以下、実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。本発明の思想ないし趣旨から逸脱しない範囲で、その具体的構成を変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。
以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、重複する説明は省略することがある。本明細書等における「第1」、「第2」、「第3」などの表記は、構成要素を識別するために付するものであり、必ずしも、数または順序を限定するものではない。また、構成要素の識別のための番号は文脈毎に用いられ、一つの文脈で用いた番号が、他の文脈で必ずしも同一の構成を示すとは限らない。また、ある番号で識別された構成要素が、他の番号で識別された構成要素の機能を兼ねることを妨げるものではない。
図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲などに限定されない。
また、「Aからなる」、「Aよりなる」、「Aを有する」、「Aを含む」と言うときは、特にその要素のみである旨明示した場合等を除き、それ以外の要素を排除するものでないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。
一般に、ATM(Automated Teller Machine)や券売機などの自動取引装置では、センサ等の電力及びデータ伝送配線が煩雑であり、省配線化すなわち無線化にするとともに低コスト化とすることが求められている。機器内無線化は、デバイス間のコネクタやハーネスが削減されるので、実装工数の削減、自動取引装置の軽量化などが実現され、さらにはメンテナンスや利便性が向上するといったメリットがある。
紙幣収納庫は、現金の補充・回収などのために、自動取引装置本体の外部に取り出すことが多いが、一般的には紙幣収納庫と本体とはコネクタで接続されている。この部分の無線化の公知例が、例えば特許文献1に示されており、本体側に非接触送電手段と電磁波で情報通信を行うための装置側無線通信部を、紙幣収納庫の内部には非接触受電手段とそれにより給電され装置側無線通信部と情報通信を行うための収納庫側無線通信部とを有している。
[第一の実施の形態]図1は、本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。また、図2には従来の自動取引装置の構成図の例が示される。図3には、本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置の構成図の例を示す。
図2は、従来の自動取引装置の構成図の例である。図2に示すように、自動取引装置の本体100は、筐体部201と引出部202とを含んで構成される。引出部202は、図2では筐体部201から引き出された状態を示しているが、通常時は筐体部201内に収まっている。引出部202には複数の紙幣収納庫211が入っており、図2の例では引出部202に紙幣収納庫211が5個入っている。なお、以降、それぞれの紙幣収納庫を区別する際には、それぞれ211a、211b、211c、211d、211e等の添字で区別し、紙幣収納庫全体を示す場合には、紙幣収納庫211と表記する。
従来は、図2に示すとおり、筐体部201と紙幣収納庫211とは、本体側基板210上に設けられた複数のコネクタ212と、紙幣収納庫211内のコネクタ213とが接合して電気的に有線接続されている。本体側基板210上のコネクタ212と紙幣収納庫211のコネクタ213とは、両コネクタに設けられた対応する所定の形状の凹凸部の抜き差しにより着脱可能となっている。紙幣収納庫211内には各種センサおよびソレノイドやサーボモータなどのアクチュエータが組み込まれており、紙幣の収納および排出に関して所定の動作を行う。
本体側基板210の複数のコネクタ212は、引出線209と呼ばれるデータ配線、電源配線を介して筐体部201内の制御部207と電源/アクチュエータ部208に接続されている。本体側基板210の複数のコネクタ212は、電源や、紙幣収納庫211内のアクチュエータ制御および各種センサの情報のやり取りを媒介する。なお、紙幣収納庫211内のアクチュエータ制御は電源とアクチュエータ制御情報から本体側基板210上で信号を作成して行ってもよい。
一般的な、引出部202が筐体部201内に収まっている通常時の自動取引装置本体100の動作を次に示す。入金に際しては、入出金部203から紙幣が入金されると、紙幣は紙幣搬送路206を介して搬送され、識別部204で紙幣の真偽や金種を判別され、一時保留部205で顧客による入金の確認が取れるまでの間、一時保留される。その後、紙幣搬送路206を介して金種に応じてそれぞれの紙幣収納庫211a、211b、211c、211d、211eに振り分けられる。出金の場合はこの逆の経路で出金される。これらの動作は、制御部207と電源/アクチュエータ部208において、紙幣収納庫211内も含めた各部のセンサ情報を入手し、その情報に応じてアクチュエータを制御することで実現される。
図3は、本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置の構成図の例である。本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置では、図2で示されていたコネクタ212、213を使用せず、これらに代えて電源の電力伝送、アクチュエータ制御、および各種センサの情報のやり取りを無線を介して行う。すなわち、本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置では、本体側基板210にはコネクタ212は設けられておらず、本体側基板210上に本体側無線部102が紙幣収納庫120の入る数に応じて一つ又は複数設けられる。なお、以降、それぞれの紙幣収納庫を区別する際には、それぞれ120a、120b、120c、120d、120e等の添字で区別し、紙幣収納庫全体を示す場合には、紙幣収納庫120と表記する。紙幣収納庫120a〜120eのそれぞれには、無線部が設けられている。
図1の説明に戻る。図1には、本体側基板210上の本体側無線部102と、紙幣収納庫120の無線化のための1系統の構成ブロックが示されている。
本体側制御部101は、本体100の制御に加え、本体側無線部102の制御を行う。ここで、本体側無線部102から紙幣収納庫120への無線による電力伝送について説明する。
本体側制御部101は、無線電力伝送用の第1の搬送波周波数のクロック108を電力供給部103に出力する。電力供給部103は、本体側制御部101からの出力電力制御信号107に従った出力電力110を本体側送電コイル104に供給する。本体側送電コイル104は、無線電力伝送用の第1の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力121を送電する。なお、図1の本体側送電コイル104では、直列共振の構成を示しているが、並列共振の構成であってもよい。また、本体側送電コイル104は、その形状、材質等についていわゆるコイルに限られず、無変調で無線電力121を送電可能な磁気アンテナであればよい。
紙幣収納庫側受電コイル112は、無線電力伝送用の第1の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力121を受電する。なお、図1の紙幣収納庫側受電コイル112では、直列共振の構成を示しているが、並列共振の構成であってもよい。また、紙幣収納庫側受電コイル112は、その形状、材質等についていわゆるコイルに限られず、無変調で無線電力121を受電可能な磁気アンテナであればよい。
紙幣収納庫側受電コイル112により受電した受電電力123は、整流部113で整流され整流電力124となり、DC−DC変換部114により安定した直流となり、各ブロックに供給される。
紙幣収納庫制御部119は、電力の供給を受け、制御信号127により電力使用部115へ供給する電力を制御する。電力使用部115は、各種のセンサ、およびソレノイドやサーボモータなどのアクチュエータである。電力使用部115は、紙幣収納庫120内において必要とされる動作を、電力125の供給を受けて実行し、得られた情報126を紙幣収納庫制御部119に出力する。
次に、本体100から紙幣収納庫120に向かう、紙幣収納庫120内を制御するための制御情報の伝送の仕組みについて、引き続き図1を用いて説明する。
DC−DC変換部114で得られた電力の一部131はバッファ116に供給される。バッファ116は、紙幣収納庫制御部119から出力される第2の搬送波周波数のクロック128をバッファして、出力電力129を紙幣収納庫側コイル117に供給する。紙幣収納庫側コイル117は、無線電力伝送用の第2の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力122を送電する。なお、図1の紙幣収納庫側コイル117では、直列共振の構成を示しているが、並列共振の構成であってもよい。また、紙幣収納庫側コイル117は、その形状、材質等についていわゆるコイルに限られず、無変調で無線電力122を送電可能な磁気アンテナであればよい。
本体側コイル106は、無線電力伝送用の第2の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力122を受電する。なお、図1の本体側コイル106では、直列共振の構成を示しているが、並列共振の構成であってもよい。また、本体側コイル106は、その形状、材質等についていわゆるコイルに限られず、無変調で無線電力122を受電可能な磁気アンテナであればよい。
本体側コイル106により受電した電力111は、負荷105で消費される。この負荷状態を、本体側制御部101から制御信号109を用いて変化させることで、無線電力122が変動する。制御信号109は、本体100から紙幣収納庫120を制御する制御情報に対応させて変化されることで、無線電力122の変動を制御する。この無線電力122の変動は、紙幣収納庫側の制御情報復調部118において検出され復調される。検出され復調されて得られた信号130は、本体100から紙幣収納庫120を制御する制御情報である。これを紙幣収納庫側の制御情報復調部118が紙幣収納庫制御部119に出力することで、紙幣収納庫制御部119は本体100から紙幣収納庫120を制御する制御情報を認識することができる。
上述の本体100から紙幣収納庫120への紙幣収納庫120内を制御する制御情報の伝送について、図4〜図7を用いて詳細に動作説明する。
図4は、本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置の制御伝達動作に係る構成図の例である。図5は、本発明の第一の実施の形態に係る負荷の回路図である。図6は、本発明の第一の実施の形態に係る制御情報復調部の回路図である。図7は、本発明の第一の実施の形態に係る自動取引装置の信号の波形の例を示す図である。
図7において示される期間321は、本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送していない期間であり、期間322は、本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送している期間である。
図5に示されるように、本体100に備えられる負荷105は、例えば、抵抗301、303、NMOS−FET302を含んで構成される。NMOS−FET302のON/OFFは制御信号109で制御される。図5の例では、HighでON、LowでOFFとなる。よって、負荷105は、OFFのときは抵抗303のみの負荷、ONのときはNMOS−FET302のON抵抗を無視すると抵抗301と303の並列が負荷となる。
図7に示される本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送していない期間321については、NMOS−FET302をOFFとすることで実現できる。すなわち、負荷105の負荷状態が抵抗303のときに無線電力122は図7の期間321に示す波形を示す。これは、バッファ116がDC−DC変換部114で得られた電力の一部131を供給され、第2の搬送波周波数のクロック128をバッファして出力電力129とし、これを紙幣収納庫側コイル117に供給して伝送される無変調の無線電力122に相当する。
図7に示される本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送している期間322については、制御信号109を本体100から紙幣収納庫120を制御する制御情報に対応させて、制御信号109をHigh/Lowに変化させる。NMOS−FET302がONのとき負荷105の負荷状態は抵抗301と303の並列となり、抵抗303単体のときよりも小さくなる。このとき、本体100から反射電力(検出され復調されて得られた信号130に相当)が生じ、無線電力122は反射電力との合成となるため、振幅が変化する。したがって、制御信号109のHigh/Lowに応じ、無線電力122の振幅が変化する。
図6に示すように、制御情報復調部118は、検波部304、フィルタ部305、電圧シフト部306を含んで構成される。
検波部304は、無線電力122の振幅の変化である包絡線を検波部304で検出する。フィルタ部305は、第2の搬送波周波数以上の周波数成分を除去する。電圧シフト部306は、復調信号のスレッシュホールド識別電圧を決定し、検出され復調された信号130として出力する。
検波部304は、いわゆる倍電圧検波回路で構成される。例えば、検波部304では、受電した出力電力129をコンデンサ307で介した節点1に対し、ダイオード308をGNDから節点1の方向にONするように接続し、ダイオード309を節点1から節点2の方向にONするように接続し、コンデンサ310を節点2とGND間に接続し、抵抗311を節点2とGND間に接続し、節点2を出力とする。
フィルタ部305は、いわゆるツィンTノッチフィルタ回路で構成される。例えば、フィルタ部305では、入力節点に対し、抵抗312を入力節点と節点3の間に接続し、抵抗313を節点3と節点4の間に接続し、コンデンサ314を節点3とGND間に接続し、コンデンサ315を入力節点と節点5の間に接続し、コンデンサ316を節点5と節点4の間に接続し、抵抗317を節点5とGND間に接続し、節点4を出力とする。例えば、クロック128の第2の搬送波周波数が3.39MHz(メガヘルツ)のとき抵抗312、313は約6.8kΩ(キロオーム)、抵抗317は約1.8kΩ、コンデンサ314、315、316は約10pF(ピコファラッド)とする。
電圧シフト部306は、例えばコンデンサ318を介した節点6をDC−DC変換部114で得られた電力による電圧VddとGND間を抵抗319と抵抗320で分圧して、スレッシュホールド識別電圧を決定する。ただし、このとき、制御信号109はマンチェスタ符号化やその他の符号化方法により直流電圧を除去する。
以上の構成を備えることにより、制御情報復調部118では、検出され復調された信号130は制御信号109のHigh/Lowが反転した信号として得られる。
以上が、本発明に係る送電器、受電器を含む送受電システムの第一の実施の形態に係る自動取引装置の構成である。図1の第一の実施の形態によれば、本体100側の負荷105の負荷状態を変えるという簡単な構成で、本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送することができるため、制御情報の伝送を低コストで実現することができる効果がある。また、負荷105の負荷状態の値を、制御情報の伝送が可能であればよいという簡易な条件だけで設定できるため、小電力であっても最適な値に設定できる効果がある。
[第二の実施の形態]図8は、本発明の第二の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。図1および図3〜図7に示した第一の実施の形態においては、紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106間で本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送するが、図8に示す実施の形態では、これに加え、本体側コイル106と紙幣収納庫側コイル117間で紙幣収納庫120から本体100に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送する構成を備える。
図9を用いて、図8の自動取引装置の動作を説明する。図9は、本発明の第二の実施の形態に係る自動取引装置の紙幣収納庫を制御する切替部の動作に係るブロック図の例である。第二の実施の形態においては、本体側無線部102から紙幣収納庫120への無線による電力伝送の仕組みについては図1と同様である。
図9では、紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106間で本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送する場合に係る紙幣収納庫側の切替部413と、本体側の切替部402の動作が示されている。
DC−DC変換部114で得られた電力の一部131がバッファ116に供給されると、バッファ116は紙幣収納庫制御部119からの第2の搬送波周波数のクロック128をバッファして、出力電力129を切替部413に出力する。切替部413は、紙幣収納庫制御部119からの制御信号411を受けると出力電力129を紙幣収納庫側コイル117に供給する(伝送415T)とともに、制御情報復調部118に接続する(伝送416)。
紙幣収納庫側コイル117は、無線電力伝送用の第2の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力122を送電する。本体側コイル106は、無線電力伝送用の第2の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力122を受電する。受電した受電電力404は切替部402に出力される。
切替部402は、本体側制御部101からの制御信号410を受けると、受電電力404を負荷105に接続し(伝送409)、受電電力404は負荷105で消費される。この負荷状態を、本体側制御部101から制御信号109を用いて変化させることで、無線電力122が変動する。制御信号109は、本体100から紙幣収納庫120に伝送される紙幣収納庫120内を制御する制御情報に対応させて変化されることで、無線電力122の変動を制御する。この無線電力122の変動は、紙幣収納庫側の制御情報復調部118で検出され復調される。検出され復調されて得られた信号130は、本体100から紙幣収納庫120を制御する制御情報である。これを紙幣収納庫側の制御情報復調部118が紙幣収納庫制御部119に出力することで、紙幣収納庫制御部119は本体100から紙幣収納庫120を制御する制御情報を認識することができる。以上の仕組みは、第一の実施の形態に係る本体100から紙幣収納庫120に対して紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送する動作と同様である。
図10は、本発明の第二の実施の形態に係る自動取引装置の本体へ情報を送信する切替部の動作に係るブロック図の例である。図10では、本体側コイル106と紙幣収納庫側コイル117間で紙幣収納庫120から本体100に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送する場合に係る紙幣収納庫側の切替部413と、本体側の切替部402の動作が示されている。
本体側無線部102内のバッファ401は、本体側制御部101からの第2の搬送波周波数のクロック407をバッファして、出力電力408を切替部402に出力する。切替部402は、本体側制御部101からの制御信号410を受けると出力電力408を本体側コイル106に供給する(伝送404T)とともに、紙幣収納庫情報復調部403に接続する(伝送405)。
本体側コイル106は、無線電力伝送用の第2の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力414を送電する。紙幣収納庫側コイル117は、無線電力伝送用の第2の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力414を受電する。受電した受電電力415は切替部413に出力される。
切替部413は、紙幣収納庫制御部119からの制御信号411を受けると、受電電力415を負荷412に接続し(伝送417)、受電電力415は負荷412で消費される。この負荷状態を、紙幣収納庫制御部119から制御信号418を用いて変化させることで、無線電力414が変動する。制御信号418は、紙幣収納庫120から本体100に伝送される紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報に対応させて変化されることで、無線電力414の変動を制御する。この無線電力414の変動は、本体側の紙幣収納庫情報復調部403で検出され復調される。検出され復調されて得られた信号406は、紙幣収納庫120から本体100に伝送される紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報である。これを本体側制御部101に出力することで、本体側制御部101は紙幣収納庫120から本体100に伝送される紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を認識することができる。以上の仕組みは、図9に対して本体側コイル106と紙幣収納庫側コイル117間での無線電力の方向が無線電力122から無線電力414のように逆になっており、バッファ401とバッファ116、負荷412と負荷105、紙幣収納庫情報復調部403と制御情報復調部118のそれぞれの動作が切り替わった動作となっている。また、バッファ401とバッファ116、負荷412と負荷105、紙幣収納庫情報復調部403と制御情報復調部118のそれぞれは同様の回路構成である。
以上、図8〜図10を用いて、本発明に係る送電器、受電器を含む送受電システムの第二の実施の形態に係る自動取引装置の構成を説明した。第二の実施の形態によれば、本体100側の負荷状態を変えるという簡単な構成で、本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送することができ、また、紙幣収納庫120側の負荷412の負荷105の負荷状態を変えるという簡単な構成で、紙幣収納庫120から本体に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送することができるため、制御情報や紙幣収納庫情報の伝送を低コストで実現することができる効果がある。また、負荷105や負荷412の負荷状態の値を、制御情報や紙幣収納庫情報の伝送が可能であればよい、という条件だけで設定できるため、小電力であっても最適な値に設定できる効果がある。
なお、上記の動作中、バッファ116またはバッファ401がそれぞれ切替部413または切替部402に選択されていないときは、それぞれクロック128またはクロック407を停止する、または、バッファ116の電力131またはバッファ401の電力の供給を停止するなどして、バッファ116またはバッファ401の動作を停止させても良い。
[第三の実施の形態]図11は、本発明の第三の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。図11に示す第三の実施の形態も、図8と同様に、紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106間で、本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報の伝送に加え、紙幣収納庫120から本体100に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送するものである。
第三の実施の形態が第二の実施の形態と異なる点は、切替部413とバッファ116、および切替部402とバッファ401に代えて、それぞれ3ステートバッファ603、および3ステートバッファ601を用いる点である。
図9と同様の紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106を用いて本体100から紙幣収納庫120へ紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送する場合は、3ステートバッファ601はハイ・インピーダンス、3ステートバッファ603は出力、となるようそれぞれ制御信号410、制御信号411により制御される。このとき、図9と異なる点は図11では紙幣収納庫情報復調部403が接続されていることである。紙幣収納庫情報復調部403の入力インピーダンスを負荷105の負荷状態の値に影響しないようなハイ・インピーダンスとすれば、負荷状態の変化による無線電力122の変動に影響しない。
図10と同様の本体側コイル106と紙幣収納庫側コイル117を用いて紙幣収納庫120から本体100へ紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送する場合は、3ステートバッファ603はハイ・インピーダンス、3ステートバッファ601は出力、となるようそれぞれ制御信号411、制御信号410により制御される。このとき、図10と異なる点は図11では制御情報復調部118が接続されていることである。制御情報復調部118の入力インピーダンスを負荷412の負荷状態の値に影響しないようなハイ・インピーダンスとすれば、負荷状態の変化による無線電力414の変動に影響しない。
図11の第三の実施の形態に係る自動取引装置によれば、第二の実施の形態と同様の動作を更に簡単にした回路構成で実現できるため、制御情報や紙幣収納庫情報の伝送を低コストで実現することができる効果がある。また、紙幣収納庫情報復調部403は伝送602へ、また、制御情報復調部118は伝送604へ、常時接続されているので、それぞれ、負荷105の負荷状態の変化を紙幣収納庫情報復調部403で、または、負荷412の負荷状態の変化を制御情報復調部118で、それぞれ、信号406として本体側制御部101へ、また、信号130として紙幣収納庫制御部119に動作確認信号としてエコーバックすることができる効果がある。
[第四の実施の形態]図12は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。図12の実施の形態も図8、図11と同様に、紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106を用いて、本体100から紙幣収納庫120へ紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送することに加え、紙幣収納庫120から本体100へ紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送するものである。
図11の第三の実施の形態に係る自動取引装置と異なる点は、電力使用部115を、駆動系電力使用部701とセンサ系電力使用部702の2系統に分けた点である。
駆動系電力使用部701は、例えばソレノイド、DCモータ、ステッピングモータなどのアクチュエータ系を動作させるものである。これらのアクチュエータ系は、一般的にセンサ系よりも駆動電圧が高く駆動電流も大きい。駆動電圧としては、例えば24V(ボルト)や12Vなどが使用され、駆動電流としては、例えば1A(アンペア)程度であることが一般的である。また、センサ系では入力電圧が安定化されていることが必要であるが、アクチュエータ系では駆動電圧が安定化されていなくても駆動には支障のないことが多い。
したがって、整流部113の出力である整流電力124を直接、駆動系電力使用部701に供給することが可能である。駆動系電力使用部701は、紙幣収納庫制御部119からの制御信号705により駆動のON/OFFや正転/逆転を制御され、場合によって、動作確認信号704を紙幣収納庫制御部119に出力する。
センサ系電力使用部702は、例えば光センサなどを動作させるものであり、一般的には5V程度の電圧で作動し、消費電流も多くても100mA(ミリアンペア)/個程度であるが、ある程度の安定化電圧が必要なことが多い。したがって、センサ系電力使用部702にはDC−DC変換部114から必要電圧に安定化された電力が供給される。センサ系電力使用部702は、紙幣収納庫制御部119からの制御信号707によりセンサ動作に必要な制御情報が与えられ、センサによって得られたセンサ情報706を紙幣収納庫制御部119に出力する。
図12の第四の実施の形態に係る自動取引装置によれば、受電側に駆動系電力使用部701やセンサ系電力使用部702のように駆動電圧が互いに異なる複数の系がある場合に、DC−DC変換部114でそれぞれの系で要する駆動電圧を作る必要がないため、低コストな構成とすることができる効果がある。
ここで、一般的に有線で直流電力を供給されていた装置を無線による電力供給化するときの駆動電圧の課題に関して、図13を用いて説明する。
図13は、一般的な自動取引装置の電力供給の課題を説明する図である。有線で、例えば24Vの駆動電圧で電力供給されていた系を、送電系と受電系に分けて送電系から受電系に無線電力伝送する場合を考える。無線電力伝送する場合には送電側で一旦交流化(AC化)する必要があり、また、受電側では交流化した電力を整流して直流化する必要がある。このとき送電電圧を無調整で行うと、一般的には24Vピーク・ツゥ・ピークの交流となるので、整流で全波整流したとしても半分の12Vの電圧しか受電側では得られない。実際は、交流波形は正弦波状でありまた整流での変換効率もあるため、受電側の受電電圧は12Vよりも小さくなる。したがって、無線電力伝送しても有線と同じ受電電圧とするためには昇圧する必要がある。この昇圧の方法としては、送電側での昇圧と受電側での昇圧が考えられる。
一方、受電側は、例えば図12の第四の実施の形態では、[1]紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック、[2]駆動系電力使用部701と[1]、[3]センサ系電力使用部702と[1]、[4]駆動系電力使用部701とセンサ系電力使用部702と[1]、などの電力使用状況がある。そのため、それぞれの電力使用状況に応じた送電側の無線電力の調整が必要である。
これらの無線電力調整と、前記した有線と同じ受電電圧とする昇圧のために、送電側の電圧を調整する方法が考えられる。図13では、24Vを48Vに倍電圧交流化して受電側で24Vとなる例が示されている。送電側の電圧を調整する方法を図14に示す。
図14は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の電力供給部のブロック図の例である。
図14では、電力供給用のアンプ902が、供給される電源電圧に応じて出力ゲインが可変するタイプである場合の構成ブロックを示す。具体的には、アンプ902をE級アンプ構成とした場合である。
電源903の電圧に対して、電圧調整部901において本体側制御部101からの出力電力制御信号107に応じて昇圧または降圧させ、アンプ902への供給電圧とする。これにより、アンプ902に入力された第1の搬送波周波数のクロック108は供給電圧値により電力増幅のゲインが可変となる。電圧調整部901は昇降圧チョッパ、昇圧チョッパ、降圧チョッパなどで構成され、出力電力制御信号107をPWM(Pulse Width Modulation)波とし、そのデューティー比を変えることで供給電圧値を調整できる。E級アンプでは出力電圧のピーク・ツゥ・ピーク値を供給電圧よりも大きく設計できるため、E級アンプを受電側の必要電圧の最大値が供給できるように設計し、電圧調整部901を降圧チョッパで構成することが可能となる。また、電源903の電圧のとき受電側の必要電圧の最小値を供給するようにE級アンプを設計し、電圧調整部901を昇圧チョッパで構成することも可能となる。
図15は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の電力供給部のブロック図の別の例である。図15では、電力供給用のアンプ905が、出力電力制御信号107に応じてゲイン調整をできる場合の構成が示されている。具体的には、アンプ905がゲイン調整のできる電圧増幅部とバッファ部で構成されている場合である。
電源903の電圧を、昇圧部904で受電側の必要電圧の最大値が供給できるまで昇圧しアンプ905に供給すれば、アンプ905に入力された第1の搬送波周波数のクロック108を出力電力制御信号107のゲイン調整に応じて電圧増幅または減衰し、0Vから昇圧部904で昇圧された電圧までバッファ可能である。
図14および15に例示した電力供給部103の構成ブロックによれば、図13で示した有線から無線へ電力供給を変更としたときの電圧低下の課題を克服することができ、前記した[1]から[4]の受電側の電力使用状況のいずれにも対応できる効果がある。
図16は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の紙幣収納庫の構成例を示す図の例である。具体的には、自動取引装置の紙幣収納庫120の整流部113、DC−DC変換部114、駆動系電力使用部701、センサ系電力使用部702の接続例である。
紙幣収納庫側受電コイル112で受電した電力は、整流部113で整流され、GNDと接続されているコンデンサ1001で平滑され電力1005となり、駆動系電力使用部701に供給される。電力1005はさらにダイオード1002を介して電力1006となる。なお、ダイオード1002は整流部113からDC−DC変換部114に電流が流れる方向で接続されている。
電力1006は、インダクタ1003と、GNDと接続されているコンデンサ1004と、により構成されるフィルタを介し電力1007となり、DC−DC変換部114に供給される。DC−DC変換部114によりセンサ系電力使用部702で必要とされる安定化電圧となった電力1008がセンサ系電力使用部702に供給される。
以上の動作について、図17を用い、駆動系電力使用部701がソレノイドである場合の例を示す。
図17は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の駆動電力使用部がソレノイドである場合の信号の波形の例を示す図の例である。図17(a)に示すグラフは、図12に示す第四の実施の形態の本体100に含まれる電力供給部103を制御する出力電力制御信号107を表す。横軸は時間軸、縦軸は電力供給部103のゲインの大きさである。期間1101と期間1104とは、例えば前記した[3]センサ系電力使用部702と紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック([1])のための電力供給をする期間である。期間1102と期間1103とは、[4]駆動系電力使用部701とセンサ系電力使用部702と紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック([1])のための電力供給をする期間である。そのうち、期間1102はソレノイドを立ち上げるための強励磁の期間、期間1103はソレノイドを維持するための弱励磁の期間である。
図17(a)の出力電力制御信号107により、電力供給部103の出力電力110と、本体側送電コイル104の出力である無線電力121と、紙幣収納庫側受電コイル112の受電電力123とは、図17(b)の波形をとる。コンデンサ1001で平滑された電力1005では、整流部113による整流とコンデンサ1001の容量による時定数により包絡線の波形となり、図17(a)の波形が得られる。紙幣収納庫制御部119からの制御信号705により期間1102、1103の期間においてソレノイドがONになりソレノイドは動作し、ソレノイドの動作を示すソレノイドエコーが動作確認信号704として紙幣収納庫制御部119に出力される。
このとき、DC−DC変換部114へ入力される電力1007は、ダイオード1002と、インダクタ1003と、コンデンサ1004と、により構成されるフィルタの効果で図17(c)の波形になる。ダイオード1002の効果で弱励磁の期間1103の電力のない期間や強励磁の期間1102の急峻な立ち上がり時に、コンデンサ1004から電力1005側への電流の逆流を防ぐことができる。また、電力1007においてDC−DC変換部114が必要とする入力電圧を下回ることも回避できる。また、インダクタ1003によりダイオード1002のON時において電力1005でのコンデンサ容量にコンデンサ1001以外のコンデンサ1004の容量が見えないようにして、図17(a)の包絡線を得ることができる。
ダイオード1002の逆流阻止の効果により、電力1007は、DC−DC変換部114が必要とする入力電圧より下がることがない。そのため、図17(d)に示すセンサ系電力使用部702が必要とする安定化電圧で、DC−DC変換部114の出力である電力1008をセンサ系電力使用部702に供給することができる。
以上のように、大電力を使用したり電力を間欠的に使用したりする第1の電力使用系と、安定した電力を必要とする第2の電力使用系との間に、第2の電力使用系から第1の電力使用系に電流が流れない向きでダイオードを挿入することで、第2の電力使用系の入力電圧を安定化させる効果がある。
図18は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の駆動系に定負荷部を追加した場合の構成を示す図の例である。図18に示す構成では、図16の接続例に対して、駆動系電力使用部701の電力使用量変動の影響を抑える定負荷部1201をさらに追加している。図18の動作説明を、図19、図20、図21を用いて行う。なおこの例では、駆動系電力使用部701がDCモータの場合を用いて示す。
図19は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の駆動電力使用部がDCモーターである場合の構成を示す図の例である。電力1005がドライバ1301に供給され、ドライバ1301は接続されたDCモータ1302に対して、紙幣収納庫制御部119からの制御信号705に応じて回転ON/OFFおよび正転/逆転の切替えの制御を行う。
図20は、一般的なDCモータの出力特性図である。一般的なDCモータでは、回転負荷が大きく、回転数が低い状態において最大トルクを示し、またその状態において最大電流が流れる。
図21は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置のDCモーター駆動電力の例を示す図である。図21(a)は、第四の実施の形態の本体100に含まれる電力供給部103を制御する出力電力制御信号107を表すグラフである。横軸は時間軸、縦軸は電力供給部103のゲインの大きさである。期間1501と、期間1503とは、例えば前記した[3]センサ系電力使用部702と紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック([1])のための電力供給をする期間である。期間1502は、[4]駆動系電力使用部701とセンサ系電力使用部702と紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック([1])のための電力供給をする期間である。
図17で説明したように、受電電力の包絡線として図21(a)の波形が電力1005において得られる。紙幣収納庫制御部119からの制御信号705にしたがい、期間1502においてDCモータ1302はONになりDCモータは動作する。このときの電力1005の電流波形を図21(b)に、電圧波形を図21(c)にそれぞれ示す。DCモータ1302は最初停止しており、回転を始めて期間1504後に回転負荷がかかり、期間1505の間、停止しているとする。
期間1502の最初のモータON制御時直後は、モータは停止しており、静止摩擦係数のそれなりの大きさの回転負荷がかかるため、一瞬電流が多く流れる。その後モータが回転し始めると回転負荷が減り電流が少なくなる。そして期間1505では回転負荷によりモータ停止するため最大電流が流れる。
一方、期間1502では最大回転負荷時、すなわちモータ停止時の最大電流を定格電圧で供給できるだけの電力で無線電力送電されているため、モータが回転している間は必要電流が減り、電力の供給過多になる。したがって、電圧が上昇してくる。最大電流を消費する期間1505では供給電力と必要電力がつりあい、モータの定格電圧となる。この電圧上昇が電力1005で起こり、周辺部品の耐圧を越えてしまうことがある。
周辺部品の耐圧を超えることを防ぐため、定負荷部1201は、ある一定電圧以上の電圧になるとスイッチが入り電流を逃がして、駆動系電力使用部701とあわせた負荷を一定にし、電圧がそれ以上に上がらないようにする。具体的な回路は、図18に示すように、実施の形態駆動系電力使用部701の入力接点と節点1の間に抵抗1202を設け、節点1にツェナー電圧が起つように節点1とGNDの間にツェナーダイオード1203を設ける。一方、入力節点にPMOS−FET1204のソースを、節点1にゲートを、節点2にドレインを接続し、節点2とGND間に抵抗1205を設ける。
このような構成にすることで、入力節点、すなわち電力1005の電圧が上昇しツェナー電圧を超えた場合に、さらに抵抗1202の両端にPMOS−FET1204がONするだけの電位差が生じると、PMOS−FET1204がONになり、抵抗1205に電流が流れる。これにより、駆動系電力使用部701とあわせた入力節点での負荷を一定にし、電力1005の電圧上昇を抑えることができる。図21(d)に定負荷部1201を追加したときの電力1005の電圧波形を示す。図21(c)の例と比べて、電圧上昇が抑えられているといえる。
以上のように、第四の実施の形態において、図18に示す定負荷部1201を設けると、駆動系電力使用部701にDCモータを用いたときの回転時の回転負荷が軽いときに、駆動系電力使用部701の入力電圧の上昇を抑える効果がある。このとき、入力電圧の上限はDCモータが使用する最大電力使用量となるよう、定負荷部1201の負荷が調整されている。また、受電側が必要とする電力以上の電力を送電側で送電したときに、受電側での電圧上昇を抑える効果も得られる。
図22は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の駆動系電力使用部の動作フローを示す図である。図22には、図12の自動取引装置の構成ブロックにおいて、図17または図21で示した駆動系電力使用部701を動作させる動作フローが示されている。なお、図22においては、本体100から紙幣収納庫120へ情報伝送するときは無線電力122の負荷105の負荷状態を変化させて制御情報復調部118で情報を得ており、紙幣収納庫120から本体100へ情報伝送するときは無線電力414の負荷412の負荷状態を変化させて紙幣収納庫情報復調部403で情報を得ている。
まず、本体100の本体側制御部101は、駆動系電力使用部701の動作開始を指示する(ステップS1601)。
次に、紙幣収納庫制御部119は、動作開始情報を受け制御信号705により駆動系電力使用部701の動作をONに設定する。設定後、紙幣収納庫制御部119は、準備完了情報を本体100へ伝送する(ステップS1602)。
そして、本体側制御部101は、電力供給部103を出力電力制御信号107により制御して駆動系電力使用部701用の無線電力を発射(上記[4]の状態に)する(ステップS1603)。
そして、紙幣収納庫制御部119は、紙幣収納庫120内の状態をセンサなどで観測し、観測の結果得られたセンサ情報を含む所定の紙幣収納庫情報を本体100へ伝送する(ステップS1604)。
そして、紙幣収納庫制御部119は、駆動系電力使用部701の動作完了を検知して、本体100へ無線電力伝送動作終了を要求する(ステップS1605)。
そして、電力供給部103が駆動系電力使用部701用の無線電力を発射する状態から通常(上記[1]または[2])の電力に変更し、本体側制御部101は、通常動作を紙幣収納庫制御部119へ通知する(ステップS1606)。紙幣収納庫制御部119は、これを受け、制御信号705により駆動系電力使用部701の動作をOFFに設定する。
以上の一連の動作により、図12の第四の実施の形態に係る自動取引装置の構成によれば、本体100から紙幣収納庫120に無線電力を送っている状態においては、本体100と紙幣収納庫120間で情報のやり取りができる効果がある。
図23は、本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の初期動作フローを示す図である。
まず、本体100と紙幣収納庫120との間の最初の初期状態において、本体100側が紙幣収納庫120の存在確認のため、まず、本体側制御部101が無線電力121を発射する(ステップS1701)。このときの電力は上記[1]の状態の電力、すなわち紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック動作用の電力である。
そして、紙幣収納庫120は無線電力121を受け、DC−DC変換部114から紙幣収納庫制御部119などへ駆動ブロックへの初期の動作のための電力を供給される。これにより、紙幣収納庫制御部119が起動し、紙幣収納庫制御部119の制御のもと、受電した電力の一部の電力131により3ステートバッファ603を動作させ、紙幣収納庫側コイル117から無線電力122を発射させる(ステップS1702)。
そして、本体100側は本体側制御部101からの制御信号410で3ステートバッファ601をハイ・インピーダンス状態に変化させ、無線電力122の受電を確認するために、紙幣収納庫情報復調部403の出力406を本体側制御部101で監視する(ステップS1703)。なお、このとき本体側制御部101からの制御信号109を用いて負荷105の負荷状態を変化させることで、その変化と同じエコーバックが紙幣収納庫情報復調部403の出力406に現れるか否かを本体側制御部101から監視するようにしてもよい。紙幣収納庫120からの無線電力が確認できたら、本体側制御部101は、紙幣収納庫120を制御する制御情報の紙幣収納庫120への伝送を開始し、紙幣収納庫120は受け付けた制御情報により所定の制御動作を開始する。
以上の一連の初期動作により、本体側制御部101は、紙幣収納庫120からの無線電力122の出力確認により、正常に紙幣収納庫120が存在することを確認することができる効果がある。
[第五の実施の形態]図24は、本発明の第五の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。図1に示す第一の実施の形態では、紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106との間で本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送する。本実施の形態においても同様であるが、図24に示す実施の形態では、これに加え、本体側送電コイル104と紙幣収納庫側受電コイル112間で紙幣収納庫120から本体100に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送する。
また、図24に示す実施の形態では、紙幣収納庫120の紙幣収納庫側受電コイル112が受電した電力を、整流部113、DC−DC変換部114を介して直接電力使用部115に供給するのではなく、一旦蓄積部1803に電力蓄積(充電)を行い、この蓄積部1803から各ブロックへの電力供給、バッファ116への電力131の供給、そして電力使用部115への電力供給を行う。これにより、本体側送電コイル104から紙幣収納庫側受電コイル112への無線電力供給は所定量で均一に送ることができる。
したがって、均一に受電している紙幣収納庫側受電コイル112の出力となる電力1805に負荷1804を接続し、負荷状態を紙幣収納庫制御部119の制御信号1806に応じて変化させると、この負荷状態の変化により無線電力121が変動する。この変動は本体100側の紙幣収納庫情報復調部1801で検出復調することが可能であり、検出復調した信号1802は本体側制御部101に出力され、認識される。
制御信号1806はセンサ情報などの紙幣収納庫情報と対応づけられており、これにより紙幣収納庫120から本体100側に紙幣収納庫情報を伝送できる。以上の動作は、いわば、図4において、本体100と紙幣収納庫120を情報の伝送方向を逆にした構成と同様である。つまり、受電側の負荷105を負荷1804に置き換え、制御情報復調部118を紙幣収納庫情報復調部1801に置き換えて考えれば、同様の仕組みであるといえる。
図24に示す第五の実施の形態によれば、本体100から紙幣収納庫120に伝送する紙幣収納庫120内を制御する制御情報は紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106間で、また、紙幣収納庫120から本体100に伝送する紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報は本体側送電コイル104と紙幣収納庫側受電コイル112間を用いて伝送するので、同時に制御情報と紙幣収納庫情報をやり取りすることが可能となる効果がある。また、蓄積部1803で電力を蓄積しているため、無線電力121の供給のないときでも、紙幣収納庫120から本体100へ無線電力122を発射できる。つまり、本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報を伝送することができる効果がある。
[第六の実施の形態]図25は、本発明の第六の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。図24に示した第五の実施の形態では、紙幣収納庫120は蓄積部1803を有していたが、図25に示す第六の実施の形態では、蓄積部1803をなくし、蓄積部1803から充電した電力を供給するのではなく、DC−DC変換部114からバッファ116へ電力を供給する給電タイプとしたものである。
このため、本体側送電コイル104から紙幣収納庫側受電コイル112へ無線電力供給を所定量で均一に送ることが可能であるのは、上記した[1]紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロックへの電力供給時、もしくは[3]センサ系電力使用部702と[1]への電力供給時である。ただし、駆動系電力使用部701で使用中であっても、均一に無線給電が可能であれば、上記の[2]駆動系電力使用部701と[1]への電力給電時や、[4]駆動系電力使用部701とセンサ系電力使用部702と[1]への電力供給時、でも実現可能である。
以上、図25に示した第六の実施の形態のように、蓄積部1803を設けられていない場合であっても、本体側送電コイル104から紙幣収納庫側受電コイル112へ無線電力供給を所定量で均一に送っている期間においては、紙幣収納庫120から本体100に対して、紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送することが可能であり、図24に示した実施の形態と同様の効果がある。
[第七の実施の形態]図26は、本発明の第七の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。第一の実施の形態から第六の実施の形態まででは、バッファ116または3ステートバッファ603への入力となる第2の搬送波周波数のクロック128は、紙幣収納庫制御部119から得ていた。しかし、図26に示す第七の実施の形態では、無線電力121を紙幣収納庫側受電コイル112で受電した電力1805に含まれる第1の搬送波周波数成分に対して、分周部2001が分周して、第2の搬送波周波数のクロック2002とする。分周部2001は、例えば1/2分周して第1の搬送波周波数の半分の周波数を第2の搬送波周波数とする。
図26では、第六の実施の形態に対して本実施例を適用した例を示したが、これに限られず、他の実施の形態に対しても適用できることは明らかである。
図26に示した第七の実施の形態によれば、紙幣収納庫制御部119で第2の搬送波周波数を発振する必要がないので、紙幣収納庫制御部119の処理を少なくするのみならず、低コスト化することができる効果がある。また、第1の搬送波周波数と第2の搬送波周波数は同期することとなるが、第2の搬送波周波数は第1の搬送波周波数の分周であるので、第2の搬送波周波数の方が第1の搬送波周波数より周波数が低い。そのため、第1の搬送波周波数である無線電力121から第2の搬送波周波数である無線電力122への高調波干渉がない、という効果がある。
[第八の実施の形態]図27は、本発明の第八の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。
図25に示した第六の実施の形態と異なる点は、第六の実施の形態では、駆動系電力使用部701とセンサ系電力使用部702への電力供給については、本体側送電コイル104と紙幣収納庫側受電コイル112間による無線電力121から得ていたが、図27に示す第八の実施の形態では、駆動系電力使用部701のために独立して本体100に本体側送電コイル2102と、紙幣収納庫120に紙幣収納庫側受電コイル2107と、を設け、無線電力2106を駆動系電力使用部701のために独立して伝送する。
本体側制御部101から、無線電力伝送用の第3の搬送波周波数のクロック2104を電力供給部2101に出力する。電力供給部2101は、本体側制御部101からの出力電力制御信号2103に従った出力電力2105を本体側送電コイル2102に供給する。本体側送電コイル2102は、無線電力伝送用の第3の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力2106を送電する。なお、図27の本体側送電コイル2102では直列共振の構成を示しているが、並列共振の構成であってもよい。また、本体側送電コイル2102は、その形状、材質等についていわゆるコイルに限られず、無変調で無線電力2106を送電可能な磁気アンテナであればよい。
紙幣収納庫側受電コイル2107は、無線電力伝送用の第3の搬送波周波数で共振するようにコンデンサが接続されており、これにより磁界による無線電力2106を受電する。なお、図27の紙幣収納庫側受電コイル2107では、直列共振の構成を示しているが並列共振の構成であってもよい。また、紙幣収納庫側受電コイル2107は、その形状、材質等についていわゆるコイルに限られず、無変調で無線電力2106を受電可能な磁気アンテナであればよい。。
紙幣収納庫側受電コイル2107で受電した電力2109は、整流部2108で整流され整流電力2110となり、駆動系電力使用部701に電力供給される。紙幣収納庫制御部119は電力の供給を受け、制御信号705により駆動系電力使用部701を制御する。駆動系電力使用部701はソレノイドやサーボモータなどのアクチュエータである。駆動系電力使用部701は、紙幣収納庫120内において必要とされる動作を、電力2110の供給を受けて実行し、得られた動作確認信号704を紙幣収納庫制御部119に出力する。
図27に示す第八の実施の形態によれば、本体側送電コイル104と紙幣収納庫側受電コイル112間で紙幣収納庫120から本体100に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送する場合に、図25に示した第六の実施の形態では、駆動系電力使用部701への電力供給のために均一に無線給電できない場合であっても、駆動系電力使用部701への電力供給が別の系を介して行われるため、駆動系電力使用部701の動作期間に関係なく、本体側送電コイル104から紙幣収納庫側受電コイル112へ無線電力供給を所定量で均一に送っている期間において、紙幣収納庫120から本体100に紙幣収納庫120内のセンサ情報などの紙幣収納庫情報を伝送することが可能であり、図24に示す第五の実施の形態と同様の効果がある。
[第九の実施の形態]図28は、本発明の第九の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。
図27に示した第八の実施の形態の駆動系電力使用部701では、ソレノイドやサーボモータなどのアクチュエータが複数系統あり、それぞれの動作のON/OFFや制御は紙幣収納庫制御部119からの制御信号705により制御されていた。図28では、複数のアクチュエータそれぞれに対して、図27の電力供給部2101、本体側送電コイル2102、紙幣収納庫側受電コイル2107、整流部2108を個別に用意する。図28に示されているのは2系統のアクチュエータがある例であり、それぞれの系の差異は符号の添字a、bで表されている。駆動系電力使用部701については、複数の系に応じて、個別のアクチュエータの駆動系電力使用部2201a、2201bに分離させる。
ソレノイドやDCモータで回転方向が一定のものは、電力供給をする、しないに応じて駆動のON/OFFの制御が可能である。
図28の第九の実施の形態によれば、無線電力122を用いた紙幣収納庫側コイル117と本体側コイル106間で伝送する本体100から紙幣収納庫120に紙幣収納庫120内を制御する制御情報のやり取りを介さずに、独立して本体100から紙幣収納庫120へ電力2106aや電力2106bの無線伝送の制御により、駆動系電力使用部2201aや駆動系電力使用部2201bのON/OFF制御を行うことができる効果がある。
[第十の実施の形態]図29は、本発明の第十の実施の形態に係る自動取引装置の構成図の例である。第十の実施の形態に係る自動取引装置では、紙幣収納庫120を本体100以外の端末2301と接続して取り扱うことが可能である。紙幣収納庫120は、本体100から取り出され、端末2301と接続された状態で他の場所で紙幣収納庫120内の紙幣を補充され、あるいは取り出される。これに対応した自動取引装置の構成ブロック図を図30に、端末2301の構成ブロックと紙幣収納庫120との動作説明を図31に示す。
図30は、本発明の第十の実施の形態に係る自動取引装置のブロック図の例である。図30において、図12に示す第四の実施の形態と異なる点は、本体100内に、本体側制御部101と接続され、本体側制御部101から読み書きが可能な本体側のメモリ2401が設けられ、紙幣収納庫120内に、紙幣収納庫制御部119と接続され、紙幣収納庫制御部119から読み書きが可能な紙幣収納庫側のメモリ2402が設けられたことである。
図31は、本発明の第十の実施の形態に係る送受電システムのブロック図の例である。図31において、端末2301は、基本的に本体100と同様の構成ブロックを備え、端末側無線部102Tと、端末側制御部2502と、に接続されて端末側無線部102Tと、端末側制御部2502と、から読み書きが可能な端末側のメモリ2501と、端末側制御部2502と接続され、外部の装置と、携帯電話網やインターネット、あるいはLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の各種の有線・無線を問わず通信用のネットワークを介して通信する通信部2503と、を有している。なお、メモリ2501は端末2301に着脱可能に取り付けられるようにしても良い。図32に、各メモリに記憶されている内容を示す。
図32は、本発明の第十の実施の形態に係る送受電システムで用いるデータ構造を示す図の例である。本体側のメモリ2401には、本体であることを示す情報、本体の型名、バージョン、シリアル番号などの情報等を含む本体識別情報と、本体100に収納可能な紙幣収納庫の型名、バージョン、シリアル番号等を特定可能な紙幣収納庫識別情報と、駆動系電力使用部701で使用されるアクチュエータの制御情報等を含む駆動系情報と、センサ系電力使用部702で使用されるセンサの制御情報等を含むセンサ系情報、自動取引装置の設置場所や紙幣収納庫120に入金された紙幣の枚数等に関する運用情報と、が格納される。
端末側のメモリ2501には、端末であることを示す情報や利用可能な権限を示す情報等を含む端末識別情報と、端末2301で制御できる紙幣収納庫の型名やバージョン等を含む紙幣収納庫識別情報と、上記した運用情報等が格納される。
紙幣収納庫側のメモリ2402には、本体や端末を識別し、端末の場合はその権限を識別することができる本体/端末識別情報と、上記した紙幣収納庫識別情報と、駆動系情報と、センサ系情報と、運用情報と、が格納される。
なお、本体識別情報と、端末識別情報と、本体/端末識別情報とは、ソフトウェア更新等の特殊な操作状況以外では、通常は書き換えられることはない。駆動系情報と、センサ系情報と、運用情報とは、本体100の本体側制御部101からの制御、または、紙幣収納庫120内の紙幣収納庫制御部119によるトレーニングやセンサ情報などにより書き換えられ、常に本体100と紙幣収納庫120間で同じ情報となるように同期される。
図33は、本発明の第十の実施の形態に係る送受電システムの初期動作フローを示す図である。図33には、図30および図31に示した第十の実施の形態に係る自動取引装置の初期動作の動作フローが示されている。
まず、図23に示した本発明の第四の実施の形態に係る自動取引装置の初期動作フローと同様に、本体100(または端末2301)と紙幣収納庫120との間の最初の初期状態において、本体100(または端末2301)側が紙幣収納庫120の存在確認のため、まず、本体側制御部101(または端末側制御部2502)が無線電力121を発射する(ステップS1701)。このときの電力は上記[1]の状態の電力、すなわち紙幣収納庫制御部119など各駆動ブロック動作用の電力である。
そして、紙幣収納庫120は無線電力121を受け、DC−DC変換部114から紙幣収納庫制御部119などへ駆動ブロックへの初期の動作のための電力を供給される。これにより、紙幣収納庫制御部119が起動し、紙幣収納庫制御部119の制御のもと、受電した電力の一部の電力131により3ステートバッファ603を動作させ、紙幣収納庫側コイル117から無線電力122を発射させる(ステップS1702)。
そして、本体100の本体側制御部101(または端末2301の端末側制御部2502)は、紙幣収納庫120に本体識別情報(または端末識別情報)を伝送する(ステップS2701)。
そして、紙幣収納庫120の紙幣収納庫制御部119は、情報を伝送してきた相手が本体100か端末2301かを認識する。もし、認識できなかった場合、あるいは不適切な個体である場合には、正規な本体または端末でないと判断し、無線電力122の送電を停止する。端末2301であった場合には、紙幣収納庫制御部119は、さらにその端末2301に与えられた権限を確認する。例えば、紙幣収納庫120の扉を開けて紙幣を取り出すことができる権限を持っている、または、紙幣を取り出すことはできないが運用情報を入手できる権限である、等、権限により制御を要するためである。これらの確認が完了すると、紙幣収納庫制御部119は、確認完了の情報を本体100へ伝送する(ステップS2702)。
次に、本体100の本体側制御部101(または端末2301の端末側制御部2502)は、紙幣収納庫120に対して紙幣収納庫識別情報の伝送を要求する(ステップS2703)。
要求に従い、紙幣収納庫制御部119は、紙幣収納庫識別情報を本体100(または端末2301)へ伝送する(ステップS2704)。その後、本体100の本体側制御部101(または端末2301の端末側制御部2502)は、伝送された紙幣収納庫識別情報を確認し、問題なければ紙幣収納庫120に対する制御を開始する。
このように初期処理を行った後、端末2301では、紙幣収納庫120から運用情報を入手し、メモリ2501に書き込み、場合によっては通信部2503を介して外部の装置等に運用情報を送信する。また、正当な権限のある端末2301を用いている場合には、紙幣収納庫120の扉を開けて紙幣を取り出すことが可能なように紙幣収納庫制御部119は紙幣収納庫120を制御する。
このように、第十の実施の形態によれば、図29、図30、図31、図32、図33に示したように、本体100や端末2301と、紙幣収納庫120との間で識別情報を用いた識別処理を行うので、セキュリティの高い情報伝送とすることができる効果がある。なお、図30、図31では、図12に示す第四の実施の形態をベースにして実施の形態固有の要素を加えているが、他の実施例をベースにして実施の形態固有の要素を加えることができることは明らかである。
以上が、第一〜第十の実施の形態に係る送電器、受電器、送受電システム、送受電方法が適用された自動取引装置である。なお、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。
上記した実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。実施の形態の構成の一部を他の構成に置き換えることが可能であり、また、実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、実施の形態の構成の一部について、削除をすることも可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
なお、上述した実施の形態にかかる制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。以上、本発明について、実施の形態を中心に説明した。