JP2019009561A - エンファシス発生器およびエンファシス発生方法 - Google Patents

エンファシス発生器およびエンファシス発生方法 Download PDF

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【課題】パラメータ設定時におけるユーザビリティの向上を図る。【解決手段】警告判定部6は、パラメータの設定変更時におけるアイ振幅および各タップ値の上下限値を固定し、エンファシス波形の発生に必要なパラメータが入力設定されたときにエンファシス波形の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えるかによって警告の有無を判定する。エンファシス出力制御部5は、警告無しと判定したときに試験用信号付与後の合成出力波形を出力し、警告有りと判定したときに試験用信号付与後の合成出力波形の出力をオフする。【選択図】図1

Description

本発明は、試験対象物(DUT:device under test )の各種試験を行うための試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生するエンファシス発生器およびエンファシス発生方法に関する。
従来、送信側で送信する信号の特定の周波数成分を強調することにより、伝送路で減衰しやすい周波数を補償して伝送路で起こる信号の減衰を最小限に抑え、受信側で受信する信号の品質を改善する伝送技術としてエンファシスが知られている。
このエンファシスの伝送技術を利用したエンファシス発生器としては、例えば下記特許文献1に開示されるエンファシス付加装置が知られている。特許文献1のエンファシス付加装置は、横軸を時間、縦軸を変調量としてエンファシス波形イメージを設定画面上に表示させ、このエンファシス波形イメージにおいてビットを強調させることが可能な箇所のタップにカーソルを配置し、カーソルの移動に応じて可変される振幅量に基づいて設定画面上のエンファシス波形イメージと同一のエンファシス波形を生成して元信号(試験用信号)に付加している。
そして、上述した特許文献1を含む従来のエンファシス発生器では、設定画面において、アイ振幅の振幅電圧値を設定するための入力ボックスと、アイ振幅に対するカーソルの振幅量を設定するための入力ボックスとを表示し、入力ボックスにアイ振幅の振幅電圧値を数値入力するとともに、入力ボックスにカーソルの振幅量であるdB値を数値入力して設定するのが一般的であった。また、各カーソルのdB値に代えて、各タップ毎のアイ振幅に対する比の値を入力ボックスに数値入力して設定するエンファシス発生器として下記特許文献2が知られている。
特開2012−060630号公報 特開2016−134714号公報
ところで、上述した特許文献1や特許文献2を含む従来のエンファシス発生器では、アイ振幅、各カーソルのdB値又は各タップ毎のアイ振幅に対する比の値をパラメータとして設定する場合、ハード性能による各タップ値(各カーソルのdB値、又はタップ毎のアイ振幅に対する比の値)の制約が多く、設定変更の度に全てのパラメータ制約が変更され、他のタップ値の上下限値が連動して可変するようになっている。このため、設定変更の度に各タップ値に値の引っ張り合いによるタップ値同士の影響が生じ、アイ振幅を変更した後に再度調整が必要など煩雑な操作が発生する。
さらに説明すると、従来のエンファシス発生器では、パラメータ設定において、それぞれのタップ毎の振幅の上下限値が各タップ値の影響を受けて決まる。このため、あるタップを設定すると、試験用信号付加後の合成出力波形のピーク値或いは各タップの振幅の上下限値に依存して他の各タップの振幅の上下限値が変動してしまう。その結果、希望の値に変更するのにユーザが各タップ値同士の影響を考慮しながら、多数回の調整をする煩雑な操作が必要不可欠であった。また、より細かな調整を行うためにタップ数が増えると、それに伴って操作の煩雑性も増し、パラメータ設定時のユーザの負担が増えるため、操作性の改善が求められていた。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであって、パラメータ設定時のユーザビリティの向上を図ることができるエンファシス発生器およびエンファシス発生方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載されたエンファシス発生器は、試験対象物に入力する試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生するエンファシス発生器1において、
前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータの設定変更時におけるアイ振幅および各タップ値の上下限値を固定し、前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータを入力設定したときに前記試験用信号付加後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは前記各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えるかによって警告の有無を判定する警告判定部6を備えたことを特徴とする。
請求項2に記載されたエンファシス発生器は、請求項1のエンファシス発生器において、
前記警告判定部6が警告無しと判定したときに、前記試験用信号付加後の合成出力波形を出力し、前記警告判定部が警告有りと判定したときに、前記試験用信号付加後の合成出力波形の出力をオフするエンファシス出力制御部5を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載されたエンファシス発生器は、請求項1又は2のエンファシス発生器において、
前記警告判定部6が警告有りと判定したときに、その旨を報知する報知部8を備えたことを特徴とする。
請求項4に記載されたエンファシス発生器は、請求項1のエンファシス発生器において、
前記警告判定部6が警告有りと判定したときに、設定された最後のアイ振幅と各タップ毎の振幅値又は各カーソルのdB値を保持することを特徴とする。
請求項5に記載されたエンファシス発生方法は、試験対象物に入力する試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生するエンファシス発生方法において、
前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータの設定変更時におけるアイ振幅および各タップ値の上下限値を固定し、前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータを入力設定したときに前記試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは前記各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えるかによって警告の有無を判定するステップを含むことを特徴とする。
請求項6に記載されたエンファシス発生方法は、請求項5のエンファシス発生方法において、
警告無しと判定したときに、前記試験用信号付与後の合成出力波形を出力するステップと、
警告有りと判定したときに、前記試験用信号付与後の合成出力波形の出力をオフするステップとを含むことを特徴とする。
請求項7に記載されたエンファシス発生方法は、請求項5又は6のエンファシス発生方法において、
警告有りと判定したときに、その旨を報知するステップを含むことを特徴とする。
請求項8に記載されたエンファシス発生方法は、請求項5のエンファシス発生方法において、
警告有りと判定したときに、設定された最後のアイ振幅と各タップ毎の振幅値又は各カーソルのdB値を保持するステップを含むことを特徴とする。
本発明によれば、試験用信号付加後の合成出力波形のピーク値或いは各タップの振幅の上下限値に依存せず、ユーザが希望の値を直接設定することが可能となり、ユーザビリティの向上を図ることができる。
また、試験用信号付加後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えた場合には、その旨を報知して信号発生能力の上限をユーザに認知させることが可能となる。
さらに、試験用信号付加後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えた場合、合成出力波形の出力をオフすれば、出力先の回路に対して悪影響を与えるのを防ぐことができる。
また、試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えた場合、設定された最後の値を保持する構成とすれば、信号発生能力の上限での試験を続行することが可能となる。
本発明に係るエンファシス発生器の概略構成を示すブロック図である。 本発明に係るエンファシス発生器のエンファシス設定画面の一部の表示例を示す図である。 本発明に係るエンファシス発生器の正常時におけるエンファシス設定画面の一部の表示例を示す図である。 本発明に係るエンファシス発生器の警告時におけるエンファシス設定画面の一部の他の表示例を示す図である。 本発明に係るエンファシス発生器のエンファシス設定画面の一部の他の表示例を示す図である。 本発明に係るエンファシス発生器を用いてエンファシス波形を発生する場合の概略手順を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本実施の形態のエンファシス発生器1は、操作表示部2、情報記憶部3、エンファシス波形生成部4、エンファシス出力制御部5、警告判定部6、表示制御部7、報知部8を備えて構成される。エンファシス発生器1は、試験対象物(DUT)の各種試験を行うための試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生するものであり、パルスパターン発生装置に内蔵される。
なお、試験用信号とは、試験対象物に入力する既知パターンのテスト信号であり、例えばPRBS(Pseudo-random bit sequence:擬似ランダム・ビット・シーケンス)パターン、任意のプログラマブルパターンからなる。
操作表示部2は、例えばユーザが操作するソフトキー、カーソルキー、液晶表示器などを含むものであり、例えばコンピュータグラフィックスとマウスなどのポインティングデバイスを用いた直感的な操作により各種の操作・設定・表示が行える機能を有するGUI(Graphical User Interface)で構成される。
操作表示部2は、例えばBER試験やジッタトレランス試験などの各種試験を行う場合、試験用信号にエンファシス波形を付加して出力するために必要な各種情報の入力操作や各種設定をソフトキーやカーソルキー等の操作により行う。
操作表示部2は、例えばソフトキーやカーソルキー等の操作に基づき、例えば図2〜図5に示すような設定画面や測定画面などを表示する。また、操作表示部2は、後述する警告判定部6から警告信号が表示制御部7に入力されたときに、表示制御部7の制御によって警告を表示する報知部8としての機能も兼ね備える。
なお、図1の例では、各種情報を操作入力する操作部と、設定画面や測定画面などを表示する表示部の両方の機能を操作表示部2が兼ね備えた構成として図示しているが、操作表示部2を操作部と表示部にそれぞれ独立させた構成としてもよい。
ここで、図2〜図5は操作表示部2の入力操作に基づいてパラメータの設定時に表示されるエンファシス設定画面11の一部を抜粋した各表示例を示している。
なお、図2〜図4のエンファシス波形イメージ14において、振幅量の増減によりビットを強調させることができる箇所をタップと称し、この各箇所のタップにカーソルが配置される。
図2〜図4のエンファシス設定画面11には、エンファシス波形の発生に必要な各種情報を入力設定するための入力ボックス12が表示される。図2〜図4の入力ボックス12は、「Output」における「Emphasis Function」の入力ボックス12aと、「Amplitude」の入力ボックス12bと、パラメータの入力ボックス12cとからなる。
「Emphasis Function」の入力ボックス12aは、エンファシスを有効又は無効に設定するための「ON」又は「OFF」を選択する入力ボックスと、パラメータの設定形式(例えば「Coefficient、Pre−Emphasis、De−Emphasisの何れか)を選択する入力ボックスとからなる。図2のエンファシス設定画面11では、エンファシス「OFF」が選択された状態を示している。また、図3および図4のエンファシス設定画面11では、エンファシス「ON」が選択された状態を示している。さらに、図2〜図4のエンファシス設定画面11では、パラメータの設定形式として「Coefficient」が選択された状態を示している。
「Amplitude」の入力ボックス12bには、試験用信号に付加されるエンファシス波形イメージ上の基準となるアイ振幅が入力される。図2〜図4のエンファシス設定画面11では、「0.910」Vppが「Amplitude」の入力ボックス12bに入力された状態を示している。
パラメータの入力ボックス12cには、「Emphasis Function」の入力ボックス12aに入力されたパラメータの設定形式でパラメータが入力される。「Emphasis Function」の入力ボックス12aで選択されるパラメータの設定形式が「Coefficient」の場合には、図2〜図4のパラメータ設定画面11に示すように、各タップ毎のアイ振幅に対する比:C−3,C−2,C−1,C0,C1,C2,C3,C4,C5,C6をタップ値として入力するための10個の入力ボックスが表示される。そして、C−3〜C6それぞれの入力ボックスには、予め決められた範囲内を所定ステップで自由に数値入力して設定することができる。具体的には、例えば−1〜+1の範囲を0.0001ステップで自由に数値入力することができる。
また、「Emphasis Function」の入力ボックス12aで選択されるパラメータの設定形式が「Pre−Emphasis」又は「De−Emphasis」の場合には、図5に示すように、エンファシス波形イメージ上の各カーソル毎のdB値:Pre Cursor1〜3、Post Cursor1〜6をタップ値として入力するための9個の入力ボックスが表示される。そして、Pre Cursor1〜3、Post Cursor1〜6の入力ボックスには、予め決められた範囲内を所定ステップで自由に数値入力して設定することができる。
具体的には、パラメータの設定形式が「Pre−Emphasis」の場合、Pre Cursor1〜3、Post Cursor1〜6のそれぞれの入力ボックスには−20〜+20dBの範囲を0.1dBステップで自由に数値入力することができる。また、パラメータの設定形式が「De−Emphasis」の場合、Pre Cursor1〜3の入力ボックスには0〜+20dBの範囲を0.1dBステップで、Post Cursor1〜6の入力ボックスには−20〜0dBの範囲を0.1dBステップで自由に数値入力することができる。
なお、パラメータの設定形式として「Pre−Emphasis」又は「De−Emphasis」を選択した場合、各カーソルPost1〜6、Pre1〜3のdB値、各タップ毎の振幅値Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Vg,Vh,Vi,Vjは、特許第6124927号と同様の手法により、各タップ毎のアイ振幅に対する比から情報記憶部3の計算式を用いて算出される。
図2〜図4のエンファシス設定画面11には、「Output Monitor」として、各カーソルPost1〜6、Pre1〜3毎のdB値を示す表示ボックス13と、エンファシス波形イメージ14と、各タップ毎の振幅値:Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Vg,Vh,Vi,Vjを示す表示ボックス15が表示される。
ここで、図2に示すように、エンファシス設定画面11において、「Emphasis Function」の入力ボックス12aでエンファシス「OFF」が選択され、「Amplitude」の入力ボックス12bに「0.910」が数値入力されると、エンファシスがかかっていない状態の矩形状のエンファシス波形イメージ14が「Output Monitor」に表示される。
また、図3に示すように、エンファシス設定画面11において、「Emphasis Function」の入力ボックス12aでエンファシス「OFF」が選択され、「Amplitude」の入力ボックス12bに「0.910」が数値入力され、パラメータの形式として「Coefficient」が選択された状態で、C−3,C−2,C−1,C1,C3,C4,C5,C6の入力ボックスに「0.100000」、C0の入力ボックスに「1.000000」、C2の入力ボックスに「−0.200000」がそれぞれ数値入力されると、エンファシスがかかった状態のエンファシス波形イメージ14が「Output Monitor」に表示される。なお、エンファシス波形イメージ14は、パラメータの設定変更に伴ってリアルタイムに変化する。
さらに、操作表示部2は、報知部8としても機能し、後述する警告判定部6にて試験用信号付加後の合成出力波形(10タップ合成振幅値)がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えて警告が必要と判定すると、その旨をユーザに報知するため警告を表示する。具体的には、警告内容を示す「1.5Vpp Limit Over」を「Output Monitor」の表示エリア(エンファシス波形イメージ14の右上太線で囲むエリア)に表示する他、上下限値(例えば、上限値1.5[Vpp])を超える振幅値(図4の例では、振幅値Vf,Vg,Vh)の表示ボックスを強調表示(例えば、赤色などで表示ボックスの色を変えて他の表示ボックスと区別できるように表示)する。
なお、「Emphasis Function」の入力ボックス12a、「Amplitude」の入力ボックス12b、パラメータの入力ボックス12cなどの表示形態は、図2〜図5に限定されるものではなく、その一部を省略したり、配置や組合せを適宜設定変更することができる。
情報記憶部3は、元信号となる試験用信号に対し、エンファシス波形を付加して出力するために必要な各種情報を記憶する。この各種情報には、例えば予め決められた通信規格毎の複数種類の基準波形パターンの波形情報(波形形状を特定する各パラメータ値)、各タップ毎のアイ振幅に対する比から各タップ毎の振幅値、操作表示部2にモニタ表示するための各タップ毎の振幅値、各カーソルのdB値を算出するための計算式、操作表示部2の表示画面の1ドット当たりの振幅量や1ドット当たりの時間、警告判定部6による判定結果などがある。
エンファシス波形生成部4は、情報記憶部3に記憶された各種情報や計算式に基づいてエンファシス波形イメージと同じエンファシス波形を生成する。例えば、情報記憶部3から通信規格に基づく基準波形パターンの波形情報を読み出し、エンファシス設定画面11で設定された設定情報と情報記憶部3の計算式に基づいて各タップ毎の振幅値を算出し、基準波形パターンの波形情報、設定情報、各タップ毎の振幅値に基づいてエンファシス波形イメージと同じエンファシス波形を生成する。
エンファシス出力制御部5は、エンファシス波形生成部4にて生成したエンファシス波形を試験用信号に付加し、試験用信号付加後の合成出力波形の出力を警告判定部6からの警告信号の入力の有無に応じて制御する。すなわち、エンファシス出力制御部5は、警告判定部6から警告信号の入力がなければ、エンファシス波形生成部4が生成したエンファシス波形を試験用信号に付加した試験用信号付与後の合成出力波形を出力する。これに対し、エンファシス出力制御部5は、警告判定部6から警告信号が入力されると、試験用信号付与後の合成出力波形の出力をオフする。
なお、エンファシス出力制御部5は、警告判定部6から警告信号が入力されたときに、試験用信号付与後の合成出力波形の出力をオフせず、設定された最後の値を保持し、保持した値によるエンファシス波形を試験用信号に付加して合成出力波形を出力する構成としてもよい。その際、設定された最後の値とは、設定された最後のアイ振幅と各カーソルのdB値から算出される10×10行列演算の結果(各タップ毎の振幅値)、又は設定された最後のアイ振幅と各カーソルのdB値である。
警告判定部6は、エンファシス波形生成部4にて生成したエンファシス波形をエンファシス出力制御部5にて試験用信号と合成した際の警告の有無を判定する。この警告の有無は、設定変更の度にアイ振幅および各タップ値(各タップ毎の振幅値、又は各カーソル毎のdB値)の上下限値を可変にはせず固定しておき、試験用信号付加後の合成出力波形(10タップ合成振幅値)がピーク値を超えたか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えたか否かによって行われる。そして、警告判定部6は、警告があると判定したときに、エンファシス出力制御部5、表示制御部7、報知部8のそれぞれに警告信号を出力する。
なお、設定変更の度にアイ振幅および各タップ値の上下限値を可変にはせず固定するとは、仕様上(ハード上の制約)で規定されている上下限値から変化させないことを意味する。言い換えると、アイ振幅および各タップ値の上下限値を設定変更の度に出力可能な範囲内に動的に変動させないことを意味する。
表示制御部7は、操作表示部2の入力操作、情報記憶部3の各種情報、測定結果、警告判定部6からの警告信号などに基づいて操作表示部2の表示(例えば設定画面、測定画面、警告を知らせるメッセージ画面の表示など)を制御する。
報知部8は、警告判定部6から警告信号が入力されると、ユーザが認識できる形態(例えば、前述した表示制御部7の制御による操作表示部2の報知表示エリア11cへの警告内容のメッセージ表示の他、警告音、音声ガイダンス、振動など)で報知する。
なお、報知表示エリア11cへのメッセージ表示は、ユーザが他の表示と容易に区別して認識ができるように強調表示(例えば、赤色などの強調色で表示)するのが好ましい。また、メッセージ表示に限定されず、例えばLEDなどの表示灯を用いて点灯や点滅により表示することもできる。さらに、警告の原因となるタップの振幅値を識別表示や強調表示するようにしてもよい。
次に、上記のように構成されるエンファシス発生器1を用いてエンファシス波形を発生する方法について図6のフローチャートを参照しながら説明する。
試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生する場合には、まず、操作表示部2の操作により、エンファシス設定画面11を表示させてパラメータの設定を行う(ST1)。
例えば、図3のエンファシス設定画面11において、「Emphasis Function」の入力ボックス12aでエンファシス「ON」を選択し、パラメータの設定形式として例えば「Coefficient」を選択する。そして、各タップ毎のアイ振幅に対する比:C−3,C−2,C−1,C0,C1,C2,C3,C4,C5,C6のそれぞれの入力ボックスに数値入力してパラメータを設定する。
エンファシス波形生成部4は、パラメータの設定が完了すると、エンファシス設定画面11で設定された設定情報と情報記憶部3の計算式に基づいて各タップ毎の振幅値Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Vg,Vh,Vi,Vjを算出し、基準波形パターンの波形情報、設定情報、各タップ毎の振幅値Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Vg,Vh,Vi,Vjに基づいてエンファシス波形イメージ14と同じエンファシス波形を生成する(ST2)。
そして、エンファシス出力制御部5は、エンファシス波形生成部4にて生成したエンファシス波形を試験用信号に付与する(ST3)。
ここで、警告判定部6は、エンファシス出力制御部5における試験用信号付与後の合成出力波形(10タップ合成振幅値)がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えるか否かによって警告の有無を判定する(ST4)。そして、警告の必要ありと判定したときは(ST4−警告有り)、その旨をユーザに報知する(ST5)。
例えば図4のエンファイス設定画面11において、各カーソルの振幅値Va,Vb,Vc,Vd,Ve,Vf,Vg,Vh,Vi,Vjの上限値を1.500[Vpp]とすると、振幅値Vf=1.547[Vpp]、振幅値Vg=1.729[Vpp]、振幅値Vh=1.547[Vpp]がそれぞれ上限値1.500[Vpp]を超える。この場合、警告の必要ありと判定し、その旨をユーザに報知する。具体的には、「Output Monitor」のエンファシス波形イメージの近傍に警告内容を示す「1.5Vpp Limit Over」をメッセージ表示し、上限値1.500[Vpp]を超える振幅値Vf,Vg,Vhの表示ボックスを強調表示する。
また、試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超える場合には、その旨をユーザに報知する。例えば、図5に示すように、警告内容を示す「Hardware Limit Over」をメッセージ表示する。
そして、エンファシス波形制御部5は、警告判定部6から警告信号の入力がなければ(ST4−警告無し)、試験用信号付与後の合成出力波形を出力する(ST6)。
このように、本実施の形態のエンファシス発生器では、従来のように、設定変更の度にアイ振幅および各タップ値の上下限値を可変にはせず固定するようにしているので、ユーザが希望の値に変更するときに、試験用信号付与後の合成出力波形のピーク値或いは各タップの振幅値の上下限値に依存せず、ユーザが希望の値を直接設定することが可能となり、ユーザビリティの向上を図ることができる。
また、試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えた場合には、警告の必要ありと判定し、その旨を報知するので、エンファシス発生器が内蔵されるパルスパターン発生装置の信号発生能力の上限をユーザに認知させることが可能となる。
さらに、試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えた場合、合成出力波形の出力をオフするので、出力先の回路に対して悪影響を与えるのを防ぐことができる。
また、試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えた場合、合成出力波形の出力をオフせず、設定された最後の値(アイ振幅とタップ毎の振幅値、又はアイ振幅とカーソル毎のdB値)を保持する構成とすれば、ユーザが望む信号とはならないものの、パルスパターン発生装置の信号発生能力の上限での試験を続行することが可能となる。
以上、本発明に係るエンファシス発生器およびエンファシス発生方法の最良の形態について説明したが、この形態による記述及び図面により本発明が限定されることはない。すなわち、この形態に基づいて当業者等によりなされる他の形態、実施例及び運用技術などはすべて本発明の範疇に含まれることは勿論である。
1 エンファシス発生器
2 操作表示部
3 情報記憶部
4 エンファシス波形生成部
5 エンファシス出力制御部
6 警告判定部
7 表示制御部
8 報知部
11 エンファシス設定画面
12(12a,12b,12c) 入力ボックス
13,15 表示ボックス
14 エンファシス波形イメージ

Claims (8)

  1. 試験対象物に入力する試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生するエンファシス発生器(1)において、
    前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータの設定変更時におけるアイ振幅および各タップ値の上下限値を固定し、前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータを入力設定したときに前記試験用信号付加後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは前記各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えるかによって警告の有無を判定する警告判定部(6)を備えたことを特徴とするエンファシス発生器。
  2. 前記警告判定部(6)が警告無しと判定したときに、前記試験用信号付加後の合成出力波形を出力し、前記警告判定部が警告有りと判定したときに、前記試験用信号付加後の合成出力波形の出力をオフするエンファシス出力制御部(5)を備えたことを特徴とする請求項1記載のエンファシス発生器。
  3. 前記警告判定部(6)が警告有りと判定したときに、その旨を報知する報知部(8)を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載のエンファシス発生器。
  4. 前記警告判定部(6)が警告有りと判定したときに、設定された最後のアイ振幅と各タップ毎の振幅値又は各カーソルのdB値を保持することを特徴とする請求項1記載のエンファシス発生器。
  5. 試験対象物に入力する試験用信号に付加されるエンファシス波形を発生するエンファシス発生方法において、
    前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータの設定変更時におけるアイ振幅および各タップ値の上下限値を固定し、前記エンファシス波形の発生に必要なパラメータを入力設定したときに前記試験用信号付与後の合成出力波形がピーク値を超えるか、或いは前記各タップの何れかの振幅値が上下限値を超えるかによって警告の有無を判定するステップを含むことを特徴とするエンファシス発生方法。
  6. 警告無しと判定したときに、前記試験用信号付与後の合成出力波形を出力するステップと、
    警告有りと判定したときに、前記試験用信号付与後の合成出力波形の出力をオフするステップとを含むことを特徴とする請求項5記載のエンファシス発生方法。
  7. 警告有りと判定したときに、その旨を報知するステップを含むことを特徴とする請求項5又は6記載のエンファシス発生方法。
  8. 警告有りと判定したときに、設定された最後のアイ振幅と各タップ毎の振幅値又は各カーソルのdB値を保持するステップを含むことを特徴とする請求項5記載のエンファシス発生方法。
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