JP2019004204A - 画像処理装置、画像出力装置およびコンピュータプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像出力装置およびコンピュータプログラム Download PDF

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Masayuki Doi
雅之 土井
康雄 荻内
Yasuo Ogiuchi
康雄 荻内
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Abstract

【課題】低い処理負荷で車両の搭乗者のプライバシーを保護した画像を作成し、ユーザに提供することのできる画像処理装置を提供する。【解決手段】同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、偏光画像取得部が取得した複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、偏光度算出部が算出した偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部とを備える。第1処理は、輝度画像のマスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理である。第2処理は、輝度画像と、マスク対象画素の画素位置との出力処理である。【選択図】図4

Description

本発明は、画像処理装置、画像出力装置およびコンピュータプログラムに関する。
一般道路または高速道路を走行する車両を監視する目的や、車両のナンバープレートを読み取る目的で、道路上には多数の監視カメラが設置されている。このため、車両の運転者や同乗者などの搭乗者が監視カメラの被写体になる機会が多く存在する。
一方、監視カメラの管理者等は、監視カメラで撮像された車両の画像を確認することが可能であるが、ナンバープレートや車種などの車両情報を取得する上では、車両の搭乗者の情報(特に、搭乗者の画像)は不要であり、管理者等から搭乗者のプライバシーを保護する必要がある。プライバシーを保護するには、搭乗者が映っているフロントガラスの領域をマスクした画像を、管理者等に提供する必要がある。このため、画像中からフロントガラス領域を正確に抽出する必要がある。
従来、車両を撮像した画像から、フロントガラス領域を抽出する方法が各種提案されている。
例えば、特許文献1には、車両を撮像した画像から、ボディ領域を検出し、ボディ領域に接する四角形領域のうち、最も上に位置する四角形領域をフロントガラス領域として抽出する方法が開示されている。
また、特許文献2には、車両の進行方向と垂直な複数の特徴ラインおよび各特徴ラインの高さを検出し、各特徴ラインの高さに基づいて、フロントガラスの上端位置および下端位置を特定し、上端位置および下端位置で挟まれる領域をフロントガラス領域として抽出する方法が開示されている。
なお、フロントガラスによる反射光成分を除去することにより、搭乗者を視認しやすくする方法も各種提案されている。
例えば、特許文献3には、偏光フィルタ越しに撮像された偏光画像と、偏光フィルタを用いずに撮像された通常の輝度画像とを混合した混合画像を周波数分析することにより、フロントガラスによる反射光成分を除去する方法が開示されている。
また、特許文献4には、環境情報に応じて偏光カメラの撮像条件を調整することにより、フロントガラスによる反射光成分を除去する方法が開示されている。
さらに、特許文献5には、偏光フィルタ越しに撮像された偏光画像と、偏光フィルタを用いずに撮像された通常の輝度画像とを統計処理することにより、フロントガラスによる反射光成分を除去する方法が開示されている。
特開2004−70834号公報 特開2007−265012号公報 特開2016−126459号公報 特開2016−127312号公報 特開2016−127365号公報
しかしながら、特許文献1および2に開示の方法によれば、フロントガラス領域を特定するために複雑な画像処理が必要になる場合もある。1枚の画像中には複数の車両が含まれる。また、動画像の場合には、動画像を構成する複数の画像を画像処理しなければならない。このため、動画像中の各車両について複雑な画像処理を行うのは処理負荷が高い。
また、特許文献3〜5に開示の方法では、フロントガラスによる反射光成分を除去することで、搭乗者を視認しやすくしているため、車両の搭乗者のプライバシーを保護することができない。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低い処理負荷で車両の搭乗者のプライバシーを保護した画像を作成し、適切な方法でユーザに提供することのできる画像処理装置、画像出力装置およびコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、本発明の一実施態様に係る画像処理装置は、同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、前記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、前記偏光画像取得部が取得した前記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、前記偏光度算出部が算出した前記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部とを備える。
第1処理:前記輝度画像の前記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
第2処理:前記輝度画像と、前記マスク対象画素の画素位置との出力処理
(3)本発明の他の実施態様に係る画像出力装置は、上述の画像処理装置から、前記第1処理または前記第2処理による出力情報を取得する出力情報取得部と、前記出力情報取得部が取得した前記出力情報に基づいて、前記マスク画像および前記輝度画像の少なくとも一方を出力する画像出力部とを備える。
(6)本発明の他の実施態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、前記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、前記偏光画像取得部が取得した前記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、前記偏光度算出部が算出した前記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部として機能させる。
第1処理:前記輝度画像の前記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
第2処理:前記輝度画像と、前記マスク対象画素の画素位置との出力処理
(7)本発明の他の実施態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述の画像処理装置から、前記第1処理または前記第2処理による出力情報を取得する出力情報取得部と、前記出力情報取得部が取得した前記出力情報に基づいて、前記マスク画像および前記輝度画像の少なくとも一方を出力する画像出力部として機能させる。
なお、本発明は、画像処理装置または画像出力装置の一部又は全部を実現する半導体集積回路として実現したり、画像処理装置または画像出力装置を含むシステムとして実現したりすることもできる。
本発明によると、低い処理負荷で車両の搭乗者のプライバシーを保護した画像を作成し、適切な方法でユーザに提供することができる。
本発明の実施の形態1に係る車両監視システムの構成を示す図である。 イメージセンサの撮像素子の前面に設けられる偏光フィルタ層の一例を示す図である。 画像処理装置が作成する画像を模式的に示した図である。 本発明の実施の形態1に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。 1画素について、横軸を偏光角θ(rad)、縦軸を画素値E(θ)とするグラフである。 輝度画像取得部により作成される輝度画像の一例を示す図である。 偏光度算出部が算出した偏光度Dを画素値とする偏光度画像の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る画像出力装置の構成を示すブロック図である。 画像出力装置の記憶装置に記憶されているアクセス権情報の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る画像処理装置が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る画像出力装置が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る画像処理装置が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る画像出力装置が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。 イメージセンサの撮像素子の前面に設けられる偏光フィルタ層の一例を示す図である。
[本願発明の実施形態の概要]
最初に本発明の実施形態の概要を列記して説明する。
(1)本発明の一実施形態に係る画像処理装置は、同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、前記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、前記偏光画像取得部が取得した前記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、前記偏光度算出部が算出した前記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部とを備える。
第1処理:前記輝度画像の前記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
第2処理:前記輝度画像と、前記マスク対象画素の画素位置との出力処理
この構成によると、画素ごとに偏光度が算出され、算出された偏光度に基づいて、マスク対象画素が抽出される。フロントガラスによる反射光は鏡面反射光であり、偏光度が強いため、フロントガラスの部分をマスク対象画素として抽出することができる。また、処理実行部が実行する第1処理では、輝度画像中のマスク対象画素を所定の画素値に置換することによりマスク画像が作成される。また、処理実行部が実行する第2処理では、輝度画像とマスク対象画素の画素位置とが出力されるため、これらの出力情報を受け取った装置は、輝度画像中のマスク対象画素を所定の画素値に置換することによりマスク画像を作成することができる。つまり、第1処理および第2処理のいずれにおいても、複雑な画像処理を行わずに、フロントガラスの部分を所定の画素値に置換したマスク画像を作成することができる。このため、低い処理負荷で車両の搭乗者のプライバシーを保護した画像を作成し、適切な方法でユーザに提供することができる。
(2)好ましくは、前記処理実行部は、前記第1処理の実行時に、さらに、前記輝度画像の前記マスク対象画素における画素値を出力する。
この構成によると、マスク画像とともに、輝度画像のマスク対象画素における画素値が出力される。このため、これらの出力情報を受け取った装置は、マスク画像のマスク対象画素の画素値を、輝度画像のマスク対象画素における画素値で置換することにより、輝度画像を生成することができる。
(3)本発明の他の実施形態に係る画像出力装置は、上記(2)に示した画像処理装置から、前記第1処理または前記第2処理による出力情報を取得する出力情報取得部と、前記出力情報取得部が取得した前記出力情報に基づいて、前記マスク画像および前記輝度画像の少なくとも一方を出力する画像出力部とを備える。
この構成によると、上記(2)に示した画像処理装置が出力する出力情報に基づいて、マスク画像および輝度画像の少なくとも一方を出力することができる。このため、選択的にマスク画像または輝度画像を表示または配信することが可能となる。
(4)好ましくは、前記画像出力部は、所定の権限を有するユーザに対してのみ、前記マスク対象画素に対応する前記輝度画像を表示可能に出力する。
この構成によると、所定の権限を有するユーザのみがマスク対象画素に対応する輝度画像を見ることができ、所定の権限を持たないユーザはマスク対象画素に対応する輝度画像を見ることができない。このため、所定の権限を持たないユーザから、車両の搭乗者のプライバシーを保護することができる。
(5)好ましくは、上述の画像出力装置は、さらに、所定の事象を検知する事象検知部を備え、前記画像出力部は、前記事象検知部が検知した前記事象に基づいて、前記マスク画像、および前記マスク対象画素に対応する前記輝度画像の一方を選択して出力する。
この構成によると、例えば、交通事故発生などの事象を検知した場合に、マスク画像または、マスク対象画素に対応する輝度画像を選択的に表示または配信することができる。なお、ユーザによるマスク画像または、マスク対象画素に対応する輝度画像の選択を、事象として検知した場合にも、同様の処理を行うことができる。
(6)本発明の他の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、前記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、前記偏光画像取得部が取得した前記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、前記偏光度算出部が算出した前記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部として機能させる。
第1処理:前記輝度画像の前記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
第2処理:前記輝度画像と、前記マスク対象画素の画素位置との出力処理
この構成によると、コンピュータを上述の画像処理装置として機能させることができる。このため、上述の画像処理装置と同様の作用および効果を奏することができる。
(7)本発明の他の実施形態に係るコンピュータプログラムは、コンピュータを、上記(2)に示した画像処理装置から、前記第1処理または前記第2処理による出力情報を取得する出力情報取得部と、前記出力情報取得部が取得した前記出力情報に基づいて、前記マスク画像および前記輝度画像の少なくとも一方を出力する画像出力部として機能させる。
この構成によると、コンピュータを上述の画像出力装置として機能させることができる。このため、上述の画像出力装置と同様の作用および効果を奏することができる。
[本願発明の実施形態の詳細]
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置および接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。本発明は、特許請求の範囲によって特定される。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、本発明の課題を達成するのに必ずしも必要ではないが、より好ましい形態を構成するものとして説明される。
(実施の形態1)
[車両監視システムの全体構成]
図1は、本発明の実施の形態1に係る車両監視システム1の構成を示す図である。
車両監視システム1は、道路2を走行する車両3を監視するためのシステムであり、イメージセンサ10と、画像処理装置20と、画像出力装置30と、画像表示装置40とを備える。
イメージセンサ10の撮像素子の前面には偏光フィルタ層が設けられており、イメージセンサ10は、入射光を偏光フィルタ層を通過させ、撮像素子で電気信号に変換することにより、被写体の画像を出力する。イメージセンサ10が出力する画像を偏光画像と言う。なお、イメージセンサ10が出力する偏光画像は静止画像および動画像のいずれであってもよい。
図2は、イメージセンサ10の撮像素子の前面に設けられる偏光フィルタ層の一例を示す図である。
図2に示す偏光フィルタ層11Aは、2×2画素の撮像素子の組ごとに、該組の前面に設けられ、第1偏光フィルタ12Aと、第2偏光フィルタ12Bと、第3偏光フィルタ12Cと、第4偏光フィルタ12Dとを含む。
第1偏光フィルタ12Aは、偏光角0(rad)の直線偏光を通過させるフィルタである。第2偏光フィルタ12Bは、偏光角π/4(rad)の直線偏光を通過させるフィルタである。第3偏光フィルタ12Cは、偏光角π/2(rad)の直線偏光を通過させるフィルタである。第4偏光フィルタ12Dは、偏光角3π/4(rad)の直線偏光を通過させるフィルタである。
このようにイメージセンサ10を構成することにより、イメージセンサ10は、撮像対象範囲が同一であって、偏光角(rad)が0、π/4、π/2および3π/4の4枚の偏光画像を出力することができる。ただし、偏光画像のサイズは、撮像素子の画素数の1/4になる。例えば、撮像素子の画素数が2000×2000画素の場合には、各偏光画像のサイズは1000×1000画素になる。
なお、各偏光フィルタの偏光角は上述したものに限定されるものではない。また、偏光フィルタ層のサイズは2×2画素に限定されるものではなく、それより大きくてもよい。
また、イメージセンサ10がカラーカメラの場合には、偏光フィルタ層11Aは、同一色成分(赤、緑または青)の2×2画素の撮像素子の前面に配置される。つまり、1つの偏光フィルタ層11Aに含まれる第1偏光フィルタ12A〜第4偏光フィルタ12Dは、同じ色成分の撮像素子の前面に配置される。
図1に示すように、イメージセンサ10は、道路2を走行する車両3を正面から撮像可能な位置に設置される。つまり、車両3の搭乗者の顔が撮像可能な位置に配置される。ただし、イメージセンサ10が配置される位置は車両3の正面に限定されるものではなく、車両3の搭乗者を撮像可能な位置であれば、その他の位置であってもよい。例えば、イメージセンサ10は、車両3の前方側方から車両3を撮像可能な位置に配置されていてもよいし、車両3の後方側方または後方から車両3を撮像可能な位置に配置されていてもよい。
図3は、画像処理装置20が作成する画像を模式的に示した図である。
図1に示す画像処理装置20は、イメージセンサ10から4枚の偏光画像を受信し、4枚の偏光画像に基づいて、図3の(A)に示すような拡散反射成分(拡散反射の輝度成分)を含む輝度画像を作成する。輝度画像の作成方法については後述するが、輝度画像には車両の搭乗者が映っているものとする。画像処理装置20は、輝度画像のうち、フロントガラス領域101のように、鏡面反射成分(鏡面反射の輝度成分)を多く含むために偏光の度合いが高い画素値をマスク対象画素として抽出する。ただし、マスク対象画素はマスク対象画素領域101内の画素に限定されるものではなく、車両3を側方や後方から撮像している場合には、サイドガラス領域内の画素やリアガラス領域内の画素がマスク対象画素として抽出される。
画像処理装置20は、輝度画像のマスク対象画素の画素値を輝度画像の画素値とは異なる他の画素値で置換することにより、図3の(B)に示すようなマスク画像を作成する。画像処理装置20は、マスク画像と、図3の(C)に示すような輝度画像のマスク対象画素における画素値(以下、「マスク対象画素値」という)とを、ネットワーク50を介して画像出力装置30に送信する。
画像出力装置30は、画像処理装置20から、画像処理装置20が出力する出力情報、つまり、マスク画像およびマスク対象画素値を受信する。画像出力装置30は、受信したマスク画像(図3の(B))にマスク対象画素値(図3の(C))を上書きすることにより、輝度画像(図3の(A))を作成する。画像出力装置30は、画像出力装置30を利用するユーザのアクセス権または検知した事象に基づいて、マスク画像および輝度画像の少なくともいずれか一方を画像表示装置40に出力したり、ネットワーク50を介して他の装置に出力する。これにより、画像表示装置40にマスク画像または輝度画像を表示させたり、他の装置にマスク画像または輝度画像を配信したりする。
[画像処理装置20の構成]
図4は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置20の構成を示すブロック図である。
画像処理装置20は、偏光画像取得部21と、輝度画像取得部22と、偏光度算出部23と、画素抽出部24と、処理実行部25とを備える。
偏光画像取得部21は、イメージセンサ10から、同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する。例えば、偏光画像取得部21は、イメージセンサ10が道路2を撮像することにより得られる、撮像対象範囲が同一の、偏光角(rad)が0、π/4、π/2および3π/4の4枚の偏光画像を取得する。
偏光度算出部23は、偏光画像取得部21が取得した複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する。
図5は、偏光度算出部23による偏光度の算出方法について説明するための図である。
図5は、1画素について、横軸を偏光角θ(rad)、縦軸を画素値E(θ)とするグラフである。つまり、図5は、同一の入射光について、偏光角θを変化させた場合の偏光角θと、偏光角θの直線偏光の画素値との関係を示している。画素値E(θ)は、周期がπの正弦波である。偏光画像取得部21は、N個の偏光角θ1、θ2、θ3、…、θNの偏光画像を取得しているものとする(上述の例ではN=4)。
偏光角θの偏光画像の画素値E(θ)は、以下の式1で表すことができる。
E(θ)=Emin+(Emax−Emin)sin(2θ+φ)…(式1)
ただし、Emin:E(θ)の最小値
Emax:E(θ)の最大値
φ:位相角
式1のうち、独立した変数はEmin,Emaxおよびφの3つである。このため、3つの偏光角θについて画素値E(θ)が既知であれば、変数Emin,Emaxおよびφの値を決定することができる。
なお、偏光画像取得部21は、1つの画素について、θ=0、π/4、π/2および3π/4の4つの偏光角について画素値E(θ)を取得している。このため、偏光度算出部23は、最小二乗法などを用いて、画素ごとに、変数Emin,Emaxおよびφの値を決定することができる。
偏光度算出部23は、画素ごとに、式2に従い偏光度Dを算出する。
D=(1−Emin/Emax) …(式2)
拡散反射光の画素値を示す正弦波は、振幅が小さいため、EmaxとEminの値が近似する。このため、偏光度Dの値は0に近くなる。これに対して、車両3のフロントガラスで太陽光等が反射した鏡面反射光の画素値を示す正弦波は、振幅が大きいため、EmaxとEminの値が大きく異なる。このため、偏光度Dの値は1に近くなる。つまり、偏光度Dが大きい画素ほど、鏡面反射成分の画素値を多く含んだ画素と考えることができる。
図6Aは、後述する輝度画像取得部22により作成される輝度画像の一例を示す図である。図6Bは、偏光度算出部23が算出した偏光度Dを画素値とする偏光度画像の一例を示す図である。図6Aに示す輝度画像は拡散反射成分を含む画像であり、偏光フィルタを用いずに撮像された通常の画像と類似する。図6Bに示す偏光度画像は、偏光度Dが大きい画素ほど画素値が大きく、白い色を有する。図6Bに示す偏光度画像から分かるように、車両のフロントガラス領域が白っぽく映っていることより、フロントガラス領域の偏光度Dが大きいことが分かる。
画素抽出部24は、偏光度算出部23が算出した偏光度Dに基づいて、偏光度Dが所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する。具体的には、画素抽出部24は、偏光度Dが予め定められた偏光度閾値THDよりも大きい画素をマスク対象画素として抽出する。
輝度画像取得部22は、偏光画像取得部21が取得した4枚の偏光画像に基づいて、拡散反射成分を含む輝度画像(図3の(A))を取得する。例えば、輝度画像取得部22は、画素ごとに、4枚の偏光画像の画素値の平均値を輝度画像の画素値として算出することにより、輝度画像を取得してもよい。これにより、拡散反射成分および鏡面反射成分を含む画像を取得することができる。また、輝度画像取得部22は、画素ごとに、偏光度算出部23が算出したEminに基づいて、Emin/2を輝度画像の画素値として算出してもよい。Emin/2は鏡面反射成分を除いた拡散反射成分のみを示す画素値である。このため、輝度画像取得部22は、拡散反射成分のみからなる輝度画像を作成することができる。
処理実行部25は、輝度画像のマスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することによりマスク画像(図3の(B))を作成する。例えば、処理実行部25は、マスク対象画素の画素値を、予め定められた固定値に置換することによりマスク画像を作成してもよい。
また、処理実行部25は、マスク対象画素の画素値を、偏光度Dに応じた画素値に置換することによりマスク画像を作成してもよい。例えば、マスク対象画素の画素値を図6Bに示したような偏光度画像のマスク対象画素の画素値に置換することにより、マスク画像を作成してもよい。
さらに、処理実行部25は、マスク対象画素の画素値を、輝度画像をモザイク処理したモザイク画像の画素値に置換することによりマスク画像を作成してもよい。
処理実行部25は、マスク画像と、マスク対象画素値(図3の(C))とを、ネットワーク50を介して画像出力装置30に送信する。なお、処理実行部25は、マスク対象画素値を送信する際には、輝度画像におけるマスク対象画素値の画素位置の情報も合わせて送信する。マスク対象画素の画素位置は、例えば、画像のx座標およびy座標により示される。
[画像出力装置30の構成]
図7は、本発明の実施の形態1に係る画像出力装置30の構成を示すブロック図である。
画像出力装置30は、出力情報取得部31と、記憶装置32と、画像出力部33と、事象検知部34とを備える。
出力情報取得部31は、ネットワーク50を介して、画像処理装置20から、マスク画像とマスク対象画素値とを取得する。
記憶装置32は、画像出力装置30を利用するユーザごとに、輝度画像へのアクセス権を示したアクセス権情報を記憶している。
図8は、画像出力装置30の記憶装置32に記憶されているアクセス権情報の一例を示す図である。アクセス権情報は、ユーザIDおよびアクセス権(権限)の有無を示す情報である。例えば、図8のアクセス権情報は、ユーザID「U001」のユーザは輝度画像へのアクセス権が有ることを示し、ユーザID「U002」のユーザは輝度画像へのアクセス権が無いことを示している。
画像出力部33は、記憶装置32に記憶されているアクセス権情報と、出力情報取得部31が取得したマスク画像およびマスク対象画素値とに基づいて、マスク画像または輝度画像を、画像表示装置40に出力したり、またはネットワーク50を介して他の装置に出力する。
例えば、画像出力部33は、画像出力装置30のログイン情報から画像出力装置30を使用しているユーザのユーザIDを特定し、ユーザIDのアクセス権をアクセス権情報から取得する。ユーザID「U001」のユーザが画像出力装置30を使用している場合には、該ユーザは輝度画像へのアクセス権が有る。このため、画像出力部33は、マスク画像(図3の(B))にマスク対象画素値(図3の(C))を上書きすることにより、輝度画像(図3の(A))を作成し、作成した輝度画像を画像表示装置40に出力する。
一方、ユーザID「U002」のユーザが画像出力装置30を使用している場合には、該ユーザは輝度画像へのアクセス権が無い。このため、画像出力部33は、マスク画像を画像表示装置40に出力する。画像表示装置40は画像出力部33から出力された画像を表示する。
事象検知部34は、所定の事象を検知する。例えば、事象検知部34は、交通管制センター等のサーバに接続され、サーバから交通状況を定期的に取得することにより、交通事故発生などの事象を検知する。また、事象検知部34は、ユーザによるマスク画像または輝度画像の選択を、事象として検知することもできる。例えば、所定の権限を有するユーザがキーボード等を操作して、出力する画像の種類を選択すると、事象検知部34は、当該選択を事象として検知することができる。
画像出力部33は、検知した事象に応じて、マスク画像および輝度画像の少なくとも一方を画像表示装置40に出力したり、またはネットワーク50を介して他の装置に出力する。例えば、事象検知部34が交通事故発生の事象を検知した場合には、画像出力部33は、マスク画像を、ネットワーク50を介してテレビ局等のサーバに配信する。テレビ局は、受信したマスク画像をそのままニュース等で放送することもできる。
[画像処理装置20の処理手順]
図9は、本発明の実施の形態1に係る画像処理装置20が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
偏光画像取得部21は、イメージセンサ10が道路2を撮像することにより得られる、撮像対象範囲が同一であって、偏光角(rad)が0、π/4、π/2および3π/4の4枚の偏光画像を、イメージセンサ10から取得する(S1)。
偏光度算出部23は、偏光画像取得部21が取得した4枚の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光度Dを算出する(S2)。
画素抽出部24は、偏光度Dが予め定められた偏光度閾値THDよりも大きい画素をマスク対象画素として抽出する(S3)。
輝度画像取得部22は、画素ごとに、4枚の偏光画像の画素値の平均値を輝度画像の画素値として算出することにより、輝度画像(図3の(A))を取得する(S4)。
処理実行部25は、輝度画像のマスク対象画素の画素値を、固定値「0」に置換することによりマスク画像(図3の(B))を作成する(S5)。
処理実行部25は、マスク画像と、マスク対象画素値(図3の(C))とを、ネットワーク50を介して画像出力装置30に送信する(S6)。
[画像出力装置30の処理手順]
図10は、本発明の実施の形態1に係る画像出力装置30が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
出力情報取得部31は、ネットワーク50を介して、画像処理装置20から、マスク画像とマスク対象画素値とを取得する(S11)。
事象検知部34は、事象を検知したか否かを判断する(S12)。
事象検知部34は、事象を検知した場合には(S12でYES)、検知した事象が車両の搭乗者のプライバシーの保護が必要な事象か否かを判断する(S13)。例えば、検知した事象が交通事故発生の事象である場合には、事象検知部34は、当該事象をプライバシー保護が必要な事象であると判断する。また、所定の権限を有するユーザによるマスク画像の選択を事象として検知した場合にも、事象検知部34は、当該事象をプライバシーの保護が必要な事象であると判断する。一方、所定の権限を有するユーザによる輝度画像の選択を事象として検知した場合には、事象検知部34は、当該事象をプライバシーの保護が不要な事象であると判断する。
検知した事象がプライバシーの保護が必要な事象であると判断された場合には(S13でYES)、画像出力部33は、マスク画像を画像表示装置40に出力する(S14)。これにより、画像表示装置40はマスク画像を表示する。よって、ユーザは、搭乗者の画像を見ることができず、搭乗者のプライバシーを保護することができる。
検知した事象がプライバシーの保護が不要な事象であると判断された場合には(S13でNO)、画像出力部33は、マスク画像およびマスク対象画素値から輝度画像を生成し(S15)、生成した輝度画像を画像表示装置40に出力する(S16)。これにより、画像表示装置40は輝度画像を表示することができ、ユーザは、搭乗者の画像を見ることができる。
事象検知部34が、事象を検知していない場合には(S12でNO)、画像出力部33は、記憶装置32に記憶されているアクセス権情報に基づいて、ログイン中のユーザが輝度画像へのアクセス権が有るか否かを判断する(S17)。
ユーザの輝度画像へのアクセス権が有る場合には(S17でYES)、画像出力部33は、ステップS15およびS16の処理を実行することにより、画像表示装置40に輝度画像を出力する。これにより、アクセス権を有するユーザは、搭乗者の画像を見ることができる。
ユーザの輝度画像へのアクセス権が無い場合には(S17でNO)、画像出力部33は、ステップS14の処理を実行することにより、画像表示装置40にマスク画像を出力する。これにより、アクセス権を持たないユーザは、搭乗者の画像を見ることができず、搭乗者のプライバシーを保護することができる。
図10に示した画像出力装置30の処理手順において、事象の検知がない場合に(S12でNO)、アクセス権の有無を判定することとしているが(S17)、アクセス権の有無の判定処理(S17)を先に実行し、その後に、事象検知処理(S12)を実行するようにしてもよい。例えば、アクセス権が有ると判定された場合に、事象検知処理を実行することで、アクセス権が有っても、プライバシーの保護の必要性のある事象を検知した場合には、画像出力部33は、マスク画像を出力するようにしてもよい。
[実施の形態1の効果等]
以上説明したように、本発明の実施の形態1によると、画素ごとに偏光度が算出され、算出された偏光度に基づいて、マスク対象画素が抽出される。フロントガラスによる反射光は鏡面反射光であり、偏光度が強いため、フロントガラスの部分をマスク対象画素として抽出することができる。また、画像処理装置20は、輝度画像中のマスク対象画素を所定の画素値に置換することによりマスク画像を作成する。このため、複雑な画像処理を行わずに、フロントガラスの部分を所定の画素値に置換したマスク画像を作成することができる。これにより、低い処理負荷で車両の搭乗者のプライバシーを保護した画像を作成し、適切な方法でユーザに提供することができる。
また、処理実行部25は、マスク画像とともに、マスク対象画素値を出力する。このため、これらの出力情報を受け取った画像出力装置30は、マスク画像のマスク対象画素の画素値を、マスク対象画素値で置換することにより、輝度画像を生成することができる。
また、画像出力装置30は、選択的にマスク画像または輝度画像を表示または配信することができる。特に、画像出力装置30は、所定の権限を有するユーザに対してのみ、輝度画像を表示可能に出力する。このため、所定の権限を有するユーザのみがマスク対象画素に対応する輝度画像を見ることができ、所定の権限を持たないユーザはマスク対象画素に対応する輝度画像を見ることができない。このため、所定の権限を持たないユーザから、車両の搭乗者のプライバシーを保護することができる。
また、画像出力装置30は、交通事故発生などの事象を検知した場合に、マスク画像または輝度画像を選択的に表示または配信することができる。なお、ユーザによるマスク画像または輝度画像の選択を、事象として検知した場合にも、同様の処理を行うことができる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、画像処理装置20は、マスク画像とマスク対象画素値とを画像出力装置30に対して出力することとしたが、画像処理装置20は、これらの代わりに、輝度画像と、マスク対象画素の画素位置とを出力するようにしてもよい。
以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明し、実施の形態1と同様の部分については説明を繰り返さない。
実施の形態2に係る車両監視システムの構成は、図1に示した実施の形態1に係る車両監視システム1の構成と同様である。
実施の形態2に係る画像処理装置の構成は、図4に示した実施の形態1に係る画像表示装置40の構成と同様である。ただし、処理実行部25が実行する処理が実施の形態1と異なる。
図4のカッコ内に示すように、画像処理装置20を構成する処理実行部25は、輝度画像取得部22が作成した輝度画像と、画素抽出部24が抽出したマスク対象画素の画素位置とを、ネットワーク50を介して画像出力装置30に送信する。マスク対象画素の画素位置は、例えば、画像のx座標およびy座標により示される。
実施の形態2に係る画像出力装置の構成は、図7に示した実施の形態1に係る画像出力装置30の構成と同様である。ただし、出力情報取得部31が取得する情報および画像出力部33が実行する処理が実施の形態1と異なる。
図7のカッコ内に示すように、画像出力装置30を構成する出力情報取得部31は、ネットワーク50を介して、画像処理装置20から、輝度画像と、マスク対象画素の画素位置とを取得する。
画像出力部33は、実施の形態1と同様に、アクセス権情報または事象検知部34が検知した事象に基づいて、マスク画像または輝度画像を、画像表示装置40に出力するか、またはネットワーク50を介して他の装置に出力する。ただし、マスク画像および輝度画像の取得方法が実施の形態1とは異なる。
つまり、画像出力部33は、画像処理装置20から取得した輝度画像(図3の(A))のうち、画像処理装置20から取得したマスク対象画素の画素位置の画素値を、所定の画素値(例えば、固定値「0」)に置換することにより、マスク画像(図3の(B))を作成する。なお、画像出力部33は、上述したように、画像処理装置20から輝度画像を取得する。
図11は、本発明の実施の形態2に係る画像処理装置20が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
画像処理装置20は、ステップS1〜S4の処理を実行することにより、マスク対象画素の抽出と、輝度画像の取得とを行う。ステップS1〜S4の処理は、図9に示したステップS1〜S4の処理と同様であるため、その詳細な説明はここでは繰り返さない。
処理実行部25は、ステップS4の処理で作成した輝度画像(図3の(A))と、ステップS3の処理で抽出したマスク対象画素の画素位置とを、ネットワーク50を介して画像出力装置30に送信する(S7)。
図12は、本発明の実施の形態2に係る画像出力装置30が実行する処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
出力情報取得部31は、ネットワーク50を介して、画像処理装置20から輝度画像と、マスク対象画素の画素位置とを取得する(S21)。
その後、事象検知部34による事象検知処理(S12)が行われる。
事象検知部34が搭乗者のプライバシーの保護が必要な事象を検知した場合には(S12でYES、S13でYES)、画像出力部33は、輝度画像およびマスク対象画素の画素位置から、マスク画像を生成し(S22)、生成したマスク画像を画像表示装置40に出力する(S23)。マスク画像の生成の方法は、上述した通りである。
一方、事象検知部34が搭乗者のプライバシーの保護が不要な事象を検知した場合には(S12でYES、S13でNO)、画像出力部33は、出力情報取得部31が取得した輝度画像を画像表示装置40に出力する(S24)。
事象検知部34が、事象を検知していない場合には(S12でNO)、画像出力部33は、記憶装置32に記憶されているアクセス権情報に基づいて、ログイン中のユーザが輝度画像へのアクセス権が有るか否かを判断する(S17)。
ユーザの輝度画像へのアクセス権が有る場合には(S17でYES)、画像出力部33は、ステップS24の処理を実行することにより、画像表示装置40に輝度画像を出力する。
ユーザの輝度画像へのアクセス権が無い場合には(S17でNO)、画像出力部33は、ステップS22およびS23の処理を実行することにより、画像表示装置40にマスク画像を出力する。
以上説明したように、本発明の実施の形態2によると、画素ごとに偏光度が算出され、算出された偏光度に基づいて、マスク対象画素が抽出される。フロントガラスによる反射光は鏡面反射光であり、偏光度が強いため、フロントガラスの部分をマスク対象画素として抽出することができる。また、画像処理装置20は、輝度画像とマスク対象画素の画素位置とを画像出力装置30に出力する。このため、これらの出力情報を受け取った画像出力装置30は、輝度画像中のマスク対象画素を所定の画素値に置換することによりマスク画像を作成することができる。よって、複雑な画像処理を行わずに、フロントガラスの部分を所定の画素値に置換したマスク画像を作成することができる。これにより、低い処理負荷で車両の搭乗者のプライバシーを保護した画像を作成し、適切な方法でユーザに提供することができる。
(変形例)
図2に示した偏光フィルタ層11Aは、第1偏光フィルタ12A〜第4偏光フィルタ12Dの4種類の偏光フィルタを含むこととしたが、偏光フィルタ層が3種類の偏光フィルタと、1種類の透過フィルタとを含んでいてもよい。図13は、イメージセンサ10の撮像素子の前面に設けられる偏光フィルタ層の一例を示す図である。図13に示す偏光フィルタ層11Bは、2×2画素の撮像素子の組ごとに、該組の前面に設けられ、第1偏光フィルタ12Aと、第2偏光フィルタ12Bと、第3偏光フィルタ12Cと透過フィルタ13Dとを含む。
イメージセンサ10は、第1偏光フィルタ12A〜第3偏光フィルタ12Cを通過した光を撮像することにより3種類の偏光画像を取得することができる。また、イメージセンサ10は、透過フィルタ13Dを通過した光を撮像することにより輝度画像を取得することができる。イメージセンサ10は、3種類の偏光画像と、1種類の輝度画像とを画像処理装置20に出力する。
偏光画像取得部21は、3種類の偏光画像をイメージセンサ10から取得し、偏光度算出部23は、3種類の偏光画像から偏光度を算出する。輝度画像取得部22は、輝度画像をイメージセンサ10から輝度画像を取得する。
偏光フィルタ層11Aをこのように構成することにより、輝度画像取得部22の処理を簡略化することができる。
[付記]
以上、本発明の実施の形態に係る車両監視システム1について説明したが、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
上述の実施の形態では、画像処理装置20は、1台のイメージセンサ10から複数の偏光画像を取得したが、画像処理装置20は、複数台のイメージセンサ10から複数の偏光画像を取得してもよい。例えば、イメージセンサ10の代わりに、レンズの前面に偏光角0(rad)の偏光フィルタが配置された第1イメージセンサと、レンズの前面に偏光角π/4(rad)の偏光フィルタが配置された第2イメージセンサと、レンズの前面に偏光角π/2(rad)の偏光フィルタが配置された第3イメージセンサと、レンズの前面に偏光角3π/4(rad)の偏光フィルタが配置された第4イメージセンサとを用いてもよい。各イメージセンサは、撮像対象範囲が同一になるように配置および較正されており、画像処理装置20は、各イメージセンサから、それぞれ偏光画像を取得してもよい。これにより、画像サイズが縮小されていない偏光画像を取得することができる。
また、上述の画像処理装置20は、マスク画像および輝度画像を作成し、作成したマスク画像および輝度画像を画像出力装置30に出力してもよい。画像出力装置30は、ユーザの輝度画像へのアクセス権または事象検知部34が検知した事象に基づいて、画像処理装置20から受信したマスク画像または輝度画像を出力してもよい。
また、上記の画像処理装置20の構成がイメージセンサ10の内部に備えられていてもよい。
なお、本開示は、以下の付記1〜付記4として実現することもできる。
[付記1]
同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、
上記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、
上記偏光画像取得部が取得した上記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、
上記偏光度算出部が算出した上記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、
以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部とを備え、
上記輝度画像取得部は、上記偏光画像取得部が取得した上記複数の偏光画像に基づいて、上記輝度画像を取得する、画像処理装置。
第1処理:上記輝度画像の上記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
第2処理:上記輝度画像と、上記マスク対象画素の画素位置との出力処理
[付記2]
上記輝度画像取得部は、上記偏光画像取得部が取得した上記複数の偏光画像の画素値を平均化した平均画像を、上記輝度画像として取得する
付記1に記載の画像処理装置。
[付記3]
上記輝度画像取得部は、上記偏光画像取得部が取得した上記複数の偏光画像に基づいて、画素ごとに、偏光角を変化させた場合の画素値の最小値を算出し、算出した上記最小値に基づいた値を当該画素の画素値とする画像を、上記輝度画像として取得する
付記2に記載の画像処理装置。
[付記4]
同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、
上記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、
上記偏光画像取得部が取得した上記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、
上記偏光度算出部が算出した上記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、
以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部とを備え、
上記偏光度算出部は、上記偏光画像取得部が取得した上記複数の偏光画像に基づいて、画素ごとに、偏光角を変化させた場合の画素値の最大値および最小値を算出し、算出した上記最大値および上記最小値の比率に基づいて、上記偏光度を算出する、画像処理装置。
第1処理:上記輝度画像の上記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
第2処理:上記輝度画像と、上記マスク対象画素の画素位置との出力処理
また、上記の画像処理装置20および画像出力装置30は、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、ディスプレイユニット、キーボード、マウスなどから構成されるコンピュータシステムとして構成されてもよい。RAMまたはHDDには、コンピュータプログラムが記憶されている。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、各装置は、その機能を達成する。
さらに、上記の各装置を構成する構成要素の一部または全部は、1個のシステムLSIから構成されているとしてもよい。システムLSIは、具体的には、マイクロプロセッサ、ROM、RAMなどを含んで構成されるコンピュータシステムである。マイクロプロセッサが、コンピュータプログラムに従って動作することにより、システムLSIは、その機能を達成する。
また、本発明は、上記に示す方法であるとしてもよい。また、本発明は、これらの方法をコンピュータにより実現するコンピュータプログラムであるとしてもよい。コンピュータプログラムは、コンピュータ読取可能な非一時的な記録媒体、例えば、HDD、CD−ROM、半導体メモリ等に記憶させることにより流通させてもよいし、電気通信回線、無線または有線通信回線、インターネットを代表とするネットワーク、データ放送等を経由して伝送するものとしてもよい。
また、上記各装置は、複数のコンピュータにより実現されてもよい。
さらに、上記実施の形態および上記変形例をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 車両監視システム
2 道路
3 車両
10 イメージセンサ
11A 偏光フィルタ層
11B 偏光フィルタ層
12A 第1偏光フィルタ
12B 第2偏光フィルタ
12C 第3偏光フィルタ
12D 第4偏光フィルタ
13D 透過フィルタ
20 画像処理装置
21 偏光画像取得部
22 輝度画像取得部
23 偏光度算出部
24 画素抽出部
25 処理実行部
30 画像出力装置
31 出力情報取得部
32 記憶装置
33 画像出力部
34 事象検知部
40 画像表示装置
50 ネットワーク

Claims (7)

  1. 同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、
    前記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、
    前記偏光画像取得部が取得した前記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、
    前記偏光度算出部が算出した前記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、
    以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部と
    を備える画像処理装置。
    第1処理:前記輝度画像の前記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
    第2処理:前記輝度画像と、前記マスク対象画素の画素位置との出力処理
  2. 前記処理実行部は、前記第1処理の実行時に、さらに、前記輝度画像の前記マスク対象画素における画素値を出力する
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の画像処理装置から、前記第1処理または前記第2処理による出力情報を取得する出力情報取得部と、
    前記出力情報取得部が取得した前記出力情報に基づいて、前記マスク画像および前記輝度画像の少なくとも一方を出力する画像出力部と
    を備える画像出力装置。
  4. 前記画像出力部は、所定の権限を有するユーザに対してのみ、前記マスク対象画素に対応する前記輝度画像を表示可能に出力する
    請求項3に記載の画像出力装置。
  5. さらに、
    所定の事象を検知する事象検知部を備え、
    前記画像出力部は、前記事象検知部が検知した前記事象に基づいて、前記マスク画像、および前記マスク対象画素に対応する前記輝度画像の一方を選択して出力する
    請求項3または請求項4に記載の画像出力装置。
  6. コンピュータを、
    同一の撮像対象範囲の互いに偏光方向の異なる複数の偏光画像を取得する偏光画像取得部と、
    前記撮像対象範囲の拡散反射成分を含む輝度画像を取得する輝度画像取得部と、
    前記偏光画像取得部が取得した前記複数の偏光画像に基づいて、画素毎に、偏光の度合いを示す偏光度を算出する偏光度算出部と、
    前記偏光度算出部が算出した前記偏光度に基づいて、該偏光度が所定の条件を満たす画素であるマスク対象画素を抽出する画素抽出部と、
    以下の第1処理および第2処理のいずれかを実行する処理実行部と
    して機能させるためのコンピュータプログラム。
    第1処理:前記輝度画像の前記マスク対象画素の画素値を、所定の画素値に置換することにより得られるマスク画像の出力処理
    第2処理:前記輝度画像と、前記マスク対象画素の画素位置との出力処理
  7. コンピュータを、
    請求項2に記載の画像処理装置から、前記第1処理または前記第2処理による出力情報を取得する出力情報取得部と、
    前記出力情報取得部が取得した前記出力情報に基づいて、前記マスク画像および前記輝度画像の少なくとも一方を出力する画像出力部と
    して機能させるためのコンピュータプログラム。
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