装置(熱間鍛造装置)を用いて、前記鍛造用素材を下型の上面に載置して、上型で押圧し、上型と下型とによって型鍛造(熱間鍛造)を行うと良い。この型鍛造であっても、圧縮率は50%以上であることが好ましい。
上述した圧縮率を高めたり、総歪量を高めたりするには、例えば、鍛造用素材の高さを高くしたものを用いたり、或いは、上型と下型に形成される型彫り面の形状を、所望の場所を選択的に圧縮率や総歪量を高くできる形状とした金型を用いることが好ましい。
前述した鍛造荷重、圧縮率を適用することで平均結晶粒を10μm以下とすることができる。平均結晶粒を10μm以下とすることで結晶粒微細化により強度と靱性を両立することができる。
次に、鍛造材形状がディスク形状である場合の熱間鍛造方法について説明する。本発明で言う「鍛造材」とは熱間鍛造後の形状である。ディスク形状の鍛造材とするには、例えば、円柱状の鍛造用素材を用意すると良い。勿論、鍛造用素材の旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号がASTM−No.4以上のものが好ましい。
この鍛造用素材を前記鍛造前加熱する場合の加熱温度とその時間は、例えば直径が1m以上、重量が4000kg以上の鍛造材を得ようとすると820〜1000℃で5〜50時間であれば十分である。
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上述した圧縮率を高めたり、総歪量を高めたりするには、例えば、鍛造用素材の高さを高くしたものを用いたり、或いは、上型と下型に形成される型彫り面の形状を、所望の場所を選択的に圧縮率や総歪量を高くできる形状とした金型を用いることが好ましい。
前述した鍛造荷重、圧縮率を適用することで平均結晶粒を10μm以下とすることができる。平均結晶粒を10μm以下とすることで結晶粒微細化により強度と靱性を両立することができる。
<冷却方法>
熱間鍛造工程における鍛造材の冷却は、焼入れを兼ねた冷却とする。焼入れを兼ねた冷却とするには、マルテンサイト変態を起こす冷却速度が必要になる。鍛造材の大きさによっても左右されるが、空冷と同等またはそれ以上の冷却速度は必要である。具体的な冷却の方法としては、例えば、水冷、油冷、衝風冷却、ミスト冷却など、種々の公知の冷却方法の適用が可能である。このうち、結晶粒微細化効果が大きいのは冷却速度が速い水冷や油冷等の液体に浸漬する方法であるが、例えば、重量が4000kg以上の大型の鍛造材を水冷等の速い速度で冷却を行うと割れや変形を生じるおそれがある。そのため、大型の鍛造材には衝風冷却等の空冷を適用するのが好ましい。このように、焼入れを兼ねる冷却とするのは、鍛造によって形成された微細なオーステナイト結晶粒を維持するという効果を、熱間鍛造工程において得る目的である。
熱間鍛造工程における鍛造材の冷却は、焼入れを兼ねた冷却とする。焼入れを兼ねた冷却とするには、マルテンサイト変態を起こす冷却速度が必要になる。鍛造材の大きさによっても左右されるが、空冷と同等またはそれ以上の冷却速度は必要である。具体的な冷却の方法としては、例えば、水冷、油冷、衝風冷却、ミスト冷却など、種々の公知の冷却方法の適用が可能である。このうち、結晶粒微細化効果が大きいのは冷却速度が速い水冷や油冷等の液体に浸漬する方法であるが、例えば、重量が4000kg以上の大型の鍛造材を水冷等の速い速度で冷却を行うと割れや変形を生じるおそれがある。そのため、大型の鍛造材には衝風冷却等の空冷を適用するのが好ましい。このように、焼入れを兼ねる冷却とするのは、鍛造によって形成された微細なオーステナイト結晶粒を維持するという効果を、熱間鍛造工程において得る目的である。
4.焼戻し工程
熱間鍛造工程後、任意に、前記鍛造材に550〜650℃の焼戻しを行うことができる。このような焼戻しを行うことで靱性を高めることができる。焼戻しの温度が550℃以上であることより粒界を覆う炭化物が形成されにくくすることができるため、靱性が高くなる。一方、焼戻し温度を650℃以下にすることにより焼戻しの効果が過剰になることを防ぎ、十分な強度を得ることができる。そのため、焼戻しの温度範囲を550〜650℃とする。
熱間鍛造工程後、任意に、前記鍛造材に550〜650℃の焼戻しを行うことができる。このような焼戻しを行うことで靱性を高めることができる。焼戻しの温度が550℃以上であることより粒界を覆う炭化物が形成されにくくすることができるため、靱性が高くなる。一方、焼戻し温度を650℃以下にすることにより焼戻しの効果が過剰になることを防ぎ、十分な強度を得ることができる。そのため、焼戻しの温度範囲を550〜650℃とする。
以上、説明する本実施の形態のタービン用素材の製造方法を実施することで、鍛造用素材に、ひずみを導入しつつ、旧オーステナイト結晶粒を微細化することができ、よって、従来のタービン用素材よりも強度、靱性の向上が期待できる。
質量%でC:0.24%、Si:0.06%、Mn:0.30%、Cr:1.61%、Ni:3.37%、Mo:0.3%、V:0.11%を含有し、残部がFeと不可避的不純物でなるASTM−A470−GradeCに準ずる3.5NiCrMoV鋼の鍛造用素材を準備した。鍛造用素材の旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号はASTM−No.4.6であった。鍛造用素材は組織の均一化を図るため、焼入れ焼戻し材を用いた。その寸法はφ60mm×150mmである。図1に、準備した鍛造用素材の組織写真を示す。
前記鍛造用素材を用いて、900℃での加熱・保持を行った後、800℃で圧縮率が70%となる熱間鍛造を実施した。熱間鍛造では、前記鍛造用素材を平坦な作業面を有する下型の上面に載置して、平坦な作業面を有する上型とで挟み込むように熱間プレスによって押圧した。熱間鍛造後、室温まで空冷による冷却を行った。その後、600℃で120分の焼戻しを実施し、空冷による冷却を行った。比較例として、前記鍛造用素材を加熱して900℃で保持した後、800℃まで温度を下げてから、熱間鍛造を行わずそのまま空冷し、600℃で120分の焼戻しを実施した熱処理材を作製した。
作製した鍛造材の高さおよび径の1/2の位置から、軸方向が鍛造材の圧下方向に対して垂直となるφ3mmのJIS14A号引張試験片として試験片No.1を採取した。また、比較材より、φ3mmのJIS14A号引張試験片である試験片No.2を採取した。表1に、試験片No.1およびNo.2の引張試験の結果を示す。No.1は熱処理のみを実施したNo.2よりも0.2%耐力、最大引張強さが高いことが分かる。
また、800℃で鍛造を実施した鍛造材における組織の評価を実施した。図2に作製した鍛造材の高さおよび径の1/2の位置の金属組織を示す。全面において、10μm以下の微細結晶粒が形成されていることがわかる。図3に比較例による熱処理材の金属組織を示す。結晶粒径は30μm程度であることがわかる。以上の結果より、熱間鍛造によって結晶粒が微細化したことがわかる。
以上の結果から、所定の温度範囲内で鍛造前加熱工程および熱間鍛造工程を行うことで、鍛造用素材にひずみを導入し、旧オーステナイト結晶粒を微細化することが可能であることがわかる。特に、高い圧縮率と高い総歪量を付与した場所は、強度、靱性の向上させることが期待できる。また、大型の鍛造材の外周部に高いひずみを付与する鍛造を実施することで、外周部の強度・靱性を向上させることができる。例えば、発電用タービン部品に用いることで、発電効率の向上を期待できる。
Claims (6)
- 質量%で、C:0.4%以下、Mn:0.2〜0.6%、Si:0.5%以下、Ni:3.0〜4.0%、Cr:1.0〜2.0%、Mo:0.2〜0.6%、V:0.05〜0.15%、残部はFe及び不可避的不純物からなる組成を有する鍛造用素材を、820〜1000℃に加熱する鍛造前加熱工程と、
前記鍛造前加熱工程の加熱温度より低温で且つ、700℃以上の温度で、前記鍛造前加熱工程で加熱した鍛造用素材を熱間鍛造して鍛造材とする熱間鍛造工程とを含み、
前記熱間鍛造工程における鍛造材の冷却を、焼入れを兼ねて行う蒸気タービン用素材の製造方法。 - 前記熱間鍛造工程において前記鍛造用素材の圧縮率を50%以上とする請求項1に記載の蒸気タービン用素材の製造方法。
- 前記熱間鍛造工程で得た鍛造材に550〜650℃の温度で焼戻しを行う焼戻し工程を更に含む請求項1または2に記載の蒸気タービン用素材の製造方法。
- 前記鍛造前加熱工程で加熱対象とする鍛造用素材は、旧オーステナイト結晶粒の結晶粒度番号がASTM No.4以上である請求項1乃至3の何れかに記載の蒸気タービン用素材の製造方法。
- 前記熱間鍛造工程で得た鍛造材はディスク形状を有し、前記ディスク形状の鍛造材の平均結晶粒径が10μm以下である請求項1乃至4の何れかに記載の蒸気タービン用素材の製造方法。
- 前記ディスク形状の鍛造材の直径が1m以上、質量が4000kg以上である請求項5に記載の蒸気タービン用素材の製造方法。
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