JP2019006907A - 両面粘着テープ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明が解決しようとする課題は、被着体、特に硬質な被着体に対する追従性及び接着性に優れ、当該接着性は加熱や経時変化により劣化することなく、且つ、粘着テープを剥がす際には、加熱や有機溶剤等によって粘着テープを脆化させる必要もなく、また、粘着剤が被着体に残留することもなく、粘着テープの水平方向に引き伸ばして剥離することが可能な優れた再剥離性を有する粘着テープを提供することである。【解決手段】本発明は、樹脂基材及び粘着層を備えた粘着テープであり、前記樹脂基材がビニル芳香族ブロック共重合体を含有し、前記粘着層の50%伸長時応力が3.0×104〜1.0×105Paであり、前記粘着層の貯蔵弾性率G’(23℃)が1.0×103以上1.0×105Pa未満である粘着テープを提供するものである。【選択図】 なし

Description

本発明は、粘着テープに関する。
粘着テープは、電子機器を構成する部品の固定等の場面で広く使用されている。具体的には、前記粘着テープは、薄型テレビ、家電製品、OA機器などの比較的大型の電子機器を構成する板金同士の固定や外装部品と筐体の固定、および携帯電子端末、カメラ、パソコンなどの比較的小型の電子機器への外装部品や電池等の剛体部品の固定等に使用されている。これら剛体部品には、凹凸形状や歪みが生じている場合があり、粘着テープにはこれらの表面形状を追従しながら強固な接着力を発現する追従性が求められている。
また、薄型テレビや家電製品、プリンターやコピー機などのOA機器分野では、環境調和の観点から省資源等を目的として、製品に使用されている再利用可能な部品については、使用後に分解して再利用することが多くなってきている。この際、粘着テープを使用している場合には、部品に貼付された粘着テープを剥離する作業が必要になることがあるが、剥離時に粘着剤が被着体に残留したり、粘着テープが切れてしまったり、不織布層間で両面粘着テープが破壊したりするという問題があった。
また、従来の粘着テープを用いて金属やプラスチックなどの硬質な材料同士を強固に貼り合わせた場合には、加熱して粘着剤成分を軟化させるなどして引き剥がす必要があるが、この場合には、再利用して使用したい被着体の金属やプラスチックにも加熱による劣化などの影響が生じてしまう。また、同様に有機溶剤などを使用して粘着テープを脆化させて引き剥がすこともできるが、加熱する場合と同様に被着体の劣化問題が生じてしまう。
上記問題に対して、3つの層からなる透明な感圧接着剤シート帯状片であって、この3つの層が各々水素化ビニル芳香族ブロックコポリマーと粘着付与剤樹脂をベースとする透明な粘着剤から構成された感圧接着剤シートが提案されている(特許文献1)。しかしながら、水素化ビニル芳香族ブロックコポリマーと粘着付与剤をベースとする層を3層積層した場合、十分な初期接着性能が得られないことがあり、また十分な初期接着性能が得られた場合でも加熱や経時変化により成分移行が生じて粘着力が低下し、その結果、例えばひずみの大きい硬質な被着体同士を貼り合わせる際に接着力が低下するなどの問題があった。
また、一般に使用される強接着力を有する粘着テープを活用する方法もあるが、課題となる再剥離性を十分に確保することが出来ていない。
特開2004−162064号公報
本発明が解決しようとする課題は、被着体、特に硬質な被着体に対する追従性及び接着性に優れ、当該接着性は加熱や経時変化により劣化することなく、且つ、粘着テープを剥がす際には、加熱や有機溶剤等によって粘着テープを脆化させる必要もなく、また、粘着剤が被着体に残留することもなく、粘着テープの水平方向に引き伸ばして剥離することが可能な優れた再剥離性を有する粘着テープを提供することである。
本発明者らは鋭意研究した結果、上記課題を解決するための本発明を完成するに至った。
本発明は、ビニル芳香族ブロック共重合体を含有する樹脂基材及び粘着層を備えた粘着テープであり、前記粘着層の50%伸長時の引張応力が3.0×10〜1.0×10Paであり、前記粘着層の貯蔵弾性率G’(23℃)が1.0×10以上1.0×10Pa未満である粘着テープを提供するものである。
本発明の粘着テープは、金属やプラスチック等の硬質な被着体同士を貼り合わせた場合でも追従性に優れ、強固に接着させることができ、更に、加熱や経時変化によっても当該接着力は劣化することなく、また、両者を剥がす際には、加熱や有機溶剤によって粘着テープを脆化させる必要も無く、また、被着体上に粘着剤などの残留物も無く、水平方向に引き伸ばすことできれいに剥離することが可能であり、被着体を再利用することが可能となる。
以下に、本発明の粘着テープの構成について更に詳しく説明する。
<基材>
本発明の粘着テープは、ビニル芳香族ブロック共重合体を含有する樹脂基材を備える。
前記樹脂基材に使用できるビニル芳香族ブロック共重合体としては芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体から選ばれる1種又は2種以上の共重合体が使用でき、前記芳香族ビニル化合物がスチレンであるスチレン系共重合体が好ましい。また、前記共役ジエン化合物としてはイソプレン、ブタジエン、エチレンブチレン、エチレンプロピレンが好ましい。なかでも、前記ブロック共重合体としては、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレンブチレン共重合体、スチレン−エチレンプロピレン共重合体などのジブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体などのトリブロック共重合体から選ばれる1種又は2種以上の共重合体が好ましく、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレンブチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−エチレンブチレン共重合体から選ばれる1種又は2種以上の共重合体がより好ましく、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体が特に好ましい。
本発明の樹脂基材に含まれる樹脂成分に占めるビニル芳香族ブロック共重合体の割合は、50〜100%であることが好ましく、60〜100%であることがより好ましく、65〜100%であることが更に好ましく、70〜100%であることがよりいっそう好ましい。当該範囲であることで、スチレン系共重合体の持つ優れた破断点伸度や破断点応力を得ることが出来る。また、本発明の基材に含まれるビニル芳香族ブロック共重合体以外のものとしてはポリオレフィンやポリカーボネートなどの各種熱可塑性樹脂が使用することができ、一種または複数種同時に使用することができる。
前記スチレン系共重合体としては、前記スチレン−イソプレン共重合体とスチレン−イソプレン−スチレン共重合体の全質量に対して、下記化学式(1)で示される構造単位を13質量%〜60質量%の範囲で有するものを使用することが好ましく、15〜50質量%の範囲で有するものを使用することがより好ましく、16〜45質量%の範囲で有するものを使用することが更に好ましく17〜35質量%の範囲で有するものを使用することがよりいっそう好ましい。これにより、破断点伸度や破断点応力が好適な範囲で得られ易くなる。
Figure 2019006907
前記スチレン系共重合体としては、構造の異なる共重合体を2種以上含有するものを使用し、スチレン−イソプレン共重合体とスチレン−イソプレン−スチレン共重合体とを組み合わせ含有するものを使用することが出来る。
前記スチレン系共重合体は、前記スチレン−イソプレン共重合体とスチレン−イソプレン−スチレン共重合体の合計質量に対して、前記スチレン−イソプレン共重合体を0質量%〜80質量%の範囲で含有するものを使用することが好ましく、0質量%〜70質量%の範囲で含有するものを使用することがより好ましく、0質量%〜50質量%の範囲で含有するものを使用することが更に好ましく、0質量%〜30質量%の範囲で使用することがよりいっそう好ましい。前記範囲とすることで、優れた破断点伸度や破断点応力を維持しながら熱耐久性との両立が可能となる。
また、前記スチレン−イソプレン共重合体としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)を用い標準ポリスチレン換算で測定された重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、東ソー社製SC−8020、高分子量カラムTSKgelGMHHR−H、溶媒:テトラヒドロフラン)が1万〜80万の範囲であるものを使用することが好ましく、3万〜50万の範囲であるものを使用することがより好ましく、5万〜30万の範囲であるものを使用することがよりいっそう好ましい。前記範囲であることで、加熱流動性や溶剤希釈時の相溶性を確保できるため製造工程における作業性が良好でありながら、熱耐久性を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
前記スチレン系共重合体は、例えば、線状構造や分岐構造または多分岐構造などの単一構造のものを使用することが出来るが、異なる構造のものを混合して使用することも可能である。線状構造が豊富なスチレン系共重合体は本発明の粘着テープに優れた破断点伸度を与える。一方、分岐構造や多分岐構造でありながら分子末端にスチレンブロックを配したものは擬似的架橋構造を取ることができ、優れた凝集力を与えることができる。このため、必要な機械特性にあわせて混合して使用することが好ましい。
前記スチレン−イソプレン−スチレン共重合体の製造方法は特に限定されることは無く、従来既知の製造方法が適用できる。例えば、アニオンリビング重合法によりスチレンブロックおよびイソプレンブロックを逐次重合する方法や、リビング性活性末端を有するブロック共重合体を製造した後にカップリング剤と反応させてカップリングしたブロック共重合体を製造する方法がある。
前記スチレン−イソプレン共重合体の製造方法は特に限定されることは無く、従来既知の製造方法が適用できる。例えば、アニオンリビング重合法によりスチレンブロックおよびイソプレンブロックを逐次重合する方法がある。
前記スチレン−イソプレン共重合体とスチレン−イソプレン−スチレン共重合体の混合物の製造方法は特に限定されることは無く、従来既知の製造方法が適用できる。例えば、上記で製造したスチレン−イソプレン共重合体とスチレン−イソプレン−スチレン共重合体を混合して使用する方法がある。また、ひとつの重合工程で同時に混合物として製造することも可能である。より具体的な一態様としては、アニオンリビング重合法により、まず、第一に、重合溶媒中、アニオン重合開始剤を用いてスチレン単量体を重合して、リビング性の活性末端を有するポリスチレンブロックを形成する。次いで、第二に、ポリスチレンブロックのリビング性の活性末端からイソプレンを重合して、リビング性の活性末端を有するスチレン− イソプレンジブロック共重合体を得る。引き続き、第三に、当該リビング性の活性末端を有するスチレン− イソプレンジブロック共重合体の一部とカップリング剤とを反応し、カップリングしたスチレン− イソプレン− スチレンブロック共重合体を形成する。そして、第四に、前記のリビング性の活性末端を有するスチレン− イソプレンジブロック共重合体の残部を重合停止剤で、そのリビング性の活性末端を失活させてスチレン− イソプレンジブロック共重合体を形成させる。
また、前記基材には、粘着層との密着性を高めることや耐熱性を高める目的で粘着付与樹脂を使用することが出来る。中でも、軟化点が80℃以上の粘着付与樹脂が好適に使用でき、軟化点は90℃以上であることがより好ましく、100℃以上であることが更に好ましく、110℃以上であることがよりいっそう好ましい。前記軟化点は、JISK2207に規定の方法(乾球式)で測定された値を指す。
前記粘着付与樹脂としては、例えば常温(23℃)で固体状のものを使用することが好ましく、C系石油樹脂、C系/C系石油樹脂、脂環族系石油樹脂等の石油樹脂を使用することができる。
前記石油樹脂は、スチレン−イソプレンブロック共重合体やスチレン−イソプレンブロック−スチレン共重合体を構成するポリイソプレン構造と相溶しやすく、その結果、粘着テープの初期接着力と熱耐久性とをより一層向上させることができる。
前記C系石油樹脂としては、脂肪族系石油樹脂を使用することができ、例えば、エスコレッツ1202、1304、1401(東燃化学合同会社製)、ウイングタック95(グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー製)、クイントンK100、R100、F100(日本ゼオン株式会社製)、ピコタック95、ピコペール100(理化ハーキュレス製)等を使用することができる。
前記C系/C系石油樹脂としては、前記したC系石油樹脂と、C系石油樹脂との共重合体を使用することができ、例えば、エスコレッツ2101(トーネックス製)、クイントンG115(日本ゼオン製)、ハーコタック1149(理化ハーキュレス製)等を使用することができる。
前記脂環族系石油樹脂としては、前記したC系石油樹脂に水素添加して得られるが、例えば、エスコレッツ5300(トーネックス製)、アルコンP−100(荒川化学工業製)、リガライトR101(理化ファインテク製)等を使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、前記C系石油樹脂、C系/C系石油樹脂、及び脂環族系石油樹脂以外に、例えば、重合ロジン系樹脂、C系石油樹脂、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン−フェノール樹脂、スチレン樹脂、クマロン−インデン樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂としては、前記C系石油樹脂と重合ロジン系樹脂とを組み合わせ使用することが、より一層優れた初期接着性と熱耐久性とを両立するうえで好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記スチレン−イソプレン共重合体やスチレン−イソプレン−スチレン共重合体の全量に対して0質量%〜100質量%の範囲で使用することが好ましく、0質量%〜70質量%の範囲で使用することがより好ましく、0質量%〜50質量%の範囲で使用することが更に好ましく、0質量%〜30質量%の範囲で使用することがよりいっそう好ましい。上記範囲で使用することで、粘着層と基材層の界面密着性を高めながら粘着テープの優れた破断点伸度や熱耐久性とを両立させ易くなる。
また、前記樹脂基材には、特性を損なわない範囲で必要に応じて、その他のポリマー成分、架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、シリカビーズ、有機ビーズなどの添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモンなどの無機系充填剤などを含有するものを使用することができる。
前記老化防止剤としては、例えばフェノール系老化防止剤を使用することが、スチレン−イソプレン共重合体などの耐熱安定性を効果的に向上させることができ、その結果、良好な初期接着性を維持し、かつ、より一層優れた熱耐久性を備えた粘着剤及び粘着テープを得ることができるため好ましい。
前記フェノール系老化防止剤としては、一般に立体障害性基を有するフェノール系化合物であり、モノフェノール型、ビスフェノール型、ポリフェノール型が代表的である。具体例としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(6−t−ブチル−3−メチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス−(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、テトラキス−[メチレン−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3’5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート等を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記フェノール系老化防止剤は、前記スチレン−イソプレンブロック共重合体100質量部に対し、0.1質量部〜5質量部の範囲で使用することが好ましく、0.5質量部〜3質量部の範囲で使用することが、スチレン−イソプレン共重合体の耐熱安定性を効果的に向上させることができ、その結果、良好な初期接着性を維持し、かつ、より一層優れた熱耐久性を備えた粘着剤を得ることができる。
前記老化防止剤としては、前記フェノール系老化防止剤と、リン系老化防止剤(加工安定剤とも言われる)、アミン系老化防止剤、イミダゾール系老化防止剤等のその他老化防止剤を組み合わせ使用してもよく、とりわけ、前記フェノール系老化防止剤とリン系老化防止剤とを組み合わせ使用することが、良好な初期接着性を維持し、かつ、より一層優れた熱耐久性を備えた粘着剤を得ることができる。なお、上記リン系老化防止剤は、高温環境下において経時的にわずかに変色(黄変)する場合があるため、その使用量は、前記初期接着性と熱耐久性と変色防止とのバランスを考慮し適宜設定することが好ましい。
前記基材は、その厚さが100〜2490μmであることが好ましく、120〜1990μmであることがより好ましく、150〜1790μmであることが更に好ましく、200μm〜1490μmであることがよりいっそう好ましい。前記基材の厚さが上記範囲であることで、被着体の歪みに対して粘着テープが追従し易く高い接着強度を得易く、粘着テープを水平方向に引き伸ばしながら再剥離する際に必要な応力が大きくなりすぎないため好ましい。
また、前記基材の破断点伸度は600〜3000%であることが好ましく、650〜2800%であることがより好ましく、700〜2700%であることが更に好ましく、750〜2600%であることがよりいっそう好ましい。前記基材の破断点伸度が前記範囲の下限以上であることで、前記粘着テープが強固に被着体に接着している場合でも粘着テープを再剥離する際のテープ水平方向へ引き伸ばすための応力が大きくなり過ぎず、引き剥がし工程においても粘着テープが過剰に伸びすぎることなく容易に引き剥がすことが出来る。また、前記基材の破断点伸度が前記範囲の上限以下であることで粘着テープを再剥離する際のテープ水平方向への引き伸ばし距離が長くなりすぎず小スペースでの作業が可能となるため好ましい。
前記基材の破断点応力は2.5〜80.0MPaであることが好ましく、3.0〜600MPaであることがより好ましく、3.5〜30MPaであることが更に好ましく、4.0〜20MPaであることがよりいっそう好ましい。前記基材の破断点応力が前記範囲にあることで、粘着テープを引き伸ばして剥がす際にも粘着テープが千切れてしまうことが抑制でき、粘着テープを伸長させるための荷重が過剰になり過ぎないため引き剥がしによる再剥離作業が容易になる。また、粘着テープを引き伸ばして変形させる際に必要な力は粘着テープの厚みにも依存することになる。例えば、厚みが厚く破断点応力が高い粘着テープを引き伸ばして再剥離しようとした場合には、十分に引き伸ばすことが出来ず再剥離することができない。
前記基材の25%伸長時応力は0.15〜10.0MPaであることが好ましく、0.25〜7.0MPaであることがより好ましく、0.35〜5.0MPaであることが更に好ましく、0.45〜2.0MPaであることがよりいっそう好ましい。粘着テープの25%伸長時応力が前記範囲にあることで、粘着テープに好適な接着強度を得ることができ、再剥離する工程でも比較的容易に引き剥がすことが可能となる。上記範囲を下回る場合、硬質な被着体同士を固定していながら粘着テープのせん断方向への荷重が生じた場合に粘着テープが剥がれてしまう懸念が生じる。また、上記範囲を上回る場合には、粘着テープの引き剥がし工程において、粘着テープを伸長させるために必要な力が過大となってしまう。
前記基材の50%伸長時応力は0.15〜10.5MPaであることが好ましく、0.25〜7.5MPaであることがより好ましく、0.35〜5.0MPaであることが更に好ましく、0.5〜2.5MPaであることがよりいっそう好ましい。粘着テープの50%伸長時応力が前記範囲にあることで、粘着テープに好適な接着強度を得ることができ、再剥離する工程でも比較的容易に引き剥がすことが可能となる。上記範囲を下回る場合、硬質な被着体同士を固定していながら粘着テープのせん断方向への荷重が生じた場合に粘着テープが剥がれてしまう懸念が生じる。また、上記範囲を上回る場合には、粘着テープの引き剥がし工程において、粘着テープを伸長させるために必要な力が過大となってしまう。
前記基材の50%伸長時応力は25%伸長時応力の100〜160%であることが好ましく、103〜150%であることがより好ましく、105〜140%であることが更に好ましく、110〜130%であることがよりいっそう好ましい。
粘着テープの50%伸長時応力が粘着テープの25%伸長時応力に対して前記範囲にあることで、粘着テープの再剥離時の再剥離する工程での引き剥がすために必要な応力が安定させることが可能となる。
前記基材の貯蔵弾性率E’(23℃)は1.0×10〜1.0×10Paであることが好ましく、5.0×10〜5.0×10Paであることがより好ましく、1.0×10〜1.0×10Paであることが更に好ましく、3.0×10〜7.0×10Paであることがよりいっそう好ましい。基材の破断点応力が前記範囲にあることで、被着体の歪などに対して追従し易く優れた接着強度が得られ易くなり、粘着テープの寸法安定性も確保することが出来るため好適な貼付作業性が得られる。前述のとおり、本発明の粘着テープは、被着体が金属やプラスチックのような硬質なものでありながら大面積なものであることが想定される。一般的に、大面積な被着体であるほど歪みを抑制して成形することが困難であるが、上記貯蔵弾性率範囲を有する粘着テープであれば、前述のような被着体の歪みを粘着テープで追従させることができ、好適な接着力を得ることが出来る。
前記基材としては、粘着剤層との密着性をより一層向上させることを目的として、プライマー層が設けられたもの、サンドブラスト法や溶剤処理法などによる表面の凹凸化処理、コロナ放電処理、クロム酸処理、火炎処理、熱風処理、オゾン処理、紫外線照射処理、酸化処理などの表面処理が施されたものを使用することができる。
前記基材の製造方法としては、押し出し成型によるキヤスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法、さらに、カレンダー法、溶液法などがある。中でも押し出し成型によるキヤスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法による製造方法が好適に使用でき、本発明の粘着テープに必要な機械的強度に合わせて選択すればよい。
前記基材は、単層構造、2層や3層またはそれ以上の複層構造であっても良い。複層構造の場合、少なくとも1つの層は前記した樹脂組成を有する層であることで必要な機械特性を発揮させ易いため好ましい。また、例えば、ポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂と前記スチレン−イソプレン−スチレン共重合体を共押出する方法で3層構造の基材を得ることができる。これは、本発明の粘着テープについて、例えば適度な寸法安定性やコシを持たせたい場合には好適な構成として使用できる場合がある。
<粘着層>
本発明の粘着テープの粘着層の50%伸長時応力は1×10〜1×10Paであるが、2×10〜9×10Paであることが好ましく、3×10〜8×10Paであることがより好ましく、4×10〜7.5×10Paであることが更に好ましく、4.5×10〜7×10Paであることがよりいっそう好ましい。粘着層の50%伸長時応力が前記範囲にあることで、粘着テープの優れた接着性と再剥離性を得ることが出来る。即ち、被着体の歪などに対して追従し易く優れた接着強度が得られ易く、粘着テープの再剥離工程で粘着剤層が被着体に残留してしまうことが抑制できる。
本発明の粘着テープの粘着層の貯蔵弾性率G’(23℃)は1.0×10以上1.0×10Pa未満であるが、3.0×10以上1.0×10Paであることが好ましく、5.0×10以上1.0×10Paであることがより好ましく、7.0×10以上1.0×10Paであることが更に好ましく、1.0×10以上1.0×10Paであることが最も好ましい。粘着層の貯蔵弾性率G’(23℃)が前記範囲にあることで、粘着テープの優れた接着性を得ることが出来、更に加熱や経時変化によっても当該接着力は劣化することなく、強固な固定を維持することができる。また、被着体の歪みなどに対して追従し易く優れた接着強度が得られ易く、粘着テープの再剥離工程で粘着剤層が被着体に残留してしまうことが抑制できる。
(アクリル系粘着剤)
本発明の粘着テープの粘着層に使用する粘着剤としては基材への追従性や密着性の観点でアクリル系粘着剤が好ましい。アクリル系粘着剤としては、アクリル重合体と、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記アクリル重合体は、例えば(メタ)アクリル単量体を含有する単量体混合物を重合させることによって製造することができる。
前記(メタ)アクリル単量体としては、例えば炭素原子数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレート等を使用することができ、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記炭素原子数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数4〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数4〜8のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートを使用することがより好ましく、n−ブチルアクリレートを使用することが、被着体に対する優れた密着性を確保するうえで特に好ましい。
前記炭素原子数1〜12のアルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートは、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して80質量%〜98.5質量%の範囲で使用することが好ましく、90質量%〜98.5質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体の製造に使用可能な単量体としては、前記したものの他に必要に応じて高極性ビニル単量体を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、例えば水酸基を有する(メタ)アクリル単量体、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル単量体、アミド基を有する(メタ)アクリル単量体等の(メタ)アクリル単量体を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
水酸基を有するビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等の(メタ)アクリル単量体を使用でき、なかでもアクリル酸を使用することが好ましい。
アミド基を有するビニルとしては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等の(メタ)アクリル単量体を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体としては、前記したものの他に、酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有単量体等を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して1.5質量%〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1.5質量%〜10質量%の範囲で使用することがより好ましく、2質量%〜8質量%の範囲で使用することが、凝集力、保持力、接着性の点でバランスのとれた粘着剤層を形成できるためさらに好ましい。
前記高極性ビニル単量体のうち、前記水酸基を有するビニル単量体は、前記粘着剤としてイソシアネート系架橋剤を含有するものを使用する場合に、使用することが好ましい。具体的には、前記水酸基を有するビニル単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレートを使用することが好ましい。
前記水酸基を有するビニル単量体は、前記アクリル重合体の製造に使用する単量体の全量に対して0.01質量%〜1.0質量%の範囲で使用することが好ましく、0.03質量%〜0.3質量%質量%の範囲で使用することがより好ましい。
前記アクリル重合体は、前記単量体を溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合方法で重合させることによって製造することができ、溶液重合法や塊状重合法で製造することが好ましい。
前記重合の際には、必要に応じて過酸化ベンゾイルや過酸化ラウロイル等の過酸化物系熱重合開始剤、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾの熱重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤等を使用することができる。
上記方法で得られたアクリル重合体の重量平均分子量は、ゲルパーミエッションクロマトグラフ(GPC)で測定される標準ポリスチレン換算で、30万〜300万であるものを使用することが好ましく、50万〜250万であるものを使用することがより好ましい。
ここで、GPC法による分子量の測定は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用いて測定される、スタンダードポリスチレン換算値であり、測定条件は以下のとおりである。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:THF
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
スタンダードポリスチレン分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記アクリル系粘着剤としては、被着体との密着性や面接着強度を向上させるため、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、石油樹脂系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系粘着付与樹脂等を使用することができる。
なかでも、前記粘着付与樹脂としては、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、(メタ)アクリレート系樹脂、テルペンフェノール系樹脂を、単独または2種以上組み合わせ使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、30℃〜180℃の軟化点を有するものを使用することが好ましく、70℃〜140℃の軟化点を有するものを使用することが、高い接着性能を備えた粘着剤層を形成するうえでより好ましい。なお、(メタ)アクリレート系の粘着付与樹脂を使用する場合には、そのガラス転移温度が30℃〜200℃のものを使用することが好ましく、50℃〜160℃のものを使用することがより好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル重合体100質量部に対して5質量部〜65質量部の範囲で使用することが好ましく、8質量部〜55質量部の範囲で使用することが、被着体との密着性を確保しやすくいためより好ましい。
前記アクリル系粘着剤としては、粘着剤層の凝集力をより一層向上させるうえで、架橋剤を含有するものを使用することが好ましい。前記架橋剤としては、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、金属キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。なかでも、架橋剤としては、アクリル重合体の製造後に混合し、架橋反応を進行させるタイプの架橋剤が好ましく、アクリル重合体との反応性に富むイソシアネート系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を使用することが好ましい。
前記イソシアネート系架橋剤としては、トリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等が挙げられる。特に好ましいのは、3官能のポリイソシアネート系化合物である。3官能のイソシアネート系化合物としては、トリレンジイソシアネート及びこれらのトリメチロールプロパン付加体、トリフェニルメタンイソシアネート等が挙げられる。
架橋度合いの指標として、粘着剤層をトルエンに24時間浸漬した後の不溶分を測定するゲル分率の値が用いられる。粘着剤層のゲル分率は、10質量%〜70質量%であることが好ましく、25質量%〜65質量%であることがより好ましく、35質量%〜60質量%であることが更に好ましく、40質量%〜55質量%であることが、凝集性と接着性がともに良好な粘着剤層を得るうえでさらに好ましい。
なお、ゲル分率は、下記の方法で測定された値を指す。剥離シート上に、乾燥後の厚さが50μmになるように粘着剤組成物を塗工し、100℃で3分間乾燥し、40℃2日エージングしたものを50mm角に切り取り、これを試料とする。次に、予め上記試料のトルエン浸漬前の質量(G1)を測定しておき、トルエン溶液中に23℃で24時間浸漬した後の試料のトルエン不溶解分を300メッシュ金網で濾過することにより分離し、110℃で1時間乾燥した後の残渣の質量(G2)を測定し、以下の式に従ってゲル分率が求められる。なお、試料中の導電性微粒子の重量(G3)は、試料の質量(G1)と粘着剤の組成から算出する。
ゲル分率(質量%)=(G2−G3)/(G1−G3)×100
粘着剤の添加剤として、特性を損なわない範囲で必要に応じて、その他のポリマー成分、架橋剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤、重合禁止剤、表面調整剤、帯電防止剤、消泡剤、粘度調整剤、耐光安定剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、レベリング剤、有機顔料、無機顔料、顔料分散剤、可塑剤、軟化剤、難燃剤、金属不活性剤、シリカビーズ、有機ビーズなどの添加剤;酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、ジルコニア、五酸化アンチモンなどの無機系充填剤などを含有するものを使用することができる。
また、前記粘着層の厚みは、基材層の厚みに対して1/2〜1/500であることが好ましく、1/3〜1/300であることがより好ましく、1/5〜1/200であることが更に好ましく、1/10〜1/50であることがよりいっそう好ましい。粘着テープの粘着層と基材層の厚み比率が上記範囲にあることで、粘着テープの優れた接着性と再剥離性を得ることが出来る。本発明の粘着テープは粘着剤層の凝集力は基材の凝集力よりも低くなるため、上記範囲よりも粘着層が厚い場合には、粘着テープの再剥離工程で粘着剤層のみが被着体に残存してしまう可能性がある。また、上記範囲よりも粘着剤層が薄い場合には、被着体の表面が凹凸形状などの場合に粘着層が追従できずに顕著に接着強度が低下してしまう懸念がある。
本発明の粘着テープに使用する粘着層の破断点応力は、0.5〜25.0MPaであることが好ましく、0.8〜20.0MPaであることがより好ましく、1.0〜17.0MPaであることが更に好ましく、1.2〜15.0MPaであることがよりいっそう好ましい。前記粘着層の破断点応力が前記範囲にあることで、優れた粘着性が発揮でき、本発明の粘着テープを水平方向に引き伸ばして剥離する際に被着体状に粘着剤成分が残留し難いため好ましい。
前記粘着剤層の製造方法としては、押し出し成型によるキヤスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法、さらに、カレンダー法、溶液法などがある。中でも押し出し成型によるキヤスト法、一軸延伸法、逐次二次延伸法、同時二軸延伸法、インフレーション法、チューブ法による製造方法が好適に使用でき、本発明の粘着テープに必要な機械的強度に合わせて選択すればよい。また、いずれの製造方法においても、剥離ライナー上に粘着剤層を形成させて製造することでロール状に巻き取るなどして保管することができる。
前記剥離ライナーとしては、例えばクラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙;ポリエチレン、ポリプロピレン(OPP、CPP)、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム;前記紙と樹脂フィルムとを積層したラミネート紙、前記紙にクレーやポリビニルアルコールなどで目止め処理を施したものの片面もしくは両面に、シリコーン系樹脂等の剥離処理を施したもの等を用いることができる。
<粘着テープ>
前記粘着テープの厚さは150μmより大きいことが好ましく、170μm以上であることがより好ましく、200μm以上であることがより好ましく、250μm以上であることが特に好ましい。また、前記粘着テープの厚さは2500μm以下であり、2000μm以下であることが好ましく、1800μm以下であることがより好ましく、1500μm以下であることが特に好ましい。粘着テープの厚さが上記範囲にあることで、被着体の歪などに対して追従し易く優れた接着強度が得られ易くなり、粘着テープを水平方向に引き伸ばして再剥離する際に必要となる応力が大きくなりすぎないため好ましい。本発明の粘着テープは、被着体が金属やプラスチックのような硬質なものでありながら大面積なものである場合も想定される。一般的に、大面積な被着体であるほど歪みを抑制して成形することが困難である。このような被着体の歪みを粘着テープで追従させることで、例えば電子機器などの緻密な機構をより正確に完成させることが出来る。
前記粘着テープの破断点伸度は600〜3000%であることが好ましく、650〜2800%であることがより好ましく、700〜2700%であることが更に好ましく、750〜2600%であることがよりいっそう好ましい。本発明の粘着テープは先述の通り厚みが150より大きく1500μm未満と比較的厚手の粘着テープであり強固な接着力を保有する。本発明のように強力に接着した粘着テープを伸長させて引き剥がす際には、前記破断点伸度範囲であることで、前記粘着テープが強固に被着体に接着している場合でも適度な引っ張り応力で引き剥がすことが可能となり、引き剥がし工程においても粘着テープが過剰に伸びすぎることなく容易に引き剥がすことが出来る。
前記粘着テープの破断点応力は2.5〜80.0MPaであることが好ましく、3.0〜60.0MPaであることがより好ましく、3.5〜30.0MPaであることが更に好ましく、4.0〜20.0MPaであることがよりいっそう好ましい。粘着テープの破断点応力が前記範囲にあることで、粘着テープを引き伸ばして剥がす際にも粘着テープが千切れてしまうことが無く、粘着テープを好適に伸長させ易いため引き剥がしによる再剥離作業が容易になる。また、粘着テープを引き伸ばして変形させる際に必要な力は粘着テープの厚みにも依存することになる。例えば、厚みが厚く破断点応力が高い粘着テープを引き伸ばして再剥離しようとした場合には、十分に引き伸ばすことが出来ず再剥離することができない。
前記粘着テープの25%伸長時応力は0.05〜10.0MPaであることが好ましく、0.15〜5.0MPaであることがより好ましく、0.2〜3.0MPaであることが更に好ましく、0.3〜2.0MPaであることがよりいっそう好ましい。粘着テープの25%伸長時応力が前記範囲にあることで、粘着テープに好適な接着強度を得ることができ、再剥離する工程でも比較的容易に引き剥がすことが可能となる。上記範囲を下回る場合、硬質な被着体同士を固定していながら粘着テープのせん断方向への荷重が生じた場合に粘着テープが剥がれてしまう懸念が生じる。また、上記範囲を上回る場合には、粘着テープの引き剥がし工程において、粘着テープを伸長させるために必要な力が過大となってしまう。
前記粘着テープの50%伸長時応力は0.07〜10.5MPaであることが好ましく、0.17〜5.5MPaであることがより好ましく、0.25〜3.5MPaであることが更に好ましく、0.3〜2.5MPaであることがよりいっそう好ましい。粘着テープの50%伸長時応力が前記範囲にあることで、粘着テープに好適な接着強度を得ることができ、再剥離する工程でも比較的容易に引き剥がすことが可能となる。上記範囲を下回る場合、硬質な被着体同士を固定していながら粘着テープのせん断方向への荷重が生じた場合に粘着テープが剥がれてしまう懸念が生じる。また、上記範囲を上回る場合には、粘着テープの引き剥がし工程において、粘着テープを伸長させるために必要な力が過大となってしまう。
前記粘着テープの50%伸長時応力は25%伸長時応力の100〜160%であることが好ましく、103〜150%であることがより好ましく、105〜140%であることが更に好ましく、110〜130%であることがよりいっそう好ましい。
粘着テープの50%伸長時応力が粘着テープの25%伸長時応力に対して前記範囲にあることで、粘着テープの再剥離時の再剥離する工程での引き剥がすために必要な応力が安定させることが可能となる。
前記粘着テープの貯蔵弾性率E’(23℃)は1.0×10〜1.0×10Paであることが好ましく、5.0×10〜1.0×10Paであることがより好ましく、7.0×10〜1.0×10Paであることが更に好ましく、1.0×10〜1.0×10Paであることがよりいっそう好ましい。粘着テープの破断点応力が前記範囲にあることで、被着体の歪などに対して追従し易く優れた接着強度が得られ易くなり、粘着テープの寸法安定性も確保することが出来るため好適な貼付作業性が得られる。前述のとおり、本発明の粘着テープは、被着体が金属やプラスチックのような硬質なものでありながら大面積なものである場合も想定される。一般的に、大面積な被着体であるほど歪みを抑制して成形することが困難である。上記貯蔵弾性率範囲を有する粘着テープであれば、前述のような被着体の歪みを粘着テープで追従させることができ、好適な接着力を得ることが出来る。
前記粘着テープの180°ピール接着力は、5N/20mm以上が好ましく、7N/20mm以上がより好ましく、9N/20mm以上であることが更に好ましく、12N/20mm以上であることがよりいっそう好ましい。粘着テープの180°ピール接着力が上記範囲である場合、被着体が剛体同士の場合でも優れた接着性が得られ易い。本発明のように伸びのある粘着テープにおいて前記範囲の180°ピール接着力を下回ることは被着体への界面接着強度が低いことが示唆される。このため、剛体同士の貼り合わせに使用した場合、十分な接着挙動が得られなくなってしまう懸念がある。
以下に実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔実施例1〕
(粘着層(1)の調製)
攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、ブチルアクリレート60質量部、2−エチルヘキシルアクリレート35.95質量部、アクリル酸4.0質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.05質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部とを、酢酸エチル50質量部及びn−ヘキサン20質量部の混合溶剤に溶解し、それらを70℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量70万のアクリル共重合体溶液を得た。
次に、前記重量平均分子量70万のアクリル共重合体の固形分100質量部に対し、重合ロジンエステル系樹脂(荒川化学工業株式会社製、D−125)を20質量部、不均化ロジンエステル(荒川化学工業株式会社製A100)を10質量部添加し、酢酸エチルを用いて固形分濃度を45質量%に調整することによって、アクリル系粘着剤組成物(1)を得た。
次に、前記アクリル系粘着剤組成物(1)100質量部(固形分45質量部)と、架橋剤(DIC株式会社製、バーノックNC−40、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%、酢酸エチル溶液)を2.0質量部とを混合し、分散攪拌機を用いてそれらを10分間混合することによって、粘着剤(1)を得た。
前記粘着剤(1)をアプリケーターにより乾燥後の厚さが5μmになるように離型ライナー上に塗布し、80℃3分間乾燥させることによって粘着層(1)を作製した。
(粘着テープの製造)
樹脂組成物(1)(スチレン−イソプレン共重合体及びスチレン−イソプレン−スチレン共重合体の混合物、前記化学式(1)で示されるスチレン由来の構造単位25質量%、前記樹脂組成物(1)の全量に対するスチレン−イソプレン共重合体の割合が17質量%)をヒートプレス(圧力0.5MPa、プレス板温度が130℃、プレス時間2分)により厚さが200μmの基材を作製した。この両面に前記で作成した粘着層(1)を貼り合わせ0.2MPaで加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
〔実施例2〕
(粘着層(2)の調製)
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート 75.94質量部、2−エチルヘキシルアクリレート5質量部、シクロヘキシルアクリレート15質量部、アクリル酸4質量部、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.06質量部、及び、酢酸エチル200質量部を仕込み、攪拌下、窒素を吹き込みながら65℃まで昇温させた。次に、前記混合物に、予め酢酸エチルに溶解した2,2’−アゾビスイソブチロニトリル溶液4質量部(固形分2.5質量%)を添加し、攪拌下、65℃で10時間ホールドした。次に、前記混合物を酢酸エチル98質量部で希釈し、200メッシュ金網でろ過することによって、重量平均分子量160万のアクリル共重合体溶液(2)溶液を得た。次に、前記アクリル共重合体溶液(2)100質量部に対して、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂D−125(荒川化学工業株式会社)5質量部と石油系粘着付与樹脂FTR6125(三井化学株式会社製)15質量部使用とを混合攪拌したのち、酢酸エチルを加えることによって固形分31質量%の粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.3質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤(2)を得た。
次に、離型ライナーの表面に、乾燥後の粘着層の厚さが5μmとなるように、バーコーターを用いて前記粘着剤を塗工し、85℃で3分間乾燥させることによって粘着層(2)を作製した。
(粘着テープの製造)
前記樹脂組成物(1)をヒートプレス(圧力0.5MPa、プレス板温度が130℃、プレス時間2分)により厚さが200μmの基材を作製した。この両面に前記で作成した粘着層(2)を貼り合わせ0.2MPaで加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
〔実施例3〕
(粘着層(3)の調製)
冷却管、攪拌機、温度計、滴下漏斗を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート92.8質量部、酢酸ビニル5質量部、アクリル酸2質量部、2−ヒドロキシーエチルアクリレート0.2質量部と、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2質量部と、酢酸エチル100質量部とを供給し、反応容器内を窒素置換した後、80℃で8時間重合させることによって、重量平均分子量80万のアクリル重合体溶液を得た。
上記アクリル重合体溶液の固形分100質量部に対して、「スーパーエステルA−100」(荒川化学工業(株)製)20質量部、「FTR6100」(三井化学(株)製)20質量部を混合し、トルエンで希釈することによって、固形分40質量%のアクリル系粘着剤溶液を得た。
次に、前記粘着剤溶液100質量部に対し、架橋剤としてバーノックD−40(DIC(株)製、トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体、イソシアネート基含有率7質量%、不揮発分40質量%)1.3質量部を添加し、均一になるよう攪拌混合した後、100メッシュ金網で濾過することによって粘着剤(3)を得た。
次に、離型ライナーの表面に、乾燥後の粘着層の厚さが5μmとなるように、バーコーターを用いて前記粘着剤を塗工し、85℃で3分間乾燥させることによって粘着層(3)を作製した。
(粘着テープの製造)
前記樹脂組成物(1)をヒートプレス(圧力0.5MPa、プレス板温度が130℃、プレス時間2分)により厚さが200μmの基材を作製した。この両面に前記で作成した粘着層(3)を貼り合わせ0.2MPaで加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
〔実施例4〕
樹脂組成物(1)の厚みを400μmとした以外は実施例1と同様に粘着テープを作製した。
〔実施例5〕
樹脂組成物(1)の厚みを100μmとした以外は実施例1と同様に粘着テープを作製した。
〔実施例6〕
樹脂組成物(1)の厚みを1000μmとした以外は実施例1と同様に粘着テープを作製した。
〔実施例7〕
樹脂組成物(2)(スチレン−イソプレン共重合体及びスチレン−イソプレン−スチレン共重合体の混合物、前記化学式(1)で示されるスチレン由来の構造単位24質量%、前記樹脂組成物(2)の全量に対するスチレン−イソプレン共重合体の割合が67質量%)をヒートプレス(圧力0.5MPa、プレス板温度が130℃、プレス時間2分)により厚さが200μmの基材を作製した。この両面に前記で作成した粘着層(1)を貼り合わせ0.2MPaで加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
〔実施例8〕
前記樹脂組成物(2)の厚みを1000μmとした以外は実施例7同様に粘着テープを作製した。
〔比較例1〕
前記樹脂組成物(1)の代わりに厚さ188μmのPETフィルムを基材に使用した以外は実施例1と同様に粘着テープを作製した。
〔比較例2〕
厚さ200μmのシート状の樹脂組成物(3)(エステル系ポリウレタン化合物)の両面に前記で作成した粘着剤層(1)を貼り合わせ0.2MPaで加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
〔比較例3〕
(粘着剤層の調製)
前記樹脂組成物(2) 100質量部、クイントンG115(日本ゼオン株式会社製のC系/C系石油樹脂、軟化点115℃)40質量部、ペンセルD−160(荒川化学工業株式会社製の重合ロジンエステル樹脂、軟化点150℃〜165℃)30質量部、日石ポリブテンHV−50(JX日鉱日石エネルギー株式会社製のポリブテン、流動点−12.5℃)5質量部及び老化防止剤(テトラキス−[メチレン−3−(3’5’−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン)1質量部を混合し、溶媒としてトルエン100質量部に溶解させることによって粘着剤(4)を得た。
前記粘着剤1をアプリケーターにより乾燥後の厚さが5μmになるように離型紙上に塗布し、80℃3分間乾燥させることによって粘着層(4)を作製した。
(粘着テープの製造)
前記樹脂組成物(1)をヒートプレス(圧力0.5MPa、プレス板温度が130℃、プレス時間2分)により厚さが200μmの基材を作製した。この両面に前記で作成した粘着層(4)を貼り合わせ0.2MPaで加圧しラミネートすることによって、粘着テープを作製した。
実施例1〜8、比較例1〜4で作製した粘着テープおよび基材、粘着層について、以下に示す方法により試験し、評価結果を表1、2に示した。
[粘着テープおよび基材、粘着剤の破断点応力、破断点伸度、25%伸長時応力、50%伸長時応力]
粘着テープの破断点応力、破断点伸度、25%伸長時応力、50%伸長時応力は、粘着テープを標線長さ20mm、幅10mmのダンベル状に打ち抜き、測定雰囲気23℃,50%RHの条件で、テンシロン引張試験機を用い、引張速度300mm/minで長さ方向に引っ張ることで測定した。
[粘着テープおよび基材の貯蔵弾性率E’]
実施例及び比較例で得た粘着テープをダンベルカッターを用い、JIS K 7127の試験片タイプ5の形状に打ち抜いたものを試験片とした。
前記試験片を用い、レオメトリックス社製の動的粘弾性測定装置RSA−II(周波数1Hz、昇温速度3℃/分)により測定し、23℃での貯蔵弾性率E’を得た。
[粘着剤層の貯蔵弾性率G']
本発明における貯蔵弾性率G'は、2mm厚にまで重ね合わせ粘着剤を試験片とし、レオメトリックス社製粘弾性試験機アレス2kSTDに直径7.9mmのパラレルプレートを装着し、試験片を挟み込み周波数1Hzで測定した値である。
[180°ピール接着力]
23℃下20mm幅の粘着テープ試料をステンレス板に貼付し、2kgローラー1往復加圧した。23℃下で1時間静置した後、テンシロン引張試験機を用い、180°方向に引張速度300mm/minで引っ張り、接着力を測定した。
[耐熱後180°ピール接着力]
60℃下7日間放置した粘着テープを23℃下にて放冷し、23℃下20mm幅の粘着テープ試料をステンレス板に貼付し、2kgローラー1往復加圧した。23℃下で1時間静置した後、テンシロン引張試験機を用い、180°方向に引張速度300mm/minで引っ張り、接着力を測定した。
[保持力の評価方法]
前記粘着テープの一方の粘着面を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちし、20mm幅×100mm長さに切断したものを、23℃及び50%RH雰囲気下で、清潔で表面平滑なステンレス板(360番耐水研磨紙でヘアライン研磨処理)の表面に貼付面積が20mm×20mmになるように載置し、その上面を2kgローラーで1往復させることによってそれらを圧着させ、23℃の環境下に1時間放置することによって試験片を作製した。
前記試験片を構成するステンレス板を固定した状態で、前記粘着テープに70℃の環境下で1kgの荷重をかけた時から、前記粘着テープがステンレス板から落下するまでの時間を測定した。24時間以上経過しても粘着テープが落下しなかった場合、「>24」と表記した。
[せん断接着力の評価方法]
前記粘着テープを20mm幅×20mm長さに切断したものを、23℃及び50%RH雰囲気下で、清潔で表面平滑なステンレス板1(360番耐水研磨紙でヘアライン研磨処理)の表面に貼付面積が20mm×20mmになるように貼付し、その反対面を清潔で表面平滑なステンレス板2(360番耐水研磨紙でヘアライン研磨処理)の表面に貼付面積が20mm×20mmになるように貼付した後、5kgローラーで1往復させることによってそれらを圧着させ、23℃の環境下に24時間放置することによって試験片を作製した。
前記試験片を構成するステンレス板1を固定した状態で、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RH雰囲気下で、ステンレス板2を粘着テープのせん断方向に300mm/minの速度で引っ張り、せん断接着力を測定した。
[割裂接着力の評価方法]
前記粘着テープを20mm幅×20mm長さに切断したものを、23℃及び50%RH雰囲気下で、清潔で表面平滑なアルミ板1(A1050)の表面に貼付面積が20mm×20mmになるように貼付し、その反対面を清潔で表面平滑なアルミ板2(A1050)の表面に貼付面積が20mm×20mmになるように貼付した後、5kgローラーで1往復させることによってそれらを圧着させ、23℃の環境下に24時間放置することによって試験片を作製した。
前記試験片を構成するアルミ板1を固定した状態で、テンシロン引張試験機を用い、23℃及び50%RH雰囲気下で、アルミ板2を粘着テープの割裂方向に300mm/minの速度で引っ張り、割裂接着力を測定した。
[再剥離性]
10mm幅×60mm長さの前記粘着テープを10mm幅×10mm長さの掴み手をはみ出させた状態で清潔で表面平滑なステンレス板に貼付した後、その反対面も清潔で表面平滑なステンレス板に貼付し、2kg荷重を加えながらローラー1往復加圧したものを試験片とした。貼付後23℃,50%RH雰囲気下で3日間放置し、23℃50%RH下で粘着テープの掴み手部分を粘着テープの水平方向に手でおよそ300mm/minの速度で引き伸ばした。
試験回数3回の内、粘着テープの切れおよび粘着テープ剥離後の被着体への粘着剤の残留の程度を以下の基準で目視評価した。
○:2回以上、テープが切れずに剥がせた。
×:粘着テープを剥がすことができない。または、2回以上テープの切れが生じた。
Figure 2019006907
Figure 2019006907
Figure 2019006907

Claims (10)

  1. 樹脂基材及び粘着層を備えた粘着テープであり、前記樹脂基材がビニル芳香族ブロック共重合体を含有し、前記粘着層の50%伸長時応力が3.0×10〜1.0×10Paであり、前記粘着層の貯蔵弾性率G’(23℃)が1.0×10以上1.0×10Pa未満である粘着テープ
  2. せん断接着力が0.5〜2.5MPaである請求項1記載の粘着テープ。
  3. ピール接着力が20N/20mm以上である請求項1又は2に記載の粘着テープ。
  4. 前記ビニル芳香族ブロック共重合体が芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物とのブロック共重合体から選ばれる1種又は2種以上の共重合体である請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  5. 前記芳香族ビニル化合物がスチレンである請求項4に記載の粘着テープ。
  6. 前記共役ジエン化合物がイソプレン、ブタジエン、エチレンブチレン又はエチレンプロピレンである請求項4又は5に記載の粘着テープ。
  7. 前記ビニル芳香族ブロック共重合体がジブロック共重合体又はトリブロック共重合体から選ばれる1種又は2種以上の共重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  8. 前記ビニル芳香族ブロック共重合体がスチレン−イソプレン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−エチレンブチレン共重合体、スチレン−エチレンプロピレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体から選ばれる1種又は2種以上の共重合体である請求項1〜7のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  9. 前記粘着層に使用する粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項1〜8のいずれか1項に記載の粘着テープ。
  10. 粘着層のゲル分率が10〜70質量%である請求項1〜9のいずれか1項に記載の粘着テープ。
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