JP2019000149A - 樹脂製固定具 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性の拡張を可能とした樹脂製固定具を提供する。【解決手段】基体片10の爪部13は、基体片10の他端で一方向に突き出ており、爪誘導部12は、爪部13の内側に位置し、爪部13から基体片10の一端に向けて徐々に内側に変位する傾きを有した誘導斜面を備える。係止片20は、係止本体部20Bの端を内側で覆う半ドーム状を有した爪受け部24を備え、爪受け部24の縁24Eと係止内面20Sとが、係止片20の一端に向く開口部を構成し、解除状態から挟持状態への遷移の際に、爪受け部24の縁24Eと誘導斜面とが対向し、爪受け部24の縁24Eに対する誘導斜面の押圧によって爪部13が開口部内に誘導される。【選択図】図1

Description

本発明は、基体片と係止片との挟持によって対象を固定する樹脂製固定具に関する。
身体の腰部に装着されるベルトは、腰部の周長に対して余剰となる部分を備える。ベルトのなかで余剰となる部分は、例えば、ベルトの周回部分に固定具によって留められる。この類の固定具の一例として、余剰となる部分を拘束するための環状部と、周回部分の適所に掛けられて環状部をベルトの前面に位置決めするためのクリップとを備える構成が知られている。そして、周回部分の適所に掛けられたクリップによって環状部がベルトの前面に位置決めされて、余剰となる部分が環状部に差し込まれる(例えば、特許文献1を参照)。
特開2011−21285号公報
ところで、ライフジャケットなどの救命胴衣や、リュックサックなどの背負袋の装着品は、身体の腰部に装着されるベルトと同じく、複数の帯体を備えている。これらの帯体もまた、装着品の位置や装着品のサイズを装着者の身体に合わせるために、余剰となる部分を備えている。そして、余剰となる帯体は、装着品を利用する利用者の安全性を高める観点から、他の帯体や装着品の本体などに束ねて固定することが求められる。一方、上記装着品が使用されるシーンのなかには、例えば、片手に釣り竿を持っているフィッシング時、片手にステッキを持っている登山時、視界が良好ではない夜間や早朝などが含まれる。それゆえに、上記固定具には、片手での固定の操作、片手での解除の操作、視界が良好ではない環境での操作などの新たな利用のシーンに適した操作性が望まれている。
本発明の目的は、操作性の拡張を可能とした樹脂製固定具を提供することである。
上記課題を解決するための樹脂製固定具は、一方向に延びる基体内面を有した板状の基体片と、一方向に延びる係止内面を有した係止本体部を備える板状の係止片と、前記基体片の一端と前記係止片の一端とを連結し、前記基体内面と前記係止内面とを相互に対向させる挟持状態と、前記基体内面上を開放する解除状態とを有するヒンジ部と、を備える樹脂製固定具である。前記挟持状態での前記樹脂製固定具の外側が、前記各片の外側であり、前記挟持状態での前記樹脂製固定具の内側が、前記各片の内側であり、前記基体片の前記一方向の長さは、前記係止片の前記一方向の長さよりも短い。前記基体片は、前記一方向の他端に、爪部と爪誘導部とを備え、前記爪部は、前記基体片の他端で前記一方向に突き出ており、前記爪誘導部は、前記爪部の内側に位置し、前記爪部から前記基体片の一端に向けて徐々に内側に変位する傾きを有した誘導斜面を備える。前記係止片は、前記一方向の他端に位置し、前記係止本体部の端を内側で覆う半ドーム状を有した爪受け部を備え、前記爪受け部の縁と前記係止内面とが、前記係止片の一端に向く開口部を構成し、前記解除状態から前記挟持状態への遷移の際に、前記爪受け部の縁と前記誘導斜面とが対向し、前記爪受け部の縁に対する前記誘導斜面の押圧によって前記爪部が前記開口部内に誘導される。
上記構成によれば、基体片と係止片とによって対象が樹脂製固定具に固定されるとき、まず、基体内面と係止内面とが相互に対向するようにヒンジ部が折り曲げられる。次いで、開口部内に爪部が入るまで、誘導斜面の押圧が爪受け部の縁を変形させ、また、押圧による反力で係止片が反るように曲がる。そして、誘導斜面が爪受け部の縁を通過して、爪部が開口部内に入る。この際、反るように曲がっていた係止片や、誘導斜面に押圧されていた爪受け部の縁が、元の形状に戻り、形状が戻る際の振動によって音が発生する。結果として、解除状態から挟持状態への遷移に際し、爪部が開口部内に入るように、爪部と開口部とを爪誘導部が誘導する。そのため、基体片に係止片を係止させる操作を、片手によるヒンジ部の折り畳みによって利用者は実現できる。さらに、挟持状態への遷移の完了時に音が発生するため、挟持状態への遷移の完了を利用者は音によって認識できる。それゆえに、暗所での利用のシーンや、片手での利用のシーンに適した操作性を樹脂製固定具に付与することが可能となる。
上記樹脂製固定具において、前記係止本体部は、前記係止本体部の前記端を内側から外側まで貫通する発音孔をさらに備え、前記爪受け部は、前記発音孔を内側から覆ってもよい。この樹脂製固定具によれば、係止本体部の発音孔を半ドーム状の爪受け部が覆うため、挟持状態への遷移の完了時に発生する音が共鳴によって増幅される。
上記樹脂製固定具において、前記係止片は、前記係止片の一端および他端よりも厚みが薄い反り部を前記係止片の一端と他端との間に備えてもよい。この樹脂製固定具によれば、誘導斜面の押圧による反力が係止片に作用する際に、反り部を起点として係止片が反りやすくなる。
上記樹脂製固定具において、前記爪受け部の縁は、前記誘導斜面を受け入れ可能な窪みを備えてもよい。この樹脂製固定具によれば、誘導斜面が爪受け部の窪みに受け入れられた状態で、爪誘導部の誘導斜面が爪受け部の縁を押圧する。結果として、爪受け部の縁を誘導斜面が押圧するときに、爪受け部の縁と、誘導斜面との相対的な位置のずれが抑えられる。そのため、誘導斜面の押圧による開口部の変形、ひいては、解除状態から挟持状態への遷移が円滑に行われる。
上記樹脂製固定具において、前記基体片は、前記基体内面とは反対側の面である基体外面に、前記樹脂製固定具の利用者が触覚で認識可能な段差を有した段差部を備えてもよい。この樹脂製固定具によれば、基体内面と基体外面との差異を利用者は触覚で認識することが可能ともなるため、視界が良好ではないシーンでの対象の固定操作や固定の解除操作が円滑に行われる。
本発明によれば、樹脂製固定具の操作性を拡張することが可能となる。
樹脂製固定具の上面視の斜視構造を示す斜視図。 樹脂製固定具の下面視の斜視構造を示す斜視図。 解除状態での樹脂製固定具の断面構造を示す断面図。 樹脂製固定具のヒンジ部の断面構造を拡大して示す断面図。 誘導開始時での樹脂製固定具の断面構造を示す断面図。 挟持状態での樹脂製固定具の断面構造を示す断面図。 変形例の樹脂製固定具の平面構造を示す平面図。 他の変形例の樹脂製固定具の平面構造を示す平面図。
図1が示すように、樹脂製固定具は、基体片10、係止片20、および、ヒンジ部30を備える。樹脂製固定部は、これらが基体片10、係止片20、および、ヒンジ部30を一体として成形した樹脂製品である。ヒンジ部30は、基体片10の一端である基端E1Bと、係止片20の一端である基端E2Bとを連結している。基体片10と係止片20とは、共通する一方向に延びる。
以下では、基体片10および係止片20の延びる方向が長手方向であり、長手方向と直交する方向が幅方向である。基体片10と係止片20とが長手方向に並ぶ状態は、ヒンジ部30の解除状態であり、基体片10と係止片20とが相互に対向する状態は、ヒンジ部30の挟持状態である。挟持状態での樹脂製固定具の外表面に対する外側が、基体片10および係止片20の外側であり、挟持状態での樹脂製固定具の外表面に対する内側が、基体片10および係止片20の内側である。
基体片10は、基体本体部10Bと係止歯11とを備える。基体本体部10Bは、長手方向に延びる板状であり、かつ、基体本体部10Bの周縁を基体本体部10Bの中央よりも反り上げる曲板状を有する。基体本体部10Bは、挟持状態での係止片20と対向する凹曲面として基体内面10Sを備える。
係止歯11は、基体内面10Sから内側(図1の上側)に向けて立設されている。係止歯11は、長手方向において、基体本体部10Bのほぼ全体に延びる板状を有する。係止歯11の内側端面(図1の上端面)は、長手方向に延びる波状を有している。係止歯11の各歯先は、各歯において、係止歯11の長手方向のほぼ中央に偏っている。
基体片10の他端部である先端E1Tは、長手方向に突き出る爪部13と、爪部13から基体内面10Sにわたり立設された爪誘導部12とを備える。爪部13は、基体片10の先端E1Tから外側(図1の下側)に湾曲するフック状の断面を幅方向に連続させている。爪部13は、挟持状態において係止片20に引っ掛かる引っ掛かり部として機能する。
爪誘導部12は、係止歯11よりも先端E1Tの側に位置し、かつ、爪部13の内側(図1の上側)に位置する。爪誘導部12は、係止歯11と連なるように、係止歯11から先端E1Tまで長手方向に延びる。爪誘導部12の内側端面(図1の上端面)は、誘導斜面である。誘導斜面は、緩やかな曲面であり、先端E1Tから基端E1Bに向けて徐々に内側(図1の上側)に変位する傾きを有する。
係止片20は、係止本体部20Bと爪受け部24とを備える。係止本体部20Bは、長手方向に延びる板状であり、かつ、基体本体部10Bと同じく、係止本体部20Bの周縁を係止本体部20Bの中央よりも反り上がる曲板状を有する。係止本体部20Bは、挟持状態での基体片10と対向する凹曲面として係止内面20Sを備える。
係止本体部20Bは、長手方向のほぼ中央に反り部21を備える。反り部21の幅方向の長さは、係止本体部20Bのなかで、反り部21以外の他の部位よりも小さい。係止片20は、反り部21を起点として反りやすい形状を有する。また、係止片20は、長手方向のほぼ中央に、長手方向に延びる貫通孔22を備える。貫通孔22は、幅方向における反り部21の厚みを、係止片20の基端E2Bや先端E2Tよりも薄くし、それによって、反り部21を起点として係止片20をさらに反りやすくする。なお、反り部21の位置する範囲は、係止片20の長手方向の長さを100%としたとき、係止片20の長手方向の中央から長手方向の両方向にそれぞれ20%以内であることが好ましい。
係止本体部20Bは、係止内面20Sの先端E2Tの側に、係止本体部20Bの内側から外側まで(図1の上側から下側まで)を貫通する発音孔23を備える。発音孔23は、幅方向において、係止本体部20Bのほぼ全体にわたり、爪受け部24によって覆われている。
爪受け部24は、係止本体部20Bの周縁のなかで、係止本体部20Bの一端における縁と連結した半ドーム状を有する。係止内面20Sと対向する方向から見て、爪受け部24は、発音孔23の一部を覆う。爪受け部24における基端E2B側の縁24Eと、係止内面20Sにおける先端E2T側の縁とは、係止片20の基端E2Bに向く開口部を構成する。幅方向において、爪受け部24の縁24Eの有する長さは、爪部13の有する長さよりも大きい。爪受け部24の縁24Eは、挟持状態への遷移において、爪部13が開口部に入ること、および、爪部13の先端である引っ掛かり部が爪受け部24の縁24Eに引っ掛かることを可能としている。
爪受け部24の内側面(図1の上面)は、複数の突起25を備える。各突起25は、段差部の一例であり、樹脂製固定具を利用する利用者が各突起25の存在を触覚で認識可能な段差を有する。複数の突起25は、係止片20のなかの爪受け部24の位置を触覚によって利用者に認識させる。
爪受け部24の縁24Eは、爪誘導部12の誘導斜面を受け入れ可能な窪み26を備える。窪み26の深さは、爪受け部24の縁24Eから先端E2Tに向けて徐々に浅くなる。挟持状態への遷移において、窪み26は、窪み26への爪誘導部12の進入を促し、爪誘導部12の誘導斜面と、爪受け部24の縁24Eとの相対的な位置のずれを抑える。
図2が示すように、基体片10の先端E1Tにおける外面(図2の下面)は、複数の突起14を備える。複数の突起14は、段差部の一例であり、突起25と同じく、樹脂製固定具を利用する利用者が突起25の存在を触覚で認識可能な段差を有する。複数の突起14は、基体片10のなかの先端E1Tの位置、特に、基体片10のなかの爪部13の位置を触覚によって利用者に認識させる。また、複数の突起14は、挟持状態への遷移において、利用者の指などの基体片10の外面での滑りを抑える。
係止本体部20Bの外面(図2の下面)は、貫通孔22よりも基端E2Bの側に、表示部27を備える。表示部27は、樹脂製固定具の製品名や、樹脂製固定具の製品番号などの表示に用いられる。なお、反り部21の位置する範囲、すなわち、貫通孔22の位置する範囲が、上述した好ましい範囲内であれば、表示部27の大きさを係止本体部20Bの外面で十分に確保することが可能ともなる。
係止本体部20Bの外面は、貫通孔22よりも先端E2T側に、複数の突起28を備える。複数の突起28は、段差部の一例であり、突起14,25と同じく、樹脂製固定具を利用する利用者が突起28の存在を触覚で認識可能な段差を有する。複数の突起28は、係止本体部20Bの先端E2Tの位置、特に、挟持状態において突起14と対向する位置を触覚によって利用者に認識させる。複数の突起28は、挟持状態への遷移において、利用者の指などの係止片20の外面での滑りを抑える。
発音孔23の内部には、爪受け部24から外側(図2の下側)に向けて区画壁29が立設されている。幅方向において、区画壁29は、発音孔23の全体にわたり位置する。区画壁29は、1つの発音孔23を、基端E2Bの側の空間S1と、先端E2Tの側の空間S2とに区画する。空間S1は、挟持状態において爪部13を入れるための空間であり、挟持状態での爪部13を長手方向で位置決めするための空間でもある。空間S2は、発音孔23のなかの空間S1以外の空間であり、例えば、可聴域の音を発音孔23で増幅させるため機能を備えてもよい。すなわち、長手方向における区画壁29の位置は、可聴域の音を発音孔23にて共鳴させる位置であることが好ましい。
図3が示すように、長手方向において、ヒンジ部30と爪部13との距離は、被係止距離L11である。長手方向において、爪誘導部12の内側端(図3の上端)とヒンジ部30との距離は、誘導距離L12である。長手方向において、爪受け部24の縁24Eとヒンジ部30との距離は、係止距離L21である。
被係止距離L11は、係止距離L21よりも長く、それによって、挟持状態では、爪部13が爪受け部24に引っ掛かることが可能となる。誘導距離L12は、被係止距離L11よりも短く、かつ、係止距離L21よりも長い。それによって、挟持状態への遷移では、爪誘導部12の誘導斜面が、爪受け部24の縁24Eを押圧し、かつ、誘導斜面の傾斜に追従して爪誘導部12が爪受け部24の縁24Eを滑るように、爪部13が開口部内に近づくことが可能となる。
図4が示すように、ヒンジ部30は、折り曲げ部31と連結部32とから構成される。折り曲げ部31の厚みWTは、連結部32の厚みよりも薄い。長手方向において、折り曲げ部31の長さWHは、ヒンジ部30の長さWLから長さWHを差し引いた長さ、すなわち、連結部32の長さよりも短い。
ヒンジ部30は、ヒンジ部30のなかで長手方向の長さが短い折り曲げ部31を別途備えるため、挟持状態への遷移において、折れ曲がる部位が長手方向でばらつくことを抑える。折れ曲がる部位の長手方向のばらつきは、被係止距離L11、誘導距離L12、および、係止距離L21のばらつきを招く。この点、ヒンジ部30が別途折り曲げ部31を備える構成であれば、これらの距離のばらつきを抑えること、ひいては、爪誘導部12と爪受け部24の縁24Eとの相関による爪部13の誘導の再現性を高めることが可能ともなる。また、ヒンジ部30の曲げによる変性が、厚みの薄い折り曲げ部31で生じるため、折り曲げ部31の厚みが厚い構成と比べて、ヒンジ部30における色味の変化を抑えることが可能ともなる。
[作用]
図5が示すように、樹脂製固定具が対象を固定する場合、まず、解除状態の樹脂製固定具において、基体片10の突起14が親指で押さえられ、係止片20の突起28が人差し指で押さえられ、それによって、ヒンジ部30が解除状態から挟持状態に向けて遷移しはじめる。この間に、基体片10と係止片20との間には、対象が配置される。そして、基体片10と係止片20とによる対象の挟み込みが進むと、爪誘導部12の誘導斜面が爪受け部24の窪み26に入り込み、爪誘導部12の誘導斜面が爪受け部24の縁24Eを押圧しはじめる。
この際、爪受け部24の縁24Eにおいて、窪み26は窪み26への爪誘導部12の進入を促し、かつ、爪誘導部12の誘導斜面と爪受け部24の縁24Eとの相対的な位置のずれを抑える。また、爪誘導部12の誘導斜面によって押圧される爪受け部24は、図中上側に向けて反るように変形し、また、押圧の反力を受ける係止片20は、反り部21を起点として図中上側に向けて反るように変形する。そして、爪誘導部12の誘導斜面が備える傾斜に従って、係止内面20Sに向けた爪誘導部12の接近が円滑に進む。
図6が示すように、爪受け部24の縁24Eと、係止内面20Sの先端E2T側の縁とによって開口部が構成され、爪誘導部12の誘導斜面がその開口部を通過すると、基体内面10Sと係止内面20Sとが対向する挟持状態に遷移する。そして、爪部13は開口部内に進入して空間S1に収容され、爪部13の爪端13Eが、爪受け部24の縁24Eに引っ掛かる。
この際、反るように曲がっていた係止片20や、誘導斜面に押圧されていた爪受け部24の縁24Eが、元の形状に戻り、形状が戻る際の振動によって発音孔23で音が発生する。この間、複数の突起14,28は、挟持状態への遷移において、基体片10の外面や係止片20の外面で利用者の指が滑ることを抑える。
なお、挟持状態から解除状態への遷移に際しては、まず、挟持状態の樹脂製固定具において、係止片20の突起28が人差し指で押さえられ、係止片20の突起25が親指で押さえられる。そして、爪受け部24を係止本体部20Bに向けて反らせる外力が爪受け部24に作用し、それによって、爪部13の爪端13Eによる引っ掛かりが解除され、樹脂製固定具が解除状態に遷移する。
以上、上記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)解除状態から挟持状態への遷移に際し、爪部13が開口部内に入るように、爪部13と開口部とを爪誘導部12が誘導する。そのため、基体片10に係止片20を係止させる操作を、片手によるヒンジ部30の折り畳みによって利用者は実現できる。
(2)挟持状態への遷移の完了時に音が発生するため、挟持状態への遷移の完了を利用者は音によって認識できる。それゆえに、暗所での利用のシーンや、片手での利用のシーンに適した操作性を樹脂製固定具に付与することが可能となる。
(3)係止本体部20Bの発音孔23を半ドーム状の爪受け部24が覆うため、挟持状態への遷移の完了時に発生する音が共鳴によって増幅される。結果として、暗所での利用のシーンにさらに適した操作性を樹脂製固定具に付与することが可能となる。
(4)誘導斜面の押圧による反力が係止片20に作用する際に、反り部21を起点として係止片20が反りやすくなる。結果として、係止片20の反りの戻りに起因した音をより確実に発生させることが可能ともなる。
(5)爪受け部24の縁24Eを誘導斜面が押圧するときに、爪受け部24の縁24Eと、誘導斜面との相対的な位置のずれを、誘導斜面を受け入れる窪み26が抑える。そのため、誘導斜面の押圧による開口部の変形、ひいては、解除状態から挟持状態への遷移が円滑に行われる。
(6)基体片10の内面と外面との差異、および、係止片20の内面と外面との差異、さらには、基体片10の先端E1Tや係止片20の先端E2Tの位置を、突起14,25,28に触れる利用者は、触覚で認識することが可能ともなる。そのため、視界が良好ではないシーンでの対象の固定操作や固定の解除操作が円滑に行われる。
なお、上記実施形態は以下のように変更して実施することも可能である。
[樹脂製固定具]
・樹脂製固定具を構成する樹脂は、例えば、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、エラストマー、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物、ポリプロピレンとエラストマーとの混合物である。ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物は、例えば、混合物の重量に対するポリプロピレンの重量の比が50%以上であることが好ましい。
ポリエチレンの曲げ強さが70kgf/cmであることに対して、ポリプロピレンの曲げ強さは420〜560kgf/cmである。上述したように、係止片20の反りや爪受け部24の変形が伴う樹脂製固定具では、ポリプロピレンの重量比が50%以上であることによって、樹脂製固定具の機械的な強度を得ることが可能ともなる。また、樹脂製固定具によって固定される対象の厚みが大きいほど、挟持状態での基体片10や係止片20は湾曲する。そのため、ポリプロピレンの重量比が50%以上である構成であれば、挟持状態への遷移に伴う係止片20の反りの他に、挟持状態での基体片10や係止片20の変形に対しても、機械的な強度を得ることが可能ともなる。他方、挟持状態に遷移した際に生じる音を大きくする観点では、樹脂製固定具を構成する樹脂の曲げ強度が高すぎないことが好ましい。この点、樹脂製固定具を構成する樹脂が、ポリプロピレンとポリエチレンとの混合物であって、かつ、混合物の重量に対するポリエチレンの重量の比が10%以上20%以下であれば、樹脂製固定具の機械的な強度を得ることに加えて、挟持状態に遷移した際に生じる音を大きくすることが可能ともなる。
[係止歯11]
・係止歯11の先端面は、基体片10の長手方向に延びる波形状に限らず、例えば、基体片10の長手方向に延びる直線状や半円弧状とすることも可能である。係止歯11の先端面が有する形状は、樹脂製固定具の固定対象の材質や形状に応じて適宜変更することが可能である。
[爪誘導部12]
・爪誘導部12は、係止歯11と別体とすることも可能である。この際、爪誘導部12は、基体片10の長手方向に延びる複数の突片に具体化することも可能である。要は、爪誘導部12は、爪部13から基端E1Bに向けて内側に徐々に変位する傾斜を有した誘導斜面を備える構成であればよい。そして、爪誘導部12は、解除状態から挟持状態への遷移の際に、爪受け部24の縁24Eと誘導斜面とが対向し、爪受け部24の縁24Eに対する誘導斜面の押圧によって爪部13が開口部内に誘導される構造体であればよい。
[爪部13]
・爪部13は、基体片10の先端E1Tから下方に湾曲するフック状に限らず、例えば、単に長手方向に突き出る片とすることも可能である。また、基体片10の先端E1Tは、幅方向に並ぶ複数の爪部13を備えることも可能である。この際、基体片10は、各爪部13に1つずつ爪誘導部12を備えることも可能であり、また、全ての爪部13に共通する幅方向に連続した1つの爪誘導部12を備えることも可能である。
[反り部21]
・係止片20は、貫通孔22を割愛された構成とすることも可能である。このような構成であっても、反り部21の厚みは、幅方向の全体にわたり基端E2Bや先端E2Tよりも薄い、あるいは、反り部21の幅方向の長さは、基端E2Bや先端E2Tよりも短いため、反り部21を起点として係止片20を反りやすくすることは可能である。
なお、係止片20は、反り部21を割愛し、貫通孔22のみを備える構成とすることも可能であり、また、反り部21に相当する部位での厚みを基端E2Bや先端E2Tの厚みよりも薄くすることも可能である。
[発音孔23]
・係止片20は、複数の発音孔23を備えることも可能である。この際、発音孔23の大きさ、形状、数量に合わせて、発音孔23で音が発生するように、さらには、発音孔23で音が共鳴するように、区画壁29は配置される。なお、発音孔23を割愛することも可能である。
[爪受け部24]
・爪受け部24の縁24Eは、外面において、先端E2Tに向けて窪む階段構造を備えることも可能である。例えば、爪受け部24の縁24Eは、挟持状態への遷移において、爪部13の爪端が嵌る第1段差部と、挟持状態において爪部13の爪端が嵌る第2段差部とを備え、第2段差部が第1段差部の外側かつ先端E2T側に位置することも可能である。こうした階段構造を縁24Eが備える構成であれば、爪部13の爪端が第1段差部に嵌ることによって、基体片10に対して係止片20を仮止めすることが可能となり、爪部13の爪端が第2段差部に嵌ることによって、基体片10に対して係止片20を位置決めすることが可能となる。そのため、樹脂製固定具の操作性をさらに拡張することが可能ともなる。
[ヒンジ部30]
・図7が示すように、ヒンジ部30は、長手方向の中心から各片に向けて順に、折り曲げ部31、連結部32、補強部34を備えることも可能である。補強部34の厚みは、連結部32よりも厚く、かつ、基体片10や係止片20の厚みよりも薄い。こうした構成であれば、上述した折り曲げ部31によって得られる効果の他に、ヒンジ部30と各片との連結における機械的な強度を得ることが可能ともなる。この際、補強部34は、各片から連結部32に向けて、幅方向の長さを徐々に短くすることも可能である。また、図8が示すように、補強部34、連結部32、折り曲げ部31において、幅方向の長さを各片よりも短い一定値とすることも可能である。
[段差部]
・基体片10の先端E1Tや係止片20の先端E2Tなどを触覚によって認識させる機能は、複数の突起14,25,28の他に、例えば、複数の溝や粗面などに具体化することも可能である。
・基体片10の先端E1Tを触覚によって認識させる機能と、係止片20の先端E2Tを触覚によって認識させる機能とは、相互に異なる大きさや数量を有した段差によって具体化することも可能である。こうした段差を有する構成であれば、基体片10と係止片20とを触覚によって認識させることが可能ともなる。この際、基体片10と係止片20とのいずれか一方から上述した段差を割愛することも可能である。
・基体片10の先端E1Tや係止片20の先端E2Tなどを触覚によって認識させる機能は、例えば、複数の突起14,25,28の配列によって、点字としての情報を含めることが可能でもある。
S1,S2…空間、WH,WL…長さ、E1B,E2B…基端、E1T,E2T…先端、L11…被係止距離、L12…誘導距離、L21…係止距離、10…基体片、10B…基体本体部、10S…基体内面、11…係止歯、12…爪誘導部、13…爪部、13E…爪端、14…突起、20…係止片、20B…係止本体部、20S…係止内面、21…反り部、22…貫通孔、23…発音孔、24…爪受け部、24E…縁、25…突起、26…窪み、27…表示部、28…突起、29…区画壁、30…ヒンジ部、31…折り曲げ部、32…連結部、34…補強部。

Claims (5)

  1. 一方向に延びる基体内面を有した板状の基体片と、
    一方向に延びる係止内面を有した係止本体部を備える板状の係止片と、
    前記基体片の一端と前記係止片の一端とを連結し、前記基体内面と前記係止内面とを相互に対向させる挟持状態と、前記基体内面上を開放する解除状態とを有するヒンジ部と、
    を備える樹脂製固定具であって、
    前記挟持状態での前記樹脂製固定具の外側が、前記各片の外側であり、
    前記挟持状態での前記樹脂製固定具の内側が、前記各片の内側であり、
    前記基体片の前記一方向の長さは、前記係止片の前記一方向の長さよりも短く、
    前記基体片は、前記一方向の他端に、爪部と爪誘導部とを備え、前記爪部は、前記基体片の他端で前記一方向に突き出ており、前記爪誘導部は、前記爪部の内側に位置し、前記爪部から前記基体片の一端に向けて徐々に内側に変位する傾きを有した誘導斜面を備え、
    前記係止片は、前記一方向の他端に位置し、前記係止本体部の端を内側で覆う半ドーム状を有した爪受け部を備え、前記爪受け部の縁と前記係止内面とが、前記係止片の一端に向く開口部を構成し、前記解除状態から前記挟持状態への遷移の際に、前記爪受け部の縁と前記誘導斜面とが対向し、前記爪受け部の縁に対する前記誘導斜面の押圧によって前記爪部が前記開口部内に誘導される
    樹脂製固定具。
  2. 前記係止本体部は、前記係止本体部の前記端を内側から外側まで貫通する発音孔をさらに備え、
    前記爪受け部は、前記発音孔を内側から覆う
    請求項1に記載の樹脂製固定具。
  3. 前記係止片は、前記係止片の一端および他端よりも厚みが薄い反り部を前記係止片の一端と他端との間に備える
    請求項1または2に記載の樹脂製固定具。
  4. 前記爪受け部の縁は、前記誘導斜面を受け入れ可能な窪みを備える
    請求項1から3のいずれか一項に記載の樹脂製固定具。
  5. 前記基体片は、前記基体内面とは反対側の面である基体外面に、前記樹脂製固定具の利用者が触覚で認識可能な段差を有した段差部を備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載の樹脂製固定具。
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