JP2019002107A - 水溶性アゾ化合物又はその塩を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法 - Google Patents

水溶性アゾ化合物又はその塩を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法 Download PDF

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Abstract

【課題】発色性に優れ、少ないインク量で高濃度の捺染物を得る事を課題とする。【解決手段】下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩若しくはそれらの混合物、水、及び水溶性有機溶剤を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法。【化1】(式中、xは2から4の整数を、A、Qはそれぞれハロゲン原子を、それぞれ表す。)【選択図】なし

Description

本発明は水溶性のアゾ化合物又はその塩を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法に関する。
近年、インクジェットによる無製版印刷を行なう記録方法が提案され、布等を含めた繊維に対してもインクジェット捺染が行われている。従来のスクリーン捺染等と比較して、インクジェット捺染は、無製版であること;省資源であること;省エネルギーであること;及び高精細な表現が容易であること;等、様々な利点があるとされている。繊維の捺染に用いられる染料としては、直接染料、酸性染料、及び反応染料が代表的な染料として挙げられる。このうち、反応染料は、その分子内に、繊維と反応する官能基を有し、この官能基と繊維が有する水酸基等が化学反応して共有結合を形成することにより、繊維の染色を行うという、他の染料には見られない特異な性質を有する。繊維への化学反応により染色が行われるため、繊維が有する水酸基に対して効率良く染料を結合させる必要があり、繊維に対して少量の染料しか結合しなかった場合においても、高濃度な染色を可能とするため、染料に高い発色性を有することが求められている。特にイエローインク用として、高い発色性を有するイエロー染料が求められている。
インクジェット捺染に用いられるイエロー染料として、特許文献1及び特許文献2記載のC.I.Reactive Yellow 2 (別名、KAYACION Liquid Yellow P−5G Liquid 33、日本化薬株式会社製)が知られているが、更に発色性が高いイエロー染料が求められている。
特許第4216993号公報 特開平7−316455号公報
本発明は、特定の水溶性アゾ化合物又はその塩を含む捺染用インクの繊維への使用に関するものであり、発色性に優れ、少ないインク量で高濃度の捺染物を得る事を目的とするものである。
本発明者等は上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、特定の下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩を含む捺染用インクを繊維の捺染に使用することにより、上記の課題を解決するものであることを見出し、本発明を完成させた。
即ち本発明は、以下の1)〜4)に関する。
1)
下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩若しくはそれらの混合物、水、及び水溶性有機溶剤を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
(式中、xは2から4の整数を、A、Qはそれぞれハロゲン原子を、それぞれ表す。)
2)
上記式(1)において、xが3である1)に記載の捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
3)
上記式(1)において、xが3であり、A、Qがそれぞれ塩素原子である1)又は2)に記載の捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
4)
インクジェット方式による、1)〜3)のいずれか一項に記載の捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
本発明により、発色性に優れ、少ないインク量で高濃度の捺染物を得る事ができた。
本発明を詳細に説明する。
上記式(1)で表される化合物又はその塩は、水溶性のイエロー色素である。本明細書においては特に断りがない限り、イオン性親水性基のうち酸性官能基は、実施例等を含めて遊離酸として表す。本明細書においては、特に断りがない限り、イオン性親水性基を有する「化合物」は、「化合物又はその塩」の両方を含む意味として用いる。また、本明細書においては、特に断りがない限り、「%」及び「部」は、実施例等を含めて質量基準である。
式(1)で表される化合物中、A、Qはそれぞれハロゲン原子を表し、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が挙げられる。これらの中ではフッ素原子又は塩素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
式(1)で表される化合物中、xは2〜4の整数を表し、3であることが好ましい。
上記式(1)で表される化合物は、例えば次のようにして製造することができる。なお下記式(A)〜(E)において適宜使用されるxは、上記式(1)におけるのと同じ意味を表す。
特開2004−75719号公報に記載の方法に準じて、下記式(A)で表される化合物を、重亜硫酸ナトリウム及びホルマリンを用いて下記式(B)で表されるメチル−ω−スルホン酸誘導体に変換する。次いで、常法により、下記式(C)で表される化合物をジアゾ化し、先に得られた式(B)と、反応温度0〜15℃、pH4〜6でカップリング反応を行い、引き続き、反応温度80〜95℃、pH10.5〜11.5で加水分解反応を行うことにより、下記式(D)で表される化合物が得られる。
次いで、上記式(D)の化合物(2当量)とハロゲン化シアヌル(1当量)、例えば塩化シアヌル(1当量)とを、反応温度0〜45℃、pH5〜8で縮合することにより、下記式(E)で表される化合物が得られる。
この反応は、例えば、上記式(D)の化合物1当量とハロゲン化シアヌル(1当量)とを反応させた後、得られた反応物に、上記式(D)の化合物1当量をさらに反応させることで上記式(E)の化合物を得ることもできる。
上記式(1)で表される化合物は、遊離酸、あるいはその塩としても存在する。上記式(1)の化合物の塩としては、無機又は有機陽イオンとの塩が挙げられる。無機陽イオンの塩の具体例としては、アルカリ金属塩、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、及びアンモニウム塩(NH4 +);等が挙げられる。また、有機陽イオンの塩としては、例えば下記式(4)で表される4級アンモニウムの塩が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記式(4)中、Z1〜Z4はそれぞれ独立に水素原子、C1−C4アルキル基、ヒドロキシC1−C4アルキル基、又はヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基を表し、Z1〜Z4の少なくとも1つは水素原子以外の基である。
1〜Z4におけるC1−C4アルキル基の具体例としてはメチル基、エチル基等が挙げられる。同様に、ヒドロキシC1−C4アルキル基の具体例としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。同様に、上記ヒドロキシC1−C4アルコキシC1−C4アルキル基の具体例としては、ヒドロキシエトキシメチル基、2−ヒドロキシエトキシエチル基、3−(ヒドロキシエトキシ)プロピル基、3−(ヒドロキシエトキシ)ブチル基、2−(ヒドロキシエトキシ)ブチル基等が挙げられる。
上記塩の中ではナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンの塩等の有機4級アンモニウム塩;アンモニウム塩;等が好ましい。より好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩、及びアンモニウム塩が挙げられる。一般に化合物の塩は、その塩の種類により溶解性等の物理的な性質、及び/又は、その塩を含有するインクの性能が変化するときのあることが知られている。このため目的とするインクの性能等に応じて、塩の種類を選択することも好ましく行われる。上記式(1)で表される化合物は、単一の塩;複数の塩の混合物;又は、遊離酸と、単一若しくは複数の塩の混合物;等のいずれとすることもできる。
上記式(1)で表される化合物は、互変異性体、幾何異性体など、各種異性体構造をとり得る場合があり、その場合、いずれかの構造、あるいはそれら複数が混在した状態で用いることも可能である。互変異性体とは、例えば一般的に知られる、一つの化合物が容易に一方から他に相互変換しうる2種以上の異性体として存在するものを示す。幾何異性体とは、例えば一般的に知られる、立体異性体の一種であり、有機化合物においてはシス−トランス異性体を示す。
上記インクは、上記式(1)で表される化合物を水性媒体(水、又は水と水溶性有機溶剤との混合溶液)に溶解し、必要に応じインク調製剤を添加したものである。このインクをインクジェットインクとして使用するときは、無機不純物の含有量が少ないものを用いるのが好ましい。無機不純物とは、例えば、金属陽イオンの塩化物、例えば塩化ナトリウム;硫酸塩、例えば硫酸ナトリウム;等を意味する。式(1)で表される化合物の総質量に対して、無機不純物の総含有量は通常1質量%以下、下限値は0質量%、すなわち検出機器の検出限界以下とすることができる。色素中の無機不純物の含有量を減らす方法としては、例えば、逆浸透膜、晶析、及び懸濁精製等により、色素を精製する方法が挙げられる。
上記水溶性有機溶剤は、染料の溶解;組成物の乾燥の防止(湿潤状態の保持);組成物の粘度の調整;色素の記録メディアへの浸透の促進;組成物の表面張力の調整;組成物の消泡;等の効果を有するときがある。このため、上記インクは水溶性有機溶剤を含有するのが好ましい。
水溶性有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第二ブタノール、第三ブタノール等のC1−C4アルコール;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン又は1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の複素環式ケトン;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等のC2−C6アルキレン単位を有するモノ、オリゴ、若しくはポリアルキレングリコール又はチオグリコール;トリメチロールプロパン、グリセリン、ヘキサン−1,2,6−トリオール等のポリオール(好ましくはトリオール);エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールのC1−C4モノアルキルエーテル;γ−ブチロラクトン;ジメチルスルホキシド;等が挙げられる。
なお、上記水溶性有機溶剤には、例えばトリメチロールプロパン等のように、常温で固体の物質も含まれている。すなわち、室温では固体であっても水溶性を示す物質であって、その物質を含有する水溶液が水溶性有機溶剤と同様の性質を示し、同じ効果を期待して使用することができる物質は、本明細書においては水溶性有機溶剤とする。そのような物質としては、例えば、固体の多価アルコール類、糖類、及びアミノ酸類等が挙げられる。
インク調製剤としては、例えば、防腐防黴剤、pH調整剤、キレート試薬、防錆剤、紫外線吸収剤、粘度調整剤、染料溶解剤、褪色防止剤、表面張力調整剤、消泡剤等の公知の添加剤が挙げられる。
上記防腐防黴剤としては、例えば、有機硫黄系、有機窒素硫黄系、有機ハロゲン系、ハロアリルスルホン系、ヨードプロパギル系、N−ハロアルキルチオ系、ベンゾチアゾール系、ニトリル系、ピリジン系、8−オキシキノリン系、イソチアゾリン系、ジチオール系、ピリジンオキシド系、ニトロプロパン系、有機スズ系、フェノール系、第4アンモニウム塩系、トリアジン系、チアジアジン系、アニリド系、アダマンタン系、ジチオカーバメイト系、ブロム化インダノン系、ベンジルブロムアセテート系、無機塩系等の化合物が挙げられる。有機ハロゲン系化合物としては、例えばペンタクロロフェノールナトリウムが挙げられる。ピリジンオキシド系化合物としては、例えば2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウムが挙げられる。イソチアゾリン系化合物としては、例えば、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンマグネシウムクロライド、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オンカルシウムクロライド等が挙げられる。その他の防腐防黴剤としては、酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、アーチケミカル社製の商品名プロクセルシリーズ(例えば、プロクセルGXL(S)及びXL−2(S)等)が挙げられる。
pH調整剤は、インクの保存安定性を向上させる目的で、インクのpHを6.0〜11.0の範囲に制御できるものであれば任意の物質を使用することができる。例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン;水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;水酸化アンモニウム;あるいは炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩;タウリン等のアミノスルホン酸;等が挙げられる。
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸2ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラシル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール酸アンモニウム、ジイソプロピルアンモニウムナイトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムナイトライト等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、桂皮酸系化合物、トリアジン系化合物、スチルベン系化合物が挙げられる。また、ベンズオキサゾール系化合物に代表される紫外線を吸収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光増白剤等も使用できる。
粘度調整剤としては、水溶性有機溶剤の他に、水溶性高分子化合物が挙げられ、例えばポリビニルアルコール、セルロース誘導体、ポリアミン、ポリイミン等が挙げられる。
染料溶解剤としては、例えば尿素、ε−カプロラクタム、エチレンカーボネート等が挙げられる。
褪色防止剤は、画像の保存性を向上させる目的で使用される。褪色防止剤としては、各種の有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用することができる。有機系としては、ハイドロキノン類、アルコキシフェノール類、ジアルコキシフェノール類、フェノール類、アニリン類、アミン類、インダン類、クロマン類、アルコキシアニリン類、及びヘテロ環類等が挙げられる。金属錯体系としては、ニッケル錯体、亜鉛錯体等が挙げられる。
表面張力調整剤としては、界面活性剤が挙げられる。界面活性剤は、例えばアニオン、両性、カチオン、及びノニオン等に分類することができる。
アニオン界面活性剤としては、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリールスルホン酸塩、ジエチルスルホ琥珀酸塩、ジエチルヘキシルスルホ琥珀酸塩、ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン、その他イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等のエーテル系;ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレエート、ポリオキシエチレンモノオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール(アルコール)系;サーフィノールRTM104、105PG50、82、420、440、465、485、DF−110D、オルフィンRTMSTG;ポリグリコールエーテル系(例えばSIGMA−ALDRICH社製のTergItolRTM15−S−7等);等が挙げられる。上記ノニオン界面活性剤は、単独又は混合して用いることができる。なお、本明細書において、上付きの「RTM」は登録商標を意味する。
消泡剤としては、高酸化油系、グリセリン脂肪酸エステル系、フッ素系、シリコーン系化合物等が挙げられる。
上記インクの総質量に対して、水溶性有機溶剤の含有量は通常0〜60%、好ましくは10〜50%である。同様にインク調製剤の含有量は通常0〜20%、好ましくは0〜15%である。上記インクは、上記式(1)で表される化合物、必要に応じて水溶性有機溶剤、及びインク調製剤を含有し、これら以外の残部は水である。
上記インクの表面張力は通常25〜70mN/m、好ましくは25〜60mN/mであり、粘度は30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましい。
上記インクは、上記の各成分を必要に応じて混合することにより調製することができる。各成分を加える順序には特に制限はない。インクの調製に用いる水は、イオン交換水、蒸留水等の不純物が少ないものが好ましい。また、調製したインクに対してメンブランフィルター等を用いた精密濾過を行うことができる。上記インクをインクジェットインクとして使用するときは、ノズルの目詰まり等を防止する目的で、精密濾過を行うことが好ましい。精密濾過に使用するフィルターの孔径は通常1μm〜0.1μm、好ましくは0.8μm〜0.1μmである。
上記インクは、印捺、複写、マーキング、筆記、製図、スタンピング、又は記録等の各種の用途に使用することができる。それらの用途の中でもインクジェット記録における使用に適する。
上記インクジェット記録方式による捺染用インクの繊維への使用は、上記インクの液滴を、記録信号に応じて吐出させて記録メディアに付着させて記録を行う方法を使用することができる。インクジェット方式としては、例えば、ピエゾ方式;サーマルインクジェット方式等が挙げられる。上記インクは、いかなる方式のインクジェットインクとしても使用できる。
上記インクは、本発明により得られる効果を阻害しない範囲で、その色相を微調整する目的等からさらに公知のイエロー色素を含有することができる。また、例えば、ブラック、レッド及びグリーン等の各色のインクを調製する目的で、上記式(1)で表される化合物と、公知のマゼンタ及びシアン等の色素とを、併用することもできる。また、フルカラーの記録画像を得る目的で、上記インクと、マゼンタ、シアン、グリーン、ブルー(又はバイオレット)、レッド、ブラック等から選択される各色のインクとを併用することもできる。
上記記録メディアとしては、インク受容層を有するものと、有さないものとに大別される。上記インクジェット記録方法に用いる記録メディアとしては、これらのいずれも好ましい。具体的な記録メディアとしては、例えば、繊維や布(セルロース、ナイロン、羊毛、綿、シルク等)、皮革等が挙げられる。インク受容層は、インクを吸収してその乾燥を早める等の作用を目的として、記録メディアに設置される。インク受容層は、例えば上記記録メディアにカチオン系ポリマーを含浸又は塗工する方法;インク中の色素を吸収できる無機微粒子を、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン等の親水性ポリマーと共に、記録メディアの表面に塗工する方法;等により設置される。上記インク中の色素を吸収し得る無機微粒子としては、多孔質シリカ、アルミナゾル、及び特殊セラミックス等が挙げられる。
上記記録メディアとしては、綿、レーヨン、羊毛、ナイロン、シルクであることが好ましく、綿、レーヨンであることが特に好ましい。
上記した全ての成分、及び事項について、好ましいもの同士の組み合わせはより好ましく、より好ましいもの同士の組み合わせはさらに好ましい。好ましいものと、より好ましいものとの組み合わせ等についても同様である。
上記式(1)で表される化合物は、発色性に優れる。また、水、及び水と水溶性有機溶剤との混合液に対する溶解性に優れる。また、上記式(1)で表される化合物を用いて作製したインクは、例えばメンブランフィルターに対する濾過性が良好であるという特徴を有し、各種の記録メディアに記録したときに、非常に鮮明で、彩度及び印字濃度が高く、理想的な色相のイエロー色の画像を与える。このため、写真画質のカラー画像を、記録メディアに忠実に再現させることもできる。上記インクはさらに、長期間保存後の固体析出、物性変化、色相変化等もなく、貯蔵安定性が極めて良好である。また、上記インクは、乾燥による固体の析出が非常に起こりにくく、このため、インクジェットプリンタの噴射器(記録ヘッド)の目詰まりを生じることがない。さらに上記インクは、比較的長い時間間隔においてインクを再循環させて使用する連続式インクジェットプリンタにおいても、オンデマンド式インクジェットプリンタによる断続的な使用においても、物理的性質の変化を起こさない。上記インクを使用して、インク受容層を有する記録メディアに記録した画像は耐水性、耐湿性、耐オゾンガス性、耐擦性及び耐光性等の各種堅牢性、特に耐光性が良好である。この理由から、写真画質で記録した画像の長期保存安定性も優れる。また、上記インクを使用して、インク受容層を有さない記録メディアに記録した画像は彩度、明度、及び印字濃度等の発色性も優れる。
以下に本発明を実施例により、さらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。実施例中、反応温度は反応系内の温度である。特に断りの無い限り、反応等の各種の操作は、いずれも攪拌下に行った。また、λmax(最大吸収波長)は、pH7〜8の水溶液中での測定値であり、小数点以下1桁目を四捨五入して記載した。なお、実施例で得られた本発明の化合物の水に対する溶解度は、室温において100g/L以上であった。
[実施例1]
(工程1)
3−アミノ−6−メトキシベンゼンスルホン酸17.3部を水酸化ナトリウムでpH7に調整しながら水200部に溶解し、次いで亜硝酸ナトリウム7.2部を加えて溶液とした。この溶液を0〜10℃で、5%塩酸200部中に30分間かけて滴下した後、10℃以下で1時間反応させてジアゾ反応液を得た。一方、2−(3−スルホプロポキシ)−5−クロロアニリン26.6部を、水酸化ナトリウムでpH7に調整しながら水130部に溶解し、10.4部の重亜硫酸ナトリウム及び8.6部の35%ホルマリンを用いて、常法によりメチル−ω−スルホン酸誘導体とした。得られたメチル−ω−スルホン酸誘導体を、先に得たジアゾ反応液中に加え、0〜15℃、pH4〜6で24時間反応させた。得られた反応液を水酸化ナトリウムでpH11とした。このpHを維持しながら反応液を80〜95℃に加熱してさらに5時間反応させた。得られた液に塩化ナトリウム100部を加え、析出した固体をろ過分離することにより、下記式(9)で表される化合物100部をウェットケーキとして得た。
(工程2)
氷水250部中にレオコールTD90(ライオン株式会社製の界面活性剤)0.1部を加えて激しく撹拌しながら塩化シアヌル3.6部をさらに加え、0〜5℃で30分間撹拌することにより懸濁液を得た。一方、実施例1の工程1で得た式(9)で表される化合物のウェットケーキ100部を水200部に溶解し、溶液を得た。この溶液を先に得た懸濁液に30分間で滴下した後、pH6〜8、25〜45℃で6時間反応させて液を得た。この反応液に2−プロパノール2000部を加え、20〜25℃で2時間撹拌することにより液を得た。得られた液から析出した固体をろ過分離することによりウェットケーキ103.3部を得た。このウェットケーキを減圧下乾燥し、下記式(10)で表される本発明の化合物のナトリウム塩(λmax:369.4nm)11.5部を得た。
[比較例1]
比較例1として、日本化薬(株)製KAYACION Liquid Yellow P−5G Liquid 33を使用した。
[グラム吸光係数]
実施例1及び比較例1の色素のグラム吸光係数を算出した。グラム吸光係数とは、溶液に1gの色素を溶解させ、希釈した後、吸収スペクトル測定を行い、最大吸収波長における吸光係数を算出し、色素1グラム当たりの吸光係数に換算したものである。吸収スペクトルは、株式会社島津製作所製分光光度計(型番:UV−2550)を使用し、実施例1の化合物1gをイオン交換水で500mLのメスフラスコを用いて希釈した後、ホールピペットで10mLを量りとり、イオン交換水で100mLのメスフラスコを用いて希釈したものを測定した。比較例1は3gを量りとり、同様に希釈液を調製した。結果を下記表1に示す。
表1から明らかなように、実施例1は比較例1と比較してグラム吸光係数が1.6倍以上上昇している。グラム吸光係数が上昇すると、少量のインク量での印刷において高濃度の染色物を得ることが可能となり、上記捺染用インクを用いた繊維の染色方法により、発色性に優れた捺染を可能とする。
特定の下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法により、グラム吸光係数が高く、発色性に優れた記録画像を与え、各種の記録用途、特にインクジェット捺染用途に非常に有用である。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される水溶性アゾ化合物又はその塩若しくはそれらの混合物、水、及び水溶性有機溶剤を含む捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
    (式中、xは2から4の整数を、A、Qはそれぞれハロゲン原子を、それぞれ表す。)
  2. 上記式(1)において、xが3である請求項1に記載の捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
  3. 上記式(1)において、xが3であり、A、Qがそれぞれ塩素原子である請求項1又は2に記載の捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
  4. インクジェット方式による、請求項1〜3のいずれか一項に記載の捺染用インクを用いた繊維の染色方法。
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