JP2019002299A - ポンプ監視装置、及びポンプ監視方法 - Google Patents

ポンプ監視装置、及びポンプ監視方法 Download PDF

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Abstract

【課題】吸込水槽内に発生した渦を高精度に検出する。【解決手段】ポンプ監視装置30は、ポンプケーシング12内に配置されたセンサ32と、センサ32の検出結果から得られるポンプケーシング12内の排出流体の電気抵抗の変化によって、吸込水槽1内での渦A,Bの発生の有無を判断するコントローラ44とを備える。センサ32は、ポンプケーシング12内の排出流体に定電流を通電するための正電極33及び負電極34と、排出流体を通した電圧を検出するための検出電極35A,35Bとを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、ポンプ監視装置、及びポンプ監視方法に関する。
排水機場では、ポンプの運転により吸込水槽内の液位が低くなるに従って、空気吸込渦や水中渦が発生する。空気吸込渦は、液面から吸込口にかけて生じる水流である。水中渦は、吸込水槽の底から吸込口にかけて生じる水流である。これらの渦は、ポンプの振動の原因の1つであり、据付床の劣化の原因にもなっている。
特許文献1には、送信器と受信器を備える超音波センサを吸込水槽内に配置し、吸込水槽内に発生した空気吸込渦と水中渦を検出できるようにしたポンプ設備が開示されている。また、特許文献1には、吸込水槽内に流体噴射部を配置し、水を噴射することで空気吸込渦と水中渦を破壊することも開示されている。
特開2017−31948号公報
特許文献1のポンプ設備では、超音波センサによって吸込水槽内(ポンプケーシング外)を検出しており、この吸込水槽内の液体には異物(固形物)が含まれている。つまり、超音波センサは異物を検出することがあるため、特許文献1のポンプ設備による渦の検出精度は低い。
本発明は、吸込水槽内に発生した渦を高精度に検出できるポンプ監視装置、及びポンプ監視方法を提供することを課題とする。
本発明は、吸込水槽内にポンプケーシングの少なくとも一部が配置されたポンプの監視装置であって、前記ポンプケーシング内に配置されたセンサと、前記センサの検出結果から得られる前記ポンプケーシング内の排出流体の電気抵抗の変化によって、前記吸込水槽内での渦の発生の有無を判断するコントローラとを備える、ポンプ監視装置を提供する。
ポンプケーシング内の排出流体は、吸込水槽内に空気吸込渦又は水中渦が発生すると、液体と気体の二相流になる。この二相流体の電気抵抗は、気体の体積増加に従って増える。また、センサは、ポンプケーシング内に配置されているため、吸込水槽内を混入した異物を検出することはない。よって、コントローラは、センサの検出結果から得られるポンプケーシング内の排出流体の電気抵抗を監視し、電気抵抗の変化を判断することで、吸込水槽内での渦の発生の有無を高精度に判断できる。
前記コントローラは、前記センサの検出結果と、予め検出した前記排出流体が液相のみの場合の前記センサの検出結果とに基づいて、前記排水流体の電気抵抗に対応するボイド率を演算し、このボイド率と定められた閾値とを比較することで前記渦の発生の有無を判断している。
前記センサは、前記ポンプケーシング内の前記排出流体に定電流を通電するための正電極及び負電極と、前記排出流体を通した電圧を検出するための検出電極とを備える。又は、前記センサは、前記ポンプケーシング内の前記排出流体に定電圧を印加するための正電極及び負電極と、前記排出流体を通した電流を検出するための検出電極とを備える。
前記検出電極は、前記正電極と前記負電極の間に配置されている。この態様によれば、検出電極によって排出流体を通した電圧又は電流を確実に検出できる。
前記ポンプは、前記吸込水槽内の液体を排出するための羽根車を備え、前記センサは、前記羽根車よりも前記ポンプケーシングの吸込口側に配置されている。また、前記ポンプケーシングは、先端に前記吸込口が形成され、この吸込口に向けて次第に拡径されたベルマウスを備え、前記センサの前記検出電極は、前記ベルマウスの最小径部分に配置されている。これらの態様によれば、吸込水槽内に発生した空気吸込渦である、気相が連続した環状噴霧流を確実に検出できる。また、ベルマウス内でのボイド率は、空気漏れ等の他の影響を受け難いため、渦の発生の有無を高精度に検出できる。
また、本発明は、センサの検出結果から得られるポンプケーシング内の排出流体の電気抵抗を監視し、前記排出流体の電気抵抗の変化によって、前記吸込水槽内での渦の発生の有無を判断する、ポンプ監視方法を提供する。
本発明では、ポンプケーシング内の排出流体の電気抵抗の変化を監視するため、吸込水槽内での渦の発生の有無を高精度に判断できる。
本発明の実施形態に係るポンプ監視装置を示す断面図。 図1の一部を示す拡大断面図。 図2の一部を示す拡大断面図。 図1の渦抑制機構を示す断面図。 断続空気吸込渦の発生状態でのボイド率を示すグラフ。 連続空気吸込渦の発生状態でのボイド率を示すグラフ。 連続空気吸込渦と水中渦の発生状態でのボイド率を示すグラフ。 羽根車の上流側で生じる環状噴霧流を示す概略図。 羽根車の下流側で生じる気泡流を示す概略図。
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
図1から図4は、本発明の実施形態に係るポンプ監視装置30を搭載した立軸ポンプ10を示す。立軸ポンプ10は、排水機場の吸込水槽1に流入した雨水等の液体を下流側へ排出するものであり、吸込水槽1の上方を覆う据付床2に設置されている。立軸ポンプ10は、ポンプケーシング12、回転軸22、及び羽根車25を備える。ポンプ監視装置30は、ポンプケーシング12内の排出流体の電気抵抗(ボイド率α)の変化によって、吸込水槽1内での空気吸込渦A及び/又は水中渦Bの発生の有無を判断する。
(立軸ポンプの概要)
図1に示すように、ポンプケーシング12は、据付床2に形成された円形状の取付孔2aを貫通して、据付床2上から吸込水槽1内へ配置されている。ポンプケーシング12は、吸込水槽1内に配置された揚水管13と、据付床2上に固定された吐出管19とを備える。
揚水管13は、ストレート管14、ベーンケース15、及びベルマウス17を備える。ストレート管14は、直径が一様な配管であり、取付孔2a内から下方へ延びている。ベーンケース15は、径方向外向きに膨出した概ね楕円筒状の配管であり、ストレート管14の下端に接続されている。ベルマウス17は、下端に向けて次第に拡径した概ね円錐筒状の配管であり、ベーンケース15の下端に接続されている。ベルマウス17の下端は、吸込水槽1内の液体を吸い込むための吸込口18であり、吸込水槽1の底壁3に対して定められた間隔をあけて配置されている。
吐出管19は、揚水管13の上端に接続された吐出エルボ20と、据付床2上に配置された送水管(図示せず)とを備える。吐出エルボ20は、軸線が90度湾曲した曲がり管である。送水管は、軸線が直線状のストレート管である。吐出エルボ20と送水管との間には、軸方向と径方向に変形可能な可撓管(図示せず)が介設されている。
回転軸22は、吐出エルボ20を貫通して揚水管13の軸線に沿って回転可能に配置されている。回転軸22の上端は、吐出エルボ20から外方へ突出されている。吐出エルボ20の回転軸22が貫通する部分は、軸封装置23によって液密にシールされている。
羽根車25は、ベーンケース15の内部に位置する回転軸22の下端に固定されている。ベーンケース15の内部には軸受ケーシング16が配設されており、この軸受ケーシング16の下側に、羽根車25が配置されている。
回転軸22の上端には、クラッチ機構を備える変速装置27が接続され、この変速装置27に駆動モータ28が接続されている。駆動モータ28の駆動により回転軸22が回転されると、回転軸22と一体に羽根車25が回転することで、吸込水槽1内の液体がポンプケーシング12内を通って下流側へ排出される。
吸込水槽1内の液位がベーンケース15よりも高い場合、吸込水槽1内の液体の流れは低速であるため、図1のような空気吸込渦A及び/又は水中渦Bは発生しない。排出により吸込水槽1内の液位がベーンケース15の上部よりも低下すると、吸込水槽1内の液体の流れが高速になるため、空気吸込渦A及び/又は水中渦Bが発生する。
空気吸込渦Aは、液面から吸込口18にかけて生じる水流であり、水中渦Bは、吸込水槽1の底壁3や図示しない側壁から吸込口18にかけて生じる水流である。そのうち、空気吸込渦Aは、クボミ渦、断続渦、及び連続渦に大別され、この順で水位が低くなるに従って成長する。クボミ渦とは、液面から吸込口18に向けた水流によって、液面の一部が窪む状態のことである。断続渦とは、液面から吸込口18にかけて延びる水流に、断続的に空気が吸い込まれる状態のことである。連続渦とは、液面から吸込口18にかけて延びる水流に、連続して空気が吸い込まれる状態のことである。
渦A,Bが発生していない定常状態とクボミ渦の発生状態では、ポンプケーシング12内に空気は流入しないため、排出流体は液体(液相)のみの単相流である。断続渦と連続渦の発生状態では、ポンプケーシング12内に空気が流入するため、排出流体は液体と気体の二相流になる。水中渦Bの渦芯はキャビテーションであるため、水中渦Bの発生状態でも排出流体は二相流になる。排出流体が二相流の場合、排出流体が単相流の場合よりも、立軸ポンプ10の全揚程は低く、吐出量は少なくなる。また、立軸ポンプ10の振動が大きくなるため、据付床2も劣化する。
そこで、本実施形態の立軸ポンプ10には、渦A,Bの発生を検出するために、ポンプ監視装置30が搭載されている。また、発生した渦A,Bを消滅ないし渦A,Bの発生を抑制するために、渦抑制機構50が搭載されている。
(ポンプ監視装置の概要)
図1及び図2に示すように、ポンプ監視装置30は、排水流体の電気抵抗(ボイド率α)の変化を監視することで、吸込水槽1内での渦A,Bの発生の有無を判断するものである。このポンプ監視装置30は、センサ32、データロガー42、及びコントローラ44を備える。センサ32は、ポンプケーシング12内に配置されている。データロガー42、及びコントローラ44は、据付床2上に配置されている。
センサ32は、ポンプケーシング12内の排出流体に定電流を通電し、排出流体を通した電圧を測定する定電流法を用いた検出センサである。このセンサ32は、羽根車25よりも吸込口18側であるベルマウス17に配置されている。センサ32は、1組の正電極33及び負電極34と、一対の検出電極35A,35Bとを備える。これらの電極33,34,35A,35Bは、全て円環状であり、取付部分の直径に応じた直径で形成されている。
詳しくは、図3に示すように、ベルマウス17は、下方に向けて次第に直径を小さくした縮径部17aと、下方に向けて次第に直径を大きくした拡径部17bとを備える。そして、縮径部17aと拡径部17bの間には、直管状の最小径部17cが形成されている。正電極33は、吸込口18の近傍である拡径部17bに配置されている。負電極34は、縮径部17aの上部、つまり正電極33よりも排出方向下流側である羽根車25の下端近傍に配置されている。一対の検出電極35A,35Bは、正電極33と負電極34の間に位置する最小径部17cに配置されている。また、検出電極35Aと検出電極35Bは、ベルマウス17の軸線に沿って定められた間隔をあけて配置されている。
ベルマウス17の内周部には、電極33,34,35A,35Bを配置するための凹部37a〜37dが設けられている。これらの凹部37a〜37dは、ベルマウス17の径方向外向きに窪んでいる。凹部37a〜37d内には、電極33,34,35A,35Bとベルマウス17を電気的に絶縁するための絶縁部材38が配置されている。本実施形態の電極33,34,35A,35Bは、ベルマウス17の内周面と面一になる断面形状で形成されているが、その断面形状は必要に応じて変更が可能である。
図1に示すように、センサ32は、据付床2上に配置された駆動電源40を備える。この駆動電源40は、正電極33と負電極34に電気的に接続されるとともに、コントローラ44に電気的に接続されている。駆動電源40は、コントローラ44によって駆動され、ベルマウス17内の排出流体に定められた値の電流を通電する定電流電源である。
データロガー42は、検出電極35A,35Bに電気的に接続されるとともに、コントローラ44に電気的に接続されている。このデータロガー42は、検出電極35A,35Bから入力された排出流体の検出電圧を記憶する記憶手段である。
コントローラ44は、駆動電源40とデータロガー42の他に、変速装置27と、渦抑制機構50の駆動部65とに電気的に接続されている。このコントローラ44には、パーソナルコンピュータを用いることができる。コントローラ44は、制御プログラムやデータを記憶するための記憶部(図示せず)を備える。
駆動モータ28は、図示しない操作盤が操作されることで駆動し、低速で回転する。コントローラ44は、変速装置27を制御することで、駆動モータ28の回転速度の比率を変えて回転軸22を定められた速度で回転させ、吸込水槽1内の液体の排出処理を実行する。なお、駆動モータ28の制御は、コントローラ44で行ってもよいし、別の制御装置で行ってもよい。この排出処理の実行時にコントローラ44は、駆動電源40を制御し、センサ32によって排水流体に定電流を通電させるとともに、センサ32の検出結果をデータロガー42から取り込む。そして、コントローラ44は、センサ32の検出結果から得られるポンプケーシング12内の排出流体の電気抵抗(ボイド率α)を監視し、その変化によって渦A,Bの発生の有無を判断する。
詳しくは、排水流体の電気抵抗とセンサ32による検出電圧には相関関係があり、電流が一定の場合、排水流体の電気抵抗が増えれば、センサ32による検出電圧も増える(V=I×R)。つまり、排水流体を通した検出電圧を監視することで、排水流体の電気抵抗の変化を監視できる。また、排水流体の電気抵抗と、排出流体中の液体に含まれる気体(気相)の比率であるボイド率αとは対応しており、ボイド率αが増えれば、排水流体の電気抵抗も増える。これは、液体と気体の電気抵抗率が異なるためである。よって、ボイド率αが変化すると、センサ32による検出電圧も変化する。また、ボイド率αは、単相流時の検出電圧Vと二相流時の検出電圧Vとで算出できる。このような知見に基づき、ポンプ監視装置30は以下のように構成されている。
コントローラ44の記憶部には、渦A,Bの発生の有無を判断するための閾値が記憶されている。本実施形態の閾値は、定常状態(単相流)での排出流体のボイド率αよりも高い、定められた上限ボイド率α(例えば1%)に設定されている。そして、コントローラ44は、予め定められた時間当たりのボイド率αの平均値が閾値を超えると、吸込水槽1内に空気吸込渦A及び/又は水中渦Bが発生したと判断する。また、定められた時間当たりのボイド率αの平均値が閾値を超えない場合には、空気吸込渦A及び水中渦Bが発生していないと判断する。なお、定められた時間は、図5Aから図5Cに示すボイド率αの上昇勾配のサンプリングデータと下降勾配のサンプリングデータとが、それぞれ2以上含まれる長さに設定されている。
さらに詳しく説明すると、図5Aから図5Cは、排出流体が二相流の場合のボイド率αを示す。図5Aは断続空気吸込渦Aが発生した状態でのボイド率αの変化を示し、図5Bは連続空気吸込渦Aが発生した状態でのボイド率αの変化を示し、図5Cは連続空気吸込渦Aと水中渦Bが発生した状態でのボイド率αの変化を示す。図5Aから図5Cの横軸は時間である。
前述のように、クボミ空気吸込渦Aが発生した状態では、ポンプケーシング12内に空気が吸い込まれないため、ボイド率αはゼロである。図5Aに示すように、断続空気吸込渦Aが発生すると、不規則にボイド率αが変動し始める。なお、水中渦Bのみが発生した場合のボイド率αは、図5Aに示す断続空気吸込渦Aと同様の変化になる。図5Bに示すように、連続空気吸込渦Aが発生すると、ボイド率αの変動が大きくなり、ボイド率αの平均値はある一定の値になる。図5Cに示すように、連続空気吸込渦Aと水中渦Bが発生すると、連続空気吸込渦Aだけが発生した場合よりもボイド率αは上昇し、その変動と平均値も増大する。
次に、定電流法を用いた排水液体のボイド率αと検出電圧Vの関係について説明する。
二相流の排出流体の電気抵抗Rは、以下の式(1)で求めることができる。
Figure 2019002299
一方、単相流の排出流体の電気抵抗Rは、全断面積をSとすると、以下の式(2)で求めることができる。
Figure 2019002299
体積ボイド率αは、全体積に対する気相の総体積と定義されるため、以下の式(3)となる。
Figure 2019002299
検出領域(検出電極35A,35B間の距離)内の液相断面積が一定ならば、以下の式(4)となる。
Figure 2019002299
この式(4)に式(1),(2)を用いると、以下の式(5)が得られる。また、ボイド率αは二相流時の検出電圧Vと単相流時の検出電圧Vで表すことができる。
Figure 2019002299
よって、液相のみの検出電圧Vで気液二相流時の検出電圧Vを規格化し、電圧比v≡(V/V)でボイド率αを表すと、以下の式(6)となる。
Figure 2019002299
このように、ボイド率αは、電圧比vによって求めることができる。なお、この演算方法は、主に図6Aに示す環状噴霧流に適用される。この環状噴霧流は、気相が連続しており、吸込水槽1内で発生する連続空気吸込渦Aに酷似しているからである。但し、この演算方法を図6Bに示す気泡流に適用してもよい。
このようにしたポンプ監視装置30では、排水流体の電気抵抗(ボイド率α)に関連する排水流体の電圧をセンサ32によって検出できる。また、センサ32は、ポンプケーシング12内に配置されているため、吸込水槽1内に混入した異物を検出することはない。また、検出電極35A,35Bは、ベルマウス17の正電極33と負電極34の間に配置されているため、排出流体を通した電圧を確実に検出できる。
よって、コントローラ44は、センサ32によって検出した排水流体の電圧に基づいて、排水流体の電気抵抗に対応するボイド率αを確実に監視できる。その結果、コントローラ44は、吸込水槽1内での空気吸込渦A及び/又は水中渦Bの発生の有無を高精度に判断できる。また、ベルマウス17内でのボイド率α(電気抵抗)は、空気漏れ等の他の影響を受け難いため、この点でも渦A,Bの発生の有無を高精度に検出できる。
そして、コントローラ44は、吸込水槽1内に渦A,Bが発生したと判断すると、渦抑制機構50によって発生した渦A,Bを消滅ないし渦の発生を抑制することができる。
(渦抑制機構の概要)
図2及び図4に示すように、渦抑制機構50は、揚水管13の下側外周部に配置された渦抑制部材52と、渦抑制部材52を移動可能に取り付けるための取付枠54と、渦抑制部材52を移動させるための作動部材59とを備える。
渦抑制部材52は、ベルマウス17の下部からベーンケース15の上部にかけて、揚水管13の軸線に沿って鉛直方向に延びる平面視円形状の部材である。渦抑制部材52は、中空状であってもよいし、中実状であってもよい。渦抑制部材52は、取付枠54に対して周方向に間隔をあけて4本配置されている。図4を参照すると、渦抑制部材52は、揚水管13の外周部に近接した第1位置(図4において左側の2個)と、第1位置よりも揚水管13の外周部から離反した第2位置(図4において右側の2個)とに、作動部材59によって移動可能に保持されている。
取付枠54は、渦抑制部材52と同様に、ベルマウス17の下部からベーンケース15の上部にかけて設けられている。この取付枠54は、横枠部材55、縦枠部材56、及び連結部材57を備える。
横枠部材55は、揚水管13の軸線を中心とする円環状のパイプであり、ベルマウス17の吸込口18の上側外周部に固定されている。
縦枠部材56は、横枠部材55に下端が接合され、ベーンケース15の上部に向けて揚水管13の軸線に沿って配置した直管である。縦枠部材56は、吸込水槽1内への液体流入による負荷、及び可動式の渦抑制部材52からの負荷では変形しない剛体(金属)からなる。縦枠部材56は、横枠部材55に対して周方向に間隔をあけて、渦抑制部材52と同数(本実施形態では4本)配置されている。縦枠部材56の所定部位を、ベーンケース15に固定してもよいし、ベルマウス17に固定してもよい。
連結部材57は、縦枠部材56に対して渦抑制部材52を回転可能、つまり揚水管13に対して渦抑制部材52を水平方向に旋回可能に連結するもので、渦抑制部材52の上下2箇所に配置されている。連結部材57は、縦枠部材56に回転可能に取り付けられた筒部材57aと、筒部材57aから径方向外向きに突出したアーム57bとを備える。アーム57bの先端には渦抑制部材52が接合されている。アーム57bの全長は、渦抑制部材52が設定した第2位置に配置される寸法に設定されている。
図4に示すように、作動部材59は、渦抑制部材52を第1位置と第2位置に個別に移動させるものである。本実施形態の作動部材59は、油圧式又は気圧式のシリンダによって構成されている。シリンダ本体60は、縦枠部材56に固定されたブラケット62に回転可能に接続されている。ロッド61は、渦抑制部材52に固定されたブラケット63に回転可能に接続されている。シリンダ本体60には、可撓性及び耐圧性を有するチューブ(図示せず)の一端が接続されている。このチューブの他端は、据付床2上に配置した駆動部(ポンプ)65に接続されている。
駆動部65は、コントローラ44によって制御され、作動部材59を駆動し、渦抑制部材52を第1位置から第2位置の間の所定位置に移動させる。詳しくは、ロッド61を進出させることで渦抑制部材52を押圧し、縦枠部材56に対して渦抑制部材52を回転させて、渦抑制部材52を第1位置に向けて移動させる。また、ロッド61を後退させることで渦抑制部材52を引っ張り、縦枠部材56に対して渦抑制部材52を回転させて、渦抑制部材52を第2位置に向けて移動させる。渦抑制部材52は、作動部材59によって移動された位置に保持される。
コントローラ44は、駆動部65を駆動させ、空気吸込渦Aが発生した領域に渦抑制部材52を移動させる。具体的には、コントローラ44は、センサ32による検出電圧が閾値よりも小さくなるように、渦抑制部材52を移動させる。
空気吸込渦Aが消滅又は空気吸込渦Aの発生が抑制されると、吸込水槽1内は定常状態に回復するため、排出流体の検出電圧(電気抵抗)の変動は小さくなるとともに安定する。よって、センサ32の検出電圧が閾値よりも小さくなるように、渦抑制部材52を移動させることで、空気吸込渦Aを効果的に消滅できるとともに、空気吸込渦Aの発生を効果的に抑制できる。その結果、立軸ポンプ10の振動、及び据付床2の劣化を効果的に抑制できる。
渦抑制部材52は、吸込水槽1内の水槽水位に追従して浮動するのではなく、揚水管13に対して水平方向に旋回可能に取り付けられ、作動部材59によって所定位置に保持される。よって、渦抑制部材52の位置が吸込水槽1内の液位に影響されないため、揚水管13から径方向外側へ離れた位置での空気吸込渦Aの発生を渦抑制部材52によって効果的に抑制できる。
(第1変形例)
渦A,Bの発生の有無をコントローラ44が判断するための閾値は、ボイド率αの代わりに、センサ32によって検出する電圧Vとしてもよい。この場合の閾値Vは、液相のみの検出電圧Vと上限のボイド率αとに基づいて、以下の式(7)によって設定する。
Figure 2019002299
このポンプ監視装置30では、前記実施形態と同様の作用及び効果を得ることができる。しかも、コントローラ44は、センサ32による検出電圧Vを演算する必要がないため、制御プログラムを簡素化できる。
(第2変形例)
ポンプ監視装置30では、センサ32の駆動電源40として、ベルマウス17内の排出流体に定められた値の電圧を印加する定電圧電源を用いてもよい。この場合、正電極33と負電極34は、ポンプケーシング12内の排出流体に定電圧を印加するためのものとなり、一対の検出電極35A,35Bは、排出流体を通して電流を検出するためのものとなる。なお、閾値は、第1変形例で算出した電圧値を電流値に変換することで設定される。
なお、本発明のポンプ監視装置30、及びポンプ監視方法は、前記実施形態の構成に限定されず、種々の変更が可能である。
例えば、センサ32をポンプケーシング12内の羽根車25の下流側に配置し、図6Bに示す気泡流を検出してもよい。
吸込水槽1には、カメラ、レーザ光による水面計、又は超音波による水面計等の渦検出手段を配置してもよい。そして、コントローラ44は、空気吸込渦Aが発生したと判断すると、渦検出手段によって空気吸込渦Aの位置を特定し、その位置に渦抑制部材52を移動させるようにしてもよい。
渦抑制部材52を第1位置と第2位置に移動させる機構は、必要に応じて変更が可能である。また、作動部材59と駆動部65も、渦抑制部材52を移動させる機構に応じて変更が可能である。
ポンプ監視装置30を配置するポンプは、立軸ポンプ10に限られず、回転軸を横向きに配置した横軸ポンプであってもよい。また、ポンプは、ポンプケーシング全体が吸込水槽に配置される構成であってもよい。
1…吸込水槽
2…据付床
2a…取付孔
3…底壁
10…立軸ポンプ
12…ポンプケーシング
13…揚水管
14…ストレート管
15…ベーンケース
16…軸受ケーシング
17…ベルマウス
17a…縮径部
17b…拡径部
17c…最小径部
18…吸込口
19…吐出管
20…吐出エルボ
22…回転軸
23…軸封装置
25…羽根車
27…変速装置
28…駆動モータ
30…ポンプ監視装置
32…センサ
33…正電極
34…負電極
35A,35B…検出電極
37a〜37d…凹部
38…絶縁部材
40…駆動電源
42…データロガー
44…コントローラ
50…渦抑制機構
52…渦抑制部材
54…取付枠
55…横枠部材
56…縦枠部材
57…連結部材
57a…筒部材
57b…アーム
59…作動部材
60…シリンダ本体
61…ロッド
62…ブラケット
63…ブラケット
65…駆動部

Claims (8)

  1. 吸込水槽内にポンプケーシングの少なくとも一部が配置されたポンプの監視装置であって、
    前記ポンプケーシング内に配置されたセンサと、
    前記センサの検出結果から得られる前記ポンプケーシング内の排出流体の電気抵抗の変化によって、前記吸込水槽内での渦の発生の有無を判断するコントローラと
    を備える、ポンプ監視装置。
  2. 前記コントローラは、前記センサの検出結果と、予め検出した前記排出流体が液相のみの場合の前記センサの検出結果とに基づいて、前記排水流体の電気抵抗に対応するボイド率を演算し、このボイド率と定められた閾値とを比較することで前記渦の発生の有無を判断している、請求項1に記載のポンプ監視装置。
  3. 前記センサは、
    前記ポンプケーシング内の前記排出流体に定電流を通電するための正電極及び負電極と、
    前記排出流体を通した電圧を検出するための検出電極と
    を備える、請求項1又は2に記載のポンプ監視装置。
  4. 前記センサは、
    前記ポンプケーシング内の前記排出流体に定電圧を印加するための正電極及び負電極と、
    前記排出流体を通した電流を検出するための検出電極と
    を備える、請求項1又は2に記載のポンプ監視装置。
  5. 前記検出電極は、前記正電極と前記負電極の間に配置されている、請求項3又は4に記載のポンプ監視装置。
  6. 前記ポンプは、前記吸込水槽内の液体を排出するための羽根車を備え、
    前記センサは、前記羽根車よりも前記ポンプケーシングの吸込口側に配置されている、請求項3から5のいずれか1項に記載のポンプ監視装置。
  7. 前記ポンプケーシングは、先端に前記吸込口が形成され、この吸込口に向けて次第に拡径されたベルマウスを備え、
    前記センサの前記検出電極は、前記ベルマウスの最小径部分に配置されている、請求項6に記載のポンプ監視装置。
  8. センサの検出結果から得られるポンプケーシング内の排出流体の電気抵抗を監視し、
    前記排出流体の電気抵抗の変化によって、前記吸込水槽内での渦の発生の有無を判断する、ポンプ監視方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH01254853A (ja) * 1988-04-05 1989-10-11 Nikoku Kikai Kogyo Kk 導電率測定用の電極
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