JP2019006492A - 保冷保温シート - Google Patents
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Abstract
【課題】主に生鮮食品等を保冷したり、調理済みの料理やホット飲料等を保温したりするための保冷保温シートにおいて、被保冷保温物のサイズや形状に合わせて柔軟にゲル状蓄熱組成物の形状を変化させることで、保冷保温効率を向上させた保冷保温シートを提供する。【解決手段】蓄熱剤を含むゲル状蓄熱組成物3が封止された蓄熱部1を有する保冷保温シートであって、蓄熱部は凸状の蓄熱スポット部9を有し、かつ蓄熱スポット部に存在するゲル状蓄熱組成物3は外力により変形し、蓄熱スポット部から連結されている蓄熱流動部11へゲル状蓄熱組成物が移動することを特徴とする保冷保温シートであるため、被保冷保温物の接触面に合わせて、蓄熱スポット部が柔軟に変化し、被保冷保温物との接触面積を大きくとることができ、保冷効率が高まることにより、長時間の保冷を可能とする。【選択図】図1
Description
本発明は、主に生鮮食品等を保冷したり、調理済みの料理やホット飲料等を保温したりするための保冷保温シートであって、特に保冷保温対象物(以下、被保冷保温物という)の形状やサイズに応じて、保冷保温シート内に封止された蓄熱剤が柔軟に、被保冷保温物の形状に追従可能な保冷保温シートに関するものである。
例えば、生鮮食品や生菓子、コールド飲料等の保冷をする場合、主に発泡スチロール製の保冷箱内に、保冷対象物(以下、被保冷物という)と、ゲル状の保冷剤を樹脂製のパウチやハードケースに封入した保冷材を同梱する手段を用いることがごく一般的である。
しかし、上記のような保冷箱と保冷材の組合せの系においては、保冷材が被保冷物と接触していない場合、保冷対象は保冷箱内の空気となり、保冷材が本来持つ保冷能力の一部が被保冷物の保冷に寄与するのみであるため、保冷効率が低いという課題がある。
さらに、保冷箱はサイズ、形状を自由に変化可能なものは少なく、被保冷物が保冷箱のサイズと比べて明らかに小さい場合は、保冷箱が無駄にスペースを取り、保管したり、一時置きしたりする場合には邪魔になってしまうという課題もある。
このような課題に対して、特許文献1のように、蓄熱剤を内包したマイクロカプセルを含有した蓄熱シートを用いて袋状または箱状に加工して得られる保冷容器が考えられている。
しかしながら、特許文献1に記載の蓄熱シートは、蓄熱剤マイクロカプセル分散液を一様に塗工して得られるため、袋状に加工した場合、被保冷物と接触する箇所は限られており、その他の箇所は蓄熱機能を有しているにも係らず、被保冷物の保冷にはほとんど寄与していないため、保冷効率が落ちる点や、同様の理由によりコストも高くなるという点が問題点として挙げられる。
上記の問題点を解決するため、本発明は、被保冷物のサイズ・形状に左右されず、かつ保冷効率を高め、コスト面も抑えた保冷保温シートを提供することを課題とする。
上記の課題を解決する手段として、本発明の請求項1に記載の発明は、ゲル状蓄熱組成物が封止された蓄熱部を有する、被保冷保温物の保冷保温シートであって、
遮熱シートと、蓄熱部と、を備えており、
遮熱シートは、断熱性と柔軟性を備え、蓄熱部と被保冷保温物とを包含可能に備えられており、
蓄熱部は、蓄熱スポット部と、蓄熱流動部と、を備えており、
蓄熱スポット部は、遮熱シートの中に備えられた凸状部であり、
蓄熱流動部は、蓄熱スポット部の変形により、ゲル状蓄熱組成物が移動可能な部分であ
り、その体積は、蓄熱スポット部の体積より小さいことを特徴とする保冷保温シートである。
遮熱シートと、蓄熱部と、を備えており、
遮熱シートは、断熱性と柔軟性を備え、蓄熱部と被保冷保温物とを包含可能に備えられており、
蓄熱部は、蓄熱スポット部と、蓄熱流動部と、を備えており、
蓄熱スポット部は、遮熱シートの中に備えられた凸状部であり、
蓄熱流動部は、蓄熱スポット部の変形により、ゲル状蓄熱組成物が移動可能な部分であ
り、その体積は、蓄熱スポット部の体積より小さいことを特徴とする保冷保温シートである。
また、請求項2に記載の発明は、前記ゲル状蓄熱組成物は、前記蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、前記蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらずに流動可能であるゲル状保冷剤が混合されてなることを特徴とする請求項1に記載の保冷保温シートである。
また、請求項3に記載の発明は、前記蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、前記蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であるゲル状保冷剤との混合比が70重量%〜80重量%であることを特徴とする請求項2記載の保冷保温シートである。
また、請求項4に記載の発明は、前記ゲル状蓄熱組成物は、前記蓄熱剤にゲル化剤が混合されてなり、前記蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であることを特徴とする請求項1記載の保冷保温シートである。
また、請求項5に記載の発明は、前記蓄熱剤は、融点0℃〜60℃まで任意に選択可能であることを特徴とする請求項1〜4に記載の保冷保温シートである。
また、請求項6に記載の発明は、前記請求項1〜5のいずれかに記載の保冷保温シートを用いて作製したことを特徴とする包装容器である。
本発明における保冷保温シートによれば、被保冷保温物の接触面の形状に合わせて、蓄熱スポット部が柔軟に変化し、被保冷保温物との接触面積を大きくとることができ、かつその箇所にゲル状蓄熱組成物が偏在しているため、保冷保温効率が高まることにより、長時間の保冷保温を可能とする。
<保冷保温シート>
本発明の保冷保温シートは、ゲル状蓄熱組成物が封止された蓄熱部を有する、被保冷保温物の保冷保温シートである。
本発明の保冷保温シートは、ゲル状蓄熱組成物が封止された蓄熱部を有する、被保冷保温物の保冷保温シートである。
本発明の保冷保温シートは、遮熱シートと、蓄熱部と、を備えている。
遮熱シートは、断熱性と柔軟性を備え、蓄熱部と被保冷保温物とを包含可能に備えられている。
遮熱シートは、断熱性と柔軟性を備え、蓄熱部と被保冷保温物とを包含可能に備えられている。
蓄熱部は、蓄熱スポット部と、蓄熱流動部と、を備えている。
蓄熱スポット部は、遮熱シートの中に備えられた凸状部である。
蓄熱流動部は、蓄熱スポット部の変形により、ゲル状蓄熱組成物が移動可能な部分であり、その体積は、蓄熱スポット部の体積より小さい。
蓄熱流動部は、蓄熱スポット部の変形により、ゲル状蓄熱組成物が移動可能な部分であり、その体積は、蓄熱スポット部の体積より小さい。
以下、本発明の保冷保温シートの一実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
図1は本発明の保冷保温シートの一実施形態における蓄熱部を示す断面図である。
(蓄熱部)
図1に示すように、蓄熱部1は、蓄熱性を有するゲル状蓄熱組成物3を、合成樹脂等の単層または複数層の封止フィルム5内に充填し、封止フィルムヒートシール部7によって封止されている。またその形状の特徴としては、蓄熱部1の中心部は封止フィルムヒートシール部7と比べて天面が高く、断面で見ると凸状になっている蓄熱スポット部9を有している。また、蓄熱スポット部9の外周上には蓄熱スポット部9と比べて天面が低く、蓄熱スポット部9と連結されてなる蓄熱流動部11を有している。この凸状の蓄熱スポット部9は、柔軟性を備えており、平面ではない形状の物品が蓄熱スポット部9に押し当てられた場合であっても、その物品の形状に追従可能であることが特徴である。
図1に示すように、蓄熱部1は、蓄熱性を有するゲル状蓄熱組成物3を、合成樹脂等の単層または複数層の封止フィルム5内に充填し、封止フィルムヒートシール部7によって封止されている。またその形状の特徴としては、蓄熱部1の中心部は封止フィルムヒートシール部7と比べて天面が高く、断面で見ると凸状になっている蓄熱スポット部9を有している。また、蓄熱スポット部9の外周上には蓄熱スポット部9と比べて天面が低く、蓄熱スポット部9と連結されてなる蓄熱流動部11を有している。この凸状の蓄熱スポット部9は、柔軟性を備えており、平面ではない形状の物品が蓄熱スポット部9に押し当てられた場合であっても、その物品の形状に追従可能であることが特徴である。
(ゲル状蓄熱組成物)
ゲル状蓄熱組成物3は、蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であることを特徴とするゲル状保冷剤が混合されたものとするものでもよく、蓄熱剤にゲル化剤を混合されてなり、蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であるようにしたものでもよい。蓄熱剤としては、例えばパラフィンを用いたものが挙げられる。パラフィンを用いたものである場合、その炭素数を選択することで、任意の融点を選択可能であり、具体的には0℃から60℃まで選択可能である。蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず流動可能であるゲル状蓄熱組成物としては、例えば基材として水を用いて高吸水性ポリマーとエチレングリコール等を混合することで得ることができる。
ゲル状蓄熱組成物3は、蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であることを特徴とするゲル状保冷剤が混合されたものとするものでもよく、蓄熱剤にゲル化剤を混合されてなり、蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であるようにしたものでもよい。蓄熱剤としては、例えばパラフィンを用いたものが挙げられる。パラフィンを用いたものである場合、その炭素数を選択することで、任意の融点を選択可能であり、具体的には0℃から60℃まで選択可能である。蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず流動可能であるゲル状蓄熱組成物としては、例えば基材として水を用いて高吸水性ポリマーとエチレングリコール等を混合することで得ることができる。
蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であることを特徴とするゲル状保冷剤の混合比は、好ましくは前者が30重量%〜80重量%の範囲であり、最も好ましくは、70重量%〜80重量%の範囲である。これは、蓄熱剤を内包したマイクロカプセルの量が少ないと、蓄熱剤の効果が十分に発現せず、保冷時間が短くなり、逆に蓄熱剤を内包したマイクロカプセルの量が多いと、凝固後に十分な流動性を得ることができないためである。
(封止フィルム)
封止フィルム5は、内部のゲル状蓄熱組成物3の水分が透過しないよう、水蒸気透過性に優れたものが好ましく、さらには蓄熱部1が被保冷保温物に強く接触した際や、被保冷保温物の突起部や鋭利部が強く押し当てられたりした際の衝撃に耐えうる耐衝撃性、突刺し性に優れたものが好ましい。上記性質を持ち合わせた材料としては、例えば水蒸気透過性に優れるナイロンフィルムと耐衝撃性、突刺し性に優れるウレタンフィルムを含むラミネートフィルムなどが挙げられる。また、平面ではない形状の物品が蓄熱スポット部9に押し当てられた場合であっても、その物品の形状に追従可能とする特性を備えていることが必要である。
封止フィルム5は、内部のゲル状蓄熱組成物3の水分が透過しないよう、水蒸気透過性に優れたものが好ましく、さらには蓄熱部1が被保冷保温物に強く接触した際や、被保冷保温物の突起部や鋭利部が強く押し当てられたりした際の衝撃に耐えうる耐衝撃性、突刺し性に優れたものが好ましい。上記性質を持ち合わせた材料としては、例えば水蒸気透過性に優れるナイロンフィルムと耐衝撃性、突刺し性に優れるウレタンフィルムを含むラミネートフィルムなどが挙げられる。また、平面ではない形状の物品が蓄熱スポット部9に押し当てられた場合であっても、その物品の形状に追従可能とする特性を備えていることが必要である。
(蓄熱スポット部)
蓄熱スポット部9は、天面が高くなっており、その蓄熱スポット部の充填高さ9aとしては10mm〜40mmの範囲が好ましく、さらには20mm〜30mmがより好ましい。蓄熱スポット部の充填高さ9aが高い場合、蓄熱スポット部9に充填するゲル状蓄熱組成物3の容量を大きくすることができ、蓄熱による保冷保温持続時間も長くなる。また、外形としては、例えば円形状や正方形状などが考えられるが、特に指定することはなく、任意に選択可能である。寸法としては、被保冷保温物に合わせて、任意のサイズを選択可能である。また、内部に封止するゲル状蓄熱組成物3の量は、目標とする保冷保温時間に合わせて選択可能である。また、このような特性に加えて、平面ではない形状の物品が蓄熱スポット部9に押し当てられた場合であっても、その物品の形状に追従可能な特性を備えていることが必要である。
蓄熱スポット部9は、天面が高くなっており、その蓄熱スポット部の充填高さ9aとしては10mm〜40mmの範囲が好ましく、さらには20mm〜30mmがより好ましい。蓄熱スポット部の充填高さ9aが高い場合、蓄熱スポット部9に充填するゲル状蓄熱組成物3の容量を大きくすることができ、蓄熱による保冷保温持続時間も長くなる。また、外形としては、例えば円形状や正方形状などが考えられるが、特に指定することはなく、任意に選択可能である。寸法としては、被保冷保温物に合わせて、任意のサイズを選択可能である。また、内部に封止するゲル状蓄熱組成物3の量は、目標とする保冷保温時間に合わせて選択可能である。また、このような特性に加えて、平面ではない形状の物品が蓄熱スポット部9に押し当てられた場合であっても、その物品の形状に追従可能な特性を備えていることが必要である。
(蓄熱流動部)
蓄熱流動部11は、蓄熱スポット部の充填高さ9aと比べて、より低い蓄熱流動部の充填高さ11aをもつ。また、外形としては、蓄熱スポット部9の外形寸法より大きい必要があるが、例えば円形状や正方形状など特に指定することはなく、任意に選択可能である。なお、蓄熱流動部の充填高さ11aと蓄熱流動部11の寸法としては、蓄熱スポット部9が占める体積に対して、蓄熱流動部11の体積比が10%〜40%となるよう選択するのが好ましい。これは、蓄熱流動部11が占める体積が大きい場合は、蓄熱スポット部9から蓄熱流動部11へのゲル状蓄熱組成物3の流動量が多くなり、蓄熱スポット部9が被保冷保温物とよりフィットしやすくなり、保冷保温効率が向上するが、同時にゲル状蓄熱組成物の流動量が多すぎると蓄熱スポット部9のゲル状蓄熱組成物の量が減少することによる保冷保温効率の低下も考えられるためであり、目的に合わせて蓄熱流動部の充填高さ11aと外形寸法を選択する必要がある。
蓄熱流動部11は、蓄熱スポット部の充填高さ9aと比べて、より低い蓄熱流動部の充填高さ11aをもつ。また、外形としては、蓄熱スポット部9の外形寸法より大きい必要があるが、例えば円形状や正方形状など特に指定することはなく、任意に選択可能である。なお、蓄熱流動部の充填高さ11aと蓄熱流動部11の寸法としては、蓄熱スポット部9が占める体積に対して、蓄熱流動部11の体積比が10%〜40%となるよう選択するのが好ましい。これは、蓄熱流動部11が占める体積が大きい場合は、蓄熱スポット部9から蓄熱流動部11へのゲル状蓄熱組成物3の流動量が多くなり、蓄熱スポット部9が被保冷保温物とよりフィットしやすくなり、保冷保温効率が向上するが、同時にゲル状蓄熱組成物の流動量が多すぎると蓄熱スポット部9のゲル状蓄熱組成物の量が減少することによる保冷保温効率の低下も考えられるためであり、目的に合わせて蓄熱流動部の充填高さ11aと外形寸法を選択する必要がある。
図2は、本発明の保冷保温シートにおける蓄熱部1に被保冷保温物13を置いた際の断面図である。
図2において、蓄熱スポット部9の天面に被保冷保温物13を置いた際、蓄熱スポット部9に充填されたゲル状蓄熱組成物3が被保冷保温物13の自重により押し下げられる形となり、蓄熱スポット部9から蓄熱流動部11へゲル状蓄熱組成物3が移動する。これにより、蓄熱スポット部9の天面が被保冷保温物13の接触面の形状に合わせて変化することになる。この結果、被保冷保温物13との接触面積を十分大きくとることができ、保冷保温効率が向上する。
図3は、本発明の一実施形態の保冷保温シートを例示した全体斜視図である。
(遮熱シート)
図3において、遮熱シート15は、蓄熱部1の底面にラミネートされて一体化されている。また遮熱シート15は、蓄熱部1と合わせて、被保冷保温物13に対する保冷保温効率を最大化するために、断熱性をもち、かつ蓄熱部1と被保冷保温物13を包み込むことが可能となる柔軟で折り曲げやすい性質も併せもつ材料が適している。例えば、発泡ポリエチレンや、アルミ蒸着ポリエステルフィルムの単層および積層品などが挙げられる。
図3において、遮熱シート15は、蓄熱部1の底面にラミネートされて一体化されている。また遮熱シート15は、蓄熱部1と合わせて、被保冷保温物13に対する保冷保温効率を最大化するために、断熱性をもち、かつ蓄熱部1と被保冷保温物13を包み込むことが可能となる柔軟で折り曲げやすい性質も併せもつ材料が適している。例えば、発泡ポリエチレンや、アルミ蒸着ポリエステルフィルムの単層および積層品などが挙げられる。
(最外基材)
最外基材(図示せず)は、遮熱シート15の底面にラミネートされて一体化させることもできるし、遮熱シート15の一部と最外基材の一部にボタンなどの留め具を付与して、自由に着脱可能な形とすることもできる。また、最外基材は内部の蓄熱部1と遮熱シート15を包みこんだ状態を維持するために、最外基材の端部にボタンなどの留め具を付与する。
最外基材(図示せず)は、遮熱シート15の底面にラミネートされて一体化させることもできるし、遮熱シート15の一部と最外基材の一部にボタンなどの留め具を付与して、自由に着脱可能な形とすることもできる。また、最外基材は内部の蓄熱部1と遮熱シート15を包みこんだ状態を維持するために、最外基材の端部にボタンなどの留め具を付与する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
本発明における実施例と比較例を以降で説明する。なお、いずれも共通条件は下記列挙の通りである。
蓄熱スポット部:直径90mmの円柱形で、蓄熱スポット部の充填高さは18mm。
蓄熱流動部:向かい合う辺の距離が200mmの正八角形で、蓄熱流動部の充填高さは
1mm。
蓄熱剤:水にノルマルパラフィン(C=14)をメラミン樹脂で内包したマイクロカプセル化物を35w%〜45w%混合させた液体物。
保冷剤:水に増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロース)と不凍液としてエチレングリコールを混合させたゲル体組成物。
ゲル状蓄熱組成物の事前冷却条件:−10℃
被保冷保温物:ゲル体組成物170g(135mm×150mmのフィルムパウチ充填物)
被保冷保温物の事前冷却条件:+4℃
封止フィルム:ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムのラミネート品。厚み60μm。
遮熱シート:発泡ポリエチレンとアルミ蒸着ポリエステルフィルムのラミネート品。厚み2mm。
蓄熱スポット部:直径90mmの円柱形で、蓄熱スポット部の充填高さは18mm。
蓄熱流動部:向かい合う辺の距離が200mmの正八角形で、蓄熱流動部の充填高さは
1mm。
蓄熱剤:水にノルマルパラフィン(C=14)をメラミン樹脂で内包したマイクロカプセル化物を35w%〜45w%混合させた液体物。
保冷剤:水に増粘剤としてのCMC(カルボキシメチルセルロース)と不凍液としてエチレングリコールを混合させたゲル体組成物。
ゲル状蓄熱組成物の事前冷却条件:−10℃
被保冷保温物:ゲル体組成物170g(135mm×150mmのフィルムパウチ充填物)
被保冷保温物の事前冷却条件:+4℃
封止フィルム:ナイロンフィルムとポリエチレンフィルムのラミネート品。厚み60μm。
遮熱シート:発泡ポリエチレンとアルミ蒸着ポリエステルフィルムのラミネート品。厚み2mm。
<実施例1>
ゲル状蓄熱組成物として、蓄熱剤50gと保冷剤50gを十分に混合したものを用いて、蓄熱部を作製した。380mm×400mmの遮熱シート上の中心部に、事前冷却後の蓄熱部を蓄熱スポット部が上に向く形で置き、その上に事前冷却後の被保冷保温物を置いて、蓄熱部と遮熱シートで被保冷保温物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷保温物の蓄熱スポット部への接触表面中心を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(ア)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は216分であった。なお、以後、被保冷保温物を被保冷物と記す。
ゲル状蓄熱組成物として、蓄熱剤50gと保冷剤50gを十分に混合したものを用いて、蓄熱部を作製した。380mm×400mmの遮熱シート上の中心部に、事前冷却後の蓄熱部を蓄熱スポット部が上に向く形で置き、その上に事前冷却後の被保冷保温物を置いて、蓄熱部と遮熱シートで被保冷保温物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷保温物の蓄熱スポット部への接触表面中心を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(ア)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は216分であった。なお、以後、被保冷保温物を被保冷物と記す。
<実施例2>
ゲル状蓄熱組成物として、実施例1と同じく、蓄熱剤50gと保冷剤50gを十分に混合したものを用いて、蓄熱部を作製した。380mm×400mmの遮熱シート上の中心部に事前冷却後の被保冷物を置き、その上に事前冷却後の上記蓄熱部を蓄熱スポット部が下に向く形で置いて、蓄熱部と遮熱シートで被保冷物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の蓄熱スポット部への接触表面中心を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(イ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は157分であった。
ゲル状蓄熱組成物として、実施例1と同じく、蓄熱剤50gと保冷剤50gを十分に混合したものを用いて、蓄熱部を作製した。380mm×400mmの遮熱シート上の中心部に事前冷却後の被保冷物を置き、その上に事前冷却後の上記蓄熱部を蓄熱スポット部が下に向く形で置いて、蓄熱部と遮熱シートで被保冷物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の蓄熱スポット部への接触表面中心を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(イ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は157分であった。
<実施例3>
ゲル状蓄熱組成物として、蓄熱剤75gと保冷剤25gを十分に混合したものを用いて、蓄熱部を作製した。380mm×400mmの遮熱シート上の中心部に事前冷却後の上記蓄熱部を蓄熱スポット部が上に向く形で置き、その上に事前冷却後の被保冷物を置いて、蓄熱部と遮熱シートで被保冷物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の蓄熱スポット部への接触表面中心を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(ウ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は298分であった。
ゲル状蓄熱組成物として、蓄熱剤75gと保冷剤25gを十分に混合したものを用いて、蓄熱部を作製した。380mm×400mmの遮熱シート上の中心部に事前冷却後の上記蓄熱部を蓄熱スポット部が上に向く形で置き、その上に事前冷却後の被保冷物を置いて、蓄熱部と遮熱シートで被保冷物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の蓄熱スポット部への接触表面中心を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(ウ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は298分であった。
<比較例1>
厚さ5mm、内寸165mm×90mm×160mmのダンボール箱の外表面全体を遮熱シートで覆った保冷箱を作製した。また、保冷剤100gを105mm×105mmのパウチ内に封止した保冷材を作製した。上記保冷箱内部に事前冷却後の上記保冷剤ブロックを投入し、さらに事前冷却後の被保冷物を投入し、封止したものを25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の表面を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(エ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は88分であった。
厚さ5mm、内寸165mm×90mm×160mmのダンボール箱の外表面全体を遮熱シートで覆った保冷箱を作製した。また、保冷剤100gを105mm×105mmのパウチ内に封止した保冷材を作製した。上記保冷箱内部に事前冷却後の上記保冷剤ブロックを投入し、さらに事前冷却後の被保冷物を投入し、封止したものを25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の表面を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(エ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は88分であった。
<比較例2>
ゲル状蓄熱組成物として、蓄熱剤50gと保冷剤50gを十分に混合したものを、380mm×400mmの封止フィルムで作製したパウチに充填した保冷シートを作製した。380mm×400mmの遮熱シート上に、事前冷却後の上記保冷シートを置き、その中心部に事前冷却後の被保冷物を置いて、保冷シートと遮熱シートで被保冷物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の表面を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(オ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は103分であった。
ゲル状蓄熱組成物として、蓄熱剤50gと保冷剤50gを十分に混合したものを、380mm×400mmの封止フィルムで作製したパウチに充填した保冷シートを作製した。380mm×400mmの遮熱シート上に、事前冷却後の上記保冷シートを置き、その中心部に事前冷却後の被保冷物を置いて、保冷シートと遮熱シートで被保冷物を包んだ後、25℃の恒温庫内に保管した。その際の被保冷物の表面を、熱電対を用いて温度測定し、温度履歴を確認した。その際の温度測定結果を図4の(オ)で示す。温度測定結果より、8℃以下の保持時間は103分であった。
以上、実施例1〜3と比較例1、2の結果より、比較例1で実施した一般的な保冷箱と保冷材の保冷手段と比べて、本発明の実施例2は、8℃以下の保持時間が約3.4倍となった。
また、同様に比較例2で実施したシート状にゲル状蓄熱組成物を配した保冷手段と比べて、本発明の実施例2は、8℃以下の保持時間が約2.9倍となり、いずれも飛躍的な保冷効果が確認された。
これは、本発明の重要なポイントである、蓄熱スポット部から蓄熱流動部へとゲル状蓄熱組成物が移動可能であることで、蓄熱スポット部が被保冷物の形状に追従可能となるため、蓄熱スポット部の被保冷物との接触面積が十分大きく保たれ、かつその箇所に集中的にゲル状蓄熱組成物が存在することで、保冷効率が高まったことが要因であると考えられる。
また、このようにゲル状蓄熱組成物を偏在させることで、比較例2のように同量のゲル状蓄熱組成物をシート状に配した保冷手段より保冷効果が高まることため、同程度の保冷能力を求める上では、本発明の保冷保温シートではゲル状蓄熱組成物がより少量ですませることが可能となり、コスト面においても有利となる。
本発明に係る保冷保温シートを用いることで、保冷保温が必要な食品等を長時間保冷保温することが可能であり、食品等の鮮度保持及び可食時間の延長や、調理済み食品の出来立て感の時間延長が期待できる。
1 蓄熱部
3 ゲル状蓄熱組成物
5 封止フィルム
7 封止フィルムヒートシール部
9 蓄熱スポット部
9a 蓄熱スポット部の充填高さ
11 蓄熱流動部
11a 蓄熱流動部の充填高さ
13 被保冷保温物
15 遮熱シート
3 ゲル状蓄熱組成物
5 封止フィルム
7 封止フィルムヒートシール部
9 蓄熱スポット部
9a 蓄熱スポット部の充填高さ
11 蓄熱流動部
11a 蓄熱流動部の充填高さ
13 被保冷保温物
15 遮熱シート
Claims (6)
- ゲル状蓄熱組成物が封止された蓄熱部を有する、被保冷保温物の保冷保温シートであって、
遮熱シートと、蓄熱部と、を備えており、
遮熱シートは、断熱性と柔軟性を備え、蓄熱部と被保冷保温物とを包含可能に備えられており、
蓄熱部は、蓄熱スポット部と、蓄熱流動部と、を備えており、
蓄熱スポット部は、遮熱シートの中に備えられた凸状部であり、
蓄熱流動部は、蓄熱スポット部の変形により、ゲル状蓄熱組成物が移動可能な部分であり、その体積は、蓄熱スポット部の体積より小さいことを特徴とする保冷保温シート。 - 前記ゲル状蓄熱組成物は、前記蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、前記蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらずに流動可能であるゲル状保冷剤が混合されてなることを特徴とする請求項1に記載の保冷保温シート。
- 前記蓄熱剤を内包したマイクロカプセルと、前記蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であるゲル状保冷剤との混合比が70重量%〜80重量%であることを特徴とする請求項2記載の保冷保温シート。
- 前記ゲル状蓄熱組成物は、前記蓄熱剤にゲル化剤が混合されてなり、前記蓄熱剤の凝固温度帯以下においても固まらず、流動可能であることを特徴とする請求項1記載の保冷保温シート。
- 前記蓄熱剤は、融点0℃〜60℃まで任意に選択可能であることを特徴とする請求項1〜4に記載の保冷保温シート。
- 前記請求項1〜5のいずれかに記載の保冷保温シートを用いて作製したことを特徴とする包装容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017126255A JP2019006492A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 保冷保温シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017126255A JP2019006492A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 保冷保温シート |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019006492A true JP2019006492A (ja) | 2019-01-17 |
Family
ID=65026607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017126255A Pending JP2019006492A (ja) | 2017-06-28 | 2017-06-28 | 保冷保温シート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019006492A (ja) |
-
2017
- 2017-06-28 JP JP2017126255A patent/JP2019006492A/ja active Pending
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